大きく息を吸う。
 頭の赤いリボンと、先ほど先輩に触れられた腕が、熱を与えてくれる気がした。

「私は大丈夫! 友達がこう言うてるんやから、信じて!!」


 言い切った。
 そこまでが限界で、夕理は目をつぶったままだったけど。
 代わりに小都子が、じっとつかさの表情を見ていた。
 どこか寂しそうな、それでいて嬉しそうな、複雑な表情を。

 眼下を阪堺の路面電車が出発していく。


<第6話「あなたに依存しないために」 パート2「阿倍野の戦い」>