「でも私も根性さえ出せば、きっと主人公になれるから!」
「そういうものなの?」
からかうようなつかさの声だが、花歩はいたって真剣だ。
「せやで、いつまでも普通のままとちゃうで」
「普通は嫌なんだ」
花歩は真剣だったがゆえに。
つかさの声が少し苛立ちを含み始めたことに、全く気付いていなかった。
「誰だってそうやろ。でもどんな普通の子でも、スクールアイドルなら絶対輝けるんや! あ、これ友達の受け売りで、その友達も別のグループの受け売りなんやけど」
「へえ」
「だから私たちもラブライブで優勝できれば、きっと特別な存在に――!」
「別にフツーで良くない?」
一瞬、別人が現れたのかと思うほど、冷ややかな声だった。
「え……」
「仮にラブライブで優勝したところで、いい大学に入れるわけでもないし。せいぜい内申書が少し良くなる程度で、結局行きつく先は普通のOLか何かやろ」
「それは……そうかもしれないけど」
「ああ、ゴメンゴメン」
雰囲気が即座に元の、気さくなそれに戻った。
明るく笑いながら、何事もなかったようにひらひらと手を振る。
「別に水差したいわけとちゃうねん。花歩が頑張るんやったら応援するよ」
<第7話「ただひとつのPV」 パート1「つかさ初出勤」>
「そういうものなの?」
からかうようなつかさの声だが、花歩はいたって真剣だ。
「せやで、いつまでも普通のままとちゃうで」
「普通は嫌なんだ」
花歩は真剣だったがゆえに。
つかさの声が少し苛立ちを含み始めたことに、全く気付いていなかった。
「誰だってそうやろ。でもどんな普通の子でも、スクールアイドルなら絶対輝けるんや! あ、これ友達の受け売りで、その友達も別のグループの受け売りなんやけど」
「へえ」
「だから私たちもラブライブで優勝できれば、きっと特別な存在に――!」
「別にフツーで良くない?」
一瞬、別人が現れたのかと思うほど、冷ややかな声だった。
「え……」
「仮にラブライブで優勝したところで、いい大学に入れるわけでもないし。せいぜい内申書が少し良くなる程度で、結局行きつく先は普通のOLか何かやろ」
「それは……そうかもしれないけど」
「ああ、ゴメンゴメン」
雰囲気が即座に元の、気さくなそれに戻った。
明るく笑いながら、何事もなかったようにひらひらと手を振る。
「別に水差したいわけとちゃうねん。花歩が頑張るんやったら応援するよ」
<第7話「ただひとつのPV」 パート1「つかさ初出勤」>