ゆかりと夕子の
ときめき漫談
「まいどー、夕子でーっす!」
「ゆかりでございますぅ〜」
「ゆかりの誕生日、超楽しかったね!」
「はい、これも夕子さんのおかげですねぇ」
「ま、この朝日奈夕子様にまかせなさい!ってね。ところでゆかり、彼とはその後
どうなわけ?」
「はい?カレーがどうかしましたか?」
「と・ぼ・け・る・な!いいじゃん、教えてよぉ〜」
「実は、はにわをいただきまして〜」
「それは知ってるって」
「大変見事なはにわでしたねぇ」
「うん、それで彼とは?」
「なんと申しましょうか、そもそも埴輪とは人間の代わりをするために作られたそ
うですが」
「ハニワの話はもういいって!」
「そうですか?ではうつぼかずらのお話でも…」
「それもいいっ!で、キスくらいまではいったの?」
「くー」
「寝るなっ!」
「ええと、今度の日曜日に一緒に遊園地に行くお約束なんですよ〜」
「まだデートかぁ。遊園地って、ちょろっとガキっぽくない?」
「いいえぇ、創業明治18年の、由緒正しき遊園地なのですよ」
「んな遊園地があるかいっ!で、終わったあとは」
「帰ります」
「っかー、高校生なんだからさぁ、もうちょっと大人のつきあいってもんを」
「ところで、夕子さんは?」
「は?」
「夕子さんは、お付き合いしてる方とは今どのような状況なのでしょう?」
「お、お付き合いって…あいつ?」
「はい〜」
「ち、ちょっ(こらゆかり、台本と違うってば!)」
「(私だけ質問を受けておいて、夕子さんにお尋ねしないのも失礼かと思いまして)」
「(全然失礼じゃな〜いっ!)」
ざわざわざわ
「あ゛、あははは、えーとね」
「お客さんが困ってらっしゃいますぅ…」
「あんたが言うなっ!」
「夕子さん…」
「悲しそうな眼をするなっ!ああもうときどき遊びに行ってるだけだってば!」
「はぁ、デートですか」
「ま。まあね。あいつってばいろんなトコ知ってるしさ」
「すでに接吻はお済ませになったのでしょうか?」
「ぶっ!な、なんであたしがんな事しなきゃなんないのよ!」
「まぁ、大人の付き合いではなかったのですか?」
「(この野郎…)そ、そういえば、最近雨ばっかでやんなるよね」
「そうですか?ところできらめき高校にはひとつの伝説があるのですよ」
「…話のつながりってわかってる?」
「校庭のはずれにある一本の古木。そのたもとで卒業式の日に、女の子からの告白
で生まれたカップルは…」
「あーもうわかったわよっ!だいたいさぁ、今時そんなの信じる高校生なんている
わきゃないよね」
「そうですか?それにしては早乙女さんが話されたときはずいぶん熱心に聞いてら
っしゃいましたが…」
「…あのさゆかり、あんたはボケなの」
「まぁそんな、わたくしのどこがぼけているというのでしょう」
「じゃなくて、あたしがツッコミなの。わかる?」
「よく、わかりませんねぇ」
「だーーっ!誰よこんなのと漫才やれなんて言い出したのは!」
「そんな、夕子さんは私のことがお嫌いですか?」
「いや、そうじゃなくてさ」
「私はこんなにも夕子さんをお慕い申し上げてますのに…」
「気色悪いこと言うなっ!ああ今日って厄日!?」
「それはよくありませんねぇ。私がひとつお祓いなどして差し上げましょう」
「え、ゆかりそんなことできんの?」
「はい、漫才などやっております関係上」
「そりゃお笑いでしょうがっ!ったく…(あ、でも漫才っぽくなってきたかも)」
「夕子さん?」
「あっと、ゆかりも卒業式の日に告白すんの?」
「そうですねぇ、よくわかりませんねぇ」
「うんうん、ゆかりってウブだもんね」
「夕子さんはどうなのでしょう?」
「あ、あたし?やだな、ただ遊びでつきあってるだけだってば」
「さすがに、慣れてらっしゃいますねぇ」
「どういう意味よっ!あたしだってけっこうナイーブなんだかんね」
「実はわたくしも、いつも三つ編みにしているもので寝るときにほどきますと」
「そりゃウェーブでんがなー!」
(しっつれーしましたー!)
「さてと、そろそろ時間も迫ってきましたが」
「そうですか?私はあと3時間くらいは大丈夫ですよ」
「(そんなにネタが続くわけないでしょうがっ!とにかくオチつけないとさ)」
「東風吹かば、匂いよこせよ梅の花、と申しますしねぇ」
「…は?」
「まぁ、東風と書いてこちと読むのですよ。そういえば夕子さん、先日の古典の授
業の際…」
「あ、あははー。ゆかり&夕子でした!さよならっ!」
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楽屋裏で
「ゆかりぃ〜頼むよぉー…」
「はい、夕子さんのお頼みでしたら何なりと(^^)」
「いや、そうじゃなくてね…もういいや」
「そうですか?」
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