タコの3.『捕獲!』


今日は非番のダッチとイッチ。二人で街をぶらぶらと.....

「お、ダッチの兄ぃ。あれってグッチの兄貴じゃねーですかねぇ。」
「ん?ホントだ。なんだかかわいいお嬢さんと一緒じゃねーか。兄貴も守備範囲が広いなぁ。」
「ちょっと、声でもかけて脅かしてみましょうかねぇ。」
「そうだなぁ。俺達みたいな子分がいるってわかりゃ。更に兄貴のカブも上がるってもんよ。」

#上がらないと思うけど......バキッ!!☆/(x_x)

「よっ!グッチのア・ニ・キ!かわいいお嬢さんとデートですかい?」
「はぁ?」
と振り向くグッチの兄貴............じゃない?!

「だだだだだだだだだ..だれでぇ。貴様ぁ。」
あわてる二人。

「あああああああああああああああ、あなた達こそ何なんですっ。」
緊迫する場。

「ブッチぃ。この人達知り合いなのぉ?」
と呑気な声で場がちょっとだけ和む。

「いいいいいいいいいいいいいや、ししししし知らない。きききき君たちぃぃぃ。なななな何の用事なんだっ。」
ガタイが立派な割にはドモリまくるブッチと呼ばれた男。

「ダッチの兄ぃ。こいつ身体がでかい割には気は弱そうですぜ。」
「おう、そのようだな。」

「おうおうおうおう。俺達を誰だと思っているんだい。」
「そうでぇ。マムシ組のダッチとイッチと言えば、このあたりじゃなぁ。」

「知らない。誰それ?」
あっさり答えるお嬢さん。コケる二人。

「あ?お嬢さん。ホントに知らないわけぇ?」
コケた体制を立て直し、詰め寄る二人。

「ちょちょちょちょチョッチに手を出したら、ぼぼぼ僕は黙っていないぞぉ。」
構えるブッチ。

それを見たダッチとイッチ、くるっと後ろを向きなにやらひそひそと....
「このブッチっての、グッチの兄貴によく似てるから、いざって時の影武者に....」
ひそひそひそひそ.....
「っーか、こいつを組に入れりゃ。俺達にも弟分が出来て、一番下じゃなくなる.....」
ひそひそひそひそ.....

密談は続く.....

「いやぁー兄弟ぇ。これもなんかの縁ってもんだ。」
にこやかに、そして急になれなれしくブッチの肩を抱く二人組。
「はぁ.......」
いかがわしい二人組に囲まれて困るブッチ。

「なーんだブッチの知り合いだったの?」
と脳天気な返事を返すチョッチ。

「いや、チョッチ...ち...ちが...」
と言いかけたその時。
「違わねーよなぁ。兄弟ぇ。」
とすごむ二人の顔がブッチの視界に.....おまけに二人の手にはたこ焼き用のキリが.....
「はぃ〜。違わないですぅ〜。」
あきらめて答えるブッチ。

「そうだよなぁ。久しぶりなんでちょっと忘れていただけだよなぁ〜」
「ま、久しぶりだから、組の方でゆっくり語ろうじゃねーか。あ?」

とダッチとイッチに、がっちり肩を抱かれたブッチと
「ねーねー。何処で知り合ったのぉ?」
と更に脳天気な質問を繰り返すチョッチを連れて.....
ダッチとイッチはマムシ組事務所へ......

そして、マムシ組に入れられたブッチとチョッチ。早速インターネットでマムシ組の紹介ページを作ることになったそうな。

これが「ちょっちゃんのページ 広場のお客様ご紹介」の誕生の経緯である。

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