虚構少女:後書き
七瀬留美というキャラクターを突き詰めて考えるに、ゲーム序盤の「漢七瀬」と中盤の「乙女七瀬」の、一体どちらが"あるべき姿"なのか?という疑問が浮かびます。
個人的には漢の方が面白くて好きですが、しかし七瀬自身にすれば漢七瀬が好かれたって嬉しくも何ともないだろう。かといって乙女七瀬は自分を偽っているようにしか見えない。どっちが正しいのか?
で、私が一番好きなのは実はどっちでもなくてエンディングの七瀬ですが、乙女問題はというとEDでも結論は出ていない。「格好悪くても気にしない。楽しいことが先に待つ時はそういうもの」と現実受容の姿勢を見せつつ、しかしドレスにダンスパーティと乙女要素を捨ててはいない。浩平を待つのをやめるという乙女としてあるまじき(でも人としては正しいと思う)行動を取った彼女は結局乙女を諦めたのか、それともまだ求め続けるのか、はたまたこれも一つの乙女だと妥協したのか…。
等々ごちゃごちゃ考えつつ永遠(不変)も絡めたらこんな話になりましたとさ。
ONEの世界は、元より「みんな末永く幸せに暮らしました」というエンドは成り立たない世界です。
何しろ「(現実世界に)永遠はない」と本編中で明言してしまっているから。全ては滅びに向かって進んでいると言い、それを肯定しているんだから。
ONEの中には「得るが失う」「失わないが得ない」という嫌な二択しかない。
だがそれがいい。それでこそONEというものではござらんか。
# こんぺでいただいた感想を受けて、浩平が消えないバージョンにしてみました。
確かに話としては遥かにすっきりしますね。
(「なんで浩平は消えないんだよ」と聞かれると答えようがないけど(^^;)
(04/05/29)
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