この作品は「ときめきメモリアル2」(c)KONAMIの世界及びキャラクターを借りて創作されています。
隠れキャラに関するネタバレを含みます。

読む






























 
 
 
 
in Both Hands






「いらっしゃーい! いらっしゃーい! サーカスが始まるよ、奇想天外、驚天動地の大サーカスだよ!」
 テントの前で声を張り上げ、チラシを配る一人のピエロ。というか俺。
 高校を卒業してからはや2ヶ月。最初の頃こそ旅芸人をしていた俺たちも、さすがに食っていくには無理があり、今はこの『山下サーカス』に身を寄せている。
 しかしすみれちゃんやお父さんと違い、素人の俺になにか芸ができるわけでもない。こうして宣伝ピエロくらいが関の山な毎日だった。
「おーい新入り、今日はもう終演だから、こっちを手伝ってくれ」
「あ、はーい。それでは皆さんご機嫌よう〜」
 一応ピエロなので道行く人に愛嬌を振りまきながら、すすすと下がってテントの裏からするりと入る。舞台裏へ来ると、演目もクライマックスらしくわき起こる観客の声。
 幕の隙間から舞台を見ると、すみれちゃんが宙を舞っていた。
 相変わらずの見事な空中ブランコ。小さな体が、ブランコからブランコへひらりひらりと飛び移る。
 と、わずかに届かず手をつかみ損ね、真っ逆様に落下する。
 テントの中に響き渡る悲鳴。しかし一瞬後には天地逆転、ひらりとネットに着地し、反動で上へ飛び上がる。
 そこへブランコに足だけ引っかけ揺れてきた相手役が、タイミングよくすみれちゃんの腕を掴む。場内割れんばかりの拍手喝采。
「いや、見事なもんだねぇ」
 思わず見入っていた先輩団員もそう漏らす。
「そうですねぇ」
 空中ブランコでも難しいとされる落下芸。すみれちゃんが一生懸命練習してきた賜物だ。いつかは俺が相手役やれるようになりたいなぁ…。
「よし、終演だ。そっち頼むぞ」
「あ、はい」
 そうは思っても今は芸無しピエロでしかない俺は、とりあえず声だけは大きくして客を誘導するのだった。
「ありがとうございました、ありがとうございました、お帰りはこちらへー!」


 すっかり夜も更けて、テントの中は明日の準備を仕込んでいる数人だけ。サーカス団としてはそう大きなテントでもないが、それでも昼間とうって変わって閑散とした風景はもの寂しい。
 俺はといえばようやく仕事も終わり、ボールを使ってひとりジャグリングの練習をしていた。
「うわっとっとっとっ!」
 ただのお手玉かと思っていたが、サーカスとなると見た目美しい軌跡も必要となる。今はまだボール3つがやっとの状態だ。
「ああ〜」
 30回転したところで落っこちる。これじゃボール4つやスティックなんてまだまだ先。団員の中にはナイフでジャグリングする人までいるが、そこまで到達するには何年かかるやら…。
 と、俺が拾おうとする前に、誰かの伸びた手がボールを拾って差し出した。
「はい、どうぞ」
「すみれちゃん…」
 どこかで練習していたのか、ジャージ姿でにっこりと笑うすみれちゃん。
 うーむ、格好悪いところを見られてしまった。
「頑張ってるんですね」
「いや、あはは。なかなか上手くならなくてなー」
「そんなことないです! ちゃんと上達してますし、熱心だからすぐスティックだって使えるようになりますよ。それで、あの…」
 ちょっと恥ずかしそうに口ごもる。
「な、なにか手伝えることないかなって思って」
 すみれちゃん…一日中ブランコに乗って、疲れ切っているはずなのに…。
『いいよ、すみれちゃんはもう休んでよ』
 と言いたいところだが、そこまで格好つけられる身分じゃない。ありがたく好意に甘えることにした。
「それじゃ頼むよ。コツを教えてくれる?」
「はいっ」
 それに、二人でいられる貴重な時間だしな…。

 すみれちゃんの指導のおかげで、3ボールはそこそこ見られる芸になった。
 しかし本職のピエロならこれを踊りながらとか、一輪車に乗りながらやってのけるんだろうなぁ。
「ふぃー、そろそろ終わりにしようか」
「そうですね。お疲れ様でした」
 床に座って一休み。すみれちゃんも隣にちょこんと体育座りする。
 テントの照明だけが照らす中で、時間を惜しむように言葉を交わす。
「早いところ、せめてみんなの足引っ張らないようにしないとな…」
「足引っ張るだなんて…。誰だって最初から上手いわけじゃないし、裏方の仕事も一生懸命やってるじゃないですか」
「まあ、そう言ってくれるのは嬉しいんだが…」
 やっぱり、空中ブランコですみれちゃんのパートナーをやりたいんだ!
 なんて大口叩けるレベルじゃないので何となく黙っていると、すみれちゃんが俯き気味にぽつりと言った。
「あの…、本当に後悔してませんか?」
 とっさに言葉が出ない。
「こんなこと言ったら、公さんは怒るかもしれないけど」
「…ああ、怒る」
「えっ!? ご、ごめんなさいっ!」
「はは、冗談冗談」
 もうっ、と困ったように笑うすみれちゃん。
 まあ、この子がこんな風に気を使ってしまうのは仕方ないんだろうけど…。
「気にするなって、俺が自分で決めたんだからさ」
「で、でもっ。本当なら大学だって行けたのに…」
「いや…まあ、そうだけど」
 一応、3月の時点で二流大学には受かっていた。
 それを蹴ってサーカス始めようってんだから、当然親とは大ゲンカ。ほとんど家出同然に飛び出したっけ…。
「い、いいんだって。どうせ適当な大学行って、適当に就職するだけの人生だったんだし。今の方がよっぽど充実してるよ」
「本当ですか?」
「本当本当」
「…やっぱり公さん、優しい」
 にこっ。
 野に咲く花のような笑顔に、思わず顔が熱くなる。これに比べれば大学だろうが企業だろうが何度でも蹴ってやらあって感じだ。
「も、もう遅いから休もうぜ」
「はいっ。それじゃお休みなさい、公さん」


 すみれちゃんと別れ、星の照らす中を住居用の天幕へと戻る。少なくとも悪い生活じゃないよな。
(とはいえ、納得してくれたわけじゃないだろうなぁ…)
 実際すみれちゃんに告白されるまでは、サーカス団に入るなんてこれっぽっちも考えちゃいなかったんだから、サーカスが天職だぜ! なんて事はさすがに言えない。
 もちろん嫌いじゃないが、すみれちゃんがいたのが歌劇団だったら歌劇団に、合唱団だったら合唱団に入ってたと思う…。
 とか考えながら天幕に入ると、野崎さん――つまりはすみれちゃんのお父さんが、入念にトランプのチェックをしているところだった。
「やあ、主人君。お疲れさま」
「お疲れさまです」
 この人も団長から平団員に格下げだったが、元々経営より芸の方が好きらしいから特に気にしてないらしい。実際手品師としての腕はかなりのものだ。
 むしろ例によって気にしていることといえば…。
「どうです、すみれとの間に進展は」
「ど、どうって何がです?」
 毎日のようにこれだよ…。
「いやぁ、私が不甲斐ないばかりにあの子に苦労ばかりかけてねぇ…。他の子が楽しむような青春を何一つ経験させてやれないで、本当に不憫でねぇ…」
「それは何度も聞きましたよ…」
 と、言ってるそばから俺の目の前で跳ねたヒゲがアップになる。
「だからすみれにだけは絶対に幸せになって欲しくてねぇ!」
「わかりました! わかりましたから顔面を近づけないでくださいっ!」
「いやホント、君だけが頼りなんですよ」
「は、はぁ…。あの、俺もう寝てもいいですか…?」
「ああお休みなさいお休みなさい。明日もまたすみれをよろしく」
 なんだかどっと疲れて毛布にくるまる。これですみれちゃんと別れでもしたら、コンクリ詰めにされて海に捨てられそうだな。まあ、反対されるよりはずっと良いか…。
 疲れ切った体に、すぐに瞼が落ちてくる。すみれちゃんももう眠った頃だろうか。無理ばかりしないでちゃんと休んでくれよ…。
 お休み、すみれちゃん…。



 翌日は休演日。
 俺は道具の手入れの予定だったが、いきなり朝から団長に呼ばれた。
「野崎嬢が買い出しに行くそうですから、君、荷物持ちに一緒に行きなさい」
 野咲さんと違って経営の上手い、実業家肌の団長なので、急にそんなありがたいことを言われるとかえって戸惑ってしまう。
「い、いいんですか?」
「いいですいいです。ゆっくりしてきなさい」
 後ろで野崎パパ氏が鼻歌を歌っている。あの人の仕業か…。ま、ここは素直に感謝しておこう。
「え、えっとっ。買い出しって言ってもちょっと果物とか買うだけなんですけどっ…」
「いいからいいから。それじゃ行こう」
 相変わらず遠慮がちなすみれちゃんを連れ出して、なんだか久しぶりに街へと繰り出す。
 行き交う人混みの中、並んで歩く俺とすみれちゃん。ついでにデイジー。
「一応、デートかな?」
「え? あ、そ、そうですね」
 嬉しそうにはにかむすみれちゃん。思わず抱きしめたくなるが、さすがに理性が押しとどめる。
 一応俺は彼女の恋人なんだろうけど…。何しろすみれちゃんなだけに、神聖にして侵すべからずって感じだ。パパ氏はそのへんがもどかしいのかもしれんが。
「あ、荷物持つよ」
「え、でも…」
「キッキャキャー」
「ほら、デイジーもさっさと持てって言ってるし」
「い、言ってませんよ〜。でも…いいんですか?」
「当然当然」
 商店街で買い物を済ませ、用事はあっさり片づいてしまった。果物の入った袋をしっかり持ちながら時計を見る。
 まだお昼前だ。本来ならさっさと帰って仕事するなり練習するなりすべきだろう。
 でも、団長はゆっくりして来いって言ってたし…
 野崎さんも期待しているようだったし…
 いや…
 俺がそうしたい。そうすると今決めたっ。
「どこか寄り道しようか、すみれちゃん!」
「は、はいっ!」
 俺の勢いに反射的に答えてしまうすみれちゃん。
 ちゃんとしたデートの開幕だ。

 といっても2人とも金がないので、この街では有名らしい丘の上の公園に行くことにした。
 結構長い階段を並んで登る。自然と顔は上を向き、抜けるような青空が目に入る。
「なんだか、手が届きそうですね」
「ん?」
「あ、ほら、空に近づいてるみたいだし」
 進む方向へ手を伸ばす。なるほど、青空へ向かって歩いてる気分になる。
 階段を登り切ると結構広い公園。子供や大人、お年寄りまで色々な人が来ている。
 少し歩くと、柵で囲まれた広場から眼下に街を見渡せた。ひびきのとは形も雰囲気も違う、遠く離れた街。旅から旅の生活でなければ、来ることもなかったろう…。
「少し座ろうか、すみれちゃん」
「はいっ」
 近くのベンチに並んで腰を下ろす。こうやって2人と一匹で座っていると、高校生の頃を思い出す。
 結局デートできたのは2回だけ…高校3年間、1000日以上ある中のたった2日。
 仕方ないといえば仕方ないんだけど、もしすみれちゃんがひび高生だったらなぁ…とか無意味なことを考えてしまう。まあ歳は1つ下だから、同じクラスにはなれなかっただろうけど。
 ん? 1つ下といえば…。
「そういえばすみれちゃん、俺と初めて会ったときは中学生だったんだろ?」
「そうですよ。ひびきのに居たときは、ちゃんとひびきのの中学に通ってましたよ」
「そうなんだ」
 俺が1年早く引っ越してくれば、一緒の中学に通えたかもしれなかったのか。
「でも…」
 言いかけて、ちょっと言いづらそうにして、すぐ笑顔を作る。
「やっぱり公演が忙しくて、ぎりぎり卒業できる日数しか行きませんでしたけど」
 そう言って、えへへ、と笑う。辛いことがあると、いつもこうやって無理にでも笑おうとする。
 本当ならズル休みなんて絶対しないような真面目な子なのに…。そしてその、僅かな時間にできた友達とも、そこでの公演が終わればすぐ転校することになって。
「…辛くなかった?」
 思わずそう聞いて、すぐに後悔する。馬鹿、もうちょっと気の利いたこと言え。
「ちょっとだけ。でも私、サーカス好きですから」
 遠く街の風景を眺めながら、淡色の言葉。
「仕方ないです。サーカスが同じ場所に留まるわけにはいきませんから。
 どうしたって両方は手に入らなくて、私はサーカスの方を選んだんです。それだけ…」
 どちらか片方だけしか、か…。
 サーカスを捨てるか、学生生活を捨てるか。
「でも…」
「でも?」
 聞き返したとき、急に子供の泣き声が耳に飛び込んできた。
「キャッキッキー」
 デイジーが指す方向を見ると、3歳くらいの女の子が大声でわんわん泣いている。
「たいへん、大丈夫?」
 すぐさま駆け寄ったすみれちゃんが、しゃがみこんで声をかける。
 どうしたの? 迷子になったの? 優しく聞くが、女の子はただ泣くばかり。
「困っちゃいましたね…」
「うーむ。なあお嬢ちゃん、泣いてちゃわからないぞ?」
「うわーん!!」
「ぐぅ…。あ、そうだ」
 俺は袋からさっき買ったリンゴを取り出すと、なるべく爽やかな笑顔で差し出してみる。
「リンゴ食べる?」
 ぶんぶん! 思いっきり首を振って拒絶された。
 …このリンゴを持った手をどうすればいいんだ。
「ど、どうしましょう…。交番に連れていった方がいいのかな…」
「そうだなぁ…」
 …いや。
 仮にもピエロだろ、俺は。
『みんなに夢と笑いと、生きる希望を与えてるんですから』
 すみれちゃんはそう言った。
 目の前の泣いている子供ひとり、笑わせることもできずにどうするんだ。
「…公さん?」
「いいかい、よーく見てろよ」
 2個追加し、3個のリンゴを女の子の目の前に見せて、そのまま放り投げる。
 右手から左手へ、左手から右手へ。
 軌跡を描きながら、リンゴを次々と移してゆく。泣き声はだんだん小さくなり、ぽかんと口を開ける女の子。でも落としたらお終いだな…。緊張感の中、俺は唯一自分に出来る芸を必死で続けた。
「あっ!」
 しかし今の俺の限界で、とうとう手から滑って落ちていく。ひっく、と女の子がしゃくりあげる。
 そこへすみれちゃんの足が伸びた。
「はいっ」
 器用に足首で挟んで放り投げ、空中で受け取って、そのまま俺へ放り投げる。その手にはさらに3つのリンゴが追加され…
「ち、ちょっとすみれちゃん! 俺パッシングなんてやったことな…」
「大丈夫ですよ、それっ!」
 やたら自信満々にリンゴをパスするすみれちゃん。ヤ、ヤケだっ! 自分の前で一度放り投げ、落ちてきたリンゴをすみれちゃんにパス。2人のジャグリングが、宙を切って行き来する。
「げっ!?」
 気がつくとあたりは一面の人だかり。
 一瞬のよそ見が手元を狂わせ、俺の投げたリンゴはすみれちゃんの頭上高く飛んでいく。しまったっ…!
「キッキー!」
 しかしデイジー、さすがはサーカスの猿。すみれちゃんが真上に伸ばした手からひらりとジャンプ、リンゴを掴んで飼い主の頭に着地する。
 あたり一面から沸き起こる拍手。俺はほっと一息つくと、すみれちゃんと並んでうやうやしくお辞儀した。
「すごいすごいー!」
 泣いていた女の子も今や笑顔で拍手喝采。犬の散歩をしていたおじさんや、野球帽をかぶった少年が近づいては誉めてくれ、ついでなので山下サーカスを宣伝しておく。
「香ちゃん!」
「あ、ママー!」
 人混みを見つけて探しに来たのだろうか、母親らしき人が女の子に駆け寄る。ああ、助かった。
「本当にありがとうございました」
「バイバイー」
 手を振って、ぱらぱらと人が散っていく中、すみれちゃんと目が合ってにっこり笑顔。
 俺たちの芸はなんとか成功だった。


 そろそろお昼なので、ひとまず俺たちのデートもおしまい。
 公園を後にして長い階段を降りていく。
「やっぱり公さん、すごいです」
「いやー、すみれちゃんが助けてくれたおかげだよ」
 なんて会話を交わしながら、少しだけ自信がついた。夢と笑いと希望を与えるサーカス。すみれちゃんに少しは近づけたかな。
「そういえば、さっきの話の続きですけど…」
「うん?」
「ほら、両方を手に入れるのは無理だったって」
「ああ」
 サーカスか、普通の女の子としての生活か。サーカスを取ったすみれちゃんはずっと寂しい思いをして…
 ん? 『だった』?
「今は違いますよね。サーカスを続けて、おまけに…
 世界で一番大好きな人が、いつも一緒にいてくれるんですから。こんな贅沢なことなんてないです」

 まっすぐに俺を見る、澄み切った笑顔。
 無理してじゃない、心から笑ってる。両手いっぱいに幸せを抱えて。
 これを見て、俺の選択が間違ってたなんて思うわけないだろ…?
「じゃあ、俺はもっと贅沢だな」
「え?」
「すみれちゃんがいるだけで十分。両手が塞がってお釣りがくるよ」
「も、もうっ…」
 からかってるわけじゃないぞ。いたって本気だ。
 俺の視線で通じたのか、恥ずかしそうにちょっと俯く。
「だったら…」
 左手に感触。すみれちゃんの小さな手が、俺の手を握りしめる。
「こんなことしても、怒りませんか?」
「怒らないよ」
「こんなことしても?」
 そのまま俺の腕を抱いて、とん、と頭を預けてくる。聞こえてくる心臓の音…
「怒らない。というか嬉しい」
「じゃあ…」
 言い終える前に、すみれちゃんの間近に顔を寄せる。
 デイジーが見ているのがちょっとやりにくかったが、目を閉じた彼女に、そっと唇を合わせた。
「…あ」
 暫くして顔を離して、上気した頬を間近に見る。
 雲の浮かぶ青空の下で、小さな体を優しく抱きしめる。
「ずっと、すみれちゃんの側にいるよ」
「はい…」
 俺のかけがえのない宝物と…
 両手で持ちきれないほどの、幸せ。


「ちょっと遅くなっちゃったなー」
「そ、そうですねっ」
 足早に歩きながら、まだ耳まで真っ赤になってるすみれちゃん。
 俺の左手と、彼女の右手は繋がれたまま。勝手にほころんでくる顔を、必死で戻してテントへ急ぐ。

 明日になれば、またサーカスが始まる。
 ブランコの上でこの手を握るには、まだまだ時間がかかりそうだけど…
 心の中では、俺たちの両手はずっとずっと繋がっていた。





<END>





後書き
感想を書く
ガテラー図書館へ
新聞部へ
トップページへ