注)マガジンのアレです。
  大予言を本気で信じている方、およびキバヤシが嫌いな方はご遠慮下さい。









ウィザーズハーモニーMMR









 ウィザーズ歴1999年、静暑(7月)も終わりに近づいたある日のこと。
 その日もウィザーズアカデミーの面々は、デイルが居ないのをいいことにそれぞれ部室でだらけていた…


シス「皆さん、だらけている場合ではありません! 終末はすぐそこに迫ってるんです」
ルー「確かにもうすぐ週末だな」
ラシ「センパイ、全っ然面白くない…」
ルー「・・・・・(ひゅぅぅぅぅ)」
ラシ「ねえシスティナセンパイ、終末の日ってノストラダムスって人が予言してるんだよね」
シス「そうです! だから神に祈りましょう」
ミュ「でも知ってますか? いわゆる終末予言は人類滅亡とは一言も言ってないんですよ」
ラシ「え、そうなの!?」
ミュ「はい、ノストラダムスが残した『諸世紀』にはこう記されてるんです」



1999年 7の月

空から恐怖の大王が落ちてくる

アンゴルモア(Angolmois)の大王を目覚めさせるために

その前後、マルス(Mars)は幸福の名のもとに支配するだろう



チェ「ワケわかんねーな」
ミュ「その解釈には諸説あるんですよ。
   ? …ルーファス先輩?」

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ルー「そうか…そういうことだったのか…!」
真琴「どうしたルーファス何かわかったのか?」
ルー「ああ、俺には今――すべての謎が解けた!」
チェ「ど…どういうことだルーファス!」
ルー「お前たち、このMarsという単語を見て何かピンと来ないか?」
ミュ「マルス…マース…?」
ソー「まっ…まさか…」
ルー「そう、終末予言が記すマルスとは――

   デイル先輩のことを指していたんだよ!!!」

一同『な…なんだってーー!!!』

真琴「どういうことだルーファス!!」
ルー「聞いてくれ。『幸福の名のもとに支配』という言葉…デイル先輩がこのアカデミーに君臨している状態に似ているとは思わないか?」
ソー「た、確かに…。『栄えある実験台に選ばれるなんて、キミタチは何て幸せ者なんだ』とか言ってたわね」(怒)
ルー「しかしノストラダムスがわざわざうちのアカデミーの事を予言するとは思えない…。これが終末予言と言われるからには、デイル先輩が世界の支配者となることを意味しているのではないだろうか…!」
ソー「ま…まさしくこの世の終わりだわ…!!」
ラシ「それじゃ『恐怖の大王』はデイルセンパイだったの!?」
ルー「いや! そう考えてはこの四行詩は辻褄が合わない。『恐怖の大王』は別に存在する!」
ラシ「そ…それは一体…」
ルー「いや、それどころじゃない…。俺たちは既にそれを目にしてるんだよ!」
チェ「どういうことなんだよルーファス!」
ルー「忘れたのか? 7月14日に突如飛来し、俺たちを恐怖のどん底に陥れた…

   魔導技術検定だよ!!!」

一同『な、なんだってーー!!』

ミュ「確かに一歩間違えれば廃部の危機…。恐怖だったと言えなくもないですね…」
ラシ「でも、検定自体は無事切り抜けたじゃないか!」
ルー「そう…この予言でも恐怖の大王はアンゴルモアの大王を目覚めさせるためのものでしかない!
   つまりこれはいくら受かったとはいえ生徒会のあまりな仕打ちに怒った先輩が、ついに世界征服に乗り出すことを意味しているんだ!!」
ラシ「そうかそういうことだったのか!」
レジ「おいおい待てよルーファス、それじゃアンゴルモアってのは何を意味してるんだ?」
ルー「そっ…それは…」
レジ「どーしたルーファス」
ルー「! そうか…そういうことだったのか…!」
レジ「何だ?」
ルー「アナグラムだ! ノストラダムスはアンゴルモアという単語に別の意味を隠したに違いない!」
ミュ「するとこの文字を並べ替えることで真の意味が浮かび上がるんですね…」

ANGOLMOIS

 ・・・・・・・・・
  ・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・

     GLASONMAO

グ ラ サ ン 魔 王 !!

シス「そ、そんな…」
ルー「まさしくこれはデイル先輩のことを示している…!」
レジ「…IがAに化けてないか?」
ルー「(無視) つまりノストラダムスは数百年も前から――

   デイル先輩がグラサンをかけることを予言していたんだよ!!」

一同『!!!!!!』

ルー「もう一度予言を整理してみよう…

   1999年 7の月――すなわち今月!

   空から恐怖の大王が落ちてくる――抜き打ちの魔導技術検定が行われる!

   アンゴルモアの大王を復活させるために――切れたデイル先輩が暴れ出し…

   その前後、マルスは幸福の名のもとに支配するだろう――世界はデイル・マースに支配され、すべては実験台となる!

   つまり文字通り――終末は目の前に迫っているんだよ!!」

 ガァーーーーン

真琴「なんてことだ…。私たちはデイルの脅威の前になすすべもないのか!」
ルー「結局、今回俺たちは何もできなかった…」(ギリッ)
ソー「ち、ちょっと待ってください! まだ諦めるのは早いわよ。わたしたちみんなで力を合わせて…」

ルー「ムダだ!!」

 しーーーん

ルー「俺たちは何もかも遅かったんだ…!」
ソー「・・・・・」
チェ「ちくしょうーーー!!」

 現在――

 人類滅亡を引き起こす可能性のある様々な危機が指摘されている

 その引き金を引く『アンゴルモアの大王』は、あなたのすぐ隣にいるのかもしれない――!

<END>


シス「…っていう話を皆さんとしていたんですよー」
デイ「ほぉーう、ルーファス君ちょっと来なさい」(ぺきぽき)
ルー「い、いやあれは単なるハイセンスなルーファスギャグであってああああっ」

<終>






【後書き】
時事ネタ(^^;
内容の真偽はともかく、「2000年問題で人工衛星のコンピューターが暴走し、実験中の細菌が突然変異を起こして未知の病原体になる。それが太陽黒点の影響で地球に落下してきて人類滅亡」なんて思いつく発想力は見事だと思います…>MMR
(1999/07/30)



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