Last regret:後書き
「あの子は?」
そう。まだ名雪は、あいつのことを『あの子』と呼ぶ。
おまえがもっと親しく呼んであげていればよかったんだよ、と俺は心の内で憎まれ口を叩いた。
(本編・真琴シナリオ)
…という例のシーン、最初に見たときはさすがに「おいおいそんなキャラだったか?」って感じでした。
まあ名雪にしてみれば十分付き合ってやってるのに、たかが呼び方でどうこう言われたくもないでしょうが(私が同じ立場だったら名雪の10倍は冷たかったと思う…)、他では「いちごー、いちごー」とか言ってるお気楽キャラなだけに違和感ありました。最後に雪だるまを作る場面も妙に淡泊だし。<秋子さんは泣ける描写だったので余計…
なんですが、とある同人誌で
「名雪は7年前に大事な人に働きかけて何も生み出せなかったので、他人に対する無関心・諦めのようなものがあると思う」
という意見を読んで、なるほどと思いました。言われてみればトラウマ持ちだったか。
確かに名雪が積極的に他人に働きかける場面って記憶にないし、真琴のことも単に「真琴の方から近づいてこなかったから、名雪の方からも近づかなかった」ということなのかもしれない。
おまけに最初の頃は名雪と登校していた祐一も、後半は名雪を丸無視して真琴と登校するようになるしで、ますます仲良くしなけりゃならない理由はないでしょうな。
(いや実際プレイ中数日間名雪の出番が皆無だったので、「祐一お前同じ屋根の下に住んでるのに名雪はアウトオブ眼中かい!」と思ったよ…)
そのへんを補完して、天野の過去とも絡ませられたら面白いかなと。
私はKanonでは真琴シナリオが抜群の出来だと思ってますが、恋愛ものというよりは動物ものとして見てます。真琴も女の子というより擬人化した狐。
真琴は後半思考できなくなるので、このシナリオでは祐一の方に感情移入してました。これも恋愛よりは「生命を賭してまでやって来たんだから、応えてやりてぇじゃねぇか」っていう人情的なもの。シナリオ上の祐一の行動もそうだったので、なおさら評価高いです。
(00/04/23)
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