【注意】
このSSは「DEVICEREIGN」((c)スターライトマリー、メディアワークス)を元にした2次創作です。
ゲームに関する重大なネタバレを含みますのでご注意下さい。

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S.C Panic!







「いやー、今日も盛り上がったねぇ」
 夕凪のクリスマスライブを聞きに行った俺と誠志郎、カスミに名城は、熱気溢れる音楽をたっぷり堪能した後、街に繰り出したところだった。
「ホント、汐音って大したもんよね。そろそろプロデビューじゃない?」
「うん…。才能もあるし、努力してるものね」
「熱い青春ってヤツですか。それに比べて俺ときた日にゃ、なんとも空しいクリスマスだよな」
「こらぁ柊! こんな美少女2人と一緒で、なにが空しいのよっ!」
「へーへー。ありがたいこってす」
 くすくす…とカスミが可笑しそうに笑う、そんな平和な日常。
 思い返せばあの異常な戦いは、ただの幻だったのだろうか。
 クリスマスの街。祝祭の空気に浮かれながら、そびえ立つビルの間を行き交う人々…。
 なあJ.B.。
 何でアンタはこれを壊したかったんだ?
 壊しちまったら何も楽しめねーだろうが。
 アンタの故郷が戦場だとか言われたって、俺には分かんねーよ…。
 …センセー。
「…夜。おい十夜!」
「あ?」
 誠志郎の声。現実が戻り、途端に都会の喧噪が押し寄せてくる。
「ったく、まーたどっか行っちまいやがって」
「あ、ああ。悪ぃ…」
「十夜くん、大丈夫?」
 いけねー、カスミにも心配させちまったな。
 俺もさっさと忘れねーとな…。
「ああ、何でもねーよ」
「で、さあ」
 雰囲気を戻すように、名城がぱちんと手を叩く。
「このまま解散するのもなんだし、どっかでクリスマス会ってことにしない?」
「うん、賛成」
「んじゃ、みんなで十夜んトコに押し掛けるってことで」
「ちょっと待てコラ! 何で俺ん家なんだよ」
「いーじゃねーか。クリスマスでも寂しい雲野家を盛り上げてやろーってんだぜ。うーん友情だねぇ」
「ほざいてろよ。行くとしたらそのへんのメシ屋だな。テメーの食費はテメーで払え」
「ちぇー」
 そんなことを喋りながら、駅へと歩いていた時だった。
『原宿で起きた通り魔事件はまだ解決せず、被害は広がっている模様…』
 道に面した電気店からのTVのニュース。思わず4人とも足を止める。
「やーね、クリスマスに通り魔なんて」
「世の中には荒んだ奴がいるもんだねぇ」
 が、俺たちの余裕もそこまでだった。

『犯人は奇妙な空間の中におり、次々と人が飲み込まれています。この中には武器も届かず警察も手を出せない状態で…』

 !?
 慌ててTVの前へと駆け寄る。
「おいおい、これって…」
「しっ!」
『あ、ただ今映像が入りました』
 それは普通の人間なら特撮としか思えないような、奇妙な映像だった。
 そこだけ切り取られたようにぼんやりと薄暗い空間。中心に誰かがいるが、霞んでハッキリとは見えない。
 だがそいつが何か棒のようなものを振るたび、周囲の建物が壊れていく。そして後に残されるのは千切れた飾り、へし折れたクリスマスツリー、潰されたサンタクロースの人形…。
「ひっど…」
 口のあたりを押さえる名城。俺だって、こんな日に見たくはない光景だった。
「SC空間が影響するのは物質に対してだから、光はそのまま通過するし、中も見える」
 押し殺した声でカスミが言う。
「でも周りの空気はその存在を歪められるから…ぼやけて見えるのはその為だと思う」
「じゃあ、やっぱりアイツが持ってたのはオーギュメントか!?」
「たぶん…」
「お、おい!」
 誠志郎が声を上げる。画面の向こうでは、カメラが徐々にオーギュメント使いへ近づいていた。
『勇気あるレポーターが犯人の姿を捉えるべく動いております! あと少し、あと少し…ああっ!』
 ザーーーーーー
 画像が途切れ、砂嵐だけが白黒に踊る。
「くっ、SC空間に飲み込まれやがった…」
「今頃カメラごとイデア情報になって漂ってるね…」
「ま、死にはしないからいいとしてだ」
 4人が同時に目を合わせる。
「どうする?」
「とりあえず理子ちゃんに電話してみようぜー」
 誠志郎が携帯を取り出すと、短縮ボタンを押して耳に当てる。
「なんかかけ慣れてるって感じ」
「まーまー。あ、理子ちゃん? 俺俺。そっちは一人? 寂しいクリスマスだねぇ」
「こら柊!」
「あ、いけね。とりあえずテレビつけてもらえる?」
 携帯の音量を最大にして、こちらへ向ける誠志郎。ぶつぶつ言ってる空木さんの声が流れてくる。
『こっちだって好きで一人なんじゃないわよ…。って、何よこれ!?』
「空木さん、心当たりはないんですか?」
 カスミが顔を近づけて聞く。
『オーギュメントに間違いはないけど…。考えられるとすれば、アインハルト事件の際に逃げ出した研究者の一人ね』
「おいおい、まだいたのかよ」
『でもそうとしか…』
 何か考え込んでいるのか沈黙が続き、数秒後、緊迫した声が響く。
『そこにいるのは何人?』
「俺と十夜、カスミに名城」
『そう。あなたたちは気に病む必要はないわ。そのままクリスマスを続けて頂戴』
「おいおい! 犯人はどうすんだよ」
『とりあえず園宗寺に連絡してみるわ。あ、でも今冬休みで沖縄って言ってたわね…』
「けっ、これだから金持ちは…」
「もしかして寒がりなんじゃないかな?」
「そーよね。前もあんなカッコだったし」
『そんなのどうだっていいでしょっ。とにかくあなた達はオーギュメントもないんだから、間違っても危険なことに首を突っ込まないこと。いいわね!?』
「へーへー」
 ガチャン。電話が切れると同時に、俺も携帯を取り出してボタンを押す。
「もしもし。真端さんか?」
「ちょっと雲野! 首突っ込むなって言われたばっかじゃない!」
「放っとけるかよっ! 俺だ、雲野だ」
『やあ、ニュースは見ましたよ』
「俺たちのオーギュメントはまだあるか!?」
『残念ですが、処分を頼まれた以上既に処理済みです』
「そ、そうか…」
 くそ、こんなことなら手放すんじゃなかったぜ。
『ていうかダイスに売ったんですけどねー』
「売るなよ!!」
『いや向こうも法的所有権を持ち出してきまして、争うよりは適当な価格で引き取ってもらうのが利口かなと…』
 し、所詮アンタはビジネスマンかぁっ!
「わかったよ…。壬生さんは?」
『由佳里ちゃんにプレゼントを買うんだー、とスキップしながら出ていきましたが』
 あんのパパ野郎がぁぁぁぁぁ!!
「もういい…」
 ガチャ
 俺は携帯を切ると、3人に向かって力無く首を振った。
「ま、まあしょーがねーって。ここは理子ちゃんに任せて、俺たちは予定通りメシ食いに行こーぜ」
「そうそう! もうあんな危険な戦いはヤだよ…。カスミもそうでしょ?」
「う、うん…」

 しーん
 ファミレスに入った俺たちだが、やっぱりどうにも空気が重い。
「もっと盛り上がろうよー!」
「つってもなぁ…」
 SC空間の前じゃ警察も機動隊も無力だもんなぁ…。
 と言って今の俺たちじゃ何もできねーし…。
「…ね、ねぇ…」
 それまでずっと黙っていたカスミが、何か意を決したように切り出した。
「私の力なら…何とかなるんじゃないかな」
「ち、ちょっとカスミ!」
「私ならSC空間内でも認識を保てるから…。説得することもできると思う」
「バカ言えっ!」
 思わず俺は立ち上がっていた。カスミをみすみす危険な目に遭わせた、あの時の記憶が蘇る。
「あんな犯人が説得に応じるかよっ! そんな危険なことさせられるかっ!」
「でもま、いいアイデアかもしんねーな」
「誠志郎てめぇ…」
「まあ聞けって。前に理子ちゃんから聞いた話だと、存在ってのは誰かから認識されることによって存在するんだろ?
 てことはだ、SC空間内でもカスミに認識してもらえば…」


 俺たちは電気屋で安いラジオを買うと、山手線に飛び乗った。
「どうだ?」
「まだ原宿にいるらしい。…カスミ、本当にいいのか?」
「うん。クリスマスの日にイデア情報にされちゃう人がいるなんて気の毒すぎるもの」
「カスミはこうなると頑固だからねー」
 作戦としてはカスミの能力で俺と誠志郎の存在を認識し、確定する。つまりオーギュメントのイデア固定機能を代行してもらう。
 で、俺と誠志郎で犯人をボコる。
 上手くいくといーけどな…。
『原宿ー、原宿ー』
「お客さん、今危険ですよ!」
 駅員の制止を無視して西口から降りる。毎年人でごった返しているであろうクリスマスの原宿は、見事に猫一匹いなくなっていた。
「おい、あっちじゃねーのか!」
 誠志郎が叫ぶなり駆け出す。後を追って表参道に出ると…
 惨状のクリスマス。先ほどテレビで見た光景そのままだった。ただの映像なんじゃねーかと思えてしまうほどだ。
「って、こっち来るよーっ!」
「やべ、気づかれたぜ! 十夜の髪型のせいだ」
「俺の頭はイルミネーションかっ!」
「み、みんなそれどころじゃないよ。早く、私と手を繋いで」
 そうだなカスミと手を…って手ぇ!?
「そ、そーいうことをするのかっ?」
「うん、そうしないと認識できないから」
「オメー今さら何照れてんだよ。俺なんかホラ、肩とか抱いちゃうもんねー」
 げしっ
 めこっ
 俺と名城の同時攻撃で血の海に沈む誠志郎。
 なんてやってる間に破壊をまき散らしながらSC空間が目の前に!
「あああっ! しまったっ!!」
「来た来た来たぁっ!!」
 ヴン!
 一瞬にして、世界は灰色の空間に取り込まれていた。
 俺の存在は…ある。
 振り返ると、カスミの両手が俺と名城の服を掴んでいた。
「ふー。サンキュ、カスミ。助かったぜ」
「ううん。それより気をつけて、危険なことに変わりはないから」
「あの〜、カスミさ〜ん?」
 ちなみに地面にのびた誠志郎はカスミの右足で踏まれていた…。
「ご、ごめんねっ!ごめんねっ!両手塞がっててっ!」
「いーわよカスミ、そんな奴踏んどけば」
「そんな〜、名城ちゃ〜ん」
『ククククク…』
 !!
 皮肉めいた笑みを浮かべるオーギュメント使いに、俺たちの間に緊張が走る。
 若い男。眼鏡に白衣で空木さんの言うとおり研究者っぽいが、その向こうの目は落ち込んで血走っている。
「カスミ・アインハルトか、噂は聞いているよ。本当にSC空間を認識できるとはな…」
「あ…あなたはお父さんの助手だった人なんですか!?」
「クッククク、まあそんな所だ」
「どうして、どうしてこんなことを!」
「黙れぇ!」
 ザシュ!
 敵がオーギュメントを一振りしたとたん、目の前の地面が裂ける。
 棒状のオーギュメント…。いや、日本刀型か。
「このオーギュメント『ムラサメ・ブレード』の錆になりたいかぁぁ!」
「うわ、目がいっちゃってるよ」
「ムラサメ! ま、まさかあの刀がソースとは」
「知っているのか誠志郎!」
「ああ、妖刀村雨。持つ者を狂気に駆り立てるという呪われた魔剣だぜ…」
 相変わらず物知り博士な奴だ…。カスミに踏まれてんじゃ格好つかねーが。
「ほっとけ!」
「ククク…俺の望みはこの世界の破壊! 特にこんな無意味な祭りに浮かれた街など、跡形もなく消し去ってやる!!」
「何だとぉ!」
 ちっ、J.B.みたいなこと言いやがって…!
「くらえカレイドフェノムゥゥゥーー!!」
「きゃああ!」
「やべえ、逃げろ!!」
 ザシュザシュザシュ!!
 オーギュメントに歪められた現実が遅う前に、俺たち3人でカスミの手を引いて駆け出した。
 逃げ込むように近くの建物の陰へ身を潜める。
「クックク、逃げろ逃げろ。どうせお前らはここからは出られ…わぶっ!」
 べしゃ
 名城の投げた靴が男の顔面にヒット。
「へへーんだ。ざまー見なさいよ」
「貴っっっ様ぁぁぁぁ!!」
「怒らせてどーすんだよお前は!」
「だってむかつくじゃんアイツ!」
 うわ、刀振りかざして突進してくるぜ。普段なら絶対相手にしたくねーな。
「このっこのっ!」
「来るなぁっ!」
 みんなで手当たり次第その辺の物を投げつけるが、ことごとくカレイドフェノムで打ち落とされる。くそ、飛び道具の一つも用意しなかったのは迂闊だったぜ!
 焦る俺の視界にふと入ったのは、どこかのツリーから外れたらしい星の飾りだった。
「カスミ!」
「な、何?」
「こいつを使おう」
「おいおい、そんな星どうしろってんだよ」
「ここはSC空間だろーが! こいつに誤った認識を多量に送れば、物質そのものが変化するんだろ!?」
「あ、そっかぁ!」
「んじゃピストルとかをひとつ」
「ピ、ピストル? やややってみる。えと、あなたはピストルですピストルです…」
 目を閉じて星に誤認識を送るカスミ。ドンピシャ、みるみるうちに星は銃器へと変化していく。
「でかしたぜカスミ! 食らいやがれぇぇぇ!!」
「何ぃ!?」
 ピストルをひっ掴むと、男に向けて思い切り引き金を引く俺!
 パン!!
 景気のいい音とともに出てきたのは…はためく万国旗と、紙吹雪の山だった…。
「カスミィ〜〜」
「あああっ、だってクリスマスなもんだからつい雑念がっ」
「フッハハハーッ、どうやら命運尽きたようだな。死ねい!」
「うわぁぁぁ!!」
 振り下ろされるオーギュメントに死を覚悟したその瞬間!
『カスミちゃん! みんな無事!?』
 バラバラバラバラバラバラ…
 SC空間のさらに向こう、空に響くヘリコプターの音。拡声器越しの声は、明らかに空木さんだった。
「理子ちゃんナイスタイミング!」
 さらに園宗寺の声。
『今からオーギュメントを落とす。受け取れ』
「受け取れっておい!」
 空の一隅が輝き、3つの光が落ちてくる。
「お、おのれぇぇっ!」
「ちぇいっ!」
「わぶっ!」
 名城がもう片方の靴を投げた隙に、俺たち3人は光に向かって手を伸ばす!
「バルバロス!」
「ジーザス・シュラウド!」
「セイクリッド・デス!」
『違う、セイクリッドデス2だ』
「で、デス2ぅ?」
『ああ、前のはENDとの戦いで壊れてしまったからな。今回はバージョンアップを行い、目覚まし機能やポケベル機能を追加した』
「いらんものつけるな!!」
 と、とにかくこれで十分戦えるぜ。俺はオーギュメントを構えて男に向き直る。
「どんな理由があるのかは知らねー。けどな、世の中には普通にクリスマスを楽しんでる連中もいるんだよ。それでも壊したいってんならこの俺が…」
「それっ! フクロだフクロだ!!」
「あんたのせいで靴下に穴空いちゃったじゃないーっ!」
「ギニャーーーー!!!」
 ‥‥‥‥。
 口上決めてる間に、誠志郎と名城によって犯人はボコボコにされていた…。
「だ、大丈夫だよ! いまいち影が薄くても、ちゃんと十夜くんが主人公だよ!」
「カスミ…。お前にだけは言われたくないぞ…」


 SC空間は解除され、漂っていた人たちも無事保護された。
 バラバラバラバラ…
 ヘリコプターから降りてくる空木さん、園宗寺、おまけの霧生。
「フッ久しぶりだな雲野十夜! まさかクリスマスだからとか浮かれはいまいな! 貴様は俺のライバルとして日々鍛錬し進必殺技を生み出す義務が…」
「空木さん、コイツ知ってる?」
「思いっきりシカトー!!」
 犯人の顔を見た空木さんが、驚愕の表情を浮かべる。
「あ、あなたは研究員Aくん! 一緒に研究したあなたがどうしてこんな事を!」
「くっ…。みんなクリスマスが悪いんですよ!」
「どういうことよ!」
「ダイスを脱走したはいいが未曾有の平成不況で職もなく、きついアルバイトでその日暮らし。当然独り身で街をふらついていたところへ、ふと周りを見渡せばカップルがイチャイチャイチャイチャ…。何もかも壊したくなって当然じゃないですか!」
 ‥‥‥‥‥‥。
「そんな理由かーーーっ!!」
「ああっそんな理由とはなんだっ! 俺は全世界の男の気持ちを代弁してやってるんだ! そこの2人だってそうだろっ!!」
「別に」
「てゆーか俺たち女の子と遊んでたしー」
「ぬをー!! 殺スーーー!!!」
「やめなさいっ」
 げしっ
 空木さんの一撃で、犯人はめでたく気を失った。
「はぁっ…。まったく人騒がせな…」
「こいつの始末は私に任せてもらおう」
「頼むわ園宗寺。俺はもう相手したくねー」
「しかしマスコミや警察に知られてしまったとあっては、かなり面倒なことになりそうだ…。忍!」
「ハイ! なんでしょう園宗寺さん!!」
 隅でいじけていた忠犬がワンワン駆け寄ってくる。
「お前はしばらく用がなさそうだから、こいつらにでも付き合ってやれ」
「ええ!? ち、ちょっと待ってください園宗寺さん! ああー!!」
 バララララララ…
 哀れな霧生を残し、ヘリコプターは飛び立ってしまった。
「ち、ちょうどよかったじゃない! みんなでクリスマス会しようよ、うんっ」
「ふっふざけるなっ! 誰がお前らなんぞと!」
「へー。園宗寺さんの命令じゃないの?」
「ぐぁっ…」
「ち、ちょっとみんなって私も入ってるの?」
「いーじゃねーの理子ちゃん。どうせ相手いないんだろ?」
「し、失礼ねーっ!!」
 わいわいと騒ぎ出す連中。
 …こんな事件の後でも、いつもと変わらない光景。
「どうした十夜?」
「いや…」
 ふっと、思わず遠い目をしてしまう俺。
「J.B.が世界を壊したがってた理由が、『彼女がいないから』だったりしたら嫌だな、と思ってな…」

 ‥‥‥‥‥‥。
 ‥‥‥‥‥‥。

「突っ込めよ誰か!!」
「あ、いやー。それじゃないんなじゃないー」
「あ、あははー」
 お、お前ら俺の発言に呆れ果てているのか…?
 それとも本当にそんな理由かもしれないと思っているのかー!!?
「ま、いーじゃねーの過ぎたことは。ほら、とっとと行くぜ」
「あ、ああ…」
 誠志郎に促され駅へと歩き出す。そうだよな、こいつらJ.B.がセンセーだって知らないんだもんな…。
 センセー、俺はそんな理由じゃなかったと信じてるぜ…!
「てめ、いい加減にしろ。いつまであっちの世界に行ってんだ!」
「分かった分かった。行くぜ」
「2人ともー! 早くしないと置いてくわよー!」
 6人に増えた仲間達と、適当にどっかへ繰り出す…。
 そんな感じで過ごす、今年のクリスマスだった。






<END>







感想は一行感想板へお願いします。

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【後書き】
うぐぅ、イマイチ…。ギャグSSのつもりで書いてたんですが、前半妙に重くなっちゃいました。
本編でJ.B.の動機がいまいち分からんのは最初は不満でしたが、設定資料集で「彼は全部謎」という話が出ていたので今は勝手に想像することにしました。つーかサイト巡りしてる間にすっかりJ.B.×十夜に染められたような(^^;
(でも一応一押しは十夜×カスミ…というかカスミ不幸なんで十夜に最後まで守ってほしい…)
冬コミは『うさぴょんCharge』の本が面白かったデス。

(1999/12/28)