妖精の国:後書き
元にしたのはサンタさんイベントです。
「そうですよね。普通は信じませんよね。
私、子供の頃ずっと信じてたんです。
いつの頃からでしょうか。サンタさんはいないって、思うようになってしまって…。
でも、私、今は本当にいるんだって、また信じることにしたんです。
だって、大きくなったら誰も信じてあげないなんて、サンタさんがかわいそうです」
イベントの主眼は今は信じるようになったって所なんでしょうが、それより何より”あの”白雪さんが一度は「サンタはいない」と思っていた時期があった! 幼年期と高校生の間に何があったんでしょう…。
まあ文面からすると特に何かあったわけではなく、普通の中学生と同様に信じなくなったらしいですが、「サンタを信じない普通の中学生の美帆ぴょん」なんて想像つかん…。むしろ中学の時もメルヘン少女だったイメージだがなぁ。てことで話をでっち上げてみました。
実際「サンタを信じる」なんて口にするのは簡単だけど、それって本当の本気で信じてるわけじゃないですよね。少なくとも私には無理。
小学生の頃は誰も知らない小さな国シリーズ(佐藤さとる著)を読んで「コロポックルは本当にいるんだ」と本気で信じていたものですが、今では「身長が人間の1/10なら脳の容積は1/1000だから、人間同様の知的活動ができるわけが…」とか考えちゃうしなぁ。
『はてしない物語』でバスチアンがあれだけ物語に没入できたのも、要はバスチアンが子供だったからで、あの話の主人公が高校生ならマジで「月の子、今ゆきます!」とは言えんでしょう。「生命の水(=ファンタジーによって潤う心)」は大人にも効きはしたけど、意味的には子供のそれとは全然違うんではないかなー。(いや語れるほどファンタジーに詳しいわけじゃないけど。最近はライトファンタジーしか読んでねぇ…)
『ファンタジーの効用』云々についてはエンデ関係の本に山ほど載っていますが、白雪さんの場合それもあるけど、結局のところそういう世界が好きなんだろうなーと思います。発売前は「『妖精は卒業します』とかいうEDなんじゃあ」とか予想していたので、「文学部で幻想文学を専攻」という進路には目から鱗が落ちる思いでした。自分の進路にしてしまうとは! おそらく職業にもするつもりでしょう。るろうに風に言えば
「一片の淀みなく己が道を貫く…簡単な様で何と難しい事よ…
白雪美帆…お前はこれから荒んでいく現代でどこまで空想に生き…『妖・精・さん』を貫けるか…な…」
「無論、死ぬまで」
って感じですよ。さすがだ美帆ぴょん。
「ということで現実なんてのは多々ある世界のひとつでしかなく、美帆ぴょんもめぐめぐも広い意味では存在するんです! ねえ美帆ぴょん?」
「そうですね。なのに私のことを『電波』とか『逝っちゃってる』とか言う人がいるのは悲しいですね」
「いや、まあ、全く。(やべぇ)」
「ええ本当に。自分は2次元のキャラに萌えてるくせに…」
「そ、それを言っちゃあ(汗) 架空を承知で楽しんでるってことで」
「くすくす、おかしなこと言いますねぇ。妖精さんに話しかけるのも、ドット絵に対して『萌え〜』とか書き込むのも、世間一般から見れば大差ないですよぉ。私を笑う人は鏡に映る自分を見て笑う様なものです」
「うわーヤバくなってきたのでカットぉ!」
【追記】(5/9)
「はてしない物語」は”物語を作ること”をテーマに展開していきます。そのへんが”夢を見ること”とは微妙に違うと思うわけで、夢が見られなくなったら次はそこに行くしかないんじゃないかなぁと…まあそんな感じ。
※本編冒頭の文章は「はてしない物語」/エンデ著/上田真而子、佐藤真理子訳/岩波書店 より引用しました。
# 真帆が美帆のフリするのって同一化願望みたいなものが多少あると思うんですがどうでしょ?
何となく美帆は素直なシスコン、真帆はちょっと素直じゃないシスコンってイメージ…
(2000/03/26)
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