クロスオーバーは不可なのでここで晒してみる。
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祐一ボール
金色の祐一!
聖闘士祐一
祐☆一☆白☆書
賭博黙示録ユイヂ
祐一の拳
祐一探偵団



○祐一ボール

 大きなアリクイのぬいぐるみが転がっていた。
 …血の水たまりに濡れて。

舞 「ゆ…ゆ…ゆるさんぞ…。
   よ…よくも…… よくも……」
 プチン
 ゾワッ
祐一「ま…ま…舞…!?」
舞 「祐一… 佐祐理を連れて病院へ行け! まだかすかに生きている…!」
祐一「あ…あ……」
舞 「私の理性がちょっとでも残っているうちに、とっとときえるんだっ!!」
祐一「ありがとう舞…。あ…ありがとう…。
   俺は待っている…。元気な舞の姿を…待っているよ…。
   舞はなれたんだ…。
   スーパー魔討人に!!」
舞 「私はおこったぞーー!! 魔物ーーーッ!!」
 ギャオッ バウッ ドカッ
魔物「な…な…なにものだ…」
舞 「とっくにごぞんじなんだろ!? おだやかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚めた伝説の戦士…。
   スーパー魔討人川澄舞だ!!」
魔物「ち…ちくしょー! ちくしょお〜〜っ!!
   いいだろう! お前も病院送りにしてやる、あの女生徒のように!」
舞 「あの女生徒のように…? さゆりんのことか…。
   さゆりんのことかーーーーっ!!!!!」



○金色の祐一!

>強引に教室に踏み入る

 その女生徒を押しのけるようにして教室に踏み入ると、つかつかと天野の座る席の正面まで歩いた。
天野「…何の用ですか」
祐一「おいおい俺が誰かって…? この学校の英雄、相沢・祐一さ!」
天野「そうではなく、何しにここへ!」
祐一「絶世の美男子! 北の街の英雄、相沢・祐一さ!」
天野「だから! 巻き込まないでって言ったのになんで教室まで来たのかをー!」
祐一「おいおい、俺のCDが欲しいってー? ほら受け取りな! プレゼントするのは相沢・祐一さー!」
真琴「ミュージックスタートー!」
♪チャーチャーチャーラー
祐一「みーしみっしおっだーい オバンオバン(オバンオバン)
   みーしみっしおっだーい オバンオバン(オバンオバン)
   萌え! 萌え! 萌え!(うっワーオ)

♪チャッチャーラー チャッチャチャーラー チャッチャーラー チャッチャチャーラー
 チャッチャーラー チャッチャチャーラー チャッチャーラー チャッチャラ
祐一「萌え 萌え萌え 美汐萌え
   萌ーえ悲しい過去に萌えー 萌ーえ夢見るお菓子萌えー
   割烹着ぎぎ 三角頭巾 物腰上品ー
   やさしく(萌え!) いきなり(萌え!) 微妙に(萌え!) 連続(萌え!)

天野「(こ、これは…一見ただマヌケに踊っているだけにしか見えませんが…
   はっ! いつの間にかクラスのみんなが冷たい視線で見ている!)
   狸ビーム!」
祐一「ギャアアアアア!!」
天野「ふう、危ないところでした…(私の社会的地位が)」
真琴「あんた祐一をナメてるわねっ! よし教えてやるわ、祐一が無敵の戦士ということをー!」
♪ブンチャチャブンチャ ブンチャチャブンチャ ブンチャチャブンチャ ブンチャチャチャ
真琴「鉄の祐一〜 無敵祐一〜
 ムクリ
祐一「て〜つ〜の〜ゆうい〜ち〜 無敵ぃ〜ゆういぃちぃ〜〜
天野「狸ビーム!」
祐一「ギャアアアアアーー!!」
真琴「バカね、何度やっても無駄なことがわからないのっ。えへっ。(バチーン←ウィンク)
   鉄の祐一〜
祐一「無敵祐一〜
天野「狸ビーム!」
 以下略
真琴「あはははっ。気が済むまで撃ちなさいよ、祐一はビクともしないんだからっ!」
祐一「ま、待つんた真琴、もう許してくれ…。
   天野、もうやめにしよう! 今日は引き分けということで引き下がってやる。だからおとなしく逃がすんだー!」
天野「いえ…。こちらもその方が助かります…」



○聖闘士祐一

(できればその時間をおまえの夢見ることに使わせてやりたい…。
 おまえをこの先も生かしてやりたい…。
 だが、もはやこの祐一にもどうすることもできぬようだ…。
 ゆるせ… 栞…)

 ドシャアッ

(ゆ…祐一さん。あなたは自分の命をかけてまで私に想い出を残してくれたのですね。
 そしてそれ以上に…)

 今日まで生きられるのか? 明日まで生きられるのか?
 余命の計算に逡巡するよりも、一度デートが始まったのなら
 途中で節を曲げることなく最後まで楽しむのだと…
 アイスを食べるのだと… あなたは無言のうちに、強烈に語りかけてくれていた…
 ああ祐一さん…

 あなたから受けた数々のことは決して忘れない。
 いつか…いつかまたふたりで… あの校庭の凍てついた雪原へ帰りましょう…
 ありがとう祐一さん…
 そしてさよなら…!



○祐☆一☆白☆書

舞 「小さいときずっと不思議だった。
  『どうして私にだけ奇妙な力があるんだろう』
  『どうしてみんな私を化け物みたいな目で見るんだろう』
  『祐一は来なくなったんだろう』
   答えがわからないまま戦い方だけ上手くなった。
  『きっと私は選ばれた正義の戦士で、あいつらは遊び場を奪おうとする魔物なんだな』
   安易な二元論に疑問も持たなかった。ガラスが割れるのにも次第に慣れていった。
   だが違ってた。私が護ろうとしたのは自作自演だった。
   そんな自分自身が無性に憎くなったよ。
   祐一… 戦ってるときの君は…すごく楽しそうだ。私もほんの一瞬だが初めて楽しく思えた。
   ありがとう。

   次こそ魔物に生まれますように…」

祐一「…舞…」
佐祐理「近寄るな。
   もう十分だろう。いい加減舞を休ませてやれ。
  『切腹しても生き返りたくない』舞の遺言だ。お前の都合でハッピーエンドにさせはしない。
   舞の魂は渡さない。
   これからは二人で静かに時を過ごす。佐祐理たちはもう飽きたんだ。
   お前はまた別のヒロインを見つけて攻略するがいい」

祐一「…くそ。何だか勝ち逃げされた気分だぜ」



○賭博黙示録ユイヂ

名雪「イチゴサンデー7つ。それで許してあげるというリーズナブルな設定となっております」
 ざわ・・ ざわ・・
祐一「待てっ、こらっ…!
   7つたぁなんだ…! な…なめてんのか…!」
名雪「いえいえ。
   とんでもございません。非常に良心的な償い方法でございます」
祐一「なんだと〜! 880円が7つっていったら、6千円越えるじゃねぇか…!
   暴利もいい加減にしろ…! 悪党…!」
名雪「ククク…。とんでもない。祐一を許してあげようというわたしが悪党のわけがない。
   わたしは過去を水に流すという、未曾有のチャンスを与えているのです。
   6千円分をおごるくらい、その未曾有のチャンスを考えれば安いもの。
   イチゴサンデー7つはリーズナブル。良心的償いでございます」
祐一「ふざけるなっ…! ふざけるなふざけるなっ…!
   俺みたいな貧乏人を逆さに振って、まだ取ろうってのかよっ!
   いい加減にしろよ。いい加減その…
   償いって考え捨てろよっ…! 降りるぞっ…!
   あんまり無茶言うと俺は降りる…!」
名雪「ククク…。どうぞどうぞ、引き止めはしません。
   降りて、事あるごとに昔のことを持ち出され
   ネチネチ責められるというのも… これもまた一つの選択。止めません。
   どうぞご自由に…」
祐一「う… うう…」
 ざわ・・ ざわ・・ ざわ・・



○祐一の拳

名雪「うにゅ〜だお〜」
祐一「名雪、なんか変じゃないか?」
名雪「そんなことないお〜」
香里「相沢君…。その女はおまえの従姉妹、名雪ではない!」
祐一「香里!」
香里「そいつの名は七瀬。前作ONEのヒロインの一人だ。
   七瀬、あたしの目はごまかされんぞ。髪型まで変えて名雪になりすますとはな…」
七瀬「フ…。クックックック…。まさか香里がここに現れるとはな…。
   おまえの言うとおりあたしは七瀬だ。だがもう遅い名雪は倒した〜!
   そしておまえも死ねばあたしはKanonヒロイン水瀬名雪として生きていける!」
祐一「で…では名雪は一体!?」
七瀬「ん〜、名雪か。やつもあわれな女だった…。
   しかし目覚ましの電池を抜いただけで寝坊するようではしょせんは三流よ」
香里「フ…変わらんな七瀬。おまえの性格と一緒でひとつに落ち着かん」
七瀬「ほざけ〜〜! だれもあたしのことはわかっちゃいねぇんだ!!
   あたしは誰よりも可憐で健気な乙女だ! だが誰も認めん。折原もあたしを認めようとはしなかった!」
香里「それでKanonに乗り込み乙女をきわめようとしたのか…」
七瀬「もう一度言う、あたしは乙女だ!
   あたしを認めなかったばかどもをいずれ平伏させてやるわ〜! そしてばかどもがあたしに萌えるのだあ!
   萌えろ〜! 萌えろ〜! あたしは乙女だファハハハ!!」
祐一「その性格で萌えられるのか…。世間の評価をよく見てみろ!」
七瀬「ば…ばかな! 『漢女』!? そんなわけはない、あたしは乙女だ!」
祐一「『キムチラーメン』! その好物でギャグキャラの淵まで歩いてゆけ!」
七瀬「な、なぜぇ〜。乙女であるこのあたしがなぜぇ〜! うわらば!」
祐一「乙女のことを一番知らなかったのはきさま自身だったな」



○祐一探偵団

 このところ世間を騒がせている怪人うぐぅ面相は、たい焼き専門のおそるべき怪盗です。たい焼きばかりを狙い、華麗な手口で次々と盗み出してゆくのです。
 北の街に住む相沢祐一少年は、自分こそがうぐぅ面相をとらえてやるのだと、常日頃から張り切っていました。その日も商店街の見回りをしておりました。
 するとどうしたことでしょう。リュックを背負ったかわいらしい少女が、息を切らせて走ってくるではありませんか。
「どいてください。どいてください。」
「お嬢さん、どうなすったんです。」
 呼び止めようとした祐一君は、勢いあまった少女に追突され、背中をしたたかに地面へ打ち付けました。
 しかし読者諸君、これはロマンティックな出会いなどではないのです。少女は謝るどころか、口を歪めて笑い出したのです。
「ハハハ……。どうしたい、祐一君。このぼくを、つかまえるんじゃあなかったのかい。」
「エッ、きみは一体だれです。なぜそんなことを知っているのですか。」
「これを見ればわかるだろう。そらッ。」
 小脇に抱えた袋から少女が取り出した物を見て、祐一君はアッと目を見開きます。ほかほかと湯気を上げるたい焼きです。するとこの可憐な少女が、かの怪人うぐぅ面相だというのでしょうか。
 その時一人の男がやってきて、怒りの目で泥棒をにらみつけました。エプロンをしているところを見ると、たい焼き屋のおじさんのようです。
 けれどもうぐぅ面相は何食わぬ顔で、地面に倒れている祐一君にピストルを突きつけたのです。
「おっと、動くのは止したまえ。この少年がどうなっても知らないからね、ハハハ……。」
 うぐぅ面相はそう言うと、たい焼きをほうばり始めます。なんというにっくき賊でしょう。おじさんが丹誠込めて焼いたたい焼きを盗み出し、その目の前で食べて見せるのです。あまりにむごい行いではありますまいか。
 ところがです。たい焼き屋のおじさんもまた、急にゲラゲラと笑い出したのです。
 これには祐一君もうぐぅ面相もあっけにとられていましたが、不意にうぐぅ面相の手がふるえて、たい焼きを取り落としました。
「ウグッ、何だこれは。ぼくの体が動かないぞ。」
「どうだい、うぐぅ面相。私のたい焼きはお気に召したかね。」
「アッ、お前はッ。」
 たい焼き屋が手拭いで顔を拭うと、ああ、なんということでしょう。そこにいたのはかの名探偵、水瀬秋子その人ではありませんか。
「私はお前をとらえるため、たい焼き屋に変装して屋台にもぐりこんでいたのだ。そうしてジャム入りのたい焼きを、お前に食わせたというわけさ。」
「ちくしょう、やられた。ぼくの負けだよ。降参だ。」
 うぐぅ面相は肩を落として警官に引かれてゆきます。満足そうに見送る秋子探偵へ向けて、祐一少年は両手を上げて喝采するのでした。
「秋子さん、ばんざぁーい。
 謎のジャム、ばんざぁーい。」



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