鏡さん論

WRITTEN ON 11/26


 せっかくのキャンペーンですので、私なりの鏡さん観なぞを書いてみようと思います(^^;


・オフィシャル設定

 当初は高飛車な女王様として登場するが、実は弟想いの優しい人。彼女がそんな態度を取っているのは中学の頃前にいた街で男の子に何度も振られ、もてる女になって見返してやろうと思ったため。かなり苦労したらしいが現在の美貌を手に入れてからは、わざと高慢な態度をとることで男たちに復讐してきた。しかしそんなことで自分の心が満たされるはずもなく、外見ではなく本当の自分を見てくれる主人公に会って、彼だったら今の自分を捨てられると思うようになる。なかなか決心がつかなかったが、卒業式の日についに告白。本当の自分を取り戻したのであった。熱を出した弟を看病したり裁縫が得意だったりと家庭的な一面を持つ。家はそんなに裕福ではない。


・外見の価値

 さて、彼女の場合「中学の時は美人でも可愛くもなかったので男に振られ続けた」「しかし美人になったとたん男たちはちやほやし始めた」という過去を持ちます。なんか現実にありそうでなおさら重いですね(^^;。「誰それは可愛い」「誰それはレベルが高い」なんて会話は日常で平気で行われている。私だって人の好き嫌いに見た目が加味されないとは断言できません。そりゃ「外見だけ」で判断することはないでしょうが、存在することに変わりはないですしね。他人を判断する際に、外見に影響されるのはどの程度許されるのか?あるいは全く許されないのか。
「人間は外見じゃないって、口で言うだけなら簡単ね」
 少なくとも彼女にとって失恋−たぶんひとつひとつが見晴ちゃんの2/22と同じくらい辛いもの−の傷でずたずたになっていたところへ、実際にこれでは「そんな男ばかりじゃない」と言ったところではいそうですかと納得できるものではないでしょうね。だから登場した頃の彼女は男性不信、ひいては恋愛自体に対する不信を深く抱いていたのだと思います。
「自分はあんなに精一杯恋してたのに、当の男たちはこんな生き物だった。二度とあんな馬鹿なことはしないわ」  文化祭でロメオとジュリエッタを見学した鏡さんは、純愛に対して否定的な言葉を吐きます。実際、外見に1ミリグラムも左右されない純愛なんて世の中にどの程度存在するのでしょうね?
 もちろんそれはあくまで理屈でなくて感覚的なものだけど、恋愛自体感覚的なものですしね。


・お姉さん

 このように建設性と無縁の心を抱きながらも鏡さんが押しつぶされなかったのは、やはり弟たちがいたからでしょうね。もちろん6人もの弟の面倒を見るというのは並大抵の事じゃなくて、美談なんかじゃ済まされない苦労があったであろう事は重々承知の上ですが。それでも彼女には彼らが支えだったんだと思います。やっぱり人間守るものがあると強くなれるんでしょうね。(陳腐なセリフ。でも鏡さんになら似合う)
 何にせよ「おしゃべりピアス・鏡魅羅」は聞いてない人はぜひ聞いておきましょう。最後にいい人いい人うるさいのが困り者ですが(いや、思わず笑っちゃったけど(^^;)、何気ない朝の風景の中の鏡さんはすごく素敵です〜。


・恋愛に対する抵抗

 みたいなものがあると思います。それが男性への不信感によるものか、単に過去辛いことがあったから拒否してるだけか、はたまた男に頼るのは御免という誇りかはなんとも言えませんが(どれか一つではないでしょうし)。あるいはこちらが先でそのために男性不信なのかもしれない。
 いずれにせよ彼女は「好きな人のために何かをする」なんて真似はしない。あくまで女王様として強い自分を誇示しようとするのは、恋すると弱くなるということを知っているからであり、過去の弱い自分に対する抵抗だと思います。このへんはゴーストランチで少し書きました。
「男なんて」というのは間違った考えでしょうが、心を閉ざした人間に理屈を言っても仕方ないですね。彼女が心を開くとしたら、本当に3年間少しずつだと思います。
 でも「救ってやる」というのは違うと思う。彼女の誇りは、それを持ち続けることが辛くても−同情の手など振り払うだけでしょう。


・ゆるやかな分岐点

 ゲームの主人公って情けないですね(^^;。サンスクリーンもさることながら、正月の鈍さと告白時の情けなさは許しがたいものがありますがそこはそれ、彼女にふさわしい男であると仮定しましょう(笑)。鏡さんは彼にだんだんと惹かれていくのだけれど、自分を捨てる勇気がなかったと告白の時に言っています。昔の自分に戻りたくなかったからと。
 「強さ」ってなんでしょうね?鏡さんは強くならざるを得なかったわけで、あの女王様の態度は確かにひとつの強さ、でも紐緒さんのものとも美樹原さんのものとも全然違いますね。そう考えると強いことというのは個人の資質の一種でしかなくて、必要不可欠なものでも美徳でもないのかもしれません。
 でも告白の時の彼女はちゃんと「好きよ」と言って、「私が選んだ人だもの」とまで言い切る。そこにはやっぱり尊敬を感じます。鏡さんが取り戻した本当の自分ってのは中学の頃の自分ではないですよね。まったく新しい彼女なんじゃないかなと思います。
 芯が強い…って言葉だけでもやはり無理があるなぁ。


・だからこそ

 なんか自分でも何書いてるか分からなくなってきてますが(^^;
 ちなみに私は女王様なんてものには興味がないので、鏡さんが「タカビーな娘を落とす」タイプのキャラクターだったらほとんど印象に残らなかったと思われます。
 でも心に傷を持ち、それをひた隠しにして、弟たちにだけ心を開いている彼女を見ると、どうしてもこの人にだけは幸せになってほしいと思ってしまいますね。タイトル画のにっこり鏡さん、こういう表情は他であんまり見かけないので描いてみました。(ああっ画力のなさがっ)
 鏡さんについてはまだまだ模索中だしSSも書きにくい人ですが(^^;、とりあえず今回はこんなところで。キャンペーンももうすぐ終わりですがあと少しお付き合いください。
 なお、いろいろ書き忘れてることがありそうなので落ち着いたら再度考え直してみます。



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