『ふぅー、
 卒業式が終わったぜ。
 校長の話が、
 長過ぎるんだよなぁ。
(如月さんは、
 貧血で倒れなかったかな?)

『あれっ、机の中に
 手紙が入ってるぞ。
 誰からだろう。
『何々、
 「伝説の樹の下で、
  待っています。」
 名前は、どこにも無いなぁ。
『それじゃ、
 急いで行かなくちゃ。


インデックス

<藤崎詩織>
<如月未緒>
<紐緒結奈>
<片桐彩子>
<虹野沙希>
<古式ゆかり>
<清川望>
<鏡魅羅>
<朝日奈夕子>
<美樹原愛>
<早乙女優美>
<伊集院レイ>
<館林見晴>
<外井…>
<別バージョン告白>

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<藤崎詩織>



『し、詩織…。
「ごめんなさい。
 こんな所に呼び出したりして。
 今日、あなたにどうしても
 言いたいことがあって…。
『言いたいことって、何?
「私ね、今まで男の子と
 付き合ったことがないの…。
 でも、興味がなかった訳じゃないのよ。
 私だって、
 男の子と付き合ってみたかったし、
 ラブレターだって
 何通も貰ったこともあるわ。
 でも、どうしても
 付き合う気になれなかったの。
『ど、どうして?
「あなたが…。
 あなたがそばにいてくれたから…。
 今まで、あなたの事を、
 ただの幼馴染みだと思ってた…。
 ううん、きっとあなたに、
 私の本心を悟られるのが怖くて、
 そう思い込んでいたのかもしれない。
 でも、卒業する今…、
 離れ離れになるかもしれない、
 今になってやっと、
 この気持ちに気づいたの…。
 恥ずかしくて、逃げたい気分だけど、
 もう、ただの幼馴染みじゃ嫌…。
 一人の女の子として、
 私だけを見つめてほしいから、
 勇気を出して言います…。

 好きです…。
 世界中の誰よりもあなたが、好きです…。

『実を言うと…。
 俺も詩織のことが…。
「あ、あれ…?
 嬉しいはずなのに涙が出てきちゃった。
 本当に本当に、信じていいのね。
『もちろんだよ。
 好きだよ、詩織。
「嬉しい…。
 いつまでも私のことを、離さないでね…。


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<如月未緒>



『き、如月さん…。
「すみません。
 失礼だとは思いましたけど…。
 どうしても、今日あなたに
 言わなければならないことがあって、
 こんな所に、呼びだしてしまいました。
『別にいいよ。
 言いたいことって、何?
「私は、身体が弱かったせいか、
 友達もあまりいなくて、
 趣味は、本を読むことぐらいしか
 ありません。
 そして、本を読むたび、
 その中の恋愛に憧れ、
 少し嫉妬してしまう自分が情けなくて、
 本当の気持ちを打ち明けられないでいる
 憶病な自分が、ずっと腹立たしくて…。
 でも、今日という日を境に、
 今までの自分を変えようと思うんです。
『ど、どうして?
「今まで、たくさんの本と出会って、
 私の思い出の中に残してきました。
 でも、あなたと知り合った、
 高校生活の全てを
 ただの思い出だけにしたくないから…。
 小説のような、
 空想だけの事にしたくないから…。
 私の、一生分の勇気を出して言います。

 好きです。

 恋人じゃなく、お友達でもいいんです。
 卒業してからも、
 すっとあなたに会えるなら…。
『実を言うと…。
 俺も如月さんの事が…。
「ほ、本当ですか…。
 本当に、こんな私でいいんですか…?
『もちろんだよ。
 好きだよ、如月さん。
「嬉しいです…。
 あっ。
『あっ、危ない。
 如月さん。
「うふふふふ…
 身体が弱いのも、いいものですね。
 こうやって、あなたに抱きとめて
 貰えるんですから…。
 しばらく、そのままでいてください…。


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<紐緒結奈>



『ひ、紐緒さん…。
「待ってた…。いえ…。
 ご、ごめんなさい。
 こんな所に呼びだして…。
『ど、どうしたの?
 紐緒さんらしくないよ。
「い、いいのよ。
 今日から、変わることに決めたんだから…。
『え?
 変わる?
「そう、変わるの。
 今までの私は、自分の才能に溺れて、
 人を見下した態度を取って、
 誰が見ても、すごく嫌な女の子だった。
 普通の女の子が愛だの恋だのと
 騒いでいるのを、馬鹿にしていたわ。
 だけど、いつの頃からか
 私の中に初めてこみ上げる感情が…。
 すぐに、あなたに恋していると気付いたわ。
 でも、私は科学という悪魔に
 魂を売り渡した女。
 そんな浮ついた感情を押さえるために、
 研究だけに没頭したの。
 だけど、卒業が近づいてくると、
 その想いが強くなってきて、
 自分でも押さえきれなくなって…。
 だから、
 その想いを完全に否定しようとして、
 あなたに戦いを挑んだの。
 結果は、言わなくてもわかるけど…。
 全てにおいて、
 私はあなたに負けてしまったの。
 もう、あなたに嫌われるなんて、
 考えたくない。
 世界征服の野望も捨てるわ。
 だってもう、私の野望は、
 あなたに好かれることに変わったから…。
『実を言うと…。
 俺も紐緒さんの事が…。
『ほ、本当に…?
 じゃあ、野望は達成されたのね…。
 嬉しいわ…。
 きっと、世界征服したとしても、
 こんなに幸せになれなかったと思うわ…。
『俺も幸せだよ。
「私、もっと、
 あなたに好かれる女の子になるために、
 努力するわ。


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<片桐彩子>



『か、片桐さん…。
「あ、ソ、ソーリー。待った?
 ごめんなさい。
 こんな所に呼び出したりして。
『別に、いいよ。
 何の用?
「あの、
 一つ聞きたいんだけど…。
 大雑把な性格の女の子は、嫌い?
『いや、好きだけど…。
 それだけ?
「ウェイト、ちょっと待って。
 本当の用は、これからなの。
 どうしても、
 あなたに言いたいことがあって…。
 私ってね、
 誰とでもすぐ仲良く話をするから、
 そうは見えなかったかも
 しれないんだけど…。
 あなたと話をしているときが、
 一番リラックスしていられたの。
 今になって、
 それに、やっと気が付いて、
 このまま卒業して、あなたに会えなく
 なるかもしれないと思ったら、
 途端に悲しくなってきて、
 私、どうしたらいいのか、
 わからなくなって…。             <クスン…>
 私ね、いい加減な性格だけど、
 この事だけは真剣に考えたの。
 それで決心したの。
 女の子から言うのは、
 すごく、恥ずかしいんだけど。
 私の、本当の気持ちを、聞いて欲しい…。
 聞いてくれるだけでいいの。
『………。

「アイミスユー。
 あなたがいないと、寂しくて…。

 だから、だから私と…。
『さっき、好きだって
 言ったでしょう。
「えっ?
 アンビリーバブル。信じられない…。  <ア、ア、ア、アンビリーバブル。信じられない…>
『それって実は、
 片桐さんの事なんだ。
「‥‥‥‥。              <Oh my godness I can't believe it!>(*)
 本当に…?
『こんな時に
 冗談なんて言えないよ。
「アンビリーバブル。信じられない…。  <ア、ア、ア、アンビリーバブル。信じられない…>
 生まれてから、今日が一番幸せよ。
 アイネバーフォゲット。
 私、一生忘れない。



(*)
<Nifty旧特設会議室のログより>
<でもgodnessという単語は辞書にはないので、goodnessのことかもしれません>


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<虹野沙希>



『に、虹野さん…。
「ご、ごめんなさい。
 忙しいのに、こんな所に呼び出したりして…。
『いや、いいよ。
 別に忙しくないから。
「あなたに、
 どうしても伝えたいことがあって、
 あんな手紙を出してしまったの。
 手紙で、全てを伝えてもよかったけど、
 この思いだけは、直接言いたかったから…。
『そ、そう…。
「あなたは、知らないでしょうけど、
 私は、いつもあなたの事を見ていたわ。
 そして、何事にも頑張って向かっていく
 その姿にだんだん惹かれて…。
 私ね、悩んだり、苦しいときには、
 いつもあなたの
 ひたむきな頑張りにはげまされて、
 どんなときでも、切り抜けてこれたわ。
 だから、今日も勇気を出せると思う。
『‥‥‥‥。
「私、料理ぐらいしかとりえはなくて、
 他には、何もできないし…。
 あなたにとって、迷惑かもしれないけど、
 もう、
 これ以上自分の心に嘘はつけないから
 この場で、はっきり言います。

 あなたが好きです。
 ずっと、あなただけを応援していきたい…。

『実はね、
 俺も、虹野さんが…。
「勇気を出してよかった…。
 やっぱり頑張れば、なんとかなるね。
 そ、そうだ。
 明日、二人きりで、
 卒業記念のパーティーを開きたいな…。
 来てくれる?
『もちろん。
 喜んで。
「それじゃ、あなたの好きな料理教えてね。
 明日、たくさん作って待ってるから。         <ウィンク!>


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<古式ゆかり>



『こ、古式さん…。
「失礼なことと存じましたけれども、
 どうしても
 お話ししたいことがございまして、
 お呼び出しいたしました。
 申し訳ございません。
『そんなに、
 あらたまらなくても…。
「いいえ。
 そういう訳には参りません。
 私の一生をかけた大事な用ですから。
『大事な用って?
「いつも、私は何も考えないでいるのが
 好きなのですけれども、
 最近では、その時間よりも
 色々と考えてしまう事の方が多いのです。
『考え事って?
「お恥ずかしいお話ですけれども、
 あなたの姿が、頭から離れなくて…。
 家にいても、あなたの事ばかり考えて、
 時間が経つのも忘れてしまいます。
 いつもよりも、
 ボーッとしていましたので、
 お母様に、理由を聞かれました。
 その事を正直に話しましたところ、
 それならば、卒業式の日にこの木の下で
 あなたの本心を、
 その殿方に話しなさいと申されました。
 ですから、私の本心を
 笑わないで聞いていただきたいのです。
『う、うん。

「いつも、
 あなたの事だけを考えてしまいます。
 私が、落ち着いていられる場所は、
 あなたのそばだけです。
 私でよろしければ、これからずっと…、
 卒業してからも、
 お付き合いしていただきたいのです。

『実は、俺も
 古式さんの事が…。
「本当ですか?
 よかった。お母様の言うとおりにして…
 それでは、
 明日お父様に会っていただけますか?
『こ、古式さんの
 お父さんに?
「はい、
 お父様に、私とお付き合いする殿方は
 家の方に連れてくるように
 言われておりますので。
『そ、そう。
 じゃあ、行くよ。
『そうですか。
 きっと、お父様にも
 気に入っていただけると思いますよ。        <(^^)>
『そ、そう。
 (いきなり、お父さんか…。)


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<清川望>



『き、清川さん…。
「ごめんなさい。
 こんな所に、呼び出したりして。
『別に、いいよ。
 どうしたの?
「今日で卒業だから、
 あなたに、
 どうしても話しておきたいことがあって
 聞くだけでもいいから…。
『うん…。
 聞くよ。
「いままで水泳ばかりで、
 愛だの恋だの言ってる暇もなかったし、
 貧弱な男の子ばっかりで、
 私の興味を引く男の子もいなかったから
 今まで気にもしてなかったけど…。
 いつごろからかな、もう覚えてないけど
 あなたの存在が、気になってきて
 練習にも身が入らなくて…。
 最近では、夜も眠れないぐらいに、
 胸がどきどきして…。
 私、男っぽいって言われ続けてきても
 気にもならなかったけど、
 あなたにだけは、そう思われたくない。
 だから、あなたの前では、
 男言葉を話さないように
 注意してきたつもりだし、
 行動だって…。
 これでも駄目なら、水泳も捨てるわ。
 髪の毛だって、
 あなたが望むなら、いくらだって伸ばすわ。
 ご、ごめんなさい…。
 勝手なこと言っちゃって…。
 でも、断られたっていいの。
 ただ、こんな気持ちで、卒業したくないから
 わたしの気持ちだけ、聞いて。
『う、うん…。

「好きよ…。
 夜も眠れないほど…。

『…………。
「そ、そうよね。
 やっぱり、私なんかじゃ駄目ね。
 でも、言ってせいせいしたわ。
 ありがとう、聞いてくれて。
『き、清川さん。
 待って。
「引き止めないで。
 引き止められたら、期待しちゃうじゃない。
 慰めの言葉なんてかけられたら、
 惨めじゃない。                <…ひっく…>
『清川さん。
 俺も好きだよ。
『えっ?
 今なんて…?
『俺も、清川さんの事が
 好きだって言ったんだよ。
「ホ、ホントに?
 こんな、水泳しかとりえの無い私で…?
『もちろんだよ。
「だ、駄目。
 もう、涙が止まらない…。
 お願い。
 あなたの胸の中で泣かせて。
『いいよ。
「嬉しい。
 最高に幸せ…。


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<鏡魅羅>



『か、鏡さん…。
「こんな所に呼び出したりして、
 ごめんなさい。
『い、いきなり。
 鏡さんが謝った…。
「あ、そんなに驚かなくても…。
 でもいいの。私の話を聞いて。
『…………。
「私、
 中学の頃、この街に引っ越してきたの。
 この前の街で、私…
 男の子に何度も振られて…。
 だから、この街に来る時に、
 生まれ変わろう。
 もっともてる女になって、
 男の子達を見返してやろうと思ったの。
 苦労の甲斐があって、
 男の子の目を引く女になったわ。
 そして、わざと高慢な態度を取って、
 男の子達に復讐してきたの。
『そ、そうだったんだ…。
「最初は楽しかった…。
 男の子にもてはやされることが、
 嬉しかった…。
 でも、そんなことじゃ
 私の心は満たされなかったわ。
 当たり前よね。
 自分に嘘をついて生きてきて、
 心が満たされるわけ無いもの。
 貴方に会わなければ、
 こんな事は考えなかったのかもしれない。
 貴方と会って、
 この人となら、
 今の自分を捨てられると思ったわ。
 だけど、私にはその時
 自分を捨てる勇気がなかったの。
 また昔の自分に戻りたくなかったから…。
 でも、今になってやっと勇気が出たわ。
 貴方に、こんな女だと思われたまま
 卒業するなんて耐えられない。
 何十人の男性よりも、
 ただ、貴方だけそばにいて欲しい。
 私の心の傷をいやしてくれるのは
 貴方だけだから…。

 好きよ。
 いつまでも私のそばにいて…。
 お願い…。

『そうだったんだ…。
「やっぱり、私じゃだめよね。
『俺でよかったら…。
「本当に?
 嬉しい…。
 やっと本当の自分を取り戻せそう。
『でも、他の男子から
 怨まれそうだね。
「大丈夫。
 私が選んだ人だもの。
 誰も文句を言うはずがないわ。
『そうだといいんだけど、
 ちょっと心配…。


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<朝日奈夕子>



『あ、朝日奈さん…。
「こんなとこに呼び出すの
 何だなと思ったけど。
 卒業する前に、どうしても
 言いたいことがあるっていうか、
 何て言うか…。
『言いたいことって、何?
「いままで、流行のいろんな所に行って、    <流行の(はやりの)>
 遊ぶのが一番の楽しみだったけど…。
 何て言うか、
 最近、それも飽きちゃったみたいな感じ。
 やっぱ、好きな人と一緒なら、
 どこにも行かなくても楽しいって思う。
 こうしてる今もそう思う。
『ふーん、飽きちゃったの。
「もう、ウル馬鹿なんだから。
 私は、あなたといるのが
 楽しいって言ってるの。
『そ、それって…。
「恥ずかしいけど…、

 私、
 あなたのこと好きになっちゃったみたい。
 もう、あなただけいてくれたら
 何もいらない。
 流行なんて、どうでもいい。
 だから、私と付き合って。

『実は、俺も
 朝日奈さんのことが…。
「超嬉しい。
 でも、やっぱり一緒にいるだけよりも、
 どこかに遊びに行ったほうが楽しいよね。
『そ、そうだね。
「卒業したら、どっか旅行に行こうよ。
『あぁ、いいよ。
「それじゃ、
 これから旅行代理店に行こうよ。
 ほら、早く早く。
(全然変わらないけど、
 ま、いいか。)


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<美樹原愛>



『み、美樹原さん…。
「あの…。
 ご、ごめんなさい。
 こんな所に呼び出したりして…。
『別に、いいよ。
 ところで、何?
「あの…。
 …………。
『どうしたの?
「だ、駄目…。
 やっぱり、恥ずかしくて…。
『そんなに、
 恥ずかしいことなの?
「は、はい…。
 で、でも、今日、勇気を出さないと、
 一生後悔するから…。
 い、言いたいことは、
 たくさんあるけど…。
 今言うと、一番大事なことが、
 言えない気がします…。
 だから…、
 一番大事なことだけ、言います…。

 あ、あなたが…、
 あなたが、好きです…。

 は、恥ずかしい…。
『あっ、待って。
 美樹原さん。
「駄目。
 ここにいられない。
『俺も、美樹原さんの事
 好きだよ。
「えっ…?
 本当ですか…?
 この樹の下で告白してよかった…。
『美樹原さんも、
 伝説知ってたんだ…。
「は、はい…。
 でも、嘘でも良かったんです。
 この樹の伝説に頼れば、
 きっと、告白する勇気が出ると思って…。
 本当に良かった…。
『俺も美樹原さんに
 告白されて最高だよ。
「これでもう二人の愛は永遠ですね…。


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<早乙女優美>



『ゆ、優美ちゃん…。
「ご、ごめんなさい。
 こんな所に呼び出しちゃったりして…。
『いや、別にいいよ。
「あの…。
 優美ね。
 ずっと先輩と同じ学年に
 なりたかったんです。
 同じ学年だったら、
 高校も3年間一緒にいられたし、
 修学旅行だって一緒に行けたのに…。
 どうして、お兄ちゃんの生まれるときに
 優美が生まれなかったのかなって…。
 何度も、泣いちゃった。
 優美ね。
 先輩の学年の女の人と比べたら、
 子供っぽくて、わがままだと思う。
 でも、子供っぽいのが嫌なら、
 もっと大人っぽくなるよう努力します。
 わがままも治します。

 だから、
 お兄ちゃんの妹としてじゃなくて、
 一人の女の子として付き合ってください。
 だって、先輩が世界中の誰より大好きで、
 大好きでしかたがないから…。

『実はね。
 俺も、優美ちゃんが…。
「ホントですか?
 年下でもいいんですか?
『当然だよ。
 好きだよ、優美ちゃん。
「それじゃ、制服の第二ボタンをください。
『いいよ。
 はい。
「ワーイ。
 これをお守りにして、
 あと一年頑張ります。
 卒業してからも、お兄ちゃんにでなく
 優美に会うために
 家に遊びに来て下さいね。
 そうじゃないと、優美寂しくて
 泣いちゃうから。
『うん。
 必ず行くよ。
「嬉しい。
 大好きです。
 先輩。
(でも、結婚したら
 好雄の弟になるのか…。)



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<伊集院レイ>



『えっ?
 君だれ?
「…………。
『どこかで見たような?
「わ、私…。
 伊集院です。
『伊集院に妹なんて
 いたっけ?
「いえ、
 伊集院レイ、本人です。
『えっ?
「ごめんなさい。
 今まで私…。
 男のふりをして嘘をついてたの…。
『すごい嘘だ。
「伊集院家では、女の子は、
 高校を卒業するまで、
 家の外では、
 男の子として生活しなくてはいけないの。
『漫画みたい…。
「でも私、
 あと一日だったけど、
 どうしても我慢ができなくて…。
 こんな所に呼び出したりして、
 ごめんなさい。
『い、いいよ。
 別に…。
「いつも憎まれ口ばかりでごめんなさい。
 でも、今まで憎まれ口をたたいてたのは
 あなたに嫌われようとしていたからなの。
 嫌われてしまえば、あなたの事を、
 忘れられると思ったから…。
 でも、いつもあなたは、
 私に電話をしてきてくれて、
 あんなにひどいことを言ったのに、
 何度も何度も…。
 私、嬉しくて、いつも電話の向こう側で
 泣いてたのよ…。
 後、私が誘拐されたとき、
 廃工場まで来てくれたでしょう。
 こんな私を心配してくれるなんて、
 すごく嬉しかった。
 いつも気丈に生きてきたけど…
 でも、私だって普通の女の子よ。
 いつもみんなと一緒にいて、
 おしゃべりしたり、
 遊びに行ったりしたかった。
 バレンタインのときだって、あなたに…
 明日からはそうなれるけど、
 卒業する前に、
 本当の私を見て欲しかったから…。
 もう伊集院家なんて、どうでもいいの。
 だから…

 好きです。
 今まで嘘をついていてごめんなさい。
 でも、私と付き合ってください。

『伊集院…。
 いや、伊集院さん…。
「迷惑だと思うけど…。
 あなたの気持ちを聞かせて。
 それで諦めがつくなら…。
『そこまで思ってくれて、
 断れる訳無いじゃないか。
「そ、それじゃ…。
『もちろん。
 OKだよ。
「私…私…。
 何て言ったらいいのか…。
 やっと、普通の女の子になれたのね…
『一つだけ聞いても
 いいかな?
「えっ、何?
『好雄が倒れたときの
 事だけど…。
「ご、ごめんなさい…。
 好雄君に、私が女の子だという事が
 ばれてしまったので、
 記憶を操作したんです。
『やっぱり
 そうだったんだ…。
「け、軽蔑しますか…。
『いや…。
 その気持ちわかるから…。
「ありがとう…。
 本当に優しいのね…。
 あなたを好きになって良かった…。


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<館林見晴>



『あっ、君は…。
「今まで、ごめんなさい。
 私、館林見晴っていいます。
 こんな所に呼びだしたのは、
 あなたに、どうしても、
 言いたいことがあったから…。
『言いたいことって、何?
「私、今まであなたにぶつかっていたのは、
 偶然じゃないの。
『そんなの、
 誰だってわかるよ。
「そ、そう。
 私、あなたに一目ぼれしちゃって、
 いつも、あなたの事見てたの。
 それで、せめて顔だけでも
 覚えてもらいたくて、
 あんな事を…。
 ごめんなさい。
『そ、そう。
 そうだったのか…。
「あの…。
 あんな事、しておいて、何ですけど…。

 やっぱり、一目ぼれを信じます。
 私と付き合ってください。

『実は俺も館林さんが
 気になってたんだ。
「それじゃ、OKなのね。
 嬉しいわ。
 お互いのことは、
 これから知っていきましょう。
『そうだね。


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<外井…>



「すいません。
『あれ?
 伊集院家の、えっと…。
「外井雪之丞で、
 ございます。
『伊集院なら、教室に…。
「い、いえ…。
 実は貴方様に
 用がございまして…。
『えっ?
 俺に?
「実は…。
 貴方様の事が…。
「やめるんだ、外井!
「レ、レイ様…。
「所詮それは、報われぬ恋だ…。
 お前の気持ちはわかるが、
 諦めろ…。
「‥‥‥‥。
「うちの外井が失礼した。
 今日の事は忘れて
 くれたまえ。
『い、いいけど…。
「さ、外井。
 もう帰るんだ。
「は、はい…。
 そ、それでは
 失礼いたします。
「では、失礼するよ。
『びっくりした…。
 しっかし、
 外井っていったい…。



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<別バージョン告白>

<清川さん別バージョン>
<如月さん別バージョン>

























<清川別バージョン>
<セミロング望ちゃん>


 髪の毛だって、
 あなたが望むなら、いくらだって伸ばすわ。
         ↓
 あなたの望む女に変身して見せる。


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<如月別バージョン>
<コンタクト未緒ちゃん>


『き、如月さん。
 あれ?眼鏡はどうしたの?
「こっちの方が、
 好みにあうと思って、
 思い切ってコンタクトにしてしまいました。
(もしかして、俺のために…。)
「すみません。
 失礼だとは思いましたけど…。
<以下同じ>


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