『金剛代艦計画』

 

サンケイ「第二次大戦ブックス 戦艦大和」より


 
横の図は『第二次大戦ブックス 戦艦大和』に収録されている金剛代艦計画案に対する遠藤氏の考察。
 非常に興味深い内容です。
 遠藤氏の主張によれば『金剛代艦・藤本案』は重巡を軽巡に欺瞞した最上型巡洋艦や、水上機母艦や潜水母艦として戦時の軽空母戦力を確保した空母予備艦などと同様の発想 から解釈が必要であるとのことです。
、平時においては軍縮条約に抵触しない覆面軍艦として建造。戦時になれば改装して海軍戦力を一気に向上させるという巧妙な狙いがあったと見るべきだそうです。
  この金剛代艦の場合、3万5千トンの条約型戦艦をカムフラージュに高速戦艦を建造しようというもの。
 まず艦尾を24m延長し、後部副砲群を除去。
 そこに主砲塔を新たに1基増設。
 さらに主砲塔自身も52.7口径40cm砲3連装砲塔から45口径46cm連装砲塔に交換。
 この一連の改装により「金剛代艦・藤本案」は

 『40cm砲9門搭載した25.9ノットの中速戦艦』 から
 『46cm砲8門搭載の30ノットの高速戦艦』に一変することになります。

 これに対する平賀案は表面的な性能では覆面時の藤本案に勝るものの、想定される近代戦に対応できるとは思えない旧弊で保守的な設計であり、この程度の私案で艦政本部を混乱させたのは まさに暴挙であるとしています。

 平賀案への評価には頷ける点も多々ありますが、この金剛代艦覆面軍艦構想については…(^^;
 なお、現在までの調査で、この金剛代艦覆面軍艦計画の記述を確認できたのは、遠藤氏の著作物の中でも『第二次大戦ブックス 戦艦大和』だけであることも併記しておきます。



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