暗色のワンピースに白のエプロン。メイド服の配色の基本はやはりこれでしょう。ヴィクトリア時代のメイド服を表す言葉として「黒いお仕着せ(ダークスタッフガウン)」という言葉があるように、ワンピースの色は黒が基本です(図9-1-(1))。エプロンの白との対比を考えても、ワンピースは暗色がよいと思います。
しかし、黒という色は絵に使う場合は少々困った色です。本当にRGB値が0,0,0の黒で塗ってしまうと、絵が大変に重くなってしまうのです。黒のワンピースを描く場合は、黒ではなく黒に近いグレーを使う等の工夫が必要になります。
黒以外の暗色としては、紺色(図9-1-(2))、赤味の強い焦茶色(図9-1-(3))、緑色(図9-1-(4))あたりもメイドさんに似合うと思います。暗い部分の色を思いっきり黒に近づけるのがポイントです。逆に光沢の部分は彩度の高い色を選び、暗い部分とのコントラストを強めにするとイイ感じになります。
図9-1 ワンピースの色
ワンピースの襟とカフスの部分には、白もしくは白に近い明色を配するとワンピースが引き締まった感じになると思います。襟元のタイ、リボン等には、ワンピースともエプロンとも異なる色を配するといいアクセントになります。
エプロンの色としては、白以外にもピンクや水色も考えられなくはないですが、個人的には白以外の色だと清潔感、高級感が減じるような気がします。ワンピースの色とのバランスを取るのも白以外の色は難しいんですよ。
配色を考える際は、あまり多くの色を使わないよう心がけましょう。色数が増えるとけばけばしくなり、シックかつエレガントというメイド服のコンセプトから遠く離れていってしまいます。私は、メイド服に使う色数は最大3色、うち1色はワンポイントにちょっとだけ、くらいのつもりで考えることにしています。肌色、髪の色、瞳の色等も考慮に入れる必要があります。