会話1
丘野「な〜に? 話って」
○○「あのさ…」
丘野「うん」
○○「今度、おれの家…引越すんだ」
丘野「ほえ〜、そうなんだ。
どこに引越すの?」
○○「ずっと遠いところ…」
丘野「ふ〜ん」
丘野「あれ? じゃあ、学校はどうするの?」
○○「…転校する」
丘野「えーーーーーーっ!」
丘野「い、いつ?」
○○「今学期が終わったら…」
丘野「ちょ、ちょっと…それって来週じゃん!
そんなの聞いてないよっ!」
丘野「なんで、なんで、なんでそんな急なのっ?」
○○「急じゃないんだ…
前から…わかってたんだ…」
○○「わかってたんだけど、
言い出せなくて…」
丘野「そんなのひどいよっ!」
○○「ごめん…」
丘野「○○はあたしのことなんか、
どうだっていいんだっ!」
○○「お、丘野さんっ!」
おれは、彼女の後を追いかけることが
できなかった…。
いや、おれにはその資格すらなかった…。
結局、おれのしたことは、真実を告げることから
逃げただけで、一番大事な人を傷つける結果
になってしまったのだから…。
そして、おれの転校の話はその日のうちに
みんなの知ることとなった。
その反応は人それぞれであったが、
さみしさはみな同じであった…。