音楽は、夫の言葉です。
夫は、幼少の頃より、ピアノを弾き、大学時代からは、ビオラ演奏を趣味としてきました。特にビオラには、深い愛着を持ち、 病気になる前は、演奏会のプログラムノートや、雑誌の連載記事などを頼まれて 執筆したりしておりました。最近では、私がバイオリンを弾き、夫がその伴奏をピアノで弾いてくれるのが 日課になっています。
夫がなぜ、音楽を大切にするのか。それは、人とのつながりを 大切にする人だからだと思います。夫が、私と結婚してから ずっと大切にしてきたことは、家族で合奏をすることです。2人の子供たちもそれぞれ、楽器を演奏します。私たちの周辺には、音楽を楽しむ親戚や友達が たくさんいます。
アルツハイマーは、コミュニケーションが難しくなる病気ですが、夫は、音楽によって 気持を伝えあうことが 出来るので、音楽で出会った仲間たちとは、交際の輪が ますます広がっています。夫は、本当は、たくさんの人と楽しい会話がしたいに違いありません。
今、夫が楽しみにしていることは、週に1回 音楽を聞きに来てくださるお客様の前で、また 近所のご家庭で、近くのクラシック喫茶でピアノを弾くことです。夫の音楽を聞いて下さる方のところなら、どこへでも行って弾きます。例えば、老人ホームのお誕生日会や ボランティア団体のクリスマス会、子供会に 弾きに行くこともあります。
演奏に際しては、弾く前に一言、私から夫の病気のことを話し、理解と協力を求めると、皆さん 快く承諾してくださり、夫の音楽を心から楽しんで下さいます。きっと、夫のメッセージが 届いていることでしょう。
音楽は、楽しいから弾くのですが、夫の場合、自分の病気を意識していて、健康のために弾いている様子で、「気分が悪いからうるさいけど、音楽をしてもいい?」と家族にきき、弾き終わった後は、「気分がいいねー、にーにーに」と申します。そして「あなたの演奏は、素晴らしい。」とほめてくれますので、私も「あなたのピアノは、素晴らしい。」夫「あなたの演奏が、素晴らしいからぼくもよく弾けます。」と二人で、誉めあっています。外で人のために弾くのは、特に嬉しいようで生き甲斐になっているのではないか と思います。拍手をすると「オウ!アリガットウ!」そして感極まると涙を流して「サンキューベリマッチ」を言います。
夫と音楽に関連するページ
- 音楽によるコミュニケーション
- Viola