(なんだか薄気味悪い天気ね…)
 今日も一人下校する鏡魅羅。魔の刻と呼ばれる日没直前、そいつは突然現れた。
『げへ…げへへへへ…』
「い…いやあぁぁぁぁーーーーっ!!」


パロディSS:GS鏡 ご苦楽大作戦!!




「この世を乱す悪霊たちを祓う現代のエクソシスト。それがゴーストスイーパーなのだワン!さあこの神通棍とお札を持ってゴーストスイーパーに変身だワン」
 ぎゅううぅぅ〜〜〜っ
「幽霊が苦手と知って除霊をやらせるのこの犬はぁぁぁ〜〜〜っ!」
「ぐえっ、文句は作者に言ってほしいのだワン」
「く、首絞めたら可哀想です…」
「ええい付き合ってられませんわ!行きますわよ主入君!」
「は、はいっ!(いやーやっぱいいよなー鏡さん。特にこの体から発せられるフェロモンの香りがたまらんっスよああっ鏡さんぼかーぼかーもぉっ!!」
 ばきぃっ!げしっ!げしっ!
「まったく男なんて男なんて!」
「ああっごめんなさいごめんなさい!でもちょっと快感かもっ!!」
「どうしよう、ムク…」
「うーむ、キューティメグでは悪霊は倒せないのだワン」
「ところでボク主入公!!彼氏いるっ!?電話番号は!!?」
「あ、あの…」
 べきぃっ!!
「あの…、血流してますけど…」
「知らなくてよ」
「それにあの悪霊さんは煩悩を抱えたまま死んだ人たちの無念が集まったものなんです。たとえば一度も女の子にもてないままダンプカーに潰されてぐちょぐちょとか…」
「いやぁぁぁーーっ!」
「あ、逃げちゃった…。そんなに怖くもないのに…」
「ところで今度の日曜ヒマっ!?よかったらデート」
「…ムク」
 ガブッ!!
「バウバウバウバウバウバウ!!」
「ゴメンなすわーーーいッッ!」

「はあはあ…まったく冗談じゃないわよ」
 ざわっ
「ひっ!?」
『うへへへへ…。ちち…しり…ふともも…』
「い…いや…いや…」
「おおっあの鏡さんが半泣きになって頭を振ってる!これはこれでなかなか萌えるシチュエーションーーー!!」
 どばきいっ!!
「このくされ外道がぁぁぁっ!!」
「(ああっついつい口に出してしまう素直な自分が憎いぜコンチクショー…)」
「と、このように鏡さんの色気に引かれ悪霊は集まってしまうのだワン」
「私は悪霊さんが見られて嬉しいです…」
「わかったわよっ!やればいいんでしょうやれば!」
 というわけで…
 ゴーストスイーパー鏡魅羅見参!!
「おおっ鏡さんのボディコーーーーン!!!」
 どげしいっ!!
「こ、ここここの鏡魅羅が」
「後ろ向いて言っても仕方ないのだワン…」
「お、おだまりなさいっ!」
『ちちしりふとももーーーっ!!』
「きゃぁっ!」
「いやっ!」
「ぐはっ!?」
「こ、こんなに強力だとは思わなかったワン!」
「冗談じゃねぇぞ犬ーーっ!?いややーーっこんなとこで死にたくないーーーっ!!かわいーー女の子と青春を謳歌するんやぁぁぁーーっ!!」
「そうか、お前の煩悩が奴に力を与えているのだワン」
「え゛」
「主〜〜〜〜入〜〜〜〜〜!!」
「あ、いやそんなこと言われましても若さゆえの無軌道な純情の暴走が理由なき反抗なわけで…」
 どかばきぐしゃっ!!
「ねぇムク、らちが明かないね…」
「うーむ、困ったのだワン」
『ぐへへへへーーっ!』
「やっぱりお化けイヤーーー!!」
 ぱたぱたぱた
「おーい」
「おねえちゃーーん」
「えっ、明に光!?ダメよこっちへ来ちゃ!!」
「えっ!?」
『ぐへへへへ…』
「ふ…ふぇぇぇーーんお化けーーーっ!」
『ぐへへへへーーっ!』
「あ、危ないです!」
「(し…しっかりするのよ鏡魅羅!弟たちを守れるのはあなたしかいないんだから!)
 主入君、2人を連れて逃げて!」
「うわーーっ死ぬんやーーもうあかんーーーっっ!!死ぬ前に一度でいいから魅羅さんとメグちゃんと詩織と沙希ちゃんと彩ちゃんとゆかりんとみはりんと優美ちゃんと望ちゃんと未緒ちゃんとひなちゃんとレイちゃんに伝説の樹の下でもみくちゃにされてみたかったーーーっっっ!!」
「病的な妄想はいいから言うとおりになさい!!」
「きゃーーっいやーーーっっ!!」
「ええい役立たずっ!!」
『ちちしりふとももーーーっっ!!』
「はっ!」
「危ない、姉さん!!」
 ズガッ!
「あ…明!!」
「明おにいちゃん!!」
「ね、姉さん…大丈夫だった…?」
「明、しっかりなさい!」
「あの、傷は浅いです!」
「よかった、姉さんが無事で…」(ガクッ)
「大丈夫、気を失っただけだワン」
「明…」(キッ)
『げへっ!?』
♪ちゃっちゃっちゃちゃっちゃ〜ちゃ〜ちゃっちゃちゃっ
「この世に何の未練があるかは知らないけれど、ちょっと悪さが過ぎたみたいね。このゴーストスイーパー鏡魅羅が」
 ビシッ!ビッビッ!
「極楽へ!行かせてさしあげてよ」
『ぐへへへーーーっ!!』
「お…俺も極楽へ行かせてくださいっスーーーー!!」
「悪霊退散!!!」
 バチィッ!!
「ぐはぁっ!?」
『ぐへーーっ!!』
「吸引!!」
 シュウゥゥゥゥ…
「終わったわ…」
「あとは悪霊を封じ込めたお札を燃やせば完了だワン」
「あの、すごいです」
「ああっ…」(くらっ)
「お、おねえちゃんっ」
「どうやら霊力を使い果たしたようだワン」
「大変だ、致し方ないここは俺が人工呼吸をぶちうーと!ああっ秋だけど人生の春!!」
 どべきぃっ!!
「鏡さぁぁーー……ん」(キラーン)
「わあ、きれいなお星様ですね」
「まったく男なんて!!」
「うーむ、なんと言ったらよいのかワン」
 ゴーストスイーパー、それは危険で過酷な職業である!しかし彼女は今日も戦う、日本の平和のために!!
「あの、今度は3丁目のビルに地縛霊が出たらしいです」
「行かないったら行きませんわよ!」
「それからこの近所にコアラの亡霊が…」
「あなたワザとやってるわねーーー!!!」
「(うふふ)」


<END>



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