・この作品はアニメ「らぶドル〜Lovely Idol」の世界及びキャラクターを借りて創作されています。
アイコン劇場のテキストだけ抜き出したものです。時間のある方はアイコン劇場の方をご覧ください。
・アニメに準拠のため、マジキュー連載の設定とは異なる部分があります。







らぶドル二次創作『声優ですか?』




瑠璃『それは瑠璃たちがデビューしてから、2ヶ月ほど経った日のことでした』

智弘「さてと、今日も仕事に行くか…」
瑠璃「お兄ちゃん!」
智弘「うわっ。瑠璃、来てたのか?」
瑠璃「うん、どうしても相談したいことがあるの! 聞いて聞いてー!」
智弘「分かったよ、いちいちくっつくな」
瑠璃「実はね…瑠璃、このままでいいのかなって悩んでるんだ…」
智弘(る、瑠璃が真面目な話を!?)
瑠璃「昨日、前の学校の友達と久しぶりに遊びに行ったんだけどね」

友人A『でも未だに信じられないなー。瑠璃がらぶドルなんて』
瑠璃『えー、どうしてー?』
友人A『だって少し前までは、あたしらと同じ普通の女子高生だったじゃん。それがいきなりテレビの向こう側だし』
瑠璃『う…。ま、まあ瑠璃は人数合わせみたいなものだから。あ、あはは…』
友人B『だよねー。別に小さい頃から訓練してたわけでも、養成校に通ったわけでもないし』
友人A『瑠璃がアイドルになれるんなら、私たちもなれそうだよねー』

瑠璃「なんて言われちゃったんだよ〜!」
智弘「そうだよなぁ…。何でお前がらぶドルなのか、未だによく分からないし…」
瑠璃「お兄ちゃんまで!」
智弘「い、いやいや。社長が認めたんだから、何か才能はあるんだろ。たぶん…おそらく…」
瑠璃「もういいよっ! とにかく、みんなみたいに『自分はこれ!』みたいな特技が必要だと思うんだ。やっぱ声優だよね」
智弘「声優なんて、そう簡単になれるわけないだろ」
瑠璃「もう、お兄ちゃんは常識的な話ばっかり!」
智弘「俺は常識的な人間なの!」
瑠璃「そうだ、雪見さんと唯さんに聞いてみよーっと。二人のスケジュール教えて」
智弘(この図々しさは一つの才能だよなぁ…。特に芸能界では…)


唯「雪見ちゃん、次のレギュラー決まったんだって?」
雪見「はい、お陰様で…。でも私なんか、五年後十年後にも仕事があるんでしょうか…」
唯「や、やめようよ先の話は」
瑠璃「こんにちはーっ」
唯「あ、瑠璃ちゃんだ」
瑠璃「お仕事お疲れ様ですっ。このジュース、おニ人に差し入れです!」
雪見「あ、ありがとうございます…」
唯「瑠璃ちゃん、気が利くねっ」
瑠璃「それでですねー、折り入ってご相談なんですけど」
唯「うん、何?」
瑠璃「実は瑠璃、本格的に声優を目指そうと思うんです!」
雪見「わ…。そうなってくれれば、一二三期と声優が揃いますね」
唯「それはいいことだけど…。一つ聞いていい?」
瑠璃「はいっ」
唯「瑠璃ちゃん、どうして声優になりたいの?」
瑠璃「えーっとぉ、アンア〜ンの時に思ったんです。声のお仕事も結構楽しいかもって」
 ゴゴゴゴゴ
瑠璃「ゴゴゴゴゴ?」
唯「声優なめんなぁぁぁーーー!!」
瑠璃「きゃうっ!」
唯「瑠璃ちゃん…。今の時代、声優志望者が何人いるか知ってる…?」
瑠璃「えーと、百人くらい?」
雪見「大手養成校一校だけで、毎年の声優科入学者が二百人近くいます…」
瑠璃「ええーっ!?」
唯「ボクだって最初はなかなか仕事がなくて、バイトと仕送りで何とかしのいでたのに…。『結構楽しいかも』かぁ…ふふふ…」
瑠璃「ひいいいいすみませんごめんなさい! 瑠璃がおばかでしたぁっ!」
唯「ううん、謝ったって許せないよ! だいたいアイドルのついでに声優やろうなんて浅はかだよ! そんないい加減な気持ちで務まると思ってるの!?」
雪見「まあそういう私たちも、声優のついでにアイドルやってるんですけどね…」
唯「……」
唯「………」
唯「な、何事もマルチに活躍できるのは大事だよね!」
瑠璃「………」
雪見「それに、養成校を出てないとダメとか、長年訓練しないとダメとか、そういうものでもないと思います」
雪見「何年も努力して芽が出なかった人がいる一方で、数ヶ月の努力でメジャーになる人もいますし…」
唯「そうだよね、そんな人もいるよね…。世の中理不尽だよね…」
瑠璃涙(こ、心が痛いぃぃぃぃ)
唯「とにかくっ! それでも声優になりたいなら、血のにじむような根性が必要なんだよ。瑠璃ちゃんにその覚悟はあるの!?」
瑠璃「も、もちろんです! 瑠璃、頑張るもん!」
瑠璃「それで厚かましいんですけど、お二人から声優のイロハを教えてもらえませんか?」
唯「ええー? それはちょっと虫が良すぎるんじゃないかなぁ」
瑠璃「そ、そうですよね。お二人とも忙しいですもんね…」
瑠璃「瑠璃が売れたいわけじゃない。ただ、仲間とお兄ちゃんの足を引っ張りたくなかった…」
瑠璃「でもそんなの、最初から無理だったんですね…。みんな、ダメな瑠璃でごめんね…」
雪見「くすん、可哀想です…。唯さん、協力してあげましょうよ。同じらぶドルですよ?」
唯「雪見ちゃん釣られすぎだよ…。まぁ、一回くらいならいいけどさ」
瑠璃「ホントですかっ!? ありがとうございます、このお礼は必ずしますねっ!」
唯「いいよいいよ、そんなの」
瑠璃「う〜ん、何がいいかなぁ。お兄ちゃんの生写真とかでいいですか?」
唯「瑠璃ちゃん! キミってとってもいい子だね!」
雪見(瑠璃ちゃん、恐ろしい子です…)


瑠璃「全員しゅうご〜!」
舞「なんだよ、騒々しい…」
瑠璃「実はかくかくしかじかで、雪見さんと唯さんがレッスンしてくれることになりました〜」
海羽「へー。忙しそうなのに、よく0Kしてくれたね」
比奈「素晴らしいです。瑠璃様も新たな一歩を踏み出されたのですね」
瑞樹「…おめでとう、瑠璃」
瑠璃「うんっ。それで聞いてみたら、もう一人くらいなら連れてきてもいいって」
瑠璃「誰か一緒に行かない? 瑞樹ちゃん、どう?」
瑞樹「わ、私?」
琴葉「いいんじゃないでしょうか。瑞樹さん、喋るの苦手そうですし」
瑞樹「わ、私はやめとく…。唯さんも雪見さんも、よく知らないし…」
舞「まーたお前は、すぐそうやって人見知りする」
瑞樹「い、いいでしょ別に。瑠璃がプロになったら、私に教えてよ」
瑠璃「うん、いいよー。じゃあ代わりに…」

 演技がヘタな人
 演技の道を目指す人
 実は隠れオタクな人




瑠璃「瑞樹ちゃん、本当にいいの? 実はこっそりアニメオタクでしょ?」
瑞樹「ええっ!? そ、そんなんじゃないわよ」
瑠璃「残念だけどネタはあがってるんだよ。だって…」
ピッコロといえば?
・楽器 → 一般人
・じゃじゃ丸 → 昔の幼児
・しずく&ひびき → アイドルオタ
・大魔王 → アニオタ、ジャンプオタ

瑠璃「『ピッコロ』と聞いて何を思い出すかで、その人の嗜好は分かるんだからね!」
瑞樹「フッ…」
瑞樹「クッククク……バレてしまっては仕方ないわね」
海羽「ま、まさか瑞樹ちゃんが…」
瑞樹「でも最近のアニメは駄目よね。萌えを狙ってどこかで見た話にキャラばかり。動きも悪いし、ドラゴンボールの頃の方が百倍面白かったんじゃない?」
瑠璃「うわあああ懐古厨だぁぁぁぁ!」
瑞樹「声優だってドラゴンボールのCV陣は神揃いだったのに、最近のアニメときたら」
琴葉「当て身」ドスッ


瑞樹「あれ? あたしなにか喋ってなかった?」
琴葉「そうですか? 気のせいですよ」
瑠璃「こ、琴葉ちゃんって…」

 演技がヘタな人
 演技の道を目指す人




海羽「だ、だーれのことかにゃあー」
瑠璃「もう、海羽ちゃん。下手だからって逃げてたら、いつまでも上達しないんだよ?」
海羽「うう…分かってるんだけどね。あたしってば根が素直だから、演技とか向いてないんだよね」
比奈「あはははは。すると演技の得意な私の性根は何なのでしょうね、海羽様?」
海羽「ごめん比奈ちゃん、レンジ構えないで!」
瑠璃「それじゃ明日の夕方ね。唯さんが教えてくれるから」
海羽「ゆ、唯さん!? せ、せめて優しそうな雪見さんの時に…」
瑠璃「海羽ちゃん!」
海羽「はぁ〜〜い…」
 次へ

比奈「私でよろしいのですか? 瑠璃様に感謝を」
瑠璃「それじゃ明日の夕方ね。唯さんが教えてくれるから」
比奈「唯様ですか。お姉様方のお話が聞けるかも…」
瑠璃「えーっと、目的を忘れないようにね?」

 そして翌日の夕方――

唯「それじゃ始めよっか」
瑠璃「はいっ、よろしくお願いします!」
比奈「お願いいたします、唯様」
海羽「お、お手柔らかにお願いしますにゃ…」
智弘「おっ、やってるな。頼んだぞ、唯」
唯「ま、マネージャー? もしかして参加するの?」
智弘「いや、俺は挨拶に寄っただけ。遠慮なく厳しくしてやってくれよ」
唯「うん、もらった報酬の分はちゃんと教えるよ♪」
智弘「報酬?」
瑠璃「い、いいからお兄ちゃんは仕事に戻って!」
智弘「こら、職場ではマネージャーと呼べと…」
 比奈ならばこちら
唯「瑠璃ちゃんは声優を目指すけど、アイドルも続けるんだよね?」
瑠璃「はいっ。歌って踊れる声優を目指しまーす」
唯「それはいいけど、快く思わないファンもいるから気を付けてね。声優は裏方であって、表に出るなって考える人も少なくないから」
海羽「そんな人いるんですか? 心せまーい」
唯「ファンにそういうこと言わないの! でも昔よりは、声優が露出する事への風当たりは減ったと思うよ」
唯「かつてはCD出すだけで叩かれたり、『声優が顔を見せると子供の夢が壊れる』なんて言われた時代もあったんだよ…」
瑠璃「ふぇー。今じゃCD出さない方が少ないですよね」
唯「それは先輩声優さんたちが、苦労して築き上げてきた立場なんだ」
唯「だから逆に、可愛いだけで実力も向上心もない下手ドル優は、ボク達自身の手で業界から扶殺しなくちゃね!」
海羽涙(ガタガタガタ)
唯「それじゃ読み合わせしてみてね。はい台本」
瑠璃「はいっ。いくよ、海羽ちゃん!」
海羽「う、うん…」
瑠璃「『助けて! 私はエサじゃないのよ!』」
海羽「『たーすけてー。わたしはエサじゃ、なーいのよー』」
瑠璃「『本当に裏切ったんですか!?』」
海羽「『オンドゥルルラギッタンディスカー!?』」
瑠璃「『なによ!』」
海羽「『はにほ!』」
唯「……」
海羽「ああッ! 唯さんの目が羅刹のよーにっ!」
瑠璃「ご、ごめんなさい唯さん! 海羽ちゃんは声優志望じゃないし、大目に見てあげてください!」
唯「ふーん、ちなみに何志望なのかな?」
海羽「はいっ、ミュージカルスターですニャー」
唯「演技の下手なミュージカルスターがいるかーっ!!」
海羽「に゛ゃあああーー!!」
唯「ボクは気分を害したよ! もうレッスンは打ち切り!」
瑠璃「そ、そんなぁー」
海羽「ううう…ごめん、ごめんね瑠璃ちゃん…。あたしの演技がへちょいばっかりに…」
瑠璃「ううん、海羽ちゃんは悪くないよ。悪いのは瑠璃…」
瑠璃「海羽ちゃんがぽんこつ猫だと知っていながら、連れてきてしまった瑠璃が悪いの…」
海羽「慰めになってないにゃり」
瑠璃「でも瑠璃は諦めないよ! 何年かかっても、信じれば夢はかなうんだから!」
海羽「る、瑠璃ちゃん……あたしも頑張るよー!」
 そう…瑠璃はまだ走り始めたばかりだからね。この果てしなく長い声優坂を…。
BAD END

唯「さて! 声優に大切なのは、やっぱり発音だよね」
唯「瑠璃ちゃんはちょっと舌っ足らずな感じだし、比奈ちゃんは声が小さい」
瑠璃「ううっ、確かにそうかも…」
比奈「面目もございません」
唯「それじゃ基本ということで、早口言葉の練習からしてみよっか」
瑠璃「は、早口言葉? って、坊主が屏風に絵を描いたりするアレですか?」
唯「そうだよー。前に知奈ちゃんが声優に挑戦した時も、この練習から始めたんだよ。美奈ちゃんは全然ダメだったけど」
比奈「存じています! テレビの企画で、外国番組の吹き替えをされたのですよね」
唯「う、うん。知奈ちゃんは完璧に仕上げてたね。美奈ちゃんは途中でプロデューサーに外されたけど」
比奈「さすがは知奈お姉様です! きっといつものように陰で必死の努力をされていたのでしょう。そのひたむきさには妹の私も涙を禁じえません。それにしても許せないのはそのプロデューサー様とやらです美奈お姉様は早口なんて必要ありません普通に話されるだけで聞く者すべての心の汚れを洗い流すヒーリングボイスを持っていらっしゃるのにそれを見抜けないなんてどこまで節穴ですかビシー!」
唯「えーと…比奈ちゃんは早口言葉合格」
瑠璃「これでいいの!?」
唯「じゃあ瑠璃ちゃん、行くよ! 制限時間内に発音してね!」
瑠璃「あわわわわ。ち、ちょっと待ってくだ…」

唯「生麦生米生卵!」

 なまむぎなまごまっ
 なまむぎなまごめなまたまご
 なまむぎなまごめなまたまこ




瑠璃「いたたた…」
唯「いきなり噛んでるし…」
瑠璃「も、もう一回チャンスをください!」
唯「ねえ瑠璃ちゃん、声優だけが職業じゃないよ? もっと向いた道を探した方がいいんじゃないかな」
瑠璃「一度舌噛んだだけで終わる瑠璃の声優人生ってーー!!」
BAD END

 ○
 次へ

 ×
唯「消費支出費非消費支出費」

 しょうひししゅつひひしょうひししゅつひ
 しょうひししゅつしひしょうひししゅつひ
 しょうしひしゅつしししょうしひしゅつし




唯「『し』と『ひ』が逆になってるよ…」
瑠璃「てやんでぇ、瑠璃江戸っ子だもん」
唯「声優より、火消しでも目指した方がいいんじゃないかな」
瑠璃「え、これでおしまいなのー!?」
BAD END

 ○
 次へ

 ×
唯「にわの庭には二羽の鶏は鰐を食べた」

 にわのにわにはにわのにわとりはにわをたべた
 にわのにわにはにわのにわとりはわにをたべた
 にわのにわにはにはのにわとりはわにをたべた




 ○
 次へ

 ×
唯「瓜売りが瓜売りに来て売り残し売り売り帰る瓜売りの声」

 うりうりがうりうりにきてうりのこレうりうりかえるうりうりのこえ
 うりうりかうりうりにきてうりのこしうりうりかえるうりうりのこえ
 うりうりがうりうりにきてうりのこしうりうりかえるうりうりのこえ




 ○
 次へ

 ×
唯「東京特許許可局長今日急遽休暇許可拒否」

 とうきょうとっきょきょかきょくちょうきょうきょうきょきゅうかきょかきょひ
 とうきょうとっきょきょかきょくちょうきょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ
 とうきょうとっきょきゃかきょくちょうきょうきゅうきょきゅうかきょかきょひ




 ○
 次へ

 ×
唯「はい、そこまで」
 正解が2問以下
 正解が4問以下
 全問正解

瑠璃「ど、どうですかっ」
唯「大丈夫! 瑠璃ちゃんは可愛いから、声優を諦めてもやっていけるよ!」
瑠璃「瑠璃じゃだ〜め〜な〜の〜!?」
BAD END

唯「まあまあかな。初めてにしては上手い方だと思うよ」
瑠璃「ホントですかっ! ありがとうございます!」
比奈「良かったですね、瑠璃様」
唯「でも玉は磨かないと光らないからね。それじゃもう少し練習してみよっか」
瑠璃「はいっ」
 次へ

唯「スゴイね瑠璃ちゃん、完璧だよ!」
瑠璃「え…ホ、ホントですかっ!」
比奈「おめでとうございます、瑠璃様」
唯「結構、基礎はできてるみたいだね。それじゃ少し高度な練習に行ってみよっか」
瑠璃「はいっ、よろしくお願いします!」


唯「今日はここまで!」
瑠璃&比奈『ありがとうございました!』
唯「今日言ったところを直せば、もっと良くなると思うよ」
瑠璃「ううっ、唯さんには何てお礼を言ったらいいか…」
唯「気にしない気にしない! ボクも久し振りに初心に返れた感じかな」
雪見「こんばんは、調子はどうですか?」
唯「あ、雪見ちゃん。仕事終わった?」
瑠璃&比奈『お疲れ様でーす』
美樹「ちっとは上達したんでしょうね?」
瑠璃「な、何であなたがここにいるのよ!」
美樹「雪見のマネージャーだもの、仕事帰りに決まってるでしょ。あんまり唯と雪見に迷惑かけるんじゃないわよ」
美樹「ま、自分の能のなさに気付いた事だけは誉めてあげるけど」
瑠璃「の、能なしじゃないもん! る、る、瑠璃たちはねぇ、初ライブで5万人集めたんだから…」
美樹「はん! 思い上がってんじゃないわよ。アンタらが集めたのは千人足らずでしょ。残りは一期生と二期生が集めたようなもんじゃないの」
瑠璃「う、ううぅ〜〜!」
美樹「まあせいぜい頑張んなさい。スキルもなしで渡っていけるほど、芸能界は甘くないからね」
瑠璃「ばかー! メガネばかー! いつか思い知らせてやるんだから…」
比奈「あ、あのー、瑠璃様?」
瑠璃「え? な〜に、比奈ちゃん♪」
比奈「い、いえ。まるで人が変わったようでしたので…」
瑠璃「え〜、そんなことないよぉ?」
瑠璃「あの女相手なら当然の態度だよ! ペッ」
唯「う、うーん。美樹さんは厳しいけど、根はいい人だと思うけどなぁ」
雪見「どうしてそんなに仲が悪いんですか?」
瑠璃「それは…」

 とにかく意地悪だから
 瑠璃のプリンを勝手に食べたから
 お兄ちゃんを愛しているから




瑠璃「だよねー比奈ちゃん。瑠璃たちがデビューする前も、さんざん嫌なこと言われたよねー?」
比奈「は、はあ…。でも今にして思えば、むしろ私たちの成長を促す意味だったのではと」
瑠璃「あんな人の味方することないよ! 他人を見下すことしかできない人なんだから!」
瑠璃「見てなさいよ。いつか絶対、瑠璃のこと認めさせてやる…!」
唯(うーん、それこそ美樹さんの希望通りな気がするなぁ)
 次へ

瑠璃「あの人、よくお兄ちゃんにプロレス技掛けますよね?」
雪見「あ、だからマネージャーが可哀想って怒ってると…」
瑠璃「違います! あの女はああやって、お兄ちゃんとの肉体接触を図ってるんですよ! なんていやらしい!」
雪見「…あの、その考え方の方がいやらしい気が」
瑠璃「だいたい瑠璃とお兄ちゃんは前世で恋人だったのに、あの悪魔が邪魔したせいで結ばれなかったんです。姉に生まれ変わってまで二人の仲を裂こうだなんてどこまで厚かましいのお兄ちゃんどいてそいつ殺せない!」
唯「も、もしもしー」
瑠璃「ん〜? このへんにも、お兄ちゃんに色目を使う悪魔がいそうな気がするなぁ〜?」
唯&雪見『ぎくっ』
瑠璃「お二人とも優しい先輩ですよねっ。瑠璃の大事なもの盗ったりしませんよねっ。もし瑠璃の気持ちを裏切ったら…何するか分からないかも〜♪」
唯「ボ、ボボボク大事な用を思い出したから失礼するね! それじゃっ!」
雪見「わ、私も王子の散歩の時間なのでさよーならー!」
唯(あーあ、結婚してもあんな義妹がいるんじゃ幸せになれそうにないや。マネージャーのことは諦めよう…)
雪見(くすん、さようなら私の初恋…)
瑠璃「………」
 計画通り!
瑠璃「ふー、これで悪い虫を二人遠ざけたよ。キモウトのフリするのも大変だよね」
比奈「いやそれフリじゃないですから! そこまでやる時点で十分キモウトですから!」
瑠璃「比奈ちゃんに言われたくなーい」
比奈「ひーん、一緒にされました…」
比奈「で、あのお二人に思いっきり引かれた状態で、声優の方はどうされるんですか?」
瑠璃「しまったぁ!」
BAD END

瑠璃「そう、瑠璃があのプリンをどれだけ楽しみにしていたか。それをあっさり腹に入れた上に『あら、余ってたのかと思ったわ』なんて平然と言ったあの女はまさに悪魔としか…ってあれ?」
唯「さーて、帰ってカラムーチョでも食べよっと」
雪見「瑠璃さん、明日も頑張りましょうね」
瑠璃「うわーん! 食べ物の恨みは恐ろしいんだからー!」
比奈「瑠璃様、お可哀想です…。それでは私が、食べきれないほどのプリンを作って差し上げますね」
瑠璃「あ、ありがと。プリンって電子レンジは使わないよね?」
比奈「何を言ってるんですか瑠璃様。私が作るプリンなのですから、使うに決まってるじゃないですか」
瑠璃「なんかおかしいよその理屈!」
 次へ



海羽「瑠璃ちゃんと比奈ちゃん、今頃頑張ってるのかなー」
舞「最近の声優界は、アイドル以上に志望者が多いからな。瑠璃の実力じゃ険しそうだ」
瑞樹「…そんなに、実力って必要なのかな」
琴葉「え?」
瑞樹「瑠璃に色々アニメを見せられたけど、○○なんてどう聞いても演技力ないし…」
瑞樹「××なんて何の役でも同じ声に聞こえるし…。なのにどっちもプロ声優…」
海羽「そうなの? プロって言っても大したことないんだー♪」
舞「こ、このアホ共が…」
琴葉「それはですねぇ、世間一般の方々が」
琴葉「『らぶドル三期生ってあんまり可愛くないし実力もないよね。プロのアイドルって大したことないんだー』」
琴葉「…と、言うようなものですよ」
海羽「あいたたたたたたぁーー!」
瑞樹「あぅ…」
舞「言うのとやるのとは大違いなんだよっ」
瑠璃「たっだいまー♪」
海羽「あ、おっかえりー。どうだった?」
比奈「大変有意義な時間でした。唯様に感謝を」
瑠璃「声優の極意に一歩近づいたって感じだよっ」
瑞樹「良かったね。明日は雪見さんだっけ?」
瑠璃「うん。それでもう一人なんだけど…」

 なんか地味な人
 スキルを増やしたい人




舞「うむ、確かに何でも身に付けた方がいいな。いざという時潰しが効くし」
瑠璃「だよねー。瑠璃も漫才とか出来た方がいいのかなぁ」
舞「も、ってのが引っかかるが、出来ないよりはいいだろ」
海羽「あ、それじゃ瑠璃ちゃんの相方はあたしでー」
比奈「いえ、ここは私にお任せください」
舞「お前ら三人ともボケだろうが! 誰がツッコむんだ誰が!」
琴葉「やはり舞さんが全員にツッコむしかないのでは?」
舞「こっちの身がもたんわー!!」
瑞樹「あ、あはは…」


 翌日
舞「うーん。一・二期生と会う時って、どういう立場でいればいいか困るんだよな」
瑠璃「え? 後輩でしょ?」
瑠璃「…あ、そっか。芸能界では舞ちゃんの方が先輩なんだっけ」
舞「そうなんだよ。まあ今日は教わる立場だし、下手に出てやるとするか」
瑠璃「言ってるそばから偉そうだよ…。恐れ多くもサニーの中の人なんだから、失礼のないようにしてよね」
舞「はいはい、このアニオタめ」
雪見「ご、ごめんなさい。仕事が押してしまって…」
瑠璃「大丈夫でーす。ちょうど今、アニメの素晴らしさについて話してましたー」
舞(おいおい)
雪見「そうですか! 私、アニメが好きで声優になったようなものですから…。あの、瑠璃ちゃんも?」
瑠璃「はいっ、アニメの知識なら任せてください! 瑠璃、魔女っ子ものの呪文は全部言えるんですよー」
雪見「じゃあ赤ロリちゃんの変身呪文を言ってみてください」
瑠璃「え…。それって魔女っ子ものじゃないし…」
雪見「あなたはそんな狭い視野で魔女っ子ものを見ていたのですかこのバカモノー!!」
瑠璃「なんだか知らないけどごめんなさいー!!」
雪見「エスパー魔美も高町なのはさん(19)もみんな魔女っ子です! 大事なのは魔法や年齢ではありません、ハートなんです!」
瑠璃「お、大きい、この人は大きすぎる…! 瑠璃は今、猛烈に感動しています!」
舞(私は猛烈に帰りたくなってきた…)
雪見「そのへん、舞ちゃんはどうですか?」
舞「わ、私ですか? アニメはあんまり見ないからなぁ」
瑠璃「いつも芸歴8年とかいばってるくせにー」
舞「う、うるさいなぁっ。アニメなんて子供が見るものだろっ」
瑠璃「舞ちゃん、子供じゃん…」
舞「私はもう大人だー!」
雪見「そうですか、アニメは子供が見るものですか…。ふふ、ふふふ…」
舞「やばっ」
瑠璃「プロの声優さんの前で、その発言はまずかったよぉ」
雪見「最近は大きいお友達の方が多いんですよ!?」
舞「いやそういう問題じゃあ…」
瑠璃「舞ちゃん、早く謝って!」
舞「ごめんなさい! 私、小さい頃から仕事ばかりだったから、アニメとかゲームとか普通の子供みたいな経験は全然できなかったんですぅ!」
雪見「そ、そうでしたか、空虚な人生だったんですね…。それじゃ今度、私の特選アニメDVD全100枚を貸してあげますね…」
舞(嬉しくない…)
舞「つーか、アニオタであることが声優やる上で何か有利なのか?…なんですか?」
瑠璃「そりゃあ有利に決まってるよ! ね、雪見さん」
雪見「………」
瑠璃「あ、あの〜?」
雪見「そ、そうですね。台本だけではキャラクターの気持ちが分かりにくい場合があるので、そんな時にアニメを見慣れていると推測しやすい…かも」
舞「それって国語のテストでよく出る、『登場人物の心情を考えましょう』って奴でしょ。アニオタと関係ないんじゃないですかー」
瑠璃「そんな事ないもん! アニメにはアニメのお約束があるんだもん!」
雪見「それでは、そのあたりを練習してみましょうか」
雪見「これから台詞を言うので、どんな感情を込めて演じればいいか、考えてくださいね」
舞「むむ、声優っぽくなってきたぞ」
瑠璃「瑠璃、いっきまーす!」
雪見「第一問」
雪見「『あ、あなたなんて、好きでも何でもないんだから』」

 相手のことが大嫌いな気持ち
 本当は好きだけど素直になれない気持ち
 好きでも嫌いでもないどうでもいい気持ち




舞「あ、これは知ってる。ツンデレって奴だろ」
瑠璃「舞ちゃんでも知ってるなんて、ツンデレも有名になったんだ」
舞「瑞樹がツンデレとかいう話もあったな。全然違ったけど」
瑠璃「どっちかというと、舞ちゃんの方がツンデレだよね」
舞「そうかぁ〜? 私はわりと素直な性格だと思うぞ〜」
瑠璃「琴葉ちゃんのこと好き?」
舞「なっ!? なんだよ急に! ど、どうでもいいだろあんな奴!」
雪見「わあ、ツンデレの実物って初めて見ました…」
舞「人を珍獣みたいに言うなー!」
 次へ

 ×
雪見「『まだだ。まだ終わっちゃいない』」

 諦めず最後まで戦う気持ち
 本当は終わりだけどねという気持ち
 仕事が終わらなくて嫌だなぁという気持ち




 ○
 次へ

 ×
雪見「『何度も起こしたわよ』」

 看板が何度も倒れた気持ち
 奇跡は起きない、と言われた気持ち
 どうして起こしてくれなかったのよ!と言われた気持ち




雪見「絶対ないわけではないですけど、3番の方が一般的ではないかと…」
瑠璃「そ、そうかなぁ」
舞「何度も起きたら奇跡じゃないだろ」
 次へ

 ○
 次へ

 ×
雪見「『あの人を…信じているから』」

 死に瀕したラスボスの気持ち
 爽やかな笑顔のヒロインの気持ち
 カルト宗教の信者の気持ち




雪見「えっと…状況がよく分からないんですが…」
舞「どーいうラスボスだよ」
瑠璃「それはですねー。実はラスボスの後に真のラスボスがいて、その人を信じてるんです!」
舞「無理がありすぎるわっ!」
 次へ

 ○
 次へ

 ×
雪見「『お兄ちゃま。花穂のこと、見捨てないでね』」

 不安
 自信
 殺意




瑠璃「やっぱお兄ちゃんに見捨てられるんなら殺る!くらいの気持ちでないと!」
雪見「通報しました」
瑠璃「なんでーーーー!?」
BAD END

 ○
 次へ

 ×
雪見「はい、お疲れ様でした」
瑠璃「どうでしょうかっ」
 正解が2問以下
 正解が4問以下
 全問正解

雪見「…私には言えません! 後輩に向かって、声優の道は締めろだなんて!」
瑠璃「言ってるし…」
雪見「王子、かわりに言ってあげて!」
雪見「声優の道は締めろ」
瑠璃「2回も言ってるしー!」
BAD END

雪見「よくできました。それだけできれば十分だと思いますよ」
瑠璃「やったー! 雪見さんに誉めてもらえたー!」
舞「大声ではしゃぐなよ、恥ずかしい奴め」
琴葉「良かったですね、瑠璃さん」
雪見「この調子で頑張って、立派な声優を目指してくださいね」
瑠璃「ううっ、雪見さんは瑠璃の女神様ですぅー!」
 次へ

雪見「…もしかすると私は、凄い大型新人の出現に立ち会っているのかもしれません…」
瑠璃「ええ!? そ、そんな大袈裟ですよぅ〜」
雪見「また私のお仕事が減っちゃいます…」
瑠璃「………」
雪見「はっ! えーと、冗談だよ? どっちも可愛い系の声で方向性が被るなぁとか、全然考えてないよ? ぴょこぴょこ」
瑠璃(プ、プロの世界って厳しいんだなぁ…)
 次へ

琴葉「あのぅ…もしかして私でしょうか…」
瑠璃「うんっ、だって琴葉ちゃん目立たないもん。声優やってもっと目立とうよ!」
琴葉(悪気はないんですよね…この人…)
舞「ま、瑠璃の言う通りだ。出来ることは何でもやらないと、いつまでも地味なままだぞ」
琴葉「地味って言わないでください! わかりました、こうなったら声優で生まれ変わります。Say You!」
瑞樹(なんか声優を勘違いしてるような…)


 翌日
琴葉「そういえば瑠璃さん。愛犬カトリーヌの時って、出演料はもらえたんですか?」
瑠璃「あはは、もらえるわけないよぉ。やらせてくれただけでも有り難いと思わなきゃ」
琴葉「そ、そうですよね。すみません、下世話な話で」
瑠璃「出演料よりグッズが欲しかった…」
琴葉「もしもーし」
雪見「ご、ごめんなさい。仕事が押してしまって…」
瑠璃「大丈夫、今来たところでーす」
琴葉「瑠璃さん、デートの待ち合わせじゃないんですから。あの、今日はよろしくお願いします」
瑠璃「そういえばサニー二期決まったんですよね。おめでとうございますっ」
雪見「ありがとうございます。でもここだけの話、一期の放映前から決まってたんですけどね」
瑠璃「ええっ!? 二期のためにと思ってDVD2本も買った瑠璃の立場は…」
雪見「あわわわ。ご、ごめんなさい! 聞かなかったことにしてください…」
瑠璃「くすん、いいです。鑑賞用と保存用にします…」
琴葉(は、話についていけません…)
雪見「それでは、まず簡単に合わせてみましょうか。この台本を使ってくださいね」
瑠璃&琴葉『はいっ』


琴葉「『楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。…ぜんぶ、変わらずにはいられないです。それでも、この場所が好きでいられますか』」
瑠璃「琴葉ちゃん、結構うまーい」
雪見「そうですね。声優志望でない割には普通に上手です」
瑠璃「琴葉ちゃんって、何をやっても普通にできるんです」
雪見「そうなんですか。それは普通に素敵ですね」
琴葉「そんなに普通普通言わなくてもいいじゃないですかぁ…」
雪見「それでは、特別訓練に入りますね」
瑠璃(どきどき)
雪見「お二人とも、国語の成績はいい方ですか?」
瑠璃「ええっ!? えっとぉ、あはは…」
琴葉「まあ普通でしょうか…ああっ、自分でも普通って言ってしまいましたっ」
雪見「声優にとって国語力は大事です。結局は言葉を扱うお仕事ですからね」
雪見「漢字を読み間違えたりすると恥ずかしいですよ? 旧中山道を『いちにちじゅうやまみち』と読んだアイドルもいましたし…」(ゲーム版で)
瑠璃「あはははは。恥ーずかしー」
瞳子「面白いお話ですね雪見さん。誰のことだか詳しく教えてもらえませんか?」
雪見「と、とととと瞳子さん!」
瞳子「2期生の中で、あなただけはまともな人だと思ってたのに…。結構いい度胸してますねぇぇぇ!」
雪見「ゆ、許してくださいっ! お仕置きは嫌ですっ…ああっ…」
琴葉「と、瞳子さんって優等生タイプの完璧アイドルじゃなかったんですか?」
瑠璃「ひ、人には意外な一面があるんだねー」
雪見「くすんくすん…。もうお嫁に行けません…」
瑠璃(何されたんだろう…)
雪見「それでは、これから出す漢字の読みを答えてくださいね」
瑠璃&琴葉『は、はいっ』
雪見「許嫁」

 おによめ
 こんやく
 いいなずけ




雪見「えっと…。いくらなんでも、それはないんじゃないでしょうか…」
瑠璃「いけない! お兄ちゃんが結婚する相手はどうせ鬼嫁に決まっている、という潜在意識が働いて!」
琴葉「瑠璃さん、いつも潜在意識でそんなこと考えてるんですか…」
瑠璃「やっぱりお兄ちゃんは妹と結婚すべきだよね」
雪見「それなんてエロゲ?」
瑠璃&琴葉『………』
雪見「い、いえ、エロゲなんてやってないですよ? 本当ですよ!? それじゃ次の問題へ!」
 次へ

 ○
 次へ

 ×
雪見「灰汁」

 はいじる
 かいじる
 あく




 ○
 次へ

 ×
雪見「吃逆」

 びっくり
 しゃっくり
 どっきり




 ○
 次へ

 ×
雪見「束子」

 とうこ
 たばこ
 たわし




雪見「ああっ瞳子さんごめんなさい!」
瑠璃「えーと、字が違ったかも〜」
雪見「脅かさないでください…」
 次へ

 ○
 次へ

 ×
雪見「忖度」

 そんたく
 ちゅうと
 ふど




 ○
 次へ

 ×
 次へ



瑠璃「今日はありがとうございましたっ」
舞「ありがとうございましたー。練習すれば芸として成立しそうだな」
琴葉「ありがとうございました。これでもう少し目立てるでしょうか…」
雪見「どういたしまして。あ、瑠璃さんだけ少し残っていただけますか?」
瑠璃「? はーい」


唯「お待たせー」
雪見「お疲れ様でした」
瑠璃「唯さん?」
唯「雪見ちゃんのレッスンは乗り越えたみたいだね。それじゃ、これから最後の試練だよ!」
瑠璃「ええええ!?」
雪見「今までの試験は、あくまで一般的な声優になるためのものです」
唯「でもボクたちはそれだけじゃない。『らぶドルの』声優なんだ」
瑠璃「そ、そうですね…」
雪見「それでは、らぶドル声優として一番大事なことは何だと思いますか?」
瑠璃「ええっ? らぶり〜できゅーとなこと?」
唯「そういう一般的なことじゃなくて、もっと具体的に」
瑠璃「えーとえーと」

 ニックネーム
 ぬいぐるみとの会話
 マネージャーへの愛




唯「うん。それは大事だよね」
雪見「さくにゃんとか、もっちーとかですね」
瑠璃「瑠璃の場合は、ルリルリ?」
雪見「…残念です。こんな事で、瑠璃さんの声優への道が途絶えてしまうなんて…」
瑠璃「ええー!?」
唯「ルリルリって、超有名なアニメキャラのニックネームだからね…。さすがに被るのはちょっとね…」
瑠璃「ま、待ってくださぁい! そ、それじゃルーリーとかルリルリーンとか…」
唯「ダメ、苦しすぎ! 潔く諦めよう!」
瑠璃「ひーどーすーぎーるー!」
BAD END

瑠璃「やっぱりマネージャーにLoveLoveLoveが見えちゃってるのが、らぶドルの条件ですよね!」
唯&雪見『え…』
瑠璃「その点瑠璃は最初からお兄ちゃんラブだからぁー」
雪見「ダメです瑠璃ちゃん! 兄妹でなんて非生産的な!」
瑠璃「え…。それを言ったらアイドルとマネージャーの恋愛もダメなんじゃ…」
唯「くっ、痛いところを…。とにかくそれが一番大事だって言うなら、今日からボクたちは宿敵だよ」
瑠璃「え、あの…」
雪見「さようなら瑠璃さん、短い付き合いでした…」
瑠璃「しょせんは後輩より男かぁーー!!」
BAD END

唯「うん、当然だね!」
雪見「基本ですよね」
瑠璃(ええー!? 冗談のつもりで答えたのに…)
唯「ミルクとプリンはボクと心が通じ合ってるからね」
雪見「私も、王子がいたからここまで来られました…」
雪見「そんなことないよ雪見ちゃん! 僕は大したことはしていないさ」
雪見「もう、王子ったら…。そんな謙虚なところもステキです…」
雪見「はっはっは、僕に惚れたらヤケドするよ」
瑠璃(ゴメンなさい雪見さん! 変な人にしか見えません!)
唯「それを理解したなら、さっそく瑠璃ちゃんもぬいぐるみを買ってこなくちゃ!」
瑠璃「は、はあ…」
雪見「カバのぬいぐるみなんてどうでしょうか? 意外性が勝利しそうです」
瑠璃「遠慮しときます…」
瑠璃(UFOキャッチャーで取ったサニーのぬいぐるみでもいいのかなぁ…)
唯「うん…どうやら瑠璃ちゃんは、らぶドル声優としても合格みたいだね」
瑠璃「なんかそれでいいのかって気もしますけど、ありがとうございますっ!」
雪見「それでは、今までの結果を総合しますと…」
 全問正解している
唯「んー、まあ、割といいんじゃない?」
瑠璃「微妙ー! まあいいや、これで声優になれますか?」
唯「この調子で2年くらいレッスンを受ければ、そこそこの形にはなると思うよ」
瑠璃「そ、そんなにかかるのぉ〜? 瑠璃、早く一人前になりたいのに…」
唯「ああん?」
瑠璃「…なんでもないです」
雪見「気持ちは分かりますけど、まだ若いんですから、そんなに焦らなくても大丈夫ですよ」
瑠璃「はぁ〜い…」


瑠璃「というわけで戦力になるには2年くらいかかるけど、瑠璃のこと見捨てないでね…」
瑞樹「み、見捨てるなんてするわけないじゃない!」
海羽「瑠璃ちゃんは可愛いんだから、それで十分だと思うにゃ〜」
比奈「そうですとも。瑠璃様は私たちのマスコットガールということで」
舞「マスコットガールって、役立たずの代名詞だけどな」
琴葉「舞さぁぁぁん!」
瑠璃「ううう…。瑠璃なんて瑠璃なんて…」
社長「ずいぶんと賑やかですね」
瑠璃「し、社長ー!」
瑠璃「教えてください! どうして瑠璃を三期生にしたんですか!?」
社長「あら、不満だった?」
瑠璃「そ、そうじゃないですけど、瑠璃なんてただの素人ですし…」
社長「そうですね。何のキャリアもない貴方を、会社の看板になるアイドルグループに招き入れた」
社長「――それはつまり、貴方が天才だということです」
瑠璃「ええ!? で、でも瑠璃、何の特技もないですよ?」
社長「そう、目に見えるような技術はないわね。でも…」
社長「貴方には、他人に媚びるという立派な才能があるわ!」
一同『!!!!!』
瑠璃「る、瑠璃にそんな才能が…」
瑠璃「ってなんかイメージ悪いですっ! もっと他の言い方はないんですか?」
舞「いやいやいや、アイドルとしては重要な才能だと思うぞー」
海羽「そういえばCM撮影の時も、スクール水着でサービスしてたよね」
比奈「さすがです瑠璃様、見事なまでの媚びっぷりです」
瑠璃「ホントにあれしか持ってなかったんだってばぁ〜!」
琴葉「瑞樹さん、私たちも見習いませんと!」
瑞樹「ええ!? ど、どんな事をするの?」
琴葉「ぶりっ子ですよ! 『お兄ちゃん大好きぃ〜♥』って言うとか」
瑞樹「今時ぶりっ子って! できるわけないでしょ人として!」
瑠璃「み、瑞樹ちゃんまでぇ…」
瑠璃「もういいよっ! そこまで言うなら瑠璃、この才能を極めてみせるんだから!」
社長「フフフ、その意気ですよ。狭い範囲から金を搾り取る…もとい熱狂的に支持されるタイプのアイドルも、会社には必要なのよ」
瑞樹「い、いいのかなぁ…」

 そして時は流れ――
 ドサドサドサ

比奈「今日もこんなに瑠璃様へのファンレターが来ています…」
海羽「同じ人が何通も書いてるみたいだけど、それにしても凄いよねー」
瑠璃「えへへー♪」
琴葉「………」
舞「ええい琴葉! 羨ましそうな目で見るんじゃない!」
瑞樹「プレゼントも来てるわよ。軽いから服か何かだと思うけど…」
瑠璃「何かなー」(ガサガサ)
海羽「うわ、エプロンだ」
瑠璃「手紙が入ってる。『このエプロンをつけて我が家の台所で料理する瑠璃タンを毎日想像してますハアハア』」
五人『…………』
瑠璃「わーい、嬉しいなー♪」
五人(お、大物すぎる…)
 NORMAL END

唯「…うん。瑠璃ちゃんの才能は認めるよ」
雪見「社長の眼力は確かだったようですね」
瑠璃「え、そ、それじゃぁ…」
唯「断言するよ、瑠璃ちゃんは声優になるべきだって!」
雪見「もう少し地力がついたら、オーディションを受けてみてもいいんじゃないでしょうか」
瑠璃「ゆ、唯さん、雪見さん…」
瑠璃「ほんとに…ほんとうにありがとうございます! 瑠璃、期待を裏切らないように頑張ります!」
唯「うんっ、瑠璃ちゃんの声がオンエアされるのを楽しみにしてるよ」
雪見「案外早く、一緒にお仕事をする日が来るかもしれませんね」
瑠璃「は、はいっ…!」
瑠璃「よーし、やるぞぉー!」
 
智弘「いかんいかん。つい兄モードで、ダメだダメだと言ってたな」
智弘「タレントがやる気になったなら、活躍の場を用意するのがマネージャーの仕事だ!」

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