○come さん
- 01 道標は出会いの中に (採点:5)
- 面白かったのですが、出来具合にムラが有って凸凹しているような感じでした。
例えば、中盤領主の屋敷を尋ね、少女が生贄にされることが判明する件ですが、やや駆け足でありましたし、なにより領主に全然特徴らしい特徴もないのでストーリーから引き離された気になりました。
その逆に、領主が恨み事を言ったところはその苦渋の決断だったんだというのがぐっと伝わってきましたけど。
問題は、容量なんですかねぇ・・・
- 03 君に届け→ (採点:8)
- 素晴らしい読後感。
登場人物一人一人の個性を全面にだしつつも感情をないがしろにしていないのでとても素直に感情移入できました。
ただ、タイトルに→を付けた意味が・・・なんか安っぽく見えてもったいないです。
しかしそれでもいい作品でした。
- 04 動物園 (採点:5)
- エロい・・・だけど最後が・・・
勝手な憶測を立てますが、この作品のテーマは日常に「浸透していく悪意や嫌悪」ではないでしょうか?
少なくとも、自分はそう受け取りました。
しかし、それでも作者さんの意図を確かめたい作品です。
- 08 遠い日 (採点:10)
- これは凄い。なんだかうまく表せないけど凄い。
どうやったらこう人の人生を小説で表わせるのだろうというのがずっと課題でしたが、こうも華麗にやられるては脱帽しかないじゃないですか。
人生の門出となる東京行の列車に乗る件まで、よく書ききったなぁというのが正直な感想。ほんと、どうやったらこういう小説が書けるんですか?
- 09 眠れない夜に見る夢 (採点:6)
- 全体的なストーリーやその都度の描写は良かったと思います。
ただ、こういう話なだけに細かい所の粗さが目についてしまい、そこが惜しいと思います。
特に「仮に名前をたかし」にする必要はなかったのではないでしょうか?途中の元クラスメイトも普通にたかしと言ってますし、黒板に書いていたのもたかし。「仮に」としたいんら「T君」とかあからさまに記号化してしまえばよかったのではないか、と提案してみます。
- 12 植物の部屋 (採点:8)
- 単刀直入に言って、惚れました(笑 伏線の匂わせ方とかに。
すごく自分の小説ってものを持っているように思えて、羨ましい限りです。
理屈では難癖を付け難い小説ですね(笑
評価が分かれるとしたら、好みの問題になりそうです。
というか、みんな好みで点数つけてんのかなぁ。
- 15 虹輪 (採点:4)
- 読者を感動させるには全編を通して今一つの説得力が足りないと思いました。
最後も「あら御都合主義ですか」ということで一気に興醒めさせられた感です。
それと、もう少し両親にも感謝してあげなさいって事ですかね。
- 18 君は小説に名前をつけると命名する (採点:7)
- 書いてあることは創作活動を行わない一般の人にとってただつまらないのだと思います。そういう意味で、この小説に共感できる読者は絞られるでしょう。
ただ、私自身はまさに創作活動を行う端くれであり、実際ここで書かれていたことは共感でき、尚且つ面白いと感じられました。
こういう試みは偉大な先人たちが多くの名作を遺しているいるせいで、私はここまでストレートに挑戦できませんので、それをやった作者さんの力量と度量に感服しました。どうもありがとうございました。
- 19 永く遠い旅の終わりに (採点:9)
- まず作者さんのSFに関する造詣の深さに感服しました。自分は全然詳しくないのでいちいちが正しいのかどうかなんて判断できませんが、とにかくここまで書くことができるということはかなりの知識を持ち合わせていらっしゃるのでしょう。うらやましいです。
内容の感想ですが、こういう話は設定とリアリティーが命だと私は思うのですが、それを及第点でクリアしていると感じました。登場人物は全て知的地球外生物で<来訪者>を送り出したのが人類、この構図が新鮮で面白かったです。<来訪者>へ向かう学者達のやり取りはリアリティーを演出するのにちゃんと機能していましたから作品に没頭する助力となっていました。
そしてラスト、私、大好きです。
宇宙の向こうへの可能性に想像が掻き立てられましたし、なによりこの広大な宇宙で人類は一人ぼっちではないという救済が明示されていて、感情を起こされました。
きっちりSF小説の役目を果たしたあたり、最大限に評価したいと思います。
で、ここからは気なったところですが、このオーティス人は不定形生物ということですが、どこかひとつ姿を想像し難かったです。一時はアメーバみたいなものかなと思いましたが、義足とかある時点でどうやら人間でいう四肢があるみたいだ、と思いなおし、結局人間の形をした水人形のようなものを想像したんですが、どうでしょう?ここで読者が無用の負担を強いられると、作品の魅力が半減すると思うのですが。
あと、これは質問ですが最後の<十番目の開拓者>というのは出典があるのでしょうか?なんかありそうだけど知らないのでもやもやしているんですけど。
- 22 銀の騎士と緋の魔物 (採点:2)
- 自分にとってライトノベルと言えば「空の境界」ですが、これはまた別の意味でライトノベルだと感じました。
「空の境界」は(もちろん文章の一つ一つのセンスも良かったのですが)作中の世界観に異常なほどの拘りを感じ取れ、それが読者を惹きつける要因になっていました。
それに対し、この作品はどこか聞いたことのあるような設定(個人的にはFFシリーズ)で、いわばファンタジーというジャンルの最も一般的な概念を踏襲しているに過ぎないように思えました。
仮にこの題材で読者を満足させるなら、相応の描写力が要求されますが、それもクリアしていたとは言い難いのが事実です。
結果、「ライトノベルの悪い部分」が諸に出てしまっていたという意味で、これはライトノベルだな、と感じました。
- 24 見続けた背中と、その先にあるもの (採点:7)
- 図工のシーンは有りか無しかで話題になっていましたが、二回目読んでみて自分は有りだなと思いました。
- 25 光あふれ降りそそぎ (採点:4)
- 会話のテンポは良かったんですが、地の文の視点がコロコロ変わって読みづらかったです。
一番多い時で溶、佳奈名、母親、第三者、と四つの視点がありましたよね?
これは自分の好みの問題でもありますが、こういう話は登場人物の一人称で読みたかったです。
- 33 星の話 (採点:5)
- 後半のは思いっきり物語に惹きこまれました。
しかし、冒頭に締まりがなくて、なかなか入り込みにくかったです。
そこを修正すれば、読み手が最後までついてきてくれると思います。
- 34 クリスタライズ / ドロップ (採点:2)
- なんだかシチュエーションだけの小説ですね。
何もかもが読んでいて不快なぐらい嘘くさくて、例えるなら「私」という名前のビデオカメラで延々と撮影しただけのように思えました。
途中、「どこか嘘めいた場所だってことを。」って部分が、ぎりぎり手遅れになる前に登場したので最後まで読んでみようという気になりましたが、これがなければ読み切る気力を失っていたかもしれません。
短編で恋愛小説を書くのならもっと人物の背景を繊細に。主人公と恋人しか出てこない恋愛はやっぱり嘘くさいし、何より自己満足に陥っているように見えてしまいます。
あと、余計かもしれませんが、これは短編というより掌編向けの内容でしたね。圧縮して掌編の容量に抑え込めば、なかなか面白かったんじゃないかと思います。
- 36 GENJI☆物語 〜YOUたちみんな僕とセックスしちゃいなYO!〜 (採点:8)
- ・・・ここまで感想をつけるのに迷う作品は稀有としかいいようがないです・・・
どっから突っ込めというの?
タイトル見た瞬間から予感めいたものはあったのですが、読んでてもう爆殺されましたよ!
なんですかい、これは!
これが突っ込み切れないという奴か、と今納得しました。
まさに才能の無駄遣い!バカもここまでやれば言葉が無いわ!!
とりあえず、一つ一つに突っ込むのもアホらしく思えるので、自分が理解した元ネタを挙げようかな、と
「乳酸菌」「エヴァ」「勃ちあがれ(曲のみ)」「ラーゼフォンOP」「DGOP」「北斗OP」
みんな同じ穴のムジナってことですね、ほんと(笑
点数、もうむしろ十点つけちゃおうかなと思ったのですが、なんかいろいろと負けた気がしてしかたないので一円玉を十回投げて表になった回数を点数にしました(笑
苦情は受け付けません。
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