○ebi-bi さん
- 01 道標は出会いの中に (採点:5)
- キャラクタの具合がよく、これは面白いのではないかと期待して読みましたが、最終的には面白いとも、面白くないともいえない読後感しか残っていません。台詞回しと地の文のテンポがあまり一致しておらず、ちぐはぐな印象でした。
それと、何となくではありますが、リベードと、週間少年ジャンプで連載されている魔人探偵脳噛ネウロが重なって思えました(笑)ネウロに善の部分をプラスするとこんな感じかなあ、と。
- 02 旅人と人形師 (採点:4)
- 台詞がいちいち上滑りしていて、キャラクタと余り馴染んでいないように思えました。結果、感情移入もままならず、文体も、読み易い部分と読み難い部分の差が大きかったように思います。
物語全体も、繋がりが薄いようにしか感じませんでした。前半部分はともかくとしても、中盤からラストまでは性急であったと思います。最後まで読みたいと思う魅力はあったので凄く残念でした。
- 03 君に届け→ (採点:7)
- 凄く好みの、素敵なお話でした。
作者様は意識されていなかったかもしれませんが、前半部分でどうしても幽遊白書が頭に思い浮かび(笑)、うーん、と微妙な評価だったんですが、お母さんとの屋上での会話が凄く魅力的で、そこからはもう気にならなくなりました。
正直なことを言うと、完成度はそこまで高くないと思っています。自分の家の話もあれば、羽なしバーコード天使の話もあり、両方十分に書き切れているかと言えば、おそらくどちらも7、8割ぐらいのように思います。それでも、そんなこと気にしないでいいくらいに、柔らかなで素敵な雰囲気も、この物語にはあったと思います。
本当に、素敵なお話でした。面白かったです。
- 04 動物園 (採点:5)
- 感想付けにくいなあ、というのが正直なところです。文章力があるのは確か、キャラクタの台詞の言い方も考えられていて、雰囲気作りは上手く為されているように思うのですが、果たしてストーリーはどこにあったかと思うと、何も思い浮かんできません。作中にも出てきていましたが、パッチワークのような作品。そんな印象を受けました。
- 05 それがすべて (採点:6)
- 楽しんで読ませていただきました。曲は『COSMOS』ですよね。自分は歌ったことないのですが、中学の時、他クラスが歌っていたのを思い出しました。ひーかりのこーえが、って(笑)
千佳が登場するよりも前に、オチが読めてしまったのはしょうがないと思います。作者様もきっとそこら辺を考えて、冒頭にラストを持ってきたのだと思いますし。あと、主人公の台詞に鉤括弧を使わずに書くことが多かったのは、くどいと思う人もいるんじゃないかと思います。私の場合は、最後までその文体でしたので、むしろリズムよく読むことが出来て好感触でしたが。ただ、それに反するように、やたらとセンテンスが長く、リズムの悪い部分があったりしたのは残念でした。
- 06 USO・800(ウソ・メイドオーオー) (採点:5)
- ひたすら楽しく読めました。楽しく読めましたが、それだけでもありました。
ちょっと三点リーダが多すぎて、くどい気がしました。文章はかなり書き慣れている印象を受けましたので、この作者様ならもっと練ればもっと面白くなっていたんじゃないかと思います。
作者様の、カレンさんよろしくの胸への多大な愛情は十分でありましたが(笑)正直なところ、それ以外は物足りなかったです。
- 07 中世におけるある犯罪者の変遷 (採点:6)
- 重い印象を受ける話でしたが、存外にすらすらと読み進めることが出来ました。書き込みがしっかりされているからだとは思うんですが、場面場面の映像が想像しやすかったです。ただ、人物の心情の動きはちょっと急な気がします。あんなに達観していたハンスの檻が簡単に決壊しすぎるように思いましたし、なにより理由はどうあれ、娘を殺されておきながら、ヴーツがどうして最後の最後までハンスを自分の子であると言い切れたのか。面白かっただけに気になってしまい……うーん、どうにも納得できないです。
- 08 遠い日 (採点:8)
- 面白かったです。いや、面白かったんですが、私の語彙&表現力足らずで、これとはっきり文章に出来そうにありません。作者さんに少しくらい分けていただけたら嬉しいです(笑)
読み難い漢字も雰囲気のパーツの一つになっていましたし、なにより朝子がすごく良いです。主人公も好きです。そこにある意を絶対にくみ取れていないだろう自分がマジで嫌になりますが、主人公の名前が明らかになっていなかったりしますよね。あと、大爆笑してる爺さんも好きです。そして日々を遠くに失った彼らはこれから何を得るのか……はー、この小説、堪能させていただきましたっ。
ただ……少しだけ文句を付けさせていただくなら、必殺の一撃といいますか、読後に残るものや強い押しがもう少しほしかったです。何か、これだけ読んでまだ「物足りんっ!」とか言っているようで気が引けるのですが(笑)
外れてたら恥ずかしいんですが、作者は大谷さんな気がしてます。
- 09 眠れない夜に見る夢 (採点:6)
- 語りが上手く、かなりきついお話でした。実際、たかしのようなお調子者的な人物は、中学生になった途端どうしてか浮いてしまうことが多いですよね……。これは中学から、高校へ行ったときももまた然りな事だと思いますが。
読み終わってタイトルを読んで、さらに重みがきつくなりました。
- 10 青い鳥はもういない (採点:3)
- 話の内容が散漫で、これでは作者様が何を伝えたいのか、正直なところわからないと思います。主人公の心情の変更を描くところ等、改行での空間を開けを多用されていましたが、ほとんど意味がなく、むしろ冷めてしまいました。空間を作ってしまうくらいなら、そこに主人公や他の登場人物の機微など、少しでも多くを書き込んでいた方が良かったのではないでしょうか。
青い鳥のキーホルダーが、人々の間を巡ることでうまれた繋がり等、面白いと感じる点はあっただけに非常に残念です。
- 11 流れ星はきっと、恋のはじまりで (採点:2)
- 作者様が楽しんで作品を書かれたのだろうなあということは伝わりましたが、作品自体は読者完全に置いてけぼりで、面白いと感じることはありませんでした。学生らしい主人公が現金で13万円持っていたり、もう、そこら中に無茶がありすぎます。
辛辣になりますが、展開は急すぎますし、心情描写は全く足りていません。設定にしても、意図的に説明を省いているのならともかく、現状では単に情報が足りていないだけのように思います。
- 12 植物の部屋 (採点:4)
- 何度も読み返したり、ラジオで大勢の方の見解を聞いたりで、何とか読み解こうと思ったんですが、ごめんなさい、よくわからなかったです……。
ただ、読み解けてない私が言うのもあれなのですが、こういう隠された意を汲み取らなければならない作品の場合、まず、何度も読み返したいと思う魅力が作品にあふれていること、これが前提になると思います。私個人としては、そこまで何度も読み返す気にはなりませんでした。
- 14 天窓の空 (採点:4)
- 面白そう――と、最初から最後まで抱き続けていたのですが、読み終わった後もまだ「そう」のままだったりします……。設定というか構成がちょっと不明瞭だったのではないかなあと思います。好みのお話だっただけに、かなり残念です。
それと、文章の改行はもっと少なくていいんじゃないかなあと思いました。私的な観点からではありますが、文体的にも改行が今より少ない方が読みやすくなるような気がしました。
- 15 虹輪 (採点:3)
- 大袈裟な演技と演出を繰り出し続ける映像を、ただひたすらに見ているような気分でした。その、それは悪いことだけではないと思うんですけれど、ただそれが邪魔になって共感や感情移入をすることが出来ないのであれば、大きくしてみせた演出や演技には何の意味もなくなるように思います。
あと、ページを変えて続きを書くのは、ほんの僅かであろうとやはり読み手の意識を作品から切り離すことになるので、頻用は避けた方がいいのではないかと思いました。
- 16 迷い家 (採点:7)
- 面白かったです。締めの文章が素敵でありました。うん、阿呆な太陽。
文章に凄まじく凝られたことはわかるんですが、それにしてもちょっと理解しにくいんじゃないかと思います。文章も構成もよく練られていて、おもしろかったのも確か何ですが。
- 17 青い小箱 (採点:4)
- 想いを閉じこめる、っていうのは凄く良い設定だったと思います。正直好みです。けれど、この小説では残念ながらその設定をうまく生かし切れていなかったように思います。
何より、今回のこの話を表現するのに、『何でも閉じこめる青い箱』の必要性を感じることが出来ませんでした。舞台設定を学生から大人まで動かさずに何処かの年代に絞って、その上で青い箱に焦点を合わせても面白かったんじゃないかなあと思います。
- 18 君は小説に名前をつけると命名する (採点:8)
- うひゃぁ……とんでもなく好みな文体でした。もう読み進めることそれ自体が楽しかったと言いますか、本当にごちそうさまです。
内容を理解というか、作者さんの感性といいますか、それを少しでも知りたくて、近づきたくて、今もかなり読み返してるんですが、それでもまだかなり遠いです。考える内容は確かにあって追いつきかけてるような気もするんですが……ここまでくると「感じてるだけでも良いかな」っていう気さえしてきました(笑)
- 19 永く遠い旅の終わりに (採点:9)
- 最初読んだときは今より3点点数が低かったです。そして今読み直して、あれ、何でこの作品にこんな点数付けているんだ? となって9点であります。めちゃめちゃ面白かったです。一回目の時はたぶん作品読み過ぎて気力が萎えていたんだと思います……ごめんなさい。
様々な専門的な用語とかについてはくどいとも思いますが、現実味を帯びさせるにはかなり効果的な役割を果たしていますし、なにより、不定形生物らしい彼らへの描写がたまらなく素晴らしいです。<天の渦>が私たちの住む銀河なのかとか、〈十番目の開拓者〉がいったい何を示しているのであるとか、無学すぎて理解できない自分が悔しいです。しかしながら、知るよしもない広大な宇宙の果てに、私たちがいつかメッセージを送って(もしくは送られて)、それが届くようなことがあれば、それはこの上なく素敵なことですね。
- 20 十字路でっせ (採点:3)
- 改行はおそらくテキストをそのまま投稿されたからだと思われるんですが、三点リーダの使用や段落の文頭の一文字下げをされた方が読みやすいですし、こういった競作の場で評価を受ける場合にも無難であるような気がします。
ストーリーは出来ていましたので、基礎的な文章レヴェルが上がればもっと面白くなるように思います。
- 21 貴女に素敵な食事を (採点:3)
- 締めの方法もっと他になかったんでしょうか……。現状では、主人公がどうして肉などを食べられなくなったのかという原因しか描かれておらず、それ以外のことはほぼなかったように思います。読者としては、その状況説明から先の事が、読みたいと思うものでありました。
- 22 銀の騎士と緋の魔物 (採点:4)
- 王道を通った、わかりやすい面白さはあったように思います。ただ、その王道に何かしらの付加や、いっそ一本道を変えるぐらいのことがないと、今以上の面白さを望むのは難しいように思います。
- 23 達人M (採点:4)
- めでたしめでたし、というには、世界が平和になるまでの展開が早すぎます……。一は全、全は一。そんなことを言っていた漫画があったなあと思いだしたりはしましたが、この小説では、肝心のそれを悟る場面での書き込みが不足しすぎているように思います。
- 24 見続けた背中と、その先にあるもの (採点:4)
- 読みにくいわけではないんですが、どうにもちぐはぐな印象を地の文から受けました。作者様の書きたいことはしっかりと表現されていたように思いますが、ちょっと直球過ぎるかなあという感じもします。プロットを工夫されていれば、もっと良かったように思います。
あと、三点リーダを使って書かれた方が、コンペなどの競作の場合無難かな、と。
- 25 光あふれ降りそそぎ (採点:7)
- 佳奈名のキャラのたち具合が素晴らしいです。可愛いったらありゃしない(笑)
会話を追いかけてるだけでも面白いんですが、それでも中盤からの展開はあまりに急すぎるように思います。無理に佳奈名と溶の事を放り込むのではなく、彩に関することだけでも十分だったのではないでしょうか。キャラクタ造形は佳奈名しかりでかなりよかったので、その点が凄く残念でした。
- 26 ぽいんと・おぶ・のー・りたーん。 (採点:5)
- なのはなのは、の一言で終わらせてはいけないですよね(笑)いや、純粋に楽しめましたです、はい。いつ関連キャラクタが出てくるかとはらはらだった反面、そんな展開に期待もしていたぐらいに(笑)
でもただそれは、設定などがある意味ほぼ借り物とも言えますので、オリジナリティをもっと組み込んだ上で練り上げて書き上げられたならば、もっとよかったように思います。
- 27 Out of Eden (採点:4)
- さて、いよいよこれから――というところで、物語が断絶されてしまった感じです。現状では、ただ設定などの説明に従事しただけで、物語本編の幕も上がっていなければ、もちろん下りてもいないように思います。容量はまだ全然余裕がありますので、タイムリミットの方が問題だったのかなあ。
- 28 。兄弟への道 (採点:5)
- 面白かったですが、最後までパワーが持続しているかと言われたら微妙で、ちょっと引っ張りすぎだったんではないでしょうか。構成がごちゃごちゃしてる感じもしましたので、もうちょいそれがすっきりしていたら、今よりも笑えていたんだろうなあと思いました。
それと、いくらなんでも簡単に脱糞しすぎです(笑)
- 29 いつも心に弾丸を (採点:3)
- C級であるかどうかはともかくとしても、今のままでは、書かれた作者様は楽しいくても、読み手の読者にとっては楽しめないものでありました。設定とプロットをもっと練れば、面白みは段違いになるように思います。
それと、段落の文頭の一文字下げをされた方が読みやすいかな、と。
- 30 August, in the box (採点:5)
- 嫌いではなく、むしろ好きな方の部類に入る話なんですが……どうにも会話がしっくりきません。物語もある程度完成されたものではあると思うんですが、物足りないという感じもしました。
- 31 巫女が征く! (採点:4)
- 文章などは読みやすかったように思います。ただ、今ひとつ楽しみきれないというか、物足りない、というのが一番しっくりくるような気がします。設定や展開を煮詰めればもっと面白くなるんだろうなあと思いました。
- 32 ツニ・ロック・フェスティバル (採点:4)
- 定型そのままというわけではないんですが、何処かに目立った斬新さがあるわけでもありません。物語も標準的な面白さはあるように思いますが、突き抜けた部分が見あたらないのもまた事実かなあ、と。
せっかく音楽祭ということなのですから、音楽をもっとネタとして扱ってもよかったのではないでしょうか。
- 33 星の話 (採点:9)
- 文体、物語、雰囲気、ともにほぼ文句はないので、まず一つだけ。どうしてこれだけの文章力を持ち合わせていらっしゃるのに、文章間へ多くの空白を用いられたのでしょうか。作者様が読み手のことを考えて、少しでも読みやすいようにそうされたのかなあとは思うんですが、洗練された文章であればあるほど、それではかえって文章の流れが滞ってしまっていたように思います。
薄々と、でも確かに最初からホラー(そうではなくてもっと他の表現を用いたいんですが……語彙足らずで申し訳ないです)といいますか、そういったものを感じさせる雰囲気があったように思います。独特な設定である星も凄くよかったです。読めてよかったと思える作品でしたっ。
- 34 クリスタライズ / ドロップ (採点:6)
- うーん……なんというか、もう一つ掴みきれないというか、私が掴めていないだけなのか……。物足りない、とはまた感覚は違うんですけれど、似たような読後感が残っています。容量めいっぱい、限界ぎりぎり。それでももう一つわかりやすい形で押しが欲しかったように思います。設定は凄く面白かったです。
- 35 前を向くと見えるもの (採点:6)
- 独自な設定も含め、面白かったです。面白かったんですが、ちょっと設定の煮詰めが足りていないかな、とも思います。
たぶん、誠一は生きていると思うんですが(違っていたらごめんなさい)、それなら禁戒は何のさ、と思ってしまいます。グレーゾーンがあるとか、いろいろとぼかしへの要素をふまえられていたように思いますが、彼の禁戒から考えても、あれだけのことをやって生きている、というのはどうにも納得できません。
- 36 GENJI☆物語 〜YOUたちみんな僕とセックスしちゃいなYO!〜 (採点:1)
- ごめんなさい。笑えませんでした。最初から最後まで、全く。
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