「お断りします」

 あっさり言われ、数瞬硬直した立火が、慌てて身振り手振りを交えて翻意を迫る。

「あ、あのな? これでも一応地区予選まで行ってんねん。よかったら検討くらいは……」
「知ってます。入る学校のグループくらい事前に調べてますし、入学式のライブも見ました。その上で言わせてもらいます――」

 夕理と名乗った少女は、すぅと息を吸い込むと……
 気合と勢いを込めて、立火たちに指を突きつけた。

「アンタ達はスクールアイドルとちゃう!

 ただの芸人や!」


<第4話「空想は形になる」 パート1「夕理とつかさ」>