「そういや部長さん、この部ってピアスOKです?」
「別に構へんけど、つけてんの?」
「普段は髪に隠れてますから、ただの自己満足ですけどね」

 つかさが髪をかき上げると、シルバーに輝く小さな金属が、その耳で光っている。
 桜夜はついまじまじと見てしまい、後輩から獲物を見る目でロックオンされた。

「桜夜先輩はつけないんですか?」
「え!? いやその、痛いのはちょっと……」
「えーもったいない。先輩こんなにカワイイのに」

 つかさの手が桜夜の左耳に伸び、軽く耳たぶを撫でる。
 石像のように硬直した桜夜の顔に、くすくす笑うつかさの唇が近づいた。

「あたしが開けてあげましょうか」
「ひいいいい!」


<第7話「ただひとつのPV」 パート1「つかさ初出勤」>