「次のPVですが、つかさと夕理は十分使えると思います。入ってもらいましょう」
「せやな」
「花歩は無理です。外しましょう」
「………」

 そう言うと思った。
 そして、そう思われているのを承知で、躊躇せず言ってくるのが晴である。

「言いたいことは分かるねんけど、一年生で一人だけ外されるのはやっぱりショックやろ。今回は二、三年生だけで……」
「それでは新生Westaのアピールになりません。駄目な方に合わせてどうするんですか」
「駄目な方なんて言い方はないやろ!」
「部長」

 晴の三白眼が立火を直視する。
 思わず睨み返すが、晴は微動だにしなかった。

「そんな浪花節で、ラブライブを勝ち抜けると本気で思てはるんですか?」
「な、浪花の人間が浪花節で何が悪いねん……」
「部長が特定の一人に肩入れするようでは困ります。全員を公平に扱ってください」
「そ、それは分かってんねんけど、でも花歩は誰もいない時に初めて入部してくれて!」
「部長が言い辛いなら、私から花歩に言うても構いません。人に嫌われるのは慣れてるので」


<第7話「ただひとつのPV」 パート2「実力差」>