中庭にぽっかりと開いた空間の中を――

 立火は戦場より帰還した勇者のごとく、姫水の前へひざまずいて頭を下げた。

「姫様。こたびの戦い、辛うじて我らが勝利しました」

 一瞬きょとんとした生徒たちが、状況を理解して黄色い声を上げる。
 姫水もくすりと笑い、プリンセスとして優雅に答えた。

「お見事でありました」
「しかし私たちの前にあるのはより大きな試練、ラブライブ関西地区予選!」

 まるで一幅の絵画のようだった。
 生徒たちがきゃあきゃあ言う中、立火は顔を上げ、真摯な瞳で一年生を見つめる。

「これを突破するにはどうしても貴女の力が必要なのです。どうかお力添えいただきたい」


<第8話「藤上姫水争奪戦」 パート4「ハリセンの戦士」>