ニセおしゃべりピアス 美樹原愛編 「星降る聖夜に」 ============================================================================ 神様、お願いします。どうかちゃんと渡せますように… (BGM:パーティ会場) あの人、まだ来てないのかな。 いきなりこんな事したら変な娘だって思われちゃうかな… でもせっかくのクリスマスだもの。神様だって甘くしてくれますよね。 ちょっとプレゼント渡すだけ…せめて私のこと、知ってほしいから。 ‥‥‥‥‥‥ やっぱり緊張しちゃうよぉ… もう一度だけ、練習しておこう。 『初めまして。私、藤崎さんの友達で美樹原愛っていいます。あなたのことは 藤崎さんから聞いていて、一度お話ししてみたかったんです。これ、つまら ない物ですけど受け取ってもらえませんか?クリスマスプレゼントなんです』 …こ、これで大丈夫だよね。うまく言えるといいんだけど… でもいつになったら来るんだろう。あの人が来れば、すぐにわかると思うんだけど… (BGM:門前) …あっ。 門の前……ど、どうしよう!まだ、心の準備が… …え? 帰っちゃう…どうして!? まだプレゼント渡してない。話だってしてないのに…! 嫌っ… (BGM:通学途中のあのお店) 『わ、私、美樹原愛と言います…。 パーティーで渡そうと思って…。ど、どうぞ…』 (BGM:このコと子猫) …渡せた… ちゃんと渡せたんだ、私… うまく話せなかったけど、でも自分の名前言えた。 あの人が私に、プレゼントくれた… 外の空気は冷たかったけど、彼からのプレゼントは何よりも暖かくて 私は星の雨の中、ずっとそれを抱きしめていました 生まれて初めて出せた、ほんの小さな勇気のかけら 星降る聖夜に舞い降りた、神様からの…贈り物 <END>
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