「ちょっと、痛いわよ!」 「俺の心はもう痛みすら感じなかった。きっと既に天国へ届いているのだろう。さようなら俺の人生。さようなら愛しき日々…」 「痛いってば!さっさとどきなさいよ!!」 「そう、さっさとどけ…ええっ!?」 「ああ、やっとどいてくれた。まったく失礼しちゃうわねっ!」 「よ、妖精…」 「なによ、妖精だと悪いの?」 「いや、ちょっと妖精関係で嫌な思い出があったもんで…ここ、どこ?」 「あんたイナカ者ね。ここはパーリアの街の外れよ。わたしは妖精のフィリー!」 「パーリア…知らん…。フィロンてどっちだかわかる?Skill&Wisdomって学校があるんだけど」 「うーん、ちょっと知らないわ。なぁに、あんた転移の魔法かなにかで飛ばされてきたの?」 「そうらしい…。だいたいここが同じ世界なのかどうかもわからないぞ…くっそぉデイル先輩!」 (ポロロン) 「おやおや、これは珍しいお客人。よろしければ一曲いかがです?」 「…あんた誰」 「吟遊詩人のロクサーヌよ。ねえロクサーヌ、あんたならフィロンて街知ってない?」 「さぁて、聞いたことがあるようなないような。どうも最近忘れっぽいもので」 「忘れっぽい吟遊詩人なんて初耳だぞ!」 (ポロロン) 「まあまあ、少しお聞きなさい。このパーリアの街にはひとつの伝説があるのです」 「伝説?」 「それってまさか…」 「はい、この街の女の子9人のクイズに答えると、どんな願いもかなうとムガガ (ちょっとフィリー、なにするんですか)」 「(あんたねぇ、そんなあからさまな話のもってきかたがある!?もーちょっと考えてよねっ)」 「(まあまあ、どうせ話は同じですし)」 「(だからってねぇ…)」 「おい、何ひそひそ話してんだよ!」 「きっと私の悪口を言ってるんだわ…」 「わっ、あんたも誰!」 |