【注意】このSSは彩のラブソングのネタバレ(というほどのものでもないが)を含みます。
みのりんSS: アイドルは誰だ!?
「もーっ虹野先輩ってばやさしいしきれいだしよく気がつくし、料理上手で思いやりがあって一生懸命で本当にああいう人って理想だよねっ、ねっ」
「‥‥‥‥」
今日も今日とて虹野沙希の素晴らしさを世に伝えるべく布教につとめる秋穂みのり。しかし今回相手が悪かった。みのりの友人早乙女優美は実はひそかに沙希をライバル視していたのである。貴重な放課後をみのりのお喋りに付き合わされ、しかも沙希の誉め言葉ばかり聞かされてとうとう切れてガタンと席を立つ。
「ど、どうしたの優美?」
「ふーんだ、みのりったら虹野先輩虹野先輩ってバッカみたい。いくら仲いいからってちょっと持ち上げすぎだよっ」
「ぬあにい?」
負けじとみのりも立ち上がる。
「なにが持ち上げすぎなのよ!?虹野先輩は料理の天才でマネージャーの鑑で、運動部のアイドルと呼ばれてる人なのよ!」
「たかが運動部のアイドルでしょ!うちの部の詩織先輩なんてスゴイんだからね、成績優秀スポーツ万能で全校のアイドルなんだから!」
「い、言ったなぁ!それじゃどっちの先輩が真のアイドルにふさわしいか勝負よ、優美!」
「いいよっ!負けてもウソ泣きは聞かないからね!」
「べーっだ!」
「あっかんべー」
こうして平和なきらめき高校にアイドル戦争が勃発したのだった。先輩たちのあずかり知らぬところで…。
さて意気揚々とサッカー部室にやって来たみのりだが、鼻歌歌いながらユニフォームを繕っている沙希を前にはたと困る。この人に争い事なんて絶対ムリ、どう言って切り出そう…迷ったみのりはとりあえず遠回しに話を振った。
「ねえ虹野先輩」
「なあに?みのりちゃん」
「先輩と同じ学年の藤崎詩織って知ってます?」
「そりゃあもちろん!」
なんか嬉しそうな反応に少し引くみのり。
「藤崎さんは有名な人だもの。頭もいいし運動もできるし、とっても素敵な人よね」
「そっ…そうかもしれませんけど虹野先輩の方がもっと素敵ですよ!」
「ええっ!?な、なんてこと言うのみのりちゃん!藤崎さんに比べたらわたしなんて月とスッポン、勉強もいまいちだしスポーツは苦手だし、料理しか能のないつまらない女の子よっ」
「どうしていつもそう控え目なんですか!」
頭を抱えるみのりに気づきもせず、沙希は遠い目で話を続ける。
「やっぱり素敵だなぁ藤崎さん、なんでもできるし、綺麗だし、憧れちゃうよね…。わたしもあんな女性になりたい…」
「(ガビーン) ち、ちょっと待ってください虹野先輩!ヤですっ!わたしの理想の虹野先輩がそんなこと言わないで!」
「だ、だって藤崎さんて本当に素敵なんだもの。お近づきになりたいなぁ。今度お弁当持ってってみようかな…」
「ひどい…。なによ藤崎藤崎って、わたしというものがありながら…。もういいです、虹野先輩のばかぁぁぁぁっ!!」
「みのりちゃんっ!?」
泣きながら走り去るみのり。沙希はしばらく開いた部室のドアを見つめていたが…戻ってこないので、仕方なくぽんと手を打った。
「きっと虫の居所が悪かったんだね!」
それで済ますな。
一方の優美の状況も似たようなものだった。
「ねえ詩織先輩、虹野先輩と勝負してくださいよぉ」
「ごめんね優美ちゃん。正直私、アイドルなんて呼ばれて迷惑してるの」
バスケットボールを弾ませながら、困ったようにそう答える詩織。
「そんなあ。詩織先輩美人だしバスケも上手いし、詩織先輩がアイドルでなくて誰がアイドルになるんですか?」
「ううん、そんな事ないわ。私なんて顔もスタイルも大 し た こ と な いし、勉強だってスポーツだって人 よ り ち ょ っ と 優 れ て る だ けのごくごく普通の女の子だもの…」
「詩織先輩って無意識に敵作る名人ですね…」
「そういうわけだから井の中の蛙の一番争いになんて興味ない…もといアイドルの名なんて欲しくないの。ごめんね」
「ま、待ってくださいよ詩織先輩ぃぃ」
言うだけ言って練習に戻っていく詩織の声を、体育館の外でみのりが密かに壁に耳を当てて聞いていた。
「なーにあの人、虹野先輩なんか相手じゃないって言いたいわけ?もうあったまきた。こうなったらわたしの手で藤崎詩織を倒して虹野先輩の方が上だってことを証明してやるわ!それでもって
『すごいわみのりちゃん、あの藤崎さんを倒すだなんて!』
『虹野先輩のためだって思ったら頑張れました!』
『みのりちゃん、そこまでわたしのことを…』
『虹野先輩!』(ひしっ)
『みのりちゃんっ』
なーんてなーんて、ふふふふふ」
「詩織ちゃんまだかなぁ…」
「ひゃぁっ!?」
妖しい妄想に浸っていたところへ不意に足元から聞こえた声に飛び上がる。見ると小さな女の子がみのり同様体育館の中をうかがっていた。
「び、びっくりしたぁ。ちょっと、いつからそこにいたのよ」
「ずっと前からいましたけど…」
「そ、そう…(気づかなかった…) あ、さっき詩織ちゃんて言ってたわよね。もしかして藤崎先輩の知り合い?」
「あ、あの、詩織ちゃんとは中学のときの同級生で…。今も一番のお友達です…」
「ふーん中学のときの…って、えええっ!?」
まじまじと上から下まで女の子の姿を見て…驚愕のあまり3歩ほど後ずさる。
「も、もしかして先輩だったんですか!?わたし何で小学生がきら校の制服着てるんだろうなあとか思ってました」
「ががーん」
あんまりな物言いに壁に向かってぶつぶつ言い出す少女。名を美樹原愛。
「ポチ、なんか私ひどいこと言われちゃったよ…」
「ちょっと。誰と話してるんです?」
「はい、7年前に死んだポチの霊と…」
「や、やめてください気持ち悪いなぁっ!わたしそういうの嫌いなんですっ!」
「ううっ、どうせあなたになんて、ドラマシリーズでは脇役どころか影も形もなく、たまたま屋外ステージで詩織ちゃんの後ろで仕事手伝ってた栗色の髪の女の子がいたから『これってもしかして私なんじゃあ?』とかどきどきしながら何度もクリックしたけど『みんな頑張ってるな』みたいなメッセージしか出てこないし、とうとうステージが完成して見に行ってみればその子が立っていてしかもおでこが広くて要するに私でもなんでもなかったことが判明しショックで3時間ほど寝込んだ私の気持ちなんてわからないんです…」
「み○めてナイトで主役できたんだからいいじゃないですか」
「違ーう」
「とにかくっ!藤崎先輩の知り合いならなんかあの人の弱点知りません?ってなに泣いてるんですかっ!」
「ううっ、私なんて私なんて…しくしくしくしくしく…」
「あーーっうっとうしいっ!」
途方に暮れて天を仰いだその瞬間!
突如雷鳴が轟き、背後に大地を覆うほどの強烈な殺気を感じたみのり。おそるおそる後ろを振り向くと、当の藤崎詩織が目をピッカーーと光らせてそこに立っていた。
「私のメグを泣かしたわね…」
「は!?」
「お、落ち着いて詩織先輩!みのり、逃げてぇっ!」
背後には何やら優美が慌てふためいている。わけのわからぬみのりの前で、ヘアバンドの上級生は女の子に駆け寄った。
「メグ、大丈夫!?」
「し、詩織ちゃん。大丈夫じゃないかも…」
「よくもッよくも私のメグを!この代償は高くつくわよ!」
「あ、あのね詩織先輩、みのりは一応優美の友達だから殺さないであげて…」
「ほお、この子がその秋穂さんなの。さすが虹野さんに与し私に楯突こうという愚か者なだけのことはあるわ」
「んなっ」
事情はわからないが丁度いい!藤崎詩織と対決しようとここへ来たところだ。いつもの強気を発揮すると、ずびしと指をつきつける。
「勝負です藤崎先輩!先輩に勝って虹野先輩こそが本当のアイドルだって証明してみせます!」
「みのりぃぃぃぃ!」
「ふっ、面白い…。降りかかる火の粉は払わなくてはならないよーね!」
「詩織ちゃんかっこいい…」
「た、大変なことになっちゃったよぉ。お兄ちゃんに知らせてこなくちゃ!」
数分後、早乙女兄妹によって対決の話は学校中に広まっていた。
沙希だけが何も知らずに部室で鼻歌歌いながら裁縫していた…。
ひょおおおおお
風の吹きすさぶ校庭で、みのりと詩織の激しいにらみ合いが続いている。周囲はギャラリーで満杯だ。
「世紀の大バトルだぜ!チェックだチェックぅ〜!」
「さあ秋穂さん、勝負の種目は何にするの?私はなんでもいいわよ」
「ふんだ、わたしこそなんでもいいですよ」
「やめるんだみのりちゃん!」
火花の散る中を一人の男子が人混みかき分けて現れる。
「あ、補欠の先輩」
「あら、うだつの上がらない幼なじみ君」
「お前ら俺に恨みでもあるのか…。と、とにかくみのりちゃん。詩織にだけは勝負を挑んじゃあダメだ!俺だって本気の詩織には何一つかなわない。ヤツはまさしく宇宙最強。生まれながらの完璧超人。天才を超える者、天然なんだッ!」
「誰が天然だって?」
「それに普段優等生やっててストレスたまってるからここぞとばかりに発散してくるよ」
「ちぇすとぉぉーー!!」
「ぐっはぁーー!!」
いらんことをベラベラ喋った後輩思いの先輩は詩織のハリセンで空の藻屑と消えた。
「というありがたい先輩の忠告だけど、どうする秋穂さん?尻尾巻いて逃げるなら今のうちよ」
「誰がっ!そっちこそ覚悟してくださいね。それじゃ勝負はバスケでいいです。先に10本シュート決めた方が勝ち!」
「いいわよ」
試合開始数分後。
「…すいません、やっぱ他の種目でいいですか?」
「見栄張るからそうなるのよ」
しかし補欠の先輩の言葉は確かだった。バスケ、100m走、砲丸投げ、神経衰弱、闇のゲーム、何もかもにおいて藤崎詩織は完璧なまでの強さを発揮、みのりを完膚無きまでに叩きのめしたのだ。
「ま、まだ諦めませんよっ!次は編み物勝負です!」
「はい完成」
「ああっ一瞬にして3本のマフラーをしかも模様入りでーーっ!?」
がっくりと膝をつくみのり。強い、強すぎる。完璧ヒロインの名は伊達じゃなかった…。
「メグをいじめる者はこうなるのよ!」
「詩織ちゃんすごい…」
「だから優美はやめとけって言ったんだよ…」
「うううっ」
沙希の後輩がこんな無様な姿を。ごめんなさい虹野先輩。先輩の名誉に泥を塗ってしまいました。心の中で懺悔の涙に濡れるみのり。ああ、遠くで虹野先輩の声が聞こえる…
「みのりちゃん!」
はっと顔を上げると実物が走ってくるところだった。さっき吹っ飛ばされた先輩が呼んできたのだが。
「虹野先輩…」
「藤崎さんこのたびはわたしのことでとんだご迷惑を!ごめんなさいごめんなさいっ!」
「卑屈です虹野先輩!」
「いや私もストレス発散できたからいいけど」
「詩織ちゃん外道で素敵」
「なんで虹野先輩が謝らなきゃならないんですかっ!?」
怒るみのりに、沙希は涙目で駆け寄った。
「も、もうやめてよみのりちゃん。アイドルが誰かなんてどうでもいいよ…」
「イヤです」
「みのりちゃん…」
「わたしには虹野先輩が一番なんです!他の人がどんなにすごくたって、どんなに能力が高くたって、わたしがこんなに好きなのは虹野先輩だけなんです!だから、だから…絶対に負けません!」
「‥‥‥‥」
「よくわかったわ秋穂さん。とことん付き合ってあげるわよ!(ヒマだし)」
「わかりました、それじゃあ…」
瞳に決意をみなぎらせ、立ちあがったみのりは高らかに宣言する。
「サッカーで勝負です!」
「わたしがキーパーやります。PK10本中5本入ったら藤崎先輩の勝ち。いいですね?」
「いーわよ」
「ああっ最後の対決が始まっちゃったよ!虹野先輩!止めなくていいんですか?」
「あああっどうしようどうしよう」
「頼りにならない先輩だなあ…」
沙希が頭抱えて走り回ってる間に、詩織はPKの位置にボールを置いた。
「詩織ちゃん、サッカーやったことあるの?」
「ないけど…。ま、なんとかなるでしょ」
「(勝った!こう見えてもみんなのプレイはいつも間近で見てきたんだから!) さあ来なさい藤崎先輩!」
キャッチンググローブを手に不敵な笑みで身構えるみのり。が、無表情の詩織はさりげなく足を振り下ろし…
「くらえ!! 撃てば決まる、百発百中、これが私の、問答無用、天下無敵のしおりんシュートだァ!!」
「なにィ!!」
ズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
マッハを越えた詩織のシュートは風圧でみのりの体をはじき飛ばし、ゴールネットをぶち破り、背後の壁にめり込んできな臭い白煙を吐いた。
「あわ、わわわ…」
「軽いジョーク!」
「お…重すぎるーー!」(ガビーン)
「さー今度はちゃんとキーパーの正面を狙うわよ」
「PKでわざわざキーパー正面狙う人も珍しいね…」
「(やっぱり甘かったーーっ!わたしの人生こんなところで…)」
よろよろと立ち上がるもののみのりの体は満身創痍。立っているのがやっとの状態である。
「でも諦めない、虹野先輩が見てるんだもの!わたしは虹野先輩のために戦います。たとえそれが命を賭ける戦いであっても、わたしは一歩も引きません。それが秋穂みのりなのです!!」(帝撃爆)
「フッ、よくぞ言ったわ秋穂さん。私のしおりんシュートは2枚刃よ!」
「(さよなら虹野先輩。短い間でしたけど、先輩に出会えて幸せでした…)」
死を覚悟したみのりの前で詩織がゆっくりと助走を始める、その時…
「まてェ! キーパー交替だ!!」
「なにィ!?」
一同が振り返る先に決然と立っていたのは…虹野沙希!
「に、虹野先輩…」
緊張の糸が切れたかのように崩れ落ちるみのりに、沙希はそっと歩み寄るとその身体を抱きしめた。
「ごめんねみのりちゃん。わたしのためにこんな事させて…」
「でも結局勝てませんでした…。虹野先輩が一番だって証明したかったのに、ごめんなさい、わたし、わたしっ…」
「もういいよ。あとはわたしに任せてゆっくり休んで、ね?」
「先輩…」
見つめ合う目と目。沙希は大事な後輩をそっとベンチに運ぶと、キャッチンググローブを手に詩織に向き直る!
「藤崎さん、あなたとだけは戦いたくなかったわ。でもみのりちゃんの仇!このパーフェクトキーパー、虹野・ヘルナンデスが相手よ!」
「キャプテン翼のイタリアのGKなんて誰も知りませんよ先輩…」
「それじゃしおりんシュート撃ってもいいのね」
「え゛!?あ、あははは。えーと、よく考えたらサッカー部がサッカーで勝負なんて良くないよね!うん、そうだやっぱりジャンケンにしましょう!」
「虹野さんて一体」
「いいんですっ虹野先輩が争いごとが嫌いなんだから!!」
こうして最終対決はジャンケンで決まることとなったのである。
藤崎詩織と虹野沙希。きらめき高校の2人の巨頭が、とうとう雌雄を決する時が来た。
「みのりちゃんのためにも負けられない」
「アイドルの名に未練も愛着もないが、それでもお前の様な奴には譲れんよ」
「緋○剣心ですかあなたは」
「(虹野先輩…)」
みのりが祈るような思いで見つめる中…拳を握り締めた2人が同時にダッシュ!
「勝負だッ!」
「うおおおおおおおお!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
「じゃんけんッ!」
「ぽんッ!!」
沙希 グー − チョキ 詩織
まさに一瞬の決着…
「か… 勝った…!」
「やった…やりました虹野先輩!」
わき起こる歓声。みのりは目を潤ませながら思いっきり沙希に抱き付いた。
「ああんやっぱり素敵ですっ!虹野先輩が一番です!先輩大好き大好きだーい好きっ!!」
「わわっ。み、みのりちゃんっ」
歓喜に踊る2人の前に吹っ切れたような詩織(善人モード)がゆっくりと歩いてくる。
「すごいね、負けちゃった…。おめでとう虹野さん、あなたがきら校のアイドルよ」
「え!?べ、別にわたしそんなっ」
「ふふっ、可愛い後輩がいてちょっと羨ましいな…。それじゃ、またね」
「はぁ…やっぱり藤崎さんて素敵…」
「でも虹野先輩の方がずっと素敵ですっ!」
夕日を背に静かに歩き去る詩織に、ひとり愛がとたたたと駆け寄る。
「残念だったね、詩織ちゃん」
「いいわよ。たかがジャンケンだし」
「それ言ったらおしまいだよ…」
なんて会話が交わされているのを知る由もなく、愛する沙希の胸の中でみのりはただただ喜びにひたるのだった。
「あ、あのねみのりちゃん、みんな見てるしっ」
「わたし…虹野先輩に一生ついていきます!!」
こうして興奮さめやらぬうちにその日は終わり…
日が変わるとさすがに興奮も醒めた。
「昨日はちょっとやりすぎたね…」
「優美も多少反省してるよ…」
大騒ぎを起こしてしまった1年生2人だが、すぐに持ち前の明るさで立ち直る。
「今度は先輩に頼らないで、次期アイドルが誰かわたしたちで勝負しよ!」
「うん!優美負けないよ!」
「次期アイドルなら世間人気から見てC組の美咲さんじゃあ?」
「やかましいっ!」
余計なツッコミを入れた沢渡くんは2人の同時キックで粉砕された。
そしてサッカー部の部室では
「ああ、受け取ってくれるかなあ…」
「ちょっと虹野先輩。なんですそのクッキーは」
手作りのクッキー持ってうろうろしていた沙希に冷たい目のみのり。
「あ、あのね。これで藤崎さんとお近づきになろうかなって…」
「なんでそうなるんです!?虹野先輩は藤崎先輩に勝ったんですよっ!」
「そんなっわたしなんてお情けで勝たせてもらっただけよ。だって藤崎さんに比べたらわたしなんて勉強もスポーツもぱっとしないしお料理くらいしか取り柄がなくて…」
「だからどうしてそう控え目なんですかーーッ!」
やっぱりアイドル向きじゃない虹野先輩でした。
<END>