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○2% さん

01 スケッチブック (採点:7)
前半を読んでいるときの心情「脱げ>美汐たん」
後半を   〃  「あっぱれ>美汐たん」

――と、冗談はさておき。何はともあれ、美汐の魅力が出色でした。相対的に栞の印象は弱かったかも。祐一は……残念ながら魅力ゼロ。
全体として、文章はところどころ投げ遣りだし、ストーリーらしいストーリーもないのだけれど……無性に読後感の良いおはなしでした。素直に読めて良かったと思えます。

02 HEARTS (採点:3)
や、書き方がちょっと独特なので読むのは大変でしたが……ほのぼの予定調和な展開が、実は結構楽しかったりもしたのです。

03 春遠からじ (採点:5)
結局、祐一がことさら街を出たがる理由が分からず消化不良気味かも。ストーリーが淡々としている割にキャラクターたちの行動はかなり突飛で、本文に書かれている以上に何か激しい原因の存在を想像させるのですが……
――余談ですが、このおはなしの登場人物の中では、美汐さんがこの上なく素敵でした。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:9)
色々素敵なおはなしだったけれど、とりあえず3つだけ。
・ものすごく読みやすかった!
・名雪に惚れた(特に、「少しは自分で考えたほうがいいんじゃない」あたり)!
・前半、名雪と秋子さんが目立ちすぎてあゆに活躍の場があるのかどうか心配したけれど、それは杞憂でした!

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:4)
読みながら、自分の恋人が♀×♀にハマるのと♂×♂にハマるのとどちらが酷いかなぁ……と哲学的な思索に耽ってみたのですが、結局答えは出ませんでした。難しいですね。

06 彼女の子 (採点:4)
最後の一文はちょっと魅力的だったけれど、全体としては「よくあるライトなダークだなぁ」という印象。祐一や医師の精神方面を掘り下げてあれば、もう少しインパクトがあったかも。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:9)
偶然と必然、灯油、エトセトラ――不条理なラストに向けてきちんと伏線が張ってある構成が凄い。こうなると、ジャンルに「ダーク」と明記しなければならないせいで(読む前に)ストーリーの可能性が狭められてしまうという事実が惜しい感じ。

あえて難点を挙げると、(前半の文体が硬質で綺麗なのに対して)狂気が表出してくる後半になって文章が少し日常っぽい方向へ崩れているのがアンパランス(執筆時間切れ?)、とか、前半に香里の狂気を匂わせる伏線がほしかったなー、とか、今わの際に患者を苦しむに任せておく医者や両親はいないんじゃないかなー、とか。

あと、本文中のところどころ、活字なら傍点(ヽヽ)を打つ場面をテキストでどう表記したものか苦労なさっているような気がするのは……気のせいでしょうか。

08 今日から今までの日 (採点:3)
意図的なのかそうでないのか、ぎこちない文章スタイルと言葉遣いが妙な雰囲気をかもしだしていて味わい深い作品でした。でも、現状ではちょっとストーリーになっていないような気がします。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:9)
あー、これを高評価するのは何やら負けた気がして嫌なんですが……無性に心を揺さぶられてしまったので高い点を付けるしかないです。Track 9できちんと収束しているのも好印象。あと、「もぷー」で+2点くらい。

10 けれど輝く夜空のように (採点:7)
若干安直な設定とはいえ、真相が明かされるのはまだかまだかとワクワクしながら読めました。それから、祐一が目覚し時計を返すくだり(素直な目覚しメッセージを返すというシチュエーションは、原作などにある「特別なメッセージを吹き込む」よりもはるかに未来を予感させますね)など、印象深いシーンの数々も。
とはいえ、文章のぎこちなさがちょっと苦しい。台詞が不自然なのとネタが滑っているのは気にせず読もうと思えば可能だけれど、地の文が……なんというか、ストーリーを「説明」しているだけで、「物語」っていないという感覚。語り手である祐一の語彙が、Kanon世界のそれではなく2005年の現実社会のそれになってしまっているように思います(故意にそうなさっているのでしたら申し訳ありません)。

11 光 (採点:7)
残念ながらそれほどインパクトはなかったけれど、とても読みやすいおはなしでした。
――あと、ミユキ先生がちょっと良かった。

12 Secand two (採点:6)
名雪が名雪っぽくなかったり、北川が北川っぽくなかったり、ストーリーがKanonっぽくなかったり、時間がなかったのか文章が崩れていたり、気になる点は色々あるのだけれど。読後感は割と良さげ。少し、古き良き時代の少女漫画を連想しました……少しだけ。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:8)
元々幽霊モノが好きというのもあるけれど、シチュエーションが素敵でした。愚直なくらいに真っ直ぐなストーリーが好印象です。展開のリズムが小説というよりコマを並べていく漫画のような雰囲気になっているけれど、それもまた素敵。
難点といえば、地の文や台詞に少し硬い印象があるところだけれど……口調が硬いおかげで終盤の決め台詞が格好よく決まっているようなところもあるので、要はバランスでしょうか……

14 女狐観察日記 (採点:4)
前半を読んでいる間は、「祐一の俺様キャラが徹底してないなぁ……たまにやたらと卑屈になるなんて、なんと情けないことか」と思っていたのだけれど。後半はほのぼのしていて、ニヤニヤしながら読めました。ベタなオチも結構好きです。
あと、タイトルも面白い(語感は良くないけれど)。前半、だんだん真琴が文字通り女狐っぽくなっていって……後半、女狐は名雪の方だったのか、と。

15 この街コンクール (採点:5)
うーん、残念。もう一展開ほしかった。ジャンルで期待大だっただけに、惜しい。
――というか、この「コンクール」の選考基準は何なんだろ……原稿が小学生の作文にしか見えないのだけれど……

余談ですが、この作品で思わず頷いてしまったのは、
>駄目って言葉は人妻か処女が好んで使う否定文句らしいよ。普通の女性は嫌って言うんだって
です。どこかに出典が……?

16 妖狐物語 (採点:6)
シリアスなストーリーながら、ストレートな展開なので安心して読めました。
冒頭の文章は絵本っぽくないけれど、10歳相手なら……ギリギリありかな、といったところ。
ただ、多少引っかかる部分もあって物語に入り込めなかった面も。「(真一が)生まれていたはずである」から「生まれていたはずがない」へ至る祐一の思考の流れが追えなかったこととか、妖狐の存在を隠すためとはいえ娘の妊娠の噂を広める両親はちょっと考えられないぞ、とか。

17 風の盆 (採点:10)
普通の幽霊モノだと思っていて、二段階の仕掛けに気付きませんでした。やられた。名雪の声も姿も見えない、というシチュエーションだったとは……
――と、それを抜いても、とにかく綺麗なおはなしでした。惚れた。

18 雨の音 (採点:8)
夢と現の間で揺れる危ういストーリーの魅力もさることながら、名雪がとてもキュートでした。祐一のベッドにうずくまって涙を流す彼女のビジュアルインパクトと、天使の人形を叩き落とす彼女の意志の強さに心を揺さぶられてみたり。
文章のスタイルは少々読み難めではあったけれど、それを補ってあまりあるほど印象深い作品でした。

19 春風駘蕩 (採点:8)
冒頭の印象から「きっとドロドロで救いのないストーリーだ」と勝手に決め付けながら読み進めたので、意外にも淡々とした展開に、安心したような物足りないような。タイトルがタイトルなので、淡々としているのは当然といえば当然なのですが。
トータルな印象としては「すべてのKanonプレーヤーの中にある《物語》になる以前のイメージを寄せ集めた」という感じでインパクトが弱めでしたが、ラストの名雪のシーンは地に足がついているようでいて物語中盤のふわふわした空気の残滓も感じさせる絶妙な雰囲気で、割と記憶に残りそうな予感があります。特に、
>ちらっと頬を覗かせて、いとこが「帰ろ」と呼んで来る。
のあたりが……

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:4)
魔物ネタでミリタリーが出てきたことで、インパクトはありました。それに、雰囲気も。でも、何が書きたいのか最後まで掴めませんでした。ごめんなさい。あと、最初はパニックものだと思えたのにラストがホラーっぽくなってしまったあたり、個人的には残念です。

余談ながら、このタイトルは非常に壊れギャグっぽいというかギャグ以外にあり得ないと思うのですが……私の感覚がおかしいのでしょうか?

21 透明なてのひらが (採点:6)
最初、時系列を勘違いしてしまって混乱したけれど(原作の舞台の2年前じゃなくて、原作直前の12月の出来事を2年後に回想しているのだと思っていました……)、精神年齢低めの秋子さんがひたすらキュートでした。自信まんまんの体重計とか、糸偏がいっぱいとか。柔らかなビジュアルが浮かんでくる描写のおかげか、読後に優しい気分になれる良作でした。

22 密室に踊る猫 (採点:9)
とてもノリが良くて楽しく読めました。それぞれは小さなネタとはいえ、「名雪ヒゲ事件」と「栞の暗号」という二つの謎があったのでストーリーが薄いという印象もなかったし。
ソツがなさすぎるせいで若干インパクトに欠けるようにも思えたけれど、個人的には「問題を解かずに約束を果たした」という展開が爽快だったので読後感も良好です(確かに、本文を読み返すことのできる読者には簡単な問題でも、実際に謎掛けされたら無理に近いでしょうね)。
――で、最後に一点だけ。このおはなしの一番のミステリである「秋子さんの仕事」が未解決のままなので、続編に期待します。

23 言い出せなかった。 (採点:5)
それ、ドップラーじゃなくて単なるエコーじゃ……
や、あまりにもしょーもなさすぎて(良い意味で)、コメントが浮かびません(良い意味で)。

……あ、ネタのひとつとはいえ、真琴の36巻のエピソードはちょっと普通に素適でした。

24 光があの娘であるように (採点:6)
何やら手抜きの気配というか、悪ノリしすぎというか……なのに、なぜか憎めない、そんなおはなしでした。
少しオヤジ臭い栞とかなりネジの緩んだ名雪のコンビが妙に……なんというか、ほのぼのしていて、とにかく良かった。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:8)
このおはなしが他の方々にどう読まれるのか気になるところですが、こういう設定の曖昧な飛躍は二次創作の醍醐味なのかもしれないな、と思います。冒頭、そっけなくバラバラに始まった「舞」と「天野」の軸が陰に陽に繋がっていくところとか、祐一と名雪と思しき人物が単なる通行人Aとしてすれ違っていくところとか。
むしろ気になったのは焼却炉前のシーンの不自然さのほう。舞台は嵐で、芝居がかった台詞を吐き出すには絶好のシチュエーションのはずなのに、ちょっと飲み込めなかった。たぶん「それ、猫抱えながら言う台詞じゃないだろ」とか、そういう些細な原因で。
――とはいえ、何はともあれ、読んでいてドキドキする作品でした。

あと、蛇足ですが、このおはなしの舞台は高校ですよね? 生徒会長が内申云々という記述をみると中学かな、とも思うんですが……

26 そこに彼女がいなかったから (採点:5)
淡々とした感じの語りがかなり好きです。それだけに、おはなしがちょっとまとまっていないように感じられてしまうのが残念。場面の切り替えをページ区切りではなく文章で表現してほしかったかな、と。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:4)
こういう紋切型のコメディは割と好きなのですが……このおはなしの場合、香里をことさら電波ちゃんな設定にしてストーリーが面白くなったか、となるとかなり疑問。個人的には、もっとほのぼの路線な展開を希望です。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:10)
タイトルからコメディだと思って、読み始めてシリアスだったのかと感心、途中でやっぱりアホ話だったのかよ、と突っ込みを入れつつ、最終的には訳が分からなくなった(良い意味で!)。色々混ざってる。やばい。これはやばい。とにかく言葉の端々が良い。気の利いた端的表現あり、ダラダラ長いのになぜか読んでいて心地良いセンテンスあり。シチュエーションも良い。なにこれ。ふんふんふん……で、構成にもやられた。どんどんラストの一点へ収束する展開が至妙。後半のシーンが途切れ途切れなのも、栞の時間旅行(?)の雰囲気を醸し出していて良好。しかも、えーじゃないかとか、お髭がチクチクまで伏線だったのかよこれ! なんかやばいんで、雄一がひとりいたけど満点にしちゃう。

29 サマーソルジャー (採点:10)
栞さん、あんた、生活にめちゃくちゃメリハリあるって。ないのはバストだけだって……と、戯言はさておき。
やられた。描写がいちいち小気味良くて素適だし(冒頭の「答えてくれないかな。」なんかが個人的にツボ)、それに、欠点のない出来映えだと思うので素直に満点を付けます。

余談。私も、アレはタンクローリーだと思ってました。

30 手と手をつないで (採点:7)
助詞がおかしかったり、動詞が変だったりするのだけれど。とてもストレートで、読後感の良いおはなしでした。終盤息切れする作品の多い中で、後半になって勢いを増していくこの作品はすごく貴重なんじゃないかな、と。

31 最強の女 (採点:5)
冒頭の北川の語りにすごく勢いがあって期待したのに……中盤以降(特に名雪パート)の台詞が若干微妙な雰囲気で意気消沈。ラストに下ネタを持ってくるのは面白いけれど、それも含めて冒頭ほどの印象深さはなかったかな、と。
とにかく、序盤は素敵でした。

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