○2% さん
- 002 彼女の理 (採点:9)
- ほっとしました。捻った作品が多い中で、ストレートさが際立っていたと思います。みあのキャラクターもお気に入りです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 原作の“澪&茜と公園でワッフル”のイベントが巧く生かされていたと思います。おねはヒロイン同士の横の繋がりがあって面白いですよね。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- あははっ、ギャグ万歳! ていうか、シリアスじゃんこれ! 古いのは年号じゃなくて西暦の頭が1のやつだ! でも、おねの舞台は20世紀だよ!
- 007 とある騎士の物語 (採点:8)
- か、軽っ。色々と敵に回しそうな気もしますが、それはさておき……どうせなら、
「お手」
ボクをなめんなよ。
「おう、よしよし」
ああっ、前足が勝手に!?
――くらいまで壊れてほしかったような。ラストは騎士の誓いか何かで。勝手なこといって、すみません。うーん、赤ちゃんの名前って、やっぱり……?
- 008 Search for (採点:8)
- 机の上に猫っ――この風景に感動しました。いえ、かなり本気で。
- 012 曇り色の時間 (採点:9)
- うーん、やられた。何が「やられた」だかよく分からないけれど、とにかくやられた。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 「懐かしい」という感覚は日本人独特のものだといいますね。「nostalgie」とは少し意味合いが違う、と。私は、この作品にちくちくと懐かしさ中枢を刺激されました。何となく、昭和30年代〜60年代までの景色が混在しているようなイメージ――話は変わりますが、中〜終盤に何度か登場するたとえ話がちょっと重いような気がします。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:9)
- 終盤を読みながら、一瞬でも「視力補助用の漢字変換システムとか読み上げシステムとかあるのに」などと考えてしまった自分を恥じました。ただ、中盤のミステリー小説のくだりには少しだけ疑問。「誰もが賞賛」「誰もが疑念」いくら世論が気まぐれとはいえ、周りの記述を読む限り、こんな状況になったとは思えないので。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- 全体の構成や言葉の選択などに、少々熟れない印象を覚えます。また、浩平/瑞佳の感性も腑に落ちません。充分なフォローがあれば独自の世界観を持った佳作になり得ると期待されるだけに、惜しまれます。……理解力に欠けたダメ読者の感想としては、このくらいで。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
- 巧い。そのうえ読みやすく、分かりやすい。こういうネタだと、思わせぶりすぎて難解になったり、逆に酷くありきたりになってしまうのが常だと思うのですが、これは素直に良かった。
ただ、瑞佳の語尾が少し「だよ」すぎるような気がしました。すごく些末なことで申し訳ないのですけれど。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- ごめんなさいやっぱり明るい話の方が良いや、というか中盤のグロいところだけ浮きすぎ――と書くつもりだったんですが。なんだか、再読したらこれで良いような気がしてきました……呪力? あと、こういうベタなオチは結構好きです。怖いですよね。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 無性にラストが怖い。ただ、無理に筋を通しすぎているような印象が……もう少し曖昧なまま終わらせてしまっても良かったのではないでしょうか。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- ちょっとだけ、どきどきしながら読みました。佐織さんだけでなく、住井くんの悩みっぷりや頑張りが好感触。「嘘」や「虚構」といった単語に真っ向から対峙する――日々を斜めに浪費している私のような人間には、到底できない芸当です。
うーん、あとはコメントしづらいのですけれど……もはや使い古されているのかもしれませんが、ラストの「世界はこんなにも綺麗」っていうフレーズが無条件で好きです。序盤から終盤まで昏い雰囲気で、もしや救えないストーリーなのでは、と危惧していた矮小な精神が洗われました。きらきら。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- 残念ながら色々と残念な点があって残念でした。七瀬戦で第一関節のアビリティが極り手になってくれたりすれば良かったなあ、とか。つっぱり大相撲はやっぱり残念度の高い買い物だったなあ、とか。
- 035 夢を観た日 (採点:8)
- 独特のスタイルで書かれていますが……リズムが良いので、特に読みにくいということはなく。むしろ、深層心理に染み込んでくる妖しい魅力の文体でした、私にとっては。夢に出そうです。とはいえひたすらひらがなだけがつづくこうへいぱぱのじゅぎょうさんかんのしーんだけはかんべんしてほしいとおもったりもしましたがいえよみましたよいちじいっくなにかしかけがあるんじゃないかとあやしみながら。
それから、文体の印象深さに対して、肝心の内容の方のインパクトが薄かったような……多分、これは私の読み込み不足だと思うのですが。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- 2つの世界、2人の浩平の書き分けと関連付けが至妙。一気に読めました。普段、各章の前後に短文がくっついているのは蛇足だと思っていたのですが、これは巧い。「オレ」「俺」「僕」の使い分けも「あーこれこれ、これだよ!」というか。しかも、あくまで綺麗に終わらせやがってコンチクショウ、と。それでいて、何やらシニカルな匂いも感じたのですが……これは気のせいでしょうか。
それから、そっちの畑の人間なのでFFの回路図などを思い浮かべながら読んだのですが、ストーリーの配線とキャラクターの信号にぴったりはまっているような気がしました。フリップフロップって語感も良いですしね。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:9)
- ……小春日和? い、いえ、詩子と住井の組み合わせは難しいんじゃないかと思っていたのですが、これはすごく上手いなあ、と。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:8)
- 爽やかな学園ドラマを目指してコケたような、ギクシャクした印象があるのですが……王道を行く南くんが、何やら格好良い。頑張れ、南くん。
- 044 小さな幕間劇 (採点:8)
- 「し〜っ、ぷぅ」とか、なんだか憎めません。でも「ラシャメンひつじ」っていったい……? それはともかく、演劇部とか文芸部とかって、こういうのやりますよね。懐かしい感じがしました。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:7)
- なんだか……ヘンだ。
- 052 未来の二人に (採点:9)
- うわぁ、こんぺのしんがりを務めるに相応しい作品ですね。作/読者に対する強いメッセージ性を感じます。毒がなく柔らかい三人称パートと、視野が狭く辛辣な一人称パートとのギャップに、かなりドキドキしました。
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