○mu さん
- 01 にじのむこうのおはなし (採点:2)
- 「にじのむこう」がもっと鮮やかに描写されていればと思います。
- 02 黒船 (採点:4)
- もっとリズムがよければ……。さすがに落語家じゃないんで音読でちょっと手こずりました。
- 03 遵守 (採点:7)
- タイトルタグ使ってないのが萌えます。あとはオチが予想できなければ……。
- 04 海神の矛 (採点:3)
- 「なのに、私の体は震えだす」僕はそこでは震えなかった……。でもサムには震えました。惜しい。
- 05 理屈じゃないこと (採点:6)
- なんか終わりと言うよりは始まりな感じがしますね。そうなると愛し合っているのに別れたと言う背反が今後の伏線になるのかなって思えるんですけど、完結とした短編としてはちょっとそこに引っかかってしまって。
- 06 For tune the rainbow (採点:4)
- 実に繊細。前半のブツ切り感がなければもっと高得点でした。
- 07 事実上悪真実上正義 (採点:1)
- 私的には分かりきっていることだったので、今更感が強く、他に見出すところも無かったのでこんな感じになってしまいました。
- 08 パースペクティブ過剰 (採点:10)
- テクストの快楽にどっぷり浸らせて貰いました。今回のコンペに参加しての最大の喜びはこの小説が読めたことです。
- 09 テロリスト長沢 (採点:4)
- 惜しいなあと思う。なんかもっと突き抜けて欲しかった。文章も安定しているし、決して嫌いじゃない。
- 10 いろはの森 (採点:7)
- 素晴らしいと思う。特に冒頭までの引き込みが。琴線に触れたし、勉強させてもらいました。
- 11 「やっぱりさ、天使っていると思うんだけど」 (採点:5)
- 思ったより手堅いな、と全部見てから思いました。触れ幅そんなにないけれど天子からキューピッドに鮮やかに移行しててなかなか安心して楽しみました。
- 12 フォーカス・レンジ (採点:6)
- このレベルの小説が非常に多いなーと思って苦労しましたが一歩前に行った感じ。これみよがしなカメラが神秘現象と無関係なところとか、あと後半の言葉の感じが凄く気に入りました。
- 13 僕の後ろに誰かいる (採点:3)
- 僕が俺になっちゃうのよりも僕が分裂症を抱え込むのの方が興味がありました。残念です。
- 14 ずっとずっと言えなかった言葉なんだけど、この世界で僕は幸せだった。もうこの世界は消えてなくなってしまうけど君は一人でも大丈夫だから、一人でも歩いていけるから、いつでも僕はここにいるから。でも最後にこれだけは言っておきたかった (採点:5)
- 普通の文章はいい感じだったんですけどタイトルと要所のセリフでどうしても陶酔が解けてしまいました。あと何事も無かったように女の子の視点に切り替わるところも躓いてしまった。
- 15 打ち上げ花火、下から見た日 (採点:3)
- 嫌いじゃないんですが読めば読むほど既視感があふれてしまって、それが私的な評価のポイントでした。
- 16 さくら (採点:4)
- 面白かったのは女の子が僕のセリフを捏造するシーンでした。あとは後半の迫真さが前半にもあれば……。
- 17 19140901 (採点:6)
- なかなか小手が利いていると思いました。胡涼の舞が、僕にはそこまで迫真するものでなかったんですが、そこに踏み込んだことに好感が持てました。
- 18 生命 (採点:9)
- 暴走するイメージとテクストの鬩ぎ合いに感服しました。よく書き切ったもんだ。
- 19 エンジェル・サイズ (採点:1)
- ちょっとどころでなく物足りなかったかなあと思う。多分中篇程度に膨らませれば天使の子に愛着を持てるんだろうけれど。
- 20 今日見る明日 (採点:2)
- 何も始まっていないし何も終わっていないと言うことが清涼感より先に感じられてしまって、帯で補完できるのかと思ったら帯も無く、なるほどこれ全体が帯のようなものなのかと納得してしまった。このベクトルのテクストには不可避的に孕まれる問題なんで、ぜひ次はその辺に意識を飛ばしていただければ。
- 21 雪国 (採点:1)
- この種類の文章としては、一文一文があまり面白くないのが致命的だと思った。物語としても主人公がひたすら空回りしている感じがしてなんとも。
- 22 俺の押しかけサキュバス (採点:2)
- シリーがかわいいのが美点なんだけれどもご都合主義にすぎたかな。
- 23 現状改善系恋愛呪文 (採点:2)
- これは何か薄いと思う。好きと言われた後キラいと言われたら、言われた方は困惑して、さらにその「先」が生まれると思うわけで、それが生起しないんであれば最初からしょんぼりだし、するとすればやっぱりこの収まりは不満なわけで。
- 24 結婚適文句 (採点:7)
- 色んな意味でシャレてたと思う。読めそうで読めない先の展開に翻弄されるのが楽しかった。はっちゃけぶりにも実は抑制が効いてるなと感じたのが余計に好感。
- 25 マージアここに在り (採点:5)
- 実によく出来ていたんですが新しいものを何も発見できなかったのが残念です。
- 26 僕らは分かたれたアンドロギュヌス。 (採点:1)
- 広い世界観を感じるとは言っても、やっぱりツギハギのバラバラとしか思われなかった。散文詩なのかな。だとしても。
- 27 ヤンキー女と美少年 (採点:4)
- バカバカしいオチだった(笑)楽しめました。主人公がSなのは仕様ですよね!
- 28 Forest Note (採点:5)
- 実によく出来ていたんですが新しいものを何も発見できなかったのが残念です。
- 29 Blind (採点:5)
- 一定の思弁が見受けられてよかった。もうちょっとで突き抜けていたと思う。
- 30 限りなき夏 〜A Frozen Summer〜 (採点:3)
- 比較的注力して読み込んだんですが、残念ながら意図を読みきれなかったようです。それ以外ですと構成と挟まれる気取った言葉に不満でした。
- 31 正義の味方の悩み (採点:1)
- 「自分から加わらなければ、物語の登場人物にはなりえませんからね」と言う一文がその他全ての文章より面白く思えてしまったので総合としてはこの点。その方向に進んでいったらガンガン点数を上げられたんですが……。デジャヴュも多かったです。
- 32 俺たちいつも仏恥義理だぜ、夜露死苦! (採点:5)
- 面白かった(笑)
- 33 射的と祭りと悪党と (採点:1)
- デジャヴュしかなかったです。具体的にはひぐらし。
- 34 心の無い少年と、美しい夜。 (採点:4)
- 能力ものとしては見るところがさほどあるとも思えなかったんですが、というか既視感が強かったんですが、死んだと思った彼がアンドロイドだから大丈夫、と言う設定ではなくて、見せ方が気に入りました。
- 35 西と東、白と黒 (採点:3)
- 前半は面白く、後半には何も思いませんでした。この作品の場合、そういう非対称的な感想を覚えてしまわれるのは最大の致命傷だと思うんですな。惜しい。
- 36 ソラアイ (採点:5)
- 実はよその感想を見てちょっと自分の感覚に疑問を覚えたんだけれど(苦笑)、それでも再読してみてもやっぱりこの雰囲気に持っていかれるところがあったのでこの評価。好みでした。
- 37 零光年先の、彼女 (採点:8)
- いや素晴らしい。タイトルも練られているし、本編は言わずもがな。いやまさかあんなことになるとは思わなかったけど切実だし惹かれた(笑)読後感もさわやかだけどちょっぴり切ない感じで、抜群だったと思う。
- 38 山田仁の行き先 (採点:3)
- 超能力ものとしてありがちなのは浮世離れしすぎていてご都合主義を感じる場合だけど、むしろこれにはある遊離感が足りなかったというか、総じて物足りなかったというか、長編ならばあるいは、という感じでした。
- 39 イケナイ☆化学実験! (採点:6)
- 抜群のバカが来たと思いました(笑)ホントにモニターの前で腹を抱えて笑ったわ(笑)
- 40 不思議な君とのシンパシー (採点:1)
- 全編エピローグの調子で書いてもらった方がよかったです。ちくしょー。
- 41 No River to Cross (採点:7)
- よかった。ある意味で似たような方向を目指していた作品が何個かあったかと思うんだけれども、その中でも抜群だった。寂寥感とは違って、それこそ村上春樹的な透き通った感じがあった。音楽に触れたテクストは少なかったけど、マッチしていた。他の人にだったらぜひその「音楽」なるものを描写して欲しかったと書くところだけど、これについてはそれによって全体がぎくしゃくしてしまった可能性が高くて、色々難しいと思いました。
- 42 焚火 (採点:1)
- 都合よく妹の主観に変わるところやせっかくの火事を全て回想で語っていることに躓いてしまった。であるならこの先を読みたかった。
- 43 仮面を忘れた不登校児 (採点:5)
- 結構好感を持ってたんだけれども、最後のタコ殴りのシーンでもっとなんか突き抜けて欲しかったなあ。ちょっと萎んじゃったかな、って。
- 44 おかめと天狗とアインスタイン (採点:5)
- 女性一人称が苦手なんですが、なかなかよく雰囲気を作っていたかな、と。
- 45 おかえり (採点:3)
- 感動が主眼なんでしょうが、そこまで持っていかれませんでした。残念。
- 46 ザ・ロケットフィンガーNO.5 (採点:6)
- お気に入り。彼の小説とこのテクストの関係がもっとよく構造化されていたら僕はもっと高得点を出しましたっ。
- 47 ポテト (採点:5)
- 最初の失恋を直接引きずってないのがよかった。いい言葉がある一方で唐突なところに嘆息する部分もあるんですが、最後の結びが抜群によかったのでこの点。
- 48 タクシー (採点:5)
- 巧みの技だと思う。結末は分かりきっているけどそこから抜け出せない拘束力を感じたのが良。
- 49 バレンタイン事変 (採点:6)
- よく出来ていたと思う。これを病気と言い張る胆力が私的に気に入りました(笑
- 50 2月30日にいたチャコ (採点:6)
- 魔法使いという設定に躓いたんだけれども、あるところまで踏み込んでいる感じがしたのでよかったと思う。大した魔法ではないんだよね。それがよかった。
- 51 夏の風 (採点:3)
- 帯を見た。目的はある程度達成されたと思う。よろしければさらに精進を。
- 52 豚 (採点:6)
- 豚より相応しいタイトルと結びがあったに違いないと思えてしまったことが最大の難点。ある気持ち悪さを喚起させられたのでなかなかのものだと思った。
- 53 瓦礫の森を哀れむように (採点:6)
- 結構好き。クサい描写があるけどそれが全て許せる、カッコいいと思えたのでこのような評価になりました。いささかご都合主義の風味が見えますが、ギリギリ許容。
- 54 メルヘン非常口は暖色のライティング (採点:6)
- 何がいいかって言葉がよかった。心に残るワードがたくさんあった。「彗星はきっとこない。」をぜひ結びに配置していただきたかった。
- 55 饗宴 (採点:5)
- 楽しくサクサクと読めたけど、「思え」が成功していたかどうかについて未だに判断を保留しております。はい。あと帯に書かれていることはほとんどが嘘だと思った(笑)
- 56 Show must go on. (採点:3)
- 習作としてはいいミステリだったと思います。ちょっと圧力が足りなかったかなとか、デジャヴュがあるかなと思ったけれども。
- 57 エース (採点:4)
- この題材と長さとしてはこれ以上は見込めないかもしれないと思うところはあった。抑制されていたし出来はよかったです。
- 58 飽くなき赤色 (採点:4)
- 色々な欠陥や書き慣れの問題があると思うんだけど、現代における敵討ちを真っ向から書いてくれたところを評価。
- 59 Day after tomorrow (採点:3)
- やはり回想は楽だと思うんですけど色々犠牲が多いと思うんですよね。主人公の気持ちを共有できなかった。
- 60 「1万2000円は高すぎる」 (採点:3)
- なかなかスラップスティックな感じで楽しかったです。
が、何か今回は妙に笑えるのが多かったので相対評価でこんな感じに。あう。
- 61 山小屋語り (採点:5)
- 惜しいと思う。せっかく聞き手が読者と一体化してたのに、彼が勝手に動き出してしまったのが白けた。むしろ彼は身動きとれない方がよかった。
- 62 格闘少女 (採点:2)
- 構成がよくなかったと思う。格闘少女の日常が見たかった。
- 63 未来視の見る夢 (採点:7)
- 実は全体よりも冒頭の方が心に残ったんだよね。みんなの未来予知で被害が最小限に食い止められたってところ。そのせいで以降の物語の触感にちょっとした感覚のズレがあった。ただ何度か読んで「もともと、そのための人材、物量の大量投入だった。それは、未知のウィルスに感染した二人の人間を助けるための戦いだった。」この文章を発見してそれがよいと感じたので、こんな感じの評価に。
- 64 ブランコ (採点:1)
- さりげないものを描こうとして失敗した感じ。変わった光景がもっと鮮やかであれば。
- 65 金曜日のつめきり (採点:9)
- これはある種の到達点だと思う。褒めるポイントを上げるとキリがないんだけどとにかくよかったし好みだった。
- 66 残照の夏、伸ばしたてのひら (採点:4)
- 79本を読んで思うのは結構この手のものはありがちで、いかに他と差異を出すかが勝負ってところですよね。それはコンペ自体どころか読者がこれまで読んできた色々な物語の勝負でもある。死亡因の描写にちょっと可能性を感じたんですが、振るわなかった印象。ところどころの気取った言葉にも躓きました。
- 67 世界一の小説 (採点:4)
- アイロニカルな小説なんだけどどうしてもそのせいか狭い物語になってるんだよね。それも含めてアイロニカルなんだろうけれど、その出来だけを評価するとすればこのような点数になってしまいます。実際に世界一と思わしき小説にアンチをしかけるとかの方が面白かったかもしれないっすね。何を選ぶかは趣味。
- 68 両手いっぱいの花を (採点:2)
- これはつらかった。ナルシスティックな文章だからだと思う。決して書けないとは思えないんだけれども、今回の試みは失敗だったかと。
- 69 Humph, please throw away person who has done ppp or lost xxx! (採点:6)
- ライトな感じだけど小手が利いていてスッと中に入っていけた。名前をアルファベットにするのも妙手だったと思う。オチもまあよかった。面白かったです。いや違う、笑えたんだ(笑)
- 70 アリス (採点:6)
- 「ファックミー、ダーリン。試験クソだりー」は神だと思った。しかし「あたしは、あたし」と自分で言わせちまったことがあああああああああ、ああああああああああああああ
- 71 ……動物園に行きたかった (採点:4)
- やっぱり単体で落とすには欠損が多いよなと思う。そういう物語の冒頭と言う感じが凄くして、予感させるものはあったけれど、そういうわけでこの評価。
- 72 月時雨 (採点:4)
- きつかった最初!むしろ何でこんなに読めないんだろうといぶかしむほどでした。が音読して最後まで読みきって結構オーソドックスだなあと思いこの評価。最初の読み難さが何かツボに嵌ってくれればよかったんですが。
- 73 14文字の涙 (採点:5)
- 描写としては目を引かなかったんだけれど、相手と兄と妹の間に非対称性が生まれているところに「おっ」と思ったのでこの評価。
それとは別に個人的な語り。実は僕もこういうメール来た事あって、結局無視してしまったんだけれど、もしかしたらこういう可能性もあったのかもしれないなあ、と思うと感慨深かったです。
- 74 魔女の岬 (採点:6)
- xxxholicを思い出した。その他にもデジャヴュ。けど出来のよさは疑うべくもないし、あと始まりも終わりもよかったのでこの評価。「そして」から始まるのはなかなか。
- 75 夜の夜 (採点:5)
- 夜が自分への疑いを微塵も持っていないことにちょっと躓いてしまって、このような評価。お婆ちゃんを安直に死なさずにある種の不安定さをそのまま持ってっているところがよかったと思います。
- 76 Another (採点:3)
- 読めなかった(笑)だけれどそれだけで収めるにはちょっと遠投すぎたかなと言う感じがする。
- 77 曇りのち晴れ。 (採点:3)
- この手の恋愛話は非常に共感できるんだけれどもだからと言ってそれをそのままに書かれても困るというところがある。個人的な体験に依存した評価は除外すると、最後の捻りをもっともっと工夫していただければっ。
- 78 君が星を手にするとき (採点:4)
- サムが全く出てこないところがよかったんですが、ロケット発射の当たりは予定調和で、描写の圧力と言うか、工夫が足りなかったかなあと思いました。
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