○Algol さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- 狙いは全く分からず、好きではないタイプの作品だったけど、文章は整っていたのでこの点数。
- 02 寒太郎 (採点:5)
- いい話だとは思うんですが、最初に
>「あ、えと、透き抜けますよ?」
と手が突っ込めたのに、次のパートでは理由もなくツンデレごっこでドロップキックが入る……と設定の説明が不足かなと。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 明仁という名と白秋と時代背景で、読者の知性を試しているのかもしれませんが、改行と字下げがきちんと出来ていない段階で、本来ならば選外かと。殺生かもしれませんがね。
あと、GONSHANの意味を説明するなら最初に出てきたときか、またはこの文脈ならあえて説明する必要も無かったと思います。
内容はいわゆる身分違いの恋と思いましたが、時代の臭いがあまりしてこなかったので。
- 05 ウミに漂う (採点:7)
- いじめを書いた作品がいくつもありましたが、この話が一番自然で、展開も面白かったです。
- 06 下手れ (採点:7)
- 天然悪女って怖いですね。
間に挟まるたとえ話がとりとめもない感じもしましたけど、仲良し三人組が甘酸っぱく崩れていく構図、私は好きです。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- おりこんはギャルゲーをするところではござらぬ。は嘘ですが、幽霊がどこかで覚えのある喋り口調でした、私の中では。
ちなみに「冷蔵庫の他のブロックに移動している間に開けてあげたらどうだろう」っていう至極つまらぬ突っ込みは無しですか。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:2)
- わかんない、混乱させたいだけ?
- 09 茜色の先 (採点:9)
- 彼らには「骨の白」「腐敗の黄色」も見えたのでは、というのは無粋ですね。
童話のような茜色の終末世界、よかったです。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:10)
- くわー、正統派直球夏の物語。隙を突くところが見つかりません。大好き。
この点数あげざるをえませんね。
- 11 準備 (採点:9)
- 脳内でガラスの砕けた音がして、あわてて最初から読み直しました。巧い。これぞ短編小説ですね。
1点減なのは作品タイトルがあまりにもそっけないからですが、考えても他のタイトルが思いつかないのが悔しい。限りなく10に近い9とお考えください。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:4)
- 登場人物4人いて、うちひとりは台詞が全部ひらがななのに、中盤辺りだと誰が話しているのかぴんと来なくなるときがありました。
あとは教授の瞳の色とか、人物の描写があと出しなのが少しひっかかりでしたかね。
「意思持つロボット」はジュブナイルの王道なので、それだけ優秀な作品と比較されたと思ってください。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:5)
- 主人公が中学生らしからぬ、いかにも書き言葉のような台詞を喋るのがね。
- 15 嫁嫁パニック (採点:5)
- オチはキレイなんだけど、なんだけど……やっぱりただの下ネタだから、これが精一杯の点数。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:8)
- 不思議な話ですね。純粋なSFかと思いきや、そうではないし。
幼馴染の登場に読後感はなんか割り切れない感じがしますが、それでもこの点数は堅いかなと。
- 17 キラーデイ (採点:7)
- 冒頭で大笑いしました。昨今王道ながら仕事人女の子イイ。
願わくばラストはよくあるシリアスじゃなくて、冒頭同様どこかクスリ笑えるもの欲しかったかも。あとは急に喋り口調がぞんざいになった主人公にちょっとだけ違和感。長くしてラノベにしたらもっと映える気がしますね。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- タイトルが、何にせよこのタイトルが。減点はタイトルのためと言ったら大げさですが、もう少し何とかならなかったもんですかね。
それにしても年齢不詳のこの少年はすごくイヤだ(笑)
- 19 猛スピードで触手は (採点:4)
- 主人公が触手に傾倒してるのか? それとも正常に観察できてるのか?
不気味なもの扱っている雰囲気があまり伝わらなかった気がします。
- 20 顔 (採点:2)
- 意図が不明…。
ただの怪談ならここまで引っ張ったあとの「転」を2行で済ますのが不満。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- これは「静寂を愛する」主人公を上手く使い切った作品ですね。
ことさらに静寂を愛することを強調しながら、しかし最後は、騒々しい時間が来ることに胸を躍らせる主人公。台詞や地の文も軽妙で、楽しく読めました。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- この中の主人公の男のようにまとまった作品だと思います。
惜しいなと思ったのはタイトルと、
>そう考えると電話のベルも耳障りなだけではない、生活のリズムを刻んでくれる音なのだろうと思えてきた。
この一行。どうかこのまま書かないで、文章だけで匂わせて欲しかった。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- 個人的な思想信条では高得点差し上げたいところですが、子供に聞かせられないのでこの点数です。特にキーワード「唐辛子」はちょっと露骨ですね。
文章自体は落ち着いた童話口調でしたので、ぜひ「本当に子供に聞かせられる物語」を書いて欲しいな、なんて。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:採点なし)
- こんなの書いて何が楽しいの、キモイ。
- 26 賢人の恋 (採点:6)
- 期待させる第一話って印象です。点数判断は続きを読んでからしたいぐらい。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:7)
- ラスト付近の空と太陽と橙色の話が好きです。これを書きたかったんだと思いますし、その通りとても好きな部分です。
- 28 腐臭 (採点:5)
- ケータイ小説風の、ちょっと好きではない書き方でしたが、読めました。
もう少しひねりが欲しかったです。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:7)
- 冒頭の会話は意味不明だし、設定も出しっぱなしに見えたり、最初は読み進めていて不安でした。
が、最後の台詞にやられました。読後はいい気持ちです。
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- わざとなのか、話に起伏が感じられず、登場人物すべて全く人物像が頭に焦点を結ばなかった。まあ仮にわざとだとしても面白くなかった。
- 31 不確定性の彼女 (採点:3)
- 素材は面白いのに「謙吾視点への切り替え」や、デウス・エクス・マキナな「アインシュタインの霊が宿ったサイコロ」など話の展開のさせ方に難がありすぎ。
こういうカップル書きたいなら日常の中でいちゃつかせればいい。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- 3つの話はそれぞれ繋がって分かちがたい雰囲気もありますけど、個人的には最初の話で出したい設定、最後の話で十分吸収できるんじゃないかと思いました。3の話をメインに、時折対比のために2の話を混ぜる、見たいな。
あと最初の話に出てくる個人名「シロッコ」、皆が特定の人物を思い描くような、有名なものをわざわざ使う必要は無かったと思います。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- 妹が戻ってきたのか、兄が空想世界に引き込まれたのか、妄想が見えているだけか実在の人物にようやく目がいっただけなのか。
最後まで分からないままの不思議な話でしたが、面白かったです。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 親が子供をミュージシャンにしたくないのがよく分かる話ですね。
- 35 サプリメント (採点:4)
- 作中の人物のいうとおり、次ページが完全な蛇足です。前のページもサプリメントが「負の感情」を消していく過程などを、安易に地の文で説明してしまっている印象でした。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:2)
- うーん、凝りすぎてしくじった仮装大賞のネタのような。
最後は意識飛びかけてるのに何で心臓の描写が……いう瑣末な点を突っ込むより、ただ純粋に面白くないと言ったほうがいい気がします。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:4)
- ああ、ラブコメですね。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:8)
- 前半部分の上品な可笑みが、後半一転ホラーになったのが個人的には残念。
でも良作だと思います。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:8)
- メイド喫茶って単語にどんな話と思いましたが、奇術師の行動が、とりわけtrack2がとてもよかったです。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:8)
- あー、ずるい。主人公とこの一人称のテンションを維持できる作者さんの才能がずるい。面白かった。
- 41 蜃気楼 (採点:5)
- 途中でオチが読めた。どうせなら横山さんが見つかった辺りから書き始めて、記事に書くか書かないかの苦悩を描いた方が面白いと思いました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- よくある設定先行、不必要なルビごてごてつきの話ですね。
でも短編としてはまとまってました。小さい部分ですけど、回路を撃たれて死亡する者も、自分の予想を外してくれましたし。
- 44 蟲毒 (採点:4)
- 同じ「犯罪者と犯罪者の出会い」があったので、それと比べてしまいました。霊とか脈略のなさとか、ちょっとコチラは一段劣った印象でした。
- 46 青空 (採点:9)
- いやぁ、騙されました。この気持ちよい騙しっぷりを支える技術、お見事です。
- 47 光学概論 (採点:7)
- 確かに男が好きそうで女が嫌いそうな男ではあると思います(笑)
残念なのは「人と人の間には断絶がある」って説教口調の台詞を入れてしまったこと。13歳の息子とのやりとり、冬の光景、どちらも上手なだけにこのまま雰囲気で押して欲しかったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:8)
- 爽快です。佐竹もおやっさんも松下も、わかっていても大好きだ!
ですから短編部門でもちっと分量増やして書いてみる気、ないですか?(笑)
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- 「私があの家で聴いていた」ころのことが頭に思い描けなくて感情移入できませんでした。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- ……設定厨。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- 申し訳ないですが、屋上を使った作品、もっと面白いのが多かったので。
- 53 体育館を燃やす (採点:3)
- 黒川に余命がなかったってオチはとてもありきたり。もうふた捻りぐらい欲しかったです。
- 54 彼女への笑顔 (採点:6)
- もう少し読みたい、って言うのが正直な感想です。『相貌失認』なんて久々に聞いたテーマだったし、某漫画みたいに男性は区別できないとかご都合主義しているわけでもなかったので。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:5)
- 植物状態でも、麻酔かかっているときでも、人の声が聞こえるって話はよくありますけど……この話はなんか「目が見えない」人の話という印象でした。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- 好き嫌いはあるでしょうけれど、下手な描写よりよっぽど姉妹の雰囲気が伝わってきます。この連続会話は。
けだるい夏休みの一ページが感じられて良いです。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:6)
- 全く他人の台詞が挟まれない、こういう書きかたしている人は珍しかったですが、破綻もなく掌編としてまとまってると思いました。
- 59 プルシャの後裔 (採点:3)
- アフリカのどこかの部族の話を本から引き写したように書いて…それで?
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- 猫同士は3日でも恩を忘れないんですね、天晴。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 同じような経験があるので(隣には誰もいませんでしたが)採点が甘くなったかも。でもあの微妙な気分を感じられる文章だと思いました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- 突っ込みどころがあるようなないような。
とりあえずタイトルと冒頭の期待が肩透かしだったのは確か。
- 64 花盤 (採点:10)
- ああもう、気取った人名を難点として減点したとしても10点差し上げるしかないです。メンスなんてマニアックなもの扱いながらこの短さに濃厚に漂う淫猥さ。漢字とひらがなの書き分けにいたるまでの表現の細やかさ。耽美。お金出してでも読みたいです。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 小説なのに、あえて「音」を主題にしたのが面白かったです。細かいですが、「茸の毒の有無を音で知る」なんて発想は自分の中からは逆立ちしても出てきません。
- 67 純 (採点:5)
- 性同一性障害の相手に惚れさせながらも、主人公に客観性を失わない言動をさせたのに好感。ただ、あまりにも話し途中で物語が終わったのが残念。
- 68 七夕 (採点:1)
- 何かの真似だと思うが読む気が起きない。
- 73 あかんぱにい (採点:採点なし)
- どうやってこの2行で下限制限を突破したのか、その方法が今回最大のミステリーです(笑)
内容的には@妻が何かの動物みたいだったAペットを妻というほど大切にしているBオランダ妻を持ち込んだ、ぐらいは想像できますが、でも小説じゃないですよ。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:7)
- うーん、個人的にはこのサービス、やっぱり悪意に満ちていると感じられるんですけど、メールを打つ時に考える事こうやって素直に作品になっているのははじめて読みました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- 駆け足のギャルゲーみたいでした。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- 「私の傍で、私と一緒に泣いてくれる人」という、この設定は確かに百合じゃないと書けない。甘い、甘すぎてむちゃくちゃうらやましい。
- 83 変わった趣味の男 (採点:3)
- ?
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- オタを嘲るような文を含めたにしては、悪くないです。
- 85 童話 (採点:5)
- 確かに絵本作家としては売れないでしょうね…
- 86 NEET (採点:5)
- 私小説?という下種な勘繰りはさておき、最後の語呂合わせは安っぽくてもったいない。「Super Ganbari Goal Keeper」ぐらい安っぽい。
あと、振るだけがカクテルじゃない、のでこの点数です。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:6)
- うわー、ヴァイオレンス百合。肉体的には蜜柑で精神的には揚羽の。
- 89 午睡 (採点:5)
- 最初の段落見たときは何事かと思い一瞬読む気が無くなってしまいましたが、「忘却」「アルツハイマー」あるいは「かゆ……うま」(苦笑)ですね。
凝ってるとは思いましたが、序盤で物語に入りずらいかなと。
- 90 R・P・G (採点:7)
- アイディアの素晴らしさは99作品中1,2を争うのではないでしょうか。アイディア賞があったらノーミネートします。
ただの「神視点と勇者の冒険」で終わらせず、最後に、
>「ああ、やっぱりアナタも自覚してないんですね?」
ともう一段ひねったのがとてもよいです。
ただ、例えば人間400人集めてもアルクェイドどころかネロ・カオスにも敵わないんだから、1VS400で魔王に勝てるっていう設定には突っ込みを入れたい(笑)
あと、某RPGの「キメラのつばさ」をそれと分かるように出しちゃったのをマイナスとして、この点数です。
- 92 神の子 (採点:8)
- 舞台は何週間も真っ暗な穴の中だというのに、このみずみずしさはなんでしょう。結末の光の柱がどこか半端な印象を受けましたが、しっかりした読み応えがありました。
- 93 妖精離れ (採点:4)
- 文章がよく分からないです。
でも伝えたい雰囲気は感じられて、しかもそれはかなり好みなので、甘くこの点数です。
- 94 Eternity (採点:1)
- 句読点の置き方と誤字脱字のチェック、いわゆる推敲にもう少し時間をかけてください。
話の内容は……とにかくぜんぜん萌えられない妹でした。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- 妹の殺意と兄の赦しが余りに軽い。狙ってやったのでしょうか。
狙ってやったにしては、弾けきれてません。狙ってなかったとしたら、扱う題材への向き合い方が圧倒的に不足しています。
どちらにしろそれを無視したところで、描写が致命的に少なすぎます。
失礼ですが、投稿できるレベルかどうか、前回までのSSコンペ参加作を見れば分かるのでは?
- 96 走るッ! (採点:3)
- 思いつくままに書かれたそうですが、ギャルゲーのテキストをぶっこぬきしたようです。それは普通「小説」と呼ばれませんので、あしからず。
- 98 足跡 (採点:2)
- ちょっと未来が見えたのに、最後まで気づかなかったって話なんですかね?でも、だから何なのていうのがまず一点。
また、最初は「見てる目の前で増えていった」足跡が、追跡を開始すると「一歩につき一歩増加する」という設定の混乱が一点。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- 奇を衒った文章が多い中、こういう素直な文章がとりにあると安心します。
でも屋上と繋がっている「いのちの電話」は切らないで欲しかったな。
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