○yoino さん
- No.3 『夢現胸壊』 (採点:7)
- 七夜としての志貴については未だ本編でもファンディスクでも解決されておらず、
続編ないし、世界観を共有する作品での補完が待たれる所です。
この作品は安易に志貴本人によって結末を付けさせず、
アルクェイドのみを対峙させた所が気に入りました。
後、「分身」はやはり男の夢ですから………
- No.4 「孤月之序」 (採点:6)
- あまりにも翡翠が琥珀を理解し過ぎている所が引っかかります。
その辺りをもっと曖昧模糊と、翡翠が漠たる不安を感じているように、
目覚めた「琥珀」の言葉の端端からもっと彼女の悲しみが感じ取れれば余韻が残ったと思います。
予定調和を意識しすぎたのかも。
- No.5 そうめい (採点:7)
- いかにもありそうな後日談で、面白く読めました。
琥珀さんはその境遇から、志貴との離別がテーマになる人です。
- No.6 ふーど・ふぁいと! (採点:6)
- 読んでいて楽しかったですが、これはSSよりもコミックで読みたかったです。
特に肉が見つかる下りとか。
二人が肉をかっこむ辺で、もっと「肉々しい」描写があればさらにコミカル感が出たかも。
- No.7 ヒトリキシム姿ノ図 (採点:6)
- 予想出来る範囲内の話であまり発展性も無いですが、
すっきり読めて良かったです。
ただ、紅摩が冷凍保存されているというのは
紅摩を遠野家を絡ませる為だったとは言え、相当強引な印象を受けました。
- No.11 MELTY BLOOD ― ANOTHER SIDE ― (採点:10)
- 時間が無いので30作しか読めなかったが、その中ではこれが傑出していた。
読み終わった後で「空の境界」と「月姫」の両方の世界観を使っている事に気づいた程、
違和感が無く自然に読めた。
つうか、奈須きのこ氏本人じゃないですよね?
文章だけで言えばきのこ氏本人の作品よりもこなれていて読みやすかったです。
- No.16 どうして、今頃になってこんなに毛深い夢を (採点:5)
- いや、僕もあのロアの格好は寒そうだなぁ、と気になってたんですよ。
なんであの人はああまで無駄に露出度の高い格好をしているのでしょう。
- No.18 虐殺月-祈り月 (採点:7)
- 月姫の作品中で四季と琥珀の関係性は話が過剰になる為に削られた部分だと思われるだけに、
この話は自分の「読みたかった」欲求を満たしてくれます。
ただ、月姫作品中の展開からして罪を犯した四季への制裁は避けられないと思われるだけに、
この「四季」は一度滅んでしまった彼が何らかの要因で復活してしまったとした方がすっきりしたかも。
- No.19 Mors certa, hora incerta. (採点:6)
- シエルを省いて志貴とアルクェイドの間の展開にした方が良かったかも。
アルクェイドはシエルに指摘されずとも、「恐れ」を感じているだろうし。
- No.22 クリーム (採点:7)
- 殆ど文句をつけられない程にしっかりと話が作られてます。
ただ一つ惜しいのは、アルクェイドトゥルーエンドとの整合性が取れていれば完璧だったのですが。
自分は新しい話を読みたい人間なので点数を高くはしませんが、
月姫本編のアルクェイドとシエルの距離感がよく再現されていると感じました。
- No.25 まだ渡れない天の川 (採点:6)
- 最後のシエルが予め志貴との幸せな結末を予想している所が緊張感を著しく殺いでしまいました。
後、セブンは乾有彦と出会うまで実体化した事は無かったのでは?
>だけど、ベルベットは気づいていない。もう自分が一歩も前進していないことに。
>ただ地面に横たわって雨に打たれながら、手足をじたばた動かしてもがき苦しんでいるのに過ぎないということに。
この流れはとても情感があり、それを打ち消すような「なのに。それなのに。」は蛇足だったんではないでしょうか。
- No.26 注文の多い…… (採点:8)
- 面白く読めました。
ただ、冒頭の流れは後から読んでもちょっとわかりにくいかも知れません。
これ、アルクェイドがカレーを味見しているんですよね?
前半はかなり苦心された様ですが、後の方になればなる程読みやすかったです。
- No.30 幸せの記憶を残して (採点:5)
- いかにもな琥珀さんの後日談です。
彼女には強く生きて行って欲しいですねぇ。
- No.31 いつか結晶になる今日を (採点:3)
- KEY系月姫、でしょうか。
記憶を失うキャラが羽居である必然性が感じられなかった為、
自分はあまり感情移入出来ませんでした。
ボケキャラだからって、アルツハイマーにしてしまうのは余りに酷いような……
途中の秋葉の胸囲コンプレックスに絡んだコミカルな展開はもっとあっさりしていた方が良かったのでは?
あそこだけ浮いています。
- No.38 『のら』 (採点:7)
- 一子と「依子」というオリジナルのキャラクターの関係が違和感無く描かれてます。
意味ありげに出てきた割りに活躍してない人ですが、
彼女と弟の有彦は世間から遊離しそうな志貴をそれらの世界に結びつける役回りです。
志貴の感じていた孤独と、一子、有彦の感じていた孤独感が共通する故にですが、
それが物語に於ける彼ら姉弟の存在意義だとするならば、この作品は正にそれに則っていると言えるでしょう。
月姫という作品の目立たないテーマの一つを上手く料理していると思うので、自分は評価します。
- No.42 琥珀さんの観察日記 翡翠編 (採点:4)
- もっとエグい方が面白かった。
これでは翡翠がただの「いいお嬢ちゃん」であるだけです。
もっと翡翠の意外な側面を見たかった………
例えば、TVは見てないけどラジオは聴いていて恥ずかしいペンネームで投稿してるとか、
たまにノーパンで家事をやってスリルを味わってるとか、志貴の陰毛を収集して悦に入ってるとか。
白いモノが出てくる穴をいじくる所といい、エロ萌えを狙ったのかも知れませんが、
翡翠はキャラクターの幅が無いだけに退屈になりがちで難しいキャラです。
奈須きのこ氏ですら「翡翠暗黒拳」に走った事実を我々は忘れてはなりません。
- No.45 その花に見守られて (採点:5)
- えーと、アルクェイドは何処に行ったんでしょうか?
シエルは出てきているのに、彼女の存在が作品から欠落しているのは奇妙です。
話自体は良くも悪くも無いです。
余りドラマ性を主張していないだけにかえってリアルさがあるとも言えますが、
その路線を行くならば時が経過してそれぞれ変貌を遂げたそれぞれの登場人物の描写にもっと
力を注いだ方が効果的だったのでは?
- No.53 『千億の夜、千億の昼』 (採点:9)
- 翡翠と琥珀の名前の由来を非常に上手く絡めてますね。
シエルが解説魔らしい顔を見せてますし、秋葉は結構淑やかしだし、で
SSではなかなか見られない二人の側面が見られて嬉しかったです。
「巫浄」の家もいかにも「らしい」し、理屈も綺麗に通っているしでケチのつけようがありません。
「私たち、海って行ったことがないんですよ」と「私たちは海を知っていたんだね」が効いてきます、
ジワジワ効いてきます。
非常に完成度が高いですね。
読めて良かったです。
- No.66 未来視 その考察。あるいは、その交錯 (採点:9)
- 外伝として面白かった。
つうか、瀬尾晶の話として見事に続編になってます。
蒼崎青子という魔法使いの佇まい、その在り方、そしてその「怖さ」が伝わってきました。
シオンにも独特のシャープさがあり、それぞれの行動の「論理」が明確です。
途中文章の校正が済んでいない所がありましたが、物語に引き込まれてもう何処だったか覚えていません。
- No.72 ある幕間 (採点:8)
- アルクェイドルートの弓塚さつきの運命ですか。
最後まで興味を惹かれるまま一気に読み通せました。
足場を作る為にシエルを利用するさっちんには月姫本編中のアクション描写以上の
ノリと迫力があります。
本編はあくまで志貴の視点の物語なだけに語られる事の無かった内容ですが、
この話が本編にあったとしても遜色無かったんじゃないですか?
ただ、いかにもこのネタは他の人もSSで多くかいてそうなんで、ちょっと点数を減らしました。
- No.75 埋葬された物語 (採点:5)
- 正直、自分にはよく分からなかった。
これは全てレンが切り張りする夢の素材なのですか?
点数がつけられません。
- No.77 明日、あなたに出会うから (採点:6)
- これはパラレルワールドの話なのかな?
もしくは書いた人が月姫をプレーしていないとか?
アイデア自体は悪くないので本編の展開から乖離した展開、内容にしなければ
結構面白くなったんじゃないでしょうか。
本編に準拠した話として読む人にはアルクェイドの性格の齟齬、秋葉と晶の関係、
志貴と晶の面識の問題などを気にして素直に楽しめないと思われます。
- No.79 うさぎと帽子と居眠りねずみ (採点:5)
- どうも、甘いばかりで自分は余り楽しめませんでした。
この喫茶店が例の志貴行きつけの喫茶店、
晶にケーキをご馳走したアーネンエルベってオチかと予測しましたが、そこは外されました。
- No.86 ありがとう (採点:5)
- アルクェイドが志貴の子供を産む……という話ですが、
やたらと甘々な話ですね。
余りに甘いので、後半吸血衝動に苦しむアルクェイドが自分の息子の血を吸いそうになって
身を隠すとかの展開を期待したのですが、志貴が死んで終わってしまいました。
自分はあまりこの手の話を読みたいとは思いませんが、この甘さ、感傷性も嫌いではないです。
- No.91 白昼のドリーム・ショップ (採点:3)
- 余り面白くは無かったですね。
スラップスティックギャグにしてもあまり月姫キャラで見たいとは思わないなぁ。
- No.93 もう一つの永遠 (採点:5)
- 健気なアルクェイドが良かったです。
ですが、アルクェイドは本編中でも「私の死徒になればいい」と言っていますし、
彼女にとって志貴を死徒にする選択肢はシエルに指摘されるまでもなく当然の選択肢として
あるのではないでしょうか。
でも必死なアルクェイドは可愛いですねぇ。
- No.101 それだけでいいから (採点:4)
- さっさと話を終わらせた方が良かったのでは?
この話、四分の一の長さに出来るんじゃないでしょうか。
作者の方はコミカル路線よりもシリアスな路線、
もしくはストーリー路線の方が向いている様に思えます。
ギャグが滑っているというか……摩擦が存在しない世界ですね。
- No.102 Climax Together (採点:5)
- なんつーか、普通の青春小説ですね。
蒼香って咄嗟の時に女の子っぽい口調になるキャラでしたっけ?
歌月十夜でも普通に男口調だった気がしますが……
- No.103 ヒトのココロ モノのカタチ (採点:4)
- 読んでいてもっと短く出来たのではないかと感じました。
オチがこれでこの長さは……読んだ人はガクリと来るのでは?
秋葉がまるで芸者置屋のおかみ、もしくはクラブのチーママみたいでなんというか……
エロがあれば、これがエロの前フリだったなら良かったのかな。
まぁ、この後にシオンと志貴の「契り」があるならばまた評価も変わったのでしょう。
文章の面白さはありました。
- No.105 Struggler in the mirage night. (採点:4)
- 最後のとってつけたようなハッピーエンドは必要無かったのでは?
>「彼女が吸血鬼と化したのは、それによって救われる人がいるから。それが彼女の存在意義だと思うのは、俺のわがままなのかな」
でも弓塚さつきさんは数人の犠牲者を出してるワケで……やはり吸血鬼にならない方が良かったと読者は感じてしまいます。
後、タタリはメルティブラッドでは姿を借りた相手の口調もそのままコピーする様ですから、
もっとタタリの口調に「弓塚さつきらしさ」が欲しかったですね。
話の内容自体もメルティブラッド本編の展開とさしたる差があるワケではなく、
意外性もありません、「さっちんエンドがあったらこうだろうな」そのまんまです。
文章は悪くないんですが……
- No.106 或るサラリーマンの夜 (採点:5)
- 読んで楽しいって話ではなく、興味もそそられにくいですが、
なんか妙な感情移入というか嫌〜な共感がありますね。
- No.109 CLOTY BLOOD (採点:8)
- 細かい設定の出来が良くて違和感無く読めました。
一つ気になったのはシオンの「――失礼ですが、その装備をショボイと思ったことは?」発言です。
彼女の語彙に「ショボイ」という表現は無いのではないでしょうか。
後、この話のキモとなるリーズバイフェとシオンの関係性をもっと書き込んで欲しかった所です。
シオンがワラキアを誘き寄せる為に自ら噂をばらまき誘導したって展開になるのかと予測したのですが、
案外普通に終わりましたね。
手堅く読めましたが、このエピソードはシオンにとって重要なモノだけにもっと感情を動かす様な話にして
欲しかったです。
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