VSヒモオユイナー






ぐーポップはわない  −あらすじ−

 卒業を目前に控えた主人公は、ある日付き合っていた美樹原愛にデートをすっぽかされてしまう。落胆して帰る途中、ボール箱に入れられて泣いている子猫が目に入った。彼を含め周りは皆避けるようにして通っていく。
 そこへ現れたのは、黒いマントにすっぽりと身を包み、鋲の打ち付けられた筒のような帽子をかぶった、奇妙な男だった。

「君たちは、捨てられている猫を見ても何とも思わないのかね!
 都市生活は弱者を見殺しにするところからはじまるってことかい、は!」

 澄んだボーイソプラノで怒鳴ったその顔を見て主人公は仰天した――美樹原愛のものだったのだ。

 翌日、主人公は学校の屋上で再び彼と出会う。自らをめぐーポップと名乗ったそれは、言ってみれば美樹原愛の二重人格のようなものであると――


「ぼくは自動的なんだよ。動物に危機を察知したときに浮かび上がってくるんだ。

 だから名をめぐめぐの泡めぐーポップという」




…めぐーポップの話は、僕にとってかなり気の重いことである。いまだに心の整理がついていない。

―― 3年A組 主人公




ちょっと混乱させてやりたかったんです。ごめんなさい。

―― 3年J組 美樹原愛




めぐーポップの話は
どうやら男子たちには内緒にされているらしい。
女の子だけの伝説なのだ。

―― 3年B組 如月未緒




どうして、好きになれる相手を選べないんだろ。そうできたらいいのに…

―― 3年I組 朝日奈夕子




見られたからには、生かしてはおかぬ。(ニヤリ)

―― 殺人コアラ




今や、あなたは僕らの敵だ――

―― 3年A組 早乙女好雄




どっちなのだ?
どっちが本当なのだ?
―― 宇宙人




結局は、なんでもないことになってしまうんでしょうね。

―― 2年A組 秋穂みのり










この世の中には、決まりごとなんてなんにもないのよ。


紐緒結奈





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(c)上遠野浩平先生、緒方剛志先生/電撃文庫