ブギーポップの小部屋
Last Update 01/03/18
ハートレス・レッド感想
○知らない方へ
上遠野浩平先生の小説で、電撃文庫より刊行されています。
内容としては平穏な生活の中に突如侵入してくる奇怪な事件と、それに立ち向かう登場人物。そして平凡な女子高生の第2人格にして世界の危機に必ず現れる謎の存在『ブギーポップ』――という感じですが、『奇怪な事件』そのものより登場人物たちの、文字通り『それぞれの』心情と行動、各視点から見た事件の描写が面白いです。曰く『これはバラバラな物語だ』。
リンク
○猪鹿亭ブギーポップ支店(嬉野通弥さん)
各巻の紹介や感想、イラストなど。リンクが充実しており、あらゆるブギーポップサイトを網羅してます。
絵の下はネタバレになります。
○ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド
出遅れたのでこっそり更新。今回はまあまあ。
話としては凪のライバル紹介編って感じですか。朱巳のキャラクターが、今まで出てこなかったのが不思議なほど「ブギーポップシリーズらしい」ものだったので、その点で昔の雰囲気が戻ってきたようで非常に満足。
ただ話の大部分はバトルなので、朱巳、凪、ミセス・ロビンソンそれぞれの心情描写はちょっと物足りなかった。特に朱巳と凪の間はクライマックスに行く前にもう少し積み重ねがあればなー。エンブリオよりこっちを上下巻にして欲しかったです。
・ユージンといいモ・マーダーといいミセス・ロビンソンといい、統和機構の合成人間って無茶苦茶情にほだされやすいですね…。
・おお、辻希美が。パンドラの六人って気に入っているんですが、今まであまり話に出てこなかったので嬉しい。
・凪が電撃を放ったシーンは「おいおい凪までスタンド使い化か」と一瞬焦りました(^^; 機械だったか。一安心。
・『炎の魔女』を自称したくだりはかなり違和感。あの状況でこんな名称が出てくるかなぁ。硬派な凪が考えるにしてはちょっとリリカルな言葉の気もするし。
・朱巳のヘタレさが全部演技だったのは良かったのですが、そうなると凪の説教が道化になっちゃうなぁ…。「凪が来なければ朱巳は死ぬつもりだった」とか無理矢理凪にも花を持たせようとするあたりに作者の苦労を感じてしまいました。
・敵は今までで一番情けない奴でしたが、これはこれでよし。ジョジョの吉良吉影のように、小市民的な悪党は結構好きです。能力も分かりやすい。
・水乃星さんはなぁ…。『夜明け』の時の一人で悩んでいるイメージがあったので、今回の悪の総帥みたいな描写はかなり萎え。
・穂波顕子が誰なのか全く覚えていませんでした(^^; 炎生を読み返したら、水乃星さんが悪の総帥であることも既に書かれていたのか。うーん。
で、朱巳は今後も出てくると。「運命」を持ち出されるのはやはりちょっとな…。フィクションでの「運命」なんて「作者の都合」以外の何物でもないし。
とはいえ超能力もなければ戦闘訓練も受けていない、ただの中学生があれだけのことをやったと思うとなんとも強烈なキャラでした。>朱巳
ブギーポップシリーズ 私的ランキング
1 笑わない
「各視点の限られた事実」のアイデア、構成、文章、後に残るもの悲しさと、色々と衝撃的だった。。
敵陣営は好き嫌いで言うなら好きではないのだが、それでも良かれ悪しかれ早乙女の話だったと思ったり。
2 夜明け
プレストーリー。初陣なのでパワーは低めだったが、「笑わない」以来の『バラバラな物語』を満喫。
凪の強さとブギーの非情さが良い。
3 ペパーミント
特に凄い話でもなく、何が良かったともはっきり言えないのだが、何となく好きな話。
『ただそれだけの…』
4 パンドラ
感動したという点では一位。『仲間』を軸に「祭りの中」と「祭りの後」の描写が泣ける。ユージン〜。
ただ表テーマの『運命』が納得行かないというか、話におけるご都合主義を『運命』で済ますなよ…。(ごまかしではなく堂々とやっているのは新鮮だが)
5 ハートレス・レッド
このへんかな〜。2〜5は結構同列。
6 イマジネーター
長所:キャラへの感情移入度は一番。綺ちーが幸せになって良かった。イマジネーターにも考えさせられた。
短所:長い。スプーキーEが嫌い。まんま人類補完計画な飛鳥井。
7 歪曲王
エヴァTV最終回の如く精神世界で話を進めるなって感じー。設定説明の巻。
8 エンブリオ
中身がない。殻だけ。
エンブリオ炎生(00/02/20)
エンブリオ浸蝕(99/12/11)
ペパーミントの魔術師(99/08/26)
ときメモネタ(ゴミ)(99/07/08)
歪曲王&小トーク(99/02/16)
パンドラ
ブギーポップその2