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○nage さん

002 彼女の理 (採点:8)
 いいな〜♪
 というのが素直な感想です。ちょっと、くどい気もしますけど。今回の変化球だらけの中でこれだけ手堅く、いい気持ちになれるの一つでもあると心が落ち着きます。
 ――ホントはもう少し書きたいんですが、繭シナリオをやっていないのでこの辺りで(汗 いい作品、ありがとうございました。

011 その果ての雨 (採点:8)
 不思議な味のある作品でした。

018 この世界は (採点:9)
 読めば読むほど味の出る話。この作品が一位を取ってくれるのが一番納得できる気がします。
 はじめは冗長だと思っていたんですが、読み返せば読み返すほど、これでいいんだ、と思わされます。極限まで切り詰めたようなほかの作品と比べれば余裕はあるのだけれど、それが無駄にはなっていない。日常の積み重ねが確かな意味を出している。今回のシリアスの中でも有数の『深さ』をもった作品だった気がします。

 とかまぁ、言ってますが、結局は詩子さん萌えです(笑
 どの場面も詩子さんが素敵で素敵でしょうがないです。自由気ままという言葉が本当に良く似合います。今回のこんぺで最萌えです。だからこそ、最後のあたりにも響いてるような。

 この作品に捧げるには似つかわしく無い言葉を並べてしまいました。
 変わりに、最後に一言。
 気持ちいい話でした。

023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
 あまりに破天荒な展開に頭がくらくらしました。騙される快感がたっぷり。
 夢・現実・過去がそれぞれ入れ替わっているように見えて、最後のどんでん返しでそれが正しかったのだ、というのがわかった瞬間は思わず膝を叩きたくなりました。唇が触れる直前で切ったのも絶妙。
 ちょっと最後がくどいのと、二読目では完全にネタがあがっていて楽しめないのが残念ですが、かなり楽しめました。どうも、ありがとうございました。

027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:7)
 むむー。とりあえず好きーと宣言しておきます。ですが、と続くので。
 ですが。
 いまいち、読み手としてすっきりしないところが残るのです。浩平の登場がご都合主義的だとか、住井がなんか違うだとか、そーいう所もあるんですが、何よりも稲木さんのお姉さんが唐突過ぎる。それまで、見殺しによって人を殺す、殺さない、のレベルで展開しているように思えたので、戸惑ってしまいました。伏線欲しいです。
 俺にとって、大きな問題点はそこだけでしたけどね。
 稲木さんがほんのり可愛いです。終りの前向きなスタンスはそれまでのキャラクター構成と結びついていて、かなり好感が持てました。こういう前向きさって、自分にないから、羨ましいなぁ、と。
 タイトルが今回の中で一番好きです。いまいち、読み終わった後に効果倍増とならないのが残念ですが。

030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
 て、適当かーーーーーーーっ!?
 失礼なんでしょうが、はじめにこう思ってしまいました。やる気がないやら、あるやらのこの書きっぷりがたまらない。しかも、地の文の間合い取りが絶妙に巧いことがざらでしたし。かなりのツワモノと見た。
 てゆーか、今回はエターナルブームなんでしょうか。既にもう一つエターナルな作品がありましたし。
 個人的には「二つ、不埒なおかわり三昧」がツボ。アホ過ぎ。

 ギャグで20K以上、完全に持ち堪えるのは凄いなーと思うので高得点。でも、本来点数つける作品じゃないですよね、コレ。ただ、馬鹿笑いするもんだー。

034 莫逆の友の恋 (採点:8)
 ラブコメじゃなくて、ギャグに見えるのは何故でしょう(笑
 細かい文章毎にくすくす笑っていました。こういうギャグって、好きです。
 ラブスラップスティックとか(違

037 虚構少女 (採点:9)
ばすかも検討した上で書いているという印象を受けました。
 桜のキャラはうまく書けてたなーと思います。特に「……ごめん、そんなの約束できない」というセリフは白眉でした。それまでの展開でキャラをある程度つかませておいたから書けるんだよなーとしみじみと実感。

 ただ、全体的にリアリティがないというのが欠点として感じられました。上で書いた検討した上で〜というのも、構成がしっかりしているという意味では好感が持てるんですが、逆にそれが若干見え透いてしまっているということでもあると思います。キャラ造詣も早い段階で読者にわからせるというのは成功していましたが、その行動はどこかで見た範囲内に収まってしまっている気がします。
 この話はリアリティが欲しいタイプの話だと思うので、ちょっと残念でした。

 現実で似たようなことを企んでいた自分としては、「んなに気にせんでもなー」とか思ってしまいますが。どうせ、自分からは逃げられないし。ちなみに、俺も失敗しました(笑
 本当の自分とゆーのは、やっぱりあるようで。当たり前なんですけどね。
 七瀬がそれに気が付いて、そこから新しい乙女像を目指してくれれば、楽に幸せに慣れるんでしょうけどね……。そこらへんが熱血乙女の所以なのでしょうか。
 余談でした。

039 フリップフロップ (採点:10)
 微妙な文章の揺らぎだけで、今回私的ぶっちぎりのNO.1です。何故、このタイミングでこの文章を入れられるのだろう、というようなセンテンスがどれだけあることか。終盤で涙が出そうになる作品は数あれども、中盤の、別に盛り上がるわけでもない所でも泣きそうになる文章と言うのはほとんど初めてだと思います。
 一番好きなところを二つ。
 B1のみさおの名前を呼ばせる付近の読者のつかみ方は最高でした。瑞佳かわからないようにフェイクをかけておいて、あの絶妙の一行明け&ダッシュの入れ方。あそこだけで8点以下はなくなるくらい、素晴らしいタイミングでした。
 B2の
『 ――冗談ばかり言っているけれど、僕は本当に心配なんだ。
  きみが、どこか僕の見ていないところで、泣いていないか。 』
 というくだりで再び泣きそうになりました。不思議なほどです。
 恐らく、全体的な雰囲気の作り方が絶妙なんだと思いますが。今4度目くらいなんですが、まだ普通の文章で心が震えます。
 微妙な風景描写で読者のイメージを繋ぐのも「なんでそんなに綺麗にいれられるんだろなー」と思わず感嘆してしまいます。

 文体のコントロール――というか、書き分けも上手ですね。若干Bパートの方は崩しすぎの印象もありますが、一読が普通は限界である事を考えると、このくらいがいいのかも。『ええと』とか普通に読んでいるとひっかかる部分にまったく引っかからなかったということはそれだけ俺が雰囲気に飲まれてしまっているということなのかもしれませんが。
 文体ともちょっと関係あるのかもしれませんが、話の密度の高さ、あるいは圧縮の仕方も惚れます。B・C、どちらかを独立させてもう少し膨らませても一本の話が出来る所をわざわざ二本持ってきて、どちらも話として完成されていて、その上絡み合い一つの『flip-flop Worlds』を作り上げている。完璧です。泣きそうです。
 先生と呼んでもいいでしょうか。

 話として若干わからない部分があったりはします。
 始まりと終りにあるAパートとしておかれている部分とB・Cパートのつながりは、AがB・Cを想像してるとかかなーとか凄く曖昧にしかつかめていません。ただ、それでも『永遠』について濃度の違う三つが絡み合って十分に何かが伝わってきたのでまったく減点材料にはなりませんでした。少なくとも、俺は。

 正直、文句をつけたくありません。
 最高の作品をありがとうございました。

043 夕焼け色のシンデレラ (採点:8)
 流石に、カタルシスは凄いですね。
 ただ、序盤がわかりにくすぎましたね。そこらへんが減点かも。粗く読むと人称の変化もわからないし。

044 小さな幕間劇 (採点:8)
 意味わからない、かつ、わかるというか。無理やり糸を解きほぐせばわかる気がするんですが、解きほぐさずにわかるようなわからないような感覚を楽しんだほうが正しい気がします。解体された夢なんて、夢じゃない、ということで。
 とりえあず、好きー。意味のわからない雰囲気も、人を食ったような文章の作り方も、乾いた文体もどれもいとおしいです。出来るなら、もう一度繰り返して、永遠の中で、感覚としての時間が加速するのをもうちょっと見たかった気がしますが……容量的には不可能ですね。

050 セレナードで眠らせて (採点:7)
 まったり、と。それ以上言うこともない気がしますが。
 説明的な文章で読者と距離をとることもほとんどなく、茜の心情に埋まりこんだまま、新婚の夜を体感させる。必要な説明等は適宜会話、内面独白で表現するっつーのはいっそ徹底してて気持ちいいですね。小説的、美文的な上手さを全く求めない、自己陶酔のほとんどない、文章。そこから紡がれる穏やかで日常的で自然な場面。

 ――妙なことをつらつら書きましたが、要するに、まったりできました、ということです。ありがとうございましたー。

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