Top Ka1 Ka2短 Ka2中 痕短 痕中 痕長 ONE短 ONE中 家計 月姫 Ka3短 Ka3中 Ka3超短 Ka4小 Ka4本 オリ肉 Ka5短 CLA1短 ONE2 Ka5中 CLA1中 オリ2 オリ3 Ka6小 Ka6本 AIR オリ4掌 オリ4短

○Manuke さん

001 farewell party (採点:9)
ああ、とても良い雰囲気でした。
名雪と祐一のあり方が、魅力的に描けています。
中盤、クラッカーのくだりが少々説明調だったのは、ちょっとだけ残念かな?
末尾の余韻の持たせ方も上手いと感じます。

祐一が親元へ帰ることになった理由が明示されないのは少々気になりました。
単に帰国したからというだけでは、お話の都合上のように感じられてしまいますから。
(短編の長さでそれを盛り込むのは難しいとは思いますけれど)

002 コンクール (採点:3)
ちょっと意地悪ですね、祐一。コメディだったらこのくらいの態度もアリだとは思うんですが…。
栞は魅力的に表現できていますけど、お話が盛り上がりに欠けてしまっています。
(『誤っておくか』のような誤字には注意)

003 NEVER TOO LATE (採点:3)
香里はそこそこ魅力的ではあるのですが、内容に深みが感じられません。
また、若干誤字が見られました。(『卒業式をみたいような気がする』等)

004 冬は好き? (採点:3)
うーん、ただの駄洒落になっているような…。
(ストレートじゃないところが、祐一らしいとは思うのですけど)
短編のネタとしてはちょっと弱い感じです。
超短編だったら、もう少し評価が上がったかも。

005 恋人(ともだち) (採点:1)
うっわ、重婚ですか…。しかも、『友達でいような…』とか言っておきながら。
ちょっと都合良すぎやしませんかね?
私にとっては、祐一は『俺もあゆのことが好きだ。でも名雪も好きなんだ』などと言い出す**野郎には思えないんですけど。
あゆの独白もどこか変ですし、キャラクタ的にもあゆらしくありませんでした。

006 スキスキスKiss!! (採点:1)
全然、香里のようには見えませんでした。(祐一も)
栞とのやりとりも、どうにも嫌な印象が拭えません。
お話のヤマも、オチも、イミもありませんし。
冒頭の部分で、一度目はともかくとして『二度目に会ったとき』/『三度目に会ったとき』ってのは表現がおかしいでしょう。
彼等はクラスメイトなんですから、学校のある日は毎朝顔を合わせてます。

007 思い出 (採点:1)
えーと…なんと言ったらよいものか…。
祐一らしさ・香里らしさが表現できていません。
冒頭で『愛しの姫君』とか言いながら、前振りもなく唐突に香里に告白する祐一も、ほのめかしどころかこれ見よがしにラブラブモードなのに、告白されると『そんな急に言われたって…』と口ごもる香里も、はっきり言って変です。
大体、水瀬家・美坂家の旅行は何の意味があったのでしょうか? 家族が全員旅行に出ているのに気づかないって、どうかしてるでしょうし。
学校の連休も、普通はもっと前から分かっていることだと思いますが。
ヤマ・オチ・イミに関しては言っても仕方のないことでしょうけど、最低限お話の筋だけは通すべきです。
また、『なんてこと書いてくれえるの』『着てみたかっただけだ』など、誤字もあります。しっかり校正しましょう。

008 おめでとうを涙と共に (採点:2)
むやみに漢字を使うのはやめましょう。一貫していませんし。(『其れ』『如何しようか?』等)
名前を呼んだのが結婚式のスピーチでだけ、というネタはいいと思います。
しかし、それ以外はくど過ぎるきらいが…。
祐一のアルバイトエピソードはあまりにもベタです。正直、香里や北川君が思い至らないのが奇妙なほど。
また、香里はともかくとして北川君にまで隠す理由はないのでは?
もっとコンパクトに、不必要な部分をばっさり切っていたら印象も変わったのではないかと思います。

009 たったひととき、それでも優しい夢のなか (採点:10)
やられました。お見事です。

010 歩行者優先 (採点:8)
ああ、こういう気持ちってやはり共感してしまいますね。
先に進みたいという想いと、ずっとそこに留まっていたいという想いの矛盾。
一見そうした感情と無縁そうな香里視点からの物語、なかなか良い感じです、

011 たった二つの「好き」の条件 (採点:3)
うーん、祐一はこの答えで納得するんでしょうか?
このSSでの祐一は「俺は自分が嫌いだというのに」と、いわゆる『存在価値』を問うているように見えるのですけど…。
こう言ってはなんですが、「『好き』に理由はいらない」的な手垢の付いた恋愛観で満足できるようには感じられません。
(本来自分で求めるべき答えである点は別にして)
また、台詞のみが続くシーンが頻出しますが、同一人物の発言が連続するのは(基本的に)ご法度です。
誰の発言なのか混乱してしまう事態を招きかねませんので。
ゲームでは台詞に発言者名を付記することでこれを防いでいますが、SSでこの書式を使うと嫌われる要因にもなります。一長一短ですね。
美汐は可愛らしく描けていると感じました。

※書式で気になった点
・連続した句点での間の表現 : あいうえお。。。
  この表記でなければ絶対に駄目、というこだわりがなければ、三点リーダ(……)にすべき。

012 人の思いは常に一方通行 (採点:2)
そこそこ読めはするのですけど…。
やっぱり根本的に、Kanonとの関連性があまりにも薄過ぎます。
原作で台詞のある登場人物は久瀬だけですし、キャラクタも微妙に距離を感じました。
『もしかしたら彼女達にはそれなりの事情があったのかもしれない』
の部分は、原作で
『どんな真実があろうと、生徒会は彼女を弁護しないよ』
という台詞を述べる人物の言葉とも思えません。(売り言葉に買い言葉、もなさそう)
うさちゃん先輩に『他人の気持ちを考えた方がいい』って言われただけで素直に反省するタマにも見えませんし。
(それだけ彼女が久瀬に対して影響力を持っていたということなのかもしれませんが)
もう少し、例えば舞・佐祐理さんあたりをからめてくれたなら評価できたんですけど。
うさちゃん先輩は可愛い感じですけどね。

※書式で気になった点
・文末に句点がない : あいうえお → あいうえお。
  段落末尾にしか句点が見られない。(一部違うけど)
  明らかに使い方を間違えている。

013 名雪のライフスタイル (採点:2)
文章表現に難があります。(『電光石火のごとく速さ』、『校内認定の仲』等)
また、名雪の祐一に対する依存度の高さも、あまり良い印象を受けませんでした。
放課後が『一番嫌いな時間』だとすると、名雪は部活動を楽しんでいないことになります。
名雪が恋人だと確定している状態で、他のヒロインがコナをかけるというのも解せませんし。
『傘を一本』のくだりは微笑ましくて良い感じでした。

014 今はまだ靄の中 (採点:2)
頑張っている祐一の物語は好感が持てるのですが…。
少々、文章に難があります。また、特に前半のくだりは滑っている感じでした。
(財津一郎を出されても、それだけで笑いは取れません)
『いつもどうり』のような誤字にも気をつけましょう。

※書式で気になった点
・連続した読点での間の表現 : あいうえお、、
  この表記でなければ絶対に駄目、というこだわりがなければ、三点リーダ(……)にすべき。
・閉じ括弧直前の句点が余計 : 「あいうえお。」 → 「あいうえお」
  一部のみというのは明らかに校正不足。

015 in the room (採点:1)
全く共感できない、ということはありません――少なくとも、途中までは。
しかし、たどり着いたところは欺瞞ではありませんか? 単に自己を正当化するための。
もちろん、それ以前の問題なのですけれど。
順位を期待してらっしゃらないでしょうから、言っても意味のないことかもしれませんが。

016 月色の涙の想い (採点:4)
北川君はなかなか格好よく描けていますね。
捨て猫にミルクってのは少女漫画的なお約束っぽい感じはしますけれど。
『桜の花が、雨で散らされ舞っていた』という描写には違和感を覚えました。
また、少々文章表現にも難があるようです。

017 FREE (採点:10)
良いお話です。
フラれてなお、明るく振る舞う名雪。
うまく言葉が返せなくて、それでも気の効いた行動で接する香里。
こういう友人関係の有り方っていいですね。
二人とも魅力的に描写できていると感じました。

018 あいとまこと (採点:7)
奇をてらった作品が多い中、ほのぼのとしたお話はほっとします。
真琴らしさがうまく表現できていますね。
ただ、始まりも終わりも唐突すぎるのが少々残念なところ。

019 Hello, Again. (採点:7)
良い雰囲気でした。
祐一と美汐はその思い出を心に残したまま、成長しているんですね。
ただ、やはりここで終わってしまうのは不満が残ります。
彼等一家が『みしお』に与えてあげられることは何なのか、今回は違う結末が待っているのか、その辺りが気になってしまいますから。

020 しあわせのうしろすがた〜輝く季節へ〜 (採点:2)
タイトルのせいで印象が悪くなっているんですが…。
祐一が事故で来られなかった、というのは少々安易かと思います。
入院している祐一へ面会に行きすらしない香里、本当に祐一のことを好きなんでしょうか。
相手のことより自分を優先しているように見えてしまいます。
むしろ、名雪のほうが魅力的な印象ですから。
また、二通目の手紙もちょっと未練がましく感じました。(文章もどこか変だし、改行も奇妙)
あちらの作品をなぞるおつもりなのであれば、何も告げずにずっと待ち続けている方が『らしい』と思いますけど。

021 隠された想い (採点:1)
なんと言いますか、いろいろと理不尽な感じがしました。
まず大富豪ですが、最初の一回はどこで行ったんですか?
祐一が終わった後に『ビリのやつは通路に座ってするんだ』と言っている以上、一回目は通路に座ってはいないことが分かります。では、どこで?
五人が詰めて座れるのなら、最初からそれで構わないわけですし。
また、説明によると目的地までずっとトランプしていたようですが、通路に居座られたらはた迷惑でしょう。
それが理解できない連中とも思えません。
途中、旅館から商店街に出るシーンがありますが、何をしに行ったのでしょうか?
説明がないのなら、そもそもそんなシーン自体が不要に思えます。
花火のシーンも同様。一番の見せ場なのに、描写が全くないのは問題です。
根本的に、香里も祐一もキャラクタを活かせていません。ただ告白し合っただけのお話では、楽しみようがないというものです。

022 アンバランス (採点:10)
良いお話でした。
閉ざされてしまった美汐の心と、明るさの中に強さを秘めた栞の対比が素晴らしいです。
結びの言葉も奇麗に決まってますね。
タイトルも大変良い味が出ています。ともすればネガティブなイメージの言葉が、むしろ暖かく感じられました。

023 ある少女とある笑顔 (採点:8)
誰がくるかと思っていましたが…舞でしたか。ちょっと意表を突かれましたね。
いや、でも良い雰囲気でほのぼのさせて頂きました。
原作の祐一視点から見た舞とは少々異なってはいますが、こういうのもありだと思います。
舞って、ああ見えて意外と色々考えているんじゃないかと、私も思ったことがありますから。
ただ、冒頭部分に若干違和感のある文章が見られました。
(『公園の並木通りでは紅葉と銀杏が植えられており』等)

024 【大切な時間と笑顔】 (採点:2)
ほのぼの感は出ているのですが…。
あまり物語の面白みが感じられないのは問題です。
(名前の間違いはかなり悪い印象を与えるため、ご注意を)

025 普通の日常、輝きの灯火 (採点:1)
うーん、いくら日常を切り取った話とはいえ、なんにもなさすぎるのは…。
ほのぼのSSだとしても、ある程度の緩急は必要です。
『灯火』も意味を成しているようには見えませんでした。

026 曖昧me、終わらせよう (採点:1)
全くもって、祐一には見えません。
相沢祐一というキャラクタは、およそこうした躊躇とは無縁のように感じられるのですが。
(本人は「ストーカーじゃない」と言ってますが、ストーカーはみんなそう言いますし(^^;))
栞シナリオにおける一度めおよび二度めの告白になぞらえているのだとしたら、もうすこし原作をプレイしなおしてみましょう。
また、香里にも魅力が感じられません。
三人称/祐一視点/香里視点が入れ代わるのも良い印象を持てませんでした。

027 冬空のキセキ (採点:10)
描写が奇麗で、情景が目に浮かぶようです。
(とは言っても、私は実物のダイヤモンドダストを見たことはありませんけど(^^;))
日常にある奇跡を美しく表現できていると思います。
美汐のキャラクタも、可愛い感じが良く出ていますね。

※表記で気になった点
・アラビア数字の使用 : 1人/1つ/1点等
  とくにこの三つに関しては、漢数字表記の方が自然。
  (実際に数値を示している温度表記は、どちらでも違和感なし)

028 再集合カノン (採点:1)
えーと…。『プレイヤー』などというオチではないでしょうから、あとは作者さんとか、神とか、そんな類いのものでしょうか。
心苦しいのですが、はっきり言わせていただくと筆力が不足していますね。
あまり背伸びをするのではなく、ご自分の実力に見合った文章を書かれることをお薦めします。
また、独自性を打ち出すおつもりなのかもしれませんけど、キャラクタの変化を強調し過ぎです。
確かに彼等/彼女等があのままでいるはずはありませんから、成長に従って変わっていくことでしょう。
が、過程をすっ飛ばして見せられたら、単に名前が同じだけのオリジナルキャラでしかありません。
そのキャラがまぎれもなく本人であることの、説得力が欠落しています。
こんぺへの投稿が、ご自分ではない他者に読ませる行為なのだということをお忘れなく。

# 一応補足しておくと、『全然は否定文にしか使えない』とは必ずしも言い切れません。
# (そういう傾向が出てきたのは戦後)

029 幸せなら手をたたこう (採点:6)
お話、決して悪くはないと思うのですけれど…。
佐祐理さんの得た答えは本当にそれで良かったのか、やはり疑問に感じます。
舞と一弥は良い味を出しているんですが。

030 12月のアムネジア (採点:9)
真琴の描写がとても良い感じです。
真琴と美汐を登場させると、ほぼ常に真琴は子供そのものとして描かれてしまいがちですが、このSSのような真琴もいいですね。
ただ、冒頭のおばさんネタはシリアス風の物語には合わないような気がします。
コメディタッチのお話だったら問題ないんですけど、少し浮いちゃってますから。

031 ただそれだけの日常 (採点:5)
ギミックとしてはちょっと面白くはあるんですが…。
祐一は秋子さんが亡くなった後『俺には、奇跡を起こせなかったけど…』って録りなおしたんですか?
少々無神経な気がしますけど。
お話自体は、ほのぼの感が心地よいですね。(『三つ編みさわさわ』は置いておくとして(笑))
ただ、今ひとつオリジナリティが感じられないのは残念。

032 make bread,eat shorts (採点:8)
グッジョブ!
例えようもないほどにお馬鹿ですが、リズム良く楽しめました。結びもウィットが効いていますね。
シリアス物続きで読み疲れていた心が癒されるようです(笑)
(『遅い来る』のような誤字にはご注意を)

033 絆〜三人の幸せ〜 (採点:1)
安易な物語に感じられました。
舞があまりに頭弱過ぎです。『はちみつくまさん』連発に、気に入らないと剣で脅しをかけるというのは…。
(細かい指摘になりますが、『はちみつクマさん』です)
祐一は両手に花で、かつ他のヒロインからもてまくっていますか。都合良過ぎに見えます。
香里も北川君も、何のために出てきたのか分かりませんし。(久瀬も)
誤字もあるようです。校正はしっかり行いましょう。

※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計 : 「あいうえお。」 → 「あいうえお」

034 栞にツノが生えた日 (採点:10)
んー、ちょっと難解ですね。美汐の役割が掴めませんでした。
「ものみの丘に座していた狐の神様」なのかな?(それだと悪い心を持ってたということに…)
あるいは、ごく普通の傍観者なんでしょうか。

その辺りはとりあえず置いておくとして、SSとして評価させていただきます。
はっきり言って、こうした三本も四本も抜けまくったような物語はツボですね。
特に栞、凄くいい味を出してます。
ただ、タイトル直後の地の文章が続くパートはちょっと頂けませんでした。
同じ語尾が連続するなど、テンポがかなり損なわれています。無理に情景描写をせず、普通に書かれた方がよろしいかと。
実際、その後の文章は実にリズミカルに進んでいき、小気味良いですから。
それから、エピローグの部分で
『美坂栞は、今、沢渡真琴になりたくて、なれなかった、この街の神様、いたづらっ娘で、幸せを夢見ていた、あの娘の加護を受けているということを』
という文章がありますが、これは正直に言わせてもらえば、かなりの悪文ですね。
読点が多すぎる上に一文が長く、どの文節がどこにかかっているのか大変分かりづらいですから。
重要な箇所ですので、もう少し丁寧に書くべきでしょう。

とは言え、このSSに関しては完全敗北を認めます(^^;)
楽しく読ませて頂きました。

035 終わりのそばに、始まりの兆し (採点:3)
中盤の、祐一に別れを告げた後の部分は悪くないんですが…。
前半は原作をなぞっただけ(しかも台詞だけで、あゆ視点での描写がない)で、面白みに欠けます。
目覚めてからの部分は、ちょっと興醒めな感じですね。あまり説明しないほうがよろしいかと。
また、基本的に「悪魔が、魂と引き換えに願い事を叶えてくれる」系のオチになってしまっています。
この系統のお話は古今東西いろんなパターンが出尽くしていますので、ちょっと弱い感じが否めませんね。
(ブラックなお話なら、祐一が別れに対してなんら悲しみを感じることのない人間に変えられる、というオチもあり(^^;))
それから、全体的に文章表現に少々難があるように思われます。

036 もしも祈りが届くなら (採点:3)
真琴が戻ってきたことから始まる美汐の葛藤、という部分は面白いですね。
ただ、展開に意外性が感じられないのは残念。先が読めてしまいました。
祈って待つ、というのが本当に『強さ』であるのかは疑問が残りますし。
安易に「あの子」が戻ってくるシーンを盛り込まなかったのは評価できるんですけど。
(視点変更の表記は、ちょっとどうかと思います)

037 猫とともに (採点:6)
一人街へ残った秋子さんの過ごす時間、ですか。少し寂しい感じが悪くないですね。
ただ、表現がいくつか気になりました。
『窓の外も雪明かりだけだった』という部分ですけど、無粋なツッコミではありますが雪は自ら発光しません。
『だけ』という言い回しには違和感を覚えます。
また、『祐一がお母さんに替わってくれって』という言い方は、普通電話口のこちら側にいる人間が使うものです。
言い換えるならば『祐一がお母さんに話したいことがあるんだって』辺りでしょうか。

038 PLAY (採点:3)
修辞に凝ってらっしゃるようですが、例えば『愛嬌ある妖精のそれ』における「それ」の使い方が幾度か出てくるなど、表現に今ひとつ幅がないように思われます。
凝った表現こそ、そうした粗が目立ってしまいますのでご注意を。
内容の方は、香里はそこそこ魅力があるものの、意外性がなくて結末が読めてしまうのは残念です。
また、個人的には祐一は「優柔不断・甲斐性なし」という言葉とはそぐわないように思えます。
むしろ「独断専行だが、やるときはやる奴」という印象なのですが…。

039 さかあがり (採点:5)
『さかあがり』ってタイトルを見たとき、何かの暗喩なのかと思ったんですが、そのまんまでしたね。
テーマを支えるにはちょっと弱いガジェットのような気がします。
美汐は充分に魅力的ではあるのですが。

040 青い空を見上げて (採点:8)
しまった……やられた。
末尾のこういう返され方は好きです。
ただ、ちょっとあゆの言動は幼児化が過ぎるような気はしますね。

041 Marthaと呼ばれた仔 (採点:5)
いや、決して悪い話ではないとは思うのですが…。
まず、原作との矛盾点が多い部分は気になります。
少なくとも祐一の側は、狐を拾ったことを秋子さんに対して秘密にしていたはずです。
(名雪に教えたかどうかは、言及がありませんので不明)
また、鈴は狐の首ではなく、秋子さんの財布に付いていました。
祐一が『マーサ』と別れたときにリボンを足に結びつけていますが、これは狐の成長を考えると足に食い込んで危険なのでは?
(子供なので思い至らなかったということかもしれませんが)
オリジナルキャラクタの女の子の存在も今ひとつ不明です。
名前が『サーマ』ってのもかなり苦しい感じがしますし(^^;)(何か元ネタがあるのかもしれませんけど)
それから、過去のシーンでの地の文が、とても子供の考える内容には感じられませんでした。
『始めてみるコマクサやシナノキンバイなんかの高山植物の数々に、我を忘れて楽しんでくれると思う』
なんてのは、小学生の思考とはかけ離れ過ぎています。(さらに、『始めて』→『初めて』)
ただ、お話自体は嫌いではありません。特に美汐とのやりとり部分は魅力的です。

042 覚えたての愛 (採点:5)
悪い作品だとは思わないのですが…。
正直、あまりにKanonらしからぬお話になっているような気がします。
テーマを優先したために、秋子さんの夫を貶め過ぎているように感じられました。
人物造形のリアリティはほどほどにしておくべきだったのでは? 魅力が全く感じられません。
また、真琴が正直に自分の気持ちを秋子さんに打ち明けることにも違和感を覚えます。
真琴は天の邪鬼ですし、自分の本心に気付いていない可能性もあるのではないでしょうか。
(本編の祐一も、それを危惧しています)
さらに、末尾にもうすこし余韻が欲しいと感じました。
情景描写の一、二文で締めてくれると良かったのですが。

043 未来には・・・? (採点:4)
なるほど、現在形と過去形の違いで二人の差を浮き彫りにしているわけですか。
祐一は未だ栞の思い出に囚われたままで、香里はそれを過去の物としているということですね。
似ているようで違う、そして二人はその差異に気付いていないと。
なかなかダークです。
ただ、内容自体に今ひとつ深みが感じられないのは残念なところ。

044 − 光幕 − (採点:7)
いや、核融合のエネルギーは電子が飛び出すことによるものではないんですが…。
水素原子核である陽子はいくつかの過程を経てヘリウム4の原子核(陽子×2、中性子×2)となるわけですが、ヘリウム4原子核は陽子4つよりもわずかに軽いんです。(0.7%ほど)
この軽くなった分がエネルギーとして放出されます。E=mc^2ですね。
無粋なツッコミですけど、そういう部分に間違いがあると醒めてしまいますので一応。
お話の雰囲気は決して悪くないです。美汐が迫るシーンは実に妖しい感じですし(^^;)
ただ、祐一のくすぐりはちょっとやり過ぎのように感じました。
断末魔をあげて失神してしまうってのはもう、くすぐりの範疇を逸脱しているのでは?
『石が当たる』あたりで、真琴の存在が近過ぎるのもちょっと残念。余韻が損なわれてしまった感がありました。

045 秋空は夕焼け、2つのあか (採点:1)
面白く感じられませんでした。
キャラクタが表面的で、『らしさ』が表現できていないように思われます。

046 影 (採点:2)
正直なところ、香里に魅力が感じられませんでした。
結末も流されただけのように見えますし。
また、文章表現がおかしな部分も散見されます。
(『理論的なものを考えてしまう』等)

※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計 : 「あいうえお。」 → 「あいうえお」
  一部のみというのは明らかに校正不足。

047 あゆの風 (採点:1)
タイトルになっている名前の由来部分はいいんですが…。
それ以外は首をかしげざるを得ませんでした。
特に祐一。テンション高すぎで引いてしまう箇所が多数です。
お話の展開にもかなり無理を感じました。
さらに、文章表現も難ありですね。もっと丁寧に書かれた方がよろしいかと。

048 Raining (採点:5)
キャラクタは良く描写できています。祐一も真琴も、実に『らしい』感じです。
一方、ストーリーの方は直球過ぎて今ひとつ楽しめませんでした。
特に、『恋はいつだって唐突だ』の漫画が、かつて祐一が狐に読み聞かせたものと一緒というのは、ちょっとベタ過ぎな感が否めません。
『誓いの言葉』も少々苦しい気がしますし。

049 時計の針 (採点:8)
時計が止まっていたら、壊れたと思うより先に電池切れだと考えません?
展開優先で、少々強引にお話が進んでいく感が否めませんでした。
雰囲気自体は悪くありませんし、香里の葛藤や想いも魅力的に描写できているとは思いますが…。

050 笑顔にすべてを (採点:5)
う〜ん。ちょっと、こっ恥ずかし過ぎるような…(^^;)
面白みはあるんですけど、各キャラクタが今ひとつ生き生きとしていない感じがしました。
振られた役割をこなしているだけ、のような…。
(人に言えるレベルであるのかは別問題として(^^;))
皆が優しいがゆえの香里の葛藤、という部分は良かったと思います。

051 むかしばなし (採点:1)
もう少しひねりを入れましょう。
こんぺ投票者のほとんどが、原作をプレイしたことがあるはずなのですから。
また、とても子供に聞かせるような文章には思えません。もっと易しい言葉を使わなければ。
それから、末尾が『でした』で終わる文が多すぎます。工夫が必要かと。

052 Verte aile  〜ヴェル・エール〜 (採点:7)
失礼ではありますが、ご自分の文章に酔ってらっしゃるように感じられました。
ストーリーの骨子及び描写に関しては感心しないでもないのですが、それ以上に、ご自身の主張が強過ぎて不快感を覚えます。
価値観、感受のしかたは千差万別ですので、『誰にとっても』と一般化することは反発を招く可能性もあります。ご注意あれ。

053 散葉咲華―another home― (採点:9)
「うわー、祐一君がやけに饒舌だよ…」と思ってたら。あゆが代弁してくれました(笑)
雰囲気は悪くないどころか、とても良質なものです。
が、登場人物に語らせ過ぎることによって、キャラクタの存在感が薄らいでいる点がなきにしもあらず。
(人に言える筋合いなのかは別として(^^;))

054 another grey day in the big blue world (採点:1)
申し訳ないんですが、面白みを感じられませんでした。
浮気して、喧嘩して、病気で仲直りって…。
もう少し物語性というものを意識されるべきかと思います。
美汐・祐一ともキャラクタらしさが出ておらず、またKanonとの関連性も見いだせません。

055 世界にひとつの私の名前 (採点:2)
う〜ん、雰囲気は悪くないのですが。
真琴がそうしたことを気にするタイプには感じられませんでしたし、そもそも真琴は自分からそう名乗ったわけで…。
それから、誰もいないものみの丘で少女漫画を朗読する祐一。さすがにこれは引きます(^^;)

056 写真のわたしと今の (採点:2)
写真で自分の気持ちに思い至るという図式は悪くありません。
が、少々くどい感じが否めませんでした。
また、独白部分の内容が地の文章と大差ありません。語尾だけ変えればそれらしいというものでもないでしょう。
さらに、改行で間を表現するのはやめていただきたいと思います。スクロールが面倒ですから。
書式の方は意図的にやっているのかもしれませんが、印象を悪くするだけです。

※書式で気になった点
・文末に句点がない : あいうえお → あいうえお。
・読点がほとんどない(改行で代用している)

057 miss understand (採点:6)
ごめんなさい。どうもこういう話は駄目です。悪いお話だとは思わないんですが…。
物語の登場人物たちは、こうして『大人』になっていくのかもしれませんね。
人は変わらずにはいられませんし、いつまでも仲間であり続けるのは困難なことですから。
それでも、やはり好きにはなれません。

058 カレンダー (採点:6)
両サイドから描写したいという気持ちは分からなくもないのですが…。
この長さで視点を変えられると、少々戸惑います。
このお話だったら、美汐視点のみで進める方が自然でしょう。
マンガをカレンダーに準えるというガジェットは面白いと思います。

059 相沢祐一のお料理教室 (採点:4)
秋子さんは実は料理下手だった、というネタ自体は意外性があり、面白いのですが…。
いかんせん、題材がカップ麺というのはやりすぎです。
カップ麺がまともに作れない人間というのは、上手下手以前の問題に思えますので(^^;)
もっと普通の、作ったことがない料理でも充分にお話が成り立ったと思いますが。
(カップ焼きそばエピソードのための題材?)
あと、『出来るようになれば後は自分で上手に改良することは出来る』ってのは充分に上手な部類だと思います。
その工夫とか改良ができないってのが、料理下手たる由縁なのですから。>経験者談(笑)

060 雪ウサギの憂鬱 (採点:1)
これはいくらなんでも…小学生レベルに見えます、名雪。
名雪は栞ルートで、暗闇の中祐一のそばにいてくれる、そんな思いやりを持った子として描かれています。
祐一の隣に立つのが自分でないと知っていても。
また、前半で段落ごとに一人称と三人称が入れ代わるのは意図してのことなのですか?
はっきり言わせていただくと、読みづらいだけです。(途中からはずっと一人称だし)
それから、細かいことですが『ジャンボデラックスパフェ』ではなく『ジャンボミックスパフェデラックス』です。

061 ばかんす (採点:2)
う〜ん、あまり笑えませんでした。
(一弥のあたりは少し面白かったんですけど…)
佐祐理さんも舞も、そして祐一も『頭が足りない』ように見えます。ギャグとはいえ、少々中身がなさすぎるような気がしました。
また、久瀬の扱いが酷過ぎるのも引いてしまう一因です。
(別に原作の久瀬が好きなわけでもないんですが)

062 さくらのころ (採点:8)
独特な雰囲気が面白いですね。
祐一がそれを真琴だと認識することなく終わってしまうのは切ない感じでした。
ただ、少々改行が多くて煩わしく思ったのも事実です。

063 二人の記念日 (採点:3)
楽しくないってことはないのですが…。
キャラクタが少々ステレオタイプで、薄っぺらい感じがします。
(たい焼きで誤魔化されるあゆとか)
『祐一が食い逃げ』という取っかかりは面白いと思うんですけどね。
それから、文章表現に少々難があります。
あゆの一人称がところどころ『私』になっているのも悪い印象の一要素。

064 お兄ちゃんと呼ばれたいっ!! (採点:10)
最高です(^^;)
『お兄ちゃん』と見せかけて、最後にそんなギミックを用意してくるとは…。
奇をてらった作品が多い中、こうしたストレートなコメディは良いですね。
キャラクタも全員生き生きと動いていますし、風鈴も良い味を出してます。
楽しく読ませていただきました。

065 送り火/狼煙 (採点:5)
正直なところ私は煙草を喫いませんから、喫煙シーンに関してはネガティブなイメージしか持てません。
(このお話に関してなら、それも視点としてはアリだと思いますけど)
不特定多数に向けたSSでは、読み手の喫煙に関しての意識に幅があることを認識された方がよろしいかと思います。

栞バッドエンド(とは少々異なるようですが)後の香里のありよう、という点をうまく表現できていると思いました。
香里も名雪もキャラクタらしさが損なわれていませんし、文章も流麗です。
が、物語としては香里がさらに逃げているようにしか感じられないんですよね。
(そこが非喫煙者としての限界なんでしょうけど)

066 1M (採点:6)
自分の気持ちを掴み切れない名雪が魅力的です。
食堂の部分で、台詞が連続し過ぎるのが読みづらい感じでした。もう少し地の文章を挟まれた方がよろしいかと。

067 ポイズン・キッス (採点:2)
なんかこう…もうすこし意外性ってものが欲しいんですけど…。(タイトルからして)
風邪物(ってジャンルがあるか知りませんが)で、見舞いに来たものが移されるパターンはあんまりです。
『青空に笑顔でキメ』の祐一は良かったんですが。
また、おまけは完全に余計でしょう。必要性が感じられません。

068 風にドレスを (採点:4)
奇麗なお話だとは思いますが…。
正直、Kanonである必要性を感じません。
『わたし』が離婚直後であるだとか、ブーケを渡してくれた少女とか、オリジナルの要素の方が強過ぎるきらいがありますね。
Kanonを知らない人でも読めるお話だと感じます。

069 金魚 (採点:9)
不器用な北川君の見せる優しさが心地よいお話でした。
ただ縁日の金魚ってすぐ死んじゃいますから、香里の元気づけになるのか心配ですね。
(細かいことですが、『あれこれ3年振り』のような誤字にはご注意)

070 前を向いて (採点:3)
名雪、そこまで打算的かなあ…?
正直なところ、あまり魅力が感じられません。北川君のほうが良いくらい(^^;)

※書式で気になった点
・文末の句点がない : あいうえお → あいうえお。

071 風よ魔法をはこべ (採点:7)
なるほど。面白い仕掛けだと思います。
ただ、主人公の正体を最後まで引っ張り過ぎという気はしました。もう少し、何かあっても良かったんじゃないかと。
それから、あゆはずっとひとりぼっちだったという記述が本編にはありますので、他者との交流があったというお話には違和感があります。

072 傷痕 (採点:7)
テーマは悪くないのですが、掘り下げが今ひとつ足りないように感じました。
ただ、「傷痕」そのものを愛すると言い切る祐一の描き方には好感が持てます。
栞も魅力的に表現できていますね。

073 親友体制 (採点:8)
うん、舞と佐祐理さんの結びつきの強さが良い感じです。
佐祐理さんの持つ弱さを支えてあげられるのは、やはり親友たる舞なのかもしれませんね。
ただ、舞のリアクションや台詞回しが少々、原作の舞らしくないように感じられました。
(特にコミカルなシーンでの反応。『ひょ、ひょっとこ!?』とか(^^;))

074 キエナイキモチ (採点:4)
美汐の心の動きそのものは決して悪くはないのですけれど…。
少々釈然としない部分が残ってしまいます。
一番問題なのは真琴の欠落ですね。真琴が戻ってくるお話なのに、描写が全くないのは寂しいです。
このままでは、単なる当て馬状態に見えてしまいますから。
真琴はどういうつもりで戻ってきたのか、祐一と美汐の関係をどう思うのか、その辺りを描写していただきたかったと感じます。
また、祐一の美汐に対する気持ちも、いまひとつ未消化な感が否めませんでした。

075 始まりの日 (採点:3)
どうしてエピローグを改変されたのでしょう?
その必要があったとは思えませんし。こう言ってはなんですが原作に比べるとかなり見劣りします。
祐一が退院時に来ない理由、三つの味のクッキー、過剰包装のプレゼント、どれも意味不明でした。
ただ
『私は手紙の中の祐一さんに向かって言葉を紡ぐ。祐一さんは私を無視して言葉を続ける』
というくだりは、ひねりが効いて面白い文章ですね。

076 殺意のプールサイド (採点:4)
えーと。
いや、楽しくなくはないのですけれども…。
もうちょっとこう、なんとかならなかったんでしょうか?

077 盲目考察 (採点:1)
考察以前の問題を認識するべきかと。

078 反転少女 (採点:1)
いや、トランプマンはいいんですが…。(いいのか?)
仮に反転していたとしても、それだけでは物語になり得ません。もう少しお話を盛り込んでください。
また、反転したとされる各人の変わりようも、少々安易でした。
もっと良い意味でこちらの予想を裏切るような反応を見せてほしいものです。
結局、『反転』と言っても何もかもが逆になるわけでもなく、何がどう変わるのかは作者さんがお決めになることなのですから。

079 フワリ (採点:4)
いや、雰囲気は決して悪くはないのですけれど…。
今のあゆはどうなってしまうのか、天使の役割はなんなのか、『向こう』は何を意味するのか、そうした部分が消化不良ぎみです。
あゆの『あいつ』という言い方にも違和感を覚えますし。
(『真剣身』のような誤字にもご注意を)

080 ガラスの森 (採点:6)
真琴がいなくならず、名雪が少し意固地になったパラレル世界ですね。
こうした設定にされた理由は分かりませんけど、真琴はいい味を出しています。
(と言うか、真琴の方が魅力的(^^;))
ただ、『ガラスの森』が何の暗喩を意図してらっしゃるのか不明でした。イメージとしては奇麗ではあるんですけど。
また、未来の祐一・名雪の諍いも、物語中で無意味になっているような気がします。
ユキちゃんが状況を理解しているのも、ちょっと不自然ですね。

それから、ジャンルは明示しない方が良かったのではないでしょうか?
ユキちゃんが誰なのか序盤で分かってしまいますから、インパクトはどうしても弱くなってしまいますし。

081 ボーイフレンド (採点:8)
舞が可愛い感じでした。
『嫌いじゃない』の先、というのが奇麗に描けていますね。
ただ、少々祐一が格好つけすぎの感もあり。ギターを借りて歌い始めるってのはどうかな、と。
それから、『意図的にそうしたらし事』『起こった顔は似合わない』等、いくつか誤字が見られました。ご注意を。
(『容貌魁偉』ってのはちょっと違うんじゃないかと思ったり)
さらに、ジャイアントパンダが存在する動物園は限られてますから、祐一の住む街から30分というのは疑問に感じました。
別にパンダじゃなく、一般的な動物で良かったのでは?
(いや、レッサーパンダかもしれませんが(^^;))

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