盗賊ギルドの仕事は盗みそのもの以外に、冒険者としてのシーフの仕事や誰かの尾行、はたまた探し物や調べごとなんかも含まれてる。
色々あって盗みから足を洗ったあたしは、パーリアの街に戻ると後半の方の特技を生かすことにした。
すなわちこの街で唯一の私立探偵。頭の固いお役人には解決できない事件や、表沙汰にはできない事件をスパッと解決してしかもお代はそこそこ!
ま、あんまり安全な仕事でないのは変わらないんだけど、いちおー堂々と名乗れるようにはなったかな?
てなわけで、今日もあたしは様々な事件解決のため東に西に走り回ってるのでした。






私立探偵リラ・マイム

 Act.1 消えた殺人パン事件




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「あーあ、開業したはいいけど迷子探してくれとか浮気の調査とかそんなんばっか…
 大きい仕事が入ってくるにはまだまだ名が売れてないかなぁ」


コンコン


「はいどうぞ!絶対確実、秘密は厳守です!」

「あの〜、こんにちは」

「なんだぁ若葉か…。あれ、リリトまで」

「若葉、本当にこんな奴に頼むのか?」

「ご挨拶ねぇ。ま、座って座って。気楽にちゃちゃーっと話しちゃってよ」

「そ、そうですねっ。でも何から話していいものやら…」


ヒマな昼下がりに突然入ってきた事件。それはかつての旅の仲間、紅若葉がもたらしたものだった。



若葉の話を聞く





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