○Ecila さん
- 0001 虹の架け橋 (採点:5)
- 序盤、丁寧な三人称のおかげですいすいと読めた。情景が浮かべ易いという意味も含め、感情移入もしやすいし…。
が、それに慣れると今後はSSの面白い部分を探すというか、期待が入ってくるのだが、思いの他あっさりとしていて、気が付けば終了。
ありふれたお話だったなぁ、と思いつつ、ものみの丘という固有名詞があることを考えるとこのお話は「あゆ」はいるけど「きつね」のお話だったのかしら?
最後の虹はきつねの嫁入りだったのかねぇw
とにもかくにも締め方は良いな、と思った。
虹の元にはタイヤキ…ね……。
- 0005 あの素晴らしい愛をもう一度……いや、マジで。お願い。俺んトコだけでもいーから! (採点:3)
- 相沢祐一を使っての一人称にしては、やけに幼く、瑞々しい一面を持ちながらも裏では諦めがかっているような雰囲気を有している突飛な作品。それが第一印象。はっきりいえば「こりゃいったい全体なんちゃらほい」って感じ。
文章を読み進めていく内に、一応は方向性が見えてくるのだが、祐一の一人称がさまざまな視点をふらふらとしているのはうるさく思える。それらになにかしらの意図を隠しているやもしれないが、今回は大目に見るのはやめて置こうと思った次第。つまりは判り難いったらありゃしないと言いたいわけである。
コンペは40kbという制限がある。その制限にそって物語の起承転結をはっきりと掲示するのであれば、ちょっと無駄が多い。ちょっとした贅肉というには苦しい。
よしんば意味があったとして、解してくれる読者がいなければそれは独りよがりになってしまうということもあるので注意されたし。
ちなみに私はそれなりに頑張って読んでみた。このSSにある私がいう無駄と思われる部分になんらかの意味を探してみたが、深いところで確たる証拠も見当たらないため、意味不明という結論にする。ついでにいえば、そんなひねくれずに書けと言いたい。
あと、固有名詞がいくらか使われたが「ショウリョウバッタ」や「ユキツバキ」とか「巨人軍」とか。これも目に付く。もううざすぎるくらいに目に付く。
おそらく、作者さんは深く考えないで書いてしまったのかもしれないが、わざとらしさの二乗倍で、なんとも読んでいて恥ずかしい。なぜ恥ずかしいかといえば、自分も同じ道を辿ったからなのだが…。
まだカマキリのカズオくんで、食べられちゃうのか勘弁だからボクらはバッタで良かったね♪ の下りの方が良かった。笑えた分だけ。微笑ましいだけ。
まだまだ頑張ってね。独自の路線を確立できたかもしれないんだし…。
とはいえ、土台がない。安定性が皆無に近いともいえる。今後はSSをとりあえずでも良いのでいっぱい書くことをお進めする。
- 0016 sTrAwbErRy FiElDs fOreVeR (採点:2)
- ダークじゃなくてきち○いというジャンルですな。常人にはちょっとわからん世界。
まぁ、独特の色があるんでしょう。つまらないと言い切るにはちともったいない。ただ、KanonのSSにするにはKanonである必然がなくて感情移入しずらかったかな? なんちゅーか、届くものが足りないとでも言うか。
まぁ、Kanon原作の情報がインスパイアされているという風味。この作品がメインでKanon的要素をMIXしたというか、そんな感じで。桜井亜美とかが書きそうな話だなぁとか思いつつ読んでました。
で、ここで個人的な趣味を言えば、祐一の自己完結気味なラストはちょっと消化不良かも。もっとはっちゃけて、すっきりとさっぱりとしたマッド振りを書いてしてくれる方が好み。
しかしこの作品を評価したがる人は少なそう。というか、普通に考えもKanonSSとしての評価はできなさそうな感じ。
それをわかって、敢えてこの作品でコンペに参加した作者さんの意図に興味ありますね。
感想掲示板がつくのであれば教えて欲しいですね。うん。ぶしつけで申し訳ありませんが。
- 0023 今と出会うために時計は時を刻む (採点:6)
- 最初に北村薫のターンを思い浮かべました。でもって次はアウター・ゾーンのミザリィ。
でもってこの話の月宮が物凄く別人みたいですね。なんていうのかしら? Kanon本編に出ているうぐぅは、愛らしいマスコットで偽者で本体? ここのうぐぅは頭も良さそうだったし、なにより美汐お姉さんとソラでお話ができるほど度胸も、弁も立ったし。そもそも「ロスタイム」という単語がやつの口から発せられることに驚いたというか、思わず頭なでてやりたくなりました。あんなに馬鹿だったうちの娘が難しい横文字を使ってくれるだなんてオロローンオロローン…みたいな?
話がずれましたね。
私はこの手の摩訶不思議なファンタシーな話はかけません。結構こってるっぽかったしスゲーって感じ。
読んでみて、満足満悦満腹するほどの面白さはなかった。申し訳ないが趣味が違う。ただ、なんとなく評価しても良いかな? そうおもったからこその7点でした。5点じゃ失礼かな? とかなんとか。うーん、コンプレックスってやつなのでしょうか…。
- 0025 目くそ、鼻くそと共に散れ (採点:4)
うぃ、笑った。けれども、どうにも長談だったのが勿体ないような…。かと思えば、途中経過のやり取りも大雑把過ぎてわかりにくいし。肝心かなめの文化祭パートがあっさりしすぎているっていうのもなぁ。
面白かったには面白かったんですけども【読んだ】という感触が読後にはっきり残っていないというのがネック。上手にまとめる作業と、プロットの作りこみをもちっとして貰えれば、この物語はもっと良くなると思います。
なんて、ちょっと偉そうに言いすぎたかしら?
- 0034 白の世界に天使はいない (採点:4)
- 読み始めて、おっ、と思った。作者の視点が面白いと思ったのです。
舞と祐一が再会する、この流れに至った時に結末がどうなるのか? をかなり期待した。結構ドキドキする展開かな? とか。
で、実はあっさりしていてうーんMOON.な感じ。山場以外のSSの内容については、周りの風景を交え淡々と進んでしまって印象が薄いのも苦しい。
佐祐理と祐一の出会いは自然な感じがしないでもないのだが、やっぱり結末ががっかりだった分、変なところでしわ寄せが出てるかもしれません。こちらの感情的な部分に、とでも申しましょうか。
ほいでもって、ラストからちょっと手前で祐一が佐祐理を好きだ、と告げましたが、あれってやっぱりフリですよね? マヂもんだったらすげぇがっかりしそうなのですが…。
ちなみに佐祐理。舞が目を覚まさないことについて、祐一が原因だと理解するはずです。祐一が過去を覚えていないから会いたくない(もう病院にはこない)と告白したことも含めて。舞が祐一と出会って泣き、倒れたという事実をもってすれば。
祐一の「好きだ」発言に対して、舞のためにはなりふりかまわぬ女であろうことうけあいのアイタタターで恐らくは打算的な佐祐理は祐一のことを必死で繋ぎ止める――舞を目覚めさせるために――と思うんですけど、どうよ? 作者さん。
- 0038 彼は友達 (採点:3)
- 極めて普通。オーソドックスで丁寧な作品。祐一を受け入れられない姿勢の佐祐理の表現は及第点なのではないでしょうか? まぁ、祐一の「俺も幸せになれる」はちょっと吹いてしまったが。ここは言わぬが華か、それとももっと柔らかい表現の方が、祐一に謙虚さがあって良いかもしれないなーって思いました。まぁ、細かい部分ですね。
言うことはそれほどないSS。とはいえ、面白かったかどうか? といわれると厳しいかもしれない。
なぜなら、このお話はどこかで読んだことがあるような内容であったから…。うーん、SSって難しい。
- 0047 gift for love (採点:10)
- ええもん読んだ。なにを言わずともOK。
この話に文句ある人いるんか? というくらい引き込まれた。
えがった。実にえがった。こんな話をかけるあなたが羨ましい。
- 0048 どっぺる (採点:2)
- まず最初に、どっぺるのわりには随分とキャラクターが違いますね、二号さんは。
そも、一人称(物語からみての主人公である)の祐一からみた、もう一人の自分。同じ考え方というにはちょっと違う。メイン祐一に対してかなりの割合で受身で応答している。あれが祐一であるのならば、もっと自己主張をする。例えば…と、これを言うのは長くなるし自分で考えるべきだから言わないけれども、ひとつだけ。実力が不足していて平等な一人称を書けないのならば三人称でこの物語を書き直した方が良い。面白くなる可能性がもっと出てくる。
さて、今度は面白味について吟味してみる。
一言で言えば、物語の骨子が怪しい。あゆのきせきだっていっても、もちっと具体的な理由にしてあげましょう。二人いればおこぼれが貰えると考えているあゆにも突っ込みたい。同じ祐一なら名雪が3P…じゃなくて二人の祐一に言い寄られてもおかしくないでしょう? 徹底的に考えてから書いて欲しい。もし、あゆとくっつけたければ「ボクを好きになるようにうんぬんかんぬん」で人権無視かよ! みたいな展開だってギャグコメディになる。そう、コメディとしても物足りないんだ。スルーしてしまえそうな展開、文章だったせいか、笑いが少ないからだろうか? 笑える要素もたまにあるくらいだし。うーんMOON.な感じ。
どっぺるというコメディチックで強引な内容をかくものっぺり(フラット≒平面的)と書くのはどうかと思う。はっきりいって、もっとどたばたした方が良い。面白味を出すなら秋子があたふたするくらいの方でも良い。ただごとではないというバロメータにもなる。読者にもわかり易いと思うし。
なんでもかんでもあらあらまぁまぁで認める秋子、それが普通になってきている現状に(なんて普通だよ、ぉぃ)疑問を持ってみません? ネタ的には秋子だって充分驚いてもおかしくないようなことなんだから。パターン化している自分の殻を破ってくらさいませ。別に全員エンドは否定しない、名雪エンドだということも認めますから。ただ、もっと考えて展開を練るべし。はっきりいって今のままでは面白くないです。どんなネタでも掘り下げることはできるが、それは書き手次第であるということを忘れずに。
って、すげぇ説教染みててごみんね。
- 0050 怨みます (採点:6)
- 含み笑った。ストーリーの出だしに漂っていた暗い雰囲気ががっちり効いていて、激しく含み笑った。
アホの美坂というキーワードでさらにウけた。坂田師匠が思い浮かんだんですよ。
テンポ良いし栞のやさぐれ具合も良かったし、とにかく含み笑った。
このお話で栞が成仏する時がくるとすれば、きっと爽やかに終わるんだろうなぁ、と思った次第。
ごりごりと物語を展開していく姿勢については、特別にいうことはありませんね。うん。最後にもう一度だけ含み笑っておこう。ぐふぅ、ぐふぅ。
- 0051 受精卵 (採点:9)
- いやっほーい。最高。いいなぁ、これ。LOVEっすよ。愛っすね。
ダークと銘打ったSSが今回の中篇コンペではかなり見ることができましたが、今コンペで初めてまともなダークに出会った気持ちでいっぱいです。
実は、栞と香里で似たような話を考えていたので、内心「やられたぁ! 畜生! べらんめぇ!」という気持ちになりながら読みましたが、面白かったのでホッとしていたりもします。「んぁ〜、書かなくて良かったプリ」みたいな。
宮部みゆきとか、乃南アサとかが書きそうな話で、スリリングなシーンが後半で矢次のごとく展開されていますけれども、読んでいる方としてもどーなっちまうんだろうって思いましたよ。
ただ、本当にもったいないと思うのはこのお話、設定などはかなり深い部分が覗けるというか垣間見えます。ぶっちゃけ本当に怖い部分は描ききれていない。
例えば香里。彼女の心情だけとっても、まだまだまだまだ深い部分へ潜ることができるのではないでしょうか? 香里が受精卵の操作を行うまでの心情、その過程をとってみても怖い部分が書けるかと思います。
今作では香里の行動が北川の死、彼の面影でぼかされつつ終了します。
子供をつれて逃げるのか? それとも? さぁ。どうなるの? と、後を引く展開。
長編の場合であれば、ここはもうクライマックスに近い部分であってクライマックスではないでしょう。読者的には最高潮です。ドキドキします。しかし、掲示されている内容では、これからの香里の行動は記されていません。思うに、これは作者さんのモチベーションがさせた結末ではないだろうか? と邪推。あるいは容量的な問題も含めた部分からの。
祐一と香里の過去、事故のシーン、祐一と名雪を含めて濃密に描写されていたならば…香里と、その子供がどうなったか? そして真の結末があったのではないだろうか?
私はこの作品は未完成であると考えます。きっちりとした描写、読者がよりリアルに物語の輪郭を創造できるフィールドを文章で描くとするのであれば、この物語は40kbでは足りない。
私は今回の結末でも面白いと思った。だが、足りない。まだ足りない。きちんとした結末が欲しい。ここまでお膳立てされているのであれば。
再度繰り返すとして、中篇という40kbという枠では表現し切れていない。実にもったいない。コンペじゃなくて、じっくりと書いた一つの作品として読みたかった。ダイジェスト版のような今回のようなものではなくて。
まぁ…えーと、うん。とりあえず、期待しときます。
本来なら未完成だろうという勝手な判断、思い込みでもって評価は5点くらいにしたいのだけど、好きすぎて9点進呈してやれ。半ば嫌がらせチックに。
つーかもーめちゃくちゃですな、自分。
最後に、この作品はダークはダークなんだろうけど、雰囲気的にはミステリーに近い作品かも。というか、ミステリー要素(この作品であればいっぱい盛り込めると思う)があれば面白さは二乗倍になりそ。って、好きかって言いまくってごめんなちゃい。めちゃくちゃな自分に反省。そしてがっくり。ついでにばったり。最期の最後で合掌。ちーん。
- 0055 少年エスパー 北川! (採点:6)
- 笑ったっす。ギャグテイスト満載で王道をつっぱしるあたり。物語の起伏も富んでいて、断面図やら3mやら、使えなさっぷりが炸裂してて笑った。ちなみに、遠くのものを動かす能力だけど、北川とまったく同じことを考えてました。作者さんも良く考えているなぁ、とか思いましたね。元ネタはあったかもしれませんが、ドラえもんとかなんかそんなん辺りに。
最終的に、ごり押しでお話を進めていたようにも思うけど、北川のキャラクターのおかげ(?)かどうかはわからないけれども、このお話ではごり押しでもOKかな? って思いましたよ。
- 0057 好きと言って欲しいだけ (採点:5)
- 普通、でした。
面白い! とも、つまらない! とも判断のつかない。
うーんMOON.
- 0058 さよなら、レディバード (採点:6)
- 自分的には極めて普通。作品の内容にはあまり感慨はなかった。SS慣れ、といえばピッタリかもしれない。
とはいえ、この作品は好きな人が多そうな気がしないでもない。
徹底的に書いているのも伝わってくる。けれども、逆にそれが目につくような気もする。
外資系の匂いがするSS。(なんて表現だ)
しかしネタ(レディバードってなにかの固有名詞なのかしらん?)がわからなかったから、どこをどう楽しめば良いのかを伺いながらだったのか、気がつけば読了という部分も。
わたしがひねくれすぎているだけかもしれないが。つけた点もどちらかといえば打算的。
これで順位が上位50%より下だったら私の見る目がないってことなんだろうが…。
- 0060 .79 (採点:8)
- Webに並んでいるのと大差ないどーでも良いような、SS界隈に氾濫している有象無象な日常系作品と、ある程度書ける人がさらっと書いた場合…その差を想像してみて欲しい。特に根拠のないところで自分に文才がないといって逃げ道を確保しているようなチキン…って俺か。まぁ、それは良いとして(良くないけど)、両者の質の違いが如実に現れていて、感心するほどに丁寧な作品だったと思います。
今回のコンペ、特に短編で見受けられる日常系のSSで、感想がまったく浮かばないような作品を書く人たちや、どうすれば面白味が出てくるのかを苦心している人たちが読む(=勉強する)のにはぴったりな作品。
読み手に伝えてくる情景、感情。シンプルで無駄のない文章はストレスを感じさせずに展開していく。SSのお手本的作品だったような気もします。ゆえに押しが弱いという部分もあるのだろうけれども、この部分については言及せずとも作者さんはわかっていると思うので…。
個人的に思ったこととすれば、この作品はスタンダードな面白さが前面にあって、かんぐる必要もなく素直に読ることが良かったわけであって…。内容がひねくれているわけということもありませんでしたし。読んでみて、まっすぐな作品だったなぁ、というのが本当のところ。
むしろぐちゃぐちゃいってるのは私だけのような…(オドオド
最後の一言。素直に、本当に素面で言える。この作品は面白かった。
栞が可愛い。こんな妹ちっくな恋人がいたら甘やかしてしまいそうだと思ったくらい。巨乳エロ本を隠し持っていた祐一は私刑で死刑の方向でファイナルアンサー(笑)
- 0062 トリビアを聞きながら (採点:3)
- KanonSSやめてミスター味っ子のSSを書かれては? と最初に思ってしまった。
言いたいことがあるとすれば8パートに分割するほどのSSではないということ。無駄に疲れる印象。
と、言う割りには、ラーメン食べたいなぁ、と思ってしまったので負けた気分。
面白みについてはまぁまぁでした。ただ、SSに料理のネタを詳しく説明されても困ります。はっきりいって。Kanonキャラクターが絡み合うSSを読みにきているわけであって、別にラーメンSS読みたいわけじゃぁないんです。ラストでときめきを北川が失ってしまいますが、まったくもって私もときめきがありませんでした。
近所のラーメン屋でも満足してますし、インスタントラーメンだって十分美味しいと思っている人もいる。
わけのわからない話を見せられても退屈なだけ。専門分野でつきつめてSSを書く場合は、とりわけ状況を見極める必要があると思います。誰が見ても大丈夫そうなネタ、わかりやすいネタをチョイスすることは重要だと考えるのですが、はてさて。
まぁ、読者に内容を強要するにしてもネタは考えろってことで。
わたしみたいな適当に美味しいと思えて「別に食べれればなんだって良いや」という人間にとっては「へぇ」という程度。とりあえず「8へぇ(MAX20)」くらいを差し上げたい感じ。
個人的に好きなラーメンは「昔ながらの中華そば」。日本海産のちょっぴり値の張る煮干を使った、ぐつぐつの熱湯でさっと湯がいたシンプルなナチュラルスープに、醤油とチャーシューを作る時に浮いてたラードを少々。そこへラー油(ゴマ油)をスパイスに、千切りのねぎ、しなちく、厚切りチャーシューであっさりとした風味が好きだったりする。
……って、やっぱりうざいくないっすか? こーゆーのって。誰が見るわけでもないんですけれども。
- 0067 恋人達へのポートレイト (採点:5)
- 及第点のSS。可もなく、不可もなく…と言いたいところだけど、台詞のほとんどが臭い。
臭すぎて白けてしまう部分が若干見受けられる。
作者が作品に感情移入をしすぎるのもどうかと思う。もう一歩下がった視点になれば、落ち着いた雰囲気になるのではないでしょうか?
- 0070 recollections birthday (採点:2)
- だりぃ。読んでて苦痛だった。コンペでなければ読み流してる作品。なにが面白くなかったか? といえば、無駄に長い。長すぎる。文量増やして中篇に参加すれば良いってものでもないような気がする。
得に前半戦、日常を書き連ねいるのでしょうけれども、描かれる必然性が薄い。ただ垂れ流しているだけにしか思えない。動物園にいっていつも以上にはしゃいだ佐祐理がいた。なにかがおかしい。それだけでも伝わる。力を入れるべきポイント、物語の面白味を考えたペース配分など、SSの骨子を根本的に間違えている、としか私には思えません。
後半戦、山場に入りつつあるも変なシチュエーションだったり、佐祐理の自己完結気味な一人芝居に読み手としては消化不良もはなはだしい。プロットを練り直し、配分を考えればこの作品は短編の方が向いている、と思いました。
最後に蛇足だけど、それ、そう、そして、などの単語がかなりの頻度で目につきました。これは自分にもいえること(わたしも同じ癖があって、かなり悩んでいる口です)だったのでかなり気になりましたが、注意した方がいいかもしれませんね。
- 0073 心、ひらいて (採点:4)
- うーん、好みではなかったかも。コンペのために苦心してネタを出した、というイメージ。言い方を変えればよくある悲劇。
立ち直っていくさまがテーマだったのかもしれないけれども、あっさり風味。Kanonという物語でこれに似た展開があることを考えると(名雪と秋子)ちょっと物足りなかったかも。記憶に残れないSSといえばキツイかもしれませんが、事実かと。
あと、こういう時に北川というキャラクターが冴えるのはお約束ですな。うん。嫌いじゃない。
- 0078 ガラス/ラフ・メイカー (採点:4)
- 一体全体なんなんだろうか? ラストを読んで思った。ちょっとネタのつながりが苦しいような、そうでないような。
舞が死んだにしてはなんとも盛り上がりにかけるというか。
それでも普通に読めました。面白かったのか、面白くなかったのか、判断している内にぶつ切りにされた感じ。
というか、やっぱり最後はわけわかんないっす。久瀬、なんであんなんなっちゃったんでしょうねぇ。
物語もあちゃらこちゃらのキャラクターの主観に飛びまくっていたので落ち着かなかったし。
精度は必ずしも高いとは言い難いSSだったけど、切り捨てるには摩訶不思議なSSだった。
…しかし、私の批評はあなた以外の方に対してもわけわからんですな。ホント、すみません。
- 0083 恋は唐突に、急発進で (採点:2)
- 自分のHPにアップして下さい。少なくともコンペに出すのならば、もっと自然な形にして欲しい。
教室で押し倒すお嬢様…まったくもってありえない。他人の書くSSであっても、私の想像の範疇を超えている。
少なくとも、まともな感想を頂きたくば、考えてSSを書いて下さい。ただひたすらな妄想劇を見せられても…こっちは困る。馴れ合いがしたければ自分のフィールドに帰った方が良い。ただ痛い目に会うだけです。
ならば、なぜ評価したか? といえばコンペだから。あなたもそれ相応のリスク、差別され評価されることが念頭にあったはず。以前の傾向を考えればどのような評価を受けるか? 自分でも判断できると思うのです。できないというのであればそれまでですけれども。
気分を害されたかもしれませんが、お互い様ということで腹を割って頂きたい。
そして一つ質問なのですが、ジャンルはラブと表記されておりましたが、どのようなラブを書きたかったのかが知りたい。私からみて、気持ち悪いくらいに甘くてそれだけのような気がしました。
なにかしら物語性の必然はあったのでしょうか? 疑問に答えていただければ幸いです。
- 0084 俺の学校は戦場だった? (採点:3)
- 強引な構造にちょっとがっかり。もっとこう、なんといえば良いのか難しいけれども、壮大な仕込みがあるとばかり考えていました。がっくりばったり拍子抜け…な感じ。
最終的な目的が明らかになれば、今度はSSの全体に構造的な無理が目立ってきて、結果として楽しめないと判断するに至りました。
この前フリからこの結論になる? いや、つながらないだろう? むしろ、つながりに無理があるやんけ。SSとしてこの展開はOKなのでつか? という疑問。場当たり的な展開は嫌いです。<今回の状況が作り出された原因、名雪の気持ち、北川の気持ち、久瀬の行動などなど、めちゃくちゃな理論展開が納得できないし、これに類する事象がSS中にはいっぱいありました。
簡単にまとめますが、笑った部分もあったし、謎な部分もあった。興味もそそられた。でも、オチがめちゃくちゃで台無しだったよ、と言いたいわけである。
- 0090 真冬の蠍 (採点:3)
- 読み流してみる。ふむ、怖くないしダークにしてはあっさりしているなぁ、という印象。
そっと死ぬのもいいけれど、カタルシスが欲しい。爆発するようななにかが。名雪の死、全体的な雰囲気は暗いけれども、ダークというにはインパクトは弱い。静かに死ぬのだとしても、死ぬのはエネルギーがいる。それはきっと殺人でも交通事故でも戦争でも、もちろん、自殺であっても。今回のように名雪、からっぽになってしまっての自殺でであれ最後の灯火ってのはまぶしいものではないでしょうか? 自殺にいたるまでの過程、心情。その最後にはかなりのエネルギーが弾けたとしてもおかしくない、と私が思っているだけなのかもしれないのですけれども。
カタルシスとは別の観点からもちょっと一言。こちらの作品、鬱積する悲しみは十分に表現されている。でも、それがフィクションフィクションしていて、怖さが薄すぎる。
ダークは読者に怖い、底冷えさせるようなぞくぞく具合があってこそ。これはよくあるシリアスよりもちょっと暗いだけでダークには届いていない。本当の底というものを描くには足りないものが多すぎるのではないでしょうか?
- 0091 七月八日、晴れ (採点:8)
- なんのていらいもなく良かったと思えた作品。構成もしっかりとしているように見受けられました。安定した面白さ、不安を感じさせない内容。グッジョブですな。ただ、SSの山場となる盛り上がり部分における箇所が、読み手にとって許容範囲以内(美汐が真琴の頬を叩いたところには意外性、特筆すべき点があるように思うのですが、叩いてしまった理由については誰もが予想できるかと思います)であるような気がします。少なくとも私は予想通りであっさりと読み進めてしまいました。美汐が泣いた理由。その先・更に一歩! ぐぐい、ぐいっと踏み込んだ部分に美汐を形作る『なにか』があれば問答無用で10点満点+αだったかと思います。
で、ここから先は蛇足になりますが、おばさん臭い美汐をからめた前半戦のギャグ攻勢は面白かったです。ちょっとサービス具合が目についた感じもするけれども、底意地の悪い美汐に萌え。いじめられたいし、言葉攻めにされて涙ぐんでしまいたいですね♪
で、これが最後。かなりの蛇足。後半、おそらくは久瀬くんがゲストで出演した(ここが唐突だ、っておっしゃる方がいそうな気がするのけれど、どうでしょうかねぇ? 私は嫌いじゃなかったです。突発事故っぽくて。ちとフォーローが足りなかったけども、気にするほどではなかった)とは思うのだけれども、この久瀬の口調、まこみしメインにあえて登場する組み合わせをみるに、これを書いたのは八岐さんの趣味がさせたものなのかなぁ、って思ったんですけどここまで作為的に書くだろうか? はてさてはてさて………作者さんはどなたかしらん? 八岐さんかしらん?
と、とにもかくにも自分、恥かくかもしれないけれども、まぁ、いっかな? てことで作者当てにレッツトライでございます♪ はずれだったら盛大に貶めて下さい。辱めて下さい。わたしはもだえます。
- 0092 君と一夜を (採点:4)
- 三流のギャグコメディーを意図的に書いた、というのは間違いないですよね?
他作品のネタとか、とくにアニメ漫画などの造詣に深くないと予想される美汐がべらべらと語るのに拒絶感を覚える読者が多そうな気がしました。
わかって書いているんだろうなって。特にパンツ被ってフォーって人の下り。あれはやりすぎだったかも。まぁ、私個人としてはなんでもアリなんですけどね。
レズ美汐ってのはなんか新しい発見があって良かったなぁ、と思いつつ笑って読めましたよ! まる
- 0098 双故意〜ふたこい〜 (採点:2)
- なんとなく1点はしのびなかった程度の出来ではあったので。
うーん、良くこの作品でもってコンペに出ようと思われたことに驚いております。
おそらく、もっと普通に書ける程度の力量は持っていると思ったので。テンポも結構ありましたし。
しかし、ネタが際どい。受け入れる受け入れないの瀬戸際ではなく、大半が受け入れられないと思うネタをふんだんに盛り込んでいる。小学生がう○こう○こと叫んでいるのと変わらないレベルだものなぁ。特に香里のかいざーなっくるとかいう単語を平気で使ってくるあたり、もう痛すぎて見ていられなくなりそうでした。それでも最後まで読んだんだけど。
まぁ、ネタでとんがっても叩かれるのがオチであるということ、身をもって知って下さい。
それから、次にコンペに参加されるというのであれば、少なくとも見ごたえのある作品をお願いしますね。
- 0101 君の瞳にシャイニング延髄斬り (採点:7)
- ゲテモノタイトル三部作(002/005/101)。その完結編となるシャイニング延髄斬りでしたが思いの他面白かった。というか、タイトルに意味がないのが逆にがっかり。
面白くてがっかりしたのは初めてのような気がします。ある意味期待はずれ。
SS本文についてはいうことはなし。
久瀬の馬鹿っぷりとか、北川の痴呆症炸裂具合などはいい具合に男子高校生の赤裸々な日常を描いていたと思う。実は読んでて恥ずかしかったのは内緒の方向で。
ちなみに序盤の無駄に元気なところはかなり笑えた。倉田のはっちゃけっぷりと川澄の哀愁とか、細かい部分でも。べつに大風呂敷を広げていたわけでもなかったので、こじんまりとした馬鹿な内容に笑わしてもらいましたとさ。
とりあえずあなた独特の、珍妙でどこをどうすれば沸いて出てくるのか…否、発酵したみかんに生える冬のアオカビのごときタイトルセンスは是非ともなくさないで欲しいw
- 0103 世界の果てという名の雑貨店 (採点:10)
- きた。
もう、つぼにはまったとしか言いようがないくらいにきた。まいったぁ。
畜生、心中しちまえば良かったのに、と思ったほど。←支離滅裂だけどなんとなくわかって下さい。
もう好き。全身全霊込めて好き。もうけだるくて、濁った白色のフィルターよりもちょっとだけ透明な感じが文章全体的に漂っていてLOVE度高いっす。
佐祐理一連の最後の台詞、もうドキドキした。
上記のような本文の蓄積があって、祐一の「どうでもいいだろ?」この台詞が響く。
作者の年齢と精神年齢がどんなもんなのかが激しく気になりましたとさ。
- 0104 幸せの玩具 (採点:6)
- ありえたかもしれない話。一応プロットに大きな問題はないと思う。
とはいえ言葉にし難いなにかがひっかかる。違和感のようなもの。佐祐理の行動、考え方は納得できるのに。
自己完結気味な佐祐理。基本的なところで弱い舞。うーん、矛盾した物語ではないのだが…。
なんといえば良いのか。あおき哲夫氏辺りなら上手に感想を書かれるような気がします。
人のSSで他人の感想が気になるくらいに、なにか言いたいけど言えない感じでいっぱいです。
うーん、私の中で創造する佐祐理は一線を越えることができないからなのかなぁ?
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