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○kram さん

001 レディ・ジョイ (採点:9)
始まりから最後まで、楽しませて頂きました。
痕のストーリーを一段深くして、かつ広がりをもたせている設定に、この鶴来屋の存在があるのですが、この話は上手にその美味しいところだけを持っていったような感じですね。
 中編の尺にぴたりと合ってます。始まりのテンポも中盤のリズムも、そして話を終わらせるタイミングも、適切でした。
 鬼化した千鶴さんのギャグに走りすぎず、なおかつ企業陰謀の重苦しさを出さず。このへんのさじ具合も良くて、気分良く読み終えることができました。
 ありがとう。

002 手記/Testator (採点:3)
 ロリに目ざめそうになった千鶴ちゃんに萌点。
 話ですが、大筋の方向性としては悪くないと思います。でもやや、話運びを焦りすぎたような気がします。
 「手抜きでやらせてもらうか」などというセリフは、あまりにも直接的すぎます。いろいろフォローしているようですが、そういう言動は耕一らしくない気がします。
 まぁキャラ観というものは人それぞれでしょうけれど、私は耕一というやつはスケベでバカではあっても、男らしい良い奴だと思っていますから、親父の仏壇の掃除を手抜きしようという発想に至るのがひどく不自然に思えました。
 あと、日記は「十数冊にも及ぶノートが紐で括られて纏めて」あり、「ノートの上の埃がそれなりの量に達している」ために「大分昔のみたい」に見えるという出だしの設定でしたが。
 日記の終わりは「明日、自分から母さんや兄貴の所に行こうと思う」、つまり賢治の死の前日なわけです。このSSがどの時点のものかは明記されていませんが、大掃除という行為からみて、痕本編直後の冬休みと推測します。つまり12月後半。
 賢治の死は同年8月頭なわけですから、単純計算で4月半。そんなに埃がつもるものでしょうか。
 まぁどうでも良いっていえばそれまでなんですが、違和感はディティールから生まれるもの。私は読みながら???と思ってしまいました。
 なんだかきついことばかり書いてしまいましたが、全体としては楽しく読ませて頂きました。逆転看護婦プレイはすばらしい発想(笑)

003 来年から来世にかけて (採点:7)
これは実はとてもいい話なんじゃないかと思う。
園見の存在の理由付けがやや薄かった。この話のメインは「学芸会の次郎衛門話で前世のことを否応なしにひきあいにだされ、落ち込む梓を耕一が耕一らしいやりかたで元気づける」というものだと思う。わざわざオリキャラをださなければならない理由が見あたらない。
 逆にいうとそれ以外はとても良かった。冒頭で「実は」と言った理由はそこにある。
「前世の話ぐらいで、みんなに嫉妬するあたしが大嫌いだ」
このあたりの展開がすばらしく良かったので、むしろ話をもっとシンプルにしてここに焦点をあわせて持ってくると良かったかもしれない。
 オチもまた決まっている。きっと作者は書き始めた時からこのラストのシーンが頭にあったのではないだろうか。
 梓の梓らしさがとてもよく出てたのでキャラ5点。

004 千鶴の誘惑 (採点:8)
この話はなんと言っても千鶴さんでしょう。「私以外の女の子を見ちゃだめ」、これいいなぁ。
 さて話の内容ですが、千鶴とつきあい始めた耕一のいる日常描写と楓の日記のザッピング。ほのぼのとしてとてもよかったです。ただ、お口直し的な要素であるべき芸人観察日記のウェイトがやや重くなりすぎたかなと言う気がします。とりあえず、ラストをそれで締めたのはサービス過剰かなという気が。
 7.5くりあげ8点というところで。

005 鬼の研究 (採点:7)
四姉妹の誰も登場しないのでキャラ点の付けようがありません(^^;) 初音ちゃん好きなんで初音点ということで。
 話ですが、これは非常に完成度の高い、読み応えのある作品でした。
 ただ、私の中で厳然として「不幸系は−2、オリキャラ−1」という採点基準があるので、それに従ったまでです。怪談的な描写も、思わずぞっとするほど怖く、力量をうかがわせます。
 なにか元ネタがあるのでしょうか。
 このクオリティで、今度は明るい話書いて下さい(^^;)

006 大好きな人のいる年越し風景 (採点:9)
なんといいますか、読んでいて気持ちの良い作品でした。
話の筋としては目立った起伏もなく、ただ穏やかに、ラストまでお約束の王道を歩いていったような構成。でも、それが魅力になっています。この作品の価値は、読み終わったあとにタイトルを読み直して、すとんと胸の中に落ちてきました。
 柏木家のこういう「なんでもない」風景というのを自然に、さりげなく、肩に力を入れずに楽しく描くというのは、キャラクター及び作品世界への深い思い入れがあればこそと思います。
 名作とか大作と言われる類の作品ではないかもしれませんが、ふとしたときに読み返したくなる、そんな気持ちの良さが残る作品でした。
 萌点は、とにかく楓ちゃんが可愛かった!

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