Top Ka1 Ka2短 Ka2中 痕短 痕中 痕長 ONE短 ONE中 家計 月姫 Ka3短 Ka3中 Ka3超短 Ka4小 Ka4本 オリ肉 Ka5短 CLA1短 ONE2 Ka5中 CLA1中 オリ2 オリ3 Ka6小 Ka6本 AIR オリ4掌 オリ4短

○kobax さん

01 部屋の明かり (採点:8)
 初っ端からいきなりやられました。
 気になったところはあります。前半が少し凡長だったかな、とか、誤字が気になるな、とか。けれど、それ以上に良いところが目立つ作品だったと思います。
 何より、文章単体での切れ味が抜群ですね。ところどころで垣間見る、筆者さんのセンスが伺えます。あまり多くを語らず、それでもこちらに伝わる表現が素敵でした。お零れに預かりたい(笑)
 以上です。ありがとうございましたーっ。

02 追跡者 (採点:5)
 うむむ。点数をつけろ、と言われると困るタイプですね。
 面白かったところは、文句ないです。こういうSSは、笑ったらいい意味での負けですからね。とはいえ、笑えなかった部分に関して考えると、ちと辛いです。オチも弱かったですし。雰囲気は好きだったのですが。

03 雨の中 (採点:4)
 句点、読点、そして改行に違和感がありました。物語の流れを悪くしているのかもしれません。
 補完SS、といった趣きでしたが、それ以上のものが無かったのが残念でした。事故に会った詩子で、もう少し個性を出すのもよかったかと思います。

04 いっしょに。 (採点:5)
 安定していて、読みやすい文章でした。発言の出来ない澪を上手にまとめていると思います。
 最初と最後の繋がりが、ハッキリと噛み砕けなかったのが、少し残念でした。中盤にも、もう少しアクセントがあってもいいかもしれません。

05 また明日 (採点:5)
 ううむ。前半飛ばし過ぎましたかねー。
 流れとしては、悪くないかと思います。ただ、浩平の「可愛い」発言があまりにアレだったものですから、転換についていけないところもありました。筆者さんが楽しく書いているなぁ、というのはビンビン伝わったのですが(笑)、もう少し抑えて後半にボリュームをつけたら、もっとよくなると思います。

06 It's possible to think of you. (採点:4)
 うーん、気になる点がいくつか。それがちと辛いので、この点数になります。
 まず、この主人公を曖昧にした表現方法が、今回は裏目に出ている気がします。該当しないキャラがまず消えてしまいますし、これ故の深みとか伏線があるようにも思えません。とするならば、いっそ一人に焦点を当てて書いたほうがよかったかな、と。もう少し容量もいけそうですしね。
 あと「、」の位置ですね。さすがにちょっと独特で、長過ぎる気がします。「いかり」も「碇」でいいように思いますし。推敲のほう、もう少し頑張ってみると、また違ってくると思いますー。

08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
 なるほど……そう、まとめましたか。素晴らしい。
 正直、ロリ子ちゃんと二人でハッスルしている辺りから、ああこれはダメかなぁ、なんて失礼な事を思ってましたが、最後のオチがよかったです。よくよく見ると、リストカットの辺りも伏線だったのでしょうか? 二人の居場所を求める感じが伝わって、よかったと思います。詩子のキャラ作りも面白かったですし。
 ただ、もう一つ何か欲しかったような気がします。これはこれで完成されているのですが、読者を惹きつけるもう一つのアクセント。ストーリでもキャラでも何でも、それがあると更に魅力的な作品になったのではないでしょうか。
 とはいえ、楽しませてもらいました。ありがとうございます。

09 生徒 A (採点:6)
 ああなるほど。以下エンドレス、ということですね。面白い。
 前半、どうして茜をこんなにプッシュするのかなぁと思っていたのですが、なるほど。全てつながりのある仕掛けだったわけですかね。それぞれがそれぞれでデジャブを感じつつ、様々な方向に広がっている作品です。こういうのもまた、新しいなぁと思います。
 ですが、だからどうした、と問われるときついかもしれませんね。この仕掛けを作って、それから何を生み出したのかが明快でなく、まぁ日常の一コマというところで収まってしまう気がします。
 試みは面白かったです。ありがとうございました。

10 プラスティックフラワー (採点:5)
 うわーい、凄くもったいなーい(笑)
 仕掛けが物凄く上手く機能していただけに、その後の二人のやり取りや、告白からラストにかけてまで、物語の締まりが欠けているように思います。ここまで綺麗に流しておいて、急に流れを悪くしちゃったなぁ、という印象が強く残りました。それだけが残念です。あと出来れば、タイトルの意味も教えてもらえると助かります。
 ――あ、でもコメディタッチの作品も読んでみたいかもしれません(笑)

11 なついろとみさきと (採点:4)
 雰囲気は悪くないと思います。みさきが浩平に感じていた想いが伝わってきました。あとは、それを煮詰めて広げる作業が必要だったのでは、と。

12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
 そうか……そういうエンドもありなのか、と一人納得してみたり(笑)
 えいえんに関する解釈は、ボクと少しだけ違います。みさお=みずか、なのかなとは思ったりするんですけども、まぁそれはともかく。それ以外では、これボクが書いたんじゃないか、と思えるくらいにシンクロしてましたし。……えいえんについて、語り合った友は少ないはずなのですが(笑)
 ともあれ、楽しませてもらいました。時間の速さが違う、というのはボクに無かった考え方ですし、これはどこかで使えるなぁなんて思ったり。三人での幸せな生活、これもまたありなのかもしれませんね。永遠に終わらないといいなぁと思います。
 なんですが、キャラが少し違うかなぁ、と思ったので点数は低めです。こればかりは個人的なものですので、察してもらえると幸いです。

13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
 ネタは面白かったです。あとは、それを上手く使う表現方法。30K以内という条件で掌編だと、少しもったいない気がしました。

14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
 うん。文句無い出来でした。
 何というか、SSのお手本みたいなSSでしたね。最初には印象的な文章を、中盤にはちょっとした伏線を、後半からはそれらが繋がって、最後に至る。表現で首を傾げることも無かったですし、スラスラ読むことが出来ました。力のある筆者さんなのだと思います。
 ――それ故、なのでしょうか。あまりに型通り、と言いますか。それ以上のものをこの作品から見出せなかったのも事実です。茜も、みさきも、浩平たちも本編のままで、筆者さんの個性がつけられていないように思えます。それはとてもいいことなのかもしれませんが、味が薄い料理のように、今一つ物足りないようにも。
 我が侭に近いのですが、これも感想ということで一つ。

15 桜散る (採点:3)
 SSを書く際の注意点なんかは、他の方にお任せするとします。ただやはり、改行は気をつけてした方がいいと思います。リズムがありますからね。
 物語は可も無く不可もなく、でした。これからの浩平、みさき、そして瑞佳に期待といったところでしょうか。

16 淡い心だって言ってたよ (採点:6)
 いいなぁ。凄く、いいです。
 こういうSSと出会えるからこそ、こんぺという場が好きなのかもしれません。そう思えるくらいに捻り曲がって、どこか現実的で、それでいてしっかりとした物語を紡いでいるSSでした。何となく、SSに対するアンチテーゼなんてものも取ることが出来ましたし。――そうですよね。考えてみれば、綺麗なところだけで全てが成り立つわけではないですもんね。そういった意味でも、いい作品だったなぁと思います。
 雰囲気重視。こういった作品は何度か読み直したくなります。点数が感想に合っていない気もしますが、それはそれとして(笑)。ありがとうございました。

17 重ねた手と手の中に (採点:7)
 お互いがお互いを支え合う、という一連のテーマがハッキリと浮かび、それでいてよくまとまった作品だと思います。ボクは正直、ONEのSSをあまり読んだことが無いのですが、みさきと澪をメインに据えた作品では、とくに好きな作品になりました。強い部分、弱い部分、助け合える部分。それがしっかりと区別されて書かれていたのが、特に好意的です。実際にこのような障害を持った方々のお話を取り入れると、さらに厚みが増すと思います。こういった題材は、それ故の責任が特に重く圧し掛かりますからね。
 一つ残念だったのは、『おに{゛ふ}{yと}うなの』が何のことかわからなかったことです、もしよろしければ、お答えしてもらえればと思いますー。
 というわけで、楽しませてもらいました。ありがとうございますっ。

18 玉手箱 (採点:3)
 ……えと。すみません、いろいろと疑問が。
 まず玉手箱って何でしょうか? どこからそんな都合のいいものが出てきたのでしょう。えいえんに関係があるのかなぁ、ということはわかりますが、それが何故浩平の手にあるのか、それを説明してもらいたかったです。ONE本編では……たぶん無かったエピソードでしょうし。
 また、句読点をつけたりつけなかったり、というのは仕様でしょうか? それならばそれとして受け止めるのですが、意義がちょっと感じられませんでした。改行も必要の無いところで入っている気がします。テンポが悪くなっているかな、と。
 オチに全てを賭けた作品、なのでしょう。今回は失敗しているのかもしれないです。

19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
 うむむ、ちと物足りないかな、と思います。
 澪が言葉を上手く使えないことを、Blogという一つの手段を用いて扱うようになった。このアイデアはとても良かったです。ただどうせなら、もっとこれを使ってみさきとの繋がりを示してもらいたかったです。メインが澪とはいえ、みさきもほぼ同じ扱いをしている以上、それは必要だったかなぁと。比較するのは申し訳ないのですが、同こんぺ作品である『重ねた手と手の中に』は、その点を上手く考慮されていたと思います。もしよろしければ、ご参考にするのもいいかと。
 とはいえ、大きな穴も無く安心して読めました。芝居に関する情報も、わかりやすく伝えてくれていましたし。こういった知識は、得てして自分語りで終わってしまい、なかなか読者に優しくないことが多いです(もちろん、知らないということにも問題がある時がありますけれども)。その点、この作品のさじ加減がとても好きです。そこから澪が何を伝えたいのか、わかったような気がします。
 以上から、打ち消しあってど真ん中の評価をさせてもらいます。この後の展開も気になるところですー。

20 学生生活は糾える縄の如く (採点:3)
 台本、というかゲーム形式のSSは、特に嫌悪感は無いです。けれど、持っている方もいるので、こういう場ではもしかすると批評の対象になるかもしれません。気をつけたほうがいいかもですー。
 で。問題は、このSSが何をしたかったのか、というその一点に尽きます。日常の一コマ、という括りでいいんでしょうか。起承転結は出来ていたのですが、伝わるものは特にありませんでした。ごめんなさい。

21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:6)
 何かこう、文では上手く伝えられない良さを感じました。どこがどういいんだ、とは指摘しづらいんですけど、全体を読んでみて「ああいいなぁ」と口にするような、そんな良さでした。何か抽象的ですみません……。
 センスのある文章は、冒頭の数行を見てパッとわかりますよね。今回の作品はまさにそれでした。筆者さんがこの物語を伝えるために選んだガジェットは、ボクには無いものです。羨ましいなぁ。タイトルのセンスも奇抜で面白いですし。これまた抽象的ですみません……。
 とにかく、良かったです。それは間違いないです。楽しく読ませてもらいました、ありがとうございます。

22 Luminous (採点:4)
 おうち……。力のある筆者さんが書いたものだとわかるだけに、非常にもったいないミスが目立って見えました。好きな部分も多かったのですが、それが霞んでしまったのが残念です。
 というのも、全体的に30KBで収めようとしていないように思います。全てを語れ、とは言いませんが、さすがに置いてけぼりな要素が多過ぎるかと。最果ての図書館を始め、浩平の就職までの件、みさきのピアノとPCの部分、一つひとつが面白いのですが、点になっています。線で繋がっておらず、ただ並べただけ、という印象が強いです。
 特に流れが悪かったのが、序章です。星を見に行こう、といったのは最初の数行で、そこからまたデートの話、ピアノ、最果ての図書館の話と目まぐるしく展開が変わっていくため、読み直しが必要でした。読者を白けさせてしまい、次を読みたいと思わせることが出来ないのは、ある種致命的だったのかもしれません。少なくとも、ボクはそう感じました。ごめんなさい。
 倍の尺があれば、また違ったのかもしれません。ですが、30KBに限らずこのような原稿容量の制限の中で書くのもまた、面白いものです。限られたもので、何を選ぶかもまた、筆者さんの力だと思いますー。

23 ココロ、道標に。 (採点:7)
 いい! 熱い友情、とてもいいです!
 正直、最初は「またオリキャラが多いな……」と切なさいっぱいに読み始めていたのですが……これはいい方向に崩されました。それでいいのかよ、とツッコミを入れたいところは少なからずあったのですが、それでもいいんです。五人で缶を掲げあうところで、この評価は決まったも同然。理屈ではなく、感性で好きな作品でした。
 激しく琴線を触れた作品でした。友情モノ大好き。ありがとうございましたっ。

24 グリーン・フラッシュ (採点:2)
 ……よくわかりませんでした。読解力がついていかなくて、ごめんなさい。
 とりあえず、読みづらかったです。数ある言葉の中で、これを選ぶのかというような単語がいくつも見られます。もちろん、難解な言葉を使うなといっているのではないのです。ですが、どうも適当とは思えない箇所がちらほらと。辞書から目あたりの良いものを引き出して、何とか使ってやろうと。そんな意思はもちろん無かったと思うのですが、そういう印象を受けました。読みづらいと感じた一因は、そこにあると思います。
 あと致命的だったのは、グリーン・フラッシュとえいえんの繋がりがさっぱりだったことです。唐突に出てきて、両者が繋がって、それが最後まで続けられていましたが、よくわかりませんでした。すみませんが、説明をお願いしたいところです。産み落とす……って何なんだろうかなぁ。
 他にも、キャラへの違和感や誤字など、目に付く問題点は少なからずありました。残念ながら、ボクの肌には合わなかったようです。

25 ひとつの物語 (採点:7)
 文章を読んで、それをすぐさま映像に変換出来るのは凄いなぁと思いました。それを感じたのは終章だったのですが、全員の心持がよく伝わってきたように思います。キャラも良く掴めていました。素晴らしい。
 さて、『ひとつの物語』ということだったのですが、実のところこの作品はいろんな可能性を秘めた作品だったと思います。それ故なのでしょうか、少々欲張りすぎたかなぁという面も見受けられます。それが顕著だったのが瑞佳。さすがにあれだけで全てに見切りをつけ、卒業となるには厚みが足りなかったかなぁと思います。茜に関しては上手く扱えていた分、少し気になりました。
 そも、メインが七瀬である以上、このまま彼女に焦点を絞ったほうが面白かったようにも。これは筆者さんも当然考えられた事でしょう。この作品は物語の可能性の拡散がテーマだったのだとするなら、こちらの選択もまた正しかったようには思います。ただ少々、置いてけぼりかなぁという印象は残りました。尺に悩まされたでしょうかね……(笑)
 いろいろ語りましたが、楽しく読ませてもらったことは変わりありません。ありがとうございました。

26 トントン拍子 (採点:5)
 トントン、の使い方が絶妙でした。上手くまとまっていると思います。
 ただ、周りの人間がおまけ扱いになっているのが、少し寂しい気もします。雪見の設定も辛いです。容量を見る限り、掘り下げることは出来そうな気もしました。

27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
 えと、そうですね。筆者さんの伝えたいことは、きちんと把握出来たつもりです。タイトルも物語に合致していますし、茜以外ではキャラの動かし方も良かったです。
 しかし、ちょっと薄いですかねー。盛り上がって、急に冷めて終わったという感じがしました。どうせなら、もう少し茜と浩平のやり取りがあっても面白かったですし、サブを動かして何かの仕掛けを作るのもよさそうです。こう、読者を楽しませるスパイスなんかあると、もっとよくなるかと思います。

28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
 ああ、こういう雰囲気は好きです。直接的に語っている文章は少ないのですが、全体から伝わる柔らかさみたいなものが感じられます。茜と浩平のキスのあたりが、特にそうでしょうか。ほんわかしました。
 前半の澪や詩子とのやり取りもまた、筆者さんが楽しくやってるなぁというのがひしひしと(笑)。容量的にあれを入れるのは難しかったのではないかなーと思ったのですが、どうだったでしょうか。ランナーズ・ハイの誤字以外は、違和感無く楽しめました。
 なんですが……どうも好みだと思うんですが、どうも高得点をあげたいっ、とはなりませんでした。面白いですし、穴も特に無いですし、これで素晴らしい作品なのは間違いないんですけど……鳥肌を立つような感銘は無かったです。抽象的ですが、ごめんなさい。

29 やさしさと しあわせと (採点:4)
 なんかオールエンドみたいな形になりましたね。どこはかとなく、祐一を思い浮かべてしまうのは悪い癖です。まぁそれはともかく。
 メインにみさきを持ってきたのは、良かったと思います。障害を持った少女は何人かいますが、彼女でなければ伝わらない何かが、この作品から垣間見えました。……その主張が好きか嫌いかで言えば、後者なのですが。そうかなぁ、と首を傾げたりも。
 違和感があったことで、少し点数は低めになってしまいます。キャラを掴む、というのもまた大事なことですからね。考慮してもらえればと思います。

30 『packaging replica』 (採点:5)
 うーんうーんうーん。嫌いではないのです。ほのぼのの中にシリアスを折り混ぜて、それでいて春夏秋冬それぞれの章がよくまとまっています。最後まで綺麗に世界観を伝えてくれました。
 なのですが、どうもオリジナリティが足りないように思います。浩平、瑞佳、あとみずかですか。彼らのアフターを描くえいえんとこちらの世界への考え方は、いつもワンパターンな気がします。それはある種、テンプレになるのも仕方の無い面がありますが、やっぱりそれだけで終わってしまったような。冒頭から終章まで、一連の流れが予想出来てしかもその予想に収束した。これではさすがに、興味も引きにくいのかもしれません。
 というワガガマな感想です。ごめんなさいー。

37 Ever Follow ever (採点:7)
 ネタが被った……。
 そして負けた……。
 凄くボクと似た解釈をされていて、個人的にはえいえんに関する文句はありません。浩平、瑞佳、みずか、そしてみさお。これらの要素は必ずどこかで繋がっているはずですよね。それらを全て吟味した上で、とてもまとまりよく流れていたと思います。キャラもまた違和感無く。そうですよね……みずかってこのくらいの台詞で語る少女ですよね。今後書くことがあれば、ぜひ見習っていきたいものです(笑)
 ですが物語全般は、えいえんの講釈のみで終わってしまった感があります(人のことは言えないのですが……)。これは完全に容量とのにらめっこになりそうですが、絞るところは絞って、もう少し浩平と瑞佳のやり取りを見てみたかったかな、というところでした。チェロという面白い楽器があったので、それを上手く使ったりしても、また面白そうです。
 同様のコンセプトで書き、負けた。そんな風に思わされる作品でした。素晴らしかったです。ありがとうございました。

38 みるく・ろーど (採点:5)
 惜しいな、と思います。
 雰囲気で何を伝えたいのか、それは掴めます。ですが、だからどうしたのか、というところになると、弱い気が。牛乳にまつわるエピソードの他にも、二人が何がしかの関係を持っていたほうが、作品に厚みも出るかと思います。まだまだ容量に余裕がありそうですしね。
 今後の二人に期待、ということで一つ。

41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
 よくまとまっていると思います。オーソドックスながら、流れるように進んでいく文章に好感が持てました。広瀬も味が出ていたと思います。
 いくつか気になったことも。
 まず、各章が短く中身の薄いものになっていること。例えば広瀬の恋心、ここはもっと突っ込んでみるべきだったかもしれません。七瀬とのやり取りのほうが全面に出されていて、ラストが少し弱かったかと。
 あと、長森は完全に蛇足でした。どこに焦点を当てるのか、そこを考えると彼女は本作品に必要ではなかったと思います。意義を見出す方法もまた、あるかと思いますので、それならもう少し光を当ててあげることも出来たかと。
 以上です。ありがとうございました。

44 髪弄り (採点:4)
 最後、よかったです。ただ、そこまでに至る中盤の流れが悪く、途中で飽きてしまうように思います。茜が髪を触らせた理由も、やっぱりわかりませんし。もう少し煮詰める作業が出来れば、もっと良くなると思います。
 あと、プロローグの五行はいらないかと。意味のあるものとは思えません。

47 雨に祈りを (採点:6)
 ああ、綺麗ですね。不幸と銘打っていたものですから、どんな仕打ちが待っているのかと思いましたが、ボクの予想していたものとは少し違ったようです。残酷ですが、美しい。これもまた真理の一つなのかもしれませんね。みさきと雪見のやり取りが、作り物ではないというか。凄く現実に迫るやり取りだったのもまた、好印象でした。ああ、彼女たちならこう考えて、こう動くだろうなぁと納得させられながら読みました。そういった意味でも綺麗です。
 で、これは単純な疑問なのですが。これはONE本編とは違う世界での、物語ですよね。みさきが小学生のうちに亡くなっている、というのは別世界、それこそえいえんの世界みたいなところ(時間の経過があるので、そうではないとは思いますが)で行われたものですかね。その説明が無かったので、少々混乱しました。説明してもらえれば、幸いですー。

49 輝く季節へ (採点:6)
 うーんうーん。これはまた、突飛な解釈でのSSですね。良かれ悪かれ、ボク以外の皆さんがどのような感想を持たれるのか、楽しみです。筆者さんも大変だったでしょう……お疲れ様です。
 さて、ではボクの感想を。『えいえん』が浩平の夢、あるいはその内側から生まれたもの、という解釈は面白いです。ボクの意見に近いこともありますし。ただこのSSで違ったのは、ONEそのものが『現実』ではなかったことですよね。あの場面転換は驚かされました。なるほど、そう来たかと。瑞佳が彼の母親であるとするなら、ONE本編での彼女の対応も納得がいきます。住井が医師なのは、少し遊び過ぎたかなと思いますが(笑)
 というわけで、ここまでは割と好意的なのですが、違和感の部分もあります。それが『みずか』の件。みずか=みさお、この式が成立するのであれば、瑞佳本人が『えいえん』に干渉しないですね。間接的に繋がっている、というところでしょうか。それを前提に描かれていた部分もありましたし。ただ……それがボクの見解と違っていたことによる、違和感はありました。強引にまとめたなぁ、という印象です。
 えいえんが本編で明らかになっていない以上、こうした俺設定は賛否両論だと思います。読者にも解釈があって、それによる弊害も出てくる、ということで納得してもらえれば幸いです。
 補完、お疲れ様でした。ありがとうございます。

50 遠きあなたに (採点:8)
 ああもう……やられました! 冒頭の流れから、ラストに至るまでの行程は何となく読めていたのに、それでもダメでした。鳥肌が立った時点で負けです。やられないぞ、やられないぞ、と意気込んでいたんですが、筆者さんの力量がそれを上回った感じです。お見事。
 中盤の流れ、これが特によかったです。茜もまた世界に存在を認められなくなり、それから八重子の下へ行く。彼女は浩平を覚えており、そしてみさおの存在が強く前に出る。もうこれだけでお腹一杯、満足です。この設定はボクには到底思いつきません。結構中盤でダレてしまうSSは多いのですが、この作品はむしろそこが見せ場ぐらいに楽しめました。それがボクの中での勝因だったように思います。
 いろいろあるんです。あざといなぁ、とか、句読点がおかしいなぁ、とか。浩平をあいつと呼ぶ茜、とか。あるんですけども、それを上回るパワーで押し切られました。楽しかったです。ありがとうございましたーっ。

54 青ぐらい修羅をゆく (採点:3)
 凄いですね……筆者さんの試み。
 明らかに意図してやったことと思います。それに穿って噛み付くのも何だが悪い気はしますが、この結果が何を生み出すのか、という興味は尽きません。一応、皆さんが指摘されるであろうことは、ボクも言わせてもらいます。
 難解な表現と、改行の少なさ。これがストレスの原因だったかと思います。それは雰囲気づくりや筆者さんの文体など、多くの理由が考えられます。この形ではさすがに突飛過ぎて、読む気を削がれるというのもまた道理というもの。それはもったいない気がしました。
 ストーリーに関しては、特にダークや不幸などの嫌悪感はありませんでした。ただ、説明口調なのがあまりに長かったせいか、会話だけで成立するのではないかと思うところです。他に容量を使うべきところ、あったのかもしれません。
 以上です。筆者さんのお返事が楽しみな作品でした。

55 ラブレター (採点:5)
 ふむふむ。みさきと澪、この二人の関係を使おうと思う筆者さんは、やはり少なくないと思っていました。他にも今こんぺには数作ありましたが、この作品もそれを上手く使えていたように。二人はなかなかどうして、仲良くなりそうですもんね。
 惜しかったのは、その料理法です。みさき、澪。この二人という材料なら、もっと味のある料理が出来たようにも思います。何となく、最低限の味付けをして皿に盛った、という感じがしました。ラブレターの使い方一つで、また違った料理にも出来たかもしれませんね。
 そういった意味で、あと一歩の作品という評価です。

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