○toto さん
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 面白いのです。が。
読んでいるとどうも、ふと気付くと夢から覚めてるような、あえて悪く言うなら騙されているとでもいうような、虚像のような、実感を伴わない、そんなことを感じるのです。
ヒロインの抱えている悩みというのはすごく普遍的で、本質的で、共感すべきもののように思えるのですが、それなのにどこか読者をはぐらかすようにしてお話が進んでいくんですね。冒頭の「愛ってなんだろうねえ」にせよ、流浪くんのキャラにせよ。
全編を通して良いフレーズが本当にどこから沸いてくるのかというほど頻出するのですが、たぶん、土台がない。それを提示するに値するだけのシーンや描写の積み重ねがない。素敵会話、素敵フレーズ、それ自体が持ってるリズムだけで物語がドライブしている。夢見心地、素敵フレーズ過剰。だから入り込み切れない。
>髪から落ちた水が肩先から垂れて体中を伝っていく。汗や埃や汗でも埃でもない何かを落としながら流れていく。それはわたしの激情であり、痛みであり、絶望であり、価値観だ。
激情が、痛みが、絶望が、価値観が、具体的に一体どういうものなのか。その大事なところがわからない。三年ぶりに泣いた、という言葉だけでなんとなく納得して、それで先へ進んでしまう。
最後のニ行もずいぶん妙な方向から飛んできたような気がして、違和感がありました。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- タイトル、好きです。
お話も好きです。
キャラの掛け合いがやや好みと外れてたので、ちょい減点(笑)。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:6)
- なんかすごい四角いなあ(笑
ある意味、徹底的にエンタテイメントしてる作品のような気がします。その労力をもう少しありふれたお話を書くのに使っていただきたかったと、どちらかといえばやはりそうは思うのですが。
でも、こういうお話があるとこんぺ全体がバラエティに富んでいる感じになって良いです。
- 19 青い春 (採点:5)
- うん、青春ですね。実に微笑ましい(笑)。
全体的にそつなく書かれているとは思うのですが。こうも何気ない風景を書いた作品の場合、もう少し文章なり小ネタなりキャラクタなりに特徴がないとやはり周りに埋もれがちになってしまう気がします。
- 55 明日天気になあれ (採点:5)
- 局所的に加奈になっている件について。
ネタやキャラがいまいち弱いような気がしつつも、展開上描いておくべきシーンが描くべき順番でしっかり書かれていて、しっかり楽しめました。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:4)
- 一発ネタはしっかり書けているけど、キャラは書けていないという印象。そして容量には余裕がある。
つまり、少し物足りないです(笑)。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- この作品には私的に最優秀アイデアで賞を。
ただ、オチが……物足りない。でも現状でも15KBカチカチなんですよね。むむむ。
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