○Manuke さん
- 001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
- んむむ…。少々、酔い過ぎじゃないでしょうか?
久瀬の内面を描いたこと自体は面白いと思うのですが…。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 002 鈴の音よ再び (採点:6)
- 祐一の迷いと決意という部分がよく描けていると思います。
ただ、極端な改行で間を表現するのはいただけません。
(末尾の大量改行はわざと?)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 003 お泊まりパニック! (採点:2)
- う〜む。なんと言うか、まとまりのない話だと感じました。
北川君苛めが過ぎるのも、あまり気分が良くありません。
各キャラクタも、果たして無理に出す必要があったのか疑問に思う者が幾人か…。
祐一の動転度合いも大げさ過ぎの感があります。
- 004 The regret (採点:1)
- 香里と祐一をくっつけるだけのために、北川君殺しちゃいますか…。
『人を見る目』という能力云々も意味があるとは言いがたいですし(単に機微に聡い人間ってだけで十分でしょう)、幽霊と会話している香里を置いて去ってゆく祐一も変です。(相手は幽霊ですよ?)
そもそも、祐一と北川君の書き分けができていません。
巷に氾濫する「栞を殺して、祐一と香里がくっつく」話を男女裏返しにしただけにしか見えませんでした。
- 005 プライベート・ハンター (採点:3)
- いや、ほんとに…。佐祐理さんの存在が無意味になってます。
お話としては面白い展開ではありますが、少々文章のおかしい部分が散見されました。また、読点が少なくて読みづらい部分も少なくありません。
アクションシーンを描こうとする意気込みは買いますが、今ひとつ迫力に欠けます。
さらに、見えないはずの魔物の位置を祐一が的確に把握しているのは違和感があります。(そんなに早く修行の成果が表れるとも思えませんし)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
一部のみというのは明らかに校正不足。
- 006 「日課」 (採点:7)
- 悪くないですね。どこまでも不器用な北川君が魅力的に描けていると思います。
ただ、花見で寝ている北川君を起こしてあげないばかりか、弁当も残しておかない友人たちはどうかと…。
それから、極端な改行で間を表現するのは感心できません。
- 007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
- う〜む…。これ、かなり規定違反っぽくないですか?(18禁までいかないからってこと?)
口調が丁寧過ぎて、秋子さんらしくないです。また、文章が変な箇所も一部ありました。
そもそも、秋子さんならではの展開、というものがほとんど感じられないのはどうかと…。
- 008 激辛 (採点:6)
- う〜ん、決してつまらなくはないのですが…。
タイトルそのまんまの展開では少々物足りないと感じてしまいました。もう少しひねりが欲しいです。
(秋子さんはいい味を出していると思いますけど)
- 009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
- やな奴ですねぇ…祐一。愛情を天秤にかけますか。(結果的に、そう見えてしまいます)
最初はパラレルかと思ったのですが、どうやら違ったようで。
(パラレルワールドので別々の祐一が、同時に同じ疑問を感じた…ってのならまだしも、ハーレムですか…)
しかも、答え一緒だし。
さらに、極端な改行で間を表現するのは悪印象を与えるだけです。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
一部だけなのは明らかに校正不足。
- 010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
- ああ、もう…。見事です。
どこまでも不器用な二人と、暖かく(意地悪く)見守る祐一と栞。キャラクタを大きく逸脱させることなく、かつ独自さを持たせることができていますね。
(「そこでその台詞か」とツッコミを入れつつ、北川君の表情が目に浮かぶようでした)
文章も素晴らしい。タイトルのガジェットも、見事に『スパイス』となって物語を締めくくっていると思います。
が、少々細かいことになってしまいますが…。
呼称には注意を払いましょう。香里の一人称『わたし→あたし』(台詞と地の文で変える理由が不明)は言うに及ばず、祐一は香里のことを『美坂』ではなく『香里』と呼び捨てにします。小さいことですが、些細ではありません。
あと、最後の一文はストレート過ぎかな、と感じました。もう少しぼかしてもよかったかもしれません。(かなり主観的な意見ですが)
今回は10点を付けさせていただきましたが、これは満点ではありません。(12-2)点ぐらいのつもりなんです。(同じことですけどね)
※書式で気になった点
・点々の文字(中黒『・』x3→三点リーダ『…』x2)
同様の使い方をする他の人には指摘していません。貴方にだけ、です。
意識されてのことかもしれませんが、あまりにももったいないので。
・文章の区切り(「美坂香里、美坂栞、北川潤と相沢祐一の立ち会いの元に…」の箇所)
ここは『栞』の直後で(句点などで)区切るべきでは?
- 011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
- …醜悪でした。
物語としてはアリなのかもしれませんが、あまりにも身勝手すぎます。祐一も、あゆも。
相手を思いやることのできない、原作とズレた性格のように感じられてなりませんでした。
申し訳ありませんが、客観的に評価することができません。
- 012 空っぽのテクスト (採点:2)
- …栞を殺せばいいというものではないんです。
確かに原作は陳腐のそしりから逃れられない内容ではありますけれど、裏返せば安易でなくなるというものではないんです。
あまりにもベタすぎます。文章は決して悪くはないのに、中身の薄っぺらさが全てを台無しにしています。
人が死ぬのは当たり前なんです。そして、残された人々がそれを乗り越えて生きていくのも。
- 013 Conservation for Love (採点:7)
- 確かに面白いお話になっていると思うのですが、若干地の文に違和感を覚えました。(少々ぶつ切り的かな、と。特に何が悪いというわけではないので、好みの問題かもしれません)
タイトル部分の英文はパロディと分かるよう、日本語訳も併記した方が良かったのでは?
また、冒頭と末尾でぷっつりと終わる文章も、ちょっと気になりました。もう一言あってもいいような気もします。(意図されてのことだとは思いますけど…)
それから、あまり言いたくはないのですが、nobr要素中のwbrによるワードブレークはブラウザ依存です。Mozilla(たぶんNetscape6/7も)やOperaでは全く改行が入らず、横スクロールしないと読めない状態ですから、避けたほうがよろしいかと…。
(IE以外は知ったことじゃないと言われたら、それまでなんですけどね)
- 014 おまえの名前 (採点:4)
- なんだか…真琴嬢がいいように丸め込まれたように感じられてなりませんでした。
『しっくりこなくて』以外に、真琴の命名由来が語られてません。一番肝心な部分なのではないですか?
お話自体はそれほど悪い感じはしないのですが。
- 015 『雪の日の決意』 (採点:1)
- うわ…。これはあんまりです。
本編を真似ようとしているようですが、成功しているとは思えません。根本的に文章の基礎を学ぶべきでは?
「で…いつまでまでなら生きていられる?」って…。なんという質問の仕方ですか。三流悪役ですら、こんな直接的かつ残酷な台詞はなかなか吐きません。
医師が「死んだ方がましな状態ですな」なんてことを抜かすようでは世も末です。
結末はあまりにも唐突で、唖然としてしまいました。
そもそも、なんのために話を作り替えたのか…。(香里シナリオとして成立していません)
※書式で気になった点
・文末に句点がない(あいうえお→あいうえお。)
閉じ括弧直前では省略するが、通常の文末は付けるべし。
- 017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:3)
- うーむ…ちょっとコメントし辛いですねぇ…。
若干異色ではありますが、二次創作としてはアリなのかもしれません。が、ここまで変えてしまうと果たしてKanonと言っていいものか。(性別ではなく、あゆのことが、です)
キャラクタだけ流用したように感じられてなりませんでした。
また、『女性化』タイプのお話としては、少々度が過ぎているように思います。ご自身がお話中でも語ってらっしゃいますが、当事者にとっては冗談ごとではないはずです。不謹慎のそしりは免れられないかと。
- 018 雪解け水 (採点:4)
- IFストーリーですか…。正直なところ、あまり成功しているとは思えませんでした。
(歴史の授業で「この街の歴史」なんてやるでしょうか?)
祐一も名雪も、少々思いやりに欠けるように感じられます。また、意識しての上でしょうが、原作の別シナリオを中途半端に混ぜ合わせたようで、オリジナリティが不足しています。
さらに、一部文章がおかしい箇所が見られました。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
一部だけなのは明らかに校正不足。
- 019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
- えっと…どう反応してよいものやら…。せめて、完結させたもので参加しましょうよ?
この時点でもう評価できないんですが、ほかにも色々とツッコミ所が…。
例えば、喉に物を詰まらせた祐一が声を出すのは変です。空気の通り道が塞がれたから息ができないわけですから。
佐祐理さんが『魔犬』と舞の間に割り込んだ意図も不明です。邪魔しただけなのでは?
そもそも、日本に野生の狼はいません。逃がすのも論外。(まあ、化けたりする時点で普通の狼ですらないんでしょうけど)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 020 私の望み (採点:6)
- う〜ん、雰囲気は決して嫌いじゃないんですけど…。
美汐の鈍感さが、ちょっとお約束過ぎなのは残念なところです。(その部分を除けば、印象は悪くないんですが)
個人的には、美汐より祐一のほうが魅力的に感じられました(^^;)
それから、極端な改行で間を表現するのは少々問題です。そんなことをしなくても、文章で表現できているはずなのですから。
- 021 想いの果てに (採点:3)
- 読後感は悪くはないのですが、やはり全体的に安易ですし、展開も読めてしまいます。
文章中の読点が少ないため、読みづらい箇所が多数ありました。
また、極端な改行で間を表現するのはあまり良い印象を持てません。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 022 笑い声がきこえる (採点:5)
- なるほど…。
非常に興味深い形のストーリー展開だと思います。
お話としても、Kanonの設定を損なうことなく醜悪な裏返しをすることに成功していますね。
ただ、ダークの演出を猟奇的表現に頼り過ぎている感は否めません。スプラッターや発狂は単体でも不快なものですから、できればこれらに頼らず描いてほしかったところ。
また、中盤のネタ明かしまでは良かったのですが、それ以降は展開が読めてしまうのは残念。
余談ですが、極端な改行で間を表現するのは感心できません。貴方の筆力であれば、文章で表現できるはずだと思いますから。
- 023 WA4 (採点:1)
- なんだか、訳が分かりません。
秋子さんを身体年齢75歳の過労(?)状態に設定された理由も読み取れませんでしたし、名雪が祐一を避ける意味も不明です。(秋子さんの病状を話せないからですか?)
一番の問題は、祐一が人を思いやっているようにはちっとも見えないことです。(背徳感が「新しい世界に見せてくれそう」って…)
文章も、どこかおかしい箇所か多数。美汐が真面目に話している隣で『大爆笑』したことを思い出している祐一は、馬鹿にしか思えません。
そもそも、冒頭の「美汐の危うさ」の話はどうなってしまったんですか?
- 024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
- ……。
これがKanonのSSである必要性を感じ取ることはできませんでした。
ありがちな愁嘆場も、妄想なのかも分からない『事実とは異なるひとつの可能性』も、最後の聞いたような英文も、何が言いたいのかさっぱりです。
- 025 歩いて行こう (採点:2)
- あまりに安直です。
祐一の『知られざる過去』は出さないほうが良かったでしょう。どう見ても浮いています。
正直なところ、前半の久瀬には魅力を感じたのですが…。(逆に祐一は『凄い奴』過ぎて面白みに欠けるような)
個人的には、久瀬が最後まで態度を改めない(でも、ちょっとだけ変わる、とか)ぐらいにとどめてくれたほうが好きになれたかもしれません。
(原作の久瀬は嫌いだけど(^^;))
- 026 ステップ (採点:1)
- どうコメントして良いのやら、難しいところですが…。
まず、言葉の使い方が変なところが多数。漢字も難しい文字を使えばいいというものではありません。背伸びをし過ぎでしょう。(「こめかみ」って、顔のどの部位かご存じですか?)
ストーリーもまとまりがありません。冒頭の秋子さんのご両親の事故、そして兄夫婦の事故が、物語中で意味を持っていません。(状況設定だけのために起こされたように感じられる)
名雪が結婚を急ぐ理由もさっぱり分かりません。二人が結婚すると、秋子さんは解放されるんですか?
結末はぶつ切りで、余韻もなにもあったものではありません。(コミカルな締めを狙ったのでしょうけど、失敗だと思います)
そもそも、この状況で秋子さんが名雪の母親代わりになることなど不可能でしょう。
さらに、秋子さんは祐一の母親の妹であることが、本編中ではっきり明言されています。この矛盾点はどう説明するのでしょう。(祐一が知らなかっただけ、というのはちょっと…)
最後に、『白花屋』ってどこですか? もしかして『百花屋』の隣にある、ウェイトレスが失敗ばかりする喫茶店?(^^;)
- 027 ウエディングヴェール (採点:2)
- 冗長で、意味のない部分が多すぎます。
キャラクタの行動も表面的で、深みが感じられません。
※書式で気になった点
・台詞部分で改行をしない書き方の多用(使い過ぎ)
一部に使うのはアクセントになるが、多用するのは問題。
- 028 ”プレイ” (採点:3)
- (個人的に、『ダーク』に分類してほしかったと感じます。「この程度で?」と思われるかもしれませんが、狂気が扱われている以上、そうあるべきかと)
あまり納得が行かないところです。祐一のキャラクタではないでしょう。
(心が悲しみにつぶされぬよう、記憶を改竄したという設定なのでしょうが、過去はともかく現在の祐一はもっと強いはずです)
ネタそのものも序盤で割れてしまい、正直に言って後は苦痛なだけでした。
北川君も聞き手とネタばらし役以上のものになっていません。
- 029 最後の奇跡 (採点:2)
- # なんだか祐一はよく死にますねぇ。(栞ほどじゃないですが(笑))
奇跡の演出のために、登場人物を事故に遭わせるのは安易です。(名雪シナリオでは特にそうです。秋子さんの事故の焼き直しにしか見えない)
また、さすがに完全に医師が臨終を確認した後、というのはやり過ぎですね。(危篤ぐらいに抑えておくべき)
さらに言うと、あゆはこういう行動に出る子ではないでしょう。むしろ自分を犠牲にして、そしてそれを祐一に伝えすらしないまま消えていく。その健気さこそがあゆの良さなのですから。
- 030 奇跡のかわりに (採点:10)
- ああ…すごく良かったです。
途中まで読んでいるときは、なんだか別のゲームまんまなんかじゃないかと心配になりましたが、杞憂でしたね。(ギャグっぽいところに、さらに別のゲームのテイストが…ってのも気のせいかも(^^;))
これは『イマジナリー・コンパニオン』が具現化したということなのでしょうけど、栞自身まで忘れてしまうのはちょっと切ない気がします。
Kanonらしさとオリジナリティがしっかりと両立していますし、優しさと切なさ、そしてギャグのテンポの良さには脱帽です。
ただ、ちょっとだけ誤字が…。(『一週ツアー』とか『収納グッツ』とか)
- 031 グッナイ (採点:1)
- えっと…。なにがおっしゃりたいのか、さっぱり分からないんですけど…。
登場人物の思わせぶりな言動が、お話に全く絡んでいません。しかも、Kanonのキャラクタがあまりそれらしく感じられないのは問題。(特に秋子さん。家族といるときでさえ変です)
根本的に文章表現がおかしく、状況が非常に掴み辛いです。丁寧に描写しようという心意気は買うのですが。
文章がぶつ切り的、かつ読点が必要以上に多く、なんだか「田口トモロヲ」語りを思い浮かべてしまい辟易しました(^^;)
『逢李嘉』などという、到底読めない名前を使うのもなんだか…。そもそも、彼女の家族をなんのために出演させたのか理解に苦しみます。(対比のつもり?)
さらに言うと、ちっとも『ほのぼの』しているようには思えませんでした。
- 032 悪魔を憐れむ唄 (採点:5)
- 『まい』達の視点から見た舞シナリオというストーリーは面白いと思います。
ただ、結末部分の台詞を原作と変える必要性はあったのでしょうか?
また、極端な改行で間を表現するのはいただけません。
- 033 エム (採点:7)
- 展開としては悪くないですね。舞の子供が『力』を持つ可能性は確かにあるかもしれません。
ただ、一部気になる箇所も…。
まず、坂井君の行動の動機が分かりません。ウザいというだけでそんなことをする少年は、いくらなんでも問題ですし。(『好きな子に意地悪』系…ではないと思うけど)
『ゆき』と『ユキ』の名前の読みが同じなのは何か理由があるんですか?(北川君の好きな『違うゆきちゃん』とやらも…)
そのせいで読みづらくなっていますし、貴方ご自身が間違えている箇所もありますから、やめておいた方がよかったのではないでしょうか。
『ゆき』と魔物の決着方法も、少々違和感を感じます。舞の事例から考えると、あれでは解決しないように思われるので。
また、校正不足からか、一部誤字が見られました。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 034 『佐祐理の笑顔』 (採点:1)
- …もう少し、焦点を絞りましょう。
舞と佐祐理さんの物語だけならともかく、栞の話も混ぜ込むことで、冗長な作品になっています。
それ以上に、佐祐理さんの『決着』に対する部分が意味不明です。(結局、祐一は『後悔』することになったんですか? どうして?)
大体、卒業間近の佐祐理さんが何故生徒会を手伝う必要があるんでしょう。
また、原作では佐祐理さんと久瀬は対話のシーンまで面識はない、と佐祐理さん自身が明言しています。ペルソナがどうの、と観察する段階にないと思われますが。
さらに、どのシナリオルートを取っても、祐一と栞は出会っているはずです。そして、祐一の側はともかく、栞が祐一のことを忘れるはずはありません。決して。
(一部、文章がおかしい部分や誤字が見られました。『舞い』ってのはあんまりかと)
- 035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
- 確かにダークなお話です。よく纏まっていますね。
ただ、そもそもこれをKanonのSSとする理由がほとんど見いだせません。
(自己の記憶を都合のいいように書き換える奴、ということなのでしょうが、そこだけ取り出してもカリカチュア以上にはならないかと)
しかも、情報が多すぎて序盤でネタが割れてしまいました。
- 036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
- う〜ん。なんだかあゆが子供子供していて、今ひとつ魅力に欠けるように感じられました。
(全体的な印象は悪くないんですが…)
お約束である風呂ネタ(温泉とか混浴とか)を外してはいけません。(嘘です(^^;))
- 037 美凪 (採点:6)
- ふむふむ、前半が「です/ます」調と「である/だ」調が混ざったり、文章が少々おかしかったりするのは、子供の稚拙な文章を演出しているわけですね。
…と思ったんですが、違うのかな?(^^;) 後半にも若干同様の表現が混ざっているような…。
それはともかく、自分自身を縛ってしまった美汐の苦悩と成長が、良く描けていると思います。
ただ、「お名前は?」のシーンと別れのときは別の日ですから、文中の表現はおかしいでしょう。
さらに、祐一が『落ち着いた雰囲気』に変わったというのは、状況的にも心情的にも同意できません。
祐一は美汐の事を「おばさんくさい」とからかう余裕を持っていますし、そもそも「(外見上は)変わることなく強くある」点が祐一の魅力なのだと思っていますから。
- 038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:2)
- う〜ん…お話自体は決して悪くないんですが…。
言葉の使い方がおかしい部分がいくつかありました。また、会話文が続き過ぎる部分も多く、少々間が抜けた印象が否めません。(もう少し地の文章が欲しい)
香里が祐一に胸の内を語るシーンは1/23(土)ですから、その後北川君が数日間学校を休むというのはおかしいような…。1/26(火)には教室で目撃されていますし(^^;)
あゆが同級生だったというのも唐突で、お話から浮いてみえます。もう少し掘り下げが必要では?
さらに、結末部分で栞の空想という形にしたのは『逃げ』のように感じられます(文責を栞に押しつけられますから)し、そもそも意味不明です。これは失敗だと思うのですが…。
- 039 幻実、そして星 (採点:4)
- お話自体はかなり良いと思うのですが…。
正直なところ、原作との差別化ができていないように感じられてしまいます。
(意図されてのこととは思いますが)
- 040 楽園日記 (採点:9)
- こういうの、いいなぁ…。
あんましKanonと関係ないような気もしますが、男の友情の話っていいですよね。(ヒロインの出番なしなのも潔いです(笑))
なんと言うか、秘密基地っぽいとことか。(もうちょっとサバイバルな表現は欲しかった感じ)
祐一も北川君も格好いいし、久瀬もいい味です。斉藤君はちょっと良い子過ぎのような気もしますけど、一人称の話者ですから仕方がない?(良識派が一人は必要だし)
『ヘリが迎えに来ておしまい』なのは、あっさり過ぎて少々残念(ってのはむしろ祐一達が感じたことかも)。
個人的には一山が欲しかった気がするんですが、あればあったでわざとらしくなるかもしれませんから、これで良かったのかもしれません。
- 041 また逢えたらいいね (採点:10)
- …上手い。
SF作品として、かつKanon二次創作として、しっかり纏まっていますね。
少々弾け過ぎ(笑)の部分はあるものの、栞も早緒里も楽しく、可愛らしく描けています。
タイムスリップ現象の説明はちょっと中途半端な感じかな? 多世界解釈における別の宇宙への移動、というのは分かりますが、何故それが起こったのかという説明が完全に省かれていたのは残念。(奇跡?)
また、「誤差みたいな違いしかない世界がたくさん」というのも納得行かないところです(歴史の復元力ってのはどうも胡散臭い)。何せ、北京で蝶が羽ばたいただけで、ニューヨークでハリケーンが起きるかもしれないんですから。:-)
(少なくとも私にとって、栞がいるかいないかは、人類の滅亡より重要なポイントです(笑))
ともあれ、大変楽しく読ませて頂きました。
(しかし、『ガールズ』って…(^^;))
- 042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
- 残念ですが、あまりにも内容がなさ過ぎます。
登場するキャラクタは実に表面的で、奥行きがありません。特に祐一はステレオタイプの極致です。
多くのキャラクタを登場させたせいで、描写がっぺらになってしまっています。
祐一が取る行動も、佐祐理さんのそれも、衝動的というか流されただけというか、およそ魅力が感じられませんでした。
『だれそれはその後どうなった』というだけでは、ストーリーは成り立ちません。
また、文章表現に難のある部分や誤字が目立ちます。もっと校正しましょう。
- 043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
- 楽しく読ませていただきました。
テンポ良く、しっかりと面白くお話が描けています。全体的にほんわかとした雰囲気もいいですね。
美汐や栞も魅力的です。(名雪はちょっと可哀想な役所ではありますが)
- 044 パンドラ (採点:8)
- 一歩を踏み出す勇気が持てない美汐と、優しくその背中を押す祐一の物語は、ほっと心が暖まる雰囲気が良いですね。
ただ、これは若干フェアではないかもしれませんが、美汐SSは激戦区のためにやや辛めの評価となってしまいます。(単独の物語としては悪くないのですけれど)
文章/構成/リズム/キャラクタ、いずれも高レベルだとは思うのですが、『これ』というインパクトが今ひとつ感じられないのが少々残念なところ。(タイトルは良い感じです)
- 045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
- う〜ん、かなり微妙です。
前半は面白く描けていますし、祐一も美汐も充分に魅力的です。
後半の美鈴復活以後は、ちょっと展開が目まぐるし過ぎるような…。妖狐と装飾具、天野家の関係なんかも、今ひとつないがしろにされてしまっている感じを受けました。
美鈴もキャラクタが立っていますし、雰囲気としては悪くないのですが。(もっと長編に向いているような気がします)
- 046 ホワイト・ミュージック (採点:4)
- 悪くはないんですが…。
祐一が、らしくないキャラクタになってますね。まあ、そもそも影が薄いですけど。
秋子さんと亡き母に対する想いの葛藤なのに、秋子さんも母親もろくに出てきませんし。美汐の回想も、なんとなく取って付けたよう…。
佐祐理さんと舞に言及したのも意味不明です。多くのルートを混ぜ合わせたのかと思いきや、栞と香里は影も形もないし。
あゆと美汐という意外な組み合わせ自体は面白いと思います。最後の段落も、余韻がいい感じです。
- 047 笑顔 (採点:7)
- プレストーリーとしては悪くないと思います。(香里のフェーズが好き、かな?)
が、少々気になる点が目立ちました。
まず、名雪が祐一を「あいつ」呼ばわりするのは、かなり違和感が…。
また、名雪は父親の顔を『ほとんど覚えていない』のではなく、『知らない』はずです。
祐一が名雪に雪うさぎを作ってみせるのも変です。本編の台詞と合わなくなってしまいますから。
秋子さんの一人称は『私』ではなく、名雪と同じ『わたし』です。確かに区別はつき辛くなりますが、だからと言って変えるのはどうかと…。
さらに、非常に細かいことですが、舞シナリオで語られる幼少のみぎりでは、祐一の一人称は『僕』です。麻枝ルートは別、ということでなければ、出会った時点での祐一の一人称は『俺』ではなく『僕』とするのが自然だと思います。
加えて、ゲームが始まる1/6時点で、香里が泥沼から抜け出すための取っかかりを得ているというのは、かなり納得が行かないところです。
…と、あら探しになってしまいましたが、ほのぼのした場面なんかはとてもいいですね。
- 048 走る少年少女達 (採点:1)
- 久瀬…が主役ですか、これ? 無茶苦茶影が薄いんですけど…。
むやみに爽やかで良い奴にしても、意味がありません。書くだけならどんな描写もできます。重要なのは、原作との結びつきです。
そもそも、ストーリーも別段面白く感じられませんでしたし、登場人物を増やし過ぎたせいでキャラクタが薄っぺらなこと…。
さらに、文章のおかしさ、内容の矛盾が目立ちます。台詞のない美汐が喋ったことになったり、三年生が卒業ぎりぎりまで生徒会を運営してたり…。肝心のマラソンは省略されっぱなし。
全体的にネタが安易で、ちっとも笑えませんでした。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
・改行位置が変
意味のある位置で改行したいのだろうが、読みづらいだけ。
- 049 少年期 (採点:3)
- ジャンルが書かれていないから、何かどんでん返しがあるのかと期待していたんですが、何もありませんでしたね。
正直なところ、あまりにも勿体付け過ぎかと…。祐一の訪問や香里の相談時など、もう少し何か言わせてもいいのではないでしょうか? 直前まで引っ張った割には、あまりに意外性がなさすぎて拍子抜けです。
前半で丹念に情景描写されているのは好感が持てるのですが、逆にそれが徒となり、非常に退屈な文章になっていることが否めません。
結末もそうです。人の生き方、まして『少年期』なのですから、結論が出ないのはある意味当然ではあるでしょう。「ああ、これも青春だねえ」と言えるかもしれません。
が、それを組み合わせてみると、物語として致命的な弱点となってしまうんです――すなわち、面白くない。つまらないことで悩む祐一も、どうにも『らしくない』印象を受けます。
実力はおありでしょうから助言は必要ないのかもしれません。が、あえて言わせてもらうと、もう少し物語性を意識して欲しいと思います。少々現実的でなくても、矛盾や破綻があっても、そうしたお話が人の心に残るはずです――Kanonのように。
(『フリーク』はちょっと誤字としてはヤバ過ぎかと…(^^;))
- 050 鮮やかなモノクローム (採点:6)
- なんと言いますか…どう評価していいのか難しいところです。
まず、どうしてこれをKanonでやらなければならなかったのか、と感じざるを得ませんでした。二人の人間の死を、あまりにも安易に扱っているように思います。祐一の両親も、こんな風に設定する必要があるのか疑問です。
その一方で、大変奇麗に纏まっている作品だ、とも同時に感じました(特に結びの部分)。香里や名雪の弱さと強さを、上手く捉えることができています。栞もいい味ですし。
(少々後半が足早の感はあるものの)
決して作品自体は悪くないと思います。が、私はこのお話が好きになれませんでした。
(一部、読点が少なく読みづらいところがありました)
- 051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
- うむむ…。
お約束のオンパレード、暴力ギャグ、オチの弱さ、文章のおかしい部分等々、問題点が多いのですが…。
「SSこんぺ」でメタなギャグを使うという度胸と、『牛丼部』に免じて評価(^^;)
(『●』のような記号はかなり違和感が強いので、避けた方がよろしいかと。せいぜい『○』や『×』程度にしておくべき)
※書式で気になった点
・文末に句点がない(あいうえお→あいうえお。)
・改行位置が変
意味のある位置で改行したいのだろうが、読みづらいだけ。
- 052 Give me a reason (採点:3)
- 祐一取った行動がお嫌いなんでしょうか?
正直に言って、あまりにもありきたり過ぎて、面白みがありません。本当に辛いとき、『正論』が正しいとは限らないのですから。北川君の言葉が薄っぺらに感じます。
また、香里も北川君も、どうにも『らしさ』が表現できていないように感じられますし。
それから、思考内容を「――○○○」という形式で並べるのはどうかと。あまり多用すると、文章が間が抜けてしまいます。ある程度は地の文で説明しましょう。
- 053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
- こうした優しい雰囲気の作品は好きです。好きなのですが…。
地の文で、言葉の使い方がおかしい箇所が見られました(誤字も)。会話文ではそうでもないのですが…。(文語表現の用法が少々間違っているように感じられます)
また、中盤の『ラブレター云々』の逸話は、あまりにもお約束過ぎです。(70年代あたりの少女漫画のよう…)
タイトルがどこかで見たような組み合わせなのも、若干悪印象。
…でも好き(^^;)
- 054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:2)
- どうにもアンバランスなお話です。
まず、この『多重人格』説は明らかにおかしいでしょう。
私も別に詳しいわけではありませんが、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)は記憶の分断という症状がひとつの特徴だったと思います(アイデンティティ・記憶・意識の統合ができない状態)。すなわち、他人格がしていることを覚えていない、というような。
それは置くとしても、文章のおかしい部分があちこちに散見されます。全体的に、どうも背伸びをしている感が否めません。
また、久瀬が煙草を喫うシーンがいくつかありますが、はっきり言って変です。
佐祐理さん登場時は親友との諍いに動揺していたからという言い訳もできますが、屋上や生徒会室での喫煙は誰かに見られてもおかしくない状況でしょう。そんな迂闊なことをするようでは、早晩バレるのがオチです。(煙草程度で四次元扱いも納得行かない)
さらに、佐祐理さんは本編で「どんな方なのかは知らない」「話したことはない」と言ってますから、久瀬の涙云々など知るはずもありません。
仮に上記の事柄を全て無視したとしても、そもそも久瀬の行動を「生徒会長としての『人格』」がしたことだとするなら、それは原作の久瀬自体を否定することになります。私は久瀬を友情演出のための単なる端役だと捉えていますが、魅力を見いだすとするなら「小の虫を殺して大の虫を助ける」という冷徹かつ合理的な側面だと思うのですけれど。
- 055 煌めきの欠片 (採点:2)
- 基本になる物語は悪くないのですが…。
まず、文章がおかしい箇所や誤字が多数あります。
また、読点が少な過ぎ、大変読みづらい文章になっています。
登場人物もキャラクタらしからぬ言動が多く、非常に違和感を感じました。
台詞内容も非常にちぐはぐです。「突き落とす」のは事故とは言えませんし、そんな物騒な言葉を聞いてものほほんとしている祐一は、いくらなんでも寝ぼけ過ぎです。
各々の登場人物がやたら『少女』で表されるため、分かりにくい場面も多数ありました。(誰が誰なのかを把握していれば理解できますが、それではぼかした意味がない)
さらに、プロローグ/エピローグは文体が違うのですから、もう少し明示的に区切った方が良かったように思われます。(タイトルをそこに挿入するとか、章表記をするとか)
- 056 それ有る故に、それ在り。 (採点:2)
- 残念ですが、不快感を感じずにはいられませんでした。
『主夫』が、下らないことですか? 昆虫に興味を持つのは『ガキ』のすることですか?
蛍を繁殖させているペットショップはあるようですし、図書館で蛍がらみの本が全部出払っているなんてことがあるとも思えません。
そもそも、蛍を見に行くだけのことで、そこまで大騒ぎすることもないと思うのですが、都会で暮らしているとそんな感覚なのかな。
祐一の言動がいちいち斜に構えていて、しかも神経質なのも不快です。
根本的に、KanonのSSである必然性を全く感じられません。
- 057 移し火恋歌 (採点:2)
- 何というか、読み進めていくに従って、この話の異様さにクラクラしました。
どうしてこんなに脈絡がないんでしょう?
祐一が一弥を堀り当てる部分はあまりにも唐突ですし(前段で読者に対してなんらかの説明があってしかるべき)、祐一が至る結論も妄想的で、悲惨な結末は取って付けたかのように感じられます。
延々と二重見当識を説明する箇所も、舞と佐祐理さんのお話自体も、存在意義を見いだせません。
この作品の底に流れる『危うさ』自体が、意図されたものなのですか?
- 058 30℃ (採点:5)
- 結局、なんだったのですか? 私には読み取れませんでした。(読み始めは栞あたりかな、と思ったのですが、どうも違うようですし)
結局、二次創作は借り物の舞台なのですから、独自の性格づけで自己完結されると不満が残るばかりです。
どこかで見た文体のような気はするものの、勢いがありますし、美坂チーム面々のやりとりや各キャラクタはしっかり描写できていると思います。
ただ、全体的に思わせぶりな表現が多く、どこかしらバランスを欠いているような…。
- 059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:5)
- 直前で気付きました。なんとか敗北せずに済んだ(笑)
しかし、SSとしてはちょっと問題がありますね…。オリジナル色が強過ぎるのもそうですが、一番の難点は、そもそもあまり面白く感じられないところです。意図されていることだとは思いますが、だらだらとおしゃべりが続き過ぎるため、だれてしまっている感が否めません。
また、秋子さんの事故はどんな意味があったのか…(死にかけた&姉の動揺という類似点の演出のため?)。ご両親が亡くなられるのは、原作とのからみで仕方がないと思いますけれど。
あと、ちょっと分からなかったのが『美人姉妹』の件です。これは先年に生まれている『ゆういちさん』の娘とその妹、ということになるんでしょうか? 年齢が合わないから違うと思うのですが…。(あ、もしかして小or中学校留年とか?(^^;))
ネタとしてはアリだと思いますが、肝心の文章が面白く感じられなかったのが残念。決して下手だとは思わないんですけど…。
- 060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:2)
- 意味不明です。
舞台設定を未来の月面に持ってくる必要性が感じられませんし、北川君本人ではなく機械の兎を持ってきた理由も分かりません。
また、地球は自転しているわけですから、月面のある一点から見上げても意味はありませんし、そもそも距離が離れ過ぎています。(そういった点をおろそかにしては、SFとは言えません)
お話自体の印象は悪くないと感じましたので、むしろファンタジー系の作品に仕上げた方が良かったのではないでしょうか。
なお、極端な改行で間を表現するのも良い印象を受けません。
- 061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
- ギャグ部分は、あんまり面白くは感じられませんでした。なんというか、『腕力』系という感じが…。(壊滅的という意味ではないんですけど)
また、どんなネタが待っているのか期待しながら読み進めていたんですが、これでは肩すかしでした。
こう言ってはなんですが、安っぽいラマを見るようです。解決方法もセオリー通り。
文章は上手いし、テンポもいいんですが…。
- 062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:1)
- えっと、私『プロジェクトX』はちょっと…。
初っ端からギャグかと思うような英文から始まって、脱字ありの『森緒綾子』博士のお言葉。(脱字じゃなくて似非中国人?)
ハーラン・エリスン風のありがちなタイトルに、『著者』名。
この辺りで既に頭痛がしていたのですが、本文を読んでげんなりしました。
ノンフィクション風のSSですか…。ちょっと寒気を抑えられません。
中盤はまんま本編のダイジェスト、しかも第三者視点の突き放した文章ではなく、一部ただの三人称小説風になっているのも苦笑せざるを得ませんでした。
後半は栞シナリオの否定ですね。およそ見当違いにしか思えません。これが「栞の両親、香里、担当医の努力不足」という前提がないと成り立たないということ、分かってらっしゃいます?
霧島医師のイメージトレーニングとやらも、何が言いたいのかさっぱりです。メス投げたりしてるんでしょうか?
エピローグもなんだか…。美坂家一同も祐一もどうでもよくなって、森緒先生の格好良さが強調されてますねぇ。もしかして、顔に縫い目があったりすると素敵かもしれませんね。
末尾に著者紹介や参考文献があるのも寒過ぎます。こんな文章でJCJ新人賞を受賞できるとは、さすが有名ジャーナリストの志保ちゃんです。
…もしかして、Kanonがお嫌いなんでしょうか?
- 063 丘の子守唄 (採点:1)
- ううう…。
かなりオリジナル要素が強いのですが、確かに面白いお話に仕上がっています。文章も上手く、テンポもいい。この後、なにか大きなことが起こるのでしょうけど、興味をそそられます。
オリジナルキャラクタも立っていますし、北川君もとてもいい味です(秋子さんはイマイチ)。天野幸子さんと美汐の、以後の関りも気になるところです。
でも…でもですよ? 完結していない物語は評価に値しないんです。どんなに素晴らしくても、です。
どう考えても中編に収まる内容ではないことを、書き始める前に気付かなかったのですか?
あるいは、中編に収めるために一部を諦めることができませんでしたか?
これは、あなたの産み出した『丘の子守唄』という物語に対して失礼というものです。
- 064 面鉄の奥の恋 (採点:10)
- …良いお話でした。結びの部分も素晴らしく、しばしその余韻に浸ったところです。
一般受けするかどうか微妙な所ですが(^^;)、私は気に入りました。
どこかしら時代小説っぽさが感じられたのは、剣道場という舞台と、師範の斎藤のキャラクタからかな?(悪い意味ではなく)
少々話があちこちに飛ぶようですが、それも良い味になっています。が、そのせいで多少繋がりが悪くなってしまっている感もなきにしもあらず、ですけど。
ただ、女の子の後を尾けるのはあまり誉められませんよ(^^;)>真治君
- 065 作品No.2「春」 (採点:10)
- 優しくて暖かい、とても良い作品でした。好きだなぁ、こういうお話…。
美汐も真琴も、祐一も魅力的に描けています。(真琴母も(^^;))
文章のテンポも良いですね、
ただ、祐一のしゃべり言葉が「〜じゃんか」というのは少々違和感を覚えました。また、美汐が祐一のことを一部「祐一さん」と呼んでいるのも気になります。
あと、若干誤字が目立つようです。(「気ぐるみ」/「恩師らず」/「再開した」等)校正はじっくり行いましょう。
さらに、括弧をネストさせる場合は、内側を二重括弧にするべきかと。
でもお気に入り作品なので評価は甘くさせていただきます(^^;)
- 066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
- 面白い展開です。良作になる素地は十分に備えていると思います。
ですが、はっきり言わせていただくと、現時点では欠点が非常に目立ちます。
まず、致命的なのは説明不足の点です。何故七年前に戻ることができたのかという点が明確でないのは問題ですね。(おそらく、あゆが関係しているのだとは思いますが…)
また、何故名雪が身代わりになる必要があったのかも明文化されていません。
七年後の有り様はどうだったのかも、場面が少ないため分かりません。(録音式時計の部分は上手いと思いましたけど)
さらに、描写にも問題点が多数。
対になるヒロインの真琴に、ほとんど出番がないのはあんまりです。真琴がこの事象をどう捉えるのか、この状況で真琴の正体はどういう扱いになるのか、そういった点を省略すべきではないでしょう。
美汐の扱いがほとんど端役なのも惜しい。冷静に分析し、解説させる役割を振ることができる唯一のキャラクタなのでは?(祐一だけでは妄想的な雰囲気が否めません)
名雪の退行していく表現で、一部真琴シナリオの焼き直しにしか見えない部分があるのも残念(香里とのからみとか)。もう少し名雪らしさが欲しかったところです。
文章表現そのものに若干難があるのも気になります。ここは修行あるのみ。
名雪の『だお〜』も使い方が変な部分が…。これは『だよ』が眠気のせいで口がうまく回らないのだと思われますので、『だよ』で置き換えてもおかしくならない文章にしなければなりません。
欠点を多数あげつらってしまいましたが、基本のストーリーは良い発想だと思っています。
- 067 風邪の一日 (採点:7)
- うん、悪くないですね。真琴が魅力的に描けています。
4ページ目からは多少キャラを増やし過ぎてバタバタした感じがありますが、ほのぼのとした雰囲気が心地よいと思います。
ネタは早々に割れましたが、これは別段問題ではありませんでした。
ただ、キャラクタの台詞や呼称あたりに少々違和感を感じました。
例えば、名雪は「〜だよ」を多用し過ぎて台詞が変です。いくらだよもん星人だからと言っても、これはやり過ぎでは?
また、真琴が名雪を呼ぶときに「名雪さん」だったり「名雪お姉ちゃん」だったりするのも妙です。(呼び捨てが妥当じゃないかと思うのですが、これはあくまで主観的意見)
舞が「まことさん」と言うのもどうかな、と…。
- 068 名琴抄 (採点:9)
- うわ、こう来るか…。してやられました。
穏やかなテンポで語られる名雪視点の物語が、がらりとひっくり返されるのは見事です。
ただ、一部文章表現がおかしいように思える箇所がありました。
また、何故か第1章の表記が見当たらないようですが…入れ忘れ?
- 069 ふたつのねがい (採点:10)
- うわ…やられました。
ですます調で語られる物語はどこか童話的で、暖かく優しい感じが好きです。
(なんだか狙い撃ちされた感じ(^^;))
若干、校正不足なのか文章がおかしい部分(『古いテレビがのように』とか)がありました。
でも、いいなぁ…こういうお話。
- 070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
- # これは作者さんの心の内、ということなのかな? だとすると、少し寂しいような…。
オリジナル要素が濃いようですが、お話としてはなかなか面白いと思います。舞の登場シーンなんかは実に格好良く描写できていますね。
が、ツッコミどころが多数…。
これ、いつの話ですか?(^^;) 冷房が入っているから夏だと思われますが、佐祐理さん達はとっくに卒業してしまっているのでは?(漫画大明神におすがりするしか…(笑))
一年巻き戻したとしても、卒業を迎える三年生の佐祐理さんが生徒会長に就任することはなさそうな気がしますし(臨時だとしても)。
また、祐一がロキの力を「フィクション」と切って捨ててますが、これは読者置いてけぼりだと感じます。そんなほのめかしは前半にはありませんし、そもそも『幽霊』自体は存在するんですよね?
第一、単なる思いこみによる暗示ならば、命令されてもいないのに操られるのはおかしいでしょう。(意識できないような小声で指示を受けていたとか、そんなオチですか?)
いっそロキの存在そのものも「フィクション」だったりすると奇麗に纏まるんですが、それはそれで問題か(^^;)
(なお、数学的に『1+1=2』とは限りません)
さらに、祐一の台詞回しが全般的に妙です。しかも本編では、祐一は佐祐理さんに対して敬語を使いません。ここはかなりの違和感を感じさせますので注意。
誤字も少々あるようです。校正は十分に行いましょう。
それから、細かいことですが「<<風習>>」のように半角記号を代用するのではなく、「《風習》」とすることをお薦めします。
# ちなみに、「切っ先が脳天から入って〜」の辺りは本編のパロディですか?(^^;)
- 071 一緒に生きたい (採点:1)
- …最悪、です。
もしかして、Kanonがお嫌いなんですか? そんなに祐一の行動が許せませんか?
自分の気に入らない部分だけ改変したものが、二次創作たりうると思ってらっしゃるのですか?
- 072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
- ほんわかとした雰囲気はとてもいいですね。美汐も魅力的です。
ただ、全体的に冗長に過ぎる感は否めませんでした。
美汐が紙飛行機をうまく飛ばせないのは投げ方ののせいだというのは納得できますが、そもそも紙飛行機ってそんなに難しいものじゃないと思うのですが…。空中でだって折れるし。
途中で祐一視点に切り替わる必然性も今ひとつ感じられませんでした。(美汐に対する気持ちを明示するためということではあると思いますが)
また、極端な改行で間を表現するのは、あまり良い印象を持てません。
- 073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
- 決して悪いお話だとは思いません。それどころか、充分に楽しめる作品です。
が、暗黙の了解や言外のほのめかしのため、どうにも独り善がり的な印象が拭えませんでした。(人のことを言えた義理ではないのですが…)
アクションシーンもしっかり描写できてはいるものの、読み手を置き去りにしているような気も…。
- 074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:8)
- 穏やかなテンポと不器用な優しさが、とても心地よい雰囲気を形作っていると感じました。
ただ、微妙に気になる点もいくつか…。
名雪の一人称を、台詞/地の文で『わたし』/『私』と使い分けられているようですが、これには違和感を覚えます。(しかも、一貫していない)
それから、『ダイヤモンドダスト』は発生メカニズム的に雪とは違うものです。
- 075 True story (採点:1)
- もう少し、ご自身の実力に見合った文章を書かれることをお薦めします。
文章自体が目茶目茶で、日本語になっていません。誤字もあまりにも多過ぎます。無理に背伸びした書き方は止めたほうがよろしいかと。
序盤の語り口調と一人称小説風文章が入り交じった部分は、どちらかに揃えるべきです。
また、延々と会話文が連続するところは、読んでいて嫌気が差してきてしまいます。ある程度のタイミングで地の文章を挿入しましょう。
そもそも、祐一/名雪の物語と、美汐の話をリンクさせた意味があるようには思えませんでした。
しかも、『フィクション』なんですか、美汐の話は?
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
- 076 夢の劇場 (採点:8)
- ここまでしっかりと香里の対決を描いている物語は滅多にありませんね。見事です。
単に栞を死なせて、「明日に向かって歩いていく」で終わりという話はよく見かけますが、このSSはそれらとは一線を画する出色の出来だと思います。(私、栞属性なんで読むのは辛いんですけど…(^^;))
ただ、この話の基調にKanonという物語の否定を感じてしまうのですが、これは穿ち過ぎですか?
それから、栞/香里両視点における地の文章が、心情描写が多くて若干三人称らしからぬ印象を受けました。
- 077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:4)
- むむ…。騎兵戦を書きたかっただけ、なんてことはありませんよね?(無いと思いたい…)
名雪の恋愛駆け引きはなんだか安っぽく感じられて、面白いとは思えませんでした。そもそも、祐一は優柔不断でも八方美人でもない(むしろ、思っていない相手にはそっけないほど)と私には感じられるのですが。(つまり祐一も、名雪も、さらに栞も『らしく』ない)
また、気になる点もいくつかありました。
例えば、北川君は相手方のカラーボールで頬に色を付けられますが、ゲームならここで退場でしょう。直接当たっていないなんていうのは言い訳にならないと思います。(それを許すとけじめが付かないでしょう?)
『頬に一筋の紋様』ってのは確かに絵的に映えますが、これは騎馬戦なんですから。格好悪くても「からくも避けた」あたりが妥当だと思います。
さらに冒頭、輿に乗っているはずの香里に対して、「轡を並べて」という表現は変です。(「そこから転じて…」の意味には、ここでは取りづらい)
- 078 「dearest」 (採点:7)
- う〜ん、ほのぼのしているし、香里は可愛いし、「せーしゅん」なんですが…。
どうにもインパクトに欠けます。
花言葉で最後まで引っ張るのは一昔前の少女漫画のようで、少々興醒めでした。
また、同じ行動のためか、栞と名雪が今ひとつ書き分けられていません。北川君に至っては当て馬…。(祐一に告白した子も)
ひとつひとつは必ずしも悪い要素ではないのですが、全体を眺めるとあまりにも無難すぎるのが問題です。もうすこし何かがあると良かったのですが…。
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