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○Manuke さん

01 左手で繋ぎたい (採点:5)
最後の段落に少々問題があるように感じられます。
>だから……だと思う。
の文章で、それが祐一の考えであることを明記してしまっているため、続く文章がトートロジーに見えてしまいます。
ここはあくまで、祐一があゆの思考を想像している部分とすべきではないでしょうか。

お話そのものは、適度なほのぼの感が良いですね。
ただ、台詞と地の文が同一行に続いたり、読点が不足している箇所があったりと、少し息苦しい印象がありました。


02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:9)
お話のタッチはやや新鮮味に欠けるところはありましたが、締めが鮮やかです。
祐一の感情の吐露に胸を突かれます。
ただ、前半の北川君が少し便利過ぎるように感じました(^^;)


04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:3)
うむむ……。
取りあえず、指示通り『グリーンスリーブス』を聴きながらSSを読んでみましたが、曲の方に意識が行ってしまい文章はあまり印象に残りませんでした。
少なくとも、私にとってこの指示は逆効果でしかなかったようです。

後半で参加する人の輪が広がっていく点は良かったものの、「真琴の帰還→美汐が複雑な思い」というパターンのお話は多いので、真新しさは感じられず……。
あと、『おでん種』のネタは少々浮いている感がありました。


05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:9)
北川君SF繋がりですね。仲間仲間〜。
え? 一緒にするな?(^^;)

さて、いくつかツッコミをさせていただきます。
「光回線を使えば、ほぼ誤差なしの映像電話を引くことが出来る」という記述がありますが、これは通信タイムラグのことですよね?(違ったらごめんなさい)
月−地球間は38万キロメートルの距離があり、光でも往復で二秒半(通信機器によるディレイを考えればもっと)かかります。テレビの衛星中継等をご覧になれば分かる通り、会話は困難を伴うことでしょう。「ほぼタイムラグなし」と言うには少々無理があるかと思われます。
(とか言いつつ、自分のSSではちゃっかり超光速通信(^^;))

それから、香里が試みた「人工衛星からの大規模な有害ウイルス散布事件」ですが、これもかなり難しいですね。
人工衛星から地球へ物を落とすのは、そう簡単なことではありません。人工衛星からウイルスをばらまいても、多少軌道が変わるだけで、ウイルスは人工衛星の軌道近くに留まるはずです。地球に落下させるには、かなり加速する必要があります。
また、仮にウイルスが地球へ落下したとしても、速度が大きいために大気との摩擦で燃え尽きてしまう可能性が高いのではないでしょうか。
(だから失敗した、とも言えるかもしれませんが)

とは言うものの、お話の展開はとても面白いと感じました。香里の脆さをこうした行動で表現するのは、少々突飛ですがKanonのSSとしても悪くないです。
また、個人の悪意による全人類規模の災害もなかなか考えさせられる部分ですね。


06 友人以上恋人未満から (採点:10)
ば、馬鹿過ぎる……(笑)
いや、面白かったです。取り澄ましているようで自爆系の香里や、純朴な北川君、元祖バカップルもいい味を出してますねー(^^;)
楽しく読ませていただきました。

07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
お話の出来自体が悪いというわけではないのですが……。
名字の『美坂』が漢字で名前の『シオリ』のみがカタカナだと、この時点で『彼女』が美坂栞ではないのだろうというヒントになってしまいます。
スケッチブックがらみの部分も少し意外性に欠けるかな?
物語の展開は良い感じでした。


08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:2)
んー、ごめんなさい。夢オチはちょっと……。
夢オチはどんなお話も落とすことができる究極の仕掛けだからこそ、使い方には慎重を期すべきです。
色々と意味深なのは良いのですが(「届かない場所を……」とか)、「祐一個人の夢」と捉えてしまうとそれも色あせてしまいます。


09 鬼さんこちら (採点:10)
二重の意外性がとても面白かったです。
読後に改めて見ると、題名も切ない感じが良いですね。
ただ、10年前の話は改変せずとも整合性を取ることができたのでは?

10 硝子の向こう (採点:6)
「どうして百貨店?」と素で悩んでしまいました。百花屋のことですか(^^;)
原作の状況を考えると、栞が小学校で運動会に参加するのはあり得ないんじゃないかと。
ほとんど外に出ることも許されなかったわけですし、普通に学校に通える状態だったら、香里と一緒に学校へ通うことが「たったひとつの夢」になることもなさそうです。
展開は少し地味な印象ですけど、お話はそのものは悪くはないですね。


11 春を夢見る狐達 (採点:4)
お話の流れはなかなか悪くないのですが……。
ちょっと原作を引用した部分が多いように思います。二次創作としては少々どうかな、と。
それから、やや狐達の表現が擬人化されすぎているようにも感じました。あくまで個人的にはですが、真琴が人間性を失っていく悲しみが真琴シナリオの肝だと思っていますので。
ぴろのキャラクタ付け自体は健気で良い印象です。


13 いつかムラムラする日。 (採点:3)
???
なんといいますか、リアクションに困るお話です。どうフォローしたものやら(^^;)
決してつまらなくはないんですけど……。
場面転換が分かりづらい箇所が多数ありました。


14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:2)
う、うーん……。
全く面白くないというわけでもないんですが、壊れ系なのにも拘わらず展開に意外性がないのは少し残念です。
あと、「シチューとジンギスカン」の辺りがやや意味不明でした。真琴の状況がよく分かりません。


15 【決別】 (採点:4)
全体的な流れは良いのですが、文章がややこなれていない印象がありました。特に読点が少々不足している印象があります。
地の文が一人称なのか三人称なのか分かりづらく、また話し手にもぶれがあるように見えます。
加えて、個人的には「超えられない壁」のようなネタは微妙です(^^;)


16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:6)
ごめんなさい。私には退屈なお話でした。物語自体の出来は良いのですが……。
主観的な採点ですみません。


17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:3)
うーん、「オバサンくさいワケ」のネタは面白いと思うのですが……。
独自設定が多いために、SSとしては今一つ楽しめませんでした。
あと、誤字等が少々見られました。ご注意を。


18 大切な忘れ物 (採点:5)
このお話は三人称ではなく祐一の一人称向きかと。祐一の心情が地の文に多く表現されていますので。
少々物足りない印象はあるものの、お話の流れは悪くないですね。


19 もう一人いる (採点:1)
うーん、ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
どんでん返し的な効果を狙ったのかもしれませんが、ちょっと唐突すぎて……。
あと、名雪の役所が可哀想です(^^;)


20 ボート (採点:7)
お話の展開はなかなか悪くないですね。最後の段落が良い味を出しています。
ただ、北川君が何でも知っていて香里の全てを理解できるキャラクタという印象で、やや都合が良すぎるようにも感じられました(^^;)


21 終わりの時 (採点:2)
うむむ……。
意図されたことではないと思うのですが、登場人物達の言動がかなり無神経に感じられました(特に名雪)。
お話の展開そのものは悪くないのですけど……。


22 恐怖のお料理合戦 (採点:8)
お話のタッチが軽快で楽しめましたが、オチが今一つ決まっていない感があります。
中盤の盛り上がりに比べると、少々パンチが効いていないという印象でした。


23 ライク (採点:8)
「別れて終わり」というパターンでなかったのは良かったのですが、展開にもう少し何か、予想通りではない要素が欲しいです。
あと、やはり祐一の抱える葛藤の解決があっさりし過ぎているのも少々気になりました。


24 湯煙温泉旅紀行 (採点:1)
う、うーん……。
少々きつい書き方になってしまって申し訳ないですが、正直に言わせていただくと読むのが苦痛でした。
ここまで妄想全開なお話だと、ついていけない読み手は引いてしまいます。
あゆと真琴は名雪の引き立て役以上の存在ではありませんし、肝心の名雪も台詞が少ないため魅力を表現できているとは言い難いです。
また、露天風呂で四人の体を描写する箇所がありますが、表現の幅がないために似たり寄ったりの文章になっているのは大きなマイナス点です。


25 太陽の眺め方 (採点:4)
うーん、新婚さんを朝早く起こしてその告白は、少々無神経なんじゃないかと(^^;)
それから、お話にいくつかツッコミどころがありました。
まず『大きな木』ですが、話の流れから推測すると移植されたのではなく成長したようですけど、いくらなんでも十年程度で大木にはならないと思います。
それから、名雪の「だよ」が多すぎです。だよもん星人にしても限度というものがあります。
また、重箱のすみ突きですが名雪が司会をしたのは結婚式ではなく披露宴ではないでしょうか。
ストーリーの流れ自体は悪くないと思います。


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