NHK-FM マイ・セレクション('87.8.24)

  • (『グッド・ナイト・エンジェル』終わって)・・・・・
     
    この頃は町支のコーラスもまだまだシンプルで、なかなか、なかなかって感じですが・・・。
    えー、26歳の夏だったと思うんだけど、友達にナシキ君と、中原君というのがいて、高校時代の友達で、すっごい仲が良かったのね。
    でー、ナシキ君はバスケット・ボール部のキャプテンでねぇ、女の子に凄くもてた。
    中原君は、えー、チョッとお金持ちの息子で、ちょっとニヒルなところがあって、やっぱり女の子にもてた。
    俺は野球部で丸坊主で、あんまり女の子にもてなかったんだけど、とにかく仲が良かった。

    で、久しぶりに会ってねぇ。
    赤坂のビルかな? 上にビアガーデンがあるんだけど、そこにビールを呑みに行った。
    でー、26歳だから、俺はまー、そんなにまだ芽が、そのー、出てなかったんだけど、ミュージッシャンとして、まあまあやり始めたところで。
    ナシキって奴は、九州大学の理工学部を出て勤めていた。
    で、中原は、早稲田へ行って、えー、あのー、アルジェリアとかねぇ、留学したのね、1回。
    フランスに留学して、そのまま、あのー、向こうに住んで、アルジェリアとか、もう70何カ国かなぁ? アフリカ、インド、あっちこっちを回って放浪の旅をしている真っ最中で、久しぶりに会ってねぇ。
    みんなで会って、そのー、話をしたわけね。

    ナシキはナシキで、俺と中原のことを、「お前達はいいなぁー。 中原お前はあっちこっち旅行して、気ままに人生を送って。で、浜田は浜田で好きなことやって。俺なんか毎日今日も・・・」
    その日もねぇ、あのー、白いシャツにネクタイをしてたんだけど、「こんな暑い日もネクタイして・・・」とか言ってる。
    で、中原は、「イヤー、そんなこと言っても浜田やナシキはもうやることが決まっていて、ビッシリ歩いているけど、俺なんかまだフラフラしている。
    今からまた俺は大学に戻って、今度は建築の方をやろうかと思っているんだ・・・」とか言ってる。
    で、俺は俺で、「中原は気ままであっちこっち行って・・・」とかねぇ、「ナシキはほんとにもう将来設計もしっかりして・・・」
    10歳ぐらい年下の女の子と付き合ってたんだけど、その後に結婚しましたが、えー、「いい彼女もいて・・・」とかねぇ。

    お互いが、お互いの人生をねぇ、えー、確かめ合ったというかねぇ・・・。
    俺って本当にこれで良かったのかなぁ、なんてね。
    丁度26位ってそんなこと、みんな思うのかなぁ?
    そんな感じのビアガーデンの夜、っていうのはいまでも覚えていて・・・。
    夏になるとねぇ、あいつらいったい何をしてるかなぁー、なんてね、思ったりします。

    で、その夏、夏だったかなぁ、多分夏だったと思うんだけど、やっと俺もヒットらしいヒットというのが、まあ、たいした事なかったんだけど、出た。
    それがこの曲です。しばらくはCMソングだっていうんでねぇ、スゴイ抵抗があって、ステージで歌わなかったんだけど・・・。
    あのー、なかなか、今になってみりゃぁ、(フッ)いーんじゃぁないんか、って感じで・・・『風を感じて』

    ・・・・・(『風を感じて』が流れ始める・・・・)

⇒⇒ 続く⇒⇒

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