Top Ka1 Ka2短 Ka2中 痕短 痕中 痕長 ONE短 ONE中 家計 月姫 Ka3短 Ka3中 Ka3超短 Ka4小 Ka4本 オリ肉 Ka5短 CLA1短 ONE2 Ka5中 CLA1中 オリ2 オリ3 Ka6小 Ka6本 AIR オリ4掌 オリ4短

○2% さん

021 想いの果てに (採点:5)
扱いの難しいテーマを、扱いの難しいスタイルで書き綴ろうとする姿勢には好感が持てますが……いかんせん、舌足らずな印象が拭えません。

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
緻密に構成されたおはなしだと思うのですが、深いところまで読み切れませんでした(すみません)。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
宇宙酔いしました(笑)。どこかRPG的なフィールドに漂う、幻想的な雰囲気が心に染みます。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
謀略、英雄、背信、名言――戦記だ……すげぇ。女王選出のくだりから祐一の『詰みだ』に至るまで、鏡の国〜チェスで一本筋を通しているあたりもお見事です。

○Alice さん

003 お泊まりパニック! (採点:2)
全体的な雰囲気はそんなに悪くないのですが、テンポが悪いのと筆者が用意した雰囲気にキャラクターが微妙にマッチしていないような気がする。
Allキャラが出てくるので、つめて書いているようでもあり、せせこましいのはいただけないし、コレがテンポの悪さにも繋がっているような気がする。
ただ出せば良いというわけではないので注意。
序盤、栞、舞佐コンビにマコミシは出てこないと書いてあったが、逆に説明したことで出てくるかもな、と予想がついたりして…。
ついでにいうと、言葉のひとつひとつが恥ずかしいというか、稚拙な感じがしました。
香里が本文中「栞の復讐心を利用させてもらったわ…」という台詞がありましたが、香里に似合わないというか…トリック自体もつまらないので余計に読んでいて恥ずかしい気がしました。
ただ、書きたい雰囲気はなんとなくではありますが伝わってきます。
この手のSSは結構他にもいっぱいあると思うので、自分で読んでみて面白い!と感じたものを参考にしてみたるすると良いかも知れません。
上手い人からテクをパクルってのは以外と上達に繋がりますし。<内容、ネタをパクルのはダメなんだけどね〜。
次回は頑張って下さい。

012 空っぽのテクスト (採点:2)
ダラダラっぽいしてた気がしました。
ついでに言うと香里と銘打っていましたが、その存在感が薄かった気も。
あと設定に問題があるかもしれません。
――後もう少しの命だが、愛する人を騙しても彼女は自然に振舞う…。
これってかなりステロ(ステレオ)タイプな展開すぎたかも…。
ちなみに、この作品における独創性は栞が本編で助かったにも関わらず死を迎えるという部分にあると思うのですが、その設定を十分に生かしきれたと思いましたか?
この程度の内容では物足りない。これじゃあ物足りないです!作者さん!
栞を死なすことに文句は言いません。別に面白くなるのならば、アリだと思います。私は。
でも、もっと彼女の死を盛り上げて欲しかった。
奇跡はいつまでも続かなかった…というシチュエーション…だけ。
それだけじゃもう満足できません。。
彼女の、栞の死をもっと深く掘り下げて欲しい。それこそ5万マイル潜っても良いから、死に感動が欲しい。
ありきたりなSSの氾濫はもう随分前から始まっています。
作者さんも考えてみて下さい。
面白いSSってなんだろう?新しいジャンル?萌えの模索……。
まだまだ可能性はあるはずですから。
【もうすこし頑張りま賞]を進呈。

020 私の望み (採点:2)
普通。
面白味らしいところが大してなかった気がする。
かといって、どこがつまらないかと聞かれれば答え難い。
普通だったというのが第一印象。
物語にメリハリがなさすぎるので、読んでいて退屈だったのが一番のネックというところです。
文章そのものは丁寧だったし、作品の質は高いと思いました。けれども、内容があまりにありきたり(普遍的)過ぎて飽きの訪れが早く、オチもなおざりな感じが…。
アドバイスとしては、内容全体にもう少しギミックがあったほうが良いかと思います。プロットにメリハリもつくし、より具体的なテーマが見えてくるかもしれませんし。
この作品は…そういった部分がああふやな気がしました。申し訳ありませんが、有体に言えばスカスカだったと。
善意的にとらえれば私がなにかしら見落としているのかもしれませんが…やっぱり読んでいて面白くなかったです。
美汐のキャラクター性をお互いがどう受け止めているのか?その差が大きかったのかもしれませんね。

021 想いの果てに (採点:1)
これは…わざと?
台詞以外の文章の90%以上が『〜た。』
小学生じゃないんだから…と短編中誤字指摘No.1の私が人のことを言えた義理はないけれども。
わざとならえっと、完敗です。はい。
他に、文章作法に関しては他の方が色々言って下さると思うので私はここで終了。
(本当の理由は私が文章作法を語ることが許されないからで〜す♪)
さてさて、一通り読みましたが内容としては『もっとがんばりましょう』を進呈。
始めて書いたSSがこれだったのならば…凄いな〜と、気持ち遠巻きから眺めると思うのですが、これがあなたの数作目であるのならばちょっと…不味いじゃないかと思います。
法術とか、突然いわれてもこじつけすぎて意味不明に近いし…。
酷評が多いと予想されますが、作者さんは頑張って我慢して下さい。
これをきっかけにSSの精度がもっと上がれば儲け物ですよ♪

最後に…
『お師匠さん、このオチはいくらなんでも……。そいつぁないんじゃねぇですかい!?』

041 また逢えたらいいね (採点:6)
好き。
ファンタシー。頭悪いんで理論がわからなかったです。
個人的にはもうちょっと簡潔にして欲しかった。(それでも難しくないのかもしれないけれど)うぐぅでも簡単に理解できる程度にw
と、いちゃもんはおいといて、このお話のラストのかっこ良い栞が好きです。
最後の方、栞の言葉がかっこ良かった。
エンタメですね。
思わずほろりときたですよ〜♪
香里が泣くシーン、もう絵でイメージできますよ。
涙の流れ方から、口を抑える瞬間まで…。
なんていうか、未来へのビデオレター(故人)のものって普通に涙の爆弾ですしね。当人、関係者にとっては。<わたしは読み手なので当人ではありませんが。
SF考察に相成って、上手いと思ったっす。
オリキャラについてはテンポがかなり良かったのでOK 。
ONEの椎子さんみたいでした。
Kanonにはいないタイプのキャラが魅力なのかな?
いわゆるかなり嫌いじゃない作品。
一本の映画にしても良いんじゃないかと思うようなお話。
ただ、ドラえもんでもこんなような話があったような…ないような……。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
コバルト文庫ぉぉ!!!と叫んだ第一声。
いや、読んでいて本当に恥ずかしかった。
頬が赤くなってしまうくらいなので、私には書けない。もう無理。読むのを止めたくなった後半。
甘酸っぱいを通り越して練乳ワッフルですよ。ホント。
さて、甘い甘いと叫んでばかりは失礼なので…。
序盤から終盤、全体にかけての、美汐と栞のかけあいが素直に良かったと思う。
テンポが良いです。テンポが。
サクっと読めるのも好印象。まぁ練乳すぎるが我慢しますw
感想という意味合いとしての言葉は少ないですが、私はかなり嫌いじゃないです。
強いて言えば、栞と美汐の立場をもっと明確化して欲しかった。
例えば、少女小説でいうところ二人は恋のライヴァルで親友!<うわ〜、もっと恥ずかしい。
美汐と栞なら面白そうな感じになりそうだな〜と期待。
SS本編の二人はいろんな意味で微妙な位置関係にあったので、もっと分かり易い方が良いのでは?と思ったもので、こういったお話ならではのお約束が欲しかったな〜…というのが私の要望です。
なにはともあれ…恥ずかしかったw

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:3)
ご都合主義の日和見SSだな〜。
最初に読んで思い浮かんだ言葉。
辛らつかもしれませんが…。
それなりに香里と北川の経緯もあったし、栞とのことの関係も説明してくれていた。本当にセオリー通り。ここまでは良い。
でも、北川が医者として先生とか呼ばれており、香里がさも当然のごとく医者であって…。
そこに至るドラマがちと単純すぎる気がする。栞の一件は避けて通れぬ道ではあろうが、あまりにスタンダードすぎる。
それと同時に、このSSでは内容のそこかしこにおいて"医療っぽい"シーンが配置されているので、それなりの理由が欲しいところ。特に北川の方です。<両親が病気で死んでると過去を語る…だけじゃちょっと。香里を追って…というのならばもっと酷いかしれない。北川じゃなくて、香里の方も然り、ですけど。
そーいった曖昧な部分がそこかしこにあるのだが、それらが顕著に浮き彫りにされてしまっているような気がする。
また、五分割になってはいましたが、場面場面の繋がりがあまり上手く連動しているようには見えなかった(読み難かった)のもマイナス要素。
過去に飛んだり、今であったり。俯瞰的に「――だったな」と過去を回想するのも良いのですが、せっかく分割して公開しておられたので、こういった部分にももう少し気を使って欲しかったです。<上手いかな?って思うシーンフェイズもありましたが。
う〜ん、簡易的にまとめてしまえば、SS個体としての総合的な質は高いし、大部分には受けるかもしれない。けれど、長くKanonSSに触っていると、こういった「ありきたり」な設定ではもう足りないです。
"この手のSSの限界みたいなものを垣間見た気分がしました。

(感想の続きですが、こちらにUPしきれなかったので、公開後に掲示版が利用できれば書き込みたいと思います。利用できない状態で気になるようでしたらメールして下さい。まとめきれずすいません)

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
ラストのだいどんでんがえしが凄かった。
栞&香里とばかり思い込んでおり、文中、若干ニュアンスが変だと感じましたが、大人になれば落ち着くのかな?と自分を誤魔化して。まさか秋子と祐一's母の姉妹でくくるとは予想できませんでしたよ。少なくとも私は…。
ドラクエで例えたらドラクエ3みたいな感じでしょうか?<ちょっと違うかな?
タイトルの意味も相成っておもわず相槌をうってしまいました。
中盤あたりの内容がちとごり押しっぽく感じる部分が多少ありましたが、面白かったです。
しかして、この姉妹を袖にする"祐一"さん。どんなすけこましなのか気になりますが"祐一"の系譜はしっかりと受け継がれたことでしょうなぁ〜。
……そして、今度こそ美坂姉妹の出番?
う〜む、ほんちに歴史は繰り返しそうですなぁ〜w<一人で悦に入ってる。
ちょっとびっくりな展開に私は白旗を上げさせて貰います。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
うさぎの心象風景なんて、跳ぶことくらいしかないんじゃないかと思っていた。
なんにせよ、北川うさぎ萌えです。
これでまた青く蒼い、甘酸っぱい萌えの道が…って違う。
さて話を戻して、有体に言えば感想付け難いです。はい。
しばしばある個性溢るるKanon的な独創性すら遥か彼方ですね。
もう別の次元にいっちゃってる気がする。
私としてはこの世界観に着いていくのがやっとでした…が、でも嫌いじゃない。
断片的な世界構成を読者に委ねて、できるだけ雰囲気をイメージして、楽しむ作品なのかな?
ちょっと万人受けはしなさそうな感じですけど…。
また、文章がちょっとあざとい気がしますが、まぁ、アリでしょうね。この世界の祐一に対しては。<恐らくそれに相応する所業もやっていそうですし。
ぴょん♪ぴょん♪ぴょこぴょん♪ぴょこぴょんぴょん♪

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
もうこのネタ大好き!
全部好き!
完成度高し!
文句なし!
祐一(女装してくれっ!)萌えも密かに兼ね備えているのは内緒で更に良し!(ぉぃ
とにかく、このSSには序盤のギャグの時点で10点あげようと思ったくらいに笑いのツボも抑えてくれていて良かった。
テンポ、内容、密度…言うことなしです。
この作品は、結構上位にいくのではないだろうか?と予想。
全体的に青臭い話だったけど、漢の友情とはかくあるべきですな。うん。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
文句なく面白いと思える作品。
あのアホな設定の体育祭も、舞シナリオにあった『舞踏会』なんてあるくらいの学校だから全然OKですね。むしろバッチこ〜い!
内容も良かった。キャラクターの間合い、テンポもハイテンションすぎるきらいもあるけれど"Kanonらしさ"がしっかりでてると思いました。
私はこの作品が大好きですよ〜♪
一ついうとすれば…香里がかっこよく香里軍団(?)を率い(髪振り乱しながら)戦う、あるいは指揮するシーンが欲しかった。これはもう意見じゃなくて、そのまんま要望と受け取って下さい。(某ファンタジー大作の眼鏡でおさげな委員長みたいなイメージです♪)
さながらジャンヌのごとく…あ、最後は処刑されちゃうからやっぱ止めw
そこそこ上位にくるんじゃないだろうかと予想。
ひょっといたら行くところまで行っちゃったりして♪
感想に従事できるSSって好きだなぁ〜。勢いで書けるから…。うんうん♪
ホント。満足です♪

078 「dearest」 (採点:5)
長がすぎる。
この内容であればもっと短くできるんじゃないだろうか?
色々とギミックを施しているようではありますが、読んでいてダレる。
理由は本編における起伏が少ないから。
雰囲気を愉しむ作品であったり、テンションが高い内容であったりするのならばわかりますが…このSSであればそこまで伸ばす必要なないのでは?と思うことがあった。
演出として作者さんは必要と思ったのかもしれませんが、文章の贅肉というか、なんというか・・。
もっとも、序盤の香里と名雪のやりとりなどはすがすがしくて良かったです。
蛇足ですが、名雪がもっとしっとり(未練がましい)してる方が人として"らしい"気がするのですが、これはまた別の物語なかもしれませんね(ひょっとしたら影で泣いてたかも知れませんし…)
全体的には上手いと思いました。物語の起伏をもっと感じさせてくれれば凄く良くなると感じた次第です。

○Doll さん

057 移し火恋歌 (採点:10)
苦労して読み解くのにこれほど充実を覚えたものはありません。シナリオは驚愕するほど練り上げ体系化されていて、その力量は超越という意味でKanonから遊離しているようにすら思えるほどです。「救われない」と思っていた佐祐理さんの独白が結局はこのお話の唯一の救いだったと知ったとき、胸が締め付けられるような切なさを感じました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
乾いた文体。信念の貫かれたストーリー。徹底したフィクションに命を削る創作に圧倒されっぱなしでした。
私は共感できませんでしたが、内容に対してあまりに恣意的で感情的すぎるタイトルには、作者の二次創作に対する熱い姿勢を感じます。

○KARATE さん

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:9)
本編では語られることのない久瀬の内面、それがよく描かれていると思います。
同じ「闇」を持つ佐祐理との会話はなかなかに印象的。
北川君と香里さんも味があっていいですね。
自身の好みになってしまいますがこういうのはかなり好きです。

○KK さん

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
こういう決着のつけかたは結構好きです。


015 『雪の日の決意』 (採点:3)
結末が唐突で違和感がありました。

019 FILE EPISODE 0 (採点:4)
続きものっぽいのを最初のだけ読んで判断するのは困難でした。


020 私の望み (採点:7)
ラブラブは良いですねぇ

023 WA4 (採点:5)
秋子さんの病気が唐突で説明不足な感があり。
しみじみとした会話は良かったんですけどね。

027 ウエディングヴェール (採点:8)
真琴のおこした奇跡が切なかったです。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
最後がONEみたいな感じで違和感がありました。
超常現象をさらにあの世界観に追加するのはどうかと…

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
この話は何度も読み返してしまいました。
祐一にこんな一押しをされてしまっては香里が「私の感謝の気持ち」「ファースト・キスよ」
みたいなひたむきな好意を向けてしまうもしょうがないよなぁ、と納得しつつ読み返してみたりして。
いろいろとこの後の展開まで考えてしんみりとさせられるいい作品でした。

078 「dearest」 (採点:7)
いいな、いいな、ラブラブさん、いいなー。
という事で。

○Liar さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
アイデアや久瀬の虚無的な人物設定はとても良いと思います。
ただ、全体的に読み辛いです。
歌詞の部分を斜体にするなどの工夫をすればもっと良くなると思います。

002 鈴の音よ再び (採点:1)
 文章を書くということに余り慣れておられないのでしょうか?
 テーマははっきりしているのですから、まずは表現方法や文章作法を学んでから書き始めましょう。
「小説の書き方」等の本やホームページは沢山ありますので、それをよく見て勉強してからもう一度書かれては如何でしょうか?
 それと、最後の余白には一体どんな意味があるのですか?

003 お泊まりパニック! (採点:1)
「折角美坂チームだけで話が進んでいたのに無理矢理ALLメンバーにしようとして失敗したお話」という印象を受けました。
 文章自体も、王道のネタ(不死身の北川他)はともかくとしても表現方法や文章作法など気になる点が多すぎます。
「小説の書き方」等の本やホームページを見て勉強しましょう。

004 The regret (採点:5)
「あれ? もう終わり?」等と思わせる作品です。
 文自体は長いのにサラッと読み終わりました。偏に描写、説明不足の為です。
 ……何か、自分のことを言っているようでものすごく痛いのは気のせいでしょうか?

005 プライベート・ハンター (採点:6)
そこそこ面白かったのですが、それ以上ではありません。
原因として、展開が早すぎるために全体的に印象が薄くなってしまったということが挙げられます。
丁寧に説明と描写をして、作者の独りよがりにならないよう……。
お互いに気を付けましょう(^^;

006 「日課」 (採点:7)
巷に溢れかえっている北川×香里ものや祐一×香里物の作者さんの参考になりますね。
特にちゃんとした説明もなくいきなり「実は二人は付き合っているんだよ〜」っていう作者さんに。
5W1Hがしっかり描かれています。描写に過不足なく、気になる点は一つしかありませんでした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
え〜と、取り敢えずいつも通りのお茶目な秋子さんですね(^^;
(別人でしたら申し訳ないのですが)
今後もその独特の作風で頑張って下さい(感想じゃないですね、すいません)。

008 激辛 (採点:8)
あずまんがのネタを上手く広げていますね、上手いです。
分類通りにほのぼのしています。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
良くあるALLエンド物で誰もが一度は抱く疑問を解決した……と言えるのでしょうか?この答え自体、男性優位な考え方と思うのは私の邪推でしょうか?


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
気になる点は三つあります。
>栞の迫力に気押されて、わたしは頷いた。

> 気がつけば、わたしは頷いてしまっていた。
繰り返す必要はないと思います。
急な視点の切り替えが気になります。
三点リーダと疑問符の後の一文字を空けましょう。


011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
!と!のように、全角と半角が混在していました。
話のテンポが良くないです。全体的にじっくりと書き込めば大分改善されるのではないでしょうか?数字が若いのでまだ書き込む余地はあると思います。

012 空っぽのテクスト (採点:2)
厳しいことを言いますが、キャラに感情が感じられず、ただ書き割りに沿って台詞を読んでいるだけのように思えました。
ラストの展開も急ぎすぎです。
明らかに感情や台詞の書き込み不足だと思います。

013 Conservation for Love (採点:3)
日常の何気ない話を力技でここまでの不条理ギャグに仕立て上げる作者の方の力量には感服しました。
ただ、「分かる人には分かる」というネタが多すぎて余り笑えませんでした。

014 おまえの名前 (採点:3)
普段敬語を使わない人が無理に敬語を使っているような違和感を感じました。特に秋子さんと祐一の会話のパートは酷くよそよそしく感じました。
「真琴」はキャラが立っていましたが、それだけではちょっと……。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
ひょっとしてまだ未完成の作品なのでしょうか?
誤字・脱字、文体の破綻、実験の為なのか途中途中に奇妙なタイミングで挟まれたギャグ投げっぱなしのオチ……と、未完成であることを作品が力一杯主張しています。
作品を良く見返して、完成させてからもう一度見させていただければ幸いです。

016 脱走と追跡のカノン (採点:5)
面白かったです。
確かに面白かったんですが、余りに不条理なギャグの応酬に何も言えなくなってしまいました。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
ネタと話の筋は良いのですが、表現や技術面に少々問題があります。
取り敢えず三点リーダが多過ぎるのでまずはそこから直しましょう。


018 雪解け水 (採点:2)
技術面では特に問題はありません。
ただ、私はこのあゆの決断は間違っていると思います。
ただの我が侭です。すいません。

019 FILE EPISODE 0 (採点:3)
ミステリと言うよりは長編の序章のように思いました。
『魔犬』の正体も黒い帽子をかぶった男性の正体も舞の感じた奇妙な感覚も全てが解決されていません。

020 私の望み (採点:3)
間の余白が大きすぎます。
その割に文は詰まっていて読みにくいです。

021 想いの果てに (採点:1)
描写・説明不足です。
何がどうなってこのような結果に至ったのかさっぱり分かりません。


022 笑い声がきこえる (採点:6)
逆転の発想。上手いです。
ただ、警察の会話は蛇足に思えました。


023 WA4 (採点:3)
祐一の美汐への呼びかけや話の流れに不自然さを感じました。
特にラストまでの流れは、急ぎすぎていて一番不自然になっているところです。
描写・説明を丁寧にして分かりやすくすれば大分変わると思います。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
丁寧に描写するのは良いことですが、逆に少々くどくなってしまっています。
初めの詩(?)が酷く不自然で、英文の翻訳を読んでいるような感じがしました。


025 歩いて行こう (採点:7)
表現などは荒いし青春ドラマを見ているような気分になりましたが、身につまされる物がありました。
個人的に好きな作品です。

026 ステップ (採点:6)
設定や話の流れ、テンポは良いです。
ただ、誤字が多いのと「あによめ」など普段余り使わない漢字を使っている所が気になりました。
何よりもラストがあれでは……。

027 ウエディングヴェール (採点:6)
誤字が少々ありますが、それ以外に問題はありません。
ただ、個人的には真琴の扱いがちょっと酷すぎるのではと思います。

028 ”プレイ” (採点:6)
サイコホラーのような雰囲気がいいですね。
文章その物が上手いです。
ただ、カノンのSSを見ているという感じがしませんでした。

029 最後の奇跡 (採点:5)
文章は上手いのですが……。
カノンSSの王道を正確にトレースしているだけのように思いました。
もう一ひねり欲しいところです。

030 奇跡のかわりに (採点:3)
非常に惜しいです。
読み終わってすぐに「あれ? もう終わり?」と思いました。
ラストを一ひねりするだけで+5点差し上げたいのですが……。

031 グッナイ (採点:5)
描写・説明は丁寧で簡素に纏まっていると思いますが、会話に不自然さを感じました。
展開もぎこちなさを感じます。
カノンのSSを読んでいると言うよりオリジナルの小説をカノンの設定に当てはめたように思えました。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:5)
余白が大きすぎて読みにくかったです。
ただ、話の流れは良かったと思います。

033 エム (採点:5)
魔物は遺伝するのでしょうか? ちょっとそんなことを思いました。
三点リーダと『。」』は文章を書く上での基本なので気を付けましょう。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
着眼点は良いと思いますが、展開を急ぎすぎていて何故佐祐理さんが笑顔を取り戻すに至ったかという経緯がよく分からなくなっています。
佐祐理さんの過去について久瀬が語るシーンも明らかに不自然さを感じます。
描写や説明を丁寧にしましょう。

035 復讐という名の代償行為 (採点:6)
祐一の感情の揺れ動きと不確かな記憶がじわじわと祐一自身を追いつめていく様はサイコホラー小説を読んでいる気分になりました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:5)
ちゃんと言えた祐一に拍手。
もとい、話全体の流れは良かったと思いますが、シーン毎に見るとネタ帳からそのまま出してきたような違和感があります。
ネタは投げっぱなしにするのではなく、回収することによって話に広がりが出ます。

037 美凪 (採点:5)
詩のような話の展開は上手いと思うのですが、話を書き切れていないように思います。
作者の方の腕と言うよりは、話のネタが中編という枠の中に収まりきっていないと思います。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:3)
シリアスだとしたらこの点数です。ほのラブだとしたら+3点です。
この長さではこれだけのエピソードを書ききるのは非常に困難です。
実際に展開を急ぎすぎて一つ一つの話の密度が薄くなっています。
幾つかに絞るか、思い切って展開を変えた方が文全体が引き締まると思います。

039 幻実、そして星 (採点:5)
話自体は良いと思います。
ただ、これは完全なオリジナル作品ですね。
魔物の設定、オリキャラの存在、何よりも舞の性格が本編と違います。

040 楽園日記 (採点:8)
いいですね〜青春してますね〜。
ただ面白かったとしか言えません。
男四人組の阿呆な行動が大好きです。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
時空間同士でエントロピーの交換が行われるって……。
時空間の狭間にエントロピーだけを通すマクスウェルの悪魔でもいるんですか?
それはともかく、上手いです。
ちょっとラストの展開を急ぎすぎています。
それさえなければ満点でした。惜しい。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
誤字が幾つかありました。文自体は読みやすかったです。
しかし、見た目が大人っぽくなっても中身は全く変わっていませんね祐一は。
むしろ高校の頃と比べて余計に悪くなっているような気さえします(笑

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:6)
ほのぼのとラブのあいの子のような作品ですね。
「小学生くらいの時にクラスの女の子達がこういうおまじないをしていたな」と思い出して懐かしくなりました。
王道の展開ながらも読みやすくて面白かったです。

044 パンドラ (採点:10)
着眼点、話の展開・流れ、キャラの感情の動き、全てにおいて上手いです。
文句なしに満点。

045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
>もし意味がありさせるとするとしても
など、文法がおかしい点はありますがそんなことは関係ないくらいに良い話でした。
個人的に真琴・美汐・美鈴の三つ巴の祐一争奪戦を見てみたい気がします(笑

046 ホワイト・ミュージック (採点:7)
全てを直接に表現しないで話を進める技巧は凄いと思います。
ただ、最後のあゆの一人称で、私とわたしが混在しています。

047 笑顔 (採点:1)
騒いでいたと思ったらいきなり本編のようなマイペースに戻る……と言うように、名雪のテンションがおかしいです。
ラストの香里の独白も後からの付け足しのような違和感がありました。
文法がおかしい所、?と?のような全角と半角の混在、三点リーダの間違い、!と?の後ろの空白入れ忘れなどのおかしい点が幾つか見受けられました。
しっかり見直しをして丁寧に書きましょう。

048 走る少年少女達 (採点:3)
文法上の間違いが幾つかと、誤字・脱字が目立ちました。改行もしすぎです。
それと「。」の後ろは空ける必要はないですよ。
途中までは面白かったんですが、ラストは後一ひねり欲しいです。

049 少年期 (採点:9)
この北川を見られただけで満点を差し上げたいところですが、それは置いといて。
文章に問題らしき物はありませんでした。ただ、祐一がここまで憔悴したことについて栞が何も動いた気配がないことが気になりました。
恋人同士なら幾ら何でも気付くと思います。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
上手いです。やや暗い展開を要所要所に配置されたギャグによって暗くなり過ぎないように抑えられています。
情報を詰め込みすぎている感はしますが余り問題にも思いません。
個人的に続きが見てみたい作品です。


051 ある牛丼屋の一週間 (採点:9)
壊れギャグというジャンルに相応しい出来です。
題名の件についても久瀬が言ってしまいましたし、オチも笑えました。
でも店名の「佐久舞」って佐祐理さんと舞はともかく久瀬は名字じゃ……。

052 Give me a reason (採点:2)
感情の書き込みが足りません。エピソードの詰め込みすぎです。
中編としてまとめるためには幾つかの場面を削って軽量化する必要があると思います。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
上手いんですが……こういうの苦手なんです私(^^;
文章その物には問題ありません。
キャラの感情の動きも違和感がありませんでした。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:5)
まず、これだけ感情を出せるようになっている佐祐理さんが自分のことを「佐祐理」と呼んでいる事に非常に違和感を感じました。
>煙草を口に銜えたまま
この場合は「咥える」です。

055 煌めきの欠片 (採点:1)
場面の変化が非常に分かり辛いです。一度通して見ただけでは何がどうなったのかさっぱり分かりませんでした。
原因は、いきなりの場面転換と描写不足の為だと思います。
誤字や脱字、文法上の間違いなども目立ちました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:5)
「―――」を使いすぎていると思います。
老人などの魅力的なキャラはいるのに、彼らを生かし切れていないような気がします。


057 移し火恋歌 (採点:10)
全ての事を少しづつずらしていくだけでこんなに救いようのない結果になるとは思いもしませんでした。
じわじわと襲いかかってくる狂気。凄いです。

058 30℃ (採点:5)
言いたいことがぼんやりとしか分かりません。
私の解釈では、あの手紙は誰が出したという物ではなくて、ただあの冬の日の奇跡を「覚えている」と伝えたかっただけなのでは……と、かなり青い事を書いてますね(^^;
この話自体がKanonという物語には適していないのではないでしょうか?

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:8)
え〜と、かなり初めの方であゆの母・祐一の母・秋子さんと言うことは分かりました。具体的には2ページ目の傷痕云々の所です。
途中の「ゆういちさん」で首を捻りましたが、合っていたようで良かったです。
それはそうと、この作品はシリアスと言うよりはほのぼのですね。あまり気になりませんでしたけど。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
最初の内は非常に違和感を感じており、「これは本当にカノンSSなのだろうか」と思っていましたが、実際に読んでみると奇妙な設定が世界観にマッチしていて非常に楽しんで読ませていただきました。
ただ、初めの余白と誤字は気になりました。そのことで非常に損をしていると思います。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
青春ドラマをカノンのSSにして見ているような気分になりました。
とりあえず技術的な面では問題はないと思います。
テンポも良く、面白かったです。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
これだけ情報・知識を丁寧に揃えて恐らくは真剣に書いた作品なのに読み終わった後何故か笑いがこみあげて来ました。
作者である貴方自身が森緒医師と同じ事をやり遂げたと思います。お疲れ様でした。

063 丘の子守唄 (採点:6)
素直に面白かったと言い切れない作品です。
秋子さんやオリキャラはともかくとして、北川を出したことはちょっと……。
上記の点数に、本編の補完作品だとしたら−2点、オリジナル設定の作品だとしたら+2点差し上げたいです。

064 面鉄の奥の恋 (採点:5)
技術的な面での問題は特にないと思います。
が、具体的にどこがと言われると困りますが、微妙に何か違うような感覚を覚えました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
上手いです。
オリキャラが出ているのに世界観と全く違和感なく溶け込んでいて凄いと思います。
多少陳腐だとしても幸せな結末を見てみたいですよね、やっぱり。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:9)
話に入り込みすぎてしまい、批評が出来なくなってしまいました。
上手い、としかいえません。
確かに名雪ならやりかねないですね……。

067 風邪の一日 (採点:2)
本来は地の文で表現するべき事を台詞としていた為に奇妙に感じました。
全てが王道の展開で冗長につらつらと書いていったような感じがしました。

068 名琴抄 (採点:9)
始め、「これは名雪じゃないだろう」とか「極普通のシリアスか」とか思っていた自分が恥ずかしいです。
名雪と真琴に対する逆転の発想に脱帽しました。凄いです。

069 ふたつのねがい (採点:5)
他の作品の設定を大量に使った、半ばオリジナルの作品と言えますね。
地の文の口調が丁寧すぎるのが気になりました。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
テンポの良い会話と展開で読む人を引きつける力を持っています。
オリジナルの設定が多すぎたのとキャラの口調があからさまに変わっていた分減点です。

071 一緒に生きたい (採点:5)
え〜と、舞は? 真琴は?
それがちょっと気になりました。
文自体は読みやすいと思います。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:6)
シリアスと言うよりはラブ、それも特濃のラブだと思います。
作品のレベルとしては高いのですが……。
恋愛物を受け付けない人間ですのでこの点数です。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:10)
最高です。今回のギャグの中では随一の出来だと思います。
細かいことは気にせずにただ楽しめました。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:3)
話の内容は分かったのですが、非常に読み辛い部分があります。
五〜六十字に一回くらいの改行が欲しいです。
それと、説明・描写が少ない為に情景が分かり難くなっています。

075 True story (採点:1)
まず一言、見辛すぎます。
一度通して読みましたが、何度となく途中で挫折しかけました。
百〜百二十字程度に渡って改行せずに続くワンフレーズ、と思ったらやたらに連続して起こる改行、そして点在する誤字脱字。
喋喋喃喃、汪汪、のしぶくろ、やたらめった(ら)などの一般に使われない字を使いすぎている所も余計に読む気力を失わせます(最初の二つは読めませんでした)。
話の内容自体は面白いと思いますが如何せんこれでは最後まで読む気力が湧きません。
中編を書こうとして長編になったために取った苦肉の策としか思えません。

076 夢の劇場 (採点:7)
あゆによる栞シナリオの補完。
もし「奇跡」が「永遠の世界」のようなものなのだとしたら……。
不幸と言うよりはダークですね。何れにせよ文全体のレベルが高い水準でまとまっています。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
設定、話の流れ、人物設定と全てにおいて高い水準で整っています。
これだけ長い話なのに飽きることがなく驚きました。
本来ならば満点なのですが、個人的にラブストーリーを全く受け付けないのでその分引かせていただきました(^^;

078 「dearest」 (採点:5)
表現やキャラの性格設定などには私自身色々と参考になる面が多かったのですが、
如何せん長すぎる上に話のヤマがほとんどなかった為にただ冗長につらつらと書かれていったような印象を受けます。
個人的にラブストーリーは全く受け付けない人間であることも相まって読み切るのがやや大変でした。

○Lucifer さん

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
栞の治り方が脈絡がなさすぎるし、背景説明とか、7年前に祐一と逢った、っていう伏線が回収しきれていない、せっかく中篇なのだから、もう少し長くしてしっかり書き込んで欲しかった。

019 FILE EPISODE 0 (採点:6)
う〜ん、結局黒い帽子の男は何者で、何で狼が化け物になってたんだろう???
ミステリーなら謎解きまでやって欲しかった…。

○Lv2 さん

003 お泊まりパニック! (採点:4)
全体的な話の骨格はまあ悪くは無かったと思いますが、
話の展開が強引すぎて無理があると思います。
また、これといった見せ場も特に無く、長い割には退屈でした。
話をもっと凝縮して、短く纏めた方が良かったと思います。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
これは・・・ちょっと・・・
っていうかこれ18禁じゃ・・・?
18禁作品自体が悪いと言うわけじゃないですけど、
こういうコンペに出すのはまずくないですか?
そういう訳でコンペ作品としては評価不能です。

008 激辛 (採点:7)
ほのぼのとギャグが上手く取り入れられて中々楽しめました。
作品の雰囲気が良いですね。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
うーん、各キャラクターとの会話のパートはそのキャラらしさが上手く出ていて
良く出来ていると思うのですが、シリアスで全員重婚エンドは少し無理があるような気がします。
まあ本人達が幸せならそれでいいという考え方もありますが、
現実問題として、たとえどれだけ全員が大切でも実際はそれでも一人に選ばねばならない
という厳しい現実があります。
そこを全員エンドで終わらせてしまうのはすこし甘いかな、と思うのです。
まあこれはあくまでも僕の個人的考えなのですけども。
重婚物にするなら、シリアスよりギャグの方が良かったのではないでしょうか?

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:3)
うーん、発想は面白いと思うのですけど、今一つよく解らないんですよね。
文章が読みにくいのと、話の展開が突飛すぎるので、理解しにくいです。
いやほんと、発想は面白かったのですけどねぇ・・・

013 Conservation for Love (採点:8)
いや・・・こんなアホなネタなのにこんなにも面白いとは・・・
かなり爆笑してしまいました。
真琴の馬鹿さ加減と、美汐の適度な壊れ方が実に上手くマッチしていました。

016 脱走と追跡のカノン (採点:3)
ギャグ・・・ですよね、これ。
うーん、アイデアは面白かったと思いますが、今一つノリについていけませんでした。
少しネタに走りすぎかと思います。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:8)
祐一が実は女って話は既にいろいろとありますが、これはかなりハイレベルだと思います。
北川や香里の対応、終盤の話が収束してゆく段階も、実に見事に描かれていると思います。
なかなかの秀作だと思いました。

020 私の望み (採点:4)
うーん、全体的な内容は決して悪くなかったとは思うのですが、
祐一が美汐の事が好きだという動機付けが、真琴が消えた後支えてくれたから、というだけでは
弱いような気がします。
折角の純粋恋愛物なのですから、その二人が互いに好きあうまでの過程を
じっくりと描いた方が良かったと思います。

021 想いの果てに (採点:2)
何ていうか、あまりに型通りの展開ですね。
この祐一自己犠牲物はすでの幾つもありますが、この作品はそのジャンルの中でも
特に捻りも独創性もなく、パターン通りをなぞっただけという感じです。
最後の展開まであまりにお約束通りのご都合主義で、ちょっと白けてしまいました。
ここまでお約束通りだと、終盤の感動シーンも逆に陳腐に思えてしまいます。
確かにこれだけの長さの中篇ではそれ程凝った話は書けないかもしれませんが、
それでももう少し捻りというものが必要だと思います。

031 グッナイ (採点:2)
結論から言うと、なにがなんだか良くわからないお話でした。
仲居の娘や、夫婦喧嘩が描かれている理由も良くわからず、
尻切れ蜻蛉のような感じがします。
結局何が言いたかったのでしょうか?
もしかしてもっと長かった作品を強引に削ったのでしょうか?
また、情景を描写する地の文も長くてくどいわりには、
状況が今一つ頭に鮮明に浮かんできません。
内容も描写も、やや退屈でした。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:7)
なかなか雰囲気が良かったと思います、実に興味深く読めました。
祐一の芝居の部分と、それを指摘する久瀬の当たりが最高潮に盛り上がっていました。
ただ、唯一気になったのは、佐祐理が祐一と結ばれる展開が少し急で強引かな、という事です。
もう少しじっくりと話を進めたほうが良かったような気がします。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
ルーン文字を使った展開というのは中々に斬新で、新鮮でした。
内容も奇麗に纏まっていて、良作だと思います。

047 笑顔 (採点:8)
おおっ、名雪の七年補完物ですね。
名雪、秋子、香里の心情が上手く組み合わされて、テンポ良く描かれていると思います。
なかなかの秀作だと思います。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:8)
アホです、アホすぎます。
でも爆笑してしまったので僕の負けです。
いやほんと、面白かったです。
壊れは、ただキャラを壊してノリだけで突っ走っているものが多いですが、
これはギャグもちゃんと効いてて良かったです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
これは素晴らしいです、見事です。
序盤のギャグのキレもさる事ながら、終盤のシリアス部分も秀逸で、
ギャグとシリアスを一本に纏めるのが難しいという定説を見事にクリアしています。
また、祐一と北川の友情関係も見事に描き出されています。
見事な秀作だと思います。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
これはうまいです、実に見事です。
中盤のほのぼの感も、最後をきりっと引き締めるシリアス部分も、実に上手く出来ていると思います。
真琴や美汐のキャラクターも上手く描かれていると思います。
かなりの秀作だと思いました。

067 風邪の一日 (採点:6)
ほのぼのとシリアスが上手く噛み合わされて、なかなか良かったと思います。
しかし、病気で看病と言うネタやら、真琴と高熱を絡めたネタはあまりに既出で、
物語の展開が最初の部分で大体読めてしまったので、新鮮味、斬新さが全く無かったのは
残念です。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:4)
ちょっとノリがぶっ飛びすぎてついて行けませんでした。
これはこれで悪くないとは思うんですけどね。

075 True story (採点:3)
うーん、序盤はなかなか良かったと思うのですよ。
しかし、途中からなにがなにやらわからなくなってしまいました。
名雪の話と美汐の話に関連性が見出せず、無理に内容を詰めこみすぎの感が否めません。
これは二つ全く別の話としたほうが良かったのでは無いでしょうか?

078 「dearest」 (採点:7)
純粋ラブものでも、甘甘なだけじゃなくてシリアス要素も上手く混ぜてあるのが良いと思います。
なかなか高度な良作だと思います。

○Manuke さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
んむむ…。少々、酔い過ぎじゃないでしょうか?
久瀬の内面を描いたこと自体は面白いと思うのですが…。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

002 鈴の音よ再び (採点:6)
祐一の迷いと決意という部分がよく描けていると思います。
ただ、極端な改行で間を表現するのはいただけません。
(末尾の大量改行はわざと?)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

003 お泊まりパニック! (採点:2)
う〜む。なんと言うか、まとまりのない話だと感じました。
北川君苛めが過ぎるのも、あまり気分が良くありません。
各キャラクタも、果たして無理に出す必要があったのか疑問に思う者が幾人か…。
祐一の動転度合いも大げさ過ぎの感があります。

004 The regret (採点:1)
香里と祐一をくっつけるだけのために、北川君殺しちゃいますか…。
『人を見る目』という能力云々も意味があるとは言いがたいですし(単に機微に聡い人間ってだけで十分でしょう)、幽霊と会話している香里を置いて去ってゆく祐一も変です。(相手は幽霊ですよ?)
そもそも、祐一と北川君の書き分けができていません。
巷に氾濫する「栞を殺して、祐一と香里がくっつく」話を男女裏返しにしただけにしか見えませんでした。

005 プライベート・ハンター (採点:3)
いや、ほんとに…。佐祐理さんの存在が無意味になってます。
お話としては面白い展開ではありますが、少々文章のおかしい部分が散見されました。また、読点が少なくて読みづらい部分も少なくありません。
アクションシーンを描こうとする意気込みは買いますが、今ひとつ迫力に欠けます。
さらに、見えないはずの魔物の位置を祐一が的確に把握しているのは違和感があります。(そんなに早く修行の成果が表れるとも思えませんし)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
  一部のみというのは明らかに校正不足。

006 「日課」 (採点:7)
悪くないですね。どこまでも不器用な北川君が魅力的に描けていると思います。
ただ、花見で寝ている北川君を起こしてあげないばかりか、弁当も残しておかない友人たちはどうかと…。
それから、極端な改行で間を表現するのは感心できません。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
う〜む…。これ、かなり規定違反っぽくないですか?(18禁までいかないからってこと?)
口調が丁寧過ぎて、秋子さんらしくないです。また、文章が変な箇所も一部ありました。
そもそも、秋子さんならではの展開、というものがほとんど感じられないのはどうかと…。

008 激辛 (採点:6)
う〜ん、決してつまらなくはないのですが…。
タイトルそのまんまの展開では少々物足りないと感じてしまいました。もう少しひねりが欲しいです。
(秋子さんはいい味を出していると思いますけど)

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
やな奴ですねぇ…祐一。愛情を天秤にかけますか。(結果的に、そう見えてしまいます)
最初はパラレルかと思ったのですが、どうやら違ったようで。
(パラレルワールドので別々の祐一が、同時に同じ疑問を感じた…ってのならまだしも、ハーレムですか…)
しかも、答え一緒だし。
さらに、極端な改行で間を表現するのは悪印象を与えるだけです。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
  一部だけなのは明らかに校正不足。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
ああ、もう…。見事です。
どこまでも不器用な二人と、暖かく(意地悪く)見守る祐一と栞。キャラクタを大きく逸脱させることなく、かつ独自さを持たせることができていますね。
(「そこでその台詞か」とツッコミを入れつつ、北川君の表情が目に浮かぶようでした)
文章も素晴らしい。タイトルのガジェットも、見事に『スパイス』となって物語を締めくくっていると思います。
が、少々細かいことになってしまいますが…。
呼称には注意を払いましょう。香里の一人称『わたし→あたし』(台詞と地の文で変える理由が不明)は言うに及ばず、祐一は香里のことを『美坂』ではなく『香里』と呼び捨てにします。小さいことですが、些細ではありません。
あと、最後の一文はストレート過ぎかな、と感じました。もう少しぼかしてもよかったかもしれません。(かなり主観的な意見ですが)
今回は10点を付けさせていただきましたが、これは満点ではありません。(12-2)点ぐらいのつもりなんです。(同じことですけどね)
※書式で気になった点
・点々の文字(中黒『・』x3→三点リーダ『…』x2)
  同様の使い方をする他の人には指摘していません。貴方にだけ、です。
  意識されてのことかもしれませんが、あまりにももったいないので。
・文章の区切り(「美坂香里、美坂栞、北川潤と相沢祐一の立ち会いの元に…」の箇所)
  ここは『栞』の直後で(句点などで)区切るべきでは?

011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
…醜悪でした。
物語としてはアリなのかもしれませんが、あまりにも身勝手すぎます。祐一も、あゆも。
相手を思いやることのできない、原作とズレた性格のように感じられてなりませんでした。
申し訳ありませんが、客観的に評価することができません。

012 空っぽのテクスト (採点:2)
…栞を殺せばいいというものではないんです。
確かに原作は陳腐のそしりから逃れられない内容ではありますけれど、裏返せば安易でなくなるというものではないんです。
あまりにもベタすぎます。文章は決して悪くはないのに、中身の薄っぺらさが全てを台無しにしています。
人が死ぬのは当たり前なんです。そして、残された人々がそれを乗り越えて生きていくのも。

013 Conservation for Love (採点:7)
確かに面白いお話になっていると思うのですが、若干地の文に違和感を覚えました。(少々ぶつ切り的かな、と。特に何が悪いというわけではないので、好みの問題かもしれません)
タイトル部分の英文はパロディと分かるよう、日本語訳も併記した方が良かったのでは?
また、冒頭と末尾でぷっつりと終わる文章も、ちょっと気になりました。もう一言あってもいいような気もします。(意図されてのことだとは思いますけど…)
それから、あまり言いたくはないのですが、nobr要素中のwbrによるワードブレークはブラウザ依存です。Mozilla(たぶんNetscape6/7も)やOperaでは全く改行が入らず、横スクロールしないと読めない状態ですから、避けたほうがよろしいかと…。
(IE以外は知ったことじゃないと言われたら、それまでなんですけどね)

014 おまえの名前 (採点:4)
なんだか…真琴嬢がいいように丸め込まれたように感じられてなりませんでした。
『しっくりこなくて』以外に、真琴の命名由来が語られてません。一番肝心な部分なのではないですか?
お話自体はそれほど悪い感じはしないのですが。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
うわ…。これはあんまりです。
本編を真似ようとしているようですが、成功しているとは思えません。根本的に文章の基礎を学ぶべきでは?
「で…いつまでまでなら生きていられる?」って…。なんという質問の仕方ですか。三流悪役ですら、こんな直接的かつ残酷な台詞はなかなか吐きません。
医師が「死んだ方がましな状態ですな」なんてことを抜かすようでは世も末です。
結末はあまりにも唐突で、唖然としてしまいました。
そもそも、なんのために話を作り替えたのか…。(香里シナリオとして成立していません)
※書式で気になった点
・文末に句点がない(あいうえお→あいうえお。)
  閉じ括弧直前では省略するが、通常の文末は付けるべし。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:3)
うーむ…ちょっとコメントし辛いですねぇ…。
若干異色ではありますが、二次創作としてはアリなのかもしれません。が、ここまで変えてしまうと果たしてKanonと言っていいものか。(性別ではなく、あゆのことが、です)
キャラクタだけ流用したように感じられてなりませんでした。
また、『女性化』タイプのお話としては、少々度が過ぎているように思います。ご自身がお話中でも語ってらっしゃいますが、当事者にとっては冗談ごとではないはずです。不謹慎のそしりは免れられないかと。

018 雪解け水 (採点:4)
IFストーリーですか…。正直なところ、あまり成功しているとは思えませんでした。
(歴史の授業で「この街の歴史」なんてやるでしょうか?)
祐一も名雪も、少々思いやりに欠けるように感じられます。また、意識しての上でしょうが、原作の別シナリオを中途半端に混ぜ合わせたようで、オリジナリティが不足しています。
さらに、一部文章がおかしい箇所が見られました。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
  一部だけなのは明らかに校正不足。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
えっと…どう反応してよいものやら…。せめて、完結させたもので参加しましょうよ?
この時点でもう評価できないんですが、ほかにも色々とツッコミ所が…。
例えば、喉に物を詰まらせた祐一が声を出すのは変です。空気の通り道が塞がれたから息ができないわけですから。
佐祐理さんが『魔犬』と舞の間に割り込んだ意図も不明です。邪魔しただけなのでは?
そもそも、日本に野生の狼はいません。逃がすのも論外。(まあ、化けたりする時点で普通の狼ですらないんでしょうけど)
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

020 私の望み (採点:6)
う〜ん、雰囲気は決して嫌いじゃないんですけど…。
美汐の鈍感さが、ちょっとお約束過ぎなのは残念なところです。(その部分を除けば、印象は悪くないんですが)
個人的には、美汐より祐一のほうが魅力的に感じられました(^^;)
それから、極端な改行で間を表現するのは少々問題です。そんなことをしなくても、文章で表現できているはずなのですから。

021 想いの果てに (採点:3)
読後感は悪くはないのですが、やはり全体的に安易ですし、展開も読めてしまいます。
文章中の読点が少ないため、読みづらい箇所が多数ありました。
また、極端な改行で間を表現するのはあまり良い印象を持てません。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

022 笑い声がきこえる (採点:5)
なるほど…。
非常に興味深い形のストーリー展開だと思います。
お話としても、Kanonの設定を損なうことなく醜悪な裏返しをすることに成功していますね。
ただ、ダークの演出を猟奇的表現に頼り過ぎている感は否めません。スプラッターや発狂は単体でも不快なものですから、できればこれらに頼らず描いてほしかったところ。
また、中盤のネタ明かしまでは良かったのですが、それ以降は展開が読めてしまうのは残念。
余談ですが、極端な改行で間を表現するのは感心できません。貴方の筆力であれば、文章で表現できるはずだと思いますから。

023 WA4 (採点:1)
なんだか、訳が分かりません。
秋子さんを身体年齢75歳の過労(?)状態に設定された理由も読み取れませんでしたし、名雪が祐一を避ける意味も不明です。(秋子さんの病状を話せないからですか?)
一番の問題は、祐一が人を思いやっているようにはちっとも見えないことです。(背徳感が「新しい世界に見せてくれそう」って…)
文章も、どこかおかしい箇所か多数。美汐が真面目に話している隣で『大爆笑』したことを思い出している祐一は、馬鹿にしか思えません。
そもそも、冒頭の「美汐の危うさ」の話はどうなってしまったんですか?

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
……。
これがKanonのSSである必要性を感じ取ることはできませんでした。
ありがちな愁嘆場も、妄想なのかも分からない『事実とは異なるひとつの可能性』も、最後の聞いたような英文も、何が言いたいのかさっぱりです。

025 歩いて行こう (採点:2)
あまりに安直です。
祐一の『知られざる過去』は出さないほうが良かったでしょう。どう見ても浮いています。
正直なところ、前半の久瀬には魅力を感じたのですが…。(逆に祐一は『凄い奴』過ぎて面白みに欠けるような)
個人的には、久瀬が最後まで態度を改めない(でも、ちょっとだけ変わる、とか)ぐらいにとどめてくれたほうが好きになれたかもしれません。
(原作の久瀬は嫌いだけど(^^;))

026 ステップ (採点:1)
どうコメントして良いのやら、難しいところですが…。
まず、言葉の使い方が変なところが多数。漢字も難しい文字を使えばいいというものではありません。背伸びをし過ぎでしょう。(「こめかみ」って、顔のどの部位かご存じですか?)
ストーリーもまとまりがありません。冒頭の秋子さんのご両親の事故、そして兄夫婦の事故が、物語中で意味を持っていません。(状況設定だけのために起こされたように感じられる)
名雪が結婚を急ぐ理由もさっぱり分かりません。二人が結婚すると、秋子さんは解放されるんですか?
結末はぶつ切りで、余韻もなにもあったものではありません。(コミカルな締めを狙ったのでしょうけど、失敗だと思います)
そもそも、この状況で秋子さんが名雪の母親代わりになることなど不可能でしょう。
さらに、秋子さんは祐一の母親の妹であることが、本編中ではっきり明言されています。この矛盾点はどう説明するのでしょう。(祐一が知らなかっただけ、というのはちょっと…)
最後に、『白花屋』ってどこですか? もしかして『百花屋』の隣にある、ウェイトレスが失敗ばかりする喫茶店?(^^;)

027 ウエディングヴェール (採点:2)
冗長で、意味のない部分が多すぎます。
キャラクタの行動も表面的で、深みが感じられません。
※書式で気になった点
・台詞部分で改行をしない書き方の多用(使い過ぎ)
  一部に使うのはアクセントになるが、多用するのは問題。

028 ”プレイ” (採点:3)
(個人的に、『ダーク』に分類してほしかったと感じます。「この程度で?」と思われるかもしれませんが、狂気が扱われている以上、そうあるべきかと)
あまり納得が行かないところです。祐一のキャラクタではないでしょう。
(心が悲しみにつぶされぬよう、記憶を改竄したという設定なのでしょうが、過去はともかく現在の祐一はもっと強いはずです)
ネタそのものも序盤で割れてしまい、正直に言って後は苦痛なだけでした。
北川君も聞き手とネタばらし役以上のものになっていません。

029 最後の奇跡 (採点:2)
# なんだか祐一はよく死にますねぇ。(栞ほどじゃないですが(笑))

奇跡の演出のために、登場人物を事故に遭わせるのは安易です。(名雪シナリオでは特にそうです。秋子さんの事故の焼き直しにしか見えない)
また、さすがに完全に医師が臨終を確認した後、というのはやり過ぎですね。(危篤ぐらいに抑えておくべき)
さらに言うと、あゆはこういう行動に出る子ではないでしょう。むしろ自分を犠牲にして、そしてそれを祐一に伝えすらしないまま消えていく。その健気さこそがあゆの良さなのですから。

030 奇跡のかわりに (採点:10)
ああ…すごく良かったです。
途中まで読んでいるときは、なんだか別のゲームまんまなんかじゃないかと心配になりましたが、杞憂でしたね。(ギャグっぽいところに、さらに別のゲームのテイストが…ってのも気のせいかも(^^;))
これは『イマジナリー・コンパニオン』が具現化したということなのでしょうけど、栞自身まで忘れてしまうのはちょっと切ない気がします。
Kanonらしさとオリジナリティがしっかりと両立していますし、優しさと切なさ、そしてギャグのテンポの良さには脱帽です。
ただ、ちょっとだけ誤字が…。(『一週ツアー』とか『収納グッツ』とか)

031 グッナイ (採点:1)
えっと…。なにがおっしゃりたいのか、さっぱり分からないんですけど…。
登場人物の思わせぶりな言動が、お話に全く絡んでいません。しかも、Kanonのキャラクタがあまりそれらしく感じられないのは問題。(特に秋子さん。家族といるときでさえ変です)
根本的に文章表現がおかしく、状況が非常に掴み辛いです。丁寧に描写しようという心意気は買うのですが。
文章がぶつ切り的、かつ読点が必要以上に多く、なんだか「田口トモロヲ」語りを思い浮かべてしまい辟易しました(^^;)
『逢李嘉』などという、到底読めない名前を使うのもなんだか…。そもそも、彼女の家族をなんのために出演させたのか理解に苦しみます。(対比のつもり?)
さらに言うと、ちっとも『ほのぼの』しているようには思えませんでした。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:5)
『まい』達の視点から見た舞シナリオというストーリーは面白いと思います。
ただ、結末部分の台詞を原作と変える必要性はあったのでしょうか?
また、極端な改行で間を表現するのはいただけません。

033 エム (採点:7)
展開としては悪くないですね。舞の子供が『力』を持つ可能性は確かにあるかもしれません。
ただ、一部気になる箇所も…。
まず、坂井君の行動の動機が分かりません。ウザいというだけでそんなことをする少年は、いくらなんでも問題ですし。(『好きな子に意地悪』系…ではないと思うけど)
『ゆき』と『ユキ』の名前の読みが同じなのは何か理由があるんですか?(北川君の好きな『違うゆきちゃん』とやらも…)
そのせいで読みづらくなっていますし、貴方ご自身が間違えている箇所もありますから、やめておいた方がよかったのではないでしょうか。
『ゆき』と魔物の決着方法も、少々違和感を感じます。舞の事例から考えると、あれでは解決しないように思われるので。
また、校正不足からか、一部誤字が見られました。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:1)
…もう少し、焦点を絞りましょう。
舞と佐祐理さんの物語だけならともかく、栞の話も混ぜ込むことで、冗長な作品になっています。
それ以上に、佐祐理さんの『決着』に対する部分が意味不明です。(結局、祐一は『後悔』することになったんですか? どうして?)
大体、卒業間近の佐祐理さんが何故生徒会を手伝う必要があるんでしょう。
また、原作では佐祐理さんと久瀬は対話のシーンまで面識はない、と佐祐理さん自身が明言しています。ペルソナがどうの、と観察する段階にないと思われますが。
さらに、どのシナリオルートを取っても、祐一と栞は出会っているはずです。そして、祐一の側はともかく、栞が祐一のことを忘れるはずはありません。決して。
(一部、文章がおかしい部分や誤字が見られました。『舞い』ってのはあんまりかと)

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
確かにダークなお話です。よく纏まっていますね。
ただ、そもそもこれをKanonのSSとする理由がほとんど見いだせません。
(自己の記憶を都合のいいように書き換える奴、ということなのでしょうが、そこだけ取り出してもカリカチュア以上にはならないかと)
しかも、情報が多すぎて序盤でネタが割れてしまいました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
う〜ん。なんだかあゆが子供子供していて、今ひとつ魅力に欠けるように感じられました。
(全体的な印象は悪くないんですが…)
お約束である風呂ネタ(温泉とか混浴とか)を外してはいけません。(嘘です(^^;))

037 美凪 (採点:6)
ふむふむ、前半が「です/ます」調と「である/だ」調が混ざったり、文章が少々おかしかったりするのは、子供の稚拙な文章を演出しているわけですね。
…と思ったんですが、違うのかな?(^^;) 後半にも若干同様の表現が混ざっているような…。
それはともかく、自分自身を縛ってしまった美汐の苦悩と成長が、良く描けていると思います。
ただ、「お名前は?」のシーンと別れのときは別の日ですから、文中の表現はおかしいでしょう。
さらに、祐一が『落ち着いた雰囲気』に変わったというのは、状況的にも心情的にも同意できません。
祐一は美汐の事を「おばさんくさい」とからかう余裕を持っていますし、そもそも「(外見上は)変わることなく強くある」点が祐一の魅力なのだと思っていますから。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:2)
う〜ん…お話自体は決して悪くないんですが…。
言葉の使い方がおかしい部分がいくつかありました。また、会話文が続き過ぎる部分も多く、少々間が抜けた印象が否めません。(もう少し地の文章が欲しい)
香里が祐一に胸の内を語るシーンは1/23(土)ですから、その後北川君が数日間学校を休むというのはおかしいような…。1/26(火)には教室で目撃されていますし(^^;)
あゆが同級生だったというのも唐突で、お話から浮いてみえます。もう少し掘り下げが必要では?
さらに、結末部分で栞の空想という形にしたのは『逃げ』のように感じられます(文責を栞に押しつけられますから)し、そもそも意味不明です。これは失敗だと思うのですが…。

039 幻実、そして星 (採点:4)
お話自体はかなり良いと思うのですが…。
正直なところ、原作との差別化ができていないように感じられてしまいます。
(意図されてのこととは思いますが)

040 楽園日記 (採点:9)
こういうの、いいなぁ…。
あんましKanonと関係ないような気もしますが、男の友情の話っていいですよね。(ヒロインの出番なしなのも潔いです(笑))
なんと言うか、秘密基地っぽいとことか。(もうちょっとサバイバルな表現は欲しかった感じ)
祐一も北川君も格好いいし、久瀬もいい味です。斉藤君はちょっと良い子過ぎのような気もしますけど、一人称の話者ですから仕方がない?(良識派が一人は必要だし)
『ヘリが迎えに来ておしまい』なのは、あっさり過ぎて少々残念(ってのはむしろ祐一達が感じたことかも)。
個人的には一山が欲しかった気がするんですが、あればあったでわざとらしくなるかもしれませんから、これで良かったのかもしれません。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
…上手い。
SF作品として、かつKanon二次創作として、しっかり纏まっていますね。
少々弾け過ぎ(笑)の部分はあるものの、栞も早緒里も楽しく、可愛らしく描けています。
タイムスリップ現象の説明はちょっと中途半端な感じかな? 多世界解釈における別の宇宙への移動、というのは分かりますが、何故それが起こったのかという説明が完全に省かれていたのは残念。(奇跡?)
また、「誤差みたいな違いしかない世界がたくさん」というのも納得行かないところです(歴史の復元力ってのはどうも胡散臭い)。何せ、北京で蝶が羽ばたいただけで、ニューヨークでハリケーンが起きるかもしれないんですから。:-)
(少なくとも私にとって、栞がいるかいないかは、人類の滅亡より重要なポイントです(笑))
ともあれ、大変楽しく読ませて頂きました。
(しかし、『ガールズ』って…(^^;))

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
残念ですが、あまりにも内容がなさ過ぎます。
登場するキャラクタは実に表面的で、奥行きがありません。特に祐一はステレオタイプの極致です。
多くのキャラクタを登場させたせいで、描写がっぺらになってしまっています。
祐一が取る行動も、佐祐理さんのそれも、衝動的というか流されただけというか、およそ魅力が感じられませんでした。
『だれそれはその後どうなった』というだけでは、ストーリーは成り立ちません。
また、文章表現に難のある部分や誤字が目立ちます。もっと校正しましょう。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
楽しく読ませていただきました。
テンポ良く、しっかりと面白くお話が描けています。全体的にほんわかとした雰囲気もいいですね。
美汐や栞も魅力的です。(名雪はちょっと可哀想な役所ではありますが)

044 パンドラ (採点:8)
一歩を踏み出す勇気が持てない美汐と、優しくその背中を押す祐一の物語は、ほっと心が暖まる雰囲気が良いですね。
ただ、これは若干フェアではないかもしれませんが、美汐SSは激戦区のためにやや辛めの評価となってしまいます。(単独の物語としては悪くないのですけれど)
文章/構成/リズム/キャラクタ、いずれも高レベルだとは思うのですが、『これ』というインパクトが今ひとつ感じられないのが少々残念なところ。(タイトルは良い感じです)

045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
う〜ん、かなり微妙です。
前半は面白く描けていますし、祐一も美汐も充分に魅力的です。
後半の美鈴復活以後は、ちょっと展開が目まぐるし過ぎるような…。妖狐と装飾具、天野家の関係なんかも、今ひとつないがしろにされてしまっている感じを受けました。
美鈴もキャラクタが立っていますし、雰囲気としては悪くないのですが。(もっと長編に向いているような気がします)

046 ホワイト・ミュージック (採点:4)
悪くはないんですが…。
祐一が、らしくないキャラクタになってますね。まあ、そもそも影が薄いですけど。
秋子さんと亡き母に対する想いの葛藤なのに、秋子さんも母親もろくに出てきませんし。美汐の回想も、なんとなく取って付けたよう…。
佐祐理さんと舞に言及したのも意味不明です。多くのルートを混ぜ合わせたのかと思いきや、栞と香里は影も形もないし。
あゆと美汐という意外な組み合わせ自体は面白いと思います。最後の段落も、余韻がいい感じです。

047 笑顔 (採点:7)
プレストーリーとしては悪くないと思います。(香里のフェーズが好き、かな?)
が、少々気になる点が目立ちました。
まず、名雪が祐一を「あいつ」呼ばわりするのは、かなり違和感が…。
また、名雪は父親の顔を『ほとんど覚えていない』のではなく、『知らない』はずです。
祐一が名雪に雪うさぎを作ってみせるのも変です。本編の台詞と合わなくなってしまいますから。
秋子さんの一人称は『私』ではなく、名雪と同じ『わたし』です。確かに区別はつき辛くなりますが、だからと言って変えるのはどうかと…。
さらに、非常に細かいことですが、舞シナリオで語られる幼少のみぎりでは、祐一の一人称は『僕』です。麻枝ルートは別、ということでなければ、出会った時点での祐一の一人称は『俺』ではなく『僕』とするのが自然だと思います。
加えて、ゲームが始まる1/6時点で、香里が泥沼から抜け出すための取っかかりを得ているというのは、かなり納得が行かないところです。
…と、あら探しになってしまいましたが、ほのぼのした場面なんかはとてもいいですね。

048 走る少年少女達 (採点:1)
久瀬…が主役ですか、これ? 無茶苦茶影が薄いんですけど…。
むやみに爽やかで良い奴にしても、意味がありません。書くだけならどんな描写もできます。重要なのは、原作との結びつきです。
そもそも、ストーリーも別段面白く感じられませんでしたし、登場人物を増やし過ぎたせいでキャラクタが薄っぺらなこと…。
さらに、文章のおかしさ、内容の矛盾が目立ちます。台詞のない美汐が喋ったことになったり、三年生が卒業ぎりぎりまで生徒会を運営してたり…。肝心のマラソンは省略されっぱなし。
全体的にネタが安易で、ちっとも笑えませんでした。
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)
・改行位置が変
  意味のある位置で改行したいのだろうが、読みづらいだけ。

049 少年期 (採点:3)
ジャンルが書かれていないから、何かどんでん返しがあるのかと期待していたんですが、何もありませんでしたね。
正直なところ、あまりにも勿体付け過ぎかと…。祐一の訪問や香里の相談時など、もう少し何か言わせてもいいのではないでしょうか? 直前まで引っ張った割には、あまりに意外性がなさすぎて拍子抜けです。
前半で丹念に情景描写されているのは好感が持てるのですが、逆にそれが徒となり、非常に退屈な文章になっていることが否めません。
結末もそうです。人の生き方、まして『少年期』なのですから、結論が出ないのはある意味当然ではあるでしょう。「ああ、これも青春だねえ」と言えるかもしれません。
が、それを組み合わせてみると、物語として致命的な弱点となってしまうんです――すなわち、面白くない。つまらないことで悩む祐一も、どうにも『らしくない』印象を受けます。
実力はおありでしょうから助言は必要ないのかもしれません。が、あえて言わせてもらうと、もう少し物語性を意識して欲しいと思います。少々現実的でなくても、矛盾や破綻があっても、そうしたお話が人の心に残るはずです――Kanonのように。
(『フリーク』はちょっと誤字としてはヤバ過ぎかと…(^^;))

050 鮮やかなモノクローム (採点:6)
なんと言いますか…どう評価していいのか難しいところです。
まず、どうしてこれをKanonでやらなければならなかったのか、と感じざるを得ませんでした。二人の人間の死を、あまりにも安易に扱っているように思います。祐一の両親も、こんな風に設定する必要があるのか疑問です。
その一方で、大変奇麗に纏まっている作品だ、とも同時に感じました(特に結びの部分)。香里や名雪の弱さと強さを、上手く捉えることができています。栞もいい味ですし。
(少々後半が足早の感はあるものの)
決して作品自体は悪くないと思います。が、私はこのお話が好きになれませんでした。
(一部、読点が少なく読みづらいところがありました)

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
うむむ…。
お約束のオンパレード、暴力ギャグ、オチの弱さ、文章のおかしい部分等々、問題点が多いのですが…。
「SSこんぺ」でメタなギャグを使うという度胸と、『牛丼部』に免じて評価(^^;)
(『●』のような記号はかなり違和感が強いので、避けた方がよろしいかと。せいぜい『○』や『×』程度にしておくべき)
※書式で気になった点
・文末に句点がない(あいうえお→あいうえお。)
・改行位置が変
  意味のある位置で改行したいのだろうが、読みづらいだけ。

052 Give me a reason (採点:3)
祐一取った行動がお嫌いなんでしょうか?
正直に言って、あまりにもありきたり過ぎて、面白みがありません。本当に辛いとき、『正論』が正しいとは限らないのですから。北川君の言葉が薄っぺらに感じます。
また、香里も北川君も、どうにも『らしさ』が表現できていないように感じられますし。
それから、思考内容を「――○○○」という形式で並べるのはどうかと。あまり多用すると、文章が間が抜けてしまいます。ある程度は地の文で説明しましょう。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
こうした優しい雰囲気の作品は好きです。好きなのですが…。
地の文で、言葉の使い方がおかしい箇所が見られました(誤字も)。会話文ではそうでもないのですが…。(文語表現の用法が少々間違っているように感じられます)
また、中盤の『ラブレター云々』の逸話は、あまりにもお約束過ぎです。(70年代あたりの少女漫画のよう…)
タイトルがどこかで見たような組み合わせなのも、若干悪印象。
…でも好き(^^;)

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:2)
どうにもアンバランスなお話です。
まず、この『多重人格』説は明らかにおかしいでしょう。
私も別に詳しいわけではありませんが、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)は記憶の分断という症状がひとつの特徴だったと思います(アイデンティティ・記憶・意識の統合ができない状態)。すなわち、他人格がしていることを覚えていない、というような。
それは置くとしても、文章のおかしい部分があちこちに散見されます。全体的に、どうも背伸びをしている感が否めません。
また、久瀬が煙草を喫うシーンがいくつかありますが、はっきり言って変です。
佐祐理さん登場時は親友との諍いに動揺していたからという言い訳もできますが、屋上や生徒会室での喫煙は誰かに見られてもおかしくない状況でしょう。そんな迂闊なことをするようでは、早晩バレるのがオチです。(煙草程度で四次元扱いも納得行かない)
さらに、佐祐理さんは本編で「どんな方なのかは知らない」「話したことはない」と言ってますから、久瀬の涙云々など知るはずもありません。
仮に上記の事柄を全て無視したとしても、そもそも久瀬の行動を「生徒会長としての『人格』」がしたことだとするなら、それは原作の久瀬自体を否定することになります。私は久瀬を友情演出のための単なる端役だと捉えていますが、魅力を見いだすとするなら「小の虫を殺して大の虫を助ける」という冷徹かつ合理的な側面だと思うのですけれど。

055 煌めきの欠片 (採点:2)
基本になる物語は悪くないのですが…。
まず、文章がおかしい箇所や誤字が多数あります。
また、読点が少な過ぎ、大変読みづらい文章になっています。
登場人物もキャラクタらしからぬ言動が多く、非常に違和感を感じました。
台詞内容も非常にちぐはぐです。「突き落とす」のは事故とは言えませんし、そんな物騒な言葉を聞いてものほほんとしている祐一は、いくらなんでも寝ぼけ過ぎです。
各々の登場人物がやたら『少女』で表されるため、分かりにくい場面も多数ありました。(誰が誰なのかを把握していれば理解できますが、それではぼかした意味がない)
さらに、プロローグ/エピローグは文体が違うのですから、もう少し明示的に区切った方が良かったように思われます。(タイトルをそこに挿入するとか、章表記をするとか)

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:2)
残念ですが、不快感を感じずにはいられませんでした。
『主夫』が、下らないことですか? 昆虫に興味を持つのは『ガキ』のすることですか?
蛍を繁殖させているペットショップはあるようですし、図書館で蛍がらみの本が全部出払っているなんてことがあるとも思えません。
そもそも、蛍を見に行くだけのことで、そこまで大騒ぎすることもないと思うのですが、都会で暮らしているとそんな感覚なのかな。
祐一の言動がいちいち斜に構えていて、しかも神経質なのも不快です。
根本的に、KanonのSSである必然性を全く感じられません。

057 移し火恋歌 (採点:2)
何というか、読み進めていくに従って、この話の異様さにクラクラしました。
どうしてこんなに脈絡がないんでしょう?
祐一が一弥を堀り当てる部分はあまりにも唐突ですし(前段で読者に対してなんらかの説明があってしかるべき)、祐一が至る結論も妄想的で、悲惨な結末は取って付けたかのように感じられます。
延々と二重見当識を説明する箇所も、舞と佐祐理さんのお話自体も、存在意義を見いだせません。
この作品の底に流れる『危うさ』自体が、意図されたものなのですか?

058 30℃ (採点:5)
結局、なんだったのですか? 私には読み取れませんでした。(読み始めは栞あたりかな、と思ったのですが、どうも違うようですし)
結局、二次創作は借り物の舞台なのですから、独自の性格づけで自己完結されると不満が残るばかりです。
どこかで見た文体のような気はするものの、勢いがありますし、美坂チーム面々のやりとりや各キャラクタはしっかり描写できていると思います。
ただ、全体的に思わせぶりな表現が多く、どこかしらバランスを欠いているような…。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:5)
直前で気付きました。なんとか敗北せずに済んだ(笑)
しかし、SSとしてはちょっと問題がありますね…。オリジナル色が強過ぎるのもそうですが、一番の難点は、そもそもあまり面白く感じられないところです。意図されていることだとは思いますが、だらだらとおしゃべりが続き過ぎるため、だれてしまっている感が否めません。
また、秋子さんの事故はどんな意味があったのか…(死にかけた&姉の動揺という類似点の演出のため?)。ご両親が亡くなられるのは、原作とのからみで仕方がないと思いますけれど。
あと、ちょっと分からなかったのが『美人姉妹』の件です。これは先年に生まれている『ゆういちさん』の娘とその妹、ということになるんでしょうか? 年齢が合わないから違うと思うのですが…。(あ、もしかして小or中学校留年とか?(^^;))
ネタとしてはアリだと思いますが、肝心の文章が面白く感じられなかったのが残念。決して下手だとは思わないんですけど…。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:2)
意味不明です。
舞台設定を未来の月面に持ってくる必要性が感じられませんし、北川君本人ではなく機械の兎を持ってきた理由も分かりません。
また、地球は自転しているわけですから、月面のある一点から見上げても意味はありませんし、そもそも距離が離れ過ぎています。(そういった点をおろそかにしては、SFとは言えません)
お話自体の印象は悪くないと感じましたので、むしろファンタジー系の作品に仕上げた方が良かったのではないでしょうか。
なお、極端な改行で間を表現するのも良い印象を受けません。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
ギャグ部分は、あんまり面白くは感じられませんでした。なんというか、『腕力』系という感じが…。(壊滅的という意味ではないんですけど)
また、どんなネタが待っているのか期待しながら読み進めていたんですが、これでは肩すかしでした。
こう言ってはなんですが、安っぽいラマを見るようです。解決方法もセオリー通り。
文章は上手いし、テンポもいいんですが…。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:1)
えっと、私『プロジェクトX』はちょっと…。

初っ端からギャグかと思うような英文から始まって、脱字ありの『森緒綾子』博士のお言葉。(脱字じゃなくて似非中国人?)
ハーラン・エリスン風のありがちなタイトルに、『著者』名。
この辺りで既に頭痛がしていたのですが、本文を読んでげんなりしました。
ノンフィクション風のSSですか…。ちょっと寒気を抑えられません。
中盤はまんま本編のダイジェスト、しかも第三者視点の突き放した文章ではなく、一部ただの三人称小説風になっているのも苦笑せざるを得ませんでした。
後半は栞シナリオの否定ですね。およそ見当違いにしか思えません。これが「栞の両親、香里、担当医の努力不足」という前提がないと成り立たないということ、分かってらっしゃいます?
霧島医師のイメージトレーニングとやらも、何が言いたいのかさっぱりです。メス投げたりしてるんでしょうか?
エピローグもなんだか…。美坂家一同も祐一もどうでもよくなって、森緒先生の格好良さが強調されてますねぇ。もしかして、顔に縫い目があったりすると素敵かもしれませんね。
末尾に著者紹介や参考文献があるのも寒過ぎます。こんな文章でJCJ新人賞を受賞できるとは、さすが有名ジャーナリストの志保ちゃんです。

…もしかして、Kanonがお嫌いなんでしょうか?

063 丘の子守唄 (採点:1)
ううう…。
かなりオリジナル要素が強いのですが、確かに面白いお話に仕上がっています。文章も上手く、テンポもいい。この後、なにか大きなことが起こるのでしょうけど、興味をそそられます。
オリジナルキャラクタも立っていますし、北川君もとてもいい味です(秋子さんはイマイチ)。天野幸子さんと美汐の、以後の関りも気になるところです。
でも…でもですよ? 完結していない物語は評価に値しないんです。どんなに素晴らしくても、です。
どう考えても中編に収まる内容ではないことを、書き始める前に気付かなかったのですか?
あるいは、中編に収めるために一部を諦めることができませんでしたか?
これは、あなたの産み出した『丘の子守唄』という物語に対して失礼というものです。

064 面鉄の奥の恋 (採点:10)
…良いお話でした。結びの部分も素晴らしく、しばしその余韻に浸ったところです。
一般受けするかどうか微妙な所ですが(^^;)、私は気に入りました。
どこかしら時代小説っぽさが感じられたのは、剣道場という舞台と、師範の斎藤のキャラクタからかな?(悪い意味ではなく)
少々話があちこちに飛ぶようですが、それも良い味になっています。が、そのせいで多少繋がりが悪くなってしまっている感もなきにしもあらず、ですけど。
ただ、女の子の後を尾けるのはあまり誉められませんよ(^^;)>真治君

065 作品No.2「春」 (採点:10)
優しくて暖かい、とても良い作品でした。好きだなぁ、こういうお話…。
美汐も真琴も、祐一も魅力的に描けています。(真琴母も(^^;))
文章のテンポも良いですね、
ただ、祐一のしゃべり言葉が「〜じゃんか」というのは少々違和感を覚えました。また、美汐が祐一のことを一部「祐一さん」と呼んでいるのも気になります。
あと、若干誤字が目立つようです。(「気ぐるみ」/「恩師らず」/「再開した」等)校正はじっくり行いましょう。
さらに、括弧をネストさせる場合は、内側を二重括弧にするべきかと。
でもお気に入り作品なので評価は甘くさせていただきます(^^;)

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
面白い展開です。良作になる素地は十分に備えていると思います。
ですが、はっきり言わせていただくと、現時点では欠点が非常に目立ちます。
まず、致命的なのは説明不足の点です。何故七年前に戻ることができたのかという点が明確でないのは問題ですね。(おそらく、あゆが関係しているのだとは思いますが…)
また、何故名雪が身代わりになる必要があったのかも明文化されていません。
七年後の有り様はどうだったのかも、場面が少ないため分かりません。(録音式時計の部分は上手いと思いましたけど)
さらに、描写にも問題点が多数。
対になるヒロインの真琴に、ほとんど出番がないのはあんまりです。真琴がこの事象をどう捉えるのか、この状況で真琴の正体はどういう扱いになるのか、そういった点を省略すべきではないでしょう。
美汐の扱いがほとんど端役なのも惜しい。冷静に分析し、解説させる役割を振ることができる唯一のキャラクタなのでは?(祐一だけでは妄想的な雰囲気が否めません)
名雪の退行していく表現で、一部真琴シナリオの焼き直しにしか見えない部分があるのも残念(香里とのからみとか)。もう少し名雪らしさが欲しかったところです。
文章表現そのものに若干難があるのも気になります。ここは修行あるのみ。
名雪の『だお〜』も使い方が変な部分が…。これは『だよ』が眠気のせいで口がうまく回らないのだと思われますので、『だよ』で置き換えてもおかしくならない文章にしなければなりません。
欠点を多数あげつらってしまいましたが、基本のストーリーは良い発想だと思っています。

067 風邪の一日 (採点:7)
うん、悪くないですね。真琴が魅力的に描けています。
4ページ目からは多少キャラを増やし過ぎてバタバタした感じがありますが、ほのぼのとした雰囲気が心地よいと思います。
ネタは早々に割れましたが、これは別段問題ではありませんでした。
ただ、キャラクタの台詞や呼称あたりに少々違和感を感じました。
例えば、名雪は「〜だよ」を多用し過ぎて台詞が変です。いくらだよもん星人だからと言っても、これはやり過ぎでは?
また、真琴が名雪を呼ぶときに「名雪さん」だったり「名雪お姉ちゃん」だったりするのも妙です。(呼び捨てが妥当じゃないかと思うのですが、これはあくまで主観的意見)
舞が「まことさん」と言うのもどうかな、と…。

068 名琴抄 (採点:9)
うわ、こう来るか…。してやられました。
穏やかなテンポで語られる名雪視点の物語が、がらりとひっくり返されるのは見事です。
ただ、一部文章表現がおかしいように思える箇所がありました。
また、何故か第1章の表記が見当たらないようですが…入れ忘れ?

069 ふたつのねがい (採点:10)
うわ…やられました。
ですます調で語られる物語はどこか童話的で、暖かく優しい感じが好きです。
(なんだか狙い撃ちされた感じ(^^;))
若干、校正不足なのか文章がおかしい部分(『古いテレビがのように』とか)がありました。
でも、いいなぁ…こういうお話。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
# これは作者さんの心の内、ということなのかな? だとすると、少し寂しいような…。

オリジナル要素が濃いようですが、お話としてはなかなか面白いと思います。舞の登場シーンなんかは実に格好良く描写できていますね。
が、ツッコミどころが多数…。
これ、いつの話ですか?(^^;) 冷房が入っているから夏だと思われますが、佐祐理さん達はとっくに卒業してしまっているのでは?(漫画大明神におすがりするしか…(笑))
一年巻き戻したとしても、卒業を迎える三年生の佐祐理さんが生徒会長に就任することはなさそうな気がしますし(臨時だとしても)。
また、祐一がロキの力を「フィクション」と切って捨ててますが、これは読者置いてけぼりだと感じます。そんなほのめかしは前半にはありませんし、そもそも『幽霊』自体は存在するんですよね?
第一、単なる思いこみによる暗示ならば、命令されてもいないのに操られるのはおかしいでしょう。(意識できないような小声で指示を受けていたとか、そんなオチですか?)
いっそロキの存在そのものも「フィクション」だったりすると奇麗に纏まるんですが、それはそれで問題か(^^;)
(なお、数学的に『1+1=2』とは限りません)
さらに、祐一の台詞回しが全般的に妙です。しかも本編では、祐一は佐祐理さんに対して敬語を使いません。ここはかなりの違和感を感じさせますので注意。
誤字も少々あるようです。校正は十分に行いましょう。
それから、細かいことですが「<<風習>>」のように半角記号を代用するのではなく、「《風習》」とすることをお薦めします。

# ちなみに、「切っ先が脳天から入って〜」の辺りは本編のパロディですか?(^^;)

071 一緒に生きたい (採点:1)
…最悪、です。
もしかして、Kanonがお嫌いなんですか? そんなに祐一の行動が許せませんか?
自分の気に入らない部分だけ改変したものが、二次創作たりうると思ってらっしゃるのですか?

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
ほんわかとした雰囲気はとてもいいですね。美汐も魅力的です。
ただ、全体的に冗長に過ぎる感は否めませんでした。
美汐が紙飛行機をうまく飛ばせないのは投げ方ののせいだというのは納得できますが、そもそも紙飛行機ってそんなに難しいものじゃないと思うのですが…。空中でだって折れるし。
途中で祐一視点に切り替わる必然性も今ひとつ感じられませんでした。(美汐に対する気持ちを明示するためということではあると思いますが)
また、極端な改行で間を表現するのは、あまり良い印象を持てません。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
決して悪いお話だとは思いません。それどころか、充分に楽しめる作品です。
が、暗黙の了解や言外のほのめかしのため、どうにも独り善がり的な印象が拭えませんでした。(人のことを言えた義理ではないのですが…)
アクションシーンもしっかり描写できてはいるものの、読み手を置き去りにしているような気も…。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:8)
穏やかなテンポと不器用な優しさが、とても心地よい雰囲気を形作っていると感じました。
ただ、微妙に気になる点もいくつか…。
名雪の一人称を、台詞/地の文で『わたし』/『私』と使い分けられているようですが、これには違和感を覚えます。(しかも、一貫していない)
それから、『ダイヤモンドダスト』は発生メカニズム的に雪とは違うものです。

075 True story (採点:1)
もう少し、ご自身の実力に見合った文章を書かれることをお薦めします。
文章自体が目茶目茶で、日本語になっていません。誤字もあまりにも多過ぎます。無理に背伸びした書き方は止めたほうがよろしいかと。
序盤の語り口調と一人称小説風文章が入り交じった部分は、どちらかに揃えるべきです。
また、延々と会話文が連続するところは、読んでいて嫌気が差してきてしまいます。ある程度のタイミングで地の文章を挿入しましょう。
そもそも、祐一/名雪の物語と、美汐の話をリンクさせた意味があるようには思えませんでした。
しかも、『フィクション』なんですか、美汐の話は?
※書式で気になった点
・閉じ括弧直前の句点が余計(「あいうえお。」→「あいうえお」)

076 夢の劇場 (採点:8)
ここまでしっかりと香里の対決を描いている物語は滅多にありませんね。見事です。
単に栞を死なせて、「明日に向かって歩いていく」で終わりという話はよく見かけますが、このSSはそれらとは一線を画する出色の出来だと思います。(私、栞属性なんで読むのは辛いんですけど…(^^;))
ただ、この話の基調にKanonという物語の否定を感じてしまうのですが、これは穿ち過ぎですか?
それから、栞/香里両視点における地の文章が、心情描写が多くて若干三人称らしからぬ印象を受けました。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:4)
むむ…。騎兵戦を書きたかっただけ、なんてことはありませんよね?(無いと思いたい…)
名雪の恋愛駆け引きはなんだか安っぽく感じられて、面白いとは思えませんでした。そもそも、祐一は優柔不断でも八方美人でもない(むしろ、思っていない相手にはそっけないほど)と私には感じられるのですが。(つまり祐一も、名雪も、さらに栞も『らしく』ない)
また、気になる点もいくつかありました。
例えば、北川君は相手方のカラーボールで頬に色を付けられますが、ゲームならここで退場でしょう。直接当たっていないなんていうのは言い訳にならないと思います。(それを許すとけじめが付かないでしょう?)
『頬に一筋の紋様』ってのは確かに絵的に映えますが、これは騎馬戦なんですから。格好悪くても「からくも避けた」あたりが妥当だと思います。
さらに冒頭、輿に乗っているはずの香里に対して、「轡を並べて」という表現は変です。(「そこから転じて…」の意味には、ここでは取りづらい)

078 「dearest」 (採点:7)
う〜ん、ほのぼのしているし、香里は可愛いし、「せーしゅん」なんですが…。
どうにもインパクトに欠けます。
花言葉で最後まで引っ張るのは一昔前の少女漫画のようで、少々興醒めでした。
また、同じ行動のためか、栞と名雪が今ひとつ書き分けられていません。北川君に至っては当て馬…。(祐一に告白した子も)
ひとつひとつは必ずしも悪い要素ではないのですが、全体を眺めるとあまりにも無難すぎるのが問題です。もうすこし何かがあると良かったのですが…。

○RED さん

028 ”プレイ” (採点:6)
点数は便宜上の点数です。
彼女の名前は川澄舞で宜しいのでしょうか?
最初に読んだ時は彼女が誰なの特定できませんでした。
それは赤ん坊の名前が「舞」だったから。
子供に同じ文字の名は使えませんから。(読みが同じも漢字が別であれば可。親が「舞」、子が「まい」も可)

>それは、ある人間を一人捨てること。
>人一人をこの世から……自分たち二人のために消し去ることだった。
この捨てられた一人とは佐祐理さんを指すのか、名を捨てた自分を指すのか。
後の文で佐祐理さんを指すと推定できましたけど。

>俺は、あなたを愛していたんだ……佐祐理さん
過去形なんですね。祐一が言った言葉は。
でも、それに気づかない。でも、祐一は幸せ…。

好きな部類に入る作品でした。

029 最後の奇跡 (採点:4)
祐一を殺す必要があったのでしょうか?
意識が戻らないだけでも十分だと思えたので。
>起きる可能性がほんの少しでもあるから、だから奇跡って言うんだ、って
とはいえ、いくらなんでも長時間が経過した人間が生き返るのには無理があるのでは?

030 奇跡のかわりに (採点:5)
香里の設定には驚きました。
設定だけなら10点をつけたと思います。
が、最後はパワー不足なのかと。

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
個人的には先を書いて欲しかったです。
引っ掻き傷だった場合の。
祐一がどうなるのか、それが知りたかったですね。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:9)
10点じゃない理由。
1.結婚の邪魔をしないと言ったのに、祐一との間に子をもうけたことに納得がいかない為。
2.秋子さんが祐一を恋愛の対象として見ていることがあること。
良い作品ほど誤植って目立つものですね。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
地の文が詰まっていて読み難いかもと思いはしました。
ですが、最初に読んだ時はそのことが気にならないくらい作品に惹かれました。
他の作品を書かれているなら読みたいものです。

○Ryo-T さん

003 お泊まりパニック! (採点:1)
ありきたりな上、ちょっと魅力を感じませんでした。
長い分、ギャグならもっと二転三転加える事が大切だと思います。

005 プライベート・ハンター (採点:4)
展開がちょっとお粗末だったような・・・。
佐祐理さんは最後にも絡んで良かったんじゃないかな?

006 「日課」 (採点:7)
面白かったです。

013 Conservation for Love (採点:3)
大変勉強になりますが、所々にある無駄な英語が気になります。
しかもたまに間違ってるのがあるし・・・。

041 また逢えたらいいね (採点:6)
不思議な感じの話でした。
面白かったです。

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
前半の話が繋がってなかったような・・・。
なにより別の作品のキャラを出すのはちょっとこの場においては相応しくない気がします。

048 走る少年少女達 (採点:5)
所々に出てくるマンネリネタが非常に惜しかった。
が、あとは結構面白かった。
北川と久瀬がいい感じだったのも嬉しい。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
思わず笑ってしまいました。
久瀬が良いです。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:6)
北川がカッコイイですね。
久瀬もいい感じに人間臭くなってていいです。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
素晴らしかったです。祐一と美汐のやり取りも見てて楽しかったし、なにより真琴の母親が出てくるという話には驚きました。
しかし、少々展開が速く、雑な印象も見受けられました。
その辺が減点材料です。けど、本当に面白かったです。

068 名琴抄 (採点:5)
微妙としか・・・。
長いのに盛り上がりに欠けるというのはどうしても読み辛かった。
ただ美坂チームの会話の原作に非常に近い印象がいいなって思いました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:2)
ついていけませんでした。
ただ個人的には「父の愛」ってセリフが面白かったです。

○S-スケルトン さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
秋子さんとラヴラヴ〜♪

016 脱走と追跡のカノン (採点:7)
なんつーか色々と理不尽だ・・・でも面白い(笑)

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
意外なテーマです。祐一が女と言うのは思いもよりませんでした。でも面白かった〜

022 笑い声がきこえる (採点:6)
怖い・・・思わず背筋を寒くしてしまいました。

026 ステップ (採点:7)
前半はちょっと説明臭いな〜と思って読んでましたが、後半は凄く良かったです。
オチは・・・まあ祐一らしいなぁって感じです。無くても良かったような気もしますが・・・これはこれで良かったです。

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
うわぁ・・・終わり方が・・・気づいたら引き込まれてしまいました。
めっちゃ怖かったです。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:7)
いいお話です、面白かった〜。ラストはちょっと意外でした。あゆが生きてるとは思わなかったです。

○SAKA さん

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
美汐のお話は好きなのですが、なかでも一気に読んでしまいました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
カップリングは意表をつかれたのですが・・・
悔しいぐらい続きが気になります(^^
凄く良かったです。

058 30℃ (採点:7)
少し尻切れな感じがしましたので・・・

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
暗いのは苦手なのでどうかなと思っていたのですが・・・。
恐れ入りました。

○SNOW さん

005 プライベート・ハンター (採点:1)
剣道は知りませんが、左右の手でまったく別々のことをするのはとても難しいですよ。右手で二拍子、左手で三拍子のリズムを取るとかすればすぐにわかります。特に相手にあわせることを考えると、一本さえ満足に使えない人間が二刀流は無理かなあと。現実世界で二刀流が多数派でないのはちゃんとした理由があるはず。や、詳しいわけじゃないんですけどね……。あ、話の筋に触れてない(汗)

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
ついつい笑ってしまいました。こんぺは年齢指定禁止なので、イエローカードかな(笑)

018 雪解け水 (採点:1)
なぜか転がっているあゆ墜死の新聞など、不自然すぎ。伏線の貼り方を手抜きすると、作品が嘘臭く見えてしまいます。

022 笑い声がきこえる (採点:10)
これぞダークという作品。ダークというと、やはり行動が裏目、裏目に出ていったり、心理的に痛いところをつかなければとしみじみと思いました。妖狐の設定も残酷童話になっていていいですね。

029 最後の奇跡 (採点:1)
あまりにも奇跡というネタが安っぽすぎて見ていられませんでした。

040 楽園日記 (採点:6)
ヒロインが登場しない友情ものとしてきっちり仕上がっていて楽しかったです。
個人的嗜好ですが、もともとサバイバル技術に長けていたのだ、なんていわれると萎え萎えなので、奇天烈な理由による祐一の活躍(役立ち度)がらしくてよかったです。

041 また逢えたらいいね (採点:6)
栞と早緒里のやりとりがいいですね。十年来の親友か姉妹のようです(笑)
早緒里が未来に帰ったあと、それまで固定だった視点が左右していてわかりにくいところが減点材料。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
読んでいて思わず顔がにやけてしまいました。
あちこちにちりばめられている小ネタに笑ったりもだえていたので、あっという間に読ませていただきました。祐一と美汐だけではなく、脇役の栞と名雪も存在感があって楽しかったです。
かわいくて素敵なお話をありがとうございました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
好きです、こういう関係(笑) 名雪がめちゃくちゃかわいかったです。タイトルは《艱難、汝を玉にす》からだと思いますが……読めない(汗)
ところで石橋、お灸を据えるのに一体なにをやったんでしょう(笑)

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
説明不足だなあ、わかりにくいなあ、山下達郎が新曲? なんて思っていたらひっくり返されたのでびっくり。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:4)
真琴シナリオ後、名雪と結婚してゲーム本編時間に戻るのはいいのですが、なぜ?
名雪が眠り姫になった理由は真琴の幼稚化と対応させたのでしょうか。
あゆ消滅の謎。他はともかく、この伏線の放置だけはどうかなと思います。
十七日の夜間外出は、ぽんと投げられてもさすがにゲームをやり直さないとわからないのでは……。個人的にいうと、なかったことにするにはちょっともったいないネタのような。
キャラの特徴を出すのにあまりに口癖に頼りすぎ(特に名雪)で、正直、かなりいらつきました。書式といい、「…」ひとつだけ使用といい、ゲームのシナリオ形式のものを無理矢理小説にした印象。
ネタはとにかく濃縮して突っ込めばいいというものではなく、話には必要とする長さがあるはずです。この作品をこんぺに出したのは失敗でしょう。
突っ込みばかりでなおかつ点数もあれですが、麻枝氏らしいエンディングといい、最後の一言が真琴シナリオと対応しているところといい、作者の方はおねかの大好きなんでしょうね。再度プロットを煮詰めて書き直して欲しい、そしてそれを読みたい作品です。

○Taka さん

004 The regret (採点:3)
北川くんを殺した意味がちっとも分かりませんでした。

○TempFigher さん

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
緊迫感がひしひしと。
ぜひ続きを読みたいです。

040 楽園日記 (採点:10)
脇役中心だが、堀の深さを感じました。
地味な冒険ものがまたいいです

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:5)
ギャグかシリアスかしぼりきれていないような気がします。
悪くは無いのですが、両方とも中途半端かな。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
香里の勝ち方が後味悪いかな。

078 「dearest」 (採点:8)
香里はどうして、こんなにかわいいんだろう。

○Time さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:8)
発想が面白いですね。
久瀬の心理描写も読んでいて引き込まれるものがありました。
ただ、この作品に限らず、何かをモチーフとして持ち出したとき、読み手がそれを知るか知らないかで評価が変わってくると思います。
実際、自分は知っていたこともあり、素直に面白いと思えましたので…。
ちなみに、気付いたのはword1ではなく、word2でした。

002 鈴の音よ再び (採点:4)
祐一が真琴の虚像をみてしまうという話はいいのです。
しかし、真琴が帰ってきたという言葉を聞いたときの天野に、違和感を感じました。
祐一の言葉を、天野は簡単に信じるとは思えなかったので、そう思いました。

003 お泊まりパニック! (採点:7)
面白かったです。
で、とりあえず、どこが面白いと思った、または笑ってしまった場所を箇条書きしてみます。
〇終始北川(最後まで面白おかしく書かれてしまった北川に祝福を…)
〇クローゼット中の舞(想像したら、怖すぎ)
〇終始香里(北川と同じく、素晴らしいまでの、ギャグ調香里でした)
ALLだけど…、メインは香里、北川って感じの話でした。
最後に祐一がお泊り会で得た教訓も、香里と北川関係でしたしね。

004 The regret (採点:7)
意外な形の作品でした。
北川が死んでしまうとは…。
祐一が泣いたシーンで、こちらも何だか悲しくなってしまいました。
ある意味、経験したものにしか分からない悲しみとでもいうんですかね。
友人の死は、本当に辛いものです…。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:9)
OK! OK!!
秋子さんだからOKです(爆
何かきわどい描写と、台詞がありまくりですが、OKです!
ええ…、全てを許しましょうぞ、秋子さんだから(笑

008 激辛 (採点:5)
祐一と真琴のやり取りが、結構面白かったです。
真琴らしいというか、何と言うか。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:4)
可も不可も付けられないような内容。
とりあえず言えることは…、ハーレム祐一に乾杯!!

011 残酷な代償のHappiness (採点:9)
真琴の部屋ってベッドあったけ? と突っ込むのはこれ一つのみ。
ランダム読みの二作目ですが、これも一作目に読んだものに続いて、凄く良い出来。
祐一視点と、あゆ視点が上手く書き分けられ、スムーズに視点の切り替えも出来ました。
それと、真琴の振りをしていたあゆには、完全に騙されましたし。
ただ、あゆ属性ながら言えることではないですが、個人的に望んだことは、
あゆには良い子ちゃんで終わって欲しくなく、真琴の振りをし続ける終わり方が良かったです。
しかし、それは読み手の主観によりけりなので、どちらが本当に良かったとまでは言い切れませんが…。

013 Conservation for Love (採点:1)
始まりから笑ってしまいました。
ふてぶてしい真琴が何か良かった。
でも、自分は愚物だったので、以降読んでません。
その前までの内容は、良かったです。
でも、愚物とまで言われて続きを読む気にもなれず、不快感を感じました。
よって…。

014 おまえの名前 (採点:8)
真琴以外の名前は付けれなかったんですか?
というような突込みをしようと思っていた自分が、何だか恥ずかしいです…。
ただ、真琴の方が妹だったのには、ちょっと『?』でした。
子供版の真琴が、子供なりの問題を抱え、生き生きと動いている様子が伝わってきたのは良かったです。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
まだ4分の1くらいですが、少々感想を…。
全部が、全部の、文という訳では、ないですが、読点の、使い方が、恐ろしくばらばら、多様している文もあれば、全く使っていない文もある。
読点の使い方に完璧な例題はないでしょうが使いすぎた文や全く使わなかった文は読みづらいだけです。
実際にやってみましたが、読みづらくないですか?
まあ、自分も人のことを言えるようなSSを書いてる訳ではないんで、強いことは言えませんが…。
内容にしても、話がだらだらしてる感じがあり、読んでいて疲れます。
これから残りを読みますが、面白いことを期待します。 ※現代階の点数は3点

さて、まだまだ途中ですが、一つ気になったので二回目の感想です。
『P,S各自の想像に任せる』
そんなことを言われても困ります(汗;
しかも、まったく想像出来ませんでした。
意味不明です。
途中で感想を書けるようなSSってどうなんでしょう。
それって、読み手はまったくその世界(SS)に溶け込んでいないってことですよね?
きつく言えば、面白くもないのに、いやいや読んでいるということです。
コンペ作品でなければ、既に読むの止めてるかも。 ※現代階の点数は2点

こりずに三度目の感想です。
『何故か名雪は欠席した』
理由を説明してくれると思ったら、読者置いてきぼりでした(汗;

さあ、読み終えましたので最後の感想です。
はっきり言って、最悪の終わり方です。
11ヶ月半が完全に抜け落ちてます、意図してやったんでしょうが、それで納得しろというのは無理。
し・か・も、祐一と栞が昔会っていたという話が出てこないまま。
またもや読者置いてきぼりです。
他にも色々突込みどころはありますが、容量の問題もありますしここでは割愛します。
多分、他の方がいろいろ突っ込んでくれるでしょうし…。

016 脱走と追跡のカノン (採点:4)
のりだけで読んでしまうほど、面白かったです。
でも、本当にのりだけです。
ちょっと笑ってしまった部分もあったので、点は(これでも)高め設定にしました。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:9)
これはまた、小難しい内容の話を書いてきましたね(汗;
話が重いです、なので北川と香里の登場する場面で少し救われました。
それにしても上手いですね、性同一性障害の祐の心理描写。
精神医学関係の参考書を読んだりして、得た知識なんでしょうか。
まあ、それは置いといて、内容全体を通しての感想ですが、
kanon本編とは全く違った内容にしたにもかかわらず、上手くまとめてあり、
筋(あゆを全く出さなかったこと、雪ウサギを壊した理由)も通っていたと思います。
ただ、こういう作品は、受け入れられるか、受け入れられないかで、
かなり評価が違ってくると思います。
後、少し気になったことを一点上げれば、3点リードを少々使いすぎていると感じました。
個人的に、内容はかなりレベルが高いのでは、と思います。

020 私の望み (採点:7)
初めの祐一と天野の会話が面白かったです。
後、名雪の問いに答える天野が良かったです。
何か、あそこまで聞かれたら、自分の気持ちに気付きそうなもなんですが、気付かなかったのは美汐ゆえだからでしょうか。
何にせよ、天野の望みは叶いそうでよかった。

021 想いの果てに (採点:7)
し、師匠ーーー!!
………。
と、取り乱してしまいました…。
内容は、法術?! ってな感じでしたが、面白かったです。

022 笑い声がきこえる (採点:2)
きゃはははは…。
何ですかね、これは。
良い感想が思い浮かばないです。
「人間の心なんざ、持っちゃあいねえんだよ」
この言葉、真琴が否定されたような感じがして、不快感を感じました。
いや、まあ、こういう話が好きな人も居るんでしょうがね…。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
英語読めないです(汗;
まあ、多少は分かりましたが…。

026 ステップ (採点:5)
事故の描写がリアルでしたねぇ(汗;

028 ”プレイ” (採点:3)
むむぅ…、今一?
何かよく分からなかったです。

029 最後の奇跡 (採点:2)
…どう感想を述べよと?
まあ、ニ三言だけ言えば、奇跡と言う言葉を使う重さを知ってもらいたいです。
いくら何でも、奇跡の範疇を越えているのでは? と思いました。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
う〜ん、何か微妙です。
というか、話が突拍子すぎのように感じました。
これなら、普通にほのぼのとして終わっていた方がよかったかな、と思いました。

031 グッナイ (採点:3)
普通に旅行をする、ほのぼのな話の方がよかったです。
なずなの話は、いらない、不要な感じがしました。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:7)
魔物視点からっていうのが良かったです。

033 エム (採点:7)
舞が先生…。
おぅ…、何か凄く似合っていると思ってしまったのは、自分だけなのでしょうか?
他の読者さんもそう思ったことを願います(笑
魔物があっさり消えてしまったのには、ちょっと物足りなさを感じましたが、内容は良かったと思います。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:7)
久瀬が懐から箸をだした部分は、おもわず用意がいいな、とか思ってしまいました。
面白かったです。

035 復讐という名の代償行為 (採点:10)
ヘ、ヘビィだ…。
1日目にして、拒絶反応を起した読者がいそうな展開。
う〜ん、しかし凄い。
終わり方が実に素晴らしいです!
多分、自分なら

―――――
そこには、引っかき傷があった。
その傷は、名雪が抵抗したであろうことをおもわせる、生々しい傷痕だった。
違う、違う、違う!
俺は狂ってなどいない。
――――――

なんて続かせそうな感じなのですが、あえて、火傷が引っかき傷かを書かなかったのは良かったです。
そうすることで、この後どうなったのかを無限に考えれることが出来ると思いました。
実際、自分は感想に続きめいたものを書いてしまいましたし(笑
何か、ある意味感動を覚えました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:8)
あゆシナリオの後に名雪はどうなるの?
そう言った問題を解決してくれたような作品でした。

037 美凪 (採点:3)
前半が読みづらかったです。
そして、読みづらいこともあったのか、内容も少し分かりづらかったです。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:9)
恋愛小説的な話としてはベタだけど、面白かったです。
その恋愛話を、実は栞が話していた、ってところも良かった。
ということで、話は面白かったし、あゆについてはあえて突っ込みません。

039 幻実、そして星 (採点:8)
ある意味、魔物視点からの話。
面白かったです。

040 楽園日記 (採点:8)
遭難とは…、また面白いことを考えますね。
初めに読み始めた頃の印象と、読み終えたときの印象が全く違っていて、斎藤が遭難日記から、楽園日記に書き換えたことにも頷けました。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
う〜ん、面白い話でした。
栞と早緒里の会話が面白くて、読んでいて楽しかったです。
後、タイムスリップを説明する機械の言葉に、思わず笑ってしまいました。
で、最後に少々の感動を致しました。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:8)
何でもいいからくっ付けちゃえ、みたいな考えはどうかとも思いますが、こういうしんみりとした話も良いものです。
久瀬と佐祐理のことを理解した祐一と、久瀬との絡みが良かったです。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
逆行シュミレーション内の天野の姿が、あまりにもはまっていたので笑ってしまいました。
ルーン文字を使ったネタ、もとい、告白の方法などが変わっていて面白かった。
そして、祐一と天野だけでなく、栞もいい感じで話に加わっていたのが良かったです。
やはり、恋愛話は良い、そう感じた作品でした。

044 パンドラ (採点:7)
面白かったです。
美汐が最後に飴玉を投げるところが、印象に残りました。

045 桜が告げる春の風…… (採点:10)
この話は難しく考えることはない、書いてあることを素直に受け止めることで、真琴も美鈴も帰ってきてよかったと思えました。
オリキャラの美鈴と、美汐の母親が良かったです。

046 ホワイト・ミュージック (採点:3)
読みながら書いたので、感想がぶつ切り状態ですがお許しを…。
時間軸が曖昧で理解出来ませんでした。
あゆに違和感を感じました。
美汐が登場するまでの、あゆの行動と思考が理解不能。
何で美汐が祐一のプリントを届けるんですか?
えっ?! 何時の間に家出をしていることに?
この時点で既に読者は置き去りです。
失敗でしょうこれは、人物を登場させすぎです。
これでは、まとまるものもまとまりません。
舞や佐祐理の登場はなくても、話に支障がなかったように感じますが…。
中盤で少し謎が解けましたね、家出の理由は何となく分かりました。
ただ、その理由を中盤で明かした理由が分かりません。
ここはもったいぶらずに、序盤の、あゆが家出をする前くらい、もしくは家出中にでも
理由を明かしていれば、読者置き去りという自体は、ほぼ回避出来ていたと思います。
その理由は、上記で書いた疑問をほぼ一掃出来るからです。
具体的に改善される点としは、家出の理由が分かることや、あゆの行動と思考も理解できるということ。
ということは、構成、時間軸、人物背景、キャラクタをきっちりすることで化けるか、この作品…。
う〜ん、実に惜しいです。

047 笑顔 (採点:8)
へんな祐一は面白かった。
子供時代の祐一と名雪の会話も読んでいて楽しかったです。

048 走る少年少女達 (採点:8)
『桜花際』、あったら楽しそうな行事ですね。
進行が早く、盛り上がりのある内容だったので、楽しく読まさせてもらいました。
久瀬がいい奴だし、祐一や北川といったキャラが、生き生きと動いている感じが伝わってきたのは良かったです。
まさに、題名どおりの、走る少年少女達って感じの話でした。

049 少年期 (採点:8)
う〜ん、三つ巴(爆
北川視点だけど、内容の軸は、祐一と香里と名雪っぽいです。
恋愛小説の始まりから中間までをぶった切ったような感じ。
これから面白くなるんですよ、恋愛小説なら。
是非とも、作者さんには、どろどろな関係になるであろう、続きの話を書いてもらいたいと思いました。

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
個人的には好きなタイプの内容でした。
ただ、冷静に考えてみると、結構難しい内容だとおもいます。
それだけに、突っ込みどころ満載と言った感じでしょうか。
特に名雪の扱い。
読み手が、それをどう受け止めるかで評価はかなり変わってきそうな感じです。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:3)
ギャグなので、どんな矛盾があろうと、基本的に突っ込みはなしでいきます。
長い作品なので、面白くて笑った部分や、逆に冷めた部分もありました。
そして、才能がないからコンパクトにまとめれないと決め付けず、必要のないものは切り捨て、コンパクトにまとめる努力をして欲しかったです。
でも、ギャグ作品をここまで長く書いたことは、凄いと思いました。
後は、容量制限がなければ、どんな作品になったかも気になるところです。

052 Give me a reason (採点:9)
大人な栞…、さぞかし美人なんでしょうね〜。
オリキャラもいい味を出していて、自分の役柄をきちんと演じてくれていました。
何と言っても北川がカッコよかったが、好印象。
全体的な内容も、きちんと話はまとめられていて、良かったです。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
う〜ん、GOOD!
祐一と栞の話を、ごく力短く書き、原作のシリアスを、軽くスルーさせたのは良かったです。
そして、過去の話から書くことによって、違和感なく北川は名雪が好きだということを受け入れられました。
後半部分の、石橋の登場はナイスタイミングです。
後、ダテ眼鏡装着済み名雪に萌えでした。(←眼鏡フェチ野朗を許してやってください(爆
最後に、全体的な感想を書くと、恋愛小説みたいな感じで楽しく読める話でした。

055 煌めきの欠片 (採点:3)
淡々と物語が進む印象を受けました。
内容は、少し分かりづらかったです。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
シリアスだからしょうがないんだろうけど、全体的に話が暗かったです。
内容は、淡々とシーンが進んでいくような感覚で、一人称の話にしては、何の感情移入をすることもできず、第三者から祐一を見るように、話を黙々と読んでいた感じでした。
でも、話の内容自体は良かったと思います。
価値観の問題、こういい出したらきりがないですが、文章も内容もレベルは高いかなと感じました。
ですので、点としては高めに付けさせていただきました。

057 移し火恋歌 (採点:10)
救われない…、流石ダーク作品といった感じです。
描写や文章は、上手いと感じました。
ですので、内容の把握はしやすかったです。
祐一視点と、佐祐理視点で、二つの視点で話が進んでいくのも良かった。
微妙に、平行している祐一の話と、佐祐理の話、いつどこで交わってくれるのかを考えるのが楽しかったです。
しかも、最後に交差しそうで、永遠に交わることのない平行線になったのには、やられました。
そして、祐一と出会わなかった場合の、佐祐理と舞の話は、アナザーストーリーとして、凄く良く出来ていると思いました。

058 30℃ (採点:9)
前半も面白かったですが、後半は前半より面白いと感じました。
個人的見解では、北川と栞の会話と、北川と香里の会話が楽く読めたから、そう感じたと思っています。
それに、酒にしろ、病院生活にしろ、読み手に分かりやすい描写は良かったです。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:3)
ああ、秋子と秋子の姉のはなしだったんですね。
う〜ん、微妙に分かりづらかった話でした。
それとも、自分の読解力が乏しかったんでしょうか?

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:10)
凄い!
本気でそう思いました。
初めの方は、これってKanonか? というクエスチョンマークを浮かべながら読んでいましたが、読むにつれストーリーに引き込まれていきました。
始まりをいきなり否定した、Kanonなお話。
祐一が町を訪れなかったら、という発想はしても、こういう表現の仕方で書いてくるとは予想もしてませでした。
作者さんの想像力に屈服です。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
高校生かとおもったら、大学生だったんですね。
北川潤ニ十歳で初めて知りました。
内容は、妊娠させてしまった男(相沢)の心情が上手く書けていたことと、男(相沢)と男(北川) の友情が良かったです。
そして、不謹慎ながら、初めの方は笑わせてもらいました。
後、ラストに登場した香里は、ナイスタイミングでした。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
まず、病名をはっきりさせておくことが、ストーリーをリアルに感じさせた一つの理由だとおもいます。
治療方法もきっちり調べておられるようで、なかなかに感慨深いです。
骨髄移植をするための、まず自分の悪い骨髄を完全に殺すため、抗癌剤投与、放射線照射。
作中に書かれているように、治療や副作用は本当に辛いらしいです。
自分は、闘病生活のHPなどで、間接的にどんな生活かを見させてもらいましたが…、壮絶、としか言い表せないような内容でした。
………。
何か、SSの感想というより、MDSについての話になってしまいました。
ここは、気分を変えて感想に戻ります。
しかし、SSの内容はシリアス内容全快。
骨髄異形成症候群に、心房中隔欠損症の併発と来ました。
もはや、この状況では絶望という字しか思いつきません。
そして、初めにも書きましたが、内容がリアルです。
家族全体を焦点に当てたのは凄い。
大抵、栞SSで関わってくるのは香里と祐一だけで、栞の両親が出るのはほぼ皆無でしたから。
さらに、三章からは祐一の登場で、話はぐっと面白くなりました。
それと、四章で登場した、森緒綾子が最後までかっこよく、憧れさえ感じました。
特に、最後の方の台詞、『次の患者が待っている。私は、戦場に帰ります』
この台詞、最後に出てきたこともあり、もっとも印象に残っている台詞です。
それ以外にも、森緒綾子の台詞には、何かを感じさせるものが多くありました。

これはもはや、SSの次元を超えているというか何と言うか…。
ここまでデータを収集して、こと細かく栞の生涯を書き連ねている。
もう、このSSは一つのドラマとして確立していいような気さえします。
10点をつけるだけでは満足できないほど、賞賛いたします。

063 丘の子守唄 (採点:7)
美汐が、子狐と出会って別れるまでの話だということは分かりました。
終わり方は、確かにあれでいい。
でも、何か歩に落ちない終わり方。
多分、美汐とそうの再会から、二度目の別れまでの話が見たいからそう思ったんでしょうか…。
端的にいえば、面白かったけど、物足りなさも感じた、そんな感じです。

064 面鉄の奥の恋 (採点:10)
久瀬の弟と川澄舞の話…。
読んでいる途中に10点を付けようと決めたぐらい、面白かったです。
文章も読みやすく、すんなりと話に引き込まれました。
何と言っても、真治と舞が良かったです。
ただカテゴリには、オリキャラがあった方が良かったかな。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
初めのうちは、何か普通の話だと思っていたら、後半からぐいぐいきました。
部分的なところでは、美汐の壊れっぷりとか面白かったですね。
こんなん美汐じゃないと思う人も居るかもしれないけど、真琴がらみの美汐は予測不能です(笑
祐一と美汐のやりとりも、読んでいて楽しかったです。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
すいません、いまいち内容を掴みきれませんでした。
でも、理解できたら凄い面白い話なのでは、と思わせるような文が幾つかあったので、それだけに内容が掴みきれなかったことが心残りです。
もし宜しければ、簡単な説明をしてくれると嬉しいです。

067 風邪の一日 (採点:4)
いろいろ勿体無いと思う内容の話でした。
そして、どちらかと言うと、ほのラブよりはシリアスラブっぽい気がします。
話の核となる祐一の風邪と真琴の話、どこかでありそうな内容ですが、まとまれば面白くなる設定だと思います。
ただ、勿体無いといった思った部分を二点ほど。
名前の呼び方、人称が違うので、所々違和感を感じました。
後は、登場キャラが多すぎかな? と思いました。
出すなら出すで、それなりの役所が欲しかったです。
あえて名前を出すとすれば、舞、佐祐理、あゆ、栞の四人。
この四人が居なくても、話は進められたような感じがました。

068 名琴抄 (採点:8)
名雪を中心に進んでいく物語に引き込まれました。
読んでいて飽きがこない話に、これからどうなっていくのかと、楽しんで続きを読むことが出来ました。
ただそれだけに、ラストの急展開に頭がついていかなったことが心残りです。
が、全く分からなかったこともなく、何となくだが状況は整理できたと自分では思っています。
後、惜しかったのは語弊があったところです。
もう一度でも見直していれば、語弊は修正出来ていたとおもいます。

069 ふたつのねがい (採点:7)
秋子と栞の話とか、なかなかいけてて、結構面白かったです。
それと、天使さんがいい味出していました。
ただ、パフェも持てない祐一は、なんて軟弱なんだろうと思いました

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:10)
素直に面白いと思いました。
で、ここ良かったなぁ、とおもう点を幾つか上げておきます。
1.如月が食べていたパン
 30cmのチョココロネ…、おもわずどれくらいあるか30cmの定規を持ち出してしまいました。
 30cmのチョココロネって、実際にはないですよね?
 あったら、見てみたい、食べてみたいところです。
2.舞の登場シーン
 こういう神秘的なシーンが似合うのが、舞の良いところ。
 多分、この作品中もっとも印象に残ったシーンです。
3.かっこいい祐一
 何か、怪我をしながらお茶らけている祐一って、どこかで見たようなキャラっぽいです。
 っと、祐一は頭か、どっかで見たようなキャラは、押さえているのは腕だったかな。
 いやいや、かっこ良いですね祐一。

内容もきっちりまとめられていて、よく出来ている作品だと思いました。

071 一緒に生きたい (採点:10)
祐一とあゆに北川を絡ませて、さらに、北川×栞をやってのけるとは凄いです。
北川×ヒロイン否定派をどれだけ納得させれるかで、評価はかなり上がってきそうです。
話全体を通しても、おかしなところはなく、筋も通ってました。
特に見所なのは、北川と祐一のやり取りや、北川と香里のやり取りでしょう。
この二つの見所があったればこその、北川×栞です。
ようは、単純な北川×栞の話ではなく、筋を通した上での北川×栞なんで、
北川×ヒロイン否定派も、納得しなければならないくらい、素晴らしい出来でしょう。
ただ、北川×ヒロインを問答無用に切り捨てる方は別ですが…。
まあ、それでも低い点がつけられることは、少ないと思います。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
なかなか面白いことを考えますね。
丘での、祐一と美汐とのやり取りが良かったです。
美汐に違和感を感じることもなく、楽しく読ませて頂きました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
コメディなんで、あえて何も突っ込みません。
全体的には楽しめた内容(最後まで飽きずに読めた)でしたし。
でも、高得点を取るほどの話か? となると別問題です。
だからと言って、低得点を取るほど酷い話でもありませんでした。
ただ、のりも良く読むのに苦痛も感じなかったし、実は結構楽しんでいたので、どちらかと言えば、高得点側に点をつけたいところです。
そんな訳で、点はこんな感じになりました。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
祐一と名雪の、しっとりした雰囲気が良かったです。
でも、全体的な印象としては、7点くらいかな、とか思ってたんですよ。
しかし、締めは最後に待っていました。
『だから、私は最後に立ち止まり、振り向いた』から『手を振る男の子が――』
までの部分でやられました。
感服です、自分はああいうシーンに弱いのです。
いや〜、良かった。

075 True story (採点:7)
凄い話だ…。
まずそれが、読み終わってから感じた一番の感想でした。
文章云々、キャラクタ云々の前に、ストーリーに引き込まれました。
なので、突っ込みたくはなかったんですが、二点ほど…。
三人称と一人称を混ぜたこと。
会話文のみでストーリー進行をしたこと。
これは意図的なものですよね?
ただ気になったのは、香里が登場したことです。
ここは、あえて香里は登場させず、女医もオリキャラにした方がよかったかな、なんて思ってしまいました。

076 夢の劇場 (採点:9)
ごめんなさい、少し涙目です…。
香里が、栞の切実な思いを聞いたときの場面で、ぞくぞくきました。
ストーリー進行が上手いです。
祐一が舞ルートを通ったとき、裏にはこんな話があったんですと言われたら、納得してしまうほどの話でした。
視点を香里と栞とに分けることによって、上手い具合に話がまとまっていたんじゃないでしょうか。
こんな一言で表すのもなんですが、面白かったです。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
体育祭の騎馬戦でここまで盛り上げるとは、恐れ入ります。
騎馬戦中の描写は分かりやすく、読んでいるこちらまで手に汗握る、そんな感じでした。
そして、ただの騎馬戦ではなく、祐一には勝たなければならないという状況を与えたのも良かったです。
もし、単純なルール上の騎馬戦だったら、普通の話だったな、で終わっていたと思います。

078 「dearest」 (採点:10)
恋する香里に萌えた。
えっ? それだけじゃ駄目?
それでは、もう少し感想を…。

まず、恋という誰にでも分かるものを軸に書いたのは良かったです。
恋する気持ちというのは、ほとんどの方が経験し、分かっているとおもうので、読み手に
香里の気持ちがストーレートに伝わってくる、そんな作品だったとおもっています。
人物関係をはっきりさせたところも良かったですね、特に北川とか。
それと、香里と名雪、香里と栞のやり取りも読んでいて微笑ましかったです。

○Tnhhs さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:8)
恐らく評価が分かれると思います
高度で難解な文章でした
私には少し難しすぎましたね

003 お泊まりパニック! (採点:6)
ギャグは難しいですね
夜、祐一の部屋での一連の出来事は面白かったです
『魔物が、いた。』というあたりは良かったですね
それ以外のところはいまいちです
ギャグにしては話のテンポがあまり良く無かったです
北川がいじめられ過ぎですね
祐一が助けた辺りで辛うじて救われていましたが・・・
あと2歩というところでしょうか

004 The regret (採点:6)
話自体は嫌いではないですが、いまいちインパクトに欠けていました
全体的に会話が多く、描写が少ないので張りが無かったような気がします
5をつけたいところですが、北川ネタ(北川が渋くてカッコイイ)が好きなので6です

006 「日課」 (採点:8)
小難しくなく分かりやすい文章で好感が持てました
押しの弱い北川のいい人ぶりが良かったです
話にもう少しひねりがあれば良いかと思いましたが、やはりこれはこれで良いのですね
あと一歩でした

013 Conservation for Love (採点:9)
面白かったです
今のところ、このこんぺで読んだギャグの中で一番です
美汐母の壊れようが最高でしたね
ラストのオチも良かったです
中盤は省エネ論議が続いて笑いが少なかったですが、ギャグといえば常に笑わせなければならないこともないあたりも心得ておられるようですね
話のテンポも良かったです
良い物を読ませていただきました

014 おまえの名前 (採点:6)
なかなか面白い話でした
ですが、文章のほとんどが会話に終始しており、描写の部分があまりにも少なすぎたような気がします
そのせいでメリハリのようなものが無かったように思えます
あまり書きなれていないような感じがしましたが、どうなのでしょうか

021 想いの果てに (採点:5)
登場人物の人数が多いせいか、描写が少なく会話が多く、またどうも話が単調な気がしました
書き方が面白みに欠けているような気がしましたね
祐一が法術が使えるという場面でも一同がそんなに驚かないところを見ると、この世界では法術は存在するのでしょうか?
容量的に問題もあるかもしれませんが、そのあたりの説明が少し欲しかったですね
少し厳しいですが、これが私の正直な感想です

028 ”プレイ” (採点:8)
すみません
私には正確な点数をつけることはできません
この作品の中の仕掛けが解けませんでした
結局、舞が佐祐理を演じていたのですか?
う〜ん・・・私には少し難解すぎました
それは置いておいて、文章力は優れていると思います
それは自信を持って保証できますよ

030 奇跡のかわりに (採点:7)
最初は普通の話かと思いきや、いきなりONE風の展開になって驚きました
実は香里は栞の姉が欲しいと言う願望から生まれた架空の存在というのは非常に面白いと思います
ですが、文章力が発想に付いて行っていないような気がします
もっと文章をまとめて量を少なくし、内容の濃いものにすれば良いと思います
あとは、何と言ったら良いのか・・・表現にスパイスのようなものを利かせると面白みが出ると思いますよ
少し辛口かも知れませんが、これが私の正直な感想です

037 美凪 (採点:8)
文法的におかしいところが何箇所かありました
1ページの前半部分はですます口調だったのが後半になってそうでなくなっているのは何故でしょうか?
美汐の幼少期の文は簡単なものしか漢字でないようでしたが、いくつか難しい漢字が使われていたような気がします
あれは平仮名の方が良かったのではないでしょうか
話の運び方はよかったです
あと、心理描写、情景描写がとても上手かったので本来7をつけるところを8としました
個人的にも美汐は好きですからね

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:7)
ラストの実は栞が脚色したシナリオだった・・・というのはあまり好みで無いです
それまではそう悪くはなかったのですが、ここで少し落ちたような気がします
確かにそれまでが非常に大げさなラブシーン(?)だったので、栞が書いたという設定でオチにしたも悪くは無いと思いますが・・・
それをどう取るかはその人次第ですが、私は8だったのが7に下がりましたね
私は北川×香里のシナリオはかなり好きな部類です
それに北川があゆと同じ小学校の同級生であゆが北川の初恋の相手という設定は面白いですね

040 楽園日記 (採点:9)
良かったです
ストーリーの進ませ方も上手く、描写も良かったです
男4人の友情話(?)ですが、私は結構こういうのが好きですね
相沢、北川、久瀬、斎藤がよく描けてたと思います
斎藤が「僕」と言うのはイメージと少し違いますが、それはそれで作者が良いの思ったのなら良いでしょう

048 走る少年少女達 (採点:8)
邪夢がいいですね
ストーリーもなかなか良かったです
最後の久瀬と祐一が良いですね
北川もさりげなくいい役でしたし
桜花祭という発想も面白いと思います
ですが、話が少し単調だったような気がします
悪いところは無いですので、もう少しそこを気をつければもっと面白くなると思いますよ

049 少年期 (採点:7)
苦悩する祐一と北川ですが、うまく描けていたと思います
話には引き込まれましたが、少し消化不良のような気がします
あくまでも個人的な意見ですので他の方がどう思われるかは分かりませんが、ラストもあまり気に入らなかったです
どうも中途半端なまま終わったような気もしますが、それもまたこの作品の味なのでしょうか

052 Give me a reason (採点:8)
キャラが社会人になっているというのは珍しい方ですね
なかなか楽しめました
ただ、描写が少なく、会話が多いのが残念です
千紗穂の症状と香里のメールの内容がはっきりしないのは仕方がないことかもしれませんが、書いてあるとよかったです
それにしても北川は恰好良すぎですね(笑

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
北川×名雪というのも面白いですね
といっても、面白いのはこの作品を書かれた方に実力があるからでしょう
名雪が好きなのにそれを言い出せず見守る北川が良いですね
あのあたりの話の運び方は上手いと思います
ただ、冒頭のいじめられている娘を助けたのがきっかけというのはありがちな気もしますが
個人的には『大学時代にサッカー部で馴らしたという石橋先生の殺人スライディング』がツボでした(笑

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:9)
良かったです
孤独に苦悩する久瀬とそれを何とか助けようとする北川、傍観者風な斎藤
どれも男のサブキャラですが、いい味がありました
文章表現もよく、無理なく読めてストーリーに引き込まれました
かなり高いレベルにあると思います

058 30℃ (採点:7)
細かい設定や描写が良かったです
全体的に好感が持てました
ただ題の30℃の意味があまりよく分かりませんでした
あと、『私は覚えています。』という手紙の効果もあまり分かりませんでした
私の読解力不足かもしれませんね
いまいちインパクトに欠けていたような気がしたのですが、そこを解決すれば9、10をつけることの出来る実力を持っていると思います

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
大げさな描写や祐一らしい無茶苦茶な会話が印象的でした
祐一と北川の悪友らしさ(?)が良く出ていて非常に面白かったです
序盤から終盤まで続く北川と祐一の会話は本当に良かったと思います
ですが、ストーリーについてはあまり言うことがありません
これが良ければ10を出せたと思います

069 ふたつのねがい (採点:8)
何だか高い点数ばかりつけているような気がしますが…
暖かい話でした
願いをかなえてくれる相手に願いを聞くと言うネタはよく聞きますが、それでも良かったです
作者の力量でしょうか
書くキャラがいい味を出していました
個人的には一度しか出なかった妹の唯ちゃんが気に入りました(笑

071 一緒に生きたい (採点:10)
我ながら甘い評価です
ですが、私の好みで言いますと10を上げてもよいです
まず北川×栞が良いです
私の気に入っているキャラ男ナンバー1の北川と女キャラナンバー1の栞の組み合わせです
さらに北川が昔、あゆや祐一と遊んでいたというのはなかなか面白いです
「月宮はおまえにまかせた」と言う潤くんが渋くて本当に良いです
さりげなく出てきている斎藤なども面白いですね

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:4)
コメディにしては話のテンポがいまいちです
ストーリーもほとんどないですし、会話が多く文章的にもあまり上手くないですね
笑わせようとして空回りしているような気がします
ですが、そのあたりを注意すれば面白い話になるのではないでしょうか

076 夢の劇場 (採点:8)
栞とあゆが友達になる、という設定は良いですね
話の流れも良かったと思います


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
まず騎馬戦の女王、騎士隊長や刀、カラーボールなどのシステムが面白いと思いました
合戦の運び方も良かったと思います
あとは人間関係で、栞と名雪の祐一の取り合いの話も上手く書かれていましたし、北川に対する香里も良かったです
個人的には祐一×栞、北川×香里が良いですね
あと名雪も気に入っていますから、そのあたりの設定も気に入りました
9にはあと一歩というところですね

○V さん

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:9)
たんたんと進むような。でも一つ一つがどことなくほほえましい。
好きです。こういう話。

013 Conservation for Love (採点:7)
涙ぐましい努力ですね…真琴が(笑)


030 奇跡のかわりに (採点:7)
いい話だとは思ったんですが、ちょっと展開の進め方が強引な感じがしました。
もう少し長い、いくらかの感情移入ができるくらいの長さで読みたかったな、と思います。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
雰囲気がすごく好きです。中篇の美汐SSの中では一番気に入りました。

044 パンドラ (採点:10)
中篇の美汐さんSSはレベルの高いのが多くて困ってます。甲乙つけ難い。差がつかない(笑)
いいお話でした。身汐のエピソードと、祐一の行動。キーを見つけた祐一に気持ちをぶつけてしまうところはなんだかとてもらしいと思いました。名作だと思います。

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
素直にいい話だと思います。二人の過去の思い出との新たな向かい方。
あゆと美汐ってのはどんな話だろうと初めは思いましたが(笑)


048 走る少年少女達 (採点:7)
おもしろいんですけど、なんかいろいろな要素を中途半端に詰め込んでいるような感じがします。
話の中心なりネタなりをもう少し絞ったほうがよかったのではないでしょうか。

049 少年期 (採点:10)
北川の視点からみた状況に対する葛藤、結論が本当の世界にも
ありそうなもので、ありがちなご都合主義に走っていない内容
がとてもうまいと思いました。読む人によっては何が言いたい
んだ、とか思いそうな気もしますが、自然な感じが私は好きで
す。文章もうまいし、名作だと思います。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
魔性の女、その名は水瀬名雪、に乾杯(笑)。いい味出してます。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:10)
淡々と進む中の確かな文章力と展開はすごいと思いました。
登場人物みながイメージから離れず、本当にありそうな話だと思います。
名作ですね。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
実際にこんなことが起きたら、そううまくはいかないのが現実です。
でも大事なときに誠実になってくれる友達ってのはすごくいいもんだと思います。
合間の文章に少し気になるところもありましたが、テンポと流れもとてもいい話だと思いました。


062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
私は病人の「奇跡」とでもいう復活を実際の現実に即して考えて書こうとしているSSはあまり好きではありません。安易かつ不可思議な奇跡や治療法よりも、一見まともそうな設定&それなりの後ろ盾がある治療法で現実的に治った、とするほうが、よっぽどご都合主義で本当の「疾患」を甘く見ているように思えるからです。そういう意味ではこのSSは私は嫌いです。しかし、救おうとする医師たちの姿勢、そしてSS自体の文章力は素直に感動できる、すごい、と思えるものでした。その結果がこの点数です。偉そうに長々と書いてしまってすいません。

063 丘の子守唄 (採点:7)
文章も読みやすくて、先を楽しみにしながら読んでいたのですが…。少し唐突すぎる終わり方ではないでしょうか。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
心に残る、いいお話だと思います。お母さんと祐一の会話は感動物でした。
…にしても、魔女を倒しに行く人魚姫(真琴)。 
…みたい。とてもみたい(笑)。

071 一緒に生きたい (採点:10)
北川がかっこいいですね。もしも祐一の7年前を知っている第三者がいたとしたら、この話のような行動をとってもおかしくないと思います。その割にあまり見かけた覚えのない、そういう点でもとても気に入りました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
素直に感動しました。このSSの美汐さんも祐一もすごく好きです。テンポもよくてとても読みやすかったです。名作だと思います。

○Xardion さん

040 楽園日記 (採点:10)
いや、最高ですね、この4人。祐一がすごくいい性格してますし、久瀬の心理描写も良かったです。
海に叫ぶくだりでは思いっきり笑わせていただきました。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:10)
いや、最初から最後まで、腹抱えるほど笑わせていただきました。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:10)
ただ、すばらしかったです。久瀬、北川、斉藤、舞、佐祐理その他皆の書かれ方が。
佐祐理関連では『さっきまでの微笑を完全に消して、彼女が見せるのは滅多に見せない怒り。
』という箇所が特に印象強いです。

○YOU さん

018 雪解け水 (採点:9)
名雪とあゆのストーリーの融合、KANONのメインストーリーといった感じですね。感動的な話でした。終わり方も良かったです。あそこからあゆを復活させたり、そのままの状況で放置したりしていたら余韻が激減していたでしょう。

030 奇跡のかわりに (採点:8)
えいえん?最初はそう思いました。予想しなかった展開になっていました。ただ展開が急転直下すぎたのではないのでしょうか。ページごとに起承転結になっていることはオリジナルならいいですが、二次創作なのでいきなり承から始まっても良いのではないでしょうか。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:7)
祐一の影響をうけた久瀬、社長候補になったことで佐佑理と久瀬の事を実感した祐一、舞とともに一度は離れた世界に戻った佐佑理、この三人の関係がいいです。祐一が言った嘘の事を他の面々が知ったら非難轟々でしょう、いやもしかしたらもう知っているのかも

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
どこかの作品の登場人物と同じ名前がいくつか見られましたが、名前だけのようですので気にしないでおきます。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
私は基本的に読み終わった後にどう思ったか、面白かったか、読んで良かったか、で採点しているのですが、特に何も起こらなかったのに非常に引き込まれ、うまいと思わされました。

○cosmos さん

006 「日課」 (採点:8)
北川に春が来る事を願っています。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:1)
コンペで性転換ものを出す勇気は凄いと思うが、多分性転換ものはギャグ以外出来ないと思う。

048 走る少年少女達 (採点:3)
冗長。山場が少ない。しいて言うなら、北川がかばっていた女の子関係のハプニングがあったらよかった。

049 少年期 (採点:5)
エンドがもうちょっと。すがすがしくなるようにして欲しかった。

052 Give me a reason (採点:7)
香里とか北川の性格に違和感があるが、最後の本をプレゼントするところは文句無しに良かった。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:8)
珍しいの一言。二言目は、長さを生かしきれていない。あれだけ長い文章なんだから、もうちょっと背景などを書ききったほうがよかった。

058 30℃ (採点:10)
凄い良い。香里が明るくなっているのも良いし、特に最後の北川の続いている、という台詞が痺れる。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
久瀬の弟と言うところがかなりグッド!
ただ、祐一の出番が……

066 夢の終わりにもう一度 (採点:10)
泣けた。まじ泣けた。感動もの。中編でここまで感動できたのは初めて。

○j6 さん

002 鈴の音よ再び (採点:3)
 商店街で、祐一の見た真琴は、いったいなんだったのでしょうか? 復活したのでなければ、祐一の脳が鈴の音にあわせて映し出した虚像って事ですよね。
 その虚像と、ものみの丘に残っていた鈴との関連が良くわかりませんでした。
 単なる都合のいい偶然では、少し冷めてしまいます。
 あと、1行ごとの改行と、最後の異常に長い空白行の意図が理解できませんでした。
 ネット上でも文章作法を教えてくれるサイトはありますので、そういったところも参考にされてはいかがでしょうか。


003 お泊まりパニック! (採点:3)
 人生ゲームの箇所をもう少し書き込んだほうが個人的には面白かったと思います。
 スタート、中盤、クライマックスくらいをダイジェストで。
 人称の変更はあまりいい効果があったとは、思いませんでしたが、ホラーチックな栞の登場シーンは笑わせてもらいました。


004 The regret (採点:3)
 安易に人を死なせてしまうのは、どうかと思います。
 この内容であれば、少し手を加えれば、北川が生きていても、問題なく話が進みますよね。
 やはり、人の死を書く以上、そのキャラが死ななければならなかった理由(作者のご都合主義的なものではなく)が必要ではないかと思います。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:9)
 ニクブトン……。なんとも心浮き立つ響きですね。
 それはともかく、秋子さんの誘惑に必死に耐える祐一の姿が良かったと思います。
 欲を言えば、最後は秋子さんを敷布団にするのではなく、絶望(欲望?)的な苦悩(喜悦?)の悲鳴を上げる祐一で決めたほうがスマートだったかも知れません。あくまで、個人的な意見ですが……。


022 笑い声がきこえる (採点:9)
 ダークはただキャラが殺される、死ぬ、発狂するといったものが多く、あまり好みではないのですが……。
 名雪が愛憎の末に真琴を殺害したと読者に錯覚させておいて、その実、真琴が名雪を殺していたという叙述トリックが秀逸だったと思います。
『鎌が音を立てて動いた。』のあとに笑い声のみで締めてくれた方が、すっきりまとまっていた気がしました。そこで-1点してます。まあ、この辺は完全に個人的な好みです。


025 歩いて行こう (採点:1)
 格闘の達人っぽい祐一には、正直言って感心できません。
 もし、彼がそういうキャラだったら、舞シナリオでは、もっと活躍していいはずですよね。
 あと、仰々しい祐一の過去設定も、ちょっといただけませんでした。
 ここまで来てしまうと、ほとんどオリキャラですよ。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
 若年での妊娠といった重いテーマを、ガキなりに悩んで決心する祐一の姿と、女性経験の無さで引け目を感じつつも、友人らしい思いやりで祐一を諭す北川に好感を抱きました。
 あと、作者は男性の方ではないかと思いますが、こういった内容の場合に、男性には描写が難しい女性視点を入れなかったのも、正解だと思います。


○kaizeru さん

019 FILE EPISODE 0 (採点:7)
続きが気になります……男性は何者?

021 想いの果てに (採点:8)
こういう話は好きです。読んで満足のいく品です。しかし、いかんせん中編なので展開が速すぎだという点が気にかかりました。それ以外ならば良い作品だと思います。願わくば長編に…(笑)

023 WA4 (採点:4)
美汐の位置取りがよくわからなかったのでこの点です。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
どうも頭の悪い私には最後の意味がわからなかったのでこのような点です。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
北川君がナイスです。

○masa さん

058 30℃ (採点:5)
こういった話は、好きですね。もうちょっと解説が欲しかった。

071 一緒に生きたい (採点:9)
ストーリーが綺麗にまとまっていて、尚且つキャラの設定を生かしている。


○mdk さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
何がなんだか、非常に分かり辛いです…。

002 鈴の音よ再び (採点:3)
作中の言葉を借りれば「祐一の闇が弾ける」までに半年間もあった理由と、真琴が帰ってきたのであればその辺りの描写がもっと欲しかったです。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
なんだか全体を通して支離滅裂だった気がします。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
電池とおもちゃの例えとそれに伴う設定の変更が、まるで活かされていない気がします…。それに佐祐理さんを連れてきた理由や、舞がテープレコーダーを持っていた理由など、腑に落ちない点が多いです。

006 「日課」 (採点:9)
北川の描写が丁寧でよかったです。なんとなく北川ってこういうキャラだと思いますし……って言ったら悪いかな(^^;

008 激辛 (採点:7)
よかったです。和ませてもらいました〜。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
しあわせものー(ぉ
皆がその結論に辿り着くまでの経緯にもう少し説得力が欲しかった気も…。

012 空っぽのテクスト (採点:5)
う〜ん…。手術は成功しなかったけど奇跡が起こって数ヶ月生きながらえた、その数ヶ月もの時間を普通の生活をさせることに費やすでしょうか? その辺りに納得できる理由が欲しかったです。文章は読みやすくてよかったんですが…。

013 Conservation for Love (採点:9)
美汐母、怖すぎ(^^; 面白かったです〜。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
全然終わってないじゃないですかー(TT) タイトルからしても初めからそのつもりだったんでしょうが、ちょっとヒドくないですか?

022 笑い声がきこえる (採点:8)
怖いですよぅ…(TT) 話としてはどこかで見た事あるような気もするんですが、上手にまとまっていてよかったです。ただ一つだけ気になったんですが、最後の秋子さん、錯乱してるにしても発狂したにしても、普通はすぐに病院に運ばれちゃうんじゃないでしょうか? 死体が置いてある現場にいるのは不自然な気が…。

027 ウエディングヴェール (採点:6)
このストーリーなら全キャラ出す必要はないような気がしますが…。話は悪く無かったです。

028 ”プレイ” (採点:4)
そういう状況に陥った経緯がよく分かりませんでした…。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
面白かったです。サイドストーリーとしては申し分ないと思います。

040 楽園日記 (採点:9)
面白かったです〜。各キャラにしっかりと個性が感じられました。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
テンポよく読めました。オリジナルキャラもしっかり味が出てましたし、話も面白かったです。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
面白かったです、とても。テンポよく読めましたし、どのキャラも上手に書かれてますし…。

045 桜が告げる春の風…… (採点:8)
面白かったです〜。…が、敢えて言うなら美鈴や真琴が帰ってこれた理由が曖昧なのがちょっと気になりました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
凄いです。
上手いです。
難しい言葉多いのに、文章が丁寧に読みやすく書かれていてすんなり読めました。
ただ一つだけ、香里がリンパ球を提供するのを渋るというのだけが納得できず、そこで2点引かせていただきました…。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
各キャラの個性が良く出てました〜。話もテンポ良く読めましたし、面白かったです。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
なんだか独特な文章ですが…。優しい雰囲気が伝わってきてとてもよかったです〜。美汐の描写も上手いです。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
話としてそう目新しいものは特に無いと思うんですが……引き込まれました。とても面白かったです。

○mightywings さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
感性には瑞々しさを感じる。語彙も豊富。だが、二次作品であり、その上更に出来合いの別作品
(表題と同名の楽曲)を何の加工もなく混ぜ込んでしまっては、世界観の追求度に欠けてしまって
いる。また、パラグラフ、エクステンド等は、表現方法として巧いやり方とは思えない。学術文の
ようで読書の惹き込み度を下げてしまうのではないか。センタリング、右揃えで対応できたのでは。
内容として、笑うという行為は感情発起の結果自発するのが自然であり、<必要がない>から
笑わない、というのは不自然。もっとも、久瀬が周囲に体裁を合わせる愛想笑いしかしない
人間だったのであれば納得だが。それはそれで哀れだ。

002 鈴の音よ再び (採点:4)
どうにもオチが弱い。それと表現力はあるが、やや長々と書き過ぎかも。構成に工夫を。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
<生きようとさえ思えばそう簡単に死なない>のキメ台詞には妙に説得力あり。


005 プライベート・ハンター (採点:6)
話の味付けに統一感がない。シリアスなのかギャグなのかベタラブなのか、路線を明確に。
<おもちゃと電池>の比喩は本編と解釈が違うと思う。舞の出現は説得力に欠ける。
戦闘シーンはまずまず。表現力は評価できる。倉田嬢は本当に報われない設定だった。

006 「日課」 (採点:5)
 若い。北川の論理は若さ爆発。自身にも(その昔だが)生々しく思い当たる節が幾つもある。
人生観についてだが、求められる事で沸く生の実感は、それだけでは本質ではないと思う。
これでは使徒と戦う14歳と同レベル。己の価値など己で試さねば誰も判らない。一歩先へ歩む勇気を。
 北川が早くに登校する理由が、最後まで明確にされていない。それと行間開けすぎ。いつも
開けすぎだと、キメ所での効果が薄れる。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:4)
艶文(あえてこう記してみた)は書き慣れているのだろう。リビドーに背かない、その姿勢と
表現力は評価する。秋子と祐一でなくても似た文章は作れるとは思うが。


008 激辛 (採点:3)
タイトルが<甘>い。カレーがオチではあまりにも直球すぎ。
秋子に種明かしをさせるのもマンネリ化している。ヒネリが不足している。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
 よく、<香里が受験失敗するのは変>という感想を見受けるが、受験は水物、香里も人の子。
こういうストーリーも個人的には少しもおかしくない。
 主用4キャラは各自しっかり描けているが、エンディングのしっとり感を鑑みて、ここはあえて
香里単独の人称に絞ったほうが良かったのでは、と言いたい。構成を大きく変えないといけないとは
思うが、彼女への感情移入があと一押し押せそうな気がしたので。具体例が出せず申し訳ないが。
 絞り込んで短編クラスにしても、クオリティーは高く維持できる力は感じ取れた。今後に期待。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
代償という言葉で幕を開けた割には、冒頭に祐一が悲壮感滲むモノローグを一つ入れたきり、
何ら悲しむ気持ちも沸かず終わってしまった。余計な場面、余計な心情描写が多いのでは。
あゆの神秘性に頼るオチも、早くから先が見えていて味気ない。自己犠牲で締め括れば感動する、
というものではない。

012 空っぽのテクスト (採点:7)
 タイトルの所以が明かされる後半部の展開は結構好きだが、如何せんあゆの扱いがそっけなさ
すぎる。彼女の存在は栞ルートには特に深く関わってくるものなので、例えば手術中の昏睡状態時に
二人の意識がシンクロする、等の展開でアクセントをつけてみてはどうか。

013 Conservation for Love (採点:6)
 毒気が徐々に強まる辺りが、読み手を選びそうで不安。多数の人間に<評価>される事を
考えれば、当たりがもうすこし柔らかくてもよいのでは。情熱が暴走、やや暴力気味かと。別に
媚びろとか個性を出すな等と強制している訳ではない。しかしながら、愚物呼ばわりされるのは
どうにも戴けない。己の読解力不足をあえて露呈するが、省エネ断行時の天野の素振り、表情等に、
真琴を懐柔せんとする真意を推測させるような描写は皆無であったと読解したが、さて如何に。
 文章のスピード感、キャラの個性の描き方は評価したい。
 

018 雪解け水 (採点:5)
 ストーリーその物に目新しさが無い。大きな仕掛けがあるのでもないし、もっと読み手を
惹きつける構成を考えてほしい。至って月並みな印象しか残らない。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
文章は破綻していないが物語としてはまったく弱い。旅日記9割、戦闘1割のそっけない文章。
とにもかくにも一作品で完結させるように。読み切りが基本である。

020 私の望み (採点:4)
 誕生日というイベントは、既にネタとしてお約束化している。しかも一人称で会話文が
多くを占めると、いくらキャラが上手く書けていても正直飽きが来てしまう。展開に工夫を。
いつも一緒にいたい、位のオチは当初から予想できる。

021 想いの果てに (採点:3)
中学時代に法術を勉強、と身も蓋も無い設定。師匠たる老人は臨終間際に都合良く現れ、
一同何の異議反論もなしに怪しげな術に没頭する。祐一は助かってめでたしめでたし。
はっきり言って、説明だけで展開する三文劇。文の運びに締りが無い。
それと幕開けのシーンが無意味で勿体無い。開き直ってもっと仰々しい話にした方が
盛り上がったのでは。

022 笑い声がきこえる (採点:6)
 読み手を選ぶ一作ではあるが、出来映えは良いと思う。生々しい狂気がこちらに容赦無く
侵食してきた。まあダークというよりはホラーのような気もしないではないが。
 さて、人化の術を二回も敢行した妖狐が、何の変哲もない人間の娘の残像に己が命を奪われる、
このオチがどうも納得できない。己自身が狂気なのだから無様に呑込まれてほしくなかった。
 ラストは刑事沙汰となっているが、解剖学の知識皆無の祐一が、人体の表皮を完璧に剥離する
ことは常識で考えれば不可能と判るはず。そもそも名雪を殺める動機も、<妖狐が獲り込む前の
真琴>を誘拐する動機もまるで無いし、彼に猟奇性が無いことですら、真っ当な精神鑑定を
受ければ明白になるだろう。暗いネタほど理路整然と構築しないと、足元を掬われて結果として
どっちらけな印象を与えてしまう。グロテスクさだけでは真の恐怖は描けない。

027 ウエディングヴェール (採点:4)
 真琴一本に話を集中させた方が良い。キャラを詰めこんだ結果、散漫な印象を受けた。
お別れの為だけの奇跡は何か取って付けたような雰囲気がする。<奇跡というにはひどすぎる>
位に身を徹して振舞ったのだから、真琴の思いを更に深く描いて欲しかった。


030 奇跡のかわりに (採点:7)
設定に意表を突かれた。よもや不確定性原理を逆手に取るとは。反京極的かも。
ギャグテイストをもう少し抑え、幕切れの弱さを補えば、今後本作は更に好感度が増すと思う。

031 グッナイ (採点:8)
秀でた風景描写、テンポのいい文体、淡々と物語は進むが各キャラの描写が丁寧なので飽きが来ない。
 さて内容は、どうも尻切れトンボのような気がした。せめて旅行から帰るところまでは
書ききってほしかった。なずな一家のエピソードも、これではかなり後味悪い。
 それと、この話の主人公は秋子で良いのだろうか。間違いではないと思うが、にしては
彼女の心情を書いた文章が少なすぎるのではないかと思う。書き慣れすぎてキャラへの思い入れが
今一つ伝わってこないのが惜しまれる。

035 復讐という名の代償行為 (採点:4)
主人公=犯人(とりあえず暫定とする)のオチは、登場人物の少なさ故容易に読み取れた。
本作の祐一はたいした狂気っぷりだが、その筋で有名な<月姫>の二番煎じ位にしかインパクトは
ない。秋子の死を隠蔽する理由もどうも不鮮明。プロットに更なる工夫を。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
 話の重心が、名雪なのか、あゆなのか定かになっていない。この内容であれば、もっと名雪の
心情を丁寧に表すべき。海水浴の場面よりも、後半部の各場面に重きを置いてみた方が、作品と
して更に個性が出たのでは。キャラ萌えに陥らないように。

039 幻実、そして星 (採点:4)
 多少脚色してあるものの、本編の舞展開と大筋は同じでは。舞が新たな存在を生み出し、それが
祐一と同じような行動をとったものと解釈する。作品各所に出現する、歌詞の引用はどれも浮いていて
雰囲気作りには失敗している。とにかく自分の言葉で伝えるように。


040 楽園日記 (採点:9)
 <男の友情>、正にこの話の核心はここにある。斎藤をストーリーテーラーにした選択は見事。
祐一、北川、久瀬といった曲者キャラを均等に評価し、かつ己も場を盛り上げる、味ある人材だ。
 終盤の絶叫海ダイブシーンは抱腹絶倒もの。嗚呼、久瀬の、祐一へのわだかまりを解いたのは、
これへの布石だったのかも。作者はかなりの手練である。
 ヘリが突拍子もなく降りてくるが、これが救助隊のものか、久瀬家のそれか、はたまた倉田家か、
このあたりの設定を補っておけば良かったと思う。そもそも、大学受験を控えた高3が海で遊び
呆けること自体強引な設定ではあったが。こんな夏の想い出なら一生ネタに出来そう。

041 また逢えたらいいね (採点:7)
 十年待った、の一言に討たれた。ザックリと。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
 軽快洒脱。タイトルを見て、少女漫画のような甘ったるい展開を想像したが、本作の恐ろしい点は
そうでないように見せかけて実はやはり少女漫画だった、というビタースウィートテイストを
貫いているところだろう。恋愛成就のお守り、などとベタな小道具をこれほどに巧みに用いる手際は
まずお目にかかれまい。物語後半にして早くもネタバレしているにも関わらず、その先の進展から
目が離せない。祐一の告白シーンで<来たっ!>と思いきや、更に上を行く天野の魔法、今後絶対
祐一は天野の魔法を破れないだろう。何度読んでもこそばゆく、かつ面白い。これはハマるかも。

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
 祐一、名雪、あゆの関係をもう少し掘り下げて表して欲しかったのと、家での原因となった
あゆの癇癪が、かなり奇異な行動に見えた点がマイナスかと。
 文章は抜群。あゆ、天野の感性は瑞々しく、軽快なやりとりは微笑ましい。場面の切り替えが多少
性急かと思えたが、再読する事無く読み終えられたので構成力も問題ない。
 最終部のあゆモノローグが大変印象的。落ち着きのある口調に彼女の成長が覗え、また過去を
大切にしつつ新しい行動をとる、前向きな姿勢が何より心うたれる。

049 少年期 (採点:7)
 何故ここで終わってしまう、つい叫んでしまうかと思うほどに後味が悪い。誰も何も
解決していないし、答えを求めようと行動してもいない。文章が優れているだけに、この
幕切れは欲求不満を引き起こす。是非続きを何処かで発表してもらいたい。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
 栞の出る中盤が、少しくだけ路線気味か。ラストの締め方もここだけ<狙って>いるような気も。
 育児の苦労は並大抵ではないはず。資金が充分でも、情熱が十二分でも難しいものだ。と思う。
世間を知らない、そして己の親の愛を平等に与えられてこなかった香里と名雪には、これからの
道程はすべて茨道となろう。彼女らと、そしてやがて生まれ来る命に、ささやかでも幸あらんことを。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
 北川がやや堅く、名雪が僅かながら軽快か、とキャラの雰囲気に本編との多少のズレを感じたが、
この辺りは極めて主観に基づくものなので、勿論作品の質に関わるものではない。
 バレンタイン、ラブレター等、恋愛物の必須アイテムが決め所の本作は、それにまつわる悲喜交々を
丁寧に描いているので、青臭さが少しも鼻に付かない。心の機微に各場面で共感させられた。
僕少年A!、に爆笑。本作の教師石橋は何気に良い味出していると思う。恋に受験に、頑張れ北川。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:10)
 何気に名言揃いな文章。読んでいて幾度となく励まされた。Kanon3キャラと特に老人が、かなりいい
持ち味を出している。特に本作の佐祐理は、達観しているが冷めている風でもないといった、従来の
パターンから一歩路線を変えた趣を出しており、祐一との会話にでる彼女の個性がとても新鮮だった。
 風の音、木々のざわめき、川のせせらぎ、月の輝き、世に満ちる自然の風景が愛しく思える一作。
 

057 移し火恋歌 (採点:7)
 各事象発生の証拠付けに、あやふやな点を幾つか感じた。まず舞の二重見当識は、何故に<祐一の
存在>肯定でなければならなかったのかが不明。勿論ゲーム本編では、祐一を引き止める為の嘘が
<まもの>を実体化させたのは周知ではあるものの、本作では語られぬ過去であり、夜の学校と
祐一とを結びつける佐祐理の発想は、どうも展開上都合が良すぎではないか。
 一弥誘拐偽装について、病院から二人で抜け出したのだから、まず彼女に事情を問うのが当たり前
であろう。そもそも年端もゆかぬ少女が衰弱した少年を連れて、夜闇深き森の奥へ踏み込み、
挙句碌な道具も無しに死体を埋め、誘拐偽装する。この状況、どう考えても尋常ではない。これで
仲の良い姉弟と言われても、祐一の思いこみが過ぎるというもの。誘拐するにしても、余命幾許も
無い病人よりは、健康体の姉をを攫った方が後々扱いやすいと思うのだが。
 あゆを突き飛ばした祐一の行動が、自発なのか無意識なのか、はたまた森の意思なのかも結局の
ところ不明。願いの報酬であるところの命を奪う為に祐一を操った、と読解すれば良いのだろうか。
トリックの奇抜さを際立たせようとして、どこか強引に話を進めている感が払拭できない。地の文が
醸し出す雰囲気は古風でおどろおどろしく、見方によっては京極的ではある。本作の祐一にも、
中尊寺位に徹底して話の裏を取ってほしかった。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
 正に大どんでん返し。再読しても、どこも破綻も矛盾もしていない。秋子が若作りな理由も本作の
設定では絶大な説得力を持っている。強いて言えば、会話の口調が大人三名結構似通っていて、
時折誰の台詞なのか困惑してしまったのが難かと。それと、Kanonを知らないとギミックがまるで
通用しない点も。まあ<KanonSS>と銘打ったコンペだから、読者は十中八九ラストでのけぞるはず。
ミスリーディングせずに完読するのは至難の技と思う。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
 各医師の描写に力を注いだ点を大きく評価したい。また、専門用語の飛び交う文章だが、解説は
解り易い。医療の世界を書き慣れているのだろう。勿論心情描写も抜きん出て素晴らしい。
何より、<一つでも多くの命を救いたい>という作者の切なる願いがこちらにもダイレクトに
伝わる。自己体験によるところがあるのだろうか。いずれにせよ感動の一作。
 圧倒的なリアリズムの追及ゆえであろう、奇跡発動者の<月宮あゆ>は、本作では思い出話の
一幕にしか出てこない。ゲーム本編の栞エンドと趣を異にする幕切れは懸念の対象となるかも
知れないが、これはこれで良いと思う。ただしタイトル、これは工夫が足りていないのでは。
ハーラン・エリスンの一作品から拝借したのは明白だが(エヴァンゲリオン最終話はタイトルを
完全に転用していた)、本作の栞は、自身の世界が壊れゆく物とは捉えていない。無論香里との
関係は悪化はしていたが、それが栞の<世界>すべてではない。むしろ、消え逝く間近の状態で
すら、彼女にとって世界は輝きに満ちた美しいものであった。本文とのずれをタイトルに
感じたのでここだけ減点。まあ何をリスペクトしているのかは良く判るのだが。

http://www.jmdp.or.jp/ 財団法人 骨髄移植推進財団
己がここにアドレスを記すのも無意味であろうが念のために(無論自分は作者自身ではない)。
常に行動の人物であろう。誰かを救えるのならば、我らが命、けして安くはない。


064 面鉄の奥の恋 (採点:9)
 誠実さを感じる文体は純文学の様である。歯切れが良く、構成力もある。幕引きの余韻もなかなか。
久瀬の弟、という設定も面白い。脇キャラの、そのまた向こうの人物からの視点は、独自で
ありながらも、また一読者のそれでもあるようだ。真治の目を通じて、我々はまた新しい<Kanon>を
味わうことが出来た。粋な一作。タイトルだけ見るとスポ根ラブコメっぽく受け取られそうなので、
もう一歩工夫を。

067 風邪の一日 (採点:4)
病気ネタも、誕生日ネタと双璧を成すお約束の一品。新鮮さは感じられない。会話だけで片をつけすぎ。

068 名琴抄 (採点:8)
 正に<唐突に>終わってしまった。読後の感想として、終盤部が解説不足である気がする。
アルバムを見ただけで明かされる真実。幕開けに仕掛けたギミックとこれだけで話のキモを
表わしても、どうにも口当たりが悪い。名雪(=妖狐)が妖術で周囲を化かした、としか
想定不可能。時折入るフラッシュバックが伏線であるのは判っていたが、それでもしっくりこない。
狐は祟るもの、と名雪(=妖狐)が口にするラストシーンでも、文脈上<狐>という単語は
唐突に出てきたはずなのに、祐一は何の疑念も抱かず受け流している。何故それほどに過去は
忘却されているのか、そのあたりも、この作品中でもう少し説明してほしかった。
 タイトルは<めいきんしょう>と読めば良いのだろうか。表題と各章の小見出し、文学的では
あるのだが、こちらの読解力不足故か本文との絡みが読みきれず、ここも残念な点であった。
 序盤や中盤で語りすぎだとはけして思わない。部活のシーンだとか、保健室に担ぎこまれる
前での登校シーンだとかは縮められなくもなさそうだが、日常描写の等身大さも減少しそうである。
緩やかに蝕まれる名雪(=妖狐)の心は、足早に表現してしまっては伝わらないし味気なく
なるであろうから、この辺りの線引きは好みの問題なのであろうか。
 全体として、状景や人物像の描き方はとても丁寧。場の雰囲気が良く伝わって来た。印象的な
シーンは、まず保健室。寒さと静寂さが、名雪の内にたゆとう澱みを一時沈めるものの、香里の
心遣いにそれは再び滲み出す。嫉妬、憎悪、羨望、辿りつくは行く当ての無い自己嫌悪。独り
雪原に残された彼女の胸中は計り知れず、こちらまで押し潰されそうな気分になった。
 そして終章部、登校シーン内の各描写は作者の真骨頂であろう。新雪を求める行為に喩えた
人生観には、己自身が雪に対して感じている<悲しみ>の原因が、この文章によって初めて
具現化され自己認識可能となったので、最大級の感謝を表したい。他人が踏んだ汚れた道を、
だからこそ確実な道を選んで歩く。踏み固められた雪に己の思いの果てが朽ちているかに思える。
さらにラストの幻想的な雪のシーン、たった一行のセンテンス
         <しかしそれは、ほんの一瞬だけの。>
この<の>の使い方が業物。余韻に打ち震えた。この感性を今後も大事にしてほしい。
 
     蒼天に煌きながら降る雪は 嫁げぬ狐の凍える涙か

069 ふたつのねがい (採点:9)
随所に出現する小粋なジョークの所為かシリアス度はそれほどでもなかったが、かなりの傑作。
キャラはどれも魅力的。出番の多い少ないの差はあるが皆に味がある。栞のシーンは群を抜いて
格別。体操着はあざとく、やや腹黒い感もあったが。北川父の発言、命を守る男の重みに溜め息。
起伏に富んだストーリー、平素ではあるが質感の高い文体等、掴み所を心得ている。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
 地の文中で、やけに口語体の個所が鼻につく。必要以上に<作者>の存在を目立たせるのは
作品への引き込みを妨げるので抑えた方が良いと思う。
 中盤での、坂井と佐祐理(金縛り状態)の会話から、舞登場のシークエンスまではテンションが
高かったのに、続く祐一登場で一気に萎えた。暗示のみでしか人間を操れない神も迫力まるで無し。
 オリジナルキャラを、ディテールまで付けて出した割には、話の展開に何ら関わってこないのも
問題では。使うならしっかりキャラを動かす。無駄キャラは読み疲れの元。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
 設定がやや難解では。誘拐劇の真相が二転三転するが、裏がありすぎて読み疲れしてしまう。
何の物的証拠もないまま犯人を決めつけ、押しかければ図ったように脱出しているのも、かなり
御都合主義が過ぎる気が。ドンパチはかなり迫力をもって表現されていたので表現力はある。
物語として破綻していないかどうかを、慎重に客観視してほしい。尤も見解に真の客観など
存在はしないのだろうが。

076 夢の劇場 (採点:4)
 せめて、<あゆの探し物>が何だったのか位は、本作なりの答えを出して欲しかった。
目新しさが何も無い。幸せな日常を夢見る場面も、多くの前人が用いたそれ(超有名同人ゲーム
でも使っていたもの)である。大筋本編とテイストが同じ。Kanonの呪縛から抜け出せていない。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
 スピード感溢れる展開にまず拍手。決戦前の緊張感を巧みに表現した幕開けにして既に手中に
落とされた。勿論後半部の戦闘では、こちらも心拍数を上昇させながら読ませて貰った。
 数々の思惑が交錯する本作において、白軍女王名雪の個性が己には大変新鮮であった。
中盤部での衝撃の告白および一連の行動には、先の朝礼台での戴冠式に見せた体たらくぶりは
微塵もない。潔いこと感涙の極み。この一面が中盤部にしか出てこなかったのが惜しいといえば惜しい。
 語彙力、表現力、構成力、どれを取っても卓越している本作には<ドラマティック>という
形容詞が尤も適していると思う。傑作。

078 「dearest」 (採点:6)
 物語の展開は正直言って平坦。それと文体としては改行しすぎ。
 香里の心境を丁寧に綴ってはいるが、どうも<香里萌え>だけで終わっている気もする。この
内容なら推敲して切り詰めても作品が持つエネルギーは変わらないはず。台詞はどれも良い感性を
していると思うが、起伏や緩急がないのでどれが殺し文句なのか今一つ判らない。
 詩的な雰囲気は嫌いではないが、もっと惹き込む工夫を。状景描写も大事。

○musu さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:10)
 や、これは反則かと。


019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
 これだけじゃあ……。ひょっとして、続き物?


021 想いの果てに (採点:1)
 文章力の無さが惜しい。
 行間の空行2行が謎。
 この話の流れなら、祐一は木に宿って大木を蘇らせて終わり、でもよかったような。
 ハッピーエンドにするのなら、ハーレム状態の北川が反発して術が中途半端に終わる、くらいのギャグが入ったほうがバランスとれたかも。


022 笑い声がきこえる (採点:8)
 最後の刑事がいまいちかも。
 名雪の死体も、狐の死体も、祐一の部屋に? 皮だけじゃなく?
 真琴に関しては、秋子さんが身元捜したりしてるから、略取の疑いはおかしいと思う。


030 奇跡のかわりに (採点:7)
 最後が……。勿体無い。


059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:1)
 こりゃまた長い叙述トリック。あまり意味があるようには思えないけど。


060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:1)
 奇をてらいすぎ。あるいは中途半端。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:1)
 なんか、こういう作り物の話では、よくある話。


○naoki さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
久瀬の葛藤を描くのは最近流行のようだけど、こういうのははじめて見る。
意欲作だと思うし、最後のシーンは気に入りました。

004 The regret (採点:1)
誤字(変換ミス)が多すぎ。
もう少し気の効いた言葉遣いはないのか。
展開も安易。

006 「日課」 (採点:1)
行間のやたら広いのは普段読みません。
それがあるから点も辛くなるのかもしれませんが、
しかし、これは中編にするほどの内容はない。
短編にまとめられます。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
話の核は面白い。
冒頭と結末の中央ぞろえの部分をまずなんとかすること。ここが安易過ぎる。
それと冒頭祐一の落ち込んでいる部分もどうにかして欲しい。

結末でネタばれをするよりも、
翌朝の部分まで描いて完全に真琴に戻っていることを示したほうが、
個人的には面白かったと思う。

021 想いの果てに (採点:1)
ご都合主義もここまでくれば立派なものです。
それとこの程度の内容なら余裕を持って短編で収められます。

023 WA4 (採点:1)
天野を出す必要性は皆無。
北川に相談を持ちかけているほうが、話としてはすっきりする。
中編にするほどの内容はない。

025 歩いて行こう (採点:3)
こう主張が強い作品はあまり好きじゃない。
押し付けられている気分になるから。
それでも、良いものは良いのだけれど、
・祐一の母と秋子が血縁関係にあると本編で明記されている
・全体的に台詞がうそ臭い
の二点が非常に気になりました。

041 また逢えたらいいね (採点:6)
途中で手抜きをしないこと。それさえなければもっと良い点をつけられたのに。
ただ細かく設定が煮詰められていないのが気にかかる。
どうせなら、どっかのSF小説から設定ぱくっちゃいなさい。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:1)
これは短編で出すべき。
中編にするほどの内容はない。

071 一緒に生きたい (採点:3)
祐一と北川をとりあえず置き換えてみただけに見えます。
それでもなんとか違いは出ているようですが……。
タイトル負けしている感があります。

○ooba さん

003 お泊まりパニック! (採点:7)
単純に楽しめました

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:3)
北川ですか… ふぅ…

015 『雪の日の決意』 (採点:5)
その場 その場の文章はいいんだけど 全体としてのストーリーが分かりづらいし
オチもなんだか…

020 私の望み (採点:9)
萌え

037 美凪 (採点:3)
すみません 肌に合いませんでした。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
美汐 らぶ〜〜〜〜

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
後半あたりからオリジナル要素が強すぎるかな〜と思う、個人的にだめなので…

063 丘の子守唄 (採点:1)
だめぽ

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
誰がどんな評価していても、わたしは満点を記します!

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
ストーリーの根幹をなす設定がオリジナル色が強すぎるけど、それ以上に途中までは読ませてくれました
ただ、騎馬戦自体はあまりおもしろくなかったです。
それと、最後がすごい中途半端な気がするけど香里を中心にするならここまでなのかもしれないと我慢w

078 「dearest」 (採点:9)
設定的なことがいまいちさっぱりでしたが、香里がすごくかわいかったので。

○seraph666 さん

040 楽園日記 (採点:10)
こういうのもありかもしんない。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
おお!どきゅめんたりー。そのままドラマ化できそうなほど素晴らしい。
今回のコンペ最高の出来栄え。

○sukusuku さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
いろいろな試みをする意欲は買うが、とても読みにくい。
これは大きなマイナス。
読み手のことを考えれば、読者に大きな負担をかけるような構成は論外。
個人のHPでの公開ならまだしもコンペなんだから。自己表現の欲求はわかりますが、人に読んでもらう事を前提とするコンペ作品と言う事を考えてください。
また、形式は斬新なのに内容は平凡。苦労して読んだ甲斐がない

005 プライベート・ハンター (採点:1)
書式、誤字の問題はさておき、この作品を読んでマジですか、と思った事。
・魔物との戦闘経験がある祐一が、いくら特訓で北川から借りたとは言え、木刀より強度が弱い竹刀を選択。
・剣道暦10年の北川が、テニスの経験があるとはいえ普段特別な鍛錬もしていない祐一に、二刀を勧める。
・祐一が上二つの選択をしたことの意味や成果が、戦闘シーンで出てこない。
・テニスの経験から太刀筋が正確に垂直か真横になる。
・このラスト……じゃあ何のために舞は冒頭で消えたんですか。
・ジャンルは……シリアスラブ?ラブコメじゃなくて?

006 「日課」 (採点:7)
香里のキャラに違和感を感じる……、というか作中の香里自身の言葉ではないが、イヤ〜な女だと思うのは私だけだろうか。北川の気持ちを自分から聞き出しておいて、「なびいてたかも」「遅すぎた」とか「いい人過ぎた」ってあんた……そりゃないだろ(w。自分に好意を寄せてくれた人をなぶるなんて、残酷すぎるよ、香里さん。それでいて百花屋を出た後も……ほうっておいてやらんかい!、と突っ込みまくってた私でした。しかし、この香里のキャラとこの仕打ちだからこそ、主人公である北川に切なく感情移入しまくることが出来ました。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
ぬうう……と、飛び道具つこうてくるとは……じつにあざとい(w。しかし、これだったら、いっそ18禁で読みたい。そういう意味で中途半端な作品だ。コンペの規定でエロく(失礼)してリビドーに訴えかけるなら、この作品のようにあからさまに描写するのではなく、隠したり焦らしたりしてもっと読者の想像力を煽る方向でいくべきでは?、と個人的には思う。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
ハーレムな設定とあまりにもナルシスティックな祐一に馴染めませんでした。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
祐一の香里の呼び方が「香里」じゃなくて「美坂」になっているのは個人的にマズイです。
これがなければなあ、と思った作品です。惜しかった

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:5)
全年齢版?

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
え、え〜と……。
ジャンル表記は、ミステリーってなってたけど、どこがミステリーなんでしょうか。
しかも、終わってないような? この作品内で完結しない話を書かれても困ります。
コンペなんだから。


021 想いの果てに (採点:1)
法術で萎えました。師匠が出てきて萎えました。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
 設定に説得力が感じられません。
例えば、祐一の転校の理由の一つに両親の関係悪化にいたたまれなくなっての逃避があげられていますが、そういった事情があるのによりにもよって原作で祐一が「7年間も避けつづけていた」とされる街に行こうとしますか?
他にも色々とツッコミどころはありますが、なんかすべての設定がとってつけたような感じで、Kanonの二次創作じゃなくてキャラを借りてきたオリジナルって印象です。
それに最後の英文なんですけど、長すぎます。
英語が得意じゃない人を含めた読む人の事を考えましたか? せめて訳くらいはつけましょうよ。
自己表現の欲求はわかりますが、人に読んでもらう事を前提とするコンペ作品と言う事を考えてください。

026 ステップ (採点:1)
荒削りだけど、いい感じだなあ……いい感じって思っていたのに!!
終わってない? 終わってないのは、マズイでしょ!
作中の祐一の台詞(どうすれば、いいんだぁーッ!)。そりゃ最後まで読んだ私の台詞ですわ。

027 ウエディングヴェール (採点:8)
何かラストが妙に物足りない。盛り上げて盛り上げて……え、これで終わり?、という印象を受けた。これが非常に惜しすぎる。

040 楽園日記 (採点:10)
おお、出てくるのは男ばかりだ(w。それでも、実に面白かった。各キャラがたっていてそれぞれ魅力的に描かれている。ただ、久瀬のキャラがちょっと子供っぽかったかな?と言う感がある。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
「実は王子様だったのです」という主人公の設定はKanonにはあわない、と個人的に思います。
また、ヒロインがみんな主人公がだぁ〜い好きと言う設定もKanonにあわないと思います。
そして、これらを覆すだけの魅力がこの作品の主人公やお話からは、残念ながら私には伝わりませんでした。

047 笑顔 (採点:4)
荒削りだがキャラ造形はいい感じ。だが、7年前、つまりは10歳頃の子供にしては名雪、香里、祐一のキャラが大人びすぎてる感じを受けた。
また香里のエピソードが何のために入ったのかわからない。
香理、と言う誤字もいただけない。キャラ名の誤字は二次創作では致命的だろう。
いいものはあると思うのだが。


051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
久瀬にお仕置きをするシーンの描写に嫌悪感を感じた。
テンポよくナンセンスを楽しんでいたところに、不快感を催す方向へのリアルさがある暴力シーンで興ざめ。せっかくのテンポも台無し。更に、その後の祐一の発言が「何でこいつこんなにえらそうなの?」って感じで、不快感も倍増。これらがないか、暴力シーンがもうちょっとデフォルメされたものだったら言う事なしだったのに……。

052 Give me a reason (採点:7)
物語の展開として、香里が北川の気持ちを確かめるところが、性急に感じた。いくら北川に諭されたからといって、すぐに北川の気持ちを確認する、とはならないのでは? 作中の状況下ではまず、最優先で栞の問題に集中し、北川のことは意識しつつも保留、と言うのが、香里のキャラからしても自然ではなかろうか?無理矢理ラブシーンを挿入しました、という感じがする。
北川が香里を説得する際の北川の母親とのエピソードには、マジでほろりときた。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
一途な北川と可愛い名雪が実にいい感じ。っていうか、石橋先生ラヴ(w

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:6)
多重人格説へ持っていく展開が、とってつけたようでいささか乱暴に感じられた。しかも、久瀬があっさりとそれを受け容れてしまうのはどうだろう? もっと多重人格についての前ふりが欲しかった。思うのだが、多重人格などと大仰にしなくてもよかったのではないか。なんとなくだが、作中の北川と同じく作者さんも多重人格と言うものがどういうものなのか、きちんとつかんでいない、という印象を受けた。筆力はあるだけにそれが惜しい。

055 煌めきの欠片 (採点:5)
「明かるい不陰気」に笑った。確かに、陰気にあらず、だけどさ。

058 30℃ (採点:9)
ロケットでの例えがちょっとすっきりしない感じを受けた。この作品は、もうちょっと長くしてもらって腰を据えて読みたいなあ。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:8)
目の付け所とよく考えられた構成が素晴らしい。抑え目の描写もこの作品にはよくあっていた。
今回の全コンペ中で一番スマートな一品ではなかろうか。



061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
この作品の北川くん、大好きです。たとえ、ヘタレていようともそれがいい(w。会話が非常に楽しかったのも良かった。

063 丘の子守唄 (採点:1)
あ〜、「終」の文字を見るまでは本当に良かった。楽しんで読めた。でもね、これどう好意的に見ても作品として完成してないですよ。非常に非常に(以下×128くらい続く)ひっじょ〜に残念だ。人に期待させておいて、おあずけ、ってのは人が行う罪悪のうち五本の指に入るものですよ? 続きを読ませてもらわないと割に合わない、と思うくらい失望している。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
「久瀬」に関する設定はなかなか工夫したな、と感心した。だが、主人公を狙う悪役の描写が、はっきり言って物足りないために、主人公がピンチに陥ってもいまいち感情移入できなかった。また、終わり方が尻切れトンボという印象を受ける。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
この作品の祐一はイイ感じ。美汐も。
だけど、美汐が祐一を呼ぶ時の呼び名がずっと「相沢さん」となっていたのに、作中で一部だけ「祐一さん」となっていたところがあるが、ここが良くわからない。そう呼んでしまった美汐の理由を描いてほしかった。

067 風邪の一日 (採点:6)
祐一の不器用な優しさと真琴の可愛さがいい感じですが、会話文の中の「ふぅー」という溜息とかはなるべく地の文に組み込んだほうがいいですよ。
っていうか、この文体読み覚えがあるなあ(w。

068 名琴抄 (採点:7)
途中までは大変面白く読ませてもらったのだが、名雪が自分の正体に気付いてからラストに至るまでが、性急に過ぎる、と感じた。それが惜しい。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
祐一のキャラになんか違和感を覚える。「祐一」と言うよりTo Heartの「浩之」って感じ。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:5)
私はあんまり書式とかにワーワー言いたくない方ですが、この作品、『…』を使いすぎの感がありますね。いくらなんでも多用しすぎでちょっと読みにくいです。それに、前半の祐一と別れてからの美汐たん、独り言多すぎでちょっと怖いです。独り言はある程度内心での呟きとして、地の文に組み込んだほうがよかったのでは?

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
名雪が、実に丹念に、そして可愛く瑞々しく描かれている。読んで思わずにっこり、と言う作品だった。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
素晴らしい、の一言。騎馬戦の設定がちょっと奇抜なのだが、上手くキャラ描写とストーリーに絡めているため、その奇抜さが非日常的なスパイスとなっていて話に惹き込まれました。キャラ描写もキャラがよくたっていてグッド。恋に対して勇敢な名雪に萌えました。クライマックスでの香里の「死なないで!」→「あ、相沢ぁッ!」のコンボに笑わせてもらいました。個人的に今回のベストワンです。

○sun さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
こういう表現が好きじゃない、のは確かなんですけど
それでもわざわざこんな形にする必要があるのか分かりません。

002 鈴の音よ再び (採点:5)
文章の書き方がおかしいけど、話自体は普通かなぁ。
後、何で最後にあんなに空白があるんですか?

003 お泊まりパニック! (採点:5)
ありがちだけど、普通に面白い。でも、文章が変です。
会話が多すぎです。

004 The regret (採点:5)
北川君、いい奴ですね。誤字や人称の間違いが気になります。

005 プライベート・ハンター (採点:6)
確かに佐祐理さんの出てくる必要はあまりないですね。
祐一が何かを習う場合大抵秋子さんなのに、北川君にしたのが好感触です。

006 「日課」 (採点:9)
いや、凄く良かったです。やっぱり北川君はいい人なポジションが1番なのかな、と思ったり。

008 激辛 (採点:6)
話がありがち、かな。でも真琴がかわいく描写出来ているかと

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:4)
悪くはないと思うんですよ。でも、どうも各々の心境がどこか変だと思います。
ハーレムな状況自体無理があるので、そこに至る過程も当然無理がある。
だから整合性を持たせようとしても、結局どこか変なのかと。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:4)
読み辛いです、凄く。これではスパイス云々の伏線が生かされないと思います。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
伏線に気が付きませんでした。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
話がまとまって無いと言うか、オチがついてないというか。そこが残念です。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
話も文章もよく書けてるとは思うんですが、どうもそれ以上の物が無い…のかなぁ

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
無意味なくらい戦闘シーンに力が入っているのが素敵です。
オチはちょっとお約束すぎるかなぁ、と思いますが、逆に安心できるから良いかも。

○syun さん

014 おまえの名前 (採点:6)
もうちょっと最後をリズムよくしてほしかたです

035 復讐という名の代償行為 (採点:5)
えっ、どこかで見たネタ


048 走る少年少女達 (採点:1)
なんかオリジナリティがないと言うか……
ジャムネタも口に出す癖も既にマンネリだし……
ここ、と言う魅力が無い。

049 少年期 (採点:8)
大人ですね……北川君、こうも、冷めてる性格は嫌いじゃないです

052 Give me a reason (採点:9)
ほんの少しだけ、北川と香里がくっつく理由がよわい気もしましたが、中篇ならではの面白さがにじみ出てました。

○takasi さん

002 鈴の音よ再び (採点:8)
祐一がまた奇跡を信じられるようになって行く様子がとてもよかったです。

003 お泊まりパニック! (採点:10)
全体的にとても面白かったです。
特に祐一のパニックになっている様子が面白かったです。

004 The regret (採点:8)
全体的な雰囲気がとてもよかったです。
特に北川が祐一に香里のことを頼むところはとてもよかったです。

005 プライベート・ハンター (採点:8)
戦闘のシーンはどきどきしながら読ませていただきました。
こういうのはとても好きです。
ただ佐祐理がこのシーンの中にいるのをすっかり忘れてしまってました(笑)

007 冬の夜の過ごし方 (採点:10)
暴走気味の秋子さんが最高でした。

008 激辛 (採点:9)
真琴がとても可愛らしくてよかったです。
特にしゃっくりを止めるためにキスするシーンが良かったです。

011 残酷な代償のHappiness (採点:10)
あゆの祐一への想いがとても深いものなんだなと思える作品でした。

012 空っぽのテクスト (採点:7)
愛する人のそばに最後までいることが出来て、栞は幸せだったなと思えました。

013 Conservation for Love (採点:9)
美汐の母親のキレ具合は凄かったです。
真琴の怖がり具合が容易に想像できました。

014 おまえの名前 (採点:10)
名前の由来というものはとても気になるものですね。
真琴の不安になる心情がとても上手にあらわされていたと思います。

016 脱走と追跡のカノン (採点:9)
凄く複雑な事情でしたね。
こういう風なドタバタ物はとても好きです。

018 雪解け水 (採点:10)
祐一が記憶を取り戻すきっかけの偶然性は良かったと思います。
そこから本編との絡ませ方が凄く良かったです。

019 FILE EPISODE 0 (採点:5)
黒い帽子をかぶった男が気になりますね。

021 想いの果てに (採点:10)
話の流れ全体がとても好きになれる作品でした。
特に祐一が斉藤に理由を話すところが個人的に好きでした。
ページの切り替えも良かったと思います。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
真琴がすごく怖かったです。
一部の描写を除いて個人的にはいい作品だと思いました。

023 WA4 (採点:8)
祐一の「言う事聞かないわがまま息子が〜」という台詞がが凄く印象的でした。
この台詞はなんとなく色々な意味が含まれているような気がします。

026 ステップ (採点:9)
事故の描写シーンは少し細かすぎると思いましたが、
全体的にシリアスな雰囲気が出ていて良かったです。

027 ウエディングヴェール (採点:8)
とてもとても悲しい話でした。
でも、嫌になるような話では無かったです。

029 最後の奇跡 (採点:9)
少し疑問がありましたが、不意にも泣きそうな作品でした。
ハッピーエンドとっても好きです。

030 奇跡のかわりに (採点:8)
前半と後半の雰囲気のギャップがよかったです。

033 エム (採点:7)
舞の力を娘が引き継いだらというテーマから見るとありそうな話ですね。
話の視点が良く分からなかったですけれども、
多分これは私の理解不足でだと思います。

035 復讐という名の代償行為 (採点:9)
正常と異常の狭間でゆれている祐一の様子が良く表現されていたと思います。
先を読みたくないけれどもなぜか読みたくなるそういう作品でした。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:8)
祐一に対する思いを結果はどうあれちゃんと伝えることが出来よかったですね。
名雪にはこれから幸せになってほしいですね。

037 美凪 (採点:8)
ありきたりかもしれませんが、文の読みにくさが少しありましたが、
逆にそれが美汐の幼い感じが出ていて良かったです。
こういう手法は個人的に好きです。

041 また逢えたらいいね (採点:8)
途中の栞と早緒里の会話がだらだらているような気がしましたが、
全体的な話の流れは個人的に好きです。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
久瀬と祐一の会話が凄く印象的で良かったですが、
最後のほうはありきたりだったのでそこが不満でした。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
祐一と美汐の距離が縮まっていく様子をどきどきしながら読ませていただきました。
何気に名雪(?)が解読した紙を破るシーンが目に浮かぶようでよかったです。

045 桜が告げる春の風…… (採点:9)
一部を除き、読んでいるこちら側が心休まるような雰囲気のある作品でした。
関係ないですが、「ラブレター」でなく「らぶれたー」が美汐らしいですね。
オリキャラは一部を除き嫌いですが、美鈴は個人的には好きです。

047 笑顔 (採点:8)
少し突っ込みたいところもありましたが、名雪の思いが伝わってくるようでよかったです。

048 走る少年少女達 (採点:8)
最初に、久瀬よどうやってそのジャムを手に入れた……と突っ込みたくなりました。
マラソンのシーンは私の知っている某週刊少年雑誌に連載されていたのとほとんど同じ展開でしたが、
こういうのは好きです。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:10)
面白かった。言える事はそれだけです。

052 Give me a reason (採点:9)
北川が医者なんて似合わないだろうと思いながら読んでいましたが、
読んでいくうちにこういう北川もいいかなと思いました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:7)
話の進め方や展開は凄く良かったです。
特に北川が名雪をなぐさめる(?)ところは凄く雰囲気が出ていたと思います。
ただ私は、名雪がほかの誰かとくっつくのが嫌いですが…

055 煌めきの欠片 (採点:9)
中盤あたりからのミステリーっぽい雰囲気が作品全体を際立たせていて良かったです。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
最初に、一本とられてしまいました。
美坂姉妹を思い浮かべながら読んでいたもので……
このほかにもヒントがあったかもしれませんが
「航空」「ボーイング社」「安全」から気づくべきでした。
これは一方的に私の理解不足でした。
本当に申し訳ございません。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
舞台、視点などが全部意外性を持っていましたがこういうのは好きです

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
友人の悩みを聞くか聞かざるべきかという北川の葛藤が良く表されていたと思います。
前半部分の祐一と北川のやり取りは笑わせていただきました。

063 丘の子守唄 (採点:7)
何か物足りない気がしましたが、全体的な雰囲気は良かったと思います。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
美汐の壊れっぷりと祐一とのかみ合わない会話はとても楽しかったです。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:8)
最初は話のつながりが見えてこなくて戸惑いましたが、
読んでいく内にだんだんと作品に引き込まれていきました。
最後のほうは泣きそうになりました。

067 風邪の一日 (採点:10)
真琴がすごくかわいかったです。
それに祐一が病気になって一生懸命看病する様子も良かったです。

068 名琴抄 (採点:9)
読み始めの頃、「名雪らしくない」と思えるところがいくつもありましたが、
こういうことだったのですね。
納得できる作品でした。

069 ふたつのねがい (採点:8)
最後のほうのシリアスな雰囲気がとてもよかったです。
個人的にはですます調は作品にあっていたと思います。

071 一緒に生きたい (採点:7)
祐一、あゆ、北川の関係はとても意外でしたがすんなりと話に入り込めました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:9)
佐祐理と舞の最強具合がとてもよかったです。
秋子さんがいれば重婚できるようになるのでは、と思ったりして……(笑)

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
いつもと違った日常の雰囲気が良かったです。
個人的には猫との絡ませ方も良かったと思います。

075 True story (採点:10)
不思議な感じが漂う作品でした。
作品の長さを感じさせないページの切り替え方も良かったです。

076 夢の劇場 (採点:10)
こういう本編では語られない作品はとても好きです。
あのルートだとそうなるかもしれませんがこの作品は本編との矛盾も無いと思います。
特に栞の描いた絵をあゆがもらうシーンはとても印象的でした。
本当にいい作品でした。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
名雪と栞の修羅場(?)とても楽しく読ませていただきました。
個人的には名雪を応援したいですね。

078 「dearest」 (採点:8)
読んでいるこちらが恥ずかしくなりそうな雰囲気がとてもよかったです。

○unnya さん

003 お泊まりパニック! (採点:6)
うーん、少しメリハリが足りないかな、と感じました。伏線を入れるとか、こったところに力を入れようとする余り、基本的な流れが曖昧になってしまったのかな、と思いました。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
ちょっとオチが弱かったかな〜と思いました。でもとても楽しかったです。こんな思いを一度はしてみたいものですね(←オイ)。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:9)
うーん、あまりに都合のいいお話ですよね、と言ってしまいたい所なんですけど文章のテンポがあまりにいいのでついつい最後まで読まされて(^^;)しまいました。

文章のテンポと会話の「粋さ」がとにかく良かったです。ただ、やはりストーリー展開はあまりに都合がいいので(^^;)、一点引かせていただきました m(__)m

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:9)
なぜ香里が北川のために作っているのがカレーなのか?というのは、このSSでの勘どころの一つだと思うんですが、それが少しわかりませんでした。後、祐一に香里のことを「美坂」と呼ばせているのは、わざわざだとは思いますがちょっと不自然かな?

全体としてはすごくいいお話でした。上に書いたことがそれほどのマイナスだとは思えないほど読んだ後さわやかな読後感がのこって幸せでした。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
うーん、ごめんなさい。テンポが悪くて途中からはほとんど流してしまいました。我慢しながら読まないといけないのはやはりつらいので。

前半の展開が後半にほとんど生きていないように見えました。これならば、前半をもっとコンパクトにまとめて短編にした方が良かったのではないかと思います。

きついコメントと点数でごめんなさい。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:4)
シチュエーションとしては、ありかな、とも思いますが、最後の一ページは要らないかな、と思いました。そこからは読者の想像に任せた方が良かったかと。想像できる展開である上にオリジナルの使い回しが混ざってますし。

他の作者さんとかが怒るかな、と思いますがあえて言うと、やはりSSはこういった問題を正面から扱うには不向きかな、と思います。とにかくきれい事ですまない側面が大きいですから。

別にこういった話題を取り上げるな、といっているわけでも、ここの描写が間違っているというわけでないです(あっているのか、間違っているのかは僕にはわからない)。もちろん責めている訳でも全然ないです(そういうコメント、きっと出てくるでしょうから敢えて書いておきます)。

ただ、きれい事ですまない以上は、こういった話題を取り上げるにしても、話の中心に据えるよりは、脇のテーマにしてもう少し心理面を中心に書いたほうが良かったかなと。やはりこのようなテーマを主題として取り上げるには「一から」作り上げないとだめなのではないかなぁと思いました。

この作品の作者さんに限らず「そんなことはない」と感じた方はごめんなさい。あくまで一読者の考えと言うことで。では、次回作もがんばってください。

020 私の望み (採点:7)
良いお話だったと思います。適度にメリハリもあるし、文章もこなれているし。初めと段落間にある空白は少し長すぎると思いますが、それもささいなことだと思います。

3点引いた所のポイントの一つは、同様のシチュエーションが、既に多くのSSで使われていて、やや新鮮みに欠けた、という所でした。ただ、新鮮みに欠ける題材でも話のもっていきかたで読者を引きつけられればいいのですが、今回は残念ながらそこまでの魅力は感じられませんでした。

後、もう一つは「美汐をテーマにした作品」ということです。カップリングとか、キャラの好き嫌いとかそう言うことではなくて(僕は美汐好きです(^^;))、今回のこんぺでは中編も長編も美汐を題材にした作品は多かったです。すると、どうしても作品が多かった分、一つ一つの作品を見る目は厳しくなるわけです(別にこんぺで良い点数を取るためにキャラクターを選ぶ必要はないですけど(^^;))。

偉そうなコメントをつけてしまい恐縮ですが、次回作の参考にしていただければと思います。

029 最後の奇跡 (採点:8)
いいお話だったと思います。文章のメリハリもきちんとしているし、テンポも整っていると思います。

でも、さすがに心臓が止まってからこれだけ時間がたって復活というのは無理がありすぎかと。最後の展開はやはり、王道の「止まりそうで、止まらない」を如何に読者を飽きさせずに書ききるか、という所に注力した方が良かったのかもしれません。

031 グッナイ (採点:6)
うーん、なんだろ。なんとも捕らえどころのないお話でした(別に悪い意味ではなくて)。だから余計に終わりの唐突さがどうもしっくりとこないというか。もう少し続きが読んでみたいなと思いました。

採点としては「悪くないけど、これぞと言うところも感じられなかった」という感じです。次回作も期待しています。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:5)
話の筋が右に左に振れすぎて、全体的な一本の流れが感じられませんでした。一番不自然だったのは久瀬が出てきてからで、別に久瀬が実はいい人だったというのはそれでいいんですが、少し説明的になりすぎていて無理矢理はなしの帳尻を合わせているように思えました。

後、舞と佐祐理の台詞が、どうも「らしくなかった」ように思えます。舞については一つの台詞が少し舞にしては長すぎるのかなぁ。

きつい感想と点ですいません。次回の作品もがんばってくださいね。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
うーん、最高です。とにかく最後まで引きつけられて離れませんでした。お話としてだけで十分10点なのですが、きちんと「カノンSS」している所もすばらしいです。栞なら、美汐ならこんな行動をとりそうだし、発言をしそうだと思いました。とっても楽しく読めました。ありがとうございました。

065 作品No.2「春」 (採点:10)
すごく良かったです。中編はほとんど採点数ぎりぎりなので、10は一つしかつけまいと思っていたのに…。

そんなに凝ったところも変わったシチューエーションもないのに魅せる文章が書けるのはすばらしいと思いました。なにより読後感がもう最高でした。ありがとうございました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:5)
楽しく読ませていただきました。コメディというよりは、壊れですねぇ。こういうのは嫌いじゃないんですけど、ストーリーに一貫性がなかったなぁと思いました。少しどんでん返しが多すぎる、というか、作者さんに都合のいいように話を振り回しているという感じを受けました。

○yuxsan さん

008 激辛 (採点:8)
これはある意味激辛では無く激甘ですね

○zasx さん

022 笑い声がきこえる (採点:5)
刑事のシーンが蛇足に感じました。
タイトルに起因しているのでしょうか、ラストの秋子に至るまで、狂気を表すものが「笑い」だけという一辺倒な印象。


026 ステップ (採点:6)
 自分の好みのお話で楽しめました。
 以下、ちょっと気になったことを。

・戸籍謄本→年の離れた兄
 このあたりで、物語全体のフォルムがわかってしまった人も多かったのではないでしょうか。
 で、そのまま進んでしまったのがなんとも。もう一工夫、どこかに「あっ」と言わせるものが欲しかったです。

・過去と現在を行き来する構造
 俗にいう、冒頭に死体を転がせ、ネタは前にばらまけ、ってなやつなのかもしれませんが、何度も行き来する構造はどうかと。
 これであれば、話を別々の2本に分割して、個々に書き込みを増やしていった方が感動的ではないかと思いました。
 たとえば秋子パートだけにするなら、両親の葬式に叔父が出てくるシーンは必須でしょうし、絵葉書のエピソード(これ、今回どうしても入れたかった話なのでしょうかね?)はもっと心情を書き込んでみたりと、色々できたのではないでしょうか。
 名雪パートでは、秋子の過去の吐露が楽しみだったり。

・嫂、儘、恙、絆された、偶々、言ってたは、だッ
 なにかこだわりがあるのでしょうか。それとも雰囲気のためでしょうか。
「何言ってるんだ、違うッ! ただの事故だッ!」このあたりの「ッ」は意図がよく分かりませんでした。
 少なくとも、出現率の高い「嫂」と、セリフ中の「偶々」「言ってたは」については、普通の書き方のほうがよかったと思います。

 長々と好き勝手に書いてしまいました。
 失礼しました。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
名雪の反応とかはよかったと思うのですが、そこにいたる経緯と、七日目の奴に気が付くのがどうかと。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:3)
物語のテンプレートというか、黄金パターンというか。
そういうものから脱却する何かが欲しかったです。


041 また逢えたらいいね (採点:9)
面白かったです。それ以外の言葉が思いつかなくて申し訳ないです。


051 ある牛丼屋の一週間 (採点:4)
なぜ句点を省くんでしょうか。他にもいくつか見ましたけど、ちょっと不思議です。
――って、こんなの感想じゃないですね。すいません。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
確かにおとぎ話風ですね。こういうのも面白いと思いました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
 うまいと唸ってしまいました。今まで読んだ中では、群を抜いたうまさという印象です。
 隙の少ない作品な分、身構えた採点になってしまいましたか。
 以下、ちょっと気になった点を。

>第4章 「ファイナル・アンサー」
 笑わせていただきました。……ってことで、これが一番大きい減点。
 作者の遊びは、キャラ名だけで押さえて欲しかったです。

>Copyright (c) 2000 by Shiho Fujita
 物語全体として、どのような視点(?)から書かれているのか解らず、
 一読目に、ちぐはぐなピースを組み合わせたような印象を受けました。
 はじめに、志保の名前とCopyrightがあるので、なにかに載せた記事だと思ったのですが
 プロローグがあったり、「こうと決めたら、祐一ほど行動の早い人間もいない。」
 などと誰かの(志保とは思えない)主観が書いていたり。
 ノンフィクションなのか、フィクションなのか。統一感がないというか。

>知識系のこと
 雰囲気が出て良いと言う人もいるかもしれませんが、自分は知識はもう少し裏役にまわって欲しかったです。
 たいへんわかりやすい説明が付いていたり、漢字表記でわかるものもありますが、
 やはり全体的にはわかりにくい(読みにくい)かと。


 長々と好きなことを書いて申し訳ありません。ついでにちょっと雑談を。
「ヘビィ・ベッド」という表記を見て、Vの発音を
 気にしていた人かなと思いましたが「バニラアイス」で違うかなとも思ってみたり。
 ヴァニラアイス――なんか変ですな(笑)

 では、乱文失礼いたしました。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
ラスト、いいですね。
繰り返しを使う場所は絞った方が、などと思いました。

○440 さん

005 プライベート・ハンター (採点:6)
佐祐理さん、かたなしだね…

007 冬の夜の過ごし方 (採点:9)
はい、満足です。いろんな意味で。(爆
ニヤケ顔で読ませていただきました。

013 Conservation for Love (採点:8)
天野母、恐いですねー。
いったい、あの後に美汐がどうなったことやら…

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
すんげー最後が気になる…
やっぱり包帯の下にあったのって…

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:9)
初め、うさぎが祐一と思って読んでいたら、北川ですか。
脇役なんだけど、救いたいという気持ち…
そこら辺は良く現せられていましたね。
ダークっぽいのが好きでない私でも快く読めました。

○BLAKKCAT さん

078 「dearest」 (採点:8)
ちょっとひきのばしすぎかなぁと思う。焦らし方の問題かな?

○CABINMAILD さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
正直分かり難かったけど、
なんとなく久瀬の苦しい心境が伝わってきます。

002 鈴の音よ再び (採点:5)
Finの後の余白に意味があるのかと思いましたが
何も無かったのでちょっと拍子抜けでした。
信じぬく覚悟を決めた祐一が結構格好よかったです。
でも帰ってきたのならそこの所まで書いて欲しかったように思います。

003 お泊まりパニック! (採点:2)
北川をいじめていればギャグになるのでしょうか。
文章も読み難いですし、
残念ながら笑えるところが微塵も無かったです。

004 The regret (採点:4)
ちょっと読みにくい文章でした。
それに北川の設定が都合の良すぎるのに、
それが生かしきれてないような感じがしました。
でも最後の祐一との会話部分は、
北川の悲しみが伝わってきてとても良かったです。

005 プライベート・ハンター (採点:3)
ですよねえ、佐祐理さんに意味ないですよねえ。
それに読んでいてシリアスではなくギャグものだと思ってしまいました。
それと魔物と舞の関係は、考えられている事は分かるのですがちょっと首をひねります。
あと北川が出てくる所が無理やり挟み込んであという印象を受けました。

006 「日課」 (採点:7)
切なくて弱くて要領の悪い北川君がよく書かれていると思いました。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:9)
「いいのか?これ?」
読み終わってまず思った事はこれでした。
でもイチハチ禁もあったら読みたかったりして(爆)

008 激辛 (採点:8)
まるで短めの中篇の見本のように起承転結がしっかりしていたように思いました。
内容もいかにも真琴らしさが出ていて面白かったです。
ただ惜しいかな誤字が結構目立つ所にあったので
そこを読むときに引っかかりを覚えました。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:4)
感動的なお話に思えない事も無いのですが、
どうしても祐一が優柔不断に見えて、
そして余りにも都合が良すぎる気もして
お話に入りにくかったです。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
香里や栞が一人称の部分は素晴しく良かったのですが、
北川パートはいまいち内容が薄いように感じました。
それに北川の告白の言葉をちゃんと読みたかったです。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
こういうお話だとは分かっているのですが、
無理やりこじつけたという印象がありました。

012 空っぽのテクスト (採点:7)
初めほのぼのかと思いましたが、急転直下でシリアスに突入して
最後に亡くなって終わり。
この展開は面白かったのですが、
香里サイドの方も読みたかったように思います。

013 Conservation for Love (採点:3)
ノリは面白かったのですが、時事ネタは如何な物でしょうか?
少なくとも私は分からないものがあったので
ギャグのところで少し考えてしまい、
テンポ良く読めなかったです。

014 おまえの名前 (採点:6)
真琴の名前の由来のお話で面白かったのですが、
途中美汐と真琴の話し合いで、真琴の口調が
小学校6年生にしては大人っぽく見えたのがちょっと気になりました。

015 『雪の日の決意』 (採点:3)
最初は面白そうだったのですが、途中から筋が訳分からなくなりまして、
最後も強引に終わらせたという印象がどうしてもぬぐえませんでした。

016 脱走と追跡のカノン (採点:6)
所々にあるギャグは面白かったですが、オチが弱いと感じました。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
コメントに困りますが、とりあえず祐一の父親の驚きようが楽しみです。

018 雪解け水 (採点:7)
あゆシナリオで名雪エンドという誰にとっても幸せになりきれない
お話のように感じました。
しかも中身はあゆシナリオを少し視点を変えたものだったように見えましたが、
丁寧な文だったので読後感は良かったです。

019 FILE EPISODE 0 (採点:5)
回答の無いミステリーに意味はあるのでしょうか?
面白そうだったので残念です。

020 私の望み (採点:6)
良いお話だと思いましたが、私はラブ物にもひねりを求めてしまい
もっと脇役(真琴、栞、名雪等)が絡んで欲しいと思いました。

021 想いの果てに (採点:5)
死んで欲しいというわけではないのですが、
あのまま祐一が死んだ方が
物語としては良かったと個人的に思いました。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
最初から最後まで驚きと気味悪さに翻弄され続けました。
それにタイトルも内容と素晴しく合ってました。
惜しいのは「ダーク」と銘打たれていたので
それに対する心構えができてしまった事でしょうか。
それでは素晴しい作品をありがとうございました。

023 WA4 (採点:4)
水瀬家メインの話だとしたら美汐の存在はあんまり意味ないし、
美汐がメインの話だとしたら水瀬家は関係ないし、
どっちつかずの中途半端なお話だと言う印象を受けました。
それぞれ単独で完成させた物語か、その二つをもっとしっかりつなげた物語かを
読みたいと思いました。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
祐一のお母さんがいつの間にか消えているし、
結局祐一と香里の仲は決着がついてないので
物語として成り立ってないように感じました。
それにすいませんが、英語が読めなかったです。

025 歩いて行こう (採点:3)
祐一が格好いいですが、その設定が取って付けたようにも感じました。
それに女の子全員を揃える意味が最後まで分かりませんでした。

026 ステップ (採点:6)
正直ちょっと混乱したので家系図を自分でも書いてみました。
秋子さんにとって祐一はいとこで、名雪は姪に当たるんですね。
原作とは違う設定で細かい所で違和感を覚えましたが面白かったです。

027 ウエディングヴェール (採点:7)
私はALLEND物に納得できないものが多いのですが、
この物語はうやむやで終わった感じがして、良かったのかどうか微妙です。
ただ真琴が哀れで、そこがこの物語の一番惹かれた点でした。

028 ”プレイ” (採点:5)
ちと分かり難かったですけど、
不思議な雰囲気が伝わってきました。

029 最後の奇跡 (採点:3)
文章そのものは読みやすかったが、
読んでいて次の筋が容易に予想できる内容で、
残念ながらこちらの心に響くものは無かったです。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
ONE風味のお話だと理解しました。
最初ギャグっぽくて途中からシリアスに変って行ったので
どっちつかずの印象を受けました。

031 グッナイ (採点:4)
家族愛がこのお話のテーマだと思いました。
水瀬家を良く見せるために
なずなさんの家族を貶めているように見えて
ちょっと読むのが辛かったです。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:6)
舞シナリオを魔物側から見る物語で、面白かったですが
地の文が多くて読むのが疲れました。

033 エム (採点:3)
どのキャラも性格がいまいちつかめなくて
読んでいて感情移入がしにくい物語でした。
それに読みにくかったです。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
その場面場面は面白かったのですが、佐祐理さんのやりたい事が良く分からなくて
読んでいて少し混乱しました。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
2日目までは良かったのですが、
だんだん内容が分からなくなってきて
最後が唐突に終わったという印象を受けました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:5)
読んだ後少し爽やかになりましたが、
ちょっと王道過ぎるような気もしました。

037 美凪 (採点:7)
綺麗で、悲しくて、優しい物語と言う印象を受けました。
銀色の髪の女性の言葉遣いが男の人の様に感じて
読んでる最中に何度も性別を確認してしまいました。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:6)
文章自体はとても読みやすかったですが、
最初から最後まで急いでお話が展開しているような感じを受けました。
それに内容が栞の書いたお話だと言う事が分かったときは
ちょっと肩透かしを食らったようでした。
それとあゆが自分の事を「私」と言っている場面がありましたが
そこはわざとなのでしょうか?

039 幻実、そして星 (採点:7)
戦闘シーンや勝馬君の設定はとても面白かったです。
ただ舞の性格が自分の思っているのと微妙に違っていたので
少し引っかかりながら読み進んできました。


040 楽園日記 (採点:8)
女の子が一人も出てこない上に斉藤が語り部のSSなんて始めて読みました。
とても読んでて楽しかったので、正直もう少し続きが読みたかったです。

041 また逢えたらいいね (採点:7)
早緒里と栞の会話はとても楽しかったし、
早緒里の性格付けもちょっと軽いとは思ったけど良かったと思いますし、
読後感も良かったです。
しかし地の文で状況を説明しているときにちょっと混乱しました。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:2)
居酒屋からホテルの前半まではとても良い感じでしたのに、
佐祐理さんと結婚してから最後までの展開が
祐一が優柔不断の上に嘘吐きの裏切り者のように感じたし、
その後のみんなの説明が急ぎすぎのような印象を受けました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
ほんとに素敵な物語でした。
会話部分も面白かったです。
妖狐との出来事を体験した上で
普通の女の子の様な美汐が良かったです。

044 パンドラ (採点:6)
作者さんには悪いのですが
どこかで見たようなお話だと言う印象がどうしても
最後までまとわりついてしまいました。
でも内容はとてもせつなくて良かったです。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
幸せな物語で、読んだ後ほのぼのとしてとても良かったのですが、
ちょっと都合が良すぎる展開で、先が読めてしまったのが少し残念でした。
それに詩子という名前は使わないオリキャラで
良かった様に思いました。

046 ホワイト・ミュージック (採点:2)
あゆがキレた理由、
祐一の引きこもりの理由、
美汐のお父さんの事がいきなり話に上がった所、
結局何が書きたかったのか、
何が書かれてあったのか
と言う事などが分かり難かったです。

047 笑顔 (採点:7)
最初がいまいち分かりにくかったですが、読んでいるうちに面白くなって来ました。
そうして順調に進んでいたのですが、
名雪から香里に主観が切り替わる所が少し分かり難くて詰ってしまいました。
内容はそれぞれのキャラ達がしっかり書かれていたので良かったです。

048 走る少年少女達 (採点:2)
好物の所だけそのキャラたちの物を使った
KANONとは関係の無い物語を読んでいるようでした。
それに誤字が多々あるのも気になりました。

049 少年期 (採点:5)
北川の物語なので祐一たちの話が詳しくないのも
しょうがないかなと思いました。
北川(主人公)が傍観者に徹しているような感じもして
その点が物足りなかったです。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
恐れ入りました、
ちょっと各人のセリフが冷静すぎるように感じて
淡々とした印象を受けましたが、
それを大きく上回る程の内容に圧倒されました。
まるで実際の体験談を読んでいるように感じました。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
面白かったです、
ただ「某サイトで(中略)50キロバイトのようだよ…」の文と続く久瀬の発言は
ちょっと冷めました。
途中のギャグはとても面白くて、笑って読んできたのでそこがちょっと残念です。

052 Give me a reason (採点:10)
こういうお互いが必要とし合っている関係っていいなあと素直に思いました。
しかしこのお話の北川がかっこ良過ぎるのではないかとも思いました。(好きですけど)

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
北川×名雪って自分の中では結構無理のある設定だったのですが、
これを読んで認識を改めました。
面白かったです、
北川も名雪も良かったのですが
石橋先生が一番良い味を出していると思いました。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:6)
久瀬のパートと、北川のパートが
うまく融合してないような印象を受けました。
所々で読み難い場面があったし、
久瀬の心理がいまいち分かりにくかったのですが、
お話全体はとてもおもしろかったです。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
場面転換のたびに少し混乱しましたが、概ねすらっと読めました。
しかしなぜか各人の行動に違和感を覚えましたが、
名雪が真琴に食って掛かるシーンは良かったと思いました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
とても読後感の爽やかな物語でした。
祐一も舞も良かったですが、おじいさんが結構いい味出てました。
ただ佐祐理さんが身を引いた理由がしっかり書かれていれば
もっと面白く読めたと思います。

057 移し火恋歌 (採点:6)
佐祐理と舞の狂気の方が救いが無くて怖いお話でしたが、
祐一があゆを突き飛ばすほどの狂気を
いつ積み上げたのかが分からなかったです。

058 30℃ (採点:10)
読み終わって、最高の面白さと最高のもどかしさが渦巻いております。
面白い方は、香里の香里らしい所や、祐一と名雪の掛け合いや、
所々にある細やかな描写や、屋根修理の時に北川の取った行動など
数え上げればきりがない位でした。
もどかしい方は「あの手紙の差出人が知りたい!!」と言う事です。
いくつか推測は出来るのですが特定は出来ませんでした。
それでは素晴しい物語をありがとうございました。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
まさか主役が秋子さんだとは思いもよらなかったです。
騙されましたが、騙されてこんなに嬉しいのは初めてです。
ありがとうございました。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:10)
長編ですが某氏の短編SFを読んだような
不思議な感じが有りました。
とても面白かったです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
祐一にとっても、北川にとっても、香里、名雪にとっても
それぞれ違う意味で怖い話だったと思いました。
ただ祐一と北川の二人のやりとりをもう少し短くして
香里と北川のシーンをもう少し多めに取ってもらったらよかったなあと
個人的に思いました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
参りました、KANONSS云々ではなく
一つの作品としてここまで感動できる物語を読ませてもらうとは。
ただ欲を言わせて貰うなら香里の説得シーンから栞の手術までの間も読みたかった。
それでは、素晴しい物語をどうもありがとうございました。

063 丘の子守唄 (採点:9)
とても楽しかったです、
終わりがちょっと急ぎすぎたような気もしましたが。
それでは、どうもありがとうございました。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
最初真治君があの生徒会長の「久瀬」かと思い、
根が素直ではないと言う表現が出たときには
にやりとしたのですが、
一つ上の兄が居てその人があの「久瀬」であると言う事が分かったときは
正直拍子抜けでした。
話全体も面白かったのですが、真治君の行動にもどかしさが残りました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
タイトルの「作品No.2」の意味が読み終わってもまだ分かりません。
それはともかくお話は面白かったです。
特に0章の、読み返してみて初めて意味が分かった所が良かったです。
あと美汐がはっちゃけているような気もしますがこんな美汐も良かったです。
それでは面白いお話どうもありがとうございました。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:8)
名雪が真琴シナリオの真琴役と、
あゆの役割を足して2で割ったように見えましたが、
読んでて悲しくなってきました。
本筋が分かりにくかったので
DNMLなら分かりやすいように思えました。

067 風邪の一日 (採点:5)
最初の真ん中揃いの文が読みにくかったです。
内容も長い割りに山場もないしイマイチでした。

068 名琴抄 (採点:7)
名雪の無理をしている様が痛々しくて悲しく感じました。
最初感じた名雪に対する違和感も読み終わって納得しましたが、
結局いつから入れ替わっていたのが分かりませんでした。

069 ふたつのねがい (採点:8)
父親と話しているときの北川が、
高校二年生にしては幼く感じました。
秋子さんが若返ってはしゃいでるシーンはとても良かったのですが、
栞のシーンは少し不自然さを感じました。
この続きが、特にあゆとのお話を読みたくなりました。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:7)
佐祐理さんが結構普通っぽい女の子に書かれてあったのが良かったのですが、
生徒会長になっているのは如何な物でしょうか。
それに感想ではないのですが
「一口カニ味噌アンパン」の味が想像できなかったです。

071 一緒に生きたい (採点:10)
すべて素晴しかったです。
何度読んでも感動できました。
どうもありがとうございました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
途中まで祐一×美汐だとは思わずに読んでました。
妖狐が出て来るんだと思っていましたが、
この結末も良かったです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
面白かったのですが、
設定が少し無理を重ねすぎてるように思いました。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:6)
始まりがとても面白そうで期待しながら読みましたが、
今ひとつ盛り上がりに欠ける物語に感じました。
でも途中の名雪と祐一の掛け合いは面白かったです。

075 True story (採点:2)
地の文がずっと続くシーンも、セリフばかりが続くシーンもどちらも読み難かったです。
それにページ毎に文体を変えられると、置いてけぼりを食らったように思えました。
内容も美汐の書いたお話だと分かった時は夢落ちの物語を読んでいるようでした。

076 夢の劇場 (採点:10)
確かに不幸なお話ですし、
救いはどこにも見あたらなのですが、
読んだ後に少し爽やかさを感じました。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
どのキャラも魅了的で、何回読んでも楽しめました。
特に北川君が一番良かったです。
一つ気になるのは香里がどの辺りから北川を意識しだしたかが分からない事でした。
それでは素晴しい物語をありがとうございました。

078 「dearest」 (採点:6)
香里がとても可愛いし、
とても読みやすい文章でした。

○Gara さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
最初、問答無用で1をつけてしまいました。
「最大の問題の箇所」を除いて読んでみたら、感情や自己批評が実に綺麗に暗示された作品でしたんで、プラス修正しましたけどね。
「問題」については他からもやいのやいの突つかれている事と思いますけど、要するに「人の創った言葉」をメインとして織り込んでしまっている点の事です。イメージを借りて創作をするのなら、本文は引用しない方が良かったのでは?


002 鈴の音よ再び (採点:4)
祐一が本作と違って「強くあれなかった」世界な訳ですが……
弱々しい祐一を描写する事で、「大切な人を失った」人間の感情はよく描けていると思います。ただ、そうなる必然性がピンと来ませんでした。
正直言って、Kanonの相沢祐一は「強くあれた」のですから、この祐一は劣悪版コピーに見えてしまいます。「このSSでは何故強くあれなかったのか」が全く設定されていないように感じました。

ちなみに真琴の鈴は祐一が買い与えた「実体のある鈴」ですから、「真琴と共に消えた筈の、あの小さな鈴」という描写は問題かと。


003 お泊まりパニック! (採点:2)
状況を説明する 台詞が多すぎてテンポが悪いです。説明される内容も素直に納得するには無理のあるものが多くて、一旦咀嚼しないとならないので更にテンポが狂います。
祐一を脅かす計画がそもそも無理がありますね。栞が足を掴んでいる事に気が付いた時に祐一が「栞?なにしてんだお前?」と平然と尋ねてきたらその時点で計画崩壊です。
祐一が「栞 は死んだ」と思い込んでいるのならともかく、健康だと知っている状況では「生霊」と思うより先に「本人」と思う方が自然です。
北川を追い出す事は計画上必要不可欠だった訳でもないですし、一連の北川に対する冷遇が意味不明です。
人生ゲームの結果の部分。人生ゲームをやっていない読者には意味不明です。更にはオチに「あゆの人形」を 持ち出し、祐一が「本編のエンディング」というキャラクターレベルでは決して知り得ない事実を口にしてしまうというのは楽屋オチが過ぎます。
削ってしまえる描写が多いですし、この半分位の長さまで絞った方が良かったかも。


004 The regret (採点:2)
北川に『人を見る目』なんて能力を付加する必要ってあったんでしょうか?香里が好きでいつも見ていたから、香里が誰を見ているのかが判った、という展開だけで充分な気がします。あるいは、能力が活かされるのは香里と祐一に対してだけですし、語られるのは幽霊になってからなのですから、「精神的存在になった結果、人の心が見える様になった」という展開でも良かったのでは?読者は能力を持たない人間なのですから、「能力者の心情」は理解しにくいものになってしまいますんで、北川は普通の北川であった方が感情移入できる話になると思います。
香里が何故祐一を好きになったのか、そして、祐一が何故香里を好きになったのか。この、結構肝心な部分に何も説明が無いのは残念です。これでは「能力者が見抜いたんだから好きなのは明白」というだけになってしまい、2人の恋愛感情に説得力がありません。
祐一が「俺の周りには俺にはもったいない位いい娘がたくさんいる。香里もその一人だ」と考えているシーンは蛇足かと。この部分のせいで、この世界にはおそらく全ヒロインが存在している事が判ってしまうので、祐一が「複数のシナリオを同時進行させた八方美人」になってしまいます。更には「栞が存在している」事も暗示されてしまうので、「香里と祐一が何故お互いを好きになったか」の疑問に、「栞が居るのに」という問題も追加されてしまいます。


005 プライベート・ハンター (採点:2)
いわゆるifエンド後のSSですけど、あちこちに無理がありますね。
何故こんな「最終決戦」に佐祐理を連れてこなければいけなかったのか。祐一が負けた場合の事を考えるとむしろ「絶対に来てはいけない」と釘を刺すべきでは?
舞シナリオから進行している筈なのに、祐一が死を覚悟するシーンでは「(名雪、秋子さん、真琴、栞、香里、佐祐理さん、あゆ、天野、北川・・・俺もうだめみたいだ)」と、ヒロインの名前が列挙されるのは無茶です。特に美汐は舞シナリオでは面識すら無い筈です。
舞の取り出すテープレコーダー。何処から出したんでしょう?そもそも録音された台詞が語られるシーンでは、舞は剣を自分に突き立てていた真っ最中で、録音をしていた筈がありません。録音していたとしても、テープレコーダーが舞と一緒に復活するのも無理があります。
そして、ラストで作者さん自身も触れていますが、佐祐理は何の為に出て来たのか判りません。膝枕をしていたという事はすぐそばに座っている筈なのに、全く無視して「いつまでもいつまでも抱き合う2人」の姿は無神経ですらあります。実際この話では佐祐理が出演していない方がうまく纏まったと思います。


006 「日課」 (採点:2)
タイトルになっている「日課」はつまり、「毎朝北川が1番に、香里が2番に登校する」という事のようですけど、そうするとKanon本編での早朝の登校シーンで出くわす北川と香里の存在と完全に矛盾します。遅刻では無いまでも、間違い無く「1番に登校」はしていない筈です。このSSではそういう設定、とするにも、早朝に香里と会わなければ、祐一との初対面のシーンからして変化してしまう訳で、このSSがどこまで本編に沿っているのかが判らなくなります。
「要領が悪い」ことの例え話。花見の件はともかく、おばあさんの荷物の件は「要領」の問題では無いので、例えになっていません。
「オレは思い切って驚いて美坂に聞いた」の箇所。文章がおかしいです。「驚いて唐突に口走ってしまう」事と、「考えに考えて思い切って口にする」という相反する行動を1つの文章で語るのは無理があります。
香里が語る「北川を見ている人」の件。このSS内でそれらしい描写を挟むべきです。これだけだと消去法で考えて、その相手が名雪しか考えられなくなりますが、そんな本編からかけ離れた展開を匂わすなら、その為のエピソードが幾つか必要になります。名雪以外の誰か、の場合更に人物紹介まで必要になります。思わせぶりに匂わせて解決無しにするくらいなら、「知ってる? あたしが知ってるだけでもクラスに何人か、北川君の事好きな子居るのよ?」と、いう程度に済ませた方が良いかと。
どうも「各シーン毎に思いついた展開を書いた」といった印象が強いです。前後、全体において、整合性に欠けているように感じました。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:2)
どう落とすのかなぁ、と思っていたら、単に一線を越える話だったんですね……
秋子さんの行動の動機が判らないですし、真意も不明ですけど、やはり単純に「誘惑して関係を結ぶ」だけなんでしょうね。正直言って、「ストーリー」が無いです。
秋子さんの「嬌悶」のシーン。寝ながら自分でしていた、という訳でもない描写ですし、意味不明です。
「秋子さんに誘惑されたい!」という願望がある人には間違い無く最高の作品だと思います。その分、そうでない読者は完全に置いてけ堀ですね。


008 激辛 (採点:4)
「カレーが激辛だった」事は失敗の中の1つでしかないですし、「辛い事」が全体のテーマに絡んでいる訳でもないのですから、「激辛」というタイトルはどうかと。
真琴エンド以降の日常、という点では、ほのぼのとしていていいんですけど、「他人と普通のコミュニケーションが取ることができない」という深刻な問題が、「真琴の傍にいてあげるだけでいい」で済まされる展開には首を捻りました。この場合、むしろ祐一がべったりとしていればしているほど、真琴の自立は難しくなるように思うのですが。


009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
話としては纏まっているだけに……この結論は苦しいですね……
要するに「祐一ハーレムSS」に理屈を通しただけのSS、ではないかと。
個人的には「全員の事が好きな祐一」って、プレイヤー視点の産物だと思うので、祐一のキャラクターとはかけ離れていると思います。本来の祐一は好きになる相手を必ず1人に決めているキャラなのですから。
「全員無事な世界」を構築するだけの工夫がされていないので、この世界に至るまでの経過が非常に不自然です。「全てのヒロイはハッピーエンド後です」で済ませている感じですけど、本編通りなら、あゆと栞はどちらか1人しか助からないのですから、全員エンドは無理があります。なにより、それでは祐一が「複数の女性と『本気で』恋愛関係になる」という不誠実な男性になってしまい、ここまで好かれるには無理のあるキャラクターになってしまいます。
正直な所、この作品での祐一って、単なる「プレイヤーの願望」でしかないように思います。


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
今1つ、「香里がカレーに拘る理由」が納得いきませんでした。
「辛くないカレー」を作る以上、対象は栞の筈ですけど、暗示されている「相手」は北川。正直言って、カレーである必然性が判りませんでした。
話の展開自体は結構好きなんですけど、あれだけ溜めておいて「友達から」って返事は、普通なら断る時の台詞ですよね。「今はここから」という事なんでしょうけど、先に繋げるつもりがあるのなら、もう少しストレートな返答が欲しかったですね。


011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
無理矢理にこの展開に持っていっている感じですね。
真琴が消えて2週間経った時点な訳ですから、本編通りなら、あゆもまた消えてしまっている筈。本編での前提を変えるのなら、納得のいく設定を付加して欲しい所ですね。
あゆが真琴のふりをする、というアイデア自体はそんなに悪くはないと思うんですけど、正直言って痛々しいだけで感情移入は出来ません。
あゆが、会った事も無い筈の真琴の真似が出来る点も無理があります。
何よりも、全ての説明をラストのあゆの独白で済ませてしまうのでは、説明的な展開過ぎます。


012 空っぽのテクスト (採点:3)
死に行く恋人との別れ、という話なんですけど、正直言って、栞シナリオのラストをリメイクしただけ、という印象です。
あゆの願いによる奇跡が、延命でしかなく、救命では無かった、というBadな別解釈を持ち出した割には、だからこそ描ける展開、と言う程は掘り下げられなかった感じですね。
栞シナリオと比べなければ、充分に綺麗で物悲しい良作だと思います。


013 Conservation for Love (採点:3)
うーん……ギャグとしては少々ブラックが過ぎて笑えない話ですね……
キャラに対してだけでなく、読者に向かってまでブラックなギャグをとばすのはどうかと思います。「人を騙す実例」として「奇跡、愛、妖狐、なんだか難しい名前の病気、魔物」を挙げるのは、Kanonで感動した人を「騙された人」と断定する事になりますし、美汐の企みに関して「気付かなかった読者の方は愚物とみなさせていただく」と断じるのは、実際気がつかなかった読者に反感を感じさせます。と、言うより気がつくような伏線も張らずにこのギャグを挟んでしまっては、ほぼ全読者を「愚物」呼ばわりする事になりますから、単に口と性格の悪い地の文、でしかないかと。読者が作品を楽しめなくなるようなギャグは、ギャグとして意味が無いように感じました。


014 おまえの名前 (採点:8)
意外な視点からの真琴シナリオ後日談ですね。
「相沢真琴ちゃん」の不安と葛藤、そして納得と和解。これらの感情が、真琴シナリオと巧く重ねられて、楽しく読めました。
少々残念だったのが、結論として「祐一が相沢真琴とどう接して来たかが重要」、と締められているのに、祐一と相沢真琴の親子としての関係の描写があまり無かった点ですね。娘として「真琴」を最大限に愛している祐一の姿を描写するエピソードが欲しかったです。
あと、折角設定されたのに存在する意味がほとんど無かった「真奈美」がちょっと可哀相でした。


015 『雪の日の決意』 (採点:2)
地の文の最後の「。」は省略しない方がいいです。文がそこで終わっているのかどうかをいちいち判断しなくてはならなくなるので読みづらくなるだけです。
話のメインは栞の病気の件なのに、それとは関係の無いエピソードが多過ぎます。Kanon本編の展開に倣っての事なんでしょうけど、SSという形に纏める場合、必要の無いシーンの羅列になってしまいます。
1番のメインである筈の「栞の病気」が、「生きる決意」だけで治ってしまうのは無理矢理な展開過ぎます。祐一が栞と会った事を思い出せないのも無理があります。理由や根拠を設定しないで、ただ思いついた通りに展開させてしまっている印象を受けました。



016 脱走と追跡のカノン (採点:8)
ファンタジー、と言うか、不条理系ギャグ、ですね。
不条理に徹している展開なのですから細かい所を突っ込むのは野暮ですけど、1つだけ。ラストで「名古屋城だった」というオチがありましたけど、そうすると真琴、舞、名雪、栞、更には商店街の皆さんまでが、あゆの巨大化と同時に名古屋に移動した事になります。流石に無茶な話ではないかと。
ヒーロー物が元ネタと思われる小ネタが良く判りませんでしたけど、全体的にはテンポ良くギャグが展開していて、楽しく読めました。


017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:10)
実は1ページ目まで読んだ時点では「こんぺにまで祐一性転換SSが……」と低評価してました。最後まで読んで真っ先に思ったのは「ごめんなさい。お見それ致しました」でした。
祐一が戸籍上女の性同一障害者である、という設定は、正直滅茶苦茶だと思ったんですけど、その無茶な筈の設定がきちんとKanonの世界に嵌まっていて、構成の工夫に感心しました。
特に、雪うさぎのエピソードが、台詞も行動も全く変えずに、その意味する内容だけが完全に違うものになっている構成は見事です。ヒロインを名雪に絞っている為、あゆが存在しない世界なのに、駅前で祐一が泣く展開が無理無く構成されているのはいっそ器用と表現したいですね。
シンプルなタイトルに、複数の意味が込められている点も評価高いです。「『本当の俺』が女である事を『告白』(カミングアウト)する」という冒頭の意味が、ラストでは「想いを『告白』した事で『本当の俺』を自覚する(アイデンティティー)」という意味へと変わるのは感動的ですらあります。
この作品が楽しめるかどうかは「祐」が男である、という事が実感として納得できるかどうか、でかなり左右されますね。ここが納得できないままだと、ラストが「自分には理解できない世界」でのハッピーエンドに読めてしまって消化しきれないラストになってしまう事と思います。2ページ目の北川と香里の台詞によって、男の主観からも、女の主観からも、「祐は男性である」と認識される事が描写されるので比較的納得し易い構成だとは思うんですが、納得できない人にはどうしても納得できないものではあると思います。
かなり読む人を選んでしまうテーマですが、私的には最高に楽しめました。


018 雪解け水 (採点:6)
あゆシナリオのifストーリーですね。
祐一が7年前のあゆの事故を、あゆと恋愛関係になるよりも前に知ってしまった世界ですが、その点以外は基本的に本編通りの展開をする為に、感動的なポイントがかなり本編と重なってしまったのが残念です。肝心な部分が本編のコピーで済まされている感じは否めません。
本編では祐一の初恋の相手はあゆなのですから(あと、憧れ的に『さわたりまことさん』)、「実は名雪がずっと好きだった」という設定にするには基本設定から変わっていなければいけませんが、その変更に関してなにも伏線が無かったのは説明不足に感じました。
祐一の苦悩や美坂チームの友情は綺麗な描写で好きです。むしろこちらをメインに据えても良かったかも。



019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
タイトルの時点で「ひょっとして……」とは思っていたんですけど……まさか本当に伏線だけで終わるとは思いませんでした。
内容面でも疑問を感じる点が多いですね。
野菜を調子に乗って山程千切りにした筈なのに、できあがった料理には「千切り野菜」が使われていそうな描写が無い事。野菜が入りそうなのはすき焼きとグラタン位ですが、それでも「山程の千切り野菜」が使われている様子はありません。料理の描写に「そして、大き目のボウルに山盛りになった千切り野菜のサラダ……」とでも付け加えれば解決する問題なのですから、もう少し考えるべきかと。
「予算が無い」筈なのに3人でも食べきれない程の松茸づくしができる程の松茸が買える点。如何に松茸山が近くにあるからと言って、そこまで値引きはしてはいないでしょう。行き先を別荘にした為に予算に余裕ができた、という事かもしれませんが、ならばその説明が無いのは片手落ちです。
「舞の手のひらには、一本の毛が乗っていた」の描写が別の段落で繰り返され、前後が繋がっていない点。おそらく構成し直している段階でのコピーミスではないかと思われますが、こういった点は数度読み返せばバグ取りができる筈です。
絶滅した筈の日本狼が出て来る点。まず、ここで狼でなければならない根拠が判りません。山犬、でいいのでは?「人馴れしていない野生種」が、あっさり舞に懐く展開も無理があります。なにより、専門家でもない舞が、どうやって「狼」であると判ったのか、が疑問です。元々日本狼は小型種なので、犬と殆ど外見が変わりません。ちなみに平岩米吉氏の「狼-その生態と歴史-」によると、犬と狼との決定的な見分け方は存在せず、例え毛が見付かったとしてもそれで狼だと判るものではないそうです。
とにかく、思いついたままに展開させ、きりが無くなったので打ちきった、という印象が強いです。個別のエピソードは結構良かったのですが、あまりにも全体が未完成です。



020 私の望み (採点:2)
美汐が祐一への想いを自覚する話、な訳ですが、美汐の鈍さがちょっと度を過ぎていますね。一緒に暮らしている訳では無い栞までが知っている祐一の気持ちに、全く気がつかない、という所まではなんとか「とても鈍い」で済みますけど、名雪の誘導尋問じみた質問に全て素直な気持ちを答えていながら、その指し示す意味が判らない、というのは最早「鈍い」の範疇を越えています。
全ヒロイン無事世界が舞台ですが、設定が中途半端です。栞が長期休学をしていた設定はそのままなのに、美汐と同じクラスに居ると言う事は、留年した、という設定が無くなっている訳ですが、その理由は全く設定されていません。別に真琴エンド後の世界でも成立する話ですし、パーティーの人数を増やす為に無理矢理全員を無事にした印象が強いです。
あと、未成年の飲酒を励行する様な描写は問題かと。比較的日本では甘く見られている行為とはいえ、れっきとした法令違反です。ちなみに未成年は新陳代謝量が成人に比べて倍以上あるので、アルコールやニコチンによる影響が大きく、成人より遥かに少ない量でアルコールやニコチンの依存症になってしまうそうです。まあ、個人差がありますから一概には言えない事ではありますが、無視していい話でも無いと思います。


021 想いの果てに (採点:2)
うーん……如何に祐一が肝心な時に居なかったから、その後もそっけなかったから、といって、各自のキャラを考えると「怒って絶交状態になる」という反応は考えにくいですね。全員が「何か理由がある筈」と考えて祐一を心配し続けるのが妥当な反応ではないかと。「祐一の代わりに北川に好意が寄せられる」という展開も無理があります。「祐一の現状を不幸にする為」に他のキャラの反応を捻じ曲げている感じですね。最初はてっきり「祐一がなんらかの力で周りが自分を排するようにした」という展開なのかと思いました。
祐一の法術とその結果についての件。祐一が斉藤に話す時と、斉藤が皆に話す時に、同じ内容が繰り返されるのはくどいです。この場合どちらかは省略可能です。斉藤が「落ち着け、今話すから」と言った箇所で数行開けて、「そんな……」と絶句する皆を描写すれば済むのではないかと。
最後の最後で師匠が現れる展開は御都合主義過ぎます。大体、こんなにあっさり師匠がこの街に来られるのなら、「全員助けたい」という時点で師匠に連絡をとるべきです。不確実な「命を代償にした未熟な法術」に賭ける位なら、「師匠の力を頼る」方が余程建設的な筈です。


022 笑い声がきこえる (採点:9)
凄惨を極めたようなダークですね。
化け狐の伝説での人化の法では化ける相手の死体を必要とする話がありますから言われてみればこのダークはアリですね。
警察が祐一を犯人と断定する部分は少々疑問です。確かに中身が動物である以上は「自分で切った傷」であっても自殺では有り得ないと判断されるとは思いますけど、イコールで祐一がやった、とするには状況証拠が足りません。鎌の入手経路に祐一が浮かぶ筈はありませんし、祐一本人が外出していた以上、返り血痕等も全く無い筈です。部屋に戻って来た時に「名雪」の死体を抱き上げでもしたんでしょうか?しかし、第一発見者はどうも秋子のようですし……
なんにせよ、陰惨なダークさは最上レベルだと思います。さぞかし多くの読者が「気分を悪く」した事でしょう。(誉めてます)


023 WA4 (採点:3)
深刻な設定だけ並べて結末が無い感じですね……
身体だけ40も年をとる過労というものがピンと来ませんでしたけど、いわゆる骨年齢や内臓年齢のことでしょうか?そんな深刻な状況なら、検査の結果が出た時点で入院していそうなものですが、どうして自宅で寝ていたんでしょう?検査していなかったとしたら40なんていう具体的な数値が出ているのはおかしいですし。
秋子さんが「お酒とタバコは別に止めませんが」と言っているシーン。美汐が18なのですからこのSSでの祐一は19の筈。親や店の責任者が、「未成年者と知っていて喫煙を黙認していた」罪で逮捕される実例がある事ですし、少々問題ではないかと。


024 Fated Meeting And Casual One (採点:2)
ストーリー自体は判りましたけど、読後に何も残りませんでしたね……
祐一の家庭の事情や、香里の父と祐一の母との関係、などのオリジナル設定が、単純に「2人が別れる理由」で済まされてしまうのなら、別に本作通りの設定からでも同じテーマで書けるのではないかと。
あと、確かにこの状況で祐一と香里が結婚すると、「新郎の母」と「新婦の父」として問題の2人が顔を合わせる事になるので、それを回避する必要はありますけど、「結婚=家同士の姻戚が主」ではない現代事情を考えると、別れるのが必定、という程の絶望的状況とは言えないのではないかと。
ラストの英文の長文。長々と回りくどいですけど、内容自体は「悲運を恐れないで前向きに生きよう」で済んでしまいます。どうしても英文で締めたかったのなら「It desires to live without your being afraid of fate.(運命を恐れず生きて欲しい)」程度で良いのでは?


025 歩いて行こう (採点:3)
うーん……いわゆる「祐一最強SS」のパターンですね……
複雑に構成されたオリジナル設定の祐一の過去ですけど、要点を纏めてしまうと「お前より俺の方が不幸だから俺の方が偉い」という思想の産物ですよね。正直言って、賛同できませんね。この思想に基づく限り、久瀬は「人に裏切られた事の無い人間を自分より下に見たまま」になってしまいます。祐一の事は認めても、それ以外の人間を「甘い」と考えている事は変わらない訳で、実質的な救いには程遠いのではないかと。


026 ステップ (採点:5)
設定の説明に終始してしまって、そこからのストーリーが薄い気がしてしまいますね。
秋子が何故若く見えるか、に、「実際若いから=名雪の実の母ではないから」というSSはたまに見ますけど、この作品ではそこから細かく設定を突き詰めて辻褄を合わせた印象です。ただ、辻褄合わせに懸命になった所為か基本設定が変えられているのが残念ですね。祐一の母親が秋子の姉である、という本作の設定とは明らかに矛盾します。
あと、これは個人的な事ですけど、冒頭の死体の詳しい描写はかなりキツかったです。詳しく書くと却って悲劇性は薄れてしまう部分なのではないかと。


027 ウエディングヴェール (採点:6)
全員エンドから真琴だけ取り残された話、ですね……
正直、この設定で何故真琴だけ助からないのか、が不満です。あゆと栞が同時に助かる以上、実質奇跡は配り放題な訳で、真琴も一緒に帰ってこれてもいい筈です。
それにしても、真琴がヴェールをもっている以上、この世界での祐一は真琴との結婚式を挙げている訳で、トゥルーエンドを迎えたヒロインが1番不幸、という展開はやりきれないですね。


028 ”プレイ” (採点:8)
またこれは永劫のダークですね……この系の話の場合最終的には「間違い」に気がつく事で悲劇になるんですけど、間違ったままでラストを向かえ、エピローグ以降もそのまま、というのはかなりキツかったです。
『舞』という名前を聞いても祐一が何も感じない以上、一生このままで過ごすんでしょうね……『佐祐理』の気持ちも判らなくはないですけど……正直「愛される為」に払う犠牲としては大き過ぎる気がしますね。


029 最後の奇跡 (採点:6)
あゆの願い事が「皆幸せに」だった為に全員が助かる、というパターンは結構見ますけど、そこに「祐一の死と帰還」を絡めて感動的に纏めた作品ですね。
奇跡の解釈としては御都合主義なんですけど、実はこういうの嫌いじゃないです(笑
ただ、個人的にはこの設定だと「祐一が全ヒロインのシナリオを平行して進める八方美人」になってしまうので、恋愛面に関しては不満が残りますね。この作品では少なくとも栞も助かっている事が明示されていますんで、祐一は「栞とデートもしながら名雪と恋愛していた」事になってしまい、結構残酷な男になってしまいます。
あと、あゆが「祐一が思い出さなかったらあのまま祐一を道連れにした」という設定は、あゆの自己犠牲が強いキャラクターを考えると無理があります。


030 奇跡のかわりに (採点:4)
この作品、最初の2ページはいらなかったんじゃあ……まるっきり方向性が違う上に、無闇に北川を冷遇していて、ギャグも定番。正直後ろ3ページのシリアスの邪魔でしかないように感じました。
後編のシリアスもちょっと無理がありますね。あるキャラクターが実は存在しなかった、という設定自体もそろそろ食傷気味ですし、祐一以外憶えていない設定なので、別れの悲しみも薄いです。


031 グッナイ (採点:8)
KanonSSとしてはかなり珍しい部類の作品な気がしますね。
小説が文学と呼ばれた頃のような、事細かな情景描写に、暗示するに留まって明示されない心理描写。大きな事件や判り易い葛藤が無く、じっくり読み解いていくような読後感。こういった雰囲気の小説は決して嫌いではないですね。
ただ、KanonSSを読む時に期待している小説とは結構隔たりがあるので、このこんぺ内での評価は判断が難しい所です。


032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
舞から拒絶され、分かれた「まい達」の物語。本作の補完ですけど、下手したら本作の舞シナリオ以上のストーリーかもしれません。
舞シナリオの解釈は自分も色々考えましたけど、これからはこの作品での解釈が頭に残って、他の解釈ができなくなりそうな予感がします。
SS、というものを読むようになっていて、良かった、と思える作品でした。


033 エム (採点:2)
舞の例を考えると、ゆきに魔物が生まれるには状況が安易な気がしますね。
ユキというキャラは、口数が多く、ちょっと小レズの小ロリが入った、無神経な所のある、でも明るい性格、といった所だと思いますけど、如何にゆきが子供とは言え、魔物を生んでしまう程このユキを嫌いますかね?「良くない人」だと人から含められたからと言って、それだけで「自分の力を完全否定した舞」と同じ現象が起こるのは無理があるのではないかと。
どうもこの作品中のキャラクターは安易に人の事を嫌う気がします。ちょっとでも相手の言動が気に入らないと、内心ではかなり相手の事を扱き下ろす傾向があって、話全体がギスギスした印象が強いです。
祐一を知らないと言うだけでユキを「この娘」呼ばわりする舞。第一印象からユキを「やかまし少女」と評する祐一。舞が野鳥に詳しくないと聞くやいなや「偉そうな事言っておきながら」と発言するユキ。何よりも「ウザいと思いません?」なんて人に言える坂井。とにかく、憎しみあって喧嘩に発展しないのが不思議なくらい、全員が狭量に感じました。


034 『佐祐理の笑顔』 (採点:5)
舞シナリオで解決しなかった問題、佐祐理の過去の傷、の1件を解決する為の補完SSですね。
話としては決して悪くは無いんですけど、佐祐理本人の感情描写無しで進行する為に、佐祐理の決意の内容と、生徒会に戻る事の意味が判りにくいです。話のメインはあくまで佐祐理なのですから、もっとカメラ位置を佐祐理側に据えて描写をするべきだったのではないかと。
北川が栞シナリオの祐一の役割に居るようですが、あゆの奇跡が関らない状況で何故栞が助かったのかがはっきりしませんね。
美坂チームに久瀬が加わるような描写がありますんで、この先祐一は舞達と過ごし、美坂チームと疎遠になる未来になりそうで、淋しさを感じます。久瀬と祐一を犬猿の仲のままにしてしまった以上、久瀬を含んだ美坂チームに居続ける展開は難しいですし……折角機会があったんですから、久瀬と祐一は和解させた方が良かったのでは?


035 復讐という名の代償行為 (採点:5)
一人称主人公の認識自体が間違っている事で読者をミスリーディングに持ち込む手法は綺麗に決まっていると思うんですが……すいません、テーマ的に駄目ですね私には……
秋子さん死亡後の世界で名雪があゆの件で祐一をなじったとして……祐一がこういう行為に走るとは正直考えにくいですし、強姦、というテーマを犯人側で語られても嫌悪感が先に立ってしまって話に入れませんでした。
多分この作品、男性が読む分には素直に「自分が犯人だった」という恐怖に感情移入できるんでしょうけどね……


036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
他ヒロインエンド後の世界での名雪の想いって歪んだものに設定されてしまう事が多いですけど、この作品では正面からの告白と失恋を描いていて好感が持てました。
名雪の告白からの祐一、あゆ、名雪本人の反応はちょっと定番過ぎた感じがありますね。青春恋愛ドラマ的な台詞が羅列してしまって、Kanonのキャラならではの「らしさ」に欠けた気がするのが残念です。


037 美凪 (採点:5)
1ページ目は子供の美汐の語り、という設定ですんでわざとかもしれませんけど、語尾に「です・ます体」と「た・である体」が混在しているのは読みにくいです。
『魔女っ娘さゆりん』の楽屋ネタは蛇足かと。お菓子が降る話に絡んでしまっているので、ただのギャグだ、と切り離して考える事もできません。
2ページ目の美汐の心情描写は綺麗な表現で楽しめました。この作品っていっそ2ページ目だけにして、そこにもう少し加筆した方が完成度が高かったのではないかと。


038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:7)
ラストでここまでの設定を引っくり返した意図ってなんなんでしょう?どうも北川と香里のキャラが結構違ってしまっている問題を、「栞の作為」という強引な設定で済ませたような気がします。正直、キャラをもっと本作に揃えて、ラストは普通に締めた方が良かったんじゃないかと思いますね。
北川とあゆが元クラスメイト、という設定はあまり必要無かったように感じます。この設定を付加するのなら、「だからこそ成立するエピソード」の1つも欲しい所ですね。


039 幻実、そして星 (採点:9)
最初は祐一とオリキャラを入れ替えただけの舞シナリオ焼き直しかと思ったんですが……この展開は意外でした。
細かい事を言えば、「魔物」である勝馬が何故お金を持っているのか、とか、牛丼屋で勝馬の分の牛丼があると言う事は他の人にも姿が見えるのか、とか気になる点はあるんですけど、それはこの際考えない事にします。
舞と「少年」との交流によって、舞が変化していく様子が、舞シナリオとはまた少し違った形で表現されていて楽しめました。


040 楽園日記 (採点:9)
何と言うか、すごく男の子っぽい話ですね。4人のそれぞれのキャラクターが、非常事態の中でぶつかり合って纏まっていく様子が印象的です。
久瀬が結構普通のお坊ちゃまになってますね。それなりに芯が通ってる印象があったんですが。対して祐一の変人ぶりも強調されている感じですね。キャラが明確になっていいとは思うんですが、もう少し複雑な面が描写されても良かったような気もします。



041 また逢えたらいいね (採点:6)
ファンタジックなSF的世界ですね。世にも奇妙な的世界とも言えるかも。
SF的辻褄は良く判りませんけど、ストーリー的には楽しめました。
早緒里ちゃんのキャラが面白いですね。語尾を延ばすしゃべり方はちょっと鬱陶しさも感じさせられますけど可愛くキャラが立ってます。
ラストで栞が香那衣ちゃんの方だと判っているのに「はじめまして、早緒里ちゃん」と呼び掛ける意味がよく判りませんけど、パラレルワールド絡みの事なんでしょうか?


042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
……えーと…………すいません、作者さん的にはれっきとしたKanonの世界の未来像なんでしょうけど…………個人的には到底これがKanonの未来とは受け入れられない作品ですね。
全員助かっていて、全員祐一が好きな世界、という時点で本来無理があるんですが、それはすでにSSの1ジャンルですからこの際いいとして……「意外な未来像」を無理矢理各キャラに当て嵌めている印象が強いですね。全員分描写する以上、ただの列記になってしまうのは避けられませんし、メインの展開を考えるともっとキャラを整理して舞エンド後世界に限定した方がそれぞれの設定を掘り下げられたのではないかと。
佐祐理が強引に祐一に迫る所まではなんとか判るんですが、祐一が佐祐理を選ぶ理由は希薄ですね。これでは久瀬との話を聞いたのが名雪なら名雪を、栞なら栞を、更には秋子なら秋子を、祐一は選んでしまいそうです。優柔不断、というか、伴侶を選ぶにはあまりにも軽い、ですね。
祐一が舞との間にも子供を作ってしまうというラストはどうしても受け入れられませんでした。こういうのは「優しすぎる」のではなくて、「無責任」なのではないかと。


043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
告白のアイテムの使い方が巧くて、ほのぼのとした気分に浸れました。
栞が何故生きているのか、という点には疑問が無くも無いですけど、この作品の雰囲気の中では大して気にならないですね。
名雪に配された役割がちょっと気になりました。あれでは名雪が嫉妬深い心の狭い横恋慕女になってしまいます。祐一が名雪の気持ちを知っている描写も無い事ですし、祐一にしてみれば何故名雪が美汐からのメッセージを破った上に平手打ちを自分に食らわせたのか、は全くの謎になってしまいます。個人的には名雪のキャラ的に、メッセージを読んだ上で、「自分で読むべきだよ」とでも言ってレシートを祐一に返す方が「らしい」と思いました。


044 パンドラ (採点:10)
美汐の妖狐が真琴そっくり、という設定は、考えてみればあり得る話で、美汐が何故真琴を一目で妖狐だと見抜いたのかという疑問に明快な答えを示す解釈なんですが、今まで全く考え付きませんでしたね。
美汐にとって「霞月」との思い出の象徴である「オルゴール」と「鍵」が効果的に配置されていて、美汐の焦燥と受諾が視覚的に伝わり、感動的でした。


045 桜が告げる春の風…… (採点:10)
真琴の帰還SSでは美汐の立場が結構微妙なんですよね。
美汐に祐一への好意を持たせ、美汐の方を完全に主役に据えた上での帰還の図、という、普通に書いたら真琴がお邪魔虫になってしまう展開を、綺麗な描写と構成で感動的に読ませてもらえました。
詩子や美鈴といったオリジナル設定のサブキャラが生き生きとしていて、話にアクセントを添えてくれている事も、よりストーリーを楽しませてもらえるプラス要因でした。


046 ホワイト・ミュージック (採点:6)
独特の雰囲気がある作品ですね。
各キャラの設定は確かにKanonに準拠しているんですけど、そこから作者さんの創造した設定が付加されていて、新しい世界が創りあげられていますね。
Kanonの世界観を借りて展開するオリジナルストーリーという感じがしました。


047 笑顔 (採点:7)
本作補完系SS、ですね。
補完に徹するのかと思ったら、香里が本編OP前の時点で栞と向き合う事を決意しているので、少なくとも栞シナリオに関してはこの先ifストーリーですね。本作との分岐点は何処だろう、と考えてみたんですが、そう言えば本作では香里と名雪が冬休み中に最後に会ったのは祐一の来訪する前日に映画を見に行った時の筈。会う機会が1回増えた事によって名雪の強さに香里が感化される展開が追加された、という設定なのかな、と思いました。


048 走る少年少女達 (採点:1)
どうもあちこちに無理のある設定がありますね。
冒頭の基本設定。何故「近所の酒屋にすら大型の駐車場がある土地柄」だと「娯楽が足りなくなる」のかが判りません。各店舗の駐車場用地確保の為に娯楽施設を作るスペースが無い、というのも無理がありますし、単純に「田舎だから遊ぶ場所が無い」でいいのでは?
如何に生徒の希望が通るからといって、「桜花祭」の設定を読む限り、「必ず楽しみな行事トップ3に入る」イベントとも思えません。実際、今回は「マラソン」なんていう到底希望者多数とは思えない企画が通っている訳ですし、人気のイベント、という設定は無い方が良かったのでは?単純に「学校恒例のマラソン大会に、久瀬の尽力によって今回は賞品がついた」でいいのではないかと。
「3年生にアンケートを取っている」という、3年生を主な対象とした企画を「当の3年生が参加できない可能性がある卒業式前日に実施する」というのは無茶ですね。進路によっては既に街を出ている人もいる筈です。賞品の『食堂一ヶ月無料使用権』や『雪領商店街共通商品券』も、明日卒業する身には使えない可能性が高いです。
久瀬がたった8人にしか脅しの効果が無いジャムを何の為に入手したのかが意味不明です。誰か1人を見せしめとしてその場で食べさせでもしない限りは効果は期待できません。
バスに手を回している設定。ギャグとしてはアリですが、現実的には「本来走っている路線を止める」必要がある為にまず不可能です。バス作戦を阻止するのなら、こんな大仰な真似をしなくても「バスに乗ってしまうと通過できない場所にチェック要員を置く」だけで済む筈です。
最後に舞踏会を企画していたというのも無茶です。7キロ走った汗まみれの身体でおしゃれな格好をしたいと望む女子はまず居ないでしょう。参加者239名中半分が女子として120名がシャワーを浴びる施設は流石に校内には無いでしょう。自分のメイク道具だって誰も用意してこなかった筈です。何より、「用意された衣装を借りる」のでは個人の好みと趣味及び個性が反映できませんから「だったら先に言ってよ!」と反発を受けるのは必至です。
最後のオチ。別に久瀬からジャムを譲って貰わなくても、水瀬家には元々ジャムはあるのですから意味無いのでは?
どうも、深く考えずに思いついた設定、展開を並べた、という印象が強いです。各シーン毎に印象もばらばらですし、一本の作品としての統一感に欠けますね。


049 少年期 (採点:3)
誤字誤用に関しては気にならない限りは読み飛ばす事にしてるんですけど、「相沢のように『フリーク』に話せる奴」はちょっと状況を想像して吹き出してしまいました。「フランク」、ですね(笑
あと、「美坂の妹で、同時に相沢の『彼』でもある女」も、やっぱり絵を想像して笑いました。
飲酒に関する北川の「未成年かどうかなんて、そんな事を気にするのは一部の大人と教師だけだ」という考え方、前後からすると「当然正しい事」として語られているみたいですけど、正直問題だと思います。未成年であるという事は、発育過程であり、新陳代謝が成人とは比べ物にならない程活発な為、まさかと思うような少量で依存症になる、という事実は認識するべきではないかと。禁酒、禁煙の専門外来に、深刻なレベルのアルコール依存症、ニコチン依存症に陥っている未成年が来院しているという事実、そして、人によってはその症状が「1回だけ、ほんの少しの摂取」によって引き起こされているという現実を、もう少し考えるべきではないかと。少なくとも自分が管理していないサイトで未成年の飲酒を肯定する文章を公開するのはどうかと思います。
ストーリーとしては思わせぶりに引っ張って複雑な恋愛模様を構成した割には、何1つ建設的な解決の無いまま、尻切れとんぼに終わってしまった印象ですね。元々名雪の秘めた想いはKanon本編にも存在しますし、香里の想いも有り得る話として散々SSで語られてきた事ですから、決して無理矢理な展開だとは思わないんですが、「その先」が無いのなら1本の作品としては成立し損なっているのではないかと。
それにしても、この作品の祐一って「香里が好きだと思っている北川」に対してこの件を相談するつもりだったんですね。悩んで憔悴していたにしても、ちょっと無神経ですね。


050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
家族の、恋人の死。授かった命の為に人生を費やす決意。ストーリーとしてはありふれた、陳腐とさえ言えそうなテーマを、実に綺麗に作品に纏めてもらいました。
名雪と香里の、それぞれの「強烈な悲嘆」への対応が、どちらも「らしく」て納得と共感をしました。
祐一と香里が付き合う展開に対して、栞の立場がどういうものだったがはっきりしない点が少し気になりましたね。栞が病気から回復している以上栞シナリオからの展開の筈ですけど、どうも栞と祐一は付き合わなかった世界のようで。「栞の恋人ではない祐一」に対して香里が心を開く展開というのは正直想像しにくいですね。
祐一に保険がかけられていて、名雪がそれを受け取るのは何故でしょう?普通に考えると秋子さんが自分を受取人にしてかけたものと思われますが、正直不自然です。名雪にお金がある、という状況の為に必要なだけですし、秋子の遺産と保険金だけにして、祐一の保険の件は無い方が良かったかも。


051 ある牛丼屋の一週間 (採点:1)
うーん………………
ギャグとしては個々のネタがネタフリからオチまでが長くてテンポが悪いですね。
コメディとしては「本筋」が存在しないのが辛いです。
かと言って「壊れ系」として読むにも「キャラが違う違和感」を楽しむには全体が長いですね。
正直言って、「笑う」には辛い作品です。
序盤はなかなかオチまで行かない説明過多な展開(久瀬のメイド服、牧場調査等)で進んで、終盤は説明も無しにいきなりギャグが入る展開(いきなり居る事になった名雪等)というのは、全体で見るとバランスが悪いです。
なにより「某サイトで行われる事になったSSこんぺに〜」の長台詞は最悪の楽屋ネタです。こんな事を作品中で言われてしまったのでは、「折角書いてくれた作品なのだからしっかり読もう」、と思っている読者に反感を買うだけです。


052 Give me a reason (採点:8)
設定が基本的にオリジナルですんでKanonの色は薄いですけど、「Give me a reason」の色は鮮やかに濃くてとても楽しめました。
少々気になったのは栞及び千紗穂の難病患者2人が、何故助かったか、が明らかでない点ですね。千紗穂の場合は「どうせこのままでは死ぬのだから、効果が確かではない治療に踏み切った」という描写がありますんで、それが驚異的に効果があった、という事でなんとか納得はできます。けど、正直「医者が死期を告知する」状況だった栞が「生きる意思」だけで完治するのは無理があります。
ラストに出て来る「本」。かなり印象的なアイテムですし、どういった本だったのかが説明欲しかったですね。「生きる理由」になる様な本。かなり気になります。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
良い青春ラブストーリーですね。
名雪と北川ならではの、ふわふわとした距離感が楽しかったです。
「困っているときは助けに来るコモドおおとかげ」の言い訳に本気で笑ってしまいました。
それにしても脇役だから仕方ないにせよ美坂姉妹の影が薄いですね。特に栞はこの作品だけだと全くキャラが見えません。正直、栞は名前だけにして出演させない方が良かったように感じました。


054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:5)
人の内面、という主題に強烈に深く踏み込んだ作品ですね。それだけに、その過程、結論に同意できるかどうかで印象の良し悪しが相当変わりますね。
私は個人的にはこの作品での久瀬の逃避の方向性が「多重人格的なもの」とは思えませんでしたので、あまりこのストーリーを楽しめませんでした。ペルソナ的架空人格は感じますけど、独立した人格として捉えるには、主人格に依存しすぎている様な気がします。

ところで、未成年の喫煙シーンはこういった公の場で発表する作品にはどうかと思います。個人のサイトで公開する分には自己責任で対処も可能ですけど、「自分で管理していないサイト」で公開する以上、避けるべき描写ではないかと思います。


055 煌めきの欠片 (採点:3)
「別の妖狐」と「あゆの願い」に繋がりはあるんでしょうか?あるのだとしたら説明不足だし、無いのだとしたら唐突です。
真琴が消えた世界での後日談的作品ですけど、名雪や美汐の役割が「謎めかせる為のサブキャラ」的な無個性なものになっているのが残念ですね。名雪なら、そして美汐なら、こういった立場に立たされた時に、もっと「らしい」感情、行動があった様に感じました。


056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
「蛍を見たい」舞に「蛍を見せる」話。要約してしまえばそれだけの話なんですが、祐一が妙に深刻に蛍の件と自分の心情とを引き比べて自問自答を繰り返すので、なにか重大な意味合いのある命題を果たそうとしているかの様に重い雰囲気が漂う話ですね。実際、話の主題は内面描写の方なんでしょうけどね。
途中の佐祐理の「それじゃ、佐祐理と浮気でもしますか?」の台詞が意外な一言でした。祐一の解釈では「からかっている」という事ですけど、イメージ的にはこういう台詞を冗談で言う佐祐理さんはピンと来ませんね。


057 移し火恋歌 (採点:4)
うーん…………なんとも感想に困りますね…………
舞の精神が祐一の幻を求める所まではなんとか納得がいったのですが、一弥の死体の件や佐祐理の忘却症状の件などにはどうも無理にダークな方向に捻じ曲げられた印象が強いです。
あゆの落下点と一弥の死体の位置の一致も、それを確信する理由が判りませんし、「森の超常的な意思」によってあゆがホームから突き落とされる展開に至っては、強引に話を死者がでる方向に持っていった、という風にしか読めませんでした。
全体的に「ダークに展開させるための御都合主義」とでもいう感じが付き纏っている様に感じました。前後の理屈の通り方に納得がいかないので、折角のキャラクターの痛みを感じさせられる繊細な描写が、楽しめなかったのが残念です。


058 30℃ (採点:5)
「未成年の飲酒」というれっきとした法令違反を「昔は当たり前だったんだぜ」で済まされては困りますが(笑
造り酒屋であるのなら、余計に飲酒の危険性を認識しなければいけない立場な訳ですし、「親が呑ませている」という設定をこういった公開の場で出すのはどうかと。
まあ、現実にどうこう言う程煩型な訳でも無いんですが、「公の場」という事で老婆心まで。

この作品での主題、というものが今1つ判りませんでした。
香里が自分を名前で呼ばせる、という冒頭の展開から、この2人の距離がメインの話なのかな、と思ったんですが、謎の手紙、北川の家業、北川の事故、栞との対話、病院からの脱走、と、それぞれ話のメインになりそうなエピソードが連発されてしまって、どこに注視して読めば良いのかが良く判らなくなりました。
最終的には香里も手紙を受け取るので、手紙、がメインだったのかもしれませんが、個人的には手紙が象徴する「『続いてる』 って意味」というのがどういう事なのか良く判りませんでした。
単に私の読み方が浅いだけなんでしょうけど、残念ながら楽しめませんでした。


059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
ミスリーディングを狙った構成なんでしょうけど、キャラクターが結構多いのにしつこくメインの人物の名前が伏せられているんで案外初期の時点で「姉妹」の正体が見当ついてしまいますね。いっそのこと登場人物を「姉妹」に絞ってしまった方が、名前が出ない事に違和感を持たせずに読める展開になったかも。
狙いからすると仕方ないんですけど、不自然なくらいに今世代達と次世代達に共通項が多いですね。個人的には「月宮さんの赤い髪飾り」はやり過ぎなように感じました。


060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
祐一が「北の街」に辿り着けなかった世界での、遥かな時空を越えたストーリー、ですね。
分類すれば確かにSFなんでしょうけど、話としてはファンタジーですね。正確には辻褄の合っていない設定ですけど、そんな瑣末事を気にするより前に、独特の雰囲気に酔わされて楽しめました。
「うさぎくん」に「北川の分身である」という設定が必要だったかどうかが微妙な所ですね。キャラが途中から変わってしまって蛇足なような気もするし、そこがいいような気もします。試しに最後までゲストキャラクターのストーリーテラーのままの「うさぎくん」を考えてみたんですが、やはり、すっきりと纏まった部分と話が薄くなる部分とが両方出るような気がしました。



061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
1つのエピソードをじっくりと描写して深く掘り下げた感じですね。
話の内容自体は「ありがち」と表現できる位に普遍的なんですけど、キャラクターの内面描写に納得がいく所為か、飽きずに楽しむ事ができました。
それにしても、避妊、してなかったんでしょうかね?失敗した、という事かもしれませんけど、していなかったとしたら、できるのが当たり前の話です。そもそも「できた時」の事を考えた上で関係を結ぶべき話ではありますね。避妊具と避妊薬を併用していればほぼ完全に避妊可能ですし、「絶対できてはまずい」立場であるのなら、それなりの用心をしているべきではありますね。
まあ、18禁版での描写を考える限り、Kanonのキャラクター達は元々あまり避妊は考えていないような気はしますが。


062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
奇跡ではなく、現実の人間と病気との闘いに栞の病気を託す展開は、現実的であるが故に、Kanonの世界観からは異質な展開ですね。現実的世界の医療の世界での「1つ1つ確率を上げていく」闘いの様子が、詳細に描写されていて、感動的でした。
惜しいのは、事実を元にしたルポ、という形式で書かれているのに、Kanon本編と共通する会話の部分が小説調に描写されてしまう点でしょうか。後から訊いたインタビューから起したにしては、伝聞形式ではなく状況描写になってしまっています。Kanonプレイ済みの読者にすれば、台詞が正確に再現されなくてもどのシーンかは判る事ですし、伝聞風に書いても良かったのではないかと思いました。


063 丘の子守唄 (採点:4)
えーと……Kanonの世界にどう絡んで行くのかを予想しながら読んでいたんですが、話がそこまで行かない段階で終わってしまって唖然としてしまいました。
伏線と思しき箇所とKanon本編とを引き比べて想像力で補う限り、なんとなくは予想できるんですが……
多分、この兄妹の苗字は「久瀬」で、美汐の方は何らかの理由で勘当されて、天野さんの家に引き取られるのではないかと思います。総一郎の「あこがれのあの人」はおそらく倉田佐祐理。潤の苗字は北川でしょう。
この予想が全て合っているとしたら、続きを完成させて欲しい作品でしたね。正直言って、打ち切り作品を読まされた印象です。


064 面鉄の奥の恋 (採点:8)
舞シナリオの別視点ストーリーですね。一種特別な世界に生きる舞に対して、通常の日常世界から見守る視線が切なく感じられて楽しめました。
最初主人公が久瀬本人なのかそうでないのかが判らずに混乱しました。「兄」の方も舞より年下なのは変わらない訳ですし、引っ張るつもりでなかったのならもう少し初期に「兄」の存在を匂わせても良かったかも。
冒頭辺り、「師範代らは、軽蔑した」の部分。意味が通じません。「相手を軽視し、侮蔑した」というシーンでは無いですし、「憮然とした」の方が前後が通じるかと。


065 作品No.2「春」 (採点:7)
劇に、(と言うか真琴に)興じる美汐の暴走ぶりがやたらに可愛かったです。
「真琴の母親」のシリアスになりきれないキャラクター設定が「らしい」ですね。ただ、肉まんに反応する理由がちょっと判りませんでしたけど。真琴が肉まんに固執するようになったのは人化以降ですから、「妖狐は全員肉まん好き」という事は考えにくいですし。想像するに、ものみの丘で真琴が肉まんを食べているシーンで実はこっそり見ていて、美味しそうな様子に心惹かれていた、というエピソードでもあったのでしょう。
美汐の祐一への呼び名が「相沢さん」と「祐一さん」が混在しているのはなにかの使い分けでしょうか?ミスだとすると、恐らく、普段書いているSSで「祐一さん」と呼ばせている所為でしょうね。ケアレスミスだと思いますし大して気にはなりませんけど、美汐から見た祐一への距離感、が判りにくくなりますんで、統一していた方が良かったかと。


066 夢の終わりにもう一度 (採点:2)
真琴シナリオを、相手を名雪に変え、美汐の代わりに香里を配役し、もう一度繰り返しただけ。……としか言い様の無い作品ではないかと。当然の結果ながら、この作品ではヒロインは名雪が取って代わり、祐一は今度は愛する名雪を失った悲しみを抱えて、名雪の犠牲の元、元気に生きる真琴と接していかなければならなくなった訳で、それは真琴シナリオよりも遥かに悲劇的な未来です。また、祐一の口から事実を告げられてしまった秋子さんと真琴が、今まで通りでいられる訳も無く、これでは名雪は関係者全員を不幸にする為に身を犠牲にした事になってしまいます。
なにより、「願い」を託されたのは祐一なのですから、祐一自身も「名雪を犠牲にする事」を望んだ事になってしまい、名雪の悲劇性が泥沼化してしまっています。
この先に予想される、ダークなキャラクター間の衝突を描きたかった訳でも無い様ですし、感動の悲劇を創ろうとして、ただ全員が不幸なだけの展開を選んでしまった様に感じました。


067 風邪の一日 (採点:4)
ほのぼのとしたムードは決して悪くは無いんですけど、ネタのひとつひとつが引っ張りすぎになっている印象ですね。
このストーリーなら、状況説明は最小限に抑えて、風邪を引いた祐一と、看病に勤しむ真琴だけに焦点を絞った方が話が纏まると思います。無理に全キャラを揃えて真琴の悩みの相談役を争わせるより、真琴エンド後世界に限定して名雪か美汐に行かせた方が、話のポイントがはっきりします。実際、プールに行く話や、全員が夕食を食べる展開も必要不可欠なシーンでも無いですし、戸の外にいるのも名雪、美汐、秋子、だけでもいい筈です。早い話、話のメインには必要の無いシ−ンやキャラクターが多すぎるせいで、無駄に長くなっていると思います。短編に纏めるべきストーリーだったかと。


068 名琴抄 (採点:8)
冒頭、何故名雪の口調及び性格が違うのか、が疑問だったんですが、まさかの展開に驚きました。
てっきり真琴シナリオを名雪視点から描いているのかと思っていたら、名雪と真琴のキャラクター設定を根底から変えた展開だとは完全に意表を突かれました。
ただ、この設定では当然存在しない筈の「うち捨てられた雪ウサギ」のイベントについて名雪が覚えていたり、全ての関係人物が名雪を「水瀬名雪」と判断していたりと、単純に「妖狐の力」では説明できない部分が多くて、裏の設定が読みきれず混乱しました。


069 ふたつのねがい (採点:3)
秋子さんと栞とあゆを一度に助ける為に、シナリオを3つとも合成して、ストーリーテラーに北川と天使人形を据えただけ、という印象ですね。シナリオから祐一を外す必然性が判りませんし、3つ分奇跡を起す為に話に無理のある部分が多いです。
死後の世界の世界観が秋子さんと栞で一貫していないのは不自然です。
栞の雪合戦のシーン。「雪玉以外での攻撃は禁止」なのですから、「賽の川原の石」で攻撃した時点で栞の反則負けの筈です。
北川と美坂姉妹が親戚であり、栞の主治医が北川の父である、という設定はあまりにも唐突であり、御都合主義です。
あゆが食い逃げをしていたのはかなり初期の頃だけですから、秋子さんの事故の直前に食い逃げをする展開はおかしいです。
「願いの必要な誰かの為に」天使人形を屋台に置いていくのなら、「誰かの為に埋めた」人形をわざわざ掘り返してくる理由がありません。
ストーリーの都合に会わせて展開を無理に決定している印象が強いです。矛盾や無理矢理を減らす為にも、もっと設定を練り込むべきかと。


070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
良く纏まったストーリーだとは思うんですが、状況設定が「理由はともかく、こういう事だから」で済まされる描写が多くて、世界観に馴染めませんでした。
佐祐理が生徒会長をしているという設定。「別の機会にでも話す」と言われても、これはこんぺ用の単発作品なのですから、「設定だけで説明なし」としか言えません。それに、卒業を控えた3年生が既に生徒会執行部から退いていたからこそ、2年生の久瀬が会長だった訳で、如何に久瀬が弾劾されたとしても、3年生である佐祐理が会長になる事は考えにくいと思います。
祐一が複数人から好意を寄せられているという設定。普通に考えてヒロイン達の事かと思われますが、舞シナリオの世界を基本にしているこのSSの世界では、名雪以外のヒロインは存在し続ける事ができない訳ですから、ヒロイン達だとすれば別の設定が必要になります。ヒロイン以外の別の女性から好かれている設定だとすると、何故祐一がそんなにもてる事になったかに、やはり別の設定が必要になります。「とにかく祐一はもてもてである」という設定がデフォルトなSSは確かに多いですが、この作品でもそうするのなら、理由を設定して欲しかったですね。舞や佐祐理にとっての祐一像が、それによって変わってしまう設定な訳ですから。
舞の力を使ってゴーストハンターをしているという設定。そもそも「舞の力」は魔物として分離していた筈ですから、佐祐理が「前々から知っていた」のは無理があります。「まい」が戻って来た後の世界だとしても、その力で高校生がゴーストハンターを始めるのは無理です。この世界にはゴーストハンターという職業があり、舞の才能によってスカウトされた、という設定でも付加しない限りは、無理矢理な設定が突然出てきた感じは否めません。


071 一緒に生きたい (採点:7)
北川が栞シナリオ、祐一があゆシナリオを進めた場合、のifストーリーですね。
キャラが入れ替わった事による展開の変化が自然に進行していて、北川と祐一の性格の違いがよく表現されていると感じました。
ただ、基本的にKanon本作の設定に沿っているために、本来同時には助からない筈の栞とあゆが何故2人とも生き残ったのか、が未解決に感じますね。人形の(=あゆの)願い事は恐らくあゆの覚醒に使われている筈ですから、医者から余命を告げられていた栞が手術の成功だけで助かるのは少々無理があります。
7年前の祐一の行動については「逃げたに違いない」という北川の推論だけで終わっていますが、このSSでは結局、逃げ出した、が正解なんでしょうか?この点には元々色々な解釈がある事ですし、あゆと結ばれる展開にするのなら、「精一杯あゆの救命に尽力した」というプラス方向の解釈で展開して欲しかったように思います。実際、このSSの様に「散歩中の人があゆを見つけた」という設定は、「学校」のあった場所が人の来ない場所であるという設定と矛盾します。よくある「祐一が子供の力の限界を超えてあゆを病院に運んだ」という解釈の方が良かったのではないかと。無理があるとするならもう少し現実的な「人を呼びに走った」という解釈だってある訳ですし。なにより、祐一が証言しない限り、「あゆが木に登っていた」という事実は記録に残らない訳で、「状況的に木から落ちたのではないか」というだけではまず事件として捜査されてしまう筈です。森の奥で小さな女の子が頭から血を流して瀕死で見付かったとして、1人で木に登って落ちただけ、と解釈される事はまず無いと思います。この作品での設定だと、「散歩をしていた人」が容疑者として取調べを受けていてもおかしくない状況の筈です。引いては「被害者と遊んでいた所を目撃された男の子」である祐一が参考人として捜査線上にあがるのも必然になってしまいます。やはりここは、「祐一はあゆを病院まで連れて行き、『助からなかった(植物状態になった)』という話を誤解し、絶望して名雪を拒絶したのち、記憶を抹消した」と解釈するのが自然ではないかと。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
美汐と祐一がお互いを意識し合いながら、告白するに至らない微妙な距離感が、仔細な描写で綴られていて、それぞれの妖狐への想いと共に、1枚の絵画の様に纏められていく様子がとても綺麗でした。真っ直ぐ近付けば良いものを、お互いに遠回りしながらじわじわ2人の距離が詰まっていく様子がもどかしくも楽しく読めました。


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:9)
佐祐理が武器を使いこなすSSは結構ありますけど、そのギャップをギャグにする所に留まらずに、徹底的にアクションエンターテイメントストーリーにまで昇華させているのは見事としか言い様が無いですね。アメリカンムービーのような爽快なアクションコメディぶりがとても楽しめました。
惜しいのはアメリカンムービーの欠点である「安易な死人の乱発」までも踏襲されている点でしょうか。本気で襲ってくる相手に本物の兵器で本当に応戦している以上、画面外で雑魚敵が死んでいることは間違いありませんし、のせられて利用されただけの筈の敵ボスまでが、生き埋めにされてしまう展開は、正直辛いものがあります。まあ、あそこまでやっておいて「実は全員生きてる」という展開も嘘っぽくて問題ではあるんですけどね。


074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
ありがとうございました。
いえ、意味不明かと思いますけど、なんか本当に読ませてもらって良かった、って思ったもので。
名雪エンド後、エピローグ前、のひとこまの風景な訳ですけど、とにかくムードが良くて、名雪の、そして祐一の感情に惹き込まれました。
冒頭の雨に濡れる名雪、は「7年前の冬休みの、次の長期休み頭」の風景なんでしょうね。最初は「雪うさぎの翌日、来なかった祐一」の風景かと思ったんですけど、それなら雨ではなく雪でしょうし、仮に雨が降ったとしたら濡れてしまった名雪は凍死し兼ねませんから。
お互いを恋する2人がとても綺麗に描写されて、幸せな読後感でした。


075 True story (採点:5)
1ページ目はとても口に出して言っているとは思えない語調の一人語り。2ページ目は全編会話文。3ページ目はカメラ位置が次々変わる三人称。ページ毎に書式を変えるのは実験的で面白い試みですけど、1本の作品としては読みにくいですね。
ラストでこれが小説として書かれた文章である、という展開をしますけど、その結果「小説内での結末」はこの作品内では描かれないままで終わるのは、尻切れとんぼ、としか言えないと思います。
最後の最後で「美汐の子供の父親」の設定を覆される展開は、全編が全くの未解決になるので欲求不満が残りました。実際、「妖狐とは言え『あの子』以外の相手の子を孕む美汐」も嫌ですが、「本当に父親が判らない(又は人に言えない)美汐」はもっと嫌ですんで、できれば納得いく解決を暗示して欲しかったですね。
二千円札のくだり。一般的にKanonの舞台は発売年に従って、1999年初頭、とする解釈が多いですが、二千円札の発行は2000年7月。祐一が二千円札至上主義、なのは無理があるのでは?更に言うと「二千円札だから財布が重くなる」の説明も疑問です。おつりのうち1000円分は千円札で返ってくるのですから、小銭の量は千円札で支払った場合と変わらないのではないかと。


076 夢の劇場 (採点:10)
ifストーリーですけど、もうすでに「もしもこうだったら」という範疇を超えて、素晴らしいストーリーだと思います。
祐一は舞シナリオに向かってしまっている世界の様ですけど、祐一が居ない事が気になりません。
栞に手首を切る事を思い留まらせたもう1人、あゆを栞と絡ませる事で、栞の「普通の女の子として生きる」望みが叶う。ここまでならアイデアが思いつけば書けるかもしれませんが、それをアイデアに終わらせずに、基盤として、香里、栞、あゆのそれぞれの心情を描く展開は秀逸です。
特に栞の最後の言葉。人への気遣いで造られた笑顔の仮面が剥がれ落ちた、生き物としての叫びは、安易にドラマ的な死の美しさに酔っていた気分をふっ飛ばして、直接脳髄に叩き込まれるような強烈な衝撃を感じさせられました。
Kanon本編とはまた別の形で、同等かそれ以上の感動をした作品でした。御執筆、ありがとうございました。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
女王騎馬戦というオリジナルな戦闘シーンが綺麗に構成されているのでテンポ良く楽しめました。
ただ、そのボリュームに押されたのか、結構複雑な恋愛模様への掘り下げが浅いのが残念ですね。
栞は「周りが見えていない恋愛中毒的女」、名雪は「挑戦的な横恋慕恋敵」、そして祐一は「優しいだけの優柔不断男」。Kanon本編での人物描写に比べて、あまりにもパターン化された「恋愛ドラマ式キャラクター」としての役付けが、キャラクターの「らしさ」を薄めています。
香里はなんとか「らしい」ですが、香里がどうして北川を意識する事になったか、が説明されていないので、ラスト辺りの感情描写に納得がいきません。
何より、ここまで複雑に話を絡めておいて、香里が北川を誘うのに成功したところでエンド、では、祐一を巡る栞と名雪の騒動が、ただのあて馬になってしまいます。
解決しないのなら、いっそ、祐一達の話は削って、騎馬戦と香里X北川の話に絞った方が良かったのでは?


078 「dearest」 (採点:9)
短く纏めた文章が互いに意味を補完し合いながら連なって、リズム良く香里の感情に浸らされました。
本編に沿っているか、と言えば、栞と祐一が付き合っていない以上、沿っていない訳ですし、香里らしいか、といえば栞関連の設定が違うせいで香里らしくは無いんですが、ではそういった部分が気になるか、と言えば、綺麗な描写に酔わされて、全く気にならないんですよね。文章の勝利かと思います。
名雪、栞、北川、という、祐一と香里がくっつけば悲しくなるであろうキャラクター達に、それぞれ気持ちに決着を付けるエピソードが用意されている構成が、自然に挿入されていて感心させられました。
ちょっと気になったのが、香里が花を見て即座に「撫子」という名前が判る程花に詳しいのに、花言葉に関して全く知識が無い事でしょうか。生命力が強い、なんて専門知識レベルの雑学はあるのに、花言葉だけ知らないのは無理があります。実は香里の「部活」は園芸部で、花自体の知識だけなら豊富、とでも理屈を通すべきだったのではないかと。


○HID さん

041 また逢えたらいいね (採点:10)
スゴイです。
特に思ったのは、緩急の付け方の巧さと「ため」の効き加減。
短い描写しかないんだけど、早緒里と香那衣のイメージがきっちり掴めるのも、上手です。
特に、早緒里が名字を名のらないところか、秀逸。
というわけで、満点をつけさせてもらいます。

これだけでは何なので、気になったところも少し。
1.KANON本編の栞のセリフを入れる必要性は薄かったのでは。
  それがなくとも、きっちり「栞らしさ」は出ていたと思うので。
2.ラストの病院のシーン。香里に対する栞の敬語は違和感が。
  姉妹で敬語を使うモノでしょうか。
3.最後の一点。実は、この一点で9点にしようか迷ったのですが。
  ラストシーン。最後の3行はなくても良いと思います。
  無い方が、きれいに閉じたのではないのかな、と。
  ともあれ、これは好みの問題でもありますね。

いろいろと書かせてもらいましたが、今回読んだ中では、文句なく一番でした。

058 30℃ (採点:9)
とても面白かったです。
文章がしっかりしていて、情景描写が的確ですし、構成も完璧だと思います。
ただ、手紙のオチが、ちょっとわかりにくかったです。
あと、栞と北川の会話が、ちょっと走りすぎかと。それで、マイナス1点。
けれど、これは読み手である自分の問題でもあるかも。

読後の爽快感は格別でした。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
すごく面白かったです。
祐一の登場シーンで、驚かされて(本当に香里が来たのかと思いました)、ラストで、もう一度驚いたという。
いいように、書き手の思惑にはめられてますね、わたし(笑)


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
楽しませていただきました。
読みやすいですし、笑わせられますし。

ただ、ラストに何か残るモノがあれば、もっとよかったかなー、と。
コメディにそんなモノ求められても、と言われるとそれまでなのですが・・・。

○JING さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
面白かったです。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:5)
いまいち。嫌いではないですがありきたりのような気もします。

013 Conservation for Love (採点:8)
美汐の腹黒さがGOODですw

020 私の望み (採点:9)
美汐の鈍さがもどかしかったです。

023 WA4 (採点:3)
う〜ん、狙いが良くわかりませんでした。

037 美凪 (採点:6)
美汐とあの子との話はあんまり見たことが無かったので新鮮でした。
でも、名前が安直だと思います。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
よかったです。栞がいい味出してますね。
ルーン文字の発想は好きです。

046 ホワイト・ミュージック (採点:3)
話が見えてこないです。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
紙飛行機の魔法が面白かったです。

○Midknight さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:7)
散文詩みたいな独特な雰囲気が良かったです。

011 残酷な代償のHappiness (採点:7)
落ちにやられました。悲しくてけなげな気持ちが伝わりました。

014 おまえの名前 (採点:8)
いいですね〜
こういう話しはだいすきです。
最後の文がとても素敵な感じでした。
それにしても行動力があるな、相沢真琴ちゃん(笑)

025 歩いて行こう (採点:7)
祐一の過去と久瀬の心のうちに感動しました。
やはりこういう人間は強い!!

029 最後の奇跡 (採点:6)
話としては良かったのですが、内容がありがちな死神ピカーものなため、減点1

030 奇跡のかわりに (採点:6)
香里が永遠へ行くのかと思ったら意外な落ちにやられました。
ただ、ページ数が多い構成が少し気になりました。

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
暗い展開、最後の落ち、どれをとってもいい感じでした。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
小道具のルーン文字がいい感じです。
自信満万で強気な恋するミッシーが良かったです。
あと、美汐の告白を見た後の名雪ちゃんがいい感じでした。


048 走る少年少女達 (採点:7)
マラソン大会がいい感じでした。
ただ、話しの展開が少々強引と感じました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:7)
北川と名雪の組み合わせの話としては、とてもできがよかったです。
個人的にはサッカー部顧問石橋とエピローグの名雪with眼鏡がいい感じでした。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:8)
素敵な話でした。是非続編が読みたいお話でした。
ただ、名前が出ている割にはあまり斉藤に出番がなかったのがちょっと残念です。


060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:7)
とてもいい感じでしたが、舞台が月である必然があったのでしょうか?
本文でもいちよう言っていますが、もう少し説得力がほしいところでした。

○SHIKOH さん

005 プライベート・ハンター (採点:7)
シリアスなのかギャグなのか曖昧だなと感じました。

008 激辛 (採点:9)
真琴がとても可愛いですね。
互いに相手のことが好きなんだなって分かる作品だなと思いました。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
なにかあゆに対する感情がえらくあっさりしてるような気がします。
あゆは祐一のために自分を犠牲にしたと祐一自身は知ってるのですからもうちょっと色々と心の葛藤とかあっても良いんじゃないかなと感じました。


012 空っぽのテクスト (採点:8)
幸せな場面から落とされるとかなりショックです。
ダークや不幸ではないのは分かっているのですが痛すぎですね。

015 『雪の日の決意』 (採点:6)
ちょっと謎っぽい感じですね。
それに真琴を登場させた意味、というか真琴が最後どうなったのか触れられていないですね。
栞と出会わなかったらって感じのストーリーみたいですが真琴を登場させるならさせるでもうちょっとストーリーの本筋に絡ませるべきだったと思います。

それと栞が治った経過だとかそういうのもあそこまで死にそうな場面を書いたのですから書くべきだと思いました。

048 走る少年少女達 (採点:9)
こういう変に良い人過ぎない久瀬って好きです。
それにストーリーも大変面白かったです。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:10)
未来はどうなっていくのか、誰も分からないけれど少なくとも収束だけの未来はなくなったんでしょうね。
一人で歩むことはなくなった時、久瀬と佐祐理、北川と香里がどういう関係になっていくのか楽しみな終わり方でした。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
真琴、名雪というより真琴、あゆって感じがしました。

058 30℃ (採点:9)
手紙のことが若干うやむやですけど面白かったです。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
10以上付けたいと思った秀作でした。
テーマ自体はそんなに目新しいものじゃないですけど栞の病気に関する様々な描写や裏付け、納得させてしまうだけの文運びだと思いました。
本編では栞の病気の名前は明かされてませんが思わずこの病気だったんじゃないかと錯覚するような作品だと思いました。

こういう作品が書けること、尊敬しますね。

○Vis さん

041 また逢えたらいいね (採点:10)
 ……仕事が忙しくて、なかなか家で読めなかったんですよ。
 そんなわけで、PDAに落として、通勤電車の中で読んでたんです。

 どうしてくれるんですか。
 声を出して笑って、その後に泣いてしまったではないですか。


 とまあ、そんなへっぽこ話はさておき。
 物凄く良く練られたお話でした。緩急の付け方、笑いのちりばめ方、とても良かったです。
 パラレルワールドを用いたラストの予告が結構前の方でされていたにもかかわらず、文章の勢いに飲まれて『栞は死んでしまったのか』と思ってしまいました。早緒里の元居た世界ではそうなんですけどね。

 個人的に栞と早緒里のやり取りがツボでした。2回ずつ繰り返された
『死闘だった』
『思い知らされた』
という淡々とした言葉が、とても良かったです。

 凄い、凄い、凄いと3回繰り返して満点を付けさせて頂きます。
 参りましたm(_ _)m

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
 凄いです。なんと言うか、美汐さんかわいいし。
 素敵な魔法です。美汐さんかわいいし。

 いえ、別に美汐信者だからというわけではありません。可愛いのです。
 単純に可愛いだけではなくて、裏で祐一の気持ちを確信してても躊躇いがあったり、自分から距離を詰めたがってたり、こんな一所懸命なところが描かれていただけで、美汐可愛い度がぐんとアップしました。

 反面、名雪が当て馬っぽくて、ちょっと可哀想ではありますが……。というか、名雪は祐一に好意を持っているのかどうか、結局どうなったのかというのが、結果からしか想像できないというのは弱いのではないのでしょうか。
 このシーンを書いたなら、その辺りの説明をして欲しかったような気がします。想像で補える範囲ではありますが、ひとつの希望の表明ということで勘弁して下さい。

 話のテンションと小ネタの配置に差があるような気もしましたが、勢いで一気に読めました。
 特にレシートに魔法を描く美汐、これが気に入っています。生活臭を感じさせるアイテムに、突然ファンタジックな装飾が加わるのも美汐ならではでしょうか。
 増える若芽はお徳なんですよ。らぶ。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
 表現やストーリィについては言及しません。文句無く判りやすくて面白いのです。
 ただ、ロドマン氏について

> 「ええと、そのー……あの人も証拠隠滅の一環ということで」

と簡単に切り捨てる佐祐理に引きました。
 最初から敵に容赦しないという姿勢ならまだ解るのですが、顔に落書きで許すとまで言った後でこの結末はちょっと読んでて辛かったです。

 という訳で本来は9点10点でも良いと思ったんですが、6点にします。趣味が合わなくてすみません。

○maxwells さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
ポルノの歌詞パクりすぎ!ってか、読みやすくあれ!

002 鈴の音よ再び (採点:2)
今自分、これくらいの仕掛けではどうにもなりません。これで行くなら、先を読まれる事まで計算に入れて二段で落すとか。とにかく何かしらの方向転換が急務です。

003 お泊まりパニック! (採点:1)
読んでて、テンション上がらなかった。
ダラダラしてて、正直かったるい。
確かに、短編の方より厳しくつけてはいるけど。

004 The regret (採点:4)
最後が弱いなぁ、おち、これじゃああんまりです。途中まではいい感じだったけど。

005 プライベート・ハンター (採点:1)
いや、全く持ってそのとおりで。書き出す前に大筋の流れは決めておかないと。決まっていてこれだとしたら、かなり致命的ですけど。

006 「日課」 (採点:1)
ドラマ性の無さも然る事ながら、スクロールがダルい。成就しなかった側(=一人称では人生の脇役という方)の気持ちを、しっかり乗せて!

007 冬の夜の過ごし方 (採点:4)
一にも二にも、毒気が無い。これが致命的。更に言えば文章の全体に起伏が無く、後半になって来るとただの“繰り返し”という印象を読む側に与えてしまう。だから、その辺りを。

008 激辛 (採点:3)
前半半分ギャグ、後半半分をシリアス。それを無理にくっつけて纏めようとしている物だから、どうにも中途半端。このタイトルに拘るのだとすれば、いっそ良い話系に走るのを放棄して、短編の方に投稿していたとすれば上位を狙えたのではないでしょうか。
正直、こちらはどうにも点数が辛いです。悪いとは思いません。だけど、他のと差別化を計る上ではどうしてもこの点数になってしまう。悪いなんてことは、ちっともないんですけどね。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:10)
あ〜、たらしに見える〜。そりゃこの手のモン書くとしょうがないんだけど、うん。
にしても上手に纏まってたな、と思う。途中で空中分解離散せずによくもラストまでもって言ったという感じ。強いて言えば、『依存』についてもう少し欲しいというくらいか。でも、無くても充分。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
無駄が無い、何よりそこが光っている。必要最低限の、十分な内容を保ったまま。つまり全体の仕上げがとても丁寧と。内容だって、それに引けを取っていないのだから、このほかの点数は考えられないかと。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
メガザル?‥‥‥じゃなくて。
此所で、思いが届かないまま終わるのは、少し切なすぎるかな、といった感じです。

012 空っぽのテクスト (採点:10)
途中までは、『栞の毒以外にパンチが無いな』なんて思ってました。でも、最後の方の運びがとてもお上手!

013 Conservation for Love (採点:10)
いや、「ナニワ金融道」は兎も角、「哭きの竜」て、美汐さん?っみたいな感じで。
オチは読まれやすいと踏んだのか二段で仕掛けられていたりして、全体に芸がとても細かかった。

014 おまえの名前 (採点:4)
『真琴』は、当然触れなければならない事に触れていない気がする。母親を案じるような台詞が、最後の最後にやっと一言出るだけ?その他にも、なんだか人物の気持になると附に落ちない台詞数点。展開上仕方ないといえば仕方ないが。

015 『雪の日の決意』 (採点:3)
前半部、日常からの変化を狙ったかのように見えますが、ちょっと失敗ぎみ。結果としてはそれgは全体に影を落している模様。短編で、十分なのではないかと。

016 脱走と追跡のカノン (採点:5)
タイトルで落ちが見えてしまうのは、どうかと思いますよ?

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:3)
なんででしょうか、あまり重々しい雰囲気が感じられません。他の方なら上手に指摘して差し上げられるのかもしれませんが、内容の割に文が軽薄だと感じてしまいました。役に立たない感想で、どうもスイマセン。

018 雪解け水 (採点:2)
なんか、無理やりっぽい。七年前の地方紙を見付ける方法とか。歴史の宿題と絡めるとか何とか、もっとやりようがあると思う。最後の辺も軽いしね。内容的にはアリだと思うけど、ちょっとぼろが多い。

019 FILE EPISODE 0 (採点:3)
あ、宣伝ですか?って感じ。
何所かで見たことのある雰囲気の文なのは、敢えて無視する方針で。
この文自体は好いんだけど、やっぱりこれに点数を出してしまうと、他と区別が出来なくなってしまうので止めにしておきます。
それと、思惑通りでしょうか。続き、是非読ませていただく事にしましょう。

020 私の望み (採点:2)
もう少し、美汐を思い悩ませる要素を詰め込んでも、欲張りではないと思います。何つーか、厚味が無い?

021 想いの果てに (採点:1)
かなり最後の方まで話のピントが定まっていないという事もあるが、どうにもクドイ。同じ説明が二回あったりだとか、所々にまだまだ改善の余地あり。

022 笑い声がきこえる (採点:5)
『世にも奇妙な物語』では、最近はめっきり減ったこのタイプ。
映像、というよりむしろドラマ化するならこの本でも良いのです(グロテスクな表現を曖昧にするだけで)。でも、文章としては、もう少し心を剥き出しにしても良かったんじゃないのかなぁ、と思いました。それから、作品・採点とはあまり関係が無いのですが、Kanonにこういうのは合わないな、と再認識。というのも、性格が生かせないもんですから。減点の要因としてはその辺りでして。他にも、真琴と名雪の嫉妬もダークの中ではあまりに王道のパターンかと思った故にです。

023 WA4 (採点:2)
ほぼ間違い無く蚊帳の外である、美汐というポジションが面白いのだけれども、伝え方が少し直すぎるかなーなどと思ったり。それから、始めの方でもう少し文章に引き込むような工夫があると、もっと良くなる。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
話は良いんですよ。でもね、KanonのSSとしての設定も、キャラクタの性格も生きてないから。だから、こういう結論。ただの、仮面を被っているだけの舞台だと感じた

025 歩いて行こう (採点:5)
この話、微妙なバランスの上で成り立って、いない。ちょっと無理して要素を盛り込み過ぎ。その上元々曖昧な久瀬の人格が殊にはっきりしない事が更なる不安定要素として存在してる感がある。

026 ステップ (採点:10)
さっきから、10ばかりつけてる気がする。それなのに平均5.5ぉか。
そんな事は置いておいて、ありがちな話だけど、とても良かったです。

027 ウエディングヴェール (採点:1)
確かに、最後は良かった。

でも過程が、はっきり言って、ダルい。
前の方でダイエットすればとても素晴らしい物になるんじゃないだろうか。
工夫してある個所も目に付いた。つまりそれは、裏を返せばそれだけ内容が陳腐だったともいえなくはないんだと思う。
それと、このままで終わっちゃう?ていうのが感触として残るのも良くない。

最後は、よかったんだよ。

028 ”プレイ” (採点:6)
個人的なアレで済みませんが、こーいうので半分行く前に仕掛けが見えてしまうと、どうしても満点をあげられないのです。悪しからず。

029 最後の奇跡 (採点:5)
をを、王道パターン!いえ、好きなんですけどね、採点する上ではどうしても、なワケですよ。贅沢を言えば、頭の方のインパクトが少し弱かったかな、と。

030 奇跡のかわりに (採点:6)
なんか最近、『例の猫』を扱ったSSを読んだ気がするが‥‥‥?まあいいか。
にしても、最後の一言は毒味が強いのか何なのか。終わり方に些か“?”有り。

031 グッナイ (採点:10)
こういうのも、好いんじゃないかなと思います。ドぎついのを読み続けた後だから、増してそう感じるのかもしれませんが。でも、しっかりと構築されてほのぼのする話はというと、相当に難しいモノなわけで。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
後半のまものの掛け合いも然る事ながら、有りそうでなかったテーマを、綺麗に紡いであった事が良かった。

033 エム (採点:4)
はっきり言って、詰めが甘い。
6つあるうちの3つ目で、既に“ネタ”を確定させてしまっては駄目。もっと引っ張らねば。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
テーマが、何処か中途半端。何が書いてあるのか、つまり、何を書きたいのかが見えてこない。

035 復讐という名の代償行為 (採点:6)
この際、趣味如何は問わない事として。
Kanon-名雪-ダークと言うと、大体この手の話なんですね。祐一の中での疑念を描いた、それは良く書けていた。だけれども、既にあった物を総合しただけって感じがして、目新しさがなかった。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:1)
シチュがありがちすぎだし、扱っている物の膨らみが足りない。呼応とかで突っ込みどころも満載だし。正直、人の心持ちとか浅いと思う。

037 美凪 (採点:6)
とてもいい作品であるのですが、全てにエンタテイメント性を求めてしまうのが私の悪い癖でして、ハイ。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:10)
微笑ましい話〜、でいいんだけれども、最後の辺は角が立たないように丸め込んだ感が強い?まぁ、そりゃ仕方ないか。

039 幻実、そして星 (採点:4)
前半で、上手くオリが働けていなかったのが致命的。存在が不確定なら不確定で、たとえば名前も聞かぬまま別離させてしまうなどといった手法を用いる事も可能。

040 楽園日記 (採点:10)
面白かった、それで充分です、私の言いたい事は。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
一昔前のドラマみたいな話、好きですよ?

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
本当にこう言えるか、言うだろうかというポイント多数。さゆりすとも程々に。
また、同総会的な話は、あるにはあるのですがどれも消化不良で終わります。これも、そう。御多分に漏れず、ちょっと生かせていないかな?といった感じです。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
あ〜、名雪がただの嫌な娘になってる〜。といってもそれだけで減点するわけにはいかないが、うぅ。
ところで美汐は、なんで名字でコインを刻んだんだろう?そこんとこの心境がイマイチ判らん。

044 パンドラ (採点:10)
単純な事件を通じてなんだけど、その間の感情とかの移ろいが細かに映されていて、良かったです。

045 桜が告げる春の風…… (採点:10)
風邪ってのが途中から霧散してるのは、事故なのか狙いなのか。ん、それはどうでもいいか。前半の古典的な内容もしっかり作られ、後半部分と良くクロスしていてとてもよかった!

046 ホワイト・ミュージック (採点:3)
途中までは、弱さを描いたものの様な風体がとても良かったのに。終わり頃からは、結論的に何が言いたいのかイマイチ。それから、時間軸が分かり難いから、さりげなく差し込んでいてくれた方が読みやすいかも。

047 笑顔 (採点:2)
話の本筋とか、交錯する思いとかは悪く無いんだけどね。でも、減点対象個所多すぎ!

048 走る少年少女達 (採点:2)
無駄な部分は殆ど無いんだけど、文章の並べ方があんまりです。たとえば栞云々の所を、『失格よ』の後に付随させるとか。倒置表現についても、必要な所と不要な所を見極めるべき。

049 少年期 (採点:10)
何てコメントすればいいんだろうか、巧みな文章。心の切り込み方がとてもお上手です。
俺は違う選択、答えを見出したけれど、それで逆に訴えかけられた所が在って。とても良かった。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
不幸な事が在って、それで打ちひしがれて。それでも最後に人間の強さって奴を光らせるのは、黄金パターンのようでこれがまた難しい事なワケで。そういう在り来りにも見える構成を、しっかりと扱えるのは、凄いなと思う今日この頃だったりします。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:2)
途中のメリハリ、ですよね。
家のSSもジャンプ打ち切り漫画だから、良く分かります。
だらだ〜らは、長くなれば成る程読むのが辛いのです。

052 Give me a reason (採点:5)
何処と無く良い話チックなのですが、少し味気ないかなー、と。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
こーいうのを読む為に、他の長いのを読んでるんだなった気がしますよ、ホント。
今晩の目標は、『とっても面白いのに巡り合えるまで。』そう決めて、今はもう朝の四時。明日は学校、やっとおやすみなさいです。短い睡眠でも、きっと目覚めは悪く無いでしょう。それ位(といっても喩えではないのですが)、良く作られた物だったという事です。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:3)
色気が無いというのは明らかに適切な表現ではないのだけれど、とにかく硬くて。それでもって動きが少ない物だから、如何せん読み難い。正直、暗い内容でもないのに少しばかり気が滅入りそうになった。

055 煌めきの欠片 (採点:2)
仕掛けがかなり弱いと思った。引っ張りかたが足りなかった分、殊更インパクトに欠けた。天野美汐の心象も補強の課題になる所かと。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:1)
短編でいいよ、長いもん。読むの、挫けそうです

057 移し火恋歌 (採点:4)
歯車が狂い出した、きっかけが見当たらない。何か、軌道に乗り始めたあゆとの生活から外れてしまう為の、きっかけが。
それにしても、語集が凄いです。細やかな表現を扱うには、やっぱりこうでないと。

058 30℃ (採点:5)
あふ、仕掛けがイマイチ見えなかった‥‥‥。手紙がどうも話と絡んでいない?

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
この種の完成系に感想は必要な入と思いつつも、無理に弱点を挙げるとすれば、序に話の登場人物をイメージし難い事くらいか。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
とても、とても象徴的。月面というのは、広くて、雑多で。それでいて、何も無い。ただただ広がる無限の広野を少女達の心証風景とダブらせて捉えさせるのは、とても効果的でした。
『ここに来てくれた人、あなたが初めてなんですよーっ。』というのも、どれだけ重いか。彼女たち皆が同様に、誰か一人の共のみを支えにして、世界から切り取られたという感じが、何とも。

内容も良く、文章的にも確立された物がある。
この手のモンはどうにも、採点がし難いなぁ。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
ハイ〜、他の点数をつける理由無し。妙に気張ったりするよりも、こういう風なのの方が素直に飲み込みやすかったり。んで、適度に砕けて大事な所がしっかり固まってるんだから。それは、とてもスバラシーです。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:5)
確かに素晴らしい内容。けれど、事の大きさに気圧されて、どうしても否めない小説としての骨粗鬆症を感じさせる所が大きい。どうしても、点数はこれ以上妥協できないのですが、一つの話しとしては他より群を抜いて立派であると思います。‥‥‥点数辛いわね。

063 丘の子守唄 (採点:5)
幕間が作品と上手く絡んでいないのが減点の主立った要因。効果として生かせていない部分も多々あり、そこがどうなるか次第だと思う。また、KanonSSらしさを求めるなら、現代パートを儲けてそこで美汐に昔語りをさせればやりやすいのではないか。

064 面鉄の奥の恋 (採点:4)
たまには、らしくないのも良いかな、なんて。剣道に関する語があまり見当たらず、増せば先頭に厚みが出ると思います。

065 作品No.2「春」 (採点:10)
真琴が、らしい。それって、それだけで満点が取れそうなくらい難しい事なわけで。いや、とっても良かったですわ。お陰で、毎週楽しみにしてるラジヲを聞き逃してしまい‥‥‥、うう。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:10)
気持は、強い。だから、繰り返すのかもしれない。最後の台詞が、真琴の物であるなら尚更。『あまの』が呼び起こされたという事は、メビウスリングなんだろう。強く、思わせる所が遇って良いと感じた。
というのも、名雪が失われていくという斬新設定の上での話。話はとても面白かった。けど、マクラが弱い。正直、面白くなさそうと思った、これでは勿体無いかな。

067 風邪の一日 (採点:3)
人物の表面しか見えなかった感じ。どうにも奥行きが無いと思った。もう少し真琴の高熱と引っかけ、話を構築した方が良いのではないか。

068 名琴抄 (採点:6)
きっと伸びるから、だからこそ、手厳しく点を付けさせてもらいました。
狐が(元水瀬名雪の)名前を乗っ取るプロセスに触れる事は、やはり蛇足になりますか?
それからもっとサイドを固めて、キャラクタを追い込む事で更に良くなると思います。

069 ふたつのねがい (採点:10)
もとが童話らしい話だからか、この調の語りも悪く無いなと、いえ、好いなと思いました。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:4)
もう少し、内容を密にしても堪えられたと思う。なんでだろ?地の文が薄いの?とりあえず、もう少し大事な所には重量感があっても良いんじゃないか。筋はしっかりした物が出来ているんだから。

071 一緒に生きたい (採点:10)
本作で考えたら途方も無い内容なのに、導入が凄くスムーズ。とても斬新で、読んでいてとても面白かった。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
あ〜、ええ終わりやんなぁ。お陰で書く事が見当たりませんよ、はは。目が覚めちゃって、寝付かれませんって。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:10)
絵的に“も”良く映える、とてもよい出来のコメディだと思います。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
お疲れ様です、大変楽しませていただきました。他の所を採点する場合はどうしても、『だれるか、だれないか』が基準になってしまうけのだれども、そんな野暮な事を微塵も感じさせない秀作でした。

076 夢の劇場 (採点:6)
何処か、味気ない。醤油でも砂糖でも、芥子だって良い。バランスが良過ぎていて、何処かに特筆すべき所が無いと。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
姑?
じゅなくて。リアルなようでリアルじゃない。でも具体的。騎馬戦じゃ、無いっすね。実際は、どうしても一瞬で方が着いてしまう物です。まぁ、それはどうでもいいんですけどね。とりあえず、北川オイシ過ぎ!みたいな。
‥‥‥はい、すいません。書く事思い付かなかっただけです。文章として、完成されていますから。んでもなぁ、後ひとおしが欲しいという我が侭が、ふつりと。

078 「dearest」 (採点:6)
事実十七歳の人間からみれば、よくも細かく書ける物だと思いつつも、直接的には結構当たり前のありふれた感情なもので。それくらいに、細かい描写で的確に芯を捉えていた。でも立ち振りもなんだか定石って言うか、どうにもオリジナリティが希薄だったのが残念。

○あー さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:10)
これ、女性に審査してもらおうよ。とほー。
オーソドックスは知性の墓場、っつーけど男にはモエの二文字が知性の墓場だよー。
しょうがないなぁ……。
地文のレベルは高いし、上から下まで全部計算づくでしょう。余計なコトせずに最短で突っ走ってる感じです。余計な説明や理性的解釈は意図的にかっ飛ばして(秋子起用もそのためか)ひたすら投げこんできてる感じ。
――が。穏やかな部分を描くと言葉の選び方もバリエーションがあるのですが、それらしいシーンにおいては言葉のレベルが落ちている。視覚も触覚も嗅覚も実際に伝わらない以上、そのへんの――って、そか、これエロじゃなくって萌えか。うーん、じゃこれでいいのかなぁ。とほー。

やっぱり萌えを語ると、よけーなコトは要らない! が結論になるように思えるのは気のせいかーーー!!
最後に、豊穣ってのは間違いだとおもいます! それぐらいです!


013 Conservation for Love (採点:10)
ギャグです!
しかも細かい描写だけで笑えるくらいの高濃度ギャグです。流石というしかありません。
個人的には15点ぐらいにしたいところです。
なんというか、ものすごく爽やかでした。寄んなコラみたいな突き離しぶりにこの上ない清涼感を覚える私は間違ってますかね。

漢字の使いが上手く、見栄えて綺麗なのも羨ましいです。
ただ、最後付近の美汐の計画が崩壊するくだり、少々説明口調が過ぎるような印象もありました。も少しさらっと落とした方がよかったかなーという気もしなくもありません。
が。

――いンだよ、細けぇことは。

そんな気分です。

016 脱走と追跡のカノン (採点:10)
これは凄い。とてもとても凄い。もの凄い。いやぁー、もうなんというか。
中盤を耐えて抜けた者のみが辿りつけるカタルシス。むしろ、カタストロフ? 
素晴らしい。素晴らし過ぎる。
しかしこれ、点数高いかな? なんか低いほうが、「あ、俺はわかったモンね!」みたいな気分になるかも。不吉なこといってすみません。 
私は10点付けときますが。
そうそう、私ファンタジーゾーン大好きです。ターボ標準、ロケットエンジンも上等ですよ!? 脱線ついでに。

022 笑い声がきこえる (採点:10)
 展開的には、もう少し矯めを効かせた方が良かったようにおもいます。硝子に映った名雪を見て初めて中身が真琴だ、と明かすぐらいのタイミングのほうがいいのでは、と思いました。


040 楽園日記 (採点:10)
十五少年漂流記とか思い出してしまいました。
なんて落ちついた作風だろう、とため息がでますよ。
作品としての完成度は高く、これといって非の打ち所を見つけられません。タイトルも内容を後押しする要因になっていて、こりゃ完璧だと言うしか。遭難日誌、と日記となっていないのはネタバレをさけたのかな。


041 また逢えたらいいね (採点:10)
今度は時間漂流ですかっ。
作風の軽妙さ、テンポよさ、見栄えまでの計算。あ、あれ、もしかして、あれ? き、気のせいかなぁ? 
なんにせよ、素晴らしいです。時間旅行ネタはいかに整合をとって綺麗にまとめられるか、そこに至る手順を読ませないか、あるいは他のことに注目させて上手く目を逸らさせ続けられるか、辺りに秘訣あると思うのですが、そのいずれも成功しています。会話を楽しんでいるうちにラストまで持ってこられては、余計なこと考える暇もないと言うものです。
ええ、素晴らしいです。
でも、あれーー。おっかしいな、作者さん知っているような、つか、短編じゃなかったのかな……それともまた全然勘違い……?


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
素直に面白かったです。
全てがすんなりとしていて、おだやかで、けれんみがありません。どちらかと言えばとんがった作品が好きなんですが、これは推さざるをえないかなァと思いました。
一つ間違えばそれだけで、甘過ぎ、ご都合、アレルギーとなる展開だったのですが、名雪や北川の行動は常に場に適切で、殆ど違和感がありませんでした。
全体に自制の効いた文章で、冷静だーと感心させられました。


062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
衒っている部分は誰の目にも明らかでしょう。逆にのために、その衒いを理由に云々する気は失せました。
上手いとおもうのです。そして、ひどく今風です。最近のテレビ番組の演出を思わせる、掴み重視の構成。煽りとヒキ。えげつないほどです。個人的な意見を言えば、ものすごくアレルギーです。
ですが、こういう形式で完成させろといわれたときのお手本になれるくらいの完成度を誇っているとも思います。読み手としての私の好みをねじ伏せた快作、という扱いにしたいと思います。


074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
さすがに安定してるなぁ。誤字がもったいないなぁ、とか読者の自分が思っちゃうし。
さて、全てが高次元にある作品で、衒わず大道の真中を歩く作風も威風堂々たるものです。
個人的な所でいえば、終盤での「奇跡」と言う言葉の濫用がやや気に入らないのですが、細かいことになりますでしょうか。
シーン2、サブタイトルで危機感を植えられてしまったのですが、それが緊張感を保たせた感がありました。計算ずくでしょうが、ちょっとズルめですかね。
あと、シーン2最後の――のあとには、ベンチの三文字が、個人的にはあったほうがよかったように思います。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
ああああ。個人的に激もったいない!
騎馬戦と栞と名雪の攻めぎあい、平行する2つのイベントを絡ませて進行する構成。見栄えのするカッチリと締まった文章。素晴らしいのですが、一点、香里の宣戦布告はどこかご都合主義を思わせてしまう。ここまで明言せずとも、騎馬戦に彼らの思いを持ち込ませる事は十分に可能だった筈。解り易さを優先しての選択なのかもしれませんが、ここまでの硬質感を思えば、どうにももったいないという印象なのです。
そして、ラストシーン。唐突ではないでしょうか。というか、収束の重点はこちらではないような気がします。

冒頭の主観を北川に据えたのも疑問符です。香里からはじめて香里で締めるべきと思います。あるいは、北川で始めて北川で。
話の中心は中盤以降明らかに香里にありますから、香里が祐一を試す意味合いで試合を終え、その成り行きにもうしばしの猶予を与える理由とする、といった所があるべき着地点と見ますがどうでしょう。
北川は、彼のほうから香里に近づいて行くことで始めて最後の出番が許されるのではないでしょうか。戦の最中に香里が気にするべきは祐一と栞の件で、北川への何がしかの思いというのはオマケ程度のものであろうかと思うからです。

戦い終えて、イーブンとなった栞と名雪を見送る香里に、北川が癒しを与える。
そんな展開のほうが綺麗だ、と思ってしまったのですが……


○あおき哲夫 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
妙な技法を開発する前に、文章をまともに書くことを勉強するところからやり直してください。しかも本編をなぞるだけで、オリジナリティがない。

002 鈴の音よ再び (採点:1)
最後の無茶苦茶な空行はいったい何なのか。まあそれはともかく、祐一が妄想して巻き込んで終わり。…しかも自問自答で気持ちが吹っ切れるなんて、どういうことか。理由のない改心劇、勝手にしてくれと言ったところか。もうちょっと落ち着いて書いてくれ。

003 お泊まりパニック! (採点:1)
これのどこがギャグなのか。笑うどころかストーリーさえ追えない。作者殿、あなた書きながら何を思っていたのですか?

004 The regret (採点:1)
……北川がここまで報われない話は初めて見た。恋愛が成就しないのは仕方ないにしても、なにも殺さなくても良いだろう。必然性すらないし。作者殿、言いたくはないがこういう話を是とする限り、二度とSSを書かない方が良い。

005 プライベート・ハンター (採点:1)
ここまでご都合主義なのは呆れる。開いた口がふさがらない類の結末。いくらKANON本編も奇跡の乱用といえど、それなりの理由(あゆの犠牲など)が背景にある。これには伏線もなにも全く見あたらない。こういうのは自分のHPで楽しくやってください。

006 「日課」 (採点:7)
丁寧でいいですね。丹念に一つ一つを書いていく。なかなか出来ることではないです。単調さもこの作品では美点だ。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
なかなかテンポ良く読めた。ギャグとしてはありがちだが、グレーゾーンをついた台詞の類は危うくてこちらが心配になる。まあこれに留まらず、文章力、発想力、構成力、展開等の向上を図ることですね。

008 激辛 (採点:3)
まあ、なんというかお幸せに。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
ほのぼのとシリアスを併記する理由はなんなのか。ともかく、作者の脳内オナニーを見せつけるものではない。キャラクター全員を馬鹿にしている。作者殿、あなたはよほど独占欲が強いと見える。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:2)
カレーがお話のスパイスになっているかと言われると、いやあんまり、と言うしかない。ストーリーの方も安直さを拭えず、どうして香里は北川に気があるのか、またその逆も何故か、ということがハッキリしない。前提条件を語ってくれないで話に入り込めと言うのは些か読者に酷。

011 残酷な代償のHappiness (採点:1)
人物に対する考察が全く足りていない。
本当にあゆがこんなこと(演技)をするだろうか?
祐一があゆの犠牲を理解していて本当に喜ぶだろうか?
秋子はすべてをわかった上で了承と言ったのか?

…この話を書くには作者殿、あなたにはちと荷が重い。
もう少し、人間としての経験を積んでからが良い。あまりに説得力がない。

012 空っぽのテクスト (採点:4)
奇跡は長続きする物ではなかった…。まあ、こういう話も有りだろう。しかしまあ、もう少し溜を作った方が良いと思う。ギリギリまで引っ張って終わらせると尚悲しさが増したかもしれない。

013 Conservation for Love (採点:1)
読者に対して愚物とはよく言った。私も作者に対して歯に衣着せぬ物言いをしよう。文章力も高いし、ツボも心得てはいるが、読者を嘲弄するような表現を盛り込むのは納得がいかない。見下してでもいるのか? それならば読者から感想をもらおうなどと考えないことだ。一人で勝手に悦に入ればいい。

014 おまえの名前 (採点:5)
名前には魂が宿るもの。真摯な想いでつけられたものには幸あるものだ。内容は良いが惜しむらくは展開がありがち。もう少しオリジナリティが欲しい。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
句読点…。小学校からやり直してきなさい。

016 脱走と追跡のカノン (採点:9)
理不尽ギャグ最高!!
爆笑とまではいかなかったが、話の入り方、読者の掴みを心得ている。
オチにも回帰を持ってくるなど秀逸。中だるみさえ無ければもっと高評価だった。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:1)
いやまあ、性転換ものがいずれはでてくるんじゃないかと思ってはいたけどね…。ここまで原作を無視する方向に組み立てられるとどうしようもないな。しかも健常者には理解しにくく差別に繋がりやすい性同一性障害をこんなに手軽に扱うとは。…若干とはいえ障害のある方をサポートしている人間としては安易に扱ってほしくないテーマでもある。あなたは小手先だけで小説を書いていないか? 心の中でどのように結論づけられたか? このSSを書き上げた後、どのような想いが胸に残ったのか? 迂遠ながら聞いてみたい。

018 雪解け水 (採点:1)
本編の劣化コピーを読まされては、評価しようもない。もう少しオリジナリティというものはないのだろうか。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
ミステリーを馬鹿にするな。伏線も何もなく、あまつさえ結末もないお話をこの場に出すか? 文章も稚拙だし基本も弁えていない。

しかもエピソード0と命名しているということは、もともとこの場で完結させる気すらなかったということか。
…何とも汚い真似をしてくれるものだ。
このあとHPにでも誘導しようと考えているのだろうが何という不遜さだろうか。
企画運営をされている管理人氏に申し訳ないと思わないのか。

だいたい続きを読みたくなるようなお話でもない。

020 私の望み (採点:3)
美汐の考え方が幼すぎるような気もするが、まあ及第点かと。しかし、こう言っては何だろうが、至極書くのが簡単だっただろう。美汐が祐一に気持ちをそう簡単に伝えるだろうか。祐一はなぜ美汐を好きになったのか。その辺りぐらいは書いても問題ないと思うのだが。

021 想いの果てに (採点:1)
都合の良さは作者にとって諸刃の剣だ。精々良く切れるように研いでおいて欲しいと思う。ただ、押入の奥に大事にしまっておいてほしい。安易に人様に見せると印象が良くない。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
素晴らしいダ−クを読ませて貰った。名雪と真琴は実は仲が悪いのではないかという噂話が、このSSでは背景をなしていた。その辺りを巧く絡めてあって見事だと思う。
真琴も妖狐であるからには必ずしも善なる存在とはいえない。望みが高じてこのような暴挙に出る可能性は否定できるものではない。
惜しいところを述べると、もう少しだけネタばれを後半に持ってきた方が良かった点か。
名雪の姿が窓に映る辺りが良いかもしれない。

023 WA4 (採点:1)
いろいろと奥深さを出そうとした試みは買いますが、肝心のテーマがどこかへ行ってしまっている。名雪の行動、祐一の行動、どちらも一貫性が欠けている。秋子の病状についても、酷い過労という説明はどうだろうか? 少なくとも私は納得いかない。美汐についてもなんで出てきたのかすら不明。ただ祐一の回想を聞く相手でしかない。前半のモノローグは何だったのだろうか?

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
格好をつけるのは結構ですが、なんです? 異なる可能性の一つって。ここまで無理矢理な設定を作っておいて創造主たる作者が結末を放り投げるのですか。

なんとまあ呆れることをすることか。

025 歩いて行こう (採点:2)
まあ、なんというか。脳内だけで盛り上がってらっしゃるようでご苦労様です。突飛な発想というものは往々にして突飛であるが故に一般人には理解できません。筋道を立てて理論を駆使する地道な作業は地味であるが故に説得力があると。…わかります?

026 ステップ (採点:1)
あー、原作の設定をここまで無視しますか?
本編には、
> 俺の母親の妹。
> つまりは、俺の叔母で名雪の母親でここの家主だ。
と明記されているのだが。 

しかも「嫂」などという漢字をそのまま使うのはどうか。
複雑きわまりない家系図、一度書いてみたら妙なことに気づくだろう。というか気付け。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
最後の最後で持ち直した話。よくある大団円かと思わせておいて、最後は真琴の別れを演出するのは憎い配慮だろう。一言伝えたかったというのもわかる気がする。これは褒めるしかない。
あとは文章の質を高めてください。なかなか期待できそうです。

028 ”プレイ” (採点:6)
なかなかに少女ホラーのような恐ろしさを感じた。
決して上手いという文章ではないが、なにか訴えかけるものはある。稚拙さが雰囲気を高めた希有な例。
あとはもう少し深みを感じさせてくれれば、尚良かっただろう。高評価に値するが腕を磨くのは怠らないで欲しい。

029 最後の奇跡 (採点:2)
奇跡を安易に使いすぎ。一体全体、あゆを何度こき使うつもりか。
自己犠牲は一度だけでいい。そして自己犠牲を賛美するな。残されたものにとっては堪らないものなのだから。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
観測という表現には違和感があった。幻視、幻影、認識とかでも良かったんじゃないだろうか。
香里の方が幻影というネタは新鮮味があって、面白かったと思う。これでもう少し文章が上手ければかなりの評価が出来たのだが。
作者にはさらなる向上心を持って欲しいと願わずにはいられない。

031 グッナイ (採点:3)
どこぞの純文学の作品でも模したかのようだ。三人称の視点があちこちに移動して読むに耐えない。オリジナルな登場人物も描写が少なく、出てきた意味がさっぱりわからない。不機嫌になる秋子にも理屈が通らないし、説明もない。一体全体どうなっているのか。作者殿、あなたは何を描きたかったのか?

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:4)
魔物側の視点とはいえ原作をなぞるだけでは面白みが足りない。もう一つオリジナリティが欲しかった。あとオチで作文はあんまりだろう。

033 エム (採点:1)
文章作法については、他の方が言及するだろうと思います。

>彼一人で殺ってやれないことでもない。

うむ。見事な誤字でありましたな。
これで犯人は確定w

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
うーん。理解不能。
佐祐理の思考を完全に紐解けとはいわないが、生徒会と関わることに何かしら意味があるとはとても思えない。
強引かつ説明不十分というか、話の筋を間違えているのではないだろうか。


035 復讐という名の代償行為 (採点:1)
…なぜここで終わらせる。どうして? なんで肝心なところを読者の想像に任せるのだ。
まるで状況証拠のみを集めて告訴されたようなものだ。こんな風に書き終わられては、犯人は祐一だと考えるようにし向けられているというようにしか見えない。それならば暈かす意味がないだろう。肝心要の暈かすべき箇所を間違えている。実は香里が…と更に反転させうることも出来るのに。犯人か否か、というだけを結末で隠すのは尻切れと呼ばれるしかない。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
話の組み立ては素直でいいと思うのだが、肝心要の盛り上がる場所で下がってしまった感じ。ここまでストレートすぎるのはどうかと思う。少年誌の色恋沙汰でも、もう少し盛り上がると思うが。恋愛話は押したり引いたりするところに意味と妙味があると思うのだが。

037 美凪 (採点:7)
美凪…どうしてもAIRの印象が強くて、ちと気になったかな。しかし美汐に類した名前となると確かに難しい。いっそ物語の主題からして空の名前でも良かったかもしれない。
内容については、まあ似たようなものがあった、話の筋にこれといった捻りがないということでちと減点。
何か目新しさがあれば良かったのだが。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:3)
あまり説得力はないですねえ。
栞が大変な時期に香里が男性と付き合うほどの心の余裕があったかどうか。
自暴自棄で、と考えるにはちと説明がつかない。
もう少し原作と人の心に対する考察を深めて欲しいと思う。

039 幻実、そして星 (採点:6)
KANON本編を模したのはわざとだろう、しかしオリキャラの正体はともかく、話の筋までほとんど祐一の場合と変わらないでは評価しがたい。しかもいつの頃の話なのか不明。舞の子供の頃、とか言うならばもう少し印象も違っただろうが。

040 楽園日記 (採点:10)
見事と言うしかない。KANONのキャラ、それも男だけでここまで書けるか。忘れかけた冒険心すらくすぐられるとは思わなかった。

お話の構成自体はどこかで見たようなものだが、キャラがとにかく生き生きとしていて、書くのが楽しかったのではないだろうか。
勝手に話が出来たのだ、と言われても多分納得出来る。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
流石、としか言いようがない。オリキャラを使ってここまで出来るか。不覚にも涙が滲んだ。これほどの珠玉の名作に出会えたことに感謝したい。
この独特のリズムを考えると、成氏ではないかと思うが。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:2)
何かしら不条理さが胸を打つ。
相手が佐祐理でなければならなかった理由がどうにも納得いかないし、振られたであろう女性達もあれでは不憫すぎる。
祐一が悩むのは原作でも似たようなものだが、年をとっても外見以外に成長がないように思えるのはどうか。ある意味逃げているようにしか見えない。それでは余りに悲しすぎる。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
作者の予想はつく。善意の人による善意の話。こういう話は普段受け付けないのだが質がよいため気にならない。たいしたものです。

044 パンドラ (採点:7)
美汐の葛藤を上手く描いていると思う。
ただ、霞月のいうキャラのイメージがやや沸きにくかったか。いっそ無名でも良かったかもしれない。
あとは構成がやや勿体ないように思う。エピローグよりプロローグに光景を持ってきた方が栄えたのではないだろうか。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
キャラ的に茜と美汐がかぶるのはまあ、仕方がないが…詩子はないんじゃないか。それにしてもなあ。伏線ぐらい張ろうよ。何もかもが唐突だ。ラブレター云々も関わりないし。

046 ホワイト・ミュージック (採点:7)
ちと難解に思えた。
あゆの思考だけに説明が足りていなかったのではないだろうか。
文章は綺麗だし、話の筋も面白いがやっぱり訳がわからないに終始する。
緻密に書く必要はないと思うが、現状というものをもう少し説明して貰うとうれしい。

047 笑顔 (採点:3)
話の内容は一本に絞るべき。特にオープニングへと繋げるお話にしたかったのなら、妙な色は付けるべきではない。…というか、余りに有り触れた展開にちっとも面白くなかった。

048 走る少年少女達 (採点:2)
早くからパクリ疑惑のあった作品だが、元ネタを知らないので何とも。何れこの感想も消去されるかもしれないな。

049 少年期 (採点:8)
最初に読んだときには、もう少し物語が広がるのかと思ったのだが。深刻な書き方で読者を誘導するのはいいが、見合っただけの展開がないと拍子抜けする。まあ、勝手に期待しながら読んだのが悪いのだが。作者にはもう少し想像力を広げてほしいと期待する。文章はとても良質。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
これまた見事な作品。
祐一と秋子が事故に巻き込まれたというのは少々強引な気もするが、まあ是としよう。いろいろ言いたくはあるが。
問題は香里と祐一が付き合っていたこと、原作の延長としては説明もなく受け入れがたいとは思う。その点を考慮して−1点。
しかし加点する要素の方が多いのでこの辺りに落ち着いた。
…あえて言うなれば、この話の持って行き方からすると舞と佐祐理でも可能だった気もする。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:1)
長々と読んだが、まったく面白くなかった。
一つでも良いところがあればとも思ったが、良かった探しすら無理。


052 Give me a reason (採点:3)
もう一本、同様に近い作品がこんぺには存在した。そちらと比べると何が足りなくて、どうすればいいのかよくわかると思う。日々、研究と研鑽を重ねてください。
悪い話だとは思いません。が、思考と物語の展開についてまだ青すぎます。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
秀逸な文章はSSの模範と言っても良いだろう。
少々無理矢理な設定も、名雪側からすればあっても不思議はないと納得できる。
まあしかし、そんな野暮なことは言うまい。この雰囲気に浸ればそれだけで心やすらぐものだ。
作者の善意が快い。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:5)
久瀬がいい人になってる。いくつか同様のお話を読んだが、これが一番久瀬らしい。ただ、最後に佐祐理とくっつけるのは些か性急に思う。もっと早くから繋がりがあったならあまり違和感はなかったろうが。

055 煌めきの欠片 (採点:1)
…話が全く見えてこないのだが。夢オチなのか。
いくつも設定を盛り込むのは結構だが、それらをほったらかしにしたままにしないで欲しい。
読者に解釈を任せるには、解釈するための手がかりが何もかも不足している。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:8)
今年最後の蛍を思わせる、儚く危ういお話。
大人になった彼らを見せて貰った。こういう未来も彼らが選ぶ選択肢にはあるだろうと納得させられた。
こういう雰囲気は一朝一夕には真似できないだろう。独自の作風に磨きをかけて欲しい。

057 移し火恋歌 (採点:9)
ううむ。なにやら色々と騙された気分ですね。…呪い…とかではないよな、多分。
主役は祐一ではなくて佐祐理でもなくて…じゃあ何なのか。
どうにも圧倒されているようです。無粋な気がしますが、出来れば解説をお願いしたいですね。

058 30℃ (採点:7)
悪戯っぽい香里萌え。
それだけでご馳走様と言いたくなる。
内容自体は青い青い。北川に関連するものはなぜかその傾向が強い気がする。どうでも良いことではあるが。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
ミスリードを狙ったのは意図しているのだろうが、やや甘い。あとは話の展開が今ひとつ。これではただ昔話をして終わっただけ。妙に凝った設定(秋子の夫の死亡理由への伏線、秋子の外見が年相応で無い理由、原作で事故にあった理由)などはどう締めるつもりなのか。
あと文章がやや硬い。もう少しテンポ良くしてほしい。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:9)
なかなかに感想をつけるのが難しい作品。完全には理解できない気もするが、ダークと明記してるからにはそれも有りだろう。作者には出来るならこの作品の意図をお伺いしたい。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
北川というキャラをとても上手に描写している。
祐一の悩みも、まあこの年頃なら良くあることだが下手をすると鼻つまみな可能性もあった。
煩悶の仕方がとても共感できてしまうのは作者の腕だろう。お見事。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
…いやはや、奥が深い。ここまで徹底して書かれるとこちらが頭を下げるしかない。
こんぺ的に奇であるかもしれないが、真面目な意図と正しい情報に基づいて書かれている。だから少しの改編も奇矯には見えない。
ルポルタージュ形式でのSSにおいて、一つの完成型を見せて貰った。
やるならここまでやらねば。

063 丘の子守唄 (採点:1)
えーと、最初に確認しておきたいのだが、これは未完ですね。それを前提としてAという感想を述べさせていただきます。もしこれで完結なのだ、と仰るのであればBを読んでください。

A.作者殿、あなたこんぺと言う場を何に利用するおつもりだったのか? 連作を始めるに当たって、読者獲得のために注目を浴びようとでも考えたのか。もしそれが事実なら、唾棄すべき所行だ。こんぺ主催者のみならず、読者まで馬鹿にしてる。激しく叩かれるべきだ。しかもKANONの設定を改悪し、オリキャラにしか思えない人物設定を行っている。とてもKANONに対して敬意を持っているように思えない。馬鹿にしているのではないか。二度とこのような場に姿を見せるな。


B.全く持って話がわからない。美汐に兄が居て、家柄がどうこうという説明のみに終始し、話の筋もない。中編という決まりの中で、何を表現するかも決めないまま、だらだらと書いただけなのだろう。それを前後の怪しげな子守歌でくるみ、読者を幻惑しようとしている。中身には何もない。読むだけ無駄。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
オリキャラを使用して、一歩引いた視点を与えたのは原作を無視しないようにした作者の意図だろう。
しかしながら余りに物語から離れすぎているきらいもある。悪くはないが、主人公とともに読者としても置いて行かれた気分。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
妙な番号付けを見たときは、ゲームブックにでもしたのかと思った。
まあそれはともかく、話の内容は面白かった。真琴の母親を出してきたのは新鮮でよい。
真琴の描写も自然だし、美汐もまた可愛い。祐一の行動が、このコンペ作のなかで一番原作らしく思えた。
良く作品を理解しているのだろう。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:7)
難解な作品でしたが…。もう少し分かり易くても良かったんじゃないかなと思う。名雪と真琴の入れ替わりという作品が三つもあったことに多少驚いているが、誰もが考えつくネタだったのだろうか。もちろんそれぞれオリジナリティがあるので似ているわけでもないのだが。
ゲームのシナリオっぽく書いたのは、この場合、もの悲しさを思わせたので正解だったように思う。

067 風邪の一日 (採点:7)
見事に直球という感じで微笑ましい。これなら最後まで二人、若しく水瀬家の面々だけで話を進めても良かったかなと思う。登場人物を増やすのはそれなりに必然性が必要なときだけにすると、内容に尚手がかけられるのではないかな。

068 名琴抄 (採点:9)
発想が見事。だが、もう少し伏線を巧く隠して欲しかった。冒頭でなんとなくオチが読めるようでは辛い。ただ、奇跡の陰にはなにかしら犠牲があるという描き方は秀逸。この文章のテンポはまず間違いなくAHH氏だろう。

069 ふたつのねがい (採点:3)
奇妙なる語り口に拒否感が。
何も無理してこんな書き方をしなくても良かったのではないだろうか。
普通に三人称で書いていたならば気にならなかったところが悉く違和感と化している。
おとぎ話風にするにはちと生々しすぎるか。あと妙なネタを盛り込むのはやめた方が良い。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
まあ面白くはあった。だが話の内容がふらふらと一定しないのはどうか。題名もそう。ギャグというのならもう少し評価できたのだが。

071 一緒に生きたい (採点:6)
…あゆのほうに靡くのだろうと思ったのだが。まあそれはともかくとしても、ちと祐一を悪者にしすぎではないだろうか。祐一の代わりを北川が務めるというだけでは余りにオリジナリティが無いと言わざるを得ない。もう一つなにかを付け加えられれば。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
独特のテンポが心地良い。幾分妙な文章もあるが、作者の色と理解したい。前回一位の作品に真正面から挑戦したと思える出来上がり。結果は甲乙付けがたい。お見事。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
ドタバタコメディとしては及第作。やるならもう少し破天荒でも良かったかもしれない。いっそダーティペアのように星とは言わないまでも、島一つぐらい沈めたらどうだったろうか。そこまでやってしまえば更に高評価できたが。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
平坦な描写も、この作品では良しとすべきだろう。盛り上げるところはきっちりと盛り上げているし、ラブストーリーとしては良くできている。恋人たちはいつでも不安なものだから、こういう話はあり得る。繰り返して繰り返して、絆は深まるものだ。

075 True story (採点:4)
全部を本当に同一人物が書いたのだろうか。それぐらいに会話文のみのページに違和感がある。
まあそれは良いとして、ここまで原作をほっていかれるとどう評すればいいのか悩む。
原作を全く知らない人が書いたのかと思えるほど、キャラの造形がおかしい。…なんなのだ。

076 夢の劇場 (採点:10)
こうも見事に姉妹…いや香里の葛藤を描かれると驚嘆するしかない。こんぺ的に評価が高いかどうかは微妙だが、この文章、構成、展開のレベルの高さは異常。恐れ入った。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
香里が勝負に持ち込むところだけ、妙な違和感を覚えたが総じて良作。
特に前半の構成はお見事と言うしかない。それだけに後半の騎馬戦はもうご馳走様という気分になった。
余りにオチが見え透いていたからだが、まあ仕方がないか。

078 「dearest」 (採点:6)
文字は力ですね。丁寧に書かれたことに敬意を表します。ありがちなストーリーであり、恋愛の競争者との緊張感もないが、香里の一途さだけは伝わってくる。ご苦労様。

○あのじ さん

013 Conservation for Love (採点:8)
一部微妙なネタもありましたが、基本的に楽しく読ませて頂きました。
一部のネタに引いてしまったのでこの点数ですが、話の出来自体は素晴らしいと思います。

014 おまえの名前 (採点:4)
祐一と秋子さんの会話はとてもよかったのですが、それ以外がちょっと……
この話自体をその会話のために作ったのかもしれませんが、それにしても、ねぇ……
真琴をもう少し上手く動かせれば話も変わってきたと思います。
後は……美汐、最後何のために出てきたんだか……

020 私の望み (採点:4)
悪くはないんですけど……全体的に力不足の感が否めないです。
もう少し話の展開に工夫があれば……

025 歩いて行こう (採点:3)
う〜ん、微妙。
独自設定が受け入れられてナンボの話ですが、特に祐一の経歴には無理があるような……
最後の祐一と久瀬の会話がもう少し書き込めていれば、話の重みも変わってくると思うのですが……

027 ウエディングヴェール (採点:7)
優しさと、悲しさと――真琴の思いがとても強く伝わってくる作品ですね。
どう転んでも報われる事はないのに……でも、それが真琴だよなぁと改めて感じました。
もう少し趣のある描写が多ければ、さらなる高得点が狙えたかと。

029 最後の奇跡 (採点:1)
突っ込むのは無粋だと分かっています。でも、突っ込まずにはいられない訳で……
心臓停止から約5分で脳細胞が酸欠死します。その後に復活するのははっきり言って不可能な訳で……
……臨終にする絶対的な必要はなかったと思います。設定、甘くありません?
そして、話の構成も……奇跡頼りというのは、少なくとも私は好きではありません。
結局あゆの犠牲の上に成り立つ幸せ、というのも……
後は……最後の締め方にも工夫が必要かと。ちょっとあっさりしすぎです。

033 エム (採点:2)
話の終盤(4以降)があまりに力不足かと。
行動理由が書かれていないため、坂井がただの悪役になってしまいますし、
魔物を切り伏せて決着というのも安易過ぎると思います。
締め方ももっと工夫が必要でしょう。
序盤におけるキャラの動かし方は悪くないと思いましたが、
それ以外の書き込みが圧倒的に不足していると思いました。

039 幻実、そして星 (採点:4)
オリキャラがどうにも生かしきれていない感じがします。
『実は魔物だった』というのは伏線の回収にはなりますが、そもそも根本的な設定で無理があるかな、と。
最後に死んでしまうというのも……話としてはそれでいいのかもしれませんが……う〜む……
星の話はかなり気にいったんですけどね。それ故に勿体無いかなと思うのです。

040 楽園日記 (採点:6)
Kanonだとは言えないが、Kanonでないとも言い切れない微妙な作品……
祐一の行動には突込み所が多すぎる気がしますが……筆者が(ある程度は)既に突っ込んでるし……
最大の山場である最後の夜は賛否両論ありそうですが、私としては……
……だめだ。『夕日だったら許せそうな気がした』という謎のコメントしか浮かんできません。

044 パンドラ (採点:8)
話の完成度は非常に高いと思います。
ただ、読んでいてところどころ微妙なひっかかりが……
書き方をもう少し工夫した方がいいかもしれません。

055 煌めきの欠片 (採点:5)
話としては悪くないんですけど……もう少し少女のキャラ立てが出来ていれば、
より面白い話に仕上がったのではないかと。
復讐を志すエピソードの一つでも挟めれば、言葉の重みも変わってくると思います。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:4)
話としては悪くないと思いますが、裏を返せば悪くない止まりかな……
展開にもう一工夫欲しいところです。
後、佐祐理さんが随分らしくないような……少なくとも私はそう思いました。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
会話のやり取りは非常に高いレベルにあると思います。読んでいて非常に楽しめました。
ただ、それに比べて地の文はやや冗長で、折角の軽快感を損ねてしまっているのではないかと。
後、同じ助詞を重ねるのはなるべく避けましょう。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:4)
話としては悪くないと思いますが、逆に言えばそこ止まりかな、と。
全体的に書き込み不足ですかね。佐祐理さんはよく書けていると思いますが、それ以外がちょっと……
序盤に『出てきただけ』のオリキャラ群は正直蛇足な感じがしますし、
少年の悲哀ももっと書くべきだったのではないかと。
後は……最後の締め方、もう少し情緒のあるものに出来ないものですかね?

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
奇跡の話が私のツボに嵌ったので、この点数。
話自体も悪くはないと思いますし。

078 「dearest」 (採点:5)
話としては悪くないんですけど……どうにも話の展開にちぐはぐさを感じてしまいます。
もう少し、話のメインとなるテーマもしくはイベントを絞って、
それを軸にして話を展開させていけば、話にも纏まりが出ると思います。
この話だと花言葉がそれに当たると思うのですが……もう少し巧く扱えていれば話も変わってくるのでは?

○あひる さん

006 「日課」 (採点:10)
存在意義、自分もときどき考えます。

008 激辛 (採点:10)
自分は真琴描写が下手です。見習わないと・・

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:10)
シリアスとギャグのバランスがすごいです。


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
タイトルと内容との関係がいい感じですね。

013 Conservation for Love (採点:10)
ラストの落ちが最高。

014 おまえの名前 (採点:10)
いままでにない、新鮮なお話ですね。ほのぼのー

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
・・やられました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
少し大人な、でも変われて、変わっていない、そんな祐一と美汐。
深く、優しく、暖かい。そんなお話。

○ありきん さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
変わった文章の話ですね。久瀬の内面を暗喩的な表現で書かれていると思いました。その性かとても情けなかったです。

002 鈴の音よ再び (採点:1)
延々と情けない祐一を見せられただけです。話としても面白いと思える場所はありませんでした。

003 お泊まりパニック! (採点:1)
話の半分近くは北川虐待ネタだし、それ以上にギャグといっておいて笑える部分がまったくありませんでした。

004 The regret (採点:4)
悪くは無かったんですが設定の割にはやってる事が普通だったので、どこか拍子抜けしてしまいました。もっと奇抜な内容でも良かったと思います。

006 「日課」 (採点:2)
途中で終わったみたいな感じです。これだと主役が情けないだけの話であんまりスッキリしませんでした。

008 激辛 (採点:7)
結構萌えました。

013 Conservation for Love (採点:6)
美汐母がヤバイですね。娘にあそこまでするとは……

016 脱走と追跡のカノン (採点:5)
中々面白かったです。

021 想いの果てに (採点:1)
ただひたすら茶番でした。多分、短編、中篇合わせて最高の茶番なSSでしょう。

022 笑い声がきこえる (採点:7)
キャラの性格には無理があるとは思いました。話も救えないですしね。ですが良く出来ていて面白かったです。ただ最後の秋子さんの壊れはイメージしずらかったですね。彼女のキャラからして壊れるにしてもああいう風に壊れるのは無理があるような気がします。

027 ウエディングヴェール (採点:1)
真琴SSであるはずが余計なキャラが出まくる上、ご都合主義で見ているのが苦痛でした。一応最後まで読みましたが真琴の姿を見た途端、車道に飛び出す秋子など幼稚園児か? と思わせるふざけた行動など、最後までとことん苦痛でした。

028 ”プレイ” (採点:4)
悪くは無かったんですが良く分からなかったです。結局、佐祐里は舞なんですよね? 舞が佐祐里の人格を演じているみたいですけど、理由とかいまいち分かりずらかったです。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
結構面白かったんですがもう少し読みたいと思いました。香里が消えていく所なんて良いと思うんですが後日談のフォローが弱いと思います。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
キャラも魅力的に書かれていると思いますし悪くないです。ただ括弧の後に括弧括弧と連発されて誰がしゃべっているのかすぐには分からない所があったのが残念。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
最初から最後までダークですけど、ダーク作品てある意味、最後は落ちないですよね。ダークな終わり方と言う意味では落ちてますが、物語としては落ちてないと言う事です。見ているこっちは不完全燃焼です。まあ、これは他のダーク作品にも言えることなんですが……

037 美凪 (採点:6)
題名でAIRのあの人が!! とか思いましたけどやっぱり違かったん出すね(^^;。それはともかくとして美汐と美凪のやり取りは良かったです。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
初っ端が凄い(笑)。って笑いどころじゃないけど……元から二人が付き合っていたという設定は新鮮でした。このカップリングだと、北川が香里の悩みをどうこうしようとするSSが大多数を締めてますから。話も良くできていると思います。最後は夢落ちのような感じですが、返ってそれが良い方向に出たと思いました。

040 楽園日記 (採点:10)
理屈ぬきで楽しめました。久瀬が良い味だしてますね。とてもスッキリしていて清々しいSSたと思います。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
祐一が親の会社を継ごうという意思は立派だし考えも理解できますが、あんまり共感は持てませんね。家業なんて物は親がある程度は子供に押し付ける物で(もしくは期待。それがプレッシャーになる)継がなきゃいけないって無言のうちにプレッシャーがかかる子供の立場が可哀想ですよ。そのため主役に感情移入できませんでした。

045 桜が告げる春の風…… (採点:3)
イマイチです。もっともイマイチだと思ったのはそれ以上に短編の方で散々美汐妖弧物を読まされたのが原因ですが……バスケ部エースとか美鈴とかオリジナルな部分で話がこっていますが、やりとりが良くある事なのであまり心を打たれませんでした。

049 少年期 (採点:1)
第三者である北川の目から見たときの祐一とかの心情がよく書かれていると思いました。描写は文句は無いのですが、全体を通して話が退屈だったのは否めませんでした。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:4)
悪くは無かったんですが笑いを取るにはちょっと弱いかなと。

052 Give me a reason (採点:8)
良かったです。過去の回想シーンはお約束でくどい気もしましたが、それを抜かしてもよい出来だと思います。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:6)
よく出来ているとは思うんですが、どことなく盛り上がりに欠けるような気がします。起承転結の転が少し弱いような気がしました。


054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:4)
男同士の話だったので気色悪いのは否めませんでした。良く話は作られいるのですがそれが返って話をねちっこくさせて、気色悪さに拍車がかけていました。

055 煌めきの欠片 (採点:7)
かのん本編から半年も立っていて今更あゆの奇跡を持ち出すのは無理があるような気もしますが、それを抜かしても話し自体は面白かったです。謎の方が気になって物語に引き込まれて行きました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:3)
祐一の悩み以外は静かな話なので全体的に退屈でした。もっとまとめて短編にした方が良いかもしれません。もっとも祐一の悩みだけと言う点をつけば削るような部分は無いのですが……

057 移し火恋歌 (採点:7)
面白かったんですが最後が良く分からなかったです。3つの願いの代償に祐一があゆを突き飛ばしたように見えましたが、なぜここでそうなるのか? と疑問が浮かびます。今までかなり色々と説明されながら話が進んでたんで、ここに来てこういう行動に出るのに説明が足りないんじゃないのかと思いました。ダーク作品の例にもれずダークな終わり方で話が落ちきれて無いし……

058 30℃ (採点:6)
言いたい事は分かったのですが、最後が良く分かりませんでした。病院の最後のシーンで一応落ちているのにあの終わり方のため【何なんだ?】と思ってしまいました。話自体はまとまってて良いんですが、落ちがあれのため訳分からない度が急上昇しました。


059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:3)
はぁ…違和感ありましたが、やはり美坂姉妹だと思ってました。でも最後の最後で秋子さんですか……そう言えば【祐一憧れの沢渡真琴】も出てるから感が良い人なら気づきそうですね。話の会話は普通の日常会話と言った感じであんまり面白くなかったです。。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:9)
ぅぉっ!? とても珍しい話だ! アイデア賞は間違いなく十点でしょう。最初の方は話のテーマが分らなかったのでイマイチでしたが、進むにつれ面白くなっていき話しに引き込まれました。出来れば十点上げたい所ですが、舞台が月なのに月の描写が少なかったため月をイメージしにくかった事と、もう少し先が見たかったと言う事でこの点数。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:3)
情けない男達のSSだと思いました。北川の導き出した答えも当然の事ですし、祐一にいたってはしっかり避妊をしてなかったようなので、妊娠する可能性があったと念頭に少しはあったはず。それなのに頭が真っ白になってしまうというのは阿呆すぎる。本当に男達が情けないSSだと思いました。


066 夢の終わりにもう一度 (採点:8)
真琴シナリオ、名雪バージョン。ジワリと来て良かったです。ですが最後は後日談のような物が自分としては入って欲しかったので少し不完全燃焼のような気がしました。落ちが弱い気もします。

067 風邪の一日 (採点:6)
真琴萌え〜〜〜!! って取り乱してしまいました(汗)。純粋に真琴に萌えました。かなり。しかし、メイン二人と水瀬家の人間以外はさして重要な役もないし居ても居なくても変わらないので邪魔臭かったです。彼女等を登場させるならもっと他の部分を濃くするべきでしょう。

069 ふたつのねがい (採点:1)
北川やオリキャラの天使がお節介すぎるため見ていて鬱陶しかったです。

071 一緒に生きたい (採点:2)
話が強引で無茶苦茶だと思いました。まず、七年間寝っぱなしのあゆが目を覚ましたとしても、例え壁伝いにでも歩く事は出来ないほど弱っている筈。精々かすれ声を出すのが精一杯では? 他、登場人物たちも感情のままに突っ走っているだけだし茶番のようでした。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:1)
途中まではどうなるかわくわくして見ていたんですが、話のテンポとノリが悪いためか、途中からは飽きてきてしまいました。それにハーレムに近い重婚ネタを持ち出して来そうな辺りから不快感も出てきました。もちろんコメディーなのでこんな事を言うのはヤボなのですが、またかと言う雰囲気は拭えずに見ていて良い気はしませんでした。それと無敵舞&佐祐里ネタを安易に使ったのも悪かった気がします。この内容なら容量を削って短編にして勢い命にした方が面白くなったと思いますよ。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:3)
名雪の内面が良く書かれていると思いました。しかしこれだけこった描写をしておきながら、結局は出尽くした普通の名雪SS程度しか祐一、名雪とも、感情の起伏が感じられなかったので退屈だったのは否めません。これなら短編程度の長さでサッパリしておいた方が良かったと感じられます。

076 夢の劇場 (採点:10)
話全体を通して面白かったし、特に栞の死ぬシーンとかよくかかれてて迫力あると思いました。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
話が変化に富み面白かったです。栞、名雪の駆け引きもいい味出してるし、他にも騎馬戦の最後なんかはどっちが勝つのか分らない手に汗握る(そこまでは大げさだけど)攻防だし文句なしです。

078 「dearest」 (採点:1)
名雪と栞を差し置いて祐一とくっつくのは無理があるのでは? 特に栞シナリオの後の出来事のようだし、それだったら栞を殺しておくか初めから栞は病気では無かったと言う設定にしないと違和感があります。まあそんな事を言ったらキャラのカップリングなんてやってられないのかもしれませんが、栞と名雪に失礼な話で見ていて良い気はしませんでした。

○うにうに さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:7)
ちょっとだけ無理やりな気もしますが、原曲と久瀬(と書いていいですよね?)の雰囲気が上手く融合したと思います。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:8)
……うらやましいぞ、祐一。

026 ステップ (採点:8)
面白い設定だったのですが、かなりわかりづらかったです・・・
どうにもラストが弱い気がしたのも残念でした。

○えあっど さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
なぜアゲハ蝶の歌詞を使ったか・・・
イマイチ理解出来ませんでした。

002 鈴の音よ再び (採点:6)
良かった。
しかし、最後の妙に長い空白は一体?
意図してしたのかもしれないが長すぎる。
普通に終わっても良かったかと。

003 お泊まりパニック! (採点:5)
途中で栞が出てきたあたりから笑ってしまった。
しかし、オチが物足りず、イマイチ。

004 The regret (採点:6)
なんと言うか、いいお話ですね。
表現が好きですした、

005 プライベート・ハンター (採点:4)
なんだかご都合主義のような・・・

006 「日課」 (採点:4)
なんだか微妙なお話ですね。

008 激辛 (採点:7)
秋子さんがイカス。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:9)
こういうSSは好きですね。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
栞がいい味出してますね。

011 残酷な代償のHappiness (採点:7)
まさかこういうオチとは・・・・

012 空っぽのテクスト (採点:6)
いいお話でした。

013 Conservation for Love (採点:10)
いや、面白かった。
オチもしっかりと出来ていたあたりが素晴らしい。


014 おまえの名前 (採点:5)
なんか終わり方が少ししっくりこなかった。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
場面展開がイマイチ理解できませんでした。

016 脱走と追跡のカノン (採点:4)
不条理系では面白い部類だと思います。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:5)
複雑ですが、よく出来たSSだと思います。

018 雪解け水 (採点:3)
終わりが唐突すぎな気が・・・

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
よく分からなかった・・・

020 私の望み (採点:6)
こういうの好きですが…
名雪の一人称が…

021 想いの果てに (採点:6)
こういう人知れず頑張る祐一・・・惚れる。
ただ、最後がイマイチ。
斎藤が格好良かった。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
ダークですが…上手いです

023 WA4 (採点:4)
終わり方はいいけど、始まり方が微妙・・・
なぜ天野が?

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
すいません、イマイチ意味不明でした。

025 歩いて行こう (採点:6)
変わって行く久瀬と、祐一がイカス。

026 ステップ (採点:3)
オチがイマイチでした。
名雪が結婚を急いだ理由もよく分からなかったし・・・

027 ウエディングヴェール (採点:7)
こういう真琴の話があるものだと感心しました。

028 ”プレイ” (採点:5)
良かったと思うけど、イマイチ理解出来なかった。

030 奇跡のかわりに (採点:1)
意味不明の上、理解不能。
最初は海だったのにいつのまにか学校にいる。
そしていつのまにやら話が急展開。
まったくもって訳がわかりません。

031 グッナイ (採点:2)
なんか意味不明でした。
秋子さんの喋り方が変だし、誰が何を喋ってるのかも謎。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:6)
読んだときの感想は、なるほど。
舞シナリオのサイドストーリー的な要素が強いです。
しかし、それでも矛盾点は少なく、よかったと思います。
ただ、少し一人称と三人称が混ざってる部分が・・・

033 エム (採点:3)
終わり方が微妙・・・
あの展開であっさりしすぎでは?

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:1)
一体どういうお話なのか・・・
舞シナリオなのに栞がいて、しかも北川とくっ付いている。
もはや意味不明である。


035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
久しぶりにここまでダークなSSを見ました。
個人的には苦手です。
しかし、それを考慮してもこの評価です。
最近のダークはことあるごとに、誰かが壊れたりしてますが、この締め方は上手い。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:2)
多分あゆシナリオ後の話だと思います。
それなら香里はもういないんでは?
栞が死んでも、まだ残っていると考えた場合、香里が明るすぎ。
もし、栞が生きていると表記されていましたらすいません。

037 美凪 (採点:6)
物語としては普通ですが・・・
佐祐理さんに惚れました<え?

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:1)
いや、もう意味不明。
北川の元にあゆが出たり、香里と付き合ってたりと・・・
しかもオチが最悪でした。夢オチ並・・・

039 幻実、そして星 (採点:2)
すいません。理解出来ませんでした。

040 楽園日記 (採点:5)
特にいう事もないという感じですね。
ただこれだと友人がただの変人です。
原作でもそこまで逝ってなかったはずですが・・・

041 また逢えたらいいね (採点:2)
発想は悪くなかった。
しかし、文章が見難かった。
全体的に場面描写が分かりません。
栞の喋り方も微妙で、どっちがどっちなのか不明。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
祐一が佐祐理さんを選んだ理由がわかりません。
あの時、誰に告白されててもOKしたのでは?

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:6)
全体的に見ても纏まっていると思います。
栞が少し不憫な気もしましたが・・・

044 パンドラ (採点:6)
表現が上手いと思います。
ただ少しくど過ぎると感じた部分もあったり。
あと「祐一は軽度の高所恐怖症である」の文。
軽度は必要ないかと思います。

045 桜が告げる春の風…… (採点:3)
あれ?卒業式って桜咲いてませんでした?

046 ホワイト・ミュージック (採点:2)
何だか祐一のことが有耶無耶に終わった気が・・・

047 笑顔 (採点:3)
途中まではわかったんですが・・・
なぜ途中に香里が出てきたんでしょう?
かなり蛇足だと思います。

048 走る少年少女達 (採点:1)
パクリのうえ、面白みがありません。
しかも安易なジャムネタ。

049 少年期 (採点:4)
微妙なお話ですね。
なんというか……君望?<全然違う。

050 鮮やかなモノクローム (採点:5)
結局、どういう終わりなんでしょうか?

052 Give me a reason (採点:1)
違和感がある内容でした。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:3)
北川主役作品が多いと感じ始めてきた次第。
全体的に微妙ですね。
名雪の切り替えが早すぎな気も・・・

055 煌めきの欠片 (採点:3)
悪くないんだけど・・・押しが弱い感じ。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:5)
このほのぼの感・・・堪りませんなぁ。
ただ、蛍が出てきた場面が少し、簡単にしすぎた感じがします。

057 移し火恋歌 (採点:4)
難しいです。テーマも内容も・・・
あゆを突き落としたのは木の意志ってことでしょうか?

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:4)
なるほど、秋子さんの話か!
最初、全然名前が出ないので、まったく登場人物が分かりませんでした。
最後の驚きより、最初の苛立ちも方が大きいかもしれません。


060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
読み終わって一言。
なるほど、カノンだ。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:7)
栞シナリオのもう一つ。
個人的にはこういう祐一が関わっているというのが好印象。
著者の藤田志保ってもしかして・・・

063 丘の子守唄 (採点:4)
天野って兄弟いたのかー、みたいな具合ですね。
カノンである必然性があまり感じられませんね。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
笑ありのほのぼの、といったところでしょうか。
いや、笑わせてもらいました。
「恩師らず」の部分が少しアレでしたが・・・
自分が真琴属性だったか?と思わせるような作品でした。
特に祐一が良い!

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
真琴と名雪の入れ替えみたいな感じですか?
最後がどうなったのか曖昧です。
死んじゃったのか?

067 風邪の一日 (採点:3)
なんだか真琴が妙だ。

068 名琴抄 (採点:5)
全体的にはかなり巧く纏められたと思います。
一人称のミス等はこの際無視して・・・
ただ、結局のところ、どういう内容だったんでしょうか?
本当は真琴が名雪で、全員の記憶を変えた、ってことですか?

069 ふたつのねがい (採点:1)
なんか一人称か三人称かわからない語りが少し・・・
結局は簡単に病気が治ったりする理由が弱い。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:1)
なんかもう・・・
まず祐一の喋り方がおかしくないですか?
妙にタメ口だったりとか・・・こんなヤツでしたっけ?
佐祐里さんも人が死んだ場所に喜んで行くような娘でした?
これじゃ、本当に頭の悪い女の子です。
あと、生徒会長という設定。
幾らなんでも無理が・・・
祐一がいるということは1月からの設定ですから、受験生の彼女が生徒会長は・・・
舞に関する設定も何か妙。言葉では言えないけど・・・

071 一緒に生きたい (採点:1)
なんか最近北川人気なのかな?
なんか矛盾っぽい感じが・・・

072 彼と彼女のフォークロア (採点:6)
終わり方が良いと思いました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:3)
多分壊れギャグなので、細かい部分の評価を抜いた点です。

075 True story (採点:2)
詰め詰めで読むのが結構辛かった。
あと、他でも言われてるでしょうが「〜〜。」の文章。
これは個人差もありますが、あまり好かれませんので、控えたほうが宜しいかと…

076 夢の劇場 (採点:5)
読みやすく、テンポも良かった。
ただ何となくあゆが悪者チック。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:3)
物語としては面白いけど・・・
全体としてみると、微妙。
名雪が少しアレですな。

○おでん さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
かなり好きな話なのですが、ちょっとわかりにくいので、辛目の点数になりました。


003 お泊まりパニック! (採点:3)
こういう話結構好きなんですけど、ちょっと話の進め方が苦しいと思いました。
途中の 注)の(一秒で)というのがやたら面白かったです。

004 The regret (採点:6)
いい話ですね。こういうの大好きです。
ただ、誤字脱字が多くて、読んでいる途中にひっかかってしまい、気分が覚めてしまいがちでした。

005 プライベート・ハンター (採点:5)
おもしろいのですが、意味の無い説明が結構多くて、読んでいて首をかしげることが・・・。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
オチがないんですね。意外でした。

008 激辛 (採点:6)
ほのぼのしていていいですねぇ。


009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
考えさせられました。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:4)
すごくいい! のだけど、前半がわかりにくいのが残念です。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
なんというか、微妙な話ですね。
何かが釈然としませんでした。
私の読解力不足かもしれませんが、ちょっと辛目の点数にしました。

013 Conservation for Love (採点:9)
最高に面白い。
最後のオチが決まれば10点だったのですが、残念ながら祐一君の最後の一言はツボに入りませんでした。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
話の核心部分はすごく好きなのですが、それ以外の内容が多くて、わかりにくいです。
それと、読みやすさのために、もう少し標準的な表記方法にして欲しいと思いました。

016 脱走と追跡のカノン (採点:10)
すげえ。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:9)
非常に面白い話なのですが、これはすでにKanonワールドから逸脱していますね。
でも素晴らしいから9点。

018 雪解け水 (採点:3)
こういう話もありだとは思いますが、読み手としてはもうちょっとだけ何かが欲しいような気がします。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
これから楽しくなりそうという所で終わってしまうとはっ!
締め切りに追われていたのでしょうか……。

020 私の望み (採点:7)
これすごくいい! と思って満点をつけようと思ったのですが、もう一度読み返してみると、
なんとなく後半部分の隙(に思える所)がいくつか目に付いてしまったので、7点にさせてもらいました。

021 想いの果てに (採点:4)
話そのものは好きなんですが、行間の空けかたと、最後のまとめがあまり気に入りませんでした。

022 笑い声がきこえる (採点:1)
したたかなはずの古狐が簡単に錯乱してしまった所に違和感を感じました。
また、警部さんの言っていることも、状況から考えて無理があると感じました。
おそらくどちらについても背景は考えてあるのだと思うのですが、その説得力が足りないと思います。
特に、このような話の場合は、説明の部分で納得させてもらえないと、非常に不満を感じてしまいます。

023 WA4 (採点:10)
すごく良かったです。
しかし、私には『未来矛盾』の所はどう矛盾しているのかを理論的に理解できなかったので、
もうちょっとだけわかりやすく書いて欲しかったです。
また、『実際の年齢より40も』の所で一瞬考えて止まってしまったので、
ここは説明調に『実際の年齢より40歳分も』などと書いてあれば良かったと思いました。
最後の部分で、祐一が言う『よく、わかったな』はひどいと思います。これはさすがに誰が聞いても
怒るということはわかると思うので、「ああ」とか、「そのとおりだ」とかになるのではないでしょうか。
いろいろと細かいことを書いてしまいましたが、これはこの作品が非常に素晴らしいがために、
なおさら細かいところまで気になったためです。あしからず。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
これで終わりというのは落ち着かないです。
最初の文章から考えると、本当はこの後に続きがあるのではないかと思いました。
それとも、ただ伝えつづけるためにだけ最初の語り部の存在があるのだろうか?
fectionとindefferentはスペルミスですか? それともそういう単語があるのでしょうか? (ウェブの辞書で引いたくらいでは出てこないし、多分ミスだと思うのですが、しかし〆の歌の歌詞なんだから、意図しているのかもという気もするし……。)
それと、読みやすさのために、英文の中の , の後ろには原則としてスペースを入れてください。
以上、わがままですみません。

025 歩いて行こう (採点:2)
基本的にこういう話は好きです。
ただ、文章に説明が多すぎて、読んでいて違和感を感じました。
話を進めるためには説明が必要なのだと思いますが、第三者の視点からストレートに説明されると、
ちょっと違和感を感じてしまいます。
好みの問題かもしれませんが……。

026 ステップ (採点:3)
いい話だと思うけれど、うまく説明できないけれど、読みにくいです。
また、人によって好みがあるのだと思いますが、シリアスだけで
まとめてあればもっと良かったと思いました。
とか言いつつ、途中の誤解している祐一くんの所は面白かったんですけどね。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
こういう話はとても好きです。
しかし、三人称の書き方が不十分なために、この記述は誰の気持ちなんだろうと、
読んでいて首をかしげることが何度かありました。
その他にもいくつか、わかりにくい点があったのが残念です。

028 ”プレイ” (採点:3)
ごめんなさい。読み直してもわからない点があるので、低めの点数にしました。
疑問が残る。気になる……。

029 最後の奇跡 (採点:2)
文はよみやすいし、話もまとまっているのですが……。
この話で焦点をあてているのは誰なんでしょうか。
自分ではあゆかと思ったのですが、名雪のような気もするし。
主題が良くわかりませんでした。

○きえう さん

013 Conservation for Love (採点:10)
一番おもしろかったです。
僕の中にあるギャグの理想像と、ほぼ一致します。
別ジャンルの上手い作品はすごいなあで済むのですが、こーゆーのを読むとやたらと敗北感が……

022 笑い声がきこえる (採点:9)
すごく綺麗な話だと思います。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
すごい楽しい作品です。
かけあいの素晴らしさは本コンペのナンバーワン。
とにかくひたすら怒涛のように笑えます。
そしてその後で感動。
シリアスとは単独では存在せず、楽しい日常があるからのものだと痛感しました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
普通にうまいです。

044 パンドラ (採点:9)
文章が綺麗です。
言葉や文字にはそれ自体にかっこよさがあるものですが、この文は特に表現を選んで使っている感じがします。全体を通して清潔感があって、可愛げのあるキャラが過剰の耽美さを補い、総じてぐいぐい引き込まれる世界になっています。うまいです。いや、まじですげーです、これ。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
シリアス作品では一番すごいと思いました。
センスと技術の融合した、超のつく良作だと思います。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:9)
読んでてすごく楽しいです。
わかりやすい文章を書くのは簡単な気がしますが、きっと逆なんでしょう。
過剰の修飾もなく、このレベルの話を書くのはすごく大変だと思います。
素直に絶賛の一品。
このレベルの短編を一日中読んでたいです。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
ほのぼのとはかくあるべし、です。
ベリグーです。
あまあまで脳みそとけそーな感じです。
冷静な感想は無理なので、なんとなくコモドおおとかげを思いつく名雪の感性に乾杯。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:9)
じんわり。
手の込んだ作品だと思います。
文章技術は洗練を欠く感じですが、こういうシチュエーションは好きです。

058 30℃ (採点:9)
圧倒的にうまいです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
まともな人間が書かれていて嬉しかったです。
ガキうんぬんの話は、時々気持ち悪いくらい狂ってるのがあるので。
文章技法もすごく秀逸だし、小説的リアルさ溢れる快作です。

064 面鉄の奥の恋 (採点:9)
侍ですねぇ。粋ですねぇ。いや、素晴らしいです。
全体的に漂う雰囲気に魅せられて、しかも主人公に好感が持てます。
朴訥とした美の溢れる、読後感がさわやかな作品でした。

069 ふたつのねがい (採点:9)
いいセンスしてますね。

076 夢の劇場 (採点:9)
基本を押さえた文章だと思います。いい意味で。

○きこ〜もと☆ゆに さん

005 プライベート・ハンター (採点:7)
佐祐理さんの役が立場が…(^^;
舞復活後のお茶目な性格が面白かったです。
北川との剣道話しも新鮮で良かったと思います。
でも、佐祐理さんが…(苦笑)

019 FILE EPISODE 0 (採点:6)
構想は面白いと思いました。最後が謎のままなのは気になりますが…(^^;
」の前の読点が気になったのと、佐祐理さんの台詞に違和感が多かったのが
減点原因かな?(途中で「佐祐理」でなく「私」になってたりもするし…)
ネタとして面白い部分も深く書かれず流す感じだったのも勿体無いかも。
どうせなら、舞がもっと松茸に執着しても…(苦笑)

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
栞がちょっと栞らしくなかったりしましたが(笑)、とってもラブラブで好きなお話しでした。
祐一と美汐の独特の感性…というか付き合いを、そのまま恋愛感情へ持って行く話しの進め方も良かったです。
ついでに、レシート&増えるワカメなネタもとてもお気に入りです(^^;

078 「dearest」 (採点:9)
ジャムの餌食は怖すぎます…(笑)。
ちょっと祐一が格好良すぎたり、名雪の性格が微妙に違ったりといった感じもありますが、
とても良いお話しでした。栞もとてもうまくいかされてたと思います。
今まで読んだ香里と祐一のほのらぶものでは一番良いお話しだったと思います。
ゲーム本編にこんな香里シナリオがあったら、とても素敵ですよね(^^;

○さいしゅ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
すいません。よく分からなかったです。
ただ、久瀬のある種不可解な行動の原因はここに見えたような気がします。

002 鈴の音よ再び (採点:8)
個人的にこういうのは好きです。ただ、美汐と名雪、秋子さんの反応がちょっと納得いきませんでした。
 裕一君が強くあれることを願います。彼の心理は良かったです。

003 お泊まりパニック! (採点:7)
ああ、北川よ永遠に。ち〜とばかしテンポが悪いように思うが(でだしとか)、楽しめたのでよし。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:4)
これはだめですね。こういうものは公に堂々だすべきものではないと思います。ただそれでも少し笑えたのでこの点数です。

008 激辛 (採点:8)
・・・何か物足りない気がします。真琴らしくて良いですけど。
秋子さんの激辛カレーはやはり故意なのでしょうか?自分が食べる可能性はゼロに等しいのですから。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
「言う必要ある?」・・・無いですよね、本当に。仮にあったとしたら、それは恋ではないような気がします。ほんとは10点あげたいけどこのままだと一夫多妻になるので(笑)減点2。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
それでいいのかな、祐一君。私少し寂しいよ・・・
ねえ、あゆも本当に良かったの?忘れられるのはとてもカナシイコトナノニ・・・

013 Conservation for Love (採点:4)
ギャグ的には楽しめたのだけど、美汐はこんなことしないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!(と願いたい)
美汐母も恐いし・・・。真琴はかわいかったです。

014 おまえの名前 (採点:10)
 いいですね・・・名前に込められた思い・・。こんなSS読みたかったんですよ。本気で。
真琴が美汐と話している時、ぼろが出ててもよかったかなぁとも思いますが、それはさておき、よい話でした。

016 脱走と追跡のカノン (採点:6)
おもしろかったけど、元ねたがほとんど分かりませんでした。教えて欲しいような知らない方がいいような・・・

019 FILE EPISODE 0 (採点:3)
解決してない、ミステリじゃない、中途半端に終わってる・・・

020 私の望み (採点:5)
こういう話は好きですが、真琴が帰ってきている場合、こんなに、すんなり、美汐が感情を表現するとは思えません。その点に深い疑問が残ります。そう、彼女なら・・。ま、私の妄想ですけど(笑)

023 WA4 (採点:2)
SSを読んでいると言うより、体験談(エッセイ)を読んでいる気分でした。
美汐も秋子さんもそんな風には振る舞わないと思います。
あと、題名の意味が分かりませんでした。教えてくれると嬉しいです。

027 ウエディングヴェール (採点:3)
話が唐突過ぎ。詰め込みすぎの感あり。
そんな話がありますか!真琴、真琴・・・
視点はあまり変えないほうが良いかと。あるいはことわりをいれるなどが欲しいです。
他はいい感じ。特に美汐。


035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
壊れてしまったもの、ですか・・・。相沢祐一はどうなってしまうのでしょうか。8点
こんな話をKanonでしないで欲しい・・減点7
でも読んでるじゃん+2

036 ずっと伝えたかった思い (採点:9)
なかなか良いのではないかと。ただ、私の中の香里は裕一君がどちらの答えを出してもメリケンサック装備で殴っています、死なない程度に。
名雪さんは強いですね、やっぱり。そして弱いと思います。

037 美凪 (採点:8)
 ・・いいと思います。私は。いろいろな意味で。美汐の台詞は彼女からなんですね・・・

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:7)
いい話だと思います。減点の理由はいい所での誤変換、裕一君の行為が犯罪に触れてしまっている(苦笑)の二点かな。他には視点が変化して読み難いというのもあるけど気にならなかったので良し。
美汐と久瀬は意外な組み合わせでした。個人的にはこれも減点対象だったり(笑)

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
・・・ラブラブ
名雪の反応に納得できませんけど。他は良い感じでした。

044 パンドラ (採点:7)
良い話だとは思いますが、今一つ盛り上がりに欠けるというか淡々としてると思いました。美汐をもっと爆発させても良かったと思います。あとは一人称か三人称かは使い分けるべきかな、と。
ラストは綺麗で良いですね。二人の幸せが伝わって来るようです。


045 桜が告げる春の風…… (採点:10)
美汐は告白したのでしょうか。ちょっと気になります。みんな幸せ良いですねぇ。可愛いし。
ぜひともこれをアニメーションで見たい(美汐の舞うシーンとか)と心から思いました。そう思いませんか?


046 ホワイト・ミュージック (採点:4)


051 ある牛丼屋の一週間 (採点:9)
ギャグものではトップクラスかと。裕一君ふぁいと!そんな私もメイド萌え〜

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:3)
A:久瀬ですか。心の内面はいいかんじです。ただ、素直になるのは難しいかなと思います。8点
B:久瀬・佐祐理ペアは認められません。減点4
c:祐一君は狭量じゃないもん!減点3
d:舞の成長は良い。+2



055 煌めきの欠片 (採点:6)
復讐にきた妖狐はどうなったのでしょう?微妙な作品ですね私にとっては。あゆは報われたのかな?んー、疑問が残ります。
私が未熟なんでしょうけれど。視点変換の使い方は良いと思いますが、同じ“真琴”を使うならもう少し切る所を工夫した方がいいかもしれません。あゆ真琴シーンは少なくても良かったかなと。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:4)
物語はいつまでもですね。北川君の触覚はウサギの耳になってるのでしょうか。
わたしにはまだ、むつかしい物語でした。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
すごいの一言につきます。かなり調べられていますし、ある種の感動を覚えました。
ただ、心房中隔欠損は精密検査を行えば発症前には分かっていたと思います。その点に疑問が残りました。


063 丘の子守唄 (採点:2)
文章力はあると思います。お話も切ないけれど優しいものだと思います。けれど、kanonのssとしてみた場合、関わりが薄いものになってると感じました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
日々の幸せ、良いですねほんとに。真琴も美汐もかわいいし。ずっと続いていく日常・・・
ただ、美汐の狐についての記述がないのは残念。最後は幸せに・・・・・


066 夢の終わりにもう一度 (採点:3)
こういう構成は好きです(8点)がエンドレスな不幸な話はダメです(−5点)文章もしっかりしてるとは思うのですよ?でもやっぱり・・・

067 風邪の一日 (採点:9)
真琴かわいすぎです。ラブラブです〜。ただ名雪の呼び方がちょっと・・・(減点1)

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
美汐さんはしゃぎすぎです。微笑ましいですけど。続く魔法・・・いつまでも・・・
こんな二人をどう思ってるのでしょうね、狐さんたちは。ちょっと気になります(笑い)。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
お父さんいいですね。わたしは好きです親ばか万歳。10点
ただ二人のテンションと話のノリについていけなかったので減点2私が悪いのですけどね。
SSとしては良いのではないでしょうか。

○さわむ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:10)
上手いーーー

006 「日課」 (採点:5)
北川君、せつない……笑

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
いいなー。いいなー。ヒナ(←?)も秋子さんにお布団してもらいたいなー。(笑)


009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
いいのか? まぁ、いっか。(笑)

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
カレーなのに爽やかでいい感じ〜。
九月の金木犀というアイテムが印象的でした。



013 Conservation for Love (採点:9)
面白かったです。ちゃんとオチてるし!


014 おまえの名前 (採点:8)
オーソドックスながら、こういう話しはなんか好感が持てちゃうんですよね。
この話しの真琴は、某スーパードールのリカちゃんのイメージで読んじゃいました。


017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:9)
真面目な問題なのだと思うんだけど、それをKANONの祐一でやっている所が、なんか面白かったです。


020 私の望み (採点:10)
今回のコンペはみっしー大活躍だなぁ。 笑
いや、なんかもう胸キュンです。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
KANONに何か恨みでも?(笑)
こういうのも結構好きだったりする僕なので、9点つけちゃいました。
雫とかあっち系で文章もきちんとしてはいるんだけど、ん〜、でも、どうせやるなら、動機とか情景とかアイテムとか構成とか、もっと捻って、読者に有無を言わせない位の完成度にして欲しかったです。
このままだと、ただの一発ネタレベルな所が惜しい。
ひとつだけ言うと、イッちゃった人間に笑わせてしまうというのは小説にするには陳腐過ぎてしまう感も。(椎名林檎にもそんな曲があったが)
うーん、でもなぁ…ゲームやマンガのシナリオなんかだと、そういう陳腐な要素の方がウケるかもしんないんだけど……

023 WA4 (採点:9)
今回のこんぺは美潮が出てくる話しが何故か本当に目立っていい話しだったりするのですが何故でしょう? (笑)
秋子さんの症状みたいな所は要らなかったような気もします。
却って、この話しの内容だと邪魔かな、と。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:6)
こういう話しなら、もっと文章に気を使っても良かったと思います。
あと、会話文に陳腐な言いまわしの所と、最初に祐一に両親の状況を説明させずに、家についてから説明させた方が良かったかも。
全体的に、短く纏めてみた、というよりは、あらすじ、という印象がついてきてしまいます。


026 ステップ (採点:8)
最後の一言が余計かも。もっとしんみり終らせてもよかったのでは。
「ねっ、秋子ちゃん。そうしなさいよ」の辺りで『Papa told me』というマンガを思い浮かべました。


028 ”プレイ” (採点:8)
前半のままのノリで飽く迄恋人同士の煩悶みたいな感じでいっちゃった方が、面白かったかなぁ。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
悪くないんだけど、何か足りない感じ。
KANONかどうか、とか、そういう事ではなくて。
メタフィクション系?のネタという流行ものを装備しているからかもしれない。


069 ふたつのねがい (採点:9)
>なんだか、みのもんたさんみたいな口ぶりです。
なぜかヒット。(笑)
奇跡関係と北川という組み合わせは割と見た気がするけど
それをさわやかに、待ちつづけるラストで終わらせたのが好印象でした。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
あああああーー
ホントに美潮ものは面白いのが多い今回のこんぺだーー。(笑)


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
うーんこういう方面でギャグにするんだったら
もっと捻って欲しかったなー

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
やっぱり『三文の得』使いたくなりますよね!?
魔女宅ネタ、使いたくなりますよね???!!!
 ↑ 僕も今回、ふたつとも使いました。 (笑)
   つーか、うわ、やば、被った……と……(苦笑)

前半部でちょっとノリが悪いところがあるかもしんない。
後半の名雪の語りの辺りがいい感じ。
最後の方
「俺が名雪のそばにいるのは、〜」
の辺りが、台詞っぽくなっちゃうのが惜しいところだと思います。

075 True story (採点:8)
太宰? 芥川?
その辺りの文体ですよね? 詳しくないけど。
『「〜〜。」は、文章作法的に間違っています』という指摘がどれくらいくるだろう、これ……。(笑)
あ、最初のはAIRのパロディなのか!
今、気づきました。
確か芥川で、実は二人が見ている映画の内容だった、みたいなオチの短編があって、なんか、それを思い出しました。(笑)

076 夢の劇場 (採点:6)
美味しいところだけ抜書きって感じがします。
上限50kだから仕方がないと言えば仕方ないんだけど
もうちょっと、緩急の緩の部分があっても良かったんじゃないかなぁ?
文章は読み易く、結構上手いと思います。




077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
文章も上手いし、良く纏まっているけど、却って纏めすぎの印象もあるかも。

>あ、名雪さんは要りません」
 ↑ウケました。(笑)

終わり方がいい感じです。



078 「dearest」 (採点:7)
悪くないんだけど、あと、もう一歩という感じが。
ちょっとラストのあたりが映画の方の『耳を済ませば』っぽい?

○しぐるど さん

002 鈴の音よ再び (採点:1)
間に合わなかったからって、空行でバイト数増やして中編に滑りこみですか。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
やはり喘ぎ声つーのはCVがないと破壊力が激減するのだなぁ。となるとSSの場合は猥語のが有効なのか……などという阿呆な感想は、すいません、見なかったことにしてください。……むしろ母娘で上下にサンドイッ……ごめんなさいもうしません。
喘ぎ声とどこかで見たような美辞麗句に頼り過ぎの感がして、どうも色気というのが伝わってきませんでした。色気を増してどうするという気もしますけれど。
いや、これはどちらかというと襲われる祐一くんに笑う&萌えるSSなのかもしれないんですが。秋子さん怖いです。
後はギャグにしてもえっちにしても勢いが足りなかったかと。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:7)
爽やかな読後感を与えてくれる良作、といったところでしょうか。
文体も好みですし、心理描写の表現も好みです。というか、純粋に上手いです。突飛なストーリーを上手く纏めてますし。
ただ、細かいミスがもったいない。祐一が香里を「美坂」と呼んだり、句点のあとに謎の全角スペース(改行し忘れ?)があったり。中黒も避けてもらえるとありがたいです。

013 Conservation for Love (採点:5)
どこに落とすのかと期待しながら読んでいたんですが、なるほど。しかし私は暗愚ですか。
ラストのおばかな真琴が可愛かったです。
なかなか面白かったんですが、エコ談義の前フリが長すぎかと。
あとは元ネタがわからない人には少し厳しいところが。
一つだけ、美汐は演技だけでなく歌も上手いということを主張させてください(笑)

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
そんなんあるかいっ、とツッコむべく調べてみたんですが……まさか本当にあるとわ、松茸グラタン。美食の道、侮りがたし。

それはそれとしてこのSS、今回の中編部門で個人的に最も『やっちまった感』が強い作品です。
文章は書式も含めて読みづらいし、展開は唐突だし、設定は御都合主義だし、口癖乱発だし、謎もないのにジャンルはミステリだし、挙句の果てにコンペなのに続き物。タイトル見た瞬間に危惧したんですが、やっぱりなという感じでした。
誤字脱字が少ないことだけが唯一の救いですか。
まぁ見方を変えれば欠点が分かり易いというのはいいことです。奮起を。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
途中まで名雪に違和感があったんですが、なるほど、そうきたかと感心。記憶と命が犠牲なんですね。
そして意外性だけではなく、ありえそうと思わせる説得力と惹きこむ描写力がありました。
恋慕→嫉妬→殺意→驚愕→恐怖→狂喜という不自然でない真琴の心情の変化も見事です。
ただ、ラストの警部の会話は蛇足だったかと。幻想的な狂気の世界から引き戻されてしまったので。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
これってもしかして登場人物を祐一と香里に置き換えただけの私小説ですか。しかもエピローグが妄想ハッピーエンドの。
人として最高の感動を、などと言われても、すみません、面白いとは思えませんでした。自我自賛はやめておいた方が無難です。
『いつかのメリークリスマス』と『もう一度キスしたかった』はすぐにわかったんですが、他にも?

026 ステップ (採点:5)
悪くはないんだけど、という評価。霊安室のシーンや絵葉書なんかはありがちだけど上手いと思ったんですが、ツッコミどころが色々と。
序盤の夏休みの描写が意味を持っていない。謄本を見せるためといっても不自然過ぎ。
『嫂』という漢字は難しすぎて、調べるまで読めなかった。素直に『兄嫁』もしくは『義姉』で良かったのではないでしょうか。
それから最後の一行でせっかくのいい話が台無し。

027 ウエディングヴェール (採点:4)
何を書くべきか、何を書かざるべきか。その辺の判断がイマイチだったのではないでしょうか。
この話、登場人物は水瀬家一同+天野だけで良かったのでは?
オールキャラの描写に容量を食いすぎてしまっていて、祐一の真琴のいない辛さが伝わってこない。
他の面々に起こった奇跡と真琴の奇跡の質が違うのも理不尽。
車を運転していた男の描写も、典型的な上にむやみに長くてだれました。チョイ役なのだから、あそこまで書きこむ必要はない。
しかもあれだけ読者を煽っておきながら、男になんの制裁もないというのは極めて気分が悪かったです。

028 ”プレイ” (採点:9)
麦畑で始まった舞の演技は、題目を変えてずっと続いていったんですね。
自分の幸せのために自らを消して親友の居場所を奪った舞。
自分の幸せのために自分の居場所を親友から奪い返した佐祐理。
エゴによって動いた彼女らは正しいと思いましたし、好感も共感も持てました。
読者の想像力に拠る部分が大きすぎるし、好き嫌いが激しく分かれそうではありますけど、ストーリー的にも二転三転して面白かったです。

029 最後の奇跡 (採点:4)
文章自体には特に問題はなくすらすら読めたんですが、読み終えて「それで?」という印象しか持てませんでした。
Kanon本編の焼き直しに過ぎず、意外性というものが欠片もない。
それからデートのときに男が奢るのが当たり前と考えてる女に、魅力は感じませんでした。

037 美凪 (採点:5)
童話調の雰囲気は良かったです。特に表現が子供特有のフィーリングを彷彿とさせて素晴らしい。
>美凪の光はわたしの目を真っ白にしてしまいました。
なんてのは、なかなか出てこないと思います。『視界』でも『目の前』でもなくて『目』なのがいい。
思考が飛躍するところも子供らしくていい感じです。
減点対象は語尾が不統一な点と、1ページ目にまだ若干大人の思考が残っている点、親狐に魅力が感じられない点。
あと、『美汐』の妹だからという由来はよくわかるんですが、それでもやっぱり『美凪』という名は避けて欲しかったです。

040 楽園日記 (採点:9)
ある意味、ジュブナイルとして定型ではあるんですけど。キャラがしっかりと立っているから退屈とは無縁でした。
この四人に同じ男として物凄く憧れました。理想形ですよね。いいなぁ、青春で。
彼女の名前を叫びながら海に飛び込むシーン。出来すぎなくらいのあのシーンを、ちゃんと爽やかに自然に描ききっていただいて本当に感謝しています。いいシーンをヘタクソに書かれるのが、一番やりきれないですから。
萌えなどに頼らなくても面白いものは書けるというのを再認識いたしました。素直に面白かったです。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:5)
素材は良かったと思うんですが、料理の仕方がちょっと中途半端だったかなと。
言ってしまえば、プロットに毛が生えたような印象を受けました。
もっとラブラブに徹しちゃった方が良かったんじゃないでしょうか。勢いが足りない。それと短編の方が合ってるんじゃないかな、とか。
あと、栞、美汐が個人的にどーもイメージと合いませんでした。

046 ホワイト・ミュージック (採点:6)
なんと言っても『とっぴょーしゼロ』に脱帽。こういう発想、尊敬します。
優しくていいお話ではあったのですが……いきなり祐一がヘタレていて立ち直る過程も書かれていないので、違和感が残りました。

048 走る少年少女達 (採点:2)
いくらなんでも『やりたい事』でマラソン大会は選ばれないかと。作者の御都合。
冒頭の一部の描写は『イリヤ』を参照されたんでしょうか。せめてもう少しいじってください。秋山ファンとして萎えるので。

049 少年期 (採点:2)
説明過多。そのうえ描写不足。
ラストのジグソーパズルのセンテンスも唐突で浮き上がっている感が。
それと考え方の違いでしょうか、個人的にどうにも納得できない部分が多かったです。
恋が実ると友人関係が気まずくなるんですか? ……普通はそうなんでしょうね。

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
強情な香里と沈む名雪と強い栞。らしくていいです。
確かにこの三人の中で一番強いのは、実は死を乗り越えた栞なんですよね。キャラの選択が見事です。
けなげで前向きな三人娘は見ていて頑張れと応援したくなります。
感性が似通っているのか、文章の一つ一つに共感でき、妙にリアルに感じました。
そして最後にここだけは。一体何を試したんだ、香里(笑)

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:4)
虹色牛丼?

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
爽やかーなボーイ・ミーツ・ガール。一年後、T大に合格した際の告白とその返事はきっと予定調和なんでしょうね。個人的に好みのシチュエーションです。
決めるべきところもばっちり決まっていて、書き慣れていることを感じます。『ビター・チョコ』はスマッシュヒットでした。
名雪がしたたかで実にいい女ですね。失恋を経験して一回り大きくなったってところでしょうか。流石は魔性の女(笑)
微妙な誤字、というか編集ミス?を一箇所指摘。「口の中の物を飲み込んでから食べなきゃ駄目」

057 移し火恋歌 (採点:7)
佐祐理パートが秀逸。描写が上手く、穏やかな狂気や恐怖がよく感じられました。
また、見当識のくだり、薀蓄を鬱陶しく感じさせない語り口は良かったです。難しい部分だと思うので。
佐祐理の中の一弥があまり感じられなかったのは残念。そのせいで二つの物語のリンクが弱く感じてしまう。
それから一弥を埋めたところがあゆが落ちたのと同じ場所で、だから警察は発見できなかったと言うのは都合が良すぎ。
森に意思があって力を吸い取ったという解釈も面白いのだけれど、唐突に感じました。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
作者の方はミステリ好きでしょうか。
「あ、この二人は絶対に美坂姉妹じゃないな」と冒頭で思ってからは思考を放棄しました。騙される方が楽しいので。正しい判断だったと思います。
『優れたミステリは二読目も面白い』というような言葉がありますが、このSSは二読目こそが面白い。各所に埋められた伏線を掘り返していくのが実に楽しかったです。
『姉』からもらう白いリボンとか、秋子さんの見た目が若い理由とか、二度あることは三度あるとか。何度「上手い!」と唸らされたことか。
しかしこの設定だと名雪とあゆも幼馴染になるはずですよね。そこは本編と少しずれてしまったかも。
惜しむらくは会話が若干不自然になってしまっていることでしょうか。ミスリードのためにある程度は仕方のない部分ではあるんですが。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
文体のノリが良くて好みです。もしくはツッコミのセンス、と言った方が正確でしょうか。
何も出来ないかもしれない自分の弱さを認めつつ、何か出来ることはないかと探す北川がかっこいいです。『ダイの大冒険』のポップが浮かびました。ご存知かどうか、わかりませんけど。
惜しむらくは前半部分の文章が少し長くてくどいかなと。雰囲気の軽さに合っていない気がしました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
作者は医学を専門にされてる方でしょうか。その知識と勉強量には頭が下がります。
感動できるいい話でした。森緒医師、霧島(聖?)医師はかっこいいし。あれだけ感動的な台詞群はなかなか吐けません。
ただ、設定上著者は小説家ではなくジャーナリストであり、そのレポートとしては些かおかしいところが見うけられました。
著者の主観的な感情が入り込んで叙情的に過ぎてしまっている点。レポートタイトル、章題などは最たる例。ジャーナリズムというのは主観を排するべきであるはず。
関係者から聞き出しただけにしては不自然なまでに詳細過ぎ、また不必要と思われるプライバシーにも触れてしまっている点。
さらにSSとしての観点から、本編をなぞらえるだけのシーンがある程度以上続いてしまっているのも問題です。とはいえ、設定上省くわけにはいかないシーンなので、回想させるなどの技法でなんとか誤魔化してほしかったところ。

063 丘の子守唄 (採点:4)
あまりに唐突。起承転まで来て、いきなりそこで終わられても……上手いのにもったいない。〆切の前に玉砕?
どう見てもこれ、未完ですよね。伏線回収できてないし。久瀬の家を出て養子になるくだりとかあったはずだと推測しますが。あと髪切るくだり。
時間も容量制限も気にしない完全版、期待してます。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
小ネタたっぷり思わずにやり。ドリフとジョン・ウーは偉大でありました。黒木洋介は個人的にはびみょーなのですけど。
なぎー=美凪 ゆー=祐一 こー=浩平 などと想像してみましたがはていかに。みーが難しい。観鈴?
ほのぼのとしていていいお話でした。
作品No.2というよりも、第ニ幕と言った方が正しい気も。

068 名琴抄 (採点:6)
あまりに大胆な設定の上、語られていない部分も多く、ついていくのが大変でした。今回中、ある意味最も難解だったかと。
名雪が健気でいいですね。わがままになりきれずに揺れる心情はよく描かれていたと思います。
玉藻前のくだりと1000メートルのくだりはちょっと強引でぎこちなく感じました。どうも浮いてしまっていて。
最大の問題はタイトル。明らかに『春琴抄』を意識してると思われますが、『春琴抄』読んだことありますか? 内容も文体も、このSSとまるで関係ないと思うのですが。
しかもこのタイトル、漢字の意味的にもおかしいんです。『抄』とは『書物の抜書き』を意味する言葉。例えば『春琴抄』は『春琴という女について書かれた書物の抜書き』という意味で、『名琴抄』だと『名琴という(以下略)』になってしまう。抜書きではないし、そもそも名琴って誰だと。
正直、適当につけるくらいなら無題の方がまだマシだったと思います。

071 一緒に生きたい (採点:2)
ストーリーがKanon本編の焼き直しに過ぎない。作者が何を読ませたかったのかがわかりません。
10歳の少年が血塗れで瀕死の少女を前にして逃げ出して記憶を封じたとしても、それを責める気には私はなれません。
もちろん、その場にいなかった北川が激昂し、時を経た祐一が後悔するのも理解できるんですが……どうにも理不尽な印象を受けました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
ところどころの表現に光るモノがあってセンスを感じました。羨ましい。
それだけに地の文から会話文への繋ぎがぎこちなかったり、三点リーダーを多用し過ぎていたりといった欠点が勿体無いです。
2ページ目はかなりいいのに1ページ目が足を引っ張ってる感もあり。
最後に、美汐の容姿はかなり端麗だと主張してみたり(笑)

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
もう文句無しです。読んだ瞬間、「勝てねぇ」と嘆きました。魔界と称される中編部門ですが、この作品はさながら魔王。
小道具の使い方、雰囲気の外し方が絶妙すぎます。ロマンチシズムに浮き上がりかけた瞬間に地上に引き戻すこのバランス感覚はちょっと真似できないなと。まるで当然のように文章力は卓越してるし、シーンも魅力的だし。ああ、もう。
素晴らしい作品をありがとうございました。

076 夢の劇場 (採点:10)
逃げずに真正面から死というものに挑んだ名作だと思います。文句のつけどころが見当たりません。
香里、栞ものとしてありがちではあるんですけど、これだけの文章力があれば王道という言葉で許されます。このジャンルにおける頂点の一つに認定。
恥ずかしながら。ちょっと、涙腺がピンチでした。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
地の文、会話文、ともに高レベル。読みやすかったですし、台詞回しも洒落てて心地よかったです。
「ああ、任せとけ。特等席に連れてってやるよ」なんていう北川は格好良すぎな気もしますけど、それもまた良し。
冒頭のいかにも合戦前という緊張感と高揚感に惹き込まれました。そのままぐいぐいと持ってく手腕は見事です。
戦略家の香里にゲリラ戦術で挑む(挑まざるを得なかった)祐一のキャラもらしくて思わずニヤリ。この二人が同じ陣営だったら最強だったでしょうね。かろうじて勝てそうなのはさゆまいぐらいでしょうか。うむむ、それも見てみたい。
「栞と別れたくなければ騎馬戦で勝て」という展開はちょっと説得力が薄かったかと。あまりに唐突。

078 「dearest」 (採点:8)
短文の積み重ねに圧倒されました。こういう手法はちょっと新鮮。
情の深い香里のキャラもイメージと合っていました。
告白シーンは少しあっさりし過ぎだったのでは。それまでのシーンが濃かっただけに。

○ちいーゆ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
 現実の風景と、それを暗示したかのような幻想的な風景の描写。それを交互にやる作品は好きなんですが……
 それをやるには、色々と不足しているものが
 特に決定的に欠けているのが、純粋な描写力でしょう。なんとなく「それっぽい」書き方をしているだけという印象が強いです
 そのために、ただ「わけのわからない」文章になっていると思います
 現実の久瀬視点となる"Paragraph"パートまでぼやけた文章になっているため、全体にメリハリがないのが一番の原因でしょう

「わけのわからない」ものとしか感じられない以上、点数は当然厳し目です

002 鈴の音よ再び (採点:3)
 真琴は結局帰って来なかった。そういう話は結構好きです
 ただ、祐一の見た幻に振り回される周囲の人間が少し薄っぺらいかな、と。特に天野は違和感が……まあ、これは私の主観が多分に混じっているせいでしょうけど
 それと、最後に祐一が立ち直る(?)シーンが、端折りすぎかなと。もっと内面に深く潜りこんでもよかったのでは? 容量は大幅に余っているはずなので、中盤で祐一たちの内面について書くこともできたはずです
 全体的に、真琴がいなくなった→祐一、鬱……というのが最後まで続いているだけなので、真琴がいなくなった苦悩が見えにくいと思いました。「日が経つにつれて想いは増していく」というのはよかったと思います

ところで、「Fin」の後の膨大な空白はなんでしょう? ミスだとは思いますが、投稿前に書式確認CGIでチェックくらいしましょう
……余韻を持たせる演出だとしたら、ちょっと失敗です。アレだけ長いと「まだ何かあるんじゃないか?」と期待してしまうんで(笑)

003 お泊まりパニック! (採点:1)
 ただキャラを大勢出してドタバタやらせれば面白くなる、というわけではない。ギャグならば、何か最低一つは強烈な『ネタ』が欲しいところ
 くすりとも笑えないのではギャグとしては致命的。肝心の夜のおどかしのシーンをもっと濃くして、インパクトを強めた方がよいでしょう。その他のシーンは、はっきりいって不要だと思います。無理矢理中編にした感じを与えるだけだったので、かなりマイナスイメージ

004 The regret (採点:4)
>「雨の方が、冷たいな。なんでだろ」
 このセリフが、ツボにはまりました。どこが? と訊かれても何となく……としか答えられませんが(汗)

 ちとあっさりしすぎているのが残念。もう少しボリュームを上げてもよかったのでは? 祐一と香里ももっと書きこめることがあったはずですし。いまいち三人の繋がりが薄く感じてしまえるので、この点数です

005 プライベート・ハンター (採点:1)
 途中までのノリで行けば……プラス2点くらいは考えたんですが(苦笑)
 最期のあの展開、私はコメディと捉えました。それ以前とのギャップが、という以前に面白くもないので大減点です。魔物も最後の一体だったはずがいきなり増えてるし……
 むやみに雰囲気が変わるのは好きじゃないです。面白ければいいんですけど

 どうしても気になったのは、二刀流のこと。えっと、剣道やったことありますか? 私は小学校から高校卒業までずっとやってたんですけど
 実際に木刀と竹刀で試してみればわかるはずなんですが、絶対無理です。テニスはやったことないんでどういうクセがつくのか、とか筋肉がどういう風につくのかはわかりませんが、二刀流は無理でしょう
 北川が高校まで剣道をやっていた、という記述から祐一に渡した竹刀は「38(サブハチ)」のはず。この竹刀、かなり重いです(正確なグラム数は忘れましたが)。コレを片手で振るって魔物相手にダメージは与えられないでしょう。しかも、相当の腕力がないとスピードをつけて振うことはできないです。木刀も同じですね。あと、実際やってみればわかりますが、片手で木刀・竹刀を振りまわすには限界があります。素振り百本足らずで相当腕が疲れることでしょう。一ヶ月で魔物と戦えるほどの腕力は……つかないと思います
 ……祐一がどれほどの怪力の持ち主かは知りませんが、木刀・竹刀の二刀流は無理がありすぎです(苦笑) 祐一が2メートル近くある、元アメフトの選手……とかだったら、まあできないことはないでしょうが……
 最後に参考までに、二刀流を実際やる時は左手に太刀、右手に小太刀を持つのが基本です。小太刀で牽制して、とどめに太刀の一振り……が二刀流の戦い方です(剣道では。私は戦ったことはありませんが)。二刀流はあまり実戦向きではないのでは? かの宮本武蔵も二刀流は鍛錬のために行なっていたそうですし

006 「日課」 (採点:5)
 ああ、香里がなんか最後まで嫌なやつに見えてる……私見なので、他の人はどう見えたかわかりませんが
 けど、普通だったらこういう感じかなぁ、と自分の経験と照らし合わせて思い直してみたり(爆)
 北川の「普通」っぽさが好感触でした。さっぱり爽やかで私は好きです

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
 ち、ちくしょー! 卑怯だぞー(笑)
 くすっと笑って萌えてしまいました。私の負けです
 掛け布団・敷き布団がツボでした(笑)

008 激辛 (採点:3)
 ああ、ほのぼのですねぇ(笑)
 嫌いではないんですが、あまりに普通過ぎて印象に残るものがないです。故に点数は厳しめです
「真琴の家族もの」というのは相当数のSSがあるので、余程強いインパクトを持つものに仕上げないと、印象に残る作品にはならないと思います。真琴に限った話ではないですが、「既に語られ尽くした感のある題材」は皆そうでしょう

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
「全員生存・全員祐一好き」という設定のSSは、はっきり言って好みでないので、最初からかなり冷めた目で見てました(ギャグとかコメディは例外ですけど)

「人を好きになるのに理由はない」……これだけのことなんですよね、結局
 これはこれで、それなりに面白いものが作れるとは思うんですが、全員だとさすがに白けます。しかも、女性陣の出した結論が「誰も選ばないくていい」とは……祐一もヘタレですがヒロインズもヘタレですね
 テーマ自体はいいのだから、一人に絞って短編にすればよかったのでは? その場合、キャラの人数で文章量を水増しすることができないので、かなりの労力を必要としますが

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
>「もう一度、友だちから始めようよ」
 ……笑うところではないとは思うけど、笑ってしまいました
 普通にくっつくよりもいいと思いますけどね。皆がどんな表情になってたことやら
 この言葉をいった香里の気持ちも、もちろんわかりますけどね。それでも笑ってしまった……すいません

 小道具としてのカレーが、ちょっと弱かったのと、栞のおかげでコメディ風味になったのが残念

011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
 あゆが登場した時に「あの時」と書かれてるけど、一体どの時を指しているのか全くわからなかった。原作にはないですよね? そういう設定をつけるなら、最低限の説明は欲しいです。「あの時」に何があったのかは後で書かれてますけど

 内容に関しては、意外といえば意外だけど、どうにも違和感の方が強かったり。個人的に、栞・名雪以外であゆが絡む話は好きではないので……(真琴があゆのおかげで帰ってきたというタイプの話です)
 最後に消える前にもう一度だけ一緒にいたい、というあゆの我侭は人間臭くて好きなんですけどね


012 空っぽのテクスト (採点:3)
 栞とあゆを結びつけるところが少々強引に感じられました
 全体的にあっさりしすぎていて、感じいる物が少なかったです。この手のシリアスならば、もっとキャラの内面に深く抉りこんでもいいと思います
 空白の遺書、これはよかったですね。これの登場のタイミングを上手く計れば……もっとよくなったと思います。このままだと、それほど強い意味を持ってるとは思えないので

013 Conservation for Love (採点:1)
 ところどころ「フッ」と笑わせてもらいました
 ただ、読者を「愚物」とのたまうわりには大したものではなかったので、この点です。ほとんど前振りもないのにいきなり「愚物」呼ばわりされて、いい気分になる読者はいないでしょう
 感情面でマイナス10点。一応「フッ」程度には笑えたのでプラス1点

014 おまえの名前 (採点:5)
「名前」に込められた想いですか。いいテーマだったと思います
 ちょっと内容は急展開すぎ……というか端折っていたように思えました。ラストもちょっと物足りないですね……。容量は余っているのだから、後日談なり何なりがあるといいと思います。今のままだと、中途半端に終わってしまったな、という感じなので
 真琴の妹が全然目立たなかったですね。まあ、オリキャラですから反応は様々でしょうが……私はもうちょっと絡めて欲しかったです。真琴が名前のことで悩んでいる時なんか、絶好のチャンスじゃないですか。印象の薄いオリキャラで敬遠されるより、個性の強いオリキャラで敬遠されましょう(爆) ラストに「じゃあ私の名前は?」と切り返すシーンを入れてみるだけでも、結構違ってきたりすると思います。ほのぼの感も増すような気が

追記
 私はランダムで読んでいるので、メインキャラ・ジャンルは目を通してません
 後で確認したら、ジャンルはシリアスでしたね(汗) ほのぼの感を増しても仕方ないですね……
 ただ、前述のように途中の展開が早く、真琴の悩みの描写が薄いのでシリアス感もそれほどではないです。もう少し書きこんでみるといいでしょう

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
 何を書きたかったんでしょう? ちょっと私には理解しかねます
 登場人物全てが原作とはかけ離れた無茶苦茶な設定ですね……しかも何のフォローも入ってないし
 祐一や香里の冷たくて無神経なことといったら……
 それと、余分なシーンばかりな上、無理矢理シーンとシーンを繋ぎ合わせているので、物語に入りこみにくいです。全体的に継ぎ接ぎだらけの作品です

 最後に、「決意」は「叶える」ものとは違うでしょう

016 脱走と追跡のカノン (採点:4)
 ドタバタコメディですねぇ(笑)
 あちこちに散りばめられた小ネタは、わからないものもあったけど面白かったです
 ラストは……ある意味バッドエンド?(笑)

 どうでもいいことかもしれませんが、「エスキモー」は使っちゃダメですよー。ちゃんと「イヌイット」と呼ばなきゃ。……まあ、あゆがそれを知ってるのか、と言われると微妙ですけど(爆)

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:4)
 インパクトは十分のお話でした
 でも、肝心の部分が少し薄すぎた気がしますね
 容量はもっと余っているのだから、いっそのこと名雪視点のエピソードなども追加してみたら、もっと面白くなったと思いますが
 今のままだと、祐一が男で普通に告白するので悩む、という話とそう大差ない気がします

018 雪解け水 (採点:1)
 ヘタレ……
 原作と同じことを、色々なシーンを継ぎ接ぎしただけ、という感じしかしない作品でした。あらゆる箇所が中途半端で面白くない
 再構成のつもりなら、もっと作者独自のアイデアを使って欲しい。図書館で偶然真実を知る、という部分が作者オリジナルだけど、それ自体があっさりとしていたし、それ以後は原作の継ぎ接ぎがほとんどだったので面白いとは思えませんでした

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
 いまだに「続く」って終わり方する作品が出るとは思ってませんでした
 明らかに続きがある作品、長編のプロローグとしか思えない作品は、こういう場では評価対象外だというのは第一回こんぺの感想などを見てもわかることでは?
 話の内容が面白ければまだ救いはあったんですが、残念ながら大して面白くもなかったのでこの点数です
 他に同様の突っ込みが多数でしょうが、一応……日本に野生のオオカミはいないです

追記
 ジャンルが「ミステリー」となってますが……これ、ミステリーなんですか?
 私と「ミステリー」という言葉に対する認識が違うだけですかね。少なくとも、私はこれを「ミステリー」とは思わないです。かといって、長編のプロローグのような作品なので、どのようなジャンル分けが適切なのかはわかりませんが

020 私の望み (採点:4)
 使い古されているネタ、なのかどうかは知りませんが、結末がすぐに見えている話が延々と続くのでちょっと苦しかったです
 これならば、短くすっきりとまとめて短編にできたのではないでしょうか?
 目立って悪いとは思わなかったので、6点。全キャラ出す必要が見えないのに出してるのでマイナス2点でこの点数です

021 想いの果てに (採点:1)
 他の方の作品の感想欄にも書いてますが、私は全キャラ登場SSは好みではないので点数は厳しめです。あらかじめご了承を

 祐一が特殊能力を持っている、というSSはよく見ますし私も好きですが、明らかにこの作品内では浮いてます。浮きすぎて途中で読むのを放り出したくなってくるくらい。ラストは展開も読めていたので流し読みしてました
 あまりに都合のよすぎる設定、ベタな展開で面白味が全くありませんでした。全員を何とか救済しようという姿勢は、「ただ全キャラ出す」という作品に較べれば好感はもてますが、設定・展開の面白味のなさに勝るものではありません。読み切りでやるにはムチャすぎる話だと思います。かといって、このままの設定で長編にして面白いものができるかというと……私は無理だと思います。法術はともかく、Kanonにおけるキーワードの一つである「奇跡」の意味が全くないですからね。かといってこの設定ではキャラを絞ることも無理ですね。理由は同上

 登場中、全キャラ――特に女性陣がはっきり言って「嫌なやつ」にしか見えないのもマイナス。「あっさり喧嘩して顔を合わせない、でも実は……」な設定で、ラストはちゃっかりいい子ちゃん……萎えです。何を都合のいいことばかり言ってんだこいつらは? と終わるまで冷めてました

 以上の理由から、この点数です

022 笑い声がきこえる (採点:4)
 比較的、ラストが綺麗にまとまっているために後味の悪さは感じなかったです。けれど、そのために物足りなさも感じてしまっているのも事実。途中までのあの展開なら、読後にいやーな気分にさせてもらいたかった。個人的な好みですけど
 真琴の壊れ具合はお気に入りです。ちょっと「らしすぎる」壊れ方が難点かな……。笑い声を上げて鎌を振り下ろす殺人者よりも、声一つ立てず気がついたら殺していた、という方が恐怖度は高い。雰囲気はわかりやすいが、その分衝撃度は低い
 津波の如き狂気よりも、小波のような狂気――そっちの方が恐ろしく、そしてじわじわとくる迫力があると思う。これも個人的な好みですけどね

 真琴に名雪を殺させるために記憶を取り戻させたのは、失敗。原作を絶対視するわけではないけど、ここには大きな違和感を抱かざるをえなかった

023 WA4 (採点:2)
 んー、何を伝えたかったのかよくわからなかったです
 別に真琴と美汐は関係なかったんじゃ……? と読み終わった時に、真っ先にそう思ってしまった。ということは素直に話にのめりこめなかった、ということですね
 薄いシーンを繋ぎ合わせた話という印象が強いです。秋子さんの病気に端を発する一連の話に絞って、もっと書きこめばよかったと思います

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
 理解不能。この一言に尽きます
 偶然だか運命だか知ったこっちゃないですが、ここまで都合のいい設定では「感動」も何もあったもんじゃありません。祐一の実家には新幹線で行くということは、「ちょっとそこまで」と気軽に行ける距離ではないでしょう。にも関わらず祐一の母親が美坂父と働いていたり、香里が父親に連れられて車で家の前まで行ったことがあったり……一体どういう場所なのやら
 まあ、そういうところは置いておいて 
 香里と祐一が別れるのが意味不明。しかも、別れのシーンを見ると、祐一は実家に残るかのようだし……どうせ学校で会うのでは? と白けて見ておりました。そもそも、別れる動機が薄っぺらで不明瞭でしたし

そんなこんなで、全てが安っぽいドラマを見ているようで、かなり冷めてました。何もかもが空回りしてるとしか感じられなかったので。故に、この得点をつけさせてもらいます

025 歩いて行こう (採点:2)
 無理に久瀬を「いいやつ」にしないで、最後までいったのは評価したいです。私的久瀬像を最後まで崩すことなくいったのには好感

 ですが、それ以外はちょっと……
 あまりにもスーパーマンかつ都合のいいヘヴィな過去を持つ祐一には萎えました。最後の病院での久瀬との対話には寒気が走ったほど
 加えて、それを助長するかのような全キャラ登場……正直、好みではないです

 久瀬のキャラが好感持てたので、プラス1点です

026 ステップ (採点:4)
 ああ、もったいないな、というのが第一印象です。途中まではそれなりの雰囲気だったのに、最後の最後で大失速。無理矢理終わらせたという感じが強いですね
 話の内容自体は悪くなかったと思います。でも、名雪の出生の秘密(?)ネタはあちこちであるので、目新しくはなかったです。そして、過去に読んだものに較べて驚くほどのアイデアではないと思うので
 過去パートと現在パートを較べると、過去パートに比重が寄っている気が。それはそれでいいんですが、そのせいで現在パートが中途半端になっているような……コメディチックなノリも、寒いだけでした。作品全体の雰囲気に合わせるなりしないと、浮くだけではないでしょうか

 ところで、秋子さんの姉の息子が祐一という設定はどうしたんでしょうか? 比較的歳の近い叔母(祐一の母親)を、秋子が姉さんと呼んでいた……と解釈できますけどね。それでも十以上は離れてそうだし……
 何か一言説明を入れていた方がよかったかも

027 ウエディングヴェール (採点:1)
 何の理由もなく全キャラ登場は、はっきりいって好きではないので点数の上限はかなり下がります。あらかじめご了承のほどを。よほど面白いものでないかぎり、意見を覆すことはないです

 全キャラ登場させる理由が皆無。北川・香里の二人で十分だったはず。余分なシーンが多すぎたせいで、肝心の真琴が全く目立たない。前半と後半だけで成り立つ話なのに、中盤のせいでだらだらと続いているだけの話になっている
 全キャラを登場させるメリットは、各キャラの特徴を出して原作ではありえない組合わせを楽しむというものだと思う。この作品にはそれがない。ただいるだけ。ただ登場させて一言二言喋らせるだけなら意味はないでしょう
 大勢の女性に囲まれている祐一を見て真琴が面白くない、というのはわかる。けれど、そこで話を終わらせるのはもったいない。ここを膨らませるだけで、もう少し内容の厚い話にできるはず
 最初と最後の真琴をそのままに、中盤をもっとタイトに絞って短編にした方がよかったのでは?

029 最後の奇跡 (採点:3)
 話の内容は、はっきり言ってしまえば「陳腐」。柔らかく言えば「普通」ですね
 身勝手なあゆ、というのは個人的には悪くないと思ったので、そのまま行っても……よかったかもしれません。ただ、その場合はラストを作るためにこの作品以上の労力を必要とするでしょうが

「陳腐」と思ってしまったストーリーに加え、栞登場でかなり冷めました。「祐一が幸せでいること」があゆの願いだとしても……名雪シナリオにおいて、栞が祐一にとってそこまで大事な存在だったのか? その疑問があって、栞の登場には首を捻りました

030 奇跡のかわりに (採点:3)
 ラストが……尻切れトンボですねぇ。もう少しエピローグのように長くしてもよかったのでは?
 それ以前に、肝心の部分が短すぎです。香里が消えて行くところこそたくさん書かなければならないはずなのに、量的にはそれほどでもないのが印象に残らない理由ですかね。それ以前のコメディパート(?)は割りと面白かったのに、香里パートが薄いせいで余計だったかな、と思ってしまいます
 香里パートをもっと書きこむか、最初のパートを思いきって削るかしてバランスを取ってみると面白くなったと思います

 話には関係ないことですが、「シュレディンガーの猫」や「観測」って、そういう話ではなかった気がするんですが……(汗) まあ、引き合いに出しても間違いってわけじゃないと解釈できるんで、気にはしませんでしたが

031 グッナイ (採点:5)
 うーん……女将と旦那と娘はいらなかったんじゃ……? 全くの不必要、というわけでもないけど、何が何でも必要というほどのものではなかった気が
 そのせいか、ダラダラ感が最後まで拭えなかったです。もっと絞ることもできたのでは?
 あと、メインが誰なのか・何なのかがわかりづらかったですね。名雪と祐一のシーンはほとんど不要だったと思いました。もっと真琴と秋子さんの絡みを増やした方がわかりやすかったと思います

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:7)
 いい感じの本編補完型のSSだと思います。魔物視点の話ですかー。他にもあるかもしれませんが、私ははじめて読みました。いいですね、魔物の一人称もよかったと思います
 時々、しゃべり方が「硬い」ところも見受けられましたが、全体で見れば些細な欠点でしょう

 惜しむらくは、日付がよくわからなかったことです。魔物リーダーが舞の前に現れて斬られたのと、決着が付いた日は違う日なんですよね? 最初に読んだ時は、同じ日の出来事だと読み取れてしまったので混乱します
 もう一つは、佐祐理さんが傷ついた時の描写が皆無なこと。これを付け加えれば、もっと面白くなったと思います。魔物の心情としても、舞の親友を傷つけてしまったことに関しては色々と思うところがあったと思われるので、きつくても書いて欲しかったですね
 あと、改行が少し煩わしかったです。ぎゅうぎゅう詰めの文章だと読みにくいですが、逆に間が空き過ぎると見映えが悪く、読むのが辛くなります。改行数も不安定なのもマイナス

 最後の三点めは評価にいれてません。上記の二点で3点分マイナスとして、この点数をつけさせてもらいます

 内容とは全然関係ないですが、「悪魔を憐れむ唄」って何でしたっけ? 映画のタイトルだったか、誰かの曲だったか……思い出せないんですよね(苦笑)

033 エム (採点:4)
 全ての元凶は、坂井にあった、と。

 それはともかく、舞が高校の先生ですかー。私のイメージだと、高校よりも小学校の先生の方が似合ってる気もしますねー。そうしたら、ゆきがもっと絡められたわけだし
 内容自体は、割りとよかったと思います。ただ、これといってインパクトがあるわけでもないし、展開も途中で読めてしまったのがマイナス

 ……それにしても、祐一は婿なんですねぇ(苦笑)

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
「私の問題を片付けます」と言った後、てっきり一弥の話になるかと思いきや生徒会の話へ
 佐祐理さんが「私」というよりも、むしろこっちの方に違和感バリバリでした。後半で全くの無関係ではないと明かされましたが、最後までここに引っ掛かりを覚えたのでこの点数です
 読み終えてから考えましたけど、やっぱり一弥の問題を吹っ切るために生徒会を持ち出すのは「らしくない」と思えます。原作の佐祐理シナリオでも、そんな気配は微塵もありませんでしたし(あくまで私見ですが)
 で、この違和感を拭い去るだけの十分な話が展開されていないのが、4点止まりの理由です。容量ギリギリでも書くのは難しいかもしれませんが……最後まで行って欲しかったですね。あと、佐祐理さんが生徒会に入った理由、というか一弥の問題を説明するのが舞と久瀬であり、それを素直に鵜呑みにする祐一もあまり好感が持てませんでした。だって、二人の言う事はあくまで「推測」ですし
「舞と本当の親友になるため」というのはともかく、このままじゃ「祐一と佐祐理」の関係はどうでもいいの? と感じられます

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
 いきなりのショッキングな始まり――――かなり好みです(笑)
 ただ、すぐに後半の展開が予想できたのと、祐一の壊れ方があまりにも「普通」過ぎたことと作中の時期的に不自然さを感じたこと
 そして、後半の展開が予想できてしまったので、ラストの終わり方もそれほど衝撃は受けなかったこと。以上の三点が減点の理由です

 でも、わかっているのに「名雪が強姦された」というシチュエーションにショックは受けてしまうなぁ……それでもこの話、好きですけどね

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
 名雪の想いの清算……が主題ですよね
 目立って悪い部分がない替わり、目立っていい部分も見当たらないですねぇ……
 名雪の気持ちの書きこみが薄いせいで、「ふーん、そう」ぐらいにしか思えなかったです。いっそのこと、香里&北川を削って三人だけでいった方が深く掘り下げられたかもしれません。まあ、その場合旅館に泊まるというシチュエーションは実現不可能っぽいですが(笑)

037 美凪 (採点:8)
 いい感じの本編補完型のSSだったと思います
 過去の美凪パートと、現在の美汐パートが別ページにあったので、展開の違いがわかりやすかったです
 前半の美凪とのやりとりは、読んでて心地よかったですよ。「ああ、美汐と美凪はこういう感じだったんだな」とよくわかる内容でした
 銀髪の妖狐は……きわどいですね。いないと美汐の自己完結か祐一の俺語りかになりそうなので、私的にはオッケーだと思いますが

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:6)
 うん、面白かったです
 栞の書いた話……というわりには、やけに北川ばっかりが書かれていた気もしますけど。それはそれで(笑)
 あゆ登場が余計だったかもしれませんね……ちょっと都合が良すぎる登場だったかな、と。その分をマイナスしてこの点です

039 幻実、そして星 (採点:2)
 これは、どちらの舞さんなのでしょう?(訳:舞はここまで乱暴な言葉使いはしなかったと思うけど)
 身勝手ですが、舞萌えとしてはこれだけで大減点せざるをえませんね……。言葉使いは乱暴だし、あっさりと他人に心を開くし
 一番の問題はオリキャラの勝馬。何がなんだかわかりませんでした
 結局、こいつは何だったんでしょう? 魔物? でもそれにしてはこの後は原作に続く流れのようだし。 感情移入できるほど、好感の持てるキャラでもなかったので更に減点

040 楽園日記 (採点:9)
 ああ、面白かった
 本当に面白かったですよ。男ばっかで全然Kanonじゃないとは思うところもありましたが、それを差し引いても面白い話だと思います
 ギャグになり過ぎずシリアスに傾き過ぎず、程よい匙加減のエンターテイメントでした
 長さも丁度いいくらいですね。これ以上長いと「ダラダラ続いている」と感じてしまうので

 マイナス1点分は、祐一がちょっと変人すぎるかな、と思ったので。ここまで変人ではない気が……まあ、そのおかげで面白くなったのも事実ですが(笑)

041 また逢えたらいいね (採点:7)
 いいですねぇ……中盤までで笑わせてもらい、ラストでぐっときました。こういうSSもありですね
 早緒里の喋り方が面白かったです(笑)

 一番最後の十年後の栞は、パラレルワールドでの栞ということなんですかね? そういう風に思ったんですが……。頭悪いんで、途中のタイムスリップの講釈がよくわかんなかったんで(爆)

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
 説明なしの全キャラ登場、完璧超人&もてもて祐一と、私の嫌いな要素のほぼ全てが入っているので、高得点つける気になれません。悪しからず

 傲慢な祐一に萎えです。ちょっと最低すぎやしませんかね? 誰も傷つけることなく、誰もが幸せになれるなんて思っちゃいませんが、祐一のとった行動はひどすぎ。結局真実を告げることなく、嘘をついて逃げたのと変わらないのでは? それで最後には佐祐理さんとくっついているんですから……二人揃って外道の極みだと思いました。……と思ったら、最後の最後で舞もですか。最初から最後まで萎えさせられました
 てゆーか、指輪くらい気づけよ、皆(この突っ込みは多いだろうなぁ……)

 それぞれのその後は、興味深いものがありましたけどね……。それでも、マイナス分を取り返すほどのものではなかったです
 この内容ならば、無理に全キャラを出すよりも、最初から佐祐理さんに絞って書いた方がよかったでしょう。たとえそうしたとしても、目新しいとは感じられないので評価は低いですけど。そもそも、何が書きたかったのか、中心となるテーマが見当たりません。この長さで何が言いたいのかわからない(わからせない)のは致命的

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
 増えるワカメ……以前、「先輩、増えるワカメって、本当に増えるんですよね?」と訊いてきた後輩がいました。あの子はいまどうしているのやら
 そんな心温まる小話は置いておいて
 これはいいですね! 第一回・二回の短編と、この中編合わせて読んできた中で、個人的トップの出来の美汐SSです
 真琴のことを絡めなかったのは、むしろ正解だと思います。普段は真琴を無視した話は好きじゃないんですが、これは全然オッケーです。深く絡めないことで、逆に「現実ではこんなものかな」と思える反応だったので。この部分で、ちょっと美汐があっさりしすぎてるかなー、と思ったので1点マイナスです。Kanon原作の段階で引きずっていたのだから、祐一よりあっさりすることはなさそうだと思ったんで
 美汐がルーン文字の解説をするところですが、ちょっと美汐たんディープ過ぎでは(笑) 専門用語は一切使わず、さらっと「魔法の文字なんですよ」ぐらいで終わらせた方がよかったかもしれません。些細なことですが、ここで少し雰囲気が変わったので

 ……個人的に、名雪が面白かったです(笑)

044 パンドラ (採点:9)
 綺麗な雰囲気がよかったです。内容もわかりやすかったし、不自然さが感じられず、話に引きこまれました
 美汐と祐一がくっつくところは、微妙でしたが……今までの流れでいけば、それほど不自然ではなかったかも。ダラダラと真琴と霞月のことを引っ張らなかった分、少々あっさりしているけど読み易い話になったと思います
 ラストは少し長く感じましたが、秀逸だと思います

045 桜が告げる春の風…… (採点:3)
 蛇足が多すぎ……
 美鈴が帰って来るまでで十分。そして、帰って来る理由も都合が良すぎると思う
 ものみの丘に二人で行くまでは、てっきり美汐とくっつくものかと思ってたけど……予想をいい意味で裏切られたというよりも、すかされた感じの方が強いですね。特にそれ以降がご都合主義だと感じてしまったので……

046 ホワイト・ミュージック (採点:8)
 あゆED後の話なんですよね。あゆがどういう状況なのか、よくわからなかったのがマイナスですね……
 それでも、作品の雰囲気とか内容はよかったと思います。美汐との絡みも面白かったです
 最初から最後まであゆの一人称だったので、秋子さんのこととか祐一のこととかがわかりづらかったですが、それほど気になるものでもなく、むしろ統一されてて読み易かったです

 ……まあ、一番気になってるのは、「祐一を名雪に告白させよう」作戦のエピソードなんですが(爆) 一体何を画策してたんだ!?(笑)
 ほぼ全キャラ生存SSは余り好きではないんですが、これはよかったですね。完全な脇役として留めておいたので気に障ることもなかったです。あゆED後にも関わらず、美汐が真琴のことを知っている……というのが唯一気になる点ですが、内容がよかったので気にしないことにします

047 笑顔 (採点:6)
 本編の裏にあったであろう物語……堪能させてもらいました
 ただ、香里の話はいらなかったかな、と。香里の話を付け足すくらいなら、もう少し名雪のその後を書いてもよかったのではないでしょうか。この分をマイナスして、この点数です
 それ以外で気になったところは、改行が一定でなかったところですね。普段なら気に止めないんですが、あちこちでバラバラだったのでちょっと読みにくいと思いました。文章の内容も重要ですが、見た目にも気を使った方が読者に優しいと思います

048 走る少年少女達 (採点:2)
 邪夢ネタはアレほど……いや、決定的なオチに使われてるわけじゃないからいいですけど
 なんだかはっきりしないお話でしたねぇ。『桜花祭』を舞台にした話というのは面白いと思いますけど、肝心の内容がそうでもなかったです
 メインになれるエピソードが多すぎですね。『桜花祭』に向けての久瀬の話とか、マラソン中の話とか、終わった後の話とか……どれか一つに絞った方がよかったと思います
 最初と最後はともかく、中盤のマラソンの話が完全に浮いているのが決定的なマイナス要因ですね。どうせなら、ここだけをクローズアップしてしまった方が面白い話になったと思います
 全体として、「中途半端」。これが一番の感想です

追記
 私はランダムで読んでいるので、メインキャラ・ジャンルには目を通してません。で、後になって見たら、メインキャラは久瀬なんですか?
 だったら、中盤のマラソンでも久瀬を中心にするなりしないと意味がないですよ。それか、マラソンを全部削って久瀬視点の話にするなりしないと……

049 少年期 (採点:6)
 こういう、悩み苦しみ、それでも結局答えは出なくてそのまま続く――――そういう話、大好きです
 途中の北川からわかってはいましたが、強引に結論を出さなかったのが好感。鼻につくほど北川が偉くもかっこよくもなく、祐一も同様だったのがすごくいいです
 北川主体の話だったんで他の人間の中身(特に香里)が見えにくかった、とは思いますが……これは贅沢なことですね(苦笑)
 いい感じでした

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
 キツイ……辛いですねぇ、前半が……
 何となく、全体的にローテンションで重苦しい雰囲気が漂っていますが、それが逆にいいですね
 欲を言えば、名雪と香里をもう少し書いて欲しかったかな、と。これはこれでいいんですが、メインの割りにはキャラが薄いかなと思えたので。もう一つ、ラストが性急すぎたかと。もう一つ「溜め」をつけて書いて欲しかったです。あっさり終わりすぎた感があるので
 作品自体は、非常に好みでした。もう少し長くても余裕で読める出来だと思います

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:8)
 壊れギャグの割りには爆笑、とまではいかなかったのが残念。けれど、とても面白いと思いました
 ……ところどころ危ない発言が混じってましたが(苦笑)
 割りと長い話ですが、最後まで飽きずに読むことができましたね。さらっとした感じでよいと思います
 オチはもうちょっと捻った方がよかったかもしれませんね。このSSの締めとしては、力不足だったと思われます。それでも、それまでが面白かったのでこの点数です

 句点をつけないのはなんでですか? 読みづらいというほどではないんですが、改行も変なところで入っていたりしてかなり気になるんですが……

052 Give me a reason (採点:5)
 主題がぼやけてよくわからなかったため、なんとなく曖昧にだらっと続いているように感じられました
 ページ分けのおかげで、だらだら感は軽減されていたとは思いますが
 目立って悪いとは思いませんでしたが、これといって響くものもなかったです。オリキャラの美和千紗穂のキャラが薄くて、存在感がほとんど感じられなかったのもマイナス。これでは、ただ「栞と同じ女の子がいました」というだけのキャラに捉えられてしまいますね……

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
 うん、すごくいいです
 北川と名雪の引きずりっぷりも好感触。脇役たちのスパイスもいい感じでした
 こういう普通で爽やかな物語は大好きです
 文章も読み易くて、話を読むのも苦痛ではなく、すんなりとのめりこめましたね

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:3)
 どうして最後まで久瀬と北川にしなかったかなぁ……
 終わりの方でいきなり久瀬×佐祐理になったのには白けました。あまりに不自然すぎたんで
 ちょっと唐突すぎやしませんかね? 会っていきなり好意を抱くのは(そのように読めたので)
 あと、百花屋での北川の説明が少しくどすぎる感が

 そこら辺以外の久瀬に関しては、中々よかったと思うんですけどね

055 煌めきの欠片 (採点:4)
 ちょっとした「謎解き」タイプのSSでしたね。嫌いではない(むしろ好き)んですが、ちょっと中途半端な感じがしました
 真琴に化けていたのがよくわからなかったですね……動機が不明瞭だったのが原因ですが。ちょっと弱いかな、と
 最後の真琴が現れるシーンは、少々ご都合主義すぎやしませんかね? 途中までの真琴(とあゆ?)のシーンが挿話としてよかっただけに、勢い不足だと感じられました

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:6)
 雰囲気はよい、とは思うんですが、どうにもだらだらと続いているような感覚が……
 妙に疲れた風情の祐一とか好きなんですけどね(笑)
 最初から最後まで、話の中心が祐一だったのでわかりやすかったと思います。もう少し舞と佐祐理さんとの絡みを見てみたかったですね

057 移し火恋歌 (採点:8)
 怖い……それが読んでの第一印象でした。思わずゾクリと来るものがありました
 祐一と佐祐理さんとがいつ交わるのか、と期待してましたが、いい意味で裏切られましたね。全く関係のない二人が近くに寄りながらも結局交わらず、それぞれ静かに壊れていく――――私好みです(笑)

 ただ、最後の祐一がちょっと唐突すぎたというのがマイナスですかね。それまでの祐一と、一気に違っているので違和感が少々。私の読みが浅いため、微妙な変化に気がつかなかったのかもしれませんが
 あと、舞の母親が入院するのを知らせる電話ですが、これはミスでしょうか? 「川澄さん」ではなく「倉田さん」になってたので混乱しました。細かい点ですけどね

058 30℃ (採点:5)
 ええっと、よくわからなかったです。すいません(汗)
 盛り上げらしきところはあったのですが、全体的に淡々としてさっぱりした印象でした。そして、そういうのが好きなのでこの点数です

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
 やられた……! 見事に引っ掛かりました(笑)
 何の根拠もなく美坂姉妹がメインだと思ってましたよ。途中で「ん?」と思う場面はいくらでもあったのに……
 ラスト前まで、なんだかよくわからない話だと思ってたけれど、最後の最後で全ての謎が解けました。面白かったです

追記
 ランダムで読んでたので、メインキャラ・ジャンルは知らなかったのですが、後で見て納得
 確かにメインキャラは書けませんね(笑)
 30本読んで、初めての満点です。ラストのあれだけで(爆)

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
 祐一がKanonの舞台となる街に来ることができなかったら――――
 そういう話、なんですよね。要約すると
 で、それから何百年か過ぎた月の上での話ですか……かなりの異色作だと思います
 奇抜なアイデアだとは思うんですが、それだけなんですよね。地球上でもやれた話だと思います。そして、多分そういう作品もあることでしょう
 そう見ると、アイデアは評価しますけど話の中身としてはそうでもないんですよね……だから、この点数です

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
 前半のコメディパートと、ラストのシリアス部分が共に面白かったです
 若さゆえの過ち(爆) ……結構本当にありそうなのが怖いですな(汗) このあと、どうなるのか気になるような引き具合も絶妙だと思います
 それでも5点なのは、物語の「意外性」が欠けてた(私にとって)ため、面白いなとは思ってもそれ以上心に響くものがなかったためです

 文章は溜息が出るほど美しいというわけではなく、非常に読み易かったです。割と長い話ですけど、最後まで飽きずに読むことができました

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
 面白い……というより、「すげぇ」。この一言に尽きます
 これは、SSと言えばSSですけど……レポート、ですよね。もはやSSじゃないって感じの方が強いですけど
 これだけのものを書くとなると、相当の資料を読んだことでしょう。驚かされるばかりです

 気になるのは、途中でレポートではなく小説的な書き方になってることですかね。上手く言えないですけど……
 それでもトータルで見れば気になるほどのマイナスではないかと

 迫力という点で、今まで読んで来たこんぺの作品の中で疑いようもなくトップです。読んでてこちらに迫りくるパワーを感じました
 面白くないというわけではないですが、これだけのものを書くために調べた資料と、圧倒的な迫力に敬意を表して満点です。ちなみに、面白さという観点だけで評価したとしても、8点はつけたいです
 この内容を普通のSSでやろうとしたら、あまり面白くないかもしれません。それを「藤田志保というジャーナリストの作成したレポート」として書いたアイデア……このこんぺでは結構バクチでしょうし、評価も別れると思いますが、私は支持します
 お見事!

063 丘の子守唄 (採点:6)
 ええっ、これで終わりなの!?
 ……というのが正直な感想です。途中まで面白かったのに、ラストが尻切れトンボ……余韻に浸る、というよりもいきなりぶつっと終わってしまったので、戸惑いを感じてしまいます
 この美汐の設定だと、「そう」が帰ってきた時……一緒に暮らせるのかどうか、かなり疑問ですね。ただ、家政婦の名前が「天野」だったのがすごい気になる……深読みしすぎでしょうか?(笑)
 前・中・後編と三部作くらいで読みたい作品ですね

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
 久瀬弟が主人公ですか……なんというか、異色作だなと思いました
 本編前の舞を、久瀬弟の視点で書いたのは成功だったと思います。深く立ち入ることなく、丁度よい具合に曖昧さを残した書き方だったので、色々と想像したり解釈ができて読んでて楽しかったです。長さもほどよく、飽きがこない作品でした

065 作品No.2「春」 (採点:5)
 中途半端なコメディは、人によっては冷めてしまうので注意しましょう。私は余計だったかもなぁと思いましたね。そこが本題ではないので、すごい気になるというほどでもないんですが
 真琴の母親の登場は、少し疑問。何やら妖狐の設定を無視してやいませんか? 更に歳をとった妖狐なら変化も自在……なのかもしれませんが、そこに関する説明がないので、ちょっと都合が良すぎるかな、と。
 そこと、中途半端なコメディで引いた分をマイナスでこの点数です。話自体は、決して面白くないというわけではないんですが……

 タイトル、意味がよくわかりませんでした(汗) なんとなく想像できるものはあるんですが……

066 夢の終わりにもう一度 (採点:9)
 くあ……不覚。真琴シナリオを名雪に当てはめたものだと思っているのに、感動してしまった(笑)
 ちとわかりづらいのがネック、かな……?
 真琴シナリオ後→七年経過→タイムスリップして名雪が真琴の替わりに消える……という話なんですよね?
 私はそういう話だと思ったんですけど。この辺がわかりづらかったかな……それがマイナス1点の理由です
 あと、ラストはもう少し伸ばしてもよかったんじゃないでしょうか? これはこれで余韻が素晴らしいですけど、もう一押しあれば個人的な好みだったので、満点をつけたかもしれません

 真琴シナリオ焼き直し……というか改変オマージュ物というか、とにかくそういうものでもあるにも関わらず、素直に感動できる素晴らしい作品だと思います

067 風邪の一日 (採点:2)
 他の方の感想にも書きましたが、無闇に全キャラ登場は好みでないので点数は厳し目です。あらかじめご了承のほどを
 登場させた意味がある、と思えたら気にしないことにしてるんですが、さして意味があるようには思えなかったのでこの点数です

 もっとコンパクトにまとめられたんじゃないでしょうか? どうにもダラダラと続いている感じがして、話にのめりこむことはできませんでした。オチも全て予想通りだったのでなおさらです
 これだけの長さの話となると、途中に何か大きな山場がないと、ただダラダラと長いだけの作品になってしまうと思います。この作品もそうでした

追記
 ランダム読みなので、メインキャラ・ジャンルは最初に確認してなかったのですが、「ほのラブ」なんですね
 ……まあ、言われてみれば確かにそういう作品でした。けど、それでも話に盛りあがりがなかったと思うので、長いだけの作品という印象が強いです

068 名琴抄 (採点:9)
 コメントが……つけづらい(苦笑)
 いい話だとは思ったけど、どうにもわからないことが多すぎるからですかね
 2ページ目あたりまでの、名雪が真琴のことを気にかけるという話だけでも、私としては高得点です
 最後のあたりがよく理解できなかった……というか、納得できなかったのがマイナス1点の理由です。これは私の読解力のせいですけど

069 ふたつのねがい (採点:6)
 ちょっとくどかったかな、と。真ん中がやたら長く感じられたので。秋子さんと栞も、書きこみの量に差があったのもマイナスですね。秋子さんはあっさり終わってるように思えたのに、栞の方は色々と書かれているので
 北川を主役にしたこの手の話は嫌いじゃないです。主役のわりにはあんまり出番がなかったですけど(笑) 終わりの方の天使とあゆとの会話は、かっこよくて好きです

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:8)
 面白かったです
 テーマもかなり納得行くものだったし、解説も十分なされていたし
 ……ゴーストハンターには少し引きましたが(笑)

 欠点は、作中の時期がかなり滅茶苦茶だということです。佐祐理さんと舞が在学してて、季節が「秋」というのはともかく、生徒会長になってたり祐一と知り合ってたり……原作じゃ絶対にありえない話ですよね? 設定改変物だとしても、もう少し説明があった方が読者に親切だと思います
 ……まあ、どちらにしても祐一と知り合った以後に生徒会長は無理があると思いますが(笑)
 こういうのは私は面白ければ多少は無視しますが、この作品ではかなり気になったのでその分をマイナスさせてもらいました

071 一緒に生きたい (採点:5)
 メインは絞るべき。シリアスならばなおさら。長編ではなく読み切りなのだから、話のメインとして組み立てられるネタを二つも使うと、結果として作品全体がぼやけてしまう
 この話では、北川がそれだ。栞かあゆのどちらかに絞った方が完成度は高くなったと思う。栞寄りの話になっているため、七年前の思い出も薄く感じられ、あゆがダシに使われたようにしか見えなくなってしまっている
 そして、栞との話も特筆すべき点が実はそれほどない。単に原作に北川を当てはめて展開を端折っただけ、という印象しか残っていないのが問題だろう
 第一回こんぺでも出てきたが、「北川とあゆが知り合い」という話には相当のインパクトを持つネタを使わなければ、読者をあっと驚かせる話にはなりえないと思う。どうしても較べてしまう
 あと、後半が端折りすぎなので、少し冷めてしまう。やるからには徹底的に(これは容量の問題もあるでしょうが)
 全体の雰囲気は嫌いではないですが

072 彼と彼女のフォークロア (採点:5)
 目立って悪くもなく、良いところがあるわけでもなく
 でも、完成度は高いと思いました。長いだけではなく、起承転結も完璧で、一本の話として完璧に成立していると思う。中途半端さもない、完成された作品です
 ……ただ、「どこかで見たような話」という印象が強いのがマイナス。それもかなり大きな
 物語の完成度は高いが、中に詰まったネタに目新しさがなかったので、「上手いなぁ」以上の感想がないです。点数評価において、私は純粋に「面白さ」を第一に考えているので、この点数以上はいかないですね

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:3)
 この手のノリのSSは、短くさらっとまとめてこそだと個人的には思いますね……
 煩わしい程長くは感じませんでしたが、途中で「もういいよ……」と思ってしまったので。簡単に言えば、途中で飽きたということです
 困ったことに、笑い所(と思われる箇所)で笑えなかったので、ただ長いだけの話と感じました。オチも早い段階でわかってしまったので
 無茶苦茶な設定の佐祐理さんや舞は楽しいんですけどね。その分をプラスしてこの点数です

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:5)
 2ページ目から3ページ目に移動した時、何が起こったのか最初ちょっと混乱しました。読み落としていたようです(汗)
 本編補完型としては悪くないと思います。文章は、ちょっと余計な装飾が多すぎるかなと感じたので、私には少し読みにくかったです
 最初の方で意味深に描かれていた「雨」ですが、ちょっと弱かったかな、と。はじめにかなりのインパクトを持っていた割りには、中盤からは目立たなかったので(タイトルとの兼ね合いもあるんでしょうけどね)
 3ページ目まではそうでもなかったけど、3ページ目が好みだったです。ここが、一番「本編の補完だな」と思えたので

075 True story (採点:5)
 三回ほど読み返してみましたが……。美汐の書いた小説、ということなんですよね? で、子供の父親は……ということなんでしょうか?
 ラストはいい感じにぼやかしていると思うんですが、逆にそのせいでわかりにくいという印象が強いです。私の読解力に問題はあるんですが(泣)
 どっちかというと、「小説」をそのまま続けて行った方が面白そうな気が(爆) 老医の企みってなんだー!? 病棟脱出はどうなったー!? とこっちの方の続きが無性に気になります(笑)

 ひどく読みづらかったです。適度に改行を入れたり、行頭を下げたりしてもらえると大分違うと思うんですが。セリフオンリーのところは、特に読みにくかったです
 文章自体は綺麗だし、構成も悪くなかっただけに残念です(ページ切り換えはちょっと多すぎる気もするんですが、内容で区切ってあるのでそれほど気にはならなかったですが)

076 夢の劇場 (採点:9)
 2ページ目までで満点、それ以後でちと減点……
 全体としてかなり好みの話なんで、満点をつけたい気分なんですけどね……うーむ、上手く説明できない。もうしわけないです

 安易にあゆの奇跡に頼らなかったのがよかったです

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
 すげぇ騎馬戦だ(笑)
 でも、あの学校ならありそうな気もしますねぇ……面白かったと思います

 唯一気になる点は、祐一のへたれっぷりではなく……やっぱり名雪ですね。いくらなんでも、あそこまでするキャラではないと思うんですが……
 最終的に、それほど話の肝にもなりませんでしたし。これなら、純粋に祐一・名雪vs香里・北川でよかったのではないかと。シリアス風味は減りますが、そっちの方が純粋に楽しめたんじゃないかという気がします。ラストも今の話だと少し物足りないので……(これは容量の問題もあったでしょうが)

 長くてもさくさくと読めたのがよかったです

078 「dearest」 (採点:8)
 くあ、思わず身を捩ってしまいそうです(笑)
 栞と祐一の関係はどうなったのか? という疑問もありますが、面白かったのでまあいいでしょう
 全編香里一人称で、揺れに揺れる……って感じですね。これは三人称とか他人視点とか混ぜなくて正解だったと思います
 長いけど、すらすらと読めてよかったです

 それにしても祐一……細かいところで小技を使うやっちゃなー(笑)

○なげ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
 着想としては面白いですし、内容もそこそこ面白いんですが……どういうわけかさっぱり心に届きませんでした。
 なんとなく、早回しのビデオテープでも見ている感じです。現実感というか生々しさというか、そういうものが一切感じられなかったです。地に付いた描写が無かったせいかもしれませんね。
 もうちょっとそういうものが感じられれば面白かったと思うんですけどね。個人的には結構残念。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
 栞が可愛いなーとか思います。「さらに、さらに、スパイスまで自家製のカレーに凝り始めたり!」っていう台詞が特に好き。お前順番違うだろとかつっこみを入れたくなります。

012 空っぽのテクスト (採点:8)
 まず、栞可愛すぎ。頭をごりごりなでまわしてみたいです。それで困る反応が見てみたい。
 地の文の切れ味が滅茶苦茶良いですね。「多国籍文化万歳。」には思わずくすりとしました。
 最後に連打でくるエピソード群もかなり素敵で読んでてちょっと辛かったです。名雪を慰める香里のエピソードが特に好きです。
 素敵なSS、ごちそうさまでした。

033 エム (採点:5)
 ちょっとあっさりしてますね。もう少しこってりやってほしかったな、と思います。
 読者的にはゆきちゃんと生み出された魔物ががしがし闘ったり、それでぐさぐさ葛藤したりする所が見たかったですねー。
 筋自体は結構好きなんですが、導入のヴォリュームとのバランスが悪いっつーか。でもある程度面白かったです。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:5)
 2のエピソードは全部始めに回しちゃった方がテンポが良くなると思います。丁度良い所でぶったぎられたので「あー、早く続き読ませてくれ〜」って気持ちで2を読んでしまっていたので。
 あと最後のエピローグに当たる部分で、香里の「甘えてなんかは」って台詞が入った時点で頭の中で「本来はもっときつめな性格なのか」と変更が加わったのですが、さらにその後に「いい加減にしなさいよ」の台詞が入ったので結局どういう性格なのかわからなくなりました。

 ただ、全般的には王道的ですが、面白かったです。ラブな香里が可愛いですね〜。

040 楽園日記 (採点:9)
 うわー、こういうノリ大好きです。バカでちょっとシリアスで、んでカッコ悪いヤツ。
 しかも凄く良くまとまっていて、エピソード一つ一つが魅力的なのでさらりと読めました。落ちはちょっと読めますが、そんなことが気にならないレベルでいいです。この話の斉藤が素敵。特に、久瀬に笑いかけるところが大好きです。現段階で読んだ中ではトップクラスに面白いです。
 ごちそうさまでした。

041 また逢えたらいいね (採点:8)
 会話のテンポがいいですね。ちょっと単調な気もしますけど、とんとこ読み進められました。笑えて、泣けて、面白かったです。かなり好きです。
 個人的には過去話をもう少し長くやってもらいたい、とか思いましたが。
 メタな落ちも結構いい感じ。何となく評価が分かれそうな気もしますが、俺はこの落ちがあっていいと思いました。話全体のムード的にはむしろあるほうが自然だなとも思います。

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
 むむむ……好きな雰囲気とあまり好きでない雰囲気が入り混じっている感じですね。
 まず、違和感から書きますと、喧嘩の場面で「だが、相手もバスケ部のエースと呼ばれるだけの能力はある。」というのは少しおかしいかと。バスケのシーンなら分かるんですが、喧嘩ならちとずれる気がします。それとも身体能力の略なんでしょうか。この段落の最後でこのバスケ部の人が記憶を失っているのもあんまりにご都合主義ですし。
 あと、クロスオーバーのキャラって出して良いんでしたっけ? 詩子はオリキャラというにはちとキツイ出し方ですし。そこら辺で一点減点。
 でも即効でページを破る美汐が可愛いので一点加点。
 あとセンタータグ使うときに両端を――でくくるのって読みやすくていいですね。

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
 題名にあるミュージックと言う言葉はメインメロディーとして美汐とあゆのエピソードが流れつつ、彼女らを含む様々な人々の細かいエピソードがバックで演奏されていると言うことも示しているのではないか、と言うのは間違っているんでしょうが、そんな風に自分には感じられました。
 話の奥行き、というのでしょうか。時間の重み、世界の広がり、そんなものが内在している物語を読めたのは幸せです。玩具箱をひっくり返したみたいな可愛いエピソード群は凄く好きです。ほんの二・三行しか触れられていない予備校に通ってた頃の祐一とか、そういう話があるっていうのはそういう奥行きを出しているんだな、と感じました。
 今回、残念ながら30本程度しか読めませんでしたが、その中では一番好きです。

047 笑顔 (採点:6)
 香里のエピソードは不要では無いと思いますが、ちょっと長すぎたのでゴール寸前でつまづいたような気分です。ただ、その前の過去の話はぼへぼへーと楽しめました。あゆを中心に構成されている本編だと、名雪の祐一に対する様々な行動は納得できませんけれども、こういう話があるなら納得できるなぁ、と感心しました。

058 30℃ (採点:8)
 物凄くいい雰囲気で、些細な符丁が何かを表していて、きっと何かが裏に隠れていてそれはとても素敵なものだ、と思いました。が、まだ理解し切れてません、すいません。時間があるときにでも読み返させて頂きます。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:6)
 む、結構面白かったんですが、解決がちょっと呆気ない感じです。もう少し派手にどっかんばっかんを見たかったような気がします。相沢と北川にしろ、相沢と水瀬にしろ。
 男の友情と妊娠問題の二つで焦点がぶれてしまった、というのも感じました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
 SSでこう言う文体を読んだのは初めてでした。非常に面白く、かつSSとしては珍しく興味深いというような感想を抱かせてくれるSSでした。文体次第でどのようにも作品は変わりえる、と言う一つの例だと思います。普通の一・三人称で書くよりもよほど効果的でした。すげーっす。
 ただ、若干、香里の台詞だけが浮き上がって見えてしまった気がします。他の人物の口調がどこか歪で、それが「ああ、編集しているんだな」という印象を与えているのに比べて、そのまま抜き出したような印象を受けてしまうからだと思います。少し残念です。
 参考文献の膨大さに関しては、ただただ頭が下がります。このくらいの熱意で書けば、こういう素晴らしい作品ができるんですね。

063 丘の子守唄 (採点:5)
 うがー、この先読みたいです。ここで終わられると何か凄く悔しいです。今から盛り上がる、という所で止められてしまったような気分です。
 そのせいか、なんとなく話に盛り上がりがかけているように感じられます。続編希望。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
 タイトルとのギャップにくらくらしながらも、結構楽しめました。なんとなく、ライトノベルかなんかでありそうな雰囲気が軽くていいですねー。ただちょっと軽すぎるかなぁ……元々重くあるべき作品でもないのでここは完全に自分の趣味の領域ですが……。
 とりあえず、ごちそうさまでした。

071 一緒に生きたい (採点:7)
 よくまとまった良作ですね。若干早足な部分が見られる気がする――たとえば、香里が北川に泣きつくシーン――、若干表現、展開が見たような気がする、という難点がありますが全体的にはいいと思います。
 個人的には「まったくだ。まったく、迷惑かけちまったな……」がその前の冗談とあいまって効果が出ていると思います。渋いですね。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
 ノリが凄く良くて楽しく読めましたが、あんまり笑えませんでした。話の内容からするとあわないんですが、ほのぼのを読んでいたような気持ちです。

076 夢の劇場 (採点:7)
 暗く、救いがあるとは言いがたいですが、好きです。
 結局、時がたてば栞のことをただの思い出にしないという香里の誓いも消えてしまい、あゆが目覚める事は二度とないかもしれないけれども、それでも無意味だったことはない。確かに、選んだから。
 ――とか、そんなことを考えていました。

078 「dearest」 (採点:5)
 読んでてちょっとだけ赤面。
 モノローグでぽろっと漏れる香里の台詞で時々いいなと思うものがありました。
「 ――なんてね。

 最近になってやっと、泣き言を言えるようにもなった。 」
 が特に本編の冬から時間が経ったのを感じさせて、なんともいえず溜息。
 でも、最後らへんのやりとりがちょっと綺麗過ぎるんですよねー。絵に描いたようというか。香里の告白にしろ祐一のそれに対する愚痴にしろ、どうもソレっぽくない。あれだけ迷っていて、それであんなふうに言えるかなぁ? とか思ってしまったわけです。
 でも全体的には可愛い雰囲気で、良いですね。 

○はね〜〜 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
頑張って読みましたです、アゲハ蝶を聞きながら(笑)まず、文頭は2文字開けではなく1文字開けです。内容なんですが……読み終わった後に内容が頭にほとんど残っていません(汗)

流れが極端に冗長で、ダレてしまった感じでしょうか。頑張ってるのはわかるんですけどね……。

002 鈴の音よ再び (採点:1)
数多く参加者がいるのだから、ひょっとすると、誰かやるかもしれないな……とはちらっとは考えましたけれど。まさか、本当にやる人がいるとは思っても見ませんでした。

最後に改行を入れまくって、バイト数を稼ぎ、20KBオーバーにして中編に投稿するなど……。言語道断です! 読む側の事を少しは考えてください!
今回は私の思った事、全部書きます。

一、カギカッコの後ろには句点をつけない。  例×「もう、疲れたよ。」○「もう、疲れたよ」
二、三点リーダーは・・・ではなく……で表現するのが望ましい。(中黒と三点リーダーの違いをわかってて使ってるようにはあまり見えませんでしたので指摘させて頂きました)
三、意味のある行間あけならまだしも、無意味な行間をあけまくるのは非常に読み辛い。
四、同じキャラが連続して会話を続ける場合には、小説の場合、間に地の文を入れるのが普通。
五、地の文が一人称になったり、三人称になったりとばらばらで読み辛い事この上ない。
六、美汐は祐一の事を「相沢さん」とKANONでは呼んでいます。意味もなく「相沢さん」になったり「祐一さん」になったりするのは変すぎます。理由があるなら描写して下さい。
七、この話、ラストがあまりに弱すぎます。というか、ラストがいかにも唐突に終った感じがして仕方がありません。時間不足? それとも、こんぺに気がついた時には短編が締め切られてたから?

そして……
八、容量稼ぎの為に、最後に150行も空行を空ける……最初見た時は何かの冗談かと思うくらいの酷い行為でした。こういうのは、金輪際やめましょう。

……我ながら、一つの作品をこれだけ酷評したのは初めてです。でも、正直これでは「出すな!」と言われても仕方がないと思いませんか? 短編で出すべきものを無理矢理膨らまして(しかも技巧をこらしたのではなく、何も考えずに空行を増やしまくる)中編に出すのは、いくらなんでもしっかり書いてきた他の中編投稿者を、バカにしていると思います。

……気分を悪くさせまして申し訳ございません。これを反省として、今後良い話を書いていって欲しいと切に望む次第です。

003 お泊まりパニック! (採点:2)
あ、あはははは……(汗)何ていうか、ギャグはギャグでも乾いた笑いなギャグでした(汗)
香里はこの話で一番派手に壊れてますね。というか、他がそれほど壊れてない分、香里の壊れがかなり違和感を感じたもので。あと、北川哀れすぎ……。あ、あと最後にジャムをとって付けるのはやめた方が無難かと思います。

個人的意見で恐縮ですが、人生ゲームをダイジェストにしてしまったのは惜しいと思いました。あちらを主眼で話を書いたほうが面白かったかな〜、と感じたもので。
後、文頭は一文字開けを、それと地の文が全体的に不足気味です。そして、人称はできる限り変えないほうがいいですよ(笑)

004 The regret (採点:6)
北川がいきなり死んで、ぬおっ! という感じで読み始めました。幽霊がこの世に出てくる理由は? と訊かれたら、私も未練だって答えるでしょうね。北川は死んでなお、死に切れないくらい香里の事が好きだった……それが掛け値なしにびりびりと伝わってきました。
この話、北川と祐一のやり取りもかっこいいです。親友……いいですねぇ……ちょっとほろりと来ましたよ、読んでて。
この話、惜しむらくは香里の描写が弱いんです。こうまでして北川が出てきたのに、さらっと断ってしまうのはなんだか北川が可哀想で。幽霊がなぜ出てくるかって訊かれて、未練と香里が答えられたって事は、自分が北川を拒否してしまえば北川はここにはいられなくなるって、わかってるはずなのに。それでなおあれだけ即答に近い答え方をされると、『ちょっと香里は冷たすぎない?』と思ってしまいました。

でも、話としては凄くしっかりしていると思います。涙腺にくる良い話でした。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
秋子さん……あなた何歳ですかっ!(笑)添い寝……寝言……そして、肉布団……(汗)おぅ、じーざす、って感じでした。点数つけるのにかなり困った作品です。18禁に片足どころか両足踏み込んでる気がする話だったので(汗)でも、不覚にも笑ったんですよ、ええ。

6点が高いのか低いのかすら、ちょっと怪しいですがこの点数にさせていただきます。
いろんな意味で、最後は「完」でも「了」でも「終わり」でもなく「おしまい」だと思いました(笑)

008 激辛 (採点:6)
普段全然素直じゃないくせに、しゃっくりが続くと死んじゃう、という事からおろおろする真琴に萌え萌えです〜。真琴の台詞、読んでる間違和感全くゼロでした。でも、この迷信教えたの、美汐かな?(笑)
しかし、秋子さんの謎がまた……。
欠点としては、地の文が一人称になったり三人称になったりとばらばらです。読みづらいですので統一しましょう。あとは、台詞は凄くうまいんですけど地の文はもうちょっと頑張ればもっとうまくなるはずです。

完璧に余談ですが、キスしてくれてたらもう1点増えたでしょうね(笑)




009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
ああっ! 凄くもったいないです、この話! 全員のキャラが良く出てますし、何よりタイトルがいい! 最後の締めも私的には大好きです! じゃあなんで7点なのかって? 読み辛いんですよ……。
まず、一つは句点のつけ方。 ×「正しくはこうです。」○「正しくはこうです」でも、これだけなら9点つけたでしょう。問題は……空行多すぎです〜(泣)

書くキャラごとに切れるところでせいぜい3行くらいあけるだけで読む分には十分です。というかそれ以上あけてしまうと読み辛くなってしまいます。ああ……個人的には10点あげたかった……。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
始めてみましたね〜、狙って香里の「あたし」と「わたし」を使い分けてるSS。でも……誰が語ってるのかわからなりやすいので、余程なれていないかぎり避けた方が無難かと(汗)

香里がちょっとマイナス思考過ぎかな、と。でもその分栞がいいキャラでした〜。カレー対決はもうちょっと引っ張って欲しかったと思いました。後は、『』じゃなくて「」でいい部分が多かったです。
カレーの材料など、色々と工夫を凝らしてるのはわかるんですが……私としては、この話は完全に直球で来た方が良かった気がしました。いまいち点数が中途半端なのはそのせいです。


011 残酷な代償のHappiness (採点:9)
この話に10点をつけろといいますか? 私に? あゆに命をかけられるくらい、あゆが好きな私に?
嫌です。絶対に嫌です。内容なら10点です。構成でも10点です。文章力でも10点です。

……でも、私はこの話に9点をつけます。引いた1点は……私のあゆに対する愛だと思ってください。

最後に一言……あゆ〜〜〜〜〜!!(泣)

012 空っぽのテクスト (採点:8)
だからぁ……どうしてこういうきつい話が連発で来ますか……(泣)タイトルのつけ方も見事の一言ですし、前半のほのぼの部分、凄く楽しかったです、ええ(泣)
なんで泣いてるかは……察して下さい。「命の蝋燭」という話を思い出してしまって……。KANON本編のあれが奇跡ではなく、これだったなら……。ああ、なんだか書いてる感想も錯乱してる……。すいません、完璧自分の好みで2点引いてます……。

013 Conservation for Love (採点:6)
ギャグですね、間違いなく(笑)夏場、ガンガンクーラーを回していた私は全然真琴の事はどうこう言えないのですが。前半、中盤部分までずーっと高いテンションを保ったまま面白く読んでいたんですが、ラスト手前(美汐の家あたり)でちょっと息切れした感があるのが残念です。

後は……祐一よ、少しは真琴の事を心配しろ(笑)

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
まず、文頭は一文字開けです。そして……何故に読点をうたないのでしょう。読み辛いです、ええ。他にも色々と突っ込みたいところはありますが……起承転をこれだけ書いて、結がこれって……。

ジャンプの連載打ち切りじゃないんですから……肝心な所を書かないと、話として成立しませんよ。

016 脱走と追跡のカノン (採点:2)
文章作法は……全部守られてますね(汗)なんていうのか、ついていけません、このノリ。
ネタが分からなくても読める話を書きましょうよ。戦闘妖精だとか、某米国英雄だとか、ジェットスクランダーとか、わからないネタを連発されても読者完璧に置き去りです。
「ネタがわからない人間が読んでもくすくす笑える、そしてネタがわかる人間が読んだら、さらにニヤリとする」というのが一番重要だと思います。それが……きついようですが、この話では出来ていません。
まあ、一番いいのは、『ネタに頼らずとも面白いギャグを書く』という事なのですが。

後、たいやきを泉に落として秋子さんって……アンソロでそのネタは見たような気がしますけど……。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:8)
出たな異色作!(ぉ)私も一度はこんなネタ、考えた事ありましたね、私の場合は中途で挫折しましたけれど(笑)シリアスでこれをやれるのは凄いと素直に思いました。

点数は読んだ上での純粋な感覚のみでつけました。人によっては10点つける人も1点つける人もいるかもしれませんが、私はこうです。良い話を読ませていただきました、ありがとうございます!

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
え、と(汗)ちょっと今回、舞と佐祐理さんに代わり語ってもらおうかと(汗)

「あはは〜っ、ほのぼのしてていい話だね、舞〜」
「松茸、牛丼、狼さん……相当に嫌いじゃない。佐祐理と祐一も……(ぽ)」
「ですけれどちょっと気になった点がありますので。会話文の後ろには普通句点はつけないんですよ、気をつけて下さいね。」
「佐祐理、それ間違い」
「あはは〜試しにやってみましたけど、やっぱりちょっと変な感じです。後は……そんなに読み辛いわけではなかったんですが、改行が多かったです。こちらも気をつけたほうが良いですよ」
「佐祐理と祐一と私……一緒の話で凄く暖かかった。けど……このお話、どっちかというとミステリーじゃない」
「う〜ん、そうだよね……。あの背広の男の人がもっと出てれば良かったんですけど……ある意味ミステリー感はあるんですけどね」
「でもこのお話の一番の問題はそこじゃない……」
「舞もやっぱり気になったかな、あそこ?」
「祐一が一人で頑張ってアルバイトしてたのに、佐祐理の別荘に行く事になるとか……他にも推敲ミスで同じ文章がすぐ下にあったりとか色々気になったことはあったけれど……。それでも、私はけっこうこの話好きだったのに……ぐしゅぐしゅ……」
「あはは〜っ、舞、泣かないで。ね」
「……うん。この話、完結してない……」
「はぇ〜。作者さんいけませんよ、序章をこんぺに送っては。そういうわけでこんな点数です。でも、ちゃんと締めをしっかりさせてれば佐祐理はもっと高い点数を入れたかったですよ。これからも頑張って下さいね」
(コクコク)←舞


何を書いてるんだか、私(汗)でも、本当にちゃんと完結させてれば良かったのに……ちゃんと物語は完結させてから出しましょうよ、こんぺって場なんですから。本来は1点でも良かったんですが……。
でも、面白さはあったんです。お願いですから、こんぺに出す話は完結した物を出しましょう(泣)

020 私の望み (採点:8)
うっわ〜、ラブラブ……。でも、それだけではないですこの話。
名雪がイチゴサンデーを美汐の前では頼まなかったあたりなんか、中々に意味深ですね〜。初読でも面白い、そのうえ、二度目三度目と回数を重ねるとさらに面白くなる。
よい小説の基本です♪ 

後はタイトル。間違いなくこの話、タイトルはこれですね。タイトルのセンスって結構重要なんですが、いい感じです。でも、問題点がないわけではないです。

一つは舞と佐祐理さんも呼んでいるにもかかわらず、記述がほとんど無い事。にぎやかしにヒロインを出すのもいいんですが、ちょっともったいないです。そしてもう一つは……真琴がこの話では弱いんですよね……。美汐の話を書くならばもうちょっと真琴を絡めてくれれば良かったんですが。

50KBまで書けるのですから、もうちょっとこの話は長めに取ったらもっと面白かったです。いっその事、省略してしまったお酒のシーンなんかをしっかりいれればギャグ面でもかなりUPしますしね♪

全然関係はありませんが、美汐が祐一の心の葛藤に気がついていなかった事、かなりびっくりです。でも、私はこういうのもありだな〜と。普段から年上にみられがちな美汐ですが、こういう所があっても良いですよねっ! 楽しく、ちょっと気恥ずかしく(笑)読めました〜。色々といいましたが、良かったです、この話。

023 WA4 (採点:3)
う〜ん。物語のラストが尻切れトンボになってしまってます。名雪と祐一のその後は? 秋子さんは? そして美汐はこれからどうなるわけ? などなど……色々想像はできますが、余韻というものを含めてもここで切るのは早すぎるかと。

後は、文頭の一文字は開けましょう。そして、名雪の台詞に違和感が結構ありました、秋子さんの設定も。推敲すればもっと良くなる要素があると思います。
けれど、光るところは所々にありました。これからも頑張っていってください。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:2)
既に何回書いたかわかりませんが、もう一度。文頭は一文字開けです。それと、今回のこんぺでは改行が多すぎる作品を多く見ましたが……この作品は、逆に改行が無さ過ぎます。

詰め込まれた文章に長々と地の文が続くのは読む気を失わせます。そこを注意して頂きたいと思いました。
で、内容なんですが……栞との別れを経験したにしては、香里の人間的成長があまり見られません。ちょっとキャラも違うような気が(私の気のせいかもしれませんが)
後は、設定が唐突な上に、その設定を理解する為の文章がかなりの部分を占めているせいで……すいません、一言でいうと面白くなかったです。

もっと思いがぐっ、とくるような書き方をしていって欲しいと思います。後、最後の英文ですが……長すぎです。こういう独り善がりな文章は止めましょう。



025 歩いて行こう (採点:4)
KANON本編では嫌な男として見られている久瀬。彼が心を開く経緯を描く、という着眼はいいと思います。ただ、祐一の過去がわかって……というのが一番のきっかけでは、やはりちょっと弱いかと。
舞や佐祐理さんがいるわけですし、かなり長めに書けるわけですから二人を絡めた方が話に説得力が出ます。やけに祐一がスーパーマンみたいに描かれるのもあまりよろしくはありません。あまりに情けない祐一もなんですが、やりすぎるとちょっと冷めます。

後、これは私見ですが、生徒会長他一名を、集団でリンチしようとした(しかも停学中)ら、いくらなんでも新聞に載りますし、退学は免れないような気がするんですが……。まして祐一は入院ですし(汗)



030 奇跡のかわりに (採点:10)
まさに、アナザーストーリー、という感じですね。
えっと……点数引くところがありません。10点つけるに当たっては、基準はかなりきびしめにしてるんですが……文句無しですね、ええ!

序盤から中盤にかけてのひたすらほのぼのとして、ギャグやら何やらが散りばめられてる構成と、だんだんと崩れつつある香里の存在に対する伏線の張り方。
後半にボロボロと崩れていく彼女の存在、そして何とかそれを繋ぎとめようとする祐一。その状況を取り巻く、名雪、北川、そして栞の反応。香里の心の奥に秘めた気持ち。
そして最後に、奇跡のかわりに祐一が願った事。ラストの余韻を持たせた終り方。

ああ、何て完璧な話……じわ、と目の前がかなりぼやける話でした。そして、これにはまず勝てないだろうな……と思ってる自分もいます(笑)
間違いなく、文句無く! 10点です!! こんな素晴らしい話を読ませて頂き、本当に、本当にありがとうございました!!

さ、もう1回読もう(笑)

031 グッナイ (採点:5)
ふひゅう……。えっと、おわり、と銘打ってはいますが……これ、完結してないと思うのは私だけでしょうか? ほのぼのと言うわりにはあのなずな一家が描かれてるせいでちょっとギスギスした感じが出てしまったのは否めないですし。

水瀬家との対比の効果を狙ったとしたなら、やはり物語が中途半端に終った感じを取り除く為にも、4人が自宅に帰るまでを描いた方が良かったです。
後は登場人物が多くなる時にはどうしても起こり易い事なんですが……たまに誰が語っているのかわからなくなりました。だれがいつ、どこでだれに、は常に頭に置いて書くのをお勧めいたします。

描写はうまいですし、話もほかほかしながら進んでいくんですが……ヤマが無いんですよ。長い話はどうしても冗長になりやすいです。これからは、そういう所に注意していって欲しいと思います。


032 悪魔を憐れむ唄 (採点:8)
この話は……この話は最初、ただのKANONのコピーだと思ってました。そして、空行が多いし、面白くないだろうから後回し、と。
大きな間違いでした。カノン本編でも、恐らく随一に難解な舞シナリオ。その話の根幹となる部分をこれだけ描いた話は、私見たことがありません。そうか……そうだったのか、と。
全身に震えが走った程です。もう一度舞シナリオをプレイしてみようと、そう思わせるほどのものがありました。

無論欠点もあります。5体の魔物のうち、何体かはあの最後の日の前に既に倒されてます。つまり矛盾があるわけですし、それにやはり空行が多かったのは否めません。ラストもちょっと弱いと思ってしまうのは残念です。
でも。それでもこの話はそんな欠点を補える程の物があったと、私は信じたいです。

ただのKANON劣化コピー、という風にこの話をみなした人が何人かいると思いますが……ぜひもう一度読み返す事をお奨めいたします。この話は決してそれだけではないと、私は思います。

035 復讐という名の代償行為 (採点:9)
怖い……。祐一が、祐一が〜! 
ええと、怖がってても仕方がないので感想を(汗)ダークの中で最も出来のいい話だったと思います。

展開がうまいんですよ、本当。祐一が、まるで犯人を知っているかのようにアパートの前で待っている。それは完璧な間違いじゃなかった。だって、犯人は祐一自身だから……。
でもこれ、包帯めくって見てただの火傷だったら、話が崩壊しますね(笑)でも、そうか……名雪を襲っちゃったのか、祐一……。完璧に救いの無い話なんですが、でも、読んでて強く読み手を引き付ける構成になってるんです。

素直に良作だと思います。ただ、惜しむらくは、5日目の名雪の語り……祐一の頭の中でのあれですが、あそこの記述が弱いんですね……。叙情的なのはわかるんですが、もう少し詳しく。そこで1点だけ引きました。

040 楽園日記 (採点:10)
何故だろう……。何故私はこの作品に迷わず10点を付けているのだろう……。
ヒロインが、どころか女の子が誰もいない話にもかかわらずだ。

人より100手も200手も先に行き、しまいにはどこに行ってるのか誰もわからないような祐一。そんな祐一の事を恐らく一番理解している、それでいていつでも渋い裏方という役が似合う北川。
人の上にばっかり立っていたけれど、実は悩みの多い、それでいてかわいい(笑)所のある久瀬。そして、この物語を眺めている一般人の斉藤。

4者4様の遭難生活。でも、その中にこれでもかと盛り込まれた人間ドラマと、くすくす笑えるようなギャグ。そして青春。『楽園日記』というタイトルにこめられた気持ち。
最後まで初志貫徹して誰もヒロインを出さなかった事に関しては、もはや感動すら覚えるこの話……。

悪いところ? そんなもんはないです。何も気になる所などありませんでした、私には。読了後の、このなんともいえない不思議な感覚……中々真似できる物ではありません。
この稀代の名作に出会えた事に感謝しつつ、では私も4人に見習って、最後に一言。

「あゆーーーー!! 大好きだーーー!!」(爆)

041 また逢えたらいいね (採点:10)
うーむ、10点が連発……。
我ながら自分の基準が本当に厳しいのか疑問に思えてくる今日この頃。

えっと……まず文章上の表現から。ダッシュの使い方、三点リーダーの使い方、「……」の、いわゆる無言での間の取り方、そして行間をあける所と反復表現。
どれももう、完璧に洗練されてます〜! 一歩間違えると地雷になる可能性のある使い方を、よくここまで……と思わせるくらいうまいです!! 

次に設定ですが。よく読みこむ人には色々と面白さが。そうでない初読の人にもやっぱり色々と面白さが!
一粒で10回くらいおいしいです(笑)
個人的にはタイムスリップを説明する「……だるー」な会話が最高!(笑)後は、もう色々と進歩している科学技術が流される流される。どんぶらこっこ、どんぶらこっこと(笑)そうです、科学技術の説明を描く話じゃないんですから、これくらいの匙加減がちょうどいいと私は思うんですよ。
でも、この匙加減が難しいんですよね、やってみると(汗)

そしてキャラ! 佐緒里ちゃんに萌えまくった私は駄目人間でしょうか(笑)何ていうのか、オリジナルキャラでこれだけ萌えたのは初です!(ぉ)
何だか佐緒里ちゃんで1本話書きたいと思えるくらいに萌えました(マジ)ああっ! 最高っ!
いえ、栞も香里も香那衣もいいんですけどね〜。何ていうのか、佐緒里ちゃん萌えです(笑)
試しにちょっとだけ。
 
「わたしなんか比べ物にならないー! ちょっと悲しいー! でもこれから頑張ればここまで……」
「行けばいいですね」
「栞ちゃんきらいだー!」
 すいません、やっぱり私には無理かもです(泣)

そして、これだけの話を書いて、最後にきっちりとじんわりくる締めを持ってくる……。最後の記述、ハッピーエンド好きな私から見ても意表をついてくれてました!
世界観はいわゆるブリンダーの木ってやつですね〜。でも、そんな物を知らなくてもこれはもう読める読める……。悪い点……そんなものは無い、と言いたい所ですが、反復表現が『少し』だけ多かったかな、と。でも、それ差し引いたってこれは立派に10点です! 素晴らしい作品でした!

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
こ、ここまでスーパースターに書いた祐一ってのも、またそれは違和感が……(汗)
色々と設定があるようなんですが(久瀬とか祐一の職業)その描写の中で、一部説明不足なものがあるように感じられました。後は、偶然久瀬の言葉を聞いていたから佐祐理さん……というのがちょっと。
祐一の真意を読み取った、とかの方がいいと思います。或いは、スタートラインを全員一律にして、最後も誰とくっつくのかわからない(決めない)ようにするとか。
そして、5人が随分あっさり引き下がるのも変と言えば変です。真琴やあゆあたりは、結婚相手を探して家に押しかけるぐらいやりそうですし。

佐祐理さんと祐一との会話も唐突感がありますし。もうちょっと読者を佐祐理さんにひきつけた方が良いです。後は、キャラごとに描く部分の格差が大きかった事もあまりよろしくはありません。もっとも、私はあゆが好きなんで満足でしたが(ぉ)ほとんど書かれてないキャラもいますよね。ALLにするならそれなりに出番は均等に(あくまでそれなりですがね)回しましょう。

とまあ、色々と気になることはあったんですが、未来のお話というのは好きです。これからも頑張って下さいねっ!

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:5)
この話、一番読んでいて気になったのは、栞と美汐の発言の違和感でした。何か、キャラがあっているようで違うという感じがして。そして、細かくあちこちに散りばめてある面白さが、線になって繋がっていかないような気がします。一つ一つを見ると面白い所も結構あるんですが、物語としてそれが点になっている感じがしました。

流れが切れる、というのでしょうか。漠然とした意見ですいませんが。そのせいで、いい作品の場合は一気に読みきってしまうんですが、これは読んでる途中で『今、どの変かな?』と、何度も確認してしまったので。

でも、コインを使った遠まわしなちょっと気のきいた告白は面白いと思いましたよ〜。あっ、なるほど! と思わせる話で。5点にするか6点にするかちょっと迷いましたが、5点で。
やっぱりキャラの違和感がかなり大きかったのがもったいないと思いました。

045 桜が告げる春の風…… (採点:9)
お約束な話なのに、お約束な展開なのに。でも、こんなお約束だと思われる話を読んだのは久しぶりです♪
美汐を主眼に置く話でやって欲しいことはみんなやってますね〜。
にしても、『あまりもの』ですか(汗)辞書入りカバンで殴られても、同情の余地はゼロですな(笑)

しっかりと作られたこういう話を読みたいな〜と思ってましたから、私は凄い嬉しいです♪
ただ、唯一にしてかなり気になった事を。
『詩子』『美鈴』というこのキャラの名前……もうちょっとなんとかなりません?(汗)いえ、覚えやすくて良いんですけどね(笑)

最後のラストがありきたり……と言われる方、きっといると思いますが、私はこういうの大好きなんで♪
楽しんだもの勝ちです♪ というわけで、いいお話でした〜。


046 ホワイト・ミュージック (採点:2)
…………。

いいたい事はかなりありますが……。あゆの言葉が終盤、ボクになったりわたしになったり私になったりと、誰が語ってるのかかなり訳がわからなくなりました。が、それよりも。
話が今、どんな風に進んでいるのか全然わかりません。時間軸は訳のわからない飛び方をするし、話の流れが全然掴めないんです。ストーリーが連続してないんですね。話がぶつ切りな感じがします。

そして、内容なんですが……正直、話の内容そのものについては良くわからなかったので(話にまとまりが無くて話そのものの評価をする事ができないんです)キャラについて。

祐一がまずネガティブすぎます。どうして受験に落ちた祐一を書く人って、こんな風に書く人が多いんだろう……(泣)その上で祐一がほとんど出てきませんから、祐一があゆを探しに来たって言われても、ふーんと思ってしまいますし。

で、次に……美汐、キャラが違います(泣)「ツボを割る」というくだりを読んだ時、嘘だろと思っちゃって。真琴と出会ってる(文章中から類推出来ましたので)上で、美汐の考えがこれ……成長ゼロですよ、これじゃあ……。それにあゆの行動も何か違和感が。感覚的なものなんですけどね……。


最後に……なんで祐一と名雪が結婚してるんでしょう。欠片も描写されてませんよ、ええ。何か……物語の最初と終わりだけを読んだ気がします。これでは……ちょっと高い評価をするのは無理です。
書き終わった後に、一度、他人の目になって読み直す事をお奨めします。作者の頭の中ではわかっていても、描写されてなければ読者はわかりません。

数少ないあゆの話だったんで、かなり期待してたんですけどね……がっくし(泣)

048 走る少年少女達 (採点:3)
句点はカギカッコの後ろにはつけません、あと、文頭は二文字開けではなく一文字開けです。

内容なんですが……ジャム、祐一が知らないうちに思ってる事を言う、の2つはもう、おなか一杯です。しかも、ひねりがあるならまだしも、どちらもひねりゼロ……。後は、久瀬が全くのノーフォローでいい奴として描かれているのは、激しく違和感を覚えます。

そして……ヒロインの皆さん、全員記述が弱い……。後は舞。「牛丼、牛丼、牛丼、牛丼、牛丼」って……そんなの舞じゃない〜(泣)
祐一と北川のやり取りは面白かったんですがね。
んで……結局この競技、誰が勝ったんですか? せめてそれは書きましょうよ。

盗作云々というのは頭から排除して、純粋に作品としてみました。それでも点数はこれくらいですね……やっぱり(汗)

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
最高(笑)何かもう、最後の香里の「北川君のバカァ!」が効きました(笑)

読んでてすっかり騙されましたね〜。祐一が、名雪と後ろで……ってのを読んだ時には腹抱えて大笑いしてたんですが、ページをめくった途端『おおぅ、し、シリアス……』
ページめくりを上手く使った作品です。見事に騙されました。

言われてみたら、変に祐一ははっちゃけてるような気も。でも、バスタオルを巻いて……北川よ、祐一も駄目だけど、お前も駄目だ(笑)後は、カタカナ表記を上手に使ってたと思います。『マチ゛?』だけはちょっと引きましたけどね。うーん、重ね重ね、序盤のギャグと終盤のシリアス、そして最後はやっぱりギャグの構成、上手いですね〜。10点です〜! 
ああ、本当に自分の10点をつける基準が厳しいのか自問自答……(汗)

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:6)
何やら読んでいて『プロジェクトX』を思い出しました(笑)途中からは歌まで聞こえてきたり(笑)
聖先生が登場してたりと、小ネタも効いていていい感じです。惜しむらくは……というか、回避しようが無いんですけれど、専門用語の連発はきついな、と。下手な人がやるとただのカノンの劣化コピーになるんですが、この話にはそれだけでない何かがしっかりありました。オリキャラもかなりいい味出してます。
ラストの「定期検診の時以外、君の顔は二度と見たくない」格好いいですね〜♪

最後に一言だけ。
あゆ;うぐぅ……ボク全然出番無し……。

063 丘の子守唄 (採点:2)
う〜。一言でずばりいってしまうと、あんまり面白くないんですよね……。
設定が突飛すぎるのと、オリジナルキャラがわんさか出るのに、ちょっとついて行けませんでした。美汐の話はいい物が多いせいでちょっと辛口な見方になってしまうんですけどね……。

オリジナルキャラに魅力をあまり感じなかったのが失敗なのでしょうか。後は、ラストの展開がいきなりパタン、と終った感じがして……。長々と書いてある、という印象から結局最後まで抜けられなかったんですよね。ちょっと残念でした。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
これですよ! これなんですよ、私が読みたい真琴と美汐の話っていうのは!! 真琴と美汐はやはり、こうでないといけないのです!! いや、あくまで私の勝手な妄想かもしれないんですが(笑)
真琴、美汐、祐一。3人とも見事にキャラを掴んであります。わざと句読点を使わないで真琴の慌てっぷりを表現したり、ちょっとだけはっちゃける美汐先生だったり。
祐一は相変わらず素直じゃないというか(笑)

地の文もうまい、というか私にはこんなの書けません(汗)道路に立てられた駐車禁止の標識だけが、美汐の赤い顔を見ている……って、よほど熟練して無いと書けないですよ、こんな風に。

そして人魚姫を題材にしたのは、もう素直に凄く上手いと思いました。人魚姫は原作のラストがBADな終わりですのでハラハラしながら読んでたんですがね。

読んでて一番心に響いた美汐の台詞に
「どうしようもない出来事があって、どうしようもないまま、どうしようもなく終わる。 ――相沢さんは、そんな物語が見たいのですか?」

素直に泣けました。ここまで読んでて私の中では、既に8点以下は消滅してました。名台詞だと思います。KANON本編にあってもいいくらいの台詞だと思います。10点にするか、かなり悩みましたが……真琴と祐一の間が少し薄く見えてしまったのが残念だなぁ、と。最後は三人一緒に帰った方が締めとしては良かった気がします。美汐の描写がもの凄く上手いので、そのせいで相対的に薄く見えてしまったのかもしれませんがね(笑)

本当に、本当〜に、素晴らしい作品でした!!

071 一緒に生きたい (採点:2)
この話……何だか、読了後にぽっかりと私の心に穴が開きました。
文章作法は守られてるんですけどね。香里・名雪・栞の性格の把握、地の文表現。見事です。でも……でもですね。でも、この話私には駄目です。

あゆと祐一の二人だけの学校に第三者(北川だからだめ、というのではありませんよ)を絡めた時点で、私の点数はがくーーっと落ちました。しかし、もっと悪いのは途中から話が栞にスライドしてしまい、あゆと祐一の存在意義がほぼ消滅してた事です。これだけ原作から逸脱してるんだから、何か深い意味があるのかと思ったら何も無い(と、少なくとも私は思いました)んですもの。何だか、KANONのあゆの話を土足で踏みにじられた感じすらしました。

栞の話では「栞を受け入れるのを拒否する」北川はちょっと……もう少し拒絶するにしても言い方があるような気がします。あと、栞が翌日に普通に現われるのは変ではないですか?現われるにしても日を置くぐらいはしないと。そういう所で読んでて違和感を感じました。
北川と香里の会話の所は、原作の祐一×香里よりも臨場感ありましたし、心境も伝わってきました。やはりうまい所はあると思うんです、この話。
そして祐一。「俺は十二時間で人の顔を忘れる特技があるんだ」
ギャグなんでしょうが……笑えません。全く笑えませんでした。あらゆる意味でこの話、あゆと祐一が出てくる意味がないですよ……。

この作品、全く違う意味で読了後に泣きました。もし、栞と香里と北川だけでこの話を描いていたら、もっと高い点数つけたでしょうね。でも……だからこそ私は、読んでてひたすらに悲しかったです。
もうわたし、笑えないよ……という気分でした。
正直言うと……あゆシナリオ、もう1回やって下さい。第三者が入りこむ余地ないですよ、あの学校には。

かなりの酷評をしましたが、文章力や構成力はかなりあると思います。これを読んでこれからも精進していって欲しいと思います。

075 True story (採点:1)
ええっと……地の分がごちゃっ、会話文がごちゃっ、という凄い構成だなぁ……というのが、最初ぱっと見の感想です(汗)頑張って読みました。逆にいえば、頑張らなければ最後まで読めませんでした(汗)

まず、思った事なんですが……本をもうちょっと読んでください。頑張って長く書いてるのは認めます。でも、これはちょっと……。本っ気で疲れました。
文章作法なんですが……余程ひどくない限り、誤字脱字の指摘は私はしないんですが……今回はします! 一体、どれくらい誤字、脱字があったのかもはや数えられません(汗)で、文章作法は、守られている所が一つたりともありません。
全部一度に指摘するつもりはありません。お願いですから、まず『改行』という物は覚えてください……(切実)

で、本文ですが……。「電波、届いた?」なんて幻聴が聞こえてきそうでした。何度途中で読むのを放棄しようと思ったかわかりません〜(泣)
5W1Hをまず、考えましょう。いつ、どこで、だれが、何を、だれに話したのか? これをしっかり描写してください、お願いですから。後は『わかりやすい普通の表現』と『難解で高度な表現』の2つの表現の仕方がある時に、難しい方ばっかり選ぶのはやめましょう。

こう言っては何ですが、まだあなたはそれだけの文章力に達していません(汗)
本文の内容……名雪との結婚後〜の話……だと思いますが(汗)中編なのに、ヤマもイミもオチも無いです〜(泣)香里が変な所で出てきたり、いきなり秋子さんが会話に参加していたり、果ては唐突に美汐が話に絡んできたり……。

私は電波を受信できるわけではありません〜!(泣)これ、初読で内容を理解しろ、というのは絶対に無理です! でも、2回以上読めと言われても、もう読みたくないです私……。ああ……最後まで読んだ自分を誉めてあげたい気分……(泣)

とりあえず、恐らく他の方も色々と突っ込まれていると思われますが……これに懲りず、今回の失敗をバネに頑張っていって欲しいと思います。かなり思った事をそのまま書きましたけれど、頑張って下さい、ええ、本当に……。


076 夢の劇場 (採点:7)
「はいっ、プレゼントです。あ、お世辞なんていりませんからね。芸術家は批評されて成長するものなんです。さあどうぞ正直な感想を!」
「うぐぅ」
いや、冗談ですが。でも、正直に言わせて頂きます(笑)何ていうのか……KANONから奇跡を抜くとこうなるんでしょうね……いや、あゆが中途半端な奇跡を使ってる事を考えると、祐一がいないストーリーはこうなるのか……。一言でこの話を表現するとしたら「鬱だ〜!」でしょうか。

とりあえず気になったのは、地の文が一人称になったり三人称になったりする事です。どっちかに統一するか、場面場面で統一させるかした方がいいです。
でもそれにも関わらず、誰が語ってるのかで混乱する事は、最後までありませんでした。それは流石だと思います。

話の内容ですが……弱いんですよみんな。心が。特に栞と香里。祐一がいないとこうなってしまうのかもしれませんが……。
まずあゆ。もっと頑張ってくれ! と、読んでる最中に何度思った事か……(泣)あゆは探し物をみつけたわけですよね……。それなら、こんな夢を見せるんじゃなくて、どうしてこう……くぅ〜!
そして栞。もう生きる事を諦めてしまってる栞を見るのは辛かったです。ああ、それなのにそれなのに。
「たすけ……て……」
やめましょうよ、読者を泣かせるの(泣)今さらこんなお願いを言われても、どうしようもないじゃないですかっ!(号泣)
で、最後に香里に関して。気がつくのが遅い……遅すぎる……。何もかもが遅いよ〜! 香里が自分のあやまちに気がついた時にはもう、全てが手遅れだったって事なんでしょうね。
ああ、何て救いのない話……。

でも、説得力あるんですよね(泣)違和感としては、あゆが後ろ向きすぎる事でしょうか。幸せな夢を見続ける事を望むあゆ……いえ、わかるんですけど。そっか、祐一がいるかいないかでこんなに違うのか……(泣)……7点です。自分でも点が変に辛いのはわかってます(汗)でも、7点ですっ!(泣)

とりあえず、舞シナリオに入る前にこの話が脳裏に浮かぶのだけは避けたいなぁ……。入れなくなりそう。あ、あとラストシーンはもうちょっと……もうちょっと書き込んでるとよかったです。

078 「dearest」 (採点:9)
あ〜、香里が好きなんだな、この人……って、凄く伝わってくるお話です(笑)
まず先に気になった点を。
まず一つには、改行がちょっと多すぎたかな……と。読点を打つ所で改行を入れる、というのは一つの考えなのですが、やりすぎるとちょっと読み辛くなります。あくまで私の私見ですが。
次に、名雪の発言がちょっと元気かな〜と。もうちょっと名雪はぽけぽけというか、ぽ〜っとしてるというか、そんな感じがしますので。
で3つめは、北川君がもうちょっと出てると良かったな〜と。最後の告白は良いんですけど、その前にもう一つちょっとでいいのでワンクッションあると嬉しかったです。

さて、問題点は以上っ! 後はもうひたすらラブラブ〜で「ああっ! な、なんて恥ずかしいんだ! こ、これはっ! ぬおおっ!!」という感じでした(どんな感じだよ)やはり良い作品は読み終わるのが早いです。これが一番長いはずなのに、「あっ、終り……」というくらい早かったです〜。
熱湯に1分手を突っ込むのと、あゆと1日過ごすのの比較みたいなもんですね♪(笑)

名雪も栞も、立場は違いますが香里の事を応援していて……それでいてちょっと寂しそうで。そんな感じがいいのですよ〜。後は香里さん、女の子してますね、青春してますね〜。
王道万歳! という所でしょうか。やはり変化球もいいですが、私としては直球の方が好きです〜。
私はどちらかと言うと、北川×香里派ですが、そんな私から見てもラブラブでしたよ! 自分から先に告白できないで頭をかく祐一にも乾杯(笑)

dearest……最愛の人、ですか。タイトルまで王道まっしぐらですねっ♪ 素晴らしい作品でした〜。

○はまのじ さん

003 お泊まりパニック! (採点:3)
ムリヤリ全員出さなくても。
単純に、バカで頑丈な北川をボコったりパシリにしたり放置したりというのはどうにも面白くないなぁと。てか笑えないギャグSSってのは悲惨ですな。フォローのしようがないから。

006 「日課」 (採点:7)
とても面白かったです。毎朝教室の窓を開けて換気をし、香里と挨拶を交わす。そんな「日課」がきちんと「日常」として書かれていて好印象。
ただ気になったのが、ちょっと空行が多すぎかなということと、"――"と"……"の使い方。それと
> だから、だれかをすきになって、いっしょにいたいとおもうのは、おれはたいせつなことだとおもった。
とその上二行が全部ひらがななのはそういう仕様なのだとは思うのですが、わたしは違和感がありました。その三点はマイナスです。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
えぇと、どう評価してよいものか。とりあえず (;゜∀゜)=3 かな?
でもストーリーが無いに等しいのでちょっとなぁ。萌えエロじゃなくてもっと他の作品が読みたいかも。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:9)
香里と北川と栞と祐一。この四人の雰囲気がすごく良いですね。個人的には北川×香里はあまり好きじゃないのですが、本当に面白い作品はそんなチンケな感情は吹き飛ばしてしまうわけで。良いものを読ませて貰いました。
あと香里の言った
>「いくら伝わっていても、言葉にしなければいけないことってあると思うわ」
の一言は、安っぽいけどもとても大切なことだなぁと思います。

013 Conservation for Love (採点:9)
文句なしに大満足。美汐母、猛者すぎです。
ちょっと文章のクセが強いので好みに合わない人が出そうですが、わたしはそんなに気になりませんでした(ちょっと硬いかな、という印象がありますが)。
タイトルとその下に書かれている英文を見て論文かよ!と思ったのですが、狙ってやってます?


015 『雪の日の決意』 (採点:2)
決意だけで生きられるのなら苦労はしないのですが。
はっきり言って話が破綻しています。最終的には奇跡(?)で栞が復活というせんで落ち着いたようですが、それまでにもゴチャゴチャと(オチから考えると)無駄としか思えない描写が多すぎます。あと、
> 「死んだ方がましな状態ですな」
これはないと思うのですが。それに面会謝絶の部屋に入るの許したり。つーか訴えられたらたぶん負けるぞこの病院。それともドラマなどでは、こんないい加減なものとして描かれているんですかね。

016 脱走と追跡のカノン (採点:10)
こういう真面目にバカをやる人は大好きです。シリアスばかりが目立つ中編のなかで、このSSはたいへん心を和ませてくれます。タイトルからして笑ってしまったし(もとネタは筒井康隆でしたっけ?)。
各キャラそれぞれに味があってよかったのですが、特に栞(と香里)が良かったですね。栞の、
>「いいんです。それは悪の枢軸も同然の人たちですから。
にはちょっと吹き出しましたし。これはやっぱりあの国のことですかね(笑

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
えーと、「次のページへ」というリンクが見えないのですが、これは仕様ですか?

023 WA4 (採点:7)
続きっ、続きはないのですかっ!? もしくは改訂版!
……正直な話、いままで読んだSSの中でもトップクラスの上手さだと思います。ただし各セクションごとに評価した場合にかぎり、ですが。つまりSSを構成するパーツは(個人的評価として)神レベルなのに、全体を通してみるとバランスが悪かったり重要な部品が欠けていたりでしょんぼりというか、とにかく残念ですものすごく。
特に美汐が不幸エンド確定っぽいところと、けっきょく祐一は名雪と秋子さんに「縛られ」続けるのか?(そしてそれは名雪をパートナーに選ぶということなのか。もし秋子さんが死んだり快復したりするとどうなるのか)ということに対する決着あるいはフォローが欲しいです。
ただ、書きだすと長編部門が必要になりそうな勢いなので、作者の方のHPで補完とかしていただけないかなぁとか都合の良いことを思ってみたりするのですが、どうでしょう?

あと、ちょっと稚拙としか言いようのないミスが。
> 3月のはじめ。とてもとても寒い日曜日の朝。まだ秋子さんの容態はおもわしくない。
> 一月のはじめに身体を壊した秋子さんは、
ということになるので漢数字とアラビア数字の使い分け(というか統一)には気を付けた方がよろしいかと。
あと、タイトルの意味が解らないのですが、どういう意味なんでしょう?

024 Fated Meeting And Casual One (採点:4)
……電波?
「つまらない文章」なんて書くくらいならそもそも公開しないでください(SSの主題はそんなところにないのは解りますが)。「つまらない文章」という一文のためにファイルサイズを余計に食うだけですし、そもそも作者が書いていてつまらないと思うものを読みたくないですから。
あと最後の英文は読む気しないです。SSの内容の評価は点数を見てください。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
ONEですな。つーかオチが弱いです。それまでがわりと面白いのにラストで興ざめというか。
どうせなら4/5のあたりで終わるか、香里が再び出てくる(或いはその希望を読者に抱かせる)ような終わり方の方が好みです。それが良いことかどうかは別ですが。
あと前半のコメディ部分と後半のシリアス部分の差に違和感が。

040 楽園日記 (採点:10)
名作。
「バカなことを真面目に書く」のと「バカなことを真面目にやる人間を(真面目に)書く」のは似ているようで違うというか。きっと後者の方が難しいのだろうけども、このSSはそれを見事にこなしている。正直な話、読んでて驚きました。こんなSS書きが居るのか、と。いままで読んだこんぺSSの中で、一番「この作者の他の作品も読みたい」と思った作品です。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
中編部門はレベル高いなぁ……。十点はこれで四つ目。
美汐が可愛すぎていけませんもうハァハァしたいくらいに。このSSはストーリーは文句無しとして、全体的に会話が良いですね。個人的には告白イベント(?)以前の、祐一曰く「微妙な」会話がかなり好きです。おじいちゃんと将棋とかふえるわかめとか。わたしも学生時代は友人とこういうアホな話で時間を潰したりしてました(でも相手は同姓でしたが)。
とっても素敵な魔法をありがとうございました。

048 走る少年少女達 (採点:6)
あぁぁ……わりと面白い話なのに、邪夢で脅迫とか祐一が考えているコトを無意識に口にする癖を持ってることとかが萎えます。ネタにし易いのはわかるのですが、それらのネタはいいかげん食傷ぎみなので違う手を考えて欲しいかも。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
あーあ、やっちゃったというか何というか。
祐一曰く「コメントに困るような台詞」、あれはダメでしょ。正直萎えました。たとえネタであっても(もし本当のことであるならばなおさら)ああいうことは書くべきではないです。
まあ「萌え」を語る部分はベタですけども笑わせてもらいましたし、文章も悪くないと思うのでもうちょっとコンパクトにまとめたものを読んでみたいです。あと文の最後には句点をつけたほうがよろしいかと。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:8)
大変面白かったのですが、メインであるはずの祐一と舞よりも佐祐理さんと爺さんの方がイカしていた気がするのですが。特に
>「今なら、そんなに差がないと思いますよ」
の一言がツボでした。ちなみに舞SSのはずなのに佐祐理さんの方が印象に残っていることが主な減点対象だったりします。
というか佐祐理さんは「あははー」と四六時中笑っている脳天気娘よりも、このSSのような怖い一面を持っている方が、より“佐祐理さんらしい”と思うのですが、一般的にはどうなんでしょうね。

057 移し火恋歌 (採点:6)
第6章までは面白かったのですが。
キャラそれぞれの終わりは用意しているのにシナリオは投げっぱなしなのはいかがなものかと。登場人物が壊れているからこそストーリーはあくまで論理整合性がとれていないといけません(出来ないとただの電波小説です)。それが仕様なのだとしたら、わたしとは感性が合わないということでしょう。
文章力はあるのですから、ストーリーを破綻させずに書いて欲しいです。本当ならもっとボロクソな評価を付けるのですが、他の作品への期待を込めてこの点数です。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
医療関係の描写がある栞SSで、初めて胡散臭くないものを読みました。
正確には「胡散臭さを意識させないSS」ですが、やはりこのレベルまで書き込んでハッタリをかましてもらわないと読めたものじゃないですから。
まぁそんなことはどうでも良いことなのです。栞の、
>「先生、私は恋をしています。だから、死にたくありません」
この一言がすごくすごく良かったです。こういう直球は反則というか何というか、もう「よーしギャグ・コメディー以外には十点入れないぞー」とか言ってたことを忘れてしまうくらいに神降臨!みたいな。何言ってるのかわかりませんねスミマセン。

それはそうと、皆から指摘があるでしょうが、
> 新たなる必然ある
……エセ中国人?

○ひごあきら さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
読み終えた今、悪酔いた気分になりました。
読者を置いてけぼりにしているような印象を受けました。

049 少年期 (採点:9)
安易にモテモテ話を書く人に読んで欲しい作品ですね。


052 Give me a reason (採点:8)
ああいう過去があるから、医者としての北川と香里がいる。
これをきっちり書いているのが好印象。
ただ、難点を二つ。
・−2−の高校時代、あの場で互いの気持ちを伝え合うのは、かなり違和感を憶えた。
・−5−で快気祝いに医学書は違うだろう、と思った。

相手の心に届く言葉を持っている北川は、本当に良い医者だと思います。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
他の作品がシリアスばかりなので、こういう正統ラブコメを読むと嬉しくなります。
勿論、それだけで10点をつけた訳ではありませんが。

071 一緒に生きたい (採点:5)
シチュエーション、シーン、台詞、それぞれに目を引く箇所はあったのですが、
全体を見たらガタガタとした印象を受けました。
もう少し練り込んだ方が良いと思います。

○まーきー さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:7)
 明喩・暗喩・韻律その他全てを理解出来たわけではないと思うのですが、それでも、「よくここまで書けたなあ」という感嘆が先にあります。久瀬の思考展開には個人的に受け入れ難い部分もありましたが、こんな風に自らを律し律される人間もいるだろうな、と納得することが出来ました。これだけ抽象表現に拠っていながら、語られている内容が徹頭徹尾Kanonであることは、驚きですらありました。
 唯一気になったのは、最後の「門出」の部分です。これまでの展開に比して、ちょっと単語の響きがチープかな、と。個人的には、ここはもっと別の単語なり比喩なりで表現してほしかったな、と思いました。

002 鈴の音よ再び (採点:3)
うーん。真琴シナリオのラストの祐一君を見ていると、ここまで弱くはないような気がします。あるいはその点についてのフォローが描かれていればまた印象は違ったのでしょうが、今回の作品を読ませていただいた限りでは、彼の不自然な弱さに対する違和感が付きまとい続けていました。そのため、最後の彼の立ち直りについても薄っぺらいものに感じてしまったのです。あざといながらも、緊迫感を持たせる話の引っ張り方は好きだったのですが(^^;)

006 「日課」 (採点:7)
最初はいつになったら話が始まるんだろうと不安だったのですが、だんだんと話に引き込まれていきました。北川君の「いい人」っぷりがとても彼らしくて、すっと感情移入出来ましたし。他愛のない恋愛話、だけどそれが凄く爽やかで。最後まで気持ちよく読むことが出来ました。うん、面白かったです。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
中篇でやる話じゃないような気もしますが(笑)、なんだかんだで面白かったです。ここまでやっていいのかな、なんて老婆心も芽生えましたが、それはそれ。ここまでやってこそのギャグなんだろうな、と妙に感心する自分がいました。で、それはそれとして、とりあえず肉布団に一票!(笑)

012 空っぽのテクスト (採点:3)
栞の細かな所作・気持ちに至るまで丁寧に描かれてはいるのですが、やはりあゆの犠牲についてのフォローがどこにもないというのは……僕には受け入れられませんでした。せめて一文だけでもいい、あゆが死んだことに対する彼らの思いが綴られていれば……評価はまったく違ってきたかもしれませんが。

013 Conservation for Love (採点:8)
 That's comedy! よくまあこんな題材からこんな面白いお話を書けるものだな、と素直に感心してしまいました。美汐のお母さんのインパクトが強すぎてそれまでの話が頭から吹き飛んでしまったのは──まあ、ご愛嬌としかいいようがないですが(笑) ていうか美汐もぶっ飛んでましたが、さすがそのマザー。1度手合わせしてみたいものです(何の)
 馬鹿馬鹿しいお話をきちんと笑えるように、しっかりと制御された叙述も見事でした。色んな意味で参考になった──という意味も込めて(^^;)、有難うございました、と言わせていただきます。

023 WA4 (採点:4)
 あれ? えっと……ここで、終わりですか? なんか色々解決してない問題があるような……。たとえば、前半に祐一が抱いた「美汐は危うい」という懸念はどこに放り出されたのでしょう? 祐一が名雪たちとの間に起きた出来事を話すことが、そうした懸念のカンフル剤になるとは思えないのですが……そもそも、別の理由で話したと祐一自身が言及しているし。
 ええと、自分の読解力不足かもしれないので、点数は平均的なものにします。暗喩があったのだとしたらごめんなさい。
 うぐう……今のところ、他に言いようがないです(汗)

027 ウエディングヴェール (採点:4)
 きちんと書かれてはいるのですが……真琴が可哀想で、しかもその可哀想なところを(運転手の性格描写などが)ただ助長させているように思えてしまったために、どうにもお話自体を好きになれませんでした。特に、祐一が女性に囲まれているところを見た時の真琴の切ない気持ちは、どこへ行ってしまったのか、という点に納得出来なかったのが、残念でした。少しのフォローがあれば全然印象は違ったのでしょうが……。

029 最後の奇跡 (採点:7)
 名雪シナリオの補完。いや、名雪の補完、でしょうか。受け身な面ばかり目立った彼女を、本編の祐一と同じ位置に立たせるためのエピソード。確かにこのお話の結果、それは成し得たのかな、と思います。安定したテキストもそのことに一役買っていると思いますし、あゆの最後の願いに矛盾がない点がやはり白眉でした。
 ただ、そのために発生した事件が本編をそのままなぞらえたものという点については、いささか工夫に欠けるかな、と思いました。祐一の交通事故ではなく、もっと別の事件から同じ結末に向かっていたのならばもっと良かったかな、と。

031 グッナイ (採点:7)
 展開にやや冗長なところがあった気がしましたが、端々の小粋な描写が読んでいて気持ち良かったです。グッナイ、このタイトル通りの雰囲気が、最後の段落から確かに伝わってきましたし。
 特に、秋子を取り巻く三人──祐一、名雪、真琴の会話と所作が良いですね。お互いの関係を掴んで、距離感を整えて、つかず、離れず、家族としてただそこに在る。だからこそ、彼らの繋がりは深いんだろうな、とこの作品を読んでいてしみじみと感じることが出来ました。有難うございました。
 ただ、なずなファミリーの諍いがインパクト強かったために、物語の軸が掴み辛かったのは、少し惜しかったかもしれませんね。充分許容範囲だと思いますけど。

033 エム (採点:7)
 細かな点で幾つか気になるところはありましたが、そこはそれ、楽しみながら最後まで読ませていただきました。ゆきの設定は誰もが考え付くところですが、それを他人に向けさせたところが良かったですね。ただ魔物の存在については、ユキへの嫌悪だけでなく、両親への思いを絡ませることが出来ていれば、もっと良かったかな、と思いました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:5)
 うーん、やや新鮮味に欠けている気がします。前半の名雪が秋子に目配せするシーンで展開が読めてしまい、そのまま予想通りの、どこかで読んだようなストーリーが続く。この長さでこうしたテーマを描くのであれば、何か一つでもいい、アクセントを設けてほしかったと思います。せっかく旅館という非日常な舞台にいるわけですし──たとえばあゆと名雪の卓球勝負に持ちこむとか。……それも安易ですかね(^^;)

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:4)
 北川君と香里の仲良くなっていくシーンで、どうして香里が北川君に惹かれたのか伝わってこなかったのですが──そもそもどこまでが栞の脚色なのかわからないので、そこは判断保留することにします(^^;) 
 というわけでその他の部分ですが、物語に新鮮味がないのがちょっと寂しかったです。祐一と栞の関係を、一段低いところで繰り返しているだけのようで、やや安易だったかなと。むしろこのお話は中盤をざっくり落として短編にまとめるくらいでも良かったのかもしれない、などと個人的には思いました。

039 幻実、そして星 (採点:8)
 最後が良すぎです。舞が言いそうで、言わなそうで、でも言うかもしれない──そのぎりぎりのラインのセリフ。それがばっちりハマっています。勝馬と、舞。その不思議な関係についてここで言及するのは野暮でしょうが、この舞の一言で、勝馬も、舞も、そして読み手である僕自身も救われたような、そんな気がしました。
 意外性のある展開も含めて、見事な結末でした。拍手!

040 楽園日記 (採点:8)
 突拍子もない設定を、しっかりと調べてから描くことで見事に纏め上げていますね。ていうか素直に上手いです。面白かったです。特に8月14日以降の青い野郎共(笑)の描き方は絶品。よく、あのかたくなな久瀬をここまで壊す(というのかなんというのか)ことが出来ましたね。ホント、脱帽ものでした。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
 ……凄すぎです。もう、言葉もないです。
 でもそれだと寂しいので、試しに一つ一つ良かったところを挙げてみましょうか。

1.キャラが魅力的、かつ、原作のイメージを損ねていない。更には未来像として新たな魅力を描き出すことに成功している。
2.冒頭の掴みが秀逸。突飛な状況をすんなりと読み手の中に落とし込む早緒里のセリフには脱帽の一言。
3.早緒里のキャラ造形が巧み。作品内ばかりか、Kanon本編の誰とも重ならないところで、けれど美坂姉妹の根底にあるものを確実に受け継いでいることを感じさせている。
4.物語の運び方が奇跡的に上手い。どこまで作品をコントロールし尽くしたらここまで描けるのか、本気でお聞きしたいくらい。
5.小ネタの利かせ方が最高。特にそれを挟みこむタイミングは天性のセンスの賜物としか思えない。

 ……とか何とか、さらっと書いただけでこれだけ頭に思い浮かんできたし(上の1〜5の項目、2分くらいで書きました)。いちいち挙げていったら果たしてどれだけ出てくることやら。ああ、もう何だか凄すぎです。
 僕も一応SS書きなので、今回のコンペは本当に、自分の書き手としてのスタンスを再考させられるものが多くて困っているのですが──この作品も間違い無くその一つです。僕にとっての理想のSS。早く作者さんのお名前が知りたいです、ファンレター書きますので(^^;)

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
 うーん、佐祐理さん、ホントに出し抜いちゃってますね(汗)
 舞は例外としても、他の女性たちについては無視しちゃっているように思えて、どうにも話の結末に納得出来ませんでした。言うまでも無く、他の女性たちについても手紙の中で結末を用意しているわけですが──その内容にも違和感があったので。あれには佐祐理さんが驚いてますが、僕も驚いてしまいました(汗)
 あと、お話全体として単純過ぎた感があったのが残念でした。総キャラ出演させることで結構なサイズになっていますが、この結末に持っていくのであれば、もっとキャラを絞ってコンパクトにまとめても良かったかな、と。

044 パンドラ (採点:9)
 「もうすぐ、霞月のもとに、空からお菓子が降ってくる」──狙いすまして放たれたこのセンテンスが、やっぱり大好きです。読んでいてじんとなって嬉しくなってきちゃうくらいに。しかもここで集約しておきながら、しっかり最後の段落でフェイド・アウトさせるなんて。ああ、もう、上手いなぁ。文章ももちろん上手ですけど、読み手を惹きつける話の運び方が本当に凄かったです。緩急が作り出すドライブ感。明暗が織り成す深み。情景描写は読み進めるスピードと同速度で目に浮かんでくる。──ああ、上手いなぁ。
 あえて苦言を呈すならば、霞月絡みのシリアスパートから美汐の暴走ラブ思考(勝手に命名)への流れに、やや唐突な感があったこと、でしょうか。でもそれも充分許容範囲内だと思いますけどね(^^;)

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:6)
 非常に丁寧に描かれているし、きちんと論理立てられているのですが──その代償として、描写、特に心情の説明がくどくなってしまっている、と感じました。率直に言わせていただくと、読むのに疲れてしまったんです。そして、細かく文字を追っていこうとすると、いつのまにか全体を見失ってしまうという結果に。木を見て森を見ず、という皮肉な結果になってしまったんです。
 苦言を呈してしまいましたが、お話の練りこみ方は素晴らしいです。特に各登場人物の造形とスタンスの取り方はお見事。難しい距離感をよくここまでまとめたな、と素直に感心しました。

055 煌めきの欠片 (採点:5)
 人称の転換、場面転換、各シーンでの主体となるキャラクター、主語の配置。それらがいま一つ的確ではなかったために、読んでいて非常に混乱してしまった。そんな感がありました。どうやっても複雑になる話なのですから、せめて描写法はスマートにまとめた方が無難だったのかな、と。あと、キャラのセリフが台本調に感じられてしまったことから、物語を楽しむところまでいきませんでした。よく考えられたお話なだけに、それが惜しかったな、と思いました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
 良い雰囲気ですね〜。タイトルがちょっと大上段に構えすぎてて少し気が引けていたのですが、読んでみるととてもシンプルで、温かくて。等身大の祐一と舞の姿に、知らず感情移入していました。
 特にセリフ回しが良いですね。その中でも佐祐理さんが良い感じです。「脇目もふらずにがんばってください」なんて、彼女が言うと凄く素敵な響きに聞こえます。前半はやや間延びした感があったのですが、彼女が出てくるたびにお話が締まったので、最後までストレス無く読むことが出来ました。うん、面白かったです。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
 ミスリーディングを誘う箇所が幾つかあったのですが、このトリックは狙っていたのでしょうか? いずれにせよ自分は、それを察知して回避しながら読み進めることを楽しむ──などという些か穿った読み方をしてしまいました。失礼な読み方でしたらすみません。
 けど、多少こじつけっぽい部分もありますが、この設定は面白いですね。改めて読み返すと、このお話からKanon本編までの各登場人物たちの心の軌跡を追ってみたい気持ちになります。彼女たちが何を考えて、どう行動し、それが本編にどんな影響を与えたか──その辺りの繋がりが素敵で、ウィットに富んでいて、何より温かくて。「Kanon」というタイトルの持つ意味に、また一つ深みが増したような、そんな優しい錯覚に囚われることが出来ました。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:9)
 うぁ、面白ぇ。こういうお話は大好きです。特段ダークだとは思いませんでしたが。あ、でも、Kanon本編に相対する位置が微妙にねじれているところは、ダークと言えなくもないのかもしれませんね。根底に流れるテーマはとんでもなく優しいものだと推測しているんですけど、その一方で。
 Kanonを一旦胸中に取りこんで、それを丸ごと自分の言葉で吐き出したようなこの作品。でも決して独り善がりではなく、ラストで何もかもを纏め上げている。その手腕は脱帽の一言ですし、書き手としての姿勢には尊敬に値するものがあると思います。見事な作品を、有難うございました。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
 似たようなこと、自分にもあったなぁ、としみじみ過去を振り返ってしまいました。いや、祐一ではなく、北川君と似た経験ですからね、念の為言いますと(笑)
 けど、その時の自分もほぼこの北川君と同じような心境に陥りましたね。友人との距離を考えさせられた。しかも、その後無性に誰かに告白したくなったところまで一緒だったり(^^;)
 と、私的なことばかり書いてしまったのですが、つまり何が言いたいかというと、この作品はそれだけリアルだ、ということです。男二人のやりとりをこれだけの密度で描けるのだから凄いです。普段から祐一×北川君(と書くとホ○っぽいですが)のお話を書かれている方なのでしょうか。少なくともそう思わせるだけの手馴れた上質さがあることは確かです。
 最後の、かすかにlowを含んだhighなテンションも好みでした。頑張れ北川君、と他人事でなく応援したくなりました。うん、とても面白かったです(^^)

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
 ホントは10点以上つけたいです。実際、おおまかなあらすじ自体は、誰もが考え付くような王道のもの──あえて言ってしまえば、ありふれたものかもしれません。けれど、それをここまでの密度と誠実さで描いて描ききった作品があったかというと……僕には思い当たらないです。
 僕も稚拙ながら文章を書くので言いますが、栞の死に真っ向から向かい合うようなストーリーは、手を出すのが怖いです。書くには相当の覚悟が必要だと思っています。けど、たとえその覚悟が出来たとしても、その力が万一僕の手の中にあったとしても、僕はきっと、これだけのものを書く前に力を弱めてしまっていたでしょう。満足してしまっていたでしょう。
 どうやっても届かない領域。そんな世界を見せ付けられて、背中に一本筋を通されたような心地です。良かった、面白かった、感動した──それら様々な言葉を混ぜ合わせて、ただ一言、目標とさせていただきます、と言わせてください。
 素晴らしい物語を、有難うございました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
 面白かったですーっ。劇というアイテムの取りこみ方も良いし、その砕き方も良い。コメディとシリアスのバランスも良ければその切り替え方も絶妙。めくるめくような大きな感動はないけれど、タイトル通りの小品、それもかなりの佳作としていつまでも自分の心に残りそうな予感がしています。
 真琴は可愛いし美汐は萌えるし(笑)、あうーっ、こんな作品を自分も書いてみたいですね。到底無理そうですけど。
 冒頭からラストの引きまで、素晴らしい出来映えでした。有難うございました(ペコリ)

067 風邪の一日 (採点:5)
 うーん、無理にたくさんのキャラを出演させなくても良かったような(^^;) どたばた劇は好きだし、真琴にはそうしたコメディが合っているとも思いますが、それで話が冗長化してしまうと本末転倒という気がします。
 とはいえ、この作品の真琴は可愛らしいですね。落ち込む理由も「なるほど」と納得出来るものでしたし、祐一に近付きたくて近付けない、そんな子供っぽい戸惑いの中にある彼女には愛らしいものがありました。

069 ふたつのねがい (採点:7)
 Kanon本編を、北川君を主人公にして、ちょっとおとぎ話テイストを加えたら、確かにこうなるんでしょうね。捻った展開をしていながらすんなりとお話に溶け込めたのは、そうした下地がきちんとしていたせいかな、なんて思います。メルヘンちっくな叙述も内容によくフィットしていたし、ちょっと透明感がありすぎて読後の印象が薄れたのは多分個人の好みの問題だと思うし──うん、文句なし、な面白さだったと思います。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
 文章はしっかりしていて上手ですし、設定も練りこまれているのですが──佐祐理さんと祐一のセリフに、あまり彼ららしくない点が多く見受けられたためにお話にノることが出来ませんでした。それと、時折見られるコメディ調のシーンが、話の筋から「浮いていた」印象があります(本当は、僕も人のこと言える立場じゃないんですけど(汗))。
 ただ、最後の引きはカッコ良かったです。佐祐理さんの「普通の繋がり」に対する憧憬にも似た思いがよく伝わってくるシーンでした。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
 結末が楽しみでしょうがなかったです。このサイズの中に、よくこれだけの駆け引きを埋め込みましたね。要素が多岐に渡っていて、けれどそれで読者を混乱させることもなくて、いつしか完全に受け身になって「どうなるんだろう?」とわくわくしていた自分がいました。その吸引力には目覚しいものがあります。
 良かったところは挙げるときりがないのですが、特に、北川君と香里という、結構理知的な性格をしている二人を徹底的に(良い意味で)引き摺りまわせている点が、素晴らしかったです。あと、個人的には章タイトルのつけ方が好きでした。

○まちゃる さん

006 「日課」 (採点:8)
無闇に格好良かったり不当なほど蔑まれてる北川君が最近多い中で等身大の北川君がスッキリと読ませてくれました。
しかし北川を見てくれる人って結局誰だったんだろう……(苦笑)


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
勘弁してください。自分は10点しか持ってないんです。
100点とか持ってるなら「なんで祐一が香里を『美坂』って呼んでるんだ?」とか2、3点くらい点数に換算するかもしれないですけど10点しか持ってないんです!
こんなの出されたら全部払うっきゃないじゃないかぁ。持ってけ泥棒!

……とやや涙目になるくらい凄まじかったです。少なくとも俺には。
なんか淡白にさえ思えるのにきっちり心理描写は心にくるし、香栞北は勿論唯一視点の無い祐一まですごいイキイキしてるし。
あぁもぅなんか悔しいくらい素晴らしかったです。拍手。


023 WA4 (採点:8)
どうにも終わり方が中途半端すぎる気がします。
自分としてはそれまで文章に入り込めてただけに余計寂しさを感じてしまいます。
ソレさえなければ満点クラス、だと自分は思うのですが。

028 ”プレイ” (採点:9)
回り廻る文章に入り込んで引っ張り回されっぱなしでした。
結局よく分かりませんでした。真実も、その裏にある物も。
回収しきれなかった伏線があったからかもしれませんけど。
それでも自分なりの答えは出しました。下手に真実を知るよりはそれを良く噛んで味わってた方がいいのかな、と思います。
……何が言いたいんだ俺わ(汗)

031 グッナイ (採点:8)
個人的に「ほのぼの」というジャンルの原点は「幸せな日常の一コマ」だと思ってます。しかしこれはそれよりも「静かな考察」という感じがしますね。確かに日常の一コマではあるんだけど、なんかほのぼのっぽくない。かといってシリアスでも無いし増してやギャグではあり得ないんだけど。うーんなんだろ。新ジャンル?でも名雪&祐一だけはしっかりほのぼのしてるけど。
全編に漂う悲しさでも切なさでも無く切なさめいた「静けさ」が好きです。これは多分秋子さんパートから来る物でしょうが。
イチャイチャる祐なゆ。それを受けて物思う秋子さん。それら三人を更に受けて物思う真琴。キャラ達の絡まり方も良い感じだと思います。ただ不肖のこの身に少し言わせて貰えるなら、強いてこのSSのメインを挙げるなら秋子さんでしょうが、オリキャラを出してきてまでその秋子さんの内の何を伝えたかったのか、部分的には出てますが肝心の所がぼやけてしまっている様にも思います。そのせいで、どうにも中途半端というか、読後感に何か異物が混じってしまったというか。終わり方は凄く好きなんですけど。
うわなんか偉そうだなぁ俺。気を悪くさせたらごめんなさいです。単に俺の理解力不足という説もありますし。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:7)
あはははは(笑)
正直「良くも悪くもありがちやねー」とかちょっと斜に構えて読んでたんですが、しおりん解釈付きですか。
良いオチもらいました。

039 幻実、そして星 (採点:6)
なんでしょうか?舞シナリオのアナザー?
それじゃあなんで後で祐一と一緒にいるんだ、そういうツッコミがふつふつと沸いてくるのですが。
悪くはないと思うんですがアナザーならアナザーでもうちょっときりつめて欲しかった気が。
本編の舞シナリオという絶対の壁がある以上、中途半端になってしまうとどうしても安っぽく感じてしまいます。
あ、でも星云々の話は個人的には好み。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
えー話やぁ。読み終わってそんな言葉が最初に出ました。
すごいと思います。オリキャラ達は個性抜群だし、オリキャラを主人公に使っていながらKanonの世界観からそれほど逸脱していない。更にシリアスなのに所々のギャグスパイスがしっかり効いてて。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
文章力、テンポ、展開、全部本気で凄いと思います。
ただ、真琴シナリオをベースにしながら「もう悲しみはほとんど消えていた」って……余りにも真琴が可哀想すぎる気がします。
無論祐一も苦しんだでしょうし悲しみがゼロになったわけでも真琴のコトを忘れたわけでもないのでしょう。真琴も祐一が自分のことでいつまでも悲しんでいるのを望んではいないでしょう。
ただ、もう少しその辺りの「重み」を感じさせて欲しかった、というのは贅沢でしょうか?

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
中盤で祐一と秋子さんが死んだ時点で「おいおい、これからどうなんだ?まさかダーク?」とか思ってしまいました(苦笑)
登場人物、それも本編で死ぬ可能性のあったキャラ(まぁ秋子さんは名雪シナリオオンリーで崖っぷちだったけど)で無くイレギュラーに、しかも作品の中で殺してしまうと展開的に尻切れトンボになりそうな物ですが、香里に名雪に栞というキャラ達の思惑とその行き着いた結果がしっかりと描かれていました。技術と構成力に脱帽です。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
おおう、これ以上ないくらい真面目でラブコメな北×名。こんなの初めて見た。
『真面目』とつけたのは、今まで見たことのある北×名のSSはカップリングとしてくっつけることだけ考えて完全に後から無理矢理つけた違和感バリバリの理由で二人が恋人になる的な物が多かったので。名雪、祐一への恋心はどこ行ったんじゃいみたいな。
それを考えるとこのSSはさほど違和感を感じませんね。本編のアフターとしても普通に通用すると思うし、理想的な北×名シナリオなのではないかと思います。それがすごいと思いました。


054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:7)
ありといえばありだと思います。
しかしラストの某ブギーポップくさい地の文は……まさか斉藤?(汗)

058 30℃ (採点:10)
ノリが大好きです。
淡泊で軽快な文章がシリアス部分だと読みやすさはそのままで重くなるんですよね。
こういうのよくかけるなぁ、と思います。ホントに。
くっつくくっつかないは別にしてラブが絡むと香里がしおらしくなってしまったりするSS(まぁそれはそれで好きなんですが)は良くありますが、このSSにいつでも不敵さを失っていないかおりんもかなり気に入りました。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
「さあそれよりどうなの、この話乗るか乗らないか。どうするの、秋子?」
――――どえぇぇぇぇぇぇ!?
度肝抜きました。冗談抜きで。
最後まで隠されてるけどその瞬間までメインキャラが香里と栞とあゆだと疑っても見ませんでしたです。
よく考えたらチラホラと伏線あったんですねぇ。俺も読みながら「なんで北の街が『向こう』なんだ……?」とか「山下達郎てまた古いなーー」とかは思ってたんですけど、かなりスルーでした。
ともかく、脱帽です。実はほとんどがオリキャラで占められてたとはいえ、この余りのインパクトにそれがマイナスになることもなく満点を入れてしまいました。
ただ気にかかるのは、秋子さんのお腹の子は名雪、お姉さんのお腹の子はゆういちこと祐一、月宮さんのお腹の子はあゆ、沢渡さんの娘姉妹の一人は真琴(祐一の初恋の人?)、というのはいいとしても真琴のお姉さん(妹?)はどうなったんだぁ?というのが気にかかります。
ただ単に「歴史は繰り返すっていうわ。そうは思わない?」って言葉を言わせたかっただけ、なんですかね?
ってことは祐一は場合によっては美人姉妹を二組袖にすることに……(汗)

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
うーん、異色作。でも別にダークではなかったような。
まぁKanonSSとしては色々とツッコミたいところはあるけど、多分こういう作品にそれは野暮なんでしょう。
作品の善し悪しはさておきこういう正に異色作や冒険作とも言うべき物を投稿された事を評価したいと思います。
『こんぺ』というどうにも閉鎖的になってしまうことが避けられない場にこういう色んな意味で『逸脱』した代物を出してこれるというのは(賛否両論あるだろうけど)もぅそれだけですごい事なんじゃないかと。
それに、コンペの作品を読むことは別に苦痛でも何でも無いんですが、似て非なるような話を連続して読んでいると、こんな殻を全力でぶち破ったような作品に出会って非常に癒されると同時に爽快さを覚えてしまいます。
こんぺを面白くしている一員は間違いなくこのSSを書いたあなたのような冒険者達だと思います。
冒険サイコー。これからも冒険していってください。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
最初から最後までストレートな友情話。その分ストレートに心に来ました。
格好悪くて格好言い北川君に素直に好感。
……でも俺、もしかしたらこのSSの作者分かっちまったかも(汗)
まぁもし予想通りとしてもそれと点数は関係ありません。自分の素直な感想です。

063 丘の子守唄 (採点:3)
正直、キャラの相関図が不明瞭です。
多分総一郎っていうのは久瀬君で、多分みっしーはこの後幸子さんに引き取られて天野性になるのかなー、憧れの先輩云々は佐祐理さんだろうとか、ある程度の予測は付くのですが、その辺りの説明が全くないままです。
特に総一郎君が結局誰なのか分からないのは痛すぎです。主人公の一人といっても過言ではないメインキャラが「本編には出てきてない美汐の兄」というだけの位置では感情移入もしにくいですし。
もしも久瀬君の公式ネームが総一郎(ホントにそうなのかどうか知りませんが。)だとしても、それを知らない人の方が大多数で、例えば「祐一」=「相沢祐一」と同じように総一郎君が何者かを大前提にしてしまうのも無茶がありすぎます。
その上そう君のこと、みっしー&総一郎君のこと、みんな中途半端に終わってしまっています。
あるいは終わり方を少しぼやけさせて深みを持たせようとしたのかもしれませんが、そこまでの物が中途半端なまま終わり方までぼやけてしまっては深みどころか理解に壁を作るだけではないかと。
少々辛辣に言わせて貰えば、今の状態では自己満足的な『未完成品』と言うしかありません。
自分としてはできれば完成品として見たかったです。設定的には凄くツボを付いているだけに。

065 作品No.2「春」 (採点:10)
息の詰まらない、じわっと心に染みいるようなお話でした。
メリハリあり、見所あり、笑いもありと、評価すべき点は色々あるんですが、何よりもこういう心にふっと入ってスッと消化できるような作品が「ほのぼの」というジャンルにおける一つの理想型なんじゃないかなと思います。
……自分でも言っててよく分かりませんが、ともかくいいお話でした。

069 ふたつのねがい (採点:7)
ぬ。北川の妹の名前にものすごく聞き覚えがあるような。
まさか……。
って間違ってたら恥ずかしいから言わないでおこう。

071 一緒に生きたい (採点:9)
発想にビックリです。
北川が過去に祐一と既に会っていたというSSや北川が栞とくっつくSSは何度か見ましたが、合体技とは。
その上栞シナリオに属する香里との夜中の対面シーンでも本編の祐一との差異を見せながらしっかりあゆに関わる設定も活かされてる。思わず感嘆しました。
技能賞、って感じです。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
とても綺麗で清涼な心理表現の連続にどぎまぎしっぱなしでした。
みっしー可愛い。ついでに祐一も可愛い(爆)
文句なしに満点です。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
まさかこんぺで戦争物が見れるとは思っても見ませんでした(笑)
北川も祐一も香里も格好良いです。ホント。

○めにっく さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
微妙ですね。
形式とか、語句とかにこだわりすぎて
流れを乱してしまった感じがします。

008 激辛 (採点:6)
まずまずの出来だと思います。
文章のつながりが妙なところ、それと誤字があったのは残念ですけど。

014 おまえの名前 (採点:5)
なんか、後半になるにしたがって仕上げが甘くなっていった感じですね。
ラストのあたりはほとんど下書きそのままな有様です。

テーマの着眼点はまずまずなだけに、もっと練りこんで欲しかったかなーと思いました。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
読んでみようと思ったきっかけは実は、題名のせいだったんですが(Sympathy for the Devilですよね?これ。好きな映画のEDで使われてたんです)
実際に読んでみてそんな不純な動機だったことを反省してしまいました(笑)

こういう話はすごく好きです。
小さな舞たちの、切ない想いとか、
すれ違い続けた彼女達と舞との心とか、
…そんな『舞たち』の心情の動きが、すっと心の中に入ってきました。

というわけで、私的には満点です。
仕上げが甘いような感じも若干受けましたが、そんなことは関係なく楽しめました。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:5)
…えーと、お願いですから句点はつけてください。

話としてはまずまずでした。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:10)
ん〜〜〜〜〜〜!!
文句ナシに面白かったです!
河原のお爺さんもいい感じ。

ただ、タイトルの意味が最後までわからなかったですけれど(笑)


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
さりげなく重いテーマですね。
『若さゆえの悩み』とでもいえばいいんでしょうか?
……いや、男ゆえの悩みかな?

『男にとっての、身体を重ねるという行為の意味』…なんてものを
最近あった知り合いの発言とかのせいか、ちょーっと考えてしまいました。

067 風邪の一日 (採点:4)
どうも表現が薄いというか、いまいち心情に踏み込んでいない印象を受けました。

068 名琴抄 (採点:10)
いうことありません。もはや問答無用です。
…私に10点以外のどんな点数をつけろというのですか?

古典の知識があったほうが楽しめるあたり、ちょっと高度な作品ですね。

069 ふたつのねがい (採点:5)
童話的な雰囲気の作品ですね。
ただ字開けがちゃんとしていなくて少し読みにくかったです。

あと、秋子さんの意識の中の話に比べて栞のほうの話がどうも
練りこめていないというか、いまいちな感を受けました。

071 一緒に生きたい (採点:8)
香里と北川の心のぶつかり合いのところが、なかなかいい感じでした。
ただ、クライマックスはもっと丁寧に描いて欲しかった気がします。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:4)
……コメディって、難しいですね。
なんというか、見事に原作の雰囲気を破壊している感じです。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
いい感じですね。
ただ、『トドメの一撃』があと一歩だったかも。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:2)
……なんだかなぁ。
描写が『いかにも作り話』って感じです。

078 「dearest」 (採点:6)
なんだか香里がかわいすぎですね。
あまりにも可愛すぎて、『ホントにこんな子がいるの?』と思ってしまう自分がなんかヤですが。

それはそうと…お話としてはなにかが一歩、足りない感じでした。
もっと心の奥に響くものが欲しい気がします。

○やまね さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
文章が臭くて恥ずかしいけど、なんとなく面白い書き方だと思う。

002 鈴の音よ再び (採点:2)
果たして一行あけの意味はあるのか。よみづらい。


003 お泊まりパニック! (採点:1)
祐一の精神云々はどうでもいいけど、読む人の精神を考えて欲しい。
まだ中編を書くには早い。短編からこつこつと書き上げるべき。

004 The regret (採点:2)
別に北川を殺す必要ないんじゃない?

005 プライベート・ハンター (採点:2)
ガラッ
一人称でこういう効果音を入れるなら
「俺は教室のドアを開けた。安っぽいドアはガラッと音を立て、誰もいない学校に
奇妙な違和感を生じさせた」くらいのがいい。

舞の性格が変。
どこがシリアスなのか。テープで言質をとるという陳腐なことをしないで欲しい。

006 「日課」 (採点:2)
>だから、だれかをすきになって、いっしょにいたいとおもうのは、おれはたいせつなことだとおもった。

なんか効果狙ったの?ま、それはともかく、感想。
あらゆる点で稚拙。改行がうるさい。文章力がない。心理描写もダメ。
展開が陳腐、やり取りが寒すぎる。

でも、まぁ、最後まで読めたから。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
自分の妄想を垂れ流さないでくれ。

008 激辛 (採点:2)
あらゆるシーンが陳腐。文章力もない。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
これは凄いね。祐一に感情移入できるなら面白いと思う。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:3)
カレーはともかく、対決が寒い。

011 残酷な代償のHappiness (採点:7)
これは面白い。二重のからくりがいい感じ。
祐一が鈍感すぎるのが気になるけど(笑

012 空っぽのテクスト (採点:5)
まぁ、栞好きならツボにはまるんじゃない?随分とアドホックな印象を受けたけれど、
SSとしては結構いいと思う。既にどこかで見たことある展開。

013 Conservation for Love (採点:7)
ところどころ挟まれる作者自身のコメントがうるさく感じます。
また、真琴を引き抜くという設定が、ちと強引なように思われます。

でも、勢いがあるし、何より読んでて楽しい。床を這ったり、冷蔵庫に入ったりと
なんとも微笑ましいです。

014 おまえの名前 (採点:6)
テーマはありきたり。しかし、オリキャラもうまく絡めてあると思います。
あとちょっと大人びているのが気になります。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
前半が冗長。文章力がないなら、伏線貼りは避けるべき。
安易な本編再構成に評価は上げられない。
句読点くらいちゃんと打ってくれ。
みぎっかわが白すぎ。こんな短文で1段落使うとは。

016 脱走と追跡のカノン (採点:7)
ギャグとして、最高に出来がいいです。非論理的ですが、それを押し切るパワーが
感じられました。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:4)
着想は面白いが、現実的ではない。
個人的な感想だが、最後に愛という言葉を使ったのが萎えた。

018 雪解け水 (採点:2)
最後の一文で+1.
安直な本編再構成物だね。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
どこがミステリなの?
伏線も全然ないし、謎もない。解決のカタルシスも無い。
序盤が冗長。
最後の男も意味不明。

020 私の望み (採点:2)
ああ、貴方はみっしーのことが大好きなんですね。それはよく分かりました。
同じ属性の人なら10点つけるかもね。

021 想いの果てに (採点:2)
挑戦意欲だけは認められる。しかし、改行のうるささ、ご都合主義的展開
文章力の低さを補えるわけでもない。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
状況証拠だけで、祐一を犯人扱いする警察の捜査に疑問。
明子さんの描写が少なすぎる。最後の笑い声が唐突に思えた。

でも、こういうサイコな作品は好きです。狂った真琴の描写が秀逸!
くるくるステップを踏むところとか、好き。

023 WA4 (採点:5)
40歳云々、名雪の態度、序盤のタルさが気になる。
みっしーの存在理由がわからない。
特に名雪の態度が不可解。よそよそしい名雪と、「祐一がいなきゃだめ」という名雪。
疑問が残る。

だが、いい作品ではある。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
これはKANONのSSではない。また通俗小説としても出来が悪すぎる。
「女性自身」とかで20年位前に流行った小説という感じだ。
本来ならマイナスを付けたい。

025 歩いて行こう (採点:1)
停学→闇打ち→ピンチ→ヒーロー登場→ヒーロー大怪我→ヒーローの過去→・・・・・・
それぞれに疑問がある。別に解説はいらないが。
しかし、作者がこれを面白いと思っているのか、それこそがこのSSにおける最大の疑問だ。

026 ステップ (採点:6)
誤字脱字には目をつぶろう。普通にいい作品だと思うが、いかんせん
構造が見ずらい。章番号を振ったほうがいい。

子供の頃の記憶については、疑問もあるが、まぁ、こんなモンなんだろうね。

027 ウエディングヴェール (採点:4)
序盤がタルイね。終盤は普通によかった。

028 ”プレイ” (採点:6)
凄い複雑な構造のような印象を持った。
結局、さゆりはさゆりなの? すると、さゆりは何らかの形で舞を手にかけた?
あるいは、さゆりは舞なの? すると、さらに手が汚れるとは? 娘の舞は?

多分後者だと思う。プレイア、プレイズ、プレイという見出しやタイトルと符合するから。
でも、これだと、見出しの部分で嘘をついていることになる。
解説が欲しい。

029 最後の奇跡 (採点:1)
最後まで読めませんでした。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
なんとなく、ちょっと無理がある設定の気がする。
でも、面白い。

031 グッナイ (採点:6)
多分SSというよりむしろ、小説を書こうとしたんだと思う。
文章は稚拙で内容も凡庸だけど、その努力が私にも伝わってきました。

ただ、よく分からないところが多いです。具体的には
・女将との出会いのシーン
・部屋の間取り
・窓から見える景色
これらについては、文学系の作品を読み込めば解決すると思われます。

ただ
・なぜ女将と客が同じ風呂に入っているのか
については、もう少し説明が必要です。

最後にこの小説のテーマはなんでしょうか?
「真琴における人とのつながり」だと思うのですが、分かりにくいです。
分かりにくい理由の一つとして、視点がぶれていることが挙げられます。
最初は祐一でしょう。でもその後名雪、秋子、三人称、真琴と視点が次々に
移動します。これはまずい。真琴視点か神視点に固定するべきです。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:2)
空行が多すぎて、どこで視点が変わったのかがわからない。
文章自体も読みづらい。何が言いたいのかわからなくなるほど読みづらい。

033 エム (採点:1)
視点がブレ過ぎている。それに、オリキャラがいるというよりも、
オリジナルの設定の一部に、あえてKANONのキャラを使った、という印象。
文章もよくない。

読み込んだわけではないが、タイトルが分からん。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:2)
疑問が多すぎる。
・栞と北川が付き合っていること。栞の病気はなかったことになっているの?
・北川が久瀬と仲いいこと
・香里が元生徒会で久瀬の同僚
・久瀬の性格
・説明台詞
・行動がクサイ。特に鍵を投げるシーン

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
非常に面白いです。ただ、いくつか問題点もあります。
まず、犯行時間が不明であり、そのときの祐一の行動も不明。
何も書いていない。何かを書くべきです。そうしないと地の文で嘘をつくことになります。
ミステリ系の作品ならば、必ず全ての情報が与えられていなければなりません。
また、祐一は家の中のどこにいたのか。居間? だとしたら位牌は? ここにも一文いれて欲しい。

監視先の家の描写。空きアパートは面白くないです。いっそのこと水瀬家の自分の部屋を
監視しているほうがいいです。そっちのが、なぜ犯人の家を知っているか、について
シンプルで合理的な説明がつきます。

さらに、もう一人男キャラを出したほうが面白くなります。当然包帯を巻いて。消毒薬の
匂いでもいいや。
すると、そもそも犯人は誰か? 祐一か、その男か? と謎を残します。
ひょっとしたら祐一は、気が違っていることを知っている香里によって、陥れられたのではないか?
となります。

このSSはもっと膨らませることが可能です。可能性を自ら摘み取ったのではないでしょうか。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:2)
何百年の歴史をもつ三角関係を、ありきたりな表現でかいただけですね。
他のSSにも、こういうのありますよ。

037 美凪 (採点:6)
オリキャラが若干鼻につく。前半においては、いなくてもいい。
引きこもっているときに、民間伝承でも調べればいい。
後半においては、みっしーの自省で事足りる気がする。

以上の欠点もあるが、いい作品だと思う。最後の一文に至る過程が綺麗。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:3)
香里の性格が、普通の女の子になっている。
また、北川と1年のときから「恋人」であるにも関わらず、そのことを
周りがまったく知らない、というのが変。
栞のことを知らないというのは、まぁ、許せるけど。

最後のシーンについて、どうやって栞とあゆが生き延びたのかが分からない。
ギャグとかで全キャラが生きているSSを書く場合、普通は「そういう設定」で押し切ってしまう。
しかし、前半で、栞の死と生還にまつわる話を書いておきながら、実際には
説明なし、というのは酷くないか?

最後に、作中作というエクスキューズは卑怯である。効果的に使うのならともかく、後味を
悪くしただけ。この部分がなければもっといい点数だった。

039 幻実、そして星 (採点:5)
設定は面白いと思う。だが、これは明らかに舞視点の方がいい。
序盤の記述では、実在している中学生と読める。地の文で嘘をついていることになる。
舞から生まれたときに、そういう風な記憶を埋められた、という言い訳もできるが、
どっちみちマナーに反する。
勝馬が「来年からここに通うんですよ」とか言うのを、舞が聞くならば、なんの問題もない。
たった一つの傷が、致命傷になってしまったと感じた。

最後、なぜ祐一と仲良くなったのか、については不問。

040 楽園日記 (採点:9)
これは名作でしょう。思春期の少年の心情を生き生きと、うまく描けていたと思いました。
よんでて微笑ましいです。

041 また逢えたらいいね (採点:6)
すこしタイムスリップの説明が気になったけど、最後のシーンが美しい。
ありきたりといえば、それまでなんだけどね。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
これだけ書いたことはすごいと思う。
だが、彼女達がどうして生き残ったのかが、さっぱり分からない。

さらに、祐一はかっこよく、たかが二十歳で社長候補。他の女性はいつまでも祐一を慕ってくれる。
男なら一度は夢を見るシチュですね。島耕作みたい。
でも、私はそういう現実味が無いのは好きではありません。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
名雪の扱いがぞんざい。
それ以外は言うこと無いです。
ストレートながら面白いです。
アイテムとその使い方が面白い。

しかし、ストレートであるがゆえ、最高点はあげられないです。

044 パンドラ (採点:8)
>もうすぐ、霞月のもとに、空からお菓子が降ってくる。

この一文とそこに至る過程が美しい。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
中盤のクズ男の性格設定と、彼に対する祐一の態度は、あまりに陳腐。
読み手を萎えさせるのに十分であるといえる。
なんだかご都合主義的なハッピーエンドに思えた。

でも、それ以外はいいと思う。

046 ホワイト・ミュージック (採点:4)
思い出の品を壊すことにより、過去と決別するというのは、妥当だと思う。

しかし、シリアス物で過去に触れるということは、それぞれの矛盾を解決しなければならない。
普通に考えるなら、あゆが生きているなら舞と会うことはほとんどない。みっしーと
会うことなど、一回もないはず。それをどう解決するのだろうか。
また、7年前のクッキーの記憶が不可解。

さらに、祐一の性格設定が不可解。ウジウジしているけど、根はいい奴なんて
安易な設定をしないで欲しい。読んでて違和感を感じた。

047 笑顔 (採点:4)
視点を変えるならば、明確に節を区切るべき。ひょっとしたら、香里はいなくても
いいかもしれない。
子供祐一の性格が、あまりに子供っぽくないのが気になる。

なんか見たことあるような話の流れ。

048 走る少年少女達 (採点:3)
とりあえずジャムネタ、無意識に口に出すネタは寒いと思う。
各々の展開に既視感が強い。ところどころ笑えるんだけど・・・・・・。

049 少年期 (採点:8)
なんか高校時代を思い出してしまった。
登場人物の心情がよく描けていて、いい話だと思います。

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
テーマは古典的で、栞が妊娠を発見するシーンもありきたりである。
でも、心情がよく描けていて面白い。文章も上手だと思った。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:9)
惜しい。あまりに惜しい。地の文に句読点と、一文字下げがないこと、
これだけは、好みの問題と思うけれど、直して欲しかった。
そして、店の様子がわからないこと。どんな看板なのか。どれくらいの広さで、
どれくらいのテーブルがあるのか、店員の三人はどんな格好をしているのか。
貴方くらいの筆力なら、うるさくならない程度にうまくかけたと思います。
この二点が、すばらしいSSに傷をつけてしまいました。

それ以外は、すばらしい。牛丼部という発想、久瀬の暴走にオリジナリティを感じました。
これら強烈な独自性があるため、むしろ使い古された感のある北川の不死身性、あゆの食い逃げ、
評論家の秋子さん、ジャムも気になりませんでした。

052 Give me a reason (採点:5)
文体、台詞が20年前の小説を彷彿とさせる。展開、設定、台詞回し共に。
特に、北川がお見舞いをするところ。どう考えても17の小僧の台詞ではない。
また、医学書を贈るという動機が不明。
オリキャラが北川を好きになる経過が不明。書き込みが足りない。
さらに、逃げちゃダメだ、というメッセージが強すぎる気もする。

よく言えば安心して読めるSS、といったところか。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
微笑ましい。全てのシーンが映像で観ているかのようです。心情も光景も。


054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:4)
よくかけてると思うけど、テーマがありがち。青春ドラマ。
いんちき多重人格はともかく、さゆりとのアナロジーは陳腐。
北川の長い説明台詞の段階で、結末まで見える。

ついでに、視点をころころ変えすぎ。特に舞→さゆりと繋がるところはひどい。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:4)
独特の雰囲気がいいと思いました。ただ祐一の口調が気になるのと、
KANONの設定がほとんど生かされていないと思う。
オリジナル小説のキャラをKANONと入れ替えただけのような気がする。
KANONのSSである必要はないと感じた。

今回は4点だけれど、オリジナル小説だったら6点か7点の出来です。

057 移し火恋歌 (採点:5)
奇跡を叶える森の神秘的な力、そして奇跡の代償。これはいい。
舞の狂気、さゆりの狂気。これもいい。

ただ、二つの接点が弱すぎる気がする。

058 30℃ (採点:6)
雰囲気はいいと思う。よく書けていると思う。
でも、30度が少し弱いし、手紙の扱いが軽い気がする。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:8)
これはうまいねぇ。見事です。
でも、人によっては、悪い意味で誤魔化された、と思うかもしれません。
なぜなら、情報が少なすぎるから。
過去と現在を繋ぐのが、最後の一文と沢渡真琴だけ、というのはちと少ないです。
病室のテレビで、その時代を髣髴とさせる番組をチラっとでも流して、エクスキューズ
にすべきだったかも。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
雰囲気はいいと思う。でもSFにしなくてもいいし、全てのからくりを理解している
祐一というのも、違和感を感じる。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:6)
文章が独特で面白いです。とくに2/3まではいうことなしです。

ただ、3/3にはいって、北川視点と祐一視点が混在しているのが気になります。
もう一つ、妊娠、祐一の気持ち云々をもう少しなんとかしたらよかったと思います。
もうちょっと、引っ張って解決したほうがいいと感じました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:7)
こういう話は好きではない。なぜなら、結論が既に分かっているから。
しかし、そこに至るプロセスは、非常によく書けていると思う。

063 丘の子守唄 (採点:3)
これで終わり?
人間になって戻ってきて、その後の別れが必要なんじゃないの?

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
武術については分からないが、人を相手とし、規則のある剣道と、
魔物を相手とする殺し合いは、違うものだと思う。
だから、道場に通う舞、というのに違和感を感じる。

3/4の展開に既視感がある。

ここからは個人的な意見だけれど、オリジナルの設定が多すぎる気がする。

でも、ずっと日常を積み上げ、最後にようやく到達した一文は感動を呼んだ。。
思春期の複雑な心境が、微笑ましいです。


065 作品No.2「春」 (採点:6)
微妙。みっしーの人魚姫に関する想いが、うまく消化出来ていない気がする。
唐突にお母さんが人間の姿で出てくるのも気になる。お母さんは記憶を失っていないのか?
もし、化けたのであれば、真琴もそうすればよかったのではないか? という疑問を感じる。
あと、若干文章が弱い気がする。

コメディっぽいところはすごくいいんだけどね。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
誰が起こした奇跡なの? という疑問が残る。

067 風邪の一日 (採点:3)
なんか、ながーいシチュを読んだ感じ。小説になってないと思う。

068 名琴抄 (採点:5)
最後が綺麗。でもそれまでが冗長。
また、名雪の位置付けが分からない。

069 ふたつのねがい (採点:6)
栞の一軒をなぜ北川が知っているのか、とか、天使が人形に宿り二つの願いを
とか、なんで一文一段落で一文字下げをしてないのかとか疑問もあるけど、
終盤が綺麗だった。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:2)
三流のホラー。伏線を貼れば、もう少し面白くなったとは思うが、
「本を読むと呪われる」「実は暗示」というのは、あまりに古典的過ぎる。
妙に茶化した台詞もマイナス対象。作品のテンションを意味不明にしている。

071 一緒に生きたい (採点:2)
キャラを変えただけの再構成物に高い点数は上げられない。
また、シリアス物で原作の設定を崩すのはいかがなものか。
そして、香里の告白や祐一との和解にこれほどまでの空々しさを
感じるのは一体何故だろう。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:5)
可もなく付加もなく、安定した萌え物シチュ。飛行機の小道具がちょっとおもしろいかな。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:2)
なんか無理無理な展開。。。設定もテーマも陳腐。最後まで読むのがつらい。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:2)
非常に長いシチュですね。もっと捻って欲しかった。

075 True story (採点:3)
焦点がボケている。名雪か香里かみっしーか。
中盤からは「だからなに?」という印象を拭えない。
視点も動きすぎ。

また、作中作はもっと効果的に使うべきだ。「人間椅子」を見習って欲しい。
意味のない作中作は、無意味に内容を難しくするだけだ。

076 夢の劇場 (採点:6)
後半から最後にかけては面白かったです。でも、テーマはありきたり。
死を看取る段階で、家族も誰もそばにいないってどういうこと?
中盤まではどっかで観たこと有ります。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
なんか、もったいない。騎馬戦は面白い。何かを賭けるというのも妥当。
でも、なんで香里が妹の恋愛に口を出すのかが不明。
北川の扱いも微妙。

078 「dearest」 (採点:5)
なんだかハーレクィーンを読んでいるようでした。
雰囲気も文章もいいです。でも、有史以来、何万と作られた
恋愛物と、おそらくなんら変わるところがない。

生や死、愛や憎しみは、ホボ全ての人間が共有しているため、
ある程度書ければ簡単に感動を呼び起こすことができる便利なものである、
と私は思います。

○ゆーえむ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
短編に続いて冒頭がこの手の変化球とは……はっきり言って読みにくいです、ぶつ切りになってる感じで。

002 鈴の音よ再び (採点:3)
とりあえずたいしたことではないんですが、名雪と美汐は会ったことがあるはずです。名雪の性格だと「天野ちゃん」とは呼ばないような……? なによりも気になるのは後半四分の一部分の異様に長い空白、なんの意図があって?

003 お泊まりパニック! (採点:1)
イチゴサンデーに塩って故意じゃないと個別には足せないような気が……混入する可能性があるのって、生クリームを作るときに砂糖と間違えてしまうくらいだと思いますけど。
それとクローゼットって普通引き戸ですよね、どうやって中から押さえつけるんでしょう。
まあ、とかくそういった細かい引っ掛かりが多くて楽しめませんでした。
祐一を脅かす、というコンセプトならそのあとの人生ゲームのシーンとかは蛇足な感じもしますし。

004 The regret (採点:3)
正直、祐一と香里がつきあうのに北川が体のいいダシにされた、という印象を拭えませんでした。この話の中で栞はどうなっているのでしょうか? 香里が誰とつきあうにしろ『栞を無視していたこと』というのは重要な枷になるわけですから、そこに言及せずに唐突に祐一のことが好きだと言っても納得できない部分があります。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
最後の佐祐理さんの一言はなかったほうがいいかな、と。ところであのテープっていったいいつ用意されたのでしょう?

006 「日課」 (採点:7)
私はカップルとしては北川×香里派なんですが、この話はいいですね。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
18禁のラインってどこでしょうね? ふと、そんなことを考える。秋子さん萌えを狙って書かれたのでしょうが、正直言って引きました。コメディにいちいち突っ込むのも野暮だとは思うんですけど。

008 激辛 (採点:6)
まさにほのぼの。変なテーマを持たせてないのが好感です。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
オチは同感なんですけど、「好きに理由は要らない」というのは真新しさはないですね。要するに祐一じゃなくてもいいわけですから。ここは一般論ではなく、「なんで俺なんだ?」に独自の理由があるとベターです。それと説明なしで全員助かってしまっていて、しかも全員祐一に惚れている(だけならまだしも、キスまで許すような関係)というのは流石に無理のある設定かと。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:9)
あれだけ気を持たせておいて……香里ひどい(笑)。

011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
うーん、真琴に関してはあゆの奇跡とは関係ないようなイメージが私的にはあるのですが。名雪だけは気づいている(秋子さんも気づいてるんだろうけど)ってのはなかなかグッド。

012 空っぽのテクスト (採点:6)
何も書いてなくても百の言葉よりも重いということもあるかもしれません。上手い発想だと思いました。

013 Conservation for Love (採点:10)
上手い。やや美汐のキャラがアレだけど、ギャグなら許される範疇の壊し方でしょう。
会話のテンポもよく、語り口調もなかなか軽快。綺麗にオチもついていて、かつギャグにありがちな文章作法の乱れもない。短編中編通してギャグの中ではトップです。
ぱらぱら散りばめられた皮肉な小ネタも私的にグッド。あえて難癖つけるなら前半水瀬家が舞台なのに名雪がさっぱり出てこないことですが、出てきても寝ているだけのような話よりはスパッと出ないほうがよほどマシ。
『母が望む永遠』で爆笑。

014 おまえの名前 (採点:6)
「秋子かあさん」はミスですか? わざとですか?
それはともかくとして、私的に死んだ(消えた)人間の名前を子供につけるという行為は嫌いだったのですが、この話はその過程がきっちり説明されているのでグッドです。こういう理由なら納得できますね。

015 『雪の日の決意』 (採点:3)
前半部分がなんと言うかゲームのテキストをそのまま並べているという感じが。絵がない分もう少し状況描写が欲しいところです。
それはともかく、栞がなんで助かったのか全然わかりません。本来ならばあゆの奇跡のおかげ、という解釈が妥当なんでしょうけど。この話にはあゆの影も感じられないのですが……

016 脱走と追跡のカノン (採点:3)
あちこち笑えるネタはあるんですけど、どうも全体的にちぐはぐな感じを受けました。

018 雪解け水 (採点:4)
名雪寄りあゆルートと言ったところでしょうか。なんかあゆが救われなさすぎの気が……

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
松茸って『高い』というイメージなんですが……もしかして最近は安くなったのでしょうか?
松茸はともかくとして、この話終わってないのでは? しかもぜんぜんミステリーじゃない気が……まさか「なにが起こったかわからないことがミステリー」とか言わないですよね。ついでに言うと、日本に野生の狼っていないと思います。

020 私の望み (採点:5)
冒頭空けすぎ。
それはともかくとして、美汐ここまで鈍いですかねぇ、まあ可愛いですけど。

021 想いの果てに (採点:3)
ちょっとご都合主義が過ぎるかな、と。

022 笑い声がきこえる (採点:4)
話としては面白かった(面白いと言うとやや違う気もしますが)と思います。冒頭の丘のシーンでは「また痛い名雪系か……」と思いましたが、いい意味で裏切られました。
ですが、いくらなんでも原作無視しすぎ。

023 WA4 (採点:4)
美汐ならば真琴よりも『あの子』に報告しに来たとしたほうがいいような気がします。水瀬家の収入のひとつに思わず納得。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
冒頭の『あの出来事』ってなんですか?
それはともかくとして、全体的に違和感を拭えない作品でした。祐一は母親と実家とは別の家で暮らしていたようですが、いつの間に母親が実家に戻ったのでしょう。
新幹線に乗らなければいけないようなところなのに、香里の父親が車で前を通りがかったというのもどこかおかしいし、香里が祐一の母親を見たことがあるというのも同じ。
さらに栞との交流があった上で香里とくっついているのに、この程度の出来事で互いを手放してしまうなんて二人ともへたれにもほどがあります。
ラストの英文、『fection』は多分『fiction』の誤りだと思うのですが、『untimately』『indefferent』が辞書を引いても見つかりません(それなりに語数のある辞書で引いたはずなんですけど)。どういう意味でしょうか?

025 歩いて行こう (採点:1)
これは祐一の名を借りた別の誰かだと思いました。祐一がこんな生い立ちであるならばカノンの話は成立しなかったでしょう。

026 ステップ (採点:6)
ええと、名雪は秋子さんの兄貴の娘? ……ということは実際には秋子さんの姪にあたるわけですか。で、祐一は秋子さんの叔母さんの息子? ……む、この作品では秋子さんにとって祐一は従弟になるわけですね。肉親関係ややこしいなぁ。
いきなり祐一がバイクの免許を欲しがるのを「?」と思いながら見ていたのですが、なるほど名雪に戸籍を見せるための伏線だったんですか。やや強引な展開の気もしますが、秋子さんの若さを説明するという点ではなかなか成功かと。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
違うかたちの奇跡、と言うのはなかなか面白い発想だと思いました……ですが、いくらなんでも他のヒロインが全員生存なのに、結末がこれでは真琴が救われなさすぎ。タイトルもなんかイメージに合わないような感じがします。

028 ”プレイ” (採点:4)
結局これはどういう話なのでしょうか……北川のセリフから類推するに本作で『佐祐理』と呼ばれているのは実際は舞……?

030 奇跡のかわりに (採点:7)
面白いですね、この発想。途中まで読んでてっきり永遠ネタかと思いましたが、まさかこう来るとは。

031 グッナイ (採点:4)
ちょっと尻切れとんぼな感じと、オリキャラを活かしきれてないような感じを受けました。全体の雰囲気はいいだけに残念。

033 エム (採点:4)
ちょっとオチが弱いような気がしました。舞の娘なのだから同じようにちからを持ってしまう、という設定は面白いですが、そこで止まってしまっているような気がします。あと舞の口調が不安定なのが気になりました。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
塗り箸を懐から取り出す久瀬に萌え。ちょっと佐祐理さんの決意があっさりしすぎているような気もしますが、実際にはこんな風にすぱっと決めてしまうのかもしれません。

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
うーん、『世にも奇妙な物語』的な終わり方ですね。結末をぼやかしてCM入り、みたいな感じの(注:褒め言葉です。この話は結末を明言しないのがいいんだと思います、私的に)。ひどく曖昧な話ですが、祐一が徐々に焦燥していく感じがなかなかよかったです。やはり最悪の方向が現実なんですかねぇ。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
シリアスと言うか、ラブですね。私的には名雪はこれくらいすぱっと諦めてくれたほうが気持ちいいです。あんまり粘着なのもアレですからね……

037 美凪 (採点:6)
『魔女っ娘さゆりん』には固有名詞は使わないほうがいい気がします、せめてカタカナにするとか。祐一とかが全然出てこないならかまわないのですが、後半で出てきますから。
それはともかく、銀髪の妖孤らしき女性は何故人の姿を保てているのでしょうか。それがちょっと疑問です。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:6)
状況的に荒んでいるとは言え、「俺は自分の事をボクとか言う女や見るからにロリ体型な女は大嫌いなんだ」はないでしょう……しかし栞の「物語に必要無い人は無駄に出す意味はありません!」は至言ですねー。

039 幻実、そして星 (採点:8)
無意識のうちに『ちから』を使って生んだ存在だったわけですか……
ところで途中唐突に『Love Me Do』の冒頭が入ってたことにびっくりしたのは私だけでしょうか。

040 楽園日記 (採点:10)
男友達ってこんな感じですよね。流石に遭難したことはないですけど、この雰囲気わかります。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
あゆがタレントと言うのはネタでしょうか。
なんと言うか……泣きついた者勝ち、って感じなんですけど。ホテルに訪れたのが別のヒロインでも祐一はその人と一緒にいることを選んだんだろうな、と思いました。佐祐理さんである根拠がいささか薄いかと。
細かいことを言うと女性陣が結婚指輪の間違いに気づかないはずはないと思うのですが。
それにしてもまさか久瀬と美汐をくっつけるとは、びっくりです。
しっかしこの祐一……最低ですね。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
ちょっと名雪がヒステリックかなーとか思いました。ルーン文字を恋愛関係のおまじないに使う以上はそこになにが書かれているかはある程度推察できるわけで……ビンタないだろう。あと栞が生きてるのがちょっと疑問(ひどい言い方ですけど)、真琴が消えてしまっているのに栞が生きてるのは不公平な気が。
でも『美汐が祐一を好き』ではなく『祐一が美汐を好き』というのはかなり新鮮でした。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
詩子と美鈴のキャラがちょっとかぶってるような気がします。

046 ホワイト・ミュージック (採点:6)
へたれですねー、祐一。

047 笑顔 (採点:5)
後半の美坂姉妹の話がどうにも余分な気が……

048 走る少年少女達 (採点:5)
まあ、面白かったのですが……なんと言うか、いろいろ問題ありそうなのでプレーンな点にしておきます。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
上手い。「キャラクターを殺すならここまで話を考えろ」と言わんばかりのストーリー。安易に栞や秋子さんを殺す話を書いた作者は裸足で逃げ出したくなるでしょう。
二人を失ったときの名雪の投げやりっぷりも「派手でなく、それでいて確実に壊れている」ことが感じられる書き方だと思います、特に「いちいち二階まであがるのも億劫」というのが。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:8)
カノンラジオ『水瀬さんち』系の久瀬ですね。こんだけ馬鹿なら(注:褒め言葉)久瀬ももっと好かれたんでしょうけど。
壊れと銘打っていますがそれほどひどい壊し方ではなく、全体的に楽しんで読めました(読むのが苦痛になる壊し方もありますから)。一週間の例え話は引く人もいそうですが、私はかなりツボでした。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:5)
「艱難汝玉」という四文字熟語が見つからないんですけど……近い言葉で「艱難汝を玉にす」というのは見つかったんですけどね。西洋のことわざ「逆境は人をかしこくする」の意訳だそうです、これのことだと思っていいんでしょうか?
それはともかくとして、「えっと……コモドおおとかげはわたしが困っているときはいつでも助けに……」は可愛かったです。ごまかし名雪萌え。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
『明かるい不陰気』。とてつもなく気になったのでお節介だとは思いつつも書いておきます。『雰囲気』の読みは『ふんいき』です、今後は気をつけてください。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:10)
だまされた!
5の終盤まで全然気がつきませんでした。あちこちに違和感はあったんですけどね、『北の街に祖父母が』とか『山下達郎の曲がドラマ主題歌で大ヒット』とか、ファミレスを珍しいもののように言っていることとか、「あれ? なんか変だな」とは思ったのですが。
さらりと秋子さんが事故にあった理由も説明されてたりして、とにかく上手いです。
……が、それ以上にやはりずるいですよー。どう考えても美坂姉妹&あゆにしか見えません。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:1)
月を彷徨う探査ロボット、かつての地球に居た人間を模写した精神。えーと、これ……ベースは『私は月に虚無を聴く』ですよね、上遠野浩平さんの。パクリとは言いませんが……舞台と話が噛み合っていないような感じを受けました。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
北川最高です……個人的には主役を張れるほどかっこいい北川も好きですが、この作品のように北川にはやはりサポートが似合いますね。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
偶然の一致と言われても……とりあえず霧島医師と藤田志保は確信犯ですよね(笑)。
それはともかく、栞の病気に対して真っ向から取り組んだこの作品、素晴らしいです。
難を言えばカノンという世界観を真正面から否定していることでしょうか……でもまあ、それはスタンスの問題なので。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
きょう日道場の威信云々がそう大事になりますかね?

065 作品No.2「春」 (採点:8)
先日リトルマーメイドを見てそのあまりのディズニーっぷりに、「ひどいアレンジだなぁ、あの儚さのよさがわからないのか」などと思ったものですが……この作品の劇を終わったあとの美汐のセリフにショックを受けました。そうですよね、どんなにご都合でも、どんなに陳腐でも、最後にはどうか幸せに、ですよね。
しかし、なぜこのタイトル?

066 夢の終わりにもう一度 (採点:7)
私見ですが、この話はシリアスというよりはむしろダークではないかと。よってこの点数はダークとして考えた点数です。

067 風邪の一日 (採点:4)
水着真琴萌え……ではなくて、流石にあの行動はどうかと思いますが。

068 名琴抄 (採点:6)
結局どういう話だったのでしょう、これは……真琴=名雪? 私の読解力が足りないのか、どうもすっきりしない読後感です。

069 ふたつのねがい (採点:7)
ひとつの願いで二人を助ける……ずるいと言えばずるい気もしますが、そんな願いもありですね。童話風の語り口調もなかなか作品にマッチしています。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:4)
中盤に差し掛かったところの祐一と食事を取っているシーンで佐祐理さんが自分のことを『私』と呼んでしまっています。佐祐理さんの呼称は根深いものがあるので気をつけてください。
それにしても……微妙です。ストーリーはなかなか面白かったのですが、舞が果たしてゴーストハンターのようなことをするのか? 舞はけして好きで戦っていたわけではありませんよね。その辺りを考えてこの点数です。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
面白かったんですけど、個人的に超人的な無敵っぷりはあんまり好きじゃないんですよね。でもまあ、面白かったんで問題なし。

075 True story (採点:6)
冒頭の「『」に綴じがなかったのはきちんと理由があったんですね。二転三転する語りはなかなか面白いものがありました。でもラストの美汐の子供が美汐と妖孤の子供だとすると時期が合わないような……?

○りょうちん さん

002 鈴の音よ再び (採点:3)
なんとなく先が読めてしまいました。

005 プライベート・ハンター (採点:5)
もう少し戦闘シーンに重みが欲しい気がします。

008 激辛 (採点:7)
楽しく読ませて頂きました。

○ろーらん さん

004 The regret (採点:5)
最初北川が主人公かななんだな〜って思ってたのに、いきなり舞台から消えてしまったのは、意外性があってよかったですぅ〜。
で、何らかの形で再登場しそうだとは思ってたんですけど・・・普通にゆーれーって展開たっだのはありきたりすぎたかなぁ、と(^^;

005 プライベート・ハンター (採点:3)
ラスト、舞が復活してきたところは面白かったですぅ。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
いや、続かれても困るんですが・・・っていうかFINですか?(汗

021 想いの果てに (採点:5)
お約束ドラマのような展開ですね〜、そういう展開は嫌いじゃないですけど(笑)

026 ステップ (採点:3)
最初のグロい表現の必要性と結婚を急ぐ理由が弱い、って感じたのがひっかかったですー。

039 幻実、そして星 (採点:2)
受け入れられるかどうかで評価は大きく変わるんでしょうけど、
とりあえず私は楽しめなかったほうです・・・。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
上手く考えたものだなぁ〜と、ひたすら思うばかりですー。
読んだ後今一度考えてみる楽しみはありますけど・・・
最後が一瞬で理解できる内容じゃなかったのが惜しいかも。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:7)
どこかでみたような文字列を見かけるたびに、微妙に冷めてしまうのが痛かったですぅ。
そゆのが紛れ込んでるのは、作品の雰囲気とあってないって思うですー(^^;


063 丘の子守唄 (採点:3)
はぅ・・・「―終―」って、終わってないじゃないですかー(泣
今回のこんぺではちらほら見かけますけど、最近の流行りなんでしょか?
こーゆー切り方で「後は読者におまかせ」って、何か違うよーな気がするですぅ。

○わっしも さん

058 30℃ (採点:9)
 文章力高いと得だな〜、なんて思いました。
 読んでて「ラストサマー」とか「夏子の酒」とか思い出したり。酒造に関しては知りませんが、病院内での描写ではかなり想像で書いているんでは、という違和感を私は感じました。各施設ごと・病状ごとに扱いは違うだろうから何ともいえないんですけれど、骨はぽっきりいったら逆に治りは早いんじゃなかったかな? とか乏しい知識で考えたり。
 状況・展開の説明は非常にわかりやすいし、結構細かくされていると思います。ですが肝心の北川の香里に対する心情の描写が説明不足のような気がしました。おそらく作者さんの心の中では筋道立てて過程ができているのでしょうが、それをどこからどこまで取捨選択して物語の中に表現するかで、判りづらくなっていると思います。私はこの作品の北川が香里を見て「高みにいる」と思うのが理解できませんでした。確かに手が届かないように感じるのは判る……納得はできるんですが、それを地獄にいると思いながら『高み』と表現するのが。もちろん、作品以外の認識から考証すればそう考えるのも判るんですが、作品内での説明が欲しかったんです。苦しみ真っ只中の当事者にとって同情は迷惑だけど、憧憬されるのもまた迷惑なんだとか思っちまうんですよね……
 手紙の答えに関しては、はっきり書いていないのがこの作品の魅力だと思うのですが……矛盾を感じても文の矛盾なのか自分の浅はかさなのか、どうにも判断がつかなくて……ジレンマです。
 でも、いい作品だと思いました。

○アクア さん

023 WA4 (採点:2)
中途半端で終わらなければ……

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
なるほど…未来の話かとおもったら過去の話だったわけですね。
正直、美坂姉妹の話だと思ってたら最後にやられました。おみごと。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:7)
凄い…よく研究してあります。+2点。

○アリアモーA さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:9)
アゲハ蝶知らなかった馬鹿がここにいます。(爆
まぁ知らなかったことが幸いしてWords.の部分はどういう意味があるんだーとか考えさせられました。色々考えてると恐ろしく歌詞と久瀬があってるように思えてきました。

004 The regret (採点:4)
内容的にはいいんですが、栞はどーなってるのか、何故祐一と香里が愛し合っていたのか、等の理由が欲しかったです。

ついでに名雪至上主義の僕は理由なしでこうされると非常に心が痛いです。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:3)
普通の祐一・名雪SSかなぁとか思ってたら1ページ目のラストで驚かされました。

でもちょっと突発的すぎかなぁと思いこの点数にさせてもらいました。

018 雪解け水 (採点:5)
全体的にはよかったです。ただ、名雪とあゆについてもう少し触れて欲しかったです。あゆが祐一と名雪の幸せを願う理由のようなものがあればもう少し高い評価ができたと思います。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
名雪の狂気系SSかぁとか思って読んでると見事に引っ繰り返されました。

でも人化だけは唐突すぎなのでは、と戸惑ったので9点とさせていただきました。

023 WA4 (採点:7)
祐一と美汐だからどーせ真琴関連のお話だろーと思ったら大間違いのようでした。

ちょっと気になったのですが、あゆに少し触れたのは意味があったのでしょうか?

026 ステップ (採点:9)
そういう関係もありだなぁとか納得させられました。ちょっと関係が混乱してきたので家系図とか書いてました。

9点なのは終り方のせいです。個人的に最後の祐一のシーンはちょっとマイナスでした。

029 最後の奇跡 (採点:3)
先の展開が読めるっていうのがちょっと痛いです。あと、あゆの奇跡についてはTVアニメーション版Kanon的な奇跡になってるようですが、少し納得しかねる部分があります。

この点数はそういう個人的な見解の差からきたものです。

031 グッナイ (採点:2)
ちょっと盛りあがりに欠けるかな?というのが正直な所。あと個人的にオリキャラは大抵余計に思えてしまうので。すみませんがこの点数です。

035 復讐という名の代償行為 (採点:10)
途中飽きることなく最後まで読めました。なんていうか引きこまれました。

僕もこんなSS書いてみたいです、ホントそう思いました。ああ、ミステリー系のSSが書ける様になりたい・・・。

040 楽園日記 (採点:7)
男4人だけのSSなんて久しぶりに読みました。結構おもしろくすんなり読めました。

そーいや、斎藤の海の向こうに居る思い人って消去法で考えるとまさか・・・

057 移し火恋歌 (採点:10)
色々考えさせられました。この後二人はどうなるのか、舞と佐祐理はハッピーエンドだと思っていいのか等々。

あまり舞・佐祐理のSSを読まない僕にもこのSSは色々考えさせてくれます。なので10点とさせていただきます。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:10)
素晴らしいの一言です。今回のSSコンペで僕が読んだ中では間違いなく最高の作品でした。

確かに名雪ならそう思うでしょう。彼女が願うのは祐一の本当の幸せ、ならば真琴と祐一の幸せを願うはず。
でも幸せの形は一つではなく祐一は名雪との生活に幸せを感じていたはずです。『失ってみて初めて気付く大切さ』って奴なんでしょうか。

読み終えた後には切なさが僕の胸を打ちました。本当は10点以上つけたい気分です。本当に素晴らしい作品をありがとうございます。

068 名琴抄 (採点:5)
2度読ませてもらいましたがイマイチ意味がわかりませんでした・・・すいません。

できれば理解したいのですが・・・もう少し説明が欲しいところです。

○ウンパス さん

003 お泊まりパニック! (採点:8)
北川が完全なヤラレ役、香里が悪魔将軍のような作品でしたね。
題名の通り、『お泊まりパニック!』らしい出来だと思います。

人生ゲームはあまりやらないのですが、最近のは無人島も買えるのですか・・・。
僕の頃は人生最大の賭けで負けて、強制収容所に何度も連行されました(^^;

004 The regret (採点:7)
きれいにまとまっていますね。
ですが北川の特技に関しては、終盤で出した方がいいと思いました。
そうすれば何故北川が幽霊化したのか、納得がいくからです。


006 「日課」 (採点:8)
結構痛い内容ですね。
でも『あいつは物語の主人公だったんだ』の台詞が僕にヒット!
この文を見て、俄然この作品を読む意欲が湧いてきました。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:4)
僕はカレーについてはよくわからないので、その辺のコメントは控えさせていただきます(^^;

さて内容なのですが、非常に読み辛いです。
もっと改行を増やし、時間の移動を明確に表現して欲しいです。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:10)
一言でいえば、「すごいアイデア・・・」というのが僕の感想です。

こういった性転換ネタはいろいろと見てきました。
だいたいドタバタギャグというのが殆どでしたが、これはシリアスです。

読んでみて、どんどん深みにはまっていく僕がいました。
非常にいい作品だと思います。

・・・でも相沢の努力って本当にあるのでしょうか?

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
これだけ盛り上げといて、オチが結構効いていますね。
この展開には好き嫌いが分かれると思いますが・・・、僕はあのまま終わらせた方がいいと思いました。

最後のオチは蛇足のような感じがします。

040 楽園日記 (採点:7)
まず一言、読み辛いです。特に序盤。
全く女の子が出てこない、男だらけの内容だったので期待していました。
ですが序盤の読み辛さによって、読者の意欲が半減する気がします。

内容の方はサバイバー風で、非常に読み応えありました。
特に久瀬の豹変振りは興味を惹かれます。

049 少年期 (採点:6)
タイトルがいい味を出している気がします。読み終わったあとは特に・・・。

さて相沢を中心とした四角関係に、北川視点となるお話でした。
読んでみて思ったのは、描写が多すぎる点です。
最初は結構うまく使っていると感じたのですが、段々と疲れてきました。
やはり読み手としては、あまり疲労を感じさせない内容にして欲しいものです。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
まず二箇所誤字発見。
・吉野家ないか吉野屋。どちらが本当なのでしょう?
・「一番便りになりますね〜」。×便り→○頼り

特に二番目の方は致命的だと思います。
時間がなかった事は作品を読んでわかったので、何度も読み返したほうがいいですよ。

作品に関しては、壊れギャグとあった通りの展開でしたね。
特に久瀬の行動力は大したものです。今の政治家にもこれくらいあれば・・・。
多少行き過ぎる所もありますが(^^;


052 Give me a reason (採点:9)
オリキャラがいい味出しています。昔の栞のような感じですね。
生きるという目標に向かって努力する、二人の姿が素晴らしい!

ですが、中盤でおやっ?という場面がありました。
間違いかも知れませんが、一応書いておきます。
石澤と高澤って同一人物なのでしょうか?・・・違っていたら御免なさい!

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
名雪がラブレターの件で勘違いする場面がいいですね。
北川の両親の離婚で、苗字が変わったのには驚かされました。
だから名雪は気がつかなかったんですね・・・。

それと石橋(独身)の登場も(^^;
レッドカードで生徒指導室一名様ご案内とは・・・、シリアスな中で思わず笑ってしまいました。

ですが疑問点も・・・、
エピローグの部分で、北川が急性虫垂炎にかかった部分です。
せめてエピローグ前に伏線を張っておいた方がいいと思います。
急激な展開に持ち込むなら、伏線を張っておくと読み応えがありますよ。

058 30℃ (採点:6)
難しい内容で、しかも読み辛い。
読んでいて結構苦痛でした。
難しいのはともかく、改行を多めに取って少しでも読みやすくして欲しいです。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
この学校にはいろんなイベントがあるんですね。
騎馬戦は危険だから中止にする学校もある中で、大規模な騎馬戦を展開するとは・・・。

ただ設定に無理がありますね。
強引な展開が多々ありまして、読んでて少し辛くなりました。
もう少し設定を簡略化してはどうでしょうか?

○エーフ さん

040 楽園日記 (採点:9)
女性キャラが出てこない異色のSSですが、高校生としての相沢祐一(および他の男性キャラ)がもっともいきいきと描かれたとても”青春”色の作品でした。私はこの点でこの『楽園日記』を推します。

○ガウガウ さん

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
美汐らしさが良い具合に出てていいですねぇ。栞のやや暴走っぷりも気に入りました(笑
何より読み返した後にタイトルを見てすごく納得できましたね。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
……なんというか……これkanonか? というのが最初の感想ですね。
悪い言い方をすればある意味卑怯とも思えますけど、凄く引き込まれました。
kanonのSSというよりもそれ以上に一つの現実を表しているようで……良い悪いではなく心に響きました。
特に……自分は骨髄移植後の治療に必要な成分献血採取者のローテーションに加わって約一週間置きに献血に行っていたこともあったもので(普通はこんなこと無いんでしょうけどね。二年後その病院がちょっと問題になってたし)人事……としては見れなかったですね。
……すいません。正直言うとkanonのSSとしての点はあまり良くはありません。普通といったくらいなのですが、純粋にSSとしてこの点です。現実はそう甘くはない……作中にもそれは書かれてましたけど、それでもこういうラストであったのは良かったと思います。

○キヒ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:5)
歌は好き。
前半が少し退屈だった。


024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
予定されていた結末にそのままつながった感じ。
こうなるだろうな、という予想そのままだった。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:2)
口癖の乱発は見苦しい。
内容も、ただだらだらと長くした感がある。


040 楽園日記 (採点:9)
とても楽しかったです。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
タイムスリップした人間がそんなに落ち着いていられるかとかはどうでもいい。
おもしろかったです。
ご馳走様でした。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:5)
中盤の展開がしっくりこない。
唐突な感じがする。

057 移し火恋歌 (採点:8)
面白い。
2つの視点から進む物語が絡まりあって、そして結末へと一気に加速する。
かなりひきつけられました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
おもしろい。満足しました。一連の会話が素適すぎ。

○キャノン砲 さん

003 お泊まりパニック! (採点:7)
北川君はどこのSSでも死なないね〜(死んだら困るけど、多分・・・)。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:9)
最・高・だ!!けどこれはいいのか?

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
北川が受かって香里が落ちるのには驚きました。

○ギルティ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:8)
読ませて頂きました。
ギルティといいます。
感想ですが、歌詞に合わせて展開するストーリーはとてもきれいだとかんじました。
個人的に気になってもいた、本編での祐一の久瀬に対する行動も取り上げられていたのも(俺としては)好印象です。
ただ、久瀬ってこんな性格かな?という点と、歌詞の解釈の違いから-2させてもらって8点にしました。
これはどちらも個人的な好みによる-ですので、特に気になさる必要は無いと思いますが。
とても面白かったです。
これからもがんばってください!


002 鈴の音よ再び (採点:7)
読ませて頂きました。
ギルティといいます。
感想ですが、祐一の悲しみや苦しみが良く表現されているとおもいました。
気になったのは、こういう話の展開上3点リーダー(だったと思います。・・・というやつ)を多用することになるのは仕方が無いと思いますが、その数がバラバラなのが気になりました。
特に後半多くなっています。
統一したほうがいいとおもいます。
それと、話そのものがよくあるネタだと感じました。
総評としては、面白かったです。
これからも頑張って下さい!

○クロック さん

003 お泊まりパニック! (採点:10)
哀れ北川
この一言につきます

004 The regret (採点:10)
北川のシリアスって何故か泣けてきます
文章表現がとてもよく、いい作品でした

006 「日課」 (採点:10)
北川のこんな話は大好きです
好きな人に想いを伝えれなかった北川ってなんかいいですよね
北川がかわいそうですけど(苦笑)

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:10)
北川×香里ってやっぱり最高です

048 走る少年少女達 (採点:10)
最後の最後で笑わせてもらいました
話の展開もよかったです

049 少年期 (採点:10)
北川が何かを考えて悩んでるのってなんかかっこいいですよね

052 Give me a reason (採点:10)
こういう話は好きですし、文章表現もとてもよかったです

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
北川がとてもかっこよかったです

○グE さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:5)
久瀬の心情がよく描けていると思いました。
けど個人的にしっくりこなかったです・・・。

002 鈴の音よ再び (採点:4)
ストーリーは好き。だが描写がやや不足。
具体的にいうと、鈴の音が聞こえてから幻に気づくまでのシーン。
難しいとは思いますが・・・。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
途中のドッキリのシーンはよかったです。
ギャグがややいまいちだったと思います

以下こまごまと気になった点を

>こういう時、つくづく産まれてよかったな〜なんて思えてしまう
『男に』が抜けてますよ。(個人的にはほしいんですが普通はつけないんですかね?)
>注)祐一の精神が正常を保てないため、しばらく三人称になりますことを秋子さんのような広い心
>で(一秒で)ご了承ください。
個人的にこれ結構好きなんですが万人受けしないと思います。

>イチゴサンデー
変わったのはミスですか?
それとも祐一の現実逃避を表したんですか?
後者ならなんか突込みがほしかったです。

では

004 The regret (採点:1)
ストーリーの流れとしては悪くはないはずなんですよ。
幽霊になってまで香里に告白する。
それはいいんですが・・・
プロローグの北川がえらそうです・・・。
少なくとも北川はこんなキャラではないでしょう。
『人を見る目がある』というのは流石に尊大すぎます。
確かに『人を見る目が在る人』はいると思いますが
せいぜい自分では『人を見る目があるほうだ』と思うくらいにとどめるべきです。
他には香里の告白シーンですね。
なぜ、いちいち祐一に頼るんですか?
その理由がよくわかりません。
(自縛霊みたいに動けないのならその説明がほしいです
それに、悪いけど・・・みたいな断りがほしいです)
(それにもし祐一のことが好きな香里のことを気遣ったのなら
その描写がほしいと思います)
あと、キャラの心理描写がラストの方のシーン以外いまいち少ないです。
また、誤字がやや見受けられます。

005 プライベート・ハンター (採点:3)
舞がユニークで好きです。
舞、そのとき、テープレコーダー持っていたんだね・・・。
ただ、戻ってくる過程がいまいちわからないのと、
描写の不足を感じたのが非常に残念。


006 「日課」 (採点:5)
香里と北川の百花屋のやりとりと教室での祐一と北川のやりとりがいいかんじでした。
しかし、なぜ、祐一と香里が別れたのかわからなかったのが残念。
(おそらく、北川の方が好きだと気づいたんだろうが・・・。
書いてほしかった、もう少し詳しく。)


007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
読んでいる最中に星牙さんのお茶目な秋子さんシリーズを思い出しました。
祐一の苦悩っぷりがよく描けていてよかったです。

008 激辛 (採点:5)
真琴と祐一のほのぼのとした雰囲気と
ピロとのキスシーンがよかったです。(笑)
ただ、タイトルでやや損をしているような感じがしたのが残念でした。
(まぁありがちといえばありがちなパターンですが、
こうやってタイトルでいわれると・・・やっぱり・・・
興ざめだと思います)

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:4)
やっぱりこう思ってしまいますね。
なんか祐一が情けない・・・。
(まぁ気持ちはわからないでもないですが・・・)
最後の演出は好き。


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
作品でのカレーの使い方がうまいのはよかったが、
香里の心境が描写不足。
もう少し香里に気を使ってほしかったと思いました。
(あまり書かないことで意外性を持たせようとしたのかもしれないが
うまく働いていないように思える)
話自体は決して悪くないのだから。

011 残酷な代償のHappiness (採点:2)
話の発想としては悪くないと思う。
ただいくらなんでもこれは無理だと思う。
あゆが完全に真琴に(たった一日とはいえ)なりきるということは。
あゆはそこまで器用な人間ではないと思います。
祐一についてもやや不満でした。

あとひとつ
>でもそれはすなわち、俺が彼女の事を忘れつつあるってことじゃないのか?
この部分彼女よりも真琴のほうがよかったとおもいます。
それまでに真琴と言う文字が出てないのだから。

012 空っぽのテクスト (採点:6)
ストーリーとしては面白いです。
ただ、もう少し登場人物の葛藤を描いてくれるとよかったです。
こう淡々とされるとやっぱり物足りなく感じます。

013 Conservation for Love (採点:6)
落ちとかストーリーの流れがいい感じでした。
ただ、一人称を付け加えてほしかったところがありました。
>イヌイットとは何か、フィリピンとはどこか知らなかったが、大体理解はできた。
こことか。
また、
>気付かなかった読者の方は愚物とみなさせていただく
>エロゲ声優ごときとは器が違う。
この2つの文はやめてほしかったですね。
個人的に。


014 おまえの名前 (採点:7)
いい話ですね。ほんとにいい話です。
真琴(祐一の子供のほう)の行動がほんとにいい感じでした。
アイディアが非常にいいと思いました。
(名雪の心情が引っかからないこともないですが・・・)
(後題名にはちょっと不満です。)

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
いろいろ書きたいことはわかるのだがいろいろ書きすぎて
話がふわふわしていると思います。
栞がメインなのなら真琴のはなしとかいらないですし・・・。
(日常の世界を書きたいだけならもう少し短くできる)


016 脱走と追跡のカノン (採点:3)
個人的にギャグがいまいちでした。
ノリは結構いいとおもいますが。


017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:2)
心理描写をもう少しうまく表現してほしかったです。
ちなみに設定自体個人的にあまり好きではなかったです・・・。


018 雪解け水 (採点:2)
話の筋としては悪くないと思います。
残念なのがラストの展開のわりに名雪に関する描写がどうしても少ないと感じること。
はじめのほうから祐一が名雪のことを好きだという内容を示唆していないので
(祐一視点で話が進んでいくだけに)不自然に感じてしまいました。
また、原作からの引用が後半(SSの分量の割りに)多いなのが残念でした。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
こういう終わり方は・・・。
たしかに謎を残したまま終わるという手法はよく用いられます。
ただ、私はこの人に対しての情報をこのSSから得ることはできませんでした。
だから評価は低めにさせていただきました。
(というか別に出さなくてもいいような気もします)

祐一と舞と佐祐理のやりとりはなかなかよかったと思います。

020 私の望み (採点:6)
雰囲気がいい感じでした。
ただ、文章がややこなれていないような印象を受けました。
そこが残念です。
(自分もそうなんですけどね・・・)(苦笑)

021 想いの果てに (採点:2)
淡々としすぎているように感じました。
もう少し感情を深く書いてほしかったです。
後ちょっと話が都合よすぎる感じがしました。
(祐一が方術使えるっていうのも・・・個人的にねぇ・・・)


022 笑い声がきこえる (採点:8)
ストーリーが非常に狂気的でよかったです。
真琴の暴走した心理がよかったです。
ただ、最後の段落が蛇足に感じたのが残念でした。
前段落で終わったほうが作品の美しさが出ると個人的に思うのですが……。

023 WA4 (採点:2)
色々書きたいことはわかるんですが、
色々書きすぎてすっきりしてないなぁと思いました。
(途中のお金の話とかなくてもいいと思うし・・・。)
あと、もう少し話を伸ばしてほしかったです。
ここから先のやり取り結構みてみたかったですし。
後一つ、―(傍線)は最低でも二つくらい続けてほしかったです・・・。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:7)
テーマが非常に面白いですね。
いい感じです。
最後のページの演出もよかったです。



025 歩いて行こう (採点:1)
この話を通じていいたいことはいいと思います。
ただ、祐一のオリジナルの過去が不満。
この設定をうまく生かしきれていないと思う。
(あまりSSに役に立っていないということ)
たしかに、久瀬に色々なことをわからせるには役に立ったといえるが
それだけっていうのは・・・。
(それにほかに方法はあったと思うし・・・)

026 ステップ (採点:4)
秋子さんの名雪にまつわる話はよかったです。
ただ、もう少し色々表現してほしかった部分があるのが残念。
また、最後がいまいち終わってないような印象を受けました。
そこが残念でした、

027 ウエディングヴェール (採点:5)
安易に真琴が帰ってくるのではなくてお別れを言いに来た
という設定は面白いと思いました。
ただ、事故にあった展開が個人的に納得いかなかったです。


028 ”プレイ” (採点:5)
正直、話の内容がいまいちわかりにくかったです。
ただ、恋愛の狂気性についてうまくかけているのはよかったです。


029 最後の奇跡 (採点:6)
ストーリー、および、雰囲気がよかったです。
ただ、もう少し場面の演出をしてほしかったようにおもいます。

030 奇跡のかわりに (採点:4)
設定は面白かったです。

ただ残念だったのは香里の気持ちを
もう少し書いてほしかったということ。
いうまでもなく栞シナリオでは香里の葛藤が描かれてます。
それをこういう設定だったらどんな感じだったかとみなおして(書いて)ほしかったです。


031 グッナイ (採点:3)
余計な地の文と思えるのが結構あり、
また、こなれていない感じがしたので残念でした。
また、キャラの口調がやや、おかしいところがあったのが残念でした。

ストーリーの流れとしてはよかったと思います。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:8)
まいから見た舞シナリオというのは私にとって斬新でした。
よかったです。
まいたちの思いが十分に伝わってきました。
ただ、途中でややわかりにくい部分があるのが残念でした。

033 エム (採点:5)
ストーリーは好きです。
描写をもう少ししっかりしてくれたらもっとよくなったと思います。
また、・の数が一定してなかったのが読みづらかったのが残念でした。
(いっそのこと…で、統一したほうがよかったと思います)


034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
ストーリーはよかったです。
ただ、佐祐理さんがもとの佐祐理さんに戻る経緯が唐突過ぎるという印象を受けました。
そこが残念でした。そこを掘り下げてほしかったです。
あと、たまに『舞』が『舞い』になっていたのが残念でした。


035 復讐という名の代償行為 (採点:5)
文章の演出はうまいとおもいました。
ただ、この終わらせ方はどうでしょうか。
確かになぞを残したまま終わらせるという手法はよく用いられます。
けどこの話の場合には、個人的に答えを出してほしかったです。
そこから先が結構見もののような気が私にはしましたから。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
ストーリーの流れとしては嫌いではないですが…、
いろいろと盛り上げるシーンはあったはずなのに…、
演出不足ですね。
そこが残念でした。

037 美凪 (採点:3)
私にとって、はっきり言ってこの作品は惜しい話でした。
過去の語りのときに母親と美汐のやりとりについてもう少し書いてほしかった。
これが十分にあればかなりいい作品になっていたと思います。
また、後半部分、美汐が不自然に感じました。
個人的に、彼女は人を見下すような人ではないと思います。
一人であるが、母性のようなやさしさをもった人であるともう。
そうでなければ、祐一からおばさんくさい、という評価は多分受けない。
また、祐一が何よりも大人という描写はやや不自然を感じました。
(いいたいことはわかるんですけどね)
あと、一つ。
>その悲しみと混ざってしまえば私は永遠へと旅立てたかもしれない
この部分がよくわからなかったです。
おそらくはONEをモチーフにしているの思いますが、
それまでにそのような描写がないため不自然なものとなっていると思います。

作品に流れる雰囲気はよく、また、小ネタは個人的によかったとおもいます。
(まじかるさゆりんの部分)
ただ・・・それだけに・・・。↑の部分が悔やまれました。
あと感じには

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:5)
いきなりの栞の乱入で思わず爆笑してしまいました。
あ〜もう、笑った。
この展開には素直にやられたと思いました。

ただ、あゆの一人称で一箇所ミスったのが残念。
また、香里の心情をもう少し書いてほしかったです。

039 幻実、そして星 (採点:10)
勝馬と舞のやり取りが非常によかったです。
作品自体の雰囲気も非常によかったです。
また、最後の一言が最高でした。

040 楽園日記 (採点:6)
無人島の生活でのキャラ同士のふれあいがよかったです。
ただ、欲を言えば最後にもう少し何かほしかった。
(迎えに来たのが香里たちでなんらかのやり取りをするとか)
(蛇足と思う人もいるだろうけど、個人的にはほしいとおもった。)


041 また逢えたらいいね (採点:8)
途中までの栞と早緒里のやり取りが見ていてほほえましく
また、おかしくてよかったです。
地の分も面白かったですし。
最後の段落には(ありがちといわれればありがちかもしれませんが)
やられました。面白かったです。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:2)
居酒屋のシーンのあとの佐祐理さんのまでは6点だったんです。
なかなかいい雰囲気でしたし、祐一の気持ちもよくわかりましたし、
なかなかうまく仕上げられているような気もしました。
だがしかし、だがしかし!
私は祐一の行動には納得がいきませんでした。
ぶっちゃけた話、佐祐理さんがいたのに舞を抱いたんでしょう?祐一は。
ここでいっきにー4点です。
これは人としてやってはいけないことだと思います。
酒屋で祐一が全員に、結婚したと嘘をついたときの気持ちを考えれば
なおさらです。
とにかくラストが気に入りませんでした。


043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
コインを使った告白というこの設定自体が面白く
色々な部分がコメディ色が強くいい感じなんでした。
ただ、コメディ部分の天野の会話が個人的にいまいちでした。


044 パンドラ (採点:10)
美汐の葛藤が非常によく描けていると思いました。
よかったです。
最後の段落の表現もいいですね。


045 桜が告げる春の風…… (採点:6)
美汐が美汐自身の幸せを祈らないと美鈴が帰ってこない
という設定は結構面白いと思いました。
人物描写もなかなか丁寧でよかったと思います。

046 ホワイト・ミュージック (採点:3)
ラストは結構好き。
だが残念な部分が多かったです。

祐一がグレていた(これはちょっと語弊がありますかね?)部分から
立ち直るときの描写がほしかったですし、
あゆが店で暴走したシーンの挿入箇所があの部分では不満。
ちゃんと時間軸にあわせたほうがよかったと思います。

047 笑顔 (採点:3)
途中で香里を登場させているがその必要性があまり感じられませんでした。
あと、秋子さんの行動が個人的に不自然に感じました。
(歓迎パーティーのところ)
作品の雰囲気はよかったです。

048 走る少年少女達 (採点:3)
なかなかラストはいい感じでした。

ただ始めの説明がだらだらしすぎなのが残念。
もう少し短くしたほうがいいと思います。

後改行にはもう少し気を使ってほしかったです。

049 少年期 (採点:7)
(少なくとも私にはそういう経験はないですが)
少年期に抱えがちな内容をよく描けていると思いました。
心理描写が上手でした。
また、最後の一文がよかったです。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
テーマが面白いですね。
人の幸せとは何なのか・・・。
確かに人の幸せはほかの人から見たらわからないものです・・・。

最後の名雪と香里のやり取りが非常によかった。
ラストが本当によかったです・・。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:4)
ギャグがちょっといまいちだったですかね。
あと壊れギャグに途中の秋子さんのシーン見たいな雰囲気を
混ぜるのは個人的にあまりあわなかったです。

052 Give me a reason (採点:7)
雰囲気がよかったです。
また、最後の一文がいい感じでした。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
なんかこの二人のやり取りがいいですね。
たまりません。
>「えっと……らいく?」
>「らぶ」
特にここのやり取りが最高でした。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:7)
多重人格というものに私は誤解していたようですね・・・。
それはとりあえずおいといて
いいですね〜、キャラのやり取りが。
それぞれの心情がひしひしと伝わってきて
よかったです。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
ストーリーはなかなか好きです。
あと、真琴と真琴を失ったことにより祐一をうらんでいる妖狐を
誤認させるようなトリックも非常にうまいと思いました。
ただ、場面場面が淡々としすぎていて、
いまいちそれらが生かしきれていないのが非常に残念でした。
もし生かせていたならかなりいい作品になっていたと思います。
ほんとに惜しいと思います。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
爺さんと祐一のやり取り、舞と祐一のやり取りの両方とも
すごくよかったです。
あと、人物描写がよくできていてよかったです。

057 移し火恋歌 (採点:9)
すごいです・・・。
もう世界設定がとくに。秀逸です。
非常にオリジナリティがありますね。
各々のキャラの心情もうまく描けていてよかったです。

058 30℃ (採点:6)
酒屋と専業主婦を香里にたとえたのはうまいと思いましたが
肝心の手紙が・・・。
もう少し突っ込んでほしかったと思います。
(香里と栞のやり取りとかそういうので)


059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
まさかこういう手(叙述トリック)で来るとは。
すっかりだまされました。
話自体も面白くよかったです
ただ、叙述トリックを用いたせいか、いまいちわかりにくい部分がありました。
そこが残念でした。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:7)
舞台設定がうまいと思いました。
はっきりいってこのアイディアは面白いと思いました。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
祐一の行動にいまいち共感がもてませんでした。
最低だよ……。祐一……。
(まぁ気持ちはわからないでもないですが……)

終わり方はほのぼのしていてよかったです。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
はじめに謝っておきます。
…ごめんなさい。
はっきりいってこの話は好きですし
キャラの心理等、かなり綿密に考えられていてすごいと思いました。
はっきりいって秀逸です。
しかし、わたしはどうしてもSSとしてこの話を見れなかったんです。
だから…、−2点としました。

063 丘の子守唄 (採点:4)
「え?これでおわり?」
読み終わったあとの第一印象がこれです…。物足りなさ過ぎる…。
(この後の再会とかがいいのであって…。)

文章は正直上手だと思いましたし、雰囲気もよかったです。
ただ、やっぱり物足りない、という印象を受けたのが残念でした。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
作品の雰囲気がよかったです。
また、ストーリーもかなりオリジナリティがあってよかったです。
また、文章も綺麗で素直にすごいと思いました。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
人魚姫のはなしのかけ方が非常にうまかったです。
ただ、贅沢を言えばもうすこし深く問題提起への解決を示してほしかったか。
(難しいとは思うんですけどね・・・。
書かれてなくても十分いい作品です。)


066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
50KBという容量でもこの話をしっかり書こうとすると
不足なんでしょうね・・・。
名雪が奇跡を起こす理由はまぁわからないでもないが
その辺の描写をしっかりしてほしかった。
もう少し書いて、名雪のいとしさを演出してほしかった。

最後のシーンで名雪がいないというのも確かに一つの手であるが
このラストには個人的に不満が残ってしまいました。
名雪をぜひ登場させてこれとは違うEDがほしかった。
祐一の独白ももう少しほしかったです。

着眼点は非常に良かったです。

067 風邪の一日 (採点:6)
最後の祐一と真琴のやり取りはいい感じでした。
けど、3ページ目のあれは……、ちょっと違和感感じましたね。
(というか真琴いったいどういう本読んでいるんだか)
後初めのほうのセンタータグは使わなくてもいいと思いました。

068 名琴抄 (採点:7)
個人的にがっかり。
途中までは古典とかを非常にうまく使っていていい感じだったのに、
最後の名雪が狐だったという展開は・・・。
もちろんこういう展開も悪くはないとおもいます。
けど、名雪を人間にしたままのほうが
もっといいストーリーをかけただろうに、とどうしても思ってしまいました。


069 ふたつのねがい (採点:8)
昔話風にしたのがユニークで面白かったです。
ストーリーの展開もよかったです。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
テーマとしては面白い。人と人とのつながりについての考えは
ほとんど作者さまと同じです。
最後のシーンは好き。
以下こまごまと気になった点を。

>この辺りの生徒会事変に関してはまた別の機会にでも話すとして、物語を続けよう。
この一文いらなかったのでは?
このSSで話されていませんし・・・。
(細かすぎるなぁ・・・このつっこみ)

>一弥
彼女の一弥に対する態度は文中に語られているようなものではないと思います。
死んでからそう思っただけで
(多分、ロキにそういう過去だったと捏造された可能性もありますが
それはそれで後半に断っておく必要があるとおもいます)


071 一緒に生きたい (採点:4)
あゆと栞をかけているのはうまいと思いました。
ただ、そのほかがほとんど本編の焼き直しだったのが・・・。
(まぁ仕方ないんですが)


072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
文句なしで10点!
というかこのSSは本当にすごいとしか言いようがないです。
もう美汐がラストシーンを省いてもこの上なく愛らしいし、
ラストシーンの美汐と祐一のやり取りは・・・もうなんていうでしょうかね。
超最高(<日本語がおかしいという突っ込みは大却下)ですし、
昔話に込めた思いはすばらしいし・・・。
ああ、もう最高でした。
美汐ファンにはたまりません・・・。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
とちゅうやや、だれる感がありましたが
佐祐理と舞のバトルが最高です。
また、最後の結婚式のシーンで爆笑しました。
よかったです。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:8)
最後のページの演出がユニークですね。
また、作品の雰囲気がとてもいい感じでした。


075 True story (採点:7)
最後の落ちにやられました。
そういうオチですか。
作品に流れる独特とも思える雰囲気はよかったですが
地の文が個人的にはやや硬かったのと秋子さんが微妙に秋子さんらしく
なかったように感じたのが残念でした。

076 夢の劇場 (採点:10)
香里と栞の葛藤がこれでもか、と思えるくらい
上手く描けていてよかったです。
また、栞とあゆのやり取りもよく、3ページから4ページにかけての
奇跡(夢)に対する考えはよかったです。
また、最後のページを見た瞬間飛び込んできた
言葉にはやられました。
もう、見事としか言いようがなかったです。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
栞と名雪と祐一のやり取り、
そのやり取りがいまいちわからない香里。
そしてそのやりとりを自ら、北川と付き合うことにより
しようとする香里がいい感じでした。
途中の女王を任じられたときの香里と名雪もいい感じでした。


078 「dearest」 (採点:10)
シーン途中での香里の心情が最後のシーンにうまく生かされていて
非常によかったです。
また、シーンの見せ方も非常によかったです。

○コロリン さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:7)
個性を追求した作風で…とても読み辛かったです。
理解力の足りない頭を絞って、振って、捻って、回して読みましたが元々久瀬善人説ギライの私には着いて行けない内容でした。
キーアイテムの久瀬第二視点で彼の内面は深く見えましたが、他の久瀬善人説と内容はほぼ同じに感じました。

002 鈴の音よ再び (採点:6)
楽しく読みました。
上手く纏められたと思います。


003 お泊まりパニック! (採点:4)
笑える箇所が一つもありませんでした。
短編のほうでもギャグ作品には一番面白かった所を書いていたのですが…。
向いていないと思います。せめて祐一の一人称はもう少し考慮したほうが良いかと。

004 The regret (採点:6)
この作品のキモになりそうな北川と香里の最後の別れのシーンで何故省略がなされているのでしょうか?取捨選択は確かに必要ですが、ここは書くべきだと思います。
それと最後。祐一に残した北川の台詞「相沢……俺達……親友だったよな」に脈絡がありません。相手の感じが掴めるなら尚更では?キレイな言葉を使いたかっただけに見えます。

005 プライベート・ハンター (採点:4)
ラストの佐祐理の一言が全てを物語ってますね。矛盾だらけです。
魔物は殺した。舞は自ら刃を身に落とした。

006 「日課」 (採点:6)
オチは香里と祐一が組んで、煮え切らない北川にハッパを掛けて反省させ、香里の告白…という形になるとばかり思っていました。それが違うとすると見方も180度変わってきます。
傷心の北川に「同情じゃ無い」と香里は言いましたが、『振りはしたけど友達関係は続けたい』という自分勝手な理由での行動にも見え、もっと性質が悪いと思いました。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
楽しく読みました。
直接の表現は避けておられましたが、内容は禁止に近いのでは?ここに載っている以上許させている訳ですが…。
ギャグ部分はとても面白かったです。

008 激辛 (採点:7)
いいお話でした。
各キャラの動きがしっかりと出来ていて楽しく読めました。
ただ、どうしても初期設定から真琴と祐一が恋人関係になっているのは個人的に受け入れられません。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
乱交文化の再来ですな。
逆に名雪が北川、久瀬、斉藤、祐一と『みんな愛してるからいいんだおー』などとのたまって付き合っても万事OKなんでしょか?独占欲よりも愛される事を取る。という選択の方がインモラルを感じました。
ただ、それは刷り込まれたモラルなのでエゴイズムを感じる部分が「悪である」とは言いませんが。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
カレーですか。
ここまで上手く纏められてても「カレーは無いだろ」と即座に否定してしまえる程、キーアイテムとしてはパンチ力不足でした。
何分、香里のアイテムとして『北川はカレーに深い想いがある』等と言った描写が無いので「何故、カレーに拘る?」といった違和感がありました。…宿命、必然は勘弁して下さい。

あと「美坂」は変です。


011 残酷な代償のHappiness (採点:5)
ネタに急いて台無しになっています。
ネタとしては9点でしたが、各キャラの動き、話の紡ぎ方、全てに違和感があります。
アイデア溢れるならば書き方に気を付けてがんばってください。

012 空っぽのテクスト (採点:6)
話の展開としては良く出来ていました。
しかし焼き直しでしかなく、オリジナル設定の血吐きは胡散臭さが目に付きました。

数ヶ月のうち最後2、3日というのも変ですし。いや本当の予定は二三日でした?
本編どうり過ごすのが最良としても、せめて本編とは違ったに『何か』を行動して欲しかったです。

013 Conservation for Love (採点:7)
楽しく読みました。
ギャグ物としては笑いが少なかったですが、ドタバタ劇として良い作品でした。
ただ、何故『人を騙す実例』としてKANONを提示したのでしょうか?それはちょっといただけないと思います。

014 おまえの名前 (採点:7)
良いお話でした。
斬新な内容ではありませんでしたが、上手く纏められておりました。
数箇所、違和感を感じさせる文もありましたが、全体として楽しく読ませて頂きました。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
とても読めませんでした。
自分で読み返して違和感感じませんか?もう少し勉強が必要です。
書き方もさることながらネタとしても1点ですよ。

016 脱走と追跡のカノン (採点:4)
未完ですか?
どういった気分で書き始めたのでしょうか…祐一の決意ってナニ?
まぁ別に続きも気にならないので『時間の無駄』という結論にて。

それと笑える部分もありませんでした。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:7)
面白いお話でした。
纏まりも良く上手く書けている作品でした。

しかしながら、これを背徳の作品として本来8点であるべきを7点にし、書き出しを『面白い』と始めてしまう程、この病には偏見の持ち主であります。(勿論、考慮怠る事無く)あしからず

018 雪解け水 (採点:5)
中途半端な印象を受けました。
よく使われる言葉を借りると「出来の悪い焼き直し」
名雪もあゆも薄く、共感を込められるキャラになっておりませんでした。
しかしながら、あゆに絡めた名雪エンドを作るというのは、本編の突拍子の無さよりも良い発想だと思います。

019 FILE EPISODE 0 (採点:4)
意味が分かりませんでした。
元ネタでも在るのでしょうか?無いならないで問題ですが。
ミステリーという事はこの作品を深く読みつければ答えが隠されていたりするのでしょうか…?
であるならばコンペ結果発表を楽しみにしています。
しかし、地の文章はもう少し吟味して書いたほうがいいです。

020 私の望み (採点:6)
楽しく読みました。
特筆すべき部分も無く、纏まっておりました。

ストーリーに関係の無い個人的な疑問ですが、お話としてはありがちなんですが、他人に指摘されるまで自分の恋心に気が付かない人って実際いるのでしょうか…

021 想いの果てに (採点:5)
消化不良。
ネタ先行で纏めきっていない。師匠なんかが出ない方がマシな展開に出来たのでは?
1ページ目までは楽しく読めましただけに残念です。

022 笑い声がきこえる (採点:7)
楽しく読みました。
ダークにしては表現が稚拙だったと思います。ホラーあたりでしょうか。
三人称視点ももう少し上手く使って「名雪」「真琴」の名を使った描写を抑えていたら完璧にやられた気分になったのですが。

023 WA4 (採点:2)
未完作品には点数を付けたくありません。
どの作品からも邪推しか生まれません。
まあ、面白かったならば悔しいのですが別に惹きつけられる物も無かったので時間の無駄でした。

文章はしっかりしていたので、基準値に1点プラスしておきます。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
自己満足もここまで行き着くと凄いですね。
実体験だったらご愁傷様です。しかしながら共感を生むには描写が未熟でした。
もし実体験でも無いとしたら「この作品を書こう」と思われた時点で頭が下がります。

それと、最後の英文は知りたいとも思わないので飛ばしました。

025 歩いて行こう (採点:6)
感想が思いつきません。
そういった作品は結構あるのですが、一様に上手い言葉で『何故、感想が出ないのか』を言い表す事が出来ないので非常に困ります。

悪い言葉になりますが『普通』ですか。面白さも無く、読み手が得る物も無く、しかし決して悪くは無い……。 と、ここまで書いて思い当たりました。
「キャラに共感できなかった難点の無い作品」これが原因でしょうか。

026 ステップ (採点:4)
地の文がくどくて読み辛かったです。
説明、説明、説明…。

もう少しキャラを動かして語らせる努力をするべきでは?
興味の無い内容での「小説」は誰しも読みたがりませんよ。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
前半のみならず、全体の三分の二は楽しく読みました。
しかし事故からの展開は強引に話を纏めに掛かっているのか、酷く醜い形となっていました。

理不尽な事故に見せたかったのでしょうが、ドライバーの描写は不要な助長でしたし…。もしや前半の楽しい退院パーティーの話も「幸せから別れへ」とする事で『せつなさ』を演出したかったのでしょうか? だとしたら完全に失敗ですよ。『強引』しか感じませんでしたから。

028 ”プレイ” (採点:7)
楽しく読みました。
二回ほど読み返してみて、内容は理解出来たのですが、いまひとつ「何故そのような行動を取ったのか」の部分が不明瞭でした。もう少しヒントが欲しかったです。


029 最後の奇跡 (採点:8)
キャラそれぞれの想いが上手く伝えられている感動作に仕上がっていました。
ただ、文章の書き方はもう少し努力が必要のようです。まぁ、すぐに上手く書けるようになるでしょうから減点にはしておりません。
良いお話でした。

030 奇跡のかわりに (採点:8)
良いお話でした。
前半のギャグは楽しく後半はしっとり魅せる。話のネタも良く展開も上手かったです。
しかし後半のシリアス部分が祐一の一人相撲で終わってしまった為、結果を出さないのが結果だとしていても、前半のギャグパートがあるだけに、『薄く終わってしまった』感は否めないです。

031 グッナイ (採点:3)
纏めないなら出さないで欲しい。
中編クラスでの途中放棄は落胆も短編の比ではない。

仰りたい事は判る。しかしながらこれは設定を書き表した段階に過ぎず、ここで終わって良い話ではなんの意味も成さない代物だろう。
あの家族の先を歩んだ秋子は何を想うだろう。真琴が家族としての存在を求める答え。
もっと大風呂敷を拡げていたようだが、なにも答えは提示されていない。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:9)
とても良いお話でした。
展開はまんま本編なんで評価しませんが、スポットライトを当てた「まい」の心の描写が実に見事でした。この話を読みながら本編をもう一度やってみたいと思わせる程の素晴らしい作でした。

033 エム (採点:3)
舞。好きですか?8年経っているとはいえ性格に無茶な違和感を感じます。
文章も読めない事はありませんが要努力。
物語もテーマを書ききっていない終わりでした。


034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
なんかよく分からん。
佐祐理に焦点を合わせての話なんですよねコレ。なんで余計なものばかりで肝心な佐祐理の話が書ききれてないのやら。理解に苦しみます。

ラストの佐祐理の台詞はバカで台無しです。地の文で今までとの差というものを書き表して下さい。

035 復讐という名の代償行為 (採点:1)
「強姦」の字が出た時点で読むのを放棄しました。
1点にしようか5点にしようか迷いましたが、思い入れが無い言葉だけに1点にしました。
「正当評価出来ないならば点を付けるな」とも思いましたが、こういう人も居る。という事を把握して頂くために送らせてもらいます。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
すみません。
私がダークの次に受け入れられない恋愛選択の話でした。
ハッピーエンドを望んでいる訳では無いのですが、納得できる形で終われる作品が無いんですよね。というよりもそんな形が存在するのかも疑わしい。恋の傷は、時間か、望んだものが手に入る事か、でしか解決できない。

ただ最後の「美坂チーム」の件はとても良い形で締められていました。

037 美凪 (採点:8)
美汐の過去、そして今に至る想い。見事書ききっておられました。
そして、それはとても良いお話ででした。

ただ、過去のシーンは描写手法にしても、やはり読みにくかったです。三回、思いましたから(汗)
それと美汐母。ただ単に『知っている人』になっていたのが残念です。銀狐役を回す事はあえて外したのでしょうか?
タイトルからして確信犯だと思うので簡単に書きますが「私はマイナスに捉えます」

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:6)
上辺は良いお話でした。
ストーリーとして疑問に思う部分が多かったです。
『栞の幸せは香里の幸せ』の一言で全て解決は都合良過ぎに思います。
しかしなによりもそれを吹き飛ばしてしまう程ラストの作中作という展開にガッカリしました。

ラストの北川のモノローグは綺麗な言葉で纏められていますが、真意が解りません。本当は二人だけでずっと過ごして居たい、と思っているのでしょうか?

039 幻実、そして星 (採点:6)
一応読みました。
何故、一応なのかというと、始めにオリジナルキャラが出て自己紹介した時に「これはダメだ」と読み飛ばしたからです。 設定付けられた性格の無い、オリキャラというのは(しかも主役)嫌なんです、駄目なんです、作者に見えてしまうんです。

書き方は上手かったです。お話は強引さも感じましたが綺麗に纏めてありました。

040 楽園日記 (採点:9)
楽しく読みました。
いや、素晴らしい。まったくもって感心いたしました。
「読んだ」というより「読ませられた」文才に頭が落ちるばかりです。
羨むほど高い文章構成能力です。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
とても良いお話でした。
話としては語り尽くされた感のあるタイムパラドクス物ですが、見事なまでの本編との調和、生きている登場人物達、巧みな文章力、と魅力溢れた感動作品となっておりました。
いや、本当にありがとうございます。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
痛い…痛すぎる展開。
文章がまともに読める作品には5点は付けていたのですが、嫌悪感があまりにも強すぎて駄目です。
他のキャラを書ききる気が無いならば端から佐祐里と祐一のみで話を展開させるべき。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:6)
うーん。全ての過去を無かったものとして恋愛にのみ走る美汐と祐一。 ちょっと頭悪そうです。

まあジャンルが『美汐ラブ』ですから単に本編の設定を忘れて恋愛話を楽しめばいいんですかね。
そういった意味では恋愛パートは楽しく読みました。

044 パンドラ (採点:7)
いいお話でした。
とても上手く纏められていたと感じました。
ただ今回のこんぺでは美汐の話がとても多く、王道の感は否めなかったです。

045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
楽しく読みました。
ただ、少しばかり展開に都合良過ぎると感じる部分が多かったです。



046 ホワイト・ミュージック (採点:7)
良いお話でした。
読者を突き放した展開のしかたとラストの纏め方に多少引っかかりを憶えましたが、楽しく読ませて頂きました。

047 笑顔 (採点:5)
読みました。
別れから再会までのエピソードを追加した形でしたが、心に残る部分はありませんでした。
ただただ「長い」という印象。何故香里の話を入れたのか理解出来ませんでした。
文章は書けていたのでアイデアがんばって下さい。

048 走る少年少女達 (採点:7)
楽しく読みました。
しかしながら話の展開、人称に一貫性が乏しく、一過性の書き方が続いている事がどうも気になりました。もう少し統一された個性というものを身につけてください。
それと書くべき部分を書かず、助長過ぎる部分が多く目立ちました。

049 少年期 (採点:6)
テーマを北川視点で扱って、この終わり方。 気持ちは分かりますが、やはり読者からしてみたらどうにもな消化不良は否めません。
もう少し長く、他のキャラが動き出していれば面白くなるかもしれません。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
ギャグとしてダラダラ続いていて飽きがきました。
笑わせようと思わせているあたりも、ギャグにもならない突飛な事を言う、は当然別にしても『ツッコミの過激描写』『キャラを貶する』の二点ばかりでは笑う事は出来ませんでした。

とりあえず私の笑い基準8点で笑えるレベルだったのが『強き者だった証である触覚を見て、漢泣きする祐一』でありました。

052 Give me a reason (採点:9)
とても良いお話でした。
香里と北川の恋愛描写や「こんばんわ」等、多少気になる書き方をされている点もあったのですが、全体の雰囲気は上手く読まされました。
人物の台詞運びが優れておりました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:7)
恋愛ものステロタイプとして良く纏まっていました。 文章も読ませる形として上手いと思います。
しかし王道。幼少期のシーンが出来事を述べるのみで希薄感があるので、もう少しギミックを配置していても良かったと思います。
あまり「ここをこうすべき」と言う話は書くべきでは無いのですが、良く書けていただけに、尚更そう思ってしまいました。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:7)
楽しく読みました。
久瀬の話は「へぇそうなんだ」で流せない程、違和感有りました。出来ればもう少し久瀬自身が自己との葛藤で異常性をアピールされた方が読むほうも納得できるかと思います。

それと今回多いのが『それはまた、別の物語』 語れない話の定型文句なんでしょうか?効果的に使われている方のほうが希少です。
お手軽だからといって安易な使用は興醒めします。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
読みました。
いろいろ気配りは見られるのですが、肝心のキャラが生きていません。
『駒の様だ』と例えれば分かりやすいでしょうか。

余談ですが「意味在る新語か?」と思わせる程検索にヒットしました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:6)
読みました。
一人称の為か他のキャラの想いが伝わって来ません。
佐祐理と爺さんはもう少し掘り下げて書いて欲しかったです。
それと祐一のキャラが喜怒哀楽すべて大げさに感じました。

057 移し火恋歌 (採点:6)
前編としてのつかみはバッチリでした。それはもう高いレベルで楽しませて頂きました。

『ここで終わり』とした選択も確かにアリ。
ただし纏めきれていない読後不良には減点が必然です。

058 30℃ (採点:8)
良いお話でした。
各キャラクターが生き生きと書かれていて楽しく読めました。
ただ、ストーリーが弱いのが残念でした。作中では北川が理解しましたが、本人に、『どんな気持ちで一言の手紙を書かせたか』を伝えさせた方が深みが出る話だったと思います。
勝手な事を言ってすみません。考えた上で切ったのであれば聞き流して下さい。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
読みづらい書き方するなあ、と思っていたらこんなオチでしたか。
ラスト4行まですっかり騙されました。

しかしながら読み返してみるとイエローカードギリギリの描写があったりして「騙されて当然」なんて思ってみたりします。 話としては繰り返さなくてはならないのですから、まず稀な一致が二、三箇所もある事も仕方ないのでしょうけれども。
アイデア賞があったら推薦いたします。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
特殊ですねえ。
物語としては普通に街で展開したのならば5点。設定のアイデアにプラス1点させて頂きました。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
良いお話でした。
ありがちな話でオチも黄金パターンどうりでしたが、北川と祐一の会話部分や地の文の文章構成が上手く、すっかり読まされてしまいました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:5)
読みました。
かなりご苦労されたでしょうに。
話は、書き方のせいもあるでしょうが面白くないです。

063 丘の子守唄 (採点:6)
読みました。
この後人化して再会し、また別れを迎える訳ですよね。
分かるのですが、一本の中編作品としては何も終わって無い作品となっているのではないでしょうか。 家柄も、父も、兄も、美汐も、狐も。

064 面鉄の奥の恋 (採点:6)
読みました。
悪い部分は無かったのですが、久瀬(弟)もいまいち突っ込んだ性格では無かったので、物語として平坦に終わっていたように思います。

登場人物全てに言える事ですが、キャラ立てが弱いと感じました。地の文は良く書けていました。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
いいお話でした。
上手く纏められていてサッパリとした読了感でした。
ただ、ちょっと上手く纏め過ぎかな、と思う自分もおりますが。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:6)
「うんっ!良く分からん!」などと元気いっぱい叫びたい程、感慨深いものがありました。
ラストに祐一に訊ねたのは真琴でそして永久ループ。というのも面白いと思いましたが、願いは一つだけなんですよね、勿体無い。

「もう一度、もう一度だけやり直せるなら…俺は間違えずにお前を選ぶから」(うろ覚え)
なんて台詞がピッタリはまるな…なんて思いました。

067 風邪の一日 (採点:6)
楽しく読みました。
真琴好きには楽しめるお話でしょうて、個人的に真琴と祐一が恋人となるとは、この話を読んでも思えないので「なんだかなあ」と読んでしまいました。

ほのぼの感は良かったです。真琴でなければ1点プラスしたであろう事も否定しません。

068 名琴抄 (採点:6)
読みました。
なんていったらよいのか…あまりにも設定を覆しすぎていて『驚きと呆れのポカーン』が妥当な感想でした。
もう少し秋子の描写で複線を張っていたら高評価したかもしれません。

069 ふたつのねがい (採点:8)
いいお話でした。
描写に多少、難がありました。ストーリーでカバーされてはいましたが、もう少し上達を目指して下さい。
それとカバーされていたとは言いましたがパロディは如何なものかと思います。
減点対象にはしませんでしたが、一つ見つけると、自分が知らないだけで8割くらい話を持ち込んで構成されているのでは? と穿った見方になってしまいます。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
読みました。
本の感想なんて物は、その時点での読み手の心境に大きく左右されるものだと思うのですが…と言い訳しておいて。
あまり良くも悪くも感じませんでした。ただ読んだ、そんな印象でした。

地の文は作者様の考えなんでしょうが、長い。中盤、物語が動き始めるまで苦痛に感じました。

071 一緒に生きたい (採点:1)
栞と北川が出会った時点で読むの止めました。
溜まりに溜まったご都合主義を見せ付けられたフラストレーションが、強引な北川による栞ルートに入った時点で爆発ってトコでしょうか。

人の心の流れを考えて書いてください。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
いいお話でした。
見事なプロットを組み上げられておられました。

美汐の行動に対して、それぞれの妖狐に対する祐一と美汐の想いが内々に語られている部分はやはり難しいので、言葉として表して欲しかったです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
楽しく読みました。
ですが作中で祐一が言ったとうり世界にリアリティが無く、ハチャメチャになるべき展開も、どちらかと言うとメチャクチャになっていると感じました。

それとキャラも舞だけしか「らしさ」を感じられなかったです。
普通のコメディとして楽しく読みました。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
いいお話でした。
起伏の無い平坦な話でも一気に読みきってしまえたのは、やはり書き方がしっかりしていたからだと思います。ただ、いくら名雪だからといっても会話の間を取りすぎではないでしょうか?三点リーダーが非常に多く読み辛かったです。


075 True story (採点:5)
え?え?理解出来ませんでした。置いてゆかれましたー。

ノンフィクションで刊行なんですよね、でも医者もビックリの子なのは確かなんですよね。
全然分かりません。秋子が来たからには祐一の子? でも文中で否定されていますし…。
フィクションなら書く意味ないし、それに何故「祐一と名雪」「美汐」で書いているのやら……。

こんぺ結果発表後を楽しみにしています。理解できずにすみませんでした。

076 夢の劇場 (採点:10)
何よりも驚きました。
こんなにも話を作れる方がいるとは…100%完璧に評する者では無く、読者として読みました。
結果発表後、作者様の他の作品が読める事を期待しております。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
『名雪対栞』『豪華商品とほんの少しの期待が込められた騎馬戦』単品で見たらどちらも面白そうなストーリーになりそうだったんですが…。
香里が「騎馬戦で決着よ!」なんて言ったあたりは「はぁ?」と呟いてしまいました(汗

なんだかんだいって結局どちらの話を採っても半端に語られていて非常に残念でした。

○コンタミン さん

013 Conservation for Love (採点:3)
ギャグの元ネタがマニアックすぎて分かりません。牧玲睦? GABBA?

020 私の望み (採点:2)
祐一ぃ……何でサクッと真琴を裏切るかなぁ……。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
これは KANON じゃないのでは……?

028 ”プレイ” (採点:8)
この『佐祐理』が舞であるということを、もう少し明確にほのめかしたほうが良かったのではないでしょうか。結論をぼかす手法だと思うのですが、私自身この読み方が正しいのかどうか確信が持てないでいます。

035 復讐という名の代償行為 (採点:10)
息をつかせぬ緊張感。クリックすらもどかしく感じる怒涛の展開。頭の後ろが痺れるような興奮。これぞダーク。第二回SSこんぺ「ダーク部門(?)」最高傑作は間違いないでしょう。参りました。完敗です。

049 少年期 (採点:10)
恋って、つらいんですよね。全員を平等に愛するのが優しさだと思ってしまっている人に、ぜひ読んでもらいたい一本です。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
グイグイと引き込まれるように一気に読んでしまいました。構成力の勝利ですね。

068 名琴抄 (採点:10)
決定的な伏線をオープニングに配して、読者も忘れた終盤で一気にひっくり返すという手法はお見事と言うよりほかありません。あまりの衝撃に、読後しばらくの間、胸が締め付けられるようでした。
それともう一つ。ビミョ〜にネタがかぶってしまったようで、申し訳ありませんでした……。自分の作品との構成力、文章力のレベルの違いに打ちのめされております。あぁ……。

○ショウ さん

013 Conservation for Love (採点:10)
面白かったです。
美汐の用意周到さが良かった。

023 WA4 (採点:8)
話の感じはとても良かったんですが、
美汐が明るくなってるということが気にかかりました。


026 ステップ (採点:8)
しっかりとまとまっていて良い感じでした。
言うならば、過去と現在の間にもう少し空欄があってもよかったのでは?
途中一回だけ解らなくなりました。

031 グッナイ (採点:3)
話が中途半端に感じました。


065 作品No.2「春」 (採点:10)
良かったです。
真琴の一生懸命さ、美汐の優しさ、母の気持ちが
とても感じられ、いいと思いました。

○ダークホース さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:10)
あはははは。
最高っす! こんぺ中最大のはっちゃけ具合です。パンクみたいなノリでわたしは大好きです、こういうの。
イベントの盛り上げに一役買った気がしますね。そういう意味で10点付けさせてもらいました。

お話そのものの感想も。
耐える男、相沢祐一って感じですねー。そして、負けた男、相沢祐一(笑)
お約束って感じで新鮮さはなかったですけど、これはこれでよかったです。
おもしろかったですー。是非次は同じネタを舞嬢でとか! 舞嬢でとか!!(うるさいよ!

022 笑い声がきこえる (採点:10)
個人的に、ストーリーとしてはこんぺ中トップの出来だと思いました。まぁ、完全なダークが好みではないんですけど……
簡単にはいかない、というものを感じさせてくれれば十分面白いです、わたしとしては。

人に化ける術、というのを見るとなんか「うしおととら」って漫画を思い出すんですがどうでもいいですねそうですね。

とにかく感想ー。
こういう「どうしようもない話」っていうのが大好きです。誰が決定的に悪いわけじゃないのに、感情のほつれから事態がどうしようもなくなっていく……っていうの。

ある種の醜さが結構魅力的。”苦しさ”を感じるお話でした。
ただし、それが完全に表現できなかった感がありました。えぐい肉塊を見たら嘔吐してください(ぇ
あ、いや、ほんとマジな話。そこまで徹底してほしかったです。
あと、真琴嬢って元は狐ですよね。なら、狐の習性をどこかで利用してくれればもっと面白かったです。
しかし、そこを差っぴいても他と比べて面白かったので最高得点です。

040 楽園日記 (採点:10)
ぐあああっ! 漂流記ネタ考えてたのにーっ! 先越されたー!
うわーん……

って、どうでもいいっすね。
10点つけさせていただきました。まず断っておくと、このこんぺにおいてわたしが10点を付ける理由は、「なにか突出したものをもっていること」なんですが……
この話では「キャラの掘り下げベスト1」です。
無人島漂流、というのはその場合実にいいネタだと思います。極限状態は人の真価とか成長とか如実に表しますからね。
久瀬氏のキャラがよかったです。嫉妬で生徒会を動かす子供っぽさがいい。個人的には斉藤氏が語り部、久瀬氏が主役と見てるんですが……
それに、話としても面白い。等身大の高校生がうまく描かれていると思います。罪とか愛とか、んな大げさな言葉使って深く考え込む十代なんて普通いないって、という意味であんまりシリアスなSS苦手なんですよね……この話読んで、あなたの書くシリアスが見たくなりました。

男の友情にカンパイ! というわけで10点! おもしろかったです!

041 また逢えたらいいね (採点:10)
なんか……じんわり来ました。というわけで10点です。

特に挙げたい箇所と言うかそういったものはなかったんですけど、ツボにはまっちゃって……
一番感動したのを、と聞かれたらこれ推します。HPあったら教えて欲しいです……中編でこういうのかけるなら、長編だと本気で泣ける話に出会えるかも。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:10)
普通の文章、深く考えさせないストーリー、原作のオマケギャグ話っぽいノリ、これぞSS!
そんな感じだったので10点です。
世に出ている名作SSって、言ってしまえば原作と離れた場所にありますからね。原作を超えていないと感動させられない。
王道を行くSSというかなんというか。SSおぶSS?
ねこねこソフトやTYPEーMOONにあるおまけディスクみたいのがKEYにあれば、こういった話が登録されそう、そんな余興に満ちた話だと思います。
こんぺをお祭りと見たいわたしとしては、こういうノリの話に頭角を出してほしいので最高得点つけさせてもらいました。

単にギャグSSとして見てもかなり面白い話でした。キャラの壊れ具合がいい。前のめりに倒れる北川、悪徳政治家的な久瀬、あと漢の夢語りが笑えました。
できれば制裁のとき久瀬氏内臓クラッシュされてほしかったのですが(笑)

笑える、という意味ではこんぺ中最高でした! ありがとうございます。

058 30℃ (採点:10)
こんぺ中で、一番文章力高かったです。最も好きなSSかも。そう思ったので10点。

まず、分かりづらいかもしれませんが……ストレートな表現があんまりなかったんですよね。そこが最高でした。
わたしも、つい最近気づいたんですよ。まぁその頃には短編出してたんですが。後の祭り〜。
つまり、「言葉はさりげなく扱え」ってことです。
直接的な言葉を使うと、ちょっとクサくなっちゃうんですよね〜。それでも適用できる場面ってのは少ないです。特に、十代の少年少女となると皆無に等しいかも。
欺瞞に見えず、読者さんの想像力を刺激しつつ、かつ分かりやすく。これを目指すのは結構難しいです。
作者さんは、細やかな気配りができていると思います。非日常的な話であろうと日常的な話であろうと、どこかで日常――というか生活くささを感じさせないと、世界観に感情移入できないです。
とにかく、この話のキャラクターは等身大でした。大きくもなく、小さくもない。リアリティありましたね。

そして、そういう観点からこの話はかなり高い文章力であるかと。
しかし、まだまだと言えばまだまだ。例えば、「保健室。あたし、保険委員なの」のセリフの箇所。その場面のシメなので、「保健室」で一区切り。間に何かの描写を挟んで「あたし、保険委員なの」と行けばもっとよかったかも。
この手の描写で最高クラスなのは、秋山瑞人氏ですかね。ライトノベル作家さんです。電撃文庫。

まぁ、お互いもっと頑張りましょうね! といってもわたしはまだ駆け出しなんでもっと頑張らないと。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:10)
アイデア賞! というわけで10点です。

こんぺ中では最もいい素材を扱った気がしますね。月をさまようウサギ。定められた行動をずっとこなしていく寂しさ。
というか、この10点は読者としてより物書きとして付けさせてもらいました。一番想像力を刺激してくれる内容でした。ありがとっ!

ただ……
惜しむらくは、素材を加工する力に難があったという感が否めないです。改行がすこしくどかったですね。それと、もうちょい文章力が欲しかった。
うーん、そこさえしっかりしてれば泣けました。少なくとも、わたしは絶対泣いてました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
表現方法が違うだけでネタとしては手垢がついたもの。As her sister等その手の栞SSの傑作を読んだ後だと見劣りする。

人物にリアリティがない。キャラ造詣が浅い。全キャラ一言で括れるものしか感じなかった。もっと悩んで、もっと不完全で、もっと荒れてほしかった。
人間味が少ない。こういうとき自分ならどこまでできるか、勇気と実行力を手にするのがどれだけ難しいか、よく考えてみればリアリティを手にできるはず。裏づけのない勇気や愛ほど欺瞞に満ちたものはない。その裏づけを軽視しすぎ。苦悩の末とか一言でまとめてはいけない。
個人的に医師は駄目医者のが。少なくとも完璧すぎ。命を扱うならもっと葛藤して欲しい。
まだ祐一と医師がカッコ良すぎる。お話ではダイヤより硝子のが輝くと思う。ネガティブなものの魅力をもっと知って欲しい。
気力満々で実力のあるランナーより、普通の奴が泥にまみれたり吐いたり途中で投げだしたくなったりしながら息絶え絶えにゴールする方が感動的だと思いませんか? 少なくともわたしはそうです。
香里の使い方が悪すぎる。これじゃ噛ませ犬。祐一を輝かせるための生贄になってるかも。
こういう技法は単純に作者の言いたいことを示せるけど、諸刃の剣。”ある程度”以上には行けなくなる。感動作と呼ばれるストーリーは、大抵全てのキャラに見るところがある。むしろ脇役にスポットを当てて。主人公贔屓が強すぎ。
伝えたいメッセージがあるのはわかる。けどこれは哲学書やエッセイじゃない。一人のキャラが強力な発言権を行使して直球で思想を言い放つというのは話としての魅力がそがれる。我を前面に押し出しちゃいい小説は書けない。
信念があるのはいい。それに従った展開にしたいのは分かる。けどそこをちょっと押さえて。もっと構成を考えて文章力をつければ、うるさく言わなくても貴方の考えを伝えられるはずですから。

文章で意識して欲しかったのは「細かいこと」
日常を感じない。もっと生活臭を漂わせて。

作者さんの徹底した努力が見られた。ここまで求道できればもう遊びではないかと。よってこちらもプロ作品レベルに評価基準を上げました。つまり「金出して読む価値があるか」
残念ながら今回は「ない」です。
これだけ基準を上げて点を入れるわけにも行かないので影響の無いよう10点。話の内容は8点。姿勢を評価して+2点。
拙い批評ですが、何か役に立てばと思います。

○ナイツ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
場面の切り替えが多すぎますね。
さらにどのパートも比喩的な話で
わけがわからなかったです。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
こういう話は個人的には好きなのですが、
最後がちょっと残念でした。
ギリギリのラインを保って終わって欲しかったかな・・

008 激辛 (採点:7)
読んで心温まる感じがしました。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:4)
展開が胸中の範囲内で終わってしまったのは残念です。


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
祐一は香里の事を「美坂」とは呼ばない気がするのですが・・・
ちょっとインパクトが弱かった気がします。

013 Conservation for Love (採点:1)
前半はなかなか面白かったんですけどねぇ・・・
後半ちょっとひどすぎです。
他者を馬鹿にした表現とか一部の人しか分からないような表現とか・・・
せっかく面白く読んでいたんですけどね
興ざめしました

018 雪解け水 (採点:8)
最後のシーンが特に心に残りました。

021 想いの果てに (採点:4)
ありがちな展開、になってしまったのが残念です。

022 笑い声がきこえる (採点:5)
まだまだ甘いかな、と思いました。
もう少し恐怖を感じさせる作品にして欲しかったですね。

023 WA4 (採点:6)
なかなか感動しました。
でも終わり方がちょっとぷつっと途切れた感じがしました。
もう少し先まで続けて欲しかったですね。

025 歩いて行こう (採点:4)
すいません
正直、安っぽい話だと思いました。

026 ステップ (採点:6)
せっかくシリアスだったのに最後オチを付けてしまったのは
ちょっと勿体無かったかなぁ、とおもいまいした。

027 ウエディングヴェール (採点:6)
祐一にはもう少し激高して欲しかったですね
やけにあっさりと落ち着いたように見えました。
読み手に「怒り」の感情を持たせる場面では感情移入させるぐらい
書いた方がいいのでは?と思いました。

029 最後の奇跡 (採点:7)
話の最後の後にエピローグとして
もう少し話を続けて欲しかったです。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
後半のシリアスの部分はいいのですが
前半のギャグの部分が中途半端だった気がします。

035 復讐という名の代償行為 (採点:4)
ダークならダークでもう少し感情移入をさせて欲しかったです。
最後の終わり方は個人的にはよかったと思います。

049 少年期 (採点:5)
可もなく不可もなく
失礼ながら、いたって普通
と思いました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
かなりいい話だと思いました。
シリアスな部分もあり、また要所要所でのギャグもあり
読み終わってすっきりとした気分になりました。
個人的にはかなり好きですね。

058 30℃ (採点:6)
なかなかいいと思ったのですが
最後の締めがちょっと甘い気がしました。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
堪能させていただきました。

069 ふたつのねがい (採点:7)
地の文が丁寧語というのに
ちょっと新鮮さを感じました。
ただ個人的にはあゆと再会する直前まで
書いて欲しかったなと思いました。


071 一緒に生きたい (採点:6)
栞の手術のシーンがやけにあっさりしていた気がします。
栞は本当に重病だったの?と感じてしまいました。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:10)
見事・・としか言えないです。
いい作品を読ませて頂きました。


○ハム さん

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
良くできてると思いますが……なんだか「わたしは虚無に月を聴く」のシーマスにそっくりな気が……

○ハリヤ さん

040 楽園日記 (採点:10)
キャラのはじけっぷり、物語の構成、最高ですね。もう2・3日延長して、斉藤君をもうちょっと掘り下げて見ても良かったのでは?誤字があるのがもったいなかった。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
キャラが生き生きと描かれていてとても読みやすかったです。いいですね、携帯の説明機能・・・多分、毎回壊したい誘惑と戦うことになりそうですが・・・

○ヘキサ さん

004 The regret (採点:10)
何がどうとは言えないけど、良い話だった。

005 プライベート・ハンター (採点:4)
祐一の右手の筋力がすごくて二刀流にすると言うのはわかったのですが、左手も強くなければ2刀流に出来ませんよ。一般人の腕で片手はキツイと思うので。

012 空っぽのテクスト (採点:10)
ラーメンかと思うような器に入った味噌汁。
卵を十個は使ったであろう目玉焼き。
丼から溢れ返る白飯。
こんなギャグテイストからシリアスへの自然ないこうに驚きました。

013 Conservation for Love (採点:4)
途中の壊れが―1点

019 FILE EPISODE 0 (採点:7)
面白かったけど中途半端

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
ダーク物にしては苦もなく読まされてしまった。
作者の更なる器量を願って

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
「栞ですっ! 髪の枝毛からつま先までおはようからおやすみまで一点の曇りも無く容赦なく美坂栞そのものですっ!」「消極的です! アイス食べる時にカップのフタについたほうを先に舐めてしまうくらい消極的です!」などのこねたに加えない様も面白かったです。最高でした。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
話の無い様が抽象的過ぎて良く分かりませんでした。
美坂姉妹の話しかと思いきや水瀬姉妹の話とは驚かされました。
その驚きと更なる発展を祈って7点です。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:7)
連載物の序章のような物語でしたが、これ単体でも楽しめました。

○リュウト さん

063 丘の子守唄 (採点:4)
うーんわかりずらい。趣旨が・・・



○α さん

004 The regret (採点:2)
物語として見せるには、少々展開が弱い。「このような出来事がありました」と言われているようなもので、楽しむためのストーリーになっていないと思う。
北川の能力も、あまり意味が無い。もう少し話を練り込んで欲しかった。
文章も、惜しいところでこなれていない。取り立てて悪いというほどでもないので、努力次第かと。

006 「日課」 (採点:3)
行が短く、行間も広く開いていて、読み易いには読み易いが……内容もそれなり、といった印象。
やりたかったことは判るし、それなりにまとめられているとは思うが、物足りない印象は拭えない。
文章力の向上と、キャラ性をより把握することが重要。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:2)
……オチが無い。ように思えるが。これがオチなんだろうか。
よくあるパターンの壊れ系SS。文章力も低いというほどではないが……展開が安直。先が読めてしまうため、笑えない。しかも、オチがオチになっていない。
「…チキンのよーな気もするが」の一言は、笑えたが。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
すんなりと最後まで読める、良作。
香里というキャラに、正攻法で真っ向から挑戦した作品だと思う。
文章もよく描けていて、特に文句を付けるところが無い。
意外性や派手さは無いが、いぶし銀というところか。

012 空っぽのテクスト (採点:3)
人が死ぬ。簡単に涙を誘うことが出切るし、何やら良く判らないうちに感動した気にもなる。
が、一度は苦境を乗り越えて助かったはずの栞が、実は病気が治っていなかった――という展開は、余りに無理があると思えた。無理がある、というよりは、何がしたいのか判らない、と言うべきだろうか。
涙を、安直な感動を誘うために、こういうストーリーにしたという印象しか受けられなかった。
勿論、作者はそんな積りで書いたわけではないと思う。不治の病からの奇跡的な快復というEDに不満があって、改めてこういうストーリーを書いたのかもしれないし、他の意図があったのかもしれない。
が、上記のような印象しか受けられなかった読者も居るという事を、伝えておく。

020 私の望み (採点:3)
良くも悪くも二次創作。
文章力に難はあるが、こういう甘々な話は嫌いじゃない。
色んな小説を参考にして、描写をもっと掘り下げると良いと思う。

030 奇跡のかわりに (採点:6)
ネットSSに多いライトな文体ながら、しっかりと書かれている。
構成も合格点、香里の新解釈には、良い意味での驚きがあった。
終始、ことあるごとに挿入されるギャグについては、雰囲気を壊すと賛否両論あるかもしれないが、くどくない程度に抑えられていたので、個人的には悪くないと思う。
もう少し掘り下げた描写も欲しかったが、総じて平均以上のSS。
ただ、ラスト二行は頂けない。最後の締め部分なのだから、もう少し気を使って欲しかった。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
雰囲気は悪くない。話としては嫌いじゃない。
が、話の構成が悪く、登場人物の心理推移にも説得力が弱い。
描写も、第三者の視点から見て、起こっている出来事を淡々と書いているだけのような印象を受けた。
もう少し、「小説として読ませる文章」を意識して書くと良いかもしれない。

041 また逢えたらいいね (採点:7)
オリキャラが登場するSSは好きでは無かったのだが、文章と内容が確りしていたので、すんなりと読めてしまった。
逆説的に栞を描いた、とでも言おうか。かなり変化球ではあるが、こういう栞SSも悪くないと思わせる作品。
時折、文章の主客がバラバラになって読みにくい個所もあったのが残念か。
三人称の文章でも、視点は統一した方が良い。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
上手い――上手いです。
文章力も構成力も、センスも。
お見事。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:7)
文章力はかなりのもの。ストーリーにもそつが無く、よく書けていると思う。小説としての出来だけを見るなら、相当なレベルではあるのだが、Kanonの二次創作として書いた意味があるのかが疑問。
これは、多少の修正を加えれば、単体のオリジナル小説として成り立つ。また、そうした方が良かったようにも思う。
切り口の違う名雪の描き方は、新鮮だった。

058 30℃ (採点:8)
巧みな文章。「夏の百選」にでも数えられそうな、爽やかな読後感。
ストーリー展開に好き嫌いが出るかもしれないが、レベルの高い作品であることは間違いない。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:6)
栞シナリオを、別アプローチから紹介したSS……と言うより、『プロ○ェクトX「不治の病を撃破せよ」〜壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女〜』。
そう考えると、少し大袈裟に書かれた言い回しにも、さほどの違和感は覚えない。
異色ではあるが、これはこれで……と思わせる出来ではある。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:5)
文章力は及第点。だがもっと短く纏められたように思う。
導入部分が長すぎる。メリハリを付けて構成しないと、話が間延びしてし読んでいる途中に飽きが来る。
それと、Scene3で名雪一人称になった途端、文章密度が急に増えたのには違和感があった。
良く書けているだけに、惜しい。

○阿倍碧郎 さん

029 最後の奇跡 (採点:6)
 奇跡の使い方に違和感が残ってしまいます、どうしても。文章は綺麗だしバランスも凄く
いいのですが、ここまでの奇跡はちょっと行き過ぎのような…。僕がKanonという作品にお
伽噺性を求めているから、こういう見方になってしまうのかもしれませんけれど。やはりぎ
りぎりのところでぼかしておいて欲しかったです、はい。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:8)
 Kanonシナリオ中でももっとも難解というか、プレイヤーに解ってもらいたいという意図が
一番感じられないと思う舞シナリオ(僕もさっぱり理解できてませんが(笑))の解釈というテ
ーマは多いと思いますが、魔物の視点に特化しそこに家族性を設定して、その小さな消失、死
を積み重ねてゲーム補完を進めて行く手法は見事だと思います。舞を直接描かない事で舞とい
う存在を丁寧に浮き彫りにしているあたりも上手ですね。実は舞関連SSってほとんど読んだ事
が無いのですが、なかなかこういう作品ならいいなあと初めて思いました、はい。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
 凄い面白い! 全体の中で四本目という早い段階で読んだのでつけても8点かなと考えて
いたんですが、もう10点に決めてしまいました。一応こんぺ参加者として、出すんじゃなか
ったと後悔させられるくらいに見事な作品です。段落ミスっぽい所はありましが、そこ以外
欠点が見つかりません。オリキャラを用いて既存キャラを描く手法はポピュラーでありタイ
ムスリップという技もやっぱりポピュラーですが、ここまで上手に纏められるとポピュラー
故の強さがはっきりと見えてきます。とにかく凄い、結果発表前に読めて良かったと心から
思えます。美坂姉妹好きとしては、本当に文句なしです!

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
 最高です。ただそれだけ。こんぺに出展するんじゃなかったと思わされた四つ目の作品です。
なぜこんなに面白くて恥ずかしくて、いい話が書けるのか。ただただ感嘆するばかりです。いや
もう、本当に素晴らしい。最高です。

044 パンドラ (採点:9)
 生意気かもしれませんが、作品のコンセプトは僕がこんぺに出展したものと似ていると
感じます。多少の既視感を覚えました…が、コンセプトをどう生かすかはやはり作者次第
なんですね。敵わないなあと痛感いたしました(^^; 作品を書いた僕だからこそそう感じ
るだけかもしれず、普通に僕の作品とこの作品を読まれた方は全然違うと思うのかもしれ
ないです。…ああ、そういう方に比較されるのがげに恐ろしい…。
 ええと、愚痴っても仕方ないですね(笑)。凄く優しい、いい話でした。無駄がない構成
というのが目に付きますね。文章の一つ一つに、意味があって意図がある。作品としての
一体感が感じられる所以はそこなんだろうなあ…。

045 桜が告げる春の風…… (採点:10)
 少しだけ迷いましたが、満点をつけさせて頂きました。話自体も面白く素晴らしいのです
が、何より丘にて舞う美汐とその周囲の描写、そこから美鈴の登場の瞬間までの場面があま
りに精緻で美しかった。目に見えるような動きとそれを包む風景、色、香りまで感じられそ
うな描写と一連の流れには心から脱帽です。正直、参りました(^^; 同じ天野書きとして、
かなり逃げ出したい気分です(笑)。

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
 文章の綺麗さやバランスの良さはかなりレベルが高いと思います。香里、名雪、栞の描き方
も実に丁寧で優しい。ただ一点、こういう話で祐一と秋子を消去してしまう必要があったのか
どうかだけが引っかかってしまいます。話の流れからすればあるのでしょう、間違いなく。し
かしどうしても安易に、という印象が残ってしまいます。もちろんこの辺りは好みの違いであ
るとは思うのですが…僕はちょっと苦手です、正直。でも構成とかは凄く上手いんですよね。
どちらにしてももう少し尺を長く、事故に至るまでとこの後をゆっくり読んでみたい作品だと
は思いました。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
 読み始めた序盤は8点くらいかな…と思っていたのですが、中盤で9点だなあと思い返し、
読み終える頃には10点だーっという感じで満点をつけさせて頂きました。最初から惹き込ま
せて中盤以降どんどん面白くして行くという、中編部門に本当にふさわしいバランスで書か
れている作品だと思います。こんぺに自分が出展したことを悔いさせられた、三本目の作品
です、この物語は。とにかく二人の掛け合いが上手い。Kanon二次創作であることをフルに
生かした傑作。いや、お見事!
 しかし序盤の北川君の気持ちは、個人的にもかなり痛いなあ……(^^;

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
 異色な話だとは思いますが、面白いので全然オッケーです。Kanonの二次創作に男の話を書く
ってのも難しいでしょうけれど、文章も綺麗ですし読みやすい。テーマは比較的普遍的な物です
が、北川と祐一を描く分にはそれくらいで良かったんですね。女の子メインでない話を初めて面
白いと思いました、そして自分が基本的に女の子を見たかったんだなあとも改めて気付かされた
りです(^^; しかしある意味生々しい話ですね、これは…(^^;

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
 10点をつけようかどうか、迷う作品です。医学的な知識は僕は無いのですが、おそらく描写
されている内容は真実なのだと思います。栞の病気に一つの仮説を打ち立て確立させ、そこか
らのハッピーエンドを導く手法はリアリティに溢れ実に上手い。読まされ、考えさせられる作
品でした。ただこれをKanon二次創作として作る必要があったのか。それだけが僕の感じる欠
点で、10点をつけられなかった理由です。まあそれを言ったらKanonの舞台を使う必要の本当
にある作品というのは、極めて少なくなってしまうのかもしれませんが(笑)。あまりに設定が
しっかりしているだけに、かえってそう感じてしまったのかもしれません。
 長々と書きましたが、作品としては本当に素晴らしいです。9点か10点かで迷うような話は、
ある意味11点くらいの価値があるのかも、と思います、はい。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
 天野美汐というのは本編でほとんどキャラ設定がなされておらず、二次創作の自由度が極めて
高いと思うのですが、その自由度を見事に生かした天野さんが素敵です。お母さん色の強さは、
確かに彼女に似合いますね。子ども的要素全開な真琴もいい感じ。美汐と真琴が同時に描かれる
話は実は少ないと思うのですが、この作品ではとてもいい感じにまとめられていました。あ、あ
と大人しい人が怒って黙るのは確かに恐いです(笑)。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:6)
 構成は丁寧ですしいい物語だと思うんですが、ちょっと話が走りすぎているかな、という
印象を受けます。嗜好の問題かもしれませんが、50キロ以内ではちょっと窮屈だったかも、
100キロくらいだったらもっと良かったかな。…って、長い話しか書けない僕が言ってもあ
んまり説得力はないですね、多分(^^;

068 名琴抄 (採点:9)
 感想を書くのが難しい物語です。でも好きです、この話は。個人的にはもう少し容量多い
中で見たかった気もしますが、50kb以内でここまで作り上げたことこそが驚嘆に値するのか
もしれません。
 ちなみに僕も出展するにあたり似たような文献を当たっております。…同じものに触れて
おきながらでも出来合いについては敵わないですね、とても(^^;

069 ふたつのねがい (採点:9)
 こういうお話、大好きです。雰囲気を作るセンスというのはなかなか身につかないものだと
思うのですが、そのセンスに脱帽。オリジナルキャラありで、でもここまでKanonであるとい
うところもお見事です。

071 一緒に生きたい (採点:9)
 北川メインものをこのこんぺでかなり読んでいるのですが、なるほどこういう描かれ方を
するのかあと感心させらる事が多いです。この作品も同様で、ある種一人しかヒロインを救
えないKanonという物語に幸せを一つ増やす力添えを、北川が見事に演じていて読後感が非
常に良い作品だと思います。栞の描き方も女の子らしく良かったです。
 一つただ、あゆを絡める必要があったのかどうかがちょっと疑問でした。話に影響がない
訳では無いけれど、いなければならない訳でもない。上述の理由からすれば必要なのかもし
れませんが、栞と北川の話に特化しても良かったような、そんな気もしました。この辺りは
好みの差なのだとは思いますけれどね、間違いなく。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
 何でもない話だと思うんですが、それでここまで読ませるその技量には本当に感心させられ
ます。文章がどこも優しく、温かく、テンポも良く。淡々とした展開も、むしろこの話だから
こそ、とすら最後には思わされました。本当に優しく素敵な物語、お見事!

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
 アイデアですねえ…あの学校ならありそうだと頷ける、そう思わせる描き方が上手です。
とりあえず普通のKanon世界で騎馬戦闘が読めただけでも満足ですしね、僕的には(^^;

078 「dearest」 (採点:10)
 こんぺに出展するんじゃなかった…と思わされた二つ目の作品です(^^; どうしようも無い
くらい王道の話ですが、描ききっていると王道の強みがはっきり出てきます。真っ直ぐな香里
はいいですねー。丁寧な上に終始明るさを感じさせられる文章とテンポも凄いです。一番凄い
と感じたのは、僕からすれば容量的に少ない50kbで香里の恋愛を完結させている所でしょうか。
感情、情景、周囲をここまで纏めるセンスに脱帽です!


○一般市民D さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:8)
私の頭じゃ理解できない所もありましたがいいと思います。

002 鈴の音よ再び (採点:10)
良いです

003 お泊まりパニック! (採点:6)
落ちと文が少し駄目かと

004 The regret (採点:10)
泣けました・・・。

006 「日課」 (採点:10)
今回の北川小説の中でも1位ぐらいいいです。
まぁ個人的に好きですから過剰な評価かもしれないんですが。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
笑えました・・・・。
他は何もいいません・・・。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:8)
あゆがなんだかかっこいいです(笑)
こういう最後は初めて見ましたし、結構いい作品ですが
なにかがたりません

013 Conservation for Love (採点:9)
あっさり潰される野望に笑えた。
最初の英語全然読めないです。

016 脱走と追跡のカノン (採点:10)
楽しいし、笑えました〜。

021 想いの果てに (採点:7)
なんかそこら上ご都合主義ぽいものがありますがいいと思います。

022 笑い声がきこえる (採点:10)
なんというかダークとしては凄い物語です。
人化の術でこうくるとは・・・

025 歩いて行こう (採点:6)
久瀬とか好きなんですが
どうも僕的には、印象が薄く心に響いてきません。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
なんというか、凄い。
どこかにありそうでないがいいものです。

035 復讐という名の代償行為 (採点:10)
なんというかダークなのは置いといて、上手すぎます。
読んだ後、物凄く暗い雰囲気になりますが
終わり方も、上手いと

037 美凪 (採点:7)
少し泣きました。
序盤のコネタが個人的にはよかったです

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
良いです。
作者の見当が付きやすいですし、面白いです
でもなんか足りないかと

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:9)
個人的にこういう展開好きです。でも
容量あるならほかの人々のことももっと書いてもよかったかと・・

048 走る少年少女達 (採点:7)
女子生徒がなんかするとおもいましたがね〜
なんかもう少し色々書けたと思いますし
皆さんのゴールの順位を書いてもよかったかと。

049 少年期 (採点:10)
なんか深い物語な気がします。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:10)
結構な量、ものすごく突っ込みたい所が、ありいい作品だと思いますが
もっと壊れてもよかったと思います。
「世の中カネとコネと暴力で解決できない事は無いからね」
いい言葉です。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
こういうの好きです。
石橋がでてるところも・・・

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:8)
他のコンペの相手が悪すぎます。久瀬とか北川好きなんですが
10点でもいいんですが、他の人々の作品を見るとこの点のほうがいいんです。
あと久瀬のしたの名前で誰かがわかってしまいました。
まぁまちがっているかもしれませんが、あなたの作品好きですこれからも頑張ってください

058 30℃ (採点:5)
どういうことか私にはわからない・・・

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:10)
なんというか、なにもいえないぐらい個人的には凄いいい作品です。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
最後がいらないかと・・・

069 ふたつのねがい (採点:8)
読んだ後、物凄くいい気分になるようなほんのりといい話です。

071 一緒に生きたい (採点:6)
なんというかそこら中に違和感を感じました。
量なんて気にせず改良したらものすごくいい作品になると思います。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:5)
え〜いいと思います。
なにかでみたことあるような内容ですが

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
こんな騎馬戦がやりたかったです。
文もすごいと思います。

○芋焼酎 さん

021 想いの果てに (採点:10)
斉藤君の更正していく姿に感動!(笑)

026 ステップ (採点:5)
2つの時間を一本化するのは良かったが、最後の落ちが消化不足。

○雨音 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
すごく評価に迷いました。
狂気地味た久瀬の心理描写がおもしろくて9点くらいつけても良いかなとも思ったのですが、
やはり飛び飛びのこの文が好きにはなれませんでした。
…と、これはあくまで個人的趣向の問題なので、作者さんの非じゃないですけど(汗

ただ、描写がKANON本編に頼り過ぎなのが気になりました。
具体的にはParagraphの15、16の部分が、原作でのどういうシーンを指しているのかわかんなかったです。
…と、これも自分が原作を良く覚えていないのが原因なのですが(汗

002 鈴の音よ再び (採点:3)
せっかく中編部門に投稿するのなら、どうしてもっと書かなかったのでしょうか?
祐一の狂気(?)みたいな部分は良かったのですが、明らかに書き込みが少な過ぎです。
地の文でもっと祐一の心情を深く書いてくれれば、すごく良い作品になったと思いました。

ちなみに、地の文が何箇所か意味不明です(苦笑
しかも、何故か「center」を使わないし(苦笑
あと、最後のこの空白はいったい…?(汗

003 お泊まりパニック! (採点:1)
祐一を怖がらせるために…っていうのはおもしろいかと思ったのですが、それ以外は…。
ほとんどを台詞だけで表現する、いかにもSSっていう感じのSSでした。
…で、あの人生ゲームの描写にはなんの意味が?
なんか、お話に関連してるんでしょうか??

004 The regret (採点:2)
場面転換が唐突で読みにくかったです。最初の北川から祐一へと視点が変わるところもなんの説明も無しですし。
死んだ北川が幽霊になって香里に告白するというシーンが一番盛り上がるところだと思ったのですが、簡単に終わらされてて残念でした。
この辺りは北川くんの悲惨な宿命なのでしょうか(苦笑

005 プライベート・ハンター (採点:1)
何から何まですごく唐突。まとまりなし。
シリアスならシリアス。ギャグならギャグ。
きっちり使い分けましょう。
ちゃんと一つの味にまとまったごった煮状態に出来るなら良いんですが、このSSはただ食材を放りこんだだけの水煮状態です。
ついでに玩具と電池の喩え…本編のほうから考えると逆なんじゃないでしょうか?
舞のほうが電池だと思いますよ。(もちろんオリジナルの考察もアリですけど、それならそれでもっと説明を下さい!)
後、ラストの一文は明らかに不用です。
この一文が、全てを完全に破壊していると思いました。

006 「日課」 (採点:4)
脇役としての北川君の心情がちゃんと書けていて、良かったと思います。
KANONは男の脇役がほとんど使い捨てキャラ同然の扱いだっただけに、
こういうSSを見るとすごく面白いです。

ただ…一つ、質問が。
行間の空白の基準を教えてください。
どういう状態で何行空けるのかとか…。
それがわからないので、どの文がどういう位置付けの文なのかがさっぱり分かりませんでした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
ネタは好きです。いや、大好きです!!
正直、このSSは完成していると思います。この萌えに文句のつけ様はありません!(ぉ
でも…はっきり言っちゃうと…こういうSSを展示して萌え合う場じゃないと思うんですよね。こんぺって。
今後のこんぺのあり方を考えると、このSSに好評価をつけるのは躊躇われました。
…それでも三点つけちゃうあたり…萌えです…(死

008 激辛 (採点:7)
真琴可愛いです♪ でも、秋子さんが良いとこ取り(笑
中編部門でも最高クラスのほのぼのでした〜♪

しかし、正直中編部門にもってくるネタでもないように思いました。
重要なのはしゃっくりをキスで止める、というところなんですから…
これだけなら20kでも足りたんじゃないでしょうか?
まぁ、はっきり無駄というほど無駄な文章はなく、ほのぼの度が多少アップされていたので、減点はしませんでしたが。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:5)
うわ〜、こういうの好きです!
でも、このキロバイト数にねじ込んだために、一人一人が短くて…残念でした。
一人一話で単話連載でもしてくれたらよかったのにって思います。

ちなみに
>「?なにがですか」
これは文章的にアウトです。
ぐじぐじと減点したりしませんが、一応忠告。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:7)
それぞれの成長の一つにカレーをもってくるのは、面白い発想だなぁ、と。
栞ってそこまで辛いものがダメなのか…(笑
わざわざ辛さを抑えたカレーを作ってわざと負けるあたり、香里の素直じゃない雰囲気がでていてすごくよかったです。
しかし、栞は「〜だよ」という語尾は使わなかったはずです。
文中で口調の変化については触れてましたが…果たしてそんなことする必要があったのかは謎ですね(笑

011 残酷な代償のHappiness (採点:6)
原作の都合の良い奇跡に蹴りを入れるようなお話で、とても良かったです。
あゆの独白部がすごく良くて…心情とかそういうのが伝わってきました。
あゆ悲し過ぎ…。その分、祐一の行動が正しかったのか、すごく疑問です。
これも一つのバッドエンドだなぁ…と。
是非とも、あゆを救えるヴァージョンのSSも書いて欲しいです。

012 空っぽのテクスト (採点:4)
書こうとして書けなかった遺書…後半の栞の独白部はとても良かったです。
でもその前のあゆについての描写には何の意味が?
ただ奇跡についての説明に使うだけで、サラっとながしちゃってましたね。
あれじゃさすがのあゆあゆも、うかばれませんヨ…(汗

013 Conservation for Love (採点:7)
何気にみんな壊れてますね♪
策略をしたてる美汐も、過激派な美汐の母親も、すごく面白かったです。
ついでに振りまわされる真琴がかわいそうで…これもとてもおもしろかったです♪(ぉ
ラストの「アホかお前」も、オチになってて、ちゃんとしたギャグになってると思いました。

014 おまえの名前 (採点:4)
ツッコミ所多いなぁ…(汗
途中からなぜか地の文の先頭の空白がなくなってます。
台詞の後の(×3)とかは可能な限り使わないほうが綺麗です。
なぜか感嘆符が半角です。
真琴の台詞のどう考えても小六のレベルじゃないです。
回想と現在との切り替わりが分かり難いです。

四番目と個人的趣向により二番目で減点させていただきました。
後、真琴という小学生のキャラクター付けがもっとしっかりしていれば、もうちょっと点数はあがったと思います。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
地の文にもっと力を入れてください〜。
>会った事…
>思い出せない
>何故だ?
カタコトしかしゃべれない外国人じゃないんですから(笑
なんかの暗号かとも思いましたよ(苦笑

ところで、最後に句点をつけないのは、何か宗教的な事情でもあるからなんでしょうか?
それとも、どうやっても逆らえない大自然の法則みないなものがあるんでしょうか?
そういうのがないのなら、最後の句点はつけるようにしたほうが良いですよ。

016 脱走と追跡のカノン (採点:5)
あゆの一人称独白部分が、読んでてツッコミ所満載で、とても面白かったです。
でも、万人むけとは思えないネタが多々あったので、それはちょっと困りました。
胸に『中』のマークを張りつけた某米国英雄って誰なんでしょ?(汗

あと、個人的にはラストの部分は必要なかったように思いました。
「……疲れてるんだな、俺」の所で、終わらせてくれたほうが綺麗なオチだったように思います。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
物分りの良いみんなに囲まれて、幸せだなぁ…と(苦笑
性同一性障害をSSでもってくるとは思いませんでした。
なにせ、原作を片っ端から否定するわけですからねぇ。
とはいえ、着目はすごくおもしろいと思いました。
でも、やっぱりもうちょっと勉強不足というか、書きこみ不足というか…。
そんな簡単に解決しちゃう問題じゃないんですよ、とツッコミ入れておきます。

018 雪解け水 (採点:1)
原作のあゆシナリオをちょっと変えただけのSSにしか思えませんでした。
記憶を思い出して、人形を探す辺りなんか本編そのままですし。
そこに北川と香里が絡んでくればもう…(汗

しかもラストがあれですしね。
祐一が名雪のことを好きという設定が唐突に登場してます。
ちゃんと序盤から伏線を引いて欲しかったです。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
いや、これはミステリーじゃないです。唐突に魔犬とか出てきてるし。
これはむしろホラーですよ。
…しかも続いているし!?(滝汗
一つのテーマをちゃんと書ききらなきゃ、こんぺの送る作品としては相応しくないですよ。

ところで、変な所で改行が入ってますね。
故意ですか? んなわけないですよね?
ソフトが問題なんでしょうか? 早めに改善した方が良いですよ。

020 私の望み (採点:5)
ラブラブな美汐がとても良かったです〜♪
奥手な美汐と妙に場慣れしてて積極的な祐一という組み合わせはかなりベタですけど、
それだけに安心して萌えられました。
ただ、萌えだけじゃない作品が多い中編部門ですから…ちょっと点数は低くしました。

ところで…centerタグをなんで使わないんでしょうか?
スペースを使うよりも、ずっと綺麗になると思いますよ。

021 想いの果てに (採点:3)
ハッピーエンドでとても良かったのですが、地の文がテキトーすぎる気がして減点しました。
後、祐一が斎藤に法術のことをベラベラしゃべってるのも、ちょっとご都合主義かなっと。
ついにで、師匠の登場はもっとご都合主義ですね。
さらに言うと、師匠の術の辺りはもう涙が出るくらいご都合主義でした(笑

ヒロインを全員登場させてますが、最後の術のための役割しかなく、
ちゃんと描写されていなかったのが悲しいです。
たくさんのキャラを書くのって、難しいですよねぇ…。

022 笑い声がきこえる (採点:4)
これぞダークだなぁって感じでした。(素人観ですが)
真琴の狂気がえげつなさ過ぎです…。
タイトル通り、笑い声が効果的に使われてて、とても良かったです。

ただ、個人的にダークは好きではないのでこの点数にしました。
ジャンルで評価を上下させるのはよくないと言う人も居ますが…
気に入ってるキャラが笑いながら鎌で自分を殺しちゃうようなSSに10点とかつけられないこちらの心情もご理解下さい(涙

023 WA4 (採点:8)
大人な美汐がすごく良い感じでした。
いや、大人って言うのはちょっと違うかもしれませんけど。
なんだかちょっとだけ成長した美汐はこんな感じなのかも…と考えてしまいました。
その他、祐一の一人称もちゃんと書けていましたし、
名雪の心情や秋子の心情もちゃんと出されていて、とても上手いと思いました。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
良いですねェ。KANONでこういうビターなお話も良いもんです♪
香里との組み合わせなら、なおさらに。

しかし…何なんでしょう?
前半と後半で書いてる人が違うんじゃないかって思うくらい、ガラッと変わっていました。
前半はとにかくキャラの感情描写が弱くて、漫画の会話の部分だけをそのまま描写してるような感じでしたが、
三ページ目くらいからは、かなり上手く書けていました。
盛り上げ所を上手く盛り上げることはできているのに、それ以外のところや、導入部なんかがすごく拙いです。
そういう所をもっと書けていたら、もうちょっと点数が上がったと思います。

025 歩いて行こう (採点:6)
なんか始めは久瀬がヤな奴だなぁって感じだったのですが、
自分でも気づかない劣等感から祐一につっかかっていく辺りで人間臭さが出てきてとても良かったです。
このSSでの言動も、原作での言動も、そういう理由があったのか…と素直に納得できました。
祐一の懐の深さも良かったです♪

ただ、展開上どうしようもなかったとは言え、祐一のあの設定はちょっと…。
突然水瀬グループなんて名前を出されても…。唐突過ぎて困ります。
もうちょっと伏線みたいなものを引いて欲しかったです。
あと、一つの台詞の途中に空行を入れるのは止めましょう。

026 ステップ (採点:3)
秋子さんの姉についての描写が無いんですけど…どういうことでしょう?
祐一は秋子さんの姉夫婦の息子、という設定だったように覚えてますが?

また、兄夫婦に名称がなく、読んでてすごく分かり難かったです。
回想に一寸出てくるだけならともかく、あれだけ長く出すならちゃんと名前をつけて欲しかったです。
あと、兄夫婦の事故についてですが、あぁいうのは起こり得るんでしょうか?
車に乗らないので分からないですが、完全に一車線で路肩(?)がない高速道路ってあるんでしょうか?
ついでに、ラスト…。あのオチは最悪でした。
どうすればいいんだぁーって、そんな終わらせ方を見せられたこっちの方がどうすればいいのか聞きたいですヨ(笑

027 ウエディングヴェール (採点:4)
どうなるのかと興味をひかれていただけに、この終わり方は…悲しいです。
読んで本当に辛いなぁと思ったSSは久しぶりでした。
でも「奇跡」についてはちょっと考えさせられましたね。
都合の良い奇跡ではなく、お別れを言うまで死ねないという、融通の利かない奇跡…。
あぁ、やっぱりこのラストは残酷です〜(涙

でも、それで減点したわけじゃないですよ?
地の文が結構テキトーだったからです。

028 ”プレイ” (採点:9)
予想外のオチに驚かされました。
再度読みなおしてみたら、所々ちゃんと伏線も張られているし…。
観測者としての北川の立ち位置もすごく上手かったです。
シリアスというよりはダークに近い後味の悪さですが、
それでも文句無しに面白かったです。

029 最後の奇跡 (採点:4)
ありがち…ですよね。
どういう展開になるか、まる分かりでした。
しかし、こういうSSを見ると毎回思うのは、「祐一って外道」です(笑
どっちかを選ばなきゃならないけど、どっちを選んでも誰かと別れなければならない…
このSSでも、あゆは一人で逝っちゃいましたしね(苦笑

030 奇跡のかわりに (採点:2)
序盤いつまでたっても本筋に入らないから、ちょっと挫けそうでした(苦笑
祐一の一人称が甘く、ただ状況を描写したりツッコミを入れたりしてるだけなので読んでて何の深みも感じませんでした。
香里の存在についてのネタは個人的に結構好きだったのですが、
これも明らかに消化しきれていません。
明確な答えも出せてませんし、消えていく前も、消えていった後も、淡白すぎ。
そんなもんじゃないだろ?とツッコミ入れておきます。

031 グッナイ (採点:4)
淡々としてるけど綺麗な描写と、人間らしい秋子さんが良かったです。
ただ、個人的にもうちょっと盛り上がりのあるSSの方が好きなので4点にしました。
もうちょっと秋子さんに集中して描写してくれたほうが良かったように思います。
可も無く不可も無くだらぁ〜っと伸びきった作品より、
一つの(一人の)問題に集中して、そこに大きな見せ場を作った作品のほうが、個人的には好きでした。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:7)
舞シナリオの魔物視点ヴァージョンとは…。
予想外にもすごく面白かったです。
原作ではほとんど描かれず、駒のように扱われていた魔物を、よくぞここまで書けたなぁ〜と驚きました。

ただ、基本が原作のバックサイドストーリーなだけに、原作を基準にした時間移動があったのが気になりました。
原作を正確に覚えていないとあんまりにも唐突な展開が多かったです。
佐祐理さんの件に触れていないのなんかは、特に問題だと思いました。

033 エム (採点:7)
オリジナルな設定が上手く、途中でダレずに一気に読みきれました。
一応、坂井がユキを襲った理由はゆきと同じだと判断したのですが…正解でしょうか?
なんかはっきりとした描写がなかったので…。

で、突然ですが…ツッコミです♪
まず、カギカッコのラストに句点を持ってくるのは文法的にアウトなので気をつけましょう。
次に、舞の言葉使いがちょっと気になりました。原作からだいぶたってるんだから変わってて当たり前なんでしょうが…。
特に「〜かしら」という語尾が気になりました。
さらに、
>「ねえ、おかあさん。わたしね−−−」
などの語尾の横棒は「――」の方がいいですよ。
コピーして辞書などに登録して、すぐに変換できるようにしておくと便利です。
で、ラスト。章ごとに切るのはいいのですが、いくらなんでも六つに切られるとちょっと…。
読むときにちょっと困りました。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:2)
なんか全体的に支離滅裂…というか、なんというか。
一つのテーマの元に書かれているとは思えませんでした。
おそらく無闇に章分割を増やし過ぎたのと、一つ一つの章が短過ぎるのが問題かと。
あぁ、後。佐祐理の笑顔というタイトルなのに、肝心の佐祐理さんの心理描写がないのが致命的なんだと思いました。
佐祐理さんだけじゃなくて舞にしろ祐一にしろ、心理描写少な過ぎ。
佐祐理さんが自分を取り戻すというテーマには、その描写が絶対必要だと思いますよ。

035 復讐という名の代償行為 (採点:6)
祐一の壊れた心理が上手く書かれていて、すごく上手いダークだと思いました。
徐々に真相が明かされていくあたりも、良い感じです♪
真相を引き出していく香里の存在も、○でした。

ただ、タイトルはちょっと直接的過ぎですか。(苦笑
あと半回転ほど捻りが欲しかったです。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
あゆと名雪の組み合わせって王道なんですかねェ…?
なんか、いろいろ書いてる割には要点が甘いなぁと。
大切なところは名雪とあゆが気持ちを伝えるところだと思うのですが、その辺りがなんか駆け足でした。
名雪が告白してから祐一があゆのことを好きだと宣言するまでの間に、もうちょっとそれぞれの描写があっても良かったんじゃないかなぁと思います。
「なんか、いろいろ」の部分が結構ほのぼので面白かっただけに、なおさらそう思いました。

037 美凪 (採点:8)
幼い頃の美汐も、現在の美汐も、両方ともとても上手い一人称でした。
特に幼い頃の方の一人称は本当にすごいなぁと思いました。
幼い女の子の真摯な心情がすごく綺麗に出ていたと思います。
一人称の地の文は違和感が出たら一発アウトですが、まったくそういう事はありませんでした。

美汐のバックサイドストーリーは比較的ベタネタで、いろいろなSSが書かれていますが、
その中でも綺麗にまとまっている方だと思いました。

しかし、祐一君…なんか偉そうです(笑
>「美汐、つよくなれるか?」
って、アンタ…あゆはどうした?(笑

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:3)
なんだか少女マンガなSSだなぁと思ってたら、栞の脚色が入ってたんですね(笑
なんか、小中学生くらいに喜ばれそうな、御気軽恋愛物でした。
栞の脳内を想定してこのレベルにしたのなら、かなり良いセンスだと思います。
ん〜しかし、ただラブラブしてただけなので、北×香カップリングに萌えられないと辛いです。
いや、恋愛物なんて大概がそうなんですけどね。

039 幻実、そして星 (採点:7)
最初はただ舞シナリオをなぞってるだけだと思ったのですが、
オチがあんなだとは思ってなかったので、良い意味で裏切られました♪
あのオチが分かってから再度読み返すと、勝馬というキャラの良さも伝わってくるし、
原作をなぞってるだけのお話にも面白みが出てきました。

ただ、舞シナリオをやるには明らかに尺不足でしょうか。
お話の展開を面白くするためにいろいろ書いてるのは良いのですが、それに反比例して地の文が雑になってます。
原作のようなゲーム形式ならともかく、SS(小説)という形式ではこの地の文はちょっときついです。
あと、明確な場面転換以外で区切りを多用するのは止めた方が良いです。
細かい描写を切れるので便利といえば便利ですが、切った分だけ一つの物語の流れとしての厚みが無くなっていくことを覚悟してください。

040 楽園日記 (採点:10)
男四人の友情話ですね〜。
設定の説明もちゃんとされてあったり、本編のほうでの問題も絡めていてとても良かったです。
それぞれにキャラクター付けもちゃんとできているし、読んでいて途中でダレませんでした。
ただ、…北川は欠片も目立たなかったですけど(笑

041 また逢えたらいいね (採点:7)
早緒里のキャラが良い感じで、会話がすごく面白いです。
栞との掛け合いも面白かったですし、砕けたバージョンの携帯端末君も笑えました〜。

ただその分、地の文の方が…
>そんな様子にくすっと笑いを誘われて、多分、身構えるような態度をとることが馬鹿らしく思えて、少女はあらためて体を早緒里へと向け、穏やかに微笑んだ。
暗号文書ですか、これは…(苦笑
一つの文で説明しなくても良かったでしょうに。
しかも、携帯端末が文庫本サイズだって最初に説明したのに途中でもう一回説明してるし。
さらに中盤の雪合戦の辺りなんか、端から地の文書く気ナッシングのようですしね(苦笑

ただ、笑えたのと、とりあえず最後のほうは綺麗にまとめていたので、一応この点数をつけておきました。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:5)
前半のほのぼの雰囲気と、中盤の久瀬との会話のシーンはとても良かったです。
大人になったKANONキャラ達を、綺麗に書けていると思いました。

ただ、結婚してると嘘までついた祐一が追いかけてきた佐祐理にあっさり転がるのは…どうなんでしょう?
結局のところ、追いかけてきてくれた人なら誰でも良かったんでしょうか?
この辺りが、どうしても納得できませんでした。

あと、ジャンル紹介ではALLと書かれてありましたし、確かに全員登場してましたが…
これではただ「登場していただけ」ですね。
佐祐理、舞、久瀬以外は居ても居なくても大して変わらないように思えました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
会話がすごくおもしろいです〜!
「現金よりもいいものか?」の所で爆笑してしまいました。
栞も良い感じに絡んできてますし、積極的な美汐も結構良かったです。
ただ、やっぱり祐一と美汐のカップリングにはどうしても真琴の存在は欠かせないと思います。
祐一にしろ、美汐にしろ、真琴に対する罪悪感みたいなものをどう克服しているのか、その辺が重要だと思いました。

044 パンドラ (採点:7)
出だし好調、後ダラダラ。
最初は地の文の上手さに引きこまれたのですが、中盤過ぎからが…。
例えば祐一が美汐に鍵を探してることを言うところ。
口を滑らすことならあっても、ごく普通にそのことを言うキャラじゃないと思うのですが、どうでしょう?
なんとなく、この一文の所為で祐一の行為がすごく押しつけがましい善意に見えてきました。
あと、ラスト。霞月が帰ってくるシーンはちょっと蛇足かと思いました。
飴玉を空に向かって投げたところで、もう綺麗に完結していたと思います。

045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
「詩子」の名前が出た瞬間に、自分の中でKANONSSではなくなりそうでした。
なにせ、しゃべり方だけでは判別できないくらいそっくりのキャラですからね。
美鈴というキャラがいましたし、どういう思惑かは分かりますが、
紛らわしいのでもうちょっと考えて名前を入れて欲しかったです。

お話も良かったですし、描写もそれなりに上手く出来てると思いました。
一番の見せ所である二人での舞の部分が意外に短めだったのがちょっと残念だったかもしれませんが…これは贅沢ですか(笑

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
あゆと美汐という意外な組み合わせの意外な友情が、予想していたよりもすごく面白かったです。
あゆの不安、美汐の不安、共にちゃんと書かれていたのがとても良かったです。
個人的に美汐の、
>「重いんですよ。自分の重みで、墜ちていってしまう。光の届かないところまで、墜ちていってしまう」
という言葉がすごく印象に残りました。本編での美汐の苦しみは、こういう苦しみだったんだなぁ、と考えちゃいました。
通常は蛇足になりがちの後日談も、とても上手く書けていると思いました。

ただ、祐一の心理状態がよくわかんなかったり。
あゆの視点からだから、今一つ説明しきれていないように感じました。

047 笑顔 (採点:3)
名雪の一人称が良い感じでした。
ちょっと細かいところの描写が出来ていないように感じましたが、
重要な祐一のことを思う気持ちのところは一応書けていると思いました。
ただ、香里の話は必要だったのでしょうか?
なんだか状況が良く分からないし、名雪の話にも関連してないし。
蛇足。無意味だと思いました。

048 走る少年少女達 (採点:2)
すごく…まとまりが無いです。
序盤であれほど丁寧に久瀬のことを描写したのに、中盤出番なしですか…
マラソンのシーンだけが明らかに浮いてるというか無意味というか…
おそらくはマラソンのシーンのほうがメインなのだと思うのですが、あんまりにも急ぎ過ぎです。
主人公を誰にするのか。久瀬にするのか祐一にするのか。その点だけははっきりとして欲しかったです。
また、序盤やラストの久瀬の描写ようなノリでいくのか、マラソンのシーンのようなノリでいくのかという点でも、どちらかにはっきりとしてほしかったです。
地の文が妙ちくりんなノリになってました。

049 少年期 (採点:7)
北川君の存在がすごく面白いです。
てっきり他のSSみたいに香里のことが好きなのかなぁと思っていたのに違いましたし、
一人恋愛ごとから外れたところで、ぽけ〜ッと見ている…っていうのはなんかちょっと新鮮でした。
少年から大人へとちょっとづつ成長していくっていう雰囲気が上手く出ていて、
変に恋愛物をもってくるよりも、だんぜん面白かったです。

ツッコミ所は、
香里が北川に相談を持ちかけるところで、「友達と好きな人が被ったら〜」と言ってますが、
そもそも妹の彼氏に手を出すと言う事については相談しなくても良いんでしょうか?
どっちかっていうと、そっちのほうが問題だと思うのですが…。

後、「相沢のようにフリークに話せる奴〜」の、この「フリーク」は用法が間違ってます。
ここでは「フランク」とか、あるいはその他が正解だと思います。

050 鮮やかなモノクローム (採点:5)
描写もちゃんと出来てるし、キャラもちゃんと書けてるし。
祐一が死んだ後の物悲しい雰囲気やその後の立ち直っていく部分も綺麗に書けていると思いました。
そういう意味ですごく上手いと思うのですが…SSとして読んでてなんか面白かったか?と聞かれると疑問です。
こういうの好きな人も多いでしょうが、個人的には何の魅力も感じないお話でした。

ところで「三年二十五組」って…どんなでかい学校なんですか?(汗

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:1)
壊れギャグと呼べるほどでは…。
ただ単にダラダラと長いだけの文でした。
何が書きたくてこんな長々と書き連ねたのか…。
正直、中編部門に持ってくるようなネタではないと感じました。
…ただし、笑いの持続の難しさについて、反面教師としては価値はあると思いました。
壊れて、笑わせて、物語としてまとめる…こんなのが書けるのはすっげぇレベル高い人だけっぽいです。

052 Give me a reason (採点:9)
序盤昼ドラ紙一重だったのでちょっと困惑していたのですが、中盤後半からすごく良かったです。
なんていうか…月九?(笑
強くてカッコイイけどちょっとした弱さも抱えている北川君が良かったです。
ドラマの総集編って感じでした。
ただ、3と4の間に一話分すっ飛んでるんじゃないかって思うくらい唐突な展開があったのがちょっと気になりました。

あと、
>クライド->待ってくれ、香里!
>ボニー->えっ?
この「えっ?」というのは普通チャットでは書かないです。
完全リアルタイムの会話じゃないんだから、こういう言葉はわざわざ書かないですよ(笑

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:5)
うひゃ〜、少女漫画…というか少年誌の恋愛物って感じのお話で、とてもカユかったです(笑
いや、もちろんこれは誉め言葉ですよ?
それぞれのキャラがちゃんと書けているし、すごく上手いと思いました。

ただ、北川君のキャラが、本編の祐一(あるいはONEの浩平)と被ってるように思いました。
北川君の名前を祐一に変えてもまったく違和感がなくて……と言えば何が言いたいかはわかっていただけると思います。
それだけが唯一残念でした。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:6)
男同士の友情って良いなぁ〜♪
でも、百花屋の辺りはご都合主義かと。
隣の席に座るってのもご都合ですし、そもそも佐祐理が久瀬を百花屋につれていくあたりもご都合ですし。
そのご都合を納得できるだけの描写がありませんでした。

055 煌めきの欠片 (採点:6)
妖孤が復讐に来るというネタはすごく面白いと思いました。
ところどころ隠された伏線が、サスペンス物っぽくて良かったです。
ただ、ちょっと状況の説明が弱いので、一回目読んだときでは何が何だかさっぱりわからないまま、
突然真琴が偽者だったという真相を告げられる形になって、ちょっと困惑してしまいました。
バイト数が余ってるなら、章仕立てにして見出しをつけるなどして分かりやすくして欲しかったです。
あと、最後に出てきた本物の真琴のほうが、原作とは違う大人びた雰囲気で…ちょっとだけ違和感を感じてしまいました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:8)
蛍を探すという展開の中に、いろんな事がまとめられていて、とても良かったです。
でもその中で何故か、「脇目もふらずにがんばってください」の一言が一番好きだったり(笑
ただ、佐祐理さんにちょっと違和感を感じてしまったので、それが残念でした。

細かいツッコミとして。
授業時間から昼休みまでの時間移動とか、その他の場面転換などがあまりに唐突です。
あと、序盤で倉田佐祐理という名前を出した直後に「卓上に昼食を並べた女性」という説明は明らかに不自然ですね。

057 移し火恋歌 (採点:5)
何気に祐一が一番壊れてて、思っていたよりも面白かったです。
具体的になにかダークな文章を書くのではなく、全体の雰囲気から狂気を表現する…。
その静かな狂気がすごく良く出ていて、とても上手いダークだと思いました。

058 30℃ (採点:6)
面白いんです。…確かに読んでて面白いんですが…。
う〜ん、なんだかいまいち言いたいことが伝わってきませんでした。
手紙についての描写がもっと欲しかったです。
一応北川君の見解が書かれていますが、あれだけじゃ何が何だか。
その見解にいたる伏線も、よくわかんなかったですし。
その辺が書けていれば、もうちょっと点数はあがったと思います。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:4)
読みにくいです〜。
固有名詞がほとんどでてこない上に、しゃべり方に特徴が無いので誰が誰なのかさっぱりでした。
最初から最後まで「姉」「妹」と表記するのはどうでしょうか?
特にあゆなんかは原型なさ過ぎ。
時間の流れや、オリジナルな設定のことを考えると当然なのかもしれませんが、
SSというジャンルでそれを忠実に行う必要性があったのかなぁ…と。

あと、設定のほうも、いまいち良く分からなかったです。
オリジナルの色が強過ぎる割に、丁寧な説明が無いので(あったとしても上記の理由により)伝わってきませんでした。
ついでに、栞(?)がスクラップ記事を集めていた理由は…なんでしょ?

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:4)
すごく面白い発想で、それは良いのですが…SSとして面白かったかと考えると…。
なんていうか…シュール系?(ぉ
好きな人はトコトン好きなんでしょうが、自分はあんまり…。
話の内容もいまいちよく分からなかったですし(汗

ツッコミ所としては、無意味に空白あけ過ぎです。
逆に読みにくいですよぅ。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
ギャグかと思っていたら意外とシリアスですこし驚きました。
子供出来ちゃったネタは短編部門でもありましたが、それとはちょっと違う雰囲気の作品でこれも良かったです。
北川君が良い感じに男友達〜って感じでした。心情描写がすごく上手いです♪
それにラストの香里の登場も面白かったです。

違和感無くスラスラ読めちゃったのはすごく良かったと思うのですが、
北川君視点なので深いテーマ性がなく…はっきり言ってこの手の他のSSとの差別化が弱いように感じました。
中編部門では結構他にテーマ性の強い作品が多かったので、その分すこし点数は下げました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
「すごい」の一言。SSのレベルじゃねぇです(涙
10点が限界なので10点をつけていますが、実質15点くらいつけても良いと思いました!
こんな作品と自分のSSが一緒に並んでいるのかと思うと…、今まぢで泣きたい気分です。
どうやったらこんなに綺麗にまとめられるんでしょう?
文句無しにすばらしいです!!

063 丘の子守唄 (採点:1)
残念ながら、自分にはこれがKANONSSだとは思えませんでした。
KANONと同じ名前のキャラを使い、所々KANONの設定を使ったオリジナルだと思いました。
もちろんそれのどこがダメとか間違ってるとかはありませんが、個人的に非常にガッカリでした。
KANONSSコンペという場所に相応しいかというのも問題ですし。

…で、オリジナルとして見た時の感想ですが、設定は良いと思います。
ただ、ラストはちゃんと完結していなくて、問題ありだと思いました。
突然の「終」…良いまとめ方を思いつかなかったのでしょうか?

064 面鉄の奥の恋 (採点:8)
すごく上手い作品だと思いました。
SS特有の文の荒さが無いのが特にすごいです。
最初から最後まで安定した上手さで、読んでて苦になりませんでした。
とても素晴らしいです♪

原作の裏設定物としても良く出来ていると思います。
正直、着想以外の展開はベタですけどね(笑
真治少年のキャラも良かったですし、舞の言動にも違和感を感じませんでした。

文句無し…です。一応は。
ただ、個人的にKANONSSに求める面白さ…萌えたキャラの魅力…が出ていなかったので8点。
もっと舞の出番、見せ場を増やしてくれれば、10点つけたかもしれません。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
自分の趣味にクリーンヒットしたので本当は10点をつけたかったのですが、真琴の母親が出てくるシーンが明らかに蛇足なので減点しました。
だけど、祐一と実汐の掛け合いはすごく面白かったですし、人魚姫の話を真琴の話にかぶらせているのも良かったです。
どうしようも出来ない運命に抵抗し、力づくで奇跡を勝ち取るという設定が、KANON本編のヒロイン達を連想させてくれました。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:1)
テキトーな一人称って読んでてホントに辛いです。
地の文をちゃんと書かないで、台詞ばっかり書くから、不自然なくらい縦長な文章になるんだと思います。
一人称での場面転換(時間移動)は唐突になりやすいので要注意です。
全編一人称形式で中編を書くのなら、もうちょっとレベルアップが必要かと。

ちなみに、お話しの内容については…。
ごめんなさい。無駄に長くて何を伝えたいのかよく分かりませんでした。
一応要点はわかるのですが…中編に持ってくる必要があったのか、激しく謎です。

ところで、冷静に考えて…従妹がちょっとこけたくらいで教師が呼びに来るものなのでしょうか?
高校の先生ってそんなにやさしかったかなぁ…?(滝汗

067 風邪の一日 (採点:3)
ダラダラダラ。明らかに祐一の一人称を書ききれてません。
設定だけならほのぼのなのに、その一人称が邪魔でほのぼのがかき消されてます。それに、無駄に長いですし。
ちなみに、「37度2分」は風邪とは言わないです。自分は「37度5分」まで学校休ませてもらえませんでした(笑

068 名琴抄 (採点:9)
すごいです。
真琴シナリオ時の名雪の心情がすごく上手く出ているなぁ…と、それだけだと思っていたら、
あんなどんでん返しが待っているとは…(汗
揺れる名雪の心が綺麗に書かれていただけに、あのオチにはすごく驚かされました。
写真がどうして残っていたのか。残っていたのなら秋子さんはどこまで知っていたのか。
などなど、いろいろ問題点が解決されていないようなので一点減点しますが、
文句無し、とても綺麗なSSでした♪

069 ふたつのねがい (採点:5)
…絵本?(笑
この手の地の文の書き方も悪くないと思うのですが…
悪い意味での「絵本的」でした。
描写がひたすら説明なんですよねぇ…。
この手の書き方では仕方ないのかもしれませんが、もうちょっと気をつけて欲しかったです。

でも、雰囲気がすごく上手くでていて、その辺は良かったです。

071 一緒に生きたい (採点:3)
あゆシナリオと栞シナリオの北川仕立て…(ぉ
原作に毛が生えた程度にしか思えませんでした。

あゆシナリオにするか栞シナリオにするか、どっちか一本にすれば良かったのになぁ…と。
あゆのことを強く思っていた北川がいともあっさり短時間で栞に転んじゃうのは、すごくどうかと思いました。
しかも、なんか北川も祐一もすごくヤなキャラになってるし…。
北川君はなんか「自分はこんなにも覚えているんだから〜」という押しつけがましいキャラになってるし、
祐一の
>「北川……俺は、もう絶対に逃げたりしない。あいつがどうなっていようと逃げない」
この台詞は明らかに自分勝手ですし…。
こんなに自分勝手なキャラが登場するSSも、逆に珍しいのではないかなぁと(苦笑

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
美汐の心情がちゃんと書けてて、すごい良かったです〜。
読んでいて違和感なく、むしろどんどん引きこまれていきました。
紙飛行機の魔法のネタもすごく面白いですし、ラストの部分も感動的でした。
もしかしたら中編部門最高の読了感かもしれません!

ただ、美汐チャン…勧誘ならともかく、新聞の集金はちゃんと払ってあげてください(笑

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:4)
御気軽エンターテインメントSS…ですね(苦笑
この深みの無さは…なんか一昔前の香港C級映画を連想させてくれる御気軽さでした。
個人的に強い女の子萌えなので、点数を上げようかと思ったのですが…
あんまりにも安っぽすぎるのと、オリジナルな設定の説明が弱いのでやっぱり減点しました(ぉ

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
ラブラブでほのぼのでシリアス。
アフターとしても綺麗だし、すごく良かったです♪
何より名雪の心情がすごく上手いな〜って思いました。
名雪の好きな気持ちというのが、はっきりと伝わってきました。
シメもなんだか良い感じでした〜。

075 True story (採点:2)
>これは、本当にあった話、いわゆる実話。
って、わかっとるわ!!

なんでここで「所謂」が出てきたんでしょうか?(笑
本当にあった話が実話であることは皆知ってるはずなのに…。
どう考えてもここで「所謂」は必要無いはずなんですけど…(苦笑
ギャグでやったのならホントに爆笑モノです。
あなたのセンスに脱帽です。もう最高!!!(爆笑

いや…もうこのSSは出オチですよ。
最初の数行でマジ笑いしてしまいました。
最高でした!の一言♪

076 夢の劇場 (採点:8)
ジャンルで不幸と書くほど後味の悪いSSではなかったなぁと。
確かに栞は死んじゃいましたが、現実を見て歩いていこうとする香里の姿勢はとても良かったと思います。
夢の中に逃げ込んだり、そこから抜け出したりという展開はお馴染みですが、
それでも強い違和感は無く、綺麗に書けていると思いました。

また、栞の心情、香里の心情がすごく上手く出ていたのも良かったです。
それだけに、死に際の「たすけて」は結構クるものがありますね(汗

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
体育祭の種目に金品の商品がつくことはありえないとか、
そもそもその種目自体がありえないとか…そんなツッコミはしないでおきます(笑
おそらく香里の恋にテーマを置いてるんでしょうが、なんか騎馬戦の方に注目してしまっていまいち伝わってこなかったです。
ラストでいきなり素直で積極的になってる香里に、驚きました。
これは何なんでしょうか…?吊り橋効果?(汗

078 「dearest」 (採点:9)
素直じゃない香里が可愛かったです。
香里が祐一を意識し始めるきっかけがちょっと唐突だったり、必要あるのかなぁ〜?っていう描写があったり、
かと思ったら後半の香里の心理描写がなんとも色のないフォーマット通りになってしまったりと…
減点したいところはいろいろありましたが、それ以上に可愛くて萌えでした♪
しかし、展開がベタで次にどうなるのか分かっちゃうのは辛かったです。

○仮面の男 さん

040 楽園日記 (採点:10)
サバイバ達が軋轢を繰り返しながらも、
少しずつ理解を深めていく――
Kanonっぽい話じゃないですが、物語的に
王道的な部分がよく描けていて面白かったです。

046 ホワイト・ミュージック (採点:8)
少し時系列が分かり難いですが、珍しい組合せを違和感なく書ききってて、心の動きもとても細やかで切なくて――良い話です。あと、関係ないですが、チェスタトンってあの『G・K・チェスタトン』ですよね、ブラウン神父シリィズの。個人的に、クるものがありました(笑

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
私はこういうお話、凄く好きです。ただ、初見で意味が受け取り難かった。作品傾向からミステリィ好きだということを前提で書きますが、再読を要求するなら、もう少し展開を整理した方が良いと思いました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
一つのレポゥト形式というのはアイデアだと思うし、後半の方は読んでてぐっと惹きつけられました。しかしあと一歩、物語として昇華しきれてない部分があって、そこでマイナス一点です。Side Storyにサイモン・シンのレヴェルを求めるのは酷なのでしょうが、凄く地力の高い書き手だと思ったので、逆に少し厳しく付けました。

065 作品No.2「春」 (採点:7)
世の中は奇麗事じゃない――この言葉にクるものを感じました(笑 全体的に子? を見守る親? の気持ちがよく出ていて楽しかったです。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
祐一と美汐の、丘での場面がとても爽やかでした。
春風のように素敵なお話ですね。あと、飛ばない紙
飛行機という道具立てが巧いなと思います。その
お陰で、物語の間が凄く絶妙になっているなーと。

○夏葵 さん

006 「日課」 (採点:6)
淡々と綴られているのが、いかにも「日課」という感じで良かったように思います。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
ええとー。主に真ん中。寝言からオチ直前にかけてが微妙に笑いの琴線に触れたようです。ええ。

012 空っぽのテクスト (採点:5)
解釈としては、確かにそういうことだってありそうですね。あゆの生命力自体は過少だったでしょうし。なかなかに読ませてもらいました。

013 Conservation for Love (採点:5)
えとー。エロゲ声優さんは劇団とかで活躍されている方もいらっしゃるので、一概に演技が下手とは言えないと思うのですけど。まあそれはともかくとしても、ちと悪意ある(つもりではないのでしょうけど)ようにみえる表現が気になりました。あの一文は余計だと思います。面白かっただけに、とても残念ですが。

016 脱走と追跡のカノン (採点:9)
絶妙に笑わせて貰いました。こんなの私ではとても書けないです。しかも使われている多くのネタが判ってしまって、さあ大変(笑

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:2)
いやはや、ここまで突っ走りますか(笑 

022 笑い声がきこえる (採点:9)
見事ですね。ありふれていると思うのは騙された後のことで、単なる負け惜しみです(笑 ただ最後の秋子さんの発狂については蛇足のような気がします。

027 ウエディングヴェール (採点:7)
最後の最後で鳥肌が…。お見事。

028 ”プレイ” (採点:6)
佐祐理は舞で、舞は佐祐理…。結局「彼女」とは誰だったのか。考えれば考えるほど…怖ひ。

030 奇跡のかわりに (採点:4)
アイデアだけなら10点差し上げます。というか、有り触れていそうで今までに見なかった香里の解釈に目から鱗が落ちた気分です。それだけに内容については厳しくさせて頂きました。消化不良、それに尽きます。勿体ないなあ。

031 グッナイ (採点:5)
綺麗な文章だとは思うんですが、視点があっちこっちに飛んで読みにくかったです。内容についても?です。巧く消化されていないし、どうにも借りてきたお話を読んだ気になりました。あと、これはこんぺ向きではないかなあ、と。

037 美凪 (採点:8)
美凪の名前に触れる方が幾人かおられる気もしますが…。まあ私的には許容範囲です。というか他にすぐには思いつかないです。ただ前半部について、美汐の年齢ではちと難解な言葉を使っているような気がしました。或いは所々幼すぎる気も。一定していないような…どうでしょうかね。お話自体は巧いと思いました。

039 幻実、そして星 (採点:8)
歌詞を混ぜるのはどうかなぁ、とも思いましたが…おしなべて良かったと思います。舞シナリオに準えたお話の構成も良かった。ただ、勝馬自身の描写がもう少し欲しかったように思います。舞=魔物と言うことを考えると勝馬に舞と共通した外見があったり(髪が長いとか、色が白いとか)すると伏線としても尚良かったのではないでしょうか。あと、最後に祐一を出す必要があったかどうか。微妙です。

040 楽園日記 (採点:10)
小学生か中学生のころに好きだった宗田理の「ぼくら」シリーズを思い出しました。通じる何かがこの作品にもあるような気がします。一歩引いた斉藤くんの視点から綴られたのも良かった。…ええ、もう言葉を尽くしても褒めきれません。お見事です。「男の子」なら誰でも持っている冒険心。それをくすぐられるなんて思いもよりませんでした。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
はい。名作です。ええ、これっぽっちも疑問を差し挟むことなく。…参りました(平伏
笑えて、泣けて、感動出来て。魅力的な登場人物たちとその優しい物語。独特のリズム。文体。作者の力が遺憾なく発揮されている様子。まさに二次創作の枠を越えた傑作。
うぐぅの音もでないほどに眼から鱗が落ちました。第二回かのんSSこんぺ最優秀作品はこれで決定!

あとは作者が非公開じゃないことを祈ろう(笑
…というか、成さん、ですよね。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
細かいことは抜きにして、お見事としか言いようがないですね。のたうち回る甘さ…いやもうやられたッ! という所です。作者に良いように転ばされました。…作者はあの人だろうなあ、と心の内で呟く(笑 実際に書かないところが小心者なのです。

044 パンドラ (採点:7)
ラストシーンは冒頭に持ってきた方が効果的だったかもしれないですね。あと『霞月』なんですが…なんと読むんでしょう(笑

045 桜が告げる春の風…… (採点:6)
…うーん、何とも微妙(笑
周りが比較対象だらけですからねー。
短編を含めてちと食傷ぎみなので、辛いかもしれません。

049 少年期 (採点:8)
まさか恋愛話の王道のままで終わるとは予測出来ませんでした(笑
語り口からもっと大仰な、捻りの効いた話なんだろうと思ってたんですけどねー。
まあ、私が勝手に期待してただけなんですけど(苦笑

三角…四角か、男女関係というのは難しいものです。ホント。
丁寧に書かれていて好感が持てます。いいなあ。

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
これは…中編でも短すぎたのではないでしょうか…。所々端折った感もありますし。余計な文を削っても50KBでは詰め込みきらないでしょう。…個人的には長さを気にせずにリテイクして、もう少し続きを読みたい。そう思える作品でした。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
参りましたー。のたうち回りそうなほどお見事です。名雪にだって、祐一以外に幼なじみがいてもいいですよね。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:7)
うーん。佐祐理さんとくっつけたのだけが余計に思えましたね。何もそこまで書かなくても良かったんじゃないかと。ここは友情一本で描ききって欲しかったと思います。

055 煌めきの欠片 (採点:3)
…すみません。誰が語っているのか、どういう話なのか、さっぱり理解出来ませんでした。誤字の多さは気になりましたけど。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:5)
読後の余韻にもやもやしたものが残ったのは、この作品での祐一の思考が肌にあわなかったからでしょうか。
何もしていないことに、若しくはしたいことを見付けられない事に悩んでいた…ようにもみえますが、うーん…たぶん違うでしょうね。
現代の若者が持っている虚無感のようなものを表現した、と仰るならば、しかも意図されてと言うのなら賞賛できます。
でも、たぶん作者が思われていた事とは違うのでしょうね。

057 移し火恋歌 (採点:9)
交互に綴られるお話は、果たして交わっているのかいないのか。どうにも目眩ましをされた気分ですが、お話は面白かったです。ミステリーっぽいですよね。巧く誘導されました。ただ、ダークであった必要があるのかな? とも思いました。

058 30℃ (採点:6)
ほやー、とした読後感が好き(笑
なんというか香里の新たなる一面を見せて貰った気もします。うーん。こんな香里もアリだなー。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:7)
 ある日、星間旅行をしていた男が十数年ぶりに緑なす大地へと戻ってきた。
 出迎えた宇宙港の管理官が笑顔で男に語りかける。
「久しぶりの地面はどうだい? 結構、見違えただろう」
「ああ、地球はだいぶ変わったな。でも…」
 男は不意に夜空を見上げた。「あの月はいつも変わらない」
「――月?」
 管理官は不思議そうに男を見詰めたが、ややあって何かに気づいたように、
「ああ、そうだな。今ではあっちの方が…」 

などという小話を思い出しました。
難解というか、評価されにくいでしょうけど、私は好きですね。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
善き友、ですね。やっぱ北川ってこうだよな〜。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
実に見事な手法です。ここまで徹底されれば褒めるしかありません。所々第三者視点ではないところが有りましたけど、気になるものでもないです。…こういう事をやってのける作者というと一人しか思い浮かばないですが、違っていたら恥ずかしいので黙秘(笑

063 丘の子守唄 (採点:3)
…終わり? これで終わりなんですか?
うむー。これは困りものです。判断の為所がないです。
書き終わらなかったから、続きはHPでなんて、言わないで下さいね(苦笑

064 面鉄の奥の恋 (採点:6)
もう一歩、舞の側に踏み込んでも良かったんじゃないかと思います。オリキャラだけに、ちょっと抑制しすぎたのでしょうか。

065 作品No.2「春」 (採点:6)
独特な節回しが楽しい(笑
余計な言葉をあと一つ二つ減らすことができれば、もっと読みやすくなっただろうと思う。
最後まで読んでこそ、良さが判りますねー。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
これは賛否が両極端でしょうねぇ。面白いけど面白くなかったり、壮大なお話なのに細かく見えたり…。なんとも評価に困ります(笑 強いていえば無駄な強調がなければあと一・二点は上がったかと。< >で囲んだところとか。いきなり作者視点になったりといった不自然なところ、ですね。ええ、面白かったのは確かなんですけど(笑

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
阿倍碧郎さんでしょうか。違っていたらすみません(汗 
内容は言うに及ばないです。お見事。題名見た時点でこれは後に回そうと思ったのですが、我ながら正解。心地よい余韻に浸れました。

大人びた外見に隠された、幼げな美汐。そのギャップの妙。それを引き出せる祐一。
とても上手に描写されていると思います。うーん。何を言っても野暮な気がしますので、うまく言葉が使えません。


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
ブラ〜ヴォ〜!! 勢いだけで言えばこんぺで一番!(んん、失礼な言い方かな…)
えーまあ、なんと言いますか。…参りました。
コミカルさが売り物なので、妙なことにツッコむのは野暮ってモンです。はい。


074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
エピローグがやや長すぎたきらいはありますが、独特の余韻がありますね。不安と安心を繰り返し、恋人達はいつも確かなものを求め続けている…。ラブストーリーの本道を見せて頂いたと思います。ご馳走様でした(笑

076 夢の劇場 (採点:8)
はー。見事な構成ですねえ。栞との和解に物語の主眼を置くことなく、香里の心理描写一点に絞りましたか。あゆとの絡みもらしいです。夢を見せるというのはありがちですが、効果的です。うーん。まあ一つあげるとすれば、サイズ的にはぎりぎりなのでこれ以上の書き込みを求めるのは無理なんですが、前半がやはり薄く感じたということでしょうか。祐一を介さないでの話だけに、和解を描くのは難しかったのでは、と思ってしまいます。そこを埋めるためになんとか原作の話を底辺に持ってきていたら厚みも増したような気もします。…とても私には出来ないことなんですけど(汗
ともかくも楽しませて頂きました。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
主題がやや散漫とした感じですが、前半の構成は流石です。香里が騎馬戦にて祐一を試すと宣言したところだけが無理矢理っぽいだけで、あとの流れに不自然さは感じられませんでした。うーん。しかし短編結果を見るにKANONこんぺ的には受け入れられるかは微妙でしょうか。

078 「dearest」 (採点:7)
王道ですね。
香里である辺りも、花言葉である辺りも。
まあ、恋愛話だけに野暮なことはあまり言わない方が良いとは思うんですが…
告白のシーンで、

>「好きだ、香里……付き合って欲しい!」

これは…ねえ。ううむ、残念。
あの場面で、あの雰囲気で、あの流れで、この台詞はちと合わない気がしました。
折角のシーンですから、祐一にはもっと真摯に、視線を外さないように。…息が止まるほどに。

>「香里が好きだ。誰よりも」

という台詞をこっちで使って欲しかったなー、と。
まあ勝手なことを思うわけです(笑
あー、私もまだまだお子様だ('-'*)

○火鳥 さん

050 鮮やかなモノクローム (採点:9)
なんだろう。問答無用でキャラを殺すSSは個人的にはお話にもならないはずなのに、もの凄く感動してしまった。ああくそぅ、巧いなぁー!

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
ああーもうっ、青いなぁーーーー!(#誉めてます)
ひとつは登場人物たちの青春っぷり。もうひとつはそんな彼らの物語をこれほどまでに洗練された文章で書き上げていく作者のcoolさ。
完璧。文句ナシ満点。ごちそうさまでした。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:1)
最初は好みの話かな、と思っていたんですが、読んでみると日本語が滅茶苦茶でした。さすがにこれじゃ最後まで読めたもんじゃないです(^_^;
少し背伸びをしているのかな? 偉そうなことは言えた立場じゃないんですが、もう少し勉強してからのほうが良いと思います。

057 移し火恋歌 (採点:8)
序盤の佐祐理の一人称部分が少し硬すぎかなー。佐祐理の精神年齢がどれだけ実年齢からかけ離れていたとしても、こうはならないと思います。
まあダークと明記している分潔いかな、と。
ただ佐祐理と舞の同居初日の回想、特に舞が部屋を出て行くまでのシーンで鳥肌が立ちました。
この作品の作風と最もマッチしていると思った箇所がそこで、描写が凄まじく綺麗に思えました。
これは柴楽さんかな? トリックは相変わらず見事です。Aだと思わせておきながら実はB、というどんでん返しは
使い古されたものだとは思うけど、それでもわくわくしてしまうんだからしょうがない。
まあこのへんは自分があまりミステリーの類を読まないということもあるんでしょーが。

058 30℃ (採点:10)
北川の声は(DC版もアニメ版も未経験なので)聞いたことないけれど、思わず声が聞こえたような錯覚に陥りました。
酒屋の息子の潤くん、格好良すぎです。
事故後に香里や栞が出てくるシーンなんか、特に緊迫した場面でもないというのに、
どうなるんだろう、どうなるんだろうとわくわくしながら読んでました。
読ませる力が並みじゃないです。素晴らしい。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
文章力、完成度は並みじゃない。いきなりCopyrightとあって焦ったが、それも技巧だと知ってため息が出た。
ノンフィクションとフィクションの間には明確な壁があるものだが、この作品はフィクションの中に現実というフィルターを重ねるという
荒業をこなしている。もしくは逆か。いずれにせよそれも成功していると思う。
受け付けられない人にはとことん駄目だろうが、そうでない人にはとんでもない作品に思えるのではないか。
と、作品の雰囲気に影響されてみる。すごすぎですこれ。
惜しむらくは、わくわくさせる要素が少しばかり少なかったことかな。まあ仕方のないことなんですが。

071 一緒に生きたい (採点:7)
この設定はやや苦しいかな、と思いながら読み進めていったけれど、いつの間にか読み終えてました。
読者を引き込む力もあるけれど、それよりも読みやすさだと思います。
ただ緊迫したシーンなんかは特に会話に頼りすぎかなと。もう少し地の文との割合を巧く調節すればもっと良くなると思うのです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:9)
か、かっこええーっ!
冒頭の結婚式での3人にクスリとさせられ、そこからなだれこむような展開へ。完璧です。
コメディを極限まで昇華(?)させた作品。お見事。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:6)
雰囲気作りは秀逸。読みやすい文体も手伝って一気に読めました。ただストーリー全体をいくつかの段落にわけて考えると、
ひとつひとつを少し引きずりすぎな気がします。もう少し短くても良かったかも。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:10)
く、口の中が甘い!(笑) まあそれは置いといて。
冒頭ではファンタジー路線を思わせておきながら、一気に現実へ。それがギャップでもなんでもないことに気づいたときにはもうすっかり
ストーリーに没頭してしまっていて、あとはもう続きはどうなるのかどうなるのかと読み進めていくばかりでした。
最初から最後までお見事としか言いようがない。いつまでも読んでいたいお話でした。

○奇族 さん

008 激辛 (採点:9)
展開が自然でかつおもしろい。見どころもたくさん。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:10)
最高です。1読目よりも2読目がさらに味わいがある。

021 想いの果てに (採点:9)
展開がありきたりで文章のレベルも並かもしれないけど、それでも感動した。感動をありがとう。

048 走る少年少女達 (採点:8)
話のすじが飛び飛びになってるけど、さわやかで爽快に読めて充分楽しめた。

○希 さん

022 笑い声がきこえる (採点:7)
なんていうかこれって、ダークというよりホラーですよね。こういう感じのホラー結構好きです。冤罪じゃなければ、サイコホラー?

○起屍鬼 さん

003 お泊まりパニック! (採点:5)
北川が虐められてるのを笑えない僕には、このSSを読む資格なし?(笑)
まあ北川にもうちっと救い、というかフォローがあれば笑えるんですけど。
それが誰であれ同情の余地のある人が虐められたり酷い扱いを受けてるのは笑えませんからー、それが悪人だとしてもね。
ハリウッド映画とか見てても「いや殺りすぎだろ、相手だって人間だぞ」とか思ってしまう人間ですし。
同情の余地の全くない人なら別に構わないんですけど。

閑話休題。

このSSは引くほどの北川虐めでは無かったので続きを読みませう。
結果から言うとちょっと可笑しかった。
でも香里が凶悪すぎて可愛げないぞーとか思ったり、というより別に可愛げとか求めてない?
まあ壊れですし、気にしない事にしましょう。
なるほど、真犯人はまこぴーだったのか……ありそうな話だ。
でもそれなら何で美汐の家に行ってたんだろう? 勿体ない。
自分が頼んだことなら自分の目で確かめたいとは思わなかったんだろうか、とまこぴーを疑問に思ったり。
きっと香里と美汐に止められたんだろうな、と勝手に想像して補完。
あと細かいトコ言うと
>というか、なんでこいつらここにいるんだ?
祐一、リアクション小さすぎないか、と不満に思ったり。
あと秋子さん=ジャムネタは要らないと思います。
何の捻りもないジャムネタ単体ではいい加減面白くないし。
とりあえず疑問&指摘はこれくらい。

笑ったのは栞登場時。
ベッドの下から這い出てきたりしたらそりゃ怖いって(汗)
あと舞が登場したときも可笑しかった。
クローゼットの中で薄暗がりの中、三角座りした舞が恨めしげに睨んでくる。
萌え(爆) もとい怖っ!
まあ三角座り云々は妄想の産物ですが。
とにかくみんなして楽しそうで、良いですねぇ。ほのぼの。北川除く。

感想まとめ、香里凶悪すぎですって(笑)

013 Conservation for Love (採点:6)
ナニワ金融道に哭きの竜って・・・(苦笑)
かりあげ君は読んだことありませんけど。
なんにしろ読んでる本からしてあれですねー(笑)

025 歩いて行こう (採点:4)
初めの久瀬の意見には共感しました。
秩序を守る側としては多少は頑ななぐらいじゃないとやってけないでしょう。
甘い顔してるとつけ上がらせるだけですからね。恨まれるぐらいで丁度良い。

ただその後の展開は理解できない所が多すぎました。
久瀬がキレる、というか過剰に反応する理由が分かりません。
祐一との会話しかり病院での会話しかり。
演劇でも見てるような大仰さで、違和感ありすぎです。とても素の会話には見えません。
クライマックスの展開も、祐一の過去の悲惨さと強さを見て久瀬が自分の矮小さに気づき、改心した……
唐突すぎて共感できませんて。
口の悪い言い方ですが、三文芝居でも見てる気分です。
久瀬の思考をもっと書いて貰わないと共感も理解も出来ません。
とすると三人称より一人称の方が向いていたのでは、と思います。

最後も久瀬が甘くなって終わり……という何とも判断に困る終わり方ですし。
もう少しで警察沙汰になるような事をしてるんでしょう、反生徒会の人達は。
それに10人がかりで久瀬を私刑にして腕まで折ろうまでした人間に同情の余地は無いと思いますが。
優しくなるのと甘いのとはまた別だと思います。
以前の「厳しすぎる処罰」がどういうものか、とか「問題を起こした反生徒会の生徒」が誰か、
とか具体的には分かってませんのではっきりとした判断は出来ませんけど。

久瀬の考えを改めさせる=良い話みたいな方程式が成り立ってるような印象を受けたんですけど、気のせいでしょうか。
もしそうだったらイヤですが……。

と僕程度にも色々と指摘されてる訳ですけど、凹まないでくださいね、作者さん。
だからって全く無視されるのもかなり嫌ですが(笑)
参考程度にどうぞ。

048 走る少年少女達 (採点:4)
不良に囲まれた女の子を助ける=良い話ってのはちょっと安直すぎると思いました。
今までの話の流れをまったく無視する展開ですから、
「そこでなんで?」と置いてかれちゃった気持ちです。
主人公は久瀬なのにレース中は全く目立ってないですし。
というかレースの部分無くして舞踏会だけでも良いような気がします。久瀬メインなら。
人助け部分を無くしてレースを最後までやって、祐一と北川は結局失格に、って展開の方が良かったですね、僕は。

>「ジャム、まだ余ってるか?  もしあるんなら、一つ譲って欲しいんだが…」
>次の日、結局起きない名雪を起こすのに久瀬からもらった邪夢が大活躍したというのは、また別の話である

前の祐一のセリフを読んだ時点で読者には後の展開は自明の理なので、
後の一行が無い方が、読者の想像力を満足させて良い読後感を与えられると思いますよ。
祐一のセリフの印象、というかニヤリ度(謎)も上がりますしね(笑)
読後感=余韻と言い換えられる……かも。
まあ素人意見ですから、参考程度に。


049 少年期 (採点:10)
感動しました。
途中辛くて、何度も読むのを止めたくなりました。
祐一に冷え切った目で見られた時には特に。
無力さに苦しみ、悩みながらも自分なりの答えを告げられた北川を凄いと思いました。
誰かに聞かせるように大声を上げたとき、胸が熱くなりました。
とても寂しい気持ちにさせられました。
苦しみながらも、未来に向かって一歩踏み出した北川に、励まされました。
幸せな未来であってほしいと願います。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
久瀬の壊れっぷりが笑えました。最後まで飽きずに読めました。グッです。
終わり方も「全世界を股かける牛丼店」ですし(笑)
牛丼を世界中に広めるんですか!?(爆笑)
なんだか壮大な未来ですね、いろいろと想像できて楽しいです。相沢祐一に栄光あれ!(笑)

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:9)
キャラが魅力的です!
良いお話でした。そしてその良さが全てキャラの魅力として結晶化してます(分かり難い)
登場する全てのキャラが良かったです。
是非続きが読みたいです。
斉藤くんの謎っぽさも気になりますし(笑)

058 30℃ (採点:7)
この話の香里はグッです。良いです。
始まり方も良かったです。いきなり香里が「エロイのね」とか「萌えた?」言ってますし(笑)
これは続き読まないといけない、と思いましたね。
壊れてるのともはっちゃけてるのともまた違う、自由な香里が良しです。
一年の頃みたいだ、という話も北川と香里の付き合いの長さを感じさせてグッです。
素晴らしかったです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
はぁっ、良かったです(感嘆)
この気持ちを言葉にしていたらこの場では語り尽くせません。
それに批評は他の方がしてくれるでしょうし。
ですのでここではあまり関係ないことを。

落ち込んでる時に掻き込む親子丼の味は、泣けます(笑)

素晴らしかったです。

069 ふたつのねがい (採点:9)
良かったです。
オリキャラへの拒否感がある人向けじゃありませんけど、
それは物語を聞くような読み方のせいかあまり気になりませんでした。
技術的な事にはさっぱりですからあまり言葉にできませんけど、読みやすかったです。
最後までシリアス、というかしんみりとなりすぎないほのぼのとした暖かな雰囲気を楽しませて頂きました。
人に思われる、感謝される、待っていて貰える、というのは良いものですね(しみじみ)

071 一緒に生きたい (採点:6)
北川が7年間あゆの病室に通い詰めてるという設定が良かったです。
ちょっと展開が早すぎ、とか思いましたけど容量制限ありますから仕方ないですよね。
ぜひ長編で読んでみたいネタでした。
ラストはもう少しゆっくりして欲しかったです。急ぎ足で駆け抜けてしまったのは僕的には残念でした。
あと祐一あゆカップルもラストに出して欲しかったです。
全体的には面白かったです。
北川が祐一を殴るシーンが印象的でしたねー、僕的には。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
はははははは、シリアスかなー、と思ったらやっぱりコメディでした(笑)
伏線が分かり易くて良いですねー。
最初の火薬の臭いなんて不穏でシリアスな雰囲気を漂わせて、見事でした。
良いタイミングで伏線が来るものですから読んでいて飽きませんでしたよ。
それにとうとう最後まで展開を読めませんでした……単に想像力不足かもしれませんけど(笑)
面白かったです。

……ただあっさりと死んでいった人達の事を考えると笑みが引きつります(笑)
あんた達、人殺してるんだよー!?

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
最後まで意外な展開と緊張感のあるお話で、楽しませていただきました。
読み始めた当初は騎馬戦だとは思いませんでした。
馬の頭に話しかけられたところでやっと「え!?」と驚きました(笑)
(狙ってされたのかは分かりませんが(笑))
後にも意外な展開に驚かされてばかりで最後まで楽しませていただきました。
最初は北川と香里のラブ話だと思っていたんですが(笑)
三角関係という深刻な問題を後味が悪くないように綺麗に、
それでいて緊張感を持たせたまま終わらせたのは凄いと思います。
面白かったです。

078 「dearest」 (採点:4)
北川に告白させてフらせる必要はなかったと思いますので-1点します。
香里が祐一に名前を呼ばせるのは好きだからって事にすると違和感ありますんで-1します。
長すぎて途中でバテましたので-1します。
良い話でした。
ですが−ポイントが多いので点数は低めになりました。
積極的な香里というのもなかなか良いですね。

○久慈光樹 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
試み自体は面白かったと思います、ですがその試みは成功しているとは思えませんでした。
言葉遊びが過ぎるように思います、全編通して言葉が抽象的で、言い方は悪いですが自らの言葉に酔っている印象でした。キレイな言葉は「ここぞ!」という一点に使用してこそ効果があるのであって、全てに用いてしまっては冗長になってしまいますし、何より物語の形を維持できなくなります。あなたは詩が書きたかったのですか? 違うでしょう? 物語を書きたかったのでしょう?
厳しい言葉になってしまいましたが、試みそれ自体は面白かったと思います。今後に期待します。

002 鈴の音よ再び (採点:2)
最後の空白の意味は……? という疑問はさて置き、真琴好きなだけにちょっとがっかりです。
前半の祐一の期待感を読者に印象付けようとしている(それも上手くいってはいないのですが)だけに、「だから祐一は真琴の虚像を見たのだ」の一文だけでは納得できませんでした。そもそも祐一はそれで納得したのか? 私が祐一の立場だったら、納得できないと思います。
感情移入というのは、SSに限らず小説にとっては大事なものであり、それが上手くできないのは致命的だなと感じました。

003 お泊まりパニック! (採点:1)
ええと……
北川イジメうんぬん言うつもりはありません。面白ければ何でも可だと思います。ええ、面白ければ……
ジャンルの選択をご一考された方がよろしかったのではないでしょうか。
ギャグはシリアス以上に外すと痛いですね……

004 The regret (採点:2)
決して2点という低い点数の作品では無いと思うのですが。
それでも点が低いのは、やはりキャラクターの「死」という二次創作上のタブーが軽く扱われていると感じたからです。作者さん自身は決して軽く扱ったつもりはないかもしれませんが、一読者としての感想は、北川君の死は非常に軽かったです。
もう少しどうにかなったのではないか。非常に勿体無い作品だと感じました。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
うーん……
展開自体は悪くないと思いますし、なによりこういう活劇ものは好きなんですが。
一貫していない祐一の佐祐理に対する言葉遣い、多用される三点リーダー、バランスのとれていないシリアスとコメディの割合。どうしてもその辺が気になってしまい、物語に入り込めませんでした。もう少しその辺に気を遣えば面白くなったと思います。残念。

006 「日課」 (採点:6)
うん、面白かった。北川君のファンてわけでもないけれど、彼のこと好きになりましたよ。
終わり方も爽やかでいい感じです。実は中盤から北川君に当て馬みたいに彼女ができるんじゃないかと思って、もしそうだったら嫌だなぁと思っていただけに、この終わり方は理想的でした。
ただやっぱりちょっとインパクト不足かもしれません。あまり減点材料がないけれどこの点数なのはその辺に理由があります。
でもいい作品でした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
えーと…… 媚び媚びですね……
あまりにも露骨過ぎるとヒイてしまうタチなんで。ごめんなさい。

008 激辛 (採点:7)
うん、面白かった。真琴が可愛かったです。
秋子さんも非常に魅力的に書かれていて良かったです。ただ「家族」を強調するのなら名雪も出して欲しかった気もしますけれど。
もう一山二山欲しい気もしましたが、ほのぼのした雰囲気にあまり大事件は似合わないと思うので、これはこれでいいのかもしれませんね。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
うーん…… 物語として破綻しているような……
オムニバス形式の一遍一遍は綺麗にまとまっていて面白いのですが、オチがこれでは……
実は中盤過ぎて、どのように話を収束させるのか興味あったのですが、いちばんそうあって欲しくはないというオチに落ち着いてしまったという印象でした。
考えることを止めてしまっていますね、祐一も、ヒロインたちも、そして作者さんも。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
非常に面白かったです。香里も勿論ですが、なにより栞がとても活き活きと書かれていて、読んでいて楽しくなってきました。
登場人物が原作の雰囲気を壊すことなく、原作以上に魅力的に書かれていて、これはもう10点以外の点をつけるわけにはいかないという気にさせてくれます。
粗探しをしたいところですが、指摘できるような粗も見当たりませんでした。完敗です。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
アイデアは良かったと思います、あゆの悲壮な決意に胸を打たれました。ですが悲しいかな、展開が急すぎます。外見があゆで中身が真琴という突飛な設定に読者である私が納得する前に作中の祐一くんが納得してしまい、戸惑いました。結局最後までその違和感は消えず、どんでん返しのラストがまったく活きていない印象でした。
願望が形になったのですから祐一くんは信じてもおかしくはないと思います。思いますが、そこはそれ、きちんと読者を納得させる展開がほしかったところです。

012 空っぽのテクスト (採点:3)
キャラクターの死という劇薬を、うまく処置できなかったという印象です。
栞の死という大きな事件があるにも関わらず、なんだか淡々と話が終わってしまった印象でした。登場人物が誰も感情を爆発させることもなく、死というものを受け入れているからでしょうか。
文章それ自体は安定していて読みやすかったのですが、可もなく不可もなくという印象になってしまったのは勿体無かったかなと思います。

013 Conservation for Love (採点:5)
面白かったのですが、後半少し息切れという印象でした。
ジャンルをコメディにして、前半の雰囲気のまま進んでくれれば良かったのに、とか思ったり。不条理ギャグにしてはイマイチ勢いが足りず、結果としてどっちつかずになってしまったように思います。残念。

014 おまえの名前 (採点:6)
いい話でした。小さな真琴が可愛かったです。
ただお話の内容とは関係ないですが、「うん」(×3)とかは無いんじゃないでしょうか。登場人物たちを一まとめにして物扱いしていると考えるのは考えすぎですかね。それとクエスチョンマークが半角だったのも読みづらかったです。表面的なことと言われてしまえばそれまでですが。
あと、「他の誰かの代わりでもコピーでもありません」とモノローグで祐一が言っているにも関わらず、最後の締めが「名前が誰かのコピーだろうとなんだろうと、そんなことはどうでもいい」というのはおかしい気がしました。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
生死に関する会話、無神経すぎます。物語とか、そういう以前の問題です。
「いつまでまでなら生きていられる?」「死んだ方がましな状態ですな」、実際にこんな言葉をやり取りするような状況かどうか、作者さん自身判断ができなかったのでしょうか。だって考えてみてください、姉の友人と名乗る見も知らぬ男から根掘り葉掘り詮索された挙句「で…いつまでまでなら生きていられる?」ですよ? 私が栞の立場なら間違いなく手が出ますね。
1回でもいいから完成した作品を読み直した方がいいと思いますよ。推敲していて何もおかしいと感じなかったというならばもう何も言うことはありません。

016 脱走と追跡のカノン (採点:1)
ええと、不条理ギャグの類でしょうか。こういう話は不条理であるからこその面白さがあるものだと思うのですが、残念ながらこの作品は「ただ不条理なだけ」でした。面白みが感じられない作品、しかも中編、正直に言ってしまうと最後まで読むのが苦痛でした。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:2)
……すみません、私には前衛的過ぎました。
「苦労するぞ?」とは作中の言葉ですが、名雪がそれを正しく認識しているとは私には思えませんでした。彼女が祐一の真実について思い悩む描写が不足していると思います。というかこの名雪、大らか過ぎ。

018 雪解け水 (採点:3)
話として何らおかしいところがあるわけではないにも関わらず、なんとなく釈然としませんでした。
基本線は原作をなぞりつつ、原作とは違った結果結末にする、試みはおもしろいのですが違和感を感じずにはいられませんでした。名雪なりあゆなりの心情描写が不足していたのが原因かもしれません。
それと私は最後の描写であゆが亡くなったと読み取りました。最後にあゆを殺す必要がどこかにあったのでしょうか。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
日本に狼は…… というツッコミを抜きにしても、ちょっと物足りませんでした。ジャンルを「ミステリー」としたならば、解答は必須だったと思います。なんと言うか、前後編物の前編だけを見せられたような印象でした。これでは評価しろという方が無茶です。
この一作をもってきちんと物語として完結させて欲しかったですね。残念です。

020 私の望み (採点:5)
良作だったと思います、後半の天野の反応が初々しくて、見ていて微笑ましかったです。前半の彼女はいくらなんでもニブ過ぎのような気がしましたが。なんだか古きよき時代のジャンプ漫画のような(笑
良い作品だとは思うのですが、やはりもう一山欲しかった気がします。ちょっとインパクト不足かもしれません。

021 想いの果てに (採点:1)
突飛な設定それ自体は嫌いではありません。ですが設定が突飛で非現実的であればあるほど、それを読者に納得させるのは難しくなっていくのだと思います。そういう意味で、この作品には説得力が足りていないように思いました。「法術だ」と言われてはいそうですかと信じる人はそういないと思いますし、ラストに何の伏線もなく師匠がでてきてめでたしめでたしもちょっと。
勘違いしないでいただきたいのですが、設定改変を否定しているわけではありません。説得力さえ伴っていれば構わないと思います。ただし、原作があっての二次創作ですから、それを逸脱するのはとても難しいことだと思います。

022 笑い声がきこえる (採点:6)
荒削りですが魅力ある作品だと感じました。アイデアそれ自体は秀逸で、読んでいて意表を突かれました。
残念な点は一点。「人間の心なんざ、持っちゃあいねえんだよ」と締めるにしては、真琴の犯行の動機が恋心という非常に人間くさい物であったことが物語りに一貫性を欠く要因になったと思います。

023 WA4 (採点:7)
面白かったです。とてもいい作品だと思いました。
惜しむらくはラストが少々物足りなかった点でしょうか。なんだか続き物を途中で切ってしまったような、そんな印象でした。美汐があまり物語に関わってこないのも残念です、前半の描写がすごく良かっただけに、もう少し話の核心に絡めてあげて欲しかった気がします。
本当にラストさえもう少し納得のいくものであれば、満点確実だったと思います、ちょっと残念です。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:6)
うーん、いい作品だったですし、本来ならもっと高い点数をつけたかったのですが……
ラストにちょっと興醒めしてしまいました。失礼を承知で言わせて貰いますが、ご自分の書かれた作品に酔ってらっしゃいませんか? 読者というのは作者が思っている以上に冷めているものです。
自分の父親と恋人の母親が以前不倫の関係にあった。確かにショックでしょうが、それだけで恋人のもとから去る決断をする要因になりえるでしょうか。香里の行動は少々理解できませんでした。
描写が非常に良くて好きな系統の話だっただけに、非常に残念な作品でした。

025 歩いて行こう (採点:6)
男同士の友情みたいな話は好きなので、楽しく読ませていただきました。
ちょっと祐一が完璧超人すぎる気もしましたけれどね。原作の彼からは少しイメージが離れすぎているように思いました。作者さんの願望がちょっぴり見え隠れして、その辺が少し気になったかな。もう少し等身大の祐一であれば、もっと作中の久瀬に共感できたと思いますので、その点は残念でした。

026 ステップ (採点:10)
非常に面白かったです。名雪と祐一の微笑ましいやり取りと秋子さんのハードな過去が無理なく展開されて、わくわくしながら読みました。設定に無理も無くしっかりと練られていて、違和感無く受け入れることができました。
難を言えば最後の最後、あの祐一の台詞ではイマイチ締まらないかなぁという気がしました。最後くらいはビシっと決めて欲しかった気がします。
それにしても作中の名雪、可愛かったですね、私もこういう名雪を書きたいなぁ。
最終的に9点にしようか迷ったのですが、なゆなゆの可愛さに+1点ということで(笑

027 ウエディングヴェール (採点:8)
いい話でした。ラストもビシッときまっていて、悲しい最後なのに不思議と納得できる作品だったと思います。
惜しむらくは複数のヒロインたちの会話を、安易に口癖で書き分けようとしていた点でしょうか。うぐぅうぐぅ言うあゆとえぅーえぅー言う栞にちょっと興醒めしました。作者さんの力量だったら口癖などに頼らずとも書き分けられたと思います。
作品それ自体はとても良い出来だっただけに、そういう些細な点が気になってしまったのは残念でした。

028 ”プレイ” (採点:10)
非常に面白かったです。
序盤で『佐祐理』が違うことはわかったのですが、それを逆手に取られた印象です、無論いい意味で。こういうラストに持ってくるとは思ってもみませんでした。完敗です。
祐一、北川、そして『佐祐理』の3人だけではなく、もう少し多角的な視点で物語を綴っても面白かったかもしれません。

029 最後の奇跡 (採点:5)
お話として、割合にありきたりな印象になってしまったのは勿体無かったと思います。
キャラクターの描写、会話の掛け合いなどは安定したレベルだっただけに、お話それ自体のありきたりさがマイナスになってしまっているように感じました。もう一ひねりあればもっと良作となりえた作品だと思います。

030 奇跡のかわりに (採点:8)
面白かったです。最初の何気ないやり取りをラストのラストに持ってくるあたり、お見事でした。
ちょっと設定に無理があるような気がしますけれど、読んでいる最中にはそんなに気にならなかったというのは作者さんの力量でしょう。変に湿っぽくならなかったのも、良い方向に作用しているように思います。
内容には関係ありませんが、キャラ名とジャンルが未記載なのは何かしらの意図があってのことでしょうか?

031 グッナイ (採点:4)
うーん、面白かったんですけれど。
どうもなんか文章がギクシャクした印象を拭えませんでした。会話文もそうですが、地の文が噛み合っていないというか、なんというか。
あと、結局何が書きたかったのかがよくわかりませんでした。オリキャラにもあまり存在意義を感じられませんでしたし。
雰囲気自体はすごく好きなんですけれど、ちょっと荒削り過ぎるというのが最終的な印象です。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:7)
面白かったです。魔物の一人称という難しい切り口を、よく消化できていると感じました。舞のシナリオは真面目に整合性をつけようとすると非常に難しいと思うのですが、違和感無く再構築できていると思います。ラストもいい感じでした。
ただやはり本編の再構築であり、文字通り先を知っている小説を読んでいる印象でした。少しくらい原作を逸脱しても、オリジナルの展開が欲しかった気がします。

033 エム (採点:2)
正直、オリキャラを出した必然性が感じられなかったのですが。この展開だったらユキである必要は無かったと思いますし、バードウォッチングクラブの他の面子も必要なかったでしょう。
ユキというキャラクターに関しては、印象が最後でがらりと変わってしまっているためイマイチよく掴めませんでした。序盤から積み上げてきた「ユキ」というキャラクター性をラストで作者さん自身でぶち壊してしまっていると思います。(しかもたった3行の地の文だけで)
ユキ以外のオリキャラに至っては読み終えた後に名前も思い出せませんでした。
二次創作小説においてオリジナルキャラクターを扱うのは非常に難しいと思いました。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
話は面白かったのですが、序盤での誤字脱字の多さが目立ちました。「舞い」は私もよくやってしまう変換ミスですが、さすがに連発されると気になりますね。もうちょっと推敲しましょうよ。
あと題材自体が割合にありきたりなので、どこかで見たような展開になってしまっているのが残念でした。登場人物が多い割に各々にあまり見せ場がないため、存在を薄く感じてしまいます。もう少し人数を絞って各人を深く掘り下げるようにした方が良かったかもしれません。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
うう、名雪が健気だ……
私がなゆなゆ好きだからでしょうか、作中のヒロインたるあゆよりもよほど名雪の方が印象に残りました。それだけに、名雪の描写がちょっぴり不満でしたね。
こういう話を書く場合、互いがどうやって心の区切りをつけるかが重要だと思うのですが、この作品の名雪はあまりにも割り切りが早くて、ちょっと拍子抜けしてしまいました。言うだけ言ったらさっぱりした的な心理はわかるのですが、少々描写不足のように思います。
それとヒロインたるあゆの可愛さを描写するのに、祐一の一人称で「かわいい」「抱きしめたい」と描写するのはあまりに安直かなぁ、とか。読者が読んでいて思わずそう思うくらいの描写があればよかったと思います。

037 美凪 (採点:2)
話それ自体は決して嫌いじゃないのですけれど。
前半、漢字を開いて子供の口調を表現しようとしている試みはわかりました、わかりましたが、今のままだとやはり読みづらいですね、カナを交えたり開く漢字を見直したりと工夫が必要だと思います。こういう文体はよほど推敲を重ねないと読みづらくなってしまうんですよね。
それと地の文の不統一が非常に目に付きました。断定調と丁寧語がなんの脈略もなく混在して、とても気になりました。
前半部がもう少し幼い子供の一人称を徹底できていたら、もっと面白い作品に仕上がったと思います。残念。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:4)
話自体は綺麗にまとまっていると思うのですが、少しパワー不足かな、と。
会話も地の文も短いセンテンスの連続で、一気に読ませるパワーみたいなものがあまり感じられませんでした。全体の印象として小さくまとまってしまっているかなという感じです。
ちょっと抽象的ですが、とりたてて指摘するほどの致命的な欠点が無いのに点数が低めなのは、そのあたりが原因ではないかなと思います。

039 幻実、そして星 (採点:3)
うーん。意外なオチも良かったですし、ラストもビシッと決まっているのですけれど……
オリキャラの彼が無個性というか、祐一とは口調が違うだけで行動までほとんど一緒だったので、存在価値がイマイチわからなかったです。ラストへの伏線だという事もわかりますし、確かに意外なオチではあったのですが、そこまで読んできた疑問というかありていに言ってしまえばオリキャラへの嫌悪感を全て払拭するほどでもなく。うーん、私がオリキャラ嫌いなのが原因なのかなぁ、やっぱり。
時々挿入される歌詞もなんだかちょっと…… 特に自分の知っている曲(しかもポップス)だと非常にカッコ悪い…というと失礼かもしれませんが…… せめて洋楽、童謡の類だけにしておけば良かったと思います。

040 楽園日記 (採点:9)
うん、面白かった。
あえて女性を一人も出さずこの4人というところに作者さんのポリシーみたいなものを感じました。
第三者的視点での描写も徹底されていて、読んでいて安心感みたいなものを感じました。あまり斉藤のことを表に出さなかったのがこの場合は完全に成功していると思います。
欲を言えば無人島の描写をもう少し詳細にしていればもっと臨場感みたいなものが出たのではないかなと思います。容量的にはもう少し余裕があったでしょうしね。
それでも面白かったです。良い作品でした。ただ、規約に従ってジャンルやキャラは記載しましょうよ(笑

041 また逢えたらいいね (採点:9)
うむー、面白かったです。
前半部分の会話が非常にテンポ良くてグイグイと読者を惹きこむパワーを感じました。タイムスリップの説明(勉強の苦手なガールズ用)には思わず笑ってしまいましたよ。
ラストも凄くいい感じで、冷静に考えてみるといろいろ不整合がありそうなんですけれどそんなことを考えるのは野暮だという気にさせてくれました。
惜しむらくはオリキャラの早緒里と香那衣にもう少し個性が欲しかったですね。一見個性的ですが、よく読むとまんま栞と香里のコピーであるような気がしました。香里の娘という設定であるので無理はないとは思うのですが、せっかくのオリキャラなのですから、ね。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:1)
原作のIFであるところの二次創作小説ってのは、極論してしまえば作者の願望がそのまま形になったものだと思います。そういう意味で「こうあってほしい」「こうあるべきだ」というのは二次創作の原動力であるわけですが、それがあまりにも極彩色だと見る者の目が眩んでしまうわけですね。
非常に目が眩みました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
上手い! 読み終えて最初に思った感想です。
コインとルーン文字のおまじないという小物を見事に物語に絡めていて、非常に上手さを感じました。
美汐と栞と名雪までもが可愛くて、読んでいて思わず頬が緩みましたよ。読み終えた後にはもう10点以外は考えられませんでした。お見事です。
コインの種明かしはもっと後までひっぱっても良かったかなという気はしましたが、そうすると冗長になったかもしれませんね。とりあえず、完敗です。

044 パンドラ (採点:10)
非常に面白かったです。美汐の心情描写がとても上手に書けていて、読んでいて惹き込まれました。
美汐だけでなく祐一もとても魅力的に書かれていましたし、オリキャラ(かな?)であるところの霞月もまた然り。私は個人的にオリキャラ嫌いなんですが、ぜんぜん気になりませんでした。
ラストもいい感じで、読後感に一役買っていますね。お見事でした。

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
話的にはもっと高い点をつけたかったのですが……
まず一点、話の流れからすれば端役に筆を割きすぎていると感じました。美汐のクラスメイト然り、ラブレターの主然り。彼女ら彼らに名前まで用意する必要があったのか疑問です。ちょっとお遊びが過ぎたという印象です。
それと話に一貫性がないと感じました。前半の美汐の描写から美汐を中心に据えて話を書きたいのかと思えば、後半の美汐の影の薄さ。前半と後半の印象がまったく違うものになってしまったのは、私がオリキャラ嫌いであることだけが要因でしょうか?
全体的な印象として、あれもこれもと詰め込みすぎているような気がします。美汐なら美汐一人に絞って話を進めて欲しかったように思います。

046 ホワイト・ミュージック (採点:8)
良作でした。ラストのエピローグもビシっと決まっていて、成長したあゆの姿が目に浮かぶようでした。こういう原作にない描写で読む者に違和感を感じさせないというのは、かなりの手腕だと思います。
あゆの癇癪の付近が、少し解りづらかったように思います。解りづらかったというよりも、動機がピンとこなかったという方が正確かもしれません。この辺はもう少し描写して欲しかった気がしました。

047 笑顔 (採点:3)
名雪と祐一の出会いのシーンは凄くよかったです。元気いっぱいの二人が目に浮かぶようでした。
ですが全体的に、少々荒削りが過ぎるように思います。特に栞と香里のパートは完全に蛇足のような気がしました、入れるのであればもう少し掘り下げて欲しかったです。
三点リーダーには拘る必要は無いと思いますが、中黒2つはやや見にくいですね。それと多用が過ぎるように思います。

048 走る少年少女達 (採点:1)
うーん……
まずは改行です。改行位置が一定していなかったため、非常に読みづらかったです。確かに横に読んでいくWebの形式は目が疲れますが、改行位置が一定していないくらいならブラウザ幅による自動改行に任せてしまった方が遥かにマシでした。
あとはジャムネタを最後まで引っ張ったのもお寒い限りでしたし、話の展開的にも非常に中途半端でした。

049 少年期 (採点:8)
面白かったです。当事者ではなく、第三者の北川くんの視点からという点がよかったです。また作中で結論を無理に出していないところにも好感が持てました。ちょっとやそっとじゃ解決するような問題でもないでしょうし、無理に結論を出そうとするとどうしてもこじつけめいた印象になってしまいそうですからね。
ですが第三者の北川くんの視点だからこそ、もう少し色んな面から突っ込んでもよかった気がします。男同士ですから祐一との接点が多くなるのはわかるのですが、香里だけではなく名雪とも何らかの接触が欲しかった気がしました。

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
ううん、素晴らしい作品ではあったと思うのですが。
原作の登場人物の死というのは二次創作小説にとっては劇薬だと思います。効果は絶大、けれど扱いをあやまると手痛いしっぺ返しを食らう。そういう意味で、この作品はその劇薬をうまく昇華していると思います。
それでもやっぱり副作用は出るもので、この作品ほど昇華したSSでも、やっぱり私的にはこの点数が限界でした。私は秋子さんも祐一も好きですから。どうせ2人を殺すのならば、もう少し効果的な用法があったのではないか、どうしてもそう思ってしまいます。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
なかなかテンポよく、すらすらと読み進めることができました。やっぱりコメディ系のSSに大事なのはテンポですね。
ただちょっとネタ的に思い切りスベっているものがあったり(SSコンペネタは白けました)オチがイマイチ弱かったりしたあたりが残念でした。
それと気になったのが改行でしょうか。改行位置が一定していないのでちょっと読みづらかったですね。短いセンテンスに区切るのはテンポのよさに一役買っていたのですが。

052 Give me a reason (採点:6)
とてもいい話だとおもうのですけれど。
ちょっとリアリティが不足しているような印象でした。医師である2人のお話でしたがもうちょっと専門的なお話をまぜても良かった気がします。専門用語を羅列するという意味ではなく、もうちょっといい意味で読者を煙に巻くような現実味が欲しかったですね。高校生で一人暮らし、恋人のために簡単に仕事を辞める、すぐに再就職先が見つかる、などなど、ちょっとご都合主義的なものが鼻につきました。雰囲気の良い作品であったために、このマイナスイメージは痛かったですね。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
うん、面白かったです。北川くんがちょとキャラ違うかな? という気もしますけれど、それを差し引いても非常に楽しく読ませていただきました。なんせなゆなゆが非常に可愛かったですからな。
私は自分がカップリングなんて気にしない人間だと思っていたのですが、やっぱ名雪には祐一だと思っていることをこの作品を読んで思い知りました。非常によくできた作品だっただけに、ちょっと悔しいと思ってしまいましたよ。
というわけで1点減点は非常に私的な感情によるものですので(笑 ごめんなさい。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:4)
うーん、私好みの話なのですけれど。
ちょっとなんというか、理由付けが大げさすぎるような気がしました。多面性の顕著といえば聞こえはいいですが、要するに作中の佐祐理さんも言っている通り、それは単なる甘えでしょう。そこまで解答を出していながら、なぜ「お前が悪いんじゃない」という結論になるのか理解できませんでした。動機も弱く、そんなことで多面性を持つようでは世の中二重人格者だらけですよきっと。
佐祐理さんの存在意義も疑問でした、彼女は久瀬に「甘えるな」と言うだけに登場したのでしょうか。
どうもテーマを上手くまとめきれていないという印象でした。残念です。

055 煌めきの欠片 (採点:3)
最初の丁寧語による状況説明から一行改行を入れただけで唐突に地の文が断定調になる。まずここで混乱しました。地の文の不統一は思った以上に読む気を削がれるものです。ここに限らず場面転換部分に十分な改行が入っていないため、読んでいて非常に混乱しました。
中盤から終盤にかけてはわくわくしながら読ませていただいたんですけれども、ちょっと唐突で突飛でしたね、設定もそこに至るまでの経緯も。もう少しじっくりと腰を据えた描写を心がけて欲しかったです。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:3)
雰囲気は嫌いじゃないんですけれど。
作中の祐一くんはどうしてここまで自虐的なのでしょうか? 読者としての勝手な見解ですけれど、読んでいてイライラしました。話のテンポが悪いことも相まって、ストレスを感じました。
雰囲気は決して悪くないと思うので、もう少し推敲を重ねて不要と判断した個所を削れば、もう少しテンポのいい作品になったのではないでしょうか。

057 移し火恋歌 (採点:10)
くわっ、これは敵わないな。自分の出展作と同ジャンルにこの作品があったことを恨みます(笑
結局最後まで交わらなかった2組、素晴らしい作品でした。文句無しに10点です、序盤こそ佐祐理の一人称に首をかしげたりしましたけれど、後半はそんなことぜんぜん気になりませんでした。
あえてイチャモンをつけるとすれば、祐一とあゆパートの崩壊が少々突飛過ぎたということでしょうか。サイズ的には余裕があったでしょうから、このあたりをもう少し書き込んで欲しかった気がします。

058 30℃ (採点:3)
「あれ? 終わり?」これが真っ先に感じた感想です。次のページ の表記がないか探してしまいましたよ。
全てを書かずに読者の想像に委ねるというのは一つの手法だと思いますが、これでは単に言葉足らずだと思います。結局何が書きたかったのかすら曖昧になってしまっている気がします。短編ではなくて中編なのですから、きちんと一つのエピソードとして完結させて欲しかったですね。残念。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
上手い! 完全に引っ掛けられましたよ、ちょっと反則なような気もしますけれど、「うわっ、やられた!」と思ってしまった時点で私の負けです。やられました。
こういうお遊びは大好きです。
冷静に読み返すと色々粗はありそうですけれど、それを言うのは野暮ってもんでしょう。ただちょっと状況的に解りづらいところがありましたので1点減点です。もうちょっと詳しく描写が欲しかった個所が何箇所かありました。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:2)
うーん、最初の方の雰囲気は好きなんですけれど。
御伽噺に現実味を持たせて雰囲気を壊してしまうことに意味はあるんでしょうか。荒唐無稽な設定はでも御伽噺であるからこそ独特の雰囲気を持って受け入れられるのだと思います。無理矢理に理由をつけてしまっては興醒めも甚だしいな、と、この作品を読んで感じました。
それとこれをジャンル的に「ダーク」とするのは何か間違っているような。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
うーん、面白かったは面白かったんですけれど。
前半の祐一と北川のやりとりがあまり面白くなかったです。笑えないギャグを延々聞かされている気分でした。ヤオイネタを引っ張りすぎです、ちょっと気分が悪くなりました。
後半はうって変わってよい雰囲気だったのですが、祐一に対する北川くんの意見は問題を先送りにしただけと言えなくもなく、いまいち納得できませんでしたね。それで納得する祐一も祐一ですが。
扱ったテーマに対するアプローチがいささかまずかったような気がしました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
面白かったです。医学的な部分に関しては、専門家が見ればおかしなところがあるかもしれません、ですが私のような素人を煙に巻ければ成功だと思います。その意味で、このSSは成功していると思いました。
内容的には10点をつけたかったのですが、第三者による伝聞の形が維持できていなかった点が気になりました。序盤は徹底されていましたし、終盤は半ばオリジナル部分でしたので気になりませんでした、ですが中盤は原作のストーリーをなぞった形であったため、違和感を感じました。祐一の一人称であった原作に引きずられてしまっていると思います。それだけが残念でした。

063 丘の子守唄 (採点:5)
いいお話だったと思うのですが、残念ながら尻切れトンボでがっかりしてしまいました。幕間を2つ書く余裕があるのなら、物語として完結させて欲しかったです。これでは原作のプロローグとしても体を為していないです。
辛口になってしまいましたが、話自体が非常にいい出来だっただけに、とても残念です。

064 面鉄の奥の恋 (採点:2)
「剣術」と「剣道」はまったく別物です。作品を読む限り、「剣道」のことを書きたかったみたいですが、もう少し下調べをして欲しかったなと感じました。「剣術」と記載があったため、最初は時代劇なのかと思ってしまいましたよ。
ちょっと設定に無理があるというか、現実味が不足している印象でした。舞の強さを速さに求めるのはいささか現実的ではないかな、と。剣道って、いっせーの、どん! で打ち合うものですからね、俊敏さってあんまり関係してこないような気がします。経験ないので憶測ですが。
上記は私の見当外れな感想かもしれませんが、読者にそういう見当外れの感想を抱かせてしまった時点で失敗のような気がします。

065 作品No.2「春」 (採点:10)
最高でした。15点くらいつけたい気分。
いろいろと言葉を重ねるのが無粋に思えてくるくらいの素晴らしい作品でした。笑わせるべき個所で笑わせられる、感動させるべき個所で感動させられるというのは、作者さんの力量の賜物でしょう。
この作品を読んだだけで、こんぺに参加してよかったと思えます。読者としても、作者としても。
素晴らしい作品をありがとうございました。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:2)
うーん、これはちょっと……
名雪で真琴シナリオというアイデアは面白いと思うのですが、いかんせん首を傾げてしまう個所が多すぎました。例えて言うなら狐のエピソードをすっかり削った真琴シナリオとでも言いましょうか、釈然としない物が多すぎて……
幼児退行している名雪は別の意味で痛々しくて見ていられませんでした。

067 風邪の一日 (採点:4)
ちょっと真琴が真琴らしくなかった気がします。それと名雪への呼称がさん付けだったりお姉ちゃんと言ってみたりと統一されておらず、気になりました。
後半、キャラを全員出した意図がよくわかりません。本当に端役扱いで数回しか台詞がないのであれば、出さない方がまだ良かったような気がします。全員のいる場面では台詞を書き分けるために口癖を安易に用いていますし、害になりこそすれ益にはなっていないと思うのですが。

068 名琴抄 (採点:7)
いいお話でした。
ですがあのまま名雪の葛藤に違う形で決着をつけて欲しかった気がします。これはこれで面白くはありましたが、なんというか、シャケのおにぎりが食べたくて買ってきたはいいがいざ食べてみたら梅だった、みたいな。梅味のおにぎりもそれはそれで美味しいのですが、やっぱりシャケ味が食べたかったな、と。
なんだかわけのわからん例えでごめんなさいね。

069 ふたつのねがい (採点:3)
童話調に統一された地の文が非常にいい雰囲気でした。徹底されているとこうも違うもんなんですね。
ただ話の展開的には冗長のように思いました。秋子さんと栞のパートはいらなかったのではないでしょうか。童話的な雰囲気を徹底したかったのかもしれませんが、逆効果だったように思います。
あと、あゆと北川くんの初対面の会話、なんかおかしいような気がするのですが。「秋子さん」ってしっかりと言ってませんか? あゆが。
雰囲気が良かっただけにちょっと残念すぎる作品だったと思います。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:2)
なんだかとても身に詰まされるお話でしたね(笑
冗談はさて置き、せっかく創作したオリジナルキャラクターなんですから、作者自身名前を間違えるのは可哀想だと思いますよ。他にもあった所々の誤字が気になりました。
それと佐祐理の内面を書くのならもっと徹底的に書いて欲しい気がしました。現状だとちょっと踏み込みが甘い気がします。

071 一緒に生きたい (採点:6)
序盤、あゆ絡みで祐一を殴りつけたあたりまでは非常に面白かったのですけれど…… どうして栞に話がシフトしてしまったのでしょうか。私としてはあゆの話一本に絞って欲しかったんですけれども。北川くんが非常に移り気の人間のように見えてしまいました。彼の待ちつづけた7年はもっと重いと思っていただけに。
なんだか君の望む永遠で遙を待ちきれずに水月に走ってしまった孝之くんを見ているようでした。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
後半の祐一と美汐のやりとり、非常に魅力的で惹き込まれました。それと何気なく出てきた一文、「真琴と別れてからの、日々だった」。これには負けました。さりげなく、ともすれば作者さん自身すら意図していなかった部分かもしれないのに、心打たれました。
減点の理由はやはり前半部でしょうか、正直に言うと前半部分は読み進めるのが苦痛でした、義務感で読んでいた感すらあります。「火照った頬を沈める」「ストリートキング」等の誤字が気になったのも、話に集中できていなかった(読者を集中させられなかった)という表れかもしれません。前半部、もう少し絞った方がよかったかも。
でも後半、とくにラスト付近のやりとりは、それを補って余りあるものがありました。面白かったです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:2)
ジャンルがコメディだったんで、期待してたんですけれど。
なんだか都合のいい部分だけコメディで押し通した感じがします。書いている間にどんどんシリアスになっていってしまって、とりあえず後半部分に思い出したようにコメディを…… 邪推100%ですが、読んだ印象はそんな感じでした。
もっとコメディで徹底していればまた感想も違ったものになったと思います。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:6)
良い作品でした。私は名雪好きなんで、点はちょっと辛目。
後半、ほとんど動きがなくて台詞の応酬のみで、ちょっと面白みに欠けました。台詞の内容も若干冗長だったように思います。テンポ的にちょっと停滞した印象でした。
タイトルがとってもセンスが良くて好きです。ただそれが内容に反映されていればもっと良かったように思いますが。

075 True story (採点:1)
うーん……
会話文主体のパートと地の文主体のパートを交互に、という狙いは悪くないと思うのですが、いかんせんどちらも読みづらく中途半端だったように思います。
特に酷かったのは地の文のパートで、「不可ませんよ」「喋喋喃喃」「汪汪」などなど、なぜわざわざ漢字を用いたのか理解に苦しむような表現が…… 対して会話のパートでは「フシギ」「ワカラナイ」など、なぜ漢字を用いなかったのか解らない表現、と、内容以前の問題が多すぎるように感じました。誤字脱字も割合に多かったですしね。
とにかく中編で長い文がそのままマイナス要因になっているような気すらしました。申し訳ないのですが最後まで読むの苦痛だったです。

076 夢の劇場 (採点:9)
面白かったです。正直、栞が死ぬお話は食傷気味だったのですが、この作品はそのシーンのインパクトが凄かった。「死にたくない」と繰り返す栞とその言葉に怯える香里が、ものすごいリアリティをもって迫ってきて、胸を突かれました。キャラクターを殺すのならここまでやらないと駄目ですね。
その場面があまりにも印象的だったためでしょうか、それ以降の場面を若干冗長と感じてしまったのは。1点減点はその部分に対してですが、決してクオリティ的に後半が劣っていたというわけではないので、私の好みだけの話なのかもしれません。
いい作品でした。ただタイトルはちょっとダサかったかな(笑

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
面白かったです。このタイトルとこのアイデアには脱帽です。騎馬戦とはなぁ。
私は名雪好きですが、この作品の名雪みたいに積極的なのもいい感じですね。原作とはだいぶ違いますが、違和感を感じずに読むことができました。祐一はちょっぴりカッコ悪かったですけれどね。
気になったのは、名雪の心情描写がまったくなかったため、彼女が何を考えているのかイマイチ読み切れなかったことでしょうか。結局最後までうやむやにされてしまったような印象でした。結論を出すまでは書かなくてもよかったと思いますが、もう少し描写して欲しかった気がします。

078 「dearest」 (採点:7)
面白かったです。花言葉とはいささかベタでしたが、この作品には合っているように感じました。
短文の連続も読みやすさに一役買っていた気がします。ですが時々思い出したように入る香里の心情描写が少々詩的すぎですね。もうちょっと飾らない言葉で心情を語って欲しかった気がします。
それと名雪をあっさりと諦めさせたのですから、北川くんもあえて玉砕させることはなかったのではないかと思いました。彼なりのケジメは理解できるのですが、少々彼には酷かなと。彼の心情描写もありませんでしたし、あっさりと流された印象でした。

○京一 さん

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:9)
最高です。
まあ、途中の展開が切れていたのは容量の限界とのことですが、そこだけ減点です。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
いい感じのラブ・ストーリーですね。久々に見ましたよ。


○荒野草途伸 さん

002 鈴の音よ再び (採点:4)
内容的には、完全に短編にふさわしいものですね。若しくは、長編の第1話。
中編にはより物語性が求められます。ムダな改行が入っていたり、サイズを切りつめる余地はいくらでもあるのだから、短編で出した方がよろしかったのでは?

003 お泊まりパニック! (採点:3)
何か、特に笑えるところもなかったし。ギャグで中編に挑んだ心意気は買いますが、その心意気も空回り、ってとこですか・・・・

004 The regret (採点:4)
今ひとつベタというか、ひねりがないと言うか、起伏がないと言うか。作りは悪くないんですけどね。

005 プライベート・ハンター (採点:1)
話の筋としてもいまいちだし、書き方も散逸的で、あまり楽しく読めなかったです。

006 「日課」 (採点:2)
なんかというか、メモ書きをそのまんま連ねたような。頭の中に浮かんだシナリオをひねりもなく書いているだけという気がします。この言い方は反発を買うでしょうが、「読むのは疲れました」。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:8)
何というか。凄まじいまでの妄想SSというか。実はこれこそがKanonSSの本流なのだとか。しかし仮にも公の、しかも若くて健康な男子が大勢いるであろうこの場にこの様なものを持ち出してきていいものだろうかという疑問というか葛藤もあるわけで。私が葛藤してもしょうがないのだけど。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:1)
カレーというのはですね。色んなスパイスが組み合わさって調和して、初めていい味になるんですよ。どれか一種類の味だけが目立つようじゃ、それはおいしくないですよ。
このSSは、カレーに関する描写ばかりが目立って、あんまりおいしくないですね。
それと、詐欺は良くないですよ。味以前の問題ですよ。香里×北川ものなら、ちゃんとそう書いてください。騙し討ちにあった気分です。

011 残酷な代償のHappiness (採点:7)
いい話なんですけど、結末がこれではちょっと弱いかなあ・・・・? という気がします。
最後に別れるか、祐一が事実を知るか、どちらかの描写が欲しかったところですね。たぶんそれだけでけっこう分量食うでしょうけど。

013 Conservation for Love (採点:5)
まあ、そこそこよめました。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
Kanonの模写、楽しかったですか?
いや、これは模写とすら言えない代物だと思うけど。

016 脱走と追跡のカノン (採点:7)
なんというか。たのしかったです、ええ。でも何か、何か納得いかないような・・・いえ決して悪い意味ではなく

023 WA4 (採点:7)
いい話なんだけど・・・美汐との繋がりというか、何故美汐なのかということがいまいちよくわからなかったです。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
日本語は割としっかりしているのですが、KanonのSSという気がしません。どうも、オリジナル作品を、こんぺがあるからということでキャラクターの名前を入れ替えただけじゃないかという印象を受けますが、どうですか?
あと、こんぺの趣旨からはずれますが、オリジナルとしてみた場合でも決していい作品ではありません。内容がありきたりで、後半の展開がわかりづらい。そのくせ文章だけはやたらカッコつけたものになっている。典型例が、最後の英文。誰を対象に書いているつもりなんですか? 大半の読者は英文なんて読めません。英語の歌とか、途中に小道具として使うならともかく。一番大事なラストシーンに読めない言語を使うなんて、ちょっと感覚が麻痺してませんか?

025 歩いて行こう (採点:4)
うーん、それなりにおもしろいんだけど。何かご都合主義の塊というか、どっかで見たような話というか。矛盾点数多しというか。
というかKanonじゃないですよ。少なくとも、相沢祐一という男は、ここまでかっこいい男じゃない。

028 ”プレイ” (採点:5)
ラスト無しですか・・・・。惜しいですね。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
正直に言って、補完SSの時代はとっくに終わったと思っていました。が、私が甘かったようです。
魔物=まい の視点で描いたSSは、非常に新鮮でした。

037 美凪 (採点:3)
何でまた美凪なんですか・・・・・?

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:1)
ハア? なんじゃこりゃ。何がどうなったのか、さっぱりわからんのだけど。
まず、北川がらしくないですね。オフィシャルの設定はご存じですか? それと、香里が北川を呼び出した意図が不明確です。あと、あゆと北川の関係が描写不十分で、相関図すら描けやしない。
一体何が書きたかったのですか。これでは、香里ファンにケンカ売ってそれでおしまいですよ?

039 幻実、そして星 (採点:1)
まんま、そのまんまKanonのコピーじゃないですか。祐一が勝馬と言うエヴァンゲリオンからパクったような少年になっただけで。もうちょっと自分の頭で創作というモノをしてくださいよ。

040 楽園日記 (採点:10)
なんというか、スタンドバイミーというか、15少年漂流記というか。さわやかな青春ものを丁寧にまとめきってあって、すばらしいと思いました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
一部栞の口調が名雪っぽいところがありましたが。でも、全体としてキャラがすごく生き生きとしていて、殆ど違和感無く恋物語を楽しめました。名雪の行動が、心憎いまでの演出ですね。

048 走る少年少女達 (採点:3)
とりあえず、軽い乗りで割とさくさく読めました。が、「久瀬SS」と銘打って前半妙に説明ぜりふかまわしておきながら、後半は完全に祐一&北川のお話になってしまっているのは、いかがなものかと。あと、美汐は人との繋がりを経っているはず、という基本設定は完全無視ですか?

049 少年期 (採点:6)
そうですねえ、ストーリー性はありますが。締めに至っていないのは、良くないと思います。中編なんだし、容量不足って事はないですよね。時間切れですか?
あと、未成年がお酒のんじゃいけません。あなたが未成年かどうかは知りませんが、何故これが禁止されているかの判断がつかないようなら、例え二十歳以上でも未成年と同じです。ここはSSの評価の場なので、これによる減点は1点に留めますが、機会があったらあなたのことは問いつめておきたいところです。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:10)
いやもう、壊れですね。パーフェクトに壊れですね。誰一人まともな人間なんていません。
しかも、何となく癒し系の風が吹いてるなぁこのお話ぃとか思ってたら、いきなりこんぺネタで猛毒仕掛けてくるし。もう、最高。本気で、このSSが一位になってほしい、と願っています。万一取れないようなことがあったら、代わりに私が荒野草途伸サイン入り古新聞を進呈します。
え、いらない? あ、そう。

052 Give me a reason (採点:1)
日本語はしっかりしてるんですけど、なんかあんまりいい話と思えないんですよね。何でかなー何でかなーと思ったら、軽いんですよ。話全体が。
栞の病状とか、香里の抱えていたはずの惨めな心境とか、あまりにも扱いが軽々しすぎると思いません? 千紗穂も、数日で死ぬような難病の人間が、何で入退院を繰り返すんですか。 医学書のプレゼントも、まるで患者の人生を強制しているみたいですし。しかもそのプレゼントは、過去に誰かにあげたものを取り上げたものと来てる。
登場人物の行動一つ一つを、ちゃんと検証し熟考しながら書いてますか? あなたはきっと、読者を感動させようと狙っていたのだと思いますけど。こんな安物の話に感動するほど、読者は甘くありませんよ。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
なんというか。ついに書いてくれた! というか。ついに書かれてしまった! と言うべきか。
話のテンポも小気味良いリズム感があるし、伏線もよく効いてます。始めから終わりまで、全くストレスを感じることなく読めました。いやもう、ありがとう、ありがとう。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:4)
未成年の喫煙が違法であることを認知した上で、且つそれに対する反感を微妙に表現したかった、ということなのでしょうか。そういうことならば、そこははっきり書くべきではなかったでしょうかvb

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:5)
うーん、何というか。起伏の伏ばっかりで、ちょっと読みづらかった感があります。結末も、まあ悪くはないんだけど、だから何と言ってしまえばそれまでという気も。
あと、「世の中には男以上に有能な女性もいる」という表現がありますが、これは「世の中一般の女性は男より無能である」とも受け取れます。あまりよろしくないですね。

058 30℃ (採点:1)
これでおしまい? 続きは? ないの? なんで?

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
うーん、何かすごく異論の出そうな作品ですねえ。確かにSFなんですけど、どっちかというとむしろ夢世界描写に近いような印象を受けました。ちょっと難解かな・・・・。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:3)
二次創作に毒されすぎです。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:5)
雑誌記事形式の表現、豊富な医学知識の引用など、目新しい部分は評価出来ます。が、肝心の「KanonSSとしての面白さ」という点では、かなりの疑問符が付きます。栞シナリオでは、香里は最後の段階で栞を受け入れたはずですよね? それをいつまでも拒絶したままということにしたのは何故か。また、美坂栞に関するルポ形式であるにもかかわらず、ルポが最後まで終わっていない。祐一が香里を説得したところで終わってしまっている。詳細なシーンはともかく、「手術が行われた」ということぐらいは、表記すべきだったでしょう。エピローグから推測させる、なんて事で横着せずに。

064 面鉄の奥の恋 (採点:10)
これぞまさにSideStory、って感じですね。独創性ある物語の中に、微妙に絡んでくるKanon本編のエピソード。そしてオリキャラの緻密な心理描写。いや、感服しました。

068 名琴抄 (採点:9)
幻想的な雰囲気たっぷりで、基本的にはいい話なんですけど。最後が、ちょっと急展開過ぎてついていけないかなあ。と言うより、解釈の幅が広すぎる、とでも言うのかな。いやそうではなく、Kanon本編との摺り合わせが難しいというか・・・
うーん、難しい作品ですね。

069 ふたつのねがい (採点:6)
童話のよう、と言うか童話なのかな。栞パートがちょっと冗長な気がしました。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:4)
ごめんなさい、趣味と合わなかったです。

071 一緒に生きたい (採点:1)
手を広げすぎですよ、もう。いろいろ書きたいのは解るけど、一つの話に何でもかんでも詰め込んだら、わけわかんなくなるのは当然でしょう? これじゃ、いたずらにあゆファン栞ファンから反発買うだけですよ。
あゆの話、栞の話。それぞれ分けて書けば、あなたはきっと良いものを書けたと思います。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:2)
戦闘シーンって、話の内容を水増ししているようで嫌いなんですよね。この話は、辛うじて水ではない作品、としか言いようがない。
それと、アナザーストーリーを書きたいなら、徹底的に独自の世界観を出してください。人物設定だけ借りれば良いんです。中途半端にKanonの世界観を持ってきたら、まるでそれを破壊するために話を書いているような印象を受けます。

075 True story (採点:1)
つまらんの一言では済ませられませんねこれは。最初に祐一のおかしな一人語りさせて、2章でいきなり台詞だけになったかとおもったら、今度は3人称。内容もとびとびというか、断片的。話の流れとか主題とか何も解ったものじゃない。主人公は一体だれ? 
敢えて批判を覚悟で言えば、統合失調症患者の書いたような文章。こんなの読みたくない。我々は医者やカウンセラーじゃないんですよ。

076 夢の劇場 (採点:10)
んーっ。文句なしに10点です。よくもまあこれだけ作り込めるもんだと、嫉妬の気分でいっぱいです。
とりあえず、一番適切な言葉は「お疲れ様」でしょうか?

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:1)
話の筋自体は、なかなか面白いと思います。が、キャラクターの特徴が、どうも作者の中でカスタマイズされてしまっているみたいですね。栞と名雪の行動に、ちょっと違和感を覚えます。理由ある行動なら、その辺をもう少し掘り下げていただきたかったかと。
それと。香里が、最初から北川に気があったかのような結末になっていますよね。それ自体も良くないことですが、話の初めの方でそういう記述も全然無かったのに、あとから心情をすり替えてしまっているというのは、作りとしてもどうかと。

078 「dearest」 (採点:9)
話の展開が段を踏んでいくようによくわかって、中編という枠を最大限に活用しているなという感じがしました。
難を言えば、祐一から香里に告白したこと。いえ、これ自体発想が斬新でいいのですが、それだったら祐一の心境の変化ももう少し描写が欲しかったな、と。栞も、この内容だけではちょっと、あっさりあきらめすぎですしね。

○香坂幸広 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
文章は面白いと思いますが、「アゲハ蝶」の曲調とマッチしていません。

また、内面描写が哲学的っぽく、それが長く続いてしまうため全体的に起伏が感じられず、とても平易に思えます。
あと、extended と Paragraph の文体、文長が似ているので混同しやすく、読みづらいです。
全体の緩急、構成、読みやすさ、などでマイナスが積み重なりました。
中篇部門の長さにしてしまったことで冗長になりすぎている、というほうが正しいかもしれません。

002 鈴の音よ再び (採点:4)
哀切。
ちと、展開が早すぎますが、まあ、全体のリズムは悪くなかったと思います。
ただ、オチが簡単に読めるので、途中から飛ばし気味に読んでしまいました。
もっと引き込む文章力がないと、この手の話は難しいのではないでしょうか?

003 お泊まりパニック! (採点:6)
所々に笑える部分があるものの、ギャグというからにはもっと壊れて欲しかった。
ただ、笑ってしまったのは事実なのでプラス1点

004 The regret (採点:7)
こういうファンタジーは好きです。
祐一と北川の友情の書き方が好感触でした。
中盤、盛り上がりのシーンをもっと上手くかけてれば、あと1点は追加したかと。
残念なのは、こうやって北川を殺さないと、この作品のテーマがかけなかったのか、という疑問が湧いてしまったことと、香里の北川に対する答えの台詞があっさりしすぎていたことです。

005 プライベート・ハンター (採点:6)
厳しいけど、この長さでは後半の急展開がきつかったです。
ただ、舞と魔物は玩具と電池の関係という解釈に、感心しました。

006 「日課」 (採点:8)
青春モノ、いいですね。
どっちかっていうと香里には北川を当てたい人なんですが、
こんな情けなくてかっこいいフラレ方は北川ならではって感じで、いいです。
色恋に当てられても、結局は歪まない仲間ってのもいいですね。
べた褒めですが、これで名雪がかんできてたら9点でした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:4)
うーん……途中まではよかったんですが。
後半、秋子さんが小悪魔からただの飢えた人に成り下がっていたので、減点です。
# やっぱ、秋子さんはもっと巧妙に祐一をいじってくれないと(笑

008 激辛 (採点:10)
やー。真琴が可愛い。一生懸命でけなげでちょっとおバカなのがいい。
真琴を加えた水瀬家の温かい空気が伝わってくるようで、いい。

脳裏にビジョンが描かれっぱなしでした。

10点を差し上げたい!

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:7)
ううん…不思議な魅力です。
本編自体の整合性から考えたら、えらく違和感がありますが、それはまあご愛嬌。
いわゆるハーレムへの布石なんですが、なんでこんなにほのぼの? ってくらいにほのぼのしてますね。

最後の部分が、とてもいいと思いました。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:9)
北川と香里を組ませると、こう、Kanon らしくない普通の恋愛になりますね。


011 残酷な代償のHappiness (採点:8)
あゆが純粋すぎて、痛いくらいですね。
さいごのわがまま、そして、さいごのことば。


012 空っぽのテクスト (採点:5)
ありきたりで、いささか強引な設定ですが文章力と構成力のおかげで読めるものになってます。
ただ、これは Kanon の SS なので、本編中のクライマックスの重さと、「奇跡」の価値を考えると、ちょっと納得がいきません。(あゆの奇跡は、命の代償でもあるかもしれませんが、それを起こした「想い」の価値は、それだけだとは思えない…)

013 Conservation for Love (採点:1)
美汐の計略に気づきませんでした(苦笑
作者は「読者への挑戦」のつもりでしょうが、「気づかなかった読者は愚物とみなさせていただく」と言われる筋合いがあるほど、上手い文章ではありません。
# こういうやり方は、読者に「やられた!」と思わせない限り、馬鹿にされてるとしか感じ取れません。
ギャグも笑いどころがなく、読了後に不快感だけが残りました。

014 おまえの名前 (採点:4)
オリキャラは題材が弱いですね。
個人的には好きなんですが、Kanon の SS である必然性に疑問を感じて、マイナス1点です。

015 『雪の日の決意』 (採点:4)

えーと、趣旨が見えませんでした。

016 脱走と追跡のカノン (採点:6)
や、細部は面白いんですが、オチがちょっとありきたりでした。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:3)
if ものですが、どうも設定を生かしきれていないような。
クライマックスの部分、別にこの設定じゃなくてもかけますよね?

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
続き物?

020 私の望み (採点:6)
美汐の鈍さがなんともいい感じで。
ただ、真琴は可哀想かなあ。

021 想いの果てに (採点:2)
設定が突飛なわりに、読ませる地力が……

022 笑い声がきこえる (採点:8)
あー、構成力に脱帽です。
狐の変化と、心の狂う過程の書き方がダークで…や、怖いSSです。

023 WA4 (採点:4)
ん?
終わり方が中途半端で…というか、これって続き物ですか?

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
ん〜。
良いんですが、架空の劇中劇っていうところが、どうも(^^;

025 歩いて行こう (採点:5)
や、久瀬をこういう風にからめるとは。
もうちっと、祐一の過去にリアリティが感じられればいいんですけどねぇ。

026 ステップ (採点:4)
話がまとまりきってないですね。制限があるので仕方がないのかも知れませんが、中途半端で切れてしまっているようで惜しい。

027 ウエディングヴェール (採点:4)
ちょっと、劇中のとある登場人物がオチで野放しになってるのがイヤなので。

028 ”プレイ” (採点:2)


029 最後の奇跡 (採点:4)
祐一が、一時的にしろ名雪のことを忘れてしまうのは、ちょっと自分の感性とずれるなあと。

030 奇跡のかわりに (採点:6)
設定が上手いなあ、と。
確かに香里は謎だらけの女ですよね(^^;

031 グッナイ (採点:4)
秋子さんについて、もっと思い切った突っ込み方が欲しかったです。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:5)
可もなく、不可もなく。
SSのお手本のような設定で、文章も丁寧。さらに綺麗にまとまっています。
ただ、全体の印象として綺麗にまとまりすぎて、こぢんまりとしてしまったのかな?


033 エム (採点:7)
「ゆき」がなんとも言えず可愛らしいので2点プラスです(笑


034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
悪くはないんですが、後半説明的過ぎてて閉口しました。

035 復讐という名の代償行為 (採点:6)
や、ダークですな。

039 幻実、そして星 (採点:4)
オリキャラが割と没個性なので、物語が平易です。

040 楽園日記 (採点:7)
や、ここまで物理的に女性キャラが関わらない設定とは(笑
みんなで絶叫して飛び込むくだりなんか、「ぼくら」シリーズのようで(^^;
面白かったです。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
ちょっとしたことで、運命は転がり始める。
オチがなんとも嬉しく、優しかったです。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:6)
や、平手打ちですんだのは行幸でしょう(w

044 パンドラ (採点:7)
ありがちなネタですが、そのセンスにプラス2点

046 ホワイト・ミュージック (採点:3)
文章が達者な割りに、構成力が弱く、会話や話の流れに唐突さを感じる。
また、クッキーの存在が弱く、この筋であれば前半の行は冗長。

047 笑顔 (採点:3)
香里のモノローグが冗長であること。
同種のSSが多い中で、特に目だった部分がないこと。
全体的に読ませる力がなく、どうしても流し読みになってしまうこと。
丁寧ですが、あらが目立ちます

078 「dearest」 (採点:7)
まあ、花言葉自体は諸説紛々というところがあるので、仕方がないとは思いますが。
ネタ的に、あまり新鮮味がない…と思います。
話自体は面白いんですけどね。
ありきたりなネタを読ませきった力にプラス2点。


○黒鯖寿司 さん

022 笑い声がきこえる (採点:8)
どんでん返しと猟奇描写の美しさに引き込まれました。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
栞と早緒里のかけあいが楽しいです。ラストが見事です。

076 夢の劇場 (採点:9)
香里・栞・あゆの悲痛な心情が伝わってきました。

○殺陣倉 さん

008 激辛 (採点:5)
地獄ラーメンみたいなランクだな……>ルー×50

真琴と水瀬一家の繋がりの深さとその微妙さを再認識させるSSだったと

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
香里らしい、ちょっと素直でない彼女がかいま見れましたねぇ。カレーと栞の組み合わせ、北川の微妙な位置関係とか。しかし、一年近く我慢した挙句、やっと友達からってのも北川憐れ(苦笑)じらす女美坂香里。

013 Conservation for Love (採点:10)
くう、全然知らない格闘家の名前が出てきた。なんか、悔しい(ぉ

みるだけで省エネに詳しくなりそうな、ためになるSSでありました。美汐ねぇの暗黒面もかいま見れましたし(笑

○雫雪 さん

058 30℃ (採点:10)
すこしミステリアスな要素もあり読んでいて引き込まれていく感じで
時間を忘れて読めました。

○七瀬ユウジ さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
規定ギリギリの表現ですね(w。
スラスラと読めたのはよかったです。 10/21 11:30

014 おまえの名前 (採点:5)
>「ねえママ?、秋子かあさん?」
秋子かあさんですか。ここはうまいと思いました。 10/16 13:10

015 『雪の日の決意』 (採点:4)
展開が荒すぎます。序盤の水瀬家の風景の存在意味がわかりません。
なんというか、栞・香里のssだったら
中盤以降をもっと掘り下げたほうが良かったと感じました。
今後の精進を期待いたします。 10/16 13:35

016 脱走と追跡のカノン (採点:8)
なんか、むちゃくちゃな展開でしたが、楽しめました。 10/17 20:25

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:7)
女になるというssはけっこうありますが、
性同一性障害というのはめずらしいですね。
展開に無理はなく、よく調べられていると感じました。 10/16 17:50

021 想いの果てに (採点:5)
展開が荒いです、作り込めていない感じが否定できません。
ぶっちゃけて言うと、この長さで書く設定の話ではないと思いました。
祐一が法術を取得している理由。 舞と佐佑理が入院している理由。
最後の場所にあそこを選んだわけ。(最後のは読者の想像に任せられないことも無いですが)
この辺が書かれていないので、話に深く入り込めないです。

あと、(これは個人的なんですが、)「法術」ってのが不満です。
どうしても、「Air」と繋がってしまうため、違和感がぬぐえませんでした。

批判的感想で申し訳ないんですが、
非常に読みやすかっただけにもったいない印象をもったので、書かせて頂きました。
もしも、改訂版を出されるのでしたら読んでみたいです。 10/22 19:50

022 笑い声がきこえる (採点:8)
中途半端なギャグよりもこういうのがいいですね。
(あまり好んで書かれない分野だからオリジナリティが出しやすいと言う点も挙げられますが…)

良く考えられた設定だと感心しました。
文章も読みやすかったですし、
中盤の(話の)どんでんがえしには、「おお…」と感心しました。

読み損ねなくてよかったです。 10/27 17:40

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
最後の英語どうなんでしょうか?
私は英語苦手なんで分かりませんが、
ネット上の翻訳ツールを使った限り、変換できないスペルがあるんですが… 10/17 14:35

026 ステップ (採点:5)
最初の事故のシーンはそこまで描写しなくてもよかったのでは…、
あれだけで「即ダメ」にされる可能性もありますし…。 10/18 16:50

029 最後の奇跡 (採点:4)
展開が強引で無理があると思います。
老衰とか病死以外で臨終に立ち会えるとは思えないんですが…。
あゆの葛藤がちゃんと書けてるところは評価できますね。10/11 13:00

033 エム (採点:7)
ゆきの年齢がいまいち固まってない気がします。
でも、ゆきの葛藤がよく描けていたと感じました。
ラストはもうちょっと掘り進んで欲しかった。 10/11 20:50

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
個人的に終わり方で +2点です。
(多分、人によっては「ふざけるな」と叩かれるだろうな…)
確かに全てが謎のままで全然解決になっておらず、不親切なつくりですが、
私は十分楽しかった(わくわくしたと言ったほうが正しいのかな)ので、OKです。
あと、読みやすかったですし。 10/15 22:25

037 美凪 (採点:5)
一つ疑問が、なぜ「Airの美凪」を用いたのか?
その理由はあるんでしょうか? 10/20 00:35

040 楽園日記 (採点:9)
文章がうまいです。飽きることなくスラスラと読めたのは好感が持てました。
あと、キャラが上手く動いてますね。面白かったです。 10/19 23:50

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:6)
久瀬が気づいたのに、
秋子さんが気づかないはずがないと思うんですが… 10/17 20:05

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
小道具・脇役がいい感じで生きたと思います。
(名雪はかわいそうでしたが…) 10/27 14:45

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
序盤はいい感じだったのに…
>約一時間前までの記憶を失っており、…
これは都合がよすぎると思います。
覚えておいたら面倒だからと言って、記憶を消すのはやや安直な手法ですね。

で、中盤以降の再開のシーンのセリフが説明臭すぎますね。
こうなってくると、序盤の良かったストーリーが霞んでしまいました。
今後の精進を期待致します。10/10 20:00

048 走る少年少女達 (採点:6)
設定を生かしきって無い感じを受けました。
もっと、面白くできるはずです。頑張って下さい。 10/11 16:45

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
ぶっちゃけの部分は笑ってしまいました。
落ちがちょっと弱かったのが残念です。 10/16 14:50

057 移し火恋歌 (採点:8)
何と言うか、読み終わった後の自分の気持ちが微妙です。
舞の最後のセリフは何を暗示しているのか、続きはどうなるのか、
気になるところがやや残ってますが、
これは読者で補完してくれってことですかね。 10/11 14:45

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:6)
うーん、抽象的で幻想的で詩のような話ですねぇ…。
採点がむずかしい… 10/18 17:30

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
すばらしい!!
ドキュメンタリー調の独自性から始め、
(それが作者の勝手に作ったものであっても、)医学的な根拠と
それにまつわる動機付け。
話の長さ的にも最適ですし、全てにおいて突込みどころがないです。

このような ss を読めたことを心より嬉しく思います。 10/15 23:25

063 丘の子守唄 (採点:7)
美汐の兄が出てくる話は初めて読みました。
最後は削られたのでしょうか、不満ですね。
子狐を探しに行った結果まではせめて書いて欲しかったです。 10/17 19:00

067 風邪の一日 (採点:8)
意外な伏線(クーラー)に関心しました。 10/22 20:50

072 彼と彼女のフォークロア (採点:5)
「時化る」→「湿気る」だと思いますが…。 10/22 18:35

075 True story (採点:5)
序盤、やけに地の文が回りくどくて、読みにくかったです。
誤字もやや目立ちますし…。 10/19 22:10

076 夢の劇場 (採点:7)
アナザーストーリーしてはよくまとまっていたと思います。
(最後はちょっと不満ですが。)
一つ気になったのは、地の文に統一感がないことです。
作者の視点なのか栞の視点なのかが、いまいちわからず、
ちょっと戸惑ってしまいました。 10/15 22:00

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
もうちょっと戦闘の様子がしっかり書かれているとよかったかなと思いました。
(具体的には臨場感・迫力がもうちょと欲しいかなと…。
 文句言うだけは簡単なんですけどね、いざ実現は難しいかな…)


○七瀬友紀 さん

013 Conservation for Love (採点:9)
ヘビのような美汐さんが素敵です。
ぜひ、日本を支える柱になってください。

040 楽園日記 (採点:9)
KanonSSで女子を出さないという、その強烈な雄度に惚れました。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
笑えます。泣けます。大好きです。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
北川くん萌え〜。

○呪 さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
・・こりゃもう笑うしかないですね〜(爆)

020 私の望み (採点:3)
か・・かゆすぎる(笑)

040 楽園日記 (採点:4)
男達の友情と結束力が良い感じでした

○樹崎雅之 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:10)
一読では決して読みきれない徹底した凝った文章に、その裏に生まれる「読みにくさ」さえも吹き飛んでしまいました。

読みにくければ本来は10点は付けないのですが、
読みにくいからこそ、「人間」久瀬の姿がくっきりと心に残りました。

○十七夜 さん

002 鈴の音よ再び (採点:1)
最後の間は一体・・・

004 The regret (採点:10)
最後の「もちろんだ。親友」に惚れました。

006 「日課」 (採点:9)
誰か北川の事を好きな奴を出してくれると、とても美味しい作品になったのに・・・。
と、未練がましい判定を下す奴。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
据え膳食わぬは何とやら

008 激辛 (採点:6)
人妻上等

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:10)
栞は手強かった。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
実に『華麗』な文章をありがとう。
本当に『華麗』な文章ありがとう。
・・・・親父ギャグって素晴らしい。

013 Conservation for Love (採点:8)
母は強し

014 おまえの名前 (採点:2)
オリキャラが出てる所為か、カノンの二次創作で有るという雰囲気が無かったですね。


015 『雪の日の決意』 (採点:1)
『。』が何故無いのだろう・・・。
何処が見せ場なのだろう・・・。
伏線残ってるなー・・・。
という感想で、ごめん。

016 脱走と追跡のカノン (採点:2)
途中で断念しました。
長い故のデメリット。それはだれやすい。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
あゆは論外なストーリーも良いかも・・・

019 FILE EPISODE 0 (採点:3)
消化しない伏線と、「」の最後に何故。を付けるのかを聞きたいよーな。

020 私の望み (採点:7)
色々と間が欲しい所は有ったけども、上手い。
次回作とか有ったら読みたいですねー。

028 ”プレイ” (採点:3)
正直に、判りませんでした。
書き方とかは良かったんだけどね。

029 最後の奇跡 (採点:6)
帰ってきた祐一。(感想、違う

○諸葛量 さん

021 想いの果てに (採点:1)
だから、クロスオーバーさせるなとあれほど言ったのに…
注意文も読めない人が、人に物を読ませようとしても無駄です


022 笑い声がきこえる (採点:8)
だ、大どんでん返しだ、だ。
こ、こ、これは怖いね。
終わり方は、どうなんだろう?

023 WA4 (採点:4)
美汐の話かと思いきや名雪メイン。
美汐の危うさうんぬんの話が解消されていないけど、名雪メインだからいいのか

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
新幹線でいくような場所(祐一の実家)にどうやったら車で偶然通りかかるのか。
『またあえるよね』 別に祐一がずっと実家に戻るわけじゃないのにこんなこと言うのか。
矛盾と言うか、説明不足というか。
最後の英文で減点しました。読めないから。

025 歩いて行こう (採点:2)
最初の久瀬の一人称は好みでした。
そのあとのノリはちょっと…

026 ステップ (採点:4)
だのに、惜しいミスですな。見直しはしっかりと。
秋子さんが若いのはそういうわけか。

○少年M さん

040 楽園日記 (採点:10)
ヒロインがまったくでないという展開も新鮮でよかった。
妙に生活力のあるところとか、久瀬の弱さを見せたところとか、見所は多々あったと思う。
普段はあまり使われることのないキャラをかなり有効に使えていて、完成度は高いと思った。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
北川がかっこよかった。
男の友情をうまく表現できていたと思う。
心理描写もうまかった。

○焼豆腐 さん

004 The regret (採点:3)
話の構成上、北川が死ぬことの必然性がわかりませんでした。

005 プライベート・ハンター (採点:4)
悪くは無いのですが。インパクトに欠けました。結局名雪のボイス目覚ましネタと同じく、テープレコーダに録音された告白にのたうち回る祐一を書きたかっただけの様な。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
若年層向け妄想用SSってとこでしょうか。本心から言えばこういうネタは嫌いではないです。いやむしろ好きなのですが(w、SSこんぺとして考えたときには点を入れることが出来ませんでした。残念。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
ハーレム状態というのはギャグなら面白いと思います。誰かといちゃつくと他のキャラが嫉妬して、そちらを取り繕っておろおろとかね。でもそうでないならKanon本編より非現実的な設定ではありませんか?

012 空っぽのテクスト (採点:5)
本編自体を否定することにもなってしまうのですが、今にも死ぬ人間が普通に外を出歩いているというシチュエーションはやっぱり変です。本編は最初にあったものですから許容せざるを得ませんが、これと違った結末、または違った流れでなければ二次創作にあるべき付加価値を生み出すことは出来ないのではないでしょうか。全体的に台詞とかは良かっただけに残念です。

013 Conservation for Love (採点:3)
タイトル下の台詞にもニヤリとしたし、前半の省エネ指導を終えるまでは良かったのですが、後半一気におかしくなっていませんか? もうちょっと違う話の展開とオチが出来たように感じます。

014 おまえの名前 (採点:5)
そういう名前を付けられたということを逆手に取って話を構成しているのは良いと思います。でもやっぱり、誰かと同じ名前は無神経だと思いますね。逆にその名前が自分にとって重要だからこそ、自分の子供には同じ名前をつけられないのではと思いますよ。だから個人的には同じ名前ネタは素直に入り込めません。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
どういう世界を描きたかったのかが伝わってきませんでした。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:5)
テーマの重さに対して語り足りないような気がします。まったく駄目ではないけれど熟成不足というのでしょうか。部分としては悪くなくても、全体としての説得力に乏しいです。だから、子供時代よりさらに葛藤が深くなるであろう思春期について、もっと掘り下げて欲しかったのに意外とあっさりだとか、この街に来たのがわずか十数日か前なのに、北川や香里と随分と長い友人であったかのように理解しあっているとか、名雪自身も簡単に『事実』を受け入れすぎているのでは?などの点が気になってしまいました。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
え〜と、終わってませんよね?

020 私の望み (採点:3)
美汐がという訳ではなく、一般的にそういうことに鈍いキャラ設定はあり得ると思うのですが、それならそれでもう少し表現の仕方があると思います。プレゼントをそういうものにしたいがために、プレゼントを準備しなかったという演出も変。アルコールや不純異性交遊は、大人になってから(w

021 想いの果てに (採点:2)
まず、読み辛いです。次に、無理矢理オールスターキャストにする必要はないと思われます。同じベタな展開でも、誰か一人に絞るだけで多少は物語の厚みを出すことが出来たのではないかと思います。逆に言えば、厚みを出すことが出来ないから全員を出さざるを得なかったのかもしれません。物語に対してどうすれば厚みを増やすことが出来るのか、他のSSや多くの本を読まれることをお薦めします。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
キツイっす。でも読ませられてしまいました。タイトルにこだわったからかもしれませんが、秋子さんの笑い声は蛇足だったかもしれません。

023 WA4 (採点:3)
過労の設定があまりに突拍子過ぎて、台無しにしてるように思えます。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:2)
全体的に設定や描写における現実感が薄いように感じました。

025 歩いて行こう (採点:2)
十人に囲まれた喧嘩とか、水瀬グループだとか、設定が重みが感じられません。物語の深さというものは、大げさな設定で作られるものではないと思います。

026 ステップ (採点:3)
終わらせ方がちょっと足りないですかね。

027 ウエディングヴェール (採点:4)
何故真琴が死ぬ必要があるのか? その必然性が理解できませんでした。途中まではいい流れだなと思っていただけに残念です。

029 最後の奇跡 (採点:2)
全体的にちょっと文章を作り慣れていないのではという印象を持ちました。ラストも最初からミエミエですし。さすがに死んでから生き返ったのでは「奇跡」を越えて「嘘」になってしまうと思いますよ。

030 奇跡のかわりに (採点:2)
まず、ノリについて行けませんでした。
変なデートの描写を続けるより、消えていく香里をモノローグでなく、皆との絡みの中でもっと語るべきだったのでは?

033 エム (採点:9)
面白いです。二人の「ゆき」の成長が上手く描かれていると思います。北川はいかにもちょい役で友情出演ってところでしょうか。あえて言うならば、坂井というキャラクターの位置付けとその行動が少し浮いていた(説明不足だった)かもしれません。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
久瀬と舞が、一弥が死ぬ前の佐祐理を知っていたのか?という疑問が残った事も含めて、元に戻ったという佐祐理のキャラクターがちょっと掴めませんでした。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
穴が各所に見受けられるのと、何故そうなったのかという明確な理由が欲しいと思ったので。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:2)
せめて少しくらいはひねりを入れて欲しいと、良い意味で読者を裏切って欲しいと思います。

037 美凪 (採点:7)
人気テレビアニメの主題歌を歌う二人は可愛くていいですね。ただ、空から降って来るお菓子の伏線は、どうしてもダブりやすいものなので。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
なんかベタなドラマだなと思っていたら、そう落としますか。見事にやられました(w

039 幻実、そして星 (採点:5)
文章は読み易かったのですが、新しい何かを感じる部分がなかったのが残念です。

041 また逢えたらいいね (採点:5)
全体として構成の整理が済んでいない様な印象を受けました。また、作者が情景を語るという表現がもっとあっても良かったのではないでしょうか。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:2)
祐一をかっこ良く描くのに次期社長なんてベタな肩書きは要らないんです。アイドルや弁護士でも、そんなものはただの記号に過ぎません。設定というものは必要ですが、物語に実際の深みを与えるのは個々のキャラの話す言葉やその行動です。だから自分が知らない世界を無理に背伸びして表現しても、浅すぎて読み手を引き入れることは出来ません。自分が良く知っている世界の範囲で表現できる事というのがきっとあると思います。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
いいです。好きです。こういう話。栞や名雪がでしゃばらずに上手く使われていると思います。栞のバレバレキューピッドや、嫉妬する名雪もけして悪くないです。終わり方も非常に綺麗だし。
ゲームセンターで嬉しそうにコインを作っている栞や、ふえていくわかめをじっと凝視する美汐、怒りながらショートケーキを食べている名雪(百花屋でなだめる香里を前にイチゴサンデーをやけ食いする名雪でもいいかも)などの、直接には表現されていないシーンが幾つも想像されます。つまりそれだけ一つのストーリーとしてよくまとまっているのだと。


044 パンドラ (採点:8)
非常に綺麗だと思います。飴玉が宝物というのも子供心として適切だし、タイトルについて下手に本文中で触れなかったのもいい選択です。ただ、同じテーマを扱う作品が少なくないだけに、新規性に関してはどうしても微妙になってしまいます。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
単独でも良い様な二つの話を、無理矢理に前後でくっつけてしまったように思えるのですが。

050 鮮やかなモノクローム (採点:3)
個人的な好みだけで言えば、二次創作のようなもので救われない人の死を扱うのはちょっと。全体としては説明の蛇足が多く見られたように思います。ここで作者が捕捉しよう!みたいに。また、高校生にしてはすれ過ぎている様な、祐一の性的な趣味の描写も必要とも思えませんでした。作品のテーマを横道にそらしてしまうだけでしょう。ギャグとそうでない物で使うべき表現はおのずと違いますから。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:3)
キャラ上手く壊れてますか? 壊し方のセンスがちょっと合いませんでした。特にSSこんぺがどうこうという部分はいただけません。ああいうのは本編が十分に成り立っていて初めて光る内輪受けかと。

052 Give me a reason (採点:7)
ちょっと北川が出来過ぎかと。終始完璧過ぎるキャラは逆に親近感が薄くなってしまいます。ゴルフクラブを磨いている院長もちょっと別世界って感じです。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
少し本来の名雪の性格とは違うかなと思いつつ、実は北川や香里から見た名雪ってこうなのかもしれないと考えたら、凄く素直にストーリーに入って行けました。下手にキスなどさせずに、ほのぼの〜って感じがいいです。ただエピローグにおいて、北川だけ浪人となりいちゃつく二人というシーンを書きたいがために、無理矢理北川を受験日に盲腸にしてしまったように見えたので、それはやりすぎかなと思ってこの点です。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:2)
これ誰? という印象が最後まで拭えませんでした。

057 移し火恋歌 (採点:3)
ダークな雰囲気だけは伝わってきたのですが、作品全体としては非常にあいまいでした。ダークだからこそ、キャラの行動や起きた現象に明確で納得のいく理由付けが必要なはずです。佐祐理達と祐一達の話が2つ必要な理由も良くわかりませんでした。

058 30℃ (採点:5)
香里×北川の会話はいいのですけどね。安易に不幸を演出する、交通事故って設定が本当に必要だったか疑問です。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
作品の狙い通りしっかり騙されたわけですが、ラストを知った上でもう一度読んでみるとさすがにちょっとやり過ぎな表現がありますね。でも読者に対する良い意味での裏切りは心地良いものです。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:7)
正直悩みました。この雰囲気はかなり嫌いじゃないです。でも話としては矛盾だらけでオチてない。いや、おとぎ話としてはオトす必要は無いのでは? でも、うさぎが北川である理由が判らないし。客観的に見ると……てな葛藤をした挙句、結局は第一印象を優先することにしました。私はたぶん好きです。こういうの。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:3)
名雪の妊娠も含めて、全体的にちょっと品が無いように思えます。なにを狙って妊娠した設定にしたかったのでしょうか。北川は初体験だのなんだので、祐一達に置いてけぼりにされそうだから香里に告白しようと思ったのだとしたら、それはあまりに情けないのでは? いや若い男の感情としては判らなくもないけど、ギャグでもない限り読んでいて面白いネタではないと思います。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
最初にぱっと見て志保が使われていて、きちんと読むまでネタ系かと思ってました。しかし、ど真中の直球に弱い私は、完全にやられました。果たして志保が語る必要があるのかと問うことは出来ます。でも、本文中の記述や参考文献の体裁まで含めて、意図的にこういう形にこだわったのだと受け取りました。行間や文体まで含めて一つの作品です。ありだと思います。後半の盛り上がりについては、ベタすれすれでラインをはみ出しそうな所も無きにしも非ずですが、実は恥ずかしいほどの熱さが心地良かったりもします。

063 丘の子守唄 (採点:3)
続きのある第一話というようにしか読めませんでした。趣旨として、長編の第一話としてどうかという評価は無いはずですので。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
こういう視点で書かれると、いかにもSSって感じでいいですね。

065 作品No.2「春」 (採点:8)
撮影中の美汐の壊れ具合がイイです(w ただ祐一×美汐については、我が子を見に来た若夫婦という視点でもう少し弄っても良かったかなと感じました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:8)
美汐が可愛くていいです。でもちょっとだけ冗長というか、少し硬いというか。ひょっとすると、物腰の上品な(w 美汐の一人称だからこその表現なのかもしれませんが。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
これもありかな(w 楽しめましたよ。

075 True story (採点:2)
無駄に一言多い説明。延々と台詞だけで表現される会話。落ちないストーリー。せめて描きたいものをもっと絞られた方が良いと思います。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
途中まで非常に良かったのですが、名雪の行動、香里の勝負宣言あたりから、あれれという感じになってしまいました。最後が北川×香里なら主となるのはこっちで、名雪や栞の話はあくまでも従であるべきだったのでは、もっと多くメインの香里や北川の心の動きがあっても良かったかと思います。スパイスをかけすぎて、せっかくの元の味が薄れてしまったように感じました。

078 「dearest」 (採点:5)
香里の心境の変化が飛びすぎでは? 気になるけど……から自分の気持ちに気づいて位なら判るけれど、突然熱愛のような高みにまでは行かないでしょう。香里の感情について、最初もしくは最後の設定の置き方に無理があると思います。

○上海沢蟹 さん

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
何気ない日常、それでいて夢の中にいるような、そんな感覚を受けました。
小さな喜びと、二人の中にあるいろんな思いが、ナチュラルに描かれていてとてもよかったです。
言うことなしです。本当に。

○織田 信秀 さん

004 The regret (採点:9)
北川かっこいいですね。
私はあまり祐一×香里は好きではないんですが…
こういう感じならいいかな、と思いました。
ただ、北川の幽霊の出現がやや唐突に感じられました。
長さの制限で仕方のないことかもしれませんけど。
そんなかんじです。

058 30℃ (採点:10)
包丁で豆腐をさくさくっと切るような(笑)理知的な文章ですね。
感服いたしました。非常に新鮮でした。
北川と香里の関係もべたべたしたもんじゃなくて
「喧嘩友達」ってスタンスが貫かれてて好感がもてました。


○神代 悠 さん

026 ステップ (採点:2)
二つの時間軸の間に余り関連が見られませんでした。
……ちょっと肩透かしかなぁ。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
最高、です。早緒里のキャラが凄く自然で可愛いですね。
栞と香里の優しさもしっかり伝わってきました。文句なし、満点です。


○神八 さん

004 The regret (採点:8)
北川が消えるシーンが
切なくてよっかたです。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:9)
こういうのもありかなと思いました。
みんなすごいかわいかったです(特に佐祐理さんが)
雰囲気もよかったです。
やはりほのぼの系はいいですね。

012 空っぽのテクスト (採点:8)
栞が凄くうまく描かれてた思いました。
「カーテンの隙間から射す月明かりに照らされた栞は」
らへんのところは,凄くきれいで情景がはっきりみえた
ような気がしました。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:9)
魔物になった4人のまいと
残されたまいがすごい切なかったです。
特に他の4人が消えて行くときの
まいのセリフがすごい切なくて
心にしみました。

033 エム (採点:8)
6つに分けてあったので凄い読みやすかったです。
野鳥観察会に向かってるときの
祐一と舞のやりとりもよかったです。
ただ、幸の魔物がでる理由が少し弱い気がしましたが
あんまり思い理由になるよりよかったと思います。


036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
自分の気にし過ぎかもしれませんが
「うぐぅ」を使い過ぎのような気がしました。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:10)
ホテルでの
佐祐理さんと祐一のやりとりが
凄いよかったです。

044 パンドラ (採点:8)
ラストの美汐と霞月の会話が
ぐっときました。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
すっごいおもしろかったです。
組み合わせがすごい新鮮でしたし、
話の展開もすごいうまいと思いました。
北川が告白してからのふたりのやりとりが
すごいいい雰囲気でドキドキしました。
終わり方もうまいと思いました。
短編も合わせて自分の中では
五指にはいるおもしろさでした。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:9)
終盤の祐一と老人のやりとりと舞とのやりとり、
そしてなによりラストのモノローグは
すごい好きなのです。
ただ、祐一が佐祐理さんを
少し嫌っているような表現が嫌でした。
あと佐祐理さんがなんとゆうか
あまりよくなかったです。

063 丘の子守唄 (採点:8)
オリキャラがいいかんじでした。
あと、所々にある佐祐理さんらしき人の
描写もよかったです。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:9)
舞がすごくかっこよかっです。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
祐一と美汐の切ない想いがうまく
描かれていると思いました。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
「二人で祐一と結婚すればいい」
らへんからすごいうけました。

祐一が結婚を誓うシーンも
よかったです。

○水秋 さん

004 The regret (採点:9)
うまく言葉にできないけれど、
読み終わって清々しい気分になりました。
この二人の友情、とっても爽やかですね

006 「日課」 (採点:10)
この北川君、すごいと思いました。
一番北川らしい!と思った作品です。
自分は泣きたいはずなのに、他人に悲しさを見せない。
素晴らしい!僕的には10点です。

040 楽園日記 (採点:9)
読んでて、こんな友情、いいなぁ
って思いました♪

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:6)
北川や久瀬が良かったです。
最後を、もう少し深く書いて欲しかったです。

049 少年期 (採点:8)
北川くんの人を思いやる気持ち。
とてもうまく書けているとおもいました。


052 Give me a reason (採点:10)
この北川くんには脱帽です。
かっこ良いです。ほんっとに!
文句無しです、10点ですっ

058 30℃ (採点:7)
最後の香里の笑うところ。
あれ、すごーく可愛いと思いました。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:5)
深くて良いお話だと思いますが、
北川が何故ウサギなのかよくわかりませんでした。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
二人の友情がとても良いと感じました。
なんか、あったかかったです。

071 一緒に生きたい (採点:10)
こーゆー北川が見たかった!
カッコいいです、感動です♪

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
読み終えて、一番あたたかく感じた作品です。
ひとつひとつの言葉が、とてもきれいだと思いました。
文句無しです。今回の、僕的1番の作品。
10点以上つけたい作品です♪

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
北川君、カッコ良かったです!
欲を言えば祐一との戦いが観たかったなぁ

○水色 さん

006 「日課」 (採点:8)
いいです!! 凄く『北川』を表現できてると思いました。
Kanonにおける主人公、変人『祐一』と、あくまでサブの一般人『北川』との対比が上手く書けていたと思います。あまり熱くならない文章も良い。
ちょっと行間があき過ぎなのが気になったかな? や、テンポは良いんですけどね。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
何がしたいんだ秋子さん…。
漢の作品。ありがとうございました。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
光源氏ですね。それにしてはあまりに個性のない女性たちですが…。
ひとつのネタを8個に分散させていることが気になりますね。結局のところ、一人一人が言ってることは同じですし、そう最後でしめているのですから、誰か一人に絞って短編にする方が良かったと思います。出涸らしの紅茶を飲んだような印象。

025 歩いて行こう (採点:3)
中学生日記。それ以上でも以下でもないです。

050 鮮やかなモノクローム (採点:4)
淡々とした雰囲気が良かった。でも、話が飛びすぎてよく分からなかったかな。その他にも中だるみでだれるし、無理につなげたような部分も気になった。やっぱり短編であっさりとまとめた方が良かったと思います。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:8)
面白かった〜。思わず声が出ちゃいました。
久瀬がいい味出してます。ていうかこの久瀬に惚れました!!

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:9)
爽やか。燃えました。あくまでバーニングのほうで。くううーっとなりました。
あー名雪かわいい!! そんで北川のヘタレっぷりもいい!! いやあホントに部屋中転げまわりましたよ。
評としては、やっぱりキャラが上手く書けてると思います。もしオリジナルもしてらっしゃるならぜひとも読みたいです。ありがとうございました。

068 名琴抄 (採点:10)
最高です。大げさじゃなく俺がネットで読んだ小説の中で最高のうちのひとつでした。いやぁ…、本当に言葉がないです。
凄く綺麗で物悲しいファンタジーでした。悲劇が約束されたストーリーでの、本当に冬の凍りつきそうな青空での終幕。ああ、もう本当に凄い。150キロ台のフォークを投げ込まれた気分です。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
面白かったです。紙飛行機というアイテムが、ものみの丘という場所の幻想的な雰囲気をさらに引き立たせていました。それになんといっても美汐がかわいい!!

ただ、一つ気になったのは、後半『魔法』という言葉を連発しているところです。それが、本来『魔法』というものが持っている神秘的な雰囲気を壊していました。その部分でマイナス1点。
しかし、その他は文句の付け所が無いです。可愛くて切ない。どうもありがとうございました!

○水無月 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:1)
中途半端にちょうど良く纏まってるって感じですね。
ちょい詩的な臭いがするんですけども……どうにもダメなのは読みにくいってので、読んでいる最中に必ずつっかえてしまうんですよ。
それが狙いだったのなら、見事に外れたことになりますけども……やっぱり文をやりすぎてる感じがしました。


○酔狂 さん

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
> いかん、秋子さんの美貌に見取れていた。
すでに顔でない場所に視線が行っていたようでしたが(笑)

スクロールバーが半分まで行ってないのに、既にお色気全開でどうしようかと
思いました(何を)が、そのままのテンションでリミットブレイクしてしまうとは。
まさに神をも恐れぬ所業。
エロコメばんざ〜い
ばんざ〜い
ばんざ〜い

しかし、スレスレですのぅ。

008 激辛 (採点:8)
>「今日の晩御飯は、真琴が作る!」
のあとにタイトル見て吹きました(笑)

真琴には、まずみぞおちストレートから始めていただきたかったです。
冗談はさておき、丁寧で楽しい文章が「ほのぼのの鑑!」なSSでした。
秋子さんとの会話がいいですね。
二人らしい会話で、ちゃんと真琴の話をしていて……
秋子さんエロコメの次に読んだので、ピロのオチには本気でだまされますた。

あったかほのぼのでした。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
女性には叩かれそうなSS(笑)
ある場所までは、ふつーにまたーりと楽しく読んでいたのですが、

>「……でも、だから祐一さんが好きなんだ、というと、ちょっと違います。」

そうなんですよねえ。
Kanonってやたらに派手で運命的(笑)な話ばっかりだから、
これを書くのが難しくて。
ちきしょう、本編はずりーよな! とか。
と、ちょっと素に戻ってしまいました。職業病です。

理由なんか無いんだけど。
無いです。と言うわけにもいかないし。
言葉なんか要らないんだけど。
意思は必ずそこにあるものだし。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:7)
> しかも、夕食はカレーだなんて!!
じんみんかいぎ〜〜〜〜っ!

開き直りましたね?
しかしなぜにカレー(笑)
そしてジャンルは「香里 ラブ」。
ていうか、少しは迷彩かけてください(人のことは言えない)。
面白すぎます。
もうだめだ、実は腹抱えて笑ってます(笑)

はー。

笑い終えました。

展開も文章も面白くて、楽しく読めました。
もっとも自分的には、周縁的な所から一歩踏み出した感じの香里よりも、
舞台の中央でぎゅんぎゅん回ってる栞に萌えてしまいますた。
自分が最後に「変わった」のは、いつだったかな……

香里が自身の輪郭を認めるシリアスな展開を、栞がカレーを食べるユーモラスな
展開に重ねることで、重くなりすぎないニュートラルな雰囲気へ持って行きつつ、
「変化」というシンプルなテーマを上手く定義しています。

ただ、ちょっと浮かび上がってこない部分もあったように感じました。
香里の初期状態(ひどい言い方)の説明が、常に雰囲気作りから入るスタイルから
少し浮いたおざなりな扱いになっていることと、後は二段オチのせいかなと思いました。

二段オチになっていることと、「甘いカレーを作る」という行為が、自分を変え
ようとする香里の決意であることが、ストーリーから読み取りにくくなっている
ことと、ラストに三行まとめが入っちゃってることは、無関係ではないかと。
もちろん、あのまとめには、敢えてサービスの意図もあるのだと思いますが。

その分、キャラクタの行動とか心情とか、あるいは世界観そのものが、
なかなかの萌え具合(笑)ですね。
カットバック多用の状況設定段階から、既に気配がありましたが、
栞の節でそれが爆発する感じです。
そしてカレー対決。
「合意と見てよろしいですね!」

とにかくカレーが面白かったです。娯楽性抜群。やられた!

013 Conservation for Love (採点:7)
企業戦士ヤマザキは結構好きですた。
コミック・バンチはいつまで生き残るのだろう。

いやー、笑いました。ラストの痛烈な断ち切り方も笑えました。
美汐すげーと思ったら、美汐母がもっとすげーし(笑)

放熱の世界は厳しいのです。Dual Athlon使いの苦労を思い知れぃ!

030 奇跡のかわりに (採点:5)
白みじゅぎ〜(バカ
途中までは、うえーそんなネタですか。とか思っていたのですが、
北川の
>「オレはさ、やっぱり香里って人は知らない……だけど、お前が真剣だってことは分かる」
という台詞で、かなり復活。

底意地の悪い見方をすれば、彼らは香里がいない日常を肯定したということ
なのですね。そもそもの始めから香里が幻の存在であったとするならば、
確かにそういうストーリーでも成り立つと思うのですが、
そうした部分の説明が定着しきっていなかった気がします。
ある程度は時間をかけているんですけれども……。

本編との対比から、あゆや舞のシナリオを再考させられました。
Kanon SSとしての価値は間違いなくあると思います。
でも、香里の存在を振り捨ててしまうことは、例えばあゆや名雪との過去を
忘れてしまうことと同値なのではないかとも思いました。今の自分に必要か
そうでないかという観点で世界を切り取ってしまうことは、oneやKanonの
精神の逆を行っているようにも思えます。
祐一が覚えていることが若干の救いにはなっているのですが。

031 グッナイ (採点:8)
すっごいクール。でもってほのぼの。
素晴らしいですー(>▽<)G
真琴も秋子も両方いいのですが、特に真琴の描写が好きです。

真琴はバックグラウンドが薄い(薄いってこた無いんですが)とこがあって、
こういうマターリ空間に放り込んだときに滲み出るものがあんまり無いんですよね。
それでもこのSSでは、秋子さんの独白や、喧嘩を前にしたときの態度とか、
名雪と秋子を比べたりする態度から、彼女の出自や、本編の頃から一歩成長して、
順応しようとする様子がきちんと読み取れて嬉しかったです。

秋子は、なずなとの関係が曖昧なのが、少し残念でした。曖昧なのは秋子の認識
であって、作品としては単に隠してるだけなのですが。
近いような遠いような、ドライなようでウェットなようで、不思議な関係です。
ラスト、寂しさから電話したというのが、上手い落とし方だなあと素直に喜べました。
彼女との関係や、このSS自体が「ブリッジみたいな」もの、なのかも知れません。
他人の家の喧嘩なんか見せられて、何だかなぁ、な旅行でもあったけど、
絆は静かに結ばれていて。

それと、

>秋子の夫、つまり名雪の父はいなかったが、名雪は大して気にしてはいなかった。
>ずっとそうだったのだから、人から言われでもしない限り、そうだったと気が付く事もない。

とか、

>二十年のズレの蓄積なのか、元から、性格が食い違っていたのか。もう、忘れた。

とかの、細かく作りこまれた現実感、距離感の人物造形が、また好きです。
こういう切り離し方、せんといかんですよねー。

ほのぼのながら、むちゃくちゃ内容の濃いSSでした。
オリキャラの使い方が幾分ご都合な嫌いもあるように感じますが、反面、
無理矢理な絡め方もありませんし、SSの方向性には合っていると思いました。
それより、この話でこれほど深くキャラクタに踏み込みながら、ゆっくりした
リズムを失わない筆力に参りました。
この絶妙なだらだら感(いい意味で)がすばらすぃ。

040 楽園日記 (採点:8)
面白い!
ネタも話も面白いです。
作品としての完成度と丁寧さで言ったら20点ぐらい差し上げたいところ。

うーん、何と言えばいいのか良く分かりません。ごめんなさい。
多分、長編の一部にこのエピソードが入っていたら、こりゃすげぇ! と
思ったんじゃないかと思います。
でも、高々50KBの枠なのに、タイトル前後を読んだだけで内容がほとんど
予測できてしまうと、も少しパンチが欲しかったなーとか贅沢なことを
考えてしまいました。内容的には、この設定でこれ以上踏み込むことは無理
だと思うのですけれど。

現実感あるんだか無いんだか分からない「無人島」の雰囲気が、
いかにも十五少年漂流記か、ロビンソン・クルーソーかという感じです。
相沢北川コンビの傍若無人っぷりに笑い、四人のナチュラルなやり取り
を楽しみました。その実体は久瀬君の成長物語なのですが、斉藤君の日記
という視点だと上手く埋もれてていい感じ。
つうか祐一、楽しすぎます。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
30点ぐらい差し上げたい。
秋山節マンセー (ひょっとして意識されていなかったらごめんなさい)
是非、1位取ってください。

余りのことにひっくり返ってしまいました。素晴らしすぎです。
強烈なツカミから息もつかせぬ展開、ウィット溢れる会話、ライトなノリと、
ちょっとセンチなくすぐり、ほんの少しの苦みと、そして爽やかなエンディング、
も一つおまけに甘いタイトル。
もう全てがマンセー。
ええいどうしてくれましょう。この気持ちを伝えて回りたい。

早緒里が「戻った」世界とエピローグ世界が違うのも、渋くて好きです。
夢と現実、みたいなところにも落とせて、とても綺麗です。

個人的にすごいなと思ったのは、この速度の中でスピードコントロール
をしっかり、しかも急ハンドル急加減速でなく、やってのけていることです。
タイムスリップ直後から栞と出会う前とか、元の時代に戻ってからの
一瞬のクールダウンとか。
特に後者は、家族3人の意識の刷り合わせをきちんと書き込んでいて、
その上でもう一度、盛り上げるという細かい芝居になっていて、
この作品で一番自覚的というか技巧的というか、どちらかといえば長編に近い
バランス感覚で作られているシーンじゃないかと思いました。
このノリで爆速進行してたら、普通かっ飛ばしちゃいそうです。

あとは、タイトルの、
>「また逢えたらいいね」
この出し方も絶妙ですね。ここしかない、という場所で。
埋もれさせ方もまた絶品。てか、かなり笑いました。
いいですねー。いいんですよね、本当。読んでいて嬉しくなりました。

そしてまあ、文体なんですが。何でこんなの書けますかー(苦笑涙)
も、いいです。
悲しくなってきたから。
……今、私の中に何かどす黒いものが……


>「また逢えたね」

そして、しっかりとKanonのど真ん中に着地。
もう何も言えません。
つか、どうだ、二次創作はまだまだやれるんだと叫びたいです。

某Hさんは、この後の3行要らないと言うんですが、どうでしょうねー。
個人的には、栞が香里にそれを伝えるという行為にも、やっぱり未来を
分岐させるぐらいの力があるような気がします。

ごちそうさまでした。ありがとうございました。


――やはりグレッグ・イーガンに秋山節を修行してもらうしか。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
み、美汐。電波すれすれです(笑)
しかもルーンをそらで書きますか。

文章が楽しくて、わくわくしながら読めました。
ふえるわかめと縁側の将棋が素晴らしい(笑)
ラブコメマンセーです。

044 パンドラ (採点:9)
らーーーーーぶーーーーーーー

と、にこにこ邪悪に笑っていたら。
ラスト。
……やられました。
こーれーはずるいです! 泣きます!

上手い人はいっぱいいるんですねぇ。
勉強になりました。

克明に描かれた、祐一の人知れぬ努力が、何とも言えずヒロイックで良いです。
彼の熱意が、オルゴールと共に、変わることを恐れた美汐の気持ちも開いて
しまったわけで、つまりこの話は一大ナンパSSであったと(笑)
……途中までは実際にもそう思っていたのですが、ラストでどかんと来ました。うう。

叙述も、よほど時間かけたのではないでしょうか。
鋭い言葉や、練り上げられた文がそこかしこに見つかりました。
ただ、後半はちょっとスピード感に負けていたかもしれません。

しかし、何と言っても
> もうすぐ、霞月のもとに、空からお菓子が降ってくる。
これですねー。
燃えます。アツいです。

歯切れのいいリズムを持った、統制された文章と、どこか明るさを保ち続ける
内容と、そして何よりもミームがどこからか受け継がれていくことを祝って(謎)

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
叙述がとにかく上手いです。格好いいとはこういうことさ。
力の抜き入れのバランスも丁寧です。シーンへのアプローチもまた。
ここまで技術が磨き上げられていると、迷彩のかけようもありませんね。

変わってしまうもの。変えられないもの。伝えなければならないもの。
perfectとの戦い。雪と死がもたらす完全さ、重さ。
深く根付いて、わずかな距離を永遠に変えてしまうもの。
いつか見た夢のため、遥かな哀しみに負けないため、
あなたは * それ * を運び続けることができるだろうか。

やっぱり神、ということで基本的には10点なのですが、
二点だけ、どうかなーと思うことがありました。

まずは、仮託するものが、クッキーと壷の二つになっている点です。
どっちかに比重が傾いていればオッケーだと思うのですが、
シンメトリックに同じモノを二つ並べてしまうと、オチの結晶度が
どうしても甘くなってしまうように思います。
コミュニケートが核にあるので、二つ必要なのはagreeなのですが……
というか、そもそもホワイト・ミュージックへの繋がりが忘れられてしまうような。


もう一つは殆ど言いがかりです。

> どうにも眠れない夜、まっくらな部屋でCDラジカセのスイッチを
>入れたときの、空気をうめつくすメロディ。あのなにもない感じ。

こういうのが物凄く上手くて、さっすがー、です。

ただ、一読した時点では、こうした叙述や、変われなかったあゆの「ニセモノの時間」や、

>「たいせつなものは、いつまでも手元にあってはいけないのです。
> 完全なもの、永劫なものを求めたとき、自らの重みで墜ちていくのです」
や、
> ボクは、ボクがそう望み、祐一くんが望んでくれたから、目を覚ました。
> 雪は、溶けていく。残った雪も、ぐちゃぐちゃに踏みしだかれる。
や、
>けど、壊しちゃったらみんな、終わってしまうんだよっ」
や、
>「重いんですよ。自分の重みで、墜ちていってしまう。光の届かない
>ところまで、墜ちていってしまう」

が、どーしても頭の中で上手く結びつけられなくて、というのは恐らく、
かなり派手にひょこひょこ顔を出してくる分、埋め方の問題であざとさが出て
(これは多分こんぺ向けサービスだったと思うのですけど)、

> 雪の中でも、しっかりと立っていられたら。

に、ピンポイントに結びつけられなかったです。
読み返して、理屈を確認すれば良く分かるのですが。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:7)
Boys Beかと思いました……(笑)

追いかけっこが良いです。

その後の石橋に捕まるところでオチを付けて終わるのが普通の展開だと思う
のですが、その後まで書いちゃってるのがちょっと新鮮。
でも流石に長すぎるとは思います。

あと、

> 後で考えると、どうしてこんなにひどい台詞を口にしてしまったのかと俺は自己嫌悪に陥ったものだ。
> 本当なら俺は傷心の彼女の支えになってやるべきだったというのに……。

これがちょっと気に障ってしまいました。要らないですよね……。
むしろ作者が弱気になっている感じで、一瞬冷めちゃいました。

でも全体のBoys Be調(笑)は、かなり嫌いじゃないです。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
ネタがすごくいいです。
図書館。バイク屋の親父。ペットショップ?の親父。
RPGのようなシーク&ファインドと、「蛍」と「バイク」が決まっています。

緩急がもう少しはっきりすると、もっと面白くなると思うのですが。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
面白かったです。にやにやしながら読んでしまいました。
ひょっとすると各方面から叩かれてしまいそうなSSですが、
少なくとも私は面白いと思いました。

彼らなりに真面目に考え、悩んでいるのに、いざ人を前にすれば
韜晦の技術だけが発達してしまって。
それでも北川には、悪友が迎えた人生の一大局面に、何とか力になって
やりたいという気持ちがあるし、祐一にも頼った友人に助けてもらって
嬉しいという気持ちもあるし。
ベタなんですけど、彼らの自然な気持ちのやりとりが、
軽快な文体に乗せて上手く語られていると思いました。
抜きどころ、書きどころも心得てらっしゃる感じです。いいなー。

北川のへっぽこっぷりが素晴らしかったです。長いツカミといい、ラストといい、
彼をメインに据えているからこそのSSですね。

ラストが……うーん、今のでも十分かっこいいですし、間違いなくスベっては
いないと思うんですけれども、あともうちょっとどうにかしていただければ
個人的には神の領域に認定していたかと。
って、わけ分かりませんね。
好みの問題だとは思いますが、ちょっと明るすぎるように思いました。
もっとこう、何度踏まれても立ち上がってやるぜーみたいな、泥臭いところ
だと嬉しかったかなーと(^^;

064 面鉄の奥の恋 (採点:8)
江戸時代かと思いました(笑)

舞と出会い、興味を持ち、けれども結局触れることはできなかった。
そういう少年が、彼なりにこの関係を飲み込んでいく様子が、気持ちよく
読めました。
夏、森の中で出会った舞に手解きをする場面が、とても印象に残りました。
斉藤師範もカコイイ!

徹底された文体と丁寧な叙述が面白くて、いっそ愉快ですらありますね。
非常に昭和っぽい(笑)印象。
中盤以降のエピソードの入り方、繋ぎ方で、立体感が感じられます。
各パートのラストの引きがまた素晴らしいです。楽しすぎ。

ゆっくりと近づき、面鉄越しの表情を垣間見て、またゆっくりと遠ざかっていく。
その距離感の変化がとても上手く書かれていて、情感があって良かったです。
ラストの昇華もいいですねー。上手いです。
ここに至っての風景との重ね合わせも絶妙。

評価が9,10点じゃないのは単に好みの問題ですので、事実上の満点です。
難点を挙げるならば、丁寧なスローテンポが災いして、後半に入るぐらいまで、
読むのがちょっと辛かったことですね。作品の性質上、仕方ないとは思います。

067 風邪の一日 (採点:6)
マクドナルドで書いてるんだから、にやにやさせないでください!(笑)

久しぶりに、本気のほのラブSSを読みました。
オールキャストが出てきたり、みんなが一行ずつ喋ったりと、
このテのSSの型をしっかり守りつつ、だらけきらずに萌えられました。

ほのラブ萌えSSでも、まだまだやっていけますね。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:7)
realizeを一部先取りしたかのような設定が面白いです。やりますねー。
これはいっそオリジナルでゲーム化するしか。
佐祐理さんの「振り回し系」っぷりが綺麗に設定に落ちていて、
痛快(邪悪だなぁ)でした。
そのくせ、自分が一番の被害者、みたいなノリなんですよね、
こういう精神状態って(嘆息)
でも、そこで素直に謝れる佐祐理さん萌え!

冒頭から、
>「倉田さん!」
までの文章は全て削除して構わないかと。

このSSで一番怖いのは、ラストの決別の言葉とタイトルの無闇な明るさの対比ですね。
色々な意味でリアルで怖いです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:7)
峰打ちだから。

078 「dearest」 (採点:7)
はーーーーーずーーーーーかーーーーーしーーーーーいーーーーー(絶叫)
色々あるような気もしますが、恥ずかしかったので加点(笑)

か、香里……そうなのかそういうヤツだったのかお前は……

番号順に採点していったのですが、最後の最後に滅茶苦茶転がってしまいますた。
ごちそうさまでした。

○菅野たくみ さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
久瀬の気持ちを、Words、Paragraph、Extendedの3つの世界から描いたのは見事でした。特に、WordsとExtendedの表現は、良い意味で詩的に仕上がっていると思います。
ただ、Reality.0がアゲハチョウを介して直接Word.1とリンクしていることから、すべてのParagraphが夢で終わっているような印象を受けたのが残念です。
また、Paragraphを分断したからでしょうか(これはこれで作品の味なのですが)、うまくのめり込めない文章になってしまっています。

002 鈴の音よ再び (採点:3)
真琴を失って、ストレスが限界に達したのでしょうか。祐一が、幻覚まで見えるように。
そんな祐一が真琴が戻ってきたと伝えたことに、名雪と秋子さんと美汐はどう感じていたのか。単純に信じたのか、それとも祐一の虚言につきあっただけなのか。
最後に祐一は、幻覚を引き起こした鈴の音で幻覚から醒めるわけですが。
最後の真琴が帰ってくる? のは祐一の夢なのでしょう、きっと。ベッドの中で幸せな夢を見てくれ、と言ったところです。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
クローゼット内部の舞にびっくりして祐一が気絶する様は非常におもしろかったです。
が、ストーリー全体の流れとして、(この部分以外には)あまり魅力のある場所はなく、シンプルにお約束でごり押しした感じが否めませんでした。

004 The regret (採点:4)
突然の交通事故。一瞬にして消えた命の灯火。
でも、いつか伝えようと思っていても、伝えられない想いがそこにあった。
そんな北川が、通常あり得ない方法で、自らの未練を晴らす。
存在の死というタイムリミットを抱えた北川の気持ちを、非常によく描けている作品です。
しかしながら、場面展開が唐突だったり、誤植が多かったりと、もう少し練りこみが欲しかったところもあります。
文章をもう少し簡潔にして、短編に出品した方が良かったかもしれません。

025 歩いて行こう (採点:7)
裏切りの社会の中に身を置いて、誰一人信じることができない。
そんな中、その社会をくぐり抜けて、信じられる存在を見つけた人がいる。
久瀬の羨望の気持ちと祐一の温かさが感じられる、とても良い作品でした。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
Grandfather Paradoxへのアンチテーゼとして生まれた多次元空間論。
自分の将来を知ってしまった過去の少女と、母の過去を知ってしまった未来の少女。
多次元空間の性質をうまく使って、二人の主人公の視点から、ふたつの未来を見事に語った作品。
しかしながら、そんな背景を見せることなく、お約束の「タイムスリップもの」ギャグSSとして、きっちりと仕上がっている名作。
楽しい作品を読ませていただき、ありがとうございました。

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
祐一と美汐の微妙な関係、その関係が変化するためのきっかけ。
きっかけを元に一歩進んで、また次のきっかけを待つ。
真琴が帰ってきたときが、乙女の恋のスタートライン。よーいどんのピストルから、絶対に遅れまい。
そんな美汐に、少し共感を覚えました。

ただ、きっかけを作るキャラであるC子や美鈴といったキャラクターの存在感が強すぎて、美汐のパートナー(予定w)たる祐一があまり目立たなかった気がしました。

048 走る少年少女達 (採点:4)
久瀬生徒会長、お疲れさま。 そう言ってあげたいくらいの、パーティの大成功。
祐一、北川、栞の3人が清涼剤となって、話にメリハリが出てきています。
あとは、ページの区切り方(=文章の配分)などの読みやすさについてと、メインテーマ(この場合は、久瀬のがんばり……と思っています)以外のエピソードを思い切ってばっさり切ってしまう勇気(=テーマを見やすくする工夫)が必要かと思います。
総評ですが、ほのぼのと笑わせていただきました。ありがとうございます。

050 鮮やかなモノクローム (採点:10)
祐一と秋子がいなくなった世界で生きる少女たち。
名雪の絶望、香里の決心。
栞の心配りの妙がうまくかみ合って、名雪と香里に次の一歩を歩く勇気を与えています。
多少のご都合主義はあるにしても、それすら気にならず、圧倒的に語りかけてくる作品です。
この作品に出会えたことに、乾杯。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:3)
なぁ、そんなことより聞いてくれ>>1よ。
このコンペとはあまり関係ないんだけどさ。
昨日、SS読んだんです、SS。
そしたら、お約束ネタがいっぱいでつまらないんです。
で、よく見たらなんかジャンルが書いてあって、壊れギャグとか言ってるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
おまえらな、壊れギャグごときで普段参加しないコンペなんかに来てんじゃねーよ、ボケが。
壊れギャグだよ、壊れギャグ。
なんか卒業生とかもいるし。卒業生三人で「佐久舞」か、おめでてーな。
よーし佐祐理最高の牛丼作っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、感想やるからその店閉めろと。
コンペって言うのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
隣り合った順番の作品を書いたやつといつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。
で、やっと読めたかと思ったら、隣の作品が、どっちも栞&香里とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、美坂姉妹なんてきょうび流行んねーんだよ、ボケが。
得意げな顔して何が、美坂姉妹、だ。
おまえは本当に美坂姉妹を書きたいのかと問いたい。問いつめたい。小一時間問いつめたい。
おまえ、奇跡って言いたいだけちゃうんかと。
Kanon通の俺から言わせてもらえば今、KanonSSの間での最新流行はやっぱり、
美汐SS、これだね。
美汐SS真琴。これが通の頼み方。
美汐SSっていうのはオリジナルが多めに入ってる。そん代わり祐一が弱め。これ。
で、それをSSで真琴(狐)。これ最強。
しかしこれを頼むと次からネタが被るという危険も伴う諸刃の剣。
素人にはお勧めできない。
まあおまえらド素人は、全キャラSSでも読んでなさいってこった。
PS.ネタにつき気にしないで下さい。

……以上、お目汚し失礼しました。
思ってもいないことを書いた改変コピペですのでお気になさらぬようお願いいたします。
……それはともかくとして、壊れギャグと言うことで、どこまで笑えるかの一点だけで評価しました。
壊れどころはたくさんありますが、ギャグにいまいちパンチ力が足りない気がしたのでこの点数です。

052 Give me a reason (採点:6)
病気に対抗し、打ち勝つために一番必要なもの……生きる意志。
その生きる意志を持つきっかけ、それが生きる理由。
北川潤(本編栞シナリオでは祐一に当たる人物……動機は別にして)は、その生きる理由を、二人の重病人に与え、それを見事に成し遂げた。
その影には、常に美坂香里がいて。最後には、それに気がついたハッピーエンド。
ただ、(千紗穂ちゃんはともかくとして)栞の生きる理由を北川が与えられたのかどうか(本編で祐一がその役割を担ったきっかけは、リスカ直前の漫才だったわけで)その他、もう少し現実味のある条件で勝負して欲しかったのと、改ページのタイミングをもう少し文章に対して平坦にして欲しかった点があります。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:7)
好きな人のために蛍を探す、そのために全力を尽くし、障害を乗り越える。
佐祐理さんを初め、いろいろな人の支えがあって、成長していく祐一。
そんな祐一を微笑ましく感じ、またうらやましくも感じます。
作品にちりばめられた細かいギャグ(?)も、作品を読みやすくしている点と言えます。
ただ、舞の口調(流ちょうすぎる点)と、タイトルの付け方にもう一歩具体性が欲しかった点、少し引っかかりました。

064 面鉄の奥の恋 (採点:9)
オリジナルキャラ「久瀬真治」を主人公に据えた、舞の物語。
久瀬真治、斉藤師範などの好印象のキャラクターが、師範代や悪ガキのようなキャラと対比され、高い魅力をより引き出す形で描かれています。
所々にちりばめられたうまい表現と、4ページに分けられた読みやすい長さ。Web上のSSとしては最高峰の一つといえるでしょう。
ただ、惜しむべきはこれが”Kanon”の2次創作らしくない点。ただ、Kanonらしさを追求して作品の質が落ちるのも考え物なので、これはこれで致し方ないと思われます。

068 名琴抄 (採点:9)
名雪と思っていたのは実は真琴。真琴と思っていたのは実は名雪。
二人が入れ替わる瞬間に誰かが気づくことはなく、秋子も祐一も、それを気づかず受け入れていた。
香里の趣味のおかげで、”名雪”は、思い出のアルバムで実は自分こそが真琴であることを知る。
そして、”真琴”が弱っていたのは実は自分のせいであることに気がつき、潔く身を引く。

名雪&香里の『本』をうまく使って事実をわかりやすく明らかに示しながらも、この物語がKanonであるという先入観を利用して、最後までそれに気づかせないやり方は非常にうまいと思いました。
古典作品を引用する事実提示のやり方も、KanonのSSとしてはかなり新鮮でエキサイティングでした。
ただ、章ごとのサブタイトルが分かりづらかった(古典的雰囲気を出すための演出というのは理解できますが)のと、1のサブタイトルがどこにあるのかが分からなかった(見落とし?)ため。
また”先入観を利用した”と書いたとおり(最終的な事実として)KanonのSSとは言いづらいため、点数を引かせていただきました。

○星喰い さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
どうもこのようなお話は苦手なので・・・

002 鈴の音よ再び (採点:5)
中盤は辛かったですが終わりは良かったです

003 お泊まりパニック! (採点:8)
基本的にギャグ系のお話好きなのでこういうSSとても良かったです

004 The regret (採点:6)
祐一×香里で好みなお話なのですが・・・何故か素直に喜べません。

005 プライベート・ハンター (採点:4)
私的には点数つけにくいお話でした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
秋子さん、美味しすぎです。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:8)
ALLキャラ出演のほのぼの系で良かったです

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
香里さん、今度は「甘くないゲル状のモノ」が入ったカレーに挑戦して下さい。

016 脱走と追跡のカノン (採点:3)
あまり意味がわかりませんでした。

022 笑い声がきこえる (採点:1)
さすがにダークすぎました。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
> 「十年、待ったんだよ」
この一言以下の文章で満点つけてしまいましたが・・・
ギャグ+シリアス+HappyEDという作品(と私は受け取りました)で
とても良かったです。

○雪野 聖夜 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
読みにくいです…
それと、単純に歌詞を追っているだけという印象が拭えませんでした。
ポルノグラフティのアゲハ蝶は私も好きな歌ですが、Kanonとの組み合わせはかなり無理があると思います。Airならしっくり来るのですが…

きつい評価になりますが、チャレンジ精神を買ってやっと3点、です。

008 激辛 (採点:9)
萌え〜〜♪
息を止めさせるのにキスをするとは…漫画漬けの真琴ならではって所ですか^^
でも、そういう部分とは別に「成長しようと努力し始めた真琴」がもっと萌えです♪
「名雪姉」という呼び方は新鮮でしたが、これも「もっと家族になるため」に意識して始めた呼び方なのでしょう。個人的に真琴シナリオは恋愛ものではなく家族ものだと思っているので、こういう細かいところがぐっと来ました。


しかし秋子さん…おちゃめすぎます(笑)

012 空っぽのテクスト (採点:1)
何が書きたいのかよくわかりませんでした。
栞を二度殺すことに何か意味はあるのでしょうか?
マルチシナリオであるKanonのような物語において、ハッピーエンドの影には当然「if」としてのバッドエンドがあるわけです。
ハッピーエンド後の後日談で「実はやっぱりバッドエンドだったんだよ」としたところで、物語の構文を壊すだけで何も感じ入ることがありません。原作のクライマックスが全く意味の無いものになります。
それならばバッドエンドを単純になぞったほうがまだ読者の心に届くものがあると思います。


013 Conservation for Love (採点:6)
前半はすごく面白かったです。
美汐の省エネ講座は爆笑ものでした。Kanonキャラでこの役ができるのは確かに美汐しかいないでしょう(笑)。省エネに異常に詳しい美汐、というのはハマリ役だと思いました。

ですが…後半でその「非常に笑わせてくれたハマリ役」が覆されます。真琴を手にいれるための策略、しかも前々から準備していたということになれば、例えばいきなり出てきたワイヤー錠などのネタも色あせてしまいます。
ストレートに「美汐の家はもっとすごかった」という展開の方が面白かったのではないでしょうか。

022 笑い声がきこえる (採点:7)
かなりきつい話ですね…
こういうの、生理的に受け付けない人も多いかと思います。当然、そういう人たちの酷評も覚悟の上で出したのでしょうけど。
個人的にはこれもアリだと思います。もしこれが、前半意図的に誤解させたとおりの「名雪が真琴を殺した」話であったならば間違いなく1を付けていたところですが、妖としての真琴の存在や人化の法の正体など、意表をつくところで上手くまとめていると思いました。

ただ、ラストに「警察」という現実的な存在を出したのはどうでしょうか。せっかくの「異常さ」が薄れてしまった気がします。発狂した秋子さんがただ笑い続けるのも少し物足りないというか…
どうせなら秋子さんが自分の首に鎌を突き立てた名雪を発見するシーンで終わるとか、秋子さんまで「真琴」が手にかけて、最後は燃え盛る水瀬家を戻ってきた祐一が見て呆然とするとか(ベタだけど)最後まで恐怖もの、パニックものを貫いた形にした方が強烈な印象を残せたのではないでしょうか?

040 楽園日記 (採点:10)
Kanonキャラでトムソーヤ、いいですね〜^^
ジュブナイル、って言うんでしょうか、こういうの?
友達と木の上に「秘密基地」とか作っていた頃を何故か思い出しました。

ヒロインが誰も出てこない、斎藤一人称で久瀬がメイン等、KanonのSSとしてはかなり亜流といえる存在だと思いますが、私はこういうの大好きです。
一週間を上手く日ごとに区切り、余計な描写は省いて一日1イベントという構成がすごくよかったと思います。


041 また逢えたらいいね (採点:10)
ラスト、やられましたT-T
タイムスリップに関するやや強引な理論付け、まさか伏線だったとは…
万感の思いを込めた「また逢えたね」に、胸が熱くなりました。
エピローグに入る前に既に泣けて、でも暖かいものを確かに感じていたところにきれいに追撃を食らってしまいました^^;
いきなりオリキャラが出てくるオープニングといい、不確定性理論から派生したっぽいパラレルワールド論といい、面白いアイディアを詰め込みつつ破綻させずに纏め上げているのが上手いと思います。
文体のリズムも私好みですんなり入り込めました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:10)
しおりんナイスっ><b
知らないうちに告白してしまってる、しかもOKまでもらってしまってる…祐一マヌケですね(笑)
でも結果オーライということでしょうか。
逆に身汐の立場からすれば、既に告白してしまっている事に気づかずに、自分にどう気持ちを伝えるか真剣に悩んでいるわけです。それも、密かにコインを作っていた相手が。微笑ましいというか何と言うか…
美汐が、というより「シチュエーションが」めちゃ萌えです♪

ただ、問題はあの美汐が果たしてゲーセンのそういった所に行くかという事でしょう(ルーン文字自体は詳しくても違和感無かったりw)。栞との関わりといい、明るすぎるという意見も出てきそうな気がします。
まぁ、そのあたりは真琴や祐一との出会いからちょっとずつ変わって行ったと解釈できます。逆に、それを暗喩するために時期に関する描写を冒頭にでも混ぜておけば尚よかったかも…?

…にしても名雪、貧乏くじですねぇ(笑)

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
よく調べてあるな…というのが第一の感想でしょうか。もっとも専門的な知識はないので、もし「本物っぽい響きを持つ言葉」だったとしてもわからないのですが^^;
「奇跡ではなく、新たなる必然」という台詞はかっこよかったです。

ただ、文体は記事になっていても、内容が「記事」に徹し切れていないのがこのスタイルではマイナスポイントかと思いました。心理描写とか、外部から見えないものは一切排除して「予測」という形で記述するか、本人の言葉を引用するということを徹底すればより記事らしくなったと思います。特に香里の台詞が一切無かったのが気になりました。
二次創作においては「書かなくても読者が知っていること」というのがあるので、突っ込んだ描写はしなくてもよかったと思います。

しかし冒頭の引用文…「〜新たなる必然アル」偽中国人になってるぞ、志保よ(笑)

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
いい話だと思います。
美汐の、思い出の妖弧と祐一との間で揺れる想いが上手く描かれていますし、「嫌いだ」と言えない自分に気がつく展開は個人的に萌え〜です^^

ただ、会話に出てくる言葉の不自然さが気になって感情移入し切れなかったのも事実です。上手く言えないですが、いくら不可思議な体験を共有した二人でも…いや、だからこそ安易に「魔法」などという単語は使わない気がして…「妖弧」という単語も、「彼ら」と言う方が美汐らしい気がした。

それと、「妖弧にもう一度会う方法」。本気でその存在を信じたなら、美汐は祐一と「共に」行おうとするのではないでしょうか?

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:6)
非常に残念です…
ちょっと普通じゃない騎馬戦と名雪vs栞の三角関係。どちらも面白い題材なのに、それぞれがお互いを潰し合ってしまっています。
騎馬戦の方に思い入れがあるように感じたので、いっそ名雪とのくんだりを省いてスポーツものにしてしまった方が面白かったのではないでしょうか?

○草壁 さん

012 空っぽのテクスト (採点:9)
読了後、タイトルを確認しようとPageUpキーを押して『空っぽのテクスト』が目に入ったときに、グッと胸に来てしばらく息が詰まりました。見事だと思います。
ただ、血の描写に僅かな違和感がありました。もう少し控えめのほうが良かったかも…。(顔色とのコントラストは素晴らしいです)

013 Conservation for Love (採点:6)
英語の序文で笑いました。「省エネ、それは最後のフロンティア」(笑)

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
オチが良かったです。ほのぼのとした気分になれました。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
Kanonの奇跡に挑むかのような気迫をビリビリと感じました。凄い出来のSSだと思います。リアリティに圧倒されました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
読了後、ため息が出ました。素敵なお話を有難うございます。

078 「dearest」 (採点:9)
こっちが赤面しました。良いです。

○大沖 慎 さん

013 Conservation for Love (採点:9)
長編ギャグというのはどうしても助長になってしまいがちですが、中弛みせずテンポよく読めました。
『企業戦士YAMAZAKI』や『男たちの好日』といった小ネタも中々楽しかったです。
ギャグ作品が少なかったせいもあってか際立っておりました。

071 一緒に生きたい (採点:8)
「……蓋を舐めるのは女の子としてまずいと思いますか?」
この台詞がすごく良かったです。 不覚にも萌えた(笑)
早合点で、猪突猛進で、不器用で、そして馬鹿が付くくらい正直な北川が、これ以上ないくらい魅力的に書かれていました。カッコ良かったです。原作の雰囲気を大きく逸脱することなく、しかし暴走することなく確固とした北川像が出来ていたと思います。
そして、北川達を取り巻く人物、栞の両親や担当医師らの何気ない描写も非常に印象に残っています。

ただ、惜しむらくは少々食い足りない。不足というほどではありませんが、満ち足りているというには及びません。倍くらいの容量があってもよかったと思います。エピローグに当たる部分が少々淡白な気もしました。

○竹仙人 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
 原曲は知っていますが、どうにも、無理やり結びつけた感が拭えませんでした。
 具体的にどこがと訊かれると、全体を通して、としか答えようがないのですが。
 文章も、無理にこねくりまわしたような印象。
 なんか、色々と挑戦してるって感じがしてどうにも。

 久瀬の情緒というか感情の変化が、全体に渡って不自然。
 ちょっと捻った風味の話の構成やら展開にかまけて、人間を描けてないような気がする。

 読み終えてまず思ったのが、「何を書きたかったのか」という事。
 大体の予想はしていますけれども。

003 お泊まりパニック! (採点:1)
 少数の作品にしか目を通していないけれども、この作品が下位なのは想像つきます。
 四分の一ほどで読むのを止めようと思いましたが、こうして書くという事で、読み通しました。
 感想…感想はですね……時間の無駄。
 いやホント、言い繕うにも、それしか出なかったんですよ。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
 何て言うか、全体を通して、これでもか、これでもかと狙いすぎ。
 ごり押しのしすぎでかえって冷めるし、すぐに飽きる。

 口調から態度から何から、水瀬秋子というキャラクターを感じ取る事が出来なかった。
 その一例として、祐一に対して丁寧語は使用しない。

 読み終え、あれ、壊れギャグだったっけかとジャンルを見直した。
 性格改変にしても、ただ闇雲に喘がせれば良いというものでもないし。

013 Conservation for Love (採点:3)
 組み立ては出来ていると感じましたが、全体的に冗長で、読んでいて退屈しました。
 字の文が説明的すぎて、テンポというかリズムが感じられません。
 それもそれで味でしょうけど、ギャグでそうされると自分の場合面白味が半減。
 所々の固有名詞というかネタ、あれは不要。自分は何一つ解らず、首を捻るばかりだった。
 万人受けするギャグは無理にしても、解る人だけ解れば良いというネタは避けたほうが懸命かと。

016 脱走と追跡のカノン (採点:2)
 良く分からない、というのが読後の印象でした。
 確かにドタバタしてましたけど、だから何、という感じに。
 登場してないキャラが居るのは単に機会に恵まれなかったんでしょうか。

035 復讐という名の代償行為 (採点:5)
 なんか色々と足りないんですけれども、それを抜かせば楽しめました。
 終わり方など、見た事あるやり方ですけど、なかなか。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:3)
 何と言うか、微妙です。
 色々と。
 あちこちで陳腐な感じがしてしまってどうにも。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
 良かったです。
 栞側の話をもうちょっと見たかったですけれども。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:1)
 好みのギャグもあるにはあったんですけど、それ以外があまりにもお粗末すぎて、評価は下げざるを得ません。
 もっとしっかりと構成を組み立てて、読める構成にして欲しいです。
 ネタの乱発も、並べただけな印象が拭えないし。
 文章も雑なんで。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
 上手いですね。
 キャラの破天荒ぶり、祐一のツッコミっぷり、確かにコメディです。
 常に疑問を抱きつつも流される他ない祐一、味があっていいです。
 読ませる話でした。

○中山古都 さん

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:7)
祐一が女だったというSSはよくありますが、この設定は斬新でした。
まとめにくそうな設定なのですが、うまくまとまっていると思います。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:8)
魔物視点からの舞シナリオという光の当て方が面白い。
綺麗にまとまっていて、読後感が良いですね。

037 美凪 (採点:7)
美汐と妖狐を描いた作品の中の良作。
書き尽くされた感のあるテーマだけに作者の文章力が問われます。
本作は本編とのリンクシーンも自然で違和感がなく、良かったです。

040 楽園日記 (採点:10)
素晴らしい!
Kanonのヒロインが全然出てこないSSなのに、物凄く面白かったです。
淡々としたサバイバル生活の中、素の心を曝す少年達が実に良い。
こいつら、大好きです。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
ほのぼのとしてから何だか切なくなりました。
タイムスリップ物は構成力が命ですが、この作品はうまくまとめています。
最後の「時間の枝分かれ」が救いを垣間見せ、じんと来ました。良作です。

上記感想から2週間後。
この作品、全中編作品中で最も多く読み返しました。
何故か、ふと読み返してしまうのです。私的なツボにはまったみたいですね。
評価修正、9→10点にします。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
狂言回しの栞がいい味を出しています。
そこはかとなく甘い空気が良い感じでした。

044 パンドラ (採点:8)
美汐SSの見本のような良作。
美汐と妖狐を扱った作品群の中では最も面白かったです。
ストーリー展開は基本通りなのですが、それを読ませる文章が凄く上手いです。


050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
不幸に負けず、困難な道を歩き出そうとする香里と名雪の姿が凄く良い。
不幸系の話は苦手なのですが、印象に残った作品です。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:7)
おおっ!見事にミスリードされてしまいました。
主語をぼかしすぎじゃあないかと思っていたのですが、こういうオチだとは……。
着眼点が面白かったです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
妊娠というテーマを扱った作品群の中では飛び抜けて秀逸でした。
北川と祐一の友情が、実に繊細に表現されていて見事です。
非常に爽やかな感じのまとめ方が凄く良かったです。


062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
ラストシーンに不覚にも泣きそうになりました。感動!
詳細な知識に裏付けされた設定が、話にリアリティを与えていて説得力がありました。
栞シナリオを見事なドキュメンタリータッチのSSに昇華しており、その構成力に脱帽です。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:9)
作品全体に流れる爽やかな空気が凄く良い。
加えて名雪と祐一の会話も違和感がなく、すんなり話に入れました。
読後感の良さは全作品中No.1だと思いました。

076 夢の劇場 (採点:8)
切なく、悲しく、痛いお話で、特に栞の最後の言葉は衝撃的でした。
綺麗に死なせようとするSSが多いのですが、この作品の栞は生きようとする意志が見えてきます。
それだけに栞の死が重く悲しい響きを残しています。
不幸系の話は苦手なのですが、この作品はそれを乗り越えて心に残りました。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
設定が少し強引な気がしますが、読んでいる最中はそれを感じませんでした。
それにしても、最初はファンタジーかと思いましたよ。
そういったちょっとした意外性を含めて、良作だと思いました。

○長森長 さん

002 鈴の音よ再び (採点:3)
全体的にちょっと冗長かな。要点だけかいつまんで短編で投稿した方が良かったかも。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
全員が同じ場面で一斉に会話してしまっているので、非常にごちゃついた印象を受けます。作品自体も各キャラ(特に香里)の悪い面ばかり強調されており、読んでいて笑う以前に悲しくなってきました。

004 The regret (採点:5)
構成は巧みですね。北川の能力の必然性もありますし、何故幽霊になってまで告白したか、といった理由も文脈から読み取れるようになっていますし。これで香里と祐一がお互い惹かれあうようになった原因となるエピソードが書かれてあれば、さらにまとまりがよくなったと思います。後は……誤字が少し多めだったかな。

006 「日課」 (採点:3)
香里、残酷ですね。付き合う気が無いならその事をはっきり伝え、一切の希望を持たせないよう振舞うべきではないでしょうか?それを中途半端に引き返して慰めたり、普段通り振舞うよう強制したり……北川が哀れでなりません。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:6)
ふざけないで下さい!これじゃあ秋子がただの色情狂ですよ。全く。このような作品、評価に値しません!


って、あれ?手が勝手に採点を……

008 激辛 (採点:5)
激辛料理が本題でなく「しゃっくりイベント」の為の伏線だった訳ですね。うん、なかなかよく考えられていると思いますよ。秋子とのやり取りも、シリアスから違和感無くオチまでまとめられていますし。ただ、その後の真琴と一緒に寝るシーンは別に必要なかったかな?

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
序盤、名雪との会話を読み終えた時点で期待は膨らみました。そして読み進めていくにつれ、その期待は失望に代わりました。……何故にALLエンドなんですか?理由がわかりません。意味もわかりません。何故こうなったかの過程も全然わかりません。貴方程の文章力があれば対象を一人に絞って書くだけで相当な秀作が出来ただろうに……本当に残念です。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
サブに回っている祐一が良い味出してますね。カレーと栞の心の連動も面白いです。特に「それなのに、それを断るなんて!」「しかも、夕食はカレーだなんて!!」の件が。しかし、いやだからこそ余計に北川の影の薄さが目立ちました。もう一ヶ所ぐらい北川視点を追加し、彼の感じている不安や焦燥、そして期待などを描かれていれば、より完成度は高まったと思いますよ。

011 残酷な代償のHappiness (採点:6)
序盤、祐一の不安定さがよく表せていたと思います。会話の途中で唐突に謝ったり、かと思えば急に怒り出したり。ものみの丘以降の展開も適度にイベントが配置されており、読み手に対する気配りが感じられました。それだけにラストをあゆの独白形式で締めくらせたのが残念です。本文中にもう少しヒントを織り交ぜ、読者自身で解答を導きだせる形式にした方がまとまりが良かったと思いますよ。

012 空っぽのテクスト (採点:7)
作品中に漂う上品な雰囲気。骨太でしっかりとまとめあげられたストーリー。軽妙で、かつ物悲しさを感じさせる会話群。全てが高レベルです。が、コンペという場が災いしました。何十編と出展される作品。読者としては、綺麗に終わらせてある作品より、多少荒削りでも何か独創性のある作品を押したくなるのもまた事実。あゆの分だけ延命、との設定が目新しいですが、それだけで中編一本分引っ張るのは少し苦しかったような気がします。

013 Conservation for Love (採点:3)
特殊な笑いを狙っている事は判るのですが、それを考慮に入れても文体が硬いような感じがしました。随所のミニ知識も作品の為に使用しているのではなく、その事を書きたいが為に物語を紡いでいる様な印象を受けます。

014 おまえの名前 (採点:2)
偶然学校で名前の話題になった事、その帰りに偶然祐一と美汐を見かけた事。そこで偶然真琴の名前が出た事、そして偶然美汐が忘れ物をした事。余りにも「偶然」が続きすぎると思います。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
場面が飛び過ぎです。香里の行動も支離滅裂。シリアスとギャグの切り替えも中途半端に行われている為、読んでいて混乱を引き起こします。あと、読点。恐らく他の方からもアドバイスがあると思いますが、これを省いても読みにくいだけでメリットが全くありません。句点で代用されている部分まであったのですが、そこまでして使用されない理由はあったのでしょうか?

016 脱走と追跡のカノン (採点:5)
全編通しての勢い――スピード感はかなりのもの。それぞれのキャラも良い具合に役割を演じており、違和感を感じさせません。その反面、このノリに付いて行けないタイプの読者は置いてけぼりにされてしまうのもまた事実。無理にリスクのあるオリキャラを出したり伏字を連発して笑いをとらなくても、十分物語として成り立ったとは思うのですが。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:8)
単なる性反転物で終わらせないで実社会における現象・差別と重ね合わせ、さらにそれを踏まえた上で物語を構築していく才能はまさに賞賛に値します。ラストも単に抱き合ってHappyEND、というありふれた形でなく、その後の二人のあり方まで考えられている点にも感心しました。

018 雪解け水 (採点:3)
祐一があゆの事を思い出して日常が徐々に崩壊していく。少々急ぎすぎている感はあるものの、それほど悪くない展開だと思います。が、それもラストで台無しに。これではあゆが告白のためだけの小道具に見えてしまいますよ。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
謎の人物大いに結構。ですが、最低限その正体・目的を察せられるヒント程度は本文中に組み込んでおいて下さい。これでは解けないトリックを用いられた推理小説ですよ。それも解決編のない。あと、全体的に描写不足です。特にクライマックスの戦闘シーン。佐祐理が飛び出したかと思えば魔犬が倒れてしまっています。簡単にでも良いので、その結果に至った過程も描いて下さい。

020 私の望み (採点:3)
もはや美汐シナリオで真琴放置はディフォ設定なのでしょうか?

021 想いの果てに (採点:3)
地の文が状況描写のみとなっており、各キャラの想いが全て会話形式にて表示されている為、非常に安っぽい印象を受けてしまいます。祐一が法術使い、というネタが出てくる辺り発想力は非凡な物をお持ちのようですので、内面描写を充実させる事が出来れば一気に完成度を高められると思いますよ。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
圧巻。まさにその一言に尽きます。序盤、名雪の狂気を印象付けて中盤で読者を驚愕の渦に巻き込み、ラストでさらに救いようの無い展開に落とし込む。その卓抜した表現力と相まって、まるで今目の前で展開されているかの如く容易にイメージできる凄惨な光景―――脱帽。

023 WA4 (採点:3)
ちょっと状況に心理描写が追いついていないような。後々説明が出てくる事項もあるのですが、それでも納得できない点がちらほら見受けられました。聞き手が美汐である必然性も疑問です。恐らく客観的に物事を判断できる人物として美汐を選択したのでしょうが、その結果、真琴の事をあっさり吹っ切れている祐一になってしまっています。いや、立ち直っている祐一自体は良いのですが、その事と今現在水瀬家の問題で悩んでいる祐一とがイコールで繋がらなかったもので。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
恐らく他の方からも指摘があると思いますが、KanonSSである必然性が薄すぎます。せめて二人が付き合う事になった過程ぐらいは書いておくべきかと。あと、親の都合で双方納得してあっさりと別れてしまう絆の薄さにも疑問を感じました。所詮その程度しか好き合っていなかったのかな、と。

025 歩いて行こう (採点:3)
物語の流れは悪くないと思うのですが……少し久瀬が話しすぎかな。冷静な生徒会長、という役割であるにも関わらず、直ぐに激昂して叩きつけるような台詞を吐いてしまう。全て会話ベースで心情を吐露するのではなく、その合間合間に心理描写を重ねるだけで、かなり話に深みが増してくる思いますよ。

026 ステップ (採点:6)
途中で「あれ?」と思ったのですが……なるほど、こういう結末ですか。いいですね。独身秋子(違
でも秋子は祐一が免許を取る、と聞いて平気だったのでしょうか?その点だけちょっと気になりました。

027 ウエディングヴェール (採点:7)
結末だけを見れば非情。ですが、決して後味の悪い作品ではありませんでした。

029 最後の奇跡 (採点:3)
直球勝負ですね。先を読める事が変化を求める読者にとって最大の欠点であり、安定を求める読者にとっては最高の利点になり得ます。が、コンペという連作発表されている場において、それがマイナス方面に強く作用してしまうのは致し方ない事。王道的な展開でも、読者を唸らせる様なネタが一つでもあれば大分と印象が変わったと思いますよ。それにしても名雪、デートの時男がおごるのは当然って……

030 奇跡のかわりに (採点:8)
文章力もあり、会話もテンポ良く、そして展開にも意外性があり、その理由付けも出来ている。それだけにあの終わり方が惜しまれます。各キャラの特徴は、コンペ通して五指に入るほど上手に掴めていたと思いますよ。

031 グッナイ (採点:5)
徹頭徹尾全ての行動事象に関して状況説明文が挿入されている為、非常に硬い印象を受けました。それぞれのイベントが本筋にリンクしているのは判るのですが、場面切り替えが唐突過ぎてその繋がりが希薄に見えてしまったのが残念です。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:4)
まいと舞の関係、魔物とまいとの繋がりが目新しいですね。

033 エム (採点:3)
とりあえずお約束として突っ込みを一応。「アゴは反則!」
それで内容のほうですが……う〜ん、微妙。
坂井の動機も弱いし、祐一は不適切な言葉(ロリコン等)を連発しているし。
かといって物語が破綻してるでもなく、普通に最後まで読み進められますし。
事件の犯人をもう少し隠し通せれば、さらに読者を惹き込む事が出来たとは思います。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
中盤の佐祐理との会話で、散々「後悔」「違和感」等と引っ張っておきながら特に何事もなく終了。酷く中途半端な印象を受けました。あと、雰囲気にあっていないギャグは避けたほうが良いですよ。

035 復讐という名の代償行為 (採点:9)
最初は「うわぁSSとして破綻しているよ、コレ」と思いながら読み進めていたのですが……繋がりました。復讐モノではなくサイコスリラーだった訳ですね。全編通して漂う緊迫感、読者にまで伝わり来る狂気、そして先の一切読めない展開。凄い。この一言しかありません。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:2)
散々目の前で両カップルをベタつかせ、結果として当たり前の如く名雪が振られる。ある種ダーク系統以上に残酷なSSですね。あと、伏線足りえる部分が序盤の秋子の台詞ぐらいしか見当たらなかったので、海水浴シーンをごっそり削って短編で投稿された方がまとまりが良かったような気もしました。

037 美凪 (採点:7)
ページ切り替えが効果的に作用していますね。話も非常に綺麗で、お菓子雨の件では思わず泣きそうになりました。

039 幻実、そして星 (採点:3)
仕掛けが勝馬の正体に関しての事柄だけですので、初期の段階でそれに気付いてしまうと物語全体がひどく味気ないものになってしまいます。単なる本編トレースを見せられているような。あと一つだけでも独自の要素があれば、かなり印象も変わったと思うのですが。文章表現は巧みでしたので。

040 楽園日記 (採点:8)
各キャラクターが非常に魅力的に描かれていますね。
読んでいて「この中の一員になりたい!」と強く思わせてくれる作品でした。
友情っていいな……

041 また逢えたらいいね (採点:3)
とりあえず語尾を延ばすなと小一時間……ゲフンゲフン。いや、あの、オリキャラに個性付けをしたい気持ちも判るのですが、出来れば安易な特有言語に頼るのではなく、その行動によって指し示して頂けた方が評者の皆様の好感を得られるのではないかな、と思いました次第で。はい。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:2)
キャラクターに愛着があるのは判りますが、余りに美化し過ぎるのもどうかと思います。
せめて地の文で褒め称えるのはやめて、何らかの行動によって読者に憧れを感じさせて下さい。
延々と美辞麗句を並べ立てられましても、読み手としてはどう対処してよいのか困りますので。
物語に関してですが、あまりにもご都合主義かつ独善的なストーリー運びに正直呆然としてしまったのが感想です。
シリアスなのに何の説明もなく全員生存。
数年(十数年)の思いをあっさり諦めるヒロイン達。
指輪のはめる位置さえ判らず、軽く問い詰められただけで必要以上の事まで白状しだす祐一。
それを聞いて自分の為だけに行動する佐祐理。
そしてラスト、今まで登場させたキャラクターをまるで消耗品の如く適当に組み合わせる後日談。
何故オンリーヒロイン制を取らずにまとまりの悪いALLエンド後にされたのでしょう?
せっかく文章力・構成力ともに卓抜したものをお持ちですのに……
返す返すも残念です。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
軽妙な会話に後押しされ、テンポよく読み進める事が出来ました。しかし偶然(必然?)を利用してここまでコトを進めるとは……この後祐一、確実に尻に敷かれますね(笑)

044 パンドラ (採点:4)
悪くはない。決して悪くはないのですが……何故かピースの足りないパズルを見ているような違和感が。例えばオープニング。何故霜月を家に誘ったのか?どうやって家族の了解を取り付けたのか?本当に些細な事なのですが、それらが積み重なってしこりとなり、読後感にまで影響を及ぼしています。

045 桜が告げる春の風…… (採点:3)
ラブレターの件ですが、ベタな悪役キャラを登場させるのではなく、本当に美汐を好きになった同級生でも登場させてその告白されている最中に祐一への気持ちに気づく、とした方が綺麗な感じにまとまると思いますよ。現状では少し、物語の雰囲気と合っていないかな、と,。あと、ある一点に関して投稿規定に抵触している気がしたのですが……偶然の一致でしょうか?

046 ホワイト・ミュージック (採点:6)
笑える場面はない。しかし、退屈はしない。そんな作品でした。

047 笑顔 (採点:3)
祐一との出会いのシーンはかなりお気に入りなのですが、それ以外の部分がちょっと……。特に香里パートには必要性が全く感じられませんでした。名雪との状況対比でしょうか?

048 走る少年少女達 (採点:1)
各イベントが単発で終わってしまっていますね。マラソンは結果発表無しだし、途中助けた女生徒も後の話に絡んでこない。ただ思いついたまま話を書き綴っているような印象を受けました。あと、各種記号の使い方が微妙に違っていますよ。

049 少年期 (採点:7)
最初は正直、日常生活の描写が冗長だな、と感じていました。祐一が寝ているシーンなんてどうでも良いじゃないか、と。
しかしこれも伏線だった訳ですね。来るべき日常の崩壊に関しての。
徐々に、しかし確実に蝕まれていく5人の関係。必死にそれを隠そうとするもの、極力無関心を装うもの、そして気付かない振りをして今まで通りの関係を続けようとするもの。
その甲斐なくあえなく崩れ去ってしまう繋がり。特に「栞から言われた」と祐一が告白するシーンは読んでいて本当、鳥肌が立ちました。
そしていよいよこれから!って時に終了。評者によってはこれで良し、と判断されるかもしれませんが、私には到底納得出来なかったので、その分(+誤字、表現・設定誤り)マイナスして評価させて頂きます。

050 鮮やかなモノクローム (採点:6)
一緒に暮らそう!めでたしめでたし……な童話的な終わり方でなく、その先。偏見や差別の中で力強く生きていく3人(4人?)の姿を読んでみたかったです。ところで《》で括られている語群には何らかの意味があるのでしょうか?

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
おおよそ決まり事とされている文章作法をほぼ全て無視されているのですが、それらが些細な事に思える程の勢い……そしてテンションの高さ。キャラクターもそれぞれの個性をを忠実に再現し、さらに独自の要素が追加されているため、50KB超の全編ギャグなのに読んでいて途中で飽きがきません。特に私が気に入ったのは久瀬。大抵の方が三流悪役か必要以上に美化しすぎるかの二択なのに対し、ボケキャラとして新たな可能性を見出した事はこれからのKanonSS界において非常に大きな意味を持つと言えるでしょう!
とまぁ誉めまくったわけですが、流石にこの作品だけ誤字脱字・文章作法に対するマイナス評価をしないわけにも行きませんので、その分差し引いて採点させて頂きます。「SSの決まり事」は覚えておいて決して損しませんので、時間がありましたら身につけておくことをお勧めしますよ。


052 Give me a reason (採点:2)
主要キャラを医者に設定してあるのに病名はおろか治療方法まで記さずに盛り上がられても……

055 煌めきの欠片 (採点:5)
オチまで淡々と進行するのは如何なものかと。雰囲気的にはそれで合っているのでしょうが、ここまで印象が薄いと読後感が残りにくいですよ。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:4)
祐一の持ち味が殺され、普通の大学生になってしまっていますね。名前だけ借りている別キャラ、といった感じがしました。

057 移し火恋歌 (採点:9)
多数の要素を絡み合わせて同時展開し、それらを矛盾点無く一つにまつめあげる巧みな構成力。
まるで今目の前で起こっている情景の如く、読者の脳裏に容易にその場面を想像させる事の出来る豊かな表現力。
そして幾多もの症例・専門用語を用いながらもそれらをくどいと感じさせず、逆に物語への没入感を深めさせる圧倒的な文章力。
どれを取っても一級品。正直、私の貧困な語彙ではこの作品を表すことが出来ません。
もしまだ未読の方がいらっしゃるのなら、是非読んでみて下さい。そして、感じて下さい。
救いようの無い現実を。本当の意味での絶望を。

058 30℃ (採点:4)
比喩が大仰過ぎる気がします。作者様の持ち味なのかもしれませんが。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:4)
変化球を投げようとして手が滑って死球になってしまったような感じです。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
掴みが上手いですね。
最初が退屈だと後々までそれを引っ張ってしまうものなのですが、のっけから炸裂する祐一のボケの数々。
物語の流れを心得られている感じがしました。
中盤の悩み事を打ち明けるシーンも、学生としてはありきたり(?)なものでさほど目新しさは感じられないのですが、とにかくその見せ方が巧みで知らず知らずのうちにグイグイ物語に引きずり込まれていきました。
ラストのオチも雰囲気とマッチしており、北川らしさを強調出来ていて綺麗にまとまっていると思います。
逆にあそこで告白していてそれが受け入れられた、といった終わり方だと、充足感より違和感が残ったであろうから、作者様の判断は正しかったんではないか、と。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
徹底的にリアリズムを追求し、その努力の結果として病を克服する。
原作の対極となるテーマながら、それでいて紛れもなくKanonを感じさせるこの作品。
言わばSSとしての一種の完成形ですね。

063 丘の子守唄 (採点:2)
え〜と……創作小説?

064 面鉄の奥の恋 (採点:4)
メインは舞ではなくオリキャラですね。本編前のエピソードなのですが、「これは!」と思わせる決め手がなかったのが残念です。原作にある程度リンクする事項が無いと単なる一時創作に見えてしまいますよ。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
良くも悪くも自分キャラが多かったこのコンペ、原作キャラの忠実性では最高ランクに位置する作品だと思います。
お話の方もほのぼのを地で行く展開で、終始優しい気持ちで読んでいられました。
真琴は幸せものですね。こんな素敵な友人が身近に二人も居てくれて。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:7)
秋子は真琴と祐一を恨まなかったのでしょうか?真琴は自分の身代わりとなった名雪を見て平然と日常を過ごせたのでしょうか?その辺りの苦悩・葛藤をもう少し踏み込んで描いて欲しかったです。

067 風邪の一日 (採点:3)
普通に真琴END後の話としても良いと思うのですが。
あと、オープニングのセンタリングと会話分の比率の高さが少し気になりました。

068 名琴抄 (採点:5)
オープニングで感じた違和感もラスト間際に解消されたのですが……難解ですね。

069 ふたつのねがい (採点:7)
若干書き慣れていない印象を受けるものの、それ以上の何かを感じさせてくれる作品でした。
特に栞と天使との会話シーン。栞の優しさ、そして強さがこちらにまで伝わってきて、思わず胸が熱く……
ああ、もうぶっちゃけましょう。モニターが霞んでしまいました!以上っ!

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:3)
設定とか口調とかオリキャラの是非等はさておき……
キャラの考えとしてではなく、地の文で作者自身の考えを表すのはどうかと思います。
三人称を貫くなら、あくまで客観性を固持するべきかと。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
一枚の風景画を見ているような……そんな感じ。
綺麗で、優しく、大人な雰囲気の漂う物語だったと思います。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:5)
ああ、うん。アクションシーンは躍動感溢れていますね。
会話文もテンポよく、キャラクターが生き生きとしていますし。
え〜と……概ね、そんな感じです。はい。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
一人身の読者に対する苛烈なる挑戦状ですね(笑)

075 True story (採点:1)
主観が多分に入ってしまって申し訳無いのですが、この文体は読んでいて非常に苦痛でした。
あと、話の節々に「ネタ」で済まされない不適切な表現があるように感じられます。

076 夢の劇場 (採点:6)
前半、栞の健気さや香里の葛藤を描き、中盤、姉妹の心が一つになる。
そして病室のシーンでそれが頂点に達し――「た……す……けて……」
痛い。しかし、効果的。それまでの過程があるからこそこの台詞に意味があるのであって、短編では出来ない中編ならではの演出といえます。
が、その後。終盤の展開。弱すぎです。折角構築された世界観や雰囲気が全く生かされておりません。
単に夢から覚めて立ち直るのではなく、もう一つ、何らかの要素が欲しかった所です。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
オープニングのかまし、強烈ですね。タイトル効果と相俟って、恐らく10人中9人までが「これ、ファンタジーか?」と騙された事でしょう。
作品の方も部分部分結構痛いシーンもあるのですが、全体を通して見るとそれも薄まり、綺麗にかつ上品に仕上がっていると思います。
まさに構成の妙、といいますか。続きが読みたくなる作品ですね。

078 「dearest」 (採点:4)
王道、ですね。恋愛物の。並み居るヒロインの中から何故祐一は香里を選んだのか。出来ればその辺りも描写して欲しかったです。

○椎名隆 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:8)
引用されている詩そのものには以前よりkeyの作品への親和性を感じていたのですが、そこで語り始める一人称の主が久瀬であるという点に新鮮さを感じました。久瀬というキャラクターが世界に占める位置を再確認した気分です。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
うーん。今ひとつかな。全員出てくるという所でちょっと大変になったんじゃないでしょうか。むしろ、ひたすら北川不幸で通した方が良かったのかもしれません。


006 「日課」 (採点:4)
ちょっと空行使いすぎ。北川の描写にはそれほど文句がないんですけど、彼の相手となるべき香里や祐一の描写が足りなかったように思います。北川が1人で空転している印象が残ってしまいました。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
えちぃのは良いのですけど〜(良いのか?)。それだけのように映ってしまうのはどーも。


009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:5)
スタイルとしてはこう言うのはアリなんでしょうけど、もう少しそれぞれの会話を掘り下げた方が良いと思います。いまいち、その娘らしさみたいなのが伝わってきませんでした。


010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
こういう評し方が正しいのかは解かりませんが、上手に組み上げられた作品だと思います。「匂い」をキーワードにして展開していくストーリーといい、作者さんの力量を感じさせる作品でした。
それにしても、栞って脇役にすると映える娘ですね。

013 Conservation for Love (採点:8)
次々と繰り出される奇妙に偏った文章群に圧倒されたまま、最後まで読みきりました。言うまでもなく癖ありまくり個性でまくりの文章なんですけど、こういう場でも個性を押さえたり隠したりしないで「やっちゃう」のには敬服します。
が、ケチをつけるとすれば、その個性以外で光る所が見つけられなかった点でしょうか。「いつもの〜」感が強かったように思います。
まぁ、とりあえず、小策士の美汐さん萌え。

016 脱走と追跡のカノン (採点:7)
わけわかんねぇ……。という言葉を誉め言葉として贈ってもよろしいでしょうか。
ジャンルとしてはドタバタにされているようですけど、まさしくその通り。何も考えずに(というか考える隙を貰えずに)、楽しめる作品だったと思います。


020 私の望み (採点:7)
美汐が可愛いなぁ。と思いはするものの少々冗長な感が残りました。地の文が延々敬体であるのも、確かに美汐らしくはあるのですが、やはりくどくなってしまう面もあるかと思います。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
香里が離れていく所での理由や描写が足りないように思います。作者さんが「描きたかった」のだろうなぁと思える辺りでの気合いの入り具合に比して、他の部分での軽薄さが残念です。


030 奇跡のかわりに (採点:7)
そーきましたかー。アイデア勝負には確実に勝ててますね。しかし、アイデア止まりで細部にまで配慮が行き渡ってないかなぁ、とも思いました。どうせなら最後まで某尾根のスタイルで行っちゃえば良かったのかもしれません。


031 グッナイ (採点:7)
評価に困ります。出てくる人々の心の動きに凄く説得力があるんだけど、結局ストーリーとしてはどうよ?と思ってしまうのです。より大きな物語から一部分を取り出した感じとでも言えばいいのでしょうか。その、大きな物語のほうも読んでみたくなる作品でした。
うーん。難しい。

037 美凪 (採点:7)
「部屋にはおかしとわたしがいた。」って言葉にやられました。

041 また逢えたらいいね (採点:9)
ドラマみたいで素敵なお話でした。いやマジで。途中でのノリの良さと終盤の叙情性との対比が特に素晴らしかったと思います。


050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
前半、ちょっと荷が重いのかなぁという印象がありましたが、後半部に行くに従ってぐいぐいとテキストに引き込まれました。重苦しいテーマに果敢に挑戦して勝利したという感じです。
苦言を呈するならば、もう少し細部の言い回しにこだわって欲しかったかな、と。決め台詞的な部分はもちろんすばらしいのですけど、説明的な地の文章に時折つらいところがありました。


053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
名雪が可愛い。それに尽きます。
全体として決してもえもえ雰囲気ではなく、どちらかといえばシリアスなんですけど、その中でも名雪の可愛さが浮き上がってくるには、背景となる文章が上手だからだろうと思います。


056 それ有る故に、それ在り。 (採点:9)
一見、青臭く見える心情の吐露が心地良く響く良作だと思います。

058 30℃ (採点:8)
なんとはなしに良い感じ。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
テキストが異様な雰囲気を漂わせているのに加えて、3つに分割されている事もあって、波乱万丈であったような読後感が一瞬漂いました。が、冷静に考えてみると、他のSSでは1シーンに過ぎないような場面なんですよね。そういった場面を確実に捉えて、特徴溢れる文体で描写している所が良い感じです。


065 作品No.2「春」 (採点:6)
くだけている所と真面目な所のバランスが少し悪い気がしました。真琴の「肉親」という立場の存在について掘り下げているSSは今まで読んだ事がなく、それもきちんとやっているなと思いましたので、その点はプラスです。


066 夢の終わりにもう一度 (採点:8)
解かりにくいあるいは解からないという評を受ける作品かと思います。確かに解かりにくい作品でしたが、だからと言って何かが足りないというわけではないと思うのです。「解かりやすく」するにはまだまだ手を尽くす事ができるでしょう。ただ、私としては、この作品は「これ」で完成なんだと思います。こう言うことはあるいは作者さんには失礼かもしれないのですけど、「解かりにくさ」「納得の出来なさ」が読者の私たちの心に残る事もまたこの作品に相応しいように思います。


067 風邪の一日 (採点:4)
なんとなく発散したままに終わってしまった印象があります。中盤(2,3の辺り)は真琴のバカバカらぶらぶっぷりが良かったんですけど。後半、人が入り乱れてしまうと少々。それと、長文のセンタリングは余り使わない方が良いのではないかと感じました。


071 一緒に生きたい (採点:7)
全体的に、展開を急いでしまったのではないでしょうか。特に中盤で、そう感じました。2次創作という性格上その部分はオリジナル(1次作品としてのKanon)でそれなりに補えるものではあるのですが。そのせいか、香里の役回りが解かりにくいと感じました。


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:5)
無茶だなぁ。ノリで突っ走ってる感が強いですけど、テキストに違和感を感じる所が少なかったのは作者さんに地力があるからかもしれません。


075 True story (採点:5)
スタイルは人それぞれだとは思うのですけど、この文体に余り慣れてないのではないかと思いました。文体の方で引っかかって、肝心のストーリーの方に没入できないままでした。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:9)
ケレン味溢れるスタイルに確実に各キャラクターをのっけている。そう感じました。過不足なし。


078 「dearest」 (採点:6)
こういう話、好きなんですけどねぇ。しかし、好きは好きとして、全体に散漫な印象が残ってしまいました。今回のコンペで最長ってのはともかくとして、もう少し削って締まったものにした方が良かったし、それができる作品だったと思います。


○通行人B さん

013 Conservation for Love (採点:5)
真琴が真琴っぽく感じられなかったのは私だけでしょうか。特に前半

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
完結してないように見えますが続編を書くつもりでこういう作品にしたんでしょうか?
こんぺの場合は続編を書く意図があったとしても作品単位できちんとまとめるべきだと思います。
それとどうしてというのはうまく表現できないのですが、なんだかつっかえつっかえ読んでしまいます。
どうもスムースに読みすすめません。
細かい点でもいくつか変だとかいう部分があったりします。
最初の舞が夜道を歩いていたのはいつなのかわけわからない。
祐一は「佐祐理さんの別荘へはR駅を降りて歩く」と言っているのにバスに乗ってる。
そのほかにも性格ちょっと違うんじゃないかなあという部分があったりします。

065 作品No.2「春」 (採点:6)
ストーリーはなかなかよかったように思いました。
ただ美汐の性格がちょっとうーん、というきがします。
細かい描写のミスや誤字の多さ等の技術的な部分が残念です。
誤字は他の人が指摘されると思うのでめちゃくちゃ細かい描写のチェックをひとつだけ
>空は、すでに赤から黒へと変わりつつある。一つだけ、星が見える。

>日が落ちようとしていた。
死ぬほど細かいことで恐縮ですが日があるうちはまだ空は黒くなってはいないはずです。(晴天時)
いちばん星は見えるかもしれませんが


070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:3)
卒業を間近にした佐祐理さんに生徒会長をさせる必然性がわかりません。
>「ったく、面倒くせぇなぁ」
こんなこと祐一が言うかなあ?
<< >>でくくられた単語、そんなに括弧を使わなきゃいけない必然性があったんでしょうか?
そんなに強調する必然性があるとも思えなかったものもありますし。
そんなことは無いと思いますが、ストーリーがあってそれにkanonを当てはめようとしたのかなという印象をもちました。


072 彼と彼女のフォークロア (採点:6)
細かいことですが言葉の使い方がアンバランスです。難しい言葉使いと独創的な単語、それと平易な言葉が重なって統一感がない。
内容では祐一が登場人物の名前として「天野」を指定するかなあと疑問をもってしまった。

075 True story (採点:1)
普段書きなれない文体なんでしょうか?
それとも時間が足りなかったんでしょうか?

○辻音楽士 さん

041 また逢えたらいいね (採点:10)
個人的には、第2回Kanonコンペにおける短編部門141作品、中編部門78作品中、最大の発見。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
ラストの一節が効いた。

○天原 福真 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
Kanonっぽさがあんまりないですねぇ……。
でも、雰囲気的にはそこそこ良いと思います。


002 鈴の音よ再び (採点:5)
名雪が『天野ちゃん』って呼んだのにちょっと違和感が……。
まあ、それは置いといて、ちょっとラストがボリューム不足というか、はしょりすぎかなって気がします。
あと、中盤の祐一達の喜びようにもちょっと不自然さが……。チラッと姿を見ただけで、あそこまで思いこめるでしょうか? まあ、そこまで真琴のことを想っていたと考えれば分からなくもないですが……。
それと、最後にある大量の空白はなんなんでしょう?

003 お泊まりパニック! (採点:6)
可もなく不可もなく、無難に読めますね。
ただ、香里がちょっと外道なのが気になるような……。

004 The regret (採点:4)
いまいち設定が生きていないような気がします。
北川に『人を見る目』があることと、死ぬことの必然性があまりないような……。
あと、祐一の香里に対する気持ちもなんか唐突で、納得しがたいかな……。

005 プライベート・ハンター (採点:8)
ロボットと電池ですかぁ、新しい解釈ですね。でも、割と理にかなっていると思います。
北川との特訓もキチンと意義のあるものとして書かれていますし。
全体的にシリアスなんですが、ラストのちょっとお茶目な舞がなんか良い感じですね。
でも、佐祐理さん、ホントに何しに出てきたんでしょうねぇ(笑)

006 「日課」 (採点:9)
ホント『いい人』ですね。北川も香里も……。
お話の中での二人とも好感を持てる人物として書かれていて、とても良いと思います。
10点付けようか迷ったのですが、一応僕は北川×香里派なので、9点という事で……。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
なんて言うか、媚びたストーリーというか……18禁SSですか? これ……。
やり過ぎって感じがしますね。秋子さんファンが見たら怒りそうです。しかも、展開もありきたりですし。新鮮みがありません。
あと、秋子さんの祐一に対する言葉遣いに違和感がありますね。『慣れていらっしゃらない』『お辛い』『ご無理』など……。丁寧過ぎって感じがします。

008 激辛 (採点:7)
真琴が可愛らしいですね。
ほのぼのとした雰囲気がいい感じです。
あと、お茶目な秋子さんがポイントですな(笑)

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:9)
ぞれの想い……ですか。
僕はこんな風な“みんな仲良く幸せに”って言う話が大好きです。ご都合主義とか、あり得ないとか言われようとも。
だから、つい高得点付けちゃいますね〜。
あとは、各キャラクターの心情がもう少し掘り下げられていれば、10点でしたね。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
文章が読みにくいです。つらつらと言葉を繋げるのではなく、こまめに区切った方が良いと思います。それと、セリフの真横に地の文が来ていたりするのも……。
香里がカレーを作っている理由がいまいちハッキリ分かりませんでした。あとは、香里のキャラがちょっと違うような……。
ラストのオチ……というか、種明かしはなかなか良かったと思います

011 残酷な代償のHappiness (採点:4)
う〜ん、あんまり後味が良くないですね……。
あまりにあゆが自己犠牲が過ぎるって言うか……。
大体読む人は名雪が出てきた当たりで分かると思うんですが、あゆが演技をしているって言うのに気付いてしまうと、祐一がなんかアホっぽく見えてしまいますね……。

012 空っぽのテクスト (採点:5)
前半と後半の雰囲気が合ってないなぁ……と言うのが正直なところですね。
栞の死があまりにも急展開&直接過ぎて、置いてけぼりにされてしまった気分です。
これが、栞が家に帰ったあと最後の思い出を抱きしめながら静かに……と言う展開だったら、もう少し切なさに浸れたのかもしれません。

013 Conservation for Love (採点:7)
美汐宅は怖いところだなぁ……。と言うか、天野親子が(笑)
省エネは大事ですよね。うん。
ラストのまこぴーがなんか可愛かったです(笑)

014 おまえの名前 (採点:7)
ほのぼのですね。それぞれのキャラがいい感じに書かれていると思います。
ただ……真琴の妹の真奈美ですが、このお話に関してはあんまり登場させた意味がないような……。あと、美汐と話す真琴がなんだか小学生っぽくないような気がしますね。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
色々と説明不足なSSですね。さらに、本筋に全く関係しない部分が多すぎます。
あと、『いつまでまでなら生きていられる?』とか『死んだ方がましな状態ですな』とか、状況から言って常識を疑うようなセリフも良くないです。
色々分からないことが多すぎてモヤモヤとするお話でした。

016 脱走と追跡のカノン (採点:7)
『ワンオブサウザント』シ●ィー・ハ○ターですか(笑)
あゆの逃走劇、なかなか面白かったです。登場人物もいい感じに壊れていて、楽しかったです。
あゆ、あれからどうなったんでしょうねぇ……(笑)

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:9)
なかなかの異色作ですね。KanonSSでは時々見かける設定ですが、こんぺに出してくるとは思い切っているというかなんというか……。
でも、こういうお話は嫌いではないです。かなり丁寧に描かれていますしね。
香里、北川なども良い人ですし、後味も良いです。
ただ、あゆのことはどうなっているのかな、と少し疑問もあるんですが……。

018 雪解け水 (採点:4)
あゆが可哀想かな……と。
秋子さんの事故などであゆが奇跡を使っていないのに、あゆが死ぬって言うのがどうも……。
もっとも、奇跡が起きた場合でも短絡的にあゆを死なせる展開って嫌いなんですが。
でも、名雪の哀しみ……というか、健気さが伝わってくるのは良いかなと思いますね。

019 FILE EPISODE 0 (採点:3)
続き物なんですか? これ……。謎が全然明かされてないどころか、最後の最後で思わせぶりに終わってますし……。
話の内容は悪くないんですが、でもこれでは……。
とりあえず、話はキチンと完結させるべきだと思います。

020 私の望み (採点:6)
極々普通のラブストーリーですね。よく言えば無難ですが、悪く言えばマンネリです。
ちょっと美汐が鈍すぎるような気がしますが……まあ、基本的にほのぼのしていますし、良いんじゃないでしょうか。

021 想いの果てに (採点:2)
まあ、なんて言うか……単調なSSですね。
地の文がほとんど全て「〜た」で終わってるのが大きな理由だと思いますけど。
あと、いくらなんでもツッコミ所がありすぎです。
祐一がなんの脈絡もなく法術なんてものを使えたりとか、どうしてみんなを助けるのに師匠に相談しなかったのかとか、生命を代償に法術を使ったにしてもその事を何故師匠に言わなかったのかとか、ラストまるで見計らったように師匠が姿を現すこととか、そもそも師匠って何者なんだよとか……。
ちょっとこれは無理のありすぎるストーリーですよねぇ……。

022 笑い声がきこえる (採点:10)
うわ……完全無欠のダークですね……。
僕はダークが苦手なので何回も読みたいとは思いませんけど、すごくよくできたストーリーですね。
狂気とか救われなさとか怖さとか気持ち悪さはピカイチだと思います。
やられました……。

023 WA4 (採点:9)
良いお話ですね。理屈じゃなく、そう思いました。
強くあること。弱いと言うこと。孤独とか夢とか……正解のない問題なんて、いくらもありふれているものだな、なんて事を考えました。
もう一度言いますけど、良いお話だと思います。


024 Fated Meeting And Casual One (採点:3)
なんか、あんまりKanonのストーリーとしてはふさわしくないなって感じがしますね。
結局何が言いたかったんでしょう? このお話は。
別れと再会を書きたかったのなら、もう少し違った書き方もあったように思うのですが……。

025 歩いて行こう (採点:8)
格好良いですね、祐一。
こんな風に、『強く』『格好良い』祐一が出てくるお話は、やっぱり気持ち良いです。
少し無理がある展開も感じましたが、大いに楽しめました。

026 ステップ (採点:7)
秋子さんの過去編の話は良くできていると思うのですが、祐一と名雪の話に関してはちょっといまいちかな……と。
なんだか蛇足的に思えてしまったんですよ。色々説明も甘いですし。結婚に至る過程がちょっとあっさりしすぎかなと。
それと誤字が少々ありますね。
過去編だけだったら、9点です。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
途中まではハッピーエンドかと思ったんですけどねぇ……。この物語がハッピーエンドで終わらない理由は一体何なんでしょうか?
それと、真琴をはねた運転手。あれをあそこまで不快感溢れる人間に書く必要性は何処に?
あと、セリフはキチンと改行しましょう。読みにくいです。

028 ”プレイ” (採点:6)
まあ、なんとなく“仕掛け”は分かりましたけど……。
人称を巧く使ってますね。
でも、あんまり幸せな気分になれるお話ではないですよねぇ……。

029 最後の奇跡 (採点:7)
祐一が事故に遭うという展開は結構ありがちですけど、そこから後はよく書けているのではないでしょうか。
名雪も少し強くなっていますしね。
ただ、あゆの扱いが少しぞんざいに感じるのが残念ですが……。
あと、ラストはもう少し余韻みたいなものを感じさせて欲しかったですね。

030 奇跡のかわりに (採点:7)
ギャグかと思いきや……意表を突かれました。
面白かったんですが……最後でなんか、努力とか奇跡を否定されたような気分になったのは、僕だけなんでしょうか?

031 グッナイ (採点:7)
なんだか、独特の雰囲気があるお話ですね。嫌いではないです。こんな感じの。
それは良いんですが……なずなさん達の存在意義は何処にあったのでしょう……?
いまいち中途半端な感じがします。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:9)
面白かったです。
魔物視点のSSってあまりありませんし、何より『まい』たちの想いや決意が伝わってきてよかったです。
少しはしょったような感じもありますが、最後も綺麗にまとまっていましたし、読後感もスッキリです。

033 エム (採点:8)
『舞ちゃん先生』がなんか新鮮でした(笑)
ゆきちゃんの話、なかなか面白いと思います。子供って言うのは成長していくものですよねぇ……。
ただ、結構視点が色々変わるので、少し混乱しました。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
う〜ん、ほのぼのではないような……。
佐祐理さんが沢山の笑顔を見せるようになるかは、これからって言うことなんでしょうねぇ……。
あともう少し何かがあれば、傑作になり得たような……そんなお話でした。


035 復讐という名の代償行為 (採点:2)
最後が曖昧ですね。ダークと銘打つ限りはそこら辺をぼかしたって良い事ないと思いますよ。
謎も解けてないですし……。ダークと言うよりは、ミステリーっぽいですね。
まあ、点数低いのは、例えダークと言えども、強姦とかそう言う類のネタを僕が大っ嫌いな所為もありますけど。


036 ずっと伝えたかった思い (採点:6)
ん、まあ……普通のお話ですね。可もなく不可もなく……。
名雪が想いをうち明けて、振られて『スッキリしたよ』と微笑む。
ことごとく普通ですね。

037 美凪 (採点:7)
前編がひらがなばかりの文章で幼さを出していた所為か、後編になってもなんか美汐に子供っぽさみたいなものを感じてしまいました。多分、前・後編で文の調子が変わらない所為もあるんでしょうけど。
あと前編、基本的に丁寧語なのに時々そうじゃない口調が混ざるのは何か意味があるのでしょうか?
あとは……(Kanon世界に於いて)実在の人物である佐祐理さんをTV番組にしてしまうのはちょっとギャグっぽい感じがしますね……。
全体的なストーリーについては結構好きです。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:8)
過去、北川と香里が付き合っていたという設定は面白いですね。
二人とも、なんだかんだ言ってラブラブな様でごちそうさまって言う感じです(笑)
ラスト、実は栞の話だったって言うオチもなかなか楽しかったです。
ただ……作中、あゆが2度ほど脈絡もなく『私』と言ってるんですが、これは誤字なんでしょうか?


039 幻実、そして星 (採点:6)
この話の時間軸ってどうなっているんでしょうか? 祐一が関わらなかった場合のifストーリーかな……と思いましたが、ラストを見るとそうとも言えないようですし……。
それに、リボンをあげる所を読む限り、祐一がやってくるより前ですよね……? それなのに、魔物は全滅しているし……。
う〜ん、謎だ……。

040 楽園日記 (採点:10)
とても面白かったです。楽しめました。
こういう青春物(?)って僕好きなんですよ。四人とも、それぞれいい味だしてますよね。
読み終わったあとも、なんか良い気分になりますし。
こんな感じのSS、また読みたいですね〜。


041 また逢えたらいいね (採点:10)
良いお話ですね。うん、こういうお話って大好きです。と言うか、ツボです。
だから、理屈抜きで10点付けてしまいました(笑)
まあ、ネタだけじゃなくって、キャラクターやセリフ、話の運び方の巧さに寄るところも大きいですけど。
また読みたいですね。こういうお話。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:4)
んー、いまいち言いたいことがハッキリしないと言うか……ぼやけた印象を感じました。
なんか、祐一が自分勝手と言うかいい加減に思えるんですよね……。
嘘までついたにもかかわらず、佐祐理さんとあっさり結婚しているし、それをみんなに言いもしてないし、更に、舞とも子供作ってるし……。
ヒロイン全員出す必要なかったんじゃないでしょうか? なんか、彼女たちに対してあまりにも不誠実な気がして、ちょっと……。


043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
なんか、少女漫画チックなお話ですね。いい感じです。
美汐がなかなか可愛げで、ほのぼのしました。
ライトでサクッと読めるお話だと思います。

044 パンドラ (採点:7)
雰囲気がいいですね。
別に何かが突出しているお話というわけではないですけど、なんか安心して読めるお話だと思います。
ラストもちょっとメルヘンですし。


045 桜が告げる春の風…… (採点:9)
『春』『桜』のタイトルが示すとおり、暖かくて良いお話ですね。
みんな帰ってきてハッピーエンド。こういうお話は大好きです。
10点付けようかどうか迷ったのですが、ストーリー的にもうちょっとだけ絞れる気がしたので、9点という事で。
でも、読んだ後にほのぼのとした気持ちになれる良作だと思います。


046 ホワイト・ミュージック (採点:6)
雰囲気は良いと思うんですが、ちょっとストーリーが消化不良というか……いまいち謎な部分が残ってしまいました。
読み手の人が想像してくださいと言うことなんですかねぇ……。

047 笑顔 (採点:8)
良いお話だと思います。ただ、香里のエピソードがなんか浮いてしまっているような……。
もっと名雪の話と絡めるか、思い切って削ってしまうか……個人的には、もっと絡めて欲しかったなと思いますけど。
祐一があんまり子供っぽくない、というのは……まあ、ゲームでもそうだったし、あんまり気にすることでもないのかなぁ……?


048 走る少年少女達 (採点:6)
タイトルにあるようなマラソン中心の内容ではありませんね。なんか残念というか、拍子抜けというか……。
ちょっとタイトルミスって言う感じがします。
途中で祐一達が助けた女の子も話に絡んできませんし、少々消化不良かな……と。
ほのぼのとした雰囲気は好きですけどね。

049 少年期 (採点:7)
等身大の悩みって言うんでしょうか? その様なものがよく書けていると思います。
自分の学生時代はどうだったろうなぁ……なんて事を思い返してしまいました。
このお話の中では悩みは解決してないわけですが、まあ……それもこのSSの味なんでしょう。
タイトル通り、まさに『少年期』のお話だな……と感じました。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
冷静に見て、きっと傑作なんだと思います。
僕の好みには、とことん合っていないんですけど……。
ハァ……。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
久瀬がここまで壊れ役になっているのも珍しいですね。
それで、まあ……書きたいことは、作中で久瀬に全部言われてしまいました(笑)
一週間とついているのに……ってヤツですね。
そんな、自虐ネタにちょっとホロリと来てしまったので、+1点(笑)


052 Give me a reason (採点:8)
こういう、前向きなお話って好きですね。
ただ、全体的に明るめの、と言うか希望的な雰囲気で書かれているので、奇跡が起こる感動という面では少し力不足かもしれませんけど……。
でも、気持ち良く読めるお話です。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:5)
まあ、ラブストーリーとしては王道の部類に入るんでしょうね。
ただ、僕は祐一×メインヒロイン以外のカップリングって好きじゃないので点数低いですけど。

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:7)
『もの』として扱われている久瀬って言うのは結構よくある設定ですが、それに加えて多重人格って言うのはあまり見ない設定ですね。
これは、このSSの個性だと思います。こういう友情劇って嫌いではないです。
ただ、話の展開上、佐祐理さんを登場させるのは良いと思うんですが、最後の最後で恋愛的エピソードを書いてしまったのはちょっと……。折角友情中心で進めてきたのに、その雰囲気が壊れてしまったように思えます。


055 煌めきの欠片 (採点:3)
かなり解りづらい話だなぁ……と言うのが正直なところです。
話の内容、構成、文章、そのどれもがです。
『彼』や『彼女』などという代名詞がかなり多く使われていますが、『彼』が誰だかぼかしておきたいと言う場合は別にして、読みづらくなる原因になりますのであまり多用すべきではないでしょう。
更に、それらの使い方も無秩序でよくないです。


056 それ有る故に、それ在り。 (採点:4)
いまいち目的のよく分からない話だな、と思いました。
ストーリーを読ませたいのか、雰囲気に浸らせたいのか……。どちらかと言えば後者のように感じますが、それにしては、なんか退廃的ですし……。
それぞれの人物の役割もいまいち分かりませんしね。

057 移し火恋歌 (採点:4)
話が噛み合っているようで、実際は噛み合っていないと言うか……そんな印象を受けました。
なんか、2本のストーリーをいっぺんに読んでいるような感じでした。更に、それぞれの話が分かりづらい……。
舞の話一本に絞った方がよかったのではないでしょうか?


058 30℃ (採点:7)
この話が何を言いたいのかって言うのはよく分からなかったですけど、雰囲気は結構好きです。
全体的に明るめなのがよかったですね。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
こういう『勘違い』または『迷わせる』お話は結構好きです。
ただ、仕掛けがいかにもな感じだったんで、割と早い段階で気付いてしまったんですけど。
あまりにも、美坂姉妹や名雪達とかぶる設定はどうかな……とも思ったんですが、タイトル通り『繰り返されていく物語』としてとらえると、それもまた面白いですね。
“真琴”の存在や“秋子さんの事故”のことも考えると特にですね。なかなか巧いな、と。
繰り返して読むと、何とも言えない味がありますね。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
割と好みの話です。あまり、ダークって言う感じがしなかった所為かもしれませんが。
設定も巧いなって思います。
漠然と感じる少しのもの悲しさが、読み終わったあと、余韻としていい感じに残りますね。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:10)
こんな友人関係、羨ましいですね。
無理がなく、とても巧いお話だと思います。
ホント、読むことが出来てよかったなぁと思えるSSでした。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
まさに、リアル(現実)ですね。圧倒されました。
感動……と一言で現してしまいたくないんですが、でも他に語る言葉を持ちません。
傑作だと思いました。

063 丘の子守唄 (採点:6)
なんか、良いところで切られてしまっているという感じが……。
容量制限に引っかかったかな?
お話自体は良いと思います。読みやすいですし。
あと、どうでもいいことかもしれませんけど、『総一郎』って誰かを彷彿とさせるんですが……“彼”なんでしょうか?


064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
主人公は久瀬の弟……なんでしょうか?
割とオリジナル色の強い話ですね。
あまりKanonっぽくないかなぁ……って気はしますけど。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
ハッピーエンドのあとの幸せな物語。ありふれているけれど、暖かな日常。その様なものを感じ取れるお話でした。
ほのぼのって良いですね。素直にそう思えます。
……ここ何作か、続けてシリアスを読んでいた所為でしょうかね?


066 夢の終わりにもう一度 (採点:8)
哀しいですね……。
まあ、真琴シナリオを名雪に置き換えただけ……とも言えるのですが、それでも胸に来ました。
名雪の優しさが痛すぎます……。


067 風邪の一日 (採点:7)
オープニングの展開が、とある同人誌と酷似していますけど偶然ですか?
まあ、それはおいといて……。
真琴が可愛いですね。なにげに北川と香里もラブラブですし。
うん、楽しく読むことが出来ました。

068 名琴抄 (採点:5)
まあ、なんとなくオープニングの『名雪』の言動から、完全ではないにしろ仕掛けは読めたのですが……。
それにしても切ないですねぇ……。ちょっと僕の好みには合わなかったです。
あと、別にどうでもいいことなんですが、今まで読んだ中で初めて「ああ、このSS、あの人が作者なんだろうなぁ……」と推測できたお話だったりします。

069 ふたつのねがい (採点:8)
なんだか、読み終わったあとにホワホワした気分になりますね。
地の文が柔らかなせいか、なんだかあゆ自身が物語を語っているような気分になりました。
ただ、少し北川の性格が幼いかな……って感じがしましたね。


070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:6)
ええと……祐一がなんか祐一らしくないです。喋り方とか……。
それと、このお話は時期的にいつなんでしょう……? 別に話の内容的には問題じゃないのかもしれませんけど、とても気になりました。
あくまでパラレルワールドのお話と割り切れば楽しめるお話ですね。


071 一緒に生きたい (採点:4)
う〜ん、北川が7年前からあゆのことを知っていたと言う設定があまり生きていないように思えるのですが……。
最後、あゆの奇跡で栞が治るのかな、とも思っていたのですが、そうではなかったですし。
あとは、やっぱり北川と栞を絡ませるのなら、完全にオリジナルな話が見たかったな……と。本来の栞シナリオと所々かぶっていますしね。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:6)
この季節に読むと、少し雰囲気の出るお話ですね。
穏やかな毎日って言うところでしょうか。


073 ガールズ・ブラボー!! (採点:4)
このSSの見どころってなんでしょうか?
僕にはいまいちよく分からなかったのですが……。


074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
穏やかな日々ってヤツですね。
幸せそうで何よりです。


075 True story (採点:3)
なんか、SSと言うよりかは報告書を読んでいるような気分でした。かなり読みづらかったです。
セリフと地の文がほぼ完全に分けられていますし。それが余計無機質的な印象を与えているのだと思います。
地の文も、もう少し改行をこまめにした方が良いのではないでしょうか?
あと、名雪の妊娠ストーリーと美汐の妊娠ストーリー、両方書いてあることに何か意味はあるのですか? どちらかだけでもストーリー的には問題ないと思うのですけど……。


076 夢の劇場 (採点:5)
全体を評して言うなら、ごく普通のSSと言うことになるんだと思います。
でも、栞の最後の場面、『たすけて』という部分では、読んでいてゾクッとしましたね……。
なんて言うか、生の感情を見てしまったようで。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:8)
なんか、こういうあんまりドロドロしていない三角関係ってわりと好きなんですよね。
オープンな名雪の感情表現も可愛かったです。
あと、香里の微妙な恋心も見物でした。
それにしても祐一、優柔不断だなぁ……。


078 「dearest」 (採点:4)
なんか、『好き』って言う感情が浅く感じるな……と。
なんとなく、栞や名雪に流されて告白しているような、そんな感じを受けます。
そもそも、二人がそこまで香里の恋……しかも自分の好きな相手に対する恋愛に積極的な理由はなんなんでしょうか?
親友の初恋だから。お姉ちゃんだから。とか言う理由ではちょっと軽すぎる気がします。
もしかしたら、ストーリーの裏側で、告白して振られた、とか言うエピソードがあるのかもしれませんが、そんなの読み手の勝手な想像に過ぎないわけですしねぇ……。
やっぱり、祐一×メインヒロイン以外のカップリング(北川×香里なども含む)ではそこら辺の説明をキチンとして欲しいです。

○天武改 さん

003 お泊まりパニック! (採点:4)
少しギャグにパンチがないですね。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:10)
イイッす!!!かなりイイッ!!!
秋子さんにメロメロです(謎

○吐迄宴 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:5)
読み解く必要があるSSというのは、しかし読者にとって読み解く行為そのものが、
そして読み解けた時の興奮とお話への一体感、達成感が例えようもない快楽となる。
それはいいんですが、残念ながら私はそもそも読み解こうという動機を強く得ることができず、
また読み解くのに何度も何度も繰り返して読まなければならないという"苦行"に
耐えられませんでした。元はと言えば私の読解力不足が招いたことなのに誠に申し訳ありません。
しかしはっきり言ってしまうと、苦労して読み解いたところでおもしろそうな物語に思えなかったのです。

途中でストーリー展開(回想)部分に入ると途端に俗っぽくなって、それまで築いてきたもの(雰囲気)が
一気に崩れてしまうのもマイナスと言えばマイナスですね。

構成と、その試みはとても面白かったです。本当はもっと高い点をつけたいのですが……。

002 鈴の音よ再び (採点:3)
下の空白の後に何か入れてくれないと、こういう全く意味のないレイアウトに期待して、
それをすかされた私のような者からのウケは悪くなりますよ。

『・・・』や会話文の末尾に句点を残すなどの独自の書式が文章を非常に読み辛くしています。
それ以外は悪いこともなく、無駄のないなかなか良い文章であると思えるのに、
こういうつまらないことで印象を悪くするのは非常に勿体ないですよ。
特に理由がないのなら、標準の書式に合わせることをお薦めします。

さて、とても読み辛くはありましたが、内容自体はさほど悪いものではなく、
強くはあれなかった祐一が、不器用なまでに真っ直ぐに、愚かな生き方を選択するまでの物語。
泣き言たっぷりの中盤まではともかく、終盤に至っての愚かな結論には、個人的には
好感が持てます。いや、賢いのってあんま好きじゃないんですよね(笑
真琴を求め、しかしそれは叶えられぬという挫折について丁寧に綴られているのが良いですね。
特に、真琴を見かけたというストーリー上の起伏もあるのが良い感じ。

ただ、序盤の名雪には疑問もありますけどね。真琴のことで祐一が苦しんでいることくらいは
容易に推察できるはず。『最近、変だよ?』はないでしょうに(汗
また特にこれといった強力なアイデアの尖りが見られず、
ありがちな話になってしまっている感はあるのではないかと。
もう少しインパクトを与えるようなアイデア、文章、或いは展開のいずれかが欲しかったところです。

004 The regret (採点:2)
故人が未練を果たして成仏する。そのパターンのひとつとして完全に枠内に収まってしまうのが
なんとも残念なところです。もう少し発展させ、北川の人間の本質を見抜く能力を活用して
欲しかったなと思います。既に活用しているつもりでしょうが、別に特殊能力無しでも
容易に話は成立しちゃいますよ。ではどうすれば活用したことになるのか。香里が北川の告白を
受け入れるフリをしたら、北川はどうします? また、その場合は事前に香里と祐一との間に
名雪への遠慮などの何らかの事情があって、放置しておけば二人とも結ばれずに後悔し続ける未来が
予想される……そんな状況でならば北川がキューピットとして、その能力を活かした活躍が
可能だったのではないでしょうか? まぁ、一例に過ぎませんがね。
なんだかこの話のままだと香里が酷い女に見えてしまって、ヤな感じ。
容量はまだまだあるんですから、もっと書いて欲しかったところです。

さて、内容はともかく、とかく文章がよろしくありません。
表現はやや背伸びしていて頑張りは好感を持てるものの、やはり冷徹に評価すれば稚拙。
何よりもその誤字の多さは勘弁して欲しいところです。自身と自信を間違えるのは、
SS界の伝統のような気もしますので、それくらいならば笑って見過ごせるのですが……、
それだけに限らず冒頭だけで複数の誤字。誤字というより誤用、それに
おかしな言い回しも目立ち、とにかく読んでいてあまり愉快な文章とは言えません。

後学のために例を挙げておきましょう。
・後悔は『する』ものです。
 執着、妄執、心残りetcに置き換えを推奨。この話の場合は未練に統一してよかったのでは?

物語としての体裁は整っています。あと少しの努力で内容は充実し、見違えたように良くなる筈です。
頑張って下さいね。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
なんと言いますか……バラエティが豊かすぎて、読み手としては戸惑いますね。
シリアスにしてはやや不真面目。ラブとアクションは悪くはなかったのですが、
笑えないギャグが混じるのはちと勘弁して欲しかったところです。
最後の一文などは明らかに余計です(何のために出てきたのか。彼女に役割を与えるのは作者の仕事です)。

魔物の数はもちろん、最後に舞が魔物を倒しても彼女は平気であるという矛盾が起きてしまうのは
アクションとしてもちと疑問に思うところです。
まぁ、しかし固いことは抜きにして言うならば、舞の拗ねラブ攻撃も、途中の臨場感のある対魔物戦も
なかなかに楽しめましたよ。あとは絞るか、それとももっと重厚にするかのどちらかの方向を。

あと、文章・書式がとかく読み辛いものに終始したのはとても残念でした。

もう少しばかり詰めの作業を行えばきっともっと良くなる筈。頑張ってくださいね。

006 「日課」 (採点:6)
「さぁ、後は投稿するだけだっ」ってなところでPCが落ちて感想第一稿はエイエソへと旅立ちました(笑
……ので、なんだかよくわからん感想になってしまってますがご容赦くださりませ。

まずは印象ですが、文章や空き行が鬱陶しいレイアウトにはまだまだ改善の余地があるようにも思えます。
直接的な心情描写の連続は、ともすると女々しさ満点のグズグズした自己憐憫臭さが漂う危険も。
しかし、それでも私はこの作品が好きですねぇ。北川の造形がまず『奥手』というオフィシャル設定から
始まっているところに面白みがあります(これほど無視されてるオフィシャル設定も珍しい……)。
そして、それがなんとも等身大な造形で親近感すら湧いてきます(近親憎悪でなくて良かった/笑)
何よりも『日課』がいいなぁって思います。これだけでこの世界に色がつき、人物の息吹を感じさせ、
そしてちょっと切なくもなったり。その日課からはみ出た"クロスカウンター"もいい感じです(笑

ただ、北川が本当に”変わる”ことができたのかどうかという疑問も残ったりしますが。
まぁ、それはそれでいいかなという気もしないでもありません。
日課よろしく、彼はやはり彼なのでしょう。そのわずかな変身と、成長の可能性の片鱗とを
見せてくれただけで充分だと。この次の機会がいつか巡ってきたなら、
今度はきっと彼もそれを掴むことができると思わせてくれる、良いストーリーでした。

ただ、香里から誘われて行く、という展開にはやはりちょっと(汗
たまたま二人だけになり、気まずい空気を払拭するために苦し紛れに……って方が良くありません?
いや、香里は確かに誘ってきそうではありますが、それでは北川があまりにも情けないというか(笑

『―』は『――』というように最低でも2つは重ねて使った方がいいかと。
『…』も同様にできれば2つ、『……』にしてくれると私は見易くていいと思います。
それと、掴みの文章中に誤字があるのは初期印象をかなり悪くします。きっちり推敲を。

うーむ、第一稿とは明らかに別物の文面になってしまいました(汗

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
こ、こ、こ、コメントし難い作品ですな!(何故か鼻息が荒い)

まるでボーリングの球をバッターに投げて「この必殺魔球、打てるものなら打ってみろ」と言わんばかりの
内容には、確かに脳髄を蕩けさせるというか、むしろ回線を焼ききってしまうほどのパワーがあります。
一過性の展開に留まらずに、徹底的に、手を変え品を変えして攻めて来る構成がお見事。

他の作品には同じようなネタがなかったせいか、一人勝ちな部分もありますが、
同じネタがあったら間違いなく共倒れ。これは一種の賭けでしょうね(笑
また、規定では18禁は駄目なのに内容はある意味21禁(笑)なのが、ちょっと汚い気もします。

まぁ、しかし楽しめたのは事実なので良しとしておきましょう。
でも今回きりの一発ネタでしょうねぇ、こういうのは(汗

008 激辛 (採点:6)
シリアスばかりが並ぶ中にあっては、とても貴重な萌えSS、堪能させていただきました。
お話として綺麗にまとまっていて、素直に読めますね。
つーか、意地っ張りで、でも寂しがり屋な真琴のなんとも可愛らしいこと(笑

ちょっと誤字が目立ったのがマイナスと言えばマイナスでしょうかねぇ。
しかし文章も悪くはないもので、すらすらと読むことができました。

ちょっとネタがありがちと言えばありがちで、また内容は実質的には短篇だったのは
ちょっと物足りないなと思わざるを得ませんが、
まぁ、あまりこういう話に色々と付け足すのも何でしょうから、難しいところですねぇ。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:3)
会話文の末尾に句点が残っている部分が散見されます。推敲はしてくださいね。

ええと、場面毎を単体で見れば決して悪くはないのですが、(むしろ「今更」と答えるあゆに萌え)
それを全キャラでやってしまうのはこれはもう賭ですねぇ。あなたのやりたかったことは、
各ヒロインがどうして祐一のことを好きなのかと確認する作業、展開だったのでしょうか?
それとも、ハーレムを作り出すこと?
まさか後者ではありますまい。

全員ED……それがどういう理由でかはともかく、とにかく生命の救済であればまだしも、
そのヒロイン達がすべて祐一に心を寄せる……こんなに各キャラの造形を薄っぺらく
感じてしまうシチュエーションもないでしょう。
彼女らにだってプライドくらいあるのでは?
身を引く傾向のあるキャラも混じっているし、勇気のない、自分を騙して誤魔化すキャラなんかも
混じってますよね。ハーレム設定やキャラ観には私はあまり魅力を感じませんねぇ……。
まぁ巷にハーレムSSが蔓延している以上、そういうのは私くらいのもんなんでしょうね。
しかしこういう軽いキャラは個人的にはコメディ以外は許せないんです。申し訳ありません。
彼女らが軽く見える私には、彼女らが質問に対して出した答えを悉く信用できませんで、
根本的に私にはこの話はそりが合わないのでした。

あと、ヘタレ祐一も許せませんね。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:6)
「パプリカ……なんだそりゃ? そんな香辛料あったっけなぁ?」などと冒頭で思った辛党の私。
まさかそれが伏線になっているとは迂闊にも気付けず、見事にしてやられました。

あの冬に自分を"演じた"ことで、その本当の自分を見失ってしまった香里。
彼女が以前の自分に戻ることではなく、漸進を選ぶというストーリーはなかなか良かったと思います。
どんでん返しにもしてやられました(汗
小道具とそれに込めた意味が上手く纏まってますね。

欲を言えば、もう少し展開や描写に溜めが欲しかったような気もして、
そのためにほんの少しだけ物足りない気分があったりもします。

若干、書式の乱れらしきものと、何やら短い文章が詰まっていたような印象を受けて
個人的にとても読み辛かったのが残念。何度か同じところをぐるぐると読まないと進めず、
ちょっとテンポは悪かったかも知れませんけど、まぁそれは私だけでしょうな(汗
『・・・』は『……』に、?の後はスペースを入れ、代わりに無意味なスペースは消していただけると
少しは紙面が見易くていいかな、と私は思います。
(私はパッ、とまず字の並びを見てしまう変な癖があるのです)

011 残酷な代償のHappiness (採点:4)
消える前に、祐一をたばかってまで最後に想いを遂げようとするあゆ。
恥ずかしながら部屋のことがあるまではすっかり騙されてしまってました(笑

話のアイデアはとてもおもしろかったですね。
どこかコミカルになってしまっていたのはちょっと作品の主題に比べてあまりプラスになってないかも。
しかし原作のあゆが本当の願いを無理に押し込めて犠牲になってゆくのに対して、このあゆの
なんとも強かで、しかし同時になんと悲しいことでしょう。
実に愚かな娘ですね。それがまたあゆらしいと言えばあゆらしい。
一夜限りというのはある意味では救いなのかも知れませんね。

アイデアは良かったのですが、いまひとつ文章に重みがないというか……。
もう少し波乱の展開があっても良かったのでは?
中編部門に出品しておきながら、中身は実質短編というのでは読み足りないという感覚もあります。
そのため祐一の、真琴に対する情の深さが表現しきれていなかったような気もしますし。
真琴を愛している祐一だからこそ、あゆは一夜限りで身を引こうとするのですよね?
ならば、その絶対に届かない想いのすれ違いをもう少し重厚に書かれるのがよろしいかと。

それはそれとして、秋子さんは実はすべてわかっていながら、
わざと看過していたに違いない、と思っているのは私だけでしょうか?(笑

012 空っぽのテクスト (採点:3)
文章は、回りくどい割には内容が薄い気もしますが、少なくとも悪いものでは決してありません。
むしろ良いくらいなのですが……話の内容がちょっと私には合いませんでした。

っていうか、言わぬが花って言葉を知ってますか? 何もかも言ってしまってどうするんです?
この物語は、栞視点の三人称と、香里との会話や回想の断片などを利用して
情報を小出しにしていくようなSSの方がおもしろかったんじゃないかと、個人的には思います。
さらに、テキスト量に比例したのか、内容が薄いと言いますか、実質短篇ですねぇ。
中篇はボリュームのある話が多いせいで、どうしてもコンパクトな作品には物足りなさが感じられます。

何も書けなかったという遺書。そのアイデア自体は面白みがあったのですが、
物語としてそれを上手く活用できていなかったのではないかと思います。残念。

013 Conservation for Love (採点:4)
お、恐るべし天野家の女たち……(笑

若干、展開に無駄が多いような気がして、
また美汐の倒れる様がリアルすぎてイヤなので
それなりに楽しめた割には、ちょっと点数は中途半端に。

つーか、もう秋のせいか一気に底冷えしてしまいました(汗

014 おまえの名前 (採点:3)
『部屋に入った真琴はそのままベッドにボディプレスの姿勢で飛び込んだ』
なんだか楽しそうだなぁ、なんて思った私は文盲でしょうか?(笑
間に『暗澹たる面もちで』とか『ため息ひとつつくと』とかなんとか入れると良かったのでは?

さて、細かいツッコミはこのくらいにして内容の感想に入りましょうか。
まずテーマというかモチーフが実に素晴らしいですね。そして、その解決にあたっての論理展開も
清々しく、私にも納得のいくものでした。真奈美が真琴を羨むような、そんな風景が
浮かんでくるようで、読後感は抜群に良いです。

が、まず冒頭であげたように、時折稚拙と言っては何ですが、なんだか首を傾げたくなるような
そんな表現、かてて加えて辻褄の合わない会話なんかも混じっています。
『で、真奈美さんはどんな話を聞きたい?』、これは美汐ですがなんだか不自然だと思いませんか?
いつ真琴が話を聞きたいなどと言ったのでしょうね? また『あとは…まことさん…』も不自然です。
これではまるで話の筋を強引に進めるために、整合性を無視しているようなものではないですか。
容量に余裕があるのですから、展開を急がずに不自然さはなくしても良かったと思いますよ。
なにしろ、冒頭の時点でもうどんな風に展開していくのかはだいたい予想ができますから、
あとはそれをどれだけ充実した内容にできるかが勝負です。

このSSの最大の欠点ですが……それは登場人物が、秋子さんと祐一を除いて、
あとはすべてオリキャラであるということです。
名雪と美汐は完全に別人になってしまっていますね。
『人は20年近くも生きれば変わるもの』なんてのは逃げですよ。こうしたアフターストーリーでは、
どのように変わったにしろ、確かに彼は彼女は誰其れであると読者に納得させるだけのものを
残しておかなければならないと、そんな風に私は思いますよ。

あと、タイトルはいまいち。回文みたいで語呂悪いですしね(笑

テーマと、それを消化する方向はとても良かったのに、
物語として、二次創作として破綻気味だったのはとても残念です。いま一歩の努力を。

016 脱走と追跡のカノン (採点:2)
所々笑える部分もあるのですが、こう長いと最後の方はさすがにダレてきていたような……。
いちいちあゆの言動などに良い意味でのツッコミを入れたくなるネタが満載で、
確かにそこそこ楽しめたのですが、そもそもあまりにもナンセンスすぎるような(汗
いえ、それが狙いなのでしょうけれど、残念ながらこの長さはちときつかったです。
その長さと無意味な複雑さが祐一の負けにつながっているのでしょうけれど、
祐一ばかりか、読んでいたこちらも負けた気分です(笑

ジャムネタはちょっと勘弁して欲しいなぁ、と個人的には思います。
それの効果がよっぽど奇想天外でユーモアを秘めているのなら、或いはジャム自体が話の主題として
相当な意味を持っているのならともかく、安易に使われるのは勘弁して欲しいところ。
このSSではギリギリで意味がある……ような、無いようなデッドライン上でしょうな。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
もう何が何やら……(笑

正直、これまで性反転ものに”おもしろい”ものは一つとしてないと、そのように思っていました。
実際に読んでいて、呆れるほどのドタバタか、痛いオリキャラストーリーか、矛盾展開話になるのがオチ。
コミカルなうちは楽しめますが、まともにお話として纏まったものは皆無だろうと……。

そうしたアンチ性反転な私をすら、ノックアウトする見事な出来映えになってますね。
ラブストーリーとしてちゃんと読めた上で、実は女だったというアイデアを上手く絡めておられますな。
そしてそういういわゆるゲテモノなものをこのこんぺという場でぶつけてくるその作者根性は天晴れ!
出来が悪いと文句無しに総スカンを喰らいそうな大きな賭(笑)を、よくぞ(笑

欠点としては、書き込み量的には短編のそれであるため満足感が薄いということと、
あとは……そうですね、『……』の使いすぎで会話のテンポが悪いということでしょうか。
また、展開としても序盤辺りでまずキャラクターに愛着が持てるような展開の溜めが
欲しかったかなぁ、といった感じで。

まぁ、しかし異色作品を存分に楽しめました。どうもでした。

018 雪解け水 (採点:2)
ごめんなさい、ちょっと好みに合わない書かれ方でした。
祐一があゆではなく名雪を選び、しかしあゆはそれ(祐一の幸せ)に満足して消えてゆく。
その主題自体は私は結構好きなんです。
消えていく者の健気さに萌えて、それでいて後でしっとりと泣けますから。

何やら、あゆの描き方が表面的というか軽視されていませんかね?
幸せになれないキャラをこそ重点的に描くくらいのつもりでちょうどのバランスだと思うんですよ、
こういう話は(幸せになるキャラは自然と扱いも濃くなるものです)。
あゆのことで本気で悩んでいた祐一があっさりと名雪に鞍替えってのも唐突で凄ぇヤな感じです。
初恋ではなく『ただ心配なだけ』に改変したくだりが本文には出てこないので、
これも受け入れ難く。(特に最後でそんな風にあゆに言われても……。むしろ私なんかは
「本当にそれでいいのか?!」と問い詰めたくなりますよ。むろん、あゆが言うのはわざとだと
思うのですが、それを祐一があっさりと受け入れてしまうので、やっぱりなんだかなぁ、と)
祐一が『いつも名雪のことを考えていた』くだりも弱いのではないかと思います。
要するに、もっと展開・描写を重厚にして欲しかったな、と言うことです。
設定改変をしたのならば、書かないまでも途中で暗示させてくれないと説得力がないです。
あゆと名雪との絆についてそれを構築していないのも特にマイナス。
あゆが祐一と名雪の仲立ちをしようとする場面は結構好きなだけに、それまでの展開から
もっと説得力が欲しかったですね。
そういや説得力と言えば、死亡記事でないのにあゆは死んでると思い込む祐一にはちと疑問が(笑

あと、何よりもこのSSにもし続きがあったらそれは悲惨な物語だなぁ……なんて思いもしたり。
あゆの死亡日時をもし祐一が知ることになったら……。
私は、名雪と祐一との前途を明るくして欲しかったです。折角あゆが命を賭して祝福した絆ですからね。
あゆを中心に据えて書かれたものならばこの終わり方でもいいのかも知れませんけれど……。
あゆはもっと以前に死んでいた設定で良かったのではないですか?
記事は事故当時ではなく、死亡時のもので、それを契機にして祐一は幽霊であるあゆに何かしてやりたいと
そんな風に思う……そうすればもっと名雪と祐一を素直に祝福してあげられて、そしてあゆは
祐一達から暖かい何かを貰って成仏する(笑
それでよかったのでは?

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
規定には外伝はダメだとありますな。問答無用で0点と言いたいところですが、残念ながら
システム上、どうしても1点をつけざるを得ません。
読者を、そして他の作者様全員を裏切り、罵倒するような作者姿勢をまず反省し、改めてください。
作品の質の向上はそれからのお話です。
……とは言え、それで終わっても何ですので作品内容についても触れておきましょうか。


さて、私はSS以外の小説はミステリやスリラーなどのエンターテイメントを中心に読んでいます。
その経験上から、ミステリと自ら名乗るSSに期待していたのですが……。
ミステリはたいていはラストの1/4はおもしろいものです。(噴飯もののラストもたまにありますが/笑)
残りの3/4を如何に退屈させずに読ませるか、そして読後感は? それが面白さの私なりの基準です。
その私に言わせると、この作品は残念ながら3/4を読ませる工夫が若干不足気味だと思います。
冒頭で読者の心を掴む、或いは主人公達の日常/非日常を魅力的に描く、連続して事を起こす、
犯人視点などを駆使して脅迫感・緊張感を煽る、逆にひたすら淡々と描くetc....
この作品の場合は日常/非日常を魅力的に描こうとして、しかしやや滑り気味ですね。
そしてまた、ラスト1/4は噴飯もので、読後感も読者を置いてきぼりの最悪なものです。

容量は余っているのですから、もう少し情景描写をしてください。そして、
その代わりに無駄な展開を省いて退屈を避けましょう。
バイト云々&旅行に行くぞのやりとり、朝食シーンなどは全くいらないと思います。
どの場面か不明な(おそらく”本編”の一場面と思われますが)冒頭も別のものに変えましょう。
ハリウッド的手法に従って、旅先での出会い(再会)を話に絡めるのも良いです。
あと、何よりもこのお話の中できっちりと決着しましょうね。読者を舐めてはいけません。

3人のやりとりを如何にすれば楽しくなるかついては、私ではろくに代案を提示できませんが、
今作品のそれはかなり惜しいところで滑っていたと思います。あと一歩頑張ってださい。
(『…』を使いすぎでテンポが悪くなっているのだと思います)

つまらないツッコミで恐縮ですが狼は人間に慣れないと言います。
また、そもそも日本には生息していません。それがいること自体がその別荘地にとって、
それこそ全国ニュース規模の大事件であると思いますよ。アザラシよりは上でしょう(笑

020 私の望み (採点:2)
うーん、これといって面白みのない話に終始したのが残念でしょうか。
内容は甘々の告白シチュエーション。それ自体はソツなく纏められているとは思います。

しかしまずもって、美汐と祐一が相思相愛であるという所から出発されているために
私はいきなり置いてきぼりを食うことに。
後で何故そうなっているのか独白されてますが、真琴のことで辛かった筈の彼が、
帰ってきたのに、とっくに他の女に気持ちは移っている……うーん、ヘタレですな。
正直、そんなヘタレが奇跡を起こしたり、同情や何かといったものでヒロインの気持ちが
掴めるとは到底思えないのですが。真琴はどうして帰ってこれたんでしたっけ?

あゆ、舞なども完全に不要でしょう。あゆなどは存在そのものが祐一のアイデンティティに
強く影響する筈です。設定と人間関係の見直しをされた方がいいと思いますよ。
真琴EDで真琴が帰ってきたのに美汐と……というシチュエーションが好きでないこともありますが、
せめて微妙な背徳感のようなものすらも無かったのが残念。これではまるで真琴がピエロのようです。
当て馬にするのなら、せめて当て馬なりの役割(はっきりしない二人をくっつける)を与え、
その上で捨てられた者の悲哀と立ち直りも覗かせるべきではないでしょうか。

展開上もお約束と言うか、波乱もないし、そもそも鈍すぎる美汐にはうんざりしてしまいます。
その気持ちに気付くが、それに素直になれない。それが切なさを出すための常套手段では?
まるきりマヌケ扱いでは、主人公であるのにこちらからも感情移入のしようもありません。

文章については描写は不足気味ですが、特に印象が悪いというほどでもないでしょうか。
『……』の使いすぎでテンポは悪かったとは思いますが、レイアウトには気を遣われているようで、
そういう妙味は楽しめました(若干クドいとは思いますが)。

この作品の美汐には残念ながら魅力を感じることはありませんでした。
美汐が特に好きでも嫌いでもないという困った読者に、どうしたら彼女を好きになってもらえるか、
もう少し捻ってみては如何でしょうか? いや、そんな読者を想定していないのなら別に構いませんけど。

客観的に見れば普通作ではあると思いますが、ちょっと個人的にはこの設定、展開には頷けません。

022 笑い声がきこえる (採点:7)
血も凍るサスペンス調のダークSSですね。
なんだか微妙にネタ被りで、後発としてこちらを読んでしまったために
純粋なインパクトが薄れてしまったのは読み手としても残念でたまりません。
おそらく既に作者様はうどんで首吊りの準備をされていると思いますが……(笑
「"また"名雪が殺すダークかよ」と思わせてどんでん返し……の筈だったんですけどねぇ(汗

しばしば真琴は純粋なキャラであると言われます。
しかし、純粋が果たして本当に良いことなのかどうかというとそうでもないですよね。
純粋が美徳なら、道徳や理性は不徳なのかと。
結局のところ、行きすぎたものは理性でも純粋でもある意味とんでもないものである、と。
そういう真琴のキャラの評価に一石を投じる正統派のダークSSになっていると思いました。
誰もが救われず、不幸になっていく展開、特に独りよがりの殺人者にはロクな結末は訪れないという
定型的なお約束をきっちり果たしてくれているのが好感を持てます。

しかし祐一はもうほんの少しだけヘタレ気味で良かったんじゃないかと。でないと単なる被害者ですから、
ダークとしてのやるせなさは薄れてしまいます。
(真琴には意地悪に当たり、名雪に優しい場面を事前に書いておいて欲しかった)
ついでに、名雪も祐一に思いを寄せる場面があれば良かったかも。
でもそこまでやるとSSとしての体裁が崩れてしまいますね……やっぱ無理な望みですか。

また、セリフはちょっと嫌味というか、あまりにダークの定番でそれ自体にはさしてインパクトは
なかったように思います。特に最後の秋子さんの狂いはいらなかったかと。
表面上は冷静に、しかし苛烈な様子を見せていた方が良かったんじゃないかと私などは思いますが。
安易に狂うヒトタチにはちょいと食傷気味だったりしますので。

まぁ、何はともあれこの雰囲気と騙しの構図はお見事でした。
でも鏡はちょっと……(汗

023 WA4 (採点:1)
「は?」
私がこの作品に抱いた感想を一言で表すならば、この言葉以外に無いでしょう。
Kanonの設定を変更し、人物造形を変更し、口調を変えてまでやりたかった話とは何なのでしょうか?
掲示板を開設されましたら、是非内容の要約と作者の目論見を解説していただきたく思います。

申し訳ないのですが、正直、私にはワケがわかりませんでした。
冒頭で出てきた電波入った美汐も謎ですが、水瀬家と祐一との関係を綴った本編も意味不明です。
妙ちくりんな病気にかかった秋子は働き過ぎだと仰られるが、何もしなくても月10万は入るとか。
つーか、最初から入院してなさいって。心配かけたくないからと家にいて、それで悪化させてたら
世話ないですね。見捨てられないとか、自由にしろとか、好きだとか、とにかく重みがないです。
設定に現実感も面白みもないんですよ。挙げ句が秋子は祐一を追い出そうとし、
祐一が好きだと言う名雪に祐一を縛るなとなじり、祐一はそんな二人を見捨てられないから残ると宣う。
もう理不尽としか言いようのない設定に展開に、ひたすら混乱しました。

とっとと水瀬家出た方が幸せになれるのに、見捨てられないから残る、とそういう不幸系の話ですか?
そして悲劇は繰り返される、と?
これはこの世の(この世のものとも思えませんが)不条理を描いた作品なのかも知れません。
そうだとしたら、確かに不条理を見事に展開されています。
が、どっちにしても言えることは、全く面白くなかったということだけです。

文章や表現は拙劣なのですが、まぁどうにか読めないこともありません。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:1)
「はぁ?」
初期の印象、及び読後感を一言で表すとまさにそんな感じ。

なるほど、SSは突き詰めれば元はすべてが特定の人間の妄想ですわな。
しかし、その妄想を一つの物語として、何よりもKanonの二次創作として再構成することで初めて、
そのかつて妄想であった物語を我々読者が読み解き、楽しむことができるのです。
その共通認識による摺り合わせ作業を、この話は放棄されているように思います。

話の内容にも目を向けてみましょうか。しかし、そちらでも正直楽しめはしませんでした。
このグズグズと自己憐憫臭にまみれた文章、内容、主人公の人格なども不愉快極まりないですね。
最近は自己憐憫ヘボ野郎が流行っているんでしょうかね?
悩むな、落ち込むなと言うつもりはありませんが、これはあまりにも酷すぎ。

物語としてわずかなりとも魅力を感じたのは喫茶店での奇妙な逢い引きのシーンくらいですか。
もっとも、そのシーンもグズグズした文章のせいで台無しなのですが。そうしたシチュエーションを
もっと上手く使えていれば、少なくとも物語として成立していたのではないかと思います。
喫茶店でのすれ違いの日々と、手短な回想と葛藤のシーン、それに二人が壁を取り払って
再び会話を交わすようになるキッカケの出来事。こんなもんで良かったんじゃないですか?
まぁ、それは中篇というよりは短篇になるのでしょうけれど。

独自の書式、言葉遣い、それに最後の英文は完全に滑っていると思います。
不愉快以外の何者でもありませんでした。
また『この部屋が自分の部屋だとはあまり感じられない。無理も無い。この部屋に入るのは本当に
久しぶりなのだから〜〜殺風景なこの部屋にもどこか思い出の詰まった、そして憂いに満ちた感じがする』
などのように、意味不明で自分酔いしか感じられない文章も目立ちます。稚拙というより不愉快ですな。
……私の読解力不足のせいであれば良いのですがね。
自分の部屋とも思えないと言った直後に、思い出が詰まったとは何事ですか。
好意的に意訳すれば、
最初は違和感を感じたものの、当時のままにしてある部屋を見回すうちに次第にその部屋に詰まった
様々な思い出が甦ってきた。ただし、それらはあまり懐かしみたくなるようなものではなかったのだが。
と、こんな大意の文章に読めないこともありませんが。

026 ステップ (採点:4)
文章は一級品。語彙も豊富かつ、的確な描写に読みやすいレイアウトと、言うことなしです。

しかし……うーん、どういう点数をつけて良いものやら悩みます。
悩んだ時はおよそ考えられる限り最も厳しめの採点をすることにしていまして、
申し訳ありませんが高い得点はつけられません。

まず、ネタがありがちです。
秋子が若々しい理由はわかりましたが、設定の改変までして強行するほど
魅力的かつ斬新なお話だったとは、私には残念ながら思えないのです。
市役所に行った瞬間に真相が容易に予測できてしまい、
その後の展開に波乱や緊張を感じることはありませんでした。
元々、私が安直な事故ネタを嫌う傾向にあるせいでもあるでしょう。

また、もう少し母娘の間のエピソードを描き、名雪の葛藤や秋子の苦闘に
読者が共感し、感情移入できる展開が欲しかったところです。
正直、中篇というよりは短篇でしょうね、この内容の薄さは。

そういうわけで、文章はかなり評価できるのですが、そもそも話として面白くありませんでした。
中篇らしいボリュームのある話が欲しかったところですね。

027 ウエディングヴェール (採点:3)
メインのアイデアはおもしろかったんですけどねぇ。
既に死んでいる筈の真琴がヴェールを返しに来る。そして、礼を言って消えていく。
個人的に真琴シナリオで不満の残る部分、知性のないままに別れを体験することが、
このSSで補完……される筈だったんでしょうね(汗

まずは全般ED。どんな筋道を辿ったらこうなるのやら……。
そりゃあ、そういうものも読んだことはありますが、個人的には全般EDで納得、満足した作品はほぼ皆無。
そんな人間には正直、この設定は勘弁して欲しかったですよ。
好きなキャラである真琴、舞、あゆ、栞のどれかに肩入れしても絶対に不満が残ってしまう……。
登場させるなとは言いませんが、その設定はヒロインらしく、或いは脇役らしくして欲しいところです。
つーか、各ヒロインとの名場面を冒涜してません? 全般EDってのは。
本気で栞を恋人として扱わないと、或いは本気であゆの全存在を受け入れないと、舞に呼びかけないと
彼女らは心を開いてくれず、起こる奇跡とやらも起こらないんじゃないですか?
……なんて思うんですが。いや、全くの私見(というか偏見)ですけれどね。
なら読むなと仰られるかも知れませんが、”ほぼ”皆無であって全く皆無ではないので、
単純におもしろさが私の萎え要素を下回っただけの話です。

折角奇跡の復活で登場したのに、えぅーな栞とうぐぅなあゆ。何の役割があって登場したんでしょう?
キャラを絞って欲しいです。脇役にしか為し得ない役割を活かしてこその脇役でしょう。
顔は見せてもたいして役割のない人たちも多くいますし、この主題にこれだけの
キャストは果たして本当に必要だったのでしょうか?
ラストの場面や、真琴に思いを馳せて涙をこらえる場面はとても美しいのに、
全体の無駄な構成が多すぎるためにすっかり台無しに。
本当に勿体ないですよ、このアイデアは。

文章はかなり頑張っているように見えますが、まだまだ粗が目立ちますね。
マイナスするほど悪くはないのですが、残念ながら良くもないのが実状です。
後学のために例をひとつ。
たわいもない→他愛もない(使用されている文中に於いては「他愛のない」が良いかと)

絵的に映える場面を生み出す、良いイマジネーションをお持ちのように思えますので、
あとは技術さえ磨けばとても良いものができる筈。頑張ってくださいね。

028 ”プレイ” (採点:9)
騙しの構図が見事な作品ですね。
”舞を名乗る少女”が消え、残ったのは二人の"佐祐理と名乗る少女"ってことなのでしょうか?
(って間違ってたら大恥かいてますな/汗)
終章のおそらく本物の佐祐理がまたいい味出してます。このラストシーンが、
読後の余韻を深く、哀切なものへと昇華してくれているような気がします。

ストーリーの行方とはまた別に、ラブシリアス系としても白眉ではないかと。
語り口とも相まって、相手に抱く様々な感情が切々と綴られているのが良いです。
狂おしいまでの恋慕の情、失うことに対する恐怖と不安。真実と偽りに満ちた罪深き背徳の日々……。
甘々なそれには見られない切り口を生かし切った、素晴らしいラブストーリーでした。

ただ、文体の達成に若干の引っかかりを覚える言い回しが残っているのが非常に残念。
『とか』や『抜かしても』などなど。この重厚な文体の中ではかなり浮いています。
私はこうした部分が特に気になってしまい、文章が醸し出す雰囲気に酔えなくなるので、
文体を決めたならばとことんまでそれを貫いて欲しいと思います。

そうした瑣末な欠点はありましょうが、それでもやはり面白い話でした。
Kanonではない、という意見が出ることも予想されますが、私はこの話に
かつて舞と名乗ったであろう少女の弱さと愚かさが語られているような気がして、
そういう意味ではこれもKanonの一形態ではあるに違いないと、そんな風に思えます。
(とは言え、やはりKanonである必要があったかどうかは疑問ですが/汗)

ラブストーリーの中では、圧倒的に面白かったこの作品に私は低得点はつけたくなかったので
9点ということで。一風変わった、面白い話をありがとうございました。

029 最後の奇跡 (採点:2)
うーん、なんと言いますか、私は残念ながらこのテのKanonの後でまた似た奇跡を繰り返す話は
もう読み飽きてしまっているのでして、そういう意味ではどうにも高い評価はあげられません。
特に安直な事故ネタはもうホンマに勘弁してください(汗
事故を使うならば新しいアイデアの帰結として使用しないと、私のように既に読み飽きたという
困った読者にはウケは悪くなりますよ。
(事故ネタやるなら……偶然ではなく必然だったとか、動物轢き逃げ事件を追うとか、事故車には知己が、
或いは事故車を運転していたのが祐一だった、とか。事故被害者ネタはもう飽きました)

あゆが出てきて祐一を連れていく……というのもどこかで読んだアイデアですねぇ、残念ながら。
結局、名雪の元に帰ってくるのもやはりどこかで何度か読みました。
そういう意味では徹頭徹尾、斬新さは見られず。残念です。
先達を超えるような重厚さも上手さもありませんし、こういう後発はやはり不利でしょうね。

あゆの造形に小狡い面があるという、およそ原作からはあり得ないものに変更されていたり、
(あゆはもう少し狡くなってもいいと個人的には思いますが、そうなれないのがあゆというキャラかと)
祐一がヘタレだったり(最愛の恋人である名雪のことをあっさりと忘れているのもそうですが、
あゆのことを結局不完全にしか思い出さないのはもうオメデタい脳みそしているとしか
言いようがないです)して、申し訳ありませんがとても楽しめるものではありませんでした。

ただ一点、名雪が落ち込むところから、祐一の目覚めを信じるところだけは、
落ち込むだけの本編から少しは成長してますから、そういう意味では名雪の造形は良かったとは思います。
ただ、早い段階で死なせてしまうのはちょっと疑問もあったり。
あゆの奇跡も死人にまでは通用しなかった筈ですし、ここは危篤程度で良かったのでは?(汗
いったん臨終と確認されるが、呼びかけに応じてフラットラインは数分程度で済んだ、くらいで。
あと、前半でもっと名雪に感情移入させる書き込みが欲しかったですね。集り女には萌えませんて。

また『……』の使いすぎで読み辛かったです。

個人的な好みが萎えの理由ばかりで申し訳ないです。それを除けば4点くらいはカタいんですが……(汗
たまたまある読者(私)の萎えポイントを的確に連打する内容であったということで。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
高い点こそつけられないものの、このSSはとても面白いものでした。
前回のPiro-suke氏を彷彿とさせるこのセンスは、私的にも好みで、何よりもこの大胆さが実に心地よい。

と、褒めちぎるだけなのも何なので、高い点をつけてあげられない理由を(泣
まず、アイデアが実は二番煎じっぽいんですよね。例に挙げた前回のPiro-Suke氏と同様、消えることを
主眼としているため、若干似た風味が隠せません。
また構成なのですが、中篇という長さを活かしたパート割りの目論見は、それ自体は上手いと思います。
しかし、その前半部で読者の気持ちをグッと掴まないといけないところが、若干滑っていたようにも
思えてしまうのです。というか、1/5まではちょっと勘弁して欲しいと思いながら読んでいました(汗
急展開の場面がとても良かっただけに、その落差を際立たせられなかったのは残念。
今後はこの辺の愉快なやりとりの質の向上が課題となるのではないでしょうか?

あとは、ストーリーの内容についてですが。
アイデアはそれはもう素晴らしい。特別賞があったらまずこれを推すところですが、
その帰結がちと尻窄みと言うか、やはりこれも物足りない部分があります。
北川の存在、自分の意志を持った=自分の幸せをもきっと希求したであろう香里の内心と恐怖、
その他にも名雪、栞、祐一自身がそれぞれもう少し物語に果たす役割はなかったのでしょうか?
独創的な話であるが故に私のような凡人には、もう具体的にどうしたら良かったのかと
提示できないのが実に恨めしいのですが、しかしこのままではあまりにも勿体ないと思えて仕方ないです。

また、文章と言いますか……ちと描写が不足しているのではないかとも思います。
一番大切な場面、夕日の屋上の描写などに見られるように、少し物足りない感がありますね。
情感が漂う文章は、否が応にも場面を盛り上げてくれる筈。これが身に付けば大きな武器となりましょう。
誤字が少しばかり見られてしまったのは残念。あと『……』を若干使いすぎだと思います。

と、まぁ欠点だけで随分書けてしまうのが高得点をあげられない理由です、ごめんなさい(汗
それでもやっぱりこの作品はおもしろかったと思います。(だから余計に勿体無く思える)

031 グッナイ (採点:1)
失礼を承知で言わせていただきますと……私にはこの話の内容を
よく理解することはできませんでした。
臨時掲示板を開かれましたら、できれば内容の要約と作者の目論見の解説をお願いします。

とりあえず主題は等身大の家族を、水瀬家をモチーフにして描いたように思えます。
その試みはなかなか面白そうだと思います。と、言いますのもたいてい水瀬家SSというと、
大家族系&定番ネタによるドタバタか、徹頭徹尾ほのぼのに終始、
或いは事件・危機を持ち前のポジティブさで明るく乗り切っていくものくらいしか記憶にありません。
ギャグでなら「今時の母娘」を表現したものがありましたが、祐一も含めての等身大のそれを
描かれようという、その姿勢は私にとって大変面白みがあり、好ましいものに思えます。

しかし、この作品はその文字の羅列、文章の集合体、SSとしての内容に
致命的な瑕疵があるように感じ、最低点を付けざるを得ませんでした。残念。

まず、秋子さんの人物像を飾ったそれから実像に近づけようとなさっているのですが、これが良くない。
そもそも飾った秋子さんの造形からして、ゲームからかけ離れています。
冒頭ではうっかり母、中盤では(自主規制)女、終盤でも無能っぷりをさらけ出し、これはどの角度から
見ても(喋り方からしても)別人です。しかも不快を与える方向に変わってしまっています。
実像はそれに輪をかけて不愉快であり、「あぁ、あるある」と読者に納得と共感を呼び起こすことは
出来ないでしょう。むしろ反感を巻き起こすのみ。

冒頭で真琴が妖狐であったと語られる時点で私は真琴EDだと思ったものですが、途中で名雪が出てきて
読者は置いてきぼり。しかも名雪の登場には、さして意味がなかったような気もします。
(依存対象が変わっただけ。親離れとは別種のものだと思われます)
オリキャラの造形も単純バカばかりで、雰囲気を悪くさせるためだけに登場したとしか思えません。
しかも解決しないものですから読後感すら悪い。

文章については、一見しただけで短い文節と読点の連続にちょっとうんざり。
また全く無駄・無意味な描写が多く、その代わりに必要な描写が大幅に欠けています。
あなたのビジョンを、読者に快楽を与える文章にして伝えるという作業を怠らないように願います。

折角の面白そうな主題・切り口を、面白い物語として結実させるための、今一歩の努力を。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:5)
魔物の姿。アニメカノンなどではショボっちい化け物に描かれていて、かなり落胆した覚えがあります。
私は魔物とはずっと5人の"まい"をイメージして、そしておそらくは祐一の到来によって
文字通りざわめいていたのではないかとずっと思い続けてきました。
つまり、このSSで提示された解釈そのままなんですね。
むしろ暴走というアイデアがある分だけこちらのSSの方が上かも。
そういう意味ではついつい8点とかつけたくなります(笑

さて、しかし残念ながら相対評価なので他との兼ね合いのためになかなか高得点があげられません(汗
(他が良すぎることもありますが)どこが減点対象になってしまうのでしょう?
まずは文章です。時折淡々とした心情の吐露の中に、やけにフランクな一文が混ざってしまってます。
幼いまいの精神のままに綴るのか、それとも淡々としたそれから悲哀を醸し出すのか。
このSSにおいてはもちろん後者のそれが採用されていて、そしてその中ではそうしたフランクな
語調は浮いてしまいます。(『それと』や『なのに』の使い方が具体例のひとつ)
また必要であるとは言え、必要以上に説明が多すぎたような気がします。
もう少し情報を抑えて、心情を中心にしていくのが好ましいかと。
情景描写があまりにも無いというのも如何なものかと。夜の学校というのは私的にはそれはもう
絵的には映えるシーンであると思うのです。上手く使えば盛り上げる一助になった筈。
レイアウト。私は行空けは好ましいと思う方ですけど、さすがにこれはやりすぎ(汗

展開も唐突に飛んだり、省略していることが多く、
佐祐理の怪我がいつだったのかはっきりしません。
舞踏会での暴走は、まさに暴走という悲劇性を帯びている筈。その「早まったかも知れない」という
”まい”の葛藤と「もう止まれない」という悲運とをもっと上手く使えた筈では?

個人的にはとても気に入っている主題、内容でありながら完成度という面では高得点をつけられないのは
返す返すも残念でなりません。作者様の感性を大切に、さらなる充実を期待したいところです。
これも個人的に、ですが最後の作文のシーンはとてもいい感じだったと思いますよ。まさに希望の名に
ふさわしい気持ちのいい終わり方ですね。

ところでタイトルはどっかで聞いたような……?(笑

033 エム (採点:3)
モダンホラー風味ですね。こういうポルタガイストなホラー話は大好きです。

でもやりたい話のために、Kanonの設定を借りただけのようにも思えたり(汗
もうあと少しだけ、舞を彷彿とさせるようにゆきの描写を深くして欲しかったかも。
やや表面的にすぎる造形であったような気がして、どの人物にも感情移入できませんでした。
ゆき、或いはユキに感情移入ができれば、この話への印象もかなり良くなったのではないかと思います。

誤字や独自の書式がなされた文章がとにかく読み辛いです。
『−−』なんてどう見ても不格好でしょう? どうして『──』にしなかったんです?
描写も不足気味。特に情景描写、人物描写が薄い感じがします。
まだ容量は余ってるのですから、もう少し重厚に書いて欲しかったと思います。

元のアイデア、ストーリー展開には文句がないだけに、作品としての完成度に欠けるのが残念でした。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:1)
誤字・脱字王ですな。
他人に作品を読ませる前に、一度でいいから推敲してくださいね。

また、誤字ではなく日本語としておかしい文章が散見されます。以下に少しだけ例を。
・『見る者を戦慄するほどの血』→『見る者を戦慄させるほどの夥しい量の血液』
 そもそも前後の文脈からこの文章自体の選択が間違いと言えます。
 『彼女の周囲は、夥しい流血によって壮絶な血化粧を施されている。
  それは、もはや美しいとさえ形容できるほどの、戦慄の光景であった』
 ……みたいな感じで。飾ろうとすればいくらでも書きようはあると思いますがね。

・『ことは昨日の放課後だった』→『ことの起こりは』or『ことの始まりは』
     ↓                   ↓
 『それは昨日の放課後のことだった』 『ことの起こりは昨日の放課後にまで遡る』

・『直る』→『治る』(どうも誤字というよりは完全に誤認しているようなので。「治癒」の治ですよ)

さて、作品の主題は舞の親友として、満足に舞の力になってやれなかったと悔やむ佐祐理が、
その舞の親友にふさわしいと自分で思える人間へと成長するために、生徒会で頑張ろうとする……。
というもので、これ自体はとても良い主題だと思います。
が、物語としての内容に問題ありかと。まず、何を頑張っていたのかが具体的にはわかりません。
生徒会との対立の内容が不明なため、佐祐理の頑張りが何も伝わって来ないのです。
その描写に割かれた文章や展開も決定的に不足しており、その代わりに無駄な展開が非常に多い。
ストーリーの配分が明らかにおかしいでしょう? 無駄である漫才を減らし、栞のように登場する
必要のない人物を減らし、ついでに自虐祐一もなくしましょう(みっともない上に設定がおかしいです)。
そうして、佐祐理の頑張りと障害について詳述して欲しいです。
その上で舞と祐一が(主人公が)密かに手助けしてやれることを作り、
それによって物語としての盛り上がりを形成するようにしては如何でしょうか?

『北川は、対相沢専用突っ込み要員としての地位を脅かされて、独り拳を握っている』
この文章はおもしろかったです。
でもその後の北川によるセリフと漫才はなくして、さりげなく流した方がいいと思いますよ。

ところでマミマミって何ですか?(汗

035 復讐という名の代償行為 (採点:10)
こ、ここまでやりますか!?(汗
完全に脱帽です。
つーか、めちゃくちゃおもしろいです、コレ。
集中力に欠けがちな私が、「早く先を読みたい!」と興奮しながらホイールを駆ることになろうとは(笑

実に名雪らしい迂闊さと、やや粘着質な人物造形。
そしてまたなんとも祐一らしい愚かさ、弱さ、オメデタさではありませんか。
これは人物の負の側面を描くというダークSSとして、これまで読んだ中でも指折りの
鋭い切り口であったと思います。
でも、"それ"を突かれて、強姦に走るってのはちょっと?マークでしたけど……(汗

物語そのものとしてもとてもおもしろいです。
文章や構成が作り出す臨場感と一体感が圧倒的な迫力を持って迫ってきます。
それでいてどんでん返しと来られては、もう完全に白旗を上げるしかありません。

もはやこの作品は私ごときのレベルでどうこう言えるものではなく、
またそもそも10点つけた作品に粗探しなどしたくないのでそれは他の方にお任せすることにします。
責任放棄ですみません(汗

珍しくサスペンス調で緊張感のあるお話。とにかく頭空っぽにして楽しめました。
どうもありがとうございました。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:5)
あゆED後に名雪が祐一と……という話自体はありふれていて(中には寝取るものも多いくらいで)、
残念ながら新味はない題材の話ですね。ありふれたテーマを書く場合、それをどのように描くのかで
作品に対する印象や評価が決まってしまいます。

で、当作品のそれはと言いますと……ほのラブなのかラブシリアスなのか判然としない中途半端なもの。
あゆ好きとして萌えられるものでしたが、こういう一方が幸せになりきれない話には、同時に
その幸せになりきれなかった者の葛藤や悲哀の心情、人間的成長を重点的に描いて欲しいな、と判官贔屓な
人間としてはそのように思わざるを得ません。
途中まではそれでも名雪の描写もそれなりだったのですが、きっと萌え路線に筆が乗ったんでしょうね、
告白前の最大の葛藤がちょっと弱い感じ。告白後の処理も同様に。
もう少しこじれて、みんなが名雪の苦悩を知り、一緒になって悩み、それでいて気持ちよく終わる……
くらいの展開が欲しかったかなぁ、なんて思います。
あゆの萌えSSとしてはともかく、そうしたもう一方の主題がおざなりだった感が残念でしたね。
いっそのこと、名雪との三角関係を排して完全ほのラブにしてしまった方が楽しかったかも(笑
なにしろ、迷子を始め萌え小話には事欠かなかったので。

文章的には、もう少し情景描写が欲しいところです。一人称でもきっちりそれをやっている人はいますよ?
展開だけではなく、文体・文章でも三角関係や葛藤、苦悩、嫉妬に加えて人間的成長などを
情感漂う文章で書いて欲しかったかも(贅沢な望みですか?)。

不満点ばかり述べてきましたが、萌えたことの他に評価できるとすれば、
祐一がヘタレでなくて良かったぁ、ってところですか(笑
個人的には、あれだけ(原作)の絆を築いた二人が、そうそうあっさりと別れる筈がないと思いますので。
別れるにしたってもっと書きようはある筈。ヘタレ祐一が横行し、寝取りSSが氾濫する中では
このSSの祐一はややコミカルとは言え、ごくごく個人的に好感が持てました。
でも、あともう少しだけでも名雪の苦悩をわかってあげて欲しかったなぁ(汗

ちなみにスイカは私もすっかり忘れておりました(笑

037 美凪 (採点:6)
中篇であることを存分に活かしたバラエティ豊かでダイナミックな構成が気持ちいいですね。
漢字が少ない割には語彙が豊富だなと思いつつも、それでも前半部分の美凪との心暖まる
ハートフルな物語を、そして悲しい別れの場面も存分に楽しませていただきました。
あんなに可愛い妹が……うおぉぉっ、さゆりーん!!(違
前半の文章、味はあるんですがちょっと読みにくかったです、さすがに。

後半はやや内向きでグズったところもあるのですが、この話の帰結とテーマが美しく描かれていて
こちらもなかなかに楽しめました。羊水もそうですが、絵的に優れた感覚がありますな。
忘れていく、薄れていくけれども、それでも胸を張って大好きだと言える。そうして笑っていられる。
そんな帰結は、前向きと称して消費を加速していく数多のそれらとは一線を画した、実に
自然な姿を提示してくれたように思えます。

ただ、妖狐の親玉(笑)や、巨木という世界観の広がりを説明しきれていない、
上手く使えてもいないような気がします。特に巨木はKanonのメインヒロインあゆの縁の地。
ここまでやっておいて、説明もそれ以上の展開も無しというのでは、消化不良感も残りますね。
なんとなれば巨木でなく祠や隠れ社などでも代用が可能だったわけでして。
ここにあまり踏み込まなかったために、きっとあった筈の世界観の広がりが見えなくなり、
全体的にありがちな話として括られてしまう……勿体無いですよね。前半が丁寧でよかっただけに尚更。

さて、それでも本当はもっといい点をつけるつもりだったのですが、
前回1位との類似表現がどうも気になってしまってちょっと点は厳しめに。
羊水はいいんですが、そのほんの少し前の涙を溜めるという部分が……。
すぐに羊水への例えにウェイトがシフトするので話自体には影響がないのですが、それがないだけに、
むしろ迂闊だったなと思います。避けようと思えば避けられた筈でしたから……。
同様に美凪のネーミングも、名前から想起されるイメージと、作中のそれは別物になりますので
勘弁して欲しかったところです。

ところで、細かい事で恐縮ですが美汐が『けど』というのはごく個人的にどうなんかなぁと思います。
『けれど』や『けれども』の方が美汐らしいような気がするんですけど……私だけかな?(汗

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:4)
微笑ましい雰囲気で、大きな破綻はない展開のお話。結構おもしろかったです。
北川と香里はかつて付き合っていた、という設定はとても良いですね。
途中に入る日常や過去の思い出のエピソードが北川と香里とに上手く感情移入させてくれるもので、
「また自己憐憫野郎か……」と冒頭で思った私も、すぐに抵抗を無くして北川にエールを送れました。
傷ついた内面を持ちつつも、自己憐憫には溺れないバランスがいいですね。

ただ、やはりあゆが出てくるのはかなり唐突(汗
せめてその少し前にあゆとのつながりを作っておいて欲しかったですね。
また、香里の側から電話がかかってきたりするのは如何なものかと。
主人公から動かないと、やや肩すかしの印象は拭えません。

また、人称間違いや誤字が目立ちすぎます。
あゆの人称なんて間違えようがないような気もするのですがねぇ(せめてボクと僕ならわかりますが/汗)
『…』もナチュラルに使いすぎでしょう。
『うわ〜〜〜!…勘弁してくれよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!』
ここの『…』なんて、完璧に必要のないものではないでしょうか? また、どうせ使うなら二つつなげて。
あとこれはごく個人的に思うことですが、文頭と文末に『…』を使うのは
文章として、パッと見でとても不格好に見えます。やはりここぞと言う時だけにして欲しいですね。

如何にも中篇らしい起伏のある展開が心地よかったお話でした。

039 幻実、そして星 (採点:7)
どこかブギーポップあたりのライトノベルを思わせる作品で、
エンターテイメントとして存分に楽しむことができました。
戦闘シーンはもちろん、舞と勝馬のやりとりも、舞に萌えている人間にとっては楽しめるものでしたよ。

さて、しかし主題はどうなんかなぁとちょっと疑問に思ったりもしないでもありません。
勝馬が"まい"から生み出されたということ。そして魔物と舞の関係を一部原作から変更したこと。
これらは突き詰めて考えるとやはりどこか腑に落ちない部分もあります。
まず前者については、やはり自愛的な部分から生み出されたというとことんまで自作自演な方向性は
あまり気分の良いものではありません。
しかも、歯止めになっているのかなってないのかよく考えると不明です。なにしろ忘れてしまいますから。
一時の安らぎと思い出(?)を命を賭して与えたかったということでしょうか?
そして、そうするとその魔物の死は舞を傷つけることになり、本末転倒ということになりませんか?
3体も死んでるし(笑 (うろ覚えで申し訳ないのですが、魔物がざわめくのは祐一のせいであり、
その祐一が来るまでは滅多に魔物は現れず、また手傷を負わせるのが精一杯だったのでは?)
うーん、どことなく感情部分で受け入れられないんですよね。

たぶん、人を愛するということを思い出させるために、勝馬は犠牲になったのでしょうけれど、
それは原作では佐祐理さんが担当している領域。佐祐理という親友がいないことを
途中で暗示して、舞が真の意味で孤独で、また人を寄せ付けないという設定・描写が欲しいところ。
また、それにしては勝馬をあっさりと受け入れすぎているなと思いもしました。
うーん、こっちの解釈でいいんでしょうか? ちょっと自信がないです。
もしこっちの解釈でいいならあとは描写のバランスの問題で、
主題そのものには何の問題も無いと思います。

ほんのわずかに誤字があったのが残念ですが、文章は悪くないですね。
あまり味はありませんが、むしろ読みやすくて良かったです。

040 楽園日記 (採点:8)
技術がどうとか、もはやそんな言葉は無粋!
少年達の冒険と青春……1週間の”楽園”の物語。
おもしれぇっ!!

……ってだけで終わるのも私のスタイルに反するので、またくどくどと繰り言を。

まず特記すべきは主人公の斉藤の造形ですね。
この透明な設定と人格は、観察者としての(SS上での)役割を見事に、過分なく果たしきってますな。
オリキャラが自分語りをし始めることほどウザいことはなく、しかし、
それをしないのに斉藤にここまで好意が持てる。このバランスがお見事としか言いようがないです。
どーりでKanonには名前しか登場しないわけだ……存在感がない(笑

そしてまた、茶目っ気満載の祐一、漫才の相棒役の北川、ラジオを思わせる愛すべき未熟者の久瀬。
反目しながらも、それはコミカルな色を帯びていて不愉快にならず。
彼らは危機に直面して大きく成長し、また友情を育んでいく。
夜の海辺のシーンのなんと青臭く、しかし清々しいことでしょうか。
正統派のジャブナイル冒険小説を読んだような気分です。漂流記とか(笑

なんといっても笑えるのがいいですねぇ。ドタバタとか、不条理とか、口癖に頼らないそのやり方は
ギャグとしても素晴らしいものだと思います。冒頭のシーンはもう最高に面白かったです!(笑

欲を言えばもう少しだけの描写の充実(情景はいりませんが、島の状況はもう少し知りたかった。探検の
シーンなんかももう少し欲しかったですねぇ。無人島を切り開いていく感覚は何物にも代え難く)と、
あとは危機の展開でしょうか。病気や怪我で誰かが倒れたり、或いは夜な夜なこちらを窺う
謎の動物に怯えたり(捕まえてみるとたいした危険もなかったというのがパターンですが)、
方針を巡ってグループに分かれて意見の対立が起きたりなどなど……。
危機を乗り越えて成長していくのが冒険小説なれば、やはり緊張感も少しだけ欲しかったですね。
まぁ、あんまりやりすぎるとKanonからどんどん離れて行っちゃうから
こんなもんでちょうどのバランスなのかも知れませんが。

なんにせよ、こんなに楽しい話をどうもありがとうございました。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
笑いました。そして、泣きました。そりゃあもうボロボロに。
ここまで来ると、どんな賛辞も空しくも思えますが、それでも言わずにはおれません。
素晴らしい作品でした。

早緒里の語尾が気にくわないとか、親娘勢揃いはウザさ絶頂だとか、
地の文章にやや砕けすぎなところが少しあるだとか、
そういう些末な不満がないわけではないのですが……。
それでもやはり10点にふさわしい。いやさ、12点くらい付けたいほどです、ホント。
これだけの勢いのあるSSなんてそうそう見たこと無いです。
つーか、栞激萌え!(笑
ついでにお頭の足りないボーイズにもわかる説明をしてくれたお姉さんも超萌え!(ぉぃ

余談ですが、私は栞シナリオには若干の不満がありました。
はっきりと死にたくないという言葉を聞けないままに別れてしまうことがちょっと嫌だったり。
(それはそれで、言外の文字を読みとれということなのでしょうけれど)
それを女々しくない方法で、爽やかに、そして壮絶にうち砕いてくれる、モロに私好みのSSでした。

二つの柔らかいラストシーンは、どこかありがちなドラマみたいだなんて思ったりもしますが、
不思議なことにありがちパターンを嫌うはずの私はそのシーンで涙を堪えることができません。
きっと、この話の中の二人の少女をどうしようもなく好きになってしまったからでしょうね。

栞好きでありながら、普段はそんなに栞のSSを読まない罰当たり者の私なんですが、
このこんぺという機会にこの作品を読めたことをSSの神様に、そしてこんなに素晴らしい作品を
生み出してくださった作者様に最大限の感謝を。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
ほぼツッコミどころのないくらいに綺麗に纏まったお話。
綺麗すぎて逆に尖ったところもないようにも思えますが、それはあくまでも他にも美汐もののSSが
多いせいで、このお話が悪いわけではない……のですけれど、採点は相対評価につきどうしても厳しめに。

とりあえず冒頭の美汐とのやりとりは実に愉快ですね。
祐一の小学校時代の女の子とのエピソードについては削っても良かったとは思いますけど、
美汐の子供時代はなかなかケッサクでした(笑

文章には全く悪い点が見当たりません。
ロクに空き行も使わずに、しかしこれだけスイスイと読ませるのも凄い。
空き行は読みやすいと思いますが、本当に優れた文章はそんなものを使わずとも
読みやすくできるということを証明しているかのようです。

ただ、クライマックス付近での展開はちょっと首を傾げたくなるところ。
栞と美汐の会話はもう少しぼかし気味にして、祐一がルーン文字の真実を知る以前にした方が
良かったのではないかな、と思ったりします。元々先が読めてしまうとはいえ、
ネタばらしをした後でダラダラと続けられてもどこか興醒めです。

ところで、おバカな私には6文字の人の名前がよくわかりませんでした。
Yuichiでいいのでしょうか?

『今、彼の本当に為すべき事は、今すぐ商店街に引き返して、
おおきないちごの乗ったショートケーキの一つでもお土産に買ってくる事だったのだ』
この文章が何故か一番のお気に入りです(なんでやねん)

044 パンドラ (採点:7)
微妙にネタ被り(汗
おそらく作者様自身、今頃は紐無しバンジーの準備をしていると思いますが(もう飛んだあとかも知れない)
まぁ、しかしそれも功罪というやつで、別の注視点に特化しているわけですから、
そういう意味ではお互いに良い意味で被っている……と判断されると良いですねぇ(笑
私自身はそういう風に見ました。ですから、ネタ被りは問題ではありません。

問題は、余りにも綺麗に纏まりすぎてしまっていたことでしょうか。
展開や終着点が容易に予想できてしまうのが、本当に残念なところです。
若干、短編臭いボリュームであるのも少しばかり残念でしょうか。
あとラストの一節はまるまま、どこかに移動した方が良いかも? どうせバレてるなら(笑
もしくは、モノローグらしく地の情景描写は消した方がいいような……。

『自分だけが……』と後ろめたい気持ちを持つ美汐の造形はいいですねぇ。
ただ、祐一と前に進むことの後ろめたさを強調するには、妖狐はやはり男が良かったと思います。
最初のヘアピンの時点で、なんだかんだと言い訳して祐一に開けさせまいとする方が
それらしかったような気もしますが、如何なものでしょうか?

いつまでもそれに縋ったりはせずに、しかし決して捨てないで取っておく、という内容は私好み。
今はもう昔の、さしたる意味のない思い出ですら取っておく私としては親近感が湧きますね。
(置き場所に困るんですけどね。実際、あっても何の用途もありませんから/笑)

文章などはとても良かったと思います。ちょっと表現がクドいところなど特に私好み(笑
『もちろん、昨夜』云々や狸のシャーペンには笑わせてもらいました。
こういう小ネタの方が私は盛大なギャグよか好みですね。

そういうわけでさほど真新しくないのが残念ではありますが、それでも面白かったです、はい。

ところで霞月ってなんて読むんですか? かつき?

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
美汐の恋、「あの子」の帰還、真琴の帰還と内容は盛りだくさんですね。

しかし、その豊かさが逆に主題を拡散させてしまっていると思います。
私などは美汐の恋愛ものだと思っていたら美鈴の帰還、かと思ったら真琴の帰還……。
ちと「ええっ、そーなの?!」ってな感じで、いちいち振り回されてしまって、
どこに感情移入して良いやら大変に混乱してしまいました。
おかげでせっかくの帰還ものの世界観の提示も、美汐の切ない(?)恋愛ものも、
どちらもあまり楽しめず終いに。

また、美汐の恋愛ものを展開するのに、プレイボーイ風の男はいらなかったと思います。
美汐のことを本当に好きな純粋な少年であった方が、切なさは出たのではないでしょうか?

帰還に関しましても、幻想的な雰囲気を盛り上げる舞を描写しておきながら、軽いノリのやりとりと
なんと言いますか、ちぐはぐで安直な展開にあまりノれませんでした。

もう少し、方向性を絞り、その上で展開を重厚になされた方がよろしいのではないかと思います。
何よりも雰囲気は大事にしてください。
前半は楽しめましたから、そのままの恋愛話路線で膨らませた方が良かったのではないかと思います。
あとは緊張感や波乱が欲しかったところでしょうか。手紙を受け取ったところでそれは
あったようにも思えたのですが、その後の安直な展開でちょっと台無し気味に(汗

文章は悪くないのですが、時折おかしな言い回しが散見されるように思います。
あと少し頑張ってくださいね。

046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
もっともっと読んでいたかったなぁ、なんて思わせてくれるお話でした。
あゆの一人称なのにちっともウザく感じず、すらすらとこの長さを読ませる文章。
時折切なげになるその雰囲気に、きっちりと盛り上がる展開にドキドキしながら読んでました。
画面右端のスクロールバーが下がってゆくのがこんなにも寂しく思える
(それはまるで傑作小説の残りページを惜しむのと同じく)、そんなSSでした。

美汐とあゆという、本編では全く接点のない二人。その二人をつなぐのは、似た境遇。
今は失われた大切な思い出。そこから脱却しなければならないと言う美汐に、
別のやり方がある筈だと言うあゆ。その二人の交流に、原作にはない筈のそれに、
しかし私はそれぞれの”らしさ”を見出してしまい、その二人のことを大好きになって、
読後の印象はそれはとても良いものに。やはり好きになった登場人物が幸せになってくれれば
それだけでも格段に違いますよね。
また、忘れたり、捨てたりというテーマのSSが多い中、
それをツボに詰めて取って置くというものに個人的に大感激。
いつか捨てられるのかも知れないですが、そういう不器用さこそが愛すべき最大の点に思えます。

欲を言えば、もう少しあゆと祐一の関係について書いて欲しかった面もありますが、
それでも情報不足と感じられない見事なバランス。私が何か言うのも烏滸がましいかも知れませんね。

全員EDという設定をもう少し抑え気味にしてくださると個人的にはもっと良かったかも。
あゆと、祐一との別れは『学校』ではなく『商店街』であって欲しかった、と。祐一に望まれ、また
自ら望んで目覚めたあゆならば、もう少し祐一に対して積極的になったのではないかと。
『本当の願い』をぶつけた者とそれを受け入れた者とが結ばれないというのは感情的には寂しいですし。
逆に既に別れを済ませたつもりの後に目覚めてしまったのならば、祐一との間に越えられない壁を感じて
元々の遠慮気質も手伝ってか、どこか積極的になれなくなる……ちょうどこのSSのように。
そんな感覚があったりしますんで、『学校』での最後のやりとりを臭わせる設定はどうかなと思います。

個人的な趣向はともあれ、『あゆの社会復帰』をも内包するという素晴らしい素材、
上手い調理法に存分に酔わせていただきました。
時計の音がきっかけで口調が変わった(戻った?)くだりが特にお気に入りです。
ああ、もう容量が足りない(泣  もう少し書き

047 笑顔 (採点:4)
書式についてはもうガタガタ言いたくないので言いません。
残念ながらとっても読みにくかったです。

名雪と祐一との語られなかったエピソードを下敷きに、名雪の心情を展開していくストーリーは
とてもおもしろかったです。あんまり名雪のことは好きじゃないんですが、それでも
名雪にとっての祐一の存在の大きさが胸に浸透してくる、なかなかに良いエピソードでした。
ただ、名雪の挫折や、原作通りに祐一を傷つけてしまったことへの後悔、戸惑い、躊躇いといったものが、
そしてそこからの成長を描くべき部分が、語られ尽くされていないのは酷く残念。
ちょっとばかりあっさりしていたようにも思えます。もう少し粘っても良かったのでは?

最後に何故か美坂姉妹の話が混ざり、主題がぼやけてしまっているように思います。
ここにきて拡散させるのはあまり良い纏め方とは思えません。絡めるならもっと早くに、
そしてメインを名雪&祐一から名雪&香里に変えるくらいに書ききるべきではないかと。

文体も、一人称だから仕方ないとはいえ、なんだか辿々しいうえに女々しく、
あまり読んでいて愉快なものではなかったのも残念でした。
Kanonのキャラの一人称が、しかし私は個人的にはそんなに幼いものである必要はないと思うんですよね。
感情移入がさせられるほどの上手い一人称ならばそれは大きな武器にはなるのでしょうけれど、
ウザくならないように、それでいてそのキャラらしく書くのは難しいことだと思います。

ところで祐一は名雪の雪ウサギを振り払った後、一人で居続けるべきだったのではないかと私は思います。
そこで名雪にもたれかかってしまうようでは、名雪を拒絶したとは言えない。単なる八つ当たりに見える。
そんな祐一ならば、次の日には名雪に逢っていたのではないかと。祐一は確かに弱い男の子ですが、
そんな弱虫にも彼なりの矜持があって、そしてそれが原作ではきっちり描かれていたように思います。
その矜持を書かないのならば、祐一は名雪を頼っていたのではないでしょうか?
そんな疑問を抱きました。

着眼点は良かったのに、それが書ききられていなかったのは残念。精進を。
(他との兼ね合いでどうしても点数は低めにせざるを得ません。申し訳ないです)

049 少年期 (採点:1)
北川は実は香里は勿論、誰にも恋してなどいなかった!
それは一見、面白みのありそうなアイデアに見えますが、実はそうでもないと思います。
そのアイデアが引き起こす事態がおもしろそうだからこそ、つまり話に発展性があるからこそ
独創性のある大胆なアイデアは「アイデアが良かった」と言われるにふさわしい。
そんなように、私は思います。話が膨らむようなアイデアを望みます。
(四角関係と北川。そのごっちゃになった恋愛模様を描くのに、その北川が傍観者である必要は
ないでしょう? むしろ、当事者の一角を占めた方がよっぽど発展性があります)

さて、そんな後ろ向きのアイデア同様、ストーリー自体もとにかく後ろ向きに終始しております。
そして、短編ならともかくその解決をしないままに、ただ状況を描くだけで終わってしまっている……。
話がこれから展開していくという時にプッツリと終わってしまってどうしますか?(笑
しかもそれは解決ではなく、何もしないというどうしようもないもの。
人間関係が壊れることを怖れて、何もしない。それ自体は現実には結構よくあることです。
しかし、この話の場合、ヒビが入っているでしょう?
それでとうとう表面を繕うのに無理が出てきたのではなかったのですか?
せめて、その崩壊を描いて鬱なお話に仕立て上げるか、そのハートブレイクをこれでもかと
書ききるべきでした。薄っぺらな人間である北川が、中途半端に人間観察をするだけでは面白くないです。
せめて冷徹に、シニカルにどこまでもその崩壊を見届けてやりましょうよ。
くだらない人間の目から見た、ある人間関係の崩壊。それを書ききってくれていれば、
かなりおもしろくなっていたかも知れませんが、起承転結の承で終わってしまっては……。

どうでもいいんですが、祐一にはわずかに考えただけでどうとでもなる方策があるように思えるのですが。
名雪と香里に先手を打ってとどめを刺してやることこそが、栞を愛する者としての責務でしょう。
あと、香里の相談内容は『親友』ではなく『妹の彼氏』では? 名雪云々以前の問題ではありませんか。
つーかぶっちゃけた話、栞はいなくていいでしょ? 栞無しで、名雪ED後にするか栞BAD後にするか。
三角関係が描きたいなら、そうすべきですし、四角ならそこに北川を絡めれば良い。
とにかく徹頭徹尾、中途半端に終わってしまったために私も消化不良です(汗

050 鮮やかなモノクローム (採点:7)
これだけ方向性の違う内容を一つに纏めて、見事に違和感のない物語に仕立て上げたという、
その恐るべき手腕にはまったくもって脱帽しきりです。
一歩間違えれば「どれかに絞れ」と言われてしまう綱渡りを成し遂げてその緩急を付けたことが、
これだけの文章量に些かも飽きさせない面白い物語となって表れているのでしょうね。
しかも結末のなんとも気持ちの良いことで、ひとつ間違えば女々しいだけのダークSSになるところを
救っていて、またその壮絶な内容にも関わらず清々しい読後感の物語となっておりますな。

実際、香里の言う通りに栞の一人勝ちな感慨もありますね。
彼女の造形に(こんなSSなのに)火だるまよろしく萌えてしまった私(汗
次は彼女あたりのほのぼのSSが読みたいものです。きっとほのぼのSSの頂点に立てるに違いない(笑

事故ネタだけは勘弁して欲しかったところもあるのですが、
こちらはきっちりと(?)死んでくれているので、さほど気にはなりませんでした。

香里のプライドのことを考えると、結末にちょっとした疑問も感じないこともありませんが、
まぁ深くは考えないことにしときます(ぉぃ
とても楽しい話をありがとうございました。

052 Give me a reason (採点:4)
綺麗にまとまってはいるのですが、あと一歩何かが足りないような……(汗
私にとっては「惜しいっ!」ってな印象の作品です。

ちょいと北川のセリフが綺麗すぎて、逆に胡散臭く思えるのは、
既に爛れきって純真な心を失って久しい者の僻みでしょうか(笑
うーん、しかしその自信はどこから来るんだよ、みたいな疑念を抱いてしまうと、
一貫して落ち込むことのなかった北川にご都合主義の権化というか、安直な展開に頷けないというか……。
もっと、挫折或いは家族のいないことによる寂しさを怖れる気質など、北川の弱い面がもっと書かれて
いれば、そんなに胡散臭く思うこともなかったのですが。

香里に気持ちを伝えるシーン(というか香里が自分のことをどう思っているか問いただすシーン)などは
その時期にはそぐわない感じがしました。栞のことが終わってから、最低でも仲直りしてからでしょう。
北川からそれを持ち出すならともかく、香里があの時点で言うこっちゃないと思います。
あと、やはり波乱がなかったように思えるのが一番の難点でしょうか。
香里との関係、病院内での(方針を巡っての)孤立や対立、千紗穂の病気を治せないことへの挫折……。
危機はいくらでも創出できた筈です。それらをスイスイと乗り切っていくので話や人物に深みが
感じられなかったんですよね、私には。
千紗穂の病気が栞と同じという設定にした方がおもしろかったと思います。
あの時は栞のために祈ることしかできずにいた(結局栞は死んでいた)が、今度は自らがそれに
立ち向かう力を持っている。医師として、一人の男としてどうあるべきか悩んでいた北川は、
千紗穂の病気に全身全霊をもってあたることで、迷いを吹っ切る……如何でしょうか?
また、香里との再会は1/5ではなく最後の5/5だけが良かったと思いますよ。
その方が遠距離恋愛を扱うものとしてはドラマチックではないかと。

あと一歩で見違えるように面白くなるのに、とそんな風に思わせる、惜しい作品でした。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
名雪はあまり好きなキャラではありません(それだけに名雪SSには彼女を好きになれる造形を
希求するのですが、ほとんどは私にとってはハズレと映ります)。
そして、こんぺでは数も多いので採点もどうしても厳しめになってしまいます。
名雪嫌いでさえも萌えさせるような、そんな作品を望むというのが信条なのです。
しかしその私をして、ここまで萌えさせるSSがこんぺに存在していようとは……!!

序盤で、名雪が祐一とどんな顔をして会っていいかわからないと悩むシーンが良かったですね。
たいがいは「祐一が悪い」とそんな観点からグズグズと恨み言紛いの愚痴を垂れ流すのが通例ですが、
この作品では過去に祐一にしたことを気まずく思っている、たったそれだけで名雪に対する印象は
かなり良くなりました。そうして中盤。当たって砕けて、無理して笑って、そして泣いて……。
やりとりもとにかく可愛い。こんなに可愛いキャラだったっけと思うくらいに可愛い女の子ですねぇ。
それでいてきっちり名雪らしさは失わず、ボケはもちろんのこと弱い面まで造られていますな。
対する北川も、過去のエピソードから始まって、再会したのに好きだと言い出せない設定に、
頑張れとついつい感情移入を(汗

なんとも青臭いお話ではありますが、ここまで愛らしく爽やかですと嫌味も感じません。
起承転結の展開も読者を飽きさせないもので、テンポが大変良いと思いました。
微妙にKanonなような、そうでもないような気もしますがまぁ許容範囲でしょう。
キャラと設定はちゃんとKanonですからね。

文章も語彙が豊富で、しかしクドくならないバランスも見事。ただ、静寂をひらがなにして
まなじりを漢字にした基準はよくわかりませんし、タイトルのは四字熟語だっけかな? と思わないでも
ないのですが、まぁ些末な問題でしょう。
『ところが憎たらしいのが〜ぬかしやがった』などのようにごく僅かに油断も見られるようですが(笑

最後は、蛇足気味の部分もあるように思われます。
(T大に行きたい本当の理由は、やっぱり言わぬが花でしょう/笑)
あと、もう少し北川が名雪に謝罪に行くために決心する経緯に溜めが欲しかったとも思います。
折角ですから香里を使用しても良かったのでは?

なんだかんだ言ってもやっぱりおもしろかったです。
っていうか逃げる名雪……激萌え!

054 僕の居場所はここだから 〜By the lonely way〜 (採点:2)
うーむ、なんと言いますか。申し訳ありませんが、私にはちょっと楽しみを見出せませんでした。

ある少年の屈折した生き様とその少年を取り巻く人間模様を描いて……いるのでしょうか。
正直、どこがKanonやねんと問い詰めたい心境です。
キャラがKanon? 北川と久瀬を主軸にしたこの話がKanonですか。人選は慎重に、としか言えませんね。
片方を実質オリキャラにした場合、物語のもう一方の核はオリキャラであってはならない、と思います。
オリキャラ同士のやりとりが二次創作として楽しいなどと言う人ならばともかく、
私はKanonとオリキャラとのやりとりが(かろうじて)楽しいと思うタイプですので。

さて、話の筋も特にこれといった盛り上がりを見せることなく、あっさりと終わってしまってますね。
人物は無駄に多く、視点がコロコロと変わる上に、折角出てきたと思ったらたいした役割もなく退場。
様々なキーを散りばめながらも、そのほとんどが置き去りという有様。
佐祐理と久瀬とが席を共にする展開から、どうなるのかと思っていれば、北川による久瀬分析が行われ、
それを聞いてあっさりと解決(?)。正直、どこが解決なのかよく納得できなかったりするのですが。

また多重人格について北川が『勉強した』と宣っておりますが、どんな本を読んだのかと
不思議に思うところです。私は心理学を専門で学んだわけではないのですが、多重人格に関する記述は
どうも胡散臭さを感じますね。私のような素人相手にも説得力を著しく欠いているように思われます。
その理論の正誤はともかく、書き方はかなり拙劣ではないかと。

あと、個人的な意見で恐縮ですが若いモンがヤニ吸ってるのは死ぬほど格好悪いと見えます。
(吸ってて格好良いのはオッサンだけ。私の偏見ですけどね)
逃避傾向を示す悪癖なら別のもので代用しては如何かと。
キャラの魅力を提示しようとして外すと、
こちらとしてはどうしても感情移入できずに「自己憐憫野郎ウゼェ」ってなっちゃいますから(汗

文章も稚拙ですね。一見語彙などが豊富に見えますが、中身はかなりちぐはぐです。

055 煌めきの欠片 (採点:5)
飾らない、淡々とした文体が締め付けるような陰鬱な空気を作り出していて、
それが危機感を煽って否が応にも盛り上がる、ミステリアスなおもしろい作品でした。
表では沈鬱な人間関係を描いておきながら、裏では真琴の純粋さと
そして名前は出ないながらもあゆの悲哀も見え隠れしていてこれもとても楽しめました。
復讐しに来た妖狐は真琴のどんなカタチの係累なのかに興味が湧きますが、それは
言わぬが花というヤツなのでしょうね(笑

楽しんだ分、高得点をつけたいのですが……ちょっと粗もまだまだ目立つ気がします。
まずは誤字。『明かるい不陰気』はとてもではありませんが明るい雰囲気には見えず、
むしろ幸か不幸か字面のせいで、とても重苦しい雰囲気を想起させます(汗
クライマックスの、もっとも大切なセリフのひとつに誤字があるのも酷く残念。

また、展開ももう少しドラマチックにできたのではないかな、と思います。
ストーリーの筋や大体の雰囲気はこのままに、あゆと真琴の場面を幻想的に描き、
クライマックスでは陰鬱な空気を振り払うだけの文章上のパワーが欲しかったところです。
って、そこまでは高望みなのかも知れませんが(汗
ちなみにレイアウトはまだまだ改良の余地があると思いますよ。

他との兼ね合いで高い点数こそつけられませんが、それでも充分に楽しめました。
どうもありがとうございました。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:1)
えーと、すみません。先に謝っておきます。
頑張ったんですが、ほとんど何が書いてあるのか読めませんでした。たぶん以下のような感じ?

舞は女性として未だ成長の途上にあり、時折我が儘を言う。それはしかし祐一には楽しみでもあった。
だが蛍を見たいという舞の望みを叶えてやれない祐一は、そんな関係にふと疲れを覚える。
奔走しながらも悩む祐一を、佐祐理は脇目もふらずに頑張れと励ます。
それは彼にしかできないことだから、と。祐一は一度は挫折した蛍を求めて、再び行動を開始。
蛍を前にして舞は、あなたは私にとっての蛍光であると言い放ち、祐一は迷いをなくす。
人はいつしか変わってゆくものだけど、
それでも彼らが互いを想う気持ちだけは、きっと変わらないだろう。

倦怠期とは、なかなかにおもしろそうな物語ではないですか。

『男のくせにと言うかもしれないが、唐突に対する反応にそんなのは関係ないだろう。
 世の中には男以上に有能な女性もいる。例えば、目の前の倉田佐祐理さんのように』
これは序盤の文章ですが、この場面からして首を傾げたくなる表現が。
・唐突に対する〜『唐突な呼びかけに対して驚くことに、男も女も関係ないだろう』ですか?
 やや固いのでこれももっと別の表現に置き換えるべきか。
・有能はちょっと変。肝が据わったとかなんとかでいいかと。
佐祐理さんが席に陣取っていたのに祐一が気付かなかったという描写にしては、この場面は
あまりにも読者の想像力に頼りすぎた文面ではないかと思います。
他にも魚のパックが妙に濡れていたことなど、無駄な文章が多すぎますね。
人物のセリフも会話として成立しているかいないかギリギリのラインを行ったり来たり。
一事が万事、この調子ではとても読めません……。
描写は足りない割に、設定は説明不足気味。かなり、おもしろそうな設定だと類推できますが。
展開も悪くまではない。あとは、それを表現できる日本語能力を身につけてください。

ちなみに、司書のリファレンス業務は、まず質問者の知りたいことをはっきりさせることから始まります。
「蛍の本が欲しい」→「蛍の何について知りたいのか」→適切と思われる資料を提示。
資料が貸し出し中でも、他館からの取り寄せや、貸し出し不可図書の提示などサービスは尽くしますよ。
祐一の調査能力が頼りないのはわかりましたが、司書まで無能にして貰っては困ります。

057 移し火恋歌 (採点:7)
なんと言いますか……怖ろしい物語ですねぇ、としか。
終始、まとわりつくような重苦しい雰囲気に包まれた内容は、最後に至って読者までをも狂気の渦に
取り込んでいくかのようです。

冒頭でこの話に漂う空気と色を決定づけたその構成力がお見事。
無駄なセリフを省いた展開は逸品の文章力と相まって、粘性の強い液体が
ゆっくりと垂れ落ちていくような、じっとりとしたテンポを醸し出しておりますな。

話の内容も誰が狂気に陥っているのやら判然としないような仕立て。
サイコ・ミステリ風味も漂わせて、遂に臨界点へと……。

でも祐一があゆを殺す意味がよくわからなかったりもしましたが(汗
操られている自分達が怖くなったのでしょうか? それで衝動的に?
生贄に捧げるにしては場所が場所ですし、どうにもよくわかりませんでした。
あと、最後まで祐一と佐祐理達との接触が果たされないというのもなんだか消化不良感が。
また森にその意志と力があるならそもそも原作の展開には大いに疑問が出てくるところです。
木、あっさりと伐られちゃってましたしね(笑
そういう意味では、Kanonの世界観に食い込む試みにはやや失敗していたのではないかとも思います。

まぁ、それにしたって内容はダークものとしてとても楽しめました。
この空気、テンポは本当にお見事です。すぐにショッキングなセリフで人を殺してナンボなダークSSとは
一線を画し……きれてませんかね(汗
あゆは殺さなくても、ただ祐一が自分が操られていることに気付いて暗澹とし、その事実(?)を
しかし弱っていくあゆには言えないでいる、という結末にした方が、祐一側の結末としては
良かったのではないかと思いますが。折角人死に無しにここまでの良質な内容に仕上がっているのに、
わざわざそれをして白けさせてしまうのは私にはとても勿体ないことに思えてしまうのです。

にしても……何故か黒沢清監督の映画を彷彿とさせると思ったのは私だけでしょうか?

058 30℃ (採点:7)
いわゆる美坂チームというやつは、私はバカ礼讃以外はあまり受け付けないのですが、
しかしやっぱり問答無用、理屈抜きに楽しいですね、彼らは。
ちょっとしたやりとりのひとつひとつが、下手なギャグSSより遙かにおもしろいです。
そして、そんな中に垣間見える不安や戸惑い、漠とした未来への展望が彼らに使い捨てのキャラではない
深みを与えていたようで、登場人物みんなが生き生きとしていますね。

さて、そうした良質のテンポと雰囲気を持つこの作品ですが、盛り上がりそうなところで毎回、
上手くいなされてしまったような消化不良感も残りました。
しかしそうした展開こそがこの良質な雰囲気を生み出しているのですから、
これはもう構造的にどうしようもないかも。
どこをどうしろなどとは私ごときにはもはや言えないほどのレベルの作品なので、そうしたことは
よう言いませんが、ただ読後に残ったのは満足ではなかった、とそれが残念です。
あと、事故ネタはどうにかならなかったのでしょうか、と個人的には思ったりもします。

でも、やっぱり振り返ってみるととても楽しかったですね。
長い話であったはずなのに、その長さがちっとも苦になりませんでした。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
ははぁ、なるほど。
妙にキャラの名前を出さないのはどうしてかと思ったら、そういうことでしたか。
正直、途中まではキャラの名前をわざわざ隠すのはひたすら鬱陶しいぞ、なんて
感想に書こうと思っていたくらいなのですが。ううむ、そうきましたかぁ(笑
見事にしてやられました(汗

実の所、過去に似たようなネタを考えたことがあります。
その私の妄想ではあまり救いのないダーク風味なものでしたが(笑
そういう意味ではもっと早くに気付いて然るべきでしたのに、
迂闊なことにラストまで気付きませんでした(汗

この後の”原作”の展開を考えるととても面白いですね、この話。
なんだか月宮の姓を持つ女は呪われてますなぁ。娘さんの未来も何やら暗いようで……。
最初は「おや?」と思った造形ですが、身を引く・不幸・学歴・他人の為に身を粉にする、と
属性がすべて揃っている様子(笑 幸せになりきれないのは血の宿命でしょうか?
呪われていると言えば誰よりも主人公。あまりにも事故に縁がありすぎ。これからも(汗
『姉』の一本芯が通っていて、加えて悪戯心をも持つところも見事。あの性格は母親譲りだったか(笑
しかし『姉』の計画も運命の前には脆かったという未来(?)が見えるようで……(汗
後のことを考えると、僅かに無理な設定もあるような気がしないでもないのですが、
それでもそういう「ああ、なるほど」的な読者が想像する余地をたくさん残したという別の楽しみが
あるのはとても面白いアイデアであると思います。

しかし、惜しむらくは、そもそもこの長い話の中の会話のやりとりや、ストーリーの起伏自体は
あまり面白いものではなく、魅力に欠けていたのではないかということです。
面白さの基準は人によりけりなので一概には言えませんが、波乱もなし、ウィットに富んだ会話もなしでは
最後まで引っ張るのは難しいのではないでしょうか?
こんぺだからこそ最後まできっちり読むという人はいますが、こんぺの外ともなると、中盤の展開は
あまり人を惹きつけて離さないものであったとは思えません。少なくとも私はそうです(汗
そうした部分さえカバーされていれば、異色の作品であることも鑑みて高い得点をつけられた……
それがちょっとばかり残念でなりませんねぇ。
アイデア・文章は大変良いものですから、あと少しだけ展開に工夫されては如何でしょうか?

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:9)
異色と見せて、実は真正面からKanonを扱った豪速球。
Kanonを愛する者ならば、何かをきっと感じたことでしょう。
困ったことに、もはや私ごときではこれについて語る言葉を持ちません。
ですので、ただ一言だけ。
「なるほど、北川のほぼ唯一の”役割”から発展させたのか……やられた!!」


追伸:マイナス1点はレイアウトについてです。


061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:5)
え? 解決したんですか?
すみません、なんかちょっと消化不良気味です。

軽妙で皮肉の効いた語り口が大変に魅力的なSSですが、
それを抜かしてしまうとありがちなストーリーに、重く現実的なテーマでありながら
あっさり解決(?)してしまう展開の溜めの無さなどにやはり不満が残ります。
そもそも内容はどう見ても短篇。中篇にはボリュームのある話が多く、それと比べるとやはり不利です。
また北川自身の物語とアクシデントとの関連性も薄く、問題が解決しても主人公にとっては
特にこれといった変化というか、達成が得られないのではないかというテーマとの乖離も。
対岸の火事ではなく、北川自身にとっての大問題でもあるという、
そうした前提を読者に頼りすぎではないかと。

失礼ながら、文章力があるだけに、何やら作者様が迷走しているように見受けられます。
本当におもしろい物語というのは、語り口ではなくストーリーで魅せるもの。
この独特の文体と、それとが結びつけばゆくゆくは傑作も生まれましょう。
今少し、目先のネタに飛びつかずによくアイデアを吟味し、ひとつの物語を形成された方が良いのでは?
実力があると思われる作品だけに、尚更勿体無いと思いました。
私の思い違いであれば良いのですが……。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:7)
プロジェクトXか、ノンフィクション闘病記か、それとも科学雑誌の総集編か。
体裁からして雑誌でしょうかね。

冷徹なリアリティに徹して、しかしどこまでも前向きな筋は、確かに素晴らしいものでした。
確かな実力と知識(?)とに支えられた、ハイクオリティなSS。
視点やテーマ、SSとしての体裁も、面白みは充分にありました。

うーん、しかし困ったことに、読後の印象としては全く面白くないというもの(汗
これが物語であったならなぁ……と惜しく思ってしまう私は、
結局は空想好き(現実逃避気味?)な小説好きということになるのでしょうかね。
語られるセリフやテーマのひとつひとつは感動的なのに、
そこに感情移入していなければ「ふーん」で流してしまう。そういう困ったヤツなんです、私(汗
なにしろ、現実にだって感動的な話なんて溢れておりますので。
現実の事件を元にしたハリウッド映画を思い出して戴ければ言いたいことが解りますかねぇ?
現実にあった事件を如何におもしろく書くかが作家としての腕の見せ所ではないでしょうか?
ノンフィクションライターよりは、ケン・フォレットのような作家であることに誇りを持つ人が好きです。

ストーリーも、人物造形も、視点も、主題も、価値観も、文章も、目論見すらも、すべて高く評価します。
しかし、ただ一点。この世界に入り込めず、楽しめなかったという、物語ではなかったという点をもって
申し訳ありませんがマイナス3点とさせていただきます。

波乱の展開なんかも加えて、物語にしてみませんか、コレ?(笑
おもしろくなりそうなのになぁ……。

063 丘の子守唄 (採点:1)
あの……終わってないと思うのですが?(汗

オリキャラ&主人公に美汐の兄というのはちと選択ミスであると思います。
Kanonに居てもおかしくないオリキャラとは違い、いるだけで胡散臭さ満点ですし、
この位置、この時点にこうしたキャラがいて、活躍をするとKanonには上手く
つながっていかないような気がします。真琴シナリオまでつながるにしても、祐一の活躍を食うか、
それともできることは中途半端に終わる……とか。
あくまでもオリキャラは居てもおかしくない、ではなくその話に必要とされる位置でなければ
その後の展開に不備が生ずるでしょう。最後まで書き切ってシミュレートしてくれるのならどう転ぶか
わかりはしませんが、こうした長編の一部を抜き出すような話の場合はやはり似つかわしくないかと。
この話の場合は、総一郎を抹消して家政婦の幸子を主人公にするのが、より好ましかったと思われます。

とにかく、最低限完結させてください。
起承転結の転で終わっており、ようやく面白くなりそうになったところで
プッツリと切られてしまっているので読者たる私の気持ちもブチ切れ。
正直に言いますと、これまでの内容にほとんど面白みはありませんでした。
無駄を削って、その分をお話に回せば、完結くらいはしていたかも知れませんね。

美汐を軸に独自の世界観を提示したのですから、それを帰結まで持っていきさえすれば
Kanonとは一風変わった魅力が出せていたかも知れません。長編向きの話だと思います。

064 面鉄の奥の恋 (採点:9)
時代小説風の文体が実に素晴らしい!(最初、江戸時代かと勘違いしました/笑)
っていうか、まさかSS作家にこういう文体を継承している方がおられるとはついぞ知りませんでした。
元々の作風がそうなのか、この作品のために文体をマスターされたのかどうかはわかりかねますが、
どちらにせよ、読んでいて本当に楽しい文章でありました。
個人的には『なるたけ』に深い思い入れがあるだけに、
こんな言葉を今でも使う方がいることに感激しています。
(10年ほど前に学友の間で『なるたけ? なるべくの間違いだろ』と散々バカにされ、
辞書まで開いて力説したのにバカにされ続け、成丈に無意味な拘りを持つに至った苦い思い出が/笑)
って、んなことはどうでもいいんですが、とにかく面白かったです!

オリキャラが主人公なのですが、私なりのオリキャラ使用SSとしての要件を満たしてくれているので
胡散臭さなど微塵も感じることなく、素直に楽しませていただきました。
(オリキャラを主人公にする場合、Kanonのルート自体は保持すること。祐一やヒロインでは
不可能な視点、IF、零れた物語を書いてこそのオリキャラである)
この真治少年の初恋らしき思い出(?)と、成長の物語にもなっているのが更に素晴らしいです。
一過性のキャラにはない生き生きとした造形に、オリキャラ相手には珍しくどっぷり感情移入して
読むことができました。
時には手に汗握り、時にはその聖域が見えてしまう気持ちに共感したり、
そしてすべてが終わった後の一抹の寂しさにもグッとくるものがありますねぇ。

欲を言えば、もう少し書き込んで欲しかったなと、そんな物足りなさも感じます。
特に4/4がさっぱりしすぎていて、成長物語として、苦い思い出の物語として不完全な気がします。
まぁ、さっぱりしているからこそ、苦い記憶、爽やかであるのに寂しさすら漂う余韻が
残るのかも知れませんげとね。だから、これ以上を望むことはおそらく贅沢だろうとは思います。
でも、やっぱりもうちょっとだけ……うーん、無茶言ってますかね、私(汗

とにかく面白かったこの作品、どうもありがとうございました。

065 作品No.2「春」 (採点:7)
真琴シナリオは『人魚姫』だ。
『アルジャーノン』などよりはよっぽど『人魚姫』だ。

そんな、たわけた主張を持っている私としては、それと絡めて真琴を語る話はまさに願ったり叶ったり(笑
子供向けとは言え、その改変された筋立てに対して『それがいい』との願いが覗くところなど、
とにかく暖かいハートフルストーリーをたっぷりと堪能させていただきました。
妖狐の親玉(笑)から見た若い狐達への想いが語られているのもいいですね。

しかし、真琴を子供に見立てて離れて、そして祐一は美汐と……って最後のシチュエーションは
あまり好きではありませんので、申し訳ありませんが楽しんだ分より点数は心持ち低めで(汗
可愛げもあり、それでいてしっかり締めるそわそわ美汐に惹かれるところも確かにあるのですが、
来ないでと言いながら二人の姿を見て喜ぶ真琴の方が、どっちかと言うと私は好きであったりするんです。
我ながらとても困った嗜好ですが、こればっかりはどうしようもなく。どうかご容赦くださいませ。

誤字がちょっと目立ったような気がします。
まぁ再会と再開を間違えるのはもはやSS界の伝統だから些末なことと言えばそうなのですが(笑

『だから、選ぶ。
 ちっぽけで、偏った、それでも大切な、守るべき世界を』
とても気に入ったフレーズです。人間くさくて、矮小なだけに共感もしやすいですよね。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:6)
し、シュールな話ですね(汗
救いのない結末に加えて、エンドレスな悲劇。Lacuna Coil辺りの音楽が似合いそう(笑
この淡々とした文章がなんとも言えぬ寂寥感を感じさせ、空しい奇跡を演出してくれていると思います。

そういう意味では良い作品なのですが……ちょっとキャストに問題有りのような気もします。
設定上はこの二人でないとできないのでしょうが、
キャラの性格的に見るとやはり首を傾げざるを得ません。
名雪が自己犠牲……うーん、原作からはあまりそんな雰囲気は感じません。
むしろ良くも悪くも、素であり続けるのが名雪というキャラの持ち味ではないでしょうか?
自己犠牲と言えばあゆ、舞や佐祐理でしょう。エンドレスの筈のオチですが、真琴にも自己犠牲は
似合わないと言いますか、あまり素直にイメージはできません。

真琴シナリオの終盤を名雪に置き換えて、丁寧に展開させる路線はかなり良かったと思います。
ただ、雪ウサギや駅前にこだわるクセにあゆのことをちっとも思い出さない祐一には疑問もありますが。
祐一自身は願いを託された時にあゆのことを忘れてしまったのかもしれませんが、
Kanon好きの読者としてはやはりどこか消化不良感もありますね。
それを扱うならこっちにも触れろ、的な感覚が(汗

まぁ、色々とあって素直に楽しめはしませんでしたが、とても面白みのある話にはなっていますし、
この雰囲気はお見事だと思います。

067 風邪の一日 (採点:3)
悪戯が過ぎて、祐一に風邪をひかせてしまった真琴。
真琴は看病をするが、何故か必要以上に必死。そのわけは……ってなわけで、
甘々のラブ&仄かにシリアス風味なお話を楽しませていただきました。

が、まず無駄が多すぎます。タイトルや主題から想起される内容は短編のそれでありながら、
これだけ長く続けられると冗長という言葉を使わなければならないでしょう。
冒頭や再会のシーンはすっぱり無駄でしょう。風邪の時は普段見ない人でもしばしば悪夢に
悩まされるものですから、そっちに絡めて抑え気味に描写する程度で良かったのでは?
(実際に、そうされてますから、冒頭のシーンは余計に鬱陶しいんですよね)
しかも全般ED……ですかぁ。ハーレムでないからそんなに固いことは言いませんが……
他の連中を出汁にするのもまぁいいんですが、あんなに大勢必要だったんでしょうか?

文章も会話に頼りすぎなところがなんとも。
ややウザく感じてしまったのは私だけでしょうか?

そもそも、主題自体がどこかで読んだような気にさせられますね。
困ったことに、真琴である必要性もあんまりなさそう。

まぁ、しかし真琴が迫ってくる様子はなかなかいい感じでした。
素直でないだけに、余計に萌えると言いますか。
でも風邪で熱出してる時って、ヤる気出るとも思えませんけどね(汗

068 名琴抄 (採点:9)
完全にやられました。っていうか、騙された〜っ!(汗
冒頭で「はァ? どこが名雪やねん」とか思った私が浅はかでした。
"名雪"じゃなかったんですね、あれは。

センス、アイデア、そしてそれをきっちりとまとめ上げる力量。
どれをとっても最高ランクでしょう。
ちょっとまだ設定が完全には飲み込めていない部分もあるのですが……
(写真までは"操作"できなかったということでしょうか?)
ここまで完全にしてやられるとは……迂闊にもほどがありますね。
Kanonという固定観念に囚われていた者をガツンと一発やるほどのパワーがあります、このアイデアは。
とは言え、やっぱり突き詰めていくと設定改変のツケはどこかに出るような気もしますけどね。
(雪ウサギのエピソードはいつ、どこで? とか)

名雪視点から他キャラルート、と言うとたいがいは名雪の成長物語か、それともグズグズした泣き言、
場合によっては寝取りSSや嫉妬殺人SSなどがある、というかあったと思います。
成長か泣き言で進むかと思えば、そうした枠をぶち破るとんでもない結末であったわけで。
それでも名雪の成長と言えないこともないのでしょうかね、これは。
Kanonがおとぎ話であるならば、こちらは伝奇といったところでしょうか。

たまに変なタイミングで入る心理描写には慣れられませんでしたが、それでも文章自体は
なかなかに味のある良いものであったと思います。
子供っぽい真琴と、嫉妬と愛情との狭間に苦しむ名雪の造形もお見事。
どっちかっつーと確かに名雪の方が祟りそうな雰囲気ですわな(笑
真実が知れた時、結末はもしかして不幸系なのかと背筋が寒くなったものですが、そうでなくて安心です。
(もっとも、ある意味では不幸なのですが……)
迷った上で、ただ一言だけ暗示して消えていく名雪に、名雪が嫌いな私でさえグッとくるものがあります。
等身大の名雪。良い面も、悪い面も全部見せて読者の心を掴んでいく大変素晴らしい造形でした。
つーか、真琴と額をつけて笑い合う名雪にちょっと萌えたり(笑
甘々のラブストーリーよりも、私はこういうさりげないのがやっぱり好きですね。

素晴らしいセンスの冴えと高い実力を見せてくださった作者様に脱帽です。ありがとうございました。

……と思っていたら微妙にネタ被り〜(汗
おそらく作者様は今頃豆腐の角にヘッドバッドをする準備完了といったところでしょうか(笑

069 ふたつのねがい (採点:7)
優しい……なんとも優しすぎる話ではありませんか。
ちょっと読みにくかったり、中盤の架空世界の有りようには色々と言えましょうが、
しかしこの作品に出てくる者たちの、溢れるような優しさが実に心地よいですね。
二人称(でしたっけ?)の柔らかい語り口のせいか、一際強くそう感じます。

他人を犠牲にしてまで生きている人間を尊敬できない、との言には個人的には
「いや、生きるということはそれをしてでも、そうするだけの価値がある!」と
言いたくもなるのですが、しかしその愚かしいほどの優しさが、優しさの連鎖を生んで希望が残され、
それが結実するわけでして……なんと言いますか、よくできたお話ですね、本当に。

架空世界の有りようは観念的に過ぎるような、それでいてむしろ具体的過ぎるような気もします。
栞のそれはなかなか良かったのですが、秋子さんのそれはもう少し対立要因が
形成できたような気もします(ダンナとか)。何よりも、ちょっと中盤は文章量が多かったかも(汗

また、今でも食い逃げしまくっているという設定はちょっと個人的には勘弁して欲しかったですが、
なんとかそれをせずに済ます道は……やっぱりなかったかな?(汗
何にせよ、栞やあゆ、北川の造形はお見事でした。負の面も見せつつ、あくまでも優しく……。

書式としては、『・・・』は三点リーダに比べると、柔らかさを醸し出すという効果があったようですが、
個人的にはやはりパッと見て浮いて見えるのでちょっとだけ辛いところでしょうか。
最初に声をかけてくるシーンはセリフが被ってましたが、あれは推敲ミスでしょうか?

どうでもいいんですが、天使の唐突さに『45分後にしてくれ』ってのは笑いました(笑

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:9)
「なんてこった!」読後の感想はそれに尽きます。まさかこんなにおもしろい物語に出会えるとは。
もう少し展開を重厚にすれば、どこかの書店にライトノベルとして並んでいてもおかしくないのでは?
完成度がどうこう言うより、もうストーリーが単純におもしろかったです。

人と人との関係をモチーフに、佐祐理さんを扱うのも上手いですね。
ただ、その場合は個人的には佐祐理さんに舞離れが出来るような人間になる可能性を
提示して欲しかったかも知れません。これではいつまでたっても舞離れができない(汗
(舞離れと言っても「別れる」という意味ではなくて、適切な距離のことをイメージ)
舞の方はとっくに佐祐理離れができた上で、その上で佐祐理とつながっている(変な日本語ですね)のに。
それが許される場所が一カ所くらいはある、ではなくもう少し踏み込んで人間そのもののあり方から
解いても良かったのでは? 実際、存在は単体ではそれを証明できない……でしたっけ、そんなような
理論から絡めても良かったのでは?
つーか、奥が深いテーマですね。人間の存在価値。やっぱ私ごときがどうこう言うには大きすぎますね(汗

フランクな文章も、最初は戸惑いましたが、読み進めていくとこんなにも心地よいものだったり。
まぁ、さすがにちょっとやりすぎな部分もあったようにも思えますけれど(汗
真面目な、怜悧でデリケートな場面までは、やや固めでも良かったんじゃないかと思います。
あと、ほんのわずかながら誤字があるのがとても残念。うち一カ所は×誤る→○謝るというもの(笑

佐祐理さんは、もう少し同人誌(資料室)を避けつつ、しかしどうしても惹かれていく様子があれば……
って、容量がギリギリですかね、この話(汗
あと『ロキ』が情けなさ過ぎるような気も若干(笑
ロキの論破シーンや操られ佐祐理との戦闘と自力解放くらいはあっても良かったのでは?
あと、オリキャラ陣が無駄に豪華(苦笑) 功罪あると思いますけれど、活かしきれてはいなかったかも。
ついでに、3年生の3学期になって生徒会長ってのはさすがに無いのでは?

あんまりおもしろかったんで本当は満点つけたいんですが、
もうちょっと良く出来た筈だとの思いもちらほら。でもやっぱり容量の関係で無理でしょうかね(汗

071 一緒に生きたい (採点:5)
なんとも優しい、そして何より北川のポジショニングが面白いお話ですね。
何故、北川が人形を見つけることができたのかを起点に設定を膨らませていったように見える正統派の(?)
IF設定ストーリーといったところでしょうか。
辛い出来事から逃げないということを軸に、香里と栞の復縁を目指した方向性は素敵です。

難を言えば、北川を中心とした人物の行動に深みがやや不足していたのではないか、という展開上の
書き込み不足が感じられます。って、この容量じゃ如何ともし難いか(汗
おそらくだいぶん削られてしまったんでしょうねぇ。
北川の挫折と、逃げをうつ香里の姿、祐一の後悔と苦悩などが、もう少し書かれていて欲しかったです。
特に祐一とあゆの軸には、もう少し北川が果たせる役割があったような気もします。
まぁ本筋である栞とのそれに絡められないようならば、逆にもっとカットすべきだったかも知れませんが。
今のところは若干中途半端な感じもしました。

文章そのものはさほど評価できるものではありません。不可は出しませんけれど。
でも折角のこのストーリーを盛り上げるような、そんな文章を願いたいところ。
凝りすぎて読みにくくなってもアレですけどね(汗

細かいツッコミは色々できるでしょうが、たぶんそれは他の方がやってくれるでしょうから
くどくどと言いはしません。
昨今では珍しいくらいに楽しいIFストーリーをどうもでした。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
この作品、バランスの取れた優等生というよりは、一芸に秀でた達人といった趣がありますね。
減点対象は多々あるようにも思えますが、それを上回る特別加点が針が振り切れるくらいに強力です。

独特の素晴らしい味を持つ文章ですが、時折無理が混じっているように思われます。
例えば『自己満足をしたかった』や、『真面目に笑う』などの表現。正誤はともかく、見た目から
あまり日本語として格好良いものとは思えません。
また、『…』に関してですが(前回出場者でありながら、独自の書式を貫くのはあまり
賢い選択とは言えますまい。『……』でよかったのでは?)、ややナチュラルに使いすぎかと。
特に文頭と文末の両方ともに三点リーダを使う文章は私から見ると文字の並びとして不格好に映ります。
文字の並びに特に気を遣う貴方ならば、それをどうにかして欲しいと思うのは贅沢でしょうか?

なんだか前回の『メアリー』を彷彿とさせる作品ですが、作者さんは確実に別人の方でしょうね。
ということはメアリーをライバル視したという感じなのかな、と想像してみたり。たぶんh,A氏?

好きになれない点としては、これはもう変えてくれと言えないのでどうしようもないのですが、
私はいつまでも飛び続けていられる紙飛行機の存在を信じていたいです。
んなもん有るわきゃ無いんですがね(汗

それでもやはり素晴らしい出来映えでした。
話そのものにボリュームこそありませんが、その展開の上手さ、そして無駄の省いた書き込み量などは
むしろよくぞここまで完成度を高めたものだと唸るしかありません。
これだけの容量で、無駄が全くないと思えるのは凄いことだと思います。

余談ですが、私は幾人かのキャラは、そのままに描かれていても好きになりはしません。
美汐もその例に漏れず、そのまま素直に美汐を展開されてもその造形にはちっとも魅力を感じません。
その筈ですが、この”おもしろ可愛い”彼女の造形は実にお見事。ガッチリとハートを鷲掴みされました。

『祐一が眠りについてから、美汐は考えます。考えて考えて、そして……』
一番のお気に入りの一節です。戦慄すら覚えさせる見事な一文でした。
わずかな文章から、しかし無限の可能性の広がりを見せておいて、それでいてきっちりと纏める。
素晴らしいお話をどうもでした。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
な、なんじゃこりゃ〜!(笑

あまりにもあまりな外道作品ですねぇ(笑
ここまでやられると何処からツッコんでも無粋に終わりそうな予感がします。
色々と萎え要素もありますが、まぁ、こういうのも悪くはないでしょう。
(うーん、しかし交代制の結婚て……/汗)

ライトノベルよろしく描写・展開を極限まで削ったことによる良質なリズム、
ジェットコースター的な加速感が心地よいですね。
きっちりとどんでん返しまでありますし、そういう観点では文句なしに面白かったです。
何よりこの問答無用な勢いが素晴らしい。
祐一のみならず、きっと読者も『もうどうにでもなれ』と途中で変節することでしょう(笑

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:5)
文章の質はかなり高いと思います。
描かれた情景の美しさも見事。祐一と名雪の、いつものやりとり──それも名雪の一人勝ちな展開には
微笑ましさが感じられて楽しく読めます。
語られる奇跡の価値。すべてが愛する者の起こした奇跡だと言う、いかにもな希望に溢れた
その内容は(どっかで読んだことあるような気もするのですが)なかなかに面白い。
……のですが、うーん。どこか素直に楽しめませんでした。

まずは単なる好み。こんな理由で採点するのって酷く申し訳ないんですが、好みはどうしても
作品の印象に関わってしまいますんで……(汗
私はあまり名雪が好きではありませんが、その理由の一つに、
名雪は7年前のことを自分が悪かったとは思っていないようだとか(このSSの名雪もそう)、
その祐一に何があったのかを知ろうとしない臆病さなどは如何なもんかな、と思っていたり。
抱えた爆弾を冷凍処理するのではなくしっかり解体する気概と姿勢。
そうした強さ、或いはその可能性を見せて欲しいのですが……。
完全ほのぼのならともかく、これは7年前から始まる話でありながら中途半端かと。
まぁ、これはたぶん名雪に萌えている人からすると寝た子を起こすような(笑)無粋な真似なのでしょう。
しかし無粋でもなんでもこの作品の名雪の造形は私の肌には合いませんでした。
No.47あたりの名雪には好感も持てるんですがねぇ……。

次に、こちらは読んでいて思ったことですが、どうもこの文量と内容から見ると無駄が多いというか
いちいちしつこい。70番台はむしろもっと重厚さが欲しいと思えるほどシェイプアップされた作品が
多いように思っているのですが、この作品は短編ではないかと。
しかも文章量の無駄に多い短編です。奇跡問答などはクライマックスでありながらダラダラしすぎです。
もっとスマートにするか、波乱の展開を含めて踏み込んだ内容にするか。

あとは、どうにも3/3の地の文章が読み辛くて。情景描写による情感もこの辺りからは息切れ気味。
語調のウザい地の文章がやたら窮屈に固まっているのにはかなりガックリきました。
正直、夢と3/3をなくしてしまい、完全にほのぼのに再構成してくれていれば7点は固かったんですがね。
ちょっと、名雪萌えでなかった人間を萌えさせ、引き込んで読ませるだけの内容は無かったと思います。

075 True story (採点:6)
作中作にさらに昔語りまで混ぜて、とことんまで外連をたっぷり込めた
なかなかにけったいなお話になってますね。

この話を何かに例えるならば、
それは月面宙返りで跳ぼうとする走り高跳びの選手、ジギタリス、ボブ・サップ、あぶないレオタード、
果ては木からもぎとったドリアンといったところでしょうか(ワケわかりませんな)。

作者様はいったいどんなつもりなのでしょうか?
ナルキッソスかロキか。
天然か努力家か、意地が悪いのかユーモアなのか、
天の邪鬼なのか理想主義なのか、孤高なのかそうでないのかすら判然としません。
読者との交歓を楽しむようであり、また同時に酷くバカにして嘲笑しているようにも思え、
しかしここまでくるとそれもまた良しと思う私もいたり(笑
でもこんなに凝った文章を書かれる方が自己流の書式(何故に二点リーダ?)を貫く辺り、やはり
意地悪なのだろうと思う反面、つまらん誤字があったりしてやっぱり天然なのだろうかと混乱します。

こうやって似非批評を繰り広げる者を弄ぶことが目的なんじゃないかと思いつつも、
敢えて踊らされてみようかとも思います。

文章の面白みで言えば中篇随一ではないかと。
漢字が表意文字であることを思い出させてくれるそれは、単純に読んでいてとても楽しかったです。
実質、名雪シリアスラブというジャンル分け自体が騙しであったわけですが、
そのラブな部分は、会話のみにしては実に上手く情景が表現されていますね。
ここまでくると、達人か天才か……失礼ながら大馬鹿(良い意味で)ですな。

内容については、『このSS』よりは作中作の方が面白かったと、要するに7/7でガックリきたのが
正直な印象だったりもします。これは読み手を選ぶんじゃないでしょうか?
私などはけれんが大好きではありますが、それにしたって限度はあります。
おそらくそれがわかってやっていると思いますが……。
ともあれ、話を展開しておいてはぐらかせるのは良くないと思います。
残念ながら私には作品の主題もよくわかりませんでしたし、読後には満足感は残りませんでした。

あと……東京弁は標準語じゃねぇ!(関西人は東京弁が大嫌い/笑)

076 夢の劇場 (採点:10)
ともすればKanonの根底を否定し、覆すような領域にまで踏み込む、あまりにも鋭い切り口。
優しくて、しかしどこまでも冷徹な見事なキャラの造形。
だが女々しい内向きの文章が多く、その点は自己憐憫臭を感じさせるかも知れない。
そもそもがお涙頂戴劇、読み飽きた直球ど真ん中の正統派補完SSである筈なのに、
そんなものには私は白けはしても心惹かれるものなどない筈だったのに、
どういうわけかその私の琴線を激しく揺さぶったこの作品。
この機会に読めて良かったと心の底から思います。
問題はそれでも残りましょうが、私は自分の涙に嘘はつけないので最高点を。

エゴと愛情、前向きと後ろ向き、それらが渾然一体となっている実体感のあるキャラ造形が特に逸品。
キャラ造形などは人によって様々な鋳型を持っていて、私の場合も例外ではありません。
が、私の鋳型はこの作品の一部しか受容できず、はみ出した部分をカバーするために
鋳型を大幅に拡張せざるを得ませんでした。鋳型の細かい修正なら頻繁にやりますが、
拡張だなんてそこまで自分の鋳型が不完全であったことを痛感したのはSSを読み始めた頃以来です。
……もう何言ってんだかよくわかりませんが(汗)、要するに私のKanonの世界観、キャラ観に
久方ぶりに多大な影響を与える傑作でありました、と。
思えばこういうものが読みたくてKanonSSからは離れられないのです、私は。
おもしろいものならば、本屋か図書館に行けばあるでしょう。
しかしKanonSSは、何よりもこういう作品は書店では決して読めない。
一時期はSSを読むのをやめようかと思ったこともありますが、
限定的とは言え、読み続けていて本当に良かった……。

とにかくバランスが素晴らしいですね。泥沼の汚濁と凄絶な硬質美、不幸だけど希望も残し、
幻想的でしかし現実感も失わない。ネガティブなのにポジティブ。時に優しくて、しかし呵責ない。
問題があるとすれば冒頭に挙げた点の他、夢の世界の中でもう1、2クッション欲しいといった重厚さ、
あとは情景描写くらいですか。夢の世界や重要な場所はできればもう少し美しく……長編向けですかね。

しかしこれほどの作品を読ませていただいたことは、そしてボロボロに泣かされたことは
きっと一生忘れることはないでしょう。どうも有り難うございました。


なんだかDream TheaterのAnother DayやPull Me Underなどを主題歌にしたくなりますね(笑

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
うむむむ、どんな点数をつけて良いのやらとても悩みました(笑
最初8点にしようとも思って随分と悩んだのですが、やはりヘタレ祐一が嫌いなこと、
そして香里の心境に起こった微かな変化に説得力があまりないような気がしたことと併せて、
ちょいと厳しめの採点で。ああっ、すみませんカラーボールを投げないで(汗

物語冒頭のシーンには驚きました。そして、すぐに騎馬戦ではないかとピンときましたが、どこかで
「これが全くのファンタジー系だったら?」なんてドキドキもさせられました。
結局騎馬戦であったわけですが、それでもこうした茶目っ気はどうにも嫌いになれません。
どうかその茶目っ気をいつまでも忘れずに、しかし読者を騙したり混乱させたりするのはあくまでも
建設的な方向にあるべきことも見失わずにいてくださいね。

文章が読みやすくてとても良いです。それに騎馬戦というシミュレーション、それにアクションの要素を
加えたことによって他のSSとは一線を画する楽しさが出ていたと思います。なんといっても漢なら
こうした闘いには心が沸き立つもの。恋愛を絡めるのもメリハリがあって悪くはなかったと思います。

ただ、その恋愛模様の内容がどうも……。
コミカルな惚れたはった劇をどこか感情的に素直に受け入れられない。
ただ、これは功罪だと思うので難しいところです。コミカルにすることによって確かにテンポやリズムは
格段に良くなっているわけで、グズグズせずに気持ちよく戦闘を楽しめる部分はあった筈。
ですが、栞との生死を超えたところにまで到達した絆をおもちゃにされているようでどこか
やりきれない部分もあるんです……ごく個人的に。最後は祐一にシャキっとして欲しかったなぁ。
ちなみに栞とのドラマがないと想定しているなら、Kanon風味が薄れるのでどっちにしても減点です(汗

気になったところと言えば、馬の記述、描写についてです。騎馬役だとわかっていても、
わざと本物の馬と誤認させるような書き方をしていませんか?
冒頭ではそれが良い効果をもたらしていると思いますが、その後はいちいち引っかかりが残ります。

個人的なお気に入りは、各場面転換後の最初の一文。
意識されているのかそうでないのか。『○×は悩んでいた』に代表されるような定型文的な
言い回しがリズム良くていいですね。なんか、掴みはOKって感じじゃないですか(笑

078 「dearest」 (採点:5)
申し訳ありません、なんか……感想書きにくいです。
文章、展開などどこにも『悪い』ところなどない、それどころか展開などもきっちりと工夫してあると
思うのですが、何故か楽しめませんでした。

たぶん私の中の香里像とは決定的に合わなかったせいではないかとも思うのですが……。
強いて言うなら「こういう香里もかわいいな」と思わせるだけのパワーはなかったということに
なるのでしょうか。しかし、そういう捻ったところがないのがこの作品の魅力ではあると思うんですよね。

要するに悪いのは私の嗜好であって、この作品のそれではない、と(汗
わかっちゃいるんですが、楽しめなかったのは事実ですんで、誠に申し訳ありませんが得点は平均点で。

○登影 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:4)
あの名曲に久瀬の心理をかけあわせたものですね。
詩的な感じがとてもいいのですが…
最後近くで、終始「?」が頭に浮かびまくりでした。
結局自分の頭では理解できませんでした。
なんとなく久瀬らしさは出てますが…いかんせん、最後あたりの意味がわかりませんでした。

002 鈴の音よ再び (採点:5)
一行空けがなんとなく気になりました…と言うか、最後の無意味な空白はなんでしょう?
話自体は、祐一の苦悩と幻想と再決意、といったところですね。
オチはハッピー(?)ですが、なんというかありがちな気が…

003 お泊まりパニック! (採点:1)
「北川が出る」「ギャグ」と来たら、もう想像がつきました。
北川いじめについてはアレですが、ありがちすぎて予想を裏切らないでくれました。
風呂シーン。「ああ、覗いてボコられ、か。」裏切らない。
閉め出しシーン。裏切らない。
人生ゲーム。いっそ俺って予知者になれる?ってくらいに裏切らない(爆
更にギャグなのに笑えるシーンがキャラいじめだけ、と言うのも。
しかも全キャラ(祐一、北川、久瀬含む)好きの自分には笑えない。
個人的には、いじめでしか笑いを取れないようなギャグ小説は
「ジャンルをいじめ文章に改正しろ」と言いたくなります。
単に「北川を肉体的にも精神的にもいじめて、祐一を精神的にいじめただけの文字の羅列」
と言うような感じがします。つーかそれ。

004 The regret (採点:7)
う〜む…
何と言うか、一番気になったのは祐一の言う『前例』でしょうか?
あゆの事に触れてないのに『前例を知っている』は無理があるような…
後、「薄情」が「白状」と誤変換されているのに少し盛り下がりました。
残りは文句無しです。
最初の設定も後になるとそれほど気になりませんでした。
また、オチもなかなかです。
北×香の自分も意外とすんなりと受け付けられましたし。
結論から言うと、良作でした。

005 プライベート・ハンター (採点:3)
…まさしく序破急。
しかも、ジャンルがシリアスだかギャグだかほのぼのだかほのラブだか何だかわかりません。
良いところは、おもちゃと電池の例えと、戦闘描写がなかなかでした。

006 「日課」 (採点:5)
非常に爽やかに感じる作品でした。
ただ一つ…改行で、一つの文を切りすぎです。
2、3回ならまだしも…多いです、非常に。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
地の文での香里の一人称も「あたし」ならもう少し評価上げたでしょう。
それ以外は…北川の告白台詞も書いておくべきかと。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
何と言うか、尻切れトンボです。
こう言う「読者の想像に任せる」と言うのは、
「各自でいいオチを想像してください」みたいな感じがしてなりませんし。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:4)
……久瀬の性格……わからなすぎです。
…前半は、よくある壊れキャラだし。
後半は、自分の理想の久瀬像(笑
文章自体はちょっと…な出来でした。

071 一緒に生きたい (採点:7)
文体やら構成やらは置いておいて…。
まず、セリフが多く、地の文が状況説明ばかりになってしまっているような気がします。
北川も、ムードメーカーなところが少なく、別キャラに感じます。
それ以外は及第点…と言うか拍手。
自分が脇役贔屓なのも関係しているのが理由かもしれませんが(笑

○白眉 さん

022 笑い声がきこえる (採点:7)
あーー、名雪ファンとしては痛いのですが…
あと、ダークも好きじゃないんですけど、なんか残るものがありました。

035 復讐という名の代償行為 (採点:7)
名雪ファンの自分には痛いです。
しかも、ダークは苦手…
でも、祐一ならありえるかも知れませんね。

○八塚神穂 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:6)
アゲハ蝶の歌詞に合わせて、進むストーリーが面白かったです。著作権的なことや知らない人の為に、原典は明記した方が良いと思います。

004 The regret (採点:4)
最初で特殊な設定をしていますが、あまり効果的に働いていないように思います。このような設定を設けなくても、話しは成り立つのではないでしょうか。あと、誤字がいくつかあるのも、気になります。北川と祐一の友情は、カッコ良かったです。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
ちょっとお色気過剰で、私には合わなかったです。祐一狙いな秋子さんSSだったのでしょうか?

008 激辛 (採点:8)
真琴が可愛くて、とても良かったです。本文が良かっただけに、タイトルが単純なのが惜しいです。もう少し考慮の余地もあったのでは?

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
ハーレムSSなのですが、ありがちなスラップスティックにならなかったところが良かったです。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:9)
とても面白かったです。キャラに違和感もなく、きちっと話も纏まっていて、非常に完成度が高いと感じました。

011 残酷な代償のHappiness (採点:4)
いつまでもあゆが真琴を演じ続けた方が、救いがないダークSSとして話しは締まると思いました。

012 空っぽのテクスト (採点:6)
物語の序盤から、栞が助からないと思わせる部分があるので、実際そう告げられる場面での衝撃があまり無いのが残念です。「中身が書かれていない遺書」のくだりは良かったです。

013 Conservation for Love (採点:7)
きっちりギャグになっていて笑えました。ただ、ギャグだとしても、読者を愚物呼ばわりするのはどうかと思います。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
栞が助かった理由が説明不足だと思います。
あと、台詞で「死んだほうがまし」とか医者が言ってはダメだと思います。

016 脱走と追跡のカノン (採点:6)
楽しい作品でした。友情のカチューシャで、あゆは奇跡の具現者たいやきダッフルガール(既に原形が無い(^_^;)になれたのでしょうか?(笑)

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:7)
設定が珍しく、また、その設定で最後まで書かれているのが良かったです。

018 雪解け水 (採点:4)
あゆSSで進んでるようで、最後で唐突に名雪SSになっているという印象を受けました。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
タイトルの通りに序章ですね。コンペという性質上、このSSだけで完結するように話を作って欲しかったです。

020 私の望み (採点:6)
ラストがタイトルに綺麗に繋がっているのが良かったです。

021 想いの果てに (採点:4)
だれかヒロインを一人に絞って書かれたほうが、物語に深みが出たと思います。

022 笑い声がきこえる (採点:9)
ダークですね。二転三転する真相、サイコホラーとしても遜色ないと思います。とても、面白かったです。

023 WA4 (採点:1)
テーマが見えません、美汐SS?名雪SS?
ごっそりとラストシーンが抜けていて、完結していないSSと感じました。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
話は悪くないのですが、KanonSSでなくてもよい気がしてしまいました。

025 歩いて行こう (採点:4)
出だしは良かったんですが、後半は普通の友情ものになってしまったのは残念。祐一の設定も唐突に感じられました。

026 ステップ (採点:6)
秋子さんの状況説明が、ちょっとクドイ気がしました。戸籍謄本が伏線になってるのは良かったです。
シートベルトは、車に乗ったら必ず付けていましょう。(笑)

027 ウエディングヴェール (採点:4)
退院祝いが、あまり有効に働いて無いように感じました。それと、土曜日の四日前は火曜日ですね。

028 ”プレイ” (採点:8)
真相をぼかすことによる独特の読書感があるのが良いです。面白い作品でした。

029 最後の奇跡 (採点:5)
あゆが帰ってくるところまで、描写が欲しかったです......帰ってきますよね?

030 奇跡のかわりに (採点:7)
コメディ調の文体が楽しかったです。ありがちにハッピーエンドにしなかったのも良かったです。

031 グッナイ (採点:3)
オリキャラを出した意味が、あまり無いように思えました。

033 エム (採点:5)
娘に遺伝した力という設定は面白かったのですが、少々盛り上がりに欠ける気がしました。もう少し、力と折り合いを付ける場面を濃く書いて欲しかったです。
あと、誤字は殺っちゃだめでしょう。(笑)

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:4)
栞弁当の場面は、久瀬の変化を表わす為にあったのでしょうか。誤字が幾つかあるのも気になりました、マミマミ?

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
サイコホラーですね。混乱していく意識。明かされない真実。
最後の札が、ジョーカーの時点で祐一君負け。(笑)
ただ、香里が情報を握りすぎていた気もしました、ほかに適当なキャラもいないですが。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:7)
さわやかな青春もののような話が良かったです。ある意味、とてもKanonらしいSSといえるかもしれませんね。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:5)
オチのほのぼのさが良かったです。

039 幻実、そして星 (採点:7)
本編とは矛盾してしまうSSですが、なかなか面白い話でした。

040 楽園日記 (採点:10)
KanonSSなのに、女の子が一人も出て来ない!でも、非常に面白い作品でした。
シリアスな部分とコメディーな部分をうまく混ぜてある文章は、テンポも良くとても読みやすかったです。
祐一や北川はもちろん、久瀬や斎藤に至るまでちゃんとキャラを掴んで書かれているのはお見事。
ストーリーも起伏があり、また、ギャグで終わらせたりしなかったのは良かったです。ラストがあっけなくも感じますが、これはこれで良かったと思います。
私が今回のコンペで10点を付けた唯一の作品でした。こんな楽しい作品を読ませていただき、ありがとうございました!

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
ジャンルが壊れギャグとなっていましたが、それほど暴走せずに程よい壊れ具合が良かったです。

○緋由威 さん

002 鈴の音よ再び (採点:4)
文章はうまかったです。最後はちょっと中途半端?祐一が一人で悩んで一人で納得して、読んでる方はなんかおいて行かれた感じがしました。

003 お泊まりパニック! (採点:4)
面白かったんですが、最後まで同じ調子で行っちゃって盛り上がりに欠けたかな?

004 The regret (採点:3)
 死んじゃう話はちょっと苦手。自分的には北川君にはちょっと入れ込めないのも残念

006 「日課」 (採点:5)
いい話でした。でもやっぱり北川君というのが残念。彼が自己完結しててついて行きづらかった。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
いいんです!いいんですけど、肉布団というのは響きとしてどうですか?(笑)
それでも秋子さんは最高!って感想になってないし。

008 激辛 (採点:3)
いいお話なんですが、ちょっと盛り上がらないとこが残念。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:5)
前ふりが長すぎるような気がしましたが面白かった。
うん、こういう終わりもあってもいいかも知れない。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
何かちょっと違う気がする。

012 空っぽのテクスト (採点:4)
ネタとしてはありきたりでひねりもないですが、やっぱり切ないです。


013 Conservation for Love (採点:4)
なかなか面白かったんですけど、最後は悪のりしすぎ?

014 おまえの名前 (採点:3)
いいお話しだったんですけどもう少し整理出来たのではないかと。

016 脱走と追跡のカノン (採点:2)
話があちこちに飛びすぎて付いていけませんでした。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:1)
ネタが、生理的に駄目です。

020 私の望み (採点:6)
こういう雰囲気の作品は好きで、文章そつなくて読みやすかったです。
が、百花屋での名雪と美汐の会話、セリオSSでとてもよく似たのを・・・
同じ人なのかな?あ、それはいわない約束でしたね

022 笑い声がきこえる (採点:2)
うまいなとは思ったんですけど、カノンでこれをやる意味があるのかな、と

023 WA4 (採点:7)
いいお話でした。美汐の心中というのがちょっと心配になったりもしましたが
美汐以外にはこの役どころはもってこれないなとも思いました。

030 奇跡のかわりに (採点:8)
面白かったです。最後がちょっと拍子抜け。
我思う故に我あり、じゃなくて、彼思う故に・・・って処ですね。

031 グッナイ (採点:7)
後半の真琴と秋子さんの会話が良かった。
反面わき役の家族の扱いが中途半端に感じました。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:2)
すいません、よくわからなかったです

035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
 かなりしんどいお話ではあったんですけど、この手のゲームの構造を逆手に取った面白い作りだと思いました。ただ話のネタ的にはカノンには向いてなかったかな。


040 楽園日記 (採点:10)
女性キャラのでてこないカノンSS、というのもすごいんですが。
読んだ後の清々しさが格別です。これは良かった。

041 また逢えたらいいね (採点:10)
これは面白かったです。読み手は選ぶかも知れませんが、私のつぼにははまりました。
カノンSS的ハードSF?

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
素直に楽しめました。こういうのはいいですね。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:7)
ちょっとまとまりがなかったのと、楽屋オチでちょっとさめてしまった。
でも、おもしろかった。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:2)
よく分かりませんでした。展開に付いていけなかった。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
こういうお話は好きです。北川君SSでは今までで一番良かった。

○氷雨雅樹 さん

024 Fated Meeting And Casual One (採点:8)
文章も読みやすく香里SSとしては最高なんですが、KanonSSとしてはちょっと・・・っていう感じです

○氷山 さん

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
祐一がいなくなると生きていけないというのは、
人として自立できていないということではないのでしょうか。

019 FILE EPISODE 0 (採点:4)
情報が少なすぎて何がなんだか。FINとあるので違うと思いますけど、
もし続き物であるとしたら、こういう場で発表するのは不適切だと思います。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:2)
まず小説の作法を勉強してください。
いろいろとつっこみたいところはあるんですが、とりあえず二つだけ。何か深い意味があったとしたらすいません。

母親と恋人の父親が不倫してたからって別れる理由にはならないと思います。
もしかすると佑一と香里が腹違いの兄妹だという設定だったりするんでしょうか?
最後の英文、英語の意味がまったくないです。佑一は英国人ですか。しかも文法的に間違っています。
ひょっとしたら何かの歌や詩の引用でしょうか。
評価は点数通りです。

025 歩いて行こう (採点:3)
まず、改行が多すぎると思います。
脈絡もなく佑一がケンカ強すぎとか、水瀬グループ御曹司とかで一気に現実感が無くなり冷めてしまいました。
人物のセリフがやたらと芝居がかっているのも考え物かと。

040 楽園日記 (採点:8)
面白いです。面白いですけど、ラストにもう一波乱を期待していました。

○不義理と邪悪の代名詞 さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:2)
どうでもいいような事を小難しくならべたてただけのような気がします。
失礼な事はわかっていますけど、俺の文章わからない奴はついてこないくていいよ、的な書き方は受け入れられません。
一般的な視点での批評を言っておきますと、ヤマがない、構成が不均一、作者が何を伝えたいのかが不明瞭。こんなところでしょうか。

003 お泊まりパニック! (採点:4)
まぁ怒涛のような勢いに乗れたのでよしとしませう。


004 The regret (採点:6)
正直ストーリーとしてはちょっと物足りなかったような気がします。
しかし、北川や祐一の心情の描き方がものすごく上手で、ぐんぐん引き込まれていってしまいました。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
最後のシーンが無茶苦茶です。
せっかくの緊張感が台無しですよ。

006 「日課」 (採点:7)
北川らしいです。
こういうストーリーってありがちですけど、いざ書いてみるとなかなかに難しいものなんですよね。
うまくまとめられていて良いお話でした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
卑怯です。
秋子さんファンがこのSSに悪い点をつけられるわけが‥‥ないぢゃないですか!(悦泣
なんかすっげぇ祐一がうらやましいんですけど。
てゆーかうらやましさの余り殺したくなるんですが
いいですか殺っちゃって?

つーか成人指定寸前なのでこの点数です。

008 激辛 (採点:6)
馬鹿話かと思っていたら想像以上にまともで、作りこまれたストーリーにただ感激していました。
それにしても秋子さんはナイスですねぇ。
評価としては、もう少し祐一や真琴の感情表現に磨きをかけてほしいです。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
なるほどね。
誰でも簡単に思いつくストーリーですけど、実際に書いてみた人はほとんどいないんじゃないでしょうか?
難しいんですよ、こういうタイプのお話は。視点がぽんぽん移り変わっていくし、その分ひとりひとりのくだりが短く、薄くなってしまうし。
その点で、いいところまでいっているのですが未だ書ききれていない、という印象を受けました。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:2)
カレーに話の流れを向けるのならば、もう少しその部分に凝った書き方をした方が良かったのではないでしょうか。
栞、香里の通過儀礼としてのカレーの在り方が、なんとなくぼやけたまま書ききれていなかったような印象を受けました。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
やや突拍子もない部分がありましたけど、全体的な雰囲気は温かくてよかったです。
自分を犠牲にしてまで真琴を呼び戻したあゆの、切ない祐一への想いが感じ取れる作品でした。

ただ、その点だけに終始してしまった感は否めません。
もう少しストーリーに起伏が欲しかったです。

012 空っぽのテクスト (採点:3)
何と言いますか、不思議な物語ですね。
残された最後の時間を祐一と一緒に過ごしたい。その栞の気持ちは良く伝わるのですが、話の流れ的なものがぐしゃぐしゃしててわかりづらいです。

013 Conservation for Love (採点:3)
わかるひとにしかわからんネタがいくつかありましたねぇ。
私はかじめファンなので(?)まぁオッケーでしたが、他の方はどう捉えたでしょう?

それはさておき、話の流れとしては違和感はありませんでした。
ただ、評価できるのはその点のみです。ストーリー的に話にひきこまれにくく、また目立って秀逸と呼べる表現もありませんでした。

014 おまえの名前 (採点:3)
なかなかよく考えられた、良いお話だったと思います。
ただ‥‥終盤で一緒にいるはずの美汐が無視されてしまっているのが気になりました。彼女も沢渡真琴と深い関係があったのですから、もっとストーリーに食い込ませても良かったのではないでしょうか?

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
シャッフルの途中で、という言葉がなんか似合ってるような気がします。
まぁ怒涛のように過ぎ去ってゆく日常というのはあんな感じでしょうね。ただ、それを物語に組み込もうとしたのは大きな誤りだと私は思いますが。

016 脱走と追跡のカノン (採点:4)
アイデア賞っすね(苦笑
まさかあゆの独白メインであそこまで引っ張るとは思いませんでした。
結末があるものだと思っていたのにないままオチた、ストーリーの破天荒さに脱帽です。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:4)
扱いにくい題材と難しい表現に敢えて挑んだ姿勢に敬意を表して。
なんとなくグリーンマ○ルっぽかったり金八先○っぽかったりする部分は十分に目をつぶれるとして、ストーリーの急速な流れにひどく違和感を覚えます。
もっともっと祐一の心情を細やかに描き出してゆくべきだったのではないでしょうか?

018 雪解け水 (採点:3)
なんか‥‥違和感が拭えないんですよね。
こういった形の補完もアリだと思いますし、ストーリーの組み立て方もなかなかでしたし、もっと高い評価になってもよさそうなものだと自分自身で思ってはいるのですが。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
前回のSSこんぺでも、また今回の短編結果でも指摘されていた事ですが、普通は鍵括弧のなかに読点(。)を使用しないものです。
ストーリー的にはちょっとお粗末だったでしょうか。謎を深めてゆく(でないと面白くない)仕掛けや筋書き、そしてそれに関するきちんとした説明‥‥そういう重要な要素が抜けていたように思われます。

020 私の望み (採点:7)
死ぬほどカユい(笑
しかしなかなか上手く美汐ちゃんの心情を描けていました。たしかに色恋沙汰には疎そうですものね。それが自分自身の気持ちであったとしても。

気になる点として、パーティーのくだりがあまりにもおざなりだったかな、というのがありました。

021 想いの果てに (採点:1)
語りがブツ切りすぎます。
ストーリーや構成以前に文章表現にもう少し磨きをかけないと、正直読めたものではありません。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
上手い。素直に上手いと感服しました。
こういうダーク系のお話はえてして筋書きが適当で、読めたものではないケースが多いのですが、この作品はきっちりと作りこまれているような感じを受けました。

ただ、ストーリー的になんとなくありがち、と言いますか簡単すぎるような気がします。
描写はなかなかのものなのですが‥‥。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:5)
一言で言えば、尻すぼみでした。
最後の英詩(?)は秀逸でしたが、それ故にストーリーの脆弱さが見えてしまったような気がします。
言い方を変えれば、最後の英詩の良さが仇になってしまったかな、と。

025 歩いて行こう (採点:1)
話の展開に少々無理がありました。
また、久瀬の心情の描き方にもう少し気を配って欲しかったです。

026 ステップ (採点:4)
語りの順序にもう一工夫欲しかったです。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
残酷なお話でした。
というのは、幸福の影にいつも不幸が潜んでいる事を思い知らされてしまうから。
せっかく最後の最後で真琴と再会できたのに、笑って別れられなかったという結末はちょっと寂しいです。

028 ”プレイ” (採点:2)
多分タイトルはPRAY(祈りかな?)なのだと思いますが‥‥
正直最後まで何がなんだかわかりませんでした。

029 最後の奇跡 (採点:6)
ありがち。
でも、これほどまでにすがすがしい結末のお話はこんぺにあんまり投稿されていなかったような気がする(苦笑

030 奇跡のかわりに (採点:5)
なかなか面白い着眼点だったと思います。
ただ、最後の展開がさっくりと流れていってしまったのが個人的には残念でした。

031 グッナイ (採点:3)
なかなか面白い切り口のお話だったと思います。
ただ、なずな達を通じて何を訴えたかったのか、それがいまいち感じ取れません。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:3)
文章表現にもう少し磨きをかけて欲しいです。
言いたい事はわかるし、ストーリーとしてはなかなかのものだと思うだけに、それを表現しきれていない点が残念でした。

037 美凪 (採点:2)
最初は『ですます調』で続いているのに、なぜかいきなり言い切りの形で文章が綴られるようになっているのは、何か意味があるのでしょうか?
統一性が感じられず、まとまりのないお話に思えます。

039 幻実、そして星 (採点:1)
比喩が多いけれど、ほとんど場に合っていない。
話の組み立て方がバラバラで、最後まで読むのすらつらい。
B’z等の歌詞が、ただはめ込んであるだけの様に羅列されている。

自分自身の文章ってどこにあるの?
評価に値しない。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
結局祐一が好きだったのはあの中の誰だったのでしょうか?(北川、久瀬、斎藤除く)
ホテルに来たのが佐祐理だったから、佐祐理と結婚した‥‥そんな風に思えてしまうのですが。
例えば佐祐理ではなく名雪がホテルに来たのだとして、また佐祐理と同じ様な告白をしたのだとして、果たして祐一は名雪の申し出を断る事が出来たのでしょうか?
栞だったら? 美汐だったら? あゆだったら?

みんながみんな、それぞれにつらい物語を持っているだけに、佐祐理が一番汚れているからという理由は成り立ちませんよね。だとするならば‥‥早い者勝ち?(苦笑)
んー、何と言いますか、己の人生にみんなを関わらせたくないと思っていたはずの祐一が、内容がどんなものであれ告白ひとつでスタンスを翻すというのはどうにもおかしな気がしました。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:5)
私の予想した結末だと、コインの文字は7文字のはずなんですが‥‥TIではなくCHIで。
外れたかな?

045 桜が告げる春の風…… (採点:4)
聖人君主ではなく聖人君子(笑
短編でも同じ間違いをしている作品があったんですけど‥‥もしかして間違いではなく何か有名なパロディなのでしょうか?

046 ホワイト・ミュージック (採点:8)
ストーリーにややおかしな部分が見られますが、それを気にさせないほどに物語性の強い作品でした。

048 走る少年少女達 (採点:2)
結構な割合で「」(鍵括弧)の文末に読点(。)が入っていますね。
これは間違った文章作法です。前回のSSこんぺでもいくつか指摘を受けた作品がありましたし、それ以前に文章書きにとって常識です。

それを差し引いても、長い割に盛り上がりに欠けるお話だったかな、と。
テンションにうねりをつけて読み手を飽きさせない工夫が欲しかったです。

049 少年期 (採点:7)
フリークに話せる奴?
フランクに、ではなくて?
相沢の彼?
彼女、ではなくて?

まぁその他にもいくつか‥‥誤字が多かったですね。あと、長い分仕方がないのかもしれませんが、ストーリーの密度がちょっとばかり薄めでした。
しかし作品に流れるテーマ(あるいは物語の主題)は秀逸だったと思います。不確かな十代の揺れる心の描写に素晴らしい輝きを感じました。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:1)
壊れギャグって言うほど壊れてませんね。
もう少し笑えるネタがちりばめられていればよかったのですが

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:3)
なんと言いますか、二人ともウブでかわいらしいですね。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:2)
なかなか面白い書き方だったと思います。というか話の組み方かな?
ただ、ストーリーに正直かなり問題があるように思えます。

058 30℃ (採点:1)
誤字が多すぎます。いくらなんでも一度読み直せばいくつかは発見できたはずなのではないか、その位の頻度です。
結局何が書きたかったのかもよくわかりませんでした。

○浮動明王 さん

002 鈴の音よ再び (採点:5)
残酷だけどいい話ですね。祐一が真琴のことを振り切るには何か儀式が必要と私も考えます。真琴の幻想を追いかけるというのは単純かと思いますが効果的でしょう。
終わりの場面では美汐が出てきて「私にも同じような時期がありました」なんて言って祐一をなぐさめるなんて展開もよかったかもしれません。


005 プライベート・ハンター (採点:2)
魔物の設定がいまいち判りませんでした。舞の『力』から生まれた魔物が舞の消滅後も残っていたのでしょうか。それとも舞由来の魔物とは別の魔物が存在するということでしょうか。それと舞の消えた理由と復帰できた理由もよく判りませんでした。これらの理由が判らないので、登場人物の葛藤の程度が把握できず、よってあまり感動できませんでした。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:5)
お色気ギャグというか大ボケギャグというか楽しい話でした。ただ望めるものならば何かさらなるオチが欲しかったです。私は名雪が介入してオチと思っていました。

012 空っぽのテクスト (採点:3)
たしかに哀しい情景の悲しい話なのですが、今ひとつ感動できませんでした。
栞の病気が治っていなかった、という時点で私はその次に何があるか期待したのです。しかしその後はすぐに死亡という展開で拍子抜けしてしまいました。もう少し何かオチが欲しかったです。

013 Conservation for Love (採点:8)
とても面白かったです。特に美汐が陰謀を画策するところが最高です。原作の美汐のキャラと意外に整合するところが良いですね。
Kanonへの皮肉がさりげなく入っているところは賛否両論ありそうです。私は面白いと思いましたが、純情な人が読めば気を悪くするかもしれません。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
読点(。)を用いない形式は問題あり。1文の終わりをはっきりさせないと読み進めるうえで不便。
栞シナリオの改変らしいがはっきり言って失敗してます。原作では栞の病気の真相を聞く前に祐一と栞が親密になっていました。このSSでは最後まで単なる知り合いです。祐一と栞の関係が深まる過程を描かずに栞の悲劇を描いても、それは祐一にとって他人事に過ぎないので何の葛藤も発生しません。

疑問1
>「あいにく、もう十分巻き込まれちまってな、もうほどくにほどけないんだよ」
この段階ではまだ深入りはしていないのでは? 単に祐一が詮索してただけでは?

疑問2
医者のセリフと行動が異常です。
>「死んだ方がましな状態ですな」
こんなことをいう医者がもしも実在したら、その医者は人間性が腐ってます。
>「死んではいない、そして普通に生きてもいない。助からないとも言えませんし、助かるとも言えません」
こんなことをいう医者がもしも実在したら、その医者は医者として失格です。自分の仕事に責任を感じていないのでしょうか。それと面会謝絶の患者に会おうとする人を制止しないのは職務放棄です。なんでこんな変な医者を描写する必要があるのでしょうか。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:10)
最初のページを読んで、てっきりよくある性転換モノかと思ってしまいました。しかし読み終えて真面目に性同一性障害を扱っていることに驚きました。コンペでこのような作品に出会えるとは予想外の感激です。
性同一性障害という一般的には理解されていないであろう題材を用いた勇気に敬服いたしました。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
連載ものから1話だけを載せるのはちと問題かと思います。だって続きが気になるじゃありませんか(笑)。いずれこのSSの続きにどこかで遭遇できることを期待します。怪しい犬や怪しい防止男の正体を知りたいです。
点数の1は採点不能なので仮につけたものです。最低という意味ではありません。

021 想いの果てに (採点:3)
話の展開が平坦に思えました。
祐一が斎藤に事実を打ち明ける展開が安易と思います。祐一が消えていくつもりならば飽くまでしらばっくれる手だってあるはずです。それでも皆が不審に思って調べる内に事実を知るといった展開がよかったかもしれません。
最後に祐一が助かる展開は安易と思います。助からない方が良いというのではありません。助かる理由が唐突で説得力が無いのです。ここは素直に助からない展開の方がましだったかもしれません。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
いいですね。私の趣味の範疇です。
私はKanonにダークは似合うと勝手に考えています。Kanon本編は見方を変えればヒロインの祐一争奪戦です。しかも敗者に未来は無しという厳しい勝負です(真琴は例外ですけどね)。このベクトルを延長した先には恋のライバルを殺す話もあると私は考えます。
欲を言うなら妖狐の最後は自殺ではなくて祐一が妖狐を殺すというオチもよかったかもですね。つまり名雪を殺してでも祐一を欲した妖狐の気持ちを祐一が知り、その上で祐一が妖狐を殺すという展開です。祐一は主人公として真相を知るべきと考えるからです。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:4)
Kanon本編との関連が人名くらいしかないけど、昼ドラマみたいな展開だけど良い話と思います。
ただ、祐一の性格が原作と違うかと思います。原作の祐一は世間の常識にとらわれないキャラです。そんな祐一なら恋人の親と自分の親の問題など気にしないだろうし、邪魔となるなら全力で排除するでしょう。そこまでやるべきとは言いませんが、何か抵抗なり挑戦なり試みた場面があってもよいと思いました。
(「fection」「indefferent」とは何?)

025 歩いて行こう (採点:4)
祐一の秘められた過去に驚きですが納得です。原作中の祐一の特異な人格を説明するには十分ですね。ただ格闘に強いという設定は少し違和感ありました。このSSにあるように対人格闘に長けているなら、舞シナリオではもう少し活躍したと思うのです。それに格闘技の鍛錬する人間が、原作中の祐一のように女性に優しく接するのは不整合のように思います(偏見?)。
久瀬のセリフが軽すぎると思います。祐一に対して挑発的なセリフを吐くところはあからさま過ぎます。とても生徒会長という人を使う立場を経験している人間のセリフには思えません。さらに祐一の過去を知って自ら謝罪に行くところも軽すぎると思います。面目を重んじる久瀬のキャラなら決して自分から謝罪することはありえないでしょう。

026 ステップ (採点:7)
高校生の娘がいる割には異様に若い秋子さんにはこんな秘密があったのですね。名雪は実は秋子の娘ではなかったという仕掛けはそれほど特異ではないけれど、秋子と兄夫婦の関連が描かれることによって秋子にとっての名雪の重みがしっかり伝わってきてます。
実は「戸籍」という単語が出た時点で出生の秘密の話だなと予想しました。戸籍以外の真相を明かす仕掛けであれば話の緊張をもっと維持できたと思います(えらそうなことを言ってる私もうまい仕掛けは思いつかないけどね)。

028 ”プレイ” (採点:1)
えーと、私には理解できませんでした。すみませんが1点とさせていただきます。別に最低という意味ではなくて評価不能の記号のつもりです。
話の内容を私はこう推定しました。
「舞の過ちにより佐祐理は死んだ。責任を感じた舞は佐祐理の精神を自らの肉体に宿らせ、舞自身の精神を消した。合わせて祐一の記憶を操作して舞の姿をした佐祐理を愛するようにした。」
少しは当たっていますでしょうか。

031 グッナイ (採点:3)
長編の冒頭だけを読んだ感じがする。旅行に来て、夫婦喧嘩を見せられて、秋子が家族というものを再認識して、さあ本題はこれからというところで終わっている感じ。


032 悪魔を憐れむ唄 (採点:9)
感動しました。舞シナリオの理解が深まった気がします。
舞の魔物の視点という形式は意外と少ないですね。そのアイディアに脱帽です。舞の切腹(?)の場面のセリフが原作と少し違いますが、ここは原作より判りやすくてよいと思います。


035 復讐という名の代償行為 (採点:8)
私はダーク系"も"趣味なので少し高い点入れます。
ダーク度が高くて寒くなる話ですね。Kanonの暖かい話と対比されて寒さが引き立ちます。
たぶん「こんなのKanon-SSじゃない」という他の方々の批判が多いと予想しますが、私はこの
SSもKanon-SSの範疇であると見ます。Kanon本編の祐一は現実に立ち向かった、このSSの祐一は
逆に現実から目をそむけて夢に逃げ込んだ、と解釈すればこのSSもKanon-SSの範疇であると言えるでしょう。
いわば本編の主題のネガをこのSSは主題としてます(←という解釈は作者さんの意図に合ってますか?)。

041 また逢えたらいいね (採点:8)
きれいでおもしろくてじーんときました。
KanonのSSでタイムスリップものが出されるとは予想もしませんでした。原型は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」てところでしょうか。
疑問が一つ。最後の段落の情景は、栞が早緒里に会いたい一心で生き延びたと解釈してよろしいでしょうか。そうなると歴史が激変してしまいますね(気にしてはいけない?)。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
祐一の女達を汚れた世界に引き込みたくないという考えは青臭くはありますが祐一らしいです。しかし嘘の結婚話というような後で簡単にばれるような嘘は稚拙すぎる策と思います。本当にどこぞの女と結婚してしまうくらいでないと説得力が無いです。もっともそうすると佐祐理と祐一が結婚するという展開が難しくなりますので、やむを得ないところでしょうか。
それにしても佐祐理も舞もかわいそうですね。結局佐祐理は祐一を独占できず、舞は愛人という日陰の身というわけですね。祐一は実は極悪人だったというオチでしょうか。それはそれで面白いです。

046 ホワイト・ミュージック (採点:7)
がんばるあゆちゃんがさいこーです。
あゆのクッキーには母親との関連があったのですね。
疑問が一つ。あゆの母親は失踪したという設定ですか? 原作では「…お母さんが、いなくなっちゃったんだ」と表現していますから失踪でも死別でも通りますが、失踪だとすると背景事情が気になります。
違和感が一つ。最後の方のあゆのモノローグ中で一人称が「わたし」ですが「ボク」で統一したほうが良いかも。思考の中の一人称はそう変わらないと思うのです。あゆが大人になって会話では「わたし」を使うようになっても思考では「ボク」を使うものと思います。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:8)
とても面白いです。「幼馴染がちょっとした誤解から衝突して本当の気持ちを知って結ばれる」という形式は割と恋愛モノの基本形なのですが、北川と名雪のキャラが基本形に彩りを添えてますね。特に名雪の天然ボケと素直さが不可欠ですね(もしも名雪に香里の半分でも聡明さがあったら、誤解が成立しません)。
原作のキャラをうまく使えていると私は思います。やはり2次創作というものはこうあるべきですね。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:8)
Kanon本編の「その後」または「パラレル」に見せかけておいて実は「その前」だったのですね。しっかり騙されてしまいました。再読すると確かに本編とは違う記述もあったのに私は気付きませんでした。「月宮のお姉ちゃん」「カチューシャ」「薬」「歳より幼く見える女性」「学年トップ」といったキーワードにひっかかったようです。うまい作りですね。
『多くの過ちを〜』とはたぶん○○○ー○(直訳:道を外した)の歌ですね。Kanonの作品内の時間は1999年のはずですから、祐一達の生まれたのは1982年ごろです。確かにこの歌が流れている時期ですね。
ただ、そのころは「少子化」は今ほどには騒がれてはいなかったはずです。もっとも「その病院は時代の変化を先取りしていた」とでも言ってしまえばそれまでですけどね。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:8)
予期せぬ妊娠に対してとても現実的な反応をしてしまう祐一が(変な表現ですが)格好良く思えました。祐一は誠実であり優しいキャラであるからこそ、こうした事態において逃げを打つことも冷静に振舞うこともできないのですよね。これは私の中の祐一像にかなり近いです。
終わりまで読んでからまた読み直してみると、祐一の冗談が実に悲しく見えてきますね。


062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
こんぺでこれほど濃密な医学情報の詰め込まれたSSが読めるとは驚きの感激です。私は感激のあまり10点つけてしまいました。誤字や構成の不備を見つけようと再読したのですが、感激で目がくらんだらしく見つかりませんでした。欠点の指摘は私より冷静な人に任せることにします。
医学用語を検索してみていずれも実在することに驚きました。さすがに「この作品はフィクションです…」と載せるだけのことはありますね。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
「一人一殺」ならぬ「一救一消」という話は実に重みがあってよいですね。名雪というキャラならば祐一のために自己を捨てることもありえると私は思います。原作ゲームのように絵と音楽付きで見せられたならば私はきっと泣いてしまうでしょう。
ただ名雪の痴呆化という展開は演出としては効いていますが必然性に疑問です。真琴シナリオにおける真琴の痴呆化は「人間らしさを失っていく」の表現でした。元が非人間ですから、後付けの人間らしさから壊れていくことの筋は通ります。しかしこのSSで名雪が痴呆化する必然性はあまりは無いと考えます。

068 名琴抄 (採点:9)
実に哀しくも美しい話ですね。
「名雪が妖狐だった」というアイディアに脱帽です。Kanon本編とは大きく違いますが、そこは本編の話が実は記憶操作された祐一から見たものと解釈すればよいですね。
でも妖狐が記憶を操作できるなら、祐一の想いだって操作できそうですね。その辺は「記憶は操作できるけど想いは操作できない」とか「想いまでは操作したくなかった」とか「祐一の想いがあまりに強くて操作できなかった」など解釈できそうです。作者さんはどんな設定を考えておられたかを聞きたく思います。
ところで、最後の晴れた空から雪が降る場面はなんらかの意味があるのでしょうか(「狐の嫁入り」の雪バージョン、とか?)


070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:7)
ゴーストハンターとは面白い設定ですね。もしかすると続き物でしょうか。続きがあるのなら読みたく思います。
他者に頼らざるを得ない自己を悔いる佐祐理が実に佐祐理らしいと思います。多かれ少なかれ誰にでもある属性をそれでも悔やんでしまうところが佐祐理というキャラなのでしょうね。

071 一緒に生きたい (採点:5)
祐一の役を北川が演じるというアイディアは良いと思うのです。しかしできればもう少し原作とは違う展開が欲しかったです。配役置き換えということはどうしても原作と比較してしまいます。置き換えたけど展開が同様では置き換えた甲斐が少ないです。
(重箱の隅ですが)医師が北川に栞のことわり無しに病気のことを伝えるのは医師の守秘義務違反です。ここは栞を交えた座で伝えるのが筋でしょう。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
祐一の優しさがとても良いです。美汐が消えるというイメージに耐えながら美汐を手伝うところが実に祐一らしいと私は思います。そして好きまたは嫌いと言わせるための祐一の仕掛けた「魔法」もいたずら好きな祐一らしいと思います。速攻で意趣返しする美汐は相当祐一に影響されてますね。
(以降は重箱の隅つつきです)
一番長時間飛行した紙飛行機がほかの紙飛行機と同じところに落ちる確率はかなり低いと考えます。一番飛んだ紙飛行機が演出上必要であるならば、彼らの帰り道の途上で発見するといった仕掛けが有効でしょう。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:8)
とても楽しい話でした。
男1人と女2人で結婚という設定は非現実ですが、十二分に非現実などたばたを見せられた後に言われてしまうとなんとなくいいような感じがしてしまうから不思議です。舞を相手に佐祐理が武器格闘で対等に渡り合うのは無理があるような気がしますが、ここは気にしないが吉ですね。最後に舞と佐祐理が言葉で渡り合ってもつまらないですからね。
3人の生活を描いた話も読みたいものです。

074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:7)
間違いなく幸せな日常の中でふと不安になる名雪、などという表現に困りそうなものがよく表現されていると思います。季節外れの雪は唐突にわいた不安の象徴というところでしょうか。
一つ判らないところがあります。名雪と祐一が目覚めたときは彼等は着衣状態でしょうか? 脱衣状態でしょうか? 文中にはどちらとも描写されていないので判りません。全然重要ではありませんが、気になるので作者殿の想定された状況を教えてください。

075 True story (採点:2)
常識外れの成長をする胎児、処女懐胎、などに私は期待してしまいました。でもこれは作中の小説のネタだったわけですね。美汐はいわゆる未婚の母やったわけですね。すみませんががっかりしてしまいました。実は祐一が父親だったなんて仕掛けも予想しましたが、読み返した限りではそういう記述はありませんね。
このSSがどういう意図のSSか(笑わせたいOR感動させたいOR悲しませたい)が私には判りませんでした。

076 夢の劇場 (採点:9)
感動しました。これこそ本当の栞シナリオであると私は思います。
Kanonの栞シナリオのテーマは過酷な現実に対して立ち向かうところにあると私は見ます(最後の栞の生き返りはエンターテイメントを擬装する化粧であり無くても良いと私は考えてます)。
このSSの香里は自らの行動により(しかも祐一の仲介無しで)過酷な現実に対して立ち向かうというテーマを体現しています。この点に私は感動しました。そして「栞と一緒の日常」という甘い夢の中から現実に帰還する香里にさらに感動しました。心底願っていたであろう夢なのに、永遠に見ていたいであろう夢なのに、それでも自分の意志で現実に帰還する香里に感動です。


077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
実に楽しい話ですね。冒頭の文章で「異世界物か?」と思ってしまいました。騎馬戦の描写で騎馬が人間3人であることを描写しないのが実際の合戦のような雰囲気を出していてとてもよいです。
優柔不断な祐一がちと違和感ありますが、名雪と栞の対決を実現するためにはやむを得ない設定でしょうね。

○風見由大 さん

013 Conservation for Love (採点:7)
基本的には面白かったのです。マジギレ天野母が好き。
ただ、引用を多用するギャグは元ネタが分からないと……。まぁ、自分の見識不足かも知れませんけど。

022 笑い声がきこえる (採点:8)
名雪の発狂ものはありがちかと最初は思いましたが。中盤での構図の反転に、やられました。
最後のシーンは、ビジュアル的にぞっと来るものが。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
あくまでも個人的な意見ですが。とても勿体ないと思いました。
中盤までのパーティの様子と、最後の真琴との別れの場面がうまく噛み合っていない印象を受けます。
登場人物をもっと減らして、真琴に焦点を絞った方が良かった気がします。

040 楽園日記 (採点:9)
ヒロインがひとりも登場しないのに、なんでこんなにも爽やかなんだろう。
男たちの友情に拍手。

041 また逢えたらいいね (採点:8)
展開が急且つ不自然。しかもありがち。
なのですが、どこか心を打つものがありました。それは死を知りながら笑っていられる栞の強さ。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:7)
いかにも初々しくて、まるきり少女漫画みたいなんだけど。
このこっ恥ずかしさがむず痒くて、快感。

044 パンドラ (採点:7)
オルゴールという小物が上手く使われていて、最後まで興味を惹かれました。
タイトルはいまいちかも。


046 ホワイト・ミュージック (採点:9)
エピローグが心地よい。どこまでも続いていく物語という雰囲気が良く出ている。

053 艱難汝玉のボーイ・ミーツ・ガール (採点:10)
北川と名雪のカップルは見ないわけではないが、珍しい。
祐一ではない相手に対して、とても初々しい名雪が魅力的。恋する少年少女に乾杯。

057 移し火恋歌 (採点:7)
倉田家の家政婦が「倉田さんのお母さん」と言っているのは、単に作者の誤りなのか、佐祐理の狂気の所以なのか……。
話は好きです。交わらないのに干渉しあう平行線という構成が巧い。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
未来の話だと思わせておいて、実は過去の話だった。という試みは面白いと思いますが。
2ページ目で分かってしまったので。
それが分かってしまうと、最後まで興味が惹かれず、単に過去の人間関係を無理やりひとつにしようとした、という話だけに思えてしまいました。
ミステリ的要素を取り入れようとした作者の心意気を買います。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
「月の兎」というイメージを形にできる作者のセンスが良い。
探し物が天使の人形であることは想像がついてしまうので、中盤がちょっとだれる。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:8)
要は本編の焼き直しに近いのだが、独自の視点を持って書かれていて、読み応えがあった。
ただ、このSSが「藤田志保」という人物が「美坂栞」そして「Kanonの世界」に纏わる物語を知らない人たちに向けて書いたレポートという形式を取っていることを鑑みると、必ずしも成功しているとは言えないと思う。例えば「名雪」の名前が何の説明もなく出てきていたり。
敢えて茨の道を選んだの作者の意気込みに+1点。

069 ふたつのねがい (採点:7)
「です・ます」調が柔らかくて、話の雰囲気に見事にマッチしていました。
お話自体はちょっとご都合主義ですが……、うん。優しくて好きです。

076 夢の劇場 (採点:7)
悲しい結末ですが。こんな話もありかと。
祐一が一切出てこないのが、なにか新鮮。

○文月 さん

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
意地っ張りで、それでいて臆病な香里と、そんな彼女を包む仲間たち、そして、北川。
あったかくて、ステキなお話でした。「友達から」というのが、とても『らしい』なと思いました。
ただ、香里がなぜカレーに凝りだしたのか、そこがちょっと弱かったかなと思いました。そこになんらかの必然性があったら、もっと素晴らしかったと思います。

013 Conservation for Love (採点:7)
面白かったです。特に「聖域なき電力改革」には笑わせていただきました。総理もこのくらいの心構えで臨んで欲しいものです←?

022 笑い声がきこえる (採点:8)
これは……凄い着想ですね。絶対に僕には書けません。
なるほど、本物の「沢渡真琴」もこうして……ということなのですね。
参りました。

026 ステップ (採点:8)
なるほど……。秋子さんがなぜあんなに若いのかという謎の裏にはこんな悲しいお話が。
名雪をひきとったとき、秋子さんはいくつくらいだったんでしょう?夏休みという話があるから
高校生くらいかな?
祐一には、名雪だけじゃなくて、秋子さんのことも幸せにして欲しいなと思いました。
素敵なお話でした。ありがとうございます。

028 ”プレイ” (採点:7)
佐祐理さんは死んではいなかったのですね。よかった。
『佐祐理さん』と祐一のその後が心配です。

031 グッナイ (採点:7)
真琴がとってもカワイかったです。
完璧超人(w)秋子さんの人としての揺らぎが描かれた良作だと思います。
ありがとうございました。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:7)
『魔物』視点の舞シナリオですね。『彼女』たちの哀しい決意に心動かされました。
また『彼女』の名前でもある「希望」で物語を結んだのは、とてもステキでした。

040 楽園日記 (採点:10)
参った。面白い!
男どもの魅力にメロメロですw

041 また逢えたらいいね (採点:8)
そうか、出会いの時は「分岐点」だったのですね。
時の気まぐれが起こしたささやかな奇跡。
ステキなお話でした。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
二人とも例の件に関して気持ちの踏ん切りがよすぎるのがちょっと気になりますが、ルーン文字の「魔法」、綺麗に決まっていたと思います。そしてなにより美汐さんがカワイイ(w
楽しませていただきました。ありがとうございます。

044 パンドラ (採点:9)
ああ、なるほど……。
「空からお菓子」の発想の源は、確かにこういうところにあったのかもしれませんね。
美汐さんのパンドラの箱の中には、夢という名の希望がはいっていた……あ、なんか恥ずかしいことを言ってしまった(w
ステキなお話をありがとうございました。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
誰か大切な人のために生きられると信じることができれば、人はどん底からでも立ち上がっていくことが出来るのですね。

057 移し火恋歌 (採点:5)
斬新な着想ですね。びっくりしました。
ただ、どうしても気になってしまったことが一つ。
家政婦さんからかかってきた、舞のお母さんの急を知らせる電話に「倉田さん」という単語が何回か出てきますが、これって「川澄さん」のことですよね?……違っていたらごめんなさい。とても重要なシーンだけに、ちょっと気になってしまいました。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:9)
や、やられたー……(w
それぞれのキャラクタが、どうも微妙に「らしく」ないなーと思っていたら、叙述トリックでしたか。
参りました。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
き、北川いい奴だ(涙
願わくば4人の行く手に幸いのあらんことを。
じんとしちゃいました。ありがとうございます。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
志保ちゃん成長したねえ……(そこに感動するなw
作者さんは医学に造詣の深い方なのでしょうか。非常に説得力のあるお話でした。
しかも、そのアイディアに甘えず、きちんと登場人物の心理も描かれていて、素晴らしかったです。

065 作品No.2「春」 (採点:9)
3人の幸せな日常、ステキです。
そうですよね。「こちら」での「再会」は、「あちら」での別離を伴うのですよね。あらためてその事実に気づき、ちょっと胸をつかれました。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:9)
欲を言うなら、もう少し祐一にも葛藤して欲しかったかなあとも思いましたが、そのへんを差し引いても、
美汐さんの戸惑いと葛藤、そしてそこからの新しい一歩が描かれた良作だと思います。じんとしました。

076 夢の劇場 (採点:10)
……。
舞シナリオや真琴シナリオの背後では、本当にこんな話があったのかもしれませんね。
立ち向かうことを決めた後の香里は、とても強くて、美しかったです。
彼女なら、いつかきっとあゆを目覚めさせ、栞の想い出と共に歩んでゆけると信じたいです。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
祐一をめぐる栞と名雪の鞘当て、それにからめて盛り上がる対決ムード。それが「女王制」の騎馬戦という独創的な設定と相まってとても面白かったです。というか、この行事、めちゃくちゃ参加したいですw凄く楽しそう。
分量的にきつかったのだとは思いますが、欲を言うならもう少し香里と北川の気持ちの動きが描けているとよかったなあと思いました。

○歩く人 さん

003 お泊まりパニック! (採点:2)
強引に過ぎますが、それなりに面白かったです。が、やりそうにない誤字があったので減点。ワザとか?と疑ってしまいそうです。

004 The regret (採点:6)
ずいぶんあっさりと北川が死んだのに少し吃驚しました。

005 プライベート・ハンター (採点:5)
展開が微妙。ラストの落ちが少しまずい気がします。何となく中途半端・・・。

006 「日課」 (採点:6)
誤字一箇所有。それはともかく、北川君はつらいですねぇ、これ。彼の気持ちが良く表現できてたと思います。


007 冬の夜の過ごし方 (採点:3)
きわどいですね、これ。18禁じゃないとは思いますが・・・「ほほ」は「頬」と漢字にした方が見やすいです。

008 激辛 (採点:3)
誤字脱字チェックがかなり甘いです。内容が結構良かっただけにかなり目立ちます。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:6)
都合の良いハッピーエンドものは嫌いじゃないです。むしろ好きかな・・・。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
何故か読みにくかった。ひらがなが何となく目に付いたので多分そのせいかと。最初に「わたし」が連発しているからでしょうか?漢字が少ないという訳でもないのですが、ここは漢字の方が良いのでは?という部分もありました。自分の好みの問題でしょう、多分。内容は・・・こういうのはかなり好きです。

012 空っぽのテクスト (採点:3)
死に方に凄い違和感。

013 Conservation for Love (採点:10)
凄くうまい。尚かつその内容は目茶面白いです。解説文が笑えました。クーラー病の下りはネタがうまいし、美汐の壊れっぷりは凄いの一言。美汐母の豹変ぶりはヤバすぎます。意味不明な「母が望む永遠」。君望と掛けてるんですよね?これ。ラストも笑えた。ギャグものでは最強クラスじゃ無かろうか。ただ、ネタ元が分からないところが有ったのが少し残念・・・と言うほどでもないか。満点です。

015 『雪の日の決意』 (採点:1)
句点「。」がないです。内容についてですが・・・蛇足が多いです。それとラストがあっさりしすぎ。会話等で言いたいことがまとまっていない感じがする。香里の語りの台詞回しが何かおかしい。こういうことを言う医者は居ない。その他色々・・・最初の部分だけは良かったと思います。

016 脱走と追跡のカノン (採点:8)
凄いですね、これ。デタラメすぎます。それなのに読みやすいし。目茶面白かった。


017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
人によって好みがハッキリ分かれそうです。それはともかく、祐一の葛藤がうまく書かれていると思います。ちょい役の北川、香里も良いアクセントになっていました。良かったです・・・ついでに、最初の「許され無いんだ」の無いは漢字じゃないと思いますよ。

018 雪解け水 (採点:4)
ちょっと引っかかる場面が幾つか有った。例を一つあげると・・・あゆの不自然さについてですが、まず間違いなく先に現実的な可能性を考えると思います。

019 FILE EPISODE 0 (採点:6)
気になる終わり方ですね。どっかの研究所辺りから脱走してきた狼とかいうネタに進むんでしょうか?終わりから最後まで飽きさせない良い小説でした。まあ一応話としては完結してますが、第一話完という感じ・・・。

020 私の望み (採点:6)
台詞が連続する箇所が多かったのが少し気になります。内容は良かったです。

021 想いの果てに (採点:1)
登場人物の思考論理がおかしい(全く理解できない)部分が幾つか見受けられます。例えば、祐一が斉藤に真実を話すところとか・・・普通ここはごまかす場面でしょう。これくらいでペラペラ喋りますか?あと新キャラ(師匠)をあの場面で登場させるのはちょっと・・・都合良すぎませんか?いえ、都合が良いのは別に悪い事じゃないんですが、その役目を初めて登場するオリキャラにさせるのはどうかと。

022 笑い声がきこえる (採点:1)
・・・強烈。

023 WA4 (採点:3)
まだ続きがあると思うんですが・・・。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:9)
渋い。うまい。別れが運命なら再会も運命だったという訳ですね。二人の親たちの関係や会話も変にリアリティがあって良かったです。ドラマっぽいかな(全く見ませんが)?凄く良い作品でした・・・ただ、最後の英語、訳する気力は流石に無いです。

026 ステップ (採点:6)
内容、文章はかなり良かったと思います・・・思いますが、この場合名雪と祐一は従兄妹じゃない事(五親等)に(多分)なるんですが・・・二人は従兄妹じゃないという設定なんですね。

027 ウエディングヴェール (採点:5)
誤字が一箇所。それはともかく、最後がもう少し欲しいかな・・・。

028 ”プレイ” (採点:7)
人によっては訳が分からないと言われそうな内容です。それはともかく、文章、内容共に良く出来ていると思います。登場人物の心理描写がとてもうまかったです。

029 最後の奇跡 (採点:3)
医学的知識が無くてもあり得ないと分かりそうなことが幾つか書いてますが、全般的には良かった・・・のかな?何か変な感じがします。


030 奇跡のかわりに (採点:2)
・・・微妙。あと、シュレーディンガーの猫の話の解釈を引き合いに出すのなら、香里の裸は祐一の観測によって確定します。ついでに、非存在(存在確率0)は対象外です。よって栞が香里を観測する事はないという・・・何か色んな物と混ざって別の論法になってます。

031 グッナイ (採点:4)
要添削。あと、ジャンルにオリキャラを入れるべきでしょう。ついでにタイトルを英語にした方が・・・良いかどうか分かりませんが、タイトルが何か変な感じです。あと、完全にほのぼのとは言いにくいです・・・基本的には良かったとは思うんですが。

033 エム (採点:4)
舞の台詞に少し違和感が有りました。「〜かしら。」と言うのは何となくイメージに合わない・・・それと、凄い誤字が有ります。漢字変換で出ないのでもしかすると「殺」で良いのかも知れませんが。他にも誤字が有ったような無かったような・・・。設定は良かったです。文章は・・・場面の描写にもっと力を入れた方が良いのかも知れません。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:6)
「佐祐理さんがああなった」経緯についての説明が少しくどいかな・・・あと、決心したからと言っていきなり実行に移せる佐祐理さんにも少し違和感があります。ストーリーは良かったと思います。

035 復讐という名の代償行為 (採点:3)
読み手を確実に限定する作品。終わりがうまい。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
うーん、可もなく不可もなく・・・どうでも良い話ですが、あゆって胸意外とある気がするんですが・・・プロフィール見てるとそう思います。少なくとも男の子と同じレベルなんてことはまず言えないです。


037 美凪 (採点:8)
プロットは凄く良かった。文章、描写もよく出来ていました。ただ、少し読みにくかった。行間を空ける等読みやすくする工夫が必要だと思います。ひらがなの多い美汐の過去の部分は特にそう思います。

040 楽園日記 (採点:9)
斬新なようで、実は意外と良くあるシチュエーションですが、そんなことより・・・非常に良かった。各人の性格がよく表現されていました。会話のやりとりもテンポが良かった。無人島の描写もうまかったです。特に久瀬が良かった。タイトルも良いし、言うこと有りません。ところで、ジャンルが無記入なのは何故でしょう?

041 また逢えたらいいね (採点:5)
中盤かなりだらだらしてました。字数稼ぎかなとか思いましたが・・・それを除けば良かったかと。

042 『それぞれの手を携えるのは』 (採点:3)
うーん、設定に色々と無理があります。ところで、祐一パパと言ってましたが、誰か他のパパが居るんですか?佐祐理の方は多分舞と区別してるんでしょうが・・・。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:9)
・・・良かった。ルーン文字という小道具が非常に効いています。美汐は凄くかわいいし、会話も良かったです。栞も良い役回りでした。コインの文面の意味に気付いた美汐の反応が意外に冷静なのは祐一の気持ちに気付いていたからなのでしょうか・・・それとも栞の仕業とすぐに気付いたから?それともその両方かな・・・ともかく、秀逸な作品です。

044 パンドラ (採点:8)
終わり方がほんの少しだけ引っかかりました。とはいえ、非常に素晴らしいお話でした。感動的ですらあります・・・ただ、パンドラに良いイメージがないからか、タイトルがあまりいい感じはしないかな・・・。

045 桜が告げる春の風…… (採点:5)
「本来あり得なかった」の辺りが多少くどいかな・・・内容は良く、文章もうまいとは思いますが、場面場面の雰囲気というか、ノリというか・・・そういうものに少し違和感を感じた箇所がありました。あと、ジャンルにオリキャラを追加した方が良いと思います。

046 ホワイト・ミュージック (採点:8)
描写が凄くうまかった。場面場面でシーンが浮かんでくるようです。あゆの笑い方が変だと感じた所もありましたが、全般的に凄く良かったです・・・何故壺?と思わないでもなかったですが。

047 笑顔 (採点:3)
後半の美坂姉妹の話が多少中途半端のような・・・それと祐一が所々子供っぽくない、というか子供の反応じゃない。違和感ありました。

048 走る少年少女達 (採点:6)
誤字脱字が二、三箇所有りました。設定は非常に良かったのですが、後半の内容が多少弱かったかな・・・前半は非常に良かったです。

049 少年期 (採点:7)
それぞれの登場人物の苦悩がよく表現されている良い作品でした。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
読んでいてかなりつらい場面(交通事故)も有りましたが、凄く良かったです。ラストなんて感動ものです。文章も良かった。Goodです。少しダークが入ってるかな・・・結構ダークなので点数は入れにくいですが、最後が良かったので八点。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:6)
面白い。色々強引ですが、ギャグとしては面白かったです。読み終わってから気付いたことですが、句点「。」が無いのは何故でしょう。あまり読みにくい印象は無かったのですが、やはり入れておいた方が良いでしょう。

055 煌めきの欠片 (採点:4)
文章の区切りなどに問題があると思われます。あと、読みやすいように行間を空けるなども考えた方が良いでしょう。ごちゃごちゃしてます。それはともかく、物語が淡々と進行するので途中で飽きそうなのですが、プロットが良かったのか、きちんと最後まで読めました。もう少し起伏が有れば良かったかな・・・設定は良かったです。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:6)
蛍を探しまわっていた割に見つけてもあっさりとした感想で・・・まあ、悪くはないんですが。何か拍子抜けな様な・・・。

057 移し火恋歌 (採点:3)
・・・・・・・・・・これは強烈ですね。凄く嫌な気分になりました。それはともかく、プロットはかなり練られていて良かったです。文章も凄く良かった。色々疑問に思うところも有りましたが・・・。出来だけ見たなら八点は入れたいところですが・・・後味が悪すぎます。気分が滅入ります。文章がうまいから余計に・・・。


058 30℃ (採点:8)
味があっていい感じ。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:5)
栞があゆのことを「月宮さん」と言ってるのが少し違和感有りました。感覚的に名前で呼びそうな気がするんで・・・。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:8)
設定は非常に斬新ですが、味があって凄く良かった・・・よく考えるとかなり悲惨なお話ではありますが・・・。テキスト、キャラクター共に非常に良かった。表現も凄くうまいです。場面が頭の中で想像できました。ただ、北の町にたどり着けなかった祐一と全くつながりのない美坂姉妹が奇跡の恩恵に与れた(他キャラと同様に月に居る)のがちょっと疑問かな・・・。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:9)
前半大いに笑わせていただきました。後半意外と深いお話が良かった。文句無しの作品。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:10)
完成度が非常に高い素晴らしい作品。傑作とすら言えるかも知れない。とにかく凄い。特に設定の緻密さには目を見張る物があります。参考文献を載せる辺り、この作品に費やした時間と労力の程がうかがえます。参りました。脱帽です。

063 丘の子守唄 (採点:2)
えーと・・・続きがあれば是非とも読ませていただきたいとは思いますが、これだと中途半端でしょう。内容は非常に良かったのですが・・・。あと、この内容だけ見ればカノン設定の必要は無いと思います。それと、ジャンルにオリキャラを追加した方が良いでしょう。

064 面鉄の奥の恋 (採点:7)
非常に良かった・・・のですが、何となくカノン小説とは感じられませんでした。あと、ジャンルにオリキャラを追加した方が良いと思います。と、いうより主人公が既にオリキャラですね。

065 作品No.2「春」 (採点:7)
楽しく読ませていただきました。美汐もいい味だしてましたし、真琴の相反する気持ちも良く表現できていたと思います。ただ、真琴の母親が肉まんに反応する下りがちょっと・・・とはいえ、全体としてはとても良かったです・・・作品No.2の意味が分かりませんが・・・。


066 夢の終わりにもう一度 (採点:3)
色々場面が飛んでかなり分かりずらいです。もっと分かりやすくした方が良いでしょう。我慢が下手って・・・うーん、我慢が苦手って意味じゃないですよね?我慢していることが見え見えって意味?・・・名雪が真琴の身代わりになったんですよね・・・最後の雪ウサギくらいは、と思いました。ジャンルにダーク、もしくは不幸を入れるべきでしょう。最後の名雪が救われなさ過ぎ・・・。

067 風邪の一日 (採点:2)
最初のプロローグ部分が長すぎ。それと三十九度の熱で医者を呼ばない秋子さんもちょっと・・・いくら祐一がいらないと言っていたとしても呼ぶでしょう。全般的にごちゃごちゃしてました。プロローグ直後の部分はそれなりに良かったんですが。

068 名琴抄 (採点:6)
真琴が結局どうなったか分からないのがちょっと・・・あと、ラストをもう少し書き込んで(書き足して)欲しかった。これはこれで良いんですが。

069 ふたつのねがい (採点:9)
・・・何だか後からジーンと来る作品。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:7)
誤字脱字が数カ所(三箇所?)ありました。それはともかく、内容は凄く良かった。プロットも良かったし、表現や描写はうまいの一言です。オリキャラの設定もきちんと考えられていたのも良かったです。あとは・・・ジャンルにオリキャラを入れた方が良いかも・・・それと、タイトルのぷら☆ちなってなんでしょう?佐祐理のことかな・・・。

071 一緒に生きたい (採点:5)
良いお話でしたが・・・七年間眠り続けていたら歩けません。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:7)
いい感じ。二人のやりとりが凄く良かった。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:6)
なるほど、コメディー。面白かったです。とはいえ、打撃武器でない両刃ナイフで黒服達が音もなく倒れるところに滅茶苦茶違和感があった。他はコメディーだから、で片付けても良いのですが・・・あと、ジャンルにオリキャラを入れるべきですね、これは。


074 ダイヤモンド・ダストを抱きしめて (採点:5)
良かった。良かったんだけど・・・終盤少しだれてきたかな・・・文章がうまいから最後まで読めましたけど。

075 True story (採点:4)
添削をきちんとした方が良いです。そこかしこにちらほらと・・・。結局美汐の子供は(美汐の相手は)誰なのか、謎ですね。後半、だらだら続いた感があります。それを除けば良かったかと。


076 夢の劇場 (採点:6)
きついですね、これ。タイトル通り夢の劇場ですね。もの悲しいです。ダーク系としては凄く良かったと思います。祐一が栞、あゆルートに進まなければ栞は死んで、あゆは寝たきりなんですよねぇ・・・。姉妹が和解出来ていたのがせめてもの救いかな・・・。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:7)
斬新なプロットが良かった。描写や会話のやりとりも凄くうまいです。ただ、香里がラストであっさりと考えが変わってるのが変な感じ・・・。あと、「抱き着く」って着くじゃない気がするんですが。付くじゃなかったかな・・・他にも誤字が有ったような無かったような・・・。

078 「dearest」 (採点:7)
香里の初々しさがにじみ出た良い作品です。ただ、それに反して「愛してる」ってのはちょっと重いかも。

○望月 さん

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:8)
変化に戸惑う香里が願いをカレーに投影して作る―――
のは良いんですが、まず「栞への意地悪を思いついて」からカレーに願いをこめる様になったのは気のせいですか?香里さん(笑)

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
強気な美汐さんがとってもステキです。
素直な所と捻くれてる所が混ざっていて何となくらしいと言うか。
後、何度も何度もと繰り返している名雪の心情は凄まじい事になっていそうですな。イチゴで済めばいいのですが。

050 鮮やかなモノクローム (採点:8)
支えが無くなり悲しみにくれても、これまでの自分自身が積み上げたものと周りの温かさに支えられ立ち直るという現実にありそうな、けれどなかなか起こらない、そういった良いお話でした。

063 丘の子守唄 (採点:6)
…話の途中、ですね。これだけだと。
もう少し続くかと思っていたんですが…。
伏線も色々張ってあったと思われますし、これでどう話が展開するか、というところで終わり…。
少々残念です。出来ることなら続きが見たいですね。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:9)
デタラメです。けど、面白いです。
デタラメさとか誰かの思惑とか会話のステキさとかキャラの原形を残した壊れっぷりとかがコロコロ転がっていくような感じでとてもノリが良く。
それで最後は2人で祐一を共有する……ぶらぼーです。

○名無しさんだよもん さん

001 アゲハ蝶〜哀シイ恋ノ唄〜 (採点:3)
分かりにくいのはそういう意図なのだろうが、
分かりにくくした事によるメリットは見出せなかった。
久世は良いが、女性キャラがイマイチ立ってない。

002 鈴の音よ再び (採点:4)
オチが良かった。
それで+2点したんだけど、感想付ける気がなければそこまで読まなかったと思う。
序中盤は美汐のキャラ立てが浅いせいで物語にも奥行きが感じられないのだ。
祐一を慰めるぐらいはできるかもしれないが、説教なんてできるだろうか?
祐一の強さに感化された事でようやく立ち直るきっかけを得たぐらいなのに。
他のキャラも十分に描ききったって感じはしないな。
これの半分以下の短編ならオチのキレで勝負できたかもしれないが。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
所々面白いネタもあったけど、香里・名雪・北川以外は結局キャラの印象が薄い。
もっと短い方がいい。
何の脈絡もないジャムネタな上にオチてないのはマイナス。

004 The regret (採点:2)
話的にネックとなるのは栞の存在かな。
栞が死んでるなら友人の死を描くのに栞が出てこないのはおかしいし、
生きてるなら香里とくっつくのに栞が出てこないのはおかしい。
相手が名雪であればそんな矛盾もなかったかもしれないし、
ネタ自体は悪くないと思った。

それと、誤字脱字があまりにも多すぎるし、
重複表現があったりして日本語もちょっと変。
ボキャブラリーを増やした方が良い。

005 プライベート・ハンター (採点:2)
アクションは良いと思うよ。
それだけならいいが、シリアスとギャグがお互い足を引っ張ってるような。

006 「日課」 (採点:5)
栞を綺麗サッパリ頭から消し去って読めば、
まあ、爽やかな青春ドラマだ。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:1)
秋子さんじゃねーだろ。

008 激辛 (採点:4)
前半のパワーが失速しているなあ。
シリアスのせいでテンポが悪くなってる。
一瞬の切れ味で勝負しても良かったのに。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:1)
まさか途中で読むのを止めてしまうとはな。自分で自分に驚いた。
作者が一体どういう価値観を持ってるのかは知らんが、
こういうのは「女の敵」「誑し屋」「腐れ外道」と言うんじゃないか?
お前ホントにそいつの事好きなんかと。

まあ、ちょっと読み返して動機の部分も見たけどね、
「諦めない」というのは自己中心的な偏愛であり、
よく言われるのは「彼(女)をこんなにも愛している自分に酔っている」だけじゃないかと。
「好きでい続ける」というのと「諦めない」というのは全然違う。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:5)
後半、カレー対決の結果からオチまではいいよ。うん。
香里がかなり萌え。
が、大学に落ちた理由と告白を拒否した理由と引きこもった理由とカレーを作る理由が、
どうも一致しない。
特にこのSSで重要な、告白を拒否した理由が「怖かった」だけでは分かりにくい。

011 残酷な代償のHappiness (採点:3)
ほとんど会話だけの進行はテンポが良いのに、一人語りが長すぎてバランスを悪くしている。
それにしても、祐一が見抜けないほどあゆが真琴の癖を完璧に真似られるのは無理がありすぎ。
もしくは名雪に分かって祐一が分からないのは説得力が弱い。
結局騙してる事に変わりはないので、それはどうだろう?とかも思う。
Kanon的には、真琴ED後なのに美汐が出てこないのはなぜだろう?とか。
要するに、全体的に矛盾を解消するのが難しいネタなのではないかと。
でもひょっとして、超短編なら矛盾も気付きにくく、サラッと読めてしまうものかもしれない。
祐一があゆかどうか疑ってる描写を繰り返し出してるから、
疑っても疑いきれないというイメージが付いて、それが矛盾につながってしまうのかな。
最後のもネタバラシがクライマックスなのに、その後も長々と続いててちょっと冗長だし。

012 空っぽのテクスト (採点:7)
前半は何だかなあと思ってたが、後半は良かった。
「なぜ好きか」「どれだけ好きか」は抱き締めたという結果よりも、
「いくつかの取り留めもない言葉」の方にあるんじゃないかな?
山場で描写がこんなあっさりしてるのではよく分からんと思っていた。
後半はストレートの全力投球を受け止めたって感じ。
こういうの好き。

013 Conservation for Love (採点:1)
売られた喧嘩は買っておく。

014 おまえの名前 (採点:5)
とてもじゃないが小学6年生のセリフじゃないね。
そんなに躾る両親とも思えないんだが。
それにしても名雪があっさりしすぎ。

「お名前は?」

Kanon屈指の名場面を連想させるネタで、なぜ名雪なのか。

「いい名前ね、真琴」

美汐ならその名を付ける事に何の異存もなかったとは思うけど。

秋子さんと相談する時も、子供に対して悪いと思うだけだったのか。
名雪に悪いと思わなかったのか。
どうにも引っかかってしょうがなく、私の好きないい話であるにもかかわらず、
この点数になってしまった。

015 『雪の日の決意』 (採点:2)
最初は、まあそういう日常もいいなと思った。

次に、長すぎると思った。
物語と関係ないエピソードが多すぎればリズムが悪くなるし、テーマもボケる。

そして、本編では「妹なんていない」とまで言った香里の葛藤が少なくなっている。
本編と同じテーマを扱うのにそれはないだろう。

さらに、
「その病気は…重いもの?」
「外に行きましょう、相沢君」
「死んだ方がましな状態ですな」
こんな事は普通言っちゃいけない。
別の言い方があったんじゃないかな。

最後に、栞の復活した理由がまるで分からない。
今までのシリアスは一体何だったのかと。

016 脱走と追跡のカノン (採点:6)
制約も何も無い、何でもありな話はなんだか読んでて不安定だ。
次に起こる事を予想をさせて、それを裏切るタイプのギャグが好きなんだが。
でもギャグとして話がしっかりと成り立ってるし、小ネタも所々面白かった。
全体的には面白いという印象がある。
ドタバタと言うわりには真面目にストーリーを展開してるとこもあったり、
オチは結構古典的だったり、意味不明なのにあまり型破りな感じがしなかったのは、
逆に残念だったかも。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:8)
設定にぶっ飛んだけど、うん、ちゃんと書けてると思う。
北川・香里の場面はかなり気に入った。
変に説教臭くならないでリアルな感じがする。
そこからクライマックスまでの間に背景説明が入ってトーンダウンしているのは、
もっと一気に盛り上がっても良かったんじゃないかな。
あとは、心情描写がちょっと直接的すぎかも。
最初のアレはちょっと引いた。

018 雪解け水 (採点:4)
ラブラブってる場合じゃないと思われ。
丁寧なつくりではあると思うけど、ヒネリが足りない気もする。

019 FILE EPISODE 0 (採点:2)
終わりかよ。
何が言いたいのかよく分からなかった。
エゾオオカミもニホンオオカミも絶滅してるのに野生とは?

020 私の望み (採点:2)
とりあえずヒネリがほしいが、それにしても真琴の立場無いなこりゃ。

021 想いの果てに (採点:2)
いくらなんでも空白過ぎ。
地の文が説明的であらすじを読んでるみたい。
「法術」なんて設定はよっぽど説得力を持たせないと感情移入しにくいな。
Kanonとは別のものになってるような気がして。
祐一が助かるとこからオチまではもろ昔のジャンプ漫画。
ネタは意外で面白くなりそうなものだけに惜しい。

022 笑い声がきこえる (採点:6)
ギミックも面白いし話もちゃんとできてるし、ダーク系としては良いと思う。
でも、キャラに「らしさ」が出てない(ダークで出すのは至難の業だが)のと、
オチがしっくり来ないとこでこんな点数に。
祐一がどう思ってるのか知りたいのに何も触れてないし、
何も触れられてなかった秋子さんがいきなり出て来てるし。
この辺は深く描ける所だけに勿体無い。

023 WA4 (採点:7)
うーむ、オチてないような。
一番の問題は美汐の呼び方は「天野」だって事だな。
内容はとても良かった。
続きも読みたくなってくる。

024 Fated Meeting And Casual One (採点:4)
元ネタの知識が必要なのか?
話自体は良かったんだけど1点だけ、
あれのどこが香里なんだ?

025 歩いて行こう (採点:5)
アクションシーンが面白かった。
でも、ずいぶん大掛かりな設定なのに一息で説明しちゃってるし、
自ら施設に入ったとかいうのは本編と矛盾も出てくるだろうし。
あと、女キャラ総出演するのもドタバタっぽくなるような。

026 ステップ (採点:8)
この文体はプロジェクトXだ。
「地上の星」がBGMだ。
オチも微妙。
でも、いい。
いいなあ、これ。

027 ウエディングヴェール (採点:3)
これは何がテーマなんだろうか。
真琴殺すのに真琴がほとんど出て来ないなんて。
最初と最後には出てきたけど、途中はまったく別の話だし、
それも記号の羅列にしか見えなかった。

028 ”プレイ” (採点:3)
観念的な話が延々続くのはもうちょっと見せ方があったんじゃないだろうか。
っつーか、北川までシリアス一辺倒になってどうする。
ネタ自体はなかなか良さげで、実際最後ら辺は面白くなってきたが、そこまで読むのが大変。

029 最後の奇跡 (採点:5)
心停止から何も処置せずに数時間も経過して蘇生する事はあり得ないのだが、まあいいや。
さすがにそのまま死んだら名雪がアホみたいなんで、結末は予定調和。
可も無く不可も無しという事で5点。
もっとヒネリがあればもっと上がったかも。
あゆの葛藤は良かった。

030 奇跡のかわりに (採点:6)
ギャグは面白い。
でも、シリアスにするなら前半のギャグはやりすぎなんじゃないの?
ギャグとしては後半パワーダウンしたと見た。
前半と後半はそれぞれにいいと思うけど、
このサイズでそういう構成はどっちも中途半端になるような。

037 美凪 (採点:7)
いや、もう、「ですます調」だか「だである調」だかメチャクチャで、
オリキャラの美凪母は存在自体が矛盾っぽいんだが、中盤以降はとにかく感動した。
目新しいネタでなくても、いいものはいいのだ。
ただ、観念的な話がずっと続くのは、主題がボケるしテンポも悪くなるので、
必要な時に必要な分だけあればいいと思う。

043 恋と素敵な魔法のはなし (採点:8)
結局、名雪と真琴の事は解決してないのか。
でも、アイディアもプロットもギャグもオチも綺麗に決まってる。
そこら辺はほぼ完璧でとても面白かった。
あと、存在感が無いという設定のせいか、美汐の描写が少ないねえ。
意識し始めてからはもっと描写してもいいのに。
それと、三人称のはずなのに主語が無い所があるけど、
視点がブレる感じがしてちょっと読みにくいかも。

044 パンドラ (採点:9)
たぬたぬ美汐たん来たー!!
それだけで思わず10点付けてしまいそうだったが、
よく見ると中盤の美汐の葛藤が実によく描けていて隙が無い。
先が読めないドキドキワクワク(誤)な展開で完全に物語に引き込まれた。
という事は序盤と終盤にちょっと隙がある。
序盤に関して言うと、背景説明は回想シーンにでもして、
ツカミはもっとインパクトのあるもの(私的にはたぬたぬ)
を持ってきた方が構成的には良かったかもしれない。
いきなりオリキャラでは感情移入もしにくい。
ラストも確かに原作をなぞって綺麗にまとまってはいるが、
起伏に富んだ中盤に比べてヒネリが無い気がする。
スカッとしたところで一気にオチに持っていくか、もう一波乱ほしかったかな。
なんにせよ、ものすごく楽しめた。ありがとう。

045 桜が告げる春の風…… (採点:7)
これでめでたしめでたし、なのかな?
所々時間の前後する描写があったのは、
分かりにくいわりに効果はあまり感じられなかった。
もう一工夫が必要なのか簡潔に描くもんなのかはよく分からないけど。
話的には非常にストレートで好感が持てる。
雰囲気もらしさもよく出ている。
美汐の可愛さも美しさも優しさも描けてる。
それだけに真琴や美鈴も描けてないと困るような。
オリジナル設定が消化不良だったり読後感が微妙だったりはあるけど、
この美汐は大好きだ。

046 ホワイト・ミュージック (採点:5)
あゆらしさが出ていて雰囲気はいいと思った。
でも、なんか色々端折りすぎてて分かりづらい部分がある。
美汐の父なんてどこに出てきたんだ?
最低でも読者が想像できるだけの情報は無いと。
あゆがクッキーを捨てるのも美汐が壷を割るのも祐一が引き篭もるのも、
そこに至るまでの葛藤があまりなくて唐突な感じがする。
あらすじ自体は面白そうなんだけどなあ。
あゆと美汐の取り合わせは珍しいと思うけど、なぜ珍しいのかと言えば話に無理が出るからで、
祐一が美汐とそこまで深く関わっているなら真琴とも深く関わっているはずなのに、
あゆが復活したり名雪とくっついてたり舞と仲良くなってたりする事自体が変だろう。
ハーレムエンドかと思えば、栞のしの字も出て来ないし。
あゆの話を描くのに余計な要素が多いと言うか、それらの要素にフォローが無さすぎと言うか。
詰め込みすぎって事なのかなあ。

063 丘の子守唄 (採点:5)
文も構成も完璧で話も面白い。
が、どこがKanonなんだ?
これはKanonの美汐なのか?
「狐を拾いました」「狐を捨てられました」を丁寧に描くのはいいけど、
長編のプロローグだけ見せられても困るよ。

065 作品No.2「春」 (採点:7)
なかなかに細やかな心理描写で雰囲気が良く、掛け合いも面白い。
真琴母登場するもそこで話が展開するでもなく、無事にEDを迎えたって感じ。
事件が起きそうで起きないのはそういう作風なんだろうか。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
ちょっと技巧に走りすぎる嫌いはあるけどね、感動した。最高。

078 「dearest」 (採点:8)
富士見や角川辺りの甘々なライトノベルとしてのレベルは高いかもしれない。
クライマックスのセリフがなー、ちょっとフツー言わないような、
いや、ストレートなのは好きなんだけど、何と言うか、やっぱり少女漫画なんだな。
いや、少女漫画は嫌いじゃないけど、香里と少女漫画の取り合わせが微妙と言うか何と言うか。

○龍司 さん

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:9)
めちゃ感動しました。
北川の心の中がよく見えて
とても感情移入しやすかったです。
ただ減点対象は
中間部分が長くしすぎかな?と
思いました。
もう少し短くてもよかったのでは?

○矮鶏 さん

002 鈴の音よ再び (採点:7)
本文のテーマは好きです。 

本編直後の当たり前のように奇跡が待ち望める状態から、時が経つにつれそれが難しくなって行く。 ここに着眼点を置いたのは凄いです。 確かに真琴が帰ってくる保証も無く、それに対して漠然と待つ事しか出来ない無力感。『強くあって欲しい』そう願う美汐の、それがいかに難しい事か思い知らされました。

ただその…、後半の空白は一体何だったのかと……。

003 お泊まりパニック! (採点:3)
もう少し登場人物を絞った方が纏まったかも知れません。 起承転結が見えづらかったです。

004 The regret (採点:3)
こんなに寂しい北川を見るのも珍しい。

あり得ない事象ではないかも知れないけど、やっぱり事故はストーリー的に唐突すぎだし、なにより香里があっさり北川を振りすぎ。 まあそれもらしいと言えばらしいのですが……、なんとも心が寒いです。

005 プライベート・ハンター (採点:5)
途中の北川との修行シーンは物語的には蛇足だったような気もしますし、ラストが少しご都合主義っぽかったですが、個人的にこう言うラストは大好きです。

006 「日課」 (採点:7)
ラストシーン気持ち良かったです。 こう言う北川もありですね。

007 冬の夜の過ごし方 (採点:7)
えっちなのはいけないとおもいます! こう言う理性を直撃してくるお話を出展するなんてずるいです!
でもこの手の話は大好きだから7点。

008 激辛 (採点:7)
とってもカワイイお話、真琴ならではのほのぼのしさを堪能させて頂きました。

ただタイトルとお話が十分マッチしてないような…。 『檄辛』よりは『しゃっくり』のほうが全体としてのテーマだったと思います。 その点で−1点…。

009 『例えばきみに聞いてみた』 (採点:2)
祐一が度胸良すぎます。(まあこれくらい都合の良い状況に置かれて見たくは有りますが……)

オムニバス形式で一人一人の恋愛感が語られていくタイプのSSであったのならば、あるいは評価も変わったのですが…。

010 スパイス・オブ・ライフ (採点:10)
こう言う小粋なトラップを絡めた告白シーンは大好きです。 文章も非常に綺麗で読みやすく、最初から最後までテンポ良く読めました。

013 Conservation for Love (採点:10)
やっぱりどんな壊れギャグにも根幹となるストーリーが絶対必要なんだなー、と心底再認識。 キャラの壊し方、いじり方も一筋通っていて非常におもしろおかしく読ませて頂きました〜。

016 脱走と追跡のカノン (採点:3)
うぐぅ…。

017 『告白』 〜本当の俺〜 (採点:6)
面白い事は面白いですが、ちょーっと基本設定のオリジナル色が強すぎたかなー?と。
テーマは理解は出来ますが、KANONのSSとしては納得出来ない部分も若干あるので私は6点。

018 雪解け水 (採点:2)
あゆシナリオのオリジナル設定での焼きなおしで、しかもラストで淡々と名雪に転ぶ祐一ってのは、人としてどうかと…。

019 FILE EPISODE 0 (採点:1)
で? 最後の人物は一体誰だったのでしょうか? 狼が魔犬になってた理由も???ですし…。
もうちょっとホラーちっくな話が読めると思ってたのですが、これで終りじゃ駄目ですよ〜。

021 想いの果てに (採点:2)
今一つ、なんと言うか物語の設定に説得力と新鮮味が無いです…。

022 笑い声がきこえる (採点:7)
途中のどんでん返しの部分は非常に面白かったのですが、それから後が長すぎて緊張感が少々薄らいでしまったのが残念。 
しかしながら特に無理のある設定がなかったので、ダークストーリー故の嫌悪感と恐怖感を素直に味わう事ができました。

025 歩いて行こう (採点:2)
ちょっと自分で裏設定をつくりすぎです、後半かなり無理が目立ちました。

027 ウエディングヴェール (採点:2)
真琴を無理やり復活させて無理やり殺した、ただそれだけのの残酷な話になってしまってる。
真琴は既に消えていて、それでもなお気力を振り絞ってヴェールを届けたと言う話にしたかったのなら、交通事故に遭わせる必要は全く無かったはずです。

人の、命の終りは確かにストーリーにおいて直接人の心に響くエッセンスになるでしょうが、だからこそ軽々しく扱っていいものではないと思うのですが……。

030 奇跡のかわりに (採点:5)
中盤から後半の、香里の正体はじつは栞の幻想だった…、って部分は非常に新鮮で好きです。

ただギャグなのかシリアスなのかほのぼのなのか、テーマが統一されて無いのはどうかと思います。 前半の半分壊れのおちゃらけギャグと、後半のシリアスとのつながりが、香里が実は虚像だったと言う事に対する寂しさを助長する以外に役に立っていないのが残念。

どうしても無理のある唐突感は否めない作品になってしまってます。

032 悪魔を憐れむ唄 (採点:10)
第三者に主眼を置いて主人公達の行動を客観的に見ながら本編とリンクさせる。 そのリンクのさせ方が非常に上手で、本編では見られなかった視点からシナリオを補完すると言うスタイルのSSの中でも、恐らく最高峰の説得力があったといっても良いでしょう。 これがKanon本編の裏設定であると言われても、十分に納得出来る作品でした。

ラストの作文のシーンは最初ちょっと蛇足的とも思いましたが、舞が作文のタイトルを自分だけの過去のみを語る『私の三年間』から、魔物達との未来をも内包した『希望』に変えたと言う事を鑑みれば、これもまた良い味をだしてます。

最高!! 文句無しの10点です!!

033 エム (採点:3)
その後の舞が先生になってると言う設定は面白かったです。

ただそれ以外の設定、ストーリー展開にまとまりが無く、どうにも読みにくい話になってしまっています。
主人公は誰なのか? まずそこからはっきりさせて行った方が良いと思いますが…。

034 『佐祐理の笑顔』 (採点:3)
もう少しお話の焦点と登場人物を絞ったほうが良いと思います。

035 復讐という名の代償行為 (採点:5)
祐一の辛い記憶を都合の良い様に変えたり忘れたりしてしまうと言う性質を逆手に取ったのはお見事です。

しかし、どうして祐一がここまでの凶行に及んだのかの動機が不明瞭で、どこか納得できない部分があるのが残念でした。

036 ずっと伝えたかった思い (採点:4)
この手のSSにありがちなハーレムオチにせず、きっちりケリをつけた祐一を書いたのは立派です。

038 想い出 〜彼と彼女の宝物〜 (採点:6)
あゆを二人の関係の橋渡しにする所とか、北川に香里の置かれている状況の説明役にする所とかに少し設定難がありましたが、読んでて楽しかったです。

香里がちょっと我侭すぎるかな?とも感じますが、まあこれはこれで可愛いかと。 何よりこの北川の性格が好きです。

039 幻実、そして星 (採点:2)
設定がなんとも…。 

本編で祐一がいるポジションにオリキャラを滑り込ませただけの冒頭と中盤。 オリジナルが強すぎるクライマックスと、そこを補うための説明的で不自然な会話。 何より舞のキャラクターに違和感がありすぎる事が大きな減点要素です。

某有名歌手の詩を作中に混ぜるのも別に良いですが、あまりストーリーとリンクしてなかったような…。

040 楽園日記 (採点:10)
面白かったです。 
高校時代に馬鹿やってた頃が懐かしくなりました(もちろん遭難はしなかったけど…)。

こういうサイドストーリーもありですね〜。


041 また逢えたらいいね (採点:3)
う〜ん、会話文ばかりなのがネック。

051 ある牛丼屋の一週間 (採点:3)
「ああ、そうだね…例えるなら
 某サイトで行われる事になったSSこんぺに投稿しようと思ってちょっと書いてみたんだけど、小ネタを色々並べてるうちに規定量に達してしまってタイトルに一週間とついているのに一週間分も書けずにジャンプの打ち切り漫画のように怒涛の展開で詰め込むように一気にオチの部分に繋ごうとする羽目になってしまう、そんなネタをコンパクトにまとめる才能の無い駄目SS作家にとっての50キロバイトのようだよ…。」

これを引用する私も反則ですが、これをネタにするあなたもどうかと…。 
これ事実ですか? 確かに店が隆盛して行く一週間がごっそり抜けてると言われれば抜けていますが…。

056 それ有る故に、それ在り。 (採点:10)
静かで優しくて良いお話、こう言う話が見たかった。 佐祐理さんや他の登場人物もとってもいい味出してますし、何にもまして舞が可愛い。 祐一の一人称も粋でカッコ良かったです。

057 移し火恋歌 (採点:1)
ラストが全く持って理解できませんし、祐一サイドと佐祐理サイドの話を一つにする必要性もかんじられませんでした。 

なにがどうなってそうなったんだ? これが素直な感想です。

058 30℃ (採点:8)
それを味にしようとしてるのは解るのですが、やっぱりラストは尻切れトンボ…。 30℃と言うタイトルも、少し前衛的すぎかな?とも思います。 また難しい単語をこねくり回す地の文も、嫌いではないのですが少し調子外れだったように感じる部分も冒頭に目立ちました。

ただ北川&香里の関係、彼らを取り巻く人物描写は非常に上手に書かれていてとっても面白かったです。

059 『姉妹、或いは繰り返されていく物語』 (採点:6)
完全に最後まで美坂姉妹のその後だと思ってました。 作者さんの『引っ掛け』は少なくとも私には大成功です。

ただその『引っ掛け』を創り出すために作品に無理が見えてしましました。 少子化が問題になってる所は(まあKanonの世界が現在から二十年後位って事なら解りますが)時間軸的に考えればおかしいですし、何より繰り返される運命が、何故秋子さん姉妹と美坂姉妹なのかの説明不足感は否めないです…。

ただ母親となる大人の女性の会話と言うのは、こんなものなのだろうかと楽しませてもらいました。
タイトルと、それに纏わる引っ掛け、Kanonの設定を抜きにした状態で読めば、ちょっと興味深い内容でした。

060 『月の兎のおとぎ話』 (採点:2)
何かを意図しての文章なのでしょうが、あまりに前衛的要素が強すぎてちょっと…。

061 今宵、見知らぬ明日のために (採点:7)
祐一と北川のやり取りが面白い事は面白いですが、主題が主題なだけに『そんな軽くていいのかよオイ』って言いたくなる…。 この手の話は現実的に考えると微妙なものがありますね。

062 壊れゆく世界の片隅で恋を歌った少女 (採点:9)
緻密に調べられた栞の病気に対する設定、現代医学の限界と可能性がしっかりと語られ、なにより闘病生活の辛さや、不治の病を患った患者を取り巻く人たちの心理描写等はプロのそれと比べても遜色が無いほどのハイクオリティーで書かれている。 書かれているのにも関わらず……。

最後の筆者紹介はなんですか!? 参考文献掲載はともかくこれは完全に蛇足です!! 
この名前の出所を知ってる人は、「ああオリキャラとして使ったんだな」と判別出来るかもしれませんが、知識の無い人が見たら実在する人物であると錯覚し、「匿名コンペのルールに違反してるのか?」とも思いかねませんよ!?

もしこのキャラをオリキャラとして使いたいなら、冒頭で『○○○○レポート』のように表記しておくべきでした。 せっかくKanonのSSと言う枠組みを遥かに超える超大作であるのにも関わらず、素直に10点上げられないのが残念です。 内容的には10点では足りない程の感動を与えてくれた作品でした。

063 丘の子守唄 (採点:1)
ここで終っちゃ駄目です。

064 面鉄の奥の恋 (採点:8)
斎藤師匠が人間関係把握しすぎ、後半で久瀬兄と佐祐理さんと舞のゴタゴタまで把握してるのにちょっと説明がつかない…。 ここ以外でもちょっと?と思う部分がありました。 オリキャラの人間関係や経緯等は初めて読む人間には解りづらい部分ですから……。

ラストで真治君が舞のイメージを語るくだり、『言ってみれば今までの舞は、剣に生かされていたようなものである』と纏める所等は大変良かったです。 これは面鉄越しに感じ合う事でしか解らない事なのかもしれませんね。

個人的に真治君が、舞の事でもう少し一生懸命お熱になってる(もっと舞の過去や運命、本音に絡む)シーンがあれば良かったかと……。

066 夢の終わりにもう一度 (採点:5)
名雪の自己犠牲と言う性質を特化させ、時を越えて名雪と真琴の立場を入れ替える。 その着眼点は非常に新鮮で面白かったです。

しかし最終的にそれだけで、二人の立場を入れ替えただけの真琴シナリオ名雪版なってしまっているのが少々残念でした。

070 ぷら☆ちな 〜the world of pain〜 (採点:5)
根拠や明確な理由をしっかりと把握しないまま、一見筋が通っていそうで、その実不明瞭な風習や文句の前に己の価値観が保てない一般大衆に対する警鐘。

そのメッセージ性はともかく、物語の中核となるオリキャラの処遇があまりにも寂しすぎ、オタクを理由に虐められて自殺…、同人活動家のイメージが暗すぎます。 
「このストーリーを読んで、『ムカッ』と来たら主題が読めてない証拠。 自分の価値観を大切にしなさいね」、と言う事を暗に意味してるのならば、それはそれで凄い作品なんですけど…。

072 彼と彼女のフォークロア (採点:10)
素敵な結末、こう言う気持ちの良いお話は大好きです。

073 ガールズ・ブラボー!! (採点:2)
いくら壊れギャグスタイルのSSとは言え、設定に無茶があり過ぎやしませんか?

076 夢の劇場 (採点:9)
こう言う非情な話が現実としてあるのが事実なんですよね。 死と向かい合うと言う事は、決して生易しい話ではない。 その場に関わった者しか解らないつらさ、耐えられないほどの無力感…。 想像するだに辛いです。

ただ中盤のあゆと栞の切なくも暖かいやりとり、最後の時までを一生懸命楽しもうとした栞の行動と、さらにKanonと言う世界観を考慮したならば、香里があゆに語りかけるラストシーンをもう少しマイルドに出来なかったのかな?とも思います。

安っぽい言い方かも知れませんが、残された人達が傷つけ会う事は、残して先立ってしまった人間にとって、一番辛い事だと思いますから…。

077 女王陛下と騎兵隊長 (採点:3)
一風変わった体育祭の設定自体は割と面白いのですが、祐一や名雪の性格がちょっと間違ってるような気がします。

078 「dearest」 (採点:8)
香里はもとより、香里を取り巻く連中が気持ち良いです。  
特に栞が最高にカッコイイ!! 自分の脳内栞萌え度が20%UPしました!!

主題から鑑みるに、ちょっと本文が長すぎるかな?とも思いましたが、告白シーンと花言葉の種明かしを混ぜたラストシーンはとても綺麗に纏まっててとっても良かったです。

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