○2% さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 良かったところ:儚い空気。モールス信号が効いていました。老女(?)を「君」と呼ぶギャップも。
悪かったところ:意図的な演出だと思いますが、語られる情報が乏しくて……雰囲気は楽しめたけれど、ストーリーとしては楽しめませんでした。
- 02 息吹 (採点:8)
- 良かったところ:「桜」一人称という時点でインパクト勝ち。「梅」との会話がちょっと和み系。
悪かったところ:「私」の思考がすごく人間っぽくて……「桜」ならでは、という超越した哲学を期待していたので、少し残念。
- 06 left wrist watch (採点:7)
- 良かったところ:海のシーンが何やら深遠で爽快でした。暗喩っぽい描写が続いているわりに、押し付けがましくなくて。
悪かったところ:最後の一文が決まっていない気がしました。ラストで唐突に「時計」の意味合いを変えられてしまったような印象。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:8)
- 良かったところ:ストレートなおなはしで、素直に良かった。あと、恩師の芝居がかった魅力に+1点。
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- 良かったところ:中華好きなので、こういう作品が読めて嬉しい。ありがとうございます。これで漢文書き下し調……というか中島敦ばりの文体だったらなー、などと最初は夢想してしまったのですが、このストーリーならこの文体で正解ですね。
悪かったところ:狙っているのだと思いますが、僕僕先生が少女少女しすぎる印象。もっとミステリアスな演出を期待していました。あと、終盤の「試練」の描写があっさりしていて試練っぽくないかも。ここは山場じゃないのかな? と少し意外でした。
- 11 江南小話 (採点:8)
- 良かったところ:舞台と物語の選択が渋すぎです! 雰囲気も出ているし、読めて良かったと思える作品でした。
悪かったところ:内容的には「歴史は繰り返す」というだけで、この手の作品に不可欠な含蓄成分が足りないかもしれません。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:5)
- 良かったところ:未来的な設定なのに、妙にノスタルジックな空気の漂う作品でした。20世紀的というか、思春期的な未来観なのかな……
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- 良かったところ:カス先生がラブリー!
- 14 ユメのおわりに (採点:8)
- 良かったところ:お約束ではあるけれど、やっぱり好きです、こういうおはなしは。ラストの3行が爽やかで、読後感が良かった。
悪かったところ:前橋と練馬だったら日帰りできる距離だしなぁ。読む限り、前橋が不可欠な設定とも思えないし……
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:4)
- 良かったところ:高密度の文字群に圧倒されましたが、実際に読んでみるとそれなりに読みやすい文章でした。こういう……なんというか、作品の暗く淡い色合いを作り出したいならこのような性質の文章を連ねるしかないと思うし、実際、その点ではかなり成功していると感じます。それから、「下をねじ込む」は誤字ですか、誤字ではありませんか。
悪かったところ:冒頭の一文の途中「ブーゲンビリアの赤色」まで読んだ段階で赤色、口腔、性器、血液、死体っていう展開かなー、と予感してしまって(あと、虫も出るだろうなー、と)……で、この分かりやすさは雰囲気作りが物凄く上手いからなのか、それとも題材がありきたりすぎるからなのかと考えて、恐らく後者だろう、と。題材や比喩、言葉の遣い方など、純文系の小説サイトやどこぞの学校の文芸部誌で散々読んだことのある系統の作品なので、どうしても評価が厳しくなってしまいます。ごめんなさい。あと、数々の(魅力的かもしれない)カタカナ語の意味をほとんど汲み取らずにこうして感想を書いてます。重ねてごめんなさい。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:7)
- 良かったところ:邪気のないラノベを読んでいるみたいで、頭を空っぽにして楽しめました。
悪かったところ:悪かったというほどでもないけれど、昌孝の山の知識が生かされるような展開だったらもっと嬉しかったかも。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- 良かったところ:海vs川で議論をするというネタのくだらなさが良い具合に青春な感じ。暴走ぶりについても、馬鹿馬鹿しさの中に一抹の爽やかさが光っていました。
悪かったところ:タイトルや内容には、あまりパロディを入れない方が良かったんじゃないかなー……あと、語り手のキャラクターに魅力がないのが苦しい。無関心を装った面白くない奴ほどつまらない人物はいません。
- 19 青い春 (採点:7)
- 良かったところ:もう、この初々しさが懐かしい、の一言。間の悪さとか、すごく良い。
- 20 A Darkness more than night (採点:6)
- 良かったところ:作中にわざとらしく挿入される数値は演出過剰気味ですが、こういう雰囲気は割と好きです。
悪かったところ:悪かったところ、というか単純に疑問なのですが……
・船内に重力を作らなかったのはなぜ?
・思考機械が「船内でヒトを再び繁殖させる」という選択をしなかったのはなぜ?
・マリィは全て少女(女性)? だとしたら、なぜ?
- 22 瑠璃 (採点:8)
- 良かったところ:エレベーターのくだりとか、そのままでも素敵なおはなしだと思いましたが、せっかくなので本多孝好の「瑠璃」を読んでみました。で、両方読んでみた感想としては、こちらの「瑠璃」の二人の方が本多瑠璃の彼らよりも真っ直ぐだなー、と。どちらの人物に好感が持てるかと尋ねられれば、私はこちらだと答えます(物語として切実なのはもちろん本多の方ですが)。作中に散りばめられた元ネタからの引用には思わずニヤリとしてしまうのだけれど、「MISSING」を未読でもきちんとストーリーが成立していたので二度美味しい作品でした。
悪かったところ:形式的にはメタな構造になっていますが、本質的にこの作品は「もし『瑠璃』の主人公たちがもっと本音を言い合っていたらどうなっただろう、もしかしたらルコを失わずに済んだかもしれない」というifを動機にして書かれていて、それ以上の意味を持たないように感じます。なので、「オマージュ」作品として成立するにはあと一歩足りない、という印象。
- 23 世界の終わりは (採点:8)
- 良かったところ:「感覚の異常」や「心が読める」は使い古されたテーマではあるけれど、球形/変形というビジュアルは分かりやすくてインパクトがありました(「人間が丸くなった」とか、言葉遊びは好きです)。
悪かったところ:後半のほとんどが駆け足の解説台詞で埋まっているのを見ると、設定をここまで簡素にしてもまだ複雑すぎるのかもしれないなー、と。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:8)
- 良かったところ:タクシーの中の気まずい空気の描写が本当に気まずくて、上手いなー、と。
悪かったところ:彼女がなぜ急いでいたのか、男はなぜそれを知っていたのか、書くなら書く、書かないなら書かないではっきりしてほしかったかも……思わせぶりな書き方に、少しだけ強引な印象が残りました。
- 26 ピーナッツロジック (採点:9)
- 良かったところ:真っ直ぐで、どこか不完全な登場人物たち。マリの容姿はショートというくらいであまり描写がないけれど、それでもキャラクターが際立っていました。雨が好きな男性の気持ちは分からないのに、雨が好きな男を悪くないと思う女性の心理は腑に落ちる不思議。語り方や省き方も含めて、すごく洗練された物語だと思いました。読んでいて、ちょっと嬉しくなった作品。
悪かったところ:最初の方の会話に、時系列が分かりにくい箇所が若干。
- 28 その交渉は無理がある (採点:5)
- 良かったところ:タイトルにかなりの魅力。無闇に片仮名や平仮名やアルファベットを使った題名が多かったこともあって、一覧表示の中で際立っていたと思います。
悪かったところ:作中に漂う空気が二次創作っぽすぎる印象。人物や展開が類型的とかそういうことじゃなく、語り方が二次向きという意味で。物語自体は分かりやすいのに、読んでいて「え、ここを省いちゃうの!?」と感じることがしばしばありました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:7)
- 良かったところ:老人、ペット、剥製、というテーマが渋いです。登場人物の年齢が高いと、それだけで物語が深まるような気がしますね。適度に思わせぶりな描写もあって、印象深い作品でした(特に深読みはしませんでしたが)。
悪かったところ:個人的な感覚としては「店の前の道路が危険」という伏線は不要でした。唐突に死んでしまう方が作品に合っている感じ。あと、タイトルの「物」と「人」をカタカナにしたのは逆効果だと思います(ムーンライダーズの方のタイトルは漢字だったかな……という曖昧な記憶に基づいて書いています)。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:8)
- 良かったところ:何というか、素敵なビジュアルがたくさん浮かんでくる作品。映像で観たくなってしまいました。ラストシーンとか。
悪かったところ:作中のお芝居にはちょっと無理が……主人公が「帰郷に感激して騙されやすくなっていた」みたいな描写が一言あればそれで充分なくらいの、些細な違和感ですが。
- 31 戦場の休日 (採点:7)
- 良かったところ:ファンタジーならこういうのもアリかな、と。可愛いし。「――だからね!」な口調とか、そういうお約束な記号はもはやひとつの《型》だと思うので、この作品のように型がきちんと守られていると安心します。ツンデレ保守派。
悪かったところ:ジャンルに「ツンデレ」は卑怯です。思わず読んでしまいました。
- 32 バスが来るまで (採点:5)
- 良かったところ:こんな兄妹いねーよ! と思いつつも、テンポの良い会話を楽しみながら読めました。変に躊躇せずそっち方面へ突っ走った展開も好印象です。
悪かったところ:冒頭で二人の容姿その他を一気に解説してしまっているのはマイナスかな……あと、ここまで人気(ひとけ)がない状況で駅員さんやバスの運転手さんが登場してこないのはかなり不自然なので、フォローがほしい。作中の成り行きなら、普通はバスの運転手さんに相談するでしょう。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:8)
- 良かったところ:「は、はじめてだったのに!」って……少年、小学生のくせにノリが良すぎます。大物になりそうですね、将来。
- 34 美談 (採点:5)
- 良かったところ:超越しているのだかしていないのだか分からない語り手に、どこか妙な印象が残ります。良い意味で心のもやもやする作品でした。
悪かったところ:あれ、「美談」の意味が分からない……というか、各章ラストの決め台詞が浮いているように思えてしまう。何か読み落としているのかな……
- 36 停電の訪問者 (採点:9)
- 良かったところ:正直、幽霊モノは食傷気味ではあるのだけれど……この作品は「停電の間だけ」という設定が効いていました。すごく切なくて、爽やか。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 良かったところ:>テトリス。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:10)
- 良かったところ:掌編ならではのシリウス感覚が魅力。最初はあんなに神秘的に輝いていたのに、慣れるにしたがってケータイのストラップみたいに卑近になってしまう、そんな無常感が良く出ていたと思います。これがもしシリウスでなくてアンタレスだったらちょっとエロそうですし、シリウスを選択したのは正解かな、と。
悪かったところ:付き合い始めた理由を書かずに別れの理由を書くというのはシリウスの暗喩と同じで狙っているのだと思いますが……やっぱり、タクちゃんがなぜ天体観測に誘ったのか、理由を語ってほしかったかな、と。一言で良いので。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:8)
- 良かったところ:型通りにマッドでクールな仲松が悪役っぽくて格好良いし、彼の発明した機械にそれなりにそれっぽい技術説明が付いているのも好感触でした。とはいえ、タイトルの意図はちょっと読めません。ノイマン型コンピュータの考案者としてのフォン・ノイマンなのか、ゲーム理論の創始者としての彼なのか、それともストレンジ・ラブ博士の原型としてのマッド・サイエンティストなのか……どれも微妙にしっくり来ない感じ。
悪かったところ:このストーリーをふまえたうえで「心を読めるからこそどうするのか/どうなるのか」というもうひと攻めがあればさらに面白くなったと思うので……ラストに「ブエノスアイレスより遠い」とか洒落たことを言ってる場合じゃないだろ、とツッコミを入れたくなりました。
- 41 らくがきを消しに (採点:10)
- 良かったところ:うわぁ、すごく楽しそう! もう、最初の一シーンからしてインパクトがあるし、落書きを消しに行くっていう妙なシチュエーションも完全に勝ち要素。うちわと髪の毛とか、小さな演出にも気が利いていました。
悪かったところ:このままでもキャラクターにはかなりの魅力があるのだけれど、容姿方面の描写がもう少しほしかった(冒頭の眼鏡のくだりが綺麗だったので、作者さんはそういう描写も上手い方だと見込んでいます)。あと、壊れた階段ごしにデッキブラシを三階まで投げ渡すのは難しいんじゃないかな……
- 43 帰郷 (採点:7)
- 良かったところ:ラストの寂しい空気にはインパクトがありました。この村を舞台にした掌編をもっと読んでみたくなります。
悪かったところ:ちょっと設定のわざとらしさが拭えません。あと、お祖母ちゃんの台詞:
>「陽子ちゃん、今年は遅かったねえ」
の「は」の意味が把握できなかった……読み違えているのかも。
- 46 決まりきった世界 (採点:9)
- 良かったところ:「一手で投了する棋士」の図を想像すると、実はすごく格好良いかもしれない、と思ったり。
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- 良かったところ:ストレートすぎて読む前に結末が予想できてしまうタイトルではあるけれど、やっぱり素敵です。鳥にとって「空に憧れる」と名付けられる以上の残酷はないのかもしれませんが……
悪かったところ:言葉に飾りがなさすぎるのでしょうか……中盤の描写が、ひたすらラストへ話を運ぶための説明文に見えてしまって、あまり物語に入り込めませんでした。
- 50 ある朝 (採点:4)
- 良かったところ:短いので、疲れたり飽きたりせずに読めました。
悪かったところ:ホラーなのに怖くなかったのが残念。むしろ、ちょっと笑えてしまいました(作者さんとしてはやっぱり嬉しくない反応でしょうね……ごめんなさい)。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- 良かったところ:古き佳きジュヴナイルSFのように見せかけて、コテコテの掛け合い漫才だったのか! という展開が楽しい。火星やらロボットやらいかにも「SF」な記号を使っておきながら、テーマは「2006年のおたくについて」です、と言っても通用するダメっぷり。ラストの一文までまったく気が利いてなくて、すごく良い。
悪かったところ:タイトルがあまり好きじゃない(とても主観)です。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- 良かったところ:「お姉ちゃん」も素敵だけれど、両親が可愛い。照男の両親も、佐奈の両親も。
悪かったところ:「ティッシュを丸める」を「てるてる坊主を作る」意味の述語とは認めたくありません……いえ、何となくですけれど。なんだか、気分的に間抜けすぎる。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 良かったところ:妙な短編映画を観ているような気分になりました。登場人物たちの表情とか、ビジュアルで見てみたいかも。
悪かったところ:確かに「世界征服」は大それた夢には違いないけれど、ラストにその単語が来るとどうしようもなく拍子抜けしてしまう不思議。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- 良かったところ:明るい殺人モノ(という理解で構いませんよね?)。ここまで無邪気なら素直に楽しめます。意表を突かれる展開ではないけれど、来てほしい箇所に来てほしい一文が来る感じで、すごくテンポの良いおはなしでした。
悪かったところ:体育教師のくだりを「伏線です」というのは無理があるかも。あと、太字は余計かな、と。
- 58 落日の挽歌 (採点:10)
- 良かったところ:「妖精族」などという割にいわゆるファンタジーなノリではないので、異民族か何かかなぁ、と考えながら読んでいたのですが……想像以上のスケールでした。ちょっと圧倒されてしまって、感想が書けません。
- 59 幼少時 (採点:9)
- 良かったところ:最短作品ながら、読んでいて感情を刺激された度合では五指に入ります。特に、
>こっそり謝ろうと思ったのも、やめた。
のあたりが。
悪かったところ:こうした簡素な掌編は背景を色々と空想するのが楽しいのだと信じているのですが、筋書きに含みがなさすぎて想像の余地がありませんでした。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:6)
- 良かったところ:単なる便利アイテム的なオタクかと思いきや、タイミングまで最悪な慎太郎くんがラブリー! 浩次と美奈子の気まずい光景が目に浮かびます。
- 62 Why do you do it? (採点:7)
- 良かったところ:こんぺをお祭りみたいに楽しむのもアリだと思うし、こういう作品がひとつくらいあっても良いかなー、と。
悪かったところ:ラスト、こじつけでも何でも良いのでしっかりした結論を出してほしかった。こういうネタだからこそ、特に。
- 64 発狂した宇宙 (採点:10)
- 良かったところ:宇宙。すごい名前だけれど、この作品は完全に名前勝ち。読んでいるこちらまでパラノイアに陥りそう。ラストの一文とか、特に。とにかく印象が強かったので高得点を付けるしかありません。
悪かったところ:終盤の「私」が狂っていく描写は、もっと深く書き込めるんじゃないでしょうか……と、期待を込めて。
- 66 似たもの親子 (採点:7)
- 良かったところ:「クローン」をどう料理するのかな、とワクワクしながら読み進めて、本当に料理するネタだったのか! と素直に意表を突かれました。
悪かったところ:こういうスタイルだと、どうしても星新一と較べてしまうので冷静に評価できない……という問題はさておき、ちょっと書きすぎかも、と思える箇所があります。
>そこらへんは、我慢することにした
などはあからさまに話のテンポを乱しているし、そもそもCはわざわざイニシャルにせず「息子」とか「少年」とか適当に呼んでおけば良かったんじゃないかな、と。
>その息子、C
みたいなフレーズが何度も出てくると、ちょっとクドい気がします。いえ、大した欠点じゃないんですが。
- 70 雨ごい (採点:8)
- 良かったところ:語りの調子が素敵すぎます。前半、朗読のお兄さんの声を聞いているような気分になったり。後半では、絵本を読んでいるかのようなビジュアルを感じたり。それから、作中に散りばめられた独特の言葉遣いにインパクトがありました。
悪かったところ:好みの問題だと思うのですが、ラストは「降る」のか「降らない」のか曖昧に終わらせてほしかったなー、と。「あ」で終わっていたら加点していたかも。というか、オチを匂わせるのはもっと終盤になってからにしてほしかった。真ん中以降「尿だ尿だ尿が降るぞ」という雑念に悩まされて、後半のほとんどを素直に読めなくなってしまったので。
- 71 デジタルペット (採点:9)
- 良かったところ:素敵フレーズが一杯のおはなしでした。
>そうしたら、なんとなく、ボクもその『匂い』を味わうことができるような気がするんです。素敵な想像じゃありませんか?
素敵です。
>とてもyesです。
とても素敵です。さらに、幽霊になりたいってAIの夢も素敵だし、AIを端的に「あなたがいることによって存在できる」存在として捉えている点も素敵(アンドロイドみたいに身体を持つAIの場合はこういう捉え方ができませんからね)。
悪かったところ:冒頭とラストはこの場所(オリジナルこんぺ)ならではの演出ではあるけれど、不特定多数の読者を相手にしてしまったせいで「ボク」と「あなた」の1対1の軸がブレているのが惜しいかも。
- 72 しろゆめ (採点:8)
- 良かったところ:作中を満たす「間」がすごく心地良いおはなし。改ページや台詞前後の改行は基本的に苦手なのだけれど、この作品の場合は効果的だったと頷かざるを得ません。雰囲気勝ち。
悪かったところ:夢なら夢らしくもっと不思議なことが起こってほしかったかな……そんなことをしたら作品の方向性が変わってしまうかもしれませんが。
- 76 落果 (採点:9)
- 良かったところ:状況が分かりやすく、想像力も刺激される描写。無性に心がじんわりしました。
悪かったところ:いつ桃太郎みたいな昔話になるのかと期待してしまいました……や、「おじいさん」と「おばあさん」だったので。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 良かったところ:1しか出ないサイコロで人生を渡ってきた爺がひたすら渋い。タネが序盤で分かるように書いてあるおかげで、爺の格好良さを満喫できました。
悪かったところ:死神が萌えキャラなのは界隈では良く見かけるパターンですが、オリジナルものとしてはやっぱり多少のフォローがほしいところ。あと、いっそ舞台を完全なファンタジー世界にしてしまったらどうかと思いました。戦争関係はリアリティを求め出すとキリがないし……この作品の場合は、そもそも「死神」が存在するような世界を舞台にした方がすっきりするんじゃないかな、と。
- 79 home, my sweet home (採点:4)
- 良かったところ:端的に、格好良いです。空戦。
悪かったところ:SF的なハッタリが足りないように思います。義体化のメカニズムについて、ヒトが機体でAIがパイロットになるという立場の逆転について、空戦などという20世紀のスタイルで戦争を行なっている理由について――そのあたりの理屈がないから、冒頭のシーンで義体化の利点が見えず、続いて語られる設定自体が唐突に思えてしまい、ラストも取って付けたように感じられてしまいました。好きなテーマだけに、すごく惜しい。
○68の作者 さん
- 06 left wrist watch (採点:6)
- いろいろ説明不足のような気がします(別れた経緯もそうですが、彼女に惹かれた理由と主人公が変わる過程が特に)。
淡々と物語が進んでいき、私はただそれを眺めているだけでした。
- 08 傷跡が残すもの (採点:3)
- 冷たい言い方になりますが、「助けて」と言わない人間を助けるのは、
あの状況あの環境を省みるに、なかなか出来ることではないのでしょうね。
ただ、物語であり悲壮感を出そうとするのなら、助けてと実際に声に出され、
尚、それを主人公が周りと助けた後の自分の状況を省みて、周囲と同調した言葉を返す。
作者さんとは違う考え方になるかもしれませんが、そうした方が、
遺書の場面が段違いに胸に来るかも、と私は思わずにいれませんでした。
- 21 bright shine on time (採点:3)
- なんだか物語が勝手に流れて、瞬きしているうちに終わったような印象を受けました。
- 34 美談 (採点:6)
- なかなか斬新な構成に文体ですね。
世の中に不満があるのか主人公の皮肉たっぷりの口ぶりが物語りを上手く纏めていました。
本気で生きていないという感じがしてとても良かったと思います。
- 35 負け犬 (採点:7)
- 読めるお話なんですよね。内容はあまり私には合わないのですが。
ただ、物語としての立派なあだ名があるのなら、本名は不要だと強く感じます。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- こういう類の話はいくつも見てきましたが、これも面白かったです。
何より読みやすかったのがいいですね。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:6)
- ラストにもうひと捻りほしかったです。
途中、最後が連想出来ましたが、なかなかこなれた作者さんのようなので、
まだ私の考え付かないオチが待っているものかと。
けど容量もギリギリですし、うーん、無茶言ってるのかもしれませんね。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 強引に話が始まりグイグイ引っ張っていかれる話、こういうの嫌いじゃないです。
会話も当然いいのですが、過去の回想も読ませますね。
けど、サイコロによって人生を決めてきたとありますが、回想ではその辺りの描写がなく、
何かのギミックになっているのかな、と思いましたが、残念。
そこまで読み取れませんでした。
○AK さん
- 01 きれいなほし (採点:採点なし)
- 文章に特徴を出そうとして失敗している。
体言止め、読点の位置、短文を配置する場所と回数が要調整。
- 02 息吹 (採点:採点なし)
- 意図はつかめるけれど、発展が無いように感じてしまう。
読点の位置をもう少し考えた方がいい。リズムが悪い。センテンスごとに日を改めて書いたのかな?
- 03 strangers in the city (採点:採点なし)
- 題材のせいもあるかもしれないが、おおむね入り込みすぎずに書けている。
ただ、読み手を選んでしまったのはもったいない。特に中盤。
一つ一つの作品要素が孤立しているので、作品の中で縦軸として作り出す練習を積んでほしい。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:採点なし)
- 素直に自分が貯めたものを表現できてるように思う。
終盤で気が抜けてしまったのが残念。
文章も読みやすい。
- 05 魔 王 (採点:採点なし)
- 意図は理解できるが、それを表現しきるだけの力がまだない。
題材ももう少し考えてほしかった。
- 06 left wrist watch (採点:採点なし)
- よくまとめているが、「僕」を筆頭にキャラクターの感情があまり出せていない。
文章は丁寧だがテンポがちょっと悪いかも。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:採点なし)
- 個人的に好みだけど、結末まで一息で見通せる構成だったことが残念。
作者は小ネタを楽しいと感じるかもしれないけれど、読者はそうとは限らない。
気にしないといえば気にしないが、細かいところがご都合主義。
- 08 傷跡が残すもの (採点:採点なし)
- 原因と結果の結び付け方が甘いので、物語の縦軸が見えない。
設定面での弱さが目立つ。
ストーリーは、エンタテインメントを目的としていないので、こういったストーリーもありだとは思うけど、個人的には好きじゃない。
- 09 僕僕先生 (採点:採点なし)
- 舞台を日本以外にするには短すぎるかな。
まあ好き好きだしいいけど。
縦軸ないなぁ。
- 10 また共に笑おう (採点:採点なし)
- 作者の好みは伝わってくる。キャラクターの描き方とか。
文章のブレが大きい。
- 11 江南小話 (採点:採点なし)
- 作者の書きたいことを、読み手に伝えようという意思が見えない。
小説を書くなら目的を持って。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:採点なし)
- 言葉選びにもっと気を遣ってほしい。
過去からの手紙というテーマは悪くないけど、もう少し「僕」の感情によっていかないと入り込めないかも。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:採点なし)
- 短い中でもキャラを立てようとしていて好感が持てる。
主役二人ではなく、間に一人置いてそのキャラを使ってテーマを描こうとするなど、構成も考えられてる。
結論に至る流れを整理すれば、もっと面白くなるのでは。
- 14 ユメのおわりに (採点:採点なし)
- ご都合主義かなぁ。すれ違いの演出方法をもっと考えて。
作者の頭の中にある流れをきちんと読者に明示できていれば印象は変わったかと。
説明ゼリフが多いので工夫してほしい。女の子の口調も何かを思い起こさせる。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:採点なし)
- なんだかブンガク的だなぁ、と。
別に卑下するわけではないけど、何書きたいのか伝わらない。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:採点なし)
- で? っていうか。
何書きたいのかな。
アクションを描くには総量が足りない。世界観を描くにも総量が足りない。
読者の知識に頼った書き方は好ましくない。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:採点なし)
- 小ネタを面白いと思うのは作者だけ。
テンション高いけどキャラが立ってないから意味のない会話の羅列に見えちゃう。テーマも絞れてない。
○Bad Luck Moon さん
- 05 魔 王 (採点:5)
- まあ、こういうのも面白いですよね。
もちっと、正体が蚊である伏線が欲しかったです。
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- 雰囲気のある面白いお話です。
中国の人間でなく、寧ろ中国の作品を読んだ一昔前の
日本文芸家が書いたような、独特の趣がありました。
芥川龍之介のような。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:7)
- 実はNo.20の作者だったりするのですが、
自分がいかに斜に構えて歪んでしまったかを思い知らされた気分です。
同じ宇宙離散ネタでこうも過程と結末が違うとは……。
それはさておき。
短い中にも残る意志、旅立つ意志がきちんと描写されている、
良いお話でした。こういう優しい話を書ける方には憧れます。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- キャラ立ちが弱い上に、
このギャグのセンスは、私には少し辛かったです。
すいませんが、私には合わなかったようです。
- 28 その交渉は無理がある (採点:2)
- なんか誤解があるようなんですけど、
そのヒロインの性格はツンデレと言いません。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- 多分、作者は酷い誤解をしていると思うんですけど、
ツンデレはツン期とデレ期があって初めてツンデレであり、
この作品で書かれている女性はただのはねっ返り娘です。
あと、自己完結しているキャラを書くには、15KBじゃ少し足りなかった
なという気がします。
- 34 美談 (採点:6)
- 主人公の乾いた描写や、単語の選び方など端々に上手さを感じます。
ぼくはこの手の乾いた感情を書いたものは好きでして、
楽しく読むことができました。
あ、あとこれは点数とは関係ない質問なんですけど、
本多孝好の『MOMENT』に影響受けてますか?
- 35 負け犬 (採点:5)
- 悪趣味ですけど、こういう話も好きです。
かつてこの手の問題に直面したことのある人間としては、
ちょっと直視するのに苦労もしたのですが。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:8)
- ああ、だからLove Songなのですね。
題名の妙といい、気持ちの良い少年少女の語らいといい、
短い中に上手く物語を作った良品だと思います。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:7)
- 博士と助手のやり取りは雰囲気があって面白かったです。
ただ、ラストはあまり解決になってないような気がします。
- 41 らくがきを消しに (採点:3)
- キャラの区別が最後までつかなくて、読み難かった。
人物関係の描写をもっとすっきりさせて欲しかったです。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- 色々端折り過ぎです。15KBという制限で物語を成立させるために
苦労したのは分かるのですけど、何も物語ってません。
シチュエイションものにするにしても、もう少し登場人物の
個性がないことには、こちらも楽しみようがありません。
- 46 決まりきった世界 (採点:1)
- >相手の手を50通り考えれば、30手先を読むだけで1500手
それでっかい勘違いです。
相手の手を50通り考えるならば、30手先を完全に網羅するには
50の30乗通りの手を考える必要があります。そんな莫大な数の
手を網羅できる人間などいません。機械だって無理です。
それはさておき。この作品をみるに、作者は将棋を薄っぺらい
競技にしか見ていないとしか思えませんでした。もう少し、
将棋の勉強(付け加えるならばAI将棋の勉強)をしてから、
作品を書くべきだったと思います。
- 47 ローランダ、空へ (採点:9)
- 人間とローランダの関係性、直向さが胸をぶるぶると揺さぶりました。
今回のこんぺ作の中では一つ傑出していたと思います。
ただただ素晴らしかった。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:1)
- 何が書きたいのか、私には全く分かりません。
自己完結自己満足を垂れ流されても困ってしまいます。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:1)
- 推理ものとしても青春ものとしても中途半端な気がします。
15KBで二つのテーマを両立させるのは難しいのです。
どちらか一本に絞り込んで書けば、良かったと思います。
- 58 落日の挽歌 (採点:8)
- モデルはクロマニヨンと、ネアンデルタールでしょうか。
短い中に綺麗な寓話をきちんと描いていて、凄いなと思いました。
- 59 幼少時 (採点:1)
- 物語を書いてください……。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:4)
- こういうこっ恥ずかしい青春のノリもなかなか良いものです。
ただ、もちっと共感性の高いキャラで話を作って欲しかったです。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- 硬質な思考と確かな信念を感じさせるお話でした。
不思議な少年と女性の語らいも読んでいて楽しかったですし、
最後の選択とその後の見せ方も、胸に落ちるものがありました。
- 69 雪、心々 (採点:5)
- こういう話は本来、短い話を丁寧に丁寧に紡いで、
長い話として作っていかなければならないタイプの
話だと思うのです。短いながらも上手く纏めている
とは思うのですが、やはり積み重ねが足りないですね。
あと、こういうことぶっちゃけると気分を害される
かもしれないんですけど、やっぱ、小川洋子の
『博士の愛した数式』と比べちゃいました。
- 70 雨ごい (採点:7)
- 詳細な描写が最後の一行に上手く活かされてるなあと思いました。
くすりと笑える質の高いショートショートです。
面白かった。
- 79 home, my sweet home (採点:7)
- 機械と人間の境界が曖昧になった人格を、
硬質な文体できっちり描いていて快い印象を持ちました。
○Foolis さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 本当に描写がきれいですね。
読んでて感嘆のため息が漏れました。
よかったです。
ただ内容がちょっと薄いかなぁ、と。
始めに何かが起こった割には。それが残念でした。(上手くかけなくてもうしわけないです…)
- 02 息吹 (採点:6)
- 存在意義。
それはほんとによく考えられるものですよね。私もふと考えてしまいます。
植物をつかったのは…一番確実ですが、その分面白さを失ってしまいそうな。
人間だからこそ、ややこしく、また面白く出来ると思うので。
…15KBだと難しいことはわかりますけど。
でもやっぱり人間で書いてほしかったかなぁと。
厳しい意見だとはおもいますがこういうネタは好きなのでどうしても気になってしまいました。
- 03 strangers in the city (採点:9)
- 面白いものをネタに扱われましたね。私も耳が痛い話だったりします(苦笑
確かにネットはどこか孤独な感じを与えます。
そこら辺が共感できて、興味深く読むことができ、面白かったです。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:10)
- 二人のやり取りがほんとに面白いです。
二人の間に流れる空気がほんとによかったです。
また文体も非常にユニークでよかったです。
- 05 魔 王 (採点:3)
- そうきたかっ。
でももう一押しほしかったです。
- 06 left wrist watch (採点:6)
- 彼女と別れた男の心境をうまく書いているとおもいましたが、ちょっと内容的に寂しいかな。
それが残念でした。
いや、描写とかはうまいとおもいますけど。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- お約束的ですけどこういう話すきー。
ただ、同窓会のところに一工夫なんかほしかったかな。
完全に浮いてるし。難しいのはわかりますが。
- 08 傷跡が残すもの (採点:2)
- >「これ、あんた宛ての遺書だって」
>それだけ言うと母は出て行った。
なんでこんなにさばさばしてるんだっ(怒
こんなに軽くいえるものなんか、をい。
いうやつもいることは認めるが、もう少しこのシーンで、主人公の怒りとかなにかほしかったところ。
ストーリーの構成に一工夫ほしいかな、とおもう。
15KBという短編なのだからもう少し焦点を絞ってほしいところ。
どうも文章を並べただけ、という感がぬぐえないのが残念。
- 09 僕僕先生 (採点:1)
- はっきりいって私にとってこの設定はさっと受け入れられるものではないでした。なんかわかりにくかったです。
それが残念でした。
- 10 また共に笑おう (採点:5)
- 二人のやり取りがいいとおもいました。
絵に不安を覚えている主人公と、それを見守る主人公の友人がいい感じでした。
ただ、ちょっと散文的だったかな、とおもいます。
それが残念でした。
- 11 江南小話 (採点:3)
- いや、なんか歴史の漫画を読んでいるような感じでした。
どうも話としてイマイチ中身がないというか。
その辺が残念だったかなぁと。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:3)
- もう少しシンプルな設定に出来なかったかと思う。
設定だけに容量が裂かれた感がありますし、イマイチ話としての中身がないと思いました。
別設定でいけなかったかなぁと思います。
この設定でなくては駄目というところをイマイチ見つけられないので。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:7)
- ストーリーに流れているどこか退廃的な雰囲気がよかったです。
ただ、ストーリー自体はやや急な感がありますね。
それがちょっと残念だったかと。
あと3Kくらい残っていたのだからもう少しなんとかして欲しかったです。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- 作者さん文章能力高いですね。
いや、ほんとにそう思いました。なんていうかあっというまに最後まで来てしまったという感じ。
ひきつけかたが本当によかったです。
ただ、ちょっと終わり方が、ね…。
尻切れトンボに感じたのが残念でした。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:3)
- 第3回Kanon中編のbTの方でしょうか?
(間違っていたらごめんなさい)
話の内容は好きですが、よみにくすぎー。(汗
一文目が意味わかりませんっ(汗。もう少し気を使ってほしかったです。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:4)
- どうも戦闘シーンがだれました。
話の筋としてはいいとおもうのですが。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- 地の文をおもしろくしようとすると、どうしても好みが分かれますよね。
作者さん自身はきっと面白いとおもってやっているのでしょうが、私にはあいませんでした。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- うーん…。
作者の中で盛り上がって勝手に終わられた印象が。
感情移入するにはそれまでの流れが重要であって。
その点でこの話は失敗しているとおもいます。
残念でした。
内容的にはお約束っぽいですが、好きです。
- 19 青い春 (採点:8)
- ラブラブ雰囲気最高♪
いや、お金のところで悩むところとか、いきなり予定が狂って悩むところとか、喫茶店でのやりとりとか最高です。
二人の会話のテンポもすごくよかったですしね。
よかったです。
- 20 A Darkness more than night (採点:5)
- 最後の一文が意味深でした。
この『ぼく』というのは誰なのか、ちょっとわかりませんが(w
読解力不足もうしわけないです。
設定だらけな感はありますが、最後までよませてくれたのは、文章に魅力があるからかなぁ、とおもいます。
見せ方がよかったです。
あと、個人的ですが
>長期間の労働――一時間十七分の労働は
――と一をつなげるのはやめてください(汗
横書き独特ですが、読みにくくってしょうがない(汗
- 21 bright shine on time (採点:4)
- 話としてすっきりしてないなぁ、どうも(汗
ツンデレ?この子?
筋としては好きなんだけどね、どうもなんかすっきりしなかったです。
- 22 瑠璃 (採点:8)
- 二人のやり取りがいいですねー。
それと最後のほうの時計の表現とかいい味出していると思いました。
よかったです。
- 23 世界の終わりは (採点:7)
- ふと前回TOPのモノクロームを思い出しました。
これも世界観の設定が非常に面白いです。
また人間の心を球形にたとえたのもいい感じです。
ただ、設定は面白いのですが、肝心の中身が…(汗
ほんとに駆け足でもったいない。
容量がたりなかったのは痛いほどわかるんです、わかるんですけどっ。
ほんとに15KBって難しいですよね…。
- 24 禍疎 (採点:5)
- 人生にイマイチ価値を見出せない少女、ということでしょうか。
#死にかけていいものをみようということは。
面白いネタだとは思いますがもう少し深く掘り下げて欲しかったですね。
それが残念でした。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:5)
- いや、見知らぬ女の子をのせるなとw
どうみても変人だと思いますよ(汗
そこがどうもひっかかりました。
- 26 ピーナッツロジック (採点:6)
- 少なくとも私は好きには説明できないこともあると思っています。
だからちょっと引っかかったかなぁ、その辺。
でも二人のやり取りは好きでしたし、文章の流れとかも好きでした。
よかったです。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:7)
- 文章のテンポが面白かったです。
また「私が死んだら?」からはじまる二人のやり取りがグー♪
ただ、もう少しなんか欲しかったような気はします。ちょっと内容的にさみしいかな。
まぁ15KBってことでしょうがないんですけど。
あと文頭は一文字空けてください。
- 28 その交渉は無理がある (採点:4)
- もちあげて落とされたって感じですねぇ、個人的には。
あいつがただの頭の弱い子か、異次元からの使者でもちゃんとスルーされるような存在だったらよかったと思うんですけど。
うーーん、なんか最後に設定をドンドン追加されてそのまま終わってしまったという感じがしてしまい…どうも個人的にはイマイチでした。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:7)
- なかなか独特の設定だったとおもいます。
そして雰囲気もどこか寂しい感じをさせてくれてよかったです。
剥製を使った死に関する考察(表現)が面白いとおもいました。よかったです。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- なかなかしゃれていて面白かったです。
非常にいい感じですね、ほんとに。
やや強引な感あありますがw
- 31 戦場の休日 (採点:6)
- むちゃくちゃさにやられましたっ。
馬鹿すぎます、この話。
ちょっとぐだぐだしていたのが残念でしたがよかったです。
- 32 バスが来るまで (採点:5)
- 妹作品ですね(なんだ、それw
二人の甘いやりとりはよかったですが、もうちょっとなんか欲しかったですね。
このような作品は多いですから。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:8)
- 最後のお金を掠め取っていたと告白してからのやりとりがほんとにいいです。
なんかほんとにほのぼのというかいい言葉が思い浮かびませんがよかったです。
あと数字の表現は統一して欲しかったです。
- 34 美談 (採点:4)
- なんていうか難しい作品だ、と思いました。
何かしら作者さんが書きたいことが見えそうで見えてこなかったです。
こういう作品って下手に説明しても変な作品になるだけなんでしょうね…。
面白かったか面白くなかったかで言わせてもらうと面白かったのですが、なんていうか狐につままれた感じというか…うーん…。
- 35 負け犬 (採点:5)
- 書きたいことはわりかしいいとおもいますが、描写がイマイチですね。
容量不足だったのはわかりますが、イベントとかをもう少し絞って心理描写に費やしてほしかったです。
どうも変にスピーディでした。
だから読み終わったあと妙な感触がのこったままだったのが残念でした。
- 36 停電の訪問者 (採点:5)
- 死んでいたってオチがほんとに最初にわかったのが痛いですね。
こういうのって結構多いですからね(汗
それが残念だったなぁ、と。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:6)
- カントリーロードを使ったシーンがほんとに好きです。
始めのジュースをしまうシーンもなかなか好きですが(苦笑
全体的に甘い雰囲気がよかったです。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 話のベーシックは好きなんですが、どうも物語りに入り込めなかったです。
話の流れはほんとに面白いのですが、どうもスピーディというかなんというか。
それが非常に残念でした。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- 恋人達の別れの話がなかなかうまくかけていてよかったです。
でももう少し何かほしかったかなぁ、と思ったり。
あと、これはどうでもいいですが
>もう何十年も前の話だ。
何年も、ですよね?
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:7)
- マッドサイエンティストぶりがよかったのですが、オチのところがもう少し何かほしかったかなぁと思います。
急激に説明しすぎてちょっと興ざめました。
無理矢理たたもうという感じがして。
いや、話自体はすごく好きなんですけどね…。
残念でした。
- 41 らくがきを消しに (採点:3)
- 話がよくわかりませんでしたが楽しい雰囲気は伝わってきました。
ちょっと説明不足かな、と思います。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:7)
- 妹ものの話としては王道でしょうが、やはり見せ方が上手いといいですね。
情景、心理描写がよく描けていてよかったです。
- 43 帰郷 (採点:9)
- 好きな人との普通の再会の話…とおもていたら…
やられたっ。そうくるとはなぁ…。
描写もよかったですし最高でした。
- 44 勝者は語らず。 (採点:4)
- バトルの描写はよく出来ていましたし、描写もよく出来ていましたが…。
なんか寂しいですね、内容的に。
それがちょっと引っかかりました。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:3)
- 超特急過ぎます(汗
自分が思いついたのを思いついたままかいたというか、ためがないというか。
なんかそんな感じで残念でした。
- 46 決まりきった世界 (採点:6)
- あまりに馬鹿馬鹿しすぎて爆笑しました。3分ほど。
あ〜これはほんとに楽しい将棋です。
ほかの人がみてもなんで一手でまいったのか、と思うでしょうね。
はじめは、将棋を使って世界にあふれる閉塞感を出すのかと思っていたら、まさかそうくるとはなぁ…。
- 47 ローランダ、空へ (採点:8)
- ローランダと主人公のやりとりがほんとにいいですね。
最後のシーンとかきれいで好きです。
ほんとに描写がきれいだと思いました。
- 48 愛されるより愛したい (採点:10)
- すごくよかったです。ほんとによかった、うん。
愛されるより愛したい、という言葉を使うSSはたまに出てきますが、それをここまでうまく使ったのはすごいと思います。
3ページ目の二人の告白シーンから最後までほんとにいいですね。
こういう関係もありだと思いますし。
実際問題、こういう関係が長続きすると思いますしね。
- 49 忘れてしまった (採点:5)
- It is an infinity loop?(w
記憶をなくしてから書かれている内容が割かしすきなんですけどこのオチがね…。
うーーん、いやなループだなぁと。
- 50 ある朝 (採点:2)
- 恐怖感をだして終わりというのはありかと思いますが、あまりにも短すぎますね。それがどうも残念でした。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:6)
- 人は育ち、子を産み、その子は成長し、子をうみ…その繰り返しを丁寧に書いてくれた作品だと思いました。
心理描写とかよく描写されていてよかったです。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- トボルとコークスのやりとりが前半面白かったです。
オチも皮肉が利いていていいですね。
人間はいつかこういうふうになるんですかねぇ…(汗
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:4)
- ストーリーの流れ、作者の描きたいことはいいと思いますが…。
どうも調理に失敗したかなぁっていう感じがします。
見せ方がうまくない。
それが非常に残念でした。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:4)
- 逃げることは悪なのか、というのはよく考えられますので…。
もう少し何かほしかったかなぁと思います。
あとキャラの掘り下げが上手くいっていないのでどうも感情移入できませんでした。
その辺が残念だったかなぁと。
あと途中の斜体文字は失敗しているかな、と。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- てるてるぼうずからこのような物語をつくれた作者さんはほんとにすごいですね。感嘆します。
設定がほんとに上手いですね。試験に失格したら雪を降らせる政令にならなければいけないとか。
ほんとに面白かったです。
- 56 子供の夢 (採点:8)
- 三つ子の魂百までも(なんか違うw
時間がたって、それぞれの道を歩んで、時に仲間が減っても、同じことをやり続ける…そういうのを描いてくれていいなぁと思っていたのですがっ。
そう落としますかっ。
完全にやられました。
よかったです。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- >今度中学時代の体育教師にお礼参りしてやるつもりだとか
これ伏線だったんだ…。
いや〜なんていうか恐ろしい物語ですね。純粋に狂ってますね、ほんとに。
個人的にはこういうのは好きですがw
…けど今の世の中実際に起こりかねないから、いやだ(汗
- 58 落日の挽歌 (採点:4)
- 話の筋としては面白かったです。
ただ、イマイチ花がないというかもう少しなにかがほしかったですね。
それが残念でした。
- 59 幼少時 (採点:2)
- 短くまとめてイヤな感じをうまく出そうと思っているのでしょうが、イマイチうまくいっていませんね。
それが残念だったかと。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:5)
- かんっぜんに調理失敗しているのが惜しいかな、と。
なんか最後のオチで逆にしらけました。
いや、このオチは普通ありだと思うんですけど。なんかね…。
それがほんとに残念でした。
- 61 Letter to you (採点:8)
- あ〜もうなんていうかなんていうか…。つーかなんでこんなこと起きますかねっ(号泣&意味不明
ごめんなさい、取り乱しました。
ストーリーを作るという話を交えての二人のやり取りがいいですね。
またストーリー作りの際、そして公開の際、それらについて丁寧に書かれていてよかったです。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:9)
- うまいなあ…始めからもう一度読み直したけど確かに矛盾がない。
すっかり騙されました。
また、最後のシーンの遠藤薫がいいですね。
>ひょっとしたら、自分の人生は狂うかもしれない。知美や朋也のように。
>だがこれが朋也を殺した彼女なりの責任の取り方だった。
ここが個人的によかったです。
- 64 発狂した宇宙 (採点:7)
- 「物」にみられている、というのは面白い考えだな、と思いました。
それを見事に調理してくれたと思います。
面白かったです。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:6)
- 二人のくすぐったいやり取りがいいですね。
個人的には傘のエピソードが好きです。
雨で傘を渡すっていうのはよくありますが、そのことで渡された相手が傷つくっていうのは案外珍しいと思うので。
- 66 似たもの親子 (採点:4)
- ブラックジョークですなw
なかなか面白かったです。
ただ、AとかCとかの記号表現はやめてほしかったかな。
いや、これはこれで雰囲気でているのか?
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:7)
- ちょっとしたSFものですね。
割かしお約束ものですが、きちっとかけていていい感じかと。
あと文章表現がうまかったです。きれいだった。
- 68 私的な三色信号機 (採点:8)
- 設定がほんとに面白いですね。
そのことで友達がいなくなるのも確かに自然な流れだと思いますし、よく考えられていると思います。
ただ、オチはこれはこれで好きなんですけど、もうひとひねり欲しかったですかね。というか続きが読みたいですね。ほんとに。ここで終わるのはもったいないというかなんというか。そんな感じでした。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- 記憶喪失の話のテンプレートというのでしょうか。
それがそのままだったのがどうも哀しいかな、と。
もう少し何かがほしかったなぁと思います。
- 70 雨ごい (採点:7)
- そうくるか、そうくるのね、そうくるんだw
作者さんあんた馬鹿だろw(ほめ言葉
- 71 デジタルペット (採点:6)
- 電脳物に意思があるというのはなかなか面白い設定だと思いました。
しかし、それだけに最後のオチが残念です。
もう少し違うオチにしてほしかったなぁ、と思います。途中のたまごっち殺しのネタとは好きなだけにそれが残念でした。
- 72 しろゆめ (採点:6)
- 夢の中でのふたりのやり取りが面白いです。
テンポもよく楽しんで読めました。
- 73 Saturday 7.15 (採点:5)
- やり取りが楽しく描かれているのがよかったです。
こういう馬鹿みたいなやり取りっていいですよね♪
- 74 告白ごっこ (採点:5)
- うーーーーん、ここから先ありきたりなオチになるのかもしれませんが、やはり何らかの結論を書いて欲しかったですね。
あーや@フルバ(知らなかったらごめんなさい)とシチュエーションは似ていますがやはり感情を得る展開がやや唐突かと。
もうすこし書いて欲しかったです。好きなシチュエーションではあるのですが。
- 75 君の後ろで (採点:9)
- 岩田君と結ばれていないっていうのがなかなかいい感じでした。
(ひねくれているなぁ、自分。でもこの作品にはきっとあっているでしょう)
ふつうそうそううまくいくものでもありませんしね。10年後の自分という作文を小道具に使いうまくやってくれた、と思いました。
二人乗りで最後〆るのもすごくいいかと。途中の伏線が上手く効いていました。
雰囲気もすごくよくよかったです。
- 76 落果 (採点:3)
- 雰囲気はいいのですが、もう少しなにか欲しかったかな。
ちょっと内容的に寂しいです。
- 77 いつも心に太陽を (採点:7)
- >彼女の心に、優しい晴れ間が顔を覗かす日も、そう遠くはないのかもしれない。
個人的には最後の一文が余計かと。
設定とかおばあちゃんと沙莉のやりとりはステキでしたし、この作品はすきなんですが…どうしても上の部分が気になりました。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 二回目に目が出たときにああ、このサイコロはいかさまだな、と気づきましたが、面白い使い方をされていますね。
最後の理由付けが実にお見事でした。
よかったです。
また、死神のキャラが実によかったです。
- 79 home, my sweet home (採点:5)
- ストーリーの流れは好きです。
バトルをかなりいい感じで描写してくれているのはわかるのですが、どうも苦手です(汗
そのせいでどうも冷めてしまったり。すみません…。
○JING さん
- 05 魔 王 (採点:6)
- うははw そうきたかw
奴らは人類の敵です。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:1)
- ごめんなさい、開いた瞬間読む気が無くなりました。
もう少しレイアウトに気を使った方がいいと思います。
もし狙ってやってたのだとしたら、残念ながら私には受け入れられなかったということで。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- 河と川の使い分けには何か意図があったのでしょうか?
○Manuke さん
- 01 きれいなほし (採点:9)
- いいですね。
『君』の中に生を見る『僕』と、『僕』と世界を「生きている」と表した『君』。
美しいお話でした。(別にグロくはないと思いますー)
途中、モールス符号が出てきたので頑張って解読したのですが、無駄な努力でした(^^;)
- 02 息吹 (採点:9)
- 視点が面白いですね。
優しい感じのお話でした。
- 03 strangers in the city (採点:5)
- うーん、ちょっと共感できませんでした。
と言うか、そもそも構ってくれる子がいる時点でかなり幸せ者なのでは?(^^;)
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:4)
- うむむ。
ごめんなさい。楽しめませんでした。
二人のやり取りは軽妙で良いですね。
- 05 魔 王 (採点:10)
- 冒頭でなんとなく展開は読めたのですが、それでも面白いです。
雅夫君はいつか、選ばれし勇者に倒されてしまうのでしょうか(^^;)
- 06 left wrist watch (採点:3)
- んと、ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
腕時計が意味ありげに見えたのに、今一つお話中で活用されていないように思えます。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- お話は可愛いのですが、もう少し意外な展開があると良かったかな、と感じました。
奥さんは健気で良いですー。
- 08 傷跡が残すもの (採点:3)
- 「右脚の痣」はテツオ君と直接関係ないようですし、少々焦点が外れているように感じられました。
轢き逃げ事故とテツオ君が助けた状況は一つにまとめた方が良かったかもしれません。
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 仙人話らしくて面白かったですー。
飄々とした僕僕が良い味を出してますね。
- 10 また共に笑おう (採点:3)
- うむむ……。
ごめんなさい、今一つ楽しめませんでした。
キャラクタはなかなか良い味ですが、会話にもう少し切れが欲しいと感じます。
- 11 江南小話 (採点:9)
- ふむふむ、これはなかなか目の付け所が面白いお話でした。
祖父のことは知っていらしたのでしょうねー。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:3)
- うむむ、科学考証にかなり無理があるかと……。
雪は健気で良い印象でした。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:3)
- ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
メインの二人よりも、加須山先生の方に好感を覚えます(^^;)
- 14 ユメのおわりに (採点:3)
- うーん、もう少し展開に意外性が欲しいと感じます。先が読めてしまいました。
奈々子嬢は可愛くて良い感じです(^^;)
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:2)
- ごめんなさい。退屈にしか感じられませんでした。
表現力には確かに感心するのですが……。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:2)
- いや、この長さでその設定の物語を動かすのは無理がありすぎるかと。
複座なのに一人で操縦してたというのも苦しいです(^^;)
設定自体はなかなか面白いと思いますし、キャラクタにも味がありました。赤星社長とか。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- タイトルのひねりは面白いと思いますが……。
内容はあまり楽しめませんでした。
- 18 さらば世界よ (採点:1)
- あー、えっと……。
すみません。楽しめませんでした。
もっと登場キャラクタを絞って、お話の核をはっきりさせた方が良かったのではないかと思います。
- 19 青い春 (採点:3)
- うーん……。
ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
二人は初々しくて悪くないのですが、単に「デートしました」以上の話には見えなかったので。
- 20 A Darkness more than night (採点:6)
- 光速の七パーセントで、ウラシマ効果がそんなに働くはずがないと思うのですが……。
加速度を上げすぎて死んでしまったというのも、ちょっと疑問に感じました。単に内乱で死んだことにすれば良かったのでは?
マリィはなかなか意味深でいい感じです。
- 21 bright shine on time (採点:3)
- なんだか随分都合がいいような……(^^;)
ごめんなさい。今一つ楽しめませんでした。
佐々木さんはなかなか可愛いですね。
- 22 瑠璃 (採点:3)
- うーん、ごめんんさい。面白く感じられませんでした。
瑠璃はあまり魅力的に見えず、むしろ主人公が素直で好感が持てました。
- 23 世界の終わりは (採点:5)
- もう少し展開に意外性があると良かったのですが。
また、末尾の言葉はどうも押しつけがましく感じてしまいました。
少しシニカルな印象の彼女はなかなか魅力的です。
- 24 禍疎 (採点:5)
- 伊達、ですか……。orz
それはともかく、あまり面白くは感じられませんでした。ごめんなさい。
久居津女嬢(くいつめ、と読むんでしょうか?(^^;))はなかなか魅力があるキャラクタですね。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:4)
- うーん……。
状況が作り物っぽく見えてしまい、楽しめませんでした。
赤の他人の気持ちをそう簡単に推し量れるものなのか、ちょっと疑問です。
- 26 ピーナッツロジック (採点:2)
- ごめんなさい。私には楽しめませんでした。
会話が作り物めいて感じられます。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:4)
- うーん、もう少し深みが欲しいと感じました。
それから一般論としてですが、「星が綺麗に見える場所」というのは、すなわち周囲に明かりがないということです。
街の光は星明かりよりも圧倒的に明るいので。
- 28 その交渉は無理がある (採点:6)
- うぅ……(^^;)
なかなか面白い展開ですけど、無理ありすぎです(笑)
美咲嬢は可愛いですが、小学三年生と言うには会話が大人びているようにも感じました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:5)
- んーと、ごめんなさい。
何を仰りたいのか読み取れませんでした。
表現力はかなりの高レベルだと思うのですが……。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:8)
- うーん……悪い話ではないどころか、雰囲気はとても良いのですが……。
お話としての面白みには欠けているように感じられました。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- うーん。いや、ほのぼのしてるんですが……。
いくらなんでも状況的にあり得ないんじゃないかな、と。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- んー、ストーリーの一部を切り取っただけのように見えてしまいました。
遙は可愛くて良いですー。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- うむむ、寛大だなぁ、と。
葵嬢はなかなか素敵なキャラクタですね。
- 34 美談 (採点:2)
- んと、ごめんなさい。
面白く感じられませんでした。
- 35 負け犬 (採点:2)
- うーん……。ごめんなさい、面白くありませんでした。
あと、いくらなんでもダイオキシンと星が見えないことに直接の関連はないかと(^^;)
- 36 停電の訪問者 (採点:4)
- 前振りから想像が付いてしまいました。
もう少し展開にオリジナリティがあると良かったのですが。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:8)
- なるほどなるほど。
タイトルが振るっていて良い感じです。
- 38 茨の森 (採点:2)
- うーん、ごめんなさい。
面白く感じられませんでした。
ストーリー自体が自己完結しているように見えてしまって……。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:3)
- シリウスは二重星なので、分けっこしたらいいんじゃないでしょうか。
もっとも、シリウスBは白色矮星ですけど(^^;)
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:10)
- いやー、面白いです。意識のエミュレートに関する部分とか。
(この場合はむしろシミュレートとするべきかとは思いましたが)
何より仲松所長(名前からしてアレですが(^^;))のキャラクタが良いです。タイトルから考えると、世紀の天才フォン・ノイマンになぞらえていらっしゃるんでしょうか。
ただ、下田君の結論はもっと弾けて欲しかったように思います。
(この状況だと、仲松所長によって社会的に抹殺されそうな気もしますし(^^;))
- 41 らくがきを消しに (採点:7)
- いや、私も廃屋探検とかはしましたが、さすがに三階まで脚立で上るのは危なかろうと……(^^;)
面白いことは面白いですけど、もう少し何かが起こると良かったように思います。
キャラクタは三人とも個性があって魅力的でした。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:4)
- うーむ……。どちらも身勝手だなーと思いました(^^;)
妹嬢は健気で可愛いですね。
- 43 帰郷 (採点:5)
- つまらなくはないのですが、設定を作りすぎている感があり、あまり楽しめませんでした。
結末はなかなかに切なくて良いと思います。
- 44 勝者は語らず。 (採点:1)
- 銃撃戦に終始するという意欲は買いますが……。
ごめんなさい。面白くはありませんでした。
それから、句点の使い方や文章に少々ミスが見られました。校正はしっかり行いましょう。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- え……ちょ……。これで終わりですかっ?
あんまりにも都合が良すぎる展開なので、何か波乱が待ち受けているのかと思ったのですが……。
- 46 決まりきった世界 (採点:4)
- 彼、妙に素直なんですね(^^;)
「相手の行動パターンがすべてわかる」はずなのに、ちっとも理解できていないのは、そもそも前提が崩れているように感じてしまいました。
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- 良いお話だとは思いますが……。
ごめんなさい。個人的に納得したくないので(^^;)
- 48 愛されるより愛したい (採点:7)
- アンチテーゼとしては面白いのですが、そもそも友情と愛情ってそんなに区別する必要のあるものなのか、引っかかってしまいました。
- 49 忘れてしまった (採点:6)
- んん?
詰まらなくはないのですけど、オチをこうされた意図が見えませんでした。
- 50 ある朝 (採点:6)
- 不条理と言うか、悪夢ですねー(^^;)
でも、「嗚咽をもらした」の下り、ちょっと意味が通らないような……。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:6)
- うーん。悪い内容ではないし、傾向は好きなのですが……。
やはり、この長さで終わらせるお話ではないかと。15KBで人生を語るのは難しいように感じます。
- 52 ロボット寄生 (採点:10)
- 面白かったですー。
……と言うか、理想の生活?(笑)
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:5)
- ううむ……。
前半はとても面白げな進行だったのですが、ちょっと後半で肩透かしな感がありました。
カワセミ嬢は可愛いですけど、お話としてのバランスは良くないかな、と。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- うーん……。
お話として面白く感じられませんし、自己完結した結論も真新しさに欠けます。
少女のキャラクタ作りも浮いているように感じました。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- ほのぼのしていて優しいお話でした。
照男君が可愛いですね。
- 56 子供の夢 (採点:6)
- オチは面白いです。
ただ、その過程の文章は少々くどく感じられました。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- 「名前書き忘れたんだ」で笑わせてもらいました。
大筋は読めてしまいましたが、あっけらかんとした言葉がブラックで良いです。
- 59 幼少時 (採点:1)
- あれ? これだけですか?
物語の体を成していないように感じます。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:3)
- うーん、オチがあまり面白くありませんでした。
でも、慎太郎君はなかなか格好いいじゃないですか(^^;)
- 61 Letter to you (採点:6)
- オチは見え見えですが、可愛くて良いと思います。
ただ、途中のくだりには正直共感できませんでした。
- 62 Why do you do it? (採点:1)
- あー、えと。
ごめんなさい。面白いとは感じられませんでした。
結論に全く共感できないとは言いませんが……。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:6)
- 叙述トリックと言うには少々弱い気がしますね。
身勝手な醜悪さはなかなか面白い感じでした。
- 64 発狂した宇宙 (採点:4)
- 最初はフレドリック・ブラウン氏の著作にちなんでタイトルを付けられたのかと思いましたが、どうも違うようですね。
残念ながら、名前があからさま過ぎてネタが割れてしまいました。
理解できない異質な恐怖という部分は興味深いと思います。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:7)
- なかなか可愛い二人ですね。
夢をあきらめず努力する今井君が好印象でした。
- 66 似たもの親子 (採点:8)
- ウィットが効いていて面白かったです。
ただ、「美食の限りを尽くして、遂に自分自身を食べてみたくなる」というショートショートは、もっと強烈なもの(確か小松左京氏)を読んだことがありますので……。
フェアとは言えないかもしれませんが、ご容赦ください。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:6)
- 少々思わせぶりで面白いのですが、彼の言葉がありきたりで新鮮味に欠けるのが難点です。
ミステリアスな彼のキャラクタは良い感じでした。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- ネタとしては面白いと思うのですが、今一つストーリーの中で活かし切れていない感がありました。
オチもやや複雑な後味ですし。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- ???
花梨さんって誰なんでしょう? ここが分かりませんでした。
それから、24時間毎に記憶が消えてしまうという設定は、少々オリジナリティに欠けるように感じられます。
(記憶障害で新しい物事を覚えられず、メモ帳等を記憶の代わりとしている方は実際にいらっしゃるようですが)
- 70 雨ごい (採点:9)
- 何が降ってくるオチなのかと思ってたら……(^^;)
女の子の状態表現がなかなか凝っていて面白いです。
- 71 デジタルペット (採点:8)
- 面白かったんですが、最後のオチはちょっとありがちかな、と思います。
あと、「あなた」がログインしないと「日常の演算」が行われないとありますが、だとすると「ボク」はその間稼働しているのでしょうか?
ここには少し違和感を覚えました。
- 72 しろゆめ (採点:1)
- うーん……。
ごめんなさい。私にはお話の意図が理解不能でした。
- 73 Saturday 7.15 (採点:5)
- 楽しいことは楽しいのですが……。
少々、テンプレート的に感じてしました。
UFOは結局出て来ないのだろうと予期してましたけど、その通りだとやはり寂しいですね(^^;)
- 74 告白ごっこ (採点:3)
- うーん……。
いくらなんでも悪趣味な悪戯ですから、共感できませんでした。
と言うか、こんな中田君の性格を理解していながら受け入れる小倉さんが理解できません(^^;)
- 75 君の後ろで (採点:5)
- うーん、ごめんなさい。
お話は悪くないと思うのですが、題材的に好みに合いませんでした。
- 76 落果 (採点:4)
- あ……あれ?
このお話はどう読めばいいのでしょうか? ごめんなさい、全く趣旨が分かりませんでした。
- 77 いつも心に太陽を (採点:4)
- うーん、ちょっとお話の趣旨が見えてきませんでした。
祖母が沙莉に世界の在り方を偽っていた理由が飲み込めませんし、祖母が亡くなる課程もお話と関連しているように見えません。
おそらく背景となる設定があるのでしょうけど、長さから言って少々無理をし過ぎに感じられます。もう少しネタを絞り込む方が良いのではないかと。
- 78 ラックラック♪ (採点:7)
- お話はなかなかに面白いのですが、サイコロの目が1しか出ないと早いうちに分かってしまいますから、論旨もだいたい読めてしまうんですよね。
死神との勝負は最初の一回だけに抑えて、イカサマであることはもっと後まで分からないようにした方が良かったかもしれません。
- 79 home, my sweet home (採点:7)
- なかなか面白くはあると思います。
ただ、作品内設定がやや過剰で、今ひとつ没入できませんでした。
例えば「"癖"がつく」ことや、FISの存在意義などです。
敵の正体に言及しないのも意図的でしょうが、やはり寂しいですね。せめて非人類の敵なのか、あるいは人間なのかは知りたいところです。
このせいもあって、作品世界の悲壮感が不足しているように感じられます。
○Natsu さん
- 01 きれいなほし (採点:4)
- いつになったら設定が明かされるのかと思いながら最後まで読みましたが、結局わからず。
ワンシーンを切り取るにしてももう少し説明を加えてほしかったです。
綺麗な文体は心地よかったので加点。
ただ、ダークと表記すると変に身構えてしまうのでせっかくの文章が活かしきれないかと思います。
- 02 息吹 (採点:6)
- 大人向けの童話といったところでしょうか。
お手本のような丁寧で無駄のない文章は素晴らしいと思いました。
- 03 strangers in the city (採点:3)
- メッセンジャーなどのアイディアは面白いと思いましたが、そういった小道具が浮いているように思いました。
主題はヒキコモリでしょうか。
それなら説得力が感じられる描写がほしかったです。
ヒキコモリが外に出られるようになったと結果だけ言われても何も感じません。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 同棲の経緯があまりに非現実的で、それなのに生活サイクルは妙にリアルで俗っぽいので、アンバランスな設定だと思いました。
男の子がいるせいでリアルな話として感情移入できません。普通に友達とか恋人という設定ではダメなのでしょうか。
主人公の一人称は軽快で上手いと思います。
- 05 魔 王 (採点:6)
- 課長バカを思い出しました。
脱力系ギャグ万歳。
- 06 left wrist watch (採点:4)
- 比喩表現が多すぎです。
上手いと思う表現も多かったですが、ここまで使われるとかえって読みにくくなります。
オチも比喩だったし、ちょっと食傷気味。
それから彼女が別れる理由が説明されてないので、オチをすんなり受け入れることはできませんでした。
まぁ自分からプレゼントしたのに給料がふっとんだとか物欲しそうな視線を送ったとか言う主人公が微妙に嫌なやつだとは思いましたけど。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:4)
- キャラの魅力が乏しいように思いました。
というか20代後半の大人には見えません。
ベタなストーリーでも面白いと言わせるだけの要素がありませんでした。
- 08 傷跡が残すもの (採点:4)
- 物語特有であるストーリーの起伏、文章表現の工夫、オチといったものが見えず、面白くもない現実を淡々と描いているようでした。
これはこれでいいのかもしれませんけど小説というより手記のようです。
もう少しいい意味で作り話っぽくしてほしかったです。
- 09 僕僕先生 (採点:6)
- モチーフとなった出来事は知らないので完全オリジナルとして採点します。
いろんな意味で共感できる部分が多かったです。
まず仙人のキャラが好きです。
何と言っていいかわかりませんが、ああ中国娘だなぁ、と思いました(笑)。
一方、主人公の父親は影が薄いし、いなくても成り立ちそうなので出す意味があるか疑問です。
>仙人ってのは実に不憫な種族でね。人間界のしがらみを断ち切って仙界に来たはいいが、その実人間が大好きなんだな。愚かだ何だって人間を蔑んだり哀れむふりをしながら、結局こうやって人のにおいがするところに時々降りてきてしまう
わかります、何となく。
歴代の仙人って大体そうですから(笑)。
- 10 また共に笑おう (採点:2)
- 場面は変わらずに二人の会話が続き、情景描写も少ないので、漫才を見てるようでした。
主人公たちの性別を無意味に隠したのはマイナス。
こっちは最初から性別が逆だと思って読んでたので、驚きよりも不快感の方が大きいです。
静かな話だったのに途中でいきなりアクションの描写が入ったのは驚きました。明らかに浮いてます。
二人の関係を表現したかったのでしょうが、一つの挿話のために全体の雰囲気を壊すのは感心しません。
- 11 江南小話 (採点:3)
- 歴史小説は読まないので、どう評価していいか迷いますが、内容は事実の列挙が多く、作者なりの遊び心やアレンジといったものが見えないので高評価はできません。
歴史小説としてはこれで完成されているのかもしれませんが、点数は普通の小説としてつけます。納得いかなかったら申し訳ありません。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:3)
- 長編の第一部が終わってこれから第二部に突入、といった感じでした。
やはり納得いかないのはラストの音声ファイル。
これは読者の立場から言うと、それまで描かれてきたことを思い出して感慨にひたるものだと思います。
映画だったら音声を流しながら回想シーンに入ってるかもしれません。
何も描写されないままいきなり回想シーンだけ流されてもこっちは訳がわかりません。
テーマが大きすぎてこの容量では最初から無理だったと思います。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:7)
- 全体的に無駄のない機能的な上手さだと思いました。
テーマがしっかりしていて内容も過不足なく、伝えたいことを明確にしているため、非常にわかりやすかったです。
内容よりも文体がモロに好みです。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- 途中でオチが読めましたけど構成自体はよかったと思います。
二人のすれ違いといったものがよく表現されてました。
ただナナコちゃん、何も悪くないのに悪役にされてるみたいで可哀想だな(笑)。
難点を言うと、この作品に限ったことではないですが、長編の第一話を短編にするのはどうかと思います。
結末をあえて描かない作品はありますが、これは余韻が残るわけではなく、読みたい部分がカットされてます。
明らかに容量不足ではないかと。
>東京って、遠いんだね
いいセリフです。
今回こんぺで最高に気に入りました。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:3)
- ぎっしり詰めこまれてて読みづらそうでも物語に引き込まれて最後まで一気に読めました。
読ませる文章だと思います。
まったく面白くなかったですが。
どんなにダメな商品でも巧みな弁舌で客に商品を買わせる詐欺師っぽいセールスマンのような印象を抱きました(ある意味褒めてるつもりです)。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:4)
- ロボットに詳しくないのですが、複座型に一人で乗るのはまだしも、山で拾ったやつをパートナーにするのはさすがにありえないと思いました。
一人ぐらいは乗りたがる人いると思うんですけどね。そのへんの説得力がないですね。
それにこんな大掛かりなイベントを隠すというのは不可能だと思うのですが。
この作品はリアリティがないというよりも設定上の穴が目立つので、正直完成度が低いと思いました。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- 何というか、あまりにくだらなすぎて面白いと思うより途中からうざくなりました。
周りに呆れられてるのに気づかずにつまらないギャグをやり続けるクラスメートみたいです。
- 18 さらば世界よ (採点:1)
- 修飾語をたくさん使えばいい文章になるわけじゃないんですよ、本当に。
ここまでくると笑えてきます。もちろん悪い意味で。
ストーリーの方は、三人の家臣の部分は不要だと思います。
あとはキャラの名前が複雑で覚えられない点や、この王様はどこが名君なのかわからないところなどいろいろありますが、それはまぁ枝葉末節です。
まずは読みやすい文章を目指しましょう。
いきなり難解な表現を連発してもまず失敗しますので。
- 19 青い春 (採点:4)
- 初々しいのはいいんですけど、普通でした。
どうせデートシーンだけを書くならもっと突き抜けてほしかったと思います。
- 20 A Darkness more than night (採点:3)
- ヒトと機械の対比が面白いです。
文章が難解でちょっとついていけませんが。
それから出てくる数字が細かすぎです。
読みにくいだけでなく、無駄の多い文章であるというイメージを持たれるので、これはマイナスだと思います。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- 何というか、セリフがやっつけ仕事っぽくて重みがまったく感じられません。
佐々木さんは好きな男や告白してきた男に対してなぜあそこまでそっけない会話ができるのでしょうか。
それから主人公の一人称がテンション高すぎで、変な人みたいです。
キャラの性格がつかめないまま物語が終わってしまいました。
- 22 瑠璃 (採点:5)
- これは採点に困る……。
まず会話のテンポが素晴らしいです。
モニターを見てるすぐ横にキャラが舞い降りてきて目の前で会話してるかのようでした。
もはやリアルを通り越して臨場の領域に達してます。
それから私は本多孝好氏のことは知らないので唐突に出されても困るのですが、それ以上に誰もが知ってるわけでもないものを、知ってることを前提に展開されるのはかなり不快でした。
瑠璃のモデルが本多氏の作品のキャラであることがラスト付近で明かされ、その後の展開も作品の内容になぞらえてるみたいなのに肝心の作品の内容はまったく説明されない……これまで読んできた自分がバカバカしくなってきます。長編だったら怒り狂ってますよ。
作品の方向性が合わない読者はお断わり、というのはまだいいですが、作者と趣味が合わない読者はお断わりというのは寛容できません。
文章は最高なのでプラス5点。本当は0点つけたいです。
- 23 世界の終わりは (採点:3)
- 丁寧な構成だと思いましたが、キャラにまったく魅力を感じませんでした。
嫌なやつだからではなく、セリフが無機質でロボットみたいな印象でした。
- 24 禍疎 (採点:4)
- 静寂な校舎で奇天烈な行動をとりながら淡々としゃべる津女に対しては、幽霊のような印象を持ちました。
なのでラブシーンやエロシーンはあまり萌えなかったです。
ストーリー自体はよくまとまってましたが、単にエロシーンを見せたかっただけのように思えたので、それほど高い評価はしません。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:4)
- 説得力がないというか、納得できない描写が多かったです。
一人でいるなら無表情でも珍しくないと思いますし、車内の空気が悪くなったぐらいで降りるのもどうかと思います。
タクシーの車内の雰囲気はよく描けてたと思いますが。
- 26 ピーナッツロジック (採点:2)
- 全体的に文章を書き慣れていない印象を受けました。
中途半端なところで改行してあって読みづらいです。
また、片方のセリフが連続してる部分があり、二人の口調も似ているので、どちらがしゃべってるのかわかりにくいです。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:6)
- 描写がいいです。
綺麗な星空の場景と、綺麗な文章が見事にマッチしてます。
この雰囲気だけで点数はつけられます。
難点は、デートで日向ぼっこしたシーンだけが浮いてました。
死というテーマを扱うにはほのぼのしすぎてるんですよ。
本人たちはあの雰囲気を味わってるのかもしれませんが、読者が一緒に味わうと、物語のテーマについていけなくなります。
- 28 その交渉は無理がある (採点:3)
- ツンデレとありますが、ツンの部分が描写されてないのでイマイチ伝わってきません。
と、それは置いといて。
>お兄ちゃんはずっとわたしのために断り続けてくれるはずだから。それでもわたしはやらなきゃいけない風に話を持っていけば、お兄ちゃんはきっとわたしのことを…
意味がまったくわかりません。
他にも主人公が言った「条件」の内容もわからないし、美咲が小声で言った内容もわからないので、集中して読めません。
内容を理解するのに苦労するので、萌えるだけの余裕がありませんでした。
萌えに小難しい理屈は不要と言っておきます。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:3)
- 怖い話です。
最後のあっさりした事故死は置いといて、老人が不気味すぎます。
ちょっといい印象は持てませんでした。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- ……ため息しか出ません。
何と雄大で優しい作品。こんぺでこれほどの衝撃を受けたのは本当に久しぶりです。
遊び心溢れるキャラクター、五感に訴えるような文章、改行や言葉選びの一つ一つにもセンスを感じます。
最初から最後まで物語に引き込まれっぱなしでした。ああ! もう子供たち可愛すぎる(笑)。
まぁ一言で纏めると、全部良かったです。
全作品で唯一、金を払ってでも読みたい作品でした。ありがとうございます、ただで読ませていただいて(笑)。
- 31 戦場の休日 (採点:2)
- ツンデレというより頭が逝っちゃってるように思いました。
遊びならともかく、リアルな戦争と萌えを同時に扱うのはいかがなものかと。
- 32 バスが来るまで (採点:2)
- 私に妹属性がないせいもあると思いますが、あざとすぎて寒くなります。
ストーリーについては、はっきり言ってどうでもいい部分だと思ったので、採点の対象外にしました。
この点数は、妹に萌えたか否かだけでつけました。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:5)
- 友人の存在意義がわかりませんでした。
主人公と男の子のストーリーがメインなので、それに関わらない友人は出す意味がないと思います。
受験期という設定にする意味もわかりません。
無駄な枝葉の多い話だと思いますが、メインのストーリーと男の子のキャラはよかったと思います。
- 34 美談 (採点:1)
- 最大の問題点は、主人公のキャラが支離滅裂に見えることです。多重人格者でしょうか?
それにつられてか、他のキャラもどこかおかしい気がします。
- 35 負け犬 (採点:3)
- ダークでしょうか。
兆候などは見られず、いきなり主人公が異常になっていくので驚きました。
ちょっと説得力が感じられなかったですね。
- 36 停電の訪問者 (採点:5)
- 騙されました。
読者を騙すための工夫という点は問題ないと思います。
問題なのはトリックの必要性です。
この手のトリックは、幽霊でなければならない展開でなければダメだと思います。
どこか不自然な話だけど幽霊だったらすべて説明がつく、といった感じの。
この話は幽霊じゃなくても成立しそうなので、トリックの意味がないと思いました。
明かさなくても問題ない裏設定を明かされた気分です。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- 青春系ラブストーリーですね。楽しいお話でした。
バイオリンの演奏シーンは読んでて本当に音が聞こえてくるようでした。
- 38 茨の森 (採点:1)
- 序盤は読者に何も説明していない状況でセリフだけが羅列していくので、読む気がなくなりました。
こんぺでなかったら全部読んでいないと思います。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:7)
- 清澄な文章は素晴らしいと思いました。それだけで高得点を出したくなるぐらいに。
なぜシリウスを持ち帰るなどという非現実的な出来事を挿入したかはわかりませんが。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:5)
- 物語の核である仲松の薀蓄が楽しかったです。
逆に言えばそれだけの話とも言えますが。
キャラもよかったです。両方の気持ちに共感できました。
- 41 らくがきを消しに (採点:1)
- 読んでる途中は果穂に対する嫌悪感で一杯でした。
いくら友人でもあの態度はありえません。
内容はそこまで酷くないのですが、この1点は果穂に捧げます。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:3)
- 文章が難解で、設定が複雑です。
妹は死んだのかどうか、最初の方でしゃべってる妹は幽霊なのか、ラストで主人公は死んだのか。
いろいろ謎が残ってすっきりしないお話でした。
- 43 帰郷 (採点:3)
- オチが読めたのと、木から落ちるくだりがKanonのあゆシナリオを彷彿とさせたのが減点(Kanon知らなかったらごめんなさい)。
他にもトリックはKanonこんぺの「風の盆」に似てる気がするし、前回のオリ肉でもお盆ネタはあったし、どうにも既視感の絶えない作品でした。
それから文中に出てくる「帰郷」は、この村のローカルな言葉のようですが、叙述トリックとしてはルール違反だと思います。
- 44 勝者は語らず。 (採点:6)
- ここまで他の要素を無視して銃撃戦だけを描いてもらえると採点しやすいです(笑)。
設定などはこの際無視ですね。ハードボイルドとして楽しめました。
主人公がどんな性格だかよくわからないのですが、この戦いぶりを見る限りではかっこいいやつだと認識しました(笑)。
問題点は、専門用語で一般に馴染みのない言葉があるのに説明されていないのと、ラスボスがあっけなさすぎることです。
あとはドンパチというジャンル表記だと、日本のヤクザのようなイメージがあるので、外国映画っぽい方がよかったと思います。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:4)
- 文章は慣れてない感じですけど勢いがあって何となく好きです。
夢の中の女の子が誰だかわからなかったり、姫乃さんが実は図々しい性格だったり、主人公の名前が無駄に読みにくいなど気になる点が多いですけど、このテンポはいいと思います。
- 46 決まりきった世界 (採点:7)
- 参りました。
- 47 ローランダ、空へ (採点:8)
- 感動しました。
小さい頃に読んでいたら多分泣いてたと思います。
- 48 愛されるより愛したい (採点:6)
- 主人公のさばさばしたキャラがいいです。
こういう友情ものにはうってつけのキャラだと思います。
文章も上手いです。地の文と会話文のバランスが絶妙で、流れるように読めました。
改ページタグは読みやすさを損ねるのでマイナスだと思いましたが。
これを読んだとき「オーバー・タイム」というドラマを思い出しました。
男女の友情は成立するのか、というテーマの話です。
ただ、脚本家の北川悦吏子氏は、こうも語ってました。
「このドラマを見たからといって男女の友情に対する答えは見つからない。だってこれは楓と夏樹(主人公とヒロイン)の物語であって、男女の友情という普遍的な物語ではないのだから」と。
この作品にも同じものを感じました。
これは主人公と、友達の男の、一つのフィクションであって、現実に男女の友情が成立するという説得力はないと思います。
男女の友情をテーマにしたければ、作中の周りの人間も読者も誰もが認めるような描写がほしかったです。
- 49 忘れてしまった (採点:7)
- 世にも奇妙な物語のようです。
アイディアは平凡ですけど心理描写が上手いし、何よりもラストの女の人(母?)の反応がもの凄く怖いです。
恐怖短編として楽しく読めました。
- 50 ある朝 (採点:1)
- ホラーではありますが、まったく怖くないです。
状況がほとんど描写されておらず、手抜きにも感じました。
未知のものへの恐怖というものは確かにありますが、単なる描写不足だと怖さは感じません。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:5)
- 主人公の一人称が幼いままなのが気になりました。
時間の経過と共に変えていってほしかったです。
他は特に言うことありません。優しいお話で好印象でした。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- ほのぼのSFとは珍しい。
設定は完全に非日常なのに雰囲気で日常を醸し出してるとこなんかは上手いと思いました。
楽しいお話をありがとうございます。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:1)
- 意味がまったくわかりませんでした。
改ページタグが多すぎて余計に長く見えます。
わからないものを延々と読むのはかなり疲れます。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- 突然場面が変わったりするので、状況がつかめません。
設定も複雑なわりに説明が乏しいので、どういう話なのかが理解しづらいです。
主人公が心情を吐露する場面も、内容が抽象的で、おまけに掲示板の落書きみたいで共感できません。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- アイディアはありきたりですけど構成が抜群に上手く、文章も読者に感情移入させるだけのパワーを感じます。
何よりも最後のお母さんのセリフが見事すぎるほど決まってます。
一つの作品としてこれ以上ないほどの完成度でした。ありがとうございます。
- 56 子供の夢 (採点:3)
- 地の文が「〜〜た」で終わるのが多すぎるし、リズムも一定すぎるので、読んでて退屈です。
それから改行があまりに多すぎます。
作中では長い時間が経っているわけですが、それを改行で表現すると読みにくくなります。
一発ネタのわりには長すぎて中身がないと思いました。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:9)
- 川越君が犯人だとはわかったのですが、もう一人いたとは……。
さらにミステリかと思ってたらダークだったとは……。
すっかり騙されました。大満足。
- 58 落日の挽歌 (採点:5)
- 一つの物語としてはそれなりに楽しく読めました。
ラストで人間に対する皮肉(?)らしき描写がありましたが、突然すぎてうまくいってないかと思います。
そんな意図がないなら申し訳ありません。
- 59 幼少時 (採点:1)
- 日記のような内容の薄さはいいとして、異常ですよこの主人公。
クラスメート(?)が交通事故に遭ったのにそれを無感情に語るのはちょっとどうかと思います。
その手の話に詳しくはないのですが、精神病かと思いました。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:2)
- この後、浩次とはどうなるのか、美奈子の気持ちはどうなるのか。
大事なことがいろいろ未消化のまま終わってる気がします。
容量が足りないわけではないし、どうも上手く纏められなくて途中で逃げた気がします。
- 61 Letter to you (採点:4)
- テーマが割れててどっちがメインだかわかりません。
恋愛物と、小説に関する話は、どちらかを削った方がよかったと思います。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- 読者の共感を得られれば成功なのだと思いますが、この手の作品は何度も見てきたので新鮮さが感じられません。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:5)
- 叙述トリックは上手くできてるとは思いましたが、精神病でもないのに一人称でこれは不自然だと思います。
騙されはしましたけどいい気持ちはしませんでした。
それから従姉で幼馴染という設定は何の意味もないと思いました。
- 64 発狂した宇宙 (採点:3)
- パラノイアについては知らないのですが、これはパラノイアがテーマなのか、普通のホラーなのかがわかりません。
パラノイアの体験談を元にした話のようで、ホラー的な要素も混じってるし、正直何が書きたいのかわかりませんでした。
それから宇宙の性別が後半までわからなかったです。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:4)
- 内容は悪くないですが、構成がまずいと思います。
冒頭の宇宙飛行士の夢は長く引っ張ったわりに大した伏線になってるわけではなく、拍子抜けでした。
少女(高辻さん)の名前を冒頭で隠したり、主人公の名前をラスト付近になって紹介するのも意味があるとは思えず、混乱しただけでした。
- 66 似たもの親子 (採点:4)
- 短いながらも丁寧で細かい設定は好印象です。
クローン技術を独占している点や、息子が、母親がわからないけど容姿が父親と似ている点など、さりげなくヒントをばらまいてるあたり、フェアだと思いました。
残念なのはタイトルのせいでオチが読めたのと、短すぎてストーリーに厚みがないことです。
この作品に限ったことではないですが、やはり一発ネタには限界があると思います。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:4)
- な、何だろう。
邦人女性が悪魔と出会ったという話でしょうか。
オチは何となくわかりましたが、ストーリーの大筋が今一つわかりませんでした。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- 前半は長編並の綿密な設定描写がありながら、後半のストーリー部分は短いので、竜頭蛇尾な印象でした。
文章自体は丁寧だったので長編だったら面白くなってたと思いますが、もったいないです。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- 設定の説明方法が強引だと思います。
最初の看護婦のセリフが説明くさかったり、主人公が手帳を盗み見たりするのは、書く側として楽な方へ行ってしまった気がします。
- 70 雨ごい (採点:3)
- オチは読めましたけど、儀式の場所を通るとき、なぜ普通に怖がってるのかわかりませんでした。
- 71 デジタルペット (採点:7)
- アイディアが面白いです。
内容はちょっとダークで読んでて悲しくなりますが、ペットが可愛くて微笑ましくもなりました。
難点を言うと、ペットが読者に語りかけてるのか、作品中のユーザーに語りかけてるのかわかりづらかったです。
- 72 しろゆめ (採点:2)
- 主人公の一人称が、本当に夢を見ているかのような臨場感がありました。
文章力だけはよかったです。
最初は新鮮でしたが、だんだん飽きてきますし、会話の内容がさっぱりわかりません。
それが夢だといえばそうなんですが、小説としてよく出来てるかは別です。
- 73 Saturday 7.15 (採点:7)
- ノリのいいストーリーと文章が面白いです。
さっちんに萌えたけど七ちゃんにも萌えました。ぶっちゃけ両方萌え。両方よこせ。
ただ、途中のセリフが横並びになってる部分は何の演出だかわかりませんでした。
- 75 君の後ろで (採点:3)
- テーマは自転車の二人乗りだと思うのですが、物語として昇華されていないと思いました。
剣道の試合などは本筋と関係ないのに長すぎるし、自転車の二人乗りはほんのワンシーンで、しかも彼とは別れてます。
好きだから二人乗りしたいと言っておきながらこれでは説得力がないと思います。
それからラストに出てくる啓太はどんな人だかわからないので、いきなり新しい恋人と言われても戸惑います。
- 76 落果 (採点:2)
- これで何が書きたかったのか、行間がまったく読み取れませんでした。
- 77 いつも心に太陽を (採点:8)
- 先を読みたくなるような魅力的な構成で、文章も上手いので、最後まで一気に読めました。
大掛かりな設定をよくここまで表現できたものです。
完成度は今回こんぺで屈指だと思いました。お見事です。
- 78 ラックラック♪ (採点:4)
- 昔話の内容はシリアスで、設定はオカルトで、死神のキャラはギャグ、と一つの話でジャンルがごっちゃになっており、どういう話として読むべきかわかりませんでした。
短い話なので、統一感がほしいです。
- 79 home, my sweet home (採点:2)
- 設定がややこしくて短編には向かないと思います。
ストーリーも機械的だったキャラがラストで急に人間っぽくなるのでついていけませんでした。
それから主人公の名前がDBなのかBDなのかわかりません。
元々馴染みのない名前だけにこの誤字は致命的かと思います(誤字じゃなかったら申し訳ありません)。
○Revin さん
- 01 きれいなほし (採点:4)
- ちょいとばかりポーズを意識しすぎた感じでした。
肝心の中身が文体的装飾に圧迫された感じで、今一つ読み応えがなかった。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 全体に漂う倦怠感がいいですね。
「下手くそな碁」とか「割り算が得意」という文章に、並ならぬセンスを感じました。
- 05 魔 王 (採点:2)
- あほですね!
俺が点数のベクトルを定め想定した「短編」から逸脱しているため点数は低いですが、好きです。
- 06 left wrist watch (採点:6)
- 色恋沙汰話の中では面白く読めた方でした。
小道具がうまい。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:4)
- 絵が浮かんできそうな話でした。
いいお話です。
好みの問題でカラくなってますけども。
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- これは実にいいすよ。
ドラクエで男魔法使いが賢者に転職したみたいな仙人ですね。
楽しそうな二人が、読んでて愉快だった。
それにしても、今回なんでこんなにちょいちょいエロスなんでしょ(笑)
- 10 また共に笑おう (採点:3)
- 逆だったのねぇ。
- 11 江南小話 (採点:4)
- 国語の教科書に載っていそうな話でした。
俺は系譜的なものは好きではないので、この点です。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:3)
- 何らかの逆転があるのだと思っていましたが、そのままとは。
そのせいか、読後の印象に欠けました。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- うっ・・・悲しいなぁ。
何とかヨリを戻してほしいです。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:6)
- 文章がうまいのは確かです。
でも意味不明ですな。
それほど惹かれる意味不明さではなかった。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:1)
- 失礼ですがちょっとサムかったです。
- 20 A Darkness more than night (採点:3)
- 途中、ちょいとくどかったです。
あまり宇宙は好きではないですが、話のスジは面白かった。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- シーンの整合性がなかった。残念。
- 22 瑠璃 (採点:4)
- 読みやすい。
ちょっと陳腐だがモチーフというかテーマがいい。
- 23 世界の終わりは (採点:5)
- 理屈がなかなか面白かったです。
- 26 ピーナッツロジック (採点:2)
- タイトルは好きだったんですが、内容はよく分かりませんでした。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:5)
- 結末以外は非常に面白かった。
実にもったいない!と思いました。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 妹萌え! はあはあ!
このお話は、これが最上級のほめ言葉になるんじゃないでしょうか。
- 34 美談 (採点:8)
- 面白い。
アンニュイな雰囲気が漂っていて、先の知れない展開。
こういう作者像が分からなく、何をしたいのか掴めない作品は好きです。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 何かよくわからないが惹かれました(笑)
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:3)
- 仕掛けは面白そうだったけど、結局は普通の別れを描いて終わっているのが残念でした。
- 41 らくがきを消しに (採点:3)
- Fateの3人娘思い出しました(笑)
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:2)
- 詩的すぎて微妙でした。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- 慣れてない感じがすごくしますね。
- 46 決まりきった世界 (採点:6)
- なにこれ(笑)
でもいいな(笑)
決して前衛的だったから、目新しかったからというだけの理由で面白かったのではないと思います。
- 47 ローランダ、空へ (採点:3)
- あまり好きではないベクトルでした。
- 50 ある朝 (採点:3)
- 続きを読みたくなった。
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- 面白かった。
トボルのキャラがいい(笑)
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:6)
- 体育教師、なんでだ(笑)
ちょいと無理があると思いつつも面白いお話でした。
- 59 幼少時 (採点:2)
- 情報が不足してる印象です。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:10)
- 読んだ中では一番面白かったです。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:3)
- 唐突で分かりにくかったです。
- 64 発狂した宇宙 (採点:3)
- 意味がよくわからなかった。
宇宙って名前が中性的なのもしっくりこない原因かもしれません。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:5)
- はあはあ・・・うっ!
心温まるお話でした。
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- 良質のブラックショートショート。
イニシャルトークは必要でしょうが、慣れてないとやはりちょいと違和感ありますね。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:6)
- 序盤、これはキタと思ったのですが、後半で少し失速した感じです。
- 68 私的な三色信号機 (採点:7)
- 面白い。
もう一歩突き抜けて欲しかったけれど。
- 69 雪、心々 (採点:3)
- 設定を面白く書きこなせなかった印象です。
陳腐に思えました。
- 70 雨ごい (採点:2)
- 布団に世界地図!
- 71 デジタルペット (採点:6)
- 続きを求めて先を急ぎたくなる文章でした。
でもオチがやや弱かったか。
- 72 しろゆめ (採点:1)
- 面白味のない意味不明さでした。
- 73 Saturday 7.15 (採点:8)
- いい!
軽快で爽やか!
萌え!
リズムよく読めました。
- 74 告白ごっこ (採点:3)
- まだ途中の印象。
題材は良さげだっただけに残念。
- 75 君の後ろで (採点:4)
- スカートの中にジャージ? そこに直れ!
性行為はあはあ。
- 76 落果 (採点:2)
- 興奮に欠けました。
- 77 いつも心に太陽を (採点:3)
- その「いい子」とか「誇り」といった部分がボヤッとしてる気がします。
そこは「多分こうなんだろうな」という一般イメージに任せていい部分なんでしょうか。
- 78 ラックラック♪ (採点:4)
- デス子さん萌え!
- 79 home, my sweet home (採点:4)
- マブラヴオルタ発売延期のトラウマをビシバシ殴られました!
意味不明ですいません。
BDとDBが混在してる理由がわからなかった。
話に関しては、感情にアプローチはしてくるんだけど震度が足りなかったといった印象でした。
○hubuki さん
- 46 決まりきった世界 (採点:2)
- うん?ずいぶん以前に「世にも奇妙な物語」で似たような話があったような。
○kishimasky さん
- 05 魔 王 (採点:7)
- こんなの大好き。
○stein さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 全然グロくなくないですか?
好きですこういう雰囲気。
- 02 息吹 (採点:7)
- いい話!文体もきれい。
環境破壊への警鐘を鳴らす、とかいう展開になるのかと思いきやそうならなかったところにも好感を持ちました。
- 03 strangers in the city (採点:6)
- 最近のネット界隈で閉鎖的なものの代表格として語られがちなSNSがヒキコモリの人を外に出すきっかけになるというのは逆説的で面白い。
でも歌の引用が直接的過ぎてちょっとションボリしました。
- 05 魔 王 (採点:3)
- 容量の異常な少なさと「虫けらのような俺たち」という比喩(比喩になっていないような気もします)でオチが分かってしまいました。
でもかっこいい文章だと思いました。
- 06 left wrist watch (採点:6)
- くどくない程度にディテールが書かれているところ(もぐってる時とか)にかなり好感。脳内であれこれ考えるだけでなくて実体験が生かせている感じ。書いてあること全てを作者さんの実体験と考えるのは早計ですが。
終わり方がイマイチなのがちょっと残念。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- いい話!
タイトルもイカす。
- 08 傷跡が残すもの (採点:6)
- 乙一好きですか?
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 面白いし先生がかっこかわいくて素敵。
- 11 江南小話 (採点:採点なし)
- 中国ものは苦手なのでどんなに短くても読めません……すいません。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:6)
- 脳内で渡瀬を綾波レイに変換して読みました。
結局最後仲良くなっちゃってるのがいいなあ、と思うと同時に残念だなあ、と思いました。ディスコミュニケーション貫いて欲しいと思ったり思わなかったり。
2人がキスしたのかどうか気になります。
- 14 ユメのおわりに (採点:6)
- ナナコちゃんとくっついてたら1点にしてました。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:7)
- すごく読みづらいけどすごく興味深く読ませて頂きました。
とにかくインパクトはある。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:6)
- ちばテレビ辺りで放送してそう。
「光の中で見るあの人は闇で見るよりも綺麗だ」
という文は素敵だと思いました。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:4)
- 「かゆ うま」とけんかの理由が下らないところでニヤリとしました。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- 造語の多すぎる話ってあまり好きではないです。すいません。
- 19 青い春 (採点:6)
- 読んでて身悶えました。
まさに青い春ですね。
- 20 A Darkness more than night (採点:6)
- 切ない。
終わり方上手い。
- 21 bright shine on time (採点:4)
- 何で主人公が佐々木さんに好かれてるのか理由が分からず、都合のいい展開だなあ、と思ってしまいました。
- 22 瑠璃 (採点:5)
- 本多孝好読んだことないんでオマージュとしてどうなのかとかは全然分かりません。
手首に傷とかあってもドロドロした話になってない点がよかったです。
- 23 世界の終わりは (採点:4)
- なんだかどこかで見たことあるような気がするお話でした。
- 24 禍疎 (採点:7)
- 上手い。
誰かを死なせたり事故にあわせたりすることもせずに、ちょっとした非日常を描けているところが素敵だと思いました。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:5)
- ほのぼの……ってほどほのぼのしたイメージを抱きませんでした。
女の子は妊娠検査に行くところだったのかなあとか考えてみたり。
- 26 ピーナッツロジック (採点:5)
- オトナな感じです。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:5)
- 終わり方がよかったです。
- 28 その交渉は無理がある (採点:6)
- ジャンル表記に偽りなし。
狙いすぎだとは思ったけど切り口が面白いなあと思いました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:7)
- かなり面白かったです。上手い。静かな語り方も好みです。
剥製に関する詳細なども書き込んであってきちんと調べたのかなあ、と思いました。
ただ、タイトルだけ作品に合ってないと思いました。もっと違ったタイトルで作品内容に沿ったものだったら8点つけていたと思います。あくまで私個人の主観ですが。
(でもこのタイトルは語呂もよくかなり目立つので、コンペ出展作と考えるとこのタイトルで正解とも思います)
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:5)
- 爽やか。
- 31 戦場の休日 (採点:5)
- かわいい。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 妹欲しい人が書いたのかなあと思いました。
- 34 美談 (採点:5)
- こんなことを聞くのは野暮だと思うんですが、遺書を書いた人間がそれでもなお生き続けているという点が『美談』なんでしょうか?
お母さんが殺されちゃうのはちょっと唐突過ぎると思いました。
- 35 負け犬 (採点:6)
- 救いはないけど割と爽快。
- 36 停電の訪問者 (採点:6)
- 全然予想できてなかったのでちょっと衝撃でした。死んでたんだ……。
でもベタベタにお涙頂戴の話として作っていないところがいいと思いました。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:6)
- いい感じ。
蝉の鳴き声とバイオリンの恋の歌を重ねてるのが上手いなあと思いました。
- 38 茨の森 (採点:6)
- 萌えました。こういう関係の2人好きです。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- 別れちゃうんですか……。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 所長は自分が観られる危険性を全然考えなかったんでしょうか?
そこだけちょっと疑問ですが概ね面白かったです。
- 41 らくがきを消しに (採点:5)
- 読んでたら高校時代に戻りたくなりました。楽しげな雰囲気が伝わってきてよかったです。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:5)
- 今回のコンペに出てる兄妹ものではこれが一番よかったです。
- 43 帰郷 (採点:4)
- タイトル随分焦らしますね。
- 44 勝者は語らず。 (採点:4)
- 漫画か映画でやりたいのかなあ、と思いました。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:3)
- 作者さんの願望がストレートに出てる作品だと思いました。作者さんの願望と決め付けることは出来ないですけど。
- 46 決まりきった世界 (採点:5)
- 男の子が媚売りすぎ(かわいすぎ)なのがやや気になります……。
あと昔『世にも奇妙な物語』でちょっと似た話見ました。偶然だと思いますが。
- 47 ローランダ、空へ (採点:9)
- イントロからやばいと思いましたが最後まで辿り着かずに涙腺全開でした。
文体、お話、全てがツボです。
- 48 愛されるより愛したい (採点:4)
- 上手くタイトルにつなげてるなあと思いました。
- 49 忘れてしまった (採点:6)
- 面白かったです。
- 50 ある朝 (採点:3)
- 短すぎます……。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:5)
- いい話でした。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- おもしろい。
かなり好みのタイプの話です。
今回の出展作でSFものではこれが一番でした。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:5)
- 前半と後半のギャップにちょっとついていけなかったです。
ただ前半の仰々しい台詞は結構好きです。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:4)
- how low?は上手いと思いました。
ただ、キャラクターの外見描写とかが格好つけすぎで分かりづらいところがあったのが残念です。
- 55 明日天気になあれ (採点:8)
- こういう話も弱いです……泣きました。
試験とかのアイデアも上手いです。
- 56 子供の夢 (採点:5)
- なるほどー。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:6)
- 「名前書き忘れたんだ」のところで吹き出しました。面白かったです。
でも最後のオチが一読しただけではよく分からなかったです。多分私の読解力がないせいだと思いますが……。
- 58 落日の挽歌 (採点:10)
- 面白かったです!!!
台詞が一切ない中、言語や文字という概念を持っているのかどうかも疑わしい種族の感情描写が過不足無く描かれていて素晴らしいと思いました。
しかもファンタジーなのに世代交代の話まで出てきてビックリです。主役の頭の中にその概念が浮かんでくるのはちょっと説明的で気になりましたが、でも10点です。
- 59 幼少時 (採点:2)
- ここから更にお話を発展させて欲しいなあと思いました。短すぎます。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:5)
- 悪くないけどオチが読めてしまいました。
- 61 Letter to you (採点:6)
- いい話!!
ほっぺが夕焼け色の部長がかわいい。
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- 作者と作品を同一視するのは間違いとは分かっているのですが、楽屋オチとさえ見えてしまいました……。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:5)
- きちんと責任取ろうとする菫がかっこいいなあと思いました。
- 64 発狂した宇宙 (採点:7)
- タイトルを見て「発狂した唇」みたいな話だったらどうしようかと思いました(私は「発狂した唇」を見たことはありませんが)
オチがちょっと弱かったけど面白かったです。上手い。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:5)
- 「教室の中に雨が降った」は上手いなあと思いました。
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- オチが読めてしまいました。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:7)
- 「僕はピーターパン、君はウェンディ」ってそんなベタな、と思いましたが面白かったです。
書き込むべきところはきちっと書き込み、書かなくてもいいところは書かない、読者に想像の余地を残す書き方もよかったと思います。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- 最後の方は書き込みが足りないように思いました。
- 69 雪、心々 (採点:6)
- 白と赤のコントラストが美しい作品だと思いました。
- 70 雨ごい (採点:7)
- 上手い。けど好きじゃないです(笑)でも上手い。
- 71 デジタルペット (採点:6)
- してやられました。
ちょっと怖くなりました。
- 72 しろゆめ (採点:7)
- ページタグ使いが巧い。
- 73 Saturday 7.15 (採点:6)
- 友達の女の子のアルバムを見せられたような感じでした。
- 74 告白ごっこ (採点:5)
- 最後の最後まで主人公が変わらないままだったら1点にしていました。
- 75 君の後ろで (採点:7)
- すごくオトナっぽい話です。
- 76 落果 (採点:4)
- 文章は上手いし雰囲気は嫌いじゃないですけど盛り上がりが全然無いです。
出てくるのが老夫婦なので『風が吹くとき』みたいな話になるのかと思いました。
- 77 いつも心に太陽を (採点:7)
- すごくいい話。アイデアもいい。
なのに、最後がちょっとあっさりしすぎていて残念です。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 死神のお嬢さんが可愛くて狙いすぎだと思ったけど面白かったです!かっこいい!
- 79 home, my sweet home (採点:6)
- いい話。
脳内でCHOCOの絵に変換して読みました。
○toto さん
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 面白いのです。が。
読んでいるとどうも、ふと気付くと夢から覚めてるような、あえて悪く言うなら騙されているとでもいうような、虚像のような、実感を伴わない、そんなことを感じるのです。
ヒロインの抱えている悩みというのはすごく普遍的で、本質的で、共感すべきもののように思えるのですが、それなのにどこか読者をはぐらかすようにしてお話が進んでいくんですね。冒頭の「愛ってなんだろうねえ」にせよ、流浪くんのキャラにせよ。
全編を通して良いフレーズが本当にどこから沸いてくるのかというほど頻出するのですが、たぶん、土台がない。それを提示するに値するだけのシーンや描写の積み重ねがない。素敵会話、素敵フレーズ、それ自体が持ってるリズムだけで物語がドライブしている。夢見心地、素敵フレーズ過剰。だから入り込み切れない。
>髪から落ちた水が肩先から垂れて体中を伝っていく。汗や埃や汗でも埃でもない何かを落としながら流れていく。それはわたしの激情であり、痛みであり、絶望であり、価値観だ。
激情が、痛みが、絶望が、価値観が、具体的に一体どういうものなのか。その大事なところがわからない。三年ぶりに泣いた、という言葉だけでなんとなく納得して、それで先へ進んでしまう。
最後のニ行もずいぶん妙な方向から飛んできたような気がして、違和感がありました。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- タイトル、好きです。
お話も好きです。
キャラの掛け合いがやや好みと外れてたので、ちょい減点(笑)。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:6)
- なんかすごい四角いなあ(笑
ある意味、徹底的にエンタテイメントしてる作品のような気がします。その労力をもう少しありふれたお話を書くのに使っていただきたかったと、どちらかといえばやはりそうは思うのですが。
でも、こういうお話があるとこんぺ全体がバラエティに富んでいる感じになって良いです。
- 19 青い春 (採点:5)
- うん、青春ですね。実に微笑ましい(笑)。
全体的にそつなく書かれているとは思うのですが。こうも何気ない風景を書いた作品の場合、もう少し文章なり小ネタなりキャラクタなりに特徴がないとやはり周りに埋もれがちになってしまう気がします。
- 55 明日天気になあれ (採点:5)
- 局所的に加奈になっている件について。
ネタやキャラがいまいち弱いような気がしつつも、展開上描いておくべきシーンが描くべき順番でしっかり書かれていて、しっかり楽しめました。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:4)
- 一発ネタはしっかり書けているけど、キャラは書けていないという印象。そして容量には余裕がある。
つまり、少し物足りないです(笑)。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- この作品には私的に最優秀アイデアで賞を。
ただ、オチが……物足りない。でも現状でも15KBカチカチなんですよね。むむむ。
○GYA さん
- 02 息吹 (採点:3)
- 淡々としていて、面白みに欠けていました。
読んでいるというより、眺めているというイメージ。
文章が馴染まなかったせいかもしれません。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:7)
- 全力でため息を吐くというのが、何だか素敵なことに思えました。ため息なんて、いつも手を抜いてばっかりです。
最後が投げやりな感じがしましたが、全体的に雰囲気も良く、落ち着いていて良かったと思います。
- 05 魔 王 (採点:2)
- オチが読めました。
けど、タイトルタグの使いどころは絶妙だったと思います。
笑えましたけど、とりあえずこの点数で。
- 06 left wrist watch (採点:7)
- インストラクターの前で海に物を放り投げるのは、凄いチャレンジ精神ですね。
引っかかったのはそこぐらいですが、海に何かを投げたくなる気持ちは僕も分かります。
メールの来ない携帯とか。
いや、投げちゃダメなんですけどね。
最後の、置いてきた、という表現が好きです。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:4)
- >あれー!? そっちのパターン!?
この辺で、どうしても白けてしまいます。
気持ちの良い話ではありましたが、どうにも地の文が肌にあいませんでした。
- 10 また共に笑おう (採点:7)
- 途中の格闘描写が、何だか無駄に力入っていて、そこで雰囲気を壊してしまった感があります。
悲しさや決意や切なさ。そういったものが上手く表現できていただけに、そこだけが残念。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:4)
- 展開がありきたり過ぎるかな、と思いました。
悪いところはそれほどなかったのですが、逆に目立って良い所も見えませんでした。個性が出なかった、といったところでしょうか。
あと、ラストの地の文で、三点リーダを使ったのは失敗だと思います。変に気分が萎えたので、そこでマイナス1させてもらいました。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:4)
- 女の子の方の描写が弱かったのがちょっと残念です。
スタートは好きなんですが、ラストがいまいち。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- 『燃やしてないよっ!』がちょっとツボに嵌りました。
が、他の会話部分がどうにもベタ過ぎるような。特に後半。
構成からして、15k以内は無理があったんじゃないかな、と思います。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:5)
- あまりにも当たり前に順応している。それだけが気になりました。
15kで上手く纏まっているな、と思いました。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- 読んでいるうちに疲れてきました。
オチも弱かったです。
- 19 青い春 (採点:8)
- うわー。凄くいいな、コレ。もう大好き。
話の内容、キャラクター、地の文の書き方、どれも好みでした。
自分ができないからなんですが、短い文を繋ぎ合わせて話を書くというのは凄く憧れます。テンポとか、音とか、その辺がイイ感じで。
夢中になって読めました。面白かったです。
- 20 A Darkness more than night (採点:5)
- そつがないという印象を受けました。
淡々とし過ぎているのは、内容からして仕方のないことだと思いますが、どうにも面白みに欠けてしまいますね。
可もなく不可もなく、というとこでした。
- 22 瑠璃 (採点:7)
- 面白かったです。
キャラも立っていて、文章も読みやすい。
最初に使った問答を、最後に持ってきておとすのも素敵でした。後味がとても良かったです。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:6)
- 読みやすく、文章に引っかかるところが全くありませんでした。
- 26 ピーナッツロジック (採点:10)
- 二人じゃないと思い出せない気持ち、一人では思い出せない気持ち。ぐっと来るものがありました。
説明できない想いを支えているのはそういう気持ち。
僕もそう思います。そしてそれは、素晴らしい気持ちだと思います。
凄く良い作品でした。面白かったです。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:9)
- 良かったです。素直に面白いと思えました。
話の構成も雰囲気作りも上手く、夢を見ているように、温かい気持ちになりました。
最後の終わり方が、ロマンチックで大好きです。
- 34 美談 (採点:4)
- 難しい…。何だか評価し辛いです。
読んでいるうちに、いつの間にか引き込まれていました。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- 15kの中に上手く納まりきった、良い作品でした。
二人のやり取りが面白く、キャラの魅力がよく出ていたと思います。
カントリーロードを歌うあのシーンは、僕も好きだったり。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:4)
- いくら何でも、ずっと一緒にいて好きだった相手と、そんな簡単に別れることができるものなのかな、と思いました。
どうもあっさりし過ぎていたと思います。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:4)
- 曖昧で、説明不足だったと思います。
よく分からないまま終わってしまった、という感じでした。
- 43 帰郷 (採点:7)
- 今回最も勿体無い作品だと思いました。
ラストが余りにも不足していると思います。
容量の関係もあったのでしょうが、最後の方でもうちょっと何かしら書き込むことができたら、10点つけていたかもしれません。
終わり方も、何だか手を抜いてしまったように見えて残念でした。
- 44 勝者は語らず。 (採点:3)
- 始終銃撃戦を繰り広げていただけで、残念ながら面白いとは感じられませんでした。
タイトル通りとはいえ、ラストも投げやりすぎる気が。
- 46 決まりきった世界 (採点:6)
- んー、序盤は退屈だったのですが、男の子と会ってからが面白い、というか楽しかったです。
将棋はよく分かりません。
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- うーん、上手いんですが、何故か余り面白いとは思えませんでした。
鳥と人が喋る様が、どうにも馴染めなかったせいかもしれません。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:5)
- 自分以外に剣道という設定を使っているのを見て、ちょっと驚きました。
少しだけつっこませて頂くと、剣道は実戦的じゃありません。高校生の女の子レベルじゃ、男数名を倒すのは厳しいと思います。
話としては、前半、中盤が弱いように感じられました。
最後の方は良かったのですが、それを活かすための部分が足りていなかったと思います。
容量の余裕はあったようですが、読んだ感じからすると、15k以内じゃ厳しい内容だったのではないでしょうか。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- 一部文字を変えるのは失敗だったと思います。
その部分の内容も文字も、読み辛くてしんどかったです。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- 話が15k以内にうまく収めることができた、良い作品だったと思います。
真面目に話したり冗談を言ったり、佐奈と照男の掛け合いがよく、飽きることなく読めました。
読後の後味も良かったです。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:9)
- 上手い。見事に引っ掛けられました。
- 64 発狂した宇宙 (採点:8)
- うわぁ、上手い。
文章に緊迫感があり、見事に空気を作ることができていたと思います。
圧迫感のある空気。文の強さに、圧倒されました。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:7)
- 読んでいて顔がニヤニヤしてきました。
好きです、こういうの。
- 68 私的な三色信号機 (採点:7)
- 容量制限がきつかったようですね。
途中までは良かったのですが、ラストが余りにももったいなかったです。
ちゃんと書ききれていたら、きっと高得点出していたと思います。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- どうにも最後までをしっかり収めようとして、無理をしている感がありました。
緩い感じでも良かったかな、と。
後、名前間違いは、ちょっと痛いですね。自分もたまにやってしまうのですが、そこは推敲の段階で気づいて欲しいところ。
- 70 雨ごい (採点:9)
- マウス投げました。
- 73 Saturday 7.15 (採点:10)
- うあー、面白い。
会話のテンポが凄く良いです。始終すらすらと読み進めることができました。
それにしても、アホのさっちんが可愛いです。
- 78 ラックラック♪ (採点:6)
- 面白いことは面白かったのですが、別に死神の少女じゃなくても良かった気が。
どうでもいいことですが、僕もよくサイコロを振ります。知らない街に行ってみた時や、選択肢に迷ったときに。
選択肢を委ねると、ろくな結果になりませんorz
○KATUO さん
- 01 きれいなほし (採点:10)
- 文章がとてもとてもきれいでした。もの悲しく、空虚な世界観も怖いほど上手く表現されていたと思います。
ラストに疑問は残るけど、関係あるか。持ってけ、満点。
- 05 魔 王 (採点:2)
- なんで勇者? なんで世界の希望? さっぱりわからない。魔王との対決シーンもショボ過ぎます。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:8)
- おお、全然気がつきませんでした。素敵なお話ですね。こんな素敵な恋がしてみたいです。
でも、ちょっと気になるところがいくつか。奥さんは旦那がタイムカプセルに数学の教科書を埋めたことを知っていたのでしょうか。そして、そのタイムカプセルを同窓会の日に掘り起こすことも予期していたのでしょうか。偶然にしてはあまりにも出来すぎているような気がします。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- ベタベタだ……。まず、主人公が全く好きになれませんでした。この手の話でこれは致命的だと思うのです。
佐々木さんがなんで主人公のことが好きなのかもさっぱり分かりません。エピソードのひとつでも入れておくべきです。告白された直後に、その返事もしないまま、本当に好きな人に告白する佐々木さんの心情も理解できません。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:2)
- うーん、意味不明……。女の子が焦ったり急いだりする理由が分かり辛すぎます。あえて説明していないだけなのだろうけど、私にはさっぱり分かりませんでした。そのため、ラストも消化不良なまま終わってしまいました。神経質そうな女の子が、待ち合わせの時間があるのに、来るかどうかも分からないバスに乗ろうとするかという疑問もあります。
主人公の心理も理解不能。なんでもかんでも軽すぎます。ていうかふざけすぎています。途中でタクシーを降りるのも悪印象。
それから序盤のバス。あんなことしたら大問題です。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:6)
- 文章は飛びぬけて上手いと思います。だけどそれ以上のものを感じることはできませんでした。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:9)
- 素敵なお話でした。お腹いっぱい。
さりげなく置かれた伏線には参りました。
- 35 負け犬 (採点:2)
- この話の中での負け犬の定義がよく分かりませんでした。主人公の考えもさっぱり分かりません。暴力に頼って何が「負け犬ではない」だ。完全に心を病んでいますね。すみませんが、非常に不愉快な話でした。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:8)
- こんなラブソングもいいですね。すごく好きです。
ところで。バイオリンで本当にこんな音出せるんですか(興味津々)??
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:4)
- 不思議な話ですね。シリウスをもっと話に絡ませてほしかったです。ていうか、なんでシリウスだったんだろう?
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- また随分と恥ずかしいことをしていますね。
文章作法云々はもう少し勉強した方がいいと思います。
運命をめぐりあいと読んで、だからどうした。夢の中に出てきた女の子も一体誰やねんって感じです。正直、分からないことだらけでした。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- 言いたいことは伝わってくることは伝わってくるのですが、とにかく話がつまらないです。
- 56 子供の夢 (採点:6)
- 話の流れはすごくいいと思います。どんどん減っていってしまう彼らを思うと、不覚にも泣きそうになりもしました。ただオチがひどすぎる。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:2)
- 話の流れはいいです。オチもそこそこ意外で、悪くないと思います。たけど、どこかで見ことがある話という感想も持ちました。
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- 話もオチも悪くはなかったのですが、読後感が悪いです。一言ジャンルに何か書いておいてくれたらよかったのかもしれません。でも、そうするとオチが想像できちゃうのか……。うーん。
- 70 雨ごい (採点:6)
- 本当に金でも撒けばいいのに(笑)。
オチは途中で分かってしまいました。
- 74 告白ごっこ (採点:6)
- なかなかおもしろかったのですが、主人公の性格がやっぱりちょっと……。あんな性格だからラストが生きるのだろうけど、序盤は恋愛どころか、友達を思う気持ちすらないように見えてしまいます。小倉がそんな主人公を好き(なんだよね?)な理由が全く書かれていないのもどうかなあと思います。
○あー さん
- 02 息吹 (採点:7)
- さらりとひきつける作品でした。文章も心地よい。
モチーフの取り方と落ち着いた語り口がお気に入りです。
- 03 strangers in the city (採点:7)
- 06 left wrist watch (採点:7)
- 丁寧で、適度に質感があって、いいですね。
最後のあたりが少し惜しかったかもしれません。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:7)
- いろいろ言いたいことはあるけど。
とりあえずこの作品群のなかで数少ない清涼剤…いや、香辛料かなぁ…ではあった。そして、私にはそれが必要だった。
- 19 青い春 (採点:8)
- …直球ど真ん中にも程があった。驚いて、手が出ないまま見逃し三振した気分。
こーなるともはややられたなぁとしか思えない。ケレン味なし、罠なし、捻りなし、この潔さにはかなわない。
参りました。素直に面白く読めてしまった自分にビックリです。
ありがとうございましたーw
- 20 A Darkness more than night (採点:7)
- 『祈りを、とぼくは思った。』
それこそが祈りに他ならない、そう言うことなのでしょうね。
- 24 禍疎 (採点:7)
- 唐突で過剰な衝撃。短編畑の人かな?
- 49 忘れてしまった (採点:8)
- ラストでループさせなくてもいいような気はするんですが。綺麗な作品ですねー。
- 50 ある朝 (採点:7)
- 隙なし!
ショート部門ブッチギリトップ。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- 空気の作り方が上手ですね。初めから終わりまで楽しく読めました。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- 文句なし、というところでしょうか。
てるてる坊主はイメージだけでもうかなり可愛いし、エピソード群も秀逸だし。
ホメどころばかりでは…と思いましたがホメどころしか見つからず。
参りました。
- 61 Letter to you (採点:8)
- …苦笑w
中盤の創作への意見は、作者さんの考えと被るのでしょうか。それともキャラクタに託した一般論なのでしょうか。作者さんの考えなのだとしたら、話を伺ってみたいと思います。
- 62 Why do you do it? (採点:7)
- …苦笑w
上の作品と続けて読むとあれですが。なにやら身につまされるお話をありがとうw
○えむけーつー さん
- 02 息吹 (採点:6)
- 着眼点が非凡。そして「眠る」という概念が、人間と木では大きく違うという事実の提示のしかたが、またいいです。素直に「ああそうか。木というものはそういうものか」とすんなり入っていけた。個人的に好きな雰囲気ですが、小説というよりは、小説の形式を借りた詩に近いように思います。それもまたひとつのありかたですが。ただいずれにせよ、凝縮の度合は足りないと感じました。
- 03 strangers in the city (採点:5)
- (ああ、俺ずっとひきこもってたんだ)
この一文に、なんだか妙な実感があります。こういう明確でない曖昧な感覚というのは、言葉にするのが難しい類のものだと思います。そのへんが好印象。というより、全体的にそうした文章の書きかたが上手な方のようです。考えてみれば、ここには劇的ななにごともないわけで、それを「読ませる」というのはかなりの文章力かと。
ただ、お話として成立しているかと問われればやや微妙。そしてビリー・ジョエルの曲を知らない場合、いろんな意味で効果が半減。まあ、そのへんは覚悟の上なんでしょうけれど。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- これだけ変化のない話を、連綿と続く独白で読ませる文章力は大したものだと思います。これも会話文と同じでセンスの領域のことだと思います。これで「お話」としての体裁がもう少し整っていれば、より高評価だったのにな、と思います。なんにせよ、書くにあたって自分の武器がある人はうらやましいです。
- 05 魔 王 (採点:5)
- 最大の眼目は唐突に登場する雅夫でしょう。なんか雅夫がすべてを転覆させましたね。
- 06 left wrist watch (採点:5)
- 文章は丁寧で上手だと思います。また、散発的な胸の痛みといった描写や、なによりダイビングに関する詳細な描写などが、きちんとしたリアリティがあって説得力がありました。
しかしお話としてはどうなのか、といえば、ひっかかりがなくするすると読み終わっておしまい、という印象。個人的な趣味でバイアスかかってるかもしれませんが、このテーマなら読んでいる自分にもう少し「痛み」のようなものを感じさせてほしかったな、と思います。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:8)
- わりに最初のほうからオチは読めますが、それはわかったうえで、なお素直に「うまい」と思えます。ただ「うまい」という以上の強いインパクトは感じませんでした。
- 08 傷跡が残すもの (採点:5)
- ちゃんとお話として書けていると思いますし、後味の悪さもおそらくは計算のうちだと思います。
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 好きですこういうの。仙術に的を絞ったあたりで、実にきれいにまとまってます。ごくふつうの娯楽作品として(つまりプロのレベルと同等)の楽しみかたができました。もっと読んでみたいですね。この方の書いたもの。
- 10 また共に笑おう (採点:7)
- うー。惜しい。最後の一節はなくてもよかったかもしれません。
とにかく、会話文のセンスが抜群にいいです。これは望んで得られる性質のものではなく、なかば天性だと俺は考えているので、相当に強力な武器です。
会話が上手であるだけに、行間から情緒は伝わってくるのですが、残念ながら、キャラクターとお話としての骨格とが弱いです。「物語」というには、いま一歩届いていない印象。これだけ会話が上手だと、作者の頭のなかでキャラクターどうしが会話しているレベルだと思いますが、それがストーリーにがっちりと絡んだときには、相当に魅力的な物語を書ける人だと思います。
- 11 江南小話 (採点:6)
- むー。基本的に文章が上手なので、ついつい読んでしまったのですが、よく考えてみると、お話として成立しているのか、という疑問が残ります。短編である、という特質から、話のなかによほど印象的な、決定的な瞬間が含まれていてほしい、というのが読み手の願望だと思います。その点で、ちょっと疑問が残りました。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:6)
- なんの違和感もなくきれいにまとまっていますが、それ以上のものは伝わってきません。せめて汚濁に満ちた地球の描写があれば、より強く伝わってくるものはあったと思いました。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:9)
- とてもいいと思います。カスと主人公の会話もいいし、一見して荒唐無稽に思える渡瀬と藤野の関係も、なぜか説得力を持っています。短編には重要だと思う、流れのきれいさ、そして抑制が効いて力みのない筆致が上手です。会話がいいなあ。
- 14 ユメのおわりに (採点:7)
- ストーリーもよくわかるし、キャラクターも立ってます。短編としてソツなくまとまっていると思います。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:10)
- 完璧です。内容的にも自分の趣味に合致しますが、それ以上にこの文章力。これだけでも10点差し上げる理由にはなります。評価という言葉がおこがましいほど、この筆力は高い。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:9)
- おもしろかったです。テンポがよかったです。次から次へと事件が起きて、まったく飽きませんでした。叙述も平易で、状況がつかみやすかった。てゆうかこれ、どう考えてもお話の冒頭部分で、本編は別にありますよね。あってください。続きが読みたい。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:6)
- キャラの立てかたと会話の勢い、そしてネタ自体がバカらしいという、コメディないしギャグとしてはよくできた話です。ただ、それ以上の魅力という点でいうと、あまり爆発力のあるネタがなかったな、という印象が残りました。あと、ところどころに仕込まれているだろうパロディが猛烈に気になった。
- 18 さらば世界よ (採点:6)
- いくらなんでも15KBで異世界ファンタジーは厳しいと思いました。この長さでやるならば、よほど異様に立ったキャラか、あるいは徹底的に特殊な世界観、ないし設定が必要かと思います。その双方が見受けられませんでした。物語を綴るための文章力としては、不足はうかがえませんので、もっと長い作品を読みたいと思います。
- 19 青い春 (採点:7)
- かはーーーーーーーーーーーっ。
すみません。口から得体のしれないものを吐血しました。すみませんその吐血のなかに俺の感想がすべて含まれているので、吐瀉物をじっくり見てください。
作品としての公正な評価をするなら、特にオリジナリティはなく、要するに初デートの男女を描いただけのものなので、いってみれば採点のしようはありません。とはいえ、ディテールは意外に凝っている気もします。すべての作品に対して同じ基準で評価しようとしているのでこの点数ですが、趣味だけで採点するなら10点満点に対して50点とかつけてもいいと思います。
にしても向田邦子はいくらなんでも渋すぎます。寂聴先生でなかったことをせめてもの僥倖と思いつつ感想を終えます。てゆうか大好きですこれ。
- 20 A Darkness more than night (採点:10)
- たぶんですが、これはSFという形式でしか書けないテーマで、それにもかかわらず、だれの心にも訴えかけるだけの力強さを内包しています。少なくとも15KBという長さのなかに、これだけの「重量」を押し込んだ作品は、今回のコンペ中でもほとんどないのではないかと思われます。思わず目を奪われるだけの圧倒的な「力」がありました。
作者の今後のことを願って、読んでいて引っかかったことを述べておきます。まず、文章がこなれていません。硬い。また「上述した」というような記述のしかたは、特に短編という形式では避けたほうが無難かと思います。叙事詩的な作品である程度の長さがあるのであればともかく、短編では短い文章中に「物語」を凝縮する必要があるため、不必要に作者の視点を振りかざさないほうが賢明かと。しかしいずれも時間が解決する問題だろうと思われます。作者のほかの作品をぜひ読んでみたいと思わされました。
- 21 bright shine on time (採点:8)
- あはははは。これおもしろい。笑った。
ただ、後半の急転直下にちょっとびっくりしました。
容量的にかなり余裕があるようですので、バスが学校に着くまですったもんだやったあげく、最後はド直球で「俺」に決めてほしかったと思います。
それでも、下から読んで現在ここまで、素で吹き出したのはせいぜい二度目か三度目。実にテンポがよかったです。作品に対する公正な評価とかを抜きにすれば、個人的には13点くらい差し上げたい。
- 22 瑠璃 (採点:6)
- 特に引っ掛かりがなくするすると読めてしまいました。
そつなくきれいにまとまっています。とはいえ、それ以上のものを感じなかったのもまた事実。
- 23 世界の終わりは (採点:7)
- この呻いているような書きっぷりは個人的には好印象。ただ、なんにしろ生々しすぎます。お話というよりは、お話の直前にあるなにか。しかし、技術がつけば、こうした人こそはなにか「本当」の物語を書けるのではないか、と期待したくなります。
- 24 禍疎 (採点:9)
- 導入部の文章のうまさは圧巻でした。下から読んで現在ここですが、単に手際のよい説明、状況を読んでいる人にわからせる描写力という点でいえば、いちばんかもしれません。また、地の文だけで、作品全体の雰囲気、またキャラクターまで理解させる手腕は並ではないと思います。
ただ、あまりにその文章力が際立っていたため、後半が肩すかしの印象。せめて前半で、津女が変人であるというような描写が入っていれば、もう少し後半に説得力があったのだと思います。とはいえ、この圧倒的な文章力にブラボー9点つけます。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:5)
- うーん。短編らしいといえばらしいお話です。
よくまとまっていると思いますが、そして書きたいこともわかるのですが、いまひとつピンとは来ません。こいうタイプの話は「共感できるかどうか」がすべてになってしまいそうで、そして俺は男の行動に共感できなかった、というだけの話かもしれません。
- 26 ピーナッツロジック (採点:8)
- またおそろしく微妙なテーマを選んだもんです。そしてそのテーマによく見合ったストーリーだと思います。このテーマについて一定の見識がなければ、とてもではないけれど、なにかを表現することすら難しいような内容です。非常な意欲作だと思います。
個人的には、このハードボイルド一歩手前の文章のスタイルが若干苦手ですが、それは好きずきというものでしょう。暗喩に富んだ文章も好きずきでしょうが、俺は上手だと感じました。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:5)
- きれいにまとまってます。
ただ、冒頭にイメージ的な文章を持ってくる場合、もう少しそのイメージは鮮烈で、読んでいる人の目を奪うようなものである必要があると思います。その点が少し弱かった。中盤から後半への流れは実にスムーズだと思います。全体的に「目に見えないもの」「つかめないもの」を文章で表現するために必要な文章力が備わっていないように感じました。「お話」としての骨子は、ちゃんとできていると思います。
- 28 その交渉は無理がある (採点:7)
- 妹スキーなので万事オッケーです。
では感想にならないので。
微妙に登場人物たちの実際の年齢と、精神年齢が噛み合っていない点が気になります。あと、コミカルに進めようとしているわりには、ネタのヒット率が多少少ないかと。「成長した美咲」に「触手によるダメージ」には参りましたが。なんて恣意的な攻撃だ。どっちにしろ、同じ妹モノでも俺よりは数段上だということは確実です……。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- 地の文の読みやすさは特筆すべきものだと思います。微妙なテーマを描ききった能力は素直に称賛に値します。減点の唯一の理由は、会話の空々しさ。老人の描写はよくできていると思うが、その話す言葉がどこか上滑りしているように思います。たぶん、会話ではなくて、地の文で説明しきったほうが、より伝わったのではないか、とも思えます。なにしろこれだけ文章を書ける人ですから。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:6)
- 導入部は、多少文章を飾りすぎたような雰囲気があるものの、なかなか強い引きだったと思います。「2」からあと、なんとはなしに「事情の説明」に偏りすぎたためか、引きの強さを殺してしまった印象。どことは指摘できないのですが、叙述の手際が悪かったような。そして、たぶん後半には情緒的な文章はあまり必要ではなかったのではないでしょうか。
- 31 戦場の休日 (採点:8)
- とてもいい雰囲気なうえに、個人的に好みでもあります。あまりスマートとはいえない展開ですが、お話としてもきっちりとまとまっていると思います。ただ難点がいくつか。まず「不要ではないか」と思える文章、描写がやや見受けられたということ。整理すればひとつの文章でまとめたほうが理解しやすいものが、複数行に分かれているような感じを受けました。もうひとつは、お話にリアリティがないこと。絵空事なら絵空事でいいのですが「絵空事である」ということをきっちり提示することが必要かと。その点、このお話は設定や描写にはリアリティがあったので、そのへんがちぐはぐな印象を与えていると思います。
- 32 バスが来るまで (採点:採点なし)
- ネタがベタすぎ。あとキャラ平板。話に具体性がない。ところどころつながりが悪い。唯一救いがあるとしたら会話くらい。客観的に見たら4とか3くらい。人によっては1つけるかも。特に一気にキャラクターにしゃべらせるクセやめたほうがいいよ。うん。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:6)
- うーん。ちゃんと「わかりやすい」し、お話そのものは練られていると思うのですが、ただ読み終わったあとに「だからどうしたの?」という疑問が浮かびます。「男ってみんなバカだから」という描写が最初に入っていれば、読後感もずいぶん変わっただろうに、もったいないなーと思いました。
- 34 美談 (採点:5)
- んーと、俺にはよくわからない世界です。ただ、この主人公がなにかに対して傲慢なことはわかる。あと、文章の硬さが、あまり演出効果になっていない気がします。作者に演出するという意図があったかどうかは別として。
- 35 負け犬 (採点:7)
- これはいいですね。このオチが許されるのは短編ならではだと思います。テーマ的にはあんまり好きではないですが、この淡々とした文章と、いやな余韻を残すラストは効果的だと思います。
- 36 停電の訪問者 (採点:6)
- きれいにまとまってました。まあ、先が読めるのはどうにもならないっていうか。いっそのこと、美香が死んだのが1年前ではなく、もっと昔の話だったりすると、いっそう味わいが増したのかもしれませんが、それではたぶん作者の書きたいこととズレてくるでしょうから、まあこれでいいのかな。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- けっこう好き。地の文には気負いのようなものがうかがわれて、スムーズに読めるという感じではありませんでしたが、どことなくテンポがよくて、するすると読めてしまいました。あと、やりとりがヤケにリアル。この「なんにも起こらなさかげん」もこれはこれでいいような気がします。
- 38 茨の森 (採点:5)
- なにがしかの熱意は伝わってくるのですが、状況設定がちょっとありえなさ気味なのと、あと、創作に対するここまで真剣な態度というのが理解できないせいで、たぶんうまく読みこなせてません。ただ登場人物たちが語りすぎだという気はします。事情を分かり合っている者どうしで、ここまで自分の置かれている状況を説明するかなあ、という疑問。
点数は、理解できないとまどいと、それにもかかわらず確実に伝わってくる熱意に捧げます。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- ひとつひとつのイメージは美しいし、きちんと余韻は残してくれるのですが、ただやはり「お話」として見ると、この作品に入っていくだけの「きっかけ」が足りないように思います。なんの合理的説明もなくシリウスが手に入ってしまうあたりは、短編としてはアリだと思うのですが、いまひとつ物語に活かされていない気がしました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- うーん。きれいにオチてますし、会話も読ませる。科学知識的な部分で、読んでる人を騙せるだけのハッタリは弱いと感じましたが、それも俺みたいなド素人の人にはさほど気にならない問題です。いちばん引っかかるのは、所長が単なる俗物でしかないこと。お話の内容からするに俗物で当然なんでしょうけれど、しかしこの話しぶりは、人を心酔させる力があるようには思えません。もうちょっと所長に、読んでる人を納得させられるだけのドス黒い力があればな、と思いました。
- 41 らくがきを消しに (採点:6)
- 日常を活写したお話としては良質だと思います。ほとんど読んでいて「見える」というレベル。また、非常に書き慣れている感じもします。わかりやすく立ったキャラも「目の前で展開されている日常が見える」という感じに力を与えていると思います。ただ、お話として「オチ」がない。このオチのなさが、読み終わったあとの物足りなさの主原因かと。やっぱ短編だときれいなかたちで「あ、いま物語が終わった」という手応えが欲しくなるわけです。読者として。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:5)
- 妹スキーとして最大限の点数を差し上げたいのですが、いまひとつ。
道具立ては完全に整っていると思うのですが、運用方法が微妙かと。読んでいる人への効果を考えるのであれば、兄の側の一人称での叙述はなかったほうがよりよかったかもしれません。あと、ラストがちょっとしまらない。長く引っ張りすぎたかな、という印象です。さらに小道具として「歌」というのはもっとも使いにくいもののひとつだと思うわけですが、どうでしょうか。
- 43 帰郷 (採点:9)
- オチは……まあ好きずきでしょうか。
前半、気持ちよく騙されました。後半、種明かしがされてから、死んでしまったはずの人たちがいる光景が「すとん」と胸のなかに落ちてきて、なんともいえずしみ込んでくるものがありました。極限まで節約された文章にも好感を持ちます(そうせざるを得なかったのかもしれませんが)。
ただ、10点に届くためには、もう少しだけなにかが足りなかった気がします。なんだろうなあ。それがわかればアドバイスになったかもしれないのに。
- 44 勝者は語らず。 (採点:6)
- 非常に判断に悩みます。アクションシーンということでは、これはもう上手というほかありません。ミスタイプはとりあえずおいとくとして。銃撃戦に的を絞って描写しきったのも、容量を考えればうまい作戦だと思います。
ただ、これは小説なのか、と問われると、正直なんともいえません。
この方の書いた、まともな物語を読んでみたいとは思わされました。
点数はとまどいの表れです。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:5)
- えーーーーーっオチなしーーーーーっ!?
うわー……。
ここまで壮絶にご都合展開を繰り出し、しかもオチなしというその漢気に感服しました。天然でも作為があっても、どっちにしても感服です。ちなみにイヤミとか皮肉ではないです。いいじゃないですか。女の子がかわいいのは正義です。料理うまいのも正義です。あと料理にはちょっとうるさい主人公にも感服です。
あと、上述の「料理にはうるさい」もそうですが、ワケのわからないユーモアがあって、こういうのって作為では生み出せないと思いました。
作品として公正に判断するなら2点だと思いますが、個人的にえらい好きなのでこの点数。
- 46 決まりきった世界 (採点:7)
- あ、うまい。
ただ、ネタ一発勝負で、その背景となる説明が弱いので、そのへんやや点数を減らしました。
あと、この話の「彼」は、以後この男の子にゾッコンとみました。
しかし、10KBっていう長さをほとんど感じさせなかったなあ。相当短いんだろうと思って容量を確認したんですが。
- 47 ローランダ、空へ (採点:10)
- 完璧です。
完成度だけで評価するなら、もうなにも言うことはないです。
あとは題材に対する好き嫌いだけで評価が分かれるとか、まあそんな世界だと思います。もう技術的な評価が云々、なんてのはおこがましいというレベル。
- 48 愛されるより愛したい (採点:7)
- 下半身が充血するような展開に思わず手に汗握りました。ものすごく不本意な感想かもしれませんが。
非常に好きな雰囲気で、展開も無理がなく、基本的に完成度は高いと思います。ただ7点という点数については、どうも一人称で「友だち」を強調されると、それだけで読んでいる人に一種の違和感を与えるんじゃないか、と思ったからです。三人称で、もう少し具体的に「恋愛ではなく友情」というエピソードがあれば、読んでいてよりリアルにこの世界を感じることができたのに、とか思いました。
- 49 忘れてしまった (採点:7)
- 個人的に苦手なジャンルなのでなんとも点数がつけにくいのですが、完成度はまちがいないです。ただ、読み始めからずーっとこのとおりのラストが頭に浮かんで離れなかったような気はします。完成度を評価してこの点数。
- 50 ある朝 (採点:3)
- んー。よくわからないです。俺個人がホラーを読まない人なので、理解できていないだけかもしれません。この内容で攻めるのであれば、もっとグロい描写を重ねたほうが、こう、なんつーか、クるものがあるのではないかと。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:5)
- テーマとしては、個人的に大好きな部類なのですが、ただ感情移入のきっかけがつかめません。んー、なんていうか、読後感が一種の「詩」に近いんです。具体性とかはなくて、ただ言葉から立ち上る「情緒」の残り香だけをかいでいるような。ただ「詩」というには、その残り香は儚く漂ってすぐ消えます。かといって、小説としては具体性を欠いているように思う。
参考にならない抽象的なコメントで申し訳ないですが、もう少し効果的な書きかたっていうのは、きっとあるんだと思います。
- 52 ロボット寄生 (採点:9)
- 非常に流暢な語り口と、手際のよい状況説明。そしてテンポのいい会話。まったくもって手練といっていい完成度。それがなにゆえ8点かといえば、オチの弱さでしょうか。この軽妙なノリと展開からいえば、最後によほどヒネリの効いたオチが待っているものと期待してしまいます。作品の完成度だけからいえば10点でもいいと思うのですが、なまじ完成度が高すぎたためかえってマイナスという妙な印象に。とはいえ、これだけレベルが高いと「具体的にはこうすればいいと思う」という対案なんかもはや用意できないんですが。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:5)
- うー。なにかがすっきりしない。
連綿と続くモノローグは嫌いではないし、個人的な好みとしてそれ単体でも読んでしまうのですが、しかし物語において、そのモノローグが「どういう役割を果たすのか」がわからない。世界のきたない側面は僕だけが担っていればいい、ということかな、とも思いましたが、それにしてはカワセミの存在が最後まで隠されているのがもったいないと思いました。個人的には大好きなテーマです。もっと光と闇の対比がわかりやすくくっきりとしているといいな、と思いました。
あと老人テンション高すぎる。怪獣かと思った。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:5)
- 冒頭の引きは相当に強かったです。その冒頭に+1点。
ただ、背後の事実関係がいまひとつ不明瞭で、肝心の主人公の「この世界」に対する罵詈雑言が生きていないような気がします。容量的にはまだ余裕があるのだし、もっと綿密に書き込んでくれたらな、と思います。
情緒的にはよくわかる話なんだけど、物語の構造の強度としては全体に弱かった。もっとディテールをきっちり書き込んである内容のものを、読んでみたいです。
- 55 明日天気になあれ (採点:10)
- ケタ違いです。これ素人じゃないだろう、というレベル。短編にふさわしいコンパクトなネタ。ほとんど無駄がないのに、行間にきっちりと情緒を含んでいる文章。短編ながらもくっきりと浮き立っている語り手の「私」のキャラ。もちろん照男の「いかにも」なキャラも実によいです。あえて無理やりにケチつけるとすれば、「私」ががんばって1000個のてるてる坊主を作ったことと、晴れたことのあいだに明示的な関係が示されていなかったことくらいでしょうか。長さの制約もあるでしょうし、それをやるとあざとくなりすぎる、という話もありますから、やはりこれでいいのかもしれません。
システムが許すなら50点つけてます。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 嫌いではないです。短いセンテンスで繰り返される改行と、繰り返しあらわれる同じ文章と。オチはちょっとびっくりしましたが。え? かなっちゃうの?みたいな。
この淡々とした雰囲気に、+1点です。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:2)
- 人の命ってそんなに軽いものでしょうか。
俺にはよくわかりません。
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- 厳密にはこの作品がファンタジーであるかどうかはわかりませんが、いっそもう少し具体的な世界観にしたほうがよかったかも、と思います。ラストシーンは個人的にものすごく好印象。それも「人種の交代」という劇的な出来事にかかっているわけで、この物語のキモはそこでしょう。だとすれば、具体的な狩のシーンよりも、妖精族の女に対する思い入れよりも、いっそう詳しく描写してほしかったのは、この二種族の「違い」であったように思います。
とはいえ、ラストシーンが好きなので、若干点数上乗せ。
- 59 幼少時 (採点:3)
- え。短っ。
んー、タイトルとの絡みで考えると内容はけっこういいと思うのですが、せめてこのお話が「回想である」ということが示されていて、なおかつこの回想が劇的な意味を持つような場面であってくれればなおよかったと思います。
発想は悪くないと思いました。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:6)
- かなり嫌いじゃないです。
突飛な出だし、だいたい読めるとはいってもきっちりついてるオチ。短編として必要なものはだいたい揃っていると思うのですが、ただ運用方法がいまひとつと感じました。最初から浩次が一点の曇りなきイヤなヤツとして登場していて、慎太郎がもうちょいマシなやつだったら、感情移入の度合も上がったし、オチはなお効果的だったと思います。つか慎太郎って設定によってはもっと味わい深いキャラになったのになーとか思いました。
- 61 Letter to you (採点:4)
- この狭くて世界が見えてない雰囲気は好き。全身を掻きむしりながら好き。
ただ、登場人物たちが、語りすぎだと思います。これは俺のごく個人的な見解かもしれませんが、悩みごとを相談するにしても「なにを悩んでいるのか」とダイレクトに切り出す人は、それ相応のキャラクターを持っていると思います。短編でそこまで表現するのは難しいかもしれないのですけれど。
あと、部長が主人公を好き、というのも少し説得力に欠ける気が。たとえば主人公から見たときだけ、あからさまに部長が変人、とかいう設定でもあれば説得力が増したのに、と思います。
- 62 Why do you do it? (採点:4)
- 冒頭からしばらくの、次々と変化する語りの位相がおもしろくて「お、これはどこに行き着くんだろう」と期待しましたが、うーん……キャラクターたちが、テーマにそって語りすぎだと思いました。特に弟がきっかけについて聞くところがいまひとつ唐突です。ふつうこういうあらたまった質問というのは、日常会話では出てこないものと思いますので。基本的には会話のテンポもよく、個人的には好みの雰囲気です。冒頭は本当によかったと思う。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:5)
- うーん。ミステリ仕立てのものに必然性を求めるのは酷なのかもしれませんが、読み終わったときの印象は「みんな簡単に死にすぎ」でした。特に遠藤薫の行動に疑問が残ります。というか、みんなの行動それぞれに疑問が残ります。
とはいえ、その疑問点をきれいに浮き彫りにするくらいには、それ以外の部分ではソツがなかったともいえます。んー。なんか不完全燃焼な印象。
- 64 発狂した宇宙 (採点:10)
- 完璧です。言葉もありません。
鬼のように細かく精査すれば、おそらく瑕瑾は見つけられるような気がします。しかしそんなことはまるで無意味だと思えるくらいには、圧倒的な文章力。本当はこういう場では、適切な批評こそが望まれるのでしょうが、俺はその義務を放棄します。無理。ケチつけらんない。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:8)
- ひーーーー。だいすきだーーーー。
そのわりに点数が8なのは、きれいにまとまってはいるものの、子供のころと現在とで「時間の経過」を直感的に感じさせてくれない、ということ。幼なじみものにはこの一点が重要だと考えます。もうひとつ。俺のような、こうした雰囲気が大好きな人間はともかく、そうでない人を引きずり込むだけのオリジナリティに欠けている、この二点です。
とはいえ、読んでいてほとんど引っ掛かりを感じさせない、物語の邪魔をしない地の文と、なにより会話のテンポのよさが光りました。作品としての客観的な評価は8点ですが、個人的には18点くらいです。あと高辻ってメガネかけてないんでしょうか。脳内ヴィジュアルではどうしてもかけてるように思えてしかたなかったという個人的嗜好。
- 66 似たもの親子 (採点:9)
- うまい。ショートショートとしてそつなくまとまってます。
とはいえ俺はあんまりショートショートを読まないので、比較対象を多くは持っていませんが、これはプロに近いレベルだと思います。ただ、あんまり詳しくない身で言うことなので、的外れかもしれませんが、なにがしかスマートさに欠けるような印象。Cが苦しみ出してからあと、描写や会話がややくどくなったからかもしれません。極限まで削ぎ落とせばよりいっそう、ショートショートを読んだときの「すとん」と自分のなかに落ちて納得がいく感覚が味わえたかもしれません。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:10)
- すごい! まずはこの文章力!
そして完全に首尾一貫したテーマ性。
そして気の利いたタイトル。
唸るばかりです。
あとは文章が少し硬いとか、個人的な好みの範疇ではいろいろありますが、すべて些細なことで、少なくとも「作品」という観点から見たときに、マイナス要素はまったく見当たりませんでした。
- 68 私的な三色信号機 (採点:7)
- 設定は短編にふさわしく、わかりやすくて奇抜。この世のどこかに同案がありそうな気もしますが、俺は知らないのでまあ無問題。ただ、シグナルライトなんて奇抜なものに頼って生きているにしては、主人公はいいヤツっぽいし、北里さんのキャラがいまひとつ把握できません。妹の手術が失敗したというのに、男にキスしてる場合か!とか思う。きれいにまとまってるんですが、きれいすぎて嘘くさい、ということでしょうか。
とはいえ、嫌いな雰囲気ではないし、なによりアイディアに敬意を表します。
- 69 雪、心々 (採点:6)
- かなりダイエットに苦しんだと察します。
24時間で記憶を失う、という強烈な体験が、いまひとつ泣きにつながっていないように思いました。作者の方はすでに考えたかもしれませんが、無理やりにでも「リセットされる瞬間」を入れれば劇的になったのにな、とこれは外野の勝手な言い分。あと、結局彼女の病気は続くのか、それではなんのカタルシスも読んでいる人に与えないのではないか、というのが不満点。とはいえ、ここに書かれたストーリーを表現するためには、極限までダイエットされているように思ったので、ないものねだりってやつでしょうか。
個人的には好きな雰囲気ですが、読んでいて「引っ掛かり」というものを与えてくれないという点において、この点数。
- 70 雨ごい (採点:9)
- このすさまじいオチをどう評価していいのかとまどいます。文章力、無駄のなさ、的確な情景描写、そして雰囲気を盛り上げる変幻自在なセンテンスの長さ。どこをどうとっても完璧だと思っていた矢先にこのオチ。個人的には「アリ」ですが……という割り切れない思いでマイナス1点。自分のスタンスが「作品としての公正な評価」ではなく「個人的な趣味」だけだったら、15点つけます。技術の無駄遣いは大好きです。
- 71 デジタルペット (採点:9)
- 個人的にものすごいツボ。書きたくて書けなかったもの、とすら言ってもいいかもしれません。物語世界をはみだすオチは個人的にはあまり好みではないものの、これはこれで効果抜群といえるでしょう。演出効果という点で考えるのならば、「ボク」の口調をここまでくだけたものにしなかったほうがよかったかもしれない、とは思いますが、それも好みの範疇だと思います。とにかく、いい作品だと思いました。できるだけ客観に近づく評価をしようとは思っているけど、こればかりは好みで上乗せ。+1。
- 72 しろゆめ (採点:5)
- ごめんなさい。この小説は、きっとなにごとかを含んでいると思うのですが、俺にはそれが読めません。たぶん読み手としての力量不足でしょう。とはいえ、それだけに読む人を選ぶ内容だとは思います。文章そのものの感じは好きです。
- 73 Saturday 7.15 (採点:5)
- 個人的にはかなり好きな雰囲気です。ただ、いかんともしがたいぐらいに説明不足。だれがどのセリフを言っているのかわかりにくい。キャラも、本来はもっと立っていて魅力的だと思われるのに、説明不足で把握しづらい。物語というものを構成する「技術的要素」の側面だけがずっぽりと抜け落ちている感じです。技術がともなえば、もっと魅力的な物語になったと思います。
- 74 告白ごっこ (採点:3)
- 主人公の考えていること、感じていることはよく伝わる。そういう意味でいやになるくらいのリアリティがある。個人的に俺が思春期大好きだからかもしれませんけど。ただ致命的にまずいのは、主人公の行動が読んでいる人の共感を得られないこと。ありていにいって、主人公の行動は「まちがってる」。個人的な考えですが、主人公の行動がまちがっていて、そのことに対する批判が作品内部でなされていない場合、それは人が読む価値がある作品にはなりにくいように思います。それはそうと、この小倉って女の子はきっとかわいいと思う(なにゆってんだ)。
- 75 君の後ろで (採点:5)
- 女性の一人称で書かれているうえに、女性の心理として納得いく部分が多いです。読んだあとに残るやるせない感じも、おそらく作者の意図したとおりのものでしょう。その意味ではソツなくまとまってるな、という印象を受けました。ただ、会話の短さがテンポの演出にあまり役立っていない点が多少引っかかりました。むしろ、リアリティがなく浮ついた印象を与えます。この内容ならば、むしろ会話文はもう少し生臭いぐらいでもよかったと思う。
- 76 落果 (採点:2)
- 文章力はごくふつうにあると思います。しかし、ここに描写されている場面に、どういう「物語」も見出すことができません。いっそ随筆という形式ならアリかもしれませんが、それにしては、ここにはこの光景を観察する人が感じる「情緒」のようなものもないし、なにより「小説的光景」として成立していません。手厳しいようですが、率直にそう思いました。
- 77 いつも心に太陽を (採点:7)
- じゃあ実際外はどういう世界なのか、そこは人が生きていける世界なのか、そうでないのか。沙莉の世界観はもう少し特殊であるべきであるはずで、その特殊な世界観と「まだ見ぬ世界」とのズレをなんらかの手段で読んでいる人に知らせることができれば、この作品はもっとよくなったのではないか。
などといろいろ思ったのですが、やや女性的で流麗な地の文の読みやすさと、なにより「人の感情」をうまく説明できる設定に好印象を抱きました。おばあちゃんがそこまでして沙莉を家に閉じこめておく理由が、もう少し明示的に示されてれば、俺はもっとこの作品に愛情を抱けたと思います。惜しい!という印象。
- 78 ラックラック♪ (採点:10)
- 短編としては、効きすぎるほど気が効いている。アイディアだけで成功が約束されているようなお話だけれど、会話のテンポのよさがそれを後押ししていると思う。ほとんど難癖に近い瑕瑾を指摘するならば「私」の人生観に、なぜか陰性の印象があることです。本来はそうではないはずなのに。あとは、死神の少女の外見の描写が少なかったため、いまひとつ「受難」からくる魅力が弱いと思ったことくらい。地の文のテンポもよく、これは秀作だと思います。
- 79 home, my sweet home (採点:6)
- 魅力的な設定を数多く含んでいながら、活かしきれていない印象。最大の問題は、物語における「変化」が、戦闘の流れのみに限定されていて、人間の物語として発端と結末があまり変化がない。読んでいて冗長に感じる。ラストが活きてくるためには、序盤でせめてズィクシィとDBのやりとり関連の印象的なエピソードを入れておくべきだったと思う。戦闘シーンを割愛してでも。基準点を5として、魅力的な設定で+1点。
○くわね@まるち さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 「君」がむしろおばあちゃんなのかもしれないのだけど、その部分がなんだか好きです。
あとはモールス信号。
- 32 バスが来るまで (採点:10)
- 兄妹。田舎。路線バス。
この道具立ては(少なくとも、僕にとっては)反則だ。
もちろん、道具立ては良くても使いこなせなければ意味はない訳だけれど、ここでは見事に成功して
いる、と思う。僕は、この作品に流れる気だるい空気が、かなり好きだ。
ラストシーン。駅、つまりはレールの上へと二人を連れ戻すバスの中に流れたであろう沈黙と、その
沈黙を不意に破るのだろうアナウンスを想像して、一人にやにやしてみたり。
素直に拍手を送りたい。
- 35 負け犬 (採点:9)
- 決壊。
それに的を絞り、ちゃんと見せてくれた。
- 43 帰郷 (採点:9)
- 「帰郷」というギミックの描き方があまりに見事だと思った。
- 44 勝者は語らず。 (採点:4)
- 銃が好きだ、というのは伝わってくるのだが、読者もそうであるという前提に立ちすぎてないだろう
か。
かといって、それが徹底されていないのがあまりに微妙。
例えば、5.56mmとライフル弾が同じ弾ということや、SIG社の銃が高級品であるということがなん
の説明もなしに書かれていたりかと思えば、手に取った銃についてただ「マシンガン」とだけ一般名
詞で書いてある部分もあり。
もう少し(銃を知らない読者に)親切になるか、あるいは徹底して不親切になるか、どちらかにして
ほしかった。
- 52 ロボット寄生 (採点:9)
- まさに短編ならではの、正統派のブラックユーモア。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- 消えゆくものとその願い、という王道をきっちりと描き切っている。
会社で徹夜で待機業務をしている最中に読んで、ちょっと泣いた。
- 56 子供の夢 (採点:9)
- 反復と微妙な変化。その果てのオチの黒さが、タイトルののどかさとの落差ともあいまって非常に大
きなインパクトを与えてくれました。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- ブラックな話が淡々と進んで行く、ある意味で正統派のSF短編。
ただ、タイトルはあきらかにマイナス点。
- 59 幼少時 (採点:6)
- 無理やり点数をつけはしたものの、なんとゆーかSSというよりは散文詩という印象で。一番正確な評価は「採点不能」なんじゃないかという気もしつつ。
- 70 雨ごい (採点:9)
- 民話をモチーフとした伝奇ものと思わせておいて、あまりといえばあまりのオチ。
あえて褒め言葉として言いたい。
頭悪いだろう、と。
- 73 Saturday 7.15 (採点:10)
- 圧倒的なコトバのテンポ。それに尽きる。
- 75 君の後ろで (採点:7)
- (個人的な好みだとは思うけれど)最後の一文があることが、すごくもったいなく思える。
具体的に言うと2点分くらい。
というわけで、7点。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 短編らしいアイディア一発勝負。そして、その勝負には見事に勝利しているように思える。
……ミリオタ的に非常にイヤなツッコミを入れるとするなら、少なくとも近代以降の軍隊においては
兵卒を飛び越えて士官になるのはむしろ当たり前のことで、兵/下士官と士官は同じ組織にありなが
ら別の世界を形成しているものだという前提が脳内にあったため、その点で昔語りに微妙な引っかか
りを覚えさせられてしまった、ということでしょうか。
- 79 home, my sweet home (採点:6)
- ある意味でOVA版なんかよりはよほど良く出来た「戦闘妖精・雪風」へのオマージュではないか。
ただ、主人公の名前に誤植があるのは(しかも、作中でその名前の由来を解説しているのに!)、どうかと思ったのでそこで-3点。
○しんか さん
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 面白かったです。楽しませていただきました。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:6)
- わけがわからんッス(笑)
でも、ところどころの小ネタには笑わせていただきました。
楽しかったです。ハイ。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- ステキなお話でした。
最後がよく解らなかったですけど。
彼女とは結婚したんでしょか? 子供は二人の子供なんでしょか? それとも待ったく別の人との子なんでしょか? その辺が知りたかったなぁと感じるものであります。
まぁでも、楽しませていただいたので、アリガトございますです。ハイ。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:10)
- どことなくカワイイお話でしたね。少女マンガ読んでるみたいな気分になりました(笑)
面白かったです。アリガトございます。
- 46 決まりきった世界 (採点:1)
- なんか、結局最後がよくわかんなかったッス。スンマセン。
- 49 忘れてしまった (採点:10)
- 面白かったッス、文句なく。
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- 見方を変えると物凄く怖い話ですよね、これって、ある種のダーク的なものを感じました。
いやに人間臭いイヤミったらしいロボットと、人間諦めかけの人間と、果たしてどっちの方が真に人間と言えるんでしょうね?
ちょっと真面目に考えてみたりしちゃいました。
- 55 明日天気になあれ (採点:10)
- こーゆー話、理屈抜きで好きですわ。
面白かったッス。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:10)
- 青春ですね。こういうコッテコテの話、割と好きです。
面白かったッス。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- 美由紀さん=花梨さんなんでしょうか? それとも別の誰かなんでしょうか? よくわかんなかったッス、スンマセン。
内容自体はよくある話っちゃ話でしたが、楽しませていただきました。
も少しキャラクターさんの心情が練りこんであると、もっと楽しめたんじゃなかろうかと思っております。
でも話を練りこむのって……何気に難しいんですよね。
- 72 しろゆめ (採点:7)
- 内容がなんとなく助長で少々しんどかったです。
だけどそれ以上に話の雰囲気が好きです。
ふわふわした重たい感じっていうんですかね? そんな感じ。
- 79 home, my sweet home (採点:10)
- 戦闘妖精雪風みたいな話ですね。……って言う感想は禁句ですか? とにかくそう思ってしまったので、そう書かせていただくことにします、すいません。
や、ま、そんなことはどーでも良くて、って言うか、逆にそーゆー話だったもんだから、ザックリツボを突かれてしまいました訳でして(笑)。
要は、面白かったッス。と、言うことなのでありますよ。
○じゅう さん
- 01 きれいなほし (採点:2)
- 体言止め等の文末省略が多すぎです!
この表現は、読者(私)に投げやりな印象を与えるので、ほどほどにしたほうが良いです。
- 09 僕僕先生 (採点:3)
- 淡々と事象が羅列されていて、ドラマチックな展開がなく、
興じる部分が見つかりませんでした。
ところで、「先生」より「老師」と書いた方が雰囲気が出たのではないでしょうか。
- 10 また共に笑おう (採点:6)
- 最後のアレで、ぶっとびました。
- 14 ユメのおわりに (採点:9)
- 続きは、続きはっ!?
あらすじだけ聞けば、よくあるすれ違いの話なんですが、
主人公の感情の流れの描写がすばらしく、一気に読み進められました。
そのかっこ悪い、仲直りのお願いも書ききってくれたら間違いなく10点でした。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:7)
- これが、雑誌の読みきりだとしたら、好評につき連載決定になりそうなプロローグですね。もちろん、これ一つで立派な作品です。
文章だけで、面白いバトルが書ける力には感心します。
- 19 青い春 (採点:6)
- 無駄の多い文章って、基本的に嫌いなのですけれど、この作品においてはその無駄がいい味を出しています。
初デートでモタモタ、オドオドしている様子がかわいらしいです。
- 20 A Darkness more than night (採点:1)
- 無限矛盾する、ってどういう意味ですか。
他にもいろいろと言いたい事はありますが、それは他の方の感想に任せます。
- 21 bright shine on time (採点:3)
- なんていうか、ただのタナボタ話のような……。
- 22 瑠璃 (採点:3)
- この瑠璃という女性、是非とも傍には居てほしくないタイプなのですが、それはそれとして。
小説の中の展開を現実になぞろうとする辺りから、意味がわからなくなってきました。
瑠璃は小説の中のキャラと自分が似ているからそれを模しようとしたということでしょうか。やっぱりよくわからないです。
- 23 世界の終わりは (採点:6)
- 世の中を諦観したつもりになっているヘタレな主人公君は、外側から見ると結構面白いキャラであります。
女の子のほうは、解説キャラっぽくなってしまったのがちょっと残念です。
いろいろあって、感情に起伏がないため、というのは分かるのですが…
- 28 その交渉は無理がある (採点:4)
- 楽しい雰囲気は伝わってくるのですが、微妙に読者(私)を置き去りにしている感じが……。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- ええと、ツンデレですか?
この話の背景にある戦闘が、どれぐらい緊張感のあるものなのかを説明してほしかったです。それによって、ミリィが敵陣を訪ねてくる意味が大分変わってきますから。
普通はあんなことしたら、ミリィは殺されても文句を言えない、と思います。
- 32 バスが来るまで (採点:7)
- リアルでも、お兄ちゃん大好きな妹って少ないながらも、実は結構いるらしいですね。
ベタベタしすぎず、ドライすぎず、の距離の取り方が面白かったです。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:7)
- おおお。灰谷健次郎を思い出させる、どこか危なっかしい子供との交流。
怪しげな魅力がある作品です。
- 34 美談 (採点:8)
- グダグダ話がこんなに面白いなんて知らなかったです。
新しい境地を見た感じです。ありがとうございました。
- 35 負け犬 (採点:6)
- 何かのスイッチが入って、これまでの生き方を変える話ですが、
嫌な方向に突き抜けましたね。あー、気分悪ぅ(褒め言葉)。
- 36 停電の訪問者 (採点:4)
- えーと「実は死んでいた」というのがオチだったのでしょうか。
描写があからさまだったので、死んでいると見せかけて実は、な話かと思って読んでいたため、肩透かしでした。すいません。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:6)
- ヒグラシってセミじゃなかったのか!というくだらないツッコミを一応。
好きな人と一緒に無駄な時間を過ごせて嬉しそうな彼女の様子がよかったと思います。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 会話文を「自然に」「わかりやすく」する、ということを、意図的に排しているのでしょうか。
よく言えば純文学的であり、悪く言えば殿様商売的というか。
私は受け付けられませんでした。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:8)
- 今回の恋愛ものの中では一番好きかもしれません。
タイトルは、もう、これしかない、っていうものですね。
まとまりもよく、この長さでせつなさがうまく表現されていました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:7)
- SF短編で、トリッキーなオチを使わず、堂々と主人公に正論を吐かせるというのは逆に意外でした。面白いというより、うならされる話でした。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:3)
- 作風を考えず、徒(いたずら)に漢字変換を使いすぎていると思います。
(それから「聡明」の使い方を間違っていませんか?)
作品内容は、というと、手袋をしてキーボードを打つような感じ……。
抽象的な言葉を使いすぎて、恋愛感情の熱さや切なさは感じられませんでした。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- 展開にまったくうねりがなく、どこで楽しめばいいのか、
または何を訴えたいのかがわかりませんでした。
- 46 決まりきった世界 (採点:採点なし)
- 「世にも奇妙な物語」で、この話とよく似た話を知っているので、
公正な点数、感想をつけることができません。すいません。
- 47 ローランダ、空へ (採点:6)
- ローランダが人語を操れるという設定が、邪魔です。
先天的な障害ゆえに空を飛べない鳥が必死に飛ぼうとする姿は、言葉なしでも、ジャックの心を打つはず。
鳥の心理描写をするためには、人語を使用するのが楽な道かも知れませんが、その特別な設定は、ともすれば、「人の言葉を話す珍しい鳥だから」ジャックも特にローランダに目をかけてやった、というふうにも見えます。
意地悪な見方かもしれませんが、ここは作者さんに頑張ってほしかったです。
- 48 愛されるより愛したい (採点:6)
- テーマは陳腐ながらも、そつなくまとめた話だと思います。
ただ、タイトルにもなっている最後の一文だけが、作品の内容から浮いているのが気になりました。
- 52 ロボット寄生 (採点:5)
- ロボットの性能から推測される時代背景にしては、
コークス君が認識する機械の弱点は古すぎるような気がします。
SFとしてはあと一歩というところです。
- 55 明日天気になあれ (採点:4)
- えっと、精霊っていうのはですね……いや、厳密な定義をとやかく言ってもしょうがないんですが…。
これが、魔法の国からやってきた小さな見習い魔術師くん、とかだったら、もう少し素直な気持ちで読めたのですが……すいません。
作者さんは根本的に精霊のことを誤解されていると思います。
- 56 子供の夢 (採点:3)
- アイデアは良いと思います。これで、惹きつける様な文章だったら…と悔やまれます。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:6)
- あまりのアホらしさに感動しました。
- 62 Why do you do it? (採点:7)
- 会話の流れがナチュラルで、読んでいて心地よかったです。
この手の話は苦手なんですけれど、それを補って余りある文章でした。
- 64 発狂した宇宙 (採点:9)
- 鈴木光司の「リング」「らせん」を読んだときにこんな感覚を味わったような。
じっとりとして得体の知れない不気味さが、凄かったです。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:7)
- 「星虫」とか「星空ぷらねっと」の世界ですね。
まあ、もう高校生なのですから「夢」をそろそろ「目標」に変える時期だと思います。
- 66 似たもの親子 (採点:3)
- 髭が口の中でチクチクしてまずそう。っていうか生だし。
第一クローン技術があるなら、犯罪めいたことをせずとも、肉を食べられるでしょうに。
自分の肉を食べるというシチュを作るために、無茶な擬似SF設定をくっつけたせいで、寓話性も消失しています。
- 69 雪、心々 (採点:5)
- 作品テーマは、彰人が愛する感情を取り戻すことか、美由紀が感情表現を知るか、のどちらかに絞ったほうが良かったんじゃないでしょうか。
自分の感情で手一杯な奴が、他人を教え諭すっていうのがちと偉そう見えてしまったのです。
>あれ? わたし、おかしいな。嬉しいのに。こんなに嬉しいのに、なんで? 涙が止まらないよぉ
>人ってね。嬉しいときにも泣くんだよ
なんだか、どこかで見たようなやりとり……。
ベタなのを敢えて狙ったのかもしれませんが苦笑いしてしまいました。
以下、ちょっとしたツッコミ。
・ニュートンが重力を発明したわけじゃありませんから、的外れなクソ呼ばわりはちょっと…。
・たかなし、ってふりがなを最初にふってほしかったです。
・花梨っていうのは伏線かと思ったんですが違うんですか。
- 71 デジタルペット (採点:2)
- 自分では「生きている」と主張しようが、
それは飼い主にもそう思われて愛されてこそ活きる言葉であり、あくまでデジタルデータとして付き合っている飼い主にとっては、そんなことは知ったことではないでしょう。
この嫌味タラタラ恨み言ネチネチなデジタルペットでは、
飼い主に見放されても同情できないな、と思いながら見ていました。
ラストは怖いというよりウザいと感じました。
- 73 Saturday 7.15 (採点:6)
- ん……。
無駄な会話文を続けすぎな感じがするのです。
楽しそうな様子、を描写するのに、会話文だけでなく地の文も用いてもらえると、読者(私)にもその状況が分かりやすいのですが。
- 74 告白ごっこ (採点:6)
- あー、小学校高学年〜中学生の間には、こういうもどかしいすれ違いがあるかも、
って思わせるようなほろ苦いエピソードですね。
- 78 ラックラック♪ (採点:6)
- サイコロの話は面白いです。よく出来ていると思います。
でも「死神」の設定がこの作品の評価の足を引っ張っている感じですね。
本人が魂を渡すのを拒否すれば死ななくて済む、というのには首をひねりました。
もう少し、死神を丸め込めるおじいさんの口車がうまければ…
- 79 home, my sweet home (採点:2)
- ちょっと低すぎる点数ですいません。
人工知性体が義体化した元人間に乗り込んで戦う、
という複雑な設定を構築しておきながら、
ストーリーにそれが全く活かされていないので、厳しめに採点しました。
普通の人間のパイロットが、愛機に乗って…
という設定であっても、ストーリーに全く影響は無いんですよね。
○すなふ さん
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- この設定はアリなのかー(笑)
説明口調がやや多いのが気になります。もう少し自然に物語に溶け込ませられれば良かったのですが。
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 評価高いです。これ。
高い文章力が基礎になって、それでいて面白い。
しかし、見事なニートでロリコンですね、王弁(笑)
王弁の一人称が「私」あたりだったら、雰囲気をもう少し作れたかも。折角歴史物っぽくしてあるので。現代っぽさがちょいちょい混じっていたのですが、そこのさじ加減を少なめにしてたら、もっと「ぽい」ものになったと思います。
- 19 青い春 (採点:8)
- というか、とか、とはいえ、とか、ではなくて、とか、なんだか自分が書く文章と似てるなあ、なんて自惚れてみたり。便利な言葉ですよね。
早足になってついつい置いていってしまったり、なかなか手を繋げなかったり、なんかもー懐かしいなあ。こんな綺麗じゃなかったけどなあ。良いらぶでした。
- 21 bright shine on time (採点:5)
- ニヤニヤしながら読んでました。若いっていい!
個人的には合わない方な文章なんでこの点数なんですが、狙い目としてはいいんじゃないかな。方向がこうだ、ということであれば、文章自体に難は無いですし。
あ、英語タイトルはなんだかイマイチだと思いました。
- 24 禍疎 (採点:9)
- 良いですね。なんかこう、青春で。特有の危なっかしさとか、青さとか。
良作だと思います。文章も好き。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:2)
- いつも思うのですが、前振りをこう、何調というんでしょう、拍を置いて短文で区切っていくやり方って、あんま好きじゃないんですよ。と思いつつ本文に突入したら、あまり変わってなかったのでがっかりでした。詩に近いですね。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:9)
- やり切れなさとか哀しみとか、一言では表せないんですけど、ある種の感情が浮かんできます。そういや、ペットのぬいぐるみを作るというのも商売になってるみたいですね。剥製の方は死生観や価値観なんかと絡むので、あまり関連づけるのはよろしくないですけど、たまたま最近そんなニュースを見たので。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:8)
- ところどころ難表現(というより手抜きかな(笑))や表現が足りないところがあるように見受けられました。ですが、なかなか心地よいスタイルの物語でした。爽やか系というか、スカした系というか(笑)、自分の好きな表現手法です。
最後のどんでん返しが急だったぶん、やや拍子抜けでした。敢えてそうした、というより、時間足りなかったのかな、と思います。前半と同じように書きこんであれば、更に加点だったです。
- 32 バスが来るまで (採点:3)
- いや、自分でもファッキン言うのですが、文章内でファッキンファッキン連呼されると微妙ですね(笑) 文章は軽妙で楽しく読めたのですが、いかんせんあざと過ぎるのはちょっと肌に合わない‥‥。
けど、題材を選んだ時点で着地点はここしかないのでしょうね。文章が端折り過ぎの箇所がいくつか合ったように見受けられましたので、そのあたりの解決と、深めの描写で綴ってくれれば、もう少しなんとかなったかも、という感想です。
- 34 美談 (採点:3)
- 個人的な感想としては、主人公胸くそ悪い、ということになっちゃうんですが。そこは敢えてそうしているところだと思うので、とにかく読みとろうと読んでみました。
――読みとれませんでした。いや、読みとろうとするものじゃないのかもしれませんが、事象だけを描いたのではなくて、描写に何らかの示唆を含んでいそうなので。エキセントリックではあるんですけどね。
うーん、でも、面白かったんですよ。こういうの好きだし。
点数は、単に主人公に共感できるか否かでつけました。内容じゃなく。
- 35 負け犬 (採点:5)
- 安直な結果じゃないのは良かったです。いじめ問題はいずれにせよ賛否あると思うのですが、たぶん思いっきり嫌われる方向に走ったんじゃないかなあ。冒険しましたね。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 同人を舞台にしなくても良かったのでは、とは思いました。同人をやってる人間にはちょっとハテナが浮かぶドリームっぷりだし、同人を知らない人間は、なんだそりゃ、な感じなんじゃないでしょうか。結果、あまり効いていないかなあ、という感じ。
でまあ、同人部分はともかく、終わってないなあ、という話だと思います。主張がどうも先走ったというか後走ったというか、どうもバランスが悪いなあ、と感じました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:5)
- ぜんぜん関係ないのですが、最初「完成だ!」で『タイムマシン』という飲み芸を思い出してしまった私。
やけに世界が小さいなあ、というのが第一印象です。システムの規模の割に。その辺の荒唐無稽さが、最後まで残って、リアルフィクションではなくて、普通のショートショートを見せられてるような感覚になりました。いや、おとぎ話を志向していたのであれば、成功してると思うのですが。仲松の持つ暗さをもっと描いても良かったのでは?
タイトルは恰好いいです。ノイマンは当時何を思っていたんでしょうね。何を思うんでしょうね、今。
- 41 らくがきを消しに (採点:7)
- いいですね、キャラ作り。あと、個人的に廃墟ブームだったもので、題材がピンポイントでした。実は、割と文章は変なトコ多いんですよね。でも、三人キャラという長所を生かし切った作で、なかなか楽しく読めました。あ、タイトルは安直すぎだと思います。ちょっと勿体ない。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:1)
- 本来なら1点つけるような作じゃないんですが、読者として呆然としてしまったので。なんだか、さっぱりわかりませんでした。
うまく言えないのですが、作者の構想をテキストに転写する際、イメージだけが文字化されてしまったような感じ。作者の当たり前は、読者にとって当たり前じゃないんですよね。思わせぶりなまま先に進む手法は、そればっかりだと胃にもたれます。
文章はこなれていると思いますし、綺麗です。ただ、敢えてやってるんでしょうけれど、綺麗表現の多用が気になりました。いや、本来ならそういうキザっぽいの好きなんですよ。けれど、読者が置いて行かれたあとだと、文章自体が地に足がついていないように思えてしまうんですね。
ついでに「親戚の両親が死んで」はちょっと変表現な気がします。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- どこが悪い、ということではないと思うのです。こういう書き方もアリだと思うし、それを認めてしまえば書法にきちんと沿った作だと思うし。
人に感銘を与えるなんて烏滸がましいことなのですが、それでもなんとかそこを目指そうとするなら、ご都合主義一点の物語では弱いかなあ、とは思います。
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- なんか挑戦された気がします、いや、タイトルが(笑)
(昔、スピッツタイトルで話を書く、ということをやっていたので)
ということで、曲を聴きながら、この感想を書いてます。
15KBでも短いか、というのが感想になってしまいます。配分はそれほど間違ってないのですが、最後、強く盛り上げようと言うところで少しパンチ不足。冒頭削って、ラストに分量回す、という手もアリかも。
とはいえ、評価は高いです。歳を取って、真っ直ぐな話ではなかなか共感を得られなくなってますけど、それでも真っ直ぐなお話はいいものですね。
- 49 忘れてしまった (採点:9)
- 最後のみ、ちょっと残念かも。確かに、冒頭と比べて差違はあるんですよね。芸が細かいなあ、とは思いつつ。
「忘れるものか」的な終わりにしてあると、すっきり一本通ったと思うんです。後味悪く終わらせるのが主眼の物語ではないと思うので、ハッピーエンド(ていうのか?)になって欲しかったと思います。
でも、この作も評価は高いです。密度が濃い。
- 52 ロボット寄生 (採点:9)
- 面白いですね。ユーモア溢れていて、作者さんの遊び心というか余裕を感じました。クロマティ高校のメカ沢っぽい造型の管理ロボットも、想像するだけで笑えてしまうので。
しかし、意外に根深いと思うんです、この話。人間っていうのはどこまでをそう規定するんだろうなあ、と常々(創作のネタとして)考えているので。脳内情報を全てコピーして、再現できるなら、それは自分なのかそうじゃないのか、とか。
良質なショートショートでありました。
- 55 明日天気になあれ (採点:7)
- 鬼のように読みやすいのは、素直に加点しておくところかな、と思います。
――少々、児童向けのように思えてしまうとこもありますけど。そこは題材も含めてですね。
意外に好感触でした。意外に描写が細かくて、だからこそクライマックスに綺麗に繋がっていけるんですよね。
- 58 落日の挽歌 (採点:10)
- ほえー、という感嘆作。
旧人類と新人類がどう入れ替わったのか、諸説ありますよね。蘊蓄や思わせぶりなものを一切廃し、着想だけからこんな風に寓話に直してしまう力量に恐れ入ります。
天啓の一文だけで、ビッと走るものがありました。心地よかった。
また、いろいろと考えさせるものがありました。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- なんというか、作者の人の等身大を書いていると思うんですけど、脚色の仕方が作中の主人公同様二次創作的なんですよね。うんうん、と肯けるところも無いではないんだけれど、あまりにもストレートに創作行為について書いてあるので、ちょっと赤面しました。創るということについてはNo.38でもモチーフとして挙げられてるんですけど、こちらの作はベタだったかなあ、と。
他には『SS』という言葉の連発が気になりました。小説内で見かけると脱力する系の言葉かも知れない。
- 66 似たもの親子 (採点:5)
- 人って不味いらしいですね。それはさておき。
パンチが足りなかった気はしました。衝撃的なお話のはずなのに、そこが感じられないと言うか。アイデアは良いので、あとはそれこそ料理法なんだと思います。素材を素のまま出された感じがします。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- 文章が男性的、なのがちょっと気になりました。いや、あくまで好みなのですが。女性主人公特有の感じは薄かったように思います。内容は良かったです。好作。
- 70 雨ごい (採点:7)
- 偏執的に描写を重ねておいて、最後それかよ!と。
掲示板で話題になっていた理由がよくわかります(笑)
いや、面白かったです。一発ネタに近いので、点数は流石に高いところ出せませんけど、今度は作者さんのマジ話も見てみたいなあ、と思いました。
- 72 しろゆめ (採点:6)
- センス良いですね。ページ替わりの冒頭の二行とか。文章、視覚両方の意味での空間の使い方が、ほんとセンス良い。
これでもう少し読者に歩み寄ってくれればなあ。
- 74 告白ごっこ (採点:1)
- これはちょっと、なぁ。
中田くんは当然として、小倉さんも適当に作られたキャラに見えてしまう。幼少時に無邪気な悪意って確かにあるものですが、中学生になってこれはちょっと幼いし、泣かれてからの変節もなんかおかしいと思う。
- 75 君の後ろで (採点:9)
- いい話ですね。幼くもなく、でもノスタルジー。
スマートな短編でした。
- 76 落果 (採点:7)
- 佳作だと思います。ここで終わりとは思わなかったので、いささか拍子抜けでしたけど、空気感、侘びしさ、その辺は伝わってきます。丁寧さの勝利でしょうか。物語としてならともかく、作品として、これ以上の完成度にはなかなかならないかと。
一点、硬質な文章と、地の文の「おじいさん」「おばあさん」という言葉の持つ柔らかさのギャップが。
- 77 いつも心に太陽を (採点:7)
- 保留。
○ちょた さん
- 05 魔 王 (採点:7)
- オチが良すぎ。あと、タイトルの位置が絶妙
だけど、文学作品としてのレベルは微妙なので、この点数です。
- 50 ある朝 (採点:5)
- ジャンルがホラーに分類されてるけど、楽しんで読めました(笑)
- 59 幼少時 (採点:4)
- 書き方は巧いけど、やはり他の作品と比べると内容が薄い気がします。
文章のサイズ上仕方ないとは思いますが・・・
○にゃんこ さん
- 01 きれいなほし (採点:6)
- 描写や背景説明を削って雰囲気だけで引っ張るには、やや長すぎるような気がします。もう少しコンパクトに纏めるか、いっそもっと状況説明をして欲しかったです。現状ですと少し中途半端で、どちらにしても不満の残る内容になってしまっていると感じました。
- 02 息吹 (採点:10)
- 素晴らしい。文句無しです。
題材の新鮮さ、描写の丁寧さ、雰囲気の良さ、どれをとっても非の打ち所がありません。今回は下から順に読んできたのですが、最後一歩手前でこれだけ素晴らしい作品に出会えたことに感謝。
気になった点はタイトルが二重になっていることくらいで、そんなのは本当に些細なこと、他の完成度の高さに比べれば塵みたいなものです。
本当にこれは素晴らしかった。全79作品中、もっとも好きな作品かもしれません。
素敵な作品をありがとうございました。
- 03 strangers in the city (採点:4)
- 試みというか、作者さんがやりたかったことは薄っすらと解るような気がするのですが、あまり成功しているとは言い難いですね。
メッセンジャー、mixi、引き篭もり、というテーマが乱雑に配置されているだけで、それぞれが繋がっておらず読者へのメッセージになっていません。それぞれは確かに美味しそうな食材ですが、あくまで食材であってそのまま皿に乗せて客に出すものじゃないと思うんですけれど。料理しましょうよ。
選んだテーマやアプローチは悪くないのに、それらを使って結論を出すところまで至っていないというのが正直な感想です。惜しいなぁ。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:3)
- なんだか不思議な雰囲気のお話でしたが、端的に言って面白くありませんでした。
そも宿無しの男を部屋に住まわせるという主人公の行動からしてわかりません。そういう人も世の中にはいるのかもしれませんが、極少数でしょう。作品中でそれに対するアンチテーゼがどこにも登場しないので、主人公がその極少数なのだということが作中で確認できず、読者としては違和感しか感じられませんでした。
主人公の感情推移もまったくついていけず、一人称で主人公に共感できないというのはかなり致命的なんじゃないかという気がしました。
さらりと流すのではなく、もう少し登場人物の心情を掘り下げて欲しかったですね。
- 05 魔 王 (採点:7)
- わははは! 一発ネタかよ!
あえて陳腐な内容にした前半が効いてますね、やられた。
容量が少ない系では飛び抜けていると思います、ネタ勝負はやっぱりこの作品のように最後でオチを用意しておかないと難しいですね。
お見事でした。
- 06 left wrist watch (採点:6)
- うーん、余韻を残したいい終わり方だとは思うんですが、やっぱり最後まで書ききって欲しかったように思います。そこまでの主人公の心情を丁寧に丁寧に描写しているため、余計に最後が投げっぱなしであるように感じられました。
それと、彼女の描写が序盤しかないので、主人公が必要以上にうじうじしているように感じられてしまうのもマイナス材料だと思います。読者は主人公と違って彼女に思い入れがないので、もう少し彼女とのエピソードを入れて彼女を印象付けた方がよかったのではないかと思いました。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:10)
- 素晴らしい。こういう少しパンチの効いた甘酸っぱい話はツボでした。
話の展開としては確かに途中から読めてしまいましたけれど、それでも書ききっているのは好評価です。小説はネタが全てではなく、そのネタをどれだけ丁寧に書ききるかだと思っています。その点、この話はネタの陳腐さをむしろ開き直って書ききっているあたりに清々しさすら感じましたよ。いや、嫌味じゃなしに。
奥さんカワイイねぇ、こんな奥さん欲しいですよ。
ちょっと前半で奥さんをキャラ付けしすぎで、それが展開の先を読ませる結果になってしまっている気がしますが、ここで彼女の個性付けを削ったら意味ないですし、これはこれでいいんだと思います。
素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
- 08 傷跡が残すもの (採点:5)
- 後味の悪い話ですね。
話の感想としてはただそれだけで、可もなく不可もなくという印象でした。遺書の内容とかもう少しショッキングなものであってもよかったように思います。
ところどころ表現に違和感のある部分があって、一つ一つは大したことはないのですがトータルでみると結構な問題点である気がします。
例えば序盤で回想なのに現在進行形で語られている部分(『僕らはいつも何か得体の知れないものに対して苛々しているのだ』)、であるとか、「これ、あんた宛ての遺書だって」とさっくりショッキングなことを口走る母親だとか、一つ一つは細かいミスなのですが、積み重なると結構鼻につきます。
- 09 僕僕先生 (採点:9)
- 唐代はいいですよねぇ。玄宗皇帝の御世ということは、開元の治ですか。時代設定も申し分なく、設定的には問題なかったと思います。姓+名+字があったのが非常に残念ですが、それくらいならば許容範囲。
しっかりとした設定のおかげで、きちんと中国古典の雰囲気を出せていたと思います。お話としてもきちんと古典の荒唐無稽さを残しつつ、楽しく読める内容で素晴らしかったです。
とりあえず、王弁ロリコンと言っておきましょう。
- 10 また共に笑おう (採点:2)
- 読者に男女を勘違いさせることに、なにか意味があったんですか? ただの小細工で無意味に混乱を招いているだけにしか見えなかったんですが。
こういう動きない二人だけの会話は、その掛け合いが面白くないと退屈ですね。所々は面白かったのですが(絵の話の導入部とか)、それ以外の部分が退屈すぎました。特に最初のあたりとか、唐突に取っ組み合いを始めるあたりとかは正直読み飛ばしに近かった。この構成で掛け合いが面白くないと致命的ですよ。
あまり小手先の小細工じゃなく、もっと本質をしっかりと書いて欲しかったです。
- 11 江南小話 (採点:3)
- 歴史教本の小話としては7点か8点ですが、歴史小説としては3点です。読んでいて歴史の教科書を読んでいるかのように非常に退屈でした。そも三国時代の、更に呉の滅亡という非常にマイナーな話なのですから、もう少し色をつけないと面白くないと思いますよ。
つかそもなんで時代的にここなんです? 暗君・奸臣と忠臣を書きたいのなら南宋の秦檜と岳飛とかの方がよほど面白いと思うんですけれども。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:10)
- 面白かった。素晴らしい。
構成としては決して巧くないと思うんです。前半は状況説明に終始して後半なにも問題は解決してませんし、なにより説明不足でいまいちよくわからない箇所もある。
ですがそれらの欠点を全て吹き飛ばすだけの魅力が、この作品にはありました。序盤の状況説明も読んでいてすんなりと入ってきて、絶望的な状況が手にとるようにわかりました。主人公と雪の健気さや、兄貴の愛に胸を打たれ、気付けば一気に読み終えていました。
素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:4)
- 怠惰的な雰囲気は嫌いじゃないのですけれど、結局なにが結論だったのかがよくわかりません。最後は一見綺麗にまとめているように見えますが、なんだかはぐらかされているような印象を抱いてしまいました。
つかこの二人は本当に高校生なんでしょうか? 少なくともこの時分の男なんてこんなに悟れてないと思うんですけれど。セックスできる相手がいるならそれこそ猿のようにのめり込む世代だと思うわけですが、そう思っちゃうのはもうわたしが若くないということなんですかねぇ……
- 14 ユメのおわりに (採点:7)
- いたたまれねぇ……
先の読めるストーリー展開はちょっと陳腐だった気がしますが、それでもしっかりと書ききっていたのは好印象でした。遠恋って連絡取れないとキツイんですよね。そういう意味ではこの女の子の方がちょっとデリカシーに欠ける部分があるかも、なんて思いながら読みました。
ただ遠恋を扱うには致命的な欠陥が。
前橋と練馬って、あんま遠くないですよね…… 高校生ならともかくとして、大学生にもなれば月イチくらいは会える距離だと思うんですけれども。前提条件としてその距離に違和感を持ってしまったので、最後までそれが引っかかりました。もうちょっと飛行機でしか通えないくらいの場所に設定してしまった方がよかったと思うのですが。
前橋と練馬にしたところには作者さんの何かしらの思い入れがあるのかもしれませんが、こんなつまらないところで減点されるのは非常に勿体無いと思いました。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:1)
- 内容も、描写も、こういう作を出された意図も、読者がどういう反応を示すだろうかとほくそえんでいるであろう作者さんも、すべてが気持ち悪かったです。
つーかまぁ一番の問題はつまらないことなんですが。
作者さんが某竹氏の予想通りの方だったのであれば、わたしとしては心底残念ですね。
一応追記しておきますが、公式板での発言は採点後に拝見しました。
色眼鏡、というのは随分と読者を信用していない乱暴なご意見だと感じました。作者さんの意図がどうであれ、結果としてそう読み取られる作品だったということなのだと思います。
作者さんは作品で語っていただきたかったですね。返す返すも残念です。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:3)
- 普通にガンパレードマーチですよね、これ。もうちょっと捻りましょうよさすがに。
長編の導入部、という印象が一番ぴったりきますが、問題はそこではなく、もし本当にこれが長編の導入部だったとして続きを読みたいかという問題です。少なくともわたしは読みたくないですね、残念ながら。
登場人物にまったく魅力を感じませんでした。設定と状況の説明にほとんど筆を割いてしまっているため、キャラクターの印象付けがてんで足りません。
所々の表現――主人公が山登りが趣味であるため状況の変化に柔軟だとか――は光るものがあっただけに、非常に残念な作品だと思います。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:1)
- ものすっごいつまんない。
ここまでつまらないのはむしろ才能。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- あー……
なんというか、ヒロイックファンタジーを本気で書こうという気概は感じられました。が、力尽きた、という印象です。
はっきりと厳しい言葉で言うなら、自作に酔いすぎです。後半は正直読むに耐えませんでした。わたしが菊地秀行嫌いなのもあるかもしれませんが、もう少し冷静になって筆致を抑えて欲しかったように思います。
お妃様だけは人間らしくて、主人公はなんか下手な演劇に出てくる登場人物みたいでしたよ、言動が。
- 19 青い春 (採点:8)
- あ、青すぎる……
なんだか読んでいてくすぐったいと言うかむずがゆいと言うか、いたたまれない気持ちでいっぱいになりました。高校時代とか、こんなだったよなぁ……
そういう意味で、とてもよくできていたと思います。正直ちょっとびっくり、作者さんリア工とかじゃないよね?(笑
ラストどう落とすか興味津々だったのですが、ちょっと綺麗過ぎましたね。まぁ最後まで現実重視でいくとかなりいたたまれないことになりそうなので、これでよかったのかもしれません。
いやしかし、いたたまれねぇ……
- 20 A Darkness more than night (採点:8)
- 面白かったです。SF的な描写や説得力にやや難がある気もしますが、主題はそこではないですから別に構わないでしょう。
徐々に人間らしさを取り戻していくマリィがとても良かった。間接的に表現しているあたりがまた作者の技量の高さを垣間見せてくれました。
ただしラストで結局何の結論も出ていないのはやや拍子抜け。楽しみに読み進めていただけにがっかりしました。ここまでの作品なのですから、何かしらのオチはつけて欲しかったように思います。
- 21 bright shine on time (採点:7)
- わはは、いいなこういうの。
こういう勢いのある作品は大好きです。なんか自分の高校時代を思い出してむずがゆくなってしまうような青さも読んでいて気持ちよかったです。
ただちょっと、文体を崩しすぎかな。勢いを出そうという意図はわかるのですが、さすがにヤリスギと思われるところが何箇所か。もうちょっと骨子はしっかりとした文章を書いて欲しかったですね。
- 22 瑠璃 (採点:6)
- こういう「おされ」な文体の話は、それが合うか合わないか、で評価が変わってくると思うのですが、わたしにはあまり合わなかったかもしれません。こういう話は嫌いじゃないのですが。
あとこれは採点にはまったく考慮に入れていませんが、公式掲示板でのやりとりは正直言って痛々しかったです。はしゃぎすぎだと思います。
- 23 世界の終わりは (採点:8)
- とても面白かったのですが、あまりに作者さんの主張が表に出すぎていてちょっと食傷気味というのが正直なところです。
容量一杯使い切っているので、これ以上の回り道はできなかったのかもしれませんが、もしそうだとするとそもテーマの選定の時点でこの容量には向かなかったのではないでしょうか。しっかりと書ききっているあたりは非常に好評価なのですが。
設定とストーリーの骨子は非常によくできていると思いますので、できればこの作は容量制限のない場所で形にして欲しかったように思います。
- 24 禍疎 (採点:5)
- 雰囲気は良く出ていると思うのですが、それだけで引っ張るにはストーリーが力不足であるように感じました。結局最後まで先輩は掴み所がなくて、主人公もあまり共感できませんでした。なにか作品に読者を惹きつける部分がないと、この容量では難しいですね。
もう少し書き込んで欲しかったです。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:5)
- 文章はこなれていましたし、それぞれの心情描写も丁寧にされていたお話ではあったのですが、いかんせん読んでいてあまり面白さが感じられませんでした。
もうちょっとドラマ性というか、物語に山谷が欲しかったです。現状ですと単に車中の気まずい雰囲気だけが印象に残ってしまい、結局作者さんは何を書きたかったのかと思ってしまいます。
少女の急いでいる理由であるとかも投げっぱなしですし、もうちょっと話を膨らませて欲しかったですね。
- 26 ピーナッツロジック (採点:4)
- 言葉遊びが過ぎる、というのが第一印象。結局作者さんがこの作品で何を語りかけたかったのがまったく見えませんでした。
雰囲気勝負の作品なのかもしれませんが、あんまり好みじゃなかったですね。読んでいて退屈でした。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:6)
- 面白かったのは確かなのですけれど、ちょっと話が平坦でしたね。主人公の女の子が完全に諦念というか、すべてを受け入れてしまっており、感情の起伏があまり感じられないのが原因かもしれません。
もう少し女の子のあがく姿が見てみたかったですね。
というかこの女の子、みさき先輩っぽいです(笑
- 28 その交渉は無理がある (採点:7)
- わははは、なにこのオチ。
前半ちょっと引っ張りすぎのような気もしますが、こういう話にいろいろ文句をつけるのは野暮ってもんでしょう、なかなか面白かったです。オチで意表を衝かれるところとかすごい好みですね。
前半で『交渉』の内容を暈すのはセオリーですが、主人公がそれをあんまり気にしないのは違和感がありました。もうちょっと知ろうとするでしょう普通は。そこをうまく妹がいなして……という流れの方が自然でしたね。そこだけ残念でした。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:9)
- むぅ、これはまいったなぁ。
こういうなんというか、読者を試す作者の姿が透けて見えるような作品は激しく嫌いなんですが、残念ながらこの作品は非常に魅力的で、読んでいてとても面白かった。これは完敗です、作者さんが誰なのかも薄っすら判るような気もしますが、だからこそ悔しいですね。
ただオチだけはもう少し書き込んで欲しかった。現状ですとやや投げっぱなしの感があり、すごく勿体無いと思います。
あとタイトルダサい……
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- 素晴らしい。文句無しに満点です。
こういう雰囲気の話が書けるのは羨ましい限りですね。未来の話なのに、なんだかすごくノスタルジックな気持ちになりました。
惜しむらくは種明かしの部分で、やられたー! というくらいビシッっと決めてほしかったように思います。現状だと、「ん? ああ、そういうことか」という感じですか。
いやでもそれを差し引いたとしてもとても面白かった、わくわくしました。
おみごと!
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- あー…… なんというか、なんというべきか……
いやこういうハチャメチャな話は嫌いじゃないんですが、もうちょっとこう、どうにかならなかったものでしょうか。
一番の問題点は、登場人物がステレオタイプすぎて没個性であるところでしょうか。設定がいい加減すぎるとか、ハチャメチャさがまったく足りてないとかいろいろ問題はあるのですが、そこら辺は登場人物の魅力で十分にカバーできるだけに、キャラに個性がないのはある意味致命的です。
「ツンデレ」という十把一絡げではなく、きちんと「ミリィ」を書いて欲しかったですね。残念。
- 32 バスが来るまで (採点:3)
- 「駅の隣にファッキンあったじゃない」の台詞に、開始早々少女がやさぐれたのかと笑いました。ファーストキッチンをファッキンと略すのには賛同しかねる!
とまぁ冗談はともかくとして、コテコテっすね…… もうなんというか突っ込む気力も起きないというか、ここまでやればいっそ天晴れというか…… オチで絶対に落とすんだろうと期待してなんとか読み進めたのですが、なんだかそのまま終わってしまって脱力しました。
いやまぁそこまで貶すほどつまらなくはないんですが、読んでいていろいろいたたまれません。もうちょっと作者さんの願望というか妄想というか、そういうのを抑えて書いてください。現状ダダ漏れです。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:5)
- うーん……
なんだか主人公のお仕置き行動が唐突で、しかもよくわからない。小学生がこれで嫌がるのかどうかも疑問ですし、主人公が何考えてるかはもっと解りません。結局小学生も逃げてお終いで投げっぱなしですし、もうちょっとまとまりよく作って欲しかったです。
つか両替した金額を数えもしないのは、お金にあまり不自由しなくなる社会人になってからだと思うのですが。中高生の頃なんて金無いんですから、いままでよくこの手口でバレずにきたもんだなと思います。
文体はこなれていて書き慣れているっぽいものだったので、もう少し何とかならなかったでしょうか。
- 34 美談 (採点:1)
- つまらないです…… かといって1点をつけるほどの(ある意味では)魅力も感じらないわけですが、まぁそれでも1点で。もうなんだかワケがわからない。
作中の主人公と同じで、作品それ自体も迷走しまくりですね。結局作者さんは何を書きたかったんでしょうか?
つか主人公、メチャメチャ失礼な人ですね。
- 35 負け犬 (採点:1)
- つまんないです。
物語の設定と展開が、作中の主人公のように安直で救い難い。つか主人公がなんで前田くんボコってんねん。と思わずツッコミを入れたい。逆ギレじゃないですかこれ、ワケわかりません。
ダイオキシンは無味無臭ですので星が見えないという箇所で用いるのは適切ではないと思います。まぁ余談ですが、ダイオキシンてマスタードガスやサリンより毒性強いので、排ガスと同じくらいに汚染されてたら首都壊滅です(笑) ここに限らず、ろくに調べ物や構成の推敲もしないでただ勢いのままに書き上げた、という印象が致命的なマイナス材料です。こういう理不尽系の話を書くならもっと計算高くないとダメですよきっと。
- 36 停電の訪問者 (採点:9)
- そう来たか。
話のネタは想定の範囲内でしたが、それでもこの話は好きです。雰囲気作りというか、話のネタバラシをするタイミングがどんぴしゃりで、読んでいて気持ちが良かったです。気持ちがいいというのも変な表現ですが。
もう少し、キャラクターを描くのに筆を割いて欲しかったような気がします。美香が魅力的に描かれていた分、沙弥子がやや書き込み不足であるように感じました。もう少し削るべきところを削ればきちんと書き込むだけの容量は確保できたと思うので、そこだけが残念です。
うん、でもいい話でした。こういうの大好きです。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:9)
- いい雰囲気の話でした。ここまで雰囲気作りができるのはすごい。
登場人物たちも活き活きとしていて、まるで彼女が彼をからかう声が聞こえてきそうでした。こういうシャイな男の子と活発な女の子という題材は良いですな。
惜しむらくはやや時期はずれかな。題材として夏を選んだ気持ちは分からなくもないですが、ここはやっぱりいっぱつ冬の話を書いて欲しかったように思います。
もう少し物語に山谷が欲しかったような気もしますが、この雰囲気をずっと感じていたいと思わせる良作でした。素晴らしい。
- 38 茨の森 (採点:3)
- 前半のコミカルな掛け合いが面白かっただけに、状況説明に終始する中盤以降はぴたりと話が止まってしまい、退屈でした。頻繁に挿入される詩だか歌詞だかもテンポを阻害する要因でしかなく、結局オチに至ってもまったく話が展開していない。
設定やらキャラクターはしっかりと描かれていただけに、非常に勿体無い話だったと思います。
短い話であっても、いや、あればこそ、テンポというのは非常に重要な要素です。雰囲気を出すために詩(としておきましょう)を間に入れていくというのは、とても難しい技法なんだとこの作品を読んで思いましたね。
わたしのようにテンポを重視する読み手にストレスを感じさせずにこの技法を貫くのはとても難しいと思います、かといってこの作品に雰囲気があったかというと……難しいものですねやはり。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:8)
- いいですね。シリウスを拾うという一見突拍子も無い出来事が、すごくロマンチックで素晴らしかったです。
もう少しシリウスを話に絡めて欲しかった気がします。現状ですと話のアクセント程度にしかなっておらず、せっかくの素敵な設定が活かしきれていない気がしました。
あと、タイトルダサい(笑
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:5)
- これだけの圧倒的な知識量と表現力、技巧を持った作者さんが、恐らく入念な下調べをした上で満を持して投稿したであろう本作品、完璧だったと思います。ただ、ストーリーを除いては。
文章の秀逸さに反比例するようにストーリーが陳腐でがっかりしました。
いや、高いレベルにいると思うんですよ、陳腐は少し言い過ぎかもしれません。
でもその他の物が飛び抜けて高いので、相対的にストーリーが低く見えてしまうのでしょう。
作者さんはその才能を、もう少しだけストーリーの方に向けてください。
- 41 らくがきを消しに (採点:2)
- 氷室恋愛探偵? あれ面白く無かったですよね。
正直、掴みが良かったので期待して読み進めたのですが、中盤くらいで飽きてしまいました。3人娘の掛け合いを楽しめないとこの作品はダメですね、わたしは残念ながらそこまでキャラに魅力を感じられませんでした。
もう少し話に山と谷を持たせてほしいですね、平坦なばかりの道はつまらないです。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:4)
- ネタのありきたりさはともかくとして、よくできていると思います。
ただ描写があまりに詩的すぎて、現実味を感じなかったのが減点材料でした。もう少し人間らしい感情を表現して欲しかったです。確かに描写は綺麗で幻想的なのですが、それがネタのありきたりさとあまりにアンバランスで、どこかちぐはぐな印象を与えてしまった原因だと思います。
というかすみません、作中の時系列がよく理解できませんでした。3度ほど読み返したんですが。
- 43 帰郷 (採点:7)
- いまにも柴崎コウの歌が聞こえてきそうな…… いや、あの映画だけ名前変えてたんですっけ?
ストーリーとしてはとても良かったです。ラストもばっちりと決まっていて、これで設定骨子もオリジナルであったなら10点確実だったと思います。
これが二次創作のこんぺであれば、ネタが黄泉がえりだったとしても問題なく読めて問題なく満点つけられたと思うのですが、やはりオリジナルでは拘ってしまいますね、そのあたりを。
作者さんの力量であれば、頑張って違う設定で参加して欲しかったです。
- 44 勝者は語らず。 (採点:4)
- 最後ガン・カタかよ! 狙いすぎ!
恐らく作者さんが大好きであろうニトロのファントムが面白かったのは、銃撃戦のみでしたか? 魅力ある登場人物たちが銃撃戦をするからこそ面白かったのではなかったですか?
好きな物のいいとこ取りをしたいというのは、書き手にとって強烈な誘惑ですが、一歩間違うと大変なことになってしまいますね。
つか14人もの弾幕を前にベレッタ2丁は自殺行為であるような…… ハンドガンは確かに浪漫ですが、サブマシンガンの前には手も足も出ませんから、敵方が持ってないのは不自然すぎると思います。まぁ持ってたら万が一にも逆転の可能性がなくなるわけですが。
最後、いままでどこにも登場しなかったサブマシンガンをいきなり主人公が持ってて、ずっこけそうになりましたが。
こういうジャンルで挑戦したのは評価しますが、力及ばず、といったところでしょうか。残念、銃好きなのに。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- ……えーと……
ひょっとして釣りなんじゃないかと勘ぐってしまうあたりが荒んでいますね。
まぁ初心者の方なのだと判断させていただきましょう。そんな餌でクマーー!
厳しい言い方になりますが、どこをどう直したらという段階ではありません。
ストーリー展開、表現技法、文章作法、全てにおいてまだまだ修練が必要であると思います。
誰でも最初は初心者なのですから、恥じることはありません。この場で厳しい意見も頂戴するでしょうが、それを見て「こんちくしょう! 次を見ておけ!」と奮起するか否かで、今後の伸びがまったく変わってくると思います。どうかくさることなく、いい意味で反骨心を持って今後も頑張ってください。
いつか傑作をもってギャフンといわせてもらえることを期待しています。
- 46 決まりきった世界 (採点:3)
- 設定に無理があるのと説明不足で、物語として楽しめませんでした。
主人公の特殊な能力は、確かにきちんと筆を割いてしっかりと説明すればありえないことではないと思います。ですがこの作品ではあまりにさらりと流されてしまっていて、薄っぺらい印象になってしまっているように思います。
単なる超能力だったらまだよかったんです、説明が要りませんから(無論そうだったら面白さ半減ですが) ですが本作ではそれはあくまで過去情報の分析による能力と定義されているため、読者にそれを納得させなければならず、そこで失敗しているように思います。
ある特殊な能力があって、それを覆されるという展開なのですから、能力を読者に納得させることができなかったら完全に失敗です。
あと、12歳との竜王戦ねぇ…… 将棋は詳しくないですが、それって珍しくない世界なんですかね?
- 47 ローランダ、空へ (採点:10)
- うむ、面白かった。満点です。
多少あざとくはあれ、面白ければ全てが許されます。素晴らしいお話でした。
ただもっとあざとく、ローランダが喋る鳥であるというファンタジー要素を排除して、単純に老人と小鳥の物語にしてしまっても良かったのではないかと思います。この丈でそれをやるのは非常に困難だと思いますが、作者さんだったらできるんじゃないかと、期待してしまいます。
ともあれ、素晴らしいお話でした。ありがとうございました。
- 48 愛されるより愛したい (採点:7)
- んー……
面白かったですし、結局最後まで結論を変えなかったのは良かったとは思うのですが、やっぱりちょっと釈然としないですね。
作者さんひょっとして女性の方なのかな? 女性特有の(というと語弊がありますが)ドライさがしっかり描かれていて、主人公に関しては妙にしっくりきました。女性は男が幻想を抱いているほど湿っぽくないですからね。まぁ高校生には見えないなというのが正直なところですが(笑
ただ相手の男の心情がまったく理解不能でした。いや世の中にはこういう男もいるのかもしれませんけどね…… 序盤で女性の親友に主人公が言われている台詞「男は仲の良い女は自分に惚れていると勘違いする生き物である」はまったくもって真実だと思います。更に言えば自分も相手に惚れていると勘違いしちゃう生き物ですから。
もうちょっと、相手の男の子を掘り下げてほしかったかもしれません。
まぁ、聞かれもしないのにこれだけ色々語っちゃうのは、この作品が良作だということなのでしょう(笑
- 49 忘れてしまった (採点:8)
- いいですね、ラスト。皮肉が効いていてすごく好みです。
ただ、ほとんど全てが一人称による独白形式で進んでいくために主人公の子がどんな子なのかがあまり印象に残らなかったのが残念です。もうちょっと外部からの情報を入れて彼女を印象付けることができれば、もっと話に入り込めたと思うのですけれど。
それと記憶を失う前から、クラスメイトに馴染めなかったことや親子間の確執があったのだというあたりがさらりと流されてしまっているため、実は自殺だったという設定が活きていないと思います。
容量的な問題がありますから、いっそのこと学校のくだりは切り捨てて、両親との確執をもう少し掘り下げてもよかったかもしれませんね。
- 50 ある朝 (採点:2)
- 残念ながら、ショートショートのブラックホラーとしては失敗している気がします。
事の真相を読者に悟らせるのは、ラストに持ってこないと意味がないと思うんです。現状ですと話の半ばよりも前にはネタが割れてしまい、衝撃もなにもあったもんじゃありません。
こういうショートショートってのは実は自由度はあまり無くて、一種の形式美みたいなものから逃れられないと思うのですよ。それを外してしまうと非常に悲惨なことになる。
試みは評価しますが、もうちょっとどうにかならなかったのでしょうか?
- 51 僕の手で守れるもの (採点:4)
- とてもいい話だったのですけれど、とにかく印象に残りにくい、間延びした印象がマイナス材料だと思います。
主人公の成長過程を描くのなら、幼年期なら幼年期、青年期なら青年期とどこか一箇所にスポットを当てて描写すれば、それだけ密度が高くなると思います。現状ですと密度が薄すぎて、読み終えた後に何も残らない話になってしまっている気がしました。
描写も丁寧で読みやすかったですし、勿体無い作品だったと思います。
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- 面白いテーマでしたけれど、タイトルにもなっているロボット寄生という展開はやや突飛で納得のいかないものでした。まさか抽象的な意味合いではなくて、直接的なものだったとは…… もう一ひねり欲しかったように思います。
主人公とトボルの掛け合いが面白かったので、残念ですね。もうちょっとシリアス方面で攻めるか、いっそのこともうちょっと能天気な結末にしてしまってもよかったのではないでしょうか。現状ですとややどっちつかずの印象です。
ただ人間とロボットの関係というのは、SFでは古典と言ってもいいほど普遍的なテーマですから、並大抵では読者に目新しさを感じさせることはできないと思います。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:5)
- うーん。
決してつまらなくは無いです。ストーリー自体は大変よくできていたと思います。ですが、もってまわった言い回しやもどかしいページ分けが続くので、途中で嫌になってしまいました。
秀逸な心理描写・情景描写も、このお話では真相を覆い隠す障害にしかなっていない気がします。描写を楽しむには謎解きみたいな形式ではなく、もっと雰囲気を楽しませる話の方が向いていると思うのですけれども。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:1)
- 明確に言いましょう。つまらないです。
中学生のような主張を中学生のようにそのまま語られても、はぁ、という感想しか出てきません。ここは青少年の主張の場ではありません、きちんと物語ってください。
唯一良かった点は、短かったことです。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- 照男というネーミングはちょっとどうかと思いますが、姉弟というアプローチはとても良かったです。綺麗に完結していますが、もう少しこの二人を見てみたいという気持ちにさせてくれる良作でした。泣き虫なお姉ちゃんいいなぁ。
惜しむらくは、1000個のてるてる坊主を作る場面。1000個作るというのは物凄い大変なことだと思うのですが、えらくあっさりと完成してしまっている印象なのは勿体無かったと思います。もっと苦労して苦労してなんとか達成した、という描写があった方が、主人公の照男に対する気持ちがもっと表現されたのではないかと思いました。
- 56 子供の夢 (採点:6)
- ほほー。こういうのは斬新でしたね、既存の形式に捕われない自由な発想というのはとても素晴らしいと思います。
惜しむらくは、少々内容が粗かったことでしょうか。描写を削るべき箇所というのは確かにあるのですが、描写せねばならない箇所というのもまたあると思うのです。作者さんはちょっと情景描写がニガテな感じですね。勿体無いことです。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:3)
- こういうシュールレアリズム路線で行くならもうちょっと徹底して欲しかったです。喫茶店で話をするあたりや川越君との対決あたりはなんかは、なんか普通のミステリを意識しているみたいな感じで困ってしまいました。結局、シュールな流れだったのは最初と最後だけでしたね。
……ええと、ひょっとして作者さん、まさかシュールレアリズムとかそういうの狙ったんじゃなく、大マジメだったわけじゃないですよね?
- 58 落日の挽歌 (採点:10)
- 圧倒されました。これだけの短い丈で、これだけの話を書けるものなんですね。
最初は安易なファンタジーの恋愛物かと思って、あまり期待もせずに読み進めたのですが、次第に物語に惹き込まれ、ラストまで一気に読み進めました。結末は救いの無い物ですが、この結末あってこその物語だと思います。ここで安易な救いなど必要ないですね。
素晴らしい作品でした。これを読めただけで、読者参加してよかったと思います。
素敵な作品をありがとうございました。
- 59 幼少時 (採点:2)
- こういう場面を切り取ったシチュエーションで勝負するという一発勝負的なお話は、よほどインパクトがないと難しいですね。
内容は勿論ですが、それ以外でもいろいろ小細工をしないと難しいかもしれません。例えば奇抜なタイトルにして目を引かせる、であるとか、カテゴリ表記して興味を持たせる、等の工夫をしないと、他の15KB近くある作品と勝負するには著しく不利になってしまうのではないかと思います。
もう少し、工夫というか努力の跡が欲しかったですね。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:2)
- まったく丈が足りていませんね。主人公の心変わりも唐突で、共感どころかまったく理解できませんでした。あっさりと時限爆弾なんてものが手に入る(まぁ実際は違うのですが)あたりも非常にご都合主義ですし、もうちょっと設定を練られた方がよろしかったのでは?
これで15KBいっぱいいっぱいまで使っているのなら、ああ容量に泣いたのだなという気にもなりますが、半分ちょっとですから明らかな手抜きと思われても仕方がないと思います。
- 61 Letter to you (採点:4)
- 厳しい書き方をするなら、作者さんの主張部分に簡単な恋愛劇をくっつけて、なんとか物語として形にした、という感じでしょうか。
物語の体裁を整えようという意思が見えるのでまだしもという気もしますが、やはりこう、直球勝負すぎます。こういうテーマを語りたいのでしたらもうちょっとオブラートに包んで物語全体を通して薄っすらと透けて見える、くらいがちょうどいいと思うのです。ですけどそれはとても15KBでは無理な話であって、結果としてテーマにこういう話を選んだ時点で失敗、と言えるかもしれません。
ひょっとすると作者さんの意図とは違った受け取り方をしてしまったかもしれませんが、物書きとして、こういうテーマで小説を書くのは非常にリスキーなのだと、改めて痛感しました。
- 62 Why do you do it? (採点:1)
- いやあの、何と言いますか……
わたしがSS畑なのでSSを例に取りますが、自分の主張したいこと、読者に伝えたいことを、原作のキャラにそのまんま喋らせたSSってつまらないですよね? 俗に言う「俺語り」ってヤツです。
オリジナルは設定から世界観から登場人物からぜんぶゼロから自分で創作するわけです。SSでの作者の自己主張はキャラクターの姿を借りて語られるわけですが、オリジナルでそれを露骨にやってしまうと世界観からキャラクターからなにからなにまで全て直球になってしまうわけですよ。
作者さんの伝えたいことは解りました、その内容に関しては私も同感です。ですがそれをなんの捻り暗喩もなく、ただそのまま文章にしてどうするのですか。作者さんは料理人なのですから「伝えたいこと」という食材を、料理にしてから食卓に上げてください。もぎたてのリンゴは確かに美味ですが、だからといってレストランでリンゴを一個まるごと皿に乗せて出されても困ってしまいます。
厳しいことを書きましたけれど、その心意気は確かに受け取りました。
頑張ってください。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:9)
- とても面白かったです。
ミステリーとしては正直期待はずれでした。初級の叙述トリックも稚拙で、伏線も露骨すぎて興醒め、関係ない歌のエピソードでストーリーが散文になっている、そして散見する誤字。と鼻についた点は多々あれど、わたしがこの作品を気に入ってしまったので仕方ありません。ただまぁ、「ツンデレ」という単語でのキャラクター付けはさすがにどうかとは思いましたが。
いろいろ失礼なことを書きましたけれど、間違いなく好きな作品です。作品の面白さというのは技巧的な部分に左右されるものではないのだと再確認させていただきました。
- 64 発狂した宇宙 (採点:5)
- 途中まではミステリー調で面白かったのですけれど、よもやこんな抽象論ぽい結末でお茶を濁されるとは思ってもみず、がっかりしてしまいました。
いや、宇宙が自殺した理由としてはそれでいいと思うんですが、主人公である「私」までがそれに同調してしまうのは、少しやりすぎではないのかなと。一人称で読者と同じ目線だった「私」が、ラストでいきなり遠い存在になってしまい、読者であるわたしは置いてけぼりにされてしまった印象です。
また、宇宙がどういう少女だったのか、という書き込みが圧倒的に不足しており、序盤は男なのか女かすらわからないような状態ではとても「私」に感情移入できません。一人称で行くのならばもう少し宇宙を書き込んで欲しかったですね。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:9)
- なかなか直球のボーイミーツガールでしたけれど、これはこれで。
ちと時系列で混乱したのが残念でした。これだけ短い話の中で、過去から入って現在になってまた過去の回想が入る、というのは少し不親切な構成であるような気がします。
ただそういう技術面とは別に、高辻さんが魅力的に書かれていて、主人公も嫌味じゃなく等身大に書かれていて、読んでいて安心できました。王道路線はやっぱりいいものです。お見事。
- 66 似たもの親子 (採点:8)
- 良質のショートショートですね、星新一のようです。ブラックジョーク的な内容もバッチリ決まっていて良かったです。
ABCでの表記もそのあたりを意識したのかもしれませんが、さすがにこれはやり過ぎかな。太郎とか次郎とかいう無個性な名前をつけた方が良かったかもしれません。意図は失われませんしね。それだけがちょっと残念でした。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:7)
- 不思議な魅力のある話でした。いくらなんでも神様はないだろうという気もするのですが、それでも魅力ある内容ですのでここは素直に高得点。
次ページの使い方も鮮やかに決まっていると思います。なるほど、こういう使い方もあるわけですな。
- 68 私的な三色信号機 (採点:3)
- 未来が見えるという昔からある題材を『シグナルライト』という解り易い能力で表現したのはなかなか面白い試みでしたけれど、残念ながらそれを活かしきれていない気がします。
もうちょっとこの能力ならではという展開が欲しかったです。主人公が能力ゆえに無気力になってしまうあたりの説明も不足していて、あまり納得が出来ませんでした。もう少し丁寧に描写して欲しかったところです。
- 69 雪、心々 (採点:2)
- あー……
面白い話を書こう、という意気込みは伝わってきましたし、文章もこなれていて読みやすかったとは思うのですが、作者さんのやる気だけが空回りしてしまっている印象。
あえて厳しい言い方をするのなら、題材を選んだ時点で失敗です。中高生の妄想じゃないのですから、もう少し地に足のついた設定と展開を心がけてください。なんだか読んでいて高校の頃に書いていたオリジナルの設定を思い出して恥かしくなってきてしまいました。
あとヒロインの名前くらいは間違えずにきちんと書いてやってください。あまりに堂々と間違えているので、最後まで伏線かと思ってしまいました。
- 70 雨ごい (採点:10)
- うわはははは! これだけ丹念に描写しておいて、オチこれかよ!
バカだなぁ。こういう大まじめにバカをやるひと大好きです。つかバリバリのシモネタじゃねーかこのバカ! もう大好きだ。
なんかもう作者あたま大丈夫かと心底心配してしまうわけですが、笑ってしまった時点でボクの負けです。完敗。
10点持ってけドロボウ。
- 71 デジタルペット (採点:8)
- うーん……
面白かったです。こういう切り口は斬新で、また描写も必要最小限ながらとても考えて描かれていて、素晴らしかった。文句なしに10点をつけたいところなのですけれど……
最初と最後、モニターのこちら側と向こう側という構成にしたのは、大失敗だったような気がします。
これはわたしがそうだからかもしれませんが、どんなに良く書けていたとしても、それはあくまで「物語」の中の話であって、「現実」とは違います。この話を読んでいるわたしはどんなに作中の人物に感情移入したとしても、「物語」と「現実」を混同してしまうことは無いわけです。
そうなると、この演出はあまりにあざとすぎて逆に冷めてしまう要因にしかならないと思います。
繰り返しますが、確かに面白かった、素晴らしいお話だったと思います。ですが、これをもって物語と現実をクロスさせて読ませようという意図があったのだとしたら……
それはちょっとばかし、自信過剰じゃありませんか?
- 72 しろゆめ (採点:1)
- まぁ中途半端な点数を入れるくらいなら1点をこそ作者さんも望んでいるでしょうから、すっぱりと1点で。
好みの問題なのでしょうが、正直わたしにはさっぱり解らないし解りたくなるほどに魅力を感じませんでした。つか長すぎ。読むの苦痛。
- 73 Saturday 7.15 (採点:9)
- うん、面白かった。
夏らしく爽やかで、女の子二人のやりとりも軽妙で爽快感がありました。こういう会話をさらりと書けるのは作者さんの実力の賜物ですね。素晴らしい。
ラスト前の台詞の羅列は、雰囲気としては良かったかもしれませんがやはり少し手抜きだと思います。この容量ですべてを書ききるのは無理ですし、また全てを描く必要もないとは思うのですが、やっぱりもう少しヒントを出してもらわないとすっきりしません。そこだけ1点減点。
でもトータルとして見るととても面白かったです。お見事。
- 74 告白ごっこ (採点:1)
- いや、ちょっと、あの、待って下さいよ……
これってあれですか? 不条理系のお話なんですか?
主人公が下衆野郎だとか、人間として不出来だとか、お前よくそれで今まで友達いたな、とかそういう問題じゃなく、話の展開としてワケがわからないんですが。
特にラスト。ありえないです。主人公は宇宙人かなんかですか? 論理展開がまったく理解できませんでした。この感情の流れを読むと、なんだか作者さんをこそ心配してしまいそうです。
話の流れとしては王道ですが、だからこそ、しっかりと心情描写できれば面白くなったであろうテーマだけに、がっかりです。
いやしかしすげぇなこれ。
- 75 君の後ろで (採点:7)
- 面白かったです。さすがに前半のボーイミーツガールのノリでいかれると厳しかったかもしれませんが、後半への繋ぎであったわけですね。
惜しむらくは、後半の主人公。もう少し27歳の女性らしいドライさとシビアさを前面に出してよかったと思います。その辺ちょっと前半に引きずられてしまっている印象でした。もう少しギャップを描いていれば、最後の少女のような感傷である「少し哀しいサイクリングだった」が活きてきたと思います。
- 76 落果 (採点:2)
- 雰囲気勝負のシチュエーション勝負ですね。この容量制約ではその戦略は間違いではないと思います。
情景描写のみで、心情描写を一切描かないというのは試みとしては挑戦的で大好きなのですが、それならばもっと情景を書き込まないとダメだと思います。何か一箇所でも、読んでいる人をはっとさせるような表現を用いた箇所が欲しかったです。自ら望んでそういう土俵(描写勝負)に上がったのですから、これは酷な要求とは言えないと思いますよ。
今のままではただなんとなく読み終えて、読み終えた次の瞬間には忘れてしまう話でしか無いと思います。
- 77 いつも心に太陽を (採点:6)
- うーん、惜しい。
とても面白かったです、こういうトリックで来るとは思っていなかったので、意表を衝かれました。
惜しむらくは、種明かしの部分の性急さ。あまりに勿体無い。
祖母はもう自分たち以外に生きている人間はいないと少女を騙していたのですよね? 前半はそのあたりの雰囲気作りもよく出来ていましたし。そして窓の外を見る少女、予想以上の荒廃ぶりにショックを受ける。ここまでは良かった。
タネ明かしであるところの雨の音、ここら辺が性急に過ぎました。荒廃ぶりにショックを受けている描写からノータイムでタネ明かしは、いくらなんでも…… もうちょっと、どうにかならなかったのでしょうか?
惜しい話だったと思います。残念。
- 78 ラックラック♪ (採点:5)
- 死神のお嬢さんがバゼット嬢に見えてしまうあたり、わたしもえろげ脳ですな。
面白かったです。面白かったですが、やや中途半端な印象。キャラクターを中途半端に魅力的に描いてしまっているため、主題が霞んでしまっているような気がします。最後の結論、1しか出ないサイコロを振り続けた男の心情は、むしろ死神に語らせてもよかったのではないでしょうか。自嘲する(もしくは偽悪的態度の)男を優しく諭すくらいすれば、もっとお嬢さんが活きたと思います。今のままじゃ単にヒステリックなねーちゃんですね。
もしくは、死神のキャラクター性みたいなものをバッサリ切り捨て、男を書き込むとか。もう少し削るべき部分、書き込むべき部分、と緩急をつければ、この容量でももっと面白くなったと思います。
- 79 home, my sweet home (採点:4)
- やってしまいましたね、BD。一つ気付けば全置換で直せたのに。
意地の悪い言い方をするのなら、攻殻機動隊+エリア88といったところでしょうか。それとも田中芳樹のブルースカイドリームか。
話として面白くはあったのですが、DBはともかくズィクシィが描写不足だと感じました。最後に彼女を絡ませて締めるには、彼女の描き方が不足しているのかな、と。そも電脳化された戦闘機に対して搭載する火器管制装置(「火気」は誤字ですね)と情報処理装置が人型、それも少女型をしているメリットがどこにあるのでしょうか。世界観がよく書けているだけに、そこだけ妙に非現実的で浮いていました。非常にもったいない。
○ひでさん さん
- 01 きれいなほし (採点:3)
-
- 03 strangers in the city (採点:3)
-
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:3)
-
- 05 魔 王 (採点:7)
- ナイス一発ネタ。
途中からそうかな? そうかな? とおもいつつ、やっぱり予想通りのオチだったのですが、リズムが良くて楽しめました。
もう少しタメがあっても良いかなとも考えたのですが、短さ勝負の作品ですし、とにかく異彩を放っていたということで。
- 06 left wrist watch (採点:5)
- 別れを描いたお話や歌はたくさんあります。多くの人が共感できるからなんですが、物語で読む場合、やはり自分がその振られた男性に共感できるように道筋を作って欲しい、と読み手としては思ってしまいます。いきなり振られました、では切なくなれないです。
ダイビングの描写や、時計が割れることによって心も吹っ切れるという流れが素晴らしかっただけに残念。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:5)
- 惜しいなあ。という一言がまず出てきます。
近くにいる人が実は約束の女の子だった、というよくあるパターンをうまく変化させてあり楽しめました。
ただ、文字だけの作品を読んでいる、というよりはビジュアルノベルの文字部分だけを読まされているような気分になる部分があり、そこでちょっと素に戻らされた感があります。
- 10 また共に笑おう (採点:3)
-
- 11 江南小話 (採点:7)
- 私も歴史書きました。仲間です。だからこそきびしめに。
短い中でしっかりまとめようとされていると思います。
車浚という蛍雪の功につながる意外な人物を題材にされており呉の末期というあまり物語にされない時代を取り上げられたことは素晴らしい。
そして、あまり知られていない人物だからこそ「博覧強記うんぬん」
だけで説明を終わらせて欲しくなかったです。これだけ魅力的な人物ならもっとエピソードがあったのではないか、と。容量的にも余裕があっただけに残念。あと悪い君主がステレオタイプ過ぎるように思いました。バカ殿はもっと思いっきり書いたほうが車浚の苦悩が際立つかと。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:3)
- 14 ユメのおわりに (採点:3)
-
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:3)
-
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
-
- 18 さらば世界よ (採点:5)
- こういうお話大好きです。
でも、山場はためてためて、ドーン! ていうほうがより好きです。
豪華な感じはしますが途中でげっぷがでてしまい、最後までテンションが
もちませんでした。
- 19 青い春 (採点:5)
- 青い。青いなあ。
と思わせる事がきっと作者さんの意図でしょうから私の負けです。
でももうちょっと緩急ついているほうが、より甘さが際立つのでは
と思いました。甘い一辺倒では甘さがわからなくなっちゃいます。
- 20 A Darkness more than night (採点:4)
-
- 24 禍疎 (採点:7)
- 雰囲気が好きです。やはり雪国は絵になります。
ただそれだけに、津女さんの行動に脈絡がなく感じられてしんどかった。
脈絡なくても良いのですが、おいてけぼり感が強すぎました。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:5)
- ああ、いいお話だなと思って高得点をつけたのですが読み返してよくわからなくなってしまいました。これ、子供さんと主人公達の関係はどうなってるんでしょう。親子? 二十代のようだから違い、ますよね……。
と人物の相関関係がおかしくなってしまったので低評価に。そのあたりの混乱が生じなければおそらく満点近かったと思います。
- 32 バスが来るまで (採点:2)
- 兄妹の恋愛めいた気持ちを描くのであれば、もう少し兄の魅力や妹の気持ちの揺らぎを書いて欲しかったとおもいました。なんだか告白シーンなど唐突な感じ。兄妹の恋愛というのは世間的に見ればタブーなわけで、その禁忌を乗り越える何かがないと普通の恋愛といささか変わらない。シチュエーションだけが違うということになりかねないのではないかなあと。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:3)
- これで人生は楽しくなるのかな……。
- 34 美談 (採点:2)
-
- 36 停電の訪問者 (採点:6)
- 切ないなあ。
思い残すことがあって、親友のもとに現れる、というお話は結構見ますし、何か目新しいという感じはしなかったのですが、かっちりとまとめられていてお上手だと思います。でも死んだ人から電話かかってきたらもう少しあわてそうなものだとは思うのですが、後半の仕掛けからしたら致し方のないところでしょうか。
- 38 茨の森 (採点:3)
-
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:3)
- 何かあるのかな、何かあるのかな、と思っているうちに終わってしまいました。とてもきれいなお話でしたが。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 読み始めたとき、これはすごい! とぐいぐい引きこまれました。説得力のある言葉の群れが襲い掛かってくる感じ。完全に囚われていました。
なのに後半からどんどんストーリーが普通になってきてしまい、結末でがっくり、と。前半が凄まじいほどだっただけに余計に落差が目立ってしまいました。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:4)
-
- 47 ローランダ、空へ (採点:9)
- 切なくて暖かい。独特の雰囲気がある文体でした。
- 70 雨ごい (採点:9)
- 最後の あ でひっくり返りました。
こういう心地の良いギャップを見せ付けられてしまうと
本当に憧れてしまいます。私的一位。
○ひろさきつむり@ゆきなんてだいきらい さん
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:7)
- 会話のテンポが良くて好きです。陽だまりで寝こけた少女が見る夢のようなテキストの流れが、感覚的なところで安らぎをもたらしてくれている気がします。
比喩の使い方に何箇所か違和感があって引っかかったんですけど(ヒロインは物事を割り切るのが得意、というくだりで、彼女を悩ます相手は明らかに一人だから素数にはならないんと違うかなあ、とか)ごめんなさい、重箱の隅をつつくみたいですね(>_<;
こういう空気感は好きなので、それだけで高得点です。男の子と女の子のいちゃいちゃしないけどラブラブってのも大分ツボです。お互いがぜんぜん相手の名前を呼ばない辺り、照れ屋が二人ってとこかなぁ、なんて心地良い夢想に浸れるお話でした。
- 05 魔 王 (採点:8)
- 作者さんは彼らのことを誤解していると思います。彼らは勇者だなんて言葉がもったいないような、ちょっと明かりをつけてやればすぐに逃げ出す臆病者の集まりです。
臆病なので彼らは常に固まって行動します。彼らはひとりでは餌漁りすらできない弱虫なのです。だから僕は魔王に相応しい余裕に満ち満ちた態度でもって台所の明かりをつけます。
ほら、そこに彼らのパラダイス。
orzぼくのために焚いてください
- 06 left wrist watch (採点:4)
- 言葉の選び方のせいで主人公の一人称がやけに鼻につきます。それが意図的に為されているのなら、巧妙で上手な印象操作だと思いますが、そうでないのならちょっとなあ……と思います。
彼が恋人に振られてしまった理由に関して、それと知れる記述はないのですけど、そういった理由で妙に納得がいってしまいました。大体彼女に振られたときに相談する相手が女性って……。男性には嫌われるタチのキャラクタなんだろうなって気がします。
細かいのですが、違和感を覚えた部分として、
「ウレタンで作られたバンドは乾燥には弱いんで、塩分が付いた状態で乾燥させると割れるとか」
とかって何だよ。あんたプロだろ。ここは言い切って欲しかったです。
- 08 傷跡が残すもの (採点:7)
- 辛いなあ、と思わず呟いた後で、自分がどちらの立場に寄って辛いと思ったのか、ということを少しだけ考えました。
首を吊ったテツオの立場としてなのか、後悔を残されたタケルの立場としてなのか。
そして、無意識のうちにタケルの視点に立って考えていた自分に気づきます。どうして助けてあげられなかったんだろう、どうして止められなかったんだろう、僕は弱い人間だ、愚かな奴だ、最低だ、最悪だ、こんな人間に生きてる価値がない、テツオ君の代わりに僕が死んじゃえばよかったんだ、……。
自分のこととなれば、擦り傷ひとつの痛みだって怖いくせに。
一部のはっちゃけた人間にとっては、いじめは『日々襲い掛かってくる退屈を撃退してくれる大切なツール』であるのと同じように、一部の人間にとっての後悔は『日々襲い掛かってくる無力感を引き受けてくれる大切なスケープゴート』なのだと思います。それは多分どうしようもないことで、何かに立ち向かうなんてビクビクものだから戦えない自分を先の丸いナイフで自傷ごっこを続けるのも責められるばかりではないと思うのですが。
裏切られた者のビー玉の瞳には、そんな彼の姿がどう見えるのでしょうか。
感想にはなってないような気がしますが、こういう話に文章表現がどうとか演出がどうとか書くのも違う気がしたので。一応書いておくと、一人称の叙情的な流れが心地よいリズムをしていて、とても読みやすかったです。いじめっ子の腐れっぷりもすごく来るものがありました。現実の世界では逃げ回ってばっかりですが、想像の中の世界でくらい、こういうやつらをギタギタにのしてやるのも楽しいものですよね(そこで共感を求めるのか)
- 09 僕僕先生 (採点:6)
- 王弁は徹頭徹尾ニートを貫いてくれるはずだと思ったのですけど、いい意味で裏切られた感じです。それがどんな時代であれ、恋は人を変えるものなのですね。
言葉が足りないようで過不足のない、絶妙な歩調の文章だと思います。あとエロスが大好きな僕としてはさりげないエロスの描写がステキです。やってることは盛った獣と同じなのに不思議な奥ゆかしさを感じます。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:8)
- なんか高得点をつけたくなってしまったのです。言葉の組み方も話の立て方も、まるで気持ちのいいお約束のようなボーイ・ミーツ・ガールにしても、ライトノベルっぽいこういうノリが大好きです。
経験豊富なはずの敵パイロットが功を焦ってやられてしまうとか、第三者のいる可能性が完全否定できない場所に出てきておいて機密もないものだよなあとか、色々思ったりはしますけど、絵的な華麗さで無理矢理捻じ伏せてしまえる感じがしました。
あと、巨大ロボットなのにSFじゃなくて製作技術にアナログの匂いがするのが面白かったです。指紋認証に操縦桿、索敵は視覚に完全限定。性能としては戦闘機や軍艦に遠く及ばないと思いますが、ロボットアクション作品として見てみたとき、逆にその制約が魅力的に見える気がします。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- いえ、間違いなくおもしろかったんですけど、5点ってなんだろう。
話の割りに無為に長かった気がします。作品の半分は小ネタでできているのではないでしょうか。きっと残りの半分は優しさだと思います。
タイトルが上手いと思いました。誰ひとり何ひとつプロデュースなんかしてねーじゃんかよとは思いましたが(゜w゜;
野ブタ。のまんまパロディだったらどうしよう、と懸念していたのが杞憂に終わってよかったです。どうでもいいけど堀北真希きゅんはプロデュースされた後よりされる前の方が断然かわいかったと思うのは僕だけですか
- 19 青い春 (採点:6)
- 胸の奥が煙草の火みたいにじりじりしていました。
男の子の態度が空回っているみたく思えて、女の子の態度がひどく冷めているように思えて、きっと最後は振られちゃうに違いない、きっとそうだ、ってハラハラしながら読み進めていたからです。
人と人との関係性と、そしてそこに伴う痛み、あるいは喜びについて詳細に記述した物語って、あんまり見かけないと思うのです。男の子と女の子が、それぞれ一個体の人間として存在していて、互いの距離を測りながら互いの思惑を想像しながら、目の前の見えない罠を恐れるみたいにそろそろと踏み出しているような感じがたまらなく、怖ろしい、と思ったのです。
だからこそ、女の子の気持ちが口にされるくだりにおいて、ものすごい安堵感がありました。よかったあ――と、思わず胸に溜めていた息を全部吐き出してしまうくらいに。
点数が高くないのは、ストーリー性が希薄であること(15kbだからしょうがないって部分もあるんでしょうけど……)、告白して3日でキスとか不自然じゃねーかよって思ってしまったこと、が理由です。たった一度の和解ですべてが上手くいく、みたいな描き方が、言葉は悪いですがご都合主義の匂いがして虫が好かなかったのです。
お互いに手を繋いで帰り道を歩く、くらいのところに収められていたら、そんな風には思わなかったような気がします。とか書いてて思ったんですけどこれって単に作者さんの僕のキスに対する考え方の相違でしょうか。だったらちょっと恥ずかしいんですけど……。
- 22 瑠璃 (採点:6)
- この話を読み終えたすぐ後に、ちょうど3日前に購入してきてパソコンデスクの真下に平積みにしてあったMISSINGを開いてみました。そして『瑠璃』を読み終えた直後にもう一度この話を読み直してみました。
まるで幻覚剤でもやったみたいに頭がくらくらしています。当該作品のオマージュだというだけあって、文体やキャラ付けの部分で互いの物語がオーバーラップします。
あちらが現実なら、こちらが白昼夢。ふと気がつけば、夢がいつの間にか実体を持って、それまで見ていた現実が白い輪郭を夢へとぼやけさせました。具体的には、小学校のプールで陽気に泳ぐ瑠璃や、「僕」の部屋でネックレスも外さずにごろごろベッドを転がるルコの姿が見えてしまうのでした。
こういう奇矯なことはするものではないな、とちょっぴり反省したりしながらも、滅多に出来ない経験が面白くもありました。
ただ、基にした作品の使い方が本当に効果的だったかどうかということになると、うーん、と唸ってしまいます。基作品の解説のようなものが本文中に入ってきたせいで、MISSINGの瑠璃の方が前に出すぎた感があります。
オマージュとするなら、知らない人は切って捨てて、知ってる人だけニヤニヤしてくれ的な暗黙の了解としての使い方がベストである気がします。個人的な好みの話になっているかもしれませんが……。
あと、文章とか上手だなあとは思うのですが、流れが淡白すぎて取っ掛かりになるところがなく、お話に感じ入ることができませんでした。そんな中、愛の告白のくだりで少しキュンってなりましたので、そこで+1点してたりします。
- 28 その交渉は無理がある (採点:10)
- ……なんで10点なんでしょうね。って失礼ですけど。
美咲ちゃんが可愛すぎます。いくら最近の子が成長早いからってこんな小3いないよう、とか思いつつも、こんな子いたらいいなあと思う自分にウソはつけません。このお兄ちゃんはとんでもないシスコンでついでにロリコンだと思いますが、料理に炊事洗濯もできて地味可愛くてお兄ちゃん大好きな女の子だったらしょうがないのかなあと思ったりします。
ただ、ストーリーに関しては説明の足らない部分が多すぎて、なにが何だか判らない、というのが正直な意見です。文章にしても、けして下手ではないにしても上手いとは言い辛い感じです。
それでも、用意されたネタやキャラの見せ方なんかは、面白いなあ――と思ったのです。
あとお兄ちゃんの思考回路(=一人称)がエロ過ぎるのは思春期の少年が成せる業でしょうか。触手とかツンデレとか子供を授かる儀式とか妊婦マニアとか。多少っていうか相当エロスの内容が変態方向に寄ってる辺り、学校ではつまはじきにされている人の気がします。鏡の前で一時間粘るくらいだから見た目はそんな悪くないんだろうと思いますから、恐らく性格的な面で少々。僕はそんな彼とお友達になりたいです。それで美咲ちゃんを紹介して欲しいです(超ダメ
- 41 らくがきを消しに (採点:9)
- め、めっちゃ好み……(>x<;;
キャラ立てのとんでもない上手さをはじめとして、ちょっとした探検モノみたいな雰囲気もステキです。人がたくさん寄り集まっていろいろちょこちょこやってる話が大好きなんで、その辺りもすごくツボでした。
この子たちホント仲よくてうらやましいです。三者三様の性格のデコボコが、うまい具合にぴったり噛み合ってる感じです。僕もこんな青春時代を過ごしたかったです(何
多分思春期の少女にとって得体の知れない、生々しい「恋」の存在って、大人と子供の明確な境界線のひとつ(で、あるかのように見えるだけなのかもしれませんが)という気がします。遠いところを歩いているような友達に、複雑な心持ちになってしまう主人公が、等身大っていうのか、図らずも自分を重ねて見てしまう感じで、胸の奥がしょっぱくなってしまいました。
そのしょっぱさが最後まで続いていたなら、何を差し置いても10点にしたかった――と思っています。もっとも15kbでそれをすると逆に違和感が浮いて出たかもしれないので、こっちの方がいいのかなぁ、とも思うのですけど。
何にしろ、ステキな話をありがとうございましたー(>w<)ヾ
- 50 ある朝 (採点:6)
- この短さでここまで盛り上げますか、と感嘆してしまいました。
大量の髪の毛が出てくる時点でどうしても落ちは読めてしまいますし、高い評価はできないですが、それでも5点はつけられないや、という判断です。
顔をぬぐっただけで手にべったりとつくほどの血が出ているのにベッドにさえ飛び散った様子がないとか、血痕ひとつ見当たらないトイレに髪の毛が落ちてるってどういう状況なんだろうとか、よくよく考えてみれば不自然な点がいろいろと考え付くのですけど、短さを踏まえて雰囲気重視ってことで気にしない方がいいかな、と思います。
- 59 幼少時 (採点:3)
- 個人的な嗜好が混ざってきますが、僕は短すぎる物語というものを好きになれません。というのは、その話の中で語れるものがあまりにも少なくなりすぎるためです。
何の体裁も整えないままに描きたいシチュエーションをそのまま持ってきて、どうぞこれを見てください、と言われたところで、何の感慨も得られないと思うのです。下手をすれば、自分はこんなすごい話を考え付くんだぜ、という作者さんの傲慢過ぎる自己主張に思えてしまうことさえあります(さすがに意地悪すぎる見方でしょうが……)。
話の容量が僅か1キロバイトっていうのは、それがショートショートとして完成されているわけでもない以上、幾ら何でも描写が足りな過ぎるだろう、と思ったのです。もっと言葉を練り、話を作り込んだ上でこの話が描かれていたならば、恐らく6、7点くらいは余裕でつけていたと思います。男の子の子供らしい身勝手さの描き方が、素直に上手いなあ、と感じたので。
- 76 落果 (採点:5)
- 丁寧でこざっぱりとまとまった文章が好きです。出来得る限りに短く、無駄な描写を削ぎ落とした文章って、ついつい何度もかみ締めながら読んでしまいます。
自然災害で作物がだめになった農家の人の辛さ……だなんて、僕には想像するしかないのですけど、単純にその年の食い扶持がごっそり持っていかれてしまうってことだよね、と考えると、やるせない気持ちになりました。例えそれが、天気の神様の思し召しで、どうしようもないことだったんだよ、ってことを差っ引いて考えたとしても。
ただ、これをひとつのお話として読むのなら、ストーリーが希薄すぎて高い点数はつけられないです。いやいやそうではなくて風景描写の妙をこそ見て欲しい、ということでしたら、間違いなく高得点をつけるのですけど。
- 79 home, my sweet home (採点:6)
- 「DBさん……最後までズィクシーって呼んでくれなかった……」って台詞があると思ってた僕は多分何かを勘違いしています。元ネタ判らなかったらすみません;
たくさんの設定が存在していて、煮詰めればすごく面白い話になるんだろうなあ、とは思ったのですが、15kbで表現するにはパーツが多すぎたのかな、という印象です。
人工知性体(=AIである、という解釈に基づいての話になりますが)に関していくつかの疑問が浮かびます。ひとつは、そういうものが存在するなら、わざわざ生身の人間を完全電脳化して機械に移植しなくても、全部人工知性体にやらせればいいんじゃないかということ。確かに、融通の利かない機械に任せるよりは人間にやらせた方がよりよい戦果を出せるのかもしれませんが、果たしてそこまで生命倫理を欠落させた世界が存在するのかなあ、と思ってしまうのです(架空の世界のお話だし、そういう世界を扱うのがSFなんだ、と言われてしまえばその通りなんですけど)
もうひとつは、乗員の取るスペースと重量が問題になるなら、人工知性体を少女型にする必要がないんじゃないかってこと。仮に子供型にするなら男の子でも女の子でもいいし、最悪ひとつのチップか何かにして機体に組み込めばそっちの方がずっと有効的だと思うのです。
それでも敢えて少女の形を取らせるっていうなら、これは設計者の趣味とかじゃないかなぁ、と勘ぐってしまうのです。あるいは、完全電脳化した元の精神が男性である以上、乗り手は少女型にした方がモチベーションが上がるとかいう理由でしょうか。いえ、きっと作品における絵的な都合に違いないとは思うんですけど、一応。
ストーリーに関して思うことは、よくわからなかった、というのが正直なところです。大局として巻き起こった戦争の中で、誰かを守るためにささやかに散っていく小さな一人の兵士の姿――という構図は嫌いではないのですが、あんまり胸に来るものがなかったので、評価としては平均値です。
文章中に張り巡らされたメカメカした描写と、スピーディなテキストが好きだったので、そのぶん+1点とさせていただきます。
○ふうがみこと さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 雰囲気一発。そして成功。うーん感想が書きにくい。
ありがちといえばありがちなストーリーラインだけれど、モールス信号でやり取りする会話は会話文をはさまないだけに雰囲気を崩さず、良かったです。
ちょおっと狙いすぎな面もあるとは思いますが、鼻につくほどではありませんでした。
うーん、本当に感想書きにくいなぁ。これは雰囲気に酔えるかどうかというその一点だけが重要な気がしますよ〜
- 02 息吹 (採点:6)
- 面白い話でした。木々に会話をさせるだけでなく、山から街中へ移動させたアイデアがちょっと好きです。
ただ木々があまりにも人間くさいのに、その描写が私が持つ「木」のイメージを覆すほどのものではなかった点と、木ならではの視点が作中に少ないような気がしたのが残念でした。もう一歩、という印象でした、
- 03 strangers in the city (採点:7)
- 前半〜中盤を読んでいるときの感想は「う〜ん、若い」だったのですが、終盤の雰囲気がそれによって活かされていて、ちょっと気に入ったのでこの点数。内容的には不満はあるんですが、物語の中に一本の芯を入れて、それを成長過程の学生の気付きとしてまとめたのがいい具合でした。
人間って異性で変わっちゃうのね。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:9)
- おお、いいなぁ。8か9か迷ったけれど、9点。
この加点への最後の一押しをしたのは、中盤のヒロインの独白でした。この部分ののめりこませ方が上手いな、と。
始めは軽く、徐々に重く。そして誰もが抱える思いの捌け口として「泣きノート」を登場させ、流浪君との矛盾を出して、それでも割り切らせてしまう。そんな答えを文字で表さずに描写で表す(誤魔化すとも言う)点も私好みでした。
読み始めは「何だこの女」だったのが解析が進んで、ラストは満足感と幸福感に。私の感情の泣きノート代わりになってくれました。でもノートより流浪君が欲しいなぁ。
うん、好きです。
- 05 魔 王 (採点:3)
- すんません、9行目でオチが読めました。
一発ネタは嫌いじゃないんだけど。
視点を変えたり主従を変えるだけじゃなくて、やはりもう一ひねりが欲しいところ。
- 06 left wrist watch (採点:9)
- 別に点数の大判振る舞いをしている気はないのですが、良いお話でした。くわー。
まず冒頭の別れが良かった。女コワイ、マジコワイ。あの豹変の落差で一気に物語りに引き込まれました。その後しばらくは低飛行でしたが、海中世界にに対する主人公の見方にまた惹かれました。ここらへん「彼女」の言葉の頻度の変化とか、読んでて面白かったです。素直に作者さんの狙いにやられたな、と。
そして最後、友達の性別に気が付いて、ここでやられた! と感嘆符付けで敗北感。これをこのラストで明かしたのが上手い。しかも文に表すのではなく、言葉の読ませ方で表現してるのがなんとも。序盤の台詞に違和感を抱いていた私はまさにしてやられた気分です。くわー。これによって作品全体にいい色が付いているとも思います。
とにかく作品全体のさりげないスマートさにやられました。10点に近い9点です。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:5)
- 「まだ言えるのね」。こういう話はやはりオチが読めてしまうときつい面があります。もうちょっと上手く誤魔化すか、ミスディレクションに凝って欲しかった。私も人のこと言えないけどさ……
オチが読めても楽しめる要素というのを作者さんが詰めているのはわかるのですが、困ったことにその要素が私の趣味からハズレていたのです。
教科書のメッセージなどは好きな要素なのですが、もうちょっと、でした。
- 08 傷跡が残すもの (採点:4)
- う。後悔だけで解決は無しか。
解決せずに読者に委ねる形式は確かにありますが、この作品は事実を列挙しただけに終わっていて委ねる部分までまだ踏み込んでいないと思います。
もうちょっと、この先に発展させてから締めて欲しかったです。
- 09 僕僕先生 (採点:9)
- 好き。えいちくしょう、このやろう。
物語として起伏もあればまとまってもいる。だがそれ以上に僕僕先生の魅力にやられましたよ。幼女万歳。だが主人公がそんな先生に手を出したのは正直マズイだろ、と思いました。先生は捕まらなかったが、こいつは捕まるべきだろ。うん。
二人の会話がいい感じです。
僕も怠惰です。脛齧りでした。いまでもガジガジ齧ってます。僕のところにもやってきて先生。あ、こちらから行かねばならんのか。
- 10 また共に笑おう (採点:4)
- 残念。性別の逆転は驚きになりませんでした。
途中まで騙されていて、そこのところは変遷が上手かったと思います。しかしそれは私の物語に対する興味の中でさして重要なものと感じていなかったので、要素の一つを誤解していただけに過ぎず、明らかにされても何も感じなかったのですね。男・女→女・女→女・男。どうせならもう一つ、ここから男・男にされたらひっくり返っていたかもしれません。
それと肝心の会話と二人の行動が私の好みに合わなかったのも高く点を付けれない原因です。特に格闘は……う〜む。
- 11 江南小話 (採点:2)
- >呉に仕えるとめきめきと
初読の際に「呉に仕えるときめきと」と誤読した私はもう駄目です。なんやねんそれ、なんやねん。
内容としては、コーエイではない光栄が発売した「三国志」を思い出しました。果たして「小説」として読者を楽しませる気があったのか疑問です。
話の筋としては歴史物としても物語としてもいまさら扱うような内容ではない。この内容は今こんぺに投票する人々にとってはすでに定石過ぎるものであり、取り立てて扱う題材ではないと思います。それでも小説として谷や山を用意し演出によってのめり込ませてくれるのならば、劇として定石も楽しめるのですが、淡々とただストーリーラインを見せられるだけ。これでは読者に影響は与えられません。
伝えたいことをどのように伝えるのか、その手段にもっと凝られた方が良いと思います。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:4)
- >私たちにしかできないこともあるんだって、わかったから
これに全く納得できない私がいます。あのディスクや兄貴の姿のどこに、これが語られていたのでしょうか。「私たちにしかできないこと」こそが、旅立ちを選んだ動機であり、この話の根幹に関わってくるものであるはず。しかしそれが見えてこない。
ディスクさえあれば、できるのは主人公達だけではない。
それを主人公達だけだと納得させるためには、主人公達とともに新天地を探して旅立った人々との相違点を描写しなければならないでしょう。或いは逆に、旅立った人々の多くが主人公達と同じ心を持っていることを。
しかしこの物語ではそのどちらもがなされていません。人間の未来がどの方向で動くのか、「できること」がどう意味を持ち得るのか。それが全く描写されていない。それが見えない以上、私には主人公達の心情はうすっぺらい感傷にしか見えません。
受け継がれていく未来の示唆が足りなすぎる。読者に対する説得力が無い。物語の中で描写されている人物は主人公達だけだとしても、読者はそのさらに周りの、物語で示されている取り巻く環境の全てを想像してしまうものなんだという点を考慮して欲しかったです。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- ここからこの二人が成長してくれたらいいんですけれど。
ですから、最後の一文が私は非常に邪魔に感じました。いきなり自信を持って言えちゃうほどの主人公の変化は、物語の中で描写されていない気がしたんですよ。
うーん。
あとカスはあまりにも威厳なさ過ぎ。酷すぎる名前だよ……
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- いや、これはもう駄目だろ主人公。
でもよりを戻せなくてもナナコちゃんがいるから安心しろ、と、もてない男の僻みを書いてみました。
短編だから仕方が無いけれど、二人の誤解が深まっていく場面にもう少し描写を割いてもらえたら、もう少し主人公に共感できただろうと思います。バイトの時点で予想はつくのに、いきなり(劇中では時間が経ってるけど)別れ話に持っていかれたので、あまり主人公に同情出来ませんでした。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:8)
- やられました。いや狂ってる。こういった世界の話に私は弱いのです。
正直植物について造詣は深くないので、そこに何か比喩が隠されているとしたら私は損していることになります。しかしそれでもイメージは十分に伝わってきました。一情景、一心裏をひたすらに淡々と描く。それが深いか浅いかと問われれば、描写している内容は浅い……というより中身は無いと思います。しかしその部分を読者に委ね、照らし写す鏡としての役割を果たすことに、一定の成功を収めている作品だと思います。冷静に考えると映像的にはただ気色悪いだけの話ですけれど。
途中様々な方向に想像が飛んで、中々に幻想的な雰囲気を味わえたのですが、その中に1つ、「鏡に映る自分に腰を振る壁オ○ニーのナルシスト」の想像図ありました。苦笑してのち素に戻りました。我ながらわからん。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:5)
- 頑張ってるとは思いますが、15kじゃやっぱむりっしょ。私個人の話として、戦闘物は好きでもロボット戦闘は苦手だしさ……やっぱ男も女も自分自身を武器にしなきゃ。
即席パートナーも、ちょっと。
そんなわけで、ごめんなさい。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- 河豚か海豚かで口論、というアイデアはちょっと好きなのですが、文章・会話・展開がどうしても面白く感じられませんでした。苦痛の部類に入ってしまう。題名にしても≪フグ≫とでてきた時点で頭に浮かんじゃうし、オチに持ってくるには今ひとつ。
けっぱれ。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- 冒頭でカタカナ名が大挙で押し寄せてきた来た時点で、私はもう駄目。
ハイファンタジーなればこそ、見せ方というのが重要と思うのです。
- 19 青い春 (採点:7)
- 主人公、内気なくせに、手が早い(笑
いや、最後のキスシーンを読んで思いっきりにやけてしまいました。わはは。今回こういった思わず笑みがでてしまう作品は少ないから、貴重に感じます。
本来こういう話は苦手の部類に入るのですが(痒い! 痒いんですよ!)、最後の二ヤケで全部帳消しです。ご馳走様でしたw
- 20 A Darkness more than night (採点:3)
- 読み始めていたときから書こうと思っていた感想の言葉があります。せっかくですからそれを書きます。
これ、俺には合わねぇ。
今こんぺでかなり頻繁に使っている言葉ですが、まさにそれ。3章のマリィの話は好きなのですが、それ以外がね。多分作者さんはわざとこのような書き方をしているのでしょうけれど、これだけでもたせようとするのならば、よほど深くSF的知識を駆使しないときついと思います。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- 主人公の魅力がちっとも描かれていません。
何もせずとも彼女が出来る、告られる。羨ましいお話です。
- 22 瑠璃 (採点:採点なし)
- 上手い。と思うのですが……
作者さんの掲示板での書き込みを見ました。その上で、採点を放棄させていただきます。一次か二次かの面ではなく、こういった作品は読んで楽しむものであり、競い合う場にはそぐわないと思うんですよね。
こんぺというのは作者さんの力量を測ることを目的としている部分がありますから、それを考慮すると読者をどのような世界にどう飛び込ませるか、というのも重要だと思うのです。特にこれは短編ですから。
しかしその部分を作者さんの力量ではなく本多孝好の力量(つーか小説のコピーライターの力量)に頼ってしまった。この発想自体が作者さんの力量と見ることも出来ますが、私個人がこんぺにおいて点数をつける基準の外に存在する考えです。やるのならそのまま持ってくるのではなく、別の形で「MISSING」の『瑠璃』とリンクさせて欲しかった。パクリだといわれるのを回避する方法ならば他にも考えられるだろうし(特にこの作者さんの力量ならば。なんか採点放棄しておいて矛盾してますがw)、個人的には本文中で本の題名出しただけでもうOKと思うのです。
いちからの創造なんて絶対に無理ですし、オリジナルの作品を書く原動力でもあるのですが、やはり上手く誤魔化して欲しかった。昇華して欲しかった。別の作品になるところまで持っていって欲しかった。はっきりと書かれては点数付けるのに抵抗があります。
つーか本音で語ると、これを認めてしまうと『眠りの海』のオマージュをこんぺに投稿しようと考え、どうしても展開や場面が『眠りの海」の焼き直しにしかならず諦めてしまった自分があまりにも可哀想過ぎるのですよ。
実力の差は雲泥で、この作者さんと私を比べるのはおこがましいですし余計に惨めなのですが。うう……(涙
- 23 世界の終わりは (採点:4)
- 今こんぺではこのような能力の話が多いなぁ。
何を端的に表すか、その主従が逆になってる気がします。
- 24 禍疎 (採点:5)
- ごめんなさい。わからんかった。
ひきつける文章や展開ではあるけれど、トータルで見ると味気ないです。
肩透かし(いくつかの意味で)の連続で構成されてるという点は面白かったです。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:7)
- おお、ほのぼの。日常的ないい話だ。
形は違えど誰にでも経験があるものをさらりと書いてのけるのは、結構力量がいると思います。重要なのは「さらり」であって、結局好みに合うかどうかなのだろうけれど。
男性も女性も運ちゃんも、全員好感が持てるとこも良かったです。うん、いい具合でした。
- 26 ピーナッツロジック (採点:7)
- 雰囲気はいいと思います。でもこれって普通の日常なんですよね。物語特有の含みがあるわけでもなく、人が人と話して普通に得る感情。
ほのぼのとした作品が嫌いなわけじゃありません。好きなものは好きです。
しかし恋愛感情を中心に据えると、物語として不満を感じてしまいます。青春と呼ぶには年がいってる二人だし、愛は愛だけじゃすまないし、恋も恋では終わらない。つーかアクション起こしてるし。
長編小説の一場面としてはこういうの好きなんですが、ここで完結してしまうと何だかなぁ、と。
私の心に起伏を生じさせて欲しかったです。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:4)
- 会話がかなりの部分を占めているにもかかわらず、その会話に魅力がありませんでした。
なんというか、地文をそのまま括弧でくくっているような感じ。会話と地文はテンポや重さに変調を加えてメリハリをつけるために用いられる面があると思うのですよ、私は。それが全てとは言いませんが。
にもかかわらず、絶えず一本調子。それも上手く操れば魅力となりえる要素でしょうが、この作品ではそこまでいっていないように感じました。
- 28 その交渉は無理がある (採点:5)
- どんなオチかと思ったら、こんなオチか……
さすがにドリーマーに過ぎるでしょw 現実だというなら、俺は人生投げ打ってでも求めますが。
妹萌えに特化しようとした心意気は評価します。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- 難儀な商売やな。でもまぁ、全部がそんなもんか。
面白い話でした。話の見せ方も上手いですし、私の目からはこれといって文句をつけるところがありません。
でもいちゃもんをつけるとすると、もう少し嫌な気分にさせて欲しかったな、と。主人公が老人や剥製や自身に対してもった嫌悪感を、私自身がもっと強く共有できればもっとのめりこめたと思うのです。最後まで客観的に冷静にストーリーや文章を見つめることしか出来ませんでした。そこが残念です。
それともう一つ、題名は話の雰囲気から考えると大きくマイナスでした。あまり読む気がしないタイトルです。結果的に読んでいるので損せずに済みましたがw
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- うーん、どうだろう? ちょっと残念かな。
タイムスリップから大きな想像に膨らむかもしれない話が、現実に足をつけてしまった。物語としてはまとまっているし、作者さんとしては譲れない線かもしれませんが、一読者が極めて個人的な感想を述べるならば、物語の外の部分に想像を広げる構造のままでいて欲しかった。私はそんな読者なもので。
導入――元からそういう期待をさせない物語ならば気にならないのでしょうが、この作品に関してはその期待を持ってしまったもので……ごめんなさい。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- 最後の一文にちょっと加点。
でも、こうした物語にこうした文句をつけるのはお門違いだとしても言いたくなってしまいます。どこの戦場だこれは、と。アイデアを生かすためにしても、あまりにも安直にしすぎた感が否めません。
私は実際の戦場がどういったものか文献でも体験でも知りませんが、空想と現実に上手く折り合いをつけて、舞台設定そのものにまず凝ってもらいたかったです。そうしたほうが「メリークリスマス」もラスト一文ももっと際立ったのではないかとか思うのですが。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- すんません。既にいくつかの作品に対して述べている言葉ですが、改めてこの場で述べさせていただきます。
私には合いませんでした。
妹萌えじゃない人にはどう判断していいかさえわからないです。ストーリー的にミステリーや起伏があるわけでも無いし……うーん。特化してるのを評価したいところですが、私自身が楽しめるところがなかった事実に素直に従って(別に嫌悪感などは抱きませんでした。その点は上手いと思います)、この点数にしておきます。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- 仮定法過去完了、もう思い出せません。過去完了と仮定法は別個に思い出しました。家の棚を見ると「英語の構文150」。私も歳を取ったものだ。
それはおいといて。
すいません、正直好みではありません。
広樹と主人公がファーストコンタクトを取り別れた時点で、私にはこの主人公の気持ちが理解できなくなってしまいましたから。
最後まで読んでも、やはりワンダーランド。どうやら根本的なところで作者さんと思考がすれ違っているみたい。ですからどうしても高評価は与えられません。ごめんなさい。
- 34 美談 (採点:4)
- うーん、内容は好きなんですけれど。遺書を書いてそれでも生きる。
でも主人公の考えがあまりにも一般人とかけ離れているように私の目には見えるため、何の説明もなしに遺書を失い生きているとされてもクエスチョンマークしか浮かんできません。そこを感じ取らせるには、物語の魅力…作品内部に読者を引きずりこませることが必要なのでしょうが、なんかそれを最初から放棄して書いているような印象です。ただ衝撃的な内容を書きゃいいというものではないと思う。
あとこれはこの作品とは全く関係ない個人的なものですが、遺書を書いて生きてるよりも、死を覚悟して生きる方がいいな。せめてフィクションでは能動的にいきたい。
- 35 負け犬 (採点:3)
- 面白い話だと思うのですが、主人公の矛先が前田に向いた時点で私としてはダメだとおもいました。
意外性というか、オリジナリティというか、そういう面では大いに結構。でも個人的感情としては許せません。勿論読み手も千差万別ですから共感する人もいるでしょうけれど。
単に背徳するのではなく、別の方向で意外性を出して欲しかったな。
- 36 停電の訪問者 (採点:6)
- 電話が鳴って『まさか』でオチが読めてしまった。そういう話が好きだからかな。それとも、う〜ん。
悪くは無いんですけれど、そんな気が付いてしまう読者も想定して物語を作ってくれたら嬉しかったです。いやまあ、私がそんなこと言えるはず無いんですけれど……人の振り見て我が振りなおせ。私もそういうこと考えないで投稿したしさ……ぐすぐす。
と、感想にかこつけて愚痴書いてごめんなさい(汗
- 37 Love Song を聴かせて (採点:8)
- いや〜いい青春ですw 羨ましい。
「中々に妄想がかきたてられる行動だ」からは始終ニヤニヤしながら読んでいました。こういったラブソングで来るとは思わなかったな。物語全体と小道具と、題名で統一されていて非常に上手いです。
惜しむらくはもう一つ、惹き付けられるもの(驚きであれ笑いであれ)があればよかったな、と。例え軌道上の高い位置を飛び続ける衛星でも、発進と着水で締めるスペースシャトルのエンターテイメント性には及ばないと思うのですよ〜
- 38 茨の森 (採点:5)
- すいません、序盤は結構面白く感じたんですが、後半がただ作者さんの語りをただ漏れさせているだけのように見えてしまって……
そこは楽な方向で表現しちゃいけないと思いました。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:8)
- アイデアだけに点全部。物語の描き方は正直好きではないのですが、シリウスを携帯にくっつけるという発想をさらりと書いてしまうところが参った。
なんて勿体無いシリウスの遣い方でしょうか。色々と遣いたくなりそうなのに、小道具のままで物語を締める、作者さんのその豪気さにちょっとジェラシー。
こういう話は私には書けないだろうなぁ。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 下田がテスターを承諾するまでは面白かった。風刺的でなところもグー。だがオチが勿体無い……無茶苦茶勿体無い……
何の解決にもなって無いし、ユーモアも無い。残ったのは街頭演説のような作者さんの主張だけというのが、非常に勿体無い。結果的に読み終わると印象が薄くなり、主張の内容さえ忘れて「つまらない話だった」になってしまいます。
何かを吹っ切って、読者を楽しませるなり苦しませるなり、魅力を持たせて欲しかったです。そうすれば読者の心に物語の一部として主張も残ると思うのですけど。
もっとも題名の意味はわからなかったので、この感想は作者さんの罠に落ちてる可能性もあります。J・V・ノイマンを検索してみましたが、う〜ん、難しい。考え込むとドツボ。
とりあえず承諾までの面白かった部分を買って、この点数を付けときます。
- 41 らくがきを消しに (採点:7)
- 青春物。うまいなぁ、と素直に思いました。ぽんぽんと進むリズムが心地よい。
ただ私の傾向として、男が出てこない物語にはどうしてものめりこめないのです。3人のやり取りも行動も非常に好きですし、作品としてもまとまっているし雰囲気もいい。キャラクタ的にも好きです。しかしその部分だけでどうしてもお気に入りと呼べる領域まで私の中に入り込んできませんでした。これが青春物ではなく驚きや意外性や暗いものを含んだストーリーに重きを置いているものであれば、意識がそちらに向いて関係ないのでしょうけれど……。
本当にただ趣味が合わなかっただけです。主観を排すれば9〜10点だと思いますが、おそらくそれは他の方が付けてくださるでしょうから……本当にごめんなさい、です。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:6)
- 文章は上手いし雰囲気作りも上々だとは思うのですが、奈何せん、好みじゃありませんでした。
兄と妹の世界が離れる理由付けがあまりにも弱い気がするのです。それは繋がることにおいても同様。もう少し恋愛感情以外の要素を絡めないと、セカイ系としても弱いと思います。
雰囲気一発は短編として勝負を賭ける道の一つだとは思いますが……これはちょっと私には合いませんでした。ごめんなさい。
- 43 帰郷 (採点:7)
- 悲しいけれどいい話。
でも……前回こんぺでの「真夏の帰郷」をどうしても思い出してしまいます。あう〜
でもまぁ、作者さんに罪は無いし(お盆の意味を考えればかぶってもおかしく無いアイデアですから)、ひょっとしたら同じ作者さんかもしれませんから(笑)、そこんところはなるべく気にしないように点数つけてもました〜。
最初の数行、今日にはもう帰る、16日、というところから大まかな仕掛けが見えてしまうのはちょっと勿体無かったです。そここは気付かれないようにキーワードを離して置いたほうが良かったのではないでしょうか。そうすれば後で驚きに繋がりますし、「見えない人」と絡めて畳み掛ける事もできたと思うのです。また見えないルールを説明する点も、せっかくのリズムと雰囲気を少々崩しているようで勿体無かったです。
私個人としては、この「見えない」を題材として、祖母の死の真実を取り上げてくれた方が好きになれた気もするのですが……ちょっと惜しい気がしました。
- 44 勝者は語らず。 (採点:3)
- 感想を放り投げて僕はこの場を去った。
いえ、まあ、そういうことで。アクションシーンを書きたいだろう、ということはわかるのですが、私としては戦闘よりも戦闘前と戦闘後の人間ドラマが好きなもので。
最後の戦闘シーンは何かしら効果を狙ったものだとは思いますが、むしろ手抜きに見えちゃいますし。独り言の多い主人公もあまりかっこいいとは思えず。
狙いが大分滑っている作品だと思いました。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 実は植物人間でしたー!
なんてオチの方が好みだったかも……安直には違いないけれど。
あまりにもドリーマーすぎる。夢を描くにしてももう少し加工してください。お願いします。
- 46 決まりきった世界 (採点:3)
- いや、無理あり過ぎます、これ。
細かいことは言いませんが、文章ではなく物語を構成している要素を一つ一つ見つめなおした方がいいと思います。
狙って書いているとも思えませんでした……
- 47 ローランダ、空へ (採点:6)
- すんません、正直勿体無かったです。
鳥に喋らせてしまったことに、そしてローランダの口調に、私はどうしてもなじめなかった。どこか乾燥した雰囲気を持つ文章で、それは非常に雰囲気を作り出していて良かったのですが、ローランダが放つ言葉は湿っていて、どうにもアンバランスに感じてしまいました。
例えば「へ?」はあまりにもおどけすぎているし、「す、すみません」のようにどもるのも純粋さよりジャックの顔色を窺うような卑屈さを感じてしまう。「あ、ちなみに」なども、その場面を想像すると演技じみていて、ローランダが自分の幼さを自覚し、利用してジャックにこびているように見えてしまうのです。
一言で言うとあざとい。作者さんがではなく、作中のローランダが。
これが台詞がなく、ただの喋らず意思疎通が出来ない小鳥ときこりの話ならば、私はもっと好きになれたと思います。
話の筋は定石ですが、その見せ方は好きだった。冒頭も、最後も、好み。
ただローランダの台詞だけがどうしても好きになれませんでした。う〜む。
- 48 愛されるより愛したい (採点:7)
- 読みやすくてテンポがいいし、内容も興味を持てて先が気になるいい展開です。ただあっさりしすぎな感も。それが味ではあるのですが、中盤なり終盤なりに何か一山盛り上がる場面が欲しかったと思います。う〜ん、惜しい。
- 49 忘れてしまった (採点:8)
- くそう、悔しいけれど好きだっ!
最後にもう一行、何かこれからを示唆する一文が欲しいと思いましたが、でも、いい。
文章の雰囲気も話の流れも、非常に私好みです。形は同じでも積み上げたものはなくならない。
願わくば主人公に助けられた女の子も、主人公とは違う形でリセットされ、積み上げることを始められるように祈ります。
- 50 ある朝 (採点:2)
- ワンアイデアで押し通すのならば、押し通すなりの工夫がいると思います。
短いのならば、余計にスマートな描写を心掛けて欲しいです。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:6)
- いいお話だと思います。温かで優しくて、ほのぼの。でも、私の望んでいるものとは違うのです。
私の目からは特に欠点は無いし、雰囲気も内容もいいと思います。ただもうちょっと冒険して欲しかった。新聞の子育てコラムを脚色したような感じ、かな。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- 結構好みですw
トボルと主人公のやり取りに魅力がありますし、オチもオリジナリティがあると思います。こんな人間ならロボットに替わられても仕方が無いや、と。しかもそれを否定できないところが苦笑させられていい具合です。
主人公の名前の元が気になります。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:3)
- 私には合いませんでした。
老人の話はいっそのこと主人公の合いの手を入れず、終始老人の言葉だけで表現すれば好みには近くなっていたのかも。実は冒頭のページと老人の台詞のページとで完全に主人公の語りが鼻についてしまったので、その時点でもう……。真実がどーたらと語りを入れず、それについてさえ読者に委ねてしまうものの方が私は好きです。
ラストのページでさらに減点。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:3)
- あう。これまた私には合いませんでした。
自問自答で答えを出すにしても、葛藤や欺瞞などあるべき感情を濃く描写しなければうすっぺらく見えてしまいます。主人公の心の動きを結果として表示するのではなく、経過として表示してください。そうしなければ読者の共感は得られないと思います。
- 55 明日天気になあれ (採点:8)
- うおぉ面白い話だ!
話すテルテル坊主のアイデアが好きですし、会話も面白い。物語の起伏もあって先が気になるしし、ラストもそつなく、物語として15Kで不足なくまとまっている。文句なしです。ほわほわとした気分を味わわせてもらいました。ほわ〜
あとは一つ、私に読ませるだけでなく、私に語りかけるような要素を感じ取れれば満点も夢ではありませんでした〜
んー、でもでもほわほわ。幸せにさせていただきました。
- 56 子供の夢 (採点:9)
- いいなぁ。なぜかジーンと来ました。
笑うには、ちょっとシリアス成分が強すぎました。ふつうに、しんみりと、読みながら感動していました。ですからその意味では非常に勿体無かったです。
振り返ってみれば伏線もあるし納得も出来る。オチてる。でもこの話に関してはシリアスで終わらせて欲しかったと、強烈にそう思いました。
ううううう、現在50作以上読んできた中で、一番勿体無いと感じた作品でした……くすん。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- 「名前書き忘れたんだ」
爆笑!
オチといい、なんかメチャクチャ気に入りましたw
序盤〜中盤があまりにも説明口調だし、展開も文章もそれほど褒められないとは思うのですが、一本背負い以降で世界が変わった。この淡々としたコメディ色がむちゃくちゃつぼにはまりました。胸刺しても全然元気。背負い以降は満点つけたいくらいです。もう大好きw
- 58 落日の挽歌 (採点:6)
- 救われないなぁ。妖精族は悪役だろうとは思っていたけど、まさかこういう方向へ行くとは。
意外性はあったけど、ラストを含めて釈然とせず。悪役は(悪人ではなく)物語の中でそれなりの処遇を求めたいところです……
感情的に一点下げておきます。ごめんなさい。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:5)
- やめて、リアルなオタク象やめて。
いやまぁ、このオチ後の描写が欲しかったな、というのが本音です。
より戻すなり、別の男とくっつくなり、改めて浩次を刺すなり。これだけじゃ弱いなぁ。
- 61 Letter to you (採点:5)
- これは物語の外に向かってのメッセージでもあるのかな? もしそうならば、主人公と悩みの告白によって受けに回っているヒロイン、二つの主観(正直言うと一つだけだと思うけど)しか提示されていない時点でアウト。違う立場の人間から複数の考えを提示し、それから答えを一つ選択する、という形を取らねば単に作者の意見を押し付けられているとしか見えません。是か非かではなく、それによって読者に公平感が与えられると思うのです。主人公が選んだ答えは作者が語りたくて用意したものではなく、物語の人物像・キャラクター性からそれを選ばざる得なかったのだ、と。それが読者に対して押し付け感を薄める効果もあると思います。
そういった部分を考慮すると、恋愛を絡めて薄めてはいますけれど、まだ読者を意識しきれていない気がします。
- 62 Why do you do it? (採点:4)
- えーーーーーーいっ! こんぺで日記書くんじゃねぇっ!!!
などと噴火して鎮火するわけですが、うーん、正直なところ、うーん……
こういう試みは面白いとは思うんですが、見せ方が不味いかなぁ。作品の狙いを初めから読者に知らせるのならば、その上で面白さを演出するべきだと思います。狙いを最後のどんでん返しに使うのならば、隠した上での演出を。いずれにしても中途半端だと思いました。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:採点なし)
- こんばんわ俺。がんばれよ (1月22日、PM5:46)
がんばれ俺、超がんばれ (1月26日、PM9:40)
がんばってるか俺、頑張れるもんなら頑張ってみやがれ (1月27日、PM11:35)
頑張ったな俺。よくやった、感動した。次はもっと頑張ろうな (1月28日 PM7:06)
- 64 発狂した宇宙 (採点:9)
- いいなぁ、素晴らしいっす。肌を発見し、真相に気がつく場面では震えが来ました。静かに静かに壊れていく世界。事実を知るときにも、人も物もその姿は変えない。ただ主人公の眼が変わるだけ、というシャープさが素敵でした。
振り返ると題名も素晴らしいです。周りの全てが狂ってしまったこの宇宙。絶望的なほどです。
なんか褒める言葉しか出てこないや。脱帽、です。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:7)
- ラストの一文がもうちょっとよかったら……うう、惜しい。マジで惜しい。
基本的に好きな話です。特に傘のくだりが。でも冒頭の宇宙飛行士がもう少し繋ってくれればもっと良かったと思います。
隔たりのあった二人を再び繋げる役があるのはわかるんですが、それだけで使うには安易な気が。未来の夢につなげるにしても、その橋渡し・接着剤としては多少強引な気がしました。積み上げを説くにしても、それだけでは肝心な説得力が足りない気がするのです。しかもその不足感がラストの一文に繋ってくるので、さらに強調されてしまう。
正直、私が好きなのはこの幼馴染と過去を語る、というシチュエーションと雰囲気だったので、そこで余韻が壊された気がして残念でした。まぁ、まさに個人的な感想ですけれど、あはは。
- 66 似たもの親子 (採点:5)
- 気付かずとも似る親子。いやいや、結構好きな構成とオチなんですが、作品単体として全体を見ると、やはり急ぎすぎです。ストーリーを紹介しただけで終わってしまっている感があります。
シナリオではなく小説としてテキスト表現でも楽しませてもらいたかったと思いました。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:9)
- なんて嫌なピーターパンだ。
正直に言いますと、読み始めた当初は文章が気取りすぎてる気がして、好印象が持てませんでした。美しくないだの臆病だの不公平なだのの言葉が出てきたときには半ば失望。うわ、そっちのマクロな人間論に行っちゃうのかよ、それは逆に幼稚だろ、なんて内心で毒づいていました。
ですが途中から……どこら辺だろう? とにかくひきつけられ始めて、読み終わってみるとはまってました。反感を持った部分はしっかりと一個人の問題に戻って来てますし、私の感情は作者の手の平で踊らされた気分。文体に対する嫌悪感も気がつくと無しに。我が身を省みると、うん、単に私は気取った「単語・固有名詞」が嫌いなだけなんだろうな、なんて。自分に対する批評に摩り替わってますが、新たな発見でした。
ラストまできて初めて形成される雰囲気も私好み。降参です。参りました。
- 68 私的な三色信号機 (採点:4)
- 自分語りが長っ ごっつ長!
結局美人にキスされる理由付けを一生懸命説明していただけですかい!
能力設定の説明やそれに纏わる人間哲学なんぞどうでもいいんですよ。読みたいのはそれを前提とした上での、物語。
文章力はあるのにもったいないなぁ。
- 69 雪、心々 (採点:6)
- 話の筋は好きなんですけど。一瞬アンハッピーエンドで終わるのかもしれないと思わせられた部分も好きなんだけど……やっぱり容量が足りなかったみたいです(涙
二人の病室でのやり取りや、ヒロインの心情をもっとゆっくりとじっくりと見せて欲しかった。そうすればかなり気に入った話になっていたと思います。うう……勿体無い。
ただ、削るところを上手く削ればボリューム的にはもう少し詰め込めたとも思います。ただソレはこの雰囲気を壊しちゃうことになるかも知れず、あまり自信持って言えないところですけれど……
好きな話だけに、本当に、残念です。
- 70 雨ごい (採点:10)
- 笑いましたw
まず作者さんのインナースペースに脱帽。冒頭の雨乞いの儀式には何か実際の儀式で参考にしたものがあるんでしょうか。知識として得ていたものを繋ぎ合わせたんだとしてもすごいし、もし大部分を創作しているのならば羨ましい限りの創造力だと思います。
また中盤の世界も素晴らしいです。子供の頃に暗がりに感じていた恐怖心。その不安感をこれほど上手く表現できるなんて。否定と肯定をないまぜにして、それでも感情に支配されてる幼心を読んで懐かしく感じさえしました。
そしてラスト。それらを全て昇華させるスカトロオチ(笑)。今まで鬱積させられていた感情を開放させる素晴らしい逆転。いやはややられました。
今こんぺ最初のハラショー! 最高です(笑
- 71 デジタルペット (採点:7)
- ダークですな。でもそれがどうした、という類ですけれど。
最後の一言がとっても勿体無かった。狙いは中々面白かったし、怨み言じゃなく愛を告げる(内容は怨み言ですが)というのも中々いいと思います。だけど最後の一言で、ホラー系では使い古された安易なモノになってしまった。ここで私が感じていた面白さが霧散しちゃいました。
それさえなければもうちょっと点は高くしていたと思います。
あと私としてはこちらがアクセスしない間のペットはむしろのびのびと動き回っているんじゃないかと考えてるので(私の暗い性格出てる考えかただなぁ……)、コワイというより「依存してんじゃねぇ! 甘えんな!」とむかついてしまったのですが……わはは。この子以外のデジタルペットはどう考えてるんだろ、何て考えてしまいました。
- 72 しろゆめ (採点:2)
- すいません。正直流し読みでした。
何か裏に隠してあるのかもしれないけれど、読み取る気が起りませんでした。
読む気が起る話を作りましょう。
- 73 Saturday 7.15 (採点:5)
- 最初は戸惑った会話も慣れればテンポよく味があるものに見えてきたのですが……それでもやっぱり、高得点を出すには抵抗があります〜
この会話のなんともいえない味を生かすお話を生かすよう、ストーリーやテーマを捏ねて凝り始めたら、たぶんすっごく面白くなると思うんですけれど……
- 74 告白ごっこ (採点:2)
- 投げっぱなし。
ここで終わっちゃいけないでしょ。いや、終わりだけじゃなく中途の展開もキャラもテーマも中途半端。
作者さんは何がやりたかったのだろーか。
- 75 君の後ろで (採点:6)
- うわー、上手いと思うんですが、感情的には不快感。
高校最後の試合を終えた後、部員と語らいもせず(打ち上げがないという時点でその活動がどういうものだったかが……)帰っちゃう副将とか、行為のあとで初恋の男との思い出を回顧するヒロインとか。
それ自体はあってもいいんだけど、それを奇麗なものとして描かれちゃうと……ぬう。
狭量かつ恋愛経験乏しい男なもんで……ごめんなさい。
- 76 落果 (採点:3)
- ごめんなさい。このお話から意味を見いだす気になれませんでした。
- 77 いつも心に太陽を (採点:8)
- やられました。いいお話。ブルーベリーとかメニューとか、そういう意味だったのね、と納得。ただ世界については少し説明不足な面もあるかなと思います。
祖母が亡くなる場面にもう少し感情移入ができれば良かったのですが、それを除いてもいいお話だと思いました。優しいです。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- お話自体は好きなんですけれど、死神が女の子というところが狙われたような気がして素直に楽しめませんでしたw
話の内容もまとまっていて、何よりもイカサマ賽をこの結末に用いるというアイデアに虚をつかれました。上手いし面白いです。ただ容量の問題もあるんでしょうけれど、死神が賭けに乗ってくるまでのやり取りがちょっと安易だったな、と。
死神の性別と合わせてそこら辺が改善されてたら、私的にもう言うこと無し! でした。
- 79 home, my sweet home (採点:7)
- ラスト一行、センターにせずにただ繋げてくれた方が好みでした……うう、勿体無い。今こんぺ、私的に勿体無い終わり方の物が多いですぅ〜
物語の序盤並びに中盤、難しすぎて頭がついていきませんでした。私の頭はSF向きには出来てないようです。理解は出来ても楽しめない。私のような初心者にも優しく読ませてくれていればと、残念でなりません。
終盤はなんだかもう堪りませんでした。頭の中のイメージは「エリア88」。冷静に振り返ると狙って書かれ過ぎている面が目立ちすぎるかな、と思わないでもありませんが、結局唸らされたらお仕舞い。楽しませていただきました。
79番、ラストの作品にthx.
まだ前作読み終えたわけではありませんがw
○ぺー さん
- 05 魔 王 (採点:5)
- うまくはまとまっているとは思うのですが、ショートショートにしてはありきたりすぎるオチではないでしょうか。もう少しひねった展開がほしかったです。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:9)
- 粘りつくような独特の空気で、これだけのものをお書きになられたのを素直に凄いと思います。多様な比喩も興味深かったです。ただ、意図されてのことなのかもしれませんが、横書きだと改行が少なかったため少し読みにくい感じがありました。
- 23 世界の終わりは (採点:7)
- 面白かったです。傷つきすぎると球体になるという発想は見事でした。
- 24 禍疎 (採点:8)
- 津女が仰向けになっているシーンがあまりに美しかったです。思わず、情景を想像させてくれる文章、見事です。
- 32 バスが来るまで (採点:5)
- いわゆる妹萌えの作品ですよね。その方向性の作品としては、別に悪いとは思わないのですが、残念ながらそれ以上の意味が引き出せませんでした。これでは、妹をキャラ萌えの文脈で消費しようとする意志がなければ、作品評価の敷居をまたぐことができないのではないでしょうか。
- 35 負け犬 (採点:6)
- なんだか、佐藤友哉や乙一みたいなタイプのブラックな小説ですね。試みは面白いと思いますが、ただ、最後の展開が途中で読めてしまいました。これで、あっと驚くようなラストがくればかなりいいものになったと思います。
- 38 茨の森 (採点:6)
- 後半に入って一気に畳みかけられました。ただ、矛盾するようですが、構成が少し後半に傾きすぎている気もしました。もう少し前半と後半の乖離をなくしていけばよりよいものになるのではないでしょうか。
- 47 ローランダ、空へ (採点:3)
- 長い割には、驚くような展開がなかったため、だらけてしまいました。鳥が話せるという設定をもう少し生かしてほしかったです。
- 50 ある朝 (採点:4)
- 表現したいことはわかるのですが、もう少し大目の分量で表現していただきたかったです。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:8)
- かなり面白かったです。どこにもだれるところがなく、必要最低限の分量で最後まで書き切られたのではないでしょうか。ショートショートとしては相当秀逸な部類に入ると思います。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- SS自体をネタにするというひとつのやり方ではあると思うのですが、結局書きたいことが最後のほうの部分だけだとしたら、こんな長編の導入部分みたいな冗長な書き方はいらないと思います。
- 64 発狂した宇宙 (採点:4)
- もう少し簡潔に書けたのではという気がしました。宇宙という思わせぶりな名前をエピソードまで入れて使うなら、もうちょっと生かせるような形にしていただきたかったdす。
○ぽー さん
- 01 きれいなほし (採点:4)
- 多分私がすれているんだと思うので、以下を一般論として受け取るのはオススメできません、といきなり予防線を張ります。
まず文章に関して、感傷的すぎる呟きや独白が多すぎました。読者がおそらく何かを感じるであろうという、公約数的な単語の配置ばかりが目立った、という印象です。海とか青とか諸々。もちろん私も日々多用してまして、ぶっちゃけかなり自己言及気味なのですが、とりあえずその単語や状況の表層ばかりを撫でていて、深く貫いてくるものが少なかったです。
世界観の把握を促す説明文がほとんど皆無でした。邪推ですが、作者さまは全編を一定のリズムで書こう、余分な描写を省いて心情だけに絞ろう、と思われたのではないかと。そうでなかったらすいません、と謝りつつ、実は説明文というのは非常に重要な位置を占めていると思うので、はぶいて欲しくなかったな、と思います。
読者は物語を追いながら、作中で浮上する説明文で一息をつくことが出来ます。それまでの流れや世界観を整理させ、以後に来るであろうクライマックスに備えます。一定のリズムのまま、溜めもなく読み進んで終わりましたので、やはり一拍おく、緩急を頼る、という要素が大きく抜けていたと思われます。
- 02 息吹 (採点:3)
- 推敲が足りてません。誤字に関しては、私はあまり気にしないタチなのですが、それとは別に、文章それ自体が全く研磨されていないままなので、読んでて辛くなってしまいました。
内容も無難な選択しかなかったかな、と。どうにも自然側を一方的に善としているところが鼻につくときもありました。結局のところただ独白が並んでいるだけなので、感じ入るものはほとんどありませんでした。キャラが没個性なので感情移入することも出来ず、明確なテーマがあるわけでもなく。
- 03 strangers in the city (採点:3)
- まず、ひきこもりと呼ばれる人々の中でインターネットを利用している割合は1割以下、という数字が出ています。精神科医である斎藤環氏の著作の中で、氏自身の臨床例を元に出てきた数字なのでそれほど的外れでもないでしょう。一般的なひきこもりの人々はインターネットをあまり活用しない、とはいえこの主人公の彼がその1割に該当する、といえばまあ通じそうなものですが、一般的なひきこもり青年の心理からは少しかけ離れた描写が散見されたので、どちらにしろ弁護にはならないかなと思います。ひきこもりの定義からつまづいているので、結局オチまで一貫して外している、という印象です。ひきこもりを装っているだけの、いわゆる「もどき」に対する批判を含んでいる、というのなら話は別なのですが、それは流石に私の深読みに過ぎるでしょうし。
と、スルーすればよいものを過度に拘ってみる、という嫌な読者を演じてみましたが(こらこら)すいません、ですがこういう読者もいるのでは、ということで。いなかったらすいません。まあ私は割りと気になったほうです。ちなみに上記パラは点数には含んでおりません。
でもやっぱり思うんですよネエ、このひと別にひきこもってないよねえ、と(笑)
作中における某コミュニティへの当てこすりはどうなんでしょう。批判はよろしいのですが
「なんて、孤独なことなのだろうか」
というセリフへの経過を満足に辿っていません。浮いています。
ビリー・ジョエルの歌を引用したり、雰囲気を持ってこようとしていますが、失敗しているようにしか思えません。と、彼のファンの一人である私の感想です。曲に対する解釈をぶつのは結構なのですが、全般的に「えー……」と呟いてしまう程度には腑に落ちませんでした。
何が彼の前進を促す契機になったのかが曖昧であるし、説得力も大きくありません。彼女もなんだか……といった風。主人公はどうも理論派ぶったニヒルガイな感じですが、最後ではやけに曖昧なセンチメンタリズムに落ち込んでいますし。その落差は――作者さまが意図したかどうかはさておき――非常に幼稚な印象を与えます。
ポイントで挿入されるビリー・ジョエルの歌は、まあいいんですが、私は引用に対する部分の加点をヨシとしないのでこの点数に落ち着いた次第です。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:6)
- 15kの現界なのだろうか。思わせぶりな口調ではぐらかされた気分です。そんでもって作者ははぐらかすのが目的に違いない。雰囲気だけで攻めてきたに違いない。ずるいや。
- 05 魔 王 (採点:2)
- よくあるパターンの話です。
はっきりいって使い古されているので、このアイデアで、そしてこの短さ――どう考えても驚くようなギミックは難しい――である限り予測以上の面白さにいたることはない、と思いました。初見の人はいざ知らずですが、あまりに分の悪い賭けでしょう。単純に考えても、読者をもっと巧妙にだまくらかす誘導部分がいるのでは。アイデアをアイデアただそれだけ裸で放り出すのはもったいないです。盛り上がり、読者への布石、その他諸々の技を用いてほしかったと思います。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:4)
- 主に描写面で。
比喩表現に途中から飽いてしまいました。アンスリウムのあたりは上手いと思いました。ブーゲンビリアは物語に必要なのだろう、と思いました。序盤を中心に目がくらんでしまいそうな所はありましたが、後半ではほとんどが失速しています。というより形式に拘っているようにしか思えませんでした。ラ・エスコビージャまで来ると「手を変え品を変えだなあ」という印象さえ持ってしまいました。
ワンセンテンスを長々と繋いでいくことに対しては特に文句はないのですが、それが何かしらの評価に繋がらずに失敗している箇所がいくつかあります。文構造として曖昧な箇所も散見されました。ぶっちゃけると、読点くらいつけてください、と思ってしまうところです。「〜のような」や指示語が長い文章の中では埋もれていってしまうので、文の一体どの単語にかかるのか、しばらく読み進めるのを止めて後戻りしなければならない箇所がいくつかありました。読点を使わずに長い文章を書いたときに起こりうる構造問題なのですが、この作品の性質上なんとしても回避すべき所だったでしょう。
ほとんど描写だけを読者に評価させよう、というこのような作品で、その描写面で隙を見せられると他に評価が出来ません。唯一面白いと思えたのは父母殺害シーンだったのですが、とはいえここは作品の主題(題名から読み解くところの)ではないでしょうし、作者様の意図でもないかと。
文章が割りと平板でありました。厚みはあるのですが、実際の所は同じ文構造を単語を変えながら繰り返しているだけなので、やはり飽きてしまいます。その打開の手段に私は「会話」があると思っているのですが、皆無ですし。
使用されている単語やシーンはセクシャルなのですが、見かけほどのエロスを読み取ることが出来ませんでした。一つ目のパラグラフでやったことを後半で再度繰り返したことによる効果も特に見えません。
心理描写に関して。殺害シーンなども、その情景の激しさに比べてみれば実にオーソドックス。描写から予想、期待されうる飛躍がなかったのが肩透かしでした。結局同じことの繰り返しか、と長く続く文章と改行がほとんど省略された文面を見て思ってしまいました。ただ、それに酔うことが出来るのならまた話は違ってくるのでしょうけども、前述した文構造で私はつまづいてしまったもので。
一番強く思ったのは作者様は手段を選びすぎたのでは、というところです。自作を書くに当たって何かしらの制約をつけることは、私自身たまにあるのですが、この作品に関しては手段を選びすぎ、限定しすぎ、作品自体の効果を最大限に発揮することが出来なくなったのではないかと。全ては邪推に過ぎませんが、こだわりと固執は違うのではないかと若輩の身で思う次第です。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- パロディの使い方が安直過ぎます。ネタを拾ってきてそのまま配置するだけで面白くなる、というものではありません。整形、誘導がほとんどされていないので、読者は置いてきぼりを食います。
コメディ、ギャグの部分に対する客観的な添削が足りていません。全く関係のない他人の全く同調できない内輪の笑いを傍から眺めているような気分になります。読者が求めているのは自分にも理解、参加が出来る類の笑いなので、逆にそぐわないものは一方的に冷めていくだけになります。読者を笑わすための雰囲気作りを、もう少し丁寧になさるべきであったと思います。
- 20 A Darkness more than night (採点:3)
- ディテールが貧弱です。人と機械の対比はまあドンとこいと望むところなのですが、ほとんどの場面において細微の弱さが足を引っ張っています。例えば雰囲気作りのためだけに列挙される数字などです。距離とか時間とか。根拠のない理論がいくつか散見されます。光速の七パーセントの加速度を発揮できる推進機構があるのなら、そのような科学力があるのなら、千百十七年と三ヶ月、二十一時間と三十四分、十一秒後――この数字もいささかあざとい――なんて遠い未来にやってくる石くれなどどうにでも出来ると思うのですが。団結力さておきにしても。
ただ、上記の拙意見に対して作中で全くフォローがないというのかといわれると、実はそうでもなく、誤解を恐れずにぶっちゃけるのなら「登場人格が愚かすぎるから」ということになります。隕石が来ても争う国家。思考機械の予測に負ける人類。曖昧な決断で行われる移民。全くお粗末な理由で全滅する船内の人間たち。ここまで徹底すると、いくらなんでもやり過ぎではないかという気になります。というよりむしろ話を進めるための展開がほとんどこれ一つになってしまっています(マリィについては作者様の意図の範疇だと思われるので範囲外ではあるとしても)
AIについて。思考が最初から人間のように描写されているので、オチでの一文の効果が相当減退しています。恐れるとか、というのはやはり感情なのでは? あと人間の感情についての理解が主題とはいえ、どうにも機械がその部分に対して無知すぎます。ここでもまた前述した「愚か」という指摘につながります。
作品内の材料のそろえ方があまりにテーマに沿いすぎているように思われます。最終状況を設定するための、そこへ至る過程が力技に過ぎたということです。設定したゴールへ辿りつかせるためにキャラクターの能力を落とし込むのではなくて、環境の方を上手に整えていたのなら私の評価は全く違ったものになっていたのかもしれません。
まとめてみますと、作品としての魅力はほとんどテーマそれ自体に絞り込まれてしまい、それにはめ込まれたキャラクター、環境は両方とも没個性的で魅力を感じなかった、ということになります。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- ツンデレロリですね。ツンデレロリ属性のみを狙い撃ちにする話でした。
もはや何もいいますまい。作者様はただそれだけを狙われたのだ。その他の階層については一顧だにしなかった。いつもならそれに、私はいささか不快な気を抱いたかもしれませんが、ここまで貫徹されると清々しくさえあります。敬礼。ツンデレロリは死なず、ここに生きる。
で、おちついてみて。いくつか。
少女がちょっとテンプレすぎるのでは。ツンデレはかくあるべしなのですが、ちょっとテンションが一定し過ぎていて、それが作品全体の雰囲気をも引っ張ってしまっている感じです。あとひとひねりが足らず。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:5)
- うーん、ガムなんか使わずにそんままポケット突っ込んじまえばいいんじゃないの? と思ってしまったり、「100円くらいでガタガタいうなよ」に納得してしまったり。私なら頭パカーンとしばいちゃうな、とか思ったり。まあここは私感です。
15キロで書ける話をそのまま書いた、という手堅さを感じました。それだけに少し纏まりすぎてるかな、とも。ショタという要素がありますが私自身には需要がないのでプラスにはなりませんでした。が、まあきっと萌える人はいらっしゃるでしょう。
文章技術的にはいうことはないのですが、エピソードの選択にはやや不満があります。前述した100円パクるところも何だか微妙ですし、途中のプラダのリュックをねだるシーンも一体何の効果があるのかがよくわかりませんでした。有名私立ってことだから金持ち設定なのか……と思いますが自信は薄く、あとクライマックスとして流れを打開しようとしたのか、例のキスシーン。ここが非常にもったいなく思えました。
>「自分の人生」が楽しくなってきた時のことと、楽しくしてくれたあいつのことを思い出す。
キスに至るまでの伏線がこの一文だけでは足りません。読者としての私は、広樹と彼を被らせたのかな、と思ったりするのですがその予測はとことんあやふやです。あっさりと流したことによって読者へその解釈をゆだねる、というのもありうると思うのですが、後半の流れを見るに、この場合は書きこんだほうがよいのではと思いました。ここがもっと分厚く、しっかりと表現されていれば後のメールにもなにやら読者は思うところを持てたのではないかと。総じて、容量配分にやや弱さの見られる作品でした。
- 38 茨の森 (採点:5)
- 創作にそこまで真剣じゃない私には、作中の主張を受け取る器すらありません。
- 50 ある朝 (採点:9)
- なんという無欠さか。指摘できることは何もございません。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- あ、これは上手い。というより面白い。SFものの中ではトップじゃないかしら。
ループ問題を一蹴するあたりには抱腹。全体を通して古き良きロボット物を読んだ、という印象です。そして作者様の狙い通りであろう、と。容量を無為に伸ばしたり(あと一ネタ入れることが出来たとも思いますが)口調や描写まで下手にアジモフ老に似せようとなさらなかったことには丁寧な自制を感じました。
ただ『肝試し用立体映像シリーズ IV エルラゴ星人』からの流れはちょっと、軽すぎたかも、と。シーンそれ自体はほのぼのしてて全く落ち度はないのですが、後述しますがオチとの雰囲気の落差で、読後に何だか腑に落ちない、疑問に思うという意味で浮上してきてしまいました。
で、最も気になったところはラストです。
オチがちょっと安直過ぎるし、中途半端にブラック過ぎるな、と思ってしまったところが残念。いまいち捻りもたりませんし、それまでの展開に比べてちょっと無難すぎた気が。まあ、このあたりはアイデアが浮かぶか否かなのですが。とはいえ表題どおりのテーマは維持しつつも、もう少し口当たりの優しい皮肉で落とし込んでいたのならさらに痛快だったはず。逆にとことんブラックに走っても良かったかもしれません。全てはロボットによる壮大な反乱計画だったのだ、とか(無粋なお節介失礼)。丁寧さが裏目に出てしまったのだろうか、と。中途半端よりは奔放を好む性質なもので。
あと単純に文章的なテクニックなのですが、このような話ではオチを独白で締めるより、もう少し幅を持たせた類の叙述のほうが余韻が残るのではと思います。冒頭が俯瞰、広がりを持った描写なだけに。短編においては古臭いと思えても、約束事っぽい形式を守るのは存外大事なのではと愚考するもので。
- 59 幼少時 (採点:1)
- 短すぎるし、残念ながら「だからどうした」といってしまえばそれまでです。
スペースで誤魔化した、40行にも満たないただの文章で読者が揺れるはずもなく。
すごく、嫌な気分になりました――と、いささかアイロニカルに過ぎる言葉で締めさせていただきます。
- 79 home, my sweet home (採点:4)
- まずは設定に関して。
>汎用性が高く、しかもダイレクトに機体を操る事が出来るため非常に効率の高い運用が可能となるこの技術
この技術が人工知能を上回るという立証がなされていないので、はっきりいえばとってつけた論理のように感じられます。読者が疑問に思う部分への先回りとそれに対するフォローが欠落しています。火器管制が別系統で、しかもそれが少女型アンドロイドでもって行われるというのもいささか弱い。彼女に対する外貌描写も少なかったので、ここで萌えろ! というわけでもないように思えましたし。
アンドロイド――涙どころの話ではなくて、それこそ機体にとってデッドウェイトではないのか→だったら人間もいらないじゃないか→どういうことなのだ――と私は思ってしまったわけです。
これは邪推なのですが、ラストシーンの情景先攻、オチからまず書かれたのではないかと。それはそれで一向に構わないのですが、設定への練りこみがおろそかだと途中でさめてしまうのが、SFの怖いところ。
夢と機械に住まう頭脳をくっつけるのは、近年ではいささか食傷気味なネタではあります。そこにゴーストはあるのかい、とかはまあさておき。肝心要のホーム。タイトルにもあり、作中でも大きな割合を占めているホームが弱かったです。ここは重要だと断じます。キャラと夢とが符合している中で、その両者が目指すべき夢の内容――家がほとんど描かれていない。ズィクシイに対する描写を削ってでも、夢の中身である我が家をどうにか描くべきだったのではと思います。
ただ、夢をみた。ユメをみた。というだけではテーマの消化になっていないのではと。
個人的に思っていることは、アニメなどで登場する「モビルスーツ」と内面描写を基調とした作品の親和性はそれほど高くない、ということです。ド派手な戦闘シーンが読者の目をかっさらうこともなく、モビルスーツ搭載頭脳(と名前をつけてみるのなら)が語る内省的な心情表現は現実ではありえない世界観の中で行われるがゆえにリアリティは半端で、読んでてどこか尻が落ち着かなく、どうも入り込んでいけません。二つのアイデアそれぞれの利点が、お互いをまさに打ち消しあっているというちょっともったいない構図になっていると感じました。
○ぽた さん
- 01 きれいなほし (採点:1)
- 密度がない文章。情景が頭に入らない。モールス信号と色のコントラストは良かった。でも、コレなんていうミスチルのプロモ?
- 02 息吹 (採点:1)
- 若いツバメといえば男の喩えじゃないか。まあそれは置いておくにしても、文章がこなれていない感。前の文と次の文で使用している言葉が重なっていたりしているのは語彙の貧困さが伺える。そもそも良い意味でのキャッチーさが足りない。視点は面白いけれど、リアルってモノがない。
- 03 strangers in the city (採点:6)
- モラトリアムな感じが良く出ていて、文章もこなれている。SNSに対する考察とか、寂れた酒場のところとか良かった。ただSNSって言葉を避けたのは違和感。キャラクタも普通に良く書けているが、女の子の言葉遣いがちょっと乱暴過ぎるかも。もう少しタイトルひねるべし。軽音部の設定が今ひとつ生きていない。ただの音楽好きじゃダメな必然性が欲しい。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 文章こなれている。「割り切れない」とか上手いし、ストーリーの流れも良い感じにほっとする作りになっている。だけどコレ、なんて全裸男?いやむしろきみはペットかな?(禁句)あと、タイトルが謎。
- 05 魔 王 (採点:4)
- 文章こなれている。オチはちょっと笑えた。でも、それだけだ。ベタ過ぎるし。もっとリアル+オリジナリティを!
- 06 left wrist watch (採点:7)
- 文章こなれている。表現の独自性もいいと思う。わりと最初の方にフックがあって、お? と思わせるところは上手い。オチもベタに落ちすぎないし。キャッチーさは無いけど、隠れた名作って感じ。ただ、彼女が「覚えててくれたんだ。嬉しいかも」って言った直後に振るとかキャラクタの動きは要改善。恋愛小説の王道的には、時計のブランドとか出してみると同時代性が出て、もっと読者に近くなれるかもしれないね。19の人がそれを上手く使っているので参照してください。あとタイトル練って欲しい。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- 文章こなれている。いい感じにキャッチーでもある。明るく笑えてほっこりする。っつーか「同じ中学だって気付けよなダンナ」っていうツッコミが無効化されてるのが強いよねある意味。でも、タイトルが!!!!!!! ちょっとそこの作者さん、放課後教員室で二時間説教ね!
- 08 傷跡が残すもの (採点:2)
- 文章こなれている。でもコレ、なんて佐藤友哉or重松清?(禁句)回想が多くて、各イベントごとの時系列が分かりにくい。あと、BL臭いのは仕様か?
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- これは、上手い。ややクセのある文体だが、読み進めていくうちに気にならなくなってくる。雰囲気は後宮小説(酒見賢一)を思わせるが、きちんと自分のモノに消化していると思う。キャラクタも良い。情けないけど正直で変に度胸のある主人公も飄々としているのにどこか寂しげな仙人のキャラクタ性などはかなり魅力。ただ、十代前半の見た目+チャイナ服+僕っ子は趣味に走りすぎかもね!私は大好きだけどね!!(笑)
数少ない難点は最初のフックが弱い+タイトルにキャッチーさが欠けることか。
- 10 また共に笑おう (採点:5)
- 文章こなれている。良い感じにキャッチーでもある。二人の関係性良い。最初の会話とか普通に面白かった。でも、この枚数で書くとあっさりしすぎてしまうような感。特に後半部はベタベタ過ぎてちょっと恥ずかしかった。そう思わせないための前半部なんだけど……でもやっぱり、恥ずかしい。ネタの選別的に長編向けだったかもね。
- 11 江南小話 (採点:2)
- 文章は素直な感じではあるけれど、華が足りない。セリフに三点リーダー多い。全体にフックというものがほとんど無い。同じ中国モノの9を読んだ後だと、どうしても見劣りしがち。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:1)
- 文章がねじれている。「健全であれば絹のようであったろう亜麻色な髪はうるおいに乏しく、ほっそりとした華奢なからだつきは健康でないであろうことを物語っていた」←こことか、かなり悪文。ネタ自体も練られていない印象。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:3)
- 文章わりとこなれている。最初のフックがわりと効いている。でも途中からだんだん、これなんてエロゲ?って感じになってくる。なんとなく読んでいるうちに飽きちゃうんだな。あと先生のキャラクタがリアルじゃない。
- 14 ユメのおわりに (採点:3)
- 文章わりとこなれている。電話シーンは笑える。ただオチが読め過ぎる。頭悪いな主人公も彼女も。裏側で彼女がこれをメタ視点で見越していたりしたら面白いが、そこまでは読めなかったから無いと見なします。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:8)
- 縦書きエディタに貼り付けたとき、一瞬「うげ」って気分にもなったけど、読んでみれば意外に読みやすいし面白いしスゴイ上手い。語彙力がハンパ無い。そしてきっちり最後でまとめてくる書き手の意志力。最初の描写がかなりフックになっている。ところでこれは何て言う三島ですか? いや、三島じゃないかな? とにかくこういう純文書きのひと、どっかにいるよね?? でもまあ、かなり自分で消化しているとは思う。でも「彼はチカの口に下をねじ込む。」←誤字じゃないか? とかはあった&タイトルが謎で惜しい。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:2)
- 文章はわりと素直で良い。ラノベ的冒頭のフックは、ありきたりだが努力の跡が見られる。「春休みにの登山は」←おいおいおいタイトル下すぐに誤字かよ(笑)「一体の機兵を作るのに大体十億から三十億くらいかな?」とかは突っ込まれやすいポイントだから明記しないが吉。視点の統一も出来ていない。ラノベとして致命的なのは、萌えないし燃えないということ。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:1)
- 文章はスカスカだが適度に笑えるからこれはこれでいいのかもしれない。でも、あまりにダラダラ書きすぎ。オチもないし。コレなんて言うBLドリーム小説? みたいな。いや、それは夢書きの人に悪いか。キャラも類型がちゃんと書けてない。あと、タイトルパクるな。
- 18 さらば世界よ (採点:1)
- 文章、読みにくい。リアルじゃない。素材は悪くないが「堕ちた王」ジャンルをやるのであればあと五百枚〜千枚ぐらい書いて下さい。そしてハイファンタジーでメートル法を使うな。
- 19 青い春 (採点:6)
- 文章こなれている。高校生っぽい王道を踏んでいてちょっとキュンとした(笑)これはやっぱり固有名詞の出し方だと思う。トリビアとかジャニーズとか。こういうのが6の人に欲しかったのだよ私は。
冒頭、文章の順番がおかしい。二行目と三行目が逆だろう。ここのフックがあまり効果的とも思えないけど。タイトルはパクるな。ところでデートプランは晴れバージョンと雨バージョンの二通り準備した方がいいですよ(余計なお世話だ!)
- 20 A Darkness more than night (採点:9)
- ああ、美しいなあ……。実に美しいSFですよ。冒頭からかなり惹きつけられる。思考機械×マリィにかなり萌える。他の船員をコールドスリープとかじゃなく、容赦なく挽肉にしてしまうのが素晴らしいアイデアだ。その愚かさこそがリアルってものですよ。タイトルが日本語だったらもうちょっとフックが効いただろうというのが惜しい。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- 文章はスカスカだが分かりやすい。起承転結をつける努力は感じた。男主人公のダメさ加減はリアル。だが女の子のキャラクタにリアリティがない。コレは致命的。リアルじゃない女の子には萌えを感じない。萌えを感じない美少女恋愛アドベンチャーに価値はない。故にこの恋愛小説に価値はない。片思い→思い成就は22が萌えるので参考に。
- 22 瑠璃 (採点:7)
- 文章こなれている。ときどき意味の通らない文があったり、謎々は漢字を開くべきだと思ったりするが、まあ、妥協出来る範囲。冒頭のフックはそれなりに効いている。ちょっと胸がきゅんとした。Missing未読なので読んでみようかな、と思った。タイトルが少し弱い。リスカは安直だと思う。その痛みはもっと別の方法で書けるはず。24番の女の子の痛さがわりと上手いので参考に。
- 23 世界の終わりは (採点:2)
- 文章にクセはないが、密度薄い。男も女もキャラクタなりのリアルがない。冒頭、この手のフックは読み飽きた感。コヘレトの言葉or般若心経の方が格上。タイトル、思わせぶりだが中身がない。トラウマ暴露系の話はmixiの59番目のプロポーズが、能力者の憂鬱系はalone together(本多 孝好)がそれぞれ上手いので参考に。
- 24 禍疎 (採点:6)
- 文章こなれている。ときどき言葉の用法で「ん?」となるところがあるが、ギリギリ許容範囲か。女のほんのり痛いところが萌える。冒頭のフック弱い。男のキャラ弱い。タイトル意味不明。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:2)
- 文章素直だが華がない。気詰まりな空気感はそこそこ書けているが、どうもそれだけって感じ。主人公&世界観にリアルを感じない。書き方よりは設定の問題かも。女の子の設定はちょっと可愛かったけど、もっと萌えるように書けるはず。
- 26 ピーナッツロジック (採点:8)
- 文章、ややあっさりだが上手い。村上春樹の味わい。冒頭のフックは効いている。キャラクタもなかなか魅力的。筋自体も悪くない。ただ、あまりに春樹的過ぎる気もする。タイトルの意味が分からない&華がない。ソナーに関する考察は40番が深い(テーマ自体は全然違うけど)
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:1)
- 文章、体言止めと倒置が多すぎる。難病モノで泣けないのは致命的。設定に矛盾が多い。タイトルも中身も、これ何てエロゲのSS? という感じ。男女ともにキャラクタの類型を出ない。
- 28 その交渉は無理がある (採点:8)
- 文章読みやすい。萌えラノベ系ではダントツかも。兄&妹のキャラ造形も良い。ただ、読む人をかなり選ぶだろう。タイトルはうーん、今ひとつかも。かなり続きを読みたくなる。32のしっとりな兄妹を参考にすると面白いかも。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:10)
- 文章上手い。ところどころもたついている表現もあるが、許容範囲。タイトルと冒頭にノックアウト。老人のキャラクタ造形上手い。やや暗すぎる感はあるが、統一をとるためには仕方がない気もする。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- 文章こなれているが、たまに助詞や動詞がおかしい。タイトル良い。冒頭近くのフックがやや甘い。ストーリーはまあ妥当なライン。ところでお父さんは誰なの?
- 31 戦場の休日 (採点:1)
- 文章、素直だが華がない。描写薄い。リアルにしようという意図が感じられない。戦場である意味を感じない。ラノベとして致命的なのは萌えないし燃えないということ。キャラクタ造形が拙い。筋も読めてしまう。
- 32 バスが来るまで (採点:5)
- 文章、読みやすいが華がない。タイトル&冒頭、わりと良い。モスバとかじゃなくてファッキンなのはわざとだろ(笑)妹萌えラノベ系では28がダントツ上手かったが、これも良い線だと思う。兄がいい人なのが好印象。ただ、キャラクタ設定とストーリーがちょっと類型的過ぎる感じ。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- 文章こなれている。筋は起承転結出来ているが、読めてしまう。小学生の言い訳が「手ン中見せてみろ」のところとかみ合っていないので、嘘に気付かない主人公がマヌケに見えるのが致命的。小学生のファーストキスを奪う悪い主人公には悪い印象しかない。男女逆転してたら犯罪なものは、逆転してなくたって犯罪だ。ところでコレ何てインストール?
- 34 美談 (採点:6)
- 文章ややクセがあるが、読める。空気感が良く書けている。小説というよりは散文詩の印象。ただ、読む人を選ぶという点で、28と同じだというのは自覚した方がいいと思う。涙やら妊娠話やらは若干、ありきたりの感があるので要再考。悲しみに満ちた世界の書き方は29が上手いので参考に。
- 35 負け犬 (採点:2)
- 文章素直だが華がない。タイトルと冒頭のフック弱い。起承転結に乏しくダイナミクスが無い。キャラクタ性弱くリアリティがない。ところでコレ何てバット男(舞城王太郎)?
- 36 停電の訪問者 (採点:6)
- 文章こなれている。地の文は地味だが、セリフにはわりに華がある。幽霊のキャラクタはわりと好き。主人公の地の文がやや乱暴で女性らしさがない。キャラクタ間の関係性は良いが、それぞれのキャラが立っているとは言いにくい。筋自体は良くも悪くも、妥当の線から外れない。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:8)
- 文章こなれている。女の子も男の子も萌える。これは良いコバルト文庫ですね。ちょっと冒頭のフックが弱いかも。タイトルは微妙に合っているような合っていないような。人によって好き嫌い別れそうな気もするという点では男性向けラノベである28と同類。
- 38 茨の森 (採点:5)
- 文章こなれている。冒頭のフックは妥当。タイトルはマリみてと誤解されるので不適切。ていうか、名前が女の子っぽいので百合と誤読しかけた。危なかった。壁サークルとかの単語は、一般人の中では分からない人も多いんじゃないかな。キャラの書き方は微妙。立っていると言えば立っているような気もするが、今ひとつリアルを感じない。ところでどうして音楽サークルなんだろう? マンガでも小説でもいい気がする。必然性欲しい。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:4)
- 文章素直だが華がない。シリウスの一点だけを除けば凡庸な恋愛小説。結局シリウスって何だったのか分からない。ふと塊魂を思い出してしまったが、関係ないよね? 女の子視点のリアリティという点では37が上手いので参考に。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:7)
- 文章素直だが華がない。アイデアはなかなか良い。オチをあえて下克上に持って行かなかった(部下が上司を操らなかった)のには何か理由があるのか。関係ないが26番がソナーの表現を使っているので参考に。
- 47 ローランダ、空へ (採点:6)
- 文章こなれている。動物モノの王道が書けている。ただ、ちょっと王道過ぎる気もする……。トゲというか毒というか、ひねったところが欲しい気もする。それがリアルってものだ。その点、29が上手いので参考に。
○まてつや さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- いや、ホントになんてキレイなんでしょう。
このお話を読んで言葉にならない、何かを思いました。
読めてよかったと素直に思えました。素敵なお話をありがとうございます。
- 02 息吹 (採点:9)
- 恐れ入った。素敵過ぎます。
中盤に差し掛かる頃にはこの世界に完璧に引き込まれていました。
それだけ文章描写が巧かったのだと思います。
あと、わざとなのか気になるのは「が木」(ガキ)という言葉、私にはこうしか読めませんでした。意図的ですよね?
とても素敵な作品をありがとうございました。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:7)
- とにかく読みやすい文章でした。竹仙人さんのような……?
面白く上質ではあるのですが、なんかパンチ足りてないなぁと感じてしまいます。なんでかわかりませんが。
- 05 魔 王 (採点:8)
- 大好き(笑)
イカン、すっかり騙された。完璧に、完全に。
そして、すぐ2度読み。
ああ、も〜。
やられたー(笑)
- 06 left wrist watch (採点:7)
- ううーん、すごく好みだったんですけど。
締めがさわやか過ぎてなんだかなぁ。そういう話だと言えばそうなんですが、主人公に感情移入したのかまだまだ彼女を忘れられないような、忘れるならもっと早い段階で悟れるような感じ(自分に置き換えようとするから理解できないのか)
汚い顔で鼻水出すぐらいに泣いて欲しかった気もします。
2章くらいまでは満点な出来でした。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- 妻、可愛いよ。
最初から最後まで可愛かった。オチは読めても素敵だった。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:7)
- 容量を確認して唖然。
10キロにも満たないでこれだけの話が書けるものなのだなと感心。
それくらい、短かったと感じなかった。
タイトルから自作と似てて焦りました。スマートでステキなお話でした。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- すれ違い。ボタンの掛け違い。怖いよね。
なんであれ、最終的に彼が彼女を諦めずにプライド捨ててでもいく結論に達したのは良かった。諦めずに居てくれて良かった。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:5)
- 続きが読みてぇ〜〜〜〜〜!
自分、ロボットものとか苦手です。熱くなれない人です。
このお話も、もちろんそうではあったのですけど、キャラクターとかに惹かれました。
ラストの転向してきた風景を締めっぽくなくして、続きを見てみたい感じです。
- 19 青い春 (採点:6)
- タイトル通り、青春やね〜。
ストレートにラブもの。互いに可愛くて初々しくて、良かったです。
- 21 bright shine on time (採点:5)
- うーん。最後が気に入らなかった。
メールもらうまではそこそこ良かったのにね。
- 22 瑠璃 (採点:9)
- 文句なんかありゃしない。
出だしから、オリ1のときに10点入れた作品と似ているかも知れないと思った。私の好みは相変わらずなのだなと思う。
とても魅力的な作品でした。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- くそう。惹かれる話だ。
文章も読みやすい。特別なパンチ力やしっとり感があるわけでもないのだが、よく出来た話だと思わずにいられない。
面白かった。
- 34 美談 (採点:6)
- 独特の雰囲気が素敵。これで6キロ未満とは思えないほど内容があったように思う。
でも、結局。主人公の気持ちと考え方が一貫性もなく感じるし、よくわからない。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:8)
- おおお、結構好きな話かも。
ちなみにタイトルの意味は良く分かってません。
それは違うだろうと思う部分もないわけではないのですけど、仲松先生レベルになれば分かるのかも(笑)
プライバシーを売ってしまったとか、あの辺り大好きですね。
かなり面白かった。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:7)
- 決めのセリフが個人的に引いてしまった。
うーむ、これだけ浮いてる気がする。
タイトルが心惹かれました。
そしてその内容も意味もとても良かったです。
最後の一文、好きです。
- 48 愛されるより愛したい (採点:9)
- これ、いいんじゃないかな。
結婚まで行っちまうより、別の道に進んでもっとすっきりした親友って感じで終わるかと思ってたし、それを期待してたけど。まぁ、これはこれで面白い終わりかな。
それよりも、最初からラスト前ページまで、ひどく面白かった。
テーマが興味深い、料理してみたいところである。
そして、これはかなりおいしく仕上げられていた。
作者さま、ナイスです。
- 49 忘れてしまった (採点:10)
- ぐっはぁぁぁぁ。今回のこんぺで初めて涙腺を刺激されました。
周りの人の視点でなく、忘れた人本人だけの視点で、他からの会話や情報もないのだけど、本人としては記憶が戻らない前提でなかなか哀しくも前に進んでますよね。
具体的なことはなくても、いろいろ類推させられ、且、それでもはっきりしない方の美学の方が勝ってますよね。書ききってもらうほうが好きな私としてはなかなか例外です。
なんかいろいろ、もっと言いたいことがあるような気もするのですが、言葉になりません。
自分の中のぶっちぎりナンバー1でした。
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- 面白いような面白くないような……緊張感がないですよね。この雰囲気、この文章だと問題というよりこれでもいいやというか同でもいいやという風に感じてしまいます。
題材はいいのでもう少し上手く調理して欲しかったと思います。
>ゲームができない人生に意味なんてあるだろうか?
>「最近じゃ食ベるのも面倒でしたから丁度いいです」
あんた、それでいいのか?(笑)
- 54 smells like xxxx spirit (採点:5)
- 期待ほど面白いオチが用意されてなかったなぁ。
こういう話だってのは分かるんですけど、ダーク方面に進んでくれた方が面白かったかも。
- 55 明日天気になあれ (採点:8)
- おおお、これはいい。
設定も面白いし、照夫の最後のセリフはなかなかツボでした。
きれいな短編小説のお手本みたいな作品でした。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- あ、オチ面白かった。思ったものより予想外で。しちゃったんだ(笑)
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:5)
- 終盤、川越くんの死に際のセリフの後は、2行くらい空けてほしかった。
話飛びすぎです。
話自体はそこそこ面白かったと思います。
あと、最後の一文の意味が私には分かりませんでした。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:5)
- 本物の爆弾ではないことは想像してましたが、こういうものでこういう展開だったとは。
でも、むしろダークっぽい方面に持っていった方が良かったかも。
厳しく言えば、期待はずれたー(笑) という感じ。
書きたかったシーンを書いたといえばそうなのだが、ここで終わりなのかという印象もあり。
こういう終わりは出来ないなぁと思う点では憧れもする。
- 61 Letter to you (採点:6)
- 残念!
タイトルがオチじゃないですかぁー!
と言ってもタイトル変えても得点に影響するわけじゃないですし、流れからバレバレではあるわけですが。内容は何が言いたかったのかよくわからなかったです。
- 62 Why do you do it? (採点:1)
- ……なんだこれ。
無理じゃねぇ、なんとかしろ書ききろうよ。とは思った。
さておき、こういうタイプの話がありかなしかでいえばありでいいのだが、面白いかどうかはかなり別問題。上位はありえないとは思いますが、書き方次第ではもっと良い評価を得られる可能性もあったんじゃないかなとも思えないわけでもないです。
作者は違ってたらすいませんが、Foolisさんだと思うなぁ。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- 面白い。15キロとは思えないほどの濃密さであった。
このこんぺの中で文章の完成度ではTOPクラスだと思いました。
- 68 私的な三色信号機 (採点:9)
- タイトルでびびっと惹かれました。
おおう。この特殊能力面白いー。
同じ特殊な目を題材にした者としては素直に白旗宣言です。
上位食い込むんじゃないでしょうか。
説明も納得できる感じでした。面白かったです。
オチがちょっと中途半端気味というか微妙だったかなという気がします。
もっとしっかり決めて欲しかった。
- 70 雨ごい (採点:7)
- ああ、なるほど。
確かに……バカだ(笑)
最後の一文への前振りがすべてこのために、うわー素敵だ。
- 71 デジタルペット (採点:7)
- うーん、惜しい。
最後が中途半端だったような? 最後は結局、何が言いたかったのかを受け取ろうとしたときに私には1つに絞りきれなく逆にそれがすっきりしない感じを受けました。
怖いオチならそうであって欲しかったし、ちょっといい話ならそうであって欲しかったし、教訓めいたことが言いたかったのかもしれないし、結局なんですや?
そんな印象を受けたので勿体無いなぁと思いました。絞って容量を削ってやったほうがスマートだったんじゃないかなと途中も含めて思いました。
- 72 しろゆめ (採点:10)
- 9点か10点かえらく悩みました。
独特の文章、夢だからと言っているせいだからとは言え、なんと「どきり!」とさせられる発言の多いことか。背筋が凍りそうなほどのゾクゾクした気持ち良さにいつまでも世界に浸っていたい気持ちになります。
言葉にならないほどの冷たい心地よさがとても素敵でした。
>「いいわ、あなたとは現実で会ってる方がつまらないから」
いや、ホント。「どきり!」とさせられます。
- 73 Saturday 7.15 (採点:4)
- アーメンとラーメンだけ面白かった。そして、腹が減った。ラーメン食べたい。
- 75 君の後ろで (採点:8)
- 前ふり(高校時代)はあんまり好みじゃなかったのですが。
最後の方(27歳編)がとても好きです、切ないです。そして、なんてえろいのだろうと素直に思いました。
駄目元で作者はなげさんを予想しておきます。
○ゆーじ さん
- 03 strangers in the city (採点:2)
- 登場人物が作者の方の頭の中で煮詰められていないのでは。
名ばかりのヒキコモリ、そして冒頭と末尾で思考が反転してしまっている主人公。これらに説得力が感じられませんでした。
- 08 傷跡が残すもの (採点:3)
- 狙いすぎだと思いました。一つ一つが処理されないままに終わっているので、余韻としては違和感が残りました。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:3)
- 主人公に人間らしさを感じることができませんでした。
- 31 戦場の休日 (採点:5)
- つんでれ
- 41 らくがきを消しに (採点:4)
- どこがで見たような登場人物の設定がどうにも
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- 読み終わって哀愁が残ります。題名通りの作品ですね。
こういった展開はあまり好きではないのですが、それでも印象づけられてしまったのでこの点数で。
作者の方の技量の高さが抜きん出ていますね。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:3)
- 慎太郎君がお話の中で浮いてる気がします。
爆弾作ったり、好きな人の前で汚い格好をしていたりと、相手に好かれようとする努力をしていないのに、ラストの告白になって。別人のようで、そこがネックでした。
美奈子の造形がしっかりしてただけに惜しかったです。
○ゆたか さん
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:9)
- 最後の一文が凄く良かったです。
それまでの話を受けて、強烈に印象に残りました。
○ユニ子 さん
- 78 ラックラック♪ (採点:7)
- 1の目しか出ないダイスというアイディアはいいなと素直に思いました。死神が美少女なのは萌え系を意識したのかもしれませんが、ここは素直に陰気な男とか骸骨でもいいかとも思いましたが……
しかし、このタイトルはちょっとひどいのでは?(笑
○闇斎 さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- いい雰囲気で好きな類なのです。一人称の情報提示能力の低さを良く分かっていて、読み手がギリギリ筋を追える量にうまく調整されていると感じました。
- 03 strangers in the city (採点:6)
- あのコミュニティサイトに感じていた微妙な気持ち悪さを、すぱっと文字に起こしてくれただけで満足なのです。徹底的に行動動機が曖昧で、最後までなんとなく流れていくのが好悪分かれそう。短編という意味では、可もなく不可もなく、と感じました。
- 05 魔 王 (採点:4)
- 強い言葉が使われるばかりで、それに具体性が伴わなくてちと滑稽。ただ、最後のオチは前半が短く典型に嵌まるほど活きるので、つまり。もっとベタベタに、ステレオタイプな表現を目指した方が良かったかも。
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- ツボに入りました。特に目新しい点はないのに、ぐいぐい引き込まれました。
- 11 江南小話 (採点:3)
- 何かの本歌取りなのか、どうもよくある話という以上の印象を受けませんでした。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:4)
- 物語が展開しているように見えて、その実状況説明に終始していて残念でした。話の肝は兄貴のメッセージだと思うので、そこを膨らませて、地球滅亡云々の下りはもっと削ってしまった方がきれいだったように思います。作品の本質に関わらない話ですが、微生物までは死滅できないんじゃないかと思いますです。奴らの進化速度を考えると。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:3)
- 徹底的にステレオタイプ、と感じました。要素全部に既視感を覚えてしまいました。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:7)
- 文章の長短のリズムの付け方がうまい。自分には出てくる比喩がことごとく理解不能で、そこで挫折しかけました。自分が不勉強なのかそもそも雰囲気付けの比喩なのか分からないのですが、もうちょっと手加減してほしかった。物語を展開で読ませるのではなく、イメージとして与えてくる感じがしましたです。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:4)
- ロボット物としてはイマイチ。設定が甘いのは仕方ないけれど、男が乗り込むことによる利点がどうにも腑に落ちない。素人が初見で報告できる程度の情報をどうして一つにまとめられないのかなあ、とか思ってしまって。細々したことを気にしないビジュアル勝負の物語としては、ケレンがあって面白かったです。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- 導入がイマイチだったのだけど、河と海の論争になってからは掛け合いが面白かったです。論争の導入がオチになっている仕掛けで、入りの構成が難しかったのかなとか。
- 18 さらば世界よ (採点:2)
- 肝心な台詞や文章の意味がことごとく分かりませんでした。たとえばラストの一文、何が一人もいないのでしょう? や、読みが浅いだけの危惧は、存分にあるのですが。
- 19 青い春 (採点:6)
- あーそうそう、そんな感じ。と、とてもくすぐったくなるお話でした。自然な感じが好きで読み進んだら、ラストでお互い一目惚れっぽい記述があって残念。せっかく他愛無い空気を上手く書けていたのに、そこで劇的にしちゃうのかー、と。その分差し引きまして。
- 20 A Darkness more than night (採点:4)
- 「○○である。何故なら〜」という構成が頻出していて、ちょっと読みにくく感じました。論理っぽさを出したかったのでしょうか。面白いのだけど、テーマを語るにこれだけの分量が必要だったかというと、疑問です。設定が多いように感じました。
- 21 bright shine on time (採点:7)
- うわい。甘いのは大好物です。物語りだし、どうせ告白すればオーケー来るだろうとタカをくくって読んでいたところに不意打ちの展開。短い中に良くまとまっていると思いますです。ああでも、最終パラグラフのポエジーは余韻を却って覚まされたので、その分さし引き。
- 22 瑠璃 (採点:7)
- いい感じです。ぼぅっと展開していく物語だったので、ラストの展開は少し急かなと思ったり。だけどその唐突さこそ魅力なのかなとも思うので、難しいです。
- 23 世界の終わりは (採点:3)
- 否定で始まる物語は魅せ方が難しいのです。その否定を否定すると、もう物語に入れなくなりますから。心が形として見える、というアイディアは面白いと思います。
- 24 禍疎 (採点:5)
- 素っ裸で横たわる先輩のビジュアルは素敵だし、凍死に関する考察も興味深いのですが。どうもイマイチ繋がっていない感じを受けました。奇行と思考が乖離して、同じ人物に見えないのです。
- 26 ピーナッツロジック (採点:5)
- 「説明できる/できない」の下りで、とても主人公に共感しました。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:4)
- いい雰囲気なのですが、どうも男に都合のいい感じが目立つなあ、と思いました。
- 28 その交渉は無理がある (採点:6)
- トリッキーで面白かったです。お約束を組み合わせて妙味が出ていると思いました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:10)
- 情報の提示と展開の仕方がすごくうまい。15kbでこれだけ密度の濃い物語を見せられるとは。脱帽です。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:8)
- ファンタジックなタイトルとは裏腹にタイムトラベル物、という見せかけさえフェイクの素敵文章。このいたずらの為に子どもの写真なんかを夫に見せなかったのだとしたら、嫁さん素敵過ぎる。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- 舌っ足らずの文章が、却っていい感じのテンポを維持したように思います。中途半端な設定なんかはいっそぶった切っちゃった方が、変な安っぽさがなくなってよかったかも。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 前半3分の1でオチをばらして、そこからは特に目新しさも面白みもなく。妹はイベントの発起人だからいいんだけど、兄のほうが適応性高すぎないかしら、とか。
お約束ゆえの強さを持ちつつ、お約束が抱える問題は別段解決されてもいないように感じました。地の文より台詞が多いとマンガでやった方がいいんじゃないかしらと思う天邪鬼なので、そこだけマイナスで。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- 何となくいい感じなのです。もちょっとゲーセンの描写がしっかりしていると、より小学生の違和感が引き立ったかも。ガムを奪うギミックは微妙。ガムがなくても男の子の行為は成立しますし、そこの不整合に目を瞑って入れるほど重要なイベントなのかな、と。インパクトはありますが。
- 34 美談 (採点:4)
- 印象は「硬い文章を書きたい人が背伸びして漢字を使ってみたけど、根本的に軽めの文章しかかけなくて中途半端になっている」といったものです。
けれど、このペシミスト風の語り部はそういった文体こそ相応しい青臭さを持っているにも読めて、果たして狙いなのかどうなのか判断しかねています。
派手めのエピソードが取り揃えられていますが、この作品にはもっと地味なエピソードの方が良いように感じました。
- 35 負け犬 (採点:6)
- 話自体はよくある話だと思うのだけど、読むのが嫌になるほど気持ち悪くはならないバランスで書かれていて、上手いと感じました。
- 36 停電の訪問者 (採点:9)
- 1度読んだときにはただびっくりして、読み返したらガツンと心にきました。さりげなさが素敵です。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- バイオリンすげぇっ。などと、変なところで感心しつつ。何でもない日が特別な感じ、好きです。
- 38 茨の森 (採点:8)
- 会話のテンポと作品のテーマ(というか、空気?)が好き。創作でメシを食うことに関して、この作品みたいな状況がノンフィクションかどうかはともかく、この作品内では二人が切実に悩み、生きている事が伝わってきました。自分が文章より芝居よりの人間だからかもしれませんが、90分の舞台の冒頭とクライマックスを切り出してきたようなイメージでした。キャラ立ちが足りないとは思わないのですが、もっと二人の別荘暮らしでキャラが立ってからの方がラストは映えただろうな、と思います。芝居で見たい物語です。会話の作り方がめっさシャープ。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:3)
- 立体四角形って立方体の事かな、とか。“自分の望まないところで、いつも。”と唐突に言われてもなあ、とか。こういう別れ話は切なくて好きなのですが、設定だけで物語として展開しているように思えなくて、それが残念でした。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:8)
- うまいと思いました。技術論の部分が、実現に当たって肝心のところはぼかしつつ、適切で分かりやすい喩えを用いて実現できそうだと思わせてくれました。オチも見事です。
- 41 らくがきを消しに (採点:7)
- 雰囲気を楽しむ作品かなあと、素直に楽しませていただきました。でも、ラストのオチが未だに分かっていません。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:6)
- 発想は面白いのだけど、長さが足りないように感じました。彼の言動と実際に違和感を覚えてからでないと、ネタばらしのカタルシスがないのです。「あれ、そうだったの?」という感じで。あまり関係ないのですが、家族愛と恋愛ってやっぱり違うんでしょうか。
- 43 帰郷 (採点:8)
- 面白かったです。霊の見える基準は、絶対的な裁定者を認めなければ本人の心持に帰着するわけで。罪の意識がある人間には見えないのだとすれば、自分を赦せた時にこそ再会が叶うとなって。その構図が素敵なのです。や、こんな妄想しなくとも、ラストまで続く寂しい雰囲気が大好きなのです。
- 44 勝者は語らず。 (採点:2)
- 特に筋らしい筋はなく、銃撃戦の描写に終始している。なればこそ、その描写に落ち度があった場合、取り返しの付かない瑕疵となるわけで。動詞や助詞の使い方が明らかにおかしかったり、一人称なのに視点がぐらついたり。“こういうことが書きたいらしい”ということは分かっても、どうにも文章力が足りていない印象を受けました。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 一読してご都合主義のテンプレートで、果たして何を書きたかったのか全く読めず。作者さんなりに新しい要素があったのかなあ、とか、色々考えてしまいました。
- 46 決まりきった世界 (採点:4)
- オチまで一直線なので、文章表現による魅せ方がしっかりすれば、もっと面白かったかなと思います。
- 47 ローランダ、空へ (採点:8)
- いうべき事はありません。いい話でした。
- 48 愛されるより愛したい (採点:8)
- 面白いです。こういう、恋愛物のテンプレートにメスを入れる作品はすきなのです。冒頭のまま、変わらないことこそ変化球な展開が素敵。
- 49 忘れてしまった (採点:7)
- 幸せになっていく展開に恐れを抱いていたら、やはり予想通りのオチ。それでも、少しだけ変わった世界なので、これも一つのハッピーエンドなのかな、とか。色々と考えました。
- 50 ある朝 (採点:2)
- 短い文章でホラーをやるのはとんでもなく難しいのです。人の嫌がるものを、読み手に想像させなければならないので。テンプレートじみた恐怖や嫌悪のガジェットを並べるだけでは、残念ながら怖いとは思えません。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:5)
- イタリックの修飾が入るところまでは、情報のそぎ落とし方がうまくて好きだったのですが。広げ方は好きだけど、畳み方はイマイチ。という感じ。
作品とは関係ない話で恐縮ですが、懺悔室の小窓って開くのですか? 匿名性とかそういうので、開かないものと思っていたのです。
- 56 子供の夢 (採点:8)
- 繰り返しが、そこから生まれるなんともいえぬ感じが。大好きなのです。余計な描写は繰り返しには無粋。最低限に絞り込まれて、オチも何となく読めつつ、でも着実に前に進んでいく感じ。いいです。これ。
- 59 幼少時 (採点:8)
- あー、キました。情報を極限まで削って、心情だけ伝える。ステレオタイプの状況が用意されているからこそ最大限に伝わる、まさに短編の味わいです。ごちそうさまでした。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:3)
- 爆弾がらみの知識が薄いなら、無理に設定するよりはぼかしたほうが良かったかも。本質的に必要のない部分なので。アウトラインはとても好みなのですが、肉付けの部分で足りないように感じました。
- 66 似たもの親子 (採点:5)
- 前半説明後半場面の、割と王道の構成。逆転は物語を閉じる為に用意されたように感じて、ちょっと気になりました。話のオチも真ん中で読めるので、そこにもうひと捻りほしかったです。
- 70 雨ごい (採点:6)
- オチがうまい。前半、後半にうまく吸収しちゃったほうが構成がきれいだと思いました。
- 71 デジタルペット (採点:5)
- 狂気者による一人称なので、不整合が狂気を表したものなのか単なるミスなのか微妙。4パラでもうオチは読めるし実際その通りに収束していくので、物語を楽しませるにはもう一味必要だったと思う。
彼は、実に人間に都合よくバランス調整された人格のように感じました。だからこそ、遺言は彼を作った者による怨嗟なのかも、とか。余計な勘繰りをしてしまったり。
- 74 告白ごっこ (採点:4)
- “意図的に誤解させる”というシチュエーション自体は面白いのだけど、それで何がしたかったのかのタネ明かしが最後にちょこっと、というのではオチとして弱いように思います。これでは、中田の感情がガチャガチャに見えて、読み手に伝わりづらそうで勿体無いのです。
- 76 落果 (採点:6)
- 好きです。短く良くまとまっていると思うのですが、情景描写はもう半分は削れたように感じました。この作品は短ければ短いほど良いと思うので、そこが残念。
○猿元 さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 設定およびストーリー展開はどこかで聞いたような感じを受けましたが、小綺麗にまとめているように思えます。あと「和文モールスによる会話」は冗長かつ蛇足な印象を与えます(「・−・−・−」と「・・−−・・」が抜けているし)。
- 02 息吹 (採点:5)
- 目の付け所はよいと思いますが、最後までもう少し淡々と書いた方がよかったかもしれません。短編としては成立していると思いますが、全体の時間の流れがわかりにくい感じを受けます。細かい点では、ツバメは3月下旬に太平洋上の諸島から日本に渡ってきて産卵・子育てをした後、10月上旬に日本を飛び立つわけですが、通常、桜の落葉はこれよりも1ヶ月は遅いはずです。あと「危機じょうず」って一体…。
- 03 strangers in the city (採点:2)
- いろいろな意味で微妙です。これが「チラシの裏」でなく「私小説」であるならば、画面の向こうにいる読み手を意識していただければと思います。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:2)
- 我慢して最後まで読みましたが、「設定語りウゼェ」という印象しか残りませんでした。出だしのテンポはいいんですけどね…。
- 05 魔 王 (採点:1)
- 一瞬でネタがわかりました。あまりにヒネリがなさすぎです。状況描写も、もう少し具体的に行った方がよろしいのかと。
- 06 left wrist watch (採点:5)
- 導入は悪くないんですけどね…。話の流れはわかりますが、どこかお話に「ウソがある」(著者が強引に話を進めている)という感を受けました。本来、中編で書くべき話を無理に短編に押し込んでいるので、仕方ない所はあるのですが。細かい点では「左手首に巻かれている、無骨な輪郭をした時計を、彼女は左手を小さく上げることで」「君がやたらとそのデザインをした時計を気に入ったんだよね。それで、僕に物欲しそうな視線を送ってきた」といった冗長な表現は、もう少し工夫の余地があるかと。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- おおむね、予想した通りの展開でしたが、うまく書けていると思います。細かい所では「僕が卒業を前に控えた頃から」「貴方宛に葉書きてるよ」「どーせ貴方のことだから」という表現が気になります。あと、中学卒業から15年目の同窓会という設定ですから、小野チンの暴走はさすがに不自然かと。
- 08 傷跡が残すもの (採点:5)
- 何をやりたいのかは理解できますがねえ・・・。根本的に、主人公の設定に無理があるような気がします。あと、テツオ君が話を運ぶための道具として使われているようにしか見えません。
- 09 僕僕先生 (採点:9)
- 安定感のある文章と展開だと思います。昨年、アニメ化されたKeyの某作品の匂いがする点を割り引いても、良作だと思います。それと感感俺俺。
- 10 また共に笑おう (採点:3)
- 勢いはあるのですが、著者の頭の中だけでお話が滑っているような印象を受けます。
- 11 江南小話 (採点:4)
- 出来事を粛々と記述した以上のものを読み取れないのですが、もしかすると連作ですか?なお、表現は上手です。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:5)
- 全体的に地の文による説明が多すぎのように思えます。あと、文章から雪の心情が十分に見えてこない点も気になります。ただし、中編小説の導入部として見れば、もう少し評価が上がります。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- 「人生とは何だ?」と大風呂敷を広げている割には、その理由付けがチープなように見えて仕方ありません。渡瀬側の心情変化の様子がうまく描けていないのが原因のように思えます。
- 14 ユメのおわりに (採点:4)
- 全体として中途半端な割に、どうでもよさそうな部分の描写だけは力が入っているように見えます。正直、この分量に収まるお話ではないので、中編として書き直した方がよろしいかと。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:3)
- 狙ってやっているスタイルでしょうが、正直、読みにくいです(特に導入部のセンテンス)。結局、著者は何を書きたかったのでしょうか?
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:7)
- うまく書けていると思いますが、場面描写に特化しているので点数を割り引いています。長編小説の導入部としてならば、もう少し評価が上がります。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- とりあえず、勢いだけはあることはわかりました。ネタならば、もう少し面白いものを考えてください。
- 18 さらば世界よ (採点:5)
- 正直、上手いのか下手なのか判断に迷いますが、「王の決断」に関し、十分な根拠が示されていないため、リアリティが感じられません。
- 19 青い春 (採点:6)
- 状況描写は(ありがちなものの集積ですが)上手です。「お話」を描くことを放棄している点で評価が下がってますが、中・長編の一部分であれば、もう少し評価が上がります。
- 20 A Darkness more than night (採点:8)
- これは話の作りが面白いです。ただし、ラスト一行は蛇足だと思いますが。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- 「妄想乙」という感慨しか受けませんでした。前半で伏線を張った上で、佐々木さんの葛藤をもう少しうまく描いておけばよかったのかと思います。
- 22 瑠璃 (採点:7)
- 全体としては、うまく書けていると思います。「物語を読み進めていくうちに、僕は奇妙な不安を覚えるようになった。」の部分に対応した伏線があると、もっとよかったかなと。というか、全体として瑠璃の姿が今ひとつよく見えてきません。
- 23 世界の終わりは (採点:4)
- 初めの方を読んで、ラストまでの流れが容易に想像できました。同じ筋の話を書くにしても、もう少し何とかしてヤマとかオチとか付けられないものでしょうか。
- 24 禍疎 (採点:5)
- 正直、作話が上手いのか下手なのかよくわかりません。津女の一連の行動が「なぜ」(どういう心情変化に基づいて)行われたのか、今ひとつ理解できない(読み手に放り投げている)所が気になります。あと「思い出が深いわけでもないただの薄い紙っぺらが、彼の脳内に将来に渡って住み着くことになる。」は蛇足かと。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:9)
- 作話、情景描写ともに、これは文句なしに上手いです。
- 26 ピーナッツロジック (採点:5)
- 情景描写の中に暗喩を入れるとかして、マリの気持ちの動きが、もう少しよく理解できるように書けないものでしょうか。あと、妙な位置にある改行を何とかして下さい。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:2)
- 「脳内乙」という感想しか出てきません。著者が「どんなものが好きか」ということは伝わってきますが、お話としては微妙過ぎです。
- 28 その交渉は無理がある (採点:2)
- 「その小説には無理がある」というのが正直な感想です。最後まで読む前に、「世に言う『ツンデレ』というやつかもしれない」という一文で気付くべきでしたね。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:10)
- 話の運びといい、無駄のない描写といい、これはよい作品だと思います。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:9)
- 前半の描写が冗長かなと思いましたが、後半部を生かすという意味では、これで正解だったのかと。アイデア勝ちですね。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- こういうジャンルもあるのかもしれませんが、私には微妙だと感じられました。ただしこれは表現の面から見たもので、ストーリーの発想としては悪くないのかと思います。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 著者の「脳内垂れ流し」としてはともかく、小説としてみれば微妙過ぎる出来だと思います。読者を放置して、登場人物が勝手に先に進んでしまう感じを受けました。それと「嗚呼割腹美少年」。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:7)
- 話の落とし方というか、全体の構成をよく考えている作品だと思います。
- 34 美談 (採点:2)
- 「三」あたりで「四の五の言わず、さっさと首吊って氏ねよ」と思った私は、もしかしたら釣られてますか?
- 35 負け犬 (採点:3)
- これが「中学生の作文」でないのならば、とりあえず、話にオチぐらいはつけて下さい。
- 36 停電の訪問者 (採点:7)
- 最後まで読んで納得しました。できれば話を膨らませていただいて、中編で読みたい作品です。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:5)
- 場面の描写は上手だと思いますが、私には、その背景にある物語が見えてきませんでした。中編小説の一部としてならば、もう少し評価は上がります。
- 38 茨の森 (採点:4)
- 書き手が自分の頭の中で話を完結させているような感を受けました。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- 「どこかで聞いたような話を使って、小綺麗にまとめた」以上のものが感じられませんでした。あと、「確 信したのだ」「それぐ らい」の部分が意外と気になります。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- テーマ設定が面白いですね。ただし、ラストはもう少し意外性を持たせた方がよかったと思いますが。
- 41 らくがきを消しに (採点:2)
- 正直、どこが面白いのかよくわかりません。誰か教えてください。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:5)
- 私はこういう「イメージで繋いでいく」タイプの話は好きではありませんが、「こういうものが好きな人にとっては、良質な作品なんだろう」という印象は受けました。
- 43 帰郷 (採点:6)
- 「タイトル直前の所で終わっておけばよかったのに」という感じを強く受けました。正直、後半の説明的な所は蛇足に見えます(ラスト三行を除く)。
- 44 勝者は語らず。 (採点:3)
- このシーンだけ見せられても、著者が一体、何を描きたかったものか(どんなお話を読み取ってほしかったのか)、私には全く理解できませんでした。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 「著者の脳内垂れ流し」以上でも以下でもありませんね。あと、「玉砕(振られた)ばかりである」とか「『「えっ?」』」みたいな表記は何とかしてください。
- 46 決まりきった世界 (採点:8)
- 途中でオチに薄々は気付いていたとしても、全部読んだ後でやはり「にやり」とできる、実によくできたお話だと思います。
- 47 ローランダ、空へ (採点:8)
- 話の筋そのものは、どこかで聞いたことがあるようなものですが、その点を割り引いても、うまく書けていると思います。
- 48 愛されるより愛したい (採点:5)
- 言いたいことはわかるんですが…。でも、これじゃあ、ドラマにも何にもならないですよねえ。まあそういうものが書きたかったのかもしれませんが。
- 49 忘れてしまった (採点:6)
- 途中までは面白く読めましたが、後半とラストの落とし方はあれでいいものなのかと。全体を見てお話を作っていないようにも感じられました。細かい話ですが、「母は」よりは「あの人は」の方が内容にフィットしているような気もします。
- 50 ある朝 (採点:1)
- さすがに、これだけでは評価のしようがありません。長編小説の導入部であれば、こういうのもアリだとは思いますが。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:3)
- 「えっ、これで終わりなの?」という感想しかありません。残念ながら、私の読解力では「ヤマ」も「オチ」も見て取れないし。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- また「一発ネタですか?」と思わせておいて、このクオリティ。なかなかにあなどりがたい。「5年もするまえに、トボルお払い箱で電源OFF」というエンディングに100ペリカ。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:8)
- ラスト付近の「カワセミ」との会話に微妙な違和感を感じましたが、全体として言いたいことが分かりやすい、良作だと思います。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:4)
- 主人公の「自分語りうぜぇ」というのが正直な感想です。安易かつ不明瞭な理由で悩みが解決されてしまうし。
- 55 明日天気になあれ (採点:7)
- 一部、「カニクリームコロッケはとてもおいしく、幸せな気持ちで二階へあがってきた私は、出来れば夢であって欲しかった、話すてるてる坊主とコミュニケーションをとる羽目になった」みたいな文章が気になりましたが、テンポのよい展開は読んでいて気持ちがよかったです。作話もきちんとしているので、かなり読みやすいし。でも「シリアス」ではないですねえ。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 問答無用に「アイデア一発勝負」ですね。こういう作品は、かなり嫌いじゃありません。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:6)
- 「なるほど、やはりそういうオチでしたか」といった感じです、はい。あと「川越君の胸が赤く染まった。」をボールドタイプにする意義をあまり感じないんですが。
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- これは作話が上手です。状況やキャラクターの描写を具体的にできれば、より良かったとは思いますが、この分量では難しいでしょう。
- 59 幼少時 (採点:1)
- さすがに、これだけでは評価のしようがありません。もしかしたら連作ですか?
- 60 失恋時限爆弾 (採点:4)
- 基本的に、こういうベタな話は好きです。地の文の説明的な所を工夫して、慎太郎との過去について、もう少し話を膨らませてやると、もっと良くなるのかなと。
- 61 Letter to you (採点:5)
- 今一つ盛り上がりに欠けるものの、落ちる所には落ちているといった感じを受けました。部長の新ジャンルは「創作June(健全)」といった所でしょうか。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- 導入のところだけは上手いんですが、後はグタグタでつね。つか、「活動ジャンル『車輪』かYO!」って感じなんですが。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:6)
- タイトル前の3行と、後半部で明らかになる真相が矛盾するように思われるですが(もし矛盾でないとすれば「設定の後出し」です)。あと「私があなたをここに読んだ訳」って、何か違う気がする。
- 64 発狂した宇宙 (採点:3)
- 「エセ哲学」が趣味でない私としては、正直、著者が何を描こうとしているのか、よく理解できません。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:4)
- 「盛り上がり」とか「転機」といったものを期待して読み進めて行ったわけですが、「え、これで終わりですか?」。
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- どこかで似たような話を読んだことはありますが、出来の良い「ショート・ショート」だと思います。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- 雰囲気で押しているような所も見受けられますが、ラストに至る流れは見所かと。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- 文章も手慣れているし、お話としてもきちんと成立しているのですが、どこか何かが足りないように感じます。
- 69 雪、心々 (採点:4)
- 一見すると面白そうな話ですが、えろげで似たような設定のものを見たことがあります。ご都合主義な展開が目につく所と、著者が美由紀さんの病状もきちんと把握してなさそうに見えるところもマイナスです。
- 70 雨ごい (採点:7)
- 「なるほど、そう来ますか。これは一本取られましたな。ハハハ。」
- 71 デジタルペット (採点:5)
- 微妙です。正直、上手いのか下手なのか判断に苦しみます。私はこういう作品が好みとは言えませんが、多分、高い評価を下す人もいると思います。
- 72 しろゆめ (採点:4)
- 「全くもって面白くも無い。あと、お早う」
- 73 Saturday 7.15 (採点:4)
- 最後まで読んでも何も残らないというのは、ある意味ですごいことです。テンポだけはいいんですがねえ・・・。
- 74 告白ごっこ (採点:5)
- 小奇麗にまとまってはいますが、肝心のオチがついてませんね。「どうせなら最後まで書けばいいのに、もったいないな」と思います。なお、設定そのものに目新しさは見出せません。
- 75 君の後ろで (採点:6)
- 話の展開自体はよく組み立てられていると思いますが、この分量に収めるにはちょっと無理がある話なのかなとも感じます。できれば中編で読みたい作品です。
- 76 落果 (採点:8)
- 言葉に無駄がない所に好感が持てます。これは良作です。
- 77 いつも心に太陽を (採点:5)
- いろいろな意味でステレオタイプな「世界」観に苦笑してしまいました。お話としてはよく出来ていると思います。
- 78 ラックラック♪ (採点:9)
- 「手慣れた仕事」という感を受けました。安心して最後まで読める作品です。
- 79 home, my sweet home (採点:4)
- 勢いだけで最後まで読みましたが、どうにも説明不足の感が否めません。なにをやりたいのかは、わからなくもないですが。
○暇人 さん
- 02 息吹 (採点:6)
- 起伏が少ないために好みが別れるかも知れませんが、それを補って余りある穏やかさを私は感じます。文章も巧いですし、何より桜の擬人化というのが面白い。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- 終了までの流れが軽快でいい感じの話だと思います。少しラノベ的な傾向が強いようにも思えましたが、それは個々人によっての好みだと思うので採点には影響していません。
ただ、文章が全体として性急な印象を少しだけ受けましたので、この点数で。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- 最後まで良い意味で予想を裏切られっぱなしで、展開が読めませんでした。
文章も面白いですし、特殊な背景の説明も充分ですし、面白かったです。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:4)
- 好みではありませんでした。それが採点の理由です。
- 24 禍疎 (採点:8)
- 深いテーマ性とかそんなものは読み取れなかったんですが、文章が綺麗で内容も非常に私好みだったのでこの採点。
続きが読みたくなるような話ですね。
- 28 その交渉は無理がある (採点:3)
- ぽっと出てきた設定に順応できませんでした。
- 34 美談 (採点:6)
- これが美談と呼べるのかどうか。
ただしストーリーとしては秀逸な印象を受けました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 発想は素直に面白かったです。ヒューマンスキャニング、そんなことを考えたこともありませんでしたから。最後に仲松に対する描写がもう少し多めに配分されて欲しかった気がしました。
- 52 ロボット寄生 (採点:5)
- なぜか銀河鉄道999を思いだしました。
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- 読み終わって、切なさが残りますね。
細かい描写も役立って、長く記憶に残りそうな作品だと思いました。
○我茶 さん
- 51 僕の手で守れるもの (採点:10)
- グッジョブだ
○希望的観測 さん
- 05 魔 王 (採点:8)
- たしかに、ゴキブリにとっては人間は魔王に見えるかもしれません。
短い中でよく出来ていると思いました。
それにしても……ゴキブリの中にも、盗賊とか戦士がいると思うとなんだか面白いです。魔法使いや僧侶もいるのでしょうか?
- 07 愛・おぼえていますから (採点:9)
- とっても上手いです。
先の展開はだいたい読めたのにも関わらず、素直に面白いと思いました。
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- とてもうまく整ったお話でした。
作者さんは古代中国に詳しい方だと思われます。
最後に王弁さんが、僕僕先生に会えたのが良かったです。
- 11 江南小話 (採点:6)
- 中国の話が二本あった事にびっくりしました。
この作者さんも9.僕僕先生の作者さんと同じく、古代中国に詳しい方かと思われます。
私は三国時代については、国の名前や、江南と言う地名があること程度しか知りません。
おそらくこのお話に出てくる登場人物は実在した人なのでしょうが、ほとんど知識のない私にはいまいちイメージが出来ませんでした。すみません。
ただ、いいお話ではあると思います。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:2)
- ごめんなさい……私の未熟な読解力では意味がわかりませんでした。
掲示板の方では好評みたいですので、おそらく私の読解力が足らないのだと思います。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- 河豚と海、なるほどとタイトルの意味を知って、面白いと思いました。
さまざまなパロディを使われているのが特徴的でした。
ただ、パロディがあまり効果的に使われていないと思いました。
というのも、知らない人には意味がよく分からない話になっているのではないかと。
いくらか私が知ってるものもありましたが、その部分にも違和感を感じました。
パロディは、知らないひとにも話のつながりが分かるように、分かるひとにはより面白くというのが理想だと思います。難しい事だと思いますけど。
ちなみに、私が気づいたパロディは
「俺の名前を言ってみろ!」
北斗の拳
踏み出せばその一歩が河となり〜
踏み出せばその一歩が道となり〜
日記と「これで勝ったと思うなよ!」
ToHeart2
「I'll be back!!」
ターミネータ?
他にもありそうな気がしますが、私が分かったのはこれくらいです。
雰囲気としては面白かったので、一工夫すればとても面白くなると思います。
- 18 さらば世界よ (採点:7)
- 悲しいお話だと思いますが、どの人物も非常にかっこいいと思いました。
制限が無ければもっと人物ごとに深く書き込めたのではないかと思うと少し残念です。
- 19 青い春 (採点:8)
- 1400円なら私の高校時代のお小遣いの七割が飛ぶなあ……関係ないですね。
淡々としたお話でしたが、雰囲気がとてもよかったです。
主人公に好感が持てます。こういうお話を書くのは、見せ場がない分とても難しいと思いますが、よく書けていると感じました。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- 双子の子供がいる事に七年も気づかなかった……いや、「彼女」は教えなかった。凄い「些細な悪戯」だなぁと感じてしまいました。
ですが、とても雰囲気のいいお話だと思いました。
非常に楽しんで読めました。ありがとうございます。
- 31 戦場の休日 (採点:7)
- 戦場の真っ只中、可愛らしい仕返しをしようとする、お話の中の独特な空気が良かったです。
戦場のお話なのにほのぼのしてしまいました。
すごく意外性があったいうか、戦場とクリスマス、マフラーという組み合わせが面白かったです。
- 32 バスが来るまで (採点:7)
- 二人の会話がテンポが良くて面白かったです。今回のイベントで、現在見た中で会話が上手いと感じたのは73.Saturday 7.15に続いて二つ目です。
人物同士の上手いやりとりを書きたいと思っている私としては、うらやましく思います。
- 34 美談 (採点:1)
- えーと、美談?
佐々原さんが途中に出てくる娘さんの、お父さんではないかというのは分かるのですが。
私には主人公の心情がよく理解できませんでした。ごめんなさい。
- 46 決まりきった世界 (採点:7)
- 楽しいのは君だけだよ、男の子!
この男の子は「彼」の能力について知っていたのか、それとも他に考えがあったのか。そこが良く分かりませんでしたが、ひねりが効いていて、よくこんな話が思いつけるなあと。作者さんの発想力にびっくりしました。
対局を見ていた周りの人とかの反応を考えると……
楽しいお話でした。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:10)
- とてもいいお話でした。
やや早足で語られている感じはありましたが、非常に優しいお話で、主人公も好感が持てました。
私の好みを突かれたというのも多分にありますけど、10点です。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- えっと、本当にそれでいいんですか?
最後の部分については、びっくりしましたが、トボルさんとコークス君のコンビが非常にいい味出していると思いました。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:4)
- >「あんまりその話はやめとこう。水口さんの前だろ」
この一言で分かるかなぁと、疑問がまず最初に浮かびました。
読み直してみましたが、ただエミさんが怖がるから、ひらさんが事件の話をしようとしてやめた、としか私には読み取る事ができませんでした。
他にも、普通の高校生が何十人も完全犯罪で殺す事が出来るのかとか、殺されかけたエミさんが、なぜ二人の無事を確認した後も警察に行かないのかなど、疑問に思うところがありました。
それにしても、ひらさんは殺人鬼だったんですか。なんだかシュールな怖さがあります。
- 68 私的な三色信号機 (採点:7)
- タイトルと内容が上手く合っていて、私的な三色信号機というのがとても上手いなあと感じました。
途中まですごく良かったのですが、最後が少し分かりませんでした。
これは、宝くじは当たったけど、手術は成功しなかったってことなのでしょうか?
- 69 雪、心々 (採点:9)
- 記憶が消えるというネタは最近よく見かけますね。ブームなのでしょうか?
その設定が良く使えていると思いました。
ラストがとてもよかったです。
○桂 さん
- 05 魔 王 (採点:5)
- 職業に関する記述は余計だったように思います。
- 06 left wrist watch (採点:6)
- 時計を海に捨てるところはシーンとしては好きなのですが、ゴミを海に捨てるのはいかんだろうと思って冷めてしまいました。インストラクターが怒る描写でもあれば良かったんですが……。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- 後半で偶然が重なりすぎているのが気になりましたけど、それでも十分なパワーを持った作品だったと思います。
あと、正直もうちょっとタイトルはどうにかならなかったのか、とも思いました。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- 城でどれだけ奇怪なことをするのかと期待していた物の、想像していたよりも軽い出来事で肩すかしを食らったような気持ちになってしまった。
- 10 また共に笑おう (採点:7)
- ツバサですね、いい曲です。
途中までいい雰囲気だったのに、密度を持たせようとした戦闘描写がかえって足を引っ張ってしまい、一気に冷めてしまいました。もっと簡単でアホっぽい方が雰囲気に合っていたと思うのですが……。
あと、性別を隠すのは上手くいってたと思いますが、それが明かされたときにあまり効果がなかったのが残念です。無駄に隠していただけになってしまっています。
そういったところが違ってたらもっといい点にしていたと思います。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:5)
- 雪がディスクを持って誘いに来たときに見たものと思っていたので、じゃあなんできみは乗ることにしたんだ、と冷めてしまいました。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- ちゃんと確認しなくて勝手に勘違いして、自分が悪いと分かった後にもプライドなんて言葉を持ち出して来たあたりでイラっとしてしまいました。かっこ悪いのは当たり前なんだから、そんなこと考えてないでさっさと電話しろよと。
それと、後輩の子の図々しさに参ってしまいました。もうちょっと構成を練れば回避できたことではあるんですけどね……。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:4)
- ロボットもロケットパンチも個人的には大好きなのですが、他のところで作品にイマイチ入り込めませんでした。
まず、十億〜三十億というところで、私は安いなと感じました。それくらいで出来るような物ではないと思うのですが。また、誤差が広すぎるとも。それくらいならせいぜい±五億くらいの差に縮めた方が良かったと思います。桁がもう一つ上なら二十億の誤差もいいとは思うのですが。
あと、複座について。これはもう構造的欠陥としか言い様が無く、複座にするなら初めからパイロットは見つけておけと。それと、いきなり乗せた人間に何かをまかせるなんて自殺行為でしか無く、なんだかなあと感じてしまいました。昌孝を乗せるためのいろいろな設定に粗が多く、もう少しどうにかして欲しかったです。
- 18 さらば世界よ (採点:5)
- お后がとたんに子供っぽくなって泣いたところがすんなり受け止められませんでした。ギャップを狙ったのかと思いますが、生死が定かでなかった王を見つけたときにあれだけ気丈に振る舞っていたのだから、やはり違和感があります。登場からもう少し幼さがあれば違ったかもしれませんが、それじゃトリックが使えませんしね。
- 20 A Darkness more than night (採点:6)
- 凄くどうでもいい事なのですが、「星間航行するしろがねの翼」という単語から最弱主人公を思い出してしまいました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:5)
- 猫の死の真相を明かすのはもう少し遅らせた方が効果的だったのでは、と思います。
タイトルに関しては今回の作品群の中で抜群のできばえでした。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- 年齢と周りの風景で気づかないのか、という思いが強く邪魔をしました。いい雰囲気だったのですが……。
ですが、実際にタイムスリップさせず、遠大な計画に基づいたいたずらにした点は素直に好きです。
- 31 戦場の休日 (採点:6)
- 中尉は女子供としか言ってないので、それを子供扱いされたと怒るところはいささか不思議です。
自分はツンデレは趣味ではないのですが、しかし、目的がツンデレを書く事というその一点に収束され、そのうえきっちりと書き上げられた良い作品だと思います。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:5)
- プラダのリュックの辺りがどうも……何で買うなんて言ったのかがまったく理解できませんでした。結構有名な私立に行ってるところとか、毎日ゲーセンで遊べるくらいだから、お金があるってのは分かるのですが……。どうも異質に感じました。
- 38 茨の森 (採点:6)
- 改行が多すぎて話がすんなり繋がってくれませんでした。効果的に見せたいのは良く分かるんですが、ちょっと離しすぎかと。あと、背景がまったく明かされないので行動が理解できず、そういったところもチグハグに感じました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:3)
- いろいろと突っ込みたいところが……。
まず、スキャナーが設置される際の反発とかはまあいいのですが、問題は金額。話はそれなりに未来のようですが、それでもこの装置がかなり高額なのは間違いないと思います。それを地上で75%、建物で40%をカバーできるほど作るのにどれだけの資金が必要でしょう。どれだけ広範囲をスキャンできるかは分かりませんが、地上と建物を区別しているということは建物一つ一つにいちいちこの装置があるというわけで、その数たるや……想像するのも面倒です。段階的にやったのだと考えても資金が足りるとは思えません。
あと意識同調装置ですが、イマイチ理解できませんでしたが、つまり対象の個人にあるケースを投げかけてそれに対するリアクションをデータとして受け取る、って事なのでしょうか(そういうものと仮定してこの先話をするので、もし違ってたらこのセンテンスは思いっきり無意味なんですが)。どうもそのリアクションをデータとして受け取る部分が曖昧な感じが。そのリアクションは外面的に表してもらわねばならない(考えてることが分かるんだったら意味無いですしね)わけで、それって結局表面的なことしか分かってないよなあ、と思うのですが。それだったら最初からデータを収集して照らし合わせた方が方が楽ですしね。その場合は容量の問題が出てきますが、この時代の総人口とスパコンのHDD容量がどれくらいか分からないのでなんとも言えませんが、今で言うなら人口が60億ですか。それぞれから1byte収集しても60G。1kで60Tですか。あまり効率は良くないですよね。
そもそもこのDr.仲松が「心」を定義してないのが問題だと思います。「心」ってなんですか? そこを定義しないで話をされても困ります。
あとはラストの下田ですが、結局なにもしてませんよね彼。辞めて何になりますか? これじゃただ逃げただけです。
Dr.仲松自体はいいキャラだっただけに残念です。
- 43 帰郷 (採点:9)
- タイトルを挿入するタイミング、帰郷という言葉の使い方、共に見事でした。どうしようもないほどの哀愁も堪能できました。面白かったです。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 運命を「運ぶ命」としたところだけは良かったです。
- 46 決まりきった世界 (採点:5)
- 嘘をつく。ゆさぶる。相手の性格を(恐らく)調べ尽くす。悪魔的な少年だな、と身震いしました。
- 48 愛されるより愛したい (採点:8)
- 愛情と友情に差などない(というよりむしろ、友情が愛情の一部)と私は思っていて、彼らは友情で結ばれたわけですが、結局はそれも一種の愛情だよなあ、と思いました。
それと最後の最後で、一体何を勘違いしているのかがイマイチ理解できませんで、その所為で最後の6行がやけに浮いてるように感じました。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- ロボットがそれだけ普及した世界ならエネルギー問題は多分ないでしょうし、それなら人間が働かなくても生きていける世界を構築できてると思うのは自分だけでしょうか。人間は水と食料があれば生きていけるし、それはロボットには必要ない物ですから。上手に棲み分け出来るんじゃないかなあ、物価もかなり下がってるでしょうし。人間の本質って仕事をすることではないですしね。
- 55 明日天気になあれ (採点:7)
- 別にこの冬に限らなければ最後というわけではないので、そこまで悲壮感を漂わせるのが(早く合格させてあげたかったからとはいえ)どうもピンと来ませんでした。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:5)
- 27人殺せば入れるってのは、随分と倍率が低くないですか……? 募集が少ないのかと思ったら400人は合格してるわけですし。数字の部分にもう少し気を遣って欲しかったです。
あと、平野がもう一人の犯人だったってのは面白かったのですが、それなら最後の自白の部分を削って最後の一文だけにした方が効果的だったと思います。自白してしまっているので最後の一文が意味のない物になってしまっています。悪くないオチだっただけに残念です。
- 70 雨ごい (採点:10)
- 忍び寄る悪寒、込み上げてくる脅威、そしてオチの鋭い切れ味、実に見事でした。正に短篇といえる作品でした。
- 78 ラックラック♪ (採点:6)
- 全作品の中で、タイトルと内容が一番合っていなかったように思います。その部分で損をしてしまっていると感じました。
○広瀬凌 さん
- 02 息吹 (採点:4)
- 珍しい(と思われる)着眼点だけで話を進めるだけではどうにもなぁ、と。樹が何を考えたのか、ということだけに終始してしまっては物語としては弱い気がします。容量もあったのだし、例えば人と意思疎通を図るようなシーン(樹の言葉が判る人間が登場するとか)があってもいいかな、と思いました。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:6)
- なるほど、柑橘系。
あまりこういうタッチの作品は好みじゃないのだけれど、なるほど、と納得せざるを得ない雰囲気作りは巧いと思います。
ただ、ノートというガジェットを物語の中心に置きたかったのかどうか、最後の最後まで不明瞭でした。雰囲気で攻めるのか、ネタで攻めるのか。前者ならノートが目立ちすぎていて、後者だとノートの魅力が弱い気がします。両立できる組み合わせではなかったかな、と。
流浪君のネーミングは好き。会話の選び方もいいなぁ。スクランブル。
- 05 魔 王 (採点:7)
- 笑ってしまった時点で負けでした。タイトルを後ろの方へ持ってくるのは、何気に珍しいような気も。
もう少し前半のシーンに力のある描写が加われば、後半での落差に繋がったかもとも思いますが……うーん、それだと考える時間が出来てオチに気づいちゃうかな。容量はこのままでスピード感を維持し、文章自体の精度をあげるとよいかも。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- 柔らかいノスタルジィの描き方は秀逸。ただ、サプライズ的な面やミントキャンディのガジェットがばればれなのが残念。
あと細かいんですが、「スカートは膝上を越えた超ミニだし。胸のとこなんて、なんていうか、こう、すごい。張りついてる。」の描写には違和感。いや、なんとなく妻・中学生時代は野暮ったいイメージだったので、それが身体の成長だけでこうはならないよなぁ、と。胸はともかくとして、スカートの丈が気になってしまいました。
それに、その容姿を思い浮かべるとうっすら風俗っぽくなってしまってノスタルジィが吹き飛びそうになってしまった、というのもあり。この辺は捉え方にもよるかもしれませんが。
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- 仙人可愛い。
いきなりこれで始まるのもどうかと思いますが、事実中国(または歴史物?)に興味がない僕が最後まで楽しく読めた要因は間違いなく仙人なのでした。その点は作者さんの狙い通りじゃないかな、と思うのですが。
そういった意味では色々工夫が感じられる作品でした。こう、好きなものを好きなまま書くだけではなく、どうやれば多くの人に読まれて楽しんでもらえるか考えてある作品だな、と。更に穿つならこの仙人の可愛さは打算的じゃなく作者さんの根源から滲み出ている気がしないでもないので、結局は好きなことを混ぜ合わせただけ(書き手という立場から言わせれば、こんな難しいこともないのですが)のような気も。うーん、どっちだろう。でもどちらでも僕にとっての結果は同じなのですが。
面白かったです。
- 10 また共に笑おう (採点:3)
- 名前のギミックがあるということは、望⇒女、由希⇒男、ということだったんでしょうか。確かにその逆のイメージで読み進めていたのですが、それが反転した時、特にびっくりしなかった――いや、むしろ戸惑った――ということは何か前提条件で失敗している気がします。
……うーん、多分、その反転の先に、何か変わる事実が特にない、ということだと思うのですが。頭の中で変わったのは今まで思い浮かべていたキャラクタの性別であったり容姿であったり、つまるところ映像だったり絵だったりするわけですが、それがあのシーンで変わって、戸惑い、そしてそこから先へ繋がらなかったのが敗因かなぁ、と。
キャラクタの描写はよかっただけに残念。
- 14 ユメのおわりに (採点:5)
- うーん、ストーリィ自体がありきたりという点はさておいて、その処理の仕方が乱雑だったように思えます。ナナコというキャラクタの登場はストーリィのありきたりさ(彼女が出てこず、ただ勘違いだった、のまま終わればそれこそありきたりでしたが)を払拭するための要素だったと僕は考えているのですが、結局のところそれも後半へ効果的に働いたのかといわれれば首を捻らざるを得ず。というのも、結局展開としては彼女が居ようと居まいと結末は変わらなかったように思うのです。実際、ナナコの扱いはかなり不遇で、いたポイントとしては主人公の心を揺らせた、という所しかなく、言ってしまえばそれはありきたりのストーリィの中にある、例えば距離の問題などで代用できるものではないかな、と。だからこそ代用して彼女を登場させた、とも取れますがそれだけではあまりにもお粗末なのではないかなぁ、と。
文章力やキャラクタの造詣は巧いだけに話の骨格が脆いのはとても残念でした。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:8)
- これは酷い。こんなのをやられてしまったら、高得点をつけざるをえない。一読者として楽しみ、一創作者として嫉妬しました。百年修行しても書けそうにない。
あと感想とはちょっと変わってしまうんですが、これって全部計算なんですか? 書き手としてちと気になったので。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:2)
- 短編として評価できるポイントは皆無。長編のプロローグ的なシーンをまとめた、という印象を受けました。その部分で評価するなら全然悪くないのですが、容量制限が15kb(自作品を原稿用紙に換算してみましたが、20枚程度でした)ということは、つまり「短編」ですよね。その意味をもう一回、容量とは別の視点から考えたほうが良いと思います。
あくまでこのスタンスを貫き通すなら、これでなければいけない、これだからこそ短編である必要がある、というネタが必要だと思います。例えば、一番ありふれた例を挙げるなら夢オチとか実は全然別の話だった、とか。これらの場合は捨て身になるので、この話を読む限りの作者さんの意図とは違うように思えますが、こうでもしないと今作は短編というものにカテゴライズできないかな、と僕は思います。
- 21 bright shine on time (採点:1)
- 文体はさておきとしても、話の骨格があまりに貧弱すぎる気がします。佐々木さんは何故主人公のことを好きのなったのか、一切その辺りのフォローはありませんし、その結果、キャラクタとしての立体度を著しく薄めているように思えます。
オチも、僕は最後の最後まで「ごめん、そのメールはさっき告白された人に送るつもりだったの!」だと思っていたのですが……多分、そういうことを書きたいわけではないのですよね。(ちなみに、それだったら6点でした)
変化球を使わずストレートで勝負したいなら、もう少し全体のクオリティを上げる必要があると思います。何か自分が面白いと感じた物語(本でもゲームでもドラマでも映画でもいいです)を、何が面白かったのか、という点から分析するとどこが足りないのかがわかると思います。
- 22 瑠璃 (採点:5)
- 掲示板でオマージュの話を読んでからちと感想が変わったのですが。もし本多さんの本がオマージュではなく、モチーフやガジェットとして登場していたのであれば、完全な失敗のように思えます。そういう点であれば、もう誰も知らないような古典作品だったり、あるいは誰もが知っているような巨匠の文学作品の方がいかにも「それらしい」でしょうし。本多さんの作品は知名度や現代の作品である故に、そういった「それらしさ」は薄いと個人的には思います。
また、オマージュであると言う場合、これも上の状況と同じで、やはり巧く働いていないと思います。誰もが知っている作品でなければいけない、というわけではありませんが、そういった先行する部分がなければ他のところで挽回するしかなく、また、そういう突出したポイントは残念ながら近作にはなかったかな、と。
文章作りや雰囲気はよかっただけに。今度は完全なオリジナルが読みたいな、と思っても見たり。
- 23 世界の終わりは (採点:9)
- 設定はよくありそうではあるけれど、丁寧な文体と織り交ざって情景が綺麗に浮かび上がるのがとても秀逸で綺麗。能力自体も、シンプルながらそれを持つ主人公のドライさがいい。(性格は好みですが)また、丸い理由などのサプライズも魅力的。
――ただ。それを説明するヒロインの口調は、あまりに説明的過ぎたのはマイナスポイント。総じて気になった点としては、やはりそこで終盤の台詞のシーン。元々、この物語の描写は活動的ではありませんが、それでもただ話を聴いているだけで主人公が陥落する、というのはどうにも。例えば、ヒロインが暴行によって受けた傷を見せるだとか、そういったアクションがないと薄っぺらく感じてしまいます。
ただショッキングな内容や魅力的な設定を配置するだけではなく、それをいかに読み手に意味を失わせることなく届けるか、というのが重要だと思います。
- 24 禍疎 (採点:5)
- ヒロイン可愛い。
けど、その行動が意味不明なのと主人公の行動の緊迫さが皆無で繋がりが薄いように思えました。雪が降る田舎、というシュチエーションはありそうでなかったように思ったり。魅力的なんですが、どうにもそれが散逸してしまって巧く働いていない模様。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:4)
- シュチエーションはとても魅力的。普段バスを使っていると情景が浮かびやすいかな。ただ、後半の精度がいまいち。女の子への描写はもっと必要だったように感じます。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:5)
- 綺麗な幻想は好感度高め。文章力、構成、ガジェット選びなどの技術はまだまだだけれど(あのシーンでシリーズ物のラノベは雰囲気ぶち壊しかなぁ……と)この優しい雰囲気をどうにかして活かしてほしいな、と思います。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:7)
- 少年と彼氏の対比はとても巧いと思います。彼氏の方の話はほぼ皆無なのに、後半で話が解決してもなんら違和感を覚えないのはそれの賜物ではないかな、と。こういうストーリィの組み方は中々出来ることではないと思います。
気になった点としては、台詞の部分まで一文字空けしてあるのは、何か意図があるのですか……? その部分が読みにくかったので気になりました、とだけ。こだわりがあるなら問題はありません。
あと、ラストシーンのキスは少年のトラウマになると思うんですが、どうなんだろう……。
- 34 美談 (採点:1)
- 意味が判りません。そして、意味を判ろうと努力する気にもなれませんでした。
- 35 負け犬 (採点:4)
- 猫男のネーミングはいいし、物語の運び方も魅力的なんですが。最後、主人公を暴走させた作者さんの意図が掴めませんでした。
- 36 停電の訪問者 (採点:5)
- うーん、読み直すごとに点数が下がってしまったという、今回の中では稀有な作品でした。全体の雰囲気の造り方は巧いし、キャラクタもきちんと立っていると思います。文章力もあるし、じゃあなんなんだろう……と考えると、やっぱり話の骨格の弱さが目立つような気がします。「実は彼女幽霊でした」というネタにもう一つパンチが効いた何かが絡むと尚良かったのではないでしょうか。
まとめると、オチは綺麗でしたがサプライズの面で弱かったかな、ということで一つ。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- 雰囲気がとても秀逸。男の子が照れて最後まで音楽を演奏しない辺りが、もうなんかかゆいところに手が届いて、そしてこの作品を光らせていた要因だと思います。普通に見えながら、実は普通のことをしていないって凄いんじゃあるまいか、と思ってもみたり。
あと点数とかには関係ないんですが、ヴァイオリンで本当にあーゆう音って出せるんでしょうか? ちと想像できなかったもので。
- 38 茨の森 (採点:7)
- なんだかさらりと凄い組み合わせでした。ともすればありきたりのお話になってしまうところをガジェットで半ば強引に雰囲気作りした感じ。もうちょっと馴染むよう文章に精度が欲しかった気もしますが、目立っていたことに違いはないと思います。先生かっこいい。
でもこれって同人知らない人は、どうみるんだろう……?
作者さんとはまた違った気持ちで皆さんの感想が楽しみかもしれません。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 前半から中盤にかけて容量を使いすぎたかなぁ、という印象。密度も精度もある文章だけに、容量指定がされている場合、配分に気を配らないと全体のバランスが崩れてしまいそうです。オチ自体は好きなので、こう、もっと下田の感情を読者へ伝えるような配慮がなされると読者とのシンクロが巧く出来たのではないかな、と。
- 41 らくがきを消しに (採点:5)
- どのキャラがどう喋っているのか混乱することがしばしば。掛け合い系でこれはしんどいのでもう少し判りやすい描写になると良いと思われます。
あと、Fateの陸上部三人娘……?とか思った人は僕だけではないはず。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:3)
- 意味が判らないし、意味を判らせようという努力もないし、そもそも意味が存在しない気がしてきました……。
15kbという制限は、無駄というカードを存在させるのは厳しい容量です。もちろん、それを活かす方法もあるとは思いますし、それに成功している作品もあると思います。では、何故巧くゆく作品があるのか? それをもっと自分なりに分析していかないと駄目な場所に作者さんは立っていると思います。
- 43 帰郷 (採点:10)
- 素晴らしかった。好みと言われればそれまでかもしれませんが、このドライなタッチと冷徹かつ慈悲のないオチにはしっかりとした作者さんの意思があるように感じます。読み直すと物語の最初の段階からそれは表れていて、オチはこうするんだ!と明確に決めてあるような印象を受けました。いや当然っちゃ当然なんですが、この容量制限の中、それを自覚しているのって何気に少ない気がするので静かながらに目立っていました。
惜しむらくは後半、帰郷の設定の説明が若干ややこしかったこと。よくよく見ればちゃんと設定と蝉やらおばあちゃんやらお母さんやら高ちゃんやらとはしっかり線がつながっているのですが、ガジェットの繋がりが多い分設定自体が増えてしまっていて、その割りにそれを説明するシーンが少しわかりづらかったかな、と思います。
- 46 決まりきった世界 (採点:5)
- 本質を見る、という設定から派生する人物像とか話の流れは中々面白かったように思います。が、文章がそれを表現し切れていないのと、オチがちょっと……。コメディとしてのキレを求めるなら何かもう一工夫必要だったかなぁ。
- 49 忘れてしまった (採点:9)
- 記憶喪失ネタは好きなのでワクワクしながら読んでいたらドッコイ、素晴らしい切り口で驚かされました。記憶喪失ネタって「忘れる」という現象を主に扱うことが多い気がするのですが、「忘れた後の人格」を描写したり、それによる環境の変化を描くのは工夫があっていいなぁ。
個人的には忘れた後の人格が世界へなじんでいく様子にもうちょっと容量を割いて欲しかったのですが、容量を見る限りちょっと厳しそうですね。
オチもよかったと思います。あー、背筋凍りました。素晴らしかった。
- 50 ある朝 (採点:1)
- これは酷い。小説を作るだけの技量はあるように見受けられるので、ちゃんと書いてください。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:2)
- 誰かが何かを守る、というのはとても綺麗で美しいことですが、それをそのまま書かれても現存する名作との比較でゲンナリしてしまうだけでは? 工夫、文章、チャレンジ、他にも色々あると思いますが、何か物語に特徴を! それは時に「個性」と呼ばれ、沢山存在する同じ設定やテーマを違う物語に仕上げているものだと僕は考えます。どうすればよりよい作品に仕上がるか、という思考が必要な段階だと思います。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:3)
- なんか色々、ネタと舞台設定が結びつかないお話でした。果たしてこの物語に「翡翠」を「ひすい」、「かわせみ」どちらでも読める、というネタが必要だったのでしょうか? オチには必要だったのかもしれませんが、ではオチ自体はこの物語に必然性を生み出したでしょうか? 少なくとも僕には両者とも、意味を感じ取れませんでした。
どうもどれかが後付のような気がして、スムーズな流れを作ることが出来ていません。雰囲気、で片付けてしまうにはあまりにもプロット段階での作者さんの浮気が目立っているかな、と。
舞台設定とかその辺は大好きなだけに残念でした。あと爺さんテンパリすぎ……。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:1)
- すいません、意味が判りませんでした。
- 55 明日天気になあれ (採点:10)
- カテゴリが「シリアス」なのはちょっと違う気がしましたが、それはさておき。
女の子の軽妙な語り口、照男が抱く晴れの精霊への憧れ。それをまとめる、雪を晴れにする、という照男の目標。他にも照男はこれに失敗すると雪の精にならなければいけない、などと細かい要素にも全く無駄がなく、総じてレベルが高い印象を受けました。隙がないって凄い。
唯一違和感を挙げるとすれば、ラスト付近の千個のテルテル坊主が、照男自身へはかからなかったこと。どうにかして照男がそれに気づき、こう、気力を振り絞る、みたいな展開だとテルテル坊主がダブルミーニングでより美味しかったように思います。あ、でもそれだとあざとすぎるか。一応、一つの可能性として聴いてくだされば幸い。
ともあれ、秀逸でした。素晴らしかった。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:7)
- 見事にハメられました。
手法としてはかなりスタンダードな方だと思うのですが、やはりセオリーは強いのでしょうか。……単に僕が考えながら読まないタチだから、かもしれませんので、あまりアテにならないと思われます。
欲を言うなら、キャラの書き分けをもう少し強くして欲しかったかな、と。なんか途中でキャラクタが何人居るのか判らなくなってしまった箇所(会話のところ辺りだったと思うのですが)があったので。
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- かっこよすぎる……。
割りに舞台背景とか判りづらいことを書いているのだと思いますが、あまりそれを考えさせずに主題だけ向かせる要素選びとか描写は凄い。ラスト、主人公が戦わずして唄をうたいだしたのはちと納得がいきませんでしたが。やはり戦士はうたい、戦いながら散るのが熱いと思うのですが。
- 61 Letter to you (採点:3)
- 流石にこの手の話をこのままストレートに書かれてもちょっとどうかな、という気がします。主人公の異常なまでの朴念仁とかは、もう、流石に……。
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- オリジナルSSって何ですか。オリジナルSyouSetuですか。オリジナルShortStoryですか。オリジナルSideStoryですか。
それはさておき、作家が自問するお話、というのはそれなりにみる形式ですが、んー、ちと作者さんの意図がわかりません。好意的にみるなら設定を現実寄りにすることで読者の理解度を上げよう……といったところでしょうか。残念ながら今回の話では足を引っ張っているようにしか思えませんでした。
書きたい話を書くだけではなく、書きたい話をどうすれば人に読んでもらえるか、ということを考えれば、この作中の人も筆が進むのではないでしょうか。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:5)
- と、朋也……!(過剰反応しすぎ)
すいません、意味が判らなかったらスルーしてください。ゲームのキャラクタの名前と被ってしまっているのです。多分、知らないからこそ使われたのだと思いますが、おそらく、出典は知らないほうが幸せです。
作品の流れとしては悪くないのですが、有効に働いていない箇所がちょこちょこあったりします。例えば遠藤さんが激しくうたに関して吐露する場面は流れを悪くしていますし、それを鑑みるにそもそもうたというガジェットが有効に働いているシーンもなかったように思います。才能への劣等感、ならば他にも色々あるのでは。まぁ、最後、落下する際に遠藤さんがうたでも歌ってくれたら凄かったと思うのですが。つまり、有効に働くってそういうことじゃないかな、と。
- 68 私的な三色信号機 (採点:3)
- 設定が魅力的。なのはいいんですが、ではそれを活かせたのかと問われると唸ってしまいます。
物理的な手法としてマークシートを選んだのはいいと思いますし、それは根本的な設定ととてもマッチしている、といえると思います。
でも、それを囲うキャラクタがあまりに弱い。今まで散々能力を自分のために使って色々なことをパスしてきた人間が、たかが女性一人美しかった程度であんなに取り乱すのは非常に違和感を覚えます。
全てに答えが見える、という能力はやはり達観を生むのが自然ではないでしょうか。その割りに主人公があまりに幼稚な思考回路(特に後半)だったので、もう、どうにもこうにも。
今回の作品群の中で、ある意味一番バランスが取れていなかった作品だと、個人的には思います。設定がとても魅力的なだけに、残念。
- 69 雪、心々 (採点:5)
- 小鳥遊さんがVシリーズなのはさておき。
言いたいことは一つ。プッシュしたいポイントを絞って欲しい、という点のみです。作者さんが書きたい、書こうと思った最初のガジェットはどれですか? それを散逸的に広げるのではなく、その周りを保護、協力するように他の描写やガジェットを配置するのがよいと思います。要素が多くて、もう、パツパツ。これでもかなり削られたと思うんですが、ネタから切っていけばもっと楽に容量にあわせることが出来たと思います。
あと、花梨さんって……。
- 71 デジタルペット (採点:8)
- 語り口調で進める文体が個性的で魅力を感じました。ひょっとして乙一、好きですか?
それはさておき、着眼点やストーリィの運び方がとても良かったように思えます。「空はいつでも00FFFFの青」など、とても素晴らしい。
気になった点としては、固有名詞の名前の選び方がちょっと……。『たまごっち殺し』という、どちらかといえば現実よりの単語(というより、商品名?)がぽんぽん飛び交うのは少し違和感を感じました。この場合だったら名称ではなくて、携帯ペット殺し、とかでやんわりと商品名を避けたほうが下手に現実と混ざらなくて良いかもしれません。
オチとタイトルはちょっと安直だったかな、と思います。
- 77 いつも心に太陽を (採点:6)
- 実は外の世界は破滅してませんでした、というネタは面白いのだけれど、それを引っ張りたいが故か、理由付けの部分に酷く違和感が残ります。最初のカーテンはいらなかったのでは? 最初から世界が壊れた映像を流した方がよりスムーズだったと思います。おばあちゃんの意味は? 単体の場合説明がなされていますが(個人的にはあれでも不十分なんですが)じゃあそれが外の世界は破滅していない、という事象へしっかり結びついたのかといわれると、うーん……。というように。
文章はとびきり巧いだけに残念。
○黒いカエル さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 綺麗な文章構成で読みやすかったです。
内容も深みのあるストーリーでとても面白かったです。
- 02 息吹 (採点:4)
- ほのぼのした感じは良かったです。
- 03 strangers in the city (採点:3)
- うーん、読み終わったとにスッキリしないものが残ります。
もう少し文章にメリハリがあると良かったと思いました。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- ギャグとしてイマイチ。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:5)
- やはり、ミステリアスな女の子の謎が知りたいと思うのは人の性。
その辺りの描写も欲しかったです。
- 28 その交渉は無理がある (採点:8)
- 予想もつかない結末。すごく面白かったです。
キャラも良い味が出ていて親しみやすく、感情移入が容易にできました。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- やはり時代はツンデレなのか……。
ほのぼのとしてさっくりと読めました。
- 35 負け犬 (採点:6)
- キレてますねー。ネタ自体はわりと好きです。
しかし、もう少し魅せる文章であったらな、と思いました。
- 41 らくがきを消しに (採点:9)
- 他作品を見回しても、レベルが違いますね。
魅せる文章とはこういうものを言うのだと実感させられます。
ただ惜しむらくは最後の締めである主人公のラブ話のインパクトが薄かったこと。
そういった伏線が前半で張られていれば、文句のつけようもございませんでした。
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- 淡々としすぎていてイマイチ心に響くものがなかったです。
- 64 発狂した宇宙 (採点:4)
- うーん、文章は丁寧に書かれていて読みやすかったですが。
途中から急に内容が壮大になりすぎて入り込めなかったです。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:4)
- 綺麗でしっかりとした文章には好感がもてましたが。
いまいち内容が伝わってこなかったです。
- 70 雨ごい (採点:1)
- 文章構成がちょっと悪い気がします。読みにくかったです。
○春日 姫宮 さん
- 01 きれいなほし (採点:採点なし)
- ルカというラノベを思い出しました。
設定はなんとなく、という程度に留めて、雰囲気勝負に出た作品だと思います。
概ねその試みは成功したのではないでしょうか?
もっと描写を練り込んで行くか、物語にひとひねりを入れるか、あともう一押しで、このこんぺでもかなり高い水準に行けると感じました。
ところで、最後まで『老い』という言葉を明記しませんでしたが、これまでの流れで普通に分かる設定だったので、作者さんが驚かせたかったのかどうか疑問でした。
驚かせようと考えていたのなら、その試みは失敗だったと思います。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【こ】
- 09 僕僕先生 (採点:採点なし)
- 発想が面白い(笑)。
ニート、とまでは行かなくても、なんとなくだらだら過ごしてる若者が女性と出会って――というストーリーはいかにもSSですが、中国を舞台にそれをするとは。
数千年前のエジプトでも「近頃の若い者は」と記されていたという逸話を思い出しますね。
軽妙な展開も痛快でした。
こんぺ慣れなさった方の作なんでしょう。分量の制限がありますので、全体的に足りない印象を受けるのは避けられないとは思うんですが、ちょっとしたところに拘りも見せて欲しかったかな。
例えば『人の良さそうな』を『人の佳さそうな』と表記するとか。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【ん】
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:採点なし)
- 現実感のなさを描くことには成功していると思います。
現実感がないので、特に感情を揺さぶられることもなく、ただ字面を追うだけの作品になってしまったのが致命的。
圧倒的な描写を持つ作品ではありませんし、ここからストーリーを読み取ることは、私にはできませんでした。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【ぺ】
- 20 A Darkness more than night (採点:採点なし)
- 人間の思考から機械の思考を削り出し、描いていくという試みは成功しただろうと思います。
ヒトならば他に考えることがあるのに、他に感じることがあるのに、機械は考えない。ただ淡々と『事実』と『思考』の積み重ねを描いていく過程は幾何的な美しさすら感じます。
ただ、そうすることで文章が窮屈になってしまったのも事実。成功の裏返しとも言えますが、読んでいてやや辛かったです。
マリィから直接読み取った感情を、機械の視点から描写するシーンが欲しかったです。そうすれば、窮屈さからも多少は逃れられたかも。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【楽】
- 41 らくがきを消しに (採点:採点なし)
- まずは、これだけの内容を制限容量内に収めた作者さんの技量に拍手。
冒険あり、笑いあり、ちょっとおセンチあり、それでいて一つ一つの内容がきちんと描き込まれているのには息を呑みました。
ただ、作者さんの腕に驚くあまり、かえって物語そのものの感動は薄れてしまったのは少し残念。
これは私個人の感覚ですし、贅沢な感想かも知れませんけれど。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【し】
- 48 愛されるより愛したい (採点:採点なし)
- 敢えて、踏み込んで感想を書いてみます。
『あいつ』は、実はヒロインのことを、一般に男性が女性を好きになるという意味で、好きなんだと思いました。
そのことにヒロインは気づいていないにも関わらず、
友情も、愛情も。男と女の間にあるそれに類する感情は勘違いから成り立っているのではないか。
だって、あたしはきっと勘違いしている。
と表記した作品であるなら、上手いです。男女の機微を非常に巧みに描いています。今回私が読んだ作品の中で最高傑作でした。
『あいつ』の描写を敢えてぼかしているのも、おそらくは(殆どが男性であろう)読者が『あいつ』と自分を重ねさせる仕掛けなのでしょう。
……上記のような意図が全くないのでしたら、凡作ということで。
思考の流れが行きつ戻りつで交錯していたり、シーンの切り替えが唐突だったり、一文一文のレベルは高くはありません。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【か】
- 49 忘れてしまった (採点:採点なし)
- 最後のシーンは、一見ただのループで終わっているようで、衝撃的でした。
ヒロインは最初に記憶を失う前の自分を不幸せだと思い込んでいましたが、実は、その中に小さな幸せを見つけていたのかもしれない、という事実が。それを『忘れてしまった』悲しみが。
作品はどこまでも美しく、それでいて自分自身について考えてみたときも、身につまされます。
文章も丁寧で上質。もし点数を付けるなら、心から10点を付けられる名作でした。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【っ】
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:採点なし)
- 勢いだけで突っ走った印象があります。でも面白かった(笑)。
オチは再読すればくすっと笑えるんですが、この作品自体が再読するようなものではない(レベルが低いという意味ではなく)ので、ちょっと不発気味かな。
でも面白かった(笑)。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【た】
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:採点なし)
- ケンジントン公園の描写は良かったと思いますが、他は背伸びの印象が拭えませんでした。
1ページ目の数行を読んだだけで『背伸びしてるんだろうな』と思う読み手は、おそらく私だけではなかっただろうと思います。
例えば『その信念の欠如、その軽薄』の『その』が文中のどこを指しているのか、答えられますか?
自分が何を書いているのかを自覚して下さい。書いているものに対して、もっと理解を深めて下さい。
素人目にもイギリスを知らない人間がイギリスを描いていると分かります。
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【で】
- 78 ラックラック♪ (採点:採点なし)
- 一見飄々と生きている老人が、実は確たる意志を持っていた、という内容ですね。
その重さを感じさせない文章がまた面白いですね。戦争も描写が薄めで、全体的に気楽に読んでいける作品に仕上がっているのは上手いです。サイコロのトリックとの融合にも機知を感じます。
ただ個人的には、その長所が私に合っていなかったといいますか、もう少し濃い作品が読みたいと感じてしまいました。死神の設定など、ツッコミ所も多いです。
最後に一言。作者さんは、雨音さん?
感想のスタンス
・公式の交流掲示板は見ていません。なるべく先入観を持たずに読むよう心がけました。
・知り合いに勧められたものか、ランダムに選んだもの10作品だけを読み、感想をつけます。他は読みません。
・採点を放棄します。
【す】
○松瀬 さん
- 01 きれいなほし (採点:2)
- こういう登場人物同士の繊細な雰囲気は好きなのですが、いかんせん情景描写が抽象的すぎるような気がしました。僕の想像力が追いついていかなくて、情景をうまく想像することができませんでした。残念。
○先駆大介 さん
- 20 A Darkness more than night (採点:4)
- 機械とか近未来系のお話は今まで縁がなく免疫もなかったのでどう評価させてもらえばいいのか迷いました…。僕は可愛いおにゃのこに萌え萌えできるお話が好きなようです(爆
刺激が足りない、というか、終始何もかもが曖昧なまま終わってしまったような、置き去りにされた読後感がありました。僕の読解力と洞察力が無いからでしょうか(汗
- 21 bright shine on time (採点:6)
- 文章作品として、数字は漢数字にした方が…という重箱を突付くような発言はどっかの偉い人に「君、ちょっと来なさい」と社会的抹殺の危機を通告されそうなので黙認しておきます。僕の修学旅行の想い出と言えば宮島の野鹿に突進された悲劇しかありません。
会話が構成の主流に思えたので、もっと軽妙な、インパクトのあるやり取りを見せてくれてもよかったのではないでしょうか。
- 22 瑠璃 (採点:5)
- ステレオタイプなラブストーリーな分(個人的な印象では)、その他の作品の周辺、骨組み部分でもっとインパクトを狙って下されば高得点を差し上げていました。いっそ、ヒロインを電波系・不思議系にしてみたりとか…。
やはり低容量である分、インパクト勝負だと個人的に思っていますので……読中の刺激が足りなかったかな、と思います。
- 23 世界の終わりは (採点:7)
- 思春期の青年の成長物語ですか…そしてまた彼ら彼女らは、紆余曲折を経、価値観は戻り進みつつ未来へ向かっていくわけですね。どんな人間も蚊に刺されたら痒いんです。ちょっとクライマックスの会話が説明臭いかな、と感じました。
それでも、こういうどこか汗臭い話は好きです。いい作品をありがとうございました!
- 24 禍疎 (採点:4)
- 死生観でしょうか? 人生観と言いますか…。自分はそういったムズカシイ事を考えれる頭を持っていないので、津女たんハァハァです。一緒にAV観たいです。
こうして様々な方の様々な観念・思想に触れるのはいい経験になると思うので、その点につきましては結末の部分は勉強させてもらいました。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:2)
- ちょっとイイ話で解釈してよろしいのでしょうか。ちょっと他の出展作品に埋もれてしまっている感が否めないのが正直な感想です。
- 26 ピーナッツロジック (採点:3)
- 何時も直球勝負な自分はこういうオトナな会話は書けないので、そういう部分ではいい勉強にさせてもらいました。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:10)
- 何故でしょう、自然に最高得点を差し上げたく思いました。最後の二文章が凄く好きです。
- 28 その交渉は無理がある (採点:5)
- ツンデレなんて、僕のツボを突いた専門用語を使用している時点で満点なのですが、色々と減点法で5点で(笑
起承転結である起のみを提示されたかのような、不完全燃焼感が強いでしょうか。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:6)
- まったく内容が理解できなかったのが本音です。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:4)
- 月面旅行ならハワイ旅行でワイキキ気分を満喫したいです。と言うのは冗談で、ちょっとあざといなー、と感じました。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- テーマにツンデレ! 気持ちは満点ですが、自分なりの厳正な採点としてこの結果になりました。
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 僕もこんな妹が欲しいです。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:7)
- こういう知った風なガキが一番腹立つんですよね(笑 世の中詰まんないとか言うなら自分で面白くしろよ、と。国会で居眠りしている奴等と同類の日和見主義者ですね。
- 35 負け犬 (採点:6)
- 本作には関係のない話ですが、非常に個人的な見解として今まで拝読させて頂いた作品は狙いすぎてるなーと言いますか…。僕はイジメもしましたしされましたし…ただ、山田のような人間にはならず、またなりたくないなと思いました。あの結末は社会的な敗北ですから…。
- 36 停電の訪問者 (採点:9)
- ほんのりいい話ですね。好きです。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:6)
- タイトルは好感度高いです。なんだかいい響きですよね。
- 38 茨の森 (採点:7)
- 個人的には漠然とし過ぎている印象を受けました。でも、作中の二人の心像はは、これまた漠然としてですが理解できるような気がします。どちらにしろ、違う軸上での苦しみはあるものですよね。ないものねだりがジレンマになってしまっていると言いますか。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:10)
- 切なさを越えた先に新たな笑顔があると信じて生きていきましょうね。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:1)
- 15KBでは描ききれない内容では?と邪推…と言うか残念な気持ちでした。もっと局所的と言いますか、個人的には『幾多の影響者』に視点を向けて下されば読み易かったかな、と思います。
○奏鳴 さん
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:3)
- 別に苦手だったり嫌いだったりはしないのですが、個人的にこういうのは前回の肉で少し飽きがきてしまいました。最初の会話でプラウザバックを二回ほどするくらい。文章は読みやすくて減点するような要素にはならないけど、雰囲気で押す作品ならこの辺で点稼がないと厳しい気もします。
或いは、プロットとして見るべきものがあったなら、一気に高得点に配点したかもしれません。
- 05 魔 王 (採点:5)
- 嫌いじゃないんですけど、やられた、と思わせてくれなかったので点数はこんな感じです。感想も短め。
- 11 江南小話 (採点:6)
- 最後の1パラグラフをもっと広げてくれたなら、という思いが出てきます。車浚と車胤のエピソードを1:1にしてくれ、とまでは言いませんが、それにしても簡潔すぎます。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:3)
- 冒頭からして読み手に負荷かける気満々な作品ですが、やっぱりというか楽しめなかったです。
自分の好きな作家にこういう事させられるならまだ読む気にもなるのですが(それでも辛いのには変わりないですが)、匿名のこんぺでこういうの出されても、「果たしてこれを乗り越えた先に、この負荷に報いるだけの物があるのか?」という類の不信感が先立って、純粋に読もうという気になりませんでした。作品の出来を競うこんぺでそんな評価の仕方をするのも微妙な話ですが、何度試みても不信感が拭いきれなかった(=楽しめなかった)ので、やっぱりこの評点とさせていただきます。
せめてもう少し負荷を減らしてくれたなら、ちゃんと読む気にはなったと思います。別に嫌いなわけではないので。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- 一応ちゃんとオチてるし、読みにくいとも思わなかったんですけど、読んでてあんまり楽しくなかったです。読み手の立場としては、傍観を決め込んでる一人称の人の立場に近いんだと思うんですが、その彼が全然楽しそうにしてないのを見てると、やっぱ楽しくないよなぁ、とか思ってしまいます。
- 47 ローランダ、空へ (採点:9)
- 短い作品の途中で、読み手に信頼感を与えるのって、最も難儀な作業の一つだと思うんですが、これは見事に達成されてますね。読んでいて、最後もきっちり締めてくれるんだろうな、という安心感を持って読むことができました。
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- 冒頭でいきなりら抜き言葉が出てきて萎えましたが(すいません、苦手なんです)、その後の展開を考えると意図してたのか、とも思えてしまいます。とはいえ微妙なラインですね(読点の配置がちょっとおかしいかな、とは思ったけど)。実際のところ、真偽がどうあれつまづかせた時点でアウトだと思います。
しかし、それ以上に構造がいけないと思います。あれだけ会話しといて考え方に何の変化も起きないのかい、と思ってしまいます。それもあって、どうにも着地が弱い。なだらかなスタートだったんで「下手したら」とは思ったけれど、それがそのままになってしまったというか。これならまだ肩透かし食らったほうが気分がいいです。
とはいえ、主人公があまり好きになれなかったのも事実です。自分にも他人にも、才能の領分を大きく許してしまってる彼女を見ると、割と悲しくなってきます。
あと、これは採点には関係無いんですけど「オリジナルSS」って言葉の「SS」って、何の略なんでしょうか? 未だにこの疑問がどこ行っても晴れないんです。
- 70 雨ごい (採点:7)
- 上手いなぁと思うし、くすりともさせてくれたのですが、爆笑とまではいかなかったのでこの点数です。ごめんなさい、性格上もっとえげつないのが読みたかっただけです。
ああ、でもこれは目立ちますね。読みやすく、なおかつ目立つってのは、割と理想です。
- 78 ラックラック♪ (採点:9)
- いいですね、これ。死神が女の子、っていう設定はどっかにありそうな気がするけど、私は今のところ見たことないので平気でした(単に今までそういう作品回避してきただけですが)。
それよりも、軍人のじい様が素敵です。こうやって過去を余裕持って振り返る姿って、なんだか見ていて心地良いです。
作品に意味を持たせつつ、きっちりと構成を安定させてるのも好感です。頭の中で判り易く物語が浮かぶから、読み返すのが苦にならないし。
まあ、タイトルだけは良く分かりませんでしたけど。重苦しいタイトルにするのも相応しくないと思いますが、この軽さは一体なんなんだろう……。
○滝粥 さん
- 01 きれいなほし (採点:6)
- なんとも言えない胸を透くような文章に心が洗われた気持ちです。
ただ、小説と言うよりも詩に偏っている気がして綺麗過ぎるのが霞を食べているような気にも。
次があればこんな世界観を濃厚に描いて欲しいです。
ご馳走さまでした
- 02 息吹 (採点:6)
- とても面白い視点の物語でした。植物観点で、それもキャラクターが生き生きしているだけで楽しい気分に。
言葉も一つ一つ丁寧に描かれているように感じ、そこもまた好印象。
しかし誤字がニ、三個見つかりました。そこを少し何とかして欲しかったなーと。
ご馳走さまでした
- 03 strangers in the city (採点:6)
- み○しぃ?
ってそんなボケは置いといて! メッセンジャーなどを用いての現実に近い小説。ついついニヤリしながら読んでしまいましたw
でも、小説、と言うよりも論察、と言う風に感じました。あと、妙に経験談ぽく見えたり……。
それはともかくとして、伏線の張り方の巧さには脱帽です。
ご馳走さまでした
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:6)
- ラヴですよねっ!
表現できないもどかしいくすぐったさがとても楽しめました。あとラヴ。
二人の会話が微妙にずれているような気がして面白かったです。あとラヴ。
山田詠美の黒人男性は思わず同意してしまいました。あとラヴ。
なんと言うか……ラヴですよね?
- 05 魔 王 (採点:5)
- 笑ったw
- 06 left wrist watch (採点:5)
- 最初が急だなあ、とか思いました。それ以外はかなり好きです。
ウレタンなどの豆知識も「なるほどなあ」と。
ご馳走さま
- 07 愛・おぼえていますから (採点:5)
- やってくれるか?と思ったら期待通りでしたw
依然、あるスレでこう言う話があったのですが、もしかしたらそこでインスピを受けたのかな、と思ったり。
なにはともあれ、小野ちんが好きでしたw
- 08 傷跡が残すもの (採点:3)
- 可も不可もなく。どうにも後味だけが気にかかりました。
もう少し山場と言うか、インパクトがあれば面白かったのになあ、と思ってしまったり。
最初の雰囲気が好きだっただけに残念です。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- うわーこれ大好きです先生。
時代がよく感じられ、描写もよく描かれ、尚且つキャラクターがとても好きです。
この後がとても気になりますw あともっと彼らの日常が見たいです。
ご馳走さまでした。
- 10 また共に笑おう (採点:6)
- だーまさーれたー……。
一人称が「あれ?」と思ってたら見事に持っていかれました。ミスリード……!
展開がちょい急にも感じましたが、それもまたよし。青春ですねっ!
ご馳走さま
- 11 江南小話 (採点:3)
- 歴史の授業……。
内容は興味深いものがありましたが、しかしただ淡々と述べられても、と思ってしまいました。
文に起こすからには何か山場とかが欲しかったかなあと。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:4)
- 社会風刺をテーマにした小説と思いました。
何気に最初の「汚い、色だね」がお気に入りだったり。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:6)
- エロいですw一行目から笑ってしまいました。ストレートすぎるよっ!
ともあれ、なんだか乾いたような二人の関係が好きだったり。
あとカスが楽しかったりしました。生徒に問われて正直に答える教師って……(笑)
- 14 ユメのおわりに (採点:8)
- ここで終わらせちゃうんですかぁっ!?
こっからが、こっからが一番酸いも甘いも混ぜたような美味しい場所なのにぃ……っ!
……とまあ、そんな血涙流しながらも、大好きですっ。
最初の一行目でなんとなくは予想できましたがしかしズルズルと行ったのには少し心が痛んだり……。
しかし、一直線の主人公がお気に入りです。カッコ良かった
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:7)
- ……なんと言うか、飛び抜け過ぎて分かりにくかったです。ふと舞城を思い出す文体。
文の「。」を減らす、味のある文章でしたが、途中描写が分かりにくくなってしまい混乱しました。
でも、話の内容はかなり好きかも。伏線の張り方も巧かったですし。
エロティックのグロニズム、堪能致しました。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:5)
- 物語の序章のように見受けました。
近未来のロボットをモチーフに、一つ一つの描写が作り立てられていて安心して読めました。
でも、やっぱり容量増えたのを読みたいかなーと思ったり。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- 笑ったw
結局てっちりの由来が分からなかったような気もしますが、そんな事どうでもいいほどの馬鹿っぷりに笑っていました。
てっちり最高
- 19 青い春 (採点:6)
- 青春だなあ……。
なんとなく、昔の少女マンガとかを思い出したり。
あと、個人的には中学生ぐらいかなとか思っていました。純粋と言うか、なにをして良いかわからない、もどかしさとか。
そういう青春ストーリーが面白かったです。
ご馳走さまでした
- 20 A Darkness more than night (採点:10)
- 「そして、機械は人となった。そして自問する、人とはなにか? と」
そんな言葉が頭に浮かんできました。
うわぁ、これすっごい好きです、大好きです、愛してます。
15kbという容量を余すことなく使っており、また内容が緻密で濃いっ!
もう感無量です。満点です。大好きです。10点持って行って!
もしかしてサクセスの人ですか?
- 21 bright shine on time (採点:4)
- うーーーーーーーん……。
主人公が高校生野郎としておばかでまたお祭り気質、一人ノリつっこみが出来る、と言うのは好みです。
しかし、なんだかなあ、と思ってしまいました。
バスの中での出来事、が舞台で隣が好きな子、と言うシチュエーションで、もっと、もっと盛り上げられたのではないかなーと。
少し残念に思ってしまいました。
- 22 瑠璃 (採点:6)
- 好きですっ。
キッチリと徹頭徹尾の甘い説明が付随していない。でも逆にそれが想像することで楽しんだりしていました。
羽毛が胸に乗ると言うか、そんな心地よさです。
ご馳走さま
- 23 世界の終わりは (採点:8)
- 設定とか考え方、日和見主義その他諸々大好み。
しかし、最後のセリフが割合が大きかったかなーと思ってしまいました。
そこら辺削ってもうすこし日常部分を演出してくれていたらもっと上の点でした。
しかし、それでも好きです。なんとなく、笛のあの二人を連想したり……w
ご馳走さまでした
- 24 禍疎 (採点:6)
- 先輩のその性格が大好きですっ。
望月もいい味出してるし、もう、あれですよねっ!
ご馳走さま
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:6)
- 結局彼女はなんで急いでいたんだろう……? とか思ってしまいますが、しかし野暮なことだな、と思ったり。
奇妙に微妙で絶妙な話し合い、もう少し続けて欲しかったなーと歯噛み中です。男の口調がキャッチセールスに似てて不覚にもそういう商売か!?、と思ってしまいました。
何はともあれ、落ち着いた読後感を味わい中。
ご馳走さまでした
- 26 ピーナッツロジック (採点:7)
- こう言う漠然と言うか、ふわりとした感じ、好きなんです。
ロジックと言うか、人生観を織り交ぜた作品でとても良く感じました。
ご馳走さまでした
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:9)
- 愛してる(ぇ
なにかが終わりそうなはずなのに、なんかほのぼの!ほのぼの!
死を軽く書きすぎているキライがあるけど、しかしそれもまたオツです。ほのぼのだし!
ふわふわとした感じですけどまあほのぼのだし!
ラヴですっ
- 28 その交渉は無理がある (採点:5)
- この展開は無理がある。(予想できない)
えぇーっ。
もうその言葉だけがリフレインしました。それってありかーい、ちょっとビックリしまくってますー。
そんな感じ。笑ったw
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- ハードボイルドさを感じうけました。
二人の人間と一匹の屍骸の関係性が奇妙で奇麗に感じて。
何より老人のその固く尖ったような性格とキャラクター性が心に残り、また老年とは、と深く心を揺さぶられたり。
タイトルに引けを取らない良策、ご馳走さまでした。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- 感無量。
何が良いとか野暮なことは言いません。どれも好き。
文体がどこかで見たことあるな、むしろあの人しかありえないかなーとか思ってはおりますw
最高でした、面白かったです、満点。
ご馳走さまでした。
- 31 戦場の休日 (採点:6)
- 騙されたー!!
クソ、そういう結末ですか! 一本取られた!
改行が多くて見難く、また誤字も多かったのですが、しかしそれを上回るこの作り方。
お見事です
- 32 バスが来るまで (採点:4)
- 個人的に言うなら、余り好きになれない作品でした。
なんと言うか、最初の情景描写が余り感じられず、どういう場所なのか、余り読み取りにくかったです。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:7)
- 女の子が可愛すぎるw
一人一人のキャラクターがとても立っており、楽しく読めました。
小学生も、主人公も、あえて惜しく言うなら彼氏ですがそれもまた視点で言うなら必要だったと。
最後の「面白くする」には思わず笑ってしまいました。可愛いw
ご馳走さまでした。
- 34 美談 (採点:4)
- 冷たい、乾いているような文章だと思いました。
主人公の視点に共感できず、「ふーん」っと言った感じで見つめてしまい、そのまま終わって「あれ?」とか思ったり。
最後の二行は何気に好きです。
- 35 負け犬 (採点:4)
- 怖いですっ! めっさ怖いですっ!
何がもうこれからどうなるのとか、むしろ友達じゃなかったのとか色々思って、やっぱ怖かったです!
山中竜郎恐るべし……。
- 36 停電の訪問者 (採点:7)
- 何度目かの、今コンペの容量の少なさに怨嗟の声を撒き散らしました。
くそぅ、面白いのに、面白いのにもっとスパンを長くして読みたかった!
内容が急展開に見え、雅也に電話を掛けた瞬間落ちが分かりだしたけど、最後まで安心して読めました。
そこを補強していてくれたら、容量が多ければカバーできたのかなあ、と歯噛み。
ご馳走さまでした
- 37 Love Song を聴かせて (採点:5)
- 女性の計算高さに思わず頭を垂れてしまいます……。
ペットボトルの時、カントリーロードの曲を言った企み、恋の歌発言然り……。
女の子は怖いw
しかし一人称の語りであった筈なのに、なんとなく三人称が混じっているような気がして奇妙に思っていました。そこが少し残念。
加藤君もいい味出してました
- 38 茨の森 (採点:8)
- 個人的に、ただの独白ですが、これはそう作者自身の戒めの為に、創作するものに対する人たちの為に書かれたのかな、とか思ってしまいました。
そういう意味で、10点にしようと思ったのですが総てが明瞭に見えなかったことと最後の終わり方が釈然としなかったこと、それぞれ1点ずつ差し引かせてもらいました。
でも、冒頭の文から引き込まれてしまいました。最初はセリフの中にある電話方の台詞が想像できるほど洗練されていることで凄いと思っていましたが、それ以上の緻密なものがあったことに関心を抱くばかりです。
よい作品読ませていただきました。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:4)
- なんで別れることにしたのか、それが少し分かり難かったです。そして、シリウスとは結局なんだったのか、そう思ってしまいました。
もしかしたらシリウスとは空に浮かぶ天狼星のことではなく、「タクちゃん」のことを表した比喩なのかと思いましたが、しかしそれはそれでつじつまが合いにくいな、とも。
うぬ、そこらへん解読不可でした。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:9)
- うわぁー
これを喩えると言うなら、ショートショートを15kbに肥大化させたものですか?
短い話の中に話の旨味を抽出したものがショートショートならそれを確実にモノにしながらスペックアップされた気分。すごく面白かったです。
ヴァン・フォン・ノイマンですよね? JVというのは? 多分ですが、あの天才、コンピュータの祖をモチーフにしたのが仲松だったのかなーと。
それはさておき、一つ一つの言葉が輝いていて、ただただ感嘆するばかりでした。巧いなぁーとただ呻いて。
特に、
「『人格』とは何だね?」
「それは私の専門外です」
「ならば聞きたまえ」
ここに仲松所長の総てを感じ取りました。お気に入りの言葉です。
ご馳走さまでした。
- 41 らくがきを消しに (採点:5)
- タイトルどおりほのぼのでした。姦し娘の大混戦……っ!
水道の水が出る、梯子がある、扉が溶接……諸々から、誰かがここに住んでいるのかな〜とかずっと思ってて、違ったか、とか勝手に肩透かし食らっていました。
貯水タンクを改造したり、梯子は作ったりしているのかな〜とか勝手に解釈していたのですが……。
この三人を見ていると、某ゲームのキャラクターを思い出して仕方なかったのですがそれは故意だったのでしょうか……?
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:8)
- 綺麗。そう素直に思いました。
純粋すぎたから、出会ってしまったから、守ると決めたから。そんな不器用になってしまった彼らが、どうしようもなく綺麗で愛おしいと思ったのです。
最初の数行でそれを予兆させて、そして全文でそれを仕舞いこんでいるようで、なんだか言い表せにくいですけど、なんかとても好きです。
よい作品ありがとうございました
- 43 帰郷 (採点:5)
- 少しだけ後味が悪いなあ、と思いました。
結局彼女は彼を救うことも、助けることも出来なかったのかなあ、と。
「帰郷」の意味が「死んだ人間に会うことによって生前の許しを願う」ではない、と言うのがミソで、また残酷なんだなと痛感しました。
彼女はこの後ずっと、「自分のせいで」と思い続けるのでしょうか……?
- 46 決まりきった世界 (採点:3)
- うんと、なんだか旨味を理解できませんでした。
将棋と言う世界を全く理解できないせいか、どこをどう読めばいいかわからなくて……。
最初から起承転結の起が抜けているような感じもするし……。
一人の読み手としてこの点数です……。
- 47 ローランダ、空へ (採点:5)
- アア、そういうことか。
最後の文を読んで、最初の文にやっと繋がりました。
なるほどなあ、と思い、結局翼のどの部位が欠損していたのだろうと疑問に。
まあ、そんな事は置いておき、読ませていただきました。
- 49 忘れてしまった (採点:7)
- 新しい記憶喪失の人の生き方だなーって思いました。
最後に至るまでの総てが一つ一つ大切に作られて使われている、そう感じました。
語彙が貧困で申し訳ありませんが、なんとなく、人心地着く様な、そんな作品だな、と。
ご馳走さまでした。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 台詞だけだからこその緻密さとミスリードに楽しみを感じました。
最後の一行までの、その長い長い道程をこの量に収めたのは感服です。
ただ、キャラクターが年齢によっての重さを感じられなかったのは残念だなーと。
あともう少し台詞による説明を濃い目にして欲しかったです。
ともあれご馳走さまでした
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:7)
- 悲しく哀しい物語だな、そう一番に感じました。
誰かがもう一歩、体を退いていたなら、
誰かがもう一度、手を差し伸べていたなら、
そういう言葉が頭に浮かんで禁じえません。
でも、それぐらい哀愁を感じさせる作者の力量は感服です。
ご馳走さまでした。
- 68 私的な三色信号機 (採点:10)
- 大好き。
こう言うちょっとした能力モノに弱いんです。うわ、凄く良い!
それも赤を渡ったら厄災に巻き込まれる、と言う不幸ではなく、そのおかげでなにか良い事がある場合もある、と言う絶対制じゃないのがツボです!
主人公が熱血的な正義感の持ち主ではなく、自分の為に使っていると言うのも!
……でも、尺度が少し合ってないと思ったりしたので、そこは残念だな〜と思いました。
しかし満点です! ご馳走さまでした。
- 78 ラックラック♪ (採点:8)
- 彼の強さと、そして弱さの葛藤に花束を。
彼のその、何者にも動じてはならない豪胆な強さ、そしてそれを支えきれない、虚構の弱さになんとも言えない魅力を感じました。
どんな時でも迷ってはならない。
どんな状況でも最善手を打たねばならない。
それであるから、それでしかないから故のサイコロ。溜息を吐くほどステキに感じました。
あと、死神かわいいw
ご馳走さまでした。
○竹仙人 さん
- 01 きれいなほし (採点:2)
- 映画か何かのラストシーンだけ見ている気分でした。
映像で見ればさぞキレイなんだろうなと思えます。
ですが本作品の描写は表層的なものに偏っていて具体性に欠き、残念ながらそのような情景は浮かんできませんでした。
- 03 strangers in the city (採点:4)
- 中盤まではむしろ鼻につく部分が目立ったのですが、ラストのひとかたまりが、かなり好きです。
序盤から中盤までを全部そっくり差し替えたいくらい(笑)。
- 05 魔 王 (採点:4)
- (゚д゚)……
(゚д゚)
('д`)同時に三匹!?
('Д`)毒霧!!?
怖い……
怖すぎる……
- 07 愛・おぼえていますから (採点:4)
- 文章がやっつけ気味なのがやや残念。大衆に迎合したような薄いキャラ付けやウケを狙いすぎに見える組み立て方も、個人的には好みではありません。
もう少し大人びた視点でスタイリッシュに決めてくれたら点数は倍になっていたかも(笑)。
あ、タイトルで2点引きました(笑)。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- たいへん興味深いお話でした。
ともすれば読者を置いてけぼりにしそうな題材だと思うのですが、変に小難しすぎず、かといって簡素なわけでもなく、つりあいが取れていて非常に読みやすかったです。
たとえばこの手の話で横文字のカタカナが出てくると一発で轟沈するものですが、そういったところもなく、文章に自制が利いていますね。基本かもしれませんが(笑)。
楽しませていただきました。
- 11 江南小話 (採点:2)
- 自分でも意地が悪いと思いつつ、09「僕僕先生」の直後に読ませていただきました(笑)。
残念ながら作者の腕は数段劣ると見受けられました。言葉の選び方、文章の並べ方、話のつくり、いずれも粗が散見されます。台詞にする必要のない台詞が連続し、作品全体が安い雰囲気をまとってしまってます。台詞にはもっと必要性を込め、地の文には言葉の取捨選択に気を遣って欲しいところ。時代小説なら硬質な文体でかっちり決めて欲しいと思うのは俺のわがままかもしれませんが、少なからず作者さんもその方向性で書いているように見えました。
たとえば「レベル」「ちっとも」などの単語に強烈な違和感を覚えた読者は、俺だけではないはずです。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:4)
- 加須山は逆にすごく人間くささムンムンで好感が持てたのですが、他の二人については、なにか演劇でもしているようなぎこちなさがあります。テーマを追求するあまり、キャラクターを植えつけ損なっている印象が強かったです。
伏線と真相のバランスが取れていないと殊更に感じました。いかんせん、最後の一幕が性急にすぎるような、そんなような。
- 14 ユメのおわりに (採点:6)
- やほー。修羅場だ。やほー。
今回青春ものは多いですけど、修羅場モノってあんまりなかったのでメラ新鮮でした。展開自体はオーソドックスですが功を奏してます。
山場では背筋がゾクゾクっときましたよ。眠気も一発で吹っ飛びました。いいですね。燃えますね。
個人的にはこの後、電話してもうまくいかず地元まで追いかけて向こうの父親にボコられ心身ともにズタボロになって都会に戻り荒みきった日々を過ごして欲しいところです。
ちなみに俺は東北在住の大学生ですが年に十回くらい東京行ってます。
高速バスもあるし電車でも3時間程度だし軽いもんです(´ー`)
地元の場所さえ変えてれば違和感がなくなっただけに残念でした。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:6)
- ものすごい文章密度。形式自体は嫌いではないのですが、三人称で比喩過多、巻き戻りときているので、読み切るまでにパワーをごっそり削られました(笑)。話が展開しないぶん文章の味に頼る部分が大きいと思うのですが、今回は嗜好がややずれた感じです。
がしかし、衝撃度は大きかったです。
※実験的に、この作品を基準点に設定して他の作品を採点してみます。
↓
※ものすごいことになったので、取りやめました(笑)。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:1)
- 会話には二種類あって、当人たちが楽しんでいるだけのものと、聞く者まで楽しませるものがあると思うのですが、残念ながらこの作品は前者のように感じました。本人たち、ノリノリ、でも周囲は引きまくり。みたいな(笑)。
ちょ、おま、自分らだけで話してないで俺も混ぜろよ! みたいに突っ込み入れそうになりました(笑)。
- 19 青い春 (採点:6)
- おっぱいはきっともっとやわっこいに違いないぜ!!
揉んだれ! 揉みしだけ!!
ヒャッハー!!!
……無粋ですません。若さにあてられました。
- 21 bright shine on time (採点:7)
- なにやら肝心なところがスカスカな気もしますが、でもいいんだ、この馬鹿男を好きになってしまったから。
ろくに考えずに勢いで行動して5秒後に後悔している、しかも繰り返す。そんな馬鹿な男が大好きです。
……って投票締め切り前に見直して気づいたけど、なんだこのカッコつけたタイトルは!
ギャップに笑いました。
- 22 瑠璃 (採点:8)
- 雰囲気が大好きです。
(´З`)チュッチュッ
- 24 禍疎 (採点:8)
- 空気が好きです。ツボです。当たりです。
読み進めるほどにそそられるものがありました。眼鏡とか煙草とか、そういった小道具も好きなのです。
今回そういうの、けっこう少ないので(笑)。
- 26 ピーナッツロジック (採点:8)
- いい意味でオトナな話ですね。
こじゃれたバーで答えが出ないたぐいの問答をのらりくらりとおこなう状況は、とてもそそられます。
堪能しました。
- 32 バスが来るまで (採点:2)
- 同じ福島県民としては、会津若松市という舞台設定がさびれた田舎という点でしか生かされていないところに不満を感じます(笑)。台詞を訛らせろとまでは言いませんが、あえて市名を表記することもなかったんじゃないかな、と思いました。なにか効果を狙ってのことかもしれませんが、なぜわざわざ実在する市を? という疑問符が先に立ちました。白虎隊を知らない人は何県かも知らないだろうなあ(笑)。
内容は、妹に好かれた兄の話でしょうか。他に見出せませんでした。
作中の目立ったイベントが、妹の気持ちが明かされたというそれのみなので、え、それだけなの? と物足りなさが残りました。
- 34 美談 (採点:1)
- アンニュイさがほとばしってて、大好きです。
Syrup16gを連想しました。
あ、交流掲示板の作者様の書き込みを見て、点数を下げました。
- 46 決まりきった世界 (採点:3)
- 最も苛々した作品でした。
登場人物と主義主張が対立したわけでもなしに、ここまで苛つかせられるとは……ある意味してやられた(笑)。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:4)
- 嫌いではないんですが、この容量でやる話ではなかった気がします。各エピソードが薄すぎて作品に馴染むことができず、一歩離れたまま読み終えてしまいました。
- 61 Letter to you (採点:7)
- わはー。かわいらしい部長さんでありますね。
不覚にも勃起してしまいました。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:5)
- こっぱずかしい奴らだ!
この胸のキュンキュンをどうしてくれる!
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:10)
- 大好きです。落ち着いた筆致と作品が合っていて雰囲気が絶妙。あっという間に巻き込まれてしまいました。
文章の紡ぎ方が、なんとなく山田詠美を彷彿とさせました。
- 70 雨ごい (採点:3)
- 小じゃなくて大だったら…………
- 71 デジタルペット (採点:4)
- 背後を振り返るとそこには、くたびれた顔で目を細める若い男がいた。目が合っても表情に変化はない。なにやら眠たそうに見えるし、落ち込んでいるように見えるし、疲れているようにも見える。こいつを布団に横たえたら数秒で意識を失いそうである。何より気力が足りてないと強く思った。こんな奴がペットだったら迷わずそのへんに捨てているかもしれない。
背後には窓ガラスがある。
映っていたのは俺だった。
- 73 Saturday 7.15 (採点:9)
- とにかく軽快さがツボでした。急ぎすぎアンド雑って印象も多少ありましたが全体的にリズミカルで読みやすかった。キャラを把握するまで存外に時間がかかりどっちのキャラがどうなのか首を捻りながらでしたが、マッチしてからは特に読みやすかったです。何か起こりそうで何も起きない。意味がありそうであるわけじゃない。と見せかけてやっぱりあるのかもしれない。そんな飄々としたスタンスが大好きです。これは作者の趣味全開ってことでファイナルアンサーしちゃっていいでしょうか。ある特定の読者を狙った、という感じがまったくしなかったのでそう邪推しましたが俺としては好きな要素ばかりで嬉しかったです。女女だし自転車だしプチ旅だしアンニュイだしってなところで筆を置きます。ラスト付近が特に好みでした。
- 75 君の後ろで (採点:6)
- 作品自体も地に足の着いた良作でした。
締めの一文はいっそなくても良かったかもしれません。浮き気味というか、収束させ損なってるように感じました。
○渡 さん
- 02 息吹 (採点:4)
- 木の視点で四季の流れを語るという視点が面白いですね。
ただ、投稿時に容量チェック画面ででもプレビューを確認しておけば、もっと読みやすくなっただろうにと残念です。
二重タイトルとか、眠るOR寝るの違いとかが少し気になりました。
ほんの少しの手間なので、本当に惜しいです。
- 03 strangers in the city (採点:5)
- インターネット&ひきこもり
「今」の問題をふたつ噛み合わせて、「孤独な形でも、そこで休んでいいんだ」と主人公がひきこもりを忘れる(やめる?)結論をもってきたのは、面白いと思いました。
ただ、ちょっと主人公が(ギター片手に火を吹くような芸をもつのに)引きこもった理由とかが不明瞭だったので。そういう補足があれば、もっと感情移入できたかも。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:7)
- 泣きノート!
大学ノートが出てきた時に日記かな?と思ったのですが。よい意味で予想を外されて嬉しいです。
主人公と流浪くんの何気ない会話と泣きノートの重さの対比が、ラスト2文をきれいに生かしているのが素晴らしい。
そして。どうでもいいことですが、一人暮らしの貧乏学生に食い扶持が増えるのは本当に大変なので、流浪くんにはこれからバイトをがんばって欲しいものです(笑)
- 05 魔 王 (採点:9)
- これぞショートショートといった感じですね。
個人的にタイトルの入れ位置が上手いっ!と思いました。
冒頭で「勇者と盗賊と戦士のパーティって偏りすぎ。僧侶とか魔法使いいねーのかな?」と思ったのですが、彼らの正体がアレなら納得。逆にいたらイヤだ。
内容的にもうちょっと短くてもいいかな?とは思いましたが。笑わせていただきました。最高!
- 06 left wrist watch (採点:7)
- ラストの一文にすとん、と落としたのが読後感がよくて好きです。
前半の主人公の未練がましさの描写が、すっきりとしたラストと対比していているのでしょうか?
スタイリッシュで、失礼かもしれませんがトレンディドラマのうちの一話のような感じがしました。
蛇足ながら、作中の描写が特になかった友人は女性で、主人公の事が気になっているのではないかという印象が。下世話ですみません。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:10)
- 主人公、果報者めっ!
読後、まっさきに浮かんだ感想がこれでした。あーこんな奥さん欲しい。
結婚するまで三つ編みで眼鏡で睨み付けてたという伏線にあたるエピソードを、最初に持ってきて印象付けたのが上手いと思いました。
その後のいくつかの奥さんのエピソードはどれもこれも萌えで、見せ付けてんじゃねーぞっ!と思わずやさぐれそうになる程のインパクトでしたから。
起承転結のはっきりした構成と「愛・おぼえていますから」というちょっとひねったタイトルの組み合わせが面白かったです。
ああもう、奥さんラブv
- 08 傷跡が残すもの (採点:8)
- 題材的に非常に感想が言いにくい話だと個人的に思います。
それは「いじめ」という誰もが身近に感じた事のある問題を、ハッピーエンドではなく、主人公のおそらく一生残るであろう後悔というカタチで終わらせたからでしょう。
さて。読んでいて気になったところは、最初の事故の状況が分かりにくい所です。
「僕は電柱に激突し、頭からドクドクと血を流していたらしい」と最初にあり、それから「僕は突き飛ばされた勢いで電柱に両足をもろにぶつけて」とあったので、読解力の無い自分はあれ?と。先を読むのをいったん止めて、前の文を読み直してしまいました。
他が非常に分かりやすい丁寧な文だったので、そこがすごく惜しいです。
- 09 僕僕先生 (採点:10)
- 上手いっ!
中国古典好きだけど、難しくてとても書けないなーと諦めていた自分にはもう文句のつけようが無い話です。
表層だけの中国っぽさではなく、ちゃんと身の内に取り込んでから描写しているのが伝わってくるので。もう惚れ惚れしてしまいました。
- 10 また共に笑おう (採点:6)
- 冒頭の「その水平線にダイブしようとしている太陽は、水を恐れる子供のようにじわりじわりと沈んでいく」という文に、変わった表現だなぁ?と首をかしげたのですが。
内容を見て納得。太陽のメタファーは主人公だったのですね。
そう思って読み返すと、いろいろと読み取れるものが増えたりして面白い内容です。
あと途中まで主人公は男だと思ってました。「望」という中性的な名前に勘違いしてしまったみたいです。もし、意図したものだったらすっかり騙された。
- 11 江南小話 (採点:6)
- 車浚とその曾孫・車胤の生き様が相似しているのは分かったのですが。
その後の結論に結びつけるには、ちょっと弱いなぁという気がしました。
車浚に比べて車胤の人生がほんの数行だったせいかも。
末文の「悲しい出来事」を強調するならば、車胤が車浚の事を知っていてなお進言したという形にしてみてもよかったかも。と個人的に思います。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:7)
- 前向きできれいな話だと思います。
ただ、自分が言うのは何ですが、ひねりが無いからインパクトが薄いのではないかと。
宇宙への移民船、死に行く地球、恋人たち、渡されたディスクに込められた想い。あと少しの+αがあればっ!と、丁寧な読みやすい文章だけに惜しいと思います。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:7)
- 作中で加須山先生が言っているとおり「愛」がなになのか分かったら誰も苦労しない。
主人公たちのアプローチの是非(いろいろと気を配ってなさそうなので大丈夫かよ?と思うトコロ)はさておき、結論を納得させるにはすこし伏線が弱かったように思います。
たとえば主人公の心理描写とか、行動で心情を表すとかがあれば、もっと説得力が増したのではないかと。
自分的に好みな話だったので、そこが残念でした。
- 14 ユメのおわりに (採点:9)
- よくある男女のすれ違いものなのですが、ビデオとかナナコちゃんとかがきちんと描写されていて、ありきたりにならず、とても面白かったです。
個人的にラスト一文がよかった。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:8)
- 幻想小説ですね。なんというか表現が難しいです。
文体が非常に癖があるせいで、なかなか読み進められなかったのですが。
これは主人公の心理状態を表したかったのでしょうか? だとするなら、いっそ段落なしで、突っ切って欲しかったなと思います。
今以上に読ませるのが難しくなるでしょうけど、ひらがなを多く入れたりとか一文を短くするとかすれば・・・。
違っていたらすみません。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:9)
- 冒頭、近未来SFモノかと思ってしまいました。読解力がなくてすみません。
しかし、その後はいきなり現れた巨大ロボット、謎の女性パイロット、同乗、そして戦い!とぐいぐい話に引っ張り込まれ、ラストの転校シーン!!
王道といえば、そうなのですが。飽きさせずにぐいぐいと読ませきっていただいたその力量がすごいです。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- うーん。質問ですが、タイトルの意味は?
内容と合ってないように見えるのですが、どうでしょうか?
あとテーマもよく分かりません。作者はこの話を通して読者に何を伝えたかった&魅せたかったのでしょうか?
辛口ですみませんでした。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- 亡国の王が、安寧を捨て、ただ一人最後立ち向かう!という話はかっこいいのですが。盛り上げられなかったのが残念です。
王を守って死んだ人達ももちろん重要なのですが、王妃!
彼女をいかに振り切っていくかが、この話のキモだと思うのです。
しかし、序盤の王国の説明の中にも出てこないし、家臣たちの会話にも出てこない。いきなり現れて、実は幼い頃から……というのはちょっとインパクトが弱いように思います。
あと、微妙に使い方が違う語句がちらほらあるのも気になりました。
「眠れる獅子」とか「懸命な甲斐」とか。確認すれば分かる事なので残念です。
- 19 青い春 (採点:10)
- タイトルどおり「青い春」!
読んでいて、なんというか甘酸っぱいというか、背中が痒くなるというか、自分の人生のあれやこれやを思い出して叫びだしたくなるというか。
青春のあのもどかしい感じをうまく表現していると思いました。
雨とか、告白の使い方とかがすごく上手い!
- 20 A Darkness more than night (採点:8)
- 最後の一文。
それまでずっと三人称だったのが、いきなり「ぼく」という一人称になったのがちょっと不思議に思いました。
もしかして、思考機械に芽生えた自我? 勘違いしていたらすみません。
勘違いついでに、たぶん作者さんの意図とは違うような感想を抱いたので書いておきます。こういう風に受け取った読解力の無い奴もいるということで、何かの足しにしてもらえれば幸いです。
自分には、この話は「スポイルからの自立」がキーワードになっているように思えました。
「思考機械の予測はヒト全ての努力に勝る」から重要な判断を機械任せにする人類。そうやって全ての思考・判断を機械に任せた結果、人類はろくな思考能力を持たなくなってしまったのではないでしょうか?
故に、搬種船のキャプテンは無責任な言動で乗務員を全滅させ、首脳たちは機械の予測に逆らわずさっさと母星を見捨ててしまったのでは?
そして一方の機械達も「ヒトを尊敬している。何故なら、無から行動を創造できるから」と、彼らが何をしても干渉せずそのまま放置。人類が何をしても機械がなんとか出来るからどーでもいい、といわんばかりに無警告を貫いているように見えます。
だからこそ、最初のマリィは機械によって手厚い保護を受けていたからこそ自殺して。
だからこそ、最後のマリィは機械が劣化したからこそ、知識欲が芽生え、自主性を生じ、他者に対する気遣いを覚え、自らの死を覚悟できたのではないでしょうか?
しかし、自立できた最後のマリィと違い、機械は「無力を思い知らされることを最も嫌う」とその最後から目を背け。変わらずの放任主義。
庇護から逃れ「ヒト」となれたマリィと、劣化しても変われなかった機械。
その違いから機械はきっと最後のマリィの「ヒト」らしさがきっと理解できないだろうと思うので。その悲しさに「祈りを」という結論になったのではないでしょうか?
………多分、自分は間違った解釈していると思う。
だけどこういう風に感じたので、書いておきます。
本当に長々とすみませんでした。
- 21 bright shine on time (採点:7)
- 自分的には優柔不断すぎる主人公に、「なにやってんだっ!」と声をかけたくなる程感情移入してしまったくらい楽しませていただきました。
ですが、佐々木さんが主人公を好きだったというオチに対応する伏線がちょっと少なかったように思えます。
ぶっきらぼうな言葉は照れ隠しとかだったら、読者には分かるように見せてもらえれば、途中の横からの告白シーンで「なに!?」と意外性がもっと増したのではないでしょうか?
- 22 瑠璃 (採点:7)
- なめらかなテンポの文章なので、さらっと読み終えました。読後感も気持ちよく、すきな話です。
ただ、作中に出てくる『MISSING』という本を、不勉強につき自分は読んでいないので。出来れば、作中で、瑠璃とルコの相似点をもっと描写してもらえれば、屋上にかけつけたくなった主人公の気持ちがわかりやすくなるかもしれません。
- 23 世界の終わりは (採点:7)
- 心の多面体がみえる主人公と、ヒトの心が読める彼女の組み合わせが面白かったです。
ただ、序盤の丁寧な描写にくらべて、後半は動きが少なくてあっさりしているかな?という感じがしました。
- 24 禍疎 (採点:8)
- 話としては描写もきちんとされているし、読みやすいので好きなのですが。
吹雪の中。裸で10分以上転がっていたら、普通動けなくなりますってっ!!>津女さん
雪国在住として、ちょっと気になったので一言。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:9)
- 携帯の使い方がうまいっ!
序盤で出てきた「パチンと携帯を閉じた」というフレーズが最後で効いているのが、自分はすごく好きですね。
ただ、女の子が急いでいるという様子を読み取るのが、顔の表情だけだというのはちょっと弱いかな、という気がしました。
- 26 ピーナッツロジック (採点:9)
- 冒頭の会話が「すごい」
こういう事を考え付いたのもすごいし、上手く話を展開させたのもすごい。
ただ、変なところで改行されているので。それだけは投稿前にチェックして欲しかったと思う。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:8)
- 正直、冒頭でオチが読めたのですが。それでも胸にくる話でした。
ただ、主人公達は何の病気なのでしょうか?
入院はしているようですが、病状が進んでいるはずの彼までもが公園に出かけていたり、ふつうに食事をしていたり。
そのあたりが気になりました。
- 28 その交渉は無理がある (採点:10)
- 妹・・・黒い(笑)
妹からの相談に、異世界がどうとかの非日常が出てきて、そしてこのラスト! いい意味で予想外でぐいぐい読ませてもらったです。面白い!!
しかし、「寿退社」は無理なんじゃないかなー?(笑)
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:10)
- 読み終わった後、これは本当に15KB以内なのか?と確認してしまったぐらいに、内容が濃い話でした。
ペットの剥製というちょっとショッキングな題材に、老人の人生の過不足ない描写と「私」の対比。いや、本当にすごい。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:9)
- アイデアが面白い。
よくあるタイムスリップものではなく、実は……と繋げるのはなかなか読者を納得させにくいものだと思うのですが、「覚えた台詞を一生懸命思い出しながら自分の名前をいった」とか所々にちゃんと伏線をちりばめてあるので読みやすい。
ただ、ちょっと疑問に思ったのですが。大人が二人登っても問題ない木の高さなら、街の灯りとかも目に入るのではないでしょうか?
- 31 戦場の休日 (採点:6)
- 読み終えて、正直、せっかく戦時下にした場面設定を生かしきれていないように思いました。
クリスマス休戦というのは確か歴史上でも何回かあったように思えますが、だからといって基地の門番をたった一人にしてあったり、なぜか士官が下士官の食堂(しかも入り口のすぐ近く)で食事をしていたり。
そもそも、いくら指揮官が高貴な出でなくてはならないといっても、軍事経験の無い少女の言葉どおりに出撃して敗走(しかし、当の少女は怪我もしてない)というのは、ちょっとライトすぎる印象を受けました。
少女の行動の無邪気さを引き立てたいのなら、もっとタイトに戦場を描いた方がいいのかも。
- 32 バスが来るまで (採点:10)
- ラストがいい感じです。
バスが来るまで、の非日常の間になされた告白を受け止めることで別れを実感する兄。
構成がすごくいいと思いました。
ただお兄ちゃんはちょっとうっかりさんのようですので、これからが心配。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:9)
- 受験期のすれ違いと、つまらない子供の気持ちを絡めたのは面白いと思いました。
ただ「人生を楽しくする方法」がその子供に通用したのかが、ちょっと微妙に思います。
タイトルにある通りの主題だと思ったので、「あいつ」がいないと「人生が楽しくない」事をもっと強調しておいたほうがよかったのではないでしょうか?
- 34 美談 (採点:7)
- すみません。自分が読解力ないだけだろうとは思うのですが、どのあたりが「美談」なのかよく分かりませんでした。
最後の一文と徐々に忘れ去られていく遺書の存在がキーワードだとは思うのですが。
関わるもの全てを拒否しまくっている主人公が「生きていた」というのはどうも個人的に納得できないのです。
これは、作者さんの意図なのでしょうか?
- 35 負け犬 (採点:9)
- 冒頭の「負け犬同然」が最後には(主人公が気づいていないだけで)負け犬になっているという仕組みが面白かったです。
ただ、個人的な要望なのですが。読後感があまりよくないので、ジャンル表記してもらえればありがたかった。
- 36 停電の訪問者 (採点:10)
- 上手いっ!
タイトルからして「幽霊ものかな?」と思ったのですが。
序盤の傘とかお菓子とかの細かい小道具と美香ちゃんのキャラクターで「違うのか?」と誘導され、ラストで改めて驚かされました。
うどんの玉をひとつ追加したことで、第三者の参加は予想できたのですが、それすらもフェイントになっているとは。
停電の使い方などが本当に上手い。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:10)
- 蝉の声とヴァイオリンとLoveSongとは組み合わせが斬新で面白いです。
末文が切なくていい。
二人の掛け合いのテンポのよさといい、自分的に好きな話です。
ただ「四半時近く」っていうのが分かりにくかったです。15分のことだと解釈したのですが、違っていたらすみません。
- 38 茨の森 (採点:10)
- 茨の隠喩が上手いなぁ、と。見えない絡みつく棘棘したものの表現にそれを持ってくるのがすごい。
展開も、家出? 謎の人物? 金額のケタ違わないか? 別荘??と次から次へと提示される謎にぐいぐい引き込まれてしまう。
自分が好きな表現としては「テトリス」と積み込み確認の「」「」の入れ方。分かりやすく読みやすくてすごくいい。
ただ、最後のまつりちゃんから先生への視点切り替えがちょっと弱かったのが残念。うるさくてもいいから、主語を入れて欲しかったです。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:10)
- 二人だけの秘密にシリウスをもってくるというスケールのでかさにびっくりしました。すげぇ。
そんな全世界的な事象を左右しておいて主人公が空に戻したシリウスのことを「もう個人的な事でしかなかった」と言っているのが、かえって彼女の孤独さを際立たせているように思います。
ハッピーエンドではない話なのですが、最後の一文があるかないかで、読後感がすごく違う。
言う事ないです。10点!
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:7)
- 切り口が面白いです。
ただ疑問なのは、それほど天才な所長が自分には何のプロテクトもかけていなかったらしい事です。慢心のせいかもしれませんが、あまり説明が読み取れなかったので、気になりました。
- 41 らくがきを消しに (採点:7)
- 女の子三人が廃墟に探検に行くという話はなかなか見られないので面白いと思いました。
ただ、この話を通じて作者が読者に何を見せたかったのか、というのが。ちょっと読み取れないです。
どれかに焦点をあてて描写してあれば、また違った印象が持てただろうにと残念に思います。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:7)
- 歌の使い方とか、誰かが欠けた世界とか要素がすごく面白いのですが、生かしきれていないように思う。
例えば序盤の公園のシーンとか、彼女視点で語られる中にぽつん、と彼の内面の描写がいきなり入るのでちょっと分かりにくい。その倒れる心情は大切なところだと思うので、改行したりして読者にアピールしてみるのもよかったかも。
- 43 帰郷 (採点:10)
- ラストが怖い。
なまじっかなホラーよりも、背筋が凍りそうに怖かったです。
蝉の声の演出がすごく上手い。
「帰郷」というアイデアもいいし、途中まで普通の里帰りかな?と思わせておく手段もいい。あと、タイトルの入れ方もさりげなく考えてあって、とてもいい!
だからこそ、本当に怖かった。
- 44 勝者は語らず。 (採点:5)
- ジャンル「ドンパチ」との通りに銃撃戦がメインなのは分かりますが。
それ以上の何かが無いように思えるのが残念です。
例えば主人公と「ヤツ」の感情の機微とか腹の探りあいとかがあれば、それはそれで盛り上がったのではないかと。
ちゃんと組み込んである! との場合は、読解力がなくてすみません。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- びっくりした。
最後の最後まで、アンチテーゼものだと思って読んでいたので。ラストにそのままオチた時、本当にびっくりしました。
いろいろと言いたくなったことはありますが、他の人がもう言っていると思うので一言だけ。
たくさん指摘を受けるということは、これから成長する可能性がたくさんあるということです。こういう場に出てきた勇気があるのだから、ちゃんと受け止めて成長してください。
- 46 決まりきった世界 (採点:9)
- 子供の「たのしさ」の基準をどう読み取るかで、かなり印象が変わる作品のように思えます。
自分はこの対戦相手の子供がめちゃくちゃ怖いんですが。
作者さんは多分、そういう意図じゃないんでしょうねぇ・・・。
- 47 ローランダ、空へ (採点:10)
- 泣けるっ!!
タイトルに「空へ」ってあるのに、飛べない鳥で、なおかつ荼毘の煙になって飛ぶなんて。切なすぎます。
「笑って欲しい」の願いの重複が、また・・・(涙)
- 48 愛されるより愛したい (採点:8)
- 友達以上、恋人未満な関係が上手く描写されていると思う。
ただ、ラストにつなげるには少し弱かったような気がする。
最終ページに入ってから、愛の話をするよりも、それ以前のシーンで少しずつ織り交ぜておいた方がよかったかも。
(例えば、あいつを彼女が振る時に「私の事、愛してる?」ていう定番のセリフを言わせるとか)
それが作者さんの意図だったら、すみません。
自分的に「あたし達の友情は、こうして血によって結ばれた。」っていう一文がめちゃめちゃツボにはまりました。
- 49 忘れてしまった (採点:9)
- オチと最初の同じ状況でありながら違う差異が、主人公の積み上げてきたものをあらわしていると思う。
「忘れてしまった」というタイトルで記憶喪失ネタは、ちょっと安易かなーと思って読み進めていたのですが、このオチで納得。
- 50 ある朝 (採点:5)
- 奥さんがどこにいったか、作中できちんと書かれていないのですが、充分に想像できて怖い。
ただ、最初に奥さんがいない状況と、長い髪の毛でだいたいオチが読めてしまったのが残念。
………まさか、ここで奥さんがショートカットとかだったらさらに怖いけど、そういう事はないんですよね?(びくびく)
- 51 僕の手で守れるもの (採点:7)
- よい話だと思いました。「守ろう」と決めた事をずっと守り通して幸せな家庭を築いていく主人公。
ただ、終盤がちょっと淡々としすぎてしまったような気がするので。何か事件があったらなーと思ってしまいました。
- 52 ロボット寄生 (採点:8)
- なんちゃってSF好きには、思わずくすくす笑ってしまうしてしまうやりとりが多くオチも含めて笑わせてもらいました。
しかし、ロボット側に本当になんのメリットもないようなのですが。
あまりにも主人公に都合がいい話なので、これはきっと暴動とか起こった場合の人質?とかブラックな事を考えてしまいます(笑)
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:6)
- 読解力がないので、間違って読み取っていたらすみません。
つまり、翡翠嬢は地下に監禁(虐待)されてて、博士を殺して逃げ出して、そして記憶喪失になった後に主人公と出会った。というわけでしょうか?
自分が言えることではないのですが、主人公の感傷よりも状況説明をもうちょっと入れてもらえれば分かりやすいと思いました。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:5)
- 妄想に逃げていいじゃないか! 誰かに迷惑をかけるよりはっ!という主張はさらりと流しているだけに目新しくて面白かったです。
ただ、途中の斜体部分がちょっと読みにくかったのと、話にあまり動きが無かったのが惜しいです。途中の湖のシーンは必要だったのでしょうか?
- 55 明日天気になあれ (採点:10)
- 文章も上手いけど、アイデアがまた独特でいい!
予定天気の変え方が交渉とかだったりする妙なリアルさがとても好感がもてました。
がんばれ、照男。
- 56 子供の夢 (採点:9)
- 『世界征服』!
この落ちサイコー!!
フレーズ(『大木杉』など)の繰り返しも年月のなか変わらないものをあらわしているし、結局五人の職業までしか出なかったのもいろいろ想像をかき立てられて面白かったです。
ただ、冒頭の石を蹴るシーンは全体からみて少し冗長に感じました。
作者さんが狙っていたのならすみません。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:10)
- 読み終わって、怖い話だと思った。
さくさくとしたテンポのよい語り口だったので、死者が出ててもライトサスペンス系かな?とだけ思っていたのですが。
ラストが怖い。ひらちゃん怖い。サイコ系?
主人公が常識人な感性をしているのでバランスが取れていて、本当によかったです。
- 58 落日の挽歌 (採点:10)
- よく善(味方キャラ)側に使われる事の多い妖精族を、こういう風に使った事がすごい着眼点。
末文の挽歌も、中盤で「慈しみの歌」が出ているからこそ、より深みが増しているように思います。
- 59 幼少時 (採点:8)
- 短いながらも起承転結がしっかりしていて面白かったです。
この短さが味だと思うのですが、今回のコンペの上限が15KBなので他作品と比べてしまうとどうしてもボリュームが足りないように思えてしまいます。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:6)
- タイトルが面白くて、楽しみに読んだのですが。
「爆弾」とか「合コンサークル」とか現実にあった事件と妙に似ている話があったので、少しストーリーに入り込みにくいように思えました。
慎太郎くんのキャラクターはすごくいい味だしていたので、他の二人もより魅力的に描写して欲しかったです。
- 61 Letter to you (採点:8)
- 「伝えたい人に伝えたいことを書いた文章」っていう言い回しがとてもカッコイイです。言われてみれば恋文って「文」って書きますよね。
途中の創作話がちょっと長いかな?という感じがしますが、「観察眼〜」のやり取りが面白いので気になりませんでした。
- 62 Why do you do it? (採点:6)
- い、いろいろと身につまされる話でした。
ただ、これは私の好みかもしれませんが。
そのテーマをそのまま小説書きの人同士のやり取りとして描写するのではなく、もうちょっと加工してくれれば、より楽しめたように思います。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:8)
- 15KBで主人公が犯人モノ!
やろうと思った事そのものもすごいですが、ラストもよかったです。
主人公のモノローグのあいまいさから犯人は途中で分かったのですが、遠藤さんの立ち位置がありきたりの探偵役でなく意外で面白かったです。
- 64 発狂した宇宙 (採点:10)
- 「宇宙(そら)」といい、「物」の定義といい目の付け所の違いがすごすぎです。
ラストの一文もすごくいい。
いやもう、10点!!
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:9)
- 主人公の夢の遠さと、取り返しのつかない過去の出来事。
このふたつを「積み上げていこう」とまとめたところが上手いと思います。
そして最後の一文が!
- 66 似たもの親子 (採点:7)
- タイトルと冒頭のクローンで仕掛けが分かってしまったのが残念です。
落ちが衝撃的だっただけに。
グルメの具体例「およそ人が食するものならなんでも食べているのではないだろうか」と序盤に、クローンの説明を中盤ぐらいに持ってこられていたら、もっと違った印象になったように思えます。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- 「僕には、”善良なる人々”に危害を加えることなどできないからね」と蜘蛛の出来事がじわりじわりと後で聞いてきますね。
タイトルも、最初のページも、読み返すと意味があるし。
ただ、作中で彼の正体について明言されてないのがちょっと気になったのですが。
タイトルから推測するに悪魔? でも「悪魔のワルツ」でループの事を指している可能性もありますよね?
読解力がなくてすみません。
- 68 私的な三色信号機 (採点:10)
- 「私的な〜」の意味と。ラストの「当たっていた」の重複がよかったです。
主人公が宝くじをシグナルライトで当ててしまうのではなく、最後の決断を相手に任せたスタンスも好感が持てました。
面白かったです。
- 69 雪、心々 (採点:10)
- 泣けました。
リボンが出てくるシーンが映像的にもきれいで、枝を掴むのも無理が無くて。よかったです。
えっと、その。中盤の「明日も着てくれるって!」って誤字ですよね?
- 70 雨ごい (採点:10)
- じょ、序盤のシリアスさがっ!!!(爆笑)
「生暖かい」というフレーズが……死ぬ。笑い死ぬっ(笑)
最高ですっ!!
○桃野かえる さん
- 01 きれいなほし (採点:7)
- 完全と不完全の摩擦を上手く書いてると思います
会話を信号で表現するのも対等たりえない二人が表現できて凄い
おそらく意図的に二人の最後を描かなかったのも個人的にツボでした
- 02 息吹 (採点:7)
- 「擬人化桜タン萌えー」
言葉通り。擬人化ネタは大好きです。人間的思考とのギャップが面白かったです
生態系としてのサイクルとか桜が認識してるなんて随分シビアだなぁと感じました(苦笑)
最後の子供との互いに通じない対話が一番好きですね
- 03 strangers in the city (採点:4)
- うーん、個人的にこの音楽を知らないからだと思うんですが、単に歌詞から連想してそのまま書いたような感じにもとれました
引用はラストの一文だけでも十分な気がしますし
チャットでの会話など小説として新しい要素を取り入れてることは面白かったのですが「ひきこもり」を題材にしておきながらあまりひきこもりの感じが出ていなかったのも少し気になったところです
理屈じゃない理不尽さがもっと前面にでてれば好みでした、あくまで私見ですが
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:7)
- 独特な文章回しによる一人称。最近わりとポピュラーになってきた手法ですな
女性の一人称としてかなり好きな分類ですがとにかく理屈っぽかったのが少し気がかりかなぁ、と
もちろんこれが良いという人も多いでしょうから、これは個人的な好き嫌いです多分
といっても全体的に好きですしシリーズ化してもおかしくはないあたり、さすがの一言
- 05 魔 王 (採点:5)
- 正しく虫けらほどの価値がないと判断され駆除されてしまった黒いアレのお話
黒いアレに感情移入できなかったのが個人的な敗因でした
一発ネタとしてはかなり好きなのですが……無念
- 06 left wrist watch (採点:4)
- ん?最後のオチがよくわからなかったです
昔の彼女を吹っ切るために行った彼女好みの海で彼女の時計を置いてきたことで彼女のイメージを完全に吹っ切ったという描写なのかな?
海が綺麗に見えなかった、というあたりはそこらへんの彼女との溝が見えてよかったです
しかし彼女は付き合ってる間退屈だっただろうなあ
- 08 傷跡が残すもの (採点:4)
- いじめ問題という重い題材でしたが、個人的に共感できないことが多かったかな
傷絡みの伏線が薄い、過去の事故の必然性が見えなかったのであとひとつ何か
葬式でも携帯いじってたアキト君が殴られたくらいで泣いたこと
遺書からいじめが苦で死んだとわかっているのにクラス内で明確に自殺と告げる先生の無神経さ
個人的にもう少し練ってより濃くねちっこい描写だったら好きでした
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- うわー、うわー、歴史物は好きだからただでさえ贔屓しまいがちだというのに面白い話で更に興奮
終わりも綺麗で古文を読んでるような気持ちになりました
満足、美味しく頂きました
- 10 また共に笑おう (採点:4)
- 「実は望が女で由希が男」だというミスリードが肝なのかな?
にしては少し弱かったような
途中の格闘喧嘩も正直いらなかったんじゃないでしょうか
うーん、もうちょっと捻りがあると楽しかったです
会話も個人的に大好きなのですがひとつ致命的な誤字があってちょい萎えたり
- 11 江南小話 (採点:5)
- うん、すごく好きなんですがこのオリジナルのこんぺで出すには少し冒険だったような気がします
この題材を書くなら三国志との差異をアピールする作者さんの独創性なり個性をださないとどうしても比較してしまいがちですので
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:5)
- 設定がありきたりすぎてインパクトが弱いんじゃないでしょうか
最後のお兄さんの台詞も安っぽく聞こえて感動には遠かったです
でもひとつの作品として綺麗に終わってるところは上手い
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- 惰性感がもう少しでてれば面白かったです
壮大な探求テーマや退屈で次がなければ死んだかもしれないといいつつ、その重みがまったく感じられないのも気になりました
話自体はすごい好みです
- 14 ユメのおわりに (採点:4)
- えー、そこで終わるのは卑怯かと
というより完結してないような気が……
最後が投げっぱなしジャーマンじゃなかったらかなり好きでした
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:1)
- 内容は圧巻の一言なのですが、読者ありきのこんぺで貫いた作者さん独自のスタイルがどうしても自分の肌に合わなかったのでこの点数です
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:7)
- すごい好きです、文体も好みですし戦闘も面白かった
ですが設定がどうしても既存のヤツと比較してしまうから難しい
なにかひとつでも目新しいものがあれば自分の中でかなり評価が高かったんですが
あと巻き込むにしても即搭乗はやりすぎでは
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- テンションだけで書いてしまったんだなあ、となんとなく思いました
パロディとギャグが好みに合わなかったので正直面白くなかったです
- 18 さらば世界よ (採点:4)
- すこし、自分の頭に描いてる壮大な世界を描写しきれていないような気がします
王の最後とその周囲という一貫したテーマはとても読みやすかったです
- 19 青い春 (採点:8)
- あー、初々しい!
もう初デートだなぁ青いなぁ春だなぁと悶えつつ、自分の過去を思い返して多少欝になりました
ストライクゾーンど真ん中でしたー
- 20 A Darkness more than night (採点:7)
- 作者さん自身のこだわりが設定に反映しててそれが作品の質をあげてる感じでしょうか、とにかく巧い
話も綺麗に締めてて文句なかったです
- 21 bright shine on time (採点:4)
- 基本の文体がどうしても目につきました
おそらく二次創作をやられてる方だと思うのですが
お話自体はなかなかに好きなんですが、マイナス点も多かった
- 22 瑠璃 (採点:8)
- やはりこー直球でこられるのが好きなんだなあとつくづく実感しました
幼馴染ものというだけでよろけているというのに、キャラの性格や位置づけがすごい好みでとにかくツボ
ただわざわざ本多孝好をださなくても独自のネタで書けた気はします
- 23 世界の終わりは (採点:5)
- なかなか個性的な視点で書かれてて面白かったです
ただ主人公が素直に受けいれすぎたかな、とも思いました
自分の世界がたった一言で崩されることを、今まで傷のない球体のままでいた彼が受け入れるのはかなり困難だと思うんですが
なにか1イベントおいてこの結末なら文句はなかったです、個人的に
- 24 禍疎 (採点:3)
- 地の文の堅さにしては台詞が軽すぎて妙にミスマッチでした
オチとしても首を傾げるものですし、キャラに無理があるというか展開が意味不明というか……うーん
裏に何かテーマがあるんでしょうが読み取れませんでした
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:3)
- どうにも説明不足が否めませんでした
なにより主人公の行動も共感できず、最後まで偽善だったなあ、という感じです
あとさすがに初対面の男の誘いに乗る理由が「急いでたから」では弱すぎる気がします
彼女が急いでるとわかった仕草なり動作なりの描写もないので唐突
練りがあと少し欲しかったですね
- 26 ピーナッツロジック (採点:4)
- ガチガチの論理系
同じ人物の台詞が違う人を挟むことなく何度も繰り返されたり
会話があまりにも不自然だったり
抽象的すぎて何を言いたいのかよくわからなかったり
すみません、わたしの肌には合いませんでした。文章力は脱帽なのですが
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:5)
- 綺麗だけど「小説」というより「詩」という感覚でしたね、作者さんもそう思って書いたのでしょう
綺麗な文を挟もう挟もうと頑張りすぎて全体的に不自然さが拭えない感じもありました
個人的に約束のエピソードを真ん中に挟めば病院で目を覚ました彼女の「回想」だったと強く位置づけできたような気もします
- 28 その交渉は無理がある (採点:3)
- 清々しいまでのライトノベル構築
魔法少女なのに妙に現実的な契約書がアンチテーゼ示してるかと思えばそうでもなかったり
一貫したテーマがなく交渉もただの飾りみたいでしたしそもそもツンはどこへいったのでしょうか
総じて微妙、といわざるを得ないです
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- あー、すごい好きです
狂気じみてるというか、人の価値観、優先順位、生死、剥製、全部ひっくるめてひとつの作品になってますね、圧巻
ラストは途中で予想できたものの、その王道も見事
対象が正気か狂気かを判断するのは他人ですが、本当のトコロ、その行為が正しいのか間違ってるのかを判断するのは本人しかできないことですよね
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:10)
- 面白いし巧い
綺麗に締めたところといいキャラの個性といい展開の素直さといい全部好み
あー、ちょっと余韻に浸りたいこのノスタルジーも流石としかいえません
参りました
- 31 戦場の休日 (採点:5)
- 発想は素晴らしいのですがさすがに無謀すぎるぞ、女の子
そして休戦とはいえ緩みすぎだS国
展開の粗さが目立ちました(ていうか少女の年齢は幾つだろ、世間知らずにしても幼女みたいな行動と話し方ですが)が、わたしは好きですよ
- 32 バスが来るまで (採点:5)
- なんか最後中途半端に切なくさせたのは逆効果のような気もします
最初の展開どおり二人が楽しく掛け合いをやって終わらせたほうがわたしの好みでした
展開としてはドストレートなので目新しい点はなし
会話のテンポは凄くよかったです。だからその分余計にそれを後半殺してるのがなんとも惜しい
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- やー、最後の締めはどうかと もうひとりの子完全空気ですし
頭のいいマセガキ君がキスという不確定要素にたじろぐ、という展開は好きなんですがそのネタを完全に殺してる気がします
もっとマセた描写増やしてバレた後も憎たらしいくらいの表現が欲しかった
- 34 美談 (採点:2)
- ん、章区切りになってますが正直このお話に必要な展開がひとつもなかった気がするのはわたしだけでしょうか
なんとなくという怠惰感、生きる理由は無いが死ぬ理由も無い、という空虚を描くための表現にしては説得力がなさすぎる
「現実」的を目指したけど手酷く失敗した、とわたしは感じました
あとバイト仲間程度にディープな身の上話しすぎですよ佐々原氏
- 35 負け犬 (採点:2)
- いじめにおける理不尽さがとにかくしつこく描写されてました
とことんまで貫いたその姿勢はお見事
人間の行動は理屈で制御できない……しかし小説で語るには作者さんのメッセージが欲しかった
小説とドキュメンタリーはまた別物ですので
- 36 停電の訪問者 (採点:8)
- 成程。もう感想は納得でしか表現できないです。なるほどなぁ
30作品ほど読みましたが3度読み返したのはこれが初めてです。お見事の一言
展開は文句なしですが前半、地の文でキャラクターの一挙一動をいちいち全部書くのはちと不要かなと思いました
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- 最初から似てるな似てるなと思ってましたがカントリーロードがでてきてこりゃ狙ってるなと直感しました
作者さんの意図はともかく、わたしの感想は最後まで「これ『耳をすませば』じゃね?」です
あとバイオリンってそんなことできんの!?スゲエ!というインパクト
話は好きですがジブリが頭から離れなかったので勝手にちょっぴりマイナスしました
- 38 茨の森 (採点:2)
- これは合う人と合わない人が完全にわかれるだろうなあと感じました
残念ながらわたしは後者でした
間に挟まれる詩がまず痛いし
女の子の「わたしは先生を全部理解してる先生はこの作品でこう思ってたねえそうでしょ」というキャラクターが痛いし
先生のお上からの台詞も共感できずに痛かった。ご高説わざわざどうも、で?という感じです
台詞の改行も読みにくいだけですし
でもこれは完全な主観および好みの問題ですよね、申し訳ないです
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- しまった、シリウスのネタバラシがなかった
意外なオチが隠されてると思ったのですが……シリウス関連の設定が曖昧なのでどうにもしっくりこない
それが気になると話の全体像が見えてこないのでいまいち話に身を乗り出せなかったです
うーん、非常に痒いですね。勿体ない
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:4)
- どうやってまとめるんだろうどうやってまとめるんだろうとワクワクして読み進めた結果、正直ちょっと肩透かしの気分が否めませんでした
アイディアも凄い、設定も巧い、しかし話が完結してない
覆す展開もなく、壮大なストーリーの核が「前からついていけなかった上司と決別するキッカケとなった事件」ではあまりにも陳腐すぎる
最後がこれまでの展開に比べてあまりにあっけなさすぎて拍子抜けでした
- 41 らくがきを消しに (採点:2)
- んー、おそらく肝は展開よりも三人娘の掛け合いなのでしょうけど
残念ながらそれが面白くなかったので総じて面白くなかった、としか評せません
あとこれはなにかの二次創作でしょうか。キャラがあまりにも……
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:2)
- 作者さんの頭の中に描く世界と受け取り手の世界にズレがあるのかもしれません
少なくともわたしは最初から最後までハテナマークでした、背景が読み取れず
自分の世界から妹を消したなら「ごめん、一本だけ吸わせて」とは誰に向けて放った言葉なのか。独り言でも不自然すぎる
妹でないという認識にすり替わってるなら彼女の存在が見えてないかのように振舞うのはおかしい
わたしがアホな子だからかもしれません。現時点で判断不能
- 43 帰郷 (採点:5)
- んー、なんだろ。捻ることなくそのままENDを迎えた感じでしょうか
死の直接の原因だと突きつけられるのが怖かった、という設定があるなら最後もうちょっと頑張れたような気がします
セミを用いた儚さから結末は納得がいくんですが最後に何かイベントが欲しかった
- 44 勝者は語らず。 (採点:3)
- 戦闘が描きたかったという欲望は認めます、そしてよく短編としてまとめて描いたと思います
ただそれ以外がもう鼻についてたまらないといいますか
ルビが使えたらルビ使いまくってたと分かる文章表現、
「何人かを屠った」などお決まりの間違ったカッコイイ文句、
最後の最後まで悲壮感なく軽いままだった主人公の心理表現
ライトノベルというよりはノベルゲーの影響を色濃く受けてるなあと感じました
音と絵があってナンボです
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 1、三点リーダを使いましょう
2、(汗)(爆)などの表現は小説では基本的に使いません
3、地の文は空行をひとつあけるのがポイント
4、既存の作品にこだわることなく自分のオリジナリティを出していきましょう
- 46 決まりきった世界 (採点:2)
- いや、楽しくないです
彼が最後の時点で楽しいと判断するのはどう考えても難しい
満面の笑みとはまた面妖な。少年の最後の一言からはっと気付いてその笑みを浮かべてください
あと将棋のプロが将棋に先の読めない楽しさを求めてるとは思えないんですが、これはわたしの独断ですので点数に影響は無いです
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- 巧みにあざとい
一つの物語として安心して読めました
しかし個性がないなぁという気も。オリジナルのお話というよりは昔話をそのまま読んでる感じもしました
- 48 愛されるより愛したい (採点:8)
- なるほど、新しい解釈というかそう締めるとはかなり意外
異性間における友情は成立するのか、ってのはわりと陳腐なお話ですが……すごい発想だ
雰囲気も好きですし締めも綺麗
数値化できないモノを全て曖昧と呼ぶのなら、ライクもラブも等しく釣り合うと
けどそれに浪漫を求めるのが人間ってーもんでしょうな
なんせ違いがないと虚しいだけですしー
- 49 忘れてしまった (採点:10)
- うわー、これは満点をあげるしかない
記憶喪失という自分喪失を見事に描いてくれやがりましたねもう!
最後の繰り返す展開が好きで仕方ない
積み上げて崩されて、また一から積み上げて崩されて
人生はリセットできないんじゃなく、ただ終われない。リセットされたとしても、ってネタは大好きなんだよう
- 50 ある朝 (採点:4)
- え、あれ、ここで終わり?
ぶ、無難ですけど何はともあれ続きを!
妄想をかきたてるお話は好きなんですがこれでは妄想しかできないー
- 51 僕の手で守れるもの (採点:6)
- 綺麗に終わったのはいいんですがどうしても敬語な娘さんに慣れなかった
それ以外はあまりにすんなりストレートでしたからもうちょっと捻りがあるとよかったですね
や、買い物に行ったといわれた瞬間絶対事故だと勘ぐったわたしが悪いのです、すみません
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- なるほど、戦争的な反乱ではなく合理的な反乱かー。やられた
最初はどんなスターウォーズが繰り広げられるかと思ったのですがなかなか巧い
ただその道は10年も前に劇場版ドラえもんが通過してるんだよぉー!
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:7)
- え、ここ日本だったの!?今ジュウシ松君知ってる人探すの難しいよ!?
はい、とまぁ戯言はこれまで
これまで幻想的なお話だったのに女の子の口調に吹いた
ただ惜しいことに忘却ネタはどうしても他作品と比較してしまうのです
これを読まれる頃には分かっていらっしゃるでしょうが、どうしてもそちらに軍配をあげざるを得ない
内容はかなり好みです、基本的にページまたぎは嫌いなんですが苦なく読めましたー
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- ん?なんだろ、二次創作かな?
元の作品を未見ですので「『Hello,hello,hello,how low?』言いたいだけちゃうんか!」、という感想しか持てませんでした
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- すごいなあ、文句なく完結してる
幼少の頃信じたファンタジーを素直にカタチにするってのは卑怯ナリヨ
面白く読みやすく起承転結がきちんとしててこれぞ短編小説
過不足無く満足ですが他10点と比べて一つ下の9点で
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 未来に向けるタイムカプセルかぁ、既に本末転倒してる気はしますがその意気やよし
逆転の発想というか少なくとも自分では考えもつかないネタだったなぁと
最後のオチがこう、オーガニック的な何かだったらもっと興奮してました
「世界征服て!」って感じで冷めてしまった自分が悲しい
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:6)
- なんだかバトロワみたいな発想ですね
しかし最後のオチがちと疑問
お礼参りの伏線はそんなに必要だったんでしょうか
しかしなんというかお話はすごい好きです、妙な面白さがあって
不条理というか説明できない愉快さというか……
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- 奥が深いというかネイティブな問題はここで語ると尺が足りなくなるので面白かったです、とだけ
会話を使わずここまで仕上げたのがまず驚嘆、と畏怖
縄文時代と弥生時代の擬人化……ってのはわたしの脳内設定だけかな
- 59 幼少時 (採点:2)
- なんというか作者さんの体験をそのまま書いたような
勿論作者さんが作り出したお話なのでしょうがあまりに起承転結がない
ドキュメンタリーとしてなら5点、小説としては2点
- 60 失恋時限爆弾 (採点:3)
- 彼女は「時限爆弾」の内容に呆れたでしょうがわたしも呆れました
さすがにそれはないだろう、と
時限爆弾と何か掛けてるわけでも面白い仕掛けがあるわけでもましてやキャラを濃くして魅力的に作ったわけでもない
タイトルに期待しただけに全てにおいてもうちょっと捻ってほしかった
- 61 Letter to you (採点:6)
- こんぺでこのお話とは、まず間違いなく狙ってやったんだろうなぁ
しかしこれはわりと諸刃でしたね、キャラを通して語られる持論に賛同するか否かで評価はわかれますから
お話自体は「うーん、そうでもないと思うよ」の時点でオチ読めますし
それらを踏まえた上でわたしの点数はこれでした
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- 最後まで「SS」の説明がなかったのですが読者に「SSって何ですか?」と聞かれたらどう答えるのでしょうか
不幸なことにすぐ上のNo61とネタがどん被りしてまして、同じテーマならそちらの方が読み手に優しかったです
お話も短編としてオチがないですし、物語というよりは自分語りに感じました
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:2)
- 死を安直に扱いすぎ
やりたかったのはミスリードなんでしょうけど「だからその報せを受けたとき」のだから、はなんでしょうか?
彼の言葉だとしても遠藤の言葉だとしても前後の繋がりがありません
結局彼主観による「知美の死にある食い違い」ってのはなんだったんでしょうか
最後の責任の取り方だのなんだのも何言ってんの?と首を傾げるばかり
んー、わたしには合わなかったです
- 64 発狂した宇宙 (採点:7)
- なるほどー、「宇宙」の代表としての「ソラ」の死か
名前、言霊、概念などに宿る力ってのは好きなジャンルなので楽しかったです
しかしさすがに容量足りなかったのでは。無理に詰め込んだ感じもしました
スマートではなかった、ということでフラットな点数です
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:5)
- 壮大な夢と長い人生を掛けたのはわかるんですが、エピソードが全体的に陳腐……というかありきたりでした
勿論そのありきたりさと夢とのギャップもあるのでしょうが、最初の独白と比較するとどうも縮こまった世界になってしまったような
宇宙飛行士のくだり、もっと掘り下げてもよかったかもしれません
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- 「C、誕生日おめでとう」で笑い死ぬかと思いました
なるほど、短編らしい面白さ。ショートショートのひとつとしても違和感ないですね
ただやはり名無しが……もっとやりかたはあった気がしますがこれも作者さんの狙いだとしたらお見事
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:6)
- ライトノベルですみません、上遠野浩平かと思いました
ん、これは少し卑怯な感想ですね
面白かったし読みやすかったのですがどうも既存の作品がちらついて純粋に楽しめませんでした
あー、一度思い浮かぶと消せないのが中毒者の性。申し訳ない
- 68 私的な三色信号機 (採点:8)
- オチが弱い、というかこれまで積み上げてきた設定ならもっと綺麗に落とせたろうに、という無念でしょうか
最初から最後の手前までかなり大好きでした、会話文を使わないこの表現方法も巧い
しかしやはり最後が……妹の結果とかではなく、締め方そのものがちょっと納得いかないというかーむぅ
これは読者特有のワガママですね。作品はすごく安心できるものでした
- 69 雪、心々 (採点:6)
- オチが安っぽいのがちっと気になりました
あとこのネタはどうしても不利ですよね、作者さんの意図ならずとも
既存作品に同じようなネタがあって同じような展開だったりするので、やはり個性を出す何かがないと苦しいのかも
あと花梨さんって誰だよ!気になって夜も眠れないですよっ
- 70 雨ごい (採点:7)
- ヤバイですね、積年の謎がこんなところで解明されるとは
梅雨時期にふるあのじとじとした生暖かい雨の正体はそれだったのかってアホか!
もちろん良い意味でー
やー、こりゃ発想とオチの勝利です。降伏白旗猛虎落地勢
- 71 デジタルペット (採点:7)
- え、や、ホ、ホラーだったの!?
ええ話や的なオチだと思ってたのですがまさかそうくるとはー
ところで後ろを振り返ったらいまだ手をつけてない明後日提出のレポート用紙が散らばっているのですがこれは何の冗談でしょうか
話の構成といい鬼気迫る感情のないものの感情表現といい、全体的にこの話、yesだね!
ただわたしにホラーは通じませんでした
- 72 しろゆめ (採点:5)
- ぬ、なんだろ、現実で一体どんな惨劇が
読者の妄想任せな展開は大好きなんですが4ページ全部同じ構成だとさすがに飽きます
繰り返す3ページまではまだしも、ラストはちゃんと落として欲しかった
「お早う」に何か意味があるのかもしれませんが
- 73 Saturday 7.15 (採点:6)
- 前半のテンションについていけなかったのが敗因
神社以降は面白かったのですが、全部このテンション系会話はさすがに疲れます
UFOとフリスビー、池田さんとラーメン。日常を日常したお話でした
- 74 告白ごっこ (採点:4)
- うーん、無難
よくあるお話の一つ……ですね、良くも悪くも
ただ容量も余ってることですし、もう少し落としどころを作ればもっと磨きがかかったのではないかなと思います
- 75 君の後ろで (採点:6)
- 剣道後に密着二人乗りとキスとな!くせぇ!こいつはくせぇーーぜ!
……と、まぁ。わりとやめたほうが懸命です。剣道は意外とニヲウスポーツなのです。少なくとも紳士的ではないぞ
男の子がでてきたときカレカノの有馬君みたいだと思ってたら剣道とか言い出して吹いた
や、すみません。既存作品を引きずってしまいました
最後の展開はかなり好きですよ
- 76 落果 (採点:4)
- え、ドキュメンタリーやないかっ
あれでしょ、台風後の憂鬱な農家ですよね
オチもなく捻りもなく淡々と日常描写とは……ある意味やりますね
ただ作品としての評価には繋がらないです、私的には
- 77 いつも心に太陽を (採点:6)
- タイトル通りですねぇ。最後まで読んで思わずタイトルを思い返して納得してしまいました
ただ綺麗な世界を夢見てた少女が見た、真実の世界の描写をぼやかされたので感情移入はできませんでした
ここはかなり大事な場面ですし、もっと尺をとってもよかったんじゃないでしょうか
荒廃した世界、の一言で終わらせるには惜しいです
- 78 ラックラック♪ (採点:6)
- サイコロジカルですかぁ。素直すぎる死神さんには感心しませんが、設定と展開はすごく興味深くてお話に引き込まれていました
しかし死神さんの言葉が個人的にどうも響かなかったので少しマイナス
- 79 home, my sweet home (採点:5)
- 元ネタはADAかなぁ、とか邪推したり
んー、設定も展開もキャラクターもどうにもパロディに思えてなりませんでした。作者さんの意図は関係なく
なかなかSFを自分の設定として扱うのは難しいですよね
○藤村流 さん
- 01 きれいなほし (採点:5)
- 世界観は、必要最低限の描写で解説されていると思います。
が、主人公と彼女の繋がりが弱く感じられます。もっと書きこんでもらいたかったです。書きすぎるとまた説明くさい文章になってしまうので、難しいところではあるのですが。
- 02 息吹 (採点:3)
- 誤字が非常に多く、読み辛かったです。文章としてもおかしいところが多々。
独特の視点で珍しくはあったのですが、それ以外に特色がなかったので少し残念。終わり方も綺麗ではあるのですが、あっさり終わりすぎて心に残るものもなく。
- 03 strangers in the city (採点:3)
- 引きこもりなのに、非常に危機感が薄い二人にやや違和感。これでニートとかフリーターとかだったら納得出来るのですが、ただぼんやりしている青年とはしゃいでいる女子大生以上の個性らしきものが感じられませんでした。
展開にしても、引きこもりなら仕方のないことなのかもしれませんが、ほとんど動きがなく物足りないところが。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 結局流浪くんは何者なのだということと、いろいろ詰め込みすぎて何が言いたいのかよく分からなかったというのが引っ掛かりました。やりとりは好きで、もっと二人の会話を楽しんでいたい思いもあるのですが、延々と続いたきり終わりがないのではという感じも若干。
最後の台詞も、楽しい、ではなくてもっと別にしっくり来る言葉があったのではないか、と思いました。それは何か、と考え出すときりがないのですが。
- 05 魔 王 (採点:6)
- 誰だ雅夫。
それはそうと、良い角度から攻めてくれました。
物凄くベタで使い古された手法なんですが、ベタもここまで上手く扱われると思わず笑ってしまいます。
- 06 left wrist watch (採点:5)
- ダイビングのシーンがやたら凝っているのですが、オチのための伏線ならこれほど凝る必要もないのでは、と少し。他にも必要以上に修飾された表現が多く、大筋と関係ない部分で読むのに苦労しました。別れを切り出されるシーンは、会話文と相まって綺麗に進んでいたように思いますが、別れた後の傷心をメインに据えたいのだとすれば、冒頭のシーンはもっとあっさりしていても面白かったかと。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:7)
- 好きです。
オチはもうベタすぎて最初から予想していましたけど、それでも起承転結に当て嵌めて綺麗に落としてくれたので、始終にやにやしながら読むことが出来ました。
もうちょっと過去の女子生徒を掘り下げていれば、奥さんのキャラが狙いすぎだと思うこともなかったのでしょうが、奥さんはあれだから素敵なような気も。
しかしベタだ……。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- 会話の中にうまく設定を織り交ぜていて、ストーリーと同時に設定を刷り込ませることに成功している稀有な作品だと思います。
しかし、文章がなめらかすぎて、人間の厭らしさがさらりと流されてしまった気もします。王弁と僕僕の絡みなど。また、僕僕は仙人らしさというより妖怪らしさを強く感じました。
また、王弁のキャラが薄くていまひとつ印象に残りませんでした。
- 10 また共に笑おう (採点:6)
- 男女が逆転している、と気付いて驚き、もう一度読み返してみても、そこに遊び心以上のものは感じられませんでした。驚きはありましたが、これって話に必要か、と考えてみると首を傾げざるを得ず。このために由希をなよなよした性格にしたのか、なよなよした由希から男女を逆転させる仕掛けを考えたのか、そのどちらかは分からないのですが。
遊び心と言えば、中盤のバトルも同じような印象が。テンポの良い会話文でトントンと続いていたのに、いきなり戦い始めてびっくりしました。
- 11 江南小話 (採点:4)
- こんな話があった、というだけでは物足りないです。
語り口は好きなので、もっと積極的に話を広げてほしかったです。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:5)
- そして、箱の中には希望だけが残った、というフレーズが頭をよぎりました。
短い容量の中によくまとめたなという思いはあるのですが、もっと何か書けたのではないかと思わないでもないです。別れのシーンとか。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:6)
- 加須山さんは縒りを戻そうよ、と思いました、
終盤、二人の会話が予定調和すぎてちょっと違和感が。
- 14 ユメのおわりに (採点:4)
- 東京は怖いって誰かが言ってました。
けいくんがびっくりするほど駄目な奴になっている気がするんですが。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:6)
- 途中までは読むのが辛かったですが、終盤に向かうにつれて徐々に引き込まれていきました。
ですが、極力読み返したくない文体でした。文章のこだわりが強すぎて、内容がおまけみたいになってしまった感もありつつ。でも、読みにくいのは最初の段落だけだったのかもしれないです。というより、いきなり濡れ場っぽい描写から入ったので、一八禁に対する挑戦なのかと思っていたり。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- 改ページは必要なかったのかも。
世界観と設定の解説に大半を費やしているので、シナリオとしては薄い感じがしました。
- 19 青い春 (採点:5)
- まさに青春。
非常に可もなく不可もなくいじましい感じが素敵なのですが、前振りが長く盛り上がりに欠けた印象が。おまえらもっと近づけよ! と思い続けるのも案外しんどい年寄りからの意見です。
- 20 A Darkness more than night (採点:7)
- 説明ばかりなのにすらすらと読める不思議な魅力。
三人称のような一人称のためでしょうか。
設定の甘さというか、必要な部分だけを練った印象はあるのですが、非常に巧かったと思います。
ヒトと機械かあ……。考えさせられました。
- 21 bright shine on time (採点:2)
- そうそう都合よく行くと思うなよ、という感じです。甘い、甘すぎる
どう見ても玉砕っぽい流れだったので、あそこでの大逆転は露骨すぎるかなあと。メールの送信違いだったらまた違ったのですが、そうでもないみたいですし。
- 22 瑠璃 (採点:5)
- 東京は怖いって誰かが言ってました。
瑠璃はどうしたいんだろう、というのが正直な気持ちです。
バーカバーカという言葉が頭の中でリフレインしています。刷り込み?
- 23 世界の終わりは (採点:4)
- 心理描写が過多気味で、二人がどこで何してるんだかいまいちはっきりとしませんでした。
心情の吐露なのでさして情景描写は必要ないのでしょうが、それにしてもばっさり切りすぎかと。
二人ともどこか幼い感じがしました。考え方や、思い込み加減など。
- 24 禍疎 (採点:4)
- 地の文と会話文のテンションに落差を感じました。初め、ホラーか何かと思っていました。
会長の行動が突拍子もないものに思えたのは、読み手側が会長に関する情報をほとんど知らないからだと思います。知り合いの望月でも驚いているくらいの突飛さですから、こちらはもっと突飛だと思ってしまいました。
行動の理由は分かりましたが、結局なんだか変わった人だなあという印象しか残らないのは勿体ない気も。綺麗に締まっていたので余計に。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:4)
- ほのぼのを日常とするなら、これ以上のほのぼのはないのかもしれないと思いますが。
なんでもない話を過度に難しくしたような回りくどさを感じました。
こういう考え方もあるのか、と思う反面、こんなに思い煩わなくてもいいだろう、とも思ったり。
- 26 ピーナッツロジック (採点:4)
- 会話が予定調和すぎます。会話文だけで完結してしまっている、という感じ。
また、どっちがどっちの台詞を喋ってるのか判別しづらかったです。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:5)
- 独り言が多いのは、ある程度仕方のないことだとは思いますが、それにしてもちょっと多かったような。一人称なので、地の文に収めることも出来たと思いますし。
重い話であるはずなのに、文章からあまり重みを感じませんでした。
- 28 その交渉は無理がある (採点:2)
- 魔法少女ものという予想はありましたが、妹ものと掛け合わせるともうなんか好きにしてくださいという感じです。
あと、ツンデレというのは「世に言う」類のものじゃなくて業界用語です。多分。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- タイトルからして異彩を放っていましたが、内容もまた秀逸で驚きました。貪るように読んでしまいました。
オチでもうひとつガツンと来るかと思っていましたが、思ったよりあっさり終わってしまった印象が。読後感はすっきりしたものなのですが、この話ではもう少しどろどろした終わり方でも面白かったかと。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:9)
- エクセレント。
ためにためて、最後の最後に落としてくる憎らしい演出にちょっとホロリと来ました。月の砂あたりは途中で気付いたのですが、更に被せてくるとは予想も付かず。素直に感動しました。
十五年後には月に行けるのでしょうか。行けたらいいなあ。
- 31 戦場の休日 (採点:3)
- 狙っているとはいえ、ミリィがアホすぎる……。
ツンデレて。
戦争なんてないにこしたことはありませんが、おまえらもうちょっと真面目に働けよと少し。
- 32 バスが来るまで (採点:3)
- 妹ものはちょいちょいありますね。
好きなら好きでいいのですが、どうもギャルゲ・エロゲ路線の「好き」になっているような。男の求める女性的な妹像というか、そういう嗜好を感じます。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:5)
- とても良い感じにまとまっていたと思います。小学生も、適度にくせがあって面白かったですし。
でも、キスはどうなんだろうと思わないでもないですが。正直、小学生にそうするだけの大胆さがあるのなら、恋人とももっと上手くやれるだろとか思いました。ひがみです。
- 35 負け犬 (採点:2)
- これだけ嫌な奴しか出てこない話も珍しいです。
八つ当たりはよくないですよ、と一言。
- 36 停電の訪問者 (採点:4)
- 簡単にオチが分かってしまったのが、狙いなのか甘さなのか。
あえてそうしたという印象も否めませんが、それ以上に衝撃を受ける箇所もなかったので。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:5)
- 二次創作なら違和感はないのですが、一次にしてはバックボーンが足りないかと。
彼らの人となりは分かるのですが、掘り込みが浅いのでストーリーに深みを感じませんでした。
この空気に長く浸っていたいと思ったので、その意味でももっと掘り下げを、と。
- 38 茨の森 (採点:6)
- 後半の畳み掛けが、異論を差し挟む余地もないくらい凄まじかったです。
ただ、押し付けがましいものを感じてしまった面も。納得できるところもあるのですが、それ以上にただの説明としか思えないところがあったので。
この二人がどうなるのか、続きもちょっと気になりました。ちゃんと始められたのかどうか。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:4)
- 幼くて、つたないやり取りが素敵でした。
もうちょっとタクちゃんの心境をつついてほしかったところもありますが。なんとなくヒロインの先走りみたいに感じられたので。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- 他人の心が分かったりしたらもう外なんか出ません。怖いし。
という心の開示に至るまでの経緯が説明で埋まっているので、結論だけ見てああなるほどと感じ入ることしか出来ず、世界観と設定に浸る余裕はほとんどありませんでした。論文のような、けれども論文にしては信頼できる数値が少なすぎて頭でっかちに見えてしまうというハンディを背負っているので、仲松と下田というキャラが全てなのかなあと思わないでもなく。
心の研究をして分かったことが、近くにいる人の心も分からないということだった、という皮肉は、非常に好きです。
- 41 らくがきを消しに (採点:5)
- これは素敵なライトノベルですね。
キャラの立て方が使い古されている萌え系統の口調なのですが、それでもキャラは立っているから偉大です。
キャラの掘り下げ方が甘いので、表面だけの設定を見て好き嫌いを判別するしかないのが残念。
続きが読みたくはあるのですが、それが魅力的な設定によるものか物足りなさから来るものなのか、いまひとつはっきりしません。
- 43 帰郷 (採点:5)
- 救いがなく、悲しい話でした。
終盤に「帰郷」の設定を一気にばらしてしまったので、引っ掛かりはありませんでしたが驚きもありませんでした。ぽつぽつ伏線があれば分からなかったかも。
しかし悲しい……。
- 44 勝者は語らず。 (採点:2)
- 何もかもが唐突でした。
最後、もうちょっと何かありませんか。そうするとタイトルに反してしまいますが、それにしてもあともう少し。
起承転結の転の部分だけだったので、盛り上がりは最高潮なのですがずっと上がりっぱなしというのも存外に辛く、最後も尻切れトンボに終わるので上がったテンションをどうしていいものやら。
- 47 ローランダ、空へ (採点:7)
- とてもいい話なのですが。
ローランダが人間の言葉を理解し、喋ることが出来た理由と物語とを絡ませてほしかった。
語られていない部分にこそ魅力が詰まっているという印象を受けました。
そこを書いて、伝えてほしかったです。
また、タイトルはスピッツからだと思うのですが、外れてたら申し訳ないです。その曲を掛けながら読んでいました。
- 48 愛されるより愛したい (採点:4)
- 友達なのに、普通に男と女の会話をしているのがやや違和感。友達であり、男と女であると言ってますからそれでも良いのでしょうけど、どこかよそよそしい感じがしてしまうのは何故だろう……。もっとざっくばらんでもいいんじゃないかなあとか思うんですが。
また、改ページの度に、シーンがぶつ切りになっている印象を受けました。シーン→説明→シーン→説明という構成なので、いまひとつ乗り切れないというところもあったかと。
- 50 ある朝 (採点:3)
- とにかく短かった。
狂気は十分に伝わってきましたが、これに至る経緯があまりにも不明すぎて、素直に驚けませんでした。
時間がなかったのでしょうか。でないとすれば、もっと粘ってほしかったです。語らない魅力もあるかもしれませんが、これは少なすぎかと。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:5)
- 何だかとてもクラナドの香りがします。特に「その、小さな手でも――」など。
1ページで終わりかな、と決め付けていたら2ページがあったので、あれ、と思いながら読み進めていました。子どもが出来たところで終わらないところも、何だかとてもクラナドっぽく。未プレイでしたら、先走ってしまって申し訳ありませんでした。
また、全体的に展開が早く、主人公の自分史を読んでいるような感じでした。落ち着いているのが終盤だけなので、もっとゆっくり語ってもよかったのかな、と。説明ばかり、という印象を受けないでもありませんでしたし。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- ブラックジョークのような、くすりと笑えるネタで楽しめました。
それでいてちょっと考えさせられるのが素敵です。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:3)
- 設定が唐突なので、どうも世界観に入り込めなかったというか。
大半が説明でしたし、プロローグとエピローグを足しただけという印象が。
- 55 明日天気になあれ (採点:7)
- ええ話や……。
ファンタジーを綺麗にまとめたと思います。ええ話や。
最後、もっとどかーんと来るんじゃないかと思っていましたが、思いのほかしめやかに終わってやや肩透かしの面もありつつ、派手すぎない方が話の雰囲気にそっているのかなと思い直しました。
ええ話や。
- 56 子供の夢 (採点:5)
- 面白いですが、最初の段階で夢が世界征服だということは想像がついたので、もっとやんわり提示してくれたらなと。
話が進むにつれて、参加者が少なくなる過程などは凄く好みなのですが。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:3)
- この容量でミステリをやろうとした心意気は買いますが、あんまり成功していない気も。
推理するにも情報量が少なく、答えが分かってもいまひとつすっきりしません。その辺りは、犯人の性格にもよるのでしょうが。
- 58 落日の挽歌 (採点:6)
- これも、ひとつの歴史小説と言えるのではないでしょうか。
会話がないと思ったら、そもそも言葉を持っていなかったのですね。その演出にしてやられました。
ただ、物語としてはやや薄い感じなのかな、と。
全体的に説明が多いのはやむを得ないにしても、やや読みづらい印象を受けてしまいました。文章が淡々としすぎていたせいかもしれません。文体は、この小説に良く合っているのですが。
- 59 幼少時 (採点:4)
- 短いのに衝撃を受けました。
ありそうなのがまた。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:5)
- ここからが大切なんじゃないか! と思いました。
続きが尋常じゃないくらい気になります。ある程度は予想がつくんですが、それでも。
容量もあるので、エピローグの部分がほしかったなと。
- 61 Letter to you (採点:7)
- 結構好きです。付き合ってください。
また、読者層の話は書き手の端くれとして思うところが多々ありました。部長がややもすると普通の萌えキャラになりかねない状況でしたが、書き手であるということがひとつの個性になっていたと思います。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- 文章の合間の小ネタが気になって、テンポが悪くなってしまった感も。
自問自答は良いのですが、どうもすっきりしません。もやもやしたものが残っているのは主人公の心情と同じだと思いますので、作者さんの狙いからはそう外れたものではないのでしょうが、すっきりしないものはすっきりせず。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:8)
- トリックに関してはお見事としか。気付けば簡単だと思いますが、気付いていたとしても衝撃は隠せなかったかと。
少し気になったのですが、妊娠していたら検死等でそれはいずれ明らかになると思うのですが、主人公はそれも知らなかったのでしょうか。被害者側の家族が隠した可能性もありますが。無粋なつっこみで申し訳ありません。
- 64 発狂した宇宙 (採点:6)
- 最後の最後で、ああなるほど、と。発狂したのは彼女でありモノとしての宇宙でもあった、ということでいいと思うのですが、間違っていたら申し訳ありません。自信ない。
しかし、結局発狂した理由がよく分からないまま放置されているので、読んだ後でもやもやしたものが残ってしまいました。「宇宙」という名前を蔑ろにしたから、という理由ではないかと個人的に思っているのですが、これも的外れのような気がしてなりません。さっぱりです。
非常に続きが気になるのですが、これはこれで完結しているような気がしないでもなく。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:6)
- 傘のシーンも夢を語るシーンも素敵なのですが、冒頭の回想が二人を繋ぐ切っ掛けにならず、傘の思い出が二人を結んでしまったのでちょっと肩透かし気味に。ここはあの冒頭のシーンだろう、と個人的に期待していたこともあり、勝手に外されて勝手に空回りしてしまいました。
また、吉本君のキャラが好きです。
- 66 似たもの親子 (採点:8)
- ショートショートの王道。上手いです。
けれど、容量が余っているので、もっと説明や設定など書き込んで外堀を埋めても良かったのかな、と少し。短い中で綺麗にまとめられているのですが、若干物足りなさというか、駆け足というか、焦っている印象を受けました。
予想していたより早くオチてしまったのでしょうか。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:8)
- いい感じにトリップさせてもらいました。ありがとうございます。
結局のところ、彼は本当にピーター・パンだったのかと聞くのは野暮に過ぎる気もするのですが、ピーターにしても不思議生物であることには変わりないので同じかなあと思ったりもします。
世界観とキャラクターを高いレベルで堪能致しました。ヒロイン役の会話が少ない分、どうしてもキャラが弱くなってしまうのは仕方ないにしても、もっと印象深い台詞や何かがあれば彼女にも共感できたやもしれません。というより、危機意識の低さなどは私に通じるところがありましたので、その意味では根底から共感していたのでしょうけども。
- 68 私的な三色信号機 (採点:6)
- 悲劇なのか何なのか、捉えどころのないお話でした。
北里さんの最初の台詞が、どこか狙っているように感じられたのが残念。話の雰囲気とそっていませんでしたから、余計に違和感が。
最後はおそらく、連番は当たったけれど妹は助からなかった、ということで良いと思うのですが(外れていたら申し訳ない)、キスで終わるのは救いになるのかどうか曖昧なところです。重苦しい空気を緩和してくれたのか、場違いなのか、自分でもよく分からないというのが正直な思いです。
- 69 雪、心々 (採点:3)
- 病院の規模によって、屋上から落ちても助かるかそうでないかが大きく関わってくるのですが、そこは奇跡のようなもので乗り切ったと解釈します。でも、ニュートンはきっと悪くない。
美由紀と花梨を使い分けた理由がいまひとつピンと来ず。初めは彰人の姉なのかなあ、と思っていたのですが、どうも別人のような描写が続くので、結局関係はないのだと結論付けましたが、それだとガランドウだからという理由だけで美由紀に興味を示したという、肝心の彰人→美由紀の動機付けが弱いような気もしてきました。
美由紀が実はお姉さんだったというとしっくり来るのですが。私の勘違いという可能性もおおいにありますので、本当はそちらだったとしたら長々とすみませんでした……。
- 70 雨ごい (採点:8)
- もうアホかと。
面白かったです、悔しいけど。ああ悔しい。
前半の硬い雰囲気はどこへやら、最後の最後にそう落としましたか。素敵、と評していいものやら。
フォークロアもこんな時にだけ具現化せんでもいいのに……。恐ろしや恐ろしや。
- 71 デジタルペット (採点:8)
- かなり来ました。何かが。
読後に自分のところのペットがどうなっているのか確認したくなるような、でもどこにあるかさえ分からなくなってしまって、掘り起こしたらもう遺書を残して消え去っているような、ないまぜになった恐怖がありました。
- 72 しろゆめ (採点:2)
- 分からないことを楽しめばいいのかもしれませんが、分からないものは分からないのですっきりしません。夢だからそれでいいのかもしれませんが、こっちは夢から覚めているので夢のことはやっぱりよくわかりません。
物語の裏に何か背景になるような情報があればそこから二人の関係等を推理することもできたのですが、それさえも叶わないまま最後まで曖昧なまま終わってしまいました。
- 73 Saturday 7.15 (採点:9)
- 女の友情リアルサイズ、というイメージで素敵でした。
自転車のシーンがちょっと冗長かなと思わないでもなかったですが、そこで二人の人となりを自然に表現していたと思います。普通であれ、という帰結が好き。普通な二人なのに、やたら印象に残っているのが不思議でなりません。
- 74 告白ごっこ (採点:3)
- 最後まで読んで、こんな冷めた中学生はいないだろう、とまず思いました。
小説の中にならいてもいいかな、と感じられなかったのは残念。意図的に冷たい性格付けを施したようなぎこちなさを、文章の端々から感じてしまいました。それでいて、最後は急に人間らしさを取り戻して切ない感情を抱いたまま収束するので、「ここが狙い」というのが見え見えでした。主人公、最初から最後まで浮いてましたし。
- 75 君の後ろで (採点:4)
- 最初の二人は当然一緒になると思っていたので、終盤で少し驚きました。
剣道のシーンが妙に凝っていて、話全体からすると若干浮いていたような。
岩田君とキスした後、さあ付き合うかと思いきやいきなり十年後に飛んでしまったので、ちょっと置いて行かれた感も。
自転車の繋げ方は、非常に上手かったと思います。
- 76 落果 (採点:4)
- そういう話なのだなあ、としか感じられませんでした。
物足りなさを感じるのは仕方のないところですが、虚無感ややるせなさに囚われながら、いつもと変わらない日常を繋いでいく強かさ、穏やかさ、というものがこの作品から感じられる全てであったような気も。
- 77 いつも心に太陽を (採点:4)
- 後半、世界を目の当たりにした直後から、おばあちゃんが畳み掛けるように解答を述べていたので、もう少しゆっくり喋っても、という思いも。また、こちらが想像していたよりも大きな嘘ではなかったので、純粋に驚けなかったところもありました。世界が壊れている、という前提が最初にありましたから、余計に物足りなく感じてしまったのかもしれません。
- 78 ラックラック♪ (採点:7)
- 死神ももっと仕事せい、と思いました。状況に流されすぎですよー。
その死神の彼女が完全に後付け設定としか思えないだけに、話の展開がやや浅く感じられてしまったのが勿体なかったような。真実が、賽の目がどうこう言う場面が非常に重いものなので、死神の存在がその空気を緩和し軽いものに仕上げてくれた、という感もあるのですが。
でも、死神は狙いすぎです。好きですが。
- 79 home, my sweet home (採点:7)
- DBとBDの違いを考えていましたが、結局明確な答えは出ず。誤字だと言うのなら話は簡単なのですが、何か隠された意図があるのではないかと邪推してみた次第です。何があるのかないのか……。
結局、ズィクシィというのはどういう存在だったのかな、と。在り方がDBと似て非なる存在だというのは分かりますが、他にも彼女を登場させる理由があったのだろうかと。彼女の背景がよく分からないので、最後の涙に感じるものも少なく。
○匿名感想 さん
- 01 きれいなほし (採点:?)
- 消化不良な気もしましたが・・・
グロってほどのものが無かったのも少し・・・
- 01 きれいなほし (採点:?)
- 書き出しは悪くないと思いましたが、出だしの部分がやや説明不足の感じがしました。
突然色んな事象が出てくる感じで、少々困惑します。
恐らく書きたいことを後半に持ってきているとは思うのですが、後半まで読ませるくらいの粗のない文章が欲しかったです。
でもモールスという発想は◎。
- 01 きれいなほし (採点:採点なし)
- これ、突き詰めると面白いと思います。でも、難しい道かも。
- 01 きれいなほし (採点:8)
- 参った。これはすごいです。
モールス信号が、演出としてこれ以上ないくらいに効いていました。一発ネタといえないこともないですが、詩的でやや情緒過多とも思える地の文がまた、よい演出効果で、少なくとも俺はこの作品から一定の情緒を感じることができました。
- 01 きれいなほし (採点:7)
- なぜかわかりませんが・・・・キュンときました。
- 03 strangers in the city (採点:?)
- 引きこもりがこの話の中で出てきていないことが致命的でした。
ビリーの曲はメジャーなオネスティからマイナーなレニングラードまで知っていますが、あえて挿入した意味も分かりませんでした。
- 05 魔 王 (採点:2)
- ありがち過ぎ。RPG風なのがまた食傷。
他の動物ならまだちょっとはよかったかも。
- 05 魔 王 (採点:8)
- ・・・・やられました!
- 05 魔 王 (採点:採点なし)
- 思いっきり意味のない脱力ものは好きです。
- 06 left wrist watch (採点:採点なし)
- 文章が生理的に心地よいです。
活字だとこういう話は読まないんですが、ネットで読むのはいいですね(何故だろう?)。
最後の部分、似たような経験があってひどく納得させられました。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:採点なし)
- 奥さん狙いすぎ(笑)。ナイス
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- 丁寧で好感が持てるのだけど、オチが最初に読めてしまうのがちょっと辛い。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:9)
- 良いですね、純愛って感じ!
ボク コイウノ スキ
いやぁ、スゴイ。
本格的に気に入ったですよ。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:8)
- 読みやすかった。
- 08 傷跡が残すもの (採点:3)
- 最後まで読んだんですけど、なんだか、がっかりしました。
「いじめの話を書きたかった」ということは分かるんですが、他のことは何もわかりませんでした。テツオくんのキャラクターも主人公のキャラクターも掘り下げが浅く、また、肝心のイジメのシーンも短いため、テツオくんの自殺に説得力を感じることが出来ません。それでも、最後のシーンで何か救いがあるかと思って読みすすめたんですが…… カタルシスに昇華されないバットEDは、悪戯に読者を不快にするだけだと思います。
キツいことばかり言ってすいませんでした。
ただ、なんとなく、これが女の子の話だったら、もうちょっとは読みやすかったかな…… となんとなく思いましたが。
- 08 傷跡が残すもの (採点:採点なし)
- どことは言えないが、何故か好き。
- 08 傷跡が残すもの (採点:?)
- いじめ、傷跡といった因子が個別に点として存在していて、線として繋がっていない印象です。
それと、人が死ぬという重大な状況へと展開させるまでの描写が足りない気がしました。
- 10 また共に笑おう (採点:採点なし)
- 可愛いなあ。緊張感のある文章がよかった。
- 11 江南小話 (採点:?)
- 三国志はよく知らないのですが、高い完成度の作品。文章もこなれていて見事。歴史小説に本当にありそうなイメージ。この秀作を点数で表すことなどおそれ多い……こういう感想もOKですか?
- 11 江南小話 (採点:3)
- 小説、というよりは歴史の小話を読んでいるようで、作品的な面白さが見いだせませんでした。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:?)
- 性的な描写は読者の注意を引くのに手頃な題材だとは思いますが、この話の中ではそれが話の本筋と巧く溶け込んでいないような気がしました。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- ネタとしては使い古されているんですよね、この手のテーマ。最初の10行でオチまで読めてしまいましたし。
でもそうだと思わせない書き方。こういう上手さもありということなんでしょうね、きっと。ハーフの5点。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:7)
- 病んだ雰囲気がぐっど。
- 14 ユメのおわりに (採点:採点なし)
- ジャングルファイア。あれ、癖になるらしいですよ(笑)。
- 14 ユメのおわりに (採点:?)
- 最後の展開に持っていくまでの流れに性急さを感じました。あと主人公の思考にも違和感を感じ、このラストへと持っていこうとしているんだろうなと、読んでいる途中で分かってしまって、読み終わってみたらやっぱりその通りでした。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:採点なし)
- これだけ出来のいい緊密な文章にケチをつけるのは無粋なのですが、それでもこういう形の散文詩には疾走感と酩酊感をどうしてもねだりたくなってしまいます。そういうの狙ってないとは思いますが……。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:3)
- 文章は簡潔で読みやすく、物語は起承転結に重きを置く。
自分の置いているスタイルに照らし合わせて、この点数とさせていただきます。
ときにその基準を破ってでも高得点を付けたくなる突き抜けた作品があることも確かですが、この作品を読んでいても「作者の人は頑張ったなあ」以上のことを読み取ることはできませんでした。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:採点なし)
- ソノラマとか富士見とかの世界ですね。
ロケットパンチ、ナイス(w
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:3)
- 肝心の、海対河という構図に面白みを感じ取れないと、ちょっときついなあ。
- 18 さらば世界よ (採点:?)
- これは題材がやはり、難しすぎるものを選んでしまったのだろうなと思いました。話を読んでも要旨もしくはプロットを読んでいるような印象で。
長編として書いたら面白くなるのではないでしょうか。
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- だったら最初から城から逃げるなよ…。
- 19 青い春 (採点:9)
- ラブですねぇ。
お付き合いはじめた二人のウヴな感じが出ていて、良いなと思いますね。
うん、おもしろい。
- 19 青い春 (採点:7)
- 作品の方向性としては、今回も多かったべたべたの恋愛もので、その点では食傷気味ではあったのですが。
ここまで恥ずかしい気持ちにさせるとは、素晴らしいです。
懐かしい気分になれました。
- 19 青い春 (採点:8)
- 読みやすく、内容が自分にとってリアルで・・・点数をつけずにはいられなかった。
- 20 A Darkness more than night (採点:?)
- 話として独自の設定が細かくされていることは分かったのですが、それを読むのがつらかったです。またさりげなく物理法則などについても書き込まれていますが、これは分からない人が読んだら、何を書いているのか理解出来ないのではないかと思いました。
- 23 世界の終わりは (採点:10)
- 上手いなぁ。
- 23 世界の終わりは (採点:採点なし)
- うわ、この主人公苦手です。閉塞感が不気味。
最後、開放が示唆されててよかった。
開放されたら自分を失ったにならなければいいんだけど……。
- 23 世界の終わりは (採点:3)
- 何がいいたいかよくわからなかった。
- 23 世界の終わりは (採点:?)
- やや唐突というか、少し語り手の主人公を理解することが難しかったです
- 23 世界の終わりは (採点:8)
- ふかい・・・
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:採点なし)
- いいですね。こういう小説のカタチを意識したもの、好印象です。
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:4)
- なんと言うことはない内容だけど、それが朗読向きかなって思えた。
- 28 その交渉は無理がある (採点:2)
- そんな女いねー。妄想過ぎ。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:6)
- ネタ、良し。文章、良し。構成、良し。
でも、なんだかネタと文章がちぐはぐな印象があって、ちょっと原点されてしまいました。
ノリは小川洋子に近いと思ったのですが、文章が硬く淡々とした印象で、ストーリーに見られるような繊細なニュアンスが殺されてしまっている気がします。このままだと単に無残な雰囲気の物語になってしまうので、どこか、描写をくわえて陰影を増やしたほうが、豊かな物語になるんではないかと思いました。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:採点なし)
- 奇妙で冷ややかな感じが面白い。
自然な会話だけど、老人のもつ異様な感じがあらわれていて惹きこまれた。
無駄がない感じがする。
廃品というキーワードがうまく埋め込んであって、終わり方も気持ちいいと思った
ただ、内容は好きだけどタイトルがそんなにいいと思えなかった。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:7)
- 安易に死ななきゃもっとよかった。猫の剥製がどうなるかも知りたかった。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:採点なし)
- ううん、凝りすぎた感のある文章表現につまずく感じ。
老人の怒りの発作描写ががいいですね。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:採点なし)
- 面白い。流れが上手いと思ったけど描写がくどいような気がしました。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:採点なし)
- 若々しい文章でいい。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- どうして国の名前だけが伏せられているのでしょうか……
- 31 戦場の休日 (採点:5)
- ツンデレよりほのぼの?
多少、読んでいて分からなくなるようなところもありましたが、
良い作品だと思います。
- 31 戦場の休日 (採点:採点なし)
- 勢いのおかげか悪い印象は受けないです。
狙ってるって感じをうけないのは何故だろうか。やはり勢いなのかな。
- 31 戦場の休日 (採点:4)
- ツンデレだからこそ甘い採点はできませんでした
- 32 バスが来るまで (採点:採点なし)
- 題名から読みたいと思わせてくれました。
会話のテンポがよくって勢いよく読むことが出来ました。妹が可愛らしく、兄も優しく、最終的に残るつかずはなれずの距離感がとっても好き。
ただ最初は季節が読み取れなかったので、炎天下などの言葉が出てきた時に違和感がありました。最初冬かと思い込んでしまっていたので…
- 32 バスが来るまで (採点:採点なし)
- がんばった。書ききったことに拍手。
- 32 バスが来るまで (採点:8)
- ほのぼのですね。
兄と妹の心情を良く表現してると思います。
続編がもしもあるならば、期待したい作品ですね。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:採点なし)
- 子どものダメなところが可愛くて可愛くて。
間接的に対比してかかれちゃう彼氏がちょっと哀れ(笑)。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:9)
- 情景がすごく浮かんでリアルで面白かった。最後ありがちだけど、読了後清々しくてよい。
- 34 美談 (採点:採点なし)
- 不思議世界。
主人公の攻撃性がいいな。しかし、感情移入はまったく(笑)。
- 35 負け犬 (採点:採点なし)
- 地味に構成がうまいと思います。
- 36 停電の訪問者 (採点:採点なし)
- サプライズがあっていいはずなんだけどどこか微妙な感じがする。
緩急と最後の開放感にやや欠ける点があるからだろうか。
これはたぶん、それなりに使われているパターンなのであああれだなあれだなと期待をあおる書きる方がよかったのかもしれない。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- 文中にもあるけど、カントリーロードっぽくて良いですね。
青春恋愛風味はちょっとうんざりする位に数がありましたが、その中では特に雰囲気が良くて目立っておりました。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:採点なし)
- きれいに切り取ったワンシーン。
- 38 茨の森 (採点:採点なし)
- 好きです。インパクト弱いのは確かですが、好きです。
- 38 茨の森 (採点:3)
- 金持ちが贅沢言ってるようにしか見えません。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:採点なし)
- 大きな世界、小さなふたり。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:採点なし)
- オールドファッション。懐かしい感じ。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:6)
- とても興味深いテーマとアクセス方法ではありましたが、15kbでやろうとするには少しばかり荷が重かったかも。
仲松という人物の俗物ぶりが分かりにくくて、オチに上手く繋がっていない。
- 41 らくがきを消しに (採点:4)
- 最後までキャラの名前と台詞が一致しませんでした。
- 41 らくがきを消しに (採点:採点なし)
- 元気で可愛くてどこか鬱屈していて、大変良かった。
- 43 帰郷 (採点:採点なし)
- いいですね。地味に良作。
いい意味で読者を裏切ろうって発想が素敵です。
- 44 勝者は語らず。 (採点:採点なし)
- 題材の選び方がいい。
残念ながらまだ文章力が足りていないと思いますが、書き続ければうまくなると思う。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- う〜ん、ちょっといきなり発展させすぎかな?
かつ、ありがちな小説ですね。
もうちょっと小説を書く、読むなどしてお勉強なさったほうが良いと思います。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:5)
- 女の立場から読むと、話しの流れが読めてしまいました!(笑)
でも2人のまっすぐな気持ちが、私と彼に似ているような感じがして・・・とっても心が温まりました・・・(^^)vこれからももっといい作品きたいしてます♪ 【FROM・・・KANA】
- 46 決まりきった世界 (採点:採点なし)
- へぼ将棋の自分なので口を出す資格はないんですが、なんとなく違和感が・・・
感覚的な大局感も普通に重要な読みのように雑誌を見ると感じます。
防衛戦が一日のように見えてしまう部分も気になります。
アイデアは面白いのですが、そのあたりが引っかかってしまいました。
- 47 ローランダ、空へ (採点:6)
- うまいと思うけど、男がさっぱりしすぎてて肩透かし。長い時間経ったからなのかな。
- 48 愛されるより愛したい (採点:採点なし)
- このテーマ、やたら見るテーマですが、ギャルゲ的予定調和が多い気がしていまいち興味をそそらないことが多いです。ですが、ここには何か新しい視点があった気がします。最後まで読まされるものがありました。王子様コンプレックス(の求めなさ)みたいなものとくっついてるからだろうか。
- 49 忘れてしまった (採点:採点なし)
- むむむ、背後にある少女のキモチってなんなんだろう。
分かるようなわからないような。
不思議な読後感。
- 50 ある朝 (採点:採点なし)
- 冒頭の「私は」がやや独白調でわざとらしいというか、男役の女の子っぽいというか、つまり自分の年齢より年上を演じているような感じがありました。
そもそもこの手の恐怖は子供の頃か同居の慌ただしさが一段落したあたりでのもので、「私」というキャラには似合わないような気がします。似合わせるためにはその日だけ通じる特殊条件が欲しいかもしれません。
ラスト、二段オチがよかったかも。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:採点なし)
- ひねった鍵の二次という感じ。二次でなら目立つ書き方だと思うが、この場所ではやや埋もれた感がある。
- 52 ロボット寄生 (採点:採点なし)
- このとぼけっぷりがいい!
そういえば、この手のネタをのんきに解決ってあまり見たことないなーと思いました。
- 52 ロボット寄生 (採点:6)
- SFは知識量と場数が必要だと思うので底の浅さが目立ちがち。人間との共生話は書き尽くされた感があるので斬新とは言いがたかった。また、生産性のない内容なので爽快感がない。
とはいえわかりやすく背景もきちんとしていてさらっと読めた。ロボットと人間の性格もわかりやすく一貫して描けていたと思う。
- 52 ロボット寄生 (採点:9)
- とぼけた味のトボル12号と、お気楽なコークスのやりとりが面白い。
飄々と進んでいって、最後の一言がシニカル。
これは面白かった。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:採点なし)
- お、惜しい。
量を喰ってしまう文体のためか、バックストーリーが必要量に足りていないと思います。
こういう背景好きなんですけどねー。
名前の付け方はにやりというところ。
- 55 明日天気になあれ (採点:採点なし)
- がんばれ男の子
いい描写でした。
- 56 子供の夢 (採点:採点なし)
- ツボに来る人にはツボに来るんだと思う。
このネタにはちょっと長かった気がする。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:5)
- 意外な犯人、を追求していて、どんでん返しもあって面白かったけど。
ちょっとばかり最後が投げやりに過ぎるのでは。時間足りなかったのかな。
- 58 落日の挽歌 (採点:採点なし)
- うまい。
誤誘導が巧み。
SF的ファンタジーだろうなとは最初に思いましたがもうひとひねりあった。
- 58 落日の挽歌 (採点:8)
- ファンタジーかと思いきや。
なるほど、クロマニヨンとネアンデルタールでしたか。
最後まで興味を惹かせる展開と意外なラスト、壮大な物語。
15kbという制限の中でよくぞここまで。
- 59 幼少時 (採点:採点なし)
- あー、こういうスタートの光景はなんとなく好きです。
- 59 幼少時 (採点:3)
- 私も嫌な気分になった。
いや、狙いはバッチリだと思います。短く簡素だからこそ、尾を引くものを残してくれる。
でも私は嫌な気分を味わいたいのではなく、嫌な気分にさせてくれる物語を読みたいのです。これでは評価は出来ません。
同じ狙いを、別の形でしてもらいたかったな。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:採点なし)
- おおっ。
いろいろ狙ってて面白い(笑)。
キャラ書き込まないとこの話は辛いかも、という気はちょっとしますね。
- 62 Why do you do it? (採点:採点なし)
- ら抜き言葉が悪いとはまったく思いませんが、祖父の世代(といっても年代に幅はあるでしょうが)の文体として似つかわしくないのでは云々。
と思わせる部分がわざとやった表現だとニヤリとするのですが、さあ、どうだ?w
タイトルの使い方、面白いです。
- 62 Why do you do it? (採点:3)
- 書き手としては、書かれていることは理解できるものの。
これは果たして「物語」として成立しているのでしょうか。単に悩みを書いているようにしか見えず、昇華されていないと思います。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:採点なし)
- これはいい。意外な展開。地味に良作。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:3)
- やはり、この系統の話は容量が15kbだと納得のいく展開を作るのは難しそうですね。
どうにも後半の展開に首をかしげるようなものが多かったです。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:7)
- うーーん!なんとなく結末を予想させながらも・・・最後まで読ませる力があった。
- 64 発狂した宇宙 (採点:7)
- 若い子が書く文章だと思いました。文章もうまいしわかりやすいしいい出来だと思いますが、ちょっと展開が唐突すぎたかも。共感はしない。
- 64 発狂した宇宙 (採点:採点なし)
- こういう感覚分かるなあ。でも、出来れば分かりたくなかった(笑)。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:採点なし)
- キャラとのマッチングの問題か、どうもこの星は逃避に見えてしまいます。もちろん逃避でもいいのですが、その場合はまた別の書き方があるような気が。
- 66 似たもの親子 (採点:4)
- 展開がわかりすぎた。会話が説明っぽすぎる。やりたいことはわかるのでもうちょっと練ったらもっといいと思う。もっと怖いとなおいい。
- 66 似たもの親子 (採点:6)
- 久々星新一氏を思い出した!
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:採点なし)
- ナルシスな台詞使いキャラ系の中では一頭地を抜けている。
これくらいやらないとそういうのはうまく見えないんだなと思わされた。
- 68 私的な三色信号機 (採点:採点なし)
- 読ませるものがある。勢いがいい。
(最近の傾向っぽいどこかあざとい)派手な設定・事件を扱ったものの中では一歩抜けていたと感じる。
- 68 私的な三色信号機 (採点:?)
- 特異な設定に話の大半を費やしているために、物語がないという印象です。
ラストの展開は正直、理解できませんでした。
- 69 雪、心々 (採点:6)
- 博士の愛した数式っぽ。
- 69 雪、心々 (採点:採点なし)
- この仕掛けの大きさがどことなく最近のギャルゲっぽい気がします。
しかし、嫌いじゃないです。
- 70 雨ごい (採点:?)
- 予想外のオチにワロタ
- 70 雨ごい (採点:9)
- すごいオチだった。そう来ると思わなかった。文章もうまいし、このまま沢山作品を書いてください。
- 70 雨ごい (採点:8)
- 最初のうちから話題になっていて、どうしても構えて読んでしまったのだけど。
それでも脱力するわ、このオチは。物食ってたら、ディスプレイに吹くところでした。
前半の雰囲気作りも上手いし、堪能しました。
- 70 雨ごい (採点:3)
- 幼女の放尿ネタ、気持ちワルイ。
- 71 デジタルペット (採点:?)
- 内容がよくわかりませんでした。文章は手馴れていると思ったのですが…
- 71 デジタルペット (採点:採点なし)
- み、身に覚えが!(笑)
恨まれるのやだああああ
- 71 デジタルペット (採点:5)
- 最後の一文があまりにもベタすぎ。
そこまでは良い雰囲気だったのに、脱力してしまいました。
- 71 デジタルペット (採点:6)
- おもこわかった。
- 72 しろゆめ (採点:採点なし)
- この仕掛けにどこかテンプレなキャラを組み合わせては世界が軽くなってしまうんじゃないかという気がします。もっとじわっとくるような個性を合わせてくれたらとないものねだりに思ってしまいました。
- 72 しろゆめ (採点:2)
- 夢十夜?
残念ながらひたすら退屈でした。
- 72 しろゆめ (採点:2)
- 隙間(改行とかではなく)が気になってしまいました。
それが意図とするところなのでしょうが、
その独特の空気の良さを保つには、それ以外の部分をもう少し埋めないと
惹きつけられないまま終わってしまうように思いました。
- 73 Saturday 7.15 (採点:採点なし)
- いいな。世界がいいな。ふたりがいいな。
- 74 告白ごっこ (採点:採点なし)
- この主人公苦手です。
わざとそうつくってあるだろうことは分かるのですが・・・
結局、生の自分を隠しっぱなしで終わってしまうところに不満があります。
そこに切り込んでくれたら一気に良作になったと思うのです。
- 74 告白ごっこ (採点:?)
- 厳しいことを書きますが、読み終わって残るのが気分の悪さだけでした。
- 75 君の後ろで (採点:採点なし)
- これだけよくかけているのに何故微妙な感じがするのだろう。
要所要所でのタメというか、強弱が若干弱いせいなのかもしれない。
主人公の心理描写が抑え目すぎて弱いのかもしれない。
けれんが足りないのだろうか。
- 76 落果 (採点:3)
- 努力点。
最初の三行に出てくる「リンゴ」の数を数えてから、もう一度読みやすい文章について考えてみてください。
- 76 落果 (採点:採点なし)
- 文芸映画みたいな雰囲気がいい。
- 76 落果 (採点:8)
- 文字を追っていても、目の前にその映像が映っているような、うまい表現だった。
- 77 いつも心に太陽を (採点:採点なし)
- 世界が素敵。いや、全然素敵な世界じゃないけど、切り取り方が素敵。
- 78 ラックラック♪ (採点:採点なし)
- 若い。二十歳くらいかと思いました。
でも、軍隊の描写をみる限り異世界か未来あたりかでしょうからおかしくはないのかなあ。
- 79 home, my sweet home (採点:採点なし)
- この後、何か独自のストーリーが始まるのかなあ?という感じです。
これを背景にして何かを見せて欲しかった気がします。
すらすら読めすぎて読後感が軽いのもやや残念でした。
○匿名希望(24、リーマン) さん
- 01 きれいなほし (採点:2)
- モールス信号をまんま記号でやられても、すっと浮かばないし、聞こえないわけです。
文章には不向きというか、小説でやるようなものではないと思いました。
言葉の節々がきれいなものを狙いすぎていて、咀嚼しきれていない感じです。
今まで100枚くらいの積み重ねがあった上での結末としてはまあ悪くなかったかなあ、と。
- 02 息吹 (採点:3)
- 主題がわかりにくかったかなあ、と。
教訓めいたことを書こうとしているのかと最初思ったんですが、どうやらそうではないらしい。
諸行無常ってことなのだろうか。
余談ですけど、以前、ポプラが人間の営みを眺めているというような小説を読んだことがあって、題名とか著者は忘れちゃっているんですが、何となくそれを思い出してしまいました。
- 03 strangers in the city (採点:3)
- 引きこもる人には引きこもる人なりの意思というかイデオロギーというか、葛藤と表現してもいいのかもしれないですけど、そういうのあると思うんですよ。
あるいは外への恐怖かもしれませんし、自分への嫌悪かもしれないんですけど。
この語り部にはそれが皆無だったな、と。
前提の時点が出来上がっていないので、やはり微妙な出来ですね。
>(ああ、俺ずっとひきこもってたんだ)
あんた、全然ひきこもってねえだろ。(笑)
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:6)
- 不思議だ。
女学生が男子を拾って、同棲しているという状況が何故だかすんなり飲み込めた。
明らかに異様な状態なのに。(笑)
文章がものすごく柔らかくて、何なんだろうなこれは、本来なら「ふざけるな」と突っ返してしまいそうな筋なのに、影の部分が節々から滲み出ているからなのかもしれないのだけれど、印象は凄くいい。
読んでいて、普通に楽しかった。
ああ、これが愛なのか。違うか。(笑)
- 05 魔 王 (採点:3)
- 読み返して笑った。
>仲間の戦士と盗賊だ。
盗賊はともかく戦士って何ですか、戦士って。
>我々の楽園
待て待て。(笑)
>直撃は、すなわち死。
直撃しても死なないのがほとんどだと思うんですけど。(笑)
- 06 left wrist watch (採点:6)
- 文章は今回のコンペでトップレベルだと思った。
最後を台詞で締めるのは、この一篇に限ってはあまり効果的ではないんじゃないかなあ。
時計を捨てるという行為をもっとたっぷりと象徴的に描けば、もっと良かったんじゃないかと思う。
そこがわりとあっさり味なので、それはどうなんだろうなあ、と。
もちろん、動いている時間を投げ捨てるというのはいいアイデアなのですし、これくらいの方が按配がいいのかもしれませんが。
>「いえ、いいです。物はいつか壊れますから」
本心なのか、自分にそう言い聞かせたいだけなのかわからないところがいいですね、この台詞。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:3)
- 途中で展開が読めた。かなりベタですね。(笑)
さすがに制服を着るのは無理があるんじゃないかと思います。
>――曰く、初キッスの際にはミント味のキャンディーを口に含んで行為に挑め。
ちょっと待て。
飴玉舐めてたらまずいだろ。(笑)
>数学の教科書なんて、授業中一度も開くことのなかった僕がそのメッセージに気付くはずもない。
せめて開くだけ開きましょうよ。(笑)
- 08 傷跡が残すもの (採点:6)
- .35とかぶってますね。いじめもの。
こちらの方がいじめ小説としてよりベタな展開だなと思った。
良いか悪いかはともかくとして。
後味の悪さはこっちの方が上ですね。(笑)
ちょっと気になった点があって、知識がないので見当違いなのかもしれないのですけれど、
>自宅で首を吊っているのを親御さんが発見したそうです」
先生がわざわざここまで説明するものなのかなあ、と。
- 09 僕僕先生 (採点:7)
- 普通に面白かった。
僕僕がステキにかわいい。しかもプチエロい。素敵。
最後駆け足になったのが残念です。
- 10 また共に笑おう (採点:5)
- 何のために男女逆っぽく書いてあったのだろうかと読み終えてからしばらく考えていたんですが、きっと作者さんの趣味だなという結論に達しました。
効果的かと問われれば、うーんと首を傾げてしまいそう。
「あー、そうだったんだ」くらいのインパクトしかなかったもので。
最後の方とか特に感傷的だったけれど、悪くはなかったと思う。
>エロスー
笑った。何だこの台詞。(笑)
ダイアローグが妙におもしろい。
- 11 江南小話 (採点:4)
- 文章が微妙な感じでした。
こういう話を書くのなら、中島敦っぽくするか、あるいは町田康みたいにしてしまうかどっちかだと思いますね。
最後の
>歴史は繰り返す
ですけど、ここまでの文章が軽かったせいか、繰り返すことの因果とか業の重みを感じられなかったです。
簡単に片付けられてしまいそうだ。
- 12 世界が終わる時、始まる時 (採点:2)
- 最後のほうが打ち切り漫画っぽくて何とも。(笑)
ある程度のまとまった長さの物語の一部を切り抜いたという印象しかないです。
滅びた地球とか人類の愚かさとかが表面的とでもいいますか、ただそうなったという結果をなぞっているだけで具体性がなく、はぐらかされたような気分になってしまい、題名にある「終わる時」が生きていないなあ、と。
と、ここまで書いてきて思いついたんですが、これ実は逆なんでしょうか。
終わるのは二人の世界で、始まるのは人類がいなくなった世界(残った人が死んだ後の話ですね)なのだとしたらすごい黒い話になるのだけれど、どうなんでしょう。
まあ、いずれにせよ、この二人が幸せになれるとは思えないんですよね。
- 13 変わりゆく世界の少年 (採点:5)
- エロ度が足りない。(笑)
冒頭で胸がでかいという描写をしていながら、以降全く触れられないというのはおかしい。
ヒロインが下着になったところで言及すべきだと思います。(笑)
冗談はさておき、全体的にリアリズムが希薄で、孤独っぷりも口で言っているだけって感じがしました。
セックスをしっかり描かないと、二人の関係がいかに爛れているかが出てこないんじゃないか、と。
- 14 ユメのおわりに (採点:6)
- 母親に電話したあたりでオチが見えました。
というか、筋的にはありきたりで、あまり評価できる部分はないというのが正直なところです。
>「あはは。まあ、ユーコにゃ刺激がキツイよな。……そっちは?」
>『燃やしてないよっ!』
>
>「まあ、ウインドウズ自体が死んでる状態だからね」
>「え?! ウインドウズって死ぬんですか!?」
ところが、会話が妙に面白い。(笑)
上のやり取りを読めただけでも、この一作を読んだ価値はあったなと思います。
- 16 Masquerade〜機兵舞踏会〜 (採点:1)
- ひとつの物語としては不完全な印象。これは明らかに第一話だ。(笑)
冒頭から話に入っていけなかったので、点数の低さはそのせいです。
短編としてまとめるならば、すっきりと終わらせるのを放棄して、曖昧にぼかすのが一番ベタなパターンだとは思いますが。
>ニヤリと笑んだ奏歌は指で銃を模してバン、と昌孝に向かって撃ってみせる。
こらこら、何してんだ。(笑)
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:2)
- 空回りですね。
他の方がどう受け取るかはわかりませんけど、私は冒頭で置いていかれて、そのまま距離は縮まりませんでした。
あと、以前もどっかでダメ出しした覚えがあるんですが、一応。
江戸弁ぽくないですねこれは。(笑)
ここはこだわらせていただきます。(笑)
- 18 さらば世界よ (採点:3)
- ライトノベルだ。(笑)
必要以上に飾った文章がすこぶる読み辛く、目がしょぼしょぼしました。
暴れる言葉に振り回されているような印象です。
本文中で「%」を使用したのはどうかと思います。浮いて見えました。
- 19 青い春 (採点:7)
- 青い。確かに青い。(笑)
二人のぎこちない感じは昔の自分を見ているようで、なんだかこそばゆかった。
ジュブナイルとして、かなりいい出来なんじゃないかと思います。
- 20 A Darkness more than night (採点:4)
- 機械のことを描いているからなのかもしれないけれど、文章に血が通っていないように感じられました。
上限がある以上仕方ないのかな、もっとじっくりと、120枚くらいの短編として読んでみたいと思った。
具体的に言えば、500以上のマリィの末路をループ気味にしかし少しずつずらしながら描けば、おもしろいSFになるんじゃないのかなあ、なんて。
- 21 bright shine on time (採点:3)
- 優柔不断過ぎ。(笑)
何かもう全体的空回りしていて、もちろんそれが狙いなのではないのかという疑問は否めないんですが、私の感想としては滑ってるというのが正直なところです。
ご都合主義的なところを是とするか否とするかで大きく評価は変わるんじゃないかと。
- 22 瑠璃 (採点:6)
- 瑠璃がほのかに色っぽくていい感じです。
もう少しやさぐれているともっとよかったかな、と。(笑)
文章全体から倦怠感がにじみ出ていて、そういうところもよかったと思います。
でも一番は瑠璃かな。いろいろと想像してしまう。(笑)
- 23 世界の終わりは (採点:2)
- こんな感じの話を漫画のアウターゾーンで見た気がします。風船だったかな、あれは。
それはともかく、心理描写と説明ばかりで物語としての面白さが抜け落ちているというのが最初の印象です。説教くさい。
タイトル前までは導入として、かなりいいんじゃないかと思うんですけど。
- 24 禍疎 (採点:3)
- 題名が活きていないなあ、と。
いろいろと「これはねーだろ」っていう展開というか箇所というかがあって、最後まで乗り切れませんでした。
伊達めがねっていう小道具はいいと思うんですけどね。
>『女教師。お固いスーツの下の緩いアソコ』
これはどう考えてもAVじゃなくてロマンポルノ。
何が、どこが緩いんだとか思ってしまった。(笑)
- 25 バスが来なかったおかげで (採点:3)
- 展開は悪くないと思うんですけどねえ。
決定的に何かが足りていない気がします。
それが何だかよくわからないからもどかしい。
あと、あれですね。バスの運ちゃん、ショートカットはまずいだろ。(笑)
- 26 ピーナッツロジック (採点:4)
- 妙なところで改行されている箇所がいくつかあったんですが、これは計算ずくなのでしょうか。
オクタビオ・パスの詩にあったようななかったような変なデコレーションになってて少し戸惑いました。
たぶんミスなんだろうなと思い、途中からは気にしないようにしました。
今回こういう最初に説明→男女の会話→最後に説明というパターンのものが多かった印象があります。
小説として、あまりおもしろいとは思えませんでした。
- 27 こんなにも遠い空の向こう側 (採点:2)
- 閉じているという状況を書くために二人称を採用したのだとは思いますが、結果的に小説としても閉じてしまっているような印象が生まれてしまって、おもしろいとは思えなかった。
これは二人称といっても限りなく一人称に近いものなのだけれど。
個人的な趣味の範疇になってしまうのかもしれませんが、きれいな部分だけをなぞりすぎているのではないか、と。
「いやいや、そううまいこといかねえよ」と思ってしまった。
- 28 その交渉は無理がある (採点:2)
- 何だこれ。(笑)
ごちゃごちゃといろいろなところから要素を持ってきて、繋ぎ合わせただけなんじゃないか。
登場人物が全体的に軽く抜けているところはおもしろおかしかったんですが。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- 題名を目にしたとき正直『何だこれは』と思ったのですが、読んでみると思いの他丁寧な文章で、よくできた小説だと思いました。
読み終えて、これは中間小説っぽいなという印象を持ちました。
序盤から中盤にかけては日常に潜む怪奇を淡々と描くつもりなのかなと想像していたのですが、ていうかそっちの方向に進まなくて残念だったというのもあるのですが、それでも結果的にとてもいい出来でしたので、問題ありません。
問題があるとすれば、題名ですね。かなりのマイナスポイントになりそうです。(笑)
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- 単純に読んでいて、楽しめました。
ちょっと不思議系って好きなんですよ。普通にだまされた。(笑)
文章も少し凝っててよかった。
終わり方も綺麗でいいですね。
- 31 戦場の休日 (採点:5)
- ストレート過ぎ。(笑)
でも、その潔さはすごいと思う。
ぶつ切りではなくて、しっかりと文章の流れを意識するともっと面白く書けるのではないかな。
- 32 バスが来るまで (採点:7)
- 節々から不穏な雰囲気が漂っているような気がしました。
タイトルのほのぼのさや田舎の牧歌的な雰囲気の中にあるからこそ、余計に目立っていたのかもしれません。
後味が凄い悪くて、そこが良かった。
>夏の夕暮れの暴力的なまでのオレンジ色を乱反射
>色あふれる田舎の道を貫く灰色のアスファルト道路
>急激に涼しくなってきた夕闇
最後の数行からいやな空気がにじみ出ている気がします。
この二人はこれから大変なことになるんじゃないかと思ってしまった。
- 33 人生を楽しくする方法 (採点:4)
- 終わらせ方が雑だ。(笑)
舌入れちゃうのか。いいなあ。じゃなくて。
全体的に散漫な感じです。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしている印象。
それはともかく、高松葵と寺井広樹が脳内で上戸彩と神木隆之介に変換されてしまいました。
- 34 美談 (採点:5)
- もう少し踏み込んで描いてほしかったなあ。
絶望の深さというものがあまり見えてこないのが残念でした。
結局ポーズだけなんじゃないのか、と。
言葉だけで書いていて、血と肉になっていないという印象があるわけです。
切羽詰った感もないですし。全てを諦めてしまっているのだからして、そんなものはないんだよと言われてしまえばそれまでなんですけど。
あと、こういう思考の持ち主が成人式に出席するというのは何だか変だなあと思った。
>不図、自分の利き腕が左だった事を思い出し
これ「ふと」っと読むんですね。知らなかったです。
いい当て字だ。
- 35 負け犬 (採点:6)
- ボーイミーツボーイですね。
自己完結っぷりがえらいことになってます。
どういう感じに終わらせるのかなと読み進めていたんですが、読み終わってなるほどと思いました。
いじめという行為に「キレる」わけではないところが思春期っぽい。
- 36 停電の訪問者 (採点:5)
- 他にも幽霊が帰ってくる話がありましたが、作者さんには失礼ですがどうして比べてしまい、こちらの方が下かなあという印象を持ってしまった。
戻ってくることの説明をしていないところも好感が持てます。やはり余計な説明はいらんですね。
幽霊が濡れているっていうのはベタですね。(笑) でもそこがいい。
そこをもう少し効果的に描写できるとよかったのかなとも思う。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:5)
- 「ゴンドラの唄」って黒澤映画の影響で、悲しい唄にしか聞こえないんですよね。
それはさておき、まあ文章は丁寧で、洒落た話ではあったかな、と。
ただインパクトが皆無で、単に夏の一日の交流を描いたという意味ではしっかり書けているとは思うのですが、読み終えて「すっごい満足」とはなりませんでした。
それは完璧に読み手の嗜好の問題なので、すいませんとしか言いようがない。
間接キスの場面は読んでいて恥ずかしくなった。(笑)
- 38 茨の森 (採点:2)
- 説明的な台詞ばかりで小説としての面白みが全くなかったです。
そもそも「茨の森」とやらが何なのかというのを、全部でなく部分的にでもいいんですけど、ある程度提示していてもらえないと、二人の心理の動きを理解するうえでアンフェアだと思います。
会話自体はよく書けていたので、残念。
- 39 センチメンタル・シリウス (採点:5)
- ダイジェストっぽいので、女の子と男の子の葛藤が薄過ぎるように感じました。
そういうところをしっかり描いてこその別離だと思うんですけど、容量の都合もあるのでしょうか。
センチメンタルな雰囲気はありました。
- 40 J・V・ノイマンに撃たれる前に (採点:3)
- 後半、会話ばかりで退屈してしまいました。
丁々発止の会話劇っていうのはその前の積み重ねがあってのものであって、20枚くらいの上限で書くのは非常に難しいのだと思います。
加えて書けば、特に後半ですが、地の文が弱い。
会話文が続くのを避けるためにこしらえたものであるように思えてならなかったです。
- 41 らくがきを消しに (採点:3)
- 読んでいて、非常に混沌とした気分になった。
人物が、誰が誰だか全くわからないというのが問題な気がします。
台詞も空回りしている印象。
- 42 ボクの世界、君のセカイ (採点:3)
- セカイ系?
しかしながら、大袈裟には書かれていますが、これは実にまっとうなラブストーリーですね。(笑)
若干言葉に振り回されているように感じた。
もう少し素直に書いてもいいんじゃないかと思う。
これはたぶん「ボク」も「キミ」も相当自分に酔ってますね。(笑)
そこを受け入れられるかどうかで評価が決まりそうで、私はちょっと……。(笑)
- 43 帰郷 (採点:8)
- 思いっきり騙された。(笑)
叙情的といいますか、静寂の中で聞こえている音が手に取るようにわかった。
そこに一抹の寂しさがあって、いい文章だなあ、と。
ただ、途中でタイトルを入れるのは失敗だと思います。
他に手段があったんじゃないかと。
方言らしきところも微妙な感じでした。
主人公はともかく、婆さんくらいはわかるかわからないかぎりぎりのところまで訛った台詞にした方が効果的だったかな。
- 44 勝者は語らず。 (採点:2)
- 前後がないので、ただアクションシーンを読んでいるだけになり、おもしろみを感じることができませんでした。
何が何だかぜんぜんわからんかったです。
あと、余談ですけど、
>Φ Φ Φ Φ Φ Φ Φ
この記号、猫の目に見えて困った。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:1)
- 文章作法については割とどうでもいいと思っている人間なんですが、
>「「えっ?」」
こういうかぎ括弧を二つ重ねる書き方はどうかと思うんですよ。
これって漫画とかアニメとかでよくある『声がかぶっている状況』なのでしょうけれど、表現として非常に安直だなあと感じてしまうわけです。
「いや、もっと何かあるだろ」って。
内容についてですが、うーん……。
ダイアローグには面白みがなく、地の文がそもそも少な過ぎます。
- 46 決まりきった世界 (採点:5)
- 落ち着け。(笑)
かなりどうでもいいことでも、ここまで書かれてしまうと多少は点数を上げなければならないと思ってしまう。
将棋のことはぜんぜんわからないのですが、この小説はすんなり理解できた。
でも、まあ、とりあえず落ち着け。(笑)
- 47 ローランダ、空へ (採点:6)
- 全編、感傷的で、なかなか入っていけなくて困った。
読み手の責任なんですけど。
似ても似つかないのに何故だか、筒井康隆の「お紺昇天」とダブりました。
もの悲しい雰囲気のせいかもしれない。
あ、冒頭が結末になっているという構成は良かったです。
こういう構成をいじってくるのには弱いのです。
- 48 愛されるより愛したい (採点:2)
- 結婚までいかないだろ、普通。
思考に矛盾があるんじゃないか、と。
セックスまではあると思うんですよ。友達同士でも。
で、しばらくは好きなのかななどと考えているのだけれど、結局錯覚に気づくと思うんですね。
この小説では友人関係が結婚に発展するまでを描いているようですが、その過程をかなりすっ飛ばしているので、少なくとも説得力は生まれていないように感じた。
- 49 忘れてしまった (採点:8)
- >そんなことはもう、忘れてしまった。
この一文に全てが集約されているように思えた。
ところどころ鼻につくような表現もあったのですが、上記の一文はすごいな、と。
地の文が内容とぴったりあっているんですね、これ。
醒めない夢の中にいるような感じ。
トラックにはねられる場面なんか、はっきりいって異様ですよ。
忘れているはずなのにしっかりと描写していて、じゃあこの語り部は誰なんだって思うべきなのに、正直あまり気にならなかった。
ここをもっと緻密に書いていれば、私的には最高でした。
と、ここまで書いて気づいたんですが、忘れてしまったのは顔だけで、ひかれた瞬間のことは覚えていたのだろうか。
どっちだろう。どっちでもいいや。おもしろかったです。
- 50 ある朝 (採点:2)
- ちっともホラーじゃないと思います。
すごい期待してたのに。(笑)
>嗚咽をもらした。
これは表現の間違いじゃないかと思うんですが。
確かにゲロ吐くときは何となく涙ぐみますけど。
- 51 僕の手で守れるもの (採点:3)
- 途中までは悪くないと思ったんですが、どんどん話が段取りっぽくなっていって、もう何だか有耶無耶のうちに終わってしまい、何だかなあと取り残されました。
>――――この手で、守っていこう。僕らの幸せを。
がんばってくださいとしか言えない。
- 52 ロボット寄生 (採点:3)
- 良くも悪くも平均的なショートストーリーというのが正直な感想です。
風刺的なお話には皮肉と悪意がスパイスとなるわけですが、あまり効いていなかったかな、と。
- 53 Calling “Kingfisher girl”. (採点:7)
- 話の筋自体はかなり面白かった。
文章もよく書けていると思います。
しかしながら、設定といいますか、道具立てといいますか、全体的にちぐはぐな印象が最後まで拭いきれませんでした。
例えば、2ページ目の老人の回想は非常に古典的な怪奇小説の筋立てですね。
ところが最後の2ページになるとちょっとしたセカイ系みたいになってしまっている。
他にも、台詞であったり、地の文であったり(これは意図的なものだと思いましたが)、とにかく全てを掛け違えているように感じました。
そこが逆に不気味でまたいいんですけど。(笑)
しかしやはり全体の統一感をもう少し意識するともっといい出来だったんじゃないかと思った。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:4)
- ニルヴァーナを歌う女の子か。見てみたい。(笑)
状況が実に抽象的で、結局何をしているのか、あるいはしたいのかわかりませんでした。
結局自問自答だから抽象的でいいのだろうけれど、脳内の心象風景があまりにも貧弱じゃないかと思った。
それからsmells like teen spiritを小道具として使いこなせていないかな、と。
何でsmells like teen spiritなのだろうかとずっと考えていたんですが、結論は出ませんでした。
でも一読して勝手に思ったんですが、拙作と主題が似通っている気がする。
あ、私はこの曲よりもリチウムとかレイプ・ミーの方が好きです。(笑)
- 55 明日天気になあれ (採点:3)
- 会話だったり、あるいは台詞と地の文との繋がりがおもしろいところがいくつかあったんですが、徹頭徹尾童話的で、よく言えば暖かい、悪く言えばぬるい物語でした、私にとっては。
高校二年にしては主人公は幼いように思えるし、冒頭の前口上みたいなものは煩わしいくらいだった。
合わないなあというのが一番の感想。
- 56 子供の夢 (採点:3)
- 会話が淡々としていて、何だか笑える。何でだろう。(笑)
ちょっと地の文が寂しいかぎりです。狙いなのかもしれませんが。
- 57 受験戦争戦死者プラスワン (採点:5)
- 題名といい出だしといい、筒井康隆のナンセンス系の流れなのかなと思っていたら、意外とまっとうなサスペンスになって、そのままなし崩し的に終わってしまったという印象。
二人きりになった時点で犯人はわかったんですが、
>「名前書き忘れたんだ」
この台詞に吹き出してしまい、さらに脱力しました。
幕切れに関してですが、タメがないのであまり大きな衝撃ではなかったです。
途中にいくつかあった改行と中寄せは、最初のはよかったけど、他のはあまり効果なかったと思います。
むしろあざとさを感じてしまいました。
- 58 落日の挽歌 (採点:3)
- これを最初に読んだのは1/19なのですが、話がライブドア騒動と微妙にかぶった。(笑)
それはさておき、ストーリーが一直線に結論へと向かっているので、どこかでいったん停滞してほしかったところです。
妖精族:主人公たちは例えば中南米における白人:インディオとかに置き換えられますし、普遍的なテーマであると思うんですが、ファンタジー的な方向へ少しイメージを限定しすぎているんではないか、と。
というのも名前がなく、台詞もない物語の中で、わざわざ妖精という言葉を使う意図が不明瞭だったように思えました。
美しい存在である妖精が残酷な行為に至る、という意外性を狙ったものなのだろうなと見当をつけますが。
>――旧き人である自分達は滅び、新しき人がそれに取って代わる。
旧き人=彼らで、新しき人=妖精族だと思うんですけど、その妖精族よりもさらに「新しき」存在をどこかでちらつかせていれば、もっとよかったはず。
>妖精族の狩り場は森の奥にあり、彼等の部族とかち合うことはなかったはず
ここら辺がそれを匂わせている部分なのかなとも思いましたが。
詳しくはわからないのであれなんですけど、普通狩りに出る集団のリーダーと集落のリーダーは別人にするんじゃないのかなと真っ先に思いました。
狩りが危険であるということを知っているのなら、なおさら。
- 59 幼少時 (採点:1)
- 筋立て自体は悪くないと思うんですよ。
ところが記述量が少なすぎるので、にっちもさっちもいっていない状態です。
10倍くらい書いて欲しかった。
全然関係ないですけど、最初に「佐川くん」と書かれていて、ぱっと佐川一政が浮かんでしまいました。
困った。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:1)
- 登場人物全員の書き込みが甘い印象。
誰一人共感できなかった。
いや、別に共感できなくてもいいんですが、人物だけでなく事象の書き込みも甘すぎです。
>「いや、構わないよ。美奈子の気持ちは決まったのか?」
この台詞なんか特に不自然です。
半ば捨てるような形で去っていったのに、「気持ちは決まったのか?」も何もないように思えます。
- 61 Letter to you (採点:4)
- 部長が皺にこだわるところが何だか笑えた。
話としては、可もなく不可もないという感じで、致命傷はないのだけれど、無傷というわけでもなく。(笑)
>それは、これまでの部長の傾向とはまったく異なる悲しい話だった。技術的にもひねりがなくて、いつものような娯楽性はほとんど伺えなかった。
ここで首を傾げてしまいました。
昨今の風潮から考えるに、「悲しい話」っていうのはそれだけで娯楽性を帯びそうなものなのですけれど。
- 62 Why do you do it? (採点:2)
- メタ構造になっているのかと思いきや、ただのぼやきに終始してしまっていて、ひとつの読み物として全く面白くなかったです。
ていうか、作者さんの言い訳めいているように感じられる節がいくつかあったのも気になりました。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:4)
- 全体的に展開の都合が良すぎる気がします。
語り部が幼稚すぎるのも気になりました。
一人称の記述自体は悪くないと思うのだけれど。
最後が三人称になっているのも残念。
別に書かなくてもいいのではないかと思った。
- 64 発狂した宇宙 (採点:9)
- 文体が古いゴシック小説みたいです。
筋は東欧あたりの怪談でありそうでもある。
仮想敵が異様に抽象的なのがポイントですね。
終盤にホルヘ・ルイス・ボルヘスの「アレフ」とか「砂の本」みたいな強烈なカタルシスがあればもっと高評価だったと思います。
もちろん、この曖昧ではっきりしない、しかし確実な変化というのが逆にいいのかもしれないのですが。
ただUFOキャッチャーに5000円だの7000円だのっていうところが引っかかりました。
1000円2000円使えばスタッフが取りやすいように配置換えしてくれるものなんですけど。
- 65 晴れた日は、星の夢を (採点:6)
- 終盤、赤面しそうになった。(笑)
少ない枚数で、よく書けていると思いました。
青春短編小説として、まとまっているな、と。
- 66 似たもの親子 (採点:5)
- もっと風刺的であると面白いんですが、この一作は仕掛けだけで手一杯という印象でした。
まとまりはあるし、しっかり落ちているんですけど、消化不良気味なのはそのせいなんじゃないか、と
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:5)
- 最後のところ以外、どうして改ページが必要なのかがわからず、一読してちょっと戸惑った。
いい生活してる姉ちゃんが適当に悩んでいるだけの話に思えて仕方がなかったです。
英国紳士も思わせぶりで、よくわからんかったし。
病んでいる人間の切羽詰った感じがもっと押し出ているとよかったかな、と。
- 68 私的な三色信号機 (採点:7)
- 途中までは8点か9点かって感じだったんですが、回想あたりの台詞がはっきり言ってよろしくなかったのと、最後がものすごい駆け足になったのが残念だったので、減点。
ただ地の文に味があって、読んでいて楽しかったです。
黄色。黄色の存在が面白いですね。
割り切れない存在も確かにあるというところがいいです。
- 69 雪、心々 (採点:5)
- 24時間で全てを忘れるっていう設定を女の子なり男の子なりにつけると、ほぼ間違いなくオチはあれなんだろうなと読みながら考えていて、実際そんな感じだったから困った。
全員の気持ちの流れを描くには短すぎましたね。
>ニュートン? すっこんでろ
「大伴家持だちくしょう」っていう三好十郎の芝居の台詞を思い出して笑ってしまった。
- 70 雨ごい (採点:5)
- もう、直前までの雰囲気ぶち壊しですよ。(笑)
ホラーっぽい展開を期待しちゃったじゃないですか。
大きいほうでなくてよかったという感じですね。
でもまさか、こんなところに着地するとは思わなかった。(笑)
- 71 デジタルペット (採点:4)
- ペットを飼っている側が全く出ていないので、一方的な恨みになってしまっていて、物語の説得力が若干薄めになり、これは少しアンフェアなんじゃないかな。
感情が恨みではなく絶望に向かっていれば、あるいはもっといい出来であったかもしれないと思いました。
恨みの感情を描くなら、やはり因果応報が必要なんじゃないかと。
あと、「たまごっち殺し」はモチーフとしては陳腐だと感じた。しかも古い。
情報が手に入るのなら、当然人間の身勝手で見捨てられた生身の動物の末路も知っているだろうし、そこらの事情をデジタルペットと対比することによって、もっと大きな恐怖が生まれたのではないかな、と。
- 72 しろゆめ (採点:1)
- 何だこれは。
すいません理解できませんでした。
地の文がぬるいですね。こういうのは正直苦手です。
でも薬師丸ひろ子が朗読したらいい味が出るんじゃないかと思った。
- 73 Saturday 7.15 (採点:3)
- 台詞が一見砕けているようなんですが、結構余計なものが付着していて、口語っぽさの演出としては失敗しているかな、と。
その掛け合いに乗り切れなかったので、おもしろいとは感じませんでした。
最後の一文がとってつけたようなものであったのもマイナス。
- 74 告白ごっこ (採点:1)
- 単純に面白くない。
語り部が最後微妙に後悔しているところが特にダメ。
心理の推移が全く理解できないのですよ。
というか出発点がまずあれなんですけど。
それから
>不倫した大人同士ならクロロホルムで眠らせた後、ロープで首を絞めてもおかしくないけど、
いや、おかしいだろ。(笑)
- 75 君の後ろで (採点:4)
- 後半の展開がいきなりすぎて、しかも効果的かというとそうではないように思えました。
意表を突き過ぎだ。(笑)
あと、最後の一文ですね。
他に何かなかったのかなあと思った。
安直というかストレートすぎるというか、うーん、もったいない。
- 76 落果 (採点:2)
- あまり書き慣れていないのかなと一読して思った。間違ってたらすいません。
まあ、これは状況を考えてみるとかなり悲惨ですよね。
その悲惨さが表に出ないようにしているのか、出なかったのかはわかりませんが、結果として失敗していると思います。
- 77 いつも心に太陽を (採点:7)
- 世界観は面白い。こういうの好き。
破滅したところに何故だか無関係に生き残っているっていうのは幻想的でいい。
たぶん沙莉も婆ちゃんと一緒でロボットみたいなものなのではないかなと思うと、怖さと切なさが増した。
>録音されたテープを再生するように話し続ける様子は、空恐ろしく見える。
その後の展開を考えると、ここの比喩はあまりにもベタかな、と。
- 78 ラックラック♪ (採点:5)
- かわいい死神だなあ。(笑)
それはさておき、戦争の箇所が言葉を並べただけで真実味があまりないというのがこの物語を運ぶ上での問題点だなあと感じられました。
ただ最後の数行を読む限り、これは勝手な想像なのですが、作者様は軽い話を書こうとしているのだなというのが何となくわかったので、まあいっかと思っちゃいました。
- 79 home, my sweet home (採点:3)
- 最初の数行を読んで、まず話に入っていけない自分がいて、少しあとから設定の説明が始まったのだけれど、そこに辿り着くころには物語に対して距離を置いてしまっており、結局最後まで入っていけませんでした。
何だかよくわからないという印象です。
でも最後の箇所で、我が家が無傷で残っているように主人公には見えたのかなと思うと、少しせつなくなった。
○文月そら さん
- 05 魔 王 (採点:9)
- なんとなくオチは読めたんですが、この短さと過不足無さは良いなあと思いました。あと、わかってても笑っちゃいましたので。
しかしタイトルがラスト4行前に出る作品ってのもこの話くらいだよなあ。
効果的だったと思います(笑
- 09 僕僕先生 (採点:8)
- うーむ。なにやらとてもリアルでした。こんな説話が本当にあると聞かされても疑わないことでしょう。
固めの文章に、どこかコミカルで楽しげな、こういう話をのせるっていうのはかなり難しいことだと思うんですが、上手くこなされていたと思いました。
- 11 江南小話 (採点:7)
- 三国志大好きなんですが、孔明以後のことは良く知らなかったので勉強になりました。
この容量制限の中で歴史物語を題材に選ばれたということ、そしてここまでまとめあげられたことに敬意を表します。
ただ、もし難をいうならば、全体を貫くテーマみたいなものがあるともっと良かったかなあと思います。いや、歴史物語なんだから客観的な視点から淡々と描くのが普通ではあるんですけどね。なにせ分量が少ないので、+αの要素として、そういうエンタテイメント性があっても良かったかもしれません。
- 19 青い春 (採点:7)
- 全体の流れは恋愛モノとしてすごくオーソドックスな展開でしたが、彼氏彼女のういういしさとか、とても魅力的に表現されていて、読みながらニタニタしてしまいました。楽しかったです。
- 29 モノは壊れる、ヒトは死ぬ。三つ数えて目を瞑れ (採点:8)
- 葬式という儀式は生き残った人たちのためにあるのだときいたことがあります。
何もかもが手遅れで、何もできないという無力感を、いっとき忘れさせてくれるからだそうです。
モノになってしまった剥製。悼んでいた存在と等価になってしまった老人。
もの悲しいと同時に、なんとなく救いも感じました。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:7)
- 名前を知らなかったっていうことは、この子たちは彼の子どもじゃないってことですよね。うーん。そう思うといろいろ複雑な人間模様が思い浮かびます。
「幼馴染」というポジションを、そのままに貫いたってことなんでしょうか。
それにしても、思い出の場所を毎日掃除し続けることにせよ、約束を守り、夢を実現させたエネルギーにせよ、尋常ではないですよね。
あ。二人称が『あなた』と『君』。それに『ぼくらの小さい頃に瓜二つ』ってことは、逢ったことがない自分の子どもたちだったってことなのかな。……でも高校卒業から七年待たせているってことは、子どもを作る暇は高校時代しかないってことじゃあ……。
まあ、そのへんどこかに見落としがあるせいか混乱はありましたが、幻想と現実のゆらぎとか、いたずら心とか、いい雰囲気でした。面白かったです。
- 36 停電の訪問者 (採点:8)
- 死んでしまった人がもどってくる。うーん。この手の話に弱いんですよね。
あくまで生者として迎えた沙弥子のやさしさが素敵だと思いました。
あと焼きうどんが食いたくなりました。買ってきます。
- 37 Love Song を聴かせて (採点:7)
- ヴァイオリンというおしゃれな道具立てで、しかも恋愛モノで、やることがヴァイオリン声帯模写ってあたりのアンバランスっぷりが好きです。
最初はコミカルでしかなかったセミの声も、好きな人が恋の歌として奏でれば、意味合いが全然違ってくるのですね。
ラスト、彼の演奏を聴いている彼女のせつなさと嬉しさが伝わってきました。
- 43 帰郷 (採点:10)
- 当人がどう思っているのかとは関係なく、見える見えないが決定されるってのはせつないですね。
一文字も描かれていない、高ちゃん側の気持ちとか言葉に、思いをめぐらせました。
こういう風に想像力を刺激される作品というのは、実際に文字で描かれた以上の広がりを持つんですね。素敵でした。
- 48 愛されるより愛したい (採点:8)
- 恋愛って、付き合い始めの新鮮さが抜けきったときが本当の勝負な気がします。
友達のまま結婚した二人。この二人には、そういう付き合い始めの段階はなかったかもしれないけど、その分倦怠期もないような気がします。
こういう関係もいいなって思いました。
- 52 ロボット寄生 (採点:7)
- ロボットが人間に反逆するとか、人間が居場所をなくすとかいう話は多いですが、ロボットの付属物と化してしまう話はめずらしいですね。
日々、精神活動のみを行う彼。
……なんか、それはそれで楽しそうな気がしてしまうあたり、僕も相当なダメ人間だなあと思いました。
- 55 明日天気になあれ (採点:9)
- ちょっとあったかい気持ちになりました。
晴れにするために必死で各方面を接待するてるてる坊主の姿を想像して、ちょっと笑ってしまいました。
面白かったです。
- 56 子供の夢 (採点:7)
- 老いたるも少年、って感じですね。
うーん。こういう部分を持ったまま年とりたいなあ。
- 58 落日の挽歌 (採点:7)
- 冒頭、ファンタジーかと思いきや、実は原人たちの生存競争の話だったんですね。やられました。面白かったです。
- 63 凍えた夕陽が落ちる夜 (採点:7)
- まず、この長さでミステリに挑戦し、まとめてみせた手腕がすばらしいと思います。
馬渕のキャラとかエピソードを描写することで、主人公の行動により説得力をもたせることができればもっと面白かったと思いますが、この容量ではそういうわけにもいかないでしょうね。
- 69 雪、心々 (採点:7)
- 記憶を失いつづけながら生きていくこと。そして、そういう人のそばにいると決意すること。本当に難しいことだと思います。
美由紀さんに彰人がどう惹かれたのかというエピソードがあると、もっと良かったなあと思いました。
いや、容量が足りないのはわかっているんですが……。
- 70 雨ごい (採点:7)
- まんが日本むかしばなしを思わせる、淡々とした文章。
思わずあの声をあてて読んでいました。
その果てに……。
……にょう?
やられました。
- 71 デジタルペット (採点:8)
- これは身につまされますね。
以前プレイしていたオンラインRPGを思い出しました。
ただ、ラストは怪談調にしなかったほうが、個人的には好みでした。
- 75 君の後ろで (採点:9)
- 遠い初恋の想い出の甘酸っぱさというか、せつなさが良く出ていたと思います。
最後、岩田君が彼女を覚えていないのが特にせつないですね。
相手と共有できない、大切な想い出って、ちょっと哀しい。
素敵なお話でした。
○霧島アルト さん
- 01 きれいなほし (採点:6)
- 物語1 構成1 題材2 文章1 個性1
綺麗なお話でした。イメージカラーはセピアかな蒼穹かな。
まるでポエムのようなノリで読ませていただきました。
- 02 息吹 (採点:8)
- 物語2 構成2 題材2 文章2 個性0
植物達の息吹が読んでいるだけで伝わってきそうです。
文章も優しく丁寧で、とても素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございます。
- 03 strangers in the city (採点:6)
- 物語1 構成1 題材2 文章1 個性1
ほのぼのしてますねー。チャット&日記という小道具が、ネット小説としての物語に深みを持たせてます。こういう話は実際にありそうで。
でもラストがいまいち。容量に少し余裕があるのだから、もう1ポイントくらいほしかったです。
- 04 彼女の愛敬抵牾 (採点:5)
- 物語1 構成1 題材1 文章1 個性1
可もなく不可もなく、といった読後感でした。
- 05 魔 王 (採点:6)
- 物語0 構成1 題材2 文章1 個性2
確かに黒い悪魔ともいいますからね奴ら。意表をつかれました。
ナイス一発ネタ。
- 07 愛・おぼえていますから (採点:6)
- 物語1 構成1 題材2 文章2 個性0
どこかで聞いたようなタイトルですねというのは置いておいて。綺麗な群像劇ですね。無理なくノスタルジィを想起させる文章、その切ない書き口がツボでした。
気になったのですが“――(ダッシュ)”の記号が2つ組だったり3つ組だったりしているのは意図的でしょうか。
- 08 傷跡が残すもの (採点:4)
- 物語1 構成0 題材1 文章1 個性1
『死』あるいは『喪失』の観念が主題にのぼるお話ですね。この場合の『死』とは、級友の危機を見て見ぬ振り、つまり逃避によって見捨てたことで起こった他者の『死』。ともすれば自己のプライドの崩壊という意味もかけてあったのかも知れませんが。
だとしたら、壊れた右足。願望への絶望。苦しめられる友人。見て見ぬ振りの彼。これらが別の動機で起こり過ぎているため、右脚の痣の意味さえこじつけになり、せっかく張った伏線の意味を喪失させてしまっているように思います。
- 10 また共に笑おう (採点:7)
- 物語2 構成1 題材1 文章2 個性1
二人の甘酸っぱい一時の別離の話。いいですね。大変ごちそうさまでした。
- 14 ユメのおわりに (採点:8)
- 物語2 構成1 題材2 文章2 個性1
いいですねーこういうお話。感動いたしました。
作者さんに精いっぱいの感謝とエールを。
- 15 マリアニスモ・ファンタスティコ (採点:5)
- 物語0 構成1 題材0 文章2 個性2
……どこの達人さんなんだろう。冒険心に溢れ、個性のある文章は個人的に嫌いじゃないです。この作品。毒性は強めですけど。ある意味、文章に慣れていなければ書けない文章だともいえると思います。
良い意味で悪文。悪い意味で良文というところでしょうか。私の感じた印象です。
- 17 ○ブタ。をプロデュース (採点:5)
- 物語0 構成1 題材1 文章1 個性2
この独特の会話の運びが、痛快で勢いがあって面白かったです。
- 20 A Darkness more than night (採点:9)
- 物語1 構成2 題材2 文章2 個性2
巧い。相当なベテランの方と拝察します。しかもただ手慣れているだけではなく、豊富な知識に裏打ちされた緻密さがなくては、これほどのものは書けないと思いました。
すみません。未熟な私にはこれ以上感想にすべき言葉が見つかりません。
- 23 世界の終わりは (採点:8)
- 物語1 構成2 題材2 文章2 個性1
テーマ性がいいです。『僕』と『彼女』との出会いから、カタルシスへと導かれる描写がとても自然で、すっきりとした読後感でした。
- 28 その交渉は無理がある (採点:6)
- 物語1 構成2 題材1 文章1 個性1
健気で計算高い(?)妹に軍配。これから妹に振り回されそうな兄の姿が想像できます。個人的にこの話の続きが気になっています。もし続くなら続編にひそかに期待。
- 30 夏の塔よ、月になれ (採点:8)
- 物語2 構成2 題材1 文章2 個性1
ほかに言葉など要らない。ただひとえに、いい話でした。
優しくて綺麗な文体が物語性をより一層引き立てていますね。
夢のある話をありがとう。大変ごちそうさまでした。
- 31 戦場の休日 (採点:7)
- 物語2 構成1 題材2 文章1 個性1
やられました。少女総司令というキャラのミスマッチ。健気で可愛すぎ。
- 44 勝者は語らず。 (採点:4)
- 物語1 構成0 題材2 文章0 個性1
この手の作品。嫌いじゃないです。嫌いじゃないから、見る目が必然と厳しくなってしまいます。
殺陣におけるノリが不味い時点で燃えることができませんでした。あと誤字脱字が少々見られたのが勿体なかったような。
- 45 運命ーめぐりあいー (採点:2)
- 物語1 構成0 題材1 文章0 個性0
文章作法については省略です。その部分がもったい無いことを除けば…ですが。
ほのぼのとしたラブストーリーですね。個人的には好感が持てました。
- 49 忘れてしまった (採点:7)
- 物語1 構成1 題材2 文章2 個性1
二重に記憶喪失すると言うのは医学的にどうなのだろう。設定的に新井素子さんのグリーン・レクイエムを髣髴させますね。テーマとしては面白くて良いんですよ。
- 50 ある朝 (採点:3)
- 物語1 構成0 題材1 文章0 個性1
つかみはOK。けど続きがめちゃくちゃ気になってる私がいます。本当にあれは誰の髪の毛だったのだろう。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:4)
- 物語1 構成0 題材2 文章0 個性1
メッセージを伝えるパートをそのまま切り抜いたような作品ですね。
イタリックで書かれた魂の叫びの部分が印象的でした。でも前振りがほとんど無いので話に入りにくかったような。
- 56 子供の夢 (採点:4)
- 物語1 構成1 題材1 文章0 個性1
地の文をあえて省略し、科白部分の割合を上げることによって、イメージの想起を誘う文体ですか……意図的だとすれば、手法としてありかもですね。ただこの方法だと容量の節約も可能であり、都合約5.5kb分の増量ができるので、もう少し話としてのボリュームを増やせたのではないか、という思いがあります。
- 59 幼少時 (採点:4)
- 物語1 構成0 題材1 文章1 個性1
まさに短文の中に思いをこめた、という作品ですね。幼い心による視点という部分が良く出ていると思います。こういうタイプの地の文だと説明不足というレッテルを張られがちですが、文章力次第で化けそうな予感はします。
- 60 失恋時限爆弾 (採点:6)
- 物語1 構成2 題材1 文章1 個性1
ほのぼのしていていいですね。読んだ後に口元がにやにやしてしまいました。
- 62 Why do you do it? (採点:6)
- 物語1 構成1 題材2 文章1 個性1
ある意味。こういう場では最もリアリティに近い題材?みたいな。
私的にですが、彼女はもうSSを書く意味というものに気がついているような気がします。
彼女はきっと自分自身の環境と、向けられている思いとを自覚した時、
改めてその本当の意味を知ることになるのでしょう。
- 64 発狂した宇宙 (採点:6)
- 物語1 構成1 題材0 文章2 個性2
良くも悪くも寓話的。冒頭から読み手を選びそうですね。この作品。M○Rとかハ○ヒ好きの方向きなのでしょうか。そんな不思議属性。独特のノリは個性的で良いのですが、おそらく意図的と思われるタイトルとキーワード的表現の意味性が薄かった印象が。
冗長や好き嫌いは抜きにしてこの評点。ご了承ください。
- 66 似たもの親子 (採点:5)
- 物語0 構成1 題材1 文章1 個性2
正直、この手の作品を感想にするのは難しいです。
美食の追求の果てに食人に走るのはひとつの選択肢?とか、そっちの方に意識が向いてしまうので。
狐と狸の化かし合いという意味で、確かに似たもの親子ですね。要領を得なくてすみません。
- 67 淑女は悪魔のワルツを踊る (採点:4)
- 物語1 構成1 題材0 文章1 個性1
シニカルなキャラに、シニカルに進行するストーリー。
時折見せる生々しさも相まって、好みが分かれそうですね、この作品。
私的には小説というよりは演劇などの脚本的な内容だったかと思います。
- 69 雪、心々 (採点:9)
- 物語2 構成2 題材2 文章2 個性1
良いです。本当に良いです。キャラが生きているし、なにより切なさが伝わる。医学に聡くはないのであれですが、美由紀を苦しめる症状がいつまでも続いていくとは思えません。医療は日々進歩していくものですし。タイトルの通り、思い出せないだけで、少しづつだけど心々と心の中に記憶が残っていくと思いますし。2人に幸あれ。
- 72 しろゆめ (採点:4)
- 物語1 構成1 題材1 文章1 個性0
悪くはないのですが、逆に良いと思える部分も見当たらない。
そういう印象でした。
- 73 Saturday 7.15 (採点:4)
- 物語1 構成0 題材1 文章1 個性1
ノリの良い文章で読んでいて楽しかったです。個人的に好きになれるタイプのお話でした。
すばらしい夏になりますように。
- 74 告白ごっこ (採点:5)
- 物語2 構成0 題材1 文章1 個性1
いい話だと思います。
これからかなりの確率で訪れるであろう、少年&幼馴染&親友という三角関係とか、展開を色々想像できます。
ただラストから10行目の「振られた」という言葉が惜しかったような気がします。「振られる」の辞書的な意味は「(異性への)要求が断られる」であり、この時点では中田は小倉に恋していると自覚していなかったわけですから「振られる」では本来の意味と異なります。「嫌われた」とかの言葉の方がここはしっくりくるような。
- 76 落果 (採点:3)
- 物語1 構成1 題材1 文章0 個性0
地の文。説明のための説明に終始していて読みにくいです。
そのため話を読む気を削がれてしまいます。
老夫婦の幸せそうなお話? とそういう印象。
- 77 いつも心に太陽を (採点:9)
- 物語2 構成2 題材2 文章2 個性1
完成度の高い作品ですね。感動して涙さえ出てきそうでした。
タイトルの通りですよ本当に。点数的にこれでどうだぁで9点。
- 78 ラックラック♪ (採点:10)
- 物語2 構成2 題材2 文章2 個性2
やっぱり喜劇は良いものですね。読んでいて楽しいです。
文句なしの10点で。
- 79 home, my sweet home (採点:5)
- 物語0 構成1 題材2 文章1 個性1
設定の消化がいまいち……説明も不親切でよくわからないまま進んだ印象が。
この手の世界観は個人的には好きなんですけどね。
○涼末 さん
- 22 瑠璃 (採点:5)
- オマージュ元を知っていると、どうしても終始それを意識してしまいました。
本多作品を読んでいるかのような気持ちよさや爽快感は好きでした。
ただやはり音楽でいうところのライトアレンジのような印象を抜け出せない部分があり、そこが残念でした。
原作を知らないでこの作品に出会えていたらきっと満点でした。
次回作を期待しています。
- 32 バスが来るまで (採点:9)
- 妹好き冥利につきます。
前半のテンポの良い会話に、妹を可愛く見せる文章するする読めました。
どっちに転ぶのかなぁと気になったところで、「でもそれは、幻だということを、俊はよく知っていた」の部分で距離を作るところが大好きです。
その文章を境にガラッと空気や距離が変わるのも上手いなあと思い読ませていただきました。
そして最後の「二人を待つ――」部分が実にセンチメンタルでした。
- 54 smells like xxxx spirit (採点:2)
- タイトルと本文を見て、カート・コバーンとリンクさせて読むべきなのか迷いました。
例えば結論部分がカートのもう一つの未来を映すものだとしても
作品としての内容をもう少し埋めて欲しかったように思います。
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