○Ryo-T さん
- 001 レディ・ジョイ (採点:3)
- 可もなく不可もなくとしか言いようがありません。
鬼になった千鶴さんの台詞を片仮名表記するのはしょうがない事だけど、少し見にくかった。
それとコメディという割にはいまいち笑える所がなかったような気がする。
- 003 来年から来世にかけて (採点:8)
- まず、いきなり「こりゃ負けた」と思いました。
シリアスというよりどちらかというとほのぼののような気がしましたけど、それは差し置いても面白い。
文章も非常にテンポが良く。読んでいて何ら苦痛を感じませんでした。
あと、梓可愛すぎ……。
- 004 千鶴の誘惑 (採点:7)
- 何というか……ほのぼのというジャンルを究極に突き詰めた作品ですね。
楓の日記により時間軸に関しては非常に分かりやすかったんですが、それにしても展開があっちゃこっちゃいき過ぎてたような気がします。
ただ、センス溢れる文章には感服いたしました。これからも頑張ってください。
- 005 鬼の研究 (採点:10)
- 最高でした。これ以上もなく、素晴らしい作品だと思います。
高い文章力とセンス、構成も見事と言うことありません。さらに読んでて面白い。
私もいつかこんな作品が書ければなァ……。
- 006 大好きな人のいる年越し風景 (採点:5)
- 流れ的には非常に読み易いんですけど、その分見せ場みたいなものまで削れてるような気がしました。
あと、最後のオチがまたお約束すぎ……。
○kram さん
- 001 レディ・ジョイ (採点:9)
- 始まりから最後まで、楽しませて頂きました。
痕のストーリーを一段深くして、かつ広がりをもたせている設定に、この鶴来屋の存在があるのですが、この話は上手にその美味しいところだけを持っていったような感じですね。
中編の尺にぴたりと合ってます。始まりのテンポも中盤のリズムも、そして話を終わらせるタイミングも、適切でした。
鬼化した千鶴さんのギャグに走りすぎず、なおかつ企業陰謀の重苦しさを出さず。このへんのさじ具合も良くて、気分良く読み終えることができました。
ありがとう。
- 002 手記/Testator (採点:3)
- ロリに目ざめそうになった千鶴ちゃんに萌点。
話ですが、大筋の方向性としては悪くないと思います。でもやや、話運びを焦りすぎたような気がします。
「手抜きでやらせてもらうか」などというセリフは、あまりにも直接的すぎます。いろいろフォローしているようですが、そういう言動は耕一らしくない気がします。
まぁキャラ観というものは人それぞれでしょうけれど、私は耕一というやつはスケベでバカではあっても、男らしい良い奴だと思っていますから、親父の仏壇の掃除を手抜きしようという発想に至るのがひどく不自然に思えました。
あと、日記は「十数冊にも及ぶノートが紐で括られて纏めて」あり、「ノートの上の埃がそれなりの量に達している」ために「大分昔のみたい」に見えるという出だしの設定でしたが。
日記の終わりは「明日、自分から母さんや兄貴の所に行こうと思う」、つまり賢治の死の前日なわけです。このSSがどの時点のものかは明記されていませんが、大掃除という行為からみて、痕本編直後の冬休みと推測します。つまり12月後半。
賢治の死は同年8月頭なわけですから、単純計算で4月半。そんなに埃がつもるものでしょうか。
まぁどうでも良いっていえばそれまでなんですが、違和感はディティールから生まれるもの。私は読みながら???と思ってしまいました。
なんだかきついことばかり書いてしまいましたが、全体としては楽しく読ませて頂きました。逆転看護婦プレイはすばらしい発想(笑)
- 003 来年から来世にかけて (採点:7)
- これは実はとてもいい話なんじゃないかと思う。
園見の存在の理由付けがやや薄かった。この話のメインは「学芸会の次郎衛門話で前世のことを否応なしにひきあいにだされ、落ち込む梓を耕一が耕一らしいやりかたで元気づける」というものだと思う。わざわざオリキャラをださなければならない理由が見あたらない。
逆にいうとそれ以外はとても良かった。冒頭で「実は」と言った理由はそこにある。
「前世の話ぐらいで、みんなに嫉妬するあたしが大嫌いだ」
このあたりの展開がすばらしく良かったので、むしろ話をもっとシンプルにしてここに焦点をあわせて持ってくると良かったかもしれない。
オチもまた決まっている。きっと作者は書き始めた時からこのラストのシーンが頭にあったのではないだろうか。
梓の梓らしさがとてもよく出てたのでキャラ5点。
- 004 千鶴の誘惑 (採点:8)
- この話はなんと言っても千鶴さんでしょう。「私以外の女の子を見ちゃだめ」、これいいなぁ。
さて話の内容ですが、千鶴とつきあい始めた耕一のいる日常描写と楓の日記のザッピング。ほのぼのとしてとてもよかったです。ただ、お口直し的な要素であるべき芸人観察日記のウェイトがやや重くなりすぎたかなと言う気がします。とりあえず、ラストをそれで締めたのはサービス過剰かなという気が。
7.5くりあげ8点というところで。
- 005 鬼の研究 (採点:7)
- 四姉妹の誰も登場しないのでキャラ点の付けようがありません(^^;) 初音ちゃん好きなんで初音点ということで。
話ですが、これは非常に完成度の高い、読み応えのある作品でした。
ただ、私の中で厳然として「不幸系は−2、オリキャラ−1」という採点基準があるので、それに従ったまでです。怪談的な描写も、思わずぞっとするほど怖く、力量をうかがわせます。
なにか元ネタがあるのでしょうか。
このクオリティで、今度は明るい話書いて下さい(^^;)
- 006 大好きな人のいる年越し風景 (採点:9)
- なんといいますか、読んでいて気持ちの良い作品でした。
話の筋としては目立った起伏もなく、ただ穏やかに、ラストまでお約束の王道を歩いていったような構成。でも、それが魅力になっています。この作品の価値は、読み終わったあとにタイトルを読み直して、すとんと胸の中に落ちてきました。
柏木家のこういう「なんでもない」風景というのを自然に、さりげなく、肩に力を入れずに楽しく描くというのは、キャラクター及び作品世界への深い思い入れがあればこそと思います。
名作とか大作と言われる類の作品ではないかもしれませんが、ふとしたときに読み返したくなる、そんな気持ちの良さが残る作品でした。
萌点は、とにかく楓ちゃんが可愛かった!
○あー さん
- 001 レディ・ジョイ (採点:8)
- 面白かったです。
しかし本人が意識せずばら撒かれる殺気というのは実際どんなものなんだろう?
いるだけでホラーっつーのも気の毒ですねぇ。
- 002 手記/Testator (採点:7)
- 上手いんですが…ですが。
ギャグスタートでシリアスで締めるというのがどうにも自分には違和感を残すようです。
絶対落としてくると思って読むほうが変なのでしょうか。
変なんでしょうね。
- 003 来年から来世にかけて (採点:8)
- 着眼も好きだしキャラの作り方も好きだし、描き方もいいですし。
言うことありません。
○起屍鬼 さん
- 001 レディ・ジョイ (採点:7)
- 面白かったです。
メインが鬼千鶴の恐怖か響子さんの冒険なのか迷いますが、面白かったです。
爆笑には至りませんでしたが、ニヤリといい気分にさせて貰いました。
個人的には脂汗流す運転手さんに萌え(爆)
仕事に対するプライドが、鶴来屋への愛を感じさせてナイスです。
- 002 手記/Testator (採点:8)
- ググッと――!?
歪んだ――!?
良い話なのかギャグなのかどっちなんだ。
最後の一行で見事にふっ飛んでしまいましたw
気になって気になって、心臓がバクバクと落ち着きません。
いや本当にどっちなんだ。
良い話部分とギャグの起伏が激しくて、非常に体力を使いました。笑いすぎて。
笑いの基本を押さえてると思います。
大変インパクトのある話でした。読後感もイイです。
三年後にふと思い出して読みたくなるかも。
親父さんが凄くイイキャラで良いと思いました。ご飯にゴキブリ仕込むのだけは勘弁ですが。
- 004 千鶴の誘惑 (採点:7)
- 実に猫な楓が良い。
最初は単なるギャグかと思った芸人ネタが小道具に使われてて上手い。
他にも色々あるが、とにかく文句無しに面白かった。
善い話だ。
- 005 鬼の研究 (採点:6)
- 滅日?
面白そうですね、売ってるの見かけたら買うことにします。
なかなか怖くて面白かったです。
千鶴も格好良いし由美子もなにか可愛いしみんな助かって良かった。
そして最後の眼鏡の男の正体や千鶴?との関係が気になり、謎を呼んでいいかんじです。
ただ設定が原作と違うようなので、軽く説明してくれると有り難いです。
もしくは別に話を作るか。
○東西 さん
- 002 手記/Testator (採点:9)
- 前半と後半のギャップがすごい(笑)
ギャグとしての纏まりもよく、後半のテンポも面白かったです
- 003 来年から来世にかけて (採点:7)
- 唯一、次郎衛門と深く関われなかったアズエル=梓の思い
彼女の心中というのが、とてもよく表現出来ていて面白かった
オリキャラも雰囲気を壊さずにとけ込み、目立ちすぎず
メインキャラを引き立たせるスパイスとしての役割を果たせているように見えたので
良かったと思えました
○独断と偏見 さん
- 004 千鶴の誘惑 (採点:8)
- 不快になりがちなテーマをよくぞ纏め上げたものだと思います。
千鶴の直接的な内面描写は一切省き、耕一・楓視点から描写された彼女はある種の切なさすら感じさせます。
ただ、よくよく読むと耕一視点の話・楓視点の話は微妙に分離しているようでもあり、耕一視点、もしくは楓視点、どちらかだけで『千鶴の誘惑』という主題を描いていた方が纏まりが良かったかもしれません。
ところで、お笑い芸人の話は何かのメタファーになっているのでしょうか?
- 005 鬼の研究 (採点:9)
- 卓越した文章力で描かれる痕BADEND後のAnother story。
由美子が抱いていた淡い恋心をスパイスに、鬼の正体に迫ったSSでしょうか。
車内のシーンは初読時、背筋に寒気が走るような感じでした。はい。
思わず我が家のガラス戸を振り返るほどに。
今回のこんぺでは一、二を争われる達文でしょう。
しかし、肝心のストーリーの方は美辞麗句に覆われて、多少判りにくいことも否めません。
滅日設定クロスオーバー、ですか。解説を希望致します。
ところで、作者さんはAHH氏でしょうか。違ったら申し訳ありませんが、ほぼ絶対的に確定かと。
○名無しさんだよもん・旅情編 さん
- 001 レディ・ジョイ (採点:5)
- 日常生活で鬼モードになって戻れなくなり騒動が……というアイディアは面白い。
ロビー入場シーンとかは笑いました。
会社組織を描くのはまだちょっと手に余ったかな?という印象。
会社、企業って題材は、読むものにとって一番現実的で我に返っちゃうネタで、
上手に書けてないとマズー……というのは、ある作家の弁。
(それから、鶴来屋の経営理念に関しては、先々代(創業者)の拡大路線で発展した、
時代の早いベンチャーのようなものだった、とか原作で記述があった記憶が…細かいツッコミ)
タイトル、響子さんの雑誌名そのまんまですが、なんとなく気に入りました。
- 002 手記/Testator (採点:5)
- ギャグで進めていきますが、ギャグがいまひとつ。
耕一のリアクションの振幅が大きすぎとか(ギャグ以外でも)、実の父母の
性的なことって文章力無関係に子供が一番萎えることなんじゃないかなあ…とか、
子供に、ご飯にゴキブリ入れたり車で轢くのはギャグになってないとか。
もっと頭から「マンガです」と(作中で。火浦巧レベルで)宣言してくれれば
少し違った(?)かもしれませんが。
でも「私の名前は」「看護婦役は」「アンタもか」「ロリでいい」とかは面白かったですよ。
キメの文章、笑顔になったんでしょうが、そうでないようにも読めてしまいます。
原作では、賢治は叔父と違ってゆっくり鬼に目覚め、耕一の母の死の時点で
すでに苦しんでいた、耕一たちと同居しなかった理由は、
「自分が妻子を襲うのが恐かった」と描写されてたと思います。
あと、そうゆうは基本的に→そういうでお願いしたいです。
ストーリーの構成の狙いは良かったと思います。
キャラ萌え点は、ロリ千鶴さんに(w
- 003 来年から来世にかけて (採点:4)
- オリキャラ……ですよね? 梓+オリキャラものと言っていいぐらいの中身ですが、
キャラを立てるには「変人」「変人」と地の文で連呼しないで、
変人な言葉と行動を使って表現した方がいいんじゃないかな。
あと、かおりの扱いに愛情がないのが残念。
生徒手帳に入れた異性の写真を見せる意味に梓が気付かない部分は不自然。
楓と初音、読み進めたら「いたんかい」という感じなので、
冒頭でまず舞台とその様子の描写が欲しかった。
五人が前世を記憶(事実)と認識してる以上、「前世での役」「話」は変かな。
長女次女を殺したのも原作では次郎衛門ではなくエルクゥ達自身だったような。
「身構える」「鼻の下が伸びる」「シュール」の使い方もちょっとおかしいんじゃないかな。
ラスト部分も、したいことはわかるけどいまいち意味が通ってない印象。
ストーリーのプロット自体はいいと思うんですが、いろいろ気になる部分が多かったです。
- 004 千鶴の誘惑 (採点:7)
- 中編部門では抜けたレベルの作品のひとつ、と思いました。
姉妹の間の鞘当て、その中から抜け出す千鶴。千鶴には、選ばれるだけの理由があった。
という話を、楓の日記(&お笑い芸人に託した暗喩)を進行役に…というお話。
ただ、暗喩と本編の照合がもうひとつできなかったです。
それに読み終わってみると千鶴の話ですから、梓を描いた部分が
どういう効果を狙ってのものかも、もうひとつわからず。
このふたつは、こちらの読解力不足でしょうか。
鞘当て部分がもっと描かれ「さて、一体最後に勝者になるのは誰か…?」ぐらいになった後
実はこの作品は千鶴の話でした、というラストに……というバランスだったら、
納得できたかな。現状だと自分には、
千鶴の話に混じった、省略可の部分ぽい印象になりました。
他……、
卑怯といっても、現実に恋愛の鞘当て、駆け引きがガチンコで始まれば、
このぐらいの抜け駆け、駆け引きは大方の人がやるんじゃないかなあ(w
同族企業に、現会長の唯一残った血縁者、会長宅でも家族同然に過ごしてる
前社長の息子が、会長の肝入りで入社ということになれば、社内の反応や影響は
「コネでいい会社に入りやがって」っていうレベルとは違うものになるんじゃないかな。
暗喩に使われているお笑い芸人描写、リアリティが、あるような、ないような。
ウェディングドレス展示場も、最近は純白ばかりじゃないような…
いいシーン、文章はいくつもありましたね。特にクライマックス〜ラスト。
> 不器用で、歩みが遅くて、つまずいてでも、前に進んでいる限りは、いつかは幸せにたどり着く。
ええ文や……。
そして……。秘密の場所、気になる(w
萌え点は毎回秘密の場所に日記を隠す楓の描写に。
- 005 鬼の研究 (採点:6)
- 中編部門で他から抜けたレベルの作品のひとつ。
というか今回のこんぺ全体でも屈指の力作だと思いました。
作者さんの地力は嫌というほど感じました。文章力をはじめ、
古典やオカルト知識も、ゲーム原作者をも(少なくとも発売当時のそれは)
軽くぶっちぎっていそうです。(ちょっと変だよな、次郎衛門…)
ただ、残念ながらたがみよしひさの漫画「滅日」はほぼ未読なのと、
「痕」二次創作としてはどうなのか……という部分が、引っ掛かりました。
「痕」の、ほぼ設定だけを使って、雰囲気のいい和風現代ホラーの小編を
作れれば……という狙いなんでしょうか。
思い付いた題材があって、その中に「痕」の設定を溶かし込んで
(「痕」の設定がメインではない)、「痕」キャラの由美子も、
「使えそうなキャラがいないか…」と探してあてはめられたような……
そんな印象を、受けました。
セーラーの少女と長髪の無名の女性は、「滅日」のキャラなんでしょうか。
あ、ひょっとして先生と女子大生達も……?
一本の作品としては高レベルなんです。自分も、「痕」の前世の設定とか、
実はちょっと平凡なアニメ、ジュブナイル的センスであまり好きじゃなかったり、
こういう力量溢れる変化球は大好きだったりするんですが、
そう開催もされないだろう「痕」こんぺとしては、もう少し「痕」本編
そのものへの愛を感じさせる作品が上位にあった方がいいかな……と思い
この点数を付けさせていただきました。本来は自分的にも八点か九点ものか。
なんだかんだ言いつつ自分も原作スキーですし、この作品を読んでいても
「本編の何ルートの後になるんだろう」とか「このキャラは『痕』の誰?」とか
考えちゃうんですよね。
「滅日」を知っていればもっと「こう組み合わせてこう来たか〜」と
楽しめたのかもしれませんね。そこは残念です。
今回全作品中No.1クラスの作品だったことは、重ねて書いておきます。
ホラー的要素は雰囲気良し、筆力良しでグーです。車中のシーン、恐かったです。
主役たちは、冒頭付近でもう少し外見の描写が欲しかったところ。
あと文中、難読部分は(ふりがな)が欲しかったかな。作者さんのポリシーかもしれませんが。
- 006 大好きな人のいる年越し風景 (採点:5)
- 開催時期にあわせた時事もの、
年末の、キャラたちのやりとりをほのぼの描いた点景ですね。
特にこれといったことは起きないけど、ほのぼのとした会話を中心とした。
特に推し、とも思わないけど、特に突っ込みどころもなし。
こういうのはこれでいい、と思わされます。
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