○2% さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- 由起子さんは楽観主義者だと思い込んでいたのですが、このおはなしを読んで認識を改めました。地の語りが多少説明っぽすぎるような気もするけれど、芝居がかった台詞の応酬が印象深い作品です。
>「また、遊びに来て頂戴」
↑この台詞で良作だと確信しました。何というか、映画のような会話。
以下蛇足。「あの馬鹿」や「あいつ」は記憶にない人物を差すにしては不自然な表現ですが、これは由起子さんが元々浩平のことを完全に忘れてしまっていたわけじゃなかった、という暗示だと解釈して良いのでしょうか。
- 02 追跡者 (採点:5)
- くだらなすぎるボケも、ここまで休みなく畳み掛けられると素直に笑うしかなくなります。ただひたすら頭を空っぽにして読める楽しいおはなし。序盤は特に読んでいてわくわくしました。それだけに、「バースデープレゼントを――」という種明かしの意外性のなさが惜しい。最後までしっかり楽しませてほしかった、の一言です。あと、みさきの扱いが酷い……これでカテゴリに「ALL」とあるのは詐欺だよなぁ。
- 03 雨の中 (採点:4)
- どこか不自然な語り口。多分、一人称なのにところどころ神の視点(プレーヤーの視点)からでないと出てこないような表現があるからだと思いますが……とはいえ、茜が詩子に会いに行くという逆転の構図が魅力的な作品でした。
- 04 いっしょに。 (採点:9)
- なんだこれは! と思っても、やっぱりこういうおはなしは好きです。可愛いから。軽快な文体も可愛い。「ふぁんたすてぃっく。」までいくと悪乗りしすぎだと思うけれど。「日記帳が――」って冒頭の夢が素敵だし、ラストの先制パンチも爽快でした。
- 05 また明日 (採点:6)
- おねこん(仮)でこんな直球作品が読めるとは思いませんでした。受け身な折原くんがひたすら可愛い。七瀬お姉さんもやっぱり可愛い。ちょっとだけ懐かしさを覚えるような、ほのぼのする作品でした。
- 06 It's possible to think of you. (採点:5)
- 冒頭の独白を一瞥して「うわ、この電波気味の文章が続くのか」と身構えたのですが、実際にはそんなこともなく次の節からはしっかりした文体になっていてスムーズに読めました。消える氷上の記憶、最後まで明言されない語り手の正体――と、儚い雰囲気が印象に残ります。とはいえ、後半では氷上が語りまくっているわりに彼の話す内容はごく表層的なことばかりで、ちょっと物足りないかも。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:7)
- 三人称は三人称なのだけれど、冒頭、作者の視点になったりみさき主体になったりと頻繁に切り替わるので若干読みにくいかも。とはいえ、読みにくいのは冒頭だけ。きっちり「みずか」を連れ出すところまで書き切ってくれたこのおはなしに「読ませてくれてありがとう」と伝えたい気分で一杯です。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:10)
- 一読した――ワケが分からなかった。
二読した――深い意味があるようでいて実は内容なんて何もないんじゃないか、と悟った。
三読して、目を閉じた――目蓋の裏に昆布を突つくエビの姿が映った。私は、この作品は昆布の話だったのだ、と思うことにした。
……や、最初、地の文が全体としては割と穏やかなのにスラングっぽい名詞だけ過剰に口語体なのでバランスが悪いなぁ、と感じたのですが。実際のところ述語まで俗語にしたら読めたものじゃないよなぁ、と考えを改めました。deracineの名前通り、全編に渡ってフラフラ/フワフワした(重力を感じさせない)展開で、バレーボールマシーンとかやたら特殊なメカが登場したりしても、きっとそのマシーンは柔らかくて軽いんだろうなぁ、としか思えない雰囲気が絶妙。
四読した――ああ、これは確かにONEのSSだ、と理屈でなく実感して、点数を上げた。このときはじめて、タイトルの「エンドロールの後で――」が腑に落ちた。
- 09 生徒 A (採点:8)
- 最後まで、シリアスで落とすのか、「第二章、完だ」のようなオチを持ってくるのか、ハラハラドキドキしながら読みました。で、結局予想の斜め5°上を行くようなオチになって。この軽妙にくだらない感じが良い。冷静に考えると内容がないような気もするけれど、私はこのおはなしを支持します。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- ケンカして仲直りしてワッハッハ、って……少年漫画!? と最初は面食らったものの、MOON.でもラストがそれだったことを考えるとTactics作品と「拳で築いた友情」は相性が良いのかもしれませんね。ただ、七瀬と広瀬を親戚云々で繋げる展開はちょっと安直かなぁ、と。
- 11 なついろとみさきと (採点:5)
- 読んでほっとできる一作でした。何度となく書かれてきた題材とはいえ、やっぱりみさきは可愛いし、こういうストーリーはSSの基本だと思います。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- >オレと一緒に、永遠に往かないか
ここまではっきり言ってくれれば、このラストにも納得――そんな、妙に説得力のある作品でした。いえ、序盤〜中盤の二人に「原作から数年間ですっかり変わったなぁ」という印象を持ちながら読み進めていただけに、ラストで「こっちの方向へ変わってたのか」という驚きはあったのですが。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:3)
- 冒頭を読んで「このオチにだけはなりませんように――」と念じた通りのオチになってしまって、なんとも……いえ、おめでたいおはなしに低得点を付けるのは忍びないのだけれど。サプライズが主体の掌編で当のサプライズが滑ってしまうと、やっぱり苦しい。ごめんなさい。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:8)
- 若干既視感のようなものを覚えつつも、やはり文体が魅力的。言葉の選び方とか、並べ方とか、脂っこくなってしまう直前のかなり危ういところでバランスしている印象。ついでに、シチュエーションもわざとらしくなる少し手前で素敵にコントロールされている感じ(みさきと浩平が手を繋いでいたことで茜が悩む一方、読者はその理由を知っているという構造とか)。忍び込んでコソコソしている二人も可愛いし。
とまれ、ラストの「私は――」の先を具体的に読みたいなぁ……と思うのは私が想像力に欠けた読者だからなのでしょうか、やっぱり。
- 15 桜散る (採点:5)
- 佐織が一回だけ誤字っている謎は考えないことにしつつ。このジャンル表記とタイトルからこのシチュエーションに持っていく感覚がすごく好き。あとは、説明台詞を流しまくる中盤以降の浩平が何とかなってくれれば。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:7)
- 生活の堕落のせいか口調まで適当に(というか廃人っぽく)なってしまっている二人に当初は若干の違和感を覚えたりしたものの、じきにその違和感も薄れてスムーズに読めるように。ほっとするようなハラハラするような、不思議な作品でした。とはいえ、「永遠」と「堕落」をもっと深く絡ませた展開だったのなら、さらに印象の強い作品になっていたんじゃないかなぁ、と思うと少し惜しい気分になるのですが……
- 17 重ねた手と手の中に (採点:9)
- 作者さんは指点字について元々知識のあった方なのでしょうか。作品のために調査なさったのでしょうか。とまれ、何かきちんとしたバックグラウンドのあるおはなしは読んでいても安定感があって良いですね。ハンデを持つ二人をメインにストーリーを進めていくのが良いのか悪いのかは分からないし、この二人の「頑張る」にどれほどの重みがあるのかも分からないけれど、澪が「歌う」ところまで突き詰めたこのおはなしは大いに有りだと思いました。
蛇足ですが、「役者不足」はあまり一般的な単語ではないので(辞書にも載ってないくらいですし)全体的に言葉遣いの素直な本作の中ではちょっと浮いてしまうような気がします。「役不足」は誤用だぞ、と念じるあまり他の表現の可能性を見失ってしまった――というのは流石に邪推でしょうか。
- 18 玉手箱 (採点:6)
- 不思議ネタは大好きなんですが、これはちょっと「それだけ?」の印象が拭えないかなぁ、と。あと、誤字の類がどうにも。とはいえ、【Endless】に「えいえん!?」と思ってしまったのでちょっと加点してみたり。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
- キャラメルボックスとかル=グゥインとか、それっぽいネタが好ましい作品でした。ただ、みさき視点の中盤が割と印象的だっただけに(舞台の上を連れ歩くのはソリューションとしてどうかとは思うけれど)、ブログ部分の中途半端さが惜しい。もっと「『言葉』が形になって残る」あたりを追求できたら面白いかなぁ、と思います。
とまれ、このような場でもなければ読まないタイプの作品ということもあり、読んでいてインスピレーションを刺激されました。ありがとうございます。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:3)
- 髭の台詞は、原作では『担任「んあー」』だったと思います。『髭「んあー」』ではなく(ゲームのシナリオを真似た書き方だとしたら、の話ですが)。
何はともあれ、口語そのままの表記、脈絡なき伏字攻勢、誤字が気にならなくなるくらいに飄々としたノリ、とケータイ世代を思わせる雰囲気が印象的な作品でした。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 二人称きた!! ――と、それだけでも異彩を放つこの作品。組体操でタワーを作る、ただそれだけのおはなしなのに、すごくドキドキしながら読めました。成長したね、と彼女を誉めてあげたい気分。タイトルも輝いてました(シーナ&ロケッツはほとんど聴いたことがないので、深い含意があるのかどうかは分からないのだけれど……)
- 22 Luminous (採点:8)
- 不思議図書館――なぜか、この界隈で良くみかける題材のような気がするのだけれど。これはそのあとの優しい展開が良い。不思議ストーリーには心地良いものと消化不良なものがあるけれど、これは前者です。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:7)
- 詩子の舞台裏的な題材が魅力的です。欲をいえば「テル君」たちの行動をもう少し原作の詩子の行動と絡めてほしかったけれど。あと、(当たり前のことですが)浩平や茜と違ってバックグラウンドを持たない彼らには、詩子の突飛なキャラを受け止めるだけの力がどうしても足りない――そう思えてしまうシーンが散在していたのも惜しい点です。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:6)
- 幼い日の冒険! なシチュエーションが魅力的だし、そのシチュエーションと相まって(夕焼けが重要なファクターになるおねSSの中にあって)この河川敷の夕焼けは特に綺麗なんじゃないかなー、と漠然と思ったり。このおはなしの「えいえん」観は独特だけれど、こういうのもありかもなー、としみじみしたり。それだけに、推敲不足の兆候が散見されたのは残念です。誤字脱字の類は気にしなければ気にならないのですが、言葉遣いが総じて上滑りしている感があって……
- 25 ひとつの物語 (採点:8)
- 中盤のかなり重ための回想パートと、序盤・終盤の和やかなシーンとの対比が印象的なおはなしでした。髪形を変えたり舞台が卒業式だったりするあたりは安直かもしれないけれど……たったの30KBでヒロイン3人の成長を描くためにはこのくらいはっきりした書き方が必要なのかな、と。
- 26 トントン拍子 (採点:8)
- タイトルとサイズからの想像に反して、実はかなりの良作でした、この作品(どんなストーリーを想像していたのかは訊かないでください)。すごく真っ直ぐなおはなしだと思います。真っ直ぐすぎて、「澪が無言電話」というストレートなネタに気付けなかったくらい。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:7)
- >顔が変形した浩平
↑で、とっさにボコられた浩平を想像した私は明らかに負け組。全体的に「?」の多いおはなしだったけれど、マンドラゴラとか絶好調とか意図せず笑ってしまった箇所もあるので加点します。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:9)
- こういう作品を読むと、おねSSの王道はマルチヒロインのほのぼのコメディだなーとつくづく思います。後半少しだけシリアスに持っていくあたりも王道の香り。ラストでここに繋げるのか! というちょっとした驚きもあったし。雨上がり、青空、と来たらこの場面だと気付いても良さそうなものだけれど、茜が「誕生日」を口に出すまで気付きませんでした。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:4)
- 全体的に、おねっぽくしようとして失敗している印象が残ります。何より、登場人物たちが幼すぎて違和感が。松葉杖ごときでガタガタいうクラスじゃないだろ、と。その幼さ加減がきっかけで進むストーリーなので、難しいところだとは思いますが……
- 30 『packaging replica』 (採点:6)
- 麦藁帽子に白いワンピース、というのは狙ってるんだろうか……狙ってるんだろうなー。
とまれ、停滞しているようにみえてしっかりと成長している瑞佳と浩平の様子が爽快でした。二人を素直に応援してやりたくなります。章題に深い意味が隠されているような気もするけれど、それは考えない方向で。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- あ、中学の話だったのか、とか。結局ドラマってなんだったんだ? とか。「友達の女の子」がいつのまにか「委員長」になってるよ、とか。ところどころ不親切に思える箇所もあったのだけれど。でも、それを除けば爽やかで心和むおはなしでした。委員長が素敵。
- 32 蘇る少年 (採点:8)
- 氷上の視点で語られる「えいえん」は巷のSSにあるものとは少し違っていて、甘美にして耽美。正直、観念的な要素が多くてよく分からない部分もあるのだけれど……というかそれ以前に、この作品がシリアスなのかギャグなのか、それが分からないのだけれど(そんなところも妖しくて魅力的ではありますが)。加えて、「手袋を買いに」を引いてくるセンスが好きなので高得点にします。
- 33 幸福論 (採点:7)
- 実際のところ、舞台設定がよく分からないのだけれど。それでも、みさきと雪見が可愛いから万事OK。なんとなく、SSを読んだという感覚ではなく、短い映像作品を観ていたような印象の残る作品でした。
- 34 time goes by as change (採点:6)
- なんだかちょっと良かった。淡々としていて、これといって目立つ内容はないのだけれど。とはいえ、冒頭のクモのくだりとか瑞佳の告白とか、波乱を予感させるシーンがありながら何も起こらないというのは物足りないかも。でも、やっぱりちょっと良かった。
- 35 それでも生きて (採点:5)
- 観てる映画と舞台設定の年代が……と電波を飛ばしても仕方ないので。ところどころ素敵なフレーズがあって、とても印象深いおはなしでした。ただ、現在のシーンと過去のシーンがうまくまとまってないかなー、と。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:4)
- 冒頭の印象からはあまり期待していなかったのだけれど。序盤から氷上登場前まで、すごくわくわくする展開でした。結果的に一年間彼女を苦しませることになる原作の展開は甘美だけれど少し辛い。それを少しバッドエンド寄りにして、彼女も一年間忘れていたという設定からどうおはなしを進行させるのか――と、ドキドキしながら読みました。惜しむらくは、氷上が説明しすぎな点(最初にあっさり名乗ってしまっている点も)、それでいて氷上が「夢の一部」という設定に説明が足りない点、そして、みさきの最後の判断に前振りやフォローがないように思える点。
- 37 Ever Follow ever (採点:5)
- 当たり前のことを当たり前に綴っていく素直な展開に、安心して読むことのできるおはなしでした。あえて難点を挙げれば、語彙が少ないのにワープロ任せなのか漢字が多くて、全体的に読みにくかったことでしょうか。とまれ、ラストの:
>0ではなく1を積み重ねていこう。
はちょっと好きなフレーズです。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- 良くも悪くも重厚なストーリーの多い出品作の中にあって、砂漠で飲む水のような作品でした……あ、どんな水でも美味しいって意味じゃないです。ほっとさせてくれるオアシスのような小品だった、という意味です。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:7)
- 世界に絶望するみさき(失禁までさせるのは少々狙いすぎかも)、近しい人々の愛情に気付くみさき、復活したその世界が虚構だと悟るみさき――と、ここまでがとても魅力的な展開だっただけに。最後の最後が三流怪談のごとき悲鳴オチになってしまって、個人的にはすごく残念です。
- 40 あの人 (採点:4)
- 申し訳ありません、どうしてもこのキャラが「瑞佳」という枠にはまりませんでした。はまれば新しい瑞佳像を味わえたかもしれないと思うと残念なのですが……とまれ、魔法の言葉「いっぱい話した」で物語の山場を次々と越えていく展開のあっさり感が大好きです。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:10)
- 「〜」で語尾を延ばせば女学生っぽい口調になるわけじゃないんですよ! ――と、第一印象はさておき。なぜかこの作品に満点を付けずにはいられない自分がいます。エピソードが断片的に綴られていく構成が想像力励起系で魅力的、というのが表向きの理由。広瀬が可愛い、というのが本音。
- 42 ありがとうを君に (採点:7)
- 序盤、漢字使いすぎじゃね? とか、いくら浩平でも独りごと多すぎじゃね? と思ったり。とはいえ、ただぼんやりしたり漂ったりするだけじゃなく、目的地に向かって無心に歩みを進める前向きな「えいえん」観が印象的でした。ついでにみずかにも前向きな救済がほしいと思うのは望みすぎでしょうか……
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:9)
- ぐあっ、やられた。シリアスだと思ったのに……シリアスだと思ったのに……
とまれ、オチが綺麗に決まっていました。浩平が「里帰りするお盆の幽霊」的な扱いを受けているのが少々気の毒だけれど(瑞佳の誕生日が一ヶ月早ければちょうど旧暦のお盆でしたね)、それはさておき。
でも、冒頭数行から閃いた「もしやバニ夫一人称SSでは!?」という淡い期待が裏切られてしまったので満点にはしません。
- 44 髪弄り (採点:8)
- くだらねーギャグかと思いながら読み進めてみると、実は素直な良作だったので少し驚きました。そういえば、原作でも浩平は髪を弄らせてもらえなかったなぁ、と感慨深いものを覚えながら(個人的には、あの大量の髪を行為の最中にも触れずにいられるとは思えないのですが……)。ラストのオチも、ベタながら気が利いています。
でも、結局のところ、この作品に言いたいのは一言だけなのですけれど。
――ポニテも似合うと思うよ!
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- おねSSとしてはよくあるテーマなのかもしれないけれど。でも、ビデオレターからそのテーマを出してきて、さらにビデオレターで締める構成が巧い。後半の茜の台詞回しも素敵で、心にぐっと来ました。ラストもすごくポジティブで。
ただ、心残りもひとつだけ。瑞佳のビデオレターが観たい。狂おしいくらいに観たい。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:3)
- 基本がおバカだからこそ、似非薀蓄の数々は華麗に決めてほしかった、と。それが残念。荒唐無稽なおはなしは好きだし、ちょっとしたロマンもあるのだけれど、さすがに、相手が秀吉じゃなかったり雪見がダイエットに成功していたりするあたりに何のフォローもないのは物足りません。
- 47 雨に祈りを (採点:7)
- 極限状況にあった二人の少女の心情は想像もできないけれど。事件から6年を経た雪見がただ過去に囚われるばかりで真実全く成長していない、という事実が一番の悲劇なのではないか、と。他人に迷惑を掛けまいとした選択の結果がそうなってしまう――その不条理がストレートに伝わってくる作品でした(読み違えているかもしれませんが)。
- 48 エロ本行 (採点:9)
- 安定して、それでいて軽妙な文体。活き活きとした会話。随所に挿入される心憎い情景描写。……しかし、筋書きがくだらねー!! 最高。バカとアホと淡い不思議ワールドの絶妙な配合になっていて、ちょっとマズいくらいに好印象です。
- 49 輝く季節へ (採点:8)
- まずは、このタイトルで真正面から(?)勝負を挑んできたことに拍手を。でも、内容はよく分からなかった……無念。ループというのは単なるSF的な時間の繰り返しなのか、それともバッドエンドとリスタートを繰り返すゲームの暗示なのか? 長森って苗字は、君の何なのか? 魅力的なシーンやフレーズの散りばめられた素敵作品であるだけに、それを素直に読み取れない自分がひたすらもどかしい……
- 50 遠きあなたに (採点:9)
- ストーリーが先へ進むにしたがってどんどん魅力的になっていく作品でした。正直、独特の文体のせいで序盤は読みづらいと思ったことも。由紀子さんの苗字で萎えたりもしました。でも、読み進めるうち次第に茜から目が離せなくなっていきます。当初は日常を続けると決意していた彼女。やがて無意識にその決意を破り、いかがわしいバイトに手を出すようになった彼女。ついには世界から弾き出されるところまで堕ちてしまった彼女。終盤、病室での芝居がかったシーンには思わずゾクゾクしてしまいました。浩平の母を(精神を病んだ状態のまま)肯定的に使ったおはなしは、多分、貴重です。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:7)
- 突飛な設定に最初は面食らったけれど、いったんその設定を受け入れてからは展開にぐいぐいと引っ張られるようにして一気に読めました。何というか、押しの強いおはなしだなー、という印象。ただ、現状では真希と留美との交流という筋書きが「絵描き」という魅力的な題材へ充分に溶け込みきってないんじゃないかと思います。
- 52 演劇部の伝説 (採点:4)
- 改行のせいでかなり読みにくかったけれど、夢があってノリが良くて心地良いおはなしでした。そういう意図があるのかどうか分からないけれど、序盤には古きよき時代のRPGのクエストを解くような雰囲気が漂っていて。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:10)
- 冒頭でカール・ブッセの引用から杉みき子の引用に繋げる、そのセンスに惹かれました。とはいえ、本文もその豪華な引用に負けてない。たとえ冒頭の引用がなくても満点を付けていたと思います。どこが良いかと問われても「全部」としか答えようがないので心苦しいのだけれど。特に、一読目の衝撃が凄かった。再読すれば「田舎道をバスで30分って、健常者でも徒歩で半日かかるよなぁ」などと重箱の隅を突けるようにもなるのだけれど、やっぱり傑作であることに変わりはありません。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- どこぞの文豪然とした魅惑の言葉遣い――この文体でなければ、「ティツィアーノの髪のひと」に「そんな文学マニアいねーよ!」とツッコミを入れていたに違いありません。内容としては(原作のときにも理解できなった)「彼」の行動について若干の説明があって興味深かったのだけれど、やはり説得力のあるところまではいかず、それが残念といえば少しだけ残念な点です。
ところで、作中で言及されている「戦争もののドラマ」はやっぱり先日のあれがモデルでしょうか……?
- 55 ラブレター (採点:5)
- ラブレターの文章が点字っぽくないのがちょっと惜しいかも。とはいえ、素直に楽しく読めるほのぼのコメディだったと思います。今回は澪‐みさきの交流が人気テーマということもあり、採点が辛めになってしまうのが心苦しいのですけれど。
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- これどこの氷上だよ! ……と思ったら南だったよ!
――と、素直な感想はさておき。多少強引ながら、飛行夢から現実の七瀬の前進にきっちり繋げてあるストーリーが好印象です。おねこん(仮)では色々な「えいえん」観が読めて嬉しいですね。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- タイトルを一目みて、内容が非常に気になってしまった作品。何はともあれ、澪の大活躍が読めて嬉しい。氷上がアドバイスしたり佐織が演劇部員だったりするあたりは安直かもしれないけれど、容量制限を考えれば納得できます。
でも、「舞台を作る」「浩平を思い出させる」どれを取っても困難な目標のはずなのに、何の障害もなく成功してしまう展開はちょっと物足りないかも。浩平が戻ってくるラストのくだりも駆け足気味だし、7KBの残り容量でもっと書き込んでほしかったなぁ、と。
余談ながら、「浩平と交わったことが覚えている条件」という解釈は面白そうですね。
○Foolis さん
- 01 部屋の明かり (採点:7)
- ONEで浩平が消えてそれを思い出してもらうため長森が奮闘する話。
アイデアとしては面白く、また、由紀子さんのキャラもなかなかよく読み応えがある作品でよかったです。
ただ、文章の表現がややイマイチかなぁと思います。
>ようやくいえたけれど、濁音だらけだった。
もう少し上手いいいまわしはなかったのかなぁと思います。
- 02 追跡者 (採点:9)
- 笑いました。ほんとに笑いました。なにこの馬鹿な話。
瑞佳がストーカーっていうのは考えてみたらよく似合いましたし、途中のお兄ちゃんにも爆笑させてもらいましたし、最後はほのぼのでまとめるのかなぁと思っていたら、オチをそうもってきますかっ。
非常に面白かったです。
ところで
>相手がスリーサイズ、上から94、56、92の金髪碧眼の超美人の外人モデル
これ、元ネタあるのでしょうか?
- 03 雨の中 (採点:5)
- 茜シナリオで浩平が戻ってくるまでのお話。
話としては悪くはないんですが、もうすこし何かほしかったでしょうか?
「これ」っていうのがないんですよね、うん。
厳しい意見をいっていることはわかりますが、それが残念でした。
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- 澪ちゃんがかーいっかったですしふたりのやりとりが非常にほのぼのとしてよかったです。
読んでいてほんわかとした気持ちになれました。
- 05 また明日 (採点:6)
- ネタとしては非常に好きなのが多いです。
一つになったら云々とか、 「おやすみなさい」じゃなくて「また明日」とか、ただ、もう少し文章表現をうまくして欲しかったかな、と思います。
えらそうですみません…。
- 06 It's possible to think of you. (採点:6)
- 絆をいかりとしたのは面白いですし、氷上シュンをこう用いたのも面白かったです。
ただ、もうすこしストーリー的に何かがほしかった&もしくは描写をうまくして欲しかったなぁと思います。
えらそーですみません…。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:9)
- みずかをこっちの世界に持ってくる、というアイディアが非常に面白いと思いました。また、内容も自分的にかなり好みでした。
>「私は『えいえんの世界』に行ったことが無いからわからないけど、もし幸せなまま時間を止められる世界があったとしたら、それはやっぱり幸せなんだと思う。段々幸せなことが当たり前になっていっても、傷つくことは無さそうだもんね」
ここからはじまる二人のやりとりがほんとに最高でした。
非常に面白かったです。
また、最後のシーンも非常に良くまとまっていたと思います。
本当に良かったです。
追伸
あと個人的にこの台詞が好きでした(w
>「ついしーんっ! 最近のレトルトカレーはおいしくないと思うんだーっ!」
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- 詩子の設定が面白いな、と。
こういう理由があったのか、と感心させられました。
また
>「なんとなくだけど、オレ達はもう、お互いが側にいなくても、生きていけるような気がしてるんだ。それは寂しいことだけど……それでもいいと思うんだよ」
この台詞が印象的です。
そんな感じで世界観はよかったんですが、どうしてもだれた感があったのが残念でした。
- 09 生徒 A (採点:4)
- 物語構成でなんかしかけがありそうなのですが…それがわからない(汗
個人的には夢オチに近かったような印象くらいしか(汗
もうしわけないです。
- 10 プラスティックフラワー (採点:7)
- 留美と真希のオリジナルの設定がいい感じでした。
また、途中の、二人のやりとりがいい感じでしたし、告白シーンもこれはこれでありかなぁと思います。
(ここまでの作風がそう思わせるのでしょうね)
面白かったです。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- 雰囲気はいいのですが描写をもうすこし増やしてほしかったですし、もう少しイベント的に何かほしかったような気がします。流石に少し寂しかったかなぁと。
それが残念でした。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:4)
- 永遠の世界の住人となる。それは一つの回答であり、否定できるものではないと思います。
でも、ちょっと足りない。
もう少し永遠の世界にいくための描写をしてほしかったと思います。
ちょっと物語として浅いかなぁと。
それが残念でした。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- ネタとしては決して悪くはないとおもうんだが、使い方があまりにもイマイチ。
もう一、二捻りしてほしかったです。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:8)
- みさき先輩に嫉妬してしまう茜。
それから繰り広げられるやり取り、そして、最後に茜の出した回答がいい感じでした。
また、途中のみさき先輩の言葉もいいですね。
よかったです。
- 15 桜散る (採点:4)
- 初恋が閉じたときのことをかくのは面白いのですが、そこからもう一歩なにかがほしいかなぁという感じでした。
表現とかはなかなかよかったと思います。
あと文頭は一文字開けてください。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:10)
- …参りました。
ONEの永遠の否定をこういうふうにつかうとは脱帽です。
「愛」について、私もそれなりに考えたことはありますが、ほんとに難しいものですね…。
だから様々な物語が生まれたのでしょうが。
文句なしの10点です。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:8)
- みさき先輩と澪とのやり取りが非常にいい感じでした。
お互いにハンデをせおった人たちの話。
それがこの作品に独特の雰囲気を与えてくれたと思います。
途中の和解のシーンとか最高でした。
面白かったです。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- 時は流れ歴史は繰り返す…っていうオチはいいのですが、もう少しうまく使って欲しかったですね。酒を飲むときの描写とかを増やすなどして。
その辺がイマイチだったかなぁと。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:7)
- ブログ形式の話がくるとはなぁ…。なかなかに新鮮で楽しめました。
最後のみさき先輩と澪とのやりとりもよかったですし。
ところでどうでもいいですが。
http://www.caramel-box.com/
こっちのキャラメルボックスしか思い浮かばなかった私は死んでいいです(汗
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:2)
- 見事にグダグダで中身がないです(汗
描写とかをうまくしたり、ネタをもう少しねってほしかった、と思います。
1点にしようかとおもったのですが、最後に少しわらってしまったので+1
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- 椎名繭という難しいキャラをなかなかよく書ききったSSだと思いました。
話し手のような感じがいいですね。
また途中の挿入がいい感じです。
よかったです。
- 22 Luminous (採点:7)
- 不思議体験の話。
子供の頃はだれしもそういうものがあるはずで。
(大抵勘違いなんだけど)
そういうものをつきとめてみよう、っていう話のアイディアが親近感を覚え、いい感じでした。
みさきと浩平のやりとりもよかったですし、ONEなりの味付けがよかったです。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:5)
- 転入とは詩子らしいといえば詩子らしいですな(w
ただ、もう少しなにかほしかった気がします。(友人との会話を増やすとか)
ちょっと物語として浅いかな、と。それが残念でした。
#まああっさりしているのはいいんですけどね。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:5)
- グリーンフラッシュという現象を用いたのは面白いですが、もうひといき何かがほしかったです。
もうちょっと物語としての深みがほしかったかなぁと。
それが残念でした。
文章表現とかは好きでしたが。
- 25 ひとつの物語 (採点:5)
- 永遠からもどってくるまでの七瀬の描写はいいのですが、茜があきらめる理由が希薄かなぁと。
もうすこしその辺を言及してほしかったです。
それが残念でした。
- 26 トントン拍子 (採点:5)
- 伏線をさりげなく張るのはいいのですが、もうすこしあっといわせるような見せ方にしてほしかったなぁと思います。
話の内容は好きなんですがその辺がイマイチだったかなぁと。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- 話の内容はいいんですが、なぜにイカのキ○タマなんだ…。
そういうギャップを楽しむべきなのかもしれませんが、個人的にはちょっとなぁ…っていう感じでした。
やりとりはよかっただけにそれがほんとに残念でした。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
- 茜と浩平のこそばゆいやりとり、そして永遠についての描写はいいのですがちょっとラストの〆方がイマイチだったかなあと。
ネタ的には好きなんですが、見せ方がうまくいっていないような気がしました。
それが残念でした。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- 浩平が障害者となることでみさき先輩の気持ちをほんのすこしだけでも味わう。話のコンセプトは非常に好きですし、内容も面白かったです。
ただ、オチがなぁ…(汗。もうすこし違うオチにしてほしかったかなぁと思います。
- 30 『packaging replica』 (採点:7)
- 二人の甘々な雰囲気がいい感じでした。
一緒に留年するっていうのもありだとは思いますし。
よかったです。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- 目が見える人にとって目が見えない人の悩みはなかなかわからないもので。
その辺が描けていてよかったです。
雪見とみさきのやりとりもいい感じでした。
- 32 蘇る少年 (採点:8)
- 氷上シュンとの物語。
これはこれでありだと思いますし、シュンが忘れさられた描写もいい感じです。
シュンと浩平の独特のやりとりが本当によかったです。
- 33 幸福論 (採点:8)
- このみさきは浩平のことを覚えているのでしょうか、それとも覚えていないのでしょうか。どちらかはわかりませんが、どちらにしろ、いい話でした。
浩平にかかわったことによるみさきの成長が感じられましたし、雪見とのやりとりも面白かったですし、家出っていう言い方が可愛いですね。
よかったです。
- 34 time goes by as change (採点:6)
- 話は好きなんですが、ちょっと描写がイマイチですね。
容量との戦いだったんだろうことはわかりますが。
あと10KBもあればもっといいものができたんでしょうね…。
話の内容はすごくよかっただけに容量で泣かされたというのがありありと伝わってきました。
展開もスピーディーですし。
でも話の内容はすごくよかったです。
- 35 それでも生きて (採点:6)
- 幼い頃浩平とこのようなやりとりがあって、それでも浩平の母は宗教に逃げて…。なんだかやりきれないですね。
やりきれないですが浩平の母親の設定はいい感じだと思います。
なかなかリアリティがありますし。
あとなんとなく希望を残したような印象はいい感じでした。
よかったです。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:5)
- アイディアとしては面白いです。
ただ、それを生かしきれていないと思います。
もう少し別の使い方はできなかったかなぁと思いました。
それが残念でした。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- みずかとみさおの想いがいい感じでした。
それとみさおと瑞佳、みずかと浩平、それぞれのやりとりがよかったです。
あと、このフレーズがお気に入りでした。
>永遠ではなく、ずっとを。
>foreverではなくeverを。
コンパクトにまとまった良作だったと思います。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- こういう設定もありか、とおもえるようなほのぼのとした話でした。
最後の佐織と瑞佳とのやりとりもいたずらっぽくて好きです。
よかったです。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:4)
- みさきがちょっと弱すぎるかなぁと思います。
もう少し強いはず。
その辺が残念でしたし、えいえんのせかいはもう少し希望があるものの方がより絶望感をかもし出せたと思いました。
それが残念でした。
- 40 あの人 (採点:3)
- はなしの筋としてはすきなんですが、少しあっさりしすぎているというか。
もう少し何かがほしかったというか。
ちょっとあまりにも内容が寂しい感じがしました。
それが残念でした。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:5)
- ネタ的にすごく好きなんですが、最後があっさりしすぎかと。
作者さんなりの狙いはあると思うのですが、個人的にはイマイチでした。
それが残念でした。
- 42 ありがとうを君に (採点:5)
- 永遠の世界のやりとりについて非常にあっさりと書かれていますね。
少し寂しい感はありますがこれはこれでありだと思います。
よかったです。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:8)
- 浩平が一年後に戻ってくる前、誕生日の日だけ実は戻ってきていた。
案としては面白いですし、途中の七瀬等とのやりとりもいいですし最後のオチもいい感じでした。
非常に面白かったです。
- 44 髪弄り (採点:7)
- 後戯というものが世の中にあることを始めて知りました、
調べてみたら結構面白いですね。
…とまぁそれはさておき。
茜と浩平の微妙な空気の中でのやりとりがよかったです。
あと、茜が髪をきるのはそこまでの意味があるのかと、感心するやら、あきれるやら…(w
あと、最後のまとめが良かったです。
薬指ときましたかっ。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- はじめはビデオレターで大笑いしていたらまさかシナリオの展開をこうもっていくとは予想できませんでした。
詩子がほんとによかったです。
ギャグの部分でもシリアスの部分でも。
飛び出すシーンとか特によかったです。
途中の詩子があきらめが悪いっていう解釈も面白かったですし、詩子の最後のしめの言葉が印象的でした。
よかったです。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:5)
- なんとも不思議な雰囲気がするSSでしたな。
ぶっとんでいるというかんなんというか。
このSSに流れる微妙な空気がよかったです。
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- >自分の本当に大切な人が、心から死を望んでいるとき、あなたはその人を殺すことができるか。
なんともまぁ面白い(というとやや御幣がありますが)命題を持ち込みましたね。
この問題はニュースとかでたまに議論される問題ですよね。
私はこの問題にたいする明確な解を持ちえませんが、(どっちがよりいいといえないから)まぁそういうもんだと納得しています。
小学生なりの回答であったと思いますし、この回答により導かれた雪見の状態の描写がいい感じでした。
たしかに狭量な考えとしか言えないですしね…。
また、みさきが自殺したい、といったときの雪見反応がいい感じでした。
実際ああいう反応になりそうですし。
作品に流れる雰囲気もよく、非常に描写がきれいで良かったです。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- ―――やられた。そうくるとは。
ONEならありえない話でもないので余計腹立つというか。
見事にだまされた感じです。
良かったです。
- 49 輝く季節へ (採点:10)
- 永遠の世界の扱い方が面白いです、たしかにこれは一つの永遠ですね。
それに作者さん独特の永遠の世界から脱出したときのやりとりがいいですね。
ちょっと私はオチを正確に理解している自信はありませんが、作者さんの描いた世界、これはこれで非常に面白かったです。
良かったです。
- 50 遠きあなたに (採点:7)
- 茜が本当は待っていない、という意見はたしかに同意できるものでした。
私もそのように考えたことがありますし。
そしてこのSSのように実際に探すっていうのは面白いと思いました。
これはこれでありだと思いますし。
茜の想いが十分に伝わってきましたし。厳しい意見を言わせていただくならちょっと表現が稚拙と思われる部分があったのが残念です。
でも全体的には非常に良かったです。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:9)
- 真希と浩平のやりとりがいいですね。
なかなか新鮮味がありました。
あと変装して絵を書いている真希がいい感じです。
それがばれた後の反応も面白かったですし、七瀬とのやりとりも非常にいい感じでした。良かったです。
- 52 演劇部の伝説 (採点:7)
- 台詞の前に名まえをかくのは個人的に好きではないですが、話の内容はいいですね。
#というかここまで文章力あるのならなくてもいいのでは?
演劇部の宝というのがほのぼのしたもの、というのは予想していましたが、それまでも何人もの人が見つけていて、それが受け継がれていっているという設定がほんとにロマンチックでいい感じです。
良かったです。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:8)
- 海潮音という話を読んだことはありませんが、それの使い方が見事だと思いました。(もう少し本よめ、自分)(汗
みさきと雪見のやりとりがよかったですし、青の色を思い出すシーンが印象的でした。
また、幻の光をもとめていた、という設定も面白いです。
良かったです。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- あの少年について書かれるとは思いませんでした。
少年の感情、およびその少年に対する瑞佳の感情がありありと伝わってきました。
とにかく描写が上手かったと思います。
よかったです。
- 55 ラブレター (採点:7)
- みさき先輩と澪のやりとり。
澪がみさき先輩にあこがれ、そしてみさき先輩もまた澪を尊敬する、その流れがいいですね。
また最後のオチがナイスでした。
- 56 “ろまんひこう” (採点:5)
- オリジナルの設定は面白いですが、もうすこしなにかがほしかったような気がします。ちょっとうまく使えていないかなぁという感じがしました。
それが残念でした。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- ちょっと永遠の世界の力が弱いような気がしますが、これはこれで楽しめました。
舞台で思い出してもらおうという澪の発想がいいですね。
ほのぼのしていてよかったです。
○Genesis さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- えいえんに消えるとき、浩平の名前は学籍簿なんかからは消えていたようですが、
記録類はどこまで消去されていたんでしょうねぇ‥‥。徹底していれば通帳も
なくなっていたかもしれず。でも、柱の傷はそれでも残っていそうな気がします。
- 02 追跡者 (採点:10)
- たいへん笑わせていただきました。
長森嬢の壊れっぷりも、七瀬嬢のツッコミも。
みさき先輩かわいそう‥‥。(笑)
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:10)
- みずかが救われた気がします。みさき先輩との交流がとても
よく表現されていた気がしました。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:8)
- このおはなしはどこへ行くんだろうなと思いながら読んでいました。
詩子さんがよいです。
- 10 プラスティックフラワー (採点:7)
- あんまり読んだことがない設定で、興味深かったです。
でも、少し最初説明っぽかったかな。
- 11 なついろとみさきと (採点:7)
- 花火って何となく夏の終わりのイメージがあるんですが。
ふたりにとっては始まったばかり、なんでしょうか。
なんとなく浩平、デートで緊張しているような気が、しました。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:7)
- ハッピーなようでいて少しダークな気がするのは、考えすぎかしら。
会話のところで改行の入れ方がばらばらなのが気になりました。
それがテンポをだしているところも、あったのですけれど。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:8)
- 繭のSSって難しいイメージがあるんですが‥‥それ故の二人称かなと
なんとなく思いました。違和感はあるものの、悪い感じはしないです。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:7)
- えいえんへの消失、というエピソードのないONEストーリー。そんな風に読みました。
しっかり描かれたシーンが多くて美しい、と思います。ただ、少しお話のスケールが
小さくなった、そんな感じがしました。
- 33 幸福論 (採点:9)
- みさきと雪見。この二人だったら、こんな旅をするのかもしれない、そう思った。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:9)
- こういう、たおやかで勁いみさき先輩像は、好きです。
シュンの存在もちょっと独特。おもしろい。
- 38 みるく・ろーど (採点:9)
- シンプル。でも好き。長森って、こんな娘だったよな、とか思った。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:7)
- 浩平の帰還、そして再びの別れ‥‥。仮釈放されてすぐ戻されちゃうのは
何か悪いことでもしたからなんでしょうか(ぉぃ
- 48 エロ本行 (採点:8)
- エロ本、けっきょくどうしたのでしょうか(ぉぃ)
わりと脈絡なく小旅行が続いていくんですけど、嫌いじゃない
タイプのお話です。
- 49 輝く季節へ (採点:8)
- 時系列が把握できない‥‥。
好きな雰囲気なんだけど、分析的に読もうとするとわからなくなってしまう。
- 52 演劇部の伝説 (採点:7)
- がんばる澪と雪見さんがいい。
でも、登場人物も少ないことだし、台詞の前に説明的に名前を配さなくても
いいんじゃないかと思ったりしました。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:9)
- 扱いにくい題材と思いますが、迫力がある、と思いました。
○LM_STACK さん
- 01 部屋の明かり (採点:5)
- 由起子さんの悲痛な想いが伝わってくるような、痛い物語ですね。
ONE本編では語られない部分を補間(≠補完)する物語になっていますね。
浩平が絆を結んだ相手が瑞佳でないバージョンも読んでみたくなります。
- 02 追跡者 (採点:4)
- コミカルな仕上がりですね。キャラクタの配置も悪くないですし、冷静沈着な突っ込み役の茜が、最後にちょっとボケる所も良いです。
できれば、みさき先輩が偶然出会う場面も欲しかったですね。
但し、繭の場面は年齢制限が必要になると思います。というのは、いじめのネタにされかねないので、分別のある人にしか読ませられなくしてしまっているように思われるためです。(-5点)
- 03 雨の中 (採点:5)
- 茜シナリオに、作者さん独自のシナリオをはめ込んでいますが、原作シナリオとのつなぎ方が上手く行っていますね。
- 04 いっしょに。 (採点:5)
- 澪ちゃんの心の内を描いた作品ですね。
間の住井・南との掛け合いが、良い間をとっているなという感じがします。
- 05 また明日 (採点:5)
- 折原が不安になったときには手を差し伸べる。随分と包容力のある七瀬ですね。
私にもこんなお相手が欲しいです。
- 06 It's possible to think of you. (採点:10)
- かなりユニークな観点ですが、ヒロインに勇気を与える氷上がかっこいいです。
何となくヒロインは茜かなとも思えますが、他のヒロインであってもあまり違和感なく受け取れる話ですね。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:7)
- 何か、Kanonの舞シナリオを思い出させますが、浩平の内面世界で作られたみずかが具現化するという不思議なお話は、ONEの外伝としてそのまま通用しそうですね。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:3)
- タイトルから察するに、浩平の話かと思ったら詩子の話しだったわけですが、
浩平と詩子を入れ替えて、詩子を永遠の世界に片足突っ込ませたという感じですね。
ただ、具体的な地名は出さない方が良いと思います。というのは、渋谷の山手線より西側は荒んだ街になってしまっていますが、東側に関してはバブル期以前には普通の住民も多く居た所ですので、読んで不快になる人もいるでしょう。
- 09 生徒 A (採点:5)
- 面白いといえば面白いようにも思いますが、時間軸がグチャグチャになってしまっていて難解な印象も受けます。
ONEの世界そのものを別な形で再構築したようにも読めなくは無いです。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- 大映の青春ドラマのような物語ですね。
ONE本編ではあの後登場しなくなった広瀬真希さんも幸せになれたようで結構な事です。
ただ、若干視点変換が多い印象があります。
- 11 なついろとみさきと (採点:6)
- 無難にまとめられたラブストーリーと言ったところでしょうか。
浩平が消えた部分を軽く流していることで、重たい話にならなくする意図であれば、その意図は成功していると思います。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:7)
- 長森と折原がともに現実世界から消えるという、なんとも恐ろしいお話ですね。
物語の構造がしっかりしているので、ホラーとしての恐怖感をより高めているといえます。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:10)
- なるほど。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 浩平が戻ってきてからだいぶ後の話のようですが、
未だに癒えていない茜の傷をみさき先輩が癒すという事ですか。
タイトルをもうちょっと考えた方がいいかもしれないですね。
- 15 桜散る (採点:7)
- みさき先輩のシナリオをベースに、長森の物語として上手くまとめましたね。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:3)
- もうちょっと上手くまとまらなかったか、という感じがします。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 良いお話でした。
「役不足」の用法はチェックした方が良いです。
- 18 玉手箱 (採点:4)
- その場にいた全員が永遠の世界に引き込まれてしまったのでしょうか?
解釈が難しいお話です。
誤字が目立つのが惜しいですね。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:4)
- 導入部と主題部のバランスがどうかという所が微妙ですね。
また、大事な公演の決め台詞を2人の部員だけで決めてしまっていいのかという突っ込み所があります。
ちなみに、盲人用Webブラウザがありますので、みさき先輩が直接澪ちゃんのブログを読むことも可能と思われます。
ちなみに、これに「インスパイア」されて外伝を思いついてしまったのですが、サイトに乗せても良いでしょうか?
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:7)
- 落ちが、きっちりと決まったコメディーですね。
何で夏に全員揃っているのかが不可解ですが。その点を差し引いても良く出来ていると思います。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:3)
- 「きみ」と言っているのは誰?
と最後まで答えが不明なのがポイントなのでしょう。
タイトルの元ネタはシイナアンドザロケッツでしょうけど、ここでの椎名は一人ですのでシイナロケット・ネコゼスタイルが文法的には正しいと思います。
- 22 Luminous (採点:8)
- 閉館時間の音楽がパヌーヴァですか…
という野暮な突っ込みは置いておきまして、
みさきと浩平の心情が良く描写されているという印象を受けました。
私もこれくらい上手く心情描写が出来たらいいのにと思ってしまいます。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:7)
- 本編では、茜と詩子が「もう卒業だね」と語り合っている所に浩平が現れる訳ですが、わざわざ留年したり転校したりと中々すごい話ですね。
詩子と同級生達のやり取りの場面が全般的に良かったと思います。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:7)
- 何となくKanonのあゆシナリオっぽさが感じられますが、浩平が消えてしまうのではなく、意識を失ってしまうという観点がユニークですね。
ONEの物語は昏睡状態の浩平の中で繰り返されていて、目覚めるための正しい条件に辿り着いた時に目覚めるといったところでしょうか?
- 25 ひとつの物語 (採点:5)
- 落ちが弱いかなと思いますが、七瀬の孤独な一年間を、
浩平の幼馴染の長森と、同じ経験をした茜と絡ませることで、
何とか乗り切ることが出来たという物語自体は良いと思います。
- 26 トントン拍子 (採点:7)
- 「トントン」という擬音が良い意味で語呂合わせになっていますね。
無言電話以外にも伝言する方法は、浩平経由とかモールス信号など他にもあったわけですが、そこまで気が回らないという所に、雪見の澪を心配する想いが伝わってきます。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:8)
- ほのぼの系としては良い物語だと思います。
ただ、おまけは余分だったかもしれません。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:5)
- 激甘ですね。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:4)
- 浩平ちゃんは随分酷い目に遭いましたね。
手足両方とも折ったら普通は入院かとも思いますが、そこはさすが主人公、ちゃんとハーレム状態になっているのが凄いです。
主題が、杖を持っているとか言う事で特別視されるのはどうかということだとしたら、もう少しストレートに書いても良かったかもしれません。
- 30 『packaging replica』 (採点:4)
- 浩平の中の永遠の世界に置き去りにした少女を、浩平の中で瑞佳として融合させる。
それが、1年かかってようやく実現するというお話ですが、日常的生活の描写と、永遠の世界の描写のバランスが微妙ですね。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- 話の内容、構成ともよくまとまっていると思います。
- 32 蘇る少年 (採点:8)
- 綺麗で感動的なお話ですが、1ページ目の氷上の描写がONEの内容とほとんど一緒なように見えるので、その部分を簡素化してもよいように思います。
- 33 幸福論 (採点:3)
- 浩平が消えている間の話でしょうか、とも思いましたが時間軸がずれていますね。
カメレオンの玩具がキーアイテムなのかとも思いますが、どうもそうでもない感じもします。
何だか、混乱してしまうお話でした。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 周囲の人々が浩平のことを忘れていた間の記憶が、捏造されたものであるという解釈と、茜のつらい日々、そして瑞佳に盟約の事を思い出させる事で、ONEの主題である「変わることは幸せだ」ということに瑞佳にも気付かせるという独特の世界を上手く構築しましたね。
良い物語だと思います。
- 35 それでも生きて (採点:4)
- 2部構成になっていますが、後半の落とし所がすっきりしないですね。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:7)
- 永遠の世界で繰り返される出会いと別れが、現実世界とリンクしているという物語なわけですね。
面白い着想だと思いますし、物語もまとまっていて良く出来ていると思います。
浩平が戻るべきヒロインが誰なのか謎のままというのも、案外いいものですね。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- 永遠の世界のネタを上手く使っていますね。
みさおが瑞佳の前に現れるという展開も不自然さを感じることなく受け入れられました。
- 38 みるく・ろーど (採点:5)
- 長森にも小学生の頃に転機があったと。
ONEっぽいですが、緩やかな物語ですね。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:9)
- 結末が死んだのか、内的世界に落ち込んだのかよく分かりませんが、
まさにホラー小説そのものですね。
おねコンクール(仮)で最も印象に残った作品です、今の私はちょっと弱気になっているのですが、現世にとって必要とされていようがいまいがそんな事とは関係なく、敵対する者の思う壺にははまらない、という事がいかに大切かという、何というか生きる勇気を思い起こさせてくれる作品でした。
- 40 あの人 (採点:5)
- ずいぶんと遠回りをして結論に辿り着きましたね。
七瀬の後押しがあってこそなのかもしれないですが。
僅か3人の登場人物でここまで引っ張るのはすごいと思います。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- 広瀬の立場から見た、七瀬と折原の物語ですが、
締めがちょっと凝っていますね。
- 42 ありがとうを君に (採点:6)
- 浩平が永遠の世界から戻ってくる場面ですね。
オリジナリティーがあって良いと思います。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:5)
- すごい戻り方ですね。
皆一旦思い出した浩平を再び忘れてゆくのは、浩平がそう望んだからでしょうか。
結局、瑞佳の意地が現世に浩平を留めたというラブストーリーになっていますね。
- 44 髪弄り (採点:5)
- 高い代償なのかそれとも否か、浩平になって見ないと分かりませんが…。
まるで手品のような落ちですね。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:8)
- 茜シナリオでは、戻ってきた浩平を最初に見つけ出すのが詩子ですが、そこから話を展開して行って、茜シナリオの続編という感じに上手く仕上がっていると思います。
詩子にゲーム本編では見られない女の子っぽさが付加されている点も良いですね。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:6)
- ONEの世界では時系列がぐちゃぐちゃになっている事を上手く利用した、独自のファンタジー物語となっていますね。
本当にそのような扇子があるかどうかは知りませんが、昔の人の雪見への「孤はそれが分からず」という台詞が、雪見の話していた相手が秀吉ではなく信長だったという伏線になっていたわけですか。
とはいうものの、物語の終わりでは雪見は未だその台詞の意味する所を理解していなくて、コーチに対してアグレッシブに突っかかっていくところが中学生っぽいくて良いですね。
- 47 雨に祈りを (採点:3)
- 原作から大幅に改変していますが、話としてはまとまっていると思います。
- 48 エロ本行 (採点:5)
- ONEの物語が始まるよりだいぶ前の話でしょうか。
話の主題が、ONEの主題と被っているような居ないような微妙な雰囲気です。
何処をどういじればよいか分かりませんが、ある事をきっかけにみさおの存在を思い出し、浩平がONEのループ世界に嵌って行くという怖い話に改竄できそうな気もします。
- 49 輝く季節へ (採点:2)
- かなり不可解な話しですね。
何というか麻枝ワールド全開という感じです。
- 50 遠きあなたに (採点:6)
- 壮絶なバトルでしたね。
茜をここまで狂おしく描いたのは凄いと思います。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- コミカルなストーリーで、嫌味な所が無く好感が持てます。
- 52 演劇部の伝説 (採点:10)
- コミカルな展開ながらも、グダグダにならずに締めが大変良いお話でした。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:5)
- 詩からの引用ですか。
話としては纏まっているので良いと思います。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:5)
- クリスマスの事件を補完するような話でしたが、
浩平も瑞佳も、レイプ犯に惨めな思いをさせましたね。
浩平が帰ってきたら2人揃って謝罪と補償を(ry
- 55 ラブレター (採点:6)
- 読んでいて心地良いお話でした。
- 56 “ろまんひこう” (採点:4)
- ちょっとしたホラー小説ですね。
でも、異世界の住人の名前が南だった理由が知りたいです。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- 演劇部の発表で、皆に浩平の事を思い出させようという澪の発想の奇抜さが光っていますね。
最後に浩平が戻ってきて、同じ演目の浩平役をやらせようという部分にはちょっと不自然さを感じますが、それを差し引いても良いお話でした。
○Metasphere さん
- 02 追跡者 (採点:4)
- 突っ込みのかけあいは面白かったのですが、後半に行くにつれ
失速していった感もありました。
オチもべたならべたなりに、一つ二つは伏線くらい貼ったほうが、
唐突感が少なくてすむかと。
- 04 いっしょに。 (採点:7)
- かわいい澪でした。
こういうかわいさが書けるのはとてもうらやましい事です。
- 05 また明日 (採点:6)
- 柔らかくて、とろけそうなお話でした。
不安だけれど幸せな日々、良い後日談ですね。
ただ、甘い一辺倒で続くので、読んでて照れくさ過ぎて逆に
辛かったというか。もう少しその辺に緩急があったほうが、
良かったかもしれません。
- 06 It's possible to think of you. (採点:3)
- 後半はそうでもないのですが前半、文章がかなり荒かったです。
私は海外ものの作品をよく読んでいるから悪文読みも割と平気で
できるのですが、それでも辛かったです。
内容については氷上登場の前に、絆や浩平の存在を疑わせるような
エピソードが欲しかった気がします。疑念と対比させてこそ、氷上
の登場と一連の会話は、光ってくると思うのです。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:9)
- 良い話でした。
ふわふわしてて心地良いです。
詩子さんのキャラが非常に魅力的でした。
物語の流れも綺麗で、よく練りこまれてるなと感心しました。
9に限りなく10に近いです。
僅かながら引っ掛かったのは、文章や比喩で明らかに
他から取ってきた風なのが、かなり露骨に見受けられた
からです。
- 09 生徒 A (採点:3)
- 何度か読み直したのですけれど、
終りのほうの展開がどういう意味か分かりませんでした。
前半の会話の、雰囲気は割と良かったです。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- 尺は短いのですが、密度はなかなかに濃く感じました。
会話のテンポも良いし、少し苦めのラストも好みです。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- いや、ネタ自体は悪くはないと思うのですが、
流石に膨らまし方が足りなさ過ぎる印象を受けました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:6)
- 何かが駄目になってしまう直前の空気が、上手く表現できてます。
心地よいような気だるいような。割と好きな雰囲気でした。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:9)
- 私は、澪とみさきの関係ってここまで近くなることはないと
思っているのですが、それでもこの近しさ、親しさは読んでいて
気持ちよかったです。
これだけ丁寧に心情を積み重ねる話が書けるのは、素敵だと思います。
- 18 玉手箱 (採点:3)
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:7)
- ジャンルのなぎさって何だったのでしょうか……みさきの書き間違い?
まあそれはさておき。
言葉を喋ることのできない澪が、インターネットを使って情報を
発信するというアイデアはなかなか面白かったです。文体にも
生真面目で可愛い感じがよく出ててたと思います。
あと『風の十二方位』からの引用って、なかなかに渋いですね。
『オメラスから歩み去る人々』は私も本書の中で、最も強い印象
を受けた作品の一つでして、澪の感じた点は私も同じように感じ
ながら読んだ記憶があります。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- 汚名は挽回したら拙いかもしれません。
まあ、それは些細なことですね。
二人称という難しい形式を貫く文章技巧能力の高さ、
繭の強さと不安と優しさを心揺さぶる物語に仕上げた構成能力の高さ、
加えていうなら題名のネーミングセンスと、
どれを取っても文句のつけようがありません。
良い話を読ませてもらってありがとう。
その気持ちで一杯です。
○Mynona さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- カッコいい人のカッコいい話でした。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:10)
- 鮮やかなキャラの描写。世界の解釈。参りました。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- みあの名前の表記、出来ればうまく逃げて欲しかったです。
- 32 蘇る少年 (採点:8)
- なるほど、そういうタイトルの意味でしたか。これはいいなぁ。
- 33 幸福論 (採点:8)
- 明るい寂しさ、いいですねぇ。
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- ハッピーエンドからの解放ですね。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- 広瀬可愛い。彼女、きっと潔癖だなとなんとなく思います。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:9)
- 長森が可愛いですねぇ。
○REV さん
- 02 追跡者 (採点:8)
- タイトル表示までの、状況描写の積み上げだけで、ラストまで一気に読ませる力があった。
- 03 雨の中 (採点:6)
- 記憶を取り戻す詩子、という話
- 04 いっしょに。 (採点:7)
- 澪の誕生日。らぶらぶ。
- 05 また明日 (採点:7)
- 七瀬アフター、らぶらぶ
- 06 It's possible to think of you. (採点:7)
- シュンがブーストする、錨に例えた話。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:8)
- みずかとみさき先輩のanother.
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:9)
- 詩子のお話。ちょっと折原君が饒舌だけどこんなものだったかな。
- 09 生徒 A (採点:8)
- 入れ子になった話。構造が上手い。
- 10 プラスティックフラワー (採点:7)
- 広瀬さんの話。面白いけれどちょっと唐突。
- 11 なついろとみさきと (採点:6)
- みさき先輩と祭にいく話。せんぱいが世界と対峙する話でなかったのが残念。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- 浩平と瑞佳とみさお、ちょっと離れた視点の綺麗な話。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:6)
- 引っ掛け乙。ONEという作品と、折原浩平というキャラならでは。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:7)
- 茜END後、みさきとの話。話者が誰なのか、ちょっと分かりづらかったかな
- 15 桜散る (採点:7)
- みさきENDを見る瑞佳
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- 茜と、別れ話のある風景。漂う空気が凄い好き。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- みさき先輩と澪の演劇を通じた交流。意思疎通の手法がおもしろい。
- 18 玉手箱 (採点:6)
- 箱のトリック、ね。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- 澪のブログ。みさき先輩との意思疎通は、えいえんのテーマなのかな。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:5)
- 住井と浩平、詩子に会う。アクションの先にもう一つ欲しいところ。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 繭の話。疾走感のある導入から、ちょっと速度を落としたタイトル後、と、もうそこだけで気に入った。結末の明かし方も。
- 22 Luminous (採点:8)
- みさきと図書館。先のよめなさでワクワクテカテカ。
○Revin さん
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- おー、これは面白いなー。
タイトル買いで一発目ですが(笑)
評価は割れそうだけど面白い。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:3)
- なるほど。
- 48 エロ本行 (採点:4)
- 一つ一つは相当面白いと思いますが、テンポが悪かった。
○Ryuke さん
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- 地の文が読みづらく、氷上の台詞回しが変かなと
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:7)
- 構想は素敵なので、後は練りこみかな。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:7)
- 自分が年取ったことを感じさせられる…
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:8)
- 後半で減点
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:6)
- 最後の、余韻ぶちこわしじゃなかろうか
あとは澪の台詞が一つもないのは違和感
- 40 あの人 (採点:7)
- ジャンル・シリアス???
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- 小学生の思考と会話じゃない
- 52 演劇部の伝説 (採点:5)
- 深山という表記で減点1しました。
○S-スケルトン さん
- 10 プラスティックフラワー (採点:9)
- 広瀬と七瀬、こんな形の付き合いがあっても良いのかも知れないですね。
いいお話でした。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:6)
- 病院のあたりで何となくわかりましたが、面白かったですw
○TOONE-kanon さん
- 01 部屋の明かり (採点:4)
- 話の内容は面白かったけど。由紀子さんの性格がもうちょっと本編では穏やかだったような・・・(まあ浩平の事でピリピリしてただけかもしれないけど)
- 02 追跡者 (採点:2)
- 瑞佳が点テンパッって性格が変わってる・・・と言うか?別人・・・と思ってしまった。二度ほど苦笑してしまった所も、自分的には瑞佳は清楚で大人しい感じが有ったのでちょっと違うかな・・・と
- 03 雨の中 (採点:1)
- んっと本編丸写し?ってのを感じてしまいました・・・詩子が事故に有ったのは必要だったの?
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- 『澪と次に会う約束』の所がよかったです。澪の特等席はやっぱ浩平の背中ですね。特にここが嫌だなぁ〜って所はなかったのですが、出だしがちょっと読みにくかったですね、すぐにONEの世界に入っていけないと言うか・・・
- 05 また明日 (採点:5)
- うわマジで鬱陶しい・・・と一人身の私が思って仕舞うほどのホノラブ振りでした。七瀬の感じがよくでててよかったと思いました
- 06 It's possible to think of you. (採点:6)
- いかりって表現が素敵でした。浩平のパートナーになる人が居たからこそ浩平は永遠の世界から戻って着て来れた訳でありますからまさに『錨』ですね
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:7)
- いやいい話でした。永遠の世界がどのような世界なのかを深く考えさせられましたね。ここ二年ぐらいみさきシナリオやってなかったけどやってみようかななんて思わせれました。抽象的・・・もう『みずか』の存在自体が抽象的ですからなんとも(何言ってるんだ私・・・) レトルトカレーも捨てた物じゃないですよ(笑
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- 大学の頃って今時分が何処に居るのか?何処に向かっているのか?がわからない時期なんですよね、そんな心境を上手く表してる文章でした(本編でもフラフラしてたもんな詩子
- 09 生徒 A (採点:10)
- ・・・・・・・・何か物凄い背筋がゾクゾクってきました「デジャヴ」ですね。二回も読んでしまいました。私の解釈と筆者さんの解釈はおそらく違うものなのでしょうが物凄く純粋に感動してしまいました。できれば筆者さんの解説も聞いてみたいです。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- ――こんなに近いのに遠いなら、
――もっと近くにいける他人が良かった。
が最高でしたね。脇役のSSって沢口・・・南君が大半なので何かと新鮮でした
- 11 なついろとみさきと (採点:5)
- テンポのいい話でしたね。みさきの『大好きだよ』で花火の実況中継も忘れてしまって赤くなる浩平、初々しいですね。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- いい話だとは思うのですが私の好きなストーリーでは有りませんね。限られた時間の中でどの様に生きていくか・・・と言うのが人間の永遠の課題だと思いますから。文章としては90点ぐらいの物だと感じました(何か偉そうでスイマセン
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:7)
- シリアスから一気にほのぼのですね。私は結構好きですこの手の話
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- 嫌です。茜はなんといってもこれですね。
- 15 桜散る (採点:4)
- 最後の最後に誤字見つけました。文章は瑞佳の心境をもうちょっと悲しく表せてみてもよかったんじゃないかなと思いました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- 愛にも色々な形が有りますよね。好きだからこそ一緒に居られない。悲しいですね。よく物事を考えさせられるSSでした。(性格能力のない茜って嫌だな〜
- 17 重ねた手と手の中に (採点:8)
- こうしてPCを前に画面を見つめ感動したら声を出して感動できる。そういった当たり前の事を当たり前にできないみさきと澪。そんな二人をよく書けてる作品だと思いました。 本編で澪とみさきが二人っきりで会っているシーンはないのですが、いつもこの二人が会話するとしたらどんな風にするんだろうと思っていた私でありました。
- 18 玉手箱 (採点:3)
- デジャヴと言いますかリピートですか?
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:3)
- いい話だと思いました。みさき先輩に澪の演技を知ってもらいたいがためにとった行動よかったです。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:4)
- 住井と浩平のコンビはいいですね。話の内容が薄かったのが残念でした。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:6)
- 繭の成長振りをうまく書いた作品だと思います。少し気になってしまったのは、瑞佳が繭を呼ぶとき『繭ちゃん』ではなく『繭』ではなかったでしょうか?
- 22 Luminous (採点:5)
- 当たり前に出来ていた事が出来なくなってしまう。これは想像を絶する苦しみだと思う。そんなみさきの不安。時間は優しいけど、残酷だから。みさきの心境が伝わってきました。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:2)
- 詩子の思い切った行動。ちょっとありえない気もしますが、詩子ならありえそうですね(笑
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:5)
- 瑞佳の幼かった頃の性格が何かイメージと違っていたのが残念でした。(まぁ個人個人で捕らえ方があるのだと思いますが
- 25 ひとつの物語 (採点:8)
- いい話でした・・・何か簡単な感想になってしまいましたが本当に感動するいい話でした。「私もやっと、卒業だよ」がよかったですね
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- 話の内容が少し薄い気がしました。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:9)
- 茜が瑞佳に「浩平のこと好きですか」を聞いたところがよかったです。「何かの拍子に居られたらOKする」まったくもって浩平と瑞佳はそんな位置関係に居たと思います。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:10)
- 最高のプレゼントですね。
○VAL さん
- 01 部屋の明かり (採点:7)
- ……「家族」を凄く感じるお話でした。何か、凄くいいなと、そう思えるような。
瑞佳についての記憶の辺りとか、中盤までの少し冷たい印象とかでは微妙かなと思ったんですが、一気に引き込まれました。
- 02 追跡者 (採点:7)
- んー……少しばかり七瀬の反応がくどい気がします。
そして誕生日オチも読めました。いや、面白いんですけど。
ストーカーネタも少し多いかなと思いましたが、浩平との会話でいい感じだったので、むしろGJ。
手放しで誉めるとまではいきませんが、面白かったのは間違いないです。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 正直、こういう事故の使い方は悪い印象しか受けないです。
それに、これでは詩子が事故に会って茜が悲しんだ、意識が戻って喜んだ、以上に思えないのですが……。
浩平が消えてる期間の補完としては浩平との関わりが弱すぎで、正直疑問です。
あと、少し詩的な始まりに対して、最後が文章まで原作そのままなのも気になります。
- 04 いっしょに。 (採点:10)
- 何となく新鮮で、それでいてちゃんと澪。限りなく澪。
らぶでらぶで、素敵で大好きで可愛くて、らぶで大好きです。
何かもう、これしか言えません。本当に言えませんw
- 05 また明日 (採点:7)
- 何だろうこのいちゃいちゃ系ラブコメは。
んー、前半までは文句なかったんですけど、流石に同じ流れが長すぎます。少し冗長に感じました。
それもあって、締めが、ほんの少し取ってつけたような印象を受けてしまいました。
でも可愛いので良しです。何だろうこのラブコメは、の一言で。
- 06 It's possible to think of you. (採点:3)
- ……文章としては上手いと思うんですが、面白くなかったんです。ごめんなさい。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:6)
- コメ的要素は好きです。エンタ的要素は好きです。ところどころの台詞とか、描写とか。テンポが凄く好きです。
総じていいお話だとは思うんですけど……良くも悪くもみずかの存在が近いかなと。
感情移入できるんですけど、ここまで表に現れてしまうと……。展開がちょっとご都合的かなという印象も受けてしまいました。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- テンポがいいので加点……していいのかは微妙ですが。
正直、ONESSとしては「あ、あれ?」という印象を受けました。
読んでて心地良いのは確かなんですけど、原作との繋がりがイマイチ感じられませんでしたし(夢の辺りとかは多少ありましたけど)
あと、所々の固有名詞もちょっと気になります。
- 09 生徒 A (採点:7)
- 無難な序盤のほのぼのから、急展開。
最初は引き込まれて、それからあっけに取られたんですが……読後、何か不思議世界に巻き込まれた気分に。
雰囲気の良さは見事でした……理解したいという気持ちと詩子さんの続きが見たいという気持ちもありますが(苦笑
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- 「いいかげにしやがれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっっ!!!!」
この展開だと聞けそうにもないですね。……すみません、個人的に結構好きな場面なので。
あと、広瀬の告白の場面がイマイチに感じられました。前後の雰囲気から浮いてるのと、智裕の性格が……。
他はちょっと展開が素直ですが、良い話だとは思います。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- 「先輩」がないのに違和感。原作後の話なので、趣味の問題なのは分かってるんですけどね(苦笑
うーん、お祭の描写が少なくて、「楽しんでる」という印象を受け辛いです。
最後のシリアスラブも言葉の選択が素直すぎてイマイチかなーと。総じて物足りませんでした。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:4)
- 一応永遠解釈ということになるのでしょうか。
ちょっとストレートすぎるというか……解釈そのものではなく、「幽霊」とか「一緒に行く」とか、なんかその辺りがはっきりし過ぎてる気がします。
あまり難解すぎても苦手ですし、面白ければそれでいいんですが、合わなかったということで。ごめんなさい。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:3)
- 一発ネタ。
私は騙された側ですが、それだけですねー……。
あと、ネタばらしを見た上で考えると、読む人を騙そうとする意志が見えすぎるのが気になります。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 誰にだってブルーになる日はあるわけで、茜にとってのそれは雨の日。
いい友情、優しいお話だとは思います。
でも、何か題材とお話がかみ合ってない気もします……。
世界が優しすぎるというか、大袈裟に感じてしまう系統なんですよね。
- 15 桜散る (採点:3)
- 全体的に淡白かな、と。
特に浩平の説明口調とか、もう少し気を遣ってもいいと思います。
展開としても、もう少し話の中で瑞佳の好意を強調するとかしないと、これだけでは悲恋を素直に受け入れられないです。
無意識には影響してるといっても実際浩平のこと忘れちゃってますし、原作で浩平の罰ゲームを自然に受け流すシーンもあるわけなので……。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:6)
- 苦いです。現実的というか……うーん。
いや、こういうお話がありえるのは否定しませんけど、本編のことを考えると寂しいというか……あのEDの後にこれかと思ってしまうわけで。
お話の中でくらいハッピーエンドが見たいじゃないですか……と。完全に趣味の問題ですけどね。ごめんなさい。
ただ、永遠との絡め方とか、全体的にはかなり上手いと素直に思いました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 友情と尊敬と尊敬と。良かったと思います。それは間違いないです。
ただ……どうしてかはよくわからないのですが、心に響ききりませんでした。ごめんなさい。
あと、最後の一行が何となく違う気がすると思ってしまいます……。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- これはオチとは認め辛いです……。永遠とかけているんでしょうけど、それでも。
あと誤字なども少し目立ちます。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
前半のブログに、日記らしさが足りない気がします。
文系的というか……作文に近いんですよね、色々と。もちろんそういう書き方もありますけど、多数派ではなさそうですし。
ただ、×月●日と最後のブログについては、雰囲気出てるというか上手いと思いました。前者みたいな一行って時々あるんですよね。
全体的には、いいお話でした。素直に。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:3)
- 全体的なノリはそこそこでしたが、キャラの魅力とオチがイマイチです。
この手のコメディ系では致命的だと思います……。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:6)
- 汚名挽回……タイミング的にはあってるんですが、文脈的にはどうかなあ……。
頑張った椎名さんのお話。
……としてはいいんですが、文体のせいか、ちょっと合いませんでした。ごめんなさい。
- 22 Luminous (採点:6)
- んー、ちょっとインパクトが薄いというか。微妙です。
ただ一つ。素敵な二人だと思いました。微らぶ。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- 人数の所為か、オリキャラのインパクトが薄いです……。
濃ければいいという物でもないんですが、せっかく出したんですから……。
ちょっと無理矢理かなあという印象が先に来て、楽しめませんでした。締めへの流れもイマイチかなーと。
むしろ、この作品で描写されていない部分が気になってしまいます。いかにして転校を実行したかとか、この後茜達は果たして平和に対応するんでしょうかとか。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:3)
- 原作からずれてしまった印象を受けます。
瑞佳との思い出も、浩平の性格と出会いからの時間が一致してませんし、昏睡状態になったことについても説明不足だと思います。
- 26 トントン拍子 (採点:7)
- 無言電話。うん(何
なんか和みました。可愛くてGJです。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:6)
- 例の台詞で-2点。オチで+3点。
なんかいいなあ、と思うわけです。それなりにほのぼのできました。……でもこの伏字台詞はどうかなあと思うわけですよ、やっぱり(苦笑
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:9)
- らぶ。優しくて素直に大好きなお話です。
最初からずっとそう感じながら楽しめて、それでいて最後の締めにきっちりやられました。繋げ方が神です。ありがとうございましたっ。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- こういうほのぼのな雰囲気は嫌いじゃないですが、みさき先輩への伏線が欲しかったなーと思いました。
「俺にとって一番『特別』で」の部分が、どうしても浮いてしまうので。
飛び降りとか動脈とか片足飛びとか、危険なことについての有無も多少気になりますが、私自身に経験がないので保留で。
- 32 蘇る少年 (採点:6)
素直に受け入れられないのは氷上に対する二次創作から生まれた偏見の所為でしょうねー……。この作品でもネタになってますけど。
氷上の難解な台詞を、素直な物語で解釈した感じですね。所々の言葉は難しい物があっても、そういう意味では読みやすかったです。
記憶のなくし方とか、絆が本編と比べて例外的になってしまうのが気になるといえば気になりますが、十分に成立していて、それでいて良い話だと思いました。
点数を抑えたのは、誤字が少し気になるのと、趣味の問題です。ごめんなさい。
- 33 幸福論 (採点:8)
- さわやかなのはいいんです。大好きなんです。文句はないんです。ていうか可愛くて。可愛くて。もう本当に。
ただ、いつの話なんだろうなあというのはどうしても考えてしまいます……多分浩平消えてるっぽいんですけど、二人が卒業してないんですよねー……。
あー、もうでもあまり気にしたくないです(苦笑
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 最後のページが説明に偏り気味でしょうか。
雰囲気含めて全体的に悪くなかったのですが、イマイチ入り込めない感じでした。
- 35 それでも生きて (採点:7)
- 読後感が切ないです……。
締めに持ってくるのは、ある意味反則ですねー(苦笑
- 36 あなたの名前を知っている (採点:3)
- ごめんなさい、よく分かりませんでした……。
- 37 Ever Follow ever (採点:4)
- イマイチ合いませんでした。ごめんなさい。
こうみさお(みずか)を前面に押し出されると微妙な気持ちに……。
- 38 みるく・ろーど (採点:5)
- 浩平と瑞佳の出会いについては思うところがありますが、まあ気にせず。
ほのぼのとしてて良かったと思います。
>「うーん、そうだね…。昔から、学校でも家でも好き、かな?」
それはちょっと嘘になってしまいますっ。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:4)
- 締めの前にほんの少しの救い、そして落とす。見事にダークですねー……。
その締めはともかく、それまでの過程がストレートに視覚障害を扱ったお話ですね。
みさき先輩のお話である以上、扱われるべきテーマだとは思うのですが、これは少しONEからずれてしまった印象を受けました。
ラストのえいえんでその印象も多少薄れましたが……同時にダークは苦手なのでごめんなさいですけど(苦笑
- 40 あの人 (採点:2)
- 原作との相違点とか気になります。
それ以上に、瑞佳の感情が動きすぎというか……ちょっと展開的に、いまいち感情移入出来ませんでした。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- 濃さが足りない……かなあ。
量と描写とお話の時間が合ってないというか、1年以上という時間を語ってる分、全体的に薄く感じました。
各パートのメリハリが足りないのかもしれません。
お話としては微らぶで(何
- 42 ありがとうを君に (採点:5)
- 丁寧に書かれていると思いますが、それ以上の印象を受けませんでした。
捻りが足りない気がするのと、あまり趣味じゃないので……ごめんなさい。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:5)
- こういう改変物は、矛盾を作らない……もしくは原作の印象を如何に拭い去るかというのが大事ですよね。
私個人としては原作瑞佳シナリオよりこちらの方が好きですが、瑞佳の話に限らず、帰還物として考えると……やっぱり違和感あります。
- 44 髪弄り (採点:7)
- 野暮だとは思うんですけど……帰ってきた時にはもうすぐ卒業な筈なんですが……。
まあとりあえず、ごちそうさまでしたです(何
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- 詩子さん。詩子さん詩子さん詩子(ry
前半のコメディで詩子さんに満足し、楽しんで、その上で――シリアスに浸りました。見事です。
ラブも散りばめられていて、それでいて締めに。うわー、うわーって感じです。素敵です。大好きでした。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:5)
- ……やまなし、おちなし、いみなし?
不思議なお話でした。面白くなかったといえば嘘になりますが、全体の繋がりが気になると言うか……読み方としては間違ってるんでしょうが、「え?」という思いが先に来ました。
- 47 雨に祈りを (採点:6)
- あったかもしれない、救いがないようであるかもしれないけどない気がするお話。
文章は上手いと思いましたし、雰囲気も出てたと思います。
ただ感想を言うなら、悲しいな、と。それだけしか出てこない私もいます。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- んー、根底にあるシリアス部分が引っかかるような感じで、すっと読めませんでした。
とはいえ、逆に言えば気になるだけの内容を感じたというわけで……。
間違いなく上手いと思いますし、ほのぼの(日常)系としてはとても楽しめました。微えろなくらいが一番読んでて楽しめるかもですね。
- 49 輝く季節へ (採点:6)
- んー……繰り返される世界という設定は好きだったんですが、ちょっと展開に突いていけなくなる箇所が。
特に最後の方は抽象的に感じるというか、少し置いてきぼりにされた気分になりました。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- うわ、上手い。読後の感想が率直にそれでした。
媚びてなくて、それでいて好感の持てる真希嬢と、いくつかのエピソード。
締めの二行に、なんかもう……凄く表現されてるというか。素敵です。
- 52 演劇部の伝説 (採点:3)
- 澪は1年です……最後の一行のミスは目立ちますね。
んー、いい話だとは思うんですが、イマイチ入り込めませんでした。
ところどころ気になる文章があるのと……あとは台本形式も影響してると思います。
とりあえずは、澪の「なの」を、「なの?」という疑問の意味と併用して使いすぎかと。変な感じがするので。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:8)
- 爽やかで素敵なお話。
前向きさと、悲しさと、友情と。素直にいいな、と思えるお話でした。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:6)
- 難しい単語と、展開に苦笑いしつつ。
瑞佳シナリオが持つ黒さを特化させたような、それでいて前向きなお話。
上手いと思いました……けど、ちょっと合いませんでした。ごめんなさい。
- 55 ラブレター (採点:7)
- 永遠無視っ!?
……あー、でもやっぱり可愛くて素敵で大好きだからいいです(何
各要素の混合具合とかいい感じで、まさにらぶ。らぶでした。
可愛いですし……お話としても良かったです。
ただ一つ……肝心の、澪のラブレター(ぇ)の内容がどうしても微妙に感じてしまいました。
素直でいいですし、これ以上を求めるのは難しい気もするんですが、何か違うような、と。ごめんなさい。
- 56 “ろまんひこう” (採点:6)
- 原作七瀬EDの印象と微妙に異なってしまうのと……何で南かなーという気持ちは出てきます。
とはいえ、色々と爽やかで……読んでて気持ちよかったのは間違いです。
いいピーターパンでした。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- 浩平がいなくなる時、澪は泣いていたか。……違和感を覚えて、原作のテキストを読み直しました。
読み始めがそれだったせいか、みんなが僅かでも記憶を呼び起こす所とか、氷上とか、瑞佳の反応とか……どうしても原作と違うなあという印象が強くなってしまいました。
原作改変でこの読み方は良くないとは思うんですけど……いい話だと思ったのに、ごめんなさい。
あと、やっぱり澪の台詞は『』で囲った方がいいんじゃないかなーと。
○algol さん
- 01 部屋の明かり (採点:4)
- 開始1分間に状況描写の多さが鼻についた。私には冗長にしか感じなかったです。
- 02 追跡者 (採点:4)
- 開始数行でオチが読めてしまった……。(みさき不登場を除いて)
- 03 雨の中 (採点:4)
- 詩子の事故が突発的過ぎな上に必然性も感じられないです。話の流れは悪くないんですけど…
- 04 いっしょに。 (採点:8)
- 「会うたびに次の約束するだろ?」
このやり取りで負けました。ごちそうさまです。
- 05 また明日 (採点:7)
- ONEの雰囲気とはまるっきり違う気がするけれども…徹頭徹尾のノロケ話は逆に気持ちよかったです。
- 06 It's possible to think of you. (採点:6)
- 直球ですね。ONESSの直球。
ごめんなさい、他にコメントが思いつきませんでした。6.5を切り下げ6点。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- 純粋に小説を書きなれていないのですね。今後に期待です。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:10)
- ここまで読んできた中でもっともONEらしく、もっとも面白かったです。タイトルだけはあまり好きになれないですけれど…やっぱり10点あげたいです。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:8)
- わかっちゃいるけれど騙されました(笑)
長編だらけのコンクールの中、あえて一撃に賭ける姿勢が大好きです。(+1)
- 17 重ねた手と手の中に (採点:9)
- 浩平の名はゼロ。しかしヒロイン二人が完璧に立っている。上手い。
みさき先輩澪好きで甘くなっているかもしれないですけれど、上手かったです。
……強欲を言うなら、最後の締めの一行が…。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:9)
- もって今日一日。その台詞が残ってしまってこのEDの続きが気になって仕方ない! 余韻の残し方はコンクールでも指折りだと思いました。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:10)
- 下から読み始めて立て続けによい作品に会うのですから…。
「あお」を説明できないというくだりは衝撃的でした。私の中で、このコンペの一番はこの作品です。けちをつけるところが見当たらないです。文句なしに満点。
- 55 ラブレター (採点:9)
- いい話! その一言に尽きます。
ゲーム中のみさきと澪のやり取り。それをここまで叩きあげたのに感服。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- 文量制限がなかったらな・・・・・・と心から思いました。
澪の話として楽しく読めました。6.5を切り上げて7(甘いかも…)
○dude5 さん
- 01 部屋の明かり (採点:10)
- 10点。いきなり大傑作。
瑞佳の事まで忘れている説明がつかない。
- 02 追跡者 (採点:10)
- 10点。ヤバイw笑ってしまった
センスありすぎ。
原作とはかけ離れているが問題なし。
- 03 雨の中 (採点:3)
- 3点。他の作品と比べてしまうと厳しい。
- 04 いっしょに。 (採点:8)
- 8点。普通に上手い。
喫茶店のくだり最高。
- 05 また明日 (採点:7)
- 7点。甘すぎな二人に身悶え。
でもちょっとくどすぎたかも。
- 06 It's possible to think of you. (採点:5)
- 5点。もっとメリハリを。
つらつらと流し読んでしまう。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:5)
- 5点。
何か釈然としない。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:5)
- 5点。クセがありすぎて、どうも。
- 09 生徒 A (採点:10)
- 10点。楽しめた。茜最高w何考えてんだ
特に文章が上手いとは思えないのだが。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- 6点。
>キスされました
ここはすごく良かった。
ケンカのシーンが説明くさくて少しダルかった。
- 11 なついろとみさきと (採点:2)
- 2点。
説明ばかりで描写がない。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- 8点。猫すげえw
浩平の喋り方がらしくない。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- 4点。
どうしてこういう喋り方をさせるのか。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 5点。
文章が安定していない。基本的に稚拙。
けれど巧いなと思わせる部分もある。
- 15 桜散る (採点:3)
- 3点
消えた事実を軽軽しく話すとは思えないが。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:9)
- 9点。説得力がある。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:5)
- 5点。面白みに欠ける。題材のせいで仕方ないが。
情報伝達速度というものを考えさせるのは見事。
- 18 玉手箱 (採点:5)
- 5点。
オチが期待外れ。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
- 5点。
同じ舞台に立ったとしても澪の演技は分からないだろうと思ってしまう。
納得させるだけの説明がない。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:5)
- 5点。まあこういうのもいいかなと。
台詞の前にいちいち名前があるのは気にいらない。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- 7点。
粗は無いのだが突き抜けた面白さも無い。
タイトルが良かった。ニヤリとさせられる。
- 22 Luminous (採点:7)
- 7点。何か物足りない。もっとおもしろい話に出来たのではないかと思う。
じゃあどうすればいいのかと言われれば困るが。
建物の有無を確認した後の展開が問題。もったいない。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:4)
- 4点
何だかなあ。強引すぎ。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:6)
- 6点。悪くはないけど。
- 25 ひとつの物語 (採点:7)
- 7点。
世界観がいい。茜が秀逸。
文章の上手さに隠れるが内容は…
- 26 トントン拍子 (採点:10)
- 10点。最高。文句なし。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:3)
- 3点。滑ってる。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:4)
- 4点。
ダラダラとした文章が煩わしい。特に後半。読んでいて退屈。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:5)
- 5点。
悪くはないんだが…
- 30 『packaging replica』 (採点:4)
- 4点。
読む事が苦痛。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:4)
- 4点。
とてもいいお話。文章も上手く読みやすい。
でも何故かおもしろくなかった。ごめんなさい。
- 32 蘇る少年 (採点:7)
- 7点。良作。
- 33 幸福論 (採点:8)
- 8点。
すごくいい。本編との違和感はありすぎだが。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 7点。ドキドキしながら読んだ。
浩平との瑞佳掛け合いが素晴らしい。
終盤力不足。茜が軽軽しい。楽に話を終わらせてしまったような。
- 35 それでも生きて (採点:8)
- 8点。悲しい話。胸が締め付けられる。
文句をつけたい部分もあるがそれでも高評価。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:4)
- 4点。
一度で理解出来なかった。
もう一回読み直そうと思えなかった。
- 37 Ever Follow ever (採点:4)
- 4点。
みさおを使ったのは失敗ではないかと。
説明は必要なのだが邪魔に感じる。
- 38 みるく・ろーど (採点:4)
- 4点。イマイチ。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:9)
- 9点。惹き込まれた。
少女がみさきである必要性は?笑っている必要性は?
- 40 あの人 (採点:3)
- 3点。
こういう未来の可能性もあるのだろうが、この文章から想像つかない。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- 6点。ちと甘め。
わだかまりすら押し流してくれる場面をしっかり書いて欲しかった。
- 42 ありがとうを君に (採点:4)
- 4点。
新鮮味がない。丁寧に書いているのはわかるのだが
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:4)
- 4点。
オチは素晴らしいのだが過程の説明不足。
- 44 髪弄り (採点:6)
- 6点。
イマイチ好みに合わなかった。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- 9点。素晴らしい。特に前半最高。
途中少しダレた。それがなければ10点だったんだが。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:5)
- 5点。面白さについていけない。好みに合わないという事。
好きな人には堪らないんでしょうが。
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- 9点。
あまりにも硬い文章が続きすぎて効果的でない。でも良かった。
こんな小学6年生いるか!
- 48 エロ本行 (採点:6)
- 6点。
独特過ぎる文章が楽しめなかった。
- 49 輝く季節へ (採点:5)
- 5点。
もう少しわかりやすくしてもらえれば。
- 50 遠きあなたに (採点:6)
- 6点。いいお話なのだが。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:7)
- 7点。良作。
- 52 演劇部の伝説 (採点:5)
- 5点。
宝探しの場面は良かったが。それ以降が陳腐。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:6)
- 6点。
文章に雰囲気はあるのだが。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- 8点。
着眼点が素晴らしい。出だしから興味を持って読んだ。
- 55 ラブレター (採点:8)
- 8点。
オチが素晴らしい。みさきが勘違いするくだりは最高。
- 56 “ろまんひこう” (採点:10)
- 10点。大傑作。
ファンタジーは好みじゃないのだが。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- 7点。
ちと性急か。安直なハッピーエンドに若干不満。
○hubuki さん
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:3)
- 私と全然まったくベクトルが違う話だな〜w
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- うーん、落ちが読めてしまいました。
あと、茜はなんで産婦人科に居たんだろうw
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- …すいません、何がやりたかったのかが、サッパリ解りません。
あとこれはもう多くの方が突っ込んでいるとは思うんですが、これだけコンペが普及した中で、未だに台詞前に名前をつける台本形式を見るとは思いもしませんでした。
はじめ見たとき、何らかの仕掛けがあって敢えてやっているのかと思ったのですが…
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:3)
- 観測者は誰なんだろうと最後まで読み進めたんですが、うーん、地の文章が二人称になっている理由はなんだろう?
若干読みにくかったように思います。
そして読み難さを読者に強いるなら、それ相応の旨味が欲しい所です。
あと「汚名挽回」はわざとなんでしょうか?
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- 「折原君! 茜に許可を得たんですか? 得てないでしょう」
この台詞読んで民主党の岡田が思い浮かんだ私は異端児なのだろうかw
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:4)
- な、なんだろうこれは、なんだろうこれは!?
一体どう評価すればいいんだ。
そもそもジャンルからして尋常でない。
冷静に評価すれば褒められたモンじゃない気がするのに、何故か苦笑ですませて上げたくなる不思議な作品。
あ、あとあえて野暮を言うなら幾等なんでも二条城から迷って寺町って言うのはチョット…。意外と距離あるし、ってそれも含めて超時空か!恐るべし。
京都在住。
- 49 輝く季節へ (採点:5)
- 永遠のネタはいい感じだっただけに、後半の有り様が何とも惜しい。
- 56 “ろまんひこう” (採点:6)
- うーん古めかしい絵本を読んでいる感じかな?
良くも悪くもONEのSSって感じはしない作品でした。
○kobax さん
- 01 部屋の明かり (採点:8)
- 初っ端からいきなりやられました。
気になったところはあります。前半が少し凡長だったかな、とか、誤字が気になるな、とか。けれど、それ以上に良いところが目立つ作品だったと思います。
何より、文章単体での切れ味が抜群ですね。ところどころで垣間見る、筆者さんのセンスが伺えます。あまり多くを語らず、それでもこちらに伝わる表現が素敵でした。お零れに預かりたい(笑)
以上です。ありがとうございましたーっ。
- 02 追跡者 (採点:5)
- うむむ。点数をつけろ、と言われると困るタイプですね。
面白かったところは、文句ないです。こういうSSは、笑ったらいい意味での負けですからね。とはいえ、笑えなかった部分に関して考えると、ちと辛いです。オチも弱かったですし。雰囲気は好きだったのですが。
- 03 雨の中 (採点:4)
- 句点、読点、そして改行に違和感がありました。物語の流れを悪くしているのかもしれません。
補完SS、といった趣きでしたが、それ以上のものが無かったのが残念でした。事故に会った詩子で、もう少し個性を出すのもよかったかと思います。
- 04 いっしょに。 (採点:5)
- 安定していて、読みやすい文章でした。発言の出来ない澪を上手にまとめていると思います。
最初と最後の繋がりが、ハッキリと噛み砕けなかったのが、少し残念でした。中盤にも、もう少しアクセントがあってもいいかもしれません。
- 05 また明日 (採点:5)
- ううむ。前半飛ばし過ぎましたかねー。
流れとしては、悪くないかと思います。ただ、浩平の「可愛い」発言があまりにアレだったものですから、転換についていけないところもありました。筆者さんが楽しく書いているなぁ、というのはビンビン伝わったのですが(笑)、もう少し抑えて後半にボリュームをつけたら、もっとよくなると思います。
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- うーん、気になる点がいくつか。それがちと辛いので、この点数になります。
まず、この主人公を曖昧にした表現方法が、今回は裏目に出ている気がします。該当しないキャラがまず消えてしまいますし、これ故の深みとか伏線があるようにも思えません。とするならば、いっそ一人に焦点を当てて書いたほうがよかったかな、と。もう少し容量もいけそうですしね。
あと「、」の位置ですね。さすがにちょっと独特で、長過ぎる気がします。「いかり」も「碇」でいいように思いますし。推敲のほう、もう少し頑張ってみると、また違ってくると思いますー。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- なるほど……そう、まとめましたか。素晴らしい。
正直、ロリ子ちゃんと二人でハッスルしている辺りから、ああこれはダメかなぁ、なんて失礼な事を思ってましたが、最後のオチがよかったです。よくよく見ると、リストカットの辺りも伏線だったのでしょうか? 二人の居場所を求める感じが伝わって、よかったと思います。詩子のキャラ作りも面白かったですし。
ただ、もう一つ何か欲しかったような気がします。これはこれで完成されているのですが、読者を惹きつけるもう一つのアクセント。ストーリでもキャラでも何でも、それがあると更に魅力的な作品になったのではないでしょうか。
とはいえ、楽しませてもらいました。ありがとうございます。
- 09 生徒 A (採点:6)
- ああなるほど。以下エンドレス、ということですね。面白い。
前半、どうして茜をこんなにプッシュするのかなぁと思っていたのですが、なるほど。全てつながりのある仕掛けだったわけですかね。それぞれがそれぞれでデジャブを感じつつ、様々な方向に広がっている作品です。こういうのもまた、新しいなぁと思います。
ですが、だからどうした、と問われるときついかもしれませんね。この仕掛けを作って、それから何を生み出したのかが明快でなく、まぁ日常の一コマというところで収まってしまう気がします。
試みは面白かったです。ありがとうございました。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- うわーい、凄くもったいなーい(笑)
仕掛けが物凄く上手く機能していただけに、その後の二人のやり取りや、告白からラストにかけてまで、物語の締まりが欠けているように思います。ここまで綺麗に流しておいて、急に流れを悪くしちゃったなぁ、という印象が強く残りました。それだけが残念です。あと出来れば、タイトルの意味も教えてもらえると助かります。
――あ、でもコメディタッチの作品も読んでみたいかもしれません(笑)
- 11 なついろとみさきと (採点:4)
- 雰囲気は悪くないと思います。みさきが浩平に感じていた想いが伝わってきました。あとは、それを煮詰めて広げる作業が必要だったのでは、と。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
- そうか……そういうエンドもありなのか、と一人納得してみたり(笑)
えいえんに関する解釈は、ボクと少しだけ違います。みさお=みずか、なのかなとは思ったりするんですけども、まぁそれはともかく。それ以外では、これボクが書いたんじゃないか、と思えるくらいにシンクロしてましたし。……えいえんについて、語り合った友は少ないはずなのですが(笑)
ともあれ、楽しませてもらいました。時間の速さが違う、というのはボクに無かった考え方ですし、これはどこかで使えるなぁなんて思ったり。三人での幸せな生活、これもまたありなのかもしれませんね。永遠に終わらないといいなぁと思います。
なんですが、キャラが少し違うかなぁ、と思ったので点数は低めです。こればかりは個人的なものですので、察してもらえると幸いです。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- ネタは面白かったです。あとは、それを上手く使う表現方法。30K以内という条件で掌編だと、少しもったいない気がしました。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- うん。文句無い出来でした。
何というか、SSのお手本みたいなSSでしたね。最初には印象的な文章を、中盤にはちょっとした伏線を、後半からはそれらが繋がって、最後に至る。表現で首を傾げることも無かったですし、スラスラ読むことが出来ました。力のある筆者さんなのだと思います。
――それ故、なのでしょうか。あまりに型通り、と言いますか。それ以上のものをこの作品から見出せなかったのも事実です。茜も、みさきも、浩平たちも本編のままで、筆者さんの個性がつけられていないように思えます。それはとてもいいことなのかもしれませんが、味が薄い料理のように、今一つ物足りないようにも。
我が侭に近いのですが、これも感想ということで一つ。
- 15 桜散る (採点:3)
- SSを書く際の注意点なんかは、他の方にお任せするとします。ただやはり、改行は気をつけてした方がいいと思います。リズムがありますからね。
物語は可も無く不可もなく、でした。これからの浩平、みさき、そして瑞佳に期待といったところでしょうか。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:6)
- いいなぁ。凄く、いいです。
こういうSSと出会えるからこそ、こんぺという場が好きなのかもしれません。そう思えるくらいに捻り曲がって、どこか現実的で、それでいてしっかりとした物語を紡いでいるSSでした。何となく、SSに対するアンチテーゼなんてものも取ることが出来ましたし。――そうですよね。考えてみれば、綺麗なところだけで全てが成り立つわけではないですもんね。そういった意味でも、いい作品だったなぁと思います。
雰囲気重視。こういった作品は何度か読み直したくなります。点数が感想に合っていない気もしますが、それはそれとして(笑)。ありがとうございました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- お互いがお互いを支え合う、という一連のテーマがハッキリと浮かび、それでいてよくまとまった作品だと思います。ボクは正直、ONEのSSをあまり読んだことが無いのですが、みさきと澪をメインに据えた作品では、とくに好きな作品になりました。強い部分、弱い部分、助け合える部分。それがしっかりと区別されて書かれていたのが、特に好意的です。実際にこのような障害を持った方々のお話を取り入れると、さらに厚みが増すと思います。こういった題材は、それ故の責任が特に重く圧し掛かりますからね。
一つ残念だったのは、『おに{゛ふ}{yと}うなの』が何のことかわからなかったことです、もしよろしければ、お答えしてもらえればと思いますー。
というわけで、楽しませてもらいました。ありがとうございますっ。
- 18 玉手箱 (採点:3)
- ……えと。すみません、いろいろと疑問が。
まず玉手箱って何でしょうか? どこからそんな都合のいいものが出てきたのでしょう。えいえんに関係があるのかなぁ、ということはわかりますが、それが何故浩平の手にあるのか、それを説明してもらいたかったです。ONE本編では……たぶん無かったエピソードでしょうし。
また、句読点をつけたりつけなかったり、というのは仕様でしょうか? それならばそれとして受け止めるのですが、意義がちょっと感じられませんでした。改行も必要の無いところで入っている気がします。テンポが悪くなっているかな、と。
オチに全てを賭けた作品、なのでしょう。今回は失敗しているのかもしれないです。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
- うむむ、ちと物足りないかな、と思います。
澪が言葉を上手く使えないことを、Blogという一つの手段を用いて扱うようになった。このアイデアはとても良かったです。ただどうせなら、もっとこれを使ってみさきとの繋がりを示してもらいたかったです。メインが澪とはいえ、みさきもほぼ同じ扱いをしている以上、それは必要だったかなぁと。比較するのは申し訳ないのですが、同こんぺ作品である『重ねた手と手の中に』は、その点を上手く考慮されていたと思います。もしよろしければ、ご参考にするのもいいかと。
とはいえ、大きな穴も無く安心して読めました。芝居に関する情報も、わかりやすく伝えてくれていましたし。こういった知識は、得てして自分語りで終わってしまい、なかなか読者に優しくないことが多いです(もちろん、知らないということにも問題がある時がありますけれども)。その点、この作品のさじ加減がとても好きです。そこから澪が何を伝えたいのか、わかったような気がします。
以上から、打ち消しあってど真ん中の評価をさせてもらいます。この後の展開も気になるところですー。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:3)
- 台本、というかゲーム形式のSSは、特に嫌悪感は無いです。けれど、持っている方もいるので、こういう場ではもしかすると批評の対象になるかもしれません。気をつけたほうがいいかもですー。
で。問題は、このSSが何をしたかったのか、というその一点に尽きます。日常の一コマ、という括りでいいんでしょうか。起承転結は出来ていたのですが、伝わるものは特にありませんでした。ごめんなさい。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:6)
- 何かこう、文では上手く伝えられない良さを感じました。どこがどういいんだ、とは指摘しづらいんですけど、全体を読んでみて「ああいいなぁ」と口にするような、そんな良さでした。何か抽象的ですみません……。
センスのある文章は、冒頭の数行を見てパッとわかりますよね。今回の作品はまさにそれでした。筆者さんがこの物語を伝えるために選んだガジェットは、ボクには無いものです。羨ましいなぁ。タイトルのセンスも奇抜で面白いですし。これまた抽象的ですみません……。
とにかく、良かったです。それは間違いないです。楽しく読ませてもらいました、ありがとうございます。
- 22 Luminous (採点:4)
- おうち……。力のある筆者さんが書いたものだとわかるだけに、非常にもったいないミスが目立って見えました。好きな部分も多かったのですが、それが霞んでしまったのが残念です。
というのも、全体的に30KBで収めようとしていないように思います。全てを語れ、とは言いませんが、さすがに置いてけぼりな要素が多過ぎるかと。最果ての図書館を始め、浩平の就職までの件、みさきのピアノとPCの部分、一つひとつが面白いのですが、点になっています。線で繋がっておらず、ただ並べただけ、という印象が強いです。
特に流れが悪かったのが、序章です。星を見に行こう、といったのは最初の数行で、そこからまたデートの話、ピアノ、最果ての図書館の話と目まぐるしく展開が変わっていくため、読み直しが必要でした。読者を白けさせてしまい、次を読みたいと思わせることが出来ないのは、ある種致命的だったのかもしれません。少なくとも、ボクはそう感じました。ごめんなさい。
倍の尺があれば、また違ったのかもしれません。ですが、30KBに限らずこのような原稿容量の制限の中で書くのもまた、面白いものです。限られたもので、何を選ぶかもまた、筆者さんの力だと思いますー。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:7)
- いい! 熱い友情、とてもいいです!
正直、最初は「またオリキャラが多いな……」と切なさいっぱいに読み始めていたのですが……これはいい方向に崩されました。それでいいのかよ、とツッコミを入れたいところは少なからずあったのですが、それでもいいんです。五人で缶を掲げあうところで、この評価は決まったも同然。理屈ではなく、感性で好きな作品でした。
激しく琴線を触れた作品でした。友情モノ大好き。ありがとうございましたっ。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:2)
- ……よくわかりませんでした。読解力がついていかなくて、ごめんなさい。
とりあえず、読みづらかったです。数ある言葉の中で、これを選ぶのかというような単語がいくつも見られます。もちろん、難解な言葉を使うなといっているのではないのです。ですが、どうも適当とは思えない箇所がちらほらと。辞書から目あたりの良いものを引き出して、何とか使ってやろうと。そんな意思はもちろん無かったと思うのですが、そういう印象を受けました。読みづらいと感じた一因は、そこにあると思います。
あと致命的だったのは、グリーン・フラッシュとえいえんの繋がりがさっぱりだったことです。唐突に出てきて、両者が繋がって、それが最後まで続けられていましたが、よくわかりませんでした。すみませんが、説明をお願いしたいところです。産み落とす……って何なんだろうかなぁ。
他にも、キャラへの違和感や誤字など、目に付く問題点は少なからずありました。残念ながら、ボクの肌には合わなかったようです。
- 25 ひとつの物語 (採点:7)
- 文章を読んで、それをすぐさま映像に変換出来るのは凄いなぁと思いました。それを感じたのは終章だったのですが、全員の心持がよく伝わってきたように思います。キャラも良く掴めていました。素晴らしい。
さて、『ひとつの物語』ということだったのですが、実のところこの作品はいろんな可能性を秘めた作品だったと思います。それ故なのでしょうか、少々欲張りすぎたかなぁという面も見受けられます。それが顕著だったのが瑞佳。さすがにあれだけで全てに見切りをつけ、卒業となるには厚みが足りなかったかなぁと思います。茜に関しては上手く扱えていた分、少し気になりました。
そも、メインが七瀬である以上、このまま彼女に焦点を絞ったほうが面白かったようにも。これは筆者さんも当然考えられた事でしょう。この作品は物語の可能性の拡散がテーマだったのだとするなら、こちらの選択もまた正しかったようには思います。ただ少々、置いてけぼりかなぁという印象は残りました。尺に悩まされたでしょうかね……(笑)
いろいろ語りましたが、楽しく読ませてもらったことは変わりありません。ありがとうございました。
- 26 トントン拍子 (採点:5)
- トントン、の使い方が絶妙でした。上手くまとまっていると思います。
ただ、周りの人間がおまけ扱いになっているのが、少し寂しい気もします。雪見の設定も辛いです。容量を見る限り、掘り下げることは出来そうな気もしました。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- えと、そうですね。筆者さんの伝えたいことは、きちんと把握出来たつもりです。タイトルも物語に合致していますし、茜以外ではキャラの動かし方も良かったです。
しかし、ちょっと薄いですかねー。盛り上がって、急に冷めて終わったという感じがしました。どうせなら、もう少し茜と浩平のやり取りがあっても面白かったですし、サブを動かして何かの仕掛けを作るのもよさそうです。こう、読者を楽しませるスパイスなんかあると、もっとよくなるかと思います。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
- ああ、こういう雰囲気は好きです。直接的に語っている文章は少ないのですが、全体から伝わる柔らかさみたいなものが感じられます。茜と浩平のキスのあたりが、特にそうでしょうか。ほんわかしました。
前半の澪や詩子とのやり取りもまた、筆者さんが楽しくやってるなぁというのがひしひしと(笑)。容量的にあれを入れるのは難しかったのではないかなーと思ったのですが、どうだったでしょうか。ランナーズ・ハイの誤字以外は、違和感無く楽しめました。
なんですが……どうも好みだと思うんですが、どうも高得点をあげたいっ、とはなりませんでした。面白いですし、穴も特に無いですし、これで素晴らしい作品なのは間違いないんですけど……鳥肌を立つような感銘は無かったです。抽象的ですが、ごめんなさい。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:4)
- なんかオールエンドみたいな形になりましたね。どこはかとなく、祐一を思い浮かべてしまうのは悪い癖です。まぁそれはともかく。
メインにみさきを持ってきたのは、良かったと思います。障害を持った少女は何人かいますが、彼女でなければ伝わらない何かが、この作品から垣間見えました。……その主張が好きか嫌いかで言えば、後者なのですが。そうかなぁ、と首を傾げたりも。
違和感があったことで、少し点数は低めになってしまいます。キャラを掴む、というのもまた大事なことですからね。考慮してもらえればと思います。
- 30 『packaging replica』 (採点:5)
- うーんうーんうーん。嫌いではないのです。ほのぼのの中にシリアスを折り混ぜて、それでいて春夏秋冬それぞれの章がよくまとまっています。最後まで綺麗に世界観を伝えてくれました。
なのですが、どうもオリジナリティが足りないように思います。浩平、瑞佳、あとみずかですか。彼らのアフターを描くえいえんとこちらの世界への考え方は、いつもワンパターンな気がします。それはある種、テンプレになるのも仕方の無い面がありますが、やっぱりそれだけで終わってしまったような。冒頭から終章まで、一連の流れが予想出来てしかもその予想に収束した。これではさすがに、興味も引きにくいのかもしれません。
というワガガマな感想です。ごめんなさいー。
- 37 Ever Follow ever (採点:7)
- ネタが被った……。
そして負けた……。
凄くボクと似た解釈をされていて、個人的にはえいえんに関する文句はありません。浩平、瑞佳、みずか、そしてみさお。これらの要素は必ずどこかで繋がっているはずですよね。それらを全て吟味した上で、とてもまとまりよく流れていたと思います。キャラもまた違和感無く。そうですよね……みずかってこのくらいの台詞で語る少女ですよね。今後書くことがあれば、ぜひ見習っていきたいものです(笑)
ですが物語全般は、えいえんの講釈のみで終わってしまった感があります(人のことは言えないのですが……)。これは完全に容量とのにらめっこになりそうですが、絞るところは絞って、もう少し浩平と瑞佳のやり取りを見てみたかったかな、というところでした。チェロという面白い楽器があったので、それを上手く使ったりしても、また面白そうです。
同様のコンセプトで書き、負けた。そんな風に思わされる作品でした。素晴らしかったです。ありがとうございました。
- 38 みるく・ろーど (採点:5)
- 惜しいな、と思います。
雰囲気で何を伝えたいのか、それは掴めます。ですが、だからどうしたのか、というところになると、弱い気が。牛乳にまつわるエピソードの他にも、二人が何がしかの関係を持っていたほうが、作品に厚みも出るかと思います。まだまだ容量に余裕がありそうですしね。
今後の二人に期待、ということで一つ。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- よくまとまっていると思います。オーソドックスながら、流れるように進んでいく文章に好感が持てました。広瀬も味が出ていたと思います。
いくつか気になったことも。
まず、各章が短く中身の薄いものになっていること。例えば広瀬の恋心、ここはもっと突っ込んでみるべきだったかもしれません。七瀬とのやり取りのほうが全面に出されていて、ラストが少し弱かったかと。
あと、長森は完全に蛇足でした。どこに焦点を当てるのか、そこを考えると彼女は本作品に必要ではなかったと思います。意義を見出す方法もまた、あるかと思いますので、それならもう少し光を当ててあげることも出来たかと。
以上です。ありがとうございました。
- 44 髪弄り (採点:4)
- 最後、よかったです。ただ、そこまでに至る中盤の流れが悪く、途中で飽きてしまうように思います。茜が髪を触らせた理由も、やっぱりわかりませんし。もう少し煮詰める作業が出来れば、もっと良くなると思います。
あと、プロローグの五行はいらないかと。意味のあるものとは思えません。
- 47 雨に祈りを (採点:6)
- ああ、綺麗ですね。不幸と銘打っていたものですから、どんな仕打ちが待っているのかと思いましたが、ボクの予想していたものとは少し違ったようです。残酷ですが、美しい。これもまた真理の一つなのかもしれませんね。みさきと雪見のやり取りが、作り物ではないというか。凄く現実に迫るやり取りだったのもまた、好印象でした。ああ、彼女たちならこう考えて、こう動くだろうなぁと納得させられながら読みました。そういった意味でも綺麗です。
で、これは単純な疑問なのですが。これはONE本編とは違う世界での、物語ですよね。みさきが小学生のうちに亡くなっている、というのは別世界、それこそえいえんの世界みたいなところ(時間の経過があるので、そうではないとは思いますが)で行われたものですかね。その説明が無かったので、少々混乱しました。説明してもらえれば、幸いですー。
- 49 輝く季節へ (採点:6)
- うーんうーん。これはまた、突飛な解釈でのSSですね。良かれ悪かれ、ボク以外の皆さんがどのような感想を持たれるのか、楽しみです。筆者さんも大変だったでしょう……お疲れ様です。
さて、ではボクの感想を。『えいえん』が浩平の夢、あるいはその内側から生まれたもの、という解釈は面白いです。ボクの意見に近いこともありますし。ただこのSSで違ったのは、ONEそのものが『現実』ではなかったことですよね。あの場面転換は驚かされました。なるほど、そう来たかと。瑞佳が彼の母親であるとするなら、ONE本編での彼女の対応も納得がいきます。住井が医師なのは、少し遊び過ぎたかなと思いますが(笑)
というわけで、ここまでは割と好意的なのですが、違和感の部分もあります。それが『みずか』の件。みずか=みさお、この式が成立するのであれば、瑞佳本人が『えいえん』に干渉しないですね。間接的に繋がっている、というところでしょうか。それを前提に描かれていた部分もありましたし。ただ……それがボクの見解と違っていたことによる、違和感はありました。強引にまとめたなぁ、という印象です。
えいえんが本編で明らかになっていない以上、こうした俺設定は賛否両論だと思います。読者にも解釈があって、それによる弊害も出てくる、ということで納得してもらえれば幸いです。
補完、お疲れ様でした。ありがとうございます。
- 50 遠きあなたに (採点:8)
- ああもう……やられました! 冒頭の流れから、ラストに至るまでの行程は何となく読めていたのに、それでもダメでした。鳥肌が立った時点で負けです。やられないぞ、やられないぞ、と意気込んでいたんですが、筆者さんの力量がそれを上回った感じです。お見事。
中盤の流れ、これが特によかったです。茜もまた世界に存在を認められなくなり、それから八重子の下へ行く。彼女は浩平を覚えており、そしてみさおの存在が強く前に出る。もうこれだけでお腹一杯、満足です。この設定はボクには到底思いつきません。結構中盤でダレてしまうSSは多いのですが、この作品はむしろそこが見せ場ぐらいに楽しめました。それがボクの中での勝因だったように思います。
いろいろあるんです。あざといなぁ、とか、句読点がおかしいなぁ、とか。浩平をあいつと呼ぶ茜、とか。あるんですけども、それを上回るパワーで押し切られました。楽しかったです。ありがとうございましたーっ。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:3)
- 凄いですね……筆者さんの試み。
明らかに意図してやったことと思います。それに穿って噛み付くのも何だが悪い気はしますが、この結果が何を生み出すのか、という興味は尽きません。一応、皆さんが指摘されるであろうことは、ボクも言わせてもらいます。
難解な表現と、改行の少なさ。これがストレスの原因だったかと思います。それは雰囲気づくりや筆者さんの文体など、多くの理由が考えられます。この形ではさすがに突飛過ぎて、読む気を削がれるというのもまた道理というもの。それはもったいない気がしました。
ストーリーに関しては、特にダークや不幸などの嫌悪感はありませんでした。ただ、説明口調なのがあまりに長かったせいか、会話だけで成立するのではないかと思うところです。他に容量を使うべきところ、あったのかもしれません。
以上です。筆者さんのお返事が楽しみな作品でした。
- 55 ラブレター (採点:5)
- ふむふむ。みさきと澪、この二人の関係を使おうと思う筆者さんは、やはり少なくないと思っていました。他にも今こんぺには数作ありましたが、この作品もそれを上手く使えていたように。二人はなかなかどうして、仲良くなりそうですもんね。
惜しかったのは、その料理法です。みさき、澪。この二人という材料なら、もっと味のある料理が出来たようにも思います。何となく、最低限の味付けをして皿に盛った、という感じがしました。ラブレターの使い方一つで、また違った料理にも出来たかもしれませんね。
そういった意味で、あと一歩の作品という評価です。
○nao さん
- 01 部屋の明かり (採点:6)
- 文体は好み。
話の構成は簡易にして明快。
- 02 追跡者 (採点:6)
- 文章は軽妙で読みやすい。
ただネタと結末が少々陳腐。
人物造詣に妙がある。
- 03 雨の中 (採点:3)
- 事故の意味合いが全く不明。
題材についてのありきたりさを克服出来ていない。
- 05 また明日 (採点:6)
- 人物描写と情景描写に好評価。
- 06 It's possible to think of you. (採点:5)
- 静謐な雰囲気が好き。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:5)
- 文章に問題なし、
話の流れは手馴れたものを感じる。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- タイトルが鮮烈。
意味は良くわからないが。解説求ム。
こんな彼女もアリかな。
素直に面白い。
- 11 なついろとみさきと (採点:6)
- 重量級が予想される闘いに本作を投入できた心意気に評価を。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- 途中までは8点ぐらいかな、と思っていた。
読み終わると結末に少し落胆。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- 「ところで長森は?」
と統一して書くべきではないかという気もする。
あと「ごめんだもん」は、表層だけなぞっただけに見えて変。
一発ネタに突っ込みはヤボと言うものだとは思いつつ。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 微妙に見知った書き方に安心感。
ただ何か足りない読後感を覚える。
「足りないもの」を補えばもっと面白くなるはず。
- 15 桜散る (採点:5)
- 素直に書いた文章。
……のように思われた。
「ウィンドウサイズの横読みを考えて改行は一文の終わりにする」とか
「文章。」という形は避けたほうがいいとか
「○○○」といった伏字は使わないほうがいいとか
枝葉の指摘はあるが点数評価には影響させていない。
本コンテスト後、従前のコンペティション作品を読まれると良いでしょう。
今後の参考になることと思います。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:5)
- いい話。
- 18 玉手箱 (採点:5)
- 別にoneじゃなくってもいいよねと思いつつ……
人物の掛け合いを楽しめばいいのかなと思い直す。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:7)
- いい話。……ちょっと前に同じ感想を書いた気が。
而してこちらのほうが好みなので加点。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:5)
- 個人的な理由で皆が指摘すると思われるそれには触れない。
周りの作品を見たあとが大事です。
これからもがんばって下さい。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 作者氏と対話がしたい、と思わされる話。
機会の訪いを祈る。
仔細はそのときにでも。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- タイトルと内容の技あり一本。
- 30 『packaging replica』 (採点:6)
- センスのある構成。
漫画原案にもなりそうな。
この尺では全体の流れがわかるだけで感情移入は難しいだけに惜しい。
- 32 蘇る少年 (採点:6)
- 前半は面白かった……後半のページでちょっと失速が残念。
氷上の手紙はよいかんじでした。
- 35 それでも生きて (採点:7)
- 切ないな。
そしてヒトは簡単に壊れてしまう……のだった。
- 37 Ever Follow ever (採点:7)
- いい話だ。
- 38 みるく・ろーど (採点:5)
- 設定的に矛盾?
保留、5
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:5)
- 先輩はこんなに弱かったかな。
解釈としては面白い。
- 40 あの人 (採点:2)
- 書きたいテーマに心理描写能力がついていってない感じ。
- 42 ありがとうを君に (採点:5)
- 幻想的なモチーフを描くのにはもう少し緻密さを求めたいところ。
- 44 髪弄り (採点:7)
- 対価をくださいと言い切る彼女に萌え。
台詞のインパクト勝負にwinな感じ。
- 49 輝く季節へ (採点:8)
- 綺麗にまとまっている。
文章も流麗、素直にいい話だと納得できる秀作。
- 52 演劇部の伝説 (採点:5)
- 個人的な理由で皆が指摘すると思われるそれには触れない。
周りの作品を見てこれからもがんばって下さい。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- 瑞佳の強さと瑞佳の周り――世界の優しくなく温かくもなくただ空回るだけの有様を描くことに成功している。
彼女の強さは、つまり、そうでなければえいえんの盟約など結べようもないのだ。
57作の中で異質さを際だたせることに成功した良作。
○tr4989da さん
- 01 部屋の明かり (採点:6)
- 本編にあるキーワードは、浩平の家具を処分した、というところ。それだけで、ここまで話を掘り下げられるのが凄いなぁとも。
「お願いが三つあるの」その最後の三つ目には希望があったのが印象的。だからこそ、違和感なく「ONE」の世界に当てはまっているのだと思う。
- 03 雨の中 (採点:6)
- 茜補完SSですね。詩子と澪、巧く繋げたなぁと。
こう、ごくごく自然な繋がりで文章を紡いでるのでスラスラ読んじゃうんですがこれって作者の方がONEに馴染んでるということかな。
正統SS(?)を読んだ気がしました。
- 04 いっしょに。 (採点:7)
- このONE的な夢とも既視感ともとれる序章が最後に繋がっていく。
澪という女の子を、魅力的にかつ自然に表現しているのは作者の愛があればこそかも。
夢から、お墓参り、みさおの話、パフェ、住井達との馬鹿話。こういった日常へのシフトはかなり楽しめました。
最後の最後に、澪が浩平をリードするんですが、何故浩平が澪の部屋にいてジグソーパズルを完成させていたのか?なんてことも、吹っ飛ぶくらいの澪の笑顔が素敵な作品かと。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:8)
- 出会いと別れ。
それは、とても等質な関係性をもったものかもしれないなー。
なんて、説明の付かない言葉を書いてみる。
詩子の虚空感と、切なさをうまく描いているなぁ、なんて。行き当たりばったりに浪費するするところとか。
無意味に、茜のいる学校に行くところとか。本当は何がしたいのかわからないけど、こころにはぽかりと空いた場所がある。
ただそれだけが、はっきりとした場所として感じられる。
なぜだか、人間らしい詩子が見れた、そんな作品かと。
- 11 なついろとみさきと (採点:5)
- 「ONE」という作品は、すごいなぁとこのSSを読んで痛感した。
何故って、みさき先輩や澪ちゃんという身体的に障害ある女の子がヒロインなのですから。しかも、それぞれに魅力があるし、こころに秘めた想いもある。
この当たり前な感じの幸せというものが、みさき先輩にとっては永遠に等しい場所なのだな、と感じる。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
- 「永遠はあるよ」、から始まる物語。
それを、その「永遠の世界」に往くというのもある意味「ONE」という世界を否定し、かつ肯定したカタチではないかと思う。だからこそ、「大人の時間」と「子供の時間」を擦り合わせを行う作業が腐葉土の森の散策なのであろう。
多くの人はこの作品を受け入れられないかも知れない、だけど実はこころのどこかで「みさお」の救済を願っているのだ。でも、随分と遠くまで来たものだなぁ。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- たしかに、現実的に言ってそうなるだろうなぁと。
ある意味、パロディとも言えなくもないけど、二人とも幸せだからいいか、とか。
でも、これこそ正統なアフタSSでしょ。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 序文の茜の気持ちと、それに連なるみさき先輩との出会い、空き地、屋上、夕焼けの点数。
それは、本編と同じ展開なのだな、と感じさせる。うん、茜という少女ならこう思うだろうという事を共有できる。
でも、茜とみさき先輩って共通項があるなぁと。一人でいる場所と、親友と呼べる存在。そんな二人だから、仲良くなれるのだろうナァ。
- 15 桜散る (採点:7)
- そんなモノかも知れない。
いつ気付くことなく、日常の中にあった感情は、目の前ではっきりと自分以外の人間の表情とかそんな感情に、自分の内にもあったということを。
近すぎて判らない、そんな幾たびも使われてきた言葉だけど、そんな言葉を巧く使うかどうかは作者の技量。
うん、瑞佳の初恋は、いや初恋なんてそんなもの。
そんな、なんとなくさっぱりした気分になれました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:9)
- 「ただ、あなたと一緒にいただけなのに」
その願いは叶えられた、でも、それでは永遠には到底敵わない。
ただただ一緒にいた時間、物悲しくも愛おしい日常、それが「淡い心」なのだろうか。
人を愛する、愛した人と一緒に居る、それを突き詰めると怠惰になるのだろうかと、ふと思う。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:6)
- みさきと澪の出会いは奇跡なのだろう。
だからこそ、この二人のSSはとても尊い何かを感じさせられるのだ。
お互いの半身を見つけたと言えるであろうこの展開は、ある意味SSを書く人達にも、何故表現するのかということについての、とてもシンプルな答がある。そんな気がした。
- 55 ラブレター (採点:7)
- みさきと澪、全く身体的対照存在である二人が浩平という引力に依って引き合っていく様は楽しかったです。
どちらも自分を伝えるには浩平が必要であり、それを越えようとした澪はやっぱり凄い子だと。みさき先輩の「闇」を照らすのは澪の笑顔かなぁ、と納得できる作品だと思います。
オチに雪見を出す辺りもまた、大笑いさせて戴きました。
○あー さん
- 01 部屋の明かり (採点:8)
- 内容とか欠点とか、自作ととっても被っててコメントしにくいのですが。
やはり決定的に尺が足りません。
原作の無理を補うのには、もともとたくさんのステップを踏まないといけないワケですが…やはり、この作品も急ぎすぎに感じます。
- 02 追跡者 (採点:5)
- んー。
楽しめる人には楽しめるのかなぁと言う感じ。狙いがピンポイントなんだからその辺は覚悟してると思いますけど。
好みを度外視して言うと、ネタがバレやすすぎかと。バレてる前提ですばやくフォローするならそれでもいいけど、勿体つけて引っ張られてやっぱりこういうオチか、では、ちと退屈かもしれません。
- 03 雨の中 (採点:5)
- 30キロは短いけど、これは少々はしょりすぎかと。
また、誰かが気付けば主人公が現れるのは原作にあるだけに、読めすぎる展開です。全体に展開の先読みが容易で、少々工夫が必要なのではと思います。
- 05 また明日 (採点:5)
- んんー。
頑張ってなお足りない、というところが同情を集めるんじゃないだろうか。あんまり、浩平が頑張ってる気がしないのですよ。
ただ弱いだけ、の主人公に対して思うことは少ないのでして。
- 06 It's possible to think of you. (採点:5)
- どうしても今一歩感が。
ネタとしてはありそうな話だし、悪くはないと思うのだけれど。ただ、十分にしみこませるには尺が足りないように感じます。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:5)
- そういう展開もあるのかもしれない。ただ、個人的にはあんまり乗れない流れでした。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- こういう作風で定着、なのかなぁ。
文章の流し方は独特でいいなぁ。
ただテーマ的には今ひとつ見えにくいです。ないと言うのではなくて、終盤にとってつけた感があります。序盤にそれをにおわせるものがないためだと思うのですが。
- 09 生徒 A (採点:6)
- あー、これはまた…
この調子で全員分をループできたらかなり格好いいのですが。
なんか、断片を寄せ集めてメタな話としてどうにか体裁をつけた、という風に見えます。断片の一つ一つには魅力を感じるのですが、全体としては不可思議を覚えるよりも構成の不備に見えました。
が、なにやら興味深い作品ではあります。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- あえていうなら、誰の話かわかりません。視点どっち。
全体に統一がされてない感じで、もったいないですね。
ですが、話を作ろうという姿勢は好感が持てました。
- 11 なついろとみさきと (採点:4)
- シチュという奴ですか。やはり物足りないですね。
容量内で話を始め、展開し、纏めようとしている人たちと比べると努力量が公平ではないです。あまり評価できません。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:9)
- 好みを離れると、こういう話を作ろうと言う試みには拍手でしょうか。
話自体は好みじゃないんだけどw
思い付きを思いつきのままで放置しないで、いろいろと手が入っていていいですね。小道具や雰囲気の出し入れもたくみです。
あとは、まさに、読者の好みとどこまで合うか、ということでしょうか。
見た目ほどには丸くない作品ですねぇ…そういう意味では好みなのかw
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- バレる、とわかってるネタを引っ張るのは、あまり感心できません。
バレるの前提で、読みきったと油断した読者の足元を掬うもう一変化が必要ではないでしょうか?
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 波乱がナイ、と思う私は意地が悪い、それは認めます。
ですが、そういうものがない話は単調です。
そして、主人公たる茜も自らは動かない。状況に諾々と流されるだけ。公平もまた状況を放置。
どうにも、こういう場面設計そのものが疑問に思えてしまうのですが。
- 15 桜散る (採点:5)
- うわお、ネタ被ってるな。さておき。
尺が足りないんじゃないでしょうか。話の筋もシンプルすぎる嫌いがあります。状況無しに”初恋”を語るのは、どうなんでしょうね。人のことは言えないですが、説得力に欠けると思いました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:10)
- 降参。参りました。
氏の作品は、リアリズムとファンタジーの境目が実に精密に縫い合わされてますね。現実、こんなにロマンティックな状況や心情は発生しえないし、しても長持ちしないと思います。でもそれが実際にそうあるように思えるだけの用意が万端です。
そしてなにより、その用意の方法が説明を重ねることによってではなくて、細かな読者の誘導、一言一言による微調整によってなされてることが素晴らしい。
場の空気をじわじわと入れ替えてゆく手腕はもう職人芸かと思います。切なさを出そうとしてきちんと切ない、ってのは簡単じゃーありません。
今回絶対の一押しってところでひとつ。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 安定。
特に文句もないのだけれど、これといって取り立てるところもないのですね。
穏やかでまとまりのいい作品だと思います。
- 18 玉手箱 (採点:5)
- 時間が巻き戻った、みたいだけど。
ん? よくわかりませんでした。それだけなんでしょうか?
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:8)
- いーですね、すっきり爽やかで。
口に出して喋るのと文字に書くのは口調も変わるし、多少違和感のある語り口も納得の範囲でした。
一工夫された読ませ方も気に入りです。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:4)
- んん。なんかこう、もうひとつピリッとしないなぁ。どこが悪いというわけでもないのだけれど、メリハリに欠くというか、締めるべきところが締まってない感があります。終始だらだらしっぱなしでは、やはり単調といわざるを得ません。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:8)
- これが10キロとかもう少し短ければな。あるいは、語り手がここまで前にでず、もっと控えめでいてくれれば。
技術は高いし、構成も纏まっているし、文句を言うところはないのだけれど、どうしてこうも鼻につく書き方になるのでしょうか。
素直に入っていきにくい作品でした。
- 22 Luminous (採点:5)
- 腰まで水に浸かったまま、歩くような、そんなもどかしさを感じる文章。もう少し意味の薄い描写は削いだほうがいいかなぁと思います。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:5)
- ふーむ。既にもうこういう感覚に共感できない年齢です。
したがって、個人的にはこの後の展開こそ気になりますが、この結論にたどり着く経緯には納得できかねます。
あまりにも軽いではないですかね?
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:4)
- 後半までもってってタイトル、ってのは私も考えたことありましたが――むずかしいですね。
んん、全体に無理が目立つ気がします。
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- 無言電話ですか。その状況は想像すると面白いですな。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:8)
- 不覚にも笑ってしまいました。そういう展開はまったく想像していませんでした。
全体に楽しい雰囲気が詰め込まれてたし、すらすらと読みやすくてよかっただけに、このワンパンチは好印象でした。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
- 序盤は好きだったんですが。後に行くに従い、流れが曖昧になって言った感があります。テーマが簡明な分、工夫無しでは退屈になってしまいます。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:5)
- どうにも読ませ方が中途半端な感じです。
話の核はどのあたりにあるのでしょう?
- 33 幸福論 (採点:9)
- センス抜群。
時間なくてあまりコメントできませんが評価たいへん高し。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- うーん。続きがよみたいですね。ここで終わるのはもったいない話です。
とはいえ、ここまでが予定された尺。
大変もったいない尻切れ蜻蛉です。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:7)
- なるほどねぇ。
氏の用意する状況はおおむね私の興味を掻き立てます。
今回はしかし、ちょっと展開が肌に合わない感じでした。
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- 6年かー。
不思議な偶然ですが、10/8をもって私も湯人の6回忌を迎えます。
この話は随分染み入るところがありました。
ありがとうございます。
- 48 エロ本行 (採点:9)
- 雰囲気がいいですね。
すみません、タイムアップが近いんです。
- 52 演劇部の伝説 (採点:10)
- おおおー。これは格好いい!
新鮮な驚きと感動がありました。すばらしい。もっとコメント書きたいですが…残り10分とかでして。後でまた書き込みができることを祈りつつ。
- 55 ラブレター (採点:8)
- まとまりのいいお話でした。道具の使い方も安定してていいです。
話の持ってき方も好み。スマートですねぇ。
- 56 “ろまんひこう” (採点:6)
- 面白かった。着眼とかいろいろ。好みはまた違うけれど、これもまたよし。
ピーターパンを想起せずにはおかない導入と展開には、少々引っ掛かりを感じはするのだけれど…。
ただ、ラストのあたりはくどいかなぁ。さっと流すポイントに感じた。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- 話の筋に非の打ち所はないし、随所にある細かな気遣いも好印象です。
ただ…原作が予定調和を強く打ち出した作品で「結局最後にはこうなる」という刷り込みが強いなかで、この作品もやはり締めが見えすぎるというか。
どのようにルートを選ぼうと最終的に原作のラストに帰着すると、感じてしまうことがあるのです。
終わりが同じなら、すべて同じ。
自分でも暴論と思いますが、そういう印象でした。
繰り返しますが、作品自体の質はとても高いと思います。
○かげろ さん
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- しんみりと落ち着いた良い話でした。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:7)
- 幸せそうに見えるENDですね。
こういう終わりもありだと。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:8)
- 素直にいい話す。
文章も引っかかることなくすんなり読めました。
○くらむぼん さん
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- 心底負けた。一行目からもう打ちのめされながら読みました。
一位予想があったら持ち点全部あなたに捧げます。
○じゅう さん
- 01 部屋の明かり (採点:10)
- いい視点です。途中から彼女の名前が出てきた時には、喜び驚きました。
仕掛けを入れている話にもかかわらず、由起子さんのドラマとしても充実しています。
- 02 追跡者 (採点:7)
- 今回のこんくーるでは数少ないギャグ作品でありがたいです。
確信犯めいたキャラいじりは面白かったです。
ところで、普通に「ストーキングして」という書き方でよかったのではないかと思いますが。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 序盤、浩平を待つ茜の心情はまずまずいい感じだったと思ったのですが…。
作者さんが詩子を事故に合わせた理由が何だったのかがわからないです。
このことによって、茜の心情に何か変化が起こるのかと思えば何も起こらず、
澪を意味もなくアホな子として登場させてそれっきり。
これだったら、事故〜入院のくだりをばっさりカットしたほうがまだいいです。
- 04 いっしょに。 (採点:8)
- 澪に萌え萌えです。
- 05 また明日 (採点:6)
- 七瀬への愛情たっぷり描写がよいです。
同棲生活をしてても苗字で呼び合うあたりがいいスパイスになっています。
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- 腰は低いけど、言葉遣いがビミョーなこの氷上シュンは何者なんでしょう。
ところで、別に錨は漢字で書いてもバチは当たらないと思いますが…。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:9)
- みさきさん、強い強い。
女性としての魅力満点なみさきさんが素敵。
それから、情景が目に浮かぶような丁寧な文章もよいです。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:4)
- 全体の4分の3近くある「単なる事象の羅列」が長すぎて、
何がしたいんだろう、と思ってしまったのが実際のところです。
最後は締めているんですが、前半とのつながりが薄めな感じがしました。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- バカっぽいB級ラブコメな感じがなかなかよろしかったのではないでしょうか。
- 11 なついろとみさきと (採点:1)
- 最低点をつけていますが、決してこのSSを嫌いなわけじゃないです。
これだと、撮りっぱなしのホームビデオみたいで、作品として評価できないんです。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
- 知人の幽霊に出会ったら、同情しちゃいけないと言いますよね。連れて行かれるから。
「ONE」という作品のテーマを否定したその反骨精神はまあ、よろしいんじゃないでしょうか。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- アイデアを一つ思いついたのみでそれを調理もせず、生のまま読者(私)に放り投げても、一SSとして見られるものにはなりません。
もっと思わせぶりな演出をいれて話を膨らませるとか、他のネタと重ね合わせるとかすれば、面白い話になったはずです。
- 15 桜散る (採点:4)
- 浩平の、えいえんの世界についての語りが、とてもおざなりに感じました。
長森にしてみれば、そんな馬鹿な、とかいう疑問を持つ以前に、
何を言っているの?という気持ちではないでしょうか。
なので、失恋したんだと思う辺りも「?」という感じでした。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:6)
- クライマックスの指点字の朗読劇がとてもよかったです。
それでも敢えて言わせてもらうと、
みさきさんと澪のトラブルと、朗読劇の内容とに関連性がないことが気になりました。
朗読劇では伝えることの大切さを謳っているのですから、二人のトラブルもそこらへんをテーマにうまくからめてほしかったです。
- 18 玉手箱 (採点:5)
- 嫌なえいえんだ…
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- ブログ、というのなら、読者のコメントがつけられる、などの機能をも有効利用して欲しかったですね(これならば普通の日記サイト)。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- どうして、こう、今回のこんくーるには言霊使いが多いんでしょうか。
みゅー、とかそんなただのうめき声一つとっても、
無駄な言葉が何一つ無いのです。美しい話でありました。
- 22 Luminous (採点:4)
- せっかくだから俺は赤い扉を選ぶぜ!(それは違うクリムゾン
悪い仮面ライダーと聞いてシャドームーンは思い浮かばなかったのかしら。
……などと、この作品のテーマと関係ないことを書いてしまいましたが。
そうしたくなるほどに「作者による雑談」が、この作品の評価を下げています。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- オリキャラ達との友情ドラマを書くには、圧倒的に尺が足りないと思うのです。
この程度の長さでは、せいぜい普通の仲良しグループなんだな、と認識できるくらいです。
なので、人生を左右するほどの決断にまで行くと、
えーっ!? としか思えませんでした。
また、セリフの量を各キャラ公平に振り分けているのには苦笑。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:7)
- えいえんの解釈が面白い。
多分このこんくーるでは一番良いのではと思うのです。
正直、苦手な文体です。
ですが、ここまできっちり書ききってくれたのなら高得点をつけないわけにはいかないのです。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- 意外と言っては失礼ですが、なかなか面白かったです。
この長さだけで、3人のキャラクターの特徴がよく出ており、楽しい話になっていました。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:2)
- 作者さんは病気して苦しんだことはないのだろうと想像しました。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:3)
- こんなポンポン怪我させても、痛々しいだけだと思うんですけど。
完全にギャグに徹するなら、こういう怪我も笑えるかもしれませんが、
それなりにテーマがある作品でこのオチっていうのはヒドいです。
- 30 『packaging replica』 (採点:4)
- 浩平と瑞佳とのやりとりの狂いっぷりがとにかく印象に残ります。
一人称の語りやト書きはごく真っ当であるので、
意図的に効果を狙ったものなのでしょう。
……読者である私には彼らがちっとも幸せそうに見えないのに
本人たちがそれを自覚していないあたりが、とても怖かったです。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- 良くも悪くも、こっ恥ずかしい中学生日記。
ちょっと台詞にわざとらしいところがあったりもしましたが、
伝えたいことは、ビンビンに伝わってくるのでこれでも良いと思います。
- 32 蘇る少年 (採点:6)
- 便利キャラに使われがちな氷上シュンですが、
彼の視点に立った話作りということで、興味深く拝読しました。
終盤、ちょっと失速気味なのが惜しいところでした。
- 33 幸福論 (採点:10)
- 文章自体はかなり軽い感じであるにもかかわらず、
そこかしこの台詞回しのセンスの良さが光る一品。
クライマックスに使ってもいいような場面描写を多数用いてところからも、
作者さんの文章への貪欲さが伺えます。とにかく面白かったです。
この面白さを、私程度の文章力では表現しきれないのが口惜しいです。
気分は11点。
- 34 time goes by as change (採点:6)
- クモが怖い。
- 35 それでも生きて (採点:7)
- うむ、佳作。
作者さんの「伝えたい」と思う気持ち、確かに受け取りましたです。
メインコンセプトもよかったですが、みさきさんもナイス助演でした。
- 37 Ever Follow ever (採点:1)
- ……どうしましょう。
今回のこんくーるでは、ひとつひとつの言葉に力を込めた作品が多いだけに、
こういう作品を見ると、んんん…という気分です。
抽象的な言葉を羅列しただけで、文にはなっていても文章にはなっていないみたいです。
ふたりのみずかは、いったい何をしに、浩平と瑞佳の前に現れたのでしょうか。
文中でみずかBの方はちょっと説明していますが、何か藪蛇のようなヘンテコな理由でした。
作者さんが作った設定を、聞かせる必要もないのに、べらべらと説明させるためだけに出てきたような印象が強いです。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:7)
- みさきさんのきれいでない部分もしっかりと描写しているところに感心しました。
私自身、学生時代に視覚障碍者の方にインタビューしたことがあったので、うむうむと唸りながら拝読しておりました。
ラストはひっくり返してもそうしなくてもどちらでもよかったですが、
そうするなら伏線を張っていてもらえるとよりよい作品になったと思います。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:4)
- ナルシストの独り語りはちょっと苦手なのです。
肝心の例のシーンで、記憶が吹き飛んだ、というのはちょっと作者さんの逃げにも見えたり(違ってたらすみません)。
- 42 ありがとうを君に (採点:5)
- 王道中の王道ともいうべき作品で、それゆえコンクールの場では埋没してしまう感じです。何か作者さんのプラスアルファが欲しかった、そう思います。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:1)
- タイトルと内容とが合っていない気がします。解説頼みます。
浩平の「時間制限のある帰還」にどういう理由があったのか、最後までわからないままなのが気になりました。浩平自身が理解している必要はありませんが、読者には説明して欲しかったです。時間制限があるにもかかわらず、七瀬とじゃれあったりしてやたら呑気な浩平も謎でした。
その他。
バニ山バニ夫の新たなメッセージにひらがなの割合が多いのはどういう演出意図だったのでしょうか(この疑問点は採点と関係していません)。
- 44 髪弄り (採点:1)
- バカップル……以上のバカなカップル(悪い意味で)。
恋人同士の駆け引き、というのはよく聞きますが、
恋人同士の取り引きとは。
この二人、どちらもてめえ勝手で愛情が感じられません。
浩平が茜の髪をいじるシーンは、どう見ても説明不足。
何かを揶揄しているらしいことは想像できるのですが、ひどくいい加減な描写でした。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:2)
- これは……いったい何がしたかったんでしょうか。
ダイエットやら、時空を越えた会話やら、どちらもテーマとも言えず、
お話として成立していないように思います。
- 47 雨に祈りを (採点:6)
- その昔、「聖ロザリンド」という漫画がありまして、
主役のロザリンドという女の子が、
毎日のように家族と喧嘩してて「死にたい」と言っていたおばあさんを
本当に殺しちゃうエピソードがあったんです。
みさきさんが本気で死にたいと直感したのも、
そしてそれを「手伝った」と思っているのも、雪見さんの心の中でのことなんですよね。
そこらへんのネトネトとした昏さが良かったです。
- 48 エロ本行 (採点:10)
- なんという美しくて馬鹿なお話。
なんという愛おしくて壊れたお話。
- 50 遠きあなたに (採点:10)
- この文章スタイルで最初から最後まで、よくぞここまでお話を織り上げたものです。
この手の、言葉をポンポンと置いていくタイプのお話は薄氷の上の歩みのようなもので、正直なところハラハラしながら読んでいたんですが、渡りきりましたね。お見事でした。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:4)
- 広瀬は絵を描き初めて間もないのでしょうか。
先人の思想や技術を自分の中に取り込もうとせず、
ただ受け売りするだけの衒学趣味な彼女を見ていると、そう思います。
彼女が自分が七瀬と似ている、と思うのには、無理がありました
- 52 演劇部の伝説 (採点:3)
- 基本プロットは悪くないと思うのですけれど……。
文章に贅肉が多すぎるように思います。
特に会話文は、内容がないのに無駄に続いている感が強いです。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:8)
- みさきさんが盲目であることが、細やかな情景描写をすることによって逆説的に表現されているのが良いと思います。忘却の色にアオを持ってくるあたり、作者さんは色についての知識が深いなあ、と。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:7)
- 読み始めた当初は、言葉の使い方に特徴があるので異色な作品かと思いきや
読み終わってみれば、忠実な原作のリスペクト。
力ある言葉で再編された文章は読み応えがあります。
- 55 ラブレター (採点:8)
- シリアスとコメディ、文章の緩急のつけかたがとても上手いと思います。
この絶妙なバランス感覚は原作以上?
「こうずき」が只の誤字なのか作者さんの意図的なものなのかがわからないのが心残り(採点とは関係ありません)。
- 56 “ろまんひこう” (採点:5)
- ん……ずっと七瀬視点でよかったんじゃないでしょうかね。
さもなくば南パートにももっと文章を割くべきだったかも。
作品世界の中途半端なネタ明かしで、話が散漫になった気がします。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- ONEのアフターストーリーとして直球ど真ん中なお話。
若干低めの点数なのは、氷上シュンが澪にヒントを出しすぎなところが気になったからです。
澪が最初からいいところまでまで到達できていたのですから
自力でもうひと頑張りさせてほしかったところです。
○すなふ さん
- 01 部屋の明かり (採点:7)
- 評価はしているんです。けれど、やはり浩平が実在する、ということを受け入れるまでが早かったかな、と思いました。バニ山の声の場面で、もっと読者を操作して欲しかったな、と。
リアル世界と折り合いをつける文章力と描写力は非常に高いのですが、SSとして折り合いを考えた場合、ちと重いかなあ。多分に好みの問題なのですが。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:10)
- これ、好きだなあ。頭三つくらい抜けてると思う。
若者っぽいグダグダぶりで、グダグダしているようでも一生懸命もがいていて、もがいていることに薄々感づいていて、でも仕方ないから生きてくって感じの、一昔前こんな主題で小説が流行ったようなそうでもないような。明るい諦念と、詩子の茜と浩平に対する理解が凄く可愛らしかった。言葉は違和感あるのですが、乙女チックだと思いました
二人の間に確かなものが見えた、という感覚には共感できるし、それをねじ込んで見せてくれるのは作者の力量なのでしょう。素敵。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- ほのぼの。嫌いじゃないです、このほのぼの感。他作品との相対評価で、点数自体は厳しくなっちゃいましたけど。
心が温かくなったのは事実です。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- 雰囲気は好き。そして、浩平と瑞佳のやり取りも好き。二股については正直どうなのかなあ、とも思うけれど、終始好みの調子で流してくれたので良かったです。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- 惜しいと思う。ネタはいいだけに、あとは細かな構成の入れ替えとか、引きを工夫するとか、もっと長森(じゃないのか、もう)を可愛くするとか、そう、赤面瑞佳をばちっと描写して欲しかったなあ、といま気付いた。
もう少し手慣れた感じに書けるようになれば、グンと伸びると思います。描写不足のせいで、平面的に見えるだけですから。
- 15 桜散る (採点:2)
- 律儀に「何組、○○」と差し挟むことで時間経過をうまく使おう、というのは良いのですが、もう少し間を取った方が良かったかな。考え事が少しだけで、あっという間にクラスが進んでいくのはちょっと変ですし、それならいっそ、延々と考えている間に何組か終わってしまっていた、という感じで飛ばしてしまった方が良かったかも。
屋上での浩平の説明も、ゲーム体験者にはわかっていることなので、なぞり直しでなく、もう少しダレさせない方法で語って欲しかったです。文章自体はとても読みやすく、また一般受けする文体だと思いますので、もう少し魅力をどこかにもたせられれば、と感じた作品でした。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- 良いです。切れ味みたいなものは無いけれど、これもまた。愛とか恋とかのその先をしっかり描けていた――かどうかはわかりませんが、リアリティはありました。丁寧だった、とも思いませんが、伝えようとしていることは強かったです。なんかよく解りませんが。
「永遠なんて無いっすよね」「うん、そうね」とかクダ巻いてる誰かと誰かを思い浮かべたりしました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:8)
- だめにんげんなみさき先輩に、不謹慎ながら笑ってしまいました。可愛いなあ。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- うまく落ちてるのかなあ。意欲は買うんですが。
どうも無駄なところが多い気がします。ときどき何の話だったのか分からなくなるような、散漫なエピソードが続いていく感じで、おかげでお話のキモであるループオチが弱い。いや、オチが弱いのはまた別なのかなあ。
文章的にも、スムーズに流れているようで、どうも乗り切れない読みづらさがありました。これは私が読むテンポが違うからなのかもしれませんけど。
気になる程度にあった誤字も減点材料です。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- ラーメン大好き!
実にSS「らしい」お話ですが、この場だと他と比べて見劣りしてしまうかなあ、というのが正直なところです。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- ん、凄い。
ただ、素晴らしかったです。
- 22 Luminous (採点:7)
- ノリを軽く持っていこうとした掴み、やや方向性ずれたかなあ。浩平の語り口調だけが、過剰に感じました。そのあとも、浩平の一人称だから仕方ないのかもしれませんが、彼が大人になった割にみさきは変わらないなあ、とも。そのあたりのイメージの不一致。
基本的に面白かったのですが、二人がどこを目指しているのか(いや、図書館ではあるのでしょうけど、その象徴するものが何か当初わからなくて)、その不安さだけが切り取って提示されていたので、少々イライラしながら読んでいた感はあります。なるほど、と思わされはしたのですが、少々カタルシスに欠けました。それは、その図書館の記憶が本当だ、という理由付けが少々薄い(景色の描写も少ないですよね)ためだと思います。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:4)
- 文章は上手いのですが、それが事象を描くだけではなくて、かなりの部分に過剰に侵蝕しているような。えいえんを内面のものとして捉えるのは良いのですが、なぜ、いま、ここで目覚めが近いのか、それを数行程度で処理してしまったのはあまりにも唐突だと思うのです。グリーン・フラッシュという道具立ても、ストーリーの中で核にはなっていませんし、全般に密度配分がうまくいっていないように思います。
- 25 ひとつの物語 (採点:7)
- 文章的に過不足はないし、読者のコントロールも上手い。もっとユーモアがあれば、とは思ったのですが、それは単に私の好みでしかないですよね。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- 楽しく読めました。「ねるの」の澪が可愛い。
重量のある作品群の中で、読んでいてほっとさせられます。雪見、いいですよね。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- ほのぼのなんですが、しっとり気味。この作風は、これはこれで嫌いじゃないのですが、ずっと淡々としてたので少しだれました。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:8)
- 雨上がり後の風景に加点。ごちそうさまでした。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:5)
- おね的なアホ会話で、愉快になりながらの前半。真面目に持っていくとは思わず、ちと居住まいを正したり。
おねで語られる二つ、永遠、それから障害について、そのあたりのお話は出尽くしている感もありますし、今までのテンプレートから抜けたものではなかったように思います。でも、本当にSSらしいお話で、ほのぼのと、というとダメなのかもしれませんが、楽しめました。
- 30 『packaging replica』 (採点:5)
- 瑞佳可愛いなあ。長森補正入ってます――が、ちょっと幼いかなあ。猫のぬいぐるみを離さない長森とか、ちょっとイメージが違って、これは伏線なのか?なんて勘ぐりながら読みました。永遠との関係性が主題っぽいのですが、そこは浮き気味に感じました。綺麗に、綺麗に行こう、という筆者の意志はわかるのですけど。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- いいですね。こういう雪見。
冒頭のソフトボールのシーンが清々しくて、一気に物語に引き込まれました。が、雪見の内面描写がメインになってからはトーンダウンしたかも。物語自体はきちんと畳まれたし、流れも結果も嫌いじゃないんですけどね。
しかし、目隠し将棋できる女子高生って憧れます。
- 32 蘇る少年 (採点:8)
- 氷上では抜けていた。
- 34 time goes by as change (採点:5)
- ちょっと浩平が違うかなあ。
忘れる長森と、相談役として茜と、という配置はよく見ます
- 36 あなたの名前を知っている (採点:6)
- 急ピッチだったか。悪くないんですが、最後のシーンをもう少し説明過剰にしても良かったかも。ていうか、パラに走ってる世界、という認識でいいんでしょうか。
- 37 Ever Follow ever (採点:3)
- ビジュアルが希薄に感じました。単語は出てくるものの、それがうまくイメージできない。文章に難はないのですが、展開に入り込む前にどんどん物語が進んで、どうも醒めた目で読んでしまいました。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- ほんわか。牛乳大好きです。
浩平のキャラ立てが、それっぽくて良かったです。ラストの「砂漠で飲む水は〜」はちょっと頭を傾げましたが、些事ですね。
- 40 あの人 (採点:1)
- 手厳しいことを言うと、はっきりとONEじゃないです。文章がどうの、というより前に、長森ルートを把握して欲しかったです。いや、私も人のことは言えませんが‥‥。
文章については、流したのかなあ、と思わせるところが多々ありました。
>もしも。
>もしも、わたしに好きな人ができたとしたら。
>わたしが決めたその人に、わたしは絶対その想いをぶつけるんだ。
(略)
>そうだ、想いを口にできないのは誰だって一緒なんだ。
この辺のみならず、前後の脈絡が無い箇所がいくつかあったように思います。雰囲気で攻めるのも一案ですが、地に足をつけた文章を書く(誰が、どういう行動を起こして、結果どうなったか、それを外側から描く)ところからスタートしてはいかがでしょうか。
内面でひたすらウダウダ物語る手法って、実は難しいんですよ。今後に期待してます。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:5)
- 母の話が唐突に出てきたので、そこはちょい間を取って欲しかった。
文章自体はそこかしこにセンスを感じるのですが、いかんせん内面に寄りすぎた物語は、得てして一本調子になりがちなので、そこをどう処理するかだと思うんですよね。
基本的に広瀬というキャラをあまり好きではないので、採点するのは気が引けるんですが、逆に言うとその感情を覆すだけのパワーは見あたらない作品でした。
- 42 ありがとうを君に (採点:3)
- えいえんについて、あまり解釈というほどのものは感じず、単に再説明を受けているような気がしました。お終いも予定調和で、期待したようなカタルシスは無かった。
真っ白な中を延々と歩き続けているようなビジュアルは綺麗に浮かんできました。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:5)
- 浩平の一時帰還、というアイデアは面白いです。それが明らかになったのがラスト近辺だったのが惜しまれますけど。
二人の視点から交互に物語っていたので、意外性という意味では弱かった。それから、キャラクターを出して、少しずつ情報を提示するのは良いのですが、同じ理由から裏が見えてしまって効果半減ですね。バッサリと片一方の視点を削って、代わりに何か詰め込んだ方が良かったかもしれません。ノリは良好。
- 44 髪弄り (採点:4)
- なんかアホだ(笑)
もっとえろっちくしてくれれば個人的に嬉しかったんですが。どうも髪がメインになりすぎてて官能性が薄れましたよね。て、何を期待してるんだ私は。
アイデアは良いし、ニッチ的、でもしっかり狙いに行ったということで、題材自体は良いと思うんですよ。残念だったのは、髪を撫でている時、どれだけ茜を可愛く描写するかだと思うんですが、そのへん薄かったこと。おかげで「狙いに行った」というあざとさだけが目についてしまった感じ。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:8)
- 作者、わかりやすいです(笑) いや、一応主催ゆえ、誰が何を出したのかはわかってしまうわけですけど、それでも相変わらずの文体だなあ。
> 想像するだけで、期待は無限に広がる。
とか、この辺の表現でニヤニヤしながら読んでいたり。上手いなあ。それから、中学生茜が可愛すぎて、困りました。暗転がちょい早いかなあ、と思いつつ、予定調和のラストまでしっかり愉しませてもらったのでこの点数です。
苦言を差し挟むなら、ちょっと粗いかなあ、と。どこがどう、というわけでもないのですが、つっかえつっかえ読まされたような印象です。違和感は微かなんですが。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:7)
- 残念なのは、私がこういう作を割と好きだってことです(笑)普通にオリジナル見せられちゃったのになあ‥‥。
- 47 雨に祈りを (採点:8)
- これは巧い‥‥。ビジュアルをきちんと見せてくれる作は、それだけで一気に引き込まれます。不幸・ダーク系の作品についてはあまり迂闊なこと言えないのですが、とりあえずこうして美しく描いてくれたことに感謝します。
小学生時の会話・思考は、ちょっと固かったかな。歳食ってるというか、高校生雪見みさきと変わらないように見えました。
- 48 エロ本行 (採点:2)
- なんか、うーん。だらっとした印象を受けてしまいました。描写は多いようで、ところどころ不親切な点もありましたし(ジュースとか、思わせぶりなアイテムがなんでもない時は凹みます)、笑いどころは結構埋め込まれていたと思うのですが、どうもテンション的に乗りづらい。ふらふらする現在と回想も、区切りが付きづらくてどんどんペースダウンしていく感じでした。狙った効果なんでしょうけど。
でも、夜の探検って、どっかに迷い込みそうになりますよね。時間とか空間の狭間あたりに。そのあたりの幻想性をもっと狙ってみても良かったかも。
- 49 輝く季節へ (採点:5)
- 物語ラストに向かって、収束が感じられなかった。読み始めは「おお!」と思ったのに残念です。文章は非常に好き。読んでる時の印象は、スタート10点→ループ構造明らかに9点→長森を襲わせる7点→現実での目覚め6点という感じにテンション下がっていきました。ぬぅ、ラストはどこにいるんだ。パズルが未完成のまま、次のステージに進んで、それが積み重なって絵が見えなくなってます。
て、これ30KBギリギリなんですね。この容量で扱う内容でなかった、というのが一番適切な評かもしれません。
- 50 遠きあなたに (採点:3)
- 正直なところ、読み進めるのが厳しかったです。ひたすら内面での独白で続いていく一人悟り話というのは、かなり感情移入できていないと辛いわけで、私はシンクロできなかった。読むテンポが、恐らく作者の方が意図しているものと違った読み方をしているからとも思いますけれど。
後半持ち直したように思うのは、やはり物語が三次元的に動き始めたからなのでしょう。急にスピードを増したように感じました。最初からアクセル踏んで欲しかったなあ。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:7)
- リズムよく、歯切れの良い良い文章。まずはお見事です。文体的にはお手本にしたいような作。「乙女ランク」とか、好き表現が多用されていて、広瀬や七瀬に関しては好きでした。
が、最後付近の「中学校の頃の、美術の教科書を見なさい」から、ちょっと引きました。こういう物言いしてたら、そりゃ、嫌われる‥‥。
- 52 演劇部の伝説 (採点:5)
- 隠し部屋とかならともかく、部屋一室をずっと封印できるなんて豪毅な学校だなあ‥‥なんて思ったりしながら、でも楽しくは読めました。
澪イメージとしては、こうポンポンと会話が続くと違和感がありますね。スケッチブックに言葉を書いてるだけの時間差があるわけで、例えば雪見がその間に言葉を足したり、とか、間を取ってほしかった。頭の中で、雪見が喋った瞬間に、さっとスケブを見せる澪が居て、コントみたいでした。それだけテンポが良かったってことなんですけど。
「着た」誤字が連続していて、さすがに気になったり。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:7)
- 被ってすいません‥‥。みさき先輩には海が似合うと思うのです。
「色という記憶」の話はちょっと新しくて、そこから派生して、カモメに浩平を仮託するまで、ネタの膨らませ方が良かった。最初から最後まで、綺麗なものを綺麗に終わらせてくれたことに感謝。言葉を置いていく、というか、一文を一つ一つ置いていく感じで、界隈、上手い人は多いですが、こんな風にしっとり感あふれる文章を書く方はそう居ない気がします。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:6)
- 評価しづらい。ここまで行くと、SSという枠組みをどう設定するかとか、そっちに話が進みそうな。
迫力はあるし、中身だってある。けれど、私自身の好みとしては、外れる書き方になっていた。筆者の伝えたいことが伝わりすぎるのも問題なのかなあ。
- 55 ラブレター (採点:9)
- 流れるように、物語に入っていけました。そして、燃える澪が可愛い。
そして、わたわたするみさき先輩が可愛い!(←極めて重要)
いいですよね、百合風味。
いやはや、オチ素敵でした。
- 56 “ろまんひこう” (採点:9)
- 軽快ファンタジー。このお話に含まれている教訓とかテーマとか、そういうものは実はどっちでもよくて、ただ読者を心地よくさせるために書かれた作品のような気がする。文章に浸れるのは幸せなことです。好きです。正直巧いです。この作風を突き詰めていって欲しい。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- > これからの笑顔のために、澪は今を泣いた。
ここの表現で掴まれました。けれど、次第に違和感が。澪を完全三人称で書くのは正解かもしれません。けれど、それを説明に利用する傾向が強すぎて、どうにもキャラの魅力が隠れがちになっているような気がしました。
それから、舞台風景がほとんどなかった、特に、瑞佳が劇の稽古を観て、浩平を思い出すシーンに尺をとって欲しかったと思います。
後日、振り返って、という感じの締めは好感です。上手い。
○にゃんこ さん
- 01 部屋の明かり (採点:2)
- 終わり方とかはとてもよかったのですが、序盤から中盤、終盤、ありていに言えば終わり以外はグダグダでした。途中が妙に箇条書き的な文章になっており、読み直しましたが特に効果を考えたというような感じでもなく。
設定だけの由起子という半オリキャラを、魅力的に描写するまで至っていなかったように思います。だからこそ、由起子中心に進む物語に魅力が足りなかったのだと思いました。もう少し時間を掛けて、登場人物たちを自分の中で掘り下げて欲しかったです。
- 02 追跡者 (採点:1)
- ところどころ笑えるフレーズもあったのですが、基本ラインとして寒い個所の方が圧倒的でした。ギャグに必要なのは勢いだと思いますが、勢いだけというのもいかがなものかと思います。長森も七瀬も壊れてますが、それゆえの面白さを感じなかったので違和感しか残りませんでした。つか一番笑ったの「オーバーリアクション」だし。作者さんはこう覚えてるんだろうなぁ、と想像すると笑えました。
あと、〜なタイプ、というのは、第三者として小説視点で読んでいるときに読者が感じることであって、作中の登場人物たちが自称するのはかなり違和感あると思いますよ。
最後に、一番ツッコミたいのは、恋人関係であれば1回後をつけたくらいで「ストーカー」とは言わないということです。それから恋人の携帯をチェックする女の子なんてザラにいるというかむしろそっちの方が多いくらいですから、将来女の子とお付き合いする時には気をつけてください。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 圧倒的に丈が短すぎるのと文章が短くあっさりしているのが相まって、山も谷もなくあっさり終わってしまったという印象でした。
実際には詩子が交通事故で意識不明、その後に目を覚まし浩平を思い出す、というドラマチックな展開であるにも関わらず、こうも山谷を感じさせず読ませるのはある意味才能と言えるかもしれません。
- 04 いっしょに。 (採点:10)
- タイトルの効果がイマイチだったりとか、「思いがけず喰われかける」や「ある種の達観とも言える諦念」みたいな表現は澪の一人称では不適切だろうとか、そういう細かい部分の不満を吹き飛ばすだけのパワーと、澪でした。
もう澪、超・澪。照れる澪なんてもうなんということか、という感じであり、ああもうなんつーかダイスキだ!
参りました、作者さんもダイスキ。素敵なお話ありがとうございました。
- 05 また明日 (採点:6)
- 話としては特に大きな山谷のないストーリーでしたが、とても優しいお話に仕上がっていたと思います。七瀬と浩平の生活をもう少し見てみたい、そう思わせる良作でした。
ただ気になった点が。
可愛い女の子を描写するのに、「可愛い可愛い」と連呼しても読者がそう感じるかといったら、そんなことはない、読んでいる読者が「ああこの子可愛いな」と思わせるように描写をしないといけないのだと思います。確かに七瀬の描写はとても可愛いのですが、浩平があまりにも可愛い可愛いと連呼しているために逆にそれが鼻についてしまいました。これではまったくの逆効果だと思うのですが如何。
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- 可もなく不可もなく。
文章はとても上手だと思います、作中の言葉を借りれば「この作者さんはどうも回りくどい表現を好んで使うらしい」という感じですが。そのあたりがどうも好みに合わなかったのと、あとはストーリーが基本的にあまり面白くなかったです。
結局登場人物は2人だけで、シュンが延々と喋りつづけるだけで茜は延々と心情描写するだけ、茜に一切台詞を喋らせないという試みは面白いのですが、だからといって延々と心情描写をしてしまったらあまりにも芸がないと思うのです。試み自体は非常に意欲的で素晴らしいのですが、結果としてそれが裏目に出てしまっているように感じられました。これだったら、普通に茜にも台詞があった方がよかったです。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:4)
- 「みさきちゃん、ちょっと来て!」で少し混乱しました。呼称間違いはかなり性質の悪い誤字ですね。
まぁそれは置くとして、ちょっと話が荒唐無稽というか、ファンタジー過ぎました。いろいろと不思議要素があったのですが、それを説明しようという気配すらないまま話が進んでいき、最後めでたしめでたしで終わってしまい、少し置いていかれました。そういう部分に目が行ってしまうということは、核となるストーリーにパワーというか魅力が不足しているのだと思います。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- エーピーとかタワレコとかは若者風に省略形なのに、ラブホだけはきちんとラブホテルと書いているのに笑いました。作者さんラブホにあんまり縁ないんだね(笑) 冗談はさておき、詩子の性格を描写するにはいい手だと思いましたが、少し連発しすぎです、ちょっと鼻につきました。
決してつまらない作品ではなかったと思います。茜と詩子のやりとりだとか、詩子とロリ子ちゃんの夢の中の話だとか、最後の浩平との会話だとか、部分部分を見れば面白い作品でした。ですが、全体として何を言いたいのか、作者さんが何を意図して書いた話なのか、それがいまいち見えてこなかったです。これならば削るべきところは削って、もっとシャープな作品にした方がよかったのではないでしょうか。
- 09 生徒 A (採点:7)
- 構成の妙というのでしょうか、構成は大変よくできていたと思います。一回どんでん返してまたひっくり返す、というのはいい案だと思います。ですが最後ひっくり返すところがあっさりしすぎて、「やられた」というよりはよく解らないというのが先に立ってしまいました。これではせっかくの良い構成も話を難解にしてしまっているだけだとおもいます。
構成にも感心しましたが、語りにテンポがあって非常に読みやすかったのが良かったです。良い意味で、容量よりも短く感じられました。やっぱりテンポのいい作品というのはよいものです。
- 10 プラスティックフラワー (採点:7)
- <広瀬さん、告白ターイム>で一気に引きました。ヤリスギ。それまでがかなり良かっただけに、落差が激しかったですね。もったいないことこの上ないと感じました、これさえなければなぁ……
全体としては、とても良作だったと思います。テンポも良かったですし、広瀬も可愛かったです。七瀬と広瀬が仲直りするくだりなんかはとても自然というか楽しくて、作者さん広瀬のこと好きなんだなぁと感じました。
ただ、七瀬については原作で補完してください、と丸投げなのが気になりました。私が七瀬好きであるだけかもしれませんが、この作中でも七瀬に幸せになって欲しかったように思います。原作と辻褄を合わせるのは確かに大事ですけれど、ここは原作をある程度無視してでも広瀬との対比という形で七瀬も幸せにして欲しかったように思います。まぁ細かいことを言うなら原作では浩平が帰ってきたその日には七瀬は諦めてしまっているわけですから、微妙にこの作品と食い違うんですけれどね。
緑。
- 11 なついろとみさきと (採点:1)
- 地の文のたどたどしさを見るに、作者さんはあまりSS経験のない方なのでしょう。地の文の9割9部が「俺(みさき)は〜〜だった(た)」ですね、なんだかト書きの舞台台本を読んでいるみたいで退屈でした。物語なんですから、もう少し頑張りましょう。
あと、浩平の一人称であるにも関わらず、情景描写ばかりで心情描写がまったくされていないのも、台本だと感じた大きな要因だと思います。一人称は心情描写が容易だが情景描写が難しい、三人称はその逆。経験を積んでそのあたりをもう少し学んでいただきたいと思います。頑張れ。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:2)
- 途中まではとてもよかったと思うんですけれども。
あまりにも、ご都合主義過ぎます。
ラストの二人の選択は、なんの解決にもなってないというかあまりにも場当たりすぎるような気がするんですが。たとえ「えいえんのせかい」にいたのが、みずかじゃなくてみさおだったとしても、浩平には二者択一しかありえないような気がします。
この物語中の浩平は、とても卑怯な男ですね。自分がみさおと離れたくないから長森を連れてきてしまうなんてのは、単なるエゴ以外の何物でもない気がします。本当に浩平は、長森を大切に思っているのでしょうか? 長森の幸せよりも自分の幸せを優先しているのが透けて見えて、ひどく不快になりました。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:5)
- 一発ネタとしては比較的面白かったですが、やはり一発ネタなりの評価になってしまいますね。ただ今回は容量的に下限が実質無かったので、こういう話もアリでしょう。ありきたりにはなりたくないというチャレンジ精神には敬意を表します。
最後の方はネタが割れているのに引っ張りすぎでしょうか。もうちょっと切れ味よくオチに直行して欲しかったです。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:7)
- とてもいいお話でした。茜とみさきという取り合わせは新鮮で、それを違和感無く書けているのは作者さんの筆力の賜物だと思いました。詩子や雪見も交えた話も読んでみたいなという気分にさせてくれました。
茜とみさきが揃うまでの展開はちょっと退屈でした。特に序盤の茜の一人語りは少しくどかったと思います。言葉遊びが過ぎるという印象を持ってしまいました。もう少しテンポよく物語を進めて欲しかったように思います。
あと細かい点ですが「そえはそうですけど」はちょっと脱力しました。たった1文字の誤字も、茜の台詞中にあると破壊力が大きいですな。茜恐るべし。
- 15 桜散る (採点:2)
- 長森が浩平に恋をしているというのは原作でもディフォルトの設定なのでしたっけ? この作品を見るに、浩平が戻ってくるまで彼のことを綺麗サッパリ忘れていた長森の失恋を描写するには、まったく足りていないように思います。同じ忘れていたにしても、もっとエピソードを挿入するなり、容量的にはまだ十分に余裕があるのですからもうちょっとやりようがあったと思うのですが。
それから状況説明を一から十まですべて登場人物に喋らせて終わりというのはいかがなものでしょう。はっきりいって解り辛かったです。省略すべきところは省略し、もっと簡潔に読者に情報を伝える術を練り込んで欲しかったです。
あと些細な点ですが、会話文の終わりの句点は、付ける付けないをせめて統一して欲しかったと思います。作者さんはどういう基準の元に、ありなしを切り分けていらっしゃるのでしょうか?
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:9)
- タイトルのフォントが妙におどろおどろしいのは、私の環境のせいでしょうか? 笑ったんですが。
それはともかく、面白かったです。学生時代のぐだぐだな同棲生活の雰囲気がよく出ていたと思います。バイトもしないで親の仕送りだけで同棲生活、いいなぁ、憧れですよね。
別れ話への移行もスムーズで特に違和感もありませんでしたし、終わり方も良かったです。特にドラマチックではないけれど、こういうリアリティを感じる話は好きです。
難を言えばページを分けた意味がよく解らなかったことくらいでしょうか。お見事でした。
ただタイトルはダサかったです(笑)
- 17 重ねた手と手の中に (採点:10)
- 見事でした。澪とみさきの組み合わせは原作にあまり出てこないとはいえ、二次創作では割とありきたりだと思います、それでもこの話はとても新鮮に感じられました。指点字というアイデアもよかったですが、やはり両者の心情描写ががとても丁寧に丁寧に書かれていたのが、好印象でした。とても優しいお話で、読み終えた後にこちらまで優しい気持ちになれるような、そんなお話でした。
難点を挙げるとすれば、作中の言葉を借りるなら『破局』の場面が少し弱かったような気がします。事象としてはあれでよかったのでしょうが、あの部分だけはみさきの心情描写が少し薄っぺらく感じられてしまいました。もう少し掘り下げて欲しかったです。
- 18 玉手箱 (採点:1)
- 「此処まで」「有耶無耶」「宜しくない」etcetc... わざわざ常用漢字ではない漢字は、ひらくべきだと思いました。話の内容から言っても漢字にしている意味が見出せないのですが。「10噸トラック」あたりは既にイヤガラセの域です、作者さんに何の意図があるのかわかりませんが、無駄に読み辛くしてどうするんですか。
あと、誤字脱字。1箇所2箇所であればよいのですが、多すぎます。容量的に短編なのですから、もう少し推敲してから出して欲しかったです。
まぁ、一番の問題は内容がつまらないことなんですが……
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
- えっと…… なぎさ?
可も無く不可も無く、といった印象でした。澪のブログ、というお話の形式自体は面白いのですが、あまりそのアイデアを活かしきれていない印象です。澪の心情描写であればなにもブログという形式にする必要はないわけで、もう少しブログならではの仕掛けみたいなものが欲しかったように思います。
あと「閲覧者」であるとか三点リーダーの2連続であるとか、初心者の澪が書いているブログとは思えない雰囲気であるのが残念です。せっかくこういう形式にしたのなら、そのあたりはもう少しこだわって欲しかったです。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- ジャンル表記に偽り無し。グダグダでした。
ツッコミどころが多すぎてどこから突っ込んでいいかわからないので書きません。
もうだめぽ。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- まいったなこりゃ、おねこんぺ、いたちんさん主催の前回に続き、繭が2連覇じゃないのか?
文句のつけようがありません、独特の語り口調がぴったりと繭に嵌っていて、まるで繭のためにあるような印象を受けました。優しく優しく、強くなった繭を丁寧に描写しており、中盤を過ぎる頃にはもう10点以外を付ける気などさらさらなくなっていました。
タイトルも凄まじいセンスだと思います。このタイトルは歴代のこんぺの中でも最高峰でしょう。
欲を言えばもう少し余白を取れば、余韻が出たように思いますが些事。
お見事でした。トップ取ってください。
- 22 Luminous (採点:1)
- 本来ならば1点をつけるほど酷い作品ではないと思います。ですが個人的に、どうしても視覚障害者であるみさきの描写に納得がいきませんでした。
都合のいい箇所だけみさきは盲人で、都合の悪い箇所は健常者と同じ、どうもそんな印象を受けてしまい、読んでいてイライラしました。
盲人のみさきがPCの操作ができるというのは、設定に無理があるような気がします。確かに「ブラインドタッチ」というくらいですから、キータッチに限れば可能でしょう、ですがディスプレイを確認できないみさきには、PCの起動からブラウザを開き、地図検索のサイトに移動するということすら不可能であると思います。あまつさえネットワーク友達ができる機会なんてあると思いますか? 視覚障害者用の音声ブラウザを使用しているような描写も無いですし、ちょっと考えなしすぎます。
あと、浩平という介添人がいるとはいえ、みさきが丘を歩くというのはこれもかなり設定に無理があるんじゃないかと思います。しかも懐中電灯が必要なほどの薄暗がりともなれば、健常者だって危ないんじゃないでしょうか。「自然に踏み固められた腐葉土の道」「膝くらいまでの雑草」等の描写を読む限り、とても盲人が歩ける場所じゃないと思うんですが。
幻想的なストーリーも、こういった現実の描写が浮いてしまっていると、地に足がついていない印象になってしまいます。
作者さんは「川名みさきは視覚障害者である」という点について、どの程度想像力を働かせてこの作品を書かれたのでしょうか。書き手としての視点が健常者としてのものになってしまうのは仕方がないことですが、もう少しみさきの立場に立って想像力を働かせて欲しかったです。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:1)
- 20KB未満でオリキャラを4人も出すという勇気にまずは乾杯。恐らくは蛮勇の類ですが。
最後まで、オリキャラ4人の名前と性格がまったく一致しませんでした。というか性格がまったく掴めませんでした。
浩平と一緒にいたいから留年、という凄まじく安直な茜の思考に、そのまま結果として同意してしまう詩子とオリキャラ4人衆は、いかがなものなんでしょう。高校生らしい安直さと言えなくもありませんが、自分の意思で留年やら転入やらを決めて実行してしまうあたりはまったく高校生らしくない行動力。ご都合主義もここに極まれりといったところでしょうか。
留年やら留年した上での転入やらを許可した茜や詩子のご両親の顔が見たいです。彼女らは愛されてないんですかね、ご両親に。
というか、結局、詩子は仲良し4人より茜を取ったんですよね? 4人が詩子に言っていた奇麗事(乾杯のあたり)を、どうして詩子は茜に言えないんですか?
もうなんというか、最後まで読むのが激しく苦痛でした。こんぺじゃなければすぐにブラウザを閉じたと思います。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:2)
- 地の文に面白味が感じられない、ですとか、子供同士の会話がぎこちなさすぎる、ですとかいろいろ理由はあるんですが、基本的にお話それ自体があまり面白くありませんでした。
ONEの設定を根本から捻じ曲げることに意味を持たせるほど、ストーリーが魅力あるものではありませんでした。これでは、まず奇抜な設定にしようという意思が先にあったのではないかと邪推してしまいます。
あと、この文体で「ら抜き言葉」は脱力でした。なんだか一気に背伸び感が感じられていたたまれない気持ちになりました。
- 25 ひとつの物語 (採点:5)
- ストーリーの枠としては面白かったのですが、少し話があらすじめいていて、駆け足過ぎました。ここ1年の間に起こった事象に重きが置かれていたため、登場人物たちの心情があまり語られておらず、そのことが余計にあらすじめいた印象を与えてしまったのだと思います。
もう少し場面に切って、深く掘り下げるところは掘り下げ、浅く流すところは流すというメリハリが欲しかったように思います。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- 読み終えた次の瞬間には忘れそうな話でしたけれど、眠そうな澪が可愛かったら6点(笑
まぁそれは冗談ですが、あまり印象に残らぬ話であったことは確かです。もう少しドラマが欲しかった。
澪に携帯を渡した、のあたりで、意味がわかりませんでした。読者は作中の雪ちゃんと違って焦っているわけではないので、むしろ作者さんのわざとらしさまで感じてしまって冷めてしまいました。メールでやり取りするために貸した、と書かれていた時点で、ああなるほどと思ったくらいです。もう少し考えて欲しかった気がしました。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- なぜ握手なのか。とか妙に面白かったです、茜口調変わってるじゃねーか。
微妙に、複数人での会話を表現しきれていないような気がしました。「折原君! 茜に許可を得たんですか? 得てないでしょう」とか誰の台詞なんだか未だにわかりません。一人が連続して喋るような個所も、もう少し気を遣わないと読者が混乱します。というか混乱しました。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:9)
- うむ、よい茜でした。今回での茜MVPです、とても茜でした。
恐らく作者さんは執筆前にONEを再プレイされたのでしょう、茜の特徴がとてもよく出ていて、正に良質のONE二次創作に仕上がっていました。お見事です。
難点を挙げるとすれば、終盤二人が涙を流すあたりがやや唐突だったことでしょうか。え? そこで泣くの? と感じてしまいました。読者は作者さんと違って文章による感情の揺れ幅が狭いので、もう少し丁寧に描写して欲しかったように思います。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- うーん…… 思い切って1点にしようかと思いましたが……
この容量、このテーマで、みさきに白杖の話はして欲しくなかったです。流れとしては自然ですし、話の主眼はそこじゃないっぽいので流しましたが、重すぎるテーマを軽く扱いすぎです。もう少し踏み込んで書かれていたら、迷わず1点をつけたと思います。こういう極端な読者もいるんだ、ということを、作者の方はもう少し気に留めておいていただきたいです。
- 30 『packaging replica』 (採点:3)
- 山も無ければ谷も無い、そういう意味では「ほのぼの」なのでしょうねこれは。
なんと言いますか、浩平も長森もすごく違和感がありました。なんだかぜんぜんキャラが違うという印象が最後まで拭えず、それでもこれ見よがしに挿入されたモノローグじみた演出に期待しながら読み進めていくと、最後なにも解決しないまま終わってしまったという…… うーん。
もう少し話を動かして欲しかったです。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:4)
- うーん。
テーマは良かったし、またそれを上手く消化してもいたと思うのですが……
どうもオリキャラを2人も出さなくてはいけないだけの内容だったのかが疑問です。ネタが少し被った作品があったからかもしれませんが、オリキャラじゃなくて例えば澪とかじゃいけなかったんでしょうか。私がオリキャラ嫌いだからかもしれませんが、このテーマこの展開で果たしてオリキャラを出せねば構成できなかったのか疑問に思います。
- 32 蘇る少年 (採点:6)
- パートを2つに分けるのなら、浩平のパートももうちょっとしっかり書き込んで欲しかったように思います。
正直、氷上の一人称である前半中盤は読んでいてあまり魅力を感じませんでした。氷上シュンというキャラクターがもう少し魅力的に描かれていたのなら、結末もまた違った感慨を得られたと思うのですが。
- 33 幸福論 (採点:10)
- くっ、10点つけたのなんかムカツク……
文句なしです、いい話でした。掴みもバッチリで、なし崩しに家出に付き合わされる雪見のように、ぐいぐいと物語に引き込まれました。見事。
基本的には爽やかで軽めの話なのですけれど、所々に重くなりそうなエピソードがちりばめられていて、でもそれはさらりと流してまた軽い話になる。そのあたりのバランス感覚が絶妙でした。
最後の雪見の涙も、場面としては唐突なのですが、それを感じさせないのは作者さんの技巧と雰囲気作りの勝利でしょう。
お見事でした。
- 34 time goes by as change (採点:9)
- 面白かったです。
長森が浩平に告白してしまうあたりの流れがとても自然で、違和感を覚えることなく読み進めることができました。このあたりの雰囲気作りは作者さんの力量の賜物でしょう。
話が大きく展開し、どうなるのか楽しみに読み進めていただけに、最後なにも解決しないままに長森が納得してしまったのは肩透かしでした。そう簡単に自分を納得させられるものでもないと思うのですが。
ですが、すごく高いレベルの、好みの問題での採点ができるのは楽しいです。良い話でした。
- 35 それでも生きて (採点:8)
- え? あ、あの、これで終わり……?
最後は浩平に話が戻ってくると思っていただけに、ちょっとこの構成は納得ができません。ラスト決まっていれば10点確実と思い、読み進めてきたのに……
話としてはとても良かったです。浩平の感情をあまり表に出していないのが、この場合は良い方向に作用していると思いました。母を憎んでいるという描写をあまりしてしまったら、収拾がつかなくなっていたと思いますし。
それにしても、この最後は無いでしょうに…… 惜しすぎます。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:7)
- うーん、難解な。
御伽噺にもう少し明確な理由付けを求めるのはヤボというものでしょうか。浩平が誰との絆のために帰還することができたのか、を描くだけでだいぶ違ったと思うのですが。
ラストの水溜りの表現も、もうちょっと前半くどく印象付けしてよかったような気がします。最後のキメ台詞的な海が唐突過ぎてちょっと笑いました。
惜しい。全体的にこの一言に尽きます。
- 37 Ever Follow ever (採点:5)
- 浩平が叫ぶあたりのところが、ちょっと不自然だったように思います。もう少しわかりやすくして欲しかったような。
特に引っかかったのはそこくらいなのですが、話としてあまり魅力を感じる部分が無かったです。もう少しテーマ性みたいなものが前面にわかりやすく出てきていれば、また印象も違ったのでしょうけれども。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- なんだか暖かい気持ちにさせてくれる掌編でした。
ただ掌編なので、他の気合の入った作品と比べると、どうしても相対的にこれくらいの点数に落ち着いてしまいますね。
- 40 あの人 (採点:3)
- 延々とオトメちっくな長森の一人語りは正直読むのがキツかったです。短かったのがせめてもの救いでしょうか。
山も無ければ谷も無い、そういう言葉がぴったりくる作品だったと思います。もう少し話にメリハリをつけて欲しかったと思います。
作者の方はまだSSを書き慣れていない新人さんとお見受けしました。長森というキャラをもう少し掴んで自分のものにすればもっと良くなると思うのですが、それにはとにかく数をこなすことだと思います。頑張ってください。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- よくできていたと思います。留美と呼び合う仲になったにも関わらずなぜか最後まで一人称中の呼び名が「七瀬」だったのは謎ですし、誤字も多少あったのですが、気になったのはそれくらいでした。
ですがわたしは別に広瀬が好きじゃないので、延々と一人称で語られてもあまり面白味を感じなかったです。逆を言えば、本編中では単なる脇役でしかない広瀬に、魅力を付加して読者に共感させるだけの説得力が足りていなかったのだと思います。
- 42 ありがとうを君に (採点:4)
- タイトルまで元ネタに合わせたのは逆効果じゃないかなぁ…… 元ネタ違うのならいいんですけど。
淡々として始まって、淡々と進行して、淡々と終わってしまったという印象です。後に残るものがない、これはちょっと致命的であるような気がします。
幻想的な雰囲気はよく出ていて、それは割と好みなのですけれども。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:4)
- どうも所々矛盾しているような……
そも、帰ってきた浩平がまた永遠の世界に戻ることになる、ということを、なぜ浩平自身が自覚しているのでしょうか? 浩平のただの勘違いと思っていれば、それらしい描写(他の人が忘れていく)が出てくるし。ここら辺になんの説明もなされていないのはいただけません。読者を混乱させるだけだと思います。
最初のモノローグがラストに繋がる、という構成はいいのですが、どうも最後の状況が情けなさ過ぎます。間男ですか浩平は。
話としては悪くなかったのですけれど、妙に話がちぐはぐで違和感ばかり残る作品になってしまっていたと思います。
- 44 髪弄り (採点:3)
- 微妙。
どうも作者さん自身がいちばんジャンル表記に捕らわれていたような気がします。奇をてらわずに普通のジャンルにしていれば、また印象も違ったのでしょうが。
最後は綺麗にまとめようとして失敗している、という印象でした。つか高校生で婚約とかありえないんで。企画倒れです。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- うん、面白かった。
今回は割と茜&詩子の話が多かった印象ですが、詩子はこの話が一番活き活きしていてよかったです。詩子の前向きさと明るさがとてもよく描写されている快作だったと思います。終わり方もバッチリと決まっていました。
茜がもう少し話に絡んでくればよかったかなと思いました。そうすればもっと話に深みが出たように思います。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:4)
- 意味が解らん……(笑
こういうアホっぷりは嫌いじゃないですが、もうちょっと突き抜けて欲しかったかもしれません。現状ちょっとパワー不足であるような。
あとジャンル、奇をてらったのかもしれませんが、残念ながら私としては減点材料です。おふざけはほどほどに。
- 47 雨に祈りを (採点:8)
- ちょっとこの硬質の文体が好みじゃありませんでした。上手いとは思うのですけれど、それと面白いと感じるかは別問題ということで。それでもこの淡々とした雰囲気は独特で、惹き込まれるものがありました。
明らかに原作と違っていますね。それはそれでアリだとは思うのですが、原作と辻褄を合わせる方向で話が収束するのかもと期待していただけに、そのまま終わってしまったのは少し肩透かしでした。
今回は黒い話が少ないですが、この作品のようにレベルが高いものがあってよかったです。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- 面白かった。
どうにも目的の見えないぐだぐだした内容でしたが、それが妙に魅力的でした。最後まで結局結論というか結果を出さなかったのは、正解だと思います。
ただそれを差し引いたとしてもちょっと文章は荒いかな。ときどきテンポが悪くなってつっかえるような個所が何箇所かありました。狙ってやっているのか単に推敲不足なのか判断に迷うようなところは、念の為に潰しておいた方が良かったんじゃないかと思います。
- 49 輝く季節へ (採点:6)
- 結局最後はどうなったのかしら。
ループという設定にしたのは面白いですが、ちょっとそれを活かしきれていない印象でした。もうちょっとこう、なんとかできたんじゃないかなぁ。
一番いただけないのは、長森を襲わせた動機付けでしょうか。ループから抜け出すため、というには行動が突飛過ぎて意味が解りません。原作でもそうでしたが、あれは未遂でしたからね、完遂させてしまうと後味が悪すぎますから、明確な理由付けがないと読者は納得しないと思います。4回くらいのループだと、浩平はああも追い詰められないんじゃないかなぁとかなんとか。
雰囲気はよかったですし面白くもあったのですが、どうも読者に対して色々な意味で優しくない話でした。
- 50 遠きあなたに (採点:5)
- サスペンス仕立てで面白かったです。こういう切り口は斬新でした。
ですがその長所を打ち消してしまう個所が多すぎます。前半の独白部分やラスト付近など、どうしてこんなに余白をとる意味があるのかというくらい余白がとられていて、読みずらくてイライラしました。
前半の茜の独白部分が非常に退屈で、読み進めるのが苦痛でした。これがこんぺじゃなければそのままブラウザを閉じたかもしれません。
もう少し不要な部分をばっさり削って、もう少し読みやすく整形すればだいぶ印象も変わったと思うのですが…… 残念な作品だったと思います。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:9)
- ふむ、痛快。こういう広瀬はいいですね。
あまり広瀬真希に思い入れは無いのですが、話に惹き込ませるだけのパワーと、そして魅力がありました。
今回の広瀬ものの中ではダントツだと思います。変にいい人として描くのではなく、こういう捻くれた口の悪いキャラとして魅力的に描くのはすごいと思います。こういう広瀬だったら好きですね。
ちょっと七瀬が影が薄かったのが残念ですが。
- 52 演劇部の伝説 (採点:2)
- 話それ自体は悪くなかったです。
ですがちょっとこれはあまりにも…… 台本形式で擬音までも書き込んでいるのは、演劇の話だから、ということなのでしょうか? 全体から感じるぎこちなさを見るに、そういうわけじゃなくて単に書き慣れていないだけっぽいですが。
特に澪がとても記号的で、見ていてハラハラしました。原作のキャラを描写するのに口調や仕草を記号的に使うのは感心できません。表面だけ真似るのが演劇ではないでしょう?
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:10)
- 面白かったです。
みさきの盲人としての描写がとてもしっかりとしていて、地に足がついている印象でした。みさきと雪見を扱った話としては、今回のなかでもナンバーワンだったと思います。お見事でした。
今回はみさきと海の話がなぜか多かったのですが、この話は海への理由付けも一番しっかりとしていて、みさきが海に来ることに違和感がありませんでした。ネタが被るという不利も内容如何でいくらでも跳ね返せるといういい見本ですね。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:5)
- いやまぁ面白かったは面白かったんですが……
まぁこういう文体、こういう表現を好む人もいるのでしょう。
わたしは違いますが。
- 55 ラブレター (採点:10)
- わははは! オチが綺麗に決まりすぎててステキ!
いやよかったです、こういうお話が今回は多かったですが、最後こう爽やかに笑いで落とされては10点を入れずにはいられません。というかローキック澪に激しくモエました。
こういうテーマだからこそ、しっかりと丁寧に書かれていたことに好感がもてました。澪も、みさきも、そして浩平も、とても優しく書かれていて、読んでいて暖かい気持ちになれました。素晴らしい。
テンポの良さも素晴らしいですね、軽妙なやりとりとそれを阻害しない地の文が、読んでいて気持ちよかったです。
お見事でした。
- 56 “ろまんひこう” (採点:8)
- いい話でした。幻想的で、でもちょっぴり切なくて。
ただどうして南? という疑問が最後までついてまわりました。別に名無しのオリキャラでも、氷上シュンでもよかったのにどうして南? 人選が非常に疑問でした。
七瀬は結局浩平を諦めてしまったようにも読み取れるあたりも少し勿体無いかもしれません。いや本当にそうなんだよと言われてしまうとアレなのですが、やっぱり七瀬は一途な方が“らしい”と思うので。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- 話の展開としては面白かったのですが、どうにも駆け足というか、詰め込みすぎであるような気がします。もう少し澪であるとか長森の心情を深く掘り下げても良かったのではないかと思います。
それから澪は浩平が帰ってくることを誰よりも願って演劇を思いつき実行したのですから、肝心の演劇部分と浩平の帰還部分をさらりと流してしまっているのはもったいなさすぎる気がします。容量的にもまだ余裕があるのですし、どうして肝心な部分を流してしまったのか疑問です。
……よもや締め切りギリギリで後半部を描ききれなかった、とか、そんなオチじゃないですよね?
○ぴろ さん
- 01 部屋の明かり (採点:3)
- 前半→後半のつながりがいまいち。
終わり方はいいと思うけど、出だしがちょっと原作ファンとしては・・・・・・
- 02 追跡者 (採点:8)
- ギャグの連発で来ると思ったら結構なシリアス部分も含んでいました。
しかも最後にみさき先輩をオチに!
個人的に好きです。
- 03 雨の中 (採点:4)
- 後半の流れがよくわからなかった。
いなかった浩平がどこから突然現れたのか一瞬わからなかった。
うむ、自分の勉強不足かもしれんが、悲しい。
- 04 いっしょに。 (採点:1)
- 澪可愛いよ澪!
でも澪ってこんなキャラだったっけ・・・・・・?
- 05 また明日 (採点:3)
- 同棲しながら、呼称が「留美」じゃないところが引っかかった。
親しみをこめて下の名前で呼び合うのかなぁ、と思ったのだが。
同棲くらいってたら、浩平&留美だと思いますけどねぇ、個人的に。
- 06 It's possible to think of you. (採点:2)
- あえてヒロインをぼかしているのは狙いだと思いますが、
なんというか、アレ。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:1)
- みさき先輩。と、みずか、ですか?
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:5)
- C子・・・じゃなくて詩子がナンパですか。
でも、こんな詩子も好き。
- 09 生徒 A (採点:1)
- 話の流れが途中で見えなくなった。
もっとわかりやすくして欲しいかも。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- こういう七瀬ちん大好き☆
- 11 なついろとみさきと (採点:1)
- この作品で作者が伝えたいことはなんでしょう?
ちょっと理解に苦しみました。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:10)
- この終わりののほほんとした雰囲気が大好きです。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:3)
- 流れがわかりやすく、まとめもよい。
読みやすいのはいいと思う。
だが、訴えるもの・伝えたいものがないと思う。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:7)
- あまり最初が読みにくくて、「あちゃー」とか思ってたんですが。
後半はすごく流れが好きで、高得点にしました。
- 15 桜散る (採点:2)
- 忘れられているのに、教室に参上するのですか。
ちょっとつながらない気がします。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:4)
- 茜とこーへーのらぶらぶがいいですね。
茜は真面目なイメージがあったので、ちょっと意外。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:3)
- 澪とみさきの友情ですな。
だが、表現したいものがわからない。
- 18 玉手箱 (採点:3)
- 終わらないSSですか。
なんか(´・ω・`)ショボーン
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:4)
- 最初の日記形式で終わってしまうのかなぁ、と思ったのだけれど。
お話が入るとまたいいですね。
お芝居ですか。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:5)
- 詩子を出した理由がわからない。
ですが、作品のノリは好きです
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:5)
- 繭の「勇気」が感じられました。
えいえんの浩平がほとんど希薄だったのには違和感を覚えましたが。
- 22 Luminous (採点:6)
- 締めくくりが気に入りました。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:6)
- 詩子の思いやりと悩み・行動がとても輝いていました。
留年→編入って、思いつきそうで思い浮かばない行動・・・。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:4)
- ちょっと意外な終わり方をして驚きました。
主題通りのものを書きたかっただけにもとらえられますが。
それとも、瑞佳が浩平をささえる話?どちらにもとらえられました。
- 25 ひとつの物語 (採点:5)
- 作品は読みやすかったです。
浩平を想う留美・・・・・・いいな。
- 26 トントン拍子 (採点:2)
- 合格を書きたかったのかな?よくわからなかった。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:8)
- 浩平の優しさが伝わる部分があってよかったです。
オチには笑いました!
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:10)
- 最後の言葉にぐっ、と来ました。
前半はギャグ風味、後半はシリアスといいですな。
こんな茜が理想です。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- 怪我してみさき先輩登場で、シリアス路線かなー、とか思ったら。
さらに骨折でみさきvs瑞佳のオチですか。
苦笑してしまいました。
作品としては読みやすく、テンポも上々。
- 30 『packaging replica』 (採点:2)
- なにか瑞佳が名雪並に猫で暴走してたように見えて違和感。
あと、間の挿入がよくわからなかった。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:2)
- 浩平がいないのに違和感。
そして、何を表したかったのかが不鮮明。
- 32 蘇る少年 (採点:10)
- 氷上がメインとは意表を突かれた感じがします。
描写とかはすごくよく、テンポもあってよかった。
- 33 幸福論 (採点:5)
- シナリオはきちんとしている。
だが、どこか要領を得ず、いまひとつだった気がする。
- 34 time goes by as change (採点:4)
- 変わらない毎日、に引っかかりを覚えたが、いいと思う。
- 35 それでも生きて (採点:7)
- おお、まさか浩平の母親が施設に入っているとは。
ちょっと驚きの展開。
このお話は、みさき先輩と結ばれるのかなぁ
- 36 あなたの名前を知っている (採点:2)
- 浩平が忘れていたということは、なぜ声をかけようとしたのだろう。
- 37 Ever Follow ever (採点:2)
- 「えいえんの世界」がありきたりすぎてつまらない。
- 38 みるく・ろーど (採点:4)
- こんな発想もいいですね。
だけど、最後のたとえはちょっと違うと思った。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:10)
- みさきの苦悩、えいえんとの結びつきはよかった。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- 広瀬はいじめっこなのか、いじめられっこなのか。
でも、こんな広瀬が大好き。
- 42 ありがとうを君に (採点:7)
- えいえん側だけだと、ちょっと表現が足りない。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:3)
- また消えたのかと思ったら、クローゼットにいたのか。
微妙に変態思考?
- 44 髪弄り (採点:8)
- 最後の一文がよかった。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:8)
- 詩子の話が面白かった。
ビデオには意表をつかれました。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:3)
- 完全な発想の転換に感動しました。
歴史の人物との対話、他の作品とは違う味がでてよかったです。
だが、2次創作としてはいまいち、かな。
- 47 雨に祈りを (採点:10)
- みさきが失明に失望したら、なんて考えたことがなかったです。
こんな考え方もある、と教えられました。
- 48 エロ本行 (採点:4)
- # 猫とオレと長森。
# 猫と長森と瑞佳。
# 長森とみずか。
# みずかと――。
#「――ちゃん」
この部分の含みがどうしてもわからなかった。
- 49 輝く季節へ (採点:3)
- 長森という苗字がどうしたのか。
SSだから相手に創造させるのか、それとも完結させるのを忘れたのか。
自分がONEという作品で伝えたいことを文章と言う形で相手に表現してるのか。
ちょっと微妙。
- 50 遠きあなたに (採点:7)
- 茜の必死さがいい。
静かながらも、決意がつたわってきました。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:4)
- 七瀬と広瀬の話がとてもよかった。
行動と情緒、場面設定はいいと思います。
けど、最後のオチがあまりよくなかったです。
- 52 演劇部の伝説 (採点:6)
- 「伝説」という題名から、なにか怪談話みたいなのが出るのかと思いましたが。
展開は全く逆で、驚きました。
ただ、最後の2人の言葉がなんか味気ないというか、予想通りというか。
すごい、と思いつつも、物足りない感がぬぐえない。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:3)
- 主題の前のあれがよくわからない。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:6)
- 瑞佳が好きな人を待つ、という形としてはいいのですが。
その手段として、「強姦」はあまり好まれないと思う。
- 55 ラブレター (採点:9)
- 最後の最後の最後であのオチが微妙ですが。
他は、みさきや澪の感情がぐっと来てよかったです。
- 56 “ろまんひこう” (採点:2)
- これが、オリ小説ならよかった。
二次創作という観点で見ると、原作の雰囲気とちょっと違う気がする。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:4)
- 若干唐突すぎる気がする。
みんな忘れてたのに、行動して、ぽんぽんと思い出すものかな?
○ふうがみこと さん
- 01 部屋の明かり (採点:10)
- いかん。やられました。少し涙ぐみました。
主人公が誰なのか居酒屋の場面まで全く気がつかず、気がつかせた後には納得と新しい展開がまっている。瑞佳と家の中で話すまでの展開で、気がつくとどっぷりと作品世界に浸っている私がいました。ホント、心の中で「なんでわかってやらないんだよ由起子さーんっ!」と叫び、そこでふと、「あ、やべ、作品にハマりこんでる」と我に返ったほどでした。
難を言えば背を測った痕を発見する場面。これだけで前言を翻すのはちょっと弱かったかな、と思うのです。学資保険やら何やらが出て来たとは言うものの、それまでは丹念に描写されていたものがここですっ飛ばされてしまう。誤解を解く場面というものがどのお話でもクライマックスであり、もっとも難しい箇所であると思うのですが、それを誤魔化されてしまったような印象を受けました。「物的証拠」という表現も、それと組み合わせて考えると個人的にはNG。
でもそれ以上にこみ上げてくる感情がありました。参りました。ブラボー。私も歳を取ったのかなぁ。
いいお話をありがとうございました。
- 03 雨の中 (採点:4)
- この長さならば、充分に作者さんが作品全体をコントロールできるはずだと思うのです。冒頭の雰囲気や文体のままで行くのも、途中で変調するのも。でもそれが上手くいっていないようでした。また内容的も非常に散漫です。このSSで何が書きたかったのか伝わってきません。抽象的な言い方になってしまいますが、表現や構成を含めた諸々のものに配慮が足りなかった気がします。
- 05 また明日 (採点:4)
- 言っちゃ悪いのですが、単調すぎます。二人の日常を見せたうえでラストに続けたいのでしょうが、その日常描写がなぁ。
浩平が七瀬のことを可愛いと思うのは結構。ですがそれを浩平の一人相撲で終わらせず、読者にも七瀬が可愛いんだと、そう思わせるようにしてください。仕草や表情を細かに描写して見てください。「可愛い」「嬉しい」「楽しい」「恥ずかしい」「嫌」だけでなく、それがどう恥ずかしいのか、どれほど楽しいのかを読ませてください。比喩等を用いてもいいと思います。読み始めの時点では、「日常」としてわざとそういった文章にしてるのかとも思ったのですが……
きつい言い方になってしまいますが、表現の幅が狭い気がしました。こういう平坦な物語こそ、高い表現力が必要になると思います。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:6)
- みさき関係のSSを読むたびに、私が思うことが一つあります。
ですがそれは置いておいて(なら書くな)。
物語に漂うちょっと優しくて和やかな雰囲気は好きです。ですが、えいえんを絡めたストーリーを展開する際に問答だけで何かしらの解決を見せてしまうと、それだけで説得力を失ってしまうように思えました。
えいえんの盟約事態が口約束ですから、確かに同じく問答だけで解決できるのだという解釈も成り立つかもしれません。
でも、個人的には原作の浩平はヒロインとの絆を深め、内面的な抵抗を試みたのに、結局えいえんの世界に囚われてしまったことを考えると、絆さえあれば一年経てば戻ってこれるのだという前提がプレイヤーとしてゲームをクリア済みの読者にはあるとはいえ、やはりSS内でそれなりの過程を見せて欲しいと思うのです。
相合傘をアイテムの一つとして使ったところは好きですが、それでも、その点でまだ不満が残ります。みずかの変心を誘うのが問答によってというのが、私としては好みから外れてしまっていました。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- うあー途中まで面白く読めていたのですが……屋上の広瀬の言葉で一気に冷めてしまいました。これは私が佐々木と七瀬と、その両者を現在の状況にどうつながりを持たせるのか、それに非常に興味を持って読み進めていたからです。
でもあの場面で「がーっ! この話は結局恋愛物語だったのかーっ!」となり、頭の切り替えが出来ませんでした。まあ、ひょっとしたら原作のゲーム以外でそういった広瀬の設定が存在しているのかもしれませんけれど……
それに出だしの七瀬の殻とか憧れとか、確かに中盤で少しフォローされていますが、大局的にはあまり関係ないような……最後のとってつけたようなえいえんも、それまでの流れから考えれば浮いてますし。このオチをつけるなら、作品内でもっともっと七瀬の感情面からの伏線張るべきだと思います。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- 平坦すぎます。展開も平坦であれば、文章も平坦。作者さんの「盛り上げよう! 笑わせよう! 萌えさせよう! 感動させよう!」といった気概が伝わらない物語になっています。
もっと読者をのめりこませようと工夫することが大事じゃないかな、と思いました。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- SSとしては上手いと思います。だから8点。でも内容としては不満かなぁ。
結局浩平は子供の世界を選んでしまったということですね。二つの約束に縛られて、抜け出せることはなかった。大人の世界におけるしがらみが何であるのかはこのSSでは表現されていませんが、それらのしがらみより、二つの約束が浩平の選択にとって大事だったのですね。
でもきっと、子供の世界でも選択の機会はまだあって数年に一度くらいは大人の世界に戻ったり、残してきたしがらみをの中に身を置いたりしているのでしょう。そう解釈できるラストはいいけれど、ある意味卑怯かな。すんません、狙っているのか偶然なのか、ちょっと判断つきませんでした。でも私自身としてはこのSSの解釈はそういうことです。
ただその解釈で行くと、大人の世界にいる浩平が子供の世界を選択するのは、その世界観を閉ざしてしまうことだと思います。そんなインナースペースに閉じこもりがちならば、結局のところ優しい外見をしたダーク作品のような気もします。無邪気にえぐる童話的な話は好きなのですが、原作ゲームはその閉じた世界からの脱却を求めて作られていると私は解釈しているので、そこのところがちょっと不満でした。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- こういう一発ネタは好きです。でも、ちょっと起伏が足りないかなぁ。
このネタならば文章のリズムに緩急つけて、読者に落としどころの予想をつけさせたほうがいいんじゃないかな、と思います。読者にネタを予想させた上で、住井や周囲の反応を存分に見せてニヤニヤさせる、などの効果があれば、個人的に気に入っていたかも。
あと瑞佳の語尾に無理にくっつけたようなだよもんは違和感ありました。瑞佳の台詞はよっつしかないけれど……
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:9)
- うあー、上手い。
この平坦な物語を二人の関係の描写だけで見事に最後まで持たせてしまっている。つうか、引き込まれて最後まで目が離せませんでした。えいえん=愛というのは歌謡曲などによく用いられる概念ですが、それをこのような形でONEの世界観と絡ませたのは意外でした。
好きだからこそ駄目になる。心地よいからこそ脱却したい。でもそこまで気が付いているのならば、二人には別の手段でえいえんを否定して欲しかったとも思いました。これでは結局、ONEにおけるえいえんの世界の肯定に繋がってしまう気もします。
正直私は「淡い」の意味を掴みかねているのですが、えいえんから帰ってきても求める気持ちを捨て切れなかった浩平は、一生現実の中に生きることは出来ないのでは、と思いました。…………私もね(涙
- 18 玉手箱 (採点:3)
- あまりにも脈絡無いのはどうかなぁ、と。展開やオチだけじゃなくて、会話文や地文、繋がりかた全般に。
作者の考えている根拠や過程をきちんと読者に示さなければいけません。読者の目にこの「話」がどう映るのか、それを意識して書かなければ。
キャラクター達だけでなく作者さん自身も酔っ払っているような印象を受けました。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- うぬう。悪くないと思うのですが、私にとってはこの澪の日記という要素そのものがあまり好きになれませんでした。何故って、私自身は日記を知り合いに絶対見られたくない人間だから(w
知り合いにブログの存在を教えながら、そこに悩みを綴る。それが私の中の澪という人物像にそぐわなかったです。
でもお話そのものは上手くまとまっていると思います。ネット開通、浩平とみさきへの好意、講演練習の開始、と澪の日常に沿って無理なくきちんと物語が進行していく。澪の「気付き」もオリジナリティがあっていいと思います。
少しほわほわとした気持ちを味わわせていただきました。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 面白かったです。そこかしこに作者さんのセンスを感じます。
SSという分野でこの第三者による語りで物語を進めるのが、まず第一に唸りました。そのおかげで繭というキャラが生きるだけではなく、原作のえいえんにも通じる無常観らしきものまで全編に貫かれている気がして、もう降参です。
題名のつけ方にも感嘆。作品一覧で目にしたときはコメディかとも思ったのですが、読み終えた後はいかにも繭らしく感じてしまい、これ以上の題名は考えられないような気までしてきます。脱帽。
ただ唯一、組み体操時に繭が思い出す涙の記憶と詩篇。アレは少し不満でした。それまではどっぷりと作品世界に浸れていたのに、あの部分で冷静になって、距離を置いてしまった私がいます。せっかくのクライマックスであるのに……。記憶と詩篇を交互に織り込むよりも、それぞれをまとめて、続けて見せてもらったほうが私好みではありました。
でも非常に楽しめた作品でした。作者さん、ありがとうございます。
あ、それと最後にもう一つだけ。
汚名を挽回してどうする! CLANNADかーっ!
お見事です(笑
- 22 Luminous (採点:6)
- うーん、どうにも作中の二人の心情にシンクロ出来ませんでした。
最果ての図書館も浩平が保父(今では保育士か)であることもみざきの特質も、二人が互いに気遣いあう姿も、私の中で消化できなかったのです。描写が不味いのではなく、おそらくは私の持つ先入観の所為だと思います。作者さんと私の考えが根本的に違うんだろうなぁ。
まあそこら辺は置いておいて別の感想を述べますと、最果ての図書館や浩平の就職のきっかけなど、各設定の披露の仕方が少々強引な気がしました。おそらく浩平の回想によって読者に紹介する、という方法ばかり用いているところがいけないのではないでしょうか。これは一種の主人公万能化です。読者とキャラクターの視点を同じくするためには、作中で明かされる事実への読者とキャラの認識のタイミングを合わせることも必要なのではないかと思いました。
みさきの指先の感覚が鋭いという設定を例に取るならば、浩平がそのことを「〜したことがある」と盲牌やピアノの例を思い出し(読者に紹介し)てから実際にピアノを弾いているシーンを出すより、ピアノを弾いているシーンを出してから「そういえば昔〜したことがある」と浩平に思い出させた方が、読者としては浩平に感情移入しやすくなるのではないかと思うのです。
あ、つまりこれも私がシンクロできなかった理由の一つかな? う〜ん……
鶏が先か卵が先か、とにかくキャラにのめり込めなかったということです。前述した理由でかなり目が曇ってるかもしれない(常に曇りっぱなしとは言わないで……)ので、あまり気にしないで下さいね〜。
- 26 トントン拍子 (採点:7)
- 優しく柔らかい話で、雰囲気はとっても好きです。題名のトントン拍子を上手く物語に溶け込ませているのもまた好きです。こういう話は読んでいて素直に「いいなぁ」と思えます。
でも、素直さを捨てて意地悪に述べますと、タイプミス……誤字脱字がある、かな? しかも結構目立つ場所に。
「見つけられる呆然」と「見つけられず呆然」では全く逆の意味になっちゃいます。
私自身は「見つけられる呆然」(合格が信じられなかった)をしていたら、見知らぬ生徒に肩を叩かれ「元気出せよ」と言われて複雑な気持ちになった過去がありますので、読んでいてこれまた複雑な気持ちに(笑
それと「さび抜き」の寿司は……「わび抜き」の寿司だったら、これは面白い言葉遊びだと思えたのですが。あはは。……方言などで「さび抜き」がちゃんとある言葉だったのならごめんなさい。
短い話で贅肉も少ない話だから、少しの誤字がちょっと気になってしまいました。
でも好きです。ホントです。優しいお話を読ませてくださって、ありがとうございました。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
- 効果を狙って書かれているのか、作者さんの癖なのか。文章中に不明瞭な部分を残し、後にそれを明らかにするといった手法が「用いられすぎている」と感じました。特に序盤に。
こういうのは増やし過ぎると読む側は疲れるだけで、後の本当に大事なテーマにかかっている部分にさえも、むしろ無感動になってしまうと思うのです。多用せず、使い所を絞った方がいいんじゃないかと、そう思いました。
また台詞も、短いセンテンスで、めまぐるしく向きが変わる。読んでいて落ち着ける場所がないのが、私の好みではありませんでした。また、これも同じく似たパターンを多用しすぎていると思います。
一場面ごとの起伏の演出に腐心するあまり、全体としての起伏が薄れてしまっている印象でした。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:7)
- うぬぬ。中学生にしては、ちょっと雪見が大人びている気がしてしまうのです。高校生ならばまだよかったかな〜。
それとラストで雪見がみさきにかける言葉……「必要な勇気」も、物語の中での描写が少々不足な気がします。クライマックスのこのシーンに向けて、もっともっと描写を積み重ねる機会はあったと思うのです。作者さん自らが考えるみさきに必要なものを、考え方の違う読者(つまり私)に対してもそのとおりだと感じさせるような、強い訴えが欲しかったです。
だって、この話では雪見自身がみさきに対して、一線を引いてしまっている。言葉でなんと言おうとも、みさきを抱きしめ涙しようとも、そこから脱却できていない。
『この子を街に連れ出すのは、わたしの役目じゃない。』
それは前半で悩んでいる雪見の真情なのかもしれませんが、「そのとおりだ」と読者の目から肯定できるところまで物語の中での掘り下げが深められているかといえば、そうは見えないのです。
これはゲームプレイヤーにとって既知である浩平の存在が無ければ首肯できないはず。ゲーム本編を体験していないSS内の雪見がそう思っても、首をひねってしまうのです(個人的には、ゲーム内でみさきと浩平がくっつくことを前提としても首肯できないのですが)。
まあ、これは私がみさきに求める「勇気」と雪見の言う「勇気」が違っていたという点にも原因があるかもしれませんので、そこのところを差し引いて受け取って下さい〜、っと急に弱気になったりして。
話の展開、その追い方は丁寧で良かったと思います。オリキャラも短い話と少ない出番の割には結構な存在感があって、上手いな、と素直に思いました。
- 33 幸福論 (採点:7)
- うあー。よくわかりませんでした。
カメレオンとか灯台とかはえいえんを想像させて色々な比喩が隠されているような気もしますが、それが正しいかわかりません。つうか、わかるかコンチクショー。あるとするなら、多分その底深さに私はついていけない。むしろ浅さを誤魔化されているような気もする。ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる、疑うと目が回る。
つうか、わかるように書かなきゃいけないと思うのですよ、コンチクショー(涙
雰囲気は大好きです。二人のやり取りもほんわかしていて大好き。ただ、みさきの外出恐怖症はどこへ行ってしまったのだろう、なんてことを当初思いました。
うーん、海なだけにわけワカメの部分さえなければ、もうちょっとよかったかなー。そのみさきのある種理不尽にみえる行動こそが、この不思議な雰囲気をかもしている部分だとも思うのですが。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:5)
- いくつかの点で納得がいかない話……だったかな。みさきの浩平の思い出し方も、キャラクター同士のやり取りも。
これはもう、作者さんと私とのONEに対する姿勢の違いなのだと思います。
みさきという女の子への私の解釈の仕方は、どうも少数派のようです。う〜む。
で、それを差し引いてみたとしても、みさきという人物がどういう子であるか、どのような考えで結末の選択をし、勇気を得たのか、その部分が説明不足だと思います。抽象的なイメージ任せにしないで、物語としての説得力を持たせて欲しかったと、そう感じました。
最後にイメージ映像で締めるのならば、その前に読者をがっちりと作品世界に引きずりこんでおかなければならないと思います。例えば、私のように原作から受けたイメージが異なる読者でさえも。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- 問答による自問自答が構成の大部分を占めるのがもったいないなぁ、なんて。そういった自己完結の世界を目指して作られたSSかというと、そうではないと思うのです。事実、登場人物は多いですし。
キャラが変節や改心といった心変わりを見せる際には、やはりそれ相応のイベントが欲しいところ。それが原作キャラの中に内在している答えだとしても、読者がSS内で「その答えが顕在化した理由」として納得できる描写をしてもらいたいのです。そこら辺が少し不満でした。
- 38 みるく・ろーど (採点:4)
- 学校でも家でも、瑞佳が昔から好きだったのは牛乳ではなくて浩平だったのかな、なんて読後に思いました。
展開としては可もなく不可もない印象なのですが、小学生の頃の二人の会話にもっと魅力が出せればもっと面白くなったのではないかと思います。
ラスト場面は結構好きです。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:7)
- 広瀬が七瀬を嫌っている理由、そして3年生になるまでの心情や状況の描写は好きです。でも肝心の七瀬へ広瀬が告白するシーンがなかったことと、浩平が帰ってきてからの描写があっさりしすぎなのがちょっと残念でした。
物語にはクライマックスを用意して、そこをもっとも目立たせて、読者の心に残るような工夫を施した方がいいと思います。
- 44 髪弄り (採点:8)
- 面白かったです。最初の5行目から、終始ニヤニヤさせられっぱなしでした。
対価の“ひき”と、それをラスト一行だけで表しているのも好みです。
茜の命を軽い思いつきで奪ってしまう浩平に軽く殺意を覚えましたが(笑 まあ茜が幸せになってくれればいいか、あはは。
爆笑よりも、こういうニヤニヤ笑いの作品が私は好きです。いつ、何度読んでも、頬が緩んでしまう。楽しいお話をありがとうございました〜
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:7)
- いやいやいやいや、おもろいです(笑
オリ肉ヘイでしたら、8〜9点あげちゃうんですけれど……これって、おねこんなんですよね(笑
雪見というキャラが太っている、その事実と原作のキャラ性とを比較したからこその笑いの部分もあるのですが、やはり二次創作という面でちょっとマイナスしておきます。
気晴らしにちょこっと読んでみる分には最高でした。ぐーですよ。
- 47 雨に祈りを (採点:6)
- 話が軽すぎるな、と思いました。
みさきの「死にたい」という願いと、雪見の決心と、その重大な2点において結論に至るまでの過程の描写が全くされていないからです。書こうとして失敗しているのならばいいのですが、初めから書く気がなかったように見えてしまいました。書きたいことがあるならば、それに説得力を持たせるように練るべきだと思います。
- 48 エロ本行 (採点:5)
- う〜ん、この淡々とした雰囲気でみずかを出されると、個人的にはもうそれだけで嬉しくなるのですが、満足かと問われれば不満でした。
自己完結ギャグを飛ばしすぎ。わざとウケさせることなくつらつらと流して書いていることは窺えるのですが、三球三振空振りを続ける打者を延々と見せ付けられるとそれだけで飽いてしまいます。ヒット打つ気がないのならば、打席に立たないで下さい。それが主人公のキャラ造形の味付けになっていたり物語に意味を持たせていたり、なんらかの効果を狙っていたのなら「失敗した」だけであり否定はしませんが……読む限りではそう感じられませんでした。みずかに絡めたこのラストを、メインに据えるならば。
ギャグメインだというのならば、さらに1点減です。
エンタ面で故意に読者を突き放すのはやめましょうよ〜
- 50 遠きあなたに (採点:5)
- 展開には説得力を持たせなければいけないと思います。作者さんの頭の中ではおそらく繋がっている筋道なのでしょうが、そうでない人もまた多いのですから。
この展開で茜がたった一人で自問自答を繰り返した末に真実に辿りつく、というのはちょっとご都合主義に過ぎる気がするのです。一人語りというのは確かにスタイルとしてあるのですが、このSSにおいてそれはあまり効果的ではなかったように思えました。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- うう、正直に告白いたしますと、私、こういった薀蓄の多い物語って、好きじゃないのです。一見して「ああ、それを道具として使うつもりなんだな」と身構えてしまうのです。それどころか、場合によっては失望してしまう。
例えばちょっとした専門用語を引用し、それを伏線として引いておき、ラストに物語のテーマと絡めて説明する。推理小説などでも見られる手法ですが、これって書き手がただ楽してるだけじゃないかな〜、なんて思ってしまうわけです。これが一般的な用語を用いて、そこからイメージを膨らませるなりなんなりで意外な伏線を見せる展開ならば、それが日常接している言葉なだけに「そ、そうきたか〜!」「ぐわーっ そんな側面があったのか、知らんかったーっ!」と唸ることが出来る。でも元から接することのない分野の薀蓄ですと、「ふ〜ん、そうなのか」で終わってしまうのですね。
もちろん、そういった普段誰も接しない薀蓄自体を調べることにも、それを組み込んだ物語を構成することにも、苦労はともないます。が、個人的にはそれは学術的・論文的な苦労と同じ類のものであり、小説的(文学的とは言いません)な苦労とは違うと思っているもので……
先ほど私は推理小説を引用したのですが、漫画の「金田一少年の事件簿」でも、そういった薀蓄を出すときは「星座」や「蝶」などの『普段目にするカテゴリー』を媒介としてから引き出しています。それはそういった「“一般”受け」するための法則の一つではないかと思います。作品中で意外性を演出するには読者の思惑・想像を超えなければない。そのために読者の知らない知識を引っ張ってくる。それは歴とした方法。しかしそれは「エンターテイメント」としては、必ず読者と重なっている世界でなければならないと思うのです。
どのような読者層を狙うのか、という話題にもなってくるでしょうが、読者にとっての日常的なものから、テーマに関わる薀蓄は出して欲しいのが私のわがままです。物語展開の味付け、色つけとしてに限るなら薀蓄はむしろ好きなんですけれどね。
で、このお話の場合、芸術的な薀蓄を除いても、おそらく物語の筋が通ってしまいます。もちろんその薀蓄が広瀬のキャラ作りや物語の展開にも関わり、一役かっているのですが、それは別の一般的な言葉で置き換えることも出来たのではないかと思えるのです。つまり、お話自体は悪くいってしまえばありきたり。
すっきりと単純化できる話に、わざと薀蓄の鍍金をはめることで、話のパターン化・没個性を誤魔化している、と、そう思えてしまうのです。大学生の学術レポート的SS。むろん、これも極めれば独創性が生まれてくるでしょうけれど、そこまでは感じられませんでした。
基本的に物語りは薀蓄で締めてはいけない。薀蓄の後に、人間ドラマなり何なりを持ってきて読者の内空間にまた擦り寄らなければならない。その内空間で驚きを演出しなければならない、とそう思います。薀蓄というのはその触媒であるのが理想じゃないかなぁ。その点、ラスト2行だけでは物足りませんでした。
でも、上手いSSだと思います。私が読みたい内容や趣向とは違っていた、単に好みに合わなかった、というだけです。考えてみるとこういった「趣味に合わない」読者に対して嫌悪感を与えていない、という点だけでも、“一般”的なんだなぁ。難しい……
- 52 演劇部の伝説 (採点:5)
- 台詞中心で動く物語ですけれど、その中心人物に澪をもってきたのは失敗だったんじゃないかなぁ、と。いや、作者さんはおそらく澪と深山を中心に書きたかったんだろうとは思いますし、私が感じる引っかかりも実は些細なことなんですけれど……澪の台詞が「筆談」である以上、通常と同じテンポの会話を描写されると、それだけで違和感を覚えてしまうのです。意思疎通のテンポを澪の仕草や行動の描写で保ったまま、「筆談」をところどころ交えてキャラクター性を出したりしたらそれだけで面白いSSが出来るかも? と思いました。
お話はいい意味でも悪い意味でも、予定調和でぴったりまとまっています。個人的にはこれに毒にせよ薬にせよ、作者さん独自の味を出してもらうと嬉しいです。
- 55 ラブレター (採点:6)
- 起伏にちょっと乏しいかな? 序盤で読者が予想するとおりに話が進み、最後までそこから外れる部分が無いのが残念なところです。とは言っても奇抜なアイデアが欲しいわけではありません。キャラ同士のやり取りや行動に遊びを出して作者さんが楽しんでいるように、SSを読者に読ませることに対して作者からの遊びを作品内に盛り込めば、自然とそういった面が出てくると思うのです。
文章自体は読みやすいし飾り過ぎないしで、かなり私好みなんですが。その点で私の好みからちょっとそれちゃいました。いや、これはこれでいいものなんですけれど、今こんぺではこのようなストレートな話が多いもので……
それと、おそらくこの物語の起点における考え、それが私にとっては「うーん、そうなんだろうか?」と思うものだったことも、ちょいマイナスでした。例え考えが違っていても、作品中で、とある一文さえ使っていなければ通常なら気にしないんです。でもその文が使われている所為で、何でこの一文を入れているのに、後ではこういう形で物語を進めてしまうのだろう? とそう思ってしまったのです。
でもこれは我ながら相当偏った考えかもしれないので、どこかは秘密です。単に趣味が合わなかったということで……あはは。
と思ったのですが、あまり思わせぶりなのも何なんですので。
気になったのは「ひとの障害をからかい、笑いものにしようとするなどというのは人間として最低の行為である」と書いてしまっているところです。そして疑問に思ったのは、澪の欲求の源を特定してしまったこと。
またそれとは別の部分の細かいところでも、ちょっと自己矛盾になっちゃっていると思うのですが。物語中の笑いのエッセンスは、作者さんのみさきに対するイタズラではないのかな? って。
意識的にされているのならば構わないのですが、それならば「ひとの〜である」の考えは技巧的に誤魔化して欲しかったな。曖昧な感情で示したり、抽象的にしたり。澪の欲求の原因もまた然り。もし自覚も疑問もなく無意識にやっちゃってるのならば、ちょっとヤバイと思います。
まあ、そこまで道徳的になっちゃったら何も楽しめなくなっちゃうのですが、私自身が偽悪的かつ偽善的なもので。我ながら青いんですが〜(汗
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- 何だかすごく「惜しい」作品のように感じました。
その一つは雰囲気。ONEのSSでこんな絵本のような世界を描ける、それだけでも相当すごいと思うのですが、メインの二人が高校生な所為なのか、いまいち語彙的に絵本・御伽噺・ファンタジーといったものになりきれていない気がしました。個人的に言えば火山を「噴火」と言われてしまうと、ちょっとしょんぼり。爆発とかもう少し子供じみた表現にして欲しいですし、入国手続きなども他の言葉で言いかえれそう。それらの発想は羨ましいほど好きなのですが……。語彙の問題だけではなく、飛び方のレクチャーや中年おじさんとの遭遇、アイスぱくついたりする場面でも、浮遊感や旅・夜といったおとぎの国のキーワードにいまいちそぐわない描写に感じられ、ハマリ込めませんでした。なんとも残念なのです。七瀬の下した結論から考えるに、もしかしたらそうした迷いや悩みを抱えた踏ん切りのつかない心情を表す世界として描写しているのかもしれませんが、そう判断するのはあまりにも好意的な見方に過ぎるかと思われました。そう試んでいるとしても、少し失敗してるかな、という印象です。
それともう一つ。これは先に述べた七瀬の結論です。この結論自体は非常に好きなのですが、それを作中で結論として語るには引きや伏線が足りないかな、と。空を飛び旅(?)をしながら七瀬の思考がそちらに傾き気がついていく描写を、もっと散りばめなければならなかったと思います。もし私が前述したとおり空を飛ぶことで体験する世界自体がその描写だったとするなら、なおさらのこと、七瀬の変化の描写とそれに沿った文体の変化がなければ、読者にはそうと気がつかれないと思います。その場合、30KBだとかなりきついかな、と思いますが……
な〜んて書いて、全くの的外れでしたらすんごく恥ずかしい奴ですね、私。ははは。
とにかくすんごく惜しいと思ったお話でした。ONEからこんなお話を考え出せる作者さんが羨ましいです。本当に。
○ぽー さん
- 02 追跡者 (採点:7)
- 読んでて楽しかったです。長森ストーカー説は大いに同調の意を。
刺殺してもおかしかなあ、確かにと。ていうか笑いました。多分それで十分なのであろうと思います……!
ラストの展開でさらなる裏切りが欲しかった所ですが、それを差し引いてもぐっじょぶです。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 書きたいものがある、というのは伝わってきますが、地文の読みづらさがいかんともしがたかったです。
頑張らないと読み進められない、というのは厳しい。話はよくあるタイプと思われますが、詩子の事故の有無が特に意味もなく感じられてしまいました。詩子が最後に思い出したのは結局、事故のせいなのか実際に浩平が帰ってきたからなのか。作品全体通しても伝わってくるものが曖昧模糊です。
文章では心情描写だけではなく、周りの情景などの描写を交えて表現する方がよいと思われます。
- 04 いっしょに。 (採点:5)
- それなりのレベルにあう作品であることはわかるのですが、私にはちと肌に合わない所が。
どこが、というのをピンポイントに述べることも出来ません。本当に申し訳ない。強いて言えば澪のキャラ立てかもしれませんが、うーん……
- 05 また明日 (採点:4)
- 読者を萌えさせようという意欲が伝わってきました。
ただ、少々ありがちなネタばかりだったのと、一つのネタの容量が大きかったのでテンポが悪かったです。もう少し、本編であるようなギャグを交えた軽妙なやりとりを挟めばよかったかも、という気がします。なかったために、あまり七瀬らしい浩平らしい、という印象を受けませんでした。
ほのラブからシリアスへ途中で転換してますが、伏線の立て方が雑だと感じられました。
> …俺は、あれ以来すぐ人に頼るから…
>「折原?」
>「っ!」
> ……危なかった。
> 七瀬の声がなかったら、今度は俺がしばらくあっちの方に行ってしまうところだった。
後半に差し掛かるまでに伏線がこれ一つ、というのは少々弱いかなと。そしてシーンとしての説得力もない。今現在こうして指摘させていただいていますが、実際のところ「伏線じゃなくて他の意味かもしれない」とさえ思っています。
- 06 It's possible to think of you. (採点:2)
- うーん……
ううーん……
伝えたいものを伝えようとするとき、ただキャラクターに心情を吐露させるだけでは伝わりません。好きだ、という言葉を連ねすぎると陳腐に感じてしまうのと同様に、一つあたりの思いの密度が薄まって感じられます。
スタートからピリオドまでそうでした。
結局誰だったのか、それを明言しないまま終わらせたのは何かしら意図があってのことと思いますが、あんまり意味がない。カタルシスには全く繋がりませんでした。というか全てのカタルシスを打ち消していました。
キャラクターのリアクションに細々とした疑問符がついたりも。例えば、キャッチセールスだからといって全力で逃走を図ろうとする人がいるのかと聞かれれば……
初めて会った氷上に同調できるのも、どうかと。キャラクターが明示去れていない分余計に。
全ての言葉は「誰か」がいった言葉だからこそ意味を持つはず。ギミックとしての可能性は無きにしもあらず、されど活用できずじまい、と思いました。
失礼ながら、実直な文章を書かれている分、もったいなさは今回ナンバーワンやも。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:4)
- 無礼を承知で言わせていただくのなら、一文の技術に頼ってばかりで前後との関係が曖昧な、脈絡を失った、勢いだけだったり綺麗なだけだったりする描写が多すぎました。書き手としての自分からちょっと離れて、ただの一読み手としてチェックを入れる作業が少々足りなかったのではないかと邪推いたします。
いくつか例を挙げさせていただくのならば、みずか登場以降のセンテンス。
・>雨の音にかき消されてしまいそうな声量が、何故か胸に通る。それはその主から発せられる、空間がひび割れる様な重圧を確かに感じるからだ。
・>みさきは理解しようと必死だった。考えろ、と強制させるような何かを、声が放っている。
・>無碍にしてはならない、そう思った。
など。
トンカチで叩いた後、ヤスリで削る作業をしなければ読者の胸を刺すことは難しいかと。シーンと読み進めている読者との間の温度差、とでも呼べばいいのでしょうか。3人称であるのに時に1人称に近い描写を用いていることが原因の一つとも思いますが、構造上の欠陥とは思いません。
内容においては、みずかとの対談が特に目ぼしいものがなかったのが厳しいかと。和解する過程での会話が、やはり説得力不足。えいえんについての論評全体が蛇足とも感じてしまいました。
みさきのシャウトは好きなんですけど。最近のレトルトカレーはー!
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:8)
- 面白かったです。点数つけないまま、面白かったで終わらせたいと思いました。
何も考えないままただ読んで楽しんで終わる。そんな作品、と書くと語弊があるかもしれませんが、そう感じたのは確か。
つまるところ、ノリとテンポで読者を引きつけるセンスはお見事、なのですが、下手に永遠や死などを語るよりも重いものとして伝わってきたのはひとえに表現力か、と。自省すら。
最初から最後まで一息でしたん。
読んでる途中では、最後の浩平の長台詞は蛇足だろう、とも思いましたが大変重要な要素だったので納得。
もやもやした読後感のまま、もやもやっと感想を書いて終わります。
- 09 生徒 A (採点:5)
- 序盤でちとノりきれてないような気がしましたが、ラストにかけてまでそれを逆転することは出来なかったかなと。
七瀬へ移行する瞬間もちょっとどうかとは思いましたが、そこはテンポで誤魔化せたかなと。でも気になる人は気になるだろうとも。
これが完成形とは思いません。序盤中盤の伏線は消化したけれど、昇華できたとも思っていません。タイトル以前の冒頭シーンの孤立が足らなかったかな、とも。だから「何だか変な話……」で終わったしまいました。
もっとも最善の形での威力の大きさが想像つくだけになんだか残念。
- 10 プラスティックフラワー (採点:2)
- 広瀬さんの台頭がちと唐突だったので、キャライメージを掴むことが出来ないままで少し混乱しました。うーむ。そして、ストーリーとしても少し都合が良過ぎ、とも。
「ただ単に気に食わないから苛めたのよ!」
ではなかった。恋愛が絡んでいた。
この展開でいくのならば佐々木の視点ではなく、広瀬視点を早いうちから導入しておくべきだったと思いました。
いや、違う。
というより根本的に、これは広瀬の話だったのか七瀬の話だったのか。どちらかと問われれば私は広瀬と答えます。つまるところ一から最後まで広瀬視点で絡めていけばよかったかな、と。今現在の私にはそれ以外の解は見当たらなかったりします。
- 11 なついろとみさきと (採点:5)
- 「花火、実況中継してよ」
この言葉、嬉しいですねえ。
されどコンペ。
この展開で、あともう少し捻りというか、何かが欲しかったです。
例えばやはり、ギャグ。軽妙なやり取りで読者を楽しませつつ、ラストまで持っていけたならよかったのですが。あと浩平が純情すぎないか、とも。
全体的に尺が短い。足りないとか多いとか感じはしませんでしたが、全体の厚みを増やしてもいいのではないかと。20キロまで伸ばして作品の完成度をさらに整えたのなら、もっと上に食い込んだ、という気がいたします。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- 「みさおなのかみずかなのか。実はみさおでした」
おねをプレイした人がこのネタでサプライズを感じないのは無論なのですが、作者様はそれに期待したのか否か。私的には「期待していなくても一応やっておくか」といった具合かな、と感じたのですがいかが。まあどうでもいいことではありますが。
バッドエンドだよなあ、と。これを明確なバッドエンドとして描いて頂けたのなら好物だったのですが。
猫かわい。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- 「遅れて、ごめんだもん」
センスに脱帽。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- 茜が浮気を疑う。
でもよく考えてみれば、説明すればそれだけで済むよな、と思ってしまいました。浩平は一体ナニをしていたのかな、と。
みさき先輩が出張ってくるほどの事件なのか、と問われればうーん、と。派手な方がいい、というわけではありませんが、やっぱりもっと凹まないと復活したときの輝きが色あせるかな、と。
ボリュームや起伏は少々物足りないと感じましたが、話としては綺麗にまとまっているかと。最強の呪文も出ましたし。
「女の子同士の秘密ですから」
頑張れ浩平。
- 15 桜散る (採点:6)
- ラストの誤字はやはり避けなければならないところの一つですね、残念。
長森の心理を丁寧に書いてくださったのは嬉しかったです。そして最後の一文の破壊力はごっつかったです。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- やってくれたなっっ。
恋愛にぐだぐだなリアリティつっこんじゃったなあ。でもロマンを捨てれなかったんだなあ。
「愛があれば他には何もいらない。けれどそれだけで生きていくことは出来ないのだ」
「愛を取って心中するか。愛を捨てて生きていくか」
うーん、月9じゃないけれどドラマには違いない。
あえて言うけれど不満があります。
涙を流しながらの会話を読点で表すのは陳腐だし、好きと愛しているはもうちょっと減らしてもいいかな、と思った。怠惰に溺れている感じは好きだけれど、あと一工夫何かほしいとも。最後の二行は正直もうちょっと何とかできるんじゃないかと思うし、改ページで戸惑う読者いるのでは、とも。あれで終わってもいいわけだし。
しかしそれでも、
「きっと、その日の前日も俺と茜は〜
〜現実が始まるのだろう。」
を書いてくれたことに感謝。
色々と文句を書いたのは悔しいからだっっ。てことで一つ。ごちそうさま。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:9)
- こう、ね。なんといいますか。
多分に私事で申し訳ありませんが、みさきで話を考えて断念した節だったりします。で、なんだかなあ、私がやりたかったこと全部やられてました。自分が読みたい、書きたいと思うような作品をバチッとキめて書かれたらとてもとても嬉しいな、と。
弱さと弱さ、強さと強さの交感が見事でした。見せ所と見せ方、表現の節度を十二分に御存知の模様。障害というテーマは非常に重い、ですがONEのSSでは比較的安易に手を出しがちになるかと思うのですが、障害者と障害者の垣根を、しっかりONEの枠組みの中で描かれたことに拍手を。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- 話全体において雑とさえ思ってしまいました。オチで面白さを得ることはできませんでした。オチ重視の作品なのにオチを外してしまった。点数の理由はそれだけです。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- 一応、本編の年代設定がミレニアム以前なので、光通信やブログというのはちとどうなのかと。細かいようですが。
「……さようなら、オメラス」
このセリフは非常に良かった。むしろここで終わらせてもいいくらい。ただ、始まり方や途中までを考えてブログで終わらなければならないのは確か。
みさきが台詞を言う。みさきに台詞を言わせるために澪が劇を一人でやる。
んー。
私は割りと感情移入して読めたほうなのですが、もし途中で冷めていたら、と考えると怖い気もします。浩平の役どころが実に曖昧で、話の中でただのパーツとして扱われていたことにも不満を感じます。
あと劇進行の端折り方も、綺麗に決まっている、とはいいがたい。
>「オメラスという街を知っているか?」
> 浩平君の声だった。がらんとした体育館に凛と響く発声。
>「オメラスという街を知っているか? 南の海のかなたにある街だ。白い大理石で作られ、燃樹が茂り、とても美しい。オメラスには不幸は存在しない。貧乏人も病人もいない。とても美しい街だ。正しい街だ」
このパートを冒頭に持ってくるなりといった、構成に頼ればどうにかなるとは思うような気もしますが、それではブログを崩してしまいますし、そも相容れるには難しい要素ではないかと>日記叙述と劇 というわけなんだけど、という浩平の台詞からの繋ぎ方は上手いと思ったのですが。
以上です。
ゲド戦記しか知らないですいませんです。 〆
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- おちてないよー。一体何だかよくわかりません。
正直な所、最後の台詞「ダメだこりゃ」がフィットしてしまいました。
詩子さんが出てきてテンションが上がってきたのですが、特に何もないまま終わって肩透かし。澪たちが出てきたまた何か始まるのかと思えば肩透かし。個人的な見解では、肩透かしを食らう、というのが最も大きな減点対象です。肩透かしを意図的に繰り返して、一つの作品として面白く出来るというような気もしますが、これはそうでもない。ダメでした。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- 汚名挽回が意図なのか意図してないのか。読者が迷った時点でやっぱりそれはアウトかなと。減点対象とはしていません。
下で辛いこといってるようですが、好きな話です。高い所であるということと飛べるということと、母と恋人の姿というキーワードたちは全部入ってきました。以下はそれを踏まえて。
後半の疾走感が見事。前半のもたつきを挽回、とまではいかなかったところが少し勿体ないかなと。文章自体に辟易した、というわけではありません。文章とストーリーの魅力が合致しなかった、と思いました。簡略化されていく後半はすきなのですが。
寺山修司氏の引用箇所ははっとするものがありましたが、引用でもって加点とするのは私はよしとしないのでこの点数に落ち着きました。お見事なのは確かなのですが。
- 22 Luminous (採点:5)
- 容量足りなかったのかなとお見受けしますが、削れそうなところはまたいくつかあったようにも。
みさきが図書館を求める理由に関して説得力、というか見せ方が悪かったと思います。なぜそこまで求めているのか、と読みながらストーリーに対して疑問を持てなく、ただ何となくわからないだけだったので、キャラクターの感情の振幅についていけませんでした。
丘の上の消える図書館も、材料をしっかりと料理することなく、曖昧なままで終わらせて消化不良でした。わからなものをわからないままで、というのは嫌いではないのですが……図書館ネタと、浩平みさきの関係、その二つの要素がどっちつかずになってしまった気がします。その二つがもっと綺麗に繋がっていたのなら、と残念に想いました。
描写。美しいシーンとはわかりますが、読んで楽しめた、とまでは。感情移入して読みたかった。悪しからず。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- 理解は出来るけど共感できない感情の変化が多く見受けられました。
最も大きかったのは茜の進学拒否です。確かに、理由を並べてみたのなら理解はできるのですが、納得したり共感することは出来ませんでした。短いからからもしれませんが。
青春している友人たちには好感。ただもったいぶって出てきた解決策が転校、というのはいささか期待はずれ。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:3)
- 序盤から理解するには難しい文章が多すぎました。私自身の読解力不足もあるでしょうが、それを卑下する気もありません。読むために最適なリズムは途中から掴むことができましたが、理解することを完全に拒んだ文章はちょっとばかりどうなのかと思ってしまいました。
幼さを端的なものとして帰結させてしまうことに、たびたび疑問符。完全にカテゴライズしてしまうことをちょっと苦手としているからでもあります。
ストーリーはまたも難解。序盤は文章につまづき中盤からはストーリーにつまづきました。
幼年時代、本編から逸脱した原因が一体何なのか。母と妹が死んでしまったことだ、というのは本編と違いはないと思いますし、グリーンフラッシュ一つに帰結させてしまうにはムリがある。そして時代が移って、浩平がいつどのタイミングで昏睡したのか、本編と同一時期なのか、永遠とは違うのか。そのフォローなく、また目覚めることに対してもよくわかりません。本編とリンクしているのでしょうか、ただ単に長森の献身からの奇跡なのでしょうか。
全然わかりませんでした。結論的、断定的な文章が散見されましたが、やはりフォローが少ないので理解できません。理解できないまま先に進んでも、理解したことを前提に話は進んでいるようなので楽しめませんでした。
- 25 ひとつの物語 (採点:8)
- 後日談としてはほぼ完成しているレベルかと。読んでいても大変面白かったです。読み進めながら、こうあればいいなと思った展開をそのままキチンと畳くださいましたね。奇をてらわずに、あるがまま正攻法で書いていくというのが実は一番好きな形態。
ただ途中の不良たちのキャラ立てはどうかな、と。やりすぎとかテンプレするので、正直冷めも。
ただそれを差し引いてもいいな、と。
これは浩平の物語だったし、茜の物語だったし、もちろん留美の物語でもある。そしてしっかりと瑞佳まで書ききって、それぞれの現実が今からキチンと始まっていくのだ、という予感を感じました。
3位くらいには入る予感。
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- 雪さんがかわゆー、でした。
冒頭の一文とラストの一文の対比も好きです。中盤でもっとこねくり回してほしかったな、と想いました。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:6)
- 途中までほのぼのしたお話だったのですが、茜の衝撃発言(?)からの転換がちょっと。最後までほのぼので攻めて頂きたかった気がします。
しかし王道。読んでて和んだのは確か。
でも茜はエロネタはいってもシモネタギャグは言わない生き物なんですよっっっ(握りこぶしに血管
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:8)
- 平和。そしてらびゅーん。予定調和を予定調和のまま終わらせる話は好みです。
茜が可愛かったです。ストーリーにピッタリはまった描写。幸せな予定調和。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:3)
- ちょっと作りに難を感じたのは、伏線を消化するという手順をあまり踏んでいないから、だと思います。後半のみさき先輩との会話がメインなのであれば、前半からでも伏線を張って置くべきだと感じました。フラグというのは非常に重要な要素だと考えます。
ギャグやコメディ要素はネタの練りが足りないな、と率直に感じました。
- 30 『packaging replica』 (採点:7)
- 冒頭の読み出しはやや失敗気味な気が。本編では読ませることに関しては文句はないのですが、冒頭でやや不安を覚えたので。おおむね杞憂だったから、まあよかったのですけども。
長さはあまり感じませんでした、というのも台詞のテンポがよかったからです。そして長森が可愛かったからです。可愛いは正義らしいのです。おめでとうございます。
内容はあまり真新しいものではありませんでした。真新しくなさすぎて逆にいいのかもしれませんが、結局のところあっちの世界とどこでどう連結したのかしてないのか、そのあたりを明示できないのがONEっぽさではあるとも思うのですが、やっぱりちょっとぐんにょり。
瑞佳みずかみさおを、ぼやかしてしまう手法も、オチが予想できただけに威力はいまいち。
ただ、読んでて楽しかったのは確かです。ごちそうさまでした。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:4)
- 描写面。なんだろう、一度提示された、もしくはあらかじめ知っている情報を繰り返し表すというのをもう少し減らした方がいいかと(今回のコンペではこのような作品が多いようにお見受けしますが、と蛇足ながら)
あと独り言、というのも減らした欲しかったと思います。回想なども、ただ思うだけではなくストーリーの中で表現して欲しかったなと。
綺麗で美しいセリフの数々。でもどこかそれはどこかで見たような善人口調そのもので、真新しさは感じませんでした。長さの割りに内容も薄い。30キロに近づけようとして、そのためだけに足したような描写がいくつかあるように見受けられました。
タイトル前のプロローグのテンポは好きなんですけど、というかそこを読んで「おおっ」と期待が膨らみすぎたかもしれません。
- 32 蘇る少年 (採点:5)
- 好きな話です、と前置きしつつ。
氷上が正解を悟ったシーンが少し曖昧に感じられました。非常に重要な箇所だとおもだけに、肩透かし。病気で衰えていく様も、文体のせいもあるでしょうが簡略化されすぎているなと感じました。ここはもう少し丁寧にして欲しかったなと。
文章。読み進めていく分には何の問題もありませんでした。ディテール表現が弱いとも感じましたが。
ラストは美しい。ていうか氷上らしさ丸出し。そして浩平も。
それだけに序盤中盤で氷上ひとりっきり(というのはまあ仕方ないかもしれませんが)で味が上手く出てなかったのがもったいないな、と。
- 33 幸福論 (採点:10)
- 不思議なものを不思議なまま終わらせた感性に感謝を。
思わせぶりで、何かしらの意味がありそうで、その意味がはっきりと像を結ぶことなく消えてしまう。散漫で、ちりぢりになっていく素材はガラスの破片のように綺麗でした。思わず手を伸ばしたら指先を切りました。切れ味まであるのかよこの描写。
崩れてしまった灯台。けどその砂はいつかどこかへ届くでしょうか。でもきっと、届いても届かなくても意味はないのでしょう。一番大事なものはもっと他にあるという確かな予感。
ラストの涙だけが、納得いきませんでしたが、それでも10点。
- 34 time goes by as change (採点:4)
- 途中までは……んー、勿体ない。永遠についてや浩平のことについて、一年間ひっくるめて全部説明するシーン。あそこで、失礼ながらぐったりしてしまいました。説明しなくてもわかる部分を説明する、というのはやっぱり読んでて刺激がないもので。
細かいですが、告白されたあとの浩平のセリフが冷めすぎてて、ちとむっときました。
ひどいやつだ。
雨を予感して傘を持ってきた茜は、なんだかいいシーンなのですが、やっぱりあの説明の後なので。
- 35 それでも生きて (採点:3)
- >優しく押しつけがましくならないようにとみさきは気を遣っている。
すいません、押し付けがましく感じてしまいました。キャラクターの違和感が払拭されないまま読み進み、読み終わりました。達観しすぎているみさき。浩平もなんだか浩平らしくない。
ストーリーの構造を俯瞰してみると、折原母の感情理解が決定的に欠落している箇所があります。
『夫喪失時の絶望。それを癒す子供たち』
『入信。みさお死亡前後の献身』
前者と後者の間がスッポリと抜け落ちています。端的にいえば再びの絶望。
家族愛を美談としたのは良いのですが、一体なぜ宗教にはまってしまったのかわからずじまい。ラストシーンで癒されている折原母は希望に満ちているようですが、実際はその数年後、みさおが病に臥せったときに再び絶望して、結果的に自我を失ってしまっています。ある意味これはグロテスクな希望の与え方であって、かりそめの美談の裏で再び暗黒に落ちてしまったその後の彼女の姿を思わずにはいられません。
23キロ弱ということなので、まだもう少し書き込めたと思いますが。
前後半の力の入り具合を見ると、ラストの家族の抱き合うシーンありきで書き始めたように何だか思えて仕方がありません。そのみさき先輩なんかは、その動機付けのための舞台装置の一つに思われて仕方がありませんでした。浩平を促すためだけに存在しているような。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:4)
- うーん……
氷上とみさきの出会い。みさきの記憶に揺さぶりがかかったときに、それを指摘する氷上。
ただそれだけ、というのはあまりに寂しい。要素がまずこれだけだった、というのが本当に寂しい。終盤からラストシーンに至る展開は相当な疾走感があっただけになおさら。
読者と作者との間に設定に関する前提認識のずれがあるように思えました。そのあたりを丁寧に、しっかりと埋め込んでいって欲しかったとも思います。
蛇足と思えたのは氷上とみさきの会話全般。既知の情報の単なる羅列は読者の飽きのもと、と愚考します。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- 私事からですいませんが、私が何かを書く場合、基本的にワンセンテンスを簡略化していくことに重きを置いています。いやまあ、特に理由もなくそんな書き方を今までしてきちゃったわけですが、まあナニがいいたいかというと、いやあ、長いのもいいな、と(笑)
長い文章。雰囲気に埋没していけました。ただそれゆえ、何かしらのストーリーの幅を期待してしまっただけに、残念とも。鬱々とした序盤の雰囲気から、はっとするような展望が開けていたのなら、と。「30キロで展望云々……」と自分で出来もしないお願いをしていると思いますが、読んでて期待しちゃったから仕方ないのですっ!(開き直り
ありがちといえばありがち。しかし、雰囲気や描写で他の作品と一線を画して頂いてその点はありがたし。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- ほのぼの。嫌いじゃないです。むしろ好きです。わはー。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:3)
- ああ……弱いな、と。
一つ目は、自殺を選択するまでの道程が弱いということ。視覚障害者としての己を拒み続けるみさきまでは良かったのですが、倒れている人を放ったらかしにしている世間、というのは陳腐すぎるかなと。道路の真ん中で嘲笑にさらされることによる絶望、とはいえ中々どうにも、弱い。
二つめは後半の描写。明らかに減っています、前半と比べるとどうしても違和感が。しっかりと書き込んで欲しい場面がいくつかあったにも関わらず、薄いというのはどうにも厳しい。
三つ目はオチとそれまでの流れ。視覚障害者は世界の助けを必要とするが、世界は必ずしも視覚障害者を必要としてはいない、ということを考えてしまった、ということだと思うのですが。そこはあえて明言しても良いのではないかと。オチはインパクト足らず。
総じて、ダークと呼ぶには差し支えない材料をそろえつつも、全般的に厚みが足りなかったりネタが不足していました、というところです。
- 40 あの人 (採点:2)
- 伝えたい、表現したいとい思いはそのままでは中々伝わりません。【面白さ】や【楽しさ】あるいは【目が離せない】といった読者をひきつける何かが必要なのです。気持ち、その先にある表現力。この物語に魅力を感じなかった最大の要因は、そこなのではないかと。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- あー、これがいわゆる世間様で言うところの「ツンデレ」というやつですか。
初々しくて可愛いー。
全体の厚みが足りない、と感じました。容量には余裕があるようなので、単純にネタ不足だったのかと。
どちらかというと、一つ二つのエピソードに絞ってまとまった中篇一本に仕上げてほしかったな、と想いました。
- 42 ありがとうを君に (採点:3)
- 特に真新しい題材を用いず、これといって新鮮な調理法もなく、ただ淡々と終わった永遠=みずかとの訣別。
それはただそれだけであって、やはり弱い、という印象を。
似たような題材がたくさんある中でやはり埋もれてしまいました。
密度が薄いので何かしらの思いをつむぐこともありませんでした。最も気になったのは、みずかがただ浩平の一言で納得してしまったことです。ただダラダラと言葉を連ねればいいというものではありませんが、浩平の一言にそれほど大きな説得力も感じませんでしたし。
やはり、弱かった。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:4)
- うーん、チグハグ。練りこみ足らず、というのがやっぱり大きいような気がします。序盤の二つの複線がピシッとラストで決まった、とはいいがたい。住井や茜や七瀬など、膨らませそうなネタは散見できましたが、ふくらみが足りなかったという気も(住井とか)端々のテンポは好きなのですけども。
- 44 髪弄り (採点:4)
- なんだろ、2,3回読み直してタイトル直後のパートの意味がいまいち掴めないのです。それだけではなく、他にも理解がおっつかない箇所がいくつか。長森をだしに使う禁じてとか、意味はわかれども何だかよくわからない、といった。
もろもろの細かいシーンでそういった、自分にはよくわからないキャラ同士の掛け合いというのが見られて、結局のところよくわかりませんでした、という感想に落ち着いてしまいました。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:5)
- 林原! 宇宙を飛び回るセクシーダイナマイトな林原じゃないか!(あいさつ)
うーん。
中盤からラスト手前までの会話がどうにもチグハグだったような。リズム一定だったり起伏が少なかったりと、ていうかそんな問題じゃないような気もしますが、なんだか決め台詞も来ず。詩子の造形があんまりしっくり来なかったせいかもしれませんが。
冒頭のシーン、イメージはきれいなのになぜか躓いているという印象。案外真ん中に配置したほうが良かったかもしれません。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:2)
- うーん、なんだかなあ。
わけのわからなさが面白さに直結することもなく、はっきりいえば滑ってます。ライドオンできなかった私が悪いのかもしれませんが。
- 47 雨に祈りを (採点:5)
- やりたいことが何かはわかります。それが出来る実力があるのもわかります。
あなたがそのレベルに立っているからこそ、ちょっと偏屈な意見を述べさせていただこうかと。
不満として一番大きかったのは、小学生ということを諦めて欲しくなかった、ということです。
キャラクターに沿うより先に作者の言葉が出てきている、と感じました。一般論としてその是非を問うことは難しいですが、この「雨に祈りを」は三人称で書かれています。そして比較的「深山雪見」というキャラクターに近しい位置で語られた、三人称であります。ゆえに、並べられている言葉は作家が発するものと読めますが、雪見の発するものとも読め――どちらをメインで書かれたかはわかりませんが――結局の所小学生という年齢設定があるかなきかの如くなっています。
完全に記号化された幼さというものを求めているわけではありませんが、高望みしているとは思いません。
淡々とした事実の列挙がリアリズムに直結するというのは私も同じく思うところですが、書き方があまりに実直すぎるのではないかと思いました。上記でも述べましたが、どっちつかずの三人称が文章自体の勢いを失しているのではないかと愚考します。逆に、ラストで雪見が手を合わせてからの場面は彼女の心情にひどく寄り添ったもので、言葉の端から力を感じます。
キャラクターが語ることを至上とは思いませんが、三人称である場合は作者の心情というものがより出るべきではないかと思います。言うならば、作者の目からモノを見る雪見は彼女ながらの感情を伝えることは出来ず、雪見の頭上から俯瞰した作者の目では雪見の前で展開される事件を事実以上のものとして伝えることが出来なかったのではないかと。
それが明確に現れたのがみさき死亡の報せと、葬式のシーンです。
何も感じないという雪見の心の動きの中で、みさきの遺影までもが列挙される単なる祭壇の道具と同列に感じてしまいました。小学六年生の深山雪見の精神は、はじけることはなく、どこまでも沈鬱するわけでもなく、舞台装置を前にしてどこまでも静観を決め込んでしまうけれど、そこに読者を突き動かす何かしらの力は見えず、読者である私は雪見以上に、事実を事実のまま鵜呑みにする以外に出来ませんでした。
- 48 エロ本行 (採点:6)
- 今回のコンペで一番「浩平長森間の会話」が面白かった作品。ただ中盤でちょっとダラダラしすぎたという感じが。回想多すぎたのでは。どこ歩いてるのか途中でわけわからなくなったり。心地よい散漫のラインをいささかオーバーしてしまいした。このネタならもうちょっと絞っても良かったのかもしれない、と。
- 49 輝く季節へ (採点:4)
- 最初のパートで名作の予感がしたんですが、そのままズブズブと沈んでいきました。なんでダメだったのか、三度ほど読んでみて覚えた感想を。
構成を錯綜させてる場合、大事なのは読者への情報の提示の仕方だと愚考します。ある意味デジタルに要素を積み重ねていくという作業が必要なのではと。提示する情報と隠す情報、で最終的にどこに行き着くかの計算式が弱かったと思いました。
現実世界では折原浩平はベッドで昏睡していた。ゲーム本編は実は浩平の夢だった。そこまではおーけーとして、じゃあ、あのえいえんはどこ? という根本的な疑問が解決されないままでした。両側の世界を開拓したのなら、その間に横たわる永遠にもメスをいれずには疑問が払拭されきれません。
昏睡してた現実と、夢の中がリンクしてたのはわかりますが、わかっただけであって読んでる途中に説得力を持ってぶつかっては来ませんでした。
マトリックス設定の暴露も読者を置いてきぼり。そもそも推理するだけの情報がなかったので謎解きでの快感もありませんでした。
あとは単純に浩平の立ち位置がはっきりしなかったのがアウトでした。悪役に徹しきるか情けない役になりきるか、時間の流れに誤魔化したままなのはいただけません。そこを明確にしないと感情移入が出来ずじまい、ということに。
「彼女がどんな人なのか知らない。だけど、長森って苗字はね、君の――」
お母さん(で合ってるはず)だったことにサプライズ。このネタには可能性を感じただけに残念。
4点というのは少しキビシ目です。可愛さ余って憎さ100倍の精神です。何度か読み返して、読み返すたびに少しずつ評価は上がったのですが、ファーストインプレッションで点数をつけるのも良かろう、と思って4点のまま。そういう読者もいるものと思って諦めてください。だって悔しいんだもの、なんだか。
「僕を裏切ったんだ!」
勿体ない。
- 50 遠きあなたに (採点:2)
- モノローグというのはやはりどうにも。
改行が多すぎなのは何だか読んでて集中力が途切れ途切れになるものです。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:6)
- うーん、知識をひけらかすキャラクターはあんまり好きじゃないんです。
どうも肝心な、絵を描いているシーンで共感できなかったというか、広瀬が何だか知ったかぶっているように見えてしまいました。
なんでだろ。好きな作品、好きな画家を容易く連呼し続けているからかもしれませんが。
雰囲気は嫌いじゃありません。浩平ひどいやつだな、と思わなくもありませんが七瀬が好きだったら仕方ないですね。
浩平がいい感じに恥ずかしかったです。ウブが素敵。
- 52 演劇部の伝説 (採点:9)
- む。
むむ。
部活人間だったものとしては票を投じねば。
いやあ、OBって強いんですよねえ。本当伝説が残ってるって感じで。たまにOB会とか出席しても、なんか貫禄が違うっていうか、自分たちの方が成績が良かったとか関係なくて、ごっついんですよねえ。そういうのがある分、自分らも後輩にはしっかりした姿を見せないと、という気概を持ったり。いやあ、実際顧問とコーチもOBだったしなあ……懐かしい。
何の話だ。
楽しみました。わくわくした。グッジョブでした。そして好きです。いい感じ。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:5)
- 会話とネタのバランスが不味かった、というのが第一印象です。
ぶっちゃけてしまうと喋りすぎ、心理描写多すぎ、ということになるのでしょうか。色と心理描写の兼ね合いは素敵なのですが、長々と続くので食傷してしまいました。短さに美しさを感じるタチなもので。
要素と容量のバランスは大事です。このネタならば20キロくらいでもよかったかもしれません。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- 強烈。ただそれゆえにラストをセンチメンタルに締めてしまったことが惜しいし、悔しくもあります。
長森の、ある種狂気に近い愛情が、なぜ最後でぼやかされたのか。
むー。残念。
- 55 ラブレター (採点:6)
- ほのぼの。ローキックはバネだ。最短距離で弾け。
楽しんで読めましたよ。けど澪が先輩とコミュニケーションをとろう、と思うところでもっと切実さが欲しいな、とも。
- 56 “ろまんひこう” (採点:5)
- 長い。20キロ以内に収めてほしかったな、と。
まあ、誰だか察しはついている、という(外れてたらすいません)
なんだか太っている、と思ったり。スリムアップしてほしかった。30いらない。20でいい。多分文句はこれだけ。
こーゆーネタは嫌いではないので、だから何だか要求は高くなっているのかもしれないけれども。
ダイエットしやがるんだ。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:5)
- 頑張る澪は素敵です。愛がみんなを動かすのも素敵です。それに世界が応えるのも素敵です。
だがしかし、肝心の演劇がすぽっと抜けてるもので、説得力は失礼ながら皆無でした。屋台骨が抜けてた感じです。
○まてつや さん
- 01 部屋の明かり (採点:7)
- ……1本目から、このレベルかぁ。まいったまいった。
文章自体が読みやすく、丁寧で雰囲気が出ている。端的に言えば上手い。
最後の一文が大好きです。
由起子さんのSSとして、違和感なく読めました。素晴らしい。
- 02 追跡者 (採点:10)
- こんな面白い状況を! とか言ってる七瀬を見る読者の我々が一番面白い状況でした!(笑)
つっこみどころ満載! 七瀬といっしょにわたし自身が読みながらツッコミまくり。いやー、楽しかった。
最後はオチにしてはつまらないのですが「そうなのかよっ!」ってつっこませられる意味では私的には問題なし。
一人目の満点持ってて下さい!
- 03 雨の中 (採点:3)
- 良い点・詩子が事故に合って、それからどんな展開になるのだろうとドキドキした。
悪い点・漢字をもう少し使って欲しいような気がしました。
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- 竹仙人さん、かなぁ? わかりません、違ってもご容赦を。
ちなみに「もっとよくさがせ」にかなり吹きました。
わたし自身が澪を書くのがヒロインの中では一番苦手ですので、これだけ可愛く書かれると、うまいなぁとうなるばかりでした。
- 05 また明日 (採点:10)
- か……可愛すぎる。
に、にやけっぱなしでした。頬が緩みっぱなしです。
こんなに可愛い七瀬が見れるなんて、作者さまの力量がすごい。
おかげで、最後のシリアスぽい終わり方が減点材料でしたー。9点。
と一読目は思ったのですが、このSSは今回のこんくーるではTOPレベルの好みだったので10点に修正。
二人目の満点をどうかお受け取りくださいませ。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:9)
- みさき先輩って雨嫌いじゃなかったっけ?(うろ覚え)
さておき。これはウケそうだなぁと感じたお話。
目のハンデを持っている先輩と現実世界と異世界の話は合うのだなと思いました。もちろん、作者さんの力量あってのことですが。
というわけで、わたしも吐き出して前へ進むのです。現実世界で生きるのです。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:9)
- ん、好きなトコと嫌いなトコが両方ともあった作品でした。
雰囲気作りが上手いですな。違和感はなかったです。
悲しいほどに、悲しいけど、わかるんだけど。
なんとかならんのかというもどかしさと切なさでいっぱいになりますね。
うん、好きな話でした。
もっと全体的に暗いイメージでこういう話は書こうかなと思ってたのが今回の自分のボツネタのひとつでしたが、これを見ると出さなくて良かったなぁと心底思います。
面白かったです。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 2人のハンデを書こうとするととても大変そうだなと思うのですが、これはいいですね。触れるライン引きが上手くて「いいなぁ」と思える作品に仕上がっています。
また、雪見のセリフがさりげないけれど、いいなぁと感じました。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- ごめんなさい。
わたしの負けですー。くわーくわー。
くわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
ナイス椎名SSでした。
- 25 ひとつの物語 (採点:8)
- 1年待っている間のSSというのは今までもそこそこ読んだわけですが、これはいいなと思いました。
最初は前向きなのだなぁと思っていたら、圧倒的な孤独に対する逃げであったわけですね。強かったけど、やっぱり心は折れそうだったのですね。
苦しさが伝わってきて良かったです。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:7)
- とても雰囲気作りが上手い。
ただ、キレイに作りすぎているヶ所やゲームからの引用部が逆にわたしを覚ましてしまいました。
しかし、全体的にみて、しっとりと幸せな気分になれた話でした。
良かったです。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:7)
- 予想外に面白かった。
なるほど、怪我をしてそっちの話になるのですか、深すぎず浅すぎずさらりと良かったです。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:10)
- ぱちぱちぱち。
今回のこんくーるではじめて涙出そうになりました。
ブラボーです。何か具体的なことを触れるのが無粋になってしまいそうです。
ですから、どこが良いとかはまた感想掲示板が出来てからにさせてください。
えがったっす。
ぱちぱちぱちぱち。
3人目の満点を進呈致します!
- 35 それでも生きて (採点:10)
- 由起子さん大フィーバー!
うおおおおおん、由起子さんすげぇよぅううう。
いろいろ苦労があったんだろうけど、それを全く出さずにこの日のために考えていたんだろうなぁ、さりげない優しさが、大人のステキな人に見えました。
ブラボー、ブラボー。
4人目の満点、あなたにさしあげます!
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- わーい、広瀬SSだー♪
広瀬を正面から、シナリオに沿った。ないし、イジメに対する理由みたいのを広瀬を書こうとすると2分の1くらいで避けられないわけで、その辺は比較的うまく処理したなぁと感じました。
ご苦労様でした!
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:8)
- こいつは、いいですな。
まずは序盤の自然な部分です。会話、展開、とても良い。
ビデオレターという言葉が出てきて、いい題材だなと思いながらも予想以上に自然に楽しく有効に生かしてらっしゃるのが素晴らしい。
中盤までの素晴らしさのせいか、私的には後半はパワーダウンした感じでした。
とても良い作品だと思いました。
わたしの勝手な予想では上位に食い込むと思わされた唯一の作品でした。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:7)
- 貧乏学生っていう設定がなんかちょっと面白かったカモ。
というか、広瀬が出てきて満足ばい。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:9)
- なんてぇトコを突いてくるんだ、あなた様は。
浩平を待っている1年の一部を切り取って、それを書くSSは多々あろうが。こういう題材と話を持ってくる辺りに凄さを感じる。
きっちり詰まっている字を苦もなく読めた。むしろ画面にかじりついた。
しっかりと書かれていた。
- 55 ラブレター (採点:7)
- オチがなかなか好きだったり(笑)
澪の点字ミスはなくとも作者様のミスはちらほらありましたねー、などと皮肉も加えつつ。
楽しく読めました。
○みちやづき さん
- 02 追跡者 (採点:10)
- GJ!
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:9)
- 凄い作品だなぁ。言葉ではちょっと感想を言い表せないです。
会話のテンポは凄く好みでした。
- 33 幸福論 (採点:9)
- 出だし素晴らしく、最後までそれを持続してくれた作品でした。
二人の会話が非常に面白く、カメレオンの小道具、話の構成も良かったです。
同じ二人の物語を投稿した作者としては、「参りました」のひと言を。
- 34 time goes by as change (採点:9)
- 文章も会話も構成も上手いと思うんです。
けど、前後編の前編だけどを見せられた……という気持ちも。
最終ページなのに『次ページへ』を探しました。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:7)
- 捻くれた作品。
私はこういう作品を描かれる人にひとり心当たりがありますが、
作者当ては外すと恥ずかしいので回避。
作品の感想「大嫌い!」
- 50 遠きあなたに (採点:10)
- うわわ。凄いですね、これは。
単調に進む物語でしたが、物凄く惹き付けられました。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:10)
- 上手いなぁ。面白かったです。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:5)
- 単調かな……。
澪の心情ほど難しいものはないと思いますが、
物語が表面的なものに見受けられました。
○みのりふ さん
- 17 重ねた手と手の中に (採点:10)
- 今回の中で一番大好きでした。
素敵な作品をありがとうございました。
○りょと さん
- 01 部屋の明かり (採点:8)
- すごいすっきりとした話でした。30Kとして過不足なく、焦点を絞ってよく書けていたと思います。話としてもとても魅力的で楽しかったです。
問題点を挙げるとすれば、少し薄い気がしました。深刻な心情を描いている時も重々しい空気が感じられなかったり。
- 02 追跡者 (採点:8)
- すっごいストレートな話だったので、
すっごいストレートに感想書きます。
好きですw
という前振りでちょっと真面目に。
キャラが少しおかしいかな、と感じました。最も違和感があったのは茜なんですが、こんなにテンション高くないかな、と。
瑞佳はやりすぎな気もしましたけど、好きです。
浩平はやりすぎでもないんで、好きです。
最後のオチは結構ありがちで、先輩出てきたところも結構ストーリーテンプレに入りそうなレベルなんですが、好きです。
つまり、好きってことです。ああもうかわいいなぁ澪! お兄ちゃんはかいぐりしちゃいそうだっ。て、澪かよ!
- 03 雨の中 (採点:2)
- モノローグって気がしました。作り上げたお話を、できるかぎり魅力的に伝える努力ってのは必要だと思うんです。盛り上げたりとか、逆に静めたりとかそういうの。
ただ単純に文章を重ねればいいってもんでもないんですが、確かに何もないよりはあったほうが何かは伝わりますし、折角なので浮かんだことをしっかり書いてみるのもいいと思います。あとは、勿論読むことも。ストーリーを展開することはできているので、表現力さえつけば、十分に楽しいお話が書けるのではないでしょうか。
あと、一応、採点には影響してないですが、行頭一字空け、三点リーダは二つで一つ、てのは基本なんで覚えておいて損はないです。それを減点対象にする人も、結構いるのでw
- 04 いっしょに。 (採点:3)
- 澪かわいいです。文章は非常にテンポに溢れていて、雰囲気に綺麗に合わせていてお手本にしたいくらいです。
けど、何を書きたかったのか、それがあんまりわかりませんでした。読解力がないのが恥ずかしいです。
ただラブって終わりじゃない気がするんですがどうなんでしょ。
- 05 また明日 (採点:5)
- 七瀬かわいらしい。キャラも素直で、普通に楽しく読めました。
けど、ほのぼのにするにも、本当に日常すぎて物足りない。何かしら出来事が欲しいなぁ、と思ったりとか。
- 06 It's possible to think of you. (採点:2)
- 文章は巧いですがそれだけです。書きたいこともわかりましたが、面白かったか、と問われるなら首を横に振らざるを得ず。
正直、こんぺじゃなかったら読みすらしてないと思います。エンターテインメント要素はどんな形であれ、入れるべきだと思うんですよ。書きたいことをただ書いた、だけにならない、他人と共有するためのちょっとした努力を、次回は見たいと思います。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:6)
- 文章センスは本気で羨ましいです。こういう文章読むとセンスあるといいなぁ、って本気で思ったりするのです。語感とか、リズムとか諸々凄く好き。
けど、内容は少々首を傾げました。なんだろう。意味がわからないまでもはいかないんですが、どうしたもんかと。
- 09 生徒 A (採点:7)
- ぶっちゃけ一番点数に悩んだ作品です。傑作な気もすれば、駄作な気もする。意味がわからないようで、わかる気もする。あー、まじわかんね。で終わりそうなのに、最後の「ああ、悪い。 退屈だったか?」でぐっとコブシを握っている僕がいます。
とりあえず、このこんぺの中で今のところ唯一、再読してみたいと心から思った作品でした。なんど読み返しても新しい発見がある気がするのです。それだけ、奥が深い。
- 10 プラスティックフラワー (採点:1)
- ごめんなさい。素で意味わかりませんでした。というか、おねSSじゃないですね。普通に考えても踏み台にしてオリジナル書いてる印象。おね臭が僅かでも感じられたらもっとよかったんですが広瀬もなんかキャラ違いますし。
途中の空行とダッシュはファッションだと思うんですが、正直僕から見たらあんまかっこよくは見えませんでした。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- ナチュラルにほのぼのだなぁ、と思いました。キャラSS、ってのに懐かしいなにかを感じてしまうのは良くないことなんでしょうが、こんな感じですのでごめんなさい。
内容が薄いです。何かしら、これを魅力的に見せる武器が欲しいと思いました。会話中のギャグとか、ちょっとした事件とか、やばいくらいの萌えとか。アクセントというか、垂れ流してるだけだと正直つらいです。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:4)
- 画期的な永遠! 割と肩透かしでした。前半はもっと何か凄い展開を期待させてくれたのですが。
文章は普通に巧いですしテンポもいいです。あえて収束させずに、意味不明系のままで終わらせても良かったと思います。何かしら決着をつけようという姿勢は高く評価しますが。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- >「遅れて、ごめんだもん」
狙ってたとしたら神。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- 丁寧に書いてるなぁと思いました。描写を重ねて、心情と雰囲気をしっかりと書いている。
物語の目的が、そして書きたいことが割とはっきりしてて、その目的に合わせてしっかり書いているのが好印象。
物足りないと感じた点は割と素直に話が終わってしまった事と登場人物がそれぞれ毒がなさすぎるというか、物語の中に適応しすぎていると言う事。嫉妬するとことかもっとやっても良かったんじゃないかと思います。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:4)
- えらいもん投げてきたなと思います。モラトリアムくさくさ。そして、それ以外に何かあるかというと、けしてそんなことない。
作者さんも狙ってやってるんだと思いますし、モラトリアムの倦怠感とか、不安感とかよく表現できてると思います。ですが、お話として面白いかというと私はNOです。おねSSかと言われると微妙ですし、例えオリジナルでも普通につまらない、で終わってしまう。なので、容赦なく点数つけます。どうしても、こういう話に高得点はつけられないです。
さておいて、知り合いっぽいので、他に言いたいことはまたメッセか何かで話します。過去作に準えて。
もし、まったく知らない人なら、マジごめんなさい。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 癒されました。いやなに?
素直にとてもいい話だと思います。話としても面白かったですし、それをきちんと過不足なく収める技量も見事です。素直に完敗だと言わせてください。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- うーん。なんて返したらいいのか。
やりたいこともわかりますし、ある程度狙いには収まってると思います。けど、それだけになってしまってる感が。
あと、小道具が割と安っぽいです。その辺もうちょいなんとかならなかったんでしょうか。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:5)
- 書きたいことは凄く面白い内容だと思います。ただ、日記を追っていく形でのストーリー展開は正直逃げを打ちすぎというか、お話をより面白く書こうと言う意識の上で、見せ場なんか書くにはあまりにも不向きであると言わざるを得ません。その辺の調理法の選択が私的にちょっと。
この形式だとなんだかんだで流れが一定になってしまう気がするのです。強弱も緩急もつけられない。容量の問題を解決するためなんじゃないか、とも思うんですが、その辺をしっかり勝負してくれていたらもっともっと点数も上がってました。
そして、最後にもう一つ。人のことはまったく言えないんですが、もうちょいいいタイトルはなかったんでしょうか。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- 基本的文章作法の勉強を、とか自分が言われてた事を前置きに。
なにを書きたかったんだろう。私が読んでいて抱いた疑問はそれでした。ラーメン食いにいく話としても、その割にラーメン屋内の描写がない。詩子が出張った意味もまったく感じられない。何しに出てきたんだろうという。
オチもアレでした。繭と澪はオチのためだけに出てきて、しかもそんな面白いオチでもなかったんで結構がっくし。
とりあえず、明確に何を書くのかということを考えてみると違うかもしれません。なぁなぁでそれっぽいの書いてもあんまいいもんできないと思いますし。
ちなみに、タイトルを見た時は「浩平が縄師の極意に触れるのかっ」とか、寧ろエターナル綱渡りとか意味わからんワクワク感があったんですが、まったくもって関連性なかったっすね。そういうのもありだとは凄く思うんですが。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 二人称文体は最初の頃だけに留めておいたほうが良かったかもしれません。登場人物が増えてくると違和感が大きくなるので。
しかし、物語としては素直に面白かった。力強く立ち向かっていくような空気を感じました。
繭ものに高得点つけるのは実は悔しいんですがw しかしながら、つけるほかないので。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:3)
- コメディだとしたら、もう少しネタを考えることに力を注いだ方がいいです。ネタは本気でギャグ的テンプレートに沿った形のものばかりでした。話としてはテンプレに沿っていたとしても、ネタさえきちんと頑張っていたらちゃんと魅力的に見えると思います。
文章のテンポは普通にいいです。ですので、ナチュラルにノリで書くことから一歩先に進んでみれば、自分だけでなく、より読者も楽しませてくれる話が書けそうな気がします。
あと、採点に入れてませんが、行頭一字空け等の基本的文章作法も勉強した方がいいです。それだけで評価下げられる可能性もあるので。
- 33 幸福論 (採点:10)
- 素直に面白かったというかグッジョブ。
なんというか、褒め言葉以外書けそうにないので感想短めです。
という訳で最高でした。
- 55 ラブレター (採点:6)
- 読んだ瞬間、まず思ったのが「うわ、俺くせぇ」だったのですが、それは置いといて。
自分もこういうの書くの好きなんで、読んでても非常に楽しかったです。コメディというにはほのぼのの比率が高かったんですが、でもほのぼのとしても十分に楽しめるものでした。
○るうたん さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- 由起子さん格好いい。
>なんてことはない、人が誰でも通る反抗期というやつだ。ご丁寧に人の記憶まで消して、あの馬鹿は家出をした。
とか無理やり理解すてるところとかも
- 02 追跡者 (採点:7)
- ある意味七瀬が一番ぶっ飛んでて楽しかった。
理由についてはひねって欲しかった。あまりに定番杉
- 03 雨の中 (採点:2)
- 詩子の事故が大して話の主題にからんできていない
意識不明時、澪お見舞い時、起きた後の茜の内面の変化を描写できれば全然違ったと思う
- 06 It's possible to think of you. (採点:2)
- 氷上の口調だとか饒舌だとか違和感だらけ。
いっそオリキャラ扱いか、あるいは氷上の名前も隠してしまってはどうだっただろうか。
- 09 生徒 A (採点:6)
- 混乱しました。
どうなっているのか解明しようとするより、この不思議な世界に浸ればいいのでしょうか。
- 10 プラスティックフラワー (採点:4)
- 告白タイムパートが思い切り浮いてる・・・
ここをばっさりカットした方がいいと思う。
作者としてはそここそが書きたかったところではないかと推測はするのだが(^^;
- 11 なついろとみさきと (採点:4)
- 雰囲気重視ならもっと情景描写が欲しかった。特に最期の花火のところ
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- ネタとしては定番すぎ。
中盤に茜の「おめでとうございます」で完全に読めてしまったのが残念。
そこが無ければ起承転結に沿った流れにのれて良くなったのでは
- 15 桜散る (採点:3)
- 致命的な所での誤字はおいといて・・・やっぱり主題の長森の心理描写が絶対的に不足していると思う。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- 堕落茜は何気に萌えた。
別れる事にしてから、永遠帰還当時の回想でも絡めてあれば良かった気がする。
「淡い心」については、考えずに感じましたw
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:3)
- ブログに自分や周囲の人の名前を出すのはあまり・・・w
素直に日記でよかったと思う。
ブログとというところから発想して出来たSSなのかもしれないけど
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:4)
- 最後に澪と繭がでたのは、全員出すため無理矢理?
なんか、お話ではなく作者さんのグダグダ感が伝わってきました(^^;
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:8)
- うまくまとまっているがちょっと硬い感じ。
三人称パートを二人称パートで挟むようにすればメリハリついたかと思うが、むしろ特徴が無くなるのでこれでいい気もする。
個人的ベストタイトル賞あげたいが、元ネタありそうな気がするので保留w
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- 詩子なら大学に入ってから、講義をサボって入り浸る・・・ような気がするw
浩平も茜を止めようとはするだろうし、親の問題もある。話の本筋からは外れる部分だがフォローが欲しかった。詩子が出した結論が納得できないものであるだけになおさら。
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- なんか小噺のよう。そんな風に見るともうちょっと内容絞っても良かったかも。澪が電話で話せない、ではなく電話することも忘れて報告に走って来た、でも十分だったと思う。
- 34 time goes by as change (採点:10)
- 浩平が茜を瑞佳のところに行かせた、茜が行った理由がよくわからない。
そこだけ詰まったが、茜シナリオでの瑞佳という題材がちょうど今現在の私のツボにピンポイントだった。
おねこんMyBest.
- 36 あなたの名前を知っている (採点:9)
- もうちょっと氷上の台詞を減らせなかったかなと思う。
みさきが自分で(仮定としてでも)気づく部分を増やして、氷上をその後押し程度(数言)にできれば・・・
終わり方は一番気持ちよかった。満足。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:6)
- 一旦救い上げて突き落とすという話として上手く書いてある・・・のだが・・・
結局、えいえんの世界に連れていたかれた、ではONESSとしては無難なところと思う。
ダークなら、もう一段深いところまで落として欲しかった
- 40 あの人 (採点:2)
- 私の脳内瑞佳とあまりにも違いすぎました。
それを吹き飛ばすだけのものも無く、瑞佳の内面がメインではこの違いが致命的でした。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- ビデオレターといわれて、タイムカプセルのような使い方は恥ずかしながら初めて知った。
というか、某からくりしか思い浮かばなかったorz
話の構成・完成度は、今回飛びぬけてたと思う。それゆえか、もう少しインパクトのある何かが欲しかった
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:4)
- 細かい指摘などは超時空に飲み込まれそうなのでいたしません。
単純に読んで楽しめたかどうか・・・すみません。いまいちでした
- 49 輝く季節へ (採点:8)
- 最後、浩平はどうやって行ったのだろう。肉体は病院でまた眠り続けているのか?
七瀬・住井が共通することから、それまでの部分は夢・えいえんではなく実際の高校時代の記憶でありその後浩平が数年眠っていて、七瀬と住井はなんらかの理由で嘘を言っている可能性も考えたが・・・裏の読みすぎかな。
全体的に良かったが・・・やっぱりタイトルだけはなんとかならなかったか。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- あんた、エロ過ぎw
長森の狂気描写への特化はお見事
- 56 “ろまんひこう” (採点:8)
- 後日七瀬が一人で飛ぼうとして墜落死するんじゃないかと読んでて思ったのは私が病んでいるのかw
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- 浩平を呼び戻すために劇にするというアイデアは良かった。
でも劇にするための準備や苦労を書くよりも、実際に劇の内容をやってくれたほうが良くなったと思う。作中作の形式で。
○アイナ少尉 さん
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:9)
- 最後の落ちは二人が出てきた時点で予測できてしまった。
メンバーがいかにも迷いそうな二人だったのが残念。
チェーンが外れたシーンとかは思わず笑ってしまった。
個人的に、住井と詩子が好きなので、
話の要の役として出てきて、ちょっと嬉しかった。
- 50 遠きあなたに (採点:7)
- 話の種がすごく面白い。
髪を切ったシーンや、何度も同じ話をするなど想いの強さが現れている。
だけど、詩子に自分を覚えているか確かめるシーンが、
あまりに短すぎたように感じる。
忘れられかけているのだからもう少し危機感があると思う。
だが、ここのシーンに限って言えば、
あまり長いと自分の事しか考えていないように思えるので難しい辺りである。
それともう一つ。
このあとから、やや急展開に感じた。
もう少しゆとりを持ってもいいと思う。
短いと話が必死なのは伝わるが、健気さが伝わらなくなる。
最後に、みさおのかわりと茜がなっているところは、
発想がいいと思う。
- 52 演劇部の伝説 (採点:7)
- こういう宝探しとかの話って結構引き込まれます。
面白いと思う。
ただ、ヒントを前の方に提示して、読者も一緒に考えれるって形のほうが
もっと面白かったと思う。
あと、気のせいかもしれないけど誤字を発見した。
何度も読み直しておかないと、誤字は無くならないので気を付けた方が良い。
でも、話の種はすごく良かった。
○アルエム さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- とても、面白かったです。原作では、ほとんど出番のない、どころか浩平の回想でしか説明されない由起子さんを、とても巧く書けていて感動しました。
後「家族愛」って、key作品では根底に流れるキーワードとして使われていますがONEでは、ほとんど、その傾向はないんですよね。なのに、その家族愛をONEという題材で巧く料理していて良かったです。
- 04 いっしょに。 (採点:8)
- 文章から、やさしい雰囲気が出ていて、心が暖かくなりました。
○エターナルザク さん
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- 文章の面白さは全作品中一番だったけど、話の内容はないようなのでちょっと途中で飽きたかな…。
2/3くらいの長さなら丁度良かったかも。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- シリアスならシリアスで、コメディならコメディで統一して欲しかったなぁ。
最初シリアスっぽくて期待してたのが後半こうだと、迷走して墜落した飛行機のような印象になる。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- 話はいいんだけど、この書き方だとどうしてもおねこんぺ短編3位の二番煎じ感が拭えないなぁ。
普通に三人称の方が良かったような気が。
- 25 ひとつの物語 (採点:6)
- > たった一人で、彼の帰還を信じぬいた友人の姿を。
本編の七瀬シナリオのラストでは待つのをやめたわけだが…。
100%本編通りにしろとは言わんが、さすがに正反対だと何だかなぁ。
瑞佳は良いね。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:4)
- ワタシには見える…一部既存SSの作品を匿名こんぺに出していいのか議論で荒れる!
この極甘ワッフルを賭けてもいい。
それはともかくみさきの改心っぷりが安直すぎて、その後の逆転をもってしても萎えた気持ちは変わらなかった。
というかみさきが特別「世界に必要とされてない」理由がよく分からないから、いまいち説得力が…。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:7)
- ヤバイ瑞佳ヤバイ。
ただまあ、本編のレイプ未遂事件をちょっと変えて再現しただけの気も。
- 56 “ろまんひこう” (採点:8)
- 前向きで強い七瀬が見られて感涙ものですよ。
ただ正直なところ南が少しキモかった。素直に氷上で良かった気もする。(奴なら元からキモいので気にならない)
○オレンジブルー さん
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:6)
- 納得のいくオチで、おもしろかったです。
- 38 みるく・ろーど (採点:8)
- とても、おもしろかったです。文章に違和感がなく、それに浩平の性格をしっかりとらえて書いている、と思いました。ギャグもおもしろかったし。それと、長森の視点から書きながら違和感がなかったところもよかったです。
- 44 髪弄り (採点:7)
- 文章表現がいいなあ、と思いました。あと、髪に対する見方も独特で、興味深かったです。
○ミロ さん
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:10)
- 素晴らしい! 障害者の観点からここまで描けるのは見事としか言いようがありません。作者の先生は障害者をよく理解なさっているのですね。
○ユニ子 さん
- 10 プラスティックフラワー (採点:4)
- ただの説明で文体が小説になっていません。説明ではなく物語にするためには、もう少し文章を肉付けする必要があるのではないかと思いました。特に前半はただの『あらすじ』状態だと思います。話そのものは女の子同士のさわやかな青春譚で好感が持てました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:6)
- 頭と尻尾が重くて中盤が軽いです。オチはキレイにまとまっていますが、文体が散漫で読みにくいです。校正が必要かと。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:8)
- 二人称文体が話とマッチしていて全体的にバランスの良い印象を受けました。寺山修司が読みたくなりました(笑
- 48 エロ本行 (採点:6)
- 作品スタート前のワンエピソードとしていい雰囲気が出ていますが、展開が中だるみ気味でいささか読みにくいです。オチもやや弱く、起承転結をより意識したほうが読みやすくなるかと思いました。伏線も途中で文体に埋まってしまっている感じがします。瑞佳を「女と思っていない」っぷりはなかなか好感触でした。
- 49 輝く季節へ (採点:9)
- SF短編の佳品。原作がファンタジーだったのを、上手い具合にSFに仕立て直しているという点に実力を感じます。軽めの文体もこの場合はバランスが取れていて○。二次創作というよりもオリジナルに近いストーリー性を感じました。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:6)
- 文体が重過ぎてやや読みにくかったです。切羽詰った感じは出ていて○。オチを踏まえずに読むと、いささか狂気じみた瑞佳の迫力が出てて良かったと思います。でも、この瑞佳、浩平と再会したらまず最初に拳でぶんなぐりそうです(笑
ティツァーノはぐぐってしまいました。美学的描写はいいですが、セリフとのアンバランスは…… これは二次創作の宿命なんでしょうと思いました。ちょっと残念です。
○悪天候 さん
- 11 なついろとみさきと (採点:10)
- 今回のこんぺでは重いというか暗い話が多くて気がめいりました。
こういったほのぼのした作品はほっとします。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:10)
- 話が短くてほのぼのしててよかったと思います。
みさきとか留美とか澪とか出てればもっとよかったと思います。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:10)
- ゲーム本編にない部分を書くのは大変なことだと思います。
ゲームに出ない人を使ってうまくまとめてると思いました。
詩子さんと友達の関係がうまく書かれてると思います。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:10)
- ほのぼのとしていてよかったと思います。
読んでいておもしろかったのでよかったと思いました。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:10)
- ダークという話を読んだのははじめてですけど圧倒されました。
正直読んだあとは嫌な気分になりましたけどダークだから嫌な気分になればなるほどいい作品なんだと思います。
正直あんまり僕にとっては気にいらないけど嫌な気分になったのでいい作品だと思います。
- 47 雨に祈りを (採点:10)
- どうしてわざわざこんな暗い話を書くのかわかりません。
正直こんな暗い話はあんまり読んだことがないので暗い話としていいのか悪いのかあんまりわからないですけどすごい作品だと思いました。
○夏葵 さん
- 01 部屋の明かり (採点:5)
- 由起子さんが瑞佳を知らないというのはさすがに(笑
浩平に関する記憶がらみで失われた――というのも説明としては弱い。
お話としては良いんだけども「おふくろ」と呼ぶまでには原作で関わってなかったかも。
文章それ自体には文句がありません。でも上記のことがあるから上手いのに、と残念でなりません。
- 02 追跡者 (採点:6)
- 姉属性というじゃ駄目なんですかね。時代が追いついてなかったとか。おねのころだからなー。しゃーないか。
じゃなくて、物語としてはオーソドックスですよね。誕生日とか、相談とか。のぞき見とか。見られて興奮するらしい浩平は別として(笑
弾けちゃっても良かったかなーと思わなくもないです。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 詩子が事故に遭った意味がわかりません。事故というエピソードがなくても話が成り立つからです。眠れる詩子を茜が助けた(起こした)わけでもないし、澪が助けたわけでもない。事故に遭うことでなにか変化があったでしょうか。詩子ではなく茜に。
浩平が居ない一年間。その期間における茜と彼女の周りの人たちを描くエピソードとして適当とも思えません。茜自身に何らかの変化(成長)も感じられないし、澪や詩子との関わり合いの中でなにかを見付けることもない。
物語に作者が伝えたいものがなにも含まれていないようでした。
- 04 いっしょに。 (採点:9)
- 澪を魅力的に書けることだけでもすごいと思う。そして魅力的な澪を自由自在に動かせる筆力も。
- 05 また明日 (採点:4)
- 主観的な可愛いを連呼されても甘いとは呼べない気がします。
読んでいて恥ずかしくなるようなやりとりが重要なんじゃないでしょうか。それは言葉であったり行動であったり表現だったり。
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- 女性キャラ全てに通ずるようなSSを書こうとした作品なんでしょうか。
だけどもこの作品の主人公は少なくとも目が見えるようなのでみさきではないし、会話が出来るようなので澪でもない。そして恐らくは(やりとりを考えても)繭でもないでしょう。
残るは茜か七瀬か瑞佳の三択ということになるけど、司を知っていた茜の反応とも思えないので彼女を除外。二択になりましたが、それぞれのシナリオにおいて繋がりのある「場所」を介在していたのは七瀬だけだった(ドレス着て待ってた)と思うので、この作品の彼女は七瀬留美ということにします(笑
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:4)
- 無断で何度も侵入してきて落書きまでする――先生側からしたらはた迷惑な人です。感傷的だからとかで迷惑行為であることを欠落しているように見えるのが残念です。落書きは子供だったからまあ許せたところなんですが……。
それと「みずか」ですが。浩平の盟約によって生まれた彼女が現実世界にも存在できるというのは些かやり過ぎかと思いました。読みながら浩平とみさきの子供として生まれてくるなんてありがちなラストを想像してたんですが、まだその方が納得できる感じです。現状ではまるで死んだ人間が生き返るような――というか二次元世界のキャラクターが現実に現れてしまうような居心地の悪さを感じました。
まあそういう世界なんだと言われればそれまでなんですが(笑
結局、その都合の良さが最後まで気になったんだと思います。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:9)
- 上手いなぁ。それに尽きます。
おね的な曖昧さをそのまま書けるのがまた。
略語の多さが若干気になったわけですが、まあそれもいいのかも。若い感性を否定したくもないというか。自分が年取っただけかも(笑
- 09 生徒 A (採点:7)
- どう判断すればいいかなぁ、と悩む。
文章にしろ構成にしろ上手だと思うし、構想だっていい。
ただ読み終わって残るのが胡蝶の夢というのはどうなんだろう。投げ掛けられた謎(というかオチ)に魅力は感じなかった。むしろ茜の物語部分。今頃帰ってきた司、という部分にその先を読みたいと思わせられたわけです。それは作者さんが意図していたことだったんでしょうか。
- 10 プラスティックフラワー (採点:10)
- 追加された設定がまあアレかなーと思わなくもないけど、それでも充分面白かった。頻繁に変えられた視点にも関わらず引っかかることもなかったし、力の入れ方と抜き方が絶妙。これで十点つけなくてどうする。
- 11 なついろとみさきと (採点:4)
- 初々しいですね。みさきと浩平もですが、作者の方も。
平々凡々な物語ですが、少し大人しすぎるでしょうか。
例えばお祭りというとたくさんの人がいるわけで、そこから物語を発展させられそうです。在り来たりですが、はぐれてしまうとか、転んでしまうとか。静かな流れも良いですがアクシデントがひとつもないと読み物としては寂しいです。
素直な文章はとても好感が持てます。これからの発展を期待しています。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- うーん、後味悪いかなぁ。どう取り繕っても俗っぽく言うなら「二股」であるわけで。納得させるだけの材料も足りないし。
言葉が悪いけど「綺麗な表現」だけで物語を組み立ててしまった感じ。逆に言うと表現そのものは良いんだけど。つまるところ使い方を間違ってるのかもなーと思う。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- >「遅れてごめんだもん」
……。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- 盲目に関してもう少し慎重に扱って欲しかったな、と思います。手を繋いでいるとか、立っているだけの茜を判別できたりとか、空き地が見えているかのような描写とか。
細かい違和感が気になって物語を素直に楽しめませんでした。
- 15 桜散る (採点:2)
- 「三組、○○」
こういったものには適当でいいから名前を入れた方がいいと思います。そしてひとつかふたつぐらいで。あとは地の文で表現する、と。
瑞佳の台詞がすごく説明的だったりするのも良くないかなぁ。浩平と再会した場面なんて特に。浩平の説明を素直に信じるのもちょっとどうかな。
最後のフレーズは格好いいなぁ、と思いました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:4)
- 怠惰な生活になった理由というにはあまりに説得力に欠けるかも。一年間(永遠も合わせれば二年)離ればなれになって、それがベッタリを助長した、というのなら納得いくが、それでも無気力状態への答えにはならない。せめて病的に寄り掛かるという状態にするとか、とにかく茜が離れない原因を作るべきだし、そうなると別れるという結末自体が本来なら取り得ないんじゃないかと思う。
せめて茜じゃなく瑞佳なら、浩平べったりに疑問を抱くという話の流れに合致しないでもない。強引に考えるなら、という付帯がどちらにしろつくけれども。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:10)
- みさきと澪。二人が互いを補完するというお話はこれまでも数多くあったのですが、そのどれもが良くできてはいても満足いくことはありませんでした。
……この作品を読むまでは。
30点ぐらい差し上げたい。素晴らしい出来映えでした。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- 漢字多用しすぎ。誤字大杉、もとい多すぎ。空白あけすぎ。
過ぎたるは及ばざるがごとし、と言うことで。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:8)
- みさきと澪のコミュニケーションを主題とした物語を描くのにこういう手法があったか、と目から鱗。
おねの年代的に微妙な光ケーブルが普及してたりBLOGがあったりということには、まあ目をつぶるとして(笑
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:2)
- えっとコメディのノリにこんなこと言うのもなんなんですが、もうちょっと原作大事にしようよ…。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:8)
- 詩集(出典)を引用するにあたって、参考資料として明示するかしないかという判断ですが、私なら登場人物に語らせます。物語の外に置くと、作者の影が見えてしまうから。語りたいことを借りて表現してる気がするから。時代背景だとか時代考証としての参考資料とは別な話ですよ。――というのが何年かSSを書き続けてきて私が感じたことです。使い方の良い悪いを言ってる訳じゃないので誤解なさらないようお願いします。
文章も構成も構想も上手だと思います。私なんかより遥かに。感想にならないようなことを書いてますがなんとなく書きたかったんです(笑
- 22 Luminous (採点:6)
- みさきがPCを使えるというのは構わないのですが、打鍵が早いという設定は不要であった気がします。読み上げソフトを使いながら時間を掛けてもまったく問題ない場面でしたので。むしろ浩平がサポートするというふたりの関係を描けた絶好の場面を台無しにしてしまった感があります。
みさきの独白にしても三人称部分の書き方と変わらない面が多々あり、台詞にした意味がないです。喋っているところを想像してみてください。
全体的に少しばかり主題が散漫になっているのが惜しまれます。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:6)
- 乱暴なまとめ方だなぁ、と思ってしまった。
茜と詩子の関係をもっと深く描かないとこの詩子の決断には共感は得られないんじゃないでしょうか。もっと悩みを。
四人もの友人を出したことで詩子の比重がこっちに偏っているものだとばかり思ってました。四人はいくらなんでも多すぎ。
文章とか好みなんですけど、とても残念です。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:5)
- 重すぎる冒頭で若干、読む気を削がれます。重いというか執拗すぎる、と言い換えればいいでしょうか。雰囲気を作るにしても些かやりすぎでしょう。
「えいえん」についての解釈は私的にはアリです。過去に書いたこともありますので(ダークだけど)。
興味深い物語ではあると思うのですが、んー、少しばかり大仰すぎるのかも、と思います。
- 25 ひとつの物語 (採点:8)
- 「典型的な構成」のお手本のような作品ですね。ストーリーラインの完成度が高いから、細かい不満点をさほど気にさせません。映像的で把握もしやすい。
途中、過去を振り返っているような語り口は賛否両論あるかもしれません。少しばかり作者の誘導が透けて見える感じがしますから。
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- 悪くはないんですが、あまりにもお話として小さすぎて評価の俎上に上げにくい……。無言電話とか、良い感じに伏線敷いたりしてますし、エピソード的にもっとお話を膨らませても良かったんじゃないかと思います。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- まず始めにイカのキ○タマありき。
なんてところからこのお話を考えた作者さまにはお花つきの二重丸を差し上げたいと思います。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:9)
- まるでイチゴ入り練乳ワッフルみたいなお話でした。甘いし、上手(美味)いし、もたれるし(笑
終わり所が微妙だったかな。あんまり引っ張りすぎるのもどうかと。それが「もたれる」という印象に繋がるわけですが、それも作者の意図かもしれませんね。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:2)
- どたばたコメディというには勢いがまったく…。
変にシリアスな場面を入れたりするのも逆効果かも。
- 30 『packaging replica』 (採点:7)
- 曖昧さが曖昧なまま終わってしまったお話という印象を受けました。
残された「みずか」はどうなるのだろう、という浩平の思索は結局のところなにひとつ答えを得ないまま、ふたりで歩いていこうと結ばれている。
一見、綺麗にまとめられてるように見えますが、これでは「物語」とは呼べないのではないでしょうか。結局、浩平の独り善がり――というお話になってしまっているというか。なので門出とはなかなか喜べないというか……。
上手いのにもったいないなぁ、と思いました。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- ううん、みさきがそうなのはおね本編を見ても納得できるのですが、雪見については観念的すぎるでしょうか。みさきの思いこみに反論できるのは彼女だけなので、言葉より行動で示した方が良かったのではないかと。
みさきを連れてくる、という辺りは彼女らしくて、好きなんですが、みさきとの対話の辺りがどうも消化不良気味で……。
- 32 蘇る少年 (採点:7)
氷上ENDってのを真面目に考えただけでも偉い気がする。需要あるのかってくらい。いやすごいよ、ほんと。
- 33 幸福論 (採点:10)
- 感嘆の言葉しか浮かばない。
堪能しました。相変わらず上手い。
- 34 time goes by as change (採点:8)
- 公園から瑞佳が去る場面だけ、浩平の視点となっていて、それだけが惜しい。おねの魅力のひとつは瑞佳の心情にあると思うんですよね。結ばれても結ばれなくても。幼馴染みという関係だけで。いやー良いお話でした。
- 38 みるく・ろーど (採点:2)
- あの、原作、忘れてますか…?
- 40 あの人 (採点:2)
- あの、原作は……?
瑞佳以外のルートを歩んでいるにしても…。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:5)
- 七瀬と広瀬。ふたりが仲良くなる課程を端折った所為か背景の薄さが気になりました。物語の繋がりが直線的で、プロットを置いていっただけ、のように見えるのです。もう少し展開を練れば、良い作品になったかも。なにしろネタ被りのもう一作品がすごく良い出来だったので…。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:2)
- お話がよくわからなかった…。
帰還ものなのかな? また消える?
- 44 髪弄り (採点:5)
- いやうんその、えーと…。
どう反応したもんでしょうか。
そのうち食べて胃に刺さるなんてことにならなきゃいいですが(笑
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- 碧郎さんかなー。某sp氏の作品を目標にしたというとこでしょうか。
ビデオレターというネタをそのまま使うのはどうかと思ってこっちは悩んだというのに(笑
だからマイナス一点。面白かったから。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:2)
- おねですらないし(笑
ところで信長が自身を「孤」と呼んでいますが、寡聞にしてそういった称があることを知りませんでした。軍記物あたりでは「予」というのがよく使われますが、「孤」と呼んでいる出典を教えて頂けると嬉しいです。皮肉とかじゃなくて純粋に知りたいので。
- 47 雨に祈りを (採点:9)
- IFの物語を考えるのが二次創作の醍醐味なわけですが、原作で提示されたどの道筋をも無にして、さらに遡った過去に、それもあり得なかった事柄を加え、物語るというのは果たして二次創作にとって正道なんでしょうか。もしこの物語でみさきが生き(残って)ていたなら或いは原作の過去として可能性の一旦はあり得たかもしれないと思いますが、死んでしまっては――。
なんてまあダークなSSを書いたことのある私が言うのもおかしな話ですが、この作品を読んでいろいろ考えさせられました。SSとして良い悪いを言うつもりではないので誤解しないでください。文句でもないです。作品の成り立ちへの私的な疑問と言うことで諒解ください。そもそも感想に書くことではなかったかも(汗
作品の出来合いに関しては素晴らしかったと思います。文章も構成もほとんど文句の付けようがありません。それでいて上記のように色々考えさせられる作品でした。作者さんが誰なのか楽しみです。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- ぶつ切れで入る回想が読みにくさを助長していたわけですが、反面、浩平の有り様として有効に作用していた感じ。上手いって言っていいんだろうか。
エロというわりにエロくはないけど、長森の無防備さにドキドキしてしまった。っていうか猫の鳴き声だったのか、あれ。
- 49 輝く季節へ (採点:7)
- ループはまあ解釈としていいと思うんですが、十年寝ていた、というのは些か突飛だったかな、と。
あと最後の意味がわからず……。
みさお=瑞佳?
- 50 遠きあなたに (採点:5)
- 文章というか物語もそうですけど、少し正直に書きすぎかな、という気がします。行間に潜ませられるものまで書いてしまってるというか。
どうも一人称に引きずられている感じです。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:9)
- 自由自在に設定できるサブキャラですが、広瀬をこう使うのは上手いなぁ。誰でも考えつきそうだけど、逆に言えばそれだけ納得させやすいわけで。口が悪めなのも浩平相手だと良い感じに見えるし。
文章も構成も上手でそれを支えているんですが、まず設定で勝利した感じです。そりゃ安定感も出るよなー、と感嘆。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:9)
- みさきと雪見が海に行くという作品がふたつもあって、そのどちらもが素晴らしい作品だったということがまた嬉しいです。比較される方は大変でしょうけど(笑
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:10)
- 相変わらず凄い。そして今回も瑞佳ですか。
性的な(もしくはジェンダー的な)テーマが得意とするところなのでしょうか。
毎回ながら圧倒されます。物語も語り口も。目の付け所も。
- 55 ラブレター (採点:9)
- オーソドックスだけど記述に茶目っ気あっていいなぁ。お手本にしたいです。
誰だろうなあ。
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- サラリーマンなんだ。うん。
じゃなくて、ピーターパンみたいなのは好きですよ。南くんでは役者として不足している感はあるけども。七瀬がもっと永遠の世界に惹きつけられた(ように見えた)なら、行かないという選択がより格好良く感じたかもしれない。
文章そのものは勝てないなぁ、と思うぐらい魅力的でした。短く切ってるとことか。テンポが良いです。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:5)
- メチャメチャもったいない…。
素材はいいのに、最後の塩加減で台無しにしたというか。落としどころ次第では感動的なお話になったのに…。
澪が口がきけるように見えてしまうのも残念。
○空賀 さん
- 01 部屋の明かり (採点:6)
- 淡々と綴られる、日常の中の亀裂と、言葉に出来ない焦燥。
張り上げた声一つないにも関わらず、耳朶を打ってやまない悲嘆。
大人の書く物語だと思う。この由起子の心情には、学生では辿り着けないだろう。
ただ思うのは、ラストシーンに至る一歩手前で
物語を終えるのもよかったのでは、という点。
帰宅した由起子が窓明かりを見上げる。その意味を、噛み締めながら。
そこに誰が居るのか、なにを意味しているのか、
読者は皆、知りすぎるほど知っているのだから。
その方がタイトルも活きるのでは、と思う。
- 02 追跡者 (採点:4)
- 熟練を感じる軽快な台詞回し。書き慣れてるのだろうと想像する。
壊れ役が瑞佳(と浩平)に振られているが、
危ういところで踏み止まっており、そのバランスが絶妙。
ただ、ラストのみさきだけは蛇足だったように思う。
メインを全員出したかったのだろうが、メタっぽくなったために
折角の調和が壊れてしまった。勿体なく思う。
- 05 また明日 (採点:5)
- かつて、自分が七瀬属性だった事を思い出した。
可愛い七瀬は無条件に好きである。
逞しくコミカルな七瀬が多いだけに、特にそう感じる。
人は、自分自身の温もりを感じる事が出来ない。
だからこそ、自分ではない誰かを求めるのかも知れない、そう思った。
可愛い七瀬は、同時に母性をも併せ持つ。反則気味。
ちなみに、らぶは小さじ1杯どころじゃないと思う。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:8)
- 詩子は好きなキャラクターだ。だから、贔屓目になっている向きはあると自覚する。
それを差し引いても、この切り口は新鮮に感じた。詩子が生きている。
居場所を見失い、彷徨う詩子。傍らには茜や浩平が居り、
多くの知り合いもあるが、それでも独りぼっちの彼女。
考えてみれば、以前からそうだったのかも知れない。
彼女は自分で、自身の世界を開拓していないのだ。
母校を一切省みなかったであろう高校生活。
そこにはきっと、自分のための世界があったはずなのに。
今まで気付かなかった、詩子の不器用な一面。
だとすれば、彼女の居場所を奪ったのは浩平なのだろう。
否、浩平が悪いわけではない。
ただ、それはえいえんではなかったのだ。
実際、彼女は覚えていないが、すでに一度それは欠けている。
詩子はなに一つ、奪わない。居場所も、記憶も。
一方的に失うばかりだった彼女に、ただ、幸あれと願う。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:10)
- 全57編の中で、一番心に残り、一番納得し、かつ一番後を引いた作品。
二人の吐く息遣いまでも感じられそうな、リアルな日常の在り様。
何度も何度も読み返したくなる衝動を、抑えられなかった。
長くファンに愛され、幾編も編まれ続けたONEssの、一つの到達点かも知れない。
えいえんを脱した二人の、決して永遠ではあり得ない生活。
なに一つ偽りのない想いと、だからこそ避け得なかった必然の別れ。
辛く、哀しく、切ないが、それでも優しさに溢れている。
しっとりと澱んだ空気が、抜けるような星空が、
移ろいゆく世界のすべてが、たまらなく優しく、愛おしい。
浩平がこの限りある世界を選んだ事の意味を理解すると共に、
この別れですら、きっと、永遠ではないのだと、信じたい。
儚くも、淡い心で。
- 33 幸福論 (採点:7)
- 何度も繰り返し読むたびに、深い味わいのある一編。
なにも失っていないと信じつつ、失われたなにかに想いを馳せている、
そんな蜃気楼にも似たかけがえのない時間。
それを幸福というのなら、
失われたものが大きいほど、
人は幸せになれるのだろうか。
無邪気に振舞うみさきを見つめる雪見の目に、タイトルの意味が、重い。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:7)
- 詩子は好きなキャラクターだ。だから、贔屓目になっている向きはあると自覚する。
台詞、モノローグ、詩子視点の風景描写までもが、まさに詩子そのもの。
テンポよく、しかし絶妙に計算されて書かれているように感じる。
ラストで詩子が信じた未来の自分。
その意味を考えるとき、彼女の持つバイタリティに驚かされる。
思い出せない事を、忘れている事すら忘れてしまっていた事を、
間違いなく思い出しているという、確信。
想像を絶すると思う。リアルに、自分の事として考えると殊更に。
そして、その困難さを誰よりも良く知っているはずの茜も、それを疑っていない。
この、残酷なほど無邪気な手放しの信頼は、下手をすると、
一転して嘘や綺麗事に陥ってしまう惧れもあるのだが、
ここでは素直に、彼女たちの持つ強さと感じる事が出来た。
詩子には実は、涙が似合う。詩子らしくない詩子は、実に詩子らしい。
○月夜のおみ さん
- 02 追跡者 (採点:6)
- ギャグとしてかなり面白いと思いました。ただ、登場人物が全員、あまりにも原作と違いすぎで、いつもとは違う瑞佳…とか言われても、まったく感情移入できませんでした。
あと、『みさお』の死という大前提があるONEにおいて妹・お兄ちゃんネタは、やめておいた方が良かったと思います。
- 09 生徒 A (採点:9)
- 独特な文の使い回しといい、なんともいえないキャラのやり取りなど見事としか言いようの無い作品でした。
ただ、公園のベンチのシーン辺りから、時間の流れなどがまったく分からなくなり、詩子の『あいつ』が誰のことを指しているのかとかすら判らなかったほどです。(後の七瀬の台詞で浩平だと判りましたが、当初は茜と詩子の幼馴染の司と思ってました)。その後もそれが折原の与太話とする七瀬とのやりとりや、さらにそれすらも想い出の一部であった、とする消えた折原を待つ七瀬……を想像している昼休みの七瀬、ということだったのでしょうか。
随所に原作を交えての複数キャラの別軸の話をうまく融合した視点といい、とても楽しめた作品でした。良作。
- 11 なついろとみさきと (採点:3)
- 取り立てて上げる点といえば、盲目であるはずのみさき先輩の視点をもう少し入れた方が良かったと思います。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- 折原が同窓会に行くのを渋っている理由がわかりませんでした。短すぎてどうしようもないです。とりあえずこういうネタの場合、「瑞佳は?」と本名の方で訊かれているのに「あいつは、もういないんだ」では後の話が噛み合いません。「長森は、もういないんだ」の方が良いと思います。
- 15 桜散る (採点:3)
- みさきシナリオの長森視点のお話ですね。
とりあえず、三点リーダや括弧内の句読点などの文章作法に関してはほかの方からも指摘されると思うのであまり言いませんが、兎にも角にも読みづらかったです。地の文でのいきなり行が変わるのは読んでいてかなり目に付いてしまいました。何か意図すること、例えばどこかの部分を縦読みすると何か発見するようなことがあるとかですね(その昔わたしも一度コンペでやったことがありますが)そういうこともなさそうでしたので、多分見やすくしようとしたんだろうとは思いますが、余計読みづらくなってしまっています。
次に内容です。取り敢えず目に付いたところをあげておきます。
まず、クラスの人間の数。44名に違和感とありますが、そもそも折原が消えたのは高校2年の最後です。繰り上がりで学年があがったわけですが45名スタートが2年の最初でも3年の最初でもおかしくなってしまいます。45名スタートが3年からなら折原は既にいなくて44名であるわけですし、そもそも2年では七瀬が転校してきていますので数が食い違うはずです。
次に最後の桜の花びらが舞い込むシーンですが、桜は三分咲きです(笑)
とはいえ、独特の視点や展開など良い点も見受けられているので、精進していけばきっと良いSS作家に成長していくと思います。
- 18 玉手箱 (採点:3)
- ……状況などに矛盾がありすぎます。まず、数日前に発見された箱を周りに茜達がいて、開けようと決めたのにもかかわらず、電話一本かかってきた程度で有耶無耶になっているのか?
詩子の発言に突っ込む沢口に、読者は「お前はどこから出てきたんだ!」と突っ込みを入れるでしょう。さらにこの時点で沢口が酔っていることになっているところから既にメンバーには酒が入っているわけで、飲む理由で…という発言は無いと思います。
そして、箱を空けた瞬間の台詞、「なんだからじゃないか……! これは?」の意味が全くわからなかったです…涙)
- 26 トントン拍子 (採点:4)
- 始まってすぐの『あした合格発表なの』で、や、あんたしゃべれないじゃん! と突っ込みを入れてしまいましたw
トントンの音の使い方が、上手かったです。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- 短い中にも温かさが感じられました。こういうお話好きです。
○高梨呂舟 さん
- 01 部屋の明かり (採点:8)
- (内容点:技術点)良:優
非常に練達した方の手による作品であるように思われました。
癖のない、簡素で短めの文章を積み重ねていく手法。抑制の効いた描写。プロットは単純、しかも展開をある程度は先読みさせるものでありながら、それでも読み手を魅了する内容に仕立てられてさえいます。
あらゆる面で手堅くまとめられた、玄人好みするお話であったと認識する次第でございます。
作品集に収録された一短編であったのなら、これはもはや文句のつけようのないものでしょう。しかしコンぺティションにおいて、これ一本で勝負する……という意味あいにおいては、若干インパクトの面で不利な部分が出てくるかもしれません。これは作品の雰囲気や性質上しかたのないことだとは思うのですが、その点が少し危惧されます。
最後にひとつ。「一応薬は飲んだけれど、昔から薬が気休め以上に効いたためしはない。」
この一文ですが、「薬」という単語の使用は一度でよかったように愚考します。大変に細かく、経験の少ない方には重箱の隅を突くような指摘のように誤解される可能性もあるものです。
しかし本作を見る限り、こうした小さなポイントを推敲時にきちんと考えてくる水準に達した書き手とお見受けいたします。
恐らくは単純なチェック漏れであったのでしょう。
次回作により高い精度を期待する意味でもひとつ参考までに――失礼致しました。
(呂舟)
- 02 追跡者 (採点:4)
- (内容点:技術点)可:可
「監視対象の待ち人は誰なのか」また「その人物と何の目的で落ち合うのか」という二点を主な関心事として最後まで楽しく拝読いたしました。ヒロインとその友人のコミカルなやり取りも面白く、人によってはクスリとされるシーンの連続であったように思います。
かわって少し無粋な指摘になりますが、特定の人物につきまとう行為は「ストーキング」と表現するのが妥当だと愚考します。「ストーカー」というのは語尾に-erがついていることからも分かるように、それを行う人物であって、行為そのものを示す言葉ではないように思えるのです。
とはいえ、高校・大学生程度の若者なら言葉の誤用や意訳は日常茶飯事的にやっておりますので、そうした意味においては逆にリアリティに富んだ言葉の選択であったのかもしれません。
構成面に関しては、冒頭のリズムとテンポをもう少しあげて物語の本分に素早く入り込めるようであれば、なお良かったような気がいたします。
凝った流れを作るより、恐らくはスピード感を追及したほうがこうしたタイプの作品では効果的に働くのではないか、と個人的には考えるからであります。(呂舟)
- 03 雨の中 (採点:5)
- (内容点:技術点)可:可
透明感のある、叩けばキンとなるような硬質の美しさを感じる作品でした。ヒロインの淡々とした語り口が、かえって雰囲気をかもし出していたように思います。
テーマがそれほどガチガチには固定されておらず、描写の割合としては友人の事故と復帰に関連する部分の方がむしろ大きかったのではないでしょうか。そのせいで、中盤はむしろ主人公の回帰よりかは親友の容態についてに関心がいく。そのような構成の物語である、という印象を受けました。
このメインテーマの不明瞭さ、多様さについての評価は読者によってその是非が割れてきそうな気がいたします。
(呂舟)
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- (内容点:技術点)可:可
ヒロインの感じているあたたかさが読み手にまで伝わってくるような、全篇とおして常に優しさの感じられる作品でございました。文章も大変に練熟なもので、アマチュアによる品評会の作品だという前提を忘れたまま読了した次第です。構成や物語の細部に至るまで、よく練りこまれた物語であったと思います。
ところで私は、本作のヒロインを「言葉であまり考えず、直感的に最も自分らしい道を選択できる人物」というように認識しておりました。これは原作を通して得られた、彼女に対する私なりの印象であります。
その点から鑑みると、失礼ながら貴作におけるヒロイン像は、私の個人的なそれとの間に多少ながらのギャップをもっていたように思えます。
たしかに要所では、ヒロインの人柄をしのばせる愛らしい言葉遣いや表現がみられました。しかし全体的に彼女の思考は言語を用いた大変に論理的なもので、感情的に冷ややかな計算高い人物のそれのようにも感じられます。
非常に優れた作品であることを知りながら、どこかで深く物語に入り込めない部分があったとするならば、恐らくそのあたりに原因が求められるのでしょう。
このように歪んだ考え方、感じ方をする者が私だけであればと願います。
(呂舟)
- 05 また明日 (採点:6)
- (内容点:技術点)可:可
個人的な話で恐縮ではありますが、私は二次創作と聞くとこの作品のような性格のものを第一にイメージします。それは恐らく、ある作品が好評をもってユーザーに迎えられ、いわゆる同人的活動が行われ始めた黎明期、シチュエーションとキャラクターに特化した物語が量産されやすいからだ……と考えております。
気に入ったキャラクターを起用して、なにげない日常のヒトコマを情感豊かに描き出す。つまり、この「また明日」という作品と同系統の物語こそが、ある原作を題材とした二次創作の原点であるとも思えるのです。
近年、こうした原点型の作品は稀少な存在となりつつあると認識しております。ONE然り、Kanon然り、比較的古い作品は「発展型」ともいうべき捻った作風や原作を大胆に解釈したトリッキィな物語がクローズアップされるようになったからです。
誰もが新しさを求め、原点にあったものは風化したがごとく扱われるようになりました。
だからこそ、いまこの時期にこの種の物語に出会えば、逆になにかしらの新鮮さを感じてしまいます。その意味で、貴作との出会いは非常に意味のあるものであったのではないか、そのように考える次第です。(呂舟)
- 06 It's possible to think of you. (採点:7)
- (内容点:技術点)良:可
大変に興味深い作品でした。直接的な台詞を全く入れず、名前も出さず、性別は恐らく女性と思われるも、確証は持たせない。以上のような仕掛けで語り部が何者であるかをボカし、透明感のある不可思議な世界のなかで物語を進行させていく。しかし、まぎれもなくONEの二次創作でしかあり得ないお話……。
勇気の必要な冒険的試みであるとは思いますが、意図的に読点の数を減らしたと思わしき長い文体で全体を構成したことも、作品に独自の世界観をもたせる要因のひとつになっているように思えます。ただこの点に関しては、恐らく人によって受け入れ方が変わってくるのではないでしょうか。
個人的には、語り部が何者であるかクライマックス付近で明らかにされると予想しておりました。見事に外れたわけですが、それはそれで味わい深く、良い結果に繋がったような気もします。
読者の数だけ解釈が生まれるお話。読む人間にあわせて姿を変える物語。まるで万華鏡のような素晴らしい作品でした。
(呂舟)
- 44 髪弄り (採点:7)
- (内容点:技術点)可:良
私は本コンペティションの全作品を読み通したわけではなく、そのためこのようなことを言う資格はないのかもしれません。しかし私がこれまで読んできた作品の中では、異色と言って良いようなお話であったように思います。
いわゆるライトノベルを彷彿とさせる軽快な語り口で、ほのぼのとしたコミカルなお話が紡がれていたため肩の力をぬいて最後まで楽しく読むことが出来ました。
「永遠」に独自の解釈を加えたシリアス一辺倒な作品が目立つ中、一種の清涼剤のような存在であったように認識しております。
オチのパンチ力に関しては読者によって感じ方も違うでしょうが、私個人にとってはちょっとした驚きをともなう、しかし作品通して貫徹されている雰囲気に相応しいそれのように思えました。
(呂舟)
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:5)
- (内容点:技術点)良:可
テンポが良く、コミカルなお話でした。語り口も内容と良くマッチしていて、読み進めていて小気味の良いものだった、というのが読了後の素直な感想です。
原作ではあまり大きな活躍の場がなかったキャラクターをヒロインに据え、これに歴史上の人物、短編にありながら強烈な個性を発揮するコーチ役のオリジナルキャラクターを絡ませるなど、新鮮味のある基本設定にインパクトを感じました。
しかし――これは私自身が、あまり原作に登場したサブキャラクターを深く印象に残していないための問題なのかもしれませんが――あまりONEという元になった作品の雰囲気やにおいのようなものが感じられませんでした。この点が、審査員たちにどのような影響を与えるかが本作の順位に大きく関わってきそうです。
ところで、織田の名は現在も残っています。去年、甲斐・「武田信玄」と尾張・「織田信長」の流れをくむ宗家の当主が、信玄公をまつる甲府市の武田神社をそろって参拝、和睦を果たしたことでニュースになりました。
ちなみに尾張側の代表は、織田信長の宗家の12代当主、織田信成氏、信和氏の親子でした。この模様は、新聞でも報じられたはずです。
また、これは記憶が朧なので自信を持っては言えませんが、同じく新聞でフィギュアスケート界で活躍する男性選手を報じた記事を見たことがあります。また10代の少年だったように記憶していますが、彼も姓を織田といい、やはり信長の子孫であるという話でした。
信長が喜ぶかは別ですが、織田の名は確実に残り各方面で活躍しているようです。閑話休題。
(呂舟)
- 48 エロ本行 (採点:5)
- (内容点:技術点)可:可
不可思議な作品、というのが1番の印象です。
私が嗜好する作風とは全く異なり、それとしって自ら手に取ることがない種の作品だと思います。こうした物語に触れる機会があるとすれば、こうした開けてビックリのコンペティションが唯一なのでしょう。そのような意味において、今回の遭遇をたいへん楽しむことができました。
言葉のチョイスにも――たとえば漢字で表現するか、ひらがなにするか等についても――気が使ってあり、また別の面でも技巧を感じさせる表現が随所に見受けられました。
メルヘンティックと表現すればよいのでしょうか。予測のつかないストーリーの波長とリズム、展開は、まさに常人にとっての主人公そのままであったような気がします。
ある意味において、もっとも原作そのままの破天荒さをもった主人公が再現されていた感じです。
しかし同調が困難である点まで、主人公と共通しているとも言えるのではないでしょうか。
お話のなかで付き合うぶんは楽しいが、実際の人間関係に組み込むと気苦労が耐えない。エンターテイメントとの距離の置き方はそのように難しいものだと認識しています。本作にも見られるその点が、大勢にどのように評価されるかに興味がわきました。
(呂舟)
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:7)
- (内容点:技術点)良:優
文学的なかおりのする作品でした。タイトル、文体、リズム、言葉のチョイス、遊び心の見える仕掛けと、どれをとっても玄人の仕事を感じさせられます。また、よく本を読む方の手によるお話なのでしょう。
内容についても味わい深く、それこそ潮騒に耳を傾けながら海辺の空を仰ぐような、心に染み入るものがあったように思います。
ただこれは、原作の延長線上にある種の情感とはまた少し違ったものであったような気がしました。読んでいる最中、私はこれがONEという作品の二次的著作物であることを失念し、そのまま読了した次第です。
それだけ個性、また独自の世界観があったということでしょうから、これはむしろ作品としては美点であります。
とはいえ出品された場所が場所だけに、この点が他の方々にどのような評価を受けるか――老婆心ながら――関心が向きます。
(呂舟)
- 55 ラブレター (採点:7)
- (内容点:技術点)良:良
優良な二次的著作物として、まっさきに頭に浮かぶ種のお話であったように思います。
変に捻ったところのないストレートで読みやすい文章と、それが似つかわしい真っ直ぐで分かりやすい物語に個人的な好感をいだきました。
メインテーマも、感覚的ハンディキャップを持つ原作主要キャラクター同士の交流と、王道的なもの。これを丁寧に、優しいタッチで描かれているように見えました。それ自身は本来、重たくシリアスな意味をもっているとは思うのですが、ところどころに挿入された主人公を交えたコミカルなシーンが効果的に働き、これが喉越しの良さのようなものに繋がっていたような気がします。
次に技術的な面について少しお話させていただきます。まず視点の切り替えが頻繁に行われる構成についてですが、これがベストであったかの判断は難しいと思います。
恐らく読者によって意見が割れるところでしょうし、様々な側面からストーリーを追える利点は確かに無視できません。一方で、上月・川名両ヒロインの片方に焦点を絞って一人称で物語を追ってみても面白かったのではないか――というようにも思えました。
推敲に関しては「行動を開始し始める」などに代表される表現や描写の重複について、私なりに気づく点があったように思います。点字による手紙の件では、私個人の環境だと表示に不都合(改行が中途半端に行われたことによる多少の読みにくさ)が生じたことも蛇足ながら指摘させていただく次第です。
(呂舟)
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- (内容点:技術点)良:優
作品に世界を持たせるというのは容易ではないと思います。しかし、この「ろまんひこう」には確かなそれを感じました。ヒロインと同じように、人が空を飛んでしまうような不可思議な世界にしばし身を置いていたような読感です。大変すばらしい作品でした。
ところで私はこれを、「典型的な遠距離恋愛」を描いた作品であった――と認識しております。
距離的に離れていても恋愛は維持されるか、ふたりは思いを変えずにいられるか。関係を発展させられるか、という命題はかねてから存在します。またそのひとつの回答として、「距離を置いた恋愛はその関係の維持が非常に困難」という考えが示されていることも良く知られています。
個人的なものですが、「距離は人間関係を壊しやすい」というのが私の考えであります。
その理由は、まさしくヒロインが自分の世界に戻る動機として挙げた点です。距離を隔てて生活していると、互いに違った生活的リズムが生まれ、共有し得ない人間関係やしがらみ、環境要因が発生し、それが致命的なギャップとなって両者の間に溝をつくります。
一度うまれたこのギャップ、溝というのは容易に埋まるものではないのでしょう。むしろ、発展性を失った完結したもの――と結論するきっかけにすらなります。
私は仮に、ヒロインの元に折原浩平が帰ったとしても、二人が望みえた異性間の関係はもう戻りえないと感じました。ヒロインが出した結論やそれに用いた言葉は、亡くなった人を思い出の中の存在と割り切る人間、そうすることで日常を取り戻そうとする人間の心の動きにピタリと重なるからです。
ヒロインは最終的に自らにおける現実世界で、己の足で立つことを望みます。これは彼女個人としては自立であり前進であり、成長を意味するのでしょうが、ひとつの人間関係の終焉を同時に示しているのではないでしょうか。
折原浩平のいる永遠の世界と、七瀬留美の住まう世界は連続し得ない。彼女はそう判断し、思い出として彼のいる世界ごと彼を諦め、また放棄したように思えます。現に、決断のとき彼女は己の世界とそれを取り巻く人々を思い浮かべますが、自分のその思考や選択の結果が折原浩平に与える影響については全く考察していません。想像しなかったのではなく、想像の範囲を超えたところに相手が行ってしまい、自分が来てしまったと解釈したからかもしれません。
一方において大変に希望に満ちた明るい結末なのですが、影にある者たちを思うと同時に寂寥感のようなものも身にしみます。そんな作品でした。
(呂舟)
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- (内容点:技術点)可:可
ヒロインの強い想念と、それを真っ直ぐに実行し続ける姿に心打たれる作品でした。
想い人を永遠より回帰させるため、己の通じた「演劇」の世界を通じて出来うる限りの努力をする。このあたりの行動原理にも強くヒロインの人柄や個性を感じ、結果的に深く感情を移入して楽しむことができたように思います。
ひとつ不思議に思ったのは、この作品が技術面や文章作法よりも「演出」を優先させる作品なのか、あるいはその逆なのか……という点です。視点のブレなどに代表される技術・作法両点のアラは、演出を最優先に考え、意図的に切り捨てたものであるというように愚考しておりました。
ところがクライマックスの淡白な描写は、対照的に演出効果の抑制を感じさせます。私に読者としての未熟もあってか、このギャップには少し戸惑うこともありました。そこが、他の審査員たちにどのように受け入れられるかで、今品評会における本作の評価が決定付けられるような気がします。
(呂舟)
○最中 さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- 上手い。抜群に上手かった。細かい場所に気配りが感じられて凄くよかった。締め方も素晴らしい。濁音だらけのおかえり。この感じは文章ならではだと思ったりしました。
ちょっと気になったのは、瑞佳シナリオ後にしなくても、というか瑞佳を絡めなくても良かったんじゃないかなあということ。これは勝手な自分の考えですが、やっぱり残されたヒロインは孤独であるべきじゃないかと思うんですよね。勿論、この話は優しくてとても好きなのですけど、その一点がどうも引っ掛かって最後まで外れませんでした。とはいえ……どうなんだろう。やっぱり難しいのかなあ……。うーん……我が儘な奴でごめんなさい。今回は申し訳ないんですが、9点で勘弁していただければと思います。
- 02 追跡者 (採点:3)
- お、オチが……オチが苦手だ。お話は悪くなかったと思うんですが、キャラ造形がちょっとどうかなあと感じました。文章はもう少しテンポ重視でもよかったような気がします。若干、回りくどかった印象。
- 03 雨の中 (採点:3)
- んー、ラストは殆ど原作をなぞる形でしたね。ちょっと尺が短かったかなあ。詩子が事故にあったと思ったら、何事もなく目が覚めてしまった印象。そのせいか、若干の軽さを感じてしまいました。点数は少し低いです。ごめんなさい。
- 04 いっしょに。 (採点:5)
- >「もっとよくさがせ」
大好き。いつか使う。
甘苦酸っぱ風味。甘みが強め? 澪一人称は難しいのかな。自分の澪のイメージと少しズレちゃいました。ストーリを考えるとこれでいいような気もしますけど、話自体はちょっと詰め込み過ぎな感じを受けました。方向性は好みなんですが……。
- 05 また明日 (採点:6)
- ほのらぶ。日常を描くものとしては堅実な作りだと思います。癒し系の部類に入るかな? 高得点となると、こういう場所だと難しいのかもしれませんけど、このタイプの話に打撃力を求めるのは野暮ですしね。よかったです。
- 06 It's possible to think of you. (採点:4)
- うーん、難しいな。ヒロインが誰でもいいが故に誰でもない。っていうことはどういうことなんだろう。要はそういうことだよってこと? むう。終止、違和感を拭い去れないまま終わってしまいました。なんだか、これもあんまり感想じゃなくなってる気がするんですが……ごめんなさい。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:5)
- みさき先輩とみずか。結構珍しい取り合わせかな。前半は正直、読むのが苦しかったりしたんですが、後半からラストにかけての展開で救われた印象。『み』の字がそこにくるとは思いませんした。拍手。後、やっぱりこれは聞いておかないといけないと思うんですが、レトルトカレーは昔の方が美味しかったりするんでしょうか。それとも最近のがイマイチだっていうだけかな……? いや、あんまり食べないですけど気になって。
- 09 生徒 A (採点:6)
- ぎゃーっ! 普通に読んだら、見事に迷い道くねくね。どこが現実でどこが妄想でどこが演技でどこが台本でどこがむきーっ!! 頭弱くてごめんなさい。でも、わからないなりにも面白かったです。
ちょっと変な所にスペースが入っていたのが気になりました。成形する時間があまり取れなかったのでしょうか。それと回りくどい文章と比喩は当たりはずれあったかなー? と思いました。ツボに入るととてもよろしいのですけどね。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- 七瀬と広瀬、ファーストコンタクトの派生モノかな?? 人称がちょっとぶれちゃってる気がしました(一人称と三人称が混じってる??)。後、時間軸の変わり目がちょっと分かりにくかったかなあ、と。ストーリーは好みなので、その辺りが改善されると読みやすくなり、読者に伝わりやすくなっていい感じになるんじゃないかなと思いました。オリキャラはちょっと苦手。
<広瀬さん、告白ターイム>の急激なノリの変化にびっくり。
あれはあれで楽しいですけどね。
- 11 なついろとみさきと (採点:5)
- けっこう、コテコテな感じ? だけど、好き。結局、こういうのにも弱いんだよなあ……。でも、やっぱりちょっと短かったですね。他作品との兼ね合いでどうしても点数は低めに……申し訳ない。もうちょっと読みたかったな。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
- ううん……。終盤に近付くにつれ、内に内に入っていってしまったような印象。気持ちはわからなくないんですが、なんかこう……悲しいな。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:6)
- なるほど、そういうオチなのね。思わずくすりとしてしまいました。好き。
「遅れて、ごめんだもん」はいくらだよもん星人とはいえ、ちょっと苦しいかなーと思いました。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- うん。導入部など、センスは感じました。ちょっと暗めな茜でしたね。自分の茜のイメージとは若干ズレちゃいました。そのせいか、みさき先輩とのやり取りがもうひとつ響かず。惜しい作品だとは思うんですけど。ごめんなさい。
- 15 桜散る (採点:3)
- あー、そっか。そういうお話だったのか。どの辺に落としていくんだろうと思いながら読み進めてました。なるほど。
とりあえず、文章作法などは守って書かれた方が読む人にも好まれると思うので、そこをまず気を付けてみることをおすすめします。個人的には、その辺をうるさく言う気は全然ないし、正直どうでもいいんですが、やっぱり読みやすくはないよなあと感じたのも事実です。
点数も低いんですけど、こういうので書くことが嫌になってしまうと勿体ないと思うので、あまり落ち込まずに、また何か書いてみようと思って貰えれば嬉しいです。応援してます。
長々と失礼致しました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:7)
- ひゃー。結構、自作と被りましたー。茜アフターで浩平視点なら自分も似たような奴を書いていたかもしれません。読み終わった後、ちょっと変な笑いが出てしまいました。いや、そういうお話じゃないことは重々承知しているんですが。なかなかこう……難しいよね。うん。非常に好みな作品ではありました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:6)
- へー、指点字。なるほど。みさき先輩と澪のお話が多いなと思ったりしてたんですが、(ランダムで読んでおり、この作品は41作目でした)みんな色々考えるなあ。
ストーリーは良かったです。個人的にこの二人には弱いので。澪の朗読劇、面白し。文章も特にここが悪いという点は見つからなかったように思います。
ちょっと点数が低いんですが、いかんせんこの二人の話が多く、その中での兼ね合いの結果なので、申し訳ないんですが勘弁してやって下さい。
- 18 玉手箱 (採点:5)
- ループ。あれ、よくわからない。あれれ??
うーむ。ウオトカというのを初めて知りました。小さい水。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:8)
- なぎさ……。なぎさ? なんだろう??
それはともかく、素敵なお話でした……ぐすん。語り手法が変わっていて、澪一人称かと思いきや、日記を読む(聞く)みさき先輩の一人称という形式。個人的にはアイデア賞をあげちゃいます。こういうのもあるんだねと感心してしまいました。惜しむらくは後半ちょっと尺が足らなかったのか、若干、駆け足になってしまったように感じました。もうちょっと読みたかったなあ……。
後、キャラメルボックスって劇団、本当にあるんですね。全然演劇に詳しくないので、初めて知りました。演劇も楽しそうですね。
オメラスを歩み去る人々(オメラスから歩み去る人々??)も読んでみたいと思いました。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:4)
- うーん、眩しいくらいに馬鹿でしたね。お話は楽しかったです。文章がシナリオ形式でしたけれど、この界隈では小説形式の方が好かれるみたいなので、台詞の前に名前を入れる等は避けた方がよろしかったかもしれません。俺はあんまり気にしませんが。他作品との兼ね合いで点数はちょっと低めです。ごめんなさい。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:9)
- 気になったこと。
・肩車って結構大変そうなイメージがあるんですけど、どうなんだろう。二人の体格差がよくわからないので、アレですが。
・長森が「繭ちゃん」と呼ぶのに違和感。原作は確か呼び捨てだったような。
・一瞬、『存在事態』を『存在自体』の誤字かと思ったんですが、どうなんでしょう?? 別に前者でもいいのかと思うようにはなりましたが、ちょっと仰々しい気も……。
それ以外はもう、涙で見えない。点数で判断して頂ければよろしいかと存じます。これはこの物語を肯定する涙だ。ありがとう。
- 22 Luminous (採点:6)
- 雰囲気は好きです。物語は始点から終点まで真っ直ぐな線が描けていると思います。個人的にはちょっと退屈を感じてしまった部分があるのが否めないので、もう少し線に緩急を付けてみるとよりよくなるんじゃないかなと思いました。やるは難しなんですけどね。後、浩平の一人称が『オレ』など、細かい所が気になってしまって、物語との距離が開いてしまった印象です。
それと、みさき先輩の長台詞なんですけど、細かく分けてしまいたい気持ちは非常にわかるんですが、同一キャラクターの台詞は続けない方がいいと以前指摘されたことがありまして、できるなら避けた方がいいのかなと感じました。状況に応じてだとは思うんですが、今回の場合はちょっと続き過ぎた気が致します。
と、長々と申し訳ありませんでした。何かの参考にして頂ければ嬉しいです。次作に期待しております。ありがとうございました。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- んー、自分が抱いている詩子のイメージとちょっとずれちゃいました。詩子は難しいんだなあ。一人称は特に。オリキャラも手伝って、作品との距離を感じてしまいました……やりたいことはすごくわかるんですけども。むー、ごめんなさい。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:7)
- グリーンフラッシュというのを初めて知ったので、読後にちょいちょい調べてみる。それを見ると、真実の愛に目覚めたり、出逢ったり、巡り会ったりすると言われているらしい(合ってますよね??)。
へえ〜、タイトルの意味がわかると素敵だなあ。好き。
永遠をファンタジーにしないで、病気と処理している所が評価の分かれ目でしょうか。個人的には……どうだろう。面白いとは思うんですが、やっぱりちょっと距離を感じてしまいました。
>元々、一人でいれる子供だったこと〜
「ら」抜き言葉は避けた方がよろしいかと存じます。特にこの部分は三人称神視点での地の文なこともあり、余計に気になってしまいました。只の誤字(というか抜けてしまったというか)だったらごめんなさい。一応、気付いてしまったので、指摘だけさせて下さい。俺もよくやりますんで、怒らないで頂ければ嬉しいです。
- 25 ひとつの物語 (採点:6)
- お、重い……。決して悪くはなかったんですけど、中盤の重さが自分にはちょっとヘビーでした。ラスト手前が割とあっさり流されてしまい、締め方が今ひとつ好みからズレてしまったので……ううん。もう少し開放感があると嬉しいかったなあとか思ったり。うう、わがままでごめんなさい……。
- 26 トントン拍子 (採点:5)
- 指が机を叩く音とまな板と包丁が奏でる音。トントン。
やっぱりちょっと短かったかなあ。今回は結構濃いめの味付けの作品が多いので、こうゆうライトなのがあると癒し系で嬉しいんですけれど。んー、もうちょっと読みたかったです。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- 笑った。イカのキ○タマはないわー。
ちょっとスペースの入れ方がおかしかったりした所があり、気になりました。……何だかこの作品には、こういう真面目な指摘は似合わないなあ。
イカのキ○タマはないわー。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:6)
- 基本的なネタをきちんと押さえた事により、原作っぽさはありましたね。前半のおちゃらけと後半のシリアスさが非常におねっぽかったです。後はもう少し個性があると良かったような気がしました。ちょっと57本の中に埋もれてしまった印象。決して悪くはないんですけど、こんくーるという場所を考えると若干物足りなかったかも。うーん、贅沢なこと言ってごめんなさい。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:4)
- くおおお。設定というか背景は苦手な部類なんだけど、馬鹿だった。勿論、良い意味で。後はやっぱり小説形式で書くのなら、文章作法などを守られた方が、少なくともこういう場では受けは良くなると思いますよー。そういうので減点されちゃうのはもったいないと思ったので、我ながらうるさいこと言ってるなと思いつつも、書かせて頂きました。
- 30 『packaging replica』 (採点:8)
- おおー。好きです。どこか物悲しさを纏った文章とストーリーが素敵。緩やかに流れていって収まる所に収まったという印象。『らしさ』も感じられて、非常によかった。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:6)
- みさき先輩と雪見の中学時代のお話。みさき先輩はこういう衝突を繰り返して強くなっていったのかなとしんみり。
文章は若干、情景を思い浮かべにくかったように感じました。もう少しスムーズに流れるようになると理想的かと存じます。
>「ううん。雨が降るからいいから、地は固まるのよ」
それと、この台詞で躓いてしまいました。多分、『いいから』が余計なのかな? 大事な部分だと思われる箇所ですが、こういう所のミスは非常にもったいないと思いました。今後はぜひ、お気を付けになられるとよろしいかと思います。
- 32 蘇る少年 (採点:7)
- 氷上シナリオ改訂補足版? みたいなお話でしたね。ストーリーは本当に良かった。補填の仕方が上手いです。込められているものの考え方も好き。基本的には原作のそれとそんなに変わりがないようにも感じましたけれど。もうちょっと踏み込んでみても良かったかな?? わがままでごめんなさい。文章はちょっと情景を思い浮かべにくい箇所があったり、(呻吟とか峭刻とか、自分の頭が弱いだけかも)流れに上手く乗れず躓いてしまったりした部分がありました。こういう点に関してはなかなか改善と言っても難しい所があるわけですが……やっぱり慣れなのかなあ。
総合的には読ませていただいて良かったです。次作に期待しております。
- 33 幸福論 (採点:7)
- ボケのみさきとツッコミの雪ちゃん。みさき先輩のボケにナチュラルさが感じられなかったような気がしたんですけれど、これもまたよし。最後はちょっとしんみり。好き。ポイントはしっかり押さえてあると思います。カメレオンとか、灯台とみさき先輩とか、深読み出来ちゃう要素があって楽しかったです。素敵女子高生素敵。
- 34 time goes by as change (採点:5)
- んー、難しいなあ。ちょっと感想に詰まりました。結構、ありそうな話なんですけどね。正直、好みとはズレました。後、キャラクターのイメージも少し。軽いのも気になったんですけど、まあ、これはこれでとも思うし、なにが悪いとかじゃないんですが……。ううむ、上手く言葉にならない。ごめんなさい。
- 35 それでも生きて (採点:6)
- そうか。浩平の母親って生死は不明なんですね。前半ではかなり期待したんですが、個人的にはちょっと物足りない印象。肝心な部分が描かれていなかったように思います。テーマとか描こうとしたものは凄くよかったので、もうちょっと突き詰めて貰えれば……というか、これはやっぱり容量が足らなかったりしたんですかね?? むー、非常に惜しい作品ではあると思いました。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:8)
- なんだろう。
すごく、悲しいんだ。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- みずかとみさおの解釈ってどうなっているんでしょうね? あんまそういうの考えないんであれなんですが。そのぼやけている部分がちょっと前に出過ぎた感じを受けました。ストーリーはよかったんですけど、後一歩響かなかったような気がします。ううん……なんだかごめんなさい。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- 長森と牛乳のお話。短くてあっさりしていましたけど、微笑ましいお話でした。ごちそうさまでした。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:5)
- 作りはダークというかホラーぽかったですね。最後の叫び声とか女の子とか。むー、やっぱりキャラクターの造形が自分のイメージとズレちゃったんで、点数的にはちょっと厳しいかなーとは思いました。ダークなのでそういうことを言うのも野暮なんですが。んー、上手く言葉が出ない……。ごめんなさい。
- 40 あの人 (採点:3)
- おお、なんだか普通の恋愛モノちっくな味付けですね。
『わたしは、思い切って、この想いを〜』の文から始まるシーン。場所の描写がないまま、お金云々のやり取りがあって戸惑いました。ここは書いておいた方がよろしいかと思います。後はやっぱり文章作法(行頭開け、三点リーダ等々)など細かい所にもう少し気を配るとぐっと良くなると思いますよー。
なんだかうるさいこと言ってごめんなさい。今回は点数低めになっちゃったんですが、また次の機会に期待しておりますね。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:7)
- 原作だと何故だか突然仲良くなっているように見える七瀬と広瀬。その辺りの空白を埋めてくれる良いお話でした。広瀬のキャラメイクにも好感を持ちました。ただ、浩平に思いを抱いてるというのが評価の分かれ目かもしれないと思ったり。
後、どうでもいいんですが、原作では浩平の台詞は「いいかげんにしろっ!!」じゃなくて「いいかげんにしやがれえっ!!」だったような??
- 42 ありがとうを君に (採点:5)
- 永遠が終わる前のみずかと浩平のやり取り。小説版のラストでもそこを補ったシーンがありましたが、それと比べると少し物足りないかなと思いました。ラストが予想出来てしまう所もありますし。んー、ちょっとむつかしい……。ごめんなさい。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:5)
- なんかドラマCDの面影があるんですが、聞かれたりしましたか?? 瑞佳エンドの派生モノかな。永遠から帰ってきて、また消えそうになって、やっぱり戻ってきた。うーん、どうなんだろう。結構スレスレな設定のように感じました。後、こういうお話は三人称で書いた方がよかったんじゃないかなと思うんですが、区切り記号もあり、わからなくはありませんでした。閉鎖空間のオチは好き。
- 44 髪弄り (採点:7)
- ぶはは! 来た。ピンポイントで来たよ。個人的髪。決して誤字ではなく。まさしく俺キラー。終盤になるにつれ普通になってしまったのが残念。もっともっと突き抜けて欲しかった。とりあえず、あれだ。この作者様と髪についてめさめさ語り合いたい。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:6)
- おおー。ビデオレターという小道具を選択した所が素晴らしい。非常に上手い設定かと。ストーリーは特にラストが好き。
文章はちょっと視点がふらふらしていたような気がします。タイトルコール前は詩子一人称で、本文は神視点かな?? タイトルを挟んであるので、それほど気にはなりませんでしたけど。三人称の語り口はもう少し冷静な方が好みだったりするんですが、まあ、善し悪しありますしね。これはこれで面白いと思いました。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:5)
- おー。なんか面白かったです。どこがどうこうという訳でもなく、なんか楽しかった。なんだこれ。
しかし、おねの二次創作として楽しめたかと言うと疑問が残るので、点数はあんまり高くないです。ごめんなさい。
- 47 雨に祈りを (採点:8)
- 何を言えばいいんだろう。困った。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- 今回ランダムで読んだんですが、これが56本目。最後の作品でした。タイトルを見たとき、おお、これが最後なのかと思ったりしたんですが、凄く良かったです。テンポの良さと(途中、いくつか躓いた場面もあるんですが)何とも言えないノスタルジックな感じが素敵。締め方も好き。
この作品が最後でよかったです。ありがとうございました。
- 49 輝く季節へ (採点:6)
- うーん、解釈とかは面白かったですし、設定も凄いと思ったんですが、いまいちピンとこなかったです。理由付けに終止しすぎたような。曖昧なものは曖昧なままでいいと思う人なので、これはちょっと好みの問題だなあ……。こういうのも勿論ありだとは思うんです。でも、やっぱり原作のああいう感じが好きだったりするもので……。ううん……相性が悪かったのか……。ごめんなさい。
- 50 遠きあなたに (採点:4)
- んー、む、難しいな……。困った。序盤の茜に違和感を覚えてから、最後まで上手く物語に近付けませんでした。設定のせいなのか、原作っぽさがあんまりなかったのが原因なのかなんなのか。八重子さんの存在は面白いなあと思いました。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- 七瀬と広瀬の話が結構多いですね。広瀬のキャラがみんな少しづつ違っていて、面白いです。この広瀬はちょっと抜けている所とか好感が持てます。ぐっじょぶ。芸術の知識が全然ないもので、その辺の蘊蓄を堪能させて頂きました。なんだか芸術に触れたくなりました。ちょっとラストがあっさり風味に感じましたが、良作だと思います。ごちそうさまでした。
- 52 演劇部の伝説 (採点:6)
- おー、ストーリはよかったです。設定がちょっと苦しいような気はしましたが。原作ともちょっと距離があるけど、これはこれでありだと思います。一応、シナリオ形式で書いている方には小説形式で書いた方が好まれますよーとお書きしているんですが、なんだかあんまり関係ない気もしてきたり。俺は問題なく楽しめた人です。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:9)
- お見事。いや、上手いわー。文章の流れる感じといい、知識といい、理由付けといい、惚れ惚れ。ちょっと言い回しが固い所が気になったんですが、(鎮座ましまして、目出度い、など)多分、自分があんまり文章を読んでいないからだと思います。
『永遠に広がるものは、いつだって青い色をしている。』
お気に入りの文章。
10点にしようかと思ったのですが、9点で止めておこうと思います。自分の好みで言うと僅かにずれたっていうのもあるんですが、あなたにならもう少しわがままを言ってもいいような気がしたので。良い作品をありがとうございました。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:2)
- うわ、鳥肌立った。文章上手い、というかお話を書くこと自体に凄く慣れてそうな方の作品なのに噛み合ってないというか、この物語の薄さはなんなんだろう。どういう効果を狙ったかにもよりますけれど。56本(一応、自作は除外)の中で一番苦手でした。だからこそ拍手は惜しみなく贈りたい。毒か薬になるものには高得点を差し上げたいのですが、今回は思考が停止するまでいかなかったこともあり、申し訳ないんですが点数下げさせて下さい。本来、これほど低い点数を与えるべきものじゃないと思うんですが、完全に好みのみの評価ということでご了承頂ければと思います。それにしても作者様が気になるんですが……知っている人かなあ。
- 55 ラブレター (採点:8)
- これ、いいなあ……。心が暖かくなるような素敵なお話でした。得点の高さと感想の言葉の少なさは比例したり。作者様に感謝。
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- ファンタジー。読み始めた時はちょっと苦手な部類かなーと思ったりしましたが、けっこう好きでした。こういうのもありかなあ。ヒロインを七瀬にしたのが大成功だと思いました。逆に少年のキャラクターを南にしなくてもいいような気はしましたが。
>「折原だけが独占するには、もったいない女なのよ」
お気に入りの台詞。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- 澪が浩平を思い出して貰うの為に演劇をするという話の筋は良かったと思いました。しかし、ちょっと容量が足りなかったのか、あっさりと浩平が帰ってきてしまったような感じを受け、そこは少し違和感。後、氷上の立ち位置はちょっとわからなかった。便利キャラになってしまったような印象。シーン自体は結構好きなのですけど。うーん……難しい。
○春日 姫宮 さん
- 01 部屋の明かり (採点:9)
- 素晴らしい内容でした。
1点引いているのは単に私の好みでない表現が多かったからと、終わりの方に作者さんのやっつけを感じたからです。
とはいえ、丁寧に練り込まれた良作だと思います。
- 02 追跡者 (採点:7)
- 馬鹿すぎ!(褒め言葉
みさきが呼ばれなかった理由は、折原が「見られると興奮するタイプだから」だったりもするかも。
黒すぎるか(笑)。
- 03 雨の中 (採点:6)
- 茜が待つ間の、面白い補完ですね。
もう少し尺が欲しかったかな。
- 04 いっしょに。 (採点:8)
- 澪のココロの中って、そうなっていたんですねー。
意外と面白い性格(笑)。
良い作品だと思いました。
- 05 また明日 (採点:6)
- ほのぼのえっちヽ(>ヮ<ヽ)
浩平の思考回路がちょっと違うかな、と感じました。
- 06 It's possible to think of you. (採点:6)
- ううう。読み解けませんでした。ゴメンナサイ。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:8)
- ほのぼのしていて雰囲気の良い作品でした。
ただ、訴えかける作品としてはちょっと弱いかな。そちらがメインではないのでしょうけれど。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- オチが良かったなあ。
そこまでは、ちょっと間延びしたかんじ。
- 09 生徒 A (採点:6)
- 楽しそうな感じが伝わってきて良かったです。
もう少しやっつけの部分が減らせると良いですね。
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- 面白い着眼点のSSですね。
行間の多要を避ければ、もっと良いものになると思います。
- 11 なついろとみさきと (採点:7)
- 短い文でよく纏まっていますね。
完成度は高く減点要素はありませんが、こういった場ではドラマツルギーを求める、というのが私の読み手としてのスタイルなので。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- 終わり方が綺麗でした。
表現は、もっと良く出来そうな部分がいくつかあったかな。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:6)
- ほのぼのしていたのは良いと思います。
オチが最後まで分からないように工夫すれば、もっと良かったのではないかと。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:6)
- 所々に細かく差し込まれた雨の描写は良かったです。
他の描写も織り交ぜるとより効果的になったかも。
- 15 桜散る (採点:6)
- 良く纏まっていた作品だと思いました。
だからこそ、もう一捻りが欲しかったです。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:7)
- 物凄く幸せですね。二人とも。
波風ないストーリーがかえってリアリティを醸し出していました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:7)
- 良い物語でした。
- 18 玉手箱 (採点:6)
- なるほど、こう落としましたか(笑)。
キャラクターはもう少し絞った方が良かったかも。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- 綺麗に纏まったストーリーだったと思います。
ブログを使った物語、という設定の斬新さも良かったと思います。
ただ、ブログで名前を出してしまって、その人について延々と書くのはマナー違反では? とそこだけ気になりました。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:6)
- 楽しい物語です。
欲を言えば、もう少し描写を増やして欲しいなと思いました。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:6)
- 歌を使うという発想は良いと思うのですが、歌と文章を調和させるところまで練り切れていないように感じました。
時間の制約が厳しかったのでしょうか。もったいないと思いました。
- 22 Luminous (採点:6)
- 雰囲気の良い作品だったと思います。
ただ、少し中盤間延びしたかな。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:6)
- なるほど、留年しちゃいますか。
茜シナリオエンディングで詩子と茜は進学の話をしていた、というのが一点。
もう一点は、詩子はもっと飄々としてるんじゃないかな、というところです。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:6)
- 面白いところを描いたように思うんですが、ダイジェスト版のようになってしまったのが残念でした。
もう少し密な描写であれば、評価は跳ね上がったと思うだけにもったいないです。
- 25 ひとつの物語 (採点:6)
- こういう物語は大好きです。
ただ、作者さんの思いがどれだけ読者に受け容れられるか、というのがこの手の文章のキモだと思うんですが、もう少し受け容れやすくできる余地はあるんじゃないかと思いました。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- 待っている様子が伝わってきました。
もう少し状況が分かりやすく書かれていれば良かったと思います。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:7)
- 文章は読みやすく、楽しさが伝わってきました。
オチもナイス(笑)。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:7)
- 甘くて良いストーリーでした(笑)
描写も丁寧でした。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- や、悪くないんですけど。
やっつけ感は拭えませんでした。
- 30 『packaging replica』 (採点:6)
- 明るくて楽しいストーリーなんですが、少し物足りないかも。
何が、と具体的には言えないんですけどね。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:8)
- 素敵な物語でした。
描写も過不足なく、内容もよくできていて、良かったです。
- 32 蘇る少年 (採点:7)
- 淡々とした描写にリアリティを感じました。
もう一つ、捻りがあればもっと評価は上がったと思います。
- 33 幸福論 (採点:10)
- 参りました。
最後こう持ってくるのはずるい。
満点持って行って下さい。そして、素敵な物語をありがとうございます。
- 34 time goes by as change (採点:6)
- 物語としては全然悪くないんですけど、ONEの瑞佳がこういうキャラだったかと言うと、どうも首を傾げてしまいます。
- 35 それでも生きて (採点:7)
- CLANNADの直幸を彷彿とさせる物語でした。
なるほど。良作だったと思います。ただ、母の過去を描くだけじゃなくて、その先を描いて欲しかったかな。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:6)
- ちょっとこの展開は無茶があるんじゃないかな。
- 37 Ever Follow ever (採点:8)
- 語りの強さが少し鼻につくこともありましたが、この表現力は圧巻でした。
- 38 みるく・ろーど (採点:6)
- ほのぼのしたエピソードが良かったと思います。
牛乳を飲む擬音が可愛いですよね。
ただ、最後の
「うーん、そうだね…。昔から、学校でも家でも好き、かな?」
「え? 学校と家ではなにかが変わるの?」
「砂漠で飲む水は、どんな水でも美味しいってことだよ」
という話の流れは、やや不自然に思いました。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:6)
- 設定は凝っていたのですが、オチで冷めてしまいました。
文章作品で絶叫落ちはあり得ないと思っています。
- 40 あの人 (採点:6)
- 王道を真っ直ぐ行った、丁寧で良い作品だと思います。
もう少し色々な展開を入れても良いと思いました。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- 描写も丁寧な良作だったと思います。
やや、浩平を好きになる展開が唐突に感じました。
- 42 ありがとうを君に (採点:7)
- 短い中に光るもののある、素敵な物語でした。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:6)
- 行間を埋めれば本当に良い物語になったと思います。
時間不足でしょうか?
- 44 髪弄り (採点:6)
- とりあえず、
>次にもみあげを前に垂らし、耳の後ろの毛を後頭部で結わこう……
セイバー?
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:9)
- 例え王道でも、やられてしまうものはあります。
ビデオレター、とても良かったです。
- 47 雨に祈りを (採点:7)
- 高い表現力は圧巻でした。
Kanonの香里を思い出させました。
- 48 エロ本行 (採点:10)
- 素晴らしかったです。
……いやエロじゃなくて。
- 49 輝く季節へ (採点:6)
- んー。何か主題が隠されているように感じたんですが、見つけ出せませんでした。
- 50 遠きあなたに (採点:6)
- まずは行間を埋めましょう。
キツイ言い方ですが、他の作品に比べて文章力が足りていません。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:9)
- お見事。落ちも効いていました。
- 52 演劇部の伝説 (採点:7)
- 良作でした。
もう少し描写を増やせば、もっと私の好みに合ってました。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:8)
- みさきの出てくる物語なのに、表現の色彩が豊かというミスマッチが、でもかえって映えていました。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:9)
- 素敵。
−1点は、途中の論理にやや皮相的なきらいがあったからです。
是非書いたあなたの名前を教えて下さい。
- 55 ラブレター (採点:8)
- 面白いです。でも、澪は書く文字全部が平仮名というわけでもないと思います(笑)。
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- コンビの妙ですね。良いSSだったと思います。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:6)
- 一定のレベルには達しているのですが、この高レベルなこんぺだと読み手としての私が「それ以上」を求めてしまうんですよね。
もう一捻りが欲しかったです。埋もれてしまった感じが残念。
○小夜時雨 さん
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:10)
- 前半のノリのいいテンポから後半までの展開、お見事です。大変楽しませていただきました。
○竹仙人 さん
- 01 部屋の明かり (採点:6)
- ううーーーーーーん……(笑)
読み終わって真っ先に出てきたのが、「なぜわざわざ由起子で……」という疑問でした!
元々キャラがなかったから肉付けしやすかったのかなあ、とか、ヒロインだとなんか書きづらいことでもあったのかなあ、とか。同居人を失ったことによる(他のキャラと比べて)真に迫る喪失感が書きたかったのかなあ、とか。
もともと浩平との絡みが少ないキャラなだけに、喪失以前の関係がイマイチはっきり認識できないまま読み進めたので、いきなり「思い出す→慟哭」という流れを見せられて、えぇぇぇ、となりました。そこまで深い関係だったっけ……と(笑)。
後は……中盤以降のすっ飛ばしっぷりがいっそ爽快でした。なんぼくらい削ったんだろう(笑)。無理難題を突きつけるようですけど、もっとじっくり進めて作って欲しかった。
それでもこうして纏めてくるあたりはさすが。この話が最終的にどのあたりに落ち着くかが、このこんぺの読者層を象徴する気がします。なんとなくですが。
- 02 追跡者 (採点:2)
- 壊し方、広げ方、オチ、すべてが好みじゃありませんでした。
- 03 雨の中 (採点:2)
- 擬音だけですべて説明できてしまいそうな話の速さ。
- 05 また明日 (採点:4)
- 現代人の穢れた性生活はもはやとどまるところを知らず、まったくもってけしからず、こうして隠れて眺めているだけでは如何ともし難い劣情が足の付け根の最深部からめきめきと湧き出てくるのであり、つまり羨ましいってことさ!!
- 06 It's possible to think of you. (採点:3)
- もう少し整備された日本語を望みます。
語り口の人物は(誰だかわかりませんでしたが)どっかりしているのに文章がくどすぎて、読んで頭に入れて理解するまで他作品の数倍の労力が必要でした。
意義だのなんだのをうだうだ考えて自分に酔っ払ってる、うらぶれた団地妻みたいな女も好きじゃないです。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:5)
- うがーどうにも釈然としないー。
みさきの言葉の端々に好きな文章がたくさんあって、楽しめたんですが……なんだろう。うわ、みずかうざッ!と思ってしまったからかしら(笑)。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:10)
- 惚れました。
結婚して下さい。
くそ……(笑)。
もう、嬉しいやら悔しいやら嬉しいやら嬉しいやら。こーゆー話を書きたいと思っていたものの完成形をまざまざと見せ付けられた感じです。詩子いいなーいいな詩子。くそー。Syrup16gのReborn聴きながら読んだら無性に泣けてきそうになりました。GRAPEVINEの「d e racin e」も借りてこようかな(笑)。
小ネタからこまかい描写に至るまでどうしようもなく好みでした。とんでもなくテンポいいし、会話はウィットに富んでさくさく読めるし、雑学も豊富に盛り込んであって退屈しないし。話は都会都会しているのに、田舎の片隅で夕焼け眺めてぼけっとしている時のような切なさを感じました。久しく忘れていた、すばらしい作品に当たったときの、全てをうっちゃって集中して読んでしまうこの感覚。やっぱCool!!
文句なしの満点です。謹んで進呈いたします。
- 09 生徒 A (採点:7)
- ○ーさんだよなあ、これ(笑)。違ったら攣ります。足が。
何がどう繋がってどう展開していくのか中盤までさっぱり予想できず、ただテンポのいいキャラの掛け合いを眺めていると、あれよあれよと二転三転。あれ、結局どこに着地したんだろう? と半ば置き去りにされつつも、ゲロ巧い組み立て方にはぐうの音も出ません。
ぐう。
- 10 プラスティックフラワー (採点:5)
- 読むほどにシリアス値が下がっていくこの展開はなんなんだ(笑)。
まんま読み切りの少女漫画だなーと思って眺めていたら、そこまで上等なもんでもなかったなんて(笑)。もはやお笑いの世界……喜劇だ!
- 11 なついろとみさきと (採点:2)
- この、中学校の英語の教科書を和訳してみました、な文章群は一体……
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:6)
- なにかこう、ナックルでティーバッティングしてるような掛け合いが独特で、味わい深いです。
チグハグした文体なのに、有無を言わせないミョーな説得力が感じられたりして、ほぼ全ての中身がスッと胸に落ちました。
只者じゃないとみた。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:4)
- >「遅れて、ごめんだもん」
笑い殺されるかと思いました。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:5)
- 冒頭でピピッときたんですが、盛り上がりに欠けたせいか、あまり読後に残るものがありませんでした。修羅場ってどうこう!って話でもないですが(笑)。
茜の人物像が、静謐というより、淡白な印象でした。
- 15 桜散る (採点:2)
- お疲れ様です。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- アンチテーゼなのかアイロニーなのか、なんだか読後感がもにゃもにゃして言葉にできないんですが、二人の生活に漠然と危機感を覚えつつ、浩平の言うようにその時までそのままでいいのかも、と思いながら、駄目だこいつら、とも感じてしまい、どこで間違ってこうなったのだろうということを考えつつ、幸せってなんだろうとか人生ってなんだろうとか、愛って偉大だよねとか、そんなことをつらつらと。
それほど重くもグロくもないはずなのに、全身をすり減らす思いで読みました。
10日ほどあけて再読したら、逆にやたらとスカッとして点数上昇。……自分でもよくわからない(笑)。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:6)
- 甘やかしすぎず、厳しすぎず、適度にやさしいお話でした。
心があったかくなりました。
このあったかさで焼き芋をふかして食べようとおもいます。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- この展開でこのオチじゃ、読者がどう頑張って読んでも最後に「ふーん」か「へえ」しか出てこないと思うのですがそこんとこどうよ!
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:6)
- [コメントを書く]
takesennin:
『 はじめましてー。ブログ拝見させていただきました! 実は毎日チェックしているのですが、書き込むのははじめてです。よろしくお願いします!
澪さんのブログを読んでいると、こうした文字だけでも、ほんとうに喋れないのかと疑ってしまうくらい表情ゆたかなのが伝わってきます!(って失礼ですね;;) みさきさんや浩平さんといったすてきな方たちに囲まれての生活、部活動。遠まきながら、ああ、いいなあ、と思えます。部活動、いよいよ公演ですね。徹夜で準備に取り組むようですが、どうか体調だけは崩さないように気をつけてくださいね。ってこの書き込み、公演が終わってからでないと見られないじゃないか! うわー。
頑張ってきてください! 応援してます!』
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:4)
- こーゆーグダグダでだらだらした日常のエピソード、嫌いじゃない(笑)。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:4)
- 視点の人物がストーカーだったら神だよな……
とわくわくしながら読んでいたんですが、けっきょく分からずじまい。
そりゃないっすよ! あんまりだ!
むきーっ。
- 22 Luminous (採点:4)
- はて……
浩平と同じように、わけが分からないままみさきに自己完結されてしまって、どうにも対処に困ります。
半分以上を費やして、後半に何が待っているのかと思ったら、みさきの不思議体験ツアーをなぞり返すだけで。シチュエーションを楽しめばいいのか、お話を楽しめばいいのか計り損ねましたが、なんかどっちも半端で終わっちゃってるような。
軸だった浩平視点も、なにか無感情で味気なく感じました。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:2)
- 誰やねん彼ら……(笑)
片手で数えられるくらいの台詞で新登場のキャラみんな把握しろと言われても、そらしんどいです。人数分いちいち「えーと、この台詞しゃべってるのがこのキャラで名前がこれでこんな性格か」なんてやってられんです。別に覚えなくても支障はなかった、と読み終わった後にわかりましたが。
そんな誰が誰やらな状況でこんなにもスピード感あふれる友情劇を見せられても、得体の知れないうすら寒さが湧いてくるばかりです。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:3)
- 原作で語られている事を、設定を変えて、別の角度からアプローチしている……という事なのかしら。
文章に粗が残ってて、ムリに文章を硬質にしようとして失敗しちゃってる匂いがします。読んでいて一度そういうところで引っかかると、一歩下がった醒めた視線でお話を眺めてしまうんですが。
説得力がないわけではないですけど、それほどあるわけでもなく。
興味は持ちましたが、それほどそそられたわけでもなく。
退屈はしませんでしたが、それほど楽しめたわけでもなく。
- 25 ひとつの物語 (採点:6)
- なんといってもラスト近辺の瑞佳に尽きました。
目から鱗。
- 26 トントン拍子 (採点:3)
- 無言電話……ひどい(笑)
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:5)
- イカのキンタ○マで向こう半年分くらい笑いました。
あそこであれは、反則だ(笑)。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:8)
- 自作と微妙にかぶった……○| ̄|_
んでも、こっちのが数段いいです。負けた(笑)。掛け合いは面白いしテンポいいし描写も綺麗だし雰囲気やわらかいしラブってるし羨ましいしチクショー!
- 29 やさしさと しあわせと (採点:3)
- チャーハンばっか食べてるから……
- 30 『packaging replica』 (採点:3)
- 中だるみしました。
どーもいちゃつきシーンに容量を割きすぎて、仲睦まじいのはわかったからはやく話を進めてくれませんかお二人さん、的な気持ちがこう、沸々と。突っ込んだ一人称ならまだ読めるのですが、ほぼ会話のみでやられちゃってるので、ただいちゃいちゃしてる絵しか浮かばず、そのいちゃつき方も一辺倒で、読むほどに醒めました。
お話の方は材料が少なすぎて推測にすら辿り着けませんでした。漠然とイメージばかり想起させようとして、肝心の土台が揺らいでるような。ムリにONEっぽくしようとして、空回ってる印象です。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:3)
- 実直で一本気な話でしたが、あまりにも王道に過ぎて、見所らしい見所がなく、退屈でした。
- 32 蘇る少年 (採点:9)
- やっべ大好き。しっかりと地に足がついてる落ち着いた文章が◎。速すぎずゆるすぎず、このくらいの長さを読むとき一番ぴったり合っている筆致だと思いました。実は彼のシナリオは情報として持ってるだけでやってなかったりしますが(笑)、些事ですともそうですとも。
全体を通して文章が好みですが、終わり方が特に好きです。
- 33 幸福論 (採点:7)
- シチュエーションがモロに好みです。文章も。
ただ、夏休みが終わったあとで受験生ってことは、浩平と会う前か、会っている当時なわけで、みさきは自宅と学校以外には恐怖のあまり出歩けないわけで……そこんとこどうなんだろう、と思いながら読みました。
そのへんは忘れて読んだほうがよかったかも、と若干後悔してます(笑)。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 瑞佳の修羅場とか、まさか読めるとは思いませんでした。読んでいてゾクゾクした……
どんな紆余曲折があろうとも、けっきょくは変わらない日常へ帰結する。……そういう話にめっぽう弱いのです。
そんなわけで、締めの一文が大好きです。
- 35 それでも生きて (採点:5)
- このダァクな家庭に真っ向から斬りかかってくる話は今回初めてのような気がします。
用意された文章のすべてが意味をもっていましたね。生きた会話。無駄のない構成。矢継ぎ早に進む展開。クッションさえもない。ひとつひとつのシーンの精度は目を見張るものがありますし、空行をうまく利用して緩急もついていますが……それでも、こうも猪突猛進にやっつける話ではないかなあ、とぼんやり思いました。
たとえば、みさきじゃなくてもいいですしね(笑)。これ当て馬だよなあ、と途中で思ってしまう余地が残っていたので。出来ることなら瑞佳で読んでみたかった(笑)。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:5)
- この手のパターンは初めて目にしました。いい使い方をしてらっしゃる。
えぇぇぇ、いいんかよ! と思わず力の限りツッコミ入れてしまいましたが(笑)。
- 37 Ever Follow ever (採点:3)
- これでもかってくらい、文章が読むほどにもどかしい…………三人称の中でもとりわけ合わないタイプの文体でした。ひたすら機械的に事実を羅列しているので。キャラの心理さえも、事実として淡々と記されている。創作というよりなにか記録物でも眺めてる気分になるので、苦手です。台詞が挟まってなければ、途中で投げていたかもしれません。
こうなってくると話までマイナス方向に補正かかってしまい、決して安易な結論ではないはずなのに、んなもんえいえんから戻った時点で気づいとけやああああ!的な気持ちになってしまってもう。
- 38 みるく・ろーど (採点:7)
- 短いのに綺麗。
いわゆるひとつの美談でありますね、ハイ。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:6)
- 落として、ちょっと持ち上げて、また落とす。型に沿ったいいダークでした。半端に優しくしないのがグッド! やっぱいいっすわ、こういう容赦のなさ(笑)。どす黒い方向にスカッとします!
- 40 あの人 (採点:3)
- 一人でエセ乙女ちっく思考に耽っているのを見せられても、はあ大変なんですね、みたいな。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:4)
- てっきり七瀬とどう親睦を深めていくかが焦点だとばかり思っていたので、いつの間にかの一言で片付けられて目が丸くなりました(笑)。
それを除くと、もうほんとに一人のキャラが恋して失恋しました、という話で。見所はその展開そのもの、だとは思うんですが、こんなことがあってこうなって結局失恋しましたー、だけでは、物足りなさが残ります。このキャラに相当な思い入れでもない限り、ふうん、で終わっちゃいそうな気もします。
- 42 ありがとうを君に (採点:2)
- そんな話なのかなあ、と思ったら、ほんとにそのまんまの話で。
予想通りというか予想以上に平坦で何も変わったところがなかったので、読んでいて感情を刺激されることがありませんでした。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:3)
- あっち行ったらこっち、こっち行ったらあっち、なドタバタ喜劇を見るような展開は一体(笑)。
誕生日だけの帰還みたいですし、包み込んでも結局この日だけで消えちまうんだよなあ、と直後の別れを想像すると、やっぱり笑いがこみ上げてきてしまって。瑞佳の母と浩平って旧知だよなあとか、こんな中途半端なところで余計なことされると原作のエピローグの価値下がるよなあとか、とりとめなく思いつつ。
- 44 髪弄り (採点:5)
- なにうまいこと美談に仕立ててんだ(笑)。
ゾクゾクしちゃってるくせに!
はじめ、「髭弄り」に見えました。どんな話なのか本気で心配しました。同じくらい期待もしました。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:7)
- うわぁぁぁぁぁぁっぁぁあ
いい話や……
台詞は普通に読めるのになあ(笑)。
参りました。詩子にやられた。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:6)
- なんだこれ(笑)。
狙ったのか趣味なのか裏があるのかわかりませんでしたが、なにかただならぬこだわりを感じたような気がしなくもありません。
とりあえずコーチ素敵すぎます。
- 47 雨に祈りを (採点:7)
- 予想していたよりもずっと、説得力がありました。
悲しい話です。
- 48 エロ本行 (採点:9)
- タイトル見て、どんなアホ話かと思ったら…………想像していたのとまったく逆ベクトルなんて!
しかも超好みときた。
今回いちばん、原作の二人に近しいものを感じました。そーだった。こういう関係で、こういうやり取りをする彼らだった。話とも相まって、とても懐かしかったです。この浩平のひどく冷静にすっとぼけていくスタンスが大好き。
- 49 輝く季節へ (採点:5)
- わかりませんでしたフハハ!
(再読)
わかんねぇ……俺にはわっかんねぇ……
材料は転がってると思うんですけど、どう料理して推測していいのかわからないっす。
- 50 遠きあなたに (採点:6)
- 前半、自問自答を繰り返して一喜一憂している茜にかなりぐんにょりきてしまったんですが、後半で持ち直しました。
なんといっても構成力。容量いっぱい使って、こうも短い文章だけで雰囲気を作ってここまでキッチリ固めてくるとは。なかなか出来ることじゃありません。
いい話でした。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:3)
- さて読み終えて、この話にはどういったエンタテイメント性があったのか、と考えてみる。
状況。浩平と広瀬が七瀬について会話している、ほんの短い15分。ストーリィは無いに等しい。
見所。絵画に関する情報がふんだんに盛り込まれており、それに対する作者の造詣の深さが伺える。原作ではあまりエピソードのない広瀬に性格を付しているが、絵画という趣味と絡めることによってより円滑にキャラ付けがなされている。彼女はなかなかに強気である。
広瀬と浩平の会話の内容は、七瀬について。親睦を深めたきっかけとなるエピソードを切っても切り離せない関係の絵画とともに解説。浩平は完全に聞き役で、作中においてはまったくの役立たず。
過去を語り終えてからの浩平との会話でも絵画の話に終始。
最初から最後まで、広瀬真希という人物を、趣味の絵画を交えて描いていた。という作品。
それに対する自分の所感としては、
広瀬・・・・原作では別段目立たないし、思い入れもない
絵画・・・・興味ない
結論 : 趣味に走りすぎ(笑)。
- 52 演劇部の伝説 (採点:1)
- お疲れ様です。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:6)
- おおー。丁寧だ。
ゆったりまったりした、優しいお話でした。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:8)
- なんてたくましい女だろう。すてきだ。
文章の流麗さは今回五指に入るほどだったとおもいます。こまかい描写、フレーズのひとつひとつに、なにか頭のなかの知的な部分が適度に刺激され、最初から最後までよどみなく読み進めることができました。わからない単語が散見されても特に気にならず、全体に影響をおよぼすほどではないくらい、整った作品でした。
余談ですが、「どうでもいい」は、日ごろ自分がもっとも人から言って欲しくなく、自分でも人に言わないようにしている一文です。極めて個人的な事情ですけど、あのくんだりはでドキッとしてしまいました(笑)。
- 55 ラブレター (採点:3)
- 両手に花かよっ。
にしても、やり口があざとくて、それがちょっとイヤンな感じです。
手紙、手紙ね……中身でポイント稼ぎにくるんだろうなあ……ああやっぱりなあ……と、醒めた視線で眺めてしまいました。
これに限らず、小道具を全面に押し出しすぎるのは華に欠ける。そう思ってしまうたちなのです。ああしてズバリ言葉にしてしまうのって、無粋じゃないですか(笑)。
直球もいいですが、それ一本では芸がありません。スタイリッシュに決めてほしい(笑)。
- 56 “ろまんひこう” (採点:7)
- また妙なものを投げてきやがって(笑)。
こういう、原作と作者の夢(非原作のなにか)をそれぞれフラスコで用意して、ビーカーの中で混ぜ合わせて煙を上げながら出来上がったような話は嫌いじゃないです。メルヘンチックでいいなあ。えいえんをこう解釈する作品は初めて見ました。あの人格の南を使った意図はちょっと見えませんが。シュンの方が適役じゃないかなー、というかシュンだとばかり思った(笑)。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:4)
- いくらなんでも駆け足すぎて、おいおいはええよ、とこっちが面食らってる間にも話はトントン拍子に進んでいってしまい、何歩か後ろからため息混じりについていきました。
全体を通して強引さが目に余ります。もっと隠す美学を追求して欲しかった(笑)。
○匿名希望(23、リーマン) さん
- 01 部屋の明かり (採点:7)
- 浩平が消えていた間の由紀子はなるほどこんな感じだったのかなと思ってしまうくらいによくできた話でした。
ただ前半、というか物語が動き始めるまでが冗長かな、と。
瑞佳との邂逅までをもうちょっとコンパクトにまとめて欲しかったです。
それといろいろと気になってしまう場面があって、一つあげると、瑞佳が家の前にタクシーが止まっているのに気づかないで家を見つめているという状況。さすがにタクシーが来たら気づくんじゃないかと。その家の人を待っているわけですから。徒歩ならともかく。
誤字脱字の類には基本的に無頓着なタイプなんですが、さすがに多過ぎで、目に付いてしまいました。
それらが減点の理由です。
いい出来であっただけに残念というのが一番正直な感想でしょうか。
- 02 追跡者 (採点:6)
- オチが容易に想像できてしまい、なおかつほぼ想像通りの展開を迎えたわりに楽しめたのは中盤のボケ→ツッコミのテンポがよかったからでしょうか。
ただ一番最後は完全に蛇足だと思います。この前で終わっていた方がキレイでした。
- 03 雨の中 (採点:2)
- よく言えばあっさり、悪く言えば肉付けが足りない。
その一例が詩子がいないという日常(これは茜にとっては完全に非日常だと思います。)をたった四行で済ませてしまっているところ。
展開が急なわりに登場人物が淡々とし過ぎているので全く感情移入できませんでした。
- 04 いっしょに。 (採点:6)
- 平凡な一日を丁寧に描いた小品といった印象です。
それなりの分量があるのに、意外にもさらりと読めるのは文章がこなれているからでしょう。
澪にみさおのことを話す場面があっさり省略されてしまっているような気がしました。
みさおの話を聞いて澪がどう思ったかを描くと、もう少し深みが出たかなと思います。
あと、
>固まった浩平の唇をフレンチに奪って、慣れないウインクひとつ。これがトドメ。
エロいなあ。
- 05 また明日 (採点:5)
- No.4と同じく、特に何も起こらない日常をかわいらしく描写したという感じでしょうか。
あんまりにもほんわかし過ぎていて、このあとを想像すると逆に不安になってしまいます。
実は惨劇への前フリなんじゃないのとか何かそのうちギスギスし始めるんだよなーとか。
そう考えると意味深なタイトルですね。
>よく言う「幸せすぎて恐い」というやつなんだと思う。
浩平はこれを身体中で理解しているキャラなんですよね。
- 06 It's possible to think of you. (採点:3)
- 途中から設定の説明に終始してしまっていて、置いてけぼり状態になっちゃいました。
語り手は多少救われた感じになっていますけど、戻ってくるかどうかをぼかしているので、とても残酷だなあなんて思ったりして。
でも、
>いわゆる『ヤキモチ』というやつなんだろうか、このどこか釈然としない気持ちは。
この一文がすこぶる素敵です。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:4)
- すいません。ついていけませんでした。
(浩平にとって)都合が良過ぎて、「おいおい浩平よ、お前それでいいのか」と訊ねてみたいくらいです。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:9)
- えいえんのせかい=モラトリアムとするならば、この物語の中の詩子はまさにふらついたままの猶予期間にいる状態であるのだけれど、幕切れで前を向くと決意することでどうにか突破を図ろうとしている。おもしろいです。
今回のこんくーるの中で一番興味深かったのがこの一篇でした。
解説をお聞きしたい感じです。
夢の場面がそれなりに秩序が保たれている状態だったのと題名が今一つピンと来なかった(グレープバイン?)ので減点させていただきました。
あそこで破綻を組み込むならもっと滅茶苦茶にやらなければならないんじゃないかと。
そうそう、詩子って「ヒステリックグラマー? オゾンロックス? ハッ。ていうこのスタンス。」を持ってそうじゃないですか。わかんないですけど。そこらへんも気になったり
- 09 生徒 A (採点:6)
- どうもすっきりとしない読後感でした。
状況が二転三転するわりには脱力するばかりで驚きはなく。
茜の考え事には笑いましたけど。
構造をいじった、トリッキーな読み物に必要な切れ味がなかったかなと。
フリオ・コルタサルの『続いている公園』なんて読んでみると参考になるんじゃないかなー、なんて書いてみたりして。
>普段あまり見る事のないレアな表情を晒す茜
どんな表情なんだろう。(笑)
- 10 プラスティックフラワー (採点:6)
- 女の友情ですね。
言い合う二人の場面は本人たちが真剣なものだから、余計によかったと思います。
佐々木智裕の造形が薄っぺいのが残念。ベタというのかな。
でもゴリラ顔の人が「まぁまぁ、そう拗ねるな。残りセカンドキスからラストキスまで全部俺のもんだからな。おまえの唇は他の誰にもやらない」っていうキザな台詞を吐いているところを想像すると、なんだか笑えます。
- 11 なついろとみさきと (採点:1)
- 食べてばかりのみさき先輩の将来が心配です。早死にしそうだこの人は。
>俺がこっちの世界に戻ってきてから、初めての夏。
何だか、これじゃあ外国から帰ってきたあとみたいです。
ほのぼのし過ぎですよ。(笑)
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:8)
- アイデアが面白いです。引きずり込んじゃうのか。
oneのssはあまり読んでいないんですけど、これはかなり素敵です。
えいえんでは年をとらないっぽいから、この三人は文字通り永遠に一緒にいられるわけで、瑞佳にとってはパラダイス!マジ最高!って感じの状況じゃないですか。
なんてうらやまし……いやうらやましくはないか。
……場合によってはこの話はホラーとしても組み立てられますね。
誰とも絆を構築できなかった浩平が無理矢理誰かをえいえんに連れてっちゃうような話。
えいえんに監禁して、自分の思い通りに……ってケッチャムみたいになりそうで嫌だ。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:2)
- 題名が意味深だ。
ショートストーリーって感じですね。
浩平と住井が絡むといつも笑いが生まれますね。不思議。
>「遅れて、ごめんだもん」
この台詞に大きな違和感が……。点数が低いのはこの一言に納得できなかったからです。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:4)
- 微妙だなあ、と。
登場人物の行動が全体的によくわからんかったです。
茜の思考も幼すぎるような印象。
- 15 桜散る (採点:2)
- 後半の、浩平による解説が続くところが退屈でした。
わざわざあんなに説明する必要はないと思います。
瑞佳の心理も一人称で語られているのに随分とあっさりで。
失恋したという事実はかなりショッキングなものなんじゃないかと。
記述量のバランスが悪いように思えました。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:4)
- 浩平と茜の気持ちはよくわかるんですよ。でもそれ以上にガツンとくるものがなくて、ただただ冗長で、読んでて辛い部分も。
ラーメンを啜るときのずるずるという擬音は二人の数年間そのものなんでしょうね。これまでのずるずるとこれからのずるずる。
それがこの一作を象徴しているような気がします。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:5)
- ごめんなさい。何だかきれい過ぎて、こういう話は苦手です。
澪も先輩もいい子なんですね。それだけに機械仕掛けっぽくて。
あらかじめ完全に作り上げられた人物造形を物語にのせた感じというか。
先が読めるし、全てが予定調和の中で安定している。ナマっぽさがない。
そういう小説はどうにも苦手です。
- 18 玉手箱 (採点:2)
- 構造にトリックを用いた作品っていうのは切れ味で勝負するようなものが多いわけですが、この作品はどうにもキレが悪かったように思えました。
長すぎる改行とかどうなのよって感じで。
最後に【Endless】と安直に記してしまうところもどうかと思います。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:4)
- ブログである必然性が感じられませんでした。
日記と大差ないじゃないか、と。
例えば自分の知らんところで勝手に広がっていってしまったりするのがブログの特色の一つなのではないかと思うんですけど、この作品にはそういうのがなかったように思えます。
ただ、
>高校演劇や大学演劇をしている人たちの間でものすごく評判のいい劇団さんです。
この一文からそこはかとない悪意が……。
一人の小劇場演劇ファンとして、笑いを堪えることができませんでした。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:1)
- 地の文も台詞も今一つでした。
どうやって感想を書けばいいのかもわからんくらいです。ごめんなさい。
あ、住井も浩平も普通ですね。
もうちょっとエキセントリックなやりとりがあるとよかったかな、と。
- 22 Luminous (採点:8)
- 『世にも奇妙な物語 ♯♯の特別編』の大切りのエピソードでありそうな話だなあと。
おもしろかったです。
「結局何だったんだー!」っていうもやもやとした読後感がいいですね。
物足りないのは「亡き女王のためのパヴァーヌ」からのイメージの膨らみが皆無だった点でしょうか。
そこだけが全体から浮いている感じがします。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:3)
- 浩平帰還後の詩子を描いた一作ということでどうしてもNo.8と比べてしまいます。
向こうの詩子がどうにか一歩を踏み出そうとしているのに対して、こちらの詩子は結局茜に依存しているのではないかと。
多くの青春小説は成長を主題としていますが、この作品はどうなんでしょう。
クラスメイトのキャラも書き割りっぽいし、
>秘匿性がないなら話してしまえよ
こういう台詞の不自然さが気になってしょうがなかったです。
秘匿性って言葉は日常会話ではぱっと出てこないんじゃないかなあ。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:1)
- 悪文というか何というか、とにかく読み辛かったです。
一読しても文章が頭に入ってこないので、物語の中にぱっと入っていけませんでした。
ところどころ妙な表現もありましたし。
一番は読点の打ち方なんじゃないかと思うんですけど。
- 25 ひとつの物語 (採点:7)
- 30KBという制限内でどう書くかっていうのは最初のテーマだと思うんですけど、この作品はかなりのボリュームからエピソードをどんどん削っていったような印象です。
倍の60KBとかだったら、もっとばっちり書けていたんじゃないかな、なんて思います。
女子3人の関係の良さみたいなのが読んでいて心地良かったです。
- 26 トントン拍子 (採点:3)
- 微妙。ものすごく微妙です。
澪がどれだけ苦労したとかもう無理とか、そういう記述が少ないから、『合格なの』という言葉によるカタルシスがほぼ皆無。
でも、
>紙一面に書かれた文字が、満面の笑顔を隠した。
この一文は素敵でした。『隠した』っていうところが特に。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:2)
- 最後まで読んでも何が書かれているのかわからなかったなあ。
『おまけ』も本当におまけで、おもしろくなく……。
茜にキンタマって言わせたいだけの話のように思えてしょうがなかったです。
で、
>キ○タマ
隠すくらいなら書くなよっていう……。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:5)
- こういうのって苦手なんですね、私は。
失礼ですけど、内容がないというか、描写もストーリーもありふれているというか。
うーん、苦手ですね。感想もどう書けばいいのかわかりませんです。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:5)
- 冒頭のテンションで持っていくのかと思ったら、意外な展開。
ちょっと残念。
ところで、足首の靭帯断裂で全治3ヶ月ってことはただの捻挫レベルではないってことですよね。
だったら翌日の登校って、送ってもらったとしても無理なんじゃ……。
ど素人のイメージですけど。
- 30 『packaging replica』 (採点:6)
- みずか→浩平だった約束を浩平→瑞佳に書き直す。アイデアはおもしろいです。
もっと大きなヤマを作っていたら、終盤の浩平の約束が劇的だったんじゃないかと思います。
あと題名がちょっとかっこよかった。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:4)
- No.017と似たような按配で、うーんどうなんだろう、あまり楽しめませんでした。
いい話過ぎるからかな。
丸く収まるんだろうなと途中で感じて、実際その通りに着地する。
意外性がないっていうのは良い意味でも悪い意味でも使われると思います。
波乱がないからこそ楽しめる読み物もあるんじゃないかというのが前者なんですが、残念ながらこの一作は私にとっては後者でした
- 32 蘇る少年 (採点:7)
- 氷上絡みの物語は難しいです。わかりにくいというかなんというか。
氷上、作者様、そして読者の三者が抱えている情報量に差があるからなのではないかと思うんですが。
どうしても思わせぶりになってしまいますね。
でもこの一作は多少あれですけど、なかなかおもしろかったです。
何より題名が素晴らしいですね。グッドタイトル賞です。
あと、手紙への浩平のツッコミはいちいちナイスタイミングでした。
- 33 幸福論 (採点:5)
- もう少し間が欲しいところでしょうか。
テンポが速すぎて、逆に読み辛かったです。
あ、でも、カメレオンをあげちゃうところはかなりいい感じでした。
>私たちも、打ち寄せる波のような日常へ、戻っていく。
あまり日常から飛び出していないような気がするんですが……。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 出だしは「おもしろいかも」と思わせるに充分だったんですが、話が進むにつれて尻すぼみといった印象。
茜と瑞佳の会話がこの物語を説明するためのものでしかないように読めてしまって……。
特に終盤なんですけど、瑞佳がサバサバしすぎているような気がしました。
- 35 それでも生きて (採点:8)
- 長い改行のあとの文章、残酷過ぎです。褒め言葉ですけど。
生きていくことが容易くなかったっていうことをあらかじめ提示した上での文章ですものね。
逆に構成するよりも効果的ですね。この嫌な感じを出すには。
素晴らしいセンスだと思いました。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:7)
- No.32もそうなんですけど、氷上が絡む話はえいえんの肝に触れるものが多くて、どうにも複雑ですね。
作者様のえいえん観が色濃く表れている作品が多いような気もしますし。それはそれで興味深く読めますけど。
知っているけど知らないというのは悲しいですね。
でもこの経験でみさき先輩は少し大きく、大人になったのではないかと思います。
逆に浩平はえいえんへ強制送還でしょうか。
この氷上は残酷ですね。
- 37 Ever Follow ever (採点:6)
- つまらなくはないんですけど、やばい、感想をどう書いていいのかわからない。
冒頭の印象からすると、重めのドラマが展開されるのかなと思ったんですが、結局えいえんの世界に関する現状の説明に終始してしまっているのが残念でした。
でも全体的にいい雰囲気で楽しめました。
- 38 みるく・ろーど (採点:2)
- 『折原くん』は生意気ですね。でもこういう子供いますね。(笑)
それ以外にストーリーも表現もあまり残りませんでした。すいません。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:6)
- ダークというからには読み手を不快にさせて欲しいところなんですが、この一篇にはそこまでのパワーはなかったかな、と。
心理描写は多くてかなりいいのに、外からの悪意、差別の描写は最小限といった印象。
もうちょっと人間の嫌な部分を描いて欲しかったですね。
最後の方はドラえもんのどくさいスイッチみたいだなあと思いました。
- 40 あの人 (採点:1)
- どう書けばいいのかな、この瑞佳は非常に幼稚だと思います。
うじうじしている割に踏ん切りつけるの早過ぎです。
>――モシカシタラ、モウ、ワタシノモトニハイナイノカモシレナイ
こんな感じで片仮名で表現するのはちょいと安直だと思います。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:6)
- ボリューム不足かなあ。エピソードを端折りすぎている感じです。
もっとたっぷり書いていれば、結末の広瀬の行動がより印象的になったのではないかと。
- 42 ありがとうを君に (採点:4)
- 薄味ですね。
えいえんから帰ってくる際の浩平はたぶんすごく葛藤したと思うんですけど、だから一年間もあれしてたわけで、これじゃあ一週間くらいで帰ってそうです。
>『一月それとも一年?』
>『解らない、そうかもしれない』
この曖昧さがoneなのかもしれないですけど、長い時間が経過したっていうことをもっとしっかり書いた方が良かったのではと私は思います。
これではお別れのカタルシスも何もなかったです。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:6)
- 浩平まわりくどすぎ。あんたどこまで人を信用しきれてないんだよっていう。(笑)
これはプロット組み立てないで好き勝手に書いたんじゃないかなと思うんですけど、どうなんでしょうか。
状況を想像すると情けなくて笑えます。浩平はアホ過ぎる。(笑)
- 44 髪弄り (採点:4)
- そういうオチか……。
髪を弄くっている描写がちょこっとエロく読めたんですけど、これは計算かなあ。
ちょっとしたセックス描写みたいでした。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:7)
- ビデオレターの茜はかわいかったです。
途中から登場する茜は京極堂みたいだ。出方とか。ちょっとびっくりした、
いい話なんだけど、茜の台詞で全てを説明しようというのはどうかな、と。
でも三人の関係がほのぼのといい感じでした。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:6)
- テンポがよく、さらさらと読めて、悪くはなかったです。
雪見との問答の場面もなかなかほのぼのと楽しめました。
しかし幕切れがあっさりどころかいきなり過ぎて、うーむと首を傾げてしまいました。
>「能って確か、男性しかできない筈では?」
>「それは歌舞伎だ」
これって間違いではないんですけど、歌舞伎って別に大相撲みたいに女人禁制ってわけじゃないんですよね。江戸時代は禁止されてましたけど。
元々歌舞伎を作ったのは女性ですし、実際、歌舞伎公演に女の子(子役ですけど)は普通に出てますしね。
本筋とは関係ないし、どうでもいいことなんですけど、いち歌舞伎好きとして一応。
- 47 雨に祈りを (採点:7)
- 不幸というジャンルなんですけど、最初に気になったことがあって、
>「死にたいな」
いきなりかよ、そう考えるの早過ぎだろー!とか思っちゃいました。
いろいろとひどい目にあってから、そういう結論に至る方がスムーズじゃないか、と。
不幸っていうのは雪見にとっての不幸であって、みさきにとっての不幸ではないのかなと思います。
これからも雪見先輩は反芻し続けるのだろうなと思うと、切ねえ……。
- 48 エロ本行 (採点:9)
- 題名と冒頭、これですっかり騙されました。
構成がお見事です。
過去のエピソードを思い出しているうちに、みずかとの約束が浮かんでくる。これは実に素晴らしい。
笑いのリズムが徐々に失われていってしまったのが残念でした。
- 49 輝く季節へ (採点:8)
- メタ的な物語になるのかと思いきや、かなり意外な方向へ……。
これも作者様の解説を読みたいです。
読解力がとんと欠けている私には全くもってわかりませんでした。おもしろかったけど。
>「彼女がどんな人なのか知らない。だけど、長森って苗字はね、君の――」
一読して、君のお母さんの旧姓、じゃないかと思ったんですけど、どうなんでしょうね。
すいません、ほんとバカなんでわかりません。
>空を飛ぶひつじと目が合った時、ちょうど隠れていた太陽が顔を出した。
この文章を読んだとき、何故だか山崎ナオコーラの悪文を思い出しました。
いやこの文はおもしろかったんですけど。
- 50 遠きあなたに (採点:6)
- 内容はおもしろいと思うんですね。
でもこの改行の多いスタイルというのがどうしても許容できませんでした。
普通に書けばいいんじゃないのっていう感じで。
ところどころ大雑把にも思えるんですが、おもしろいことはおもしろかったです。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:6)
- いい性格してるぜ、七瀬。広瀬を見破ってからの七瀬は最高。
絵のことはよくわかりませんが、学生時代にエル・グレコやらゴヤやら学んだなあと感慨にふけってみたり。
変装してもことごとく看破されてしまう広瀬は不憫ですね。(笑)
- 52 演劇部の伝説 (採点:2)
- 作者様が何を意図してこの話を書いたのかが最後まで見えてこなくて、何だかなあという感じです。
あと、演劇へ対するリアリティーが感じられなかったかな、と。
学生演劇はよく知らないんですけど、例えば、
>一回26ページの部分調整してみるわよー!
ページ数じゃなくて、何幕の何場かで指定すると思うんですよね。
演劇に携わったことないんであれですけど、イメージ的に。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:7)
- いい話だ。
今回のこんぺのみさき+雪見もの中では一番だったと思います。
でもこれ系の話を読んで思うのは、雪見先輩は大変だなあということ。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、みさき先輩が自由過ぎるんでしょうけど。
どうしても拭えない違和感があって、それは、
>演劇の話?
>一週間演劇漬けなのよ。
演劇好きの人って、演劇のことを演劇や劇と呼ばず、芝居と呼びますね。私もそうです。
某劇作家兼演出家も某戯曲の中で『劇って言うな!』と書いています。
そこに違和感がありました。本筋とは関係なくて申し訳ないんですけど。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:1)
- これ文章が全くおもしろくないですね。リズムがない。
冒頭の数行でちょっとキツかったです。音読してみるとわかると思うんですが。
でも物語としては興味深い。
瑞佳を強姦した(しようとした)生徒たちは確かにいるわけですから、その内の一人をピックアップしたってのはなかなかおもしろい試みじゃないかと。
ただこの少年の造形がはっきり言って意味不明だし、もしかしたら瑞佳の妄想なんじゃないかと思ってしまうほどに、不安定でした。
瑞佳も瑞佳でよくわからんかったです。
- 55 ラブレター (採点:6)
- オチが何とも。浩平はやっぱりいい性格してますね。あと住井も。(笑)
冒頭とオチは笑わせていただきました。
それにしてもあれですね。この作品中の澪は芝居っていうよりもダンスの方向に進んだ方がいいんじゃないかと思ってしまいました。マイム云々のところで。
澪シナリオで思うのは、どうして演劇にこだわるのかなという点なんです。
日舞でもコンテンポラリー・ダンスでも暗黒舞踊でも、言葉ではなく肉体を使う表現はいくらでもあるのに。
言葉へ対するこだわりがあるのかなとか色々と考えてしまいました。
- 56 “ろまんひこう” (採点:6)
- 南はこういう存在だったのか!
意味わかんないよ、南、まじで。
佐織とか南とか、半オリキャラとして設定を作っちゃうのはアリだと思うんですけど、さすがにやりすぎではないかと。
それにしても七瀬はいい女だなあ。乙女ですよ。いや乙女ではないか。
でもこの終わらせ方はプチダークですよね。
南は七瀬と浩平の絆と断ち切ってしまったということでいいのかな。違うか。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:7)
- 読みながら澪を応援していました、いつの間にか。
だからこそ浩平の帰還の場面を書いて欲しかったです。
>そして数ヵ月後……浩平は帰ってきた
この文章でお茶を濁すことなく、ドラマティックな場面を作って欲しかったな、と。
でもその後の会話はなかなかおもしろかったです。
>9割方事実で本人がやってるのが演劇っていえるかは微妙だけどなっ
セミドキュメントという手法がありますね。全然関係ないですけど。
○風見 さん
- 02 追跡者 (採点:6)
- ギャグの基本は繰り返し、を地で行くような作品で、にやにやしながら読んでおりました。
今回はギャグやコメディ少なかったので、ちょうど良い清涼剤に。
- 10 プラスティックフラワー (採点:7)
- 最後あたりの投げやり感(という言い方が悪ければ、脱力感)みたいな、気楽さが、七瀬と真希の未来を思わせるみたいで、好き。
- 15 桜散る (採点:4)
- 惜しいなあ。
みさきエンドでの長森視点、というのはおもしろい着眼点だと思うのですが。
浩平が「えいえん」を語るのが、あまりにも説明口調過ぎて、嘘くさい。
個人的な好みではありますが、もっと幻想的な雰囲気を残していれば、と思います。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:8)
- 澪とみさきのコンタクト、というテーマは普遍なもので。
普遍であるものを、きっちりと読ませるのも素晴らしい技量だと思います。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:7)
- 「ONE」の時代設定(1998年)を考えると……、なんて野暮なことは無しにして。
確かに現代のネット状況を考えると、澪の自己表現の場はもっと広がっているのだろうなあ。
お話もストレート過ぎる気はするものの、登場人物の暖かさに好感が持てました。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:10)
- 汚名は挽回しちゃいけないよなあ、とそこだけは気にかかったのですが。
二人称、繭。
冒険をしつつ、非常に手堅く纏めているのは並大抵の技量では無いです。
繭を見守る「視点」の存在。
それが誰であるかが明らかになるラストでは、不覚にもほろりとしてしまいました。
詩の引用が今回のこんぺでは目立った気がしますが(かく言う自分もその一人ですが)、一番効果的だも思いました。
長々と拙い言葉を連ねるよりも、ただ一言。
参りました。
- 22 Luminous (採点:5)
- お、北山猛邦ですか。
散見されるイメージは良いけど、それが纏まっていないという印象を受けました。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:9)
- 直球、ど真ん中勝負で見事に討ち取られた感じ。
浩平を好きな茜、って可愛いなあ。
○復路鵜 さん
- 05 また明日 (採点:8)
- 序盤があまりにらぶすぎてついつい口から砂が出るかと思いました。
こういう感じのSSは好きです。結の部分も良かったと思います。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:6)
- 起承転結、最後の一つを除いてはかなり良かったと思います。
改行も読みやすいと思いましたし、みさきの環境不和も読んでいてかなり嫌な気分になれました。
けれど、最後の悲鳴で非常に萎えてしまいました………
しかも途中までが良かったので、余計辛いです。
それを差し引いて、こんな点数というところで。
- 47 雨に祈りを (採点:6)
- よくもまあこれだけびっしりと描写できるものかと感嘆してしまうものがありました。失明直後に死んでいるみさきの設定はちょっと首を捻りましたが、独特の世界は作れているのではと思いました。幕切れもきっちりとまとめたと思いますし。
ただあまりに文字をごたごたとくっつけすぎたせいか、淡々と物語が進んでいるようでショックや衝撃はあまり感じられませんでした。
○歩人 さん
- 01 部屋の明かり (採点:4)
- 浩平のお母さん、実家に居るんですか……それはないんじゃないかなぁと思います。
まあ、それを除けばなかなかに良い内容だったかと。
- 02 追跡者 (採点:6)
- はしゃぎすぎな感もありますが、概ね面白かった。七瀬も瑞佳もなかなかにいい味出てます。
- 03 雨の中 (採点:4)
- 山場というか、見せ場が弱い。
他は特に無し。
- 04 いっしょに。 (採点:5)
- 雰囲気が妙に良かった。
- 05 また明日 (採点:4)
- 後半が微妙。でも幸せな日常ってのは伝わってきました。
- 06 It's possible to think of you. (採点:1)
- 氷上って何者? な作品。かなり微妙。
- 07 待ち合わせは、傘の中 (採点:2)
- みずかが語りに来ただけのように見える。語りの辺りはもっと簡潔にお願いします。
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:7)
- 茜と浩平の関係がいい感じ。二人の惚気がいい味出てます。あと、描写がなかなか丁寧。情景が頭に浮かびます。良かった。
- 09 生徒 A (採点:6)
- なかなかに面白い趣向ですね。何度か読み返してしまいました。楽しませていただきました。
- 10 プラスティックフラワー (採点:3)
- これは……もうオリジナルで出した方が良いかもしれない。他は特に無し。
- 11 なついろとみさきと (採点:2)
- 話が足りない。
- 12 子供ノ世界ノ速度 (採点:5)
- そういう結末で来ましたか。永遠での一幕が若干弱い気がしますが、なかなか興味深い結末で、楽しめました。
- 13 憧れの あの女の子は もういない (採点:1)
- あー、通常ここから話を膨らませていくのだと思うのですが。
- 14 雨の日の心は千々に乱れて(So,We make friends with...) (採点:7)
- 心乱れた茜の描写が上手い。みさきとの会話も良いお話で良かった。楽しませていただきました。
- 15 桜散る (採点:1)
- こんな饒舌に自分の身に起こった事をベラベラしゃべる浩平に激しい違和感。状況と関係と出来事の荒唐無稽さを考えるとまず有り得ない。それに瑞佳が案外あっさり受け入れるのも変。
もうちょっと納得させてください。
- 16 淡い心だって言ってたよ (採点:8)
- 良いか悪いかの判断は人それぞれ。でも現実に目を向けたとき、二人は今の状況を良しとしなかったってことですね。
二人の始まりから終わりまでの一幕。堪能させていただきました。
- 17 重ねた手と手の中に (採点:6)
- 他人の気持ちを察することの難しさは澪とみさきだと尚更でしょうね。
良いお話でした。
- 18 玉手箱 (採点:8)
- ……面白い。と言うより巧い。最後の空白が決め手ですね。全てはそのための布石か。技能賞。
- 19 澪の演劇部ブログな日々 (採点:9)
- 面白い趣向。なかなかに新鮮で良かった。あと、作中のオメラスの話が凄くそそられた。恐らくはこの作品のために用意した創作なのでしょうが、この話も読んでみたいですね。
エピソードが秀逸。特にみさきの「声が無いから澪の演技が分からない」ってのには「なるほど」と感心させられました。みさきに芝居を見てもらおうと一生懸命にがんばる様子、澪がみさきを連れて舞台に上がってからの一部始終。彼女の一生懸命、精一杯が良く伝わってきました。堪能させていただきました。
- 20 学生生活は糾える縄の如く (採点:7)
- 最後のオチがほほえましい。面白かった。
- 21 シイナロケッツ・ネコゼスタイル (採点:7)
- 繭が頑張っている様がうまく表現出来ていると思う。みあとの会話も良かった。「きみ」がちょっとしつこい気もしましたが、作品自体が読みやすかったせいか、中盤以降はあまり気にならなくなりました。楽しませていただきました。
- 22 Luminous (採点:8)
- 良い関係。二人の互いへの信頼が見て取れます。堪能させていただきました。
- 23 ココロ、道標に。 (採点:2)
- 厳しい。友情厚い物語ではありますが、手段が非現実的すぎる。ギャグじゃない話でこの手段は強烈に違和感あります。あと、茜の口が回りすぎる。こんなにはしゃべらないでしょう。こんな説明口調でなくもっと簡潔にお願いします。
- 24 グリーン・フラッシュ (採点:2)
- 随分話が唐突ですが……いきなり時代が進んで、いきなり意識不明ですか。どういう意図なのかサッパリですが。
浩平が瑞佳の「冒険に行こうよ」の台詞に反応を返した理由も読み取れない。その辺の説明も欲しかった。
この辺を除けば特に問題はないかと。まあ、「この辺」が結構問題な訳ですが。もう少し経緯や理由を示してくれると有り難いです。
- 25 ひとつの物語 (採点:6)
- 七瀬の不安、怯え、恐怖その他色々なものが入り混じった感情が見て取れます。ラストの一幕がほほえましい。余韻もなかなか。良い作品です。
- 26 トントン拍子 (採点:6)
- 短い。が、妙に印象がある。短いながらも話の展開にメリハリがあるからでしょうけど。とにもかくにも、楽しませていただきました。
あと、ついでにですが、誤字の部分は「合格率」にすれば良いかと思います。
……内容とは関係ない愚痴で申し訳ないが、これに限らず「確率」→「確立」違いの誤字はホントに良く見かけます。意味が全然違うのですけどね……。
- 27 病は気とか雨とか大騒ぎから (採点:8)
- いいね、これ。浩平がとても素晴らしい。騒ぐ様子が目に浮かぶようです。最後のオチも意外と味がある……かな? とにかく、堪能させていただきました。
- 28 恋色ふたつ、空ひとつ (採点:7)
- 茜がかわいい。二人の関係は、何と言うか、見ていて背中が痒くなるw。とにもかくにも、楽しませていただきました。
- 29 やさしさと しあわせと (採点:6)
- 優しくされる理由によっては苦痛になるということですね。みさきが言うと強く感じますね。あと、浩平の災難が笑える。楽しませていただきました。
- 30 『packaging replica』 (採点:6)
- 瑞佳の浩平への傾倒具合が凄い。一緒に留年はチョットやりすぎですが。それはともかく、なかなか楽しめました。
- 31 指先/nukumori/リフレイン (採点:5)
- 普通に良い話。
- 32 蘇る少年 (採点:3)
- ある意味珍しい。なかなかに興味深いが、多少物足りない。
- 33 幸福論 (採点:6)
- 思い出せないけどとても大事な人が居たことだけは記憶にある。そういうことでしょうか。ノスタルジックとは違うが、それに似たような心境を感じます。楽しませていただきました。
- 34 time goes by as change (採点:7)
- 気付いたときには全て終わった後だったってことですね。設定がなかなかに興味深いお話。あと、何となく読みやすい。良い作品。堪能させていただきました。
- 35 それでも生きて (採点:9)
- これは……浩平にとっては相当に衝撃的だったでしょうね。浩平が受けた衝撃、由起子の深い愛情、浩平母の色褪せない愛情と報われない非情が強烈に心に来ました。ただ、その分みさきの印象がちょっと薄いかな? こういう役回りだと瑞佳にやらせた方が映える気がしますが……しかしそれだと冒頭の始まりの一言が弱い気がするし……何とも言えないところです。
最後のエピソードがきつい。涙が出そうです。堪能させていただきました。
- 36 あなたの名前を知っている (採点:4)
- 「浩平と面識の無い世界」に「ヒロインがみさきの世界」が接触したとでも考えれば良いのでしょうか。
氷上が多少鼻につく。それ以外には特に言うこと無いです。内容自体は悪くなかった。
- 37 Ever Follow ever (採点:3)
- みずかが微妙。姿を現した理由が弱いかな。他は特に無いです。
- 38 みるく・ろーど (採点:7)
- ほほえましいエピソード。良いね。小学生時代の二人の様子が目に浮かびます。楽しませていただきました。
- 39 あなたはこの世界に必要とされていますか? (採点:7)
- 現実から目をそらし続けた結末としては仕方の無いこととは思いますが、やはり厳しい結末です。
みさきの絶望、慟哭が強く心に響きます。楽しませていただきました。
- 40 あの人 (採点:5)
- ……とりあえず、青春ですね。他には言う事無いです。
- 41 はねっかえり娘の恋物語 (採点:5)
- ぬう、青春だ。青春の日の思い出として心の引き出しにしまっていくんでしょうね。ついでに、思い出すときはセピア色に着色されてると。
まあ、それはともかく、なかなかに楽しませていただきました。
- 42 ありがとうを君に (採点:2)
- 内容が薄いというべきか、ちと弱いかな。
- 43 夢幻譜〜バースディは永遠に〜 (採点:6)
- 終わりが良い。一夜の幻で終わると思いきや、最後に間に合ったのが良い感じ。
- 44 髪弄り (採点:7)
- 髪フェチっぽくなった浩平が面白い。あと、ラストが良かった。楽しませていただきました。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:5)
- とても大事なことを忘れていることを思い出した。でも誰だったか思い出せないということに大きなショックを受けて、それでもめげずに前に進む詩子の強さが印象的。
……ビデオレターの「お嫁さん」発言はとても素晴らしく赤面ものですね。チョット笑った。
- 46 ダイエットで終わる物語――雪見14歳のえいえん―― (採点:7)
- あ、これは面白い。弟の気遣いに笑った。これは下手な慰めやフォローなんて目じゃないくらいキツイですね。秀吉と雪見の会話も奇妙で面白かった。
……結局雪見のダイエットは成功したんですね。最後の雪見の捨て台詞が上手い落ち。楽しませていただきました。
- 47 雨に祈りを (採点:10)
- みさきの内にある絶望の深さに鳥肌が立ちそう。
虚無ですね。ゾクッときました。雪見もその虚無を感じ取ったんですね。たとえ死が望みであったとしても、その望みを叶える以外に術が無いと思えるほどの虚無を。
インパクト十分な作品。秀作です。堪能させていただきました。
- 48 エロ本行 (採点:8)
- 妹のことを忘れているが、常に頭に引っかかっている浩平が微妙に危うく見えたのが結構印象的ですが、それ以上に浩平と瑞佳の掛け合いが面白い。テンポが良いですね。浩平の訳のわからない言動や行動もそうですが、それをシレッと流したり、突拍子の無い行動に平然とついて行く瑞佳の図太さ? や、とにかく世話を焼きたがる様子がまたいい感じ。
良作です。堪能させていただきました。
- 49 輝く季節へ (採点:4)
- うーむ……コメントが難しい。結局は瑞佳で始まり、瑞佳で終わったってことですか。何とはなしに唐突で痛い話ですが、悪くはなかった、かな?
- 50 遠きあなたに (採点:5)
- 執念、ですね。なかなかに壮絶でした。
- 51 アトリエのスノー・ホワイト (採点:8)
- なるほど、広瀬が画家か。あまり違和感ないのが不思議。広瀬が感性に生きているように見えるからかもしれない。
二人が仲良くなったいきさつが上手く出来てる。公園での再会のシーンはその情景が浮かんでくるようです。落ちもなかなか。堪能させていただきました。
- 52 演劇部の伝説 (採点:7)
- 昔の演劇部(愛好会)の一端に触れ、かつての演劇部に想いを馳せ、そして演劇部部員として誇りに思い、そしてその自覚を持ち、一生懸命に部活動に打ち込む。青春ですね。何と言うか、雪見も澪も輝いてます。良作。楽しませていただきました。
- 53 忘却の青、孤独の白 (採点:8)
- 思い出せない青。白いカモメと共に思い出す青。みさきの心を動かす情景が目に浮かぶようです。堪能させていただきました。
……一箇所、後半部に「幸い」とありますが、これは「幸せ」の間違いでしょうか。
- 54 青ぐらい修羅をゆく (採点:6)
- 意志薄弱で、容易く理性を手放すその他大勢少年がかなりアレ。きっと容易く人を刺し殺すのはこういう手合いの連中なのでしょう。しかし、その分瑞佳の強靭さが引き立った。なるほど、修羅か。なかなかに興味深い作品でした。
- 55 ラブレター (採点:8)
- ぬう、感動的だ。エピソードとしては少々突拍子な気もしますが、感動的です。澪の「伝える」ことに対する並々ならぬこだわりを感じさせてくれます。渇望と言っても良いかもしれない。
ラストのオチもなかなかうまい。ローキックいいね。堪能させていただきました。
- 56 “ろまんひこう” (採点:4)
- 南ってそういう役回りですか。氷上っぽいような……うーん、どうだろう。
前に進むことを選んだ七瀬の決心が印象的。他は特に無いです。
- 57 呼び起こせ、眠れる絆 (採点:2)
- あー、とりあえず、これを読むと澪が普通にしゃべっているように見えるのが大問題。どういう手段でも良いので区別をつけてください。
他は特に無し。話自体は悪くなかった。氷上って一体何者? とは思いましたが。
○涼末 さん
- 08 deracine[デラシネ]: エンドロールの後で故郷喪失者の瞳に映るもの。 (採点:10)
- もう凄いという言葉しか出てきません。
詩子の立場を、ここまで圧倒的に書き切ってしまうとはお見事でした。
渋谷という街に馴染みがあるせいかもしれませんが、ライブハウスからコンビニの描写まで鮮明に想像できました。
これだけ現実世界の物とSSを結び付けてるのに何一つ嫌味っぽさがないのもすごいですね。
そして、詩子にシロップってちょっと面白いかもしれませんね。
- 45 いつかあなたの道しるべ (採点:10)
- 序盤の流れからドタバタ系かなと思いきや、こういう流れで話を組むとはお見事です。
最初から最後まで惹きつけられっぱなしでした。
茜と詩子の対比を散りばめて表現されているところも、とても綺麗でした。
この作品に出会えた事に感謝です。
- 56 “ろまんひこう” (採点:9)
- アイディアの力だけでなく、物語に惹きつける文章も素晴らしかったです。
七瀬らしい選択にも、すごい説得力がありました。
特に「折原だけが独占するには、もったいない女なのよ」の部分グッと来ました。
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