○2% さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- これはとても暴力的な愛ですね。
- 15 嫁嫁パニック (採点:4)
- な、なんてバカなんだ! 褒めてます。
- 18 じれ☆んま (採点:8)
- あー、なる☆ほど! とってもショートショートっぽいおはなしだと思います。少なくとも、こういう作品にリアリティを求めても無駄だ、と納得させるだけのノリと仕掛けがある。途中、繰り返し囚人のジレンマの解説はもっと省くか詳しく書くか、どちらかのほうが良いと思いましたが……ところで、ショタショタとショートショートって似てますね!
- 19 猛スピードで触手は (採点:4)
- アレかな、これ。常連さんの2作目。猛スピードで書きました、みたいな。複数投稿ありだとこういうB面作品が読めて嬉しいな。2作目じゃなかったらごめんなさい。
- 23 不謹神話 (採点:2)
- うーん、もっと息を吐くように……げふんげふん、意表を突くような展開があれば面白かったのですが。ストレートすぎる。
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- うーん、漫画で読みたくなった。文章で読むとどこか無理矢理な印象の残る筋書きなのだけれど、絵的に面白そう。
- 26 賢人の恋 (採点:7)
- こういうアレな設定を無邪気に書けてしまうのがWeb創作の良いところだと思う。良識派からの批判票が多くなりそうだけれど。お約束な極限状態をさらにピュアな極限へもっていく手段として、これはOKなんじゃないかな。蛇足ながら、タイトルは巧すぎて逆に醒めてしまった。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:4)
- ありすとアリスのおはなしをもっと読みたい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:9)
- 誤字や推敲のミス……らしき箇所はあるけれど。キャラクターとシチュエーションが魅力的なので些細なことは気にしない! あと、とにかく文章が軽快。会話や地の文のところどころでニヤリとしながら読みました。タイトルの「の」は省いた方が語呂が良いかも。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- この人生観には共感できないな。こんな1本のレールの上を辿るだけの人生なんて寂しすぎる。でも、ヤマもオチも意味もないという意味では人生を的確に表現しているといえなくもないかも。敬意を表して1点。
- 47 光学概論 (採点:9)
- とても正しく「掌編小説」だと思いました。思わせぶりなセンテンスと身も蓋もないセンテンスが交互に出てきてリズムを感じる文章。淡々とした展開をぐいぐい読ませてしまうのは凄いことなんじゃないかな。
- 51 野辺送り (採点:9)
- ラストまで読んで、このおはなしを一気に好きになった。長編小説を読んだ後のような充実感。巧いなぁ。
- 62 5人以内のごろつき (採点:?)
- ワンワン。ワン、ワンワン。5点以内。
- 64 花盤 (採点:8)
- 全般に男くさいテキストサイト(仮)の企画では珍しいテーマだな、と目を引かれました。こういうの、耽美っていうのかな。固有名詞や場面展開、題材や描写のセンスに一貫性があって安心できました。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:8)
- ぶっ飛んだギャグやあっと驚く展開はないけれど、ちょっと不思議なシチュエーションと魅力的なお姉さんが登場して、終盤にちょっとしたどんでん返し、ふわりと綺麗なラストがある。「こんぺ系シリアス(綺麗め)」とでも呼びたくなるようなこの手の作品、毎回かなりの数が投稿される(ような気がする)ので新鮮味には欠けるのだけれど……
ちょっと書き方が綺麗すぎる気もしましたが、「きこえすぎる聴覚」というシチュエーションがとても印象に残るおはなしでした。
- 67 純 (採点:4)
- 詳しくないのでこれもBLと呼ばれるジャンルなのかどうか分からないんですが、いずれにしろ(個人的な好みを書かせていただくと)もっと暴走しまくる展開の方が好きです。もどかしいー。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:8)
- 元ネタを知らないのだけれど楽しんで読めた。でも、元ネタを知っているともっと楽しめるのだろうな、という予感のせいで心の底からは楽しめなかった。その個人的なモヤモヤ感の責を誰に求めるべきかと考え、やはり「JLBスペクト作品」と明示した作者さんの責任だろうという結論に。元ネタがあると知らなければ、私は素直にこの物語を楽しめたのに(責任転嫁)……
ところで、いったいスペクトとはなんだろう。リスペクトのように見えるが実は「re-(再び)」ではないという意味だろうか。つまり、これはオマージュでも二次創作でもなく、れっきとしたオリジナルであるという主張、あるいは無限のライブラリの中で順序など意味を持たないという論理なのだろう。これは深い。∞点……というのはないので、90°回転させて8点。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 「?」と思ってHTMLのソースを確認したら「<i></i><i></i><i></i><i> </i><i></i><i></i>……」となっていてがっかりした。
正直な話、これでタイトルが「愛」だったら8点くらい入れました、少なくとも私は。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:3)
- うーん、読み方が悪いのかもしれないけれど、作中で重要だと思われる「湖」のインパクトが弱すぎるような……「湖」を念頭において再読したら綺麗なイメージが浮かんだので、初読時の印象の薄さが惜しい。
- 79 ユメオチ「 (採点:8)
- タイトルの“「”がどのように回収されるのか、それが気になってどんどん先へ読み進めてしまいました。きちんと回収されて良かった。これはステキな夢オチですね。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- 「正統派」というのが「どこぞのエロゲかマンガにありそうな」という意味なら、この作品はとても成功していると思います。良い意味で。色々と端折った設定もお約束だと思えば飲み込める。
ただ、そのせいか(残念ながら)シチュエーションもキャラクターもひどく記号的で、最後まで感情移入できず……「ラブストーリー」にはもっとドキドキ感や胸キュン感を求めたいところ。
- 83 変わった趣味の男 (採点:3)
- 読んでいて楽しい気分になれる軽快な作品。ただ、その面白言葉遣いがちょっとこなれていない印象。こういう言葉遊び主体の文章は語彙がキモだと思う。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:4)
- うーん、これは物足りないかも。もう少しだけ突っ込んだ展開になればすごく面白くなったような……設定は好きなので、惜しい。
- 90 R・P・G (採点:2)
- うーん、斬新な設定……なのかな、これ? 魔王を倒す「奇策」の爽快感がキモだと思うのだけれど、そのあたりがダラダラしている印象。もっとスパッと進めてほしかった。
- 92 神の子 (採点:10)
- なんというか、プロっぽい。舞台設定や文章も巧いのだけれど、それよりも。作品に不要な要素の切り捨て方、その潔さに玄人を感じる。
○Algol さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- 狙いは全く分からず、好きではないタイプの作品だったけど、文章は整っていたのでこの点数。
- 02 寒太郎 (採点:5)
- いい話だとは思うんですが、最初に
>「あ、えと、透き抜けますよ?」
と手が突っ込めたのに、次のパートでは理由もなくツンデレごっこでドロップキックが入る……と設定の説明が不足かなと。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 明仁という名と白秋と時代背景で、読者の知性を試しているのかもしれませんが、改行と字下げがきちんと出来ていない段階で、本来ならば選外かと。殺生かもしれませんがね。
あと、GONSHANの意味を説明するなら最初に出てきたときか、またはこの文脈ならあえて説明する必要も無かったと思います。
内容はいわゆる身分違いの恋と思いましたが、時代の臭いがあまりしてこなかったので。
- 05 ウミに漂う (採点:7)
- いじめを書いた作品がいくつもありましたが、この話が一番自然で、展開も面白かったです。
- 06 下手れ (採点:7)
- 天然悪女って怖いですね。
間に挟まるたとえ話がとりとめもない感じもしましたけど、仲良し三人組が甘酸っぱく崩れていく構図、私は好きです。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- おりこんはギャルゲーをするところではござらぬ。は嘘ですが、幽霊がどこかで覚えのある喋り口調でした、私の中では。
ちなみに「冷蔵庫の他のブロックに移動している間に開けてあげたらどうだろう」っていう至極つまらぬ突っ込みは無しですか。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:2)
- わかんない、混乱させたいだけ?
- 09 茜色の先 (採点:9)
- 彼らには「骨の白」「腐敗の黄色」も見えたのでは、というのは無粋ですね。
童話のような茜色の終末世界、よかったです。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:10)
- くわー、正統派直球夏の物語。隙を突くところが見つかりません。大好き。
この点数あげざるをえませんね。
- 11 準備 (採点:9)
- 脳内でガラスの砕けた音がして、あわてて最初から読み直しました。巧い。これぞ短編小説ですね。
1点減なのは作品タイトルがあまりにもそっけないからですが、考えても他のタイトルが思いつかないのが悔しい。限りなく10に近い9とお考えください。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:4)
- 登場人物4人いて、うちひとりは台詞が全部ひらがななのに、中盤辺りだと誰が話しているのかぴんと来なくなるときがありました。
あとは教授の瞳の色とか、人物の描写があと出しなのが少しひっかかりでしたかね。
「意思持つロボット」はジュブナイルの王道なので、それだけ優秀な作品と比較されたと思ってください。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:5)
- 主人公が中学生らしからぬ、いかにも書き言葉のような台詞を喋るのがね。
- 15 嫁嫁パニック (採点:5)
- オチはキレイなんだけど、なんだけど……やっぱりただの下ネタだから、これが精一杯の点数。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:8)
- 不思議な話ですね。純粋なSFかと思いきや、そうではないし。
幼馴染の登場に読後感はなんか割り切れない感じがしますが、それでもこの点数は堅いかなと。
- 17 キラーデイ (採点:7)
- 冒頭で大笑いしました。昨今王道ながら仕事人女の子イイ。
願わくばラストはよくあるシリアスじゃなくて、冒頭同様どこかクスリ笑えるもの欲しかったかも。あとは急に喋り口調がぞんざいになった主人公にちょっとだけ違和感。長くしてラノベにしたらもっと映える気がしますね。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- タイトルが、何にせよこのタイトルが。減点はタイトルのためと言ったら大げさですが、もう少し何とかならなかったもんですかね。
それにしても年齢不詳のこの少年はすごくイヤだ(笑)
- 19 猛スピードで触手は (採点:4)
- 主人公が触手に傾倒してるのか? それとも正常に観察できてるのか?
不気味なもの扱っている雰囲気があまり伝わらなかった気がします。
- 20 顔 (採点:2)
- 意図が不明…。
ただの怪談ならここまで引っ張ったあとの「転」を2行で済ますのが不満。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- これは「静寂を愛する」主人公を上手く使い切った作品ですね。
ことさらに静寂を愛することを強調しながら、しかし最後は、騒々しい時間が来ることに胸を躍らせる主人公。台詞や地の文も軽妙で、楽しく読めました。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- この中の主人公の男のようにまとまった作品だと思います。
惜しいなと思ったのはタイトルと、
>そう考えると電話のベルも耳障りなだけではない、生活のリズムを刻んでくれる音なのだろうと思えてきた。
この一行。どうかこのまま書かないで、文章だけで匂わせて欲しかった。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- 個人的な思想信条では高得点差し上げたいところですが、子供に聞かせられないのでこの点数です。特にキーワード「唐辛子」はちょっと露骨ですね。
文章自体は落ち着いた童話口調でしたので、ぜひ「本当に子供に聞かせられる物語」を書いて欲しいな、なんて。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:採点なし)
- こんなの書いて何が楽しいの、キモイ。
- 26 賢人の恋 (採点:6)
- 期待させる第一話って印象です。点数判断は続きを読んでからしたいぐらい。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:7)
- ラスト付近の空と太陽と橙色の話が好きです。これを書きたかったんだと思いますし、その通りとても好きな部分です。
- 28 腐臭 (採点:5)
- ケータイ小説風の、ちょっと好きではない書き方でしたが、読めました。
もう少しひねりが欲しかったです。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:7)
- 冒頭の会話は意味不明だし、設定も出しっぱなしに見えたり、最初は読み進めていて不安でした。
が、最後の台詞にやられました。読後はいい気持ちです。
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- わざとなのか、話に起伏が感じられず、登場人物すべて全く人物像が頭に焦点を結ばなかった。まあ仮にわざとだとしても面白くなかった。
- 31 不確定性の彼女 (採点:3)
- 素材は面白いのに「謙吾視点への切り替え」や、デウス・エクス・マキナな「アインシュタインの霊が宿ったサイコロ」など話の展開のさせ方に難がありすぎ。
こういうカップル書きたいなら日常の中でいちゃつかせればいい。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- 3つの話はそれぞれ繋がって分かちがたい雰囲気もありますけど、個人的には最初の話で出したい設定、最後の話で十分吸収できるんじゃないかと思いました。3の話をメインに、時折対比のために2の話を混ぜる、見たいな。
あと最初の話に出てくる個人名「シロッコ」、皆が特定の人物を思い描くような、有名なものをわざわざ使う必要は無かったと思います。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- 妹が戻ってきたのか、兄が空想世界に引き込まれたのか、妄想が見えているだけか実在の人物にようやく目がいっただけなのか。
最後まで分からないままの不思議な話でしたが、面白かったです。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 親が子供をミュージシャンにしたくないのがよく分かる話ですね。
- 35 サプリメント (採点:4)
- 作中の人物のいうとおり、次ページが完全な蛇足です。前のページもサプリメントが「負の感情」を消していく過程などを、安易に地の文で説明してしまっている印象でした。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:2)
- うーん、凝りすぎてしくじった仮装大賞のネタのような。
最後は意識飛びかけてるのに何で心臓の描写が……いう瑣末な点を突っ込むより、ただ純粋に面白くないと言ったほうがいい気がします。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:4)
- ああ、ラブコメですね。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:8)
- 前半部分の上品な可笑みが、後半一転ホラーになったのが個人的には残念。
でも良作だと思います。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:8)
- メイド喫茶って単語にどんな話と思いましたが、奇術師の行動が、とりわけtrack2がとてもよかったです。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:8)
- あー、ずるい。主人公とこの一人称のテンションを維持できる作者さんの才能がずるい。面白かった。
- 41 蜃気楼 (採点:5)
- 途中でオチが読めた。どうせなら横山さんが見つかった辺りから書き始めて、記事に書くか書かないかの苦悩を描いた方が面白いと思いました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- よくある設定先行、不必要なルビごてごてつきの話ですね。
でも短編としてはまとまってました。小さい部分ですけど、回路を撃たれて死亡する者も、自分の予想を外してくれましたし。
- 44 蟲毒 (採点:4)
- 同じ「犯罪者と犯罪者の出会い」があったので、それと比べてしまいました。霊とか脈略のなさとか、ちょっとコチラは一段劣った印象でした。
- 46 青空 (採点:9)
- いやぁ、騙されました。この気持ちよい騙しっぷりを支える技術、お見事です。
- 47 光学概論 (採点:7)
- 確かに男が好きそうで女が嫌いそうな男ではあると思います(笑)
残念なのは「人と人の間には断絶がある」って説教口調の台詞を入れてしまったこと。13歳の息子とのやりとり、冬の光景、どちらも上手なだけにこのまま雰囲気で押して欲しかったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:8)
- 爽快です。佐竹もおやっさんも松下も、わかっていても大好きだ!
ですから短編部門でもちっと分量増やして書いてみる気、ないですか?(笑)
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- 「私があの家で聴いていた」ころのことが頭に思い描けなくて感情移入できませんでした。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- ……設定厨。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- 申し訳ないですが、屋上を使った作品、もっと面白いのが多かったので。
- 53 体育館を燃やす (採点:3)
- 黒川に余命がなかったってオチはとてもありきたり。もうふた捻りぐらい欲しかったです。
- 54 彼女への笑顔 (採点:6)
- もう少し読みたい、って言うのが正直な感想です。『相貌失認』なんて久々に聞いたテーマだったし、某漫画みたいに男性は区別できないとかご都合主義しているわけでもなかったので。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:5)
- 植物状態でも、麻酔かかっているときでも、人の声が聞こえるって話はよくありますけど……この話はなんか「目が見えない」人の話という印象でした。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- 好き嫌いはあるでしょうけれど、下手な描写よりよっぽど姉妹の雰囲気が伝わってきます。この連続会話は。
けだるい夏休みの一ページが感じられて良いです。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:6)
- 全く他人の台詞が挟まれない、こういう書きかたしている人は珍しかったですが、破綻もなく掌編としてまとまってると思いました。
- 59 プルシャの後裔 (採点:3)
- アフリカのどこかの部族の話を本から引き写したように書いて…それで?
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- 猫同士は3日でも恩を忘れないんですね、天晴。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 同じような経験があるので(隣には誰もいませんでしたが)採点が甘くなったかも。でもあの微妙な気分を感じられる文章だと思いました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- 突っ込みどころがあるようなないような。
とりあえずタイトルと冒頭の期待が肩透かしだったのは確か。
- 64 花盤 (採点:10)
- ああもう、気取った人名を難点として減点したとしても10点差し上げるしかないです。メンスなんてマニアックなもの扱いながらこの短さに濃厚に漂う淫猥さ。漢字とひらがなの書き分けにいたるまでの表現の細やかさ。耽美。お金出してでも読みたいです。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 小説なのに、あえて「音」を主題にしたのが面白かったです。細かいですが、「茸の毒の有無を音で知る」なんて発想は自分の中からは逆立ちしても出てきません。
- 67 純 (採点:5)
- 性同一性障害の相手に惚れさせながらも、主人公に客観性を失わない言動をさせたのに好感。ただ、あまりにも話し途中で物語が終わったのが残念。
- 68 七夕 (採点:1)
- 何かの真似だと思うが読む気が起きない。
- 73 あかんぱにい (採点:採点なし)
- どうやってこの2行で下限制限を突破したのか、その方法が今回最大のミステリーです(笑)
内容的には@妻が何かの動物みたいだったAペットを妻というほど大切にしているBオランダ妻を持ち込んだ、ぐらいは想像できますが、でも小説じゃないですよ。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:7)
- うーん、個人的にはこのサービス、やっぱり悪意に満ちていると感じられるんですけど、メールを打つ時に考える事こうやって素直に作品になっているのははじめて読みました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- 駆け足のギャルゲーみたいでした。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- 「私の傍で、私と一緒に泣いてくれる人」という、この設定は確かに百合じゃないと書けない。甘い、甘すぎてむちゃくちゃうらやましい。
- 83 変わった趣味の男 (採点:3)
- ?
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- オタを嘲るような文を含めたにしては、悪くないです。
- 85 童話 (採点:5)
- 確かに絵本作家としては売れないでしょうね…
- 86 NEET (採点:5)
- 私小説?という下種な勘繰りはさておき、最後の語呂合わせは安っぽくてもったいない。「Super Ganbari Goal Keeper」ぐらい安っぽい。
あと、振るだけがカクテルじゃない、のでこの点数です。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:6)
- うわー、ヴァイオレンス百合。肉体的には蜜柑で精神的には揚羽の。
- 89 午睡 (採点:5)
- 最初の段落見たときは何事かと思い一瞬読む気が無くなってしまいましたが、「忘却」「アルツハイマー」あるいは「かゆ……うま」(苦笑)ですね。
凝ってるとは思いましたが、序盤で物語に入りずらいかなと。
- 90 R・P・G (採点:7)
- アイディアの素晴らしさは99作品中1,2を争うのではないでしょうか。アイディア賞があったらノーミネートします。
ただの「神視点と勇者の冒険」で終わらせず、最後に、
>「ああ、やっぱりアナタも自覚してないんですね?」
ともう一段ひねったのがとてもよいです。
ただ、例えば人間400人集めてもアルクェイドどころかネロ・カオスにも敵わないんだから、1VS400で魔王に勝てるっていう設定には突っ込みを入れたい(笑)
あと、某RPGの「キメラのつばさ」をそれと分かるように出しちゃったのをマイナスとして、この点数です。
- 92 神の子 (採点:8)
- 舞台は何週間も真っ暗な穴の中だというのに、このみずみずしさはなんでしょう。結末の光の柱がどこか半端な印象を受けましたが、しっかりした読み応えがありました。
- 93 妖精離れ (採点:4)
- 文章がよく分からないです。
でも伝えたい雰囲気は感じられて、しかもそれはかなり好みなので、甘くこの点数です。
- 94 Eternity (採点:1)
- 句読点の置き方と誤字脱字のチェック、いわゆる推敲にもう少し時間をかけてください。
話の内容は……とにかくぜんぜん萌えられない妹でした。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- 妹の殺意と兄の赦しが余りに軽い。狙ってやったのでしょうか。
狙ってやったにしては、弾けきれてません。狙ってなかったとしたら、扱う題材への向き合い方が圧倒的に不足しています。
どちらにしろそれを無視したところで、描写が致命的に少なすぎます。
失礼ですが、投稿できるレベルかどうか、前回までのSSコンペ参加作を見れば分かるのでは?
- 96 走るッ! (採点:3)
- 思いつくままに書かれたそうですが、ギャルゲーのテキストをぶっこぬきしたようです。それは普通「小説」と呼ばれませんので、あしからず。
- 98 足跡 (採点:2)
- ちょっと未来が見えたのに、最後まで気づかなかったって話なんですかね?でも、だから何なのていうのがまず一点。
また、最初は「見てる目の前で増えていった」足跡が、追跡を開始すると「一歩につき一歩増加する」という設定の混乱が一点。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- 奇を衒った文章が多い中、こういう素直な文章がとりにあると安心します。
でも屋上と繋がっている「いのちの電話」は切らないで欲しかったな。
○CLXX さん
- 13 立入諌止地点 (採点:2)
- 全体として読みにくいという印象を受けました。
内容は深かったような気がするのですが。。。
- 18 じれ☆んま (採点:4)
- 怖い子供ですね。使用人を葬るために泥棒さんを利用したのですから。
囚人のジレンマに関しては、もともとある程度知っておりましたので、その説明部分でつっかえることなく読むことができました。
ただ、子供の行動が物語とはいえ、現実離れしすぎて、読者を置いてきぼりにしている印象が伺えます。もう少し、子供の内面に関して読み取れる描写が欲しいと思いました。
あと、落ちは良かったと思います。
自分の好き嫌いで点数を決めて申しわけないのですが、誠に僭越ながら4点をつけさせて頂きます。
個性的な文章をありがとうございました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:6)
- 流し読みできない
だが、それがいい
- 69 神の子と魔女の子 (採点:2)
- えと、不思議な物語だと思いました。
緊迫したシーンの間抜けな描写が良かった……です。
ナレーションが大切なところを省略しすぎですね(笑
- 90 R・P・G (採点:8)
- ええ、面白すぎますとも。
神視点を題材にするとは脱帽しました。
○Foolis さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:2)
- 勢いだけでもっていきすぎかなぁ、と思います。
短くまとめたのはいいですが、もうすこし描写すべき箇所もあったかと。
それがどうも気になりました。
- 02 寒太郎 (採点:6)
- さわやかにうまく短くまとめてくれたかと思います。
二人のやり取りが面白くてよかったです。
いい感じでした。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- ちょっと状況がつかみづらかったかなぁ、と
私がなれていないというのもありますが。
その辺が残念でした。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- ちょっとよくわかりませんでした。
もう少しなにか書いてほしかったかと思います。
- 05 ウミに漂う (採点:5)
- 設定が面白いですが、煮詰められなかった印象を受けました。
もうすこし色々かくかしぼったほうがよかったのでは、と思います。
クラゲ、というのは面白かっただけにちょっと残念でした。
- 06 下手れ (採点:5)
- 題材は好きですが、ちょっと料理が足りない印象を受けました。
最後の段落がやや唐突な印象を受けました。
それが残念でした。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:7)
- アイディアがいいですね。
冷蔵庫がしゃべる、というのはなかなか斬新で面白かったです。
ただ最後のほうはもう少し違う書き方してほしかったと思いますが。
ちょっとしめがいまいちかなぁ、と思います。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:5)
- いろいろなんだかなぁ、と思いますが勢いだけでここまでもっていくのは素直にすごいと思います。
説明できない面白さがありました。
落ち着いてほしかったなぁ、と思いますが、それは多分このSSには野暮なんでしょうね…。
- 09 茜色の先 (採点:4)
- 作品にながれる雰囲気がいい感じでした。
ただもう少しストーリー展開を練ってほしかったように思います。
それが残念でした。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- ネタがいいですね。
七夕を非常にうまくつかっていたと思いますし、魔法使いって言葉が面白いです。
非常に見事でした。
- 11 準備 (採点:4)
- 新天地に引越し、ステキですね。
その様子がなかなかステキに描かれていたと思います。
ただもうすこし彼との思い出とかを書き込んでほしかったかな、と思います。
この短さが魅力のような気もしますからなんともいえませんが。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:4)
- 人工生命体の話はありふれていますが面白い設定だったと思います。
ただちょっと展開がわかりにくかったのが残念でした。
流れとしてはすきなのですがちょっと説明がイマイチだったかなぁ、と。
あとタイトルはもう一工夫ほしかったです。
- 13 立入諌止地点 (採点:6)
- 世界設定、雰囲気、ネタそれぞれがいい感じですね。
ただ話の内容がちょっとわかりにくかったかと。
説明がまずいというかなんというか。
それが残念でした。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- ちょっと不思議な、ロマンティックな雰囲気をいい感じで描いてくれたと思います。
いい感じでした。
ただ最後のしめの言葉にはもう少し気を使ってほしかったかと。
それが残念でした。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- 馬鹿すぎるw
ただ下ネタはあまり好きではないのです。
いや、ここまでイケルのはほんとに立派だとおもいますがw(超ほめてます)
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:5)
- 設定が面白いですね。
なかなかよく考えられていると思います。
ただちょっと内容がよくわからなかったのが残念でした。
読解力不足っぽいですが(汗
- 17 キラーデイ (採点:7)
- なんていうかユニークですね。
(もちろんブラック的な意味で)
最後、担任を殺したあとの雰囲気をみてほんとにそう思いました。
面白かったです。
- 18 じれ☆んま (採点:7)
- ネタは大好き。ってか黒すぎるw
文章がややなれていない感じがしたのがちょっと残念でした。
あと「〜。」と書く(閉じ括弧の前には。をつけないのが一般的)のは文章規則に反していますので気をつけてください。
- 19 猛スピードで触手は (採点:6)
- 犬→触手でここまでシュールになるんだねぇ(遠い目
バカな話でたのしめました♪(ほめています
- 20 顔 (採点:4)
- コメントに偽りなし。
ただもう少し何かほしかったかなぁ、と思います。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 今回ブラックっぽいの多いなあ。
なかなかに不可思議な雰囲気がただよっていて面白かったです。
>「ほほう、どのような言い伝えでしょう?」
>「夜中に大声を出すと迷惑だ」
ここでかなり笑いましたw
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- 日常の1シーンをみせられた感じでしょうか。
ちょっと落ちていない、というか終わっていない、という感じがしたのが残念でした。
これはこれですきなのですが…ね。
設定だけで終わった感が。
- 23 不謹神話 (採点:3)
- なかなか斬新な形でのオリコン参加ですが、なんていうかあわなかったです。
色々上手ではあるのですがね…。
- 24 放浪鯨 (採点:6)
- なかなかにロマンチックな話をうまくまとめてくれたとおもいます。
ただもうすこし何かほしかったかなぁ、と。
いいことはいいのですがちょっと印象が薄い感じがしました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:3)
- 評価が難しいなぁ、と思います。
ってかブラックだなぁ、とか結構詳しいなぁ(自分はこうなっているのかしらないけど)、とか思って読んでいたのですが、面白みというものがイマイチ感じられなかったので、この点数にさせていただきました。
斬新ですけどね…。
- 26 賢人の恋 (採点:8)
- ああこういうのいいなぁ(ダメ人間
まぁ実際問題、文中にもかいてあるようにこういう人間に社会は厳しいですが、ほのぼのとした二人を堪能させていただきました。
面白かった。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:8)
- 女の子の設定がすごくいいですね。
感嘆しました。
話自体も結構きれいにまとめてくれてよかったです。
- 28 腐臭 (採点:6)
- ホラーですね。
なかなかよかったですがもう少し怖がらせてほしかったかなぁと思います。
なかなかいい感じに仕上がっていますが。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:5)
- 設定がユニークでした。
ただそれだけで終わったかなぁ、という印象。
それがちょっと残念でした。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- 日常の様子を描けていたと思います。
ちょっと内容が寂しいですが、これはこれでよかったです。
- 31 不確定性の彼女 (採点:6)
- 最後のオチが好きです。
量子力学をからめたネタはよくやられますがよかったです。
いい感じでした。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- SFですね。
ストーリーの流れがいい感じでした。ただもう少し設定をシンプルにしてほしかったかなぁ、と思います。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:8)
- ちょっと不思議な物語を上手に描いてくれたと思います。
作品全体に流れるやさしい雰囲気がよかったですし、しめもいい感じでした。
改行がちょっと変ですが、気をつかっちゃったんでしょうね(苦笑
- 34 Waltz #2 (採点:3)
- いろいろ上手には描けていると思いますが、私には世界観がどうも好きになれませんでしたね…。
それが残念でした。
いや、ほんとに上手だとは思うのですが。
- 35 サプリメント (採点:6)
- 設定が面白いですね。
コンパクトにうまくまとまっていてよかったです。
薬の設定がいい感じですね。
減点はしていませんが、太字で強調しているのはイマイチすべったかなぁ、と。
それが残念でした。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:5)
- 斬新でした、もうなんというか斬新でした。
ここまでバカな作品はみたことがないです。
もう、それしかいえませんw
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- コンパクトにうまくまとめていますが、ちょっと内容が寂しいですかね。
それがちょっと残念だったかなぁと。
タイムリミットがビデオのほうだとわかったときは吹きましたがw
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- 微妙にこわい…っていうか気持ち悪いですね(激汗
でも面白かったです。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:5)
- きっとこれが容量がもっとあったらすばらしい作品になるだろう、そう感じた作品でした。
ちょっとシーン一つ一つに落ち着きがないというか、そんな感じがしました。
残念でした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:5)
- カタカナの使い方が私にはあいませんでしたが、これはこれで面白いと思いました。
ただ展開がちょっとだらけているというかそんな感じがしたのがイマイチでした。
まぁ明らかに狙っているんでしょうけどね…。
>ボクとパパのオトナの駆け引き。オトナの付き合い。ポイントはオトコとオンナの付き合いじゃないこと。ボクはパパの娘で、パパはボクのパパだから。ママと離れて自由になったパパの手に、今のボクは重すぎるかな?
この文、ちょっとややこしかったですが、好きな文でした。
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- ネタはいいんだけどなぁ、見せ方がよくないです。
もう少し凄惨さというか悲惨さもしくは人の苦悩みたいなのをもっと感じさせてほしかったです。
難しいのはわかりますが、これで終わりだと寂しいかな、と。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:2)
- 水に沈むまでの様がよく表現できているとはおもいますが、私には面白さがわかりませんでした。
あまりにも長くてじれったかったというか。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:2)
- 設定だけで終わった感がありますし、こういう系に詳しい人はああ、なるほど、と思うのかもしれませんがいまいち内容もよくわかりませんでした。
それが残念でした。
しっかりやると尺が足りなくなるのはわかりますが…。
- 44 蟲毒 (採点:9)
- 尺がたりなかったのが残念です。
設定が非常に面白いです。二人の狂人の設定、またその狂人二人をこんな風に絡ませますか。
もはや脱帽するしかありません。
ただ、尺の問題があったのはわかりますが、もっとこわく表現できただろうに、と読んでいる最中何度もおもったので減点しました。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- なんか私の世代にもろヒットなのですが。
私が小6のときでしたか、水晶がはやったことがありました。
私はあまり興味がなかったのですが、友達がよくもってきたのを覚えています。
そういうことがあってか非常に感情移入したSSでした。
水晶に関するひとつのそれぞれの人の思い出が非常にうまく表現され、また最後のほうのオチもまぁそういうもんだよな、と感じさせてくれてよかったです。
- 46 青空 (採点:7)
- 卑怯だっ、果てしなく卑怯だっ(w
確かにうそはいっていないが、ああ、もう。くやしいなぁ。
にやにやしてしまった私の負けです。
- 47 光学概論 (採点:8)
- 離婚した父とその子のやりとりが面白かったです。
またカメラを使って、隔たりを書くのはうまかったです。
それを使っての最後の二人のやりとりはほんとに見事でした。
よかったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 仲間と協力して飛行機をつくって、そして飛ぶまでのシーンが上手くかけていると思いました。
キレイにうまくまとまっていてよかったです。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:8)
- My Merry May系やられたことひょっとしてあります?と、まぁそれはさておき(苦笑
設定が面白かったです、またハッセルを殺すシーンが色々考えられてよかったです。どうして、ママはハッセルを殺したのか、それはプログラムされていたからか、それとも自分(もしくはハッセルを)許せなかったからなのか、とか。
よかったです。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:2)
- やっぱりこの尺でこういう物語はきついです。
こういうのが好きな人の間にはなんらかの共通認識みたいなのがあるかと思いますが、あまりこういうの読まない私にとっては設定がただどんどん出てきたようにしか思えませんでした。
それが残念でした。
- 51 野辺送り (採点:7)
- ちょっとレトロな文体(といっていいかわからないけど)が作品全体になんともいえない雰囲気をかもし出していてよかったです。
二人の関係の変遷がいいなぁ、と思いました。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- なんかおわりがしっくりこない。
幽霊がしたことがあまりにも少ないです、もうちょっと、二人の間の描写がみたかった。
なんだかなぁ。って感じでした。
- 53 体育館を燃やす (採点:5)
- 内容は悪くはないと思います。気持ちはわからないでもないですし。
ただ見せ方をもう少しがんばってほしかった。
ちょっと違う角度で書いてしまったかなぁ、という感じがしました。
あとタイトルはもう少しがんばってほしかったです。
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- 起承転結の起で終わってしまった感じがしますorz
もっとがんばってほしかった…。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:6)
- 丁寧に展開を描いてくれてよかったです。
いい感じにしあげてくれたかと思います。
- 56 飛べない鳥 (採点:8)
- 非常によく出来た童話でした。
よんでいて面白かったです。見事でした。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- この二人のやりとり、というか全体的ながれがなんか独特でいいですね。
少なくとも私はこういう系をあまり読まないので新鮮でした。
何もない夏の情景をうまく書いていたと思います。
よかったです。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:5)
- 設定がなるほどなぁ、と思いました。でももう少し何かほしかったかも。
ちょっと内容が寂しいです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:5)
- ディディカが狂気に染まる様がよかったですが…、どうも中途半端におわられたような気がします。
まぁ筆をどこにおくのか難しいのはよくわかりますが…。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 猫たちの話を童話風にたのしくよませていただきました。
面白かったです。
- 61 缶コーヒー (採点:9)
- ああ、もういいですね。
二人のデートのくだりが最高でした。オチが秀逸でした。
時間がたつってこんなことなんだよなぁ、とおもったので。
そして缶コーヒーのシーンがよかったです。
- 62 5人以内のごろつき (採点:6)
- 果てしなくバカでシュールな話でした。
5人以内のごろつきってネーミングはあまりにもごろが悪いですね。
それがシュールさをいっそうひきたててくれたかと。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:6)
- 元となっている漫画はハチミツとクローバーでしょうか。
ところどころいい部分はあるのですが、全体的にみると、うーーーん、って感じです。
なんか主題がぶれている、というか。
- 64 花盤 (採点:7)
- えっちぃなあ。
やや古めの言葉づかいがそれを助長していたと思います。
非常にいい雰囲気でよかったです。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:10)
- ああ、もうなんていうか最高でした。
静寂を望んでいた青年が最後にはその静寂を望まなくなる、というオチにいたるまでの展開が最高でした。
非常によかった、文句なしです。
- 66 サルベージ (採点:8)
- ちょっと不思議な経験を交えた、成長物語っていうのはいいですね。
そして最後のオチがよかったです。
面白かったです。
- 67 純 (採点:3)
- ちょっと主人公の思考回路についていけませんでした。
自分勝手というかなんというか。
あともうちょっとちゃんとしたオチみたいなのがほしかったかなぁ、と。
それが残念でした。
- 68 七夕 (採点:2)
- 姉がいろいろ物事を思い出すために書いている?話なのでしょうが…、あまりにもわかりにくいです。
文章つめつめだし(汗
そしてタイトルの前、作者自身でさえもわかるのか、と思ってしまった文です(激汗
容量がきつかったのはわかりますが、もうちょっとなんとかならなかったでしょうか(汗
- 69 神の子と魔女の子 (採点:2)
- めちゃくちゃなノリだなぁ。
でもはじめの関西弁のキャラ以外イマイチ見所がありませんでした。
残念でした。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:4)
- 面白かったことは面白かったですが…物語的にみるとなんだかなぁ、って感じでした。
悪く言えばやおいですし。
それが残念でした。
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- 量子力学をつかったこういうネタは多いですが。
もうすこしわかりやすくしてほしかったというのもありますが、ちょっとネタがあまり練りきれていないかなぁ、と思います。
もっと細かく色々決めてほしかったです。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- 描写自体は上手なのですが…どうも内容が寂しいです。
もっと過去を書くとかそういうことをやってほしかったです。
なんか中途半端に終わられた感じがしました。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- やりたいことはわかるのですが…うーーん、って感じです(汗
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- オチが唐突です。また途中のバトルがどうもグダグダした印象を受けました。
私がバトルものが苦手だというのがあるのかもしれませんが。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:5)
- プロレスのことはまったくわかりませんが、バトルシーンが熱かったです。
いい感じでした。
でも…やっぱりこのバトルネタ自体が苦手なので点数はちょっと低めです(汗
- 76 シャーベット (採点:9)
- ええい、このバカップル(いろんな意味で)がっ。
この二人のカップルいいですねー。
二人の性質を考えると非常に面白いです。
また、展開的にもやられました。最初の展開がほんと見事でした。
よかったです。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:8)
- ネタがすごい上質でした。感心するほかありません。
ただ料理が…ちょっとイマイチですね。イマイチ展開がわかりずらいというか。それが非常に残念でした。
もうちょっとシンプルな展開のほうがよかったのでは、と思います。
- 78 音響室B (採点:7)
- 内容は面白いのですが、なんか着地点がおかしいような?
起承転結がちゃんとできている話なのですが、どうもなんかしっくり来ないんですよ(汗
自分にもよくわかりませんが。
まぁそれはともかく。
山崎教授には楽しませてもらいましたし、展開的にも楽しめました。
ただなんか読み終えたときにうーん?ってなるのが不思議なんですが。
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- 夢オチの連続で最後の〆。
流れは非常に好きですが、ちょっとグダグダしすぎかなぁ、と思います。
いや好きな話なのですがっ。
ところで最後のオチもひょっとして夢オチ?w
- 80 リング (採点:8)
- 水城とのやりとりがいいです。
そして、巧が怪我して水城の過去を語る構成がすごくいいなぁ、と。
友情モノとして非常に上手くまとまっていてよかったです。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- 二人の会話内容がほんとにほのぼのしました。
>「奈津美がいないっていう将来を、想像できなかった」
>「もっと素直に言えばいいのに」
この辺とかほんとに最高ですね。
よんでてにやにやしっぱなしでした。よかったです。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- 百合ですね♪(w
こういうのは結構好きです。
ただそれにしたらちょっと描写がいまいちかなぁ、と。もうすこし色々書いて百合っぽさを出してほしかったかと思います。
イマイチ百合である必要性がないかなぁ、とおもったので。
告白シーンでの嫌悪感をだすのには確かに最適ですが。それでも…うーん?となってしまいました。
全体的に見るとよかったですが。
- 83 変わった趣味の男 (採点:2)
- ばかだなぁ、ほんと(いい意味で
ただもうすこし暴走してほしかったかなぁ、と思います。
だれるかもしれませんが…。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- おしい、実に惜しい、と思いました。
ネタはほんとに最高峰だとおもいますが…絶対これは煮詰められていないです。
ほんとに料理しないでだされた、という感じがします。
ネタがほんとによかっただけにそれがほんとに残念でした。
- 85 童話 (採点:5)
- オチがいいですね。たしかにこれは売れないw
最後がほんとにいたずらっぽくてよかったです。
- 86 NEET (採点:4)
- ちょっと最後が尻切れとんぼかなぁ、と思います。
なんていうか流されてそのままいってしまったというかなんというか。終わった感がしないのが残念です。
あともう少しネタは練ったほうがよかったかなぁ、と思います。
見せ方があまり上手じゃない印象を受けました。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:4)
- 百合ですね♪w
設定が面白いです、自殺権というのは面白いと思いました。
ただ、料理が上手くないと思います。
心変わりが唐突に感じたのが残念です。
また結の部分をもっとしっかりと書いてほしかったです。
それが残念でした。
- 88 探偵は誰だ? (採点:4)
- 設定いいですね〜。
なかなか考えられていると思います。
ただ容量が少ないせいでしょう、唐突に感じたことが残念です。
もっといろいろ粘って書いてほしかったです。
- 89 午睡 (採点:4)
- ネタはいいですが…うーん、どうもイマイチですね。
なかなかせつなくかけていますが、もうすこしなんとかならんかったもんかなぁ、と思います。
- 90 R・P・G (採点:2)
- シュールやねぇ…。
着眼点は面白いですが、うーん…どうも私にはあいませんでした。
それが残念でした。
もうすこし見せ方を考えてほしかったです。
- 91 鈴の音 (採点:4)
- 話の内容は好きですが、ちょっと軸が定まっていない感じ。
ややストーリーの流れがふわふわしている感じがしました。
もう少しテーマであろう、少年少女の無力さをかいてほしかったです。
- 92 神の子 (採点:7)
- 世界がいいですね。
最後まで世界の描写がきちんとされていてよかったです。
- 93 妖精離れ (採点:3)
- ちょっと展開がスピーディーすぎるというか書きなぐられている印象をうけました。
もう少し丁寧に書いてほしかったです。
- 95 何かの間違い (採点:3)
- ネタは悪くないですが、もうちょっと色々がんばってほしかったです。
いろいろ心理とか深くかけたと思いますし。
- 96 走るッ! (採点:2)
- 作者さんだけが暴走してどうもついてこれませんでした。
かなりおいてきぼりをくらった感があります。
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- なんでもないような日常をうまくかけていたのはよかったですが、もうちょっとラスト付近を凝ってほしかったかな、と思います。
ちょっとなんか寂しい…というか終わった感じがしなかったので。難しいのはわかりますが。
- 98 足跡 (採点:3)
- ちょっとしたホラーですが、もうすこし怖さを出してほしかったです。
ネタがややありふれていますし。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- 内容は好きですが、もう少しスリムにしたほうがよかったかも。
というか書くべきところを書かないで書かなくていいところを書いたせいでストーリーの運びに違和感が出た感があります。
それが残念でした。
○GYA さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:2)
- 始まりから数行は魅力的でした。
- 02 寒太郎 (採点:7)
- 最後の方が若干雑に見えたのは気のせいかな?
いや、それにしても良い話でした。
文章もとっつきやすく気持ちよくて、内容もすんなりと入っていける雰囲気の良さ。
非常に好みの作品でした。
- 03 GONSHAN (採点:5)
- ちょっとボリューム不足だったかな、と思われます。
柔らかく、大人しい雰囲気が良かったです。
- 06 下手れ (採点:5)
- 好きなタイプの話でしたが、完成しきれてなかったように思えます。
曖昧で申し訳ないですが、もうちょっとじっくり重み持たせたら良かったかな、と思います。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- 不確かな文章。読んでいてそんな印象を受けました。
決して悪い意味ではなく、作品の雰囲気を上手く作り上げ、宇宙のようだと表現した祭りのイメージも、よく伝わってくるものでした。
独特の雰囲気を持つ文章が良かったです。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- 自慰一つでここまで話を作り、最後に綺麗に纏めることができるとは……。
セリフによるテンポとセンスが良く、面白い話でした。
- 17 キラーデイ (採点:3)
- んー、何かいまいちテーマが伝わってこない作品でした。纏め切れてない印象。
ところどころの文章に、ちょっと引っ掛かりを覚えました。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- ダイイングメッセージで、正解かどうか分からない「杉野隆二」という漢字で書いたのにちょっと違和感覚えました。
いや、とても些細なことかもしれませんが。
- 19 猛スピードで触手は (採点:6)
- ホントに触手なのかよ!と思いました。こういったセンスは大好きです。
読解力がないのか、ラストがいまいち分かりませんでした……。
- 20 顔 (採点:6)
- 最初は詰まっていて読みにくかったですが、中盤ぐらいになるに連れて、逆に上手い具合に雰囲気作りに作用していたように思えます。
結末に入るまでは8点以上付けれるかな?と思っていたのですが、ラストが残念でしたのでこの点数です。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 面白い内容、というわけでもないのですが、文章の雰囲気がとても良かったです。
安心してさらりと読める、好みのタイプの作品でした。
少し、「夜は短し歩けよ乙女」を連想させました。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- こんな神話聞かされた子供は、一体どうすればいいんでしょう。
いや、面白かったです。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- 序盤はちょっと入りづらかったですが、中盤からラストまでの流れが良かったです。
イメージに、世界名作劇場っぽい雰囲気が浮かんできました。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- 途中、無駄な文章が何度かあったのが気になりました。
「SかMかでいうと俺はMだからだ。少々唐突な告白だったか。別に広く公言したつもりはないが」
などですね。
無駄どころか、妹への思いを削いでしまっているので、大きなマイナスでした。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 上手いです。全体的な雰囲気の作り方が、全く崩れてなくて良かったです。
「No River to Cross」の人でしょうか?間違っていたらごめんなさい……。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:3)
- あら、これで終わりですか、というのが、読み終わってすぐに出てきた感想でした。
どうするんだろうなと期待していただけに、残念でした。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- 安定した読みやすい作品でした。
これだとばかりに目を引くところがなかったのが残念でしたが、これといった悪い所も見当たらず。
素直に良い作品だと思えました。
- 41 蜃気楼 (採点:4)
- 語り手の心の動きが弱かったかな、と思います。
一連のできごとを、ただ見ているだけのような感覚でした。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:6)
- SFものは余り好きではありませんでしたが、今回は素直にのめりこむことができました。
最初がとっつき難いのが、ちょっと難ありだったと思います。
- 45 八月水晶 (採点:8)
- ノスタルジックな、良いお話でした。
八月水晶を掘り当てる時などは、緊迫感もあり良かったです。
- 46 青空 (採点:7)
- 最後が爽やかで、後味の良い作品でした。
- 47 光学概論 (採点:8)
- とても雰囲気の良い作品でした。
山の静かさや、二人の間の空気などが伝わってきて良かったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:10)
- キャラも、文章も良く、最後までの流れもスムーズで、文句のつけるところが一つもありません。
思わずのめり込んでしまった、素晴らしい作品でした。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:2)
- ん、申し訳ありません。肌に合いませんでした。
- 51 野辺送り (採点:9)
- 文章に力があり、とても良い作品でした。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:8)
- とても雰囲気の良い話でした。
第三回にも似たような感じの作品がありましたが、それとはまた違った味が出ていて良かったです。
- 53 体育館を燃やす (採点:7)
- ん、最後ちょっと唐突過ぎるかな?と思いました。
しかし、全体的に上手く書けていたので良かったです。
タイトルがかなり直接的ですね。
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 触りだけ読んでも、感想も点数も付け難いというのが正直なところ。
文章を読んだ感じは悪くなかっただけに、ちょっと残念でした。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:2)
- 見せられているだけで、ちょっと読み続けるのが辛い文章でした。
ずっと話が平坦だったので、それが問題だったのかもしれません。
- 57 夏を見逃すな (採点:2)
- こういった1シーンだけ見せられるのは、かなり評価し辛いです。
セリフばかり続く場面が、ちょっと読んでいてしんどかったり。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 新鮮で、面白いお話でした。
読後も気持ちよかったです。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 何か色んなことが少しずつ分かってしまい、微妙に胸に突き刺さる思いをしながら読みました(ぉ
序盤の入り方などがちょっと難があったように思えますが、終盤がとても良かったです。
好みのタイプの作品でした。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:3)
- すみません、読むのが辛い文章でした。
- 64 花盤 (採点:10)
- あー、凄い。
言葉が出ないほど、圧倒されました。
- 67 純 (採点:5)
- 紹介文に惹かれて読みました(ぉ
面白い話ではありましたが、読み終わったあと、何か色々と物足りない感じがしました。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- 感想にこれほど困って、尚且つ何か書きたいと思った作品はありませんでした。
とりあえず、ありがとうございました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- プロレスは全然分からないのですが、とても楽しませて頂きました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- 途中までのけいの心情と、ラストが上手くかみ合わなかったような印象を受けました。
全体的に、一つに纏まってない感じがします。
- 83 変わった趣味の男 (採点:5)
- 最初一点付けました。
しかし、気になったので読み返すと、あぁ、なるほど、と理解することができました。
理解した後は、ちょっと腹立たしかったですが(笑)
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:3)
- 作者さんは若そうだなぁ、と印象を受けました。
伏線なしであのラストに繋がっていくのは、ちょっと唐突過ぎたように思えます。
主人公の感情も、上手く伝わって来ませんでした。
- 89 午睡 (採点:2)
- 意図があったといはいえ、画面開いた瞬間一気に文字が詰まっているのは辛いものがありました。
後半のオチに続くまで読むのが辛く、申し訳ありませんがこの点数です。
- 91 鈴の音 (採点:9)
- これ、凄く好きです。
妹ものだなぁ、と思い、期待せずに読んでいたのですが、とても良い作品でした。
引っ越して、そっから思い出に浸るだけのラストなら7点ぐらいに止まったのですが、最後のシーンがとても上手い。
読後感もとても良かったです。ありがとうございました。
- 93 妖精離れ (採点:2)
- 作者さんだけに分かる文章を、延々と読まされている気分でした。
申し訳ありませんが、全然分からなく、読解しようという気になれませんでした。
- 98 足跡 (採点:3)
- うーん、オチが読めたのが残念でした。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- 最後があっさりしていて、勿体無かったように思えます。
ラストをもっと書き込んでいれば、評価は一転していたかもしれないので残念でした。
○HID-F さん
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:8)
- この長さで、謎の提示、展開、収束をさせることができるんですね。
素晴らしいと思います。
表現も上手いですし、ストーリー展開も好きですが、まとめ方が少し唐突な感じでした。
容量の関係もあるのかもしれないですが。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:9)
- 面白かったです。この長さで、揺さぶりと不安と安堵を感じることができて、得した気分になりました。
また、「ノルウェイの森」の頃の村上春樹に似た印象を受けました。
ツールが変わっても、スピードが変わっても、理解のために必要なことというのは、変わらないのでしょう。
ただ、錯覚はしやすくなるのかもしれません。いつでも、「自分宛の」メッセージを受け取ることができることによって。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- 最初の二行にやられました。
タイトル面白いですけど、読みにくいです(w
ただ、読み進むうちに息苦しい感じがしてしまったのも事実です。
これから先、二人の世界がどう変わっていくのか、気になりました。
○Hrrach さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:6)
- 手癖で書いているような感じもありましたが、それがおもしろいの域にあるからすごいと思います。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:7)
- すらすらとするすると、心地よく読めました。
題名がなぜ、過去形なのかが気になります。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- 軽妙なお話。何も考えずに楽しさに浸れるというのはいいものですね。
これはこれで完成されていると思います。これからもがんばって突っ切っていってくださいませ。
- 17 キラーデイ (採点:5)
- おもしろくなりそうな芽を秘めているお話だと思いました。
鮎の干物作りだけじゃなくて、もっと主人公の一般生活を取り入れてみれば、さらに一味加わったんじゃないかと思います。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- 外傷がないなどの状況から、業務上過失致死辺りに落ち着きそうな感じですね。
少年の一人勝ち、というのは小気味良かったです。
- 28 腐臭 (採点:4)
- 一本角が立ちそうで立たないもどかしさがありました。あと一歩突っ込んでいけば、もっともっとすごい気持ち悪い話になったんじゃないかと思いました。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- ボーアとかハイゼンベルクのがゆかりアイテムの主っぽい気がしますが、むしろ量子の概念に納得したアインシュタインと思えばそれはそれで深いような気がします。
最後、この二文で締めるのはなぜかもったいないように思いました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:2)
- この試みを買ってみて、という感じだけなのが残念でした。
あと自分はモニターで縦書きはなかなか読みづらいということを改めて再確認しました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:7)
- 設定とか用語とかからっきしわからなかったですけど、なんだか惹かれる世界観でした。
更なる研磨、練成に期待します。
- 47 光学概論 (採点:8)
- この靄のような柔らかくてちょっと冷たい雰囲気に3000点を差し上げたいところ。
結果が気になるよりも、経過をゆるゆると読ませてくださったことに感謝であります。
- 59 プルシャの後裔 (採点:9)
- 単純な筋立てを、言葉の選び方と流れで鮮烈なモノへと昇華した手腕に感嘆しました。
おもしろかった。読めてよかったです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 古来からの正当な手法、王道といえばそうですが、やはり心地よさは抜群なので。
もっとねこっぽい動きや仕草があると、さらに良かったと思います。
- 68 七夕 (採点:2)
- ぶっ続ける文章が読み難くくなるかおもしろくなるかを隔てるのは、言葉の選び方によるリズムが重要で、その辺が今一歩だったのがもったいなく思います。
こういう文章の見せ方はありだと考えます。どうぞこれからも洗練し続けていってください。
- 73 あかんぱにい (採点:3)
- 謳い文句と題名によるおもしろさの喚起、というところが大きいように思えました。文章自体はそれほど奇抜でもなかったので、短い行ならではのキレ味も欲しかったように思います。
- 78 音響室B (採点:6)
- なんというか、最後まで読んでみたいお話でした。
さらさらと心地よく読めたので、よけい涙の理由が気になります。
- 79 ユメオチ「 (採点:6)
- まどろみの連鎖がおもしろかったです。
最後の一言すらユメオチかもしれないと思わせるところが好きでした。
- 85 童話 (採点:4)
- ちょっとした小話ですらすらと読みました。2千万年という記述がなぜか、読み解けなかった自分に少し悲しく。
男の売れなさそうな感じがうまく出ていて、そこが好きでした。
- 86 NEET (採点:5)
- 最後、泣いてしまいましたかぁ〜。
飄々としているところが好きだったので、少し残念ですが、決意はいいものですね。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:4)
- 同じような繰り返しの中でゆっくりと進行していくお話。好みではありますが、もう少し濃い味にしてもよかったように思いました。
イチゴミルクのくだりが好きです。
- 90 R・P・G (採点:2)
- 発想の奇抜さをおもしろみに繋げられなかったのが、もったいないと思いました。
神視点だからどの場所も……っていうのは、結局自分の言ったことがそのまま現実になるのと大差ないような。
変り種部分を作ったら、納得させてくれるパワーが欲しい気がします。
- 91 鈴の音 (採点:7)
- 淡い期待に縋らせず、日々の暮らしへのちょっとばかりの一歩で締める最後が素敵でした。
読み終えて、とても気持ちよかったです。
- 92 神の子 (採点:7)
- 不思議な感覚を味わいました。落ちるというよりは、辿るというような。
おもしろかったです。
- 93 妖精離れ (採点:4)
- 妖精の描写がもっといろいろあると、主人公が見ているちょっと違う世界や視点が浮かび上がってくるような気がして、そこが読みたかったです。
- 94 Eternity (採点:5)
- なんで弟でなく妹が欲しかったのかが気になりました。
さっぱり塩味の読了感が良かったです。
- 95 何かの間違い (採点:5)
- これはもう好みの問題なのでアレなのですが、妹さんの生への貪欲さが好きだったので、その面でもっと突っ走ってたらもっと好きになれたお話でした。
兄妹の和解というか和合はいらないと思いますが、書きたいという気持ちはよくわかります。
- 96 走るッ! (採点:6)
- 勢いで押し切られた感がありましたが、押し切られてもいいと納得できました。
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- 端々にある、ねこならではの動きとか視点の高さとかをもっとふんだんに込めつつ自然に扱っていれば、さらにおもしろくなったんじゃないかなと思いました。
- 98 足跡 (採点:4)
- 足跡が目の前でぺたぺた付いていったら、自分なら怖くて逃げるだろうなぁと思いました。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- 携帯電話がもし世界になければ、一人の少女が自害していたんじゃないか、というようなことを考えさせられるお話でした。
携帯がない、という方がいまや非日常なのですよね。
○JING さん
- 15 嫁嫁パニック (採点:8)
- これは卑怯すぎるだろう。
○KATUO さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- 展開は嫌いじゃないけど、うーん、分かんない……。
- 11 準備 (採点:3)
- こういうのは嫌いじゃないけど、この話で読者に何を伝えたかったのかが全然分かりませんでした。
なんとなく自殺するつもりなんだろうなあって読んでて分かってしまったから、最後のインパクトもイマイチ。
- 24 放浪鯨 (採点:9)
- 空にフワフワ(?)浮いている放浪鯨を想像してみたら、なんだか優しい気持ちになりました。
物語も素敵です。
ありがとうございました。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:8)
- 最後がいいですね。飛んでいく飛行機を想像すると、なんだか胸が熱くなります。
あと、佐竹が何を思いついたのかがすごく気になる。
- 57 夏を見逃すな (採点:3)
- こういうノリは嫌いじゃないけど、読んでる途中で飽きてきてしまいました。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 話はよかったけど、タイトルに少し疑問が残りました。
なんで缶コーヒー?
- 62 5人以内のごろつき (採点:3)
- ダメだ、分からなかった……。
すみません。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:4)
- ノリはすごくいいと思うのですが、ちょっとついていけませんでした。
すみません、こんな点数で。
- 79 ユメオチ「 (採点:8)
- これはなかなか新しいような気がする。
タイトルに伏線が入っているのも新しいような。
ラストも良かったです。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- 胸きゅんって感じ。
すみません、変な感想で。
- 95 何かの間違い (採点:2)
- むー。これは、ちょっと……。
登場人物の考えていることも、やっていることもメチャクチャすぎると思いました。いくらなんでも、それはないだろっていうか……。
タイトルは色んな意味ですごくあっているような気がします。
- 98 足跡 (採点:2)
- むー。どこかに何かが隠れているのでしょうか。私には見つけられませんでした。すみません。
○Manuke さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- うう、感想に困る……。
不条理さは面白いですし、意味深なような、そうでもなさそうな展開も悪くないのですけど、読み終えた後、特に何も残らなかったのが正直なところです。
- 02 寒太郎 (採点:8)
- 寒太郎と言ったら北風小僧ですが、本作の寒太郎が何の風だったのか分かりませんでした。臆病風とか、そんなものでしょうか?
長さ制限のせいかとは思いますけど、『私』の状況変化がほとんど描写されていないのがちょっと残念ですね。
とは言うものの、ストーリー自体は優しい雰囲気で楽しめました。『ツンデレごっこ』も効果的に使われていて良い感じです。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 毒があるヒガンバナを手折って持って行くのも意味深ですね。
(と言うか、あんまり触らない方が……(^^;))
ただ、どうしても北原白秋の『曼珠沙華』自体と比較してしまいます。引用された以上、それを避けるわけにもいかないわけで。
残念ながら、『曼珠沙華』の鮮烈さとは少々不釣り合いな感は否めませんでした。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- あー、うーん……。
波紋のところは良かったんですが、その後は表現としても考察としても切れが感じられませんでした。
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- うーん、別段『俺』だろうが『僕』だろうが不思議に思わないので、そんなことで引っかかること自体が今一つピンと来ません。TPOによって切り替える人だっていますし。
(粋がって『俺』を使うとか、『僕』が子供っぽく感じるというのなら分かるんですが)
末尾はなかなかスマートです。
- 06 下手れ (採点:7)
- 「青春まっしぐら」なお話ですね。真正面から語るのが恥ずかしくなるくらいに(^^;)
序盤とラストの文章の対比が良い感じです。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:8)
- オチなしですか(^^;) でも面白かったです。
電気代(?)は誰が払ってるんだろうとか、食事をするってことはお手洗いはどうすろのかなとか、気にしたら負けですよね☆
しかし、『この冷蔵庫はドアが閉まっている間は空間位相が変化する』のだったら、ダイニングキッチンのドアを閉じれば会えるんじゃないかと……。
それとも、「誰からも観測されていないばやいにのみ可」という付帯条件があったりするんでしょうか。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:1)
- うう……。感想の書きようがありません(^^;)
とりあえず、ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
- 09 茜色の先 (採点:9)
- 最後の絶望感が胸を打ちます。
寂寥とした色のない世界と、悲しいほどの『茜色』の対比が奇麗でした。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:4)
- 情景としてはなかなか奇麗だと思います。
ただ、満天の星や蛍の群れというのは相当に使い古された情景ですので、これだけを山場に持ってきても物足りないかな、と。
あと、個人的にですが、未成年の喫煙は単にみっともなく感じてしまいます。
- 11 準備 (採点:3)
- んん? 「かれのまち」→「かのまち」って駄洒落……ではないですよね。
身辺整理だったということでしょうけど、いきなり無理心中なのは少し驚きました。すっきりし過ぎているため、自殺をしようとしているのかな、とは思いましたけど。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:9)
- #シェクリイ氏はあんまり読んでないです。いかんなぁ……。
ちょっとミステリ風味ですね。山口さんをあまり突飛な設定に持って行かなかったのが、良い方向に働いています。
教授からはどうにも嫌味な印象を受け、それが逆に作品としての味付けになっていると感じました。
- 13 立入諌止地点 (採点:1)
- うーん。異常な事件と言うより、警察の行動が変ですね。
捏造はそういうお話なんだと納得するにしても、犯行現場が直線上に並んでいるとしたら、犯人逮捕ってすごく簡単そうなんですが(^^;)
警察官の言動もおかしいですし。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:3)
- うーん……。訳が分かりませんでした。
どうして千年後なのかとか、途中の宇宙談義とか、どうにも脈絡というものが感じられません。
気にしたらいけないのかな……?
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- ちょっと下品ですが、話の通じなさが楽しいですね。
義父は少々壊しすぎのような気も……。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- 全体的に文章の体言止めが多く、ぶつ切り感が強いですね。そのせいで、かなりリズム感が損なわれているように思います。
『宇宙船』の設定はなかなか悪くないです。ただ、主人公の結論が少しありきたりに感じられました。
結局、「実現したら、全てが色褪せてしまう」はずのことを実現してしまったんでしょうか?
- 17 キラーデイ (採点:2)
- 途中まではコメディなんだと思ってましたが、もしかしたら違うのかな……。
一介の高校生に対して殺し屋が雇われる状況というものが分かりません。無防備に鮎釣りしているときにでも襲ったら、凄腕の殺し屋なんか必要ないのでは?
ただ、コミカルな部分は少し面白かったと思います。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- 『囚人のジレンマ』は、あまり前面に押し出さない方が良かったんじゃないかと思いました。
状況に当て嵌めるには少し無理があるように感じますし、泥棒がどんな相手かも分からないシチュエーションで、それを根拠に少年が協力を求めようとするのはどうかな、と。理性が通じない可能性の方が高そうです。
それはともかく、裏切りの仕掛けが楽しめました。杉野隆二氏が気の毒(^^;)
- 19 猛スピードで触手は (採点:10)
- 触手という異常なシチュエーションとあまりに普通な日常的光景のギャップに、どうなることかと思いましたが、そう落としましたか。
いや、面白かったです。
『嫌な相性だ、と僕は正直にそう思った』のところで、危うく飲んでいたコーヒーを吹きそうになりました(^^;)
良い性格をした先輩が魅力的ですねー。
- 20 顔 (採点:10)
- うむむ、面白かったです。
表現が多彩かつ濃密だったのも、お話の怪しさを上手く演出しています。「浅黄色の粘液」とか、気持ち悪さが快感です(^^;)
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 無茶な展開ですが、面白かったです。
しかし、この宿はお酒等をどうやって用意したんでしょうね。普通に酒屋さんから仕入れていて、社会にとけ込んでいたりすると、ある意味一番怖いかも(^^;)
はたまた、主人公の女性も『気づいていない』方なのか……。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:3)
- うーん、かなり微妙な感じです。雰囲気自体は悪くないんですけど。
数々の小道具が、単に舞台が98年であると強調するためだけに配置されたようなわざとらしさがつきまとい、実際1998年には感じられません。
(その違和感のせいで、「実は2098年だった」というオチを期待してました(^^;))
文章も、「雰囲気が老け込んでいる」と評される青年の一人称にしては少々幼いように見えるのもマイナス印象です。
- 23 不謹神話 (採点:1)
- いくらなんでも、これは……。
- 24 放浪鯨 (採点:10)
- うん、良いお話でした。
ユーリが放浪鯨なのだということは冒頭で分かってしまいますけど、鯨の位置づけがSF寄りだったのは少し予想外でした。
お話としても纏まっていますし、アレクとユーリの想いも良く描けています。何より、放浪鯨のイメージがとても奇麗に伝わってきました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:3)
- 製塩室、もの凄いコスト高じゃないですか?
塩を作っている男性陣は塩分を補給しなければ死んじゃいますから、結局仕入れる必要があるわけで。普通の塩で作った方が安いと思うんですけど。
……って、そんなツッコミは無粋かもしれませんが(^^;)
- 26 賢人の恋 (採点:3)
- いわゆるギャルゲー系ヒロインを揶揄したお話なのだと推察しますが、必要性なく『自閉症』の語を持ち出したことは不謹慎に感じられました。
少なくとも、貴方の小説が他人を傷付ける可能性だけはご承知置きください。それを理解した上で書かれるのでしたら、私から言うことはありませんが。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:5)
- ストーリーは悪くないんですが、序盤を読むだけでその後の展開がほとんど分かってしまいました。もう少し、何かがあると良かったのですが。
橙色の表現は奇麗で印象的です。
- 28 腐臭 (採点:4)
- 醜悪さは良く出ていると思いますが、お話としてはあまり面白みのない点が残念でした。
腐臭を感じてしまうほどの「平和で安全で平凡な毎日」というのは、むしろ一度体験してみたいです。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:8)
- うむむ、弱いところを突かれてしまう(^^;) 「インド洋の小さな島」とか(笑)
締めが奇麗に決まっているのも好印象。
小鬼のありすと黒猫のアリスに関する説明はないんですね。潔いですけど、やっぱり少々気になります。
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- ……えっ? これで終わり、なんでしょうか?
正直に言って、何が何やらさっぱりです。
状況は少しずつ見えてくるものの、だからどうなのかが全く理解できませんでした。
- 31 不確定性の彼女 (採点:5)
- シチュエーションは面白いですが、量子力学を持ち出すのは無理があり過ぎるんじゃないかと。
「『観測』する人間が複数いたら、それに対する事実も複数ある」というのは、観測問題とは似ても似つかない状況ですし。
良い性格をした『わたし』には好感が持てました(^^;)
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:8)
- ネタとしては悪くないのですが。と言うか、好きなのですが(^^;)
絶対量が足りないです。16KBを更に三分割したエピソードで語るには、ちょっとスケールが大き過ぎるんじゃないかと思います。
あと、余計なことかもしれませんけど、実は太陽=シリウス間よりもアルファ・ケンタウリ=シリウス間の方が遠いです。
(正確な距離は計算していませんが、光世紀星図から見て)
いずれにせよ、シリウス・ベータ(これも凄い設定(^^;))が銀河の首都というなら、ほとんどお隣さんである太陽系が田舎というのはちょっと解せない印象があります。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:2)
- お話をそのままに受け止めると、少々面白味に欠けるように感じられました。
妹が事実主人公の妄想だったと捉えるなら、かなり救いがないですね。
いずれにせよ、『クララノさん』が何かストーリー上で役割を果たしているとも思えず、散漫な印象を受けます。
ところで、樹に実った瓶入りジャムは、このばやい果汁100パーセントと言って構わないのでしょうか。
防腐剤や着色料成分があったとしても、『無添加』を唱っていいのかな?
- 34 Waltz #2 (採点:4)
- これはこれで良く書けているとは思うのですが、すみません。私の趣向には合わないようです。
つまらない感想でごめんなさい。
- 35 サプリメント (採点:7)
- む、ちょっとラストの部分が分からないです。
ヤマザキ氏は美樹子の夫本人だったということでしょうか。だとすると、美樹子がそれに気付かなかったのが変ですね。
(『作り物の笑顔』が比喩ではなく文字通りの意味だったということなのかな?)
加えて、ヤマザキ氏の時間軸と美樹子の時間軸の関係が少し分かりにくいですね。
一応、ヤマザキ氏が美樹子の下を訪れたことで歴史が変わったのだと解釈しましたけど(違っていたらごめんなさい)、キーワードが重複しているせいでややこしいです。そこら辺をもう少し丁寧に書いて欲しく思います。
また、できれば太字は使わない方がよろしいかと。
太字は文章中で目立つため、読み進める前に目に入っちゃうんですよ。
ストーリー自体はなかなか面白かったです。
あと、何気に時間もの繋がりですね。仲間〜。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
中学・高校は何の思い出もないんでしょうか?
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:2)
- うー、ごめんなさい。面白く感じられませんでした。あまりにも『日常』過ぎて……。
文章のテンポは良いと思います。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:2)
- え、えーと……。
とりあえず、鼻水のねっとり感は伝わってきました。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:9)
- 楽しげな雰囲気が面白いです。
眼鏡嬢とピエロと取り合わせも悪くない感じでした。
文章のリズムが良く、ラストも奇麗に決まっていたのが好印象です。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:2)
- うーん、感想が書きにくいです。
わざとなんでしょうけど、とても痛々しくて読むのが苦痛でした。色々と悟ったつもりの高校生って、ちょっと見ていられないですね。
まあ、自分だってそうだったのでしょうけど(^^;)
ストーリーが存在しない以上、印象で採点するほかなさそうです。すみませんが、面白く感じられませんでした。
- 41 蜃気楼 (採点:6)
- お話自体は纏まっているようですし、記者の視点も悪くないのですが、ちょっとネタとしては弱いように感じます。
最後の一文は状況を暗喩していて良いですね。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:4)
- うーん、何が何やら……。臨死体験と受け取っておけばいいのでしょうか?
醜悪ではありますが、それ以上のものには感じられませんでした。
あと、どうでもいいことかもしれませんが、地下水は土中に水が浸透した状態を指し、水が流れるトンネルのようなものではありません。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:10)
- むむむ、言うなれば逆サイバーパンク?
(でも『賑夏』は少々やり過ぎだと思います(笑))
サイバースペースを常態とする人々にとって、現実世界は異質なものと感じられるわけですね。とても面白いです。呼吸音や鼓動に関する部分とか。
しかし、これはどう考えても掌編向きではないでしょう。
少なくとも短編部門向けにするべきだったんじゃないかなーと。推理的要素も含めて、掌編で使い捨てるにはちょっともったいないですよ。
でも好きなので10点入れちゃいます(^^;)
あと、紹介文は『ルーマニア製ウィルス』でしょうか?(オリジナルだったらごめんなさいです)
- 44 蟲毒 (採点:3)
- ……えっと。これで終わりなんですか?
母親の幽霊も、男のプレイしていた『ゲーム』もただのまやかしで、実際はお互いが見抜いた通り二人とも快楽殺人者だった、という解釈でいいんでしょうか。
それにしては、結末があっさりし過ぎているような気もするし……。
正直なところ、お話の意図が見えません。
- 45 八月水晶 (採点:8)
- いいですね。
子供の頃の、大人が見たらくだらない、だけど確かに大切だったもの。
たくさんあったはずなのに、いつの間にかなくなってしまって、しかも往々にしてなくしたことすら思い出せない。
そんな感慨に耽りました。
- 46 青空 (採点:6)
- 「ベタだなぁ……」と思いつつも、こういうストレートなのも悪くないです。
ただ、その分インパクトは弱まってしまった感も否めませんでした。
- 47 光学概論 (採点:4)
- ごめんなさい。特に何も感じられませんでした。
断絶そのもの、あるいはそれから目を背けることが特に悲しいとも思えない人間としては、やや理解しがたいです(^^;)
#と、ここにも断絶が一つ……。
文章には情緒があって良い印象だと思います。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:9)
- 好きです、こういうの。
一つのことに打ち込めるのって、なんか良いです。たとえ端から見たら馬鹿にしか見えなくても。
鳥人間コンテストの出場者一人一人に、それぞれのドラマがあるのかもしれないな、と思いました。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- やや設定が甘いような……。
『ママ』が人類の存亡に関わる事態への対処として生み出された、という背景には少々無理があるように感じられます。
存亡の危機とある以上、『ママ』及びそのコピーに育てられた人間は相当数になるはずで、殺人事件以後の展開はそうした状況と今一つそぐわないです。
一つの孤児院で子育てを行っていた育児ロボット、という経緯で充分だったのではないかと。
最後、ライカが取り憑かれたような行動を見せるのは、『ママ』にそうした衝動を植え付けられてしまったということでしょうか。
その辺りが面白く感じられるだけに、もう少しじっくり書いて欲しかったと思いました。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:2)
- むむむ……。
独自設定を作りすぎていて、物語をスポイルしている印象が否めませんでした。
その割に、妖魔やら暗殺者やらはステレオタイプなのも残念。戦闘シーンも、唐突に<<風のナイフ>>が出てきて拍子抜けです。
また、職業暗殺者とある以上、男は誰かに暗殺を依頼されたのですよね? その辺りが全く描写されていないのは不親切ではないかと。
幕引きのシーンは良い感じでした。
- 51 野辺送り (採点:7)
- ある友人のことを思い起こしました。
あのとき私がもっと強く制止していたなら彼は死なずに済んだのかもしれないと、当時しばらくは思い悩みましたが、その気持ちすら忘却の彼方です。彼の下の名前すら思い出せない今となっては。
十七年経っても未だその人を忘れ得ないことは、そう悪いことでもないのではないでしょうか。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:4)
- うー、ごめんなさい。こういうストーリーは性に合わないので……。
透明感のあるお話だな、と思いました。文章のリズムも悪くないです。
ただ、ここから何かを感じるということもありませんでした。
- 53 体育館を燃やす (採点:7)
- 実際にやったことがないので正確なところは分かりませんけど、気化していないガソリンはマッチ程度では燃えず、気化していると爆発を起こしかねないと聞きます。
火種を作って灯油に投げ込む方が良かったのではないかと。
黒川君が志賀君の憧れだったのとは逆に、黒川君も志賀君のことを「かなわない」と感じていたのでしょうか。
暗い情念を昇華させることができたのだと思いたいです。
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- 『相貌失認』というものを知らなかったので、Web上で調べてみましたけど、ちょっと小説の内容と症状が異なるような……。
作中の『彼女』は、名前を聞いてもコウスケと知り合いだったことを思い出せないようですが、調べた範囲での相貌失認にはそうした症状は含まれないようです。
この場合、むしろ短期記憶障害に近いように思います。
それはともかく、お話としては彼女の症状説明以上のものにはなっていないかな、と。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:10)
- うーん、これは辛い……。
本当かどうかは分かりませんが、植物状態と診断された人に意識があり、周囲の声を聞いていたという話は時々聞きます。(本作では植物状態そのものではないようですけど)
しかし、仮にそうした状況に陥ったら……と、考えさせられるお話でした。
最後はベタかもしれませんけど、これで良かったと思います。と言うか、何も伝えられないまま終わったら読後のダメージ大きそう(^^;)
最近は脳波を使った入力インターフェースも考えられているようですから、全身が動かせなくても意識のある方とコミュニケートできる日が早く来るといいですね。
- 56 飛べない鳥 (採点:2)
- えーと……。ごめんなさい、趣旨が分かりませんでした。
特に寓意と言えるものがあるようにも思えませんし、お話としての感動があるとも受け取れません。
飛べない鳥は報われない結末を迎え、個人的には救いがないと感じます。(イタチ達も同じく)
童話のフォーマットを取りながら、実はかなり血なまぐさい展開ですし。(童話には黒いものも多いですけど)
どう読まれることを期待されていたのか理解できず、困惑しています。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- う、うーん……。
楽しげな雰囲気と台詞運びは割と好きなんですが、何と言いますか、サイドストーリー的な印象を強く受けました。
具体的には『Kanon』辺り。
つまらないとは決して思わないですけど、少し類型的かなと感じます。特にキャラクタに思い入れのないオリジナル小説では。
(そういうおつもりではなかったとしたら、ごめんなさい)
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:6)
- タイム・リープと聞くと『時かけ』よりも高畑京一郎氏のお話を思い返しますが、こちらは記憶喪失でしたか。
ネタは小粒ですけど、お話としてはなかなか悪くないと思います。
ただ、タイトルは少々やり過ぎの感が……(^^;)
- 59 プルシャの後裔 (採点:9)
- とても胸が悪くなるお話ですけども、これが異世界でも異時代でもなく、現代のインドを舞台としているのだろうことを考えると、やりきれない思いです。
正直なところ私はインドの現状を知りませんので、どの程度実態に即したお話であるのかは分かりませんが、本作に近い状況らしいとは伝え聞きます。
それがインドの全てだとは思いませんし、都市部ではかなり改善されているとのことですけど、問題提起としては感慨深い作品でした。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- 格好いいですねー、小太郎。いなせな心意気に痺れました。
肉屋のおじさん的には困ったことでしょうけど(^^;)
ラストの締めが奇麗に決まってます。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- なんだか良いですね。
中学生の青かった自分に赤面したりする、その青さがこそばゆい感じでした。
でも、『T都』って表記はちょっとどうかと(^^;)
- 62 5人以内のごろつき (採点:1)
- ……?
文体から推察すると不条理コメディ系なのかなとも思いますが、笑いどころが分かりませんでした。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:7)
- 何と言いますか、主人公に共感できない以上、感想を書くのが難しいです。
何がそんなに彼にとってショックなのか、想像はできても実感ができないので。
とは言うものの、決してつまらなかった訳でもありません。
何だか微妙なコメントでごめんなさいです。
あと、キングって普通平らなんでしょうか? 王冠の上に飾りが付いているものしか見たことがありません。
唯一と言うなら、むしろルークのように思えるのですが。
- 64 花盤 (採点:5)
- うーん、ごめんなさい。こういう系統のお話は良く分からないです。
イメージはなかなかに鮮烈でした。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:4)
- シチュエーションの特殊さが強く、感情移入ができません。
音が聞こえ過ぎるという『僕』の事情はまだ良いとしても、それがあっさりと覆されてしまうのは納得しづらいですね。
加えて、偶然出会った女性が『僕』以上の特殊な聴力を持っていること、それを克服できない状況であること等、オリジナル設定が多過ぎです。
一風変わった性格の眼鏡っ子ヒロインは、なかなか魅力的でした(^^;)
- 66 サルベージ (採点:8)
- ノスタルジックな情景が良いですね。ちょっとベタですけど、こういうお話は好きです。
ただ、最後はちょっと唐突かな? 「少し年上の少女」なのだと思うのですが、もう少しエピソードを散りばめた方が良かったように感じました。
(尺の関係上、難しいでしょうけど)
- 67 純 (採点:3)
- 書きたいことに対して、色々と追いついていない部分があるように感じられました。
文章表現や台詞回しに少々ぎこちない箇所が目立ちます。
また、読点が少ないのも読みづらい一因ですね。
結末がぶつ切れな印象はあるものの、狙い自体は悪くないと思いました。
- 68 七夕 (採点:1)
- いくつか誤字が見られました。校正しましょう。
適時改行しながら読んだのですが、申し訳ないですけど、あまりの退屈さに幾度か寝そうになりました(^^;)
タイトル前までは良かったのですが……。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:2)
- あー……、ごめんなさい。ほとんど笑えませんでした。
テンション高いのはいいんですけど、ちょっと照れが残っているように感じられます。
(『理由がわかった』のところは面白いです)
- 70 ばべるの図書館だより (採点:1)
- すみません。図書館で『伝奇集』を借りてきて読んだのですが、ボルヘス氏の作品と比べると本作はかなり見劣りしてしまいます。
それから、『バベルの図書館』を読んでないと(最低限どういった内容なのか知らないと)意味をなさないですよね? 独立した作品でない以上、これはリスペクトとは言えず、単なる二次創作だと私には感じられます。本歌取りを目指すのなら、まず原作への依存をなくすべきです。
対談形式も一人が喋っているようにしか見えませんし(実際そうなんでしょうが(^^;)、もう少し別人格を演じてもらいたいです)、お話としても面白味に欠けていました。
タイトルからは、とても良いセンスを感じます。
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- メタファーとしてならともかく、観測問題をそのままマクロな世界に取り込むのは無理がありすぎです(^^;)
大体、多世界解釈では収束を必要としないわけですし。収束するにしても、弟の存在を家族の記憶から消すというのは、もはや量子力学とは縁もゆかりもない状況に思えます。
意欲としては買いますが、ちょっと手法が荒っぽすぎるかと。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:7)
- とても共感を覚えますし、お話として好きなのですけど、最後がややあっさりしているように感じました。
『僕』が感じた雨の中の風景を、もう少し文章で表現して欲しかったと思います。
あと、冷静な客観視点で見たばやい、「朝でなくて良かったね」と(^^;)
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 「想像してみてください」とか言われても……。
一応、整理してみると、
1.何かの店の、おそらく入り口らしい
2.一つ目の台詞は店員らしい(以下、A)
3.二つ目の台詞は来店したものらしい(以下、B)
4.来店したのは、Aにとって客とペットに見える何かの二人(?)以上のようだ
5.Bは、自分がペットに間違われたのだとは思わなかったように振る舞っている
6.Bは、連れ(以下、C)を妻だと宣言している
7.Bは、Cがペットに間違われる可能性を理解し、それを失敬だと思っている(あるいは、そう振る舞っている)
8.5および7から、Bは二人連れの可能性が高い
こんなところでしょうか。(まだ思いこみがあるかも)
そこから発展させるとなると、「Bはペットだった」、もしくは「実はAがペットだった」とかでしょうか。
うーん、我ながら発想が貧困だ。
ただ、気のせいかこのネタ、一コマ漫画で見たことあるような気がするんですよね。
単なる既視感かなぁ……。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:5)
- 作中でヴァンパイアと呼ばれているのが人間なのだろうということは序盤で察しが付きました。
そのこと自体は構わないのですが、それに続く見せ方が今一つ上手くいっていないようなのが残念。
最後の説明文で一気に種明かしをするのでは、お話を読む楽しみがありません。ストーリー中でそれを徐々に明示して欲しいと感じました。
あと、
> 俺が今までの狩人人生で遭遇した最多数のヒトのコミュニティは、確か22匹だった。
の文章はおかしいのでは? ここはヴァンパイアもしくは人間とするべきかと。
お話の仕掛けや展開自体は面白いと思います。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- これは……とても面白かったです。
プロレスはほとんど分からないのですが、興業の裏事情や試合の運び方・技の応酬・登場人物の有り様と、非常に密度が高く、堪能させていただきました。
加えて、柿崎にとても好感が持てますね。お話の最後も爽やかです。
- 76 シャーベット (採点:8)
- 寺岡さんの恋心を、寺岡さん自身どころか柚木君まで誤解したまま付き合い始めてしまうというのは、滅茶苦茶で面白いですね。
ただ、嫌いだと思ったまま「彼氏彼女になりましょう」と自分から言い出すのは、いくらなんでも性格設定に無理がありすぎるかと。楽しいですけど(^^;)
心臓バクバク状態が全く表に現れない寺岡さんは魅力的でした。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:3)
- え、えーと……。結局、冒頭のイメージは何だったのでしょう。ただの妄想?(^^;)
メールでの人と人との距離というテーマは悪くないのですが、ナイチンゲール・メール・サービスが今一つ機能していないように感じられました。
また、知花嬢が無事だったのは良かったとしても、亜麻色の髪+羽根付き帽子の眼鏡っ子(ヘルメスさん?)がその後登場しないのは納得いかないです!
- 78 音響室B (採点:3)
- キャラクタや状況等は面白いのですが、こんな中途半端なところで終わってしまうと消化不良です(^^;)
音響室である必要性もあまり感じられませんし。
あと、地の文が一人称寄りだったのが少し気になりました。
- 79 ユメオチ「 (採点:3)
- うーん、仕掛けがちょっと見え見えかな、と。
例えば“ユメオチ「”ではなく、“「○○○”(○○○は何か地の文章)等にしておけば、「題名の括弧を閉じ忘れたのかな?」とミスリードできたのではないかと思います。
現状だと、さすがにあからさま過ぎて警戒しちゃいますから(^^;)
一発ネタ系ではありますが、試みは面白いのではないでしょうか。
- 80 リング (採点:6)
- 真新しさはないでけど、ストーリー自体は悪くないです。
ただ、やはりこの長さでは色々と食べ足りないですね。父親の死とかの設定も唐突に思えますし。
キャラクタが生き生きとして魅力がありました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- 『正統派』というのは文脈次第でしょうから、何に対する正統派を目指されたのかは分かりませんけど、取りあえずギャルゲ系的なものを踏襲できているとは思います。
ただ、これだけでは特に面白いとも、逆に詰まらないとも感じず、ほとんど印象に残らないというのが正直なところです。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:5)
- いわゆる『萌え属性』としてのソフトな百合ではなく、本気の同性愛に関しては、ちょっと分からないとしか答えようがないです。
そういう恋愛もアリでしょうし、もちろん恋愛小説としてもアリでしょうけど、それが楽しめるかと問われると、かなり困惑します。
うー、デリケートな話なので、とても書きづらい(^^;)
- 83 変わった趣味の男 (採点:1)
- 不条理系のようなので、笑いを狙っているのでしょうか?
ごめんなさい。特に何も感じませんでした。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- う、うーん……。後味悪いですね。清水君、それで納得してるんでしょうか(^^;)
いっそのこと開き直ってタレントとかモデルにでもなってしまえば、逆に後ろめたいこともないんじゃないかと。演技力ありそうですし。
- 85 童話 (採点:3)
- ガリレオ・ガリレイ氏が望遠鏡で月面を観測したその年に、最後のうさぎが亡くなるわけですね。意味深なような、関連が良く分からないような……。二千万年前というのもどこから出てきたのか不明ですし。
現代に生きるうさぎ達に近親交配への抵抗がないのは、月のうさぎの呪いによるということなのでしょうか。ただ、うさぎが元来シビアなら、そんなに強固な憎しみを抱くことなく地球の意向を理解してくれそう……と考えるのは当事者でないからかもしれませんけど。
あと、つまらない茶々ですみませんが、スペースデブリというのは通常、人工物を指します。
- 86 NEET (採点:4)
- うむむ、なんか恵まれ過ぎててムカつくんですが(^^;)
主人公はかなり状況に流されているように見えました。彼女は飄々としている様子が魅力的です
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:7)
- うん、なかなか悪くないです。
これが彼女達なりの『デレ』分なわけですか。屈折していてもまっすぐなんですね。
ただ、ラストの一文は少々味気ない感じがします。
関係ないですけど、お隣同士でバイト数がぴったり同じだったのはちょっとびっくりしました(^^;)
- 89 午睡 (採点:4)
- 記憶障害のある人間の書いた手記のようですが、状況が良く掴めませんでした。
もしかしたら、別人の書いたものが紛れ込んでしまっていて、それを当人が気付けないというお話なのかな、とも思いましたが……。
『僕』と『私』の違いや、『君』と『あなた』あたりが連続しているようで、やはり違うようですね。
正直、訳が分かりません。
- 90 R・P・G (採点:10)
- これは面白い。着眼点が冴えてますねー。
いわゆる、作者とか読者を作中に引き込むメタフィクション系のお話は珍しくもないんですが、本作の神視点さんはあくまで「三人称の地の文」なんですね。
その不条理感が楽しめました。
- 91 鈴の音 (採点:4)
- 内容は悪くないですし、鈴も魅力的だと思います。
ただ、これだけで終わってしまうと、お話としてはほとんど印象に残らないですね。
もう少し二人の間柄を丁寧に描写して欲しかったと感じます。
- 92 神の子 (採点:5)
- う、うーん。これはどう受け止めたらいいのでしょうか。
イメージとしては面白いのですが、ちょっと意味を汲み取ることができません。
盗賊の回想からするに、何らかの寓意が込められているようにも思うのですが……。
それとも、気にしちゃいけないのかな?
- 93 妖精離れ (採点:1)
- うむむ……。
きつい言い方になってしまって申し訳ないですが、こうも支離滅裂な文をフォローなしに終わらせてしまうと、ただの『電波系文章』以上のものとは受け止められません。
一人称が僕だったり私だったりとぶれているのも、台詞が微妙に破綻しているのも、おそらく意味はあるのでしょうが、深読みする気にもなれませんでした。
出だしのフレーズは悪くないのですが……。
- 94 Eternity (採点:7)
- 無茶苦茶な展開だけど、面白かったです。
妹に対して謝る辺りが、潔くていいですね。
ただ、5歳児ぐらいなら別段珍しくもないんじゃないかな、と。
- 95 何かの間違い (採点:2)
- うーん、アイディアは買いますが……。
脳死を引き起こす薬のオリジナル設定が先行し過ぎて、お話としてはやや問題かな、と。
「人間の身体を瞬間冷凍するときに脳が止まってると、身体へのダメージが少ない」等に意味があるわけでもなく、まず脳死薬ありきな強引さが否めませんでした。
あと、「のど乾いたときにコーヒーって、微妙じゃないか?」の台詞が分かりません。伏線でもないようですし……。
- 96 走るッ! (採点:2)
- うーん……。申し訳ないですけど、面白く感じられません。
登場人物達(あるいは作者さん)は楽しんでいるようですけど、それがこちらには伝わってきませんでした。
警官が追いかけてくる理由もちょっと……。もう少しひねりましょう。『トモハル』のミスリードも、ほぼ冒頭で推測できてしまいますし。
何より、キャラ立てに意味がないです。あっという間に終わってしまう掌編では、たくさん人物を出しても仕方がないと思うのですが。
- 97 やさしい猫 (採点:4)
- 侠気のある猫君が格好いいですね。
ただ、疑問点が一つ。ストーカー氏、どうして警察官に連行されていったんでしょう? 夜中に猫と戦ってたから?
- 98 足跡 (採点:7)
- 小ネタですが、面白いです。
ただ、最後のシーンでは主人公が足跡の場所までやって来ているのに、そこから離れた位置にあるトラックの正面にへこみができているようなので、単純に「存在が空間的または時間的にずれていた」というわけでもなさそうですね。
できれば状況説明をお願いしたいです。
あと、説明文と本文の関連性が分かりませんでした。
- 99 繋がっているものたち (採点:6)
- 悲しい結末にならなかったことに安堵しながらも、「こう上手く行くものかな?」と感じないでもなく。
思いを伝えるのはとても難しいですからね。
○PFR さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- 日本の現代文学の悪いところを煮詰めまくったら出来上がった小説、という印象です。大変申し訳ないのですが表現の一つ一つに悉く滑稽さしか感じません。
- 02 寒太郎 (採点:3)
- この容量、この文体で、出会いから別れまでの短くない期間を十全に描くのには無理があったと思います。結びの一文やツンデレごっこなど、面白い部分が多々あっただけに、余計に残念です。
- 03 GONSHAN (採点:2)
- イメージはなかなか秀逸だと思います。ただ掌編として凝縮されてはいないので私の中ではどうも評価とは結び付きません。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- 冒頭だけ少し気に入りましたがやはり普通に駄目だと思います。
- 06 下手れ (採点:2)
- それなりに完成されてはいるものの、ありきたりさが抜きがたく染み付いた小説だと感ぜられます。そしてそのありきたりさを吹き飛ばすほどの表現力はない、と言わざるを得ません。冒頭および末尾の比喩は上手いと思いましたが、不用意なことにいささか感傷的に過ぎるでしょう。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 冒頭三行が素晴らしすぎます。具体的に言うと、最初の二文の流れるような滑らかさを、「どでかい冷蔵庫が鎮座していた。」という意味不明な一文で一瞬のうちに断ち切るそのコントラストによって、話に一気に惹き込まれます。以降も、賑やかでなかなか面白いです。テンプレートを歪め、内破させるだけの言語表現がそこにあったかと言われればなかったのが、高い評価に結び付いていない理由です。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:4)
- いろいろな様式の日本語が渾然一体となっている様はとても良いと思うのですが、全体像が不明瞭なのでそれのみに留まってしまっているとも言える気がします。
- 09 茜色の先 (採点:4)
- 世界崩壊も世界の果て探索もありがちで、ここまでならあまり褒められたものではないのですが、実は世界の果ては存在しなかった、少なくとも語り手の前には現れなかった、という凄惨な結末を書きえたのは凄いです。気になったのは火葬。人体の野焼きを完遂するというのは実はかなりの重労働でして、さらりと流して書いてあることには少なくない違和感を覚えました。そしてこの点に象徴されるように、とまで書いてしまっては言いすぎかもしれませんが、とにかく本来必要とされる執拗さが文章から抜け落ちて、全体的に淡々としすぎている感じを受けます。尤もその淡々とした虚無感こそが読みどころなのでしょうから、批判ばかりはできないとも思います。なんとか両立させる方法はなかったものか、などと考えます。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:3)
- カタルシスと言いますか浄化を地で行く結末を持ってきているのだから、作品を構成するあらゆる要素をすべてそこへ落とし込む計算高さがなければ、成功とは言いがたいのではないでしょうか。蛍の川の描写が薄く、しかもそれ以外に浄化を支える道具が存在しないため、浄化が極めて不十分になってしまい、結果「七夕に対する鬱蒼とした気持ちを、いつの間にか天の川に綺麗に流してしまっていた」という最も重要な心理描写が、かなり唐突で不自然になっていると感ぜられます。
- 11 準備 (採点:1)
- 全体的に陳腐さしか感じないと言わざるを得ません。加えて、結末の絵としての間抜けさと唐突さと、そして何より硝子の強度のあまりの低さが、作品を作者様の意図せぬところでギャグへ昇華させてしまっているように思われます。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:2)
- 一寸どう読めばいいのか困ります。ロボティクスも人工知能もどう考えても二十枚で扱う主題ではないし、ではミステリの部分に魅力があるかというとそんなことも全然ないからです。山口さんが「わたしは、ほんとうに『なおる』んですか?」と発言するくだりは文章に勢いが付いて面白かったです。
- 13 立入諌止地点 (採点:1)
- 文体があまりにも普通の日本語に過ぎて小説的快楽から程遠く、物語もまた錯綜しすぎで謎解きに伴う解放感が薄いので、楽しみどころがあまりありません。
- 15 嫁嫁パニック (採点:2)
- 最初は面白かったんですが、似たようなテンションで似たようなギャグが続くので、途中で飽きてしまいました。加えて、内容に反して文体が存外に平板でつまらないのが致命的だと思います。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:5)
- 前半から中盤にかけての、あらゆる場所や時代の映像を滑らかにつないでいくという、まさにこの小説の設定でしか書けない表現の数々は圧巻です。しかし主題が前景化して文章が過度に説明的になる後半では、前半の勢いの大半が殺されてしまっていると感ぜられます。主題の内容自体は理解できますし、そこから今はいないはずの幼馴染みへとつなげるのもいいとは思うのですが。
- 17 キラーデイ (採点:2)
- いろいろなものが、とりわけ脈絡が足りません。最後の展開の唐突さはほとんどギャグと見紛うばかりです。会話文は面白く書けていると思います。
- 18 じれ☆んま (採点:3)
- トリック自体はよくできていると思いますが、ショートショートにしてはいろいろな部分が饒舌すぎて、完成度は低い印象です。
- 20 顔 (採点:4)
- 存在しないはずの記憶というのはかなり可能性のあるモチーフだと思います。語り手の同一性を突き崩して表現の幅を一挙に広げうるからです。それを単純な形でしか用いえていないのがこの作品の限界だと思います。執拗かつ饒舌な文体は魅力的です。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 典雅さと可笑しさ、静謐さと騒々しさ、現実と夢幻、などの境界を巧みに往還し、滑らかな物語の進行をいちいち阻害しては脱線させていく筆致が、とても素晴らしいと思います。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:3)
- 全編を通して、地の文がある一つの事柄について延々と説明を繰り返すのみで一向に物語を進行させようとしないので、酷く滞留した印象を受けます。特に前半は、鉤括弧で囲まれた会話文が常に前へと流れていっているため、会話文と地の文との齟齬が大きく、文章が大変ぎこちないです。日本語的には問題ないのかもしれませんが、小説を書く言葉からは程遠いと感ぜられます。結びの一文はとても良いと思うのですけれど。
- 23 不謹神話 (採点:1)
- 神話と言うほどに不謹慎だとはとても思われません。不謹慎さ、下品さ、馬鹿馬鹿しさの極北に達する勢いが存在しないのであれば、単につまらない小説であるというだけでしょう。
- 24 放浪鯨 (採点:6)
- 単なるお涙頂戴に終始することなく、空飛ぶ鯨というシュールな情景と、海外を舞台にした硬質な雰囲気と、設定の説明を放棄して小説全体の格調を保とうとする姿勢が、美しい世界観の構築を成功させていると思います。あとは、文体にもっと強靭さがあればなお良かったかと。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:4)
- スラップスティックコメディじみた混沌っぷりが面白いのですが、それが後半へ至るにつれて妙に落ち着いていってしまったのが残念でした。
- 26 賢人の恋 (採点:5)
- 美衣子に延々と振り回され続ける話者の語りがとても面白いです。とはいえ良識という観点からすればかなりぎりぎりな設定を導入した以上、もっと面白い日本語が書けるはずだとは思わないでもないです。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:2)
- 決して低くない文章力を作者様が持っていることは疑いえないのですが、少年と少女の出会い、孤独からの解放、海岸、秘密基地、夕日、少女の消滅、などといった作品を構成する要素が、すべて極めて陳腐に感じられてしまって、高い評価はできそうもありません。手垢に塗れていない素材や表現を探そうとする意思を、この作品は決定的に欠いていたように私には思われます。
- 28 腐臭 (採点:1)
- あまりにも未熟。知らぬ間に日常を侵蝕する非日常という主題自体はある程度評価できるものですが、それも人肉嗜食を暗示する結末を持ってきた途端に安っぽくなります。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:4)
- 主人公の漠とした内省、程よく郷愁の漂う雰囲気、空や宇宙への憧憬を背後に忍ばせた壮大なSF的世界観、幻想小説的な、しかし見事なまでにその不可思議さがスルーされる鬼と猫。作品を構成するそうした要素が悉く好みなのですが、しかしこの設定であれば、単に好みであるという領域を超えて、有無を言わさぬもっと美しい文章表現を生み出すことも十分に可能だっただろうと感ぜられたのが残念です。軌道エレベータで上昇していくシーンなどはとても良いと思うのですけど。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- 可笑しいのに格調高くて物悲しいのに乾いている独特の文体が、かなり面白いです。とはいえ全体像の不明瞭さも相俟って、いささか牽引力に欠けていた感はやはり否めません。
- 31 不確定性の彼女 (採点:1)
- 不確定性原理は小説の素材としては食傷気味になって久しいと思います。加えてこの小説の場合、それを作中に導入する手付きが、ドイツ語と老人とサイコロというキーワードのみからいきなり不確定性原理のことを話し始めるのにしても、アインシュタインの怨念の籠もったサイコロという落ちにしても、極めて無理矢理っぽいです。もっと地に足のついた形で書けなかったものかと。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:4)
- 設定も物語もとても好みなのですが、全体を眺めるとやはり厚みを欠くかなという印象が強いです。二十枚ではまず不可能でしょうが、最低でもあと二話は欲しいと思いました。それと題名には一考の余地がある気がします。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:5)
- 適度に圧縮された説明調の語り口が、普通の描写にはない魅力を湛えていると思います。語り手の立ち位置が不明瞭で一寸戸惑いましたが。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- その成否はともかくとしても、媒体の特性を最大限に生かすという姿勢は大切だと思った次第です。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:1)
- 薄いです。無論のこと極限まで薄さを突き詰める書き方が秀作として結実する瞬間もあるわけですが、この作品がそのような高度な試みをおこなっているとはとても思えません。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:7)
- 不条理感たっぷりの物語が不条理なままに進行していくのがとても楽しかったです。不可思議な設定を導入しておきながら、描写をいささかも曖昧に濁すところのない文体がまた、その不条理さを際立てるのに大変効果的だったと思います。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:8)
- いかにも平板そうな筋立てなのですが、一人称の話者の屈折気味な語りが世界を巧みに捻じ曲げて、平板とは程遠い豊饒な表現の数々を作り上げていると思います。面白かったです。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:7)
- 様々な先行作品を引用しているようですがそれらは私にはまったくわかりませんでした。未熟な読者で申し訳ない。
イメージを次々とつないでいく手付きは見事だと思います。そのことによって補いえている気はしないでもないのですが、あからさまに普通じゃない小説である割には文章が結構滑らかに読めてしまうことが不満でした。引用すらも一人称の話者の語りの中に回収されている印象で、そうして語り手が語り手自身の言葉をのみ静かに語っていくのであれば、それは極めて一般的な小説のありようなのではないかと感じます。もっと迫力というか膂力というか鬼気というか強靭さというか、そういう類のものが欲しかったです。
- 44 蟲毒 (採点:3)
- 二人の話者が分裂を抱え込んだ異常な人間に設定されているのに、その語りがどういうわけか淀みなく読めてしまうものであるため、小説でのみ書きうる異常性がほとんど書けていないと思います。狂ったり殺したり切断したりという事柄をただ普通に書くだけではあまり面白くないし、さほど強烈でもない、というのが正直なところです。
- 45 八月水晶 (採点:3)
- 八月水晶の発見者の物語にはさほど魅力を感じなかったというのが正直なところです。下手に一人の人間の内省に焦点を合わせることによって、水晶という硬質なモチーフと、描写よりも説明に比重を置いた文体とによって得られた、この作品独自の幻想的イメージが損なわれている印象でした。序盤はとても好きだったのですが。
- 46 青空 (採点:2)
- 単に引っかからなかったという以上の問題として、そもそもこの誤導に掌編小説一本を支えるだけの強度があるとは思えません。
- 47 光学概論 (採点:5)
- 完成度は高いと思うのですが、文章の細かい粗や、後半に目立つ主題に関する直截な物言いが、一寸駄目だなと思います。この手の掌編は極限まで完成度を上げないと過去の名作に太刀打ちできないので、荊の道だったかもしれません。題名は今回一番好きでした。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:4)
- ユーモラスな場面とシリアスな場面とを巧みに融合しえた作品であると思います。しかしながら後半の展開がなだらかに過ぎて、勢いのあった前半と比して見劣りしてしまうのが残念です。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:2)
- 全体的に粗雑さがとても目立ちます。『ママ』の子から三十五年間にたった一人の犯罪者も生まれなかったという非現実的な設定。一人の犯罪者が生まれたために世界中の育児ロボットすべてが破棄されるという同じく非現実的な設定。西暦2539年であるにもかかわらず育児ロボットの有無を除いては現代とまったく変わりない社会。上司との定型的な問答。物語の流れを断ち切って長々と入る世界観の説明。唐突過ぎて不自然なハッセルの登場。なんの前触れもなくハッセルが主人公の知り合いになっていること。と挙げれば切りがありません。尤も話自体はちゃんと完結しているので、こうした細部の造形を欠かさなければ普通に良い話になるとは思います。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- 設定や世界観といったものは陳腐だし、前半と後半が著しく乖離した構成も、掌編としてのまとまりが損なわれるという意味において褒められたものではないと思います。しかしながら全編を通じた特異な文体や表現はなかなか面白かったです。設定を全部すっ飛ばしていきなり本筋に入ったほうが優れた掌編になった気がします。
- 53 体育館を燃やす (採点:2)
- こうしてノスタルジー系のパーツを適度に配置しておけば自然とそれなりに読めるものにはなりますが、それを超える達成がこの作品にあったかと問われれば、ない、と答えざるを得ないと思います。
- 54 彼女への笑顔 (採点:1)
- 駄目な理由として特定の何かを名指すことができないほどに何もかもが駄目です。あえて申し上げるならば、威力だけが悪戯に高い粗雑な設定を、陳腐な表現と文体で塗り固めようとした結果、俗っぽい醜悪さが露呈している、ということになります。悪い描き方になってしまい申し訳ありません。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:3)
- 結末で決定的に駄目になったと思います。序盤から中盤へ至る流れは、冗長さや平板さがないわけではないにせよ面白かったです。
- 56 飛べない鳥 (採点:2)
- 着想も筋立ても文体もいささか貧困に過ぎるのではないかという気がどうしてもしてしまいます。
- 57 夏を見逃すな (採点:4)
- 物語を放棄して表現のみで小説を書こうという姿勢は個人的には小説の王道であるとすら考えているので大歓迎ですが、それは困難すぎる荊の道でもあって、この小説の場合も成功しているとは言いがたいかと思います。紋切り型の流用にとどまっているのが何よりも駄目だと感ぜられました。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:3)
- 一人称の話し言葉による語りとしては比較的完成されているほうだと思いますが、それ以上の何かが見出せなかったのが残念なところです。この様式でないと書けない何かを書かない限りは、悪い言い方になりますが小手先でしかないでしょう。
- 59 プルシャの後裔 (採点:6)
- こんな社会がそもそも成立しうるのかなという根本的なところで躓いてしまいました。稀少価値が高いにもかかわらず女性が殺されるというのは矛盾してないか、とか。
その辺を棚上げすれば、奇怪な世界の中でだんだんと狂っていく話者の歪んだ語りが、完成度の高い、それでいて強烈な文体を生み出していて、なかなか面白かったです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:8)
- 大変良いエンタテイメントです。王道的な筋立て、時代劇風の文体、猫視点、などといった個々の要素それ自体は別に目新しいものではないですけれど、それらを組み合わせることによって互いにずれや剰余が生じ、今までにない魅力的なものに仕上がっていると感じました。
- 61 缶コーヒー (採点:2)
- それなりに上手な小説だとは思いますが、にもかかわらず高評価できないのは、極端なノスタルジー重視とその結果としての後ろ向きっぷりとが、小説全体から緊密さを奪い、甘たるい安心感をしか残していないからです。
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- わけがわからないですがそのわけのわからなさが妙に面白かったです。
- 64 花盤 (採点:6)
- 筆致が高いレベルで一貫しており良かったと思います。テーマとしては割とありふれていることなんてこの際どうでもいいです。むしろ気になったのは、極度の不明瞭さや、繊細を通り越した虚弱っぽさなど、幻想小説の悪い面も同時に出ている点でした。それがなければもっと高い点数付けたかったんですけど。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:4)
- 設定が持つ可能性を、文章が殺している印象です。主人公の耳は「木々には沢山の命が集っていた。鳥や虫の鳴き声が夜でも響いている。」とかいう並みの描写ではとても表現し尽くせない凄まじい音を聞いているはずで、それを捨象せずにそのままに描きえたらとても面白い文章が出来上がったのではないかと想像します。「緑が二酸化炭素を吸い込み」以下の部分は一寸面白かったので余計に残念です。
あと「それから僕は彼女と共に」以降、文章の速度が急に上がりすぎて、本来この物語はそこが一番ダイナミックだったはずだと思うんですけど、さらりと流されてしまっているのが不自然だと感じました。
- 66 サルベージ (採点:3)
- タイトルがとても秀逸です。
内容のほうは、よくできた短編だとは思いますが、個人的に引っかかったのは二点で、一つは主人公の語りが一寸濃すぎて小説全体の滑らかさを損なっている気がすること、もう一つは「またなのかっ?!」という悲鳴は読者である私も上げたいことです。この長さの小説で理由もなく展開が被っているのはあまり褒められたことではないように感じます。
- 67 純 (採点:1)
- 物語的にも文体的にも工夫を欠いていて退屈ですし、何より二十枚でセクシュアリティの話をするのはかなりきついでしょう。
- 68 七夕 (採点:4)
- 知らぬ間に雑音が紛れ込んでいくが如き結末はなかなかよいものだと思うんですが、全体としてはテキストを読むという行為が、こういった作品が本来目指すべきであった快楽よりは、普通に苦痛につながってしまった感じでした。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:3)
- 様々な様式の小説に対する皮肉というか批判というかがいたるところに見られて、とりわけさらりと説明を省略したり仰々しい修飾語を中略したりするところなどはとても面白かったのですが、全体を見渡すとやはり完成度が低いなという印象が先立ちます。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:4)
- 四つの節すべてが異なる様式で書かれているというのは多様性があっていいと思います。第三節には美しいセンテンスが幾つもありましたが、残念なことに作品全体が何か一つの像を形作っている様子は私の目には映りませんでした。尤もそれが読者たる私の未熟さに依る可能性はまったく否定しませんが。
- 71 幸せの処方箋 (採点:2)
- 不確定性原理は飽きた、というのが正直な感想になってしまいます。靴の伏線から「弟が、いたんだ」という台詞へと至る流れが持つ不穏さは、なかなか見事なものだと思います。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:5)
- 全体を眺めると、何気ない単発のエピソードを豊かな表現と共に凝縮した上質な掌編に仕上がっている、と言っていいと思います。その点は優れた達成として素直に認めた上で、にもかかわらず高評価できないのは、ノスタルジーの有り様が極めて陳腐に感じられるからです。加えて、中盤におけるその表現(「しかし、今ではかつて……」「今日家に帰ったら……」「自分自身の現状について疑問を抱くたびに……」)が過度に説明的過ぎて、上述した掌編としての完成度を損なっていると思います。ここは、説明ではなく描写を、という古典的な小説作法に従うのが正解だったのではないでしょうか。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 幾らなんでもこれでは厳しいです。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- 文体も物語も紋切り型に陥っていると思います。自らが紋切り型であることに対する自己言及もないので単に滑稽に見えるだけです。ただ戦闘シーンは、壮絶さがよく出ていて悪くないと感じました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:3)
- プロレスの知識をまったく持っていないので半分以上何が書いてあるのかわかりませんでした。駄目な読者でごめんなさい。
プロレスを好きな人が書いてプロレスを好きな人が読む、という自問自答にも似た円環の中でのみ読まれうる作品であって、その外側において勝負できる完成度ではなかったと思います。「今からプロレスリングを貴様にレクチャーしてやる」という台詞は、狙いすぎな感が多分にありますが格好良かったです。
- 76 シャーベット (採点:2)
- 人間の感情を機械的に捉える作業と、普通の文体で小説を書く行為とが決定的に噛み合っておらず、悪い意味での不自然さが拭いがたい小説になっていると思います。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:2)
- それなりによくできているとは思いますが、面白いかと問われると微妙です。テーマ的な部分は満足に掘り下げることが出来ておらず、文体は安定しているけれど普通の日本語過ぎて面白みに欠けます。唯一、湖の比喩には、その成否は別として、可能性を感じました。
- 78 音響室B (採点:2)
- 一寸変わったキャラクターやあえてここで切る結末などといった美点がないわけではないですが、総体として評価すると普通に面白みが足りていないとしか言えません。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- 「正統派ラブ」の謳い文句に反して恋愛小説的なダイナミズムの生じる要素がほとんどないわけですが、そういう静的な物語を用意したからこそ書きえた、「絶対、私のことが好きだと思ってた。ていうか、思ってる」という気軽に発話される台詞や、「それは、ずっとずっと前から、分かり切っていたことだった。」という当たり前のことを述べる一文は、その気軽さ、当たり前さ故に、恋愛小説的恋愛小説の言葉よりも力強く響きます。この響きに濁りを生じさせているのが主人公が設けた半年間の遅延で、これがなければほとんど完璧だったと思います。書くのが恐ろしく難しくなるでしょうが。
ところで以上は割合好意的な見方だと自分でも思いまして、実際は、静的な物語を退屈させずに読ませるだけの文章力、表現力は十分にあるものの、そこに目を見張るような、いささかの揺るぎもない静謐な豊麗さが存在するかと言えばやはりそんなことはなく、無難さ、都合の良さ、構成の拙さ、などが散見される印象ではあります。
- 85 童話 (採点:2)
- 結論がいささか陳腐だと思いました。加えて、作中での言及により多少軽減されているにせよ、作中作の矛盾っぷりは一寸酷いと思います。そのせいで結論が余計響かないものになっている感じです。とはいえ兎の物語は、それ単体なら美しくて良いと思います。青と赤の対比とかさりげなく綺麗です。
- 86 NEET (採点:3)
- ニートっていう言葉自体が弱いんだよなあ、比較的新しい語だし、などと思っていたら、最後の最後で意味が書き換えられてとても納得してしまいました。尤も直後に泣くのはいささか感傷に流れすぎだろうとは思いますが。それと火事というイベントがなんの脈絡もなく起きるのがいけないと感ぜられました。部分は光っているのに、ストーリー全体は意味なくだらだらと続いている印象になってしまっています。
- 88 探偵は誰だ? (採点:2)
- 派手な道具仕立ての割に物語に動きがなく、ではその動きのない物語を支えるだけの美しさが文章にあるかと言えばそんなこともないので、アイデア自体はともかく全体としてはつまらない出来だと言わざるを得ません。
- 90 R・P・G (採点:3)
- 神視点さんを導入することによって普通の小説の限界は軽々と突破しているはずなのですが、そうした他の作品にない武器が一発ネタ的にしか使用されていないのが残念です。いや、「どの神視点さんも、何か大きな事件が起こる直前に突然現れたと思ったら、その事件が幕を閉じて少しすると、パタリと声が聞こえなくな」るとかは、物語なるものの作為性をさりげなく暴露していて一寸面白かったりするので、惜しいところまで行っているとは思うのですが。
- 91 鈴の音 (採点:2)
- 平凡な着想だとしか言いようがないですが、再会を予感させる書き方をしつつ、結末であえてそのことに禁欲的になって、新たなる物語を発動させずに終わる、というところには何がしかの可能性を感じなくもないです。
- 92 神の子 (採点:5)
- 無限に落下していく垂直方向の運動はとても魅力的です。しかしながら霊魂やそれ以上の超越的な何ものかが出てくると、唐突すぎるし地に足がついていなさすぎる、という印象が強まってしまいました。無限の落下なる現象それ自体から聖なるものが顕現する様を描かなければ、この小説の設定は殺されてしまうのではないかという気が個人的にはします。
- 93 妖精離れ (採点:3)
- 冒頭や末尾に不思議な魅力があることは否定しがたいのですが、全体像が散漫すぎなのであまり評価できません。
- 94 Eternity (採点:1)
- 人生の一回性を非一回性の中から掬い上げる手付きとか、仲良し三人組の中での三角関係とか、妹とか、どこかで見たことあるものばかりすぎる気がします。小説としての完成度が高くない以上、これは致命的な欠陥だと言わざるを得ません。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- 突っ込みどころがあまりにも多すぎてギャグと化しています。
- 96 走るッ! (採点:3)
- 警官に追われるというシチュエーション自体は、疾走のスピード感も出ていないしオチも腰砕けっぽいしであまり面白く感じられなかったのですが、変なキャラクターたちによるギャグの応酬は良いと思います。その辺をもっと威勢のある文体で執拗に描いていけば傑作になった予感がします。
- 97 やさしい猫 (採点:2)
- 退屈なほどに普通です。猫視点なのだから、猫視点でないと書けない様々な表現を書きうると思うのですが。
- 98 足跡 (採点:1)
- つまらない、と申し上げる他ありません。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- いじめと屋上が出てきたところで陳腐ルートへ行きかけましたがなんとか踏みとどまった感じです。たぶん作中では登場人物たちを悩ます問題は全く解決していないのだけれど、だからこそそんな渦中にあっての、刹那的な、僅かばかりの救いといったものが、鮮やかに描き出されていると思いました。
○Ryo-T さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- カオスすぎてなんといったらいいのか。
このカオスに何か素敵なものを感じたのなら高得点でしょうが僕はピンときませんでした。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 僕にも分かりませんでした。
- 15 嫁嫁パニック (採点:2)
- 結婚適文句劣化版。最初から最後まで滑りっぱなしでどうしようかと思いました。
やってることはいつもと同じなので、ネタさえ良ければ楽しめるんですけど。その辺の応用が弱いなぁと思います。
作者限定して感想つけてました。もし、違ったら申し訳ないことこの上なしなんですが、3,4年前に温泉でまったく同じ話をうんざりするほど聞かされたので、多分間違いないかと。
- 19 猛スピードで触手は (採点:2)
- 触手への愛が足りない。
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- 恐ろしいまでの構築力がたまりません。放浪鯨というものが実際に存在しているんだ、と自然に頭に入ってくるのが素敵です。
しかし、放浪鯨の正体を明かした辺りが微妙で、それまでの説得力も急速になくなり、陳腐なものになった印象がありました。
そこを何とかしてくれていたら、最後までアレクとユーリと放浪鯨の物語を描いていてくれたとしたら、問答無用で10点でした。でも、やっぱ好きですこの話。
- 45 八月水晶 (採点:5)
- 淡々としたノスタルジィ。多分、同年代だと思うんですが、ちょこちょこある小ネタがモロ直撃でした。ビックリマンシールとか、すごいよ!マサルさんとか。
苦言を挙げるなら、何も始まらないまま終わってしまったことでしょう。淡々とした世界も魅力ではあったのですが、結局何が言いたかったのかがさっぱりでした。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- 『ルドルフとイッパイアッテナ』を思い出したのは僕だけじゃないはず。
話は過不足なく、ストーリーも王道ですので、安心して楽しめました。粋な台詞回しと地の文もお見事。残念だったのは、そういった台詞があるなかで、唐突に普通の台詞回し、普通の描写になってしまう点。最初から最後まで、徹底して欲しかったです。そこで話から突き放されたような感覚を何度か覚えたので。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- ペットを溺愛するあまり、獣しか愛せなくなった頭可哀相な旦那、といった設定が頭に。
無論、最初に浮かんだのは猿轡と目隠しとしっぽ型ケツバイブと赤い首輪なんですけどね。
- 86 NEET (採点:2)
- 働けよ。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- キャラの言動がどういったらいいのか、言わされてる感が強すぎてダメでした。
あと、なんだかよくわかりません。兄を殺そうとした妹はまだしも、なんかそれをアメリカンコメディーみたいに説明する兄とか、それで騙してブゥ的な妹にも。
あ、ラストで妹が兄を笑顔で刺し殺すエンドとかだったら、点数上がってました。
- 98 足跡 (採点:1)
- 僕には理解できません。
○bomb ketch さん
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:?)
- 山口さんがキャラなのかストーリーの焦点なのかが曖昧で、どっちとしてもやや魅力に欠けるということになっているような気がします。何か淡々としてしまって。あと、ライトな読み物とかゲームでは魂のないロボットの方が少数派であり、魂をつけようなんてのは一番安直な方向だと思えます。とか書いてますが、読んで結構面白かったです。ばいひゅーまんはんど。
- 13 立入諌止地点 (採点:?)
- タイトルがよく出来ている。と思う。謎が解かれる爽快感はあまりなかったかなあ。
- 15 嫁嫁パニック (採点:?)
- おもろいのですけども、やっぱ親父さんの方に悲哀とリアルを感じちゃいますよね(笑)。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:?)
- うわ、これは悲しくなりますね。ああ、もうダメだ。ダメなんだ。とかそんなこと言いながら散歩に出たくなって来ます。涙の表現として、とてもいいと思います。でも、最初読んだときは実は何だか騙されてる気がしました(笑)。
- 17 キラーデイ (採点:?)
- 鮎、干物、雑魚のくだりがきわめて分かりにくく、というか分からず、何でこんなところでとまどわなくちゃいけないんだろうという気分がぬぐえませんでした。そのせいで、他の部分が頭に入ってきません。これ、読んだ感じ餌釣りですよね。鮎じゃなければなんてことない文章だから、わざわざそうしたってことはやっぱり意味があるのかなあ。
- 21 雪見酒 (採点:?)
- これは冒頭の禿頭のオジサンの事件はこれだけの分量を取る必要ってやっぱりあるんでしょうか。なじみがなく理解できないタイプの話なので単純に不思議です。前の方だけ、あるいは後半だけなら分かんなくもないのですが。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:?)
- 夏で暑ければ特に耳に付かなくても簡単に起きてしまうだろうとか、自分のこと青年って呼ぶのはどうだろうとか気になる部分はありました。高等遊民を保証するための設定は、何だかエロゲーの主人公が話の都合のためにいろいろ設定される様で少しにやっとします。もろに私小説ってカタチの方が僕は好みだったかな。
- 23 不謹神話 (採点:?)
- 西洋風の神話を土台にしないと、別に不謹慎じゃないなあという感想を持たれてしまうんじゃないかなと思います。徹底しなさを感じてしまいました。もとがあんまり真面目にやってないですからねえ。神話って。
- 26 賢人の恋 (採点:?)
- 内容は突き抜けてる感があって、だからもうそれはいいのですが、どうもこのキャラこの語り口のセットが定番すぎる感が否めません(視点キャラの方)。そして、頻度としては定番なんだけどしかし定番としては洗練度がまだ足りない。という点が気になってしまいました。この話に限らず、こういうキャラ語り口のセットを使う話全体ででの洗練度なわけですが。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:?)
- 他人に興味ないといいつつ、実は友だちに混ざりたい。だけどそれが上手くできるか分からないので行動しない。その行動のしなさをコミュニケーションに興味ないという自己規定で言い訳しているキャラなのかな、とタイトル前だけで推測できるというのはよく書けているような気がします。最初、興味ないなら喧嘩なんかにコメントしないよ!とか思ったんですけどね。
- 28 腐臭 (採点:?)
- 父親がアイドルマニア、これは怖い!って話だったらなんか陰鬱でいやだなあとか思ってしまったんですが、そうじゃなくてよかった。お話的になったことでその分インパクトは下がってしまいましたが。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:?)
- 世界の果てまで行こうとして、つまらない場所にしかいけなかったが、そこは一瞬だけ特別な場所だった、という話だとしても、どこまでいっても果てが見えず、恐ろしいほどの寂しさで家に帰った、という話だとしても、舞台が壮大すぎるのかちょっと実感が沸きませんでした。ひょっとすると交通が便利になりすぎてしまった時代の何かを表してるのかなあ。
- 30 はたらくぼくら (採点:?)
- 地獄いいな地獄。こういうちょっとしたリアリティが見たいのです。ぼんやりと薄明の生活のリアリティ。漫画で見てみたい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:?)
- ラブコメ部分がとてもよく、不確定性原理とかホラーを思わせる部分はもっとさらっと流してもらった方が嬉しかったかもしれない。でも、そうすると単調になっちゃうかな? 逆にサイコロはもっと前に出してもいいと思う。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:?)
- メルヘン。昔の日本人SF作家の話、によくあったような感じ。出来ればもうちょっと汎地球愛みたいのが感じられると良かったんだけど。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:?)
- 妹の世界をもう少しじっくりねっちり読みたかった気がします。ふたつの世界があり、その境目が曖昧になるためのそれは前提条件なんじゃないでしょうか。
- 34 Waltz #2 (採点:?)
- へへえ。V2ってミサイルって表現することあるんですね。初めて知りました。サイバーパンクのサイバー抜き。かなり楽しく読みました。
- 35 サプリメント (採点:?)
- いや、その前に出社拒否が来るんじゃないかなあ。というか、あんまり鬱病っぽくないような気がする。むしろ、サプリメント後の方が鬱病的。この奥さん、確かに自覚なく旦那を鬱に追い込むタイプに見えます。あと適切な薬はちゃんと使わないとダメですよ。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:?)
- 勢いあっていいなあ。でも、これ甘さに逃げちゃいかんでしょう。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:?)
- この蟻、声でかい!(笑)
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:?)
- 祭りの雰囲気出てますね。楽しそうな空気を感じました。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:?)
- 適切な散漫感と透明感で楽しめました。でも、パパが出てからの鬱屈が中途半端だったかなあ。もっと鬱に内向するか、それさえ散漫になってしまうかの方が良かったような気はします。
- 41 蜃気楼 (採点:?)
- ひかりごけは、いまやもうそれ自体ではインパクトがなく、この話の後こそが重要なんじゃないでしょうか。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:?)
- 耳に水が入って頭が鈍い。あるある。頭のずっと上に水面が見えるあの感覚。溺れたときのことを思い出してしまいました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:?)
- サイバーパンクなんだろうけど、偏屈な僕は何故かスタートレックだなあとか思ってしまうのでした。ふろーまいてあーず。
- 44 蟲毒 (採点:?)
- 私の連打と俺の連打がいい感じでした。僕としてはレベルアップ感じて向こうの世界に行ってもらった方がよかった。高揚といわれながらも高揚を感じられず冷静になってしまったので。
- 46 青空 (採点:?)
- びっくりさせようという姿勢に好感を持ちました。その分点数を足しておきます。
- 47 光学概論 (採点:?)
- なるほど写真家だ、とはっと思わす描写が一カ所欲しかった気がします。どうも頭の中の写真家じゃないかという疑問がとれず。空気はとても良かったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:?)
- いい話なのは間違いないんだけど、ゲームとかで消費され尽くして、しかもそこで少しずつ良くない印象を付け加えられた要素で出来ていて、読んで感想に困ってしまうという感じ。この話が面白いのかそれとも原型が面白いのか分からなくなってしまったのです。この話独自、というものが感じられないということかもしれない。
- 51 野辺送り (採点:?)
- 昔日の自分と遥と幹也の姿を幻視するシーン。このシーン、ぱっと光景が飛び込んできました。ちょっとびっくり。上手いなあ。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:?)
- 「うい」っていうのはひょっとしてどこかの地方では一般的な言葉なんだろうかという疑問が今浮かびました。まさかそんなことはないとは思いますが。どうもここいくら作ってるキャラとしても自分作りが強すぎて違和感があるんですよねえ。
- 53 体育館を燃やす (採点:?)
- 体育館の一つや二つ燃やしちまえよ、と何だかやさぐれた気分なのですが、んー、でも、最初はともかく二回目は燃やしても良かったんじゃないかなあ。
- 54 彼女への笑顔 (採点:?)
- ううん、この終わらせ方はマズいんじゃないかなあって気がします。もうちょっとひねりが欲しかった。
- 57 夏を見逃すな (採点:?)
- ものすごく既視感があります。評価しづらいです。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:?)
- とっても感動系ゲームという感じがします。大昔のショートショートでこんなタイプもあったなあ、とも思いました。これ、きっと男キャラで書いたらすごくありきたりになっちゃうんじゃないかな。いや、描写によってはそっちの方が魅力的かも。
- 59 プルシャの後裔 (採点:?)
- この女ってポジション、ちょっと無理ないですかね。希少なんだかそうじゃないんだか。面白い話だと思うし、少なくとも(作者の意図とは関係なく)ファンタジー性の存在するファンタジーだと思うんですが、こんな初っぱなで躓いてしまった読み手としては釈然としない感じが残ります。誤読かなあ。説明が欲しいところです。手放しで褒めらんないですよ。硬質に書かれた女って、僕好きなんですが。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:?)
- 普通に虫もいるような気がします(笑)。去勢したら喧嘩減らないのかな?
- 62 5人以内のごろつき (採点:?)
- おっ寿限無、等と思った初読の印象。リズムのヘンさとはまた妙なものを持ってきましたねー。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:?)
- この情景の入って来にくい文体はある意味かなりすごく、この方向でやっていったら面白い物が生まれそうな気がします。「みな輪郭線をペンで足されたように浮き上がって見えて、凹凸をつけた絵のようだった。」ここが好き。アニメーションみたい。
- 64 花盤 (採点:?)
- この話は実は男っぽい文章の方が似合う気がする。何でだろう。でも、そう思うのです。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:?)
- 呼吸の音とか血液の音とかそういうことにも言及して欲しい。音々いう割には感覚が伝わってこない、と思ったのですが、どうも物理的な音ではないようで。じゃあ何だろうかというとどうも僕には分かりませんでした。コミュニケーションの煩わしさなんだろうか。でもそうしちゃうとどこかありきたりになっちゃうわけで、ここはやはり物理的な音で押し切って欲しかったような気がします。
- 66 サルベージ (採点:?)
- こういう展開以外には出来ないししない話だと思うんですが、何だか喰い足りなさが残ります。「確かに仕事はできる」とかそういうあたりが気になるのかなあ。何だか微妙に掛け違ってる感じで。サルベージってタイトルにも違和感が少しあったのですが、これは内面世界からの引き上げ、ってことでこういうタイトルなんですかねえ。でも、和風に行って欲しかったなあ。
- 67 純 (採点:?)
- とても個人的な感想なのですが、僕、こういう話は男役がそれでも性欲丸出しの方が好きだったりします。問いかけ自体が無力化されちゃいますけど。あ、今気づいたんですけど、これ帯が上手いですね(笑)。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:?)
- わはははは。ちょっと面白かったです。
- 71 幸せの処方箋 (採点:?)
- お、こりゃ暗い話かな。ひょっとすれば全員死んでるか?
というところでは興味かき立てられたんですが、コペンハーゲン解釈で一気に期待から外れてしまいました。個人的に脱力ワードなんです。エヴァレット解釈はさらにどうしようもなく力が抜けます。話を楽に書くためにつかわれるのがほとんどなんで。絶対者による観察、つまり読者の存在と神、あたりまで発展してくれれば面白かったんですが。タイムトラベルネタ好きとしてはエヴァレット解釈を出した、まででは一番楽な書き方を選んだとしか思えませんでした(つまりこの残念感は僕個人の読書経験に因る非一般的なものに留まるわけですが)。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:?)
- 憂鬱の書き方の強弱のバランスが良くてすとんと落ちた気分です。こういうの案外爽快ですね。
- 73 あかんぱにい (採点:?)
- オリジナリティが帯に一番あるというのは困るなあ(笑)。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:?)
- うわ、古いですよ。プロレスをこう書くのは。でも、新しくが面白いかといえばまるでそうでなく。うーん、なるべく直接触れないで書くしかないのかなあ……考えさせられます。そういう悩む点をおけば、まあ、こういうのやっぱり好きなので。安心感に浸りつつ。
- 76 シャーベット (採点:?)
- 嫌いといってしまったらもう最後まで展開は決まってしまうので、結論を受け入れられないじれったさでもう少しいらいらさせて欲しかったです。あと少々焦点が散漫な気がします。男の子の話にはいかなくてもよかったって感じでした。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:?)
- SFと幻想がうまく混じり合っていないような気がする。けど、それはこの独特の文体のなせる業であり、混じり合わなさ自体が幻想を高めている気もする。とすると、SFの部分が埋没するのであり……。どうも分かりません。この文体で説明を放棄した話を書いたらきらきらした凄いものになりそうな気もするのですが。とにかく幻惑されています。
- 78 音響室B (採点:?)
- これは漫画で見たいところですね。舞台の選択がいいと思いました。
- 79 ユメオチ「 (採点:?)
- これはオチっていうよりオチの否定というオチのような気もします。微妙に残る解決されなさは意図的なものなのかな。思考の誘導が上手くて結構うれしい読後感となりました。
- 80 リング (採点:?)
- 最初、男の子の書き込みが足りないかなと思ったのですが、読み終わってからはいやこれはむしろ視点は視点に徹して、女の子の危うさと透明さを書くことに集中した方がいいんだろうな、と思うようになりました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:?)
- 雰囲気で流す技術が最高。あえて文句を付けるとしたら、流されているのは何なのかってことでしょうね。それが自覚的かそうでないかによってまた評価が変わるだろうと思います。しかし、じれったい恋人たちだ(笑)。
- 83 変わった趣味の男 (採点:?)
- 変わった趣味の人生をもうちょっと見たかった気がします。でも、面白かった。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:?)
- メイド喫茶のメイドさんもあんたって本当にメイドなのねとか言われて育ったのかなあ、なんて本気でどうでもいいことを考えてしまいましたが、この話は明るめのテンションの方が悲しみ出たんじゃないかなあという気がします。
- 85 童話 (採点:?)
- 「つまらない話」って言っちゃダメでしょう。ここは他愛もない話か何かにしなくちゃ。
- 86 NEET (採点:?)
- この言い訳がましさがなんだかいい(笑)。俺はニートじゃないけどニートよりましなニートで、その証拠に自分をニートと言っているって感じで。下には下がある的小市民な選民意識がちょっとツボです。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:?)
- この状況と感情は直接的な台詞でなくもっと間接的に書いてもらえれば嬉しい、と感じます。
- 88 探偵は誰だ? (採点:?)
- きっちりとSS。文体もSS。しかし、オチは期待した方向と違うというか少々拍子抜けだった。疑問を起こさせてそれをスカすっていうのはいいんだけど、その前にもう一つ偽のオチにたどり着くシークエンスがあった方がいいと思う。たぶん、時間の環が存在しない場合のオチが。でも、こういう文章書きたい。書きたい。
- 89 午睡 (採点:?)
- やや冗長な部分があり、それがリズムの悪さを導いてる、かな。自分の言葉を訂正する部分に引っかかって。でも、これ伏線なのかなあ。こういうの適度な速度にコントロールするのは難しそう。あっぷあっぷと溺れてゆく感じが良かったです。
- 90 R・P・G (採点:?)
- 面白かったんですが、一番印象に残らないのが魔王の倒し方というのがどうも(笑)。突然考えオチになってしまっているからじゃないかって気がします。何だか論理展開に無理があるような気もしますし。
- 91 鈴の音 (採点:?)
- 台所でおでんを作るお母さんは、きっと扇風機どころではないですよ(笑)。
- 93 妖精離れ (採点:?)
- これは半ば以上難癖の部類に入ってしまうとは思うのですが、精神の病ってのは彼岸がどうとか神がどうとかそんなものとは無縁で、ただ抑圧的で陰惨で苦しいだけだ、的なことを言ったお医者様がいまして、割とそのことが頭の片隅に残っています。だから、素直に受け入れづらい僕がいます。心が青いとかメーテルリンクはあんまりだと思ってしまうんです。
- 94 Eternity (採点:?)
- ♪が16個だなあと思わず数えてしまいました。☆は8個です。
- 95 何かの間違い (採点:?)
- これ、その薬に至るまでの試みと失敗の履歴を入れとかなきゃダメじゃないですかね。何で解決策はそれなのかって疑問が出ちゃいます。
- 99 繋がっているものたち (採点:?)
- 上手いと思うんだけど、何だか二次創作っぽさが漂ってるような気がする。容量も足りてないような。
○come さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:8)
- 一発目からすごいですね(笑
これは主人公の死後の観念的な世界なのでしょうか。
おそらく、この主人公は生前愛というものをうまく理解できない、理解したと思ってもいつか裏切られる様な人生を送っていたんじゃないかと読み取りました。
>コンビニのおでんを腹いっぱい食べたときの満足感に近いんだな。
は、雰囲気ととても合っていて大好きです。
書きたいことを書ききった感があって好印象でした。だからあえて8
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 妙なところで改行がありましたが・・・まあそこでは減点なしということで。
妙に訴えるところがなかった感じです。私の好みもあるのだと思いますが・・・。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 難解な作品は嫌いじゃないんですが、これは読者を突き放しすぎ。
改行前と改行後が同一人物かすらはっきりしません。
タイトルとの関連も、随分無理やりなこじつけをしなくちゃならなくて苦しいです。
最後の一行に全部ひっくり返すような言葉があるのかと期待しましたが、普通。普通すぎてこの作品の主題をさらに放擲したように感じました。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:6)
- センスはあるんでしょうけど結局なんの話なのか理解できませんでした。
- 09 茜色の先 (採点:7)
- 夕焼けの哀愁がひしひしと伝わってきました。
最後に救いがあるかと思ったけど、やっぱり苦しい現実だった、そういう構成の作品で、読後感がもの寂しくなりました。
茜色、赤色の描写が印象的で効果的でしたが、最後は消化不良な感じです。
なぜハルアケは死なねばならなかったのか、救済の物語にしない理由はなんなのか、疑問が残りました。
- 11 準備 (採点:6)
- なんだめでたしめでたしか、と思っていたら最後でびっくり!
短さも相まってもう一度読み返すと確かに伏線がびっしり!
意外性を狙った作品でけっこう成功じゃないの?と感じました。
なぜ身投げしたかとか背景を知りたい気がしましたがタイトルが「準備」なのでしかたないか(笑
ただ短すぎるし結局は一発ネタなのでコンペでは不利かな〜と。
まあそういうわけで6
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:8)
- ストーリーはとても面白いと思います。特に終盤が良かったです。
欠点をいうなら、序盤で登場人物の描写がほとんどなかったこと。
正直、慣れるまで入りこみづらかったです。特に春香の描写が少しでも欲しかった。
>「やっぱり山口さんを完璧な『山口さん』にするには最終的にはそのレベルまで持っていかないといけないし、そうすることでより人間が『分かる』ようになるかもしれないって、そう思い直したよ」
↑の言葉は作品に深みを与えていましたし山口さんの性質がぐっと伝わって、最後にもってこいのセリフだと思いました。
- 17 キラーデイ (採点:10)
- かっこいい・・・
読み終わったとき、素直にそう思いました。
―一人で死ねるのは彼らだけかもしれない
惚れました、この言葉に!
文章のセンスがすごい!なぜ僕が狙われるのかとか天道がクラスメイトを殺すわけとかどうでもよくなるくらい!wおそらく、説明する意味はないということで削ったのでしょうが、それが実行できて、なおかつ作品の質を落とさない手腕は、つい嫉妬してしまうほどでした。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:7)
- おにぎりという主題に絞っていたのが良かったです。
でも人によってかなり好き嫌いが分かれるかも・・・ちなみに私は好きな方でした。
この作品の良いところは本当にありそうだと読者に思わせたところです。
その意味でこれは優れた作品だと言えると思います。
・・・というか、米を蛆虫と呼んでいる工場が本当にあったら殴りこみますよ、自分?(実家で米を作っている人間の声)
- 28 腐臭 (採点:3)
- 腐臭のタイトルの意図はわかります。
しかしもっと描写を丁寧にしたらどうかと思える箇所が多々ありました。
顕著だったのが「ケー番」。こういうのを地の文で使うのは手抜きか思量不足と思われる危険があると思います。使うなら会話文の中で。
あと、ユキとサツキの会話で父がいきなり容疑者のような扱いになっていて、飛躍が過ぎているなと感じました。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:5)
- ううむ、ありきたりではないけど、どこかで聞いた話。
鬼やしゃべる猫が出た時点で御都合主義とかどうでもよくなったけど、それでも作者の意図が見えにくい。
それに姉が結婚するからといって家に戻りたくないという心境はよくわかりません。いや、単にむしゃくしゃしていただけか。
もう少し、肉付けできたらよかったなぁと思う作品でした。
- 30 はたらくぼくら (採点:6)
- なにか、とても繊細なテーマを扱っているように感じました。
しかし、すいません、自分にはよくわかりませんでした。
中丸のおじさんになにも渡せない=日常の中でぽっかり空いた隙間のようなもの
という感じで解釈しましたが、どうでしょうか?
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:7)
- 地球が忘れられ、あまつさえ消滅させられてしまった未来。
この重く物悲しい設定に合うストーリーだと思います。
あと、やや人称、読みやすさを考えれば、もっと良くなったかな、と。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:3)
- やりたいこと、書きたいことはとても伝わってきます。
表現についても色々な工夫が見受けられます。
ですが、肝心の文章に力がたりていないように思われました。
××しているところなんか少し空気が読めていないようでがっくり。
「心臓は止ま」で終わるのも残念な感じ。
試みは賛同しますが評価は低めです。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:4)
- やや軽すぎる気がします。
恋愛感情が生まれる過程に工夫も変化もなく、これでは主人公の女の子はただの尻軽女と思われてもしかたないのではないでしょうか?
恋愛で結論するならもっと理由づけ(=描写)をしっかりしたほうがいいと思います。
- 41 蜃気楼 (採点:4)
- 蜃気楼というキーワードがただの状況説明になってしまっているように感じました。物語が盛り上がると思ったところで終わったのも残念です。
「飲めなかった」で、横山さんの言葉だと思いますが、ここは作者の答えを期待しています。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:7)
- 極限的な状況の中、死の世界と生の世界が混在していく様は幻想的と言えると思います。
だだ、幻想的なだけに光景をイメージすることが難しく、仕方ないのかもしれないけど少し惜しかったです。
しかし最後の描写の生々しさとの対比が出てむしろ良かったのかも。
採点は悩みましたが、まあ妥当なところということで7
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:8)
- 本格的なSFで、けっこうツボでした。
男女共同参画社会の思想とか個人主義に染まるとか、まるっきり日本のことで、割とでっかい話の割に限定的な設定でちょっと苦笑しましたが(笑
- 44 蟲毒 (採点:7)
- 狂喜と殺戮の話。
真っ黒な感情が非常によく伝わってきました。
ちょっと、怖かったです。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- なんというか、空気が流れるような作品でした。
水晶堀りという幼い日の青春が、決して繊細でも流麗でもない、けれど確かに何かを思い出させるような言葉で綴られていて、不思議な気分です。
こういう作品が秀作なのかな?と思いました。
- 47 光学概論 (採点:6)
- 文章に工夫に工夫というか目新しさというか、とにかくそういうものがなくて、読みづらく感じました。
テーマや組み立て方は上手だと思うので、読者に読ませる文章を考えたらいいと思います。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:9)
- 「野郎、風を掴みやがった」
が、最高でした!
ここでこのセリフか!と感嘆してしまい、ほんと、最高です。
文章も決して重くなくて空を飛んで行きそうな感覚を与えてくれました。
秀作だと思います。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:4)
- いい話ではありましたが、ハッセル一人の犯罪で『ママ』が全部廃棄されるという展開は納得できません。
人が将来犯罪を犯す要因には個人の資質と環境が複雑に絡むものだと思います。そのどちらかに偏りがあると判断する方法は無いし、あっても非常に危険なことです。それくらい、世間及び政府や会社側が理解できていないとはとても思えないのです。いくらなにかが狂いかけている未来だといっても。
あと、ハッセルの登場があまりに唐突すぎると感じました。
以上、二点のことからその後のストーリーが素直に受け入れられにくかったです。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:4)
- 恋愛は不要な感じ。
唐突で分かりにくしている。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- 思い出の劣化、あるいは喪失がテーマなのでしょうか?
なにかもの足りない気がします。
テーマ的なものがあるのは感じられたので、なにか一つ欲しかったです。
・・・すんません、具体的なアドバイスが全然無くて・・・
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:7)
- 昏睡状態の男性の視点から語られていたことで、男性の悲しみとか苦しみがよく伝わりました。
ただ、あまり点数には反映させないけど、昏睡状態になった経緯は説明しなくてもよかったんじゃないかと思います。交通事故って、かなり使い古された展開であるし、そこに特別な意味があるようにも思えませんでしたから。
- 56 飛べない鳥 (採点:9)
- 感動しました。
ふと、始めのほうは作者の体験じゃないかと思いましたが、思い違いならすみません。
絵本としても、物語としてもある意味正道で、なのに飽きがこなかったのは、すごいことだと思います。
ただひとつ、これは自分の問題なのですが、イタチたちにまで感情移入してしまいちょっと可哀想でした。
- 62 5人以内のごろつき (採点:9)
- 萌キャラが待つ家で盛大に吹きましたw
この文頭でコメディーとして楽しめばいいのかな、と思いましたが、読み終えてみると意味を含ませたような内容。それでも「ワン」締めるあたり作者の悪戯心が透けて見えるようでしたけどね(笑
- 64 花盤 (採点:10)
- 「女」というものを斬新な切り口で表現した作品だと思います。
形式は百合なのでしょうが、それ以上に作品の持つ潜在能力は計り知れません。
ある意味、掌編としてのひとつの完成形に近いのではとすら感じました。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:5)
- 音が聞こえすぎる登場人物たちという設定になかなか入り込めませんでした。
それが原因で死んでしまうというのもやや違和感が。
同じ境遇の二人が心を通わせていく過程はすんなり受け入れらたので、主題をもっとそこに絞ればよかったんじゃないかなぁ、などと思います。
- 67 純 (採点:2)
- 紹介から一発ネタかなと期待して読んだら裏切られた(悪い意味で)
ごめんなさい、正直読むのが大変でした。実際途中はいくらか飛ばしましたし。
原因はあまり読者にとって魅力的な文章ではなかったからだと思います。
ストーリーも性同一性障害以外はありきたりでした。先の読める小説は読むのがきついものです。
- 73 あかんぱにい (採点:2)
- うーん、
チャレンジ精神旺盛な意欲作というより時間が余って「もう一個投稿しちゃえ」という感覚で投稿した作品のような気がします・・・(違ったらごめんなさいね)
無駄がないのは美徳であると思いますが、これは痩せすぎです(笑
一発ネタとしては印象には残りました。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:7)
- 最後のタネばらしは秀逸でした。
それだけに、「夜になるとつよくなる」とか、異常な生命力の強さの説明をもう少し控えにすればよかったんじゃないでしょうか?そうすると、最期のタネばらしで驚きだけでなく納得までさせられると思います。
「群体で異常な力を発揮する」だけでは、伏線として力が弱い気がします。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- 自分はプロレスに詳しくはないのですが、プロレスってこんなに素晴らしいものなのですか?
読み終わると眼頭が熱くなりました。
ここまで一人のプロレスラーを緻密に書きっ切った作者に脱帽です。
- 81 ずっとずっと前から (採点:10)
- えーと・・・満点!
この作品において悪いところを指摘する技量を私は持ち合わせてはいません。
感服しました。
- 83 変わった趣味の男 (採点:5)
- …寓意があるのでしょうか?
それともそのままを楽しめばいいのか?
その二択でいうなら、私は後者であってほしいと思いますが・・・
文章は単純に楽しめました。
でも秘密の隙間って、なんですか?
- 85 童話 (採点:9)
- 「僕は、何を残すのかな」
が、ぐっときました。
人生が終わったあとの虚無について思いを馳せる絵本作家の姿は、少なくとも私と共感するものがありました。
- 88 探偵は誰だ? (採点:7)
- かなり練りこまれた話だと思います。
ストーリーかなりこなれた人なのでしょうか?
こういう才能が耳かき一かき分でも欲しいですね(笑
- 89 午睡 (採点:8)
- 一度じゃわからなかったけど、二度目じっくりよんでみて少しわかったような作品でした。
自分の中の日々が廃れていく様子が作品に読者を取り込んでいく秀作だと思います。
多少読みづらかったですが、それすら演出だと見受けました。
しかしやっぱりタイトルの「午睡」との関連がわからない。
- 96 走るッ! (採点:6)
- 勢いのある小説でした。
むしろ勢いがすべてな感じすらあります。
逃走劇の妙な生ぬるさは「突っ込んだら負け」的なものなのでしょうか?(笑
○hsy さん
- 06 下手れ (採点:6)
- 好きではあるんだけどどうしても「ありがちな話だよね」と言いたくなってしまう。
ありがちな展開は嫌いではないんだけれど、もうちょっと文体なりキャラ造形なりに凝ってほしかった。
- 09 茜色の先 (採点:7)
- 好きだけれど、小説っぽくない。描写が少なく、漫画っぽいというか詩っぽいというか。でもなんだかんだで好きなのでちょっと高めの点数になっちゃってますが(笑)
言語センスとかラストのどうしようもない展開とか、凄くいいなあと思いました。
- 21 雪見酒 (採点:9)
- センス良いなあ。謎の全てが明かされるわけではないけれど、小粋に纏まっている。格好良い、面白い。
- 24 放浪鯨 (採点:10)
- 問答無用で好きです。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:7)
- キャラクター造形が面白い。反面、風景描写がほとんどなくて雰囲気があんまりよく伝わってこない。短編部門向きのネタだったんじゃないかな、と思います。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:8)
- 展開が二転三転して凄く面白かった。最初の掴みからして巧い。
その分、ラストがありがちというかお約束すぎてちょっと拍子抜け。
- 51 野辺送り (採点:10)
- この分量でこんだけ密度のある世界を書けることがまず凄い。
芒の音や、夏の草の匂い、雨の感触まで伝わってきそうな勢い。
きちんと描写が出来ている作品はやっぱり良いです。
- 81 ずっとずっと前から (採点:10)
- ありがちなネタなのに、どこか私にとって抵抗できない部分があるみたいで、なんか悔しい。惚れてしまいました。
描写も文章の流れも丁寧で、唐突だったり薄っぺらだったりってことがなくて、素敵。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:4)
- 気持ち悪い話をやりたかったのか、気持ち悪くても綺麗な話をやりたかったのかよくわかりませんでした。
どちらにしても、起承転結の起承までしか無いような、なんだか物足りない作品。
- 96 走るッ! (採点:6)
- これ、小説ではないですよね。描写がほとんど無い。ただ、小説ではない、こういう形式の作品として割り切って読むと凄く面白くて、個人的には好きでした。
紹介文に偽りなしというか、馬鹿で爽やかで、素敵です。
○kobax さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- 何という俺語り。思わず勃起してしまった。
間違いなくこの作者は烏龍茶好き。
- 03 GONSHAN (採点:5)
- 『曼珠沙華』をモチーフにしたのは悪くなかったと思います。わかりやすい。
ただ、わかりやす過ぎるということでしょう。物足りなさを感じました。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:4)
- 途中で終わったんでしょうか?
美術館はボクも行きたいです。
- 05 ウミに漂う (採点:5)
- 少し嫌な気持ちになって、フォローが少ないまま読み終えました。
人称の変化は、調べてみると面白そうですね。
- 06 下手れ (採点:5)
- どーも直球勝負な作品が多いですね、今回。
三割でオチを読まれる作品ならば、裏をかくかパワーで押し切ってもらいたいのです。飽きた、という。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:8)
- 自分が出来ないことをする人は凄い。
大好きか大嫌いかで分けようとする度胸も凄い。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- 大変良いです。お手本にしたいくらい。
オチが途中で読めてしまった部分だけ、減点させて下さい。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- うーん。山口さんの個性が前に出て欲しかったです。
個性というと、おこがましい気もしますが。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- こういう作品が上に来ると面白いな、と思います。
容量に泣いたのかな、と思う箇所が多かったです。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- コメディとして好感触でした。えろいぜ。
各連をもう少し厚くしてもらいたかったかなぁ。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:3)
- すいません、ポエムにしか見えません。
全てをしっかり読み切るまで興味がわきませんでした。
- 19 猛スピードで触手は (採点:4)
- んん? 最後がよくわかりません……読解力が足りないのか。
しょくしゅ、はさすがに安直かと。
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- ボクの好みです。ラストが締まっているのは、良い。
タイトルがテーマと若干ずれているような気がします。
あともうひと味あると最高。ワガママですが。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:5)
- 予定調和すぐる。まとまってはいますが、内容が薄かったです。
上級生が一昔前のアニメに出る悪役を彷彿とさせました。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- 深いんでしょうか。きっと深いんでしょう。
ビデオの作品も調べるとわかるのかな? それにも何か意味があるんでしょう。
三回読んでみて、空気を楽しむことにしました。脱力。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- あんまりだ……あっさり過ぎるのではないでせうか。
テーマがぶれている気がします。ボーイ・ミーツ・ガールにするのか、不確定性でいくのか。しっかり定めたほうがよさそうです。このサイズですし。
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- 絶望感が足りないように思います。
文章そのものは楽しめました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:9)
- こういう発想が出てくるのが凄い。反則だけど感服。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:4)
- えーと、NEXTタグはどこですか。そんな読後感。
設定が面白くてどきどきしてただけに、ちょい残念です。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- 途中まではノリノリでした。テンポが良かった。
後半の失速が気になりました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:6)
- テーマは結構見るものですが、よくこの容量でやったなぁと。
不可解なところもありましたが、楽しく読めました。
- 45 八月水晶 (採点:6)
- 安心して読めました。センチメンタルなお話ですね。
雰囲気重視。よかったと思います。
- 47 光学概論 (採点:5)
- 一連の情報量が多すぎてわかりずらかったです。
意味のある描写ならば真剣に読むのですが、そうでないものが多く感じられました。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 青春ですね。こういう体験は貴重だと思います。
キャラも立っていますし、ストーリーも悪くありません。でも、もう一声欲しかった。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:4)
- 説明が多過ぎたように思います。
一つ一つのガジェットに納得できない、共感できないところがありました。
- 51 野辺送り (採点:8)
- 上手い。容量以上の厚みを感じました。ラストも綺麗です。
仕方ないところですが、ルビが欲しいなと思いました。
- 53 体育館を燃やす (採点:5)
- そうかそうか、で読み終わりました。もうひと味欲しかったかも。
登場人物の死を安易に使うのはどうかなと思います。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:7)
- 心温まるお話でした。が、どうして彼が意識を取り戻したか、が不明瞭です。
ある程度読者を納得させる材料、あるいは力で押し切るラストでなければ、消化不良かなと。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 物語の筋がしっかりしています。16KBとは思えないくらい。
楽しく読めました。
- 59 プルシャの後裔 (採点:2)
- ダメです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- あっぱれ。よくぞ書ききりました。
粋をテーマにし、王道を貫いたところに共感しました。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:6)
- 何とも女性の柔らかさを感じます。マンガは元ネタがあるのかな?
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 何だからっきょの匂いがするぞ、とか言いながら。
時折、上手いなと思う表現と首を傾げる表現がありました。書き慣れた方だと思うのですが、校正を詰めるとさらに作品の持ち味が出そうです。
最後の一言が印象的でした。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:7)
- 宇宙を考え出すと眠れなくなります。
小説を銘打っている、というのが惜しいです。
- 73 あかんぱにい (採点:4)
- 読者が試されているような気がします。
ボクもしばらく考えましたが、気の利いた言葉は出てきそうにもありません。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- かっこよすぎる。おじさん、たまりまへん。
プロレスはよくわかりませんが、侠気みせてもらいました。ごっちゃん。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:5)
- 採点に困る作品でした。誤字がそうさせるのかな。
とりあえず折衷案として受け取り下さい。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- 随分偏屈な二人ですね。だから変にかみ合ったのかなぁ。
Kanonの名雪、とかこんなイメージを持つ人が多いのかも。
- 86 NEET (採点:5)
- ネオニートですよね前半。まぁいいか。
最後の語呂合わせだけでは、如何せん物足りないかと。
- 88 探偵は誰だ? (採点:6)
- ミステリ物、は誰かがやってくれないかなぁと待っていたので、嬉しいです。
前半が冗長だった気がします。後半に容量が欲しかったです。
- 90 R・P・G (採点:5)
- ミステリではたまに見かけるこの手法。
コメディタッチで楽しく読みました。
宮部女史に感化されたのかな?
- 92 神の子 (採点:6)
- 読み味わう作品でした。何度か再読すると、わかった気になります。
舞台設定がほとんど静の場面で仕方ないですが、地の文が多くて疲れました。簡潔にまとめると良さそうです。
- 96 走るッ! (採点:3)
- うーん。笑えなかったのが致命的。
言葉の面白さで笑うポイントを作るというのも、またいいですよ。
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- ストレートなお話でした。それ故、味付けが薄いように思います。
骨格は出来てます。これに作者さんの個性ががつーんと出ると面白そうです。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- いじめはしんどいよ。いろいろと。
ありきたりと言えばそれまでですが、しっかりまとめられていると思います。
○lifelike さん
- 28 腐臭 (採点:10)
- 後半の流れが、何とも言えない恐怖感を煽りますね。
所謂、普通の家庭の中に潜む狂気と恐怖。
すごく面白かったです。
○mightywings さん
- 03 GONSHAN (採点:7)
- 「ご令嬢」と「令嬢」を、使い分けたかったのかそうでないのかが不明。
それと令嬢の白い指が云々の一節を、本編内でもう少しだけ効果的に使ってほしかった。
そして、とか何か次へ誘う要素を前文に組み込むだけでも違ったのでは。
文学的な一節だったので、決め所は大切に。
webで読ませる場合、テキストがどう反映されるのかも推敲しないといけないので
大変だとは思うが、続きを期待出来る腕前なので愈々の精進をば。
っていうかこの作品、もっと長い作品の抜き出しみたいに感じるのですよ。
- 05 ウミに漂う (採点:7)
- 野暮な意識改革にオチをつけない辺りが好感。僕は僕でいいんだ、とか言わせていたら、
まあガッカリだったでしょう。
- 11 準備 (採点:8)
- 急転直下を地で行く作品。オチまでの道筋が絶妙、いや狡猾か。
しかし展望台のガラスに納得がいかず今回は8点。
- 28 腐臭 (採点:6)
- エンディングが不気味。逆に中盤までが弛み気味。序盤で出した友人関係が全然話に絡んでいない。
腐臭の扱い方が適当に思える。仮面の家族関係は今に始まった話ではないので、伏線を張って
おかないと引き立たない。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:7)
- <地球>という巨大な生命体がどんな状況にあるのかが、どうにも説明が
不親切。なんの動きもない更地らしいが、生命の一つの方向性を示すのならば、ヒトという
個に対して地球という全の対比をもう少し丁寧に設定しても良いかと。
また、NPCが自然界を有効活用するメリットも不明。摂理と言っているが、自然界の管理に
目覚めたか、はたまた天啓でもあったのか。実際、仮想世界を選んだ時点で人類の負けだと自分は思う。
痛みの無い世界に苦難は無いし、努力も無縁だろうから感動も無いだろうし。
設定重くし過ぎで読者に優しくないような。一言で言えば勿体無い。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- 構成力が群を抜いている。短く読み易いセンテンス、散りばめられた数多のエピソードは読み手の
存在をよく意識している。子ども特有の無邪気さと無関心さを上手に表現し、水晶を分配する山場の
シーンですら、その熱を拡散させて締めくくる。固有名詞を意図的に排除し、読み手の想像力を
大事にせんとする努力は、正に水晶の様に結束した光を放っている。
だが惜しい!『すごいよ!!マサルさん』は少しばかり喩えが偏っていて、作品の普遍性を最後の
最後で乱してしまった。だもんで1点減ですラバーメン(ゴム人間)。
- 47 光学概論 (採点:10)
- これはプロの仕業だ。モノを綴ることへの覚悟、自負が、端的な描写の向こうに青白く光っている。
息子の写真が取りたかった、の一節は涙が滲んだ。ここへ持ってくるまでの構築力は
相当の精度なのに、そんな狙いをまったく感じさせずに、あの一節で一撃必殺を成功
させたのが驚愕。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:7)
- 問題無い完成度。ツボを上手に押さえている。
でもひょっとして安全圏狙い?危なげ無さすぎに思えて、辛めの配点。
星を目印に渡るも良いが、たまには星を目指して舞い上がってみては。
- 51 野辺送り (採点:7)
- 描写に固執しすぎか。緻密さを追求した結果、現実世界の展開は例の広場の近くで野辺送りを見たくらい。
テンポ感がもう少し欲しかった。また過去への決別を落とし所にもって来たのだが、野辺送りという隔世のアイテムは
正直オカルト的手法で終始用いる方が効果的だと思う。実は遥の復讐劇になると最後まで期待していた。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:6)
- オリジナルとテンプレートの狭間、程度にしか感じられかったのが残念。
永遠を約束できなかった分の空白はどこでふってくるんだろう、の一節は好きですよ。
でも一人称が統一されてないから差し引き変わらず。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- キャッチーなタイトルと、結構破天荒に進むストーリーは、青春臭さがいささか
鼻につくものの割と面白かった。
- 59 プルシャの後裔 (採点:10)
- 後を引く後味の悪さは他者の追随を許さない。今日び露骨な女性虐待を描写する、その覚悟すらよし。
(別に女性差別を推奨している訳ではないので)
オチの2歩くらい前で断ち切れる無愛想さ、薄気味悪い世界観と、かなりの腕前。シャレにならない完成度に完敗。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:10)
- 粋な人情ならぬ猫情噺。足も倍、は最高のテイスト。生粋のエンターテインメント。
ってゆうか小太郎さん、アナタ何歳ですか。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 缶コーヒーは、タイトルに使う程には作中で活躍していないかと。何かの象徴でもないし。
奈緒の一人称が俺なのも、作品のフィクション性を不必要に際立たせているようで、母校の文化祭という
日常的なシュチュエーションに対しては逆効果だったのでは。
必要以上に語らない文体は好感がもてるので、更なるスキルアップに期待。
- 62 5人以内のごろつき (採点:7)
- もしかして作者は大槻ケンジさんですか?って知らない人もいるんだろうなあ。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:9)
- 巧い。自然にせよ計算にせよ、文体の鮮やかな切り口にとても惹きつけられる。
現実と心象のメリハリも効いている。何より斬新さが魅力的。
あの観覧車に単身乗り込む意気込みは相当のモノだとは思う。巡礼ってスゴイ。
色々な意味でマキハラノリユキ。今後を生き残れる質感を本作に感じる。
余談だが、彼にはstar ferryや彗星といった、文学性の高い曲もあるのです。
- 64 花盤 (採点:9)
- うたたねひろゆきの絵が嵌まる気がする。しっかし日本語ってヤツは艶めかしい造りだこと。
ホラーとエロスが密接な関係にある、とこういう作品に触れるとよく解る。ある意味コワい作品。
叶うなら旧漢字を多用してほしかった。古式ゆかしい名前にしたのならば尚更で。
態としなかったのなら、まあそれはそれで構わないかも。二人とも学生さんだしね。
にしては少しばかり露骨なのでは。タチとネコが予定調和だし、そもそも男言葉からしてあざとい。
綺麗な薔薇にも棘は有り 零れる蜜には毒が在る
秘密の園に舞う蝶は 花に溺れて もう戻れない
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 分かり合える人と過ごす、に対比する描写が冒頭以降どこにも無い。生物学的に聴覚が過敏だという
説明ばかりで、主人公の人間関係の軋轢などを何処かに仕込んでおかなければオチの効果が
出ないと思う。描写力が高いので、構成次第で更にガツンと伸びそう。
- 67 純 (採点:7)
- 頑張れ、等身大の正直者たち。誰かを好きになることに損得は無いから。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:8)
- 少しばかりもの足りない。バス停をやり過ごす転から、かつての情景を取り戻す結までの部分が淡白。
いっそ終点まで乗車させても良かったと思う。案外主人公の動きが少なくて、筆力高いのに色々勿体無い。
この世界観でハナレグミに歌を作ってほしいと思った。
- 73 あかんぱにい (採点:5)
- 微妙。シュール。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- プロレスを生で観たい、と生まれて初めて思わせた本作に10点献上。
スピード感はエントリー中で最速。あと泥臭さも。全力中年柿崎にシュプヒレコールをば。
- 76 シャーベット (採点:8)
- とにかく好きではないから嫌い、という論法が既にぶっ飛んでいる。
双方素直な様で捻りが入り、しかもその捻りにやはり双方気が付いていない!
ラブコメの新境地か?
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:10)
- 冷たく光る世界。小夜鳴鳥の名を作品に与えたのは巧い。
募る不安に主人公が戸惑う後半、メールでなく通話でのやり取りを持ってきたのも巧い。
音声ですら虚ろを越えてはくれない、湖畔には自分独り。この流れがあるからこそ、
ラストのやり取りがじわりと胸にくる。かなりの推敲の基に全体が築かれたと思われる。
難を言えば、メールサービスの部分に結構多くを費やしているので、少しばかりとっつきづらくさせているかも。
現代モノのラブストーリーは「無さそうで有りそうな」設定が必要なので、作者の力量が問われるところ。
その意気込みと、この完成度に座布団全部。
@マークで章を区切る遊び心もいいですね。
- 78 音響室B (採点:6)
- 評価がつけづらいのは何故なんだろう。主人公の起伏が抑え目な所為だろうか。
また、教授の安眠を約束させる為だけに音響室を設定したように思える。話の展開と
理工系学部の設定が、実はそれほどリンクしていないのでは。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- まあベタには違いないのだが、風景も心情も丁寧に書かれているので。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- 主人公のモノローグ部は緻密な心理描写が評価できるが、ハルとの掛け合いで色々と不自然な点が。
紐で物理的に拘束させても、可愛いところを沢山見たい、との説明だけでは拘束の意図が汲み
取れない。また、30分の拘束で苦痛を感じるヒカルに対し、勿論ヒカルは態度に出してないものの、
その痛みをハルは作中でまったく認識していないのは理解に苦しむ。だから相手の傷を自身も負う、
というその次のやり取りも信憑性が希薄に思える。
そしてハル側には拘束意識は実は無いような書き方なのに、ヒカルは縛られている、と語る、この
様々なズレが心情の共感を妨げた。互いを曖昧に甘やかしているような。以上穿った所感でした。
- 88 探偵は誰だ? (採点:8)
- なかなか入念に仕込まれたオチが良い。
しょっぱなから事件が始まる展開が星新一ぽいかも。
ショートショートをよく研究していると思われる。
○north さん
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:7)
- これは単純に面白かったです。ヒューマノイドと言うテーマ、何に「人間」を感じるかというテーマを横糸にしつつ、実際の精妙な人間関係の変化、見えにくいが少しずつ追い詰められるヒロインを二重写しに描いていて、我々に何が見えて何が見えないのか、ということを、淡々と簡潔な文章ながらきっちりと描いている、濃い作品に仕上がっていたと思います。
ツンデレ彼女とクールなヒューマノイド、というキャッチコピーに押し込めて処理してしまうには惜しい作品。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- 夏の一瞬を切り取っていて、非常にきれいな作品だと思いました。そしてこの広がり、読んでいて非常に気持ちいい。挿話として入る猫の話も、ぼんやりしてしまいそうなお話をきゅっと締めている(その入り方はややイビツな感じがしますが)。
あと、「僕」は少しだけ饒舌すぎる気がします。最後の二行とか。
- 15 嫁嫁パニック (採点:8)
- 下品! でもやっぱり笑ってしまう。どーしようもないといえばどーしようもないけど、笑っちまったら仕方ない。もってけ点数っ。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:7)
- 美しい想像の世界。幻想的で、具体的なキャラクターや台詞などなくても読ませてしまうのはそれだけイメージが豊かだからだろうと思います。
そしてそれでも、そちら側へ行ったままにならず、しっかり日常へと帰ってくるのにも、やはり好感が持てます。
ただ、その回帰がやや拙速ではなかったか、と思います。特に最後に幼馴染の彼女が出てくるところでやや唐突な感じを受けます。お話が少しぶれてしまっている・最初の豊かなイメージが無難な場所に回収されているという印象を受けました。
- 19 猛スピードで触手は (採点:5)
- 「しょくしゅ」と鳴く触手なら欲しい。
それはともかく、不条理で面白いんだけど、ネタの奇妙さに比して会話の軽快さがやや五月蝿い感じがしました(好き好きかも)。最後の種明かしも面白い。
ただちょっと気になるのは、このタイトル。『猛スピードで母は』(長嶋有)にかなり近いんですが、たまたま被っているのでなかったら、特にオマージュというわけではなく印象的なタイトルをそのまま持ってくるのは反則、と思います。(たまたまだったらここに書いてあることは意味がないです。でしたらすいません)
- 21 雪見酒 (採点:5)
- すんごく面白い、というわけではないけど、違和感はなくきっちり読ませてくれます。主人公の人物造詣が吉と出るか凶と出るか、ですが、分水嶺にある、という感じ。もひとつ何かあると途端に飛び抜けそうな気もします。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:6)
- 前半のラインの描写はフィクションや誇張はあるにしろ躍動感がある描写で、「もしかしたらこんな風かもしれない」と思わせる魅力があります。うんざりしながらも楽しめました。
一方で製塩室に関してはちょっと現実離れしすぎていて、その前段と齟齬を起こしているように思えました。これが本当なら、10点あげると同時に二度とコンビニのおにぎり食べませんが。
- 26 賢人の恋 (採点:4)
- けっこう重いテーマを扱ってはいるんですけれど、描き方としては少し違和感が残りました。障害がどうこうというよりは「魔法で心の成長が止まってしまった女の子」とかそういう趣。ですが、そういうファンタジックな題材も受け入れられる土壌であるのに、それでも自閉症などの障害を持った人として扱って描くなら(もちろんそれが悪いというわけではない)、ある程度、その題材に基づいた描写が必要なのでは……と思います。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- 面白かったです、が、ちょっと半端な感じが残りました。ありすやアリスに説明が必要とかそういう野暮くさいことではないのですが、いろんな要素を入れ込んだにしては、ちょっとお話としてシンプルすぎるかも、という感じ。もう少し広げられたのではと思います。
- 30 はたらくぼくら (採点:3)
- 描写は軽快で、するする読める。それは心地いい。
のですが、それだけで高得点がつけられるというインパクト・丁寧さ・斬新さではないし、物語があるかと言えば見当たらないという感じで、ちょっとよくわかりませんでした。読み込みが甘かったらごめんなさい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- ちょっとしたお話、という趣。悪くない、のですが、飛びぬけていい点ではない、かも。
タイトルはちょっといただけません。不確定性の彼女、っていうと、どうしても不確定性原理が絡んだどうこう、を期待しちゃうので(という人がそんなに多いとも思えないけど)。いちおうそういう話も出てきてはいるのです……が、どうも。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:9)
これは、ずるい。途方もない広がりを持った世界で起こった小さな、でも本当は決定的にその価値観を違えてしまったのかもしれない事件。もう覚えているものもほとんどないその事件を軸にして、少しずつカットアップして世界を描いていく。それだけで直撃なのに、にもかかわらず各シーンで出てくる登場人物のそれぞれが匿名の誰かではなくて、ちゃんとそれぞれの人生を生きている。これは絶対感動してしまう(私は)。だからずるい。うつくしいSFを見せてもらった、と思います。10点どころか11点差し上げたい。
でも、これで完成か? というとそうではない気がどこか、します。これはもっと大きなものになるはずではないでしょうか。半分は勝手な期待からかもしれませんがそう思うので、ごめんなさい、9点しか差し上げられません。でも拡散してしまい、母星をも失ってしまった人類にはやっぱり泣きそうになったので、というかちょっと泣いたので、是非とも(お世辞でも励ましでもなんでもなくて、本当に読みたいので)完成版を見せていただきたいな、と思います。
- 34 Waltz #2 (採点:8)
- ロンドンの風景はともかくとして(でも、描写はしつこすぎず書き割りすぎず、バランスがいいと思います)、ほんの少しずつ挿入される彼女との思い出や、互いに変わり果ててしまった後の再開、そして爆発が、とても印象的に描かれていたと思います。ゆさぶられました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:3)
- 縦書きにする必要があったのかがよくわかりません。したかったのならそれはそれでいい、視覚的な効果もあるし、とは思うけど……にしては、文章それ自体は途中がイベントの羅列になっているので、連続性が薄くなってしまっています。こういうネタはきっちり狙って当てねばと思うので低めにします。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:8)
- こんな場所でこんなサイバーパンクな世界を見られるとは思いませんでした。攻殻機動隊かマトリックスか、というわけではないでしょう。それらの亜流ではなくて、きっちりとしたサイバネティックスSFであり、ジェンダーSFでもあり、という、贅沢な作品。拡張現実に没入する人類と、そうすることで空白になったニッチに、自分たちを現実世界に存在させることで収まろうとするAIたちとの関係性が非常に面白かったと思います。
- 46 青空 (採点:7)
- ベタな、ちょっといい話という趣。
だがそれがいい。文中の伏線もうまくて、嘘はついていないけど、だまされる。そしてだまされても、がっかりしない。短いけれど寸足らずという感じも無くて、完成されているという感じがします。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:6)
- 面白い話なのですが、人間に危害は与えられないはずの(だからこそ完璧な母親だった)はずの「ママ」が最後の最後にその安全基準を踏み越えてしまったのが残念です。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- 会話芸なんだけれど、この気だるさが夏休みと言う感じでいい。あるある、という井上陽水のような無意味な時間つぶしの会話がよかったです。
- 67 純 (採点:4)
- 性同一性障害もの、ということで、ありきたりなものでないネタという意味ではよかったのかもしれませんが、主人公たちのやりとりが明け透け過ぎてちょっと、と思います。言えない苦しみとかがあるから、こういうのはキツいのだろうと思うし、そういう機微が失われていることで(このキャラの性格だからというのはそうなんでしょうけれど)、お話が教科書じみたものになってしまっているように思います。なのでちょっと下げます。
- 68 七夕 (採点:7)
- 読みにくい!でも面白い。
嘘か誠か、語り手は誰か。一人か複数か、そもそもこの文章はいったいどこに書いてあるのか?仮説が正しいのか、それとも別の答えがあるのか。
一見意味不明な2ブロックで(もしかしたら本当に意味がないのかもしれませんが)たっぷり楽しませていただきました。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:9)
- お話単体としても、ボルヘスリスペクトとしても、恐らく穴はけっこうあるんだろうと思います。
けれども、この独特のSFっぽさ(SFとは書いていないし、それっぽい道具立ても出てこないのですが、この雰囲気はやはりどこかSF的なものかと思います)にやはり高得点をどうしてもつけてしまいます。
次号も欲しいですが、当館正面玄関スペースにたどり着くまでにどれだけ歩かねばならんのやら。
- 73 あかんぱにい (採点:2)
- 二行です。二行が悪いとは言いませんが、どうとでもとれる一発ネタで高得点は差し上げられない。それは読み手にさせる仕事が多すぎる。面白いとすれば、それは作品ではなくて、そこから広がる読み手の想像力とそこから生み出されるものが面白いのでしょうから、作品ではなくてそちらに点数を上げます。
お話のきっかけとして、一行一点で、二点。低得点ですが、一行あたりのコストパフォーマンスは間違いなく一番です。
- 78 音響室B (採点:3)
- するすると読めるんだけど、なんだかよくわからない話でした。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- 最初の二行に全てが集約されているように思えます。
でもそれを確認するための本文も丁寧に描かれていて良かったです(そこにあっけなさを感じる人もいるかもしれませんが、私は特に気になりませんでした)。同性愛もの、になるけれど、奇を衒った感じではなく、自分が受け入れられないやるせなさと、受け入れられたときの幸せが素直に伝わってくるようでした。ハルとヒカルのあまいあいまいなあいまが長く続きますように。
- 83 変わった趣味の男 (採点:7)
- 男の行動はどういう意味だろう。オナニーとセックスの比喩か、とも思いましたが、それだとそのまんま過ぎるか。文学っぽいものとして捉えても、単純に不条理劇として捉えても、どちらにしろ物凄い飛びぬけて面白いというわけではないですが、じわじわと面白いなと思いました。
やすこの自分ルネッサンス三連呼にはつい数十秒笑いが止まりませんでしたので、そこでやすこ点として1点プラス。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- いい題材だと思うし、いいアイデアだと思うのですが、なんだか最後の流れに釈然としないものを感じます。今の自分の状況についての問題を回避して回避して、ちかちゃんはどこへゆくんだろう?
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:4)
- 「生きていると思っていた人は実は死んでいた」というアイデアはベタなんだけどそれが悪いというわけではなく、結局は料理次第で、その料理の仕方でやや難があったのかなと思います。これだけの王道なアイデアに絡ませるのだったら、蜜柑や揚羽の人物像の方は、ややステレオタイプから外れてても良かったかも。
- 88 探偵は誰だ? (採点:5)
- SFといえばSFですが、どっちかというとガジェットを条件にした論理パズル、という趣。オーソドックスな展開ですが楽しめました。
- 95 何かの間違い (採点:5)
- 楽しめなくない、こともないけれど、なんだか違和感を感じる部分もあります。妹の心の動きや、兄の動じなさがいまいちよくわからなかった。辻褄はあっているんだけれど。
○rai さん
- 06 下手れ (採点:?)
- すごく気に入りました。どこがどうこうではなく、つぼです。どつぼです。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:?)
- なんだかよくわからないけど、おもしろい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:10)
- こういった雰囲気の小説好きです。
○stein さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- 70年代サイケデリックアートのにおいがする。
嫌いじゃないけどつまんない。
- 02 寒太郎 (採点:6)
- すごい良い話!!!読みやすいし。
惜しむらくは「気象関連の、人ならざるものがやってくる」という点で
おりこん2・3位作『明日天気になあれ』に似ている、
と思ってしまったところ。それが無ければ8点だった。
- 03 GONSHAN (採点:6)
- 「自分はご令嬢より死ぬつもりではありません」
令嬢より「先に」?かなり痛い脱字です……。
登場する白秋の詩は全く存じませんでしたが文体と描写が美しくて好きです。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- よく分かんない。
やおい。
- 05 ウミに漂う (採点:6)
- 「僕」と「俺」どちらを使うか、って人によっては重要な問題ですよね。
私はどちらも選択肢にありませんでしたが、
個人的にこの問題に興味があるのでちょっと高評価です。
地味で淡々としてるけど文章はとても読みやすかった。
- 06 下手れ (採点:5)
- (架空の世界で)よく聞く話。
これはいいヘタレっぷりですね。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 血が繋がっていないことが示唆されているにしても
こんなベタベタした兄妹はいない。気持ち悪い。狙いすぎ。
この内容だったら冷蔵庫をタイトルに入れるべきだと思う。
こんな変わった冷蔵庫が出てくる時点で「日常」ではなない。
without涙攻撃とか、時々出てくるぶっ飛んだ表現は嫌いじゃないです。
西尾維新ぽいけど。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:3)
- 文章と状況描写がバグってる。
説明不足。
でも不思議と嫌いではない。
文庫本で出版されても絶対買わないけど。
- 09 茜色の先 (採点:5)
- 現在と過去の交錯の描き方が映像的(減点対象)。
こういう物悲しさは嫌いじゃないです。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- すーごい良い話!!!!!
イイ!!!
綺麗な「天の川」が目に浮かぶようです。
温子さんと一緒に七夕過ごしたいです。
惜しむらくはあんまり「魔法使い」であることに必然性を感じないところ。
- 11 準備 (採点:4)
- これはよいショートショートですね。
ちゃんと伏線もはってある。
- 13 立入諌止地点 (採点:3)
- 西尾維新好きそう。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- 悪くはないけど回想シーンの入れ方が漫画的で気になる。
- 15 嫁嫁パニック (採点:9)
- 途中からクレイジーケンバンド「右手のあいつ」をBGMにして読みました。
大抵のギャグ・コメディ小説は「これ漫画の方がおもしれーよ」と思うのですが
これは文章でないと面白くないところが高評価。ラストの一文とか。
脱帽です。わたしまけましたわ。勝ちたいとも思わないけど!
下ネタじゃなくてここまで笑わせられたら文句無しに10点つけられる。
どうしても下ネタで笑わせるのはズルいと思ってしまうので……。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:5)
- え、よく分からない……。
文章は綺麗。
- 17 キラーデイ (採点:6)
- 悪くない。
ドクソの名前の由来は笑った。
この後どうなるのか気になる。惜しい。
- 18 じれ☆んま (採点:3)
- まてつやさんのタイトル投票にも書きましたが、
時勢を読んで人の興味をひくタイトルは秀逸。
最後のトリックは上手いなあ、と思ったので
間に囚人のジレンマ云々言い出さなければもっと高評価だった。
囚人のジレンマっていう概念を使いたかっただけなんだろうなあ、と
思ってしまったので。
それにしても使用人さんカワイソス。
- 19 猛スピードで触手は (採点:5)
- ホラーだったんだ!コメディかとすっかり騙されました。
先輩が「触手」などという非日常的な単語に動じないのにも納得。
でも、残念ながらあまり面白くなかったです。
タイトルは上手い。
- 20 顔 (採点:2)
- 文章がきちんと書けているのでオチでがっくりしました。
最高につまんない。
「ぼやかして恐怖を煽る」というテクニックはありますが
それを狙ったんだとしたら失敗してると思う。
- 21 雪見酒 (採点:6)
- 面白い。
でも女将さんが死んでる理由が知りたかった。
私も雪見酒したくなりました。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:4)
- 結局何が言いたいのかよく分からない。
すこしむかし、という舞台設定は面白いなあと思った。
- 23 不謹神話 (採点:3)
- おもしろくない。
- 24 放浪鯨 (採点:6)
- 空飛ぶくじら、という設定には
残念ながら目新しさを感じませんでしたが
人がなるものだ、という展開には驚かされました。
ジェット噴射とかの映像を思い浮かべて読むと面白いです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:7)
- 上手い。
きめぇけど上手い。
面白い。オチが秀逸。
- 26 賢人の恋 (採点:4)
- タイトルがちょっと上手いと思いました。
でも本当に紹介文そのままですね。
障害に対する説明も(サヴァンや自閉症に対して知識があまり無い私にとっては)過不足無く、文章もきちんと書けているのだから何かもうひとひねり欲しかったです。
みいこはそれなりに可愛い。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- 地味だけど優しくていい話。
夕焼けの橙色が目に浮かぶような情景描写が素敵です。
- 28 腐臭 (採点:4)
- 撮影会にいたからって犯人と考えるのは早計過ぎでは……。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- 悪くない。
かわいい。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- お風呂とかツベルクリンとか細かいところですごく興味深い描写があるものの、結局よく分からない話。あんまり面白く無かったです。
- 31 不確定性の彼女 (採点:5)
- ちょっと仕掛けが分かりづらいと思う。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:6)
- 悪くない。
こういう描き方もありですね。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- 上手い。
妹が前向きになって終わり、ではなくちょっとした不安感を残して終わらせるところが実に上手い。
改行微妙だけど。
テキストボックスに入れたままアップしちゃったんですかね。
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- 申し訳ありませんが
寓意を読み取るまで読み込むほどの魅力を感じられませんでした。
もっと面白い話書けそうな人に感じます。
- 35 サプリメント (採点:5)
- 過去に戻れるならだんなさんがうつになる前に戻って忠告してあげればそれで済んだんじゃないでしょうか……。
あと、奥さんが崩れ落ちるような「だんなさんがおかしい決定的状況」を山場として描いて欲しかった。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:3)
- 折角面白い仕掛けを考え付いたんだからもう一ひねり欲しかった。
これであっと驚く展開があったら10点つけてたかも。
中身の文章自体は全く面白くないところが致命的。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- (容量も含めて)すごくかわいらしい話だけどすごくどうでもいい話。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:5)
- オチてない……。
あとアリが喋り始めることに対する葛藤がもう少しだけ欲しかった。
でも文章はこなれていて上手いと思います。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:4)
- 可もなく不可もなく。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:6)
- 分からない固有名詞大量に出されるとヒく。
でも結構好みです。時折出てくる詩的な文もいい。
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- 砂漠でカニバリズムは新しい。
けど、そんなオチですか……ガッカリしました。
あと、中東であることを感じさせる文がほとんど無いのも気になる。
この話の場合無くても大丈夫ですけどね。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:5)
- 文章も話の流れも割と好みのタイプです。
出てくるフィクションの元ネタがオフィーリアしか分からないけど。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- 特殊な用語が多くてすごく読みづらかったのでがんばって読みました。
世界観は結構出来てると思います。MATRIXだけど。
- 44 蟲毒 (採点:4)
- タイトル上手いけどオチがつまんない。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 最終的にすごいイベントとか奇跡とかは起こらないでみんな水晶のことをいつの間にか忘れてしまう、というオチは地味だけどリアルでいい。そんなもんですよね。
- 46 青空 (採点:5)
- いい話ですね。
手紙の冒頭と最後の方が「ひぐらしのなく頃に」に出てくる手紙に似てるのが気になる。
- 47 光学概論 (採点:10)
- いい感じに寂しくてすごくいい。
終始ファインダー越しに見ているような
客観性が感じられる淡々とした語り方で、
その成熟した視点に惚れ惚れとする。
しかもずっと淡々としているようで
時折狂おしいほどの切望が顔を覗かせるところも良い。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 同じ大学に進む幼馴染って実際どれだけいるんでしょうね……。
ともあれ普通に上手いと思いました。
ひねりとかどんでん返しとかないけどこれはこれで。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:6)
- 設定が説得力に欠ける。
2504年には出生率低下や育児放棄以外にも重大な人類存亡の危機が訪れてそう。地球温暖化とか。
とは言っても書きたいものの為にバックボーンをしっかり書き込もうとする姿勢は評価に値すると思う。
タイトル前に印象的な台詞を持ってくる演出は良い。
文脈はどうあれ紹介文に「読んで下さい」ってモロに書いちゃうのは減点対象。
この紹介文の場合「なんでこのタイトルなのか興味なかったら読まなくてもいいのか」と
下らないことを思ってしまいました。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- ダイジェストのうちの書きたいところだけ書くなんて
自己満足の予告編としか思えません。
キャラクターの設定はかなり好みなんですが……。
- 51 野辺送り (採点:8)
- すごい。こんなの書いてみたい。
早くどこかへの投稿作を書くべきだと思います。
もうちょっと改行多くしてほしかったです。読みづらい。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- タイトルと夕焼けと屋上と制服と文章は素敵。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- 悪くはない。
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 相貌失認、っていう病気を書きたかっただけ……ですよね?
短すぎる。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:6)
- いい話。
ショッキングな題材にきちんと向き合って書いてる。
最後はご都合主義な展開だけど感動してしまう。
- 56 飛べない鳥 (採点:6)
- 飛べない鳥が可哀想過ぎる…………。
どうせならハッピーエンドにして欲しかった……ご都合主義でもいいから。
地震の影響で島が沈んでイタチが襲ってくるというのはなるほどと思った。
- 57 夏を見逃すな (採点:4)
- いい意味であほらしくてかわいらしい。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- 短いながらもきちんとしたテーマ(読み手に伝えたいこと)があるのは素晴らしい。
- 59 プルシャの後裔 (採点:9)
- すごい。
通常、日本のような先進国(と言われている国)に住んでいる人間には
こういった状況下で従属し続ける人間の心理が理解しづらいと思うのですが
それにも関わらず従順なディディカの心情を書けているところがすごい。
細部の表現もリアル。
しかしディディカは薬のせいで男の子を生むどころかグレゴール・ザムザみたいになっちゃいそうな感じもする。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- すごい!上手い!!かっこいい!!!
片牙になる理由と「白い光。何の光だ」とかがかっこいいです。
旅の理由も泣かせる。
シメが劇みたいなところもいい。
まあ、ベタって言えばベタなんですけど(苦笑)でもいい。
- 61 缶コーヒー (採点:6)
- いろいろな意味で胸が苦しくなりました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:1)
- 意味が分からん!!!
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:4)
- 誰が書いたかはっきりと分かる位にルサンチマンが伝わってくる。
この世からおさらばしないで下さいね。
- 64 花盤 (採点:8)
- 美しい言葉遣いながらグロテスクで、生理時のあの痛ーい重苦しーい熱苦しーい感じがするのがすごい。
すごく好みのタイプの美しさの文章。
単純ですが書き手さんの性別が気になります。
女性なら納得。
男性なら1本取られました。
男性なんだろうなー。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:8)
- 大変美しい。
最後の演奏シーンはラルクアンシエルの
「snow drop」という歌のPVを思い出しました。
若い男女が二人、一つ屋根の下で
エロいことの一つや二つしないのはありえない、
と思ったのですがそこら辺もちゃんとフォローがあって過不足無い。
(下世話ですいません)
「主人公こんなんでどうやって今まで生きてきたんだ」という点と
「都合よく同系統の問題を持つ人と出会うなあ」という点が
気になる。そこで減点。惜しい。
- 66 サルベージ (採点:5)
- 文章はよみやすい。
- 67 純 (採点:5)
- 真司が自分本位でムカつく。
偏見を消そうともしない真司に純が付き合ってる理由がよく分からない。
そんなに真司のことが好きなんでしょうか。
そこまで大好きだとはこの中身からは感じられない。
けど理由はそれくらいしか思い当たらないので好きなんでしょうね。
本当に純が女の子の心を持ってるのだとしたら
「絶対セックスしない男友達」に
おっぱい揉みたいって言われても触らせないと思うし
「当たり前だ。気持ち悪くて出来るか」って
ハッキリ言っちゃった時点でこの二人の関係は終了すると思うけど、
純が真司のこと大好きでやっぱりいつかは抱いてもらいたい、
って思ってるなら上記2点は解決しますね。
そこまで書いてないので推測でしかないんですが。
いずれにせよ安易に男でも構わない、セックスする、
という展開にならないところは好感が持てます。
でもやっぱりノンケの男の子だったら
どんなに相手が美人でも
男だって分かった時点でヒくと思うんですよね……。
そうならない主人公こそまさに「純」なのかとも思いますが。
作者の方がどういうつもりでこの題材を選んだのか激しく気になります。
- 68 七夕 (採点:2)
- 最後の最後でメタ展開……なのかな。
深く読み込めば面白そうなんですが改行がなさすぎて
深く読み込むのが辛くてできません。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:6)
- 滅茶苦茶アホだけどかなり面白い。
オチがイマイチだけど全然構わない。まいちゃんテラモエス。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 勘弁して下さい。すいません。衒学的なのは好きではないです。
いろんな本を読んでいるのは単純にすごいなあと思う。本当に!
- 71 幸せの処方箋 (採点:4)
- 難しい話はよく分かりませんv
どっかで見たことあるような話。
「実は死んでて……」みたいな話は
乙一の作品にも似たようなのがあります。
あっちの方はどうしようもなく絶望的ですけど。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:4)
- 山登りのコツの辺りは重要な部分だと思われるのに推敲不足か、改行とかおかしくて勿体ない。
雰囲気は好きだけど盛り上がりに欠ける。
- 73 あかんぱにい (採点:2)
- すごく……海明寺裕です……。
これぐらいのありがちな想像しか出来ない。
試みは面白いと思うが短すぎる上にそんなに珍しい中身でもない。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- どっかで見たことあるようなオチ。
文章は読みやすかったですけど、
カタカナの名詞がやたらと使われてるところが気になりました。
個人的にはあんまり多く使われるとカッコ悪く見えてしまいます。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:4)
- プロレス興味ない人に対する説明完全放棄。
しかしそのおかげで試合シーンのスピード感はある。
「技とかよく分からないけどなんかすごいやり合いなんだろうな」
と思って読みました。
アツい。
- 76 シャーベット (採点:4)
- (架空の世界で)よくある話。
最後すごいどんでん返しとかないかな、と思って読んだけどありませんでした。残念です。文章は読みやすい。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:4)
- 設定が使いこなせてないように思う。
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- 確かにタイトルの「 は回収されてますね。上手いなあ。
これは許せる夢オチです(笑)
タイトルの「 が無かったら2点ですけど(笑)
- 80 リング (採点:7)
- いい話!
「『そこ』に水城がいることを疑わなかった」過程が自然だと思う。
「サッカーやりてぇ」のところちょっと泣きました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- いい話。
心情描写や会話が自然で、登場人物に素直に感情移入できる。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- 唯一無二の人を切望する心情の辺りは
読んでいて少し泣きそうになりました。
が、都合よくノンケの人に好かれるなあ、
と思ってしまいました。
オリンピック選手並みに頑張ったとはいっても
3ヶ月程度では足りないと思う。
というより、ノンケの人を振り向かせるのに
3ヶ月頑張るのでは恐らく行動の密度が高すぎて逆にヒかれると思う。
成功の背景にはまずハルからの歩み寄りがあった、という
事実も無視できませんが……。
ハルがいい子すぎる。
- 83 変わった趣味の男 (採点:2)
- 奇妙に面白いけどよく分かんない。です。
残念ながら深読みするために読み込むほどこの話に興味を持てない。
「自分ルネッサンス」は笑った。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:3)
- ち、父親の役でいいんスか!?
申し訳ないけどなんかいろんな意味でキモい……です。
文章の細かい割り方が漫画的。
- 85 童話 (採点:4)
- すごい自虐ですね…………。
作家参加もしてる側からするとションボリします。
- 86 NEET (採点:4)
- 自己肯定?
作者=作品とは限らないですけど。
ゴートゥーホームは英文法的に間違いだし慣用カタカナ英語でも普通ゴーホームって言う場合が多いように感じる。重箱の隅をつつくようですいません。
火事の原因と「昔と同じ住み込みのバイト」が気になる。ずっと実家住まいっぽいのにどうして。
あと女の子が非常に都合よく主人公のことを好きなのも気になる。人を好きになるのに理由はいらないですけどね。それでも。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:8)
- すごい良い!!!
感情移入してちょっと泣きました。
イチゴミルク味のあめとかジェリービーンズとかの小道具がいい。
- 88 探偵は誰だ? (採点:5)
- 滅茶苦茶ありがちな話なんだけど
こういうオチは私は見たことがありませんでした。
地味に面白いオチだったと思います。
- 89 午睡 (採点:6)
- かゆい うま
個人的に記憶がなくなる話にすごく弱いので泣きそうになりました。
語り方にも滅茶苦茶涙腺を刺激されます。
でも最後の方もうちょっと文体崩壊させてもよかったように思います。
- 90 R・P・G (採点:4)
- 冒頭があまりにもありがちな文章続きで読む気が大分無くなってしまいました。それを揶揄するかのようなメタ展開さえもありがち。
でも最後神視点が死んじゃうというのは面白かったです。てゆうか腰の低い神視点萌え。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- 普通にいい話。
鈴ちゃんカワユス。
しかし「鈴の音」ってタイトルはエロいですね。
ごめんなさい。
- 92 神の子 (採点:7)
- 面白い。大変興味深い。
オチもいい。
1ヶ月以上落ち続けられる穴ってどんなんだよ、とか思いましたがそういう突っ込みは野暮な類のお話ですね。
- 93 妖精離れ (採点:3)
- 自動筆記をそのまま出されても困ります。
せめて推敲して下さい。
イメージは綺麗なんですけどね……。
あとネーミングが安易過ぎる。
- 94 Eternity (採点:4)
- なんで5歳の時の願い事が唐突に10年後に叶うんでしょうか?
その点に説明があって、ラストがイマイチでなければ6点だった。
妹モノは食傷気味ですけど兄と妹じゃないからまだマシ。
- 95 何かの間違い (採点:2)
- 気持ち悪い。
自分のことマジで殺そうとした妹とチューなんて出来ない。
というかキスするくらい好きなお兄ちゃんを殺して幸せになれるはずもないと
何で先に思い至らないのか……。
作者の都合よく動く人物の心情とその内容(近親相姦)が気持ち悪い。
気持ち悪い以前に、兄と妹の話はありふれすぎててそれだけでマイナス。
紹介文に「ちょっと考え方がおかしいかもしれない兄妹の話です」
なんて書いてもそれくらいでは免罪符にならない。
あと臓器移植の扱い方が適当なところも気になる。
唯一幸いなことに、文章は普通に読める。
- 96 走るッ! (採点:3)
- よく分からないけどタイトル通りの疾走感は感じられる。
でも基本的には出したいキャラを羅列しただけ。
もしかしてTYPE-MOON好きですか?
- 97 やさしい猫 (採点:4)
- 確かにやさしいしいい話だけど残念ながらどこかで見たような話。
- 98 足跡 (採点:3)
- 手塚治虫の短編に「バックネットの青い影」という似たような話があります。
(あくまで「私がこれを思い出した」というだけでパクリとか言ってるわけではありません)
多分それ知らないと思うんでこんな指摘をしてしまうのは申し訳ないんですが。
- 99 繋がっているものたち (採点:6)
- ああよかった!死ななくて!!!
死んでたらもっと点数下がってました。
美紀みたいな子が現実にたくさんいたらいいのになあ、と思います。
すごくどうでもいい指摘ですけど、
一番最後に、奈美って名前が唐突に出てきてしまっている……そこだけ残念。
○えりくら さん
- 02 寒太郎 (採点:5)
- うーん、そうではないのかもしれないけど、どこか無軌道に書いてしまっているような気がします。推敲が足りていないような。どこ、と端的に指摘することは出来ませんけど。単なる印象です。
しかし、なぜか知っている人が書いてるような気が。しただけです。多分。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 実際の作品を下敷きにした……だけの作品に見えてしまいました。
>「やっぱり詩の話なんて――」
ここで作者さんの心も折れてしまったのかなぁという気がしました。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- あまりに放り投げすぎて、どう読んだらいいかすらわかりませんでした。
- 05 ウミに漂う (採点:5)
- うわぁ。結構好きな描写の作品だっただけに惜しい。クラゲとか、一人称『僕』に対する見方とか、センスを感じるのに、いかんせん容量の限界か。くそぅ。作者さん、続き書いてください!
- 06 下手れ (採点:5)
- 大事なことを書かずに読者の想像に任せるのと、単なる筆足らずの間には大きな隔たりがあって、それが何なのか、僕にはまだよく分からないですけど、少なくとも読後に残る何らかの余韻のようなものなんじゃないかと思います。この作品がそういった余韻を狙ったものであるとするなら、秀人と美沙、弘樹の関係についてもっと書き込むべきだったのでは。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- いいなお前ら幸せそうで!
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:3)
- 限りなく正直な感想を書くと、意味が分かりませんでした、という駄目な読者の見本のような感想を晒さなくてはならないのですが、それもやむなしと思ってしまいました。すみません。
- 09 茜色の先 (採点:6)
- 世界観とか、人物描写とかはもう抜きにして、単純に主人公の独白として考えると、かなりよく書けていたと思いました。色を失った世界とか、茜色とか、そういった概念についてもっと作りこんでいけば、全く違った作品になれそう。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:4)
- いなくなったわけでもないんだから、タイトルの「いた」というのはどうかと思った。いつ温子さんはいなくなってしまうんだろうとドキドキしてた時間をどうしてくれるんだ! いや、いいんですけど(笑)
どうもどの設定も行動も、ピンとくるものがなく、残念でした。
- 11 準備 (採点:3)
- シチュエーションだけ説明されても、ちょっと厳しい。ショートショートには若干厳しい目を向けてしまう今日この頃です
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- これは本当にいちゃもんの部類に入る指摘だと思うんですけど、春香が産業スパイっていう設定はどうなのだろうかと思いました。単なる嫉妬の感情からこういう行動に出たとしても別に不自然ではないし、その方が「AIと心」っていうテーマに深く踏み込めたんじゃないかと思います。一応伏線はありましたけど、その設定のおかげで話全体が不自然に軽くなってしまったのでは。残念。
- 13 立入諌止地点 (採点:4)
- ちょっと「僕」の心情が理解しにくいような気がした。ちょっとしたおいてけぼりに遭った気分。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:5)
- 視点が時系列のあちこちに飛びますが、この話の中での意図がわからず、ただ読者を混乱させているだけのように見えてしまいました。変わったと思うと主人公は言いますけど、実際何が変わったのか、僕には分かりませんでした。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- とても良いらぶこめでぃーでしたっ!
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- どうも作者さんの内部で言葉をこねくりまわしているだけに見えてしまって、どうにも受け付けられませんでした。全編にわたって主人公の妄想を読まされているような。物語としての前提と世界観、そして最後に辿り着くべき結論――というような輪郭は見えるので、後はストーリーとしてどう構築していくかという問題だけだと思います。惜しい作品でした。
- 17 キラーデイ (採点:3)
- 思いつきで書きすぎかなぁという気がします。ここからどう整合性をとっていくか、どういう構成で、どういう演出をして……という部分は必要なような必要でないような、まぁどっちでもいいのですが、この内容だったら、もっとメインの少女についての記述を濃くするべきだったのだろうと思います。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- ……てことは、この少年は最初からこの泥棒を焼き殺すつもりだったってことですよね。うわっ! 怖っ!
- 19 猛スピードで触手は (採点:9)
- 途中まで爆笑(おそらくこれが正しい前半の読み方だ)しながら読んでたんですけど、最後に笑えないホラーな結末に愕然。なんだこのあり得ない完成度は。
あえてケチつけるとしたら、最初と最後の視点のブレぐらいかなぁ。この主人公はまっとうな人物として描いてあると思うんだけど、まっとうな人物は段ボールに入れられた触手(?)を見て「お前、うちに来るか?」とは言わないと思う(笑) それとも、もうその時から洗脳されてたのかな?
- 20 顔 (採点:2)
- 変な男が目をつけた女をただただストーキングするだけの話に見えてしまって、どうにもこうにも。作者さんが何を狙っていたのか、正直僕にはちょっと分かりませんでした
- 21 雪見酒 (採点:4)
- 死んだ振りする死んだことに気付いていない女将。シュールだなぁ。何がシュールかって、それらを平然と受け止めるお嬢さんと呼ばれる語り手なんですけどね(笑)
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- 黒電話の鳴る音について考察し、なんらかの意義を見出す。詩的なイメージ。何をもって詩的かというのは分からないのですが。
詩的なだけに、短歌か何かの付けたしとしてある小説のような気もします。
- 23 不謹神話 (採点:4)
- 大陸と半島と島国かぁ……あまり介入したくない話題だなぁ(汗)
糞便云々はともかく、若干滑った感があったりします(笑)
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- いい話でした。鯨が空を飛んでいるとか、人間が鯨になるとか、突飛な設定で溢れているんだけど、それでもすんなり読めました。
飛び去るユーリと、残されるアレク。それは単なる別れでなく、飛べる者と飛べない者を隔てた絶対的な別離であって、だからこそ「また逢おう」という叶わない約束が胸を打つ。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:7)
- ホラーだ、都市伝説だ!
まさに日常の片隅に隠れた恐怖。そこにちょっぴり風刺や毒をエキスに、コミカルに描いていただきました。
面白かったです。
- 26 賢人の恋 (採点:5)
- 今のところ伝わることがない主人公の恋心は、ある意味悲恋なのかもしれない。恋は賢人を愚者に変える、と分かったような分からないような感想で締めることにします。読みやすく、読者に優しい文章でした。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- まるで教科書のような少年の成長物語でした。
この作品で上手いと思ったのは、『僕』の描き方。「コミュニケーションというものがわからない」と言いながら、実はただ寂しいだけの少年。小学生くらいの頃によくありがちで、少し共感。これがもっと大きくなると捻くれるから手が付けられないんですが(汗
女の子との別れが唐突だったのも、狭い少年の視野で捉えたことだと理解すれば、リアリティがあったのかもしれない。
ただ、ハッとさせられる部分があまりなかったのが少し残念。
- 28 腐臭 (採点:6)
- 文章の書き方は凄くうまいと感じました。簡潔で、すぐ入ってくる感じ。
ただ、主人公が深刻になるのは少し早いなぁと感じました。ストーリーを操ろうとする作者さんの手が見えてしまった感じで、少し冷めてしまいました。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:5)
- いや、冗談抜きで容量足りてないと思います。これ、ぶったぎったシーンが一体いくつあったんですかっ。割と本気で泣けてきます。ああぁ。
そんなわけで掌編にするより、納得のいくところまで書き切る話だと思いました。
- 30 はたらくぼくら (採点:4)
- 何にも起こらない日常を、何にも起こらない日常としてしか書かないのは、掌編として問題があるのではないかと思うけど、まぁそれでもいいかと思う人はそんなに少なくないのかなぁと、わけのわからない感想を書いてみたりする。
僕には、すこし微妙でした。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- 不確定性原理って、確か観測されたことで物事が確定されるっていう話で、講義を受けてる美貴が観測されている以上、それ以外の美貴は存在しないってことになるんじゃ? うーん、文系なんでよくわかりません。でも、ただのドッペルゲンガーっていう話にした方がすっきりして分かりやすくなったような気がします。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- 消えてしまった地球に関する人々を描いた群像劇、なのだろうか。僕個人的には、最初の話の老婆を中心に話を回していった方が面白い物になると思った。まず間違いなく16KBの縛りに収まらない話になるだろうけど。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- 予想しなかったオチでちょっとびっくりしました。でも、よく考えられているかというと、必ずしもそうではないとは思いますが。
あと、序盤の文章の精度が若干気になりました。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 過度な装飾のない文章でしたが、読みやすく、また下手に煽らない分だけ場の空気みたいなものまで表現出来ていて、かなりいい感じでした。まぁ言ってしまうと、好みの文章でした、ということなんですけれども。
ストーリーも、少し分かりにくくはありますが、概ね文句ありません。ただ、そばかすの女の最後の台詞に何か意味はあったのか、それが不明瞭だったので、上手く話を締められずにいるような印象を受けました。
- 35 サプリメント (採点:5)
- クスリ怖いー。
きちんとオチもあって、面白かったです。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:2)
- なんか普通の日記みたい。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:5)
- シュールすぎる(笑) ていうか、これはホラーの範疇なのかな。お前ら砂糖ならなんでも良かったんだろっていうのがあからさまに出てて、面白かった。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- この容量でよくやったなぁという出来。当方、大満足です。アヴリルもいいね(笑) ステージのシーンをもっと魅せる作りにしたほうがよかったかなぁとは思いますが、それは余計なことか。キャラの描き方が好きでした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:4)
- 最後の最後まで、主人公が男か女かで悩み続けました。というか、そもそも年齢さえもよくわからず、一人称っていうのは自分を捉える感覚を狂わせるんだなぁと、おそらく書き手さんの狙った所とは違った地点で感心したりしてました。
というか、一人称でぐだぐだやっているのを読ませるのは相当な技術だとか、魂だとか、そういった部分がいるような気がします。難しい。
- 41 蜃気楼 (採点:4)
- ネタ自体は悪くないと思います。ただ、このネタをどういう方向で料理しようと思われたのか、その意図は伝わりにくくなっている点が残念。もう少し推敲の余地がある作品だと思います。蜃気楼というタイトルにも、もう少し深い意味が欲しかったです。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:1)
- 意味が分からず、また汲み取ろうという意欲すら湧いてこず困りました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:6)
- アナログ人間なのであまりこういったSFへの理解が乏しくて(汗)
それはそうとこういう世界は怖いですね。仮想だから、現実だからということではなく、脳髄とブドウ糖と電気信号だけで生きていけるのだとしたら、これはもう生きているとは言わないんじゃないか。
- 44 蟲毒 (採点:5)
- 救いがない……死んだ母が、幽霊となってとりつくなんて……大人しく成仏してくれ。頼むから。
二人目の主人公を出した理由がよく分からず、それだったら母親の霊に取り付かれた女をもっと濃厚に描いてくれたほうが良かったかなぁと、個人的には思いました。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 子供の頃読んだ名探偵カッレシリーズを思い出した。あれ、事件の話よりも、友達とバラ戦争ごっこをやっている部分の方が面白いという困った話なんですが、まぁそんな感じ。ガキの頃の遊びは一生忘れん。
八月水晶を掘り当てた彼が、みんなに八月水晶を振舞うことにするまでの経緯がよく分からなかった。そこだけが少し残念。
- 46 青空 (採点:6)
- 書き出しで先が読めるというのは、この話にとってプラスポイントにはならないような気もしますが、まぁ幸せだからいいんじゃないかと思いました。面白かったです。
- 47 光学概論 (採点:7)
>全部自分が悪いのだけど
この書き出しからして、ナイーブ過ぎる主人公像が容易に思い浮かびます。実際そのイメージは序盤から終盤に至るまでほとんどぶれることはなく、書き手さんの安定した実力を伺わせます。しかし、終盤にいくにつれてそのナイーブさが段々鼻につくようになってきた感じ。もう少し感情を抑えるとちょうどいいのかも。
好み的なことを言うなら、“断絶”という言葉を書かなくてもよかったかなぁ。テーマを表に出しすぎると陳腐になってしまう気がするのです。
しかし、全体的に一本の芯があって、本当に良く出来た掌編だと思いました。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:8)
- 「窪塚がいた」
まぁそれは置いておくとしまして。
良く出来た青春物だったと思います。佐竹も松下も部長もいいキャラしてました。秋山瑞人さんを思わせる軽妙な筆致で、凄く読みやすく面白かったです。ラストも鮮やかな幕切れ。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:4)
- どうも全体的に展開が走りすぎで、まとまっていないような印象を受けました。作者さんの中に書きたいことがいくつもあって、それを全て詰め込もうとして失敗しているような。この作品の中に出てきたいくつかのポイントのどれか一つに絞って書けばもっとまとまりがあって、なおかつそのポイントを読者に強く訴えかけるような作品に出来たのではないかと思いました。
- 51 野辺送り (採点:8)
- 文章レベル、恐ろしく高し。参りました。
時間の流れを描いた作品として、かなり秀逸だと思いました。野辺送りを見て昔の映像とリンクしていく所とか、ぶるっときました。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:6)
- うわぁ……なんか色々言いたいことはあるんだけど、まぁいいか(笑)
屋上とか、四時四十四分とか、ギターとか、狙いすぎなんじゃないかなぁとは思いますが、そこが好きっていう人もいるだろうし……十七で人生終わったなんていうこいつは、どう考えても感傷的すぎる気も(笑)
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- ストーリーも何もなく、ただ状況だけ提示されても……うーむ。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:6)
- 普通にいい話でした。こういう状態になった人間を維持する(あえてこの表現を使います)のって、尋常じゃないくらいの負担を強いられると思うんですが、それをし続けたお母さんに全ての賞賛は与えられるべき。
文句をつけるのであれば、どうもその年月の重みが足りていないような気がした所。他人事、という言葉が一番ぴったりきます。音を聞くことしか出来なくなった主人公は「見ていることしか許されない傍観者の立場」と自分のことを表現しますが、僕らまで一緒に物語を一歩引いて見てしまったような。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- よく出来ています、としか言いようがないのがこの作品の難点だったりします。本当に、良く出来ていると思いました。
- 57 夏を見逃すな (採点:2)
- なんか……普通に夏、でしたねぇ。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:8)
- おお、面白かったです。何よりこの書き方が凄い好みです。感情が伝わってくる文章っていうのかな。僕はこういうのが書けないので凄く羨ましいです。
「時間旅行」の使い方も年頃の女の子の感傷みたいなものを上手く汲み取っている気がして良かったっす。
- 59 プルシャの後裔 (採点:8)
- 文章に緊迫感があり、引き込まれる作品でした。力強い。
男か女かなんて、XかYかの違いでしかないのに、そに振り回される人間の滑稽さといったら。屠殺される豚も、普通に考えたらそれは相当にグロテスクな映像なのに、男の子を身ごもった(と錯覚した)ことで全てが裏返ってしまったディディカにとっては、それすらプラスのイメージへと昇華されてしまう。間違った結論かもしれないけど、人間、気の持ちようですよね。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:5)
- カッコいい(笑)
普通の人情物なんだけど、猫がやるだけでなんだかユーモラス。
- 61 缶コーヒー (採点:4)
- 何も起こらない話で、起伏が少し足りない気がしました。何も起こらないことは悪いことではないけれど、その場合に応じた起伏の作り方はあると思います。
- 62 5人以内のごろつき (採点:2)
- 笑っていいのか、感心していいのかわからず、微妙な感じになってしまいました。「5人以内」という表現には、何か深い意味が隠されているのかもしれないが、僕にはちょっとわかりません。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:7)
- 所々意味が通じない文章はあるものの、全体的な雰囲気の作り方、心情の伝え方が巧みで、読者を上手いこと小説の世界に引きずり込んでくれる感じで、僕はかなり好きです。ただ、全編にわたってこの微妙なテンポで話が進むので、こういうのが嫌いな人には拒絶反応を起こさせてしまうかも。
個人的に、主人公の昔の彼女の台詞がツボでした。情けない男が増えている、なんて昨今よく言われますけど、男性優位なんて男社会が作り出した幻想。最近になってやっとそのメッキがはがれてきただけなんですね。
- 64 花盤 (採点:5)
- 男からすると理解が困難なのですが、そこはかとなく背徳感がして、身悶えするのでした。芸術っぽい雰囲気は少し苦手ではあるのですが。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 「音が聞こえすぎる→厭世」という流れが少し理解しにくいかなぁと思いました。彼女のように、強制的なテレパシー受信なら、なんとなく分かる気はするんですが。同病相憐れむ、という状況とは少し違うような気がしました。
ストーリーは素直な展開で読みやすかったと思います。
- 66 サルベージ (採点:4)
- うーむ?
すみません、ちょっと意味がわかりませんでした。少年は主人公の昔の知り合いで、幻として現れたみたいな解釈であってるんでしょうか。分からない。
あと、変わろうとすることが大切という結論に行き着くまでの過程もちょっと不明瞭。
- 67 純 (採点:5)
- 考えてるなぁ。もちろん、考えたからといって小説としての評価が上がるわけではないけど、テーマを掘り下げることは何にしても必要不可欠なことだと思います。ただ、この話を一つの小説として仕上げるなら、きちんとした形のストーリーの収束がほしいところです。
- 68 七夕 (採点:5)
- 試みは面白いと思いましたが、実際作品として面白かったかと言われると首を捻らざるを得ないと思いました。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 無学の身でボルヘスはちょっと知らないのですが、言ってることは面白かったです。有限と無限の間に生きているとか、想像力の限界、とか。
ただこれを創作小説と呼んでいいものかどうか。うーむ。そんなわけでこの点数です。プラス一点はほんの気持ちです。
- 71 幸せの処方箋 (採点:5)
- ラストで狙った感情の高まりを望むには、もう少し容量が欲しかったところですね。じわりじわりと真綿で首を絞めるように読者を追い詰めていってほしかった。
- 73 あかんぱにい (採点:3)
- 超短編として評価するなら、あまり出来は良くないと思われます。もっとシュールで、もっとブラックな味わいが、その手のショートショートには欠かせないと思うのです。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:3)
- 文章その他諸々もあわせて、全体的に精度が低いという印象を受けてしまいました。やりたいことはあるんだけど、そこまで到達できないもどかしさはすごくよく分かります。やはり、何度も自分で読み返して、精度を高めていくしかないんでしょうね……大変だけど。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- プロレスはよく知らないのですが、それでも疾走感溢れる文章を伝うこの熱量。素晴らしい出来でした。お見事。
- 76 シャーベット (採点:6)
- 始まってすぐにネタは割れるわけですが、それは別に欠点というわけではなく。むしろ、そういう方向性だと読者に教えてくれるのは色々と良いことなのだと思います。
その感情の正体を二人に気付かせなかったところが秀逸だと感じました。気付かせてしまっては終わりですからね。このどっちつかずのアマアマな関係に萌え、みたいな(笑)
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:4)
- 最初のメールの応酬から既に話についていけず、ラストでは完全に置いてけぼり状態になってしまいました。僕の理解力とか集中力とかの問題かもしれません。
ま、やっぱりメールより電話の方がいいよね(笑)
- 78 音響室B (採点:4)
- ちょっとBL風(というかモロ?)で、自分の中でどう消化していいのか対処に困る作品でした。男が結婚していることを知って落胆する、なんていう状況を嫉妬以外に実感することってこの先あるのだろうか(汗
ラストがちょっと容量足りなくなったのかなと思わせる駆け足展開。上手く着地出来てれば良かったんですけど……うーん。
- 79 ユメオチ「 (採点:6)
- 夢の中でぐるんぐるんシェイクされたような浮遊感で、いい感じでした。とりあえず、タイトルのアレが打ち間違いじゃなくてよかったです(笑)
- 80 リング (採点:6)
- うわぁ、ホイッスルみたい。恋愛にいかなかったのも良かった。
でも、ただの青春小説になっちゃっているのは残念。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- ラストの読めた恋愛とも呼べない恋愛劇を眺めているような気になってしまって、入り込めない、というかあまり入り込む気にもなれませんでした……というのも、主人公の中に占める奈津美の割合が、そんなに大きな物には見えなかったんですよね。奈津美と喋る時の台詞が棒読みに見えてしまって仕方がなかったのです。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:5)
- いいなお前ら幸せそうで!
百合物の楽しみかたがいまいちよく分かってない僕の感想でした。
- 83 変わった趣味の男 (採点:5)
- 呪われた。
つーか、通販の呪いグッズ凄すぎ!
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- すみません、清水君の最後の台詞がよくわかりませんでした。でも、この二人の空気感は結構好きです。
- 85 童話 (採点:4)
- 確かにこれは面白い話になりそうですね。出来ればそのお話を読みたいところでした。
- 86 NEET (採点:3)
- デイトレードでそんな安定した収入は得られないだろうと、その時点でどこかファンタジーを読んでいるような気になりました。NEETの当て字が言いたかっただけみたいになっているのは、やはりあまり良くないと思います。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:7)
- 揚羽にキスをねだる蜜柑が可愛すぎる(笑)
よく出来た現代学園ファンタジーの掌編でした。
- 88 探偵は誰だ? (採点:4)
- 謎解き部分から意味が分からなくなったというか、単に黒澤助手の頭が悪かっただけ、みたいになってるのは残念。しかし、こいつは酷い男だなぁ。考えることも微妙にせこいし(笑)
- 89 午睡 (採点:8)
- 段々記憶がなくなっていって、過去の自分を記憶した媒体だけが積みあがっていき、段々と過去の自分を把握できなくなっていくという話で、面白かったです。プレゼントをしたいという気持ちと、「誰に?」という情報が途切れていく過程が切なかった。
- 90 R・P・G (採点:3)
- 反則的な方法で魔王を倒すギャグ物として読んだら、まぁ、面白いかな、という所。メタ物として読んだら……うーん。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- うーん、良かったんですけど……どうも鈴ちゃんの最後の台詞が単なるつよがりにしか聞こえなくて(実際強がりだったんでしょうけど)、少し寂しくなりました。
ストーリー的には特に変わったところもなく、悪く言えば普通、よく言えば安心して読める作品でした。それだけに鈴ちゃんがテストをばら撒くシーンが若干浮いていたような気も。もっとそこに訴えかけてくるものがないと、単なる子供の癇癪に見えてしまい、あんまり効果を発揮しないかなぁと思いました。
- 92 神の子 (採点:9)
- これは、凄い。考えさせられます。自分がぼろぼろと孤独に朽ち果てていく様は、まるで現代を生きる人たちの姿を見せられているようでした。自分という意識以外何もなくなった時、彼が見たものは光でした。神って一体何なんでしょうね。
- 93 妖精離れ (採点:2)
- 妖精離れ、と言いますか、読者から凄い勢いで遠ざかっていくように感じられました。
- 94 Eternity (採点:6)
- いくらなんでも都合良すぎるんじゃ……と思ってたら、やっぱり主人公も同じこと思ってたみたいで、良かったです。ストーリーの流れとしてはありがちですが、それだけに安定していて読んでいてとても楽でした。
- 95 何かの間違い (採点:4)
- 何かの間違いというか、この兄妹はどこか根本的なところで間違っているような気がするのですが。殺されかけて、なお微笑みあえるこの人たちは超越しすぎだと思いました。
- 96 走るッ! (採点:3)
- 結局なぜ追われているのか分からなかった。ストーリーなんて飾りなんですよ!
まぁ読み終わった後は、追われてたのは僕の方だったんじゃないかとおもうくらいの疲労感。はぁ。
- 97 やさしい猫 (採点:7)
- おお、カッコいい猫だ。弟子入りしたくなるぜ。
この容量で上手いことまとめられているなぁと感じた。ラストのさりげない意思表示もいい。これ、好きです。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- いじめってちょっと前にマスコミで大きく取り沙汰されていた問題だけど、いじめる方もいじめられる方も、本当に命を安易に扱うんだなぁと思って、暗澹たる気持ちになってました。
この話では飛び降りを示唆するワードが出てくるわけですが、そこで安易に自殺させなかったのは高評価。
いじめを題材にした友情物ですが、個人的には一般的な線から一歩抜け出す部分が欲しかったかなぁという気がします。
○おりびい さん
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:8)
- この着眼点は見事としか言えない。
意外すぎる題材でただ意外性を狙ったと感じさせないきっちりとした話でした。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:9)
- これはうまいとしか言えません。
文体だけでなく中身特に幼少期のあたりは絶妙でした。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:9)
- 不思議な感覚のお話でした
- 45 八月水晶 (採点:9)
- 水晶を探すという体験などしたことはないのに
なんだかまるで自分もかつてしたことがあるような懐かしさを感じました。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:8)
- 最後感覚が戻ったことについては賛否両論あるかもしれませんが私は好きです。
介護という職業柄相手に気持ちを伝えることができなくても
それでも心は残るという点に共感を覚えます。
- 56 飛べない鳥 (採点:9)
- 感想をうまく言葉にできないがほろりとしました
- 57 夏を見逃すな (採点:8)
- 本当に現実でありそうな風景を面白く書くのは技術いると思います。
- 86 NEET (採点:8)
- タイトル見た時はかなり内容不安だったのですがおもしろかったです。
- 94 Eternity (採点:8)
- ギャグと言えばギャグなんだがほんのり最後温かくなった
○お湯 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- 愛とか軽々しく書いてしまうセンスのなさ
- 02 寒太郎 (採点:6)
- 凡庸な筋だが
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 語り手の問題がある。上手でない
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- ?
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- プロットに工夫を。
- 06 下手れ (採点:2)
- センスが古いのでは
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:1)
- 文章が…
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:4)
- 興味深いが、おしい。序盤はとても良かったが、魔術師とかファンタジー要素が強くなってきたところでさめてしまった。
センスはもうしぶんないのだが、後半はヤリすぎではw
さらに厳しいことを言えば、「クラウゼビッツによれば――まあ、よいか。」は×。
ちゃんと書かなくては。
- 09 茜色の先 (採点:1)
- ポエム
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:2)
- 給水塔www
- 11 準備 (採点:3)
- 残念。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:1)
- 説明と会話ばかりで。
- 13 立入諌止地点 (採点:1)
- 体言止めの多用
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:1)
- …
- 15 嫁嫁パニック (採点:4)
- ギャグ
- 18 じれ☆んま (採点:2)
- …。
- 20 顔 (採点:6)
- 話自体はどうあれ、このキモさを評価したい。
- 21 雪見酒 (採点:5)
- 物語。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- 割とよく書けている… が…、
「おれは今年で27歳になる。」だとかの自分語りは、説明的文章が露骨すぎて、どうも。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- こういうものは、こういうものとして、悪くない。
- 24 放浪鯨 (採点:3)
- 話をいそぎすぎている。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:7)
- 「などと、せわしなく動くラインを見おろしながら、」からのくだりは再考すべし。
独特な語りを、それまで楽しく読めていただけに残念。
- 30 はたらくぼくら (採点:10)
- 面白い。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- もう少し書き込みを増やせば完成度があがる。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 水晶そのものの書き込みが足りない。
- 51 野辺送り (採点:8)
- めちゃくちゃ上手でびびった。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- 問題点は多いが、気分的なもので高い点数
- 62 5人以内のごろつき (採点:採点なし)
- 自分の書いたものなので、採点はなし。
読み返すと、ひどいな。
- 83 変わった趣味の男 (採点:採点なし)
- 自分の作品なので、採点はなし。
- 88 探偵は誰だ? (採点:6)
- 何か気になる。
○しろがね さん
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- タイトルからして安心して読めるギャグだなと感じました。
読んでみて実際その通りの内容で、最後まで気楽な気持ちで読むことが出来ました。
ただ一部のギャグにちょっと下品というかアクの強い部分を感じてしまいました。
でもそれを直した方がいいとは全く思いませんが。
- 19 猛スピードで触手は (採点:9)
- かなり面白かったと思います。
作者さんが狙ったのかどうかは分からないですけど、絵が無いという小説の特質が生きていて最後まで驚かされながら読めました。
触手が何となく可愛いかも、と思わせる描写は良かったです。
個人的には素直にギャグものとして最後まで読みたかったかもしれません。
- 23 不謹神話 (採点:10)
- 笑えました。
神話をまさか、こんな形で書くという発想はなかったです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:3)
- 実際、工場って(ラストのオチを除いて)こんなものかな、と思ってるんですけど、そのリアルさが心にとげを刺すというか。
上手に書けていると思うんです。
ただ、不快で身近なテーマとリアルな表現。
その両方が揃ったものはあまり娯楽として笑うことが出来ないような気がします。
どちらかだけなら問題ないように思うのですけど。
自分が毎日食べてるものがこういう感じで作られているって、出来るだけ想像したくないです。
- 26 賢人の恋 (採点:4)
- 一緒にお風呂ですか。しかも一緒に寝るんですか。
そのあたり、感覚的にはもう少し上品であってほしかった気がします。
あからさますぎて、読んでて気恥ずかしいものがありました。
様々な設定はこの二人の関係を成立させる為に用意されているのだとは思いますが、それでもやりすぎではないかというのが自分の正直な感想です。
あと、設定が某戯言少年の小説と似てるのも正直気になりました。
採点には加えていないつもりですが……自分の読者感情に影響が無かった、とは言い切れないです。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:採点なし)
- 話の展開が唐突で、わかり難いという印象を受けました。
間違っていたら申し訳ないですが、不思議な国のアリスが元ネタなのでしょうか。
不思議な雰囲気と、主人公が最後に家に帰るを選んだという作品のテーマ性。
それぞれ単独で見れば結構好きなんですけど、この物語ではお互いが融和出来ていなかったように感じました。
あと、最初に読んだときはありす安梨子アリスで誰がだれだか分かりませんでした。
登場人物の説明さえ始まっていないのに、そのようなことをされるとひどく混乱してしまうとうのが一人の読者としての正直な感想です。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- 途中まではほのぼのと楽しんでいたんですけど。
後半の展開はちょっと納得出来なかったです。
- 44 蟲毒 (採点:6)
- スリリングな気持ちで最後まで読むことは出来ました。
ただ、テーマとして扱っている殺人の意味についてはある意味無難な線に落ち着いてしまったと感じます。
逆の意味で予定調和なオチでした。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:10)
- さわやかで、すごく良かったと思います。
とても気持ちのいい物語と登場人物でした。
最初から最後まで気持ちよく読むことが出来ました。
- 54 彼女への笑顔 (採点:5)
- 素直な内容でよかったと思います。
ただ、いち読者としての意見を言わせて頂ければ、むしろここから物語が始まるように思えます。
もう少し先が読みたかったです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:採点なし)
- この作品に何点付けたらいいのか、という点についてはとても悩みました。
感想も同じです。もう何度も書き直しています。
結局採点は棄権させて頂きます。申し訳ありません。
上手く言葉にできそうにないので、自分が考えたことをそのままお伝えします。
最初から最後まで臨場感を持って読むことが出来ました。
その点は特に評価出来ると感じます。
この物語がリアルなのかどうかは全く分かりませんが、自分には非常に印象深い物語ではありました。
でもこういう物語を良評価とすること自体にすごく単純な反感もあるんですよ。
これがブラックジョークのように安易な構造である場合はまた違うんです。
この物語の場合、堅実に或いはリアルに構築してきた世界観があるからこそ、
私はこのヒロインの最後の感情を受け入れることが怖いと感じるのだと思います。
その辺の気持ちが採点にどんな影響を与えたかっていうのは自分でもよく分からないです。
でも最後が少しでも希望のようなものに繋がれば、もっと素直な気持ちで楽しむことは出来ると思うのです。
自分のような読者にとって、この物語のように人を追い詰めていくような物語は、最後の最後で受け入れにくいように思いました。
読んでいていろいろなことを感じました。
でも、それが面白さって言えるものなのかどうか分からないです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:8)
- これは結構面白かったです。
猫の表現方法は可愛らしくもあり、渋くもありで良かったと思います。
部分的に面白い言葉が使ってあるんだよね。そこが可愛い。
ストーリはシンプルだけどこの表現には合ってると思います。
- 62 5人以内のごろつき (採点:8)
- 意味も無く楽しかったです。
五人以内のごろつき、とか。そういうセンスを正直うらやましく感じます。
誰でも笑える内容ではないかもしませんが、自分は好きですし楽しめました。
- 64 花盤 (採点:9)
- 楽しみました。作者の意図した楽しみ方じゃないかもしれないけど。
こんなことを言うのはとても恥ずかしいことですが、とてもエッチで良かったと思います。
また、独特の世界を表現することに成功していたと感じました。
- 67 純 (採点:8)
- 上手く言えませんが、結構良かったと思います。
読んで単純に面白いだけじゃなくて、自分の中のいろいろな考えを刺激させられれる内容だったと思います。
純と主人公との簡単な恋愛関係にならなかったことに、この物語の中身と呼べるものが感じられたように思います。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:8)
- なんだか不思議に面白かったです。
特にあの序盤と本編の落差が笑いに繋がったのではないかと思えます。
最後は意味が分からなかったですが、それも気にならないくらい面白かったです。
- 71 幸せの処方箋 (採点:5)
- 正直、よく分からなかったです。
平和で幸せなリビングの描写は良く出来ていたと感じました。
ラストのSF的解釈というか、その辺で躓いてしまいました。
- 76 シャーベット (採点:6)
- 少し微笑ましく読むことができました。
ひとつの読み物として考えるならこれはこれでいいような気がします。
ただ、コンペという場所で評価するなら内容が薄すぎるように思います。
- 80 リング (採点:7)
- 雰囲気が出てると感じました。
静かに終わる物語は地に足が着いた感じはするんですけど、ちょっと物足りなかったようにも思います。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:7)
- 先生に告白した辺りの描写が良かったと感じます。
逆にハルとの関係にはリアルさが欠けていたようにも感じました。
二人の仲の良さは楽しいんですけど。
縛るのとかは自分的にはアリだけど、ミイラとかその辺りはちょっと苦手です。
- 88 探偵は誰だ? (採点:3)
- 登場人物たちの感情が取ってつけたように感じてしまいました。
自分の邪推でしかありませんが、物語の展開をループというアイデアに沿って進める為に、自然な表現が犠牲になっているのではないでしょうか。
アイデアそのものにもあまり興味が持てませんでした。
- 91 鈴の音 (採点:7)
- 妹、可愛いですね。
別れの場面からラストにかけて、
記憶に留まる美しい思い出が表現できていると感じます。
- 95 何かの間違い (採点:5)
- 最後まで疲れることも無く読めたことは評価していいと思いました。
話の展開は理不尽なんですけど、その分展開に興味をそそられたし。
あと比較的読みやすかったと思います。
読み物としては普通に評価できるように思いました。
○じゅう さん
- 02 寒太郎 (採点:4)
- 色に興味を持つ要素に、人に運気を与えて衰弱する要素と、「風の精」寒太郎に二つもの要素を与えたのは欲張りすぎな気もします。もう少し文字数があったならば、納得のいく繋げられ方をしたのかも知れませんが…。そして「ツンデレごっこ」なるものを入れたせいでさらに作品がバラバラになっているようです。
いろいろなことをやろうとして何一つ完遂出来なかった、そんな印象です。
- 06 下手れ (採点:7)
- こういう話は嫌い。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:2)
- ……。
- 09 茜色の先 (採点:3)
- 失われたものを求める旅なのですが、「色」に関する描写の作り込みが浅いと思うのです。
炎ひとつ採っても、幾つもの色が混じりあっていますし、人間の色もあります。色が失われた世界ならば猶のこと色の違いには敏感になるでしょう。みっつしかない、は明らかにやりすぎの描写です。では、人間の色彩感覚が弱くなった世界なのかとそう考えると、色に関してこだわる語り手そのものがナンセンスです。
ずっと登場し続けているわりに、アカネコの存在意義の薄さも気になるところです。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- 暴力とかギャグでうまく散らしていますが、現実的な夫婦間トラブルに踏み込んだ意欲作だと思います。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- なんか惜しいです。
仕掛けの面白さは随一なのですが最後のあれが逮捕の決定打になるとは思えません。
- 20 顔 (採点:10)
- 臨場感あふれる一人称がお見事。面白さと上手さ、双方とも高レベルです。
- 21 雪見酒 (採点:6)
- 喜劇舞台を観ているかのような、ナンセンスで軽妙なやりとりが面白かったです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:4)
- 語り手の感想は入れずに、ただただ事象のみを淡々と綴ったほうがこの作品の嫌さが増してよかったのではないでしょうか。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- 正当派な子供向け作品と思いました。
女の子が何の象徴か、なんてのは言葉にするのは野暮なんで書きません。
- 28 腐臭 (採点:4)
- 少しずつの不気味さを落としながら、
ケータイ小説のようにすいすいと読める文章は、これも一つの味ですね。
露出アイドルを撮影する父という「現実にあるかもしれない」という不気味さで語られて来たので、個人的にはそれを貫いて欲しかったところです。最後の食卓の「食人?」はシュールであまり怖くなかったです。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:1)
- (准が、ではなくこの作品が)女の子をバカにしすぎだと思います。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:4)
- ユーモラスにして皮肉めいたストーリーはなかなかよかったと思います。
それはともかくとして、まんぷくアリの聞き苦しいインチキ日本語は何とかできなかったのでしょうか。わざと間違った日本語を言わせて読者をイライラさせる意図があったのでしょうか。
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- ここから大切なところに入る、という所で終わっているのが非常に残念です。
自分が生きるために止むをえず罪を犯した人間に対してどう考え、感じたかは、是非とも文章にしてほしかったです。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:7)
- CHAINSAWは走馬灯とでも意訳すればよいのでしょうか。
不思議な感触のお話でした。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:2)
- 奇怪な設定と意味不明の専門用語の夥しきに、その寓意を追うことすらも拒絶する作品のやうな気がします。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- 子供ルールの世界を描いた作品はただそれだけでせつなくなってしまいますね。
必ず終わるとわかっている、ほんの短い間だけど、その瞬間のきらめきが美しかったです。
終盤、そういうニュアンスのシーン(3の後半)になりますが、ここは賛否わかれるところかもしれません。
「書かなくてもここまでの描写でわかるよ」か「大切なところだから書くべきだ」か。
- 47 光学概論 (採点:8)
- ちょっとだけ特殊な状況にある親子の微妙な距離感の描写がよかったです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:4)
- キャラクターやストーリー展開、何もかもが典型的、という印象しか残りませんでした。
- 51 野辺送り (採点:5)
- 文体や言葉の選択へのこだわりが、作品内の雰囲気を味わわせてくれるのはよいのですが、無駄に細かい描写があるのには疑問をおぼえます。
「荒川雄介」や七並べの描写はもっと剪定の余地があったのではないでしょうか。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 深い。
- 59 プルシャの後裔 (採点:3)
- ううん、悲劇を描くための設定としての村の律ですが、
作者さんが甚だ粗雑に積み上げているために、崩壊しています。
女性を子供を生む道具或いは性欲処理の道具にすることと、
生まれる前、或いは幼いうちに殺す、ということとは根本的に矛盾しているでしょう。
幼いうちに殺しておいて適齢期になったら女がいないからどっかから金払って買ってくるとか、嫁側に何のメリットもない結婚なのに何故嫁がせようとするのか、女の子を妊娠しているとわざわざ乱暴な手段で(次の妊娠する可能性を狭めて)堕胎させるとか、この差別がシステムとして機能するとは到底思えません。
しかも痛みを伴うような設定なので頭に残るため「まあ、これぐらいの矛盾、目をつぶってやるか」という気にもなれません。
絶望しか無い世界で、必死に光を見つけようとあがいている主人公の姿などは見所なのですが、つくづく、下らない、馬鹿馬鹿しい設定が残念です。
- 64 花盤 (採点:7)
- 岩井志麻子を思い出しました。
幸か不幸か私は男なので、この作品での女体の神秘(←こう書くと卑猥)の描写の耽美さを堪能しました。
- 67 純 (採点:5)
- コンセプトはよくわかりますし、主人公の純に対する態度も悪くないです。
ですが、作品としての出来には不満が残ります。
一言でいうと、主人公が出来すぎ君なのです。
恋人が性同一性障害という事実に対面し、熟考したかのように一つの結論に向かうような受け答えをするので、悪い言い方をすると「出来レース」っぽいのです。
容量の関係でこうなってしまったということは想像できますが…。
- 76 シャーベット (採点:5)
- 「嫌いの告白」という非現実的な布石はユニークでした。
感情や知識の一部の欠落を極端に描くことで、ありふれた感情を再考する、いう点で、意義ある作品であると思いました。
- 78 音響室B (採点:9)
- 一人の人間に少しずつ興味を抱き、惹かれ、接近していく様子がとてもよく描写されていたと思います
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- うむむ…テーマは「女は怖いよ」ですか?
ロリータ援助交際なんて話は、こういう機会でもなきゃ絶対読まないんで貴重な経験ではありました。
ちかさんはこの再会で救われたかもしれないですけど、清水君はちかさんの遍歴が気になって胸のモヤモヤが消えないだろうなと思うと、読者の私もモヤモヤ。父親役(!)を言い出した清水君は「都合のいい男」って感じですけど、男性が主人公の話で「都合のいい女」が出てくる話も山とありますから、まあ、おあいこでしょう。
とはいえ、先に述べたように女性の怖さをテーマにしたと考えるならば、いい感じに嫌な話でした。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:5)
- 登場人物の名前を知ったとき「まんまかよ!」とつっ込んでいましたが、
これは読者のイメージを混乱させないための作者さんの配慮だろうと思われます。
黒揚羽(不吉さの象徴+魂の象徴)と「腐ったミカン」を想起させる不良娘蜜柑。クロアゲハがミカンの木に群がることから想起される二人の出会いの必然、
二人のベーゼは、蝶が蜜を吸う(生命を吸う)姿でなぞらえられる。
でもそれでも二人は人間であり、死へと誘う接吻の筈が、リビドーの接吻になっていたというところが最大の焦点。よく考えられて要素を重ね合わせた作品だと思います。
- 88 探偵は誰だ? (採点:5)
- 時間を扱ったSFではたまに見かけられる「始まりのない円環」の話でしたが、
結局、円環が成立して「不思議だ」で終わったのはいささか物足りないです。
意図的に博士が成立するようにしたところがユニークなところとも言えますが。
それとは又別の話で、一つ感心したのが以下の文
>先月、家庭用ブラックホール発電機のフレームを組み立てたときの廃材だ
この文を読んだ途端に、この作品はSF的ロジックを楽しむものだ、リアリティはそこそこで考えろ、と言われたような気がしました。実際そういう作品でした。
- 89 午睡 (採点:7)
- あまりに流暢な文章に、うっかりよどみなく読み進めてしまい、自分が内容を把握しているのか不安になり読み返す。これは読者への挑戦なのか、ああ挑戦なのか
- 91 鈴の音 (採点:4)
- 「ロリコン」ネタを持ち出したのはこの作品にとってマイナスでしかないと思います。
母親が息子に向かって言ったり、小さい女の子が年上の男をからかう為に言うというのは、現実的ではありません。この作品がギャグやコメディであるならばそれで全然構わない(むしろ笑いの要素として適している)のですが、作品後半のシリアス展開においては、深刻さを阻害してしまっているようです。
主人公のナイト宣言や、ラストのすれ違いなど、現実的な線での描写は良かったと思います。
- 92 神の子 (採点:8)
- 宗教的体験の話をこういう状況設定で書かれたのが面白いと感じました。
複数の宗教で語られる要素を混合しているのは、この作品が特定の宗教色に染まるのを厭うた為と思われます。
私が非常に感心したのは、読者への情報配分の巧みさでした。
「これはどういうこと?」という疑問を抱くところで必要な分だけの情報をそっと差し出すタイミングが絶妙で、飽きることなく読めました。
- 94 Eternity (採点:3)
- 妹が邪魔です。
このキャラクターが悪いという訳ではなく、この物語においては自己主張しすぎだと思います。妹とのドタバタを含んだ交流の話は最小限にして「幼馴染との関係の変化に対する拒絶から受け入れへ」にテーマを絞って書かれたほうがよかったと思います。
最後の妹紹介のシーンも「ハッピーエンドっぽいからいいや」的な投げ遣りさを感じます。
気になるのは、彦星パワー(仮)でいろいろやりすぎてまずいと思った主人公が、それをチャラにするために結局また彦星パワー(仮)を使っているとしか思えないところです。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- むむむ……。ギミックを作品として構築していくために、登場人物のキャラクターを歪んだものにしたようにしか見えないのですが、これは手抜き以外の何物でもないでしょう。
それは作者さんも気づいているのか、内容紹介文で「おかしいかもしれない兄妹」と言い訳しているのもみっともないです。
- 96 走るッ! (採点:2)
- 文章のノリは西尾維新の影響を受けた奈須きのこの影響を受けた作品のようにしか見えませんでした。これで内容が無いのは辛いです。
- 97 やさしい猫 (採点:3)
- 擬人化が悪いというわけではないのですが。
人間と同レベルの知能、知識を持ち、人間社会、人間関係を理解する猫が、
悩みを持つ人間を救おうとし、見事に成功し、人間からもそれを認めてもらえる。
ここまでくると、最早、非人間をわざわざ擬人化して主人公とすることに意味はないようです。
では何故猫(非人間)を主人公にしたかと考えてみると、ストーカー相手とはいえ、主人公が人を傷つけるような真似をした事での後腐れがないようにするため、としか思いつかないのです。
作者さんには、非人間を主人公とした意図が別にあるのかもしれませんが、どうなんでしょう。
- 98 足跡 (採点:5)
- 慣れた一人称が、読者の興味を引くことに成功していると思います。このようなアイデア一発勝負の作品は、どこまで面白さを維持できるかが肝心ですね。
私の場合は、足跡がとまった時点で仕掛けと結末が判明しましたが、この気づく時点が、そのまま読者さん達の評価となるように思います。
- 99 繋がっているものたち (採点:6)
- 本作品は、おおまかに言って
校舎前、ファーストフード店、屋上のシーンの3部で構成されていますが、
最初の校舎前シーンに於ける石の置き方が良いと思います。
初読では懐かしい友達とのほのぼのしたやりとりと思われたシーンが、
いじめの事実を知ったあとで読むと、彩香の様子にその徴があったことがわかり、その辺りを違和感なく描いたところが上手いと思います。
いじめ、誤解、懐かしい友といったファクターを結びつけるのに中学生女子という世代を選択したのも適切でした。
タイトルが表しているとおり、伏線に注意を払って書かれた作品だと感じます。
ただ、月云々の話だけは全体から浮いているように思いました(繋がっていないものの隠喩?)
○すずめつめ さん
- 69 神の子と魔女の子 (採点:3)
- こりゃ、駄目だ。駄目駄目だ。でも術中にはまるのはいくないことだから1点はつけてあげないよっ。でも傍目に私の作品とこの作品は同類と思われてるかもなあ……。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 最後の記述を読む限り、図書館だよりというのは冊子になっているものなの? それでこれが図書館だよりの文章なの? 何か趣向がきちんと成立していない気がする。
○ちょた さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- このサイズでは当然な気もしますが、すいすい読み進めることができました。
けど正直よくわかんなかったのと、ラストにもうちょっと何かがほしかったのでこの点数で
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:5)
- 綺麗すぎるし、ちょっとありがちかなーって感じがしてちょっと読むのに退屈しちゃいました。
- 17 キラーデイ (採点:5)
- とりあえず読んでて面白かったですっ
けど冷静に考えるとわけわかんないよっ
- 19 猛スピードで触手は (採点:3)
- 終盤がなんかよくわからなくなっちゃったので、色々解釈しようとしたんですが、納得のいく解釈ができませんでした。
どう解釈してもつじつまが合わなくなっちゃう気がするので、このレベルの作品にしては低すぎるような気もしますが、この点数をつけました。
自分の読解力不足だとしたら申し訳ない・・・
- 24 放浪鯨 (採点:5)
- 第一印象は、子供向けの絵本のような感じ。
文章力・構成力共に少なくとも自分には文句のつけようのない感じなのですが、題材が面白みに欠けるかなと思ったのでこの点数をつけました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:7)
- 個人的には好きです。形式は読むのが非常に面倒な形なのに、読んでて飽きませんでした。
小学生って塾って漢字書けるのかな?調べてみたら小学校では習わないようですが・・・
少なくとも自分は書けずにいつもひらがなで書いてましたorz
- 46 青空 (採点:9)
- こういう系の話は苦手なはずなのに、ミスリードが仕掛けてあるだけで印象ががらっと変わるのは何でだろう・・・
あ、ミスリード仕掛けてありますよね?自分が勝手に勘違いしてるだけじゃないことを祈ります(笑)
とにかく、楽しんで読めました。
- 47 光学概論 (採点:6)
- なんか現代文の試験とかで出てきそうな気な文章って感じの第一印象でした(笑)
息子の行動が自然だったり不自然だったりするのがちょっと気になりました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:7)
- 面白いんだけど、面白いんだけどなんだかよくわからないっ
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- これは少なくとも自分の基準では小説とは思えないので、この点数をつけさせていただきます。
- 79 ユメオチ「 (採点:9)
- これはひどいwwwwww
やられましたwwww
あと地味に最初の会話が面白かったです
- 83 変わった趣味の男 (採点:4)
- なんだかよくわからなかったのですが、あまり楽しめなかったです。
- 86 NEET (採点:4)
- ニートって題材でちょっと期待して開いたんですが、ちょっと残念な感じが・・・
起承転結の転と結がありきたりな感じがしちゃいました。
- 90 R・P・G (採点:8)
- これにこの点数をつけていいのかなぁ・・・って思ったりしてますが、最初に読んだ時にすごく面白く感じたんだからしょうがない。面白いと思っちゃった自分の負けって感じです。
個人的には最後のTHE ENDがないほうが好きかな?
- 94 Eternity (採点:1)
- どっから突っ込んでいいかよくわかんないけど、自分にはちょっと無理でした。
- 95 何かの間違い (採点:7)
- こういうタイプの小説は大好きなので、楽しく読ませてもらいました。
ただ、最初から展開がとても読みやすく、予想通りになっちゃったのが少し残念でした。
けど予想通りに展開されていってもそれなりに楽しめたのでこの点数をつけました。
- 98 足跡 (採点:4)
- 文章はうまいと思いますが、ちょっとつまらなかったです。
自分は紹介文を読む前に読んだのですが、紹介文を先に見てから読み始めるとちょっと評価が変わるのかな?と思いました。
○にゃんこ さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- 中学生がカッコつけたような作品ですね。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- 言わんとすることは解らなくもない気がしますが、やっぱりちゃんとした物語にして語ってほしいですね。書きたいことだけ書いちゃった感がぷんぷんと。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:6)
- 始まったと思ったら終わりましたね。ナメてんのか。
いやなんというか、掛け合いがテンポよく楽しかったからこそ、それを何もかも放り投げてしまった作者さんの態度にムカつきました。こういうこんぺだからこそ、作品に対しては一期一会、次も続きも本編も完結編もありえないのだということを、作者さんはもっと自覚すべきだ。
いやこれが駄作だったらさっさと2点あたりつけて、感想も一行で終わらせて次に行くんですよ。下手にテンポがあって楽しい作品だからこそ、こういう投げっぱなしジャーマンはいただけません。
作者さんは猛反してください。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:7)
- とてもよい雰囲気の話だったと思います。
このよい雰囲気を支えているのは、最後までぶれることのなかった主人公の心情描写と、ヒロインのキャラクター性でしょうか。一貫してぶれない人物像を書ききれるというのは、簡単なようでいて酷く難しいのだと思います。お見事でした。
ただやっぱりちょっと話に華がなかったかな?
- 15 嫁嫁パニック (採点:3)
- 会話のテンポが致命的に悪いです。好みの問題かもしれませんが、会話の内容がスカスカで、文章の羅列でしかなく、一見するとテンポのよい掛け合いであるように見えてその実……という感じになってしまっているような気がします。
つかオチが強引すぎ。
- 20 顔 (採点:3)
- 引っ張って引っ張って、結局不条理系のホラーですか。激しく拍子抜けしました。
死んだ妹に似ているのに気づくあたりからは割と退屈せず読めていただけに、このオチにはがっかりです。
内容的には特に言うべきところもありませんが、とにかく一文が長く、また読点の打ち方がこまめ過ぎて逆に読み辛かったです。このあたりのテンポは人によって千差万別だとは思いますが、これはあまりにも極端すぎるのでは? 主人公の一人称におけるテンションも一定しておらず気持ちが悪いですし、もう少し丁寧に練り上げて欲しかったです。
まぁもっとも、文章以前にネタから考え直されるべきだったでしょうが。
- 23 不謹神話 (採点:10)
- うわはははははっ!!
作者の中の人はあたまがおかしいんじゃないのか!
この文体、この題材でまさかシモネタに吹っ飛ぶとは思いもしなかったぞこのオオバカヤロウ!
いやもう本当に作者さんは紙一重すぎる。にゃんこの中の人は一気にファンになってしまいました。これぞエンターテイメント、作者掲示板に来るなといわれてもお邪魔させていただきますね。
ああもう最高だ。素晴らしいアホ作品ありがとうございました。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- いい話でした、世界観をここまでさらりと書き切られては、読者としてはそれに浸る他ありません。お見事。
ただ放浪鯨の設定は、もう少しソフトでも良かったのではないかと思います。物語の根幹ですからこうせざるをえなかったのかもしれませんが、妙に生々しすぎてやや世界観にそぐわないような気がします。
それからアレクの立ち直り早すぎ。取り返しのつかないことをしてしまったのだ、という苦悩をもう少し描いて欲しかったです。そうすればある意味残酷な現実を受け入れて乗り越えるラストがもっと活きたと思います。
しかしながらそれらの点を考慮しても、魅力溢れる素敵なお話だったと思います。お見事でした。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- テーマは悪くなかったし、書ききれてもいると思うんですが……
一番問題なのは、説明不足。いくらなんでもいろいろ省きすぎです、雰囲気重視だったのかもしれませんけれど、必要最低限は説明をしてくれないと読者としては困ってしまいます。
わたしたちの生きる現代とは違った世界を描く場合、一番の悩みどころは世界設定をどう読者に説明するか、だと思います。延々と説明文を書かれても困るわけですが、それを一切がっさい放棄してしまうというのは一番の下作ですよ。雰囲気がよく出ているからまだ救われていますが、これ下手したら「何の二次創作ですか?」と言われてもおかしくない作品だと思います。作者さんには猛反を求めたい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:5)
- いやまた強引に落としたなぁ……いくらなんでも強引過ぎでしょこのオチは。もうちょっと頑張ってよ。
キャラクターはとても良かったと思います、嫌味にならないくらいさっぱりした美貴と、これまたなぜ嫌味に感じないのか不思議なくらいショタな謙吾の掛け合いはとてもテンポがよく、すらすらと読めました。
ですが、なんというか超常現象について作中のキャラがすんなりと受け入れすぎです。読んでいる方が置いてけぼりなんですが。もう少し時間を置いて推敲とかされた方がよろしかったのでは?
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- 世界観は描ききれていましたし、雰囲気もよく出ていた、でもそれだけでした。わたしの好みの問題ですから作者さん悪くないんですけれども、端的に言って面白くなかったです。
一点だけ指摘させていただくのなら、さすがに女が本人だというのはご都合すぎるんじゃないでしょうか。似ている女というだけでも十分だったと思うのですけれども。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:2)
- こういうアイデア作品はキライじゃないんですけれどね。残念ながら1点進呈するのは勿体無いので2点です。
いくらなんでもこのスクロールバーの小ささはないわ。クソつまらないクソバラエティを延々見させられているかのようです。いや読んでないですけれど、ろくに。
一発ネタとして長さ10分の1にして、内容まで少しでいいから気を回せば印象も変わったでしょうに。どうせネタ勝負するならこんなナリでも話の内容がいい、というレベルまで昇華してください。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:9)
- うん、面白かった。作中のピエロじゃありませんけれど、作者さんは魅せ方を知っています、大変安定感があって安心して読み進められました。これ容量を見ると15Kオーバーなんですね、少し驚きました、もっと短いと思っていたのに。それだけ魅せ方が上手かったということなのでしょう。
ただ安定しすぎていてやや新鮮味に欠けるという印象も抱きました。ネタがありきたりというわけではなく、最初から最後まで作中のピエロくんの手の内で、悪く言えば小さくまとまってしまっている印象でした。もう少し冒険してもよかったのではないかなぁ。
それでも手管はお見事です。特に最後まで登場人物の名前を出さないあたりは拘りが感じられ、プラス材料でした。
- 44 蟲毒 (採点:3)
- びっみょー……
こういう黒い話はキライじゃないんですけれど、なんというか、作者さん自作に酔ってません? こういう話を書くときほど、作者さんは冷静にならねばならないと思うのですが。
黒い系の理不尽な話であればあるほど、それに至るまでの心情描写もしくは情景描写は徹底的に論理的に書かないと、途端に薄っぺらくなってしまうのですよね。
「私」が母に支配される過程、「俺」がMMOと現実の境目を越えてしまう過程、それらの本来であればこの話の背骨になる部分をすべてすっ飛ばしてしまっているために、非常に薄っぺらい印象の話になってしまっています。
残念ながら、この作品は読者に「嫌悪感」あるいは「不快感」というマイナス方面の強い印象を与える域にまで達していません。纏まりはあっただけに、非常に残念な作品でした。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- すばらしい作品であったと思います。水晶掘りという行為を皆で共有できる少年時代がいかに幸福であったのか、わたしは水晶掘りというそれをしたことはありませんが、それでもこのノスタルジックな気持ちは読んでいて非常に心地よかったです。
作中に悪い子が一人もいなかったのもまたよかった、草入りの水晶とのトレードを申し出た子も、子供のほんの少しのズルさという範疇を逸脱するものではなく、それがこの作品の雰囲気を極上のものにしていると感じました。
惜しむらくは一点のみ。
落ちていませんよね? この話。
ラストさえもう少し納得のいくものであったのなら10点は確実だっただけに、残念でなりません。実際の子供たちの流行り廃りはこういうものだとは思いますが、そんな寂しい現実をオチとするにはこの作品は魅力的過ぎたのだと思います。難しいものですね。
- 47 光学概論 (採点:9)
- ううう…オチが、オチがぁ……
すげぇ作品だったと思います。これだけの心情描写を重ねながらそれを退屈させず一気に読ませる筆力は相当なものだと思います。大変素晴らしい傑作でした。
であればこそ、綺麗なオチを期待してしまうのです。これが佳作レベルであれば「雰囲気のいい作品でした」で終わるのでしょうけれど、これだけの作品だからこそ、最後もビシッと決めて欲しいと思ってしまうのです。
なんだか悔しいです、これほどの作品に10点をつけられないことが。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:9)
- 爽快感ある素晴らしい作品でした。この短い丈の中でもきちんと山谷を作る技術がまず凄い、そしてそんな技術論を吹き飛ばすような熱さが作品から感じられ、最後まで一気に読むことが出来ました。
ただそれだけに、最後は少し拍子抜けしてしまった感があります。この熱さを最後まで書ききって欲しかった。少し綺麗にまとめすぎたのではないかと思います、もっと泥臭くてもよかったのでは?
それでも、総合的に見て素晴らしい作品であったと思います。お見事でした。
- 51 野辺送り (採点:10)
- 完全にやられました、10点です。
わたしは正直、こういうもってまわった言い回しの文体は大嫌いです。正直に言うなら前半部分は読み飛ばすとまで行かなくともあまり気を入れて読んでいませんでした。
『野辺送りだ』
この一文に、脳天を張り倒されたような衝撃を受けました。この一文以降、今まで灰色だった情景描写がまるで色を得たように情景をわたしの頭に浮かべさせ、話にぐいぐいと引き込まれていくかのように感じました。
作者さんが意図したものかどうかは解りませんが、ここでのこの一文は正に殺し文句だったと思います。
……と、感想もまるで作中の文体に引きずられたみたいになってしまいましたよ思わず(笑) こういう重厚肉厚な文体の作品は、何かきっかけがあれば容易に読者を捕らえてしまう怖い作品なのですよね。いや、恐れ入りました。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:4)
- 乙一の小説にこんな話ありましたよね。『失われた物語』だったかな?
作者さんがそれを知っていたかどうかは興味がありませんし、どうでもいいことだと思います。ようはどれだけ自分の話を作れているか、読者として見るべきはその一点のみだと思います。
そういう意味で、この作品は失敗していると感じました。ラストに非常に納得がいきません。この話の流れで、どうして父親を目覚めさせてしまうのか。正直まったく理解できませんでした、厳しい現実を積み重ねておいて、最後の最後でご都合主義とは……
- 59 プルシャの後裔 (採点:10)
- うわー……
ここまで徹底的に登場人物を痛めつけられる、むしろ痛めつけるためだけのストーリーの駒を用意できる作者さんの徹底ぶりに、同じ物書きとして少しの軽蔑とそれに十倍する羨望を送りたい。
本当に容赦がない。これで少しでも救いのようなものを見せてしまったら一気に作品の質が落ちることは承知しているのですが、それでも読み進めていて非常に辛かったです。恐らくこれを読み終えて、この話のことをわたしは数日間忘れられないでしょう。例えそれが不快感であったとしても、読み終えた後に読者の記憶に鮮烈に残るのであれば、それは間違いなく傑作です。
作者さんどんな方なのでしょうか、こういう作風のものしか書けないのであれば、それはそれで凄いことです、トモダチにはなりたくないけど(笑
もしこれで作者さんがコメディタッチの作品も行ける方だったのなら……てめぇプロに行きやがれっ!(笑
- 62 5人以内のごろつき (採点:2)
- はぁ……
じつに意味が不明でした、作者さんは何がしたかったのかしら。これ
をこんぺに出すのは相当の勇気が必要であったかと思います。
しつこいくらいの繰り返しも、マイナス材料にしかなっておらず、こ
れで終わり? という印象しか抱けませんでした。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:4)
- こういう装飾過多の文章はどうにもニガテですね。作者さんの自己満足が詰まっているような錯覚に陥ります。
錯覚であることを願うのみ。
- 64 花盤 (採点:5)
- うーん、綺麗な文体なのですけれど、さすがに月経に関する話は男のわたしにはちょっと……
下世話な話ですが、女性の月の物の匂いをして「錆びた鉄の匂い」と表現するのは少々文学的すぎるのではないかと愚考する次第です。悪い意味で。
もう少しこう、入り込みやすいネタにしてもらえたなら、文章の綺麗さもあってもっと高得点だったのでしょうが……残念。
- 68 七夕 (採点:2)
- 例えば36などと違ってこういうアプローチは既に使い古された手だと思うのですが如何でしょうか? 作者さんが恐らくは一番嫌うであろう「ありきたり」な作品に墜ちてしまっていますよ、きっと。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- 途中から読んでいて清々しくなるくらいにつまらない作品でした。
作者さんはきっと普段は小説なんて書かない普通の方なのだと思います。内容的には大変つまらない作品ではありましたが、それでも文章からいい意味での無邪気さのようなものが感じられ、不思議と不快にはなりませんでしたよ。
残念ながら、今回は酷評の的であると思います。残念ながら、正直読むに耐えるレベルまで達していませんでしたから。それでも、これにめげず今後も書き続けてくだると嬉しいです。
最初から上手に書ける人などいません、最初は誰だってつまらない作品しか書けないからこそ、続けることによる上達を楽しむことができるのです。
頑張ってください、悔しさをバネにしてください。すぐには無理でも、後からこのこんぺを振り返ったときに「こんちくしょう! 次は見ていろ!」と思うことができれば、貴方はきっと上達します。次こそは、わたしのようなふざけた偉そうな読者に目にモノを見せてやってください。
頑張れ。応援してる。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:1)
- これはまたロコツな……
難解気取ってみても書いてるテーマがあまりに直球過ぎて興ざめしました。単にムツカシイ表現でこねくりまわしているだけですよね? これ。
少しは創作装おうとしている点だけが救いといえば救いかもしれませんが、とりあえずこういうスタンスで創作続けてあなたは楽しいんですか? 子供の砂場でお前らはガキだ! と叫んでる小学生みたいで酷くいたたまれません。
。
- 73 あかんぱにい (採点:2)
- つまんない
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:9)
- 素晴らしい。渋めの展開の中にもしっかりと一本筋が通っていました。背骨が太いと読んでいて安心感が違います。お見事。
惜しむらくは、後半もう少し爽快感というかカタルシスが欲しかった。父親との絡みをもう少し膨らませることができたのなら、それが可能であったと思います。ルーキーと主人公の両方に筆を割いてしまったために、やや主人公側を書ききれなかった印象を抱きました。
それでも、この作品はベターです。お見事でした。
- 80 リング (採点:5)
- 前半は面白かったのになぁ……
中盤以降、完全に話の軸がブレましたね。結局作者さんはこの話で主人公と水城さんを書きたかったのか、巧くんを書きたかったのか、どちらなのでしょう。どちらも描ききりたいとすれば、話の丈がこの倍は必要だと思います。あちらもこちらもと欲張りすぎて結局はどちらも書き切れなかったという印象を受けました。とても残念です。
- 86 NEET (採点:4)
- 題材は良かったと思います、やや王道過ぎる気がしないでもないですが、それだけに安心して読むことができたと思います。ですけれど、ニートという題材を選ぶのであれば、デイトレードで家に金を入れている、なんて言い訳じみた設定はまったくの蛇足であったと思います。もっと主人公をダメ人間に書いていればラストがもっと活きたでしょうに。
これは勤め人の偏見かもしれませんが、ニートなんてどう言い訳をしたって人間のクズです。作中で主人公は父親を「嫌な上司に頭を下げて」と一言で切って捨てていますが、それこそが主人公の(あえて作者さんの、とは言いません)偏見であり人間のクズの所以であるように思います。そしてどうせならそのあたりのクズっぷりをもっと書ききって欲しかった、読んでいてイライラするくらいに書ききれていれば、ラストはもっともっと活きたと思います。
- 90 R・P・G (採点:2)
- えーと、一発ネタだったらまだ解らなくもないんですが……いや一発ネタだと寒すぎて使い物にならないか。
作中の言葉を借りれば「神視点さん」であるところの三人称ストーリーテラー視点も作中の登場人物と意思疎通してしまったらそれはもうただの一人称じゃないですか。結果としてただ面白味のない2人の登場人物の話に成り下がってしまっていますよ。
ネタを思いついて、それを使いたい気持ちは解りますが、作品として手がける前に少し冷静になって吟味していただきたかったです。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- このロリコンがぁ!
ううん、いい話だと思いますし、ラストもすとんと受け入れられる秀逸なものだったと思うのですけれども……どうにも「微妙」という印象がぬぐえません。
思うに、物語のキモであるところの「鈴ちゃん」を魅力的な小学生に描ききれていないことが原因ではないかと思います。大人びているのか、無邪気であるのか、そういう性格付けが曖昧で、下手に現実的であるために印象に残りづらかったです。彼女をもう少し魅力的に描けていれば、作品それ自体の印象もまったく違ったものになったでしょうに。
ペド野郎としてようぢょを魅力的に描けないというのは致命的です、作者さんはもっと頑張ってください。いや、やっぱり頑張らなくていいです、朝刊一面だけは避けろ。
- 94 Eternity (採点:2)
- あー、なんというか…… とりあえず選んだテーマはよかったと思いますし、その点はきちんと書ききれていると思うのですが、このはっちゃけた設定がすべてをぶち壊しているような。
作者さんに聞きたいのですが、もしも現実にあなたの前に突然「あなたの1歳年下の弟です♪」と見知らぬ男が訪ねてきたとして、あなたは作中の主人公のようにあっさりとその現実を受け入れるんでしょうか。
不条理ギャグなら知らず、いくらお話の中だとはいえ、そういうリアリティ皆無のリアクションは読者に違和感しか与えないと思います。リアリティの無い荒唐無稽な現象には、リアリティを伴うリアクションを。これが創作の原則だと愚考する次第ですが、如何か。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- すみません、読み終えてちょっと頭がぐらぐらしました。これジャンル何ですか? 不条理ギャグとかですか?
近親相姦系ほのぼのにまとめるにしてはイモウトさんが黒すぎです。殺人未遂までかましておいて、「お兄ちゃんの、いじわる」の一言でちょっと笑ってしまいました。すげぇな、センスが。タイトルの「何かの間違い」というのはこの作品それ自体を表した非常にエスプリの効いた秀逸なタイトルだったと思います。いや、嫌味ですが。
わたしのドクカイリョクの無さから、ネタ話にマジレスかましてしまったのでしたら大変申し訳ございませんでした。いや、嫌味ですが。
とりあえずこの話の一番の欠点は、浅すぎる作者さんの知識収拾だと思います。コメディでも医療を題材とするならもっと丹念に調べ物をしてください、浅すぎます、あまりにも。
- 96 走るッ! (採点:1)
- 最高につまらなかったです。1点です。文句無く。
イキオイだけでこれだけ書いたことは評価したいですが、いかんせんオチも無いんじゃどうにもなりません。
あなたの気心の知れた仲間うちだけで交わされているであろう会話を延々と続けられても読んでいる第三者からしてみれば退屈なだけでしかありません。貴方はこれを数回読み返して面白いと思われたのでしょうか? 思われたのでしょうね、だからこそ出展したのですよね。
この薄っぺらいノリが噛み合えばきっと高得点だったのかもしれません、と最後にフォローをしておきます。
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- にゃんこ!
序盤は大変すばらしいツンぶりのにゃんこでした。やはりにゃんこはこの『人間なんてまったくさっぱりノー興味、我は我』みたいな感じがサイコーですよねっ!
それだけに、後半の泥臭い格闘とかはこれにゃんこじゃなく忠犬ですよね? 物語として理由付けがあいまいだと読んでる側は唐突な話の展開についていけなくなりますよ。作者さんの頭の中にある理由を文字にして貰わないと読者には伝わらないのです、残念ながら。承があるから転が生きるのです、もう少し丁寧に書いていただきたかった。
- 98 足跡 (採点:3)
- 世にも奇妙な物語テイストの不思議話ですね――というには雰囲気作りが不完全であるように思います。何より致命的なのは作中で「超常現象、ホラーだ」と主人公に独白させてしまっていること。この一文が無いだけでもかなり印象が違ったのでは?
雰囲気重視的な作品は、もっと一語一語に気を遣って欲しい気がします。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- よい話ではあるんですけれど、色々惜しい点が多すぎて非常に残念です。
これは他の感想をお寄せくださる皆さんから指摘されているでしょうが、奈美って誰ですか。思わず笑ってしまったじゃないですか。うん、美紀ちゃんに変える前のプロット上では奈美ちゃんだったんですね。直しましょうね、最後まで気を抜かずに。
あと美紀と彩香の繋がりがあまりに描写不足すぎて、美紀がこんなにも彩香のことを気に掛けて行動する理由付けが希薄すぎます。美紀ちゃんはとんでもないおせっかい娘さんで、誰にでもこんなに一生懸命なんでしょうかね?
それから、地の文があまりに無味乾燥すぎてストーリーに合っていません。これだったら美紀ちゃんの一人称の方がよろしかったのでは?
いろいろと惜しい作品でした。もう少し時間を掛けて丁寧に推敲していれば化けたでしょうに。残念です。
○ひで山 さん
- 11 準備 (採点:2)
- この短さで勝負をしようというなら、何かぴんと張り詰めたものがないと厳しいのではないでしょうか。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- 面白い物語だと思いました。が、ロボットやらアンドロイドの小説は、最終的にはそれをとりまく人間達の物語でもあると思っていますので、その点でいうと人間が没個性ぎみだったかなあと。春香の設定もとってつけたような感じがしてちょっと残念。
- 13 立入諌止地点 (採点:5)
- よく出来たお話でしたが、主人公の考え方には全く共感できず。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:4)
- 恒川光太郎さんの小説を、一度ぜひ読んでみてください。作者さんが書かれようとしていることの参考になるような気がします。
- 15 嫁嫁パニック (採点:4)
- これまた最高の出だしでした。ここまで楽しげに自慰を物語の発端に出来るなんて只者ではない。でも中盤以降は急にぐだぐだに。ネタ一発で十枚以上もたせるのは並のことではありません。もっと詰めていただければ、素晴らしく楽しい作品になったことと思いました。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- 出だしは素晴らしかったなあ……。ため息をついてしまうほどに、魅力的でしたが、途中から酔ったようにポエムに。残念。
- 17 キラーデイ (採点:3)
- ところどころ良いな、と思える部分も二割あるのですが、滑っている八割がそれを殺してしまっています。リアルな小物の類も浮き上がって台無しに。もったいないなあ…。
- 18 じれ☆んま (採点:3)
- 主人公に全くかわいらしさを感じられない段階で、こういう少年ものはきつくなると思います。大人が書く子供に往々にしてありがちなんですが、小難しいことを言わせすぎること。子供は大人が思っている以上に賢いです。しかしそれは知識とか語彙で、という意味ではありません。
- 19 猛スピードで触手は (採点:4)
- これは新しい触手でした。でもそこで満足してはもったいない! お話は冒頭も大事ですが、たたみ方も大切だと思うのです。投げっぱなしな印象でした。
- 20 顔 (採点:4)
- 丁寧な表現で気味の悪さを積み上げていくのがお上手で、どきどきしながら読み進められました。が、最後でがっかり。これがオチかいな……。事実はふいに思い出されても良いですが、いきなりすぎるでしょうこれは。
- 21 雪見酒 (採点:5)
- よく出来ているなあ、と思いました。しかし感想を書こうとして、あれ、どんなお話だったっけ? となってしまったのも事実。読み手の心に引っ掛ける要素が不足しているように思いました。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:3)
- 生活に苦労なく小説やっているとか書いてあると、むかむかするぜ! あと、どう考えても主人公の書くペースで小説を生業、生活のために収入を得るための仕事、と言うには無理があると思いますよ。
- 23 不謹神話 (採点:4)
- 神々しいうんこでした。
ただし、国生みの神話なのに蓬莱山という明らかに別の世界観のもとにあるのであろう場所を、形容に使うのは物語を台無しにするもとだと思います。時代物にカタカナ言葉を使うように。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- 雰囲気だけでここまで読ませるものを書けるのは立派。空飛ぶ鯨自体はそれほど新味がありませんが、表現なり流れをよく吟味してあり、冗漫でないところが非常に良かったです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:5)
- 冷静に、しかしハイテンションでつづられたすげー悪意に乾杯! ある意味時代性もあるし、良いと思いました。でも何だろう、現状(あくまでも作品の中の)からどちらの方向でもいいから踏み出す何かがあって、初めて物語になるのではとも。
- 26 賢人の恋 (採点:1)
- 障害なめんな。と怒りを覚えてしまいました。すみません。仕事柄、身近にあることなので、もし扱うのであれば都合よく使わないでいただきたい。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:4)
- 出だしはすごく良くて、おおっ、と引き込まれたのですが、中盤以降にぐだぐだした場所が散見されて緊張感が消え失せて……。始まりが良かっただけになおさら残念でした。
- 28 腐臭 (採点:3)
- とても……ケータイです……。気持ち悪さとか不気味さはきっちりと出せているのですが、そこに至る積み上げがなくてしょんぼり。人を怖がらせるには、前戯が何より大事だと思うのであります。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:4)
- しっかり推敲して精度を上げれば、とても魅力的な物語になるのではないかと思いました。
- 30 はたらくぼくら (採点:3)
- きょとんとしている間に話が終わっていました。ふうこというキャラクターに既視感があるのは、果たして作者の意図とするところなのかどうなのか、気になりました。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- なんじゃこのオチはー!!
いや、そういうオチでも全然良いんですけど、ちゃんと納得させるものを目の前に提示してもらわないことには。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- 良い雰囲気の物語でした。もう少し焦点を絞って、一つのエピソードに注力されたらもっとすごいモノが出来たような気がします。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- みなさん妹好きやなぁ……。妹系の中では一番物語がしっかりしていたのではないでしょうか。いろんな意味で痛々しさはありましたが。
- 34 Waltz #2 (採点:4)
- 無頼な感じが良かったです。でも後半のポエムな進行に萎え。
- 35 サプリメント (採点:3)
- きっちりと物語を書かれようとしていると思います。しかし、時間旅行はそうそう都合のいいもんじゃござんせん。世間に出回っている時間旅行ものがどれだけ細心の注意のもとに組み上げられていることか。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:5)
- 今回の一発賞!
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:2)
- ちょっとすかすかにしすぎじゃございませんか。いろんな意味で。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:5)
- 前半の面白さは素晴らしかったです。鼻水の描写がやたらにリアルで、これはどうなっていくのだろうと非常に興味をそそられました。でもこのオチは……。残念でなりません。
>空気をぐつぐつと煮立てて放置したらきっとこんな感じだ。僕は直感で理解した。これは死≠フ匂いだ。
私の直感には理解不能でした。
>特別とは圧倒的多数が共有するアイデンティティーに対して唯一個に属した特異な象徴の事をいうものだ。
このお話にこういうのいらない。一気にテンション下がります。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:4)
- リズム感があって、明るく楽しげな雰囲気が出ていたと思います。しかしどうにもキャラクターの動きや会話が滑っていて、お話に入っていくことが出来ませんでした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:3)
- こういうのをポップな文体と言うのでしょうか。私には全くこれを受容する素地がないことが判明しました。ごめんなさい。何もかもが上滑っているうちに終わってしまったような印象。
- 41 蜃気楼 (採点:2)
- たとえ車であろうと水を極力持たないで砂漠を横断しようなど考える冒険家はいませんし、それを英雄的行為であると考える冒険家も民衆もいません。無酸素でエベレストに登るのとはわけが違います。現代における冒険について多少なりとも資料を読んだ人であるなら、この前提がそもそも成り立たないはず。厳しいようですが。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:3)
- 作者さんの頭の中ではきっちり繋がっているのだろうなあ。でも読んでいる私の中では全てが断片的で、物語にはなってきませんでした。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:6)
- すごく面白いSFでした。それっぽい世界観を文系が萎縮するような書き方でしっかり書かれていました。ただ、非常に大きなテーマを非常に小さなスケールで回そうとしているようで、違和感がすごかったです。でもこの容量なら仕方ないのかなあ、とも読み終えて思いました。
- 44 蟲毒 (採点:5)
- 文章、お上手だなあと思いました。ただ視点の変換が唐突過ぎて…。読み返せばすぐにわかることはわかるのですけれど、そのためにいちいち読み進めるリズムが狂って楽しめなかったのが残念です。闇で出回っているそのゲームについても、出てきただけという印象がぬぐえず。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 中盤までの雰囲気はすごかった! 最後に特に何があるわけではなく、何だか拍子抜けではありましたが、これはこれで良かったのかなとも。
- 46 青空 (採点:4)
- きれいな雰囲気は出ているのですが、それ以上のものが伝わってきませんでした。せめてキャラクターの描写にもう少し深さがあれば……。
- 47 光学概論 (採点:10)
- これは素晴らしい。情景が浮かび、人が浮かび、物語が進み、そしてきちんと読者をその世界に引き入れて終わる。親子の間に、必ず存在する断絶や空隙と、一方でまた必ず存在する連続や共感を見事に書ききった作品でした。眼福。ごちそうさまでした。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:7)
- これはいい大学小説でした。独特のゆるさや、後になってみると意味不明な高揚感が物語からきっちり立ち上ってすごく良いです。特にラストは、よくある締め方ではあるのですが爽快感がありました。でもちょっと会話が上滑っていて、そこで醒めてしまいました。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- 前半の引き込む力は満点でした。容量が足りなかったのだと思いますが、後半は駆け足過ぎて置いていかれた感じでした。残念……。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- 長い物語の一部分を切り抜いてきたような……。こういう形のファンタジーは、クライマックスに至る過程を丁寧に積み上げないとサムくなってしまいがちになると思われます。
- 51 野辺送り (採点:9)
- これはうまい。きちんと声に出して読める作品になっていました。何だか荻原浩さんの掌編を読んでいるような。一文一文が丁寧で、きっちり考えて書かれているのが伝わってきて、安心して作品の中に入ることができました。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:3)
- 何だか読んでいてとても気恥ずかしかったです。もうボクは年老いてしまったのだろうか、と思いながら、年寄りの評価は低くなります。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- 面白かったです。途中、軸が揺らいだような箇所があって、素に戻されてしまったのが残念。それがなければ8点か9点でした。
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- せっかくいいネタなんだから、もっと練って欲しかった。難しい言葉使うなら、それだけの責任も書き手にかかってくると思うんです。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:5)
- 惜しいです。なんでこうなるのかが納得できなーい。でも物語を作る才能のある方なんだろうなとは思いました。
- 56 飛べない鳥 (採点:9)
- あれ! 感動しちゃった! 幼い頃に聞いたようなお話ではあるのですが、文、設定、ストーリー、キャラクター全てに力がありました。これは好きだ。大好きだ。
- 57 夏を見逃すな (採点:2)
- 包丁はっさみー 包丁はっさみー 包丁はっさみー
ホルモン、いいですよね。彼らが好きならなおさらもっと言葉に対して、文章に対して、キャラクターに対して、物語に対して真剣に向き合ってください。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- ああなんだ、こうなんだ、と書いてあるだけでは説得力が出ないと思います。雰囲気はいいものがあるだけに、残念。
- 59 プルシャの後裔 (採点:3)
- ここまで書くなら、もっときっちり背景とか書きましょうよ。と隔靴掻痒の感を免れないのでした。一部だけ抜き出してもだめ。もったいないなあ…。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- とてもいい児童文学だと思いました。いつどこで、ってのがわからないのも、こういう設定ならありかと。
- 61 缶コーヒー (採点:3)
- 80年代のラジオコマーシャルのようでした。
- 62 5人以内のごろつき (採点:2)
- 作者の方はこれを書いていて、読者を爆笑させようと思っていたのでしょうか。それとも何らかの意図を持って怒らせようとしていたのでしょうか。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:2)
- 鳥肌が立ちました。あまり良くない意味で。以前どこかでも書いたのですが、小説を外界にさらすとは、繁華街をすっぽんぽんで歩くようなものだと、ある作家さんが仰っていました。私も同感です。さらす時には、さらしている自分を見つめる視線も必要かと。
- 64 花盤 (採点:3)
- 官能的でよろしいんじゃないでしょうか。でも二人を取り巻く状況がぜーんぜん見えないので、入って行けない。文学的表現と物語のバランスがちょっと悪かったような。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:4)
- 自分も聴力に特化したキャラクターを書いたことがあるので、前半面白く読めました。その能力に対する説明がないのはいいんですけど、最終的にあまり生かされていなのは残念無念。
- 66 サルベージ (採点:4)
- いい雰囲気でした。でもファンタジーだからこそ、リアルさが必要なのではと思わせる部分が何箇所も。
- 67 純 (採点:2)
- ただ単に女装美少年書きたかっただけなのかと思ってしまった。性同一性障害というテーマをふったんなら、短い中ながらも真剣に取り組む姿勢があってもよかったんじゃないでしょうか。あと主人公のキャラがどうにも共感できなかった。
- 68 七夕 (採点:2)
- 毎回こういうお話って出てきますね。読む方にも書く方にも一定の需要があるのでしょうか。こういったスタイルで書けば文学的であったり挑戦的と評価される世界があるのでしょうが、読者としての私にはありません。小説として単純につまらなかったのでこの点数です。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:2)
- そんな釣りにry
ある意味とても潔かったです。その勇気に乾杯。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 本当に良いリスペクトやオマージュ、パロディーといったものは、その元ネタを知らない人にとっても楽しめるものであるという認識があります。ボルヘスという作家を浅学にして知りませんでしたが、このお話を小説として楽しむことは出来ませんでした。非常に頭の良い方が書かれているのでしょう。しかし見識や知識を開陳される時はもう少し謙虚で巧妙な方が人の気持ちを動かせるのではないかと。
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- 何も小難しい用語を使わなくても、心を動かせる物語になったような気がします。惜しい感じがしました。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- 日記のようでした。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 何に対する挑戦なんだろう、と。ジョークとしてはちっとも面白くありませんがそんなことを考えました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- これはとてもいい昭和のプロレスですね。しかもきっちりリング上のファンタジーとして面白かった。トップレスラーほど優れたビジネスマンだからこそ、こんな不器用なやつがいてもいいじゃないか。でもどうして、今この物語なんでしょうか。作者さんがこの作品を書こうと思った動機をぜひお聞きしたいものです。
- 76 シャーベット (採点:3)
- あるあ……ねーよ! と思わず突っ込んでしまいました。個人差だとは思いますが、嫌いってそんなになまっちょろい感情なのかなあ。という疑問が出た時点でアウトでした。
- 78 音響室B (採点:4)
- 前半の静かな盛り上げは本当に見事でした。前半だけなら8点。後半は時間がなくて推敲できなかったのかと思うくらいに……。
- 79 ユメオチ「 (採点:2)
- 見事なまでのエロゲテキストでした。まったく嫌いではありませんしむしろ好きですが、こういう小説コンテストではこの点にせざるを得ません。
- 80 リング (採点:4)
- スポーツ小説は大好物なのですが、色々と惜しい感じでした。雰囲気はとっても良いものがあるのに、会話がだらだらしすぎて台無しに。本当にもったいない。掌編なので、もっと凝縮されたものを読みたかったです。
- 92 神の子 (採点:4)
- すごい力を感じます。尋常ではない描写力です。が、情報が断片的で周囲や状況が見えづらい。西の国だ北の根城だ南方系の女だというのは、読者と作者の間に共通認識があってこその表現だと考えます。テンションだけが先走って小説を楽しむという感じはありませんでした。ファンタジーだからそういう世界なんですよ、ではただの甘えです。
- 99 繋がっているものたち (採点:3)
- 何もないところにキャラクターだけがいる印象です。
○ぽー さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- 表現が陳腐かなあ。私の感性では決して尖っているとも狂っているとも思えません。
松尾スズキさんあたりを参考にしてみては。
- 02 寒太郎 (採点:5)
- 寒太郎と私のラインの間にある仕組みがあんまり納得いかない。雰囲気で押し切ろうというのはいいんですがそれももう一つ。というか何か私がそのギミックに気付いてないだけって気もしますが……どうなんだろう。
造りは綺麗です。でもなんかやっぱありふれてますね。オチを工夫すればと思うような思わないような。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 言葉に言い表しづらいいまいち感があります。
結局、何もドラマがなかったから、かな。
過去なりいまなり未来なり、動かさないと、と思います。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 僕にもわかりません。
- 05 ウミに漂う (採点:3)
- うーん、言葉で言い表しづらい。
もう一回ちゃんと読んで、結果発表後にでも伝えられたら。
- 06 下手れ (採点:2)
- 意味不明。ヒロインが恐ろしい勢いで男のモンをくわえ込むヤリマンってことですかね。へたれというかなんというか……いや、なんだろ、わからん。
というわけで伏線がゼロの状態で告白されてもポカーンです。しかもなんか知ってたよみたいな主人公。読んでるほうはわかんねえよ!
やっぱりヒロインがすげえヤリマンとしか思えない。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- うううーん……
媚び媚びすぎるかなあ。正体を明かさないのは逃げだと思うが、まあ、そういうのもありだという気もします。私の好みじゃありませんが。
ただまあ、思わせぶりな会話で過去になんかあったんだな、と読者を誘導するのも程々がよいのではと。ネタ晴らしもちょうどよくしないとね。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:3)
- うおー、謎だ。ちょっと面白いと思ったけど、けど掘り下げる気にもあまりならず。ただ上手いとは思いました。
- 09 茜色の先 (採点:5)
- いいなあ、と思ったけど、この良さは描写の鮮明度でさらに上昇するんだろうなと思いました。
うーん。でもなあ、もうひとつ上のレベルのクォリティを要求したいと思いました。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- おっとうめえ。ベスト10には入るかな。キャラがありふれすぎているから、そこはつまらないけれど、展開は綺麗。20枚用の話ですね。途中まで非常にだれけた展開も、最後には加速したし。
ただやっぱりどうも、キャラがありふれすぎ。
- 11 準備 (採点:1)
- フライハイですね。なんか辻ヒトナリが好きなのかみたいな感じの前振りでしたが、ポエジーすぎるのはあんまり好きじゃないんです。あとラテン語か何か? と思ったらドイツ語ですか。アイラブユーね。うーん……
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:4)
- 山口さんの、AIの自我とか云々で終わっちゃうのかな、と危惧したけれど杞憂だった。ただもう1シーンだけでも山口さんの印象深いところが欲しかったけれど、そこはリアルに撤したというところでいいのでしょうか。
でも私はそういうのが読みたいなと思ってしまいました。
- 13 立入諌止地点 (採点:2)
- わかりづらいなあ、ひどく退屈なシーンがあって、それはまあ説明とか独白とかなんですけど、正直読み飛ばしました。すいません。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- これは点数を上げざるをえない(コンペ的な意味で)
理由のいらない物語っていうのは、それだけでいいんですが、そういう空気にした時点で勝ちですね。
ただいくつかネタ被ってましたね。夏祭りとか。
- 15 嫁嫁パニック (採点:3)
- なんか外してる。なんか、としかいいようがない。しかし決定的な差である。
- 18 じれ☆んま (採点:4)
- ギミック勝利。短くてよかった。ショートショートですね。
けどキャラがいけ好かない、というかキャラを定義づけてそれに頼りすぎ。
あとキャラの主張もキライです。「囚人のジレンマ」をまるで世の真理かのごとく語る様がむかつくぜぇー、って感じです。
本当に勝つ人は「win-win」目指す人だと思ってるので。
というわけで、もう一回どんでん返しが欲しかった。直にいうと主人公が死ぬとか捕まるとか、そういうの。彼の性格にむかついてしまったもんで。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 子供達が年齢以上に賢しげに見えてしまう。それは別にもっとテンションをあげた会話にしろとか「だーっ」「だよーっ」みたいな下らない頭の悪さにしろ、というのではなく、どこか、支離滅裂な愚かさというものが、幼さというものを形作る上で大事なファクターだと思っているので。
あと無駄に描写の太い所が。容量制限ギリギリまで書こう、と思われたのかな。もっと突き放した描写のほうが、いい味出たと思います。
と、うだうだ書くのはちょっと悔しいからで。おつかれさまです。ありがとうございました。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 1点。
- 90 R・P・G (採点:2)
- うーん、皮肉も諧謔も足りないなあ、と思います。パワー不足練りこみ不足。
ネタを素のまま放り込むだけではなく、色々足したり引いたりしないと、ダメです。
- 94 Eternity (採点:3)
- 別に妹が好きなわけでもないし、展開も全部読める。
こんなにもありふれた感触のキャラクターはちょっと……なんかもうお腹一杯で飽きてます。
主題が薄いし微妙に納得もいかない。ああ、うん、キャラと設定が最初でとってつけた展開なんだろうかと。ボンドでつけただけじゃ……ポロリと落ちてますよ、色々と。
総じて安いシロモノになっちゃってます。
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- うーん……かぶった(笑)
カナエさんがいらないなあ、と思ってしまいました。
あとストーカーも……うーん、結局みんないい人、やさしい人にしちゃったなあ、という。そこんとこ微妙ですね。
中盤まで非常に退屈でした。昔話を延々とされても。そこんとこ大体切っちゃって、もっと書くべき部分があるかなと思いましたけど。
なぜか独身一人暮らしの女性と、人間以外もしくは人間に準じるキャラクターが一緒に暮らす、という構図がこのコンペで一体どれほど出尽くしただろうか、と思うとこの作品は割を食っちゃったのかもしれません。
○ぽた さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:4)
- ああ、このシュールさがなんだか好き。もうちょっと長くして、大いなる感動に包んでくれれば良かったのに。
- 02 寒太郎 (採点:9)
- これはいいものだ……。気持ち悪いぐらいニヨニヨしてしまいました。
- 03 GONSHAN (採点:5)
- 白秋が偉大なのは分かった。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 書きかけ?
- 05 ウミに漂う (採点:8)
- これはいいBLですね。実は一番の強者な織川に萌え。
- 06 下手れ (採点:3)
- あまずっぺーなあ。。。
余談ですが、「あはははは!」で、ひぐらしの竜宮レナを思い出してひとりガクブルしていました。馬鹿でごめんなさい。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 萌え家電。新しいジャンルですか?萌え炊飯器と張るものがありますが。
キャラ紹介に留まらない発展が欲しいかなー。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:2)
- うーん。。。分かるけど分からないというか。
まあ、ぷりんたんはかわゆすだとおもいました。
- 09 茜色の先 (採点:5)
- ファンタジーって難しいよなあと思う。。。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:3)
- 補修→補習な。
書き手に想像力が足りない気がする。川の中に目を閉じて落ちたら相当危ないです……。
- 11 準備 (採点:1)
- わかんねえ……。何かの比喩?
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:6)
- 「ヘビースモーカーな上にコーヒー党の春香の唇からは、苦い味しかしない。だから尚更、甘く口付けてやりたくなる。」
うっかり、うわぁ、と口に出してしまいそうになりました。
それはさておき、山口さん萌え。
- 13 立入諌止地点 (採点:6)
- 普通は、第一の事件が起きた時点でAとは名付けないよな。
第二の事件の発生を初めから予測していない限り。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- いいんじゃないかな。ビジュアルが目に浮かぶ。
- 15 嫁嫁パニック (採点:9)
- やめてー、義父さんのHPはもうとっくに0よー。
何度もぷすぷす一人で笑ってしまった。これはなんていうか、作者バレを恐れない勇気のたまものですね。。。いやでも笑った。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:5)
- よくわからないけど――大丈夫、じゃないです。すいませんよく分からなかったです。筆力があるのは分かったんですが。
- 17 キラーデイ (採点:3)
- 担任=海坊主@シティハンター 説を唱えます。
まあ、要するにミナミノミナミノby秋山瑞人だよね、と思。
- 18 じれ☆んま (採点:9)
- これは美しいトリックですねえ。一瞬BLにありがちなことを想像してしまうのだが、さにあらず。頭いいな少年。短いのに物足りなさを感じない。むしろこれぐらいコンパクトじゃないとこのネタは生きないと思。
- 19 猛スピードで触手は (採点:9)
- いいな、これ。触手の鳴き声が「しょくしゅ」だったり、「先輩、触手好きなんですか?」とか、なんかもう絶妙な。オチもいいですね。先輩ってば鬼畜攻め!
- 20 顔 (採点:3)
- なんだこのオチ……。ホラーにしては、なんだかこー、、、
まあでも途中からちょっと怖かった気もする。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 冒頭の読みにくさが、大変損ですよねえ。途中からだんだん面白くなってくるのですが。いや、いいコメディホラーでした。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:4)
- 梨木果歩の家守奇譚を思い出します。小説というよりは、エッセイぽい。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- あれ? 三つどもえにはならなくねえか??気のせい???
アニク+エラクVSナパになりそうなもんだけど。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- ああ、これはなんてうっとりするショタBLだろう……。ニヨニヨしてしまいました。
読後すぐは10点つけるぐらいのお気に入りっぷりだったので、朗読して支援してみたのですが、冒頭部分で、ちょこちょこ人物の動きがなんとなく矛盾しているところを見つけてしまったので、推敲不足を感じました。
筋と世界観はいいと思うので、作者は是非、丁寧に推敲して、長くして、どこかの童話系の文学賞に応募して下さい!
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:10)
- これは怖ぇぇぇ。。。工場の描写が奇妙なところでリアルだから、オチの突拍子もなさが緩和されてすげえ怖い。最近のトピックスだしねえ。
- 26 賢人の恋 (採点:2)
- リアリティを欠くサヴァン症候群と言えば、西尾維新の戯言シリーズだよなあ、と思。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:3)
- クラスメートがいい奴で良かったです。
最初、煉瓦が出てきたとき、「あー、いつか誰かの頭をコレでカチ割るんだろうなー」と思ってしまった汚れた私でごめんなさい。
- 28 腐臭 (採点:2)
- なんちゅーか、ありきたりなトコに落ちてきちゃった気がする。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:2)
- なんちゅーか、キャラ紹介だよなあ、とは思う。
ところで、柊はいい長門ですね。
- 30 はたらくぼくら (採点:9)
- これは隠れた名作ではなかろうか。絶妙な空気感がたまらないね。保坂和志っぽいところがあると思う。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- 女×男でSFネタって、どこかで見たような気がしてならないんだけど何だっけか……思い出せないけどデジャヴ。。。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- これはいいSFですね。
ただ、惜しむらくは世界観の紹介のみに留まっているような気がする。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- なんだか良く分かんないけど、これはこれでいいんじゃないかなという気がしたから万事OK。つーか、変な話(褒めてます、念のため 笑)
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- ロンドン、、、かなあ?
固有名詞はたくさん出てくるのだけれど、どうも、その土地の固有性を感じない。
取材には行かれましたか?
- 35 サプリメント (採点:3)
- まあ、妥当な所に落ち着いた感じ。うつネタはけっこうデリケートなネタだから、正直どうかとは思う。リスキーなのを自覚しているのなら、まあいいのかなとは思うけど。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- いや、反則だろ、これは(笑)
ところで「おゆうぎえんそくおもらし」が萌えまs
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:2)
- あー、ほのぼのするね。それだけだけど。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:3)
- アリと言えば、「戦う司書と黒蟻の迷宮」(山形石雄)ですが(シリーズの途中なので、未読の場合は「戦う司書と恋する爆弾」から読むことをおすすめします)、それより怖くないと思った。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:2)
- アヴリルたんはファーストアルバムが好きです(そんなことはどうでもいい)
何となく全体的にぼやーっと既視感がぬぐえない気がします。
タイトルはキャッチーでいいと思います。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:5)
- 山野辺かつミキと言えば、エロゲの名作「CROSS CHANNNEL」ですが、関係なさそうですね。ボクっ子でヘヴィな内面は良くあるっちゃあるけど、好きなネタですねー。
- 41 蜃気楼 (採点:2)
- あれ? もう一回ぐらいひっくり返ると思ったんだけどな……。実は奥さんによる完全犯罪とか保険金殺人とか。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:6)
- なんかこー、ドライブ感が好きだなあ。良く分かんないんだけど、なんか好きかも。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:7)
- これはいい攻殻機動隊ですね。
- 44 蟲毒 (採点:4)
- 本人はかっこいいつもりなのかも知れないが、おぞましいだけだ。
- 45 八月水晶 (採点:9)
- さりげなく名作だと思った。
オチがもうちょっと希望欲しかった気がするのと、タイトルもちょっと華が欲しかったとか、言い始めるとキリがないんだけど、とにかく名作(ただしさりげなく)
- 46 青空 (採点:6)
- 騙されたですよ、がっつり。
いやでもなんか、騙されたーっていう爽快感がないのはなんでだろ……? おでの感性が鈍いんですかね。
- 47 光学概論 (採点:8)
- エッセイぽいけど、なんだか、絶妙な距離感が好き。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 佐竹はいい萌えキャラだなあ。。。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- うーん、いろいろと枚数が足りない感じがします。一ヶ月待って、短編部門に出した方が良かったのでは?
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:5)
- 既存の概念に頼りすぎな感がある。志は高いと思うので、頑張って下さい。
- 51 野辺送り (採点:9)
- ううん、なんだろう。鉦のような難しい漢字を使っているわりに、話の世界観は現代物っぽいし、セリフなんかもくだけている感じがするのがアンバランスな気がする。ストーリーと文体の不一致というか。ストーリー自体はオーソドックスなので、文体で読ませるものだと思うのだが、そのような不一致が起こってしまうとどう読んでいいのか悩む。
でも朗読の為に読み返してみたら、なんだか良かった。多分読んでたとき、疲れてたんだと思う。なんだろ、これだけたくさん作品があると良文が埋もれてしまうんだろうか。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:3)
- 最初、先輩を男だと思って読んでた……。途中で気付きました、赤面。
- 53 体育館を燃やす (採点:7)
- これはいいBLだ。。。感動した。
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 小説っていうより、エッセイぽいなーと思いました。題材はいいと思うんですが、キャラ設定だけで終わっちゃうのが、ちょっとなあと思います。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:9)
- あーーー、もうさりげなさ過ぎる名作。もっとアピールしてもいいと思う。
- 56 飛べない鳥 (採点:6)
- なんかフツーにいい話だった。ひねくれたところがないんだろうな。。。
- 57 夏を見逃すな (採点:6)
- 「溢るれらるかっ!」
噛んだ。
いいですねー、笑いましたねー。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- このタイムスリップのトリックはもうちょっと上手く出せる気がする。ネタ自体はいいと思うから、もうちょっと長ければ騙されたと思う。
- 59 プルシャの後裔 (採点:7)
- 痛いなあ……。フェム系はこの男所帯のコンペでは正直あまり評価されないだろうと思うけど、私は好きなので、応援します。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- かぁっこいいなあー。これはいいですな。キャラ勝ちだと思った。
- 61 缶コーヒー (採点:5)
- 奈緒ちんには彼女がいればいいと思います!
- 62 5人以内のごろつき (採点:3)
- うーん。。。投げっぱなしジャーマンな感じがぬぐえないですね。このバカバカしさはいいと思うんですが。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:4)
- 同じ非モテでも、女の子に片思いの青年と男の子に片思いの青年では美味しさが違うのはなんでなんでしょうね。いや、いいBLですな。
- 64 花盤 (採点:8)
- 美しい上にえろいですな。百合ですな。深山萌え。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- いい話なはずなんだけど……どうしても受け入れる事が出来ないのは、多分、「芸術なめんな、病気なめんな」ってことなんだと思う。これまで生きてきた全てのピアニストたちは才能だけではなくて、必死の努力の果てにその音を獲得してきた。けして才能だけではなかったはずだ。ある種の神経ないし精神的な疾患を抱えている人は必死で闘病をしているはずだ。それらのことに関する配慮やリアリティやリスペクトがこのフィクションからは感じられない。
多分、書いている描写が良かったからこその反感なんだと思う。ごめんなさい。
- 66 サルベージ (採点:3)
- ビミョーに詰めが甘い気がするんだけど、字数的には手一杯な気もする。ううむ。
- 67 純 (採点:4)
- いいやつだな、主人公。。。このままガチホモじゃなくて、しっとりまったりな友情をはぐくんで欲しいものですね。
- 68 七夕 (採点:1)
- ちっくしょー、読み終わった瞬間、徒労感しか残んねえええ……。よく分からなかった。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:5)
- ライトなノリとブラックなネタと、、、でもちょっと食傷気味かなあ。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:3)
- ボルヘスお好きなんですねえ。いやしかし、うーん、小説としてどうかと言われるとうーん。。。
- 71 幸せの処方箋 (採点:6)
- 「日めくりカレンダーは、27日を示している。」
書き始めた日ですか? ひょっとして。
妥当なラインの泣き系ホラーだと思います。乙一系?
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:2)
- 「車内は人がごったがえしていて」長津田ってそんなに混む駅だっけ……? ていうか、夕方に家に帰れるなら全然忙しくねえよな、とか、主人公のおかれている境遇が非常にうらやましい今日この頃。
どうでもいいことのようだけど、それだけリアリティがないってことだと思い。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- これは、なかなかきているなあ。ジョーク選集とかに載ってそうな。
でもまあ、小説とは言い難い気がします。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- なんかたまに日本語がおかしい気がする。
「肋骨はビキビキだ。」を見て獣拳戦隊ゲキレンジャーを思い出してしまった。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- 熱いなあ。プロレスのことはよく知らないけど、いいスポーツものだと思う。映画「シンデレラ・マン」を思い出してしまいました。
- 76 シャーベット (採点:6)
- うーん、この絶妙にニヨニヨとシュールさとがないまぜになった感じは、文学少女シリーズだなあ。。。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:7)
- 閉鎖型のおしえてgooみたいなものでしょうか。あるよなあ、こーゆーの、と思わせるリアリティがある。どことなく薄暗いものを感じながらも、彼女がそれで幸せになれるならいいか、という主人公の思想に共感する。でも、はまらないよーにね!
- 78 音響室B (採点:6)
- なにこの萌え教授ーーーー。若白髪で子供っぽいとか反則過ぎ。いいBLですね。
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- いいんじゃないかな。オチとしては。構成の妙だと思う。
- 80 リング (採点:6)
- あまずっぱくて、ニヨニヨするですねえ。ところで、これ、何歳ぐらいなんだろう?少なくとも10才よりは下だと思うんだ。のわりには大人びすぎているような気もするし。しかし、水城ちゃんは、オトコマエすぐる。。。惚れた。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- っつーか、奈津実、お前、そんな男は止めて俺と一緒になれ。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:5)
- 怖ぇ。なんか、この多幸感が怖い。意識して書いているのだとしたら、いいんだと思うけど、多分、無意識なんだと思う。
- 83 変わった趣味の男 (採点:6)
- シュールだなあ。川上弘美「椰子・椰子」に近いものがあるけど、それよりも下世話な感じ。嫌いじゃないです。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:2)
- まあ要するにロリ系キャバ嬢ってことですよね。いや、もっと悪いのか。
筋の運びに無理がある気がするんだけど具体的にどことは言えないんだけどなんだろうこの居心地の悪さは……。
- 85 童話 (採点:2)
- 彼が売れない絵本作家であることを、再認識したからだ。
まったくもってその通り。
- 86 NEET (採点:2)
- うーん、ちょっとファンタジックというかメルヘンチックじゃないですかね。もともとデイトレするだけの資本があったわけでしょ?
- 88 探偵は誰だ? (採点:8)
- うーん。。。実験のための実験。トリックのためのトリックになってしまっている。仕掛け自体は好きですけどね。
- 89 午睡 (採点:4)
- うーん。。。重いなあ。読んでいて途方もない徒労感。
- 90 R・P・G (採点:5)
- これはちょっと笑った。でも魔王なら400人でも勝てると思うなあ。灼熱の炎とか吐けば全員ダメージ100とかだし(笑)
- 91 鈴の音 (採点:5)
- これはいいロリコンですね。
終わりの方は要らなかったんじゃないかなあ。いいけど。
- 92 神の子 (採点:6)
- 深い……けど、なんだかここでやるべき話ではないような。というか、20枚で神を語ろうなどとはだいそれているのではないかな?
一人称よりは、三人称が合っていると思いました。
- 93 妖精離れ (採点:3)
- よく分からないままに、読み終わってしまった……。なんだか落ち着かない気分になる。
- 94 Eternity (採点:7)
- うん、いい感じに収まった。いい萌え妹だなあ、これは。不変性をテーマにしているのに、柔軟性を持つ妹。
- 95 何かの間違い (採点:2)
- あーもう、なんていうか、砂を吐くよな馬鹿ップル。
無理矢理ハピエンにしようとしてないか?
ってゆーかふつーは匂い気付くよな。完全犯罪をもくろむならば。
- 96 走るッ! (採点:7)
- 警官萌え。しかしなんで追いかけられてんだろね?
- 97 やさしい猫 (採点:5)
- ハードボイルド猫。
猫のわりには人間側の事情をよく知りすぎているような気がするかなあ、と思。あとヒロインが可愛くない。
- 98 足跡 (採点:6)
- これはいいSFですね。
読み返さないと一瞬、ん?ってなるけど。
- 99 繋がっているものたち (採点:2)
- 百合ネタなのに萎え。説明ゼリが多いせいかもしんない。
てゆーか展開がお約束過ぎると思。
○まか さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:5)
- これが001、多くの読者にとって開幕作品であっただろうことを思うと、なんだか笑えるとともに納得してしまいます。
どんな言葉も行動も視点や解釈によっては愛となりえる。思えば含蓄のある物語ですね……私も辛辣な感想を書きつつ「これが愛です」と語ってみたくなりました。だれか納得してくれるかなぁw
- 02 寒太郎 (採点:5)
- ツンデレごっこ吹いた。でもこの単語がこの作品の基本姿勢を端的に表している気がします。
ただ私個人としてはそれ以上のものを物語りに求めてしまうもので。私という読者が物語の世界に入り込んで、キャラクタと一緒に感情を動かすような力を持った作品を読みたいのです。ごっこを突き抜けたお話が読みたかったです。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 文体の持つ雰囲気は嫌いではないのですが、その文章自体はまだ改善の余地があると思います。人物の思考や言葉遣いなど不自然に感じる描写が多く見受けられましたし、文章自体も視点などが読み物としての体裁を整え切れていませんでした。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- 言いたいことがあるなら、言葉を尽くしましょうよ。無いのならつぐみましょうよ。物語を書く気がないのならば、読者として困ってしまいます。
- 05 ウミに漂う (採点:6)
- 文章も内容も落ち着いていて統一感があり、好みではあるのですが……内容的には日常描写で終わってしまっているのが物足りないです。
長編・中編の一場面として書かれているのならば読者として不満はないのですが、好きになって気に入って興味をそそられたからこそ、この後主人公達がどうなるのか気になるじゃないですか(笑
起承転まで読ませられてお預け喰らっている気分です。題名とオチとの関連付けがなされており作者さんとしては完成品と位置づけているのでしょうけれど、読者としてはう〜む、です。
- 06 下手れ (採点:4)
- うーん、描写してる状況も表現も好きなんですけれど、その一番美味しい周辺の状況=シチュエーションだけ差し出されたら、評価としてはやっぱり困ってしまいます。例え私がお肉が好きとは言っても、フランス料理のコースで、前菜もなしにいきなり初っ端から鴨肉出されたら、それじゃフランス料理を食った気にはなれないんです。そんな感じなんです。
文章は雰囲気はよく表せていると思うのですが、字面や語呂や文法的に読みづらい点が多々ありました。場面転換もわかりづらく、そのあたりにまだ改善の余地が有るように思えました。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 冷蔵庫から声が聞こえてきた時点で、最後は共同生活か、とほとんどの人が予想がつくと思います。そしてその過程を楽しむ物語だろうということも予想がつくのですが、芝居がかったやり取りにより表現を大仰にしただけでは、私個人はあまり楽しめませんでした。こういう文章が好きな人がいるのだろうということはわかりますが、私の好みからははずれてしまうのです。ごめんなさい。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:3)
- 作者さんが自分のために作った世界で好き勝手にやってよいと言われてもなぁ。
「補足」を読むまでは、このエキセントリックに意味不明な世界と面白みのある文章を評価した点数をつけようとしていたのですけれど……補足でそれが台無しになっちゃいました(注:飽くまで個人的評価ですよ)。
- 09 茜色の先 (採点:5)
- 悲劇だけを描写されてしまった。色が亡い世界とやらが、悲劇を描写するためだけのものであったことが読後の私にとって最も不服な点です。この世界をわざわざ作り上げた意味というのがどうにも受け取れませんでした。
世界設定は必ずしも説明する必要はない、とは思います。でもそれがミエミエの読者操作に使われていると感じてしまっては、心が離れてしまう人間もいるのです。そのあたりを考慮して、世界設定の「必然性の有無の表現」を作中でしてくださったら個人的には嬉しかったです。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:7)
- お話としては奇麗にまとまっているんですけれど、個人的には趣味からちょっとはずれていたかなーと。趣味というか、無理がある、かな。天の川だと納得できるほどの蛍の群れって、今では見れるところってそんな近くにあるもんだろうか、とちょっと思ってしまったもので。もしそんなところがあったら、いくら近隣の七夕祭り当日だとしても、電車代540円だとしても、他の町から見物人が来てるかな、て。獣道ではなく、目を瞑ってでも歩けるような道があるところならなおさら。ま、その辺りは考えてしまう私の方がおかしくて、物語として楽しまなければならないとは重々承知しているんですけれど……どうしても気になってしまう私がイカンということで。
物語としては非常に良くまとまっていると思います。特に欠点は無いんじゃないかな、と。ただし、少々パンチ力に欠ける気もします。青春の一ページを抜き出して終了というのも悪くは無いですが、読者としては主人公のもやもやした気持ちの整理を気にかけていたので、この一事で全て払拭してしまうようなまとめ方は、その気にかけていた部分を結局解決するには至っていないような気がして、なんだかもやもやした気持ちが残ってしまいました。だからこそ青春なんでしょうけれど……ここのところはやはり趣味に合わなかったということなんでしょうね。う〜ん。
- 11 準備 (採点:5)
- 冒頭初段落で自殺は想像つきましたが、心中でしたか。いくつか突っ込みたいところもありますが、総じて短くまとまってて良かったと思います。それまで丹念に段取りを踏んで描写していたキャラクタ性を、ラストで力ずくで一気に落とし込むように変貌させた辺りは上手いな、と思いました。
でもまあ、私みたいな人間が言うのもなんですが、やっぱり短すぎるとどうしても満足感という点では劣りますよね。あはははは……(涙
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- 春香の出来事からラストのオチの台詞につなげるのは、いささか無理があるように思えました。ロボットの魂の話にしても、人間の相互の理解の話にしても、どちらにしても芯が絞りきれておらず中途半端な印象です。中川の自責の念とやらについても描写による追求が足りませんし。
文章や台詞、展開などは魅力的に感じましたが、そこら辺が少々私の好みからはずれてしまっていました。
- 13 立入諌止地点 (採点:6)
- 現実に即してる必要はないしパラレルワールドでも構わないんですが、舞台設定としては唐突感が拭えなかったです。現実を無視する意味が見出せなかった。むしろ現実に即して書いた方が良かったんじゃないかな、と思えました。
アイデアとして直線Aと直線Bの二つの事件の重なる点というのが面白く、非常に興味をそそられただけに勿体無かった。料理の仕方が私好みであったならば……
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- 中盤以降が好きでした。少年が見ていた猫や、子供たちの集団との関係とか、その明かし方がかなり好みでした。ただし、少年と女の子の会話には少し違和感を覚えてしまって、集中できませんでした。それなりに関係を持つ二人ですから、何らかの親近感を持っていたという解釈もできるのでしょうけれど。また、時代を貫く槍の描写や宇宙などはタイムスリップや空虚な隙間に繋がるとはいえ、主人公の述懐や会話で表すといった直接的なものが多すぎ、さらにそれをオチにつけてしまうのが個人的には不満でした。主題の周辺をデリケートに描写しているのですから、それに合わせ、主題はさらに深くデリケートに繊細に表して欲しかったように思います。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- アホな話だな(笑
実際にもし自分に彼女がいるとして、いないから奥さんがいるとして、いやそれもいないからお母さんがいるとして、果たして自分をネタに自慰にふける姿を許せるかと空想しようとしてみましたが、文字に書いただけで気分を害したのでやめました。
状況描写を切り詰めた台詞によるテンポがとてもよかったです。おもろい。手の届かない遠いところへいってしまった作者さんだなぁ、と色んな意味で思いましたw
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- う〜む、のび太君の悩み。
作品内における「宇宙船」の概念が、誘導無しにいきなり押し付けられるのでひどい置いてけぼり感がありました。その後も読者に対して擦り合わせようと試みるでもなく、ひたすら「宇宙船」で起きる現象や主人公の心情を押し付けられるので困りました。このようなやり方も確かにあるのでしょうけれど、この物語においては失敗に終わっている気がします。
内容としても欲望に飽食するまでもなく結論をつけるのは悟りすぎてる気がするし、叶えたい願いが叶ったハッピーエンドにしても唐突ですし、重みもちょっと足りません。棚ぼただなぁ、としかどうにも思えず、読者として傍観者にしかなれませんでした。
この子はこれから先困難に直面したら「あの時宇宙船を手放さなければ」と後悔してしまいそうだと思いました。そう思わせないようなキャラ描写が欲しかったです。
- 17 キラーデイ (採点:4)
- 一定のリズムで進む文章は、たまに変調を加えないと逆に退屈になります。導入部分やフレーズなど使いどころを考えるべきでしょう。そして問題なのは語数のリズムだけでなく、表現のリズムも一定なところ。おちゃらけるタイミング、比喩を用いるタイミングなどが単調です。そしてさらに困ったことに、話の展開さえもが一定……つまりスタンダードで、読む側にとっては非常に単調に感じてしまうところです。
全体としてみるとあまりにもステレオタイプで、ちょっと高い評価は下せませんでした。
ですけどそれは裏を返せば、標準的なものを作る基礎基本は出来ているということだと思います。題材にせよ、キャラクタにせよ、表現にせよ、展開にせよ、標準から外れた作者さんなりの個性を出してもらえればと思います。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- 最後のどんでん返しは良いですねw いったいどんな性悪少年だよ。しかし定年は65歳なのか。大きな屋敷で余裕があるから雇用条件がいいんだろうな。
中盤の少年と泥棒のやり取りに魅力を感じられなかったことや残念です。この辺りをもっと上手く描写してくれたら、もっと高得点をつけていたと思います。現時点ではアイデアだけという印象でしょうか。勿体無く感じました。
- 19 猛スピードで触手は (採点:6)
- ラストがいまいち理解出来ませんでした。「僕」がどうなったのか、そこは推測ではなく想像の範疇になってしまう気がします。あの子ねぇ……。
文章は読みやすいのですが、心理描写面で過程を見せずに結果だけを押し付けているような印象がありました。オチとあわせて、その二点が残念でした。
- 20 顔 (採点:6)
- うわあああああああ〜〜〜おしいっ!!! 惜しすぎる!!!!
その先を書いてくれれば!!!!! 忘れずにオチをつけてくれればっっっっっ!!!!! 満足させてもらえればっっっっっ!!!
畜生この童貞野郎!!! 俺を満足させられないのかよ!!!!!
馬鹿野郎この妄想シスコン野郎!!! 一人でオナニーしてやがれっ!!!!
童貞シスコンと判明するこの2行が、それまでのじめじめした描写を上手く引き継いでいて良かったのに………………!!!!!
なんでオチで勃たねーんだよおおおおおおっ!!!!!
勿体無い、本当に勿体無い。今まで40作以上読んできた中で、KING OF がっくり。涙ちょちょぎれます。
あまりにもがっくり来すぎたので、マイナス一点。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 出来ればその騒々しい時間まで書いていただきたかった!
いや、なんかこの話好きです。シュールと呼ぶには足りないし、ジョークやギャグと呼ぶのも憚られる。でもこの飄々とした一人称とさらりと流れる展開がなんとも性に合いました。
雪が舞う夜の旅館という舞台設定にも合っていて、不思議と雪見酒の語感とピッタリ。何でだろう。とにかく気に入りましたです、はい。
ただやはりオチに関しては少々投げ出しているような気もしますので、感情点から理性分の一点を引かせていただきます。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:4)
- 描写内で色々と煮詰め切れていない気がしました。作者さんは主人公の生活の設定を具体的にイメージできていたのでしょうか。主人公の語りと実際の生活とが色々とずれていて認識に齟齬が生じているように見えてしまいました。ラストの段落……おそらく主題なのでしょうが、実は彼女との会話も同人誌連載も家族設定も全て主人公の夢で、主人公は精神を病んでいるのではないかと疑ってしまったほどです。
せめて老け込んだ青年の描写は、電気機器だけでなく他のことでも表現して欲しいと思いました。
- 23 不謹神話 (採点:2)
- 多分作者さんは1点をつけられることを望んでいると思います(笑
ですから2点にしときますね! えへっ
- 24 放浪鯨 (採点:6)
- 尺が足りなかったように思います。ネタの構成要素を取捨選択して、上手く切り詰めてシェイプアップさせれば掌編として過不足無くまとまりきったかもしれませんが、作者さんがこだわりを捨て切れなかったように思えます。せめて短編向きじゃないかなぁ。これに何か一つ要素を加えれば、中編どころか長編にもなりそうに思えますし。
おそらくそのせいだと思うのですが、二人の友情も人格も世界設定も、説明が先んじていて描写が追いつかず、全体がとても性急に感じました。アイデアや世界の空気はいいのに、非常に勿体無い気がしました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:5)
- ラストのオチは面白くて好きなんですけれど、さすがにそこに行き着くまでがダレる。正直内容や文章に興味を惹かれませんでした。
私はルポタージュを読みたいわけじゃないのです。
オチを引き立たせるためだとしても、そこにたどり着くまでの行程も楽しませてください。お腹を空かせたあとはなんだって美味しく感じるからといって、オチ寸前までご飯を食べさせないなんてのは虐待です。それにお手軽さに逃げているようでちょっとなぁ、個人的に趣味ではない。
私の経験からいえばこのような文章は逆に書きにくいので(作者さんにとってどうかはわかりませんが)、それほどまで労力と情熱を掛けただろうことは理解できても、読者の立場からは満足は出来ませんでした。ごめんなさい。
- 26 賢人の恋 (採点:4)
- >世の童貞が手放しで喜びそうな
悪かったなコンチクショー! おっと反応してしまった。でも活字で読んでもあまり喜べないのですよ。
とあるジャンルの創作物に見られる人物像に作中で障害者としての認定を与えた時は、こりゃ相当尖った作品なのだろうかと期待したのですが……そのジャンルから全く脱却できていませんでした。しかも作品全体をみると「二人に風呂入らせたかっただけかよ!」とw
ラストの表現のような皮肉を混ぜるには甘すぎるし、そのような単語のチョイスを見るだけでも作者さんに明確な意思がなかったように思えていや〜んでした。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:4)
- 中盤の展開などは唐突に感じました。人を変化させる時には事前に描写を積み重ねて説得力をもたせなければいけないと思います。クラスメイトと主人公との会話も、違和感が残るものでした。
扱いが難しい内容には、気を配った描写が必要になるのではと思います。
- 28 腐臭 (採点:5)
- やばい。展開や主人公とクラスメイトの心理とか、意味不明でわけわかめー。とか思いながら読んでいたら、父親のパスワードを探る辺りから物語に引き込まれていました。
この物語に限っては何もわからないままに終わるというラストも、かなりいい感じでした。
ただし、前半の携帯小説っぽい「なんでこんなわけのわからん展開と設定描写なんだ!?」という「わけわからん具合」に、後半の腐臭の不明瞭な「把握できない恐怖」が追いついていなかったかも(笑
- 29 衛星軌道上のありす (採点:5)
- ――ごまかされた?
シチュエーションを作る以上の意味があるお話には思えませんでした。キャラクターを前面に出している話なので、キャラが気に入れば楽しめるのでしょうけれど、私には無理でした。ごめんなさい。
- 30 はたらくぼくら (採点:3)
- うーん、まだまだ発展途上、という感じです。
気になった点を二つ挙げますと、一つはキャラクター作りが甘いように感じました。大学を出て就職した人間にしては言動が今ひとつ幼く、それに対する周囲の反応も社会人に対するものではないように思えました。あえて幼くしているのだとするならば、何故そのような性格で周囲もそれに応じているのかの理由を本文中で明らかにしておくと、物語にもいい色が付いてまた違った魅力が出たのではないかと思います。
もう一つは構成の雑さでしょうか。物語が平坦で起伏に乏しいということです。もちろんそのほのぼのとした空気が味にもなっているのですが、そのせいでオチすら平坦で弱いものになってしまっています。オチが平坦でほのぼのとしたふうこやオバのキャラクタに合った微笑ましいものだとするためには、ほのぼのとした中でもそれなりに起伏を生じさせて、何らかの対比させる必要があったと思います。
ほのぼの系というのは思いのほか書くのが難しいですし、読み手の趣味も様々ですから、一概にどうこう言えないとは思うのですが(極論すると作品全てがそうなんですけどね)。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- >うっわー。今だに自称『僕』かよ。キモッ!
多分多くの人に突っ込みを受けてると思いますが……推敲しましょうよ(涙。凄い勢いで冒頭だけ何度も読み返してしまいました。この後「オレ」に変わるところなんて好きなんですけれど、ね。
オチのサイコロはあまりにも……机の引き出しから道具を取り出すならハサミとか鉛筆とか、その程度に抑えて欲しいです。突然ドラえもんが現れたら困ってしまいます。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:3)
- 色々と唐突でした。
読者はわかってくれるだろう、と考えてしまうといけないと思います。やるにしても使いどころを考えなければ。多用すると自己陶酔に見えてしまう危険性もあると思います。異世界を描写するには、現実にないものを当然のように描写する方法もあるのでしょうけれど、それについていけない私のような読者もいることを考慮していただきたかったです。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- なんか好きな話です。途中途中に入るギャグやジョークはすべり気味で少し興がそがれてしまったのですが(個人的には、ですよ! でも『失言が母親でもたぶん親父を殴った。』は思いっきり頷きました。作者さんと妄想世界を共有できたw)、どこか童話的で、最後に妹が前向きになる理由も童話的で、私の好みにマッチしていました。妹思いの主人公も、キャラクターとして親近感も沸きますし、妹への真剣な態度も好感度が高かったです。グッド。
ただ好みを捨てて一般的な視点でいうなら、妹の電波受信内容はインパクトに欠けていて、もうちょっとでした。物語に関わるのはクララノさんだけなのですから、それ以外のキャラクタは読者の興味を引けるようなものを揃えて、妹が語る内容に味を出せばまたアピールの仕方も変わってくるのではないかと思いました。
もっとも、私はその抑え目な電波受信内容・妄想内容こそが童話的に感じて(絵本のイラストを見ているようなイメージでしょうか)、何となく気に入ってしまったのですけれど。ええ、好きですよ。
なんだかほんわかできました。ありがとうございます。
- 34 Waltz #2 (採点:8)
- サイテーで、しかし良いお話でした。構成も、文章も、上手いです。
主人公に嫌悪感を抱きながらも、その行動から目が離せない。バーの中の病的な光彩などのイメージの操り方も見事でした。ビール瓶を叩きつけるシーンなど、溜めから一気に開放へと繋げるタイミングが非常に私好みでした。
ただこの系統の話は、掌編である限りどうしてもそこから先に進まないのが惜しいとも思えます。暗いものを認識する後ろめたい発散から、誰憚ることない晴れやかな解放を見せてくれたら、もうコリャ脱帽なんですけれど……我侭すぎるお願いかなぁ、やっぱ。
- 35 サプリメント (採点:7)
- 面白かったです。心の薬の正体などは十分に予測がつくものですから、それだけで終わっていたら特に記憶に残る作品ではなかったと思います。が、改ページ後のオチが良かった。まさか時間旅行に話が飛ぶとは思わなかった(笑)。意表を衝かれました。
こういった掌編では、作者と読者の知恵比べの側面があると思うんですよね。多少力技だろうと、作者の方が上を行ってくれると読者としては楽しいのです。その点では満足感がありました。
ただ一つ、表記の仕方で、所々太字や斜字が使われるのは個人的に気に入りませんでした。斜字とセンター揃えはまだいいのですが、太字が……。バラエティ番組の字幕のように感じてしまいました。確かにそこに注目して欲しいという作者としての気持ちはわかりますが、誘導なら別の方法でして欲しかったです。読者としての自由(「気付き」も読者の自由の領分だと思います)を奪われているようで、どうしてもなじめませんでした。
だからといって点数はマイナスにはしていませんけれど。まあ、ここは作者と読者の我が侭合戦ということで。ははは。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- 作者さんには「運の悪いヒポポタマス」の歌をオススメします。
やっぱりどうにかして、受け手の心を掴まなきゃね。アイデアだけで終わってしまってはイヤ〜ンです。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- ほのぼのにしてもラブラブにしても、作者の世界と読者の世界が別であることを考えて書くべきだと思います。少なくとも私自身は自分のインナースペースを加工せずに他人に披露できるほど自信家ではないので……
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- うわー、わけわかめw
でも不思議とまんぷくアリと主人公とのやり取りに魅力を感じ、物語に入り込んでしまいました。非常に面白い。ただそれだけに、ラストの終わり方がどうしてももやもやしたモノを心の中に残してしまうところが、勿体無いと感じました。素直に楽しみたかったな。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- >クマは返答に困った様子だった。
そこは困ったじゃなくてクマったがお約束だろーっ!! と、おそらく38人ほどの読者が心で突っ込んだと予測します。当たったらなんか下さい。
話の筋は好きですし、展開としても嫌いではないのですが、表現が淡々としすぎていると感じました。どの場面でも力の入れ方が同じように見えてしまって、読んでいる側として盛り上がりきれませんでした。マジックショーにしても、ラストの女の子の告白(?)にしても。まあ、それが味といえば味なのかもしれませんけれど、どこか一点明確に入れ込める部分があれば個人的にはもっと好みになっていたと思います。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:4)
- 疲れた。それが第一感想。
3分の1くらいまでは楽しんで読めたのですが、この一本調子が延々と続くとさすがにだれます。『世界の中心にいないから、ふっと気を抜いたら、遠心力で宇宙の深淵の彼方まで一気に放り出されてしまう。』なんて、端々に出てくる表現はかなり好きなんですけれど、途中から飽きてしまいました。この内容ならば長さを半分くらいにして、シャープな表現を心掛けた方が良かったのかもしれません。
ラストのダメ親父とダメ娘振りには、それまでの疲れも手伝って閉口。うーん、見せ方を失敗しているような印象です。せっかくの内宇宙が勿体無い。
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- 特に中盤で顕著だったように思えるのですが、場面ごとの描写が足りず転換が頻繁すぎて、非常に淡白で雑な作りになっていました。また物語の内容としてもありきたりで、その先を書かなければ読者の期待にはこたえられないと思います。扱う内容に応じた描写をしてもらいたいです。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:8)
- 面白かったです。思わず「猿沢」その他諸々をググってしまいました。でも知識がなくても楽しめた作品です。
ショッキングなイジメシーンから入り、掴みはOK。後は幻想的に作品世界に漂うことが出来たので、トリップ感という点でなら満足なのですが……。
ラスト、がなぁ。
その前の引用された台詞から繋がっているのだろう、というのは想像に易くて、しかもその引用されている作品をググッた知識でしか知らない私にはわからない部分があるんでしょうけど、それでも現代社会において生きるを殺すに直結させてしまったのにはちょっと抵抗がありました。そりゃ喰ってはいるけれど……う〜ん、私の考え方は偽善なのかな。悩む。喰った後に吐くのは、意志の選択は誤らなかったが手段の選択を誤ったせいだと思いたい私です。
でもこのように、読後に色々と思考してしまうこと自体、いい作品の証だと思います。
ググったあとでは8点ですが、ネット検索する前の印象からの評価で7点をつけさせていただきます。
追記:
この感想を書いたあとで一覧の詳細を目にしました。
『フィクションの水辺で死んだ女たちの意識の淵で』
うわおう、そうなるとまた別の考え方が出てくるのかな。溺れているのも、精神的な比喩でもあるのかしらん。CHAINではなくCHAINSAWだから、こちらの方がしっくり来そうです。読者の勝手な的外れの思い込みなら申し訳ない上にメチャクチャ恥ずかしいことになるのですが、参りました。8点に変更させていただきます(つまりは検索後評価9点で)。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:8)
- 面白かった……というより、感心しました。16KBで未来世界を描写しようとしたことに。そして成功していることに。今までこんぺで見てきたものは、未来世界そのものの描写ではなく、未来世界を舞台にしたものばかりのような気がしますから。ただ私の好みは物語寄りなので、世界設定に終始してしまっている印象の作品は、どうしても読後の満足感が足りないのですけれど。これを娯楽的な物語として成立させるには、どうしても尺が足りない気がします……。ホント、これを下地にして物語を書けば、普通に一本のSF小説が作れそうです。なんだか勿体無い。
読んでいる中途から、アイザック・アシモフの名前なんかが頭をよぎりました。作品イメージとしてはそんな感じ。漫画で言うなら、その設定要素から甲殻機動隊とか銃夢(旧作)とか。複合技合わせて一本という気もしますが、楽しめたのでよし!です。
それと、句読点はこだわりと遊び心の両方が感じられて良かったです。それと一覧の案内文が少しすっきりしないものを残してしまうのが、ちょっとまた勿体無い。単なるジョークですよね、と。
- 44 蟲毒 (採点:8)
- 面白かったです。上手いなぁ。展開なども含めて文章にスピード感があります。異常な形ではあれ、ガチのタイマン勝負。少年漫画に近い感覚で読んでしまいました。いいんかいなコレ。
内容としては、現代の病理的な題目や題名から連想される題目を読者の想像どおりにいくらでもつけることは可能でしょうけれど、そういう話でもないですよね。病んだ娯楽作品。気に入りましたです。
- 45 八月水晶 (採点:8)
- うわあ、いいお話です。
ただラストにひとつ、もうひと段落、八月水晶やその夏の子供たちや、或いはその夏に関する何らかの記述が欲しかったと思いました。最後の最後で、決定力に欠いた。もちろん、何事も明示することなく事実を提示して終わるのがこの作品の魅力であるのですが、そうやって抑えた表現によって溜め込まれた読者の感情を、最後に開放してやれれば、間違いない名作になった気がします。下手をすると作品全体が台無しになってしまう危険はありますが、それでも冒険してもらいたかったな、と思います。
思い出だけが残り情景が失われても、フィクションにだけはそれを求めたいし肯定してもらいたい。そんな夢見がちの私です。
題名もいいですね。六月水晶、八月水晶。子供たちの様々なキラキラと光る結晶が詰まった、季節を閉じ込めたような宝物。その八月水晶の消え方はなんとも現実的ですが、5年生の男の子のロマンチシズムの行き着く先と相反することなく共存できていて、ロマンチストとリアリストと双方にアピールできるいい題材だったと思います。
ただ繰り返しますけれど、私はロマンチストなもので、そっちにもっと偏ってもらったらもっと好みになっていたのですが。あはは。
- 46 青空 (採点:4)
- 遺書というショッキングな出だしに対して、内容は非常にライト。抱いた期待はしぼんじゃいました。
仕掛けとして機能させようとしていたことはわかるんですが、演出なればこそ、もっと凪人がどれほど不安を抱いていたかとか、主人公がどれほどあの夏の頃凪人を好いていたかとか、それらを読者に提示する必要があったのではないでしょうか。作中の人物達が過去の出来事としている経験をこれ見よがしに提示するのならば、読者にも過去の出来事として追体験させないと、感情移入はさせられないと思います。せめて脳内で補完しようという気になるところまでは描写してもらわないと、上辺だけのものに見えてしまうと思います。う〜む。
- 47 光学概論 (採点:9)
- うわおう、良い。
何がどういいのか、という問い掛けには読了直後の今の頭ではちょっと答えきれないのですが、とにかく文章から目が離せませんでした。途中で一度、息苦しさを憶えて、息をすることを忘れていることに気が付いて、ちょっと深呼吸しました。何故かわからないけれど、本当にのめりこまされていました。う〜ん、何故だろう。とにかくもう主人公にシンクロしまくっていたのですよ。
いつどうやって子供に話しかけるのか、どのような会話をすればいいのか、二人の関係が今以上に崩れやしないのか。主人公の息子に対する腫れ物に触るかのような言動に、ナイーブさに、もう目が離せませんでした。
祈りを唱え、声を張り上げて、その後に息子の言葉にフィルムを巻き戻す。それがとても悲しく感じました。情けない父親の視点を借りた、現代的であり普遍的でもあるいいお話だったように思います。
う〜ん、8点か9点か悩みましたが、読んでいる最中ののめりこみ具合から9点を。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 面白かったです。台詞の回しとか文章のテンポとか、上手いな、と思いました。ぐいぐいと読者を引きずりこむ力のある作品だと思います。ただ、容量がギリギリの作品に対して言うのは申し訳ないのですが、ただ飛ぶだけで終わってしまったのが勿体無かったです……。
もう一つ、あと一つ。熱意や情熱を描写して、「飛ぶ」という行為に魅せられた人たちを描くだけでなく、読者達をも飛ぶ行為に魅せて欲しかったです。ラストシーンでヒロインと一緒に主人公を応援させるような気持ちにさせてくれれば、高得点間違いなしでした。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:5)
- 設定自体は穴が有るように思えるのですが、その穴に対して作者さんがどう考えてこのような展開や結末にしたのかがわからないので、なんとも言いにくい気がします。ただ、もしこの展開や結末に対し表面に出していない意図があるのならば、そこをもう少しわかりやすく描写して欲しかったような気もします。
裏の意図がないのならば、上記の文章は無視してくださいね。ははは。
で、それ以外の感想ですが。
主人公に関しては「ママ」に対する想いと自分がそのママになる夢しか描写されていなかったために、この主人公が『ママ』になる結末がどうにも手放しで喜べませんでした。主人公と他の母親になれない人々との違いを描写してもらわないと。ロボットが母親代わりになって育った人間が親の年齢となっても、まだ社会では『ママ』が数多く運用されている、そういう時代なのですから。寛容な会社の姿に気付かない、自己満足を求めているだけの不安定な人間に見えてしまいました。う〜ん。
文章自体はそれほど気になるところはなかったのですが、展開には何点か唐突に感じた部分が有り、気になりました。わざとやっている部分があるのはわかるのですが、その後のフォローの仕方でその感覚が払拭できなかったということです。多分、前述の結末も、そのフォローがうまく出来ていない部分に当たると思います。全体的には平均以上の作品だと思うのですけれど……
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:5)
- 残念ですが、こんぺ向きの作品ではないように思います。長編で、ゆっくりと描写に手間をかけ、時間をかけて読者を引きずりこむべきお話だと思います。設定を語れば尺が足りなくなり、設定を省けば置いてけぼりで内宇宙の垂れ流しになってしまう。そのうえ今の時代では、ゲームや漫画、小説でありふれている世界を披露するだけではファンタジーとして魅力がないのですから、キャラクターや物語の展開でも読者をひきつける必要がある。もしそれらのことを掌編で全てやり切れるのならば凄いことだと思います。
このような話を書きたいのならば、この世界をもっと大事に扱って、手間や時間を惜しまずに、尺も十分に取って長編で書いてもらいたいと思います。
- 51 野辺送り (採点:8)
- 良かったです。まず文章が落ち着いていて読みやすく(読めない漢字が三つほどありましたが(笑))、野辺送りや田舎の山中という静かな雰囲気に合っていて、作品世界にどっぷりと浸ることが出来ました。
終盤に台詞が入る場所では、それまでの重く鬱積した空気を、視覚的にも心情的にも解放させる上手いやり方だと思いました。ここで読者としても、ほう、と息をつくことが出来、主人公と上手く同調させることに成功していると思います。コレがあるからこそ、オチの遥に対する主人公の変化が、読者として理屈無しに納得できるところまで来ていると思えます。内面描写の積み重ねや記述による変化表現だけではなく、視覚や構成面による表現で読者操作を行った技術の勝利、といった印象でしょうか。
ただし、掌編でそのような技術を用いた反動か、どうしても内容としては奇を衒わぬ正統派であることが残念です。この筆力に加えて切なさや苦しさ、迷いや嘆きといったものが胸に迫ってくるような起伏があれば、個人的により満足して満点をつけていたかもしれないと思います。
野辺送りという題材では、むしろこの雰囲気こそがいいんでしょうけれど……となると題材として上限点が私の中に設定されてしまっているのかな。ははは。
それはそうと、これでようやく主人公の野辺送りが済んだとしたのなら、幹也君は今まで彷徨っていたことになるのか……遺された者の未練に引きずられるとはいえ、姉に対し、友人に対し、心安らかになれず一番辛い思いをしていたのは死後の幹也君かもしれませんね。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- ダメじゃん、主人公。この、いい所の無い主人公の内面描写だけで終わってしまっては、ちょっと物語として不完全に感じてしまいます。主人公と、幽霊と、その二つを追って描写していたのですから、その二つに対して責任を持たねば。極端な話、この物語は萌えシチュエーションを用意しただけで終わってしまっています。個人的には、シチュであるなら変な題目を振りかざさずにシチュオンリーで勝負して欲しいところ。もちろん シチュオンリーで勝負する、というのがとんでもなく難しいであろうことは、またわかりますけれども。
雰囲気作りなどは、中々に上手いと思うのですけれど、だからこそなおさらにそう思ってしまいました。
こうした付加価値がなければシチュに萌えないという人も居るのですから、飽くまで個人的な趣味に過ぎませんが、まあこれは私自身の感想なのであしからず。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- うああ〜惜しいな、めっさ惜しいな。
読み始めの印象は伊坂幸太郎でした。アヒルと鴨のコインロッカー。しかし中途で全く違うな、と思ったんですが、黒川が死んだというラストではまた伊坂幸太郎に戻ってきました。とはいってもそんなに読んでるわけではないのですけれど(笑
ラストの雰囲気や主人公志賀の心中に対して、話の展開が弱すぎるような気がします。夜のコートでの1ON1や、バッシュを燃やすシーンは日常の枠内に収まっている非日常で、光景としてはいい映像を浮かばせてくれます。しかしそのシーンに至るまでの心理描写、なぜ主人公がその行動を取ったのか、どのような心理的変化があったのかについては描写や説得力に乏しく、唐突感が否めませんでした。冒頭の主人公からラストの主人公まで、変化を説明しているのはわかりますが説得力が感じられなかったと、そういうことです。ここに納得が出来れば、イメージ映像に心理描写が追いついていれば、8点は堅かったと思います。かなり勿体無く感じました。
- 54 彼女への笑顔 (採点:4)
- う、病気の説明だけで終わってしまった気が。
主人公も失語症とか何らかの障害があり、しかし共に今は幸せに笑うことが出来る……などという展開をちょっと期待していました。
この病気に対して考えることは出来ましたが、物語としてのよさは伝わってきませんでした。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:4)
- うーん、まあ、このような内容に関しては各々経験などからくる判断基準があるでしょうから言及できませんが、私個人としては非です。その私をも引きずり込む魅力や説得力が作品から発されていれば良かったのですけれど。
取り巻く環境を言葉だけで表現するのならば、植物状態になっている主人公の再構築して認識する世界をもっと精巧に描写しなければならないんじゃないかと思います。それぞれの人間が思考をただ言葉にしているような印象がありました。それが無理ならば、一人称ではなく三人称にするなり、何らかの手立てを講じる必要があったように思えます。そこを含めて、あまり私の趣味に合っていませんでした。ごめんなさい。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 飽くまでリアルではなくファンタジーとして。
イタチさんも救ってあげなさいよ!!!
なんか小鳥達はハッピーエンド、飛べない鳥は心の中だけでハッピーエンド、てな形で奇麗にまとめられているけれど、イタチさんも全員とは言わずとも何人かは違った形で救ってあげないと、奇麗な話とは私は見れません。鳥視点からだけで終わらせてしまうのではなく、イタチ視点からも何らかのフォローが欲しかったな。少なくとも、親イタチが帰ってこなかったせいで子イタチが餓死した姿とかを書いて欲しかった。生存競争をどちらか一方の視点だけで描いてしまうのはいけない。それならそもそも生存競争を物語の要素に放り込むな、と言いたくなってしまう私です。或いはイタチ側にも主人公と同じような境遇のキャラクタを登場させて、ラストに二人を引き合わせる、とか。鳥とイタチと、この島に住む二つの種族に同等の扱いを与えて欲しかったです。
すいません、娯楽作品に対して狭量な物言いで。
でも、このような内容を童話調で書かれているとどうしても、ね。童話調でなければ気にならないんですけれど。ガンバとか好きだし。個人的な好みの問題なんですね、ははは。
文章表現としては問題ありませんし、構成などもよくまとまっていると思います。ただまあ、上記のきわめて個人的な理由により7点で。
- 57 夏を見逃すな (採点:3)
- 例え妹と姉ちゃんと夏を感じあえたとしても、私は夏を感じられませんでした。もし兄と弟で同じ会話をさせたら、その時は別の意味で暑苦しく感じていたかもしれないなぁ、とw
作者さんが楽しんで書いて、そして読者を楽しませようとしているのもわかりますが、読者はおそらく予想以上に我がままで欲張りなのだと思います。
男女の好みと同じで、初回の御見合いではまず見た目そして性格や礼儀作法といった第一印象が重要で、続いて長く付き合う過程で趣味や会話が合うか、未来設計が同じかどうかを確かめあってゴールインとなるのだと思います。まず見た目の文体を一般の趣味に合わせて(マニアックな人間しか狙わないのならば合わせる必要はありません)、一般的に受け容れられるキャラクタ設定や文章作法といった第一印象を整えるのが重要だと思います。他人と違う個性を出すのは、その後でもいいかなぁ、と。
まあ御見合いではなく、大恋愛で結婚する人の方が世の中には多いのですけれど(汗
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:5)
- >解けて大変なことにっ
アイスに纏わる歴史的な謎! 解けたら大変なことに!
と、ちょっと思いました。でも最後にベタベタになってたので、ベタでもいいですよねw
タイムリープと失恋を掛け合わせたアイデアは良かったと思います。一人称の語り口を選択したのも、雰囲気を上手く作れていて悪くないと思います。
ただ展開の練り方、話の見せ方が勿体無いように思えました。
もっともっと読者を引き付ける事ができると思います。その下地まで出来上がっているのですから、もうひと頑張りしてもらいたかったです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:5)
- やめてやめて! こんな痛い話やめて!!
なんでインドが舞台になってんのかなぁ。カースト制度を皮肉っているんでしょうか。どこまで知識でどこから想像かわかりませんが、こういう話を作るのならば他国ではなく自国にして欲しかった。異文化に対する礼儀はもちろんのこと、読者としてフィクションなのかどうか判断できないから割りきりが出来ませんよ。仮に判断できたとしてその正誤は読者側には絶対わからないというのも真実ですが、まあそれは置いといて。そんなこと関係無しに作者さんはすべて経験から知識を得ていて、告発するために書いた作品だというなら別ですけれど。
ダークな作品というのは苦手ではなく、むしろ好みの分類に入るんですが、飽くまでフィクションと私自身が割り切れることが前提なので、楽しめませんでした。物語としての出来はいいと思うのですが、ごめんなさい。
あ、一点だけ追記を。兄弟達が砒素でディディカを殺すことに恐怖(?)や罪悪感(?)を抱いているのには、ちょっと違和感が残りました。母になり慈愛を持ったディディカ自身の変化に兄弟達が影響されたのでしょうか。題名とどう関連づけられているんでしょうか。う〜む。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 猫を主人公にしたのはいい狙いだと思います。芝居気が肯定されやすくなりますから。うん、かわいいかわいいw
ですがそれを加味して考えても、粋には届いていなかったような気がします。芝居がかっている、で止まってしまっていて、御芝居にはなりきれていなかった印象です。これは逆に猫で逃げようとしたのがいけないんじゃないでしょうか。主人公達が人間でも観客が楽しめる作品を考えて、それにプラスアルファの要素として猫を用いた方がよかった気がします。
作者さんがどのような意図をしていたかはわからないのですが、私の目からはそう見えてしまったと、そういうことです。
- 61 缶コーヒー (採点:5)
- 岩倉先生が登場し会話が始まった時にはかなり期待しました。一体物語がどう進むのか、その展開に。
しかしいったん退場してしまうと……普通の物語になってしまったなぁ、とちょっとがっかりしました。オトナの回答を得るにしても、読者をひきつける展開を用意して欲しかったです。
- 62 5人以内のごろつき (採点:6)
- 好きだなぁ、こういう話。
素敵に馬鹿馬鹿しくて、裏を探って読んでいたら心地よい「馬鹿にされた」感を味わえました(笑
ただラスト一行はさすがに不要だった気がします。飼い犬にこんな物語を話して聞かせるご主人様というのも可愛くはあるんですが、読んでいる立場としてはまたこの一行の意図を探ろうとする気持ちが働いて、どうにもすっきりしないもやもやが心に残ってしまいました。そこがちょっと残念に感じました。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:4)
- こんなに痛い話はやめてくださいよ。ピンポイントで社交性ゼロのこの私を攻撃して何が楽しいんだ、うがーっ!
いやでも、シチュエーションは理解できても、物語の内容は理解できませんでした。題名や主題は理解できるような気がしたけれど、気がしただけで。キーワードが私にとっては難解すぎるし、主人公がなんでわかった気になっているのかもよくわからなかったんです。クエスチョンマークが頭の中でタンゴ。
空気は中々いい雰囲気を醸していたと思います。
- 64 花盤 (採点:8)
- なんという甘美。いけない世界に目覚めてしまいそうだ。
文体がまず好きです。しっとりと濡れそぼっていて(まッ!)、幻想的な内容にも合っています。作品世界や表現も好み。冒頭では「うわっ、もしかしてグロへ行くのか!?」と身構えてしまったのですが、読み進めるうちに徐々に妖しく美しく脳髄を嘗め回されて、どっぷりと浸ってしまってなんかふにゃけてしまいました。特に保健室の描写なんかは・・・・・・うわあ。現実なら引いてしまいそうでも、活字なら魅せられるこの不思議よ。その不思議を味わわせてくれた作者さんの力量に感謝です。
このような世界は私にとって新鮮でした。花と蝶かあ。ぶらぼー。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:6)
- このおりこん投票期間に「ぼくらの」という漫画を読んだのですが、その漫画の一つ、古茂田孝美というキャラクタのエピソードを思い出しました。世界は音で出来ている…ああなるほどなぁ、と。優しい話だと思います。
ただ特殊な能力がある二人だけしかこの作品世界に登場せず、その世界を理解できた切っ掛けが能力にしかないというのは寂しい気がします。普通に生活している私たちが触れる世界との接点は残して欲しかったな。世界というと語弊があるでしょうから、認識。世界に対する認識に、一般人の感覚を交えて綴ってくれたら個人的には嬉しかったです。木々のざわめきや波の音、鳥の声。作中で表現されている音は私たちが聞いている音と一緒ではない扱いなのですから。
またこれは認識とは別の話として書きますが、私が読んでいて不思議に思ったのは、主人公は自分が発する音に対しての感想が当初欠落していたんですよね。後になればそれなりのフォローが入りますし、女性が知らぬ間に背後に立っていたのも伏線にはなっています。しかし、鼓動の音や間接の音など、生きるうえで必ず鳴る音に関して無関心であることが気になって仕方がありませんでした(これも聴く側の問題だということへの伏線かもしれませんが)。私にとって気になる人間のとなりにいることで高鳴る鼓動、朝起きて半身を起こす時に軋む体、そういったものこそが「気になる」音ですから、それらを交えて自分の音と心との対話をしてくれたら親近感が沸いたかもしれないな、と思いました。
- 66 サルベージ (採点:4)
- 色々と一足飛びに結論に持って行きすぎかな、という印象を抱きました。書きたい内容を言葉として明示するだけでなく、その因と果の間の過程を読者に見せる必要があると思います。例えば「私のことを知らないくせに→私なのか?」の部分とか、持ち物を確かめただけでもう年貢の納め時だと諦めてしまう部分とか。少年の描写にしても主人公の描写にしても、心理の描写にしても、ストーリーこそが最優先で、そのために必要な要素や伏線をただ紹介しているだけ、というように見えてしまいました。
作品のトータルバランスに気を遣うことは重要だと思います。
- 67 純 (採点:4)
- ちょっとマテ、すっごい投げっぱなしジャマイカ!?
「なあ、おっぱい揉んでいいか」の主人公は漢だと思いました。でも考えてみたら性同一性障害を扱っているだけで、冒頭の純の性別が判明するまでと、このおおおっぱいをももももも揉む場面だけが見せ場だったという気がします。すっごい投げっぱなしだし。
長編のワンシーンでしかなく、掌編としては不完全な印象でした
- 68 七夕 (採点:1)
- んー、読者を試したいのでしょうか、それとも自分を試したいのでしょうか。娯楽にせよなんにせよ、計らずとも発信者と受信者にその類のやり取りが必ず生じてしまうのは純然たる事実ですが、発信者が飾らずに表に出すのならば受信者も飾らずに表に出すのみです。悲しいことですが世の中は騙しあい。正直者過ぎると生き辛いのだと思います。それでも節度や礼儀など形式を守れば形式内では扱ってもらえはするでしょう。私も形式内で受信者として正直に作者さんを試してみたいと思いました。ですからこの点数です。
ま、書き手にせよ読み手にせよ、互いに感化されちゃうものだよね。楽しくなれませんでした。
もとい。
構成や表現が難解なわけではなく、平易な文章に過ぎないのに何故あえて読者を突き放そうとしているのか、どうしてもその意図がつかめません。というより、私がESPで読み取った意図が誤解であれば良いと切に願う次第。冒頭その他の文章にしても句読点を打つと途端に読み易くなるんですよね。解釈や理解を押し付ける作品というのは読む側もパズルのようにゲーム感覚で楽しめるのですが、突き放されているのにそれでも仔犬の様に付いていくことにはマゾ的な快感しかないでしょう。多数の集団にわざわざ出向いて少数に向かって発信し悦に入る人がいるのなら、それは優越感を欲するコンプレックスを抱いたマゾです。内容から考えるに物語のテーマを作品世界だけに留まらせずに外に向けたかったのかも知れませんが、もっと良い方法を考えましょう。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:3)
- 普通なら噴飯ものな内容なんですが、不思議なことに主人公が魔法幼女だと楽しんで読める…………わけないだろオンどりゃああああああ〜〜〜〜〜!!!!
とりあえず関西弁では「めっさ」ではなく「むっさ」なんだと学習しました。その点だけ感謝します。嘘だったら許さない。
と、不安を感じて検索してみたら真っ先に「富士見台名店街」が引っかかりました。一日で二つの知識を仕入れたことに感謝して、2点おまけします。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:3)
- 読み始めの時点で、作者さんが読者に対して何か試そうとしているな、というのがありありと窺えて、まともに読む気を失ってしまいました。とりあえず主張はお受けしときますが……素材をどかっと食卓に乗せられて代金請求されても困っちゃいます。
- 71 幸せの処方箋 (採点:4)
- ミステリーにはなりきれていませんし、SFにしても不完全という印象でした。前半部分にもっと要素を散りばめて欲しかったです。これでは二つの解釈を紹介してるにとどまっている気がします。観測による世界変化の描写が不足しており、言葉だけで表してしまっている感じです。日常の描写は中々にいい感じだと思うのですけれど。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- 色々と投げっぱなしだな、と思います。
例えば『そして、そのような生活を送っているうちに、いつのまにか心は弾力を失ってしまったのだ。』などの一文を書くのならば、何故主人公は自分の心が弾力を失ってしまったと判断しているのか、「そのような生活」が心にどのような影響を与えると考えているのか……そのような描写を挟むなり前後に入れ込むなりしなければ、単に単語を並べているに過ぎなくなってしまうと思います。
一事が万事で、主観的に観測する事象と、それによる結果を性急に短絡的に繋いでしまっているために、あまり心に響くものがありませんでした。作者さんと読者とは異なる世界や認識を抱えているはずですので、人の心を扱う物語を書き綴るのであれば、掌編とはいえ、その描写の手間を省いてはいけないと思いました。
- 73 あかんぱにい (採点:5)
- ワラタw
でもだんなさんを指してペットと言ってるかもしれないよね!
或いはSM的なペットで……いいなぁ、うらやましいなぁ。
なんにせよ、ボーイさんは全て承知で言っている気がしますよ(笑
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- 言葉の意味を引っくり返しただけじゃ、ちょっと、ね。伏線や叙述トリックを仕掛けようとしているのでしょうけれど、かえって物語の全体を軽くしてしまっています。
「100万の軍勢が攻めてくる!」と言われたあとで、実はこの国や時代では万という単位は男性一人を表すMANなのです……なんていわれても困っちゃうのです。それをするなら、言葉だけではなく描写を伴って行わなければならないでしょう。特にこの話ではラストにそれを明記しているために、これこそが作者さんの狙いだと読者にアピールすることとなり、結果、なおさらに物語全体が軽くなり宙に浮いてしまっています。明らかに失敗だったかと。
それと、通行人AやBにまで名前をつける必要は無いと思います。作者さんなりのこだわりがあるのかもしれませんが、不必要なものを排除して情報を絞るのは、読者を物語りに集中させる一つの手段になると思います。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- 子は親を中々超えられんもんだな。大きくなっても年をとっても親は親、子は子。超えたと自負できるのはいつなんだろうか。
いや面白かったです。用語なんてわからなくっても熱くなれる! 試合の前も後も、短く切り詰めた語呂のいい流れるような文章に引き込まれていました。試合展開に悩むのも、過去や未来に悩むのも、やっちまったと凍るのも、そのスピード感の中で楽しめました。
いやいや堪能。ありがとうございました。
- 76 シャーベット (採点:7)
- はっはっは。楽しいなコンチクショウッ!
いやほんと、後半部分は読んでて凄く楽しかったです。好きを嫌いと勘違いするというのは漫画でもたまにあるシチュエーションですが、それに振り回される周囲の描写が面白かったです。導入部分の「わたし、あなたが嫌いなの」までがこれまた非常にGOOD! ここも楽しかったです。
ただ、好きと嫌いの勘違いはすぐに読者には予想がつくのに、日下ちゃんとの会話でそのねたを引っ張り過ぎてしまうのはちょっと退屈でした。それにラストがね、やはり掌編として完結しきっていないように見えます。二人の話に終りを用意しなくてもいいので、代わりに作品としての終りを用意しなければならないと思います。
でもキャラクタたちのやり取りは素直に楽しめました。上手いなあ。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:6)
- 作者さんはロマンチストだな、と思いました。私は残念ながら、ここまでロマンチストにはなれない。奇麗な話なんですが、それを素直に信じれるほど私の心は奇麗ではないのです。申し訳ない。
読んでて自身に照らし合わせて耳に痛いシーンや表現が幾つもあったのですが、それも結果的には心に響ききりませんでした。この物語は徹頭徹尾閉鎖空間で描かれているようで、開放感を得られなかったのです。心の内へ内へと沈んでいく。メールやネットでの人のつながりというだけでなく、ラストで知花と主人公が会った時でさえ、沈んでいる気がしました。会えた事の喜びなどの開放的な表現よりも、湖や代弁者などの心象風景の方が描写され優先されている。主人公の喜びや奇麗さは彼の心の内側に向けられていて、外の世界には向けられていないように感じてしまったのかもしれません。
本当に奇麗なお話とは思うのですけれど、まあ私の趣味には合わなかったということです。ごめんなさい。
- 78 音響室B (採点:5)
- 単なるいたずらっ子だなぁ。と、ラストでそんな感想に変わってしまいました。興味が肩透かし。作者さん自身もいたずらっ子なのかもしれない。
文章などはとても読みやすくて、展開も興味を引くのが上手く、楽しめました。あとは涙の理由や電話の内容等が物語に関わってきて、作品全体に深みを持たせてくれたらより満足感が高まったのに……と思わざるえません。尺の問題もあるでしょうし、そこを放棄しているからこそ軽妙な描写をする余裕があったのかもしれませんが、読者としては不満が残りました。
ホント、ラストで何かすりかえられてしまった様な印象です。
- 79 ユメオチ「 (採点:4)
- 題名についている『「』は何かの仕掛けだと、ほとんどの人が読む前に気が付くと思います(笑)
表現としては起伏が足りずに平坦ですし、内容も平坦で面白みに欠けます。どちらかが夢オチと思わせて、実は全部が夢オチでしたー。と持っていきたかったのならば、なおさらのこと読者を引きずり込んでその思考力を奪うように、或いは逆に考えすぎて答えを見失うように、様々な仕掛けや趣向を凝らす必要があったように思います。
『遠まわしな告白?』に対して色々と練るだけでも、読者の満足感は変わってくると思うのですけれど。
- 80 リング (採点:6)
- ちょっと作品の軸がふらふらと揺れていたかな、と思いました。それが最後に奇麗にまとまると白旗あげて降参してしまうのですが、結末はそのふらふら感をまとめ上げてはいなかったように思います。
これは掌編でこその私の我がままです。限られた容量だからこそ、必要最低限の要素に絞って欲しい。そして出した要素は全て生かして欲しい。
試合での逆転、巧の怪我、水城とサッカー、主人公の心情。これら物語全体をまとめ上げるにしては、最後の会話、そして主人公の述懐だけでは不満が残りました。
- 81 ずっとずっと前から (採点:5)
- 雰囲気は悪くないと思います。おそらく作者さんが作りたかった空気を上手く纏っている作品に仕上がっていると思います。
ただし、これが私の趣味に合うかというと……う〜ん。
延々と16KBかけて告白しただけなんですよね。おまけに、物語のはじめから二人の気持ちは決まっていて、事件などによって揺らぐことも無い。ただ、主人公が確かめただけです。その確かめる過程も主人公の心のうちだけにとどまり、読者の前に提示されない。その結果だけです。一応島を出た理由は明かされるものの、やはり過程といえば……う〜む。起伏を求める物語ではないのならば、共感を呼び起こしてくれる作品だったら良かったんですけれど。
繰り返しますけれど、空気は良かったと思います。ただそれが趣味に合わなかっただけです。申し訳ありません。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:7)
- >「あの『洗ってない犬の匂いするんだよ、キモイ』って言うの。あれひどいと思わない?」
同意同意同意!
まあそれは置いといて。
いい話なんですよね。ただ、一人の人間の内面と二人の人間の関係の描写としてはいい話であっても、それだけで完結していいものやらと疑問が頭をよぎってしまうので……。まあ、お惚気話なのですから、そういったこと考えてはいけないのでしょうけど(笑
愛し愛され、私のような寂しい人の願望が上手く表されている作品だと思います。うう、羨ましい。
- 83 変わった趣味の男 (採点:5)
- とても比喩的ですね! ああもうなんといったらいいのやら。
このようなスタイルは嫌いではないのですが、ところどころ狙っている文章が、この作品においては滑っているように思えました。作者さん特有の狙っているギャグ・シュール・メタファにあった文体というものがあるんだなぁ、という印象でした。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- まあ、ベタですよね。ベタベタだ。
でもそれが大好きだ!!!!!
いやもう、高校時代のちかにはムカツキですよ。自信の無い男をそんな風に見るんじゃねぇ! 心が痛いじゃないか!
でも終盤の彼女にはフォーリンラブですよ。ベタな展開を妙に飾り立てずにさらりと流してオチ付けてくれたところが嬉しかったです。
- 85 童話 (採点:4)
- ところどころくすり笑わせてもらって、上手いと思えたところは有ったんですが、この題材を仕上げるには推敲不足じゃないかと思えました。特にラストの辺りは、男の論に飛躍が見えて、売れない絵本作家の悲哀にしても少々無理があるように思えました。
それに一言言わせてもらえるなら、
交尾の相手がいるくせに悲劇ぶってんじゃねぇ!!
もてない人間の怨嗟でした。いや残すさ、残して見せるさ、30億年が残しているものは他ならぬ生命そのものなんだから。ちくしょーうわ〜ん。
- 86 NEET (採点:4)
- うーん、ただバイトしているだけでは、ちっとも夢のために頑張っている姿に見えない。それを描写しようとするなら、バイトをしている姿と同時に、机やディスプレイに向かいペンを持ちキーボードを叩いている姿を描かなければダメでしょう。デイトレーダーだった頃との違いを描写しなければ。
或いは過去のバイトをしていた頃のがむしゃらさを回想などで先に描写しておき、火事後にそれと被る描写を演出するとか、とにかく変化の描写が足りないです。
あまりにも悠々自適だし、甘ったれてるとしか見えないなぁ。
まあ、これが読者達への皮肉を含んでるとしたら、結構耳に痛いところはあるんですけれど(笑
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:6)
- 終わりの一文があまりにもあっさりしすぎていて、肩透かしの印象です。勿体無い。作者さんは狙って書いたんでしょうけれど、正直う〜む。
実はどこかで似たような話(百合や心中とか)を読んだ記憶があって、途中までは「似た様な結末になるんだろうな……」と考えながら読んでいたのです。揚羽は死ぬ時に蜜柑を置いて一人で死ぬんだろうな、と。
しかし生霊とは考えていなかったので、ちょっと想定外。この意外性は良かった。普通に読むよりも2割り増しで楽しめたと思います。はっはっは。
ただ、蜜柑が揚羽に惹かれた理由・過程が描写不足のように見えました。そこでシンクロしてたらもっと楽しめたと思います。
- 88 探偵は誰だ? (採点:6)
- 物語のアイデアは面白かったと思います。ただ、浅学な私に教えて下さい。仮にここにある通りの仕組みの機械が作れたとして……ウラシマ効果って、そういうもんなんでしょうか? なんか違う気がします。文系の私には、ホントよくわからんけど。変に理論をつけてしまうよりは、単純に「時間通信機が完成した!」でよかったような気もします。まあ、その場合は24時間でくくる方法を別に考えなければならなくなっちゃいますが・・・
それとアイデアは本当に好きなんですが、その周囲の表現は、ちょっと趣味からはずれていました。信子が寄せていた好意は元から明らかですから、もっと早くに書き終わっていたほうが終盤が間延びしなくて良かったように思えました。
- 89 午睡 (採点:7)
- 作者さんは相当に力量のある方だと思います。手紙という形の日記に情報を散りばめることによって、病状が上手く描写されています。君もあなたも母もプレゼントの相手も、おそらくは錯綜していていて読み返しても思い出せないし理解できないものなのだろうと思うと、この主人公の悲しみが胸に迫ってきます。
実は私は、物語の中盤で主人公の精神的な病気に思い当たった時点では、そしてその後主人公の孤独や行動が明確にしるされていく時点では、力量はあってもあまり楽しめない物語だと心中で評価を下していました。その評価が翻ったのは日記に挟まっていた葬式の手紙という部分です。これによって、大事な人や事柄を忘れたくないという気持ちと行動、しかしそれでも忘れてしまう悲しさが、ようやく私の心に届いた気がします。そして物語のほかの要素にもようやく身を入れて思い返すことが出来るようになったとも思います。ギリギリで主人公象に親近感を抱くことが出来た、というところでしょうか。もちろん、構成上これは作者さんの狙ったところなのでしょうが、プレゼントやその他料理やピアノや文学といった話題にはあまり感情移入できていなかったので、ちょっと危うい狙いだったかな、という気もしました。
- 90 R・P・G (採点:4)
- 神視点と青年の魔王討伐、というアイデアは面白かったんですが、その記述方法があまり好みではありませんでした。うーん、もったいないなぁ。
コンピュータゲームの魔王ならば、イニシアチブを取られて全体攻撃魔法を喰らわない限りは雑魚(屈強だそうだけど)400人で十分勝てそうですが、漫画の魔王とかはどうにも勝てそうにないなぁw 城中でキメラの翼が利くのなら、魔王もルーラやリレミトで自軍に逃げればよかったのに。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- 鈴のアイデアが素敵です。正直、主人公が「僕を呼んでよ」なんていったときにゃあ、紙面の世界に飛び込んでぶん殴って鈴ちゃんを強奪したくなりましたが。でもその後、鈴の音の意味もアクティブとパッシブとに逆転するのはとても気に入りました。うん、素敵。それと鈴ちゃんも素敵。ネイティブにロリコンだ。
物語の前半ではこのロリコンぶりに、半ば本気で引いてたんだけどね(笑
テスト用紙が風に舞う光景も、思い描くと素敵です。ただ展開や台詞といった部分部分に好みじゃない要素が結構有ったのが悔しいところです。個人的な趣味の問題なんですけれどね。
- 92 神の子 (採点:9)
- 力作ですね……凄い。
際限なく落ちていく穴、崩れていく肉体、解放される魂。少し大げさに言うと、荘厳とすら感じられます。作者さんのイマジネーションが羨ましい。中盤の老人と主人公の会話も惹き付けられてよかったです。
解かれる事の無い命題を想起させるためなのか、ラストがまた大きな変化をつけつつ何も明らかにしない点が良かったです。この物語は落としどころが大変難しいんじゃないかと考えていたので、何も損なうことなく上手くまとめられているな、と感じました。この内容と展開ならでは、ですね。
降参です。作者さんに乾杯。
- 93 妖精離れ (採点:6)
- うう、いかん。文章とか私好みで、妖精などの要素の用い方も私好みなのですが、内容がよくわかりません〜(涙
私の読解力不足もあるのでしょうけれど、推敲や校正が不十分のようで所々文字や行がおかしいところがあるようなので、なおさらに。例えばラストから7行目の「要請」は誤字なのか意図的なのかわかりません。まあ、その不可思議さがなんともいえない雰囲気を作り出してもいるのですけど。
好みを優先すると7点なのですが、理解できなかった物語に高得点をつけるのも気が引けるので(私にとって7点は高得点です)、6点にしておきます。ごめんなさい。
- 94 Eternity (採点:4)
- 人の心の機微を扱う題材なのに、とことん機微を無視しまくるのが趣味に合いませんでした。作者さんが主人公と偽妹のやり取りを中心に持ってきたがっていることも、それによって読者層を狙っていることもわかるんですけれど、ではストーリーとして用意されている材料は見せ具につかってあとはポイ捨てにしていいのか、と問われれば否だと思います。機微を書きたくないのならば初めから扱わなければいいのですし、主題にしたいのならしっかりと書いて欲しい。そこに興味をもって読む人間としては、肩透かしを食らったような気分でした。
- 95 何かの間違い (採点:4)
- 兄を陥れた後で目的を達成できずに絶望し、いけしゃあしゃあと一番大事な人を失ったとかのたまう妹。自分の命を狙った妹を許せる兄。反省したら何事も無かったように後ろめたさを抱かぬ妹。元の鞘…どころか進展する二人。素晴らしい聖人振りですw
この物語で二人の心を肯定するには描写が足りませんし、笑いにするにははっちゃけさが足りない。萌えるにしても上記のような考えが理解できなくて星人のようでむしろ引いてしまう。つーか、私には本気でこれで二人にとって「よし」とするストーリーが理解不能なので……う〜む。
文章自体はそれほどひどくないので、4点です。
- 96 走るッ! (採点:4)
- 3行目だけ何故第三者の視点からの記述になっているんだろうか。『俺、』とかぬけてしまったんだろうか。まあそれはおいといて。
これもシチュエーションのみですね。キャラクター達のやり取りを前面に押し出したのはわかるのですが、そのノリに乗り切れない人にとっては辛いのですよ。表現は大仰にすればするほど、楽しめる人と楽しめない人との二極化を促進すると思います。それを和らげたり避けるために技術があると思うのですけれど…センスだけに頼られるときついです。
- 97 やさしい猫 (採点:8)
- いいお話でした。表現を抑えて書かれていたのが、個人的には嬉しかったです。ただ主人公とストーカーとの争いの時にはちょっと主人公の視点が入りすぎてしまったかな、とは思いました。ここも上手く抑えたままで処理できたら、文句なしの8点にできたと思います。この8点は、ちょっとだけおまけです。
一つだけ気になったのは、この猫いったい何歳なんだ!? ということ(笑
個人的には7・8歳かな、と。まだ3・4歳という勘定も可能ではありますが。
- 98 足跡 (採点:採点なし)
- 自分自身に足跡つけます。
ぺたぺた。
- 99 繋がっているものたち (採点:5)
- 話の流れは良くも悪くもスタンダード。それが一番の欠点かな、という気がしました。
小道具や設定や展開は過不足無いと思いますが、それを固める描写が淡白すぎて、読者に共感や憤りを与えてくれません。例えばいじめシーンは読者が不快感を受けるようにもっと執拗に表現してよかったし、屋上に居るという彩香に対して主人公が感じた不安や焦りをもっと表現してもよかった。それに自殺をやめた彩香の心情も。
読者に想像によって補完させるにしても、全くの読者まかせでは創作者としてその補完内容に関われないのではないかと思います。
○アルエム さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:2)
- 文章は凄く、お上手だと思います。この作品のように少ない容量でお話を展開させる場合、文章をかなり研ぎ澄ませないといけないと僕は思うのですが、そういう印象は受けました。ただオチが、凄い弱いです。個人的にですが、文章は研ぎ澄まされていて凄く期待されたのですが、なんか普通に終わってしまってちょっと拍子抜けしました。とは言っても、こういう作品には好き嫌いというか共感とか、そういうものが結構重要になってくると思うのですが。
なので僕個人としては、オチが弱い。んでなんか文章の精度のみに助けられているなぁっという印象を受けました。雰囲気も出ていたので、もうちょっとオチの見せ方に拘ってほしかったかな。
- 02 寒太郎 (採点:7)
- おー、ナイスほのぼのです。全体的に童話というか、御伽噺のようなふんわり感の漂う作風。こういうのは大好きです。最初、紹介文を見てこの頃のツンデレブームに微妙に辟易していたので「はいはい、つんでれつんでれ」と思ったのですが、はい、謝らせてください。ごめんなさい。ツンデレごっこというネタの使い方、見事でした。
ただ、うーん、これは好みもあるのでしょうがラストは「大好きなんだからね」を言ったところで締めたほうがよかったかなっと思います。ちょい冗長に感じてしまったので。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 悪くはないと思います。ただこういうネタも、もうかなりの数が出ているので目新しさはないかなっと。北原白秋って人の詩を僕が知らないためかもしれませんが。ただそれでも圧倒的にキャラの掘り下げ方が足りないかと思います。別にダラダラと心情描写を書くのがいいとは言いませんが、もうちょっと使用人の心情とお嬢様の心情を表してもよかったかなっと。今のままでも、想像することは難しくはないのですが、それは先に出たこういう話でテンプレートが出来ているからです。それだと正直、言葉は悪いですがテンプレートのキャラを使いまわしただけという印象すら持ってしまいます。辛辣な言い方になってしまうのですが、終始予定調和の中で行われていて面白味がないです。
キャラはとっても魅力的だと思うので、心情表現や構成で差別化を図って欲しかったかなと思いました。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 辛辣な言い方になりますが、もっと文章の精度を上げて下さい。文章は綺麗だとは思いますが、文章からイメージが沸き上がってこず、上滑りしているような印象を受けました。こういう伝えたいことをストレートに書かず、ボヤかして作品の雰囲気などで伝えるという手法──ちょっと違うかもしれませんがポエムにも似た手法は嫌いではないのですが、もっと一文一文に気を使って書いてほしかったです。
- 05 ウミに漂う (採点:3)
- お前何様だよっと思われそうですが、はっきり言わせて頂きます。ラストの終わり方が非常に肩透かしでした。この終わり方では何が伝えたかったのわかりません。作者さんが伝えたかったのは、クラゲという隠語のイジメについてですか? それとも語り部が僕から俺に変えた要因をツナが、なんでもないことのように言うところですか?これは多分、繋がっているのだろうと思いますが、容量がパツパツで肝心の繋がりが薄いように感じました。
僕もいつも容量パツパツになるので人のことはいえないのですが、16kbでやれることって思いの外少ないので、どちらかに絞って書いたほうがいいと思います。正直、今の終わり方だとラストで投げっぱなしジャーマンをしたような印象しか受けませんでした。
文章、キャラ、構成、ラストに至るまでの全てが、とても魅力的だったため残念でした。
- 06 下手れ (採点:3)
- 中盤まではヘタレ感が凄く出てていいなぁっと思いました。ただなんか最後が凄くとってつけたような気がしてしまいました。こういうヘタレ系の話ってNHKにようこそっとか直に思い浮かぶのですが、そのキャラの再生だったり、または後悔したままで何年も引きずるといかいうエピソードと対で、光と個人的には思っているので、そのなんかゲームとか小説とかの一つのエピソードを取って、それにラストを付け足したような気がしてなりませんでした。なんていうか、そうキャラの心情描写が不足しているというか、もっとじっくり見せるフィールドのほうが良作になったんじゃないかと思います。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:3)
- テンポは凄く良いです。ストレスなくスラスラ読めるってのはいいことだと思います。
ただ今は、姪ブームです!(マテ
それは冗談ですが、妹物でキャラも魅力的だとは思うのですが、既に出来上がったテンプレートの上を行くことはなかったなっと。まぁ、これは個人的な感想なのですが、正直、テンプレの妹物は飽きました。台詞のテンポとかは凄いよかったと思うんですけどね。
後、ストーリー的なことで一つ。テンポはいいと思いますが、これ漫画の第一話のように僕は感じました。16kbで続きを想定していないこういう企画に、第一話のような作品を投入するっていうのは減点に繋がるかなっと思います。別に第一話のような構成が、絶対に悪いとは言いませんが、それならそうする理由とかそれでも魅力的に見せる構成とか、そこら辺をじっくり吟味するべきではないでしょうか?
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:2)
- 最初、まったく世界観の説明がないので戸惑いました。で、中盤以降もその戸惑いはついてまわりました。なんか説明がまったくないのにガシガシ話が進んでいって、終始困惑していました。ラストのギミックとか世界観は、割かし魅力的だと思うのですが、そんな感じだったので終始ポカーンとしてしまいました。これは技量不足っていうより出すフィールドを間違えたんじゃないかなっと。独特な雰囲気は出ているので、それをじっくり出しながら世界観をじょじょに明かしていく、そういう手法だとよかったんじゃないかなっと思います。
- 09 茜色の先 (採点:4)
- 出すフィールドが違えば、良作になったんじゃないかなっと思います。纏まっているとは思うのですが、やりたいこともしっかりやれているとも思うのですが……肝心の世界観がペラペラでなんというか物語に厚みが足りません。なのでラストが効果的に働いていないように感じました。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- なんでだろう? 描写、キャラ、構成、どれをとってもいいと思うのですが、なぜか心に響きませんでした。綺麗すぎるところはありますが、そういうの嫌いじゃないはずなんだけどなぁ。で、考えてみるとちょっと起伏に欠けるのが問題なのかもしれません。緩急が、ちょっとなくて魔法使い、七夕っというのは、効果的に働いてないような気がします。もっと魅せ方に気を配るというか、ここが見せ所だっと思ったら、感情のままに書いてみるとかいのかなっと訳のわかってない僕からの訳の分からないアドバイスでした。
- 11 準備 (採点:1)
- 何かの作品のエピローグとしてはいいんじゃないでしょうか? 文章も上手いですし、情景もイメージできますし。ただここだけ抜き取られても、この語り部のそこに至るまでの過程とかまったくわからないので、その……困ります。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:3)
- えーと、ラストのAIに魂がある云々とか人口知能云々の話になるのか、ちょっとよくわかりませんでした。というよりキツイ言い方しますと山口さんがいる意味すらわかりませんでした。このお話の核は、山口さんの魂云々についてなのか。または情報は機密事項に巻き込まれた二人のお話なのか、どうにも焦点がボヤけているような気がします。お話を見る限り、どちらも繋がっているとは思うのですが、その繋がりが弱すぎて双方の味というか良さを潰しているような気さえします。もっとどちらかに絞って書くか明確にしたほうがよかったような気がします。個人的には山口さんの設定、医療実習用ロボというのが面白かったので、そっちを核に据えてほしい気もします。
- 13 立入諌止地点 (採点:3)
- うーん、悪くはないと思うのですが……なんかラストが少し性急というかテーマ的にわからなくはないのですが、最後の語り部の心情がやや唐突かなという気がしました。多分、それはミスリード的なものを狙ったからだと思うのですが、ちょっとキツイ言い方になりますが、ミスリードがそれほど機能しているわけではないのでばっさり切って、ラストの語り部のみの視点にしたほうがよかったかなと思いました。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- なんか掲示板で銀河鉄道っぽいという書き込みがあったと思うのですが……たしかにそうだなと思いました。
綺麗で独特な語りで書かれた文章、とてもよい雰囲気が出ていたと思います。ただ、うーん……面白いとは思うのですが、こうくるものがありませんでした。理由は、ラスト付近のシーンがガンガン変わるところで、今まで漂っていた夏、祭り、夜、そんなものを表していた雰囲気から一気に急加速したためかなっと思います。別にそれ自体は悪いことじゃないというか、いいことだと思います。収束に向かっていく。そういう意味での疾走感は出ていたと思います。でも、なんかそこだけラストで浮いている印象を受ける、ちぐはぐさを感じてしまったような気がします。もう少し、読者の読むリズムや感じる雰囲気を念頭に入れて構成すれば満点作品になったかなっと思います。いや、まぁ、読者のリズムとかまったくわかってない僕がいうのもなんですが。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- オーバーオールを着たヒゲのイタリア系アメリカ人の男性は、ヒィィヤウィゴーのほうがしっくりくるような気がする。
いや、だからどうしたって話なんですけど(笑)
僕は今回、実をいうとギャグ物には厳しい目で挑むつもりでした。何故だかはわかりません。なんとなくそう思っていただけなのです。で、この作品は……ぶっちゃけ吹きまくったので、僕の負けです。もう構成とか話とか、凄く良く出来てると思います。文句なしです。作者さん、ぐっじょぶっ!
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:6)
- あー、これは好きだなぁ。なんていうかラストが秀逸です。多分、これラストに登場する幼馴染は、宇宙船が見せた幻だと思います。漸く失ったからこそ大切なものなんだって気づけたのに、幻で幼馴染が出てくるなんてまるで世にも奇妙な世界にありそうなネタだなぁっと思ったりできて、でも(こっからは僕の深読みだとは思いますが)実は幼馴染のいなくなった記憶こそが大切なものを気づかせようと宇宙船が見せた幻で、幼馴染は生きているとかいう風にも取れるような気がして、その明示しなさ加減が見事だなぁっと思いました。
ただ前半〜中盤にかけての描写の連続はいただけないかなっと。正直、あそこで凄いダレて読むのが嫌になりました。表現は凄く綺麗だと思いますが、あそこにそれほど意味があるようには思えないので、大幅に削ったほうが、もっと面白くなると思います。
- 17 キラーデイ (採点:3)
- うーん、なんか何かの第一話のような気がするなっと。ただラストで無理やり締めているだけで。結局、なんで天道は人を殺していたのか? 別にまったく知らないダレかならいいですが、なんでクラスメイトを殺す必要があったのか、何故主人公も殺されそうになったのか、何故担任が殺しにきたのか? そんな背景がまったく見えないし、辛辣な言い方ですが、なんか作者さんが単に銃を持った殺し屋の女子高生を書きたかっただけなんじゃないかと思えてなりませんでした。
それならそれでいいのですが、もっとストーリーの背景にも気を配ってほしかったです。さすがに何のストーリー性もないのは、ちょっと読者としても困ります。
- 18 じれ☆んま (採点:3)
- なんというか囚人のジレンマというネタを使いたいがために書いた作品という印象を受けました。行き成り辛辣なこと言いますが、終始説明的な台詞に、頗る萎えました。正直に申し上げるなら、中盤からしんどくなって流し読みました。使いたいネタがあるのは良い事だと思います。僕もカオス理論とか、いつかお話に組み込んで使いたいと思ってますし。ただ、それをダラダラと会話で説明させるんじゃなくて、きちんとお話の中に組み込んでください。台詞に全て頼るのは、ちと安易かと思われます。
ラストのネタは非常によくて、はっとさせられただけにとても残念でした。
- 19 猛スピードで触手は (採点:2)
- うん、まぁ、冒頭の「触手を拾った」から始まるのは、ホントアホらしすぎていい感じだったのですが、話が進むにつれてドンドンと失速していくのは、構造上どうかと思います。こういうアホっぽい話は終始、アホっぽさを気にさせない疾走感が命なのに。ぶっちゃけていいますとこの構成だと、触手である必要がまったくないです。はっきり言うなら、滑ってます。
もっと触手である必要性を押し出すか。疾走感を大切にしてほしかったなと思います。
- 20 顔 (採点:5)
- うーん、惜しい。最後のネタバラしは、ぞくっときました。ただ冒頭が、その魅力を半減させているような気がします。あそこで主人公の体が変質しているという話を出したせいで、中盤〜終盤で築き上げた不可思議な怖さが効果的に働くなってしまっているかと思われます。あそこをなくして、中盤までにあるリアリティを押し出したほうが最後の最後のドンデン返しで、恐怖を引き出せたのになぁっと。うーん、そこだけなかったら、高得点入れたのに。残念です。
- 21 雪見酒 (採点:6)
- これは文体が凄くいいですね。文章だけで、これだけの雰囲気を作れるのは凄いなぁと思います。何気にキャラ造詣も魅力的ですし、やってることはアホっぽいのに主人公の女の人のズレた素直さが堪りません。
だからこそ、ちと惜しいなぁっと思います。どうにもラスト付近のネタが上手く生きていないような気がします。主に女将さんの件とか。ちょっと女将さんが現れてからの流れ性急過ぎて、イマイチ「してやられた」という風な女の人の考えがわからなかったのが残念でした。これで、もっとキレのあるネタが落とし所にあったら今回、1.2を争う出来だったのになぁ。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:3)
- うーん、正直に申し上げますと凄く感想に困ります。雰囲気は出ていると思いますが、ただ雰囲気だけで勝負するのは、ちょっとキツイかなっと思いました。雰囲気だけで勝負するには、ズバ抜けたセンス(才能とかではなく、個性とか作者さんの色とかです)が必要だと思うのですが、そこまでではなかったなぁっと今回は。断っておきますが作者さんの技量が低いと言っているわけではありません。むしろ雰囲気だけでお話を魅力的に出来る人が特殊なのだと思います。後は、まぁ、文体の好みの問題もありますし。
ただ、このお話は雰囲気はよく出ていますし、なにかしらストーリー性が絡んでくれば十分、上位に食い込むお話になる可能性があると思います。なので黒電話の音という魅力的なガジェットがあったので、それをもっと物語りに絡めた作りにすれば面白くなったのになっと思います。
- 23 不謹神話 (採点:2)
- これ、実際にあるお話を題材にしているんでしょうか? もしくは作者さんが0から作ったお話なんでしょうか? ちょっとそこら辺はわからないのですが、ラストの締めはさすがにどうかと思いました。「皆様の知ってのとおりでございます」とか言われても知らないわけですから、とても不満が残ったわけですが……ただ紹介文をみるに、これ作者さん狙ったんじゃないかと思えてきました。つまり最初から最後、紹介文に至るまで徹底して不謹慎な内容にしたというか。まぁ、ラストのあれは不謹慎というか不親切の部類に入る気がしますが。
うーん、そういう意味では評価できるのかなぁっと思わないでもないですが、ただそれに気づいても、まったく笑えないので、単純に好みに合わなかったのかなっと思います。
- 24 放浪鯨 (採点:9)
- これは、もう単純に凄いと思います。童話とか御伽噺のような柔らかい雰囲気。それがとても秀逸です。まったく世界観に対する説明がないのに、その雰囲気だけで納得させてくれる魅力があるので、終始世界観とかを気にせず優しい気持ちで読むことが出来、胸が温かくなりました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:1)
- ……これは今こんぺ最大の問題作のような気がしないでもない。ずっとつらつらと仕事内容を描写していくだけの構成は、ちとどうかと思いますが時事ネタを上手く使ってるなと思います。でも、これを評価するのはなんか僕はやだ。いや、なんか心情的に。果たして、そう思わせるのは作者さん的には、成功なのか失敗なのか?
なんか成功なんじゃないかなって気がしてきたので、この1点は最高の賞賛の証としてお受け取り下さいっ!
- 26 賢人の恋 (採点:3)
- 嘘偽りなく、紹介文そのまんなの内容でした。サヴァン症候群と聞くと真っ先に戯言シリーズの玖渚友を思い出すわけ僕ですが、キャラとか生き生きとしていてよかったとは思います。
ただ、何か漫画かなんかの一つのエピソードを切り抜いたようにしか見えませんでした。こういうイチャイチャしたほのぼののやり取りは嫌いではありませんが、一つのエピソードだけ見せられてもひどく不満が残ります。この手のお話……例を挙げるならエロゲとか恋愛漫画だと思うのですが、それらはこういう一つ一つのエピソードの積み重ねがあり、そこで魅力を伝えながらエンドを向かっていくのだと考えます。連載物だとしたら是非読みたいとは思いますが16kbで続きを想定していないこの企画では、普通に書いただけではキャラの魅力が伝わらないかと思います。前述しましたが、こういう何話かのエピソードのみで見せるなら、このお話でないといけない理由、または構成なんかを考えて、きっちりとこのお話単体で締めくくるべきだと思いました。
- 28 腐臭 (採点:1)
- なんか文章が携帯小説っぽいなぁと読んでて思いました。そのせいでは決してないとは思うのですが、なんか終始置いてけぼり感を感じました。なんか序盤で友達と電話で会話しているところが、ちょっと感情オーバーじゃないかと思います。別に父親がイタイアイドルのおっかけやってるからってなんで泣くのかわかりませんでした。それに友達の反応も明らかにおかしいと思います。なんで泣き始めて「あたしは味方だから」みたいなことを言う必要があるのか、なんかまるで二人とも父親が犯人だと決め付けているかのように話が進んでいくのが、読者としてはそう決め付ける理由がわからなく戸惑いました。ラストに至るまで時系列が分かりづらいのも合わせて終始戸惑いが突いて回りました。その理由を考えるとリアリティみたいなものが足りなかったんじゃないかなっと考えます。これはおそらくサイコホラーだと思うのですが、そういうジャンルにはリアリティが不可欠かと思います。別に描写を濃くしろっというわけではなく、もっとキレのある文章で恐怖を読者に想起させるよう心がければ面白くなったんじゃないかなっと思います。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- うーむ、惜しいかな。傷心旅行に宇宙を出したり、それにありすという小鬼がついていたり、とても魅力的でわくわくしながら読んでいました。ラストの目的地は家っていうネタもよく考えられていると思いましたし……ただ、うーん、多分好みだとは思うのですが柊との話をばっさりと切り、全編小鬼のありすとの旅の話に割いて不思議な話にしたほうがよかったかなっと思います。雰囲気はとてもよく、キャラやネタも魅力的でした。
- 30 はたらくぼくら (採点:1)
- うーん……うーん、ごめんなさい。どんなお話だかわかりませんでした。なんか作者さんが意図したのか、徹頭徹尾、情景やキャラ性が分かりづらかったです。その最たるのがふうこで、幼女かと思えば女子高生のような描写があったりなんか判然としませんでした。一応、2回読んだのですが、それでも訳がわからず3回目読もうとしたのですが、気力が続きませんでした。申し訳ありません。
うーん、結局僕はこの作品に選ばれなかったのだなっと思いました。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- 謙吾という名前を見て、剣道青年のイメージが頭の中から離れず苦労しました(ぇ
それはさて置き、キャラは魅力的だと思います。というかなんだろう? この頃は女っぽい男がブームなんでしょうか? なんか今回、結構多かったような気がしますが。
まぁ、それはそれとして魅力的な不確定性というネタがありながら、結局キャラ小説になっていたのが残念でした。作者さんがこのお話でやりたかったのは、どちらなのでしょうか? 美貴の異常な出来事によるお話なのか? それとも謙吾と美貴の恋愛なのか? もし恋愛をしたかったのであれば不確定性というネタはいらないと思います。はっきり言ってしまうとまったく機能していないので邪魔です。面白くしようという気概は伝わってくるのですが、読者がどこを読みたいのか、もっとよく考えて下さい。少なくとも僕は、不確定性に纏わるお話にワクワクしたので、そこを「問題はあっさり解決した」といわれても非常に肩透かしをくらったようにしか思えませんでした。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:3)
- とても魅力的な物語だと思います。雰囲気も独特なものが漂っていますし、前半は。正直、これは明らかに出すフィールドを間違えていると思います。16kbでは短すぎるというか、これは長編用のネタだと思います。それをよく纏めているとは思いますが、薄くペタペタ張っているだけなので一つ一つのエピソードの繋がりが弱く、消滅した地球を取り巻く肝心の人々の思いの魅力が半減していますし、繋がりも希薄なのでただ名前が出ただけとしか感じませんでした。このネタでどうしても勝負するなら、冒頭の老婆と少年のお話にあるシロッコの昔話を広げて書いたほうが、よかったのではないかなと思いました。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:5)
- 不思議な雰囲気、電波系の妹。それらはよく出来ていたと思うので、ちょい残念かなと思ってしまいました。うーんオチがちと弱いかなと。どうせならクララノさんとかをもっと話の軸に据えて、ストーリーを展開させていくと面白くなったような気がします。まぁ、それだと多分作者さんの伝えたいことと違ってきてしまうので、どうなのかなとは思うのですが。うーん、やっぱりもっとはっとさせてくれるところが欲しかったです。ちょっと起伏がなくネタはいいと思うのですが、印象に残り辛いところがあったので。
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- ダメ人間が失ってしまった色々なもの夢想するお話でしょうか? うーん共感できなくはないのですが、ちょっとダメさ加減を延々と書いているだけなので、うーん、感想に困るなぁ。
ただまるで映画のような情景がイメージできる雰囲気はよかったです。いっそ美しいといってしまってもいいかもしれません。でも、なんていうか嫌いではないのですが、やっぱり雰囲気勝負みたいなところがあるので、それだけだとキツイ感じも受けました。もっとストーリーのほうに傾倒してほしかったかなと思いました。
- 35 サプリメント (採点:4)
- 読み終えた直後、ラストの意味がわからず首を捻ったのですが、これはつまりサプリメント好きの妻が、あの薬を開発したってことでいいのですかね。んで、未来から男がそれを持ってきたと。
それはわかったのですが、辛辣な言い方になってしまいますが男が感情的になるところで萎えました。折角、笑うセールスマンみたいな薄ら怖さが漂っていたのに、それをぶち壊した気がして。あそこはあくまで感情的にならず淡々と話したほうが、よかったのではないでしょうか? 後、結局、この男は誰だったのでしょうか? 夫妻と何か関連性がある人物なのか? そうでないのか? そこら辺をギミックとして使ったなら、面白くなったんじゃないかなっという気がしました。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- えーと、そののっけから辛辣な言葉になってしまうのですが、もっと文章の精度とかキレとかに気を配るべきではないでしょうか? 文章を縦にしていますが、やってることは至極普通の小説にもありそうな話でしかありません。アイデアはいいのかもしれませんが、こうするなら文章……それこそ一文字一文字、テンポや洗練さに気を配るべきだと愚考します。文章は至極普通でただ書き方を変えただけというのは、失礼ですが安易だと言わざるを得ません。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- 正直、こういうのが一番楽しめるのは二次創作の場だと思われます。キャラの魅力がオリジナル(ゲームや漫画など)で出来上がっていますから。そのオリジナルにおいての積み重ねがあってこそ、こういうエピソードは光るので、ここだけ見せられても楽しみが激減してしまいます。加えて、こういうネタは二次という場所では一杯あるので、どうしても面白味に欠けてしまいます。キャラは魅力的だと思うので、もっとこのキャラを16kbというフィールドで生かせるお話を考えるか、もしくはストーリーで魅せたほうがいいと思います。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:4)
- ラストが非常に納得いかないw
いや、なんかもっとこうきっちり締めていただきたかったなと。まぁ、でもこれ何か寓意が込められてそうなので、これでいいのかもしれないとこの頃思ってきました。うーん、ただそれがわかっていても構成は結構面白そうだっただけに、惜しいと思ってしまうのです。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:3)
- テンポが凄くいいですね。紹介文のポップに嘘偽りないと思います。でも、やっぱり物足りないというか、キャラの魅力最大限伝えられているとは言いづらいかなっと思います。後、どうしてもこういう話は、予定調和で行われている気がして展開が読めてしまうので、辛辣な言い方になってしまうのですが、ちょっと見飽きた感が突いて回りました。最後もやっぱりテンプレート過ぎますし……いっそマガジンで連載しているヤンキー君とメガネちゃんぐらいぶっ飛んだ内容だったら面白かったのですが。
マジック云々の流れは面白かったので、もうちょっとそこで他の作品と差別化を測ってもらえれば、思わず加点したなと思える内容だったので、ちょっと残念でした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:5)
- うわぁ、どうしよう。これちょっと文章に漂う雰囲気が好きすぎるのですが。なんか商店街にあるきやすさみたいなものが現せていてそこはよかったと思います。ただ肝心のあの人というギミックが、あんまり効果的に働いていないのと、七夕がなんかあってもなくても良さそうなのが残念でした。今のままだとあの人ってところでミスリードのようなそうでないような微妙な感じを受けましたので。雰囲気や語り部のキャラ性などはいいと思うので、もっとストーリー的なところではっとさせてくれるところがほしかったです。
- 41 蜃気楼 (採点:2)
- うーん、これは多分、横山さんは助手の人の血とか肉を食って生き延びたということだと取りましたが……んでそれをライターの方がどう書けばいいのか悩むって話だと思うのですが、正直感想に困ります。なんか物凄い印象が薄いというか。その原因は、なんかタイトルにもなっている蜃気楼があんまり関係ないような気がしてならないのですよ。ぶっちゃけこれなら、助手が見つからないまま進んで、蜃気楼で見つかるとかして物語に絡めたほうがよかったんじゃないかと思えました。それで横山さんの口に血がついてたとかなら、助手の腕を食べたという見解にいく道しるべにするとか。なんでしょう? なんか明示しなくてもいい部分を明示してしまったせいで物語に広がりがなく、読んで少ししたら内容を忘れているというか。辛辣な意見になるのですが、面白味がないように僕は感じてしまいました。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:4)
- これはイジメを受けてる女の子が溺れながら、なんか夢か何かで溺れている他の女性を見る話だと受け取ったのですが、そのなんていうか途中で自分から石を服の中に詰めていたにもかかわらず、その夢を見ただけで何故行き成り苛めていた子を殺そうとしたのかがよくわかりませんでした。もっと言えばキツイ言葉になりますが、その夢を見る意味さえわからなかったです。でもこれは雰囲気重視というか、込められたものを読み解くお話だと思うので、僕がわからないだけでそれでもいいのかもしれませんが……それでも中盤は差別化を分かって、一体どんな落し所に来るのかとワクワクした面もあったのですが、結局苛めていた女の子を殺して終わりという、ちょっとキツイ言い方になってしまうのですが在り来たりなところに落ち着いたなぁと印象を持ちました。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:4)
- なんかマトリックスっぽいなぁって思いました。悪くはないと思うのですが、専門用語も出てきてちょっとイメージし辛かったりしたのも、この容量では仕方ないとも思いますが、というよりこんなに色々と設定がいるんだろうかなっていう気もします。雰囲気作りにはとてもいいと思うのですが、ちょっと風呂敷広げすぎてラストのネタも効果的に働いてないような気がしました。でも、もっとよく煮詰めて魅せ方とかを変えるだけで、もっと面白くなるようには感じました。
- 44 蟲毒 (採点:4)
- うーん、殺人鬼同士の戦い。面白くないことはないのですが、ゲームが元の殺人鬼がいるってのはある種、皮肉が聞いているのかもしれません。ただ、ちと盛り上がりに欠ける気もします。なんていうか別に、熱くバトル描写を書けというのではなく、底冷えするようなキレのよい文を意識してほしかったかな。後、ラストで勝った殺人鬼がレベルアップという単語に拘らなくなるのは、どうかなって思います。正直、そこが狂気の発端なのに、何故そんな簡単に気にならなくなるのか。正直、そこは明示しなくてよかったんじゃないかなっと思います。そこがあるためもあるのですが、なんかラストが唐突に感じました。もっとラスト狂気を押し出す形で書いたほうが、よかったのではないでしょうか?
- 45 八月水晶 (採点:4)
- うーん、なんかラストが納得いきませんでした。水晶を少年達が掘り出すというお話はとても魅力的だとおもうのですが、中盤で八月水晶を皆に分けるところで、「ああ、こっから何かが始まるんだな」とドキドキしたのですが、結局何にもなくそのまま終わってしまって非常に肩透かしというか、不満が残りました。雰囲気はとても良いと思ので、ストーリーのほうでも何かしらの展開を出して決着させてほしかったです。
- 46 青空 (採点:6)
- ストレートなお話を清涼感溢れる文体で書かれており、なによりミスリードを用意することによって面白味も出しているのは、とてもいいなぁっと思いました。ちょっと伏線とかはギリギリというか荒さが目立つのですが、お話を面白くしよう。ストーリーで見せようという意気込みが伝わってくる内容で、とてもよかったです。惜しむらくは綺麗過ぎて、眩しいところかな。あー、これを諸手を上げて面白いといえない僕は、いい感じに汚れたんだなぁっと思わせられましたw
- 47 光学概論 (採点:8)
- うわぁ、これはいい。これも雰囲気重視ではあるのですが、その雰囲気の中できっちりとお話の魅力、テーマなんかを伝わってくるのは見事です。ラストの断絶云々も凄いよかったですし。うーん、粗もないことはないのですが、なんか粗とかあってもそれを感じさせない魅力で溢れていました。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:10)
- これは正直、オリ4の作品郡の中でぶっちぎりで好みです。まさか16kbという短いお話の中で、こんなに生き生きとこんなに魅力的に書けて尚且つ、それがストーリーの強みになっているのは凄すぎます。こういう青春物は大好きなのです。加えて個人的に、鳥人間コンテストが大好きで昔、テレビに齧りついて見ていた身としては海スレスレに、飛んでいるところはもう熱すぎです。作者さん、わかってる!
キャラ、構成、ネタ、どれをとっても過不足なく出来ていたと思います。いや、もう単純に面白かった。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:3)
- あー、その……とても面白そうでした。
正直、ママがハッセルを抱きしめるところの意味がわかりませんでした。もっと言うとハッセルを登場させる意味が、まったくないように感じました。なんか前半までは童話なんかのような柔らかい雰囲気を丁寧に丁寧に作ってきた印象があって、とても好印象でワクワクしながら読んでいたのですがハッセルが出てきたところで、それまで漂っていた雰囲気、そして課長の言葉の伏線などを全部ぶん投げて終わらせたような印象を受けました。はっきり言わせて貰いますと、あそこから僕は急激に面白くなくなったように感じます。多分、ママの自我の芽生えをあらわすためにハッセルを出したのかもしれませんが、ハッセルと自爆する以外の方向に──前半で出来た雰囲気を重視する形で作ってほしかったです。落ち所は、あれでいいと思いますが折角のそれもまったく効果的に働いていないといわざるをえません。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:5)
- ああ、これは設定いいなぁ……長編なら。もうなんか作者さん、これは明らかに長編用を想定して書かれたとしか思えませんでした。下手でもないし、面白かったとも思うのですが、ではこの物語の魅力を過不足なくあらわせているのかと言われれば、まったくそんなことはないと思います。例えばミスリード部分なんかは、正直とても分かり難くて効果的に働いていなかったように思います。また生き返った少女が誰なのか? そこも凄く気になりました。もしこのネタで勝負するのなら、もっと削るところは削って短編用に仕上げるべきだったかと思います。今のままでも出来ていないとはいいませんが、ちょっとまだ削れる部分が見受けられるので、そこを削って物語りに短編なりの厚みを持たせて欲しかったです。今のままだと、どうしても駆け足の印象が拭えませんでしたので、そこが凄く残念でした。
- 51 野辺送り (採点:8)
- 最初これ見た時、結構評価低くしていたのですが……2度読みして何でこんなに低いんだろうって思って加点してしまいました。いや、一回目はちょっと作品読みすぎてて、ダレていたので込められたものを読み解けなかったのですが、うん、改めて今見直してみると面白かったです。子供の頃の記憶、秘密基地、死んだ親友。親友の姉と結婚した主人公は、結局親友に自分達は縛られているだけなんじゃないかと思っていたわけですが、偶然に野辺送りを見て、それを過去の自分に重ねあわせる。それら雰囲気と共にあらわしているのは見事です。ラストも、そこで漸く親友から開放(というのは変ですが)され、改めて妻である姉を見て照れる締め切りかたも、感慨深いものがありよかったです。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:3)
- あー、これは何かの曲をモチーフにでもしたのかなぁ。ちょっと何の曲かわからないのですけど、もしそうだとしたら曲に引っ張られすぎじゃないでしょうか? 儀式、夕焼け、幽霊の先輩、並べてみると結構魅力的なガジェットたちなのに、それがまったく物語内で機能しているように見えないのはどうかと思います。前述した通り、どの曲をモチーフにしたのかはわからないのですが、知らない人、わからない人にとっては、なんかよくわからないまま話が進んで終わった印象しか抱けませんでした。少なくとも僕は。
曲をモチーフにするのはいいのですが、それを最終的に纏めるのは作者なので、もっと物語の発展性を見せて欲しかったかなっと思います。雰囲気はとてもよく出てたと思うので、ストーリー方面で。
と思っていたけど誤読だったようで、とても恥ずかしい僕なのだった!
- 53 体育館を燃やす (採点:7)
- うーむ。どうしよう。凄い好みだ。青春の終わりの物語──ある意味での青春との決別、堪能されて頂きました。ただそれでも、やっぱり荒さが目立つ部分もありました。例えば語り部の僕の心情描写が、ちと足りないかなって思える部分があって、ラストがイマイチ効果的に働いていない気がします。後は、夜の体育館で1ON1という、もう僕的には熱すぎる展開なわけですが、そこをちとあっさり流しすぎてる気がします。別にプレイを延々見せろといってるわけではなく(というより、それをしたら折角できた雰囲気が壊れそうですし)もっとそこでドリブルを付きながら黒川と志賀の会話をさせるか志賀の心理を書き、黒川のほうは志賀の憶測とかでもいいので、心情を描き、もっと二人の人物に厚みを持たせたら思わず満点を入れてしまう出来になってしまっていたと思います。そこが少し残念でした。いや、まぁ、結局は好きなんですけどね。この話。ラストのバッシュを燃やすところとかもいい感じでしたし。
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- えー、のっけからキツイ言葉になっちゃうのですが、設定だけ見せられても困ります。相貌失認という物語に広がりがありそうなネタを使っているにも関わらず、やってることはその説明と彼女の説明だけです。それでは失礼ですが設定に、ちょっとお話をつけただけ、要するにプロローグのようにしか感じません。というかこれ明らかにプロローグのような気がしてきました。起承転結云々の起の部分だけ見せられても、面白いと思うことは出来ません。ネタの選択自体は凄くいいと思うので、そのネタを有効に生かすお話を考えて下さい。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:6)
- 最初、見た時は「おお!」と思ったのですが、何故か見る度に評価が下がっていきました。面白いとは思います。思うのですが、なんか前半に漂っていた声しか拾えないという静謐な感じがどんどん消えていくのは、どうなんでしょう? 作者さん、時間がなかったのなかったのかもしれませんが、どんどんシンプルになっていってる感じがしました。とても上手いとは思うのですが、僕としてはこういう話はどうしても乙一の失はれる物語を想起せずにいられず、それと比べると(比べるべきではないのかもしれませんが)後半は、その辛辣な言い方になってしまうのですが感傷的な言葉を繋げただけという印象を受けました。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 紹介文に偽りなく、まさしく童話。絵本のような内容でした。いいですね。これは。読後、一抹の切なさと共に温かさが広がる感じでした。ちょっと起伏に欠けるかなっという気もしましたし、色々突っ込むところもある気がしましたが、絵本という媒介を意識したのなら、それも仕方ない気がしてきたので、これはこれでいいと思います。ただ、ちょっと子供が泣きそうになる描写があったので、絵本のようなというなら、そこら辺は徹底してほしかったと思います。
- 57 夏を見逃すな (採点:2)
- えーと、1エピソードだけ見せられて面白味がないのです。ダラダラ2人の姉妹がくだを撒くだけって言うのは、二次創作なら元のキャラの魅力が十分わかるのでいいと思いますが、0から作られたオリジナル創作で、16kbで面白味を伝えようとするのは非常に難しいものだと思います。なのでこういう話で勝負すらなら、熟考したキャラの魅力、ストーリーやテンポなどを考える必要があるかと思います。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:3)
- うーん、悪くはないと思います。失恋した所に、このハイテンションお姉さんはどうなんだろうか? と思わないでもないですが、まぁ、恋愛のれの字もわかってない僕がいうのも野暮ってものでしょう。なのでキャラとしては非常にいいと思うのですが、すみませんがただ語るだけ作りは面白味に欠ける気がしました。その失礼なのですが、作者さんが何故こういう構成にしたのか意図がわかりませんでした。よく纏まっているとは思いますが、明らかにこのお姉さんのお話で構成を作ったほうが面白いと思いますよ。今のままだとなんていうかプロットのようなものに、締めをつけだけというように見えてしまいます。正直、凄く魅力的なお話だと思うのに、ただ語らせて終わりって勿体無いと思います。もしかしたらお姉さんが慰めるところを書きたかったのかもしれませんが、残念ながら僕はそれほど意味を見出せなかったので、やっぱりお姉さんの物語にしたほうがよかったかと思います。
- 59 プルシャの後裔 (採点:4)
- うーん、これはある意味、ロリコンにはうらや……いえ、なんでもありません。まぁ、それは置いといて、どうなんでしょう? 中盤で嫁がせてからもお金は、その女性の家族が出すとありますがそこがちょっと引っかかったというか。まぁ、女性がここまで忌み嫌われているのなら仕方ないのかもしれませんが、そこがちと強引な気がしました。もしかしたら読み飛ばしたか理解していないだけかもしれませんが、そこだけ設定に沿うように強引に入れたように見えてしまいました。でも女性が忌み嫌われている世界の割りには、後半で出てきた農夫の妻は普通に生活していたようでしたし……うーん、世界がちょっとズレただけで人間は、ここまでひどいことをしているように写るのかというのは伝わってきてゾクっときたのですが、ちょっと煮詰め方が足りない印象を受けました。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:8)
- 粋だなぁ。まるで時代小説を読んでいるような展開、しかもそれが猫。非常に面白かったです。お話の構成的には恩になった人が捕まって、それを皆で助けようとして主人公のピンチには颯爽とライバルが現れるという王道もいいところの展開でしたが、いやぁ、それでもここまでの精度で突っ切られると、さすが王道といいたくなるほど面白かったです。全てが高水準で作られた作品だったと思います。ただだからこそ、とても気になった点が、台詞回しでした。偶に粋な台詞の間に、ふっと普通の……似合ってない台詞があったりして、冷静な目に戻ってしまうところが何度かあったので、そこさえなかったら諸手を上げて賞賛できたのになぁっと思いました。けど、そこら辺を差し引いても最後まで楽しませていただきました。
- 61 缶コーヒー (採点:3)
- 悪くはないと思います。うーん、この作品、掲示板で話題になっていて「青春の終わりの作品」みたいな書き込みがあったので、そういうの好きな僕は楽しみにしていたのですが、その、非常に普通でした。普通に面白いではなく、普通。ただ昔の卒業生が、昔好きだった人と学園祭を回るというお話で、情緒感はあったと思うのですけど、それだけに収まっていたのが痛かったかなぁ。うーん、理由を考えると青春の終わりにしては、ただ流れに身を任せているだけで、最後のシーンにしても何かに決別や決着をつけた訳でもなく、終わってしまったためではないでしょうか? まぁ、現実ではそんな簡単に決別とか出来るかよっと言われれば、まったくその通りで、そう思うとリアリティはあったのかもしれませんが。けど個人的には、そのリアリティよりは作品に対する面白味のほうに目を向けてほしかったなぁと思いました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:2)
- シュール過ぎて、意味がわかりませんでした。5人以内とありますが、それに何が意味があったのかといわれるとないような気がしてなりませんでしたし、それに最後の締めが一層、その訳の分からなさを助長しているように見えました。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:3)
- えーと、ハチクロ?
前にハチクロをネタとして使ったSSを書いた僕としては、少しばかりシンパシーを感じずにはいられませんでした。まぁ、そんなどうでもいいことは置いといて、なんか文章がフラフラしていてイメージが定まりませんでした。というか、これ語り部は女性ですか? なんか終始、それすら定まらず読み進めるのに苦労したのですが……同性愛云々ってあるので女性かなって思います。いえ、男性という可能性もあるのですが、それだとなんか昔の彼女の言葉とか、あまりにも意味がないように思えるので。で、その文章のフラフラ感が、なんか主観にまで影響を及ぼしてフラフラしているような気もしました。うん、その多分、僕が読み解けてないだけかと思いますが2度読んでも、色々とよくわかりませんでした。ラストはよかったと思うんですけどね。ただそこまでのアプローチが行ったり来たり、しているように見えてしまって、うーん、すみません。やっぱりよくわかりませんでした。
- 64 花盤 (採点:6)
- えっちなのは良い事だと思います(マテ
まぁ、冗談は置いといて、中々よかったです。僕は基本、百合はこう友情以上肉体関係未満、レズは恋以上肉体関係以上みたいな。簡単に言うとそんな風に思っていたのですが、いやぁ、これはいい百合だなぁ。いや僕の中の基準だと、レズの領域に踏む込んでいるような気もしますが、えーと、こういうのはお耽美って言うんですかね? よくは分かりませんが、蛹とか花とかの比喩は、一種の厳かな美しささえあるように感じました。色々といいたいことはあるのですが、独特な雰囲気がよく出ていたと思います。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:8)
- これは美しいなぁ。文章、構成、キャラ、設定、それらが織り成す綺麗さが個人的に、とても好きです。ただ最初読んだ時、音が聞こえすぎるという設定が分かり辛くて、物語に入り込めませんでした。綺麗だとも思いますし、上手いとも思うのですが……ちょっと題材が難かったかと思います。もっと分かり易くそこら辺を最初から明示してくれれば、文句なしだったんだけどなっと。ただ2度読みしてみると最初から、ぐいぐい物語りに引き込む整合性やパワーがあり、とても綺麗な物語を堪能できましたので、思わず加点してしまいました。
- 66 サルベージ (採点:5)
- ちょっと煮詰め具合が足りなかった印象を受けました。今のままでもよく出来ているほうではあると思うのですが、このお話の魅力の核を書ききれてないように思います。ダムの下に沈んでしまった故郷に赴いて、そこで昔の自分に合う。そこのタネ明かしとかはいいと思うのですが、折角のその故郷での思い出を、軽く流してしまっているので、タネ明かしをされてもそれほど効果的には見えませんでした。あそこを軽く流すのではなく、語り部に回想させながら歩かせるだけでも随分違ってくるかと思います。もう少し、ラストを効果的に見せるために押し出す所を考えて見るべきだったかと。これは、ちょっと構成を変えるだけで凄く良くなると思いますので。
個人的にですが、なんか物語を作るベクトルが作者さん、僕と似ている感じがしてとてもニヨニヨしましたw
- 67 純 (採点:3)
- えっと、ちゃんとこのお話での結末を書いて下さい。ぶっちゃけ女装した男の子に興味はないので、これだけ見せられてもなんとも困ります。それと、そのこれは個人的になのですが、なんか主人公の言ってることが自己中というか、ちょっと考え方が理解できませんでした。いや、もしかしたら好きな女性が実は男だったとわかったら、こうなるのかもしれませんが、それでも、うーん。そこら辺はラストで、何か決着が付くのかなって思ったのですが、結局そんなことはなく、読後とてもモヤモヤした気持ちになりました。
- 68 七夕 (採点:3)
- うーん、これは姉が記憶喪失。しかも何時間ごとに記憶が消えていくという設定なのかな? んで、最後は弟と二人でしていた落書きに、誰かが書いて、その誰かに騙されて姉は殺されたと取ったのですが、うーん。せめて文頭は空けましょうよ。記憶喪失物、とりわけ記憶を保っていられないという設定は、ただでさえ分かり辛さが付いて周ると僕なんかは思うわけですが、加えて文章が積み積みでは、余計分かりづらくなってしまっているような印象があります。僕、文章が積み積みなのは雰囲気に埋没できるので好きなんですけど、このお話に限っては逆に妨げになっているようにしか感じられませんでした。結構、お話として見た時には、面白かったのですがとにかく疲れたっという、マイナスな印象が先に立ってしまいました。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- ラストが訳がわかりませんでした。それだけなのならいいのですが、その前半〜中盤にかけてのギャグだと思われるの物が、まったく面白くなく終始冷めた目で見てしまいました。というか銃で撃たれても死なない魔術師なんか知らない僕としては、説明を省略されると何が何だかわかりませんし、そうなってくると中学生が考えたようなお話にしか見えませんでした。多分、作者さんは世界観の設定よりもギャグ方面のほうを取ったのだと思いますが、それにしても容量足りなくなって省略っていうのは、ギャグが滑っていると感じている僕としては、その辛辣なこといいますが、不愉快でした。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:3)
- バベルの図書館の会話部分は、正直知らなかった僕としては興味深くは読めたのですが、これがエッセイかなにかならこれでもよかったのかもしれませんが、物語となった時にはどうにも対談形式でお茶を濁しているようにしか思えませんでした。使いたいネタがあることはいいと思いますが、それはお話の中に組み込んで使うべきではないでしょうか? 終盤付近のバザーの本のところは、寂しさというか静謐感が凄く良く出ていたので、作者さんにそれが出来ないとはどうしても思えませんし、そうなってくると楽な手法を使ったのかなとすら思ってしまいます。ちょっとそこが残念でした。
- 71 幸せの処方箋 (採点:5)
- うーん、惜しいなぁ。ネタは凄い面白そうです。ただ、圧倒的に煮詰め方が足りない気がします。コペンハーゲン解釈とかも魅力的に使えているほうだとは思うのですが、どうにもそっからガシガシ急展開で進んでいって、置いてけぼりをくらった感が否めませんでした。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- 短すぎます。伝えたいことはわかるのですが、それだけです。もっと装飾とかに気を使ったほうがいいかと思います。いえ、別に長いのがいいとはいいませんが、ただこの短さで勝負するなら、もっと文章の精度に気を配るべきではないでしょうか。なんか今のままだと、普通に書いて終わらせた印象があります。伝えたいことを過不足なく書いて尚且つそれを人の心に響かせるには、長いよりも短いほうが難しいと僕は思うのと、単純に文章自体は結構好みの部類に入るので、このお話を物語に昇華させてほしいと思いますが。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- キツイことを言いますが、その想像しようと思えるほどには、魅力が足らないように感じます。こういうチャレンジは嫌いではないのですが、ちょっと方向性が定まら過ぎているような気がします。とりあえず僕は、四つんばいのダッチワイフを持っていった男が店員に注意されて、逆ギレととりましたが、いや、僕の脳が終わっているのはその通りだと思います。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- なんか各方の感想を見るに、前半〜中盤にかけてがグダグダすぎるとありますが普通に読めました。まぁ、無駄な描写が延々と続いてるとは思うので、もっと物語に必要な描写に絞るべきだとは思います。それとラスト。正直、一瞬「お!?」と思いましたが、よく考えてみるとちょっと投げ出しすぎです。人間がヴァンパイヤと呼ばれるというネタはいいと思いますが、そうなる説明がまったくされてないのは問題じゃないでしょうか? 普通、人間は胸を打ちぬかれたら死にますし、そもそもじゃぁヴァンパイアハンターの語り部は誰ですかっという疑問も残ります。作品を面白くしようとする気概は、たしかに伝わってきましたが、そこに至るまでの説明がまったくないのでは、どんなにいいネタも効果を発揮しないかと。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- 熱いっ。子供の頃は大好きで、プロレスとか友達の家で見ていたけど、今はまったく見ないにわかファン丸出しの僕としては専門用語とかわからない部分があったのですが、それでも楽しませていただきました。最初から最後に至るまで、熱い展開でこれこそ、プロレスっと思わせて頂きました。具体的にはプロレスが見たくなって久々に見るくらい、見事でしたw
- 76 シャーベット (採点:3)
- 彼氏彼女の事情?
何かヒロインは、かなり違いますけど、それ以外がとても似ているなと。ストレートに少女漫画の第一話のような作品だったかと思います。で、残念ながら続きを想定していないこの企画内では、それは褒め言葉ではないです。嫌いという感情がわからない女の子の勘違いから始まるお話。悪くはないと思いますが、それによって付き合うだけっていうのは些か、面白味に欠けるような気がします。もしかしたら、その付き合う云々の構成の所が、どうにも強引過ぎるように感じてしまったのも、その要因なのかもしれませんが。キャラ設定など、とても魅力的だったかと思うのですが、ちょっと今の構成だと、ネタの旨味が完全に生きていないような気がしました。ただ付き合うだけでなく、そのネタと設定を使ってお話を展開して決着に導いて欲しかったなと思います。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:5)
- うーん、ネタは凄くいいと思います。ただなんかお話の展開が、凄く分かりづらいです。その要因は、核に持ってきている湖というファクタの描写が悉く上滑りしているように見えたためかと思います。独特の雰囲気を出すために入れたのかもしれませんが、失礼ですが、あまり機能しているように見えなかったためばっさり切ったほうが分かり易くなってよかったのではないでしょうか? 後、ナイチンゲールメールサービスって結局なんだったのでしょう? いえ、まぁ、多分ここは明示しないほうがいいのかもしれませんが、その最初、主人公があんなに胡散臭そうにしていた描写があったのに、何故か中盤で唐突にのめりこみ始めたように見えて、なんかこれはいいお話のはずで、ラストとかも綺麗だとは思うのですが、全体的に主人公の心情描写が足りないためと少々分かりづらい展開が、ホラーのような印象を持ってしまいました。ちょっとそれは致命的かと思われます。独特な雰囲気は、よく表せていたと思いますが、その雰囲気に目を向けるより、分かり易さやストーリーに流れる空気のほうに目を向けて、書けば十分、上位に食い込める題材なのに惜しいなぁと思います。
- 78 音響室B (採点:3)
- 軽快な掛け合い。過不足なく伝わる分かり易い描写。それらのおかげでストレスなく読めました。ただ読み終わった後、このお話は結局何がいいたいのだろう? と思いもしました。辛辣なこと言いますが、全てにおいて、使われているネタが必要とは思えませんでした。タイトルになっている音響室Bである意味も特にないですし、ロボットの登場した理由もないような気がします。ストーリーとは、伝えたいことに肉付けし時にはそぎ落とし、そうして伝えたいこと──テーマに向かって進んでいくものだと思うのですが、なんか今のままだとテーマとはまったく別のところのシーンを書いたような印象を受けました。文章のテンポやキャラの魅力などはあったと思うので、テーマを伝えるには何が必要で何が必要でないのか、それをよく考えるべきだと思います。
- 79 ユメオチ「 (採点:3)
- えーと、こんなに長い必要あったのかなって思います。いえ、別にそんなに長いわけではないのですが、このネタに必要なのは文と物語のテンポだと思うのですが、なんか夢→夢→夢→夢→夢、てな感じが長く続いてダレました。オチはいいと思いますし纏まっているとも思いますが、これはどちらかというと一発ネタに近いので、もっとテンポやオチを効果的に見せる構成などに拘って欲しかったです。正直、僕は途中でダレてしまってオチを見ても「へぇー」としか思えませんでした。
- 80 リング (採点:6)
- うん、青春物は大好きだw
少年サッカーという題材を使って友情物、もう無条件こういうの見てるとワクワクしてしまう僕ですが、堪能させて頂きました。ただ、面白かったとも思いますしワクワクもしたのですが、ちょっと構成や展開で魅力を伝え切れていないというか、惜しいなぁという印象を受けました。安易に恋愛に持っていかなかったのは、とてもぐっじょぶですし序盤での問いに対しての回答をラストでわかる構成も見事です。ただ、試合で容量を使いすぎましたね。あそこで怪我をしたこの話のある意味核でもある巧の、キャラがとても薄いんですよね。少なくとも水城と僕よりは遥かに。なので終盤の魅力が半減しているかと思います。もっと試合の所を短くして、巧というキャラへともっと踏み込んで欲しかったなと思います。
- 81 ずっとずっと前から (採点:5)
- 悪くはないです。紹介文にある通り、正統派ラブストーリーの言葉に間違いはなかったですし、文章的な面で差別化を図れていたと思います。ただ、だからといって正統派──王道に新鮮味を感じたかというと、すみませんが僕は感じませんでした。だからと言って、寝取られエンドとかやられても激しく鬱になるんですけどねw
んー、あえてもう手垢の付いたテンプレに挑んだ作者さんの心意気は買いますが、構成や展開までテンプレにする必要はなかったんじゃないかなという気がします。幼馴染の女の子が主人公に惚れるまで書くとか、ただ主人公の確認云々にとどまるのではなく、他のキャラへの心情に踏み込んでくれれば、また違ったのかもしれません。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:4)
- なんか冒頭が、どっかで見たことがあるなぁという気がしました。いえ、どこで見たのかは結局わからなかったのですが。うーん、とりあえずこれは百合じゃなくて、レズだよといっておきます。あくまで僕の中ではですが。で、僕は百合は好きですが、レズはそうでもないわけですが、まぁ、それは置いておくとしてもなんか、そもそも同性愛である必要性を感じませんでした。テーマが「一緒に隣で泣いてくれる人がほしい」であれば別に異性でもいいんじゃないかなっと思うわけですが、それが同性愛者だから、ではちょい納得を引き寄せるには弱いんじゃないかなっと思います。んー、教師の所がなってないでもないとは思うのですけど、それでも、うーん。
- 83 変わった趣味の男 (採点:3)
- 自分ルネッサンス! 自分ルネッサンス!
正直、このお話での瞬間最大風速は、ここだけでした。やすこはいいキャラしているとは思うので、もういっそやすこを主人公にして、お話を展開させたほうがよかったんじゃないかなっと思います。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:2)
- ネタはいいかと思いますが、ちょっと煮詰め方が足りないかと思いました。永遠の少女体型を題材にしたのはいいですし、その学生時代の葛藤は非常によかったと思います。ただそれがイマの話になった時、訳のわからなさが付いて回りました。その学生時代にあれほど忌み嫌っていたのに、何故今は、それで食い繋いでいるのか。そこに至るまでの過程が、ごっそり抜けていて、なんか片手落ちの印象を受けました。まぁ、苦労したんだろうという推測は立ちますが、そこは読者に投げるのではなく一行でもいいので、明示しておくべきではないでしょうか? 正直、「数年たって、私は完全にかずみの言っていたことを自分の仕事にしていた。」とか言われても、そこがわからないので不愉快さが増すだけかと。後、ラストももう少し展開を考えるべきではないかと、斉藤がちかに気づかなかったのは、まぁ、服装とか雰囲気が違っていたので分からなかったと無理やり納得できたとしても、最後の父親役云々がよくわからず滑っている印象を受けました
- 85 童話 (採点:2)
- 題材は悪くないと思います。童話らしく寓意が込められていると思いますし、ただ作者さんがこういう構成にした意味がわかりませんでした。 辛辣な言になってしまいますが、何故、男性が女性に聞かせるという場面にしたのでしょうか? そのまま童話の話を核に書いたほうが、魅力的な作品になったと思います。もしかしたら、ストーリー性を出すために、こういう構成にしたのかもしれませんが、語って聞かせて終わりでは、物語にはなんの発展性もなく、面白味がないように思います。ポエムのようにするのか、物語にするのか。作者さんもきっと迷われたと思うのですが、ちょっと今のままではどっちつかずに、それぞれにある魅力を潰しているような気がしました。
- 86 NEET (採点:3)
- うーん、時事ネタを時流に乗って使ったネタなわけですが、NEET=作家志望っていうのは、なんでしょうか? そんなに多いのかな。いや、なんかよく聞くのですが。まぁ、それはいいとして、なんかこれNEETである意味がないような気がするのは、問題じゃないでしょうか? 普通に作家を目指しているフリーターでも問題はなかったのでは? なんかそれでも問題ないように見えるところは、ちょっとNEETに対する掘り下げ方が足りなかったというか、なんか印象のみで作ったんじゃないかなっという気もします。もっとNEETである意味を、強調できていれば、興味深い作品になったのに、そこが残念でした。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:4)
- なんかローゼンメイデンのめぐと水銀燈が、頭から離れなくて困りました。まぁ、それはさて置いといて、揚羽は病的さやキャラ性は、よく現せていたと思います。ただラストで、道連れにしないところが、なんか心変わりする描写が足りてないせいか、少し唐突に感じました。加えて、主人公の蜜柑がデレに移行する所や結局、蜜柑は揚羽から何を学んだのか、何を貰ったのがが不明瞭で、なんかラストに行くにつれてかみ合わなくなっているように印象を受けました。もっとじっくりと二人の心の動きなんかを書いていけば、かなり面白くなるなっと思っただけに、惜しい気持ちになりました。どうでもいいですが、これはとてもレズよりですが、百合だと思います。
- 88 探偵は誰だ? (採点:3)
- なんか謎解き部分が、よくわかりませんでした。なんか全体的に詰め込みすぎです。纏まっているとは思いますが、謎解き部分で「早く終わらそう終わらそう」としているのが、見えるというか、行き成りそこで今まで生き生きしていたキャラが犯人、探偵みたいに役どころに嵌められているというか、なんていうか、そう早送りで火曜サスペンス劇場を見ているような気がしました。なんていうか謎解きするのも結構なのですが、もう少し謎解きしながらキャラの内面や心理にも触れて欲しかったかなと思います。
- 89 午睡 (採点:4)
- 記憶を保てない人が、誰かにプレゼントを上げたいという思いを手紙に記し、その時系列を辿っていくお話だったわけですが、プレゼントを誰に贈ろうとしたのか、それすらも忘れてしまうところは、よく現せていて切ない気分にはなれました。ただ、やっぱりそれだけじゃ物語としては、ちょっと弱いかなって気がします。もっとこの手紙を短くするかして、この人の日常や記憶を保てない悲壮感みたいなものを現して欲しかったです。例えば、こういうので有名なのは博士の愛した数式だとは思うのですが、あれもルートやその母との交流が──動的な部分があるからこそ、忘れていく、リセットされるという切なさが伝わるのだと思うので。
- 90 R・P・G (採点:3)
- もうちょっとでいいので文章に気を使って下さい。ネタはいいと思うのですが、なんか青年に話しかけられてからの地の文の反応が、KANONSSのギャグ物で突っ込みをされて反応しているのと変わらないように見えて萎えました。折角こういう着想にして、そこを核に据えているので、もっと違う文章のキレとか軽妙な掛け合いが見たかったです。物語的には、なんかRPGである必要性があまりないように感じました。文章のキレとかないことも、多分起因していると思うのですが、これなら別にどんな時代のどんな話だろうと出来ると思うのですよね。まぁ、多分この世界観を取った理由は、魔王を倒す奇抜な方法を現したかったからだと思うのですが、そこを明らかにサラッと流しすぎているかと思います。もっとそこを強調するべきだったのではないでしょうか?
- 91 鈴の音 (採点:6)
- うーん、惜しいなぁ。とりあえず鈴ちゃんは、可愛いと思います。それはいいとして、ラストとかとてもいいと思うのですが、これのテーマは少年と少女の無力さ。というか、そんな感じかなっと思ったのですが、そういう感じはよく出てると思いますし、テストをバラ撒くところも映像的に、ちょっと綺麗で素敵です。ただ、主人公である少年が結局何にもしてなくて鈴の話聞いてただけじゃんって気がしてしまいました。いえ、だからと言って別に主人公にイジメている子を、フルボッコしろというわけではなく中盤の引越しをするところで無力さに歯噛みするだけでなく、引越しを拒否するというか鈴をつれてどこかに行こうとするとか、そういうのがあったら絶賛したんだけどなぁっと。別にホントにいく必要はないので、そういう会話を入れてくれるだけでなんていうか少年故の無力から目を背け、出来もしないことを言う愚かしさがほしかったかなっと思いました。それだけで、それ以降の展開がぐっと引き立つような気がするので、惜しいなぁっという感想になってしまいました。
- 92 神の子 (採点:7)
- うーん、これは凄い。なんか明確に落ちるところがイメージできて、ちょっとゾワっと来ました。どこまで落ちるだけってのは考えてみると、とても怖いですよね。まぁ、あまり語り部はそこら辺は感じてなかったようですが、どんどんと自分であったものが剥離していく描写も、想像できよかったです。
- 93 妖精離れ (採点:2)
- なんか文章どころか展開が終始フラフラしていて、まったくイメージできないし、どういうお話だかまったくわからなかったのですが、2度読みして漸く、わかった気がしてきました。これは要するにピーターパンのメタファか何かだと思ったんですけど、どうなんだろう? こう手紙が妖精で、飛ぶことへの憧憬からラストのもう飛べないっていうのは、大人になったということでメルヘンというかファンタジーの終わりを示唆しているのかなっと思ったのですが、わかったところでそこまでの驚きや共感がまったくなかったのは、どうなんでしょうか? いや僕が誤読しているだけかと思いますが、その……もう正直3度目を読み直す気力はないのです。込めたいものを、テーマを詩のように綴るのはいいのですが、それがずっと続くと分からない人にまったくわからないですし、結局これは分かる人だけ付いて来いって内容だったのでしょうか? それでしたら残念ながら僕は付いていけそうにありません。ごめんなさい。
- 94 Eternity (採点:6)
- なんていうかテンプレートを一つのネタとして使っているというか。こういう風にテンプレ物を使われるんだったら、まだいいなぁっと思いました。ただなんかずっと妹が無個性だったのが、残念でした。お話の展開とかテーマはいいと思うのですけど、さすがに今まで無個性だった妹をポーンと紹介されても、感動が薄いというか。心にくるものがありませんでした。もう少しでもいいので、妹を「何でも姉の思い通りになる」というところから脱却した描写がほしかったです。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- のっけから辛辣なこと言わせて頂きますが、ラストがとても不愉快でした。平衡状態なのに兄を殺そうとするところも理解できませんし、それを容認してトリックを仕掛ける兄も理解できませんでした。そのトリックもどうかと思うわけですが、ですがそこはまぁ、作品を面白くしようという気概はあるのでいいとは思うのですが、もうちょっとよく考えるべきだと思いますよ。匂いが強烈なら妹はそもそも断念するでしょ。はっきり言わせて頂きますと全体的にストーリーの体裁をなしてないです。考え方がおかしい。異常性のある兄弟を書くのはいいとは思いますが、差別化を測ろうとした意気込みも伝わりますが「考え方がおかしい」だけで全ての行動に納得できるわけありませんよね? それでもまだラストが違えばよかったのですが、落ちた先が結局、妹萌え物では、何がしたかったのかまったくわかりません。異常を書こうとするのなら、その異常を物語内で許容できる何かを用意するべきだと愚考します。
お話を面白く面白くしようという意気込みは伝わってきましたし、そういう心意気は買いますし、ネタ的には決してよくなかったというわけではないので、そのネタをどう繋げて、どう読者から納得を引き寄せるのかもっとよく考えて下さい。
- 96 走るッ! (採点:3)
- えっと、プロローグかエピローグであれば、とてもよろしいと思います。思いますが、これが本編となった時、色々と足りないような気がします。テンポもいいですし、キャラも魅力的だとは思います。ですが、もう何回も他のところでも言いましたが、これでこのキャラ達の魅力を伝えきれたかといわれれば、そんなことはないかと思います。正直、ポンポンとキャラが出てきて困惑してしまったところもありました。連載物や、それこそエロゲギャルゲや漫画なんかの媒体の連載物などなら、是非読みたいとは思いますが、ここだけポーンと読まされても、その……困ります。
- 97 やさしい猫 (採点:7)
- ああ、これはいいなぁ。とってもストレートなお話。驚く所なんかありませんが、安心して読み進められました。ちょっとストーカーの背景が分かり面過ぎて、微妙にいい人のような気がしてしまったので少し複雑な気持ちになってしまいましたが、猫がとってもかっこよかったので、まぁ、よしとしておきます。色々と粗もないことはないのですが、ラストとかも爽快感と温かみが広がってよかったかと思います。
- 98 足跡 (採点:2)
- うーんっと、短すぎますね、やっぱり。やりたいことだけは、きっちりやれているとは思いますが、もっと物語としての装飾をしましょうよ。誰の足跡かもわからない足跡を辿る。その不可思議な怖さは出ていましたが、残念ながら、このままではラストを見ても何にも感じません。ラストを彩る、効果的に見せるのはそれまでの積み重ねなので、もっと広がりを見せるために、せめてこの倍の容量は使って物語として仕上げていただきたかったなと思います。
- 99 繋がっているものたち (採点:6)
- ああー、これはちょっといいなぁ。前述しましたが、友情物は大抵大好きな僕ですが、安心して読めました。巾着を取り返すところなんて、爽快さもありましたしね。ただやっぱりそれでも、こういう話も結構ありますので、ちょっとそことの差別化が図れてないかな。驚くところが必要なわけではないですけど、このお話なりの作者さんの綴る色を見せて欲しかったかなっと。そこが残念だったなぁっと思います。それでも優しい気持ちになれるラストは、素直によかったと思えるので、その、がんばってください。
○トーリス さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- カオス感は見事。短いのは途中で素に戻らずに書ける限界がここだったのか、それとも読者の我慢の限界を見切ったのか。
作者の方が非合法な遊びに手を染めてないことを祈ります。
これが愛というのなら、僕は愛をしらなくていいや(笑)
たぶん作者も確信犯だと思うのでこの点数にします。
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- 無理なく最後まで読めてしまうのですが、読後に残るものが無く残念です。「クラゲ」「ツナ」といった名前の由来のエピソードは面白いけれど、それも生かし切れず浮いてしまっている感がありました。
せっかく「クラゲ」なんていう秀逸なあだ名を付けておきながら、地の文では「織川」と名前で呼んでいるのはもったいない。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- うーん。
中途半端だなあ…アイデアは面白いだけに、なんとも投げっぱなしでもったいない。この容量制限でやる話と展開じゃないような気がします。もうすこし冷蔵庫の正体を育ててその前後のエピソードもそろえて無駄を削って、短編に応募されればよかったのでは。
あと主観文と客観文がごちゃまぜで読んでて幾度かひっかかりました。
地の文はけっこう特徴あって面白かっただけに、もったいない感が強かったです。
それとこれも「エロゲ設定ラノベ展開」作品群の一つですね…。
だからといって評価に影響はさせていないつもりなんですが、やはり似たような話に埋もれて目立たなくなってしまいます。
オリジナル、と言いながらなにかのゲームかアニメの二次創作みたいなお話が多いこのコンペ。
もっともっと突拍子もない、独創的なお話にして欲しかったです。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- 「あそこに連れて行ってあげるよ」
魔法使いを名乗る少女に手を引かれ、七夕の夜に僕は街を出た。
…とても素敵なお話でした。
文章も読みやすくて、温子さんのキャラクターも描けてます。
でも、旧暦の七夕にホタルってのは、ちょいと季節があわない気がします。確かにホタルの種によっては9月くらいまで光るやつもいるみたいですが、星空と見まがうばかりに群れて一斉に光るのはやはりゲンジボタル、梅雨時期のホタルです。
別にホタルにしなくとも、もっと素敵な願いの叶え方があったのではないかなあ、と僕は思います。彼女は魔法使い、という伏線も生かし切れてない気がしますし、ややもったいない。
- 11 準備 (採点:9)
- この短さでこの破壊力。アイデアもオチもそう目新しいものではないけれど、ぎりぎりの綱渡りを成功させたその手腕と度胸に拍手を送ります。
「明日から彼の町で眠る」と言った直後に「荷物は妹夫婦のもとへ」というギャップに、勘のいい人はピンときたかもしれませんね。でも私はあまりに冒頭すぎて気が付かず、最後まで読んでアンフェアじゃないかと読み返したときに気が付きました。つまりは、完敗。
でも、不安感がどんどんつのっていく展開ではあるんですよね。
引っ越すというのに、どんどん身軽になっていく彼女の姿が。
タイトルでもうちょっとミスリードを仕掛けてみては、と思ったんですが、じゃあどうするかと考えてみるとこれは本当に難しいですね。
おそらく作者の方も相当悩まれて、結果この「準備」になったんだと思います。僕も未だに上手い代案を思いつけずにいます。
が、もっと良いタイトルが付けばさらにさらに完成度は高まると思います。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:7)
- フルネーム、山口セリオ。
…年がバレる感想はこのくらいにして、面白かったです。
会話を中心にしてお話が進められて行きますが、読み始めの予測は裏切られ事態は思わぬ展開に。
じわじわと評価があがる感じのお話です。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- 竹仙人さん?w
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:2)
- よくわかりませんでした。
ごめんなさい。
- 18 じれ☆んま (採点:6)
- 騙したつもりで騙されて、裏切ったつもりで裏切られ。
思考ゲームとしてはとても面白い読み物でした。
ただ小説としてはいくつかの難があると思います。
まずは、金に困って泥棒に入るような男が「囚人のジレンマ」なんつう概念にそんなに詳しいのか、という違和感。そのフォローがいっさいなされていないこと。
そしてその「囚人のジレンマ」の説明がかみ砕かれておらず、専門用語を専門用語で説明している点。
そして、金持ちのでかい屋敷の焼却炉から男の死体が見つかっても、警察沙汰にはしないでもみ消すんじゃないかなあ、とか、そもそも燃えそうなゴミの詰まった焼却炉に隠れるなんて迂闊すぎないかとか、まあそのへんの詰めの部分。
コンゲーム的な意欲作で、展開としては意表をつかれてにやりとする面白い作品でした。ただ、全体的にはもうちょっと練り込んで欲しかったです。
- 19 猛スピードで触手は (採点:8)
- おおおおおおおお。こういうオチか。触手をペットにする、という設定の異常さですっかり迷彩されてました。
これはつまりこの先輩が真の飼い主ってことでいいのでしょうか。
おもしろかった。掌編ってこのくらいの切れ味が欲しいですよね。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- やや冗長な語り口は意識してのものでしょうか?
もうすこし改行を入れた方が読みやすく、意味も伝わりやすいように思いました。
雰囲気は好きです。
- 26 賢人の恋 (採点:2)
- うわー、桃色空間…。
綺麗な幼なじみがサヴァンでエロボディで性知識は幼女とか、エロゲみたいな設定ですな。
つまり、この手の話は食傷気味です。ごめんなさい。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- うーん。
どうしてこんなに幼なじみものが多いんだ(笑)それもエロゲの設定的な。
それはともかく、アインシュタインの霊が不確定原理な現象を引き起こすのって、矛盾してませんか? 神はサイコロをふらない、と言った当の本人が。
それと夢の中の老人の言葉を「サイコロ」だけ聞き取れたというのもちょっとご都合主義すぎる気がします。
ドイツ語でサイコロは「ヴュルフェル」。神はサイコロをふらない、は「Der Alte wurfelt nicht.」( u にはウムラウトが付く)
結構マニアックな単語で、日本語にはない発音ですし、一夜漬けの勉強では狙って発音を調べてないと、これだけ聞き取るのはまず無理のように思います。
まあ、主人公は天才だったという奥の手を出せば回避できますけど。
そういう設定面を無視しても、幼なじみとの恋愛にオチを持っていくのはなあ…。他の評価でも言いましたが、エロゲ設定のラノベ展開は、もう食傷気味なんです。
読み返すとひどい感想ですけど、ごめんなさい!
この風潮が変わることを期待して、あえてオブラートで包まずに。
- 35 サプリメント (採点:3)
- そっち行っちゃいましたか…。
心のサプリメント、という発想はおもしろかったんですが、そのあとの展開が現実的すぎて、その、なんだ。平凡。
それと自ら蛇足と書かれているその後日談は本当に蛇足と思います。物語作者が「蛇足」と書く以上絶対に「蛇足であってはいけない」と僕は信じます。
- 41 蜃気楼 (採点:4)
- 割と早くにオチが読めてしまったのが残念でした。
帰ってきた横山が普通に倒れているのはいまいちつまらない、意識を取り戻してうわごとを言うのもリアルなのかもしれないけれど当たり前すぎる。もっと異常な感じを醸してほしかった。
それと、結論を丸投げにしてるのももったいない。どうすればいいのだろうか、でお話が終わっても読者は困るだけです。
- 45 八月水晶 (採点:6)
- タイトルの美しさと中盤の盛り上がりに反して、ラストのあまりのあっけなさにとまどってしまいました。
実話をそのまんま書いたみたいな、そんな変にリアルに中途半端な読後感。
もうちょっと、あざとくても良いからドラマティックな結び方にして欲しかった。
文章自体は読みやすくて良かったです。
- 46 青空 (採点:5)
- いい話や。
いい話やねんけど、王道すぎて先が読めてしまいました。
でも雰囲気が綺麗だったので、ハッピーエンドにもそれほど違和感はなかったかな。
- 47 光学概論 (採点:10)
- すごいなあ。隙も無駄もない。
これが娘だったらたぶん台無しになってただろうなあ。この話は息子と父親だからいい。
村上春樹のよう。すばらしい。ありがとう。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:9)
- おりこんの醍醐味ですね。こういう思わぬ傑作にふれる喜び。
青春だなあ。羽海野チカとかあたりでマンガ化してほしい。
難をつけるなら、髪留めのエピソードをもうすこしふくらませても良かったかと思います。お前も空に〜という約束を佐竹がどう果たしたのか、そこをもうちょっとわかりやすくしてくれると良かったと思います。
でも本当に良かった。短い文でキャラもきっちり立ててあるし、佐竹のアホもよく伝わった。タイトルも、読み終えてみればこれしかないという感じ。
ありがとう。ごちそうさま。
- 51 野辺送り (採点:10)
- この作品のせいで、10点の基準を大幅に見直すことになりました。
この作者の人はプロか、プロに等しい創作活動を長年続けて来た人であって欲しい。こんな作品を最近書き始めました的な人に書かれては、そのなんだ、僕が困る。
この容量で、まさかこれほど濃密な世界を描き、死と生のすべてを飲み尽くして流れる時の許しと鎮魂の物語を紡げるとは、本当に恐れ入りました。
文句なしの満点。12点くらい付けたい気分です。
ありがとう。この作品を読めて幸せでした。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:7)
- 喪失感をメインテーマにしたお話のように見受けました。
雰囲気もいいし、安易にラブに走らない展開もいい。回想気味の語り口も世界観作りに一役買ってますね。
タイトルだけが安直でちょっと残念。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:9)
- やばい。これは泣きそうだった。
読みながら憶えたのは恐怖でした。これで最後がハッピーエンドでなかったら僕にとってはただひたすらに恐ろしい話でした。最後に光が戻って、ほっとしました。
寝たきりの男の耳に入る本音、言葉からは見えない優しさ、それでも過ぎていく時…作者の方は書きながら何を思ったのか、何を思って書いたのか、それを聞きたく思いました。
あ、それとこんな嫁はどこでみつけられますか?
- 56 飛べない鳥 (採点:3)
- んー、童話風にしたかったのでしょうか、訓話風にしたかったのでしょうか。絵本のような物語、と紹介にはありましたが、以下に述べる理由でそれには成功していなかったように思います。
まず全体的にとても丁寧な言葉選びで書かれているのですが、話の方向性というか呼吸がちぐはぐで、まとまりにいまいち欠けた感がありました。
飛べない鳥、助け合う仲間たち、イタチとの戦い、存在意義の発見…ここまでの道具立ては子供向けの童話っぽい雰囲気なのですが、そこから今度は突然、島の沈下、飛べない自分、飛び立つひな鳥たちを見送る…と、悲壮なトーンが現れてきます。
話の筋をどちらかにまとめた方がよかったかと思います。
あと、「これは小さな物語です。」と最初に断る理由がわかりませんでした。出だしにそんな物語自身の自己紹介を挿入する絵本、ないし童話というのを私は知りません。
きっと書き手の方の頭の中ではとても綺麗な世界と物語が描かれているのでしょう。あとはそれをいかに上手く伝えるか、という点です。おいしい素材を詰め込んで大皿料理にするよりも小出しにした方がうまくいく場合もあるかと思います。今回のお話は 絵本「飛べない鳥○○」シリーズ の、一巻二巻三巻を一巻分の容量に無理にまとめたような感じ。
がんばって。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:3)
- んんんんんん?
ごめん、わかりません!
いろんな設定が投げっぱで、人間関係の相関も読みとれず、よって登場人物の顔も見えず感情にも同感できず…深読みしようにも手がかりがない。
隣の家の会話を盗み聞きしているみたいな、不思議味のお話でした。
タイトルも意味不明。んんんんん?
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- 素敵な猫侍渡世。
かつての飼い主をまぶたに薄く残る面影をたよりに探す風来坊の黒猫の、とある街での仁義のお話。
いやあ、こういう作品世界を生み出すセンスにあこがれます。
これが現代の社会を舞台にした話だ、ということに気が付いたのがエリックとの決闘のあたりだったので、一瞬でしたが違和感を感じました。もっと早い時点でそれとほのめかした方が、読者にイメージの修正をさせずにすむと思います。
それにしても台詞回しが上手い。
「裏道は知ってるつもりだ、人間の倍はな」「足も倍よ!」
ここ大好き。ニヤリとしました。
秋山瑞人氏の猫の地球儀が無性に読みたくなりました。似てるっていう意味じゃなくて、かっこいい猫の仁義の物語の、続きを読みたくて。
- 61 缶コーヒー (採点:8)
- いいなあ。これはいい。
同級生の登場に「またラノベ展開か?」と一瞬思ったけれど、どことなく枯れた、というかやるせない文体と会話にちがう匂いを感じ、その予感は最後まで裏切られることなく。
どういうつもりで主人公が奈緒に「今、カレシとかいるの?」と聞いたのかを、はっきりと語らせていないのもいいですね。わざわざ書かなくても、これまでの雰囲気と、そこからの行間で、すでに読者には十分な手がかりが与えられている。
タイトルもいいなあ。缶コーヒー。
ちょっとしたタイムスリップの一日を表現するのにぴったりの暗喩ですね。
作者は主催の大沢氏かな? こういうかっこいい作品を書ける人にあこがれます。
出だしがちょっともたついた感じがするので、そこだけちょっとマイナスで。
- 64 花盤 (採点:9)
- この完成度はなんなんだろう。
エロティックなのに下品でない。
暗喩に満ちているのに、なぜだか伝わる。
これはよほど書き慣れた人による作品と感じました。
- 66 サルベージ (採点:5)
- 物語の基本路線は手堅いと思うのですが、文章がどうにも硬い。というかどこか説教くさい。
奇跡のくだりをもっと柔らかく描いて、主人公の造形にもっと味付けを。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- うん、これは確信犯だね!(笑)
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- あー、もうっ!
テクニカルタームには注意しなさいって何度も言ったのにこの子ってば!(笑)
途中まではすごく良い雰囲気だなあ、と思っていたんですよ。
どんな終わり方するんだろうなあ、と。
「弟がいたんだ」のあたりで、あ、そうなのか、そう来るのか、と思いました。
「コペンハーゲン解釈って分かるかな」
分かんねえよ!!!!(笑)
いやもう本当に超展開。理論的裏付けがあるのは結構なんですが、それをむき出しで提出したばっかりにお話がぶちこわしです。俺が家族なら納得できません。世界は収束してもお話は収束できてません。これでは単に自分の知識をひけらかしただけです。
ことほどさように、テクニカルタームの用い方には注意したいものですね。劇薬と同じ慎重さが必要です。
前半7点、後半1点、足して割って印象評価を加算してこの点数にいたします。
もっともっとたくさん本を読みましょう! 物理以外の!
- 73 あかんぱにい (採点:5)
- うふ、こういうの嫌いじゃないです。
もっとシュールだとさらに良かった。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- 作者の趣味全開なお話なのでしょうけれど、残念ながらその世界観に読者を巻き込む力強さと魅力にいますこしの不足があったように思います。
文章には呼吸というものがあり、同じプロットでも長編、中編、短編、掌編、その長さによって言葉選びや台詞回し、描写が異なります。一般に短くなればなるほどディティールを省き、行間を活かし、物語の本質を的確な言葉で配置していかなくてはなりません。その究極がショートショートで、人物は「男」「女」「博士」「悪魔」といった風に完全に記号化されます。
このお話の滑り出しは長編ないし中編の、つまりはもっと長いスパンで展開させる物語の呼吸で書かれています。自宅でくつろぐ主人公と叔父のやりとりなどは特にそうです。逆に町を出て戦闘になると説明ばかりになってしまっています。
長い話のテンポで始まったのに後半は駆け足、このバランスの悪さが、せっかくの素敵なアイデア――人間こそがヴァンパイアである――を活かしきれずにおわっている主たる原因のように思います。
このお話の肝は、私が思うに最後の一行の逆転でしょうから、そこへ向けて物語が収束するように最初の一行から狙って行ったほうが良いと私は思います。
なんだか文句ばかりの感想ですが、惜しい、もったいない!という思いで一杯だからです。
- 79 ユメオチ「 (採点:8)
- これはいい。
何故かは知らないけどこのコンペ、男女の幼なじみ、もしくは血のつながらない兄妹といういかにもエロゲ・ラノベ的設定が多いんですが、その中では一番出来が良いと思います。
胡蝶の夢のお話に似た展開で、どっちが本当の世界なのか、主人公はどちらを選ぶのか…と思わせて最後はこのオチ。虚をつかれた感じで面白かったし、読み終わった後にタイトルをみるとすでにそこでネタバレしているのも爽快でした。
うん、なんか読後じわじわと評価があがってくる感じです。
タイトルの尻にくっついてる 「 の意味も最後に分かってニヤリ。
こういうの大好き。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- いろいろと思うことはあるのです。この作品について。
まず小学生の女の子に告白されたからって、学校の先生はそこまで特殊な反応を返さないと思います。特に女の先生は。たぶんこの作者の方は男性だとおもうのですが(僕も男ですが)、小学生くらいの女の子は別に同性愛的な意味はなくとも普通に同じ女性に憧れ、恋をするそうです。小学校の先生で、かつ大人の女性であれば、それは嫌悪よりもむしろかつて自分も経験したその少女時代特有の恋心を可愛いと思う場面のように思いました。
しかし。
読み終わった今となれば、そんな重箱の隅は些細なこと。
最初から最後まである種のトーンで貫かれた、繊細なお話。
百合、という言葉は女性の同性愛に偏ったイメージを植え付けているようで僕はあまり好きではないのですが、これまで読んだこの手のお話の中でも特に出来の良いもののように感じました。
ラストの一行がすこし残念。余韻を残す終わり方にして欲しかったです。それとタイトルの言葉遊びを活かして欲しかった。
- 85 童話 (採点:2)
- 童話じゃないっすよね、この男のアイデア(笑)
うさぎによる古代文明、月に見捨てられた一族、近親交配、地球を見上げながら月のうさぎ滅亡…SFですよこりゃ。こんな絵本教育に悪すぎて、そりゃあ売れないわけだ。
最後の、自分も何かを残せるのだろうかという問いかけも軽い感じで残念。
シュールな物語なのだから、シュールな結論で終わって欲しかった。
- 89 午睡 (採点:5)
- あと一歩で傑作になりそうなんですが、わかりにくさが邪魔をしています。
というか、今もよくわかりません。3回くらい読み返しましたが、結局これがどういう話なのかよく理解できません。前半の「君」はつまり母なのか?
- 90 R・P・G (採点:5)
- なんというチート(笑)
ギャグマンガ日和ですかい。
シニカルなラストは良かったです。もっとどぎつくやっても良い。
- 91 鈴の音 (採点:7)
- 僕ロリコンじゃないですよ?
突然家に美少女が来て、一緒にドリルをやって仲良くなって…の展開は正直おいおいこれなんてはじめてのおるすばん?と思いましたが、水たまり…のあたりからぐっと面白く、深くなりました。
和解と別れの流れも王道なんですが、話の結び方がいいですね。
日常なんてそんなもの、鈴の音はもう聞こえない、と言いながらも、この主人公はそれを悲しんでいない。きっとこの主人公はあと何年たっても、ふとした弾みに…たとえばよく似た娘を見たり、鈴の音を人混みの中で聞いたり…そんな時、鈴ちゃんのことを思い出すのだろうと思います。きっともう、二度と会うことはない。でも、それでいい。そんな乾いた明るさが、この終わりにはあるように思えました。
あー、あと、作者の方は真性だと思います(笑)
- 92 神の子 (採点:6)
- 地の底にいる神の元へ落ちていく話。
肉を脱ぎ骨を捨てまっすぐに天国へ墜ちていく魂の話。
仏法説話にも似た不思議な味のお話でした。宗教チックと思うひともいるかもしれませんが、僕はそれほど気になりませんでした。
こういうのもありだと思います。
- 95 何かの間違い (採点:3)
- ひいっ!
こ、この妹ヤンデレですっ!
しかも実の兄と…!
俺ならこんな妹いたら速攻で逃げます。
あまりにも妹の行動が短絡的すぎますし、兄も丸く収めすぎです。
いろいろ納得いかないのですが、臓器ドナーカードは皆さん是非持ちましょう(笑)そこだけは同意。
- 97 やさしい猫 (採点:6)
- 我が輩は猫である21世紀版?
新海誠の短編アニメーションがイメージに浮かびました。
ありきたりな話で終わりそうなところを救っているのは、男がストーカー行為をした理由ですね。野良猫がストーカーを撃退するというややメルヘンな展開に、なんとも現実的というかうまくいかない人生の妙味がちょっぴり添えられていて、読後感をよくしています。
猫は鳴かないほうがよかったかな?
あと季節描写があったら世界観に色がついてもっと鮮やかになったかと思います。サンマを小道具に使っているから秋がいいかも。
- 99 繋がっているものたち (採点:3)
- 直球!
中学生日記でもなかなかお目にかかれない直球ストレート短編。
もっとこう、あっと思わせるような展開やにやりとさせるオチが欲しかった。ふたりとも良い子で、普通の子すぎる。
というかこの容量制限で青春友情ものはキビシイと思われます。少女漫画の第一話を文章化したみたいなあっけなさ感。
○トイレ住民 さん
- 46 青空 (採点:7)
- 会話の雰囲気が良く、とても楽しく読まさせていただきました。
もう少し長くてもいいかな、と思いました。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:1)
- いきなりの誤字で萎えてしまった。
話もそこまで良いとは思えなかった。なんかどっかで見たようなストーリー。
- 67 純 (採点:6)
- 重たい問題にもポジティブに向き合う主人公に憧れを感じました。
続きが気になりますw
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- 大変楽しく読ませていただきました。
とても良い意味で、下らなかったですw
これからも頑張ってください。
○雨音 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:2)
- シュールすぎる(汗
スーパーラブストーリーなのに、読者への愛が足りていない気がしました。
- 02 寒太郎 (採点:7)
- こんな切ないお話を、ツンデレで終わらせるとは……(苦笑
タイトル含め、この作品はこれで良いのかと凄まじく疑問に思ってしまいました。
いやまぁ、面白かったからそれで良いんですけどね♪
- 03 GONSHAN (採点:6)
- 曼珠沙華の解釈って未だによくわかんないです。
私は凄いホラーちっくな印象だったのですけど……。
まぁ、そんなわけで作品の内容に関しては上手くコメントできません。
ただ、彼岸花(なんで「曼珠沙華」じゃないのかは分かりませんが)を高槻邸へ持っていくというのは正しく名案だと。
車から溢れるほど持ってってやれ!(笑
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- う〜ん、これはむしろポエムなのでは……?
- 05 ウミに漂う (採点:6)
- ホント、漂うクラゲみたいに自然のままに生きられたら良いのですけどね。
「俺」であろうと無理をしている主人公の気持ちは良く分かります。
う〜ん、そういう意味で良いお話のようには思うのですが、しかしもう一つ主人公の変化とか成長を予感させてくれる部分が少ないような。
それが残念でした。
- 06 下手れ (採点:6)
- うん、ヘタレだ(笑
まぁこの辺りのヘタレさが青春っぽくあるのですが。
若干テンプレ的ではありますが、良い青春小説だったのではないかと思いました。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:6)
- こんな冷蔵庫なら全然問題なしさ!!
ノリが良くて楽しく読めました。
けど、締め方はちゃんと考えておきましょうぜ!(笑
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:6)
- 物語を感じる事が出来るのに実態に触れる事が出来ない……。
つまり、よく分かりませんでしたって事なのですが(涙
でも、全部は分からないものの、分かる部分は面白かったです。
ところで、ピンク色の電気装置…………。
- 09 茜色の先 (採点:5)
- 救いの無いオチだ……。
いや、救いがなさそうなのは分かっていたのですが。
まぁとりあえず、「いま」と「すこしまえ」を細かく切り替える構成は良かったと思います。
問題と言えば、いまひとつ主人公の置かれている状況に切迫感がなかった事ですかね。
極限状態……という印象をもてませんでした。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- 素晴らしい光景を見た時にも溜息って出るのですが……?(ぉ
いや、どうでも良いツッコミなのですが、少なくとも私が一面に舞う蛍を見たら絶対溜息を漏らしているだろうなぁと。
こういう素敵な魔法、見てみたいものです。
- 11 準備 (採点:4)
- 某タワー(かどうかはしりませんが)の展望台のガラスを体当たりで割る……?
しかも男性を引き摺ったまま……?
主人公はきっと身長180、体重100キロ超の筋骨隆々な女性なのでしょうね(笑
とまあ、その辺りはあまりつっこんじゃ駄目っぽいので。
とりあえず、コンビニのお弁当コーナーにまで挨拶する主人公が可愛かったです。いや、結末を考えればそうとうに狂ってると見える描写なのですが。
他にも初見では平和だけど読み直すと微妙に怖い部分が随所にあって面白かったです。
個人的にはもっと徹底して欲しかったですけど。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- うーん、もうちょっと深く掘り下げて欲しかったかもです。
春香の事情について読み手側からは「分からなかった」とか「分かってやれなかった」とかじゃなく、「分かりようがなかった」わけですし。
山口さんの存在が、よくよく読んでみれば別に意味が無いものになっている事なんか割りと致命的なのではないかと。
春香を主題にするなら存在する意味がまるでありませんし、山口さんを主題にするなら学習機能をつけた辺りの伏線が完全に死んでますし。
人の目に見えない部分を照らし出すには少々灯りが足りていない気がしました。
- 13 立入諌止地点 (採点:4)
- 近未来……?
警察がなんか凄い組織になってる点についてはともかく、微妙に無能なのがちょっと笑えました。
いや、やりたい事は面白かったのですけどね。
もうちょっと分かりやすい構成というか、文章にしてくれたら嬉しかったです。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- ロマンチックですねぇ。
違うのかも知れないけど、彼女の言うとおりロマンチックだと思うのが一番良いような気がします。
しかし、主人公が忘れてるって設定がなんともなぁ……。
なんというか、読者のための設定っぽくて微妙なのでした。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- 楽しいなぁ♪
嫁かわいいなぁ♪
でも義父さんが一番可愛いなぁ♪(ぉ
お馬鹿なお話を実にお馬鹿に書いてくれていて、とても良かったです。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:7)
- 出だしからはまったく想像できない着地点で、あまりの展開に読み直しました。
とりあえず、これはとんでもない悲劇だなぁと。
万能であるが故の不幸とか、教訓的な部分はちとグダグダしているような気がしましたが、オチがお見事でした。
一年前までは遠回りしていた理由は、そういう事だったのですねぇ。
やり直せない事をやり直せてしまった不幸というか、むしろ良かった事のはずなのにとても悲しいです。
- 17 キラーデイ (採点:5)
- ええええええええええっ!?
この結末は予想外でした。
てっきり可愛い暗殺者とのラブコメ作品かと思ったら、こういうオチでしたか。
……この手の内容で逃避行エンドは往々にして未来が見えないから辛いなぁ(汗
っていうか、こういう結末に持っていくのなら、圧倒的に中身が足りてないのです。
これじゃ何も分からないまま終わっちゃってますよ。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- 可愛らしいタイトルに思いっきり騙された!
いやぁ、まさかこんなお話だとは。
てっきりハートフル路線だとばかり思っていましたよ。
お話の構成が面白かったですし、オチも良かったと思います。
ただ、二つ疑問が。
焼却炉から逃げ出せない理由が分かりませんでした。
逃げ出す事ができない状況ってどんなでしょう?
ってか、普通火をつけられたら気づくのでは?
また、少年がなんで泥棒を殺そうとしたのか理由が分かりません。
彼には特に積極的な動機はないような気がするのですが……?
容量に余裕があったのですから、その辺りの事も含め、もうちょっと書いて欲しかったです。
- 19 猛スピードで触手は (採点:6)
- 書き出しの一文に全力で吹きました(笑
ないから、こんな書き出し、世界中探したって絶対ないから!!
ただ、そんな序盤のお馬鹿さを最後まで通して欲しかったです。
先輩が出てきてから微妙な感じなって、ラストは思いっきり尻切れトンボでした。
- 20 顔 (採点:5)
- 怪談、風味……?
まぁ、それはともかく。
ダメ男というか危ない男のお話である事に間違いはないですね。
もしかしたら世の犯罪もこういう簡単な話なのかもしれません。
そういう意味で、凄く怖いお話ではあったと思います。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:4)
- 私の手書き原稿は誰も読めない秘密の暗号文……(死
と、それはともかく。
懐かしき黒電話が登場していたのはちょっと嬉しかったものの、お話の基本が主人公の俺語りだったのが残念でした。
あと、設定と書きたいものに若干の距離があったっぽいです。
主人公が物書きである必要ってあったのかしら?
- 23 不謹神話 (採点:1)
- 子供に読んで聞かせるには表現が汚いというか乱暴な気がします。
少なくとも大便ではなくうんちと書き換えた方が良いでしょうね。
……と、空気を読まずに真面目に指摘してみたり(苦笑
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- これは短編サイズでしっかり書けばきっと凄く良い作品になると思うのですよ。
現状では、どうしても凄く置いてきぼり感がしちゃいますけどね(苦笑
世界観についての描写をもっと増やして欲しいです。
ってか、それ以上に空に浮かぶ鯨達の風景をもっともっと描いて欲しいです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:6)
- これでコンビニのおにぎり食べられなくなったら責任とってくださいね(涙
ま、ちゃんとオチをつけてくれたので、その辺は助かりました。
途中までは現実にありそうなネタだったですからね……。
恐ろしや、恐ろしや。
- 26 賢人の恋 (採点:7)
- 投げっぱかい!!(ぉ
いや、思わずそう叫んでしまいました。
心は子供、身体は大人の女の子と天国に良く似た地獄体験記をワクワクしつつ読んでいたら、このオチ……。
確かに説明文にも「いちゃいちゃするだけの話」とありますが、ちゃんとしたオチは用意して欲しかったです。
あともっとイチャイチャしまくりやがれ♪(馬鹿
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- とりあえず口調だけはなんとかしてくれぃ(汗
クラスメイトを「この人たち」なんていう小学生、見た事ないですよ。
けど、それ以外は良い感じだったと思います。
夕日の色はなんだか寂しいですが、それを乗り越えて少年は成長していくのでしょうね。
- 28 腐臭 (採点:6)
- 良いですね、こういうホラー♪
PCのHDDを探るシーンはハラハラドキドキなのですよ♪
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- 目的地が帰る場所ってのは幸福な事でしょうね。
なんか凄い小さな悩みの解決に壮大な世界観を使ったお話で、面白かったです♪
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- ????
えっと、これは何をどう評価したら良いのでしょうか???(汗
- 31 不確定性の彼女 (採点:3)
- ツンデレ彼女は可愛かったものの、お話は……。
なんというか、ポカーンとしてしまいました(汗
もうちょっと何かネタを考えてくだせぇ。
それが無理なら不確定性とかそういうのを諦めませう(涙
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:5)
- 掌編でアンソロジーは厳しいですね……。
しかもSFはファンタジー同様説明を強いられるから……。
と、何が言いたいのかいえば、起承転結の承しかないですよ〜という事だったり。
しっかり書いてくれているとは思うのですが、これではちょっと物足りないです。
あと、シロッコって名前はやめときましょ(笑
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- う〜ん、不思議なお話というか不思議なだけのお話というか(汗
最後、「実に怖い」と主人公の気持ちで結んで居ますけど、その感情を共有できなかったのは致命的な気がします。
なんというか、どこまで行っても不思議なだけで、意味が良く伝わってこなかったというか……そんなお話でした。
- 34 Waltz #2 (採点:5)
- ダメ人間がダメである理由を延々と語られても、きっと色々ダメなんだと感じました。
プラス方向はないのが当たり前にしても、マイナス方向への強い力が無いってのはこの手の作品では辛いかもです。
せめて、彼がここまで壊れてしまった理由を描いてもらえればと思いました。
- 35 サプリメント (採点:5)
- 蛇足どころか、2ページ目がなきゃ最悪な作品ですね(笑
1ページ目のあまりの酷さに軽く眩暈がしていただけに、救われました。
けど、本当にやつあたりのまま終わってしまったのは残念です。
もうちょっと何とかしてもらいたかったです。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- この発想はなかったです♪
こういう表現の方法もあるのですねぇ。
なかなか面白かったです。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- なぜもっとラブラブ空間を読ませてくれないのかっ!!
……いや、なんともアホっぽい意見ではありますが、ぶっちゃけ坂原なんてどうでも良いような気がしたのですよ。
お話の焦点が曖昧で、タイトルとは違い、二兎とも逃している気がしました。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:3)
- 不思議な話だ……。
不思議なだけの話だ(汗
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- このオチ自体に不満はないのですが、これだけ駆け足だとすげぇ軽い女というか、ぶっちゃけ「ナンパ成功だぜ!」な印象が……(汗
なんというか、夏休みが明けたら真面目な委員長が悪の道に染まってたくらいの、唐突かつ理由の分からんメタモルフォーゼなのでした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:5)
- 主人公のipodの中身に果たして何の意味があったのだろうか……。
と、思ってしまう私です(馬鹿
いや、ってかipodだけじゃなく作品自体にも中身が無いような気がしない事も。
しかし、この作品はこれで良いかなと思わされてしまう自分がすげぇ悔しいです……。
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- あっさりしすぎなような……。
緊急避難的な狂気が発生する根っこの部分が全然書かれていないので、いまひとつ楽しめませんでした。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:3)
- フィクション部分のネタが全然分からんかった……(涙
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- この掌編というサイズは長々と世界観を説明するには、あるいは御託を並べたてるにはあんまりにも短すぎます。
結局、大半を説明に使う形になっちゃって、それでも説明しきれずに終わっちゃう事は分かっていたでしょうに……。
もっと長い尺を使って露骨な説明台詞を減らしていけば、あるいは、と思います。
まぁ……この手のネタは優秀なライバルが多いですから色々と厳しいですけどね(苦笑
- 44 蟲毒 (採点:4)
- 男側は何の理由もなく、決着もつけずですか(汗
勧善懲悪はともかくとしても、ある程度の因果応報は用意して欲しかったです。
- 45 八月水晶 (採点:8)
- ビックリマンシールにもすごいよマサルさんにもハマッた身ですが、水晶掘りはやった事がありませんでした。
やっぱ土地柄なのでしょうかね。面白そうなんですけど。私もやってみたかったなぁ。今更穴掘りなんて、三十分でバテますが(笑
と、そんなわけで体験した事も知識もないのに、何故だか無性に懐かしいと感じてしまったのでした。
お見事。
- 46 青空 (採点:6)
- これは恥ずかしい(笑
ちゃんと処分しておこうよ。
期待通りの着地点で気持ちよく読めました。
- 47 光学概論 (採点:5)
- 確実に三十は越えているだろう男性にしては考え方があまりにも幼過ぎる……。
初っ端から軽〜く犯罪に走る辺りが素で恐ろしいです。
いやまぁ、一般とはズレた方向で駄目な男のお話としてはこれで正解なのかもですが(苦笑
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:6)
- 青春は良いです。心が洗われます。
けど、風をつかんだ佐竹と違って、作品自体は割りと失速してしまったような気が……(汗
もう一つ成功フラグというか、ちゃんと困難を乗り越えて欲しかったです。
これじゃあなんか凄く簡単に問題をクリアしちゃってて、感情移入できませんでした。
この手の作品で、こういうインスタントさはかなり残念です。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:6)
- 展開の速さが問題なのか、世界観の説明不足が問題なのか……。
いや、それよりも『ママ』の描写の不足が主原因かもしれません。
登場人物たちのように『ママ』に思い入れが持てなかったので、その言動に対して感情移入できませんでした。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- やはり見慣れた設定を流用するのなら、その中で特別輝くものがないと厳しいのではないかと。
とはいえ、掌編サイズで独自の空気を見せるのは難しいですが。
とりあえず、後半は必要だったのか疑問です。
どうせならバトルシーンにもっと凝って、前半だけで終わった方が見栄えしたのではないかなぁと。
そんな風に感じちゃいました。
- 51 野辺送り (採点:9)
- う〜ん、上手いなぁ。
野辺送りの意味が凄く良かったです。
お見事でした♪
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- 達観しているようで実は達観しきれていない弱さが主人公の悲しさですねぇ。
出来れば本文内で救ってあげて欲しかったですが、それをやるとウザったくなりますか。
しかし、救う救わないは別にして、何かしら魅せて欲しかったです。
いやだって……よくある設定によくある展開じゃないですか、こういうの。
何かしら特別な見所が欲しかったです。
- 53 体育館を燃やす (採点:6)
- タイトルやら話の流れから、いったい何事かと思って読んでいたら、そういう結末でしたか。
黒川くんはただ、凄く納得がいかなかったんでしょうね。
その辺りの彼の気持ちを感じる事が出来て良かったです。
- 54 彼女への笑顔 (採点:7)
- なんというか、これはもっと長く読んでいたかったです。
だって凄く素敵なお話ですから。
短編部門のサイズでじっくり書いて欲しいですよ。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:7)
- 確か、意識不明の人が目覚めてからその間の事を覚えてたってニュースがどっかでありましたね。
途中でお金の話が出てきたのでもっと殺伐とするのかと思ったら、予想外に温かいお話で良かったです。
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 絵本調か〜良いなぁ〜と思って読んでたら割りとハードでびっくりしました(汗
イタチとの戦いだけ妙に浮いてる気がします……。
ラストはこれはこれで良いのかもしれませんが、できれば救ってあげて欲しかったです。
ほら、飛べない鳥って言ったらペンギンじゃないですか〜、島が沈んでも大丈夫じゃないですか〜(涙
- 57 夏を見逃すな (採点:3)
- こういうのってよっぽど台詞回しの上手い人じゃないと厳しいですよね。
ダラダラした雰囲気が本当にダラダラした作品になっちゃっていたと思います。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- 状況説明も何もないまま、ただお説教されても……。
一つの物語のオチの部分だけを抜き出したような作品で、いまひとつ楽しめませんでした。
- 59 プルシャの後裔 (採点:5)
- 嫁ぎ先にお金を払って引き取ってもらう事があったのは知ってましたが、婿側も結婚仲介者にお金を払ってたのは知りませんでした。
……これ、ぼろ儲けできるんじゃ?(汗
まぁ何にしても、間の抜けた時代のお話ですね。
そして母は強し哀し。ラストがなんともやるせないです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:7)
- 猫の任侠物……可愛いなぁ♪
でも、もっと凝って欲しかったかもです。
台詞回しやら雰囲気を強化してくれれば……。
- 61 缶コーヒー (採点:5)
- 「T都」には盛大に吹きました♪
いや、まぁそれはともかく。
若い、若いなぁ。コドモとオトナの中間ですね。
こうしてみんなオトナになっていくのでしょう。
……でも社会人なんだからもうちょっと落ち着いて欲しいものですが(苦笑
- 62 5人以内のごろつき (採点:2)
- ごめんなさい、良く分かりませんでした。
オチの一文で一気に頭が混乱しちゃいました。
要解説、なのです。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:5)
- 何てタイトルの漫画なんだろう?
それとも実在しないのでしょうか?
と、それはともかく。なんともやるせないなぁ(汗
というか、読んでいて痛々しいです。
その辺りの青春っぽさは上手く出ていたのではないかと。
どうせならもっと棘々しくやってくれてよかった気はしますが。
- 64 花盤 (採点:6)
- メンスって単語、久しぶりに見ました(苦笑
とりあえず、背徳的というかむしろ退廃的な印象のある百合作品で面白かったです。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:8)
- 彼女の耳の機能はまぁ良いとして、なんで悪化していくのか、それがなんで命に関わるのか分かんないです。
そんなわけなので、ラストはちょいと微妙だったり。
もうちょい設定に凝って欲しかったです。
また、音の描写に対してももっともっと拘って欲しかったです。
……と、なんか否定的な意見ばっかりですが、こういうお話好きです♪
- 66 サルベージ (採点:4)
- なんだか凄く淡々としていたのが残念だったかもです。
奇跡が起こったと言われても、いまいち良かったと思えませんでした。
- 67 純 (採点:6)
- ごめんなさい、準にゃんを思い出した。
いや、妙な偶然か意図したものなのか知りませんが。
と、それはともかく。
話を思いついたは良いけど容量内での纏め方を思いつかなかったのかなぁ〜という印象です。
ぶっちゃけ、思いついたシーンを並べただけな気が……(汗
もうちょっとお気楽なお話にして欲しかったです。(説明文がアレですし)
- 68 七夕 (採点:2)
- ……愛を下さい(涙
- 69 神の子と魔女の子 (採点:3)
- う〜ん、なんか色々とぶっ飛んでるなぁ(汗
お馬鹿方向の流れが全力で空滑った気がしないでもありません。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:3)
- 久しぶりに真面目なメタ系作品に出会ったかもです。
ま、作者さんも別に評価を求めてないでしょうし、あり難く平均点調整役として使わせて頂きます♪
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- こういうのってちゃんと伏線を張ってこそ映えるもんなのではないかと。
内容とか解釈云々以前に、話の振り方が酷すぎます(涙
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- もうちょっと主人公から見た世界の描写が欲しかったかも。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 『ヘイ!ボブ!この前お前の家の庭で熊が暴れているのを見たぜ!』すると友人は答えた『それはワイフの庭の手入れさ』
……どっかで見た事のあるネタを出されてもなぁ。
古今東西、妻の容姿を皮肉ったジョークは多々ありますし。
あるいは、本当にペットと結婚したというシュールなネタの可能性もありますが、これだけじゃ微妙すぎます。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- ヴァンパイアの定義は面白かったです。
……が、それならむしろ逆じゃない?
ヴァンパイアこそ銃やらSF武装してて、ヒトは刀やら鈍器で。
っていうか、結界やらファンタジー設定をSFで説明して欲しかったです。
それをしないと、実は人間でしたというオチの意味がないような……。
どうせならプレデターみたいなのを期待したいです。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- 熱いなぁ♪ 暑苦しいほどに熱いです。
プロレスは全然知らなくて、何をやってるのか分からない部分もあったりしたのですが、それでも勢い込んで読めちゃいました。
興味のないスポーツものでここまで引き込まれるとは思いませんでしたよ。
凄く良かったです♪
- 76 シャーベット (採点:6)
- ほのぼのしてるなぁ♪
って、思ったらダメなんでしょうかね?
いやだって、寺岡はどう考えたって病んでますし(汗
なんかさり気なく恐ろしいお話でした。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:6)
- 最初の不安を良い意味で裏切る終わり方で良かったです。
……いや、それでもやっぱりホラーなんですけどね(苦笑
- 78 音響室B (採点:6)
- 先生良い人だなぁ♪ 良いキャラだなぁ♪
主人公が微妙に痛い子なのでちょっと微妙でしたが、先生のおかげで可愛らしいお話になっていたと思います。
いや、可愛らしいって歳じゃないですけどね(笑
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- これは良い夢オチです♪(笑
夢オチネタは最初にちゃんと「夢オチです」と宣言してから騙すのが基本ですから。
あとはもっと文章に力を注いでもらえればありがたいです。
途中からテキトーすぎますよ(苦笑
- 80 リング (採点:5)
- 青春ですねぇ♪
でも、いくらなんでもど真ん中過ぎます。
ど真ん中を狙うなら、タイガーショットくらいの破壊力が欲しかったです。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- これは正統派じゃありません。
何故なら幼馴染は朝起こしに来なければならないからです。
主人公よりも遅く起きる幼馴染は正統派じゃありません。
正統派幼馴染とは時にメイドのように、時にツンデレ風に主人公の朝を彩らなければならないのです。
……と、真面目にお馬鹿な指摘をしてみたり♪
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- ガールミーツガール……良い言葉ですね♪(馬鹿
ラブラブ百合のお話で楽しくはあったのですが、幸せな未来がまるで想像できない……。
ハルの無邪気さもヒカルの依存っぷりも怖くて仕方ないです。
絶対別れ話で血を見るタイプの恋愛でしょ、これ(汗
- 83 変わった趣味の男 (採点:7)
- 変わってるのは他の誰でもなく作者さんです(苦笑
まぁそれはともかく、面白かったです。
折に触れて私らしさを演出するようになるやすこが素敵すぎます。
文章もテンポが良くて楽しく読めました。
若干やりすぎ感のあるしつこさはありましたけどね(苦笑
ま、それもまた味かもしれません。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- 小学三年生から成長しない……良いなぁ♪(死
いやまぁ、こんな悪女は困ったもんですが。けど、最後はちゃんと落ちるところに落ちてくれて良かったです。
- 85 童話 (採点:3)
- こんな禍々しい絵本は嫌です(汗
ま〜、この作家先生は今すぐにでもホラーやらダークなSFに転向したほうが良いのではないかと。その方がまだ未来が見える気がします(苦笑
お話の内容についてはちょっとよく分かりませんでした。
- 86 NEET (採点:4)
- 物は言いよう……ってつっこみは禁止ですか?(苦笑
“何かを”“選んで”“延々と進む”“とんでもない人”、はいくら何でも無理やりすぎるような気がしないでもないです。
いや、上の物は言いようじゃありませんが、こういうのも面白いですけどね。
ただ、いくら何でも恵まれすぎてて、酷く陳腐に感じられてしまったのが残念でした。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:5)
- いかに大の百合好きとはいえ、これは……。
色々と急展開すぎでしょう(汗
シーン間に凄い大きな溝があるように感じられて、いまひとつ話しについていけませんでした。
- 88 探偵は誰だ? (採点:5)
- あ〜……卵が先か鶏が先か理論の展開形ですかね?
始点が不在でも事象は繰り返す、と。
こういう発想もあるのかと素直に納得しちゃいました。
……が、やっぱり探偵は居ないと(汗
ネタとしては面白くとも、話のオチとしてはかなりガックリでした。
- 89 午睡 (採点:9)
- かゆ、うま。
……いや、この作品の感想としてまったく相応しくないのですが、壊れていく手記を見るとどうしても書きたくなってしまうので(ぉ
序盤、長ったらしい文章が続いていて困りましたが、最後まで読むと悪化の度合いを示していて良かったです。流石に、もうちょっと纏めては欲しかったですが。
後半は……「プレゼント」という単語が悲しかったです。
何度も繰り替えし記述されるその単語が主人公の思いを表していて、それがもう叶わない願いなのだと知ったときは、ぶっちゃけちょっと泣きそうになりました。
お見事な作品でした♪
- 90 R・P・G (採点:4)
- う〜ん、微妙なネタだなぁ(汗
メタをやるには毒が足りないかも?
勇者や『神視点』をもっと味のあるキャラにして欲しかったです。
- 91 鈴の音 (採点:8)
- ベタな導入にどうなるもんかと読んでいたら、答案用紙が舞い落ちる光景が凄く綺麗で、良い意味で予想を裏切ってくれました。
鈴のお話も良いですし、ラストも爽やかでしたし。
変に奇を衒わず、このサイズできっちりきっかり纏め上げてくれた、とても良い作品でした♪
- 92 神の子 (採点:6)
- 大穴は膣なのですね。
それを落ちていく事で、生まれる前へと遡っていく。
その過程で現世の業やしがらみやらで汚れた肉体は消え、最初の無垢な命そのものになる、と。
文章もしっかりしていましたし、面白かったです。
- 93 妖精離れ (採点:2)
- もうちょっと分かりやすく書いてくだせぇ(涙
- 94 Eternity (採点:6)
- こういう作品を読むたび何時も思うんです。
なんで幼い頃の私はあんなにも七夕とかサンタクロースとかを真剣に信じていなかったんだろうって。
真剣に信じて妹を望んでおけば、あるいは私の所にも設定を自由に変更できる妹がやってきていたかもしれないのに……っ!(血涙
と、そんなリアルにお馬鹿なお話はともかくとして。
とりあえず悠と由香がぜんぜん活かされてません。完全に設定として死んでます。
妹の設定も凄く面白いのに、どうにも無駄なネタに消費されている気がします。
設定が勿体無いです。書き直しを要求します。ドタバタラブコメにしてください。
いや、マジで。もっと長い尺で書き直して読ませてください!
- 95 何かの間違い (採点:3)
- 何かの間違いというか、何もかも間違ってる気がする(汗
兄はそれで良いのか。
ってかこれも一応殺人未遂なんじゃないのか……。
あと、妹の心変わりの理由が良く分からなかったです。
ラストのあの都合のよさはいったい……?
- 96 走るッ! (採点:6)
- 実にお馬鹿なお話でした♪
けど、ノリが良いからサクサクっと読めちゃいましたよ。
不満な点をあげると、キャラが無駄に多い事でしょうか。
説明がないから誰がどんなキャラなのかさっぱり分からないです。
むしろその分を、すげぇ良い人な警官さんとの掛け合いに割いて欲しかったです。
- 97 やさしい猫 (採点:4)
- 猫が賢いからって……いくら何でも人間過ぎでしょう(汗
特に理由説明もなく動物を人間のご都合主義的に使うのはあんまり良くないです。
このお話なら、カナエ視点で書いたほうが良かったのではないかと思いました。
- 98 足跡 (採点:4)
- こういうお話、好きです。
ただ、出来れば『足跡』の不思議についてもっと書いて欲しかったなぁと。
これじゃただ追いかけてるだけなので。
ワンクッション、『足跡』の正体をこちらが色々想像できる情報を入れて、それから落として欲しかったです。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- イジメられっこネタでこの手のオチは……(汗
こういう超展開と呼ばれる類のものは、それを正当化する理屈がないとやっぱり厳しいです。
具体的には、とりあえず美紀の正義感についての説明は絶対必要不可欠だったのではないかと。
○影 さん
- 02 寒太郎 (採点:9)
- 風の国では一体子どもにどういった教育をしてるんだ!まったくもってうらや、もといけしからん!
それはさておき、この容量制限内でしっかり話をまとめ、ラストもしっかりと書かれているこの作者さんに嫉妬。
無駄な部分は削り落とし、細かい設定は読者が文から推測してもらい、その分をストーリーの流れに組み込む。本当に凄い。(なので、最初はアレ?と思う部分もありましたが、読み直して納得しました)
物語も独りであるいい歳になった女性(失礼)だからこそ、寒太郎とのコミュニケーションが映えるし、別れも切なくなる。
とてもいい作品でした。ありがとうございます。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- なんて素敵なミルキーウェイ。
今からあそこに連れて行ってあげるよ、という台詞の時に「実は本当に魔法使いでした」みたいなオチがあるのかな、と思ったらそうくるとは。というか自分が単純なだけかもしれませんが。
また、七夕が嫌いになる理由も短いながら、うまく出来ていたと思います。子どもの頃の思い出というのは嫌な事ほど鮮明に残りますからねぇ……。
オチも個人的に大好きなハッピーエンドで楽しませていただきました。(容量ピッタリというのもまたすごい)
ただ、惜しくも誤字らしき箇所が一つ。「補習」が「補修」に。わざとでしたらごめんなさい。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- えー……、惚気をありがとう。
以上。
といいたいところですが、まぁそれでは寂しいので。
徹底徹尾ギャグで楽しめました。ネタは下すぎましたが、勢いを落とさずここまで貫き通して書けたのは凄いと思います。
ただ、最後も何かしらのギャグでしめてほしかった。個人的にですが。
ギャグから一転してのラブなのでより引き立つとは思うのですが、作風からだと持ち上げて更に落としてくれれば……。いや、こういうのも大好きなんですけどね。
- 18 じれ☆んま (採点:7)
- こえー!すっげぇ怖いんですけど、この少年!
タイトルと説明文に惑わされて読んでみたら、こんな作品だとは。
少年の理不尽なまでの非道さと頭の回転のよさに恐れおののきましたが、その計画を実施した理由が個人的には欲しかったです。
ただの暇つぶしなのか、家に入った泥棒を少年心ゆえに虫のように殺したかったのか、使用人を家から追い出したかったのか。考えられるのはこの3点くらいですが。
いい作品というよりも、短さを利用して意表を突いてきた面白い作品でした。
- 24 放浪鯨 (採点:10)
- まさかこうもいい作品が出てくるとは。いや、お見事でした。
出会いと別れというテーマは短編小説のなかで自分の一番のお気に入りなので評価がどうしても甘くなりがちなのですが、それを抜きにしてもこの短さでストーリーを組み立て、ユーリとアレクの出会い、親睦が深まっていく描写、そして別れ、更にタイトルにもなっている放浪鯨というオリジナルの設定の解説を踏まえた締め。
敵わないな、と正直羨ましさを思いつつ、それ以上に話のよさに感動してしまいました。
作者さん、素敵な作品をありがとう。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:4)
- 最初のインパクトは絶大。色々な意味で。
Web小説ならばこういう遊びも面白いかも。
ただ小説というよりはポエムに近いかなぁ……。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- よく作りこまれた作品だと分かるのですが……ごめんなさい、こういったジャンルを読みなれていないせいか、話の流れをつかめませんでした。
登場人物、設定、物語のセカイが規定容量以上に積み込まれていて、内容の濃い作品だと思いました。
ただ、やはりラストからすると続きが気になりますし、こういう単発作品の大会だとそれがネックになると思います。
曖昧な感想で申し訳ありません。
- 67 純 (採点:8)
- 説明文に釣られてクリックしたら、内容が予想していたのと違うのに驚かされたのが最初の印象。
一般には理解しにくい性同一性障害を、小学生時代の思い出で「ストリップさせられていた」という表現をしたのは、なるほど、とすんなり理解できたのでかなりいいと思います。
また、真司が純に抱けるか?と尋ねられ無理と即答するのも現実に近く、読者に彼らの気持ちがより身近に感じられたのも好印象でした。
後半が失速気味…というのもありますが、容量の都合やこの舞台を考えれば一番いい結末なのかもしれません。なので、この点で。
―――作品とは関係ありませんが、純という名前とこの設定から某ゲームキャラを思い出した自分は駄目な人なのでしょうか。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:8)
- 何も言えない。いい意味で何も言えません。
疲れた時に読みたい作品、とでもいうのでしょうか。
物語の後には何もありませんが、これ以降は蛇足になるでしょうから一番いい終わり方だったと思います。
- 73 あかんぱにい (採点:3)
- 色々と想像をかきたたせる作品。
でもこれ、小説……?一発ギャグとしてとってしまいました。
- 78 音響室B (採点:8)
- この話を読んだ後、物語のイメージがすぐに浮かんできました。
それくらいストーリーの流れの作り方が分かりやすく、そしてオチもまた小松(君?さん?)の「これから」を読み手が想像できる締め方に、と良作。
ただ、続き物になっているが故に単発作品のこの場では少し残念かも。
「書き方が〜(文頭一文字開けなど)」という意見が出るかもしれませんが、自分としては読みにくいわけではないので特に気にしていません。なのでこの点数で。良いお話でした。
- 85 童話 (採点:5)
- 売れない絵本作家の童話語り。
ごめん、そうとしか思いつけなかったです。
うさぎが月にいる。その理由の童話はいいなと思うのですが、それを常時男と女の会話にしていた為か、最初の一行が感想となってしまいました。
自分としては童話部分だけを最初に語って、最後に男女の描写を少しだけ、としてくれれば良かったと思います。いや、ただの好みなので口に出して言うべき事ではないのかもしれませんが。
- 90 R・P・G (採点:7)
- RPGと聞いて最近ロケットランチャーの方を思い出すようになった僕は確実に駄目だと思いました。
独り言はともかく、感想の方を。
タイトル通り、ロールプレイングゲームをお題としたお話、というかどう考えてもド○クエTをお題にしたお話。よく小説などでもちいられる第三者の視点を勇者がいじる事が出来る、という変わった設定でしたがなかなかに面白い。
確かにプレイヤーの誰もがあの声を聞く事が出来るのならこんな風に突っ込むでしょう。
それにラストのオチ。どういう風にもってくるかと思ったら、なんとも(神視点には)残酷な結末に。アーッ!
401対1の魔王リンチは笑ってしまうのと同時に、ふとMMOゲームを思い出しました。確かに401人もいれば魔王だって倒せるよねっ。
- 94 Eternity (採点:6)
- 賞金の出る数学の問題って……まさかミレニアム賞?凄い妹さんだ。ウチにも是非一人下さい。義理でもいいから。寧ろ義理で。
そんな事はさておき、七夕の願い事が10年越しに叶えられ突然やってきた妹。
情報操作が出来たり、自己の設定を変えられたりとマルチな彼女だが、機械のように造られた存在であるが故に感情を理解できていない、と美少女ゲームのテイストに近い作品だけあって(理由:慣れているから)すんなり世界観には入り込めました。
ラストも香月が妹に願った設定が「全てを初期化する(妹がきたという事実はそのままに)」と、彼女が二人の友人、そして妹の事を思って願ったのかなぁ、と嬉しい気分にしていただきました。
ですが、変化のない関係=感情がないがどうしても自分の頭のなかで結びつかなくて……いや、これは自分の読解力のなさのせいなのですが、ちょっと減点しました。本当に作者さんには申し訳ありませんが。
何かの補足文があると嬉しかったです。
○肝尾多面(偽名) さん
- 68 七夕 (採点:採点なし)
- もっと、読みやすくしてください。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 凄く好き。
面白いが、これは小説というよりブラックジョークの類では?
小説の枠を外してみると10点。
- 89 午睡 (採点:採点なし)
- もっと読みやすくしてください。
○誤爆誘爆 さん
- 03 GONSHAN (採点:6)
- 私、お嬢様というものに物凄く惹かれるんですよ。
お話は教養が無いもので、詩などは召さないのですが面白かったです。ええ。
- 05 ウミに漂う (採点:7)
- 好きです、いや、何処が良いといえるわけではないのですけど。すみません。
- 06 下手れ (採点:5)
- いや、まあこういう女性が大嫌いなんですよ。すみません。寝取られも嫌いなんです。すみません。
まぁこの主人公には良い彼女が出来ると思ってます。
- 09 茜色の先 (採点:7)
- 基本的に後味の悪い作品は好きなんです。良かったです。
途中まで「アカネコは?」とドキドキさせられ、どんでん返しもあり、楽しめました。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- なんで会わなくなってしまったのかが気になります。案外大した理由が無い事が多いのですけど。
- 19 猛スピードで触手は (採点:5)
- ん〜。ハイ。触手モノのアレは大嫌いな私ですがオチに含みがあって好きです。
- 21 雪見酒 (採点:6)
- 最後がちょっと拍子抜け、でした。
途中までは良い雰囲気で楽しめました。
- 24 放浪鯨 (採点:6)
- 良質のファンタジーですね。
途中読みとばすことなくしっかりと読めました。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- どこかで見たことあるような。泣いた赤鬼じゃないし……
心が暖まって、ちょっと切ない良いお話でした
- 28 腐臭 (採点:6)
- 良い感じに狂っていました。
オチが読めちゃったのが残念です
- 35 サプリメント (採点:6)
- ロボトミー手術のようなものなのですかね。
オチの解釈が色々あるんじゃないでしょうか
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:7)
- え……
いやぁ、すみません、全く分かりません。
ただなんか最後の一文には惹かれます。何でだかは分かりませんが。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:5)
- ボクっ娘ですか。そうでしたか。
あの煙草細いですよね。けど1mmでも意外とメンソ強かったことは覚えてます。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 良いですね。好きな雰囲気の作品です。
ラストの喪失感?とでもいいましょうか、そこが良いです
- 47 光学概論 (採点:10)
- こういう雰囲気の作品大好きです。
すいません、語彙が貧困なものでどう言えば良いのか分かりませんが。
息子が池の上をずっと見ているのは父親と別に話すこともやることも無いけど、離れるのはなんとなく惜しいという感じですかね。惹かれました
- 51 野辺送り (採点:10)
- 田舎の悲しい雰囲気というのでしょうか、とても好きです。
なんとなく山川方夫の夏の葬列を思い出しました。
改行が少なくてちょっと読みづらかったですかね。文庫本で読みたかったです。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:7)
- ジョニーは戦場へ行ったという映画が大好きなんですけど(原作は読んでません)それをちょっと思い出しました。
淡々と進んでいく雰囲気が良かったです
- 56 飛べない鳥 (採点:7)
- 絵本って意外と後味悪い作品多いんですよね。
紹介文にもあるように、絵本として映える作品だと思いました。好きです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:5)
- 何かどんでん返しが欲しかったです。まぁそれが無いのがこの作品の味だと思いますけど
- 61 缶コーヒー (採点:9)
- うわ〜凄い好きです。最後結ばれないところが最高です。
私も部活で同じ経験してるんで、なんか感情移入しちゃいました。女性との交流は皆無でしたが(笑 orz
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- オチは読めました。まぁタイトルについてますからねw
なんか昔世にも奇妙な物語で見た話っぽかったです。タイトルは失念しました
こんな幼馴染み良いですよねぇ。まったく。
- 83 変わった趣味の男 (採点:6)
- やすこの呟きがw
等身大の私、等身大の私、等身大の私
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:7)
- なんか、特定の性癖の人は好きそうですね
いや私なんですけど
- 85 童話 (採点:7)
- 後半が好きな展開でした。
よくそんな事を考えながら寝れなくなっちゃうお年頃ですから
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:7)
- 好きです。
百合とかヤンキーとかツボでした。
- 95 何かの間違い (採点:4)
- え……
いや、おかしいですね。確かに
- 98 足跡 (採点:5)
- こういうの大好きです。基本SS大好きなので。
ただ、なんていうんですか。最後の主人公の心境が理解できませんでした
○広咲瞑 さん
- 11 準備 (採点:3)
- 殺ってくれると思ってましたw
なんか色々二人の間のドラマを考えてしまいますね。
状況説明が少ない分、読者の空想の余地が膨らんでいる感じがします。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:5)
- 暫定的な評価ですが、宇宙船に5点。
- 20 顔 (採点:5)
- >俺、女とつきあったことなんかないじゃん童貞だし……。
ちょwwwwwww女とつきあうこととセックスをイコールで結ぶなwwwwwwww
この種明かしの部分、めちゃくちゃ秀逸だと思ったんですよ。それまでの流れをいっぺんに引き戻すような力強い一文で、実際すごく驚いたんです。
驚いたのですが何故か上の一文で爆笑してしまい、怖がるどころではなかったです。
本当すいません、こんな読者で……。
ところで、
>女の呟きが、肉を骨ごと擂鉢でするような、ごろごろという意味の無い唸りであると理解できるころには
このひと猫を見間違えたん? とか思ってしまいました。
主人公は幻覚持ちだったりするのかなあ、毎日酒飲んで追い詰められてるみたいだし、母親からはヒステリックに怒られてるし――。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- 昔の作家が書いた小説の、レコードに針を落したり、灯篭の油を補給したり、井戸から水をくみ上げる場面を見るのが好きだったりします。
その時代においてはそれが当たり前であったとしても、僕にとってそれは何一つ当たり前ではなく、まるで異世界の文化を見るような、不思議な感じを覚えます。
きっと今の小説を100年先の人に見せたら、同じような感想を抱くのだろうと思うのです。そして、少なくとも僕は、それをとても素敵なことだと思っています。その時代の風景を文章の中に留めることで、文化は燻された渋みを得、より長い時代を生き抜くことが出来るのですから。
- 23 不謹神話 (採点:3)
- これほどコメントのしづらい作品が他にあったろうか。
迂闊なことが言えない雰囲気がピリピリしていて居心地悪いですw
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:10)
- タイトル見た時点で既にワクワクしていましたが、予想以上でした。
どこの工場をモデルにしたかは知りませんがこれは余りにも酷いw
加工食品ってなんか胡散臭いですよね。お菓子とかだったら平気なんですけど、ナマモノ系はちょっとぞわぞわします。あんまり過敏になるのも良くないんでしょうけど(>_<)
これから先、コンビニおにぎりを見るたびにこの話思い出しそうで激欝です。
気持ち悪いから1点にしようかと思ったけど、サービス。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- このストレートさは……。
「耳をすませば」とか、あの辺りのくすぐったい青春ドラマを思い浮かべました。上級生と喧嘩するくだりとか大分好きです。大人だってなかなか出来ないことだと思うんですよ、こういう、他人と衝突することって。
あと、女の子のキャラ付けが上手いなあと思いました。影の薄さが絶妙だと思ったんです。これがもしよく喋る子だったり、変に可愛らしかったり、世話焼きのクラスメイトだったりしたら、こんな趣は出ていなかったと思います。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- 小さいころ、自分が深い海の底に潜っていく想像をすることがよくありました。
やがて傍らを揺らめく光さえ見えなくなるほどの海溝の奥に差し掛かると、僕はいつも身震いをしてその想像をかき消しました。光のないところは怖い。闇の中なんて恐ろしい。そんなふうに思っていたからです。
僕にとってのあの暗い海は、安梨子にとっての高度35786kmの宇宙の中なのだと、この話を読んで思いました。
キャラクタの心の流れ方が丁寧で、文章のひとつひとつが腑に落ちました。違和感なく読める、という点では、このコンテストの中でもトップレベルなのではないでしょうか。
ですが、お話としては明らかに容量配分を間違っている気がして残念でした。一人と二匹のありすたちの旅道中はとても面白かったのですが、それ以前、特に安梨子が軌道エレベータに出掛けることになった経緯の辺りにまったく興味が持てず、しかもそこまでの説明で容量の半分を使ってしまっているため、降り積もる前に消えてしまう南の地方の雪のように、残念な気持ちばかりが残されたのです。
もうちょっと長かったら、かなりいい評価になっていたと思います。
- 30 はたらくぼくら (採点:4)
- 何だかよくわからなかったです。
タイトルの意味もよくわかんないです。
作中の映画を見ている人なら、意味を理解できる内容なのでしょうか?
>「汝、罪深き者、地獄に落ちよ」
これが唯一面白かったです。
爆笑というのではないのですが、しばらくクスクス笑いが止まらない感じ。
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- 誤字脱字が目立ったのと、そんな話聞いてないよ的な展開の連続でちょwwwwwおまwwwwwwwwwってなりました。解決されない伏線も嫌なものですが、張ってもいない伏線を出されるのもやっぱり困ってしまいます。
あと、不確定性云々の話ですが、この辺の話一切なくても話成り立つんじゃないでしょうか。少なくとも勘違いネタのオチ以外の役には一切立っていないと思われます。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- いい話ですね。この山も谷もない感じが作風に合っていて良かったです。
多分、下手に盛り上げられたら逆に冷めていたと思います。
主人公がもう一度まぶたを開くのが怖い理由がファンタジーが大好きで脳内彼女持ちの今の僕には理解できないのですが、オチの感じ方を間違えてしまっているでしょうか?
- 34 Waltz #2 (採点:8)
- 読み終えた後でなんでこんなに面白いのかわからなくて、色々と分析を連ねたものを感想に変えて送ろうかと思ったのですけど、送信する直前でそれがいかに空気読めてないかってことに気付いてやっぱりやめました。
多分文章なんだろうなあ、と思います。あとエピソードの散りばめ方。すごく断片的でしかないのに、言葉を尽くして書かれたみたいに、明確な形を持っているように感じました。
- 35 サプリメント (採点:8)
- タイトルにサプリメントと銘打たれている以上、サプリメントが話の肝なのでしょうが、この表題にどんな意図が含まれているのかよくわからないです。
ココロのクスリという本はうつ病の体験記であると同時にサプリメントの紹介記事も兼ねており、その本の大ヒットに比例して件のサプリメントが心の病に悩む人々に大いに利用され、その結果世間に感情のない人間が溢れかえってしまった――ということでしょうか。
精神病の知識があるわけではないので適当ですが、人から感情がなくなった場合、怒りっぽくなるというよりは無気力になるような気がします。そんな状態で、
> 人間らしい感情を失ってしまった人間と、クスリに頼らない人間たちが争いあう世界。
なんてことが起こりうるのかどうかは少し疑問です。もっとも、争いがなかったとしても、それとは別の問題が世間を騒がせていそうですね。ニート大増殖とか。
現実の世界にもサプリメントは色々出回っているわけですが、果たしてどれだけの効果があるかは非常に疑問ですね。効果がないからこそ大した問題にならずに済んでいるということもあるかもしれませんが。
色々考えられて楽しかったので8点入れます。
でも、自分がとんでもなく読み違いをしている気がして少し怖い。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:4)
- 男の方はまだしも好きになれる要素があったのだけど、瞳さんがあんまり好きになれなかったのでちょっと減点です。
男の方にベタ惚れしてるってことなんでしょうけど、余りにも態度が甘すぎて、あんまり魅力を感じられなかったので。
別にツンデレにしろってわけじゃないんですけど、多分どんなキャラクタにもツンの部分は必要だと思うのです。怒ってあたりまえのときに怒れなかったり、許されないことをされているのに相手を許してしまうような人は、余程キャラを立てない限り不自然に感じます。
ところで体操の坂原って実在する選手ですか?
ぐぐっても出てこなかったのですが、探し方が悪いんでしょうか。ちょっと気になったので教えてください。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:8)
- 一見大人しそうに見える女の子が意外とお喋り、というパターンには、何だかすごい生々しさを感じます。そんなギャップにがっかりさせられることもあり、また逆に、強く引き付けられることもあり……。不思議なものですね。
テンポの良さの裏に隠れたテーマの一貫性にグッと来ました。
>「馬鹿馬鹿しい。どう見えるか、どう見せるかが全てだろ。タネや仕掛けにこだわったところでショーは面白くならないし、床下這い回ったって誰も面白がらないだろ。マジックに限らず、何事もそうさ」
>「ほんとにそうですか? 普通に見ていたらわからないタネや仕掛けや、クマのぬいぐるみの中にピエロが入ってたりするようなことのほうが、面白いかもしれないなって思っちゃう私は、おかしいですか?」
この台詞の濃密さは素晴らしいですね。ヒロインの見た目と中身のギャップとか、劇中の奇術の仕掛けとか、この掌編の在り方そのものにまで関わってくる。
本当、この話は良く出来てますね。こいつは個人的に大当たりです。
ああでも一個だけツッコミさせてください。
>track3. めがね進化論
このタイトルはないわwwwwwwww
- 41 蜃気楼 (採点:3)
- ふと思ったのですが、人間の口のサイズからすると、手首を噛み切るのは不可能では。
この後のことを考えました。恐らく助手夫人は手首のない夫の死体を見るでしょうし、世界的な冒険家の助手の死は日本のニュースを飾るでしょう。それと同時に噂好きな週刊誌が事の詳細をネタにして、横山氏の行為を糾弾するでしょう。
そうなった後の主人公の身の振り方が気になって仕方ありません。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:1)
- 標準偏差一位獲得を期待しています。
- 44 蟲毒 (採点:6)
- 面白いなあと思ったのは、登場人物に性的な匂いがほとんどしないことでした。
僅かながらそれらしき記述もありましたが、全体的には希薄で、変わりにあるのは無機質な殺しの描写。
情念を一切排したような雰囲気が、血生臭い展開をエンタメとして昇華するのに大きく味方している気がします。
ゲームに影響されて人を殺す若者ってのがなんかニヤニヤできて好きでした。いいですね、いかにもリアリティがあって、同時にやたらウソ臭くて(笑)
所々の文章、主に比喩の辺りにつたないところが見られますが、概ね好きな感じでした。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:4)
- 科学考証が余りにもデタラメ過ぎてへこみました。
SFというよりはファンタジーに近いものとして書かれたのでしょうが、それなら現代の物語として書いたほうがより切迫して見えるはずだし、どうせこんなの空想じゃないか、という読者の逃げを抑える効果も生み出せるように思います。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:8)
- 禅僧と黒衣の戦闘時、地の文にカタカナが混じるのにひどい違和感がありました。彼らの会話の雰囲気が和風の重々しさで沈んでいるのに、明らかにその雰囲気にそぐわない単語が出てくると非常に気が散ります。
また、台詞回しが余りにも酷いです。その他の文章は驚くほど上手なのに、台詞だけが軽すぎて完全に浮いていました。これだけ書ける人が何故そんなバランスの悪い真似をするのだろう、軽妙さを狙いすぎて失敗したのではないか――などと、つい無駄な勘繰りをしてしまいます。
ですが、作品としては半端なく好みです。
湯水のような豊かな設定、息を吐かせぬ戦闘シーン、スレイヤーズの昔から手垢のつくほど使われながら、今なおライトノベル好きの心をつかんで離さないシャープな単語の連ね方――。どれをとっても素晴らしく良質です。
ラノベ的な作品(というか、そのものですね)が幾つか投稿されたこのコンテストの中でも、群を抜いて秀逸なラノベでした。
どこかの新人賞に応募する予定とかないのでしょうか。なんというか、お金出してでも読みたいですよ、これ(笑)
- 51 野辺送り (採点:7)
- 卓越した文章に引き付けられ、最後まで読み通しました。
野辺送りの風習や京都の風俗を知らないため、このお話を上手に楽しめていないことが残念です。
それにしても、読者の知識如何で面白いか否かが変わるって不思議ですね。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:5)
- 4時44分に出てくる幽霊にはロクな奴がいないと思うのです。とりつく奴とか脅かす奴とか。本作に登場する幽霊は平和な子なのに、そいつもまた4時44分に出てくるっていうのがユーモア効いてていいですね。しかも午後かよ。平和すぎるw
雰囲気は嫌いではありませんが、ものすごく好き、という感じでもありませんでした。文章に詩情が足りてないとか、その辺の理由で。
- 57 夏を見逃すな (採点:5)
- 部分的に面白かったです。
とりあえずのお約束として、脳内で柊姉妹に補完しながら。
会話がまったりしてていいですね。和みました。
>「ではいきます。ゴッドフィンガー!」
おまいら姉妹でナニやってんの、と思った僕がいましたw
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- 失恋で落ち込んでる人に対してこんなハイテンションで話しかけられる語り手の無神経を疑います。
腫れ物に触るようにしなさいよ、なんて言ったりはしませんが、何だか受け入れがたかったです。
受け入れがたいもうひとつの理由として、「ゆうちゃん」の人となりが描写されておらず、本来のヒロインであるはずの彼女の魅力が全くといっていいほど感じ取れなかった、ということがあります。こういった場合詳細に描くべきなのは語り手ではなくて「ゆうちゃん」の方だと思います。落ち込んでいる人と慰める人がいるのなら、その場において重要視されるべきなのは落ち込んでいる人の側であって、慰める側は引き立て役に徹するべきだ、と思うのです。
文体を一人称にしたがためのことでしょうし、そうでなければ効果を発揮しづらいであろうトリック(?)を用いた作品ですから、仕方がないといえばそうなのかもしれませんが……。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:10)
- 最初、主人公は非モテのキモい喪男だと思ってたんですよ。
少なくとも僕にとってキモいの部分は完全に勘違いでした。
友情と愛情を区別しない感覚、思慕の対象が男性か女性かを区別しない、そのくせ恋愛には臆病で、周囲のカップルに対しては憎悪のような、蔑みのような、妬みのような憧憬のような鬱屈した感情を持て余す、この繊細な感性の美しいことといったら……!
> 誰もが、自分にだって分かる痛みについては広めてくれても。切なさを伝えてくれても。
> 自分のような感情を、描き出してくれは、しなかった。
これ、すっごいよくわかります。
どんなに感動的な物語でも、その話の中でキャラクタがどんなに成長したとしても、それを自分に照らし合わせてみると、なんか違う、って思うんですよね。
めちゃくちゃ好みでした。
- 66 サルベージ (採点:7)
- 結構好み。
ラストの一文には主人公恵まれすぎだと思わないでもないけれど、締めとしては非常に綺麗でいいですね。
今世紀最大の萌えキャラであるわすレモンちゃんによると、忘れ物をするととってもキュッとしてしまうそうですから、やはり人は、なくしてしまった大切なものを何処かの時点で探しに行かなければならないのでしょうね。
それは砂漠に落としたダイヤモンドを探すような困難さを伴うけれど、だからこそ、見つけた瞬間の充足感はとても尊いものなのだろうと思います。
- 68 七夕 (採点:3)
- 抽象芸術を理解できるスキルの磨き方を教えて欲しいと思いました。
ここまで文を読みにくく出来るのはひとつの技術ですね。物語を読んでいるというよりは、内容を解読しているような気分にさせられます。
無事デコードが終わったらちゃんとした感想を書こうと思います。
- 71 幸せの処方箋 (採点:4)
- 話がよく判らないです。
文中に書かれた設定を受け入れればいいだけなのでしょうが、何度考えてもしっくり来ませんでした。
例えば、人間の生死は誰かに観測された時点で決定する、ということですが、観測される前の時点で既に主人公が死んでいるかのような描写があります。にも関わらず彼はその後家族の前で自分が死んだことを解説し、その後で本当に死んでしまいます。
これって観測前に死んでいることになりませんか?
観測前に死んでいるなら彼が最後に会話することは不可能だと思われるし、生きているならそもそもラストで死んでしまったりはしないはずです。なんかその辺納得できなかったのでこんな点になりました。
読解力足りてなかったらすみません。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:5)
- これを読んだ9月6日、ちょうど台風9号が襲来して、帰り路の電車の中には雨を厭うたサラリーマンが沢山乗り込んで来ていました。
なんだか物語の中に織られた情景を、一瞬本物のように感じてしまって、不思議な気分にさせられたのです。
周囲のなんでもないことに感じ入るような気持ちが、僕らの財布の中身を豊かにしてくれるわけではないけれど、そういう感覚を無くしてしまえば、生き辛くなってしまうのかもしれないですね。
- 73 あかんぱにい (採点:5)
- で、彼は妻と一緒にペットインするというわけですね
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- 細かいことですが、やぶさかではないの使い方が間違っている気がします……。
> タネを明かせば、俺はダンピールだ。ヴァンパイアとヒトとのハーフ。
> 俺が今までの狩人人生で遭遇した最多数のヒトのコミュニティは、確か22匹だった。
> 手強かった。
> 完全に包囲して、殲滅するのに丸七日間もかかった。
> 彼らは人間(ヴァンパイア)と呼ばれた。
この辺すごい矛盾してる気がする。ヒト=ヴァンパイアではないのでしょうか。
設定が詰め切れてないのはどうかと思いますが、ストーリーラインは面白かったです。
どことなく洋画の匂いのする台詞回しとか、結構好みでした。
- 76 シャーベット (採点:6)
- なんだこのややこしい関係w
でも、このまわりくどい感じは大分好みです。
読後、何ともいえない多幸感に包まれました。ありがとうございました。
- 78 音響室B (採点:5)
- 理工学部の白雪姫のお話。
……そんな偽紹介文ねぇよw
既にまとまった話から1エピソードを切り出したって感じですが、結構楽しめました。
というよりも、断片的であることが却って面白いのかもしれませんね。
文体からは書き慣れていない感じが否応なしに漂ってきますが、同時にそれが味にもなっていると思います。
- 83 変わった趣味の男 (採点:8)
- な ん だ こ れ
自分ルネッサンス激ヤバwwwwwwwwwwwwww
もしかしたら物凄い寓意を含んだ真面目な物語なのかもしれませんが、ごめんなさい、僕にとっては超一流のギャグに見えます。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:7)
- 気持ち悪りぃ……。
6ヵ月洗ってなかった排水溝に素手を突っ込むような気持ち悪さを感じました。それは悪臭とか、廃棄された髪の毛とか、どろどろした無数の白い粒なんかが渾然一体となってぐるぐる渦巻く混沌の世界です。
そして多分、掻き乱されたのは僕の心。
恋愛とかいう実に気持ちの悪い心理的欲求に関して色々と考えさせられてしまいました。言ってしまうと気持ち悪いを通り越して醜悪に聞こえますが、女漁り(我ながら何て物言いだ)をする時って、考え方とか容姿なんかが自分より格下に感じられる相手を探してしまう節はありますね。そういう連中にとって、ちかちゃんみたいな女性はまさに手頃な相手に思えたんでしょうね。
ラスト付近は普通の話に落ち着いてしまったのが、残念なようなほっとしたような、複雑な気持ちです。
ところで作中、容量の都合もありましょうが、ちかタンの繰り広げる恋愛が極めて受動的であったことが少し気に掛かりました。高校時代の彼に対しては能動的であったのかもしれませんが、それ以降、彼女自身が自ら望んで好きになれるような、あるいは望んでもないのにその言動、息遣い、会話の端々に垣間見える性格の片鱗や、なんでもない日常の仕草のひとつひとつに引き付けられてしまうような、そんな相手はいなかったのでしょうか?
もしなかったとしたらこんなむごたらしい話はないなあ、なんて思ったりしました。ちかちゃんは本当に男運ないねえ、と茶化すくらいしか出来ないです。
- 85 童話 (採点:3)
- 男の中途半端なインテリ振りがなんかリアルですね。
付き合わされる女の人にちょっぴり同情してみたりして。
つまらない話、と最初に断りが入っているのでストーリーの批判がし辛いのですが、あまり面白くなかったです。感想人の中の人が、キャラクタの行動を交えず、場面の転換もなく、会話のみで進んでいく類の話がそんなに好きでないためです。
つまらない話をつまらないツボを押さえて書いている、という点では、上手いことやるなあ――と思わないではないのですが。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:7)
- いい百合!
自殺志願者の心を癒せるのは同じ傷を負った者だけなのだと……、ひょっとしたら妄想かもしれない、それでいてとても温かい思想を、心に開けたメモリースペースの中で遊ばせることがありました。
たとえどれだけ望んだとしても、現実世界にそんなファンタジーは舞い降りてくれないので、どこかの繊細な誰かの書いた氷の鈴のような物語で、代わりの癒しを得ることがよくあったように覚えています。
例えば、こういう話から。
性的なものからの距離の取り方が非常に好みでした。体の接触はこれでもかというほど為されているのに、あんまりいやらしくないのがいいですね。
- 89 午睡 (採点:5)
- 少しずつ文体が崩れていくのが何とも言えず怖かったです。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- イジメカッコワルイ、というのは紛れもない真実でしょうが、かといって積極的に止めようとするのも必ずしも正解ではないのかもしれないと思い始めています。
いじめる方にしてみれば大した悪事のつもりでもない、というのはよく聞きますし、そのくせエスカレートするときはえらいことになるのでしょうし、下手に止めようとすると逆効果になってしまうかもしれないし。日和見もいいところですね。
主人公が結局何もしてない子みたいでちょいムッとしたのですが、実際に自分がこの立場だったらどうなるかなあと考えて、結局似たようなことになるんじゃないかなあ、なんて思いました。
ただ一緒にいるだけで、いじめられた心の傷を癒すことが出来るならそれでもいいし、幸運にも鈴ちゃんはそういう子だったみたいだけれど、それができないくらいにいじめが酷くなっていった場合、さてどうすればいいんだろう。
ヒーローになるというのは難しいものですね。
- 93 妖精離れ (採点:2)
- 中村九郎的な電波を期待したのですが、残念ながら出力不足でした。
人の感性の皮膚の内側に爪を立てる気があるのであれば、文体はもう少しトリッキーでもいいと思います。
そんなつもりがないのであれば、少し推敲することを勧めます。非常に読み難かったです。
○広瀬凌 さん
- 02 寒太郎 (採点:6)
- ラノベチックで軽妙な語り口が、全体的に高いレヴェルでまとまっていると思います。すらすらと読めて頭の中で色々想像出来るのは単純に面白い。ただ、ちょっと負の方向に穿つと終わり方が比較的平凡で新鮮味はない、とも言えます。けれどこの作品を語るにあたってのキモはそこではなく、その平凡れを煽り文句のくだりで誤魔化そうとするテクニック部分に集約するのだと思います。その試み自体は悪くない。ただ広瀬的には完全に滑ってしまいました。というのも、あのセンテンス自体良くも悪くもやはりオタク言語であり、その概念を登場人物の二人が真っ当に扱いすぎているのがどうにも引っかかるのです。なんていうか、お前らなんでそんなに詳しく知ってるねん、みたいな。真っ直ぐすぎる。リアリティ云々を語る作品でないのは判ってますけど、どうにもオタク言語をあそこまで真っ直ぐ書かれると恥ずかしいんですよ(笑)キャラクタが痛く見えてしまう。これは作者氏が知っている情報とキャラクタの骨子にずれが生じた(ていうか多分作者氏の悪乗り。書いててさぞ楽しかったろうとは思いますが)というミスなので、何かしら自重が欲しかったと広瀬は感じます。
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- 途中まで凄いわくわくして読んでいました。いやなんか良く判らないんですけど、こういう気弱な男の子を最近よく魅力的に感じるんですよね。
このお話自体はストーリィの仕立て自体は平凡なんですけど文章がこなれている為不快感は出てこず、キャラクタの魅力に引っ張られる形でした。ただ、そのお話自体に何一つ決着がつかないのは広瀬としてはかなり不満です。安易にBLに走る要素が全くなかったのでどういう着陸なのか凄い期待しただけに残念です。おそらくその曖昧で何一つ解決しない様子こそが海に漂うクラゲであるという意味を込めてこのタイトルだと思うのですが、では話が魅力的であったかと言われると最終的には否と答えざるを得ません。曖昧なまま描写しても魅力的な物語は今回のコンテストでも幾つかありましたが、そこまでのパワーは残念ながらこの作品には感じませんでした。あくまでも地に足の着いた勝負をして欲しかったです。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- これは凄い! といきなり褒めてしまったりするのですが(笑)いや、これは良かったです。お話の運び方自体は割とノーマルなんですけど、それを彩る設定がとてもファンタスティックで絵になります。妄想力が凄い。ただ一番特筆すべきは、そのファンタジックな世界観をだらだら説明しないで読者に納得させている、という点です。ここが格段に素晴らしい。設定だけとても嬉しそうに語っている作品が今回も幾つかあるんですけど、そういうのとは次元が違いますね。意識しているかはともかく、ここは単純に凄いと思いました。空気感っていうんでしょうかね、それが良く出ていたと思います。
キャラクタに関しては掌編だからまぁこんなものなのかなぁ、という感じなんですけど、もっとユーリを魅力的に描けていたらラストシーンがより活きたとは思います。二人の結びつきが強ければそれだけ陳腐になる可能性もあるので、この距離感自体はとても重要だとは思うんですけどね、やはりもうちょっと可愛らしくてもよかったのでは。
とはいえ、あんまり言う事もないです。これは読んでいて本当に楽しかった。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:5)
- 雰囲気もネタも結構だと思います。落ち着いたノスタルジィを描けているのは好感触。ただ、要素が多い! 最後の夕焼けのメタファはごっそり削って、少女が誰か、という方向性にした方が良かったと思います。というのも夕焼けのメタファの部分はそこでしか活きていないので、いくらここの精度をあげようとしても少女の書き込みが足りない点は解消されないんですよね。容量上限がある企画なのでそこはもっとしっかりとした切り方が欲しかったです。その中で、その少女の存在が少年にとってどれほど大きな存在だったのかを描けるとお話のまとまりがもっとよくなったと思います。
- 28 腐臭 (採点:4)
- ケータイ小説っていう感じなんですか? 文章自体は真っ直ぐであんまりテクニックはないんですけど、感情を描くという点では割としっかり出来ていると感じます。テクニックに溺れるよりはましかなぁ、と思いますけど広瀬の好みで言えばやはり文章自体にも何か魅せる要素があった方がいいなと感じますけど。最初の印象よりは読めたので食わず嫌い良くないなと思いました。
ただ、ストーリィの方はお粗末! 序盤から中盤までの展開は中々迫力があっていいのですけど、親父さんの変態的趣味がカニバリズムへ届く要素が存在してません。殺人、までなら想像すれば理解も及ぶんですけどね。それを安易にホラーチックへ仕立て上げようとして、ぽん、と食べる要素を出したのはマイナスです。最後のフォルダの中に丁度殺人と食肉のシーンの画像があって、現実で直ぐに主人公がその食肉のシーンに出くわすとかの方がまだ説得力があったかなと思います。ちょっとホラーを安易に取り扱いすぎでは?
- 31 不確定性の彼女 (採点:4)
- キャラクタの立て方がちょっとテンプレート過ぎるかなぁ、と気になったのと、流石にラストのオチはないですわ。このオチが成立する事がまず嫌なんですけど、それでもまだ序盤にサイコロを彼女が入手するようなシーンがあればなんとか体裁は整ったかなと思います。ただ、それもないのですし……。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:4)
- もっと沢山のお話を連ねて読みたかったと思います。掌編として面白い!と評価する感じではないな、と感じました。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:5)
- 妹……妹……また妹か。
好みではないですけど、最後まで楽しく読めました。なんか詐欺にあった気分ではあるんですけど(笑)オチは雰囲気があって好きです。
- 35 サプリメント (採点:4)
- つまりお話としては、美樹子が夫の鬱病を治すためにあるクスリを作り、それが原因で世界が荒んだという世界があった。それを憂う人物、ヤマザキ(美樹子の子孫?)がタイムトラベル、あるいは平行世界を渡ってクスリが出来る前の美樹子に会いに来た、なのだと思います。違ったらすいません(笑)発想は悪くない、と思いますけど処理がちょっとおざなりすぎるかなぁという気がします。
不自然なポイントを挙げると一介の主婦である美樹子にそんな凄いクスリが作れるとは思えない点と、いきなりタイムトラベル(あるいは平行世界を渡った?)とか出てくる点。読み終えた後には、この二つに首を傾げざるを得ませんでした。どちらもリアリティのお話なんですけど、そこに複線と言うかヒントを張っておかなければオチで読者の納得を呼ぶことは出来ません。美樹子が普通の主婦である点はヤマザキがセールスマンであるというところだけなので、順序が逆です。重要なのは美樹子のリアリティ。なので、ここはお互いに変更して、科学者とその研究室へ備品を降ろしに来る営業マンとかに変えれば解決すると思います。で、後者はヤマザキが、未来から来た、あるいは違う世界から来た、というのを納得させる描写をさりげなく仕込ませておけば良かった。
ストーリィの思いつきだけでなく、それをお話として昇華させる方法をもう少し意識して欲しいな、と思いました。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:4)
- pop。うーん、確かに……そうなんですけど。なんかいろんな意味で発展性がないなぁ、と感じます。面白くなくはないんですけど、じゃあ積極的に面白かったかと問われると否で。ストーリィにも文章にもキャラクタにも、強いアピールポイントがないのが残念でした。
- 46 青空 (採点:3)
- 真っ直ぐな話でしたけど、お話を面白くしようと言う心意気が見て取れて良かったです。少し厳しい事を書くなら、ポエムな文章を考える精神的余裕があるなら、もう少し全体の完成度をあげる方向性に動いて欲しかったな、と思います。今のままでは残念ながら小説としては不出来です。それを強くする地の文章をもう少し意識していただければ、と思います。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:8)
- 主人公の軽妙な語り口と、佐竹の馬鹿だけれど小気味良い性格、味のある部長、キャラクタがお話を牽引出来ていてよかったと思います。佐竹はちょっと、おおふりの田島にも似た魅力がありますね。これだけ自然に魅力的にキャラクタを立てられるのは凄いと思います。
それをしっかりと表現していく文章も鮮烈ではないのですが良かった。ラストとか判り易すぎるんですけど、それでも良かったと思えるのは丁寧な道具仕立てのお陰! このままでも面白いんですけど、是非長い尺でもやってほしいなと思いました。
それと理系の描写が巧いですね。僕は理系大学に通っているんですけど、あーそうそうこんな感じですよ、と頷く事が出来ました。いや勝手に広瀬が脳内変換してるだけかもしれないですけど(笑)
- 71 幸せの処方箋 (採点:4)
- シュレディンガーもエヴァレットもコペンハーゲンも、何か語感だけで使われているような印象を得てしまいました。こういう理論があるから(意味は判ってないけど!)こういうお話が出来るよね、という安易な流れがみえてしまったのでどうにも深みが出てきません。一応専門用語なのですからそれを全く知らない人にうわべだけでも理解させる展開でなければこういうのは扱ってはいけないのでは、と思います。掌編だから、という理由よりは、掌編なのにこのネタをこうして使った、という点が問題。
お話の流れ自体は悪くないと思うんですけどそれも良くあるループ系と言ってしまえばそれまでですし、先行の作品に一石を投じるわけでもなし。面白くない事はないんですけど、読んでて作品以外の部分で唸ってしまいました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- プロレス用語をわかるくらいには知識があったので、楽しく読めました。プロレスラーの精神はとにかくかっこいいなぁ、と思います。もう一行目だけでひきこまれる!
それを淀みなく熱く伝えられる描写力と疾走感、そしてプロレスへの愛が凄い。出来ればもうちょっとみっちりした容量で読みたいな、とも思うのも確かなんですけどこの容量でこれだけ出来たというのは凄いと思います。
- 91 鈴の音 (採点:4)
- 物語が着地する点は広瀬的には割りと好みなんですけど、前半で散々繰り返されたロリコンという言葉に果たして意味があったのかと問われるとないように感じたのでどうにもなぁ、と思ってしまいます。全体的に空気に統一感がないというか、色々ぶれている気がして最後の方の空気にも浸れずしまいでした。作者氏が、小さい女の子が好きなのは判ったんですけど、ではそれをキャラクタとしても物語としても魅力的に描く事はもう少し意識した方がいいのでは、と思いました。
- 92 神の子 (採点:6)
- この果てしなく落ちていくという発想がとても良かったです。想像してもよし、文章を読んでもよし。その周囲を取り巻く神だとかその辺りは好みで広瀬はいまいちなんですけど(というかその類のことをしっかり描くのには流石に16kbは短いですよね)全体的に視覚で読む分には楽しめる感じでした。文章もしっかりと雰囲気を伝える事が出来ていてよかたっと思います。
- 96 走るッ! (採点:2)
- 思うままに作成されたキャラクタはおそらく作者氏の中では個性豊かにしっかりと想像されていると思うのですが、このストーリィと描写力では当然読み手には全く伝わってこないです。よって、読んでいて兎に角滑っているなぁという印象を覚えます。作者氏が魅力的だと思ったキャラクタをそのまま描くだけではどこかで見たキャラクタの既視感しか出てこないですし、それを伝えるのは物語自身では? ただ走ってる所へキャラクタがアプローチをかけるだけで魅力や面白みが出たらストーリィは今ほど複雑にはなっていないでしょう。単純に描く、というのは複雑に描く、よりも高等技術ですよ。
○鹿神 嬰 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:2)
- せっかくセンスのいい単語を並べてるのに、寓意が見えないのが残念です。
オチぐらいに意味を含ませてもいいと、私は思いますが、そうするとナンセンス系の醍醐味がなくなるんでしょうか?
暴力と性に関する語句が中途半端で、下品なら極めるとよいかと思いました。
- 02 寒太郎 (採点:9)
- 心が温かくなりました。
短い話なので話の濃度を上げられると読後の満足感が上がると思います。
- 03 GONSHAN (採点:6)
- ご令嬢というのは意図的につかっているのでしょうけれど、全体が短い文章なので、(作者が)間違ってる使い方をしているだけに見えます。
もし大正的な雰囲気を大事にしたいなら、もう少し時代がかった文体や漢字の使い方を古めかしくした方がいいかもしれません。
全体的な雰囲気は大好きです。
点数低めなのはこれを基準に点数つけたかったからなので気にしないでくださいまし。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 何がやりたいのかが聞きたいです。
- 05 ウミに漂う (採点:9)
- あれ、なんか文句の付け所がない・・・。
- 06 下手れ (採点:7)
- 素敵でした。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:9)
- えっと、この続きはどこで読めますか?(ぇ
頼人の中の人が自分自身にならないように気をつけることが非情に重要だと思います。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:4)
- オチがいまいち。
短編にしてオチまでしっかりまとめてほしいです。
- 09 茜色の先 (採点:6)
- 雰囲気は素敵です。
抽象か具象かが分かりにくかったのが難点でした。
抽象ならもっと違和感を。具象ならもっと描写を丁寧にださないと理解されないかもしれません。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- 個人的には好きです。
タイトルほど魔法使いできてないように見受けられます。主人公の裏設定か、温子さんの魔法使いっぷりかの二択で話を絞った方がスマートかもしれません。もう少し長いと更に素敵になった気がします。
後夜祭で作品を出すつもりでしたら楽しみにしています。
- 11 準備 (採点:6)
- 話はまとまってますが、オチがギャグにしたいのかシリアスなのか分かりにくいです。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:6)
- 寓意性をもう少し持たせて欲しかったかも?
オチとしての最後の一行が弱かったです。後、山口さんに自我を持たせることと春香がスパイをしなかったこととの関係が伝わりませんでした。
- 13 立入諌止地点 (採点:4)
- 全体の構成が若干分かりにくい。
全体的に主語をしっかり。主人公か殺人鬼の名前をつけてあげると楽かも。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:6)
- 無難にまとまってると思いますが、女の子である必然性が薄いです。
後、女の子がネコっぽくないです。
それっぽい共通性をいれると話が分かりやすい方向にいったのではないでしょうか。ほっけ食ってるとか。
とりあえず女の子がネコ以下のキャラクタになっている気がしました。
- 15 嫁嫁パニック (採点:7)
- 平手の方がダメージ大きいんですね……。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:7)
- 全体的な構成はよいと思います。
自然の描写に感動が薄い気がします。主人公の虚無感とは別に、綺麗なものをありのままに描くための想像が若干甘いのではないでしょうか。
最後はよいと思います。
全体として、握編でなければ、後少し水増ししたい感じに見えました。
- 17 キラーデイ (採点:6)
- 個人的には好きな話です。
でもそれとは別に天道のキャラクタと主人公のキャラクタの掘り下げが浅く感じられます。この短い文章の中での表現が難しいとは思いますが、もう一段階圧縮して濃度の高くなったキャラクタを魅せて欲しかったです。
- 18 じれ☆んま (採点:7)
- なかなかよいと思います。
少年が若干ウザったいです。語尾の!マークは少なくするとよいと思います。
でもショートショートなのでそんなものかもしれません。
- 19 猛スピードで触手は (採点:7)
- 雰囲気は割合好きです。
鳴き声が安易なことをもう少し主人公の地の文のユーモアでカバーして欲しかったです。作者は多分出来るレベルの人だと思うので。
最後のオチが少し主語を省きすぎている気がします。
- 20 顔 (採点:5)
- 恐怖系の話なら、最近の技法だと、文章を途中で切るとかがあると思います。
別にやれと言うわけでもありませんが、最後の一文は全体を通しても少し軽すぎると思います。なにかしらエフェクトをかけましょう。
後、いきなり恐怖話の展開になったので、少しびっくりです。話全体が悪いわけではなく、オチまでの持っていきかたが急です。
主人公以外の登場人物を出した方が、えっと、怖いのかな?
- 21 雪見酒 (採点:9)
- ただの意味不明かと思いきや幽霊旅館ですか。
素敵でした。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- 雰囲気はいいと思いますが、女の会話がノイズになっていると思います。それこそ電話の呼び鈴の様に、静かな世界にとってはキツイ音に聞こえました。
もっと事務的な会話か、あるいは、男友達との会話の方がさっぱりしていたと思います。
主人公には非常に共感が持てます。
- 23 不謹神話 (採点:3)
- 貶めて受けを取るのは話の選び方としては下の下だと思います。
文そのものの面白さと、話のユニークさそのものは素敵だとは思いますが、オチが不快になります。
人間は自分が喧嘩している相手でも、第三者に貶されている姿を見ると不快になります。
常識的な人間なら不快になるような寓意を持たせてはせっかくのユニークな話が死んでしまいます。どうせやるなら子供向きにしないで、しっかりとギリシャ神話のようにえげつなく書ききった方がよかったのではないでしょうか。
早ければ二百年後ぐらいには評価されるかもしれませんけれど。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- くじらの設定を練りこむともっとよかったかもしれません。
世界観と主人公の境遇が読者に伝わりにくいかもしれません。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:8)
- オチが面白くてニ点追加しました。
全体のだるさがオチで一気にひきしぼられたカタチになってます。
握編だからこその飽きる寸前での技法ですね。真似する機会があったら積極的にまねして見ます。
- 26 賢人の恋 (採点:6)
- オタク臭いのが一部の人間には嫌われそうですが、自分はオタクなので全然おっけー。大好きですよ、こういう話。
ただ、サヴァン症候群とか病名だすわりには説明がてきとーな感じで終わらせているので、大人しくアスペルガー(学習障害)でいいと思います。もしくはがっつり調べてくるといいかもしれません。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:6)
- 短い中では難しいかもしれませんが、女の子の正体に回答を持たせた方がいいような気もしました。
- 28 腐臭 (採点:7)
- 握編ではなく短編で読みたいですね。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:5)
- 内容は嫌いじゃないですが、構成が少し甘いかな、と。
正直アリスの意味がなさすぎます。
短編まで伸ばせばいいのかな? アリスが遠くを目指す理由もつけた方がいいかな、と思います。
- 30 はたらくぼくら (採点:3)
- 別に作品が悪いとは思いません。むしろ、個人的には好きな部類です。
ただ、あまりにも前提条件が分からない。
起承転結を作れ、と適当なことを言うつもりはないですが、せめて起の部分は作ってくれないと、作品に入れません。入り口のない作品になっています。
話の重要な部分が、全部抜けている気がします。
握編には向かないのではないでしょうか。
この作品を丁寧に書き直したものが後夜祭に出るなら喜んで読みます。
- 31 不確定性の彼女 (採点:6)
- 話が短いので事件のヤマが見えません。富士山が描けるテーマなのに標高二百米、みたいな。
話そのものはトテモ好きですし、素敵だと思います。
単行本四冊は食べれそうですね、この二人で。頑張ってください。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:9)
- 全体的に良い話でした。
世界観が膨らんでいくので、もっと色々な話も見てみたくなりました。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:10)
- うわ、なんか今まで読んだ中で一番好きかも……。
妄想の設定をもう少し練りこむといいかもしれないです。妹さんになりきって。
現象に説明をつけていないところなんか完璧だと思います。下手なSF駄文にしかりですよっ。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 雰囲気はいいと思います。
主人公の過去が語りきれていないので、その挫折が分かりにくいです。前半のクスリの下りは削ってもよかったのではないでしょうか?
- 35 サプリメント (採点:4)
- 文章としての体裁は整っていますが、うつ病の夫が病院に行ってないことや、妻が病院に相談していないことの方が異常に見えます。
その理由を書いてあげるだけでサプリメントに頼る理由が見えてくるのではないでしょうか。
病院で診断された、と言いながら病院にいかない理由がないのはおかしいです
。坑鬱剤は意外と効きます。少なくとも傍から見ている分には鬱かどうか分からないぐらいにはしっかり効きますし、うつ病と診断された時に医師からしっかりと説明受けると思います。
その辺を大味にしすぎているので、ショートショートにしても根拠がないショートショートになってます。SFとテキトーは違うと思います。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:3)
- 挑戦はよいと思います。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:4)
- 別に何が悪いと言うわけではありません。
この文章量だけで表現できるキャラクタでは薄すぎます。
魅力的なキャラクタなのかどうかが分からないので、恋愛モノとしては少し弱いです。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:4)
- 息切れしたように見えます。
オチがよく分かりません。言葉数を増やして伝えたほうがいいのではないでしょうか?
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:10)
- 短編か、下手したら長編で読みたいです。
ライトノベルとしてはかなりの高得点。
でも二作目を同じ人物ではひっぱてかけなさそうなのが難点ですね。いや、関係ないですが。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:4)
- 好きな人は好きなのではないでしょうか。
文章で音楽やるなら最後まで音楽しきった方が格好いいと思います。
テーマと技法的にやりたいことがぶれているように見受けられました。
- 41 蜃気楼 (採点:5)
- 話としてはまとまりがあります。
ショートショートとしては及第点ではないでしょうか。
ただ、ショートショートだとするならばカタルシスが足りないと思います。横山の人格や背景を掘り下げる方がいいかと思いました。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:6)
- 死後の描写が分かりにくいかな。
電子画面では改行なさ過ぎるのは少し見難いかも知れません。
臨死体験中と、現実へ意識が戻った境目に一行開けると見やすかったかも。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:4)
- 全体的には悪くない作品だと思います。
ただ、マトリックスの第一作とか攻殻機動隊みたいに、電子と虚構と現実のパラドックスを表現するにしては、少し前提が短すぎる気がします。
電子側の世界を表現する為には、逆に、現在に近い、NPC視点の話を先にした方がいいんじゃないかな、と思ったり。
正直に言えば、情景が浮かんでこなかったのが最大の読みにくさの原因かと。幻想的でも現実に投影して書き直さないと、読者に伝わらないと思います。
後は、テーマ性があっても短すぎて分からなかったです。このあたりはまだまだ描けるテーマが残ってる金脈だと思いますので、色々と頑張ってください。
世界観そのものは素敵ですので、後は構成だけかと。
- 44 蟲毒 (採点:6)
- 女の葛藤が弱い気がします。
男の周辺状況が薄すぎる気がします。
それぞれの狂気が薄味です。もう少しぞっとするようなものを持たせてほしかった。
戦闘シーンに起承転結はほしいとおもいます。
- 45 八月水晶 (採点:8)
- 話の盛り上がりと子供のキラキラした感じが出ている前半部に比べて、ばらばらになった八月水晶を配った後の流れが、前半のキラキラした感じに比べて弱すぎます。
オチがコレなら、前半は水晶を手に入れられたけどいじめられて〜みたいな話の方がいいかなあ、と思います。
ん、あれ、実話・・・?
- 47 光学概論 (採点:10)
- 文句つけるところが特にないです。
前半部は地の文で説明するよりも会話等から匂わせるだけのほうが効果的なのかしら……? 自分でも何が言いたいのかよく分かりません。
雰囲気が凄くいいので、状況描写に徹して主人公の内面をおおっぴらに地の文で書かないほうがよくなりそうな気がしなくもないです。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:7)
- 取り人間コンテストの説明は雑に一行でやるよりも、小出しに詳しくした方が言いと思います。もしくは完全に一言で説明なし。
飛んだシーンをもう少し情感豊かに書いた方が後味の爽やかさがでると思います。
全体的な雰囲気はとても好きなのですが、登場人物と話の主軸が思ったよりも狭いような気がします。握編なので難しいかもしれませんがもっと広くとってあげると更によかったのではないでしょうか。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:9)
- テーマ性もあって凄く良かったです。
出来ればもう少し長い版も読んでみたいですが、意外とこれはこの長さでまとまってますね。
ハッセルを掘り下げて欲しかったような気もします。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:5)
- 後半部が若干甘いです。作者の中では区別がついているのでしょうが、二人のヴィオレットの戦いでは本当に最後の最後まで黒衣は黒衣で呼べばいいと思います。
全体を通して握編としては贅肉が多すぎる気がします。短編ならば、逆にもう少し水増しして読みやすくして欲しいです。
- 51 野辺送り (採点:10)
- これが世に出ていないことが驚きです。
蛇足かもしれないのですが、鉦の描写はあった方がいいと思います。難しい漢字で読めないとかではなく、マイナーな楽器なので、それが何を指すのかが分かりにくいです。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:10)
- 先輩の告白が唐突過ぎる気がします。
先輩の背景が見えてきません。考えて出さなかったのか、表面的なものだけしか作ってなかったのかはわかりませんが勿体無いです。
主人公が無色なのは非常によいと思いました。
- 53 体育館を燃やす (採点:10)
- 短い中でまとまっているし、出てくる登場人物は感じが良いし、二人だけなのでキャラクタの密度にも満足がいきます。
主人公の色が薄すぎて読みにくいのが若干あるかもしれません。
素敵でした。
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 話の題材は悪くないと思います。はっきり言って後一歩踏み込めればもっと高得点が出せるかもしれないです。
このままでは出てきたキャラクタが全部意味が無いです。相貌失認の紹介SSになっています。
……あれ、そうなのか……?
えと、違うと言う前提で言うと、主人公がヒロインに何を想っているかとか。ヒロインの人間性とか。その辺りが深まると魅力的な作品になるんじゃないでしょうか。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:7)
- 悪くはないのだと思います。
ただ、何故でしょうか、少しだけ、その、感動が少なかったというか。
悪くはないのですが、主人公のお父さんに対して感情移入がしにくかったです。
作者が60ぐらいの人の悲哀を経験してないんじゃないか、というのが一点。あるいは、読者が60ぐらいの悲哀を理解できないんじゃないのか、というのが一点。
なんとなく想像できるであろう、愛情とかそういうのをもう少し声高に主張した方がよかった(というか分かりやすかった)ような気もします。
赤ん坊の誕生が一番の見せ場だと思います。
ここの表現をもっと引き込むようなものにすれば、ぐわわわわわ、と読者を放しに引っ張り込めると思います。
頑張ってください。
- 56 飛べない鳥 (採点:8)
- 童話として点数つけるならこのぐらい?
嫌いじゃないですが、少し辛めに点数付けてみました。
体言止めを使うのもよいのではないでしょうか。語尾がぜんぶ「です」「ます」なので面白みが薄いです。音韻的には。
- 57 夏を見逃すな (採点:7)
- わ、笑わなければもう少し低い点数つけて「やーい、俺と同レベルー」とか言おうと思ってたのにっ。くやしいっ。
妹の行動の突飛さに理由を付けてあげるとキャラクタの一貫性がでるかな。流石に作者が何時間もかけて思いついたネタを唐突に繋げると怖い人になります。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- ゆうちゃんと少女の関係が分かりにくいです。
もう少し三人の関係性を分かりやすくしてあげると良かったかもしれません。
- 59 プルシャの後裔 (採点:9)
- ぅ、好みじゃないので点数何点つければいいのか分かりませんでした。多分この辺り・・・?
世界観をもう少しすっきりさせた方がいいの・・・かな・・・?
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:10)
- だ、だからネコには弱いとなんど言ったら・・・!!
- 61 缶コーヒー (採点:8)
- エンドは好みじゃないのですが、まあそれは個人的な趣味の話なので、点数には影響しません。
奈緒に彼氏がいるならいるで、もう少しワビサビが欲しかったかも。
24ってガキでもあり、大人でもあると思うのです。
少しダセー主人公の一面も見たかった。気がします。後は背伸び感とか。
- 62 5人以内のごろつき (採点:8)
- オチがなかったら4点だったのに、のに!
最後の一行で巻き返された! 悔しいっ!!
なんか、こう。この犬の飼い主疲れてたんでしょうか。
くそぅ。なんか負けた気がする。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:4)
- 少し辛めに。
とりあえず、推測させる為のパーツを出し惜しみしすぎかと。
正直に言えば手抜きに見えます。主人公の恋愛だとか、後輩の関係だとか、女の子との関係だとか。
推測させないことには思い入れができないと思います。
もちろん、読者に感想を任せていいこともあるとは思いますが、基本部分を渡してあげないと感想を持つこともできないと思います。
『多分あなたに普通の女の子は似合わない』
の台詞などは、読者に丸投げしてもいいと思いますが、出だしの漫画喫茶の一件などが描写が省かれすぎて削ってもいいぐらいだと思います。
握編に無理に詰め込まなければ8点ぐらいいける作品だと思います。
- 64 花盤 (採点:9)
- 作品自体は好きじゃありません。
でもそれとは関係なく上手いので9点です。
最後の風景は幻想的描写なのか比喩表現なのかちと分からなかったです。もし幻想的描写ならもっとすさまじくファンタジックでもいいと思いました。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:8)
- 全体としては凄くよかったです。主人公が、なんというか、真っ白すぎる気がします。苦悩を持つ主人公なら、もう少し凹凸のある心があった方がいいと思います。安易なエゴを持たせればいいと言うものでもありませんが、人間味が欠け過ぎていると、「耳が聞こえすぎることの絶望感」が読者に伝わりにくいかもしれません。
最後の場面での、音の比喩表現は改行やダッシュや三点リーダを使うと効果的に見えるのではないでしょうか。(ライトノベル的には)
ライトじゃないノベルで考えているなら、もう少し格好よく、かつ今の二倍程度には膨らませて欲しいかなあ、とか。
頭の中で読んでみたときに音韻が気持ち良く感じられれば完璧かもしれません。そこまで行くとパズルの領域ですけどね。
- 66 サルベージ (採点:5)
- いい話のはずなのに、面白みが足りないかなぁ、と。
若干主語を省きすぎて何を描いている文章なのかが分かりにくいところがちらほらと。
伸ばしてもさして話がかわらなそうなので、少し書き足して完成にしてほしい感じです。
- 67 純 (採点:6)
- キャラクタの後ろに作者が透けて見えすぎています。自分の主義主張をキャラクタに喋らせているように感じます。
そのキャラクタが本当に相手にそう喋るのかを考えてみると見違えるほどキャラクタに魅力が出てくるのではないでしょうか。
テーマ性はとても好きでした。頑張ってください。
- 68 七夕 (採点:3)
- 読みにくいのも意味が分かりにくいのも手法の一つでやったとして、カタルシスがない。
この手の文章でカタルシスがほとんど存在しないと読み手が最後まで読んで本当にがっかりする。
読み手が第三者なのか、弟なのかとか、結局読み手は姉弟の話を知っていたのかとか、いろいろと投げっぱなしです。
ゲージュツが好きな人にしか理解されないのではないでしょうか。
一見さんには辛い文章だと思います。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:6)
- まとまっています。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 難しい話は理解させるように書くものであり、理解できない書き方、あるいは理解させる気のない書き方は、読み手が非常に退屈です。
もちろん、理解しなくてもいい部分をあえて冗長に書くという技法もあるといいますが、それだけで徹頭徹尾いかれても読み手は欠伸するだけです。
基本として、問題提起と、仮定と結論というんでしょうか。そういうのがどこにあるんだかわからないです。
「無限」「有限」「言葉」あたりがキーワードなのでしょうが、何をどう考えているのかが、散在しすぎかと。
- 71 幸せの処方箋 (採点:7)
- 特になにということもなく。
逆に言えば、面白みとか、ぐわっと来る感動は薄いですね。
家族の描写部分を読むのに8時間ぐらい掛かる作品なら、僕の死に対して非常に涙のとまらねえ展開だと思います。
短く纏めすぎた感は否めないです。
悪いものではないと思いますので、別の作品が見たいです。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:3)
- 文章が若いですね。常用漢字ですら特に意味もなく平仮名にしているように見えます。
クエスチョンマークの次に文章を繋げる時はスペースを一つあけましょう。
つくりあげたいと思っているものは分かるのですが、全体的に重みが足りていません。作者が思ったことを素直に書いてもいいと思うのですが、どうでしょうか?
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- ネタが一本なのが敗因。
同レベルのネタ40並べたら勝てると思います。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:3)
- 固有名詞が多いです。
横文字の固有名詞は削れるだけ削ってください。
最後の文章は文頭に持ってきて人間(ヴァンパイア)の部分を削るといいと思います。この文章は単行本が四冊出てからかけばいいと思います。
主人公のダンピールとしての苦悩は握編で描ききれるのでしょうか? 描ききれないとしたら主人公のキャラクター性を前面に押し出したほうがエンターテイメント性がでてよかったのでは?
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- 話にもキャラクタにも引き込まれました。
試合展開を改行なんかを用いて見やすくするとよいのではないでしょうか。
- 76 シャーベット (採点:8)
- あーもうあーもうあーもう。
ニヤニヤラブコメは大好きですっ。
ただヒロインの頭が悪いようにも感じられてしまうのでキャラ立てはほどほどにした方がいい時もあるかも。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:8)
- 意外とぼんやりとした話の焦点なので、そういうのが好きな人にはよいのではないでしょうか。
- 78 音響室B (採点:8)
- なんで小松さん落胆してるの!? とだけ思いました。
いいですね。まとまってるし、むしろこの話、この研究室で凄い話が膨らんでそうです。いつか読んでみたいですね。
- 79 ユメオチ「 (採点:10)
- う、うわあああああああん。畜生、ずりいいい。
一行一行が短い文で構成されている場合と、紙資源が関係ない電子情報媒体であることを考えるなら、改行をもっと入れても良かったと思います。
でも、大好きです。
- 80 リング (採点:9)
- 主人公が若干甘いと思います。
真っ白な主人公というか透明な主人公と言うか。居なくても会話に支障がなくなってしまいそうなほどに自我が薄く見えます。
最後の文章で色が付いているのでこれを基準に全体にもう少し主人公の色を塗ってあげた方がいいと思います。
- 81 ずっとずっと前から (採点:10)
- にやにやしてしまうんだが……。
内容も好きですが、普通に見て、文章と会話の比率とかも良いのではないでしょうか。
島の情景が薄くて、ぼやけた島に二人が居る気がします。
風景の描写をした方がいいかもしれません。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:8)
- 凄く綺麗にまとまっていますね。
ただ、ヒカルというキャラが練りこまれていないような気がします。ヒカルではなく作者が喋っているように感じてしまいます。
前半部分のそこだけが直れば凄くよくなる作品ではないでしょうか。
- 83 変わった趣味の男 (採点:8)
- たぶん1を真っ当にするとこうなるんじゃないかなあああ、と思います。
個人的には全然好きじゃありませんが、まあありじゃないかなあとか。思います。
一日に二ページも読んだらお腹がいっぱいになるのでHPをこれだらけにするとコアな人しかこなくなるかも・・・?
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:8)
- 桐原さんの性格に自分が混ざっているのでは?
桐原は桐原であって、作者と同一の思考をしないはずです。どこかしらのロジックが作者と完全に一緒になっている気がします。
桐原という作者から独立した自我から発せられた言葉の方が全体が引き締まってよいかと思います。えっと、作者が男の方だとしたら、のアドバイスですが。
作者が女の方だった場合でも、やはり自分と完全に同じ恋愛観を別の口に語らせるだけでなく桐原なりの恋愛観を持たせるべきかと思います。
まあ、文章的に「桐原がオタク嫌い」ってことを遠まわしに書くぐらいなら生々しく書ききった方がいいと思います。
婉曲表現を使うな、ということではなくて、似たような何かをオブラートで包んでも『ソレ』を表現できたことにはならないと言うか。桐原のもっているもやもや感を的確につかめていないように読み取れました。
- 85 童話 (採点:6)
- 話はまとまっているし、悪くはないと思います。
ただ、全体として山場がなく淡々と続いていて、文章の華がないように感じられます。(内容的な意味で)
女が無色すぎますし、男も無色すぎます。
そのくせ男は自分の意見を言っていますが、男のキャラクタが見えないので作者が自分の言いたいことを言ってるように見えてしまうシーンがありました。
男や女が意思を持ったストーリーテラーだと言うなら、もう少し背景を埋めてあげた方がよかったのではないでしょうか。
- 86 NEET (採点:5)
- 凄く好きな話なんですが、それとは別に低めで。
タイトルにひきずられたせいで最後の二行が凄くつまらない。
ここは別にタイトルとは全く別でいいとおもいます。
同様の理由で書き出しも全くニートという言葉が要らないと思います。というか文章全体を通して、多分、最後の彼女の台詞の「私はニートでもいいと思うよ」みたいな客観的に他人が評価した時だけニートという言葉を使っていいかな、と。
短編バージョンで読んでみたい気もしますが、とりあえず出だしと最後を直せば、すっごく好感の持てる文章になると思います。自分(ニート)を卑下する主人公から始めると主人公のイメージがマイナスから始まってしまうので、順番を逆にして、
『突然なんだが、俺の月収は20万前後である。総資産は500万ぐらいあるる。
〜中略〜
だが、つまるところ、俺は、雇われているわけでも、学校に通っているわけでも、資格を取る勉強をしているわけでもない。世間様は俺のことをニートと呼ぶ』
みたいな感じで、主人公の近況説明と、自分はそれなりにやってるはずなのに、ニートかー、みたいな空気を出した方が主人公をプラスイメージから持っていけるのでは?
「父さん母さん。俺、卒業しても就職しないから。あ、勿論大学や専門学校も行かないからね」
は一行で全部説明しないで、
「俺、卒業しても就職しないから」
親父と母親はぽかん、とした表情で箸を止めている。
「勿論、専門学校に行くとか、大学に行くって事でもない」
みたいに分割すると、状況説明台詞ですっ、って感じが抜けるのではないでしょうか。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:8)
- 話がまとまっていて素敵でした。
もう少しだけ最後に向けて膨らみがあると良かったかもしれません。
- 88 探偵は誰だ? (採点:8)
- よいショートショートです。
- 89 午睡 (採点:8)
- 私は好きです。
この手の話の場合は、いかに冒頭部分を丁寧に文の量を多く書くかが重要かもしれません。アルジャーノンに花束を、みたいな。
着々と減っていく記憶を描くならその方がよいと思います。
全体的な構成はよく出来ていると思うので、むしろ長編で描いて欲しい作品でした。
- 90 R・P・G (採点:4)
- ショートショートのオチとしては若干弱いかと。
- 91 鈴の音 (採点:8)
- お兄ちゃんという言葉があざとすぎる気がします。
主人公にはとても好感が持てました。そうですよね。そんなもんですよね。健常人。
鈴ちゃんは大人しく○○さん、と呼ばせたほうが逆にいいんじゃないでしょうか。とも思うけど、どちらなんでしょうね。実は私にはよく分からないのでやっぱり作者の思うままでいいんでしょう。
- 92 神の子 (採点:4)
- 内面描写はよいと思うのですが、景観が見えにくいです。
前半部の写実部分はもっと丁寧に表現したほうがよかったのではないでしょうか。
- 93 妖精離れ (採点:4)
- 練りこみが足りないと思います。
分かりにくいのは分かりにくいテーマだからでなく、分かりにくい書き方のままだからです。狂気の世界は狂気の世界なりに、ルールと言いたいことがあるはずです。狂気だから理解させなくていい、と言うのは現実としては正解ですが、文章としては外れだと思います。
妖精が見える少年、と言うのはいいと思うので、方向性よりも無心で読んで理解できるか、が大事だと思います。
- 94 Eternity (採点:6)
- 嫌いではないです。
平均点で。
- 95 何かの間違い (採点:5)
- 殺す時はしっかり殺したほうが個人的には好みでした。
全体的な文章力はよいと思うのですが、オチが安易かもしれません。兄妹間の恋愛の葛藤はなにかしらなかったのでしょうか?
- 97 やさしい猫 (採点:10)
- ネコって題材ははひきょうだなっ!
あ、いやごめん。大好物なんで。こういう話。
- 98 足跡 (採点:7)
- ショートショートとしてまとまっていてよろしいかと思います。
素敵でした。
- 99 繋がっているものたち (採点:7)
- すてきでした。
○倉科 さん
- 05 ウミに漂う (採点:6)
- ここで終わってしまうのか、というのが一番大きな読後感でした。
波間に浮かぶクラゲのように、煩わしい波をやり過ごしていかなければならない。これからの彼らの日々に救いが見えなくなっているのは作者さんの意図通りなのでしょうか。しんどい話だなぁ、と思ってしまいました。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:5)
- 川に落ちたところからくるりと反転する展開は好きなのですけど、そこまでが重かったです。こんぺじゃなかったらラストに辿り着く前に読むの止めてたんじゃないかと思います。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- 竹さんにしか見えない。他の人だったら、こんなセンスの持ち主が竹さん以外にもいるということがわかって嬉しくなれそう。
とまれ、作者が竹さんであろうとなかろうと、前回の二位の二番煎じに見えてしまった時点であんまり点数はつけられないなと思った。面白いとは思うのですけど、結婚適文句の方が面白かったです。
同じ路線なら、それ以前のものを超える作品を。
- 19 猛スピードで触手は (採点:5)
- タイトルで吹いてしまったからもう敗北。
>しょくしゅ、しょくしゅ、とシロが鳴いた。
吹いたお茶を返してください。
でも後半はちょっとなあ、という感じでした。
- 21 雪見酒 (採点:7)
- 前半の語り口による雰囲気が、後半には薄れてしまったように感じたのが少し残念でした。
- 24 放浪鯨 (採点:8)
- これは確かにすばらしいかも。最初、少しこなれていないんじゃないかと思った文体も、あえてこうしたんじゃないかと思えてきました。上手く話にマッチしています。
ラストの「決して叶わない」は、その前に「きっともう逢えない」があるので、繰り返して欲しくなかったと思いました。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:5)
- 語り口に抑制がきいているのと、アリのキャラで詰まらずに読めました。
ただ、ラストの一文は首を傾げてしまいました。私の読解力の問題かもしれません。
- 47 光学概論 (採点:9)
- >人と人の間には断絶がある。見ている風景すら一致せず、語る言葉すらすれ違う人間の、本当にどうしようもない断絶がある。愛する人がその向こう側にいて、ある人がその断絶を仕方ないと思い、目を背けるのならば、それはきっと悲しいことだ。
うーん、これを語ってしまう必要があったのかどうか、と思います。それまでの言葉、行動、やりとりで十分語れていたじゃないか、と思ってしまいました。あったほうがわかりやすいんでしょう。でも、その代わりに私みたいな偏屈な人間は作品の中から何かが失われてしまうような感じを覚えてしまいました。
素晴らしい作品であったからこそ、こんな粗探しみたいなこと書いてしまいました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- 熱い。
明らかにこう、プロレスファンがプロレスファンに向けて撃ち抜いている話ですが、プロレスファンでない僕にも熱さが伝わってきました。
小説ってこういうものじゃないかなぁ、と思ったりします。
- 76 シャーベット (採点:6)
- あざといかな、と思いました。でも嫌いではありません。
なんだか微笑ましくて最後まで読めたのですが、え、ここで終わり? という印象が拭えませんでした。もう一つ先の落としどころまで持って行ってくれたらよかったかな、と思います。
時々、視点がブレているのが気になりました。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:5)
- 出だしからすごく期待して読んでいたのですが、進んでいくほどに冷めていく自分がいました。湖のイメージが作品のなかで繋がっていないと思います。書きたいこと、やりたいことはなんとなくわかるのですが。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- とても既視感がありました。個人的なことです。
本多孝好の文体コピーかな、という気がしました。ただ、中盤〜終盤にかけて、やや崩れてしまったかな、という印象があります。繊細な距離感を持って書かれていた話を、
>あなたたちの息子は、今、確かに幸せです。
>もっと幸せになれるよう、がんばっている最中です。
>奈津美と二人、これからも一緒に。
ここに落としてしまうのは、少し不満でした。ここまで丁寧に組み立ててきたのですから、最後まで徹底して欲しかった、と思います。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- おもしろかったです。
ただ、どうして父親役なのかわかりませんでした。父親の場所に落としちゃうのはグロテスクだと思います。
- 91 鈴の音 (採点:5)
- 序盤ちょっと気持ち悪いなぁと思ってたんですけど、プリントを投げるところがよかったです。鈴は結局自分で自分に区切りをつけて、僕には彼女の区切りを見届けた思い出だけが残る。
「僕」には感情移入できませんでしたが、これはこれで。
○大サワー さん
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 良い話、で終わらせるには短かったでしょうか。成長するにつれて、100%の無垢は、どうも手放しで喜べなくなっています。一山なり二山あれば、また印象は違ったかも。
- 62 5人以内のごろつき (採点:7)
- 結構面白かったです(笑) 不条理系というか言葉遊び的な楽しさがありますよね。変に狙ってる感はあるんですけど、楽しかったからいいや。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:3)
- テンションが変ですから、なんか!
わざと崩して書いているんでしょうけど、文体がどうも合わないなあ、と感じました。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 一発ネタなので。ツボに入るか入らないかが勝負の分かれ目だと思うんですけど、一瞬の爆発力もあとからくるじわじわ感も無かったように思いました。
- 80 リング (採点:8)
- いいですね。スポーツもの。
友情物語、そしてほのかな恋愛物語としてはちょっと尺足りなかったか、という感じがしあmした。でも、上手いので仕方ないかな、という感じ。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:6)
- 中途半端に幼さが続いて、ときどき変に大人になっていて、大学生っぽいといえば大学生っぽいんですけど、もう少し大人に描いてあれば、と思いました。中学生でも高校生でも通じる感じですよね、この主人公たち。
良い意味で言うならコバルト的かな、とか思った。いいオッサンが読むと、ちょっと醒める感じが残念。百合好きなんですけどね。
タイトルは好きです。柔らかさがよいですよね。
あとジャガーネタ自重‥‥。
- 83 変わった趣味の男 (採点:5)
- ひねったのが続いたので(No.62→本作)、ちょっとパワーダウンに感じられましたが、発想のヘンタイっぷりは良く出てると思います。
- 86 NEET (採点:5)
- これは良いネオニート。でも、彼女が言うことはものすごい買い被りにしか聞こえないのが残念だなあ、と思います。お話の着地点として無難にまとめた印象で、一歩踏み出す何かが見えなかったです。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:5)
- ネーミングがあまりにも暗喩というより明喩で、もうちょっとひねりがあると嬉しい。更に、中坊、ソフトレズ、自殺願望と、ドラ三つ乗ってるのがちょっと負担でした。会話が軽快すぎるからか、地の文でペースに追いつけていない印象もあります。
ラストへの予感が無くて、やや唐突感。恐らく文中にはヒントが明示されていたのでしょうけど、
ガラス割って血が出るシーンとかは象徴的で、またビジュアルが綺麗で、他にもこういう印象的な場面がちりばめられていたら、と思います。
いや、ここは作者さんは何気なしに書いたのでしょうけど‥‥。
- 90 R・P・G (採点:7)
- これがメタってヤツか‥‥(たぶん違います)
エロゲー二次創作でプレイヤーが巻き込まれる的な構造が昔結構ありましたけど、アレンジはあるとは言え同じ感じですね。アイデアとしては残念ながら。
と全然誉めてませんけど
神は死んだ。
良質のショートショートでした(笑)いや、なんか面白かったです。ひょうひょうとしてて。私にとって、短い作で7点はほぼ最高評価だと思ってください。
いろいろ想像できてグーでした。
- 97 やさしい猫 (採点:?)
- 良いヒーロー譚。猫、人の良い女の子、と、典型的な素材で、内容も真っ直ぐすぎてむずがゆくはあるのですが、落ち着いた筆致のせいか、意外なほど好感が持てました。
好奇心は猫を殺さないですよね。
- 98 足跡 (採点:3)
- アイデアものなので、この点数で。ショートショートとしては良質だと思いますが、オチが結構ありきたりだったのが残念だったか、という感じです。
- 99 繋がっているものたち (採点:3)
- 学園もの、青春ものとしては王道なのだと思います。実際、懐かしい気分になりました。
ただ、やっぱり歳を食うと、いろいろ辛い部分があるんですよね。感情移入できないというか。そこだけ申し訳なかったです。
○丹波 牛 さん
- 02 寒太郎 (採点:7)
- いいお話でした。『ツンデレごっこ』が上手く活かされていたと思います。
寒太郎の仕草やセリフのやりとり、ラストの『奇妙な筆談』など
「おっ」と思わせる描写も多く、そこに個性が出ていたような気がします。
途中、あれ?と思うような表現や文章が幾つかありましたが
その違和感を埋めるくらい、面白かったです。胸がほかほかになりました。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 方々に、文章の不備・誤りが見受けられ、それが作品全体の印象を落としています。
また、この話の筋自体、類似した良質の作品がたくさんあるので
どうしても「こんな話」が書きたいというのであれば
過去の他作品との違い(作者様なりの特徴)を明確にさせないと良い評価は得られないと思います。
ただ、話が全く分からない、ということはありませんでした。
若い作者様だと思いますので、これからもっと多くの作品を読んで鍛錬すれば
もっといい作品が書けるようになると思います。
- 05 ウミに漂う (採点:5)
- せっかくここまで書いているのに、もったいない!
もうちょっと先まで……
せめて主人公が写メの誤解をどう解くのか、とか
クラゲと主人公、あるいはクラスメイトとの関係がどうなったのか、とか
そこまで読ませて欲しかった。
文章自体は悪くないと思います。
作者様は現役の高校生か大学生なのでしょうか?
あちこちの描写にリアリティがあって、そこは面白かったです。
- 06 下手れ (採点:5)
- で、結局美沙と秀人の関係はどうなったんでしょう?
最初の3人の会話、誰が何を話しているのかが分からなくて
読み飛ばしました(スミマセン!)。
化学室でのシーンが個人的にはすごく好きだったので
最後が尻切れトンボだったのは残念です。
主人公のモノローグや日常描写をもうちょっと切り捨てて
作者様が書きたい結末を予感させる出来事を上手く入れるなどしたら
もっとよくなったんじゃないでしょうか。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:7)
- 面白かった〜!まさにライトノベルですねっ!
実はあまり読んだことないんですけどっ。
随分書きなれた方とお見受けしました。
冷蔵庫の幽霊(?)といえば、童謡にそんな歌詞がありましたね。
凍っちゃわないのかな?と思ったら、冷蔵室でしたか!失礼しました(笑)
兄妹のやりとり最高でした。オチも好きです。
どなたかに絵をつけていただきたいですね〜!
- 09 茜色の先 (採点:7)
- 長い、長い詩を読んでいるようでした。
シンプルな言葉の積み重ねであっさり読めました。
ただ、改行の隙間が多すぎて読みづらかったです。
あと、ラストがバッドエンド?なのが個人的には不満。
希望の持てる終わり方の方が好きなので。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:9)
- ステキな物語でした。
読んでいてそのシーンが鮮やかに浮かんできましたよ。
『魔法使い』の彼女のキャラクターも好きです。
変にこびてなくて、でも突き放した感があるわけでもない。
構成も秀逸で、作者様は書きなれた方とお見受けしました。
初夏の爽やかな風のような、涼やかな気持ちになる作品を、ありがとうございました。
- 15 嫁嫁パニック (採点:6)
- ものすごく馬鹿馬鹿しい話なんだけれど
そこかしこに愛を感じるのは何故だろう?
ただ、このシモネタ一直線はかなり恥ずかしかった。
コンビニで青年マンガ誌を立ち読みしているような気分になりました。
(どういう比喩だ)
これも読む人によって点差が開きそうですねー。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- 面白かったです。が、読んでいる途中での違和感が結構ありました。
泥棒さんが賢しぎる点
泥棒と泥棒に入った家の子供、という関係ではなく
もうちょっと違う関係にしたらもっとリアルになったのでは?
また、子供が泥棒に罰を与える、その理由が全く描かれていません。
もし、子供が狂っているという設定であれば
そこかしこにその兆候を散りばめた方が読むほうもしっくりきますし
作品的にもカッコ良くなると思います。
子供の台詞に『っ』が多用されすぎていた点
台詞の特徴以外にも子供っぽさを表現する手段はたくさんあると思います。
『少年』という表現も曖昧です。
少年と言われて想像する年齢層は結構幅があるものです。
せめて『小学校?年生くらい』というような記述があるとよかったのでは。
そういった部分を踏まえて、この点数をつけさせていただきました。
- 21 雪見酒 (採点:8)
- 面白かったです。
セリフも文章もほぼ破綻無く、すらすら読めました。
マンガで言えば高橋葉介先生の作品のようですね。
独特の雰囲気を文章が上手く織り上げてます。
かなり実力のある方の作品とお見受けしますが、いかがでしょう。
ただ、序盤の文章はちょっと好みではありませんでした。
一瞬読むのを止めてしまおうかとも。
それから、主人公の性別が途中まで不詳であったこと。
何か特別な理由があったのでしょうか?
最後に、主人公の感覚に共感できそうにないところですかね。
これを仕事のモチベーションにするのは、私はちょっといただけません(苦笑)。
なので−2とさせていただきました。
- 26 賢人の恋 (採点:4)
- 超個人的な感覚で申し訳ないのですが
最後の『こいつを囲いの鳥にするのもいいかと考える俺』のくだりで
感動が一気に萎えました。いい話だとおもったんですけどね。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:3)
- 読み終わったあと「ん〜??」と考え込んでしまいました。
いろいろ疑問が残ってしまって、しかもそれがあまりに多すぎて……
スミマセン。私の理解力が足りないのかしら?
このテーマで書きたいのなら、設定が現代でもよかったと思うし
キーとなるキャラクターも鬼と猫より
もっと違うキャラクターの方がよかったのでは。
書きたいテーマと書きたいキャラクターと書きたい設定で書いたら
こうなりました、というカンジに受け取れました。
辛口でスミマセン。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:7)
- 『消滅した地球』に関する短編連作集ですね。
正直、制限文字数があるなかで
よくこれだけ詰め込めたな、という気持ちです。読み応えありました。
作者様は宇宙が好き、あるいは知識を多く持たれている方なのでしょう。
その知識が、独特の世界を生み出しているようです。
正直、私にはその知識が殆ど無いので
星の名前などを出されてもそれがどれだけ地球から離れた場所にあるものなのか
想像するのは難しいのですが
イメージの材料とするには十分だったと思います。
ただ、個人的には、胸に迫ってくるものが何もありませんでした。
力強く「これがテーマ!」と訴えてくるものがない、というか。
でも、「故郷を失くしても生きている人間のしぶとさ」とか
「地球を失った人類のそれぞれの感情」とかを書きたかったのであれば
これで十分だと思います。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- とてもカワイイお話でした。
明らかにラノベですね。絵付きで読むのに向いているというか。
少年誌の恋愛マンガによくある話っぽいですが
あちこちに散りばめられた『仕掛け』が、いい味を出していると思います。
セリフ以外の文章がただの状況説明で終わってしまっている点と
ヒロインの変身っぷりの表現がちょっと稚拙だった点が残念です。
基本男子向けの話だと思うので、絵がない分
もうちょっと文章でドキドキさせないと!というわけで−3点でした。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:10)
- もうもう、完璧な作品だと思います。
ストーリー構成、設定、キャラクター、台詞回し、どれを取っても素晴らしい。
ラスト付近では、感動のあまり背中に電流が走りました。
映画『魔女宅』のラストを思い出しました。いやでも、それ以上かもしれない。
ステキな作品を、ありがとうございました。
- 54 彼女への笑顔 (採点:4)
- うわ〜、もったいないな〜!というのが正直な感想でした。
もうちょっと先を読みたい……。
このままでは、ただのプロローグでしかないような気がします。
着眼点も設定も良いと思うので、結末とまでは行かなくても
テーマを感じさせる程度までは書いて読ませて欲しかったです。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:10)
- 『感動しました』もうその一言だけです。
こんな素晴らしい作品を読ませてくださった作者様に
お礼申し上げます。ありがとうございました。
- 56 飛べない鳥 (採点:9)
- テレビのドキュメンタリーを見ているようでした。
文章も綺麗で、しかも読みやすく
小学生くらいの子供にこそ読んでもらいたい作品ですね。
- 59 プルシャの後裔 (採点:5)
- 子供を持つ身としては、かなり読み進めるのが辛かったです。
でも、主人公とその周辺の設定を主人公の心情を絡めて徐々に見せていく
手腕は見事でした。
ただ、テーマがよく分かりませんでした。
多分、インド・イスラム圏での実話を元に作られた物語だと思いますが
そこに住む女性の悲しさ・つらさ・切なさを描くとするなら
取材を経て描かれたノンフィクションやドキュメンタリーに
敵うものはないと思いますし
途中に主人公が飲まされる『薬』の謎をメインに見せたいのなら
分かりづらいですし、あえて結末を見せていない理由が分かりません。
そういう部分もふくめて、この点数をつけさせていただきました。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- カッコイイ!
独自の世界がしっかりと構成されていて
何の淀みも無く、つっかかることなく読めました。
話の内容も濃くて
この容量でこれだけの話を書けたということがすごいと思います。
作者様はとても猫が好きな方なのでしょう。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- リアリティのあるラブストーリー、そんな印象を受けました。
普通ラブストーリーって言うと、どうしても「両思い=ハッピーエンド」と
思ってしまうんですが、こういう終わり方もあるんですね。
主人公とヒロインの心情、どちらにも共感できて
しかも方々に散りばめられた文化祭の描写が
リアリティとノスタルジーを醸し出してくれています。
もしかしたら誰もが思春期に経験したであろう事柄を
うまく共感の糸口にもっていくのは、かなりのテクニックだと思います。
ただ「面白い?」といわれたら「うーん……??」と唸ってしまいます。
ので、−3点とさせていただきました。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:8)
- タイトルにも内容にも惹かれなかったのに
ラストでかなりやられました。
すごく綺麗なシーンなのに、すごく切なくて。
でも、このワンシーンのために主人公の人生ってあったのか?って思うと
すごく悲しくなりました。フィクションの筈なんですけどね。
こんなことを思う時点で
既にこの話に引き込まれているということなのでしょうかね。
ホント、やられました。
- 66 サルベージ (採点:5)
- ラストが分かりづらかったのが残念。
でも、いいお話でした。
- 67 純 (採点:8)
- かなり面白かったし、じーんときました。
性同一性障害の人に関わる部分が、かなりリアルでした。
いろいろ調べたりしたのでしょうか?
それとも作者様の体験の賜とか?(スイマセン)
二人の感情の揺れが上手く書かれていて
コメントの文章も実際に本文を読んでから「なるほど!」と思わされました。
だからこそ、最後がぷっつりと終わってしまった感があるのは残念でした。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:7)
- うわははは!いいです、これ!
私は面白いと思いました。
馬鹿みたいに地の文の文体が変化するのも
狙ってやってるんですよね?
漫画にしたら面白そう。劇画漫画家さんとロリエロ書きさんとの合作で。
というか、これN○K教育の朝と夕方の番組を観ていない人には
元ネタが分かっていただけるのかと……
あ、余計な心配ですか?スミマセン〜。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:6)
- もうちょっと『僕』個人のことに話が及んだ方がよかったんじゃないでしょうか。
すごくいい情景で、共感もできるんですけど
なぜその情景を出してきたのかが分からない。
年齢は幾つなのか、学生なのか社会人なのか
その日に何か、その情景を求めたくなるような出来事が
心を硬くするような出来事があったのか、などが提示されていないと
その情景は上っ面だけのものになってしまうのではないかと思います。
せっかくの美しい情景なのですから
それに深みを持たせるために
もうちょっと枚数を割いてもよかったのではないでしょうか。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- カッコいい話でした。どこかハードボイルドな男の世界!
不意にバックにアリスの『チャンピオン』が聞こえてきましたよ(笑)。
自分の世界をきっちり作れる方の作品だと思いました。
でも、プロレスを知っている人ならもっと楽しめたでしょうね。
読む人を選ぶ作品であること、それだけが残念でした。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:6)
- ステキなお話でした。
ネットでの謎解きがオリジナリティを出していて
その設定も面白いと思いました(もしかしてホントにあったサービスですか?)が
ちょっと複雑だったかな……途中いろいろ混乱しながら読みました。
あと、この作品、一人称なんですが、僕も私も俺もないんですね。
しばらく、主人公がどちらの性なのか分からず、何度も読み返してしまいました。
それと、途中、ヘルメスがエルメスになってしまっていますね。
何か理由があるのでしょうか(どちらを原語表記は同じですよね)。
- 80 リング (採点:7)
- いい話でした。少年漫画のような、少女漫画のような。
でも、ラスト部分がよく分かりませんでした。
どこかのシーンと繋がっていたんでしょうが……
私の読み込みが足りなかったのでしょうか?
タイトルの意味もよく分かりませんでした。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- いいお話でした。
いいお話なんですが、それだけなんですよね。
話自体も、こう言ってしまっては何ですが「よく聞く話」ですし。
文章も悪くないし、台詞回しや、主人公とヒロインの心情の変化も
しっくり来るものだけに、余計に勿体無いなぁ、って思います。
もう少し、何か捻りというか、作者様らしい『モノ』を入れると
ぐっと「おっ、これは!」と思える作品になると思います。
- 97 やさしい猫 (採点:8)
- 猫好きにはたまらない話でした(笑)。
話そのものに特別なひねりはなく
ある意味ストレートに、カナエさんと猫の交流を書いたものでしたが
人目線ではなく猫目線で書いた、というのがよかったと思います。
あと、個人的には、ハッピーエンドだったのが嬉しかった。
物語を書きなれた方の作品だな、と思いました。
- 98 足跡 (採点:6)
- 一度ラストまで読んで、状況が読み込めずにもう一度読み返して
やっと分かりました。私の理解力が無いのかー。
面白いと思いました。
ただひとつ残念だったことは
淡々と、事件の描写にのみ終始していたことでしょうか。
もうちょっと「俺」個人の何か、心情等々もオマケ程度でいいので
絡めながら書いていくと、もっと面白くなったような気がします。
いやでも、掌編だからこれでいいのかな?難しいところですねー。
- 99 繋がっているものたち (採点:8)
- とても気持ちの良いお話で
主人公の二人を応援したくなりました。
主人公の心情の変化やそれに伴う台詞回しもとても自然で
安心して読めました。
巾着袋などの小道具も上手く活きていますね。
こういう年頃の子供にこそ読ませて勇気付けてあげたいお話だと思います。
○竹仙人 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:6)
- すげえ納得しました。
- 02 寒太郎 (採点:3)
- 登場時の描写もあって、物腰が丁寧な小学生くらいに思ってたので、デートとか好きといった言葉が飛び交うにつけて寒太郎の顔が瞬時にぼやけてしまい、修正する間も感動する間もなく読み終えてしまいました。二人の関係どうこうではなく、少年がデートという単語を発すること自体が違和感でした。
別れ際に喋らせすぎるシチュエーションもあざとく感じて駄目でした。二人が好き合っているのは十分読み取れたので、言わないが華にしてほしかった。ですが、好みです。
少年の精神年齢を20歳くらいに設定して再読すれば、きっとすんなり飲み込めるんだろうな、と思います。最後の大好きが、恋愛感情なのか、家族愛のような意味合いなのか、男と女だったのか、家族だったのか、最後までどちらとも取れる書き方だったので、計りかねています。両方かもしれませんし、どちらでもないのかもしれません。ただ、「結局こいつはどんくらい成熟してるの」といった疑問はついに解消されないままでした。いずれにしても、前述の通り、好きな見せ方ではなかったのです。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 前と後にまだまだ続くうちの一部を切り取った風な印象です。そこまでの想像力をかきたてられたという意味では影響力はあったんですが、切り取ったそれ自体だけでは満足がいかなかったということでもあります。
ストーリーはないし、シーンで勝負するには、設定も文章も魅力に欠けていました。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:3)
- 最後から二行目にちょっと考えさせられました。
こういう思考は好きなんです。
- 05 ウミに漂う (採点:2)
- たとえばこの話を誰かに紹介するとしたら、言葉に詰まると思います。詰まるというか、そもそも詰まるほど出てこない。ストーリーがあればあらすじの説明のしようもあるんですが、「どんな話だった?」と聞かれても、読了直後の今でさえ、説明に困ります。
あと、どちらでもいいようで気になって気になって仕方なかったのが、こいつら絶対中学生だろ、ということです(笑)。行動、動機、人間性、どれをとっても。
自分が高校のころは、教室内で揉め事起こすことの面倒くささは暗黙の了解みたいな感じでしたが、それとも時代が変わったのかな、としんみりしてしまいました。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- こういうぶっ飛び系のキャラって絵か声がついてないと映えないっつーかウザすぎだろって見かけるたびに思ってしまうので、つまりゲーム化してください。いや、だってほら、ありそうじゃないですか。二人の関係とか過去とか、本編中でにおわせてるのに語られてない部分がたくさん。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:7)
- どっかで経験したことがある気がする、この一行先の読めない思考と勢いとその他諸々。日が高いうちに読みましたが、深夜に読んだとしても眠気が吹き飛ぶことでしょう。さっきまでの退屈が嘘みたいだ。こういう作品があると気力が補充されます。助かりました。作品になにひとつ触れてないのは、わかるところもわからないところもわからないからですが、ただ読むという行為を純粋に楽しめた一遍でした。
- 09 茜色の先 (採点:3)
- 作品との距離を置きすぎたのか、淡々と進み、淡々と終わり、淡々と振り返っています。哲学的な思考に身を任すには、どうしても気分が大事になります。自慰の直後に読めば、まだ作品に身を沈めることができたかもしれませんが。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:3)
- さて感想を書こうと思い立ち、考える。取り立てて悪いところは。ない。では面白かったか。面白くもない。どこが良かったか。悪いところがなかったのが良いことならば、それ。
展開も人物も文章も、どれを取ってもそつはありませんが、個性もなかったのが痛かったです。
- 11 準備 (採点:6)
- てっきり嫁にでも行くものと思いました。
爽やかな描写がギャップになると同時に最後を引き立てていて良いですね。思わず彼女らに「ブラボー!」と拍手してしまいそうです。
「やあ」は笑いました。無駄な個性は不要。確かに。とはいっても、なんという紳士(笑)。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- 切り替えはやっ。
最後の数行ですっかり過去の人扱いされてて笑った。
感情に振り回される人間模様を眺めるのが好きなので、良い一品でした。
- 13 立入諌止地点 (採点:4)
- 2、3度読み返しましたが、視点の連結がどうなっているのかわかりにくかったです。
特に目を引く要素はないけれど、退屈せずに読めたので、それだけで収穫でした。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:8)
- 作者の埋もれっぷりが好感触。久しぶりに創作に当たることができました。楽しい時間をありがとうございます。後半力技がすぎるようにも感じましたが(笑)。
うまく操作されたような気がせんでもないですが、心地よいので身を任せてしまいましょう。浸らせていただきました。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- 途中までは楽しめたんですが、ラストの急展開についていけませんでした。この二人は一年前に何かあったんだろうか。この道を避ける必要はもうなかった、って、そもそも避けていたって事実もここで初めて出てきたような。記述からはこの彼女とはそこまで親密ではないように読み取れるんですが、永遠に手の届く事のない子、なんて表現しているのに最後の二行に繋がるのもよくわからず。脈あるんじゃないのと。男ができたか主人公がふられたか、と予想しますが、それでこの行動に出る彼女も彼女でビッチなんじゃないのと。以前、彼女にふられてへこんでいる男を女の親友が「じゃああたしが手コキで抜いてあげる! だから元気になってね!」って展開のAVを見たですけど、それを見たときと同じ感想になりました。あるあ……ねーよwww
つまり、最後の最後まで主人公の妄想ならものすごくしっくりくるということなので、そういうことにしておこう(笑)。個人的にもへたれの方が好きだし。
- 17 キラーデイ (採点:7)
- 展開は性急すぎましたが、恐らく苦し紛れであろう最後のワンフレーズが脳天にヒットしました。
あと、
>「七人のブラジル人だった」
>「人数はどうでもいいよ」
をはじめ、噴き出してしまった応酬がいくつか。これはいい。絶妙。もしかすると一番笑った作品かもしれません。
- 18 じれ☆んま (採点:2)
- 話の魅力を、不快感がはるかに上回っていました。ネタも真相もどうでもいいから一刻も早くあのガキをマウントとってボコボコにさせろ。後半はそんな気持ちでした。
- 19 猛スピードで触手は (採点:2)
- 読み終えて、記憶違いかと思ってジャンルを見直しました。ハートフルラブコメディ。ハートフルにもコメディにも見えないのは、こちらがおかしいんでしょうか。タイトルと相まって、ミステリとかホラーとかそっち系に見えてしまいました。しかもラスト理解できませんでした。
とりあえず最大の問題点は、触手への愛が感じられないところ。道具に成り下がってるというか事実道具なんですが、使ってみたというだけなら犬でもネコでもいいじゃない。触手を使うからには触手へのソウル(魂)を見せてほしいわけですよ! 俺もチンコとかで似たようなことをやったことがありますが、作品の出来はさておき書いてるときはチンコのことで頭がいっぱいでした。執筆中に触手で頭がいっぱいだったならすいません。でも、触手が単に道具として使われるのを座して眺めているだけなんて俺にはできない……!
いや、触手好きかっていわれると、そうでもないんですけど。サーセン。
- 20 顔 (採点:6)
- 消去法で母親。
いや、引き込まれました。文章うまいし、ちょっとくどいけどストレスになるほどでもなく。面白かったです。
- 21 雪見酒 (採点:6)
- 全てが仕掛けかと思ったら本当に幽霊だったとは。
いやでも、幽霊が仕込むのも面白いものですね。
一番好きなのはお坊さんでした。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:5)
- ケンジの生き様はわかったし、雰囲気もそれなりにあったんですが、点数をつけるとなると、どうしてもこのへんに落ち着いてしまいます。
- 23 不謹神話 (採点:5)
- ナパ様が日h……げふげふ。
気づいたら笑えてきました。
ホットミルクじゃなくてココアにしたんですが、ちくしょう、茶色いよこれ。
- 24 放浪鯨 (採点:3)
- 地球上でもっとも巨大な生物が宇宙へフライトっていう豪快な設定がいいですね。
話自体ははっきり言うと嫌いな部類でしたが、設定に惚れました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:5)
- げろんぱ
- 26 賢人の恋 (採点:3)
- わかります、わかります。俺もよくこういうAV見ますけど、成熟した女性が幼女のごとく振舞う姿は興奮しますよね。
ただ、当事者の事情を知っても、あまり楽しくも嬉しくもないということがわかりました。たぶん、外見的特徴が平坦にしか書かれてないからだと思うんですが。興奮もしなかった。
どうせなら、彼女の外見的性的魅力をこれでもかってくらいねちっこく語ってほしかった(笑)。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:3)
- タイトルまでの記述ですでにお腹がいっぱいになりかけてましたが、全部読んで残酷な話であることがわかり、好転しました。空想、という冒頭のなんでもない単語が作品全体にかかっているとは。作中では首の皮一枚でつながっていますが、彼の妄想癖はそう遠くないうちに確実に実生活にも影響が出るでしょうね。……と考えてしまうのは彼女に関するバックボーンがなんら記述されていないからで、作者の妄想ではなく、彼の妄想であることを願います。
- 28 腐臭 (採点:3)
- タイトル通りなんであれですが、まさか本当に臭わせるだけで終わってしまうとは。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:6)
- 強引に見えないんだけどめちゃくちゃ強引。それがいい。説明が目立つ作品が多いなか、おかまいなしに大股で進んでいくさまは、読んでいて爽快でした。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- 文章や台詞や二人が織り成すふわふわした空気は好きなんですが、全体的に見ると、なにか釈然としないというか、パズルのピースが足りないというか、そもそもパズルなのかどうかも判然としない感じです。騙し絵かもしれない。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- 寝込みしか襲えないのはチキンなのか勇敢なのか判断に困りますが、それよりも軟弱すぎるのがいきなり趣味に合わず。女性キャラクターも、前半はSっ気たっぷりで興奮したんですが、後半ではツンデレのテンプレに成り下がっていたのが残念でなりません。展開も、男女の距離を縮めるための道具として用意されているのが丸見えで、読み進むにつれて醒めてしまいました。事件に結構な容量を割いているのに一向に進展せず、かと思えば瞬時に解決。オチの投げ方ですべてがどうでもよくなってしまいました。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:6)
- これから起こることに対してうだうだと設定を説明しているのではなく、異なるエピソードからアプローチを変えながら語られていたので退屈はしなかったけど、宇宙という舞台設定に魅力を感じない俺には人間を見ることしか残ってなくて、この短い間にこれだけ出てきても…………と一度目はそんなことを思いながら読んで、再読してこれは宇宙ではなく地球の話なんだと理解した。タイトル忘れてたよ。実感した者とそうでない者、思い入れがある者とない者の意識の違い、立場や価値観や理念の違いを眺めるのは楽しめたけど、もっと長い話でやってほしかった。最後のエピソードが一番好きで不覚にもグッときただけになおさら。
そもそもの設定の、地球がこれほど蔑ろにされている点に引っかかりを覚えたんだけど、ある田舎からみんな上京してきて、その田舎にもう誰も住んでない状態になって、でそこがダム建設によって水没か何かするとしたら、やっぱり反対より賛成(どうでもいい派)の方が多いんかなあ、と思った。表立って反対するほど思い入れがある奴は、それこそ時代遅れの宗教呼ばわりされちゃうんだろうな。あ、でも、攻撃対象ってことはまだ人は残っていたのか? ……とか何とか考えてるうちにひぐらしのなく頃にを思い出した。あんな感じか。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:5)
- 考えるんじゃなくて感じる系の話なんだと思いました。設定はドリーム入りまくりなのに文章からは逆の印象が窺えたのが良かったです。
- 34 Waltz #2 (採点:6)
- 衝動的で、熱くて、へたれ。こういう男を眺めるのが好きです。
- 35 サプリメント (採点:3)
- 第一印象が笑うセールスマンだったんですが、まったく違いました。彼は個人的な恨みつらみで来ているんだから、戦争とか命を落とすとか、そんなターミネーターみたいな設定にしなくても。とは思いました。真っ先に、過去を変えることで未来を変える流れを思い出してしまい、なぜそれをしないの、という思考になってしまうので。未来の設定もあくまで彼個人の範囲にとどめておいた方が、より彼の人間らしさが生きるのではないかと思った次第。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:2)
- ストーリーと形式のどちらを書きたかったのかはわかりませんが、これでは相殺してしまっている気がします。この形式にこだわったのなら、規約に引っかからない程度でセックスの描写をしてくれていたら楽しめたかもしれません。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:2)
- まず思うのが、携帯くらい持っとけよということで、次に思うのが、わざわざ家まで戻らずに電話の一本でも入れて頼めよということで、最後に思うのが、自業自得のくせに相手の前であてつけのようにため息をつき続け、約束事よりも自分の都合を優先するこの男は死ねば良いんじゃないかということです。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:2)
- なんで鼻水の描写にこんなに気合が入っているんだ。オチてないことよりも、それが気になって気になって仕方ない(笑)。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:7)
- テンポだけで最後まで引っぱられ続けてしまった。このリズム感は読んだことがある気がする。popに偽りなし。キャラクターが作品内で息してれば個性なんて二の次であるという、いい例でした。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:4)
- 雰囲気は好きなんですけど、パパあんまり役に立ってないというか、ああ、あの人って父親のことだったのね、くらいで、すんなり納得してしまったんですけど、それでいいのかな。織姫と彦星にかけて年に一度しか会えない関係ってこの話の核になるファクターだと思うんですが、彼女があまりにも軽すぎて、なんでもない出来事として処理してしまいました。ああ、でも、日常だからそれでいいのか……。
- 41 蜃気楼 (採点:2)
- あるあるwwwwしか、言葉が出てこないのでした。
あと蜃気楼、あんま関係ないですよね、これ。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:4)
- 走馬灯かと思ったらやけにバリエーションに溢れていて、なんでしょう、意識を失っていたわけでもないようだし、幻覚かな。ともあれ、なんで撲殺に走るのかがわかりませんでした。当初は諦めだったものが、様々な水死を目の当たりにすることによって生に対する執着が一気に噴出し、殺やらなきゃ殺られる、という危機感に支配されたんでしょうか。それにしては、本人も言っていますが、やけに冷静に事に当たっている気がする。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:2)
- 読んでるうちに頭が痛くなってきた。
これが映画かゲームなら普通に見れるんでしょうが、文章だけでやられると、負担が半端ないですね。小説ならではの強みを活かしてくれるとまだついていけるんですが、文章から映像を思い浮かべるのが苦手でして、機械を噛み砕いてるような感じでした。まだまだ書かずじまいの設定が作者の頭の中にありそうだし、脚本にでもできるんじゃないかなと思いました。
- 44 蟲毒 (採点:3)
- 母娘コンビのチームワークのなさに笑いました。
- 45 八月水晶 (採点:4)
- 年代的にビックリマンシールとマサルさんがど真ん中ヒットだったので、ちょっと嬉しくなりました。
子どもたちの様子は想像するとほほえましいものがありますが、郷愁を感じたのは上記のネタくらいで、延々と子どもたちの作業が続くので、ちょっと退屈でした。作者の方が同世代なら、そしてノスタルジィを目指したのなら、土曜日ネタは入れてほしかった(笑)。
- 46 青空 (採点:3)
- 他人の幸せは頭にくるだけだということがわかりました。
- 47 光学概論 (採点:7)
- うだうだ感がいいですね。父親本体が魅力的なのではなく、その心情の描き出し方が魅力的。読後、僅かに残る虚無感がたまらない。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:5)
- この話を読んで「また幼馴染かよー」と思う読者は果たしているのだろうか。本題に関係ないけど単純に気になった。
この作品には負けたくないと思った。けど負けた。読者を楽しませよう楽しませようという気概に溢れていて、今回そういうのが少ないだけにかなり目立ってた。
不満点を述べると、締めの六行が急すぎて、てっきり叫んだ後にエピローグでも入ると思ってたんで「って飛んで終わりスか」と肩透かしだったのがひとつ。これはこれで構成的、青春的にまったくありなんだろうけど、着地してなんか話して終わる方が好みだった。
ふたつめが、彼女が叫ぶシーンのカタルシスをもっと出せたんじゃないかということ。それまで冷静沈着だった彼女が声を荒げた、というだけでも効果はあるんだけど、もっとこう、なんかできなかったのかという。開始から助走して助走して助走して、爆発、の前に、ひとつグッと溜めがほしかったというか。俺が考えても直前に喧嘩するとか…みたいな安易な案しか出てこないけど。
ともかく読んでいて引き込まれたのは間違いない。おめでとさん。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:3)
- この物語の主眼はなんだろう。要所要所でなぜこう展開するのか、読みながらはもちろん、読んだ後になってもわかりませんでした。行間を読もうにも書かれていないことが多すぎるし、主人公の行動理念が見えてきません。最後の決意も、強迫観念に駆り立てられてるようで、というか実際そうなんですけど、気持ち悪かったです。
あと、前半の設定の説明でかなり読む気が殺がれました。手法なのかわかりませんが、このような文章を見るたびに、あなたは誰に向かって説明しているんですか、と作中のキャラクターに問いかけたくなります。
目の前で「大規模な破損事故」があったのになぜ無事なんだろう、ママの自室はどんだけ広いんだろうとか、そういうことばかり気になってしまいました。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- つまらないわけではないけれど、面白いかといわれても微妙。燃える展開なら良かったんですが、そうでもなかった。ここからさらにヴィオレットの物語がどんどん続いていきそうな気がします。
- 51 野辺送り (採点:6)
- きちんと送ることができたようで、何よりです。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:7)
- この曖昧な関係。曖昧な態度。曖昧な終わり方。どれもこれもツボでした。僕が一匹混じってたのが残念。全体を通して、語らせない美学のようなものを感じました。いいですね、主人公。へたれ属性なので最高でした。
- 53 体育館を燃やす (採点:5)
- なんとも切ないですね。心に訴えてくるものがありました。
- 54 彼女への笑顔 (採点:2)
- なぜ最後の一行でいきなりまとめに入っているのかがわからず、困惑しました。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:2)
- なぜ感動できないのかというと、受動的だからで、コテコテだからで、自然ではないからです。なぜ今まで目覚めなかったのにここで目覚めるのか、という疑問が先に立ってしまいます。それを自分の中で消化しようとすると、赤ちゃんパワーか偶然かの二択なのですが、どちらにしても都合のよさしか感じられないのです。もっと早く起きろよ、という怒りも湧き上がりましたが。
この現場に立ち会って、「信じられない」なんて信じられない台詞が出るのだろうか、出ないんじゃないかなあ、と、ラストはそんなことを考えながら読み終えました。
- 56 飛べない鳥 (採点:4)
- 読みながら、Kiwiを連想しました。やりたいことやって果てるその生き様はまさに漢ですね。
- 57 夏を見逃すな (採点:5)
- 楽しそうですね。と言いつつ自分も楽しめたのでOKなのであった。ホルモンも野球もカルピスも一家言あるんで(笑)。
カルピスを牛乳で割るとおいしいですよ、と姉妹に申し送ってくださると嬉しいです。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- まるで台風のようだ。語るだけ語って去っていった。聞く側としては相槌を打つしかなかったのですが、あー、やっと帰ったか、という感じです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:4)
- よく書けていると思うんですが、趣味からは外れていました。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 僕、が最後までしっくりこなかった。私でも俺でもなく僕なのが、なぜだか鼻についてしまった。
王道とテンポの良さ。順位を目指すならそれだけで足りる。負けた。
- 61 缶コーヒー (採点:5)
- この女が、告白されて顔を赤らめ、あまつさえフったというのですか。
……み、見てみたかった。
彼からすれば気まずかったかもしれない。何の発展もなかったかもしれない。会う前よりへこんだかもしれない。
だがあえて言おう。
チョーうらやましい。
- 62 5人以内のごろつき (採点:7)
- ラスト一行がなければ最高でした。きっかり3回噴いてしまった上に心地よくブレインをシェイクされたので。もったいない。
町の秩序が乱れたのも、風紀が紊乱したのも、経済がまわらなくなったのも、犯罪が多発したのも、建造物が破壊されたのも、人々が次々にこの町を去ったのも、町が滅亡したのも、ぜんぶ会議が終わらなかったせいであり、5人以内のごろつきは何も問題を起こしてはいないが、5人以内のごろつきが町に来なければ会議も開かれなかったわけであり、結果的に5人以内のごろつきの存在が町を滅亡に追いやったのは事実である。
俺の中では諸悪の根源は豚になっています。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:3)
- ぎこちなさ、とはまた違うと思うんですが、徹頭徹尾、心理描写に理解が及びませんでした。行動はわかるんですが。一本のストーリーを読んでいることを疑ってしまうくらいに、彼が何を回顧して、何を憂えて、何を思っているのか、謎でした。主人公もですけど、文章もだいぶ酔っている印象で、読み解く気は起きませんでした。
- 64 花盤 (採点:4)
- あああ……生々しい……血とか苦手なんです……こう、皮膚の表面がジンジンしてくるというか……軍手をしているときも似たような感覚になるんですが……あああ……でも全部読むと決めたので……あああ……
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:4)
- 設定はあまり見かけないもので引き込まれたんですが、キャラクターが弱めで印象に残らなかったのが残念でした。完全に設定・ストーリー先行で、キャラが作中で息していない感じです。想像しても、首から上にモザイクかかってしまうんです。
あと、ある芸術を楽しむためにはそれに対応する五感および気分がフラットな(著しく健康・気分を損なっていない)状態であることが必要だと思っているので、おなかいっぱい状態で聴かされたピアノに一瞬で虜になるのは、予想通りであることとは別の角度から、受け入れがたかったです。どんな名曲でも、下痢してたり、隣の家の夫婦喧嘩の声が届いたりするだけでその良さを認識できなくなると思うんですが、それをまるごと覆す彼女の演奏というのが、なんだかなぁ、と。とは言っても、常人ではない彼の側に立つことはできないので、飲み下して先に進むしかなかったのですが。
しかし、この後すぐに死んでしまうんだなぁ、と思うと残酷ですね。それがいいんですが。
- 66 サルベージ (採点:3)
- やけに男みたいな喋り方をする女だなぁと思いながら読んでいたら、男だったんですか。なぜか開いた瞬間から女だと思い込んでました。少年の正体が種明かしされるまで性別について一度も触れられてなかったんで、気づきませんでした。
ラストにかかる伏線が、すぐ直前にあった、「縁があれば――」前後の記述だけではあまりにもやっつけというか、締めであるラストシーンにしてはさりげなさすぎるし、軽すぎます。伏線を張るならタイミングと効果を計算に入れてほしいところ。それと、過去の自分と出会ったのなら顔を確認した瞬間にわかりそうなものですが、この主人公は昔の自分の外見まで忘れていたのでしょうか。
- 67 純 (採点:3)
- 男が欲望に正直すぎて笑った。こういう右脳人間は好きですが、物語まで右脳人間で終わらせちゃいかんと思うのですよ。何も終わってないのに容量尽きたから終わらせた感がたっぷりで、おいこら何まとめに入ってんだよ、と彼に待ったをかけたくなります。
- 68 七夕 (採点:1)
- 単純に文章が読みにくかったです。
>ガチャっという音がやけに響き姉は接近して少しずつ姿が大きくなり柑橘系のシャンプーの香りが黒髪を通じて鼻腔をくすぐり目と鼻の先まで辿りついて姉は自分の加えていた煙草を二本の指で挟み口から離しくるりと回転させこちらの口に差し込む。
長いのに読点ひとつも打ってないし、誤字が混じってるし、考えて書いてるのかなぁ、という気持ちになります。
全作品で最もストレスを感じた作品でした。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:2)
- 序盤は笑うところがあったんですが、同じネタをこれでもかと繰り出されるのを見て、ひょっとしてギャグではなく素でやってる、あるいは違う目的があるんじゃないかという疑念が芽生える。そして思い至る。読者を笑わせるというよりは、読者をむかつかせるというコンセプトと認識しました。少女が出てきてからは終始むかつきっぱなしでした。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:2)
- 俺の知的水準には合わなかったようです。
- 71 幸せの処方箋 (採点:3)
- 前半のぬるま湯っぷりから、後半にどんな仕掛けがあるのかとわくわくしながら進んだんですが、大地震、ループ、弟の死、自身の死、コペンハーゲン解釈、エヴァレット解釈……パニック状態のドラえもんのように次から次へと道具が飛び出してくるので、置いていかれました。作品の肝とも言える設定を一発ギャグのようにいきなり主人公の口から繰り出されても、読んでいる側としては「あ、はい、そうなんですか」と頷くしかないんですが、ぺらぺらと謎解きを披露する主人公に白々しさを覚えてしまい、消化まではできませんでした。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:2)
- この主人公は自分のことを理解しすぎで、かつ語りすぎです。「さまざまなもの」「古い夢や情熱のようなもの」「大事なもの」など、具体性を欠いた表現を選択していて、おそらく曖昧性を持たせて空気を作る試みだと思うのですが、それらを含んだ文章自体が直接的すぎるので、逆に無粋に感じました。「雨の日特有の」「独特の雰囲気」「ある種の親密さ」など、本来言葉を尽くして表現するべきところまで曖昧に書かれているので、単に描写の手抜きにも見えました。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 受付がラリっている。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- 想像だけで吐き気を催したり、何度も腰が引けたり、油断なくと言った直後に油断したり、新人ってわけでもないのになんでこんなに場慣れしていないのか不思議で仕方ありませんでした。言動がかっこつけてるだけにへたれっぷりが際立ってます。そういう性格にするのはいいんですが、この展開でそんな特性を持たせても、魅力が殺がれるだけでした。
最後の一文は驚きよりも先に謎がいくつも発生したので、一気に読後感が消化不良になりました。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:9)
- うをーー。これは是非、上位にきてほしい。久々にエネルギーほとばしった作品でした。弟子に張り手かまして叫んだところで思わずこっちもガッツポーズ。独白だけでこれほど鮮やかに光景が浮かんでくるのは凄い。多少なりとも知識があったのが幸いして、終始手に汗握りっぱなしでした。
※全作品読了後
OK。もうこの作品が最高点。後悔なんてない。コーナーポストから飛べるところまで飛んだってください。
- 76 シャーベット (採点:3)
- その感情の正体に本人が気づいて終わるのかなぁ、それだとベタだなぁ、でもベタでもいいか、などと思いながら読み進めたら、気づくこともなく、なんとなくくっついただけで終わってしまった。
彼女の中では、嫌いなのに異性で一番仲がいい、という関係はどのように処理されているのでしょう。どうも相反しないようなのですが、そのシーンではなぜか柚木側しか踏み込まれていないので、読み取れませんでした。彼女には好き嫌い以外にも色々と知識が欠けているようので、別段おかしなこととは認識していないのかもしれませんが。
最大の疑問は、わざわざ本人つかまえてアイヘイチュー宣言した彼女は何がしたかったのかということです。実感は持てなくても、話に聞いていたのなら、無闇に表明すべきではない情報だということをわかっていそうですが、そのへんがすっ飛ばされているので、わからないままでした。本文中の彼女の言動から推察したところ、日常生活が困難なレベルの頭の弱さになってしまったので、破棄しました。
全体的に、彼女の足りなさが作者によって操作された都合のいい足りなさなのが明け透けで、そこで醒めてしまいました。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:3)
- 湖の描写だけが浮いているというか、最初も最後も唐突で、何かこだわりでもあるんだろうかと考えてみたものの答えは出ず。ホームに飛び込んだのだろうかと一瞬思ったけど改札出口だからそれはない。
読者をどの方向にもっていきたいのかわからないまま読み終えました。遠距離(に限らず)恋愛者に警鐘を鳴らしたいのか、面と向かったコミュニケーションの大切さを説きたいのか、一度でも何かを経由した言葉は本人のものとは限らないから警戒すべき、ということなのか。うーん、わからない。
- 78 音響室B (採点:2)
- 好きな子にかまってもらいたい小学生のような行動ですね。同性愛かどうかはさておき、ネタがあるのかないのかもわからない話なので逆に新鮮でした。どのような執筆経過を辿ったのか気になります。
- 79 ユメオチ「 (採点:6)
- 変にギラギラしてないのが好印象。この告白、大いにありです。ネタとしても、ありです。楽しめました。
- 80 リング (採点:6)
- スポーツ青春ものは好物です。文体も好物です。主人公のKYぶりも、好物です。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- 広告通りの正統派。文章も整っていて悪くないのですが、彼女よりもむしろ主人公にうそ臭さを覚えてしまってダメでした。落ち着いている、とはまた別の次元で。わかりやすいところで一番長い台詞から引用すれば、「間接的な要因にしている」とか、「罪悪感を覚えた」とか、実際に喋るのにこんな何を気取ってるんだかわかんない表現しないだろって、どうしても思ってしまうんです。一貫してパーソナリティが与えられているぶん、人形みたいでした。彼女の言動は好みでしたが、ショートカットであることと胸がそんなにないことくらいしか外見が書かれていなかったので、イメージが湧きにくかったです。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:4)
- 読んだ後で、イメージ的にハルとヒカルの名前は逆の方がいいんじゃないかと思った。二人しか登場していないのに最後まで名前とキャラが一致しなかったのも変な話だけど。
主人公が努力して最愛の人とめぐり合い、今はラブラブな日常を送っている話、という認識でいいんだろうか。何度か乳繰り合ってるけど、女同士の絡みはどうも興奮しない。いただけない。
- 83 変わった趣味の男 (採点:7)
- ちょっとこのセンスは尋常じゃない。62も笑ったけどこっちも笑いました。笑いすぎてちょっと涙出た。こんなに読み進めるのが楽しみな文章は他にありません。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:2)
- 女に相手にされなかったような男たちを舐めてはいけない。他の女性ではまったく駄目だった倒錯した男が、容姿が幼いというだけで告白まで踏み切るわけがあろうか。踏み切らずに遠くから眺めてズリネタにするか、踏み切るなら告白ではなく拉致強姦でありましょう。高校のロリコン騒動も、からかいや興味の対象にはなるかもしれませんが、それを理由にイジメっていうのが、どうも実像が浮かんできません。「お前、あのロリと付き合ってんのか。そうか。ジュース買ってこい」……違うな。「やーいロリコン、ロリコン菌が移るから寄るなよ」……これじゃ小学生だ。うーん、すいません、想像力貧困で浮かびませんでした。どんなイジメを受けたんでしょう?
それが理由になるような知的水準の低い高校なら、まず彼女こそがいじめらてもよさそうなのに、と思ってしまうんですよね。
あと、主人公が嫌いなので、終始拳を固めながら読みました。
- 85 童話 (採点:2)
- 冒頭を読んで、なるほど、この男女を中心に据えて物語が動いていくのかなと思ったら、微動だにしないまま終わってしまった。これでは、男が女に思いついたネタを語ってはい終了、ということになってしまいます。二人とも寝てしまいましたが、残されたこちらはどうすればいいのでしょう。ちゃぶ台ひっくり返していいですか。
ラストの彼女に同意で、これじゃ売れないわな、と思いました。
- 86 NEET (採点:3)
- 最後の予定調和へ向けて組み立てられた舞台設定であることがわかりやすすぎて、ハプニングがハプニングに見えず、はじめから、よりよい結果へのジャンプ台にしか見えないのがつらいです。文章から受け取れる主人公の喜怒哀楽が乏しすぎて、涙を流しているのが不自然な光景にしか思えず、最後の二行も滑っていました。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:3)
- 好きになれそうな語り口だったんですが、目につくところが多すぎて阻害されてしまいました。
この荒れ方は児童自立支援施設でもお手上げの領域であるはずなので、なぜ主人公は少年院行きになっていないのかという疑問がまず挙がります。行動の短絡さや短気な性格から言って、すべて見つからずに立ち回れるほど要領がいいようにはとても見えないし、不思議でなりませんでした。また、ガラスを何枚も割っておいてなぜ誰にも取り押さえられずに一人で保健室までたどり着けるのか、これも謎でした。どんな学校でも、一枚割った時点で教師が飛び出してくる程度の危機管理体制は敷いていると思うのですが。生徒の髪の色や器物損壊には無頓着な校風なんでしょうか。
煙に巻かれそうでしたが、揚羽が主人公を好きになった理由も、主人公が揚羽を好きになった理由も、よくわかりませんでした。どこで道連れ候補から大事なひとになったのだろう。気がついたら好き好き言い合っていたので、釈然としないものが残りました。
一番気になったのが生霊(幽体離脱?)オチで、それ自体はかまわないんですが、全体を通してイチャイチャベタベタボコボコと触れ合いまくってたのに、ここにきてそれかよ、とげんなりしてしまいました。本体は病院にいるのに、それが一番知られている学校という閉鎖された空間の中をうろうろして、人目を忍んで動いているのかと思ったら普通に保健室にいるし、どういうルールの存在なのかわからなくなりました。分身展開を用意するなら、その時まで一度も互いの身体に触れたことがなかった、みたいな伏線がないと、突拍子がなさすぎて置いていかれてしまいます。
以上の理由より、作品として楽しむことはできませんでした。
- 88 探偵は誰だ? (採点:3)
- もう三人揃ってブラックホール発電機にダイヴしちゃえばいいじゃない。
- 89 午睡 (採点:2)
- 母親に宛てた手紙だった、というのが一番の驚きでした。省みて、確かにそれとにおわせる記述は散見されたのですが、その設定は逆効果でした。意図されたことなのかわかりませんが、結婚指輪のくだりをはじめ、語り口が恋人に宛てているそれにしか見えなかったので、一気に気持ち悪くなってしまったのです。
最大の疑問点は、主人公は相手を母親とは見てませんでしたが、母親は自分の正体を隠したまま主人公の世話をしていたのでしょうか。理由を考えようにも、作中の情報だけでは選択肢が多すぎて絞れません。
- 90 R・P・G (採点:2)
- 登場人物全員(主人公、神視点、その他雑魚キャラ)にことごとく魅力がなかったのが痛かったです。せっかくの身を乗り出してしまうような発想も、ネタが割れればそれ以降は他の何かで引きつけないといけないのに、何もなかった。
- 91 鈴の音 (採点:5)
- 最後のシーンがとんでもなく好みなのですが、好みなだけに、それまでが残念でした。二人の関係が結局、成り行き任せに終始している点が。それが主人公のオートアビリティなのはわかるんですが、別れ際のシーン、ずっと鈴のターンであるのとは別に主人公がすっかり醒めてしまっているので、その思い出の重要度が思ったより低いのかと思ったので、ラストもちょっと首を捻ってしまいました。心理描写だけでも不様な姿を見せてくれれば、また違ったと思うのですが。
あと、作者の方は特に小さい子が好きというわけでもないけど無理してロリコンネタを入れた、という気配がしました。本当になんとなくですが。
- 92 神の子 (採点:4)
- 読んでいて感情が動くことはありませんでしたが、ただ、鮮やかでした。
- 93 妖精離れ (採点:1)
- 一行前が思い出せない文章の連ね方というのも狙ってできるものではないので、当たりを引いた気分です。ただ、実際に読むとなると、やはり一行前が思い出せないので、読み終えても、「なんか知らんけど成し遂げた気分」だけが残りました。
- 94 Eternity (採点:2)
- まず本人を洗脳してこその願いだと思ったんですが、あまりの彦星の性格の悪さに鳥肌が立ってきました。
キャラクターに個性がなく、誰が何を喋っていても絵が浮かばず、イメージに苦労します。妹は初登場の時点で殴りたくなったんですが、人間というより機械だったので、読み進めるうちに解消されました。
- 95 何かの間違い (採点:1)
- なんで最後キスしてんのこれ。我慢してたのに、最後にコーヒー噴いてしまったではないですか。
何かの間違いであってほしいです。
- 96 走るッ! (採点:2)
- 勢いで押す作品なら、まず読者を巻き込む努力をせなあかんと思うのですよ。冒頭の時点でいきなり結末が見えてしまうのはその点において致命的でした。そこで醒めてしまったものだから、後はどんなキャラがどれだけ登場してはしゃごうと、テンションについていけないし、ついていく気も起きなくなります。
- 97 やさしい猫 (採点:4)
- 反射的にやってしまうのがやさしいゆえん、ということでしょうか。悪い表現をすれば気まぐれに過ぎないので、一連の事件も彼女との関係性も、繋がりは薄く、したがって情も移らず。しかし、猫は気まぐれな動物とよく聞きますし、その意味では猫らしい猫を書けているとも言えるのかもしれない。猫らしい猫を書けているかどうかと作品として楽しめるかどうかが必ずしもリンクしていないのがつらいところです。
- 98 足跡 (採点:2)
- なんで潰される前から跡がついているのか、わかりませんでした。
- 99 繋がっているものたち (採点:3)
- 悪くも良くもなかったです。と、最初に悪という字から入るのは、良作に当たった場合は考えるまでもなくすらすらと言葉が出てきますが、そうでなかった場合は良作たりえなかった理由をまず探すからで、こんなことをうだうだと書いているのは「普通でした」しか感想が浮かばないからで、強いて言うなら、女子二人の区別がしばらくつかなかったことと、奈美って誰だろうということです。
○匿名 さん
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:?)
- バーニーとピエロの遣り取りは面白かったです。
○匿名感想 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:?)
- 見た事のあるフレーズが多い気がします
- 01 スーパーラブストーリー (採点:5)
- コンビニのおでんを腹いっぱいに食べても満足感は得られない。ぶっとび方がちょっと足りない気がするのだ。いや、このくらいがむしろちょうどいいのか……。
- 01 スーパーラブストーリー (採点:?)
- 僕の読解力ではいまいち内容が分かりませんでした。
すごくクールな文章運びから生まれる前進感は好きです。
- 01 スーパーラブストーリー (採点:?)
- 私の感覚ではちょっと理解できませんでした。
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- 導入部が入りづらい。
正確にはどう共感していいか、掴めない、かな。
初めて読む文章が、いきなり我慢する理由が分からないまま
カオスなのは、ちと辛い。
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- よく分りませんでした。
- 02 寒太郎 (採点:5)
- 今回のこんぺ、コメディっぽいのが少ない気がする。そもそも需要がないのか。最初高い点数つけてたんだけど、この作品に対する責任が重くなったので、逆に低い点になった。
- 02 寒太郎 (採点:?)
- 読後感の非常に良い作品でした。
文章には微妙にブレもあるように思えましたが、作品全体の目的地がはっきりしていたので、それほど気にはなりませんでした。
中盤の上手い盛り上げが、後半失速したのか、作者の気恥ずかしさが出たのか、おとなしくなってしまったのがもったいない気がします。
- 02 寒太郎 (採点:?)
- いい話だなぁと思えるだけに、もう一味欲しかった気がします。
- 02 寒太郎 (採点:1)
- 導入部が入りづらい。
27才の女性のリアリティも少年の描写も希薄だし、展開も唐突。
あと誤字も結構気になりました。
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 文章がところどころ乱れているような気がする。この手の文章を普段読みなれていない私にとっては、きちんと校正されて完成された作品になっていないと、なかなか……。
- 03 GONSHAN (採点:?)
- すべての設定が田んぼのあぜ道のワンシーンのために用意されているので、作品の顔はとても分かりやすいです。
こういう作品の場合、もっと過剰に文章を飾ってしまった方が良いと思うのですが、そこは好みの分かれるところかもしれません。
- 03 GONSHAN (採点:?)
- 説明不足な感。もうちょっと長いサイズで読みたかったかな、と。
- 03 GONSHAN (採点:2)
- 導入部にはちょっと惹かれましたが…。
句読点が極端に少なくて、読み疲れました。
内観の優れた方だとお見受けしますが、
外観の描写をもっとなされるといいかと思います。
礼服がどんな礼服なのか?
どこに座って、なにをしているの?という感じに。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:5)
- 何かを捉えたようで、捉えきっていない作品。頭の中にかすかによぎった高尚な思弁は、泡のように、波紋のように、一時、とどまり、また消えていく。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:?)
- 世の無常を嘆くのか、その瞬間の輝きを謳うのか、判断の付きにくい作品でした。
何かを読み取ろうとすれば、穿ちすぎてしまうような、……なんとも難しい。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:?)
- うーん……?趣旨がよく解りませんでした。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- エジプシャンサービスとはなんだろうと
考えているうちに作品が終わってしまいました。
残念。
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- 日常系で、悪くはないんだけど、進学校の特進ともなれば、もう少し面白い、突き抜けた奴らがいっぱいいても良さそうなものだと思う。
- 05 ウミに漂う (採点:?)
- 読む人の年齢によって非常に評価が異なってくるような作品だと思いました。
掌編として十分にまとまっていますし、織川君もとても可愛いです。
「クラゲ」という単語の扱いが、重要語句のように見えてたいしたことなかったのが肩すかしに感じました。
- 05 ウミに漂う (採点:?)
- なんとなく未完な感じがしました。
- 05 ウミに漂う (採点:2)
- ありがちと思いながら、最後まで読ませた。
不完全燃焼な感じがもったいないね。強調したい力点が中途半端なのかな。
クラスの嫌な感じなのか、織川なのか。
あともう少し、主人公頑張れ。ヘタレすぎて読んでて辛いぞ。
- 05 ウミに漂う (採点:?)
- 。
- 06 下手れ (採点:4)
- 本当にチョーク飛ばしってあるのか? ちょうど玉になったくらいの大きさの奴をパチンコで撃った方がより効果的だと思う。そういうことじゃないかも知れないけれど……。
- 06 下手れ (採点:?)
- このムニョムニョ感。現実では味わいたくないけど、小説では味わいたいムニョムニョ感。
へたれと言われても良いじゃない。
やや雰囲気不足かなと思います。
- 06 下手れ (採点:?)
- 感覚的な感想ですがこの作品、なんか好きでした。
いかにも青春。
ただもうちょっと曖昧じゃない表現も欲しかったなぁとか。
- 06 下手れ (採点:4)
- 会話が読んでて辛い。
台詞を話しているのが誰なのか、分かるようもっと工夫してほしい。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 何かB級っぽい。ていうか、B級っていうのは死語なのか? 全体を覆いつくす軽薄っぽさ。気が向いたらそのうち二度読みしようとか思う。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:?)
- キャラクター作りに成功しているので、あとはどう展開しても楽しい作品になる感じです。
ただ、読みやすくてイメージも作りやすい分、もう一度読み直そうとかいう気持ちになりにくいのが、残念かもしれません。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:?)
- 兄妹ともう1人の会話のテンポはすごく好き。
けどそれだけで押してるイメージかなぁ。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:3)
- テンポがよろしいが、会話が読みにくいな。
会話だけで進むから、臨場感が感じにくいせいかな。
読ませようという努力は感じるので、次に期待。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:?)
- 一読して意味が分からず、もう一度読んでとりあえずの流れだけは分かりました。
これは何なのだろうとしばらく考えて、タイトルを見て、「ああ、備忘録か」と気づきました。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:?)
- うーん、この手法はどうなんだろう。
アリなのかもしれないですがちょっと僕には駄目でした。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:3)
- 読まそうという努力は感じた。
が、描写が少なくて毒虫をどう想像していいか分からなくなり、
そこで読むのをやめた。
- 09 茜色の先 (採点:7)
- 離脱したくても離脱できない閉じた世界。茜色を目指して歩いていた。それは西であるべきなのに、いつしか西ではなくなっていた。ただ、死んで終わる物語には違いない。
- 09 茜色の先 (採点:?)
- 児童文学のような雰囲気はとても良いのですが、やや冗長すぎる気がしました。
半分くらいの長さにまとまっていれば+2点です。
この長さにするなら、もう少し内容が欲しいところです。
- 09 茜色の先 (採点:?)
- 手法的にちょっと駄目でした。中身は悪くないと思うんですが……
- 09 茜色の先 (採点:3)
- 情景の説明が不足している気がする。
アカネコ、かあさん、少年がどんなだったか、最初から想像がつかなくて、集中力がもたない。
特に「色」という情景で読ませるのならば、謎はもっと絞るべきだったのでは
ないでしょうか。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:7)
- 感動系。でも全体的に、状況・情景の描写が浅いレベルで抑えられているので、薄ぼんやりした印象を受ける。街並みも、自然も、主人公の心を覆う闇も。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:?)
- 東欧の映画を見ているような、遠い日の青春を思い出しつつ。
いや、こんなに素敵な思い出はないのですが。
見せ方の上手い作品だと思いました。
主人公がやや冷静すぎて、単調になったのが残念です。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:9)
- これ、めちゃくちゃこの雰囲気好きです。
- 11 準備 (採点:?)
- 最後で驚かそうとしたんでしょうけど、ありがち。短いからまだ良かったけど。
柳行李もドイツ語も関係ないよね。
- 11 準備 (採点:4)
- 読む順番が前後したけど、これも「死んで終わるオチ」のショートショートだ。死んで終わるオチには、あまり驚かされない。うーん。もう少し工夫してくださーい。
- 11 準備 (採点:?)
- やっぱり自殺する人は、自分の周りをきれいにして準備をするんですね。
こうして最後にどんでん返しがあっても、何事もなくそのまま終わってしまっても、あまり評価は変わらないかもしれません。
- 11 準備 (採点:4)
- 句読点が少なくて、若干読みにくい。モノローグが突然第三者視点の文章になったり、混ざっているのも読みにくい。
でもそういった技術より、女の子のウキウキした、ちょっと不安な様子が
いきいきと描かれているのが、好感。これからも頑張って。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:7)
- すごい、結構つくりこんだ設定の作品だ。その分、ちょっと駆け足っぽかったけど、難しい要素もありながら、読みやすい文章で、すっきり頭に入ったよ。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:?)
- 研究室で起こった事件を見る視点は、教授、中川、春香、その父、センターの人、山口さんと複数あるのに、それがひとつも交錯していないところが面白い作品でした。
展開がやや急な印象も受けますが、良い意味で裏切られた作品です。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:5)
- 人工知能が5歳児程度のわりには、山口さんがやけに大人びた口調で、少しだけ違和感。ていうか、5歳児の知能ってどんな!?
でも山口さんと主人公、彼女との交流は読んでて引き込まれた。読後感も悪くない。あえていうなら、ラストシーンにもう一工夫ほしかったかな。
- 13 立入諌止地点 (採点:5)
- Aの犯人が、あっけなく1人の警察官によって殺されてしまったのが、正直、よくわからない。それにしても、西へ西へと向かう作品が多いな。流行なの?
- 13 立入諌止地点 (採点:?)
- 途中でなんかいろいろと見失って何度も読み直しました。
うーん、悪くはないのですが、せっかくの味がぼやけてしまったのが残念です。
- 13 立入諌止地点 (採点:6)
- 仕掛けが二転、三転して、大変面白く読めました。
淡々とした描き方は個性なのかな?
あえていうなら、場面転換のルールがもっと分かりやすかったら、
読む方も切り替えやすかったか、などと思ったりしました。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:?)
- 祭りの明かりは、星のように小さくも弱くもなく、これは情景描写としてはあまりいい方ではない気がします。遠くから見下ろしている感じになってしまう。猫が人混みに平気でついてこられるところにも適当なフォローがあるといい。この辺りをもう少し上手く騙して欲しかったです。最後の女の子の言葉はうそであって欲しいな。ロマンのために。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- 掲示板で予告されたように、私も結構やられた方だ。幻想強度の高い作品。ただ敢えていうなら、僕と彼女が限りなく同質になってしまい、独り語りの罠に嵌っている。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:?)
- 今回こういう作品が多いなぁと思いつつ、宇宙の話を混ぜる部分は良いアクセントになっていたと思います。
結局ボーイミーツガールは少年の成長物語で、少女の正体もネコの正体もよく分かりませんが、光を強調してくっきりさせたお祭り描写に、良い感じのもやもや感で対比できていたと思います。
最後の一文は、やや浮いている気もしました。
- 15 嫁嫁パニック (採点:5)
- いささか時代遅れのギャグか。今時の嫁なら、旦那に対して、「私、あなたの自慰を見るのがスキ」とか言って、自慰させておいて、勝手に寝たりしちゃうわけ(憶測)。
- 15 嫁嫁パニック (採点:?)
- テンポの良い面白い作品でした。
個人的にはすごく好きです。
途中で意味が分かりにくい部分があったのが、残念でしょうか。
- 15 嫁嫁パニック (採点:採点なし)
- 殴られても何されても怒らず主人公に都合よく笑いでごまかして友達親友でいてくれるピエロなんぞ出てくるだけでムカついてダメなんですよ。あまつさえ主人公が常識人ぶって見下してたりしたら、もうみてらんない。
僕も大阪の人間だから漫才とかよく触れる機会があるんですが、こういうお笑い要員をいじる芸風は、マンガとかでよくあって好きな人多いけど、個人的にあんまり好きじゃない。不愉快な気分しか残らなかった。
- 15 嫁嫁パニック (採点:?)
- 嫌いじゃない。嫌いじゃないんだけど、ちょっとアレすぎたw
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:6)
- 映像的な美しさに徹したほうが良かったように思う。途中から宇宙船が無敵になり、そして哲学が語られるのだが、そこに至る助走が弱い分だけ、軽く聞こえてくる。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:?)
- 説明っぽい部分と、短文を並べて印象的な効果を狙った部分が多すぎて、逆に作品の雰囲気を壊している気がしました。
出だしはすごく良かったのにそれが残念です。
最後の幼なじみの部分も必要だったのかどうか……。
ちょっと懐かしいアニメを思い出しつつ。
- 17 キラーデイ (採点:6)
- 何だかシンクロしている。案外、同士かも。でも、赤の他人の貴方。何故、もっとちゃんと校正しないのですか。いい作品なのに。
- 17 キラーデイ (採点:?)
- うーん、いろいろ書きたい気持ちは分かりますが、全体的に崩壊気味なのが残念です。
こういう小説はさじ加減が難しいですね。
- 18 じれ☆んま (採点:7)
- これはなかなかショートショートとしてよくできていると思う。構成もいい。ただ、設定上、主人公は自白すべきかどうかを悩むべきところを悩まなかったのは何故だろう?
- 18 じれ☆んま (採点:?)
- なんだか無理な論理や展開が多い作品に感じました。
どう読めばいいのか……。
一般的にあまり良くないと言われる「説明しよう」が大胆にされていますが、意外とすんなり読めました。
- 19 猛スピードで触手は (採点:8)
- 心が壊れていく時に、正常と異常の曖昧に重なりあっている領域があって、この作品は、そこがきちんと妥当な心理状態として上手く表現されていると思う。
- 19 猛スピードで触手は (採点:採点なし)
- なにこのセンス。ユニークさでは多分今回ダントツで上位に食いこめるのではないだろか。
文章でこんな遊び方もできるのか、と視野を広げてくれる逸品でした。
- 20 顔 (採点:?)
- 主人公に共感し、こうやって客観的に見られるんだから俺はダメじゃないと思いたい僕がいます。とてもむかつく話です(笑)。
- 20 顔 (採点:4)
- 記憶が改竄されうる場合、何度でも解釈は裏返りうるわけだから、最後に事実が明かされたようにはなっているけれど、実は、何1つ確からしさのない作品になっている。
- 21 雪見酒 (採点:8)
- 面白かったです。主人公の鋼のようなローテンションが良かった。
一番非常識なのは幽霊じゃなくて彼女なんだろうけどw
- 21 雪見酒 (採点:4)
- 二方面作戦が失敗に終わっている。ギャップのある会話を楽しむのか(前半)、種明かしを楽しむのか(後半)。どちらにしても中途半端で、決め手となる一撃に欠ける。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- いい雰囲気がずっと漂い続ける作品。ただ、主人公の彼女が対照的と呼べるほど、キンキンとした自己主張をしないから、全体的に焦点がぼやけてしまっている。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:4)
- 表現するのがとても難しいことを書こうとしていますね。テーマや作品の雰囲気は好きです。なにげない日常の一幕でしかこのようなことを表現することができないので、どうしてもストーリーを組み立てるのが難しくなってしまうと思います。個人的な意見ですけれど、文章が少し説明的過ぎるような気がするので、もうちょっと描写に力を入れた方が良い気がします。そっちの方が表現しようとしていることが伝わるんじゃないかと思います。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:3)
- 文章は悪くないけど、そんなに中身はない。
- 23 不謹神話 (採点:4)
- 中身はともあれ、朗読向きの文章になっていないと作品の意味がない。よくよく声に出して確認した方がいいと思う。歯切れの悪いところが結構ある。
- 23 不謹神話 (採点:1)
-
- 23 不謹神話 (採点:4)
- 決め付け・・・ってどっからどう見てもこの水の神様が諸悪の根源にしか見えないんだがw
- 24 放浪鯨 (採点:5)
- 文章も良くて面白いのに、設定が妙だし唐突だから違和感が。
好きだけど、高い点数をつけにくいです。スイマセン。
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- 読者に不意打ちを仕掛けるために、世界観もキャラクターも随分歪められているなと思った。鯨になるのがアレクセイなら、もっとよく筋が通るのに何故だろう。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:1)
- せっかく優れた観察眼と描写力があるのだから、誇張・歪曲なく、事実だけを忠実に描いて欲しかった。悪意を感じたので、点数が低いです。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:1)
- おにぎりだけか。読んで損した。
- 26 賢人の恋 (採点:7)
- べた甘でかわいらしい作品。これがトレンディドラマなら、中盤、残酷な展開の1つや2つ待っているだろうな。この恋の行く末が見てみたい。
- 26 賢人の恋 (採点:9)
- こういうのってどうやったら書けるんですかね?
- 26 賢人の恋 (採点:10)
- 紹介の部分見たときは痛い人の作品かと思ったが、思いの他まともな作品でビックリした。
これで主人公が幼女万歳な野郎だったら、カス作者が!と罵ってやれたのに。
普通に良いな。あぁ、良いよ。ちくしょう、何も文句が思いつかねぇ。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:5)
- 可もなく不可もなく。とても読みやすい文章だと思います。
ただ、物語としてありそうな内容で、欠点は無いけど高い点数はつけにくいです。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:9)
- はあ……。基本形なんだけど、ここまでまっすぐ迫られると、さすがに少々涙腺に響くものがある。ただちょっと懐古趣味的かな? こんな時代もあった。今もあるの?
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:7)
- 雰囲気が良くでていて、話に引き込まれますね。良い作品です。
でも上級生とのやりとりとかその後の友達との仲良くなりっぷりは少しやりすぎじゃないかあと思います。せっかく「僕」と「女の子」のやりとりで静かでどこか神秘的な雰囲気になっているんだから、それを大事にしてほしかったとです。ドタバタ劇で友達みんなと仲良くなって人と関わることの大切さを理解するっていうのではなくて、もっと些細な出来事が起きてわずかではあるけれど確かな「僕」の内的変化が生じるっていう流れにした方が全体の雰囲気に合うと思います。ありきたりな綺麗なオチにする必要はないんじゃないかなあ。
なんか文句ばかり書いてしまいましたが、それもこの作品に引き込まれたがゆえです。作品自体はすごく好きです。
- 28 腐臭 (採点:6)
- ケータイ小説っぽさが強いんだけど、その線で、結構リアリティがあった。敢えて言えば、どこで歯車が狂ったのか、ということが一切描かれていないのが不満かな。
- 28 腐臭 (採点:1)
- 意味のない切り方にイライラする
- 29 衛星軌道上のありす (採点:7)
- 軌道エレベータというと、昔は胸ときめくSFの舞台だったんだけど、今や百鬼夜行の経路として、象徴的な意味しか持ち得ないんだね。
- 30 はたらくぼくら (採点:5)
- 平凡な日常を朴訥に描いていて、着想はいいんだけど、経験に由来するところが少なくて、相当部分、想像で書かれているのが見透かされてしまうように思う。
- 31 不確定性の彼女 (採点:9)
- 冒頭から推敲ミスがあったような気がするけど、いい台詞が結構あった。女性的な視点のラブコメには不慣れなので、いいように心揺さぶられたよ。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:2)
- 自分の好きなことを詰め込まれたのでしょうが、これでは読者は置いてけぼりです。
終始月並みな印象を受けて楽しめませんでした。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:4)
- 古典SFを下敷きにした作品に今更とてもじゃないけど、共感できない。自分のことを棚上げするけど、もっともっと自分の中で、自分の「伝えたい何か」を磨きましょう。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:1)
- 老婆の「〜じゃ」でひいた。そんな口調の高齢者にあったことねー。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:4)
- 電波系も、ぱっと思いつきのレベルだと全く作品としての体をなさないな、ということを感じた。オチが新鮮ではないのは仕方ないとして、全体の完成度をもっと上げないと。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:7)
- 何やら不思議だが、良い話だった。不思議さというよりも兄の優しさが良い。
- 34 Waltz #2 (採点:4)
- 随分過去に、限りなく透明なナントカって小説があったけど、今更こういうのが、いかれていて格好いいという感じもしない。ちょっと時代遅れの感じがする。
- 35 サプリメント (採点:5)
- 着想は悪くないと思うんだけど、設定を説明している部分が多くて、情景描写が少なすぎるから、設定はわかったんだけど、物語としては楽しめなかった。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:?)
- 縦書きメディアじゃ出来ませんねー(笑)。ちょっと感心した。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:4)
- 着想はいいのに作りこみが甘くて惜しい。ちゃんと作ればいい作品になったかも知れない。これが作者にとって、とりあえず間に合わせてみた2作目だとしたら悲しい。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:?)
- 珍しいスタイルだけど、珍しいだけで終わってしまったなと思った
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:採点なし)
- さすがにこれだけでは、主人公の人生は本文と同じようにスカスカだと嫌味の一つもいいたくなる・・・。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:5)
- 試みは面白いが、やっぱり見にくい。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:5)
- エロゲの一日分のエピソードっていう感じで、悪くはなかったんだけど、点数はそんなに高くはつけられません(笑)。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- 佳作だと思います。主人公が蓄膿である意味があまりない気がしました。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:4)
- 寓意があるかないかと話題の作品だが、鼻濃は鼻かんだって風が通らないし、滅多打ちにされるのは、鼻ではなくて耳なのだ。経験者だけど、共感してあげないよ。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:7)
- 学園祭か、いいなあ。でも生徒とあるから高校の学園祭なんだと思うんだけど、どことなく社会人っぽい台詞回しとか、オヤジっぽい目線とかあって、興が削がれるなあ。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:9)
- popだ。一人称の軽快さが若くていい。深刻じゃないのもスゴクいい。
世界の中心じゃなくなっても、世界を好きで仕方ない感じもいい。
途中のモノ語りにはウンザリだけど、その描写は必要だと思うし、
それを差し引いても面白いから、これに低い点はつけられない。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:10)
- 歌うように、軽やかなフレーズを連ねたラストが、とてもすがすがしい読後感を残す。情景描写も丁寧だし、背伸びしてるボクはとってもキュートで、手ごわい感じ。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:9)
- いいですねぇ。すごくいい!
正直こういったコンペで萌えなんてあるんかいと鼻で笑っていたけど見事にズッキュンボン!と打ち抜かれちゃいました(笑
萌えは置いといて、とにかくうまいなと思います。前半の大西洋のところは少し長いなと感じましたが、期待通り最後が良くて読了後にぐっと引き込まれる作品でした。
- 41 蜃気楼 (採点:8)
- 消えた蜃気楼。つまり主人公は、書かないという選択肢を選んだんだね。何故なら、その先には、力尽きて倒れるか、他人の生き血をすするかの二択しか残っていないから。
- 41 蜃気楼 (採点:5)
- 話の流れは悪くないと思うのですが、前半部分をもっと軽くして、横山さんが助手の手を食べてしまったことが判明したときの「私」の心理をもっと詳しく丁寧に書いた方が良いと思いました。事件の内容のわりに最後の部分の主人公の内的描写が弱いかなと。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:9)
- 面白い。万葉集やシュークスピア(だよね?)と絡んでも違和感が無いし。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:5)
- 難解な情景だけに、文体がリズミカルに畳み掛けてくる感じでないと、読みにくいよ。あるいはもっともっとリアルに描写してくれないと。期待筆力の高いジャンル。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:4)
- 苦手ジャンル。ハードSF志向なのかなと思うんだけど、それにしては、ところどころ設計が軽くて、読み込めば何か得るものがあると信じるに至らない。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:採点なし)
- イトケンのバトルBGMはガチ
- 44 蟲毒 (採点:9)
- 好きな作品じゃないんだが、後味よく読めたので、評価が高くなった。慣れてくると、こういう狂気というものも、自然に表現できるようになるものなの?
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 情景は美しく透明感のある作品。八月水晶は小学生の手柄にしては出来すぎかな。それでそれがやがて忘れ去られるものになるとも思えないな。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- 八月水晶を手に入れるまでの様子だけでなく、それを手に入れてしまったことによって生じた閉塞感や、その後の子供たちの水晶に対する情熱の喪失までを描いているところが良いと思いました。
- 45 八月水晶 (採点:?)
- 綺麗なお話で、着眼点も良かったと思うのですが
ラストがちょっと拍子抜けだったのが残念です。
この話をこのように終わらせるなら
児童文学のように大袈裟な表現で面白おかしく書いてみるとか
このままの文体・表現のままで行くなら
もう少し後のことまで書いて
誰かの感傷を深く掘り下げて書いてみるとかすれば
もっと締まった終わり方になったのではないかと思います。
(あくまでも私個人の感覚では、ですが)
- 46 青空 (採点:3)
- 読者をあざむくための描写の連なりになっているわけで、それはある程度成功しているけれど、読者をあざむく以外に、こういう描写になる必然性がない。
- 46 青空 (採点:?)
- いい感じですね
- 47 光学概論 (採点:6)
- 色々と粗が目立つけど、理想が高く設定されている良作。情景描写もかなり上手い。ただ、プロのカメラマンの観察眼を彷彿とさせるまでには、まだちょっと至らない。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:7)
- 水に落ちてしまったけれども、そのまま水をかいて進んでいくという意味なのだろうか。何かちょっと熱いテンションなのか、クールなのか、焦点の定まらない結末。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:?)
- 2539年の日本語ってこうなのか。いや主人公の言語は日本語じゃないだろうから現代語訳の関係でこうなったんだろう。そもそも2539年の日本語でも現代語訳しなきゃ読めないな。とか、通常はお約束としてスルーされるはずの部分がやけに気になってしまいました。「私」の多用は原文のせいだろうか翻訳者(つまりここでは作者)のせいだろうか。なんだろう、たぶん、書き手がこの話の背後にいるってことが引っかかったんだと思うし、そういう作者のポジションがSFらしさを感じられなかった理由ではないかとも思う。もしかしたら、SFを求めてしまうという読み方自体が悪いのかもしれない、もっとありそうなのは僕がSFを分かってないということですが。
あと2504年という年号と子どもを育てるのを放棄ということの組み合わせに少々違和感が。人類の多くが、という意味なのは理解したつもりではありますが、でも、何十年も前から言われている問題と500年近く先の年号の組み合わせはやっぱりヘンな感じです。漠然とした近未来の話でよかったのでは。その後、政府の対応などについての説明が続きますが、この手の話題はSFでは昔よく取り上げられたものなので、さらっと流しても大丈夫のはず。少々くどい上にいろいろ突っ込みたくなってしまいます。もちろん、なじみのない人への最低限の説明は要るんですが。
柏尾博士という固有名詞もストーリーに係わってこないならいらないと思います。無駄に固有名詞を出すと最初期のSFみたいな古びた感じが出てしまいそうです。
追記:四読目なのですが、人称によって引っかかる感じはなくなりました。むしろ、何故、初読時にあれだけ引っかかったのか不思議です。恐らく、文体に慣れたのと設定・ストーリーが頭に入ったことによるものでしょう。さらに考えてみると、設定を後から出していくタイプの書き方にはもっと違った視点のあり方語り方がふさわしいと感じたのではないかと思います。いろいろ疑問を感じたのは、その引っかかりが何か自分でも分からずいらいらして理由を探したからなんでしょう。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:6)
- 雰囲気はいいんだけど、SFとしての作りこみが弱い。西暦2539年ともなれば、サラリーマンの性とか、メディアの働きとか、もっと色々なことが変わっているはず。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:?)
- 農村の余剰生産力があまりなさそうで、町の人がちゃんと食べられているのか心配です。大丈夫かなあ。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:2)
- 禅宗は法力とかを使わないので注意。「然様。貴族種の脅威をうぬは知るか」は「知らぬか」だと思う。「判ぜず。蓋し皆殺さば事足れり」は文法あってるのかな。ミス多し。
- 51 野辺送り (採点:1)
- 読みにくい。無理に難しく書いているところが多い気がする。かといって、常にその硬さの文章で書ききれているかというと、ところどころ柔らかくて不整合だ。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:4)
- 全体の基調は悪くないんだけど、屋上・幽霊・飛べるかも的な設定は、少々ありふれているわけで、切れ味のいいセリフが何個かないと、印象に残らない。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:9)
- この小説は読みやすいのにもかかわらず、解釈の仕方は沢山あるとても良い小説だなと思います。背景描写や小道具の使い方もうまいなあと。
- 53 体育館を燃やす (採点:1)
- テンプレ通りなのは振られ方だけじゃないと思いました
- 53 体育館を燃やす (採点:7)
- 文章の完成度は高いと思うんだけど、根本的な話、2人の思考があまり運動部っぽくない。特にバスケは団体競技なので、そういう人達の挙動としては違和感がある。
- 54 彼女への笑顔 (採点:5)
- 話としてはいいんだけど、考証が弱い。あるいは踏み込みが足りない。顔と名前が一致しない病気であっても、名札をつければ良いとか、一期一会の精神で臨むとか。
- 54 彼女への笑顔 (採点:?)
- ん〜長編で読みたいお話です。導入部という印象です、はい。
- 54 彼女への笑顔 (採点:7)
- いい話でした
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:3)
- 設定ミス。親父は病院で治療を受けているわけだから、意識があれば、心拍数などに反映される。また、息子が結婚したのなら、孫ができるまで頑張ろうと思うのが普通だよ。
- 56 飛べない鳥 (採点:?)
- 飛べない鳥以外の鳥の心情を想像すると面白い。同じ話の内容のままでかなりいやな話になりそうだなあと思いました。「十五少年漂流記」と「蠅の王」みたいに。
- 56 飛べない鳥 (採点:6)
- 絵本のような物語なんだけど、容量いっぱいまで書き込むことによって、ちょっとクドイ感じが出てきたと思う。オチの部分はちょっとインパクトが弱い。
- 57 夏を見逃すな (採点:5)
- 読んでいて清涼感はあったんだけど、後半のネタはその時見ていたテレビから取ってきたような感じで、安易すぎ。姉妹の会話も、もうちょっとノリきれていない感じだし。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:4)
- 設定は面白いのに、作りこみに費やした時間が少なすぎるようだ。だから、設定の説明でしかないような描写が、ちょっと多くなってしまった。
- 59 プルシャの後裔 (採点:6)
- これで終わりかよ! どう考えてもバッドエンドだけどさ!!
あと、舞台設定にいくらなんでも無理があると思いました。
無理があるけど、それを我慢すればすごい読ませる文章でした。
被差別者だった主人公が傲慢になるシーンとか好きです。
- 59 プルシャの後裔 (採点:2)
- ディディカの心内文で書かれているこの作品は、ディディカが自分の運命を実は自覚して諦観しているという可能性がない。ひたすら後味の悪い、廃人劇。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- リアル猫じゃなくて、劇画猫。表に見える言動はどこまでもすがすがしいが、内面ではひたすら自己陶酔が書かれている。内面からくるすがすがしさならば高評価だった。
- 61 缶コーヒー (採点:5)
- デートと意識するあたりが大人にならない微妙なラインなんだろうなあ。物足りないものはあるんですが、これはこれでいいのかなって気もします。
- 61 缶コーヒー (採点:8)
- いいんじゃないでしょうか。飲み残したコーヒーをそのままにするのはマナーとしてどうかと思いますけど。
学園祭の雰囲気も伝わってきますし、今と昔の温度差とか、そういうテーマもよく書けていると思います。
- 61 缶コーヒー (採点:7)
- 20代前半の社会人がしけた感傷に浸る物語。つくりこみが良いので、点数は高い。缶コーヒーを残しておいて去るところとか、悪くはないが、まだ20代でしょー?
- 61 缶コーヒー (採点:8)
- 24歳の「僕」が過去に接することによって感じた感情が、とても丁寧に描かれていると思いました。そこを評価したいです。
変に過去を都合よく美化したり最後にハッピーエンドを持ってくることなく、冷静でありながらどこか揺れ動いている現在の「僕」の視点がうまく表現されていると思います。
僕が「別の来客によってあっさり無視される昔の卒業生」になってしまうところの先生の使い方はうまいなあと感心しました。
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- 適当さ具合が面白い。ときどき致命的に滑ってるのが惜しい。最後の一行とか。
- 62 5人以内のごろつき (採点:5)
- よく出来たショートショートだが、残念! 無能な街の有力者が会議に拘束されることによって、有能な若い衆がのびのびと活躍できるので、街は良くなるのが正解だよ。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:5)
- 「そして、僕も空に上がった。」の前後の空白にイラッとしました。
あと、同性愛者だからそんなに幸せじゃない、って設定はチープだと思います。
が、それ以外の部分は面白かったです。チェスのシーンが特に好きです。
表現の中にも、参考にしたくなるような、素晴らしいものがあって、
それだけに脱字が目に付いたのはとても残念です。
次の機会に、よく推敲された、違う作品を読んでみたいです。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:6)
- 表現の不器用ささえも、リアリティとして伝わってくる。作品としては、まだちょっと完成度が低いんだけど、作者の日記がこんな感じで書いているなら、読んでみたいよ。
- 64 花盤 (採点:8)
- わざとエロく書いたり、言葉使いに誤魔化されてる気がするけど、色々と思うところはありました。
色々と考えさせてくれる読み物はいい読み物だと思います。
あと、このままだとただの百合話にしか見られないでしょうけど、
これに男を一人参加させてみると、もっと面白くなりそうですね。
- 64 花盤 (採点:7)
- 描写は耽美(耽美っていうの?)で美しいんだけど、人物のつくりこみが浅いかな。ジャンルに疎いからステロタイプかどうかも良くわからないし……。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 良作だと思います。ただ、ピアノの描写がぞんざいな気がしました。
あと、音が聞こえすぎると耳の中を流れる血液が、滝壺のように聞こえるそうですよ。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:6)
- 好感の持てる意欲作。ただ、音に対する描写のこだわりが弱い。常に音が意識されるように聞こえてくる作品なら、それは世界観といっても良いのだが。
- 66 サルベージ (採点:7)
- 「家庭を持てば責任感が芽生えてくると思うぞ」かぁ。厳しい台詞を持ってくるなあ。もうちょい頑張って推敲していたら、そのうち神が降りてきたかも知れない作品。
- 67 純 (採点:7)
- あううう。変な世界に誘惑するなあ。ちょっといい感じかなって、うっかり思ってしまう。理性的に反論しよう。うーん。まあ、いいか。やめておこう。
- 67 純 (採点:?)
- 掌編じゃなく長編として読みたい作品だったなぁとか。
- 68 七夕 (採点:?)
- 冒頭部、編集して改行を付け加え読みやすくすることが出来ると思います。その不徹底が残念。実質的にも分割不能の一文だったら興奮したと思う。でなければ、意味のとれるラインととれないラインを揺らぐか。分かりにくい部分→分かりやすく解題、の流れは不安と解放とがあってよかった。あと視点がどこにあるのだろうという疑問の解放も。いい話。単語の取捨選択はもう少し洗練できるような気がする。
単純にいい話、と書いたけど読み進めるうちにどうやら観察者=弟のように見えてきて、そうだとするとなかなか凝った話のようです。いま読み返して考え中です。ONEかな、と思うのですが。読みにくく書いたことにストレスと解放以外の意味があるんだなあと。
この話、読みにくいのはたぶん文章の問題だけじゃなく、内容もかなり難物だからのように思えます。文章と対応するようにかなり内容を揺らしてある。むしろ、文章の難度の方が低いみたい。実は過去と現在のあいだでモード移行がある部分を色分けして読んだんですが、うまく分けられませんでした。
冒頭部について言ったこと訂正。どうもこれ読む快楽的なものじゃないですね。幽玄の境の場所。床に書かれた文章を読むうちに読んでいる今と書かれている過去が曖昧になってくる。と、ちゃんと意味がありました。文字の姉が動いている姉にモード変換するシーンはかなりぞくっときます。
翌日が7/7で雨。つまり会えないというタイトルかなと考えてみました。
弟は観察者ではない。これが一番基本の形ですね。だが、ここでは個が曖昧になり、観察者は弟でもある。時には姉でもある。そのうえ、弟は観察者でもある。たぶん、ここに読者も巻き込まれる形になってるんでしょう。というのも恐らく読みにくく意味の揺らぐ文章は観察者が記憶を再現する困難さを読者にも共通体験させる試みのように見えるからです。観察者と弟という観察者被観察者の混交は読者と文章内容という観察者被観察者の混交も意味しているように思えます。これがもうちょっと踏み込んで曖昧になった形。たぶん、話に書かれてるのはここまでだと思うんですが、どうしても観察者が弟のその後である物語を作ってしまいたくなります。どうも我ながらえいえんの世界に引っ張られすぎてるのは感じますけども。という、僕もこの話の要素の一部なんでしょう。だから、作者さんには勝手な妄想も許してもらえるはず、とそんなことを感じます。
追記追記を繰り返して、もはや苦闘のあとそのものになっています。きれいにまとめられなくて申し訳ありません。
- 68 七夕 (採点:2)
- 趣向はいいんだけど、文体にある種のオーラがないと、こういうのは成功しないと思う。でもところどころ言い回しは参考になった。文章練習帳みたいな感じ?
- 68 七夕 (採点:1)
- もし、人類が滅亡して自分独りになったとしても小説を書き続けられる人がいるとしたら、それはきっと貴方の様な方なのでしょう。
ある意味、物書きの理想の姿です。
- 68 七夕 (採点:採点なし)
- 過去こんぺにあった饗宴以上の怪作ですね。とりあえず以上です。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:?)
- いろいろ思ったことはあるのですが、それはもはやどうでもいいとして、いま考えていることは話題についていく為に普段読まない見ないようなものをわざわざ手に入れてみることの是非とかになっています。10年後の自然な出会いを期待する、とか現状はそんな気持ちです。というように考えることがどんどん外へ外へ行ってしまい、何だか思い切り話に絡め取られているような気分。もう少し楽に消費させて欲しかったなあ(笑)。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:7)
- いわゆる怪文書(笑)の類の作品だと思うのですけれど、なかなか楽しめました。
3番の途中あたりからついていけなくなってしまいましたが、1、2番は良かったと思います。この手の作品は点数化するのが非常に難しいと思いますが、テーマがある程度はっきりしていた点とそれに対する考察の面白さを評価したいと思います。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:?)
- 非常に難解な言葉で綴られたこの作品。
あまりに難解すぎて部分ごとの意味が汲み取りきれないところもありましたが、全体を通してみるとおぼろげにテーマが透けて見えたように思いました。
こういう作風はコンペという場では評価されづらいものではないかと思いますが、一物書きとして考えさせられることもありましたし、私にはまず書けない形なので羨望の意味も込めて高めの点数にしました。
- 71 幸せの処方箋 (採点:9)
- エヴァレット解釈って、初めて知った。つまり、泡のように消えてしまう世界であっても、束の間、1つの可能性として存在しうる現実ということなのかな。せつない……。
- 71 幸せの処方箋 (採点:5)
- 実は弟がいたんだってところまでは良かったと思います。
ただ、それ以降が説明的すぎるし、正直難しくてよくわからなかったです。
「コペンハーゲン解釈」というものを小説に取り入れること自体は面白いと思うのですが、その単語自体を登場させるのはちょっと違うのではないのかなと思います。その概念を、厳密に説明しなくてもいいから、わかりやすい言葉で読者に説明することが大切だと思います。
ただ、僕の理解力がないだけかもしれません。生意気なこと言ってすいません。
小説を通して作者が表現したいことがあるんだなということはひしひしと伝わってきました。その姿勢はすごく評価したいです。後半部分を理解することができたらとても良い小説になっていたかもしれないなと思います
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:4)
- 雰囲気だけで終わられても困る。
雨に濡れることで昔を思い出した、ってのは好みですけど。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:5)
- 「どこかなつかしい、やさしく静かな情景」っていうのはわかるよ。でも、それをそういう風に説明しないで、もっともっと描写で伝えて欲しい。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- 2ちゃんで見た。
- 73 あかんぱにい (採点:6)
- 全員狂っているという設定なら色々思い浮かぶんだけど、実現可能な線で考えると、インコを肩にのせた貴婦人っていうオチかな。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- アイデア勝負ってことなんだと思いますが、これはそもそも小説と呼ぶことはできないと思います。
- 73 あかんぱにい (採点:採点なし)
- ケータイで打って投稿したと推測
- 73 あかんぱにい (採点:3)
- IRCの某チャンネルで見たなこういう作風の人。その人は裁判官と障害者の押し問答とか、学会で俺TUEEEしてる学者の話を書いてたんですが。
多分別人だと思いますが。これはこれで独創的な作品ですな。いい意味で。
- 73 あかんぱにい (採点:2)
- 出オチ
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:?)
- あっはっは。このアメリカンテイストいいな(笑)。
お、オチがあるよ。オチの内容というより、オチがあることにびっくりといった感じです。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:4)
- 前半、ヴァンパイアの描写があるが、これはヴァンパイア=人間とした場合にも整合性がとれるのかな。後続の種族は散弾銃まで持っていながら、人間とは違うというのか?
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:6)
- こんぺ作品というより、ラーメン屋で手に取った普段読まない週刊誌に連載されている掌編かコラムかを読んでいる気分になった。雰囲気はいいけど、オーラを感じなかった。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:7)
- 絶妙の語り口から生まれたのであろう作品全体の雰囲気が良かったと思います。
そのおかげですんなりと入り込めました。
- 76 シャーベット (採点:8)
- 何かこういうの読むと生き返るなぁ。キャラがとっても魅力的。屈折しながらも、悩みながらも、2人の心が重なりあっていうのは素敵だね。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:6)
- あたたかい作品だなーって思った。でも、設定に随分凝っている分だけ、知花・エルメスのキャラの魅力が十分描ききれないまま、終わってしまった気がする。
- 78 音響室B (採点:6)
- リアルに学生なの。それとも院生? 自然体でいいですね。ちょっと自然体すぎる感じもするけれど、すがすがしい気持ちになった。大学生活を満喫してね。
- 79 ユメオチ「 (採点:6)
- タイトルの 「 はワザとかw
最後から4行目の ……寝坊した」 に繋がるんですかね
夢と現をゴチャゴチャにする手法としてはものすごい安易で、
幼馴染が起こしに来る云々も辟易する設定で、全く評価できないけど、
読後感が良いし、面白かったからどうでもいいや。
- 79 ユメオチ「 (採点:6)
- 単体でいうとオチは面白かったんだけど、パーツパーツがありふれているから、もう1つ2つ何かインパクトが欲しかった。でも瞬間的にこういうのが作れるならすごい。
- 80 リング (採点:6)
- 安易にあからさまな恋愛を持ち込まなかったのはいいと思います。
だからお見舞いにはチームのみんなで行って欲しかった。
それと、水城の「父親が死んだ」発言も唐突に思えました。
あと、「眺めの助走」てw
- 80 リング (採点:7)
- 描写は丁寧でとても良くて、過不足なくて、完成度は高いんだけど、奥山杯争奪サッカー交流会というのが、ちょっとインパクトに欠けるイベントだった。
- 81 ずっとずっと前から (採点:7)
- お幸せに、というか、それくらいしか言葉が出てこない(いい意味で)。
- 81 ずっとずっと前から (採点:?)
- とってもいい小説でした。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:?)
- タイトルがとてもいいです。出来れば本文もこの感覚で行ってもらえると嬉しかったんですが、どうも中途半端な文体・書き方になってしまったような気がします。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:5)
- 同姓愛というのはいいんだけど、それだけでなくて、ちょっと病んでいる感じもする。これでちゃんと救われているんだろうか。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:9)
- すごく良いと思いました。
これくらいの長さの恋愛小説にありがちな単なるのろけの描写に陥っていないし、心理描写も安易にではなく、とても丁寧になされているなと感じました。
「正常によってしか幸福になれないのなら、私は異常で不幸せでもよかった。」
このセリフ、前半部分が少し変な気もするのですが、主人公の強い意志が感じられてすごい好きです。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:採点なし)
- 調教して洗脳して無理やり振り向かせる愛・・・形どおりの愛を求め相方をそれに押し込めようとする彼女らの行く末は破滅しか思い浮かばない。
・・・適当に言ってみました(マテ
TO BE CONTINUE・・・(ぉ
- 83 変わった趣味の男 (採点:6)
- こ、これは、シュールで、怖いな……。私のアパートの階下にも、比較的やすこさんらしき人物がいるわけなんだけど、先に呪いを仕掛けたほうがいいかな。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:7)
- あいたたた……。うーん、でも、痛い作品の割には、結構おさえるとこおさえてるよなあ。ちかちゃんの転落の様子や、そしてついにどん底っぷりな様子が妙にリアル。
- 85 童話 (採点:6)
- 売れない絵本作家というと、これは絵になる作品なのだろうか。血を吐き、倒れていくウサギ達。凄惨だなあ。
- 86 NEET (採点:5)
- 自然体なのはいいんだけど、やっぱりちょっと元気がないというか、覇気のない感じ。例えば、書きたい小説の粗筋くらい明かして欲しかった。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:6)
- 細部の描写へのこだわりとかが弱くて、非常にもったいないなと思うのだけれど、台詞回しとかに光るものがあった。
- 88 探偵は誰だ? (採点:5)
- マッドサイエンティストか……。でも、論文書かないと功績は認められないし、やっぱり死んでしまったら意味がないよね。
- 89 午睡 (採点:7)
- 青木淳悟の『四十日と四十夜のメルヘン』を思い出した。
初代バイオハザードの「かゆ うま」も思い出した。
最初の頃の、自分に酔ったような饒舌が無くなっていくのは悲しくて、
彼がワケのわからない、遠いところへ行ってしまった感じがしたのはイイ。
ただ、その理由が記憶障害というのは、あまりにも凡庸すぎて白けた。
- 89 午睡 (採点:5)
- つくりこみが弱い。淡々と書かれているのは良いが、それにしても何か、胸に響く要素が何点か組み込まれていたら良かったように思う。
- 89 午睡 (採点:4)
- うーん、テーマも好きだし構成も良いと思うんですけど、なんか全体としてはいまいちな気がしました。後半部分が説明的すぎるような気がするからかもしれません。
誰に手紙を書いているのか、またそのときどんな気持ちで書いていたのかを覚えていないんだったら、さりげない描写でそれを強調するような書き方をすると良かったのではないかと思います。
- 90 R・P・G (採点:2)
- そもそもド●クエに神の声がいるイメージがないんですけど。
- 90 R・P・G (採点:4)
- 神視点の活用法は面白かった。ただ、魔王相手に1対400なら勝てるというのは、RPG的には説得力が薄い。結構そこは根幹に関わるところだと思う。
- 90 R・P・G (採点:?)
- 短くまとまっていて、読者視点に飽きずに読みきることが出来た。うまい。
- 90 R・P・G (採点:採点なし)
- なにこの、なにこの王道RPG。こう神視点をメインに持ってきて語らせるっていうのは新鮮ですね。
- 90 R・P・G (採点:4)
- アイディア勝負だな
- 91 鈴の音 (採点:6)
- 思い出は確かに美しい。実態は、20代の元気のない社会人が幼い頃を思い出して、感傷にひたっているだけなのだから、読み手としては得るものが少なすぎる。
- 92 神の子 (採点:7)
- 重厚な文章で読み甲斐があります。
最後がちょっと拍子抜けですが。
- 92 神の子 (採点:7)
- 宗教的な作品だ。神の社と呼ばれる大穴も、時折立つという光柱も、そういった設定はよくできている。ただ主人公の描写が弱く、超越した存在として感じられない。
- 93 妖精離れ (採点:4)
- 物真似っぽい文章ではないから、自分なりの文体をいずれは目指すのだろうと思うのだけれど、まだまだ練りこまれていないような気がする。
- 94 Eternity (採点:3)
- 面白かった。エロゲっぽかった。が、しかし、そんなに難しい文章の作品ではないので、もう少し、誤字脱字とか、漢字で書いた方がいい所とか、校正した方がいいと思うよ。
- 94 Eternity (採点:?)
- ちょ、まて
- 95 何かの間違い (採点:8)
- マッドな妹と、その性状を知り尽くして、なお爽やかな兄。オチを楽しむ作品中では、一番楽しめた。しかも萌え要素あり。
- 96 走るッ! (採点:3)
- 走ってる設定なのに喋りすぎだろw 余裕があるってレベルじゃねーぞ。
この設定でコントなら、中心はスラップスティックじゃない?
- 96 走るッ! (採点:5)
- 勢いがあって楽しめたんだけど、セリフ回しが、全体的に同じ系統で、強烈な奴があんましない。
- 96 走るッ! (採点:6)
- すがすがしいですね。話の内容というより全体の雰囲気が良かったです。
- 96 走るッ! (採点:?)
- おもしろいっす
- 97 やさしい猫 (採点:10)
- きちんと設計された、完成度の高い良作だ。カナエさんの魅力がよく発揮されていると思う。今回のこんぺ作品の中で、一番魅力的な人物。
- 98 足跡 (採点:5)
- もうちょっと行間がないと展開が平坦になるのでは
- 98 足跡 (採点:5)
- あう……。よくできたショートショートだと思う。ただ、最後に死んで終わるオチだと、途中が斬新でも、「あ、死んで終わるオチね」としか印象に残らない。
- 99 繋がっているものたち (採点:6)
- 少し文体や表現に??なところはありますが
ドラマっぽくてキライじゃないです。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- ちょっと軽い感じ。日常系なのはいいんだけど、逆にいうと、実際にあったことを少し脚色して書いたような、そのくらいのエピソード。
○匿名希望(25、リーマン) さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- 文章にもうちょっと間があると笑えるのかなと思いました。笑いを作ろうとしていたのかはわかりませんが、ひたすら続くナンセンスのイメージに笑いを感じました。すべっているように思えますけれども。
描かれる事柄に落差とか対比があれば、あるいはイメージがもっともっと豊富になったのかもしれません。
- 02 寒太郎 (採点:2)
- 二十七歳独身フリーターのリアリズムが感じられなかったなあと思いました。もっとリアリズムなんて深く追求しなくてもいいとは思うんですが、後半の回復具合を描くためにも、もっと追い詰めた状態で始めても良かったのでは、なんて。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 恋愛のドラマには二人の関係を進展させない、意地悪なくらいにひたすら停滞させるという作劇が必要だと思うのですが、これは恋愛小説というわりには二人の関係に結論が出てしまっていて、関係を楽しむというところまでは至っていないように感じられました。
でも茎を折る白い指というイメージはエロくて素敵だと思います。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:2)
- どこか感傷的な前段に比べて、後段は雰囲気を出すための説明に成り下がっているように思えました。
- 05 ウミに漂う (採点:4)
- 携帯画像のことで詰め寄る場面はかなりいい出来だったと思うのですが、全体がどうしても散漫になっているというか、詰め込み過ぎかな、と。
ただ、その一方で文章が冷たいというか、他人事のように描かれているように感じられ、ふっと始まってふっと終わるような、味気なさがありました。
- 06 下手れ (採点:2)
- 「俺」の一人称である以上、「俺」についての話になってしまうのは仕方ないことなのかもしれませんが、美沙の告白が唐突で、ここで躓いてしまいました。
もう少し彼女についての描写があれば、すっきりしたのかもしれません。もっともただの説明になりかねないので難しいところだとは思うのですが。
>一ヶ月ほど前に、弘樹がうざいくらいのテンションで報告してきたのだった。
あるある(笑)
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:1)
- おそらくは前半よりも、後半の掛け合いが眼目であると思うのですが、そこが全くおもしろく思えず、この点数です、すいません。
せりふばかりで進んでいくので、何が何だかさっぱりわかりませんでした。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:1)
- 題名には前田司郎的な良い意味でダメな雰囲気があったのですが、読んでみると、全く違った。というか、小説としての旨味とか面白味があまり感じられず、楽しめなかったというのが正直な感想です。
- 09 茜色の先 (採点:4)
- どこか童話的に描いているのは意図的だと思うのですが、そのせいで終盤の展開が緊迫性も切実さもないものになってしまっているような印象がありました。揺さぶられるような文章がない。
野田秀樹の「赤鬼」が先行作品の一つであるのではないかと思ってしまうのですが、あの戯曲にあった強い揺さぶりはこの小説にはなくて、それが残念でした。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:2)
- さんざん引っ張った結果、これというのは少し拍子抜けでした。ビジュアルイメージとしては鮮烈なのかもしれませんが、文章としての表現がわりとあっさりしていたかな、と。もう一声描写を続けてくれたらなって思いました。
- 11 準備 (採点:4)
- 悪くはないと思うんですけど、「地上300メートルの大タワー」のガラス窓は体当たりとかそれくらいで割れるものじゃないと思うんですよ。派手なのはいいんですけど、「それはねーよ」と思わせてしまうのはミスなのかなって思いました。
ショートショートとしては楽しめました。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:2)
- どこに焦点を絞るのかという部分が曖昧で、それぞれのエピソードがまとまらないまま終わってしまったという印象です。意地悪なことを書けば、書きたいシーンだけを書いたのかなとか思ってしまいました。
あと、題名負けしている気がします(笑)。
ただ、
>「ふたりがペッティングしているところはみました」
これには吹いた(笑)。
- 13 立入諌止地点 (採点:3)
- バランスが悪い気がしました。視点の変化を使ったミステリでいくか、「僕」の心情や警官の存在を中心とした現代劇でいくか、どちらかに絞った方がすっきりしたのではないかと思います。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:7)
- 過去に何があったかの部分を明確に分けて書いてしまっているから、幻想小説っぽさが損なわれてしまっているように思えました。しかしながら、ひとつのジュブナイルとしてはおもしろいと思いました。
ただ、宇宙に関する描写とかせりふが多く、それが本編とあまり深く結びついていないので、そこはちょっとどうかと思いました。くどい。
>「復讐ってとこが、ロマンからは、致命的に遠過ぎる」
このせりふがあったことは、とても良いことだと思いました。このせりふでこの小説自体が救われているように感じます。
- 15 嫁嫁パニック (採点:3)
- 読んでて疲れる(笑)。
何度か読み返しながら、笑いをどうつくるかということを考えていたのですが、ここまで速射するのはどうかと思った(笑)。笑えるギャグもあるのですが、すべっている部分もかなりあった。だから疲れる。ただそれは読み手の捉え方なので、しょうがないとは思うんですけど。
つくづく笑いは難しい。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:4)
- 途中までの描写の連続は良かったと思うんですけど、後半になってからの説経臭いというか説明っぽい文章が幻想性を損なってしまっているように感じられました。
でも最後でどうにか持ち直していたので、そこは良かったと思います。
- 17 キラーデイ (採点:2)
- ライフルを持った殺し屋の女の子というキャラが前提としてあったと思うんですけど、そこで終わってしまっている気がします。だから、読み物としてはあまりおもしろいものではありませんでした。また、魅力のあるキャラだと思えるほど豊かな造形でもなかったように思えます。
- 18 じれ☆んま (採点:2)
- 二つのどんでん返しが待っているわけですが、あるのはその驚きだけで、小説としてのおもしろさがほとんどないように思えました。ショートショートとしては、おもしろい仕掛けだと思いますが、中盤あたりまでの説明が長く多すぎて、読んでいてこれはどうかなと首を傾げることが多かったです。
- 19 猛スピードで触手は (採点:5)
- このB級怪奇小説的なテイストは嫌いじゃない。題名と書き出しでうんざりしていたけれど、後半になってどんどん良くなっていった。この嫌な空気(笑)。
それにしても、「母」の時点でおかしな題名なのに、「触手」になると素敵にカオスですね。
- 20 顔 (採点:6)
- よく見かける女に違和感を抱き、追いかけるというのはよくあるホラーのパターンで、この小説も嫌いじゃない(笑)。ただ言葉がかなり飾られているので、リズムが出ていないように思えました。
あと、あれだ、スメルとかアセトアルデヒドとかのカタカナ語が文章中から浮いているように思えました。これは怪談の雰囲気を壊しているんじゃないかな、と。
>引き寄せてその貌(かんばせ)を覗き込んだ。
何でここだけルビふってあるんだろうってとても疑問でした。もっというと、ちょっと冷めた。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- 掌編としてうまくまとまっていると思いました。小説全体が主人公のように落ち着いた雰囲気で、読んでいて安心できるというか(笑)、いいなって思った。だからこそ、時折出てくる固有名詞が浮いてしまっているように感じられました。時代の感覚を出そうとしているのはわかったのですが、ちょっと残念でした。
- 24 放浪鯨 (採点:7)
- これはいい幻想小説ですね。たぶんガガーリンとレオーノフをモデルにしていると思うんですけど、「こうだったかもしれない」というように書き直しちゃうというのは、小説の可能性の一つだと思います。
ただ、この文体と主題なら、もうちょっとロマンティックに突っ走っても良かったかなとも思いました。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:2)
- 言葉の選び方とか文章そのものに意思が強く出てしまっていて、それは表現としてどうかと思った。もうちょっと抑えて、書き手の目線をなくすようにして書かないと、モンドとしては成り立たないんじゃないかと。演出が大袈裟な気がしました。
あと、最後はほとんどナンセンスの笑いに近くて、それまでの部分とかけ離れてしまっているような印象がありました。それもどうかと思った。
- 26 賢人の恋 (採点:2)
- 笑えない……。
こういう小説の場合、キャラをどれだけ魅力的に書けるかということになると思うんですけど、この小説では類型的なキャラクター造形に留まってしまっていて、今一つ力強さがなかったように思えます。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:3)
- 全体として、悪くはないと思うんですけど、雰囲気だけ小説のような印象がありました。悪くはない雰囲気だけに、困ってしまうところなのですけど。
中盤あたりのせりふはもうナチュラルに書けたんじゃないかと思った。
- 28 腐臭 (採点:3)
- 悪くはないと思うのですが、全体が段取りっぽく思えてしまって、どうにも小説世界にのっていけなかったです。文体と構成のせいだと思うのですけれども。もうちょっと緩急があればな、と。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:3)
- メルヘン的要素が小説全体から浮いてしまっているように感じました。別に主人公だけがいれば、それで良かったのではないかと思いました。
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- いわゆる新歌舞伎を観るときによく「ダメだなあ」と思うのは、暗転による場面転換が多すぎることだと思うんですが、この小説でも場面の変化が多く、しかもかなりダイレクトな形になっていて、それはどうなんだと思いました。
映像的にカット割りを考えて作っているように思えるんですが、やはりそこを小説として処理して欲しかったなと思います。
- 31 不確定性の彼女 (採点:2)
- ところどころなのですが、地の文もせりふも説明臭くなるところが多くて、それは小説として致命的にダメだと思った。もう少しくらいは人間の生理の部分が出ていても良かったのではないかな、と。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:4)
- 最後のパートが良かった。人物の心情がいい感じに文章に合っていて、そこが好みでした。
- 34 Waltz #2 (採点:8)
- 焦燥感に満ちたような文章がとても良いなと思いました。行き場のなさみたいなものがあって、すごい好みだった。途中のせりふ(「腐った〜」というところ。)はもう少しナチュラルなものにした方がもっと良くなったかもしれません。
後半改行が多くなるところはさほど効果的とも思えず、ちょっと残念でした。
- 35 サプリメント (採点:2)
- 最後に希望が提示されているわけですが、書き方が蛇足っぽくて、カタルシスには至っていないかなと思いました。この手の掌編はオチがキモになると思うんですけど、あんまり決まっていないかな、と。
あと、人物の心理が薄い感じがしました。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:3)
- ベタだけどそんなに悪くはないと思いました。これがだらだらと続くと困るんですけど、短くすっぱり終わっているところが良かったです。
主人公はいいバカですね(笑)。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:3)
- 途中までは青春のひとコマとして悪くはなかったんですけど、説明的なせりふばかりになる終盤はちょっと退屈でした。
- 41 蜃気楼 (採点:5)
- やろうとしていることは悪くないと思うのですが、どうにも演出力不足といいますか、中途半端なまま終わってしまったなあという印象です。
「私」をメインに置くのなら、この後の顛末こそ描かれるべきだと思いました。インパクトのある主題になるので相当の覚悟が必要だとは思いますが、もう少し踏み込んでもよかったかな、と。
- 44 蟲毒 (採点:5)
- タイトルが意味深過ぎる……。殺人犯同士が殺しあって、最後に残るのはって意味なのでしょうか。嫌だなあ(笑)。
ゲームの要素が入ってから、途端に物語の精度が落ちたというか、それまでがいい雰囲気だっただけに、ちょっと残念でした。
- 45 八月水晶 (採点:7)
- この文体が完全に作者さんのものになっている、といえるほどの精度はないと思うんですけど、かなりのものであったと思います。最初の一文がいいし、ところどころかなり過剰な出来事が起こっているようですが、それをさも当然のように書いているはったりっぽさが素敵です。
よりルポっぽい文章の正確さと冷静さと距離感があればもっとよかったなと思いました。
- 46 青空 (採点:5)
- ミスリードのさせかたにカチンときつつも、生きてたんだ、良かったなあとも思ってしまいました。いいショートショートでした。
>「凪人、今、どこにいるのかな……」
ただ、これは生きてても死んでてもなんか不自然なひとことだと思います(笑)。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:5)
- 熱いな。
読んでいて、「飛んでくれればいいな」と思わせた時点で作者の勝ちだなって思いました。かなりのテンポで進みますが、置いてけぼりになることがなかったのが良かった。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:2)
- この上限の中で設定の説明をしようとすると、どうしても無理が生じてしまうと思います。逆に最後の方は良かったと思いました。上限と全体のバランスを考慮したうえで、構成を考えれば、もっと良くなったのではないかと思います。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:4)
- こういう雰囲気は好きだなあ。雰囲気だけっぽいけど(笑)。そこが惜しいです。
この文体、空気でだったら、もっと良い青春小説を書くことができるのではないかなって思いました。
- 53 体育館を燃やす (採点:3)
- 燃やすことの理由を書いてしまった時点で、この小説は青春小説として、もうダメだと思いました。雰囲気とか、題名とか良いと思ったんですけど。理由ではなく衝動が優先されるべきなのではないか、と。
で、実際に燃やさないのはどうなんすかね(笑)。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:6)
- 三番目の後半くらいの文章がとにかくいいなって思えました。叙情的というか、何だろう、感覚的なものなのでうまく説明できないのがもどかしいのですけど(笑)。
でもこの短さでは、ボルヘスとの対峙は難しかったのではないかとも思います。全体的に詰めきれていないかな、と。特に対談のところですけど。
○晩多々公雄 さん
- 21 雪見酒 (採点:8)
- 文が上手だ。オジサンが出てくるあたりから台詞が多くなってきて緊張感がややゆるくなっちゃう気もしたけど、その後の怪奇気味なドタバタも楽しく読めました。こっちの勝手な感想だけど、諸星大二郎のマンガ読んでるみたいだった。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- UKロックな感じでかっこよかったです。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- 鼻汁の描写が気持ち悪くてウェッてなった。結末もほりっぱ。でもそこが好き。文体も硬くない感じで、お話によくあってたと思います。これって怪奇小説?
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:7)
- 主人公の意識がいろいろな場面を流れていくさまがとても素敵でした。元ネタぜんぜんわからんかったけども。一つ一つの場面の状況がちょっとつかみにくかったのと、最後の最後で”1/fゆらぎ”つーよくわからん単語が出てきてちょっと萎えちゃった(まあこれは俺が知らないってだけだけど)。それがなけりゃもっと高得点いってた。もうちょっと長い尺で読みたかったです。
- 47 光学概論 (採点:7)
- 地味なお話なんだけど、風景も細かく丁寧に描写されていて、すごくよかったです。
- 51 野辺送り (採点:9)
- 文がうめー。ぞっとするような野辺送りの描写がすげーよかった。唸った。最後の主人公の救われっぷりが唐突に感じたから、一点減点しました。それ以外は完璧。
- 53 体育館を燃やす (採点:9)
- やるせなくってせつなくってすごいよかったです。
「なんでこうも大事な物ばかり、なくなっていってしまうんだろうな」
っていうせりふでぐっときた。
- 59 プルシャの後裔 (採点:10)
- 作者さんはきっと性格のくろーい皮肉屋さんなのだなと思いました。最高。頭がぐらんぐらんする。
- 64 花盤 (採点:10)
- 百合! 百合! 耽美!! 堪能させていただきました。
なぜかせつなくて泣きそうになる。俺男なのに。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:7)
- 「緑が二酸化炭素を吸い込み〜」からはじまる一段落、これまで主人公を苦しめていた異常聴覚の性格がくるりと反転し、己の意識を世界に溶かしていく重要な触媒としてはたらく、そのさまがとてもきれいでした。全体的に駆け足に感じたのが残念です。好き。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:7)
- 大人になるにつれ幼児的全能間は失われ、世界は段々と狭っ苦しくなっていきます。それが逃れられないことだとわかっていても、逃避したくなるときもある。
衝動的に立ち寄った場所の見知らぬ風景の中に少年時代の空気を感じ、失った全能を垣間取り戻したかのような清い経験をする、日常に倦んだ心がちょっとだけ浄化される瞬間をすぱっと切り取った作品だから、分量もこのくらいでよいのかも。でも他の作品も見てみたいです。これが内なる自己との邂逅を求め日々心の闇と格闘する芸術家が、己の日常の沸点から抽出した作品なのか、それとも倦んだ日々に疲れた本好き社会人が戯れにネット上の小説コンペでふと漏らした溜息が、たまたま僕の心と共感して美しいと感じただけなのか、判断つかないから。
なんかすげーすげー大げさな感想になっちゃったけど、それはこのお話が気に入ったからということで。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:6)
- プロレス詳しくない自分でも、文のテンポが良いせいかすっきりと読めた。でも主人公と金本の確執、マックの心象の描写がちょっと足りなく感じた。
よくできてました。こういうジャンルはあまり読まないけど、面白かった。
- 91 鈴の音 (採点:7)
- ひでーロリだなこれはwww
作品にのっぺりと張り付いた気持ちわるーいピュアネスが最高。テストがふわふわ飛んでいくところの鈴ちゃんのせりふがすごくよい。あの場面だけに7点贈答。
○風美鳥 さん
- 56 飛べない鳥 (採点:10)
- 真っ直ぐで、綺麗で悲しくて、とても優しいお話。
最近、捻りや仕掛けを凝らしたものが良い作品、みたいに思いがちだった自分に、がつんと来ました。
このお話を読めたことに感謝を。
○碧郎 さん
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:8)
- きっかけを掴むお話。
人生で一番か二番に、難しいことですね。でも大切なこと。
- 46 青空 (採点:5)
- 論理的にちゃんと整合しているお話で、その点、とても評価出来ます。
ただ論理的整合性を採用した結果、オチに首を捻る結果となりました。
難しいですね、このあたりのバランスは。
- 54 彼女への笑顔 (採点:4)
- 物語は難しいなあ、と考えさせられました。
シーンとしては極めて良く書けているし、この物語
に至るまでの日々も見えてくる。
だけど、もう一歩何か欲しいと思ってしまうのです。
なんなんだろう、難しい……。
- 61 缶コーヒー (採点:6)
- 今回の掌編で、初めて読ませて頂いた作品です。
なるほど、20キロでここまで書けるのか、と感心しました。
文章自体も、非常に丁寧で練りこまれていると思います。上手い。
ストーリーは良い意味でも悪い意味でも王道で、ほっとすると同時になるほどなあ、と言う感じになります。もう一歩何かがあれば、と感じました。その何かが何なのかは、僕にももちろん解らないのですが(^^;
- 67 純 (採点:2)
- オチがあれば……と思います。
○磨鉄屋 さん
- 02 寒太郎 (採点:10)
- 普通に涙腺が緩みかけてしまった。好きですこのお話。
いいお話でした。好きです。
軽快な会話もとてもよろしいです。
別れの筆談シーン〜ツンデレごっこまでの展開はマジで神。
ステキ過ぎました。
ところで、MVPはツンデレごっこを教えたまっつんですよね?(笑)
第2回のてるてる坊主の話に似てるなと思いました。それにコメディ色を強くした感じ。
- 03 GONSHAN (採点:6)
- なかなかに雰囲気が出ていた良かったと思います。
- 06 下手れ (採点:6)
- 普通に良かったですが、それ故に普通の枠を飛び出ないというかなんというか、そんな感じです。
この種の話では、流れとかかなりうまくまとまっているのは好感触ですが、それまでと言えばそれまでであり、私としてはやっぱりちょっと面白いよりだけどなんか足りないなの6点を差し上げることしかできないわけです。
タイトルはマイナス印象な気がします。別のタイトルつけるだけで印象が変わるような気がします。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:8)
- この兄妹の会話とってもおもしろかったです。
それだけでかなり面白かったんですが、これより上まで点が伸びないところをあげてみます。
まずは、この話の魅力はこの兄妹の軽快なノリですよね。
だからこそなんですが、この変な冷蔵庫とか中に閉じ込められた人外とか出す必要あったんですかね?
最後まで読んでも、その謎が解けるわけでもないですし、意味あるのかなって。
いや、多分二人に無視されて「おーい」ってな感じになる第三者が欲しかったってことなんでしょうけど、逆に言えばそれだけにしか感じられなかったのが残念です。
あと、単純に会話おもしろいけど10点あげれるくらいに面白いとまではいかなかったということです。
でも、上手く内容を作ればもっとのびしろがありそうだと思っただけに残念です。
よくわからないんだけど。妹の一人暮らしのはずがなんで、兄の苦労の日々が始まるみたいになってるの? いっしょに住むの?
- 09 茜色の先 (採点:6)
- アカネコって名前から最初は猫かと思ったけれど、これはどこでどんな生物のお話なんでしょうか?
でも、分からない方がいいのかもしれませんね。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:8)
- 序文の引き込み方、読みやすい文章。とっても素晴らしい。
強いて難を言うなら綺麗すぎて毒がないことくらいですね。
- 11 準備 (採点:?)
- いや、せめていい話にまとめて欲しかった(笑)
自殺の準備ね。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:?)
- こう言っては失礼かもしれませんが、内容は特に用意しなくてもいいんじゃないかと思いました。
というか、多分、産業スパイだったというオチが気に入らなかっただけですけど(笑)
もっと明るくさわやかな締めが良かったなぁ、なんて。
おかげで、なんか中途半端というかもやもやした気分が残ったまま終わってしまったというか、哀しかったです(笑)
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:?)
- 読めなおせば読みなおすほど、自分の中の評点が下がっていってしまった不思議な作品。
それは何度か読んで余計に話がわからなくなることだったり、猫の悲惨な光景が浮かんで嫌悪感がしたせいからかもしれないし、主人公がどうにも中学生らしくないと感じてしまうことなのかもしれない。
まぁ、気の利いた言い回しで逃げるとするなら、宇宙みたいだから仕方がない、と言うことですかね。
文章の上手さとかでなら全く問題はありません。ただ、私にとってやや難解で気持ちよく読めない作品だった。そういうことでしょう。
作者予想は海老さん。
- 15 嫁嫁パニック (採点:8)
- 紹介文に惹かれて、一番最初に読んでみた。
おおお、いいねぇ。
や、今回3本投稿可能なので、自分も1本はこういうような、意味のないコメディっぽい話を書きたかったんですよ。
自力では書けなかったんですよ。
そんな求めていたものが目の前にあったので、書いてしまえる作者さんに嫉妬です、シット!
展開も予想通りなんですが、クスクスニヤニヤできました。グッジョブ。
- 18 じれ☆んま (採点:5)
- うわぁ、オチやられた! オチナイス!
少年、計算なのか知らないが危ない子!
- 19 猛スピードで触手は (採点:6)
- 終わっちゃった! こんなところで終わっちゃった!
と、最初は思ったんですが終盤を読み直してみるに……先輩が触手の本体だか親玉だか真の飼い主だかで、主人公を食べてしまったということなのかなと解釈しました。
そういう方向のオチじゃなくて、シュールなまま終わるかなと思って読んでたので、紹介文のようにこれからラブが始まるというとことで終わってるのかと最初は思いました。
インパクト及び変な状態を淡々と書かれていて良かったと思います、楽しかった。
先輩の反応がいくらなんでもおかしいよなぁと最初思ってたので、やっぱりこういうオチじゃないかなと思いました。
でも、オチはこっちで良かったのかどうなのか……
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:6)
- 意外と良かったです。題材はどうかなぁと思ってましたけど、雰囲気は出てました。
スラスラ読めて好印象。
- 23 不謹神話 (採点:4)
- >アニク様とナパ様の二人の戦いには必ずエラク様が介入
ここに意味があるのかと思って言葉を合体させてみました。
アニクエラクナパ……意味がわからないので、深読みしすぎたようです(笑)
はっ、それとも何か有名な外国語か人の名前か、何かの名称なのかしら!?
>子供に読んで聞かせたい、心温まるショートショート神話です。夜寝る前にホットミルクと共にどうぞ。
ちょ、ミルク吹くから!(笑)
>タイトル
ああなるほど、不謹慎ね(笑)
- 24 放浪鯨 (採点:10)
- とても良い。
文句なし。
良すぎて具体的な感想が書けないんですが、すいません。最高の評価をしています。点数で許してください。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:7)
- 食欲わかねぇ(笑)
口の中が物凄くまずい感じです。
オチはいい感じだと思いました。
どこかのブログで、一番の問題作と書かれていた気がしますが私もそう思いました(笑)
- 26 賢人の恋 (採点:8)
- あ、タイトルは人の名前だったんですか。
というわけで、内容は想像していたのと全く違いました。
さて、お風呂です。
こう、いっしょに風呂に入るというのはドリームというか良い幻想ですよね。
でも、これは互いに恥ずかしがるという過程があってこそのことなので、この作品はそれとは一風違い、主人公が精神的に耐えるというお話で、エロスはほとんど感じないわけですが。
抱き枕にされちゃうのも、つまり主人公の耐え忍ぶ姿こそがメインで合って、何が言いたいかといえば、お風呂に特化してないのが残念だということであり、私の好みなんざどうでもいいのに、何を書いているんだというお話です(?)
というわけで、普通に良かったんですけど、お風呂だったし。
でも、この風呂ドリームを満たす展開だったら、私は惜しみなく満点を差し上げたことでしょう。はい。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:5)
- 秘密基地っていいですよね。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:9)
- ああ。良かったです。はい。
良かった作品の感想って書きにくいですね……。良かった以外に言葉がなくて。
最初の老婆の話がぶっちぎりで良かったので、いくらつながりがあると言えど、場面が変わるんじゃなくて、一つの話にしていただけたら満点だったと確信しております。
- 34 Waltz #2 (採点:7)
- 文章がとても上手で読みやすく好みでしたが、ビール瓶で女の顔を殴ったのだけは個人的にいただけない。
それさえなければ、もっと高得点でした。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:8)
- あれ? これだけで、15000バイトもあるの?
ソースを見たら1行ごとにセンタータグを括ってる……意味がないですよ(笑)
ああ、面白かったです。私はこういうの好きですよ。アイデア勝利というか。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:6)
- むぅ。面白かったんですが、あと一声欲しかったと言うか、締め方に不満を感じてしまいました。
ラストの心の中で思ったことがアレで締められてしまうのは非常に残念です。
ここをちょっと変えるだけでも私の印象は違ったでしょうし、欲を言えば容量もありますからもう少し締めを書いて欲しかったです。
勿体無いラストだなと思いました。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:6)
- 紹介文に書かれたとおり、偽りなくpopだったように思われます。
ノリが軽快でスイスイと話が進んで行きますね。
バーニーさんのノリの良さが個人的には最高でした。
細かいツッコミどころもないわけじゃないのですけど、popということらしいので、そういうことは無視して感じたそれっぽさを評価させていただきます。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:?)
- 最後が気持ち悪かったです。そこは良いと思います。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- うわー、勿体無いというかなんというか。
設定自体は非常に興味深かったんですが、オチの方向性があまりにも安易だと感じてしまったのでちょっと残念です。
内容なんてなくても良かったような。そんな感じを受けました。
- 46 青空 (採点:5)
- 幸せな結末で良かったです!
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:7)
- むぅ。面白かった。
もうちょっと読みたかったなぁ。容量の壁なのか、計算どおりなのかちょっとわかりませんが。
- 54 彼女への笑顔 (採点:?)
- この容量にしてまとまっていると感じさせるのは締めのせいだが、逆に言えばここから始まるドラマは何もないんですか?
締めだけは綺麗だなと思いました。
実際にはなにやら説明してるだけで終わってしまった感じです。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:10)
- 全俺が泣いた。
- 56 飛べない鳥 (採点:10)
- うへぇ。すごい良かったです。
えがったです。えがったです。
- 57 夏を見逃すな (採点:9)
- ドグシャア
- 59 プルシャの後裔 (採点:7)
- 「帰るぞ」の辺りで、これは男の子ではなかったのだなと確信してましたが、それが解ったわりにはその先は面白いなと感じました。
喜劇のような悲劇のような女の滑稽さと、そこから語られる夫たちの人物像……そんな滑稽さが終盤は面白かったのだと思われます。
終わり方が意外と言うか、ディディカが死んでしまうのを書いて終わると思ってたので、ここらで終わらせたのはなかなか個人的には良かったと思いました。
哀しい中でもディディカは勘違いとは言えど、多少は幸福な気分を味わって死ねるのが唯一の救いですね。
女性がこのように扱われる世界観自体は好きにはなれませんが、序盤の説明でそういう世界だと自分に言い聞かせることができるくらいには上手く出来ていたと思います。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:9)
- 猫一倍にクスリとしてしまった(笑)
面白かったです。エリックがいいタイミングでくるベタ展開とかも好きですね。
にゃんにゃん♪
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- つまらなくはない(いい意味で)
けど、オチがよくわからないというか期待ハズレだっというかそんな感じです。
何か面白いことに気づいていないような気もするので気が向いたら解説下さい、作者さん
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:9)
- とても面白かったです。
- 67 純 (採点:5)
- まさに掌編と言わんばかりに終わってしまった。
どうせなら、もっと長く読んでみたい気がしないでもないです。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:8)
- な・ん・だ・こ・れ・は(笑)
頭悪すぎる、おかしい発言、説明もつっこみなしでスルーしすぎる(笑)
あんたら人の話とか全然聞かないタイプですよね。
でも、もうちょっと頑張れば(オチとか)さらに面白くなったと思います。容量をいっぱい使うとか。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:?)
- 全体の構成だけは面白いと思いました。
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:?)
- オチだけはとても面白かったです!
なんというか、容量の無駄使いを感じました。もっと短くまとめた方がよほど話が締まると思います。
序盤の会話はむしろない方がいいのでは? 話を盛り上げてもないし、キャラの個性が特別引き出されているだけでもないですし、世界観の説明にしろもっと上手くやれたのでは? 固有名詞も多く、唐突な感じを受けました。
もっと、しっかりと説明しちゃった方が良かったかも。
もしくは、いきなり現場のシーンでいいと思います。
失礼ながらオチ以外は全くおもしろくなかったんで、他にも作者さんには書きたい要素だったんでしょうけど、それを堪えて、もっとオチを活かすような流れを作ることが大事だったように思われます。
時系列順に並べる必要もないですしね。
見せ方を変えるだけでも印象は変わると思いますよ。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:10)
- 私、プロレス詳しくないんですが(深夜にテレビで何度か見たことありますけど)、読み終わったら、なんかすごい真剣に読んでたなぁと漠然と思いました。
それだけ、のめり込めたんだと思います。
その気持ちにまかせて10点を進呈します。この熱いエネルギーは悪くないです。
51作品目に読んだんですが、一番集中して読めたと思います。
- 76 シャーベット (採点:?)
- なんか、最近読んだマンガっぽい。
なんだっけ。モンスターだったかな。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:9)
- @
ううーん。
ううーん。
いや、なんというかタイトル的な部分は好きじゃないんですよ。ネットでサイト見てたりするシーンは。
でも、他の部分がなんというか超絶に好みで仕方ないんですよね。
で、今。何点付けようか物凄く悩んでいるわけです。
序盤と締めは好きなんですけど、あのネット徘徊シーンがどうにも、好きじゃない。
この話の仕掛け的な部分は好きじゃないんですよ。でも、このお話好きみたいな。どういうことだ。
@
- 79 ユメオチ「 (採点:5)
- タイトルが一番気になった。
内容は紹介文そのままだったし、タイトルもなるほど、だけど。
これではまるで「ユメオチくん」がしゃべっているみたいである。はっ、ケンイチの苗字はユメオチ?
なんというか、暗いオチじゃなくて良かったです(笑)
- 80 リング (採点:8)
- いいですね、青春! スポーツ!
楽しかったです。
- 81 ずっとずっと前から (採点:6)
- 正統派かどうかは私にはわかりかねますが、とても自然に読めました。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:?)
- なんか終盤怖かったです。
本当に笑顔のままハルに殺されちゃいそうで(笑)
そういうオチなのかと勘ぐってました。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:6)
- ううーん、惜しい。あと一歩欲しい。
締めに納得がいかない。
微妙に中途半端っていうか、もっとこう思い切り幸せな再会をするか、不幸な結末の方が良かったんじゃないかと思いました。
途中まで面白かっただけに残念です。
- 85 童話 (採点:?)
- 女の気持ちがよく分かる点だけは非常に良いと思います。
すげぇため息つきたくなりました。
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:?)
- まさに殺し文句……は良かったと思います。
オチに関しては、なんというかあのまま二人で死ぬよりは良いとは思うんですが、そこに至るまでの段階でこのお話に引き込まれなかったので、私にとっては活きていないという感じでした。
- 90 R・P・G (採点:?)
- えっと、ちょっとだけ面白いような、やっぱりそうでもないような。そんな感じでした。
- 92 神の子 (採点:5)
- まぁまぁ面白かったです。
- 93 妖精離れ (採点:1)
- タイトル的に期待してたのですが、私には読解力が足りないようです。
よくわかりませんでした。
- 94 Eternity (採点:10)
- くそ面白いなぁ!(くやしいじゃなくて、とてもという意味です)
子どもの頃みたような頭の悪いマンガみたいなノリがステキでした。こういう発想って今の自分だと出来そうにないので。
>天然にしろ故意にしろ、色々将来が楽しみだ
楽しみですね(笑)
でも、5歳くらいならそんなに変な願いでもない気がします。私でもやったかもしれない。
- 95 何かの間違い (採点:2)
- 嫌だなぁ、こんな妹。
正直、この仕掛けがやりたくて書いた話にしか見えず、キャラがそれに合わせて動いているという印象。
別にそれが悪いと言うわけではないけれど、それにしては不自然と言うか、キャラが話に合うような性格づけができていたかに疑問符が付きます。
兄が妹かわいさ故にあんななのは、まぁ違和感はあるけれども良いとしましょう。脳死の薬についてもとりあえずいいことにします。
しかし、妹がああいう行動に出る説得力みたいなものが感じられなかったわけです。理由はもちろん分かりますよ? 問題はそのために妹があそこまでしてしまう説得力が感じられないんです。
自分に兄の臓器が来ないと分かったときの心境ももっと色々盛り上げた方が良いでしょう。
これなら、ブラックな妹のたくらみが成功して「これでお兄ちゃんといっしょ、お兄ちゃんは私の中で(文字通り)生き続けるの」とか言わせたほうがよっぽどマシなオチだった気がします。
いくら話を考えても、キャラが見えなければ不自然に感じます。特に一般に普通の人間が「そこまでしない」と思うことに関してはやはり説得力がいるんじゃないですかね。と思いました。
- 96 走るッ! (採点:4)
- 意味わからないけど、端々で面白とこがないわけでもないのが困りものです。
- 97 やさしい猫 (採点:?)
- 何かが足りない!
というか、猫に部屋を与えるってのだけがどうにも違和感を感じた。
大家さんといっしょに住んでればいいじゃないですか。
- 98 足跡 (採点:?)
- うーん。題材自体は良かったんでもう少しがんばって欲しかった感じ。ちょっとオチは期待はずれでした。
3878バイトで収めると言う意味ではまぁ、普通にいいオチだとは思うんですが、じっくり書くか、もっと短くしてスピード感があれば印象が変わるような気がしました。
○霧島あると さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:3)
- なんと言うか読者を置いてけぼりな一本ですな。ラヴっつーかカオス。
主人公はなんか陽気なゴーストみたいな印象。結果後の解説を楽しみにしていますよ。個人的なポリシーによりこの点数をさしあげます。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:3)
- なんというアイロニカルなタイトルだ。
しかしこれくらいの容量の掌編はお手軽感があって読みやすいですね。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:4)
- 雰囲気は好き、なんですけど後半に行くにしたがって息切れしていく様子が見受けられます。その一点が惜しいかなと。
- 11 準備 (採点:6)
- 何の準備かと思ったら「そういう」準備でしたか。納得。
- 92 神の子 (採点:6)
- ゾクリときますねこういう話。割と嫌いじゃないです。
○木村 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:1)
- ヤマなしオチなしと言わざるを得ない。
- 02 寒太郎 (採点:6)
- 淡々と始まって淡々と終わっていってしまった感じ。
二人の関係を発展させる上での重要なピースがない、っていうのは単純に枚数の問題しれないけど。
少なくとも、いきなり出てきた「デート」というフレーズには結構違和感があった。
- 03 GONSHAN (採点:3)
- 具体的に何を読んでいけばいいのかを提示できていないと思う。
令嬢と明仁の関係性で引っ張っていくなら、嘘でもいいから恋愛なり友情なりを描いて欲しかった。
冒頭に書いた割には白秋の詞の扱いが空気過ぎる。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:1)
- 何を読めばいいのか判らない。
- 05 ウミに漂う (採点:3)
- ツナはいいとして、クラゲはどこに行ったのか。
最初に書いたことは情報価値として大きいので、それを踏まえた上で話を進行されるべき。
全体的にイベントが噛み合っていないというか、一本の話にはなってないと思う。
- 06 下手れ (採点:3)
- 冗長と言うか、内容としては、長い話の冒頭の一部分をぶつ切りにしたみたいになってしまっている。イベントが何も解決に至っていない。
16KBはなかなか微妙な容量であるけど、流石に納まりきらない事には、書く前に気づくべきだったのかも。
- 07 ある兄妹のある日常 (採点:3)
- やっかいな冷蔵庫メインで行くべき話だと思うんですが、飯を勝手に食う以外に何もせず、別段萌えもしない会話がだらだらと続いているだけになってしまっているのが辛い。
もっと冷蔵庫を動かして兄妹を困らせるべきなんじゃないでしょうか。
その上でこのオチなら納得する。
- 08 いつの日か栄光に満ちた自伝を書くための不快な備忘録 (採点:2)
- まず前提を説明して欲しい。ついでに、何が起こっているかも明確化して欲しいところ。訳が判らない。
- 09 茜色の先 (採点:2)
- 文章が頭に入ってこない。書いてある事があまりにも抽象的過ぎる。もっと具体的に。
【いま】とか、こういう柱書きみたいに頼るのも駄目だと思うし、ストーリー上で機能もしていないと思う。
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:6)
- 前半を読んだ時点で、魔法的な解決はないなとは思ったけど、蛍っていうのはちょっと意外性に欠けるかなぁ。
もっと驚くべきアイデアが欲しかった。そうすれば主人公の納得にも説得力が増すと思う。
- 11 準備 (採点:6)
- 読めそうで意外と読めなかったこのオチ。
でも身を投げた動機がわからないのが引っかかる。
それを仄めかす何かがあれば、よかったと思う。
- 12 人間の目にまだ見えない (採点:7)
- 構成が良いし、納得もした。
山口さんの有用性っていうか、その辺をもう少し大袈裟に書いてもいい様な気がしたけど、そうすると産業スパイっていうオチがあまり活きないかもしれない。難しい。
- 13 立入諌止地点 (採点:3)
- 通り魔の犯行現場が直線状に重なるっていう、アイデアはなんとなくいいかなと思った。構図として。
でもそれだけの状況を構築するための情報があまりにもご都合的過ぎる。
- 14 猫と祭りと夏の続き (採点:5)
- 謎ばかりが張り巡らされていて、肝心の解決に至っていない。
冒頭から何を主軸に読むべきか、その提示が遅いのも難点。
- 15 嫁嫁パニック (採点:9)
- 貴方のようないいからアホは、さっさと実家の村に帰るがいいと思います。
面白かった。
たまに、意図されたとは思えないタイミングで文章が繰り返されたてたのがちょっと残念。
- 16 手のひらの宇宙船 (採点:3)
- 宇宙船を拾ったはいいけど、その宇宙船を使って具体的に何をしているかが判らないし、最後出てきた彼女は一体何者なのかも解明されない。
曖昧な言葉ではぐらかされた気がする。
- 18 じれ☆んま (採点:7)
- まさに二段オチの手本みたいなショートショート。お見事です。
指示代名詞や接続語が増えてしまうのは、この手の一人称の宿命みたいなものかもしれないんですが、もう少し気を配ってもよかったかと思います。
- 19 猛スピードで触手は (採点:7)
- これはひどいwww一行目で死んだwww
まず世間一般における触手の認識を、大幅に間違っているところが素敵過ぎる。一体何を基準に「幼い」とか断定してるんでしょう? 主人公理解しすぎ。
作者は絶対病気だと思います。
ところでハートフルラブコメディとか言いながら、この陰惨なオチはどういう一体了見d(ry
他の文章は割りとはっきりと状況が書かれているのに、ここだけやけに抽象チックなのが気になる。
- 20 顔 (採点:7)
- ミステリーとそれに追従するサスペンスがいい感じでした。
童貞or一人っ子のくだりは、まあなんか駄目そうなやつだしそうなんだろうな、ってことで納得しましたが、このオチについての判断は結構に人による部分があるんじゃないかと思った。
- 21 雪見酒 (採点:4)
- 宿の設定は面白いと思う。それをメインにストーリーを作らなかったのか、疑問で仕方が無い。
- 22 テレフォンリング -Telephone Ring- (採点:2)
- 話が始まっていない。電話と周波数云々は一体どこへ。
- 23 不謹神話 (採点:7)
- この読後感はまるで、便所でカレーを食べたよう! 素敵!
でも、便とは関係ないところで話が終結してしまったのが残念でなりません。
最後まで便であって欲しかった。臭結でなければならないと思った。
- 24 放浪鯨 (採点:5)
- 見せ所は、ユーリが鯨になるところだと思うんですが、そこに至るまでの伏線がまったくないのはかなり痛い。
童話的と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど。
- 25 A manufacturing onigiri line. (採点:3)
- 話として何も始まっていなければ終わってもいないと思う。
そして書かれている業務内容も面白いかと言えば、さほど。好みもあるのかもしれませんが。
- 26 賢人の恋 (採点:3)
- 作者の好みはよく判った。
家庭の事情とか障害のこととか、最初に書いたんなら最後まで使って欲しい。
状況が何も進行していないし。
- 27 太陽と空の間にある橙 (採点:3)
- 別れに至るまでのドラマやプロセスが弱い。
女の子の正体もいまいち説明不足だし、秘密基地との結びつきも弱い。
- 28 腐臭 (採点:3)
- 父親の正体が判ってから何をするか、の方が重要じゃないだろうか。
正体の発覚自体にはそれほど驚きもインパクトもないと思う。
- 29 衛星軌道上のありす (採点:3)
- 話の中に変化が無さ過ぎる。
その状態で振り出しに戻されてもどうしろと。
- 30 はたらくぼくら (採点:2)
- ただ日常をやられても読む側は困る。
- 31 不確定性の彼女 (採点:6)
- 曰くつきの何かであっさり解決、っていうのは都合が良過ぎると思ったり。
二人の恋愛話と割り切ってしまえば気にはならないけど。
- 32 消滅した地球 〜alien cross road〜 (採点:3)
- シロッコ、シロッコかあ……。
それはさておき、全体的に世界の案内になっている感。ストーリーらしきものが見当たらない。設定も面白みに欠けると思う。
- 33 車輪つきベビーパウダー (採点:5)
- なんというシスコン。
最後の三行はなんかとってつけた感があると思う。そういう話だっけ?
- 34 Waltz #2 (採点:3)
- 何を読むべきか判らない。主人公のキャラクターもよく判らないし、彼を取り巻く環境にも個性があるとは思えない。
- 35 サプリメント (採点:5)
- 蛇足が本当に蛇足。改イメージ前までは、結構楽しく読んでいたのに、最後の本云々で台無しにされた。そんな取ってつけたようなハッピーエンドはいらん。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:1)
- どうしようもない。いろんな意味で。
- 37 二兎を追うものは一兎を逃す? (採点:5)
- 改行が長すぎる。白い、白いよ。
話としては可も無く不可もなかったと思うけど、もっと書くべきことがあったんじゃないかという気がしてならない。
- 38 まんぷくアリの行進 (採点:5)
- 童話っぽい。少なくとも、問題の解決手段を見る限りだと童話。なんだけど冒頭の主人公の境遇ややけに生々しくて、ちぐはぐな印象を受けた。
- 39 メガネとピエロのための漸進的狂想曲 (採点:2)
- 話の内容に統一性がなくて読みにくい。
- 40 ボクの日常、そして七夕とヴォーグ・モント・メンソール1 (採点:2)
- 本当に日常だった。もう少し面白みのある設定とか、アイデアがまず必要かと。
- 41 蜃気楼 (採点:4)
- それまで砂漠の横断を続けていて、尚且つ二日という事なんでしょうが、ちょっと絶望的な数字としてピンとこない。全体的に説得力に欠けている。
あと蜃気楼が全然話に関係ない。
- 42 SARUSAWA CHAINSAW (採点:3)
- 改行が少ない上に、情報がしっちゃかめっちゃかに飛び交いすぎて読みにくい。
物語として進行もしないてないし、終わってもいない。そもそも状況がよく判らない。
- 43 そしてお大事に,と殻人は言った (採点:5)
- 人間である必要が無いなら性別もないだろう、というのはなんか新しいディテールだと思った。
でも設定だけで、それが活かされる物語がなかった。
- 44 蟲毒 (採点:5)
- ただひたすら殺す話。方向として判りやすいほど判りやすいのはいい事だと思う。
ただ殺人の手法に対するディテールがおざなり過ぎる気がした。
まず主な凶器を包丁にはしないかな。殺しを書くなら、もっと殺しにこだわって欲しい。
- 45 八月水晶 (採点:5)
- 水晶についての観光案内じゃなくて、水晶を軸にした物語にして欲しかったし、そうあるべきなのではないかと思う。
なまじ身に余る価値がありそうなものだし、ドラマの作りようはいくらでもありそうだし。
- 46 青空 (採点:4)
- 恋愛成就に至る障害が何もない、あるいは弱すぎると感じました。
これがない恋愛話は大抵、単なるのろけ話になってしまいます。そして、のろけを好き好んで聞く人はあんまりいない(おれのような人間のクズは特に)。
彼氏が生きていたというオチも、膨大にある選択肢の意外な一本、というわけではなくて、予想されうるもののひとつでしかなかった。
安易に人を殺さなかった事は好感。雰囲気自体はよいと思います。
- 47 光学概論 (採点:5)
- ちょくちょく断絶とか、人と人の溝みたいなワードが出てくるけど、それが顕著に出ているのは冒頭の離婚ぐらいで、他ではそれを感じる機会がなかったのが残念。
- 48 佐竹、飛べ!! (採点:5)
- この手の話にはもっと大きくて致命的な壁や葛藤が不可欠だと思うのですが、それがなく淡々と進んでしまっている。
あと佐竹が大バカであることが、あまりイベントで書かれてないので、本当にそうなのか判らない。
- 49 ゆりかごの歌 (採点:6)
- ママが機械である必要性はあると思うんだけど、行動がそれに伴っていないし。人間と機械の決定的な差をもっと大袈裟に書くべきじゃなかったのだろうか。
機械から遺志のようなものを受け継ぐ、っていう構図は面白いと思う。
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:3)
- 設定が大きすぎるし、その設定にも魅力が感じられない。
- 51 野辺送り (採点:5)
- シュチエーション、と言えばそれまでなのかもしれないけど、それ以上の感想を出すのが難しい。
障害になりえる要素は全部時が解決してしまっているし。
ホント困った。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:3)
- なんとなく彼女が現れて、なんとなく消えて、主人公は特に何もしないまま、未練がましいだけ。
話の中で何がやりたいのか見えてこなかった。
- 53 体育館を燃やす (採点:3)
- タイトル通りそのままな内容。そのまま過ぎて拍子抜けした。
燃やす人間がもっと強烈な個性と動機を持っていたら、面白くなったと思う。
- 54 彼女への笑顔 (採点:3)
- 問題はあるけど、そこから先を思いっきりぶん投げられてしまった感じ。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:3)
- 乙一の有名すぎる短編があるため、どうやってもこのネタは比較されてしまうと思います。その上、さらに結末に納得が出来ないとなると、必然的に評価は下がります。
感情を通す力技の展開よりも、具体性のあるものの方が、やはりストーリーとして美しく見える。
植物状態の父が何に対してありがとうだったのか、特にそのへんの説得力に欠ける。
- 56 飛べない鳥 (採点:5)
- 童話、って言われてしまういかんともしがたい、っていうのが正直なところです。
- 57 夏を見逃すな (採点:2)
- メインになる話が無いし、それ以上にどこを読ませたいのかも判然としない。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:2)
- 抽象的な文が多すぎて混乱する。
タイムスリップあれこれ以前に、ゆうちゃんって結局誰でどういう存在なんだっていう。
- 59 プルシャの後裔 (採点:2)
- ただバッドエンドに向かうのは、古典でもうお腹いっぱい。
バッドエンドが駄目というわけではなくて、そうするならそれなりの意味か仕掛けが必要かなと。
少なくとも、普通なら及びもつかない理解や、傷口に毒を塗りこむような絶望的仕掛けもないまま終わってはいけないと思う。
バッドエンドが嫌われる時勢でもあるので、厳しめです。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:6)
- 大まかな流れがいいだけに、プロセスがやたらぶつ切りになっているのが気になる。
あれから〜、っていうフレーズが文節の頭に何回か登場するのも、文章として安易すぎるかな、と。
- 61 缶コーヒー (採点:3)
- めぼしいイベントも無く、思い出話に終始している。
せめてここをメインに読め、的なものは提示して欲しいと思う。
- 62 5人以内のごろつき (採点:4)
- 話としては判るけど、五人以内のごろつき、っていうフレーズが機能していないのは、マズイのでは?
後最後の一文は一体どういうつもりだったんだろう。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:3)
- 確かに全編通して負けているんだろうけど。
もっとイベントやアクションが欲しい。ただツアーだけして最後自己完結ではちょっと辛い。
- 64 花盤 (採点:5)
- 引きはよかったけど、最終的にエロなのかと思って、がっかりしていいやら喜んでいいやら。難しい。
- 65 ハイブリッドアンビエント (採点:6)
- 判りやすい、っていうのが美点になっていると思う。
据わりがよい。けど、もっと冒険があってもいいとも感じた。
- 66 サルベージ (採点:5)
- 水に落ちてから、いきなり話が見えなくなった気がする。
主人公に起こった現象がなんだったのか、もう少し説明がないとちょっと納得出来ない。
- 67 純 (採点:5)
- 好きになる努力をしながら最終的に放棄する気満々って。考え方としてはそうなんだろうけど、ここは一つ主人公には道を踏み外して貰った方が!
両者のリアクションがあまりにも淡白な気がする。
- 68 七夕 (採点:2)
- まず読みにくい。改行が皆無な話で、あれやこれやと話題を変えられると、ついて行けない。人称や文法も所々おかしいし、話としての引きも弱いと思う。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:1)
- いつの間にか終わっていたらしい、というのが正直な感想。
ありきたりをありきたりで塗り固めて、終わりはこじ付けみたいな伝承、ってそれはないよ。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:1)
- どこかで聞いたような事を長々と書かれても、読む側は困る。
ひっくるめて理論というのは、物語の構造のピースとして使われて機能するんじゃないだろうか。
- 71 幸せの処方箋 (採点:5)
- アイデアはいいと思う。でも所々、観測云々に関らず捻じ曲げられている気がした。成立させるにはもっと膨大な文章量と、イベントが必要ってことかと。
- 72 雨の日の忘れ物 (採点:2)
- 主人公の中で何が解決して、最後に至ったのか判らない。
ストーリーとして成立していないと思う。
- 73 あかんぱにい (採点:1)
- なんだってー
- 74 ヴァンパイア狩り (採点:2)
- いくらなんでも設定がでかすぎるし、デビルメイクライがアニメ化した今、この手の話をやられても今更という気もする。
- 75 ムーンサルト・ブルース (採点:8)
- 頭の中に組長という言葉が過ぎりまくったり。
この枚数で、これだけ戦い≠ェ書けるもんなんだと、素直に驚いた。
そしてとにかく勢いがいい。
専門的な用語と常識の乱打で、話の全体像がぼけてしまってる感はあるけど、面白かった。
- 76 シャーベット (採点:5)
- 全体の流れは良いなあ。最後のあやふや感も、雰囲気にあってる。
日下の立ち位置はどうだろう? 彼女次第でもう少し話が盛り上がった気がする。
- 77 ナイチンゲール・メール・サービス (採点:4)
- オチが読める上に、いろいろ電車男。
ネット上の掲示板はネタとして使いに使われすぎてて、メインに持って来るのはちょっと厳しいと思う。
- 78 音響室B (採点:3)
- 流れ的に涙の理由は知りたいでしょ、常識的に。
音響室である意味がないっていうか、何故AとBを用意する必要性を感じない。教授が書きたいなら、音響室じゃなくて教授を最初から出すべき。
- 79 ユメオチ「 (採点:7)
- この発想は無かった。オチもよいと思う。
この発想は無かった。いや、ホントにこの発想はなかった。
- 80 リング (採点:3)
- 試合は途中で切れているし、主人公とヒロインの関係も平坦なまま。巧って一体どこから出てきた? など、読む上でいろいろ混乱した。
- 81 ずっとずっと前から (採点:4)
- ただの恋愛は物語にはならないっていうか。ある一点で絶対人からは理解されない条件が必要。そういう意味でベタ以上の感想が出てこない。
- 82 あまいあいまいなあいまに (採点:3)
- 百合なだけで、ヤマがないしオチもない。
- 83 変わった趣味の男 (採点:4)
- 一体何が起こっているのか、明確な説明が無さ過ぎる。ストーリーらしきものも見えないし。でも男の趣味は異様に面白かった。
- 84 ちかちゃん、甘えんぼ。 (採点:5)
- いかにもアナクロなオタクが出てきたときは、壮大に吹いた。
話の構造自体はオーソドックスっていうか、もう少し捻りがあってもいいと思った。
甘える、っていう行動に対する意味の言及も欲しかったところ。
- 85 童話 (採点:3)
- 何かを残す事と、その意味について何かがメインテーマなのは、なんとなく判る。
けど、そういうのはストーリー上で意味のある形で乗ってこそ、粋があるものなんじゃなかろうか。
この童話を乗せるべきストーリーを、放棄したようにしか思えなかった。
- 86 NEET (採点:4)
- 出てくる人が全員素直すぎて、胡散臭い話になっている。
話にもっと障害を儲けるべきだと思うし、このままじゃニートである必要性がない。構成もちょっと弱い。
それにしてもニート。ニートか……orz
- 87 黒揚羽と蜜柑の花 (採点:4)
- なんという百合小説。
それだけで内容らしいものはないけど。
- 88 探偵は誰だ? (採点:7)
- タイムマシンネタのはずなのに、タイムマシンはありません、とはっきり言われてしまった気がするw
おおよそ仰るとおりなんですけど、なんて夢も希望もない話だ。けしからん。
- 89 午睡 (採点:4)
- 映画のメメントをなんとなく思い出した。
でも全体的に冗長。誰かの悲劇として書くなら、主観的な感情より環境を重視して書いたほうが意外と上手く行った覚えが。
後文章。接続語、指示代名詞もそうなんですが、何より主語が多すぎるのが気になった。もっと削れる。
- 90 R・P・G (採点:4)
- 魔王を数人がかりでフルボッコにした挙句、他の魔物は完璧スルー、というこの一点が異様にツボだった。
でもヤマもなければオチもないし、神視点を逆手に取るアイデアも弱い。
- 91 鈴の音 (採点:6)
- 主人公がロリコンである事(或いはロリコンではないかという疑い)について、もう少し悩んだ方が話に厚みが出るように思う。
後、季節を夏に限定したのと、キーアイテムに鈴を使った意味があまり感じられなかった。
母親がやけにいいキャラなのに、その後出番がなかったのが残念。
- 92 神の子 (採点:3)
- なんというか、観光案内という感じがした。
設定だけで物語としての進行がなされていないと思う。
- 93 妖精離れ (採点:1)
- もう少し考えて書いたほうがいい。
- 94 Eternity (採点:5)
- 彦星の腐った思考で妹が誕生、でも次の瞬間にはあれほど強調した妹という設定の必要性を完璧に無視して魔法少女ものを初め、世界法則をギャルゲー的に捻じ曲げた挙句、最初に振った幼馴染の関係は何となくうやむやに。気がついてみれば七夕を使った意味があんまりない。
でもなんか妹だったら何でもいいや的なアレは感じたので、それに乗ってみることにします。
- 95 何かの間違い (採点:5)
- 話の構成としてはよいのではないかと。
ただディテールついて、あまりにもあんまりな部分が多いのが気になる。
- 96 走るッ! (採点:2)
- とにかく突っ走る、という話の方向性自体は好きなんですが、話として何も始まっていないし終わってもいないと思います。
何回か読み直したんですが、話が中盤を過ぎた辺りから、本当に何が書いてあるのか判らない。
- 97 やさしい猫 (採点:7)
- 良いと思う。構成のバランスが安定している。特に女とカナエの重ね方が特に。
気になったのは文章。
一人称なのにたまにカメラがおかしくなった(これは気のせいかも)り、同じパターンの文を繰り返していたり。ちょっと残念。
- 98 足跡 (採点:3)
- オチに至る伏線がないっていうか、そのオチもなんか曖昧だし。
ショートショートはプロットと情報の明確化が全てだと思うんで、ちょっと厳しい。
- 99 繋がっているものたち (採点:4)
- いじめの解決法がとにかくおざなりっていうのが気になった。
後はなんかありがちな群像劇っていうか。中学生日記っぽい。
○矢沼 円騎士 さん
- 01 スーパーラブストーリー (採点:5)
- よくもまー、恥ずかし気もなく出しますねw
- 03 GONSHAN (採点:7)
- 一生懸命書いてるのは伝わってきますが、日本語の使い方の誤りなど、背伸びした感じも同時に伝わってきます。
とはいえ、全体としては好感です。今後も頑張って下さい。
- 04 君は無口で、残酷 (採点:5)
- はぁ…
- 06 下手れ (採点:6)
- タイトルと説明に、作者さんの逃げを感じます。
青臭い作品を習作で書いたつもり、と言いたいのでしょうが、
習作だからこれでいーや、という投げやりさはいただけません。
- 15 嫁嫁パニック (採点:8)
- あほだw
- 21 雪見酒 (採点:8)
- なんかあほだけど面白かった(笑)
- 28 腐臭 (採点:9)
- 現代のトレンドをよく咀嚼してある作品ですね。その意味で極めてハイレベル。
9点としたのは、物語の展開をもっと、ありがちから離れたものにできるかもしれない、という個人的な期待を込めてです。
こういう作品こそ1位を取ってほしい。
- 36 もし人生が一篇の掌編だったら (採点:7)
- アイディアだけで笑ったw
- 62 5人以内のごろつき (採点:5)
- 適当に殴り書いた、以外の意図が作者さんにおありでしたら、ぜひ拝聴したいものです。
- 68 七夕 (採点:1)
- 勘違い乙
- 79 ユメオチ「 (採点:10)
- 最高でした。
- 90 R・P・G (採点:10)
- 神作品w
- 95 何かの間違い (採点:5)
- 自分が使ってる言葉の意味くらい調べなさいよー。
文章を書く以前に、色々と経験してください。
- 98 足跡 (採点:6)
- ハナからネタだけで勝負してるんだから、
ネタそのものはもう少し工夫できたんじゃないかな。
○涼末 さん
- 03 GONSHAN (採点:4)
- 引用がいまいち活かしきれないまま終わってしまったのは、やっぱり状況把握と心理描写の足りなさによるところなのかなと思いました。二人のやり取りは優しく雰囲気がいいものだっただけにそこが残念でした。
- 06 下手れ (採点:5)
- ポップなセンスが光る文章でした。この駆け抜けるような心地よさがよかったと思うと共にどこかでもう少し歯止めをかけてもよかったんじゃないかなと思いました。駆け抜けることで主人公が気持ちを誤魔化していることを表すという意図もあったとは思いますが、どこかでもう少し仕掛けがあったらさらに面白かったです。
○鈴木このり さん
- 10 魔法使いのいた夏 (採点:3)
- 女性の名前の読み方に迷った。少しだけひっかかる。
あと主人公の彼女に対する気持ちと、彼女の主人公に対する気持ちのやりとりを
もう少し動作に散りばめてもよかったのではないか。
夏の思い出に全て頼っちゃっているようで、最後に残る印象が薄くなっている。
もったいない。
○梔子 さん
- 50 少女暗殺者とオルセイユの悪夢 (採点:採点なし)
- 文章が格好良かったです。ただその装飾への力の入り具合が、読み易さとか理解しやすさとか読み手へむけた気遣いが若干おざなりになってしまった感がありました。
- 51 野辺送り (採点:採点なし)
- 話の主眼が非常に明確で、その部分に対する構成は良かったように感じます。読了感も良く、二度読み直して全体の流れじみたものを感じ取ることが出来ました。
- 52 夕焼けに彼女はいない (採点:採点なし)
- 情緒深い話でした。中盤から後半の畳み掛けの描写が自分には好みだっただけに、冒頭の一行のよくある惹きの一行的手口は逆に要らなかったのではないかという気がしました。
- 53 体育館を燃やす (採点:採点なし)
- 胸を突くようなお話でした。現役学生から遠ざかった世代が好んで書く時代風の描写や字句は狙っていたのかわかりませんが、一昔前の角○文庫にありそうな空気がささやかな完成度に花を添えていたように感じられました。
- 54 彼女への笑顔 (採点:採点なし)
- 短さの中に読ませ所と、遊びを混ぜている文章に書き慣れた人の文と言う印象を持ちました。秋桜とかバルサミコ酢とかが脳裏で被ってしまう自分のような読み手には楽しさが勝りました。
- 55 時は過ぎてしまっても (採点:採点なし)
- 話そのものは明快なのにタイトルが難しく、何度も読み返しました。赤ん坊という生の象徴を以って、生きているという答え。そして声という一つの象徴の使い方に味がありました。
- 56 飛べない鳥 (採点:採点なし)
- 非常に素直なお話。何かを考えるのではなく、ただこの鳥の寝顔を思い浮かべてこちらもまた静かに浸りたい、そんな気分にさせてくれるいいお話でした。
- 57 夏を見逃すな (採点:採点なし)
- 冒頭の肩揉みのツッコミ付近でどっちがどっちか判りにくく感じました。と同時にこの文章全体もどこにどれを持っていきたいのか流れが掴み辛く、深読みし難いものになっていたように思いました。
- 58 夏の扉を開けて時を駆け抜けていく少女のきのうとあした (採点:採点なし)
- テキストとしては作りと狙いがとても面白かったです。下手な慰めの言葉よりそんな話を持ってきてくれる親友の言葉としても個人的には、素敵だと思います。
- 59 プルシャの後裔 (採点:採点なし)
- 某カルト教団バッジの名称でもあることなど、作品を包む奥行きの構図に巧さを感じました。
- 60 黒猫侍・片牙小太郎 (採点:採点なし)
- 猫視点の猫世界物語は珍しくはないものの、こういう公開の場に出して揶揄を受けない堅実な出来でした。もう少し長い話でも書けたでしょうし、力量を感じます。
- 61 缶コーヒー (採点:採点なし)
- 時の流れへの時間とその感情を表したカタチとしてのタイトルとその小道具として使われている缶コーヒーの出しどころは良かったように思います。もう予備段階のような掛けた一節があると尚良くなる気もしますが使いどころが難しいですし。
- 62 5人以内のごろつき (採点:採点なし)
- 思いつきと勢いだけで書いたように感じられ、そう感じられること自体で損を受ける印象を持ちます。5人の人数に何らかの意味を持たせるとか嘘でも何でも仕掛けをすることで深読みが発生しやすいのですが。
- 63 貴方に勝ちは似合わない (採点:採点なし)
- 形の一つ一つ異なる憧憬を一人一人に向けているような雰囲気を感じました。人の光景を拾おうとして結局は自分の手しか掴み取れないズレを示したかのような構図は印象に残りました。
- 64 花盤 (採点:採点なし)
- 主文以上に無描から感じ取れる意味合いが重く、作品を支えているように思えるのは考え過ぎなのかも知れません。時折覗かせるともすれば陳腐じみた表現使いが味を出していました。
- 67 純 (採点:採点なし)
- 読ませたいものを絞って読ませたという作品で、題字と共に深い印象を植えつけてくれました。ただ若干その傾向に傾斜し過ぎている向きもあり、曖昧な表現で申し訳ないのですが話の摘み食いという印象も。この話の前も、この話の後も存在しそうに読めて、頁を捲らなくていいのかという気になってしまいました。
- 69 神の子と魔女の子 (採点:採点なし)
- 単純にウケ狙いなのか、携帯小説などの風刺なのかイマイチわからなかったのですが、どちらにしろ寒々しさを払拭させるようなものが感じられず残念でした。
- 70 ばべるの図書館だより (採点:採点なし)
- 構成と趣旨を練って造られたお話で、アイディア以上に主文の重みが内容を際立たせているように思いました。逆にネタ部分が読み取りにくさに繋がっている感もあるのですが、極めて味のある作品だと思います。
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